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V16N03-01 | 本稿では,大量の上位下位関係をWikipediaから効率的に自動獲得する手法を提案する.ここで「単語Aが単語Bの上位語である(または,単語Bが単語Aの下位語である)」とは,Millerの定義\cite{wordnet-book_1998}に従い,「AはBの一種,あるいは一つである(Bisa(kindof)A)」とネイティブスピーカーがいえるときであると定義する.例えば,「邦画」は「映画」の,また「イチロー」は「野球選手」のそれぞれ下位語であるといえ,「映画/邦画」,「野球選手/イチロー」はそれぞれ一つの上位下位関係である.以降,「A/B」はAを上位語,Bを下位語とする上位下位関係(候補)を示す.一般的に上位下位関係獲得タスクは,上位... | |
V22N04-03 | \label{sect:intro}対訳文中の単語の対応関係を解析する単語アラインメントは,統計的機械翻訳に欠かせない重要な処理の一つであり,研究が盛んに行われている.その中で,生成モデルであるIBMモデル1-5\cite{brown93}やHMMに基づくモデル\cite{vogel96}は最も有名な手法であり,それらを拡張した手法が数多く提案されている\cite{och03,taylor10}.近年では,Yangらが,フィードフォワードニューラルネットワーク(FFNN)の一種である「Context-DependentDeepNeuralNetworkforHMM(CD-DNN-HMM)」\cite{dahl12}をHMMに基づくモ... | |
V10N05-07 | カスタマサービスとして,ユーザから製品の使用方法等についての質問を受けるコールセンターの需要が増している.しかし,新製品の開発のサイクルが早くなり,ユーザからの質問の応対に次々に新しい知識が必要となり,応対するオペレータにとっては,複雑な質問へすばやく的確に応答することが困難な状況にある.オペレータは,過酷な業務のため定着率が低く,企業にとっても,レベルの高いオペレータを継続して維持することは,人件費や教育などのコストがかかり,問題となっている.本稿では,ユーザが自ら問題解決できるような,対話的ナビゲーションシステムを実現する基礎技術を開発することにより,コールセンターのオペレータ業務の負荷を軽減することを目的とする.通常のコールセ... | |
V20N03-04 | 2011年3月11日に発生した東日本大震災の被災範囲の広大さは記憶に新しい.この震災では,既存マスメディア(放送・新聞・雑誌等)だけでなく,Twitterなどのソーシャルメディアによる情報発信が盛んに行われた\cite{Shimbun,Endo2}.しかしながら,大手既存メディアは被災報道を重視していた.実際,被災者にとって有用な報道として,災害時でも乾電池で駆動可能なラジオ,並びに,無料で避難所等へ配布された地元地方紙が役に立ったことが,\cite{Fukuda}の被災者アンケートで調査報告されている.この様な震災初期の状況の理由として,阿部正樹(IBC岩手放送社長)は,震災発生当時の被災地において,テレビは「テレビ報道は系列間競... | |
V15N05-08 | 多言語依存構造解析器に関して,CoNLL-2006\shortcite{CoNLL-2006}やCoNLL-2007\shortcite{CoNLL-2007}といった評価型SharedTaskが提案されており,言語非依存な解析アルゴリズムが多く提案されている.これらのアルゴリズムは対象言語の様々な制約---交差を許すか否か,主辞が句の先頭にあるか末尾にあるか---に適応する必要がある.この問題に対し様々な手法が提案されている.Eisner\shortcite{Eisner:1996}は文脈自由文法に基づくアルゴリズムを提案した.山田ら\shortcite{Yamada:2003},およびNivreら\shortcite{Nivre... | |
V21N03-02 | 計算機技術の進歩に伴い,大規模言語データの蓄積と処理が容易になり,音声言語コーパスの構築と活用が盛んになされている.海外では,アメリカのLinguisticDataConsortium(LDC)とヨーロッパのEuropeanLanguageResourcesAssociation(ELRA)が言語データの集積と配布を行う機関として挙げられる.これらの機関では,様々な研究分野からの利用者に所望のコーパスを探しやすくさせるために検索サービスが提供されている.日本国内においても,国立情報学研究所音声資源コンソーシアム(NII-SRC)や言語資源協会(GSK)などの音声言語コーパスの整備・配布を行う機関が組織され,コーパスの属性情報に基づい... | |
V26N03-01 | 近年,CPUが1.2~GHz程度で主記憶が1~GB程度だが安価な小型計算機が広く利用されている.その小型計算機では様々なサービスが提供されている.キーボードなどの入力装置を有しない状態で使用される際に,小型計算機に指示を出す手段として,言葉による命令があげられる.ここで,車載器のように屋外環境での使用が想定される場合,インターネットの常時接続が期待できない.また,個人利用においてはスタンドアロンが望ましい.そのため,言語処理を小型計算機上で行うことが要求される.小型計算機での言語処理への要件が幾つかある.一つは,サービスを操作する命令文は規定の文であれば確実に受理されることがユーザに約束できることである.サービスに応じて語義が区別さ... | |
V03N01-04 | 日本語文章における名詞の指す対象が何であるかを把握することは,高品質の機械翻訳システムを実現するために必要である.例えば,以下の文章中の二つ目の「おじいさん」は前文の「おじいさん」と同じなので翻訳する際には代名詞化するのが望ましい.\begin{equation}\begin{minipage}[h]{10cm}\underline{おじいさん}は地面に腰を下ろしました.\\\underline{Theoldman}satdownontheground.\\[0.1cm]やがて\underline{おじいさん}は眠ってしまいました.\\\underline{He}soonfellasleep.\end{minipage}\label... | |
V13N03-07 | 「ある用語を知る」ということは,その用語が何を意味し,どのような概念を表すかを知ることである.それと同時に,その用語が他のどのような用語と関連があるのかを知ることは非常に重要である.特定の専門分野で使われる用語---{\bf専門用語}---は,その分野内で孤立した用語として存在することはない.その分野で使われる他の用語に支えられ,その関連を土台として,はじめて意味を持つ.それらの用語間の関連を把握することは,「その専門分野について知る」ことでもある.例えば,「自然言語処理」について知りたい場合を考えよう.まずは,「自然言語処理」という用語が表す意味,すなわち,「自然言語---人間が使っていることば---を計算機で処理すること」を知る... | |
V21N02-01 | \label{sec:Introduction}近年,コーパスアノテーションはますます多様化し,多層アノテーションを統合的に利用する仕組みが欠かせない.たとえば,話し言葉の言語学的・工学的研究で広く用いられている『日本語話し言葉コーパス』\cite{前川_2004_日本語}のコアデータでは,音韻・単語・韻律単位・文節・節を含む10種類あまりの単位に関してさまざまなアノテーションがなされている.また,最近では視線・頷きやジェスチャーなどの非言語情報を含むマルチモーダルコーパスの開発が進んでおり\cite<たとえば>{Carletta_2007_UTK,Chen_2006_VMM,Den_2007_SAT,角_2011_マルチ,Waib... | |
V14N01-04 | キーワード抽出は情報検索に不可欠な技術の一つであり,現在,多様なキーワード抽出法が提案されている.その手法では,辞書を用いて形態素解析を行う方法\cite{Nakagawa1997}が一般的であるが,辞書を全く用いない方法\cite{TakedaAndUmemura2001}もある.辞書を用いて形態素解析を行う方法は,辞書に登録されていない語(未知語)の処理を考えなければならない.これは,未知語の存在がキーワード抽出の性能に悪い影響を与えるからである.したがって,日々増え続ける新しい未知語に対して,対処法を講じる必要がある.一方,辞書を一切用いずに,コーパスにおける文字列の統計量を元にキーワードを獲得する手法がある.文献\cite{... | |
V07N04-08 | \label{sec:introduction}日本語は語順が自由であると言われている.しかし,これまでの言語学的な調査によると実際には,時間を表す副詞の方が主語より前に来やすい,長い修飾句を持つ文節は前に来やすいといった何らかの傾向がある.もしこの傾向をうまく整理することができれば,それは文を解析あるいは生成する際に有効な情報となる.本論文では語順とは,係り相互間の語順,つまり同じ文節に係っていく文節の順序関係を意味するものとする.語順を決定する要因にはさまざまなものがある.それらの要因は語順を支配する基本的条件として文献\cite{Saeki:98}にまとめられており,それを我々の定義する語順について解釈しなおすと次のようになる... | |
V07N04-01 | label{sec:moti}アスペクト(aspect;相)とはある一つの事象(eventuality;イベント)についてのある時間的側面を述べたものである.しかしながら同時にアスペクトとは言語に依存してそのような統語的形態,すなわち進行形や完了形などと言った構文上の屈折・語形変化を指す.本稿で形式化を行うのは,このような固有の言語に依存したアスペクトの形態ではなく,言語に共通したアスペクトの意味である.アスペクトの概念はどうしても固有の言語の構文と結び付いて定義されているため,用語が極めて豊富かつ不定である.同じ完了と言っても英語のhave+過去分詞形と日本語のいわゆる「た」という助詞とはその機能・意味に大きな差異がある.したがっ... | |
V25N05-03 | 本稿では日本語名詞句の情報の状態を推定するために読み時間を用いることを目指して,情報の状態と読み時間の関連性について検討する.名詞句の情報の状態は,情報の新旧に関するだけでなく,定性・特定性など他言語の冠詞選択に与える性質や,有生性・有情性などの意味属性に深く関連する.他言語では冠詞によって情報の性質が明確化されるが,日本語においては情報の性質の形態としての表出が少ないために推定することが難しい.情報の状態は,書き手の立場のみで考える狭義の情報状態(informationstatus)と読み手の立場も考慮する共有性(commonness)の2つに分けられる.前者の情報状態は,先行文脈に出現するか(既出:discourse-old)否... | |
V07N03-05 | 情報検索における検索語リストや文書に付与されたキーワードリストなど,複数の内容語(熟語も含む)から成るリストのことを本論文では「タームリスト」と呼ぶ.タームリストを別の言語に翻訳する「タームリストの自動翻訳処理」は,単言語用の文書検索と組み合わせてクロスリンガル検索\cite{Oard96}を実現したり,他国語文書のキーワードを利用者の望む言語で翻訳表示する処理\cite{Suzuki97j}に応用できるなど,様々なクロスリンガル処理において重要な要素技術である.本論文ではタームリストの自動翻訳処理のうち,各タームに対して辞書等から与えられた訳語候補の中から最も妥当なものを選択する「翻訳多義解消」に焦点を当てる.内容語に関する翻訳多... | |
V21N03-07 | ゼロ照応解析は近年,述語項構造解析の一部として盛んに研究されている.ゼロ照応とは用言の項が省略される現象であり,省略された項(ゼロ代名詞)が他の表現を照応していると解釈できることからゼロ照応と呼ばれている.\ex.パスタが好きで、毎日($\phi$ガ)($\phi$ヲ)\underline{食べています}。\label{例:ゼロ照応}例えば,例\ref{例:ゼロ照応}の「食べています」では,ガ格とヲ格の項が省略されている.ここで,省略されたヲ格の項は前方で言及されている「パスタ」を照応しており,省略されたガ格の項は文章中では明確に言及されていないこの文章の著者を照応している\footnote{以降の例では,ゼロ代名詞の照応先を埋めた... | |
V06N06-04 | \label{section:intro}日本のテレビ番組における字幕付き放送の割合は10\%程度と低く,近年,字幕放送率向上を目指し,自然言語処理技術を応用した効率的な字幕生成が切望されている\cite{EharaAndSawamuraAndWakaoAndAbeAndShirai1997}.番組の音声情報を字幕化するには,文章を適度な長さに要約する必要があるため,本研究では,ニュース原稿(テキスト)を入力とした,字幕生成のための自動要約を試みた.本要約手法では,ニュース文の特徴を利用し,1文ごとの要約を行っている.テキスト自動要約研究の多くは,テキスト中の文もしくは文のまとまりを1単位とし,何らかの情報に基づき重要度を決定,抽出... | |
V04N03-05 | 最近の文書作成はほとんどの場合,日本語ワードプロセッサ(ワープロ)を用いて行われている.これに伴い,ワープロ文書中に含まれる誤りを自動的に検出するシステムの研究が行われている~\cite{FukushimaAndOtakeAndOyamaAndShuto1986,Kuga1986,IkeharaAndYasudaAndShimazakiAndTakagi1987,SuzukiAndTakeda1989,OharaAndTakagiAndHayashiAndTakeishi1991,IkeharaAndOharaAndTakagi1993}.ワープロの入力方法としては一般にかな漢字変換が用いられている.このため,ワープロによって作成さ... | |
V04N01-07 | \label{sec:introduction}適格なテキストでは,通常,テキストを構成する要素の間に適切な頻度で照応が認められる.この照応を捉えることによって,テキスト構成要素の解釈の良さへの裏付けや,解釈の曖昧性を解消するための手がかりが得られることが多い.例えば,次のテキスト\ref{TEXT:shiji}の読み手は,「新自由クラブは,奈良県知事選で自民党推薦の奥田氏を支持する」で触れた事象に,「知事選での奥田氏支持」が再び言及していると解釈するだろう.\begin{TEXT}\text\underline{新自由クラブは,奈良県知事選で自民党推薦の奥田氏を支持する}方針をようやく固めた.\underline{知事選での奥田氏... | |
V24N04-01 | 近年,対話の内容を特定のタスクに限定しない自由対話システムの研究が盛んに行われている\cite{Libin:04:a,Higashinaka:14:a}.対話システムの重要な要素技術の1つにユーザの発話の対話行為の自動推定がある.対話行為の推定は自由対話システムにおいて重要な役割を果たす.例えば,対話行為が「質問」の発話に対しては知識ベースから質問の回答を探して答えたり,映画の感想を述べているような「詳述」の発話に対しては意見を述べたり単にあいづちを返すなど,対話システムは相手の発話の対話行為に応じて適切な応答を返す必要がある.対話行為の推定手法として機械学習を用いた手法が既に提案されている\cite{milajevs:14:a,i... | |
V02N04-03 | 形態素解析処理は自然言語処理の基本技術の一つであり,日本語の形態素解析システムも数多く報告されている\cite{yosimura83}\cite{hisamitu90}\cite{nakamura}\cite{miyazaki}\cite{kitani}\cite{hisamitu94a}\cite{maruyama94}\cite{juman}\cite{nagata}.しかし,使用している形態素文法について詳しく説明している文献は少ない.文献\cite{miyazaki}では三浦文法\cite{miura}に基づいた日本語形態素処理用文法を提案しているが,品詞の体系化と品詞間の接続ルールの記述形式の提案のみに留まり,具体的な文法... | |
V17N01-06 | 質問応答,情報抽出,複数文章要約などの応用では,テキスト間の含意関係や因果関係を理解することが有益である.例えば,動詞「洗う」と動詞句「きれいになる」の間には,「何かを洗うという行為の結果としてその何かがきれいになる」という因果関係を考えることができる.本論文では,このような述語または述語句で表現される事態と事態の間にある関係を大規模にかつ機械的に獲得する問題について述べる.事態表現間の因果関係,時間関係,含意関係等を機械的に獲得する研究がいくつか存在する~\cite[etc.]{lin:01,inui:DS03,chklovski,torisawa:NAACL,pekar:06,zanzotto:06,abe:08}.事態間関係の... | |
V09N02-05 | 差分検出を行なうdiffコマンドは言語処理の研究において役に立つ場面が数多く存在する.本稿では,まず簡単にdiffの説明を行ない,その後,diffを使った言語処理研究の具体的事例として,差分検出,書き換え規則の獲得,データのマージ,最適照合の例を示す\footnote{本稿は筆者のさまざまな言語処理研究におけるdiffというツールの使用経験を述べたものであり,今後の自然言語処理,言語学の研究に有益な知見を与えることを目的にしている.}.あらかじめ本稿の価値を整理しておくと以下のようになる.\begin{itemize}\itemdiffコマンドはUNIXで標準でついているため,これを用いることは極めて容易である.この容易に利用できる... | |
V10N01-04 | 情報検索において,検索対象となるデータはさまざまな人に記述されたものであり,同じ事柄を表す言葉であっても人によって表記が異なるために,ユーザは検索システムから意図した情報を得られないことがある.人間ならば柔軟に表記から意図を読み取り対応できるが,機械はこの柔軟性を備えていない.ここで考える表記の異なりとは,たとえば,「ウイルス」と「ウィルス」,「コンピュータ」と「コンピューター」といった一般的な表記の揺ればかりでなく,その他「機械を使って翻訳する」という事柄を表すために,ある人は「機械翻訳」,別の人は「機械による翻訳」と多少表現が異なるといった表記の違いといったあいまいな表現のことである.本研究では,このようなあいまいな表現を合わせ... | |
V14N05-07 | label{sec:intro}{\bfseries機能表現}とは,「にあたって」や「をめぐって」のように,2つ以上の語から構成され,全体として1つの機能的な意味をもつ表現である.一方,この機能表現に対して,それと同一表記をとり,内容的な意味をもつ表現が存在することがある.例えば,\strref{ex:niatatte-F}と\strref{ex:niatatte-C}には,「にあたって」という表記の表現が共通して現れている.\begin{example}\item出発する\underline{にあたって},荷物をチェックした.\label{ex:niatatte-F}\itemボールは,壁\underline{にあたって}跳ね返っ... | |
V21N02-05 | label{sec:intro}自然言語処理の分野において,文章を解析するための技術は古くから研究されており,これまでに様々な解析ツールが開発されてきた.例えば,形態素解析器や構文解析器は,その最も基礎的なものであり,現在,誰もが自由に利用することができるこれらの解析器が存在する.形態素解析器としては,MeCab\footnote{http://mecab.googlecode.com/svn/trunk/mecab/doc/index.html}やJUMAN\footnote{http://nlp.ist.i.kyoto-u.ac.jp/index.php?JUMAN}などが,構文解析器としては,CaboCha\footnote{... | |
V15N03-04 | 近年,自然言語処理において評価情報処理が注目を集めている\cite{Inui06}.評価情報処理とは,物事に対する評価が記述されたテキストを検索,分類,要約,構造化するような処理の総称であり,国家政治に対する意見集約やマーケティングといった幅広い応用を持っている.具体的な研究事例としては,テキストから特定の商品やサービスに対する評価情報を抽出する処理や,文書や文を評価極性(好評と不評)に応じて分類する処理などが議論されている\cite{Kobayashi05,Pang02,Kudo04,Matsumoto05,Fujimura05,Osashima05,McDonald07}.評価情報処理を行うためには様々な言語資源が必要となる.例... | |
V15N02-02 | 企業内には,計算機で処理できる形での文書が大量に蓄えられている.情報検索,テキストマイニング,情報抽出などのテキスト処理を計算機で行う場合,文書内には,同じ意味の語句(同義語)が多く含まれているので,その処理が必要となる.例えば,日本語の航空分野では,「鳥衝突」を含む文書を検索したい場合,「鳥衝突」とその同義語である「BirdStrike」が同定できなければ,検索語として「鳥衝突」を指定しただけでは,「BirdStrike」を含み「鳥衝突」を含まない文書は検索できない.したがって,同義語の同定を行わないと,処理能力が低下してしまう.特定分野における文書には,専門の表現が多く用いられており,その表現は一般的な文書での表現とは異なってい... | |
V26N04-02 | label{sec:introduction}単語を密ベクトルで表現する単語分散表現\cite{mikolov-13b,mikolov-13a,pennington-14,levy-14,bojanowski-17}が,機械翻訳\cite{sutskever-14},文書分類\cite{mikolov-14}および語彙的換言\cite{melamud-15}など多くの自然言語処理応用タスクにおける性能改善に大きく貢献してきた.単語分散表現は今やこれら応用タスクの基盤となっており,その性能改善は重要な課題である.広く利用されているCBOW(ContinuousBag-of-Words)\cite{mikolov-13a}やSGNS(S... | |
V14N03-13 | 近年,人間の感情を理解可能な機械(感性コンピュータ)に応用するための感情認識技術の研究が言語処理・音声処理・画像処理などの分野において進められている.感情のような人間の持つあいまいな情報をコンピュータで処理することは現段階では難しく,人間の感情モデルをどのように情報処理のモデルとして扱うかが感情認識研究の課題である.我々の研究グループでは,人間とロボットが感情表現豊かなコミュニケーションをとるために必要な感情インタフェース(AffectiveInterface)の実現を目指し,人間の発話内容・発話音声・顔表情からの感情認識の研究を行っている\cite{Ren},\cite{ees},\cite{ecorpus},\cite{Ren2... | |
V18N04-03 | \label{section:はじめに}\vspace{-0.5\baselineskip}形態素解析は,日本語における自然言語処理の基礎であり,非常に重要な処理である.形態素解析の入力は文字列であり,出力は単語と品詞の組(形態素)の列である.形態素解析の出力は,固有表現抽出や構文解析などの後段の言語処理の入力となるばかりでなく,情報検索システムやテキストマイニング等の自然言語処理の応用の入力として直接利用される.そのため,形態素解析の精度は自然言語処理やその応用に大きな影響を与える.昨今,自然言語処理の応用は医療\cite{電子カルテからの副作用関係の自動抽出}や法律\cite{日英特許コーパスからの専門用語対訳辞書の自動獲得}か... | |
V07N01-03 | label{intro}言語処理の研究に名詞句の指示性の推定という問題がある\cite{murata_ref_nlp}.名詞句の指示性とは,名詞句の対象への指示の仕方のことであり,主に以下の三つに分類される.(指示性の詳細な説明は次節で行なう.)\begin{itemize}\item不定名詞句--その名詞句の意味する類の不特定の成員を意味する.(例文)\underline{犬}が三匹います.\item定名詞句--文脈中唯一のものを意味する.(例文)\underline{その犬}は役に立ちます.\item総称名詞句--その名詞句の類すべてを意味する.(例文)\underline{犬}は役に立つ動物です.(この例文の「犬」は犬一般を意... | |
V20N03-08 | 災害は,住居や道路などに対する物的損害だけでなく,被災地内外の住民に対する健康への影響も及ぼしうる.そこで,従来の防災における危機管理の考えを援用し,健康における危機管理という概念が発達しつつある.この「健康危機管理」は,わが国の行政において,災害,感染症,食品安全,医療安全,介護等安全,生活環境安全,原因不明の健康危機といった12分野に整理されており,厚生労働省を中心として,それぞれの分野において生じうる健康問題とその対応策に関する知見の蓄積が進められている\cite{tanihata2012}.こうした健康危機においては,適切な意思決定のためにできる限り効率的に事態の全体像を把握する必要性がある.しかし,2009年に生じた新型イ... | |
V20N02-06 | 情報検索や情報抽出において,テキスト中に示される事象を実時間軸上の時点もしくは時区間に関連づけることが求められている.Web配信されるテキスト情報に関しては,文書作成日時(DocumentCreationTime:DCT)が得られる場合,テキスト情報と文書作成日時とを関連づけることができる.しかしながら,文書作成日時が得られない場合や,文書に記述されている事象発生日時と文書作成日時が乖離する場合には他の方策が必要である.テキスト中に記述されている時間情報解析の精緻化が求められている.時間表現抽出は,固有表現抽出の部分問題である数値表現抽出のタスクとして研究されてきた.英語においては,評価型国際会議MUC-6(thesixthinas... | |
V17N02-02 | \label{sec:first}情報抽出や機械翻訳などのNLPの応用処理への需要が高まる中で,その技術を実現するための中核的な要素技術となる照応・共参照と述語項構造の解析に関して多くの研究者が解析技術を向上させてきた.それらの技術の多くは各情報が付与されたコーパス(以後,タグ付与コーパス)を訓練用データとして教師あり手法を用いるやり方が一般的であり,解析の対象となるコーパス作成の方法論についても議論がなされてきた\cite{Hirschman:97,Kingsbury:02,Doddington:04}.照応・共参照解析については,主に英語を対象にいくつかのタグ付与のスキーマが提案されており,実際にそのスキーマに従ったコーパスが作... | |
V09N04-03 | \label{sec:intro}近年テキスト情報が膨大になり,真に必要とする情報を的確に選択することが量的にも,質的にも困難になっている.また,携帯端末の普及に伴い情報をよりコンパクトにまとめる技術が必要とされている.これらのことから,文章を自動要約する技術の重要性が高まっている.これまで様々な要約研究が行なわれてきたが\cite{Okumura99},原文から重要と判断される文,段落等を抜き出し,それを要約と見なす手法が主流である.これには,単語出現頻度を元にした重要度によって重要文を抽出する手法\cite{Edmundson69,Luhn58,Zechner96},談話構造を利用して文を抽出する方法\cite{Marcu97}... | |
V11N02-05 | \label{sec:intro}現状の機械翻訳システムによる翻訳(以降,MT訳と呼ぶ)は,品質の点で人間による翻訳(人間訳)よりも劣り,理解しにくいことが多い.理解しやすい翻訳を出力できるようにシステムを高度化するためには,まず,MT訳と人間訳を比較分析し,両者の間にどのような違いがあるのかを把握しておく必要がある.このような認識から,文献\cite{Yoshimi03}では,英日機械翻訳システムを対象として,英文一文に対する訳文の数,訳文の長さ,訳文に含まれる連体修飾節の数,体言と用言の分布などについて人間訳とMT訳の比較分析を行なっている.また,文献\cite{Yoshimi04}では,係り先未決定文節数\footnote{文... | |
V23N04-02 | \label{sec:introduction}統計的機械翻訳(StatisticalMachineTranslation,SMT)では,翻訳モデルを用いてフレーズ単位で翻訳を行い,並べ替えモデルを用いてそれらを正しい語順に並べ替えるフレーズベース翻訳(PhraseBasedMachineTranslation)\cite{koehn03phrasebased},構文木の部分木を翻訳に利用する統語ベース翻訳\cite{yamada01syntaxmt}などの翻訳手法が提案されている.一般的に,フレーズベース翻訳は英仏間のような語順が近い言語間では高い翻訳精度を達成できるものの,日英間のような語順が大きく異なる言語間では翻訳精度は十分... | |
V07N04-12 | 手話言語は,主に手指動作表現により単語を表出するため,手指動作特徴の類似性が意味の類似性を反映している場合がある.例えば,図\ref{amandpm}に示した「午前」と「午後」という日本語ラベルに対応する二つの手話単語の手話表現を比較すると,手の動きが逆方向,すなわち,線対称な関係にあることが分かる.ここで,手話単語の手指動作特徴を手の形,手の位置,手の動きとした場合\cite{Stokoe1976},この単語対は,手の動きに関する手指動作特徴だけが異なる手話の単語対である.また,意味的には対義を構成し,動作特徴の類似性が意味の類似性を反映している単語対と捉えることができる.なお,手指動作特徴の一つだけが異なる単語対を特に,{\gt... | |
V24N01-03 | \label{sec:introduction}機械翻訳システムの性能向上や大量のコーパスを伴なう翻訳メモリなどの導入により,機械支援翻訳(CAT)が広く行われるようになってきている.その一方で,翻訳の対象となる文書の内容が専門的である場合,その分野特有の専門用語や定型表現に関する対訳辞書が必要となる.そうした辞書を人手で作成することはコストが高いため,あらかじめ翻訳された対訳コーパスから専門用語や定型表現の対訳を自動抽出する研究が盛んである\cite{Matsumoto00}.しかし,自動抽出の結果は必ずしも正確ではなく,間違った対訳表現を抽出したり,対訳表現の一部だけを抽出する場合がある.また,一つの語に対して複数の対訳表現を抽... | |
V16N03-03 | \subsection{背景\label{haikei}}事物の数量的側面を表現するとき,「三人」,「5個」,「八つ」のように,「人」,「個」,「つ」という付属語を数詞の後に連接する.これらの語を一般に助数詞と呼ぶ.英語などでは``3students'',``5oranges''のように名詞に直接数詞が係って名詞の数が表現されるが,日本語では「3人の学生」,「みかん五個」のように数詞だけでなく助数詞も併せて用いなければならない.形態的には助数詞はすべて自律的な名詞である数詞に付属する接尾語とされる.しかし,助数詞の性質は多様であり,一律に扱ってしまうことは統語意味的見地からも計算機による処理においても問題がある.また構文中の出現位置... | |
V06N04-02 | 本稿では,音声を用いて人間と機械が対話をする際の対話過程を,認知プロセスとしてとらえたモデルを提案する.対話システムをインタラクティブに動作させるためには,発話理解から応答生成までを段階的に管理する{\dg発話理解・生成機構}と,発話列をセグメント化し,焦点および意図と関連付けて構造的にとらえる{\dg対話管理機構}とが必要である.さらに,入力に音声を用いた音声対話システムでは,音声の誤認識によるエラーを扱う機構を組み込む必要がある.これらの機構は従来,比較的独立して研究されてきた.発話理解から応答生成までを通してモデル化したものに関しては,大きく分類して並列マルチエージェント(およびそれに付随する分散データベース)によるモデル\c... | |
V19N05-04 | 感染症の流行は,毎年,百万人を越える患者を出しており,重要な国家的課題となっている\cite{国立感染症研究所2006}.特に,インフルエンザは事前に適切なワクチンを準備することにより,重篤な状態を避けることが可能なため,感染状態の把握は各国における重要なミッションとなっている\cite{Ferguson2005}.この把握は\textbf{インフルエンザ・サーベイランス}と呼ばれ,膨大なコストをかけて調査・集計が行われてきた.本邦においてもインフルエンザが流行したことによって総死亡がどの程度増加したかを示す推定値({\bf超過死亡概念による死者数})は毎年1万人を超えており\cite{大日2003},国立感染症研究所を中心にインフ... | |
V15N03-06 | label{節:背景}近年,インターネットの普及や企業に対するe-文書法等の施行に伴い,我々の周りには膨大な電子化文書が存在するようになってきた.そこで,ユーザが必要な情報へ効率よくアクセスするための支援技術の研究として自動要約の研究が盛んに行われている.自動要約の既存研究としては,要約する前の文章(原文)とそれを要約したもの(要約文)のパラレルコーパスを使用し,どのような語が要約文へ採用されているのか確率を用いることによってモデル化する手法\cite{Jing:2000,Daume:2002,Vandeghinste:2004}や,大量のコーパスから単語や文に対して重要度を計算し,重要であると判断された語や文を要約文に採用する方法... | |
V10N05-04 | \label{sec:intro}1980年代に市販され始めた機械翻訳システムはその後改良が重ねられ,システムの翻訳品質は確実に向上してきている.しかし,現状のシステムには解決すべき課題が数多く残されており,高品質の翻訳が可能なシステムは未だ実現されていない.翻訳品質を高めるためにシステムを評価改良していく方法としては,(1)システムの新バージョンによる訳文と旧バージョンによる訳文との比較や,異なるシステム間での比較によって行なう方法\cite{Niessen00,Darwin01}と,(2)システムによる訳文と人間による訳文を比較することによって行なう方法\cite{Sugaya01,Papineni02}がある.前者の方法では,... | |
V13N03-06 | \label{sec:intro}意味が近似的に等価な言語表現の異形を\textbf{言い換え}と言う.言い換えの問題,すなわち同じ意味内容を伝達する言語表現がいくつも存在するという問題は,曖昧性の問題,すなわち同じ言語表現が文脈によって異なる意味を持つという問題と同様,自然言語処理における重要な問題である.言い換えの自動生成に関する工学的研究には,言い換えを同一言語間の翻訳とみなし,異言語間機械翻訳(以下,単に機械翻訳)で培われてきた技術を応用する試みが多い.たとえば,構造変換方式による言い換え生成\cite{lavoie:00,takahashi:01:c},コーパスからの同義表現対や変換パターン(以下,合わせて言い換え知識と呼... | |
V20N03-07 | label{sec:intro}近年,Twitter\footnote{http://twitter.com/}などのマイクロブログが急速に普及している.主に自身の状況や雑記などを短い文章で投稿するマイクロブログは,ユーザの情報発信への敷居が低く,現在,マイクロブログを用いた情報発信が活発に行われている.2011年3月11日に発生した東日本大震災においては,緊急速報や救援物資要請など,リアルタイムに様々な情報を伝える重要な情報インフラの1つとして活用された\cite{Book_Hakusho,Article_Nishitani,Book_Tachiiri}.マイクロブログは,重要な情報インフラとなっている一方で,情報漏洩や流言の拡散... | |
V07N05-01 | \label{sec:introduction}係り受け解析は日本語解析の重要な基本技術の一つとして認識されている.係り受け解析には,日本語が語順の自由度が高く省略の多い言語であることを考慮して依存文法(dependencygrammar)を仮定するのが有効である.依存文法に基づく日本語係り受け解析では,文を文節に分割した後,それぞれの文節がどの文節に係りやすいかを表す係り受け行列を作成し,一文全体が最適な係り受け関係になるようにそれぞれの係り受けを決定する.依存文法による解析には,主にルールベースによる方法と統計的手法の二つのアプローチがある.ルールベースによる方法では,二文節間の係りやすさを決める規則を人間が作成する\cite{... | |
V17N01-11 | 筆者らは,1990年,自然言語処理のための解析辞書の日本語表記の揺れを管理することから始め,1995年に同義語辞書の初版を発行した.その後,用語の意味関係を含むシソーラスのパッケージを発売し,現在6版を重ねている.1年間に20,000語程度を追加していて,420,000語に達している.これまでのシソーラスは,主として,情報検索のキーワードを選択するための支援ツールとして開発されてきた.登録されている用語は該当する分野の専門用語が主体で,さらに品詞は名詞だけであった.そのため,情報検索を越えて,文書整理や統計処理などのために必要な構文解析や用語の標準化など,自然言語処理に利用することは難しかった.筆者らのシソーラスは,自然言語処理を目... | |
V07N03-03 | 形態素解析処理とは文を形態素という文字列単位に分割し品詞情報を付与する処理である.すでに成熟している技術であるが,解析精度や速度の向上のために様々な手法を試みる余地はあり,そのための技術的な拡張要求もある.他の自然言語処理処理技術と比べ形態素解析技術は実用に近い位置にあり,それゆえ,形態素解析システムに対する現場からの使い勝手の向上のための要求が多い.その要求の一つに,多言語対応がある.インターネット上で様々な言語のテキストが行き交う現代において,特定の言語に依存しない,多種多様な言語を視野に入れた自然言語処理が必要とされている.しかし,これまでの形態素解析システムは,特定の言語,または,同系統の数言語の解析のみを念頭に置いて開発さ... | |
V23N05-03 | 質問応答とは,入力された質問文に対する解答を出力するタスクであり,一般的に文書,Webページ,知識ベースなどの情報源から解答を検索することによって実現される.質問応答はその応答の種類によって,事実型(ファクトイド型)質問応答と非事実型(ノンファクトイド型)質問応答に分類され,本研究では事実型質問応答を取り扱う.近年の事実型質問応答では,様々な話題の質問に解答するために,構造化された大規模な知識ベースを情報源として用いる手法が盛んに研究されている\cite{kiyota2002,tunstall2010,fader2014}.知識ベースは言語によって規模が異なり,言語によっては小規模な知識ベースしか持たない.例えば,Web上に公開され... | |
V07N04-13 | \label{sec:intro}テキスト自動要約は,自然言語処理の重要な研究分野である.自動要約の方法には様々なものがあるが,現在の主流は,テキスト中から重要文を抽出して,それらを連結することにより要約を生成する方法である\cite{oku99}.重要文を選ぶための文の重要度は,一般に,\begin{itemize}\item位置情報(例:先頭部分の文は重要)\item単語の重要度(例:重要単語を含む文は重要)\item文間の類似関係(例:タイトルと類似している文は重要)\item文間の修辞関係(例:結論を述べている文は重要)\item手がかり表現(例:「要するに〜」などで始まる文は重要)\end{itemize}などのテキスト中... | |
V02N01-03 | 本論文では日本語の論説文を対象にした要約文章作成実験システム\G\footnote{\slGeneratorofREcapiturationsofEditorialsandNoticesの略.}(以下\Gと呼ぶ)について述べる.一般に,質の良い文章要約を行うためには,照応,省略,接続的語句,語彙による結束性,主題・話題,焦点など多くの談話現象の処理が必要であり,これらの談話現象は互いに複雑に影響しあっているので,これらの談話現象の一部のみの処理を行って要約を試みても,質の高い要約が得られる可能性は低い.本研究の目的は,以上の見地から現状で解析可能な談話要素をできるだけ多く取り込み,実際に計算機上で動作する実験的な要約作成システムを試... | |
V05N04-05 | WWWの普及とともに多言語情報検索,とりわけ,クロス言語検索(crosslanguageinformationretrieval,CLIR)に対するニーズが高まっている.CLIRによって,例えば,日本語の検索要求(キュエリ)によって英語ドキュメントの検索が可能となる.CLIRは,キュエリもしくは検索対象となるドキュメントの翻訳が必要となるので,IRよりも複雑な処理が必要となる\cite{hull97}.CLIRの多くは,キュエリを翻訳した後,情報検索を行なう.キュエリの各タームには,訳語としての曖昧性が存在するため,CLIRの精度は単言語でのIRよりも低い.特に日英間では,機械翻訳の訳語選択と同様に,対訳の訳語候補が多いので困難であ... | |
V09N05-05 | 本研究の目的は自然言語の意味理解に必要な連想システムの開発である.例えば,“冷蔵庫に辞書がある”と人間が聞けば,冷蔵庫に辞書があることを奇妙に思い“本当ですか”と聞き返したり,誤りの可能性を考えることができるだろう.しかし,計算機ではこのような処理は困難である.これは,人間なら冷蔵庫と辞書には関係がないことを判断できたり,最初の冷蔵庫という語から辞書を連想することができないためである.このような語間の関係の強さを求める機能や,ある語に関係のある語を出力する機能を持った連想システムの開発が本研究の目的である.従来,連想ではシソーラスや共起情報などがよく用いられるが,シソーラスでは語の上位下位関係を基本とした体系しか扱えず,共起情報では... | |
V10N04-02 | label{sec:INTRO}音声対話は,人間にとって機械との間のインターフェースとして最も望ましいものである.しかし,音声対話システムが日常にありふれた存在となるためには,人間の使用する曖昧で誤りの多い言葉,いわゆる話し言葉に対応できなければいけない.そのためには,繰り返し,言い淀み,言い直し,助詞落ち,倒置などの不適格性とよばれる現象に対処できる必要がある\cite{YM1992,DY1997}.これらの不適格性の中で特に問題となるのは,言い直しあるいは自己修復と呼ばれている現象である.ユーザの発話中に自己修復が存在した場合,システムはその発話の中から不必要な語を取り除き,受理可能な発話を回復する必要がある.この自己修復に関す... | |
V14N01-05 | label{sec:Introduction}参照表現の生成は自然言語処理の重要なタスクの1つであり~\cite{BD2003},多くの研究者により様々な手法が提案されてきた~\cite{DA1985,RD1991,RD1992,RD1995,EK2002,EK2003}.参照表現生成に関する従来の研究は,主に対象物体固有の属性と他の物体との関係を扱ってきた.ただし,他の物体との関係は2項関係のみである.そのため従来の手法では,指示すべき物体とその他の物体との間に外見的特徴の差異が少なく,他の物体との2項関係も弁別の用を成さない状況において,適切な参照表現を生成することができない.ここで適切な参照表現とは,自然で過度な冗長性のない表... | |
V25N01-03 | オンラインショッピングでは出店者(以下,店舗と呼ぶ)と顔を合わせずに商品を購入することになるため,店舗とのやりとりは顧客満足度を左右する重要な要因となる.商品の購入を検討しているユーザにとって,商品を扱っている店舗が「どのような店舗か」という情報は,商品に関する情報と同じように重要である.例えば,以下に示す店舗A,Bであれば,多くのユーザが店舗Aから商品を購入したいと思うのではないだろうか.\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{25-1ia3f1.eps}\end{center}\hangcaption{楽天市場における店舗レビューの例.自由記述以外に6つの観点(品揃え,情報... | |
V03N02-03 | 国文学研究は,わが国の文学全体に渡る文学論,作品論,作家論,文学史などを対象とする研究分野である.また,広く書誌学,文献学,国語学などを含み,歴史学,民俗学,宗教学などに隣接する.研究対象は上代の神話から現代の作品まで,全ての時代に渡り,地域的にも歴史上のわが国全土を網羅する.文学は,人の感性の言語による表出であるから,国文学は日本人の心の表現であり,日本語を育んだ土壌であると言える.すなわち,国文学研究は現代日本人の考え方と感じ方を育てた土壌を探る学問であると言える.文学研究の目標は,文学作品を通じて,すなわち文字によるテキストを主体として,思潮,感性,心理を探求することである.テキストは単なる文字の羅列ではなく,作者の思考や感情... | |
V07N05-02 | label{sec:intr}構文解析は自然言語処理の基礎技術として研究されてきたものであり,それを支える枠組の一つに言語学上の理論があると考えるのが自然であろう.過去においては言語に関する理論的理解の進展が解析技術の開発に貢献していたことは改めて述べるまでもない.しかし,現状はそうではない.現在開発されている様々な解析ツールには文法理論との直接的な関係はない.形態素解析や係り受け解析には独自のノウハウがあり,またそうしたノウハウは言語学上の知見とは無関係に開発されている.そのような事情の背景には,自然言語処理に文法理論を導入することは実用向きではない,という見解があった.また,そもそも自然言語処理という工学的な技術が文法理論の応用... | |
V02N01-01 | \label{sec:hajime}機械翻訳システムを使用する時,利用者はシステム辞書に登録されていない単語や,登録されているが,訳語が不適切な単語に対して,利用者辞書を作成して使用することが多い\cite{Carbonell:1992}.しかし,辞書に新しく単語を登録する際は,登録する語の見出し語,訳語の他に,文法的,意味的な種々の情報を付与する必要がある.高い翻訳品質を狙ったシステムほど,利用者辞書にも詳細で正確な情報を必要としており\cite{Ikehara:1993,Utsuro:1992},素人の利用者がそれらの情報を正しく付与するのは簡単でない\footnote{単語意味属性を付与するには,通常のシステムの意味属性を理解... | |
V26N03-04 | 本研究では眼球運動に基づき文の読み時間を推定し,ヒトの文処理機構の解明を目指すとともに,工学的な応用として文の読みやすさのモデル構築を行う.対象言語は日本語とする.データとして\ref{subsec:bccwj-eyetrack}節に示す『現代日本語書き言葉均衡コーパス』(BCCWJ)\cite{Maekawa-2014-LRE}の読み時間データBCCWJ-EyeTrack\cite{Asahara-2019d}を用いる.\ref{subsec:prev}節に示す通り,過去の研究は統語・意味・談話レベルのアノテーションを重ね合わせることにより,コーパス中に出現する言語現象と読み時間の相関について検討してきた.一方,Haleは,\mo... | |
V25N01-01 | 人工知能分野の手法や技術を,金融市場における様々な場面に応用することが期待されており,例えば,膨大な金融情報を分析して投資判断の支援を行う技術が注目されている.その一例として,日本銀行が毎月発行している「金融経済月報」や企業の決算短信,経済新聞記事をテキストマイニングの技術を用いて,経済市場を分析する研究などが盛んに行われている\cite{izumi,kitamori,Peramunetilleke,sakai1,sakaji}.日経リサーチでは,各種データを収集し,様々なデータベースを構築している.データ処理にあたっては,たとえばXBRL形式のように値に付与されたタグ等の付加情報を利用し,自動分類によるデータベース化を行っている.... | |
V10N05-05 | インターネットが急速に広まり,その社会における重要性が急速に高まりつつある現在,他言語のウェブ情報を閲覧したり,多言語で情報を発信するなど,機械翻訳の需要は一層高まっている.これまで,機械翻訳の様々な手法が提案されてきたが,大量のコーパスが利用可能となってきたことにともない用例ベース翻訳\cite{Nagao1984}や統計ベース翻訳\cite{Brown1990}が主な研究対象となってきている.本稿は前者の用例ベース翻訳に注目する.用例ベース翻訳とは,翻訳すべき入力文に対して,それと類似した翻訳用例をもとに翻訳を行なう方式である.経験豊かな人間が翻訳を行う場合でも用例を利用して翻訳を行っており,この方式は他の手法よりも自然な翻訳文... | |
V10N02-06 | 近年,情報化社会の進展と共に大量の電子化された文書情報の中から,自分が必要とする文書情報を効率良く検索することの必要性が高まり,従来のKW検索に加えて,全文検索,ベクトル空間法による検索,内容検索,意味的類似性検索など,さまざまな文書検索技術の研究が盛んである.その中で,文書中の単語を基底とする特性ベクトルによって文書の意味的類似性を表現するベクトル空間法は,利用者が検索要求を例文で与える方法であり,KW検索方式に比べて検索条件が具体的に表現されるため,検索精度が良い方法として注目されている.しかし,従来のベクトル空間法は,多数の単語を基底に用いるため,類似度計算にコストがかかることや,検索要求文に含まれる単語数が少ないとベクトルが... | |
V12N01-01 | \label{sec:Introduction}近年,情報化が進むにつれて,大量の電子テキストが流通するようになった.これを有効活用するために,情報検索や情報抽出,機械翻訳など,計算機で自然言語を処理する技術の重要性が増している.この自然言語処理技術は様々な知識を必要とするが,その中で構文解析の際に最もよく用いられるものは文脈自由文法(CFG,以下,文法と略す)である.ところが,人手で作成した大規模な文法は,作成者の想定する言語現象にどうしても``もれ''があるため,網羅性に欠けるという問題がある.一方,最近では,コーパスから抽出した統計情報を用いて自然言語を解析するコーパスベースの研究が成果をあげており,それに伴い,(電子)コーパ... | |
V04N04-04 | 日本語の談話理解を考える際,文脈すなわち「会話の流れ」の認識は重要な要素となる.一般的に日本語では,「会話の流れ」を明示するために順接・逆接・話題転換・因果性,などを表す接続(助)詞が用いられることが多い.このことから,接続(助)詞を含む発話とそれと組になる発話,という関係を認識することが,談話理解の基本となると考えられる.これについては,マニュアルや論説文などのいわゆる書き言葉について,接続詞や指示語などによる連接パターンを用いてテキストの構造解析を行なう手法\cite{福本:文の連接関係解析,田中:文の連接パターン}や,対話中の質問--応答を表す発話対の認識に関する研究\cite{高野:発話対の認識手法について}などがある.これ... | |
V10N05-06 | 我々はこれまで,多様なテキストを要約することのできる頑健な自動要約システムの開発をめざして,重要文抽出を基にした要約システムを作成・拡張してきた.その過程で,作成したシステムを用いて日本語・英語双方において新聞記事などの書き言葉を対象にした要約評価ワークショップに参加し,良好な評価結果を得た\cite{nobata:tsc2001,sekine:duc2001}.また,日本語の講演録を対象として重要文抽出データを人手によって作成し,そのデータに対して要約システムの実験・評価を行った\cite{nobata:orc2002}.日本語と英語など異なる言語や,書き言葉と話し言葉など異なる性質をもつテキストを要約するためには,どのような点が... | |
V13N03-08 | 近年,手話は自然言語であり,ろう者の第一言語である\cite{Yonekawa2002}ということが認知されるようになってきた.しかし,これまで手話に関する工学的研究は,手話動画像の合成や手話動作の認識といった画像面からの研究が中心的であり,自然言語処理の立場からの研究はまだあまり多くは行われていない.言語処理的な研究が行われていない要因として,自然言語処理における処理対象はテキストであるのに,手話には広く一般に受け入れられた文字による表現(テキスト表現)がないことがあげられる.言語処理に利用できる機械的に可読な大規模コーパスも手話にはまだ存在していないが,これもテキスト表現が定まっていないためである.本論文では,手話言語を音声言語... | |
V18N02-02 | 知的で高度な言語処理を実現するには,辞書,シソーラス,コーパスなどの言語資源の整備・構築が欠かせない.一方,実際のテキストに対して,言語資源を活用するときにボトルネックとなるのが,表層表現が実テキストと言語資源では一致しない問題である.例えば,「スパゲティー」には,「スパゲッティ」「スパゲティ」「スパゲッテー」などの異表記があるが,完全一致の文字列マッチングでは,これらの異表記から言語資源に含まれるエントリ(例えば「スパゲティー」)を引き出すことができない.ウェブなどの大規模かつ統制されていないテキストには,大量の異表記や表記誤りが含まれると考えられ,これらの実テキストに対して言語処理を頑健に適用するには,言語資源とテキストを柔軟に... | |
V06N02-06 | 近年の著しい計算機速度の向上,及び,音声処理技術/自然言語処理技術の向上により,音声ディクテーションシステムやパソコンで動作する連続音声認識のフリーソフトウェアの公開など,音声認識技術が実用的なアプリケーションとして社会に受け入れられる可能性がでてきた\cite{test1,test2}.我が国では,大量のテキストデータベースや音声データベースの未整備のため欧米と比べてディクテーションシステムの研究は遅れていたが,最近になって新聞テキストデータやその読み上げ文のデータが整備され\cite{test3},ようやく研究基盤が整った状況である.このような背景を踏まえ,本研究では大規模コーパスが利用可能な新聞の読み上げ音声の精度の良い言語モ... | |
V14N03-03 | 人は必ずしも流暢に話しているわけではなく,以下の例のように,ときにつっかえながら,ときに無意味とも言える言葉を発しながら,話している.\newcounter{cacocnt}\begin{list}{例\arabic{cacocnt}}{\usecounter{cacocnt}}\item\underline{アッ}しまった\underline{エッ}本当?\item\underline{ド}どうしよう?\underline{アシ}あさってかな?\item\underline{エート}今度の日曜なんですが\underline{アノー}部屋はあいてるでしょうか\end{list}例1の下線部は感動詞(間投詞,interjections... | |
V06N05-03 | 近年,研究者数の増加,学問分野の専門分化と共に学術情報量が爆発的に増加している.また,研究者が入手できる文献の量も増える一方であり,人間の処理能力の限界から,入手した文献全てに目を通し利用することが益々困難になってきている.このような状況で必要とされるのは,特定の研究分野に関連した情報が整理,統合された文書,すなわちサーベイ論文(レビュー)や専門図書である.サーベイ論文や専門図書を利用することで,特定分野の研究動向を短時間で把握することが可能になる.しかし,論文全体に対するサーベイ論文の占める割合が極端に少ないという指摘がある\cite{Garvey79}.その理由の一つとして,サーベイ論文を作成するという作業がサーベイ論文の作者に... | |
V02N03-03 | 著者らは放送分野を対象とした英日機械翻訳システムを開発している\cite{Aiz90,Tan93,TanAndHat94}.この中で最もコストがかかり手間を要するのが辞書の作成である.著者らの経験によれば,この中で最も困難なのが動詞の表層格フレーム(以下,格フレームと省略する)の記述である.これは英語の動詞の日本語訳語を選択するために利用される情報で,動詞の取りうる文型とその時の訳語を記述したものである.従来,これらは冊子辞書や用例を参照しながら人手で収集・記述していた.しかし,\begin{enumerate}\item記述する表層格要素(以下,格要素と省略する)や,その制約を一貫して用いることが難しいこと\item格フレームの一... | |
V26N04-01 | \label{sec:introduction}複単語表現(MWE)は,統語的もしくは意味的な単位として扱う必要がある,複数の単語からなるまとまりである\cite{Sag:2002}.MWEはその文法的役割に基づいて以下の4種に分類することができる(\tabref{tab:categories_of_mwes}):(1)複合機能語\footnote{本稿では副詞,接続詞,前置詞,限定詞,代名詞,助動詞,to不定詞,感動詞のいずれかとして機能するMWEを複合機能語として定義する.}({\itanumberof},{\iteventhough}),(2)形容詞MWE({\itdeadonone'sfeet},{\itoutofbusin... | |
V21N05-04 | 線形計画問題において全てもしくは一部の変数が整数値を取る制約を持つ(混合)整数計画問題は,産業や学術の幅広い分野における現実問題を定式化できる汎用的な最適化問題の1つである.近年,整数計画ソルバー(整数計画問題を解くソフトウェア)の進歩は著しく,現在では数千変数から数万変数におよぶ実務上の最適化問題が次々と解決されている.また,商用・非商用を含めて多数の整数計画ソルバーが公開されており,整数計画問題を解くアルゴリズムを知らなくても定式化さえできれば整数計画ソルバーを利用できるようになったため,数理最適化以外の分野においても整数計画ソルバーを利用した研究が急速に普及している.最適化問題は,与えられた制約条件の下で目的関数$f(\bm{... | |
V26N02-04 | 語義曖昧性解消(以下,WSD)とは多義語の語義ラベルを付与するタスクである.長年,英語のみならず日本語を対象としたWSDの研究が盛んに行われてきた.しかし,その多くは教師あり学習による対象単語を頻出単語に限定したWSD(lexicalsampleWSD)であるため,実用性が高いとは言えない.これに対し,文書中のすべての単語を対象とするWSDをall-wordsWSDという.all-wordsWSDのツールがあれば,より下流の処理の入力として,例えば品詞情報のように語義を利用することが可能になり,より実用的になると期待される.all-wordsWSDは,lexicalsampleWSDと異なり,教師ありの機械学習に利用する十分な量の訓... | |
V14N01-03 | コンピュータに自然言語の意味を理解させるためには,文の述語とその項の意味的な関係を表現する必要がある.竹内は,述語と項の深層関係を表現する手法としての語彙概念構造に着目,これに基づく辞書を提案している\cite{takeuchi04,takeuchi05}.語彙概念構造は述語と項の深層関係を抽象化するため,言い換えの分野で有効性が示されている\cite{furuhata04}.河原らは,用言とその直前の格要素の組を単位とした用例ベースの辞書,格フレーム辞書を提案し,それに基づく格解析モデルを提案している\cite[など]{kawahara05_1,kawahara05}.照応や省略の解析に格フレーム辞書の有効性が示されている\cit... | |
V27N01-05 | 辞書は言葉に関するさまざまな特徴を集積したものである.発音・形態論情報・品詞・単語分類・統語情報・意味情報・位相・語源・語釈などにより整理される.単語の使用実態に基づく言葉の特徴として{\bf単語親密度}がある.単語親密度は,人々がどのくらいその単語を知っているのか・使うのかといった,人の主観的な評価に基づく指標である.NTTコミュニーケーション科学基礎研究所による『日本語の語彙特性』\cite{Amano-1999}は,単語親密度を含む情報を『新明解国語辞典第四版』の見出し項目約80,000語について付与した.また同データは朝日新聞の1985年から1998年の14年分の記事データにおける頻度情報も含む.しかしながら,評定情報の収集... | |
V12N04-06 | \label{sec:background}多言語コーパスが整備されていく過程で,ある言語への翻訳が複数の言語に基づいて行われる場合がある.たとえば,聖書の翻訳における日本語訳を考える際に,その原言語として様々な言語が存在する状況に類似している.原言語が英語とフランス語のような場合,それらからの日本語訳には,原言語の影響はほとんどないかもしれない.一方で,原言語として韓国語と英語のような対を考える場合,それらの原言語の違いは,翻訳に多大な影響を及ぼすと予想できる.一般に,ある言語への翻訳が存在する場合,同一内容のものを別の言語から翻訳することは経済的理由から非常に少ない.たとえば,英語から日本語に翻訳された文書が存在する場合,同一内... | |
V20N03-06 | 2011年3月に発生した東日本大震災では,ソーシャルメディアは有益な情報源として大活躍した~\cite{nomura201103}.震災に関する情報源として,ソーシャルメディアを挙げたネットユーザーは18.3\%で,インターネットの新聞社(18.6\%),インターネットの政府・自治体のサイト(23.1\%)と同程度である.ニールセン社の調査~\cite{netrating201103}によると,2011年3月のmixiの利用者は前月比124\%,Twitterは同137\%,Facebook同127\%であり,利用者の大幅な伸びを示した.東日本大震災後のTwitterの利用動向,交換された情報の内容,情報の伝搬・拡散状況などの分析・... | |
V08N01-01 | 近年,インターネットの普及とともに,個人でWWW(WorldWideWeb)を代表とするネットワーク上の大量の電子データやデータベースが取り扱えるようになり,膨大なテキストデータの中から必要な情報を取り出す機会が増加している.しかし,このようなデータの増加は必要な情報の抽出を困難とする原因となる.この状況を反映し,情報検索,情報フィルタリングや文書クラスタリング等の技術に関する研究開発が盛んに進められている.情報検索システムの中でよく使われている検索モデルに,ベクトル空間モデル\cite{salton}がある.ベクトル空間モデルは,文書と検索要求を多次元空間ベクトルとして表現する方法である.基本的には,文書集合から索引語とするターム... | |
V14N02-03 | 従来の中国語構文解析では,文脈自由型句構造文法CFG(ContextFreePhraseStructureGrammar)で文の構造を取り扱うことが一般的となっている.しかし,句構造文法PSG(PhraseStructureGrammar)\footnote[1]{通常,句構造文法という用語は生成文法(変形文法),依存構造文法などと並べれて論じられ,GPSG,HPSG等の単一化文法理論を含む文法記述の枠組み,もしくは形式言語におけるチョムスキーの階層に関する文法記述の枠組みを表す.本論文では,句構造文法という用語を,「文を逐次的に句などの小さい単位に分割し,文を階層的な句構造によって再帰的な構造上の関係に還元して説明する考え方」の意... | |
V14N03-02 | 現代日本語の「です・ます」は,話手の感情・評価・態度に関わるさまざまな意味用法を持つことが指摘されている.従来の研究では,敬語および待遇表現,話し言葉/書き言葉の観点や,文体論あるいは位相論といった立場・領域から個別に記述されてきたが,「です・ます」の諸用法を有機的に結びつけようとする視点での説明はなされていない\footnote{「敬語」の一種であるという位置づけがなされている程度である.一例として,次のような記述がある.「「です・ます」は,一連の文章や話し言葉の中では,使うとすれば一貫して使うのが普通で,その意味で文体としての面をもちます.「です・ます」を一貫して使う文体を敬体,一貫して使わない文体を常体と呼びます.(中略)しか... | |
V23N05-05 | \label{sec:intro}\subsection{研究背景}\label{sec:background}言語は,人間にとって主要なコミュニケーションの道具であると同時に,話者集団にとっては社会的背景に根付いたアイデンティティーでもある.母国語の異なる相手と意思疎通を取るためには,翻訳は必要不可欠な技術であるが,専門の知識が必要となるため,ソフトウェア的に代行できる機械翻訳の技術に期待が高まっている.英語と任意の言語間での翻訳で機械翻訳の実用化を目指す例が多いが,英語を含まない言語対においては翻訳精度がまだ実用的なレベルに達していないことが多く,英語を熟知していない利用者にとって様々な言語間で機械翻訳を支障なく利用できる状況と... | |
V15N05-05 | \label{hajime}共参照解析とは,ある表現が他の表現と同一の対象を指していることを同定する解析のことであり,計算機による自然言語の意味理解を目指す上で重要な技術である.本研究では,日本語文における,同一文章内の表現間の共参照である文章内共参照を解析の対象とする.文章内共参照では,ある表現(照応詞)が文章中の先行する表現(先行詞)と同一の対象を指している場合にそれを認識することが目的となる.共参照における照応詞としては,普通名詞,固有名詞,代名詞の3つが考えられる.英語などの言語では照応詞として代名詞が頻繁に使用されるが,日本語では代名詞の多くはゼロ代名詞として省略されるため,照応詞の多くは普通名詞,固有名詞が占めている.ゼ... | |
V15N05-04 | 言葉の意味処理にとってシソーラスは不可欠の資源である.シソーラスは,単語間の上位下位関係という,いわば縦の関連を表現するものである.我々は意味処理技術の深化を目指し,縦の関連に加えて,単語が使用されるドメインという,いわば横の関連を提案する.例えば,単語が「教科書」「先生」ならドメインは\dom{教育・学習}であり,「庖丁」なら\dom{料理・食事},「メス」なら\dom{健康・医学}である.本研究では,このようなドメイン情報を基本語約30,000語に付与し,基本語ドメイン辞書として完成させた.ドメインを考慮することでより自然な単語分類が可能となる.例えば分類語彙表は,「教科書」は『文献・図書』,「先生」は『専門的・技術的職業』とし... | |
V06N07-04 | \label{sec:sec1}インターネットの普及も手伝って,最近は電子化されたテキスト情報を簡単にかつ大量に手にいれることが可能となってきている.このような状況の中で,必要な情報だけを得るための技術として文章要約は重要であり,計算機によって要約を自動的に行なうこと,すなわち自動要約が望まれる.自動要約を実現するためには本来,人間が文章を要約するのと同様に,原文を理解する過程が当然必要となる.しかし,計算機が言語理解を行うことは現在のところ非常に困難である.実際,広範囲の対象に対して言語理解を扱っている自然言語処理システムはなく,ドメインを絞ったトイシステムにとどまっている.一方では言語理解に踏み込まずともある程度実現されている自... | |
V20N05-04 | 自然言語処理のタスクにおいて帰納学習手法を用いる際,訓練データとテストデータは同じ領域のコーパスから得ていることが通常である.ただし実際には異なる領域である場合も存在する.そこである領域(ソース領域)の訓練データから学習された分類器を,別の領域(ターゲット領域)のテストデータに合うようにチューニングすることを領域適応という\footnote{領域適応は機械学習の分野では転移学習\cite{kamishima}の一種と見なされている.}.本論文では語義曖昧性解消(WordSenseDisambiguation,WSD)のタスクでの領域適応に対する手法を提案する.まず本論文における「領域」の定義について述べる.「領域」の正確な定義は困難... | |
V23N01-04 | 最新の機械翻訳システムは,年々精度が向上している反面,システムの内部は複雑化しており,翻訳システムの傾向は必ずしも事前に把握できるわけではない.このため,システムによってある文章が翻訳された結果に目を通すことで,そのシステムに含まれる問題点を間接的に把握し,システム同士を比較することが広く行われている.このように,単一システムによって発生する誤りの分析や,各システムを比較することは,各システムの利点や欠点を客観的に把握し,システム改善の手段を検討することに役立つ.ところが,翻訳システムの出力結果を分析しようとした際,機械翻訳の専門家である分析者は,システムが出力した膨大な結果に目を通す必要があり,その作業は労力がかかるものである.こ... | |
V11N04-04 | \label{sec:intro}機械翻訳システムの辞書は質,量ともに拡充が進み,最近では200万見出し以上の辞書を持つシステムも実用化されている.ただし,このような大規模辞書にも登録されていない語が現実のテキストに出現することも皆無ではない.辞書がこのように大規模化していることから,辞書に登録されていない語は,コーパスにおいても出現頻度が低い語である可能性が高い.ところで,文同士が対応付けられた対訳コーパスから訳語対を抽出する研究はこれまでに数多く行なわれ\cite{Eijk93,Kupiec93,Dekai94,Smadja96,Ker97,Le99},抽出方法がほぼ確立されたかのように考えられている.しかし,コーパスにおける出... | |
V04N03-04 | 近年,大量の機械可読なテキスト(コーパス)が利用可能になったことや,計算機の性能が大幅に向上したことから,コーパス・データを利用した確率的言語モデルの研究が活発に行われてきている.確率的言語モデルは,従来,自然言語処理や音声処理などの工学分野で用いられ,その有効性を実証してきたが,比較言語学,方言研究,言語類型論,社会言語学など,言語学の諸分野においても有用な手法を提供するものと思われる.本稿では,言語学の分野での確率的言語モデルの有用性を示す一例として,言語のクラスタリングを取り上げる.ここでは,言語を文字列を生成する情報源であるとみなし,この情報源の確率・統計的な性質を確率モデルによりモデル化する.次に,確率モデル間に距離尺度を... | |
V05N01-07 | 自然言語文には動詞を省略した文が存在する.この省略された動詞を復元することは,対話システムや高品質の機械翻訳システムの実現には不可欠なことである.そこで本研究では,この省略された動詞を表層表現と用例から補完することを行なう.表層表現とは,文章の表層に現れる手がかり表現のことである.例えば,助詞の「も」で文が終っている省略文の場合,助詞の「も」という手がかり語のおかげで前文の繰り返しであろうと推測でき,前文の文末の動詞を補えばよいとわかる.この表層表現を用いる手法は,応用範囲の大きい手法であり,解析したい問題があるとき,そのための手がかりとなる言語表現がその問題の近くに存在することが多く,それを用いることでその問題が解析可能となる.用... | |
V21N06-04 | 日本語形態素解析における誤り要因の1つに辞書に含まれない語・表記の存在がある.本論文では形態素解析で使用する辞書に含まれない語・表記をまとめて未知語と呼ぶ.形態素解析における未知語は表\ref{Table::UnknownWordClassification}に示すようにいくつかのタイプに分類することができる.まず,未知語は既知語から派生したものと,既知語と直接関連を持たない純粋な未知語の2つに大きく分けられる.従来の日本語形態素解析における未知語処理に関する研究は,事前に未知語をコーパスから自動獲得する手法\cite{Mori1996s,Murawaki2008}と,未知語を形態素解析時に自動認識する手法\cite{Nagata1... | |
V24N04-02 | 投資家は,資産運用や資金調達のために数多くの資産価格分析を行っている.とりわけ,ファイナンス理論の発展と共に,過去の資産価格情報や決算情報などの数値情報を用いた分析方法は数多く報告されている.しかしながら,投資家にとって,数値情報だけでなく,テキスト情報も重要な意思決定材料である.テキスト情報には数値情報に反映されていない情報が含まれている可能性があり,テキスト情報の分析を通じ,有用な情報を獲得できる可能性がある.そのため近年,これまで数値情報だけでは計測が困難であった情報と資産価格との関連性の解明への期待から,経済ニュースや有価証券報告書,アナリストレポート,インターネットへの投稿内容などのテキスト情報を用いた様々な資産価格分析が... | |
V19N02-01 | \subsection{片仮名語と複合名詞分割}外国語からの借用(borrowing)は,日本語における代表的な語形成の1つとして知られている\cite{Tsujimura06}.特に英語からの借用によって,新造語や専門用語など,多くの言葉が日々日本語に取り込まれている.そうした借用語は,主に片仮名を使って表記されることから片仮名語とも呼ばれる.日本語におけるもう1つの代表的な語形成として,単語の複合(compounding)を挙げることができる\cite{Tsujimura06}.日本語は複合語が豊富な言語として知られており,とりわけ複合名詞にその数が多い.これら2つの語形成は,日本語における片仮名複合語を非常に生産性の高いものと... | |
V25N04-01 | 文節係り受け解析は情報抽出・機械翻訳などの言語処理の実応用の前処理として用いられている.文節係り受け解析器の構成手法として,規則に基づく手法とともに,アノテーションを正解ラベルとしたコーパスに基づく機械学習に基づく手法が数多く提案されている\cite{Uchimoto-1999,Kudo-2002,Sassano-2004,Iwatate-2008,Yoshinaga-2010,Yoshinaga-2014}.文節係り受け情報は,新聞記事\cite{KC}・話し言葉\cite{CSJ}・ブログ\cite{KNBC}などにアノテーションされているが,使用域(register)横断的にアノテーションされたデータは存在しない.我々は『現代... | |
V14N05-05 | \label{sec:intro}日本語の解析システムは,1990年代にそれまでの研究が解析ツールとして結晶し,現在では,各種の応用システムにおいて,それらの解析ツールが入力文を解析する解析モジュールとして利用されるようになってきている.解析ツールを利用した応用システムの理想的な構成は,与えられた文を解析する解析ツールと,その後の処理を直列につなげた,図\ref{fig:cascade}に示すような構成である.例えば,情報抽出システムでは,応用モジュールは,解析ツールの出力データを受け取り,そのデータに抽出すべき情報が含まれているかどうかを調べ,含まれている場合にその情報を抽出する,という処理を行なうことになる.\begin{fig... | |
V14N04-01 | \label{intro}近年,自然言語処理の分野では,大規模な言語資源を利用した統計的手法が研究の中心となっている.特に,構文木付きコーパスは,統計的手法に基づく言語処理の高性能化のためだけでなく,言語学や言語処理研究の基本データとしても貴重な資源である.そのため,大規模な構文木付きコーパスの作成が必要となっている.しかし,大規模な構文木付きコーパスを全て人手により作成することは,多大なコストを必要とするため困難である.一方,現在の構文解析の精度では,構文木の付与を完全に自動化することが難しい.現実的には,構文解析器の出力から人手によって正しい構文木を選択し,それを文に付与することが望ましい.コーパス作成中には,文法や品詞体系の変... | |
V13N01-01 | \label{はじめに}高精度の機械翻訳システムや言語横断検索システムを構築するためには,大規模な対訳辞書が必要である.特に,専門性の高い文書や時事性の高い文書を扱う場合には,専門用語や新語・造語に関する対訳辞書の有無が翻訳や検索の精度を大きく左右する.人手による対訳辞書の作成はコスト及び時間がかかる作業であり,できるだけ自動化されることが望ましい.このような課題に対処するため,対訳文書から対訳表現を自動的に抽出する手法が数多く提案されている.この中でも,文対応済みの対訳文書から共起頻度に基づいて統計的に対訳表現を自動抽出する手法は,精度が高く,対訳辞書を自動的に作成する方法として有効である\cite[など]{北村97,山本2001... |
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