| {"novel_id": "n0012ik", "chapter": 8, "url": "https://novel18.syosetu.com/n0012ik/8/", "title": "その8 告発と絶望", "content": "翌朝、ガンガン痛む頭を振りながら不快な気分で千本桜美冬は目覚めた。\n薄く目を開けるとそこは自分の部屋だった。\n\nしかし、どうやって帰ったのかが分からない。\n\n自分の記憶を遡り、不快な記憶に辿り着く。\n自分の上司の性器をしゃぶったこと。\n\nしかし、その後のことがまるでハッキリしない。何があったのかが全く思い出せなかった。\n\n美冬は頭痛に耐えながら身体を起こす。そして、自分がスーツのままで寝ていたことに気づく。\n\n「やっちゃったか」と反省していると、美冬は自分の着衣が乱れていることに気づいた。\n記憶を失うような飲み方だとしてもあまりにも不自然な乱れ方だった。\nさらに身体の感覚が鈍くなっていたせいですぐには気づかなかったが股間に違和感があることも分かった。\n\n美冬は恐る恐る、違和感の残る、自分の股間に手を伸ばす。\nパンツは半脱ぎ状態だったので、美冬の手は直に自分の股に触れることになった。\n\nそして、指先にはヌルヌルしたものが付着した。\n\n自分のものかとも思ったが、指の臭いを嗅ぎ、その正体に気づく。\nそれは男の精液だ。\n\n昨日、北川とは会っていないはず。\nそう考えると、頭に浮かぶのは鬼道だけだった。\n\nズンと心は沈んだがシャワーを浴びようと立ち上がり、ふと、スマホが目に入る。\n美冬のスマホが床に落ちていたのだ。\n\n拾い上げるとメール着信の通知\n鬼道からだ。\n\n「昨日のホテルに連泊してるから、午後にでも来るように」という内容。\n\n土曜で会社はないからホテルに行くことに問題はない。\nそれは鬼道も同じだろう。\n\n決着は付けないとならなかった。\n\n美冬は「シャワーを浴びない」ことにし、外出のための身支度を始めた。\n\n\n\n\n\n------------------------------------\n\n\n\n\n\nピンポーン\n\nホテルの部屋の呼び鈴を押すと「入れ」という声が聞こえた。\n千本桜美冬は鬼道常務の泊まる部屋へと入った。\n\n「意外と早かったね。まあ、座ってよ」\n\n美冬は緊張した面持ちで昨日、美冬が座っていた椅子に座る。\nそして、毅然とした目で鬼道を見つめた。\n\n「怖いねぇ。どうしたの、美冬くん」\nからかうような口調で鬼道が言うと\n\n「私はあなたを告発するつもりです。鬼道常務」\n美冬は微塵も揺らぎの感じられない厳しい口調で応えた。\n\n「ほう。...そうかい」\n鬼道の表情には美冬に対して、怯んだところなど1ミリも感じられず、むしろ、面白がっているようにさえ見える。\n\n「あなたが昨日、私に対してなさったことの証拠。それは私自身です。\nここにはシャワーを浴びずに来ました。\n私が告発すれば、あなたは一瞬で会社をクビになり、牢屋行きです」\n美冬は息継ぎなしに一気にそう捲し立てた。\n\n「なるほど、なるほど。しかし、それは君もリスキーじゃないのかい?\nつまりは他の人たちも君が何をされたのかを知ることになる」\n美冬のペースに流されることもなく、鬼道は美冬の言葉に対し、淡々と疑問を呈する、\n\n「もちろん、それは覚悟の上です。どちらにしても会社は辞めるつもりでしたから」\n「それに彼にはこの事をきちんと説明し、もし、彼が望むならお別れします」\n\n「素晴らしい。素晴らしい決心だね\nブラボー‼」\n鬼道は立ち上がって美冬に拍手する。\n\n「あ、あなたは…あなたという人は!」\n美冬の額に青筋が立つ。\n\n「どうして、この期に及んでそういう態度ですかぁ!」\n美冬は立ち上がって鬼道を指弾する。\n\nピローン\nその時、緊迫した場面に場違いな音が響く。\nスマホの着信音だ。\n\n「今、メールを送ったよん!見てもらえる?」\n\n強張った顔のまま、美冬はスマホのメールを立ち上げ、中身を確認した。\nそして添付されていた動画を再生する。\n\n\n\n「私はオチンチンが好きなんです。早くしゃぶりたいです」\n動画の中の美冬は笑顔を浮かべながら、そう言って、鬼道のチンコをしゃぶり始める。\nまるで美味しいデザートを食べてるかのような表情で。\n\n\n\n「さてぇーん、その動画を見た人はどう思うだろうか?」\n\n「こ、これは…あなたが無理やり!ひ、卑劣なっ!」\n\n美冬は動揺していた。\nまさか、その部分を撮影されているとは思っていなかったからだ。\n\n「無理やり?じゃあ、そうだとしようか。\nなぜ、そうなった?\nそれは君の大切な婚約者が不正をして、それをもみ消してもらうため。\nさあ、そうだとするとぉ…君の告発はワシを陥れるためと考える人も出てくる。\nなぜならぁ…君の身体には無理やりやられた証拠など一切ない。\n膣も傷ついていないだろうし、殴られてもいないわけだ。\nつまりは楽しくセックスしたとしか思えない。そして、セックスをした後、陥れるために無理やりやられたと君は告発する」\n「さあ、悪人はどっち?」\n\nここで鬼道はニヤリと笑う。\n\n「つまりはね。そういうことさ。さあ、どうする?次の一手はあるのかね?美冬名人」\n\n「そ、それは…」\n美冬は言葉に詰まる。\n\n「ちなみに君との愛の記録はたくさんあるんだ。一部を見せてあげよう」\nそう言って、鬼道はスマホ画面を真冬の目の前に突きつけた。\n\n美冬が大股開きで乳房を揉まれながら、陰部も大きく開かれている映像。\nしかも、その奥には明らかに精液と思われる液体が溜まっている。\n\n美冬は反射的にそのスマホを奪い取ろうとした。\n\n「ハ、ハハハ。これを取ってもデータはたくさんあるからね。意味ないよ。\nこのデータは公開されちゃうかもねぇ。そしたら、誰かが君だと気づく。\nそれは…君の婚約者かもしれないな」\n\n「な、なんて事を…」\n目の辺りが熱くなり、涙が溢れてくる。それは血のような涙だ。\n\n「さて、ここで君にまた、提案をしよう。時間は3分。よく考えてね…」"} |
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