Krixter/Repo / n0011hp /10.json
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{"novel_id": "n0011hp", "chapter": 10, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0011hp/10/", "title": "第九話 問答", "content": "「ふむ……」\n 気づけばおじいちゃんの激おこモードは終わっていた。\n 顎髭を撫でながら興味深そうに、こちらを見ている。\n 従者達はすっかり縮こまっており、1人を除いて牢屋からはほとんど見えない位置まで下がっていた。\n\n おじいちゃんは俺をじっと見て静かに語りだす。\n\n「理知的な瞳、物怖じせぬその態度、こちらを魅了しようとしてきているのは本能ではなく意図的にやっているな? 知性がある。生まれたばかりなのにも関わらず老齢のサキュバスのように魅了術を使う。全ての生き物が死滅した地域で唯一見つかった特殊な力を持つ亜人。聞き覚えはないか?」\n 黙って聞いていた従者がハッと顔を上げる。\n\n「あの魔大陸の……極めて高い知性を持ったマタンゴの襲撃事件のことですか。ですがあれは今回とは違います。あちらは明確に生物に対し敵意を持っていました。今回の件と関係あるとは思えません」\n「では、偶然このサキュバスがあの死の土地で生まれたと? サキュバスが本来生まれるはずのない場所で生まれており、そこが偶然死の土地であったのかと言うのか?」\n 従者は黙り込んでしまった。\n\n「そこのサキュバス……名前がないのは不便だなエミリアとでも名付けようか。今風ではないか?」\n「よろしいかと」\n どうやら俺はエミリアと名付けられたらしい。\n まあ、俺には選択する権利なんてないのはわかってたけどさ。\n 俺の生まれは随分と複雑らしい。\n なんでこんなことに巻き込まれてるのかさっぱりわからない。\n\n 色々言われているが、正直俺が性奴隷になりかけているということしかわかってない。\n\n「エミリア。お前は何がやりたい」\n おじいちゃんは真剣な目でこちらに問いかけてきた。\n\n\n 何がやりたい?\n 転生した時も聞かれたような気がする。\n\n 俺が何をやりたいか。\n なんでもできると聞いて、俺はただ自分の欲望を発散させるための話をした。\n あの時は、自分が安全だったから、それができた。\n\n 転生した時は死にかけた。\n その時はただ生きていたかった。ただあそこから生きて抜け出すことができれば良かった。\n そこに俺の意思はなく、ただ生存本能に従っていただけだった。\n\n 今、俺の生命とか尊厳とかその他諸々は全て他の人に握られている。\n 俺は何も出来ていない。ただただ状況に流されているだけだ。\n 俺はそれは嫌だ。\n 自分のことは自分で決めたい。\n 全てのことは無理でも、こんな人権がないような扱いは嫌だ。\n\n\n「人間らしく生きたい」\n 従者達がざわつきはじめる。亜人如きが、とか恐ろしいとか、こちらをチラチラ見ながら言っている。1回もこちらを注視しないのは魅了の魔眼対策か?\n\n こんなエロい身体してるのに……。\n\n\n「ふむ」\n おじいちゃんは全く動じていない。\n「そこのお前、精液を絞ってこい」\n は? おじいちゃん、今なんて言った?\n ほら、指さされた従者の人も動揺してるじゃん。\n\n「調教用の性奴隷がいるだろ! そこから絞ってこいと言ったのだ! お前の頭に詰まってるものはなんだ!! おが屑なら、お前の頭を叩けば耳から出てくるか!? この無能が! さっさと自分の口でもなんでも使って取ってこい!!」\n 杖でぶん殴られた下っ端従者が転がるように出ていった。\n このおじいちゃん、めっちゃ怖いじゃん……。\n いや、怖いのはわかってたけど。\n\n\n 精液って……。\n\n 自分の下腹部がキュンとなり、太ももをこすり合わせると濡れていることがわかる。\n 精液という言葉を聞いただけでこんなことになるなんて……。\n 今から俺が何をされるのか、それだけで高揚と興奮が止まらない。\n\n 座り込み、息を荒くしている俺の目線と同じぐらいまでしゃがみ込み、俺の目をじっと見て言った。\n「お前はサキュバスだ。それでも人間らしく生きたい、と?」\n\n「はぁ……ああ、そうだ。俺はサキュバスだ。精液って言葉を聞いただけで発情してしまう。だけど、俺はそれでも人間らしく生きたい。俺にとって男はただのノイズだ。はぁ……ただ本能が……邪魔なだけだ」\n 匂いがどんどん近くなってくる。\n 今まで嗅いだどれよりも濃いような気もする。\n 移動中に感じていた身体の火照りが一気に蘇ってくる。\n\n 胸も股も自分で触りたくて仕方ない。\n\n あの触手よりも硬い俺の手で触ったら、あの匂いに包まれながら触ったらどれだけ気持ちがいいだろう。\n それを考えただけでよだれが床へと落ちた。\n\n\n「人間と亜人の違いを教えてやろう。人間は共通した欲求を持たん。多様性があり、故に発展してきた。だがサキュバスはどうだ。どのサキュバスも精液を前にすれば発情し、自らの意思などなくなる。全てのサキュバスがそうだ。故に弱い。人間に蹂躙されることしかできない。お前が人間らしく生きたいのならば、本能に耐えろ。サキュバスにも例外がいるのだと証明してみせろ」\n「はぁ……知らねぇ。俺は俺だ……」\n\n 何を言っているのか半分も理解できなかった。\n ただ本能に耐えたいのは俺も同じだ。\n 匂いの方向から無理やり目をそらして、壁の方を向く。\n\n 心臓がドキドキしている。気持ちいいのは知っている。だが同時に怖いのだ。\n 自分が自分でなくなってしまうような感覚。自分が誰かわからなくなる怖さ。\n ただ快楽に溺れる感覚。\n\n\n 知らないうちに舌が垂れていたのに気づき口を閉じ、正座をする。\n 俺は耐える。\n ここで耐えなきゃ、予定通り俺は性奴隷だろう。\n 何を言っているのかわからなかったが、俺は試されているのはわかる。\n\n\n もうすぐ来るのがわかる。もう部屋の前まで来ている。\n 胸の高鳴りが止まらない。\n 地下牢の階段を降りるときに壺の中に入っているものが零れそうになったのが見えた。\n\n\n「あはぁ♡」\n 俺の口からだらしなく舌が垂れ下がった。", "afterword": "ありがとうございます。次回R18です。"}

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