question large_stringlengths 4 115 | answer large_stringlengths 4 310 |
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なんで急に黙っちゃったの? | タイムスリップしちゃったみたいでさ。 |
あの、さっき電話してた内容、ちょっと聞こえちゃったんですけど…大丈夫ですか? | いや、まじでわかんないんだよね。結果がいつ来るかも言われてなくてさ、ただ待つしかないって。それでさっきからずっと考えちゃってて、もし悪かったらどうしようって。空港の人混みの中でひとりでいると、余計に頭の中ぐるぐる回るんだよな。明日学校行ける気がしないし、寝ても覚めてもそればっかだし。電話で親友に聞いてもらったけど、やっぱり不安は消えない。 |
さっきからずっと同じ場所をぐるぐる歩いてるけど、何かあったの? | ああ、気づかせちゃった?ごめん。実はさ、さっき病院から連絡来て、結果がまだ届いてないって言われてさ。もう何日待ってると思ってんのって感じ。ゲート前で座ってても落ち着かなくて、歩き回ってるうちに夜遅くなっちゃった。もしも悪かったらって考えが頭から離れなくて、マジでどうしていいかわかんない。親友には話したけど、結局答えは自分で待つしかないんだよね。 |
え、まじで?それってどういう流れでそんなことになったの? | もう信じられなくてさ、ただガソリン入れたくて立ち寄っただけなんだよ。そしたら向こうから歩いてくるのがどう見てもあの時の...高校の時の片思いしてたやつでさ。こっちは寝癖ついてるしボロボロのTシャツだし、マジで最悪のタイミングすぎて頭真っ白になったよ。まさか海外のガソスタで会うなんて思わないじゃん? |
それで、お前どうしたんだよ?何か声かけられたの? | いやもう最初は気づかないふりしようと思ったんだけど、目が合っちゃってさ。向こうもびっくりした顔して固まってて。なんか変な間ができて、俺が先に『久しぶり』って絞り出すのがやっとだったよ。声が震えてなかったか今でも心配で、あの時の自分の挙動不審っぷりを思い出すとまた頭抱えたくなるわ。 |
で、結果が出るまであとどれくらいあるんだっけ?待ってる間、何考えてる? | あと二日って言われたんだけど、その二日が無限に長く感じてさ…もう頭の中ぐるぐるして、悪い方ばっかり考えちゃうんだよね。もし悪かったらどうしようって、考え出すと止まらなくて、空港のこのベンチでずっとぼーっとしてる。誰かに話しかけられても、返事するのがやっとで、なんか自分じゃないみたい。 |
結果待ってるときって、普段できないことでもしてみようと思わない? | それがさ、むしろ逆で、何も手につかないんだよ。ゲームも、本も、全部どうでもよく感じちゃって。飛行機の音とかアナウンスだけがやけに耳に入ってきて、そのたびに心臓がドキッとする。自分が今ここにいるって実感が薄くて、まるで映画の中の他人事みたいな気分。なんでこんなに怖いんだろうね、マジで泣きそう。 |
それで、店の中でどうなったの? | もうね、あの子が突然『おじいちゃん、あの人おしりが大きいね!』って、まあ大きな声でさ。周りの人がみんなこっち見て。あの若い女性、真っ赤になってたよ。こっちが謝るしかなくて。はあ、買い物どころじゃなかった。まだ顔が熱いよ。 |
え、まさかその場で何か言ったの? | いやもう、何も言えなかったよ。ただ『ごめんなさい、ごめんなさい』って繰り返すだけで。子供はまだキョトンとしてて、なぜ怒られてるかわかってないんだ。こんなこと初めてじゃないけど、今日は特に人が多くてね。買い物かご置いて、そのまま帰ってきたよ。もう外に出たくない気分。 |
あれ、何かいいことあった?さっきからちょっとそわそわしてるけどさ。 | 三年前から書いてた小説、さっきついに書き終わったんだよ。病院の待合室で、スマホのメモ帳に最後の一行を打ち込んで、その瞬間、手が震えて止まらなくなってさ。こんなに長くかかるなんて思ってなかったし、途中で投げ出したくなったこと何度もあったけど、やっと終わった。まるで自分の中に閉じ込めてた怪物を放したみたいな解放感で、今、隣に座ってるおばあちゃんに変な人だと思われてる気がするよ。 |
何か隠してない?なんか雰囲気違うから、つい気になっちゃって。 | いやあ、実はね、三年かけて書いてた小説がついに完成したんだよ。待合室のあの蛍光灯の下で、最後の一文を打ち終えた瞬間、なんか涙が出そうになってさ。自分でも笑っちゃうんだけど、昔、大学の寮で夜中まで語り合ったあの頃の自分が、まさかこんなことになるとは思ってなかった。病気の母の見舞いで来てるのに、自分のことで頭がいっぱいで、親不孝者だなって自虐したくなるよ。 |
ねえ、あの時の店員の態度、まだ根に持ってるんじゃない? | ああもう、二度も間違えて笑ってる場合?こっちは披露宴で忙しいのに、頭にきたよ。 |
そういや、あのレストランの間違い、笑い話にできそう? | 笑い話?とんでもない。二度目に運ばれてきた時、もう我慢の限界でね。パートナーがなだめるのに必死だったよ。 |
あ、それ大学のやつ?まだ取ってあったんだね | まさかこんな奥から出てくると思わなかったよ。袖口ほつれてるけど、あの頃の匂いがするんだよね |
捨てるの勿体ないって思っちゃうタイプ? | いやいや、捨てるなんて無理だよ。あの頃は徹夜でレポート書いてさ、このフードにコーヒーこぼした跡がまだあるんだぜ |
まさか覚えてないなんて言わないよね? | ちゃんと覚えてるよ、あの日のこと |
俺の話ちゃんと聞いてた? | 聞いてるに決まってるじゃん |
それで、孫がスーパーで何て叫んだんだって? | 「このおじいちゃん、おならした!」って、でかい声で。 |
周りの人はどんな反応だったの? | みんなこっち見て笑ってたよ…もう穴に入りたい。 |
そういえばこの前、屋上のフェンス直すって言ってた工事、結局来なかったよね? | ああ、あれね。来る気配すらないわ。 |
先週の昼休み、屋上で一緒に弁当食べた時も、ずっと親の話してたっけな | そんなことしか話せないんだもん、今は。 |
ねえ、さっきスマホ見てたけど、なんかすごい顔してたけど、どうしたの? | 信じられないんだけど…うちのスタートアップ、今日の朝刊の一面でバーンと紹介されてたんだよ。しかも、あの有名な経済記者が書いた特集でさ。なんかもう、現実感がなくて、ずっとスマホの画面見つめてるだけ。まだ震えが止まらないし、声も出そうになると変な感じになる。ルームメイトに話すのも恥ずかしいけど、でもこの衝撃を誰かに伝えたくてたまらないんだ。 |
今、裏庭で何してるの?さっきからずっと小声でつぶやいてるみたいだけど。 | まさかうちの小さな会社が新聞に載るなんて、夢にも思ってなかったよ。しかも、今日の夕方に友達からリンク送られてきてさ、最初は冗談かと思った。でも本当だったんだ。今もまだ心臓バクバクしてて、なんか周りの音が全部遠くに聞こえる。この興奮を誰かに話したいけど、言葉にすると壊れそうで、こっそり庭で一人でつぶやいてるんだ。 |
どの辺で迷ってるの?住所とかわかる? | もう全然わかんない…看板も読めないし |
スマホの充電あとどれくらい? | 5%切った…まじやばいかも |
あれ、二人とも同時に風邪ひいちゃったの? | 洗濯物がもう山積みで泣きそう |
子供たちが二人ともダウンって、結構キツイんじゃない? | もう干す場所すらねえよ |
それ、なんの話?お弁当箱になにかあったの? | 妻がね、またお弁当に小さなメモを忍ばせてくれてて。今日は『今夜は早く帰ってきてね』って。もう何年も続けてるんだよ、あの人は。 |
そのポケットから出てきた紙、なんだい? | ああ、これ。妻からのラブレターみたいなもんさ。お昼に開けたら『好きだよ』って書いてあってさ…60過ぎても照れるもんだな、これが。 |
二度も間違えるって、どういうことだろね? | もう笑うしかないよ、プロ失格だわ |
へえ、それでどんな手紙だったの?もっと詳しく聞かせてよ | いやもう、小学生の頃に交換日記みたいにしてたやつが大量に出てきてさ、なんかこう、字がめっちゃ小さくて必死な感じとか、シール貼りまくってるところとか、今見ると笑えるんだけど、あの頃は毎日が本当にキラキラしてたんだなって思うと、胸の奥がぎゅーってなるんだよね。もう連絡取ってないけど、あの子今どこで何してるんだろうな。 |
その手紙読んでどう思った?なんか懐かしい感じ? | そう、もうめっちゃ懐かしくて、でもなんか切なくてさ。一枚一枚めくるたびに、あの頃の声とか笑い声とか、放課後一緒に買ったアイスの味まで思い出してくるの。なんでこんなに離れちゃったんだろうって考えたら、急にすごく会いたくなって、でも連絡する勇気もなくて、屋上で一人でぼーっと空見てたよ。寝る前に思い出すと眠れなくなりそう。 |
新天地での生活、もう慣れた?夜の街のネオンも案外悪くないんでしょ? | 慣れるどころか、ここに来てからずっと耳鳴りがしてるみたい。誰もいない部屋で、外の音だけやけに響くんだよね。 |
都会の喧騒、楽しめてる?あの賑わいが逆に寂しく感じたりしない? | まあね、駅前の人の流れを見てると、自分だけ取り残された気分になる。知らない人ばかりで、声をかけたいのに喉が詰まるんだ。 |
お前、引っ越すの前から知ってて黙ってたの?友達やめるぞ | 知らなかったんだよマジで!昨日急にLINE来て「来週引っ越すわ」って。何年ぶりだよって話だよね、こんなタイミングでバタバタするなんてさ |
引っ越し祝いに何か送ろうか?せいぜい粗品だけど | いやもうそれどころじゃなくてさ、実はまだ片付け終わってなくて。来週ってもうほんとに目の前で、なんか頭が回らないんだよね。あいつがいなくなるって現実味ないわ |
それで、その留守番電話、聞いた時のこと、もっと詳しく聞かせてくれない? | いや…もう、まさか、って感じで。スマホ落としそうになったよ。 |
どんな声だったんだい?覚えてること、話してみてよ | もう、懐かしすぎて…声、ちょっと震えてたな。 |
その付箋、毎回なんだって? | ふふ、今日も入ってた。 |
次、何か返した方がいいかな? | うん…でも何書けばいいかわかんない。 |
それで、その切符、どうしてそんなにおかしいって思ったの? | だってさ、あの駐車場、夜間は無料って書いてあったんだよ。はっきりと看板に。なのになんで俺だけ切符切られてんのって話。しかも見回りの時間、俺が車停めたのが夜の8時過ぎで、切符発行されたのが8時15分。15分で切符って、どんだけ金に困ってんだよって思うわ。もう警察に電話して抗議しようか本気で迷ってる。 |
他の車は切符切られてなかったの? | 周り見たけど、俺の車だけだった。マジで狙われたとしか思えない。あの場所、なんか死角になっててさ、他の車からは見えにくい位置なんだよね。だからパトカーが通りかかった時に、たまたま俺の車だけ目に入ったんだろうな。くそ運の悪さに笑うわ。でも絶対払わないからな。こういうのって、ちゃんと文句言わないとどんどん増えるって親が言ってたし。 |
え、まじで?今日言われたの?どんな顔してた? | うん、夕方に突然抱きついてきてさ、『だいすき』って。なんかもう頭真っ白になって、気づいたら涙出てたよ |
それって、もう完全に親バカ確定じゃん?どうすんのその顔で | いやだって無理でしょ、あんなん言われたら。こっちは仕事の疲れも吹き飛ぶって、まじでもうなんも考えられなくなったわ |
え、まさか何かやらかしたの? | レジ前で孫が店員さんに向かって『おじいちゃんハゲてるね!』って。もうその場で消えたかったよ、でも笑うしかなかったわ。 |
ちょっと何があったの? | うちの子が米の袋を指さして『これパパのお腹みたい!』って叫んでさ…周りの人がこっち見てて、もう地面に埋まりたくなったよ。 |
え、それって毎日やってるの?すごいね、どういう経緯で? | いや、たまにだよ。でも昨日、めっちゃくちゃ忙しくて昼飯も食いっぱぐれてさ、深夜3時とかに冷えたコンビニ弁当あたためて食ってたら、ふと弁当箱のフタ開けたら…なんかヨレッとした付箋が一枚入ってて、『お疲れさま。ちゃんと休んで』って書いてあったんだよ。もうね、その瞬間、会社の休憩室で一人で泣きそうになってさ。 |
その付箋、どういう文字で書いてあったの?何か特徴あった? | 字がね、いつもより丁寧で、しかもペンの色がピンクなんだよ。あいつ、普段青とか黒しか使わないくせに。朝、俺が寝てる間にこっそり入れてくれたんだろうなって思うと、もう胸がぎゅーってなって…ああ、もう何年もこんな気持ち忘れてたよ。職場のロッカー、今開けたらまた入ってないかなって、つい何度も確認しちゃう自分がいる。 |
あれ、またお弁当に付箋貼ってたの? | 毎日律儀に書いてくれるんだよ。『今日も一日頑張って』って。そんな年になっても、これが続くとなんか照れるんだけど、捨てられないんだよな。 |
まさか屋上でまでその話するの? | もうね、字が下手くそで読みにくいんだけど、『いつもありがとう』って。たった一言なのに、朝の風が冷たい日に限って、じわっと来ちゃうんだよね。 |
そういえば、前にあの店でパスタ頼んだら間違えて隣のテーブルに運ばれたことあったよね? | マジで三回目だし、笑ってる場合かよ |
あの店って、去年の誕生日会の時も注文間違えてなかった? | もう二度と行かないって決めたわ |
え、何それ、どうしたん? | いやさ、さっき急に頭に浮かんだんだけど、もし人間が寝てる間だけ別の記憶を持ってたらどうなるんだろうって。例えば夢の中では別の人生送ってて、起きたらこっちの人生で、どっちが本当かなんてわかんないじゃん。なんかそれ考え出したら止まらなくてさ、今すぐ誰かに話したくてたまらんかったんよ。 |
は?何が起きたの? | いやもう、マジで意味わかんないんだけどさ、さっき信号待ちしてる時にふと思ったんだよ。もし時計が逆回りしてたら、人間ってどうやって生きていくんだろうって。朝起きて夜寝るじゃなくて、夜起きて朝寝るって感覚になるんかな。でもそれって結局今と変わらんのかもね。ああ、なんか頭ぐるぐるしてきた。 |
最後のあのシュート、まさか入ると思わなかったでしょ? | 入っちゃったね。 |
勝った瞬間、どんな気持ちだった? | あれ、もう声も出なかったよ。 |
ジムでスマホ見てニヤニヤしてるけど、なんか良いことでもあったの? | 親の結婚記念日だったんだよね。なんかさ、小さい頃はあたりまえすぎて気にもしなかったけど、今思うとよくあの二人、毎日喧嘩しながらも30年も続いてるなって。俺なんか三日で飽きちゃうのにね、って自虐したくなるわ。 |
なんか今日やけにトレーニングに集中してないけど、浮かれてる? | いやあ、親父とお袋が今日で記念日なんだって。昔は仲悪そうに見えたけど、今思えばあれが愛情表現だったんだなって。なんか急に胸がぎゅっとなって、ベンチプレスどころじゃなくなった。自分もこんなふうに誰かを大事にできてるのかなって、ちょっと考え込んじゃった。 |
そっち、何か今日の散歩、ちょっと元気ないけど、まさか愛犬にでも振られた? | ああもう、それよりヒドいよ。昨日、彼女に何の理由もなくポイって捨てられたんだ。こっちはてっきり来月の旅行の話、盛り上がってたのにさ。朝起きてライン見たら『ごめん、もう無理』だけ。何が無理なんだよ、こっちは犬の散歩もロクに行けなくなってんだぞって感じだよ。 |
犬の散歩中に電話で振られるって、新しい捨てられ方の記録じゃない?どんな顔してリード持ってたの? | もう、その通りでさ。散歩中に電話鳴って、『話がある』って言われて、立ち止まった瞬間だよ。『あなたのせいじゃないけど、もう会えない』って。何の説明にもなってないじゃん。今、あの柴犬が俺の顔ペロペロ舐めてるけど、こいつだけが慰めだよ。ほんと、犬のほうが人間より優しいって思うわ。 |
新天地での孤独感、もう慣れた?それともまだ迷子? | 慣れるわけないじゃん、全部がうるさくて空っぽ |
都会の喧騒、どうだい?思ってたより寂しいんじゃない? | なんだこれ、音ばっかで誰もいない |
まさか一晩中そのまま突っ立ってたんじゃないだろうね | いやそれがさ、ドアの前で固まっちゃってさ。靴も脱げなくて、手に持ってたワイン瓶が震えてて。そしたら中から奥さんが出てきて、あれ?明日じゃなかった?って言われてさ。もう頭真っ白で、すみません間違えましたって言うのが精一杯でさ。あーあ、思い出すだけで冷や汗出るよ。 |
それで結局どうやって逃げ出したんだよ、まさかそのまま夕飯ごちそうになったのか | 逃げるにも逃げられなくてさ。奥さんがせっかくだからって中に入れてくれてさ。でもテーブルには明らかに前日準備の食材が並んでてさ。僕だけ座らされて、なんか焼きそばの残りとか出てきてさ。黙って食べるしかなかったよ。主人は笑いこらえてるし、もう二度と会いたくないって本気で思ったよ。 |
すごい荷物だね、どうしたの? | 二人同時に熱出してさ…洗濯物が山になって、もうどこから手つけていいかわかんないよ |
こんな時間に空港で待ってるって、何かあった? | いや、義実家に子供預けに行く途中。疲れ果ててて、搭乗口で座り込んだら動けなくなっちゃった |
あのベンチで何を見てるの? | あのスーツのおじさん、鳩に話しかけてるんだけど、鳩の方が無視してるのが面白くて。こっちまで笑っちゃうよ。 |
隣に座ってるカップル、どう思う? | あの二人、ずっとスマホ見てて会話ゼロなのに、手だけつないでるんだよね。何この関係性、気になりすぎて集中できない。 |
そういえば、前にあなたのお母さんが腰を痛めたって言ってたけど、その後どう? | それがさ、もうずっと寝たきり状態でさ、毎日おむつ替えと食事介助で休む暇もないんだよね。今日もやっとライドシェア呼んでちょっと抜け出してきたとこ。 |
昔、あなたが父さんの介護で大変そうだったの覚えてるよ。今度はお母さん? | そうそう、今度は母なんだ。もう何ヶ月も自分の時間なんてなくて、朝から晩まで介護でぐったり。今日だって、友達とランチするのも初めてで、なんか自分じゃないみたい。 |
え、何それ、まさかあのメール? | わかんないんだよ、いきなり弁護士からでさ、タイトルも『至急確認』とか書いてあって、開く前から手が震えてる。住所も電話番号も載ってて、何かの間違いだと思いたいけど、こんな深夜に一人で食堂にいても、誰も助けてくれないし、頭の中ぐるぐる回ってるだけ。もう、怖くてたまらないよ。 |
まじで?弁護士からってどういうこと? | いや、心当たりが全然なくてさ。家のローンの書類かと思ったけど、見覚えのない会社名で。住所はこっちの田舎の実家なのに、内容が一切読めなくて。もうパニックで、スマホ握ったまま何度も見直してる。ああ、もう寝れないし、誰かに話したくてたまらなかったんだ。 |
玄関で叫んだってラインきたけど、まさか猫が本物の蛇連れてきたの? | うん…リビングでくつろいでたら、猫が得意げに生きた蛇をポーンって置いてさ。マジで何秒か固まって動けなかったよ。 |
猫が何か咥えてるって写真送ってくれたけど、まさかあれ本物の蛇だったの? | そう、しかも結構太くて動いてて…猫は『どうだすごいだろ』って顔で見てくるし、もうパニックで叫びながら部屋中追いかけたよ。 |
まだ起きてたの?明日の朝、会議があるんじゃなかったっけ? | コーヒー4杯目がもう冷めてるよ。資料はできたけど、これで合ってるのかもうわかんない。まるで自分の書いた字が読めなくなったみたいな感覚。 |
コインランドリーで会ったのって一昨日だよね?まさかまだあの服、乾いてないの? | 乾いてるかどうかより、自分が乾いてないんだよ。明日の朝までに、この体に詰め込めるだけのカフェインと虚勢で乗り切るしかない。寝る前にここ来て正解だったわ。 |
それで、そのあとどうなったの? | すぐにミュートにして膝を叩いたよ、もう最悪。 |
まさか、本当にやっちゃったの? | 会議室の空気が一瞬で凍ったわ。 |
一週間も誰とも話してなかったって、まさか幽霊になってたとか? | スマホ見てるときに気づいたんだよね…通話履歴もLINEもぜんぶ既読だけの一方通行でさ。最初は仕事が忙しいだけだって思ったんだけど、ふと気づいたら一週間、声を出して誰かと会話してなかったんだ。ベランダでタバコ吸いながら、『あ、これって孤独ってやつか』って急に実感が押し寄せてきて、ちょっと泣きそうになったよ。 |
え、まさかベランダで一人黄昏れてたの?それってドラマのワンシーンじゃん。 | まあそんな感じ…深夜3時にベランダで缶ビール片手に空見上げてたんだけど、隣の部屋の明かりが一つだけついてて、ああ向こうも起きてるんだなって思った瞬間、なぜかすごく切なくなってさ。誰かと適当な話がしたいのに、連絡先をスクロールしても『今さらこんな時間に』って思っちゃって結局何もできなかったんだよね。 |
こんな突然の話、信じていいのかね | マジかよ、応募もしてないのに。 |
この歳で部長代理って、どう返事すればいいんだろう | 冗談だろ、俺がかよ。 |
え、また犬が変なことしたの? | 今日ね、洗濯物の山に飛び込んで、靴下くわえて猛ダッシュ。もうね、その顔ったら、やったぜって顔で、こっちまで笑っちゃうんだよ。 |
その犬、また何かやらかしたんでしょ? | そうそう、庭で掘った穴に頭突っ込んで、土だらけでこっち見ててさ。もうね、叱る気なくすってこういうことだなって。 |
そういえば、あの研修医の山本くん、まだいるの? | もう何日目かすらわかんないよ |
この前の飲み会、途中で抜けたよね、あれってまさか | ああ、あの日も結局呼び出しだったんだ |
え、弁護士からメールって何それ、まさか何かやらかした? | いや全く心当たりなくてさ、タイトル見ただけで開ける気になんないんだよね。手が震えてる。 |
マジで?誰から来たの?内容まだ読んでないの? | 読む勇気なくて放置してる。通知消したらもう確認しなくて済む気がしてさ、でもずっと気になってる。 |
ねえ、さっき言いかけてやめたやつ、何考えてたの? | あのさ、もし宇宙人がいて、地球人の感情を『色』で感知するんだとしたら、今の食堂の夕焼けみたいなオレンジ色の感情って、何だと思う?って考えてたんだけど、どうでもいいよね、こんなの。でもなんか急に気になって、黙ってると頭ん中でずっとループしちゃってさ。 |
どうしたの、急にこっち見て笑い出して。何かあった? | いや、さっき味噌汁の具の豆腐見ててさ、豆腐って、どんなに頑張っても自分の形を変えられないじゃん。それって人生の縮図みたいだなって。押し出されるまま型にはまって、でもそれが普通だと思ってる感じ。俺も田舎でこうやって食堂で飯食ってるけど、ずっと同じ四角いままだなって。 |
まさか、そんなことあるの? | ああ、しかも昼のビデオ通話中に気づいて、一気に冷や汗出た。顔が真っ青になったって言われたよ |
何かあった?急に黙ったけど | 弁護士の名前見た瞬間から頭の中が真っ白でさ。なんか覚えのない裁判とか、突然の借金とか、最悪のシナリオしか浮かばなくて。手元のスマホが重くて仕方ないし、でも開かないと気になって仕方ないし。今まで普通に生きてきたはずなのに、なんでこんな時間に震えてるんだろって思うと余計怖い |
そういえばさ、前に空港で一緒にスクラッチ買ったとき、お前だけなんかすごい真剣に擦ってたよね。あれ、まさか当たってたんじゃない? | まじで信じらんないんだけど、あの時の宝くじ、今さっき当選番号確認したら当たってたよ。しかも結構な額で、今空港のゲート前でスマホ見て固まってる。 |
そういえば、お前って昔から懸賞とか応募しては忘れるタイプだったよな。確か去年の旅行の時も、バッグの中から期限切れのクジ出してきて笑ったじゃん。 | あはは、まさにそれ。今回も完全に頭から消えてて、今日突然メール来て、まさか自分が当たってると思わなくて、思わず荷物落としそうになったよ。 |
そうだよね、あの頃お前いつも「犬の散歩行く」って言って、授業サボってたじゃん。 | あのルーティンがもうないんだよ。今朝も無意識にリード持って、空っぽの部屋で立ち止まって、ああそうかって。本当はわかってたんだけど、そういう小さな瞬間が一番くる。コインランドリーの乾燥機の音だけがやけにデカくて、なんかむなしい。 |
あの試合、最後の最後であれだけ盛り上がったんだって?どういう気持ちだったの? | もうね、心臓が口から飛び出るかと思ったよ。あの瞬間だけは年取ったの忘れたね。 |
勝った瞬間、周りの声とか聞こえた?何が一番頭に浮かんだ? | いや、耳がキーンとしてて何も聞こえなかったな。ただ腕を上げて、子供みたいに跳ねちゃったよ。 |
早起きして何そんなにニヤついてんの、宝くじでも当たった? | 当たったよ、最前列のチケット。あのバンドの。もう70近いけど、こんなに胸がドキドキするなんて久しぶりだわ。 |
何かいいことあったんですか?ずっと嬉しそうな顔してましたけど。 | えっとね、さっき原稿の最終チェックが終わったんだよ…三年前からずっと書いてた小説が、ついに本当に終わったの。最初はノートに手書きで書き始めて、途中でパソコンに移して、何度も何度も書き直して…最後の一文を打ち終わった瞬間、手が震えてしばらく動けなかった。自分でも信じられなくて、画面を何度も見直しちゃった。 |
さっきからスマホ見てにやにやしてるけど、何があったんですか? | 三年前のあの日、喫茶店の隅で書き始めたあの物語がね、さっき本当に終わったんだよ。何度も書いては消して、もう無理だって諦めかけた夜もあったのに…最後のページを閉じた時、窓の外がもう暗くて、自分の顔がスマホの画面に映ってて、なんかぼんやりしてて、でも胸の奥がじんわり熱くなってるのがわかって、この感覚をどう伝えたらいいんだろう。 |
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