Krixter/Repo / n0011mo /20.json
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{"novel_id": "n0011mo", "chapter": 20, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0011mo/20/", "title": "第二十章 婚約破棄の果てに", "content": "地下祭壇には、次々と仲間達が駆けつけてきていた。\n父オスカーが、見張りの敵を退けて先頭を切り、その後ろには、ノエルとクラリーチェとエルザの姿もあった。\nさらに、意識を取り戻したばかりのルーカスまでもが、ふらつく足取りながらも、剣を杖代わりにして駆けつけてくれた。\n王城から知らせを受けた騎士団も、続々と地下祭壇へと集結してくる。\n\n「殿下……!」\n\nルーカスが、涙ぐみながら、そう呼びかけた。\nかつての、公正さを取り戻した殿下の姿を目にし、その声には、深い安堵が滲んでいた。\n殿下は、静かに頷いて応える。\n\n「今までのことは、必ず償う。だが今は、これを終わらせなければならない」\n\nその言葉に、集まった皆が、力強く頷いた。\n黒い霧の存在は、集まった私達を前に、忌々しげに姿を大きく歪ませた。\nけれど、もはやその力は、地上の恐怖を吸収し続けることができなくなっていた。\n殿下の目覚めによって、一つの大きな支配の楔が、崩れ去ったからだ。\n\n「王太子、公爵、そして聖女の器」\n\n存在は、低く唸るように呟いた。\n\n「揃ったところで、この私を止められるとでも」\n\nその言葉と共に、黒い霧が禍々しい触手のような形を取り、一斉に襲いかかってきた。\nけれど、父が真っ先に前へと躍り出て、その一撃を剣で受け止める。\n\n「王国は、渡さぬ」\n\n低く、けれど揺るぎない声だった。\n王国最強と謳われる剣技が、黒い霧を切り裂いていく。\nルーカスと騎士団もまた、それぞれの武器を手に、存在の周囲を包囲するように展開した。\n私は、その中央で、胸の光をさらに強く輝かせていく。\n金色に輝く浄眼の力が、これまでにないほどの強さで、私の全身を満たしていった。\n殿下もまた、剣を構えたまま、私の隣に立ち続けている。\n\n「今です」\n\n私が呼びかけると、殿下は迷わず頷いた。\n共に、存在の中心目がけて、力を放つ。\n浄眼の光が、黒い霧を包み込むように広がっていく。\n存在は、苦悶の声を上げながら、その姿を激しくのたうたせた。\n\n「ば、馬鹿な……この私が……」\n\n数百年にわたって王国を狙い続けてきた、恐るべき呪い。\nけれど、聖女の力と、それを信じ支え続けた人々の意志の前に、その存在は、少しずつ、その輪郭を失っていった。\nやがて、黒い霧は、まばゆい金色の光の中へと、完全に溶けるように消えていった。\n数百年続いた呪いは、ついに、この場で消滅したのだった。\n地下祭壇に、静けさが戻る。\n誰もが、その場に立ち尽くしたまま、しばらく言葉を発することができなかった。\n床に広がる水たまりの中で、ミレイユはまだ小さく肩を震わせていた。\nLカップの巨乳は自身の尿と潮にまみれてぬるぬると光り、脚の間からは今も止まらぬおしっちがちろちろと垂れ続け、時折ぴゅっ、ぴゅっと短い潮が噴いては、びしゃりと床を叩く。\n\n「あはは……あははは……道具……全部、道具だったのね……あは……」\n\n壊れたような笑い声が、虚ろな瞳からこぼれ落ちる涙と一緒に、か細く続いている。\nその笑い声が、ふと途切れた。\n創始者の気配が完全に消滅した瞬間、ミレイユの赤い瞳から魔眼の光がすっと消え、彼女は力なく上体を起こそうとした。\n腕ががくがくと震え、何度か滑りながらも、なんとか上半身だけを起こす。\n裂けたドレスの胸元から規格外の巨乳が無防備にこぼれ落ちたまま揺れ、下半身はぐちゃぐちゃに濡れたままで、おしっこがまだ脚を伝って滴っている。\n私は、その姿を見て胸が締めつけられるのを感じたまま、彼女のもとへと駆け寄り、そっとその冷たい手を握った。\nミレイユは、焦点の合わない瞳に涙を浮かべ、かすれた声で呟いた。\n\n「わたくし……普通の女の子に……なりたかっただけ……」\n\nその言葉に、私の胸は締めつけられた。\n幼い頃から、あの存在に人生そのものを歪められ続けてきた少女。\n十二歳まで続いた強制的なおねしょとお漏らしで魂を削られ、大きな胸へのコンプレックスを植え付けられ、上位の令嬢を同じ目に遭わせることでしか心の穴を埋められなくなっていた。\n王妃になりたいという願いさえも、本当は彼女自身のものではなかったのかもしれない。\nノエル、クラリーチェ、エルザも、静かに近づいてくる。\n四人とも、ミレイユが自分たちにしてきたことの記憶が、鮮明によみがえる。\n公衆の面前での失禁。\n全裸にされ、おっぱいを晒され、ちんちんのポーズを強要された夜会。\n悪夢によるおねしょ。\n尊厳を徹底的に踏みにじられた日々。\n特にエルザは、最も深く、長く、その呪いを受け続けてきた。\nそれでも。\nミレイユは、床に残る自分の羞恥の痕跡――広がる尿の水たまりと、潮の飛沫、精液の感触をまだ残すかのようにひくつく下半身を見つめながら、声を震わせて口を開いた。\n\n「……ごめんなさい」\n\n小さく、しかしはっきりとした声だった。\n\n「アイリス様。ノエル様。クラリーチェ様。エルザ様。……本当に、ごめんなさい」\n\n彼女は、濡れた床に両手をついて、深く頭を下げた。\n大きな胸が床に押し潰されるように変形し、自身の尿と潮にまみれるのも構わず。\n\n「わたくしは……心の底で、あなた方に強く憧れていました」\n\nその告白に、四人とも息を呑む。\n\n「強くて、気高くて、美しくて……本物の貴族令嬢で。わたくしには絶対に手が届かない光のような人たちで。だから……羨ましくて、憎くて、どうしても壊したくなってしまった。あなた方を自分と同じ泥の中に引きずり下ろして、それでも尚『私の方が上だ』と思い込みたかった。幼い頃からおねしょばかりで、この大きすぎる胸を隠して生きてきた自分が、あまりにも惨めだったから」\n\n涙が、ぽたぽたと床の水たまりに落ちる。\n\n「魔眼に操られていたとはいえ……やったことは、消えません。あなた方を全裸にして、おっぱいを晒させて、失禁させて、潮を吹かせて、娼婦のように罵って……本当に、酷いことをしました。ごめんなさい。ごめんなさい……」\n\nその時だった。\n最も深く傷つけられたエルザが、静かに跪いた。\nチェリーブラウンの髪をそっと揺らし、何の躊躇いもなく、ミレイユの汚れた身体に両腕を回して、優しく、深く抱きしめた。\n自分の服がミレイユの尿と潮で濡れるのも構わず、巨乳を自身の胸にそっと受け止め、頭を抱き寄せるようにして、慈しむように撫でる。\n\n「……いいのよ。もう、何も言わなくていいの」\n\nその声は、驚くほど穏やかで、静かで、まるで夜の闇を包む聖母の慈愛そのもののように温かかった。\nエルザはミレイユの汚れた髪を指で優しく梳かし、額に自分の頰を寄せて、囁くように続けた。\n\n「貴方も、ずっとひとりで、とても辛かったのですね。幼い頃から、誰にも助けを求められず、夜ごとにベッドを濡らして泣いて、朝になれば『またよごした』と自分を責めて。大きくなってしまった胸を恥じながら、隠しながら、それでも止まらないお漏らしに魂を削られて……。誰も貴方の痛みに気づいてあげられなくて、貴方はただひとりで、暗い場所に閉じ込められていたのですね」\n\nエルザの声は、責める気配を一欠片も含んでいなかった。\nただ、深く、優しく、傷つき疲れた魂を包み込むような響きだけがあった。\n\n「酷いことをされた側として、心のどこかで『許せない』と思う部分がないと言えば、嘘になるかもしれません。でも……今の私は、貴方を責めるより、ただ抱きしめてあげたい。貴方も私たちと同じように、尊厳を削られ、心を折られ、道具のように扱われ続けてきた被害者なのですから。こんなにも長いあいだ、ひとりで痛みを抱えて……よく、ここまで耐えましたね」\n\nエルザはミレイユの頭を、まるで赤子をあやすように、ゆっくりと、何度も撫でた。\nその手つきは限りなく優しく、声はさらに甘く、慈愛に満ちて響く。\n\n「もう大丈夫。もうひとりじゃありません。私が、私たちが、ここにいる。漏らしてしまっても、潮を吹いてしまっても、壊れそうになっても……全部、受け止めるから。貴方の汚れたままの身体も、震える心も、全部抱きしめてあげる。……許します。心から、許します。もう、自分を責めなくていいのよ。ここからは、一緒に歩きましょう。ゆっくりでいい。転んでも、また私が起こしてあげる。貴方が『普通の女の子』に戻りたいのなら、その手を、私がちゃんと握っていてあげるから」\n\nその言葉のひとつひとつが、温かい光のようにミレイユの壊れた心に染み入っていく。\n聖母が罪深き者を無償で包み込むような、深く、静かで、絶対的な優しさ。\nミレイユの目から、大粒の涙が堰を切ったように溢れ出した。\n「あはは」という壊れた笑いはもうなく、ただ子供のようにしゃくり上げる嗚咽だけが漏れる。\nおしっこがまたびしゃりと漏れてエルザの膝を濡らしても、エルザは少しも離さず、むしろより強く、優しく抱きしめた。\n\nその姿を見て、私とノエルとクラリーチェも、自然とエルザの隣に跪き、ミレイユを囲むように抱きしめた。\n激しい羞恥の記憶は、確かに残っている。\n全裸でちんちんをさせられ、おっぱいを揺らし、失禁と潮吹きを繰り返した夜の屈辱は、簡単には消えない。\nそれでも、私たちは選んだ。\nエルザの示した慈愛に倣い、優しく、許すことを。\n\n「……ええ。許します」\n\n私も、静かに言った。\nミレイユの濡れた背に手を置き、力を込めて。\n\n「私たちは、もう立ち上がった。だから、貴方も、ここからでいい。普通の女の子になんて、ならなくていい。貴方のまま、一緒に生きていきましょう」\n\nノエルが、力強く、しかし優しく頷く。\n\n「一人で罪悪感に沈まないで。私たちがいる。漏らしても、泣いても、全部受け止めるから」\n\nクラリーチェも、眼鏡の奥の瞳を少し赤くして続けた。\n\n「論理的に言えば、あなたは加害者であり、同時に最も長く苦しんできた被害者です。ならば、罰と再生の両方を、一緒に担えばいい。一人で償う必要はありません。私たちが、隣にいます」\n\nミレイユは、四人に抱きしめられたまま、声を上げて泣いた。\nLカップをエルザの胸に預け、おしっこをちろちろと漏らしては潮を小さく噴きながらも、もう以前のような虚ろさはなく、ただ純粋に、救われた者の涙を流していた。\n\n「うぅ……っ、ひっく……ありがとう……ございます……っ……ありがとう……ございます……」\n\nその光景を見て、私の胸の奥で、聖女の光が柔らかく揺れた。\n本物の聖女として、私は涙を流した。\nミレイユもまた、初めて心からの涙を流していた。\n憎しみではなく、許しと、つながりの涙を。\nエルザの慈愛に満ちた腕の中で、ミレイユの壊れた笑いは完全に消え、ただ温かい嗚咽だけが、地下祭壇の静寂に優しく溶けていった。\n\nその光景を見ていたダミアンが、ゆっくりと近づいてくる。\n短刀を握る手は震えていたが、彼はそれを娘に向けるでも、自分に突き立てるでもなく、静かに床へ落とした。\n金属音が、祭壇に小さく響く。\n\n「……すまない。本当に、すまなかった」\n\nダミアンは、娘の前に膝をついた。\n\n「お前を利用し、あの存在に捧げ、恐ろしいことをさせてしまった。親として、人として、許されることではない」\n\n彼は顔を上げ、私達の方を、そして殿下を見た。\n\n「私は逃げません。死んで楽になるつもりもありません。この命で、どれほどかかろうと罪を償います。娘を……これ以上、誤った道に進ませないためにも」\n\nその声には、これまでの狂信は微塵もなく、ただ重い決意だけがあった。\n殿下は、静かに頷いた。\n\n「……しかと、受け止めよう。罪は償わせる。だが、命までとることはせん」\n\nミレイユは、父の袖を小さく握り、涙をこぼした。\n力を失った彼女と、償うことを選んだ父。\nそれが、この場に残された、ひとつの結末だった。\n私は立ち上がり、改めて仲間達の顔を見た。\nノエル。\nクラリーチェ。\nエルザ。\nそして、私。\n四人とも、これまでの日々で、公衆の面前で失禁させられ、夜ごと悪夢にうなされておねしょをし、全裸にされ、おっぱいを晒され、尊厳を何度も踏みにじられてきた。その後遺症は、今も身体の奥に残っている。\nわずかな恐怖や緊張で、下腹が疼き、熱いものがこみ上げそうになる感覚。\n朝、シーツの湿りに気づいて顔を真っ赤にする惨めさ。\nけれど――。\n胸の奥で、まだ穏やかに輝き続ける聖女の光が、私たち四人を優しく包み込むのがわかった。\n\n「……大丈夫です」\n\n私がそう呟くと、三人も静かに目を見開いた。\n\n「この光は、呪いを払うだけのものじゃない。きっと、私たちの後遺症も……癒やしてくれます」\n\nクラリーチェが、目尻を少し赤くして頷く。\n\n「聖女の浄化の力……魂に刻まれた恐怖と、身体に残る制御の乱れを、根本から整えてくれる可能性があります」\n\nノエルが、自分の胸に手を当てた。\n\n「なら……もう、夜に怯えて眠れなくなることも、昼間に突然漏らしそうになる恐怖も……少しずつ、消えていくんですね」\n\nエルザが、力強く、しかし潤んだ瞳で言った。\n\n「私たちは、また立派な令嬢に戻れます。羞恥に支配される子供のままで終わらず、ちゃんと大人になれる」\n\n私は三人に微笑み返した。\n\n「ええ。お漏らしも、おねしょも、もう私たちの未来を決めつけない。聖女の力が、必ず後遺症を癒やしてくれる。そして私たちは、尊厳を取り戻した一人の女性として、ちゃんと歩いていける」\n\nその言葉に、四人の間に、静かで温かな確信が広がった。\n地下祭壇に、地上から差し込む朝の光が、少しずつ、しかし確かに闇を押し戻していく。\n父が、私の肩に手を置いた。\n殿下は、剣を収め、深く息を吐いた。\nルーカスが、安堵に足を崩しそうになりながらも、笑みを浮かべている。\n長い、あまりにも長い戦いが、ようやく終わりを迎えようとしていた。\n婚約を破棄され、公衆の面前で辱められ、何度も制御を失い、夜ごと惨めにシーツを汚し、それでも立ち上がることを選んできた日々。\nその果てに、私たちはここにいる。\nミレイユは力を失って生き残り、ダミアンは死ではなく償う道を選んだ。\nそして私たち四人は、聖女の光に守られながら、後遺症を癒やし、立派な令嬢として、一人の大人として、これからの人生を歩んでいける。\n私は、濡れた床に残る過去の痕跡と、新たに差し込む光の両方を見つめながら、静かに、しかし確かに思った。\nこれで、終わりじゃない。\nここからが、本当の始まりだ、と。"}

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