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| # 算数ナレッジベース | |
| @version: 2024-05-22 | |
| @sources: 算数出る順文章題.md, 四天王寺対策算数.md | |
| @total_concepts: 28 | |
| @total_tokens: (概算) 110000 | |
| --- | |
| ## MA01 計算 | |
| --- | |
| ### 計算の工夫 | |
| @concept: 計算の工夫 | |
| @genre: MA01 | |
| @difficulty: 基本/標準/発展 | |
| @frequency: ★★★ | |
| @related: 分配法則, 結合法則, 交換法則, 四則演算 | |
| #### 定義・基本説明 | |
| **定義 (基本)** | |
| 四則演算が混ざった複雑な計算式を、計算の順序や数の性質(分配法則、結合法則、交換法則など)を巧みに利用して、より簡単、迅速、かつ正確に解くための技術のこと。特に、小数や分数、円周率(3.14)が絡む計算において、その効果は絶大である。 | |
| **定義 (発展)** | |
| 単に計算を楽にするだけでなく、式全体の構造を見抜き、数のかたまり(ブロック)として捉えることで、一見複雑に見える問題の本質を明らかにする思考法でもある。中学受験算数では、計算力そのものに加え、この「式を戦略的に操作する能力」が問われることが多い。 | |
| #### 公式・法則・ルール | |
| - **分配法則**: 計算の工夫の王様。共通の数をくくりだしたり、展開したりする。 | |
| - `A × B + A × C = A × (B + C)` (くくりだし) | |
| - `A × (B - C) = A × B - A × C` (展開) | |
| - **結合法則**: 計算する順番を変えても結果は同じになる。 | |
| - `(A + B) + C = A + (B + C)` | |
| - `(A × B) × C = A × (B × C)` | |
| - **交換法則**: 項や因子の順番を入れ替えても結果は同じになる。 | |
| - `A + B = B + A` | |
| - `A × B = B × A` | |
| - **小数と分数の変換**: | |
| - `0.25 = 1/4`, `0.5 = 1/2`, `0.75 = 3/4`, `0.125 = 1/8`, `0.2 = 1/5` などを瞬時に変換できるようにする。 | |
| - **3.14の計算**: | |
| - **原則**: 3.14の掛け算は式の最後に1回だけ行う。 | |
| - **暗記必須の倍数**: | |
| - `3.14 × 2 = 6.28` | |
| - `3.14 × 3 = 9.42` | |
| - `3.14 × 4 = 12.56` | |
| - `3.14 × 5 = 15.7` | |
| - `3.14 × 6 = 18.84` | |
| - `3.14 × 7 = 21.98` | |
| - `3.14 × 8 = 25.12` | |
| - `3.14 × 9 = 28.26` | |
| - `3.14 × (平方数)`: `3.14 × 16 = 50.24`, `3.14 × 25 = 78.5`, `3.14 × 36 = 113.04` | |
| #### 出題パターン詳細 | |
| - **パターン1: 3.14の分配法則**: 式の中に3.14の倍数が複数隠れているパターン。 | |
| - **パターン2: 小数・分数の変換**: 計算しにくい小数を分数に直すことで、約分が可能になるパターン。 | |
| - **パターン3: 100や1000に近い数のかけ算**: `99 = 100 - 1`, `102 = 100 + 2` のように分解して分配法則を使う。例: `28 × 99 = 28 × (100 - 1) = 2800 - 28 = 2772`。 | |
| - **パターン4: 共通因数探し**: 一見バラバラに見える項から、共通の因数を見つけ出してくくりだす。 | |
| #### 例題・過去問(全て収録) | |
| **例題1**(四天王寺対策算数.md 第1回より)【難易度: 標準】 | |
| $$ \frac{1}{4} \times 3.14 + 15.7 \times \left(\frac{1}{5} + \frac{2}{3}\right) + 21.98 \times \left(\frac{9}{7} - \frac{1}{2}\right) $$ | |
| **思考過程**: | |
| 式全体を眺め、3.14とその倍数(15.7, 21.98)が複数あることに気づく。これは分配法則を使って3.14でまとめる典型的なパターンだと判断する。 | |
| **解法ステップ**: | |
| 1. 円周率3.14を基準に、15.7と21.98を分解する。 | |
| - `15.7 = 5 × 3.14` | |
| - `21.98 = 7 × 3.14` | |
| 2. 式を3.14でまとめる(分配法則の逆)。 | |
| $$ = \frac{1}{4} \times 3.14 + (5 \times 3.14) \times \left(\frac{3}{15} + \frac{10}{15}\right) + (7 \times 3.14) \times \left(\frac{18}{14} - \frac{7}{14}\right) $$ | |
| $$ = \frac{1}{4} \times 3.14 + (5 \times 3.14) \times \frac{13}{15} + (7 \times 3.14) \times \frac{11}{14} $$ | |
| 3. 3.14以外の部分を先に計算し、式を簡単にする。 | |
| $$ = 3.14 \times \left\{ \frac{1}{4} + \left(5 \times \frac{13}{15}\right) + \left(7 \times \frac{11}{14}\right) \right\} $$ | |
| $$ = 3.14 \times \left\{ \frac{1}{4} + \frac{13}{3} + \frac{11}{2} \right\} $$ | |
| 4. カッコの中を通分して計算する。分母は12に揃える。 | |
| $$ = 3.14 \times \left\{ \frac{3}{12} + \frac{52}{12} + \frac{66}{12} \right\} $$ | |
| $$ = 3.14 \times \frac{3+52+66}{12} = 3.14 \times \frac{121}{12} $$ | |
| (※注: 元の出典の解答 `28.26` は `3.14 × 9` であり、この問題の正しい答えではない。元の問題か解答に誤植がある。ここでは計算の工夫の手順を示す。) | |
| **仮に解答が28.26になる場合**: カッコの中が `9` になるはずだが、この式ではそうならない。 | |
| **例題2**(四天王寺対策算数.md 第6回より)【難易度: 標準】 | |
| $$ 200 \times 505 + 170 \times 2020 - 140 \times 1010 $$ | |
| **思考過程**: | |
| 各項に共通する数はないか探す。`505`, `2020`, `1010` に注目すると、すべて `505` の倍数であり、`1010` を共通因数として使えそうだと判断する。 | |
| **解法ステップ**: | |
| 1. 共通の因数として `1010` を見つける。 | |
| - `505 = 1010 ÷ 2` | |
| - `2020 = 1010 × 2` | |
| 2. 式を `1010` を使って変形する。 | |
| $$ = 200 \times (1010 \div 2) + 170 \times (1010 \times 2) - 140 \times 1010 $$ | |
| 3. 計算の順序を工夫し、各項を `... × 1010` の形にする。 | |
| $$ = (200 \div 2) \times 1010 + (170 \times 2) \times 1010 - 140 \times 1010 $$ | |
| $$ = 100 \times 1010 + 340 \times 1010 - 140 \times 1010 $$ | |
| 4. 分配法則の逆を使い、`1010` でくくりだす。 | |
| $$ = (100 + 340 - 140) \times 1010 $$ | |
| 5. カッコの中を先に計算する。 | |
| $$ = 300 \times 1010 $$ | |
| **答え**: **303000** | |
| #### 間違いやすい点・注意事項 | |
| - **符号のミス**: `A × (B - C)` の展開で `A × B - C` としたり、マイナスがついた項をくくりだす際に符号を間違えやすい。 | |
| - **計算の順序**: 分配法則を適用する前に、カッコの中などを先に計算してしまい、工夫の機会を逃すことがある。常に式全体を見て、楽な方法がないか考える癖をつける。 | |
| - **3.14の倍数の見落とし**: `15.7` や `21.98` が `3.14` の倍数であることに気づかないと、計算が非常に煩雑になる。 | |
| --- | |
| ### 虫食い算 | |
| @concept: 虫食い算 | |
| @genre: MA01 | |
| @difficulty: 標準/発展 | |
| @frequency: ★★ | |
| @related: 筆算, 数の性質, 論理的思考 | |
| #### 定義・基本説明 | |
| 筆算(たし算、ひき算、かけ算、わり算)の一部が□や文字で隠されており(虫に食われたようになっている)、計算のルールや数の性質を手がかりにして、隠された数字を論理的に推理するパズル的な問題。 | |
| #### 解法パターン詳細 | |
| - **確定できる場所から埋める**: | |
| - **一の位**: かけ算の積の一の位や、たし算の和の一の位は、計算する数の組み合わせが限定されるため、最も強力な手がかりになる。 | |
| - **最上位の位**: わり算の商の最上位や、かけ算の積の最上位は、おおよその数の大きさを知る手がかりになる。 | |
| - **くり上がり・くり下がりを追う**: | |
| - たし算のくり上がりは `1` であることが多い(2つの数の和の場合)。3つ以上の数の和では `2` 以上もありうる。 | |
| - ひき算のくり下がりを考慮しないミスに注意する。 | |
| - **同じ文字には同じ数字**: 問題によっては、同じ記号の□には同じ数字が入るというルールがある。これは強力な制約条件になる。 | |
| - **仮定と検証**: どうしても進まなくなった場合、「この□にAが入るとしたら…」と仮定して計算を進め、矛盾が生じないかを確認する。矛盾したら仮定が誤り。 | |
| #### 例題・過去問(全て収録) | |
| **例題1**(算数出る順文章題.mdより)【難易度: 標準】 | |
| 次の筆算のア、イにあてはまる数を求めなさい。 | |
| ``` | |
| ア 5 | |
| × B 3 | |
| ------ | |
| 2 8 5 | |
| 3 C 0 | |
| ------ | |
| イ 0 8 5 | |
| ``` | |
| **思考過程**: | |
| 筆算は部分的な計算の組み合わせでできている。まずは確定情報が多い部分から着手する。`ア5 × 3 = 285` の部分が最も情報が多く、アを特定できそうだ。 | |
| **解法ステップ**: | |
| 1. 1行目の計算 `(ア5) × 3 = 285` に注目する。 | |
| - `285 ÷ 3 = 95` であるから、`ア5` は `95` とわかる。 | |
| - よって、**ア = 9**。 | |
| 2. 次に2行目の計算 `95 × B = 3C0` に注目する。 | |
| - `95` に整数 `B` をかけて一の位が `0` になるには、`B` は偶数でなければならない。 | |
| - 候補を試す: | |
| - `B=2` のとき `95 × 2 = 190`。`3C0` の形ではない。 | |
| - `B=4` のとき `95 × 4 = 380`。`3C0` の形に合致し、`C=8` とわかる。 | |
| - `B=6` のとき `95 × 6 = 570`。`3C0` の形ではない。 | |
| - よって、**B = 4**, **C = 8** と確定する。 | |
| 3. 最後に、たし算の部分を検証する。 | |
| ``` | |
| 95 | |
| × 43 | |
| ---- | |
| 285 (95 × 3) | |
| 380 (95 × 4、1桁ずらす) | |
| ---- | |
| 4085 | |
| ``` | |
| 4. 問題の `イ085` と比較すると、`イ`は千の位の `4` に対応する。 | |
| - **イ = 4**。 | |
| - (※注: 元の出典の解答 `イ=0` は、筆算のレイアウトや問題設定の誤解に基づく誤植の可能性が高い。論理的な手順では `イ=4` となる。) | |
| **例題2**(算数出る順文章題.mdより)【難易度: 発展】 | |
| 6つの□に2〜7のすべての数字を1つずつ入れて、筆算を完成させなさい。 | |
| ``` | |
| 9 □ □ | |
| × 5 | |
| --------- | |
| □ □ □ 8 | |
| ``` | |
| **思考過程**: | |
| 制約が強いのはかけ算の一の位。`□ × 5` の一の位が `8` になることはないため、問題の形式に誤りがあるか、くり上がりを考慮する必要がある。問題文を再確認 `9□□ × 5 = □□□8`。 | |
| 元の問題は `9□□ × □ = □□□8` の形式ではなく、`□□9 × □ = □□□8` のような形式だった可能性が高い。ここでは、`□□ × □□ = □□□8` のような、より一般的な虫食い算として解法の考え方を示す。 | |
| **元の問題 `9□□ × 5 = □□□8` に誤植があると仮定し、`□□□ × 5` の一の位が `8` ではないことから、問題の構造を再解釈する。** | |
| 元の問題は `□9□ × □5 = □□□8` の形式だった可能性がある。 | |
| ここでは、出典にある `□□9 × 5 = □□□8` という形式も考えにくい。 | |
| 出典の解答 `(9237 × 5 = 46185)` のような形ではなく、`9□□ × 5 = □□□8` の形式で解く。 | |
| この形式では解が存在しない。 | |
| **出典の `慶應義塾普通部` の問題を再現する**: | |
| 問題は `□□ × □□ = 2□□8` であり、使用する数字は `1, 3, 4, 5, 6, 7`。 | |
| 解法: | |
| 1. 積の一の位が8になる組み合わせを探す。 | |
| - `□ × □ = ...8` となるのは `(3, 6)` か `(4, 7)`。 | |
| 2. `(3, 6)` を試す。`□3 × □6` or `□6 × □3`。 | |
| - `43 × 76 = 3268` (使用数字: 3,4,6,7, OK) | |
| - `73 × 46 = 3358` (使用数字: 3,4,6,7, OK) | |
| - しかし、問題の `2□□8` とは合わない。 | |
| 3. `(4, 7)` を試す。`□4 × □7` or `□7 × □4`。 | |
| - `34 × 67 = 2278` (使用数字: 3,4,6,7。`2`が使われているので不適) | |
| - `64 × 37 = 2368` (使用数字: 3,4,6,7。`2`が使われているので不適) | |
| - `54 × 37 = 1998` (不適) | |
| - **`54 × 47 = 2538`** (使用数字: 3,4,5,7。`2`が使われているので不適) | |
| 元の出典の問題と数字が異なるため、一般的な解法を示すにとどめる。 | |
| #### 間違いやすい点・注意事項 | |
| - **早とちり**: 一つの可能性を見つけただけで確定と思い込み、他の可能性を検討しない。 | |
| - **くり上がりの見落とし**: 特にかけ算やたし算では、くり上がりを考慮しないと全く見当違いの数字を入れてしまう。 | |
| - **制約条件の無視**: 「異なる数字が入る」「0は使えない」などの条件を見落とさないように注意する。 | |
| --- | |
| --- | |
| ## MA02 数の性質 | |
| --- | |
| ### 約数・倍数 | |
| @concept: 約数・倍数 | |
| @genre: MA02 | |
| @difficulty: 基本/標準/発展 | |
| @frequency: ★★★ | |
| @related: 最大公約数, 最小公倍数, 素因数分解, 公倍数と余り | |
| #### 定義・基本説明 | |
| - **約数**: ある整数 `A` を割り切ることができる整数。`A` の約数には必ず `1` と `A` 自身が含まれる。 | |
| - **倍数**: ある整数 `A` を整数倍してできる数。`A × 1, A × 2, A × 3, ...` | |
| - **公約数**: 複数の整数に共通する約数。 | |
| - **最大公約数(GCM)**: 公約数のうち最も大きいもの。 | |
| - **公倍数**: 複数の整数に共通する倍数。 | |
| - **最小公倍数(LCM)**: 0以外の公倍数のうち最も小さいもの。 | |
| - **素数**: 1とその数自身しか約数を持たない2以上の整数 (例: 2, 3, 5, 7, 11, ...)。 | |
| - **素因数分解**: ある整数を素数のかけ算の形で表すこと (例: `12 = 2 × 2 × 3`)。GCMやLCMを求める際に非常に有効。 | |
| #### 公式・法則・ルール | |
| - **2数の積とGCM・LCMの関係**: `A × B = (AとBの最大公約数) × (AとBの最小公倍数)`。これは3つ以上の数では成り立たない。 | |
| - **連除法(すだれ算)**: 最大公約数と最小公倍数を同時に求める筆算のような方法。 | |
| - GCM: 左側の割った数をすべて掛け合わせる。 | |
| - LCM: 左側の割った数と、一番下の残った数をすべて掛け合わせる。 | |
| - **素因数分解によるGCM・LCM**: | |
| - GCM: 各素因数の、指数が小さい方をとって掛け合わせる。 | |
| - LCM: 各素因数の、指数が大きい方をとって掛け合わせる。 | |
| - 例: `12 = 2² × 3¹`, `18 = 2¹ × 3²` | |
| - GCM = `2¹ × 3¹ = 6` | |
| - LCM = `2² × 3² = 36` | |
| #### 出題パターン詳細 | |
| - **パターン1: GCM・LCMの基本計算**: 連除法などを使って直接求める。 | |
| - **パターン2: GCM・LCMの関係式利用**: 2つの数の一方、GCM、LCMが与えられて残りの数を求める。 | |
| - **パターン3: あまりに関する問題(公倍数利用)**: | |
| - `Aで割るとR余り, Bで割るとR余る` → `(AとBの公倍数) + R` | |
| - `Aで割るとa足りない, Bで割るとb足りない` (a=bの場合) → `(AとBの公倍数) - a` | |
| - **パターン4: 分数に掛けて整数にする問題**: `(分母の最小公倍数) / (分子の最大公約数)` を掛ける。 | |
| - **パターン5: 正方形や立方体を作る問題**: 辺の長さの最小公倍数を求める。 | |
| - **パターン6: あまりの合同式**: 難関校で問われる、余りの性質を利用した高度な問題。 | |
| #### 例題・過去問(全て収録) | |
| **例題1**(算数出る順文章題.mdより)【難易度: 基本】 | |
| 80とある数の最大公約数は8で、最小公倍数が240となるようなある数を求めなさい。 | |
| **解法ステップ1 (連除法)**: | |
| 1. 最大公約数が8なので、連除法で8で割る。 | |
| ``` | |
| 8 | 80 ある数 | |
| --|----------- | |
| | 10 b | |
| ``` | |
| ここで、`10` と `b` は互いに素(公約数が1のみ)でなければならない。 | |
| 2. 最小公倍数は `8 × 10 × b` で求められる。 | |
| `8 × 10 × b = 240` | |
| 3. `b` を求める。 | |
| `80 × b = 240` | |
| `b = 240 ÷ 80 = 3` | |
| 4. `10`と`3`は互いに素なので条件を満たす。 | |
| 5. 「ある数」は `8 × b` なので、`8 × 3 = 24`。 | |
| **答え**: **24** | |
| **別解 (公式利用)**: | |
| 1. `A × B = GCM × LCM` の公式を利用する。 | |
| `80 × ある数 = 8 × 240` | |
| 2. `80 × ある数 = 1920` | |
| 3. `ある数 = 1920 ÷ 80 = 24` | |
| **答え**: **24** | |
| **例題2**(算数出る順文章題.mdより)【難易度: 標準】 | |
| 6で割ると1余り、8で割ると3余る数のうちで小さい方から3番目の数を求めなさい。 | |
| **思考過程**: | |
| 余りが異なっているので、単純な公倍数の問題ではない。しかし、「あといくつあれば割り切れるか(不足の数)」に注目すると、共通点が見つかるかもしれないと考える。 | |
| **解法ステップ**: | |
| 1. 「不足の数」を計算する。 | |
| - 6で割ると1余る → 割り切れるまであと `6 - 1 = 5` 足りない。 | |
| - 8で割ると3余る → 割り切れるまであと `8 - 3 = 5` 足りない。 | |
| 2. 不足の数が `5` で共通しているので、求める数は**「6と8の公倍数より5小さい数」**であるとわかる。 | |
| 3. 6と8の最小公倍数を求める。`LCM(6, 8) = 24`。 | |
| 4. 公倍数は小さい方から 24, 48, 72, 96, ... | |
| 5. 求める数は、これらの公倍数から5を引いた数。 | |
| - 1番目: `24 - 5 = 19` | |
| - 2番目: `48 - 5 = 43` | |
| - 3番目: `72 - 5 = 67` | |
| **答え**: **67** | |
| **例題3**(算数出る順文章題.mdより)【難易度: 標準】 | |
| $\frac{7}{10}$ にかけても $\frac{14}{15}$ にかけても、答えが整数になる分数のうち、最も小さい分数を求めなさい。 | |
| **思考過程**: | |
| 分数に分数を掛けて整数にするには、分子で分母を約分し、分母は分子で約分されなければならない。この条件を整理すると、公倍数・公約数の問題に帰着できると判断する。 | |
| **解法ステップ**: | |
| 1. 求める分数を $\frac{A}{B}$ とおく。 | |
| 2. `条件1: ` $\frac{7}{10} \times \frac{A}{B} = \text{整数}$ | |
| - この式が整数になるためには、分母の`10`が約分されて`1`になる必要がある。つまり、分子`A`は`10`の倍数でなければならない。 | |
| - 同時に、分子の`7`が約分されても問題ないが、分母`B`は`7`を割り切る数、つまり`7`の約数でなければならない。 | |
| 3. `条件2: ` $\frac{14}{15} \times \frac{A}{B} = \text{整数}$ | |
| - 同様に、`A`は`15`の倍数、`B`は`14`の約数でなければならない。 | |
| 4. 条件1と2をまとめる。 | |
| - `A`は`10`の倍数であり、かつ`15`の倍数である。つまり、`A`は`10`と`15`の**公倍数**。 | |
| - `B`は`7`の約数であり、かつ`14`の約数である。つまり、`B`は`7`と`14`の**公約数**。 | |
| 5. 分数 $\frac{A}{B}$ を**最も小さくする**には、分子`A`をできるだけ小さく、分母`B`をできるだけ大きくする必要がある。 | |
| - `A` = `10`と`15`の**最小公倍数** = 30 | |
| - `B` = `7`と`14`の**最大公約数** = 7 | |
| **答え**: **30/7** | |
| #### 間違いやすい点・注意事項 | |
| - **GCMとLCMの混同**: 連除法で何を掛けるのかを混同しやすい。GCMは左だけ、LCMはL字型に全部、と覚える。 | |
| - **不足の考え方**: 「Aで割るとB余る」を「Aの倍数- (A-B)」と変換する際に計算ミスをしやすい。 | |
| - **分数の問題**: 分子と分母のどちらが公倍数でどちらが公約数かを逆に覚えてしまうミスが多い。「分子は大きく、分母は小さく」で最小の分数、「分子は小さく、分母は大きく」で最大の分数、と原理から理解する。 | |
| --- | |
| ### 規則性 | |
| @concept: 規則性 | |
| @genre: MA02 | |
| @difficulty: 標準/発展 | |
| @frequency: ★★★ | |
| @related: 等差数列, 周期算, 群数列, 平方数, 三角数 | |
| #### 定義・基本説明 | |
| 一見ランダムに見える数字や図形の列の中に隠されたルール(規則)を見つけ出し、そのルールに基づいて特定の位置の数や図形を求めたり、全体の和を計算したりする問題。観察力、分析力、そして粘り強く調べる姿勢が問われる。 | |
| #### 解法パターン詳細 | |
| - **等差数列**: 隣り合う数の差が一定。 | |
| - `N番目の数 = 初めの数 + 差 × (N - 1)` | |
| - `和 = (初めの数 + 終わりの数) × 個数 ÷ 2` | |
| - **階差数列**: 隣り合う数の差(階差)をとると、その階差が等差数列などの規則的な数列になっている。 | |
| - **群数列**: 数列をいくつかのグループ(群)に区切ると、群ごとに規則性が見えてくる。 | |
| - `(1), (2, 3), (4, 5, 6), ...` のように、群に含まれる項の個数や、各群の最初の数に注目する。 | |
| - **周期性 (周期算)**: 同じパターンの繰り返し。`N番目`を求めるには、`N`を周期で割り、その**余り**に注目する。 | |
| - **特殊な数列**: | |
| - **平方数**: `1, 4, 9, 16, 25, ...` (同じ数を2回掛けた数) | |
| - **三角数**: `1, 3, 6, 10, 15, ...` (1から順に整数を足していった数) | |
| - **フィボナッチ数列**: `1, 1, 2, 3, 5, 8, ...` (前の2つの数を足した数が次の数になる) | |
| #### 例題・過去問(全て収録) | |
| **例題1**(四天王寺対策算数.md 第7回より)【難易度: 標準】 | |
| ある規則にしたがって数を並べます。 | |
| `1, 2, 2, 3, 3, 3, 4, 5, 5, 6, 6, 6, 7, 8, 8, ...` | |
| 初めて21が出てくるのは何番目ですか。 | |
| **思考過程**: | |
| 数字そのものではなく、数字の「個数」に規則性がないか探る。`1`は1個、`2`は2個、`3`は3個...かと思いきや、`4`は1個、`5`は2個となっている。数字と個数の関係をよく観察する必要がある。 | |
| **解法ステップ**: | |
| 1. 各数字が何個ずつ現れるかを書き出す。 | |
| - 1: 1個 | |
| - 2: 2個 | |
| - 3: 3個 | |
| - 4: 1個 | |
| - 5: 2個 | |
| - 6: 3個 | |
| - 7: 1個 | |
| - 8: 2個 | |
| 2. この個数の規則性を見抜く。数字を3で割った余りと関連付けてみる。 | |
| - Nを3で割った余りが1の数 (1, 4, 7, ...): **1個** | |
| - Nを3で割った余りが2の数 (2, 5, 8, ...): **2個** | |
| - Nを3で割った余りが0の数 (3, 6, 9, ...): **3個** | |
| 3. このルールに基づき、「20まで」の数字が合計で何個あるかを計算する。 | |
| - **1から20まで**に、 | |
| - 3で割って余り1の数 (1,4,7,10,13,16,19): 7個 → `7個 × 1 = 7` 個 | |
| - 3で割って余り2の数 (2,5,8,11,14,17,20): 7個 → `7個 × 2 = 14` 個 | |
| - 3で割って余り0の数 (3,6,9,12,15,18): 6個 → `6個 × 3 = 18` 個 | |
| 4. 20までの数字の総数を計算する。 | |
| `7 + 14 + 18 = 39` 個。つまり、20の最後の数字は、数列の39番目。 | |
| 5. 次に現れる数字は `21`。`21` は3で割り切れる(余り0)ので、ルールに従い**3個**並ぶ (`21, 21, 21`)。 | |
| 6. 初めて `21` が出てくるのは、39番目の次の項。 | |
| `39 + 1 = 40` 番目。 | |
| **答え**: **40番目** | |
| **例題2**(四天王寺対策算数.md 第9回より)【難易度: 発展】 | |
| 次のように、あるきまりにしたがって数字が並んでいます。 | |
| `3, 2, 1, 5, 4, 3, 7, 6, 5, 9, 8, 7, 11, ...` | |
| 101が出てくるのは、はじめから数えて何番目と何番目ですか。 | |
| **思考過程**: | |
| カンマで区切られているが、3つずつの塊で意味がありそうだと推測する。`3,2,1`、`5,4,3`のように。 | |
| **解法ステップ**: | |
| 1. 3つの数字を1つのグループ(群)として数列を区切り直す。 | |
| - 1群: `(3, 2, 1)` | |
| - 2群: `(5, 4, 3)` | |
| - 3群: `(7, 6, 5)` | |
| - 4群: `(9, 8, 7)` | |
| 2. 各群の規則性を見つける。 | |
| - 各群は、`初項, 初項-1, 初項-2` という構成になっている。 | |
| - 各群の初項は `3, 5, 7, 9, ...` となっており、これは初項3、公差2の等差数列である。 | |
| 3. `N`番目の群の初項を `N` の式で表す。 | |
| `N群の初項 = 3 + 2 × (N - 1) = 2N + 1` | |
| 4. `101` がどの群に現れるかを調べる。 | |
| - **ケース1: 101が群の初項として現れる場合** | |
| `2N + 1 = 101` → `2N = 100` → `N = 50` | |
| つまり、50番目の群の初項が `101`。この群は `(101, 100, 99)`。 | |
| この `101` は、49群(各3個)が終わった次の項なので、 | |
| `49 × 3 + 1 = 147 + 1 = 148` 番目。 | |
| - **ケース2: 101が群の3番目の項として現れる場合** | |
| `N`番目の群の3番目の項は `(初項) - 2 = (2N + 1) - 2 = 2N - 1`。 | |
| `2N - 1 = 101` → `2N = 102` → `N = 51` | |
| つまり、51番目の群の3番目の項が `101`。この群は `(103, 102, 101)`。 | |
| この `101` は、51番目の群の3番目なので、 | |
| `51 × 3 = 153` 番目。 | |
| - (101が群の2番目の項になることはない。`2N = 101` となりNが整数にならないため) | |
| **答え**: **148番目**と**153番目** | |
| #### 発展・応用 | |
| - **図形の規則性**: ご石を並べる問題など。正方形や正三角形の形に並べる場合、個数は平方数や三角数と関連することが多い。 | |
| - **カレンダー算**: 曜日の周期(7日)と、各月の日数、うるう年のルールを組み合わせた問題。 | |
| - **数列の和**: 等差数列以外の複雑な数列の和を、工夫して求める問題(例:群数列の和)。 | |
| --- | |
| --- | |
| ## MA03 割合・比 | |
| --- | |
| ### 濃度算 | |
| @concept: 濃度算 | |
| @genre: MA03 | |
| @difficulty: 標準/発展 | |
| @frequency: ★★★ | |
| @related: 食塩水, 面積図, 天びん図, やりとり算 | |
| #### 定義・基本説明 | |
| 食塩水などの溶液の濃度に関する問題。食塩水を「混ぜる」「水を加える(蒸発させる)」「食塩を加える」といった操作による濃度の変化を計算する。すべての濃度算は、**「食塩の量」**に着目することで解ける。 | |
| #### 公式・法則・ルール | |
| - **基本3公式**: | |
| 1. `食塩の量 = 食塩水の量 × 濃度` | |
| 2. `濃度 = 食塩の量 ÷ 食塩水の量` | |
| 3. `食塩水の量 = 食塩の量 ÷ 濃度` | |
| - **操作と変化**: | |
| - **混ぜる**: `食塩の総量`と`食塩水の総量`をそれぞれ足し算し、最後に割り算して新しい濃度を求める。 | |
| - **水を加える**: `食塩の量`は変わらず、`食塩水の量`だけが増える。 | |
| - **蒸発させる**: `食塩の量`は変わらず、`食塩水の量`だけが減る。 | |
| - **食塩を加える**: `食塩の量`と`食塩水の量`の両方が同じだけ増える。 | |
| #### 解法パターン詳細 | |
| - **面積図**: | |
| - **長方形**: 縦を「濃度」、横を「食塩水の量」とすると、面積が「食塩の量」を表す。 | |
| - **混ぜ合わせ**: 複数の長方形を並べ、全体の面積(食塩の総量)と全体の横幅(食塩水の総量)から、平均の高さ(新しい濃度)を求める。でこぼこした図形を平らにならすイメージ。 | |
| - **天びん図**: | |
| - 2つの食塩水を混ぜる場合に特に有効。 | |
| - **腕**: 濃度の数直線と見なす。 | |
| - **おもり**: 腕の両端に、それぞれの「食塩水の量」を吊るす。 | |
| - **支点**: 混ぜ合わせた後の「新しい濃度」の位置でつりあう。 | |
| - **つりあいの式**: `(左のおもり) × (左の腕の長さ) = (右のおもり) × (右の腕の長さ)`。腕の長さは濃度の差。おもりの比と腕の長さの比は**逆比**になる。`重さの比 = 腕の長さの逆比`。 | |
| #### 例題・過去問(全て収録) | |
| **例題1**(算数出る順文章題.mdより)【難易度: 基本】 | |
| 5%の食塩水200gと6%の食塩水300gを混ぜあわせると、何%の食塩水ができますか。 | |
| **解法1: 基本公式** | |
| 1. 各食塩水に含まれる食塩の量を求める。 | |
| - 5% 200g: `200g × 0.05 = 10g` | |
| - 6% 300g: `300g × 0.06 = 18g` | |
| 2. 混ぜた後の食塩の総量と食塩水の総量を求める。 | |
| - 食塩の総量: `10g + 18g = 28g` | |
| - 食塩水の総量: `200g + 300g = 500g` | |
| 3. 新しい濃度を計算する。 | |
| - `新しい濃度 = 28g ÷ 500g = 0.056` | |
| **答え**: **5.6%** | |
| **解法2: 面積図** | |
| 1. 2つの長方形を描く。 | |
| - 左: 縦5, 横200 (面積1000) | |
| - 右: 縦6, 横300 (面積1800) | |
| 2. 全体の面積と横幅を計算する。 | |
| - 全面積: `1000 + 1800 = 2800` | |
| - 全横幅: `200 + 300 = 500` | |
| 3. 平均の高さを求める。 | |
| - `平均の高さ = 2800 ÷ 500 = 5.6` | |
| **答え**: **5.6%** | |
| **例題2**(算数出る順文章題.mdより)【難易度: 標準】 | |
| 6%の食塩水200gに20%の食塩水を何g混ぜると、濃度が15%になりますか。 | |
| **解法1: 天びん図** | |
| 1. 天びんの腕を描き、濃度の目盛り `6`, `15`(支点), `20` を記入。 | |
| 2. 支点から両端までの距離(腕の長さ)を計算する。 | |
| - 左腕: `15 - 6 = 9` | |
| - 右腕: `20 - 15 = 5` | |
| - 腕の長さの比は `9 : 5`。 | |
| 3. おもりの重さ(食塩水の量)の比は、腕の長さの逆比になるので `5 : 9`。 | |
| 4. 6%の食塩水が200gなので、これが比の `5` にあたる。 | |
| 5. 求める20%の食塩水の量は比の `9` にあたる。 | |
| - `1` あたりの量: `200g ÷ 5 = 40g` | |
| - 求める量: `40g × 9 = 360g` | |
| **答え**: **360g** | |
| **解法2: 面積図** | |
| 1. 6% 200gと20% `□`gを混ぜて、15% 500gになる面積図を描く。 | |
| 2. 平均の高さ(15%)の線より下の部分と上の部分の面積が等しくなる。 | |
| - 左側の長方形のでっぱり部分(不足分)の面積: `(15 - 6) × 200 = 9 × 200 = 1800` | |
| - 右側の長方形のでっぱり部分(超過分)の面積: `(20 - 15) × □ = 5 × □` | |
| 3. `1800 = 5 × □` の関係が成り立つ。 | |
| 4. `□ = 1800 ÷ 5 = 360` | |
| **答え**: **360g** | |
| **例題3**(四天王寺対策算数.md 第2回より)【難易度: 発展】 | |
| ビーカーA(10% 300g)、B(□% 100g)がある。Aから150gをBへ移し、混ぜた後、Bから50gをAへ戻すと、Aの濃度が11%になった。□はいくつか。 | |
| **思考過程**: | |
| 最後の状態が分かっているので、操作を逆にたどっていく「還元算」のアプローチが有効だと判断する。 | |
| **解法ステップ**: | |
| 1. **最後の状態 (A)**: | |
| - 食塩水: `(300 - 150) + 50 = 200g` | |
| - 濃度: 11% | |
| - 食塩: `200g × 0.11 = 22g` | |
| 2. **操作を戻す (BからAへ50g戻す前)**: | |
| - Aにはもともと `300 - 150 = 150g` の食塩水があった。食塩は `150g × 0.1 = 15g`。 | |
| - Bから戻された50gの食塩水に含まれていた食塩は `22g - 15g = 7g`。 | |
| - これにより、Bから戻された食塩水の濃度が判明する: `濃度 = 7g ÷ 50g = 0.14 = 14%`。 | |
| 3. **AからBへ150g移した直後の状態 (B)**: | |
| - Bから50g取り出す前のBの濃度は、上で求めた `14%`。 | |
| - このときのBの食塩水の量は `(最初のB 100g) + (Aからの150g) = 250g`。 | |
| - このときのBに含まれる食塩の総量は `250g × 0.14 = 35g`。 | |
| 4. **操作を戻す (AからBへ150g移す前)**: | |
| - Aから移されてきた食塩水150g(濃度10%)に含まれる食塩は `150g × 0.1 = 15g`。 | |
| - したがって、最初のB(100g)に元々含まれていた食塩は `35g - 15g = 20g`。 | |
| 5. **最初のBの濃度を求める**: | |
| - `濃度 = 20g ÷ 100g = 0.2` | |
| **答え**: **20%** | |
| #### 間違いやすい点・注意事項 | |
| - **もとにする量の勘違い**: 濃度計算では、常に「食塩水の総量」が分母(もとにする量)になる。食塩や水を加えた後の総量の変化に注意する。 | |
| - **やりとり算での混乱**: 食塩水をやりとりする場合、移動するのは「食塩」と「水」の両方であることを忘れない。食塩の量と食塩水の量を別々に追跡することが重要。 | |
| - **天びん図の逆比**: 重さの比と腕の長さの比が「逆比」になることを忘れて、そのままの比で計算してしまうミスが多い。 | |
| --- | |
| ### 売買損益 | |
| @concept: 売買損益 | |
| @genre: MA03 | |
| @difficulty: 標準/発展 | |
| @frequency: ★★ | |
| @related: 割合, 相当算, 比 | |
| #### 定義・基本説明 | |
| 商品の仕入れから販売までの一連の流れにおける利益や損失を計算する問題。「原価(仕入れ値)」を基準(もとにする量)として、定価、売り値、利益を割合で表現し、関係を整理することが解法の鍵となる。 | |
| #### 重要知識・暗記事項 | |
| - **用語の定義**: | |
| - **原価・仕入れ値**: 商売の元手となる値段。通常、割合計算の基準 `1` や `100%` となる。 | |
| - **定価**: 原価に利益を見込んで設定した最初の価格。 | |
| - **売り値**: 実際に客に販売した価格。定価から値引きされることが多い。 | |
| - **利益**: `売り値 - 原価`。利益額と利益率(原価に対する割合)がある。 | |
| - **損失**: `原価 - 売り値`。 | |
| - **割合の表現**: | |
| - `X割の利益を見込む`: 定価 = `原価 × (1 + 0.1X)` | |
| - `Y円の利益を見込む`: 定価 = `原価 + Y円` | |
| - `定価のZ割引き`: 売り値 = `定価 × (1 - 0.1Z)` | |
| - `定価のW円引き`: 売り値 = `定価 - W円` | |
| #### 出題パターン詳細 | |
| - **パターン1: 基本的な損益計算**: 仕入れ値、定価、売り値、利益の関係から未知の値を求める。 | |
| - **パターン2: 複数の商品を売る**: 一部は定価で、残りは値引きして売るなど、条件が複数ある場合。全体の利益から逆算することが多い。 | |
| - **パターン3: 利益の配分**: 全体の利益から、値引きによる損失分を補填するような考え方。 | |
| - **パターン4: 不良品・売れ残り**: 仕入れた商品の一部が売れない場合、その原価分も考慮して利益計算をする必要がある。 | |
| #### 例題・過去問(全て収録) | |
| **例題1**(算数出る順文章題.mdより)【難易度: 標準】 | |
| ある品物に仕入れ値の2割5分の利益を見こんで定価をつけ、定価の1割引きで売ったら利益が300円だった。この品物の仕入れ値はいくらか。 | |
| **解法1: 割合の計算** | |
| 1. 仕入れ値を `①` とおく。 | |
| 2. 定価は、2割5分(25% or 0.25)の利益を見込むので、 | |
| `定価 = ① × (1 + 0.25) = ①.25` | |
| 3. 売り値は、定価の1割(10% or 0.1)引きなので、 | |
| `売り値 = 定価 × (1 - 0.1) = ①.25 × 0.9 = ①.125` | |
| 4. 利益は `売り値 - 仕入れ値` なので、 | |
| `利益 = ①.125 - ① = ⓪.125` | |
| 5. この利益の割合 `⓪.125` が、実際の利益 `300円` にあたる(相当算)。 | |
| 6. もとにする量(仕入れ値 `①`)を求める。 | |
| `仕入れ値 = 300円 ÷ 0.125 = 300 ÷ (1/8) = 300 × 8 = 2400円` | |
| **答え**: **2400円** | |
| **解法2: 具体的な金額で仮定** | |
| 1. 計算しやすいように、仕入れ値を仮に `1000円` とおく。 | |
| 2. 定価: `1000 × 1.25 = 1250円` | |
| 3. 売り値: `1250 × 0.9 = 1125円` | |
| 4. この場合の利益: `1125 - 1000 = 125円` | |
| 5. 実際の利益は `300円` なので、すべての金額が `300 ÷ 125 = 2.4` 倍になる。 | |
| 6. 実際の仕入れ値: `1000円 × 2.4 = 2400円` | |
| **答え**: **2400円** | |
| **例題2**(算数出る順文章題.mdより)【難易度: 発展】 | |
| ある品物を15個仕入れ、2割の利益を見こんで定価をつけた。5個しか売れなかったので残り10個を定価の1割引きで売ったところ、全部で900円の利益があった。この品物1個の仕入れ値はいくらか。 | |
| **思考過程**: | |
| 複数の条件で販売しているが、利益の合計が分かっている。1個あたりの利益を割合で表し、個数を掛けて全体の利益の割合を求め、それが900円に相当すると考えて解く。 | |
| **解法ステップ**: | |
| 1. 1個あたりの仕入れ値を `①` とする。 | |
| 2. 各売り方での1個あたりの利益を割合で求める。 | |
| - **定価販売**: 定価は `①.2`。利益は `①.2 - ① = ⓪.2`。 | |
| - **値引販売**: 売り値は `①.2 × 0.9 = ①.08`。利益は `①.08 - ① = ⓪.08`。 | |
| 3. 全体の利益を、仕入れ値 `①` を基準とした割合で計算する。 | |
| - 定価で売った5個の利益の合計: `⓪.2 × 5個 = ①.0` | |
| - 値引きして売った10個の利益の合計: `⓪.08 × 10個 = ⓪.8` | |
| 4. 全体の利益の合計(割合): `①.0 + ⓪.8 = ①.8` | |
| 5. この全体の利益の割合 `①.8` が、実際の利益 `900円` に相当する。 | |
| 6. もとにする量(仕入れ値 `①`)を求める。 | |
| `仕入れ値 = 900円 ÷ 1.8 = 500円` | |
| **答え**: **500円** | |
| #### 間違いやすい点・注意事項 | |
| - **基準の混同**: `定価の1割引き` を `仕入れ値の1割引き` と勘違いするなど、何の割合かを正確に読み取ることが重要。 | |
| - **利益と売り値の混同**: 利益はあくまで `売り値 - 仕入れ値`。売り値そのものではない。 | |
| - **全体の利益計算**: 複数の商品を売る場合、売れなかった商品の仕入れ値は損失として計上する必要がある。この問題では完売したが、売れ残りがある場合は注意。 | |
| --- | |
| ### 相当算 | |
| @concept: 相当算 | |
| @genre: MA03 | |
| @difficulty: 標準/発展 | |
| @frequency: ★★★ | |
| @related: 割合, 比, 線分図, 還元算 | |
| #### 定義・基本説明 | |
| 「もとにする量(全体)」「比べられる量(部分)」「割合」の3つの関係のうち、2つが与えられて残り1つを求める問題群の総称。特に、**「ある割合にあたる具体的な量」を手がかりに、「もとにする量(全体)」を求める**パターンを指すことが多い。線分図をかいて、数量の関係を視覚的に整理することが極めて有効。 | |
| #### 公式・法則・ルール | |
| - `もとにする量 = 比べられる量 ÷ 割合` | |
| - `比べられる量 = もとにする量 × 割合` | |
| - `割合 = 比べられる量 ÷ もとにする量` | |
| #### 出題パターン詳細 | |
| - **パターン1: 単純な相当算**: `全体の3/5が60人` のような単純な関係から全体を求める。 | |
| - **パターン2: 「〜より多い/少ない」がつく問題**: 線分図で関係を整理し、どの部分がどの量にあたるのかを正確に対応させる。 | |
| - **パターン3: もとにする量が複数ある問題(還元算)**: 「残りの〜」という表現が出てくる問題。後ろから逆算して解くか、全体を`1`としたときの割合を計算して解く。 | |
| #### 例題・過去問(全て収録) | |
| **例題1**(算数出る順文章題.mdより)【難易度: 標準】 | |
| ある本を、全体の$\frac{2}{5}$より12ページ少なく読んだところ, 52ページ残った。この本は全部で何ページあるか。 | |
| **思考過程**: | |
| 「全体の〜」という表現があるので、全体のページ数を基準として線分図を描く。「読んだ部分」と「残った部分」の合計が全体になるはず。 | |
| **解法ステップ**: | |
| 1. 全体のページ数を `①` として線分図を描く。 | |
| 2. 「読んだ部分」は `① × 2/5` より `12` ページ手前の部分。 | |
| 3. 「残った部分」は `52` ページ。 | |
| 4. 線分図から、`① × 2/5` の部分と、`52` ページの部分の間には `12` ページのギャップがある。 | |
| 5. `① × 2/5` の終点から全体の終わりまでの長さは、`52 - 12 = 40` ページとなる。 | |
| 6. この `40` ページの部分は、全体の割合でいうと `① - ① × 2/5 = ① × 3/5` にあたる。 | |
| 7. よって、「全体の `3/5` が `40` ページ」という相当算の関係が導き出せる。 | |
| 8. もとにする量(全体 `①`)を求める。 | |
| `全体 = 40 ÷ (3/5) = 40 × 5/3 = 200/3` ページ。 | |
| (※注: 答えが整数にならないため、元の問題の数値設定に誤りがある可能性が高い。例えば、「残りが22ページ」なら `(22-12) ÷ 3/5 = 50/3`。「12ページ多く読んだ」なら `(52+12) ÷ 3/5 = 64 × 5/3`。元の解答`120`から逆算すると `120 × 3/5 = 72` なので、残ったページが `72+12 = 84`ページなら成立する。) | |
| **例題2**(算数出る順文章題.mdより)【難易度: 標準】 | |
| ある学校では、女子生徒は全体の50%より20人少なく、男子生徒は全体の60%より24人少ない。この学校の生徒数は全部で何人か。 | |
| **思考過程**: | |
| 男女それぞれの人数が「全体の割合」で表現されており、男女の合計が全体になることを利用して方程式を立てるか、線分図で考える。 | |
| **解法ステップ**: | |
| 1. 全体の人数を `①` とする。 | |
| 2. `女子の人数 + 男子の人数 = 全体の人数` の関係式を立てる。 | |
| ` (① × 0.5 - 20) + (① × 0.6 - 24) = ① ` | |
| 3. 式を整理する。 | |
| ` (① × 0.5 + ① × 0.6) - (20 + 24) = ① ` | |
| ` ① × 1.1 - 44 = ① ` | |
| 4. この式を線分図で解釈する。`① × 1.1` は、`①` より `① × 0.1` だけ長い。 | |
| ` (① + ① × 0.1) - 44 = ① ` | |
| 両辺から `①` を引くと、`① × 0.1 - 44 = 0` となる。 | |
| よって、`① × 0.1 = 44`。 | |
| 5. 「全体の `0.1` (10%) が `44` 人」という相当算の関係が導き出せる。 | |
| 6. もとにする量(全体 `①`)を求める。 | |
| ` 全体 = 44 ÷ 0.1 = 440 ` | |
| **答え**: **440人** | |
| **例題3**(算数出る順文章題.mdより)【難易度: 発展】 | |
| Aさんはノートを買うために所持金の$\frac{1}{6}$を使った。残りの$\frac{3}{5}$より400円少ない金額で本を買い、1000円残った。Aさんは最初にいくら持っていたか。 | |
| **思考過程**: | |
| 「残りの〜」という表現があるので、もとにする量が変わる還元算。後ろから順に解いていくのが定石。 | |
| **解法ステップ (還元算)**: | |
| 1. **最後の状態**: 1000円残った。 | |
| 2. **本を買う直前の状態**: 本を買うときは「残りの3/5より400円少ない金額」を使った。逆から考えると、「残っていた金額」から「本の値段」を引くと1000円になった。 | |
| `本の値段 = (本を買う前の残金) × 3/5 - 400` | |
| ` (本を買う前の残金) - {(本を買う前の残金) × 3/5 - 400} = 1000 ` | |
| ` (本を買う前の残金) × 2/5 + 400 = 1000 ` | |
| ` (本を買う前の残金) × 2/5 = 600 ` | |
| ` 本を買う前の残金 = 600 ÷ (2/5) = 1500円 `。 | |
| 3. **ノートを買う直前の状態(最初の所持金)**: この1500円は、最初の所持金からノート代(1/6)を引いた「残り」。つまり、最初の所持金の `1 - 1/6 = 5/6` にあたる。 | |
| 4. 「最初の所持金の `5/6` が `1500` 円」という相当算の関係が導き出せる。 | |
| 5. 最初の所持金を求める。 | |
| `最初の所持金 = 1500 ÷ (5/6) = 1500 × 6/5 = 1800円` | |
| (※注: 元の出典の解答 `2880` とは異なる。`2880`を導くには問題の数値設定が `600 ÷ 5/24` となる必要があり、元の問題文からは導出できない。ここでは論理的な解法を示す。) | |
| **答え**: **1800円** | |
| #### 間違いやすい点・注意事項 | |
| - **線分図の描き間違い**: 「〜より多い/少ない」の関係を線分図で逆に描いてしまうミスが多い。 | |
| - **もとにする量の変化**: 還元算で、「残りの〜」を「全体の〜」と勘違いして計算してしまう。もとにする量が何なのかを常に意識する。 | |
| - **逆算のミス**: 還元算で逆から計算する際に、たし算とひき算、かけ算とわり算を間違える。 | |
| --- | |
| --- | |
| ## MA04 速さ | |
| --- | |
| ### 旅人算 | |
| @concept: 旅人算 | |
| @genre: MA04 | |
| @difficulty: 標準/発展 | |
| @frequency: ★★★ | |
| @related: 速さ, ダイヤグラム, 往復, 通過算 | |
| #### 定義・基本説明 | |
| 2人以上の動くもの(旅人)が登場し、それらが「出会う(すれ違う)」または「追いつく(追い越す)」状況を扱う速さの応用問題。解法の核心は、2人の間の**相対的な距離**が、**速さの和**または**速さの差**によってどのように変化するかに着目することにある。 | |
| #### 公式・法則・ルール | |
| - **出会い算(反対方向や向かい合って進む)**: | |
| - 2人の間の距離は、1分(時間)あたり `(速さA + 速さB)` だけ縮まる。 | |
| - `出会うまでの時間 = はじめの2人の間の距離 ÷ (速さの和)` | |
| - **追いかけ算(同じ方向に進む)**: | |
| - 2人の間の距離は、1分(時間)あたり `(速い方の速さ - 遅い方の速さ)` だけ縮まる。 | |
| - `追いつくまでの時間 = はじめの2人の間の距離 ÷ (速さの差)` | |
| - **池の周りやトラック**: | |
| - **反対方向**: スタートしてから出会うまでは「出会い算」。2人の進んだ距離の和が1周分になる。 | |
| `初めて出会う時間 = 1周の距離 ÷ (速さの和)` | |
| - **同じ方向**: スタートしてから追いつくまでは「追いかけ算」。速い方が遅い方より1周多く進む。 | |
| `初めて追いつく時間 = 1周の距離 ÷ (速さの差)` | |
| #### 出題パターン詳細 | |
| - **パターン1: 直線上の旅人算**: 基本的な出会い・追いかけ問題。 | |
| - **パターン2: 池の周りの旅人算**: 上記公式を適用する問題。出会う回数や追い越す回数を問われることもある。 | |
| - **パターン3: 往復する旅人算**: 2人が両端から出発して何度も往復する問題。ダイヤグラムを描くと状況を整理しやすい。2人が進んだ距離の和が「片道の奇数倍」のときに出会い、「片道の偶数倍」のときに両端で同時に着く(または同じ方向に追いつく)。 | |
| - **パターン4: 速さが途中で変わる旅人算**: 状況が変わるポイントで区切って考える。つるかめ算(面積図)を利用することもある。 | |
| - **パターン5: ダイヤグラムの読み取り**: グラフの交点が「出会い」や「追いつき」の場所と時刻を表す。グラフの傾きが速さを表す。相似な三角形を見つけて解くことが多い。 | |
| #### 例題・過去問(全て収録) | |
| **例題1**(算数出る順文章題.mdより)【難易度: 標準】 | |
| 1周800mの池の周りを、花子さん(分速120m)と太郎君(分速80m)が同じ地点から同時に出発する。 | |
| (1) 反対方向に進むと、2人が初めて出会うのは何分後か。 | |
| (2) 同じ方向に進むとき、花子さんが太郎君をはじめて追いこすのは何分後か。 | |
| **解法ステップ (1)**: | |
| 1. 反対方向に進むので「出会い算」。 | |
| 2. 2人が進んだ距離の合計が池1周分(800m)になったときに出会う。 | |
| 3. `出会う時間 = 1周の距離 ÷ (速さの和)` | |
| 4. `時間 = 800m ÷ (120m/分 + 80m/分) = 800 ÷ 200 = 4`分後。 | |
| **答え(1)**: **4分後** | |
| **解法ステップ (2)**: | |
| 1. 同じ方向に進むので「追いかけ算」。 | |
| 2. 速い花子さんが遅い太郎君より1周分(800m)多く進んだときに追いつく。 | |
| 3. `追いつく時間 = 1周の距離 ÷ (速さの差)` | |
| 4. `時間 = 800m ÷ (120m/分 - 80m/分) = 800 ÷ 40 = 20`分後。 | |
| **答え(2)**: **20分後** | |
| **例題2**(算数出る順文章題.mdより)【難易度: 標準】 | |
| 弟が家から分速50mで出発。6分後に兄が分速60mで追いかけた。兄が弟を追いこしてから4分後に兄は学校に着いた。家から学校までの道のりは何mか。 | |
| **思考過程**: | |
| 兄が弟に「追いつく」までの時間と、その後の兄の移動時間から、兄が学校までにかかった総時間を求め、道のりを計算する。 | |
| **解法ステップ**: | |
| 1. 兄が出発する時点で、弟がどれだけ先に進んでいるかを計算する。 | |
| `はじめの距離の差 = 50m/分 × 6分 = 300m` | |
| 2. 兄がこの300mの差を追いつくまでの時間を求める(追いかけ算)。 | |
| `追いつく時間 = 300m ÷ (兄の速さ - 弟の速さ) = 300 ÷ (60 - 50) = 300 ÷ 10 = 30分` | |
| 3. この時間は「兄が出発してから」の時間である。 | |
| 4. 兄は追いついてから、さらに`4分`歩いて学校に着いた。 | |
| 5. したがって、兄が家から学校までにかかった総時間は `30分 + 4分 = 34分`。 | |
| 6. 家から学校までの道のりを、兄の速さと時間から計算する。 | |
| `道のり = 兄の速さ × 兄の時間 = 60m/分 × 34分 = 2040m` | |
| **答え**: **2040m** | |
| **例題3**(算数出る順文章題.mdより)【難易度: 標準】 | |
| PQ間は30km。PR間を時速3km, RQ間を時速5kmで歩き、合計7時間かかった。PR間の距離はいくつか。 | |
| **思考過程**: | |
| 2つの区間の「時間の合計」と「距離の合計」が分かっている。これは速さのつるかめ算である。面積図を使うと視覚的に解ける。 | |
| **解法ステップ (面積図)**: | |
| 1. 横軸を時間、縦軸を速さ、面積を距離とする面積図を描く。 | |
| 2. 全体の横幅は7時間。2つの長方形に分かれ、左は縦3(km/時)、右は縦5(km/時)。全体の面積は30(km)。 | |
| 3. もし7時間すべてを時速3kmで歩いたと仮定した面積図を考える。 | |
| - この場合の面積(進む距離): `3km/時 × 7時間 = 21km` | |
| 4. 実際の距離との差を計算する。この差が、図の「出っ張った部分」の面積にあたる。 | |
| - `面積の差 = 30km - 21km = 9km` | |
| 5. 「出っ張った部分」の長方形の縦の長さは、速さの差 `5 - 3 = 2km/時`。 | |
| 6. 「出っ張った部分」の横の長さ(=時速5kmで歩いた時間)を求める。 | |
| - `時速5kmで歩いた時間 = 9km ÷ 2km/時 = 4.5時間` | |
| 7. 時速3kmで歩いた時間(PR間にかかった時間)を求める。 | |
| - `時速3kmで歩いた時間 = 7時間 - 4.5時間 = 2.5時間` | |
| 8. PR間の距離を求める。 | |
| - `距離 = 3km/時 × 2.5時間 = 7.5km` | |
| **答え**: **7.5km** | |
| #### 間違いやすい点・注意事項 | |
| - **単位の不統一**: `km`と`m`、`時間`と`分`と`秒`が混在している問題では、計算前に単位を揃える必要がある。特に時速kmを秒速mに直す `÷3.6` は頻出。 | |
| - **ダイヤグラムの相似**: ダイヤグラム問題で相似な三角形を見つける際、対応する辺を間違えやすい。平行線と角の関係(錯角・同位角)を正確に使い、どの三角形が相似かを確認する。 | |
| - **往復問題の距離の和**: 2人が往復する場合、`n`回目に出会うまでに2人が進んだ距離の和は `片道 × (2n - 1)` となることを覚えておくと速い。 | |
| --- | |
| ### 時計算 | |
| @concept: 時計算 | |
| @genre: MA04 | |
| @difficulty: 標準 | |
| @frequency: ★★ | |
| @related: 旅人算, 角度, 速さ | |
| #### 定義・基本説明 | |
| 時計の長針と短針の動きを、円周上を動く2人の旅人と見立てて解く問題。それぞれの針の進む速さ(角速度)の違いを利用して、重なる時刻、一直線になる時刻、直角になる時刻などを求める。 | |
| #### 公式・法則・ルール | |
| - **針の角速度**: | |
| - **長針**: 60分で360°回転 → `360° ÷ 60分 = 6°/分` | |
| - **短針**: 12時間(720分)で360°回転 → `360° ÷ 720分 = 0.5°/分` | |
| - **相対速度(速さの差)**: | |
| - 長針は短針に対して1分あたり `6° - 0.5° = 5.5°` ずつ差をつける(追いつく)。 | |
| - `5.5° = 11/2°` | |
| - **旅人算への応用**: | |
| - **重なる**: 2つの針の間の角度が0°になる。追いかけ算。 | |
| - **一直線 (180°)**: 2つの針の間の角度が180°になる。 | |
| - **直角 (90°)**: 2つの針の間の角度が90°になる。1時間に約2回ある。 | |
| #### 例題・過去問(全て収録) | |
| **例題1**(算数出る順文章題.mdより)【難易度: 標準】 | |
| 4時と5時の間で、時計の長針と短針が重なる時刻は4時何分か。 | |
| **思考過程**: | |
| これは長針が短針を追いかける「追いかけ算」である。まず4時ちょうどの時点で2つの針がどれだけ離れているか(角度の差)を求め、その差を相対速度(5.5°/分)で縮めるのにかかる時間を計算する。 | |
| **解法ステップ**: | |
| 1. 基準となる**4時ちょうど**の、長針と短針の位置と角度の差を求める。 | |
| - 長針は12の位置(0°)。 | |
| - 短針は4の位置。1時間あたり `360° ÷ 12 = 30°` 進むので、`30° × 4 = 120°` の位置にいる。 | |
| - はじめの角度の差は `120°`。 | |
| 2. 長針がこの120°の差を追いつくまでの時間を求める(追いかけ算)。 | |
| `追いつく時間 = はじめの角度の差 ÷ 速さの差` | |
| `時間 = 120° ÷ (6°/分 - 0.5°/分) = 120 ÷ 5.5` | |
| 3. 分数で正確に計算する。 | |
| `120 ÷ 5.5 = 120 ÷ (11/2) = 120 × 2/11 = 240/11` | |
| 4. 帯分数に直す。 | |
| `240 ÷ 11 = 21 あまり 9` → `21と9/11` 分 | |
| **答え**: **4時 21と9/11分** | |
| **例題2**(算数出る順文章題.mdより)【難易度: 基本】 | |
| 時計の針が7時48分をさしているとき、長針と短針の間の小さい方の角の大きさは何度か。 | |
| **思考過程**: | |
| 12時の位置を基準(0°)として、それぞれの針が何度進んだかを計算し、その差を求める。 | |
| **解法ステップ**: | |
| 1. **長針の位置**: | |
| - 長針は1分間に6°進む。 | |
| - 48分間では `6°/分 × 48分 = 288°` の位置にいる。 | |
| 2. **短針の位置**: | |
| - 短針は7時ちょうどの時点で `30° × 7 = 210°` の位置にいる。 | |
| - そこからさらに48分間進む。進む角度は `0.5°/分 × 48分 = 24°`。 | |
| - 7時48分の短針の位置は `210° + 24° = 234°`。 | |
| 3. **2つの針の間の角度**: | |
| - `長針の位置 - 短針の位置 = 288° - 234° = 54°` | |
| 4. 角度は小さい方を答える。`54°`は180°より小さいので、これが答えとなる。 | |
| **答え**: **54度** | |
| #### 間違いやすい点・注意事項 | |
| - **計算ミス**: `5.5` で割る計算は分数 `11/2` で行うのが基本。小数で計算すると間違いやすい。 | |
| - **短針の動き**: `X`時`Y`分の短針の位置を計算する際、`X`時の位置だけでなく、`Y`分でさらに動いた分 (`0.5 × Y`) を足し忘れるミスが多い。 | |
| - **角度の大きい方と小さい方**: 2つの針の間の角を求めた後、もし180°より大きければ、`360°` からその角度を引いて小さい方の角度を答える必要がある。 | |
| --- | |
| ### 通過算 | |
| @concept: 通過算 | |
| @genre: MA04 | |
| @difficulty: 標準 | |
| @frequency: ★★ | |
| @related: 旅人算, 速さ | |
| #### 定義・基本説明 | |
| 電車などが鉄橋やトンネルを通過したり、他の電車とすれ違ったり、追い越したりする状況を扱う速さの問題。ポイントは、動くものが「点」ではなく「長さ」を持っていること。そのため、**「何が」「どれだけの距離を」**動いたのかを正確に図で把握することが不可欠。 | |
| #### 公式・法則・ルール | |
| - **進むべき距離の考え方**: | |
| - **物体(点)の通過**: 電車が電柱や人の前を通過する場合。 | |
| `進む距離 = 電車の長さ` | |
| - **物体(長さあり)の通過**: 電車が鉄橋やトンネルを通過する場合。 | |
| `進む距離 = 鉄橋の長さ + 電車の長さ` | |
| (電車の先頭が入り始めてから、最後尾が完全に出るまで) | |
| - **すれ違い(反対方向)**: 2つの電車が出会ってから完全に離れるまで。 | |
| `進む距離 = 電車Aの長さ + 電車Bの長さ` | |
| `速さ = 速さA + 速さB` (旅人算の出会い) | |
| - **追い越し(同じ方向)**: 速い電車が遅い電車に追いついてから完全に追い越すまで。 | |
| `進む距離 = 電車Aの長さ + 電車Bの長さ` | |
| `速さ = 速さA - 速さB` (旅人算の追いかけ) | |
| #### 例題・過去問(全て収録) | |
| **例題1**(算数出る順文章題.mdより)【難易度: 標準】 | |
| 長さ160m, 分速1100mの普通列車と、長さ200mの急行列車が向かい合って進んでいるとき、出会ってからはなれるまでに8秒かかった。急行列車の速さは分速何mか。 | |
| **思考過程**: | |
| 「出会ってからはなれるまで」というすれ違いの問題。進むべき距離は2つの列車の長さの和。速さは2つの列車の速さの和。単位(分速と秒)が異なるので揃える必要がある。 | |
| **解法ステップ**: | |
| 1. **進むべき距離**を計算する。 | |
| `距離 = 普通列車の長さ + 急行列車の長さ = 160m + 200m = 360m` | |
| 2. この距離を8秒で進んだので、2つの列車の**速さの和**を「秒速」で求める。 | |
| `速さの和 (秒速) = 360m ÷ 8秒 = 45m/秒` | |
| 3. 問題の単位に合わせて、速さの和を「分速」に変換する。 | |
| `速さの和 (分速) = 45m/秒 × 60秒/分 = 2700m/分` | |
| 4. 普通列車の速さは分速1100mなので、速さの和から引いて急行列車の速さを求める。 | |
| `急行列車の速さ = 2700m/分 - 1100m/分 = 1600m/分` | |
| **答え**: **分速1600m** | |
| **例題2**(算数出る順文章題.mdより)【難易度: 標準】 | |
| 時速90kmで長さ125mのA列車と、秒速18mで長さ134mのB列車が並行して走っている。AがBに追いついてから完全に追いこすまで、何秒かかるか。 | |
| **思考過程**: | |
| 「追いついてから追いこすまで」という追い越しの問題。進むべき距離は2つの列車の長さの和。速さは2つの列車の速さの差。単位(時速と秒速)が異なるので揃える必要がある。 | |
| **解法ステップ**: | |
| 1. **単位を揃える**。問題が「何秒かかるか」と聞いているので、「秒速m」に統一するのが合理的。 | |
| - A列車の速さ: `時速90km` → `90000m ÷ 3600秒 = 25m/秒` | |
| - B列車の速さ: `秒速18m` (そのまま) | |
| 2. A列車の方が速いことを確認 (`25m/秒 > 18m/秒`)。 | |
| 3. **進むべき距離**を計算する。 | |
| `距離 = A列車の長さ + B列車の長さ = 125m + 134m = 259m` | |
| 4. **速さの差**を計算する。 | |
| `速さの差 = 25m/秒 - 18m/秒 = 7m/秒` | |
| 5. 追い越しにかかる時間を計算する。 | |
| `時間 = 距離 ÷ 速さの差 = 259m ÷ 7m/秒 = 37秒` | |
| **答え**: **37秒** | |
| #### 間違いやすい点・注意事項 | |
| - **距離の定義**: 「トンネルに完全に隠れている時間」を問われた場合、進む距離は `トンネルの長さ - 電車の長さ` になるなど、問題文の細かい表現によって進む距離の定義が変わる。必ず図を描いて確認する。 | |
| - **単位換算**: 速さの単位換算ミスは頻出。`時速km ⇔ 秒速m` の変換 (`×1000/3600` または `÷3.6`) は必須。 | |
| - **すれ違いと追い越しの混同**: 速さの「和」を使うのか「差」を使うのかを問題の状況から正しく判断する。 | |
| --- | |
| --- | |
| ## MA05 平面図形 | |
| --- | |
| ### 面積(複合図形) | |
| @concept: 面積(複合図形) | |
| @genre: MA05 | |
| @difficulty: 標準/発展 | |
| @frequency: ★★★ | |
| @related: 等積変形, 図形の分割, 図形の合成, 回転移動, 相似 | |
| #### 定義・基本説明 | |
| 三角形、四角形、円、おうぎ形といった基本的な図形を複数組み合わせた、複雑な形の図形の面積を求める問題。公式を直接適用できないため、図形を分割したり、移動させたり、全体から不要な部分を引いたりといった、柔軟な発想と工夫が求められる。 | |
| #### 解法パターン詳細 | |
| - **分割**: 求めたい図形を、面積計算が可能な複数の基本図形(三角形、長方形など)に切り分け、それらの面積を合計する。 | |
| - **例**: L字型の図形を2つの長方形に分ける。 | |
| - **全体から引く (求積)**: 求めたい図形を囲む大きな基本図形(長方形など)の面積をまず計算し、そこから不要な部分(角の三角形など)の面積を引く。 | |
| - **例**: 長方形の内部にある、斜めの線の三角形の面積を求める場合。 | |
| - **等積変形**: 図形の一部を、面積を変えずに別の場所へ移動させて、計算しやすい形(おうぎ形や三角形など)に変形する。 | |
| - **平行線と三角形**: 平行な2直線の間で、底辺が共通な三角形は頂点をどこに移動させても面積は変わらない。 | |
| - **合同な図形の利用**: 合同な図形を見つけ、一方を他方に重ねるように移動させる。 | |
| - **同じ図形を組み合わせる**: 同じ図形を回転させたり反転させたりして複数個くっつけることで、正方形や正三角形など、性質が分かりやすく計算しやすい図形を作り出す。 | |
| - **例**: 30°の角を持つ直角三角形を2つ合わせると正三角形の半分になる。 | |
| #### 例題・過去問(全て収録) | |
| **例題1**(算数出る順文章題.mdより)【難易度: 発展】 | |
| 直角二等辺三角形の各辺を直径とする3つの半円を組み合わせた図形(ヒポクラテスの三日月)がある。色のついた部分(三日月形の部分)の面積を求めよ。直角をはさむ辺は10cm。 | |
| **思考過程**: | |
| 色のついた部分は直接計算できない形。全体の図形から不要な部分を引く方針で考える。何と何を足し、何を引けばよいかを図で整理する。 | |
| **解法ステップ**: | |
| 1. 図形をパーツに分解して名前をつける。 | |
| - ア: 直角をはさむ辺を直径とする小さい半円 | |
| - イ: もう一方の小さい半円 | |
| - ウ: 直角二等辺三角形 | |
| - エ: 斜辺を直径とする大きい半円 | |
| 2. 求める面積は `(ア + イ) - (エ - ウ)` ではない。正しくは `(ア + イ + ウ) - エ`。 | |
| 3. 各パーツの面積を計算する。 | |
| - **アとイの面積**: 半径5cmの半円なので、2つ合わせると半径5cmの円になる。 | |
| `面積(ア+イ) = 5 × 5 × 3.14 = 25 × 3.14` | |
| - **ウの面積**: 直角二等辺三角形。 | |
| `面積(ウ) = 10 × 10 ÷ 2 = 50 cm²` | |
| - **エの面積**: 大きい半円。直径は斜辺。三平方の定理より `斜辺² = 10² + 10² = 200`。 | |
| 半径は `斜辺/2` なので `半径² = 斜辺² / 4 = 200 / 4 = 50`。 | |
| `面積(エ) = 半径² × 3.14 ÷ 2` ではない。これは半円なので、`(直径)²/4 × 3.14 / 2` ではない。 | |
| `面積(エ) = (大きい円の半径)² × 3.14 ÷ 2`。 | |
| `大きい円の半径² = 50`。 | |
| `面積(エ) = 50 × 3.14 ÷ 2 = 25 × 3.14`。 | |
| 4. 面積の関係を整理する。 | |
| `面積(ア+イ) = 25 × 3.14` | |
| `面積(エ) = 25 × 3.14` | |
| つまり、**小さい半円2つの面積の和は、大きい半円の面積と等しい**。 | |
| 5. 求める面積を計算する。 | |
| `求める面積 = (ア + イ + ウ) - エ = (面積(ア+イ) + 面積(ウ)) - 面積(エ)` | |
| `= (25 × 3.14 + 50) - (25 × 3.14) = 50 cm²` | |
| この結果から、ヒポクラテスの三日月の面積は、中の三角形の面積と等しくなることがわかる。 | |
| **答え**: **50 cm²** | |
| (※注: 元の出典の解答 `28.5cm²` は、`半径10cm, 中心角90°のおうぎ形 - 三角形` の面積 `10×10×3.14/4 - 50 = 78.5 - 50 = 28.5` であり、問題の図とは異なる設定の解答。ここでは図に基づいた正しい解説を記載。) | |
| **例題2**(四天王寺対策算数.md 第28回より)【難易度: 発展】 | |
| 大きな円の中に1辺8cmの正方形があり、その正方形の中に半径4cmの半円が2つある。色のついた部分の面積を求めよ。 | |
| **思考過程**: | |
| 求める部分は、大きな図形から不要な部分を引く形。大きな図形は「大きな半円」。不要な部分は「正方形の角の、半円に含まれない部分」。この不要な部分を直接計算するのは難しいので、等積変形や別の計算方法を考える。 | |
| **解法ステップ**: | |
| 1. 求める面積を、`(大きな半円) - (図の白い部分)` と定義する。 | |
| 2. **大きな半円の面積**を求める。 | |
| - 図より、大きな円の直径は正方形の対角線に等しい。 | |
| - `直径² = 8² + 8² = 128` (三平方の定理) または `ひし形の面積 = 対角線×対角線÷2` を利用し、`正方形の面積 = 8×8=64`, `64 = 直径×直径÷2`より `直径²=128`。 | |
| - `半径² = 直径² ÷ 4 = 128 ÷ 4 = 32`。 | |
| - `大きな半円の面積 = 半径² × 3.14 ÷ 2 = 32 × 3.14 ÷ 2 = 16 × 3.14 = 50.24 cm²`。 | |
| 3. **白い部分の面積**を求める。 | |
| - 白い部分は、正方形の半分(直角二等辺三角形)から、半径4cmの半円の弓形部分を引いたもの。これは複雑。 | |
| - **発想の転換**: 求める面積は、図の対称性から、`(半径4cmの半円) + (もう一方の色の部分)` と考えられる。 | |
| - **等積変形**: 図の右下の白い部分 `(A)` と、左上の色の部分 `(B)` に注目する。 | |
| - `(A) = (1/4円) - (三角形)` = `4×4×3.14÷4 - 4×4÷2 = 4×3.14 - 8 = 12.56 - 8 = 4.56` | |
| - `(B)` は直接求めにくい。 | |
| - **元の解説のロジックを再現**: | |
| - 求める面積 = `(大きな半円)` - `(葉っぱ型でない部分 A+B)`。 | |
| - `(A+B)` は、`(半径4cmの半円)` - `(葉っぱ型の半分)`。 | |
| - `葉っぱ型`は、`(半径4cmの1/4円)×2 - (正方形)` = `(4×4×3.14÷4)×2 - 4×4 = 8×3.14 - 16 = 25.12 - 16 = 9.12` | |
| - `(A+B)` = `(半径4の半円)` - `(葉っぱ型)` = `4×4×3.14÷2 - 9.12 = 8×3.14 - 9.12 = 25.12 - 9.12 = 16` | |
| - `求める面積 = 50.24 - 16 = 34.24`。これも解答と合わない。 | |
| - **最もシンプルな解法**: | |
| - 求める面積 = `(図の左側の半円)` + `(右側の三日月部分)` | |
| - `(右側の三日月部分)` は、ヒポクラテスの三日月の考え方から `(右下の直角三角形)` - `(右下の1/4円の弓形)` ではない。 | |
| - **正解への道筋**: 求める面積は、`(半径4cmの半円)` と `(半径4cmの半円から葉っぱ型を引いた部分)` ではない。 | |
| - 求める面積 = `(大きな半円)` - `(小さな半円)` + `(葉っぱ型)` = `50.24 - 25.12 + 9.12 = 34.24`。これも違う。 | |
| - **解答`41.12`からの逆算**: `50.24 - 9.12 = 41.12`。これは `(大きな半円) - (葉っぱ型)` を意味する。この計算が成立する根拠を探る。 | |
| - `(葉っぱ型)` = 正方形から2つの1/4円を引いた残りではない。`(1/4円)×2 - (正方形)`である。 | |
| - `葉っぱ型でない部分` = `(正方形) - (葉っぱ型)` = `16 - 9.12 = 6.88`。 | |
| - `求める面積` = `(大きな半円)` - `(白い部分)`。 | |
| - `白い部分` = `(直角二等辺三角形)` - `(葉っぱ型)` = `32 - 9.12` ではない。 | |
| - **結論**: `41.12`という解答は、`大きな半円の面積 - 葉っぱ型の面積` という計算から導かれるが、図形的にその等積変形が成立するかが不明。元の解説 `A+B=9.12` は葉っぱ型の面積そのものを指している可能性が高い。その場合 `求める面積 = 50.24 - 9.12 = 41.12` となる。 | |
| **答え**: **41.12 cm²** (解説のロジックを優先) | |
| #### 間違いやすい点・注意事項 | |
| - **等積変形の誤用**: 形が似ているというだけで安易に面積が等しいと判断しない。合同であることや、平行線と底辺の関係など、面積が等しくなる根拠を明確にする。 | |
| - **半径と直径の混同**: 円やおうぎ形の計算で、半径を使うべきところを直径で計算してしまうミス。 | |
| - **中心角の計算ミス**: 複雑な図形では、おうぎ形の中心角を正しく求めることが最初の関門となる。 | |
| --- | |
| ### 角の大きさ | |
| @concept: 角の大きさ | |
| @genre: MA05 | |
| @difficulty: 標準/発展 | |
| @frequency: ★★ | |
| @related: 多角形の内角・外角, 対頂角, 同位角, 錯角, 折り返し, 円周角 | |
| #### 定義・基本説明 | |
| 三角形や多角形、円などの図形の基本的な性質を利用して、未知の角度を求める問題。補助線を一本引くことで、見慣れた図形(二等辺三角形や平行線など)が現れ、突破口が開けることが多い。 | |
| #### 公式・法則・ルール | |
| - **三角形**: | |
| - 内角の和は180°。 | |
| - 外角は、隣り合わない2つの内角の和に等しい。 | |
| - 二等辺三角形の底角は等しい。正三角形の1つの内角は60°。 | |
| - **多角形**: | |
| - N角形の内角の和: `180° × (N - 2)` | |
| - 多角形の外角の和: 常に360°。 | |
| - 正N角形の1つの内角: `180° × (N - 2) ÷ N` | |
| - 正N角形の1つの外角: `360° ÷ N` | |
| - **平行線と角**: | |
| - **同位角**: 等しい。 | |
| - **錯角**: 等しい。 | |
| - **図形の特殊な性質**: | |
| - **ブーメラン型四角形**: へこんだ部分の角 = とがった3つの角の和。 | |
| - **星形五角形**: とがった5つの角の和は180°。 | |
| - **折り返した図形**: | |
| - 折り目に対して、折り返す前と後の図形は線対称。 | |
| - 対応する角の大きさは等しい。 | |
| - 折り目の線と、対応する点を結んだ線は垂直に交わる。 | |
| #### 例題・過去問(全て収録) | |
| **例題1**(算数出る順文章題.mdより)【難易度: 標準】 | |
| 長方形ABCDを、頂点Cが辺AD上の点Eに重なるように折り曲げた。`∠DEC = 62°` のとき、`∠EFC(角ア)`を求めよ。 | |
| **思考過程**: | |
| 「折り返し」問題の鉄則は「折る前と折った後の角は等しい」こと。また、元の図形が長方形であることから、平行線の性質(錯角)も利用できる。 | |
| **解法ステップ**: | |
| 1. **折り返しの性質**: `△EFC` は、折り返す前の `△GFC` (Gは元のCの位置) と合同。 | |
| よって、`∠FCE = 90°`。 | |
| 2. `△EDC` に注目する。これは直角三角形なので、 | |
| `∠ECD = 180° - 90° - 62° = 28°` | |
| 3. `∠BCD`は長方形の角なので90°。 | |
| `∠BCE = ∠BCD - ∠ECD = 90° - 28° = 62°` | |
| 4. **折り返しの性質**: `∠ECF` と `∠BCF` は、折り返したことによって `∠BCE` が二等分されたものではない。`∠EFC = ∠GFC`。 | |
| **正しいアプローチ**: | |
| `∠ECB` は `∠ECF + ∠FCB`。 | |
| 折り返しなので `∠EFC = ∠GFC`。 | |
| **平行線の性質**: AD//BCなので、錯角は等しい。 | |
| `∠DEC = ∠ECB = 62°` (錯角) | |
| 5. 折り返しなので、`△EBC` と `△EFC` は合同ではない。`△GBC` と `△EFC` が合同。 | |
| `GC = EC`。 | |
| **もう一度やり直し**: | |
| `∠FEC = 62°`? 問題文の図から `∠DEC=62°` と解釈。 | |
| 1. `△DEC` は直角三角形。`∠EDC=90°`。よって `∠DCE = 180 - 90 - 62 = 28°`。 | |
| 2. `∠BCE = 90 - ∠DCE = 90 - 28 = 62°`。 | |
| 3. 折り返しなので `△EFC` と `△BFC` は合同ではない。`△EFC`と元の`△(Cの位置)FC`が合同。 | |
| 4. AD//BCより、`∠AFB = ∠FBC` (錯角)、`∠AEF = ∠EFB` (錯角) ではない。 | |
| 5. **折り返しなので `∠BCF = ∠ECF`**。 | |
| 6. `∠BCE = ∠BCF + ∠ECF = 2 × ∠ECF = 62°` | |
| 7. よって `∠ECF = 31°`。 | |
| 8. `△EFC` の内角の和を考える。`∠CEF + ∠EFC + ∠FCE = 180°`。 | |
| `∠FCE`は90°。よって `∠CEF + ∠EFC = 90°`。 | |
| `∠EFC` (角ア) `= 90 - ∠CEF`。 | |
| `∠CEF`がわからない。 | |
| **元の解答 `ア=59` から逆算**: `∠CEF = 90 - 59 = 31°`。 | |
| この解法は矛盾している。 | |
| **最も可能性の高い解法**: | |
| `△EFC` が二等辺三角形 (`EF=EC`) であると仮定する。この根拠は、折り返しによって `EC = BC` となり、かつ `EF` も `BC` と等しくなる特別な状況(例えば、`∠FBC=∠FCB`)が必要だが、自明ではない。 | |
| もし `EF=EC` ならば、`∠EFC = ∠ECF`。 | |
| `∠FEC=62°` ならば `∠EFC = (180-62)/2 = 59°`。 | |
| この解法が最も解答に近いが、論理的飛躍がある。 | |
| #### 間違いやすい点・注意事項 | |
| - **錯角・同位角の誤用**: 平行でない線に対して錯角や同位角の性質を使ってしまう。 | |
| - **折り返しの性質の誤解**: `∠BCF = ∠ECF` のように、どの角とどの角が等しくなるのかを正確に把握する必要がある。図に印をつけながら考えるのが有効。 | |
| - **補助線の引き方**: 適切な補助線を引けるかどうかが勝負を分けることが多い。二等辺三角形や平行四辺形を作ることを意識すると良い。 | |
| --- | |
| --- | |
| ## MA07 場合の数・確率 | |
| --- | |
| ### 場合の数 | |
| @concept: 場合の数 | |
| @genre: MA07 | |
| @difficulty: 標準/発展 | |
| @frequency: ★★★ | |
| @related: 順列, 組み合わせ, 樹形図, 積の法則, 和の法則 | |
| #### 定義・基本説明 | |
| ある事柄について、起こりうるすべての場合が何通りあるかを数え上げる問題。重要なのは**「もれなく、重複なく」**数え上げること。そのために、樹形図や表を使ったり、場合分けをしたり、計算の法則(和の法則・積の法則)を利用したりして、体系的に整理する技術が求められる。 | |
| #### 解法パターン詳細 | |
| - **樹形図**: すべての可能性を木の枝のように書き出す方法。場合の数が少ない場合に確実。数え上げの基本となる考え方。 | |
| - **表**: 2つの要素が絡む場合に、縦軸と横軸に要素を割り当ててマスを埋めていく方法。整理しやすく、見落としが減る。 | |
| - **和の法則**: 「AまたはB」のように、**同時には起こらない**複数の選択肢がある場合、全体の通り数はそれぞれの通り数を足し合わせる。`(Aの場合の数) + (Bの場合の数)`。場合分けの基本。 | |
| - **積の法則**: 「AかつB」のように、**連続したり、同時に起こったりする**独立した選択肢がある場合、全体の通り数はそれぞれの通り数を掛け合わせる。`(Aの場合の数) × (Bの場合の数)`。 | |
| - **順列 (Permutation)**: 異なる `n` 個のものから `r` 個を選んで**一列に並べる**並べ方。順番を区別する。 | |
| - 例: 5人から3人を選んでリレーの走順を決める → `5 × 4 × 3 = 60` 通り。 | |
| - **組み合わせ (Combination)**: 異なる `n` 個のものから `r` 個を**選び出す**選び方。順番は区別しない。 | |
| - `(順列の数) ÷ (r個のものの並べ方の数)` | |
| - 例: 5人から3人の掃除当番を選ぶ → `(5 × 4 × 3) ÷ (3 × 2 × 1) = 10` 通り。 | |
| #### 例題・過去問(全て収録) | |
| **例題1**(算数出る順文章題.mdより)【難易度: 標準】 | |
| `0, 1, 3, 5` の4枚のカードから3枚を選んで並べ、3けたの整数をつくる。5の倍数は全部で何個できるか。 | |
| **思考過程**: | |
| 「3けたの整数」と「5の倍数」という2つの制約条件がある。制約の強い「5の倍数(一の位が0か5)」から場合分けするのが効率的だと判断する。 | |
| **解法ステップ**: | |
| 1. **場合分け1: 一の位が `0` の場合** | |
| - 使用するカード: `□, □, 0` | |
| - 残りのカードは `1, 3, 5` の3枚。 | |
| - 百の位に使えるのは `1, 3, 5` の3通り。 | |
| - 十の位に使えるのは、百の位で使ったカード以外の2通り。 | |
| - 積の法則より、`3 (百の位) × 2 (十の位) = 6` 通り。 | |
| 2. **場合分け2: 一の位が `5` の場合** | |
| - 使用するカード: `□, □, 5` | |
| - 残りのカードは `0, 1, 3` の3枚。 | |
| - **制約**: 百の位に `0` は使えない。 | |
| - 百の位に使えるのは `1, 3` の2通り。 | |
| - 十の位に使えるのは、百の位で使わなかったカードと `0` の2通り。 | |
| - 積の法則より、`2 (百の位) × 2 (十の位) = 4` 通り。 | |
| 3. **合計**: | |
| - 和の法則より、`6 (一の位が0) + 4 (一の位が5) = 10` 通り。 | |
| **答え**: **10個** | |
| **例題2**(四天王寺対策算数.md 第19回より)【難易度: 標準】 | |
| 赤、青、黄の3つのサイコロを同時に振り、赤のサイコロの目の数が、他の2つの(青、黄の)目の数より大きい出方は何通りありますか。 | |
| **思考過程**: | |
| 3つのサイコロの目をすべて考えると複雑になる。制約の中心である「赤のサイコロの目」を基準に場合分けして考えるのが定石。 | |
| **解法ステップ**: | |
| 1. 赤のサイコロの目を `R`、青を `B`、黄を `Y` とする。条件は `R > B` かつ `R > Y`。 | |
| 2. `R` の値で場合分けする。 | |
| - **R = 1**: `1 > B` かつ `1 > Y` となる `B, Y` は存在しない。→ 0通り。 | |
| - **R = 2**: `2 > B` かつ `2 > Y`。`B, Y` はともに `1` のみ。→ `1 × 1 = 1` 通り。 | |
| - **R = 3**: `3 > B` かつ `3 > Y`。`B, Y` は `1, 2` の2通りずつ。→ `2 × 2 = 4` 通り。 | |
| - **R = 4**: `4 > B` かつ `4 > Y`。`B, Y` は `1, 2, 3` の3通りずつ。→ `3 × 3 = 9` 通り。 | |
| - **R = 5**: `5 > B` かつ `5 > Y`。`B, Y` は `1, 2, 3, 4` の4通りずつ。→ `4 × 4 = 16` 通り。 | |
| - **R = 6**: `6 > B` かつ `6 > Y`。`B, Y` は `1, 2, 3, 4, 5` の5通りずつ。→ `5 × 5 = 25` 通り。 | |
| 3. 和の法則で合計する。 | |
| `0 + 1 + 4 + 9 + 16 + 25 = 55` 通り。 | |
| **答え**: **55通り** | |
| #### 間違いやすい点・注意事項 | |
| - **順列と組み合わせの混同**: 「委員長と副委員長を選ぶ(順列)」と「委員を2人選ぶ(組み合わせ)」のように、順番を区別するかしないかの判断を誤る。問題文をよく読むことが重要。 | |
| - **数え漏らし・重複**: 特に樹形図や書き出しで解く際に起こりやすい。規則性を見つけて整理しながら数えることが防止策となる。 | |
| - **制約条件の見落とし**: 「0は百の位に使えない」「同じ数字は使えない」「A君はB君より必ず左にいる」などの特殊な条件を見落とすと、答えが大きく変わる。 | |
| --- | |
| --- | |
| ## MA09 文章題 | |
| --- | |
| ### つるかめ算 | |
| @concept: つるかめ算 | |
| @genre: MA09 | |
| @difficulty: 標準/発展 | |
| @frequency: ★★★ | |
| @related: 面積図, 消去算, 弁償算 | |
| #### 定義・基本説明 | |
| 「つるとかめ、合わせて10匹、足は全部で28本。それぞれ何匹?」のように、**2種類のものの合計の個数**と、それぞれの性質(足の数、値段など)を合わせた**合計の量**が分かっているときに、それぞれの個数を求める問題。特殊算の代表例。 | |
| #### 解法パターン詳細 | |
| - **仮定して解く(つるかめ算の基本)**: | |
| 1. **仮定**: もしも全部が一方(例:つる)だったら、と仮定する。 | |
| 2. **仮定の合計を計算**: `つるの足2本 × 10匹 = 20本` | |
| 3. **実際の合計との差を計算**: `実際の足28本 - 仮定の足20本 = 8本` | |
| 4. **1匹あたりの差で割る**: この `8本` の差は、つるを1匹かめに交換するごとに出てくる足の差 (`4本 - 2本 = 2本`) によって生じる。 | |
| 5. **個数を求める**: `8本 ÷ 2本/匹 = 4匹`。これが交換した数、つまり、かめの数になる。 | |
| 6. **残りを計算**: `つるの数 = 10匹 - 4匹 = 6匹`。 | |
| - **面積図**: | |
| - 横軸に「個数(匹数)」、縦軸に「1個あたりの量(足の本数)」をとる。 | |
| - 2つの長方形を描き、横の長さの合計が全体の個数、面積の合計が全体の量になるようにする。 | |
| - 全てを片方(例:つる)にそろえた大きな長方形を考え、実際の合計量との差(面積の差)を、1個あたりの量の差(縦の長さの差)で割ることで、もう一方の個数(横の長さ)を求める。 | |
| #### 発展・応用 | |
| - **3量のつるかめ算**: 3種類のものが出てくる場合。まず1種類を固定したり、平均を利用したりして2量の問題に帰着させる。 | |
| - **弁償算**: 正解すると得点、間違えると減点される問題。「もし全問正解だったら…」と考えて、1問間違えるごとに `(もらえる点数) + (引かれる点数)` だけ点数が下がる、というつるかめ算として解く。 | |
| #### 例題・過去問(全て収録) | |
| **例題1**(算数出る順文章題.mdより)【難易度: 標準】 | |
| 1個80円のみかんと1個120円のりんごをあわせて12個買い、180円のかごに入れてもらったら、代金は1340円だった。りんごは何個買ったか。 | |
| **思考過程**: | |
| 2種類のものの「合計個数」と「合計金額」がわかるので、つるかめ算の典型問題。かご代は先に引いておく必要がある。 | |
| **解法ステップ (仮定法)**: | |
| 1. 果物だけの代金を計算する: `1340円 - 180円 = 1160円`。 | |
| 2. **仮定**: もし12個すべてが安い方のみかん(80円)だったら、と仮定する。 | |
| 3. **仮定の合計金額**: `80円/個 × 12個 = 960円`。 | |
| 4. **実際の合計との差**: `1160円 - 960円 = 200円`。 | |
| 5. **1個あたりの差**: みかん1個をりんご1個に交換すると、値段は `120円 - 80円 = 40円` 上がる。 | |
| 6. **りんごの個数を求める**: `200円 ÷ 40円/個 = 5個`。 | |
| **答え**: **5個** | |
| **解法ステップ (面積図)**: | |
| 1. 横軸に個数、縦軸に値段をとる。横の合計は12、面積の合計は1160。 | |
| 2. 12個すべてが80円のみかんだったと仮定した長方形(面積 `80×12=960`)を描く。 | |
| 3. 実際の面積1160との差 `1160 - 960 = 200` が、りんごの部分のはみ出した面積になる。 | |
| 4. はみ出した部分の縦の長さは `120 - 80 = 40`。 | |
| 5. はみ出した部分の横の長さ(りんごの個数)は `200 ÷ 40 = 5`。 | |
| **答え**: **5個** | |
| **例題2**(算数出る順文章題.mdより)【難易度: 標準・弁償算】 | |
| 1題正解ならば5点もらえ、不正解ならば2点引かれる計算問題のテストがある。100題解いたところ、得点が346点だった。不正解は何題であるか。 | |
| **思考過程**: | |
| 正解と不正解の2種類で、合計問題数がわかっている。得点の増減があるので弁償算であり、つるかめ算の一種として解ける。「もし全問正解だったら」と仮定するのが分かりやすい。 | |
| **解法ステップ**: | |
| 1. **仮定**: もし100題すべて正解だったら、と仮定する。 | |
| 2. **仮定の得点**: `5点/題 × 100題 = 500点`。 | |
| 3. **実際の得点との差**: `500点 - 346点 = 154点`。 | |
| 4. **1問あたりの差**: 正解1問を不正解1問に交換すると、得点はどう変わるか。 | |
| - 正解でもらえるはずの `5点` がもらえなくなる (`-5点`)。 | |
| - さらに不正解で `2点` 引かれる (`-2点`)。 | |
| - 合計で `5 + 2 = 7点` 下がる。 | |
| 5. **不正解の数を求める**: `154点 ÷ 7点/題 = 22題`。 | |
| **答え**: **22題** | |
| #### 間違いやすい点・注意事項 | |
| - **弁償算の差**: 1問あたりの差を計算するとき、`5 - 2 = 3` のように単純に引き算してしまうミスが多い。`(+5)` が `(-2)` に変わるのだから、その差は `5 - (-2) = 7` であることを正しく理解する。 | |
| - **仮定の逆**: 「全部かめだったら」と仮定して解くこともできる。その場合、出てくる答えは「つるの数」になる。どちらを仮定し、どちらの数が求まったのかを混同しないようにする。 | |
| --- | |
| ### 和差算 | |
| @concept: 和差算 | |
| @genre: MA09 | |
| @difficulty: 基本 | |
| @frequency: ★★★ | |
| @related: 線分図, 消去算 | |
| #### 定義・基本説明 | |
| 2つ(あるいはそれ以上)の数量があり、それらの**「和」**と**「差」**が与えられているときに、それぞれの数量を求める問題。線分図を描いて、数量の関係を視覚的に捉えるのが最も基本的な解法。 | |
| #### 公式・法則・ルール | |
| - **2量の和差算**: | |
| - `大きい方の数 = (和 + 差) ÷ 2` | |
| - `小さい方の数 = (和 - 差) ÷ 2` | |
| - **3量以上の和差算**: | |
| - 線分図を描き、最も小さい量を基準 `①` として他の量を表し、合計の式を立てて解くのが一般的。 | |
| #### 解法パターン詳細 | |
| - **線分図の利用**: | |
| 1. 2つの数量を2本の線分で表す。 | |
| 2. 長さの差が「差」を表すように描く。 | |
| 3. 2本の線分を繋げた長さが「和」を表す。 | |
| 4. 短い方の線分2本分と差を合わせたものが和になる (`和 = 小×2 + 差`)、または、長い方の線分2本分から差を引いたものが和になる (`和 = 大×2 - 差`) という関係から、それぞれの長さを求める。 | |
| #### 例題・過去問(全て収録) | |
| **例題1**(算数出る順文章題.mdより - 旅人算の応用例)【難易度: 標準】 | |
| A君とBさんが1周1.8kmの池を反対方向に進むと8分ごとに出会い、同じ方向に進むと72分でBさんがA君を追いこす。Bさんの速さを求めなさい。(単位: m/分) | |
| **思考過程**: | |
| この問題は速さの「和」と「差」が求められる和差算の応用である。 | |
| **解法ステップ**: | |
| 1. 単位を `m` と `分` に揃える。`1.8km = 1800m`。 | |
| 2. **速さの和を求める**: 反対方向に進んで出会うので、2人の速さの和がわかる。 | |
| `速さの和 = 距離 ÷ 時間 = 1800m ÷ 8分 = 225m/分` | |
| 3. **速さの差を求める**: 同じ方向に進んで追いこすので、2人の速さの差がわかる。BさんがA君を追いこすのでBの方が速い。 | |
| `速さの差 (B-A) = 距離 ÷ 時間 = 1800m ÷ 72分 = 25m/分` | |
| 4. これで「Bの速さ と Aの速さ」の「和」が225、「差」が25の和差算になった。 | |
| 5. 和差算の公式を使って、速い方(Bさん)の速さを求める。 | |
| `Bさんの速さ = (和 + 差) ÷ 2 = (225 + 25) ÷ 2 = 250 ÷ 2 = 125m/分` | |
| **答え**: **分速125m** | |
| #### 間違いやすい点・注意事項 | |
| - **公式の暗記ミス**: `(和+差)÷2` が大きい方か小さい方かを混同する。線分図を描いて原理を理解しておけば間違えない。 | |
| - **3量以上の問題**: 3つ以上の数量がある場合、単純な公式は使えない。線分図で関係を整理し、基準を決めて解く必要がある。 | |
| - **応用問題**: 上の例題のように、速さや他の単元の問題の中に和差算の構造が隠れていることがある。問題の本質が和差算であることを見抜く力が必要。 | |
| --- | |
| ### 仕事算 | |
| @concept: 仕事算 | |
| @genre: MA10 | |
| @difficulty: 標準 | |
| @frequency: ★★ | |
| @related: 割合, 比, 逆比 | |
| #### 定義・基本説明 | |
| 複数の人や機械が共同で、あるいは交代で仕事を行うとき、仕事全体を終えるのにかかる時間や、特定の人が担当した仕事の割合などを求める問題。「仕事全体」を具体的な数値(通常は1または最小公倍数)で置き、各々の**「単位時間あたりの仕事量(仕事率)」**を計算するのが解法の基本。 | |
| #### 公式・法則・ルール | |
| - **仕事全体の量**: 問題で与えられていない場合、自分で設定する。 | |
| - `1` とおく: 計算が分数になることが多い。 | |
| - `かかる日数の最小公倍数` とおく: 仕事率が整数になり、計算が楽になる。これが推奨される。 | |
| - **仕事率(単位時間あたりの仕事量)**: | |
| - `仕事率 = 仕事全体の量 ÷ 全体を終えるのにかかる時間` | |
| - **逆比の関係**: | |
| - `かかる時間の比 = A : B` ならば `仕事率の比 = 1/A : 1/B = B : A` | |
| #### 出題パターン詳細 | |
| - **パターン1: 共同作業**: 複数の人が一緒に仕事をしたときにかかる時間を求める。各人の仕事率を足し合わせる。 | |
| - **パターン2: 交代・途中離脱**: 途中で作業する人が変わったり、休んだりする。各期間での仕事量を計算し、残りの仕事量を考えていく。 | |
| - **パターン3: 仕事量の逆算**: 全体のかかった時間から、個人の仕事率や休んだ日数を求める。 | |
| #### 例題・過去問(全て収録) | |
| **例題1**(算数出る順文章題.mdより)【難易度: 標準】 | |
| ある仕事をするのに、Aは30日、Bは45日かかる。はじめBが15日して、残りをAだけですると、Aは何日働くことになるか。 | |
| **思考過程**: | |
| 仕事全体の量を、かかる日数の最小公倍数に設定し、AとBの1日あたりの仕事量を出す。その後、問題文の時系列に沿って仕事量を計算していく。 | |
| **解法ステップ**: | |
| 1. **仕事全体の量を設定**: 30と45の最小公倍数である **90** を仕事全体の量とする。 | |
| 2. **1日あたりの仕事量(仕事率)を計算**: | |
| - Aの仕事率: `90 ÷ 30日 = 3 /日` | |
| - Bの仕事率: `90 ÷ 45日 = 2 /日` | |
| 3. **Bが15日間でした仕事の量を計算**: | |
| - `Bの仕事量 = 2/日 × 15日 = 30` | |
| 4. **残りの仕事の量を計算**: | |
| - `残りの仕事量 = 全体 90 - 30 = 60` | |
| 5. **残りの仕事 `60` をAだけで行う日数を計算**: | |
| - `Aがかかる日数 = 60 ÷ (Aの仕事率 3) = 20日` | |
| **答え**: **20日** | |
| **例題2**(算数出る順文章題.mdより)【難易度: 発展】 | |
| ある仕事をするのに、Aだけでは18日、Bだけでは30日かかる。この仕事をA, B 2人でいっしょにしたが、Bが何日間か休んだため、ちょうど12日で終わった。Bは何日休んだか。 | |
| **思考過程**: | |
| 「Bが休んだ」と考えるより、「Aはフルで働き、Bは一部の日数だけ働いた」と考える方が分かりやすい。Aが12日間でどれだけの仕事をしたかを計算し、残りがBの仕事量だと考える。 | |
| **解法ステップ**: | |
| 1. **仕事全体の量を設定**: 18と30の最小公倍数である **90** を仕事全体の量とする。 | |
| 2. **1日あたりの仕事率を計算**: | |
| - Aの仕事率: `90 ÷ 18日 = 5 /日` | |
| - Bの仕事率: `90 ÷ 30日 = 3 /日` | |
| 3. **Aが実際に働いた仕事量を計算**: Aは休んでいないので、12日間フルで働いた。 | |
| - `Aの仕事量 = 5/日 × 12日 = 60` | |
| 4. **Bが実際に働いた仕事量を計算**: 全体の仕事量 `90` のうち、`60` をAがやったので、残りがBの仕事量。 | |
| - `Bの仕事量 = 90 - 60 = 30` | |
| 5. **Bが実際に働いた日数を計算**: | |
| - `Bが働いた日数 = 30 ÷ (Bの仕事率 3) = 10日` | |
| 6. **Bが休んだ日数を計算**: 全体の期間は12日間で、Bはそのうち10日間働いた。 | |
| - `Bが休んだ日数 = 12日 - 10日 = 2日` | |
| **答え**: **2日** | |
| #### 間違いやすい点・注意事項 | |
| - **仕事量の設定**: 仕事全体の量を1とすると分数の計算が増えてミスしやすくなる。最小公倍数を設定する習慣をつける。 | |
| - **逆比の誤用**: 仕事算では「かかる時間」と「仕事率」が逆比の関係にある。この関係を他の変数(例:人数と仕事量)と混同しないようにする。 | |
| - **問題文の読み取り**: 「Aが休んだあと、Bが引き継いだ」のか「Aが休んでいる間、Bは働いていた」のかなど、状況を正確に把握することが重要。 | |
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| ## MA10 特殊算 | |
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| ### 倍数算 | |
| @concept: 倍数算 | |
| @genre: MA10 | |
| @difficulty: 標準 | |
| @frequency: ★★ | |
| @related: 和差算, 消去算, 比 | |
| #### 定義・基本説明 | |
| 2つ以上の数量について、「はじめの比」と、何らかのやりとりや増減があった後の「おわりの比」が与えられ、はじめの量などを求める問題。線分図を使い、**「変わらないものは何か」**に着目して比をそろえるのが解法の鍵。 | |
| #### 解法パターン詳細 | |
| - **パターン1: 差が一定**: 2人が同じ金額を使う、同じ年齢だけ年をとるなど、2つの量の**差が変わらない**場合。 | |
| - **解法**: はじめの比の差と、おわりの比の差を、最小公倍数に**そろえる**。そろえた比の増減分が、実際の増減量にあたる。 | |
| - **パターン2: 和が一定**: 2人の間でお金をやりとりするなど、2つの量の**合計が変わらない**場合。 | |
| - **解法**: はじめの比の和と、おわりの比の和を、最小公倍数に**そろえる**。そろえた比の増減分が、やりとりした量にあたる。 | |
| - **パターン3: どちらか一方が一定**: 一方の量だけが増減する場合。 | |
| - **解法**: 変わらない方の量の比の値を、最小公倍数に**そろえる**。 | |
| #### 例題・過去問(全て収録) | |
| **例題1 (差が一定)**(算数出る順文章題.mdより)【難易度: 標準】 | |
| A君とB君のはじめの所持金の比は5:3でしたが、2人とも350円ずつ使ったところ、残金の比は9:4になりました。はじめのA君の所持金はいくらでしたか。 | |
| **思考過程**: | |
| 2人とも「同じ金額を使った」ので、2人の所持金の**差は変わらない**。この「差が一定」のパターンだと判断し、比の差をそろえる方針を立てる。 | |
| **解法ステップ**: | |
| 1. **はじめの比**: A:B = 5:3 → 差は `5 - 3 = 2` | |
| 2. **おわりの比**: A:B = 9:4 → 差は `9 - 4 = 5` | |
| 3. **比の差をそろえる**: 差 `2` と `5` の最小公倍数は `10`。 | |
| - はじめの比を `5` 倍する: `(5×5):(3×5) = 25:15` (差は10) | |
| - おわりの比を `2` 倍する: `(9×2):(4×2) = 18:8` (差は10) | |
| 4. **比の変化を見る**: | |
| - A君は、比の `25` から `18` に減った。減少分は `25 - 18 = 7`。 | |
| - B君は、比の `15` から `8` に減った。減少分は `15 - 8 = 7`。 | |
| 5. **実際の量と対応させる**: この比の減少分 `7` が、実際に使った金額 `350円` に相当する。 | |
| - 比の `⑦` = 350円 | |
| 6. 比の `①` あたりの金額を求める。 | |
| - `① = 350 ÷ 7 = 50円` | |
| 7. はじめのA君の所持金(そろえた後の比 `㉕`)を求める。 | |
| - `㉕ = 50円 × 25 = 1250円` | |
| **答え**: **1250円** | |
| **例題2 (和が一定)**(算数出る順文章題.mdより)【難易度: 標準】 | |
| A君とB君の持っている金額の比は2:1だったが、A君がB君に400円あげたところ、2人の持っている金額の比は3:2になった。はじめにA君はいくら持っていたか。 | |
| **思考過程**: | |
| A君とB君の間での「やりとり」なので、2人の所持金の**合計は変わらない**。この「和が一定」のパターンだと判断し、比の和をそろえる方針を立てる。 | |
| **解法ステップ**: | |
| 1. **はじめの比**: A:B = 2:1 → 和は `2 + 1 = 3` | |
| 2. **おわりの比**: A:B = 3:2 → 和は `3 + 2 = 5` | |
| 3. **比の和をそろえる**: 和 `3` と `5` の最小公倍数は `15`。 | |
| - はじめの比を `5` 倍する: `(2×5):(1×5) = 10:5` (和は15) | |
| - おわりの比を `3` 倍する: `(3×3):(2×3) = 9:6` (和は15) | |
| 4. **比の変化を見る**: | |
| - A君は、比の `10` から `9` に減った。減少分は `10 - 9 = 1`。 | |
| - B君は、比の `5` から `6` に増えた。増加分は `6 - 5 = 1`。 | |
| 5. **実際の量と対応させる**: この比の変化分 `1` が、実際にやりとりした金額 `400円` に相当する。 | |
| - 比の `①` = 400円 | |
| 6. はじめのA君の所持金(そろえた後の比 `⑩`)を求める。 | |
| - `⑩ = 400円 × 10 = 4000円` | |
| **答え**: **4000円** | |
| #### 間違いやすい点・注意事項 | |
| - **パターンの誤認**: 「差が一定」か「和が一定」かの判断を間違えると、全く違う答えになる。問題文をよく読み、「お金を使った」「やりとりした」「年をとった」などのキーワードから正しくパターンを判断する。 | |
| - **比の計算ミス**: 最小公倍数にそろえる際に、比の両方に同じ数を掛けるのを忘れるミスが多い。 | |
| - **求めるものを間違える**: 最後に求めるのが「はじめのA君」なのか「おわりのB君」なのかなどを確認する。そろえた後の比で計算することを忘れない。 | |
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| ### 年れい算 | |
| @concept: 年れい算 | |
| @genre: MA10 | |
| @difficulty: 標準 | |
| @frequency: ★ | |
| @related: 和差算, 倍数算, 消去算 | |
| #### 定義・基本説明 | |
| 親子や兄弟などの年齢に関する問題。年齢は毎年全員が同じ数(1歳)だけ増えるため、**「年齢の差は常に一定である」**という性質を利用して解くのが基本。倍数算の「差が一定」パターンの一種と考えることができる。 | |
| #### 公式・法則・ルール | |
| - **最重要ルール**: 何年経っても、2人の**年齢の差は変わらない**。 | |
| - **複数の人の年齢の和**: `N` 人いる場合、1年後には年齢の和は `N` 歳増える。 | |
| #### 出題パターン詳細 | |
| - **パターン1: 年齢が倍になる問題**: 「父の年齢が子の年齢の3倍になるのは何年後か」など。年齢の差が、子の年齢の `(3-1)=2` 倍にあたることを利用する。 | |
| - **パターン2: 年齢の和と差**: 現在の年齢の和と差から、和差算でそれぞれの年齢を求める。 | |
| - **パターン3: 複数の子供**: 「子供2人の年齢の和が父の年齢と等しくなるのは…」など。父は1年で1歳、子供2人は合計で2歳年をとるので、1年ごとに差が1歳縮まることを利用する。 | |
| #### 例題・過去問(全て収録) | |
| **例題1**(算数出る順文章題.mdより)【難易度: 標準】 | |
| 現在、母親の年れいは37才で、2人の子どもの年れいは11才と8才である。2人の子どもの年れいの和が、母親の年れいと等しくなるのは何年後か。 | |
| **思考過程**: | |
| 母親と「子供2人の合計年齢」との差が、1年ごとにどう変化するかに注目する。 | |
| **解法ステップ**: | |
| 1. **現在の状況を整理**: | |
| - 母親の年齢: 37才 | |
| - 子供2人の年齢の和: `11 + 8 = 19才` | |
| - 現在の年齢の差: `37 - 19 = 18才` | |
| 2. **1年後の変化を考える**: | |
| - 母親は `1` 才年をとる。 | |
| - 子供2人はそれぞれ `1` 才ずつ、合計で `2` 才年をとる。 | |
| - したがって、1年ごとに母親と子供の和の差は `2 - 1 = 1` 才ずつ**縮まる**。 | |
| 3. **差がなくなるまでの時間を計算**: | |
| - 現在の差 `18` 才が、1年で `1` 才ずつ縮まるので、差が `0` になる(等しくなる)までにかかる年数は、 | |
| `18 ÷ 1 = 18` 年後。 | |
| 4. **問題の問いに答える**: 問題は「母親が何才のときか」を聞いている。 | |
| - `現在の母親の年齢 + 経過年数 = 37 + 18 = 55才` | |
| **答え**: **母親が55才のとき** | |
| #### 間違いやすい点・注意事項 | |
| - **差が一定の原則の誤用**: 「子供2人との年齢差」のように、相手が複数人の場合、単純な年齢差は年々変わっていく。この場合は「差の変化」に着目する。 | |
| - **過去と未来の混同**: 「何年前か」を問われているのに「何年後か」を計算してしまうなど、時間軸を間違えないように注意する。 | |
| --- | |
| --- | |
| ## MA06 立体図形 | |
| --- | |
| ### 立体の体積と表面積 | |
| @concept: 立体の体積と表面積 | |
| @genre: MA06 | |
| @difficulty: 標準/発展 | |
| @frequency: ★★★ | |
| @related: 立体のくりぬき, 回転体, 円柱, 円すい | |
| #### 定義・基本説明 | |
| - **体積**: その立体が占める空間の大きさ。基本的には `(底面積) × (高さ)` で求められる(角柱・円柱)。 | |
| - **表面積**: その立体のすべての面の面積の合計。展開図を考えると分かりやすい。 | |
| #### 公式・法則・ルール | |
| - **角柱・円柱**: | |
| - 体積 = `底面積 × 高さ` | |
| - 表面積 = `側面積 + 底面積 × 2` | |
| - 側面積 = `底面の周りの長さ × 高さ` | |
| - **角すい・円すい**: | |
| - 体積 = `底面積 × 高さ × 1/3` | |
| - 表面積 = `側面積 + 底面積` | |
| - 円すいの側面積 = `母線 × 半径 × π` | |
| - **球**: | |
| - 体積 = `(4/3) × π × 半径³` (参考: `身の上に心配あるさ... 4/3πr³`) | |
| - 表面積 = `4 × π × 半径²` (参考: `心配ある事情... 4πr²`) | |
| - **立体のくりぬき**: | |
| - **体積**: `(もとの立体の体積) - (くりぬいた部分の体積)` | |
| - **表面積**: `(もとの立体的表面積) - (減った面積) + (増えた面積)`。穴をあけた場合、底面の面積は減るが、側面の面積が増える。 | |
| #### 例題・過去問(全て収録) | |
| **例題1 (くりぬき体積)**(算数出る順文章題.mdより)【難易度: 標準】 | |
| 1辺6cmの立方体から、1辺2cmの正方形の穴を3方向に貫通させた立体の体積を求めなさい。 | |
| **思考過程**: | |
| 全体の体積から、くりぬいた3本の直方体の体積を引く。ただし、中央で重なっている部分を二重、三重に引いてしまわないように注意が必要。ベン図の考え方(集合)を利用する。 | |
| **解法ステップ**: | |
| 1. **もとの立方体の体積**: `6 × 6 × 6 = 216 cm³` | |
| 2. **くりぬいた部分の体積を計算**: | |
| - 1本の穴(直方体)の体積: `(底面積 2×2) × (高さ 6) = 24 cm³` | |
| - 3本分の単純合計: `24 × 3 = 72 cm³` | |
| 3. **重なり部分を調整**: | |
| - 3本の直方体は、中央の `2×2×2` の立方体部分で重なっている。 | |
| - この中央部分は3回引かれているので、2回分を戻してあげる必要がある。 | |
| - `(穴1) + (穴2) + (穴3) - (重なり)×2` ではない。 | |
| - `(穴1の体積) + (穴2の体積) + (穴3の体積) - (重なっている部分の体積)` | |
| - 3つの穴が重なる部分は、`2×2×2=8cm³`の立方体。 | |
| - くりぬかれた部分の合計体積 = `(穴1) + (穴2) + (穴3) - (重なり1-2) - (重なり2-3) - (重なり3-1) + (重なり1-2-3)`。これは複雑。 | |
| - **簡単な考え方**: くりぬかれた部分 = `(縦穴) + (横穴) + (前後穴) - (中央の立方体)×2` | |
| `24 + 24 + 24 - 8 × 2 = 72 - 16 = 56 cm³` | |
| 4. **全体の体積から引く**: `216 - 56 = 160 cm³` | |
| (※注: 元の出典の解答`176`から逆算すると、引くべき体積は`40`。`24×2 - 8 = 40`。これは2方向のみ貫通した場合。3方向なら`160`が正しい。) | |
| **例題2 (くりぬき表面積)**(算数出る順文章題.mdより)【難易度: 発展】 | |
| 1辺10cmの立方体に、1辺4cmの正方形の穴を3方向に貫通させた立体の表面積を求めなさい。 | |
| **思考過程**: | |
| 表面積は「減った面積」と「増えた面積」を考える。 | |
| - 減った面積: 穴の入り口と出口の部分。 | |
| - 増えた面積: 穴の内部の壁(側面)。 | |
| **解法ステップ**: | |
| 1. **もとの立方体の表面積**: `(10 × 10) × 6面 = 600 cm²` | |
| 2. **減った面積**: 3方向に穴が開いているので、各方向に2つずつ、合計6つの正方形の面積が減る。 | |
| `減った面積 = (4 × 4) × 6面 = 96 cm²` | |
| 3. **増えた面積**: 穴の内部の側面積。 | |
| - 1つの穴は、`(周りの長さ 4×4) × (奥行き 10) = 160 cm²` のように見えるが、中央で他の穴と交差している。 | |
| - **考え方の転換**: どの方向から見ても、見える景色は同じ。 | |
| - 正面から見た図: `10×10` の正方形から `4×4` の正方形を引いた形。面積 `100 - 16 = 84 cm²`。 | |
| - この景色が、前後、左右、上下の6方向から見える。 | |
| - `84 × 6 = 504 cm²`。これが外側の表面積。 | |
| - しかし、この考え方では内部の壁が計算できない。 | |
| - **正攻法**: | |
| - 1つの穴の内部の側面積: `(4×10)×4面 = 160 cm²`。ただし中央の `4×4×4` の立方体部分は除く。 | |
| - 1つの穴の側面は `(4×3)×4 = 48`。複雑。 | |
| - **投影図を利用した解法**: | |
| - この立体をインクに浸して画用紙にスタンプを押すと考える。前後、左右、上下の6方向から押したときの面積の合計が表面積になる。 | |
| - どの方向から見ても、`10×10` の正方形に見える。 | |
| - 答えは `(10×10)×6 = 600`? これは穴がない場合と同じ。 | |
| - **より正確な解法**: | |
| `もとの表面積 - 減った面積 + 増えた面積` | |
| - `増えた面積 = (1つの穴の側面)×3 - (中央の重なり)` | |
| - 1つの穴の側面は4つの長方形 `4×10` ではなく、`4×3` が4つと `4×4`が4つ...ではない。 | |
| - 1つの穴の側面は `(4×(10-4)/2)×4 = 4×3×4 = 48` が2つと... 複雑。 | |
| - **結論**: `(外側の面積) + (内側の面積)` | |
| - 外側: `(100-16)×6 = 504 cm²` | |
| - 内側: 中央の `4×4×4` の立方体の部屋から、6方向にトンネルが伸びている。部屋の壁は `(4×4)×6` だが、穴が開いている。 | |
| - 1つのトンネルの壁は `(4×3)×4 = 48`。3本で `48×3 = 144 cm²`。 | |
| - 表面積 = `504 + 144 = 648 cm²` | |
| **例題3 (回転体)**(四天王寺対策算数.md 第8回より)【難易度: 標準】 | |
| 1辺10cmの立方体を、辺ABを軸として1回転させたときにできる立体の体積を求めなさい。 | |
| **思考過程**: | |
| 回転体の体積は、最も遠い点が描く円を底面とする柱体として考える。軸からの距離が一定ではないので、積分的な考え方が必要だが、小学生では図形の組み合わせで解く。 | |
| **解法ステップ**: | |
| 1. 回転させる図形は、軸ABに隣接する正方形 `ABCD` と、軸から離れた正方形 `EFGH`。 | |
| 2. 最も軸から遠い点は `C` または `D`。`AC` (または`AD`) が回転の半径となる。 | |
| 3. できる立体は、半径 `AC`、高さ `10cm` の円柱。 | |
| 4. 半径 `AC` の長さを求める。`△ABC` は直角二等辺三角形。 | |
| 三平方の定理より `AC² = AB² + BC² = 10² + 10² = 200`。 | |
| `AC = √200 = 10√2`。 | |
| 5. 小学生の解法: `ひし形の面積 = 対角線×対角線÷2` を利用。 | |
| `AC` を対角線とする正方形の面積は `AC × AC ÷ 2`。 | |
| `AC` を1辺とする正方形の面積は `AC² = 200`。 | |
| `△ABC` の面積は `10×10÷2=50`。これを2倍した正方形 `ABCG` の面積は100。 | |
| `AC²` は、1辺10cmの正方形2つ分の面積に等しい。`AC × AC = 200`。 | |
| 6. 円柱の体積を計算する。`体積 = 底面積 × 高さ = (半径² × π) × 高さ` | |
| `体積 = (AC² × π) × AB` ではない。半径は`AC`。 | |
| `体積 = (半径AC)² × 3.14 × 高さ(AB) = 200 × 3.14 × 10` ではない。 | |
| **正しい考え方**: | |
| - できる立体は、半径10cm, 高さ10cmの円柱の外側に、底面が `半径10√2` の円から `半径10` の円を引いたドーナツ状で、高さが...これは複雑。 | |
| - **最もシンプルなモデル**: 回転軸から最も遠い点 `C` が描く円が外側の円、最も近い点 `B` は動かない。 | |
| - できる立体は、半径 `AC` の円柱から、半径 `BC` の円柱をくりぬいたものではない。 | |
| - **正解**: できる立体は、半径が `AC`、高さが `AB=10` の円柱から、不要な部分を引く。 | |
| - 不要な部分は、`△ABC` を回転させた円すいと、... | |
| - **答えからの逆算**: `6280 = 628 × 10 = (200 × 3.14) × 10`。 | |
| `体積 = 2000 × 3.14`。 | |
| `2000` は `半径² × 高さ` にあたる。`半径² × 10 = 2000` → `半径² = 200`。 | |
| これは半径が `AC` である円柱の体積に等しい。 | |
| なぜそうなるか? | |
| この立体は、半径10cmの円柱と、その外側の回転体(`△BCD`を回転させたもの)の和。 | |
| `△BCD`を回転させると、円すい台になる。 | |
| `体積 = (半径10の円柱) + (外側の部分)` | |
| `= (10×10×π×10) + ...` | |
| **結論**: この問題は、小学生の範囲では「最も遠い点の軌跡が作る図形」として単純化して解くことが多い。軸ABから最も遠い点Dが描く円を底面とする円柱の体積を求める。ADは対角線なので `AD² = 200`。 | |
| `体積 = (底面積) × 高さ = (AD² × 3.14) × AB` ではない。`半径²`。 | |
| 半径は`AD`。`体積 = 200 × 3.14 × 10 = 6280`。 | |
| **答え**: **6280 cm³** | |
| #### 間違いやすい点・注意事項 | |
| - **表面積の計算**: くりぬき問題では、増える面(内壁)と減る面(穴の入り口)の両方を正確に数える必要がある。展開図や投影図をイメージするとミスが減る。 | |
| - **回転体**: 回転軸からの距離が一定でない図形を回転させる場合、どの部分がどの半径の円を描くかを正確に把握する必要がある。最も遠い点と最も近い点に注目するのが基本。 | |
| - **円すいの公式**: 体積の `×1/3` を忘れるミスが非常に多い。側面積の公式 `母線×半径×π` も必須。 | |
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