# comfyui-anima-incontext Anima (circlestone-labs, Cosmos-Predict2 2B DiT) 向けの **参照画像条件付け**カスタムノード集。2 つの独立したストリームを持つ: - **キャラストリーム (in-context)** — 参照画像のVAE latentをDiTの 時間軸(T軸)に「クリーンフレーム」として連結し、shared self-attentionでキャラの見た目を参照させる。CLIP埋め込み型 IP-Adapterと違い、参照はモデル自身のVAE latentのまま自己注意に 入るため、髪飾り・服の柄・瞳などの細部が原理的に落ちない (OminiControl / IC-LoRA / UNO 系のアプローチ)。 - **絵柄ストリーム (decoupled cross-attn)** — SigLIP パッチトークンを 各ブロックのテキスト cross-attn に decoupled attention で注入する 統計的転写(AnimeAdapter 系)。細部をコピーしないことが目的なので、 あえて埋め込み注入型。**要学習済みアダプタ**。 2 つは別モジュール(self-attn / cross-attn)をパッチするので併用可能。 `char` と `style` の強度は独立に制御できる。 ## なぜT軸連結か ComfyUI本体の実装(`comfy/ldm/cosmos/predict2.py`, `comfy/ldm/anima/model.py`) を読んだ結果: - AnimaのDiTはvideoアーキテクチャで、latentは `(B, C, T, H, W)`、 自己注意は `(t h w)` を平坦化した列に **3D RoPE** 付きで計算される。 Animaのconfigは `max_frames=128`, `patch_temporal=1` なので、 T=2(生成1 + 参照1)はRoPE的に完全に正当。参照トークンは時間座標が ずれるため、生成フレームと空間位置が衝突しない。 - `timesteps` は `(B, T)` のフレーム毎形式を受け付ける (`ndim==1` のときだけ unsqueeze)。よって **参照フレームだけ timestep=0(クリーン画像)としてAdaLN変調** できる。 - `forward` は `WrappersMP.DIFFUSION_MODEL` のWrapperExecutor経由 なので、ModelPatcherのwrapper登録だけで非侵襲にフックできる。 - 各Blockの `self_attn.attn_op` は属性(`torch_attention_op`)なので、 `add_object_patch` で差し替えて参照トークンへの attention bias(log(strength))による強度制御ができる。 ## ノード ### Anima Reference Encode (in-context) IMAGE (+ 任意で MASK) + VAE → LATENT。 マスクを与えるとキャラを白背景に合成してからエンコードする (背景バイアス除去。アニメ被写体では効果が確認されている定石)。 `target_width` / `target_height` を生成解像度に合わせると、 アスペクト保持の白パディングでリサイズしてからエンコードする (サンプリング時のlatent空間リサンプルを回避できるので推奨)。 複数枚バッチ入力可 — 各画像が独立した参照フレームになる。 ### Anima Reference Latent Batch 解像度の異なる参照LATENT同士を1つの複数フレーム参照に結合する (2つ目を1つ目のサイズにfit)。チェーン可能。 ### Anima In-Context Reference Apply MODEL + 参照LATENT → MODEL。 - `strength` — 参照トークンへのattention bias。1.0=中立、0=無効 - `start_percent` / `end_percent` — 参照を有効にするステップ範囲 - `cond_only`(既定 ON)— CFGのuncond側では参照キーをマスクする。 学習契約(uncond=参照なし分布)と一致するので推奨 - `fit_mode` — 参照latentが生成解像度と違う場合のfit方法 (`pad`=アスペクト保持+エッジ複製パディング(既定)/ `stretch` / `crop`) - `ref_timestep` — 参照フレームのtimestep(既定0=クリーン。 noise augmentation学習をした場合のみ変更) ### Anima Style Adapter Loader / Anima Style Encode (SigLIP) / Anima Style Apply 絵柄ストリーム。`models/anima_style_adapters/` に学習済みアダプタを置く。 SigLIP系の CLIP_VISION モデルでエンコードし、`style_weight` で強度制御。 `cond_only`(既定 ON)。未学習アダプタは gate=0 で完全no-op。 ## ワークフロー例 ``` LoadImage ─┐ ├→ AnimaRefEncode ─┐ VAELoader ─┘ │ ▼ UNETLoader → LoraLoader → AnimaInContextApply → (AnimaStyleApply) → KSampler → ... (in-context LoRA) ▲ │ (絵柄も使う場合) CLIPVisionLoader → AnimaStyleEncode ┘ + AnimaStyleAdapterLoader ``` ## 重要: 学習との契約 (training contract) Anima本体は単フレームT2Iとして学習されているため、**このノード単体 (zero-shot)での参照効果は弱い/不安定**。専用のin-context LoRAを 学習して初めて本来の精度が出る。学習コード (リポジトリの `training/anima_incontext_train_network.py`)は 以下の推論時仕様をバイト単位で再現する: 1. 参照latentは生成フレームの **後ろ** にT軸連結(生成frames→参照frames) 2. 参照フレームのtimestepは **0**(生成フレームはサンプラーのt) 3. 参照latentは `latent_format` 正規化済み(`process_latent_in` 相当、 Wan21のper-channel mean/std) 4. 損失は生成フレームのみに適用(参照フレームの出力は破棄) 5. テキスト条件(LLMAdapter経由)は変更なし 6. 学習ペア: 同一キャラ・**異なる**出典の2枚(参照≠ターゲット)。 同一画像ペアはコピー機化するため禁止 7. CFG dropout: 参照を確率~10%でドロップ(フレーム連結自体を外す) → 推論側 `cond_only=True` のuncondがこの分布に対応 ## 実機検証結果(2026-07-04, RTX PRO 6000 / anima-base-v1.0) - **strength=0 ⇔ 通常生成: bit単位で完全一致**(strength≤0 は連結自体を スキップする実装。連結+全マスクでも数学的には同値だが、bf16 では attention kernel差がステップ毎に複利で増幅する — fp32 では1ステップ差 mean 0.05/255 と確認済み) - 全バリアント完走: strength=1.0(cond_only 両方)/ 解像度違い参照 (512x768→1024x1024, fit=pad) / 複数参照 (RefLatentBatch) / sigma窓 - **zero-shot(LoRA なし, strength=1.0)の挙動**: 参照キャラを ポーズ・衣装込みで**ほぼ完全にコピー**し、背景が崩壊する。 video プライアが参照を「隣接フレーム」として扱うため。 経路が機能している証拠だが、実用には in-context LoRA が必須 (参照≠ターゲットのペア学習がこのコピー機挙動を 「同一キャラ・別ポーズ/シーン」に矯正する)。 strength を下げても中間にはならず画質が劣化するだけ ## 既知の制約 - 参照フレームのK/Vは全ステップ不変だがキャッシュしていない (2Bモデルなので実害は小さい。最適化はTODO) - `tests/` にモックComfyUIでの契約テストあり