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JCRRAG_000601
化学
セラミックスの湿式成形ではスラリーの乾燥過程における割れや変形が問題であった.これらの根本的解決のためには,乾燥中にスラリー内部で生じる現象の理解に基づく制御が不可欠である.そこで私は,不透明な物体の内部構造をリアルタイム観察可能なOCTを用いたその観察に基づいて,スラリーの乾燥挙動を解明することを目的として研究を行ってきた.その結果,乾燥過程におけるスラリーの不均質な流動や局所的な乾燥の進行が,割れや変形の原因であることを明らかにした. 今後は,分散剤等の添加量を制御したスラリーを用いて同様の観察を行い,粒子間相互作用力が乾燥中の内部構造変化に及ぼす影響を明らかにする.また,環境制御型ナノインデンターにより,割れや変形に大きな影響を及ぼす乾燥中のスラリーの力学特性をOCT観察と同一視野で評価することで,局所的な力学特性と内部構造の関係を解明する. 本研究で用いるスラリー調製のために,まず,イオン交換水にシリカ粉体(KE-S-30,株式会社日本触媒)を 45vol% になるように投入した.
どのような過程におけるスラリーの不均質な流動や局所的な乾燥の進行が、割れや変形の原因となっていますか。
乾燥過程におけるスラリーの不均質な流動や局所的な乾燥の進行が、割れや変形の原因となっています。
JCRRAG_000602
化学
燃焼は,発電や廃棄物処理などに用いられる重要なプロセスである.石炭やバイオマスなどの固体燃料には灰分が含まれ,これは燃焼プロセスで灰粒子となる.灰粒子は,燃料プラント内部のような高温条件(500~1000°C)で高い付着性を示すことがある(Lachman et al.,2021; Kleinhans et al., 2018).その結果,灰粒子がプラント内部の伝熱管などに付着する.付着層の形成は伝熱を阻害し,エネルギー変換効率の低下を招く.また,付着面から伝熱管の腐食を起こすこともある.さらに,流動層燃焼炉では,流動媒体に灰が付着し大きな塊を形成することで,流動不良や配管の閉塞を引き起こす可能性がある.このように,高温雰囲気下における灰付着は,燃焼プロセスの運転に悪影響を与える.プラントの安定かつ高効率運転のためには,灰付着を抑制する技術の確立が求められる. 灰付着の主たる原因は,高温条件における灰粒子の溶融である.灰粒子の一部が溶融して高い接着性を示す.特に,灰中のナトリウムやカリウム,リンが,融点の低い化合物を形成するため,これらが付着の原因成分と考えられている(Tang et al., 2022).特に,ナトリウムやカリウムに代表されるアルカリ金属は石炭灰に含まれることから,石炭灰の高温付着現象を考察する上では避けては通れない成分である.近年では資源量の観点から,石炭の中でも低品位な石炭の活用に注目が集まっている.低品位炭の場合,アルカリ金属を多く含むことがあり,灰の付着が深刻化することがある.さらに,持続可能な社会の実現に向け,バイオマス燃料の活用が注目されているが,やはり灰の付着が問題となっている.バイオマス燃焼灰は,石炭灰よりも多くのアルカリ金属を含むことがある.以上のような背景から,特にアルカリ金属が原因となる灰付着現象は注目のトピックスであり,付着を抑制する手法の確立は社会的ニーズがある. 付着抑制のための手法として,薬剤の利用がある.外部から薬剤を加えて灰の組成を調整すること,または灰中の成分(特に低融点成分)と薬剤の間で反応を引き起こすことで,灰の溶融を抑制することが狙いである.すでにいくつかの薬剤が報告されている(Liu et al., 2022;Fuller et al., 2019).一方で,灰の組成は多様であり,組成に応じて適切な薬剤を選択しないと,付着抑制を十分に行えなくなることや,かえって付着を深刻化させてしまうことが起こりうる.そのため,組成制御以外の手法も取り入れた付着抑制技術の確立が求められる. 筆者は過去に,石炭灰や下水汚泥燃焼灰の高温付着性を評価し,その付着抑制のための薬剤の探索に取り組んだ.その中で,アルミナナノ粒子(粒子径10nm)が特に優れた付着抑制効果を示すことを見出した(Horiguchi et al., 2018;2022).アルミニウム成分は,アルカリ金属を含む低融点成分と反応し,高融点の化合物へと変化させる.その結果,アルカリ金属由来の高温付着性を効果的に抑制できる.加えて,用いたアルミナナノ粒子は充填性が悪く,ナノ粒子添加することで灰粉体層の充填性を低下させることができる.結果として,灰粉体層の強度が低下し,付着を抑制できる.すなわち,アルミナナノ粒子の付着抑制効果は,組成制御と充填性低下の二つで説明でき,特に後者は組成に依存しないため,組成が変化し組成制御効果が弱まることが予想される状況でも,付着抑制効果を発揮できる.ただし,ナノ粒子は高価かつハンドリングが難しいため,アルミナナノ粒子と同様の効果を示す添加剤の開発が求められる. 本研究では,組成制御と充填性低下の二つの効果を兼ね備えた薬剤の開発を目標とした.薬剤成分として,アルカリ金属由来の付着を抑制できるアルミニウム成分に着目した.充填性低下については,昇温過程で薬剤から揮発分が生じれば粉体層内部に空隙を形成でき,灰粒子の充填性が低下すると予測した.このような仮説に基づき,アルミニウム系薬剤の開発を行った. 灰サンプルとして,組成は単純だが燃焼灰の高温付着性を模擬したモデル化合物を用いた(Horiguchi et al., 2020; 2021).
発電や廃棄物処理などに用いられる重要なプロセスは何ですか。
発電や廃棄物処理などに用いられる重要なプロセスは燃焼です。
JCRRAG_000603
化学
燃焼は,発電や廃棄物処理などに用いられる重要なプロセスである.石炭やバイオマスなどの固体燃料には灰分が含まれ,これは燃焼プロセスで灰粒子となる.灰粒子は,燃料プラント内部のような高温条件(500~1000°C)で高い付着性を示すことがある(Lachman et al.,2021; Kleinhans et al., 2018).その結果,灰粒子がプラント内部の伝熱管などに付着する.付着層の形成は伝熱を阻害し,エネルギー変換効率の低下を招く.また,付着面から伝熱管の腐食を起こすこともある.さらに,流動層燃焼炉では,流動媒体に灰が付着し大きな塊を形成することで,流動不良や配管の閉塞を引き起こす可能性がある.このように,高温雰囲気下における灰付着は,燃焼プロセスの運転に悪影響を与える.プラントの安定かつ高効率運転のためには,灰付着を抑制する技術の確立が求められる. 灰付着の主たる原因は,高温条件における灰粒子の溶融である.灰粒子の一部が溶融して高い接着性を示す.特に,灰中のナトリウムやカリウム,リンが,融点の低い化合物を形成するため,これらが付着の原因成分と考えられている(Tang et al., 2022).特に,ナトリウムやカリウムに代表されるアルカリ金属は石炭灰に含まれることから,石炭灰の高温付着現象を考察する上では避けては通れない成分である.近年では資源量の観点から,石炭の中でも低品位な石炭の活用に注目が集まっている.低品位炭の場合,アルカリ金属を多く含むことがあり,灰の付着が深刻化することがある.さらに,持続可能な社会の実現に向け,バイオマス燃料の活用が注目されているが,やはり灰の付着が問題となっている.バイオマス燃焼灰は,石炭灰よりも多くのアルカリ金属を含むことがある.以上のような背景から,特にアルカリ金属が原因となる灰付着現象は注目のトピックスであり,付着を抑制する手法の確立は社会的ニーズがある. 付着抑制のための手法として,薬剤の利用がある.外部から薬剤を加えて灰の組成を調整すること,または灰中の成分(特に低融点成分)と薬剤の間で反応を引き起こすことで,灰の溶融を抑制することが狙いである.すでにいくつかの薬剤が報告されている(Liu et al., 2022;Fuller et al., 2019).一方で,灰の組成は多様であり,組成に応じて適切な薬剤を選択しないと,付着抑制を十分に行えなくなることや,かえって付着を深刻化させてしまうことが起こりうる.そのため,組成制御以外の手法も取り入れた付着抑制技術の確立が求められる. 筆者は過去に,石炭灰や下水汚泥燃焼灰の高温付着性を評価し,その付着抑制のための薬剤の探索に取り組んだ.その中で,アルミナナノ粒子(粒子径10nm)が特に優れた付着抑制効果を示すことを見出した(Horiguchi et al., 2018;2022).アルミニウム成分は,アルカリ金属を含む低融点成分と反応し,高融点の化合物へと変化させる.その結果,アルカリ金属由来の高温付着性を効果的に抑制できる.加えて,用いたアルミナナノ粒子は充填性が悪く,ナノ粒子添加することで灰粉体層の充填性を低下させることができる.結果として,灰粉体層の強度が低下し,付着を抑制できる.すなわち,アルミナナノ粒子の付着抑制効果は,組成制御と充填性低下の二つで説明でき,特に後者は組成に依存しないため,組成が変化し組成制御効果が弱まることが予想される状況でも,付着抑制効果を発揮できる.ただし,ナノ粒子は高価かつハンドリングが難しいため,アルミナナノ粒子と同様の効果を示す添加剤の開発が求められる. 本研究では,組成制御と充填性低下の二つの効果を兼ね備えた薬剤の開発を目標とした.薬剤成分として,アルカリ金属由来の付着を抑制できるアルミニウム成分に着目した.充填性低下については,昇温過程で薬剤から揮発分が生じれば粉体層内部に空隙を形成でき,灰粒子の充填性が低下すると予測した.このような仮説に基づき,アルミニウム系薬剤の開発を行った. 灰サンプルとして,組成は単純だが燃焼灰の高温付着性を模擬したモデル化合物を用いた(Horiguchi et al., 2020; 2021).
プラントの安定かつ高効率運転のためには、灰付着をどうする技術の確立が求められますか。
プラントの安定かつ高効率運転のためには、灰付着を抑制する技術の確立が求められます。
JCRRAG_000604
化学
燃焼は,発電や廃棄物処理などに用いられる重要なプロセスである.石炭やバイオマスなどの固体燃料には灰分が含まれ,これは燃焼プロセスで灰粒子となる.灰粒子は,燃料プラント内部のような高温条件(500~1000°C)で高い付着性を示すことがある(Lachman et al.,2021; Kleinhans et al., 2018).その結果,灰粒子がプラント内部の伝熱管などに付着する.付着層の形成は伝熱を阻害し,エネルギー変換効率の低下を招く.また,付着面から伝熱管の腐食を起こすこともある.さらに,流動層燃焼炉では,流動媒体に灰が付着し大きな塊を形成することで,流動不良や配管の閉塞を引き起こす可能性がある.このように,高温雰囲気下における灰付着は,燃焼プロセスの運転に悪影響を与える.プラントの安定かつ高効率運転のためには,灰付着を抑制する技術の確立が求められる. 灰付着の主たる原因は,高温条件における灰粒子の溶融である.灰粒子の一部が溶融して高い接着性を示す.特に,灰中のナトリウムやカリウム,リンが,融点の低い化合物を形成するため,これらが付着の原因成分と考えられている(Tang et al., 2022).特に,ナトリウムやカリウムに代表されるアルカリ金属は石炭灰に含まれることから,石炭灰の高温付着現象を考察する上では避けては通れない成分である.近年では資源量の観点から,石炭の中でも低品位な石炭の活用に注目が集まっている.低品位炭の場合,アルカリ金属を多く含むことがあり,灰の付着が深刻化することがある.さらに,持続可能な社会の実現に向け,バイオマス燃料の活用が注目されているが,やはり灰の付着が問題となっている.バイオマス燃焼灰は,石炭灰よりも多くのアルカリ金属を含むことがある.以上のような背景から,特にアルカリ金属が原因となる灰付着現象は注目のトピックスであり,付着を抑制する手法の確立は社会的ニーズがある. 付着抑制のための手法として,薬剤の利用がある.外部から薬剤を加えて灰の組成を調整すること,または灰中の成分(特に低融点成分)と薬剤の間で反応を引き起こすことで,灰の溶融を抑制することが狙いである.すでにいくつかの薬剤が報告されている(Liu et al., 2022;Fuller et al., 2019).一方で,灰の組成は多様であり,組成に応じて適切な薬剤を選択しないと,付着抑制を十分に行えなくなることや,かえって付着を深刻化させてしまうことが起こりうる.そのため,組成制御以外の手法も取り入れた付着抑制技術の確立が求められる. 筆者は過去に,石炭灰や下水汚泥燃焼灰の高温付着性を評価し,その付着抑制のための薬剤の探索に取り組んだ.その中で,アルミナナノ粒子(粒子径10nm)が特に優れた付着抑制効果を示すことを見出した(Horiguchi et al., 2018;2022).アルミニウム成分は,アルカリ金属を含む低融点成分と反応し,高融点の化合物へと変化させる.その結果,アルカリ金属由来の高温付着性を効果的に抑制できる.加えて,用いたアルミナナノ粒子は充填性が悪く,ナノ粒子添加することで灰粉体層の充填性を低下させることができる.結果として,灰粉体層の強度が低下し,付着を抑制できる.すなわち,アルミナナノ粒子の付着抑制効果は,組成制御と充填性低下の二つで説明でき,特に後者は組成に依存しないため,組成が変化し組成制御効果が弱まることが予想される状況でも,付着抑制効果を発揮できる.ただし,ナノ粒子は高価かつハンドリングが難しいため,アルミナナノ粒子と同様の効果を示す添加剤の開発が求められる. 本研究では,組成制御と充填性低下の二つの効果を兼ね備えた薬剤の開発を目標とした.薬剤成分として,アルカリ金属由来の付着を抑制できるアルミニウム成分に着目した.充填性低下については,昇温過程で薬剤から揮発分が生じれば粉体層内部に空隙を形成でき,灰粒子の充填性が低下すると予測した.このような仮説に基づき,アルミニウム系薬剤の開発を行った. 灰サンプルとして,組成は単純だが燃焼灰の高温付着性を模擬したモデル化合物を用いた(Horiguchi et al., 2020; 2021).
灰付着の主たる原因は、どのような条件における灰粒子の溶融ですか。
灰付着の主たる原因は、高温条件における灰粒子の溶融です。
JCRRAG_000605
化学
燃焼は,発電や廃棄物処理などに用いられる重要なプロセスである.石炭やバイオマスなどの固体燃料には灰分が含まれ,これは燃焼プロセスで灰粒子となる.灰粒子は,燃料プラント内部のような高温条件(500~1000°C)で高い付着性を示すことがある(Lachman et al.,2021; Kleinhans et al., 2018).その結果,灰粒子がプラント内部の伝熱管などに付着する.付着層の形成は伝熱を阻害し,エネルギー変換効率の低下を招く.また,付着面から伝熱管の腐食を起こすこともある.さらに,流動層燃焼炉では,流動媒体に灰が付着し大きな塊を形成することで,流動不良や配管の閉塞を引き起こす可能性がある.このように,高温雰囲気下における灰付着は,燃焼プロセスの運転に悪影響を与える.プラントの安定かつ高効率運転のためには,灰付着を抑制する技術の確立が求められる. 灰付着の主たる原因は,高温条件における灰粒子の溶融である.灰粒子の一部が溶融して高い接着性を示す.特に,灰中のナトリウムやカリウム,リンが,融点の低い化合物を形成するため,これらが付着の原因成分と考えられている(Tang et al., 2022).特に,ナトリウムやカリウムに代表されるアルカリ金属は石炭灰に含まれることから,石炭灰の高温付着現象を考察する上では避けては通れない成分である.近年では資源量の観点から,石炭の中でも低品位な石炭の活用に注目が集まっている.低品位炭の場合,アルカリ金属を多く含むことがあり,灰の付着が深刻化することがある.さらに,持続可能な社会の実現に向け,バイオマス燃料の活用が注目されているが,やはり灰の付着が問題となっている.バイオマス燃焼灰は,石炭灰よりも多くのアルカリ金属を含むことがある.以上のような背景から,特にアルカリ金属が原因となる灰付着現象は注目のトピックスであり,付着を抑制する手法の確立は社会的ニーズがある. 付着抑制のための手法として,薬剤の利用がある.外部から薬剤を加えて灰の組成を調整すること,または灰中の成分(特に低融点成分)と薬剤の間で反応を引き起こすことで,灰の溶融を抑制することが狙いである.すでにいくつかの薬剤が報告されている(Liu et al., 2022;Fuller et al., 2019).一方で,灰の組成は多様であり,組成に応じて適切な薬剤を選択しないと,付着抑制を十分に行えなくなることや,かえって付着を深刻化させてしまうことが起こりうる.そのため,組成制御以外の手法も取り入れた付着抑制技術の確立が求められる. 筆者は過去に,石炭灰や下水汚泥燃焼灰の高温付着性を評価し,その付着抑制のための薬剤の探索に取り組んだ.その中で,アルミナナノ粒子(粒子径10nm)が特に優れた付着抑制効果を示すことを見出した(Horiguchi et al., 2018;2022).アルミニウム成分は,アルカリ金属を含む低融点成分と反応し,高融点の化合物へと変化させる.その結果,アルカリ金属由来の高温付着性を効果的に抑制できる.加えて,用いたアルミナナノ粒子は充填性が悪く,ナノ粒子添加することで灰粉体層の充填性を低下させることができる.結果として,灰粉体層の強度が低下し,付着を抑制できる.すなわち,アルミナナノ粒子の付着抑制効果は,組成制御と充填性低下の二つで説明でき,特に後者は組成に依存しないため,組成が変化し組成制御効果が弱まることが予想される状況でも,付着抑制効果を発揮できる.ただし,ナノ粒子は高価かつハンドリングが難しいため,アルミナナノ粒子と同様の効果を示す添加剤の開発が求められる. 本研究では,組成制御と充填性低下の二つの効果を兼ね備えた薬剤の開発を目標とした.薬剤成分として,アルカリ金属由来の付着を抑制できるアルミニウム成分に着目した.充填性低下については,昇温過程で薬剤から揮発分が生じれば粉体層内部に空隙を形成でき,灰粒子の充填性が低下すると予測した.このような仮説に基づき,アルミニウム系薬剤の開発を行った. 灰サンプルとして,組成は単純だが燃焼灰の高温付着性を模擬したモデル化合物を用いた(Horiguchi et al., 2020; 2021).
アルミニウム成分は、何を含む低融点成分と反応しますか。
アルミニウム成分は、アルカリ金属を含む低融点成分と反応します。
JCRRAG_000606
化学
燃焼は,発電や廃棄物処理などに用いられる重要なプロセスである.石炭やバイオマスなどの固体燃料には灰分が含まれ,これは燃焼プロセスで灰粒子となる.灰粒子は,燃料プラント内部のような高温条件(500~1000°C)で高い付着性を示すことがある(Lachman et al.,2021; Kleinhans et al., 2018).その結果,灰粒子がプラント内部の伝熱管などに付着する.付着層の形成は伝熱を阻害し,エネルギー変換効率の低下を招く.また,付着面から伝熱管の腐食を起こすこともある.さらに,流動層燃焼炉では,流動媒体に灰が付着し大きな塊を形成することで,流動不良や配管の閉塞を引き起こす可能性がある.このように,高温雰囲気下における灰付着は,燃焼プロセスの運転に悪影響を与える.プラントの安定かつ高効率運転のためには,灰付着を抑制する技術の確立が求められる. 灰付着の主たる原因は,高温条件における灰粒子の溶融である.灰粒子の一部が溶融して高い接着性を示す.特に,灰中のナトリウムやカリウム,リンが,融点の低い化合物を形成するため,これらが付着の原因成分と考えられている(Tang et al., 2022).特に,ナトリウムやカリウムに代表されるアルカリ金属は石炭灰に含まれることから,石炭灰の高温付着現象を考察する上では避けては通れない成分である.近年では資源量の観点から,石炭の中でも低品位な石炭の活用に注目が集まっている.低品位炭の場合,アルカリ金属を多く含むことがあり,灰の付着が深刻化することがある.さらに,持続可能な社会の実現に向け,バイオマス燃料の活用が注目されているが,やはり灰の付着が問題となっている.バイオマス燃焼灰は,石炭灰よりも多くのアルカリ金属を含むことがある.以上のような背景から,特にアルカリ金属が原因となる灰付着現象は注目のトピックスであり,付着を抑制する手法の確立は社会的ニーズがある. 付着抑制のための手法として,薬剤の利用がある.外部から薬剤を加えて灰の組成を調整すること,または灰中の成分(特に低融点成分)と薬剤の間で反応を引き起こすことで,灰の溶融を抑制することが狙いである.すでにいくつかの薬剤が報告されている(Liu et al., 2022;Fuller et al., 2019).一方で,灰の組成は多様であり,組成に応じて適切な薬剤を選択しないと,付着抑制を十分に行えなくなることや,かえって付着を深刻化させてしまうことが起こりうる.そのため,組成制御以外の手法も取り入れた付着抑制技術の確立が求められる. 筆者は過去に,石炭灰や下水汚泥燃焼灰の高温付着性を評価し,その付着抑制のための薬剤の探索に取り組んだ.その中で,アルミナナノ粒子(粒子径10nm)が特に優れた付着抑制効果を示すことを見出した(Horiguchi et al., 2018;2022).アルミニウム成分は,アルカリ金属を含む低融点成分と反応し,高融点の化合物へと変化させる.その結果,アルカリ金属由来の高温付着性を効果的に抑制できる.加えて,用いたアルミナナノ粒子は充填性が悪く,ナノ粒子添加することで灰粉体層の充填性を低下させることができる.結果として,灰粉体層の強度が低下し,付着を抑制できる.すなわち,アルミナナノ粒子の付着抑制効果は,組成制御と充填性低下の二つで説明でき,特に後者は組成に依存しないため,組成が変化し組成制御効果が弱まることが予想される状況でも,付着抑制効果を発揮できる.ただし,ナノ粒子は高価かつハンドリングが難しいため,アルミナナノ粒子と同様の効果を示す添加剤の開発が求められる. 本研究では,組成制御と充填性低下の二つの効果を兼ね備えた薬剤の開発を目標とした.薬剤成分として,アルカリ金属由来の付着を抑制できるアルミニウム成分に着目した.充填性低下については,昇温過程で薬剤から揮発分が生じれば粉体層内部に空隙を形成でき,灰粒子の充填性が低下すると予測した.このような仮説に基づき,アルミニウム系薬剤の開発を行った. 灰サンプルとして,組成は単純だが燃焼灰の高温付着性を模擬したモデル化合物を用いた(Horiguchi et al., 2020; 2021).
ナノ粒子は何が難しいですか。
ナノ粒子は高価かつハンドリングが難しいです。
JCRRAG_000607
化学
メカノケミカル法は,機械的エネルギーを利用し化学反応を誘発させる手法である.一般に,それらの反応は,粉砕に伴う高活性な新生面の利用,過度な機械的エネルギーの投入により発生する高温の利用,により行われる.一方で,粉砕や昇温が無くとも“表面”の反応に限れば各種反応が進行することが明らかとなっており,このような機械的な処理を“表面摩砕”と呼ぶ.表面摩砕では,例えばボールミルの場合,粉体–ボール,粉体–壁面,粉体–粉体の摩擦により発生する比較的弱い機械的エネルギーにより,表面にエネルギーが加えられることで不安定な表面近傍の結合破断や結晶の歪形成が主因子となり,各種反応が進行する.表面摩砕を利用した技術の一例として無焼成セラミック製造がある(Nakashima, 2018; Razavi-Khosroshahi(Sena), 2020a, b).無焼成セラミック法は,粉体を表面摩砕し,その後に化学的処理を施すことで,焼成工程を経ずとも高密度なセラミックを製造可能とする手法である.この際,表面摩砕時には粉体表面の結合が破断されることにより発生するラジカルと表面に吸着している水や大気中の水分とが反応し水酸基量が増大すると共に,粉体表面数層にわたる結晶が歪む.そのため,1 水酸基量の増大により,化学的に溶けやすい(反応しやすい)表面が提供されること,2 表面が反応した際に,表面数層にわたる結晶が歪んだ構造も合わせて反応されること,により化学的処理時に表層がオリゴマーとして溶出する.結果として,溶出成分が粒子間に強固な固体架橋を形成し,無焼成で高密度なセラミックが得られる.本研究では,この表面摩砕を最大限活用し,粉体表面へのポリマー層の構築を検討した. 粉末の表面改質は,有機溶媒中への粉末の分散性向上や粉末のハンドリング性の向上に繋がる.そのため,粉体をフィラーとして使用する様な材料において,粉体の均一・高分散性に寄与し,その特性向上を可能とする.粉体へのポリマーコーティングや改質基の導入は,一般に,湿式での粉体処理によって行われている.例えば,ポリマーコーティングは粉体表面への改質基の導入とその改質基上でのポリマー成長の二段階の改質機構により行われる(Takai et al.,2007).二段階改質は均質なポリマーを選択的にコーティングすることが可能なため,非常に有用な手法であるが,操作が煩雑であるとともに製造コストが高いことが課題である.一方で,簡便な操作である機械的エネルギーによるポリマーコーティング法も報告されている.機械的手法は,ポリマーと粉末を混合しポリマーを粉体表面に圧着する手法,モノマーを機械的エネルギーで重合させ粉体表面でポリマーを形成する手法の二つの手法に大別される.これらの手法においては,粉体が粉砕されるときに生成される高活性の新生面を利用して,ポリマーの吸着とモノマーの反応を促進している.したがって,製造コストの観点からはプロセスが単純な機械的処理法は非常に優位であるが,粉砕によって粒子の特性が変化する可能性があるため材料が制限される.機械的処理法において,粉砕,すなわち新生面を利用するのは,新生面で多くのラジカルが生成し,効率的・特異的な反応が可能であるためである.以上より,本研究では前述した粉砕を伴わない表面摩砕により発生する高活性場を粉末の表面改質やポリマーコーティングへの適用検討を行った.本技術はプロセスコストの増大や環境高負荷に繋がる湿式処理ではなく,乾式での処理であるため工業利用に有望な手法であると想定される.
機械的エネルギーを利用し化学反応を誘発させる手法は何ですか。
機械的エネルギーを利用し化学反応を誘発させる手法はメカノケミカル法です。
JCRRAG_000608
化学
メカノケミカル法は,機械的エネルギーを利用し化学反応を誘発させる手法である.一般に,それらの反応は,粉砕に伴う高活性な新生面の利用,過度な機械的エネルギーの投入により発生する高温の利用,により行われる.一方で,粉砕や昇温が無くとも“表面”の反応に限れば各種反応が進行することが明らかとなっており,このような機械的な処理を“表面摩砕”と呼ぶ.表面摩砕では,例えばボールミルの場合,粉体–ボール,粉体–壁面,粉体–粉体の摩擦により発生する比較的弱い機械的エネルギーにより,表面にエネルギーが加えられることで不安定な表面近傍の結合破断や結晶の歪形成が主因子となり,各種反応が進行する.表面摩砕を利用した技術の一例として無焼成セラミック製造がある(Nakashima, 2018; Razavi-Khosroshahi(Sena), 2020a, b).無焼成セラミック法は,粉体を表面摩砕し,その後に化学的処理を施すことで,焼成工程を経ずとも高密度なセラミックを製造可能とする手法である.この際,表面摩砕時には粉体表面の結合が破断されることにより発生するラジカルと表面に吸着している水や大気中の水分とが反応し水酸基量が増大すると共に,粉体表面数層にわたる結晶が歪む.そのため,1 水酸基量の増大により,化学的に溶けやすい(反応しやすい)表面が提供されること,2 表面が反応した際に,表面数層にわたる結晶が歪んだ構造も合わせて反応されること,により化学的処理時に表層がオリゴマーとして溶出する.結果として,溶出成分が粒子間に強固な固体架橋を形成し,無焼成で高密度なセラミックが得られる.本研究では,この表面摩砕を最大限活用し,粉体表面へのポリマー層の構築を検討した. 粉末の表面改質は,有機溶媒中への粉末の分散性向上や粉末のハンドリング性の向上に繋がる.そのため,粉体をフィラーとして使用する様な材料において,粉体の均一・高分散性に寄与し,その特性向上を可能とする.粉体へのポリマーコーティングや改質基の導入は,一般に,湿式での粉体処理によって行われている.例えば,ポリマーコーティングは粉体表面への改質基の導入とその改質基上でのポリマー成長の二段階の改質機構により行われる(Takai et al.,2007).二段階改質は均質なポリマーを選択的にコーティングすることが可能なため,非常に有用な手法であるが,操作が煩雑であるとともに製造コストが高いことが課題である.一方で,簡便な操作である機械的エネルギーによるポリマーコーティング法も報告されている.機械的手法は,ポリマーと粉末を混合しポリマーを粉体表面に圧着する手法,モノマーを機械的エネルギーで重合させ粉体表面でポリマーを形成する手法の二つの手法に大別される.これらの手法においては,粉体が粉砕されるときに生成される高活性の新生面を利用して,ポリマーの吸着とモノマーの反応を促進している.したがって,製造コストの観点からはプロセスが単純な機械的処理法は非常に優位であるが,粉砕によって粒子の特性が変化する可能性があるため材料が制限される.機械的処理法において,粉砕,すなわち新生面を利用するのは,新生面で多くのラジカルが生成し,効率的・特異的な反応が可能であるためである.以上より,本研究では前述した粉砕を伴わない表面摩砕により発生する高活性場を粉末の表面改質やポリマーコーティングへの適用検討を行った.本技術はプロセスコストの増大や環境高負荷に繋がる湿式処理ではなく,乾式での処理であるため工業利用に有望な手法であると想定される.
無焼成セラミック製造は、何を利用した技術の一例ですか。
無焼成セラミック製造は、表面摩砕を利用した技術の一例です。
JCRRAG_000609
化学
メカノケミカル法は,機械的エネルギーを利用し化学反応を誘発させる手法である.一般に,それらの反応は,粉砕に伴う高活性な新生面の利用,過度な機械的エネルギーの投入により発生する高温の利用,により行われる.一方で,粉砕や昇温が無くとも“表面”の反応に限れば各種反応が進行することが明らかとなっており,このような機械的な処理を“表面摩砕”と呼ぶ.表面摩砕では,例えばボールミルの場合,粉体–ボール,粉体–壁面,粉体–粉体の摩擦により発生する比較的弱い機械的エネルギーにより,表面にエネルギーが加えられることで不安定な表面近傍の結合破断や結晶の歪形成が主因子となり,各種反応が進行する.表面摩砕を利用した技術の一例として無焼成セラミック製造がある(Nakashima, 2018; Razavi-Khosroshahi(Sena), 2020a, b).無焼成セラミック法は,粉体を表面摩砕し,その後に化学的処理を施すことで,焼成工程を経ずとも高密度なセラミックを製造可能とする手法である.この際,表面摩砕時には粉体表面の結合が破断されることにより発生するラジカルと表面に吸着している水や大気中の水分とが反応し水酸基量が増大すると共に,粉体表面数層にわたる結晶が歪む.そのため,1 水酸基量の増大により,化学的に溶けやすい(反応しやすい)表面が提供されること,2 表面が反応した際に,表面数層にわたる結晶が歪んだ構造も合わせて反応されること,により化学的処理時に表層がオリゴマーとして溶出する.結果として,溶出成分が粒子間に強固な固体架橋を形成し,無焼成で高密度なセラミックが得られる.本研究では,この表面摩砕を最大限活用し,粉体表面へのポリマー層の構築を検討した. 粉末の表面改質は,有機溶媒中への粉末の分散性向上や粉末のハンドリング性の向上に繋がる.そのため,粉体をフィラーとして使用する様な材料において,粉体の均一・高分散性に寄与し,その特性向上を可能とする.粉体へのポリマーコーティングや改質基の導入は,一般に,湿式での粉体処理によって行われている.例えば,ポリマーコーティングは粉体表面への改質基の導入とその改質基上でのポリマー成長の二段階の改質機構により行われる(Takai et al.,2007).二段階改質は均質なポリマーを選択的にコーティングすることが可能なため,非常に有用な手法であるが,操作が煩雑であるとともに製造コストが高いことが課題である.一方で,簡便な操作である機械的エネルギーによるポリマーコーティング法も報告されている.機械的手法は,ポリマーと粉末を混合しポリマーを粉体表面に圧着する手法,モノマーを機械的エネルギーで重合させ粉体表面でポリマーを形成する手法の二つの手法に大別される.これらの手法においては,粉体が粉砕されるときに生成される高活性の新生面を利用して,ポリマーの吸着とモノマーの反応を促進している.したがって,製造コストの観点からはプロセスが単純な機械的処理法は非常に優位であるが,粉砕によって粒子の特性が変化する可能性があるため材料が制限される.機械的処理法において,粉砕,すなわち新生面を利用するのは,新生面で多くのラジカルが生成し,効率的・特異的な反応が可能であるためである.以上より,本研究では前述した粉砕を伴わない表面摩砕により発生する高活性場を粉末の表面改質やポリマーコーティングへの適用検討を行った.本技術はプロセスコストの増大や環境高負荷に繋がる湿式処理ではなく,乾式での処理であるため工業利用に有望な手法であると想定される.
二段階改質においては、均質なポリマーをどのようにコーティングすることが可能ですか。
二段階改質においては、均質なポリマーを選択的にコーティングすることが可能です。
JCRRAG_000610
化学
メカノケミカル法は,機械的エネルギーを利用し化学反応を誘発させる手法である.一般に,それらの反応は,粉砕に伴う高活性な新生面の利用,過度な機械的エネルギーの投入により発生する高温の利用,により行われる.一方で,粉砕や昇温が無くとも“表面”の反応に限れば各種反応が進行することが明らかとなっており,このような機械的な処理を“表面摩砕”と呼ぶ.表面摩砕では,例えばボールミルの場合,粉体–ボール,粉体–壁面,粉体–粉体の摩擦により発生する比較的弱い機械的エネルギーにより,表面にエネルギーが加えられることで不安定な表面近傍の結合破断や結晶の歪形成が主因子となり,各種反応が進行する.表面摩砕を利用した技術の一例として無焼成セラミック製造がある(Nakashima, 2018; Razavi-Khosroshahi(Sena), 2020a, b).無焼成セラミック法は,粉体を表面摩砕し,その後に化学的処理を施すことで,焼成工程を経ずとも高密度なセラミックを製造可能とする手法である.この際,表面摩砕時には粉体表面の結合が破断されることにより発生するラジカルと表面に吸着している水や大気中の水分とが反応し水酸基量が増大すると共に,粉体表面数層にわたる結晶が歪む.そのため,1 水酸基量の増大により,化学的に溶けやすい(反応しやすい)表面が提供されること,2 表面が反応した際に,表面数層にわたる結晶が歪んだ構造も合わせて反応されること,により化学的処理時に表層がオリゴマーとして溶出する.結果として,溶出成分が粒子間に強固な固体架橋を形成し,無焼成で高密度なセラミックが得られる.本研究では,この表面摩砕を最大限活用し,粉体表面へのポリマー層の構築を検討した. 粉末の表面改質は,有機溶媒中への粉末の分散性向上や粉末のハンドリング性の向上に繋がる.そのため,粉体をフィラーとして使用する様な材料において,粉体の均一・高分散性に寄与し,その特性向上を可能とする.粉体へのポリマーコーティングや改質基の導入は,一般に,湿式での粉体処理によって行われている.例えば,ポリマーコーティングは粉体表面への改質基の導入とその改質基上でのポリマー成長の二段階の改質機構により行われる(Takai et al.,2007).二段階改質は均質なポリマーを選択的にコーティングすることが可能なため,非常に有用な手法であるが,操作が煩雑であるとともに製造コストが高いことが課題である.一方で,簡便な操作である機械的エネルギーによるポリマーコーティング法も報告されている.機械的手法は,ポリマーと粉末を混合しポリマーを粉体表面に圧着する手法,モノマーを機械的エネルギーで重合させ粉体表面でポリマーを形成する手法の二つの手法に大別される.これらの手法においては,粉体が粉砕されるときに生成される高活性の新生面を利用して,ポリマーの吸着とモノマーの反応を促進している.したがって,製造コストの観点からはプロセスが単純な機械的処理法は非常に優位であるが,粉砕によって粒子の特性が変化する可能性があるため材料が制限される.機械的処理法において,粉砕,すなわち新生面を利用するのは,新生面で多くのラジカルが生成し,効率的・特異的な反応が可能であるためである.以上より,本研究では前述した粉砕を伴わない表面摩砕により発生する高活性場を粉末の表面改質やポリマーコーティングへの適用検討を行った.本技術はプロセスコストの増大や環境高負荷に繋がる湿式処理ではなく,乾式での処理であるため工業利用に有望な手法であると想定される.
無焼成セラミック法は、粉体を表面摩砕し、その後に何を施しますか。
無焼成セラミック法は、粉体を表面摩砕し、その後に化学的処理を施します。
JCRRAG_000611
化学
メカノケミカル法は,機械的エネルギーを利用し化学反応を誘発させる手法である.一般に,それらの反応は,粉砕に伴う高活性な新生面の利用,過度な機械的エネルギーの投入により発生する高温の利用,により行われる.一方で,粉砕や昇温が無くとも“表面”の反応に限れば各種反応が進行することが明らかとなっており,このような機械的な処理を“表面摩砕”と呼ぶ.表面摩砕では,例えばボールミルの場合,粉体–ボール,粉体–壁面,粉体–粉体の摩擦により発生する比較的弱い機械的エネルギーにより,表面にエネルギーが加えられることで不安定な表面近傍の結合破断や結晶の歪形成が主因子となり,各種反応が進行する.表面摩砕を利用した技術の一例として無焼成セラミック製造がある(Nakashima, 2018; Razavi-Khosroshahi(Sena), 2020a, b).無焼成セラミック法は,粉体を表面摩砕し,その後に化学的処理を施すことで,焼成工程を経ずとも高密度なセラミックを製造可能とする手法である.この際,表面摩砕時には粉体表面の結合が破断されることにより発生するラジカルと表面に吸着している水や大気中の水分とが反応し水酸基量が増大すると共に,粉体表面数層にわたる結晶が歪む.そのため,1 水酸基量の増大により,化学的に溶けやすい(反応しやすい)表面が提供されること,2 表面が反応した際に,表面数層にわたる結晶が歪んだ構造も合わせて反応されること,により化学的処理時に表層がオリゴマーとして溶出する.結果として,溶出成分が粒子間に強固な固体架橋を形成し,無焼成で高密度なセラミックが得られる.本研究では,この表面摩砕を最大限活用し,粉体表面へのポリマー層の構築を検討した. 粉末の表面改質は,有機溶媒中への粉末の分散性向上や粉末のハンドリング性の向上に繋がる.そのため,粉体をフィラーとして使用する様な材料において,粉体の均一・高分散性に寄与し,その特性向上を可能とする.粉体へのポリマーコーティングや改質基の導入は,一般に,湿式での粉体処理によって行われている.例えば,ポリマーコーティングは粉体表面への改質基の導入とその改質基上でのポリマー成長の二段階の改質機構により行われる(Takai et al.,2007).二段階改質は均質なポリマーを選択的にコーティングすることが可能なため,非常に有用な手法であるが,操作が煩雑であるとともに製造コストが高いことが課題である.一方で,簡便な操作である機械的エネルギーによるポリマーコーティング法も報告されている.機械的手法は,ポリマーと粉末を混合しポリマーを粉体表面に圧着する手法,モノマーを機械的エネルギーで重合させ粉体表面でポリマーを形成する手法の二つの手法に大別される.これらの手法においては,粉体が粉砕されるときに生成される高活性の新生面を利用して,ポリマーの吸着とモノマーの反応を促進している.したがって,製造コストの観点からはプロセスが単純な機械的処理法は非常に優位であるが,粉砕によって粒子の特性が変化する可能性があるため材料が制限される.機械的処理法において,粉砕,すなわち新生面を利用するのは,新生面で多くのラジカルが生成し,効率的・特異的な反応が可能であるためである.以上より,本研究では前述した粉砕を伴わない表面摩砕により発生する高活性場を粉末の表面改質やポリマーコーティングへの適用検討を行った.本技術はプロセスコストの増大や環境高負荷に繋がる湿式処理ではなく,乾式での処理であるため工業利用に有望な手法であると想定される.
製造コストの観点からは、プロセスが単純な機械的処理法はどのようになっていますか。
製造コストの観点からは、プロセスが単純な機械的処理法は非常に優位になっています。
JCRRAG_000612
化学
 デバイスの軽量化や省資源などを考えると、単結晶多層膜の作製技術の確立が望まれる。近年分子メモリなどの分子デバイス、機能性材料として注目されている金属錯体は、多様な酸化還元特性やスピン状態、発光性や電気伝導性などの興味深い物性を示すが、電荷や極性を持ち熱的に不安定であることが多く、気相エピタキシー法などの利用は困難と考えられる。このため、溶液からのエピタキシャル成長法により多層膜単結を作製する方法が有効な手段として期待される。エピタキシャル成長では、膜結晶は基板結晶の表面から成長するため、膜‐基板界面での分子間相互作用により、バルクの結晶とは異なる結晶構造の生成も期待される。  最近、Cu(I)およびAg(I)をそれぞれ含む発光性多核金属錯体の組み合わせについて、溶液からのエピタキシャル成長法により、紫外線照射により赤色発光するCu(I)錯体の基板結晶の表面上に、同形の黄緑色発光するAg(I)錯体の微小結晶粒を整列させて成長させることに成功した。偏光顕微鏡観察等により、微小結晶粒は単結晶であり、基板結晶と表面結晶粒の結晶方位および表面結晶粒同士の結晶方位は一致していることが示唆された。このため、基板結晶と表面結晶の界面での構造の整合性、膜結晶の詳細な結晶構造などを明らかにするため、さらにSPring-8からの高輝度X線マイクロビームを用いてどの程度の大きさの薄膜結晶の構造解析ができるかを明らかにするため、表面結晶粒の方位測定および結晶構造解析を目的としてX線回折実験を行った。
近年分子メモリなどの分子デバイスや機能性材料として注目を集めているのは何ですか?
近年分子メモリなどの分子デバイスや機能性材料として注目を集めているのは、金属錯体です。
JCRRAG_000613
化学
 デバイスの軽量化や省資源などを考えると、単結晶多層膜の作製技術の確立が望まれる。近年分子メモリなどの分子デバイス、機能性材料として注目されている金属錯体は、多様な酸化還元特性やスピン状態、発光性や電気伝導性などの興味深い物性を示すが、電荷や極性を持ち熱的に不安定であることが多く、気相エピタキシー法などの利用は困難と考えられる。このため、溶液からのエピタキシャル成長法により多層膜単結を作製する方法が有効な手段として期待される。エピタキシャル成長では、膜結晶は基板結晶の表面から成長するため、膜‐基板界面での分子間相互作用により、バルクの結晶とは異なる結晶構造の生成も期待される。  最近、Cu(I)およびAg(I)をそれぞれ含む発光性多核金属錯体の組み合わせについて、溶液からのエピタキシャル成長法により、紫外線照射により赤色発光するCu(I)錯体の基板結晶の表面上に、同形の黄緑色発光するAg(I)錯体の微小結晶粒を整列させて成長させることに成功した。偏光顕微鏡観察等により、微小結晶粒は単結晶であり、基板結晶と表面結晶粒の結晶方位および表面結晶粒同士の結晶方位は一致していることが示唆された。このため、基板結晶と表面結晶の界面での構造の整合性、膜結晶の詳細な結晶構造などを明らかにするため、さらにSPring-8からの高輝度X線マイクロビームを用いてどの程度の大きさの薄膜結晶の構造解析ができるかを明らかにするため、表面結晶粒の方位測定および結晶構造解析を目的としてX線回折実験を行った。
エピタキシャル成長法では膜結晶はどうなりますか?
エピタキシャル成長法では膜結晶は基板結晶の表面から成長します。そのため、膜‐基板界面での分子間相互作用により、バルクの結晶とは異なる結晶構造の生成が期待できます。
JCRRAG_000614
化学
 デバイスの軽量化や省資源などを考えると、単結晶多層膜の作製技術の確立が望まれる。近年分子メモリなどの分子デバイス、機能性材料として注目されている金属錯体は、多様な酸化還元特性やスピン状態、発光性や電気伝導性などの興味深い物性を示すが、電荷や極性を持ち熱的に不安定であることが多く、気相エピタキシー法などの利用は困難と考えられる。このため、溶液からのエピタキシャル成長法により多層膜単結を作製する方法が有効な手段として期待される。エピタキシャル成長では、膜結晶は基板結晶の表面から成長するため、膜‐基板界面での分子間相互作用により、バルクの結晶とは異なる結晶構造の生成も期待される。  最近、Cu(I)およびAg(I)をそれぞれ含む発光性多核金属錯体の組み合わせについて、溶液からのエピタキシャル成長法により、紫外線照射により赤色発光するCu(I)錯体の基板結晶の表面上に、同形の黄緑色発光するAg(I)錯体の微小結晶粒を整列させて成長させることに成功した。偏光顕微鏡観察等により、微小結晶粒は単結晶であり、基板結晶と表面結晶粒の結晶方位および表面結晶粒同士の結晶方位は一致していることが示唆された。このため、基板結晶と表面結晶の界面での構造の整合性、膜結晶の詳細な結晶構造などを明らかにするため、さらにSPring-8からの高輝度X線マイクロビームを用いてどの程度の大きさの薄膜結晶の構造解析ができるかを明らかにするため、表面結晶粒の方位測定および結晶構造解析を目的としてX線回折実験を行った。
偏光顕微鏡観察等により、何と表面結晶粒の結晶方位および表面結晶粒同士の結晶方位が一致していることが示唆されましたか?
偏光顕微鏡観察等により、基板結晶と表面結晶粒の結晶方位および表面結晶粒同士の結晶方位が一致していることが示唆されました。
JCRRAG_000615
化学
実験:  銅以外の金属を含む金属置換体タンパク質は、N末端に6xHisタグを導入した亜硝酸還元酵素を遺伝子工学的に作成し大腸菌での発現系を用いて発現させ、Ni-NTAアフィニティーカラムクロマトグラフィーで精製したものを用いた。精製後の試料は50mMEDTAを含む中性緩衝液中に一週間以上漬けることで金属を含まないアポ型タンパク質として調製し、その試料に対し各種金属(M²⁺:Co,Ni,Zn)イオンを含む緩衝液で透析する(4℃で1週間)ことで各金属置換体を調製した。続いて、過剰なM²⁺イオンを除去後、各金属置換体タンパク質の結晶化とX線回折実験を行った。X線回折実験は大型放射光施設SPring-8蛋白研ビームラインBL44XUにて実施した。各々の回折データおよび構造精密化統計値を表1に示す。分子置換法により初期位相の決定およびRefmacによる構造精密化を行い、最終的にR因子値が〜20%程に到達したところで精密化を終了した。Znに置換した試料についてはタイプ-1銅部位およびタイプ-2銅部位がZnに置換された構造は確認できたが、分子表面の所々に不明瞭かつ解釈不能な電子密度が多く見られ、今回は精密化途中の段階で断念することとし、参考データ程度として扱うことのみにした。
精製後の試料は、何を含む中性緩衝液中に何週間以上漬けることで、金属を含まないアポ型タンパク質として調製されましたか?
精製後の試料は、50mMEDTAを含む中性緩衝液中に一週間以上漬けることで、金属を含まないアポ型タンパク質として調製されました。
JCRRAG_000616
化学
実験:  銅以外の金属を含む金属置換体タンパク質は、N末端に6xHisタグを導入した亜硝酸還元酵素を遺伝子工学的に作成し大腸菌での発現系を用いて発現させ、Ni-NTAアフィニティーカラムクロマトグラフィーで精製したものを用いた。精製後の試料は50mMEDTAを含む中性緩衝液中に一週間以上漬けることで金属を含まないアポ型タンパク質として調製し、その試料に対し各種金属(M²⁺:Co,Ni,Zn)イオンを含む緩衝液で透析する(4℃で1週間)ことで各金属置換体を調製した。続いて、過剰なM²⁺イオンを除去後、各金属置換体タンパク質の結晶化とX線回折実験を行った。X線回折実験は大型放射光施設SPring-8蛋白研ビームラインBL44XUにて実施した。各々の回折データおよび構造精密化統計値を表1に示す。分子置換法により初期位相の決定およびRefmacによる構造精密化を行い、最終的にR因子値が〜20%程に到達したところで精密化を終了した。Znに置換した試料についてはタイプ-1銅部位およびタイプ-2銅部位がZnに置換された構造は確認できたが、分子表面の所々に不明瞭かつ解釈不能な電子密度が多く見られ、今回は精密化途中の段階で断念することとし、参考データ程度として扱うことのみにした。
分子置換法により、何および何が行われましたか?
分子置換法により、初期位相の決定およびRefmacによる構造精密化が行われました。
JCRRAG_000617
化学
 近年、深刻化するエネルギー・環境問題を背景に、水素社会の実現に向けた研究が幅広く進められている。特に、水素の持つ化学エネルギーを電気エネルギーへと変換する中核技術を担う燃料電池の開発への関心は大きい。燃料電池の高効率化に向けては過電圧の大きいカソードでの酸素還元反応の反応速度を向上させることが重要であるため、これまでその触媒として高活性な白金系触媒が用いられてきた。しかし、白金は希少金属であり、また、溶液中での安定性に乏しいことから、燃料電池の本格普及に向けては、高い安定性を有する非白金系カソード触媒の開発が求められる。このような背景の下、豊富な資源量があり、化学的に安定な遷移金属酸化物をカソード触媒に用いる研究が進められているが、酸化物の高い電気抵抗がその応用を困難にしており、今なお実用化に資する非白金カソード触媒の開発には至っていない。  本研究では、遷移金属酸化物の中でも優れた電気伝導性を示すマグネタイト(Fe₃O₄)ナノ粒子に着目し、その酸素還元反応への適用可能性を検討した。この際、電気伝導パスとしての機能を有する還元型酸化グラフェン(rGO)への固定化を行うとともに、Fe₃O₄ナノ粒子の鉄原子の一部をレドックス特性に優れたマンガン原子に置換したスピネルフェライトナノ粒子を調製し、ヘテロ原子置換が触媒活性に与える影響を評価した。
燃料電池は、水素の持つ何エネルギーを何エネルギーへと変換する中核技術を担っていますか?
燃料電池は、水素の持つ化学エネルギーを電気エネルギーへと変換する中核技術を担っています。
JCRRAG_000618
化学
実験:  銅以外の金属を含む金属置換体タンパク質は、N末端に6xHisタグを導入した亜硝酸還元酵素を遺伝子工学的に作成し大腸菌での発現系を用いて発現させ、Ni-NTAアフィニティーカラムクロマトグラフィーで精製したものを用いた。精製後の試料は50mMEDTAを含む中性緩衝液中に一週間以上漬けることで金属を含まないアポ型タンパク質として調製し、その試料に対し各種金属(M²⁺:Co,Ni,Zn)イオンを含む緩衝液で透析する(4℃で1週間)ことで各金属置換体を調製した。続いて、過剰なM²⁺イオンを除去後、各金属置換体タンパク質の結晶化とX線回折実験を行った。X線回折実験は大型放射光施設SPring-8蛋白研ビームラインBL44XUにて実施した。各々の回折データおよび構造精密化統計値を表1に示す。分子置換法により初期位相の決定およびRefmacによる構造精密化を行い、最終的にR因子値が〜20%程に到達したところで精密化を終了した。Znに置換した試料についてはタイプ-1銅部位およびタイプ-2銅部位がZnに置換された構造は確認できたが、分子表面の所々に不明瞭かつ解釈不能な電子密度が多く見られ、今回は精密化途中の段階で断念することとし、参考データ程度として扱うことのみにした。
過剰なM²⁺イオンの除去後、何と何が行われましたか?
過剰なM²⁺イオンの除去後、各金属置換体タンパク質の結晶化とX線回折実験が行われました。
JCRRAG_000619
化学
結果および考察  調製した(Mn,Fe)₃O₄/rGO触媒に対しTG測定を行った結果、423K付近から立ち上がる明確な質量減少が認められた。このような質量減少は、rGOを含まない(Mn,Fe)₃O₄粒子を測定した際には観察されなかったことから、rGOの燃焼に由来する質量減少と考えられる。この際の質量減少量から算出された(Mn,Fe)₃O₄/rGO触媒中のrGOの含有量は39.1wt%であった。続いて、(Mn,Fe)₃O₄/rGO触媒の複合化状態を評価するためにTEM観察を行った。その結果、粒径約10nmの微細粒子がrGO上に高分散に固定化されている様子が観察され、rGOを担体として(Mn,Fe)₃O₄/rGOが成長していることが明らかとなった。これは、触媒調製条件において、rGOの前駆体であるGO上のカルボキシル基に代表される官能基と金属イオンとの間で静電的な相互作用が働いたためと考えられる。  得られた(Mn,Fe)₃O₄/rGO触媒を用いて電極を作製し、アルカリ電解液中での酸素還元反応に適用した。(Mn,Fe)₃O₄/rGO電極は酸素還元反応に活性を示し、Mn種を導入せずに調製したFe₃O₄/rGO電極よりも著しく向上したオンセット電位および酸素還元電流値を与えた。この際、(Mn,Fe)₃O₄/rGO電極のE₁⁄₂電位は0.80Vvs.RHEであり、比較試料としてのPt/C電極(E₁⁄₂=0.88Vvs.RHE)には及ばないものの、既存の高活性非白金系電極と同程度の値を示し[1-3]、(Mn,Fe)₃O₄/rGO電極の酸素還元活性が高い水準にあることが明らかとなった。
得られた(Mn,Fe)₃O₄/rGO触媒を用いて作成された電極は、どのような液中でのどのような反応に適用されましたか?
得られた(Mn,Fe)₃O₄/rGO触媒を用いて作成された電極は、アルカリ電解液中での酸素還元反応に適用されました。
JCRRAG_000620
化学
結果および考察  調製した(Mn,Fe)₃O₄/rGO触媒に対しTG測定を行った結果、423K付近から立ち上がる明確な質量減少が認められた。このような質量減少は、rGOを含まない(Mn,Fe)₃O₄粒子を測定した際には観察されなかったことから、rGOの燃焼に由来する質量減少と考えられる。この際の質量減少量から算出された(Mn,Fe)₃O₄/rGO触媒中のrGOの含有量は39.1wt%であった。続いて、(Mn,Fe)₃O₄/rGO触媒の複合化状態を評価するためにTEM観察を行った。その結果、粒径約10nmの微細粒子がrGO上に高分散に固定化されている様子が観察され、rGOを担体として(Mn,Fe)₃O₄/rGOが成長していることが明らかとなった。これは、触媒調製条件において、rGOの前駆体であるGO上のカルボキシル基に代表される官能基と金属イオンとの間で静電的な相互作用が働いたためと考えられる。  得られた(Mn,Fe)₃O₄/rGO触媒を用いて電極を作製し、アルカリ電解液中での酸素還元反応に適用した。(Mn,Fe)₃O₄/rGO電極は酸素還元反応に活性を示し、Mn種を導入せずに調製したFe₃O₄/rGO電極よりも著しく向上したオンセット電位および酸素還元電流値を与えた。この際、(Mn,Fe)₃O₄/rGO電極のE₁⁄₂電位は0.80Vvs.RHEであり、比較試料としてのPt/C電極(E₁⁄₂=0.88Vvs.RHE)には及ばないものの、既存の高活性非白金系電極と同程度の値を示し[1-3]、(Mn,Fe)₃O₄/rGO電極の酸素還元活性が高い水準にあることが明らかとなった。
触媒調製条件において、何と何との間で静電的な相互作用が働いたと考えられますか?
触媒調製条件において、rGOの前駆体であるGO上のカルボキシル基に代表される官能基と金属イオンとの間で静電的な相互作用が働いたと考えられます。
JCRRAG_000621
化学
結果および考察  調製した(Mn,Fe)₃O₄/rGO触媒に対しTG測定を行った結果、423K付近から立ち上がる明確な質量減少が認められた。このような質量減少は、rGOを含まない(Mn,Fe)₃O₄粒子を測定した際には観察されなかったことから、rGOの燃焼に由来する質量減少と考えられる。この際の質量減少量から算出された(Mn,Fe)₃O₄/rGO触媒中のrGOの含有量は39.1wt%であった。続いて、(Mn,Fe)₃O₄/rGO触媒の複合化状態を評価するためにTEM観察を行った。その結果、粒径約10nmの微細粒子がrGO上に高分散に固定化されている様子が観察され、rGOを担体として(Mn,Fe)₃O₄/rGOが成長していることが明らかとなった。これは、触媒調製条件において、rGOの前駆体であるGO上のカルボキシル基に代表される官能基と金属イオンとの間で静電的な相互作用が働いたためと考えられる。  得られた(Mn,Fe)₃O₄/rGO触媒を用いて電極を作製し、アルカリ電解液中での酸素還元反応に適用した。(Mn,Fe)₃O₄/rGO電極は酸素還元反応に活性を示し、Mn種を導入せずに調製したFe₃O₄/rGO電極よりも著しく向上したオンセット電位および酸素還元電流値を与えた。この際、(Mn,Fe)₃O₄/rGO電極のE₁⁄₂電位は0.80Vvs.RHEであり、比較試料としてのPt/C電極(E₁⁄₂=0.88Vvs.RHE)には及ばないものの、既存の高活性非白金系電極と同程度の値を示し[1-3]、(Mn,Fe)₃O₄/rGO電極の酸素還元活性が高い水準にあることが明らかとなった。
(Mn,Fe)₃O₄/rGO触媒のどのような状態を評価するために、どのような観察が行われましたか?
(Mn,Fe)₃O₄/rGO触媒の複合化状態を評価するために、TEM観察が行われました。
JCRRAG_000622
化学
結果および考察  調製した(Mn,Fe)₃O₄/rGO触媒に対しTG測定を行った結果、423K付近から立ち上がる明確な質量減少が認められた。このような質量減少は、rGOを含まない(Mn,Fe)₃O₄粒子を測定した際には観察されなかったことから、rGOの燃焼に由来する質量減少と考えられる。この際の質量減少量から算出された(Mn,Fe)₃O₄/rGO触媒中のrGOの含有量は39.1wt%であった。続いて、(Mn,Fe)₃O₄/rGO触媒の複合化状態を評価するためにTEM観察を行った。その結果、粒径約10nmの微細粒子がrGO上に高分散に固定化されている様子が観察され、rGOを担体として(Mn,Fe)₃O₄/rGOが成長していることが明らかとなった。これは、触媒調製条件において、rGOの前駆体であるGO上のカルボキシル基に代表される官能基と金属イオンとの間で静電的な相互作用が働いたためと考えられる。  得られた(Mn,Fe)₃O₄/rGO触媒を用いて電極を作製し、アルカリ電解液中での酸素還元反応に適用した。(Mn,Fe)₃O₄/rGO電極は酸素還元反応に活性を示し、Mn種を導入せずに調製したFe₃O₄/rGO電極よりも著しく向上したオンセット電位および酸素還元電流値を与えた。この際、(Mn,Fe)₃O₄/rGO電極のE₁⁄₂電位は0.80Vvs.RHEであり、比較試料としてのPt/C電極(E₁⁄₂=0.88Vvs.RHE)には及ばないものの、既存の高活性非白金系電極と同程度の値を示し[1-3]、(Mn,Fe)₃O₄/rGO電極の酸素還元活性が高い水準にあることが明らかとなった。
調製した(Mn,Fe)₃O₄/rGO触媒に対し何を行った結果、どこ付近から立ち上がる明確な質量減少が認められましたか?
調製した(Mn,Fe)₃O₄/rGO触媒に対しTG測定を行った結果、423K付近から立ち上がる明確な質量減少が認められました。
JCRRAG_000623
化学
結果および考察  調製した(Mn,Fe)₃O₄/rGO触媒に対しTG測定を行った結果、423K付近から立ち上がる明確な質量減少が認められた。このような質量減少は、rGOを含まない(Mn,Fe)₃O₄粒子を測定した際には観察されなかったことから、rGOの燃焼に由来する質量減少と考えられる。この際の質量減少量から算出された(Mn,Fe)₃O₄/rGO触媒中のrGOの含有量は39.1wt%であった。続いて、(Mn,Fe)₃O₄/rGO触媒の複合化状態を評価するためにTEM観察を行った。その結果、粒径約10nmの微細粒子がrGO上に高分散に固定化されている様子が観察され、rGOを担体として(Mn,Fe)₃O₄/rGOが成長していることが明らかとなった。これは、触媒調製条件において、rGOの前駆体であるGO上のカルボキシル基に代表される官能基と金属イオンとの間で静電的な相互作用が働いたためと考えられる。  得られた(Mn,Fe)₃O₄/rGO触媒を用いて電極を作製し、アルカリ電解液中での酸素還元反応に適用した。(Mn,Fe)₃O₄/rGO電極は酸素還元反応に活性を示し、Mn種を導入せずに調製したFe₃O₄/rGO電極よりも著しく向上したオンセット電位および酸素還元電流値を与えた。この際、(Mn,Fe)₃O₄/rGO電極のE₁⁄₂電位は0.80Vvs.RHEであり、比較試料としてのPt/C電極(E₁⁄₂=0.88Vvs.RHE)には及ばないものの、既存の高活性非白金系電極と同程度の値を示し[1-3]、(Mn,Fe)₃O₄/rGO電極の酸素還元活性が高い水準にあることが明らかとなった。
どれくらいの粒径の微細粒子がどこに高分散に固定化されている様子が観察されましたか?
粒径約10nmの微細粒子がrGO上に高分散に固定化されている様子が観察されました。
JCRRAG_000624
化学
実験:  8位のメチル基をN-メチル基で置換したリボフラビンは前大阪市大の笠井氏より提供された[3]。置換リボフラビンをFAD合成酵素によりFAD型にし、C18のHPLCカラムを用いて精製した。ブタ腎臓由来のD-アミノ酸酸化酵素(DAO)は、大腸菌で大量発現したのち既報の通り精製を行い、2 M KBrを含む緩衝液(100 mM Na-ピロリン酸, pH8.3)での透析によりFADをはずした後、KBrを含まない緩衝液で透析してから、人工FADを加えることで再構成した。再構成したDAOを用いて、野生型酵素と同様にBenzoateと共結晶化すること[1]により、X線構造解析に適した結晶が得られた。Benzoateを含まない沈殿剤溶液(200 mM Na-Acetate, 100 mM Na-citrate, 30 %(w/v) PEG4000)で結晶を洗った後、10mMのD-ロイシン、D-セリン、D-バリンをそれぞれ沈殿剤溶液に加えたものに12時間漬けることにより、基質アミノ酸のソーキングを試みた。ソーキング後の結晶は,そのままループですくい-180℃の条件下でBL38B1にてデータ収集を行った。位相決定は、既に構造が分かっている野生型DAO(PDBID; 1VE9)のBenzoate複合体構造をモデル構造とした分子置換法により決定し、全てのデータについて構造解析を行った。また、構造解析の結果、Benzoateが活性中心に残っていた場合には、さらに濃度をあげ、ソーキング時間を長くするなどの検討をおこない、再測定をした。それぞれの基質について複数のデータを収集したが、最も分解能が良かったものについて表1に纏めた。
前大阪市大の笠井氏より提供されたのは、何を何で置換したリボフラビンですか?
前大阪市大の笠井氏より提供されたのは、8位のメチル基をN-メチル基で置換したリボフラビンです。
JCRRAG_000625
化学
実験:  8位のメチル基をN-メチル基で置換したリボフラビンは前大阪市大の笠井氏より提供された[3]。置換リボフラビンをFAD合成酵素によりFAD型にし、C18のHPLCカラムを用いて精製した。ブタ腎臓由来のD-アミノ酸酸化酵素(DAO)は、大腸菌で大量発現したのち既報の通り精製を行い、2 M KBrを含む緩衝液(100 mM Na-ピロリン酸, pH8.3)での透析によりFADをはずした後、KBrを含まない緩衝液で透析してから、人工FADを加えることで再構成した。再構成したDAOを用いて、野生型酵素と同様にBenzoateと共結晶化すること[1]により、X線構造解析に適した結晶が得られた。Benzoateを含まない沈殿剤溶液(200 mM Na-Acetate, 100 mM Na-citrate, 30 %(w/v) PEG4000)で結晶を洗った後、10mMのD-ロイシン、D-セリン、D-バリンをそれぞれ沈殿剤溶液に加えたものに12時間漬けることにより、基質アミノ酸のソーキングを試みた。ソーキング後の結晶は,そのままループですくい-180℃の条件下でBL38B1にてデータ収集を行った。位相決定は、既に構造が分かっている野生型DAO(PDBID; 1VE9)のBenzoate複合体構造をモデル構造とした分子置換法により決定し、全てのデータについて構造解析を行った。また、構造解析の結果、Benzoateが活性中心に残っていた場合には、さらに濃度をあげ、ソーキング時間を長くするなどの検討をおこない、再測定をした。それぞれの基質について複数のデータを収集したが、最も分解能が良かったものについて表1に纏めた。
置換リボフラビンは何によりFAD型にされ、何を用いて精製されましたか?
置換リボフラビンはFAD合成酵素によりFAD型にされ、C18のHPLCカラムを用いて精製されました。
JCRRAG_000626
化学
以下は、宮原郁子・瀬戸山千秋・二科 安三 各氏による論文「人工FADを用いたD-アミノ酸酸化酵素の酵素・基質複合体の構造解析(Structural Investigation on the ES Complex of D-amino Acid Oxidase By using Artificial FAD)」からの抜粋である。  D-バリンとD-セリンについては、ソーキングする濃度や時間を変化させ、複数のデータ収集を行ったが、アミノ酸の結合サイトにはBenzoateの電子密度が見えるか、あるいはまったく電子密度が無い構造しか得られなかった。両者とも野生型酵素の基質であるので、酸化力が下がっていても大過剰にD-アミノ酸を加えれば結合するのではないかと想定し実験を行ったが、結合したのち代謝されてしまったか、結合するために必要な構造変化が結晶中では出来なかったと考えられる。 今後の課題:  今回利用した結晶化条件で析出した結晶では、基質濃度やソーキング時間を調整することではES複合体を得ることが難しいことが明らかとなった。人工FADで再構成したDAOを用いて、ソーキング法によりES複合体構造を得ようとするならば、Benzoateを含まない、新たな結晶化条件を探索する必要がある。
ソーキングする濃度や時間を変化させ、複数のデータ収集を行っても、アミノ酸の結合サイトにはBenzoateの電子密度が見えるか、あるいはまったく電子密度が無い構造しか得られなかったのは、何と何ですか。
ソーキングする濃度や時間を変化させ、複数のデータ収集を行っても、アミノ酸の結合サイトにはBenzoateの電子密度が見えるか、あるいはまったく電子密度が無い構造しか得られなかったのは、D-バリンとD-セリンです。
JCRRAG_000627
化学
 産業界で現在広く使用されている耐熱ステンレス鋼は、表面に保護性クロミアスケールを形成し、これが耐熱鋼を高温環境から遮断することにより耐酸化・腐食性を確保する。しかし、クロミアスケールの高温耐酸化・腐食性は、900℃以上の高温または還元性の高腐食性環境下等では期待できないため、より高温で安定かつ保護性に優れるアルミナスケールを形成する安価な耐熱鋼の開発が望まれている。  アルミナスケールを形成する耐熱ステンレス鋼としては、フェライト系のFe-20Cr-10Al(at%)鋼(ベース組成)が実用化されており、電気炉の電熱線や排気ガス浄化用の触媒担持のための金属担体として使用されている。しかしながら、フェライト系耐熱鋼では、800℃を超える高温では機械的特性に劣るため、構造用耐熱合金としてオーステナイト(γ-Fe)系耐熱ステンレス鋼(Fe-Ni-Cr-Al鋼)が必要である。しかし、アルミナスケールを形成する安価なオーステナイト系耐熱ステンレス鋼の実用化は進んでいない。拡散係数の小さいオーステナイト系耐熱ステンレス鋼上に、アルミナスケールを形成するためにはフェライト系よりも高濃度のAl添加が必要である。しかしAlを高濃度で含有するステンレス鋼では、硬くて脆いβ-NiAl等の高融点の高Al金属間化合物相が形成し、これが鋼の製造性や加工性を著しく低下するため、アルミナスケールを形成するオーステナイト系耐熱鋼の実用化は、困難となっている。
耐熱ステンレス鋼の表面に形成された保護性クロミアスケールは、耐熱鋼を高温環境から遮断することにより、何と何を確保しますか?
耐熱ステンレス鋼の表面に形成された保護性クロミアスケールは、耐熱鋼を高温環境から遮断することにより耐酸化と腐食性を確保します。
JCRRAG_000628
化学
ガラスは,添加された成分やその含有量の違いによって光学的特性や化学的耐久性あるいはその他の物理化学的な特性が変化する.このような様々な特性や状態の違いによってガラスの目標とする機能を発現させることにより多種多様なガラス製品が開発されてきた.光学的特性を変化させる成分としては遷移金属の酸化物などが知られているが(Sigel),一般的にはその含有量は酸化物換算でも1wt%以下であり微量である.特にこれらの遷移金属の酸化物などは,ガラス熔融における酸化剤や還元剤などの添加や熔解温度などの状態の変化にも大きく影響され,例えば鉄の価数は2価(Fe2+)と3価(Fe3+)の間で変化することが知られている(Mueller et al.やBeerkens).また,鉄のぞれぞれの価数(Fe2+とFe3+)が存在する割合も製造条件の違いで大きく変化すために,これらの価数の定量的な把握がガラス製品の開発や製造には特に重要となっている.  ガラスに含まれる化学成分に対して,その含有量だけではなく,その状態(例えば,価数あるいは配位数の変化)などを定量的に把握し,また複雑な測定や解析をすることなしに汎用的に定量値が把握できればガラスの物理化学的な特性をより明確にでき,ガラス製品の開発に対して大きな貢献ができると考えられる.  鉄の価数の定量分析に対しては,従来からJIS法(JIS R3101-1995)やCorumluoglu and Guadagninoが報告した湿式の化学分析法が適用されてきた.しかしながら,湿式の化学分析法は粉砕されたガラス試料から複雑な処理を経て得られる試験溶液を用いて行われる.特に,FeO(Fe2+)の定量分析においては測定中に酸化・還元の状態を維持する必要があり,また分析作業には高い専門性と技術力が求められ,さらに分析方法そのものが破壊分析であることから必ずしも汎用的な定量分析にはなっていない.  ガラスに含まれる酸化鉄の含有量の定量分析に対しては,従来から1枚の分光結晶を装着した汎用的な蛍光X線分析装置を用いて行われており,測定時間の短縮と測定の自動化や省力化に対しても非常に大きな成果を得てきた.また,汎用的な一結晶型の蛍光X線分析装置を使用した状態分析では,作花によって興味ある分析結果も報告されている.  一般的には,ガラスにFeOかFe2O3の形で含まれる酸化鉄の合計量を全酸化鉄(Fe2O3-total)含有量として表す場合が多い.しかしながら,ガラスに含まれる鉄の価数を定量的に把握するためのFeOとFe2O3のそれぞれの定量分析ではこのような機器分析法は汎用化されていない.その理由としては,鉄の価数(Fe2+あるいはFe3+)の変化に対して,一結晶形の蛍光X線分析装置ではFe-Kaプロファイル(FeKa1とFe-Ka2)を結合エネルギーに対して精度よく分離できないためである.  酒井らは,湾曲した2枚の分光結晶を装着した広域型の二結晶蛍光X線分析装置を用いてガラスに含まれる微量のイオウ成分の価数の定量分析技術を報告した.一般的に,反平行の二結晶型X線分光器では,第一分光結晶と第二分光結晶とが常にブラッグ則を満たすようにリンクされている.Tochioet al.とIto et al.が報告したように,二結晶型の蛍光X線分析において得られる装置関数は非常に小さくスペクトルのプロファイルには影響を与えない.そのために,蛍光X線分析法での実用的な非破壊での原子価の定量分析が可能である.二結晶蛍光X線による測定原理は高原らに詳細に記載され,また酒井らでも紹介されているので本報告では省略する.  二結晶蛍光X線分析装置を用いた元素の価数の定量分析は,無機材料と有機材料の広い範囲で行われてきた(無機材料,環境測定,一般的な分析,あるいは油や髪の毛の分析).また,酒井は広域型の二結晶蛍光X線分析装置を用いてガラスに含まれる微量のイオウ,鉄,およびセリウムなどの各元素の価数の定量分析の可能性を報告した.さらに,酒井らでは異なる酸化・還元状態で試作されたガラスに含まれるSO3換算値で1wt%以下の微量のイオウの原子価の定量分析の結果,イオウの価数(S6+とS2-)の割合を定量的に分析することを可能にした.したがって,ガラスに含まれる鉄に対しても,高分解能の蛍光X線分析による酸化・還元状態の汎用的な定量分析の技術が確立できれば,ガラス製品の開発あるいはガラスの機能や性能の改善や向上に対しても大きな進展が期待できる.
ガラスの光学的特性を変化させる成分には何がありますか。
遷移金属の酸化物などがガラスの光学的特性を変化させる成分として知られています。
JCRRAG_000629
化学
ガラスは,添加された成分やその含有量の違いによって光学的特性や化学的耐久性あるいはその他の物理化学的な特性が変化する.このような様々な特性や状態の違いによってガラスの目標とする機能を発現させることにより多種多様なガラス製品が開発されてきた.光学的特性を変化させる成分としては遷移金属の酸化物などが知られているが(Sigel),一般的にはその含有量は酸化物換算でも1wt%以下であり微量である.特にこれらの遷移金属の酸化物などは,ガラス熔融における酸化剤や還元剤などの添加や熔解温度などの状態の変化にも大きく影響され,例えば鉄の価数は2価(Fe2+)と3価(Fe3+)の間で変化することが知られている(Mueller et al.やBeerkens).また,鉄のぞれぞれの価数(Fe2+とFe3+)が存在する割合も製造条件の違いで大きく変化すために,これらの価数の定量的な把握がガラス製品の開発や製造には特に重要となっている.  ガラスに含まれる化学成分に対して,その含有量だけではなく,その状態(例えば,価数あるいは配位数の変化)などを定量的に把握し,また複雑な測定や解析をすることなしに汎用的に定量値が把握できればガラスの物理化学的な特性をより明確にでき,ガラス製品の開発に対して大きな貢献ができると考えられる.  鉄の価数の定量分析に対しては,従来からJIS法(JIS R3101-1995)やCorumluoglu and Guadagninoが報告した湿式の化学分析法が適用されてきた.しかしながら,湿式の化学分析法は粉砕されたガラス試料から複雑な処理を経て得られる試験溶液を用いて行われる.特に,FeO(Fe2+)の定量分析においては測定中に酸化・還元の状態を維持する必要があり,また分析作業には高い専門性と技術力が求められ,さらに分析方法そのものが破壊分析であることから必ずしも汎用的な定量分析にはなっていない.  ガラスに含まれる酸化鉄の含有量の定量分析に対しては,従来から1枚の分光結晶を装着した汎用的な蛍光X線分析装置を用いて行われており,測定時間の短縮と測定の自動化や省力化に対しても非常に大きな成果を得てきた.また,汎用的な一結晶型の蛍光X線分析装置を使用した状態分析では,作花によって興味ある分析結果も報告されている.  一般的には,ガラスにFeOかFe2O3の形で含まれる酸化鉄の合計量を全酸化鉄(Fe2O3-total)含有量として表す場合が多い.しかしながら,ガラスに含まれる鉄の価数を定量的に把握するためのFeOとFe2O3のそれぞれの定量分析ではこのような機器分析法は汎用化されていない.その理由としては,鉄の価数(Fe2+あるいはFe3+)の変化に対して,一結晶形の蛍光X線分析装置ではFe-Kaプロファイル(FeKa1とFe-Ka2)を結合エネルギーに対して精度よく分離できないためである.  酒井らは,湾曲した2枚の分光結晶を装着した広域型の二結晶蛍光X線分析装置を用いてガラスに含まれる微量のイオウ成分の価数の定量分析技術を報告した.一般的に,反平行の二結晶型X線分光器では,第一分光結晶と第二分光結晶とが常にブラッグ則を満たすようにリンクされている.Tochioet al.とIto et al.が報告したように,二結晶型の蛍光X線分析において得られる装置関数は非常に小さくスペクトルのプロファイルには影響を与えない.そのために,蛍光X線分析法での実用的な非破壊での原子価の定量分析が可能である.二結晶蛍光X線による測定原理は高原らに詳細に記載され,また酒井らでも紹介されているので本報告では省略する.  二結晶蛍光X線分析装置を用いた元素の価数の定量分析は,無機材料と有機材料の広い範囲で行われてきた(無機材料,環境測定,一般的な分析,あるいは油や髪の毛の分析).また,酒井は広域型の二結晶蛍光X線分析装置を用いてガラスに含まれる微量のイオウ,鉄,およびセリウムなどの各元素の価数の定量分析の可能性を報告した.さらに,酒井らでは異なる酸化・還元状態で試作されたガラスに含まれるSO3換算値で1wt%以下の微量のイオウの原子価の定量分析の結果,イオウの価数(S6+とS2-)の割合を定量的に分析することを可能にした.したがって,ガラスに含まれる鉄に対しても,高分解能の蛍光X線分析による酸化・還元状態の汎用的な定量分析の技術が確立できれば,ガラス製品の開発あるいはガラスの機能や性能の改善や向上に対しても大きな進展が期待できる.
広域型の二結晶蛍光X線分析装置を用いてガラスに含まれる微量のイオウ、鉄、およびセリウムなどの各元素の価数の定量分析の可能性を報告したのは誰ですか。
広域型の二結晶蛍光X線分析装置を用いてガラスに含まれる微量のイオウ、鉄、およびセリウムなどの各元素の価数の定量分析の可能性を報告したのは、酒井です。
JCRRAG_000630
化学
ガラスは,添加された成分やその含有量の違いによって光学的特性や化学的耐久性あるいはその他の物理化学的な特性が変化する.このような様々な特性や状態の違いによってガラスの目標とする機能を発現させることにより多種多様なガラス製品が開発されてきた.光学的特性を変化させる成分としては遷移金属の酸化物などが知られているが(Sigel),一般的にはその含有量は酸化物換算でも1wt%以下であり微量である.特にこれらの遷移金属の酸化物などは,ガラス熔融における酸化剤や還元剤などの添加や熔解温度などの状態の変化にも大きく影響され,例えば鉄の価数は2価(Fe2+)と3価(Fe3+)の間で変化することが知られている(Mueller et al.やBeerkens).また,鉄のぞれぞれの価数(Fe2+とFe3+)が存在する割合も製造条件の違いで大きく変化すために,これらの価数の定量的な把握がガラス製品の開発や製造には特に重要となっている.  ガラスに含まれる化学成分に対して,その含有量だけではなく,その状態(例えば,価数あるいは配位数の変化)などを定量的に把握し,また複雑な測定や解析をすることなしに汎用的に定量値が把握できればガラスの物理化学的な特性をより明確にでき,ガラス製品の開発に対して大きな貢献ができると考えられる.  鉄の価数の定量分析に対しては,従来からJIS法(JIS R3101-1995)やCorumluoglu and Guadagninoが報告した湿式の化学分析法が適用されてきた.しかしながら,湿式の化学分析法は粉砕されたガラス試料から複雑な処理を経て得られる試験溶液を用いて行われる.特に,FeO(Fe2+)の定量分析においては測定中に酸化・還元の状態を維持する必要があり,また分析作業には高い専門性と技術力が求められ,さらに分析方法そのものが破壊分析であることから必ずしも汎用的な定量分析にはなっていない.  ガラスに含まれる酸化鉄の含有量の定量分析に対しては,従来から1枚の分光結晶を装着した汎用的な蛍光X線分析装置を用いて行われており,測定時間の短縮と測定の自動化や省力化に対しても非常に大きな成果を得てきた.また,汎用的な一結晶型の蛍光X線分析装置を使用した状態分析では,作花によって興味ある分析結果も報告されている.  一般的には,ガラスにFeOかFe2O3の形で含まれる酸化鉄の合計量を全酸化鉄(Fe2O3-total)含有量として表す場合が多い.しかしながら,ガラスに含まれる鉄の価数を定量的に把握するためのFeOとFe2O3のそれぞれの定量分析ではこのような機器分析法は汎用化されていない.その理由としては,鉄の価数(Fe2+あるいはFe3+)の変化に対して,一結晶形の蛍光X線分析装置ではFe-Kaプロファイル(FeKa1とFe-Ka2)を結合エネルギーに対して精度よく分離できないためである.  酒井らは,湾曲した2枚の分光結晶を装着した広域型の二結晶蛍光X線分析装置を用いてガラスに含まれる微量のイオウ成分の価数の定量分析技術を報告した.一般的に,反平行の二結晶型X線分光器では,第一分光結晶と第二分光結晶とが常にブラッグ則を満たすようにリンクされている.Tochioet al.とIto et al.が報告したように,二結晶型の蛍光X線分析において得られる装置関数は非常に小さくスペクトルのプロファイルには影響を与えない.そのために,蛍光X線分析法での実用的な非破壊での原子価の定量分析が可能である.二結晶蛍光X線による測定原理は高原らに詳細に記載され,また酒井らでも紹介されているので本報告では省略する.  二結晶蛍光X線分析装置を用いた元素の価数の定量分析は,無機材料と有機材料の広い範囲で行われてきた(無機材料,環境測定,一般的な分析,あるいは油や髪の毛の分析).また,酒井は広域型の二結晶蛍光X線分析装置を用いてガラスに含まれる微量のイオウ,鉄,およびセリウムなどの各元素の価数の定量分析の可能性を報告した.さらに,酒井らでは異なる酸化・還元状態で試作されたガラスに含まれるSO3換算値で1wt%以下の微量のイオウの原子価の定量分析の結果,イオウの価数(S6+とS2-)の割合を定量的に分析することを可能にした.したがって,ガラスに含まれる鉄に対しても,高分解能の蛍光X線分析による酸化・還元状態の汎用的な定量分析の技術が確立できれば,ガラス製品の開発あるいはガラスの機能や性能の改善や向上に対しても大きな進展が期待できる.
ガラスは、何によって光学的特性や化学的耐久性やその他の物理化学的な特性が変化しますか。
ガラスは、添加された成分やその含有量の違いによって、光学的特性や化学的耐久性やその他の物理化学的な特性が変化します。
JCRRAG_000631
化学
以下は、福井武久氏による論文「複合粒子の電気泳動法による金属表面へのコーティング膜の創製と機能化(Preparation and Functionalization of Coating Film of Composite Particles onto the Metal Surface by Electrophoresis)」からの抜粋である。 ・製膜の結果と膜特性  カーボン/樹脂複合膜コーティング法では、原料分散液の組成、濃度、攪拌速度、印加電圧、製膜時間、乾燥と熱処理温度、時間という種々の作製条件を変えることで、製膜の微細構造を制御することができる。電気泳動製膜と熱処理を組み合わせて得られた複合膜は、高温溶融固化処理過程における上層の樹脂が下層に沈むことによって、二層構造になることが分かる。また、膜の最表面は、ナノサイズの粒子がネットワーク状でつながっており、高導電性が付与されていることが推測できる。製膜の緻密な内部層には、ナノサイズの球状KB粒子がPVDFマトリックスの中に均質に分散している。このような二層構造により、導電性と耐食性を確保できると考える。
高温溶融固化処理過程における上層の樹脂が下層に沈むことによって、何が二層構造だと分かりますか?
高温溶融固化処理過程における上層の樹脂が下層に沈むことによって、電気泳動製膜と熱処理を組み合わせて得られた複合膜が、二層構造だと分かります。
JCRRAG_000632
化学
以下は、福井武久氏による論文「複合粒子の電気泳動法による金属表面へのコーティング膜の創製と機能化(Preparation and Functionalization of Coating Film of Composite Particles onto the Metal Surface by Electrophoresis)」からの抜粋である。 ・製膜の結果と膜特性 電池の発電効率を高く保つためには、セパレータの抵抗を30mΩ・cm²以下とする必要がある。PVDF樹脂の単独膜に比べると、KB/PVDF複合膜の表面接触抵抗が著しく改善されている。KBが樹脂中に分散して有効な導電ネットワークを構築したためと考えている。また、200℃で処理した複合膜に比べて、250℃で処理した膜は接触抵抗が低下している。これは、高い温度で処理した複合膜は、カーボン粒子のネットワークを維持しつつ、PVDFが均一に流れ込むことによりピンホールなどの欠陥が低減し、より緻密化が達成していると考えられる。
200℃で処理した複合膜に比べて、何度℃で処理した膜の接触抵抗が低下していますか?
200℃で処理した複合膜に比べて、250度℃で処理した膜の接触抵抗が低下しています。
JCRRAG_000633
化学
窒素の安定同位元素である、15N が手に入るようになると、シェーンハイマーと協同研究者たちはこれをタンパク質代謝の同じような研究に応用した。同位元素アンモニアから合成したアミノ酸の少量を窒素平衡状態にある成熟ラットの餌に加えると、組織タンパク質に急速に大量に取り込まれることが示された。脂肪酸と同じようにこれらのアミノ酸は化学変化を受ける事実が示された。同位元素で標識したアミノ酸またはアンモニアを摂取させると重窒素はタンパク質から単離したすべてのアミノ酸に見つかった。ただリジンだけは例外であった。両方の同位体(*HおよびN)で標識する利点も使われた。組織タンパク質から単離した産物における両方の同位体の割合は、アミノ酸の炭素鎖が窒素原子とどの程度に違う代謝経路を通っているかを示した。  ここにあげたのは数少ない例だけであったが、シェーンハイマーの研究の結果から代謝的な「再生」という概念が生まれてきた。これにおける中心的なアイディアとは、絶えず組織において化学物質は循環している代謝「プール」に放出されるとともに代謝「プール」から取り込むことである。これらの循環的過程にともなってプールの諸成分のあいだで数多くの反応が起きているがそのうちで廃棄物の除去に関する反応は数が少ない。これらの一般的な解釈をシェーンハイマーは1937年のハーヴィー・レクチュアおよび1941年のダナム・レクチュアで総括した……
15Nは何の安定同位元素ですか?
15Nは窒素の安定同位元素です。
JCRRAG_000634
化学
【複合粒子の電気泳動法による金属表面へのコーティング膜の創製と機能化】 ・製膜の結果と膜特性  KB/PVDF複合膜(22vol%KB)の耐食性を調べるために硫酸浸漬試験を行なった。その手法として、浴温80℃、pH約1~2の硫酸溶液中に、コーティング試験片を浸漬し、定期に試験液に含まれる金属成分を高周波プラズマ発光分析装置(ICP)で定量した。1000時間経過で、浸漬試験後硫酸溶液は無色透明であり、ICP分析により定量した溶出金属イオン(Cr、Fe、Ni等)の濃度も極めて小さく、複合膜試験片は優れた耐食性を示すことを確認している。 PEFCセパレータとしての評価結果 KB/PVDF複合膜(22vol%KB)をコーティングしたステンレスセパレータを用いて単セル発電試験を実施した。単セルの発電性能は、0.5A/cm²の電流密度で0.63Vの発電電圧に達成し、カーボンセパレータをもちいた単セル発電性能の90%以上であった。100時間の連続運転後も、カーボン/樹脂複合膜コーティングセパレータを用いた単セルは0.60Vの電圧を維持し、大きな性能劣化は示さなかった。
カーボン/樹脂複合膜コーティングセパレータを用いた単セルは、100時間の連続運転後に何Vの電圧を維持していましたか?
カーボン/樹脂複合膜コーティングセパレータを用いた単セルは、100時間の連続運転後に0.60Vの電圧を維持していました。
JCRRAG_000635
化学
電気化学的な反応は常に電極と電解質の界面において生じる。単位面積当たりの反応速度(電荷移動)はそう早くはない。しかし、一般的には大きな反応界面を上手に構築することにより電気化学反応の速度を大きくすることができる。例えば、多孔質な電極を用いた場合と平滑な面を有する電極を用いた場合、その表面積は相当異なる。100倍の面積を有する多孔電極が存在すれば反応速度も、単純に平面電極の100倍になる。しかし、実際には全く等価ではなく、多孔質電極としての問題点もある。平面電極は、すべての面が電気的に等価な状態で電解液と接触しており、電気化学的な反応が均一に生じる電極となる。しかし、多孔質電極では、電解液と電極の接触は電極内部の空隙の状況に依存する。また、電極を構成する材料の電子伝導性も影響する。したがって、多孔電極をいかにして作製するのかが重要なポイントとなる。ここでは、そのような観点から多孔体を作製する方法とその応用について紹介する。このような作製方法で使用する粒子のサイズは多孔体のサイズに依存するが、多くの場合は数百nmから数十nmの大きさである。
平面電極は、どのような状態で電解液と接触していますか?
平面電極は、すべての面が電気的に等価な状態で電解液と接触しています。
JCRRAG_000636
化学
化学気相合成法による複合酸化物ナノ粒子の量産化と機能材料への応用 ナノ粒子はサイズ的特徴があり、ナノ粒子は同じ物質でありながらもバルク体材料とは大きく異なる機能を持つ。機能としては(1)量子サイズ効果(2)比表面積の増加に伴う高活性化、高反応化(3)溶解度、拡散速度の向上(4)焼結温度の低下などが期待されており、ナノ粒子の合成に関する研究が数多くなされている。 当研究所では、ナノ粒子を対象にした新たな粉体技術の研究開発を加速させており、ナノ粒子合成の基盤技術を開発するとともに、ナノ粒子化による機能性向上の評価を行っている。その成果の一つとして、酸化物ナノ粒子の量産製造技術(FCM:Flash Creation Method)とその合成装置(ナノクリエータ:FCM-LAB)を開発し、商品化を開始している。 ここでは、ナノ粒子量産技術:FCMの原理と特徴及び合成装置の構造を紹介するとともに、蛍光体や非鉛強誘電体材料開発への応用についても紹介する。さらに、新たに商品化した研究開発用の小型ナノ粒子合成装置(ナノクリエータ:FCM-MINI)の原理と特徴について紹介する。
ナノ粒子にはどんな特徴がありますか?
ナノ粒子にはサイズ的特徴があります。
JCRRAG_000637
化学
電気化学的な反応は常に電極と電解質の界面において生じる。単位面積当たりの反応速度(電荷移動)はそう早くはない。しかし、一般的には大きな反応界面を上手に構築することにより電気化学反応の速度を大きくすることができる。例えば、多孔質な電極を用いた場合と平滑な面を有する電極を用いた場合、その表面積は相当異なる。100倍の面積を有する多孔電極が存在すれば反応速度も、単純に平面電極の100倍になる。しかし、実際には全く等価ではなく、多孔質電極としての問題点もある。平面電極は、すべての面が電気的に等価な状態で電解液と接触しており、電気化学的な反応が均一に生じる電極となる。しかし、多孔質電極では、電解液と電極の接触は電極内部の空隙の状況に依存する。また、電極を構成する材料の電子伝導性も影響する。したがって、多孔電極をいかにして作製するのかが重要なポイントとなる。ここでは、そのような観点から多孔体を作製する方法とその応用について紹介する。このような作製方法で使用する粒子のサイズは多孔体のサイズに依存するが、多くの場合は数百nmから数十nmの大きさである。
電気化学反応の速度を大きくするには、一般的にはどうしたら良いですか?
電気化学反応の速度は、一般的には大きな反応界面を上手に構築することにより大きくできます。
JCRRAG_000638
化学
電気化学的な反応は常に電極と電解質の界面において生じる。単位面積当たりの反応速度(電荷移動)はそう早くはない。しかし、一般的には大きな反応界面を上手に構築することにより電気化学反応の速度を大きくすることができる。例えば、多孔質な電極を用いた場合と平滑な面を有する電極を用いた場合、その表面積は相当異なる。100倍の面積を有する多孔電極が存在すれば反応速度も、単純に平面電極の100倍になる。しかし、実際には全く等価ではなく、多孔質電極としての問題点もある。平面電極は、すべての面が電気的に等価な状態で電解液と接触しており、電気化学的な反応が均一に生じる電極となる。しかし、多孔質電極では、電解液と電極の接触は電極内部の空隙の状況に依存する。また、電極を構成する材料の電子伝導性も影響する。したがって、多孔電極をいかにして作製するのかが重要なポイントとなる。ここでは、そのような観点から多孔体を作製する方法とその応用について紹介する。このような作製方法で使用する粒子のサイズは多孔体のサイズに依存するが、多くの場合は数百nmから数十nmの大きさである。
100倍の面積を有する多孔電極が存在すれば、反応速度は平面電極の何倍になりますか?
多孔電極の反応速度は、平面電極の100倍になります。
JCRRAG_000639
化学
電気化学的な反応は常に電極と電解質の界面において生じる。単位面積当たりの反応速度(電荷移動)はそう早くはない。しかし、一般的には大きな反応界面を上手に構築することにより電気化学反応の速度を大きくすることができる。例えば、多孔質な電極を用いた場合と平滑な面を有する電極を用いた場合、その表面積は相当異なる。100倍の面積を有する多孔電極が存在すれば反応速度も、単純に平面電極の100倍になる。しかし、実際には全く等価ではなく、多孔質電極としての問題点もある。平面電極は、すべての面が電気的に等価な状態で電解液と接触しており、電気化学的な反応が均一に生じる電極となる。しかし、多孔質電極では、電解液と電極の接触は電極内部の空隙の状況に依存する。また、電極を構成する材料の電子伝導性も影響する。したがって、多孔電極をいかにして作製するのかが重要なポイントとなる。ここでは、そのような観点から多孔体を作製する方法とその応用について紹介する。このような作製方法で使用する粒子のサイズは多孔体のサイズに依存するが、多くの場合は数百nmから数十nmの大きさである。
電気化学的な反応が均一に生じるのは、何電極ですか?
平面電極が、電気化学的な反応が均一に生じる電極です。
JCRRAG_000640
化学
【噴霧法を用いた粒子プロセスにおけるナノ材料の機能化】 固相反応法に代わる新しい微粒子・ナノ粒子の合成プロセスとして期待される方法が、噴霧熱分解法を含む噴霧法である。噴霧法を応用した、静電噴霧法、溶融塩添加型噴霧法、減圧型噴霧法により数nmから数10nmの多成分系酸化物、金属、硫化物粒子の合成が可能であることが報告されている。本講演では、著者らが新しく開発した噴霧法を紹介し、粒子合成プロセスにおけるナノ材料の機能化を述べる。 ・火炎型熱源の利用 これまでのCVD型火炎法では多成分系材料であるBaTiO₃粒子が合成できなかったが、水溶液原料として酢酸バリウムとチタンテトライソプロポキシドを用いた火炎式噴霧熱分解法によりBaTiO₃ナノ粒子が合成できた。狭い粒子径分布の幅を持つ粒子を合成するには火炎の温度が重要であり、火炎燃料ガスの流量を含む操作パラメーターを精密に制御することによって、合成粒子の平均粒子径を、20nmから70nmの範囲で制御できる。高い操作温度においては、立方晶と六方晶が形成される。この手法では、比較的高い誘電率をもつ粒子が合成できる。
BaTiO₃粒子は何系材料ですか?
BaTiO₃粒子は、多成分系材料です。
JCRRAG_000641
化学
電気化学的な反応は常に電極と電解質の界面において生じる。単位面積当たりの反応速度(電荷移動)はそう早くはない。しかし、一般的には大きな反応界面を上手に構築することにより電気化学反応の速度を大きくすることができる。例えば、多孔質な電極を用いた場合と平滑な面を有する電極を用いた場合、その表面積は相当異なる。100倍の面積を有する多孔電極が存在すれば反応速度も、単純に平面電極の100倍になる。しかし、実際には全く等価ではなく、多孔質電極としての問題点もある。平面電極は、すべての面が電気的に等価な状態で電解液と接触しており、電気化学的な反応が均一に生じる電極となる。しかし、多孔質電極では、電解液と電極の接触は電極内部の空隙の状況に依存する。また、電極を構成する材料の電子伝導性も影響する。したがって、多孔電極をいかにして作製するのかが重要なポイントとなる。ここでは、そのような観点から多孔体を作製する方法とその応用について紹介する。このような作製方法で使用する粒子のサイズは多孔体のサイズに依存するが、多くの場合は数百nmから数十nmの大きさである。
電気化学的な反応は、常に何の界面において生じますか?
電気化学的な反応は、常に電極と電解質の界面において生じます。
JCRRAG_000642
化学
 デバイスの軽量化や省資源などを考えると、単結晶多層膜の作製技術の確立が望まれる。近年分子メモリなどの分子デバイス、機能性材料として注目されている金属錯体は、多様な酸化還元特性やスピン状態、発光性や電気伝導性などの興味深い物性を示すが、電荷や極性を持ち熱的に不安定であることが多く、気相エピタキシー法などの利用は困難と考えられる。このため、溶液からのエピタキシャル成長法により多層膜単結を作製する方法が有効な手段として期待される。エピタキシャル成長では、膜結晶は基板結晶の表面から成長するため、膜‐基板界面での分子間相互作用により、バルクの結晶とは異なる結晶構造の生成も期待される。  最近、Cu(I)およびAg(I)をそれぞれ含む発光性多核金属錯体の組み合わせについて、溶液からのエピタキシャル成長法により、紫外線照射により赤色発光するCu(I)錯体の基板結晶の表面上に、同形の黄緑色発光するAg(I)錯体の微小結晶粒を整列させて成長させることに成功した。偏光顕微鏡観察等により、微小結晶粒は単結晶であり、基板結晶と表面結晶粒の結晶方位および表面結晶粒同士の結晶方位は一致していることが示唆された。このため、基板結晶と表面結晶の界面での構造の整合性、膜結晶の詳細な結晶構造などを明らかにするため、さらにSPring-8からの高輝度X線マイクロビームを用いてどの程度の大きさの薄膜結晶の構造解析ができるかを明らかにするため、表面結晶粒の方位測定および結晶構造解析を目的としてX線回折実験を行った。
金属錯体について気相エピタキシー法などの利用が困難と考えられる理由は何ですか?
金属錯体について気相エピタキシー法などの利用が困難と考えられる理由は、電荷や極性を持ち熱的に不安定であることが多いためです。
JCRRAG_000643
化学
【ナノサイズ粒子を用いた電気化学的機能を有する多孔体の作製と応用】 ・リチウムイオン伝導性三次元規則配列マクロ多孔体  三次元規則配列多孔体リチウムイオン伝導性セラミックスはX線回折法により結晶構造を調べると、ペロブスカイト型構造を有するセラミックスであり、インピーダンス法によりイオン伝導性を評価すると10⁻⁴Scm⁻¹以上の伝導性を有しており、リチウム電池用電解質として機能する。リチウム電池用電解質にリチウム電池用の活物質を埋め込むことにより、電気化学的なシステムを構築することができる。実際にゾル・ゲル法を用いてLiCoO₂やLiMn₂O₄などの電池用材料をマクロ孔内部に充填することができる。コンポジット化することにより得られたセラミックス複合体は電子伝導性とイオン伝導性を兼ね備えた材料となっており、リチウム電池用の電極として機能する。LiCoO₂やLiMn₂O₄は正極材料として用いられるが、Li₄Ti₅O₁₂は負極材料として使用することが可能であり、これらの電極を組み合わせることによりリチウム電池を構成することができる。LiCoO₂正極とLi₄Ti₅O₁₂負極を用いて作製したリチウム電池はセラミックスで作製されており、一般的にはこのような充放電を行うことは容易ではないが、三次元規則配列多孔体を用いることにより興味深い結果を得ることができている。すなわち、この結果は、三次元的に均一な状態で固相電気化学反応界面を拡張することができれば、固体系でも電気化学反応が十分に動作しうることを示唆するものである。実際、比表面積は十数m²/g程度あり、非常に大きな電気化学的な界面領域を形成しているものと推測される。これにより、固相電気化学反応において問題となっていた界面抵抗の低減が可能となっている。このように、三次元規則配列多孔体は電気化学的固体デバイスの作製にとって非常に有用な働きをする。
イオン伝導性は何法で評価されましたか?
イオン伝導性は、インピーダンス法で評価されました。
JCRRAG_000644
化学
【ナノサイズ粒子を用いた電気化学的機能を有する多孔体の作製と応用】 ・リチウム電池におけるオパール構造体の利用  前節では、三次元規則配列多孔体を用いて固体電解質の多孔体を最初に作製し、その後、活物質材料を充填する方法を用いて電極システムの作製を行った。もう一つの方法として、活物質粒子を球状でオパール構造体作製し、電解質のナノ粒子を後で充填する方法もある。球状粒子を作製する方法として、エマルジョン系のゾル・ゲル法や均一核生成による方法などが挙げられる。図5に均一核生成法により作製されたLiMn₂O₄粒子の電子顕微鏡写真を示す。図5の粒子は、球状のMnCO₃から合成されたものであり、LiOHなどとの固相反応法により容易に合成することができる。得られた球状粒子を適当な溶媒、たとえばエタノールなどに分散させ縣濁液を作製し、縣濁液の溶媒をゆっくりと蒸発させることにより球状粒子を基板上に堆積させることができる。用いる粒子の単分散性に依存して、オパール構造体に近い三次元の規則配列体を得ることができる。この構造体は30%以上の空隙を有しており、その中に固体電解質を充填できれば結果的には前節と類似の構造体が得られる。図6に固体高分子電解質を隙間に充填した場合の電極の電子顕微鏡写真を示す。均一に高分子固体電解質が充填されていることが分かる。通常の粉体を用いた場合にはこのように均一に電解質を充填することは非常に困難であり、十分な電気化学的な界面を形成することができない。しかし、規則的な構造を電極に付与することで均一な界面形成が可能となる。
エマルジョン系のゾル・ゲル法や均一核生成による方法は、何を作製する方法ですか?
エマルジョン系のゾル・ゲル法や均一核生成による方法は、球状粒子を作製する方法です。
JCRRAG_000645
化学
【ナノサイズ粒子を用いた電気化学的機能を有する多孔体の作製と応用】 ・リチウム電池におけるオパール構造体の利用  前節では、三次元規則配列多孔体を用いて固体電解質の多孔体を最初に作製し、その後、活物質材料を充填する方法を用いて電極システムの作製を行った。もう一つの方法として、活物質粒子を球状でオパール構造体作製し、電解質のナノ粒子を後で充填する方法もある。球状粒子を作製する方法として、エマルジョン系のゾル・ゲル法や均一核生成による方法などが挙げられる。図5に均一核生成法により作製されたLiMn₂O₄粒子の電子顕微鏡写真を示す。図5の粒子は、球状のMnCO₃から合成されたものであり、LiOHなどとの固相反応法により容易に合成することができる。得られた球状粒子を適当な溶媒、たとえばエタノールなどに分散させ縣濁液を作製し、縣濁液の溶媒をゆっくりと蒸発させることにより球状粒子を基板上に堆積させることができる。用いる粒子の単分散性に依存して、オパール構造体に近い三次元の規則配列体を得ることができる。この構造体は30%以上の空隙を有しており、その中に固体電解質を充填できれば結果的には前節と類似の構造体が得られる。図6に固体高分子電解質を隙間に充填した場合の電極の電子顕微鏡写真を示す。均一に高分子固体電解質が充填されていることが分かる。通常の粉体を用いた場合にはこのように均一に電解質を充填することは非常に困難であり、十分な電気化学的な界面を形成することができない。しかし、規則的な構造を電極に付与することで均一な界面形成が可能となる。
図5は何の電子顕微鏡写真が示されていますか?
図5は、均一核生成法により作製されたLiMn₂O₄粒子の電子顕微鏡写真が示されています。
JCRRAG_000646
化学
【ナノサイズ粒子を用いた電気化学的機能を有する多孔体の作製と応用】 ・リチウム電池におけるオパール構造体の利用  前節では、三次元規則配列多孔体を用いて固体電解質の多孔体を最初に作製し、その後、活物質材料を充填する方法を用いて電極システムの作製を行った。もう一つの方法として、活物質粒子を球状でオパール構造体作製し、電解質のナノ粒子を後で充填する方法もある。球状粒子を作製する方法として、エマルジョン系のゾル・ゲル法や均一核生成による方法などが挙げられる。図5に均一核生成法により作製されたLiMn₂O₄粒子の電子顕微鏡写真を示す。図5の粒子は、球状のMnCO₃から合成されたものであり、LiOHなどとの固相反応法により容易に合成することができる。得られた球状粒子を適当な溶媒、たとえばエタノールなどに分散させ縣濁液を作製し、縣濁液の溶媒をゆっくりと蒸発させることにより球状粒子を基板上に堆積させることができる。用いる粒子の単分散性に依存して、オパール構造体に近い三次元の規則配列体を得ることができる。この構造体は30%以上の空隙を有しており、その中に固体電解質を充填できれば結果的には前節と類似の構造体が得られる。図6に固体高分子電解質を隙間に充填した場合の電極の電子顕微鏡写真を示す。均一に高分子固体電解質が充填されていることが分かる。通常の粉体を用いた場合にはこのように均一に電解質を充填することは非常に困難であり、十分な電気化学的な界面を形成することができない。しかし、規則的な構造を電極に付与することで均一な界面形成が可能となる。
図5の粒子は、何から合成されたものですか?
図5の粒子は、球状のMnCO₃から合成されたものです。
JCRRAG_000647
化学
化学気相合成法による複合酸化物ナノ粒子の量産化と機能材料への応用 ナノ粒子はサイズ的特徴があり、ナノ粒子は同じ物質でありながらもバルク体材料とは大きく異なる機能を持つ。機能としては(1)量子サイズ効果(2)比表面積の増加に伴う高活性化、高反応化(3)溶解度、拡散速度の向上(4)焼結温度の低下などが期待されており、ナノ粒子の合成に関する研究が数多くなされている。 当研究所では、ナノ粒子を対象にした新たな粉体技術の研究開発を加速させており、ナノ粒子合成の基盤技術を開発するとともに、ナノ粒子化による機能性向上の評価を行っている。その成果の一つとして、酸化物ナノ粒子の量産製造技術(FCM:Flash Creation Method)とその合成装置(ナノクリエータ:FCM-LAB)を開発し、商品化を開始している。 ここでは、ナノ粒子量産技術:FCMの原理と特徴及び合成装置の構造を紹介するとともに、蛍光体や非鉛強誘電体材料開発への応用についても紹介する。さらに、新たに商品化した研究開発用の小型ナノ粒子合成装置(ナノクリエータ:FCM-MINI)の原理と特徴について紹介する。
ナノ粒子は、同じ物質でありながらも何とは大きく異なる機能を持ちますか。
ナノ粒子は、同じ物質でありながらもバルク体材料とは大きく異なる機能を持ちます。
JCRRAG_000648
化学
【噴霧法を用いた粒子プロセスにおけるナノ材料の機能化】 固相反応法に代わる新しい微粒子・ナノ粒子の合成プロセスとして期待される方法が、噴霧熱分解法を含む噴霧法である。噴霧法を応用した、静電噴霧法、溶融塩添加型噴霧法、減圧型噴霧法により数nmから数10nmの多成分系酸化物、金属、硫化物粒子の合成が可能であることが報告されている。本講演では、著者らが新しく開発した噴霧法を紹介し、粒子合成プロセスにおけるナノ材料の機能化を述べる。 ・火炎型熱源の利用 これまでのCVD型火炎法では多成分系材料であるBaTiO₃粒子が合成できなかったが、水溶液原料として酢酸バリウムとチタンテトライソプロポキシドを用いた火炎式噴霧熱分解法によりBaTiO₃ナノ粒子が合成できた。狭い粒子径分布の幅を持つ粒子を合成するには火炎の温度が重要であり、火炎燃料ガスの流量を含む操作パラメーターを精密に制御することによって、合成粒子の平均粒子径を、20nmから70nmの範囲で制御できる。高い操作温度においては、立方晶と六方晶が形成される。この手法では、比較的高い誘電率をもつ粒子が合成できる。
水溶液原料は何ですか?
酢酸バリウムとチタンテトライソプロポキシドが、水溶液原料です。
JCRRAG_000649
化学
【複合粒子の電気泳動法による金属表面へのコーティング膜の創製と機能化】  家電、エンジン、自動車、機械部品及び金型、切削工具部材等多くの金属部品、部材の低摩耗化、高硬度化や耐摩耗性、耐食性向上等の特性向上、機能化長寿命化のために、表面コーティングは有効な手段である。その表面コーティング法として、PVD、CVD、溶射、めっきや窒化処理等種々の方法が開発されており、セラミック、カーボン、DLC(Diamondlike Carbon)やフッ素樹脂等のコーティングが可能である。コーティングは重要な基盤技術であり、当社では、固体高分子形燃料電池PEFC(polymer electrolyte fuel cell)の金属セパレータを対象として、新たな複合膜のコーティング技術の開発を進めている。  PEFCの主要な構成部品であるセパレータには、導電性、耐食性、水素ガス不透過性などの特性が要求される。現状では、耐食性と導電性に優れる黒鉛系材料が適用されているが、これらの素材は高価かつ脆弱性を持つため、薄肉化や量産性が困難であり、PEFCへの本格的な実用化は望めない。これらの課題を克服するため、耐食性と導電性兼ね備える安価な金属製セパレータの実現が必要である。しかし、金属は腐食され易いという欠点があるため、白金や金などの貴金属を除くと、殆どの金属はPEFCの動作環境(強酸性)下での耐食性が不十分であり、腐食による金属イオンの溶出や表面不動態化は、電池性能の劣化につながる。そこで、ステンレス等廉価な金属に対し、導電性を維持すると共に、耐食性を向上させる表面処理が不可欠である。
セパレータには、どのような特性が要求されますか?
セパレータには、導電性、耐食性、水素ガス不透過性などの特性が要求されます。
JCRRAG_000650
化学
【複合粒子の電気泳動法による金属表面へのコーティング膜の創製と機能化】  家電、エンジン、自動車、機械部品及び金型、切削工具部材等多くの金属部品、部材の低摩耗化、高硬度化や耐摩耗性、耐食性向上等の特性向上、機能化長寿命化のために、表面コーティングは有効な手段である。その表面コーティング法として、PVD、CVD、溶射、めっきや窒化処理等種々の方法が開発されており、セラミック、カーボン、DLC(Diamondlike Carbon)やフッ素樹脂等のコーティングが可能である。コーティングは重要な基盤技術であり、当社では、固体高分子形燃料電池PEFC(polymer electrolyte fuel cell)の金属セパレータを対象として、新たな複合膜のコーティング技術の開発を進めている。  PEFCの主要な構成部品であるセパレータには、導電性、耐食性、水素ガス不透過性などの特性が要求される。現状では、耐食性と導電性に優れる黒鉛系材料が適用されているが、これらの素材は高価かつ脆弱性を持つため、薄肉化や量産性が困難であり、PEFCへの本格的な実用化は望めない。これらの課題を克服するため、耐食性と導電性兼ね備える安価な金属製セパレータの実現が必要である。しかし、金属は腐食され易いという欠点があるため、白金や金などの貴金属を除くと、殆どの金属はPEFCの動作環境(強酸性)下での耐食性が不十分であり、腐食による金属イオンの溶出や表面不動態化は、電池性能の劣化につながる。そこで、ステンレス等廉価な金属に対し、導電性を維持すると共に、耐食性を向上させる表面処理が不可欠である。
黒鉛系材料は何に優れていますか?
黒鉛系材料は、耐食性と導電性に優れています。
JCRRAG_000651
化学
化学気相合成法による複合酸化物ナノ粒子の量産化と機能材料への応用 ナノ粒子はサイズ的特徴があり、ナノ粒子は同じ物質でありながらもバルク体材料とは大きく異なる機能を持つ。機能としては(1)量子サイズ効果(2)比表面積の増加に伴う高活性化、高反応化(3)溶解度、拡散速度の向上(4)焼結温度の低下などが期待されており、ナノ粒子の合成に関する研究が数多くなされている。 当研究所では、ナノ粒子を対象にした新たな粉体技術の研究開発を加速させており、ナノ粒子合成の基盤技術を開発するとともに、ナノ粒子化による機能性向上の評価を行っている。その成果の一つとして、酸化物ナノ粒子の量産製造技術(FCM:Flash Creation Method)とその合成装置(ナノクリエータ:FCM-LAB)を開発し、商品化を開始している。 ここでは、ナノ粒子量産技術:FCMの原理と特徴及び合成装置の構造を紹介するとともに、蛍光体や非鉛強誘電体材料開発への応用についても紹介する。さらに、新たに商品化した研究開発用の小型ナノ粒子合成装置(ナノクリエータ:FCM-MINI)の原理と特徴について紹介する。
当研究所では、何の基盤技術を開発していますか?
当研究所では、ナノ粒子合成の基盤技術を開発しています。
JCRRAG_000652
化学
【複合粒子の電気泳動法による金属表面へのコーティング膜の創製と機能化】  家電、エンジン、自動車、機械部品及び金型、切削工具部材等多くの金属部品、部材の低摩耗化、高硬度化や耐摩耗性、耐食性向上等の特性向上、機能化長寿命化のために、表面コーティングは有効な手段である。その表面コーティング法として、PVD、CVD、溶射、めっきや窒化処理等種々の方法が開発されており、セラミック、カーボン、DLC(Diamondlike Carbon)やフッ素樹脂等のコーティングが可能である。コーティングは重要な基盤技術であり、当社では、固体高分子形燃料電池PEFC(polymer electrolyte fuel cell)の金属セパレータを対象として、新たな複合膜のコーティング技術の開発を進めている。  PEFCの主要な構成部品であるセパレータには、導電性、耐食性、水素ガス不透過性などの特性が要求される。現状では、耐食性と導電性に優れる黒鉛系材料が適用されているが、これらの素材は高価かつ脆弱性を持つため、薄肉化や量産性が困難であり、PEFCへの本格的な実用化は望めない。これらの課題を克服するため、耐食性と導電性兼ね備える安価な金属製セパレータの実現が必要である。しかし、金属は腐食され易いという欠点があるため、白金や金などの貴金属を除くと、殆どの金属はPEFCの動作環境(強酸性)下での耐食性が不十分であり、腐食による金属イオンの溶出や表面不動態化は、電池性能の劣化につながる。そこで、ステンレス等廉価な金属に対し、導電性を維持すると共に、耐食性を向上させる表面処理が不可欠である。
金属は、どのような欠点がありますか?
金属は、腐食され易いという欠点があります。
JCRRAG_000653
化学
【複合粒子の電気泳動法による金属表面へのコーティング膜の創製と機能化】  家電、エンジン、自動車、機械部品及び金型、切削工具部材等多くの金属部品、部材の低摩耗化、高硬度化や耐摩耗性、耐食性向上等の特性向上、機能化長寿命化のために、表面コーティングは有効な手段である。その表面コーティング法として、PVD、CVD、溶射、めっきや窒化処理等種々の方法が開発されており、セラミック、カーボン、DLC(Diamondlike Carbon)やフッ素樹脂等のコーティングが可能である。コーティングは重要な基盤技術であり、当社では、固体高分子形燃料電池PEFC(polymer electrolyte fuel cell)の金属セパレータを対象として、新たな複合膜のコーティング技術の開発を進めている。  PEFCの主要な構成部品であるセパレータには、導電性、耐食性、水素ガス不透過性などの特性が要求される。現状では、耐食性と導電性に優れる黒鉛系材料が適用されているが、これらの素材は高価かつ脆弱性を持つため、薄肉化や量産性が困難であり、PEFCへの本格的な実用化は望めない。これらの課題を克服するため、耐食性と導電性兼ね備える安価な金属製セパレータの実現が必要である。しかし、金属は腐食され易いという欠点があるため、白金や金などの貴金属を除くと、殆どの金属はPEFCの動作環境(強酸性)下での耐食性が不十分であり、腐食による金属イオンの溶出や表面不動態化は、電池性能の劣化につながる。そこで、ステンレス等廉価な金属に対し、導電性を維持すると共に、耐食性を向上させる表面処理が不可欠である。
PEFCの主要な構成部品は何ですか?
PEFCの主要な構成部品は、セパレータです。
JCRRAG_000654
化学
【噴霧法を用いた粒子プロセスにおけるナノ材料の機能化】 固相反応法に代わる新しい微粒子・ナノ粒子の合成プロセスとして期待される方法が、噴霧熱分解法を含む噴霧法である。噴霧法を応用した、静電噴霧法、溶融塩添加型噴霧法、減圧型噴霧法により数nmから数10nmの多成分系酸化物、金属、硫化物粒子の合成が可能であることが報告されている。本講演では、著者らが新しく開発した噴霧法を紹介し、粒子合成プロセスにおけるナノ材料の機能化を述べる。 ・火炎型熱源の利用 これまでのCVD型火炎法では多成分系材料であるBaTiO₃粒子が合成できなかったが、水溶液原料として酢酸バリウムとチタンテトライソプロポキシドを用いた火炎式噴霧熱分解法によりBaTiO₃ナノ粒子が合成できた。狭い粒子径分布の幅を持つ粒子を合成するには火炎の温度が重要であり、火炎燃料ガスの流量を含む操作パラメーターを精密に制御することによって、合成粒子の平均粒子径を、20nmから70nmの範囲で制御できる。高い操作温度においては、立方晶と六方晶が形成される。この手法では、比較的高い誘電率をもつ粒子が合成できる。
何が、狭い粒子径分布の幅を持つ粒子を合成するには重要ですか?
火炎の温度が、狭い粒子径分布の幅を持つ粒子を合成するには重要です。
JCRRAG_000655
化学
【噴霧法を用いた粒子プロセスにおけるナノ材料の機能化】 固相反応法に代わる新しい微粒子・ナノ粒子の合成プロセスとして期待される方法が、噴霧熱分解法を含む噴霧法である。噴霧法を応用した、静電噴霧法、溶融塩添加型噴霧法、減圧型噴霧法により数nmから数10nmの多成分系酸化物、金属、硫化物粒子の合成が可能であることが報告されている。本講演では、著者らが新しく開発した噴霧法を紹介し、粒子合成プロセスにおけるナノ材料の機能化を述べる。 ・火炎型熱源の利用 これまでのCVD型火炎法では多成分系材料であるBaTiO₃粒子が合成できなかったが、水溶液原料として酢酸バリウムとチタンテトライソプロポキシドを用いた火炎式噴霧熱分解法によりBaTiO₃ナノ粒子が合成できた。狭い粒子径分布の幅を持つ粒子を合成するには火炎の温度が重要であり、火炎燃料ガスの流量を含む操作パラメーターを精密に制御することによって、合成粒子の平均粒子径を、20nmから70nmの範囲で制御できる。高い操作温度においては、立方晶と六方晶が形成される。この手法では、比較的高い誘電率をもつ粒子が合成できる。
減圧型噴霧法では、何の合成が可能ですか?
減圧型噴霧法では、数nmから数10nmの多成分系酸化物、金属、硫化物粒子の合成が可能です。
JCRRAG_000656
化学
【噴霧法を用いた粒子プロセスにおけるナノ材料の機能化】 ・結晶子径と粒子径を独立させる合成プロセス 一般的には発光材料(蛍光材料)において、結晶子径および粒子径と蛍光強度を含めた発光特性との関係は明らかになっていない。特にサブミクロンの粒子径範囲においてはほとんど研究されておらず、精密に制御されたナノ材料サンプルが作成できていないのが原因である。代表的なドープ型蛍光材料であるY₂O₃:Eu³⁺粒子を対象として、結晶子径と粒子径を独立させるような噴霧熱分解法の実験を考案した。高倍率走査型・透過型電子顕微鏡や制限視野電子回折等を行うことで、結晶子径および粒子径と量子効率を含む蛍光特性との関係を調べた。特にフォトルミネッセンス(PL)は、サンプルの結晶子径、粒子径、粒子の(化学的)表面状態、および蛍光体粒子内のドープ(Euイオン)の分布、に非常に依存することが明らかになった。サブミクロンで多結晶Y₂O₃:Eu³⁺粒子の場合、結晶子径40nm、粒子径500nmが最適な値であることが実験的に証明された。結晶子径と粒子径は、大きくなるほどPL強度と量子効率が高くなり、結晶子径の方がより重要なパラメータである。
サブミクロンの粒子径範囲がほとんど研究されていない原因は何ですか?
精密に制御されたナノ材料サンプルが作成できていないのが原因です。
JCRRAG_000657
化学
【噴霧法を用いた粒子プロセスにおけるナノ材料の機能化】 ・結晶子径と粒子径を独立させる合成プロセス 一般的には発光材料(蛍光材料)において、結晶子径および粒子径と蛍光強度を含めた発光特性との関係は明らかになっていない。特にサブミクロンの粒子径範囲においてはほとんど研究されておらず、精密に制御されたナノ材料サンプルが作成できていないのが原因である。代表的なドープ型蛍光材料であるY₂O₃:Eu³⁺粒子を対象として、結晶子径と粒子径を独立させるような噴霧熱分解法の実験を考案した。高倍率走査型・透過型電子顕微鏡や制限視野電子回折等を行うことで、結晶子径および粒子径と量子効率を含む蛍光特性との関係を調べた。特にフォトルミネッセンス(PL)は、サンプルの結晶子径、粒子径、粒子の(化学的)表面状態、および蛍光体粒子内のドープ(Euイオン)の分布、に非常に依存することが明らかになった。サブミクロンで多結晶Y₂O₃:Eu³⁺粒子の場合、結晶子径40nm、粒子径500nmが最適な値であることが実験的に証明された。結晶子径と粒子径は、大きくなるほどPL強度と量子効率が高くなり、結晶子径の方がより重要なパラメータである。
最適な粒子径の値は、何nmですか?
最適な粒子径の値は、500nmです。
JCRRAG_000658
化学
【噴霧法を用いた粒子プロセスにおけるナノ材料の機能化】 ・ミクロン液滴内部の加熱 火炎からの外部熱源の他に、噴霧するミクロン液滴内部からの熱が発生するような合成プロセスが提案されている。ミクロン液滴内部の加熱プロセスでは、噴霧される前の出発原料である硝酸金属物に尿素を添加する。尿素は気相中の液滴内で熱分解し、液滴内の熱源として機能すると考えられる。例えば、低温では合成が難しいとされるYAG相をもつ粒子の合成において、外部加熱のみの場合はミクロン粒子が形成されるが、外部加熱と内部加熱を同時に行うことでYAG相をもつナノ粒子(平均径50nm)が形成される。 ・パルス衝撃波による液滴の乾燥 噴霧される液滴にパルス衝撃波を照射することで、短い時間で液滴が乾燥し、その後の気中加熱による熱分解過程を経て、ワンステップでナノ粒子を合成できるプロセスが開発された。このプロセスを用いて、低い熱分解温度をもつZnOと高い熱分解温度をもつGd₂O₃:Eu³⁺粒子を合成した。ZnOは平均粒子径が20から40nmで合成できたが、赤色発光材料であるGd₂O₃:Eu³⁺ではサブミクロンで非球形粒子が合成された。パルス衝撃波により形成される変動環境において液滴を比較的短時間に乾燥させることが、ナノ粒子および非球形粒子を形成した原因だと考えられる。通常の噴霧熱分解法の操作温度より低い操作温度でも同じ結晶性をもつ粒子が合成できていることから、パルス衝撃波を用いた手法が熱に弱い結晶材料の合成に向いているといえる。
パルス衝撃波を用いた手法は何の合成に向いていますか?
パルス衝撃波を用いた手法は、熱に弱い結晶材料の合成に向いています。
JCRRAG_000659
化学
以下は、福井武久氏による論文「複合粒子の電気泳動法による金属表面へのコーティング膜の創製と機能化(Preparation and Functionalization of Coating Film of Composite Particles onto the Metal Surface by Electrophoresis)」からの抜粋である。 製膜のコンセプトと原理 ・ナノ複合粒子の合成及び分散 電気泳動用複合粒子分散液の調製には、電気伝導性に優れるケッチェンブラック(KB)を導電性フィラーとし、耐腐食性に優れるポリフッ化ビニリデン(PVDF)樹脂をバインダーとし、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)を溶剤とし、高純度エタノールを溶媒として使用された。先ず、PVDF樹脂をNMP溶剤に溶解させ、得られたPVCF/NMP希薄溶液に所定量のKBを添加し分散させる。そして、調製した混合液を激しく攪拌させつつ、貧溶媒であるエタノールに注入してPVDFを析出させる。その段階で、再結晶したPVDF粒子は周囲のKB粒子を巻き込んで複合粒子を形成する。この混合液を引き続き乳化分散させ、均一かつ安定なナノ複合粒子が分散した電気泳動用の原料分散液が得られる。
バインダーは何ですか?
バインダーは、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)樹脂です。
JCRRAG_000660
化学
【噴霧法を用いた粒子プロセスにおけるナノ材料の機能化】 ・結晶子径と粒子径を独立させる合成プロセス 一般的には発光材料(蛍光材料)において、結晶子径および粒子径と蛍光強度を含めた発光特性との関係は明らかになっていない。特にサブミクロンの粒子径範囲においてはほとんど研究されておらず、精密に制御されたナノ材料サンプルが作成できていないのが原因である。代表的なドープ型蛍光材料であるY₂O₃:Eu³⁺粒子を対象として、結晶子径と粒子径を独立させるような噴霧熱分解法の実験を考案した。高倍率走査型・透過型電子顕微鏡や制限視野電子回折等を行うことで、結晶子径および粒子径と量子効率を含む蛍光特性との関係を調べた。特にフォトルミネッセンス(PL)は、サンプルの結晶子径、粒子径、粒子の(化学的)表面状態、および蛍光体粒子内のドープ(Euイオン)の分布、に非常に依存することが明らかになった。サブミクロンで多結晶Y₂O₃:Eu³⁺粒子の場合、結晶子径40nm、粒子径500nmが最適な値であることが実験的に証明された。結晶子径と粒子径は、大きくなるほどPL強度と量子効率が高くなり、結晶子径の方がより重要なパラメータである。
最適な結晶子径の値は、何nmですか?
最適な結晶子径の値は、40nmです。
JCRRAG_000661
化学
【噴霧法を用いた粒子プロセスにおけるナノ材料の機能化】 ・結晶子径と粒子径を独立させる合成プロセス 一般的には発光材料(蛍光材料)において、結晶子径および粒子径と蛍光強度を含めた発光特性との関係は明らかになっていない。特にサブミクロンの粒子径範囲においてはほとんど研究されておらず、精密に制御されたナノ材料サンプルが作成できていないのが原因である。代表的なドープ型蛍光材料であるY₂O₃:Eu³⁺粒子を対象として、結晶子径と粒子径を独立させるような噴霧熱分解法の実験を考案した。高倍率走査型・透過型電子顕微鏡や制限視野電子回折等を行うことで、結晶子径および粒子径と量子効率を含む蛍光特性との関係を調べた。特にフォトルミネッセンス(PL)は、サンプルの結晶子径、粒子径、粒子の(化学的)表面状態、および蛍光体粒子内のドープ(Euイオン)の分布、に非常に依存することが明らかになった。サブミクロンで多結晶Y₂O₃:Eu³⁺粒子の場合、結晶子径40nm、粒子径500nmが最適な値であることが実験的に証明された。結晶子径と粒子径は、大きくなるほどPL強度と量子効率が高くなり、結晶子径の方がより重要なパラメータである。
結晶子径と粒子径は、大きくなるほど何が高くなりますか?
結晶子径と粒子径は、大きくなるほどPL強度と量子効率が高くなります。
JCRRAG_000662
化学
【噴霧法を用いた粒子プロセスにおけるナノ材料の機能化】 ・ミクロン液滴内部の加熱 火炎からの外部熱源の他に、噴霧するミクロン液滴内部からの熱が発生するような合成プロセスが提案されている。ミクロン液滴内部の加熱プロセスでは、噴霧される前の出発原料である硝酸金属物に尿素を添加する。尿素は気相中の液滴内で熱分解し、液滴内の熱源として機能すると考えられる。例えば、低温では合成が難しいとされるYAG相をもつ粒子の合成において、外部加熱のみの場合はミクロン粒子が形成されるが、外部加熱と内部加熱を同時に行うことでYAG相をもつナノ粒子(平均径50nm)が形成される。 ・パルス衝撃波による液滴の乾燥 噴霧される液滴にパルス衝撃波を照射することで、短い時間で液滴が乾燥し、その後の気中加熱による熱分解過程を経て、ワンステップでナノ粒子を合成できるプロセスが開発された。このプロセスを用いて、低い熱分解温度をもつZnOと高い熱分解温度をもつGd₂O₃:Eu³⁺粒子を合成した。ZnOは平均粒子径が20から40nmで合成できたが、赤色発光材料であるGd₂O₃:Eu³⁺ではサブミクロンで非球形粒子が合成された。パルス衝撃波により形成される変動環境において液滴を比較的短時間に乾燥させることが、ナノ粒子および非球形粒子を形成した原因だと考えられる。通常の噴霧熱分解法の操作温度より低い操作温度でも同じ結晶性をもつ粒子が合成できていることから、パルス衝撃波を用いた手法が熱に弱い結晶材料の合成に向いているといえる。
低温で合成が難しいとされるのは、どんな粒子ですか?
低温で合成が難しいとされる粒子はYAG相をもつ粒子です。
JCRRAG_000663
化学
【噴霧法を用いた粒子プロセスにおけるナノ材料の機能化】 ・ミクロン液滴内部の加熱 火炎からの外部熱源の他に、噴霧するミクロン液滴内部からの熱が発生するような合成プロセスが提案されている。ミクロン液滴内部の加熱プロセスでは、噴霧される前の出発原料である硝酸金属物に尿素を添加する。尿素は気相中の液滴内で熱分解し、液滴内の熱源として機能すると考えられる。例えば、低温では合成が難しいとされるYAG相をもつ粒子の合成において、外部加熱のみの場合はミクロン粒子が形成されるが、外部加熱と内部加熱を同時に行うことでYAG相をもつナノ粒子(平均径50nm)が形成される。 ・パルス衝撃波による液滴の乾燥 噴霧される液滴にパルス衝撃波を照射することで、短い時間で液滴が乾燥し、その後の気中加熱による熱分解過程を経て、ワンステップでナノ粒子を合成できるプロセスが開発された。このプロセスを用いて、低い熱分解温度をもつZnOと高い熱分解温度をもつGd₂O₃:Eu³⁺粒子を合成した。ZnOは平均粒子径が20から40nmで合成できたが、赤色発光材料であるGd₂O₃:Eu³⁺ではサブミクロンで非球形粒子が合成された。パルス衝撃波により形成される変動環境において液滴を比較的短時間に乾燥させることが、ナノ粒子および非球形粒子を形成した原因だと考えられる。通常の噴霧熱分解法の操作温度より低い操作温度でも同じ結晶性をもつ粒子が合成できていることから、パルス衝撃波を用いた手法が熱に弱い結晶材料の合成に向いているといえる。
噴霧される液滴に何を照射すると、短い時間で乾燥しますか?
噴霧される液滴は、パルス衝撃波を照射すると短い時間で乾燥します。
JCRRAG_000664
化学
以下は、福井武久氏による論文「複合粒子の電気泳動法による金属表面へのコーティング膜の創製と機能化(Preparation and Functionalization of Coating Film of Composite Particles onto the Metal Surface by Electrophoresis)」からの抜粋である。 製膜のコンセプトと原理 ・ナノ複合粒子の合成及び分散 電気泳動用複合粒子分散液の調製には、電気伝導性に優れるケッチェンブラック(KB)を導電性フィラーとし、耐腐食性に優れるポリフッ化ビニリデン(PVDF)樹脂をバインダーとし、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)を溶剤とし、高純度エタノールを溶媒として使用された。先ず、PVDF樹脂をNMP溶剤に溶解させ、得られたPVCF/NMP希薄溶液に所定量のKBを添加し分散させる。そして、調製した混合液を激しく攪拌させつつ、貧溶媒であるエタノールに注入してPVDFを析出させる。その段階で、再結晶したPVDF粒子は周囲のKB粒子を巻き込んで複合粒子を形成する。この混合液を引き続き乳化分散させ、均一かつ安定なナノ複合粒子が分散した電気泳動用の原料分散液が得られる。
ポリフッ化ビニリデン(PVDF)樹脂は、何に優れていますか?
ポリフッ化ビニリデン(PVDF)樹脂は、耐腐食性に優れています。
JCRRAG_000665
化学
製膜のコンセプトと原理 ・ナノ複合粒子の合成及び分散 電気泳動用複合粒子分散液の調製には、電気伝導性に優れるケッチェンブラック(KB)を導電性フィラーとし、耐腐食性に優れるポリフッ化ビニリデン(PVDF)樹脂をバインダーとし、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)を溶剤とし、高純度エタノールを溶媒として使用された。先ず、PVDF樹脂をNMP溶剤に溶解させ、得られたPVCF/NMP希薄溶液に所定量のKBを添加し分散させる。そして、調製した混合液を激しく攪拌させつつ、貧溶媒であるエタノールに注入してPVDFを析出させる。その段階で、再結晶したPVDF粒子は周囲のKB粒子を巻き込んで複合粒子を形成する。この混合液を引き続き乳化分散させ、均一かつ安定なナノ複合粒子が分散した電気泳動用の原料分散液が得られる。
溶剤は何ですか?
溶剤は、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)です。
JCRRAG_000666
化学
製膜のコンセプトと原理 ・ナノ複合粒子の合成及び分散 電気泳動用複合粒子分散液の調製には、電気伝導性に優れるケッチェンブラック(KB)を導電性フィラーとし、耐腐食性に優れるポリフッ化ビニリデン(PVDF)樹脂をバインダーとし、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)を溶剤とし、高純度エタノールを溶媒として使用された。先ず、PVDF樹脂をNMP溶剤に溶解させ、得られたPVCF/NMP希薄溶液に所定量のKBを添加し分散させる。そして、調製した混合液を激しく攪拌させつつ、貧溶媒であるエタノールに注入してPVDFを析出させる。その段階で、再結晶したPVDF粒子は周囲のKB粒子を巻き込んで複合粒子を形成する。この混合液を引き続き乳化分散させ、均一かつ安定なナノ複合粒子が分散した電気泳動用の原料分散液が得られる。
SUS316Lとは何ですか?
SUS316Lは、ステンレス鋼です。
JCRRAG_000667
化学
製膜のコンセプトと原理 ・ナノ複合粒子の合成及び分散 電気泳動用複合粒子分散液の調製には、電気伝導性に優れるケッチェンブラック(KB)を導電性フィラーとし、耐腐食性に優れるポリフッ化ビニリデン(PVDF)樹脂をバインダーとし、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)を溶剤とし、高純度エタノールを溶媒として使用された。先ず、PVDF樹脂をNMP溶剤に溶解させ、得られたPVCF/NMP希薄溶液に所定量のKBを添加し分散させる。そして、調製した混合液を激しく攪拌させつつ、貧溶媒であるエタノールに注入してPVDFを析出させる。その段階で、再結晶したPVDF粒子は周囲のKB粒子を巻き込んで複合粒子を形成する。この混合液を引き続き乳化分散させ、均一かつ安定なナノ複合粒子が分散した電気泳動用の原料分散液が得られる。
貧溶媒は何ですか?
貧溶媒は、エタノールです。
JCRRAG_000668
化学
製膜のコンセプトと原理 ・ナノ複合粒子の合成及び分散 電気泳動用複合粒子分散液の調製には、電気伝導性に優れるケッチェンブラック(KB)を導電性フィラーとし、耐腐食性に優れるポリフッ化ビニリデン(PVDF)樹脂をバインダーとし、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)を溶剤とし、高純度エタノールを溶媒として使用された。先ず、PVDF樹脂をNMP溶剤に溶解させ、得られたPVCF/NMP希薄溶液に所定量のKBを添加し分散させる。そして、調製した混合液を激しく攪拌させつつ、貧溶媒であるエタノールに注入してPVDFを析出させる。その段階で、再結晶したPVDF粒子は周囲のKB粒子を巻き込んで複合粒子を形成する。この混合液を引き続き乳化分散させ、均一かつ安定なナノ複合粒子が分散した電気泳動用の原料分散液が得られる。
何が泳動し、所定時間堆積させられましたか?
複合粒子が泳動し、所定時間堆積させられました。
JCRRAG_000669
化学
【噴霧法を用いた粒子プロセスにおけるナノ材料の機能化】 ・ミクロン液滴内部の加熱 火炎からの外部熱源の他に、噴霧するミクロン液滴内部からの熱が発生するような合成プロセスが提案されている。ミクロン液滴内部の加熱プロセスでは、噴霧される前の出発原料である硝酸金属物に尿素を添加する。尿素は気相中の液滴内で熱分解し、液滴内の熱源として機能すると考えられる。例えば、低温では合成が難しいとされるYAG相をもつ粒子の合成において、外部加熱のみの場合はミクロン粒子が形成されるが、外部加熱と内部加熱を同時に行うことでYAG相をもつナノ粒子(平均径50nm)が形成される。 ・パルス衝撃波による液滴の乾燥 噴霧される液滴にパルス衝撃波を照射することで、短い時間で液滴が乾燥し、その後の気中加熱による熱分解過程を経て、ワンステップでナノ粒子を合成できるプロセスが開発された。このプロセスを用いて、低い熱分解温度をもつZnOと高い熱分解温度をもつGd₂O₃:Eu³⁺粒子を合成した。ZnOは平均粒子径が20から40nmで合成できたが、赤色発光材料であるGd₂O₃:Eu³⁺ではサブミクロンで非球形粒子が合成された。パルス衝撃波により形成される変動環境において液滴を比較的短時間に乾燥させることが、ナノ粒子および非球形粒子を形成した原因だと考えられる。通常の噴霧熱分解法の操作温度より低い操作温度でも同じ結晶性をもつ粒子が合成できていることから、パルス衝撃波を用いた手法が熱に弱い結晶材料の合成に向いているといえる。
ミクロン液滴内部の加熱プロセスでは、出発原料に何を添加しますか?
ミクロン液滴内部の加熱プロセスでは、出発原料に尿素を添加します。
JCRRAG_000670
化学
製膜のコンセプトと原理 ・ナノ複合粒子の合成及び分散 電気泳動用複合粒子分散液の調製には、電気伝導性に優れるケッチェンブラック(KB)を導電性フィラーとし、耐腐食性に優れるポリフッ化ビニリデン(PVDF)樹脂をバインダーとし、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)を溶剤とし、高純度エタノールを溶媒として使用された。先ず、PVDF樹脂をNMP溶剤に溶解させ、得られたPVCF/NMP希薄溶液に所定量のKBを添加し分散させる。そして、調製した混合液を激しく攪拌させつつ、貧溶媒であるエタノールに注入してPVDFを析出させる。その段階で、再結晶したPVDF粒子は周囲のKB粒子を巻き込んで複合粒子を形成する。この混合液を引き続き乳化分散させ、均一かつ安定なナノ複合粒子が分散した電気泳動用の原料分散液が得られる。
ケッチェンブラック(KB)は何に優れていますか?
ケッチェンブラック(KB)は、電気伝導性に優れています。
JCRRAG_000671
化学
【ナノサイズ粒子を用いた電気化学的機能を有する多孔体の作製と応用】 ・リチウム電池におけるオパール構造体の利用  前節では、三次元規則配列多孔体を用いて固体電解質の多孔体を最初に作製し、その後、活物質材料を充填する方法を用いて電極システムの作製を行った。もう一つの方法として、活物質粒子を球状でオパール構造体作製し、電解質のナノ粒子を後で充填する方法もある。球状粒子を作製する方法として、エマルジョン系のゾル・ゲル法や均一核生成による方法などが挙げられる。図5に均一核生成法により作製されたLiMn₂O₄粒子の電子顕微鏡写真を示す。図5の粒子は、球状のMnCO₃から合成されたものであり、LiOHなどとの固相反応法により容易に合成することができる。得られた球状粒子を適当な溶媒、たとえばエタノールなどに分散させ縣濁液を作製し、縣濁液の溶媒をゆっくりと蒸発させることにより球状粒子を基板上に堆積させることができる。用いる粒子の単分散性に依存して、オパール構造体に近い三次元の規則配列体を得ることができる。この構造体は30%以上の空隙を有しており、その中に固体電解質を充填できれば結果的には前節と類似の構造体が得られる。図6に固体高分子電解質を隙間に充填した場合の電極の電子顕微鏡写真を示す。均一に高分子固体電解質が充填されていることが分かる。通常の粉体を用いた場合にはこのように均一に電解質を充填することは非常に困難であり、十分な電気化学的な界面を形成することができない。しかし、規則的な構造を電極に付与することで均一な界面形成が可能となる。
もう一つの方法は、何を後で充填する方法ですか?
もう一つの方法は、電解質のナノ粒子を後で充填する方法です。
JCRRAG_000672
化学
以下は、福井武久氏による論文「複合粒子の電気泳動法による金属表面へのコーティング膜の創製と機能化(Preparation and Functionalization of Coating Film of Composite Particles onto the Metal Surface by Electrophoresis)」からの抜粋である。 ・製膜の結果と膜特性  カーボン/樹脂複合膜コーティング法では、原料分散液の組成、濃度、攪拌速度、印加電圧、製膜時間、乾燥と熱処理温度、時間という種々の作製条件を変えることで、製膜の微細構造を制御することができる。電気泳動製膜と熱処理を組み合わせて得られた複合膜は、高温溶融固化処理過程における上層の樹脂が下層に沈むことによって、二層構造になることが分かる。また、膜の最表面は、ナノサイズの粒子がネットワーク状でつながっており、高導電性が付与されていることが推測できる。製膜の緻密な内部層には、ナノサイズの球状KB粒子がPVDFマトリックスの中に均質に分散している。このような二層構造により、導電性と耐食性を確保できると考える。
複合膜の構造は何と何を組み合わせて得られましたか?
複合膜の構造は、電気泳動製膜と熱処理を組み合わせて得られました。
JCRRAG_000673
化学
以下は、福井武久氏による論文「複合粒子の電気泳動法による金属表面へのコーティング膜の創製と機能化(Preparation and Functionalization of Coating Film of Composite Particles onto the Metal Surface by Electrophoresis)」からの抜粋である。 ・製膜の結果と膜特性  カーボン/樹脂複合膜コーティング法では、原料分散液の組成、濃度、攪拌速度、印加電圧、製膜時間、乾燥と熱処理温度、時間という種々の作製条件を変えることで、製膜の微細構造を制御することができる。電気泳動製膜と熱処理を組み合わせて得られた複合膜は、高温溶融固化処理過程における上層の樹脂が下層に沈むことによって、二層構造になることが分かる。また、膜の最表面は、ナノサイズの粒子がネットワーク状でつながっており、高導電性が付与されていることが推測できる。製膜の緻密な内部層には、ナノサイズの球状KB粒子がPVDFマトリックスの中に均質に分散している。このような二層構造により、導電性と耐食性を確保できると考える。
膜の最表面は、何性が付与されていますか?
膜の最表面は、高導電性が付与されています。
JCRRAG_000674
化学
・製膜の結果と膜特性  カーボン/樹脂複合膜コーティング法では、原料分散液の組成、濃度、攪拌速度、印加電圧、製膜時間、乾燥と熱処理温度、時間という種々の作製条件を変えることで、製膜の微細構造を制御することができる。電気泳動製膜と熱処理を組み合わせて得られた複合膜は、高温溶融固化処理過程における上層の樹脂が下層に沈むことによって、二層構造になることが分かる。また、膜の最表面は、ナノサイズの粒子がネットワーク状でつながっており、高導電性が付与されていることが推測できる。製膜の緻密な内部層には、ナノサイズの球状KB粒子がPVDFマトリックスの中に均質に分散している。このような二層構造により、導電性と耐食性を確保できると考える。
カーボン/樹脂複合膜コーティング法は、作製条件を変えることで何を制御することができますか?
カーボン/樹脂複合膜コーティング法は、作製条件を変えることで製膜の微細構造を制御することができます。
JCRRAG_000675
化学
・製膜の結果と膜特性  カーボン/樹脂複合膜コーティング法では、原料分散液の組成、濃度、攪拌速度、印加電圧、製膜時間、乾燥と熱処理温度、時間という種々の作製条件を変えることで、製膜の微細構造を制御することができる。電気泳動製膜と熱処理を組み合わせて得られた複合膜は、高温溶融固化処理過程における上層の樹脂が下層に沈むことによって、二層構造になることが分かる。また、膜の最表面は、ナノサイズの粒子がネットワーク状でつながっており、高導電性が付与されていることが推測できる。製膜の緻密な内部層には、ナノサイズの球状KB粒子がPVDFマトリックスの中に均質に分散している。このような二層構造により、導電性と耐食性を確保できると考える。
二層構造により、何と何を確保できていますか?
二層構造により、導電性と耐食性を確保できています。
JCRRAG_000676
化学
・電気泳動製膜及び複合膜の溶融固化処理 得られた原料分散液を用いて、電気泳動泳法によって、ステンレス鋼であるSUS316Lのセパレータの表面へカーボン/樹脂複合粒子をコートした。適度な距離に試験片と対極を対峙させ、電圧を印加して複合粒子を泳動し、所定時間堆積させる。分散液の組成や分散状態によって、印加電圧を数十ボルトから、数百ボルトの間に変化させた。得られた製膜を取り出して、室温で2時間乾燥させた後、200-260°Cの温度で1時間熱処理した。以上の処理をした電気泳動泳法で、製膜表面の状態が平滑で精度的にも良好な、導電性フッ素樹脂複合膜を生成することができた。
何が、セパレータの表面にコートされましたか?
カーボン/樹脂複合粒子が、セパレータの表面にコートされました。
JCRRAG_000677
化学
以下は、福井武久氏による論文「複合粒子の電気泳動法による金属表面へのコーティング膜の創製と機能化(Preparation and Functionalization of Coating Film of Composite Particles onto the Metal Surface by Electrophoresis)」からの抜粋である。 ・電気泳動製膜及び複合膜の溶融固化処理 得られた原料分散液を用いて、電気泳動泳法によって、ステンレス鋼であるSUS316Lのセパレータの表面へカーボン/樹脂複合粒子をコートした。適度な距離に試験片と対極を対峙させ、電圧を印加して複合粒子を泳動し、所定時間堆積させる。分散液の組成や分散状態によって、印加電圧を数十ボルトから、数百ボルトの間に変化させた。得られた製膜を取り出して、室温で2時間乾燥させた後、200-260°Cの温度で1時間熱処理した。以上の処理をした電気泳動泳法で、製膜表面の状態が平滑で精度的にも良好な、導電性フッ素樹脂複合膜を生成することができた。
得られた製膜は、室温で何時間乾燥させましたか?
得られた製膜は、室温で2時間乾燥させました。
JCRRAG_000678
化学
【ナノサイズ粒子を用いた電気化学的機能を有する多孔体の作製と応用】 ・燃料電池用電解質膜への三次元規則配列多孔体の応用  燃料電池にはいろいろな種類があるが、ここでは固体高分子電解質形の燃料電池への三次元規則配列多孔体の応用について紹介する。固体高分子形燃料電池の電解質膜にはプロトン伝導性に優れた高分子固体電解質膜が使用されている。Nafionは最も有名な電解質膜の一つである。燃料として水素を用いる場合にはNafionは優れた特性を示すがメタノールを燃料とした場合には、膜を介するメタノールの透過が問題となる。メタノールの透過は燃料電池の自己放電反応と同じであり、燃料電池の性能が大きく低下する要因となる。Nafionのような膜ではメタノールの透過を抑制することができず、大きな問題となっている。このために新規電解質膜の作製が行われている。メタノール透過はもともと高分子がメタノールを吸収し膨潤することにより、その透過が加速されることに問題がある。したがって、高分子の膨潤を抑制することができれば、メタノール透過を防止することができる。その方法として小さな孔に膨潤しやすいポリマーを充填した構造が提案されている。多孔質な基体膜にポリマーを充填することによりメタノール透過が抑制された膜を作製することができる。この基体膜として、三次元規則配列多孔体の応用が考えられる。多孔体は絶縁体であり、機械的な強度に優れる膜でなければならない。その候補としてセラミックス系の膜やエンジニアリングプラスチックなどが考えられる。ここでは、シリカ多孔体の作製と固体高分子電解質膜への応用について述べる。ポリスチレン単分散球状粒子とシリカナノ粒子を混合し、これを濾過することによりポリスチレンとシリカからなるコンポジット膜を作製する。この手順は炭素多孔体を作製した場合と同じである。次に、このコンポジット膜を熱処理することによりポリスチレンを焼成除去するとともに、シリカを融着させる。焼成条件を上手に調製することにより平滑な面を有するシリカ多孔体を得ることができる。得られた多孔体は多孔構造を有しており、マクロ孔同士は小さな連通孔により結合されており、高分子電解質を充填することが可能な膜となっている。この膜内に、種々の高分子電解質を充填することによりコンポジット電解質を作製することができる。AMPS(2-Acrylamido-2-methyl propanesulfonic acid)やNafionなどを充填した膜を作製し、メタノール透過性を測定すると、本来のポリマー膜の10分の1以下にメタノールの透過を抑制できていることが分かる。この結果は、作製したシリカ多孔体が内部に充填されたポリマーの膨潤を抑制したためである。同様に、ポリイミドなどのエンジニアリングプラスチックを用いて多孔体を作製し、コンポジット電解質膜を作製すれば、同じような効果を得ることができる。
Nafionは最も有名な何の一つですか?
Nafionは最も有名な電解質膜の一つです。
JCRRAG_000679
化学
背景と研究目的:  D-アミノ酸酸化酵素(DAO)は、FADを補酵素とするフラビン酵素であり、D-アミノ酸を酸化してα-イミノ酸にする反応を触媒する。DAOは生体内では、脳内に比較的高濃度に存在し、神経伝達物質として作用するD-セリンの代謝を介し、神経伝達の調節に関与することが指摘されている。我々はこれまでに、DAOとBenzoate複合体結晶を作成した後、その結晶にD-アミノ酸アナログとしてのo-amino-benzoateをソーキングして得られた結果[1]や、D-プロリンをソーキングして反応させることでイミノ酸プロリンを結合した構造[2]を得ることにより、DAOの反応機構を提唱した。今回、FADの8位をN-メチル基で置換し、酸化力が低下した人工FADを用いることで、基質が結合しても反応が進行しない酵素・基質(ES)複合体の立体構造を得ることを試みた。また、ソーキングするD-アミノ酸としてはD-セリンの他、溶液中で混合すると吸光度変化がみられるため、蛋白質に結合すると予測される(未発表)D-ロイシンとD-バリンを用いることとした。
D-アミノ酸酸化酵素(DAO)は、何を補酵素とするフラビン酵素であり、何を酸化してα-イミノ酸にする反応を触媒しますか?
D-アミノ酸酸化酵素(DAO)は、FADを補酵素とするフラビン酵素であり、D-アミノ酸を酸化してα-イミノ酸にする反応を触媒します。
JCRRAG_000680
化学
 産業界で現在広く使用されている耐熱ステンレス鋼は、表面に保護性クロミアスケールを形成し、これが耐熱鋼を高温環境から遮断することにより耐酸化・腐食性を確保する。しかし、クロミアスケールの高温耐酸化・腐食性は、900℃以上の高温または還元性の高腐食性環境下等では期待できないため、より高温で安定かつ保護性に優れるアルミナスケールを形成する安価な耐熱鋼の開発が望まれている。  アルミナスケールを形成する耐熱ステンレス鋼としては、フェライト系のFe-20Cr-10Al(at%)鋼(ベース組成)が実用化されており、電気炉の電熱線や排気ガス浄化用の触媒担持のための金属担体として使用されている。しかしながら、フェライト系耐熱鋼では、800℃を超える高温では機械的特性に劣るため、構造用耐熱合金としてオーステナイト(γ-Fe)系耐熱ステンレス鋼(Fe-Ni-Cr-Al鋼)が必要である。しかし、アルミナスケールを形成する安価なオーステナイト系耐熱ステンレス鋼の実用化は進んでいない。拡散係数の小さいオーステナイト系耐熱ステンレス鋼上に、アルミナスケールを形成するためにはフェライト系よりも高濃度のAl添加が必要である。しかしAlを高濃度で含有するステンレス鋼では、硬くて脆いβ-NiAl等の高融点の高Al金属間化合物相が形成し、これが鋼の製造性や加工性を著しく低下するため、アルミナスケールを形成するオーステナイト系耐熱鋼の実用化は、困難となっている。
クロミアスケールの高温耐酸化・腐食性が期待できないのは、何℃以上の高温または何性の高腐食性環境下ですか?
クロミアスケールの高温耐酸化・腐食性が期待できないのは、900℃以上の高温または還元性の高腐食性環境下です。
JCRRAG_000681
化学
以下は、福井武久氏による論文「複合粒子の電気泳動法による金属表面へのコーティング膜の創製と機能化(Preparation and Functionalization of Coating Film of Composite Particles onto the Metal Surface by Electrophoresis)」からの抜粋である。 ・製膜の結果と膜特性 電池の発電効率を高く保つためには、セパレータの抵抗を30mΩ・cm²以下とする必要がある。PVDF樹脂の単独膜に比べると、KB/PVDF複合膜の表面接触抵抗が著しく改善されている。KBが樹脂中に分散して有効な導電ネットワークを構築したためと考えている。また、200℃で処理した複合膜に比べて、250℃で処理した膜は接触抵抗が低下している。これは、高い温度で処理した複合膜は、カーボン粒子のネットワークを維持しつつ、PVDFが均一に流れ込むことによりピンホールなどの欠陥が低減し、より緻密化が達成していると考えられる。
何の表面接触抵抗が、PVDF樹脂の単独膜に比べて著しく改善されていますか?
KB/PVDF複合膜の表面接触抵抗が、PVDF樹脂の単独膜に比べて著しく改善されています。
JCRRAG_000682
化学
以下は、福井武久氏による論文「複合粒子の電気泳動法による金属表面へのコーティング膜の創製と機能化(Preparation and Functionalization of Coating Film of Composite Particles onto the Metal Surface by Electrophoresis)」からの抜粋である。 ・製膜の結果と膜特性 電池の発電効率を高く保つためには、セパレータの抵抗を30mΩ・cm²以下とする必要がある。PVDF樹脂の単独膜に比べると、KB/PVDF複合膜の表面接触抵抗が著しく改善されている。KBが樹脂中に分散して有効な導電ネットワークを構築したためと考えている。また、200℃で処理した複合膜に比べて、250℃で処理した膜は接触抵抗が低下している。これは、高い温度で処理した複合膜は、カーボン粒子のネットワークを維持しつつ、PVDFが均一に流れ込むことによりピンホールなどの欠陥が低減し、より緻密化が達成していると考えられる。
何が樹脂中に分散しましたか?
KBが樹脂中に分散しました。
JCRRAG_000683
化学
以下は、福井武久氏による論文「複合粒子の電気泳動法による金属表面へのコーティング膜の創製と機能化(Preparation and Functionalization of Coating Film of Composite Particles onto the Metal Surface by Electrophoresis)」からの抜粋である。 ・製膜の結果と膜特性 電池の発電効率を高く保つためには、セパレータの抵抗を30mΩ・cm²以下とする必要がある。PVDF樹脂の単独膜に比べると、KB/PVDF複合膜の表面接触抵抗が著しく改善されている。KBが樹脂中に分散して有効な導電ネットワークを構築したためと考えている。また、200℃で処理した複合膜に比べて、250℃で処理した膜は接触抵抗が低下している。これは、高い温度で処理した複合膜は、カーボン粒子のネットワークを維持しつつ、PVDFが均一に流れ込むことによりピンホールなどの欠陥が低減し、より緻密化が達成していると考えられる。
PVDFが均一に流れ込むと、何が低減しますか?
ピンホールなどの欠陥が低減します。
JCRRAG_000684
化学
【複合粒子の電気泳動法による金属表面へのコーティング膜の創製と機能化】 ・製膜の結果と膜特性  KB/PVDF複合膜(22vol%KB)の耐食性を調べるために硫酸浸漬試験を行なった。その手法として、浴温80℃、pH約1~2の硫酸溶液中に、コーティング試験片を浸漬し、定期に試験液に含まれる金属成分を高周波プラズマ発光分析装置(ICP)で定量した。1000時間経過で、浸漬試験後硫酸溶液は無色透明であり、ICP分析により定量した溶出金属イオン(Cr、Fe、Ni等)の濃度も極めて小さく、複合膜試験片は優れた耐食性を示すことを確認している。 PEFCセパレータとしての評価結果 KB/PVDF複合膜(22vol%KB)をコーティングしたステンレスセパレータを用いて単セル発電試験を実施した。単セルの発電性能は、0.5A/cm²の電流密度で0.63Vの発電電圧に達成し、カーボンセパレータをもちいた単セル発電性能の90%以上であった。100時間の連続運転後も、カーボン/樹脂複合膜コーティングセパレータを用いた単セルは0.60Vの電圧を維持し、大きな性能劣化は示さなかった。
ステンレスセパレータに何がコーティングされていますか?
KB/PVDF複合膜(22vol%KB)が、ステンレスセパレータにコーティングされています。
JCRRAG_000685
化学
【複合粒子の電気泳動法による金属表面へのコーティング膜の創製と機能化】 ・製膜の結果と膜特性  KB/PVDF複合膜(22vol%KB)の耐食性を調べるために硫酸浸漬試験を行なった。その手法として、浴温80℃、pH約1~2の硫酸溶液中に、コーティング試験片を浸漬し、定期に試験液に含まれる金属成分を高周波プラズマ発光分析装置(ICP)で定量した。1000時間経過で、浸漬試験後硫酸溶液は無色透明であり、ICP分析により定量した溶出金属イオン(Cr、Fe、Ni等)の濃度も極めて小さく、複合膜試験片は優れた耐食性を示すことを確認している。 PEFCセパレータとしての評価結果 KB/PVDF複合膜(22vol%KB)をコーティングしたステンレスセパレータを用いて単セル発電試験を実施した。単セルの発電性能は、0.5A/cm²の電流密度で0.63Vの発電電圧に達成し、カーボンセパレータをもちいた単セル発電性能の90%以上であった。100時間の連続運転後も、カーボン/樹脂複合膜コーティングセパレータを用いた単セルは0.60Vの電圧を維持し、大きな性能劣化は示さなかった。
浴温は何℃ですか?
浴温は80℃です。
JCRRAG_000686
化学
【複合粒子の電気泳動法による金属表面へのコーティング膜の創製と機能化】 ・製膜の結果と膜特性  KB/PVDF複合膜(22vol%KB)の耐食性を調べるために硫酸浸漬試験を行なった。その手法として、浴温80℃、pH約1~2の硫酸溶液中に、コーティング試験片を浸漬し、定期に試験液に含まれる金属成分を高周波プラズマ発光分析装置(ICP)で定量した。1000時間経過で、浸漬試験後硫酸溶液は無色透明であり、ICP分析により定量した溶出金属イオン(Cr、Fe、Ni等)の濃度も極めて小さく、複合膜試験片は優れた耐食性を示すことを確認している。 PEFCセパレータとしての評価結果 KB/PVDF複合膜(22vol%KB)をコーティングしたステンレスセパレータを用いて単セル発電試験を実施した。単セルの発電性能は、0.5A/cm²の電流密度で0.63Vの発電電圧に達成し、カーボンセパレータをもちいた単セル発電性能の90%以上であった。100時間の連続運転後も、カーボン/樹脂複合膜コーティングセパレータを用いた単セルは0.60Vの電圧を維持し、大きな性能劣化は示さなかった。
何が優れた耐食性を示しましたか?
KB/PVDF複合膜(22vol%KB)が優れた耐食性を示しました。
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化学
【複合粒子の電気泳動法による金属表面へのコーティング膜の創製と機能化】 ・製膜の結果と膜特性  KB/PVDF複合膜(22vol%KB)の耐食性を調べるために硫酸浸漬試験を行なった。その手法として、浴温80℃、pH約1~2の硫酸溶液中に、コーティング試験片を浸漬し、定期に試験液に含まれる金属成分を高周波プラズマ発光分析装置(ICP)で定量した。1000時間経過で、浸漬試験後硫酸溶液は無色透明であり、ICP分析により定量した溶出金属イオン(Cr、Fe、Ni等)の濃度も極めて小さく、複合膜試験片は優れた耐食性を示すことを確認している。 PEFCセパレータとしての評価結果 KB/PVDF複合膜(22vol%KB)をコーティングしたステンレスセパレータを用いて単セル発電試験を実施した。単セルの発電性能は、0.5A/cm²の電流密度で0.63Vの発電電圧に達成し、カーボンセパレータをもちいた単セル発電性能の90%以上であった。100時間の連続運転後も、カーボン/樹脂複合膜コーティングセパレータを用いた単セルは0.60Vの電圧を維持し、大きな性能劣化は示さなかった。
硫酸浸漬試験は、何を調べるために行いましたか?
硫酸浸漬試験は、KB/PVDF複合膜(22vol%KB)の耐食性を調べるために行いました。
JCRRAG_000688
化学
噴霧法を用いた粒子プロセスにおけるナノ材料の機能化BaTiO₃  蛍光体材料Y₃Al₅O₁₂:Ce³⁺(YAG:Ce)粒子や積層型セラミックスコンデンサー用材料BaTiO₃粒子のような多成分系酸化物材料は、固相反応法により合成される。次世代照明素子である白色LEDにYAG:Ce蛍光体粒子を応用する場合、理論的には粒径が数ミクロンのYAG:Ce粒子より100nm以下のナノ粒子の方が高い機能および性能を実現できると指摘されている。その理由は、可視光の波長が200から900nmオーダーであるため、素子中に数10nmの蛍光体粒子を用いた方が光散乱は非常に少なくなる。つまり、省エネルギー型照明素子の開発にはナノ粒子材料が鍵となる。BaTiO₃粒子の場合も、現在はBaCO₃とTiO₂を原料とした固相反応法で製造されている。このように従来の固相反応法ではナノ粒子の合成が難しいことから、新しいナノ粒子合成法の開発が現在でも重要な研究課題となっている。また、回分型よりワンステップで連続型合成プロセスにすると、高効率で、球状および凝集が少ない粒子を合成しやすいとされている。
何が固相反応法により合成されますか。
多成分系酸化物材料が、固相反応法により合成されます。
JCRRAG_000689
化学
PT-GC/MSを用いた水道水中の25種のVOCの試験操作時における器具・溶媒等の冷却と検水の希釈が,分析精度に与える影響について評価するため,様々な試験条件下で水道水への添加回収試験を行ない,試験結果を比較した。 試験操作時の器具・溶媒等の冷却の影響を評価した結果,ヘンリー定数が小さく揮発性の高い化合物ほど,冷却を行なわなかった場合に真度および併行精度が大きく悪化したことから,器具・溶媒等を冷却して試験操作を行った方がよいと考えられる。  また,検水の希釈の影響を評価した結果,試験操作時の冷却を行なっても,検水を希釈して測定した場合は,希釈時の揮発によって,真度が低下し併行精度も悪化したことから,特にヘンリー定数が小さく揮発性の高い化合物の分析では,検水を希釈せずに定量した方がよいと考えられる。  以上の結果から,PT-GC/MSによる水道水中のVOCの分析においては,器具・溶媒等を冷却して試験操作を行なうとともに,高濃度まで検量線を作成して検水を希釈せずに分析を行うことが,より良好な検査精度を得るためには重要と考えられる。
何の分析では、検水を希釈せずに定量した方が良いと考えられますか?
ヘンリー定数が小さく揮発性の高い化合物の分析では、検水を希釈せずに定量した方が良いと考えられます。
JCRRAG_000690
化学
PT-GC/MSを用いた水道水中の25種のVOCの試験操作時における器具・溶媒等の冷却と検水の希釈が,分析精度に与える影響について評価するため,様々な試験条件下で水道水への添加回収試験を行ない,試験結果を比較した。 試験操作時の器具・溶媒等の冷却の影響を評価した結果,ヘンリー定数が小さく揮発性の高い化合物ほど,冷却を行なわなかった場合に真度および併行精度が大きく悪化したことから,器具・溶媒等を冷却して試験操作を行った方がよいと考えられる。  また,検水の希釈の影響を評価した結果,試験操作時の冷却を行なっても,検水を希釈して測定した場合は,希釈時の揮発によって,真度が低下し併行精度も悪化したことから,特にヘンリー定数が小さく揮発性の高い化合物の分析では,検水を希釈せずに定量した方がよいと考えられる。  以上の結果から,PT-GC/MSによる水道水中のVOCの分析においては,器具・溶媒等を冷却して試験操作を行なうとともに,高濃度まで検量線を作成して検水を希釈せずに分析を行うことが,より良好な検査精度を得るためには重要と考えられる。
PT-GC/MSによる水道水中のVOCの分析においては、器具・溶媒等を冷却して試験操作を行なうとともに、何を行うことが、より良好な検査精度を得るためには重要と考えられますか?
PT-GC/MSによる水道水中のVOCの分析においては、器具・溶媒等を冷却して試験操作を行なうとともに、高濃度まで検量線を作成して検水を希釈せずに分析を行うことが、より良好な検査精度を得るためには重要と考えられます。
JCRRAG_000691
化学
PT-GC/MSを用いた水道水中の25種のVOCの試験操作時における器具・溶媒等の冷却と検水の希釈が,分析精度に与える影響について評価するため,様々な試験条件下で水道水への添加回収試験を行ない,試験結果を比較した。 試験操作時の器具・溶媒等の冷却の影響を評価した結果,ヘンリー定数が小さく揮発性の高い化合物ほど,冷却を行なわなかった場合に真度および併行精度が大きく悪化したことから,器具・溶媒等を冷却して試験操作を行った方がよいと考えられる。  また,検水の希釈の影響を評価した結果,試験操作時の冷却を行なっても,検水を希釈して測定した場合は,希釈時の揮発によって,真度が低下し併行精度も悪化したことから,特にヘンリー定数が小さく揮発性の高い化合物の分析では,検水を希釈せずに定量した方がよいと考えられる。  以上の結果から,PT-GC/MSによる水道水中のVOCの分析においては,器具・溶媒等を冷却して試験操作を行なうとともに,高濃度まで検量線を作成して検水を希釈せずに分析を行うことが,より良好な検査精度を得るためには重要と考えられる。
冷却を行なわなかった場合に真度および併行精度が大きく悪化したのはどのような化合物ですか。
冷却を行なわなかった場合に真度および併行精度が大きく悪化したのは、ヘンリー定数が小さく揮発性の高い化合物です。
JCRRAG_000692
化学
一般に、金属を保持したタンパク質の分子内部に見られる「金属結合部位(活性中心)」は、そのタンパク質が生体中で定められた機能を発揮するために最適な幾何学構造をとっていると考えられている。この概念は、1968年に初めてProf. R.J.P. Williamsによって“エンタティック(entatic)”という言葉を用いて提案され[1]、今もなお、酵素や触媒化学等の分野で幅広く引用・支持され続けている。一方、20種類のアミノ酸が数百〜千個繋がったポリペプチド鎖から成るタンパク質では、その独特の折り畳まれ方に応じて、局所的に強固な立体構造を保持する領域や、比較的、変化を起こし易い“柔らかい”部分などを併せ持つ構造的性質を有する。そのため、タンパク質分子内部で「どういった配位環境が特別な活性金属中心(構造)を生み出す要素となるか」について定義することは一般に難しいとされる。そこで、本研究では“エンタティック”に関わるタンパク質の立体構造情報を実験的に得るために、これまでよく知られている銅含有亜硝酸還元酵素(CuNiR)を材料として用い、その“エンタティック”な部位としての2種類の銅結合部位(タイプ-1および-2銅部位)を異種金属イオンで置換し、その時にどのような構造的差異が生じるか調べることを目的とした。著者らはこれまでに様々な酸化還元金属酵素の分子間電子伝達について研究を継続しており[2,3]、本研究から得られる基礎データは、それら分子間電子伝達機構解明の一助になると期待される。
タンパク質は、何種類のアミノ酸が何個繋がったポリペプチド鎖から成りますか?
タンパク質は、20種類のアミノ酸が数百〜千個繋がったポリペプチド鎖から成ります。
JCRRAG_000693
化学
 近年、深刻化するエネルギー・環境問題を背景に、水素社会の実現に向けた研究が幅広く進められている。特に、水素の持つ化学エネルギーを電気エネルギーへと変換する中核技術を担う燃料電池の開発への関心は大きい。燃料電池の高効率化に向けては過電圧の大きいカソードでの酸素還元反応の反応速度を向上させることが重要であるため、これまでその触媒として高活性な白金系触媒が用いられてきた。しかし、白金は希少金属であり、また、溶液中での安定性に乏しいことから、燃料電池の本格普及に向けては、高い安定性を有する非白金系カソード触媒の開発が求められる。このような背景の下、豊富な資源量があり、化学的に安定な遷移金属酸化物をカソード触媒に用いる研究が進められているが、酸化物の高い電気抵抗がその応用を困難にしており、今なお実用化に資する非白金カソード触媒の開発には至っていない。  本研究では、遷移金属酸化物の中でも優れた電気伝導性を示すマグネタイト(Fe₃O₄)ナノ粒子に着目し、その酸素還元反応への適用可能性を検討した。この際、電気伝導パスとしての機能を有する還元型酸化グラフェン(rGO)への固定化を行うとともに、Fe₃O₄ナノ粒子の鉄原子の一部をレドックス特性に優れたマンガン原子に置換したスピネルフェライトナノ粒子を調製し、ヘテロ原子置換が触媒活性に与える影響を評価した。
燃料電池の高効率化には、何の大きいカソードでの何の反応速度を向上させることが重要ですか?
燃料電池の高効率化には、過電圧の大きいカソードでの酸素還元反応の反応速度を向上させることが重要です。
JCRRAG_000694
化学
D-アミノ酸酸化酵素(DAO)は、FADを補酵素とするフラビン酵素であり、D-アミノ酸を酸化してα-イミノ酸にする反応を触媒する。DAOは生体内では、脳内に比較的高濃度に存在し、神経伝達物質として作用するD-セリンの代謝を介し、神経伝達の調節に関与することが指摘されている。我々はこれまでに、DAOとBenzoate複合体結晶を作成した後、その結晶にD-アミノ酸アナログとしてのo-amino-benzoateをソーキングして得られた結果[1]や、D-プロリンをソーキングして反応させることでイミノ酸プロリンを結合した構造[2]を得ることにより、DAOの反応機構を提唱した。今回、FADの8位をN-メチル基で置換し、酸化力が低下した人工FADを用いることで、基質が結合しても反応が進行しない酵素・基質(ES)複合体の立体構造を得ることを試みた。また、ソーキングするD-アミノ酸としてはD-セリンの他、溶液中で混合すると吸光度変化がみられるため、蛋白質に結合すると予測される(未発表)D-ロイシンとD-バリンを用いることとした。
D-アミノ酸酸化酵素(DAO)は、何を補酵素とする何酵素ですか?
D-アミノ酸酸化酵素(DAO)は、FADを補酵素とするフラビン酵素です。
JCRRAG_000695
化学
一般に、金属を保持したタンパク質の分子内部に見られる「金属結合部位(活性中心)」は、そのタンパク質が生体中で定められた機能を発揮するために最適な幾何学構造をとっていると考えられている。この概念は、1968年に初めてProf. R.J.P. Williamsによって“エンタティック(entatic)”という言葉を用いて提案され[1]、今もなお、酵素や触媒化学等の分野で幅広く引用・支持され続けている。一方、20種類のアミノ酸が数百〜千個繋がったポリペプチド鎖から成るタンパク質では、その独特の折り畳まれ方に応じて、局所的に強固な立体構造を保持する領域や、比較的、変化を起こし易い“柔らかい”部分などを併せ持つ構造的性質を有する。そのため、タンパク質分子内部で「どういった配位環境が特別な活性金属中心(構造)を生み出す要素となるか」について定義することは一般に難しいとされる。そこで、本研究では“エンタティック”に関わるタンパク質の立体構造情報を実験的に得るために、これまでよく知られている銅含有亜硝酸還元酵素(CuNiR)を材料として用い、その“エンタティック”な部位としての2種類の銅結合部位(タイプ-1および-2銅部位)を異種金属イオンで置換し、その時にどのような構造的差異が生じるか調べることを目的とした。著者らはこれまでに様々な酸化還元金属酵素の分子間電子伝達について研究を継続しており[2,3]、本研究から得られる基礎データは、それら分子間電子伝達機構解明の一助になると期待される。
タンパク質は、どのような領域やどのような部分などを併せ持つ構造的性質を有していますか?
タンパク質は、その独特の折り畳まれ方に応じて、局所的に強固な立体構造を保持する領域や、比較的、変化を起こし易い“柔らかい”部分などを併せ持つ構造的性質を有しています。
JCRRAG_000696
化学
【ナノサイズ粒子を用いた電気化学的機能を有する多孔体の作製と応用】 ・リチウム電池におけるオパール構造体の利用  前節では、三次元規則配列多孔体を用いて固体電解質の多孔体を最初に作製し、その後、活物質材料を充填する方法を用いて電極システムの作製を行った。もう一つの方法として、活物質粒子を球状でオパール構造体作製し、電解質のナノ粒子を後で充填する方法もある。球状粒子を作製する方法として、エマルジョン系のゾル・ゲル法や均一核生成による方法などが挙げられる。図5に均一核生成法により作製されたLiMn₂O₄粒子の電子顕微鏡写真を示す。図5の粒子は、球状のMnCO₃から合成されたものであり、LiOHなどとの固相反応法により容易に合成することができる。得られた球状粒子を適当な溶媒、たとえばエタノールなどに分散させ縣濁液を作製し、縣濁液の溶媒をゆっくりと蒸発させることにより球状粒子を基板上に堆積させることができる。用いる粒子の単分散性に依存して、オパール構造体に近い三次元の規則配列体を得ることができる。この構造体は30%以上の空隙を有しており、その中に固体電解質を充填できれば結果的には前節と類似の構造体が得られる。図6に固体高分子電解質を隙間に充填した場合の電極の電子顕微鏡写真を示す。均一に高分子固体電解質が充填されていることが分かる。通常の粉体を用いた場合にはこのように均一に電解質を充填することは非常に困難であり、十分な電気化学的な界面を形成することができない。しかし、規則的な構造を電極に付与することで均一な界面形成が可能となる。
均一な界面形成は、どのような構造を電極に付与することで可能になりますか?
均一な界面形成は、規則的な構造を電極に付与することで可能になります。
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化学
【ナノサイズ粒子を用いた電気化学的機能を有する多孔体の作製と応用】 ・リチウムイオン伝導性三次元規則配列マクロ多孔体  三次元規則配列多孔体の作製方法には、いくつかの方法が提案されている。最も代表的な三次元規則配列多孔体の作製方法は、単分散球状粒子を水などの溶液に分散させたものを濾過する方法である。ゆっくりと濾過することにより、規則的に配列した球状粒子の堆積体を得ることができる。規則的に配列した球状粒子の堆積体を鋳型にして種々の三次元規則配列多孔体を作製することができる。三次元規則配列多孔体の作製で、リチウムイオン伝導性セラミックスの場合には、リチウムイオン伝導性セラミックスのナノ粒子またはゾルが必要となる。ここでは、ゾルを作製し、規則配列した球状粒子の隙間に流し込むことにより、セラミックス多孔体を作製した。完全な規則配列多孔体にはなっていないが、比較的規則的な構造を有する多孔性材料となっていることがわかる。
最も代表的な三次元規則配列多孔体の作製方法は何ですか?
最も代表的な作製方法は、単分散球状粒子を水などの溶液に分散させたものを濾過する方法です。
JCRRAG_000698
化学
【ナノサイズ粒子を用いた電気化学的機能を有する多孔体の作製と応用】 ・燃料電池用電解質膜への三次元規則配列多孔体の応用  燃料電池にはいろいろな種類があるが、ここでは固体高分子電解質形の燃料電池への三次元規則配列多孔体の応用について紹介する。固体高分子形燃料電池の電解質膜にはプロトン伝導性に優れた高分子固体電解質膜が使用されている。Nafionは最も有名な電解質膜の一つである。燃料として水素を用いる場合にはNafionは優れた特性を示すがメタノールを燃料とした場合には、膜を介するメタノールの透過が問題となる。メタノールの透過は燃料電池の自己放電反応と同じであり、燃料電池の性能が大きく低下する要因となる。Nafionのような膜ではメタノールの透過を抑制することができず、大きな問題となっている。このために新規電解質膜の作製が行われている。メタノール透過はもともと高分子がメタノールを吸収し膨潤することにより、その透過が加速されることに問題がある。したがって、高分子の膨潤を抑制することができれば、メタノール透過を防止することができる。その方法として小さな孔に膨潤しやすいポリマーを充填した構造が提案されている。多孔質な基体膜にポリマーを充填することによりメタノール透過が抑制された膜を作製することができる。この基体膜として、三次元規則配列多孔体の応用が考えられる。多孔体は絶縁体であり、機械的な強度に優れる膜でなければならない。その候補としてセラミックス系の膜やエンジニアリングプラスチックなどが考えられる。ここでは、シリカ多孔体の作製と固体高分子電解質膜への応用について述べる。ポリスチレン単分散球状粒子とシリカナノ粒子を混合し、これを濾過することによりポリスチレンとシリカからなるコンポジット膜を作製する。この手順は炭素多孔体を作製した場合と同じである。次に、このコンポジット膜を熱処理することによりポリスチレンを焼成除去するとともに、シリカを融着させる。焼成条件を上手に調製することにより平滑な面を有するシリカ多孔体を得ることができる。得られた多孔体は多孔構造を有しており、マクロ孔同士は小さな連通孔により結合されており、高分子電解質を充填することが可能な膜となっている。この膜内に、種々の高分子電解質を充填することによりコンポジット電解質を作製することができる。AMPS(2-Acrylamido-2-methyl propanesulfonic acid)やNafionなどを充填した膜を作製し、メタノール透過性を測定すると、本来のポリマー膜の10分の1以下にメタノールの透過を抑制できていることが分かる。この結果は、作製したシリカ多孔体が内部に充填されたポリマーの膨潤を抑制したためである。同様に、ポリイミドなどのエンジニアリングプラスチックを用いて多孔体を作製し、コンポジット電解質膜を作製すれば、同じような効果を得ることができる。
メタノールの透過は、燃料電池の何と同じですか?
メタノールの透過は、燃料電池の自己放電反応と同じです。
JCRRAG_000699
化学
【ナノサイズ粒子を用いた電気化学的機能を有する多孔体の作製と応用】 ・燃料電池用電解質膜への三次元規則配列多孔体の応用  燃料電池にはいろいろな種類があるが、ここでは固体高分子電解質形の燃料電池への三次元規則配列多孔体の応用について紹介する。固体高分子形燃料電池の電解質膜にはプロトン伝導性に優れた高分子固体電解質膜が使用されている。Nafionは最も有名な電解質膜の一つである。燃料として水素を用いる場合にはNafionは優れた特性を示すがメタノールを燃料とした場合には、膜を介するメタノールの透過が問題となる。メタノールの透過は燃料電池の自己放電反応と同じであり、燃料電池の性能が大きく低下する要因となる。Nafionのような膜ではメタノールの透過を抑制することができず、大きな問題となっている。このために新規電解質膜の作製が行われている。メタノール透過はもともと高分子がメタノールを吸収し膨潤することにより、その透過が加速されることに問題がある。したがって、高分子の膨潤を抑制することができれば、メタノール透過を防止することができる。その方法として小さな孔に膨潤しやすいポリマーを充填した構造が提案されている。多孔質な基体膜にポリマーを充填することによりメタノール透過が抑制された膜を作製することができる。この基体膜として、三次元規則配列多孔体の応用が考えられる。多孔体は絶縁体であり、機械的な強度に優れる膜でなければならない。その候補としてセラミックス系の膜やエンジニアリングプラスチックなどが考えられる。ここでは、シリカ多孔体の作製と固体高分子電解質膜への応用について述べる。ポリスチレン単分散球状粒子とシリカナノ粒子を混合し、これを濾過することによりポリスチレンとシリカからなるコンポジット膜を作製する。この手順は炭素多孔体を作製した場合と同じである。次に、このコンポジット膜を熱処理することによりポリスチレンを焼成除去するとともに、シリカを融着させる。焼成条件を上手に調製することにより平滑な面を有するシリカ多孔体を得ることができる。得られた多孔体は多孔構造を有しており、マクロ孔同士は小さな連通孔により結合されており、高分子電解質を充填することが可能な膜となっている。この膜内に、種々の高分子電解質を充填することによりコンポジット電解質を作製することができる。AMPS(2-Acrylamido-2-methyl propanesulfonic acid)やNafionなどを充填した膜を作製し、メタノール透過性を測定すると、本来のポリマー膜の10分の1以下にメタノールの透過を抑制できていることが分かる。この結果は、作製したシリカ多孔体が内部に充填されたポリマーの膨潤を抑制したためである。同様に、ポリイミドなどのエンジニアリングプラスチックを用いて多孔体を作製し、コンポジット電解質膜を作製すれば、同じような効果を得ることができる。
メタノール透過は、何を抑制することで防止することができますか?
メタノール透過は、高分子の膨潤を抑制することで防止することができます。
JCRRAG_000700
化学
【ナノサイズ粒子を用いた電気化学的機能を有する多孔体の作製と応用】 ・リチウムイオン伝導性三次元規則配列マクロ多孔体  三次元規則配列多孔体の作製方法には、いくつかの方法が提案されている。最も代表的な三次元規則配列多孔体の作製方法は、単分散球状粒子を水などの溶液に分散させたものを濾過する方法である。ゆっくりと濾過することにより、規則的に配列した球状粒子の堆積体を得ることができる。規則的に配列した球状粒子の堆積体を鋳型にして種々の三次元規則配列多孔体を作製することができる。三次元規則配列多孔体の作製で、リチウムイオン伝導性セラミックスの場合には、リチウムイオン伝導性セラミックスのナノ粒子またはゾルが必要となる。ここでは、ゾルを作製し、規則配列した球状粒子の隙間に流し込むことにより、セラミックス多孔体を作製した。完全な規則配列多孔体にはなっていないが、比較的規則的な構造を有する多孔性材料となっていることがわかる。
規則的に配列した球状粒子の堆積体は、どのように濾過することにより得ることができますか?
規則的に配列した球状粒子の堆積体は、ゆっくりと濾過することにより得ることができます。