question large_stringlengths 4 115 | answer large_stringlengths 4 310 |
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え、それって誰とも話してないってこと? | もう一週間、人の声聞いてないんだぜ |
マジで?一週間も会話してなかったの? | 起きてから初めて喋ったのが君ってどうよ |
弁護士からのメールって、まさか宝くじでも当たったって知らせ? | 宝くじにしては脅し文句が多すぎるよ… |
どうしたの、顔色が真っ青だよ。まさか飛行機の中で裁判沙汰とか? | それがね…まだ開ける勇気が出ないんだ |
え、それって本当に当たったってこと? | ちょっと待って、まじで信じらんない |
どうやって気づいたの?まさかそんなことある? | さっきメール見て、声出たわ |
どうしよう、もう一次面接すらダメだったんだって | まじか…もう終わった気分 |
次はどうするつもり?また受け直すの? | もういいや…なんか疲れた |
あれ、すごく嬉しそうだけど、何かいいことあったの? | やっと終わったんだ、三年かけてた小説。 |
なんか今日はやけに機嫌いいね、どうしたの? | 書き終わった、ついに。三年前からずっと。 |
そういえば、去年実家に帰った時、キッチンで何か隠してなかった? | ああ、あの時ね!豆乳のパックくわえて走ってきて、床にぶちまけてさ。でもなんかもう、怒る気になんなくて、むしろかわいくてさ。 |
前に話してた、あの子がなんかやらかした話、まだ覚えてる? | 覚えてるよ!冷蔵庫の前でずっと待ってて、尻尾ぶんぶん振りながらこっち見るんだもん。そんな顔されたらもう、なんでもあげたくなるって。 |
どうしたの、急に | あの清掃員の人、実は秘密エージェントで、さっきから合図送り合ってるんだよね。暇すぎて妄想が止まらない。 |
そういえばこの前、いつものバス停であなたが帰りを待ってた時、変な車が何度も通り過ぎてなかった? | ああ、あの車ね。それ以来、毎日あの交差点の曲がり角でチラッと見ちゃうんだよ。心臓がバクバクしてさ、今日も同じ色の車見て飛び上がったもん。 |
前にあんたが家の前の街灯が突然切れたって言ってたけど、あれってあの人の仕業なんじゃない? | そうかもしれないねえ。あの日からずっと、窓の外ばかり気にしてる。夜にカーテン閉める時も、指が震えてうまく閉められないんだよ。 |
あれ、ジムで偶然会ったけど、なんか元気ないね。どうしたの? | 別れ話されたんだよね。理由もなく。 |
久しぶり!でも、なんか辛そうな顔してるけど、何かあった? | 振られたんだ。わけもわかんないまま。 |
それで、その揺れがすごかった時って、どう対応すれば良かったんだろうね? | もうね、操縦桿握る手が震えててさ…でもアナウンス聞くしかなくて。機長が落ち着いてたから、なんとか自分も冷静を保てた感じ。 |
初めてのソロフライトであの乱気流って、結構怖かったんじゃない? | 怖いっていうか、頭真っ白になったよ。雲の中入った瞬間にバンッて衝撃きてさ…もう心臓バクバクで、どうやって着陸したか覚えてない。 |
このままだと体壊すよ。今日はもう帰ったほうがいいんじゃない? | ああ、でもまだ終わってないんだよな。三徹目だし頭はもうぼーっとするだけだけど、ここで寝るわけにもいかないし。親父が言うほど俺、頑丈じゃないんだよね。 |
どうにかして抜け出す方法、考えてみた? | 考えたよ。でも課長に泣きつく勇気もないし、諦めてコーヒーおかわりしようかなってとこ。まあ、これで四徹目も余裕で迎えられるね、やったね。 |
ゲートで一人で何ブツブツ言ってんの? | さっきからあのオレンジのスーツケース、三周目。 |
搭乗までまだ時間あるけど暇そうだね? | 絶対あのスタッフ、全員グルで俺らを火星に送ろうとしてる。 |
寝る前にスマホ見てただけで、そんなにデカい声出すって何があったんだよ | えっ、いや、今さっき宝くじの当選メールが届いててさ、しかも当たったの全然覚えてなかったやつ。自分でも信じられなくて、まさかこんなことあるんだって思って、なんかもう頭の中ぐるぐる回ってる。まじで夢みたいで、これからどうすべきか考え始めたら眠れなくなりそうだよ。 |
その驚きよう、よっぽどすごいことあったんだな?まさかまた自虐ネタじゃないよな | いやいや、自虐どころか逆でさ、小さいけど宝くじが当たったんだよ。応募したことすら忘れててさ、今メール見て一人で声出たわ。普段はついてないことばかりなのに、こんなラッキーが来るなんて、なんか変な感じ。もっと早く気づいてたらよかったのにって、ちょっと後悔もあるよ。 |
すごく嬉しそうだけど、何かあったんですか? | 三年前から書いてた小説、ついに完成したんだ。ラストシーン書き終えた瞬間、時計見たら深夜3時で、食堂で一人でガッツポーズしてたよ。 |
夜中にここで一人で何してるんですか? | 三年前から書き溜めてた小説の最後の一文、さっき打ち終えたんだ。田舎町の深夜の食堂で、まさかこんな達成感味わうとは思わなかったよ。 |
え、それどういうこと? | 押し入れの奥から昔の手紙の箱が出てきてさ、中学の頃の友達からのやつ。最初の方は毎日交換してたって書いてあって、読み返すとあの頃の声が頭に蘇るんだけど、最後の方に行くにつれて間隔が空いてって、最後の一通でぱったり。今どこで何してるんだろうって、なんか急に寂しくなっちゃってさ。 |
まじで?何があったの? | ただの埃かぶった箱なんだけど、開けた瞬間に糊と紙の匂いがして、ああこれだってなった。高校で疎遠になって、連絡先も知らないまま。手紙の文体が少しずつ変わってく過程がそのまま距離の表れでさ、読み終わった後、何もかもが終わった気分で、しばらく呆然としてた。 |
そういえば、前に俺が好きだって言ったバンド、覚えてる? | え、あのEPの話?まだ覚えてたんだ…あれからずっと聴いてるよ、最初に教えてくれた日のこと、今でもはっきり思い出せるんだ。 |
前に一緒に観たあの映画、ラストシーンどう思った? | ああ、あの終わり方ね。あの日の帰り道、君が『あの台詞好き』って言ったの、今でも覚えてるよ。そういう細かいとこ、全部残ってるんだ。 |
あれ、今なんか手震えてるけど、緊張してる? | まじでやばい、スピーチ原稿が手の中でぐしゃぐしゃになりそう。あと10分で本番なのに、頭の中真っ白で、むしろ逃げ出したい気分。 |
そういえばさ、次の停車駅で降りるんだっけ?何かあった? | いやもう、結婚式のスピーチやるんだよ。会場着くまでに心臓がバクバクしすぎて、ドア開けたらそのまま倒れそう。 |
あれ、今日じゃなかったんですか?予定を間違えたとか? | 一週間も早く来ちゃって、玄関で気まずかったよ |
何時に来るって言われてたんですか? | 来週って聞いてたはずなのに、もう恥ずかしすぎる |
ねえ、カラオケのあの曲、サビのとこ思いっきり間違えて歌ってなかった? | あっはは…もうやめてよ、あれマジで死ぬかと思った。みんなの前で堂々とやってた自分が恥ずかしすぎて、今でも洗濯機の前で思い出し笑いというか泣きそうだよ |
お父さん、カラオケで歌詞間違えた話、まだ引きずってるの? | 引きずってるっていうか…あの後、自分の歌声が頭の中でリピートしてさ。なんであんなに自信満々だったんだろうね、今思うと地面に穴掘って入りたいわ |
それで?課長の奥さん、本当に来たんだって? | 来た来た。しかもスリッパ持参で。 |
まさかあの新入社員、部長に直談判したってマジ? | マジマジ。しかも文書で。 |
そういえば、昔お前の娘さんがスーパーで店長に向かって叫んだ話、覚えてる? | ああもう、あれは最悪だったよ。今日も全く同じパターンで、しかも今回は値引きシール貼ってる店員さんに向かって「パパよりでかい!」って大声でさ。 |
前に聞いたあのスーパーの話、うちの子も同じようなことやったんだけどさ、お前んとこはどうだったっけ? | それが今日またやらかしてね。でかい声で「ママ、あの人お尻でかい!」って、まさに老夫婦の横通った瞬間でさ、もう穴があったら入りたかったよ。 |
そういえば、前に引っ越しの手伝いに行った時、君って洗濯物をちゃんと畳まない派だったよね?今はどう? | あの時はまだ余裕があったんだよ。今はもう畳む気力すらなくて、乾いたやつをそのまま山にしてる |
覚えてる?この前海で貝殻拾ってるとき、子供たちが砂で遊んでるの見て微笑ましそうにしてたじゃん。あの子たち、今は二人とも風邪ひいてさ。 | あの頃はまだ笑えてたんだよな。今は洗濯物の山が遺跡みたいになってて、もう何がなんだかわからん |
あの、さっき何か懐かしそうにため息ついてたけど、何かあったの? | 昔の手紙の束が出てきてさ。あの子とのやり取り、もう50年も前なんだなって。葉っぱのしおりが挟んであって、それだけでその頃の匂いが蘇ってきたよ。 |
机の上の古い箱、何か大事なものでも入ってるの? | 子供の頃一緒に遊んでた子からの手紙だよ。まさかこんな所で見つかるなんてな。最後に会ったのはいつだったか、もう思い出せないけど、字だけははっきり覚えてる。 |
そういえばさ、この前の花見の時、あんたが『宇宙の真理』って言い出して、みんなで笑ったの覚えてる? | ああ、あの時はマジでヤバかった。今でも夜中にふと『人間って何なんやろ』って考え始めて、気づいたら3時間経ってるわ。 |
昔、夏祭りで屋台の金魚すくい、あんたが破った網の数、覚えてる?あれ見て『人生って無駄の連続やな』って言ったこと、今でもたまに思い出すよ。 | あれな、あの時は本気で金魚すくいに人生の真理を見た気がしたんや。今でも1時とかにソファで同じようなこと考えてるわ。 |
今日も残業?顔色やばいよ | もう何日連続かすら覚えてない |
ここで寝るつもり?電車来るよ | 来ても乗る気力がない |
待ち時間に何して遊んでるの? | カフェでアイスコーヒー舐めるように飲みながらさ、隣のテーブルのカップルの会話をこっそり盗み聞きしてる。彼女が『またLINEの既読つかないんだよ』って愚痴ってて、あー俺も同じこと言われたことあるなって。自虐的に笑っちゃうわ。まあ、暇つぶしには最高だよね。 |
その店、なんか変わったことあった? | レジのねーちゃんがさ、やけにテキパキしてて、逆にこっちが焦るんだよね。『ポイントカードお持ちですか?』って聞かれて、探してるフリしてるけど、実はカバンの中ぐちゃぐちゃで見つからない。もういいや、ポイントなんて貯まらなくてって開き直りつつ、なんか自分に腹立つ。いつもこんな感じで時間だけが過ぎていくよ。 |
それで、その時の犬の様子ってどんな感じだったの? | まじでバカすぎて愛おしい |
え、何やらかしたのその子? | 落ち葉に吠えてただけ |
あの香水の匂い、一瞬で何か思い出したみたいだったけど、何の匂いだったの? | もうね、レジに並んでる後ろの人がつけてた匂いがさ、うちのばあちゃんの部屋にずっと漂ってたコロンにそっくりだったんだよ。歳とってからよくつけてたやつで、もう二十年以上前の話なのに、鼻がそれをキャッチした瞬間に脳みそがタイムスリップしちゃってさ。なんでこんな駐車場で泣きそうになってるんだろうって自分でも笑っちゃうよ。まあでも、あの頃はあの匂いがうざったかったけど、今思えばばあちゃんがいつもそばにいてくれた証拠みたいなものだったんだな。 |
急に車の中で黙り込んじゃったけど、今何考えてたの? | ごめんごめん、ついね、昔のことを思い出しちまったんだよ。さっきスーパーのレジで並んでる時にさ、後ろの知らないおばさんがつけてた香水が、もう亡くなったうちの祖母の部屋の匂いと寸分違わなかったんだ。あの人はもう十五年も前にいなくなったのに、たった一瞬の匂いでこんなに鮮明に蘇ってくるなんて、人間の記憶ってほんとおかしなもんだよ。でもさ、ああいう懐かしさって、胸がぎゅっとなるけど悪くないもんだな。 |
そういえば、三年前に書き始めたあの小説、最初の数ページを送ってくれた時に『今回は違うんだ』ってすごく興奮してたけど、あれってまさか完成したの? | 今日の朝方にね、最後の一文を打ち込んだんだよ。三年前、君に見せたあの冒頭、あれから何度も何度も書き直して、何度も諦めかけて、でもやっと…やっと終わったんだ。地下鉄のホームに立ってる今もまだ実感がなくて、手が震えてるんだよ。だってほら、あの時君に『絶対に書き上げる』って約束しただろう?それを今日、果たしたんだ。 |
あの日、君が『どうしても書きたい話がある』って言って、それで新しいノートを買ったのを覚えてるよ。そのノート、今はどうなってる? | そのノートか…最初のページはもうボロボロで、コーヒーの染みがついてて、端っこは折れまくってるんだ。でもね、そのノートが最後まで埋まったんだよ。三年前はただの白いページだったのに、今は全部、言葉で埋まってる。それを考えると、もう胸がいっぱいで、なんかこう、電車が来ても乗るの忘れそうになるくらい、嬉しいんだ。 |
新しい街、もう一週間経ったけど、なんか慣れないって顔してるね | うん…駐車場の車の中にいるんだけどさ、外の音が全部デカくて逆に虚しいんだよね。朝起きてからずっとこんな感じ |
さっき電話出たとき、声がすごく小さかったけど、もしかしてまだベッドの中? | そうそう、布団の中で丸まってた。街中がうるさすぎて、なのに自分だけポツンとしてる気がしてさ、なんか泣きそうになった |
で、その噂って本当だったの?なんか聞いたんだけどさ、詳しく教えてよ。 | あのね、まじで笑っちゃうんだけど、田中さんが会議中にうっかりメール送っちゃったらしくてさ。内容がさ、『この企画、部長が無理やり通そうとしてるけど絶対無理だよね』って直属の後輩に送るつもりが、なぜか部長本人に直接行っちゃったんだって。そのあと部長の机の前で平謝りしてて、課中みんな見てたんだけど誰も助けに入れなくて、でもちょっとだけ笑い堪えるのに必死だったわ。 |
え、マジで?それどういう経緯でバレたの?俺、その話初めて聞いたんだけど。 | ほんとほんと、しかもね、そのメール、送信取り消ししようとしたらしくて、必死にボタン連打してたんだって。でも取り消しできなくて、部長が会議中にスマホ見て『これどういうことだ』って声に出しちゃったんだよ。で、田中さんは席に戻ってからずっとパソコンに顔埋めてて、隣の席の佐藤さんがこっそり差し入れのお菓子置いてあげてたの。なんかもうドラマみたいだよね、見てて可哀想だけどちょっと面白かった。 |
それで、今日も結局ハイキングコースに連れてきたの? | もう息が詰まりそうでさ |
ずっと家にいない日って、いつぶりなの? | 覚えてない、三ヶ月くらい? |
どうしたの、急に飛び跳ねて | 待って聞いて、あのバンドのライブの、もう最前列の席が取れたの!マジで声出そうになったわ |
それで、その店員さん、笑ってたって本当? | 二度も間違えて笑うって、どういう神経してんだか。 |
まさかそのまま帰ってきたの? | 金払って出てきたよ。二度と行かない。 |
猫が蛇を連れてきたんだけど、どうしたらいいかな | マジで信じらんない… |
リビングに生きた蛇がいるんだけど、どうする? | ママ、助けてマジで無理 |
その匂い、なんだか懐かしい感じがするけど、何作ってるの? | ああ、これね、父が日曜の朝によく作ってくれたハッシュブラウンみたいなやつ。玉ねぎとじゃがいもを細かく刻んで、あのちょっと焦げるまで焼くんだよ。今思うと、あの匂いがするだけで、なんかリビングで一緒にテレビ見てたあの時間がぶわってよみがえってくるんだよね。ちゃんとレシピとかないから、味も形も全然違うけど、でもなんか、やってみたくなっちゃってさ。 |
日曜に作ってたって、何か特別な思い出があるの? | そうなんだよ。小さい頃、日曜って決まって父がキッチンに立ってて、僕はまだパジャマのままで、油の弾ける音を聞きながら宿題やってたの。今は一人暮らしで、自分でその真似事してるけど、あの頃の空気感とか、父が鼻歌歌ってたメロディーとかが全部よみがえるんだ。もう戻れない時間だってわかってるのに、それでもまた味わいたくなっちゃうんだよね。 |
三回連続でドタキャンって、もう伝説級じゃない? | マジでさあ、次は前日に「明日行けなくなった」ってラインが来るんだろうなって準備してたのに、まさか当日の三時間前とか来るとは思わなかったよ |
その友達、もうスケジュール帳に「ドタキャン」って書き込んでるんじゃない? | いやもうこっちも学習したからさ、予定の三十分前に「今日大丈夫?」って確認のライン入れようか本気で考えてるんだよね |
カラオケのあと、なんか妙に静かだったけど、何かあったの? | もうね、サビのとこでガチで間違えて歌ってさ。みんな一瞬固まって、それから笑い堪えてる感じ。最悪。 |
さっきのカラオケ、一曲目から飛ばしてたけど、まさか歌詞間違えてなかった? | ばれた?あれ、絶対合ってると思ってデカい声出したのに。今思い出しても顔から火出そう。 |
そのパーカー、まだとってあったんだね。なんか色、随分くすんでない? | 洗濯しすぎて元のグレーがもうね、どっちかわかんないくらい。でも捨てるに捨てられなくてさ。襟のとこ、擦り切れてるだろ。あの頃はこれを着てればなんか守られてる気がしてたんだよな。今思うと恥ずかしいけど、あのバカだった自分が愛おしくもあるんだよね。 |
引っ越しの時とか、何度か処分しようと思わなかった?その分厚いパーカー、結構場所取るじゃん。 | 思ったよ、何度も。でもなんかね、広げた瞬間にキャンパスのあの匂いがした気がして。ああ、図書館のあの角っこでよく寝てたなあって。教科書で枕作ってさ。今じゃ考えられないよ、あんな自由な時間。もう二度と戻れないし、戻りたくもないけど、ちょっと切なくなるんだよな。 |
あの、すみません、さっきのミーティングでいびきかいてたの、あなたじゃないですか? | ああ、やっぱり聞こえてたか。まじで最悪だよ。隣の課長が肩トントンして起こしてくれたんだけど、その瞬間の空気がもうね… |
ちょっと聞いていいですか、会議中にいびきって、周りどんな反応でした? | うん、一瞬静まり返って、それから若い子がくすくす笑い出してさ。もう穴があったら入りたいってああいうことだよね。50にもなってこれかよって自分でも呆れるわ |
ベランダで何見てるの?鳥でもいる? | 鳥どころか誰とも話してない一週間だよ |
午前中から電話してないで散歩でも行けば? | 散歩しても結局独り言だけなんだよな |
その古い写真、また見てるの?そんなに何度も見るとフィルムが擦り切れちゃうよ | 十年も前なのに、色がまだ鮮やかでさ |
その頃の自分、若すぎて笑えるでしょ? | 髪型が今より全然元気だね |
あれ、どうしたの?こんな時間に公園で座り込んで。 | 引っ越しの荷造りしてたら途中で全部がどうでもよくなっちゃってさあ。ダンボール10箱くらい開けたままリビングに放置して、気づいたら外に飛び出してた。自分で決めたことなのに、もう何が何だかわけわかんなくて。毎回これだよ、私の人生って。 |
なんかあった?顔色がすごく悪いけど。 | もうね、ダンボールの山と対峙してたら急に涙が出てきて。テープカッターも見つかんないし、何がどこにあるのかも覚えてないし。自分がここ数年、物を増やすことだけに必死だったんだなって実感して、すごく虚しくなったの。セラピストの友達に『全部捨てろ』って言われたけど、そんな簡単に割り切れないじゃん?でももう手も動かないし、頭も回らない。 |
そういえば、前にネットで話してた時、君が『書類はすぐに開くな』って言ってたじゃん。あれ、まさか今回のことで言ってたの? | ああもう、まさにそれ。今朝5時にメールが届いてて、弁護士事務所からって件名見た瞬間、なんか嫌な予感したんだよね。開く前に一度コーヒー飲んで深呼吸したけど、まだ開いてない。だってさ、俺、何かやらかした記憶ゼロなのに、こういうのって絶対ロクなことないじゃん。パソコンの画面見るたびに心臓バクバクして、もう仕事どころじゃないよ。 |
前に君が『連絡来るのが怖い』って言ってたの、覚えてる?まさかあれが今回の予言だったりする? | はは、やっぱ覚えてたか。あの時は冗談混じりだったけど、まさか現実になるとはね。今朝の4時半に起きて、なんとなくスマホ見たらそのメールが届いててさ、一気に目が覚めたよ。開封済みにする勇気がなくて、放置したままコーヒーだけ飲んでる。でもな、この待ってる時間が逆に怖くて、手が震えてるんだよ。早く開けたいけど、開けたら終わりって気がして、もうどうしていいかわかんない。 |
まさか海外のガソスタで元カレに会うなんて、これからどうしたらいいと思う? | もうびっくりして声も出なかったよ。まさかあいつが海外にいるなんて思わないじゃん。まだ心臓バクバクしてる。 |
あの元カレにバッタリ会っちゃったんだって?次にどう動くか、ちょっと相談に乗ってよ。 | だってさ、お互い一瞬固まっちゃって、何も言えなかったんだよ。本当に夢かと思った。まだ信じられないな。 |
そのレシピ、お父さんのやつって言ってたけど、どんな感じなの? | うーん…玉ねぎをじっくり炒めて、飴色になるまで待つんだよ。父は日曜の朝、キッチンに立って、焦げそうになりながらも、ずっと混ぜてた。その匂いがすると、なんかもう、あの頃の空気が蘇ってくるんだよね。自分で作ると、どうしても味が違う気がしてさ。 |
へえ、お父さんの料理って特別だよね。他に思い出とかある? | ああ、そうなんだよ。鍋の底に残ったソースを、最後にパンで拭って食べるのが、父の癖だった。俺が真似してやると、よく笑われたっけ。今、同じことをしてる自分に気づいて、なんか胸の奥がぎゅっとして…。味は再現できてないのに、手の動きだけは覚えてるんだなって。 |
月曜朝のミーティング、なんとか乗り切る方法ないかな | もうずっとコーヒーだけで動いてて、手が震えてるんだけどさ…今、頭の中が真っ白で、何を話せばいいか全然整理できてない。昨日の夜もパニックで全然寝られなくて、気づいたら朝の4時だったし。このまま会議に行ったら、多分何も言えずに終わる気がする。 |
明日の朝、どうやって自分を落ち着かせたらいいと思う? | あー…もう本当に限界で、スマホ見るたびに通知が怖いんだよね。なんか、頭の中で考えがぐるぐる回ってて、一歩も進めない感じ。今、犬の散歩中なんだけど、犬の方が元気でさ、自分が情けなくなってくる。とりあえず、このまま走って逃げ出したい気分だけど、現実は待ってくれないしな… |
なんでこんな時間にドッグランなんか来てるの? | もうメールが頭から離れなくて |
部屋でやってた仕事、どうしたの? | 全部投げ出してきた |
もうすぐ三時だよ、こんな時間まで何してたの? | 終わったんだよ、三年かけて書いてた小説。最後の一行、さっき書き終わった。こんな夜中にひとりでガッツポーズしてる自分がちょっと笑える |
あら、随分いい顔してるけど、なんかあった? | 三年かけて書き上げたんだ、あの小説。ついに完成。表紙のイメージが頭の中に浮かんで離れなくて、もう嬉しさで頭がパンクしそうだよ |
もう文字が踊って見えるってやつ? | 踊るどころか、もはや別の言語だよ |
そんな時間までやってて、まだ頭動くの? | 動かないし、むしろ逆回転してる |
父さんと母さん、今日記念日だって言ってたけど、何か特別なことしたの? | うん…いや、別に派手なことはしてないんだけどさ。夕方ちょっとだけ二人で散歩に出てって、帰ってきたら母さんがキッチンで父さんの好きな煮物作ってて、父さんが後ろから覗き込んで『いい匂いだな』って…ああいうの見ると、なんかもう、やってられないっていうか、胸の奥がじんわりして。結婚して何十年経ってもあれなんだよなあ…子供の頃は全然わかんなかったけど、今はあの空気が宝物みたいに感じるんだよなあ |
それで、君から何かプレゼントとか贈ったんじゃないの? | いやそれがさ、特に何も用意できなくて。仕事帰りに駅前の花屋で小さい花束だけ買って、帰って『はい』って渡したら、母さんが泣きそうな顔して笑ってくれて、父さんが横で『俺も欲しい』って言って…もうほんと、あの二人を見てるとこっちが照れるよ。普段は喧嘩もするし、口うるさいって思うこともあるけど、今日みたいな日はやっぱり、この二人の子でよかったなって思うんだ。変かな |
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