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V14N04-02 | 技術のグローバル化が進み,特許情報とその翻訳の重要性が広く認識されてきている.日米欧の特許庁では,情報共有,審査の迅速化の観点から,特許文書の相互利用を目指して三極間の協力が推し進められている.国内においても,人手による翻訳で公開特許公報の英文抄録(PAJ:PatentAbstractsofJapan)が作成されているほか,高度産業財産ネットワーク(AIPN:AdvancedIndustrialPropertyNetwork)が開発され,海外の特許庁において包袋書類(出願人が日本国特許庁に提出した明細書等の書類,及び,拒絶理由通知書等の特許出願の審査に係る書類等)が機械翻訳で英訳された形で提供されるようになった.特許は高度に専門的な... | |
V09N03-04 | \label{sec:introduction}自然言語解析では,形態素解析,構文解析,意味解析,文脈解析などの一連の処理を通して,入力テキストを目的に応じた構造に変換する.これらの処理のうち,形態素・構文解析は一定の成果を収めている.また,意味解析に関しても言語資源が整ってきており,多義性解消などの研究が活発に行なわれている\cite{kilgarriff98}.しかし,文脈解析は依然として未解決の問題が多い.文脈解析の課題の一つに,代名詞などの{\bf照応詞}に対する指示対象を特定する処理がある.自然言語では,自明の対象への言及や冗長な繰り返しを避けるために照応表現が用いられる.日本語では,聞き手や読み手が容易に推測できる対象(... | |
V06N04-06 | 我々が日常行っているような自由な対話では,人はどのようにして対話を進めているのだろうか.人に物を尋ねる,仕事を依頼するなどの明確な目標がある場合には,対話の方針(対話戦略)は比較的たてやすいと思われる.しかしながら,職場や学校での食事やお茶の時間,家庭での団らんの時などのおしゃべり,また様々な相談(合意形成,説得から悩みごと相談まで)では,どのようなが対話戦略が可能なのだろうか.そもそも,そのような対話に「対話戦略」と呼べるようなものは存在し得るのだろうか.このような対話では,個々の参加者が対話の流れを意図的に制御しようとしても,なかなかうまく行かないことが多い.むしろ我々は,対話の流れの中で次々と心に浮かんでくる言葉の断片を発話に... | |
V27N01-01 | 機械学習に基づく言語処理システムは,一般に,訓練に用いたテキストドメインと,実際に運用ないし評価を行うテキストドメインが異なる場合に精度が低下する.この,訓練時と運用・評価時のテキストドメインの異なりによる精度低下を防ぐという課題を,ドメイン適応問題と呼ぶ.以下では,訓練に用いるデータのテキストドメインを適応元ドメイン,運用ないし評価を行うデータのテキストドメインを適応先ドメインと呼ぶ.ドメイン適応が必要になる理由は,端的にいえば,訓練データと評価データが同一分布からのサンプルであるという統計的機械学習の基本的な前提が破られていることにある.このため,最も基本的なドメイン適応手段は,適応先ドメインのアノテーション付きコーパスを訓練デ... | |
V03N01-01 | 文の意味を効率よく適切に理解するためには語義の曖昧性を文脈によって早期に絞り込むことが必要である.通常のボトムアップな手法による意味・構文解析方法では解の探索空間の広がりにより処理の爆発の問題が生じる.また局所的制約のみでは解を絞り切れず,誤った解を出力する問題もある.例としてしばしば引用される次の文\cite{Waltz85}について考えてみる.\begin{eqnarray}`John~shot~some~bucks.'\nonumber\end{eqnarray}shotとbucksの品詞および意味の曖昧性が各々数十通りあるため,数百通りの意味の組合せがあるとされている.しかし,Hunting(狩猟)やGamble(ギャンブル... | |
V03N04-04 | \label{sec:はじめに}照応や省略の問題は,言語学および言語工学の問題として広く研究されている.特に,日本語では,主語が省略される場合が多く,一方,英語では主語が必須であるため,日英機械翻訳において,省略された主語(ゼロ主語)の照応先を同定し,補完することが問題となる.主語を補完せず,受動文に翻訳することも考えられるが,受動文よりは能動文のままの方が望ましい.また,日英機械翻訳の別の問題として,文が長すぎるという問題がある.長い文は,翻訳に失敗することが多く,人手による前処理でも,長文の分割は大きな部分を占めている.この問題に対処する手段として,長文を複数の短文に自動的に分割する自動短文分割がある.しかし,分割された短文には... | |
V10N01-05 | 大量の電子化文書が氾濫する情報の洪水という状況に我々は直面している.こうした状況を背景として,情報の取捨選択を効率的に行うための様々な手法が研究されている.近年,それらの研究の一つとして文書要約技術が注目を集めている.特にある話題に関連する複数の文書をまとめて要約する複数文書要約といわれる技術が関心を集めており,検索技術などと組み合わせることにより効率的に情報を得ることが期待できる.DocumentUnderstandingConference(DUC)\footnote{http://duc.nist.gov}や,TextSummarizationChallenge(TSC)\footnote{http://lr-www.pi.t... | |
V25N05-05 | \label{sec:introduction}ニューラル機械翻訳(NMT)\cite{NIPS2014_5346,Bahdanau-EtAl:2015:ICLR}は流暢な訳を出力できるが,入力文の内容を全て含んでいることを保証できないという問題があり,翻訳結果において入力文の内容の一部が欠落(訳抜け)することがある.欠落は単語レベルの内容だけでなく,節レベルの場合もある.NMTによる訳抜けを含む日英翻訳の翻訳例を図\ref{fig:example}に示す.この翻訳例では網掛け部の訳が出力されていない.内容の欠落は,実際の利用時に大きな問題となる.この他にNMTでは,入力文中の同じ内容を繰り返し訳出してしまうことがあるという問題もあ... | |
V21N03-05 | \label{sec:introduction}これまで,主に新聞などのテキストを対象とした解析では,形態素解析器を始めとして高い解析精度が達成されている.しかし近年,解析対象はWebデータなど多様化が進んでおり,これらのテキストに対しては既存の解析モデルで,必ずしも高い解析精度を得られるわけではない\cite{Kudo:Ichikawa:Talbot:Kazawa:2012j,Katsuki:Sasano:Kawahara:Kurohashi:2011j}.本稿では,そうしたテキストの一つである絵本を対象とした形態素解析の取り組みについて述べる.絵本は幼児の言語発達を支える重要なインプットの一つであり\cite{Mother-ch... | |
V20N05-02 | \label{sec:intro}情報抽出や文書要約の分野において情報の可視化を目的として,テキスト中に出現する事象表現の表す事象が発生した時区間\modified{(TimeInterval)}を時間軸\modified{(Timeline)}上に写像することが行われている.このため\modified{には},テキスト中に出現する時間情報表現の正規化(時間軸への写像)のみならず,対象となる「文書作成日時と事象表現」や「時間情報表現と事象表現」,「二つの事象表現」間の時間的順序関係を付与することが必要になる.\modified{英語においては哲学者・言語学者・人工知能研究者・言語処理研究者が協力して時間情報を含む言語資源の整備を進め... | |
V10N03-01 | \label{sec:intro}語義曖昧性解消(WordSenseDisambiguation,以下WSD)は機械翻訳,情報検索など,自然言語処理の多くの場面で必要となる基礎技術である\cite{ide:98:a}.SENSEVALはWSDのコンテストであり,WSDの共通の評価データを作成し,その上で様々なシステム・手法を比較することによってWSDの研究・技術を向上させることを目的としている.SENSEVALは過去2回行われている.第1回のSENSEVAL~\cite{kilgarriff:00:a}は1998年夏に,第2回のSENSEVAL-2~\cite{senseval2:00:a}は2001年春に行われた.SENSEVAL... | |
V09N01-04 | \label{sec:intro}これまで,機械学習などの分野を中心として,複数のモデル・システムの出力を混合する手法がいくつか提案され,その効果が報告されている.それらの成果を背景として,近年,統計的手法に基づく自然言語処理においても,複数のモデル・システムの出力を混合する手法を様々な問題に適用することが試みられ,品詞付け~\cite{vanHalteren98a,Brill98a,Abney99a},名詞句等の句のまとめ上げ~\cite{Sang00a,TKudo00ajx},構文解析(前置詞句付加含む)~\cite{Henderson99a,Abney99a,KoInui00aj,Henderson00a}などへの適用事例が報... | |
V20N03-02 | \begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{20-3ia2f1.eps}\end{center}\caption{情報抽出器作成までの流れ}\end{figure}震災時にツイッターではどのようなことがつぶやかれるのか,どのように用いられるのか,また震災時にツイッターはどのように役立つ可能性があるのか.震災当日から1週間分で1.7億にのぼるツイートに対し,短時間で概観を把握し,今後の震災に活用するためにはどうすればよいかを考えた.全体像を得た上で,将来震災が発生した際に,ツイッターなどのSNSを利用し,いち早く災害の状況把握を行うための,情報(を含むツイート)抽出器を作成することを... | |
V23N02-02 | 近年,ビッグデータに象徴されるように,世の中のデータ量は飛躍的に増大しているが,教育分野ではそれらのデータをまだ十分に活用している状態には至っていない.例えば,Lang-8というSNSを利用した言語学習者のための作文添削システムがある.現在,このウェブサイトは600,000人以上の登録者を抱えており,90の言語をサポートしている.このサイトでは,ユーザーが目標言語で書いた作文を入力すると,その言語の母語話者がその作文を添削してくれる.このウェブサービスにより蓄積されたデータは,言語学習者コーパスとして膨大な数の学習者の作文を有している\footnote{http://lang-8.com}.それらは言語学習者コーパスとして調査や研究... | |
V08N04-02 | \label{sec:intro}ある程度の長さの文章は,一般的に,複数のトピックからなる.そのような文章を切り分けて,それぞれの切り分けた部分が一つのトピックになるようにすることを,テキスト分割と呼ぶ.テキスト分割は,情報検索や要約などにおいて重要である.まず,情報検索においては,文書全体ではなく,ユーザの検索要求を満す部分(トピック)だけを検索した方が効果的である\cite{hearst93:_subtop_struc_full_lengt_docum_acces,salton96:_autom_text_decom_using_text,mochizuki2000}.また,要約においては,長い文書をトピックに分ければ,それぞれ... | |
V25N02-03 | \label{sec:introduction}難解なテキストの意味を保持したまま平易に書き換えるテキスト平易化は,言語学習者や子どもをはじめとする多くの読者の文章読解を支援する.近年,テキスト平易化を同一言語内の翻訳問題と考え,統計的機械翻訳を用いて入力文から平易な同義文を生成する研究\cite{specia-2010,zhu-2010,coster-2011b,coster-2011a,wubben-2012,stajner-2015a,stajner-2015b,goto-2015}が盛んである.しかし,異言語間の機械翻訳モデルの学習に必要な異言語パラレルコーパスとは異なり,テキスト平易化モデルの学習に必要な単言語パラレルコー... | |
V14N03-05 | 日常生活の様々な体験において,その体験の素晴らしさを表現する言葉として,『感動』という言葉がしばしば用いられる.感動とは,『美しいものや素晴らしいことに接して強い印象を受け,心を奪われること』(大辞林\cite{Book_103})とあるように,体験に対する肯定的な評価であると共に,記憶の定着や感情の喚起を伴った心理状態の大きな変化である.そして,感動するような体験には,人のやる気を高めたり,価値観を変えたりするなどの効果があるといわれている\cite{Article_007}.また,このような感動を引き起こす対象としては,マスメディアが提供するドラマや映画,音楽などの割合が高いとされる\cite{Web_401}.本研究の目的は,... | |
V10N04-10 | \label{sec:intro}日英対訳コーパスは,機械翻訳などの自然言語処理において必要であるばかりでなく,英語学や比較言語学,あるいは,英語教育や日本語教育などにとっても非常に有用な言語資源である.しかしながら,これまで,一般に利用可能で,かつ,大規模な日英対訳コーパスは存在していなかった.そのような背景の中で,我々は,比較的大規模な日本語新聞記事集合およびそれと内容的に一部対応している英語新聞記事集合とから,大規模な日英対訳コーパスを作ることを試みた.そのための方法は,まず,内容が対応する日本語記事と英語記事とを得て,次に,その対応付けられた日英記事中にある日本語文と英語文とを対応付けるというものである.ここで,我々が対象と... | |
V09N04-01 | 近年,Internet上の検索エンジンなど,情報検索システムが広く利用されるようになってきた.システムが提示する検索結果には,文書の表題やURIだけではなく,対応する文書の内容を示す短い要約文書が併せて提示されていることが多い.これは,利用者に対して要約文書を提示することが,原文書が実際に利用者の欲するものかを判断する際に有力な手掛かりとなるためである.この際,情報検索結果文書に対する要約の質の良さは,要約文書-検索質問間の関連性判定と原文書-検索質問間の関連性判定の一致の良さで測ることができよう.しかしながら,現在実用に供されている多くの検索エンジンでは,原文書の最初の数バイトを出力したり,検索要求文に含まれる語の周囲を提示すると... | |
V08N01-03 | \label{sec:intro}現在,統計的言語モデルの一クラスとして確率文脈自由文法(probabilisticcontext-freegrammar;以下PCFG)が広く知られている.PCFGは文脈自由文法(context-freegrammar;以下CFG)の生成規則に確率パラメタが付与されたものと見ることができ,それらのパラメタによって生成される文の確率が規定される.しかし,すべてのパラメタを人手で付けるのはコストと客観性の点で問題がある.そこで,計算機によるコーパスからのPCFGのパラメタ推定,すなわちPCFGの訓練(training)が広く行なわれている.現在,構造つきコーパス中の規則出現の相対頻度に基づきPCFGを訓... | |
V09N03-07 | 近年,テキスト自動要約の研究が活発化するとともに,要約の評価方法が研究分野内の重要な検討課題の一つとして認識されてきている.これまで提案されてきた要約の評価方法は,内的な(intrinsic)評価と外的な(extrinsic)評価の2種類に分けることができる\cite{Sparck-Jones:1996}.内的な評価とは,システムの出力した要約そのものを,主に内容と読みやすさの2つの側面から評価する方法である.一方,外的な評価とは,要約を利用して人間がタスクを行う場合の,タスクの達成率が間接的に要約の評価となるという考え方に基づいて評価を行う方法である.本研究では,近年活発にその評価方法が議論され,改良が試みられている内的な評価,特... | |
V15N04-03 | \label{hajimeni}近年,統計的言語処理技術の発展によりテキスト中の人名や地名,組織名といった固有表現(NamedEntity)を高精度で抽出できるようになってきた.これを更に進めて,「福田康夫(人名)」は「日本(地名)」の「首相(関係ラベル)」であるといった固有表現間の関係を抽出する研究が注目されている\cite{brin1998epa,agichtein2000ser,hasegawa2004dra,zelenko2003kmr}.固有表現間の関係が抽出できれば,テキストからRDF(ResourceDescriptionFramework)で表現される様な構造化データを構築することが可能となる.この構造化データを用い... | |
V07N03-02 | \label{sec:Introduction}自然言語処理は文中の多義の要素の曖昧性を解消する過程といえる.高品質の自然言語処理システムの実現には,辞書中に曖昧性解消のために必要な情報を適切に記述しておくことが必須である.本論文は,どのようにして異なった構文構造から同じ意味表現を生成するか,また,どのようにして意味的に曖昧な文から,それぞれの曖昧性に対応する意味表現を生成するかに焦点を当てて,日本語の連体修飾要素の振る舞いの取り扱いを論ずる.これらの問題の解決に向けて,連体修飾要素の形式的記述法を確立するために,生成的辞書の理論\cite{Pustejovsky95,Bouillon96}を採用し,拡張する\cite{Isahar... | |
V12N05-05 | 我々は,人間と自然な会話を行うことができる知的ロボットの開発を目標に研究を行っている.ここで述べている「知的」とは,人間と同じように常識的に物事を理解・判断し,応答・行動できることであるとしている.人間は会話をする際に意識的または無意識のうちに,様々な常識的な概念(場所,感覚,知覚,感情など)を会話文章から判断し,適切な応答を実現しコミュニケーションをとっている.本論文では,それらの常識的な判断のうち,時間の表現に着目し研究を行っている.例えば,「もうすっかり葉が散ってしまいましたね」という表現に対して,人間であれば「秋も終わって冬になろうとしている」ことを理解し,「もう少ししたら雪が降りますね」などのように,自然なコミュニケーショ... | |
V16N01-01 | label{sec:first}係り受け解析は日本語解析の重要な基本技術の一つとして認識されており,これまでに様々な手法が提案されてきた\cite{Kurohashi:94,SShirai:95,fujio_97,haruno,uchimoto_99,uchimoto_2000,kudo_2000,Kudo:2002,matsubara,Kudo:2004,Kawahara:naacl2006,Ohno:coling-acl2006}.しかし,そのほとんどは書き言葉を対象としたものであった.これに対し,本研究では,話し言葉,特に『日本語話し言葉コーパス(CSJ)\cite{furui}』のような長い独話を対象とする.ここでCSJとは... | |
V02N01-04 | 文章(文献)の執筆者の推定問題(authorshipproblem),あるいは執筆順序の推定や執筆時期の推定などの問題(Chronology)に対して,文章の内容や成立に関する歴史的事実の考証とは別に,文章から著者の文体の計量的な特徴を抽出し,その統計分析によって問題の解決を試みる研究が多くの人々に注目をあつめつつある.統計分析の手法を用いた文章の著者の推定や執筆の時期の推定などの研究は今世紀の初頭から行なわれていたが,本格的な研究が現れたのは今世紀の中ごろである.研究の全体像を把握するため今世紀の主な研究を表\ref{rri}に示した.\begin{table}[htb]\caption{{\dg著者の推定などの研究のリスト}\l... | |
V06N06-01 | 電子化されたテキストが世の中に満ち溢れ,情報洪水という言葉が使われるようになってからかなりの歳月を経ている.しかし,残念ながら,我々の情報処理能力は,たとえ処理しなければならない情報が増えたとしても,それほど向上はしない.そのため,自動要約技術などにより,読み手が読むテキストの量を制御できることが求められている.また,近年情報検索システムを利用する機会も増えているが,システムの精度の現状を考慮すると,ユーザは,システムの提示した候補が適切なものであるかどうかをテキストを見て判断せざるを得ない.このような場合,要約をユーザに提示し,それを見て判断を求めるようにすると,ユーザの負荷を減らす支援が行なえる.自然言語処理の分野では,近年頑健... | |
V13N03-10 | 敬語は日本語の重要な特徴の一つとされており,日本語の敬語は単に依頼,要求あるいは人を示す代名詞において見られるだけでなく,言語体系,及び言語行動のほぼ全般にわたって発達している.このような特徴を持つ言語は日本語以外では,韓国語,チベット語,及びジャワ語等世界中に少数しか見られない\cite{Hayashi1974}.ところが現代の日本社会において,日本語の敬語に関する様々な誤用が指摘されてきている\cite{Kikuchi1997,Ishino1986}.日本社会における敬語の誤用は,言語によるコミュニケーションを通じた社会的人間関係の構築を妨げる場合がある.特にビジネスの場面における敬語の誤用は,時として円滑なビジネスを進める上で... | |
V13N03-09 | \label{sec:hajimeni}\subsection{背景}インターネットの普及により,インターネット上に膨大でかつ多種多様なテキスト情報が蓄積されるようになって久しい.インターネット上の膨大なテキスト情報を扱うための技術として,テキスト検索,自動要約,質問応答等さまざまな知的情報アクセス技術に関する研究が活発化しているが,同様にインターネット上の多様なテキスト情報のうち,これまであまり研究対象とされてこなかったものを扱うための技術も研究が活発化してきている.これまで研究対象とされてきたテキスト情報は,新聞記事,学術論文に代表されるように,事実を記述するものがほとんどであった.それに対し,チャット,Web掲示板,Weblo... | |
V13N01-05 | \label{sec:introduction}英日機械翻訳システムなどの対訳辞書を拡張するための手段の一つとして,対訳コーパスなどから語彙知識を自動的に獲得する方法が有望である.適切な語彙知識を獲得するためには,(1)対訳コーパスにおいて英語表現と日本語表現を正しく対応付ける処理と,(2)対応付けられた{\EJP}を辞書に登録するか否かを判定する処理の二つが必要である.後者の処理が必要な理由は,対応付けられた{\EJP}には,辞書に登録することによって翻訳品質が向上することがほぼ確実なものとそうでないものがあるため,これらを選別する必要があるからである.例えば,対訳コーパスから次のような{\EJP}の対応付けが得られたとする.\b... | |
V07N04-10 | 近年の音声認識,および機械翻訳の性能向上に伴い,これらの統合である音声翻訳システムの実現を目指した研究活動が活発に行われている\cite{Waibel1996}\cite{Stede1997}\cite{Carter1997}\cite{Sumita1999}\cite{NEC2000}.音声認識,機械翻訳などの各要素技術の性能向上だけでは,システム全体の性能の向上に限界がある.特に,音声認識結果は誤りを含む可能性が依然として高く,このような誤り含みの認識結果を適切に翻訳することは重要な研究課題の一つである.音声認識と文字認識を用いる言語処理には,認識誤りに対する頑健性の確保という共通の課題がある.文字認識の分野では,認識結果に対す... | |
V08N04-01 | 本論文では,{\bf了解}の語用論的な分析を行う.語用論的な分析を可能にするために言語行為論の拡張を行い,それに基づいて{\bf了解}の分析を行う.了解の類義語として理解・納得などがある.理解は比較的浅い了解,納得は比較的深い了解を指すものであり,これらは了解の一形態である.本論文では,\begin{enumerate}\item一般に使われている了解\item理解\item納得\end{enumerate}\noindentのすべてを包含する用語として,{\bf了解}を用いることとする.了解は,様々な形態で顕現しうる.我々は,了解の顕現形態を図\ref{response}のように分類・定義する.すなわち,主として言語一文節による了... | |
V06N01-01 | 日本語対話文における格要素の省略補完について述べる。主語や目的語などの表示が義務的でない日本語の言語処理においては、これら省略される\footnote{そもそも省略ではなく非存在とする解釈もあるが、ここでは格要素が明示されていないものすべてを「省略」と呼び、本論文の研究対象とする。}格要素を補う処理が重要である。格要素の省略は日本語に特有の現象ではなく、例えば韓国語、中国語などにも認められる。これら省略のある言語から英語やドイツ語など必須格を持つ言語への翻訳処理を行なう際には、補完処理(省略内容の推定処理)は重要な処理となる。また情報検索など、自然言語処理に関係する他の問題においても、省略補完処理は必要となる。省略された内容は、言語... | |
V06N02-02 | 音声認識・文字認識の精度向上のため,より高い性能を持つ言語モデルを求めることは重要である.近年は,モデル構築やメンテナンスの容易さの点から,コーパスに基づく統計的言語モデルの研究が盛んである.大語彙ないしタスク非依存のシステムのための統計的言語モデルとして今日もっとも有望視されているものに,$n$-gramが挙げられる.$n$-gramは大量のテキストコーパスからの単純な数え上げによって得られる統計量であり,強力かつ頑健性に優れている.英語などのヨーロッパ系言語においては,$n$-gramの単位として単語を用いることが多い.大語彙のシステムでは単語はカテゴリ数が非常に大きくなるため,単語の代わりに品詞を用いる\cite{nagata... | |
V12N03-05 | label{intro}照応現象に関する理論のうち,最も広く論じられているのは中心化理論(centeringtheory)である.中心化理論は,注意の中心,照応,結束性の間の相互作用を説明している.しかし,照応現象等の背後にある基本原理を明らかにするものではない.もし中心化理論の背後に何らかの基本原理が存在するならば,それは談話における発話者と受話者の行動決定を説明する原理であろう.その基本原理は,客観的に計量可能な尺度に基づいて述べられるべきである.しかし,中心化理論において重要な役割を担っている顕現性(salience)という概念は,客観的に計量可能な尺度として定式化されていない.顕現性とは,人間の注意状態に関連する何らかの尺度... | |
V15N05-03 | label{hajime}インターネットの拡大により大量の文書情報が入手可能となった現在において,ユーザが自分の望む情報を手早く手に入れるための要素技術として要約が重要となってきている.近年の自動要約の研究では新聞記事や論説文,議事録,特許文書を対象とするものが多い.こうした文書は論理的な構造を持つため,その文書構造を利用した要約手法が提案され,一定の成果が上げられている\cite{yamamoto1995,hatayama2002}.一方で,より多くの人がインターネットを使うようになり,Web上で多くの文芸作品が公開され,自由に読むことができるようになった.さらに,著作権の切れた文学作品を電子テキスト化し公開している青空文庫\fo... | |
V13N04-03 | \label{sec:intro}我々の物の理解の仕方に関する知識は多くの自然言語処理タスクにおいて重要である.物をどのような観点から理解するかということを述べる{\bf属性}の知識はその一つである.例えば,「車」の属性は「重量」,「エンジン」,「ハンドル」,「操作感」,「製造会社」などである.言い換えれば,属性とは,我々があるものについて知りたいときにそれに対する値(本論文の言い方では,「答え」)が知りたくなるような項目である.従って,属性知識の応用としては,情報の要約\cite{yoshida_wda,yoshida_ai2004_en},質問応答\cite{Fleischman_2003,takahashi_2004}などが考... | |
V16N04-04 | \subsection{本研究の背景}\label{ssec:background}近年,大学では文章能力向上のため,「文章表現」の授業がしばしば行われている.実際に作文することは文章能力向上のために有効であることから,多くの場合,学生に作文課題が課される.しかし,作文を評価する際の教師の負担は大きく,特に,指導する学生数が多いと,個別の学生に対して詳細な指導を行うこと自体が困難になる\footnote{筆者の一人は,1クラス30名程度のクラスを週10コマ担当している.延べ人数にして約300名の学生に対して,毎週添削してフィードバックすることは極めて困難であるため,半期に数回課題を提出させ,添削するに留まっている.}.{\modkま... | |
V25N01-04 | \label{Hajimeni}法務省の統計によれば日本の在留外国人数は第2次世界大戦以後,基本的に増加傾向にあり2016年12月には238万人,総人口の約1.9\%を占めるに至っている.外国人の比率は欧米諸国と比較して必ずしも高いとは言えないが,東京都新宿区では外国人の比率が10\%を超えるなど,日本でも大都市部などで欧米諸国並みの集中が発生している.日本人\footnote{本稿では便宜的に日本語母語話者を日本人と呼ぶ.また日本に一定期間以上居住する日本語非母語話者を外国人と呼ぶ.}と同等に日本語が使える国内在住の外国人は少数であり,彼らへの適切な情報提供は大きな課題となっている.外国人へはそれぞれの母語で情報を提供するのが理想... | |
V19N04-01 | 近年,質問応答や要約,含意認識などで,幅広い知識の必要性が高まっている.幅広い分野の一般的知識を記述したものに汎用オントロジーがある.オントロジーとは概念の意味と概念同士の関係を定義したものであり,特定の分野に偏らず幅広い分野に対応したオントロジーを汎用オントロジーという.概念間の関係には,is-a関係\footnote{``is-a関係''とは,Bisa(kindof)Aが成り立つときのAとBの関係をいう.}(上位‐下位概念)やpart-of関係(全体‐部分関係)など様々な種類がある.固有名詞や日々生まれる新しい語彙への即時対応を目指して,即時更新性と知識量の多さに優れたオンライン百科事典であるWikipediaを利用したis-a... | |
V17N01-01 | \label{sec:introduction}機械翻訳システムの研究開発において,システムの翻訳品質の評価は重要なプロセスの一つである.人手による翻訳品質評価では,機械翻訳システムによる翻訳(以下,{\MT})に対して{\ADE}と{\FLU}の二つの側面から評価値が付与される\cite{Sumita05}.{\ADE}は,原文によって読者に伝わる情報のうちどの程度が翻訳文によって伝わるかを測る尺度である.一方,{\FLU}は,翻訳文が目的言語の文としてどの程度流暢(自然)であるかを原文とは独立に測る尺度である.本研究では,対象を英日機械翻訳に絞り,まず,現状の一般的な英日機械翻訳システムの翻訳品質を把握するために,市販されている... | |
V10N02-02 | アンケート調査は,さまざまな社会的問題を解決するために,問題解決に関連する人々あるいは組織に対して同じ質問を行い,質問に対する回答としてデータを収集・解析することによって,問題解決に役立つ情報を引き出していくという一連のプロセスである\cite{arima:87}.質問に対する回答には選択型と自由記述型があるが,一般には回答収集後の解析のコストを避けるために,選択型のアンケートを行うことが多い.したがって,従来は選択型アンケートを行うための予備調査として小規模に実施する,あるいは選択型アンケートの中で調査者が想定できなかった選択項目,例えば選択肢以外の「その他」に相当する回答と位置付けられていた.しかし,近年,インターネットの普及や... | |
V11N05-03 | 近年,機械翻訳に関する研究が進み,日本語や英語をはじめとし,韓国語,中国語,フランス語など,主要な言語に関してはある程度実用的なシステムが構築されつつある.その反面,そうした研究の進んでいない言語や,機械翻訳の対象となっていない言語が残されているのも事実である.こうした言語においては,言語現象を学習するためのモノリンガル・コーパスや,翻訳知識を得るためのバイリンガル・コーパスなどが充分に蓄積されておらず,また,翻訳の要である対訳辞書の整備も進んでいないことが多い.そうした,比較的マイナーな言語に関する機械翻訳として,日本語--ウイグル語機械翻訳システム\cite{ogawa}が研究されている.このシステムにおいては,その原型となった... | |
V09N02-03 | 本論文では,コーパスから事象間の関係を抽出する問題において,事象間の一対多関係を推定する問題を取り上げた.コーパスから事象間の関係を推定する場合,それらの事象は共起出現することに基づく推定を行うことが多い.しかし,そこで用いられている手法は暗黙のうちに,推定する関係が一対一関係であると想定しているものがほとんどである.しかし抽出すべき事象間の関係は一対一関係であるとは限らず,あらかじめ関係が一対多関係であることがわかっている場合もある.このような場合,これまでの一対一関係を前提とした手法が有効であるかどうかは明らかではない.一方,データベースにおいて連想規則を抽出する問題において,その規則が表す事象間の関係が一対多関係であることを考... | |
V04N03-03 | \label{sec:intro}近年,膨大な電子化された情報の中から必要な情報を検索する技術の必要性が高まっている.インターネットの爆発的な普及に伴って,ユーザが求める情報を持つwwwサーバを検索するシステムが,実際,数多く出現してきている.しかし,これらの検索システムのほとんどは,ユーザが入力した検索キーワードそのものを含むテキスト(に対応したwwwサーバ)を検索するシステムである.検索キーワードに意味的に類似している単語まで考慮した\footnote{単に,キーワードを同義語・類義語のリストを使って展開する従来手法では,不十分であり,類似の度合に従って文書を整列させて上位のものだけユーザに提示出来なくてはならない.キーワード「... | |
V24N01-02 | label{sec:intro}絵本の読み聞かせは幼児の言語発達を促す重要な情報の1つと考えられる\cite{Mol:2008,Reese:1999,Whitehurst:1988}.例えば,読み聞かせを開始する月齢が早いほど,2才や4才の時点での言語理解や発話の能力が高くなること\cite{Debaryshe:1993:joint,Payne:1994:role},そして8ヶ月時点での絵本の読み聞かせが多い方が,12,および,16ヶ月時点での語彙が発達していること\cite{Karrass:2005:effects}などが示されている.また,読み聞かせでは,読み手と聞き手という少なくとも2者が存在し,絵本という共通の対象がある.こ... | |
V03N04-08 | 現在,機械による文解析の処理単位としては,形態素が利用されることが多いが,これは,形態素を用いることにより辞書の語数を制限でき,計算機の記憶を経済的に利用できるという利点があるからである.bigramによる解析方式は,文解析や音声認識など様々な分野において高い評価を得ているものの\cite{jeli,naka},文字や形態素を単位としたbigramによる解析は,単位が小さすぎて,文の局所的な性質を解析しているのに過ぎないと考えられる.しかし,trigramや4-gram以上になると,しばしば計算機の記憶容量の限界を超えてしまい,実用的ではない.筆者らは,知覚実験により,人間による文解析には,形態素より長い単位が用いられていることを既... | |
V13N03-02 | 自然言語処理において高い性能を得ようとするとき,コーパスを使った教師あり学習(supervisedlearning)は,今や標準的な手法である.しかしながら,教師あり学習の弱点は一定量以上のタグ付きコーパスが必要なことである.仮によい教師あり学習の手法があったとしても,タグ付きコーパス無しでは高い性能は得られない.ここでの問題は,コーパスのタグ付けは労力がかかるものであり,非常に高くつくことである.この点を克服するためいくつかの手法が提案されている.最小限教師あり学習\footnote{``minimally-supervisedlearning''をさす.全ての事例に対してラベルを与えるのではなく,極めて少量の事例に対してのみラベ... | |
V13N04-02 | 確率的言語モデルは,文字列を出力とする言語処理において幅広く用いられている.音声認識システム\cite{Self-Organized.Language.Modeling.for.Speech.Recognition}の多くが,解選択において,音響モデルとともに確率的言語モデルを参照する.文字誤り訂正\cite{Context-Based.Spelling.Correction.for.Japanese.OCR}や仮名漢字変換\cite{確率的モデルによる仮名漢字変換}においても,確率的言語モデルを用いる方法が提案されている.さらに,機械翻訳\cite{A.Statistical.Approach.to.Machine.Transla... | |
V09N05-07 | インターネットの普及により,電子化されたテキストの入手が容易になってきた.それらのテキストをより効率的かつ効果的に利用するために,多くの言語処理技術が研究,提案されてきている.それに伴い,言語処理の研究分野は注目を浴び,言語処理学会でも年々会員が増加し,事務作業が増加する傾向にある.このような増加傾向から考えると,今の言語処理学会の状況では,事務処理の負担が処理能力を越えてしまい,その結果,事務作業が滞ることが予想される.もし,事務作業が滞れば,学会の活気や人気に水をさすことになってしまう可能性があり,その結果,学会の将来に悪影響を与えると考えられる.そのため,事務処理の効率化は必須である.学会の差別化,効率化を図るため,電子化され... | |
V10N05-02 | \label{one}近年,音声認識技術や言語処理技術,計算機の処理能力の向上により,情報検索をはじめとする各種タスクを音声認識を介して実現する音声対話インタフェースへの期待が急速に高まっている\cite{NielsenAndBaekgaard1992,Godden1994,Zue1994,ZeiglerAndMazor1995,Godden1996,FergusonAndAllen1998,Nakano1999}.同時に,音声対話インタフェース実現のための対話制御方式も数多く提案されている\cite{Niimi1995a,Niimi1995b,Niimi1997,Niimi1998,KikuchiAndShirai2000,Chu... | |
V09N01-02 | label{No1}近年,聴覚障害者の重要なコミュニケーション手段の1つである手話と,健聴者のコミュニケーション手段である日本語とのコミュニケーション・ギャップの解消を目的とする手話通訳システムや手話の学習支援システムなどの研究が各所で盛んに行われている\cite{Adachi1992a}.これら手話を対象とした自然言語処理システムを実現するための重要な要素技術の1つである手話の認識や生成処理技術は,動画像処理の研究分野であるが,対象が限定されているため,動画像構成の単位を明確に規定できる可能性があり,手話の知的画像通信や手話画像辞書への特徴素の記述法が提案されている\cite[など]{Kurokawa1988,Kawai1990,... | |
V20N04-01 | 近年,新聞やWeb上のブログだけではなく,ツイートや音声対話ログなど様々な分野のテキスト情報を利用することが可能である.これらの多様なテキストから欲しい情報を抽出する検索技術や,有益な情報のみを自動で抽出・分析するテキストマイニング技術では,表現の違いに頑健な意味を軸にした情報抽出が求められている.たとえば,お客様の声を分析するコールセンタマイニング(e.g.,那須川2001)では,下記のa,bの表現を,「同義である」と正しく認識・集計する必要がある.\eenumsentence{\itemメモリを\underline{消費している}\itemメモリを\underline{食っている}}\eenumsentence{\itemキーボ... | |
V05N02-01 | 直接翻訳方式は普通の変換翻訳方式で行なっている構文解析や意味解析の部分を省略あるいは簡素化でき,類似性のある言語間の翻訳によく用いられていた.現在,知られているほとんどの日韓,韓日翻訳システムが直接翻訳方式を採用しているのも両言語の類似性を活かすためである.最近,構文解析分野や意味解析分野など,言語処理技術の全般的な発達とコンピュータのハードウェア性能が向上した時点で直接翻訳方式を用いるのは,翻訳に必要な膨大な情報の損失とつながり,比較的多くの翻訳情報が得られる変換方式や多言語間の翻訳ができる中間言語方式を勧奨しているが(長尾真1996),日韓機械翻訳においては翻訳に必要な情報があまり多くない.(金泰錫1991)によると,実際になん... | |
V07N05-04 | label{sec:introduction}本稿では、人手で記述された文法及び統計情報を用いて日本語の係り受け関係を求める手法について述べる。特に、文法とヒューリスティクスにより文節の係り先の候補を絞った時に構成することができる新しいモデルを提案し、それにより高い係り受けの精度(文節正解率88.6$\%$)が得られることを示す。我々のグループでは、何らかの意味表現を構成できるような高機能な構文解析器を実現することを最終目標とし、HPSG\cite{PollardSag94}の枠組みに基づいた文法を作成している。現状では意味表現の構成こそできていないが、新聞や雑誌などの実世界の文章の殆どに対して構文木を出力できる、被覆率の高い日本語... | |
V11N05-07 | 言い換えに関する研究\cite{sato_ronbun_iikae,murata_paraphrase_true,inui_iikae_tutorial,murata_paraphrase_nlp2004}は平易文生成,要約,質問応答\cite{murata2000_1_nl,murata_qa_ieice_kaisetu}と多岐の分野において重要なものであり,近年,その重要性は多くの研究者の認めるところとなっている.また,これと同時に,言い換え表現の自動獲得の研究も重要視されつつある.本稿では言い換え表現の一種である同義表現を自動獲得する研究について述べる.本稿では,複数の辞書を用意して,それらにおける同じ項目の定義文を照合するこ... | |
V09N02-01 | \subsection{研究背景}今日ある検索システムは,索引語を用いたキーワード検索が主流となっている.検索漏れを防ぐために,キーワードに指定した語の同意語や関連語も自動的に検索対象にするといった工夫が凝らされているものも幾つか存在する.しかし,一般にキーワードによる絞込みは難しく,検索結果からまさに必要とする情報に絞り込むには,その内容についての説明文などを検索要求と比べる必要があった.例えば,判例検索システムで今担当している事件に似ている状況で起こった過去の事件の判例を調査するとき,当該事件を記述する適切な5つ位のキーワードを指定してand検索をしても,該当して表示される判例数は100件程度になり,この中から当該事件の当事者の... | |
V16N04-03 | 経済のグローバル化に伴い,英語が言わば国際共通語となった現在,日本人の英語によるコミュニケーション能力を向上させることは,国際的なビジネスの場などでの発表や交渉・議論を効果的に行うためには極めて重要な課題である.このような能力を向上させるためには,従来型の学習方法に加え,情報通信技術を応用したeラーニングによる学習の効率化が有効な解決策となりうる.ここで,英語によるコミュニケーションに必要な能力について注目する.英語による円滑なコミュニケーションを行なうには,以下に述べる種々の英語に関連した能力を総合的に向上させる必要がある.\begin{itemize}\item英語表現を正確に聞き取る能力\item英語表現を正確に発音する能力\... | |
V10N04-04 | 自然言語には一つの意味内容を指し示すのに様々な表現を用いることができるという特徴がある.これは同義異表記の問題と呼ばれ,多くのアプリケーションの高精度化を妨げる原因の一つである.例えば情報検索や質疑応答といったアプリケーションでは,検索質問と文書が異なる表現を用いて記述されている場合,それらが同じ意味内容を表しているかどうかを判定する必要がある.また,計算機上で正しく推論を行うためには,推論ルールと実際の文の間の表現の違いを吸収しなくてはならない.そこで,言い換えという「同じ意味内容を表す複数の表現を結びつける変換」を自然言語処理の基礎技術として使い,この問題を解決しようとする考え方が現われてきた\cite{Sato99,Sato0... | |
V03N01-02 | 複合名詞は名詞を結合することによって数限りなく生成できるので,全てを辞書に登録することは不可能である.したがって,辞書に登録されている名詞の組み合わせとして複合名詞を解析する手法が必要である.そのためには,複合名詞をそれを構成している名詞に分割し(複合名詞の形態素解析),名詞間の係り受け構造を同定しなくてはならない.例として,「歩行者通路」という複合名詞をとりあげる.「歩行者通路」の分割可能性として少なくとも「歩行/者/通路」,「歩/行者/通路」の2通りが考えられる.さらに,前者の分割の結果に対して[[歩行,者],通路]と[歩行,[者,通路]]の2通りの係り受け構造が,後者については[[歩,行者],通路]と[歩,[行者,通路]]の2... | |
V09N03-05 | 計算機による要約の試みでは,文章中の重要と思われる部分を抽出することを中心に研究されてきた.しかし,要約は人間の高度に知的な作業であるため,計算機により重要と認定された部分を列挙するだけではなく,要約文章の結束性,構成などの点で課題があることが認識されてきている\cite{Namba00,Mani99revise}.人間が作成するような要約は,結束性,構成などが適切で,要点を適正に網羅しているといった高度な要件を満たしていると考えられるが,このような要件を計算機で満たすためにはどのような要素技術が必要であるかが明らかになっているとはいえない.我々は,このような現状に対し,どのような要約文章なら読みやすく適切であるかを,人間が実際にど... | |
V20N02-04 | 文書分類においてNaiveBayes(NB)を利用するのは極めて一般的である.しかし,多項モデルを用いたNB分類器では,クラス間の文書数に大きなばらつきがある場合に,大きく性能が下がるという欠点があった.そのため,\citeA{Rennie}は「クラスに属する文書」ではなく「クラスに属さない文書」,つまり「補集合」を用いることによりNBの欠点を緩和したComplementNaiveBayes(CNB)を提唱した.しかし,CNBはNBと同じ式,つまり事後確率最大化の式から導くことができない.そこで我々は,事後確率最大化の式から導くことのできるNegationNaiveBayes(NNB)を提案し,その性質を他のBayesianアプロー... | |
V15N05-07 | \label{sec:introduction}近年,国際化の流れの中で,多くの言語を頻繁に切り替えて入力することが多くなってきている.例えば,自然言語処理の分野では,``namedentity''や``chunking''といった英語の表現が,そのままの形で日本語文中に出現することも多い.このように同一{\text}内に複数の言語が混在する{\text}を,本論文では「多言語{\text}」と呼ぶ.言語入力には,ユーザーが入力したキー列を,その言語での文字列に変換するために,{\eminputmethodengine}(IME)と呼ばれるソフトウェアが欠かせない.例えば,日本語のローマ字入力のIMEは,ユーザが``tagengo'... | |
V04N01-06 | 日本語文章における代名詞などの代用表現を含む名詞の指す対象が何であるかを把握することは,対話システムや高品質の機械翻訳システムを実現するために必要である.そこで,我々は用例,表層表現,主題・焦点などの情報を用いて名詞の指示対象を推定する研究を行なった.普通の名詞の指示対象の推定方法はすでに文献\cite{murata_noun_nlp}で述べた.本稿では指示詞・代名詞・ゼロ代名詞の指示対象の推定方法について説明する.代名詞などの指示対象を推定する研究として過去にさまざまなものがあるが\cite{Tanaka1}\cite{kameyama1}\cite{yamamura92_ieice}\cite{takada1}\cite{nak... | |
V15N01-02 | 手話はろう者の間で生まれ広がった自然言語であり,ろう者にとっての第一言語である\cite{Yonekawa2002}.そのため手話による情報アクセスやサービスの提供はろう者の社会参加にとって重要であるが,手話通訳者は不足しており,病院や職場,学校などで手話通訳を必要とする人々に十分な通訳サービスが提供されているとはいえない.これらを支援するシステムの実現が期待されている.音声言語では機械翻訳をはじめとして,言語活動を支援するさまざまの自然言語処理技術が研究開発されている.ところが,手話はこれまで自然言語処理の領域では研究対象としてほとんど取り上げられていない.手話には広く一般に受け入れられた文字による表現(テキスト表現)が存在しない... | |
V13N03-01 | 近年,統計ベース翻訳\cite{Brown1993}や用例ベース翻訳\cite{Nagao1984}など大量のテキストを用いた翻訳手法(コーパスベース翻訳)が注目されている.我々は,用例ベース翻訳に焦点を当て研究を行っている.用例ベース翻訳の基本的なアイデアは,入力文の各部分に対して\textbf{類似}している用例を選択し,それらを組み合わせて翻訳を行うことである.ここでいう\textbf{類似}とは,通常,入力文とできるかぎり大きく一致していればいるほど(一致する単語数または文節数が多いほど)よいと考えられてきた.これは,用例が大きくなればなるほど,より大きなコンテキストを扱うことになり,正確な訳につながるからである.そのため,... | |
V18N04-02 | \label{sec:1}\modified{言語解析器の作成時,タグ付きコーパスを用いて構造推定のための機械学習器を訓練する.しかし,そのコーパスはどのくらい一貫性をもってタグ付けられるものだろうか.一貫性のないコーパスを用いて評価を行うとその評価は信頼できないものとなる.また,一貫性のないコーパスから訓練すると,頑健な学習モデルを利用していたとしても解析器の性能は悪くなる.}本稿では,人間による日本語係り受け関係タグ付け作業に関して,\modified{どのくらい一貫性をもって正しくタグ付け可能かを評価する}新しいゲームアプリケーション``shWiiFitReduceDependencyParsing''(図\ref{fig:s... | |
V26N04-03 | ニューラル機械翻訳は従来手法の句に基づく統計的機械翻訳に比べて,文法的に流暢な翻訳を出力できる.しかし訳抜けや過剰翻訳などの問題が指摘されており,翻訳精度に改善の余地がある\cite{koehn-knowles:2017:NMT}.このような問題に対して句に基づく統計的機械翻訳では,対訳辞書を用いてデコーダ制約\cite{koehn-EtAl:2007:PosterDemo}を実装することにより翻訳精度を改善していたが,ニューラル機械翻訳では対訳辞書を有効活用するアプローチが明らかではない.ニューラル機械翻訳において対訳辞書を使用して翻訳精度を向上させる先行研究として,モデル訓練時に対訳辞書を用いて単語翻訳確率にバイアスをかける手法... | |
V27N01-02 | \label{intro}近年,文書情報に対する情報要求は複雑化,高度化しており,そのような要求を満たすアクセス技術として質問応答が注目されている.質問応答とは,利用者の自然言語による質問に対して情報源となる文書集合から解答そのものを抽出する技術であり,複雑高度な情報要求を自然言語で表現できる点に特徴がある.しかしながら,従来の質問応答に関する研究では,「アメリカの大統領は誰ですか?」といった比較的簡単な形式の質問を扱うものが多く,質問の確信に至るまでの背景や経緯を複数文にわたって説明したりする現実世界の質問状況とは異なる場合がある.そのような現実世界における質問に対する質問応答を目的とした取り組みは,TRECのLiveQA~\ci... | |
V21N02-07 | \label{sec:introduction}国立国語研究所を中心に開発された『現代日本語書き言葉均衡コーパス(BCCWJ)』\cite{前川2008}\footnote{現代日本語書き言葉均衡コーパスhttp://www.ninjal.ac.jp/corpus\_center/bccwj/}は17万ファイル以上のXML文書に短単位・長単位の二つのレベルの形態論情報アノテーションを施した,1億語を超える大規模なコーパスである.コーパスの構築期間は5年以上に及んだ.BCCWJの形態論情報付与には,新たに開発された電子化辞書UniDic\footnote{UniDichttp://sourceforge.jp/projects/uni... | |
V02N03-01 | 言語表現には万人に共通する対象のあり方がそのまま表現されているわけでなく,対象のあり方が話者の認識(対象の見方,捉え方,話者の感情・意志・判断などの対象に立ち向かう話者の心的状況)を通して表現されている(言語が対象−認識−表現からなる過程的構造をもつ)ことは,国語学者・時枝誠記によって提唱された言語過程説\cite{Tokieda1941,Tokieda1950}として知られている.時枝の言語過程説によれば,言語表現は以下のように主体的表現(辞)と客体的表現(詞)に分けられ,文は,辞が詞を重層的に包み込んだ入れ子型構造(図1参照)で表される.\begin{itemize}\item\underline{主体的表現}:話者の主観的な感... | |
V09N04-02 | 本稿では,テキスト要約の自動評価手法について述べる.テキスト自動要約に関する研究は,テキスト中の表層的な情報から重要な箇所を判断し重要な部分のみを抽出するLuhn等,Edmundson等の研究\cite{H.P.Luhn.58,H.P.Edmundson.69}に始まり,現在も様々な方法が提案されている\cite{C.D.Paice.90,C.Aone.98}.ここ数年はインターネットの急速な普及に伴って,国内外での研究活動が非常に活発になっている\cite{M.Okumura.99J,I.Mani.00}.テキスト要約の研究において,評価の重要性は言うまでもない.最も信頼性が高いのは要約の経験者が直接要約を見て評価する方法であるが... | |
V06N03-04 | 係り受け解析は日本語文解析の基本的な方法として認識されている.日本語係り受けには,主に以下の特徴があるとされている\footnote{もちろん,例外は存在するが\cite{sshirai:jnlp98},その頻度は現在の解析精度を下回り,現状では無視して構わないと考える.つまり,これらの仮定の基に解析精度を向上させた後に,そのような例外に対し対処する手法を考えればよいのではないかと思う.また,(4)の特徴はあまり議論されてはいないが,我々が行なった人間に対する実験で90\%以上の割合で成立する事が確認された.}.我々はこれらの特徴を仮定として採用し,解析手法を作成した.\begin{itemize}\item[(1)]係り受けは前方... | |
V07N03-04 | 日本語とウイグル語は言語学上の区分において,共に膠着語に分類され,両言語の間には語順がほぼ同じであるなどの様々な構文的類似点が見られる.そのため,日本語--ウイグル語機械翻訳では,形態素解析が終了した段階で各単語を対応するウイグル語に置き換える,いわゆる逐語翻訳によって,ある程度の翻訳が可能となる\cite{MUHTAR}.ところで,学校文法をはじめとする多くの日本語文法では,文の中心的役割を果たす動詞が活用することを前提としている.しかし,ウイグル語の動詞は活用しないと考えられてきたため,両言語間の翻訳の際には,活用の有無の違いを考慮する必要があった.それに対して,\cite{MUHTAR}は推移グラフの利用を提案したが,実際の処... | |
V21N05-02 | 本論文では,語義曖昧性解消(WordSenseDisambiguation,WSD)の領域適応に対して,共変量シフト下の学習を試みる.共変量シフト下の学習では確率密度比を重みとした重み付き学習を行うが,WSDのタスクでは算出される確率密度比が小さくなる傾向がある.ここではソース領域のコーパスとターゲット領域のコーパスとを合わせたコーパスをソース領域のコーパスと見なすことで,この問題に対処する.なお本手法はターゲット領域のデータにラベル付けしないため,教師なし領域適応手法に分類される.WSDは文中の多義語の語義を識別するタスクである.通常,あるコーパス$S$から対象単語の用例を取り出し,その用例中の対象単語の語義を付与した訓練データを... | |
V21N06-02 | 従来の紙版の国語辞典\footnote{国語辞典は,対象や規模により多種類のものが存在する.著者らが研究対象としているものは,小型国語辞典(6〜9万語収録)と呼ばれ,「現代生活に必要な語,使用頻度の高い語」の収録と記述とに重きがおかれているものである(柏野2009).}は紙幅の制約などから,用例の記述は必要最小限に厳選されていた.しかし,電子化編集が容易になり,国語辞典データ\footnote{『岩波国語辞典』(岩波書店)はCD-ROM版が市販され,さらに,電子化データ(岩波国語辞典第5版タグ付きコーパス2004)が研究用に公開されている(http://www.gsk.or.jp/catalog.html).}や種々のコーパスが活用... | |
V06N03-06 | label{sec:intro}計算機上の文書データが増大するにつれ,膨大なデータの中からユーザの求める文書を効率よく索き出す文書検索の重要性が高まっている.文書検索では,ユーザが情報要求を検索要求として表現する.検索システムは,検索要求の内容と各文書の内容との類似度を計算し,値の高い順に文書を並べて表示する.この類似度は,一般に検索要求内のタームとマッチするタームの文書中の重要度を基に計算される.各タームの重要度は,「ある文書に多く出現し,文書集合全体ではあまり出現しないタームほど,その文書中で重要なタームである」という仮定に基づき,文書中の各タームの出現頻度($tf$)および,そのタームの文書集合全体での出現文書頻度の逆数($i... | |
V17N04-03 | 自然文検索や翻訳,レコメンデーションなどに使用可能な解析システムを実現した.2000年に(南1974;白井1995)を参考にして文節に強さを決めて,同じ強さの文節では,連用修飾格は直後の用言に,連体修飾格は直後の体言に係るという規則を用いて構文解析プログラムを開発した.しかし実際の構文構造は,文節を飛び越して係る場合が見受けられた.文法的な情報だけでは不十分だと考え,意味的な情報の導入を検討した結果,シソーラスを組み込んで用語同士の意味的な距離を測って,その距離によって係り先を決定する手法を開発した.この解析システムを自然文検索に用いる場合,同じ内容のことを言っているのにいくつもの書き方が許されていることからしばしば検索漏れが発生す... | |
V12N06-02 | 自由に閲覧することができる電子化文書の数が膨大になるにつれ,その中からユーザが必要とする情報を効率的に探し出すことが困難になってきている.このため,ユーザからの質問に対して明確な回答を自動的に提示する質問応答(QA)技術が注目されている.質問応答に用いる知識を人工言語で記述したUC\cite{thesis:wilensky84}などの質問応答システムでは,十分な記述力をもつ人工言語の設計のむずかしさ,知識ベースの高い作成コストといった問題があった.そこで,大量の電子化文書が利用可能になった1990年代からは,自然言語で記述された文書を質問応答システムの知識として利用しようとする研究が行われている\cite{proc:hammond9... | |
V24N02-04 | 近年Twitter等を代表とするマイクロブログが普及し,個人によって書かれたテキストを対象とした評判分析や要望抽出,興味推定に基づく情報提供など個人単位のマーケティングのニーズが高まっている.一方このようなマイクロブログ上のテキストでは口語調や小文字化,長音化,ひらがな化,カタカナ化など新聞等で用いられる標準的な表記から逸脱した崩れた表記(以下崩れ表記と呼ぶ)が多く出現し,新聞等の標準的な日本語に比べ形態素解析誤りが増加する.これらの崩れ表記に対し,辞書に存在する語にマッピングできるように入力表記を正規化して解析を行うという表記正規化の概念に基づく解析が複数提案され,有効性が確認されている\cite{Han2011,Han2012,... | |
V25N01-05 | \label{intro}医療現場で生成される多様なデータ(以下,\textbf{医療データ}と呼ぶ)の大部分は自然言語文であり,今後もその状況はただちに変わりそうにない.医療データの利活用としては,診療への応用,もしくは学術研究や政策への応用が挙げられるが,現在,盛んに医療データの利活用の重要性が叫ばれているのは,後者の二次利用である\cite{研究開発の俯瞰報告書2017}.二次利用されることが期待される医療データとしては,\textbf{健診データ}や\textbf{診療報酬データ}がある.健診データは健康診断の際に作成されるデータであり,検査名と検査値から構成される.健診データは受診者が多く,組織で一括して収集されるため,大... | |
V03N03-04 | 入力文の構文構造を明らかにする構文解析手法には,大きく分けて,1)可能な構造をすべて生成する手法と,2)可能な構造に優劣を付け,そのうち最も適切なものだけを,または適切なものから順に生成する手法,の二つがある.前者の手法として,これまでに,一般化LR法\cite{Tomita85}やSAX\cite{Matsumoto86},LangLAB\cite{Tokunaga88}などの効率の良い手法が数多く提案されている.しかしながら,これらの手法を,機械翻訳システムなどの実用を目指した自然言語処理システムに組み込むことは,必ずしも適切ではない.なぜならば,通常,可能な構文構造の数は膨大なものになるため,それらをすべて意味解析などの構文解... | |
V23N02-01 | \textbf{系列アラインメント}とは,2つの系列が与えられたときに,その構成要素間の対応関係を求めることをいう.系列アラインメントは特にバイオインフォマティクスにおいてDNAやRNAの解析のために広く用いられているが,自然言語処理においてもさまざまな課題が系列アラインメントに帰着することで解かれている.代表的な課題として\textbf{対訳文アラインメント}\cite{moore02:_fast,braune10:_improv,quan-kit-song:2013:ACL2013}があげられる.対訳文アラインメントは対訳関係にある文書対が与えられたときに,文書対の中から対訳関係にある文のペアをすべて見つけるタスクである.統計的... | |
V07N02-03 | 語彙とは“ある言語に関し(その一定範囲の)あらゆる語を一まとめにして考えた総体”(水谷,1983,p.1)のことである.したがって,日本語なら日本語という特定の1言語に限っても,その内容は一まとめにくくる際の観点をどのように設定するかによって変化しうる.大きく見れば,語彙は時代の進行にそって変化するし,同時代の語彙にも地域,職業,社会階層などによって集団としての差異が存在する.細かく見てゆくならば,個人によっても語彙は違うであろうし,特定の書籍,新聞,雑誌等,言語テキストそれぞれに独自の語彙が存在すると言ってよい.さらに,個人で見ても,その語彙のシステム(心内語彙=mentallexicon)は,発達・学習によって大きく変化し,さら... | |
V04N01-05 | \label{sec1}自然言語処理システムにおいては,処理する言語に関する情報をどれほど豊かにそなえているかが,そのシステムの性能に大きな影響を与える.とくに分かち書きをしない日本語では,その形態素解析だけのためにも膨大な量の辞書データをそろえる必要がある.しかし,辞書データの蓄積は,自動的に行うことが困難であり,人手による膨大な時間と労力を必要とする.幸い,最近では公開の辞書データの入手も可能となってきたが,それでもなお,新しい文法体系を試みるような場合には,その辞書を用意するのに手間がかかりすぎて,本題の研究にかかれないことがおきる.本稿では,辞書データがほとんどない状態から始めても,大量の日本語テキストを与えることで,形態素... | |
V16N02-02 | 英語教育の現場でもICT(InformationandCommunicationTechnology)の活用により様々な取り組みがなされている.近年ではE-learningのように学習者が教科書ではなく,まずはコンピュータ端末に向かうような形態での学習環境も一部で行われている.しかし大学を含め,CALL教室などが未整備となっている教育機関は少なくない.またE-learningのための教材作成が英語教育に直接関係する教師自身によって行われることは現実的にはほとんどなく,先進的な取り組みを行っている教育機関などにおいても既存のコースウェアが利用される場合が多い.教室で接する学習者のために教員自らがオーサリングソフトなどを利用して積極的に... | |
V20N04-03 | 現在の自動要約の多くは文を単位にした処理を行っている\cite{okumura05}.具体的には,まず入力された文書集合を文分割器を用いて文集合に変換する.次に,文集合から,要約長を満たす文の組み合わせを,要約としての善し悪しを与える何らかの基準に基づいて選び出す.最後に,選び出された文に適当な順序を与えることによって要約は生成される.近年では,複数文書の自動要約は最大被覆問題の形で定式化されることが多い\cite{filatova04,yih07,takamura08,gillick09,higashinaka10b,nishikawa13}.これは,入力文書集合に含まれる単語のユニグラムやバイグラムといった単位を,与えられた要約... | |
V07N01-01 | まず,言い間違いの原因について考察してみる.フロイト\cite{freud1917a}は言い間違いの原因として身体的理由と精神的理由を挙げている.フロイトは身体的理由として,\begin{enumerate}\item気分が悪い・疲れ気味である\itemあがっている\item注意が他にそれている\end{enumerate}\noindentを挙げている.1は確かに身体的理由であるが,2と3はむしろその場の精神的理由である.フロイトが言いたいことは,確かに上記のような身体的理由があるにしろ,言い間違いが生じている時は必ず何らかの深層心理的・無意識的理由があるということである.フロイトは深層心理的・無意識的理由のない言い間違いはありえ... | |
V07N05-05 | \label{sec:introduction}我々は,1998年10月から自然言語解析用ツール「MSLRパーザ・ツールキット」を公開している~\footnote{{\tthttp://tanaka-www.cs.titech.ac.jp/pub/mslr/}}.MSLRパーザ(MorphologicalandSyntacticLRparser)は,一般化LR法の解析アルゴリズムを拡張し,単語区切りのない言語(日本語など)を主に対象とし,形態素解析と構文解析を同時に行うパーザである\footnote{MSLRパーザは,分かち書きされた文(英語文など)を解析する機能も持っているが,もともとは単語区切りのない文を解析することを目的に作ら... | |
V06N02-07 | \vspace{-2mm}テキスト音声合成システムの言語処理部における重要な課題の一つに,ポーズ挿入処理が挙げられる.ポーズ挿入処理は,音声化され,出力されたテキストの内容を人間が感覚的,意味的に捉えやすくするために,テキスト中の適当な位置に適当な長さのポーズを与える,テキスト音声合成に必須の技術であり,入力テキストの書き手が意識して挿入した句読点以外にも構文構造とポーズ挿入位置の関係が研究されてきた.従来の研究から,ポーズは構文的区切りと一致する\cite{杉藤1988},また特定の句構造\mbox{において}ポーズが挿入され易い\cite{海木1996}という知見が得られている.この他にも,文節間の係り受け距離と文節の長さが,ポ... | |
V19N03-04 | label{sec:hajimeni}法は章節/条項号という階層を有する,基本的に構造化された文書であり,国(国会)の制定する法律,地方自治体(議会)が制定する条例の二つがある.前者に規則を加え法規,後者に規則を加え例規と総称される.日本国内で法律を制定する主体は国家のみだが,条例を制定する地方自治体は多数存在する.そのため,同一の事柄について規定する多数の例規が地方自治体ごとに存在することになる.例えば,各県の象徴であり,旗に用いられる県章を定めた条例は全都道府県で制定されており,青少年の保護育成を目的とする条例は,長野県を除く46都道府県で制定されている.これら同一事項に関する条例は相互に類似しているものの,地方自治体の置かれた... | |
V17N01-05 | \label{Introduction}日本語と英語のように言語構造が著しく異なり,語順変化が大きな言語対において,対訳文をアライメントする際に重要なことは二つある.一つは構文解析や依存構造解析などの言語情報をアライメントに組み込み,語順変化を克服することであり,もう一つはアライメントの手法が1対1の単語対応だけでなく,1対多や多対多などの句対応を生成できることである.これは一方の言語では1語で表現されているものが,他方では2語以上で表現されることが少なくないからである.しかしながら,既存のアライメント手法の多くは文を単純に単語列としてしか扱っておらず\cite{Brown93},句対応は単語対応を行った後にヒューリスティックなルー... | |
V21N01-03 | \label{sec:introduction}電子化されたテキストが利用可能になるとともに,階層的文書分類の自動化が試みられてきた.階層的分類の対象となる文書集合の例としては,特許\footnote{http://www.wipo.int/classifications/en/},医療オントロジー\footnote{http://www.nlm.nih.gov/mesh/},Yahoo!やOpenDirectoryProject\footnote{http://www.dmoz.org/}のようなウェブディレクトリが挙げられる.文書に付与すべきラベルは,タスクによって,各文書に1個とする場合と,複数とする場合があるが,本稿では複数... | |
V14N03-07 | 授業改善は現在多くの大学において極めて重要な課題となっている.大学がこれまで以上に多くの学生の興味を引き出しながら,教育の水準を高めなければならないからである.このためこれまでにも様々な授業改善の研究が試みられた(たとえば赤堀侃司1997;伊藤秀子ら1999,田中毎実ら2000など).また授業改善は教育技法の問題だけでなく,大学のカリキュラムの構成や教師資質の改善(FacultyDevelopment)の問題でもある.大学では自己点検自己評価あるいは外部評価などが行われ,中でも学生による授業評価は大学改革の中核として注目されている.しかし多くの大学で行われる学生による授業評価は,学生にマークシートを記入させる方式で行われることが多く... | |
V20N03-05 | 近年,TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアが社会において大きな存在感を示している.特に,Twitterは情報発信の手軽さやリアルタイム性が魅力であり,有名人のニュース,スポーツなどの国際試合の勝利,災害の発生などの速報,アメリカ大統領選挙に代表される選挙活動,アラブの春(2010年,2011年)やイギリスの暴動(2011年)など,社会に大きな影響を与えるメディアになっている.2011年3月に発生した東日本大震災においても,安否確認や被災者支援のために,ソーシャルメディアが活躍した.Twitter上ではリアルタイムな情報交換が行われているが,誤った情報や噂も故意に,あるいは故意ではなくとも広まってしまうことがある.... | |
V14N01-02 | 人間の言語能力をコンピュータ上に実現することを狙った自然言語処理については,近年盛んに研究されている.しかし,かな漢字変換方式の日本語ワープロのように実用システムとして成功した例はまれで,多くは実験システムの域にとどまっている.実際,自然言語の壁は厚く,多くの研究者が従来の言語理論と実際の自然言語との間にギャップがあると感じている.事実,従来の計算言語学は強化されてきたとはいえ,自然言語の持つ論理的な一側面しか説明できず,現実の言語に十分に対応できていない.英語に比べて語順が自由で省略の多い日本語は,句構造解析には不向きとされ,係り受け解析が一般的となっている.また,係り受けが交差する入れ子破りが起こる表現は,係り受け解析では扱える... | |
V07N02-04 | \label{sec:introduction}固有表現(NE=NamedEntity)抽出は情報抽出における基礎技術として認識されているだけでなく,形態素,構文解析の精度向上にもつながる重要な技術である.米国では1980年代からMUC(MessageUnderstandingConference)\cite{Muc:homepage}のようなコンテストが行なわれ,その技術の向上が図られてきた.日本においても1998年からコンテスト形式のプロジェクト「IREX(InformationRetrievalandExtractionExercise)」が始められ,そのタスクの一つとして固有表現抽出が盛り込まれた.このタスクで固有表現として... | |
V06N06-06 | 本論文では,文,文章上の特徴,および文章の解析により得られた構造上の特徴をパラメタとして用いた判定式による文章の自動抄録手法を示す.さらに,抽出された文の整形や照応を考慮した文章要約手法について述べる.近年のインターネットなどの発展により,大量の電子化された文書が我々の周りに溢れている.これら大量の文書から必要とする情報を効率良く高速に処理するために,キーワード抽出や文章要約,抄録といった研究が行なわれている.それらのためには,計算機を用い,必ずしも深い意味解析を行なわずに文章の表層的特徴から解析を行なう方法が有効である.文章抄録とは文章から何らかの方法で重要である文を選び出し,抽出することである.山本ら\cite{Masuyama... | |
V17N02-03 | label{sec:intro}自然言語処理や言語学においてコーパスは重要な役割を果たすが,従来のコーパスは大人の文章を集めたものが中心で子供の文章を集めたコーパスは少ない.特に,著者らが知る限り,書き言葉を収録した大規模な子供のコーパスは存在しない.\ref{sec:problems}節で詳細に議論するように,子供のコーパスの構築には,子供のコーパス特有の様々な難しさがある.そのため,大規模な子供のコーパスの構築は容易でない.例えば,ChildLanguageDataExchangeSystem(CHILDES)~\cite{macwhinney1,macwhinney2}の日本語サブコーパスであるHamasakiコーパス~\ci... | |
V10N02-07 | 本論文はフリーの特異値分解ツールSVDPACKC\cite{svdpackc}を紹介する.その利用方法を解説し,利用事例として多義語の曖昧性解消問題(以下,語義判別問題と呼ぶ)を扱う.情報検索ではベクトル空間モデルが主流である.そこでは文書とクエリを索引語ベクトルで表し,それらベクトル間の距離をコサイン尺度などで測ることで,クエリと最も近い文書を検索する.ベクトル空間モデルの問題点として,同義語(synonymy)と多義語(polysemy)の問題が指摘されている.同義語の問題とは,例えば,``car''というクエリから``automobile''を含む文書が検索できないこと.多義語の問題とは,例えば,ネットサーフィンについてのクエ... |
Subsets and Splits
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