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なき病葉の落羽畷に近つきぬこの日の倶にたちたりし那古天津の両臣のみ | |
山下が蔭を仰がず主に仕て大かたならぬ誠心あるものなれはこのとき思ふよしや | |
ありけん先に立たる列卒に誨て青 | |
村のかたへとて猛に途をかえんとすれば | |
光弘これを訝りて汝等は何処へ行るぞけふの場は落羽が岡也この比はいぎた | |
なくて寐惚たる歟と敦圉は七郎兵内左右より密やかにまうすやう君は | |
暁らせ給はずや乗馬の暴に斃れたる吉祥也とは覚ぬに落羽に落馬の | |
音訓かよへば名詮自性甚忌し加以室町殿の武威撓て兵乱休ときなき | |
ものから安房は東南の尽処なれば幸にして無事なれども国に野心のもの | |
なしとは必しもいひかたし然るを潜びて出させ給ふ是すらいとも危きに忌諱 | |
をも避ず不祥にも憚給はず遠き慮ましまさずは近き憂をいかにせん猛に | |
途をかえんとせしはこの故に候と两人斉一諌れば光弘聞て冷笑ひ女々しき事を | |
客まつ日は台所に居て仮にも片陰に引込ずして | |
其身正しくうろたえても手くだ男はよもやあるまじ | |
きとおもひしに其二とせあまり世之介と浅からぬ中立は | |
越後町の或宿の口鼻きもいりて座敷踊の仕舞乱れ | |
姿の暮方召替の浴衣腰より下の一重もけふの汗に迚 | |
そこ〱にとき捨て行水の御裸身みるに久米の仙もこんな | |
事成べし真木の戸袋に立しのぶを釣行灯光をわざと | |
しめしてそれそこと内義に押よせられこは〱湯殿に | |
かけこみこゝろのせくまゝにちよと物して出る所をよしに | |
見付られて悲しや様〱口がためぐんない島のおもてを約束 | |
するこそきのどくなれあひそめて後毎日かたじけなき | |
仕廻て屋ねうらまであらためける時棟木の間より杉 | |
はら紙の一包をさがし出しよく〱見れば隠居の尋ね | |
らるゝ年玉銀にまぎれなし人の盗まぬものは出ます | |
るぞさるほどに悪ひ鼠目といへばお祖母中〱合点せ | |
られず是ほど遠ありきいたす鼠を見た事なし | |
あたまの黒ひねづみの業是からは油断のならぬ事と | |
畳たゝきてわめかれければ薬師水風呂よりあがりかゝる | |
事には古代にもためし有仁王三十七代孝徳天皇の御時 | |
大化元年十二月晦日に大和の国岡本の都を難波長柄の豊 | |
崎に移させ給へば和州の鼠もつれて宿替しけるにそれ〱 | |
其中へ大根同く葉或はなすび里いも其外何にて | |
も有合の品をいれて焚大体煮たる時分右団 | |
子を入そつとかきまぜてはいれ〱して煮あげて | |
食すべし随分糧になるものなり | |
○右葛をほりて製する時葛根のすじの細かき | |
所のカンニイといへるもの出るを飯たく時まぜて焚 | |
糧を助る仕様を製葛録の中に記しおきぬ | |
○今年東北の国々不作し或は洪水にあひて | |
収納すべき米もなし抔承れば早く予が | |
かくよめれども国あまた隔ぬればいひおくるべき傅もなし世の中 | |
騒がしきにつれて人の心も恐しくなりにたり適間とふらふ人 | |
も宮木がかたちの愛たきを見てはさま〱にすかしいざなへ | |
ども三貞の賢き操を守りてつらくもてなし後は戸を閉 | |
て見えざりけり一人の婢女も去てすこしの貯へもむなしく其 | |
年も暮ぬ年あらたまりぬれども猶をさまらすあまさへ去年の | |
秋京家の下知として美濃の国郡上の主東の下野守常縁に | |
御旗を給びて下野の領所にくだり氏族千葉の実胤とはかりて | |
責るにより御所方も固く守りて拒ぎ戦ひけるほとにいつ | |
果べきとも見えず野伏等はこゝかしこに寨をかまへ火を放ち | |
て財を奪ふ八州すべて安き所もなく浅ましき世の費なり | |
けり勝四郎は雀部に従ひて京にゆき絹ども残りなく交易 | |
黒田右衛門佐鍋島信濃守有馬玄番允橘飛騨守 | |
寺沢兵庫頭小笠原右近大夫侍大将水野日向守 | |
戸田左門督その外ハしるすにをよバす其一そなへ | |
ひとそなへ芝手をつきさかも木をゆいさくを付 | |
せいろうをあげしよりを千とりかけに竹たばもつ | |
たてかめのこう水銀ほり八重はたへにとりまき | |
海手ハかいだてめくらふね大せんをからくミやぐらを | |
あげいし火屋大つゝなりやむまもなしまに | |
其形うつくしくしかも利発者にて母にも孝 | |
をつくせば人皆夫妻の望あれども浮世はあ | |
きはてしと此事を取あへずさては一たび男 | |
持けるかと聞にさもなくて花の盛をいたづらに | |
振袖留て人にみられたき風情なかりき然 | |
ればわけなき病気もありやと内証せんさく | |
するにさもなくあたら日数をふる程にこなた | |
の事を語り出して当分は浪人衆成がすへ〲 | |
頼みある御方といへば母人よりは其娘聞届て | |
其をちめなる侍衆ならばのぞみなり先様に | |
御合点あらば身をまかせお茶のかよひつかふま | |
ちかき白峰といふ所にこそ新院の陵ありと聞て拝みたて | |
まつらばやと十月はじめつかたかの山に登る松柏は奥ふか | |
く茂りあひて青雲の軽靡日すら小雨そぼふるがし | |
児が岳といふ嶮しき岳背に聳だちて千仭の谷底より | |
雲霧おひのぼれば咫尺をも欝悒こゝ地せらる木立わづ | |
かに間たる所に土 | |
く積たるが上に石を三かさねに畳み | |
なしたるが荊蕀薜蘿にうづもれてうらがなしきをこれな | |
らん御墓にやと心もかきくらまされてさらに夢現をもわき | |
がたし現にまのあたりに見奉りしは紫宸清涼の御座に朝 | |
政きこしめさせ給ふを百の官人はかく賢き君ぞとて | |
詔恐みてつかへまつりし近衛院に禅りましても藐姑射 | |
の山の瓊の林に禁させ給ふを思ひきや麋鹿のかよふ跡のみ | |
つとめも旦那計には其事もゆるして外はかたく政道 | |
して其屋形にも出入して月に四五度は我がものに | |
つれて帰る事ぞかし近年おほくはすたりて已来は | |
寺方に抱侍るこの沙汰も捨難く庵には葛西の長八 | |
といへる小者を不便がり香具には池の端の万吉 | |
黒門の清蔵此三人に日夜乱れていつとなくざん | |
切になでつけ衣は雑巾となり台所には白雁の | |
胴がら | |
汁の跡燃杭に火とはこの人の昔し | |
にかへる | |
懸て其時の風情天津乙女の妹などゝ是をいふべし手 | |
前のしほらしさ千野利休も此人に生れ替られしかと | |
疑れ侍る | |
すぎて跡はやつして乱れ酒いつにかはりての |
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