| {"novel_id": "n0011hp", "chapter": 15, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0011hp/15/", "title": "第十四話 魔法を使えるようになりました", "content": " 結論から言うと、俺には魔法は使えなかった。\n そもそも角が壊れたのが奇跡みたいなものらしい。\n そもそも何か生み出そうとしても魔力をどう使えばいいのかわからん。\n ずっと水を出してくて唸っていたが、疲れただけだった。\n\n 魅了の魔眼は使えるんだけどなぁ……。\n\n\n「魅了の魔眼!」\n 発動すると俺の目がピンク色に光る。\n\n 妖艶な感じで良いなぁ……俺が男側だったらほっとかないんだけど……。\n\n\n\n\n「エ……さん……エミリアさん!」\n どうやら気を失っていたようだ。\n 憎らしいほどの好青年であるアランが下心0で俺の超美少女ボディであるほっぺたをペチペチと叩いている。\n 普通人を起こす時にほっぺたを叩くか?\n 特殊性癖でそれに興奮しているのかというとそうでもないし。\n\n「鏡の前でポーズ取ったまま、動かないからどうなるかと思ったよ……」\n ……つまり俺は鏡の前で魅了の魔眼を使い、自分のことをエロいと思ってしまったから自分の魅了の魔眼にかかってしまい、命令がなかったからその体勢のまま動いてなかったということか……?\n「こわぁ〜……」\n なんというか、自分の馬鹿さ加減が怖い。\n 自分に魅了されるなんてことあるんだ……。\n\n まあ、俺は超絶美少女だもんな。胸でかいし。\n 仕方ない仕方ない。\n\n\n 鏡を見てから今まで欠片もなかった自己肯定感がもりもり上がっていくのを感じる。\n 決して自分を超絶美少女かわいい巨乳サキュバスと思い込んでいる頭のおかしくなった一般人男性ではなく、本当に美少女なのだ。\n この世界で致命的に地位が低いであろうサキュバスという欠点さえ除けば完璧に容姿勝ち組だ。\n\n そんなサキュバスを前にして一切発情しないとは……こいつ本当に男か?\n\n\n そんな疑惑の目を向けられているとアランはつゆ知らず、フランクに話しかけてくる。\n「この世界のことなんだけど、本を読んで少しはわかった?」\n 不味いな……。\n 暇な時間のほとんどを角破壊による気絶と魅了の魔眼による魅了で潰し、魔導書を少し読んだだけとは言えない。\n 言ったらめちゃくちゃ馬鹿っぽいから。\n\n\n「サキュバスについての辞典の写しを読んでいた。酷い扱いなんだな。サキュバスってやつは」\n「僕もサキュバス娼館の前は通ったことあるけど、あれは……前世の記憶があると中々に受け入れがたい……」\n「あやうく俺のその中に放り込まれてたよ」\n ははは、と笑う。\n\n「そのことについて考えたんだけど……エミリアちゃんは元男だよね……今はこんなに可愛いのに……性自認も男?」\n 特殊性癖の可能性も考えていたが、この男は俺をかわいいと認識しているのに性的に興奮していない!\n いや、別に男に興奮されて嬉しいわけじゃないんだが、ここまで俺に対して無なのが信じられん。\n 可愛いだろ!\n\n「もちろん、男だ」\n 本能に支配されてる時はともかく、別に男を好きになったりはしないし、どっちかっていうと女の子のほうが好きだ。\n というか自分が好き。\n ナルシストみたいだが、自分のこの身体はめっちゃエロくて良いと思う。\n 小柄だけど巨乳って良いよね……。\n\n\n「だから」\n 恥ずかしそうに差し出されたのは何か薄い素材で作られた水筒だった。\n 中に入っているものはもちろんあれだろう。\n しっかりと封がされているからか、全然匂いに気づかなかった。\n\n そして俺に欲情していない理由もわかった。\n\n「ふふーん」\n ついにニヤニヤしてしまう。\n「ありがと」\n この純朴そうに見えるヒーロー志望にも性欲はある、ということだ。\n これで安心した。\n\n\n まあ、食事は後で1人でゆっくりしよう。\n\n\n\n「そしてこれが洋服で、これが冷暖房用の魔法陣、魔法陣への魔力の流し方はわかる?」\n「え、えーと」\n 俺がごまかしていると不意に手をつかまれる。\n\n「こうするのが1番わかりやすいんだ」\n こいつの身体がでかいからか、手の大きさも全然違う。\n 俺の手とこいつの手の大きさはまるで大人と子供だ。形も全然違うし。\n\n こういうところでも自分が女になったんだなーと実感させられる。\n 鏡の中の俺は美少女だが、実際の俺も美少女なんだ……。\n\n\n「お、おぉー」\n 手から何かが流れ込んでくるのがわかる。\n 俺が魅了の魔眼を使った時に目に集まる「ギュイ」の感覚と同じだ。\n\n「自分の中に流れる力の感覚わかる?」\n なんか体感的には血液を動かしているような感覚だ。\n これを外に放出させれば万能の魔法が使えるのか?\n\n「じゃあ、こっちの魔法陣のここに魔力を慎重に流してみて」\n「おおー、光ってる……」\n パット見で熱そう。\n これがこの世界での卓上コンロなんだな。\n 金属が熱々になっている。\n\n\n\n「なんか魔法って万能って書いてあったんだけど……」\n 俺が聞くと少し疲れた様子でアランは椅子に座った。\n「ああ、万能だよ。炎でも水でも出せる。だけど感情のまま振るうと事故が起きちゃったりするから。魔法陣なしで魔法を使う人は大抵ちょっと怖いかな……。感情がないって感じ。呪文とかは適当で、自分の言いやすいようにだすみたい」\n なるほど。少し試してみるか。\n\n「大いなる水の精霊よ……えー……水よ出ろ」\n 魔力を手に集め、適当なことを言いながらイメージを固めてみる。\n すると俺の手のひらに水の球が出てきた。\n ふよふよと手の上で浮いており、望めば自由自在に動く。\n\n こういうことか。\n\n「え、えーと。その魔力を使った魔法ってそんな簡単にはできないもので……何年もの修練の末に水魔法とか火とか自らの想像しやすい魔法を習得するもので……」\n\n あれ? 俺なんかやっちゃいました?", "afterword": "ありがとうございました。"} |
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