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JCRRAG_002001
地理
海岸林造成における人工砂丘の方向について  人工砂丘の機能のひとつは,風・飛砂を集中させないことであり,もう一つは防風効果をできるだけ発揮させることである.前者の場合,人工砂丘は汀線に平行に設置するのが望ましい.後者の場合の方向は,風向に直交方向となるので,風向の影響を受ける.両者は,汀線に直交する風向の場合に一致するが,それ以外の場合は一致しない.  人工砂丘は,最前線においては例外なく汀線に平行に築設されていた.これは,潮風・飛砂を集中させないことを優先させる必要があったためと考えられる.これに対して,より内陸側の人工砂丘は,汀線に平行な場合と主風に直交させた場合の両者がみられた.風向に直交しない場合,防風効果の点では劣るが,防風効果の不足は,静砂垣や衝立工で補うことが可能で,人工砂丘の防風機能だけに委ねる必要はない.また,植栽木に対する風当たりの緩和が求められるのは,植栽初期に限られる.これに対して,潮風・飛砂を集中させないことは,半永久的に求められるので,防風柵などの一時的な工作物より人工砂丘という地形の改変の方が耐久性の点で有利である.  堆砂垣によって人工砂丘を造成する場合,捕砂の効率ならびに堆砂の安定性から風向に直交させる方が有利である.問題となるのはそれを優先できない場合であるが,飛砂の捕捉については補助垣あるいは翼垣によって補うことができる.また,現在は,意図する形状の人工砂丘を短期間に確実に造成できることから、堆砂垣によらず重機を用いることが多い.言い換えれば,手段として堆砂垣を用いる場面は限定され,人工砂丘の方向を決めるにあたって堆砂垣の捕砂特性を考慮する必要はなくなったと考える.  以上のことから,人工砂丘の方向について次のように結論したい.すなわち,海岸林造成地の人工砂丘は,風・飛砂を集中させないという目的から,汀線に平行に設置することが基本である.なぜなら,人工砂丘の造成に重機を用いる場合,堆砂垣の捕砂特性を考慮する必要はないからである.また,人工砂丘の防風効果を最大限に求める場合には,人工砂丘を主風に直交させることが有利であるが,防風効果が求められるのは植栽初期に限られることと,代替手段があることから必須ではないためである.
人工砂丘の防風効果の不足は、何によって補うことが可能ですか。
人工砂丘の防風効果の不足は、静砂垣や衝立工によって補うことが可能です。
JCRRAG_002002
地理
海岸林造成における人工砂丘の方向について  人工砂丘の機能のひとつは,風・飛砂を集中させないことであり,もう一つは防風効果をできるだけ発揮させることである.前者の場合,人工砂丘は汀線に平行に設置するのが望ましい.後者の場合の方向は,風向に直交方向となるので,風向の影響を受ける.両者は,汀線に直交する風向の場合に一致するが,それ以外の場合は一致しない.  人工砂丘は,最前線においては例外なく汀線に平行に築設されていた.これは,潮風・飛砂を集中させないことを優先させる必要があったためと考えられる.これに対して,より内陸側の人工砂丘は,汀線に平行な場合と主風に直交させた場合の両者がみられた.風向に直交しない場合,防風効果の点では劣るが,防風効果の不足は,静砂垣や衝立工で補うことが可能で,人工砂丘の防風機能だけに委ねる必要はない.また,植栽木に対する風当たりの緩和が求められるのは,植栽初期に限られる.これに対して,潮風・飛砂を集中させないことは,半永久的に求められるので,防風柵などの一時的な工作物より人工砂丘という地形の改変の方が耐久性の点で有利である.  堆砂垣によって人工砂丘を造成する場合,捕砂の効率ならびに堆砂の安定性から風向に直交させる方が有利である.問題となるのはそれを優先できない場合であるが,飛砂の捕捉については補助垣あるいは翼垣によって補うことができる.また,現在は,意図する形状の人工砂丘を短期間に確実に造成できることから、堆砂垣によらず重機を用いることが多い.言い換えれば,手段として堆砂垣を用いる場面は限定され,人工砂丘の方向を決めるにあたって堆砂垣の捕砂特性を考慮する必要はなくなったと考える.  以上のことから,人工砂丘の方向について次のように結論したい.すなわち,海岸林造成地の人工砂丘は,風・飛砂を集中させないという目的から,汀線に平行に設置することが基本である.なぜなら,人工砂丘の造成に重機を用いる場合,堆砂垣の捕砂特性を考慮する必要はないからである.また,人工砂丘の防風効果を最大限に求める場合には,人工砂丘を主風に直交させることが有利であるが,防風効果が求められるのは植栽初期に限られることと,代替手段があることから必須ではないためである.
人工砂丘の防風効果が求められるのはいつですか。
人工砂丘の防風効果は、海岸林が植栽初期のときに求められます。
JCRRAG_002003
地理
シカによる水稲被害が深刻化している千葉県房総半島南部において、約350軒の稲作農家を対象とした聞き取りアンケート調査から、シカによる水稲被害のレベルを定量化し、それをシカの局所密度と水田周辺の景観構造により説明する統計モデルを構築した。その結果、被害レベルはシカ密度に加え、対象水田から半径400m以内の景観構造により影響を受けていることが明らかになった。具体的には、水田周囲の森林率の増加に伴い被害は大きくなること、またシカの高密度地域では周辺景観の林縁長が長いと被害が軽減される傾向があることがわかった。この空間スケールは、既往研究から示された房総のシカの行動圏や食物の質、妊娠率が決まる空間スケールとほぼ一致していた。次に統計モデルを用いて被害が軽度に維持されるシカ密度をシカ分布域とその周辺を含めた地域で推定し、水稲被害のリスクマップを作成したところ、被害が軽度に維持されるシカ密度は地域の景観構造により大きく異なることがわかった。異質な景観構造をもつ地域では、こうしたリスクマップと現在のシカ生息密度とを比較し、短期的な捕獲目標個体数を局所レベルで定めることで、被害防除努力をより効率的に配分することができるだろう。
シカによる水稲被害の被害レベルはシカ密度に加え、何により影響を受けていることが明らかになりましたか?
シカによる水稲被害の被害レベルはシカ密度に加え、対象水田から半径400m以内の景観構造により影響を受けていることが明らかになりました。
JCRRAG_002004
地理
地理院地図は,多様な地理空間情報(地形図,空中写真,標高,地形分類等や災害に関する情報)を提供するプラットフォームであり,様々な情報が格納されている(第1図)。本章では主に標高に関する情報と,防災地理情報について触れたい。 標高に関する情報として,陰影起伏図は地表の凹凸が分かりやすく(第2図),また色別標高図を見れば土地の高低が分かる。それらを組み合わせて表示することで,地表の起伏が分かり,地域の中で周囲より低い場所や,傾斜の急な場所などが直感的に理解できる。 一方で,地理院地図に掲載されている情報のうち,防災地理情報については,地形分類情報等の地形の特性を表す情報(第3図上)や,自然災害伝承碑といった災害履歴の分かる情報(第3図下)が挙げられる。たとえば平野の地形は,過去の氾濫等に伴う土砂の堆積の重合で形づくられた地形であり,地形分類ごとに発生しうる災害の特性が異なる。地形分類情報や自然災害伝承碑の情報は,その地域で過去にどのような災害が起こったのかの手がかりを示すものである。言い換えれば,このような情報は,将来起こり得る災害リスクの理解を助ける指標ともいえる。このように地表面の起伏を示す標高に関する情報と,長年の氾濫の積み重ねが形となった土地の成り立ちに関わる地形分類情報を組み合わせることは,その地域の特性の理解に役立つ(第4図)。
地域の中で周囲より低い場所や、傾斜の急な場所などが直感的に理解できるのは何故ですか?
地域の中で周囲より低い場所や、傾斜の急な場所などが直感的に理解できるのは、陰影起伏図は地表の凹凸が分かりやすく、また色別標高図を見れば土地の高低が分かるからです。
JCRRAG_002005
地理
(1)現代世界と地域  現代世界の特色を地図の活用や地域調査を通して理解させ、現代世界を地理的にとらえる方法について考察させる。 ア 地球儀、世界地図で読む現代世界  交通・通信の発達による世界諸地域の位置、距離関係の変化及び国境を越える交流の進展、国家間の結合、領土問題などに関する現代世界の特色と動向を、地球儀や多様な地図を活用して理解させる。 イ 地図の機能と活用  情報の地図化や読図などの活動を通して地図に親しませるとともに、地図上の位置、距離関係を踏まえて社会的諸事象をとらえることが効果的であることを理解させる。 ウ 地域の変容と現代世界  地域調査などを通して国際化の進展の影響が身近な地域にも及んでいることを理解させる。 (2)世界の人々の生活・文化と交流  自然環境及び社会環境の多様性を背景に、世界の諸民族の生活の特色を理解させ、異なる地域に生きる人々が交流を深める際の課題などについて考察させる。 ア 自然環境と人間生活  自然環境の地域的特色を理解させ、世界の人々の生活・文化が各地域の自然環境と深くかかわっていることに着目させ、自然と人間との関係の変容について考察させる。 イ 諸民族の生活・文化と地域性  世界の諸民族の生活・文化を地域の自然環境及び社会環境と関連付けて理解させ、地域によって異なる人々の生活・文化を理解することの意義について考察させる。 ウ 諸地域の人々の交流と日本の課題  自然環境及び社会環境の多様性を背景にして、諸地域の人々の交流の現状と課題を具体的に理解させ、日本人が世界の諸地域の人々と交流する際の課題などについて考察させる。
現代世界の特色は、何を通して理解させますか?
現代世界の特色は、地図の活用や地域調査を通して理解させます。
JCRRAG_002006
地理
日本は地震や土砂災害などの自然災害が多発する国であり,ハードとソフトの両面からの対策が進められている。しかし,頻発する災害に対してハード面での対策には経済的な限界があるため,ソフト面での対策が強く求められる(日下部,2011)。その対策の1つとして防災教育が挙げられる。学校教育において,小学校,中学校では社会科の教科の中で防災に関する内容を扱っている。一方で,高等学校においては「地理A」に防災に関する内容が存在するものの,受講する生徒の数は限られている。2022年度から高等学校において,「地理総合」が必修化され,その内容に防災教育が含まれることになった。地理総合の必修化は,これからの防災・減災の重要な役割を担うものになるだろう。現在,高等学校の地理Aの授業の中でも,防災教育をふまえた実践研究はみられる。例えば溝口(2010)は,防災教育を実践するにあたり,1.知識と実践の両方が重要であること,2.防災より減災が重要であること,3.自助>共助>公助の行動様式を確立すること,4.生徒が災害時に適切な行動をとれる市民になることを重視する必要性を指摘している。溝口(2010)では,1.のために,2年生1学期の授業で災害について学習したのち,夏季休業を利用して,地域調査を生徒に行わせたとしている。
2022年度から高等学校で必修化された科目はなんですか。
2022年度から高等学校で必修化されたのは、「地理総合」です。
JCRRAG_002007
地理
放牧地や採草地として利用されてきた半自然草地には、草地特有の動植物が生息・生育しているが、半自然草地の減少に伴い、これらの動植物は絶滅の危機にさらされている。大面積の半自然草地だけでなく、小面積で分布する半自然草地も多様な草原生植物の生育地として機能しており、重要な景観構成要素として位置付ける必要がある。山頂部の草地は草原生植物のホットスポットとして重要な環境と考えられるが、生育種やそれらと環境要因との関係について明らかにされていない。本研究では、山頂部に残る半自然草地を対象として、草原生植物の種組成、種数と面積の関係、大規模な半自然草地内における山頂部の特性を明らかにし、草原生植物の生育地としての山頂部草地の位置付けについて考察した。調査地は広島県北西部に位置する8山とした。8山のうち、1山は草地利用の履歴が無く、他の山は過去に半自然草地として利用されていた。山の頂上から標高10 m差の範囲を山頂部と定義し、植物相調査を行った結果、草原生植物の出現種数は現在も草地管理が行われている「管理継続区」で最も多く、過去に草地管理が行われていない「自然区」で極端に少なかった。また、従来の草地管理が停止した「放棄区」でも、「自然区」に比べると多くの草原生植物が生育していた。山頂部における草原生植物の種数と面積の関係を比較した結果、種数と山頂部の面積には相関が認められなかったが、種数と山頂部の草地面積には正の相関が認められた。草原生植物について、周辺の草地と連続している山頂部において、山頂部と草地全域の出現種数を比較した結果、山頂部には、草地全域に生育する草原生植物の61%から75%が生育していた。以上の結果から、過去に草地管理が行われた山頂部の草地には、従来の草地管理が停止しても多くの草原生植物が残存していることが明らかになった。山頂部における草原生植物の種数と草地面積には、正の相関があり、草地面積は草原生植物の種数を限定する主要な要因であることが明らかになった。草地全域に生育する草原生植物のうち、多くの種が山頂部にも生育していることが明らかになった。
植物相調査を行う際、山頂部はどのように定義しましたか。
植物相調査を行う際、山頂部は山の頂上から標高10m差の範囲と定義しました。
JCRRAG_002008
地理
1992年に制定された地理教育国際憲章では,第1表にあげた課題とそれらによって引き起こされる各種の紛争を,現代世界が直面している地理学と密接に関連する課題としている(中山,1993)。また,この地理教育国際憲章をESD を念頭に拡張したとされる地理教育に関するルツェルン宣言においては,環境,水資源,農村開発,持続可能な消費,持続可能なツーリズム,異文化間の理解,文化多様性,気候変動,減災,生物多様性,市場経済などESDのほとんど全ての行動テーマが地理的特徴を持っていると指摘している(大西、2008)。持続可能な社会の構築は,環境の持続可能性・経済の持続可能性・社会の持続可能性のバランスの上に成立するものであるが,それらのバランスには地域的コンテクストが影響を与える(第1図)。具体的には,環境の持続可能性には自然環境の地域的差異が,経済の持続可能性には人口や資源等の不均等分布が,社会の持続可能性には社会集団・文化・制度などの地域的差異が影響している。
持続可能な社会の構築は何のバランスの上に成立しますか。
持続可能な社会の構築は、環境・経済・社会のそれぞれの持続性のバランスの上に成立しています。
JCRRAG_002009
地理
このように,水族館は海の地理的な特徴,自然環境の豊かさや生物多様性,地域の主要な漁業・魚食といった内容から海の豊かさを際立たせ,美しい海中世界の展示を行っている。しかし一方で,あまり触れていない内容もある。例えば,瀬戸内海地域においては高度経済成長期から工業や海運業の発展,海岸線の開発による埋め立て工事,生活排水による海洋汚染などで,一時は「瀕死の海」といわれるまで水質汚濁や環境破壊が進んできたという歴史的な背景が存在する。このような負の歴史もこれからの瀬戸内海の自然環境と生態系を考える上で来館者へ伝えていくべき情報であると考えられるが,須磨海浜水族園以外の施設では詳細にとり上げられていない。また,人と自然(生物)のつながりに関しても,山林利用や伝統的な漁業のイメージを伝える展示はあるものの,現代社会における人間のライフスタイルの変化や,それに伴う海や河川の環境変化などに関してはあまり触れていない。
瀬戸内海地域の水質汚濁や環境破壊が進んだのは何故ですか?
瀬戸内海地域の水質汚濁や環境破壊が進んだのは、海運業の発展や、埋め立て工事、生活排水による海洋汚染のためです。
JCRRAG_002010
地理
1980年頃から南極上空に現れるようになったオゾンホールは,年々規模が拡大している。成層圏のオゾン層破壊をもたらす特定フロンは,1987年に締結されたモントリオール議定書により国際的に規制され,先進国における生産は全廃されている(巻出,1997)。その中で日本は,オゾンホールによる影響は相対的に少ないものの,南半球の極地やオーストラリアについては紫外線量が多くなることで人々への健康被害が大きくなっていることが知られている。オゾンホールが問題視された1980年代,オゾンホールの発生原因となる特定フロンの大部分は,北半球の中緯度地域に位置する先進諸国で大量に生産され,排出されていた。日本ではモントリオール議定書を踏まえて1988年にオゾン層保護法が施行され,特定フロンの生産と輸入が段階的に停止された。その後2002年には特定フロン回収・破壊法が施行され,特定フロンを用いた製品から特定フロンを回収することが義務付けられた。現在,オゾン層に直接ダメージを与える特定フロンは生産されてはいないが,特定フロンに置き換えて冷媒としての使用が進んでいる代替フロンは温室効果が高いことが指摘されている(環境庁,1989,p.124)。2017年にキガリで開かれたモントリオール議定書の締約国会議によって,日本は2019年から代替フロンの削減をはじめ,2036年までに85%減少させることが決定している。この一連の流れについて,2009(平成21)年版学習指導要領の高等学校地理Bでは,環境問題を取り扱う単元において基本的に以下の2つが取り上げられてきた。1.オゾンホールが南極やオーストラリア付近で発生し,それらの地域には特異的に紫外線が降り注ぐ。その結果,南極やオーストラリア付近では皮膚ガンや白内障の患者が多くなる傾向にある。2.オゾンホールを生み出す原因となる特定フロンガスは先進国や新興国といった国々が多く排出しており,その排出を抑制する取り組みが求められている。 高等学校地理Bにおいては,この2つが取り上げられるものの,どうして排出国の多くが北半球の中緯度であるにも関わらず,オゾンホールが発生するのは南極やオーストラリアといった南半球の高緯度地域となるのかについては,これまで積極的に取り上げられてこなかった。そのため,北半球の中緯度地域で排出された特定フロンガスが,どのようなプロセスを経て南半球の極地上空で凝集し,どのように反応してオゾン層の破壊につながるのか,どうして北半球の極地上空では問題視されることがないのかという点に対して触れられることはなく,高校生が関心を持つことはほぼないに等しい。そこで本稿では,「地理総合」における授業と仮定し,オゾンホールの事例を通して環境問題について実践した授業を報告する。
成層圏のオゾン層破壊をもたらす特定フロンは、何によって規制されていますか。
層圏のオゾン層破壊をもたらす特定フロンは、1987年に締結されたモントリオール議定書によって規制されています。
JCRRAG_002011
地理
1992年に制定された地理教育国際憲章では,第1表にあげた課題とそれらによって引き起こされる各種の紛争を,現代世界が直面している地理学と密接に関連する課題としている(中山,1993)。また,この地理教育国際憲章をESD を念頭に拡張したとされる地理教育に関するルツェルン宣言においては,環境,水資源,農村開発,持続可能な消費,持続可能なツーリズム,異文化間の理解,文化多様性,気候変動,減災,生物多様性,市場経済などESDのほとんど全ての行動テーマが地理的特徴を持っていると指摘している(大西、2008)。持続可能な社会の構築は,環境の持続可能性・経済の持続可能性・社会の持続可能性のバランスの上に成立するものであるが,それらのバランスには地域的コンテクストが影響を与える(第1図)。具体的には,環境の持続可能性には自然環境の地域的差異が,経済の持続可能性には人口や資源等の不均等分布が,社会の持続可能性には社会集団・文化・制度などの地域的差異が影響している。
環境の持続可能性には、何が影響を与えていますか。
環境の持続可能性には、自然環境の地域的差異が影響を与えています。
JCRRAG_002012
地理
1992年に制定された地理教育国際憲章では,第1表にあげた課題とそれらによって引き起こされる各種の紛争を,現代世界が直面している地理学と密接に関連する課題としている(中山,1993)。また,この地理教育国際憲章をESD を念頭に拡張したとされる地理教育に関するルツェルン宣言においては,環境,水資源,農村開発,持続可能な消費,持続可能なツーリズム,異文化間の理解,文化多様性,気候変動,減災,生物多様性,市場経済などESDのほとんど全ての行動テーマが地理的特徴を持っていると指摘している(大西、2008)。持続可能な社会の構築は,環境の持続可能性・経済の持続可能性・社会の持続可能性のバランスの上に成立するものであるが,それらのバランスには地域的コンテクストが影響を与える(第1図)。具体的には,環境の持続可能性には自然環境の地域的差異が,経済の持続可能性には人口や資源等の不均等分布が,社会の持続可能性には社会集団・文化・制度などの地域的差異が影響している。
経済の持続可能性には、何が影響を与えていますか。
経済の持続可能性には、人口や資源等の不均等分布が影響を与えています。
JCRRAG_002013
地理
1992年に制定された地理教育国際憲章では,第1表にあげた課題とそれらによって引き起こされる各種の紛争を,現代世界が直面している地理学と密接に関連する課題としている(中山,1993)。また,この地理教育国際憲章をESD を念頭に拡張したとされる地理教育に関するルツェルン宣言においては,環境,水資源,農村開発,持続可能な消費,持続可能なツーリズム,異文化間の理解,文化多様性,気候変動,減災,生物多様性,市場経済などESDのほとんど全ての行動テーマが地理的特徴を持っていると指摘している(大西、2008)。持続可能な社会の構築は,環境の持続可能性・経済の持続可能性・社会の持続可能性のバランスの上に成立するものであるが,それらのバランスには地域的コンテクストが影響を与える(第1図)。具体的には,環境の持続可能性には自然環境の地域的差異が,経済の持続可能性には人口や資源等の不均等分布が,社会の持続可能性には社会集団・文化・制度などの地域的差異が影響している。
社会の持続可能性には、何が影響を与えていますか。
社会の持続可能性には、社会集団・文化・制度などの地域的差異が影響を与えています。
JCRRAG_002014
地理
1980年頃から南極上空に現れるようになったオゾンホールは,年々規模が拡大している。成層圏のオゾン層破壊をもたらす特定フロンは,1987年に締結されたモントリオール議定書により国際的に規制され,先進国における生産は全廃されている(巻出,1997)。その中で日本は,オゾンホールによる影響は相対的に少ないものの,南半球の極地やオーストラリアについては紫外線量が多くなることで人々への健康被害が大きくなっていることが知られている。オゾンホールが問題視された1980年代,オゾンホールの発生原因となる特定フロンの大部分は,北半球の中緯度地域に位置する先進諸国で大量に生産され,排出されていた。日本ではモントリオール議定書を踏まえて1988年にオゾン層保護法が施行され,特定フロンの生産と輸入が段階的に停止された。その後2002年には特定フロン回収・破壊法が施行され,特定フロンを用いた製品から特定フロンを回収することが義務付けられた。現在,オゾン層に直接ダメージを与える特定フロンは生産されてはいないが,特定フロンに置き換えて冷媒としての使用が進んでいる代替フロンは温室効果が高いことが指摘されている(環境庁,1989,p.124)。2017年にキガリで開かれたモントリオール議定書の締約国会議によって,日本は2019年から代替フロンの削減をはじめ,2036年までに85%減少させることが決定している。この一連の流れについて,2009(平成21)年版学習指導要領の高等学校地理Bでは,環境問題を取り扱う単元において基本的に以下の2つが取り上げられてきた。1.オゾンホールが南極やオーストラリア付近で発生し,それらの地域には特異的に紫外線が降り注ぐ。その結果,南極やオーストラリア付近では皮膚ガンや白内障の患者が多くなる傾向にある。2.オゾンホールを生み出す原因となる特定フロンガスは先進国や新興国といった国々が多く排出しており,その排出を抑制する取り組みが求められている。 高等学校地理Bにおいては,この2つが取り上げられるものの,どうして排出国の多くが北半球の中緯度であるにも関わらず,オゾンホールが発生するのは南極やオーストラリアといった南半球の高緯度地域となるのかについては,これまで積極的に取り上げられてこなかった。そのため,北半球の中緯度地域で排出された特定フロンガスが,どのようなプロセスを経て南半球の極地上空で凝集し,どのように反応してオゾン層の破壊につながるのか,どうして北半球の極地上空では問題視されることがないのかという点に対して触れられることはなく,高校生が関心を持つことはほぼないに等しい。そこで本稿では,「地理総合」における授業と仮定し,オゾンホールの事例を通して環境問題について実践した授業を報告する。
2002年に施行され、特定フロンを用いた製品から特定フロンを回収することが義務付けられた法はなんですか。
2002年に施行され、特定フロンを用いた製品から特定フロンを回収することが義務付けられた法は、特定フロン回収・破壊法です。
JCRRAG_002015
地理
1980年頃から南極上空に現れるようになったオゾンホールは,年々規模が拡大している。成層圏のオゾン層破壊をもたらす特定フロンは,1987年に締結されたモントリオール議定書により国際的に規制され,先進国における生産は全廃されている(巻出,1997)。その中で日本は,オゾンホールによる影響は相対的に少ないものの,南半球の極地やオーストラリアについては紫外線量が多くなることで人々への健康被害が大きくなっていることが知られている。オゾンホールが問題視された1980年代,オゾンホールの発生原因となる特定フロンの大部分は,北半球の中緯度地域に位置する先進諸国で大量に生産され,排出されていた。日本ではモントリオール議定書を踏まえて1988年にオゾン層保護法が施行され,特定フロンの生産と輸入が段階的に停止された。その後2002年には特定フロン回収・破壊法が施行され,特定フロンを用いた製品から特定フロンを回収することが義務付けられた。現在,オゾン層に直接ダメージを与える特定フロンは生産されてはいないが,特定フロンに置き換えて冷媒としての使用が進んでいる代替フロンは温室効果が高いことが指摘されている(環境庁,1989,p.124)。2017年にキガリで開かれたモントリオール議定書の締約国会議によって,日本は2019年から代替フロンの削減をはじめ,2036年までに85%減少させることが決定している。この一連の流れについて,2009(平成21)年版学習指導要領の高等学校地理Bでは,環境問題を取り扱う単元において基本的に以下の2つが取り上げられてきた。1.オゾンホールが南極やオーストラリア付近で発生し,それらの地域には特異的に紫外線が降り注ぐ。その結果,南極やオーストラリア付近では皮膚ガンや白内障の患者が多くなる傾向にある。2.オゾンホールを生み出す原因となる特定フロンガスは先進国や新興国といった国々が多く排出しており,その排出を抑制する取り組みが求められている。 高等学校地理Bにおいては,この2つが取り上げられるものの,どうして排出国の多くが北半球の中緯度であるにも関わらず,オゾンホールが発生するのは南極やオーストラリアといった南半球の高緯度地域となるのかについては,これまで積極的に取り上げられてこなかった。そのため,北半球の中緯度地域で排出された特定フロンガスが,どのようなプロセスを経て南半球の極地上空で凝集し,どのように反応してオゾン層の破壊につながるのか,どうして北半球の極地上空では問題視されることがないのかという点に対して触れられることはなく,高校生が関心を持つことはほぼないに等しい。そこで本稿では,「地理総合」における授業と仮定し,オゾンホールの事例を通して環境問題について実践した授業を報告する。
1988年に、日本でモントリオール議定書を踏まえて施行されたものはなんですか。
1988年に日本でモントリオール議定書を踏まえて施行されたものは、オゾン層保護法です。
JCRRAG_002016
地理
1980年頃から南極上空に現れるようになったオゾンホールは,年々規模が拡大している。成層圏のオゾン層破壊をもたらす特定フロンは,1987年に締結されたモントリオール議定書により国際的に規制され,先進国における生産は全廃されている(巻出,1997)。その中で日本は,オゾンホールによる影響は相対的に少ないものの,南半球の極地やオーストラリアについては紫外線量が多くなることで人々への健康被害が大きくなっていることが知られている。オゾンホールが問題視された1980年代,オゾンホールの発生原因となる特定フロンの大部分は,北半球の中緯度地域に位置する先進諸国で大量に生産され,排出されていた。日本ではモントリオール議定書を踏まえて1988年にオゾン層保護法が施行され,特定フロンの生産と輸入が段階的に停止された。その後2002年には特定フロン回収・破壊法が施行され,特定フロンを用いた製品から特定フロンを回収することが義務付けられた。現在,オゾン層に直接ダメージを与える特定フロンは生産されてはいないが,特定フロンに置き換えて冷媒としての使用が進んでいる代替フロンは温室効果が高いことが指摘されている(環境庁,1989,p.124)。2017年にキガリで開かれたモントリオール議定書の締約国会議によって,日本は2019年から代替フロンの削減をはじめ,2036年までに85%減少させることが決定している。この一連の流れについて,2009(平成21)年版学習指導要領の高等学校地理Bでは,環境問題を取り扱う単元において基本的に以下の2つが取り上げられてきた。1.オゾンホールが南極やオーストラリア付近で発生し,それらの地域には特異的に紫外線が降り注ぐ。その結果,南極やオーストラリア付近では皮膚ガンや白内障の患者が多くなる傾向にある。2.オゾンホールを生み出す原因となる特定フロンガスは先進国や新興国といった国々が多く排出しており,その排出を抑制する取り組みが求められている。 高等学校地理Bにおいては,この2つが取り上げられるものの,どうして排出国の多くが北半球の中緯度であるにも関わらず,オゾンホールが発生するのは南極やオーストラリアといった南半球の高緯度地域となるのかについては,これまで積極的に取り上げられてこなかった。そのため,北半球の中緯度地域で排出された特定フロンガスが,どのようなプロセスを経て南半球の極地上空で凝集し,どのように反応してオゾン層の破壊につながるのか,どうして北半球の極地上空では問題視されることがないのかという点に対して触れられることはなく,高校生が関心を持つことはほぼないに等しい。そこで本稿では,「地理総合」における授業と仮定し,オゾンホールの事例を通して環境問題について実践した授業を報告する。
日本は、2036年までに代替フロンを何%減少させることが決定していますか。
日本は2036年までに代替フロンを85%減少させることが決定しています。
JCRRAG_002017
地理
1980年頃から南極上空に現れるようになったオゾンホールは,年々規模が拡大している。成層圏のオゾン層破壊をもたらす特定フロンは,1987年に締結されたモントリオール議定書により国際的に規制され,先進国における生産は全廃されている(巻出,1997)。その中で日本は,オゾンホールによる影響は相対的に少ないものの,南半球の極地やオーストラリアについては紫外線量が多くなることで人々への健康被害が大きくなっていることが知られている。オゾンホールが問題視された1980年代,オゾンホールの発生原因となる特定フロンの大部分は,北半球の中緯度地域に位置する先進諸国で大量に生産され,排出されていた。日本ではモントリオール議定書を踏まえて1988年にオゾン層保護法が施行され,特定フロンの生産と輸入が段階的に停止された。その後2002年には特定フロン回収・破壊法が施行され,特定フロンを用いた製品から特定フロンを回収することが義務付けられた。現在,オゾン層に直接ダメージを与える特定フロンは生産されてはいないが,特定フロンに置き換えて冷媒としての使用が進んでいる代替フロンは温室効果が高いことが指摘されている(環境庁,1989,p.124)。2017年にキガリで開かれたモントリオール議定書の締約国会議によって,日本は2019年から代替フロンの削減をはじめ,2036年までに85%減少させることが決定している。この一連の流れについて,2009(平成21)年版学習指導要領の高等学校地理Bでは,環境問題を取り扱う単元において基本的に以下の2つが取り上げられてきた。1.オゾンホールが南極やオーストラリア付近で発生し,それらの地域には特異的に紫外線が降り注ぐ。その結果,南極やオーストラリア付近では皮膚ガンや白内障の患者が多くなる傾向にある。2.オゾンホールを生み出す原因となる特定フロンガスは先進国や新興国といった国々が多く排出しており,その排出を抑制する取り組みが求められている。 高等学校地理Bにおいては,この2つが取り上げられるものの,どうして排出国の多くが北半球の中緯度であるにも関わらず,オゾンホールが発生するのは南極やオーストラリアといった南半球の高緯度地域となるのかについては,これまで積極的に取り上げられてこなかった。そのため,北半球の中緯度地域で排出された特定フロンガスが,どのようなプロセスを経て南半球の極地上空で凝集し,どのように反応してオゾン層の破壊につながるのか,どうして北半球の極地上空では問題視されることがないのかという点に対して触れられることはなく,高校生が関心を持つことはほぼないに等しい。そこで本稿では,「地理総合」における授業と仮定し,オゾンホールの事例を通して環境問題について実践した授業を報告する。
オゾンホールが発生し、特異的な紫外線が降り注ぐ地域ではどのような患者が増える傾向にありますか。
オゾンホールが発生し、特異的な紫外線が降り注ぐ地域では皮膚がんや白内障の患者が多くなる傾向があります。
JCRRAG_002018
地理
生態学的方法は,水域で行われる漁業活動と潮汐,潮流,風力,風向,海底地形など自然環境との関係性を明らかにしようとする調査手法である。これは,1980年代,漁業に関する生態人類学的研究と漁業地理学における文化地理学的研究から影響を受けた地理学者の田和正孝によって導入された。生態学的方法は,現地調査において出港・帰港時刻,漁場での活動時間,漁船数や漁具の個数,漁獲物の重量あるいは体長などの計測より得られたファストハンドのデータを重視するという特徴がある。この手法を通して,漁業者による共時的な漁場利用の形態が解明された。1990年代以降は,生態学的方法が事例研究へ積極的に応用された。その過程では,新たな調査手法も開発された。一方で,2000年以降の漁業に関する生態人類学的研究では,漁業者の環境利用を通時的に捉えるアプローチが一般的になっている。こうした研究動向,並びに近年の漁業をめぐる状況の変化を考慮すると,今後は生態学的方法を通して収集した共時的なデータを,通時的な変化のなかに位置づけていくことが重要になる。
生態学的方法は、どんな計測より得られたデータを重視する特徴がありますか。
生態学的方法は、現地調査において出港・帰港時刻、漁場での活動時間、漁船数や漁具の個数、漁獲物の重量あるいは体長などの計測より得られたファストハンドのデータを重視する特徴があります。
JCRRAG_002019
地理
生態学的方法は,水域で行われる漁業活動と潮汐,潮流,風力,風向,海底地形など自然環境との関係性を明らかにしようとする調査手法である。これは,1980年代,漁業に関する生態人類学的研究と漁業地理学における文化地理学的研究から影響を受けた地理学者の田和正孝によって導入された。生態学的方法は,現地調査において出港・帰港時刻,漁場での活動時間,漁船数や漁具の個数,漁獲物の重量あるいは体長などの計測より得られたファストハンドのデータを重視するという特徴がある。この手法を通して,漁業者による共時的な漁場利用の形態が解明された。1990年代以降は,生態学的方法が事例研究へ積極的に応用された。その過程では,新たな調査手法も開発された。一方で,2000年以降の漁業に関する生態人類学的研究では,漁業者の環境利用を通時的に捉えるアプローチが一般的になっている。こうした研究動向,並びに近年の漁業をめぐる状況の変化を考慮すると,今後は生態学的方法を通して収集した共時的なデータを,通時的な変化のなかに位置づけていくことが重要になる。
水域で行われる漁業活動と潮汐、潮流、風力、風向、海底地形など自然環境との関係性を明らかにしようとする調査手法をなんと呼びますか。
水域で行われる漁業活動と潮汐、潮流、風力、風向、海底地形など自然環境との関係性を明らかにしようとする調査手法は、生態学的方法と呼びます。
JCRRAG_002020
地理
日本の海岸には海岸林と呼ばれる樹林が見られるが,その構造や樹種構成は多様である(近田,2001).クロマツは海岸林として一般的な樹種であるが,その管理手法については全国共通のものはなく,地域により異なっており,体系的な管理手法は十分に確立されていない(樽谷ら,2009).そのため,除間伐等の適切な管理がなされない場合には,海岸林は脆弱な林へと変化していってしまうことから,本数密度管理基準などの基礎資料が必要になる(貞清,2008).海岸林の基礎資料としては,胸高直径,樹高,本数密度等があげられるが,これらは互いに相関性が認められている(福地,1994).とりわけ,樹高は「形状比」,「枝下高比」および「地位指数曲線」など海岸林の健全性の指標として用いられることがあり,その重要性は極めて大きいと思われる.著者らは,航空レーザ測量成果を用いることで広域に渡る海岸クロマツ林の樹高を高精度で推定する手法について,現地調査結果との対比から実証している(朝香ら,2009).しかしながら,現状では航空レーザ測量を毎年実施することはコスト面から容易くない.また,クロマツ林のような林では,レーザが必ずしも樹冠の頂端にあたらないため,全てのクロマツの樹高が測定できるとは限らない.そこで,本研究では,航空レーザ測量よりも安価に観測ができる小型無人航空機(Uninhabited Airborne Vehicle:UAV)に着目し,小型UAVが観測した空中写真を利用して海岸クロマツ林の樹高を推定する手法について提案するとともに,現地調査結果を通じてその妥当性を検証することを目的とした。
海岸林として一般的な樹種はなんですか。
海岸林として一般的な樹種はクロマツです。
JCRRAG_002021
地理
 日本では高度経済成長期以後,大規模な向都離村型人口移動によって大都市圏と地方圏との地域格差が拡大した。地方圏の中小都市や農村地域では人口が減少し,多くは過疎地域に指定されている(森川,2009)。しかし外国ではドイツのように,活力のある中小都市や農村地域をもった国もある。その活力の原因を究明すれば,日本における中小都市や農村地域の活性化や地域格差の是正の処方箋になるかもしれない。  中小都市や農村の活力について他のいくつかの地域(国家)をとりあげて統計的に比較すれば日本の特性を明らかにすることはできるが,その原因まで究明することは困難である。原因究明のためには,対照的な特徴をもつ他地域――ここではドイツ――においてこの問題に係わるすべての要因をとりあげて各要因と中小都市や農村地域の活力との関係を考察し,日本の場合と比較すれば主要な要因の特定やその影響の差異が明らかとなり,政策に生かすことができるはずである。こうした主導的問題に関する地域比較は,Sch611er(1978a)の提唱する問題指向の地誌学(problemorientierte Landerkunde)の得意とする領域である。  問題指向の比較地誌学において課題となるのは,主導的問題――ここでは中小都市や農村の活カ――とその要因との関係についてはある程度客観的に分析することはできるとしても,主導的問題に関係する要因をいかにしてどの範囲まで選ぶか,主導的問題に対する各要因の関係強度にいかなる順位をつけるかは困難である。しかし各要因の関係強度がある程度示されるだけでも,一歩前進といえるであろう。  問題指向の比較地誌学は主導的問題を中心に論議する点ではSpethmann(1928)の動態地誌学と類似しており,地誌図式(landerkundliches Schema)にとらわれない地誌学であるが,自然条件重視の動態地誌学とは基本的に異なる。しかし,今日の地誌研究のすべては――少なくともそれぞれの研究者にとっては――問題指向的であるので,今日ではとくに「問題指向」とはいわれなくなり,通常の地誌学に包括されている(1)。ドイツは地誌学重視の国であり,戦後も外国や国内の地域調査が重視されたし,大学紛争では厳しい地誌学批判に曝された。大学紛争後地誌学は消滅したとみる人もあるが,社会的有用性のもとで復活してきており,地理学者の多くは今目でも専門部門とともに専門地域をもち,ある地域のスペシャリストが多い(森川,2004,p.46,pp.63−80)。卜.記の問題指向の地誌学は紛争後に発表されたものである。  このような観点をもった比較地誌学研究を代表するのは,Schdller,P.と矢沢大二によって創立された日独地理学会の研究活動であろう。1992年にドイツで開催された第7回日独地理学会の研究成果はMifchtered.(1995)として刊行され,囗本とドイツの各10人の地理学者が7つの主要テーマについて論じている。そこでは,一極集中の発展した日本と地方分権による地域形成を特徴とするドイツの対照性が種々の視角から検討され,主要テーマに関する比較地誌学的な研究がみられる。しかし,両国の研究者が同一の地域的テーマを同じ土俵のLで論ずるには困難が多く,本稿とまったく同一のテーマは検討されていない(2)。  本稿で問題にするのは.上述のように,ドイツ――とくに旧連邦州地域――の中小都市や農村地域の活力の原因究明である。それは日本の中小都市や農村地域との比較を念頭においたものではあるが,日本の現状に関する説明は紙数の関係で割愛する。なお,ドイツでは再統一後10年の記念事業としてライプニッツ地誌研究所からナショナル・アトラス全12巻が刊行され,国内の地理的状況が幅広く紹介されているので,本稿では主にそれを利用した。
外国では、どのような国が活力のある中小都市や農村地域をもっていますか。
外国では、ドイツが活力のある中小都市や農村地域をもっています。
JCRRAG_002022
地理
日本の海岸には海岸林と呼ばれる樹林が見られるが,その構造や樹種構成は多様である(近田,2001).クロマツは海岸林として一般的な樹種であるが,その管理手法については全国共通のものはなく,地域により異なっており,体系的な管理手法は十分に確立されていない(樽谷ら,2009).そのため,除間伐等の適切な管理がなされない場合には,海岸林は脆弱な林へと変化していってしまうことから,本数密度管理基準などの基礎資料が必要になる(貞清,2008).海岸林の基礎資料としては,胸高直径,樹高,本数密度等があげられるが,これらは互いに相関性が認められている(福地,1994).とりわけ,樹高は「形状比」,「枝下高比」および「地位指数曲線」など海岸林の健全性の指標として用いられることがあり,その重要性は極めて大きいと思われる.著者らは,航空レーザ測量成果を用いることで広域に渡る海岸クロマツ林の樹高を高精度で推定する手法について,現地調査結果との対比から実証している(朝香ら,2009).しかしながら,現状では航空レーザ測量を毎年実施することはコスト面から容易くない.また,クロマツ林のような林では,レーザが必ずしも樹冠の頂端にあたらないため,全てのクロマツの樹高が測定できるとは限らない.そこで,本研究では,航空レーザ測量よりも安価に観測ができる小型無人航空機(Uninhabited Airborne Vehicle:UAV)に着目し,小型UAVが観測した空中写真を利用して海岸クロマツ林の樹高を推定する手法について提案するとともに,現地調査結果を通じてその妥当性を検証することを目的とした。
海岸林はどんな場合に脆弱な林へと変化していってしまいますか。
海岸林は、除間伐等の適切な管理がなされない場合に脆弱な林へと変化していってしまいます。
JCRRAG_002023
地理
日本の海岸には海岸林と呼ばれる樹林が見られるが,その構造や樹種構成は多様である(近田,2001).クロマツは海岸林として一般的な樹種であるが,その管理手法については全国共通のものはなく,地域により異なっており,体系的な管理手法は十分に確立されていない(樽谷ら,2009).そのため,除間伐等の適切な管理がなされない場合には,海岸林は脆弱な林へと変化していってしまうことから,本数密度管理基準などの基礎資料が必要になる(貞清,2008).海岸林の基礎資料としては,胸高直径,樹高,本数密度等があげられるが,これらは互いに相関性が認められている(福地,1994).とりわけ,樹高は「形状比」,「枝下高比」および「地位指数曲線」など海岸林の健全性の指標として用いられることがあり,その重要性は極めて大きいと思われる.著者らは,航空レーザ測量成果を用いることで広域に渡る海岸クロマツ林の樹高を高精度で推定する手法について,現地調査結果との対比から実証している(朝香ら,2009).しかしながら,現状では航空レーザ測量を毎年実施することはコスト面から容易くない.また,クロマツ林のような林では,レーザが必ずしも樹冠の頂端にあたらないため,全てのクロマツの樹高が測定できるとは限らない.そこで,本研究では,航空レーザ測量よりも安価に観測ができる小型無人航空機(Uninhabited Airborne Vehicle:UAV)に着目し,小型UAVが観測した空中写真を利用して海岸クロマツ林の樹高を推定する手法について提案するとともに,現地調査結果を通じてその妥当性を検証することを目的とした。
航空レーザ測量を毎年実施することは、どのような面から難しいですか。
航空レーザ測量を毎年実施することは、コスト面から難しいです。
JCRRAG_002024
地理
日本の海岸には海岸林と呼ばれる樹林が見られるが,その構造や樹種構成は多様である(近田,2001).クロマツは海岸林として一般的な樹種であるが,その管理手法については全国共通のものはなく,地域により異なっており,体系的な管理手法は十分に確立されていない(樽谷ら,2009).そのため,除間伐等の適切な管理がなされない場合には,海岸林は脆弱な林へと変化していってしまうことから,本数密度管理基準などの基礎資料が必要になる(貞清,2008).海岸林の基礎資料としては,胸高直径,樹高,本数密度等があげられるが,これらは互いに相関性が認められている(福地,1994).とりわけ,樹高は「形状比」,「枝下高比」および「地位指数曲線」など海岸林の健全性の指標として用いられることがあり,その重要性は極めて大きいと思われる.著者らは,航空レーザ測量成果を用いることで広域に渡る海岸クロマツ林の樹高を高精度で推定する手法について,現地調査結果との対比から実証している(朝香ら,2009).しかしながら,現状では航空レーザ測量を毎年実施することはコスト面から容易くない.また,クロマツ林のような林では,レーザが必ずしも樹冠の頂端にあたらないため,全てのクロマツの樹高が測定できるとは限らない.そこで,本研究では,航空レーザ測量よりも安価に観測ができる小型無人航空機(Uninhabited Airborne Vehicle:UAV)に着目し,小型UAVが観測した空中写真を利用して海岸クロマツ林の樹高を推定する手法について提案するとともに,現地調査結果を通じてその妥当性を検証することを目的とした。
海岸林の基礎資料としては、胸高直径、本数、密度の他には、どんなものがあげられますか。
海岸林の基礎資料としては、胸高直径、本数、密度の他には、樹高があげられます。
JCRRAG_002025
地理
 日本では高度経済成長期以後,大規模な向都離村型人口移動によって大都市圏と地方圏との地域格差が拡大した。地方圏の中小都市や農村地域では人口が減少し,多くは過疎地域に指定されている(森川,2009)。しかし外国ではドイツのように,活力のある中小都市や農村地域をもった国もある。その活力の原因を究明すれば,日本における中小都市や農村地域の活性化や地域格差の是正の処方箋になるかもしれない。  中小都市や農村の活力について他のいくつかの地域(国家)をとりあげて統計的に比較すれば日本の特性を明らかにすることはできるが,その原因まで究明することは困難である。原因究明のためには,対照的な特徴をもつ他地域――ここではドイツ――においてこの問題に係わるすべての要因をとりあげて各要因と中小都市や農村地域の活力との関係を考察し,日本の場合と比較すれば主要な要因の特定やその影響の差異が明らかとなり,政策に生かすことができるはずである。こうした主導的問題に関する地域比較は,Sch611er(1978a)の提唱する問題指向の地誌学(problemorientierte Landerkunde)の得意とする領域である。  問題指向の比較地誌学において課題となるのは,主導的問題――ここでは中小都市や農村の活カ――とその要因との関係についてはある程度客観的に分析することはできるとしても,主導的問題に関係する要因をいかにしてどの範囲まで選ぶか,主導的問題に対する各要因の関係強度にいかなる順位をつけるかは困難である。しかし各要因の関係強度がある程度示されるだけでも,一歩前進といえるであろう。  問題指向の比較地誌学は主導的問題を中心に論議する点ではSpethmann(1928)の動態地誌学と類似しており,地誌図式(landerkundliches Schema)にとらわれない地誌学であるが,自然条件重視の動態地誌学とは基本的に異なる。しかし,今日の地誌研究のすべては――少なくともそれぞれの研究者にとっては――問題指向的であるので,今日ではとくに「問題指向」とはいわれなくなり,通常の地誌学に包括されている(1)。ドイツは地誌学重視の国であり,戦後も外国や国内の地域調査が重視されたし,大学紛争では厳しい地誌学批判に曝された。大学紛争後地誌学は消滅したとみる人もあるが,社会的有用性のもとで復活してきており,地理学者の多くは今目でも専門部門とともに専門地域をもち,ある地域のスペシャリストが多い(森川,2004,p.46,pp.63−80)。卜.記の問題指向の地誌学は紛争後に発表されたものである。  このような観点をもった比較地誌学研究を代表するのは,Schdller,P.と矢沢大二によって創立された日独地理学会の研究活動であろう。1992年にドイツで開催された第7回日独地理学会の研究成果はMifchtered.(1995)として刊行され,囗本とドイツの各10人の地理学者が7つの主要テーマについて論じている。そこでは,一極集中の発展した日本と地方分権による地域形成を特徴とするドイツの対照性が種々の視角から検討され,主要テーマに関する比較地誌学的な研究がみられる。しかし,両国の研究者が同一の地域的テーマを同じ土俵のLで論ずるには困難が多く,本稿とまったく同一のテーマは検討されていない(2)。  本稿で問題にするのは.上述のように,ドイツ――とくに旧連邦州地域――の中小都市や農村地域の活力の原因究明である。それは日本の中小都市や農村地域との比較を念頭においたものではあるが,日本の現状に関する説明は紙数の関係で割愛する。なお,ドイツでは再統一後10年の記念事業としてライプニッツ地誌研究所からナショナル・アトラス全12巻が刊行され,国内の地理的状況が幅広く紹介されているので,本稿では主にそれを利用した。
日本で、高度経済成長期以後に大都市圏と地方圏との地域格差が拡大した理由はなんですか。
日本で、高度経済成長期以後に大都市圏と地方圏との地域格差が拡大した理由は、大規模な向都離村型人口移動です。
JCRRAG_002026
地理
 日本では高度経済成長期以後,大規模な向都離村型人口移動によって大都市圏と地方圏との地域格差が拡大した。地方圏の中小都市や農村地域では人口が減少し,多くは過疎地域に指定されている(森川,2009)。しかし外国ではドイツのように,活力のある中小都市や農村地域をもった国もある。その活力の原因を究明すれば,日本における中小都市や農村地域の活性化や地域格差の是正の処方箋になるかもしれない。  中小都市や農村の活力について他のいくつかの地域(国家)をとりあげて統計的に比較すれば日本の特性を明らかにすることはできるが,その原因まで究明することは困難である。原因究明のためには,対照的な特徴をもつ他地域――ここではドイツ――においてこの問題に係わるすべての要因をとりあげて各要因と中小都市や農村地域の活力との関係を考察し,日本の場合と比較すれば主要な要因の特定やその影響の差異が明らかとなり,政策に生かすことができるはずである。こうした主導的問題に関する地域比較は,Sch611er(1978a)の提唱する問題指向の地誌学(problemorientierte Landerkunde)の得意とする領域である。  問題指向の比較地誌学において課題となるのは,主導的問題――ここでは中小都市や農村の活カ――とその要因との関係についてはある程度客観的に分析することはできるとしても,主導的問題に関係する要因をいかにしてどの範囲まで選ぶか,主導的問題に対する各要因の関係強度にいかなる順位をつけるかは困難である。しかし各要因の関係強度がある程度示されるだけでも,一歩前進といえるであろう。  問題指向の比較地誌学は主導的問題を中心に論議する点ではSpethmann(1928)の動態地誌学と類似しており,地誌図式(landerkundliches Schema)にとらわれない地誌学であるが,自然条件重視の動態地誌学とは基本的に異なる。しかし,今日の地誌研究のすべては――少なくともそれぞれの研究者にとっては――問題指向的であるので,今日ではとくに「問題指向」とはいわれなくなり,通常の地誌学に包括されている(1)。ドイツは地誌学重視の国であり,戦後も外国や国内の地域調査が重視されたし,大学紛争では厳しい地誌学批判に曝された。大学紛争後地誌学は消滅したとみる人もあるが,社会的有用性のもとで復活してきており,地理学者の多くは今目でも専門部門とともに専門地域をもち,ある地域のスペシャリストが多い(森川,2004,p.46,pp.63−80)。卜.記の問題指向の地誌学は紛争後に発表されたものである。  このような観点をもった比較地誌学研究を代表するのは,Schdller,P.と矢沢大二によって創立された日独地理学会の研究活動であろう。1992年にドイツで開催された第7回日独地理学会の研究成果はMifchtered.(1995)として刊行され,囗本とドイツの各10人の地理学者が7つの主要テーマについて論じている。そこでは,一極集中の発展した日本と地方分権による地域形成を特徴とするドイツの対照性が種々の視角から検討され,主要テーマに関する比較地誌学的な研究がみられる。しかし,両国の研究者が同一の地域的テーマを同じ土俵のLで論ずるには困難が多く,本稿とまったく同一のテーマは検討されていない(2)。  本稿で問題にするのは.上述のように,ドイツ――とくに旧連邦州地域――の中小都市や農村地域の活力の原因究明である。それは日本の中小都市や農村地域との比較を念頭においたものではあるが,日本の現状に関する説明は紙数の関係で割愛する。なお,ドイツでは再統一後10年の記念事業としてライプニッツ地誌研究所からナショナル・アトラス全12巻が刊行され,国内の地理的状況が幅広く紹介されているので,本稿では主にそれを利用した。
ナショナル・アトラスはどこから刊行されていますか。
ナショナル・アトラスはライプニッツ地誌研究所から刊行されています。
JCRRAG_002027
地理
 日本では高度経済成長期以後,大規模な向都離村型人口移動によって大都市圏と地方圏との地域格差が拡大した。地方圏の中小都市や農村地域では人口が減少し,多くは過疎地域に指定されている(森川,2009)。しかし外国ではドイツのように,活力のある中小都市や農村地域をもった国もある。その活力の原因を究明すれば,日本における中小都市や農村地域の活性化や地域格差の是正の処方箋になるかもしれない。  中小都市や農村の活力について他のいくつかの地域(国家)をとりあげて統計的に比較すれば日本の特性を明らかにすることはできるが,その原因まで究明することは困難である。原因究明のためには,対照的な特徴をもつ他地域――ここではドイツ――においてこの問題に係わるすべての要因をとりあげて各要因と中小都市や農村地域の活力との関係を考察し,日本の場合と比較すれば主要な要因の特定やその影響の差異が明らかとなり,政策に生かすことができるはずである。こうした主導的問題に関する地域比較は,Sch611er(1978a)の提唱する問題指向の地誌学(problemorientierte Landerkunde)の得意とする領域である。  問題指向の比較地誌学において課題となるのは,主導的問題――ここでは中小都市や農村の活カ――とその要因との関係についてはある程度客観的に分析することはできるとしても,主導的問題に関係する要因をいかにしてどの範囲まで選ぶか,主導的問題に対する各要因の関係強度にいかなる順位をつけるかは困難である。しかし各要因の関係強度がある程度示されるだけでも,一歩前進といえるであろう。  問題指向の比較地誌学は主導的問題を中心に論議する点ではSpethmann(1928)の動態地誌学と類似しており,地誌図式(landerkundliches Schema)にとらわれない地誌学であるが,自然条件重視の動態地誌学とは基本的に異なる。しかし,今日の地誌研究のすべては――少なくともそれぞれの研究者にとっては――問題指向的であるので,今日ではとくに「問題指向」とはいわれなくなり,通常の地誌学に包括されている(1)。ドイツは地誌学重視の国であり,戦後も外国や国内の地域調査が重視されたし,大学紛争では厳しい地誌学批判に曝された。大学紛争後地誌学は消滅したとみる人もあるが,社会的有用性のもとで復活してきており,地理学者の多くは今目でも専門部門とともに専門地域をもち,ある地域のスペシャリストが多い(森川,2004,p.46,pp.63−80)。卜.記の問題指向の地誌学は紛争後に発表されたものである。  このような観点をもった比較地誌学研究を代表するのは,Schdller,P.と矢沢大二によって創立された日独地理学会の研究活動であろう。1992年にドイツで開催された第7回日独地理学会の研究成果はMifchtered.(1995)として刊行され,囗本とドイツの各10人の地理学者が7つの主要テーマについて論じている。そこでは,一極集中の発展した日本と地方分権による地域形成を特徴とするドイツの対照性が種々の視角から検討され,主要テーマに関する比較地誌学的な研究がみられる。しかし,両国の研究者が同一の地域的テーマを同じ土俵のLで論ずるには困難が多く,本稿とまったく同一のテーマは検討されていない(2)。  本稿で問題にするのは.上述のように,ドイツ――とくに旧連邦州地域――の中小都市や農村地域の活力の原因究明である。それは日本の中小都市や農村地域との比較を念頭においたものではあるが,日本の現状に関する説明は紙数の関係で割愛する。なお,ドイツでは再統一後10年の記念事業としてライプニッツ地誌研究所からナショナル・アトラス全12巻が刊行され,国内の地理的状況が幅広く紹介されているので,本稿では主にそれを利用した。
動態地誌学は何を重視していますか。
動態地誌学は自然条件を重視しています。
JCRRAG_002028
地理
日本の海岸には海岸林と呼ばれる樹林が見られるが,その構造や樹種構成は多様である(近田,2001).クロマツは海岸林として一般的な樹種であるが,その管理手法については全国共通のものはなく,地域により異なっており,体系的な管理手法は十分に確立されていない(樽谷ら,2009).そのため,除間伐等の適切な管理がなされない場合には,海岸林は脆弱な林へと変化していってしまうことから,本数密度管理基準などの基礎資料が必要になる(貞清,2008).海岸林の基礎資料としては,胸高直径,樹高,本数密度等があげられるが,これらは互いに相関性が認められている(福地,1994).とりわけ,樹高は「形状比」,「枝下高比」および「地位指数曲線」など海岸林の健全性の指標として用いられることがあり,その重要性は極めて大きいと思われる.著者らは,航空レーザ測量成果を用いることで広域に渡る海岸クロマツ林の樹高を高精度で推定する手法について,現地調査結果との対比から実証している(朝香ら,2009).しかしながら,現状では航空レーザ測量を毎年実施することはコスト面から容易くない.また,クロマツ林のような林では,レーザが必ずしも樹冠の頂端にあたらないため,全てのクロマツの樹高が測定できるとは限らない.そこで,本研究では,航空レーザ測量よりも安価に観測ができる小型無人航空機(Uninhabited Airborne Vehicle:UAV)に着目し,小型UAVが観測した空中写真を利用して海岸クロマツ林の樹高を推定する手法について提案するとともに,現地調査結果を通じてその妥当性を検証することを目的とした。
樹高はどのような「海岸林の健全性の指標」で用いられることがありますか。
樹高は「形状比」、「枝下高比」および「地位指数曲線」などに用いられることがあります。
JCRRAG_002029
地理
 本稿の目的は,インド国勢調査のデータを分析することを通じて,インドの空間構造を把握するための材料を提示することにある。具体的には,主に経済的属性を集計した2011年国勢調査Bシリーズのデータについて主成分析を行い,就業機会の基本的な次元と地理的な分布を明らかにする。その上で,クラスター分析を行い就業機会の地区類型を提示する。2011年の一時点に過ぎないものの,等質地域として量的に把握される地区類型を手がかりに,インドを全体とした空間構造の解明につなげたい(1)。  発展途上国では農業を中心とした自給制の強い自然経済システムを色濃く残す地域がみられるものの,経済成長にともなって個々の地域は市場メカニズムの下に位置づけられていく。こうしたことを前提に岡橋(2015a)は,現代インドの空間構造を明らかにするためには「地理,自然,社会,文化などの初期条件を基礎として歴史的に形成されてきた地域的再生産構造(地帯構成)」だけでなく,「経済発展にともない急速に影響力を増大させた経済的空間構造(新経済空間)」も把握する必要があるとする。そして,特に後者との関連において,「新経済地理学の重視する「産業の集中・集積」,地域構造論の重視する「産業配置(産業立地,地域循環)」と「地域経済(産業地域,経済圏)」が重要な意味をもつ」(p.11)ことを指摘する。  インドにおいて経済自由化以降に大きな成長を遂げた産業の立地や集積については,例えば工業化を主導する自動車産業(友澤,2015)や,世界的な競争力を有するICTサービス産業(鍬塚,2015)といった成長産業が取り上げられ,分業システムの構築や労働力の確保を狙った企業の立地戦略といった観点から検討が重ねられている。また,そこに及ぼす外国資本の影響も無視できないものであり,インドにおける日本企業の立地行動からのアプローチもある(宇根,2018)。  加えて,全国的な視点からChakravorty and Somik(2007)が製造業の地理的な分布の変化を空間統計学の手法を用いて明らかにし,政策のもつ外部性と産業立地との関連について論じたように,政策の及ぼす影響も「新経済空間」を把握するためには無視できない。なかでも地域政策は,「政治過程を通じた政府の介入,すなわち産業立地を誘導(規制)し,地域格差や地域問題の解決を図り,インフラなどの建造環境形成に大きな影響を与える」(岡橋,2015a,p.12)。いくつかの事例(例えば,友澤,2014;鍬塚,2014)からも示されるように,経済自由化以降のインドでは,外資も含めた民間企業の立地行動の活発化とともに,その誘致を梃子に雇用を生み出し経済的な成長を遂げようとする州政府や中央政府の行動も重要である。こうした動きは,州政府が期待を寄せる大規模なSEZ開発(佐藤,2017)だけでなく,小規模な事業所が多くを占めるアパレル産業のクラスター形成(宇根,2011)を目指す中央政府の政策からも捉えることができよう。  以上のように,個別産業の立地や集積に焦点を当てる一連の研究を通じて,産業立地を誘導しようとする政府の行動と,それを秤量する企業の立地行動が明らかにされつつあり,その間に立ち上がる「新経済空間」の姿を垣間見ることができるようになってきた。  一方で,歴史的な貫通性をもつ「地帯構成」も視野に入れた検討は,まだまだこれからの課題であろう(2)。もちろん,「緑の革命」を経ても一様には進まない農村社会や農業生産構造の変容が,開発行政や労働力移動,農村市場とのかかわりから明らかにされている(柳澤・水島編,2014)。また,農業発展の様態の違いや農業を取り巻く非農業部門の成長の有無は,農業の担い手の変化を通じて地域の農村社会経済に大きく影響を及ぼしており,宇佐美ほか(2015)では,パンジャーブ,タミル・ナードゥ,ビハールについてそれらの特徴を比較し整理する。しかし,「新経済空間」との関係において「地域的再生産構造」が,いかなる編成替えを受けつつあるのかについて,踏み込んだ検討はこれからの課題となっている。
発展途上国では何を中心とした自給制の強い自然経済システムを色濃く残す地域がみられますか。
発展途上国では農業を中心とした自給制の強い自然経済システムを色濃く残す地域がみられます。
JCRRAG_002030
地理
 本稿の目的は,インド国勢調査のデータを分析することを通じて,インドの空間構造を把握するための材料を提示することにある。具体的には,主に経済的属性を集計した2011年国勢調査Bシリーズのデータについて主成分析を行い,就業機会の基本的な次元と地理的な分布を明らかにする。その上で,クラスター分析を行い就業機会の地区類型を提示する。2011年の一時点に過ぎないものの,等質地域として量的に把握される地区類型を手がかりに,インドを全体とした空間構造の解明につなげたい(1)。  発展途上国では農業を中心とした自給制の強い自然経済システムを色濃く残す地域がみられるものの,経済成長にともなって個々の地域は市場メカニズムの下に位置づけられていく。こうしたことを前提に岡橋(2015a)は,現代インドの空間構造を明らかにするためには「地理,自然,社会,文化などの初期条件を基礎として歴史的に形成されてきた地域的再生産構造(地帯構成)」だけでなく,「経済発展にともない急速に影響力を増大させた経済的空間構造(新経済空間)」も把握する必要があるとする。そして,特に後者との関連において,「新経済地理学の重視する「産業の集中・集積」,地域構造論の重視する「産業配置(産業立地,地域循環)」と「地域経済(産業地域,経済圏)」が重要な意味をもつ」(p.11)ことを指摘する。  インドにおいて経済自由化以降に大きな成長を遂げた産業の立地や集積については,例えば工業化を主導する自動車産業(友澤,2015)や,世界的な競争力を有するICTサービス産業(鍬塚,2015)といった成長産業が取り上げられ,分業システムの構築や労働力の確保を狙った企業の立地戦略といった観点から検討が重ねられている。また,そこに及ぼす外国資本の影響も無視できないものであり,インドにおける日本企業の立地行動からのアプローチもある(宇根,2018)。  加えて,全国的な視点からChakravorty and Somik(2007)が製造業の地理的な分布の変化を空間統計学の手法を用いて明らかにし,政策のもつ外部性と産業立地との関連について論じたように,政策の及ぼす影響も「新経済空間」を把握するためには無視できない。なかでも地域政策は,「政治過程を通じた政府の介入,すなわち産業立地を誘導(規制)し,地域格差や地域問題の解決を図り,インフラなどの建造環境形成に大きな影響を与える」(岡橋,2015a,p.12)。いくつかの事例(例えば,友澤,2014;鍬塚,2014)からも示されるように,経済自由化以降のインドでは,外資も含めた民間企業の立地行動の活発化とともに,その誘致を梃子に雇用を生み出し経済的な成長を遂げようとする州政府や中央政府の行動も重要である。こうした動きは,州政府が期待を寄せる大規模なSEZ開発(佐藤,2017)だけでなく,小規模な事業所が多くを占めるアパレル産業のクラスター形成(宇根,2011)を目指す中央政府の政策からも捉えることができよう。  以上のように,個別産業の立地や集積に焦点を当てる一連の研究を通じて,産業立地を誘導しようとする政府の行動と,それを秤量する企業の立地行動が明らかにされつつあり,その間に立ち上がる「新経済空間」の姿を垣間見ることができるようになってきた。  一方で,歴史的な貫通性をもつ「地帯構成」も視野に入れた検討は,まだまだこれからの課題であろう(2)。もちろん,「緑の革命」を経ても一様には進まない農村社会や農業生産構造の変容が,開発行政や労働力移動,農村市場とのかかわりから明らかにされている(柳澤・水島編,2014)。また,農業発展の様態の違いや農業を取り巻く非農業部門の成長の有無は,農業の担い手の変化を通じて地域の農村社会経済に大きく影響を及ぼしており,宇佐美ほか(2015)では,パンジャーブ,タミル・ナードゥ,ビハールについてそれらの特徴を比較し整理する。しかし,「新経済空間」との関係において「地域的再生産構造」が,いかなる編成替えを受けつつあるのかについて,踏み込んだ検討はこれからの課題となっている。
岡橋は、現代インドの空間構造を明らかにするためには、どのような地域的再生産構造を把握する必要があるとしていますか。
岡橋は、現代インドの空間構造を明らかにするためには、「地理,自然,社会,文化などの初期条件を基礎として歴史的に形成されてきた地域的再生産構造(地帯構成)」だけでなく,「経済発展にともない急速に影響力を増大させた経済的空間構造(新経済空間)」も把握する必要があるとしています。
JCRRAG_002031
地理
地理院地図は,多様な地理空間情報(地形図,空中写真,標高,地形分類等や災害に関する情報)を提供するプラットフォームであり,様々な情報が格納されている(第1図)。本章では主に標高に関する情報と,防災地理情報について触れたい。 標高に関する情報として,陰影起伏図は地表の凹凸が分かりやすく(第2図),また色別標高図を見れば土地の高低が分かる。それらを組み合わせて表示することで,地表の起伏が分かり,地域の中で周囲より低い場所や,傾斜の急な場所などが直感的に理解できる。 一方で,地理院地図に掲載されている情報のうち,防災地理情報については,地形分類情報等の地形の特性を表す情報(第3図上)や,自然災害伝承碑といった災害履歴の分かる情報(第3図下)が挙げられる。たとえば平野の地形は,過去の氾濫等に伴う土砂の堆積の重合で形づくられた地形であり,地形分類ごとに発生しうる災害の特性が異なる。地形分類情報や自然災害伝承碑の情報は,その地域で過去にどのような災害が起こったのかの手がかりを示すものである。言い換えれば,このような情報は,将来起こり得る災害リスクの理解を助ける指標ともいえる。このように地表面の起伏を示す標高に関する情報と,長年の氾濫の積み重ねが形となった土地の成り立ちに関わる地形分類情報を組み合わせることは,その地域の特性の理解に役立つ(第4図)。
地形分類情報や自然災害伝承碑の情報はどのような手がかりを示しますか?
地形分類情報や自然災害伝承碑の情報はその地域で過去にどのような災害が起こったのかの手がかりを示します。
JCRRAG_002032
地理
 本稿の目的は,インド国勢調査のデータを分析することを通じて,インドの空間構造を把握するための材料を提示することにある。具体的には,主に経済的属性を集計した2011年国勢調査Bシリーズのデータについて主成分析を行い,就業機会の基本的な次元と地理的な分布を明らかにする。その上で,クラスター分析を行い就業機会の地区類型を提示する。2011年の一時点に過ぎないものの,等質地域として量的に把握される地区類型を手がかりに,インドを全体とした空間構造の解明につなげたい(1)。  発展途上国では農業を中心とした自給制の強い自然経済システムを色濃く残す地域がみられるものの,経済成長にともなって個々の地域は市場メカニズムの下に位置づけられていく。こうしたことを前提に岡橋(2015a)は,現代インドの空間構造を明らかにするためには「地理,自然,社会,文化などの初期条件を基礎として歴史的に形成されてきた地域的再生産構造(地帯構成)」だけでなく,「経済発展にともない急速に影響力を増大させた経済的空間構造(新経済空間)」も把握する必要があるとする。そして,特に後者との関連において,「新経済地理学の重視する「産業の集中・集積」,地域構造論の重視する「産業配置(産業立地,地域循環)」と「地域経済(産業地域,経済圏)」が重要な意味をもつ」(p.11)ことを指摘する。  インドにおいて経済自由化以降に大きな成長を遂げた産業の立地や集積については,例えば工業化を主導する自動車産業(友澤,2015)や,世界的な競争力を有するICTサービス産業(鍬塚,2015)といった成長産業が取り上げられ,分業システムの構築や労働力の確保を狙った企業の立地戦略といった観点から検討が重ねられている。また,そこに及ぼす外国資本の影響も無視できないものであり,インドにおける日本企業の立地行動からのアプローチもある(宇根,2018)。  加えて,全国的な視点からChakravorty and Somik(2007)が製造業の地理的な分布の変化を空間統計学の手法を用いて明らかにし,政策のもつ外部性と産業立地との関連について論じたように,政策の及ぼす影響も「新経済空間」を把握するためには無視できない。なかでも地域政策は,「政治過程を通じた政府の介入,すなわち産業立地を誘導(規制)し,地域格差や地域問題の解決を図り,インフラなどの建造環境形成に大きな影響を与える」(岡橋,2015a,p.12)。いくつかの事例(例えば,友澤,2014;鍬塚,2014)からも示されるように,経済自由化以降のインドでは,外資も含めた民間企業の立地行動の活発化とともに,その誘致を梃子に雇用を生み出し経済的な成長を遂げようとする州政府や中央政府の行動も重要である。こうした動きは,州政府が期待を寄せる大規模なSEZ開発(佐藤,2017)だけでなく,小規模な事業所が多くを占めるアパレル産業のクラスター形成(宇根,2011)を目指す中央政府の政策からも捉えることができよう。  以上のように,個別産業の立地や集積に焦点を当てる一連の研究を通じて,産業立地を誘導しようとする政府の行動と,それを秤量する企業の立地行動が明らかにされつつあり,その間に立ち上がる「新経済空間」の姿を垣間見ることができるようになってきた。  一方で,歴史的な貫通性をもつ「地帯構成」も視野に入れた検討は,まだまだこれからの課題であろう(2)。もちろん,「緑の革命」を経ても一様には進まない農村社会や農業生産構造の変容が,開発行政や労働力移動,農村市場とのかかわりから明らかにされている(柳澤・水島編,2014)。また,農業発展の様態の違いや農業を取り巻く非農業部門の成長の有無は,農業の担い手の変化を通じて地域の農村社会経済に大きく影響を及ぼしており,宇佐美ほか(2015)では,パンジャーブ,タミル・ナードゥ,ビハールについてそれらの特徴を比較し整理する。しかし,「新経済空間」との関係において「地域的再生産構造」が,いかなる編成替えを受けつつあるのかについて,踏み込んだ検討はこれからの課題となっている。
農業発展の様態の違いや農業を取り巻く非農業部門の成長の有無は、地域の何に大きく影響を及ぼしていますか。
農業発展の様態の違いや農業を取り巻く非農業部門の成長の有無は、地域の農村社会経済に大きく影響を及ぼしています。
JCRRAG_002033
地理
(6)ベトナム社会主義共和国(ハノイ)…1976年、南北ベトナム統一が起こる(1965~1973年、ベトナム戦争) →「ドイモイ」(刷新)政策(1986年~)により、市場経済が導入され、経済が発展する。 (7)ラオス人民民主共和国(ビエンチャン) (8)カンボジア王国(プノンペン)…1970~1991年、カンボジア内戦(1991年、パリ和平協定を締結) →国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)活動(1992~93年、日本初の国連PKO参加) ※「カンボジア総選挙民主化に向けた日本の支援」(外務省・「わかる!国際情勢」) (9)タイ王国(バンコク)…東南アジアで唯一独立を守った独立国(イギリス・フランスの植民地政策による緩衝国) (10)ミャンマー連邦(ヤンゴン)…1988年、軍事クーデター。1989年、「ビルマ」から「ミャンマー」に国号が変更される。 アウン・サン・スー・チー…1989年から度重なる自宅軟禁。1991年、ノーベル平和賞受賞。2010年、軟禁解除。 (11)マレーシア(クアラルンプール)…マレー人57.9%、中国系26.9%、インド系7.5% →公用語:マレー語、国教:イスラム教→ブミプトラ政策(マレー系優遇政策) ルックイースト政策は、日本や韓国の経済発展を高く評価し、それを見習う経済政策。
カンボジアでは何年にパリ和平協定が締結されましたか?
カンボジアでは1991年にパリ和平協定が締結されました。
JCRRAG_002034
地理
北海道十勝地域の森林は農地開発に伴って大きく減少しており、残存する河畔林が森林棲の動物の限られた生息地として機能している。本地域の河畔林は農業被害を引き起こすニホンジカ Cervus Nippon(以下、シカ)やエキノコックス症を媒介するアカギツネ Vulpes vulpes(以下、キツネ)にも利用されており、これらの種がどのような河畔林を頻繁に利用するかわかっていない。本研究では北海道十勝地域においてシカおよびキツネによる河畔林利用頻度を測定し、頻度が高くなる地点の条件と影響要因が最も強く作用する空間スケールを特定した。2011年5月~2012年12月に十勝川水系の河川に5km間隔で計37台の自動撮影カメラを設置し、シカおよびキツネによる河畔林利用頻度を測定した。各季節(春:3~5月、夏:6~8月、秋:9~11月、冬:12~2月)の両種の撮影頻度を目的変数とした一般化線形混合モデルを構築し、これに影響する要因を調べた。考慮した影響要因は、カメラ設置地点の胸高断面積合計と下層植生被度および河畔林の幅、餌資源となりうる小型鳥類および小型哺乳類の100カメラ日あたりの撮影頻度(キツネのモデルのみ)、カメラ設置地点を中心とした半径100~800mバッファ内の森林、農地、市街地の面積率および河川総延長、カメラ設置地点から山間部までの距離(シカのモデルのみ)である。解析の結果、シカの夏の河畔林利用頻度は河畔林地点の周辺400mに農地、森林および河川が多く分布するほど高くなり、秋ではこれらの要因に加えて下層植生被度が高いほど高くなった。キツネの河畔林利用頻度は春では周辺200mに森林が多いほど低くなり、夏では小型鳥類の撮影頻度が高いほど高くなり、冬では周辺200mに市街地が多いほど高くなった。秋の利用頻度に影響した要因は不明だった。本研究により、十勝の農地景観におけるシカおよびキツネの河畔林利用頻度に影響する環境要因とそれらが強く作用する空間スケールが明らかになった。本研究で用いたアプローチによりシカやキツネの利用頻度が高い河畔林地点を特定しそれらの地点やその周辺を適切に管理することで、軋轢をもたらしうる種による河畔林利用を制限し、軋轢の発生地への両種の進出を抑えられる可能性がある。
河畔林利用頻度の測定で、キツネのモデルでのみ考慮された影響要因は何ですか。
河畔林利用頻度の測定で、キツネのモデルでのみ考慮された影響要因は、餌資源となりうる小型鳥類および小型哺乳類の100カメラ日あたりの撮影頻度です。
JCRRAG_002035
地理
 本稿の目的は,重要文化的景観に選定されている熊本県天草市崎津地区崎津を事例に,「カケ」と「トウヤ」と呼ばれる構造物を特徴とする「漁村景観」が維持されてきた背景を,景観保全活動や生業活動とくに漁業の歴史的変遷や個別漁家の経営形態がカケとトウヤの利用・維持とどのように関わってきたのかを考察することから,明らかにすることである。  近年,重要文化的景観や重要伝統的建造物群保存地区(以下,重伝建)等の国内制度は,世界遺産やジオパーク等のより大きなスケールで展開する制度の下部に存在するものとされる傾向にある(1)。例えば,金沢市は最終的に「城下町由来の文化遺産群」を世界遺産等へ登録することを目指しているが,そのステップとして重要文化的景観や重伝建等の国内の制度で保全対象となることを目標に,様々な取り組みを展開してきた(石川県・金沢市,2007;金沢市,2009)。  このうち重伝建については,1976年に妻籠宿が選定されて以降,様々な地域で歴史的景観の保全が地域清性化への期待も込めて取り組まれてきた(荒山,1999)。こうしたなかで,地理学分野においても重伝建の保全に関する様々な取り組み事例が報告されてきた(小堀,1999;溝尾・菅原,2000;大島,2005など)。  他方,重要文化的景観については制度の発足が2004年と新しく,研究蓄積は重伝建に比べて少ない。文化的景観とは「地域における人々の生活又は生業及び当該地域の風土により形成された景観地で我が国民の生活又は生業の理解のため欠くことのできないもの」(文化財保護法第二条第1項第五号)とされ,2004年の文化財保護法の改正で文化財の種別に加えられた。生活スタイルの近代化や産業構造,経済状況が変化し,文化的景観の基盤にあった生活や生業が失われたり,一部が欠落したりするなかで,その保全は急務とされている(金田,2012)。  このうち重要文化的景観とは,「都道府県又は市町村の申出に基づき,当該都道府県又は市町村が定める景観法(第八条第二項第一号)に規定する景観計画区域又は同法第六十一条第一項に規定する景観地区内にある文化的景観であって,文部科学省令で定める基準に照らして当該都道府県又は市町村がその保存のため必要な措置を講じているもののうち特に重要なものを重要文化的景観として選定することができる」(文化財保護法第百三十四条)とされている。そして重要文化的景観には,必然的劣化を許容しつつ現実の生活のなかで動態的に維持していくために政策的支援の必要なものが選定されている(金田,2012)。
文化財保護法では、文化的景観はどのようなものとされていますか。
文化財保護法では、文化的景観は地域における人々の生活又は生業及び当該地域の風土により形成された景観地で我が国民の生活又は生業の理解のため欠くことのできないものとされています。
JCRRAG_002036
地理
 近年の日本では、人口減少や高齢化などの理由により、水田の耕作放棄が急速に進行しており(農林水産省2009a)、1998年から2007年までの10年間には、全水田面積の1.5%にあたる38,170haにおいて耕作が放棄されている(農林水産省2009b)。耕作放棄水田の増加に対し、食料自給率の向上と生産基盤の維持の観点から、非農業団体の農業参加の促進や飼料作物等への転作の奨励などの対策が実施されている(農林水産省2009a)。  しかし、湿地の生物多様性の保全の観点からは、水田の耕作放棄は必ずしも負の影響のみをもつとは限らない。耕作放棄された水田では、乾田化や農薬の多投入といった生物多様性への圧力が弱まり、水田開発以前の湿地あるいは近代化以前の水田が有していた湿地性動植物のハビタットとしての機能(Washitani2007;鷲谷2007)が回復することも期待される。全国的に湿地が減少し(「日本全国の湿地面積の変化」国土地理院 http://www1.gsi.go.jp/geowww/lake/shicchimenseki2.html、2010年6月18日確認)、多くの湿地性動植物が絶滅危惧種になっている現状を鑑みると、水田耕作放棄地の利活用の検討は、湿地性動植物のハビタットとしての評価を十分に踏まえて行うことが望ましい。  世界的には、耕作放棄地の生物群集に影響する要因の研究は増加している(Aide and Grau2004;Cramer et al.2008)。それらの研究では、耕作放棄されてからの時間経過や周辺の生物供給源とともに、耕作されていた時代からの「遺産(legacy)」の重要性が指摘されている(Standish et al.2007)。放棄後の生物多様性に負の影響を与える可能性のある遺産としては、農薬の残留、侵略的外来雑草種子の土壌シードバンク、排水施設などの水文学的環境を変える構造物の残置などが指摘されている(Standish et al.2007;Cramer et al.2008)。水田耕作放棄地においても、水文学的環境の改変をはじめとする遺産が、その場所の湿地としての価値に大きく影響することが予測される。  本研究では、関東地方の台地周縁に発達する小規模な谷(=谷津または谷戸)の最奥部の耕作放棄水田を対象とし、その植生を保全生態学的観点から評価するとともに、その特性に影響する環境要因を分析した。谷津の水源部付近にあたる奥部は、水不足や水害が少ない場所として、少なくとも中世以前から水田として利用されてきたことが知られている(高島1997)。しかし面積が狭く、また湿潤すぎることから機械化には適さず、現在では多くの水田で耕作が放棄されている(有田・小林2000;高田2006)。一方、湧水点に近いので湿潤環境が維持されやすいこと、最上流部なので他の水田からの農薬や肥料などの影響を受けにくいと考えられることから、湿地性植物のハビタットとして良好な状態を維持している可能性が期待できる。しかし谷津奥部水田耕作放棄地での植生やフロラの現状分析に関する調査・研究はほとんど行われていない。一方で、ゴルフ場や宅地、廃棄物処分場などへの開発圧も高く(Fujihara et al.2005;Fukushima et al.2007)、保全生態学的観点からの評価が急がれる。  本研究は、茨城県の北浦東岸域を対象地域として谷津奥部の水田耕作放棄地に成立した植生を水生・湿生植物の生育ポテンシャルの面から評価することを目的とし、32箇所の水田耕作放棄地において植生とそれに影響すると考えられる環境要因の調査を実施し、植生の評価と要因分析を行った。
関東地方の台地の周縁に発達する小規模な谷は、なんと呼ばれていますか。
関東地方の台地の周縁に発達する小規模な谷は、谷津または谷戸と呼ばれています。
JCRRAG_002037
地理
地球の表面は陸地と海洋で構成されており、その面積比は3対7です。 陸地で最も高度があるのはエベレスト山です。エベレスト山は国や地域によって呼び名が異なり、ネパールではサガルマータ、中国やチベットではチョモランマと呼ばれています。この山の高度については測量法によって若干の差異があり、現在は8848mとするのが一般的ですが、1999年に人工衛星が測量した際は8850mとされました。 地球には、ユーラシア大陸、アフリカ大陸、南アメリカ大陸、北アメリカ大陸、 南極大陸、オーストラリア大陸の6大陸が存在します。各大陸の高度別面積割合と最高標高については以下の通りです。 1. 南極大陸  高度2000~3000mの割合が大きい。5000m以上がない。  高度が2000~3000mになる氷河で覆われている。 2. ヨーロッパ大陸  高度200m未満の割合が大きい。5000m以上がない。  最高標高は、モンブラン(アルプス山脈)の4808m。 3. オーストラリア大陸  高度200~500mの割合が大きい。5000m以上がない。  最高標高は、マウナケア(ハワイ諸島)の4205m。 4. 南アメリカ大陸  高度4000~5000mの割合がアジアの次に大きい。5000m以上がある。  最高標高は、アコンカグア(アンデス山脈)の6960m。 5. 北アメリカ大陸  高度2000~3000mの割合が南極を除く他の大陸よりも大きい。 5000m以上がある。  最高標高は、マッキンリー(アラスカ山脈)の6194m。 6. アジア大陸  高度4000m以上の割合が他の大陸よりも大きい。5000m以上がある。  最高標高は、エヴェレスト(ヒマラヤ山脈)の8848m。 7. アフリカ大陸  高度200m未満の割合が小さく、500~1000mの割合が他の大陸よりも大きい。5000m以上がある。  最高標高は、キリマンジャロ(タンザニア)の5895m。
地球には何という大陸が存在しますか。
地球には、ユーラシア大陸、アフリカ大陸、南アメリカ大陸、北アメリカ大陸、 南極大陸、オーストラリア大陸が存在します。
JCRRAG_002038
地理
今日の情報社会ではビッグデータが様々な用途に活用されているが、位置情報に基づいたデータを利用したサービスは広がりを見せるばかりである。位置情報のデータは通信キャリアの基地局やGPS機能を内蔵した機器などにより取得され、地理情報ツール、交通案内や経路案内、あるいは位置情報と重なる店舗のサービスなど様々な場面で使用されている。位置情報を媒介としたサービスの授受について、スマートフォンが果たしている役割が大きいことは言うまでもない。スマートフォンは既に日常生活に欠かせないツールの一つになっている。デジタルカメラを携帯するとき、そこには撮影する意気込みが必要であるが、スマートフォンは普段持ち歩いているため、その気になればいつでも撮影できる。そのような手軽さもあったのだろうか、デジタルカメラで撮影された画像だけではなく、スマートフォンにより撮影された画像も震災に関連したデジタルアーカイブのコンテンツとして多く提供されたと考えられる。 デジタルアーカイブにおける画像データには位置情報が付加されていることがある。位置情報は、その情報資源を撮影した場所もしくはデジタルデータが作成された場所や撮影対象の場所を表している。デジタルアーカイブでは位置情報をメタデータとして付与し、管理している。
デジタルアーカイブにおける画像データには、どのような情報が付加されていることがありますか?
デジタルアーカイブにおける画像データには、位置情報が付加されていることがあります。
JCRRAG_002039
地理
 工業用ミシンを使ってタオルのヘム縫い、耳巻きを担うのが縫製加工業者である。タオル専用の縫製加工業者はタオル生産量の増加とともに増えていったが、今治では戦前から綿織物業が盛んであり、縫製加工に従事する事業所が数多く存在した。被服の縫製加工業者がタオルのヘム縫い・耳巻きに従事する場合が多かったため両者の区別は難しいが、今治タオル工業が日本一のタオル生産高を記録した1960年における事業所数は136を数え、その後増減はあるものの1984年に165となりピークを迎えた。一方で、タオルメーカーでは工場内に縫製担当の従業員を抱え、自社で仕上げを行う場合もある。また、繁忙期には縫製加工業者もタオルメーカーも外注し、今治では多くの女性が外注先としてタオルの縫製加工に従事し家内労働を行った。1990年代以降のタオル不況で事業所も家内労働者も減ったが、現在もタオルメーカーや家内労働者、(有)木下ソーイングのようなタオル縫製に従事しつつ商品開発も行う縫製加工業者がタオルのヘム縫い・耳巻きを担っている。  被服を含む縫製加工の同業者団体については、1956年に7社によって愛媛県輸出縫製品工業協同組合が設立され、1972年に50社によって愛媛県縫製品工業組合が結成された。愛媛県輸出縫製品工業協同組合は、1980年代初頭60~70ほどの事業所が組合員であったが、2017年には12の事業所に減少した。現在は海外の技術生受入れの支援を行っている。愛媛県縫製品工業組合は、国内のアパレル産業が隆盛した1980年代初頭に100を超える事業所が組合に所属したが、その5倍から7倍の事業所が非組合員であった。1990年代以降はアパレル産業の衰退とともに事業所数も少なくなり、組合に加盟している事業所数は2022年現在で15社である。
被服を含む縫製加工の同業者団体については、1956年に何社によって愛媛県輸出縫製品工業協同組合が設立され、1972年に何社によって愛媛県縫製品工業組合が結成されましたか?
被服を含む縫製加工の同業者団体については、1956年に7社によって愛媛県輸出縫製品工業協同組合が設立され、1972年に50社によって愛媛県縫製品工業組合が結成されました。
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地理
 撚糸加工業者は原糸に撚りをかける工程、綛取業者は原糸を綛状にする工程をそれぞれ担う。撚糸の目的は、糸を強くし毛羽立ちを防ぎ、織りきずを抑え、生産性を上げることである。綛取は、旧来の綛糸を手作業で晒染加工する時代の作業工程であり、チーズ晒染色法の普及で綛取が不要となったため、綛取から撚糸加工へ転業した者も多くいた。  戦後、今治に撚糸加工業者は存在せず、1949年設立の今治タオル輸出協同組合が撚糸加工を協同作業していた。倉敷市児島地域で学生服用に撚糸が使われており、タオル用下糸にも適していたことから今治でも使われるようになる。そして、1950年代後半からタオルケットが流行し始めたこと、1960年代後半からタオル織機の高速化が進展したことによって撚糸需要が増えた。これにすぐさま対応したのが農家であった。農家は、納屋に撚糸機を置き農閑期を中心に副業として撚り糸を生産した。撚糸機は、タオルメーカーが用意して無償で貸与したり賃料を課したり、あるいは農家が購入したりする場合もあった。同時に、専業の撚糸加工業者が現れ、高級タオル向け細番手原糸の使用や革新織機の普及で1972年頃から急増した。1970年代から、特に海外の紡績会社がリング紡績機を改良して撚糸加工を施した原糸を供給するようになったが、産地内では1980年代に150ほどの撚糸加工業者が存在した。しかし、1990年代以降の輸入タオルの増加やバブル経済の崩壊などによって長いタオル不況に突入し、撚糸加工業者の数は激減した。
撚糸の目的は、糸を強くし毛羽立ちを防ぎ、何を抑え、何を上げることですか。
撚糸の目的は、糸を強くし毛羽立ちを防ぎ、織りきずを抑え、生産性を上げることです。
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地理
 同業者団体については、1963年に48社によって今治撚糸綛取事業協同組合が設立され、1975年に今治撚糸協同組合となり、綛取の名称が組合名から消えた。その後1978年愛媛県撚糸協同組合、1979年愛媛県撚糸工業組合に改称された。しかし、1990年代以降の撚糸加工業者の減少によって愛媛県撚糸工業組合は2016年3月に登記閉鎖となった。  現在、産地内では比較的規模の大きい砂田撚糸(株)や丸智産業(株)など数社のみが専業として撚糸加工を行っている。完全に淘汰されない理由は、産地内の撚糸加工業者に依頼する方が加工内容によっては安価な場合があり、またタオル製品の多様化・高付加価値化によって多品種小ロットのオーダーがタオルメーカーから入るためである。  技術に関しては、綛糸晒染時代は合糸機で2本の糸を合わせて合糸にし、合糸を撚糸機にかけて撚り合わせてから綛状にしていたが、1960年代以降チーズ晒染色へ移行するとアップツイスターでチーズ巻上りの際に撚り糸にする方法が普及した。昭和40年代末にはアップツイスターよりも生産性の高いダブルツイスターが導入され、さらに1976年にはリング式のツイスターが登場した。砂田撚糸では、現在もダブルツイスターが主に使用されている。
何年に48社によって今治撚糸綛取事業協同組合が設立され、何年に今治撚糸協同組合となりましたか?
1963年に48社によって今治撚糸綛取事業協同組合が設立され、1975年に今治撚糸協同組合となりました。
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地理
 撚糸加工業者は原糸に撚りをかける工程、綛取業者は原糸を綛状にする工程をそれぞれ担う。撚糸の目的は、糸を強くし毛羽立ちを防ぎ、織りきずを抑え、生産性を上げることである。綛取は、旧来の綛糸を手作業で晒染加工する時代の作業工程であり、チーズ晒染色法の普及で綛取が不要となったため、綛取から撚糸加工へ転業した者も多くいた。  戦後、今治に撚糸加工業者は存在せず、1949年設立の今治タオル輸出協同組合が撚糸加工を協同作業していた。倉敷市児島地域で学生服用に撚糸が使われており、タオル用下糸にも適していたことから今治でも使われるようになる。そして、1950年代後半からタオルケットが流行し始めたこと、1960年代後半からタオル織機の高速化が進展したことによって撚糸需要が増えた。これにすぐさま対応したのが農家であった。農家は、納屋に撚糸機を置き農閑期を中心に副業として撚り糸を生産した。撚糸機は、タオルメーカーが用意して無償で貸与したり賃料を課したり、あるいは農家が購入したりする場合もあった。同時に、専業の撚糸加工業者が現れ、高級タオル向け細番手原糸の使用や革新織機の普及で1972年頃から急増した。1970年代から、特に海外の紡績会社がリング紡績機を改良して撚糸加工を施した原糸を供給するようになったが、産地内では1980年代に150ほどの撚糸加工業者が存在した。しかし、1990年代以降の輸入タオルの増加やバブル経済の崩壊などによって長いタオル不況に突入し、撚糸加工業者の数は激減した。
撚糸加工業者と綛取業者は、それぞれ何の工程を担いますか。
撚糸加工業者は原糸に撚りをかける工程、綛取業者は原糸を綛状にする工程をそれぞれ担います。
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地理
地図は球面を平面にうつしたものであるため、面積・距離・方位・形などの要素を一度に広範囲に正しく平面上にあらわすのは不可能です。そのため地図を使用する際には、目的に応じた図法を選ぶことが必要です。 正積図法は、地球上のどの部分についても、その面積比率が地図上に正しく表現されるもので、分布図や密度図など、広がりを示す表現が必要な場合に用います。 サンソン図法は、すべての緯線(直線)と中央経線の長さが正しく、高緯度地方(周辺部)の歪みが大きい図法です。モルワイデ図法は緯線間隔を高緯度に向かうにつれて狭めているもので、高緯度地方の歪みがサンソン図法に比べると小さいのが特徴です。グード図法(ホモロサイン図法)は低緯度側をサンソン図法、高緯度側をモルワイデ図法で描き、緯線の長さが一致する緯度40度44分で合成し、海洋部を断裂させ、地球儀上の状態に近づけています。エケルトが考案した図法はエケルト図法と総称されていて、極を赤道の2分の1の長さで描いた第6図法がよく用いられます。高緯度が見やすくなっているのがこの図法のメリットです。中緯度の地方図を描く場合はボンヌ図法が適しています。ただ、これら従来の世界地図は、先進国が多く位置する北半球が大きく表されがちであるため、正積図法で第三世界(発展途上国)に焦点を当てた地図投影法が開発されました。これがピータース図法です。
モルワイデ図法は何を高緯度に向かうにつれて狭めているものですか?
モルワイデ図法は緯線間隔を高緯度に向かうにつれて狭めているものです。
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地理
番匠谷省吾・岩佐佳哉・熊原康博「過去の土石流災害の復元に関する高校地理の授業実践――枕崎台風と西日本豪雨で被災した江田島市切串地区を事例に――」(2020)摘要 本稿では,1945年枕崎台風と2018年西日本豪雨の土石流被害を受けた広島県江田島市切串地区を対象として,2022年度より始まる「地理総合」で実施可能な防災や現地調査に関する授業を実践した。この授業は,事前調査と現地調査,事後調査の3つに分けられ,事前調査では空中写真を用いた土石流のマッピング,被災写真の撮影位置の特定などを行った。現地調査では,被災写真と同じ画角の写真を撮影し,住民への聞き取り調査や被災した地物の観察に基づき,土石流の被害を把握した。事後作業では,現地調査の整理,ポスター発表を行った。授業で行った活動は,「地理総合」で生徒に身につけさせるべき知識・能力のすべてをカバーできている。また,生徒らの授業後の感想からは,過去の甚大な被害を知ることで避難の重要性や事前の対策を行う必要性に気づく意見などがあり,本稿で行った授業は「地理総合」で行う内容としてふさわしいと判断される。
生徒の授業後の感想には、どのようなものがありましたか?
生徒の授業後の感想には、過去の甚大な被害を知ることで避難の重要性や事前の対策を行う必要性に気づく意見などがありました。
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地理
 今治タオルの特徴はジャカード織機で製織された紋タオルにあり、その準備としてタオルの模様をデザインし、それを意匠紙に書き直し(パイルを表面に出したい部分を着色する)、意匠紙に塗られた色に合わせて紋紙に穴を開ける作業がある。  戦後、紋紙加工は今治タオル輸出協同組合の協同作業で行われていたが、タオルケットの開発によるジャカード織機の普及やタオルのファッション化とともに発展した。当初はデザイン、意匠、紋紙穿孔の全工程を1人で行っていたが、やがて分業化され、紋工所内分業から企業間分業へ進み、昭和40年代以降の新規企業についてはその多くがデザイン・意匠と紋紙加工にそれぞれ特化した同業者組合については、1961年に愛媛紋匠工業組合が9社によって結成され、また愛媛県繊維デザイナー協会が5名によって立ち上げられた。1975年には4社による協同組合愛媛紋紙パンチングセンターが設立され、その後1982年に愛媛紋匠デザイン協同組合に改称・改組されたが、2018年3月に解散した。  技術面では、1970年代までほぼ変化は見られない。1977~1985年頃に意匠の際に使う方眼紙がトレーシングペーパーに代わり1/4に作業効率が上がったが、1985年以降になるとコンピュータへ移行した。紋紙加工についても1977~1985年頃に変化が見られ、戦前から使われていた足踏式紋紙製作機から電子式縦彫機(1時間100枚)へ、1985年以降になると電子式横彫機(1時間450枚)、電子式ワンパンチ機(1時間3,200枚)、紋紙不使用のフロッピーディスクへと順次移行した。図案作成は、1985年以降手書きからコンピュータへと代替した。こうした合理化の背景には、1980年以降のさらなる多品種小ロット化や作業の迅速化が要求されるようになったことが挙げられる。しかし、1985年以降のコンピュータの導入によって従来の紋紙加工は徐々に衰退し、21世紀においてはほぼ姿を消した。
何年に愛媛紋匠工業組合が9社によって結成され、また愛媛県繊維デザイナー協会が何名によって立ち上げられましたか?
1961年に愛媛紋匠工業組合が9社によって結成され、また愛媛県繊維デザイナー協会が5名によって立ち上げられました。
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地理
まず,「田園回帰」という語を聞いたことはあるが,その意味はよく知らないとする読者のために,簡単な説明をしておきたい。田園回帰とは都市から農山村へ移住する動きのことで,『2014年度食料・農業・農村白書』において言及されたことを端緒としている。本書の編者である筒井一伸氏は,「田園回帰」の実態とそのとらえかたを逸早く世間に知らしめた研究者の一人である。田園回帰の代表的論者である小田切徳美氏(明治大学教授)とともに,それに関わる書籍や論考を世に問い続けている。本書の分担執筆者も筒井氏の研究グループで活動している人々であり,地理学や工学を専門とする研究者で構成され,まさに現場から理論までを扱う幅広い陣容となっている。この田園回帰という事象は,これまで農業・農村政策や農業経済の分野で議論されることが多く,地理学では正面から扱われてこなかったといえる。評者は,筒井氏がオーガナイザーを務めた日本地理学会の2017年秋季学術大会で「田園回帰と地理学理論」と題するシンポジウムに発表者として登壇し,自分のフィールドで生起する田園回帰の実態と移住者がもたらす地域社会の変容という観点から報告し,討論に参加したことがある。評者以外にも本書の分担執筆者の面々も登壇され,学会参加者の関心を呼んでいた。このシンポジウムは管見の限り,地理学界において田園回帰が本格的に議論された初の試みではなかったか。ただ振り返ってみれば,地理学では田園回帰が現代のように膾炙される以前から,離島などの地域でIターン移動が早くからとらえられており,田園回帰的事象は必ずしも新しい対象として受け止められにくいのではないか。むしろ注目すべきは,都市からの人口移動ではなく多様な能力を持った「人材」の移動がもたらす「新しい都市農山村関係」であり,そこから生じる農山村の地域変容がいかなるものであるかを迫る点に田園回帰論の意義があるといえる。また,コロナ禍に直面する現代社会においても,田園回帰的事象はにわかに注目される事象となっていることに気づく読者も多いことだろう。本書に登場するNPO法人「ふるさと回帰支援センター」が実施した調査によれば,評者の居住する静岡県が2020年における移住希望地の1位に選ばれ,地元ではそれが大きく報道されるなど話題となった。感染症の拡大による大都市居住の危うさを懸念し,「密」を回避できる地方圏への移住を考えている大都市圏住民が増加しているのである。彼らが移住に踏み切ってくれれば,人口減少に悩む地方は人口増加が期待できると考えられており,一筋の光明として映っている。
筒井一伸氏は「田園回帰」の実態とそのとらえかたを逸早く世間に知らしめた研究者の一人ですか?
はい、筒井一伸氏は「田園回帰」の実態とそのとらえかたを逸早く世間に知らしめた研究者の一人です。
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地理
2. 大地形 大地形とは、地球的な地殻運動によって形成された大きな地形の総称で、以下のような種類があります。 (イ)安定陸塊(安定大陸) 安定陸塊(安定大陸)は最も古い先カンブリア時代に形成されたもので、広大な平原や高原になっており、鉄鉱石が分布しています。 安定陸塊にはさらに以下のような下位分類があります。 1. 楯状地 楯状地は、侵食作用によって先カンブリア時代の岩石が地表に露出している場所です。 2. 卓状地 卓状地は、楯状地の準平原の上に古生代・中生代・新生代の地層が横たわったもので、楯状地の沈降・隆起運動によって形成されます。 (ロ)古期造山帯 古期造山帯は、古生代の造山運動によりできた山脈です。約2億年の侵食を受けて低くなだらかになっており、石炭が分布しています。 アパラチア山脈、スカンディナビア山脈、ウラル山脈、ドラケンスバーグ山脈、アルタイ山脈、テンシャン山脈、グレートディバイディング(大分水嶺)山脈、ペニン山脈は古期造山帯の例です。 (ハ)新期造山帯 中生代の後半に造山運動が起こり、現在も造山運動が続いている急峻な山脈を新期造山帯といいます。新期造山帯の周辺には石油、銀鉱が分布しています。 新期造山帯には以下のようなものがあります。 1. アルプス・ヒマラヤ造山帯 アルプス・ヒマラヤ造山帯は、小スンダ列島(ティモール島、バリ島)、大スンダ列島(ジャワ島、スマトラ島)、ヒマラヤ山脈、チベット高原、パミール高原、カフカス山脈、ザグロス山脈、アナトリア高原、アルプス山脈、アペニン山脈、アトラス山脈、ピレネー山脈はアルプス・ヒマラヤ造山帯に属します。 2. 環太平洋造山帯 アンデス山脈、メキシコ高原、ロッキー山脈、アリューシャン列島、日本列島、フィリピン諸島、ニューギニア島、ニュージーランドは環太平洋造山帯に属します。
環太平洋造山帯に属するものは何ですか。
環太平洋造山帯に属するものは、アンデス山脈、メキシコ高原、ロッキー山脈、アリューシャン列島、日本列島、フィリピン諸島、ニューギニア島、ニュージーランドです。
JCRRAG_002048
地理
海岸林造成における人工砂丘の方向について  人工砂丘の機能のひとつは,風・飛砂を集中させないことであり,もう一つは防風効果をできるだけ発揮させることである.前者の場合,人工砂丘は汀線に平行に設置するのが望ましい.後者の場合の方向は,風向に直交方向となるので,風向の影響を受ける.両者は,汀線に直交する風向の場合に一致するが,それ以外の場合は一致しない.  人工砂丘は,最前線においては例外なく汀線に平行に築設されていた.これは,潮風・飛砂を集中させないことを優先させる必要があったためと考えられる.これに対して,より内陸側の人工砂丘は,汀線に平行な場合と主風に直交させた場合の両者がみられた.風向に直交しない場合,防風効果の点では劣るが,防風効果の不足は,静砂垣や衝立工で補うことが可能で,人工砂丘の防風機能だけに委ねる必要はない.また,植栽木に対する風当たりの緩和が求められるのは,植栽初期に限られる.これに対して,潮風・飛砂を集中させないことは,半永久的に求められるので,防風柵などの一時的な工作物より人工砂丘という地形の改変の方が耐久性の点で有利である.  堆砂垣によって人工砂丘を造成する場合,捕砂の効率ならびに堆砂の安定性から風向に直交させる方が有利である.問題となるのはそれを優先できない場合であるが,飛砂の捕捉については補助垣あるいは翼垣によって補うことができる.また,現在は,意図する形状の人工砂丘を短期間に確実に造成できることから、堆砂垣によらず重機を用いることが多い.言い換えれば,手段として堆砂垣を用いる場面は限定され,人工砂丘の方向を決めるにあたって堆砂垣の捕砂特性を考慮する必要はなくなったと考える.  以上のことから,人工砂丘の方向について次のように結論したい.すなわち,海岸林造成地の人工砂丘は,風・飛砂を集中させないという目的から,汀線に平行に設置することが基本である.なぜなら,人工砂丘の造成に重機を用いる場合,堆砂垣の捕砂特性を考慮する必要はないからである.また,人工砂丘の防風効果を最大限に求める場合には,人工砂丘を主風に直交させることが有利であるが,防風効果が求められるのは植栽初期に限られることと,代替手段があることから必須ではないためである.
人工砂丘の機能とは何ですか。
人工砂丘の機能とは、風や飛砂を集中させないことと、防風効果をできるだけ発揮させることです。
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地理
本稿は,新旧の地形図を並べて表示する「今昔マップ」について,システムの開発の経緯と利用について報告するものである。今昔マップは2005年にWindows版「時系列地形図閲覧ソフト今昔マップ(首都圏編)」を開発したことに始まる。当初はDVDで配布していたが,2008年にインターネットからダウンロードできる「今昔マップ2」を公開した。2013年に地図タイル形式を採用したWeb版「今昔マップon the web」,2015年にWindows版「今昔マップ3」を公開した。2019年には「地理総合」での利用を見越して全都道府県庁所在地を収録し,2021年12月末現在,52地域4,644図幅分の旧版地形図を収録している。今昔マップの利用例としては,旧街道のまち歩きや廃線探索など趣味的なものから,学術,教育,地歴調査,不動産関連の業務など広範にわたる。「地理総合」など地理教育で使う場合は,地図・GIS,防災,地域調査などでの利用が想定される。利用する際は,地図記号の変化や戦時改描に留意し,また,災害危険性の伝え方に工夫が必要である。今昔マップの収録範囲は一部に限られる。多様な需要に応えるため,国土地理院によるインターネットでの旧版地形図の詳細な画像の公開が求められる。
「今昔マップ」が並べて表示するのは何ですか?
「今昔マップ」が並べて表示するのは、新旧の地形図です。
JCRRAG_002050
地理
本稿は,新旧の地形図を並べて表示する「今昔マップ」について,システムの開発の経緯と利用について報告するものである。今昔マップは2005年にWindows版「時系列地形図閲覧ソフト今昔マップ(首都圏編)」を開発したことに始まる。当初はDVDで配布していたが,2008年にインターネットからダウンロードできる「今昔マップ2」を公開した。2013年に地図タイル形式を採用したWeb版「今昔マップon the web」,2015年にWindows版「今昔マップ3」を公開した。2019年には「地理総合」での利用を見越して全都道府県庁所在地を収録し,2021年12月末現在,52地域4,644図幅分の旧版地形図を収録している。今昔マップの利用例としては,旧街道のまち歩きや廃線探索など趣味的なものから,学術,教育,地歴調査,不動産関連の業務など広範にわたる。「地理総合」など地理教育で使う場合は,地図・GIS,防災,地域調査などでの利用が想定される。利用する際は,地図記号の変化や戦時改描に留意し,また,災害危険性の伝え方に工夫が必要である。今昔マップの収録範囲は一部に限られる。多様な需要に応えるため,国土地理院によるインターネットでの旧版地形図の詳細な画像の公開が求められる。
今昔マップのWindows版「時系列地形図閲覧ソフト今昔マップ(首都圏編)」を開発したのは何年ですか?
今昔マップのWindows版「時系列地形図閲覧ソフト今昔マップ(首都圏編)」を開発したのは2005年です。
JCRRAG_002051
地理
2.東・東南アジアの国々と地域(カッコ内の都市は首都) ・大韓民国(ソウル)・朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮・ピョンヤン) 朝鮮戦争(1950~1953年)→休戦状態、国境ではなく軍事境界線 1991年、大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国は国際連合に同時加盟。 ・中華人民共和国(北京)…人口は約13億9千万人。世界最大の人口。経済の急激な成長、「世界の工場」、BRICs 1949年、中華人民共和国成立(国民党は台湾へ) 1996年~、文化大革命(1976年まで) 1971年、中国の国連代表権が中華民国から中華人民共和国へ(第26回国連総会) 1972年、日中国交正常化(日中共同声明) 1978年、日中平和友好条約を締結 ・モンゴル国(ウランバートル)…アジアで最初の社会主義国→1992年社会主義を放棄 ・フィリピン共和国(マニラ)…公用語はフィリピノ語、英語→カトリック(85%) ・ミンダナオ島…イスラム教→モロ・イスラム解放戦線(イスラム国家の建設を主張) →2014年包括和平合意書に調印
中華人民共和国の人口は何人ですか?
中華人民共和国の人口は約13億9千万人です。
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地理
2.東・東南アジアの国々と地域(カッコ内の都市は首都) ・大韓民国(ソウル)・朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮・ピョンヤン) 朝鮮戦争(1950~1953年)→休戦状態、国境ではなく軍事境界線 1991年、大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国は国際連合に同時加盟。 ・中華人民共和国(北京)…人口は約13億9千万人。世界最大の人口。経済の急激な成長、「世界の工場」、BRICs 1949年、中華人民共和国成立(国民党は台湾へ) 1996年~、文化大革命(1976年まで) 1971年、中国の国連代表権が中華民国から中華人民共和国へ(第26回国連総会) 1972年、日中国交正常化(日中共同声明) 1978年、日中平和友好条約を締結 ・モンゴル国(ウランバートル)…アジアで最初の社会主義国→1992年社会主義を放棄 ・フィリピン共和国(マニラ)…公用語はフィリピノ語、英語→カトリック(85%) ・ミンダナオ島…イスラム教→モロ・イスラム解放戦線(イスラム国家の建設を主張) →2014年包括和平合意書に調印
アジアで最初の社会主義国はどこですか?
アジアで最初の社会主義国はモンゴル国です。
JCRRAG_002053
地理
2.東・東南アジアの国々と地域(カッコ内の都市は首都) ・大韓民国(ソウル)・朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮・ピョンヤン) 朝鮮戦争(1950~1953年)→休戦状態、国境ではなく軍事境界線 1991年、大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国は国際連合に同時加盟。 ・中華人民共和国(北京)…人口は約13億9千万人。世界最大の人口。経済の急激な成長、「世界の工場」、BRICs 1949年、中華人民共和国成立(国民党は台湾へ) 1996年~、文化大革命(1976年まで) 1971年、中国の国連代表権が中華民国から中華人民共和国へ(第26回国連総会) 1972年、日中国交正常化(日中共同声明) 1978年、日中平和友好条約を締結 ・モンゴル国(ウランバートル)…アジアで最初の社会主義国→1992年社会主義を放棄 ・フィリピン共和国(マニラ)…公用語はフィリピノ語、英語→カトリック(85%) ・ミンダナオ島…イスラム教→モロ・イスラム解放戦線(イスラム国家の建設を主張) →2014年包括和平合意書に調印
日中平和友好条約は何年に締結されましたか?
日中平和友好条約は1978年締結されました。
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地理
以下は、今井勇雄・後藤忍 両氏の論文「東日本大震災の津波で被災した海岸林における地理空間情報を用いた被災前後の状況の実態把握と地理的要因の考察(Investigation on Damage Cause of Coastal Forest before and after Tsunami of the Great East Japan Earthquake Using Geospatial Information)」のアブストラクトを和訳したものである。 本研究は、2011年3月11日に発生した東日本大震災の津波により被災した東北地方太平洋沿岸部(岩手県大船渡市、宮城県名取市、福島県南相馬市)の海岸林の被害状況を分析することを目的とする。沿岸林の実態を明らかにするため、文献調査およびヒアリング調査を実施した。さらに、地理空間情報を用いて、森林の状況や地形、海岸線からの森林の位置、防潮堤と津波浸水との関係、津波による森林の被害状況など、地理的な災害要因を検証した。その結果、地形的な状況が津波浸水に大きく影響し、防潮堤などの構造物が浸水拡大の抑制や森林の損傷に影響することが明らかになった。一方、海岸沿いの堤防などの起伏は、洪水後の排水に悪影響を与えることがわかった。今後は、航空写真や基盤地図情報を活用することで、広域被災地の実態を可視化・把握することが有効であると考えられる。
海岸沿いの堤防などの起伏は、何に悪影響を与えることがわかりましたか?
海岸沿いの堤防などの起伏は、洪水後の排水に悪影響を与えることがわかりました。
JCRRAG_002055
地理
(6)ベトナム社会主義共和国(ハノイ)…1976年、南北ベトナム統一が起こる(1965~1973年、ベトナム戦争) →「ドイモイ」(刷新)政策(1986年~)により、市場経済が導入され、経済が発展する。 (7)ラオス人民民主共和国(ビエンチャン) (8)カンボジア王国(プノンペン)…1970~1991年、カンボジア内戦(1991年、パリ和平協定を締結) →国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)活動(1992~93年、日本初の国連PKO参加) ※「カンボジア総選挙民主化に向けた日本の支援」(外務省・「わかる!国際情勢」) (9)タイ王国(バンコク)…東南アジアで唯一独立を守った独立国(イギリス・フランスの植民地政策による緩衝国) (10)ミャンマー連邦(ヤンゴン)…1988年、軍事クーデター。1989年、「ビルマ」から「ミャンマー」に国号が変更される。 アウン・サン・スー・チー…1989年から度重なる自宅軟禁。1991年、ノーベル平和賞受賞。2010年、軟禁解除。 (11)マレーシア(クアラルンプール)…マレー人57.9%、中国系26.9%、インド系7.5% →公用語:マレー語、国教:イスラム教→ブミプトラ政策(マレー系優遇政策) ルックイースト政策は、日本や韓国の経済発展を高く評価し、それを見習う経済政策。
南北ベトナム統一が起ったのは何年ですか?
南北ベトナム統一が起ったのは1976年です。
JCRRAG_002056
地理
2.東・東南アジアの国々と地域(カッコ内の都市は首都) ・大韓民国(ソウル)・朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮・ピョンヤン) 朝鮮戦争(1950~1953年)→休戦状態、国境ではなく軍事境界線 1991年、大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国は国際連合に同時加盟。 ・中華人民共和国(北京)…人口は約13億9千万人。世界最大の人口。経済の急激な成長、「世界の工場」、BRICs 1949年、中華人民共和国成立(国民党は台湾へ) 1996年~、文化大革命(1976年まで) 1971年、中国の国連代表権が中華民国から中華人民共和国へ(第26回国連総会) 1972年、日中国交正常化(日中共同声明) 1978年、日中平和友好条約を締結 ・モンゴル国(ウランバートル)…アジアで最初の社会主義国→1992年社会主義を放棄 ・フィリピン共和国(マニラ)…公用語はフィリピノ語、英語→カトリック(85%) ・ミンダナオ島…イスラム教→モロ・イスラム解放戦線(イスラム国家の建設を主張) →2014年包括和平合意書に調印
フィリピン共和国の公用語は何ですか?
フィリピン共和国の公用語はフィリピノ語と英語です。
JCRRAG_002057
地理
2.東・東南アジアの国々と地域(カッコ内の都市は首都) ・大韓民国(ソウル)・朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮・ピョンヤン) 朝鮮戦争(1950~1953年)→休戦状態、国境ではなく軍事境界線 1991年、大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国は国際連合に同時加盟。 ・中華人民共和国(北京)…人口は約13億9千万人。世界最大の人口。経済の急激な成長、「世界の工場」、BRICs 1949年、中華人民共和国成立(国民党は台湾へ) 1996年~、文化大革命(1976年まで) 1971年、中国の国連代表権が中華民国から中華人民共和国へ(第26回国連総会) 1972年、日中国交正常化(日中共同声明) 1978年、日中平和友好条約を締結 ・モンゴル国(ウランバートル)…アジアで最初の社会主義国→1992年社会主義を放棄 ・フィリピン共和国(マニラ)…公用語はフィリピノ語、英語→カトリック(85%) ・ミンダナオ島…イスラム教→モロ・イスラム解放戦線(イスラム国家の建設を主張) →2014年包括和平合意書に調印
何年に大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国が国際連合に同時加盟しましたか?
1991年に大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国は国際連合に同時加盟しました。
JCRRAG_002058
地理
(6)ベトナム社会主義共和国(ハノイ)…1976年、南北ベトナム統一が起こる(1965~1973年、ベトナム戦争) →「ドイモイ」(刷新)政策(1986年~)により、市場経済が導入され、経済が発展する。 (7)ラオス人民民主共和国(ビエンチャン) (8)カンボジア王国(プノンペン)…1970~1991年、カンボジア内戦(1991年、パリ和平協定を締結) →国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)活動(1992~93年、日本初の国連PKO参加) ※「カンボジア総選挙民主化に向けた日本の支援」(外務省・「わかる!国際情勢」) (9)タイ王国(バンコク)…東南アジアで唯一独立を守った独立国(イギリス・フランスの植民地政策による緩衝国) (10)ミャンマー連邦(ヤンゴン)…1988年、軍事クーデター。1989年、「ビルマ」から「ミャンマー」に国号が変更される。 アウン・サン・スー・チー…1989年から度重なる自宅軟禁。1991年、ノーベル平和賞受賞。2010年、軟禁解除。 (11)マレーシア(クアラルンプール)…マレー人57.9%、中国系26.9%、インド系7.5% →公用語:マレー語、国教:イスラム教→ブミプトラ政策(マレー系優遇政策) ルックイースト政策は、日本や韓国の経済発展を高く評価し、それを見習う経済政策。
「ドイモイ」政策によって何が発展しましたか?
「ドイモイ」政策によって経済が発展しました。
JCRRAG_002059
地理
以下は,研川英征氏による論文「国土地理院が提供する地理院地図と防災地理情報」のアブストラクトである。 国土地理院は,標高に関する情報や,地形分類情報や自然災害伝承碑の情報といった防災地理情報について整備すると共に,地理空間情報プラットフォームである地理院地図を通してこれらを提供している。地理院地図はGIS機能を実装しており,標高データに基づいた陰影起伏図や,任意で色を割り当てられる色別標高図のほか,防災地理情報を組み合わせて表示できる。さらには断面図の作成機能なども組み合わせることで,土地の成り立ちや地域の理解にも繋がる。また,「地理総合」の学習指導要領解説(令和3年8月一部改訂)において求められている地理的技能の習熟するに当たり,地理院地図の活用例も示されている。本論では,地理院地図に格納している防災地理情報をはじめとする多様な情報やGIS機能,実際の災害における地形分類情報との比較事例,ウェブサイトによる利活用事例の提供について紹介した。
国土地理院はどのような防災地理情報を提供していますか?
国土地理院は、標高に関する情報、地形分類情報、自然災害伝承碑の情報などの防災地理情報を整備し、地理院地図を通して提供しています。
JCRRAG_002060
地理
(6)ベトナム社会主義共和国(ハノイ)…1976年、南北ベトナム統一が起こる(1965~1973年、ベトナム戦争) →「ドイモイ」(刷新)政策(1986年~)により、市場経済が導入され、経済が発展する。 (7)ラオス人民民主共和国(ビエンチャン) (8)カンボジア王国(プノンペン)…1970~1991年、カンボジア内戦(1991年、パリ和平協定を締結) →国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)活動(1992~93年、日本初の国連PKO参加) ※「カンボジア総選挙民主化に向けた日本の支援」(外務省・「わかる!国際情勢」) (9)タイ王国(バンコク)…東南アジアで唯一独立を守った独立国(イギリス・フランスの植民地政策による緩衝国) (10)ミャンマー連邦(ヤンゴン)…1988年、軍事クーデター。1989年、「ビルマ」から「ミャンマー」に国号が変更される。 アウン・サン・スー・チー…1989年から度重なる自宅軟禁。1991年、ノーベル平和賞受賞。2010年、軟禁解除。 (11)マレーシア(クアラルンプール)…マレー人57.9%、中国系26.9%、インド系7.5% →公用語:マレー語、国教:イスラム教→ブミプトラ政策(マレー系優遇政策) ルックイースト政策は、日本や韓国の経済発展を高く評価し、それを見習う経済政策。
1989年に何という国号から「ミャンマー」に国号を変更しましたか?
1989年に「ビルマ」という国号から「ミャンマー」に国号を変更しました。
JCRRAG_002061
地理
以下は、今井勇雄・後藤忍 両氏の論文「東日本大震災の津波で被災した海岸林における地理空間情報を用いた被災前後の状況の実態把握と地理的要因の考察(Investigation on Damage Cause of Coastal Forest before and after Tsunami of the Great East Japan Earthquake Using Geospatial Information)」のアブストラクトを和訳したものである。 本研究は、2011年3月11日に発生した東日本大震災の津波により被災した東北地方太平洋沿岸部(岩手県大船渡市、宮城県名取市、福島県南相馬市)の海岸林の被害状況を分析することを目的とする。沿岸林の実態を明らかにするため、文献調査およびヒアリング調査を実施した。さらに、地理空間情報を用いて、森林の状況や地形、海岸線からの森林の位置、防潮堤と津波浸水との関係、津波による森林の被害状況など、地理的な災害要因を検証した。その結果、地形的な状況が津波浸水に大きく影響し、防潮堤などの構造物が浸水拡大の抑制や森林の損傷に影響することが明らかになった。一方、海岸沿いの堤防などの起伏は、洪水後の排水に悪影響を与えることがわかった。今後は、航空写真や基盤地図情報を活用することで、広域被災地の実態を可視化・把握することが有効であると考えられる。
防潮堤などの構造物は何に影響することが明らかになりましたか?
防潮堤などの構造物は浸水拡大の抑制や森林の損傷に影響することが明らかになりました。
JCRRAG_002062
地理
以下は、岡田穣・坂本知己・林田光祐・井上章二・阿子島功・柳原敦・中島 勇喜 各氏による論文「スリランカ南部 Tangalla における2004年インド洋大津波による被害状況と海岸地形との関わり(The relationship between the coastal topography affected and the damagecaused by the 2004 Indian Ocean tsunami in Tangalla, Southern Sri Lanka)」のアブストラクトを一部和訳したものです。 タンガラDSディビジョンにおける津波被害の程度分布を小さな地域単位(GNディビジョン単位)で表した地図を作成したところ、大きな被害を受けた海岸は岬の北側に位置し、東に面していることが確認された。岬の北側に位置するGN分区の1つであるメダケティヤの被害が大きかった地域で筆者らが現地調査を行ったところ、津波の流れが2つの異なる方向から接近していることがわかった。南から接近した津波は、岬の南側で反射した流れである可能性があり、東から接近した津波は、海から直接流れ込んだものである可能性がある。メダケティヤGN地区で地盤高と津波流の痕跡を調査したところ、北西方向への流れは流路にある砂丘によって遮られたため、その地区の家屋に大きな被害はなかった。また、南西方向からの津波は潟湖に向かって流れ、家屋に甚大な被害を与えた。
タンガラDSディビジョンにおいて、大きな津波被害を受けた海岸は、岬のどこに位置し、どこに面していることが確認されましたか?
タンガラDSディビジョンにおいて、大きな津波被害を受けた海岸は、岬の北側に位置し、東に面していることが確認されました。
JCRRAG_002063
地理
(6)ベトナム社会主義共和国(ハノイ)…1976年、南北ベトナム統一が起こる(1965~1973年、ベトナム戦争) →「ドイモイ」(刷新)政策(1986年~)により、市場経済が導入され、経済が発展する。 (7)ラオス人民民主共和国(ビエンチャン) (8)カンボジア王国(プノンペン)…1970~1991年、カンボジア内戦(1991年、パリ和平協定を締結) →国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)活動(1992~93年、日本初の国連PKO参加) ※「カンボジア総選挙民主化に向けた日本の支援」(外務省・「わかる!国際情勢」) (9)タイ王国(バンコク)…東南アジアで唯一独立を守った独立国(イギリス・フランスの植民地政策による緩衝国) (10)ミャンマー連邦(ヤンゴン)…1988年、軍事クーデター。1989年、「ビルマ」から「ミャンマー」に国号が変更される。 アウン・サン・スー・チー…1989年から度重なる自宅軟禁。1991年、ノーベル平和賞受賞。2010年、軟禁解除。 (11)マレーシア(クアラルンプール)…マレー人57.9%、中国系26.9%、インド系7.5% →公用語:マレー語、国教:イスラム教→ブミプトラ政策(マレー系優遇政策) ルックイースト政策は、日本や韓国の経済発展を高く評価し、それを見習う経済政策。
ルックイースト政策とは何ですか?
ルックイースト政策とはマレーシアが日本や韓国の経済発展を高く評価し、それを見習う経済政策です。
JCRRAG_002064
地理
(12)シンガポール共和国(首都なし・都市国家)…全体の人口の77%を中国人、14%をマレー人、8%をインド人が占めている。 →公用語:マレー語、英語、中国語(北京語)、タミル語 (13)ブルネイ・ダルサラーム(バンダルスリブガワン)…1984年、イギリスより完全独立 (14)インドネシア共和国(ジャカルタ)…東南アジア最大の人口(約2億5千万人)と豊富な資源 イスラム教(※バリ島はヒンドゥー教) アチェ紛争(1976~2005年)…自由アチェ運動が独立を宣言→スマトラ沖地震を契機に和平協定に調印 パプア紛争(1961年~)…ニューギニア島西部(イリアンジャヤ)で発生した独立紛争 (15)東ティモール民主共和国(ディリ)…1974年、ポルトガルが東ティモールの植民地支配を放棄 1995年、独立派勢力「フレテリン」(東ティモール独立革命戦線)が独立を宣言 →インドネシアが東ティモールに軍事侵攻 1996年、インドネシア、「27番目の州」として併合 1999年、東ティモールで独立の是非を問う住民投票を実施→約8割が「分離・独立」 国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)を設立→日本もPKOに参加 2002年、インドネシアから独立
シンガポール共和国の中国人は全体の人口の何%を占めていますか?
シンガポール共和国の中国人は全体の人口の77%を占めています。
JCRRAG_002065
地理
以下は,研川英征氏による論文「国土地理院が提供する地理院地図と防災地理情報」のアブストラクトである。 国土地理院は,標高に関する情報や,地形分類情報や自然災害伝承碑の情報といった防災地理情報について整備すると共に,地理空間情報プラットフォームである地理院地図を通してこれらを提供している。地理院地図はGIS機能を実装しており,標高データに基づいた陰影起伏図や,任意で色を割り当てられる色別標高図のほか,防災地理情報を組み合わせて表示できる。さらには断面図の作成機能なども組み合わせることで,土地の成り立ちや地域の理解にも繋がる。また,「地理総合」の学習指導要領解説(令和3年8月一部改訂)において求められている地理的技能の習熟するに当たり,地理院地図の活用例も示されている。本論では,地理院地図に格納している防災地理情報をはじめとする多様な情報やGIS機能,実際の災害における地形分類情報との比較事例,ウェブサイトによる利活用事例の提供について紹介した。
地理院地図のGIS機能とはどういうものですか?
地理院地図のGIS機能は、標高データに基づいた陰影起伏図、任意で色を割り当てられる色別標高図、防災地理情報の組み合わせ表示、断面図の作成機能などがあります。
JCRRAG_002066
地理
(12)シンガポール共和国(首都なし・都市国家)…全体の人口の77%を中国人、14%をマレー人、8%をインド人が占めている。 →公用語:マレー語、英語、中国語(北京語)、タミル語 (13)ブルネイ・ダルサラーム(バンダルスリブガワン)…1984年、イギリスより完全独立 (14)インドネシア共和国(ジャカルタ)…東南アジア最大の人口(約2億5千万人)と豊富な資源 イスラム教(※バリ島はヒンドゥー教) アチェ紛争(1976~2005年)…自由アチェ運動が独立を宣言→スマトラ沖地震を契機に和平協定に調印 パプア紛争(1961年~)…ニューギニア島西部(イリアンジャヤ)で発生した独立紛争 (15)東ティモール民主共和国(ディリ)…1974年、ポルトガルが東ティモールの植民地支配を放棄 1995年、独立派勢力「フレテリン」(東ティモール独立革命戦線)が独立を宣言 →インドネシアが東ティモールに軍事侵攻 1996年、インドネシア、「27番目の州」として併合 1999年、東ティモールで独立の是非を問う住民投票を実施→約8割が「分離・独立」 国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)を設立→日本もPKOに参加 2002年、インドネシアから独立
東ティモールの植民地支配を放棄したのはどこですか?
ポルトガルが東ティモールの植民地支配を放棄しました。
JCRRAG_002067
地理
(12)シンガポール共和国(首都なし・都市国家)…全体の人口の77%を中国人、14%をマレー人、8%をインド人が占めている。 →公用語:マレー語、英語、中国語(北京語)、タミル語 (13)ブルネイ・ダルサラーム(バンダルスリブガワン)…1984年、イギリスより完全独立 (14)インドネシア共和国(ジャカルタ)…東南アジア最大の人口(約2億5千万人)と豊富な資源 イスラム教(※バリ島はヒンドゥー教) アチェ紛争(1976~2005年)…自由アチェ運動が独立を宣言→スマトラ沖地震を契機に和平協定に調印 パプア紛争(1961年~)…ニューギニア島西部(イリアンジャヤ)で発生した独立紛争 (15)東ティモール民主共和国(ディリ)…1974年、ポルトガルが東ティモールの植民地支配を放棄 1995年、独立派勢力「フレテリン」(東ティモール独立革命戦線)が独立を宣言 →インドネシアが東ティモールに軍事侵攻 1996年、インドネシア、「27番目の州」として併合 1999年、東ティモールで独立の是非を問う住民投票を実施→約8割が「分離・独立」 国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)を設立→日本もPKOに参加 2002年、インドネシアから独立
ブルネイ・ダルサラームは1984年にどの国から完全に独立しましたか?
ブルネイ・ダルサラームは1984年にイギリスから完全に独立しました。
JCRRAG_002068
地理
農牧業の成立条件 農牧業は、地域によって栽培される農作物や飼育される家畜などに違いがあります。この違いは、各地の自然条件と社会的条件によって生まれます。 (イ)自然条件 (1)気候 気温や年降水量は農牧業と密接に関わっており、気温や年降水量が農牧業を営める下限値を下回る地域と上回る地域の境界を地図上に表したものを栽培限界といいます。 農作物には栽培に適した気温があります。原則として、寒ければ寒いほど栽培できる作物の種類は減り、最暖月平均気温が10℃を下回る地域では栽培ができません。これを気温限界といい、気温限界に該当する地域は寒帯(E)と重なります。言い換えると、寒帯(E)では農作物を栽培できないことになります。 年降水量については、250mmを下回るか否かが重要になります。年降水量が250mmを下回る地域と上回る地域の境目を乾燥限界といい、250mm未満の地域は農牧業に適さないことから、非農牧業地域と呼ばれます。 (2)高度 気温は高度によっても変わります。高度が高ければ高いほど気温は下がり、農牧業は困難になっていきます。地球を垂直方向で見た際の栽培限界を高距限界といいます。 (3)地形 急傾斜地は平坦な土地を確保しにくいため、農業を営むのが困難とされています。 (4)土壌 土壌の肥沃さは作物の収穫量や種類を左右します。チェルノーゼム、プレーリー土、パンパ土、 レグール土、テラローシャ、森林褐色土は農牧業に適した肥沃な土壌とされています。一方、ラトソル、ポドゾルは生産性が低く、農牧業を営むのは困難とされています。 (ロ)社会的条件 農牧業を円滑に行うためには、その地域のインフラや文化といった社会的条件も重要になります。具体的には、(1)交通と輸送、(2)資本や技術、(3)文化や生活様式の3つが揃わなければ農牧業は困難だとされています。
チェルノーゼムは農牧業に適した土壌ですか。
はい、チェルノーゼムは農牧業に適した土壌です。
JCRRAG_002069
地理
(12)シンガポール共和国(首都なし・都市国家)…全体の人口の77%を中国人、14%をマレー人、8%をインド人が占めている。 →公用語:マレー語、英語、中国語(北京語)、タミル語 (13)ブルネイ・ダルサラーム(バンダルスリブガワン)…1984年、イギリスより完全独立 (14)インドネシア共和国(ジャカルタ)…東南アジア最大の人口(約2億5千万人)と豊富な資源 イスラム教(※バリ島はヒンドゥー教) アチェ紛争(1976~2005年)…自由アチェ運動が独立を宣言→スマトラ沖地震を契機に和平協定に調印 パプア紛争(1961年~)…ニューギニア島西部(イリアンジャヤ)で発生した独立紛争 (15)東ティモール民主共和国(ディリ)…1974年、ポルトガルが東ティモールの植民地支配を放棄 1995年、独立派勢力「フレテリン」(東ティモール独立革命戦線)が独立を宣言 →インドネシアが東ティモールに軍事侵攻 1996年、インドネシア、「27番目の州」として併合 1999年、東ティモールで独立の是非を問う住民投票を実施→約8割が「分離・独立」 国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)を設立→日本もPKOに参加 2002年、インドネシアから独立
東ティモール民主共和国では1995年に何が独立を宣言しましたか?
東ティモール民主共和国では1995年に独立派勢力「フレテリン」(東ティモール独立革命戦線)が独立を宣言しました。
JCRRAG_002070
地理
(12)シンガポール共和国(首都なし・都市国家)…全体の人口の77%を中国人、14%をマレー人、8%をインド人が占めている。 →公用語:マレー語、英語、中国語(北京語)、タミル語 (13)ブルネイ・ダルサラーム(バンダルスリブガワン)…1984年、イギリスより完全独立 (14)インドネシア共和国(ジャカルタ)…東南アジア最大の人口(約2億5千万人)と豊富な資源 イスラム教(※バリ島はヒンドゥー教) アチェ紛争(1976~2005年)…自由アチェ運動が独立を宣言→スマトラ沖地震を契機に和平協定に調印 パプア紛争(1961年~)…ニューギニア島西部(イリアンジャヤ)で発生した独立紛争 (15)東ティモール民主共和国(ディリ)…1974年、ポルトガルが東ティモールの植民地支配を放棄 1995年、独立派勢力「フレテリン」(東ティモール独立革命戦線)が独立を宣言 →インドネシアが東ティモールに軍事侵攻 1996年、インドネシア、「27番目の州」として併合 1999年、東ティモールで独立の是非を問う住民投票を実施→約8割が「分離・独立」 国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)を設立→日本もPKOに参加 2002年、インドネシアから独立
パプア紛争はどこで発生した独立紛争ですか?
パプア紛争はニューギニア島西部(イリアンジャヤ)で発生した独立紛争です。
JCRRAG_002071
地理
農牧業の成立条件 農牧業は、地域によって栽培される農作物や飼育される家畜などに違いがあります。この違いは、各地の自然条件と社会的条件によって生まれます。 (イ)自然条件 (1)気候 気温や年降水量は農牧業と密接に関わっており、気温や年降水量が農牧業を営める下限値を下回る地域と上回る地域の境界を地図上に表したものを栽培限界といいます。 農作物には栽培に適した気温があります。原則として、寒ければ寒いほど栽培できる作物の種類は減り、最暖月平均気温が10℃を下回る地域では栽培ができません。これを気温限界といい、気温限界に該当する地域は寒帯(E)と重なります。言い換えると、寒帯(E)では農作物を栽培できないことになります。 年降水量については、250mmを下回るか否かが重要になります。年降水量が250mmを下回る地域と上回る地域の境目を乾燥限界といい、250mm未満の地域は農牧業に適さないことから、非農牧業地域と呼ばれます。 (2)高度 気温は高度によっても変わります。高度が高ければ高いほど気温は下がり、農牧業は困難になっていきます。地球を垂直方向で見た際の栽培限界を高距限界といいます。 (3)地形 急傾斜地は平坦な土地を確保しにくいため、農業を営むのが困難とされています。 (4)土壌 土壌の肥沃さは作物の収穫量や種類を左右します。チェルノーゼム、プレーリー土、パンパ土、 レグール土、テラローシャ、森林褐色土は農牧業に適した肥沃な土壌とされています。一方、ラトソル、ポドゾルは生産性が低く、農牧業を営むのは困難とされています。 (ロ)社会的条件 農牧業を円滑に行うためには、その地域のインフラや文化といった社会的条件も重要になります。具体的には、(1)交通と輸送、(2)資本や技術、(3)文化や生活様式の3つが揃わなければ農牧業は困難だとされています。
気温限界に該当する地域は何帯と重なりますか。
気温限界に該当する地域は寒帯(E)と重なります。
JCRRAG_002072
地理
(1)現代世界と地域  現代世界の特色を地図の活用や地域調査を通して理解させ、現代世界を地理的にとらえる方法について考察させる。 ア 地球儀、世界地図で読む現代世界  交通・通信の発達による世界諸地域の位置、距離関係の変化及び国境を越える交流の進展、国家間の結合、領土問題などに関する現代世界の特色と動向を、地球儀や多様な地図を活用して理解させる。 イ 地図の機能と活用  情報の地図化や読図などの活動を通して地図に親しませるとともに、地図上の位置、距離関係を踏まえて社会的諸事象をとらえることが効果的であることを理解させる。 ウ 地域の変容と現代世界  地域調査などを通して国際化の進展の影響が身近な地域にも及んでいることを理解させる。 (2)世界の人々の生活・文化と交流  自然環境及び社会環境の多様性を背景に、世界の諸民族の生活の特色を理解させ、異なる地域に生きる人々が交流を深める際の課題などについて考察させる。 ア 自然環境と人間生活  自然環境の地域的特色を理解させ、世界の人々の生活・文化が各地域の自然環境と深くかかわっていることに着目させ、自然と人間との関係の変容について考察させる。 イ 諸民族の生活・文化と地域性  世界の諸民族の生活・文化を地域の自然環境及び社会環境と関連付けて理解させ、地域によって異なる人々の生活・文化を理解することの意義について考察させる。 ウ 諸地域の人々の交流と日本の課題  自然環境及び社会環境の多様性を背景にして、諸地域の人々の交流の現状と課題を具体的に理解させ、日本人が世界の諸地域の人々と交流する際の課題などについて考察させる。
世界の諸民族の生活・文化は、何と関連付けられますか?
世界の諸民族の生活・文化は地域の自然環境及び社会環境と関連付けられます。
JCRRAG_002073
物理
背景と研究目的: BL25SUでは、軟X線領域において高輝度で高偏光度の円偏光が利用可能であり、遷移金属や希土類元素を含む磁性体試料のX線磁気円二色性(XMCD)測定に広く利用されている[1,2]。ツインヘリカルアンジュレータによる偏光反転法によりバックグラウンドが小さく、統計精度の高いXMCDスペクトルを取得できる。具体的には、3d遷移金属元素を含む薄膜試料に対して電子収量法を用いることで、1原子層(ML)の薄膜に対しても高感度でのXMCDデータの取得が可能となっている。3d遷移金属のナノワイヤーやナノドット試料(実効膜厚0.1ML以下)に対しても測定実績がある[3]。3d磁性体に加えて、近年、希土類錯体磁石が注目されており、単分子磁石の磁気特性の電子状態からの解明が強く望まれている[4]。希土類単分子磁石試料の研究には、数ケルビンの低温、数テスラの強磁場が必要である。BL25Sはこれらの測定環境を提供できるため、希土類錯体磁石の研究に適している。ただし、低濃度の希土類試料の測定例は多くなく、単原子層もしくはそれ以下の薄膜試料をどの程度の精度で測定が可能であるかを把握する必要がある。そこで、本課題では、低濃度の希土類試料に対するXMCDおよびX線吸収スペクトル(XAS)の測定感度を評価することを目的とした。Tbを含む希土類錯体磁石を、Au基板上に単分子濃度以下に展開した試料を用い、全電子収量法(total electron yield: TEY法)によるXASおよびXMCDスペクトルを測定した。得られた結果から、希土類元素に対する検出感度の下限や、試料基板に含まれるAuからのバックグラウンドの影響を見積ることを目的とした。 実験: 試料として、Tbを含む二層オクタエチルポルフィリン希土類単分子磁石錯体、Tb(OEP)2の単分子膜を用いた[5,6]。Tb(OEP)2単分子磁石は、磁性原子であるTbの上下に平面上のオクタエチルポルフィリン分子が結合した錯体である。1分子あたり1個のTb原子を含んでいる。この錯体分子をAu/マイカ基板上に成膜した。分子膜が一原子層の厚さで形成されていることを、走査型トンネル顕微鏡によって確認した。Tb濃度はおよそ0.1個/nm2と見積もられた。XMCD測定にはBL25SUに装備されている常伝導磁石XMCD装置を用い、最大磁場±1.9T、温度6Kの条件で行った。信号の検出は試料のドレイン電流を測定する全電子収量法によって行い、ツインヘリカルアンジュレータによる偏光反転法を用いた。磁場方向として、試料面に垂直方向(θ=0°)ほぼ面内方向(θ=80°)およびそれらの中間方向(θ=45°)の三つの方向に対して、XASスペクトル、XMCDスペクトルおよび元素選択的磁化曲線(element-specific magnetization: ESM)を取得した。
希土類単分子磁石試料の研究には何が必要とされますか。
希土類単分子磁石試料の研究には数ケルビンの低温、数テスラの強磁場が必要とされます。
JCRRAG_002074
物理
粉体は固体粒子群集合体の総称である。一般に,物質は気体,液体および固体の三態をとり,常温・常圧下では固体状態を呈する物質が圧倒的に多い。化学便覧には,およそ数千種の代表的な無機および有機物質の物性が一覧表で掲載されている。それによると常温,常圧下で無機物質の約75%,有機物質の約60%が固体である。そこで,人類は太古の昔から,固体を利用するため,あるいは食べ易くするには,「細かい粒子の集合体である粉体にすれば良い」ことを知っていた。したがって,我々の身の回りには粉体が満ち溢れ,食品,医薬品,自然の土や砂あるいは絵の具など,我々の生活や文化はこの粉体が育み,粉体によって支えられていると言っても過言ではない。 昭和30~40年代から我が国は工業化社会に突入し,我々の住む社会を便利で,豊かにするために,物質の大多数を占める固体物質を有用な物質に変えて,多様な機能を持つ材料を大量生産するようになった。この材料生産プロセスでは,(a)物質組成の分離,混合や精製を容易にする,(b)反応性を高くする,(c)固体物質を流動させて固体の連続プロセシングを可能にするために,固体を「粉体」にして,流体プロセスと同じように固体物質の連続処理プロセスを構築して物質の大量生産を行った。 粉体工学と技術は,この粉体プロセスの操作や設計のために形成され,大量生産,コストダウンや品質安定化がキーワードであった‘工業化社会’で,大変大きな貢献を果たし,社会から熱い眼差しを得た。その頃の謳い文句は「粉体を征する者,材料を征す」であった。この言葉は,粉体流動挙動の‘御しにくさ’を意味していた。粉体は流動するけれども,流体の流動とは全く異なる性質を持つ。たとえば,容器に入った粉体をその容器の底に排出口を設けて流出させるとしよう。このとき,容器底部からの粉体表面の高さが異なっても,排出量はいつも一定である。液体の場合は,言うまでも無く,液体面の降下とともに排出量が少なくなる。この原因は,粉体の流動では粉体層内にすべり帯と呼ぶ不連続帯が発生するからである。このすべり帯に関係する摩擦相互作用と環境に依存して変化する粒子間付着相互作用が粉体挙動の理論的取り扱いを阻み,粉体挙動の基礎的理解が進まず,思いのままに制御することが難しかったのである。その後の大いなる努力により粉体状態論や粉体力学が整備され,いわゆる「物作りの工学,プロセス工学」としての粉体工学の骨格がしっかり形成された。
固体粒子群集合体の総称は何ですか。
固体粒子群集合体の総称は粉体です。
JCRRAG_002075
物理
粉体は固体粒子群集合体の総称である。一般に,物質は気体,液体および固体の三態をとり,常温・常圧下では固体状態を呈する物質が圧倒的に多い。化学便覧には,およそ数千種の代表的な無機および有機物質の物性が一覧表で掲載されている。それによると常温,常圧下で無機物質の約75%,有機物質の約60%が固体である。そこで,人類は太古の昔から,固体を利用するため,あるいは食べ易くするには,「細かい粒子の集合体である粉体にすれば良い」ことを知っていた。したがって,我々の身の回りには粉体が満ち溢れ,食品,医薬品,自然の土や砂あるいは絵の具など,我々の生活や文化はこの粉体が育み,粉体によって支えられていると言っても過言ではない。 昭和30~40年代から我が国は工業化社会に突入し,我々の住む社会を便利で,豊かにするために,物質の大多数を占める固体物質を有用な物質に変えて,多様な機能を持つ材料を大量生産するようになった。この材料生産プロセスでは,(a)物質組成の分離,混合や精製を容易にする,(b)反応性を高くする,(c)固体物質を流動させて固体の連続プロセシングを可能にするために,固体を「粉体」にして,流体プロセスと同じように固体物質の連続処理プロセスを構築して物質の大量生産を行った。 粉体工学と技術は,この粉体プロセスの操作や設計のために形成され,大量生産,コストダウンや品質安定化がキーワードであった‘工業化社会’で,大変大きな貢献を果たし,社会から熱い眼差しを得た。その頃の謳い文句は「粉体を征する者,材料を征す」であった。この言葉は,粉体流動挙動の‘御しにくさ’を意味していた。粉体は流動するけれども,流体の流動とは全く異なる性質を持つ。たとえば,容器に入った粉体をその容器の底に排出口を設けて流出させるとしよう。このとき,容器底部からの粉体表面の高さが異なっても,排出量はいつも一定である。液体の場合は,言うまでも無く,液体面の降下とともに排出量が少なくなる。この原因は,粉体の流動では粉体層内にすべり帯と呼ぶ不連続帯が発生するからである。このすべり帯に関係する摩擦相互作用と環境に依存して変化する粒子間付着相互作用が粉体挙動の理論的取り扱いを阻み,粉体挙動の基礎的理解が進まず,思いのままに制御することが難しかったのである。その後の大いなる努力により粉体状態論や粉体力学が整備され,いわゆる「物作りの工学,プロセス工学」としての粉体工学の骨格がしっかり形成された。
粉体の流動では粉体層内に何と呼ぶ不連続帯が発生しますか。
すべり帯と呼ぶ不連続帯が発生します。
JCRRAG_002076
物理
粉体は固体粒子群集合体の総称である。一般に,物質は気体,液体および固体の三態をとり,常温・常圧下では固体状態を呈する物質が圧倒的に多い。化学便覧には,およそ数千種の代表的な無機および有機物質の物性が一覧表で掲載されている。それによると常温,常圧下で無機物質の約75%,有機物質の約60%が固体である。そこで,人類は太古の昔から,固体を利用するため,あるいは食べ易くするには,「細かい粒子の集合体である粉体にすれば良い」ことを知っていた。したがって,我々の身の回りには粉体が満ち溢れ,食品,医薬品,自然の土や砂あるいは絵の具など,我々の生活や文化はこの粉体が育み,粉体によって支えられていると言っても過言ではない。 昭和30~40年代から我が国は工業化社会に突入し,我々の住む社会を便利で,豊かにするために,物質の大多数を占める固体物質を有用な物質に変えて,多様な機能を持つ材料を大量生産するようになった。この材料生産プロセスでは,(a)物質組成の分離,混合や精製を容易にする,(b)反応性を高くする,(c)固体物質を流動させて固体の連続プロセシングを可能にするために,固体を「粉体」にして,流体プロセスと同じように固体物質の連続処理プロセスを構築して物質の大量生産を行った。 粉体工学と技術は,この粉体プロセスの操作や設計のために形成され,大量生産,コストダウンや品質安定化がキーワードであった‘工業化社会’で,大変大きな貢献を果たし,社会から熱い眼差しを得た。その頃の謳い文句は「粉体を征する者,材料を征す」であった。この言葉は,粉体流動挙動の‘御しにくさ’を意味していた。粉体は流動するけれども,流体の流動とは全く異なる性質を持つ。たとえば,容器に入った粉体をその容器の底に排出口を設けて流出させるとしよう。このとき,容器底部からの粉体表面の高さが異なっても,排出量はいつも一定である。液体の場合は,言うまでも無く,液体面の降下とともに排出量が少なくなる。この原因は,粉体の流動では粉体層内にすべり帯と呼ぶ不連続帯が発生するからである。このすべり帯に関係する摩擦相互作用と環境に依存して変化する粒子間付着相互作用が粉体挙動の理論的取り扱いを阻み,粉体挙動の基礎的理解が進まず,思いのままに制御することが難しかったのである。その後の大いなる努力により粉体状態論や粉体力学が整備され,いわゆる「物作りの工学,プロセス工学」としての粉体工学の骨格がしっかり形成された。
一般に、常温・常圧下ではどの状態を呈する物質が圧倒的に多いですか。
常温・常圧下では、固体状態を呈する物質が多いです。
JCRRAG_002077
物理
粉体は固体粒子群集合体の総称である。一般に,物質は気体,液体および固体の三態をとり,常温・常圧下では固体状態を呈する物質が圧倒的に多い。化学便覧には,およそ数千種の代表的な無機および有機物質の物性が一覧表で掲載されている。それによると常温,常圧下で無機物質の約75%,有機物質の約60%が固体である。そこで,人類は太古の昔から,固体を利用するため,あるいは食べ易くするには,「細かい粒子の集合体である粉体にすれば良い」ことを知っていた。したがって,我々の身の回りには粉体が満ち溢れ,食品,医薬品,自然の土や砂あるいは絵の具など,我々の生活や文化はこの粉体が育み,粉体によって支えられていると言っても過言ではない。 昭和30~40年代から我が国は工業化社会に突入し,我々の住む社会を便利で,豊かにするために,物質の大多数を占める固体物質を有用な物質に変えて,多様な機能を持つ材料を大量生産するようになった。この材料生産プロセスでは,(a)物質組成の分離,混合や精製を容易にする,(b)反応性を高くする,(c)固体物質を流動させて固体の連続プロセシングを可能にするために,固体を「粉体」にして,流体プロセスと同じように固体物質の連続処理プロセスを構築して物質の大量生産を行った。 粉体工学と技術は,この粉体プロセスの操作や設計のために形成され,大量生産,コストダウンや品質安定化がキーワードであった‘工業化社会’で,大変大きな貢献を果たし,社会から熱い眼差しを得た。その頃の謳い文句は「粉体を征する者,材料を征す」であった。この言葉は,粉体流動挙動の‘御しにくさ’を意味していた。粉体は流動するけれども,流体の流動とは全く異なる性質を持つ。たとえば,容器に入った粉体をその容器の底に排出口を設けて流出させるとしよう。このとき,容器底部からの粉体表面の高さが異なっても,排出量はいつも一定である。液体の場合は,言うまでも無く,液体面の降下とともに排出量が少なくなる。この原因は,粉体の流動では粉体層内にすべり帯と呼ぶ不連続帯が発生するからである。このすべり帯に関係する摩擦相互作用と環境に依存して変化する粒子間付着相互作用が粉体挙動の理論的取り扱いを阻み,粉体挙動の基礎的理解が進まず,思いのままに制御することが難しかったのである。その後の大いなる努力により粉体状態論や粉体力学が整備され,いわゆる「物作りの工学,プロセス工学」としての粉体工学の骨格がしっかり形成された。
何が粉体挙動の理論的取り扱いを阻みましたか。
すべり帯に関係する摩擦相互作用と環境に依存して変化する粒子間付着相互作用が粉体挙動の理論的取り扱いを阻みました。
JCRRAG_002078
物理
結果および考察: X線回折実験からタイプ-1銅および-2銅部位がCoとNiに置換された2構造を決定することができた。各々の結合距離、角度を天然のもの(Cu)も含めて比較・検討したところ主に次の興味深い傾向を観測できた。 1:タイプ-1 銅部位の幾何学構造は異種金属を挿入してもその変化は小さく、四面体〜三方錐形を強固に維持したままだった。 4配位幾何構造の指標としてτ4 = 360°-(α+β)/ 141°を用いて解析を行った。αとβはその配位構造を形成している結合角の最も大きい角度とその次に大きい角度を指す。このτ4値が1に近ければ近いほど理想的な四面体幾何構造を意味し、0に近ければ平面四角形を意味する。結果、いずれの金属置換体においてもτ4 = 0.8〜0.9内(三方錐)に収まっていた。これは、もともと平面四配位構造を好むCu2+(d軌道電子数9)イオンが蛋白質分子内部では異常な四面体〜三方錐の幾何学構造をとっていることからも予測されていたように、周りの配位アミノ酸の立体的な配置(構造)が非常に剛直であるため、d軌道電子数の違い( = 金属種の違い)から生じる配位特性の影響が出難い原子環境にある(強制的に配位構造を歪ませている)ことを意味し、今回その明確な実験的証拠を得る事に成功したことになる。興味深いことに、これまでにタイプ-1銅を保持するタンパク質で同様の金属置換を実施した報告もある。例えば、アズリンやアミシアニンというタイプ-1銅含有タンパク質では、銅部位をCoやNiに置換すると配位していたメチオニン残基が外れることがX線結晶構造解析結果から報告されている。しかしながら、その配位子脱離は溶液中では見られず、逆にメチオニン残基と異種金属間の相互作用(近づく)が強まるという結果が常磁性NMR分光測定から証明されている。さらには、シュードアズリンというまた他のタイプ-1銅含有タンパク質をCo置換した実験では、銅が結合していたときよりも配位結合距離が縮まる結果も得られており、本研究の結果ともよく合う。また、生体内でのタイプ-1銅部位の主な機能は、酸化還元パートナー分子から電子を受け取り、その受け取った電子をさらにタイプ-2銅部位へと渡す「電子伝達部位」として働くことである。すなわち、効率よく銅(II)(d電子数9)⇄銅(I)(d電子数10)の酸化状態間を行き来する必要がある。今回、銅を様々な異種金属に置換した場合とでその配位構造にほぼ違いが無いことから、電子伝達時には特に幾何構造に変化は伴わないと考えられる。この幾何構造における剛直性は、本部位が大きな構造変化等でエネルギーを失う事無く最大限に“電子伝達”という機能を発揮する(高効率で電子移動を行う)仕組みの一つと言える。 一方、2タイプ-2銅部位は、溶媒水分子の配位も含め、四面体(CoおよびZn)、三方両錐(Ni)、そして四角錐(天然Cu)といった幾何学構造に比較的大きな違いが見られた。 5配位幾何構造の指標としてτ5 = (β-α)/ 60°を用いた。τ4と同様βとαはその幾何構造の中で最も大きな角度とその次に大きい角度を意味する。Co(およびZn)については4配位構造であったため指標として上述のτ4を用いた。特に興味深い点は、タンパク質由来の3つのヒスチジン残基および金属原子の位置は3種類の金属でほぼ同一であり、唯一、外部配位子としての水分子などの数、および位置が異なることで幾何構造が変化していた。この幾何構造が変化する主な要因は、各金属イオンのd軌道電子数(Zn2+:10, Ni2+:8, Cu2+:9)および電子配置の違いによるもので無機化学一般の道理にもあっている。タイプ-2銅部位の役割としては、「1.基質である亜硝酸イオンの配位」、「2.タイプ-1銅から電子の受け取り(還元)」、「3.配位した基質(亜硝酸イオン)の還元」、「4.生成物(一酸化窒素)の放出」の4ステップを効率よく繰り返す触媒部位として働くことであり、今回、観測された幾何構造変化はこの一連のステップを効率よく進ませるために必要なものかもしれない。この点に関しては今後さらなる実験により明らかにされるものと期待される。また、タイプ-2銅部位を異種金属で置換した例も数は少ないがある。その中でもX線結晶構造解析まで進んだものでは銅アミン酸化酵素が挙げられる。本研究と同様に銅アミン酸化酵素においても置換を施すと外部配位子の配置を変えて、明確に幾何学構造が変化している。それ故、本性質は基質の出入り、さらには電子の出入り(酸化還元)を伴う部位においては共通の性質なのかもしれない。
X線結晶構造解析まで進んだものは何ですか。
X線結晶構造解析まで進んだものは銅アミン酸化酵素です。
JCRRAG_002079
物理
粉体工学において「何のために何を作るか?に関する機能性粉体材料・粒子の設計工学」を展開するのは容易でない。とくに,新しい材料や機能物質の創出は主としてケミストが担当しており,学の独立の点からは,ケミストと異なる工学的方法(=数理工学的方法)による材料追求法を確立しなければならない。 ご承知の通り,粉体工学の分野では,早くから粒子設計なる言葉が飛び交い,その言葉の下に種々の研究がなされたが,基本的なコンセプトとアプローチの方法が不明瞭なように思う。 機能性粒子とは,ある環境に置かれたとき,目的の特性を発現する粒子である。例えば,設定した電場内で目的のとおりに挙動するように帯電設計をした粉体トナー粒子,あるいは体液に浸されて目的の位置で溶解する医薬品粒子などがこれに該当する。また,機能性材料とは入力エネルギーを異なる出力エネルギーに変化するエネルギー変換材料である。したがって,これらの機能性粒子や材料の設計は,通常の人工物や化学装置の設計と同様に,まずこれら機能の発現機構に対する数理モデルが明らかにされ,それにもとづいて所望の機能を発現する材料構造が定量的に設計されなければならない。これが,粉体工学が永い間にわたって培った工学センスを生かす独特の粉体材料・粒子設計法の一つであろう。次代の粉体工学は新しい粉体材料や粒子の開発を包含し,「機能粒子と粉体材料の設計からその生産に関する工学」としてその完結性を高め,粉体技術の進展の基盤とならなければならない。
入力エネルギーを異なる出力エネルギーに変化するエネルギー変換材料のことを何といいますか。
入力エネルギーを異なる出力エネルギーに変化するエネルギー変換材料は機能性材料です。
JCRRAG_002080
物理
背景と研究目的: MLCCは内部電極とそれに挟まれた誘電体素子を1ユニットとして、多積層化された材料である。現在,MLCC内の誘電体層及び電極層の厚みはそれぞれ1μm、0.5μm以下が実現されており、更なる薄膜化を目指してメーカーがしのぎを削っている。しかしながら、この薄層化による電極/誘電体界面の構造・電子状態の影響が、誘電特性の向上を妨げる大きな要因となり、一方で誘電体素子の薄膜化や誘電体粒自身の微小化に伴って誘電率が低下することも古くから知られており[1,2]、MLCCチップの小型大容量化が頭打ちになっている現状がある。この現状を打破するためには、1.誘電体厚と内部電極厚、及び2.電極/誘電体界面の構造と電子状態、について、情報を得て、特性劣化の微視的機構を明らかにし、新たな物質開発・設計に繋げて行く必要がある。しかし、層内や層間の局所領域の構造や歪み、電子状態についての情報が全く得られていないため、実材料の構造において、ナノスケールで何が起こっているのか、その局所構造あるいは局所歪みがどのように物性発現・特性向上、あるいは特性劣化につながっているか、殆ど明らかにされていない。現状では、仮説・検証を繰り返す試行錯誤と、その結果として得られた知見の積み重ねにより、これらのパラメータの最適化が行われている。従って、MLCCの更なる小型化・高性能化を実現するためには、この現状を打破し、微小領域の構造・歪み解明と、それらを生かした構造制御、すなわち“Materials by Design”の確立が極めて重要な鍵を握っている。本課題の目的は、MLCC実材料における誘電体層の内部(グレイン集合体)の構造と、電極/誘電体界面付近の構造について、それらの空間分布をマッピングし、構造が局所的にどのように変化し、また歪みがどのように入っているかを明らかにすることである。 実験: 実験はSPring-8のBL-40XUに設置されたマイクロX線回折計を用いて行われた。試料架台はXYZ方向のサブマイクロオーダーの位置制御が可能なピエゾモーターステージがあり、μm領域を高い位置再現性で制御可能である。MLCC実材料は村田製作所から提供され、BaTiO3誘電体素子部分の厚みが9、4、3μmの3種のものが用いられた。Ni電極の厚みは全て1μmである。 X線エネルギーは8keVに固定し、試料位置でのビームサイズを1μm、0.7μmに集光した。Ni電極とBaTiO3誘電体素子部分にビームを当てて、回折パターンを振動写真で取得し、縦方向(Z方向)と横方向(X方向)にスキャンして、回折パターンの2次元マッピングを取得した。BaTiO3の正方晶ドメインによりピークが分裂する111回折と、分裂する002/200、102/201/210、112/211回折が観測可能な領域を確保するため、散乱角中心を45°に固定した。2次元高速検出器を用いることで、35°≤2θ≤55°の範囲の回折パターンを同時に観測することができた。低角側からそれぞれ111、002/200、102/201/210、112/211回折に対応している。 結果および考察: ビームサイズに対してBaTiO3の結晶グレインサイズが同程度のため、選択配向がかなり強く出ている。そこで回折パターンの位置依存性を比較するめ、X方向にスキャンしたデータを全て足し合わせて平均化し、さらに4本回折線に対して、Z方向の最大強度で強度を規格化して回折パターンのZ方向依存性をマッピングした。縦軸がZ方向、横軸が2θ方向に対応している。2θ方向に水平に走っている強度は,Ni電極からの蛍光X線であり、Ni電極の位置にそのまま対応していると考えて良い。回折線のピーク位置は実験精度の範囲内でほとんど変化していないように見えるが、Ni電極付近で系統的にズレているのが見られる。更にBaTiO3素子厚が3μmに減少すると、線幅が増大しているのも分かる。この傾向は、他の111、002/200、102/201/210回折においても観測された。 素子厚3μmの場合の112/211回折のPeak Positionと線幅HWHMのZ方向依存性を示した。点線位置がNi電極の位置に対応しているが、電極付近でPeak Positionが減少して格子定数が長くなっていると同時に、線幅が増大している。これは、電極からの応力によりBaTiO3の構造が歪みを受けていることを示唆している。定量解析はこれから行う予定であるが、電極付近で素子の構造が変化していることが分かった。 今後の課題: 今後は定量解析を進めるとともに、更に高角領域の反射データを取得して、構造変化、或いは歪みの情報について、より精度の高い情報を引き出すことが必要である。更には電場印加時や温度変化など、よりオペランドに近い状態でMLCC実材料の構造が微視的にどのように変化しているか、その変化と誘電特性の変化がどのように対応しているか、解明につなげて行くことが必要である。 参考文献: [1] G. Arit et al., Journal of Applied Physics 58, 1619 (1989). [2] S. K. Streiffer et al., Journal of Applied Physics 86, 4565 (1999).
BaTiO3の構造に歪みを生じさせているのは何ですか。
電極からの応力がBaTiO3の構造に歪みを生じさせています。
JCRRAG_002081
物理
顆粒体の加圧成形プロセスにおける粉体構造の変化過程を模式的に示す。セラミックスの製造において解決すべき基本的な課題として、強度の信頼性改善やニアネットシェイププロセスの確立などが挙げられる。これらの問題解決のアプローチを粉体工学的に考えた場合、成形体段階での粉体構造制御が極めて重要になる。成形体中に微量含まれる粗大気孔や粗大粒子といった不均質構造は、焼結過程を経て破壊源になるため、成形体段階で除去する必要がある。一方、焼結体の割れや変形などに影響する因子としては、成形体中の密度分布に加えて粒子の配向性なども考慮する必要がある。これらの構造制御は、ニアネットシェイプ実現の観点からも重要である。 以上の成形体構造制御を行うためには、その評価技術の開発が必要であり、これまで浸液透光法やX線トモグラフィーなど先進的な方法が開発されている。したがって、これらの方法により観察された構造と、顆粒体、スラリー、原料粉体特性との関係を明確化することにより、焼結体の信頼性向上などを実現する液中微粒子分散特性の制御が可能になる。 ここで、筆者は、スラリー中の微粒子分散状態を変えた場合と、スラリー中の微量粗大凝集粒子サイズを変えた場合の二つを具体例として取り上げ、液中粒子分散状態が焼結体特性に及ぼす影響について考えてみる。
成形体構造制御を行うための評価技術として何が開発されましたか。
浸液透光法やX線トモグラフィーなどが開発されました。
JCRRAG_002082
物理
背景と研究目的: MLCCは内部電極とそれに挟まれた誘電体素子を1ユニットとして、多積層化された材料である。現在,MLCC内の誘電体層及び電極層の厚みはそれぞれ1μm、0.5μm以下が実現されており、更なる薄膜化を目指してメーカーがしのぎを削っている。しかしながら、この薄層化による電極/誘電体界面の構造・電子状態の影響が、誘電特性の向上を妨げる大きな要因となり、一方で誘電体素子の薄膜化や誘電体粒自身の微小化に伴って誘電率が低下することも古くから知られており[1,2]、MLCCチップの小型大容量化が頭打ちになっている現状がある。この現状を打破するためには、1.誘電体厚と内部電極厚、及び2.電極/誘電体界面の構造と電子状態、について、情報を得て、特性劣化の微視的機構を明らかにし、新たな物質開発・設計に繋げて行く必要がある。しかし、層内や層間の局所領域の構造や歪み、電子状態についての情報が全く得られていないため、実材料の構造において、ナノスケールで何が起こっているのか、その局所構造あるいは局所歪みがどのように物性発現・特性向上、あるいは特性劣化につながっているか、殆ど明らかにされていない。現状では、仮説・検証を繰り返す試行錯誤と、その結果として得られた知見の積み重ねにより、これらのパラメータの最適化が行われている。従って、MLCCの更なる小型化・高性能化を実現するためには、この現状を打破し、微小領域の構造・歪み解明と、それらを生かした構造制御、すなわち“Materials by Design”の確立が極めて重要な鍵を握っている。本課題の目的は、MLCC実材料における誘電体層の内部(グレイン集合体)の構造と、電極/誘電体界面付近の構造について、それらの空間分布をマッピングし、構造が局所的にどのように変化し、また歪みがどのように入っているかを明らかにすることである。 実験: 実験はSPring-8のBL-40XUに設置されたマイクロX線回折計を用いて行われた。試料架台はXYZ方向のサブマイクロオーダーの位置制御が可能なピエゾモーターステージがあり、μm領域を高い位置再現性で制御可能である。MLCC実材料は村田製作所から提供され、BaTiO3誘電体素子部分の厚みが9、4、3μmの3種のものが用いられた。Ni電極の厚みは全て1μmである。 X線エネルギーは8keVに固定し、試料位置でのビームサイズを1μm、0.7μmに集光した。Ni電極とBaTiO3誘電体素子部分にビームを当てて、回折パターンを振動写真で取得し、縦方向(Z方向)と横方向(X方向)にスキャンして、回折パターンの2次元マッピングを取得した。BaTiO3の正方晶ドメインによりピークが分裂する111回折と、分裂する002/200、102/201/210、112/211回折が観測可能な領域を確保するため、散乱角中心を45°に固定した。2次元高速検出器を用いることで、35°≤2θ≤55°の範囲の回折パターンを同時に観測することができた。低角側からそれぞれ111、002/200、102/201/210、112/211回折に対応している。 結果および考察: ビームサイズに対してBaTiO3の結晶グレインサイズが同程度のため、選択配向がかなり強く出ている。そこで回折パターンの位置依存性を比較するめ、X方向にスキャンしたデータを全て足し合わせて平均化し、さらに4本回折線に対して、Z方向の最大強度で強度を規格化して回折パターンのZ方向依存性をマッピングした。縦軸がZ方向、横軸が2θ方向に対応している。2θ方向に水平に走っている強度は,Ni電極からの蛍光X線であり、Ni電極の位置にそのまま対応していると考えて良い。回折線のピーク位置は実験精度の範囲内でほとんど変化していないように見えるが、Ni電極付近で系統的にズレているのが見られる。更にBaTiO3素子厚が3μmに減少すると、線幅が増大しているのも分かる。この傾向は、他の111、002/200、102/201/210回折においても観測された。 素子厚3μmの場合の112/211回折のPeak Positionと線幅HWHMのZ方向依存性を示した。点線位置がNi電極の位置に対応しているが、電極付近でPeak Positionが減少して格子定数が長くなっていると同時に、線幅が増大している。これは、電極からの応力によりBaTiO3の構造が歪みを受けていることを示唆している。定量解析はこれから行う予定であるが、電極付近で素子の構造が変化していることが分かった。 今後の課題: 今後は定量解析を進めるとともに、更に高角領域の反射データを取得して、構造変化、或いは歪みの情報について、より精度の高い情報を引き出すことが必要である。更には電場印加時や温度変化など、よりオペランドに近い状態でMLCC実材料の構造が微視的にどのように変化しているか、その変化と誘電特性の変化がどのように対応しているか、解明につなげて行くことが必要である。 参考文献: [1] G. Arit et al., Journal of Applied Physics 58, 1619 (1989). [2] S. K. Streiffer et al., Journal of Applied Physics 86, 4565 (1999).
Ni電極の厚みは全て何μmですか。
Ni電極の厚みは全て1μmです。
JCRRAG_002083
物理
顆粒体の加圧成形プロセスを取り上げ、スラリーの見かけ粘度が焼結体特性に及ぼす影響について検討した結果を報告する。 ここでは、見かけ粘度を変えて粒子分散状態を調製した2種類のスラリーを作製し、スプレードライヤーによりそれぞれ顆粒体を作製した。見かけ粘度の低いスラリーからは内部に粗大気孔を持つ顆粒体が作製され、逆に見かけ粘度の高いスラリーからは内部にも粒子がほぼ密に詰まった顆粒体が作製される。これらの構造の違いは、当然ながら成形後の焼結体特性にも影響を及ぼす。得られた焼結体の曲げ強さを測定した結果、両者には明らかな違いが認められる。このように、液中微粒子分散特性としてスラリーの見かけ粘度を変えることで顆粒体の構造は変化し、その結果、焼結体の特性も大きく変化することが分かる。 しかしながら、スラリーの見かけ粘度がほぼ同じでも、焼結体強度には明らかな差が認められることがある。これら3種類のスラリーから顆粒体を作製後、加圧成形プロセスにて焼結体を作製し、その強度を測定すると、同じ原料であってもスラリー調製条件を変えることにより、強度、ワイブル係数ともにかなり改善できることが分かる。なお、ここで作製された顆粒体は低粘度のスラリーから作製されたため、いずれもその内部に粗大気孔を有していた。
見かけ粘度の低いスラリーからは、どのような顆粒体が作製されますか。
内部に粗大気孔を持つ顆粒体が作製されます。
JCRRAG_002084
物理
液中での粒子分散状態は、スラリー特性のみならずスラリーから作製される塗膜や成形体、さらには焼成後の焼結体特性などにも大きく影響する。このことは、粒子分散状態の制御が、材料の特性向上や新機能創製のキーテクノロジーであることを示している。しかしながら、多くの材料がその製造過程において粒子の液中分散状態を利用するにもかかわらず、粒子分散特性の制御はこれまでノウハウとして扱われ、材料特性との因果関係などについてはあまり発表されていない。 そこで筆者らは、産業競争力強化の土台としての粉体プロセス技術基盤を構築する観点から、セラミックスの製造プロセスを例として取り上げ、原料粉体からスラリー、顆粒体、成形体、焼結体に至るまでの各中間段階における粉体構造の形成過程を明らかにする評価技術の開発とともに、実際にこれらの評価技術を用いて焼結体特性に及ぼすスラリー特性の影響などの検討を進めてきた。この事業は経済産業省の材料分野における技術基盤整備事業(1996年度~2001年度)としても位置づけられ、筆者らが(財)ファインセラミックスセンター在籍中に、産官学の連携を得ながら進めたものである。 その後、材料分野はナノテクノロジー・材料分野として各技術プログラムの基盤として位置づけられることになったが、ナノテク分野においても液中におけるナノ粒子の分散制御は、基礎研究を実用化するための重要技術として位置づけられている。このように、液中粒子の分散制御は、基盤から先端に至るまでの産業横断的な重要技術であり、今後粉体工学としても積極的に取り組むべき学問領域であると言える。
今後粉体工学として積極的に取り組むべき学問領域は何ですか。
今後粉体工学として積極的に取り組むべき学問領域は、液中粒子の分散制御です。
JCRRAG_002085
物理
顆粒体の加圧成形プロセスを取り上げ、スラリーの見かけ粘度が焼結体特性に及ぼす影響について検討した結果を報告する。 ここでは、見かけ粘度を変えて粒子分散状態を調製した2種類のスラリーを作製し、スプレードライヤーによりそれぞれ顆粒体を作製した。見かけ粘度の低いスラリーからは内部に粗大気孔を持つ顆粒体が作製され、逆に見かけ粘度の高いスラリーからは内部にも粒子がほぼ密に詰まった顆粒体が作製される。これらの構造の違いは、当然ながら成形後の焼結体特性にも影響を及ぼす。得られた焼結体の曲げ強さを測定した結果、両者には明らかな違いが認められる。このように、液中微粒子分散特性としてスラリーの見かけ粘度を変えることで顆粒体の構造は変化し、その結果、焼結体の特性も大きく変化することが分かる。 しかしながら、スラリーの見かけ粘度がほぼ同じでも、焼結体強度には明らかな差が認められることがある。これら3種類のスラリーから顆粒体を作製後、加圧成形プロセスにて焼結体を作製し、その強度を測定すると、同じ原料であってもスラリー調製条件を変えることにより、強度、ワイブル係数ともにかなり改善できることが分かる。なお、ここで作製された顆粒体は低粘度のスラリーから作製されたため、いずれもその内部に粗大気孔を有していた。
同じ原料であっても、スラリー調製条件を変えることにより何が改善されますか。
強度とワイブル係数が改善されます。
JCRRAG_002086
物理
顆粒体の加圧成形プロセスを取り上げ、スラリーの見かけ粘度が焼結体特性に及ぼす影響について検討した結果を報告する。 ここでは、見かけ粘度を変えて粒子分散状態を調製した2種類のスラリーを作製し、スプレードライヤーによりそれぞれ顆粒体を作製した。見かけ粘度の低いスラリーからは内部に粗大気孔を持つ顆粒体が作製され、逆に見かけ粘度の高いスラリーからは内部にも粒子がほぼ密に詰まった顆粒体が作製される。これらの構造の違いは、当然ながら成形後の焼結体特性にも影響を及ぼす。得られた焼結体の曲げ強さを測定した結果、両者には明らかな違いが認められる。このように、液中微粒子分散特性としてスラリーの見かけ粘度を変えることで顆粒体の構造は変化し、その結果、焼結体の特性も大きく変化することが分かる。 しかしながら、スラリーの見かけ粘度がほぼ同じでも、焼結体強度には明らかな差が認められることがある。これら3種類のスラリーから顆粒体を作製後、加圧成形プロセスにて焼結体を作製し、その強度を測定すると、同じ原料であってもスラリー調製条件を変えることにより、強度、ワイブル係数ともにかなり改善できることが分かる。なお、ここで作製された顆粒体は低粘度のスラリーから作製されたため、いずれもその内部に粗大気孔を有していた。
見かけ粘度の高いスラリーからは、どのような顆粒体が作製されますか。
内部に粒子がほぼ密に詰まった顆粒体が作製されます。
JCRRAG_002087
物理
背景と研究目的: BL25SUでは、軟X線領域において高輝度で高偏光度の円偏光が利用可能であり、遷移金属や希土類元素を含む磁性体試料のX線磁気円二色性(XMCD)測定に広く利用されている[1,2]。ツインヘリカルアンジュレータによる偏光反転法によりバックグラウンドが小さく、統計精度の高いXMCDスペクトルを取得できる。具体的には、3d遷移金属元素を含む薄膜試料に対して電子収量法を用いることで、1原子層(ML)の薄膜に対しても高感度でのXMCDデータの取得が可能となっている。3d遷移金属のナノワイヤーやナノドット試料(実効膜厚0.1ML以下)に対しても測定実績がある[3]。3d磁性体に加えて、近年、希土類錯体磁石が注目されており、単分子磁石の磁気特性の電子状態からの解明が強く望まれている[4]。希土類単分子磁石試料の研究には、数ケルビンの低温、数テスラの強磁場が必要である。BL25Sはこれらの測定環境を提供できるため、希土類錯体磁石の研究に適している。ただし、低濃度の希土類試料の測定例は多くなく、単原子層もしくはそれ以下の薄膜試料をどの程度の精度で測定が可能であるかを把握する必要がある。そこで、本課題では、低濃度の希土類試料に対するXMCDおよびX線吸収スペクトル(XAS)の測定感度を評価することを目的とした。Tbを含む希土類錯体磁石を、Au基板上に単分子濃度以下に展開した試料を用い、全電子収量法(total electron yield: TEY法)によるXASおよびXMCDスペクトルを測定した。得られた結果から、希土類元素に対する検出感度の下限や、試料基板に含まれるAuからのバックグラウンドの影響を見積ることを目的とした。 実験: 試料として、Tbを含む二層オクタエチルポルフィリン希土類単分子磁石錯体、Tb(OEP)2の単分子膜を用いた[5,6]。Tb(OEP)2単分子磁石は、磁性原子であるTbの上下に平面上のオクタエチルポルフィリン分子が結合した錯体である。1分子あたり1個のTb原子を含んでいる。この錯体分子をAu/マイカ基板上に成膜した。分子膜が一原子層の厚さで形成されていることを、走査型トンネル顕微鏡によって確認した。Tb濃度はおよそ0.1個/nm2と見積もられた。XMCD測定にはBL25SUに装備されている常伝導磁石XMCD装置を用い、最大磁場±1.9T、温度6Kの条件で行った。信号の検出は試料のドレイン電流を測定する全電子収量法によって行い、ツインヘリカルアンジュレータによる偏光反転法を用いた。磁場方向として、試料面に垂直方向(θ=0°)ほぼ面内方向(θ=80°)およびそれらの中間方向(θ=45°)の三つの方向に対して、XASスペクトル、XMCDスペクトルおよび元素選択的磁化曲線(element-specific magnetization: ESM)を取得した。
XASおよびXMCDスペクトルを測定するために、どのような試料が用いられましたか。
XASおよびXMCDスペクトルを測定するために、Tbを含む希土類錯体磁石を、Au基板上に単分子濃度以下に展開した試料が用いられました。
JCRRAG_002088
物理
結果および考察: X線回折実験からタイプ-1銅および-2銅部位がCoとNiに置換された2構造を決定することができた。各々の結合距離、角度を天然のもの(Cu)も含めて比較・検討したところ主に次の興味深い傾向を観測できた。 1:タイプ-1 銅部位の幾何学構造は異種金属を挿入してもその変化は小さく、四面体〜三方錐形を強固に維持したままだった。 4配位幾何構造の指標としてτ4 = 360°-(α+β)/ 141°を用いて解析を行った。αとβはその配位構造を形成している結合角の最も大きい角度とその次に大きい角度を指す。このτ4値が1に近ければ近いほど理想的な四面体幾何構造を意味し、0に近ければ平面四角形を意味する。結果、いずれの金属置換体においてもτ4 = 0.8〜0.9内(三方錐)に収まっていた。これは、もともと平面四配位構造を好むCu2+(d軌道電子数9)イオンが蛋白質分子内部では異常な四面体〜三方錐の幾何学構造をとっていることからも予測されていたように、周りの配位アミノ酸の立体的な配置(構造)が非常に剛直であるため、d軌道電子数の違い( = 金属種の違い)から生じる配位特性の影響が出難い原子環境にある(強制的に配位構造を歪ませている)ことを意味し、今回その明確な実験的証拠を得る事に成功したことになる。興味深いことに、これまでにタイプ-1銅を保持するタンパク質で同様の金属置換を実施した報告もある。例えば、アズリンやアミシアニンというタイプ-1銅含有タンパク質では、銅部位をCoやNiに置換すると配位していたメチオニン残基が外れることがX線結晶構造解析結果から報告されている。しかしながら、その配位子脱離は溶液中では見られず、逆にメチオニン残基と異種金属間の相互作用(近づく)が強まるという結果が常磁性NMR分光測定から証明されている。さらには、シュードアズリンというまた他のタイプ-1銅含有タンパク質をCo置換した実験では、銅が結合していたときよりも配位結合距離が縮まる結果も得られており、本研究の結果ともよく合う。また、生体内でのタイプ-1銅部位の主な機能は、酸化還元パートナー分子から電子を受け取り、その受け取った電子をさらにタイプ-2銅部位へと渡す「電子伝達部位」として働くことである。すなわち、効率よく銅(II)(d電子数9)⇄銅(I)(d電子数10)の酸化状態間を行き来する必要がある。今回、銅を様々な異種金属に置換した場合とでその配位構造にほぼ違いが無いことから、電子伝達時には特に幾何構造に変化は伴わないと考えられる。この幾何構造における剛直性は、本部位が大きな構造変化等でエネルギーを失う事無く最大限に“電子伝達”という機能を発揮する(高効率で電子移動を行う)仕組みの一つと言える。 一方、2タイプ-2銅部位は、溶媒水分子の配位も含め、四面体(CoおよびZn)、三方両錐(Ni)、そして四角錐(天然Cu)といった幾何学構造に比較的大きな違いが見られた。 5配位幾何構造の指標としてτ5 = (β-α)/ 60°を用いた。τ4と同様βとαはその幾何構造の中で最も大きな角度とその次に大きい角度を意味する。Co(およびZn)については4配位構造であったため指標として上述のτ4を用いた。特に興味深い点は、タンパク質由来の3つのヒスチジン残基および金属原子の位置は3種類の金属でほぼ同一であり、唯一、外部配位子としての水分子などの数、および位置が異なることで幾何構造が変化していた。この幾何構造が変化する主な要因は、各金属イオンのd軌道電子数(Zn2+:10, Ni2+:8, Cu2+:9)および電子配置の違いによるもので無機化学一般の道理にもあっている。タイプ-2銅部位の役割としては、「1.基質である亜硝酸イオンの配位」、「2.タイプ-1銅から電子の受け取り(還元)」、「3.配位した基質(亜硝酸イオン)の還元」、「4.生成物(一酸化窒素)の放出」の4ステップを効率よく繰り返す触媒部位として働くことであり、今回、観測された幾何構造変化はこの一連のステップを効率よく進ませるために必要なものかもしれない。この点に関しては今後さらなる実験により明らかにされるものと期待される。また、タイプ-2銅部位を異種金属で置換した例も数は少ないがある。その中でもX線結晶構造解析まで進んだものでは銅アミン酸化酵素が挙げられる。本研究と同様に銅アミン酸化酵素においても置換を施すと外部配位子の配置を変えて、明確に幾何学構造が変化している。それ故、本性質は基質の出入り、さらには電子の出入り(酸化還元)を伴う部位においては共通の性質なのかもしれない。
τ4値は何を意味していますか。
τ4値は1に近ければ近いほど理想的な四面体幾何構造を意味し、0に近ければ平面四角形を意味します。
JCRRAG_002089
物理
背景と研究目的: 一般に、金属を保持したタンパク質の分子内部に見られる「金属結合部位(活性中心)」は、そのタンパク質が生体中で定められた機能を発揮するために最適な幾何学構造をとっていると考えられている。この概念は、1968年に初めてProf. R.J.P. Williamsによって“エンタティック(entatic)”という言葉を用いて提案され[1]、今もなお、酵素や触媒化学等の分野で幅広く引用・支持され続けている。一方、20種類のアミノ酸が数百〜千個繋がったポリペプチド鎖から成るタンパク質では、その独特の折り畳まれ方に応じて、局所的に強固な立体構造を保持する領域や、比較的、変化を起こし易い“柔らかい”部分などを併せ持つ構造的性質を有する。そのため、タンパク質分子内部で「どういった配位環境が特別な活性金属中心(構造)を生み出す要素となるか」について定義することは一般に難しいとされる。そこで、本研究では“エンタティック”に関わるタンパク質の立体構造情報を実験的に得るために、これまでよく知られている銅含有亜硝酸還元酵素(CuNiR)を材料として用い、その“エンタティック”な部位としての2種類の銅結合部位(タイプ-1および-2銅部位)を異種金属イオンで置換し、その時にどのような構造的差異が生じるか調べることを目的とした。著者らはこれまでに様々な酸化還元金属酵素の分子間電子伝達について研究を継続しており、本研究から得られる基礎データは、それら分子間電子伝達機構解明の一助になると期待される。 実験: 銅以外の金属を含む金属置換体タンパク質は、N末端に6xHisタグを導入した亜硝酸還元酵素を遺伝子工学的に作成し大腸菌での発現系を用いて発現させ、Ni-NTAアフィニティーカラムクロマトグラフィーで精製したものを用いた。精製後の試料は50mM EDTAを含む中性緩衝液中に一週間以上漬けることで金属を含まないアポ型タンパク質として調製し、その試料に対し各種金属(M2+: Co, Ni, Zn)イオンを含む緩衝液で透析する(4℃で一週間)ことで各金属置換体を調製した。続いて、過剰なM2+イオンを除去後、各金属置換体タンパク質の結晶化とX線回折実験を行った。X線回折実験は大型放射光施設SPring-8 蛋白研ビームラインBL44XUにて実施した。分子置換法により初期位相の決定およびRefmacによる構造精密化を行い、最終的にR因子値が〜20%程に到達したところで精密化を終了した。Znに置換した試料についてはタイプ-1銅部位およびタイプ-2銅部位がZnに置換された構造は確認できたが、分子表面の所々に不明瞭かつ解釈不能な電子密度が多く見られ、今回は精密化途中の段階で断念することとし、参考データ程度として扱うことのみにした。 実験: 著者らは銅以外の金属を含む金属置換体タンパク質は、N 末端に 6xHis タグを導入した亜硝酸還元酵素を遺伝子工学的に作成し大腸菌での発現系を用いて発現させ、Ni-NTA アフィニティーカラムクロマトグラフィーで精製したものを用いた。著者らは精製後の試料は 50 mM EDTA を含む中性緩衝液中に一週間以上漬けることで金属を含まないアポ型タンパク質として調製し、その試料に対し各種金属(M2+: Co, Ni, Zn)イオンを含む緩衝液で透析する(4℃で一週間)ことで各金属置換体を調製した。続いて、過剰な M2+イオンを除去後、各金属置換体タンパク質の結晶化と X 線回折実験を行った。X 線回折実験は大型放射光施設 SPring-8 蛋白研ビームライン BL44XU にて実施した。分子置換法により初期位相の決定およびRefmac による構造精密化を行い、最終的に R 因子値が〜20%程に到達したところで精密化を終了した。Zn に置換した試料についてはタイプ-1銅部位およびタイプ-2銅部位が Zn に置換された構造は確認できたが、分子表面の所々に不明瞭かつ解釈不能な電子密度が多く見られ、今回は精密化途中の段階で断念することとし、参考データ程度として扱うことのみにした。
一般に金属結合部位(活性中心)は金属を保持した何の分子内部に見られますか。
金属結合部位(活性中心)は、金属を保持したタンパク質の分子内部に見られます。
JCRRAG_002090
物理
結果および考察: X線回折実験からタイプ-1銅および-2銅部位がCoとNiに置換された2構造を決定することができた。各々の結合距離、角度を天然のもの(Cu)も含めて比較・検討したところ主に次の興味深い傾向を観測できた。 1:タイプ-1 銅部位の幾何学構造は異種金属を挿入してもその変化は小さく、四面体〜三方錐形を強固に維持したままだった。 4配位幾何構造の指標としてτ4 = 360°-(α+β)/ 141°を用いて解析を行った。αとβはその配位構造を形成している結合角の最も大きい角度とその次に大きい角度を指す。このτ4値が1に近ければ近いほど理想的な四面体幾何構造を意味し、0に近ければ平面四角形を意味する。結果、いずれの金属置換体においてもτ4 = 0.8〜0.9内(三方錐)に収まっていた。これは、もともと平面四配位構造を好むCu2+(d軌道電子数9)イオンが蛋白質分子内部では異常な四面体〜三方錐の幾何学構造をとっていることからも予測されていたように、周りの配位アミノ酸の立体的な配置(構造)が非常に剛直であるため、d軌道電子数の違い( = 金属種の違い)から生じる配位特性の影響が出難い原子環境にある(強制的に配位構造を歪ませている)ことを意味し、今回その明確な実験的証拠を得る事に成功したことになる。興味深いことに、これまでにタイプ-1銅を保持するタンパク質で同様の金属置換を実施した報告もある。例えば、アズリンやアミシアニンというタイプ-1銅含有タンパク質では、銅部位をCoやNiに置換すると配位していたメチオニン残基が外れることがX線結晶構造解析結果から報告されている。しかしながら、その配位子脱離は溶液中では見られず、逆にメチオニン残基と異種金属間の相互作用(近づく)が強まるという結果が常磁性NMR分光測定から証明されている。さらには、シュードアズリンというまた他のタイプ-1銅含有タンパク質をCo置換した実験では、銅が結合していたときよりも配位結合距離が縮まる結果も得られており、本研究の結果ともよく合う。また、生体内でのタイプ-1銅部位の主な機能は、酸化還元パートナー分子から電子を受け取り、その受け取った電子をさらにタイプ-2銅部位へと渡す「電子伝達部位」として働くことである。すなわち、効率よく銅(II)(d電子数9)⇄銅(I)(d電子数10)の酸化状態間を行き来する必要がある。今回、銅を様々な異種金属に置換した場合とでその配位構造にほぼ違いが無いことから、電子伝達時には特に幾何構造に変化は伴わないと考えられる。この幾何構造における剛直性は、本部位が大きな構造変化等でエネルギーを失う事無く最大限に“電子伝達”という機能を発揮する(高効率で電子移動を行う)仕組みの一つと言える。 一方、2タイプ-2銅部位は、溶媒水分子の配位も含め、四面体(CoおよびZn)、三方両錐(Ni)、そして四角錐(天然Cu)といった幾何学構造に比較的大きな違いが見られた。 5配位幾何構造の指標としてτ5 = (β-α)/ 60°を用いた。τ4と同様βとαはその幾何構造の中で最も大きな角度とその次に大きい角度を意味する。Co(およびZn)については4配位構造であったため指標として上述のτ4を用いた。特に興味深い点は、タンパク質由来の3つのヒスチジン残基および金属原子の位置は3種類の金属でほぼ同一であり、唯一、外部配位子としての水分子などの数、および位置が異なることで幾何構造が変化していた。この幾何構造が変化する主な要因は、各金属イオンのd軌道電子数(Zn2+:10, Ni2+:8, Cu2+:9)および電子配置の違いによるもので無機化学一般の道理にもあっている。タイプ-2銅部位の役割としては、「1.基質である亜硝酸イオンの配位」、「2.タイプ-1銅から電子の受け取り(還元)」、「3.配位した基質(亜硝酸イオン)の還元」、「4.生成物(一酸化窒素)の放出」の4ステップを効率よく繰り返す触媒部位として働くことであり、今回、観測された幾何構造変化はこの一連のステップを効率よく進ませるために必要なものかもしれない。この点に関しては今後さらなる実験により明らかにされるものと期待される。また、タイプ-2銅部位を異種金属で置換した例も数は少ないがある。その中でもX線結晶構造解析まで進んだものでは銅アミン酸化酵素が挙げられる。本研究と同様に銅アミン酸化酵素においても置換を施すと外部配位子の配置を変えて、明確に幾何学構造が変化している。それ故、本性質は基質の出入り、さらには電子の出入り(酸化還元)を伴う部位においては共通の性質なのかもしれない。
電子伝達時には特に幾何構造に変化は伴わないと考えられるのは何故ですか。
銅を様々な異種金属に置換した場合とでその配位構造にほぼ違いが無いからです。
JCRRAG_002091
物理
以下は、山本英夫・松山達 両氏による論文「粒子の帯電現象と粉体技術への応用」(『粉砕』46巻, 2002)より、コンデンサーモデルの解説部分について抜粋を行ったものである。 コンデンサーモデル 二つの物体が接触したとき,電荷の移動が生じていわゆる静電気が発生することは古くから知られている.接触による電荷の移動は金属同士の接触でも起こる.ただし,金属は導電体なので接触面分離の際に電荷が完全に緩和してしまい,「静電気」として観測されないだけなのである.金属同士の場合の接触では,表面の電子のエネルギー状態の差に起因するいわゆる接触電位差が電荷移動の駆動力となる.この点については,議論が確立していると考えてよい.実際には,電荷が移動した結果として接触電位差が発生するのであるが,等価回路的には,接触電位差Vcの電池を接続したコンデンサーの極板と見なすと考えやすい. これは一般にコンデンサーモデルと呼ばれている.
2つの物体が接触したとき、電荷の移動により何が発生しますか。
静電気が発生します。
JCRRAG_002092
物理
背景と研究目的: BL25SUでは、軟X線領域において高輝度で高偏光度の円偏光が利用可能であり、遷移金属や希土類元素を含む磁性体試料のX線磁気円二色性(XMCD)測定に広く利用されている[1,2]。ツインヘリカルアンジュレータによる偏光反転法によりバックグラウンドが小さく、統計精度の高いXMCDスペクトルを取得できる。具体的には、3d遷移金属元素を含む薄膜試料に対して電子収量法を用いることで、1原子層(ML)の薄膜に対しても高感度でのXMCDデータの取得が可能となっている。3d遷移金属のナノワイヤーやナノドット試料(実効膜厚0.1ML以下)に対しても測定実績がある[3]。3d磁性体に加えて、近年、希土類錯体磁石が注目されており、単分子磁石の磁気特性の電子状態からの解明が強く望まれている[4]。希土類単分子磁石試料の研究には、数ケルビンの低温、数テスラの強磁場が必要である。BL25Sはこれらの測定環境を提供できるため、希土類錯体磁石の研究に適している。ただし、低濃度の希土類試料の測定例は多くなく、単原子層もしくはそれ以下の薄膜試料をどの程度の精度で測定が可能であるかを把握する必要がある。そこで、本課題では、低濃度の希土類試料に対するXMCDおよびX線吸収スペクトル(XAS)の測定感度を評価することを目的とした。Tbを含む希土類錯体磁石を、Au基板上に単分子濃度以下に展開した試料を用い、全電子収量法(total electron yield: TEY法)によるXASおよびXMCDスペクトルを測定した。得られた結果から、希土類元素に対する検出感度の下限や、試料基板に含まれるAuからのバックグラウンドの影響を見積ることを目的とした。 実験: 試料として、Tbを含む二層オクタエチルポルフィリン希土類単分子磁石錯体、Tb(OEP)2の単分子膜を用いた[5,6]。Tb(OEP)2単分子磁石は、磁性原子であるTbの上下に平面上のオクタエチルポルフィリン分子が結合した錯体である。1分子あたり1個のTb原子を含んでいる。この錯体分子をAu/マイカ基板上に成膜した。分子膜が一原子層の厚さで形成されていることを、走査型トンネル顕微鏡によって確認した。Tb濃度はおよそ0.1個/nm2と見積もられた。XMCD測定にはBL25SUに装備されている常伝導磁石XMCD装置を用い、最大磁場±1.9T、温度6Kの条件で行った。信号の検出は試料のドレイン電流を測定する全電子収量法によって行い、ツインヘリカルアンジュレータによる偏光反転法を用いた。磁場方向として、試料面に垂直方向(θ=0°)ほぼ面内方向(θ=80°)およびそれらの中間方向(θ=45°)の三つの方向に対して、XASスペクトル、XMCDスペクトルおよび元素選択的磁化曲線(element-specific magnetization: ESM)を取得した。
信号の検出は、試料のドレイン電流を測定する何法によって行われましたか。
信号の検出は、試料のドレイン電流を測定する全電子収量法によって行われました。
JCRRAG_002093
物理
粉体工学において「何のために何を作るか?に関する機能性粉体材料・粒子の設計工学」を展開するのは容易でない。とくに,新しい材料や機能物質の創出は主としてケミストが担当しており,学の独立の点からは,ケミストと異なる工学的方法(=数理工学的方法)による材料追求法を確立しなければならない。 ご承知の通り,粉体工学の分野では,早くから粒子設計なる言葉が飛び交い,その言葉の下に種々の研究がなされたが,基本的なコンセプトとアプローチの方法が不明瞭なように思う。 機能性粒子とは,ある環境に置かれたとき,目的の特性を発現する粒子である。例えば,設定した電場内で目的のとおりに挙動するように帯電設計をした粉体トナー粒子,あるいは体液に浸されて目的の位置で溶解する医薬品粒子などがこれに該当する。また,機能性材料とは入力エネルギーを異なる出力エネルギーに変化するエネルギー変換材料である。したがって,これらの機能性粒子や材料の設計は,通常の人工物や化学装置の設計と同様に,まずこれら機能の発現機構に対する数理モデルが明らかにされ,それにもとづいて所望の機能を発現する材料構造が定量的に設計されなければならない。これが,粉体工学が永い間にわたって培った工学センスを生かす独特の粉体材料・粒子設計法の一つであろう。次代の粉体工学は新しい粉体材料や粒子の開発を包含し,「機能粒子と粉体材料の設計からその生産に関する工学」としてその完結性を高め,粉体技術の進展の基盤とならなければならない。
機能性粒子とはどのような粒子ですか。
機能性粒子とは、ある環境に置かれたときに目的の特性を発現する粒子です。
JCRRAG_002094
物理
背景と研究目的: ガスタービンの高温部の部品には、高温ガス流から部品を保護するために遮熱コーティング(Thermal Barrier Coatings, TBC)が適用されている。TBCは、Ni基合金の基材の上にMCrAlY合金(M = Ni or Co)のボンドコート層を施工し、その上にイットリア安定化ジルコニア(Yttria Stabilized Zirconia, YSZ)を施工したものである。TBCは各種のガスタービンに広く適用されているが、しばしば剥離損傷を起こすことが問題となる。TBCはトップコートとボンドコートの線膨張係数の違いから、ガスタービンの始動停止による加熱冷却サイクルによって内部に熱応力を生じ、損傷を受ける。また、高温での長時間の運用により、ボンドコートが酸化されトップコートとボンドコートの界面に酸化物層(Thermally Grown Oxide, TGO)が生じる。TGO層は非常に強い圧縮応力場となっていることが報告されており[1]、TBCの剥離き裂発生に影響を与えていると考えられる。したがって、TBCの剥離挙動の解明、寿命予測のためには、熱サイクルや酸化によるTGOの生成とTBC各層の内部残留応力挙動の関係性を理解する必要がある。トップコートに対しては、X線回折法(ラボ機によるX線回折及び放射光ひずみスキャニング法)による残留応力測定が試みられている[2]。またTGOの応力測定法としては、Cr³⁺の蛍光ピークシフトを利用した方法が知られている[1]。さらに、ボンドコートの応力測定の試みとして、放射光施設での高エネルギーX線を用いた残留応力測定が実施されている[3]。しかし、ガスタービンの運用中に与えられる種々の熱履歴によってボンドコート内部の応力状態がどのように変化するかについては、これまでの研究では十分に調べられていない。そこで本研究では、長時間の熱劣化を模擬したTBCの試験片を作製し、この試験片のボンドコートの応力状態を測定することを試みた。 実験: 実験者はNi基合金CMSX-4の基材の上にボンドコートとしてNiCoCrAlY(Ni-23Co-17Cr-13Al-0.45Y)を高速フレーム溶射法で約100μm施工した。その上に8wt%-Y₂O₃-ZrO₂を大気プラズマ溶射し、約80μmのトップコート層を施工した。これを幅10mm、長さ20mm、厚さ1.5mmの大きさに加工した後、真空中で後熱処理し試験片とした。この試験片に対し、大気中で種々の熱処理を実施した。IT75、IT500の試験片は静的な条件での連続加熱をおこなったものである。それぞれ1100°Σの大気炉中で75h、500hの連続的な熱処理をおこなった。CT75は、試験片を自動で炉内に出し入れする機構を持った大気炉を用い、10min昇温、1100°Σ、30min等温加熱、10min空冷のサイクルを150回繰り返したものである。したがってIT75とCT75の1100°Σでの保持時間はどちらも合計75hとなる。測定前の大気中熱処理を実施していない試験片VHTでは、トップコートとボンドコートの間のTGO層はほとんど存在しない。一方、累計75hr大気中熱処理おこなった試験片CT75、IT75には、ともに界面にTGO層が成長していることが確認できる。さらに長時間の熱処理を受けた試験片IT500では、TGO層がより厚く成長している。また、IT500のトップコート/TGO界面、TGO/ボンドコート界面及びTGO内部には界面に平行なき裂が生じていることが確認された。残留応力測定は、SPring-8のBL16B2にて実施した。ボンドコートの回折を測定するためにはX線がトップコートを透過しなければならないため、透過力の高い高エネルギーX線(約75keV)を使用した。Si(311)分光結晶にて単色化したX線を入射X線として用い、X線エネルギーはCeO2粉末の回折測定により較正した。応力測定温度は25°Σ、500°Σ、700°Σ、900°Σ、1100°Σとし、高温残留応力測定は試料を高温ステージ(Anton Paar社DHS1100)に設置して実施した。高温測定では測定温度で10min以上キープしてから応力測定を実施した。また実験中は試料チャンバー内に100ml/minの乾燥空気を通気した。X線回折測定はHUBER製6軸回折計上で実施した。入射スリット幅はW2.0mm×H0.5mmとし、高エネルギーX線の回折光を高いS/Nで検出するためCdTe検出器を用い、受光スリットにはソーラスリット(角度分解能:0.08°)を用いた。またX線エネルギーが高く回折角が小さくなるため、応力測定には側傾法を用いた。応力測定には、γ-Niの(311)面回折のピークを用いた。応力計算に必要な室温での応力定数の値は、文献値(実験的に求められたX線的弾性係数及びポアソン比の値[2])を用いて算出した。また、高温でのボンドコートの応力定数は、Ni基超合金のヤング率の温度依存性をもとに比例計算により求めた。散乱角(2θ角)の測定ステップは0.001°、各ステップでの測定時間は2sとした。
実験者は高エネルギーX線の回折光を高いS/Nで検出するために何を用いましたか。
実験者はCdTe検出器を用いました。
JCRRAG_002095
物理
粉体工学において「何のために何を作るか?に関する機能性粉体材料・粒子の設計工学」を展開するのは容易でない。とくに,新しい材料や機能物質の創出は主としてケミストが担当しており,学の独立の点からは,ケミストと異なる工学的方法(=数理工学的方法)による材料追求法を確立しなければならない。 ご承知の通り,粉体工学の分野では,早くから粒子設計なる言葉が飛び交い,その言葉の下に種々の研究がなされたが,基本的なコンセプトとアプローチの方法が不明瞭なように思う。 機能性粒子とは,ある環境に置かれたとき,目的の特性を発現する粒子である。例えば,設定した電場内で目的のとおりに挙動するように帯電設計をした粉体トナー粒子,あるいは体液に浸されて目的の位置で溶解する医薬品粒子などがこれに該当する。また,機能性材料とは入力エネルギーを異なる出力エネルギーに変化するエネルギー変換材料である。したがって,これらの機能性粒子や材料の設計は,通常の人工物や化学装置の設計と同様に,まずこれら機能の発現機構に対する数理モデルが明らかにされ,それにもとづいて所望の機能を発現する材料構造が定量的に設計されなければならない。これが,粉体工学が永い間にわたって培った工学センスを生かす独特の粉体材料・粒子設計法の一つであろう。次代の粉体工学は新しい粉体材料や粒子の開発を包含し,「機能粒子と粉体材料の設計からその生産に関する工学」としてその完結性を高め,粉体技術の進展の基盤とならなければならない。
設定した電場内で目的のとおりに挙動するように帯電設計をした粒子は何ですか。
設定した電場内で目的のとおりに挙動するように帯電設計をした粒子は粉体トナー粒子です。
JCRRAG_002096
物理
背景と研究目的: ガスタービンの高温部の部品には、高温ガス流から部品を保護するために遮熱コーティング(Thermal Barrier Coatings, TBC)が適用されている。TBCは、Ni基合金の基材の上にMCrAlY合金(M = Ni or Co)のボンドコート層を施工し、その上にイットリア安定化ジルコニア(Yttria Stabilized Zirconia, YSZ)を施工したものである。TBCは各種のガスタービンに広く適用されているが、しばしば剥離損傷を起こすことが問題となる。TBCはトップコートとボンドコートの線膨張係数の違いから、ガスタービンの始動停止による加熱冷却サイクルによって内部に熱応力を生じ、損傷を受ける。また、高温での長時間の運用により、ボンドコートが酸化されトップコートとボンドコートの界面に酸化物層(Thermally Grown Oxide, TGO)が生じる。TGO層は非常に強い圧縮応力場となっていることが報告されており[1]、TBCの剥離き裂発生に影響を与えていると考えられる。したがって、TBCの剥離挙動の解明、寿命予測のためには、熱サイクルや酸化によるTGOの生成とTBC各層の内部残留応力挙動の関係性を理解する必要がある。トップコートに対しては、X線回折法(ラボ機によるX線回折及び放射光ひずみスキャニング法)による残留応力測定が試みられている[2]。またTGOの応力測定法としては、Cr³⁺の蛍光ピークシフトを利用した方法が知られている[1]。さらに、ボンドコートの応力測定の試みとして、放射光施設での高エネルギーX線を用いた残留応力測定が実施されている[3]。しかし、ガスタービンの運用中に与えられる種々の熱履歴によってボンドコート内部の応力状態がどのように変化するかについては、これまでの研究では十分に調べられていない。そこで本研究では、長時間の熱劣化を模擬したTBCの試験片を作製し、この試験片のボンドコートの応力状態を測定することを試みた。 実験: 実験者はNi基合金CMSX-4の基材の上にボンドコートとしてNiCoCrAlY(Ni-23Co-17Cr-13Al-0.45Y)を高速フレーム溶射法で約100μm施工した。その上に8wt%-Y₂O₃-ZrO₂を大気プラズマ溶射し、約80μmのトップコート層を施工した。これを幅10mm、長さ20mm、厚さ1.5mmの大きさに加工した後、真空中で後熱処理し試験片とした。この試験片に対し、大気中で種々の熱処理を実施した。IT75、IT500の試験片は静的な条件での連続加熱をおこなったものである。それぞれ1100°Σの大気炉中で75h、500hの連続的な熱処理をおこなった。CT75は、試験片を自動で炉内に出し入れする機構を持った大気炉を用い、10min昇温、1100°Σ、30min等温加熱、10min空冷のサイクルを150回繰り返したものである。したがってIT75とCT75の1100°Σでの保持時間はどちらも合計75hとなる。測定前の大気中熱処理を実施していない試験片VHTでは、トップコートとボンドコートの間のTGO層はほとんど存在しない。一方、累計75hr大気中熱処理おこなった試験片CT75、IT75には、ともに界面にTGO層が成長していることが確認できる。さらに長時間の熱処理を受けた試験片IT500では、TGO層がより厚く成長している。また、IT500のトップコート/TGO界面、TGO/ボンドコート界面及びTGO内部には界面に平行なき裂が生じていることが確認された。残留応力測定は、SPring-8のBL16B2にて実施した。ボンドコートの回折を測定するためにはX線がトップコートを透過しなければならないため、透過力の高い高エネルギーX線(約75keV)を使用した。Si(311)分光結晶にて単色化したX線を入射X線として用い、X線エネルギーはCeO2粉末の回折測定により較正した。応力測定温度は25°Σ、500°Σ、700°Σ、900°Σ、1100°Σとし、高温残留応力測定は試料を高温ステージ(Anton Paar社DHS1100)に設置して実施した。高温測定では測定温度で10min以上キープしてから応力測定を実施した。また実験中は試料チャンバー内に100ml/minの乾燥空気を通気した。X線回折測定はHUBER製6軸回折計上で実施した。入射スリット幅はW2.0mm×H0.5mmとし、高エネルギーX線の回折光を高いS/Nで検出するためCdTe検出器を用い、受光スリットにはソーラスリット(角度分解能:0.08°)を用いた。またX線エネルギーが高く回折角が小さくなるため、応力測定には側傾法を用いた。応力測定には、γ-Niの(311)面回折のピークを用いた。応力計算に必要な室温での応力定数の値は、文献値(実験的に求められたX線的弾性係数及びポアソン比の値[2])を用いて算出した。また、高温でのボンドコートの応力定数は、Ni基超合金のヤング率の温度依存性をもとに比例計算により求めた。散乱角(2θ角)の測定ステップは0.001°、各ステップでの測定時間は2sとした。
TGO層はどのような場になっていますか。
TGO層は非常に強い圧縮応力場となっています。
JCRRAG_002097
物理
粉体工学において「何のために何を作るか?に関する機能性粉体材料・粒子の設計工学」を展開するのは容易でない。とくに,新しい材料や機能物質の創出は主としてケミストが担当しており,学の独立の点からは,ケミストと異なる工学的方法(=数理工学的方法)による材料追求法を確立しなければならない。 ご承知の通り,粉体工学の分野では,早くから粒子設計なる言葉が飛び交い,その言葉の下に種々の研究がなされたが,基本的なコンセプトとアプローチの方法が不明瞭なように思う。 機能性粒子とは,ある環境に置かれたとき,目的の特性を発現する粒子である。例えば,設定した電場内で目的のとおりに挙動するように帯電設計をした粉体トナー粒子,あるいは体液に浸されて目的の位置で溶解する医薬品粒子などがこれに該当する。また,機能性材料とは入力エネルギーを異なる出力エネルギーに変化するエネルギー変換材料である。したがって,これらの機能性粒子や材料の設計は,通常の人工物や化学装置の設計と同様に,まずこれら機能の発現機構に対する数理モデルが明らかにされ,それにもとづいて所望の機能を発現する材料構造が定量的に設計されなければならない。これが,粉体工学が永い間にわたって培った工学センスを生かす独特の粉体材料・粒子設計法の一つであろう。次代の粉体工学は新しい粉体材料や粒子の開発を包含し,「機能粒子と粉体材料の設計からその生産に関する工学」としてその完結性を高め,粉体技術の進展の基盤とならなければならない。
粉体工学においてケミストが担当していることは何ですか。
ケミストが担当していることは新しい材料や機能物質の創出です。
JCRRAG_002098
物理
背景と研究目的: カーボンナノチューブ(以下CNT)は1次元構造による高い導電性を持ち、次世代の導電材料として期待されている。当社では、将来、資源の枯渇の可能性があり、価格の乱高下による原料の供給不安定の心配が続く銅に変わる次世代の電線材料として、CNTを用いた電線の製品化を目指して研究開発を進めている。しかし、現在のCNT成長方法においては、1本の長さが最大でも1センチ程度であり、通常の大量生産方式では数十μm程度である。長尺線材としては、短いCNT繊維を紡いだ例があるが、繊維間の接触抵抗により紡糸線全体の電気特性が支配され、CNT本来の電気特性を実現できていない。一般的にCNTを成長させる手法としては、FeやNiなど、触媒となる金属のナノ粒子に炭化水素ガスを高温で作用させて、飽和した固溶炭素が粒子表面から析出するものであり、直線性が悪く、空間制御性が非常に悪かった。当社においては、CNT繊維1本を連続的・長尺成長方法を研究する中で、純鉄箔を酸化した後に高温の炭化水素ガス中で浸炭を行うと、表面に発生した亀裂の間に、あたかも納豆が糸を引くようにカーボンナノ繊維が引き出されることを見いだした。[1]本現象を応用すると、炭素を過剰に固溶したバルクの金属体から引き出されるため、引っ張り方向に整列し、位置制御が容易となり、電子デバイスや導電体、構造材料としての産業利用が可能となる。連続成長した長尺のCNTを使用することで、その繊維の1本の長さが長くなるほど、繊維同士の接触点が少なくなり電線全体での接触抵抗が繊維長さに反比例して低減され、空間制御性良く成長させることで安定して撚り合わせることもできるため、銅と同等以上の高い導電性を持ったCNT単繊維本来の特性を持つ電線を実現できる。また、位置制御の容易さを利用して電子デバイスへの応用も進むと考えられる。さらに、長尺繊維化することで、鋼鉄線を凌駕する、CNT単繊維の引っ張り強度を持つ構造材料としての産業利用が可能となる。炭素原料の供給を続けることで、連続的に長尺のCNTを量産できる可能性がある。本現象については、高純度鉄由来の酸化鉄から高温炭化水素ガスで浸炭した場合にのみ観察されるが、その成長メカニズムはまだ明らかとなっていない。実験室では高温・アセチレン雰囲気での反射X線回折法での分析を実施したが、高温処理での反射X線回折では処理中のFeの変形が大きく現象の解明に至っていない。また、この測定系では角度スキャンが必要であり1回の測定に20分から40分かかるため、今回のような早い反応における結晶系のその場・連続観察は大変困難であった。上記背景のもと、酸化、浸炭、冷却過程での鉄および炭素の結晶構造変化を解析し、CNT成長の機構を明らかにするためには、工程中の雰囲気制御を行いながら石英ガラス容器内に置いたサンプルを観察し、さらに工程中のサンプルの大きな変形にも対応するため、高輝度の放射光を用いた「透過測定」が不可欠である。 実験: 実験試料には厚さ50μmの超高純度(5N)の鉄箔を用いた。炭化水素ガスは、He希釈2%C2H2ガスを用いた。鉄箔試料は、ϕ7mmのX線透過孔を有するカーボン治具に保持し、雰囲気制御可能なように、石英チャンバ内に設置した試料に温度測定用の熱電対を接触させ、イメージ加熱装置の制御を行った。加熱は、イメージ加熱とし、石英ロッドにより赤外線導入を行った。サンプルを封入した石英ガラスチャンバはHuber社の多軸回折装置に固定した。BL19B2においてX線のエネルギーは30keV入射光サイズ横3mm縦0.3mm、カメラ長は335.03mm(標準試料CeO2の回折パターンを用いて校正)、試料後方に設置した2次元検出器PILATUS-300Kにて回折像を取得した。取得した2次元回折像は円環平均操作で1次元化した。
CNT成長の機構を明らかにするためには、何と言う測定が不可欠ですか。
CNT成長の機構を明らかにするためには、「透過測定」が不可欠です。
JCRRAG_002099
物理
顆粒体の加圧成形プロセスにおける粉体構造の変化過程を模式的に示す。セラミックスの製造において解決すべき基本的な課題として、強度の信頼性改善やニアネットシェイププロセスの確立などが挙げられる。これらの問題解決のアプローチを粉体工学的に考えた場合、成形体段階での粉体構造制御が極めて重要になる。成形体中に微量含まれる粗大気孔や粗大粒子といった不均質構造は、焼結過程を経て破壊源になるため、成形体段階で除去する必要がある。一方、焼結体の割れや変形などに影響する因子としては、成形体中の密度分布に加えて粒子の配向性なども考慮する必要がある。これらの構造制御は、ニアネットシェイプ実現の観点からも重要である。 以上の成形体構造制御を行うためには、その評価技術の開発が必要であり、これまで浸液透光法やX線トモグラフィーなど先進的な方法が開発されている。したがって、これらの方法により観察された構造と、顆粒体、スラリー、原料粉体特性との関係を明確化することにより、焼結体の信頼性向上などを実現する液中微粒子分散特性の制御が可能になる。 ここで、筆者は、スラリー中の微粒子分散状態を変えた場合と、スラリー中の微量粗大凝集粒子サイズを変えた場合の二つを具体例として取り上げ、液中粒子分散状態が焼結体特性に及ぼす影響について考えてみる。
セラミックスの製造において解決すべき基本的な課題は何ですか。
セラミックスの製造において解決すべき基本的な課題は、強度の信頼性改善やニアネットシェイププロセスの確立などです。
JCRRAG_002100
物理
せん断流中での微粒子の凝集挙動,さらには凝集体自体の力学的特性を理解することは,微粒子製造プロセスや研磨スラリーを用いた研磨プロセス等における最終製品の特性の把握・制御において極めて重要である。例えば,半導体デバイス製造プロセスのキーテクノロジーである化学的機械研磨(CMP)プロセスにおいては,被研磨面のスクラッチといった欠陥の発生が問題視されているが,その発生要因の一つとしてスラリー中の微粒子凝集体の存在が考えられている。従って,研磨粒子のせん断場での凝集状態や圧縮,ずり応力に対する凝集体の変形・分裂挙動といった微粒子凝集体の力学的特性を明らかにすることは,CMPプロセスの高効率化において極めて重要と考えられる。従来より,微粒子凝集体のサイズや構造に及ぼすせん断場の影響に関しては,多くの実験あるいは数値シミュレーションによる検討が行われてきているが,せん断場で形成された凝集体自体の力学的特性に関する研究はほとんど行われていないのが現状である(著者の知る限りでは,Z.Zhang et al., Part. Part. Syst. Charact., 16, 278 (1999) くらいである)。
化学的機械研磨(CMP)プロセスにおいて、被研磨面のスクラッチといった欠陥の発生要因の一つとして、何が考えられていますか。
スラリー中の微粒子凝集体の存在が考えられています。