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V18N02-03 | 本稿は,文書,あるいはある観点で集められた文書群が与えられたとき,それについて文書量に依存しない定数—これを本稿では文書定数と定義する—を計算する方式に関する報告である.文書定数は,古くは文書の著者判定を主たる目的として探究された.最も古い代表的なものとして,1940年代に提案されたYuleの$K$がある.現在では,著者判定に対しては,言語モデルや機械学習に基づく方法など,代替となる手法が数多く提案されている.このため,何も文書や文書群をあえて定数という一つの数値に還元して判定を行う必要はない.しかし,文書あるいは文書群がある一貫した特質を持つのであれば,その特質を定数に還元しようとすること自体は,工学上の個別の応用を超えて,より広... | |
V14N03-08 | 音声言語処理の研究・開発は,コンピュータの高性能化を背景にし,ここ数年の間に飛躍的な発展を遂げ,特に大量のデータに基づく,確率・統計的なモデル化のアプローチは,音響処理面および言語処理面の双方において大きな成功を収めた.これらの技術的進展により,音声合成・音声認識技術は一気に実用レベルに達し,人間とコンピュータとのインタフェースとして広範囲に応用されるに至った.一方,応用範囲が広範になるにつれ,その精度・品質に対して,より高いレベルのものが要求されるようになっている.例えば,音声合成においては,テキストを単に読み上げるだけのものから,パラ言語情報や感情などを表現する柔軟な合成音声が望まれる.このような合成音声には,音声機能障害者を対... | |
V20N02-09 | \label{introduction}自然言語の理解に向けて,常識的知識の獲得が重要である.特に意味カテゴリに属する固有表現のリストは,質問応答~\cite{Wang:2009:ASI:1687878.1687941},情報抽出~\cite{Mintz:2009:DSR:1690219.1690287},語義曖昧性解消~\cite{Pantel:2002:DWS:775047.775138},文書分類~\cite{Pantel:2009:WDS:1699571.1699635},クエリ補完~\cite{Cao:2008:CQS:1401890.1401995}など様々なタスクで有用である.固有表現リストを人手で構築すると多大なコス... | |
V23N01-03 | 近年Twitterによる人間同士の短文のやりとりを始めとしたインターネット上の大量の会話データから自動知識獲得\cite{Inaba2014}が可能になったことや,高性能な音声認識機能が利用可能なスマートフォン端末を多くの利用者が所有するようになったことで,雑談対話システムへの関心が,研究者・開発者側からも利用者側からも高まっている.対話システムが扱う対話は大きく課題指向対話と非課題指向対話に分けられるが,雑談は非課題指向対話に分類される.課題指向対話との違いについていえば,課題指向対話では対話によって達成する(比較的)明確な達成目標がユーザ側にあり,一般に食事・天気など特定の閉じたドメインの中で対話が完結するのに対し,雑談では,対... | |
V24N01-04 | インターネットを通じたサービス利用はスマートフォンの普及を背景に近年ますます増加している\cite{ictbook2014}.スマートフォンでの各種サービスの利用はこれまでのPCを経由して利用するインターネットサービスに比べて,画面の大きさや操作性という面で大きく制限されており,サービス提供者はスマートフォンに合わせたユーザ体験を新たに構築する必要に迫られている.このような背景の中で推薦システムに注目が集まっている.推薦システムはユーザの興味関心に合わせて商品などを提示することを目的としたシステムであり,Amazon\footnote{http://www.amazon.com/}での商品推薦や,Facebook\footnote{... | |
V07N04-06 | \label{hajimeni}近年,テキストの自動要約の研究が盛んに行われている\cite{okumura99}.要約は,その利用目的により,原文の代わりとして用いる報知的(informative)要約と,原文を参照する前の段階で原文の適切性の判断などに用いる指示的(indicative)要約とに分類される\cite{Hand97}.報知的要約には,TVニュース番組への字幕生成(例えば,\cite{shirai99}参照)などのように,情報を落とすべきではない要約も含まれる.このような要約文の生成に,文や段落を単位とした重要文抽出の手法を利用すると,採用されなかった文に含まれる情報が欠落する可能性が高い.情報欠落の可能性が低い要約... | |
V17N02-01 | 科学技術や文化の発展に伴い,新しい用語が次々と作られインターネットによって世界中に発信される.外国の技術や文化を取り入れるために,これらの用語を迅速に母国語へ翻訳する必要性が高まっている.外国語を翻訳する方法には「意味訳」と「翻字」がある.意味訳は原言語の意味を翻訳先の言語で表記し,翻字は原言語の発音を翻訳先の言語における音韻体系で表記する.専門用語や固有名詞は翻字されることが多い.日本語や韓国語はカタカナやハングルなどの表音文字を用いて外国語を翻字する.それに対して,中国語は漢字を用いて翻字する.しかし,漢字は表意文字であるため,同じ発音に複数の文字が対応し,文字によって意味や印象が異なる.その結果,同音異義の問題が発生する.すな... | |
V16N01-02 | 本論文では,ベイズ識別と仮説検定に基づいて,英文書の作成者の母語話者/非母語話者の判別(母語話者性の判別)を高精度で行う手法を提案する.WWW上の英文書を英語教育や英文書作成支援に利用する研究が盛んに行われている\cite{大鹿,佐野,大武}.WWW上にはオーサライズされた言語コーパスとは比べものにならないくらいの大量の英文書が存在するため,これを言語データとして活用することで,必要な言語データの量の問題をかなり克服できる.しかし,WWW上の英文書の質は様々であり,英語を母語とする者あるいはそれと同等の英語運用能力を有する者が書いた英文書(本論文では母語話者文書と呼ぶ)と英語を母語としない者が書いた誤りや不自然な表現を含む英文書(本... | |
V10N04-05 | 著者らは,実用に近い日本語--ウイグル語機械翻訳システムの実現を目指して一連の研究をしてきた\cite{NLC93,MSTHESIS,MUHPARAM,PRICAI94,MUH_OGA2001,OGAWA2000,MT_SUMMIT2001,MUH_NLT_2002}.その過程で,一定の語彙数を持つ日本語--ウイグル語電子辞書の開発が不可欠であると考え,その開発に着手した.その時点では,日本語--ウイグル語に関する通常の辞書さえない状況であった.最初は,日本語--ウイグル語機械翻訳実験用の基本的な辞書の開発を考えて,IPAの計算機用日本語基本動詞辞書IPAL\cite{IPAL}をベースに,名詞や形容詞などを含め,約1,200語の日... | |
V03N04-02 | label{intro}機械翻訳システムには,少し微妙だが重要な問題として冠詞の問題がある.例えば,\vspace*{5mm}\begin{equation}\mbox{\underline{本}\.と\.い\.う\.の\.は人間の成長に欠かせません.}\label{eqn:book_hito}\end{equation}の「本」は総称的な使われ方で,英語では``abook''にも``books''にも``thebook''にも訳される.これに対して,\begin{equation}\mbox{\.昨\.日\.僕\.が\.貸\.し\.た\underline{本}は読みましたか.}\label{eqn:book_boku}\end{e... | |
V05N01-06 | \label{sec:introduction}文書検索では,検索対象の文書集合が大きくなるにつれ,高速/高精度な検索が困難になる.例えば,AltaVista~\footnote{{\tthttp://altavista.digital.com}}に代表されるインターネット上のキーワード検索エンジンでは,検索時に入力されるキーワード数が極端に少ないため~\footnote{AltaVistaでは平均2個弱のキーワードしか入力されない},1)望んた文書が検索されない(再現率の問題),2)望まない文書が大量に検索される(適合率の問題),といった問題が生じている.そのため,要求拡張(queryexpansion)~\cite{smeato... | |
V19N03-02 | 自然言語処理で使われる帰納学習では,新聞データを用いて新聞用の分類器を学習するなど,ドメインAのデータを用いてドメインA用の分類器を学習することが一般的である.しかし一方,ドメインBについての分類器を学習したいのに,ドメインAのデータにしかラベルがついていないことがあり得る.このとき,ドメインA(ソースドメイン)のデータによって分類器を学習し,ドメインB(ターゲットドメイン)のデータに適応することを考える.これが領域適応であり,様々な手法が研究されている.しかし,語義曖昧性解消(WordSenseDisambiguation,WSD)について領域適応を行った場合,最も効果的な領域適応手法は,ソースドメインのデータ(ソースデータ)とタ... | |
V05N01-05 | コロケーション(Collocation)の知識は,単語間の共起情報を与える言語学的に重要な知識源であり,機械翻訳をはじめとする自然言語処理において,重要な意味をもっている.コロケーションとは,テキスト中に頻繁に出現する単語の組み合わせであり,言語的あるいは慣用的な表現であることから,様々な形態が考えられる.その例として,``{\itThankyouverymuch}''や``{\itIwouldliketo}''のような単語が連続している表現と,``{\itnotonly〜but(also)〜}''や``{\itnotsomuch〜as〜}''のように単語間にギャップを持つ不連続な表現が存在する.これらの表現はそれを一つのまとまった... | |
V08N02-03 | 人間はあいまいな情報を受け取り適宜に解釈して適切に会話を進めることができる.これは,人間が長年にわたって蓄積してきた,言語やその基本となる語概念に関する「常識」を持っているからである.すなわち,ある単語から概念を想起し,さらに,その概念に関係のある様々な概念を連想できる能力が重要な役割を果たしていると考えられる.本研究の前提とする「常識的判断」とは,「女性−婦人」,「山−丘」などは同義・類義の関係,「山−川」,「夕焼け−赤い」などは密な関係,「山−机」,「電車−空」などは疎な関係であると判断するなど,語と語の意味的関係について,コンピュータにも人間の常識的な感覚に近い判断をさせることをねらうものである.このような常識的判断を可能とす... | |
V14N01-06 | \label{sec:intro}{\bfseries機能表現}とは,「にあたって」や「をめぐって」のように,2つ以上の語から構成され,全体として1つの機能的な意味をもつ表現である.一方,この機能表現に対して,それと同一表記をとり,内容的な意味をもつ表現が存在することがある.例えば,\strref{ex:niatatte-F}と\strref{ex:niatatte-C}には,「にあたって」という表記の表現が共通して現れている.\begin{example}\item出発する\kern0pt\uline{にあたって},荷物をチェックした\label{ex:niatatte-F}\itemボールは,壁\kern0pt\uline{にあ... | |
V15N05-02 | \label{sec:intro}言語横断情報検索や言語横断質問応答,機械翻訳などの2つの言語に関わる処理を実現するには,その言語対に対する大規模対訳辞書などの言語横断言語資源が必要である.情報流通技術の発達に伴って,様々な言語で記述された情報を活用することが可能となりつつあり,複数言語を対象とする自然言語処理技術はますます重要な課題となることが予想される.しかし,世界には数多くの言語が存在するため,あらゆる言語対を対象として豊富な言語資源を整備することは,非現実的である.現実には,需要の大きい一部の言語対については大規模な言語資源が利用できるが,それ以外の多くの言語対については,小規模な対訳辞書しか利用できない場合が多い.もし,新... | |
V06N02-04 | 日本語テキスト音声合成は,漢字かな交じりの日本語テキストに対して,読み,アクセント(韻律上の基本単位であるアクセント句の設定とそのアクセント型付与),ポーズ等の読み韻律情報\footnote{本論文では,読みと,アクセントやポーズなどの韻律情報をまとめて読み韻律情報とよぶ.}を設定し,これらを元に音声波形を生成して合成音声を出力する.自然で聞きやすい合成音声を出力するためには,この読み韻律情報を正しく設定する必要がある.読みは,形態素解析により認定された単語の読みにより得られるため,形態素解析の精度が読みの精度に直結する.ただし,数量表現の読み(例:11本→ジューイ\underline{ッポ}ン:\mbox{下線部分=読み}が変化)... | |
V14N05-02 | 我々人間は,日常生活において様々な会話の中から必要に応じて情報を取捨選択している.さらに,会話の流れに即して語の意味を適宜解釈し,適切な応答を行っている.人間は語の情報から適切な応答を行うために,様々な連想を行っている\cite{yoshimura2006}.例えば,「車」という語から「タイヤ」,「エンジン」,「事故」,…,といった語を自然に連想する.連想によって,会話の内容を柔軟に拡大させている.このように,柔軟な会話ができる背景には,語の意味や,語と語の関係についての膨大な知識を有しているため,種々の知識から語と語の関連性を判断し,新たな語を連想することができることが挙げられる.実生活における会話では,「車と自動車」,「自動車と... | |
V26N02-07 | \label{sect:introduction}日本語の構文解析は,標準的に文節間の依存関係により構成される構造「文節依存構造」(あるいは,文節係り受け構造)に基づいて行われてきた.特に,CaboCha~\cite{Kudo:2002:CoNLL}やKNP~\cite{Kawahara:2006:HLTNAACL}に代表される文節依存構造に基づく解析器は高い解析精度を実現して広範に利用され,日本語の自然言語処理全般の発展に大きく寄与してきた.しかしながら,文節依存構造による構文構造の表現には,2つの問題点があることが指摘されている~\cite{Butler:2012:ANLP,Tanaka:2013:SPMRL}.一つは依存構造の... | |
V26N03-03 | \label{sec:intro}本稿では,参照文を用いた文単位での機械翻訳自動評価手法について述べる.文単位での信頼性の高い自動評価によって,機械翻訳システムの細かい改善が可能になる.文単位での機械翻訳の評価手法には,ある機械翻訳システムの翻訳文に対して他のシステムの翻訳文と比較して相対的に評価する手法と,翻訳文の品質を絶対的に評価する手法がある.本研究では,機械翻訳システムの文単位での定性的な分析,つまり,評価対象の機械翻訳システムがどのような文に対してどの程度の品質で翻訳できるのかについての分析を可能にするため,各翻訳文に対して絶対的な自動評価を行う.本研究では,人手評価に近い絶対評価ができる手法を信頼性の高い自動評価であると... | |
V18N01-02 | \label{sec:mylabel1}自然言語処理の研究分野において,1文を対象にした研究は盛んに行われてきた.特に,形態素解析や構文解析は実用レベルに達しており,様々な自然言語を対象とした応用研究において,基礎処理として使用されている.しかし,高度な文章処理を目的としている応用研究,例えば文章要約や照応解析,質問応答,評判分析などは,当然ながら1文を対象にしているわけではなく,高い精度を実現するためには,文章中の話題のまとまりや文間の接続関係といった談話構造の理解が必要になる.このような談話構造解析を用いれば,文章要約(田中,面来,野口,矢後,韓,原田2006)では話題のまとまりを考慮した自然な要約が可能になり,照応解析(南,原... | |
V17N01-03 | 形態素解析は,文を形態素列に分割し,各形態素に品詞をタグ付けするタスクである.形態素解析は自然言語処理における基盤技術であり,構文解析や情報検索といった応用を実現するうえで高い精度の達成が不可欠となる.日本語の形態素解析では,あらかじめ定義された辞書を用いる手法が高い精度を達成している~\cite{Kurohashi1994full,浅原正幸:2002,Kudo2004full}.この手法では,入力文は辞書引きにより得られた形態素のラティスに展開され,ラティス中の最適なパスが出力として選択される.しかし,辞書に基づく形態素解析には,辞書にない形態素({\bf未知語})の解析を誤りやすいという問題がある.例えば,形態素解析器JUMAN... | |
V05N01-04 | 本研究では,論説文の文章構造についてモデル化し,それに基づいた文章解析について論じる.近年のインターネットや,電子媒体の発達などにより大量の電子化された文書が個人の周囲にあふれてきており,文書理解,自動要約等,これらを自動的に処理する手法の必要性が増している.文章の構造化はそれらの処理の前提となる過程であるが,人間がその作業を行なう場合を思えば容易に分かるように,元来非常に知的な処理である.しかし,大量の文書を高速に処理するためには,記述されている領域に依存した知識を前提とせず,なるべく深い意味解析に立ち入らない「表層的」な処理により行なうことが求められる.文末表現から文章構造を組み立てる手法,表層的な表現から構造化する手法,また,... | |
V10N02-03 | 近年,情報分野の認知度・重要度は急速に増し,それに伴って自然言語処理分野の研究もさらに活発なものとなっている.形態素論から構文論へと研究は進み,現在は意味論に関する研究がその中心となっている.比喩表現はその代表的なテーマの1つであり,我々の日常的なコミュニケーションも比喩表現の雛型としての言語知識に基づいた部分が多いとされている\cite{Lakoff-1}.比喩表現に関する研究は,近年細かく分類され,様々なアプローチによる研究が精力的に進められている.人工知能(自然言語処理)分野における比喩処理の研究として,Barndenは,ATT-Metaと呼ばれる比喩推論システムを試作している\cite{Barnden-1}.このシステムは,... | |
V08N04-05 | 音声認識技術の進歩により,最近は文章入力を音声で行うことも可能になって来ている.文章を音声で入力する場合には,音声を文字化すると失われてしまう韻律のような情報も言語処理に利用できる可能性がある.韻律には,多様な情報が含まれているが,その中で構文情報に着目した研究がこれまでにいくつか行われている.\cite{UYE}は読み上げ文のポーズやイントネーションを観察し,それらが文の構文構造と関連を持つことを明らかにした.この結果は,もし韻律情報が得られるならば,それを構文解析のための知識源の一つとして利用できる可能性を示唆している.\cite{KOM}は韻律情報を用いて隣接句間の結合度を定義し,結合度の弱い句境界から順に分割して行くことによ... | |
V04N03-02 | \label{sec:introduction}単語の多義性を解消するための技術は,機械翻訳における訳語の選択や仮名漢字変換における同音異義語の選択などに応用できる.そのため,さまざまな手法\cite{Nagao96}が研究されているが,最近の傾向ではコーパスに基づいて多義性を解消するものが多い.コーパスに基づく手法では,単語と単語や語義と語義との共起関係をコーパスから抽出し,抽出した共起関係に基づいて入力単語の語義を決める.しかし,抽出した共起関係のみでは全ての入力には対応できないというスパース性の問題がある.スパース性に対処するための一つの方法は,シソーラスを利用することである.シソーラスを使う従来手法には,クラスベースの手法\... | |
V04N02-03 | \newenvironment{indention}[1]{}{}照応現象の一つに,文章中に現れていないがすでに言及されたことに関係する事物を間接的に指示する間接照応という用法がある\cite{yamanashi92}.たとえば,「家がある.屋根は白い.」の場合,「屋根」は前文の「家」の屋根である.間接照応の研究はこれまで自然言語処理においてあまり行なわれていなかったが\footnote{文献\cite{Tanaka1}では化学の世界に限定して名詞「体積」の間接照応の解析をしているが,一般の名詞すべてに対して間接照応の解析を行なっている研究はない.},文章の結束性の把握や意味理解において重要な問題である.そこで,我々は二つの名詞間の... | |
V15N03-02 | 自然言語処理研究は1文を処理対象として数多くの研究が行われてきたが,2文以上を処理対象とする談話処理の研究は依然として多いとは言えない.これは問題が大幅に難しくなることが一因であろう.例えば,構文解析の係り先同定などに見られるように解が文の中にある場合の選択肢は比較的少数であるが,照応・省略解析などのような問題となると解候補や考慮すべき情報が多大となるため正解を得るのは容易ではない.この結果,多くの報告が示すように概ねどのような談話処理の問題であっても十分な精度が得られることは比較的少ない.しかし,これによって談話処理の重要性は何ら変化することはなく,我々は継続的に取り組んでいかなければならない.本論文では,談話処理のうち文間の接続... | |
V06N05-05 | \label{sec:hajimeni}人間の翻訳作業を支援するシステムは,電子単語辞書から機械翻訳システムまでいろいろ提案されており関連する研究も多い\cite{MT97}.著者らはこの中の用例提示型の翻訳支援システムの研究を行っている.このシステムは一般的に巨大な対訳用例データベースと検索システムから構成される.このシステムに対して利用者は「翻訳がわからない」と思う表現を入力する.するとシステムは入力に一致した表現,あるいは類似した表現をデータベース中で検索してその翻訳例を提示する.利用者は提示された翻訳例を参考に翻訳を作成する.機械翻訳システムと違ってこの場合の翻訳の主体は利用者にあり,システムは利用者に参考となる情報を提示す... | |
V26N01-09 | 近年,ニューラルネットワーク及び分散表現の使用により,係り受け解析は大きく発展している.\cite{dchen2014,weiss2015,hzhou2015,alberti2015,andor2016,dyer2015}.こうした構文解析器が,単語ごとの分かち書きを行う英語や多くのヨーロッパ諸語に適用された場合は非常に正確に動作する.しかし,日本語や中国語のように,特に単語毎の分かち書きを行わない言語に対し適用する場合は,事前に形態素解析器や単語分割器を利用して単語分割を行う必要がある.また,単語分割が比較的に容易な言語の場合でも,構文解析器は品詞タグ付け結果を利用することが多い.したがって,前段の単語分割器や品詞タグ付け器と後段... | |
V22N04-01 | Googleに代表される現在の検索エンジンはその性能が非常によくなってきており,適切な検索用語(キーワード)さえ与えてやればおおむね期待通りの検索結果が得られる.しかし一方,多くのユーザ,特に子どもや高齢者,外国人などにとって検索対象を表す適切な検索用語(特に専門用語など)を見つけることは往々にしてそう簡単ではない.マイクロソフトの「現在の検索で不満に思う点」に関する調査\footnote{http://www.garbagenews.net/archives/1466626.htmlまたはhttp://news.mynavi.jp/news/2010/07/05/028/}によれば,57.6\%の人が適切なキーワード探しの難しさに... | |
V21N02-02 | 平成11年から政府主導で行われた平成の大合併や,平成19年より施行された地方分権改革推進法など,地方政治を重視する取り組みが盛んに行われていたのは記憶に新しい.一方で,有権者の政治離れが深刻な問題となって久しく,平成25年7月21日の第23回参議院議員通常選挙における選挙区選挙では52.61\%の投票率\footnote{http://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo\_s/data/sangiin23/index.html}となり,参議院議員通常選挙において過去3番目に低い値となった.地方政治の場合,平成23年4月の第17回統一地方選挙の投票率は,48.15\%\footnote{http://www.s... | |
V14N03-04 | \label{sec:hajimeni}\subsection{背景}テキストデータからヒトの心理状態を抽出・分析する研究例は近年盛んに行われるようになっている.これは,ヒトの行動について,観測可能な形として外部に現れた行動結果だけでなく,評価・好き嫌い・満足・要求といった心理的な面を扱うニーズが高まっていることを反映している.筆者らは,交通行動,特に,経路選択行動の心理状態をことばによってモデル化することを試みている.交通行動分析の代表的な問題の捉え方の1つは,ある場所から別の場所に移動する際に経路や交通手段としていくつかの選択肢が挙がっており,その中から1つを選ぶというものであるが,交通行動分析においても同様に心理面のニーズが高... | |
V02N01-02 | 我々が目標とするのは,日本語の複文の理解システムである.このようなシステムにおいては,{\bfゼロ代名詞}の照応の解析が重要な問題となり,例えば「ので」「から」などで接続された複文におけるゼロ代名詞照応の解析は,構文論,意味論,語用論の総合的な利用が要求される.文献\cite{中川:複文の意味論,COLING94}では,複文中に設定される意味および談話役割を用いた制約条件という形でこの問題を取り扱うことが提案されている.これは,ゼロ代名詞と対応する役割(動作主,経験者など)だけではなく,語用論的な役割(観察者など)の照応にも言及する制約であり,これによって,意味論および語用論を統合した形での複文の意味解析が可能である.ところで,意味... | |
V15N03-01 | 今日,大学は社会に貢献することが求められているようになっている.特に,産業界と関係の深い学部においては産学連携が強く求められるようになってきている.そのような産学連携を活性化するためには大学側のシーズを専門用語によって簡単に検索できるシステムが望まれる.そこで,著者らは産学連携マッチングを支援する研究情報検索システムの研究を開始した.本研究では研究情報検索システムの主要要素である専門用語の抽出に取り組んでいる.対象分野としては専門用語による研究情報検索システムのニーズが高く,これまで研究がなされていない分野の1つである看護学分野を選択した.専門用語抽出の研究は情報処理分野を対象にした研究は盛んに行われている.しかしながら,一部の医学... | |
V02N04-04 | 本論文では,話者の対象認識過程に基づく日本語助詞「が」と「は」の意味分類を行ない,これを,一般化LR法に基づいて構文解析するSGLRパーザ(沼崎,田中1991)の上に実装する.さらに,助詞「を」と「に」についても意味分類を行ない,パーザに実装する.そして,これらの意味分類の有用性を実験により確認した結果について述べる.話者の対象認識過程とは,話者が対象を認識し,それを言語として表現する際に,対象を概念化し,対象に対する話者の見方や捉え方,判断等を加える過程のことをいう.本研究の新規性は,次の3点である.1.三浦文法に基づいて,日本語の助詞「が」と「は」の意味規則,及び,「を」と「に」についての意味分類を考案したこと.2.この規則の動... | |
V09N05-01 | 自然言語処理においてchunk同定問題(chunking)とは,単語列(一般にこれをtoken列とよぶ)をある視点からまとめ上げていき,まとめ上げた固まり(chunk)をそれらが果たす機能ごとに分類する一連の手続きのことを指す.この問題の範疇にある処理として,英語の単名詞句同定(baseNPchunking),任意の句の同定(chunking),日本語の文節まとめ上げ,固有名詞/専門用語抽出などがある.また,各文字をtokenとしてとらえるならば,英語のtokenization,日本語のわかち書き,品詞タグ付けなどもchunk同定問題の一種としてとらえることができる.一般に,chunk同定問題は,文脈から得られる情報を素性としてとら... | |
V04N01-02 | label{sec:Intro}自然言語処理では,これまで書き言葉を対象として,さまざまな理論や技術が開発されてきたが,話し言葉に関しては,ほとんど何もなされてこなかった.しかし,近年の音声認識技術の進歩によって,話し言葉の解析は自然言語処理の中心的なテーマの1つになりつつある.音声翻訳,音声対話システム,マルチモーダル・インターフェースなどの領域で,自然な発話を扱うための手法が研究され出している.話し言葉の特徴は,言い淀み,言い直し,省略などのさまざまな{\bf不適格性}\,(ill-formedness)である.例えば,(\ref{eq:Sentence1})には,(i)\,言い直し(「ほん」が「翻訳」に言い直されている),(i... | |
V02N02-01 | 高度な自然言語理解システムの実現のために,凝った言い回し,すなわち修辞表現を工学的に処理する手法の確立は,避けて通れない研究課題になっている.代表的な修辞表現である「比喩」は,隠喩,直喩,活喩,物喩,提喩,換喩,諷喩,引喩,張喩,類喩,声喩,字喩,詞喩の13種類に分類するのが一般的である\cite{Haga1990}.その中でも隠喩と換喩は,従来からとりわけ注目され\cite{Haga1990},工学の分野でもこの2種の比喩の解析の研究については,既に数多く行われている\cite{Doi1989,Iwayama1991,Utsumi1993,Suwa1994,Iwayama1992}.隠喩と換喩以外の比喩については,諷喩の固定したも... | |
V03N02-02 | インターネット上の電子ニュース(以下,ネットニュースと記す)は,誰もが自由に記事を投稿することができ,それがそのまま広く配布されるという特徴を持った,新しいマスメディアである.情報発信者が限られている従来のマスメディア(新聞,ラジオ,テレビ)と比べ,情報発信の機会を広くに解放した点で,ネットニュースはマスメディアの新しい可能性を開いたが,逆に,情報発信者の拡大による情報の洪水と情報(テキスト)品質の多様化という新しい現象を引き起こしつつある.このため,求める情報を簡単に見つけることができなくなりつつある.我々は,この問題を解決する方策として,ダイジェストに注目している\cite{Madoka-master-94,Madoka-ips... | |
V06N07-02 | 日本語の長文で一文中に従属節が複数個存在する場合,それらの節の間の係り受け関係を一意に認定することは非常に困難である.また,このことは,日本語の長文を構文解析する際の最大のボトルネックの一つとなっている.一方,これまで,日本語の従属節の間の依存関係に関する研究としては,\cite{Minami73aj,Minami93aj}による従属節の三階層の分類がよく知られている.\cite{Minami73aj,Minami93aj}は,スコープの包含関係の狭い順に従属節を三階層に分類し,スコープの広い従属節は,よりスコープの狭い従属節をその中に含むことができるが,逆に,スコープの狭い従属節が,よりスコープの広い従属節をその中に含むことはでき... | |
V17N01-08 | label{introduction}テキストの評価は,自動要約や機械翻訳などのようなテキストを生成するタスクにおいて手法の評価として用いられるだけでなく,例えば人によって書かれた小論文の自動評価\cite{miltsakaki2004}といったように,それ自体を目的とすることもある.言語処理の分野においては前者のような手法評価の観点からテキスト評価に着目することが多く,例えば自動要約の評価で広く用いられているROUGE\cite{lin2003,lin2004}や機械翻訳で用いられているBLEU\cite{papineni2002}のような評価尺度が存在している.これらの評価手法は特に内容についての評価に重点が置かれている.つまり... | |
V14N03-11 | テキスト対話における対話者の情緒\footnote{心理学ではemotionの訳語に「情緒」や「情動」を用いる.emotionは,feeling(訳語は「感情」)より狭い意味である.本稿では,機械処理の立場から\cite{徳久&岡田98}にならい,「情緒」という用語を用いる.}を分析する上で,情緒タグ付きテキスト対話コーパスが必要とされている.通常,言語表現と話者の情緒との間には,必ずしも直接的な対応関係が存在するとは限らず,多義が存在する場合が多いため,対話文に内包された情緒を言語表現のみによって正しく判定することは難しい.したがって,音声や表情などの言語外情報が欠けているテキスト対話に対して,情緒のタグを付与しようとすると,付与... | |
V10N04-06 | \label{sec:intro}\thispagestyle{empty}機械翻訳,言語横断的な検索や要約など複数の言語を同時に扱うシステムにおいて対訳辞書は必要不可欠であり,その品質がシステム全体の性能を左右する.これらに用いられる対訳辞書は現在,人手によって作成されることが多い.しかし,人手による作成には限界があり,品質を向上するためには膨大な労力が必要であること,辞書の記述の一貫性を保つことが困難であることが問題となる.このことからコーパスから自動的に対訳辞書を作成しようとする研究が近年盛んに行われている~\cite{tanaka_96,kitamura_97,melamed_97,yamamoto_01,kaji_01}.... | |
V22N05-04 | 述語項構造は,文章内の述語とその項の間の関係を規定する構造である.例えば次の文,\eenumsentence{\item[][太郎]は[手紙]を{書い}た。}では,「書く」という表現が述語であり,「太郎」と「手紙」という表現がこの述語の項である.述語と項の間の関係は,それぞれの項に,述語に対する役割を表すラベルを付与することで表現される.役割のラベルは解析に用いる意味論に応じて異なるが,例えば表層格を用いた解析では,上記の「太郎」には「ガ格」,「手紙」には「ヲ格」のラベルが与えられる.このように,文章中の要素を述語との関係によって構造的に整理する事で,複雑な文構造・文章構造を持った文章において「誰が,何を,どうした」のような文章理解... | |
V05N04-03 | label{はじめに}\subsection{複合名詞解析とは}\label{複合名詞解析とは}複合名詞とは,名詞の列であって,全体で文法的に一つの名詞として振る舞うものを指す.そして,複合名詞解析とは,複合名詞を構成する名詞の間の依存関係を尤度の高い順に導出することである.複合名詞は情報をコンパクトに伝達できるため重要な役割を果たしており,簡潔な表現が要求される新聞記事等ではとりわけ多用される.そして,記事中の重要語から構成される複合名詞は,記事内容を凝縮することさえ可能である.例えば,「改正大店法施行」という見出しは,「改正された大店法(=大規模小売店舗法)が施行される」ことを述べた記事の内容を一つの名詞に縮約したものである.そ... | |
V09N05-03 | ある文字列を$k$回以上含むドキュメント数には,文字列の意味に関連する性質がある.この論文では,このドキュメント数を重複度$k$のドキュメント頻度と呼び,特に$k$を指定しない場合には,重複条件付きドキュメント頻度と呼ぶことにする.図\ref{dfn-sample}は,332,918個の日本語アブストラクトの本文を対象に,様々な文字列に対し,$k$を変化させて,重複度$k$のドキュメント頻度を計測したものである.文字列が意味のある単語の部分である場合には,$k$の増加にしたがっても,文書数の減少は緩やかである.たとえば,「メ」「メデ」「メディ」「メディア」などについては,$k$が一つ増加するごとに,ドキュメントの数が半減する傾向が観... | |
V02N04-01 | 今日,家庭向けの電化製品から,ビジネス向けの専門的な機器まであらゆる製品にマニュアルが付属している.これらの機器は,複雑な操作手順を必要とするものが多い.これを曖昧性なく記述することが,マニュアルには求められている.また,海外向けの製品などのマニュアルで,このような複雑な操作手順を適切に翻訳することも困難である.そこで,本稿は,上記のような問題の解決の基礎となるマニュアル文を計算機で理解する手法について検討するが,その前に日本語マニュアル文の理解システムが実現した際に期待される効果について述べておく.\begin{itemize}\item日本語マニュアル文の機械翻訳において言語-知識間の関係の基礎を与える.\item自然言語で書か... | |
V26N01-06 | フレーズベースの統計的機械翻訳\cite{Koehn:2003:SPT:1073445.1073462}は,フレーズを翻訳単位として機械翻訳を行う手法である.この手法では局所的な文脈を考慮して翻訳を行うため,英語とフランス語のように,語順が似ている言語対や短い文においては高品質な翻訳を行えることが知られている.しかし,英語と日本語のように,語順が大きく異なる言語対では,局所的な文脈を考慮するだけでは原言語のフレーズを目的言語のどのフレーズに翻訳するかを正しく選択することは難しいため,翻訳精度が低い.このような語順の問題に対し,翻訳器のデコーダで並び替えを考慮しつつ翻訳する手法\linebreak\cite{Tillmann:2004... | |
V23N05-04 | 文書間類似度がはかるものとして「伝える内容の一致」(内容一致)だけでなく「伝える表現の一致」(表現一致)がある.文書間類似度は自動要約や機械翻訳ではシステム出力の内容評価を行うために参照要約(翻訳)との差異を評価する指標として用いられる.一方,文書間類似度は表現の差異を評価することを目的としてテキストの文体の計量比較にも用いられる.本稿では,文書間類似度の数理的構造の説明し,様々な内容もしくは文体が同じであることが想定されるテキストを用いて,各計量の特性について検討する\modified{.}\cite{nanba-hirao-2008-JSAI-journal}は2008年時点での自動要約の評価指標についての評価をまとめている.2... | |
V14N03-10 | インターネット上での商取引やブログの増加により,特定の商品や出来事についての感情や評価,意見などの個人の主観を表明したテキストが増加している.この主観の対象が特定の商品に対するものである時は,商品へのフィードバックとして企業に注目される.主観が特定のニュースや施策に対するものであれば,国民の反応を知る手がかりとして利用する用途なども考えられる.国内外で多数の主観に注目した会議が開催されていることからも,関心の高さをうかがい知ることができる(EAAT2004,Shanahanetal.2005,言語処理学会2005,言語処理学会2006,AAAI2006,EACL2006,ACL2006).本研究では,このようなテキストに現れた個人の... | |
V06N03-03 | label{intro}テキストは単なる文の集まりではなく,テキスト中の各文は互いに何らかの意味的関係を持つ.特に意味的関係の強い文が集まって談話セグメントと呼ばれる単位を形成する.文が互いに意味的関係を持つように,これらの談話セグメント間にも意味的な関係が存在する.テキストの全体的な談話構造はこの談話セグメント間の関係によって形成される.そのため,テキストのセグメント境界を検出するテキストセグメンテーションの研究は,談話構造解析の第一ステップであると考えられる\cite{Grosz:86}.また,最近では,テキストセグメンテーションの研究は情報検索の分野においても応用されている.長いテキスト中には複数のサブトピックが存在しているた... | |
V26N01-03 | 近年,ソーシャルニュースサイトや討論ポータルの発展に伴い,様々な話題がオンライン上で議論されるようになった.これら議論は世の中の貴重な意見を含んでいるが,分析には関連する複数の投稿・発言の内容を理解する必要がある.これまでも対話行為の分析\cite{Stolcke2000,Bunt2010}を発展させ,議論を談話行為に基づいて分析するアプローチが提案されてきた.議論における談話行為の自動的な分類は,情報アクセスや要約の改善に寄与できると考えられている.このため,電子メール\cite{Cohen2004,Carvalho2005,Carvalho2006,Hu2009,Omuya2013},ニュースグループ\cite{Wang2007... | |
V07N02-02 | \label{sec:introduction}近年,WWWを通じて英字新聞記事に接する機会が増えてきたことに伴い,より正確に英文記事を日本語に翻訳する必要性が高まってきている.新聞記事は見出しと本文から構成されるが,見出しは記事の最も重要な情報を伝える表現である\footnote{テキストから重要な文を選択するテキスト抄録システムにおいて,見出しを最も重要な文であるとみなす考え方\cite{Nakao97,Yoshimi99}がある.}ため,見出しを正確に翻訳することは他の表現の翻訳に比べてより一層重要である.英字新聞記事の見出しは,できるだけ少ない文字数でできるだけ多くの情報を伝えるためや,読者の注意を引くために,通常の文の表現... | |
V24N03-02 | label{first}元来から日本は,外来語を受け入れやすい環境にあるといわれており,数多くの外国の言葉を片仮名として表記し,そのまま使用している.近年になり,今まで以上にグローバル化が進展すると共に,外来語が益々増加する中,外来語の発音を片仮名表記にしないケースが見受けられる.特に,英語の場合,外国語の表記をそのまま利用することも増えてきている.また,英単語などの頭文字をつなげて表記する,いわゆる略語もよく利用されるようになっている.例えば,「IC」といった英字略語がそれにあたる.しかし,英字略語は英単語の頭文字から構成される表現であるため,まったく別のことを表現しているにも関わらず,同じ表記になることが多い.先の英字略語「IC... | |
V01N01-03 | 従来の構文解析法は基本的に句構造文法あるいは格文法をその拠り所としてきた.前者の考え方は局所的統合の繰り返しによって文の構造を認識しようというものである.しかし,実際にそのような方法で文を解析しようとすると,規則の数が非常に多くなり,なおかつ十分な精度の解析結果を得ることが困難であった.また,格文法の場合は格要素を決定するための意味素が必ずしもうまく設定できず,またこの場合も基本的には局所的な解析であるため,十分な精度の解析結果が得られていない.これらの問題を解決するためには,これらの文法的枠組に加えて,局所的記述ではとらえきれない情報を文中の広い範囲を同時的に調べることによって取り出す必要がある.日本語文解析の困難さの原因の一つで... | |
V24N03-05 | 法律文書や技術文書等の専門文書は,その文種に特有の表現を持っていることから,サブ言語を形成していると考えることができる.サブ言語を対象とした翻訳に関する従来の研究では,サブ言語の翻訳品質を向上させるには,対象のサブ言語に特徴的に表れる文構造を適切に捉え,対象言語の文構造に変換することが不可欠であることが指摘されている\cite{DBLP:conf/coling/BuchmannWS84,DBLP:conf/eacl/Luckhardt91,DBLP:conf/anlp/MarcuCW00}.図\ref{fig:ex-sents}は,特許抄録のサブ言語に特有な2対の対訳文である.いずれの文対でも,適切な訳文を得るためには,原言語文にお... | |
V14N03-15 | 近年,Webが爆発的に普及し,掲示板等のコミュニティにおいて誰もが容易に情報交換をすることが可能になった.このようなコミュニティには様々な人の多様な評判情報(意見)が多く存在している.これらの情報は企業のマーケティングや個人が商品を購入する際の意思決定などに利用されている.このため,このような製品などに対する評判情報を,Web上に存在するレビューあるいはブログなどから,自動的に収集・解析する技術への期待が高まっている.このため,従来このような評判情報の抽出に関して研究されてきた\cite{morinaga,iida,dave,kaji,yano,suzuki}.これらの研究では,製品などに関する評価文書から自然言語処理技術を用いて評... | |
V18N04-01 | \subsection{背景と目的}我々が記述や発話によって伝える情報は客観的な事柄のみではない.事柄が真なのか偽なのか,事柄が望ましいか望ましくないか,といった心的態度も併せて伝達する.言語学,日本語学にはこのような心的態度に対応する概念として「モダリティ」または「様相」と呼ばれるものが存在する.モダリティは,文を構成する主要な要素として規定されている概念である.モダリティ論では「文は,客観的な事柄内容である『命題』と話し手の発話時現在の心的態度(命題に対する捉え方や伝達態度)である『モダリティ』からな」るという規定が多くの学者に受け入れられてきた\cite{Book_01}\footnote{以後,修飾語句なしに「心的態度」と記... | |
V17N04-07 | \label{sect_intro}計算機の急速な普及に伴い,様々な自然言語処理システムが一般に用いられるようになっている.中でも,日本語の仮名漢字変換は最も多く利用されるシステムの1つである.仮名漢字変換の使いやすさは変換精度に大きく依存するため,常に高精度で変換を行うことが求められる.近年では,変換精度の向上とシステム保守の効率化を両立させるために,確率的言語モデルに基づく変換方式である統計的仮名漢字変換\cite{確率的モデルによる仮名漢字変換}が広まりつつある.変換精度を向上させる上で問題となるのは,多くの言語処理システムと同様,未知語の取り扱いである.統計的仮名漢字変換では,文脈情報を反映するための単語$n$-gramモデ... | |
V14N05-08 | \label{sec:intro}\subsection{背景と動機}参照結束性(referentialcoherence)とは,主題の連続性や代名詞化によってもたらされる,談話の局所的な繋がりの滑らかさである.本研究の目的は,参照結束性を引き起こすメカニズムの定量的モデル化である.この問題を扱う動機を以下に示す.\begin{itemize}\item[1.]{\bf認知言語学的動機:}談話参与者(発話者,受話者;筆者,読者)が高い参照結束性で繋がる表現/解釈を選択するのは,どのような行動選択メカニズムによるものだろうか?~参照結束性の標準的理論であるセンタリング理論\shortcite{grosz1983,grosz1995}は... | |
V16N04-02 | 近年,コロケーションの研究は自然言語処理及びコーパス言語学において盛んになっている.このコロケーションの一種である遠隔共起\footnote{本稿では,あるテクストにおいて,語と他の言語的要素が同時に出現する現象を「共起」と呼ぶ.情報処理およびコーパス言語学において,同じような意味で「コロケーション」という用語も利用される.文末モダリティ形式との共起は語と文法範疇の共起とも考えられ,そのような語と文法範疇の共起は「コリゲーション」という用語を使用することがある.それに対して,語と語の共起は「コロケーション」と呼ばれる\cite{IshikawaBook}.本章では,両方の現象を「共起」という用語で扱う.「遠隔共起」というのは離れた位... | |
V09N05-02 | 機械翻訳では,統計ベースの翻訳システムのようにコーパスを直接使用するものを除き,変換規則などの翻訳知識は依然として人手による作成を必要としている.これを自動化することは,翻訳知識作成コストの削減や,多様な分野への適応時の作業効率化などに有効である.本稿では,機械翻訳,特に対話翻訳用の知識自動獲得を目的とした,対訳文間の階層的句アライメントを提案する.ここで言う句アライメントとは,2言語の対訳文が存在するとき,その1言語の連続領域がもう1言語のどの連続領域に対応するか,自動的に求めることである.連続領域は単語にとどまらず,名詞句,動詞句などの句,関係節などの範囲に及ぶため,まとめて句アライメントと呼んでいる.ここでは対象言語として,英... | |
V10N02-01 | 人間は言語表現から各事象間の時間関係を推定し全体的な時間関係を把握する.しかしながら言語表現上には事象間の関係を明示する情報は希薄である.このため事象間の時間構造を理解するには,各事象の時間的な局面を手がかりにする必要がある.動作が保持する時間的な情報に対し,それが動きであるのか状態であるのかなどをカテゴリー分けしたものを動詞の持つアスペクトクラスという.各事象のアスペクトクラスを決定するには,構文上の文法形態といった統語論的な情報を手がかりにすることが考えられる.しかし日本語の助詞「た」や「〜ている」などの情報だけからアスペクトクラスの決定をすることは困難であり,事象が持つ時間的な情報を考察する意味論的な手法に頼る必要がある.本稿... | |
V15N02-03 | \label{Introduction}初期の機械翻訳の研究では,翻訳のルールを人手により書き下して翻訳するルールベース翻訳(RBMT)が用いられていた.計算機性能の問題もあり,しばらくはRBMTによる研究が進められてきたが,多様な言語現象を全て人手で書き下すことは事実上不可能であるし,他の言語対への汎用性が乏しいなどの欠点がある.そこで次に考案されたのが,あらかじめ与えられた対訳コーパスから翻訳知識を自動で学習し,その知識を用いて翻訳を行うコーパスベースの手法である.コーパスベースの手法で最も重要なのが,翻訳で使う知識を対訳コーパスから学習するアラインメントと呼ばれるステップである.アラインメント精度は翻訳精度を大きく左右するため... | |
V03N03-01 | 自然言語処理技術は,単一文の解析等に関しては一定の水準に到達し,文の生成技術を統合して幾つかの機械翻訳システムが商用化されて久しい.このような段階に達した現在においては,従来,問題とされてきた形態素解析や構文解析とは異なる以下のような課題が現れてきている.自然言語処理システムは求められる分析性能が向上するにつれて,そのシステムで用いる言語知識ベース(文法規則や辞書データ)も次第に複雑化,巨大化してきた.ひとたび実働したシステムも,利用者が使い込むことによって既存の分析性能では扱えない言語現象への対応に迫られる.利用者が増えるに従って新たな分析性能が要求される.一方,自然言語処理システムを用いる応用分野はますます多様化することが予想さ... | |
V15N04-01 | 本研究の目的は,歴史資料(史料)から歴史情報を自動抽出する方式を確立すること,および歴史知識を構造化するためにその抽出結果を歴史オントロジーとして構築し,提供することにある.歴史研究は史料内容の解読から始まる.そのために史料の収集・翻刻(楷書化)・解読の作業が伴う.ただし,史料の形態・記述は多様であり,翻刻・解読には相当の知識と経験を必要とする.国内には未解読の史料が未だ多数存在する.一方,これまでに解読された結果についても電子化されていない,あるいは機関・個人など個別に存在するために各史料を共用できないという問題があり,歴史事象の関連性の解明,すなわち歴史研究の推進そのものに支障をきたしている.この種の問題解決のために,すなわち歴... | |
V10N03-06 | \label{sec:introduction}単語の多義性解消は自然言語処理の重要な基本技術のひとつとして認識されている.単語の多義性というのは,例えば,「買う」という単語について「本を買う」と「反感を買う」とでは意味が違うというように,同じ単語でも文脈によって意味の違いがあるという性質のことを言う.そして,その意味の違いのことを単語の多義と言う.単語の多義は細かく定義すればきりがない.したがって,多義をどこまで区別するべきかはタスクの目的に依存して決めることになる.機械翻訳の問題では,適切な翻訳(訳語/訳句)が選択できればよく,単語の多義はその翻訳の異なりとして定義できる.機械翻訳における単語の多義性解消の方法,つまり,訳語選択... | |
V03N02-04 | 日本語の理解において省略された部分の指示対象を同定することは必須である.特に,日本語においては主語が頻繁に省略されるため,省略された主語の指示対象同定が重要である.省略された述語の必須格をゼロ代名詞と呼ぶ.主語は多くの場合,述語の必須格であるから,ここでは省略された主語をゼロ主語と呼ぶことにする.ここでは特に,日本語の複文におけるゼロ主語の指示対象同定の問題を扱う.日本語の談話における省略現象については久野の分析\cite{久野:日本文法研究,久野78}以来,言語学や自然言語処理の分野で様々な提案がなされている.この中でも実際の計算モデルという点では,centeringに関連するもの\cite{Kameyama88,WIC90}が重... | |
V26N01-01 | \label{sec:intro}Universal\Dependencies\(UD)\\cite{mcdonald:2013}は,言語間で共通のアノテーション方式を用いて多言語の構文構造コーパス(ツリーバンク)を開発する国際プロジェクトである.多言語の構文構造コーパスを構築する試みはこれまでにも行われているが,言語ごとに独自のアノテーション方式(アノテーション対象,タグ,ラベルなど)が定義されていた\cite{hajivc-EtAl:2009:CoNLL-2009-ST}.UDは全ての言語で共通のアノテーション方式を用いるため,異なる言語間の構文的対応関係が明示的に記述される.したがって,多言語構文解析器の開発,構文解析器を用い... | |
V10N02-05 | 言語処理において,宣言的な文法規則に基づく自然言語文解析の研究・開発は不可欠のタスクである.本稿では,LexicalFunctionalGrammar(LFG)に基づいた実用的な日本語文解析システムについて述べる.本システムの第一の特徴は,精緻な日本語文法規則に基づく深い解析を行う点である.第二の特徴は,実文を対象とした評価が可能な高い解析カバー率を達成している点,すなわち,解析対象が口語的・非文法的文であっても解析可能な高い頑健性を持つ点である.本システムの実装により,LFGに基づく日本語解析システムとしては初めて,文法機能(grammaticalfunction)の情報を含めた解析精度の評価実験を行うことが可能となった.さらに第... | |
V12N05-08 | モンゴル語においては,自立語の語幹に対して格を表す語尾や動詞の活用を表す語尾・接続助詞等が結合したものが句を構成し,ヨーロッパ言語と同様に,空白で区切られた句の列により文を構成する.ここで,モンゴル語の形態素解析の問題について考えると,この問題は,モンゴル語文中の名詞句や動詞句が与えられて,それらの句を名詞あるいは動詞の語幹と語尾とに分解することであると言える.この処理を実現するためには,名詞あるいは動詞の語幹に語尾が接続する際の接続可能性や語変形の規則性を明らかにする必要がある.また,例えば,他の言語からモンゴル語への機械翻訳などにおいては,名詞あるいは動詞の語幹および語尾が与えられると,その語幹・語尾の組に対する語変形や活用の過... | |
V09N05-04 | label{intro}比喩とは,ある概念を他の概念によって説明または強調する修辞的手法の一つであり\cite{Lakoff1986,Yoshiga1990j},様々な分野で研究対象として取り上げられている\cite{Shinohara2000j}.自然言語処理の分野においても,比喩表現はしばしば問題となる.例えば,機械翻訳において,現状のシステムでは意訳や再解釈などの深い処理は行われないため,目的言語に翻訳された比喩表現は,意図した内容と異なった出力となってしまう場合がある\cite{Masui1995j}.``水のような価値''という比喩表現は,日本語では「価値が低い」という意味として理解されるが,言語によっては,「非常に価値が... | |
V21N06-05 | \label{SEC::INTRO}テキスト中に出現する述語の格構造を認識する処理は述語項構造解析や格解析などと呼ばれ,計算機によるテキスト理解のための重要な1ステップである.しかし,格構造を表現する際に使用される``格''には,述語の出現形\footnote{本論文では,能動形,受身形,使役形など,述語が実際にテキストにおいて出現した形のことを出現形と呼ぶ.}に対する表層格や,能動形に対する表層格,さらには深層格など複数の表現レベルが存在し,どの表現レベルを用いるべきかは使用するコーパス\footnote{京都大学テキストコーパス\cite{TAG}では出現形の表層格情報,NAISTテキストコーパス\cite{Iida2007}で... | |
V14N05-04 | 本論文では,ランダムな初期値を使ってNon-negativeMatrixFactorization(NMF)による文書クラスタリングを複数回行い,それらの結果をアンサンブルすることで,より精度\footnote{本論文において用いる「(クラスタリングの)精度」とは,クラスタリングの正解率(accuracy)と同義である.つまり,ここでは暗にクラスタリングの正解があることを想定しており,得られた結果がどの程度正解に近いかという尺度の意味で「(クラスタリングの)精度」という用語を用いる.}の高い文書クラスタリングの実現を目指す.複数のクラスタリング結果を統合する部分で,従来のハイパーグラフの代わりに重み付きハイパーグラフを用いることが特... | |
V19N02-02 | 自然言語処理技術を用いた多様なアプリケーションにおいて,対象ドメインに特化した辞書が必要となる場面は多く存在する.例えば情報検索タスクにおいて,検索クエリとドメイン辞書とを併用することで検索結果をドメイン毎に分類して提示することを可能としたり,特定のドメインに特化した音声認識システムにおいてはそのドメインに応じた認識辞書を用いた方が音声認識精度が高いことが知られている\cite{廣嶋2004}.一方で,特定のドメインに対する要求でなく,ドメイン非依存の場面においても,詳細なクラスに分類した上で体系的な辞書を用いる必要が生じる場合がある.例えば関根らの定義した拡張固有表現\cite{sekine2008extended}は,従来のIR... | |
V24N01-06 | 社会学においては,職業や産業データは性別や年齢などと同様に重要な属性であり,正確を期する必要がある.このため,国勢調査でも行われているように,自由回答で収集したものを研究者自身が職業・産業分類コードに変換する場合が多い\cite{Hara84}.この作業は「職業・産業コーディング」とよばれるが,国内の社会学において標準的に用いられる職業コード(SSM職業小分類コード)は約200個,産業コード(SSM産業大分類コード)は約20個あり\cite{SSM95},分類すべきクラスの数が非常に多く,コード化のルールも複雑なことから,特に大規模調査の場合は多大な労力や時間を要するという深刻な問題を抱えている\cite{Seiyama04}.また... | |
V06N04-01 | 照応関係の理解は,統語的・意味的レベルの問題であるとともに,談話レベルの問題でもあり,照応表現とその先行詞をどのように同定するかは,言語理論にとっても~\cite{sag}~\cite{tsujimura:1996}~\cite{imanishi:1990},工学的な談話理解システムを構築する上でも重要な課題である~\cite{nakaiwa:1996}~\cite{murata:1997a}~\cite{tanaka:1979}.本稿では,日本語の照応表現について,発見的ストラテジー(heuristicstrategy)が照応関係理解のプロセスでどのように関与するのかについて心理言語学的実験を通して考察する. | |
V16N04-05 | 近年の科学技術の進展にともない,工学知は幾何級数的に増大したが,その一方で,工学教育の現場においては,学生が自分の興味に合わせて講義・演習を選ぶことが非常に困難な状況になっている.例えば,東京大学工学部では約900の講義が開講されており,学科の枠を越えた講義の履修が可能であるが,講義の選択に対する十分な知識が得られる状況とは言い難い.学生にとっては,a)自分の興味がどの講義によって教授されるか(講義の検索),b)その講義を受けるために習得すべき講義は何か(講義間関連の同定),等を得ることが望ましい.また,教員も同様に,講義全体の効率化のために,講義内容の重複や講義の抜けを知る必要があり,総じて講義の全体像を俯瞰し,各講義間の関連性を... | |
V06N02-03 | 近年,連続音声認識において,N-gram言語モデルによる言語制約を用いた手法が幅広く用いられている.N-gramは,大規模なテキストデータを統計的に解析し,直前の{\itN-1}個の単語から次の単語への遷移を確率的に与える非常に単純な言語モデルである.しかし,その構築・実装の容易さ,統計的音響モデルとの相性の良さ,認識率向上や計算時間の短縮の効果が大きい等の理由から,連続音声認識にはでは盛んに用いられている\cite{Bahl}\cite{Woodland}.N-gramは当初,英語の連続音声認識に対して適用され,その有効性が示された.英語の文章は,単語がスペースで区切られており,テキストデータから単語を単位としたN-gramが容易... | |
V20N03-03 | \label{Introduction}2011年3月11日に起こった東日本大震災では,テレビ,ラジオなどの既存メディアが伝えきれなかった局所的な情報を,Twitterなどの個人が情報発信できるソーシャルメディアが補完する可能性を改めて知ることとなった.一方で,Twitter等で発信された大量の情報を効率的に把握する手段がなかったために,被災地からの切実な要望や貴重な情報が,政府,地方自治体,NPOなどの救援団体に必ずしも届かず,救援活動や復興支援が最大限の効率で進展しなかったという可能性も高い.我々が震災時のTwitterへの書き込み(tweet)を調査したところ,少なくとも救援者が何らかの対応をしたことを示すtweetが存在しな... | |
V17N05-03 | 本研究では,子供の書き言葉コーパスの収集の取組みとその活用方法の可能性について述べる.自然言語データに関する情報が詳しくまとめられている奈良先端科学技術大学院大学松本裕治研究室\cite[\texttt{http://cl.aist-nara.ac.jp/index.php}]{Web_NAIST}で情報提供されている公開ツール・データによると,現在共有されている国内の言語資源には,国立国語研究所により作成された分類語彙表,小学校・中学校・高校教科書の語彙調査データ,現代雑誌九十種の用語用字全語彙,日本経済新聞や毎日新聞・朝日新聞などの新聞記事データ,国立国語研究所で作成された現代雑誌九十種の用語用字全語彙,IPALなど各種辞書の文... | |
V09N01-05 | \label{sec:intro}機械翻訳などの多言語間システムの構築において対訳辞書は必要不可欠であり,その品質がシステム全体の性能を左右する.これらに用いられる対訳辞書は現在,人手によって作成されることが多い.しかし,人手による作成には限界があり,品質を向上するためには膨大な労力が必要であること,辞書の記述の一貫性を保つことが困難であることが問題となる.このことからコーパスから自動的に対訳辞書を作成しようとする研究が近年盛んに行われている\cite{gale_91,kaji_96,kitamura_96,fung_97,melamed_97}.本論文では,最大エントロピー法を用いて対訳コーパス上に対訳単語対の確率モデルを推定し,... | |
V14N01-01 | 構文解析において,精度と同様,計算効率も,自然言語処理の重要な問題の一つである.構文解析の研究では,精度に議論の重点を置くことが多いが,効率についての研究もまた重要である.特に実用的な自然言語処理のアプリケーションにとっては,そうである.精度を落とすことなく効率を改善することは,とても大きな課題である.本研究の目的は,日本語の係り受け解析(依存構造解析)を行なう効率のよいアルゴリズムを提案し,その効率の良さを理論的,実験的の両面から示すことである.本論文では,日本語係り受け解析の線形時間アルゴリズムを示す.このアルゴリズムの形式的な記述を示し,その時間計算量(timecomplexity)を理論的に論じる.加えて,その効率と精度を京... | |
V20N01-01 | \label{sec:intro}近年のWebの発展は目覚ましいものがあり,Blogや掲示板のように,個人が気軽に自分の意見や感想を書き込める場が増えている.特に,商品購入サイトやオークションサイトなどでは,実際に商品を購入したり,サービス提供を受けたユーザが感想を書き込めるユーザレビュー用ページを提供している場合も多く,レビューは,商品やサービスの潜在的購入者にとって,貴重な情報源のひとつになっている.レビューの件数が増加すれば,それだけ多くの感想を読む機会を得ることになるが,商品やサービスによっては何百件から何千件もレビューが存在することもある.この場合,レビューの内容をすべて把握することは困難であるが,このような問題に対して従... | |
V19N05-02 | 日本語学習者の作文の誤り訂正は,教育の一環としてだけでなく,近年はビジネス上の必要性も生じてきている.たとえば,オフショア開発(システム開発の外国への外部発注)では,中国,インドなどへの発注が増加している.外国に発注する場合,日本との意思疎通は英語または日本語で行われるが,日本語学習者の多い中国北部では,日本語が使われることも多い.しかし,中国語を母語とするものにとって日本語は外国語であり,メールなどの作文には誤りを含み,意思疎通に問題となるため,それらを自動検出・訂正する技術が望まれている\shortcite{Ohki:ParticleError2011j,Suenaga:ErrorCorrection2012j}.そこで本稿では... | |
V26N02-09 | ゼロ照応解析とは,テキスト中の述語の省略された項(ゼロ代名詞)を検出し,項として埋めるべき格要素を同定するタスクである.格要素は先行詞としてテキスト中で言及されている場合もあれば,言及されていない場合もある.前者の場合,先行詞は述語と同じ文中にある(文内ゼロ照応)か,先行する文中にある(文間ゼロ照応)\footnote{この研究では後方照応は扱わない.}.後者(外界ゼロ照応)の例として,テキストの著者である主語が明示的に言及されない場合などがある.\begin{quote}$(1)大岡山商店街でも(\phiガ)お洒落な建物を\underline{見かける}ようになった.カフェテリアが特に多くて,今月も新しく(\phiガ)(\phiニ... | |
V21N02-06 | ここ数年,Webなどの大量の電子化テキストに現れる他者が発信した意見情報を抽出し,集約や可視化を行うことで,世論調査や評判分析といった応用を実現する研究が進んでいる\cite{pang2008,liu2010,otsuka2007,inui2006}.これらの研究を総称して,意見分析({\itSentimentAnalysis})あるいは意見マイニング({\itOpinionMining})と呼ぶ\cite{pang2008}.対象となる文書ジャンルは,報道機関が配信するニュース,Web上のレビューサイト,個人が自身の体験や意見を記述するブログやマイクロブログなどであり,政策や選挙のための情報分析,世論調査,商品や映画やレストラン・... | |
V19N01-01 | 上位下位関係は自然言語処理の様々なタスクにおいて最も重要な意味的関係の一つであり,それゆえ盛んに研究されてきた\cite{hearst92,hovy09,oh09,ponzetto07,隅田:吉永:鳥澤:2009,suchanek07,nastase08,snow05}.これらの過去の研究では,上位下位関係を,「AはBの一種あるいはインスタンスであるAとBの関係」と定義している.本論文の上位下位関係もこの定義に従う.ただし,「概念」の詳細な表現を可能にするために,単一の語だけでなく,\xmp{黒澤明の映画作品}のような句や複合語も考慮する.このように制限を緩めることで,上位概念をより詳細に表現することが可能となる.上記の定義によれば... | |
V25N05-04 | 文法誤り訂正(GrammaticalErrorCorrection:GEC)は,言語学習者の書いた文の文法的な誤りを訂正するタスクである.GECは本質的には機械翻訳や自動要約などと同様に生成タスクであるため,与えられた入力に対する出力の正解が1つだけとは限らずその自動評価は難しい.そのため,GECの自動評価は重要な課題であり自動評価尺度に関する研究が多く行われてきた.GECシステムの性能評価には,システムの出力を正解データ(参照文)と比較することにより評価する手法(参照有り手法)が一般的に用いられている.この参照有り手法では,訂正が正しくても参照文に無ければ減点されるため,正確な評価のためには可能な訂正を網羅する必要がある.しかし参... | |
V11N05-08 | \label{sec:introduction}\numexs{hodonai}{\item\emph{旧友}と飲む酒\emph{ほど}楽しいものは\emph{ない}.\item\emph{昔の友達}と飲む酒が\emph{一番}楽しい.}\numexs{kousan}{\item内戦状態に\emph{再突入する公算が大きい}.\item\emph{再び}内戦状態に\emph{なる}\emph{可能性が高い}.}この例のように,言語には同じ情報を伝える表現がいくつも用意されている.意味が近似的に等価な言語表現の異形を言い換え(paraphrase)と言う.言い換えを指す用語には他に,言い替え,換言,書き換え,パラフレーズといった語も使... | |
V01N01-01 | テキストや談話を理解するためには,{\bf文章構造}の理解,すなわち各文が他のどの文とどのような関係({\bf結束関係})でつながっているかを知る必要がある.文章構造に関する従来の多くの研究\cite[など]{GroszAndSidner1986,Hobbs1979,Hobbs1985,ZadroznyAndJensen1991}では,文章構造の認識に必要となる知識,またそれらの知識に基づく推論の問題に重点がおかれていた.しかしそのような知識からのアプローチには次のような問題があると考えられる.\begin{itemize}\item辞書やコーパスからの知識の自動獲得,あるいは人手による知識ベース構築の現状をみれば,量的/質的に十分... | |
V24N03-07 | \label{sec:intro}統計的機械翻訳(StatisticalMachineTranslation:SMT\cite{brown93smt})で高い翻訳精度\footnote{SMTシステムの性能を評価する場合,評価用原言語コーパスの翻訳結果が目標となる正解訳にどの程度近いかを示す自動評価尺度を翻訳精度の指標とすることが多く,本稿では最も代表的な自動評価尺度と考えられるBLEUスコア\cite{papineni02}を用いて評価する.}を達成するには,学習に用いる対訳コーパスの質と量が不可欠である.特に,質の高い対訳データを得るためには,専門家による人手翻訳が必要となるが,時間と予算の面で高いコストを要するため,翻訳対象は... | |
V24N03-06 | 近年,インターネットなどからテキストとそれに紐づけられた非テキスト情報を大量に得ることができ,画像とそのキャプションや経済の解説記事とその株価チャートなどはwebなどから比較的容易に入手することができる.しかし,テキストと非テキスト情報を対応させる研究の多くは,画像から自然言語を出力する手法\cite{Farhadi:2010:PTS:1888089.1888092,Yang:2011:CSG:2145432.2145484,rohrbach13iccv}のように非テキスト情報から自然言語を出力することを目的としている.Kirosらは非テキスト情報を用いることにより言語モデルの性能向上を示した\cite{icml2014c2_kir... | |
V16N01-04 | label{Chapter:introduction}近年,文書情報に対するアクセス技術として,質問応答が注目されている.質問応答は,利用者が与えた自然言語の質問文に対し,その答を知識源となる大量の文書集合から見つける技術である.利用者が,ある疑問に対する解を知るために質問応答システムを単体で利用する場合には,各解候補のスコアに基づき,解候補群を順序づけて上位から提示することが多い.本稿では,この処理を優先順位型質問応答と呼ぶことにする.この場合は解答として採用するか否かは,利用者の判断に委ねられている.一方,質問応答技術は他の文書処理技術の中で活用されることも期待されている.質問応答の出力を他の文書処理技術の入力として容易に利用可... | |
V17N05-02 | 日常の自然言語文には構成性(compositionality)に基づいて意味を扱う事が難しいイディオムや相当数のイディオム的な複数単語からなる表現,また,語の強い結合によって成り立つ決まり文句や決まり文句的な表現が数多く使われている.しかし,現在の自然言語処理(NaturalLanguageProcessing:NLP)ではこれらには必ずしも十分な対応が出来ていない\footnote{イディオム「目を回す」,「水に流す」,決まり文句的表現「引くに引けない」,「何とは無しに」を市販の良く知られた日英翻訳ソフト2種に翻訳させた結果を以下に示す.結果からいずれもこれらの表現を正しく認識していないことが推定される.\begin{tabbin... | |
V08N04-04 | \label{sec:intro}英語と日本語は,英語が名詞文体であり日本語が動詞文体であると言われるように,言語的特徴が著しく異なる言語である.このため,英語の名詞句をそのまま日本語の名詞句に直訳すると,違和感を感じることが少なくない.例えば,文(E\ref{SENT:buying})を実用に供されているある英日機械翻訳システムで処理すると,文(J\ref{SENT:buying})のような翻訳が出力される.\begin{SENT}\sentETheBOJ'sbuyingofnewgovernmentbondsisbannedunderfiscallaw.\sentJ新しい国債のBOJの購入は,会計法の下で禁止される.\label... | |
V23N01-01 | 自動要約の入出力は特徴的である.多くの場合,自動要約の入出力はいずれも,自然言語で書かれた,複数の文からなる文章である.自動要約と同様に入出力がともに自然言語である自然言語処理課題として機械翻訳や対話,質問応答が挙げられる.機械翻訳や対話の入出力が基本的にはいずれも文であるのに対して,自動要約や一部の質問応答は基本的には入出力がいずれも文章である点が特徴的である.また形態素解析や係り受け解析などの自然言語解析課題においては,入力は文であるが,これらの出力は品詞列や係り受け構造などの中間表現であり,自然言語ではない.談話構造解析は文章を入力として想定するものの,やはり出力は自然言語ではない.この特徴的な入出力が原因となり,自動要約の誤... | |
V17N04-01 | 近年,様々な言語処理タスクにおいて,大量の正解データから学習した統計的言語モデルを解析に用いる教師あり機械学習のアプローチが広く普及している.このアプローチでは,言語の文法的な知識を統計的な特徴量として捉えることができ,形態素解析や固有表現抽出,機械翻訳などの自然言語処理で広く活用されている.本稿では固有表現抽出タスクに焦点をあてる.固有表現抽出は,形態素解析済みの各単語に対して,「どの種類の固有表現か」というタグを付与することにより実現されている.近年では,条件付確率場(ConditionalRandomFields;CRF)\cite{Lafferty:CRF2001,suzuki-mcdermott-isozaki:2006:... | |
V05N04-07 | 連続音声認識において,N-gramと呼ばれる統計的手法に基づいた言語モデルが広く使用されており(Bahl,JelinekandMercer1983),限られた探索空間上で認識精度を向上させるためには,信頼できる単語連鎖統計値を得るための大量のデ−タを用いて,大きなN値に設定されたN-gramを用いるのが効果的である.しかし,大量のデータを用意することは非現実的であり,実際には小さいN値であるbi-gramやtri-gramなどを用い,2単語や3単語など局所的な単語連鎖にのみ制約を与えて使用している.従って,単語N-gramモデルを用いた認識誤りには,N単語以上,実際には3から4単語以上からなる長い単語連鎖部分から判断すれば不自然なも... |
Subsets and Splits
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