| {"novel_id": "n0010fm", "chapter": 45, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0010fm/45/", "title": "44話:いなくなったミキ 2", "content": "僕がミキの家に向かい、加奈子さんと会った時、加奈子さんは警察から帰ってまだ10分程度しか経っていないようだった\n\nそのたった10分で、加奈子さんはミキが帰ってこない恐怖と、警察でミキの失踪が不良少女の家出のように扱われた事への怒りでぐちゃぐちゃな感情を持て余し壊れかけていた\n\nそんな状態の加奈子さんなので、僕を見るなり抱き着いてきて涙腺を崩壊させて泣き崩れるのは当然のことだったのだ\n\n「雄馬君、雄馬君、ミキが、ミキがどこにもいないの、どうしよう、どうしよう、ミキがいない生活なんて無理だよ、寂しいよ、寂しいの、ミキを見つけてよ、警察は遊び惚けてるんじゃないかなんて言って少しも親身になってくれないのよ」\n\n「ヒッ、ヒッ、ヒッ、ヒッ、ヒッ、ヒッ」\n\nそう言って泣き崩れる加奈子さん\nこんなに赤裸々に感情を吐露する加奈子さんは初めて見る\n母親の愛情は海より深いって言うけどその通りなんだ\n\n「加奈子さん、ミキのことだからひょっこり帰ってきて、『なにミキの心配なんかしてるの、可笑しいっしょ、此処はミキの家なんだから、帰ってくるに決まってるっしょ』とかしれっと言うんだよ\nだから、心配なのは解るけど、信じて待とうよ」\n\n「でも、ミキが心配なの、待つしかないのは嫌なの」\n\n子供のように感情を吐露しる加奈子さん。そんな加奈子さんの嘆き方は母親が子供を求めると言うよりも幼い子供が母親を求める姿に見えた\n\n「僕たちも心当たりは探し続けるから\nそれに、警察だってちゃんと話せば探してくれるよ、明日もう一度警察にお願いに行こうよ」\n\n「雄馬君、ミキを探してくれるの、警察も一緒に行ってくれるの?\nミキが見つかるまで加奈子の側にいてくれるの?」\n\nうわ、最後に痴れっと面倒くさいお願いが入ったぞ\nこれは誰かの縋り付かないと精神の均衡が保てない状況か!\n\n「うん、加奈子さん、ミキを探すし、警察も一緒に行くし、今日はこの家に泊まるから」\n\n「約束だよ、約束だからね、雄馬君」\n\n僕にしがみ付き、僕を抱き枕のように離さない加奈子さん\n結局、その晩の加奈子さんはずっと僕にしがみ付いたままで、僕は腕を加奈子さんに掴まれたまま一緒にお風呂に入るしかなく、その後も一緒のベッドで寝ることになったのだ\n\nその間、加奈子さんはずっと泣き続けていて、僕に甘え続けるので僕は加奈子さんがしがみつくままにさせておいたのだ\n\nそれはベッドに入っても変わらずでずっと僕を抱きしめようとするので、僕も加奈子さんを抱きしめて寝付くまで頭を優しく撫で続けた\nそして加奈子さんの耳元で、『大丈夫だから、ミキはすぐに帰ってくるから』と根拠も無く囁き続けるのだった\n\n翌朝も、目を真っ赤に腫らしたままの加奈子さんをなだめて、僕は学校に向かった\nミキと同じ駅から電車に乗りそうな生徒に、ミキが失踪した日に電車に乗るのを見なかったか確認するために\n\nそして、幾つかのクラスを回って、ミキが乗るのと同じ電車に乗った生徒にミキを見なかったかと尋ねたが、ミキを見た生徒はひとりもいなかった\n\n警察にも加奈子さんに付き添って行って、ミキが失踪していること、ミキは無断で外泊をする習慣はなく犯罪性がある失踪であると考えていること、家を出たが学校に向かう何時もの電車に乗った痕跡が無いこと、などを力説し捜査をお願いした\n\nでも、警察は犯罪性を結論づけるには根拠が薄いこと、加奈子さんから聞いたミキの恋人の信二が学校に来ていないことから単に恋人といるかもしれないと思われること、などを理由に大規模な捜査は難しいと連れない返事しか引き出せなかった\n\nそれでも僕たちが粘ったせいか、家出人捜索の対応はしますので写真をくださいと言われてミキの写真を渡した\n警察で写真を複写して交番の掲示板などに張ってくれるらしい\n\n結局、警察は積極的に動くことも無く、2週間が経ってもミキは見つからなかった\n加奈子さんの焦燥は激しく、僕はなるべく加奈子さんの側についていたが、根拠のない慰めしか言えず、そんな自分の無力感にムカついていた\n\nそんな手詰まり感が募る中、何故か警察の方から話を聞きたいと加奈子さんに連絡がきた\nそして僕は加奈子さんに頼まれて警察との場に同席することになった\n\nそして、指定された時間に二人で警察に向かうと今まで対応してくれた人とは異なる強面ながらスーツ姿の刑事さんぽい人が僕たちを待っていた\nその人は自己紹介で自分を山口と名乗り、この警察署の警官では無く本庁の刑事だと名乗った\n\n女子高生の失踪事件に本庁の警官が出てくるという事は事件性が確認されミキの身に何かあったのではないかと加奈子さんはパニック気味になってしまった\nでも、山口さんは『ミキさんに付いては何も分かっておらず申し訳ありません』と言いながら、ミキの失踪に関する話を聞く素振りの中で何かと信二について聞き出そうとするのだった\n\nそれがあまりに露骨なので加奈子さんが『私はミキの母親で信二君の母親では無い』と怒りだした\nそう言えば、信二の母親の教頭先生もずっと学校に来ていない気がする\n僕は、僕たちが与り知らないなにかが起きていると感じてこの警官に僕の能力を使い、記憶を盗んでみた\n\nそして判ったのは、教頭先生の祖父が広域暴力団の組長で最近亡くなった事、それを発端に跡目争いでいつ抗争が勃発してもおかしくない事\nそんな中で信二親子が失踪しており、その失踪に警察が事件性を感じていることが分かった\n跡目争いをしている3つの組の名前と所在地の情報も手に入った\n\n信二の恋人であったミキの失踪も信二同様の事件性があるはずなのに、信二にしか興味を示さない警察に愛想が尽きた僕は手に入れた情報でミキを探すことが出来ないかと思案する\n\nそして、実際に暴力団の所在地にも行ってみたが流石に何処も広域暴力団の本拠地で高い塀に囲まれていて所詮は高校生に過ぎない僕では手も足も出なかった\n\n「雄馬君、ミキは何処にいるのかしら、元気にしているのかしら、痛い思いはしていないわよね」\n\n加奈子さんはミキを気遣いいつも僕に質問してくる\n僕はそれに対して大丈夫、元気だよと同じ答えを繰り返すしかない\nでも、それも限界にきており、壊れそうな加奈子さんを救うために僕は加奈子さんの中にあるミキへの思いを少しづつ盗んでいた\n\nそして加奈子さんから盗んだミキへの思いは、いつのまにか僕の心と同化して僕までが狂おしいほどにミキを心配して求めてしまう\n\nそんな苦しみに強く押されて意味が無いとも思いながら広域暴力団の事務所巡りを続けていた\n\nそんな日々がこれからも続くのかと諦めにも近い気持ちで押し潰されそうになっていたある日\nその日も何の期待も持てないままにある広域暴力団の事務所を外から眺めていた\nすると、中に慌ただしい動きが有り、車に乗り込む男たち\n\nその心を盗むと、跡目争いに負けたこの組みが跡目争いの中で犯した罪の証拠を急ぎ消去しようと動いていることがわかった\n\nどうしよう、僕にはあの車を追い掛ける術もないし、あの車が目指している場所に乗り込む力も無い\nでも、このまま見過ごすわけには行かない、考えるんだ、考えるんだ\n何かしなきゃダメだ\n\nその時、財布の中に山口と名乗った刑事の連絡先が入っている事を思い出す\nあの人に連絡するしかない、でもどう言おう、考えを盗んだなんて言えるわけがない\n\n僕は身元が分からない様に公衆電話から電話をしてあいつらが向かっている先とその目的を山口さんに告げることにした\n\n出てくれ、出てくれ、そう祈りながら電話の呼び出し音の回数を数える\n7回目、7回目で山口さんが電話に出た\n僕はなるべく声を抑えながら要件を一気に述べる\n\n「XX組が抗争に負けたので争いので仕掛けたヤバイことに関する証拠を消そうとしている\n行き先は横浜の磯子区のX丁目にあるZZ倉庫だ\n急がないと証拠は全て消されるぞ」\n\n僕はそれだけを一気に喋ると電話を切った\nその後、僕に出来ることは山口さんが動いてくれるのを祈るだけだった", "afterword": "僕の書いている四作品です\n興味があれ読んで頂けると嬉しいです\nまた、続きを読みたいと思っていただけるならブックマークと評価もよろしくお願いします\n\nオッパイ泥棒 ~いじめられっ子のぼくの復讐 いじめっ子のオッパイから始める復讐 ~\nhttps://novel18.syosetu.com/n0010fm/\n\n男女比が歪んだ世界にて、俺は無双する ( 俺は種馬になり女を喰らいつくし、この世界を俺のモノにする)\nhttps://novel18.syosetu.com/n5800fk/\n\n貞操逆転、男が虐げられる世界で成り上がる男\nhttps://novel18.syosetu.com/n4048fu/\n\nケルトの魔女 〜性にまみれた高校生達〜\nhttps://novel18.syosetu.com/n8135fu/"} |
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