text
stringlengths
0
257
41. 040 参入者へ2
42. 041 参入者へ3
43. 042 参入者へ4
44. 043 参入者へ5
45. 044 夏の夜の妖精
46. 045 寝坊と職人
47. 046 野生色の少女
48. 047 機人と前世
49. 048 二人と前世
50. 049 パーティ結成
51. 050 ポリシーと命名
52. 051 教育振興とドライブ
53. 052 戦闘開始
54. 053 守護者の情
55. 054 赤の乗り手
56. 055 夜闇に死人が起き上がる話
57. 056 状況整理
58. 057 転換
§ 03 隠れ里
59. 058 出発準備
60. 059 秘密保持契約
61. 060 コミエ村へ
62. 061 コミエ村にて
63. 062 候補地への道
64. 063 候補地にて
65. 064 古代文明の遺産
66. 065 縄張りと村長
67. 066 土木工事
【タイトル】
000 プロローグ
【公開状態】
公開済
【作成日時】
2017-04-05 18:16:17(+09:00)
【公開日時】
2017-04-05 18:20:45(+09:00)
【更新日時】
2017-04-05 18:20:45(+09:00)
【文字数】
1,836文字
【本文(44行)】
 12月30日夜の10時を過ぎた所。
 私は自宅マンション近くのコンビニにくたびれたスーツ姿で来ていた。今日の店員は東南アジア系のようだ。ちょっとたどたどしい日本語で挨拶してくる。
 今は仕事帰りだ。
 仕事納めは28日だったのだが、その朝一でプロジェクトにトラブルが発生。至急の対応が必要となった。
 おまけにその影響が年末年始で行うはずだったサーバのメンテナンスにも影響することが判明し、大騒ぎ。
 うちのチームの全員が休出し、やっとすべてが終わったのが先ほど8時過ぎ。
 片づけをしてようやく会社を出たのは、9時過ぎだった。元気な若手は遅れた納会と称して繁華街に消えていったが、私はもう限界だった。
 家に残した家族もいるので彼らの世話をしなければならない。そこでできるリーダーを称する私は、若手に数枚の諭吉さんを渡してあげた。若手達は大喜びで去って行った。これを機に私に対するハゲネタを止めてくれると良いのだが。あれ、地味に傷つくのだよね。
 適当につまみとビール数本を買ってコンビニを出た。今日は疲れたから、ちゃんとしたビールだ。発泡酒ではない。
 店員がコンビニらしからぬ威勢の良いあいさつで送ってくれる。
 人気の減ってきた通りを家の方に向かってプラプラと歩く。
 ふと見上げると下弦の細長い月。星はあまり見えないが仕方がない。
 冷たい空気、冬特有の空気の匂い、冴え冴えとした月の光。いい物を見た気がした。
 マンションに着いた。オートロックを開け、エレベータで5階へ。
 なんてことのない賃貸4LDKだが、中はエアコンで暖かかった。明かりは消えている。
 玄関で電気をつけると、早速家族の世話に向かう。居間を兼ねた9畳間だ。
 120 cmの水槽が4つ。淡水水槽ばかりだ。何種類かの魚とエビが泳いでいる。
 私は急な泊まりがあるときもある。だから基本的に水の汚れに強いものを飼うようにしている。お陰で地味な魚ばかりだ。だが、飼っていると結構可愛い。後、エビがツマツマしているのを見ると、時が経つのを忘れる。
 彼らは急に明かりがついたので戸惑っているようだ。刺激しないように水槽をチェック。特に問題は無い。だが、明日は水替えをするべきだろう。
 もう一人大事なペットがいる。さっきからケージをかじってアピールしているので構ってやらねば。
 水槽から少し離れたところに、金網のケージがある。高さ80㎝幅80㎝奥行き50㎝の大型ケージだ。初めてみた人は必ず驚く大きさだ。
 中には直径30㎝の回し車や様々なステージがしつらえていて、ジャングルジムのようになっていた。
 その入り口付近の金網を握って金網をかじっているのが私の大事な相棒、ハンナ。
 デグーというげっ歯類だ。年齢は3歳の雌。大きさは180gほど。掌にちょうど載るくらいの大きさだ。見た目は地味な茶色の毛玉だ。リスにも兎にもちょっと似ている。
 デグーは人懐こく、孤独を嫌がる。だから私に構ってほしくてたまらないのだろう。
 手早く着替えて、遅い晩飯の準備をする。とはいえ、つまみを皿にのせるだけなのだが。
 食卓に座り、ケージからハンナを出す。
 するとハンナはダッシュでケージを飛び出し、胡坐をかいた膝から肩に簡単に駆け上がってくる。そして耳たぶを甘噛みして構ってアピールだ。左手でハンナのあごの下を掻いてやりつつ、右手でビールを注ぎ、飲み干す。ついでにデグー用のオヤツを渡すのも忘れない。
 何とも言えない充実のひと時だ。ついでにテレビをつけるが好みの番組がない。50近くになったメタボでバーコードハゲのおっさんには、年末特番のキラキラした雰囲気はきつかったのだ。
 仕方がないのでAMラジオを付ける。懐メロが掛かっていた。もう私が20代の頃の歌は懐メロなんだ、ということをつくづくと感じてしまう。そりゃー四半世紀も前の歌は懐メロだよね。歌っている歌手、ほとんど居なくなっているし。
 ビールを3本ほど飲んだところで、台所に行き、風呂の給湯ボタンを押す。43度。ちょっと熱めが好きだ。
 お湯が溜まるのを待つために、冷蔵庫から冷や奴と日本酒を取り出した。給湯器から報せが来たところで、ハンナをケージに入れ、風呂に向かう。ほっとくと何か囓っちゃうかも知れないし。
 脱衣所は冷えるが、酔った体には丁度良いくらいだ。脱いだ服を洗濯機に放り込むと浴室の扉を開けた。湯気がむわっとやってくる。
 とりあえず体を洗おうと思い、プラスチックの椅子に腰掛け湯を被る。これはちと熱すぎた。立ち上がり、水で薄めようとした途端、私は意識を失った。
【タイトル】
001 再会と依頼1
【公開状態】
公開済
【作成日時】