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『止めといた方が良いと思いますがね』 |
『んー……』 |
『神術は人前で使わないってのは、ご自分で決めたルールじゃなかったんですかい?』 |
『……んーー』 |
『……』 |
『ありがとうロジャー。整理が付いたよ』 |
『お役に立って何よりで』 |
自分で決めたルールなんだけど、実際に傷ついた人を治療しないというのはなんかもやっとするね。でも、四大術と神術を同時に使える人というのは今まで例が無いそうだからね。それに村長さんは、今治療しないと行けないわけでもないし……。 |
そこから、荒らされた畑を見せて貰ったよ。食べられない切れっ端なんかを溜める場所が荒らされて、畑に植わっている作物も根ごと掘り起こされていた。一見、犬か猪でも出たのかと思う様子だったのだけど、良く見ると確かに手と道具を使った形跡があるね。 |
じゃぁ、ゴブリンハントしましょうか。 |
【タイトル】 |
041 参入者へ3 |
【公開状態】 |
公開済 |
【作成日時】 |
2018-08-04 09:50:47(+09:00) |
【公開日時】 |
2018-08-04 09:50:47(+09:00) |
【更新日時】 |
2018-08-04 09:50:47(+09:00) |
【文字数】 |
2,348文字 |
【本文(104行)】 |
さて、ゴブリン達がどこに居るかは分からないんだよね。捜さなきゃ行けない。 |
でも、僕は探索術を使えない。スキルパスは開いてるんだけど、どーしても技能が生えないんだよね。まぁ目覚めてからまだ3ヶ月だし、焦るもんじゃないけど。 |
それ以外の、ええと、例えば狩人的な技能も僕には無いね。 |
でもまぁやりようはある。 |
まずは相手がゴブリンだということ。 |
ゴブリン。 |
いわゆる、魔物。小柄な人型をしていて、総じて知性は低い。変異体多数。 |
鳴き声でコミュニケーションをしてるようだけど、その言葉はまだ解析されていない。普通に生殖も行うが、エーテル淀みやダンジョンからスポーン(発生)することもある。 |
他にも修正についての話なんかもあるけど。重要なのは「魔物」って事。 |
魔物は、かつて妖精だったり霊的な要素に傾いた生き物が「幻魔」によってゆがめられた存在だと言われている。復活歴の前の大戦期の遥か昔、大魔法期にはまた違った存在だったと聞いているけども。 |
まぁそれは良いとして。 |
幻魔は世界をゆがめ、神を殺し世界を変えた。様々な理を変えたんだ。魔物もその一端。ゴブリンだってそう。もうほとんど生物として根付き始めているけどね。 |
つまり、幻魔の眷属であるゴブリンは、存在するだけで周囲を「歪める」んだ。一般では瘴気とも言う。 |
僕には微量な瘴気は見えないけど、四大術を使えば……。 |
「エーテルクリアリング」 |
僕を中心とした直径10mの半球。そこに薄く繊細にエーテルを広げる。まるで土地の標高を測るように均していって…… |
「ステイニング」 |
半球の中が桃色になったのを確認し、エーテルが平らな部分だけ除いていく。魚の小骨を取るように慎重に進めると、ゴブリンの動いた後が奇怪な彫刻のように浮き出てきたよ。 |
あはは、黒剣団の皆さんぎょっとした顔してるね。特に術の使えるお二人が。クリアリングもステイニングも僕のオリジナルじゃないけど、この組み合わせ方はマイナーかも? |
探索術ほど便利じゃないけど、今みたいな捜索だと役立つかもね。皆で一緒に見る事ができるし。 |
さて、もう一工夫。 |
「タイムスライス」 |
周囲にキュルキュルと張り詰めた皮をこするような音がすると、ピンク色のゴブリンが二体現れた。二体は僕に気づきもせずに畑にしゃがみ込むと、何も作物が無いところを一生懸命掘り出した。 |
二体は劇でもしてるかのように空中に何かを放り込み、袋を背負うかのような動作をすると森の方へ歩いていこうとして、消えた。 |
「消えた?!」 |
と叫んだのは僕じゃないよ、黒剣団のリーダーさん。ええと、ゴードンさんだった。 |
ヅカヅカヅカ! っと怒ったようにやってきて |
「アレは何だ!」 |
と両手で胸ぐら掴んできたよ。え、ちょっと苦しい。 |
「ふつ、うの」 |
喉が閉まりそうだったので、何故か知ってる護身術で腕をこじ開けて脱出。ぽんと飛んで距離を取った。 |
後から他の黒剣団の人も来た。 |
「四大術ですよ。クリアリングとステイニング、タイムスライスというオリジナルの組み合わせです」 |
「邪法じゃないのか?」 |
「えーと」 |
参ったな、びっくりするだろうなと思ってやったけど、まさかこんな風になるとは思ってなかったよ。 |
ゴードンさんはまだ興奮してるみたいだったので、他の人に視線を向ける。 |
「あ、あのな、リーダー。俺はあんな組み合わせ方は初めて見たけどさ。あの術は普通の術だと思う。練習すれば俺もできる」 |
「……ほんとか? ロブ」 |
「う、うん」 |
あの気弱そうな四大術者の人はロブさんね。覚えたよ。 |
「済まなかった」 |
ゴードンさんはあっけなく僕に頭を下げた。 |
「お前には、色々と暗い噂がある。その中には邪法や魔物との取引を示唆する物もあった。お前は単に窓口で、大人数の犯罪組織が裏にいるという話もな」 |
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