question large_stringlengths 4 115 | answer large_stringlengths 4 310 |
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それで、昔の彼女ってちゃんとわかったの? | 最初は別人かと思ったんだけど、あの笑い方だけは変わってなくて。高校ん時のまんまだったよ。 |
それで、そのバカな子、何したの? | もうね、波打ち際でカモメ見つけてさ、全力ダッシュしたんだよ。砂浜で転んで、頭から波に突っ込んで、全身ずぶ濡れ。それなのに、こっちに戻ってきて、濡れたまま抱っこって飛びついてくるの。ずるいでしょ。顔見たら怒れないし、もう胸がぎゅーってなるしかないじゃん。 |
わざとやったとかじゃないよね? | いや、完全に無意識なの。散歩中ずっと海藻をクンクンしてて、突然しゃがみ込んで砂を掘り始めたと思ったら、なぜか貝殻を咥えてプレゼントしてくるし。宝物を見せてくれてるんだって思うと、もう言葉になんなくて。バカだなあって笑うしかないけど、それすら愛おしいんだよね。 |
そういえば前に駅前のカフェで待ち合わせした時、君もあの隅っこの席取ろうとしてなかった? | あー、あの日暑すぎてたまらんかった |
昔さ、よく夜中に電話しながら散歩してたよね、あの時間帯の話覚えてる? | そんなこともあったな、なつかし |
その封筒、宛名見てすぐわかったとか? | いや全然、見たこともない事務所でさ、最初はダイレクトメールかなって。でも封筒の素材がちょっと厚手で、窓から透けてる文字が『ご通知』って書いてあって、もうその瞬間手が震えて開けられなかったんだよね。親には言えなくてこっそりクローゼットに隠しちゃった。 |
開ける前にどんな最悪のケース想像してる? | もうね、昨日駐車場でぶつけたかすり傷の請求とか、実は親が知らない借金してたとか、頭の中がパニック映画みたいになってる。だって弁護士からって普通じゃないじゃん。開けたら人生が変わる気がして、スマホのライトで封筒を透かして見てるけど文字がぼやけてて余計怖い。 |
それで、見ててどんな感じだった? | なつかしすぎて鼻の奥ツンてきたわ |
自分の昔と重なっちゃう? | 同じポーズで砂いじってて吹いた |
まさかあんた、初フライトで乱気流にビビってるんじゃないの? | ちょっと笑っちゃうくらい、手足が震えてるよ |
あの雲の中、ドキドキしてる様子が目に浮かぶわ | 心臓が喉から飛び出しそうだよ |
え、何があったの?そんな顔して | いやさっき駐車券切られたんだけど、あの駐車場絶対俺のせいじゃないんだよ。なんかラインが消えかかってて、普通に枠内に停めたつもりだったのに、あと5センチはみ出てるって言われて。いやいやいや、それって罠でしょって。しかも写真撮られてるから反論もできなくてさ。自分で自分のバカさ加減に笑うしかないわ |
どうしたの、電話の声がなんかイライラしてるけど | さっき駐車違反の切符もらってさ。あの駐車場、線が消えててどこが枠かわかんないのよ。俺だけじゃなくて隣の車もはみ出てたし。でもお巡りさんは俺だけ捕まえたんだよね、運が悪いってこういうことか。しかも反論しようとしたら逆ギレみたいに言われて、まじで今日はついてないわ。自分で自分のドジっぷりに腹立つよ |
あら、久しぶり。さっきスーパーで聞こえた声、まさかあんたの子じゃないよね? | ああもう…あれ、うちの子です。 |
そっちの子、まだ小さいのに結構な大声出すんだね。何て叫んでたの? | …「パパのお尻、でかい」って。 |
それで、お前の激おこエピソードってどれよ? | まじでさ、昨日バイトで疲れて帰ってきたら、冷蔵庫にしまっておいた俺の大切なからあげが消えててさ。しかもルームメイトが「悪いけど食べちゃった〜」ってケロッとしてて。あれは金曜の夜に食べようと思ってたやつなんだよ。そういう日はさ、自分へのご褒美が必要じゃん?なのにあいつ、何も言わずに平気で食べて、しかも謝り方も軽いし。俺の計画が全部パーだよ、マジでイライラするわ。 |
そのルームメイト、どんだけ図々しいんだよ? | もうね、昨日の夜に買ったばかりの唐揚げ弁当を、今日の夕方に見たら空っぽになってて。しかも奴は「つい食べちゃった〜ごめんね」ってニヤニヤしながら言ってくるわけ。俺はそれを明日のバイト後に食べるために、今日の昼は我慢してたのに。そういう気遣いが一切ないんだよ。しかも俺が怒ったら逆ギレしてきて、もう話にならんわ。今は図書館で一人でイライラを鎮めてる。 |
そのレシピ、なんか特別な意味あるの? | うん、父さんが日曜の朝に必ず作ってたやつ。今思うとあの匂いがもう、夏の始まりの合図だったんだよね。 |
なんで急にそれ作ろうと思ったの? | なんか無性に食べたくなってさ。海見てたらふと、あの頃の台所の風景が頭に浮かんで、手が勝手に動いてた。 |
どうしたの、急に黙り込んで | いやね、信じられない話なんだけど、向こうのガソリンスタンドで昔好きだった人に遭遇してさ。人生ってホントに皮肉なもんだね。 |
最近電話、すごく短くなったって言ってたけど、どうしたらいいんだろうね。 | うん…昨日なんて一分もしゃべれなかったんだ。こっちから声かけても息継ぎみたいな間だけ空けて「うん」って返すだけでさ。あの声聞いてると、なんか、こっちの言いたいことがもう届いてない気がして、それでも電話切るのが怖くて、スマホ握ったまましばらく動けなかった。 |
親の容態が変わってきた時って、どんなふうに接したらいいんだろう。 | わかんないよ、ほんと。病院から帰ってきてさ、あの短い通話の録音聞き直したりしてる自分がいる。でも声が掠れてて、昔みたいに冗談飛ばす余裕なんて全然なくて。次かけるとき何言えばいいか考えても、喉の奥が詰まって、結局天井見つめてるだけの夜が続いてる。 |
朝ごはん、ホテルのバイキング行ったの? | うん、でもなんかあんまり食べられなくて。親父とお袋、今日で結婚25年なんだって。25年だよ?俺まだ17なのに。二人が若かった頃の写真とか見てたら、なんか、こう、胸の奥がじんわりしてきて。お袋のウエディングドレス姿、めっちゃ可愛くて笑っちゃった。 |
プレゼント、何用意したの? | あ、それがさ、こっそりアルバム作ったんだ。小さい頃の写真とか、家族旅行のやつとか。親父がお袋に内緒でくれた昔の手紙もコピーして入れた。今夜渡すつもりなんだけど、もう今から緊張してる。ちゃんと喜んでくれるかな。泣かせちゃったらどうしよう。 |
何かあったの、その顔 | いやさ、昔の家の前を通ったらペンキ塗り替えられててさ。あの色じゃないんだよなって思ったら、なんか急にタイムスリップした気分になってさ |
どうしたの、顔色悪いよ | スピーチの原稿何度も書き直してるんだけど、本番で噛みまくりそうで怖くてさ、心臓バクバクよ |
娘さんがバスケのドリブル練習してるの見て、なんか考え込んでたけど、何かあった? | あの動き、俺が中二の時に必死で覚えたやつだよ、懐かしすぎて笑う |
ジムで一緒に走りながら聞くんだけど、息子が鉄棒で逆上がり練習してるの見て、目がちょっと潤んでなかった? | まじで完璧に再現してて、遺伝子って怖いわ |
お、最近電話の時間が短くなったって?親父に飽きられたんじゃないの | まあね…さっきも三分で切れたよ。前は十五分は話せたのに、今は息継ぎするだけで終わりだ |
親父さんと話すのも、もうめんどくさくなっちゃった? | 違うよ…声が掠れててさ、こっちから切るのが怖いんだ。でも向こうが先に切るのも怖い |
最近、なんか帰り道気にしてるって噂聞いたんだけど、本当? | ああ、もう…バス停から家までの間、なんかさ、同じ車が何日も続いてて。気のせいならいいんだけど |
あの、夜のバス停、何かあったの?ちょっと気になってさ | いや、別に大したことじゃないんだけど…降りてから後ろ、誰かいる気がして。毎回振り返っちゃうんだよ、もう |
あの人、さっきから何か怒ってるんですか? | もう、あのバカタレが…スクールバスの前で急に割り込みやがって |
あんなに顔色が悪いけど、何かあったんですか? | バス、もうあと5センチでぶつかるとこだったんだぞ |
そういえば、あのシンクの水漏れ、言った時もすごく適当に流されたよね? | あの時からもうダメだったんだよ |
前にエアコン直してくれなかった時も、結局自分でやったじゃん? | ああいうとこなんだよなあいつは |
まさか海外のガソスタで元カレに会うなんて、ドラマみたいじゃない? | え、あの時は腰抜けるかと思ったよ |
その相手、今でもイケメンだった? | いやもう、白髪増えててびっくりした |
来週引っ越すって本当に決めたんだね…寂しいけど、どうやって過ごすつもり? | まだ実感湧かないな… |
もう会えなくなるのかと思うと辛いよ。何かしてあげられることある? | 一緒にいたかったな… |
その曲、まだ聴けるの? | うん。聴いた瞬間、もうあの頃に戻ってたよ。 |
何の曲だったっけ? | ああ、あの曲…体育館の匂いまで思い出した。 |
え、まじで?そのエピソード、まだ覚えてたんだ? | そりゃ覚えてるよ。だってお前、あの時キャベツの値段に驚いて、レジ袋に小銭ばらまいたじゃん。俺、後ろでニヤニヤするのに必死だったわ。 |
あの時の話、もっと詳しく聞かせてくれない? | いや、ただふとスーパーで見かけてさ。あんたがいつも買ってたパン、棚に並んでて。そしたらなんでか、レジでぼんやり待つあんたの横顔が浮かんできて。バカみたいだよな。 |
なんでそんなに緊張してるの?普通のスピーチじゃん。 | いやもうさ、頭ん中真っ白なんだよね。台本覚えたはずなのに、いざマイク見たら字が全部飛んでく感じ。親戚の目が怖いっていうか、ああいう場で失敗したらもう一生笑いものになるじゃん?それに、前に立った瞬間に言葉が出なかったらどうしようって思うだけで…もう心臓バクバクで、今ここで倒れた方がマシなんじゃないかって本気で考えてる |
もしかして、スピーチのことで頭いっぱい?全然落ち着いてないみたいだよ。 | そうそう、もう朝からずっとそれだけ考えててさ。コインランドリーに来たのも、ちょっと気を紛らわせたかったんだけど…全然ダメだね。乾燥機の回る音さえ、拍手の音に聞こえてくるっていうか。自分が言うことより、皆がどう反応するかばかり浮かんじゃって。笑ってくれるかな?それとも引くかな?それ考えたらまた吐きそうになってきた |
疲れ切ってるみたいだけど、今日のシフトどうするの? | もう何が何だかわかんなくてさ、朝と夜の境目すら消えた。ベッドに倒れ込んだら最後、起き上がれる気がしないけど、次のシフトまであと何時間だっけ?って考えるだけで頭がくらくらする。自分で自分の限界を試してるみたいで笑えるよ。 |
このままだと体壊すよ、何か手伝えることある? | 助けてくれるって言ってくれるのは嬉しいけど、何が必要かすら整理できてないんだ。点滴の準備とカルテの山に挟まれて、さっきコーヒーを自分の手にこぼしたのに気づかなかった。自分がロボットになったみたいで、でもロボットより性能悪いから最悪だよ。 |
どうしたの、そんなに笑って? | いやね、このカフェ、店員さんの動きが面白くてさ。ずっと見ちゃってる。コーヒーカップの配置とか、注文の取り方とか、なんか独特なんだよね。まるで、こう、自分のペースを守ってる感じがして、それでいてちゃんと仕事してるから、つい観察しちゃう。 |
それで、どんな料理を作ってるの? | 日曜のあのカレー、やっぱり再現できないな |
何か思い出したりしない? | フライパンの匂いだけであの頃戻るんだよな |
そういえば、前に君が空港で迷子になった話、覚えてる?あの時一緒に探したんだよね。 | ああ、あの話ね。まさか今度は自分がその立場になるなんて思わなかったよ。ゲート出た瞬間に父さんの姿が見えてさ、なんかもう声が出なくて。10年ぶりに会ったのに、全然変わってなくて、白髪がちょっと増えたくらいで。荷物放り出して抱きついてたよ、周りの目も気にせず。こんな気持ちになるんだって初めて知ったわ。 |
前に家族でキャンプに行った時、君が寝ぼけて変な夢の話をしたの、まだ覚えてるよ。 | あの夜の話か。そうそう、あの頃はよく行ってたな。今回空港で父さんが来てくれて、久しぶりに海辺で夜遅くまで話したんだ。波の音だけが聞こえて、なんか子供の頃に戻ったみたいで。向こうから『お前、まだあの変な寝言言うのか』って笑われてさ。そういう何気ない会話が、すごく染みるんだよね。 |
あの時、一緒に買った観葉植物、まだ育ててるの?あの人、水やり忘れすぎて枯らしそうになってたよね。 | あー、あのパキラね。引っ越しの時に実家に押し付けたよ。あいつ、最初はすごく大事にしてたのに、ある日突然『別に』みたいな顔して放置し始めてさ。海沿いの駐車場で、オフシーズンの寒風に吹かれながら『なんで?』って聞いたんだけど、『なんとなく』って笑われたんだよ。その笑顔、今でも目に焼き付いてて眠れない。布団の中でずっと反芻してる。 |
そういえば、彼がくれたあの貝殻のキーホルダー、まだポーチに付けてたっけ? | 外したよ。昨日、海に行って投げてきた。冬の海ってさ、誰もいないからちょうどいいんだよね。波の音だけ聞きながら、『なんで別れ話をあんな雑にしたんだろう』ってずっと考えてた。理由もなく終わるって、こっちが引きずるだけなんだよ。今布団の中で目を閉じても、あの日の彼の目が浮かんでくる。なんかもう、笑うしかないわ。 |
お、今日は朝から空港で待ち伏せって、どんだけ俺に会いたかったんだよ | いやそれがさ、ジムで自己ベスト出しちゃって。デッドリフト、前回より10キロも増やせたんだよ。もうマジで手が震えてるし、終わった後そのまま友達に電話したくて仕方なくて、でもまだ朝の6時だし。空港に着くまでずっと一人でニヤニヤしてて変な人みたいだったわ |
早起きして空港まで来るなんて、よっぽど大事な話?彼女でもできた? | 彼女どころか、バーベルと結婚しそうだよ。今日スクワットで人生初の100キロ成功してさ。バーが肩に乗った瞬間、自分が空港の滑走路みたいにでかくなった気分。スタジアムの拍手が聞こえたよ。まだアドレナリン抜けてなくて、この高揚感、誰かに伝えたくて仕方なかったんだ |
え、どうしたんだい? | もう何もかも嫌になってさ。今日も朝から母の世話で、自分がどこにいるのかわからなくなったよ。駐車場の車の中で、エンジンかけずにぼんやりしてる。休みなんて何ヶ月も取ってなくて、体はガタガタだし、気力も尽きた。パートナーには申し訳ないけど、本当にもう限界だよ。 |
何があったの?そんな顔して。 | 起きた瞬間からもう疲れてるんだよ。母の世話が延々と続いて、自分の時間なんて一切ない。昨日も夜中に何度も起こされて、朝はもう動けなくてさ。車の中で座ったまま、このままどこかに消えたい気分だよ。長年連れ添った君には悪いけど、もう笑う力すら残ってないんだ。 |
で、その時何て言ったの?聞きたいんだけど。 | 「ママ、あの人お尻大きいね」だってさ… |
店中に響いたんでしょ?どんな反応だった? | もう…地面に埋まりたい気分だったよ |
今から電話できる?なんだか声が弾んでるみたいだけど、何かあった? | 聞いてよ、さっきプロポーズされたんだ!夜遅くに母さんが寝てる台所でこっそり電話してるんだけど、まだ指輪の感触が残っててさ、手が震えてる。もう何から話せばいいかわかんなくて、でも言いたくてたまらなくて、そしたら自然と君に連絡してたんだよ。子供みたいにはしゃいでる自分が恥ずかしいけど、もうどうしようもないよね、だって人生で一番の瞬間だもん。 |
おめでとう!それって本当にすごいよ。どんな風に言われたの? | 公園のベンチでさ、星がきれいな夜で、普通に話してると思ったら急に指輪出してきて、『一緒にいてくれますか』って。もうその瞬間、頭真っ白で泣きそうになって、何度も頷いた記憶しかないんだ。今でも心臓バクバクしてて、寝られそうにないよ。実家の台所で一人でニヤニヤしてる自分、すごく変だよね、でも止められない、これが幸せってやつなんだな。 |
え、どうしたの?朝っぱらからそんな顔して。 | なんか、昨日いきなり別れようって言われてさ。理由もはっきりしないまま、もう無理だってだけ。今まで何だったんだろうって、ずっと台所で立ち尽くしててさ。あいつが置いてったマグカップ、まだ洗ってなくて、それ見ると胸がぎゅっとなる。 |
何かあったの?そんな暗い声出して。 | あー、彼女に振られたんだよね。理由も言わずに、ただ終わりにしたいって。昨日の夜のラインでそれだけ。今朝起きてもまだ頭がぼんやりしてて、コーヒー入れたけど一口も飲めてない。実家の台所でボーッとしてる自分が情けなくて、でも動けなくてさ。 |
何があったの、まさか | 離陸してすぐに雲の中入ったら揺れが酷くてさ、計器だけ見てなんとか高度保ったけど、あの時は心臓が口から出そうだったよ |
あの、ずっとこっちを見てため息ついてたけど、何かあったんですか? | 三ヶ月、一度も休めてないんだよ |
おばあちゃんの介護してるって聞いたけど、大変そうだね | 自分の布団で寝たの、いつだか忘れたわ |
それで、どうするつもり?もう原稿はできてるの? | 原稿なんてまだ一行も書けてないんだよ。何を話せばいいんだろうな。みんなの前で立って、言葉が出てこなかったらどうしよう。年取ってからこんなに不安になるなんて、自分でもびっくりだよ。もう全部キャンセルしてしまいたいくらいだ。 |
引っ越しの準備、どこまで進んでる? | ダンボールの山に埋もれてて、もう何が何だか。足の踏み場もないし、今日はもう無理だわ。 |
荷造り、手伝おうか?今日ちょっと時間あるけど | いや、もういいの。逆に手際悪くなりそうで。でもそう言ってくれるだけで救われるよ。 |
子どもに初めて『大好き』って言われたんだけどさ、これって普通に返事して終わりでいいのかな? | マジで固まっちゃってさ、包丁持ったまま三分くらい動けなかったよ。洗い物してる手が止まって、気づいたら泣きそうになってたわ。 |
今まで言葉にしたことなかったのに、急に言われてさ。次どうしたらいいと思う? | 夜中にトイレ行くって起きてきたと思ったら、ふらっと抱きついてきてさ。こっちは寝ぼけてたけど、その一言で一気に目覚めたよ。 |
それってどうするつもり?読み返すってやるの? | さっきバスの揺れの中で開けたんだけどさ、もう文字が掠れてて、彼女の字ってすごく癖があってさ、その癖を見た瞬間に、ああ、あの子だってわかって。泣きそうになったよ、バスの中で。読み返す勇気が出るかわかんない。だって最後の手紙、私が引っ越すって言った時のだよ。それから一度も連絡してない。今更何言えるんだろうね。 |
この手紙、どうするの?捨てる?それともそのままにしとく? | いや、捨てられないよ。でも見てると胸がぎゅっとなる。最初の手紙は高校の文化祭の後で、すごく長くて、で、後半はなんか住所の書き間違えとかあってさ、笑っちゃうんだけど。今思うと、あの頃はなんでも話せたのに。今、住所すら知らないんだよ。この箱、押入れの奥にしまい直す。たぶんそれが正解。 |
なんか、急に黙ったけど、どうしたの? | いや、さっき並んでた人の後ろから、ばあちゃんの部屋の匂いがしたんだよね。もう五年も経つのに、一瞬でその場に戻った感じ。ちゃぶ台の上にあった飴玉とか、タンスの引き出しの音とか、全部よみがえってきてさ、もう泣きそうになったよ。 |
ちょっと待って、今の誰か見てたんじゃないの? | うん、前に並んでた人の首元から、ばあちゃんがつけてたのとまったく同じ香りがして。もう会えないのに、そういうのって急に襲ってくるじゃん。散歩に連れて行ってもらった河原とか、夕飯の匂いとか、頭の中が昔の映像でいっぱいになって、周りの声が遠くなった。 |
また徹夜?もう三回目だってさ、倒れるよ | あとちょっとで机に突っ伏しそう |
まだ起きてるの?結婚式の片付け終わらないよ | このまま消えたい気分だわ |
もう疲れたって感じ?どうするつもり? | もうダメだよ。ダンボール開けたら中から去年のカレンダー出てきて、なんか全部どうでもよくなっちゃった。 |
荷造り、どのくらい進んだの? | 三分の一も終わってない。キッチン用品見たら涙出てきたわ。この年で一人で引っ越しは無謀すぎた。 |
え、なんで急に部長室から呼び出されたの? | マジで意味わかんない、課長になるってさ |
朝っぱらから電話してきて、何があったんだよ? | マジで信じらんない、昇進とか言われたんだけど |
え、どうしたの急に黙り込んで | 隣の人の香水、ばあちゃんのと同じだった。もう10年も経つのに匂いって忘れないもんだね。 |
何か懐かしい匂いでもした? | レトロなフローラル系のやつ、ばあちゃんが毎日つけてたやつにそっくりでさ。つい思い出しちゃった。 |
お前、今日やけにニヤニヤしてるけど、宝くじでも当たったんか? | 宝くじどころの騒ぎじゃないんだよ…えっとね、あのさ、前に話しただろ、ずっとチケット取れなくて諦めてたバンドがいるって。それがさ…なんと、最前列のチケットが手に入ったんだ。しかも窓際の席で、メンバーの顔がはっきり見えるらしい。もう何年もライブ行ってなかったし、まさかこんな年になってまたあの頃の熱気を感じられるなんて思わなかった。ルームメイトに言ったら笑われそうだけど、心臓がバクバクして今夜眠れそうにないよ。 |
何かいいことあったの?ついさっきまでため息ばかりついてたのに、急に元気になったね | ああ、もうね…さっきまで仕事の愚痴ばかり言ってた自分が恥ずかしいよ。実はさ、あの昔よく聴いてたバンドのライブチケット、最前列を譲ってもらえることになったんだ。田舎の食堂で黄昏れてる場合じゃないなって思ってさ。何年も夢見てた席だし、もうステージの上から汗が飛んでくるんじゃないかって距離らしい。この歳でこんなに興奮するなんて自分でも意外だけど、嬉しくて仕方ない。ルームメイトに自慢しようと思ってるんだ。 |
結婚式の荷物、結局見つからなかったの? | もうね、呆れる通り越して笑えてきたよ |
航空会社にはちゃんと文句言った? | ああ言えばこう言うの連続で、こっちが悪者みたいだわ |
あの、さっき電話で話してたのって、何か大事な検査の結果待ちって感じだったけど、大丈夫? | まだ結果来てないんだよ、考えると手が震えてくる |
ごめん、ちょっと聞こえちゃったんだけど、何か気が重そうな話してたみたいで… | 明日結果が出るんだ、それまで何にも手つかないよ |
お、なんかすごい盛り上がってたけど、何があったの? | いやあ、延長のラスト秒で逆転勝ちしたんだよ!まじで心臓止まるかと思ったわ、もう叫びながら洗濯物ぶん回しちゃったよ |
その騒ぎ方、隣の洗濯機までびっくりしてたけど、どうしたん? | 試合の終了間際にドラマが起きたんだって!相手が勝ったと思った瞬間、こっちがブチ込んで逆転。乾燥機の中踊りそうになったわ |
それで、どんな感じだったの?お父さんたち、喜んでた? | うん、まあね…最初は照れててさ、父なんか「こんなんしなくていいのに」って言いながら、でも目がすごく潤んでて、母はずっと笑顔でさ。俺がケーキ用意したの見た瞬間、二人で顔見合わせて、なんか昔の写真見せてくれて、そしたらもう涙が止まんなくて、こっちが恥ずかしいくらいだったよ。 |
その場にいた自分が一番感動しちゃったって感じ? | そうそう、まさにそれ。自分で計画しといて何だけど、二人が肩寄せ合って昔話してるの見てたら、ああ、この人たち、俺が知らない時間をずっと一緒に生きてきたんだなって思えて、なんか胸がぎゅーってなった。朝方まで語り明かしそうになって、今日眠くて仕方ないんだけど、それでもいいやって思えるくらい良かったんだ。 |
え、何してたの | 待ってる間、ずっとコーヒーカップの模様数えてた。なんか変だよね、暇すぎて頭おかしくなりそう |
マジで?どういうこと | 窓の外の犬がずっと同じ場所に座ってて、飼い主も帰ってこないし、こっちまでソワソワしちゃうよ |
最近、お母さんの具合はどう? | ああ……なんかもう、全部がルーティンになっててさ。朝起きて薬の準備して、昼間は病院の付き添いで、夜は夜で寝てるかどうか確認しに行って。自分の時間って何だっけ、って思うよ。今日だって、車の中でやっと一息ついたけど、これからまた買い物行かなきゃで。 |
自分の時間、ちゃんと取れてる? | 取れてないんだよね……もう何ヶ月も。週末に友達と会うとか、そんなの夢のまた夢でさ。昨日も夜中に目が覚めて、明日の介護のスケジュール考えてたら、また眠れなくなっちゃって。ああ、もう、いつまで続くんだろうって、ふと思うよ。 |
この街に来てから、どう?なんか周りがうるさく感じるって言ってたけど。 | ああ、もうね、電車の音も人の話し声も全部が耳についてさ。でも帰ったらシーンとしてるんだよ。そのギャップがなんか、おかしくて笑っちゃうんだよね[緊張した笑い] |
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