id stringlengths 9 9 | text stringlengths 120 1.29k | title stringclasses 1
value |
|---|---|---|
V18N02-03 | 本稿では,文書量に不変な定数を考える.このような定数には,言語や文書の複雑さや冗長性を定量化して捉える計算言語学上の意義がある.これらの指標は既存研究でさまざまなものが提案されてきたが,ほとんどの場合英語を中心とする小規模な文書を対象としてきた.本研究では英語以外のさまざまな言語や,大規模な文書も対象として扱い,主に先行研究において値が文長に依らないとされる3つの指標$K$,$Z$,$\mathit{VM}$と本研究で新たに試みた指標である$H$と$r$の5つの指標に対し,値が一定となるかどうかの実験を行った.結果,値が言語の種類や文長に依らずに一定となる指標は$K$と$\mathit{VM}$の2つの指標であった.なおかつこの2つ... | |
V14N03-08 | 表現豊かな合成音声への応用を目的として,「喜び」と「悲しみ」の2種類の感情について複数の程度の感情情報を含む音声に対し,基本周波数パターン生成過程モデルに基づく韻律的特徴の分析を行った.分析により得られた各モデルパラメータの生起タイミングおよびその大きさの変化に関して,発話の言語的情報に基づき検討を行った.その結果,基底周波数に関しては,発話内容に依存する傾向の差は特にみられず,「喜び」「悲しみ」とも感情の程度が強くなるに従って,基底周波数は高くなる傾向にあった.文中でのフレーズ指令の生起に関しては,文節境界の枝分かれ種別と,直前のフレーズ指令以降のモーラ数に影響を受けることを確認した.フレーズ指令の大きさ関しては,その生起位置が文... | |
V20N02-09 | 集合拡張手法の多くはシードインスタンスだけを手掛かりに新たなインスタンスを取得するものであり,対象が複数のカテゴリであっても,各カテゴリのインスタンスの収集を独立に行う.しかし,複数カテゴリを対象にした集合拡張ではカテゴリ間の関係など,シードインスタンスとは別の事前知識も利用できる.本研究ではこのようなカテゴリ間の関係,特に兄弟関係を事前知識として活用した集合拡張手法を提案する.さらに,Wikipediaから半自動で抽出したインスタンスと兄弟関係を事前知識として実験を行い,兄弟関係が集合拡張に有用であることを示す. | |
V23N01-03 | 対話システムが扱う対話は大きく課題指向対話と非課題指向対話(雑談対話)に分けられるが,近年Webからの自動知識獲得が可能になったことなどから,雑談対話への関心が高まってきている.課題指向対話におけるエラーに関しては一定量の先行研究が存在するが,雑談対話に関するエラーの研究はまだ少ない.対話システムがエラーを起こせば対話の破綻が起こり,ユーザが円滑に対話を継続することができなくなる.しかし複雑かつ多様な内部構造を持つ対話システムの内部で起きているエラーを直接分析することは容易ではない.そこで我々はまず,音声誤認識の影響を受けないテキストチャットにおける雑談対話の表層に注目し,破綻の類型化に取り組んだ.本論文では,雑談対話における破綻の... | |
V24N01-04 | 推薦システムのユーザ体験を高めるために重要な指標の1つが多様性(Diversity)である.多様性は推薦システムが提示するリスト内には様々なコンテンツが含まれるべきという考え方であり,過去の研究では多様性が含まれるリストの方がユーザに好まれるとされている.しかし実際のサービス上で推薦システムを検証したという報告は少なく,サービス上で多様性がユーザにどのような影響を与えるのかは明らかになっていない.本研究では実際にサービスとして提供されているウェブページ推薦システムを分析し,その推薦システムに多様性を導入して比較を行った事例について報告する.まず多様性が導入されていない推薦システムのユーザ行動を分析し,結果としてリストの中位以降に表示... | |
V07N04-06 | 字幕生成のためのニュース文要約のような報知的要約では,原文の情報を落とさないことが望まれる.本論文では,このような原文の情報を極力落とさない要約手法の一つとして,重複部削除による要約手法について議論する.テキスト内に,同一の事象を表す部分が再度出現したならば,その部分を削除することによって冗長度を減少させ,情報欠落を可能な限り回避した要約を行う.事象の重複を認定するために,係り受け関係のある2語が一つの事象を表していると仮定し,2語の係り受け関係の重複を事象の重複と認定する.また,2語の係り受け関係を用いて重複部を削除するだけでは,読みやすく,かつ,自然な要約文を生成することができない.そのために考慮すべきいくつかの情報について議論... | |
V17N02-01 | 外国語を翻字するときに,日本語や韓国語ではカタカナやハングルなどの表音文字を用いるのに対して,中国語では漢字を用いる.しかし,漢字は表意文字であるため,発音が同じでも漢字によって意味や印象は異なる可能性がある.この問題を解消するために,ユーザが与えた関連語に基づいて翻字に使用する漢字を選択する手法がある.しかしユーザの負担が大きいため,本研究は,翻字対象の関連語をWorldWideWebから自動的に抽出し,中国語への翻字に使用する手法を提案する.評価実験によって提案手法の有効性を示す. | |
V16N01-02 | 本論文では,ベイズ識別と仮説検定に基づいて,英文書の作成者の母語話者/非母語話者の判別を高精度で行う手法を提案する.品詞$n$-gramモデルを言語モデルとし,判別対象の文書の品詞列の生起確率を,母語話者言語モデルにより求めた場合と非母語話者言語モデルにより求めた場合とで比較し,判別を行う.$n$を大きくすると,母語話者/非母語話者固有の特徴をより良く扱うことが可能となり,判別精度の向上が期待できる反面,ゼロ頻度問題およびスパースネスの問題が顕在化し,品詞$n$-gramモデルのパラメタの最尤推定値を信頼することはできくなる.そこで,提案手法では,仮説検定に基づいた方法で両言語モデルにおける生起確率の比を推定する.実験の結果,従来手... | |
V10N04-05 | 著者らは,既存のウイグル語--日本語辞書を基にして,見出し語数約2万の日本語--ウイグル語辞書を半自動的に作成した.この辞書が日常よく使われる語彙をどの程度含んでいるかなどの特性を調べるために,国立国語研究所の教育基本語彙6,104語のうちのより基本的とされている2,071語,およびEDR日本語テキストコーパスの出現頻度上位2,056語に対し,日本語--ウイグル語辞書の収録率を調査し,いずれについても約80\,\%の収録率であることが分かった.未収録語について,逐一その理由を調べ,判明した種々の理由を整理すると共に,それに基づいて未収録語を分類した.その結果,辞書作成をする時に収録率を上げるために注意すべき点などについていくつかの知... | |
V03N04-02 | 日本語を英語に翻訳する時には,日本語にはないが英語では必要な冠詞や数の問題に直面する.この難しい問題を解決するために,われわれは文章における名詞句の指示性と数をそれぞれ三種類に分類した.指示性には総称名詞句,定名詞句,不定名詞句を設け,数には単数,複数,不可算を設けた.この論文では,名詞句の指示性と数がその名詞句の現れる文中の言葉によりかなりの程度推定できることを示した.その推定のための規則は確信度付きのエキスパートシステムの書き換え規則に類する形で,文法書などから得られる知識をもとに経験的に作成した.この方法は,確信度を用いて推定するので,指示性や数のような曖昧な問題には適した方法である.規則を作るのに利用したテキストでの正解率は... | |
V05N01-06 | 本論文では,指定した文書と類似する文書を検索する文書連想検索のための確率的クラスタリングHBC(HierarchicalBayesianClustering)を提案する.文書連想検索を実現する際の問題点は,類似文書の検索に時間がかかることである.単純な網羅検索では,比較対象の大きさ$N$に比例した$O(N)$の検索時間を要する.本論文では,クラスタ検索と呼ばれる検索手法を用いることでこの問題を解決する.クラスタ検索では,通常,クラスタリングによりクラスタの二分木をあらかじめ構築しておき,その上でトップダウンに二分木検索を行うため,検索時間を$O(\log_2N)$に抑えることができる.ところが,従来のクラスタ検索では,検索時に使う距... | |
V19N03-02 | ソースドメインのデータによって分類器を学習し,ターゲットドメインに適応することを領域適応といい,近年さまざまな手法が研究されている.しかし,語義曖昧性解消(WSD:WordSenseDisambiguation)について領域適応を行った場合,最も効果的な領域適応手法は,ソースデータとターゲットデータの性質により異なる.本稿ではそれらの性質から,WSDの対象単語タイプ,ソースドメインとターゲットドメインの組み合わせに対して,最も効果的な領域適応手法を決定木学習を用いて自動的に選択する手法について述べるとともに,どのような性質が効果的な領域適応手法の決定に影響を与えたかについて考察する. | |
V05N01-05 | コロケーションの知識は,単語間の共起情報を与える言語学的に重要な知識源であり,機械翻訳をはじめとする自然言語処理において,重要な意味をもっている.本論文では,コーパスからコロケーションを自動的に抽出する新しい手法を提案する.提案する手法では,コーパス中の各単語の位置情報を用いて,任意の文中のコロケーションを連続型・不連続型の別に抽出する.また,提案した自動抽出法を用いて,ATR対話コーパスからコロケーションを抽出する実験を行った.本実験で得られた結果は,連続型・不連続型コロケーションともに重要な表現が抽出されており,提案した抽出法の有効性を示すことができた. | |
V08N02-03 | コンピュータに人間のような常識的判断を行わせるための主要素は,概念ベースおよび概念間の関連性に基づく概念連鎖機能であると考えられる.概念ベースは,自動学習などにより恒常的に拡張・精錬を行わなければならないために,その構造はできるだけ単純なものが望ましい.本論文では,概念間の関連度を評価するための新しい手法を提案している.従来の手法では,概念はその1次属性のベクトルモデルとして表現され,関連度はベクトル間の内積により求められている.そのような従来手法では,各1次属性をカテゴリーに変換しなければならないためシソーラスなどのカテゴリーデータベースが必要となる.提案手法では,関連度をカテゴリーを利用せず概念連鎖により求めている.約4万の概念... | |
V14N01-06 | 日本語には,複数の語がひとかたまりとなって,全体として1つの機能的な意味を持つ表現が多数存在する.このような表現は機能表現と呼ばれ,日本語文の構造を理解するために非常に重要である.本論文では,形態素を単位とするチャンク同定問題として機能表現検出タスクを定式化し,機械学習手法を適用することにより,機能表現の検出を実現する方法を提案する.SupportVectorMachine(SVM)を用いたチャンカーYamChaを利用して,機能表現の検出器を実装し,実際のタグ付きデータを用いて性能評価を行った.機能表現を構成している形態素の数の情報,機能表現中における形態素の位置情報を素性として参照することにより,F値で約92という高精度の検出器を... | |
V15N05-02 | 2つの言語に関わる言語横断の言語処理を実現するには,その言語対を対象とする豊富な言語資源が必要である.対訳辞書は,そのような言語資源の中でも特に重要であるが,あらゆる言語対に対して大規模な対訳辞書が利用できるわけではなく,小規模な対訳辞書しか利用できないような言語対も多い.そこで本論文では,ある言語対についての既存の小規模な対訳辞書を,その言語対と中間言語の言語資源を利用して大規模な対訳辞書に拡充する方法を提案する.提案法では,対象となる2つの言語のコーパスから得られた言語の異なる共起ベクトルを,種辞書に基づいて比較して,対象となる2つの言語と中間言語の2種類の対訳辞書を用いて得られた訳語候補を選択する情報として用いる.実際に,小規... | |
V06N02-04 | 日本語テキスト音声合成において,自然で聞きやすい合成音声を出力するためには,読み,アクセント,ポーズ等の読み韻律情報を正しく設定する必要がある.本論文では,複合語等に対しては部分的に深い解析を行うことを特徴とする多段解析法に基づく形態素解析を用いて,読み韻律情報を設定する方法,および,読み韻律情報を設定するために用いる単語辞書情報について述べる.本方式の主な特徴は,形態素解析における読み韻律情報付与に対応した長単位認定,複合語内意味的係り受け情報を用いたアクセント句境界設定,文節間係り受け情報を用いず,複合語内等の局所構造,およびアクセント句境界前後単語の品詞情報等から得られるアクセント句結合力を用いて段階的にポーズを設定する多段階... | |
V14N05-02 | 人間は日常会話において,様々な連想を行っている.例えば,「車」という語から「タイヤ」,「エンジン」,「事故」,…,といった語を自然に思い浮かべ,連想によって会話の内容を柔軟に拡大させている.コンピュータ上での連想機能の実現には,概念ベースが重要な役割を果たす.概念ベースでは,言葉の意味(概念)を属性とその重みで定義している.概念ベースの構築方式として,概念(約4万語)とその属性を,電子化国語辞書の語義説明文から抽出する方法が提案されている.しかしながら,定義的な国語辞書から取得される概念や属性の数が少数であり,連想の精度に問題がある.本論文では,電子化国語辞書の語義説明文から構築した概念ベースを核に,電子化新聞等の一般的な記事文から... | |
V26N02-07 | 本論文では,従来の文節依存構造(文節係り受け)による構文解析と異なり,解析結果の部分構造が構文の構成素(constituent)と一致し,解析結果から文法機能情報を直接取得できる日本語の構文解析を提案する.提案する構文解析は,単語間の依存構造に基づき,依存構造に付加されたラベル(文法機能タイプ)により格関係や連体修飾節の種別等の統語情報(文法機能情報)を表示する.この特徴により,文節依存構造解析では通常別工程として処理していた述語項構造解析を,単語依存構造解析では構文構造と自然に統合して扱うことが可能になる.京都大学テキストコーパス,現代日本語書き言葉均衡コーパスの一部に対して構築したコーパスを用いた評価実験により,単語依存構造解析... | |
V26N03-03 | 本稿では,参照文を用いた文単位での機械翻訳自動評価手法について述べる.現在のデファクトスタンダードであるBLEUをはじめとして,多くの従来手法は文字や単語の$N$-gramに基づく素性に頼っており,文単位での評価にとっては限定的な情報しか扱えていない.そこで本研究では,文全体の大域的な情報を考慮するために,事前学習された文の分散表現を用いる機械翻訳自動評価手法を提案する.提案手法では,大規模コーパスによって事前学習された文の符号化器を用いて,翻訳文と参照文の分散表現を得る.そして,翻訳文と参照文の分散表現を入力とする回帰モデルによって,人手でラベル付けされた翻訳品質を推定する.WMT-2017MetricsSharedTaskにおけ... | |
V18N01-02 | 自動要約,照応解析,質問応答,評判分析などの応用では,文章中の文間の役割的関係や話題の推移の解析が必要になりつつある.本研究ではセンタリング理論と対象知識に基づき談話中の話題の移り変わりを意味的に解析し談話構造を生成する手法を提案し,これに基づく談話構造解析システムDIAを開発した.本研究ではセンタリング理論を拡張し文の依存先の決定に用いる.また,語の語意が表す概念の部分/属性関係,上位—下位関係,類似関係といった対象に関する意味的関係をEDR電子辞書中の共起辞書と概念体系辞書から抽出し,文間の接続関係の決定に用いる.談話の中で話題の推移を表すために談話構造木を定義した.談話構造木では,句点で区切られた文をノードとし,各ノードはただ... | |
V17N01-03 | 日本語の形態素解析における未知語問題を解決するために,オンライン未知語獲得という枠組みと,その具体的な実現手法を提案する.オンライン未知語獲得では,形態素解析器と協調して動作する未知語獲得器が,文が解析されるたびに未知語を検出し,その可能な解釈の候補を列挙し,最適な候補を選択する.このうち,列挙は日本語の持つ形態論的制約を利用し,選択は蓄積した複数用例の比較により行う.十分な用例の比較により曖昧性が解消されると,解析器の辞書を直接更新し,獲得された未知語が以降の解析に反映される.実験により,比較的少数の用例から高精度に未知語が獲得され,その結果形態素解析の精度が改善することが示された. | |
V05N01-04 | 本研究では,論説文の文章構造についてモデル化し,それに基づいた文章解析手法について論じる.\indent近年のインターネットや,電子媒体の発達などにより大量の電子化された文書が個人の周囲にあふれてきているが,大量の文書を高速に処理するためには,記述されている領域に依存した知識を前提とせず,なるべく深い意味解析に立ち入らない「表層的」な処理により行なうことが求められる.\indentここで提案する手法での構造化は,文末の表層的な情報によるモダリティの解析に依る.これを基に文章の論説モデルを定義する.\indent文章解析のトップダウン的アプローチとしては,文章のセグメンテーションの手法を応用し,評価関数の値の大きい箇所から分割していく... | |
V10N02-03 | 我々は文章中に現れる比喩表現,その中でも直喩・隠喩的な比喩について,その認識・抽出を目的として研究を進めている.本論文では,``名詞Aのような名詞B''表現について,名詞の意味情報を用いたパターン分類によって比喩性を判定し,比喩表現については喩詞(喩えるもの)と被喩詞(喩えられるもの)とを正確に抽出できるモデルを提案する.この表現には比喩(直喩)とリテラル(例示など)の2つの用法があり,また比喩であっても名詞Bが被喩詞ではない場合がある.我々はそれらを機械的に判定するために,これまでに行ってきた構文パターンやシソーラスを用いて喩詞と被喩詞の候補を抽出する手法を発展させ,名詞Aと名詞Bの意味情報やその関係に従って``名詞Aのような名詞... | |
V08N04-05 | 韻律には発話が文字化されると失われてしまう情報が含まれているが,そのような情報は発話文の構文解析に有効である可能性がある.我々のグループでは,以前の研究で12種類の韻律的特徴量を取り上げ,それらと係り受け距離の関係を表現する統計モデルを構成した.そして,そのモデルを組み込んだ係り受け解析器を用い,韻律情報が実際に読み上げ文の係り受け解析に有効であることを示した.本研究では新たな特徴量を加えて24種類の韻律的特徴量を取り上げ,有効な特徴量を広い範囲で探索した.また,統計モデルを特徴量の現実の分布によりよく当てはまるように修正した.その結果,ATR503文データベースを用いたオープン実験において,韻律的特徴量を用いることにより,係り受け... | |
V04N03-02 | 本稿では,語義の尤度パラメータの標本空間を,シソーラスに沿って動的に拡張することにより,動詞の多義性を解消する手法を提案する.提案手法では,尤度1位の語義と2位の語義とを比較し,尤度差が統計的に有意ならば,1位の語義を選ぶ.有意でなければ,シソーラスに沿って標本空間を一段拡張し,多義性解消を試みる.もし,最大の標本空間でも尤度差が有意でなければ,語義は判定しない.本稿の実験では,EDR日本語コーパスから頻度500以上の動詞74語を抽出し,延べで約89,000の動詞について多義性を解消した.このとき,最頻の語義を常に選ぶ場合の適合率は0.65,判定率は1.00であった.ただし,判定率とは,多義性の解消を試みたなかで,実際に語義が判定さ... | |
V04N02-03 | 照応現象の一つに,文章中に現れていないがすでに言及されたことに関係する事物を間接的に指示する間接照応という用法がある.間接照応の研究はこれまで自然言語処理においてあまり行なわれていなかったが,文章の結束性の把握や意味理解において重要な問題である.間接照応の解析を行なうには,二つの名詞間の関係に関する知識として名詞格フレーム辞書が必要となるが,名詞格フレーム辞書はまだ存在していないので,「名詞Aの名詞B」の用例と用言格フレーム辞書を代わりに利用することにした.この方法で,テストサンプルにおいて再現率63\%,適合率68\%の精度で解析できた.このことは,名詞格フレーム辞書が存在しない現在においてもある程度の精度で間接照応の解析ができる... | |
V15N03-02 | 文間の接続関係を同定することは談話解析や複数文書要約,質問応答など多くの分野において重要である.本論文では連続する2文に対して文間の接続関係を同定する手法を提案する.提案手法は,入力文から抽出した構文情報や単語情報を用いて,大量のテキストデータの中から入力の連続2文に最も近い2文を検索し,この接続関係によって入力文の文間接続関係を推定する用例利用型(example-based)の手法によって行う.手法は,クラスタリングによって同じ接続関係を持ちやすい単語のクラスタを生成する.この結果生成された単語クラスタを用いて単語の汎化を行い,必ずしも同じ単語が使われていなくとも接続関係の観点から類似した用例をテキスト中から探す.最後に,この用例... | |
V06N05-05 | 著者らは用例提示型の日英翻訳支援システムを開発している.この中には利用者が入力する日本語の表現に類似する表現を検索して,検索結果を含んだ日本語文とその対訳を表示する機能がある.著者らの日本語データベースの文は平均長が88.9文字と長い.このように長い用例を対象に類似検索を行う場合,キーワードによるAND検索は適切ではない.なぜなら用例が長いため1文中に同一キーワードが複数回出現する場合があり,これが原因で不適切な用例を検索しやすくなるからである.これに対して著者らは入力キーワードの語順とその出現位置の間隔を考慮した検索手法を提案する.これによって構文解析を行うことなく構文情報を反映した検索を行うことができる.本稿では従来のAND検索... | |
V26N01-09 | ニューラルネットワークに基づく係り受け解析モデルは,近年の深層学習を利用した言語処理研究の中でも大きな潮流となっている.しかしながら,こうした係り受け解析モデルを中国語などの言語に適用した際には,パイプラインモデルとして同時に用いられる単語分割や品詞タグ付けモデルの無視できない誤りによって性能が伸び悩む問題が存在する.これに対しては,単語分割・品詞タグ付けと係り受け解析の統合モデルを利用し,単語分割と構文木作成とを同時に行うことでその双方の改善が期待される.加えて,中国語においては個々の文字が固有の意味を持ち,構文解析では,文字やその組み合わせである文字列もしくは部分単語の情報が単語単位の情報と並んで本質的な役割を果たすことが期待さ... | |
V22N04-01 | 本稿は機械学習を用いて関連語・周辺語または説明文書から適切な検索用語を予測する手法を提案する.機械学習には深層学習の一種であるDeepBeliefNetwork(DBN)を用いる.DBNの有効性を確認するために,用例に基づくベースライン手法,多層パーセプトロン(MLP),サポートベクトルマシン(SVM)との比較を行った.学習と評価に用いるデータは手動と自動の2通りの方法でインターネットから収集した.加えて,自動生成した疑似データも用いた.各種機械学習の最適なパラメータはグリッドサーチと交差検証を行うことにより決定した.実験の結果,DBNの予測精度はベースライン手法よりはるかに高くMLPとSVMのいずれよりも高かった.また,手動収集デ... | |
V21N02-02 | 近年,国会や地方議会などの会議録がWeb上に公開されている.会議録は,首長や議員の議論が書き起こされた話し言葉のデータであり,長い年月の議論が記録された通時的なデータであることから,政治学,経済学,言語学,情報工学等の様々な分野において研究の対象とされている.国会会議録を利用した研究は会議録の整備が進んでいることから,多くの分野で行われている.その一方で,地方議会会議録を利用した研究については,各分野で研究が行われているものの,自治体によりWeb上で公開されている形式が異なることが多いため,収集作業や整形作業に労力がかかっている.また,各研究者が重複するデータの電子化作業を個別に行っているといった非効率な状況も招いている.このような... | |
V14N03-04 | 選択肢の選択プロセスは各選択肢の特徴を認知する段階と,それに基づいて取捨選択を行う意思決定の段階,すなわち,「認知する」「決める」の2段階で表現することができる.既存の評判情報研究の多くは「認知する」の情報抽出に焦点を当てているのに対し,本稿では選択行動を意思決定までを含めて包括的に捉え,既存の方法では捉えることが困難だった要素を捉えることを試みる.本稿では「決める」段階をElimination-By-Aspects(EBA)の意思決定モデルに則って選択の過程を通しで捉える方法を述べる.EBAでは,意思決定は,着目している特徴(アスペクト)を各選択肢が持っているか否かによって候補を順に排除していくことで行われるが,本稿では取捨選択方... | |
V02N01-02 | 我々は,接続助詞「ので」による順接の複文と接続助詞「のに」による逆接の複文を対象とする理解システムを計算機上に構築することを目的とする.この際には,ゼロ代名詞の照応の解析が重要な問題となるが,文献\cite{中川:複文の意味論,COLING94}にあるように,本論文で扱う形式の複文では動機保持者という語用論的役割を新たに定義し用いることにより,従属節と主節それぞれで設定される意味役割や語用論的役割の間の関係を制約として記述することができる.そこで,日本語の複文に対する形態素解析や構文解析の結果を素性構造で記述し,この結果に対して制約論理プログラミングの手法を用いることにより意味および語用論的役割間の制約を解消し,ゼロ代名詞照応などを... | |
V15N03-01 | 今日,大学は産学連携の一層の活性化が求められており,これを可能にするためには大学側のシーズを簡単に検索できるシステムが望まれる.そこで著者らは,産学連携の専門家が研究のシーズを専門用語によって簡単に検索することができるシステムの構築を狙いとし,その第一段階として専門用語抽出の研究を行っている.本研究ではこれまで研究されていない看護学分野を対象分野とした.予備研究によって,病気の症状や治療法を表す専門用語が情報検索分野における代表的な専門用語の抽出方法では抽出が難しいことが判明した.そこで,専門用語になりうる品詞の組合せの拡張と一般的な語を除去することで専門用語抽出の性能改善を図った.その結果,品詞の組合せを拡張することで再現率は83... | |
V02N04-04 | 本論文では,話者の対象認識過程に基づく日本語助詞「が」と「は」の意味分類を行ない,これを一般化LR法に基づいて構文解析するSGLRパーザの上に実装し,その有用性を確認した結果について述べる.話者の対象認識過程とは,対象を認識し,それを言語として表現する対象を概念化し,対象に対する話者の見方や捉え方,判断等を識別する過程のことをいう.筆者らは,特に,三浦文法に基づいて考案された日本語の助詞「が」と「は」,及び「を」と「に」についての意味規則を考案し,これを用いてその規則の動作機構をDCGの補強項で実現し,SGLRパーザで実行できるようにしている.実験の結果,意味解析と構文解析の融合に成功し,構文的曖昧性を意味分類により,著しく削減でき... | |
V09N05-01 | 本稿では,SupportVectorMachine(SVM)に基づく一般的なchunk同定手法を提案し,その評価を行う.SVMは従来からある学習モデルと比較して,入力次元数に依存しない高い汎化能力を持ち,Kernel関数を導入することで効率良く素性の組み合わせを考慮しながら分類問題を学習することが可能である.SVMを英語の単名詞句とその他の句の同定問題に適用し,実際のタグ付けデータを用いて解析を行ったところ,従来手法に比べて高い精度を示した.さらに,chunkの表現手法が異なる複数のモデルの重み付き多数決を行うことでさらなる精度向上を示すことができた. | |
V04N01-02 | 近年の音声認識技術の進歩によって,話し言葉の解析は自然言語処理の中心的なテーマの1つになりつつある.話し言葉の特徴は,言い淀み,言い直し,省略などのさまざまな不適格性である.書き言葉には見られないこれらの現象のために,従来の適格文の解析手法はそのままでは話し言葉の解析には適用できない.本稿では,テキスト(漢字仮名混じり文)に書き起こされた日本語の話し言葉の文からその文の格構造を取り出す構文・意味解析処理の中で,言い淀み,言い直しなどの不適格性を適切に扱う手法について述べる.本手法は,適格文と不適格文を統一的に扱う統一モデルに基づいており,具体的には,係り受け解析の拡張によって実現される.まず,音声対話コーパスからの実例をあげながら統... | |
V02N02-01 | 比喩の一種である「駄洒落」は,言語記号(音声)とその記号が表す概念の意味との両方に,比喩を成立させる「根拠(ground)」(比喩における被喩辞(tenor)と喩辞(vehicle)とを結びつける関係)があるという点で,高度な修辞表現に位置づけられる.筆者らは,「併置型」と呼ぶ駄洒落の一種(例「トイレに行っといれ」)を,外国語専攻の大学生54名に筆記によって創作させ,203個を収集した.そしてこのデータに対して,駄洒落理解システムの構築に必要な知見を得るという観点から,「先行喩辞」(例では「トイレ」)と「後続喩辞」(例では「....といれ」)の関係,及び「出現喩辞」(例では「....といれ」)と「復元喩辞」(例では「....ておいで... | |
V03N02-02 | 本稿では,fj.wantedのダイジェストの自動生成を実現する方法について述べる.その中心技術は,ニュース記事からのサマリ抽出法である.この方法は,言わば「斜め読みを模擬した処理」であり,まず,表層的な表現を手がかりとして,42の特徴を抽出し,それらの特徴を用いて,記事のサマリ(カテゴリとサマリ文)を抽出する.ブラインドデータに対する実験において,本方法は,カテゴリ判定正解率81\%,サマリ文抽出正解率76\%という値を示した.抽出されたサマリはカテゴリ毎に整理され,HTML形式のダイジェストとして出力される.このとき,元の記事へのポインタは,ハイパーテキストのリンクとして埋め込まれる.作成されたダイジェストは,WWWのクライアント... | |
V06N07-02 | 日本語の長文で一文中に従属節が複数個存在する場合,それらの節の間の係り受け関係を一意に認定することは非常に困難である.また,このことは,日本語の長文を構文解析する際の最大のボトルネックの一つとなっている.本論文では,大量の構文解析済コーパスから,統計的手法により,従属節節末表現の間の係り受け関係を判定する規則を自動抽出する手法を提案する.統計的手法として,決定リストの学習の手法を用いることにより,係り側・受け側の従属節の形態素上の特徴と,二つの従属節のスコープが包含関係にあるか否かの間の因果関係を分析し,この因果関係を考慮して,従属節節末表現の間の係り受け関係判定規則を学習する.また,EDR日本語コーパスから抽出した係り受け情報を用... | |
V17N01-08 | 本論文ではentitygridを用いたテキストの局所的な一貫性モデルに対する改善について述べる.entitygridベースの既存モデルに対して,テキスト結束性に寄与する要素である接続関係,参照表現,語彙的結束性,また,より詳細な構文役割の分類を組み込んだモデルを提案し,その性能を検証する.語彙的結束性に関しては,語彙的連鎖を用いたクラスタリングを行う.テキスト中の文の並びに対して,より一貫性のある文の順番の判定と,人手による評価に基づいた要約テキストの比較の2種類の実験を行い,その結果,本論文で提案する要素がentitygridモデルの性能の改善に寄与することが明らかになった. | |
V14N03-11 | 信頼性の高い情緒タグ付きテキスト対話コーパスを実現することを狙い,漫画の対話文を対象に,登場人物の表情を参照する方法によって情緒タグを付与した.また,得られた対話コーパスの信頼性を評価した.通常,言語表現と話者の情緒とは,必ずしも直接的な対応関係を持つとは限らず,多義の存在する場合が多いため,対話文に内包された情緒を言語表現のみによって正しく判定することは難しい.この問題を解決するため,既に,音声の持つ言語外情報を活用する方法が試みられているが,大量の音声データを収集することは容易ではない.そこで,本稿では,漫画に登場する人物の表情が持つ情報に着目し,タグ付与の信頼性向上を図った.具体的には,漫画「ちびまる子ちゃん」10冊の対話文(... | |
V10N04-06 | 本論文では,機械学習の一手法であるサポートベクタマシンを用いて文対応付き対訳コーパスから対訳表現を抽出する手法を提案する.サポートベクタマシンは従来からある学習モデルに比べて汎化能力が高く過学習しにくいためにデータスパースネスに対して頑健であり,カーネル関数を用いることによって素性の依存関係を自動的に学習することができるという特徴を持つ.本手法では対訳モデルの素性として,対訳辞書による素性,語数による素性,品詞による素性,構成語による素性,近傍に出現する語による素性を使用し,サポートベクタマシンに基づく対訳表現の対応度を用いて対訳表現を抽出する.既存の手法は対訳表現の対応度の計算に単語の共起関係を利用しているためにデータスパースネス... | |
V22N05-04 | 本稿では,日本語述語項構造解析における中心的課題である項の省略を伴う事例の精度改善を目指し,現象の特徴を詳細に分析することを試みた.具体的には,文内に照応先が出現する事例(文内ゼロ照応)に対象を絞り,人手による手がかりアノテーションと統語的・機能的な構造を元にした機械的分類の二種類の方法により事例を類型化し,カテゴリ毎の分布と最先端のシステムによる解析精度を示した.分析から,特に照応先と直接係り関係にある述語Oが対象述語Pと項を共有する事例が全体の58\%存在し,OとPの間の統語的・意味的関係が重要な手がかりであることを数値的に示したほか,手がかりの種類や組み合わせが広い分布を持つこと,各手がかりが独立に確信度を上げる事例だけでなく... | |
V05N04-03 | 複合名詞は文書の内容を凝縮できる程の情報を担うことができるため重要語となりやすく,しばしば文書内容を理解する上での鍵となる.このため,複合名詞解析(=その構成要素間の掛かり受け解析)は,機械翻訳にとどまらず,情報抽出や情報検索の高度化にも貢献すると期待されている.しかし,複合名詞は単なる名詞の連鎖に過ぎないため構文上の手掛かりが無く,人手で構成したルールや,シソーラスに記述された概念の共起尤度等を用いて解析する方法が提案されてきた.しかし,新聞記事などの未登録語が頻出する開いた大規模テキストを扱う場合は想定されてこなかったため,そのような場合には頑健性の点で問題が生じる.本論文は,大量の電子化文書が高速に処理可能な昨今の状況を念頭に... | |
V09N05-03 | この論文で計算するものは,ある文字列を$k$回以上含むドキュメントの総数($df_k$)である.全ての部分文字列に対してこれらの統計量を保存する場合$O(N^2)$の表が必要となり,コーパスの大きさを考えると,この表は実用的でなく,通常の計算機では実際に作ることは難しい.しかし,$k=1$の場合,SuffixArray,文字列のクラス分けを利用して,統計量をクラス毎に保存することで,これを$O(N)$の表にできるという報告がある\cite{DF1}.このクラスは同じ統計量を持つ文字列の集合であり,コーパス内の全ての文字列の統計量はクラス毎に作成した統計量の表から取り出すことができる.しかし,この方法は$k\geq2$の場合には使用で... | |
V02N04-01 | 本稿では、日本語マニュアル文の理解を行なう際に必要となるゼロ代名詞の照応問題を解決する一つの手がかりとして,マニュアル文の操作手順においてしばしば現れる条件表現の語用論的性質を利用することを提案する.条件表現の前件と後件を動作主の種類と述語の性質により分類するという方法により,実際の例文を調べた結果,後件に関して,1)「と」と「れば」,「たら」と「なら」がそれぞれ同じ分布を示すこと,2)「と」「れば」と「たら」「なら」は相補的な分布になっていること,が分かった.この性質より,動作主に関するゼロ代名詞の照応に利用できる制約ならびにデフォールト規則が得られた. | |
V26N01-06 | 統計的機械翻訳において,原言語と目的言語における語順の違いは翻訳精度に大きく影響することが知られている.この問題に対して,翻訳器に入力する前に原言語の語順を並び替える事前並び替え手法が提案されている.先行研究において最高性能を達成しているNakagawaの手法では事前並び替えの学習のために素性テンプレートの設計が必要である.本稿では,データから直接素性ベクトルを学習するRecursiveNeuralNetworkを用いた事前並び替え手法を提案する.英日・英仏・英中の言語対を用いた評価実験の結果,英日翻訳では素性テンプレートの設計を必要とせず,Nakagawaの手法と遜色ない精度を達成した.また実験結果の詳細な分析を行い,事前並び替え... | |
V23N05-04 | 文書間類似度は,内容の類似度と表現の類似度の二つの側面を持っている.自動要約や機械翻訳ではシステム出力の内容評価を行うために参照要約(翻訳)との類似度を評価する尺度が提案されている.一方,表現を対照比較するための手段として,形態素(列)を特徴量とする空間上の計量が用いられる.本稿では,さまざまな文書間類似度について,距離・類似度・カーネル・順序尺度・相関係数の観点から,計量間の関係や同値性を論じた.さらに内容の同一性保持を目標として構築したコーパスを用いて,内容の差異と表現の差異それぞれに対する各計量のふるまいを調査し,文書間類似度に基づく自動評価の不安定さを明らかにした. | |
V14N03-10 | 映画や書籍などの作品検索への応用を目的として,作品レビューテキスト中の感情表現の構成要素を分析した.まずWeb上の作品レビュー82件1,528文中の653組の主観表現を人手で分析し,「態度」「主体」「対象」「理由」という4つの構成要素と,その各々の下位要素を定義した.653組の主観表現中,「態度」が感情を表している感情は257組あった.次に感情表現の各構成要素の内容や働きを分析し,構成要素間の結びつきや,「主体」や「対象」が省略されるパタン,省略されない特殊なパタンなどを明らかにした.「理由」は,感情が生起した根拠や理由を述べている部分をさし,257組中66件(25.7{\kern0pt}%)に出現した.本稿では,利用者の作品選択に... | |
V06N03-03 | 一般に、テキストは複数の文から形成されており、文間には何らかの意味的なつながりがある.テキスト中の意味的にまとまったある範囲が,談話セグメントや意味段落と呼ばれる一貫性のある談話の単位を構成する.また,談話セグメント間の関係によってテキスト全体の談話構造が形成される.こうしたことから,セグメント境界の検出は,テキスト構造解析の第一歩であると考えられる.テキスト中には,セグメント境界の検出に利用できる多くの表層的手がかりが存在する.本稿では,複数の表層的手がかりを組み合わせて日本語テキストのセグメント境界を検出する手法について述べる.セグメント境界の検出は,複数の手がかりのスコアを基に各文間のセグメント境界への成り易さあるいは成り難さ... | |
V26N01-03 | 本稿ではオンライン議論における談話行為を分類するモデルを提案する.提案モデルでは談話行為を分類するために,ニューラルネットワークを用いて議論のパターンを学習する.談話行為の分類において議論のパターンを取り入れる重要性は既存の研究においても確認されているが,対象としている議論に併せたパターン素性を設計する必要があった.提案モデルではパターン素性を用いずに,木構造およびグラフ構造を学習する層を用いて議論のパターンを学習する.提案モデルをRedditの談話行為を分類するタスクで評価したところ,従来手法と比較してAccuracyで1.5\%,$\mathrm{F}_{1}$値で2.2ポイントの性能向上を確認した.また,提案モデル内の木構造学... | |
V07N02-02 | 英字新聞記事の見出しは通常の文の表現形式とは異なる特有の形式をしているため,従来の英日機械翻訳システムによる見出しの翻訳の品質はあまり高くない.この問題に対して本研究では,見出しを通常の表現形式に書き換える自動前編集系を既存のシステムに追加することによる解決を目指している.見出しを通常の表現形式に書き換えれば,より品質の高い翻訳が,システムの既存部分にほとんど変更を加えることなく得られる.例えば``SalesupsharplyinJune''という見出しは通常のシステムには受理されない可能性が高いが,``Sales{\itwere}upsharplyinJune''のようにbe動詞``were''を補えば従来のシステムでも適切な翻訳... | |
V24N03-02 | 元来から日本は外来語を受け入れやすい環境にあるといわれており,外来語が益々増加する中,特に,英語の場合,外国語の表記を利用するシーンも増えている.また,英単語など頭文字をつなげて表記する略語も利用されている.しかし,英字略語は別のことを表現しても,表記が同じになる多義性の問題を持っている.そこで,本稿では,英字略語の意味を推定する方法を提案する.提案手法では,英字略語の意味推定を未知語の意味推定とみなし,ある概念から様々な概念を連想する語彙の概念化処理を可能とする概念ベースと,概念化した語彙の意味的な近さを判断できる関連度計算またはEarthMover'sDistanceを用いる.さらに,英字略語ゆえの情報の欠如を,世界で最も収録語... | |
V01N01-03 | 従来の構文解析法は十分な精度の解析結果を得ることができず,とくに長い文の解析が困難であった.このことは従来の方式が局所的な解析を基本としていたことに原因があり,これを解決するためには文内のできるだけ広い範囲を同時的に調べることが必要である.我々は,すでに,このような考え方に基づき,長い文の中に多く存在する並列構造が文節列同士の類似性を発見するという手法でうまく検出できることを示した.本論文では,そのようにして検出した並列構造の情報を利用して構文解析を行なう手法を示す.長い日本語文の場合は1文内に複数の並列構造が存在することも多い.そこでまず,文内の並列構造相互間の位置関係を調べ,それらの入れ子構造などを整理する.多くの場合,並列構造... | |
V24N03-05 | 法律文書や技術文書等の専門文書に対する機械翻訳では,翻訳対象のサブ言語に特有の大域的な文構造を適切に捉えて翻訳することが高品質な訳文を得る上で必要不可欠である.本論文では,文内の長距離な並べ替えに焦点を当てることによって,大域的な並べ替えを行うための手法を提案する.提案する大域的並べ替え手法では,アノテートされていない平文学習データを対象として,構文解析を行うことなく大域的な並べ替えモデルを学習する.そして,大域的な並べ替えを従来型の構文解析による並べ替えと併用することによって,高精度な並べ替えを実現する.公開特許公報英文抄録(PatentAbstractsofJapan,PAJ)のサブ言語を対象とした日英翻訳および英日翻訳の評価実... | |
V14N03-15 | 本論文では,Web上の評判情報を有益に活用するために,レビューなどの評価文書をポジティブ(おすすめ)とネガティブ(おすすめしない)という極性値に分類する手法を提案する.本手法では,全体評判情報と部分評判情報という2つのレベルで評判情報を捉える.全体評判情報とは評価文書の対象全般に関わる評価表現のことを指し,部分評判情報とは対象の一属性に関する評価表現のことを指す.全体評判情報の極性値は評価文書の極性値と一致すると考えられるため,まず全体評判情報を用いて評価文書を分類し,全体評判情報がない場合は部分評判情報を用いて分類する.これら2つのレベルの評判情報を考慮することで分類精度の向上が期待できる.さらに,これら2つのレベルの評判情報を用... | |
V18N04-01 | 本論文では,日本語コーパス内の命題に書き手の心的態度をアノテーションする基準として階層意味論を検討する.階層意味論とは「命題」と「モダリティ」からなる普遍的な意味構造を規定する概念である.モダリティは心的態度を指す概念として知られているが,既存研究で取り上げられている文法論のモダリティでは対象が文法形式に限定されてしまう.対して階層意味論で定義される「モダリティ」は意味論上の概念であるため形式上の制約が少なく,心的態度を網羅的にアノテーションするという目的により適した概念といえる.ただし,階層意味論で規定される心的態度を母語話者が一貫性を持ってアノテーションできるのか実証的に確認されているとは言い難い.そこで,母語話者に新聞の社説記... | |
V17N04-07 | 未知語の問題は,仮名漢字変換における重要な課題の1つである.本論文では,内容の類似したテキストと音声から未知語の読み・文脈情報をコーパスとして自動獲得し,仮名漢字変換の精度向上に利用する手法を提案する.まず,確率的な単語分割によって未知語の候補となる単語をテキストから抽出する.次に,各未知語候補の読みを複数推定して列挙する.その後,テキストに類似した内容の音声を認識させることによって正しい読みを選択する.最後に,音声認識結果を学習コーパスとみなして仮名漢字変換のモデルを構築する.自動収集されたニュース記事とニュース音声を用いた実験では,獲得した未知語の読み・文脈情報を仮名漢字変換のための学習コーパスとして用いることで,精度が向上する... | |
V14N05-08 | 参照結束性(referentialcoherence)は,主題の連続性や代名詞化によってもたらされる,文章の滑らかさを表す.では,なぜ参照結束性が高い表現/解釈が選択されるのだろうか.参照結束性の標準的理論であるセンタリング理論は,従来,この行動選択のメカニズムをモデル化していなかった.本研究の目的は以下の2つである.(1)この行動選択原理をゲーム理論でモデル化した仮説\shortcite{hasida1996,siramatu2005nlp}を,複数言語のコーパスで検証すること.(2)ゲーム理論の期待効用という値が選択基準になり得るか確かめ,様々な言語の談話処理で利用可能な表現/解釈の選択機構をモデル化すること.\\そのために本稿... | |
V16N04-02 | 日本語におけるモダリティ形式および推量副詞と文末モダリティ形式との共起についての体系的な研究は自然言語処理の分野において不十分である.さらに,このような情報は日本語教育の分野においても十分カバーされていない.本稿では,コーパス検索ツールSketchEngine(SkE)を利用した日本語の推量副詞とモダリティ形式の遠隔共起の抽出を可能にすることとその日本語教育,特に日本語学習辞典への応用の可能性を示すことを目的とする.そのためにまず,複数のコーパスを分析した結果として,モダリティ形式とそのバリエーションの網羅的なリストを作成した.このモダリティ形式はChaSenでどのように形態素解析されているかを調査し,各モダリティ形式の様々な形態素... | |
V09N05-02 | 本稿では,機械翻訳知識の自動獲得を目的とした,2言語の対訳文の階層的句アライメントについて提案する.従来提案されてきた句アライメント方法は,いずれも構文解析結果を取得したのちに,部分木同士の対応をとるものであった.本稿で提案する方式は,構文解析器が持つ部分解析結果を句対応スコアと呼ぶ構造類似性評価尺度で評価し,前向きDP後ろ向きA*アルゴリズムを用いて最適な組み合わせを探索する.この方式を用いることにより,実験では従来手法に比べ2倍の同等句を得ることができ,そのときの精度の低下はほとんどないことが観察された.\\\indentまた,本提案方式は単語アライメントを用いる.この単語レベルの対応は,内容語のみでなく,機能語間対応を含めた方... | |
V10N02-01 | 本稿の目的は日本語の料理レシピ文における各事象の時間構造を特定し,隣接する事象間の時間関係を明確化することである.レシピ文は時間に沿った作業のシーケンスを述べたものであり,事象間の時間関係を示す典型でありながら,常識を排除して機械的に文章を読むと時間関係の復元が困難である問題があげられる.本研究の試みはアスペクト,すなわち各事象の時間的側面に着目し,そこから文章全体の時間関係を再構築することである.本稿ではイベント構造の概念を用いたアスペクト理論を用いることにより,アスペクトクラスを達成相,完成相,完了相,進行相の4つの型に分類する.さらに事象の隣接関係を明確化するために完成相,完了相の細分化を試みる.この細分化により進行や完了の関... | |
V15N02-03 | 本論文では対訳文アラインメントの全体的な整合性を評価する新たな基準を提案する.この手法は係り受けタイプによる木構造上での距離や,距離スコア関数などの統計的な素性に基づいている.また依存構造木を元にしたアラインメント手法であるため,両言語間の言語構造の違いを適切に吸収することが可能である.さらに本手法により,複数見つかる対応候補の中から適切なものを選択することも可能である.日英新聞記事コーパスでのアラインメント実験により,本手法によるアラインメント精度は他の言語構造の近い言語対での精度と遜色ないことが示された. | |
V03N03-01 | 自然言語処理システムに求められている分析性能が向上するにつれて,そのシステムで用いる文法規則や辞書データといった言語知識ベースも複雑化,巨大化してきた.一方,自然言語処理システムを用いる応用分野がますます多様化することが予想され,応用分野ごとに新たな分析性能が要求される.言語知識ベースにおいても追加と修正の作業が発生する.しかし,現状では,その開発には多数の人員と多くの時間を必要とするため,言語知識ベースの再構築は困難な作業である.応用分野に適合するシステムを,より効率的に開発する手段が必要である.そのためには,融通性を持ち容易に修正できる文法規則や辞書データの作成技法と,作成された言語知識ベースの保守性の向上を図る必要がある.この... | |
V15N04-01 | 本研究の目的は,歴史資料(史料)を対象に歴史知識の構造化の基盤となる「歴史オントロジー」を構築するシステムを開発し,広く提供することによって歴史学の発展に寄与することにある.この目標を具体的に検証するために,昭和15年に時の帝国学士院において始められた明治前日本科学史の編纂成果である『明治前日本科学史』(刊本全28巻)の全文を日本学士院の許諾の下に電子化し,明治前の日本の科学技術を創成してきた科学技術者に関する属性および業績の情報を抽出することにより,前近代日本の人物情報データベースの構築を試みる.人物の属性として人名とそれに対する役職名と地名を,人物の業績として人名とそれに対する書名を,いずれもパターンマッチングなどのルールベース... | |
V10N03-06 | 本論文では,機械翻訳における訳語選択の手法について述べる.我々のシステムは,入力文と対象単語が与えられたとき,翻訳メモリと呼ばれる対訳用例集合と入力文との類似度を求め,類似度が最大となる用例集合を用いて対象単語の訳語選択を行なう.類似度は,用例に基づく手法と機械学習モデルを用いて計算される.類似度の計算には,文字列の類似性や入力文における対象単語周辺の単語,入力文中の内容語とその訳語候補の対訳コーパスおよび日英の単言語コーパスにおける出現頻度などを考慮する.入力文と対象単語が与えられると,まず用例に基づく手法を適用し,類似した用例が見つからなかった場合に機械学習モデルを適用する.機械学習モデルは複数用意し,クロスバリデーションなどに... | |
V03N02-04 | 日本語においては主語が頻繁に省略されるため,省略された主語すなわちゼロ主語の指示対象同定が重要である.複文は従属節と主節からなるので,主節主語と従属節主語がある.したがって,複文の理解に不可欠なゼロ主語の指示対象同定の問題は,2段階に分けて考えるべきである.第一の段階では,主節主語と従属節主語が同じ指示対象を持つかどうか,すなわち共参照関係にあるかどうかの分析である.第二の段階では,第一段階で得られた共参照関係を利用して,実際のゼロ主語の指示対象同定を行なう.このうち,第一の共参照関係の有無は,複文のゼロ主語の扱いにおいて固有の問題であり,本論文ではこの第一の問題について主として小説に現れるノデ,カラで接続される順接複文について分析... | |
V26N01-01 | UniversalDependencies(UD)は,共通のアノテーション方式で多言語の構文構造コーパスを言語横断的に開発するプロジェクトである.2018年6月現在,約60の言語で100以上のコーパスが開発・公開されており,多言語構文解析器の開発,言語横断的な構文モデルの学習,言語間の類型論的比較などさまざまな研究で利用されている.本稿ではUDの日本語適応について述べる.日本語コーパスを開発する際の問題点として品詞情報・格のラベル・句と節の区別について議論する.また,依存構造木では表現が難しい,並列構造の問題についても議論する.最後に現在までに開発したUD準拠の日本語コーパスの現状を報告する. | |
V10N02-05 | 本稿では,LexicalFunctionalGrammar(LFG)に基づいた実用的な日本語文解析システム構築に向けての日本語LFG文法記述の詳細とシステムの評価について述べる.本稿で述べる日本語LFG文法は,(1)解析対象が口語的・非文法的文であっても解析可能な高いカバー率を持つ,(2)言語学的に精緻な文法規則を持ち豊富な意味情報を含\breakむf-structureを出力可能とする,(3)f-structureの持つ言語普遍性の特徴を活かすため他言語のLFG文法と高い整合性・無矛盾性を保つ,の3点を特徴とする.自然言語の文法記述を完全に体系的・手続き的に進めることは困難であり,本稿で述べる文法記述においても経験的なものに依存す... | |
V12N05-08 | 本論文では,現時点で利用可能なモンゴル語の言語資源,特に,名詞・動詞の語幹のリスト,および,名詞・動詞に接続する語尾のリストから,モンゴル語の名詞句・動詞句を生成する手法を提案する.具体的には,名詞・動詞の語幹に語尾が接続する際の音韻論的・形態論的制約を整備し,語幹・語尾の語形変化の規則を作成する.評価実験の結果において,100\%近くの場合について,生成された名詞句・動詞句の中に正しい句候補が含まれるという性能を達成した.さらに,本論文では,この句生成に基づいて,モンゴル語の名詞句・動詞句の形態素解析を行なう手法を提案する.具体的には,まず,既存のモンゴル語辞書から名詞語幹および動詞語幹を人手で抽出する.次に,これらの語幹に対して... | |
V09N05-04 | 本論文では,テキスト中に出現する比喩表現を認識するために,確率的な尺度を用いて,概念(単語)間の比喩性を検出する手法について述べる.比喩性を検出するための確率的な尺度として,``顕現性落差"と``意外性"を設定する.``顕現性落差''は,概念対を比較したときに,クローズアップされる顕現特徴の強さをはかる尺度であり,概念同士が理解可能か否かの判断に用いる.``顕現性落差''は,確率的なプロトタイプ概念記述を用いて,概念の共有属性値集合が持つ冗長度の差で定量化する.``意外性''は,概念の組み合わせがどれほど稀であるかをはかる尺度であり,概念同士が例示関係であるか否かの判断に用いる.``意外性"は,単語間の意味距離を用いて定量化する.二... | |
V21N06-05 | 日本語において受身文や使役文を能動文に変換する際,格交替が起こる場合がある.本論文では,対応する受身文・使役文と能動文の格の用例や分布の類似性に着目し,Webから自動構築した大規模格フレームと,人手で記述した少数の格の交替パターンを用いることで,受身文・使役文と能動文の表層格の対応付けに関する知識を自動獲得する手法を提案する.さらに,自動獲得した知識を受身文・使役文の能動文への変換における格交替の推定に利用することによりその有用性を示す. | |
V14N05-04 | 本論文ではNon-negativeMatrixFactorization(NMF)を利用したアンサンブル文書クラスタリングを提案する.NMFは次元縮約を利用したクラスタリング手法であり,文書クラスタリングのようにデータが高次元かつスパースとなる場合に効果を発揮する.ただしNMFは初期値によって得られるクラスタリング結果が異なるという問題がある.そのために通常は初期値を様々に変えて,複数個得られたクラスタリング結果から,NMFの分解の精度の最もよい結果を選択する.しかしNMFの分解の精度はクラスタリング結果の精度を直接表しているわけではないので,最適な選択が行える保証はない.ここではNMFによるクラスタリングの精度を高めるために,複数... | |
V19N02-02 | 本論文ではブートストラップ法を用いた語彙獲得を行う際に,トピック情報を用いることでセマンティックドリフトを緩和し,獲得精度を向上できることを示す.獲得対象とする語を含む文書の大域的情報であるトピック情報を,統計的トピックモデルを用いて推定し,識別モデルを用いたブートストラップ法における3つの過程で利用する.1つ目は識別モデルにおける素性として,2つ目は負例生成の選択基準として,3つ目は学習データの多義性解消のために用いる.実験において,提案手法を用いることでセマンティックドリフトを軽減し,語彙の獲得精度が6.7から28.7\%向上したことを示す. | |
V24N01-06 | 社会学では,職業や産業は性別や年齢などと同様に重要な変数であるとの認識から,正確を期するために,自由回答で収集したデータを研究者自身によりコードに変換することが多い.これは職業・産業コーディングとよばれるが,大規模調査の場合,膨大な労力と時間がかかる上に,結果における一貫性の問題も存在する.そこで,ルールベース手法と機械学習(SVM)を適用したコーディング自動化システムを開発した.本システムは,国内・国際標準の職業・産業コードを第3位まで予測し,第1位の予測コードには,自動コーディング後に人手によるチェックが必要か否かの目安となる3段階の確信度も付与する.現在,本システムは,東京大学社会科学研究所附属社会調査・データアーカイブ研究セ... | |
V06N04-01 | 日本語の照応関係理解のプロセスにおいて,どのようなストラテジーが関与しているのかについて,言語心理学的実験を通して考察した.実験1では,自己のペースによる読解課題およびプローブ認識課題を用いて,日本語の主語を表す「が」と主題を表す「は」の違いが照応関係理解に影響を及ぼすかどうかについて調査した.その結果,「は」でマークされた名詞句で読解時間がかかる傾向が見られ,それを照応表現の指示対象として優先する傾向が見られた.また,プローブ認識課題では,主題を表す「は」の影響が見られ,目的語名詞句よりも主語名詞句をプローブ語として呈示した場合の方が判断時間が速い傾向が見られた.このように,主題の影響が見られたことから,「主題割当方略」とでも言う... | |
V16N04-05 | 近年の科学技術の進展にともない,工学知は幾何級数的に増大したが,その一方で,工学教育の現場においては,学生が自分の興味に合わせて講義・演習を選ぶことが非常に困難な状況になっている.また,教員も同様に,講義全体の効率化のために,講義内容の重複や講義の抜けを知る必要があり,総じて,各講義間の関連性を明確にし,カリキュラムの全体像を明らかにすることが求められている.しかし,講義間の関連から全体の構造を明らかにするためには,通常,人手によりあらかじめ講義内容(シラバス)を分析・分類する必要があり,これは大きな人的コストと時間を必要とする.したがって,この作業を可能な限り自動化し,効率的な手法を開発することが非常に重要な課題となる.本稿では,... | |
V06N02-03 | 本論文では,日本語連続音声認識用のN-gram言語モデルの学習に用いる形態素データを,テキストデータから自動的に生成することを目的として,品詞および可変長形態素列の複合N-gramを用い,日本語テキストデータを自動的に形態素解析する手法を提案する.複合N-gramは,品詞,形態素,形態素列を単位としたN-gramで,少ないデータ量から高い予測精度を持つ言語モデルである.また,品詞から未知語が出現する確率を定式化することにより,未知語の形態素解析を行えるようにモデルの改良を行った.形態素解析実験の結果,複合N-gramの形態素同定率は最高99.17\%で,従来のルールベースによる方法よりも正確に形態素の同定が行えることが判明し,提案手... | |
V20N03-03 | 本論文では,地震や津波などの災害時に個人からソーシャルメディア上に発信される大量の書き込みから,救援者や被災者が欲している情報を自動的に取得する情報分析システムについて報告する.このシステムでは,質問応答技術により,災害時の被災地の状況や救援状況を俯瞰的に把握し,被災地からの想定外も含めた情報を取得することを目的としている.システムで利用している質問応答処理では構文パターンの含意に基づき質問文を拡張し,ソーシャルメディアへの書き込みに対して地名・場所名を補完することにより,幅広い質問に対応する.さらに,本システムを拡張することにより,被災地からの重要な情報提供が必ずしも救援者へ届かない問題に対応できることについて述べる.NPOや自治... | |
V17N05-03 | 現在共有されている日本人の子供の書き言葉コーパスは非常に少ないが,子供の書き言葉コーパスは,日本語の使用実態の年齢別推移の分析や,子供の言葉に特徴的に現れる言語形式の分析,国語教育・日本語教育への活用など日本語研究での利用はもちろんのこと,認知発達,社会学など,さまざまな分野での応用の可能性がある.そこで本研究では,全国4,950校の小学校のWebサイトを調査し,公開されている作文について,各テキストが子供の書いたテキストであることや学年などの情報を確認の上,作文データの収集を行った.収集したテキスト総数は10,006,語数は1,234,961である.本研究では,大人よりも子供の言語使用において豊富で多様な使用が観察されると予想され... | |
V09N01-05 | 機械翻訳などの多言語間自然言語処理で用いられる対訳辞書は現在,人手によって作成されることが多い.しかし,人手による作成には一貫性・網羅性などの点で限界があることから対訳コーパスから自動的に対訳辞書を作成しようとする研究が近年盛んに行われている.本論文では,最大エントロピー法を用いて対訳コーパス上に対訳関係の確率モデルを推定し,自動的に対訳単語対を抽出する手法を提案する.素性関数として共起情報を用いるモデルと品詞情報を用いるモデルを定義した.共起情報により対訳関係にある単語の意味を制約し,品詞情報により対訳関係にある単語の品詞を制約する.本手法の有効性を示すために日英対訳コーパスを用いた対訳単語対の抽出実験を行い,本論文で提案した手法... | |
V14N01-01 | 日本語係り受け解析を行なう新しいアルゴリズムを述べる.このアルゴリズムによれば,トップレベルの精度を落とすことなく線形時間で係り受け解析が行なえる.本論文では,アルゴリズムの形式的な記述を行ない,その時間計算量を理論的に議論する.加えて,その効率と精度を京大コーパスVersion2を使って実験的にも評価する.改良された係り関係のモデルと提案手法を組み合わせると,京大コーパスVersion2に対して従来手法よりもよい精度が得られた. | |
V20N01-01 | 本論文では,レビュー集合から多数の評価視点が得られる状況において,評価対象間の相対的特徴を考慮した重要度(スコア)に従って評価視点をランキングする課題について述べる.また,レビューはその数だけ書き手が存在することから評価視点の異表記が生じやすく,これがランキングに悪影響を与える.本論文では,評価視点に対してクラスタリングを適用することで異表記問題へ対応する手法を提案する.評価実験を通して,提案したスコア関数がランキング性能の向上に有効であること,およびクラスタリングに基づくランキング補正手法によって,平均適合率(MAP指標)が向上することを確認した. | |
V19N05-02 | 本稿では,置換,挿入,削除操作を行う識別的系列変換で日本語学習者作文の助詞誤りを自動訂正する.誤り訂正タスクの場合,難しいのは大規模な学習者作文コーパスを集めることである.この問題を,識別学習の枠組み上で2つの方法を用いて解決を図る.一つは日本語としての正しさを測るため,少量の学習者作文から獲得したn-gram二値素性と,大規模コーパスから獲得した言語モデル確率を併用する.もう一つは学習者作文コーパスへの直接的補強として,自動生成した疑似誤り文を訓練コーパスに追加する.さらに疑似誤り文をソースドメイン,実際の学習者作文をターゲットドメインとしたドメイン適応を行う.実験では,n-gram二値素性と言語モデル確率を併用することで再現率の... | |
V26N02-09 | 本論文では日本語文内・文間ゼロ照応解析モデルを提案する.文間ゼロ照応解析において複数格の同時推定を行う際,複数の文をまたぐ大量の格要素の組合せ候補を取り扱う必要があり,これはゼロ照応解析モデルの訓練,解析に際して重大な障害となる.この問題に対して,我々は格フレームの情報を用いた効果的な解候補削減手法を提案する.提案解候補削減を用いて複数格を同時推定したモデルと解候補削減を用いずにそれぞれの格を独立に推定したモデルを日本語均衡コーパス上で比較し,0.056の精度向上を確認した.また,ローカルアテンション付きRNNを導入することで,文間ゼロ照応解析の精度が上昇することも確認した. | |
V21N02-06 | 意見分析の研究が盛んになり,世論調査,評判分析など,多岐にわたる応用が実現されている.意見分析の研究においては,他の言語処理研究と同様に,コーパスの重要性が指摘されている.意見分析研究のコーパスは,応用目的に応じて,対象とする文書ジャンルが変化し,アノテーションすべき意見の情報も変更する.現在,意見分析コーパスは,ニュース,レビュー,ブログなどの文書ジャンルを対象としたものが多い.一方で,対話型の文書ジャンルには焦点が当てられておらず,アノテーションについての明確な方針がない.本稿では,『現代日本語書き言葉均衡コーパス』に含まれるコミュニティQAの文書を対象として,詳細な分類タイプに基づく意見情報ならびに関連した情報のアノテーション... | |
V19N01-01 | 単語の上位下位関係を自動獲得する研究はこれまで活発に行われてきたが,上位概念の詳細さに関する議論はほとんどなされてこなかった.自動獲得された上位下位関係の中には,例えば\isa{作品}{七人の侍}や\isa{作品}{1Q84}のように,より適切と考えられる上位概念「映画」や「小説」と比べて広範囲な概念をカバーする上位概念(「作品」)が含まれることがある.このような上位概念を検索や質問応答などのタスクにおいて利用すると,より詳細な上位概念を利用する手法と比較して有用でないことが多い.そこで本論文では,自動獲得した上位下位関係を,Wikipediaの情報を利用することでより詳細にする手法を提案する.例えば\isa{作品}{七人の侍}から... | |
V25N05-04 | 文法誤り訂正の研究開発では,訂正システムの性能を自動評価することは重要であると考えられている.従来の自動評価手法では参照文が必要であるが,参照文は人手で作成しなければならないため,コストが高く網羅性に限界がある.この問題に対処するために,参照文を用いず,文法性の観点によって訂正を評価する参照無し手法が提案されたが,従来の参照有り手法の性能を上回ることはできなかった.そこで本研究では,先行研究で提案された手法を拡張し,参照無し手法の可能性について調査する.具体的には,文法性に加えて流暢性と意味保存性を組み合わせた参照無し手法が,従来の参照有り手法よりも人手評価スコアを正確に予測できることを実験的に示す.また,参照無し手法は文単位でも適... | |
V11N05-08 | 意味が近似的に等価な言語表現の異形を言い換えと言う.言い換え技術とは,所与の言語表現からその言い換えを生成する言い換え生成技術,および所与の言語表現対が言い換え関係にあるか否かを判定する言い換え認識技術の総称である.これらの技術は,機械翻訳の前編集や読解支援のための文章簡単化,質問応答や複数文書要約など,様々な応用に貢献する応用横断的なミドルウェア技術になると期待されており,近年研究者の関心を集めてきた.本論文では,こうした言い換え技術について,工学的研究を中心に近年の動向を紹介する.具体的には,言い換えの定義や言い換え技術の応用可能性について論じた後,構造変換による言い換え生成,質問応答・複数文書要約のための言い換え認識に関する研... | |
V01N01-01 | テキストや談話を理解するためには,まずその文章構造を理解する必要がある.文章構造に関する従来の多くの研究では,解析に用いられる知識の問題に重点がおかれていた.しかし,量的/質的に十分な計算機用の知識が作成されることはしばらくの間期待できない.本論文では,知識に基づく文理解という処理を行なわずに,表層表現中の種々の情報を用いることにより科学技術文の文章構造を自動的に推定する方法を示す.表層表現中の情報としては,種々の手がかり表現,同一/同義の語/句の出現,2文間の類似性,の3つのものに着目した.実験の結果これらの情報を組み合わせて利用することにより科学技術文の文章構造のかなりの部分が自動的に推定可能であることがわかった. | |
V24N03-07 | 能動学習は機械学習において,逐次的に選択されたデータに対してのみ正解ラベルを付与してモデルの更新を繰り返すことで,少量のコストで効率的に学習を行う枠組みである.この枠組みを機械翻訳に適用することで,人手翻訳のコストを抑えつつ高精度な翻訳モデルを学習可能である.機械翻訳のための能動学習では,人手翻訳の対象となる文またはフレーズをどのように選択するかが学習効率に大きな影響を与える要因となる.既存研究による代表的な手法として,原言語コーパスの単語$n$-gram頻度に基づき$n$-gramカバレッジを向上させる手法の有効性が知られている.この手法は一方で,フレーズの最大長が制限されることにより,句範疇の断片のみが提示されて,人手翻訳が困難... | |
V24N03-06 | 本稿は,自動単語分割における精度向上を実現するために,非テキスト情報とその説明文に対するシンボルグラウンディングを用いた新しい単語分割法を提案する.本手法は,説明文が付与された非テキスト情報の存在を仮定しており,説明文を擬似確率的単語分割コーパスとすることで,非テキスト情報と分野固有の単語との関係をニューラルネットワークにより学習する.学習されたニューラルネットワークから分野固有の辞書を獲得し,得られた辞書を単語分割のための素性として用いることでより精度の高い自動単語分割を実現する.将棋局面が対応付けされた将棋解説文から成る将棋解説コーパスを用いて実験を行い,シンボルグラウンディングにより得られた辞書を用いることで単語分割の精度が向... | |
V16N01-04 | 本論文では,リスト型質問応答に対する回答群の選択手法を提案する.リスト型質問応答とは,与えられた質問に対し決められた知識源の中から過不足なく解を見つけ列挙するタスクである.提案手法では,既存の質問応答システムが解候補に付与するスコア分布を利用する.解候補を,そのスコアを基にいくつかのクラスタに分離することを考える.すなわち,それぞれのクラスタを一つの確率分布とし,各確率分布のパラメタをEMアルゴリズムにより推定する.そして,それぞれの分布を正解集合を形成するスコア分布と不正解集合を形成するスコア分布のどちらであるかを推定し,正解集合のスコア分布に由来すると推定された解候補群を最終的な回答とする.質問応答システムには一般に不得意な質問... | |
V17N05-02 | 日常の自然言語文には構成性(compositionality)に基づいて意味を扱う事が難しいイディオムやイディオム的な複数単語からなる表現,また,語の強い結合によって成り立つ決まり文句や決まり文句的表現が数多く使われているが,現在の自然言語処理(NaturalLanguageProcessing:NLP)ではこれらに十分な対応が出来ていない.近年,この種の特異性を持つ表現を複単語表現(Multi-WordExpression:MWE)と名付け,NLPの立場から英語のMWE全体を俯瞰・考察した論文(Sagetal.2002)が端緒となって,その重要性が広く認識されるようになった.しかし,その後の活発な研究にも拘わらず,包括的で信頼性の... | |
V08N04-04 | 英日機械翻訳システムによる翻訳に対して感じる不自然さの原因の一つとして,動詞的意味を含む英語の名詞句がそのまま日本語でも名詞句として訳されているということがある.この不自然さを解消するために本稿では,動詞的意味を含む名詞句を文に近い形式に書き換える自動前編集方法を示す.動詞的意味を含む名詞句のうち,属格名詞とof前置詞句の両方を修飾句として持つ名詞句を主な対象として実験を行なった.提案方法によって書き換えた名詞句を含む文を我々のシステムPowerE/Jで処理し,書き換えを行なわない場合の翻訳と比較したところ,67.3\%の文においてより自然な翻訳が得られた.従来,この不自然さの問題に対しては,システム内部の変換過程で対処されることが... | |
V23N01-01 | 本稿では自動要約システムの誤り分析の枠組みを提案する.この誤り分析の枠組みは,要約が満たすべき3つの要件と誤った要約が生じる5つの原因からなり,要約の誤りをこれらからなる15種類の組み合わせに分類する.また,システム要約において15種類の誤りのうちどの誤りが生じているかを調査する方法もあわせて提案する.提案する誤り分析の枠組みに基づき,本稿ではまず,システム要約を分析した結果を報告する.さらに,分析の結果に基づいて要約システムを改良し,誤り分析の結果として得られる知見を用いてシステムを改良することでシステム要約の品質が改善されることを示す. | |
V17N04-01 | 本稿では条件付確率場に基づく固有表現抽出において,新たなドメインにモデルを適応するためのモデル学習コスト—正解データ作成コスト—を低減する2つの学習手法を提案する.本手法では,タグ単位の事後確率をタグ信頼度とみなし,信頼度の低いタグをシステムの解析誤りとして自動的に検出する.そして検出された解析誤りタグのみを修正の対象とするため,文全体の事後確率を利用する場合と比較して,修正が必要である箇所に効率よくコストを注力させることが可能となる.\\第1の学習手法として,能動学習に本手法を適用すると,システム出力の信頼度が低いタグのみを検出して人手修正対象とすることにより,従来手法と比較して修正コストが1/3に低減した.\\また,第2の学習手... | |
V05N04-07 | 音声対話および音声翻訳システムを実現するためには,自由発話文の音声認識誤り文に対する解析誤りの問題を解決する必要がある.その解決のために,文法以外の制約を積極的に用いて認識誤り文から正しく認識された部分を特定するしくみを新たに導入し,特定された部分,或は,特定されなかった部分を修復しながら,文を解析することが必要となる.本論では,予め学習された話し言葉の表現パターンと入力文における表現パターンとの意味的類似性を用いて,認識結果文から正しく認識された部分を特定する手法を提案する.\\さらに,本正解部分特定法を音声翻訳システムに導入し,音声認識結果の正解部分のみを部分翻訳するシステムを作成した.このシステムを用いて正解部分特定法の効果を... |
Subsets and Splits
No community queries yet
The top public SQL queries from the community will appear here once available.