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{"novel_id": "n0011hp", "chapter": 5, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0011hp/5/", "title": "第五話 現状把握をしよう", "content": " ただ水をかけられただけで急激に身体の熱が引いて、頭もはっきりしていく感覚に戸惑いながら命令を出す。\n「はぁ……はぁ……くそっ……お前ら……全員牢屋から出ていけ……」\n\n 身体全体を濡らしているのは俺の体液ではない。\n ただそこらへんにあった水だ。\n 俺の身体についていた精液が洗い流されたから俺は正気に戻れたのだろう。\n\n 空腹感はすっかりなくなっていた。身体もさっきの余韻は残っておらず全くの正常だ。\n さっきあったことが夢だったかのように思うが、牢屋の外で下半身を露出しながらぼーっとしているアホどもがさっきのことが現実であると俺に見せつけてくる。\n\n さっきの快感はまさに暴力だった。\n 意味がわからない。俺が無理やり襲われたとかならまだわかる。\n 女の快楽はすごいとは聞いている。\n だが触れられもせずにあそこまで……。\n ゴクリと唾を飲み込んで我に返る。\n\n\n「だぁーっ!!」\n 頭を振って記憶からさっきあったことを消す。\n しかし魅了の魔眼にかけてない状態で、俺があの状態になったら間違いなく男は俺を襲い、俺は抵抗できないだろう。\n\n「情報が必要だ……情報が……」\n サキュバスとは一体何なのか。\n サキュバスが精液を糧として生きているのは想像に難くない。\n そのおぞましさに背筋に震えが走る。\n\n\n「おい、お前らサキュバスについて知っている教えろ」\n 牢屋の前で放心状態になっている男たちに尋ねる。\n\n「エロい」「おっぱいデカい」「性奴隷」「エロい」「サキュバス娼館行きたい」「おっぱいがデカい」「エロい」「尻尾が性感帯」「エロい」\n\n 一斉に話しだされたからよくわからんが、サキュバスはエロいらしい。\n そりゃこんな胸があればそうなる。\n というか俺でもそんぐらいわかる。\n\n 俺は聖徳太子ではないので、エロいのとおっぱいがデカいことぐらいしかサキュバスについて聞き取れなかった。\n まあ、こんな学のなさそうなやつらに聞いてもろくな情報は出ないだろう。\n\n\n さっきの快楽地獄のせいで、その前に考えていたこととか記憶も大分吹っ飛んだ。\n\n\n「おい、俺はこれからどうなる」\n「サキュバス専用竜車で帝都に運ばれることになります。その後、持ち主の確認。野生のものであると確認された場合は調教後、奴隷として貴族達にオークションにかけられ……もしかしたら俺たちも報奨金貰えるかもしれないです」\n 隊長らしき男がボソボソと答える。\n サキュバス専用竜車……嫌な予感しかしない。\n\n\n そして奴隷か……。\n 薄々気づいていたが、やはりサキュバスってのはそういう身分なんだな。\n 人種差別……と異世界でいう意味はないだろう。\n\n 精液で腹が膨れてる時点でそういう人種なんだろうが……。\n 俺は了承できない!\n このまま奴隷の身分になるだなんて。\n 普通の人は嫌だろう。俺も嫌だ。\n\n 荒野で死にかけて牢屋で頭おかしくなりかけて、最後は奴隷だなんて最悪の人生といっても良いだろう。\n ここから逃げなければ。\n\n\n「ここはどこだ。俺はどこに、どうやって逃げればいい」\n「ここはかつての第六都市だが、今は名前がありません。領主含め全ての住人、生物が消え失せたため、魔力災害の可能性も含め危険区域として指定されました。区域が拡大していないため、今はレルマ3級危険区域と呼ばれています。この事件の原因を探るため、自らの存在証明に長けた魔導師を含めた多くの調査員がここにはいます。逃げ場はありません。例え身を隠して、調査員をやり過ごせても、サキュバスは人に依存しているので逃げても無意味です」\n\n 逃げても無意味……。\n 何故だ……。何故こんな目に……。\n せっかく生き残れたのに、俺に残された選択は奴隷になることだけか?\n そんな馬鹿なことがあるか!\n\n 最悪だ。最悪も最悪だ。\n\n\n いや、こいつがそう言ってるだけだ。考えても仕方ない。\n 俺には情報がないが、竜車とやらのお迎えが来る前にここを離れたほうがいいのはわかる。\n ここにいたら確実に俺は詰む!\n\n まだ俺には魅了の魔眼がある。\n こいつらが全く警戒していなかったのが、普通のサキュバスがこの力を持っていないことの証明。\n この力があれば俺は逃げ切れる。\n 出会った人間を片っ端から魅了してなんとか人間の生活圏まで逃げる。\n それが今の目標だ。\n\n「おい、鎧を着ているお前、俺についてこい!」\n「はい」\n「その前にズボンを履き直せ!!」\n いちいち命令しないといけないのが面倒だ。\n\n だが情報を聞いた時は割と聞いてないことまでペラペラ話してくれた。\n どこまでこちらの意図を組んで命令に従ってくれるのか、いずれ研究しなければ。\n\n\n「急ぐぞ。外まで案内しろ」\n「はい」\n 牢屋\n 牢屋の外はかなり大きな廊下だった。\n しかし廊下には砂や砂利、ホコリが積もっており、誰かが住んでいる様子はない。\n 窓から見える景色でここが町の中なのがわかる。\n しかし荒野と同じく、生き物の気配はない。死んでいる町だ。\n\n 廊下を早足で駆け、開けっ放しの両開きの扉から外にでる。\n 石畳の道路、その上には灰色の鱗を持ち、羽を持った巨大なトカゲがいた。\n 爛々とした金色の瞳は俺を睨んでいたが、鼻から息を吐き出すと興味なさげに目を閉じた。\n ドラゴンだ。\n\n\n『どーも、旦那。お楽しみの時間はもう終わりですかー?』\n ドラゴンの横には棺桶のような金属で出来た箱があり、そこには大男が腰をかけていた。", "afterword": "ありがとうございました。\n次回触手です。"}

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