| {"novel_id": "n0009fk", "chapter": 10, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0009fk/10/", "title": "決戦準備", "content": "「んあぁぁっ!」\n キリエは腹部に力を込めて、腸内からディルドーを吐き出し、座席からゆっくりと立ち上がる。既に正面の扉は開いているのでそこから退出する、とすぐに整備員達がタオルを持ってやってくるので軽く礼を言いながらそれを受け取る。\n ふと振り返ると、狭いコクピットの中を窮屈そうにしながら整備員達がじっとりと湿った座席を掃除している。そこに飛び散った汗、愛液、腸液と区別がつかない大量の大量が目に入り、思わず顔を真っ赤にしてしまう。しかし整備員たちはそんな彼女の様子を特に気にすることもなく、淡々と清掃作業を進めていく。\n 恥ずかしがってしまったことそのものが恥ずかしい。いっそ堂々とごく当たり前のことであるかのように振る舞えればまた違うのだろうが。その気恥ずかしさを覆い隠すように慌ててタオルで顔を拭く。\n さっぱりとしたところで、手をひらひらさせながら通路をこちらに向けて歩いていくるマインに気が付く。\n「調子よさそうね、キリエちゃん。やっぱりディルドーを長くして正解だったみたいねー」\n「う……」\n いかにも楽しそうなマインの視線を受け止めきれず、キリエはサッと目をそらす。実際先ほどの起動実験は今までになく駆動鎧と同調して動くことができていた……が、それが結腸口までも責め立てる新しい長大なディルドーのおかげであるとは認めたくなかった。\n(そんなことを認めたら……またさらに責めが激しくなるかもしれないじゃないですか!)\n キリエは内心震え上がる。現状の長さでさえ、第二の肛門たる結腸を重く深く抉り取ってくるのだ。最初の挿入だけで絶頂してしまったことは死んでも知られたくない。だが、おそらくマインはそれを知れば嬉々として新たな責め具の開発に乗り出すだろう。\n「……どうやら現在の長さが理想的なように思います。げ、現状ではこれ以上の改良は不要かと……」\n「そうかそうか、キリエちゃんはあのディルドーが気に入ったかー」\n キリエの言い訳じみたブツブツとした弁明はさらりと流し、マインはニヤニヤと笑う。\n「機体自体の性能は現行の技術ではあれが限界だからねー。と、なるとあと考えるべきはいかにしてパイロットとの接続を効率よく行えるか、ということなんだけど……」\n そして唐突に真面目な顔になると何か思案を始める。\n「……向こうのチームはそのあたりどういう風に考えているのかしらね」\n「残念だが、私の立場的にそれを教えるわけにはいかないな」\n と、そこにバウゼンがやって来て声をかけてくる。\n「あぁ、司令官。いらしていたのですか」\n「あちらの見学が終わったのでね。こちらの様子を見に来たのだが……どうやら丁度終わったようだな」\n やや残念そうにバウゼンが口にする。\n「それで『教えるわけにはいかない』とはどういう意味ですか?」\n「そのままの意味だ。今互いの研究棟を行き来できるのは私だけだからね。公平を期すためにも情報を漏らすわけにはいかないだろう? もっとも、私には詳しい仕組みはよくわからないがね」\n とバウゼンはおどけたように肩をすくめる。\n 現在タークたちは訓練所の外れにある倉庫に閉じこもって研究と訓練を続けている。当然、マインたちは立ち入り禁止だ。そう思えば相手方の情報は極めて貴重だとも言えるが……\n「肩入れしてもらって勝つつもりはありませんわ」\n「そう言うだろうと思っていた。ちなみにイレン軍曹も全く同じことを言っていた」\n ライバルが自分と同じように考えている、と知ってマインがピクリと反応する。\n「とはいえ、このまま去るのも味気ないので一つだけ言っておこう……このままなら、恐らく君たちは負けるだろうね」\n「……それはリーシャ伍長の操縦技術がキリエ少尉より優れているから、という理由ですか?」\n「いや、そうではない。訓練風景を直接見たわけではないが、恐らく既にキリエ少尉の操縦技術はリーシャ伍長のそれに追いつこうとしているのだろう?」\n そこでバウゼンはキリエの方に視線を向ける。\n「君はそういう人間だ。人より劣ったところがあるならば、それを上回る努力で乗り越えようとする、理想的な軍人だ。……それを踏まえた上で言っているのだよ。君たちではイレン軍曹の駆動鎧に勝てない」\n ハッキリと断言するバウゼン。流石にキリエもムッとした表情を隠せない。\n「それはどういう……」\n「理由まで教えたら公平じゃないだろう? 助言できるのはここまでだ」\n キリエの台詞を遮り、バウゼンは楽しそうに言う。\n「私はどちらが勝っても構わないが……どちらにも全力を出してもらわなければ困るんだよ。精々発破をかけさせてもらうのが私の役割さ」\n そしてバウゼンは楽しそうな足取りのまま去っていく。\n「……あぁ、そうそう。キリエ少尉、これは任務とは関係ないのだがね」\n と、そこでピタリと足を止める。\n「リーシャ伍長と多少でもいいので仲良くしてやってはくれないか。見ての通り彼女は少々一般的な軍人というラインからは逸脱しているのでね……同年代の同性の軍人の友人をできれば用意してやりたいのだ。無理に、とは言わないがせめて世間話程度はできる仲になってもらいたい」\n\n ◆ ◆ ◆ ◆ ◆\n\n「…………気が重い」\n 日もとっぷりと暮れた頃、キリエは重い足取りで寮の廊下を歩いていた。\n とりあえずあの後の訓練は不機嫌になったマインが、「さらなる開発研究を進める」とか言って私室に戻ったのでうやむやの内に終わった。自主訓練(という名のアナニー)もほどほどに、夕食を終えたキリエがこんなところを歩いているのは当然バウゼンの言葉が理由だ。\n「……別に嫌いじゃないですけどね。でも仲良くなるには複雑すぎる間柄でしょう」\n キリエからすればリーシャは特別嫌いなタイプの人格ではない。少々気疲れしそうではあるが、悪人ではないのは見て取れるし友人として付き合えばそれなりに楽しそうな相手である。\n ただ、命令……バウゼンは命令ではないと言っていたが実質命令とキリエは認識していた……でもなければ、仲良くするのは到底無理な間柄である。\n よって忠誠心と感情の狭間でキリエは悶々と悩み廊下をとぼとぼと歩いているのであった。\n「……ハァ」\n 悩んでいても仕方ない。気が付いたらリーシャの部屋の前に来ていた。キリエは覚悟を決める。\n 彼女自身はあまり参加したことはないが……これは同じ士官学校の女性訓練生たちが時々やっていた「女子会」とか言う奴だと思えばいいのだ。ちょっとお菓子とか持ち合って、消灯時間までベッドのそばで駄弁るだけのイベントだ。ここは一つ互いのしがらみとか忘れて楽しんだ方が得というものだろう。\n「リーシャ伍長、私です。キリエ少尉です。少々お話したいことがあって……」\n 仲良くなるには硬すぎる口調かな、とも思うがこれ以外の話し方などしたことがない。こういう時は軍人としての教育しか受けていない自分が恨めしくなる。\n「……リーシャ伍長?」\n 何度かノックするが中から反応は返ってこない。否、微かに何か声が……\n(呻き声……? 苦しそうな……まさか……!)\n 誰も知己のいない一人部屋の中、ベッドに倒れ伏して苦しんでいる少女のビジョンが脳裏に浮かびキリエの顔がサッと青くなる。しがらみがどうのと言っている場合ではない。人として今すぐ助けなければならない状況だ。\n「リーシャ伍長!」\n 何かあった時のため、基本的に寮の部屋に鍵は取り付けられていない。キリエが全力で押すと扉はあっさりと内側に向けて開く。そしてその中では……\n\n「んにゃあああぁぁぁ! もっと、もっとッス! もっと奥まで入れて欲しいッス!」\n\n リーシャが全裸になって仰向けになったタークの上で腰を振っていた。\n「……は?」\n「おや、君は……キリエ少尉だったかな? 人の部屋にノックもせずに入って来るのは感心しないな」\n タークが例によって感情の読めない表情で淡々と告げる。当然のようにそのペニスはリーシャの肛門に突き刺さっているのだろう。\n「いえ、あの……一応ノックはしたのですが……」\n「ふむ、少々夢中になり過ぎたか。すまなかったね」\n「いや、あの、こちらこそ……」\n「待っていたまえ、今立ち上がるから……」\n「んあはぁっ、ちょ、ちょっと……」\n タークがリーシャを押しのけると、ズルリとその腸内から屹立した男根が姿を見せる。それに抗議するリーシャを無視して、タークが立ち上がったことで、キリエの眼前にそれが遮るものなく晒される。\n リーシャの腸液に塗れた肉棒を余すことなく目に入れてしまったキリエの顔から血の気が一気に引く。\n「し、失礼しましたぁっ!」\n キリエは慌てて扉を叩き閉め、ダッシュで廊下を駆けて行った。\n「……一体なんだったのだろうな。班長が変人ならパイロットも変人だな」\n「い、行っちゃったならぁ、続きを、早くぅ……」\n 周りも見えていない様子のリーシャがタークをクイクイと引っ張って懇願する。その可愛らしい様子を見てタークが微かに微笑む。\n「……そうだな。こちらの方が今は重要、か」\n そして改めて嬌声が響き渡った。\n\n ◆ ◆ ◆ ◆ ◆\n\n(無理無理無理無理! あんなの絶対無理!)\n とんでもない速度で自室に飛んで帰ったキリエは、ベッドの上で毛布にくるまってガタガタと震えていた。\n いまだに両目に屹立した男の凶器の光景が焼き付いて離れない。アレを思い出す度、背筋がゾウっと冷える。\n(も、もしターク軍曹が開発の主導権を握ったら……)\n パイロットから外されるならまだマシだ。だが駆動鎧を動かせる人材は極めて希少である。外される可能性は低いと見た方がいい。つまりそうなったら自分もリーシャと同じ訓練を受けることになるわけで……\n(ダメダメダメ! 器具による肛門開発でも限界なのに、その上男に抱かれるなんて!)\n いまだにキリエは男と付き合った経験などない。というより、生来潔癖症気味なこともあって、男性への苦手意識の方が強かった。訓練とはいえ好きでもない男とアナルセックスするなど、到底耐えきれなかった。\n つまるところ、キリエがわざわざ勝負を申し出た理由の大半はそれだった。単にマインがタークの下に着くだけならまだしも、現在一蓮托生状態のキリエまで間違いなくそれに巻き込まれてしまうのである。\n「このままターク軍曹の下で訓練を受けるなんてそれだけは御免です……!」\n 動揺も過ぎ去りベッドの中でキリエは決意を新たにする。同じ訓練ならマインの訓練の方が遥かにマシだった。\n そのためには、今度の勝負に絶対に負けるわけにはいかない。\n キリエはただそれだけを思いながら眠りにつくのであった。", "afterword": "2か月ぐらい空いてしまいましたが、右手もぼちぼち治って来たので、時間を見つけて書いていきます。"} |
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