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馬車のことや、草刈り、マッサージの術理具はそろそろ名前が売れてきている。そこに僕とコミエ村が絡んでることも。四大術の方はちょっと言えないこともある。魂倉の部屋や呪文書はアラン様に口止めされてる。でも、術の改良や引数の考え方は応用できるところがある。 |
黒剣団の四大術師ロブさんも僕からヒントを得て助かったって言ってた。 |
「しかし、僕はコミエ村の神殿の預かり子です。いつかはコミエ村に帰りますし、あの辺りは物騒です。戦う力があるに超した事は無いです」 |
「そうか。しかし、ソロか。サウルは探索術やその系統のスキルは無いのだよな?」 |
「ええ」 |
「それでは上に上がるのは中々難しいぞ?」 |
ゴードンさんが言うのも分かる。いざとなればロジャーに頼む手も有るけど。それは違う気がするんだ。 |
「それなら私がお役に立てると思います」 |
野生色マントのハンナが口を開いた。 |
「スキルパスは開いてますし、エネルギーも。ますt、えっと、ですからサウルの助けにはなると思います」 |
「そうか、なら良いんだが。パーティ申請はしたのか?」 |
あぁ、組合に提出しておかないと。 |
「いえまだです」 |
「そうか。それで、さっきのならず者だが。領主の館に入ったのをサミーとロブが確認してる」 |
サミーさんは探索術と弓と罠。ロブさんは四大術だけど、山歩きなども得意。二人とも備考なんて朝飯前。 |
「領主様絡みですか? 王都の有力者の部下なんでしょうか? そう取れる発言もありましたし」 |
「そうかもしれない。だが俺たちでは王都の事は分からないからな。力になれず済まないな」 |
「いえ、とんでもないです。気を使って頂いて有り難うございます」 |
その後、キマイラの咆吼の皆さんの姿が見えないので聞いてみると、南方にダンジョンが出来たため、そこに向かっているとのこと。 |
ダンジョン……。 |
ダンジョンって『地下牢』という言葉が元だってコウタロウライブラリが言ってるけど、どこにでも《《生まれる》》。入り口は地下へ向かう階段だったり、宙に浮かぶドアノブだったり様々だけど、その中は地上とは別の場所。 |
迷宮だったり、平野だったり、森だったり。居るのは魔物。稀に幻魔。 |
集落の側に出現した場合、早めに手を打たないと集落が飲み込まれることもある。 |
ダンジョンは、一つ一つに個性があり、油断ならないもの。 |
こうだろう、という、思い込みや常識が罠になる恐ろしい場所だ。 |
だけど、そこを踏破するのが冒険者の花だ。生きて帰れば素晴らしい宝を手にすることもある。 |
そのダンジョンにキマイラの咆吼は向かった、と。街道から少しだけ離れた場所だったので、発見も早く、収束も早いだろうとのこと。 |
なんだかんだ言ってもキマイラの咆吼はアレハンドロの若手では一番と言われるパーティ。ゴードンさんは安心しているみたい。 |
「キマイラの咆吼は階梯こそ5級で俺たちの一つ上だが、実力は既に4級だと思っている。発生したばかりの物のようだし、数日で帰ってくると思うぞ」 |
「ちなみにどの辺りですか?」 |
「王都に向かう街道を10kmくらい行って、そこから森を1時間、だったか」 |
この国の集落は、森の中に浮かぶように出来ているのだそうだ。アレハンドロのような大都市でも、数キロも離れれば森林。 |
森林には魔物も動物も居る。戦う力に乏しい一般人にとっては森は恐ろしい場所なんだ。 |
開墾し、道と集落を作る事で森という化け物と闘う。 |
だから草原や畑は、人類の勝利の証し、みたいなところがある。畑は集落の外に作って、いざとなれば見捨てることになってるけど、それが出来ずに魔物に抵抗して殺される農民さんは多いのだそうだ。 |
森の中へ1時間ということは、狩人か冒険者くらいしか立ち入らない奥地ということになる。多分、猟師さんがみつけたんだろうね。 |
しばらく話しているとゴードンさんは僕が本気なのかどうか心配してたのだなぁと分かったよ。まぁそこは納得して貰って、解散した。 |
さて、組合には申請出さなきゃ。 |
ソロだと特に名前付けなくても良いけど、一応パーティになるからね。 |
【タイトル】 |
050 ポリシーと命名 |
【公開状態】 |
公開済 |
【作成日時】 |
2018-09-05 19:35:19(+09:00) |
【公開日時】 |
2018-09-05 19:35:19(+09:00) |
【更新日時】 |
2018-09-05 19:35:19(+09:00) |
【文字数】 |
3,021文字 |
【本文(126行)】 |
僕は名前を付けるのが苦手なんだ。 |
ホバリングについても1時間くらい悩んでる。フライ、フラップ、エアリアルなどなど。術自体の構築より苦労したくらい。 |
そして僕たちはパーティ名について、考えないといけない。 |
登録は早い方が良い。 |
「ハンナ、何か希望ある?」 |
「美味しいお肉一杯食べたい!はどう?」 |
近くのテーブルで果実水を飲んでたおじさんが霧を吹いた。僕もパーティの名前としては攻めすぎだと思う。 |
「それはパーティ名にはできないなぁ」 |
「じゃぁ肉盛りパスタ」 |
「肉から離れた方が良いと思うよ」 |
パーティ名は、お店の名前、村や町の名前のようなもの。僕たちへのイメージを決めるものだから。 |
「じゃぁサウルは?」 |
もうマスター呼びはしないのかな? と思いつつ。 |
「パーティのコンセプトを決めないといけないね。僕とハンナは前世持ちという共通項があるけど、それは冒険者のポリシーとは関係無いし」 |
「ポリシー……。ハンナはサウルに……。あ、う。ハンナは、機人は。マスターの望むとおりに頑張るから、ポリシーは思い付かない」 |
そのとき、チラリと護符が目に入った。 |
フラム様から貰ったもの。 |
フラム様が言ってた。神は今地上に居ないって。 |
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