具体的内容
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背景・要因
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改善策
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記述情報
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具体情報
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分類
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事故の程度
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段階
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疑義があると判断した理由
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対象の医薬品
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不具合の内容
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専門分析班及び総合評価部会の議論
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当事者職種(職種経験年数)1人目
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関連したモノ
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専門分析班・総合評価部会の議論
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吸入酸素濃度
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事故の内容2
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訪問での専門分析班委員の主な意見
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人工呼吸器※
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薬剤
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持ち込んだ磁性体
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患者の食物アレルギー
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詳細
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参照
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画像
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画像2
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事例の分類
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注釈
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研修医の情報
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発生要因
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看護師は配膳する際に食札に書かれた複数の食材の配膳禁止コメントを確認し、サラダの形態から判断してアレルギーの食材には該当しないと思って配膳した。食札にアレルギー食材が記載されていたため、患者本人も、当然それらの食材は避けて調理された献立だと思っていた。しかし、患者はアレルギーのある食材が入った食事であったことに気づき、アレルギーのある食材を食べたことをナースステーションに告げた。30分後、口腔内の違和感、舌のざらつき、舌と上顎のしびれ、頚部掻痒感訴えた。栄養管理室に電話にて確認し、山芋サラダであったことが判明した。主治医の診察受け、アレルギー症状のためステロイド点滴静注指示があった。
栄養士は、禁止コメントに即した、アレルギー患者用の献立指示をしなかった。調理師は、アレルギー常食の食札に書かれた、アレルギー禁止コメントの内容を確認しなかった。看護師は、禁止とされている食材は使用されていない献立と思い込み患者に配膳した。
・栄養管理室において確認システムの構築(栄養士は禁止コメントのある患者の献立確認を充分に行う。調理師は赤字で書かれた禁止コメント内容を調理の時、盛りつけの時に一つ一つ確実に確認をする。最終配膳の際にも同様にアレルギーの内容のものがないかを確認する。)・病棟看護師は、患者自身にアレルギーの食物のチェック確認をしてもらうように、献立表をコピーして渡し、患者自身にも確認をしてもらうように説明をしておく。
障害なし
特殊ミルク(卵・牛乳アレルギー)の患者。卵アレルギー用のミルクを注入するところ、普通用のミルクを注入してしまった。注入後呼吸困難、喘鳴、酸素飽和度の低下などの症状が出現した。治療を行い軽快した。
緊急入院の翌日であり、患者情報の共有ができていなかった。指示も普通ミルクとなっていた。
・情報の共有を徹底する。
障害残存の可能性がある(低い)
「息苦しい」と訴えあり。眼周囲の発赤認める。バイタルサインをチェックし、主治医に報告する。アナフィラキシーショックと診断され、処置施行。昼食の焼きそばが原因である可能性があり、栄養管理室に確認したところ、果物入りのソースが使用されていることが判明した。
アレルギー食と一般食の献立が同じであった。お好みソース(果物入り)が余っていたため、おいしくなると思い、通常使用しているソースに追加してしまった。
・食中毒と同じくらい、アレルギー食のエラーに対し緊張感をもつ。 ・献立表にリストアップされていない食材での調整は、必ず調理師長または副調理師長に相談し、栄養士に確認するようにした。
障害残存の可能性なし
食物アレルギー(甲殻類、魚介類、卵、小麦)があり、過去にアナフィラキシーショックを起こした既往あり。入院時、食事オーダーについては、小児科より給食部に情報提供があった。アレルギー食品のある場合は食札の読み上げで情報共有を行っていた。当日の主菜が「厚焼玉子」だったため、カレー味に炒めた肉に変更した際、下処理で肉に小麦粉を付けて調理した。最終チェックを行う栄養士が別の問合せに対応したため、配膳カートの確認がないまま配膳された。病棟においても看護師2名で確認したが、カレー味の肉に付いた小麦粉に気付くのは難しかった。摂取後、全身発疹、嘔吐、SpO2低下、血圧低下、意識レベルの低下をきたし、薬剤投与にて改善した。
食物アレルギーについては、医師が『禁止食品』の欄に入力をすると給食班に情報が飛び、人の目で確認している。当該患児の食札には、小麦、いか、えび、貝類、かに、卵など記載されており、『小麦アレルギー』のみ赤字で表示がしてあった。調理師と管理栄養士のダブルチェックに不備があった。アレルギーに対する認識が不足していた。料理に使用している原材料の確認不足と把握不足があった。当該事例の食事は通常の食事と同じ場所で調理され、配膳する皿も一般的な食事と同じであった。
・病棟にアレルギー用献立、及び使用調味料を掲示してもらう。 ・母親を含めた確認を行う。 ・病棟、給食部において定期的な情報交換を行う。 ・職員採用時の安全オリエンテーションの見直し(職種に合わせた内容を検討)。 ・食物アレルギーのある食事の調理は、調理室の一角で個別調理を行う。
障害残存の可能性なし
入院時、患者より乳製品・ハム・ベーコンについてアレルギーがあるとの申し出があり、栄養士によるアレルギー食品の聞き取り調査を行い、それらを禁止とした特別献立となっていた。食事摂取後、洗面台で意識レベル低下している患者を発見した。2、3分は声かけに反応しなかったが、すぐ意識回復した。医師により、左手ルート確保し、酸素1リットルの投与開始した。上肢に発赤を認めたため、食べたものを確認したところ、患者より「朝食に出た牛乳を飲んだ」との返答があった。患者は、以前にも牛乳でショックの経験があるが、好きなので飲んでしまったと話す。
食事は片付けられており、牛乳が載っていたかは確認できなかったが、間違って牛乳が配膳されたと考えられる。アレルギー食は、外人食や特別な栄養指示の食事と一緒に、特別献立表として記載され、他の食事とは別のワゴンに準備して、2回の確認作業をしてから病棟用のワゴンに乗せていたが、確認が不十分であった可能性がある。チェックの方法は、禁止食品が乗っていないことの確認では無く、献立表を見て献立と合っているかの確認をしている。チェック表はなく、目視による確認をしている。食札には、アレルギー食品は「(AL)」という印字がされているが、病棟で配膳するときには、意識されていなかった。
・アレルギー患者の献立は、特別扱いの患者とも区別して、ピンクの用紙にアレルギー専用献立表として作成する。 ・献立表にチェック欄を設け、アレルギー項目についてもチェック、実施者のサインをする。 ・最終確認は、読み上げ者と確認者のダブルチェックとする。 ・配膳時の注意喚起のため、アレルギー食のトレーの色を黄色に変更し、食札に赤で(AL)のアレルギーマークを入れ、病棟での配膳時に最終確認を行う事を徹底する。
障害なし
患児がおやつを請求した。その日のおやつは、いちごムースとオレンジジュースであったが、オレンジはアレルギーがあるためオレンジジュースは渡さなかった。患児が「いちごは食べたことがあるから大丈夫」と言ったため、いちごムースといちごジュースを渡した。30分後、学校の体育館でバスケットを行ったところ、眼の異常を訴え病棟に戻った。その後、眼瞼腫脹、充血、流涙、呼吸困難あり、医師が来棟し、処置を行った。果物に対する運動誘発アナフィラキシーがあり、果物が禁止になっていた。
患児は、果物に対する運動誘発アナフィラキシーがあり、果物が禁止になっていたにもかかわらずおやつに出ていた。「いちごは大丈夫」という患者の言葉を信用してしまった。患児の行動予定を把握しておらず、当事者はバスケットを行うということを知らなかった。患児は10歳代で、自分の疾患についての認識が不十分であった。スタッフも患児の疾患に対する認識の程度やアナフィラキシーの程度を把握できていなかった。
・禁止食は、おやつまで配慮し代替品を考えてもらう。 ・疾患に関する知識を、患児自身、スタッフも熟知する。 ・患児の行動に注意を払い、運動に行くときは念のため全身状態をチェックする。病棟から離れる場合は、アナフィラキシーショックに対応できるように、エピペンを携帯する。
障害残存の可能性なし
患者の食事について、アレルギーコメント欄に青魚禁止・エビ禁止および、フリーコメント欄にキウイ、瓜類禁止と入力した。しかし、夕食時の献立にブロッコリーが調理され患者は摂取したが、その際は無症状であった。翌日、フリーコメント欄に里芋・山芋、ブロッコリー、カリフラワー禁止が追加された。患者が夕食を自力で摂取した後、「苦しい」とナースコールがあった。意識明瞭だが、咽頭部掻痒感あり、「夕食に(禁止食品であった)ブロッコリーとカリフラワーを食べた。」と話した。当直医師の診察し、アナフィラキシーショックと診断された。徐々に過換気となり、モニターを装着し、末梢点滴開始した。その後、意識レベル低下した。ソルメドロール125mg入りの点滴開始し、酸素3L開始後、「(かゆみは)ちょっと良くなった」と発語があった。夜間、状態変化なく経過し、朝食時には摂取可能となった。患者より、「20年ぶりに発作が出た」と言われる。
病棟から栄養管理部への伝達上のシステムエラーの存在することが判明した。調理場での食種確認は、作成された食札で行われるが、現在のオーダーリングシステムから入力されたフリーコメント欄は、部門システムには14文字しか反映されない。病棟でのフリーコメントの入力自体は文字数の制限がないため、入力する病棟側ではフリーコメント欄に入力したものはすべて、栄養管理部(調理場も含め)へ伝達できているものと考えていた。アレルギー食品と嗜好食品との区別が明確になっておらず、どちらの場合も禁止食品にしていて多品目にわたることがある。アレルギー食品の場合も症状と状況との突合が可能であるはずである。
・アレルギー対応食種の新設。厚生労働省が表示を義務づけたアレルギーを引き起こすおそれのある5品目の特定原材料と特定原材料に準ずる20品目の食品を除いた食種「アレルギー食」を新設する。 ・栄養管理部では食事締め切り時間内に入力または連絡があればアレルギー食の対応は可能とする。 ・「食品アレルギーあり」と申告した患者の食事は、「アレルギー食」を選択し、表示された項目の中からあてはまる食品にチェックを入れる。 ・設定された項目の中に当てはまるものがない場合は、「その他あり」を選択し、フリーコメント欄に食品名を入力する(入力できる文字数は14文字でありそれ以上は入力できない。また、入力された14文字はすべて食札に打ち出される)。 ・「その他あり」を選択した時は、栄養管理部へ速やかに電話連絡する。連絡を受けた栄養管理部は、病棟へ出向きアレルギーの内容を看護師または患者から確認する。
障害残存の可能性なし
前医処方が秤量にて記載されていたが、力価と思い込み(当院の取り決めは力価での処方)処方したために、過剰投与となった。
紹介状を十分に確認していなかった。当院での取り決めの周知ができていなかった。
・医師への教育。
障害残存の可能性(低い)
他施設→当該施設
前医の紹介状にてアレビアチン10%散1.8gと記載があっため、そのまま1800mgとして処方。
力価と秤量の処方の違いを理解できていなかった。薬剤師の問い合わせに対して、耳を貸さなかった。
・初めての処方は添付文書をよく読む。 ・力価と秤量の違いについての教育を行う。
障害残存の可能性(低い)
他施設→当該施設
当院へ転院当日、内服薬は前医からの継続となるが、医師は免疫抑制剤であるリウマトレックス2mg分2朝・夕:週1回の指示を、間違って連日投与と処方せんに記載した。薬剤師は特殊投与方法である薬剤で、連日投与できないことを見落とし病棟に払い出し、看護師も間違いに気が付かず過剰投与された。
薬剤に関する知識不足。持参薬に薬剤師が関与する事例が限られていた。
・薬剤情報の周知徹底。 ・薬剤に関する知識の習得。 ・持参薬に関する薬剤師の積極的関与の再構築。
不明
他施設→当該施設
入院中に39℃台の発熱を認め、諸精査の結果胆管炎と診断された。診療科内のカンファレンスで症例を検討し、抗生剤の投与が必要と判断された。担当医がスルペラゾンを選択し、看護師に点滴の指示を出した。看護師はヘパロックにて維持していた末梢静脈ラインからスルペラゾン1g+生理食塩水100mLの点滴を開始し、他の患者の看護業務のためその場を離れた。患者が点滴開始直後から上肢の痺れに続き腹痛も生じ、ナースコールを押した。駆けつけた看護師は症状を聞き、直ちにスルペラゾンの点滴を中止し、医師に報告した。医師が駆けつけた時は、意識は清明であり、会話可能であった。患者から前医で抗生剤投与時に同様の症状があったことを聞き、確認したところ、前医でスルペラゾンのアレルギーがあったことが判明した。看護師も他の患者への業務のため病室を離れた間に患者が自力でトイレへ行こうとして途中転倒した。看護師と医師が駆けつけたところ、意識清明、会話は可能であったが、多量の発汗を認め全身がやや紅潮していた。血圧は66/30mmHg、脈拍130回/分であり、後頭部に約2cmの挫創を認めたが、出血は少量であり、縫合処置等の必要性は認めなかった。四肢の運動や感覚に問題はなく、その他明らかな神経学的所見は認めなかった。アレルギーに対しハイドロコートンを静注し、経過を観察したところ、徐々に状態は改善した。
前医入院中に使用された抗生剤に対しアレルギー反応が認められており、紹介状に当該抗生剤の記載があった。前回入院時の担当医が診療端末に入力したが、カルテの所定欄には記載しなかった。前回の入院、外来、今回の入院での担当医が異なっていたことも要因として考えられる。診療端末や温度板でアレルギー警告が表示される状態であったが、表示がわかりづらく確認されなかった。カンファレンスでも検討されたが、アレルギーの存在に関して十分な注意喚起がされなかった。また、看護師とも情報共有がされていなかった。
・診療端末のアレルギー警告表示について、科内での周知徹底を図る。 ・今後アレルギー警告表示を目立つようにすることも検討する。 ・アレルギー発症時にバイタルサインを確認し、医療スタッフが側を離れず患者の容態を観察していれば、転倒を避け得た可能性がある。
障害残存の可能性(低い)
他施設→当該施設
他院から転入し担当看護師Aが持参薬の整理を実施し本日の昼分の準備を行い、休憩に入った。引き継いだ看護師Bは患者の食事の終了を確認し準備されていた昼の薬を与薬した。看護師Aが休憩から戻り持参薬の残数を確認したところ数が合わなかった。そこで転入前の病院の内服薬の用紙を確認すると、本日の昼分はすでに内服させてきた旨が記入されており過剰投与がわかった。
十分な引継ぎが出来ていなかった。投薬時に処方せんの確認を怠った。
・確認作業の徹底・ルールに沿った投薬方法。
不明
他施設→当該施設
他院より紹介状を持って入院の患者であった。医師が紹介状を確認し、持参薬継続となる。患者本人と確認を行い説明書とともに持参薬を薬剤課に鑑別に出して以後は看護師の管理となる。入院の翌日、「血圧の薬は飲まなくていいのか?」と患者から別の持参薬を出され、継続指示の出た薬を一部飲んでいなかったことが判明する。本人と確認したのみで、紹介状と情報の確認を行っていなかった。
患者本人と一緒に確認作業を行い、紹介状との確認を行っていなかった。
・患者がはっきりしている場合であっても、紹介状との確認を行う。
障害なし
他施設→当該施設
患者がB群溶連菌陽性は紹介状に記載されており、診療録所定欄にも記載されていた。ペニシリンアレルギーについても紹介状と外来予診カードに記入されていたにもかかわらず、診療録には記載されていなかった。午前2時頃腹部緊満が増強してきたため当院産科病棟に電話連絡。対応したC助産師は、周期的な子宮収縮となるまで自宅待機し再度電話連絡するように指示。午前8時過ぎ連絡なく直接来棟。既に2名の分娩進行者がおり、うち1名は速やかに分娩に至りそうであったために、日勤担当助産師でなく、深夜勤務のC助産師が対応。午前9時にC助産師が既往歴など入院時の問診を行った。この時点で患者からペニシリンアレルギーがあることを聴取し入院診療録中の産科データベース・サマリーに記載。通常8時30分より勤務交代のための引継が行われているが、本患者の処置等はこの時間と重なっていた。医師も集まり当直医から昨晩の状況報告を受け、その日の治療方針を決めるミーティングを行っているが、入院時間がミーティングと重なっていたため医師への情報伝達はできなかった。9時30分頃C助産師からD助産師に引継が行われた。患者にペニシリンアレルギーがあることは分娩室日勤担当D助産師に伝達したが、他の作業をしながら、口頭のみで行われた。受け持ち患者の手術まで病棟担当であったE医師を呼んだ。患者が受付を通らず直接来棟したため入院手続きが遅れ9時40分に外来診療録が分娩室に到着。E医師は診療録よりB群溶連菌保菌陽性の記載を認めた(紹介状を確認することはなかった)。D助産師は電子カルテにて膣分泌物培養検査の結果を確認したが、当院での検査結果は陰性であったため、外来での担当医A医師(E医師の上級医)に電話連絡。A医師は手元に診療録はなく、また、患者についての記憶が曖昧であったため、一般論として診療録にB群溶連菌保菌陽性の記載があるなら、産道感染予防のためペニシリンを点滴静注すべきであると回答。10時E医師は施行。投与直前に新生児GBS感染症発症予防のため抗菌薬の必要性について説明したが、ペニシリンとは説明せず、また、薬剤アレルギーの既往について再度の問診をおこなわなかった。分娩より3日後腹部に皮疹が出現。この時点でE医師はアレルギー反応による皮疹を疑い問診をおこなった所、ペニシリンアレルギーがあることを知った。
初診担当医が紹介状、問診票の薬剤アレルギーをカルテに記載しなかった。次の担当医は上級医がみているからと確認しなかった。当事者はカルテからのみ判断し、投与直前の問診を怠った。助産師においても勤務交代と重なり、かつ慌ただしい状況であったため情報伝達が不十分であった。
・診療録の改善、外来と病棟担当医は必ずしも同じでないため、伝達すべき情報をより分かり易く正確に行えるように改善。 ・診療録に診療上の注意事項記載欄があるので活用することの徹底。 ・薬剤投与直前に必ず患者本人にアレルギーの有無を確認。 ・医師、看護師間の情報共有を図る。
障害なし
他施設→当該施設
耳鼻咽喉科で慢性副鼻腔炎に対し、鼻内視鏡手術が全身麻酔下に行われた患者で、手術終了後全身麻酔覚醒前に術後鎮痛目的でフルルビプロフェンアキセチルを50mg静脈内投与した。その後、麻酔からの覚醒は良好で抜管、循環・呼吸状態が安定していることを確認し、手術部内回復室へ移動した。そこで更に15分間状態を観察し、再び循環・呼吸状態が安定していることを確認し、病棟へ帰室となった。しかし、手術部から退出後病棟のエレベーターホールでエレベーターを待っている間に徐々に呼吸困難感が出現し、同時にモニターしていたSPO2も90%程度に低下した。直ちに付き添って帰室していた耳鼻咽喉科医師が喘息様発作と判断し、酸素投与を行いつつ帰室した。帰室直後より酸素投与、ハイドロコートン300mg投与、サルタール吸入により速やかに改善した。術後第一日目にも呼吸困難が出現したため、ステロイド、ネオフィリン内服、ツロブテロールテープ貼付、サルブタモール吸入を行い軽快した。以後は、呼吸系の問題はなく、後遺症、新たな合併症は認められず経過した。本患者は、以前にバファリン内服時に軽い呼吸困難が出現していた既往があり、耳鼻咽喉科への前医からの紹介状にはアスピリン喘息の疑いが指摘されていた。しかし、麻酔科医の術前診断時には、外来カルテに貼付されていた紹介状を読んでいなかったため、本人からの既往歴聴取では、バファリン内服と呼吸困難の関連性が明確でなかったため、術後鎮痛の目的でフルルビプロフェンアキセチルを投与した。投与後20分以上経過してから、その投与に起因すると思われる喘息様発作が発症したと考えられた。しかし、モニター装着下でもあり、直ちに気付き、迅速に対処できたことから重篤とはならず、治療により軽快したものである。軽快後、患者及び家族に対し、経過及びアスピリン喘息という診断、素因であることが強く疑われるので、今後は鎮痛薬等の必要時には注意を要すること、医療機関には必ず伝えることを説明した。
本患者のアスピリン喘息素因疑いについては、前医より紹介状に記載があったが、外来カルテに貼付されていたのみで、入院時に情報伝達が不十分であった。そのため、術後鎮痛を優先して考慮したため、鎮痛薬を投与した。
・患者の既往、素因等の情報は確実に伝達される様に考慮する。そのため、何らかの重要な情報がある場合は、カルテの表紙に注意を必要とするマークを表すこととする。
障害残存の可能性(低い)
他施設→当該施設
肺炎治療の目的で入院中の患児に、抗生剤メロペンを4日間点滴治療した。その後病状が軽快し退院されたが、翌日強い不穏症状が現れ別の病院で診察を受けた。別の病院の医師から、抗てんかん薬を服用中にメロペンの治療を受けたので、バルプロ酸ナトリウムの血中濃度が下がり不穏症状が生じた可能性がある、と説明を受けた。家族から診療経過の報告を受け当院で調査すると、患児が入院中に持参薬の抗てんかん薬を内服していたことが分った。入院時に抗てんかん薬を内服中であるとカルテに記載されていたが、担当医が服薬状況を把握していなかった。
直接的原因:バルプロ酸ナトリウムと併用禁忌であるメロペン(ペネム系の薬剤)をバルプロ酸ナトリウム内服中であることに気付かず投与した。根本的な問題:バルプロ酸ナトリウム内服中の患者にペネム系薬剤が投与可能と考えた。背景因子:患児は通常は近くの施設に通院し抗てんかん薬を処方されていたが、自宅が当院に近くその施設では夜間の救急対応が出来ないので、急変時には当院に受診することになっていた。入院中、患児は当院で処方されたことがない持参薬を母親の管理のもとに内服していた。施設からの紹介状やカルテの現病歴・現症欄にはバルプロ酸ナトリウムを内服中であると記載されていたが、担当医はこれを把握していなかった。また当院では、持参薬を薬剤部が管理する体制や電子カルテ上で併用禁忌をチェックする体制が整っていなかった。
・脳性麻痩やてんかんの患者はバルプロ酸ナトリウムを内服している可能性があり、抗生剤使用時には必ずバルプロ酸ナトリウム内服の有無を確認する。 ・現在バルプロ酸ナトリウムを内服していなくても将来使用することもあるので、ペネム系薬剤の使用は原則控える。 ・入院時持参薬の服用を規制するかチェック体制を確立する。例えば、病棟での持参薬使用を禁止する。あるいは、持参薬を内服する場合は薬剤部がこれを電子カルテで管理し、併用禁忌のチェックが可能となる体制を検討し確立する。
障害残存の可能性なし
他施設→当該施設
アミオダロン肺炎のために他院に転院し、改善の後再度当院に転院してきた際にステロイド投与の指示が漏れていた。
転院の時の処方漏れ、他の医師もそれをチェックできなかった。
・指示を複数の医師で確認する体制の整備。 ・オーダーリングシステムの整備。
障害残存の可能性(高い)
他施設→当該施設
入院0日目、日勤看護師Aがアナムネの際、内科処方は持参していたが、精神科の内服している薬が家にあることを聞き、精神科の処方薬を夕方に家族に届けてもらうことにした。日勤担当看護師Bは、内科持参薬を薬局へ薬品検索に提出したが、薬がバラバラであり、お薬手帳などの情報がないため、薬剤師は薬品検索を断った。看護師Bは家族に連絡し、精神科の薬と合わせてお薬手帳を持参するように伝えた。看護師Bは夜勤看護師Cに家族が薬を持ってくることを申し送った。看護師Cは家族から精神科の薬を預かったが、お薬手帳を家族が忘れたので、中身を確認せず、机の上に薬を置いていた。入院1日目手術当日、看護師Cは、家族がお薬手帳を持ってきたら薬品検索に提出するように日勤看護師Dに申し送った。看護師Dと看護師Eは、リスパダールとデパス錠が散らばっているのを見た。看護師Eは看護師Fに薬品検索を提出するように依頼した。薬剤師Gは、精神科の処方の用法について、調剤薬局の薬袋に、「1日4回、毎食後・就寝前1回にリスパダール錠1mg2錠ずつ、デパス錠0.5mg2錠ずつ合計2種お飲みください」と印刷されているのを確認した。お薬手帳には、別の調剤薬局で精神科処方の内容は記入されていたが、用法までは記入されていなかった。薬剤師Gは、そのままの用法でヒートから薬を一包化し直し、薬剤師Hが鑑査し病棟に出した。入院2日目手術翌日、看護師Iが朝・昼とリスパダール・デパスを与薬した。夜勤看護師Jが、患者に傾眠があり、嚥下が困難な状況で食事や内服ができないことに気付いた。手の震えがあったため、薬剤師Kに相談した。薬剤師Kは、向精神薬を急に止めると悪性症候群の発生の可能性があることを伝えた。主治医に報告し、看護師Jは夕・眠前の内服を中止した。入院3日目、看護師Jは、朝患者は内服可能であったため与薬した。日勤看護師Iは、昼に与薬した。その後、傾眠についてナースステーションでカンファレンスをしていたところ、偶然居合わせた医療安全管理者(薬剤師L)に相談した。医療安全管理者は過量投与の可能性を疑い、薬剤師Mに処方病院や調剤薬局に看護師Iに家族に問い合わせするように指示した。その結果、実際の用法は、「リスパダール・デパスは1日1回寝る前に1錠ずつ服用」で、処方は精神科医師が8倍処方をし、8ヶ月分の処方をしていたことが分かった。
他院の精神科医師が、処方日数制限のない薬を8倍処方し、調剤薬局では処方せん通りの用法で薬袋に印刷してあった。お薬手帳に全ての調剤薬局の処方が記入されていない、薬の情報が一元管理されていない。持参薬を受け取る際、薬を受け取るだけで、中身について家人と確認したり、聴き取ったりすることが行われていなかった。薬剤師は薬品検索時、精神科は向精神薬の量は多いという先入観があり、疑問を持たなかった。看護師が、向精神薬の副作用について薬剤師に問い合わせた時に十分な患者状態を伝達したり把握しないまま薬剤師がアセスメントを行ったため、悪性症候群の疑いとなり、服薬継続が行われた。
・持参薬を預かるときには、患者・家人への質問内容を定め、質問用チェックリストを作成し、その通りに質問を行うことを徹底する(現在服用中の薬、中止している薬、薬袋どおりに服用していない薬など)。 ・薬剤師の病棟配置時間の延長(持参薬管理の病棟での徹底、タイムリーな指導や病棟カンファレンスへの参加など)。 ・持参薬の預かり時、ケースを利用して薬を整理しやすくする工夫。
障害なし
他施設→当該施設
当院に入院しながら、他院で外来透析をしている患者である。持参薬であるリズミック服用日が、透析日(週3日)のみであったのを、4日間、毎日服用させてしまった。
「持参薬報告」には、透析日服用のコメントがあった。しかし、「持参薬処方せん」にはそのコメントがなく(医師の記載忘れ)、それに気付かずそのまま配薬してしまった。
・「持参薬報告」と「持参薬処方せん」の相違点の確認を徹底する。 ・「持参薬処方せん」へのコメントを忘れないように医師に伝える。
障害なし
他施設→当該施設
入院当日、持参薬を主治医と看護師と両者でダブルチェックをした。前院からの紹介状はなかった。お薬手帳等、現在内服中の薬を記した書面はなかった。主治医は、確認した持参薬を継続内服するように指示した。主治医は、既往にステント留置術をしていること、バイアスピリン(抗血小板剤)を内服していたこと、外来受診中に薬疹により中止したことは把握していた。しかし、前院処方のプラビックス(抗血小板剤)セロクラール(循環器官用薬)を内服していることは知らなかった。入院当日に確認した持参薬にその薬はなかった。入院前まで内服していたプラビックス・セロクラールは4日間投与されなかった。入院5日目、早朝より発語が少なかった。10時前に呼吸器内科当番医師が診察し低酸素状態と診断した。酸素吸入調整をした。家族が昼食時と夕食時に面会し、患者の様子がおかしいと感じた。17時頃に日勤担当看護師に、異常を感じることと医師への報告を希望した。日勤担当看護師は、いつもと違うことは感じていたが午前中にすでに診察を受け対処していること、その時と大きな変化はないため妻ほどの緊急性を感じなかったことから、妻には「休日のため明日主治医に診てもらう。」と答えた。準夜看護師は意識レベルの変動を感じ生体モニターを装着した。左共同偏視、左上下肢麻痺を認め当直医師に報告した。当直医は救急外来対応中のため血管確保の指示をし、診察した。頭部MRIの結果、多発性脳塞栓症が判明した。家族から心臓の薬を返されて内服していなかったと話があった。
前院からの紹介状は発行されていないため、前院の処方内容が明確ではなかった。(前院の紹介による当院受診ではなかった)持参薬が前院の処方と合致しているのか確認ができない状況であった。その状況で、家族が届けた内服薬の現物のみを主治医と看護師とで確認した。見落としや間違える危険性もある。薬剤師のマンパワー不足により、入院時の薬剤指導を実施できない状態である。持参薬の薬剤師によるチェック体制がない。患者は肺炎を併発しており、反応の鈍さ(新たな合併症徴候:多発性脳塞栓症)を血液ガスの結果から低酸素状態によるものと判断した。多発性脳塞栓症:シャワーエンボリズムのために、現れた症状は典型的な脳梗塞症状とは異なったため、今回の反応の鈍さを脳梗塞と推測することは難しかった。プラビックス・セロクラールは、動脈の血栓を予防するもので、心臓内の血栓防止には効果を期待できない。その薬を内服していたとしても心臓内からの脳塞栓症は、防止できなかったかもしれない。これらの薬を内服しなかったことと脳塞栓症発症との因果関係は低い。家族が日勤担当看護師に異常を感じること、医師の診察依頼を複数回したが取りあってもらえなかったことが、妻の病院への不審を募らせる要因となった。日勤担当看護師は、午前中に診察を依頼し対処していること、その時と大きな変化はないことから緊急性がないと判断した。そのため、家族の訴えを受け止められなかった。また、他の看護師にも相談しなかったため、助言や家族へのフォローがなされなかった。
・薬剤師も含む持参薬の確認体制の構築(確実に持参薬の確認ができる方法を検討する。処方せん・紹介状・薬手帳等の書面との照合を原則とする、薬剤師の介入、など薬剤科とも協力し確認方法をルール化する)。 ・患者を常に見ていた家族からの「おかしい」の言葉は、貴重な情報と受け止める認識をもつ。医療はチームで行うため、報告・相談・連絡が重要である。よって、医師への報告や看護師間の相談を躊躇しないように医療安全情報として職員へ発信していく。
障害残存の可能性(高い)
他施設→当該施設
デパケン800mg+アレビアチン150mgの内服によりコントロールしていた。入院時、デパケン800mgと白い粉薬を持参。薬剤師は、薬剤鑑定時に患者の「白い粉薬はすっぱい」という言葉からハイシーと思い鑑定した。医師は、薬剤鑑定書と家族からの情報でデパケン800mgとハイシーを院内処方に切り替えた。2時10分、トイレで転倒している患者を発見。意識は清明であった。右上肢に震えを認めた。3時20分頃には運動機能は完全に回復した。患者はけいれんであったと報告。緊急CT検査では以前の脳挫傷の所見であった。症候性てんかんの既往、速やかに麻痺が改善したことからてんかん発作と考えられた。かかりつけ病院に確認したところ、白い粉薬はデパケンR800mgとアレビアチン150mg(ハイシーに混合)処方であった。入院時薬剤鑑定で、デパケンR800mgとハイシー2包であったため主治医はデパケンRとハイシーを院内処方に切り替えていたため入院後3日間アレビアチンが処方されていなかった。
前医処方抗てんかん薬の情報が薬剤を管理している母親や施設のスタッフに適切に伝わっていなかった。患者は高次脳機能障害であり、本人の服薬内容に関して認識力は低下していると思われるが、薬剤師は患者のみに確認した。粉薬は鑑定が難しいことから、情報提供や処方先への確認をすることになっているが省略した。持参薬を院内処方に切り替えた際のリスクがある。
・紹介状の投薬内容と本人の認識や実際の処方薬などに相違がないか確認をし疑問があれば必ず問い合わせを行う。 ・持参薬を院内処方に切り替える際特に抗けいれん剤については慎重に行う。また、入院目的を考えて、コントロールされている場合は持参薬を利用することも考える。
障害なし
他施設→当該施設
黄疸のために検査入院当日であり、翌日より精査予定だった。入院当日。他院より紹介のため持参薬あり。薬局にて鑑別を依頼した。当事者の看護師は夜勤で出勤。日勤者より「薬品は鑑別依頼中である」と申し送りを受けた。薬局からは鑑別後の処方薬が病棟にあがってきており、配薬車に準備されていた。配薬車には患者名が入っていたが、準備されていないと思い込み、確認しないまま夕食後薬も眠前薬も患者には投与しなかった。夜中に再度配薬車を確認した際に服用させていないことがわかった。
配薬車へ薬の準備をした際、夜勤者に伝えていなかった。夜勤者は配薬車に名前がはいっているにもかかわらず、確認をしなかった。薬はまだ上がってきていない、という思い込みがあった。
・配薬車の確認の徹底。
障害なし
他施設→当該施設
他院からの転院の患者で前医から持参薬があった。主治医に持参薬続行の指示をもらい、薬局持参薬担当に連絡し昼食後の内服は間に合わないため取っておくよう言われ、他看護師と一緒に薬を確認した。前医から薬情や診療情報提供書の持参はなく、診療情報提供書は後日郵送しますとのことであったため内服を確認する書類がなく、薬袋で確認しマグミット1錠、プレドニゾロン5mg3錠を与薬した。持参薬を確認した薬剤師からプレドニゾロン5mg3錠は翌月の日付で3日間投与分であったことを電話連絡を受けた。薬袋を確認すると、薬袋の左下に「○月△日‐×日(翌月の日付で3日間)に内服」と書いてあった。主治医に報告し、不足分の3錠は追加処方するとのことで経過観察となる。
昼食前で忙しい時間帯に確認をした。確認する書類がなかった(薬情・診療情報提供書)。薬袋の「昼食後」のところしか確認しなかった。
・薬袋を隅々まで確認する。 ・2人で声を出して確認する。 ・何のために内服しているのか確認する。 ・出来れば確認出来る書類を一緒に持ってきてもらう(前医から)。
障害なし
他施設→当該施設
入院時持参薬を薬剤部で確認。てんかん薬25mgが1錠服用されており、本人が内服している薬は、当院採用薬の中では「エクセグラン」(ゾニサミド製剤、抗てんかん剤)と同一薬であった。医師はそのことを確認し、エクセグラン1錠を処方した。2週間後に再度処方しようとした際、病棟薬剤師より、「当院のエクセグランは規格が100mgである」と言われ、2週間過剰投与していることがわかった。
当該事例では、患者が入院した際、看護師は患者から持参薬を受け取り、他院の紹介状にある内服薬の処方せんを見て数を確認、院内規定の持参薬鑑別依頼書に記入し、病棟から薬剤部へ持参薬の確認を依頼した。薬剤師は持参薬を確認した「持参薬一覧表・指示表」を作成した。持参薬のうち、「トレリーフ」は当院非採用だったため「持参薬一覧表・指示表」の当院採用の有無の欄に「×」とし、同一成分(ゾニサミド)の薬剤を「ポケット医薬品集」で調べた。トレリーフのところに、矢印で「同エクセグラン」と記載があるのを見て、「持参薬一覧表・指示表」の薬剤師コメント欄に「同エクセグラン」と転記し病棟に送った。医師は「持参薬一覧表・指示表」をもとに処方入力する際、エクセグランの規格100mgが表示されたが、トレリーフは1回1錠と記載されていたのでエクセグランも1錠でいいと思った。薬剤師による服薬指導は初回処方時、土曜日であったため行われなかった。3回目の処方時に持参薬を鑑別した薬剤師が間違いに気付いた。
・規格を記載するよう「入院時持参薬取扱いマニュアル」を変更する。 ・専門外の薬が持参薬にある場合は必要時専門の診療科に依頼する。 ・処方入力時の規格の確認の徹底。 ・初回処方の際、看護師は持参薬と処方せんを確認する。 ・持参薬から院内で薬剤が処方された場合は素早く薬剤師が介入するようマニュアルを変更する。
障害なし
他施設→当該施設
5ヵ月後の上部消化管内視鏡検査を予約。その当時は抗凝固剤の内服なし。昨年年末に急性心筋梗塞のため他院入院。以後、バイアスピリン内服開始。予約外で来院。胃の調子が悪いので上部消化管内視鏡の予約を早めることを希望し、予約日を変更。その際、オンライン上で予約日時を修正することで対応したため、内服薬についての詳細も含めた同意書を取り直さなかった。その結果、検査担当医にはバイアスピリン内服中であることが伝わらなかった。また、看護師間の申し送りもきちんとなされていなかった。内視鏡検査中にマロリーワイス症候群を発症し出血がなかなか止まらなかったため、入院となった。
内視鏡検査の予約日を変更する際の手続きに関する取り決めが明文化されていなかった。バイアスピリン内服時には、生検は禁忌だが、内視鏡自体は禁忌ではない。バイアスピリン内服していることがきちんと伝わっていたとしても、内視鏡を施行する方針に変更はなかった。したがって、今回の抗凝固剤の内服に関する情報伝達の不備と、内視鏡施行中にマロリーワイス症候群を発症し入院が必要になったこととの間には、因果関係はないと考えられる。
・予約日を変更する際には、改めて同意書を取り直す。 ・内視鏡を行う場合は、バイアスピリンを含めた抗凝固剤の内服の有無に関して、指示書に記載する。
障害なし
他施設→当該施設
患者はA病院で脳動脈瘤(前脈絡叢動脈)に対するクリッピング術を受け、翌朝に左片麻痺出現しリハビリ目的にB病院転院、以後通院加療していた。B病院からC病院へ紹介、C病院から当院糖尿病内科へ紹介あり来院した。所見はADLは左麻痺軽度残存、杖使用にて散歩練習している、外来へは家人とともに車いすで来院、両上肢挙上保持可能。C病院からの情報提供には内服薬セレニカR1.25g分2朝夕その他の薬剤処方が記載されていた。医師は同内容、同量のつもりで当院のオーダー画面よりセレニカR顆粒400mg/g1250mg分2朝・夕食後14日分と入力し、院外処方せんを発行した。その結果、調剤薬局ではバルプロ酸として1250mg=セレニカR顆粒3.125gを秤量・調剤した。その結果、診療情報提供書に記載されたバルプロ酸(500mg)の2.5倍量が投与された。家族より電話での連絡あり。セレニカRの副作用で嘔吐、ふらつき、歩行困難が出現していたとのこと。処方歴・カルテ内容より紹介状の処方量の2.5倍服用されていたことが考えられた。
散薬の指示の際の成分量、実重量表示の統一がされていない。
・今回の事例を情報として職員に広報し、他院からの紹介状の薬剤処方にはこのような例があることの注意喚起を行う。 ・注意すべき薬剤をリストアップし職員に広報する。
不明
当該施設→薬局
外来にてテグレトール、アレビアチン、フェノバールなどの抗てんかん薬を処方していた。約2週間後、てんかんの悪化もしくは抗てんかん薬の副作用が疑われ、緊急入院となった。入院後は、持参した外来で処方された薬を続行した。入院翌日の血中濃度検査でフェノバールが高値であり、入院2日目の日勤帯にアレビアチン散を中止した。しかし、アレビアチン濃度の高値は続いた。そのため、外来処方薬をチェックしたところ、抗パーキンソン薬のアキネトンの代わりに、アレビアチンが入っていた。そこで、実際に誤薬があるか医師、看護師、薬剤師で確認を行った。その後、薬剤師を経由して院外薬局に問合せを行い、誤調剤を確認した。
応需薬局での処方間違いがあった。持参薬のチェックシステムがなかった。持参薬の継続処理が適切でなかった。薬の量が多く医師の指示を確認するのに手間と時間を要した。
・持参薬の鑑査システムを院内に構築する(全ての持参薬を薬剤部で確認する)。
障害残存の可能性(低い)
当該施設→薬局
入院前は痴呆の夫が食事を世話していた。患者本人は前歯3本のみであったが義歯はなくトイレ等は自立していた。医師は、入院前には食事は普通に取っていたという認識でいた。入院時は禁食であったが、食事が開始され「腎臓食」が指示された。食事箋には特に軟菜や粥などという指示がないため、一般的な当日の昼食時、看護師はベッドを約90度に調整し、3口ほど摂取するのを確認してから退室した。約5~6分後に他の看護師が訪室した際も普通に食事摂取していた。さらに約10分後に訪室したところ、患者がベッドからずり下がっており呼吸停止していた。医師が救急蘇生開始し、気管内挿管時、口腔内の米飯・輪切りのレモンの皮などが掻き出された。
アナムネは空欄で、食事形態が患者にあっていなかった可能性がある。看護師は食事形態の確認を医師に行っていない。認知症という状況から患者の食事観察を継続する必要があったが、他の患者の食事介助に行ってしまった。
・患者の入院前の状況把握を徹底する。 ・患者の状況に応じた食事形態かどうか疑問を声に出して確認する。 ・昼食時間帯の職員の配置を考慮する。
死亡
レビー小体型認知症、パーキンソン症状によりADL全介助の患者が、誤嚥性肺炎で入院し、絶食、抗生剤投与で軽快した。2日後、耳鼻科にてEV施行し、咽頭麻痺なく、嚥下評価では痰が多く十分開口しない状態であったため口腔ケアを継続後、嚥下訓練を開始し、経口摂取量が増えてきていた。入院から2週間後、覚醒状態が良好であり、朝食(全粥、3分菜)を介助した。小スプーンで粥3口、豆腐を細かく潰し1口食べたところでむせがあり、患者も拒否したため食事介助を中止した。患者に口を開けてもらい、口腔内に食物がないことを確認し、他患者の所に行った。約10数分後に患者の所を訪室したところ、患者の呼吸が停止しているのを発見した。直ちに、心臓マッサージ開始し、吸引の際は豆腐様の白い柔らかいものが引けた。医師が直ちに救急蘇生を開始し、挿管後、人工呼吸器管理となった。
食事介助の前に口腔内観察が不十分であり、口腔内の状況が正しく評価できていなかった。経口摂取介助したが数口でむせあり、中断した。口腔内の食物の有無を観察したが確実に嚥下したか確認せず患者の側を離れた。朝食介助は深夜勤務看護師と早出看護師が分担して行っており、当日は7名の食事介助や他業務もあり多忙であり、焦りもあった。
・食事介助前に口腔内の観察と口腔ケアを行い、必要時吸引を行い十分に口腔内を清潔に保つ。 ・更に嚥下困難な患者の食事介助後、呼吸状態が安定しているか数分間確認してから患者の側を離れる。 ・患者の個別食事介助計画を誰が見ても分かるようにベッドサイドに図示する。
障害残存の可能性(高い)
食道癌術後・頸部リンパ節転移による気管圧排、肺転移、放射線性肺炎の患者。両側胸水貯留と放射線性肺炎増悪にて酸素投与・ステロイド使用していた。食事を開始したが、以前より飲み込みが悪いとの訴えがあり、食道透視を実施したところ、通過不良の所見があり、昼からミキサー食に変更予定であった。昼食時、ギャッジアップし、昼食前に妻の介助で持ち込みのメロンとブドウを摂取した。看護師が部屋の前を通ったところ、妻が患者の肩を叩いていたため訪室した。患者は意識が低下し、顔面蒼白で、自発呼吸はなかった。
患者と家族に嚥下リスクがあることを説明していたが、十分理解されていなかった可能性がある。患者家族の強い希望で食事摂取していた。
・病棟単位の事例検討を行う。 ・摂食嚥下評価と食事形態の選択に関する学習を行う。
死亡
左大腿骨転子部骨折に対し左大腿骨骨接合術を施行し、手術後8病日目の患者であった。低酸素性脳症により嚥下障害があるため、食事形態をきざみ食とし、車いすに座らせオーバーテーブル上に配膳し、スプーンを用いて患者が自力で妻の付き添いのもとで喫食中、食物を誤嚥し気道閉塞により、窒息を起こした。患者の状態がおかしいとの妻からの報告で、すぐに医療者が駆けつけ救命処置(吸引、気管内挿管、人工呼吸等)を行った。
誤嚥の既往があり嚥下障害を有する患者であるため、日頃より食事中はムセや咳きこみなど誤嚥の兆候がないか観察していた患者であった。事故当日は妻が来院し食事中付き添っていたため、看護師は患者を車椅子に移乗させ配膳したあと病室を離れ、食事摂取状況の観察を怠った。嚥下障害に対しきざみ食を提供していたが、献立で汁物の具材まではきざまれていなかった。事故当日はシチューが提供されていたが、その中にきざまれていないブロッコリーや人参、鶏肉などが入っていた。救命処置を行った際に、喉の奥にブロッコリー片があった。
・嚥下障害患者に対し、摂食嚥下状況チェックシートを用いて観察、評価し、看護計画に盛り込むようにした。 ・きざみ食について、汁物の具材もすべて刻んで提供することとした。
死亡
全粥食を開始して3日目であった。食事中の患者に看護師が声を掛けたが、「美味しい」などと話をされ食事摂取中の患者に異常はなかった。その後、病室を訪室したところ、座位でうつむき、ぐったりとしている患者を発見した。ナースコールにて他の看護師に異常を知らせ、直ちに患者をベッドに戻し蘇生を行った。医師が到着後、挿管の際に大きな肉片が気道を閉塞してることを発見、肉片を除去し、気管内挿管施行した。心肺蘇生を続けた結果、心拍は再開したが、自発呼吸見られず、呼吸管理目的にてICU入室となった。
全粥食の患者に、噛み切れない牛肉が副食に出ていた。肉は薄かったが、1片の大きさが、大きかった。
・栄養課とデイスカッションし、全粥食の副食には、やわらかいものをセットする、カット数を多くするなどとした(全粥副食のメニュー見直し)。 ・脳梗塞が否定できない患者であったとはいえ、それまで食事摂取については問題を認めず、配・下膳の援助で食事摂取は自己で可能な患者であった。 ・主食は全粥で軟らかく食べやすいものなのに副食が硬く咀嚼しにくいものの場合、大きさを配慮するなどの検討が必要である。
障害残存の可能性(高い)
昼食時、食堂にいた。とろみをつけて配膳後、自ら食べ始めた。約10分後咳と一緒に少量の食事が口から出たので看護師Aがタッピングをして休憩するよう言った。自分で再度食べ始めたので看護師が側で見守っていた。看護師交替時、食事を食べずスプーンで食事をいじっていた。看護師Bがティースプーン半量のおかゆを口元に持って行くと口を開けたので入れた。しばらくして咀嚼し、嚥下したが、むせはなかった。嚥下後、口を開けたのでティースプーン半量のお粥を入れた。その後、咳込み、鼻汁が出たのでタッピングをした。その直後、両上肢が振戦し顔色蒼白となり呼名反応がなくなった。
意識障害、嚥下障害。初回、食事中に咳が出た後の観察が不十分であった。看護師交替時の引継ぎが不十分であった。
・食事介助時の観察を強化し咀嚼、嚥下状態で変化があるとき医師に報告する。 ・看護師交替時は、観察した内容を情報共有し継続看護をする。
死亡
脳挫傷を負い、器質性精神障害と診断され、妄想・幻覚があり入院した。薬剤調整にて、行動制限が解除されるまで改善されてきていた。日常生活動作は自立していたが、時折食事時にむせるようになったため、誤嚥に注意し観察をしていた。食堂で食事を摂るように説明していたが、自室で摂取することが多かった。当日の昼食前、患者の担当看護師Aは、食事摂取状態を観察するため、食堂で他患者と食事をするよう患者に促したが、患者は看護師Bよりお膳をもらい自室に持参した。看護師Aは、患者が食堂にいないため病室に行き、ベッド横の床に倒れている患者を発見した。発見時、心肺停止状態であり、すぐに医師へ緊急連絡を行い蘇生処置を開始した。緊急コールにて医師がすぐ来棟し蘇生を開始した。蘇生処置開始時、つまっていたと考えられる肉団子を取り出した。
当該患者の誤嚥の可能性を担当看護師を含め同モジュール内の看護師は認識していたが、他モジュールの看護師との共有が不十分であった。共有が不十分であったことから、当該日も担当看護師が食堂で食事摂取を促していたものの、他看護師が患者へお膳を手渡してしまい、自室での摂取につながった。精神科疾患患者の場合、薬物治療上全患者に誤嚥の危険性があり、特に窒息を起こしやすい患者の場合には付き添うことが必要であるが、自室で食事をされた場合にマンパワーが不足となる。配膳前、配膳時には各皿に蓋がついている。そのため、配膳前に食事内容を知り、配食の時間調整や事前にカットを入れたり、誤嚥しにくいような関わりを持つことが困難である。患者自身の生活背景から、他患者と食事を一緒に摂ることができないなどのキャラクター性。取り出された食材は直径3cmほどの肉団子であるが標準の大きさ、柔らかく煮込んであった。
・誤嚥・窒息の恐れが高い患者の場合、必ず食堂で食べてもらうことを原則とし、スタッフが共有できるようにスタッフルームのホワイトボードに明示することとした。 ・ホワイトボードに明示した患者については、担当看護師が配膳することとした。 ・誤嚥・窒息の恐れがある場合に、自室ではなく、食堂で食べてもらうこと等を家族にも説明し、共有してもらうこととした。 ・栄養管理室とともに、誤嚥・窒息につながりやすい食材について討議することとした。 ・配膳前にメニューをチェックし、食材の確認をすることを徹底する。
死亡
朝食時、パン食(食パン2枚ビニール包装)の患者5名中1名が「食べない」と返却した。深夜看護師は、記録室内の自動血圧計の上に置かれていたパンを、盗食防止のためにすぐ横のごみ箱に捨てた。その後、他の看護師がそのゴミ箱をホールへ出した。患者は、ゴミ箱からパンを見つけ拾い、歩きながら食べ自室付近の廊下にて窒息し転倒した。看護助手が「ドタン」と言う音を聞きつけて廊下へ行き、当該患者を見つけ、すぐに看護師に報告した。看護師が駆け付けると、顔面チアノーゼ、口腔内はパンが詰まっており呼名反応なく、便失禁を認めた。
患者は先月にもカウンターに置かれていた他患者の食事を盗食した。精神状態は軽装状態が持続していた。盗食のリスクが最も高い患者の一人として認識されていた。ごみ箱は以前にもその中から拾い食いをされたため普段は記録室に設置していたが、ごみが沢山出る時間は毎回ホールへ出していた。ごみ箱に捨てた看護師は、ゴミ箱をホールへ常時出せない事は知っていたが、捨てたパンを拾って食べるという認識はなかった。配置換え等により当該病棟勤務になった看護師に盗食の危険性などの説明はしていなかった。ごみ箱の観察担当者は特に決めていなかった。ごみ箱をホールへ出す時、中を確認する事は決められていなかった。他の看護師もゴミ箱に捨ててあるのを見つけたが危険を感じることはなく、拾わなかった。
・ごみ箱は記録室から出さない。 ・空のごみ袋をホールへ使用の都度出して使用後、記録室へ戻し中身をゴミ箱へ破棄する。 ・患者の目に付く場所へ食べ物を捨てない。 ・食事時の観察の徹底、盗食、窒息のリスクの高い患者の情報を共有する。
障害残存の可能性(高い)
左足部壊死のため左下腿切断術を行った。術後指示として、病棟担当医はボルタレン坐薬25mgを指示記載した。術後1日目午後12時頃患者は患肢の痛みを訴え、鎮痛薬を希望した。受けた看護師は、対症指示を確認後、ボルタレン坐薬25mgを使用した。20分頃ナースコールがあり、「全身かゆい」と訴えた。全身掻痒感、顔面紅潮、BP40台まで低下しプレショック状態。医師コールしアレルギー症状と判断し輸液負荷、ソルコーテフ500mgを使用した。昇圧剤を使用しながらモニター管理を行い13時10分ICU管理となった。ICU入室後バイタルサイン安定した。翌日病棟へ転棟した。
ボルタレンは患者の禁忌薬剤として電子カルテのアレルギー欄に記載されていた。患者はボルタレンに対して禁忌薬剤であることを外来主治医、受け持ち看護師、病棟薬剤師に申告していた。受け持ち看護師は、電子カルテのアレルギー欄に記載していた。薬剤師は薬剤指導録、薬剤鑑定票に記載し口頭でリーダー看護師に伝えていた。外来主治医は申告された内容を病棟担当医に伝えていなかった。薬剤師による薬剤鑑定記録や受け持ち看護師による薬のアレルギー記録等の情報が生かされず指示受けが実施された。外来主治医が病棟担当医への申し送りが不十分であった。対症指示で病棟定数のボルタレン坐薬を使用したため薬剤師による疑義が出来なかった。患者へ実施時アレルギーの確認を行わなかったこと。医師、看護師のアレルギー薬のリスク認識が低いこと。
・医師は重要な情報はタイムリーに口頭で伝達し診療記録に記載する。 ・安全な薬物療法を実施を行うために、6RプラスA(正しい患者、薬剤、投与量、方法、時間、記録そしてアレルギーの有無)を確認する・薬剤のリスクに対する認識を深める教育の強化。 ・頓用の薬剤は緊急時以外は、処方オーダから行う。 ・電子カルテの禁忌薬剤のシステム改善を検討。
障害残存の可能性(低い)
外来→病棟
もともと本院に慢性関節リウマチで通院中の患者が消化管出血を主訴に緊急入院した。その際、担当となった研修医がその患者の内服指示を出すために、持参薬をもとに外来カルテを参考にしたところ、そのうちのリウマトレックスについて通常、1週間に1日6mg(2mg×3回)投与すべきところ、1日6mg(2mg×3回)毎日服用する指示を出してしまった。入院した日の夕から研修医がその用法の間違いに気付くまで連続して11回投与された。しかも、用法間違いに気付いた際、週1回投与に変更したが、連続投与による過剰投与で骨髄抑制が発生した後にもその指示が中止されることなく、さらに1日6mg分が投与された。
不明。
・不明。
障害残存の可能性(高い)
外来→病棟
若年性パーキンソニズムにて外来通院中の患者。外来診療時にパーキンソン病治療薬(ネオドパストン100mg錠)の処方を粉砕150mg分6から粉砕300mg分6に増量した(院外処方)。薬剤の影響を観察するため入院となる。当日、薬剤師が持参薬を確認する際に患者家族から「以前より倍になって、6錠分なった」と聞き(実際には1.5錠が3錠になっていた)、前回の外来受診時の処方内容を確認することなく、ネオドパストン600mg分6と持参薬確認表に記載した。患者が持参薬を飲みきったため、研修医Aが持参薬確認表を基にネオドパストン600mg分6(7日分)を臨時処方、その後、研修医Bが1週間ごとに同様の処方を1ヶ月間行った。患者は発熱、歩行困難等、症状が悪化したため、主治医が処方をネオドパストン400mg分4に減量し、研修医Bがネオドパストン400mg分4(7日分)処方した。その後不随意運動の増加が目立ったため、主治医が入院以前の量を確認したところ、処方量の間違いが判明し、上級医へ報告した。同日、研修医Bがネオドパストン300mg分4に減量、その後ネオドパストン200mg分4(2日分)に減量。不随意運動の増加と薬剤増量の因果関係について、投薬時間と不随意運動の発現、軽快時間が必ずしも一致しなかったことから不明な点も多いが、薬剤を減量したところ不随意運動が減少した事から、薬剤の過量投与が影響していることが十分に考えられる。
(薬剤部)事故当日は、入院時の持参薬を確認しなければならない患者が多数であった。薬剤管理業務の必要な患者の対応をしていたこと、薬剤に関して疑義照会が多数あったことなど業務が集中していたために、患者の申告する持参薬の情報を医療情報システム等の他の手段で確認しなかった。また、患者が持参していた院外調剤薬局から提供された「お薬情報提供用紙」に散薬の用法用量の記載がなかったために確認ができなかった。外来での薬剤の変更についての情報が正確に入院担当医に伝達できていなかった。外来での薬剤変更時のカルテ記録が脱落していた。入院時の持参薬剤が散剤であり、薬袋や薬自体に用量の記載がされていなかった。
(薬剤部) ・持参薬を確認する場合は、原則として次の2点を薬剤部職員へ周知徹底を図る。①当院受診中の場合は、院内医療情報システムから確認する。他院受診中の場合は、患者が持参した「お薬手帳」、「お薬説明書」、「紹介状」及び「持参薬」などを確認し、散薬など薬品名、用法用量が不明な場合は、処方を発行した施設或いは調剤した薬局へ問い合わせる。②薬歴管理等の情報共有のため、「お薬手帳」を院内において無料配布し、処方記載を短時間に正確に行えるシステムを検討する。 (診療科) ・医局内で検討した結果、次の5点について改善策を講じることとした。 ・診療科で作成している「入院申込書」には、入院目的を記載する欄はあるが、詳細な患者情報を記載する欄がないため、入院申込時(外来主治医が病棟医長へ入院の申込をする時)に次の点を外来主治医はカルテに記載する。『病名』、『簡単な経緯』、『特に最近変化のあった症状や処方内容』、『入院目的』、『特に試行すべき検査』及び『以上についての患者本人、家族に対しての説明内容など』。 ・外来主治医は、外来時に「『病名』他の内容」をカルテに記述する時間がない場合は、『病名』他の内容を診療後にカルテに記載するかメールにて病棟医長、病棟医長不在時は病棟副医長又は病床管理責任事務へ連絡する。記載漏れや不明確な点については、病棟責任者(病棟医長、病棟副医長)から直接、外来主治医に連絡を取る。 ・入院決定時に外来主治医と病棟担当医が必ず連絡を取り、『病名』他の内容について確認を行う。 ・病棟薬剤師と入院担当主治医で入院時の薬剤確認を行う。 ・薬剤の処方については、研修医が行わず指導医が行うか、研修医が行う場合は、指導医の確認のもとに処方を行う。
障害残存の可能性なし
外来→手術室・病棟
外科化学療法目的で入院となった。心房細動で循環器内科を受診し、同日の入院であったが、化学療法に伴い循環器治療薬の指示変更内容が外来カルテに記入されていた(メインテート5mg→2.5mg、ワソラン80mgOFF、ワーファリン3mg○日までOFF、ラシックス40mg→20mg、セララ100mg→50mg)。入院後、看護師は、持参薬の内容を持参薬表に記入し、患者へ与薬した。○日、持参薬の一部がなくなるため外来カルテを見たところ、上記指示がなされていたことを発見し、誤薬に気付いた。
入院後の医師の指示不足。入院時の持参薬の指示確認不足。
・持参薬取り扱いの周知徹底。 ・医師の指示を確認して与薬する。 ・持参薬表(転記)は使用しない。 ・薬剤不明時は検薬に出す。 ・入院時指示表に持参薬の確認欄を作る。
障害残存の可能性なし
外来→病棟
胃がんESD出血後治療目的で入院した糖尿病フォロー中の患者で、入院中に低血糖が認められ、アマリールの処方を変更し併用薬も減量していた。退院後外来において入院前と同じ処方をしたため、低血糖をきたし入院加療となった。
糖尿病薬減量が診療録に記載されていたが、その確認を怠ったことが要因である。
・入院前後で処方が変わることがあるため、退院時の確認や退院後外来においても注意するよう注意喚起を行う。
障害なし
病棟→外来
エンドキサン1000mgを3週間毎に1回投与すべきところを1週間毎に2回投与した事例。数年前に他院泌尿器科にて前立腺摘出術施行。以後、再発に対し、当院泌尿器科にて放射線療法、ホルモン療法、化学療法(タキソテール)を施行していたが、最近病状の増悪、遠隔転移、局所再発、恥骨転移を認めたため、外来受診しエンドキサンによる化学療法を行う目的で入院。病棟医は泌尿器科のPC上に登録されているレジメンに従い、エンドキサン1000mg点滴を処方し投与し、特に問題なく退院した。2回目以降の化学療法予定は診療録に記載されなかった。外来受診時、外来主治医は海外出張で不在だった。外来担当医A(4年目レジデント・泌尿器科1年目)が骨髄抑制のない事を確認。外来担当医Aは次回エンドキサン投与日が不明であったため、上級医(11年目医師泌尿器科専門医)に相談したが、投与予定の確認が取れなかったため、薬剤部に登録レジメンを確認した。薬剤師(13年目)は、泌尿器科のエンドキサンのレジメン登録は、「エンドキサン1000mgを毎週1回、3週投与、1週休薬」のみであることを伝えた。外来担当医Aは、そのレジメンに従って、前回施行から1週間後に2回目およびその1週間後に3回目投与日を予定して化学療法予定表を記載した。上級医Bへのレジメンの確認は行わなかった。2回目の化学療法施行日に、担当医C(10年目医師泌尿器科専門医)が骨髄抑制のないことを確認後(白血球6700ヘモグロビン10.9血小板21.1万)、外来担当医Aに連絡し、レジメンを確認した。薬剤部にも連絡し、登録レジメンを再確認した。エンドキサン1000mgを処方し,外来化学療法室にて投与した。その際1週間後を3回目予定とした。エンドキサン投与時、投与終了後の患者状態は特に問題なく帰宅した。外来担当医Aが外来主治医に投与スケジュールを確認したところ、エンドキサンが3週毎の投与の予定であった事が発覚した。患者へ連絡し、投与スケジュールに誤りがあったことを説明。至急来院、入院の上、採血及び全身状態の観察をさせていただきたいと申し入れ、患者は全身管理目的で入院。白血球4500ヘモグロビン10.8血小板20.1万クレアチニン1.58。食欲不振あり点滴投与開始。腫瘍・血液内科に相談の上、副作用対策としてノイトロジン250ug投与を行った。
薬剤部に登録されているレジメンは、間違ったものであった。入院・外来診療録に、エンドキサンの投与間隔に関する記載がなかった。本治療の経験の浅い医師が上級医の確認を試みたが、回答がなかったため、最終的に登録レジメンを信頼して投与を行った。エンドキサンへ薬剤変更するに当たり、改めて「化学療法に関する説明・同意書」を取得していなかった。外来主治医と外来担当医師の連携が不足していた。
・泌尿器科現行登録レジメンの訂正ならびに当院現行登録済みレジメンの内容再確認。 ・投与薬剤名・量以外に入院、外来診療録への投与間隔を記載する。 ・投与予定表記載時に、レジメンを熟知している医師によるダブルチェック。 ・治療レジメン変更時の「化学療法に関する説明・同意書」の取得の徹底。 ・化学療法剤投与予定表による情報の共有。 ・化学療法に関する使用者向け講習会開催と受講の必修化。
障害なし
外来→薬剤部
5-FU3000mgを46時間かけて投与する予定であったが、24時間で投与するよう注射指示伝票を間違って記載し実施された。数年前に子宮がん、直腸癌のため化学療法(mFOLFOX6+Bevacizumabレジメン)を開始した。今回、外来受診し、上記の化学療法が無効となったため、レジメン変更を決定し、入院し化学療法(mFOLFIRI+Panitumumabレジメン)予定とした。主治医が化学療法剤投与予定表、注射指示伝票を記載した。この際、化学療法剤投与予定表には本来は持続投与であったが、3日間連日投与するかのように記載し、また、注射指示伝票の持続5-FUの投与予定時間を46時間にすべきところを、間違えて24時間と記載した。薬剤師C、薬剤師Eが鑑査し、薬剤師Eが薬剤をミキシングし、薬剤師C、薬剤師Dで最終確認した。看護師A、看護師Bが、注射指示伝票を確認し、指示通りに、5-FU3000mg+50%ブドウ糖4A+生食1000mLを輸液ポンプを使用し24時間の速度で開始した。翌日、看護師Aが化学療法剤投与予定表を確認し、本日も5-FUが投与されると思い、点滴が病棟に届いていないと薬剤部に問い合わせた。薬剤師が登録レジメンと注射指示伝票を確認し、医師の指示の間違いを発見した。その2日後、白血球2000台(ヘモグロビン、血小板は変わらず)にてグランを開始した。
本来のレジメンは、5-FU3000mgを46時間かけて投与するものであったが、誤って24時間で投与する指示となっていた。投与予定表には、投与時間がわかる記載がされていなかった。また、持続投与に関する記載方法も決められたものがなかった。ミキシング担当薬剤師は、鑑査の際に投与時間の記載間違いに気づかなかった。ミキシング前に、薬剤師2名で登録レジメン、化学療法剤投与予定表、注射指示伝票をもとに鑑査したが、投与時間の確認はされなかった。看護師は、薬剤が病棟に上がってきた時点で化学療法剤投与予定表との照合をしているが、投与時間の確認はしなかった。
・レジメンを十分に確認して伝票を記載する。 ・レジメンオーダリングシステムの早期全面稼動。 ・薬剤師によるレジメン鑑査時の薬剤投与時間の確認の徹底。 ・治療レジメン変更時の「化学療法実施に関する説明・同意書」取得の徹底。 ・化学療法剤投与予定表の改訂(投与時間を記載する欄を新たに設ける)・化学療法剤投与予定表記載方法の統一。 ・化学療法に関する使用者向け講習会開催。
障害なし
病棟→薬剤部
入院時よりテオドール錠100mg2錠を朝・夕で内服していた。本日の遅番看護師がパソコンで内服を確認したところ、テオドールのオーダーが入っているが、実物が病棟にないことを発見。新しい処方が出た日の朝から、テオドールが薬局から届いておらず、内服していないことがわかった。
以前の処方箋のテオドールは、夕で飲みきっていた。その処方箋には「次回処方済み」と書かれていた。翌日からの薬をセットする際に、薬と処方箋はないが、パソコン上処方が出ていたので、遅番の勤務であった私は勤務終了までに薬が上がってきたか確認しセッティングをするか、またあがってきていなければその日の夜勤の看護師に申し送りしなければならなかった。しかし、気づいたときにすぐにメモを取らず、その日のチーム看護師に送らず後で送ろうとしていたため、その後送りを忘れてしまい怠ってしまった。通常、次の処方箋と内服薬が薬局から上がってきたら、以前の処方箋と内容を確認した後、以前の処方箋をカルテポケットに入れるが、上がってきてないのにカルテに入れられていたことも他の看護師が確認することができなかった原因であった。遅番看護師が他の薬(フロセミド)の処方がなくなるのでパソコンで処方されているかを確認したところ、患者がテオドールも飲んでいることに気付く。病棟の薬棚に本人用に処方されたテオドールがなく、薬局に確認したところ処方オーダーそのものが薬局の端末に飛んできていないということであった。師長が再度薬局に確認すると、以前パソコンのオーダー入力に切り替わった頃、同じようなことがあり、システム担当者に見てもらい、システムを変更し手もらったとのこと。しかし、変更後も同じようなことが今回あったということは、再度確認が必要ではないかと薬局に話した。テオドールを約3日間内服していないことを血液内科の医師に報告し、再度夕分より処方していただいた。
・オーダーリングシステムの確認(薬局より担当システムへ連絡してもらうこととする)。 ・病棟では、次の内服薬が来るまでは飲みきった処方箋はカルテにいれない)。 ・次回処方箋が来たら、前回の処方箋と内容を確認し、誤薬を予防する。 ・次の日の朝から内服薬がない場合は、必ず受け持ち看護師に申し送る。 ・次回からの処方の指示がパソコンで出ていても、あとでやろうとすると忘れてしまうので、気づいた時にすぐメモ用紙に、セッティング未の患者を記入し、遅番の勤務終了時までに確認し、あがってきていればセッティング、薬局から届いていなければ、薬局に確認しあげてもらい夜勤の看護師に申し送り(内服薬のセッティング)をする。
障害残存の可能性(低い)
病棟→薬剤部
手術室からの帰室時、病棟看護師Aは、手術部看護師Bからフェンタニルは6mL/hと手術記録にて申し送られたが、手術室では流量を確認しなかった。病棟看護師Aは点滴ラインを確認時、フェンタニルが申し送られた6mL/hではなく1mL/hで流れていることに気付いた。他の患者の対応に追われ問合せがすぐにできなかった。また誰にも相談しなかった。シリンジにも組成が書いてあったが気付かなかった。看護記録には6mL/h2日分と書かれていたがトータル50mLが現在の流量である「時間6mL/h」であれば2日持たないことに気付かなかった。14:40、手術部看護師から病棟へ「フェンタニルが時間1で行っているけど、6に変えてください」と電話があり、病棟看護師Aが対応した(しかし手術部看護師はフェンタニルを6から1へ減量と言ったとのこと)。病棟に送られた手術記録の訂正はなかった。上記のように、看護師Aは増量に変更する指示に聞こえた。やはり記録の指示通りと思った。看護師からの電話であったので、指示ではなく、口頭指示票は不要だと思い使用しなかった。口頭で「6mL/hに増量ですね」と確認したが曖昧であった。看護師Aは1mL/hから6mL/hに増量した。16:30看護師Aは準夜勤看護師Cに手術記録を使用し申し送った。準夜勤看護師Cは流量が多いと思ったが手術記録と合っており組成が薄いのだろうと思い確認しなかった。手術部からのフェンタニルの流量指示がないことをAに伝えた。看護師Aは主治医Dに流量指示を依頼した。主治医Dは麻酔票を確認せずに注射箋に6mL/hの指示を書いた。17:30準夜勤看護師Cは注射箋にてフェンタニルの流量指示を確認した。19:00麻酔医が来棟しフェンタニルの流量間違いが分かった。
何か変だと思う知識がなかった。電話連絡での受け取り方の違いがあった。確認の方法が曖昧であった。
・点滴の組成や流量などは看護記録の記載だけでなく麻酔票も確認する。 ・ハッチウェイで手術部看護師と病棟看護師が輸液と指示票で指差し呼称確認する。 ・「変だ」と思ったことはすぐに確認する。 ・口頭指示はマニュアルに沿って行う(組成、流量、規格などは注意する)。 ・看護記録は複写のため、変更が生じた場合は、病棟・手術部ともに赤字で変更し、変更点は直接手渡しで送る。 ・主治医は、麻酔票で組成を確認して指示を出す。
障害なし
手術室→病棟
患者は、腹腔鏡下膵体尾部切除術を行った。術後の膵炎予防のため、レミナロン2000mg+5%ブドウ糖48mL(濃度約4.2%)を中心静脈注射(CV)より精密持続ポンプ使用で投与する指示が「注射処方箋」に記載されていた。担当看護師は、術後に「精密点滴指示簿」による指示がなかったため、医師Aに点滴ラインが中心静脈がなく、末梢ラインしか入ってないことを報告し、「精密点滴指示簿」の点滴ルート欄に末梢、速度2mL/hと記入した指示をもらい、リーダーに指示受けサインをもらった。左末梢2本点滴のラインがあり、1本目はメインの点滴を、もう1本目はレミナロンの点滴を開始した。翌日、メインの点滴が漏れたため主治医に再挿入を依頼した。この時、手術後より中心静脈が挿入されておらず、レミナロンが単独で左末梢から投与され、また、中心静脈注射で使用する濃度のレミナロンが末梢から投与されていたことがわかった。
今回注射処方箋にはレミナロン投与の注意事項が記入してあり、術後の指示を受ける際は、指示簿だけで指示受けをせず、注射処方箋と照らし合わせ指示受けを行い、不明な点については確認をする必要があった。指示をもらう際、主治医に中心静脈ラインが入っていないことを確認しなかった。高濃度であった場合の副作用についての知識が不足していた。
・指示簿での指示を受ける際は、注射処方箋と照らし合わせ確認した上で指示を受ける。
障害残存の可能性がある(高い)
手術室→病棟
胃癌、癌性腹膜炎のため人工肛門造設手術した患者。術中から低血圧あり、ノルアドレナリン注(3mg+生食47mL)を使用していた。病棟帰室後は比較的安定していたが、ノルアドレナリン注(3mg+生食47mL)3mL/hで継続としていた。血圧は100位であった。手術室からのノルアドレナリン注(3mg+生食47mL)が夜中になくなる計算だったため、ノルアドレナリン注原液(50mg/50mL)3mL/hrで注射指示をオーダーし、夜勤帯23時頃につなぎ直した。その後、看護師がカルテ記載と異なる事を発見し、当直医に相談し対応。自覚症状、バイタルに大きな変化なく、漸減することとなった。
多忙、認識不足、循環器薬使用の危険性の認識不足。
・手術室から病棟に継続する点滴についての申し送りマニュアルの検討。 ・手術室から継続する薬剤の指示書に関するシステムの検討。 ・麻酔科医から担当医への薬剤の申し送りの改善。 ・薬剤のオーダー時、使用量の上限に対する警告を出すことができないかを検討する。 ・医師、看護師ともに出された指示が間違いないかを確認することを徹底する。
障害なし
手術室→病棟
低体温症で高度救命救急センターに入院中の患者。カコージン2A/20mL2mL/hで投与中の患者。CT撮影に出室することが急遽決まり、他のスタッフがCT室の準備をしていた。出室直前、そのままHCU病棟へ転棟することになり、カコージンの残量が3mLであることに気づくが、CT、転棟ともに急ぎであったため新しい薬剤を作成できないままCT室へ行った。CTが終わりそのままHCU病棟へ患者を送り出し、HCUのスタッフと相談の結果、申し送りは準備が出来たら連絡を入れることになった。当事者が他患者の対応をしていたとき、HCUスタッフから電話があり、「カコージンをつくりたいがカコージンは原液でつくっていいですか?」と聞かれ「はい」と答えてしまった。また交換方法についても、2連同量で交換しているが変動があることを伝える。その後医師からHCUでカコージン交換の際、血圧が上昇しスタッフが混乱しているとの情報があり、確認すると原液で作成したカコージンで2連同量交換を行い、収縮期血圧が150mmHg近くまで上昇していたとのことであった。
カコージンが残りわずかであったにも関わらず、CT前に作成できず、またそのことを1人だけで認識していたこと(リーダーにフォローを依頼出来なかった)。HCUへ転棟時、HCUスタッフにカコージンについて申し送りが出来ていなかった(医師はHCUの指示簿未作成)。カコージンの薬剤についてICUとHCUの看護職間で電話で伝達した。薬液の濃度について聞かれたとき、PIMSで確認したり、2A/20mLであることを伝えるべきであった。追われ作業でHCUのスタッフに聞かれた時、よく考えずに「はい」と答えてしまった。
・自分の能力を超えた場合は、リーダーや他のスタッフへ依頼する。 ・薬剤などは医師の指示で投与するものであるためHCUのスタッフから連絡があったときは、医師に確認してもらう。
障害なし
救命救急センター→HCU
早朝に心肺停止状態で救急外来に搬送された。心肺蘇生を行い蘇生後メイロンを投与を中止し、オリベスを4mL/hrで開始の指示があった。輸液ポンプにセットして2人で確認して開始した。他にイノバン、ドブポンや点滴が施行されていた。メイロンの接続を外していた。造影検査のために手術室に移動した。緊急時で通常の手術室の入口でなく造影検査室側から直接に患者搬入となった。手術室看護師は通常の入口から患者入室をモニターで見てすぐに麻酔医師と造影検査室に移動した。造影検査室では医師が検査台に患者を移動し、輸液類をポンプなどにセットしていた。外来のストレッチャーと輸液ポンプ類が廊下に出されていた。患者の輸液オリベスがポンプ無で全開状態になっているのを見た。心電図モニター等を装着し、波形が描出されず、再び心停止状態になった。メイロンを投与しようとしたら輸液ポンプに接続されていた。すぐ心拍再開し、PCPS挿入後PCIを施行した。
緊急搬送で手術室への入室経路が通常と異なった。そのために引継ぎや点滴量の確認などができていなかった。搬送中は輸液ポンプでオリベスは滴下していた。造影検査室入室後救急外来の輸液ポンプから手術室の輸液ポンプに付け替えられていた。緊急状況で搬入され、医師のみで移動が行われ詳細や状況が不明であった。
・搬入経路について事前に情報がわかれば手術室に一報する。 ・緊急時に部門間で輸液ポンプの交換などを行わなくてよいように話し合いを持ち、共通認識を持つ。 ・移動中はオリベス点滴を使用しない。(循環器内科)キシロカインショットで対応する。 ・ボトルに点滴量の線を引き、投与量の確認を行う。 ・ポンプや輸液セットなどに関する知識を持つ。
障害残存の可能性なし
救急外来→造影検査室
バセドウ氏病治療のため入院した患者に対し、チウラジール50mg6錠1日3回5日分の処方が出されたが、薬剤師Aは誤ってチラーヂンS50μg6錠5日分を調剤した。鑑査者(薬剤師B)は処方せんをみて、同処方せんに一緒に記載されている「インデラル錠」は甲状腺機能亢進のための頻脈に対し処方されたものと判断し、チウラジール錠は甲状腺疾患の治療薬で、6錠1日3回で間違いないと処方内容を確認した後、薬袋の中の錠剤を鑑査時、「チラーヂンS錠」を見て「甲状腺の薬、間違いなし」と判断した。錠数を確認後、病棟に搬送した。病棟で、看護師はダブルチェックを行ったが、ヒートの薬剤名と薬袋に記載された薬剤名を見比べて確認しなかったため間違いに気づかず、患者に自己管理薬として配薬した。患者は、薬袋に明記されている薬品名と、薬のヒートに記された名前が違うと気付いていたが、看護師や薬剤師に確認することなく4日間内服した。4日後、担当看護師が誤薬に気付いた。
調剤室では、チウラジール錠は普通薬、チラーヂンS錠は劇薬であり、両薬剤は錠剤棚の離れた箇所で保管していた。両薬剤とも甲状腺疾患に使用する薬剤であり(作用は相反する)、かつ薬品名が類似していたことで、薬剤師が思い違いをして調剤し、鑑査者も発見できなかった。薬品名が類似する医薬品については、院内で「名称が類似する医薬品一覧」を作成し、配置場所にも注意喚起のシールを貼付するなどして安全管理を図っていたが、今回の薬品の組み合わせについては、その対象としていなかった。オーダリングシステムを導入しているが、医師業務の関係等から、16時30分以降に入力される処方が多く、日勤帯から準夜帯にかけて、多くの処方せんを出力し調剤することから、薬剤師に早く調剤しなければとの「あせり」の気持ちがあった。病棟では、看護師によるダブルチェックを行っていたが、確認が十分でなく、薬剤師の調剤エラーを発見できなかった。当該疾患をめったに扱わない病棟への入院であり、薬に対する知識不足があった。
・調剤室では、チウラジール錠、チラーヂンS錠の配置場所に「取違え注意喚起文書」を貼付するとともに、「名称が類似する医薬品一覧」に新たに収載し、院内の職員全体に周知させる。 ・調剤時の鑑査の精度を向上させるため、鑑査手順のなかに、新たに「声出し確認・指差し確認による処方せんと薬剤の照合」を明記し、全員に周知徹底させる。 ・病棟での看護師によるダブルチェックにおいて、「声出し確認・指差し確認」を徹底することを職員に教育する。 ・医師の処方入力に関して、定期処方の活用等により、16時半以降に入力・出力される臨時処方・緊急処方を減らすことを検討する。 ・チウラジール錠とチラーヂンS錠は薬品名称が類似していることから、チウラジール錠の代わりに、同一成分のプロパジール錠に採用を検討する。
薬剤間違い
障害なし
膵体尾部切除術後の患者。食前にヒューマリンRのスケール打ち施行していたが、朝から「ノボラピッド注フレックスペン」の固定打ち(2-2-2-0)に変更となっていた。インスリンは開始時に、看護師から患者へ手渡され患者が管理していた(手渡し時、看護師はダブルチェックをしなかった)。翌日の昼食前にインスリン投与の確認をする際、インスリンを見ると、患者は「ノボラピッド30ミックス注フレックスペン」を持っていた。指示変更時の朝~翌日の朝まで指示とは違うインスリンを投与していた。
当科では手術時に、術前から投与していた内服薬・インスリンは全てナースステーションに一旦回収し、術後再開指示が出るまで保管している。インスリンの自己注射導入時には看護師が手技指導を行うが、今回のケースは患者が自己注射を習熟しているため、インスリン製剤の手渡しで十分と考えた。患者の名前が書かれたインスリンがあるからという申し送りでダブルチェックせず、薬剤名も確認せず手渡してしまった。受け持った看護師も手技は問題ないので、単位数だけ口頭で確認するのみでインスリンそのものを改めて確認することをしなかった。
・インスリンに関しても、他の点滴と同様、看護師が投与するとき、患者に手渡すときは必ずダブルチェックを徹底するよう呼びかける。 ・インスリン投与中の患者にはすべてワークシートをオーバーテーブルに設置する。 ・自己注射する患者もテンプレートで自己管理能力を確認したうえで自己注射を実施する。 ・システムとして、術前に使用したインスリンは手術で絶食になるとき一旦家族に持って帰ってもらうか又は破棄するか説明しナースステーションに回収するのはやめる。 ・再開時は新たに処方してもらう。 ・2年目の看護師を対象にインスリンの自己学習・勉強会を計画する。
薬剤間違い
障害なし
レベミル皮下注を自己注射の患者。8単位から4単位へ減量の指示が出たので口頭での説明をしたが、減量していなかった。
判断ミス。
・指示変更時は患者管理であってもわかりやすいようにすること、実施後の確認は投与量も確認していく。
薬剤量間違い
障害なし
内服薬を自己管理している患者。翌日からの1日分処方が出た為、病室にて患者に「明日飲んで下さい」と内服薬を渡した。患者は以前処方された薬2日分を持っていたが、以前の処方箋を確認せずに渡した。朝、患者は以前から持ってい内服薬と新たに渡した内服薬を重複して飲んでしまった。薬は降圧剤。患者の普段の血圧は170mmHgだが、60から70台にまで低下してしまった。
以前からある処方せんを確認しておらず、翌日からという新しい処方箋しか見ず渡してしまった。患者別ワークシートに反映されていなかったため、内服薬は既に持っていないだろうという思い込みがあった。患者の残薬を確認しなかった。患者に内服薬を渡そうとしたが、何度訪室してもおらず、デイルームにもいなかった為、早く渡さないといけないと焦っていた。「非透析日」や「検査前も内服可」という事を伝えなければならないと伝えることに集中し、しなければいけないことが欠けてしまった。
・自己管理の内服薬を渡すときには、必ず残薬を確認することを徹底する。 ・患者別のファイルをすべて確認し、以前の処方せんと比較しながら渡す。 ・思い込みではなく、処方せんと残数を看護師・患者2人で必ず確認する。 ・伝えることは紙や薬袋に書くなどし、伝え忘れないようにする。焦るとしなければならない事が欠けてしまうため、気持ちを落ち着かせ今何をしなければならないかを確認して行動する。
薬剤量間違い
障害残存の可能性なし
患者の内服薬の管理は家族が行っていた。朝食後の内服薬を付き添いをしていた家族に渡した。家族がテーブルの上に置いたまま席を外したところ、袋に入った内服薬5錠(セレコックス錠100mg、オパプロスモン5mg、ガバペン300mg、ユリーフカプセル2mg、ブラダロン200mg)をPTPシートのまま患者が内服した。家族が戻り誤飲に気が付いた。患者の自覚症状はなかったが、CT検査を施行し、食道内に異物を確認できたために、緊急内視鏡を施行し、5錠すべて摘出した。
自宅では家族が毎回PTPシートを外して患者に内服させていた。今回も家族へ依頼したが、席を外したところで患者がそのまま内服するものだと勘違いをした。内服薬は入院直前に院外処方で処方されていた。一包化されずPTPシートのまま処方された。
・入院時の持参薬は、内容を確認した上で新たに一包化するよう処方オーダーをする。 ・認知障害のある患者の下へPTPシートのまま薬を持参しない。
方法間違い
不明
患者は内服薬を1日自己管理し、看護師が内服確認を行っている。他患者の対応をしていて、確認に行くのを忘れていた。日勤の看護師が昼食後の確認に行った時に、内服がケースに残っているのを発見し医師に報告。朝食後内服は当日のみ中止し、夜間の血圧測定の指示あり。血圧110~130mmHg台にて経過した。
他患者の対応をしていて忘れていた。大丈夫だと安心していた。患者のリハビリ時間の変動で慌てて忘れてしまった。患者本人もリハビリが早くからあったことで、内服を忘れてしまった
・内服の有無を確認。 ・食堂に持ってきてもらってから内服してもらう。
未実施
障害残存の可能性なし
朝食後の内服投与を忘れてしまった(ザイロリック100mg1錠、コニール4mg1錠)。血圧の問題がなかったため、経過観察となった。
手術後、内服が本人管理から看護師管理になったが、指示簿に記載がされていなかった。また薬BOXの名前シールがはがされていたこともあり、手術前のまま本人管理であると思い込んでいた。さらに最終的にも患者が内服したかを確認しないまま、サインをしてしまった。
・患者管理から看護師管理に変更になった旨がスタッフ全員がわかるように必ず記載し、内服したと思い込まずに患者に声をかけ、薬の空を回収し確認を行う。
未実施
障害なし
患者は前日から腹部エコー検査があることは理解していたが、朝食の延食の必要と食前のベイスンの内服をしていはいけないことまで説明していなかった。
本人が「薬は飲んだ」と言われ食前のベイスンを内服したことがわかった。看護師の説明不足(延食に伴う内服に関する説明不足)。
・患者への説明内容は検査内容、延食の有無、内服薬の注意事項全て行う。 ・患者の理解度に合わせた説明を行う。
中止時の内服・注射
障害なし
不眠の訴えがあり、マイスリー10mg×7日分の処方があった。この患者は、薬の自己管理が出来ているため本人に手渡し1日1回1錠と説明した。しかし、前日他の眠剤を1錠内服し効果がなかった為、この日、2錠(20mg)飲んでいたことが後で分かった。この時「火事だ!火事だ!」と叫び、会話も出来ないほど興奮、不穏状態となり医師の診察により夜間の緊急透析を起こっていた。この時点で医師は『マイスリー中止』の指示を出していた。5日後、同室の患者より「隣の患者がゴソゴソして眠れない。」と訴えあり、訪室すると私服に着替えて「退院するから」と荷物を片付けており意味不明な言動や落ち着きのない行動が朝まで見られた。この時、内服薬チェックをしてみると中止となっていた眠剤(マイスリー)が本人管理の状態になっており、残薬数が減っていた。5日前の中止指示が出た時点で、眠剤を回収しておらず内服したと思われる。残薬は4錠であった。
患者の緊急透析等による慌しさのために“中止=回収する”という認識・行動に繋がらなかった。回収する行動の前にカルテに指示受けサインをしてしまった。自分自身の業務が煩雑な場合は、他のメンバー(準夜3名、深夜3名)に依頼するということに気が回らなかった。副作用の危険性について知識不足であった。
・「なぜ中止という指示が出たのか」という理由を考えカルテ、PCの処理をする前に“薬の引き上げ”という行動を取ることを指導する。 ・業務の優先順位、再度内服してしまったらどのような危険が発生するかを考えるよう指導する。 ・マイスリーの管理について、今回のようなことが起こらないよう、管理方法(詰所管理)等の検討をする。 ・透析患者など腎障害のある患者、さらに高齢の場合は1回内服量を最小の5mgから開始するよう医師側で検討するよう依頼する。
中止時の内服・注射
障害残存の可能性がある(低い)
肺炎治療の目的で入院中の患児に、抗生剤メロペンを4日間点滴治療した。その後病状が軽快し退院されたが、翌日強い不穏症状が現れ他院で診察を受けた。他院の医師から抗てんかん薬を服用中にメロペンの治療を受けたので、バルプロ酸の血中濃度が下がり不穏症状が生じた可能性があると説明を受けた。家族から診療経過の報告を受け当院で調査すると、患児が入院中に持参薬の抗てんかん薬を内服していたことが分った。入院時に抗てんかん薬を内服中であるとカルテに記載されていたが、担当医が服薬状況を把握していなかった。
バルプロ酸と併用禁忌であるメロペン(ペネム系の薬剤)をバルプロ酸内服中であることに気付かず投与した。患児は通常は近くの施設に通院し抗てんかん薬を処方されていたが、自宅が当院に近くその施設では夜間の救急対応が出来ないので、急変時には当院に受診することになっていた。入院中、患児は当院で処方されたことがない持参薬を母親の管理のもとに内服していた。施設からの紹介状やカルテの現病歴・現症欄にはバルプロ酸を内服中であると記載されされていたが、担当医はこれを把握していなかった。また当院では、持参薬を薬剤部が管理する体制や電子カルテ上で併用禁忌をチェックする体制が整っていなかった。
・脳性麻痩やてんかんの患者はバルプロ酸を内服している可能性があり、抗生剤使用時には必ずバルプロ酸内服の有無を確認する。また現在バルプロ酸を内服していなくても将来使用することもあるので、ペネム系薬剤の使用は原則控える。 ・入院時持参薬の服用を規制するかチェック体制を確立する。例えば、病棟での持参薬使用を禁止する。あるいは、持参薬を内服する場合は薬剤部がこれを電子カルテで管理し、併用禁忌のチェックが可能となる体制を検討し確立する
その他
障害残存の可能性なし
複数回の入退院および合併症として慢性滑膜炎のある統合失調症の患者が、発熱のための全身管理および精神状態のフォローを兼ねて入院となった。入院時より、バンコマイシン投与を開始して軽快していたが、静脈ルートの確保が困難なこともあり、バンコマイシンから他薬への変更を考え、ICTにコンサルトを行った。その結果「ペニシリン系抗生剤の投与を可とする」との判断がなされた。また、前回入院時のサマリーにはアレルギーの記載がなかったため、サワシリンの投与を開始した。翌日より頸部を中心に発赤・発熱を認めたため、皮膚科にコンサルトを行ったが、薬疹には否定的な印象であったため継続したが、状況は改善しなかった。その後、過去のサマリーの患者情報欄にペニシリンアレルギーが確認され、ニューキノロン系への変更を行った。
ペニシリンアレルギーについては患者情報欄に記載があったが、特定薬剤名でなく一般名のフリー入力であり、今回使用したサワシリンはオーダー時にチェックされなった。そのため、発生後よりペニシンリン系の薬剤名を追加入力したがそれでも当院採用のペニシリンの全てはカバーできていない状態である。
・フリー入力されているアレルギー情報を薬剤オーダー時にチェックがかかるように、各診療科へ再登録を依頼した。
障害なし
精神科→皮膚科
6年前にセフェム系抗生剤で薬疹と考えられる既往があることを確認し放射線科カルテ及び新患紹介用紙のアレルギー欄に記載していた。オーダリング画面のアレルギー薬剤の入力は方法を知らず、また今まで記載したことがなく行っていなかった。第3世代セフェム系抗生剤投与の指示を受け、セフタジジム2g2×をオーダーした。血液内科での主治医に電話で報告。体幹部皮疹と軽度の膨疹をセフタジジムによるものかと考えている旨相談したところ、第4世代への変更を指示されファーストシン2g2×をオーダーした。2日後皮膚科紹介し、体幹部融合傾向のある紅班を認め中毒疹を疑う原因として、複数の薬剤が開始されているため、特定は困難との返事があった。さらに2日後皮膚科再来、顔面から体幹・四肢に紅班を認め増悪傾向にあり、他系統の抗生剤への変更と強ミノCをIVの返事を受け、ミノサイクリン100mg1×に変更。喉の腫れた感じなどの所見がありオキシコンチンの薬剤は変更、中止できる内服薬及びミノサイクリンは中止した。その後皮疹は改善し皮膚科再来時は鱗屑を残すのみとなった。
抗癌剤誤投与後の骨髄抑制に伴う感染症に対する抗生剤投与に関して、入院時、6年前にセフェム系抗生剤で薬疹と考えられる既往があることを確認し、放射線科カルテ及び新患紹介用紙のアレルギー欄に記載していた。しかし、血液内科に薬剤アレルギーを伝えることなく、また、オーダリングシステムの薬剤アレルギーの記載方法も知らず記載していなかった。指導医もこれに気付かず、看護師・病棟担当薬剤師もそれぞれ入院時にアレルギー歴を確認し、看護日誌や薬剤師の患者情報用紙に記入していたが、セフェム系抗生剤が指示されたと気付かなかった。
・医師は、薬剤投与指示の際はアレルギー歴をダブルチェックする。 ・確認したアレルギー歴は必ずオーダリングシステムに記載する。 ・看護師・担当薬剤師はオーダリング画面アレルギー入力を確認する。 ・診療録・看護記録の決められた場所の記載を確認する。 ・担当薬剤師はアレルギー薬剤の指示を確認する。 ・研修医の指導医は指示・記録をチェックする。また、確認時はサインする。
障害なし
放射線科→血液内科
仙骨褥瘡壊死部の切除。ワーファリン内服中であり、PT(INR)がコントロール不良になっている患者に、そのことの把握不足のまま褥瘡デブリードマン処置を実施し、出血によるプレショックに至った。
主治医と皮膚科医師の間で、患者の状態や治療内容が共有できていない。一処置に複数の看護師が、分担して関わり、患者の全身状態の把握とアセスメントができていない。看護師間の連携、情報伝達が不十分である。薬剤についての知識不足である。
・皮膚科受診依頼時、主治医は使用薬剤を皮膚科医師に申し送る。 ・皮膚科医師は、診察前にカルテで患者の状況や検査データを確認する。 ・皮膚科処置に付いた看護師は、受け持ち看護師に申し送るまで、対応に責任を持つ。
障害残存の可能性(低い)
内科→皮膚科
患者は全身性エリテマトーデスのため血液内科に入院しており、病勢増悪し妊娠の継続が困難と判断、人工妊娠中絶施行していた。術後一時DICを生じ、レミナロン投与にて対応していた。診察時,胸痛,呼吸困難を認めたため,造影CT施行で肺血栓塞栓症と診断し、循環器科へコンサルト、ヘパリンによる抗凝固療法開始となった。レミナロン投与中止し、ヘパリン2千単位のところ誤って2万単位オーダーし口頭指示でIVを指示、患者へ過剰投与した。
持続静注を25000単位/5A/日でオーダーし、そのまま始めの静注を2千単位で指示するところを間違えて2万単位で指示した。患者の呼吸困難が強く、原因が肺血栓塞栓症と判明したため、治療を急ぐばかりに投与量ミスに気付かなかった。外来業務と入院患者の重症化、他科からの転科と非常に多忙であった。午後の外来中に造影CT結果を確認、循環器科にコンサルトし、外来終了後に病棟に戻りヘパリンを投与しようとした。
・多忙である時は入院担当の診療医に応援を頼み、複数のスタッフで患者の診療に対処する。 ・診療科内の医師の連携を強め、外来担当医は外来診療に専念し、病棟患者の対処は病棟担当医に任せるようにする。 ・ヘパリン投与に関してはワンショット静注オーダーと持続点滴オーダーを分けて行う。 ・今回のように通常の用量を超えた指示があり、薬剤部からの疑義照会がある場合は、一人の医師で判断するのではなく複数の医師により検討するよう心掛ける。
障害残存の可能性(低い)
循環器内科→血液内科
変形性膝関節症のため手術目的で入院した患者に、術前にヘパリンを用いた抗凝固療法を開始するために、内科の医師の指示通りに整形主治医がヘパリン15000単位1日2回、処方した。2日後に内科の医師がカルテを確認して、本来はトータル15000単位の指示が、30000単位として処方され、実施されていることが判明した。
医師間の連絡不足。ヘパリン15000単位1日2回投与が1日何単位の投与だったのか曖昧であった。
・ヘパリンの使用方法について知識を深める。 ・処方の記載方法について統一した(1回量、投与回数の表示)。
障害なし
内科→整形外科
外傷性クモ膜下出血で脳神経外科に入院中の患者。既往に関節リウマチがあり、過去にリウマトレックスを内服していたが現在は中止中であった。患者の状態も安定したためリウマチでかかりつけだった腎臓内科に受診し、主治医よりメトトレキサート(2)の処方を指示された。その際カルテに『MTX(2)3tab(2-0-1)/週』と記載されていた。脳外科医師は、この指示を基にメソトレキセート(2.5)だと思い込み、3錠(2-0-1)4日分と3日分のつなぎ処方をした。合計7日間、連日投与された。採血データにて汎血球減少が認められ、メソトレキセート(2.5)の投与中止し、輸血やG-CSF製剤投与を行った。汎血球減少は改善みられたが、誤嚥による肺炎が出現し抗生剤投与を開始した。肺炎による低酸素状態から不整脈(VT)出現し心室細動となりCPR開始後6分で心拍再開した。現在ICUにて加療中である。
腎臓内科の指示「3tab(2-0-1)/週」の指示が外科領域ではほとんど使われない指示であり、担当医は1日投与量と勘違いした。担当医は『MTX(2)3tab(2-0-1)/週』の指示に疑問を抱いたが確認を怠った。メトトレキサート(2)は、オーダーできる診療科が限定されているため脳外科医師はオーダーできないが、メソトレキセート錠2.5mgは科限定にされていないためオーダーできてしまった。薬剤師数名での鑑査体制となっているが、その機能が作用しなかった。また、病棟薬剤師のチェックも通り抜けてしまった。
・内容が不明な時は、思い込みはせず、周囲や指示を出した本人に確認することを徹底する。 ・薬剤部において処方鑑査でハイアラート薬については全件、病名の確認を行い何に対して処方されているのかを確認することとする。 ・メソトレキセート(2.5)は血液内科以外は処方できないように診療科限定とする。 ・メトトレキサート(2)の薬剤を登録上削除することとした。
障害残存の可能性(低い)
腎臓内科→脳神経外科
胸部大動脈瘤に対してステントグラフト内挿術を施行した。右大腿動脈よりデバイスを挿入し、内挿する部位まで進め、ステントグラフトを展開する前に留置位置決定を目的とした動脈造影検査を施行し11時59分、イオメロン300を25mL投与した。12時00分には心電図モニター検査にて房室ブロックとなり脈拍40回/分の徐脈を呈した。アトロピン0.5mgを静注して徐脈は改善したが、血圧60mmHgに低下。エフェドリン・ノルアドレナリン投与したが反応乏しく、この時点(12時05分)でアナフィラキシーショックと診断し、ボスミンを投与して血圧回復。サクシゾン300mgを投与し、12時08分には血圧132mmHgまで回復した。
緊急入院時看護師はアナムネ用紙で把握したが、「疑い」の時は電子カルテのアレルギー登録を入力しなくてよいと思い登録しなかった。主治医は前医の2回の造影CTで問題なかったため、患者には確認しなかった。病棟看護師は前回の入院時看護サマリーで、既往歴にヨード造影剤アレルギー「あり」になっていたが、その後の造影CT2回で副作用出現していなかったため患者と夫からも、アレルギーは無いと言われ手術連絡票と看護サマリーに薬剤アレルギー「無し」と記載した。主治医に報告せず、アレルギー無しと判断した。麻酔医は術前診察でヨードアレルギーを患者から聴取しプログレスに記載はしたが(昔、一度痒くなったがその後は問題なし)登録を忘れた。タイムアウト時に主治医はヨード造影を実施すると言ったが、麻酔医は過去2回発症しなかったため大丈夫だと思った。
・現在、造影剤や抗生剤の皮内テストなどは実施しないため、アレルギーの予測は不可能であり、充分な問診を徹底する。 ・造影剤アレルギー発症時対応策の熟知を徹底。酸素投与、輸液、昇圧剤投与。 ・電子カルテを利用した「アレルギー」項目の登録(疑い例も含めた)の徹底。(医療安全対策委員会、医療安全ニュースで周知)・電子カルテにおいて、過去に検査で異常が発症した時に、次に検査を行う時には過去の情報が閲覧できるシステムを検討。
障害残存の可能性なし
麻酔科→心臓血管外科
患者は、僧帽弁狭窄症、三尖弁閉鎖不全症の手術ため、手術予定日の1週間前に入院した。しかし、入院日に患者の手術は、他患者の手術状況から、当初の予定日より3日後に行われることが決まった。患者は、朝食後にワーファリン4mgを服用していた。当該部署では、通常ワーファリンを服用している心臓手術患者は、手術予定の1週間程前に入院し、入院日に薬の停止が指示され、ヘパリンが投与されていた。患者の担当医は、入院時に手術が延期になったため、ワーファリン内服は指示があるまで継続すると指示した。そのため看護師は、中止の際は指示が出ると思い、与薬時に指示を確認し、他の薬と一緒に一包化されたワーファリンを与薬していた。麻酔科医師は、変更された患者の手術は月曜日だったため、手術3日前の金曜日に患者を訪問した。麻酔科医師は、患者のカルテをチェックした際、カルテ上でワーファリンが中止されていないことを認識した。しかし、麻酔科医師は、心臓手術の際は抗凝固剤を停止するのは常識であり、カルテ未記載だけの問題で、中止されているだろうと思い、担当医に薬の停止を確認しなかった。手術当日の朝、カルテを再確認した麻酔科医師は、薬が中止された様子がなかったため、手術室看護師に病棟への確認を依頼した。手術室看護師は、8時30分ごろ、患者を手術室へ案内した病棟看護師と担当医に、ワーファリン停止を確認した。担当医が病棟リーダー看護師に確認したところ、入院3日目に指示すべき薬剤停止指示が出ておらず、ワーファリンは手術前日の朝まで服用されていた事が判明した。
手術延期により、通常入院日に停止する薬剤を継続使用したため、停止指示のきっかけがなくなり、担当医はうっかり停止指示を出し忘れた。看護師は、通常、術前中止薬は担当医から指示があり、看護師から薬剤中止について確認することが少なかったため、担当医から薬の停止の指示が出ると思いこんだ。看護師の与薬行為が機械的になっていたため、ワーファリン停止の必要性が認識されず、担当医師に確認が行われなかった。麻酔科医師は、通常ワーファリンは中止されて手術室に搬入されるため、中止されているであろうと思いこみ、担当医に確認しなかった。部署でワーファリンは、単剤のヒートで薬袋に入っていることが多く、患者の場合は、他の朝食後薬と一緒に一包化されていたため、看護師のワーファリンに対する認識が低くなった。
・担当医は患者の手術日が再決定した日に、中止薬剤を確認する。 ・担当医は、患者にも術前中止薬があることを説明し、患者からの注意喚起も利用する。 ・麻酔科医師は、術前訪問時に術前中止薬の停止を確認する。 ・看護師は、患者の処方薬の薬理作用を理解して配薬する。 ・看護師は術前に中止が必要な内服薬を把握し、医師に確認する。 ・当該部署は、術前に抗凝固薬や抗血小板薬の中止がチェック出来るようにチェックリストを改定する。 ・術前中止薬(抗凝固剤・抗血小板薬など)は常用薬とは別の薬袋を作成し、薬袋に手術日を示すようにする。
障害残存の可能性(低い)
循環器外科→麻酔科
前処置の抗コリン剤の注射を施行するため、問診票を確認。全ての項目に「いいえ」とチェックしていたので、依頼書、カルテ、本人に確認をせずブスコパンを静注した。静注後に依頼書に抗コリン剤不可と記載している事に気付いた。患者と確認したところ眼科にて緑内障の診断はうけていないが眼が見えにくいと返答あり。ブスコパン静注後、眼痛、視力低下見られず。
問診票のみの確認しか行わなかった。
・医師と看護師で確認を行う。 ・予約時に問診票のチェックを患者と共に行う。 ・依頼書のチェックを必ず行う。
障害残存の可能性なし
内科→内視鏡室
硬膜脳動静脈瘻の患者で放射線科で血管内手術が予定され、病棟より搬出時麻薬が準備されず、患者の入室が20分遅れた。主治医の指示で麻薬が救命救急センターで準備され、放射線科へ持参することになっていたが、病棟や放射線科に連絡されず、そのまま救命救急センターに持ち帰り、置いていたことが発覚する。
普段は救命救急センターから入室し、病棟には手順書がなかった。手術室、救命センターへの指示は口頭指示であった。
・どこの部署からも搬出することがあり、マニュアルの整備、チェックリストの整備をする。 ・麻薬等の持参薬の準備は搬出部署で準備する。 ・血管内手術の申し込みから準備、システムを再度検討する。
障害なし
救命救急センター→病棟・放射線科
整復術を行うための鎮静目的。放射線科より救急外来看護師へ電話で、「ソセアタ1A筋注の準備とソルアセトFでルートの準備をして持ってきて欲しい」とA看護師が依頼された。A看護師は指示内容を復唱しB看護師へその内容を伝言し、B看護師は救急カートから薬剤を取り出しA看護師へ渡す。放射線科で筋注するよう口頭指示を受け、アンプルを確認せず注射を施行した。患者はその後帰宅し、使用した薬剤の処方箋を医師より受け取り、薬剤科に提出後薬剤を受領した。救急外来に帰り、救急カートに薬剤を保管しようとしたときに、アタラックスPの不足がなく、硫酸アトロピンが1A不足していることで、間違って使用したことが判明した。
薬剤準備時、使用前・使用後の薬剤確認を怠った。準備者、実施者の連携・ダブルチェックがされなかった。声だし、指差し確認を怠った。
・薬剤使用時の5Rの徹底。 ・口頭指示での復唱の徹底とダブルチェックの確実な実施。 ・注射準備時、実施前、実施後の薬剤の確認の徹底。
障害なし
放射線科→救急外来
患者は虚血性心疾患にて、循環器内科に入院し、PCI(経皮的冠動脈形成術)を行った。鼠径動脈穿刺部位の止血確認後も翌朝までベッド上安静の指示が出ていたため、看護師は頻回に訪室し観察していた。患者は、入院前に睡眠障害のため当院精神科を家族同伴で外来受診していた。不眠時の頓服薬として、ほぼ毎日レンドルミンD錠0.25mg、ロヒプノール錠2mgを服用していたことから、主治医はこれらを2錠ずつ30日間分処方、さらに頓服用としてそれぞれ1錠ずつ15回分を処方し、症状に応じて自己調整して服用するよう指導していた。しかし、この服用方法は電子カルテに記載されていなかった。患者は、入院時にこれらの睡眠薬を持参し、PCI前夜には自分で眠剤を1錠ずつを服用したが、この処方内容と実際の服用量に違いがあったことが、病棟の医師、看護師に伝わっていなかった。検査当日の看護師は、PCI後安静中の患者に眠剤を処方どおり2錠ずつを服用させた。22:30頃、心電図モニターが急上昇したため看護師が訪室すると、患者がベッド下の床に仰向けに転倒していた。ベッド柵は立てられたままであり、患者はトイレに行こうとして柵を乗り越えられる際に転落した様子であった。バイタルには著変なかったが、右前額部に打撲痕(血腫形成)があり、直ちに主治医が診察し、頭部CT施行したところ急性硬膜下血腫の所見であり、脳神経外科へ紹介となった。
患者は自身の希望によりバルンは留置されておらず、PCI術後、ベッド上で尿器により排泄可能であり、またNSコールも適宜行われていたので療養上の場面における転倒・転落の危険性を予知できなかった、アセスメント不足であった。精神科の主治医は、処方内容とは別に服用方法について電子カルテに記載していなかった。実際には、患者はこれらを毎日1錠ずつ服用していた。患者は、以前にもこれらの睡眠薬を2錠ずつ服用されていたことがあり、この日に限り薬剤が過剰投与されたというわけではない。以前から歩行不安定であったこと、慣れないベッド使用であったこと、高齢でもあり、PCI後の体力的な影響等、転落に至った原因は複合的な要因が絡んでいたと考えられるが、この日の薬剤の過剰投与が影響していた可能性は否定できない。
・今後本院では長期処方(倍量処方等)を一切行わないこととし、処方量と服薬量が違うような投薬が行われることがないよう、周知徹底を図る。 ・入院時持参薬を預かる際、内服量・時間等について患者または家族に確認することを徹底する。 ・このような処方による影響から患者が転落した可能性があるので、警鐘的な事例として今後の再発防止に役立てる。
障害残存の可能性なし
抗癌剤投与2日目で副作用として吃逆があり、眠れないと訴えがあった。患者からは訪室するたびに「治せないなら点滴を外して帰る」などイライラした様子であった。主治医へ報告し、セルシンを1/2A静脈注射施行した。2時間程眠っていたが、再度吃逆にて眠れないと訴えがあり、詰所まで来られ点滴を外し治療はしないと軽度興奮ぎみであった。他スタッフと相談し、再度セルシン使用。その後、訪室すると眠られていた。朝トイレへふらふらしながら歩かれている姿をみかけ声をかけると前夜、眠前薬(デゾラム・レンデム)を2錠ずつ内服したと報告を受ける。
患者が入眠していたことで薬が効いたのだと思い込み、内服されている薬など十分に観察できていなかった。
・患者への説明と対応。 ・本当に本人管理で良いのか検討していく。
障害なし
家族は患者の不眠を訴え、「以前、眠れないときにバルレオン錠0.25mgの半分を服用していたことがあるので眠剤を出してほしい。」と病棟看護師へ眠剤の希望をした。夕方、処方されたハルシオン錠0.25mg1回1錠服用の5回分を、看護師は自己管理出来ると判断し、患者に薬袋ごと渡した。患者は、薬袋からシートになった2錠を取り出し、1錠を服用し、もう1錠は翌日飲もうとTV台の上に置いた。翌朝、病室内のトイレを使用後、トイレの回転扉を開けようと右手でドアの取っ手バーを握った際に、ドアの開いた勢いで体のバランスを崩し、右回転して尻餅をついた。立ち上がろうとしたが出来ず、再度転び、ようやくつかまりながら立ち上がり、トイレからベッドまでの130cmの距離を40分くらいかけて戻った。1時間後、患者が下膳のためオーバーテーブルに朝食後のお膳をのせ、廊下に前屈位で出てきたのを看護師が発見し、介助にてベッドに戻った。患者は、「足に力が入らない」と告げた。家族が面会に訪室した際に、「患者の様子がぼーとしていて、家と病院とが混乱している、呂律が回らず、尿失禁していた。ハルシオン錠の1錠分の空のシートがテーブルの上にあった。間違えて飲んでしまった可能性がある。」と看護師に伝えた。主治医が診察し、患者からトイレで転倒したことをこの時点で初めて聞いた。股関節痛等訴えなく、関節可動域も問題はなかったため、患者の希望通り外泊したが、外泊中、股関節痛の訴えあり、歩行することができず、家族に抱えられトイレに移動していた。帰院後、レントゲンの結果、整形外科医診察あり、右大腿骨骨折と診断された。
眠剤ハルシオン錠を患者が自己管理出来ると判断し薬袋ごと5錠渡してしまい、患者自身が誤って過剰に服用してしまった為、せん妄状態となった。入院による環境変化により数日不眠が続いていた時に、倍量の眠剤を服用した。内服薬管理に関する情報不足(不眠時は3~4日間眠れないときに、10日に1回くらいの頻度でバルレオン錠0.25mgの半錠を服用していた事を知らなかった)。貧血が比較的急速ににすすんでいた為、排泄後にトイレでふらついた(Hb:9.4→2週間後Hb:6.2)。患者へは、再三のナースコールの対応をすることを説明していたが、看護師を呼ばずに一人で移動してしまった。リウマチ疾患による、手のこわばり、両足の浮腫により、つかまり立ちをした際に、体を支えられずふらついた。トイレの回転扉の取っ手(バー)に支えのためにつかまり、ドアが勢いよく開いたため体が引き寄せられバランスを崩した。
・眠剤の自己管理について検討する。 ・眠剤の与薬時間、量、服用後の観察を行い、記録に残す。 ・内服薬管理の状況を、残薬確認をし自己管理が出来ているかを評価する。 ・貧血の状態を把握し、転倒の危険性を患者に説明し協力を得る。 ・訪室した際に、声をかけ、排泄の関しては排尿誘導にて介助する。 ・患者のADLの状況を把握し、看護計画に反映する。 ・トイレの回転扉の取っ手(バー)の開閉時の注意点を患者に説明しておく。
障害残存の可能性がある(低い)
術後1日目の朝、患者に内服開始薬の説明を行い、薬を手渡した。昼に内服薬の確認のために訪室して過剰与薬に気が付いた(朝7日分、昼7日分の摂取)。直ちに医師に報告、点滴等の指示を受け、各種検査、バイタルチェック実施。気分不快、嘔吐等の訴えも無く、特に異常なし。蓄尿、肝腎血液データを追跡した。その後も異常無く退院した。
内服薬の説明不足(患者が理解できているかの確認不足)。
・服薬について十分な説明の徹底と患者の自己管理薬を渡す時期の検討(術後1日目が妥当か)。
障害残存の可能性がある(低い)
精神科入院歴あるが一般病棟への入院問題なしとの診断で精査のため入院中。夜間、イライラと焦燥感の訴えがあったため、当直医へ報告していた隙に本人管理の持参薬を4~5回分内服した。自己申告あり。
特殊な環境下での変化を予測した患者の行動の予測不足。
・入院中は原則、持参薬を病院管理にする。 ・カンファレンスなどで患者の情報を共有し、変化を早めに把握する。
障害残存の可能性がある(低い)
フリーの看護師Aの見守り下により、ベッドサイドで患者がノボラピットフレックスペン(超速効型)12単位の自己注射を行った。使用した注射針とアルコール綿は廃棄したが、予備で準備していた注射針とアルコール綿がトレイ内に入ったままであった。フリーの看護師Aは、ナースコールが鳴ったため、インスリンの入ったトレイをベッドサイドに置いたままその場を離れた。数分後、看護師Bが配膳をする際、ベッドサイドに患者用のインスリンが置かれていたため自己注射の施行有無を患者に確認したところ、患者が「まだ」と言ったため、看護師Bの見守り下にて再度12単位を自己注射した。注射施行後、ナースステーション内で看護師Aから看護師Bにインスリン投与の話をしたところ重複投与が判明した。その後、ポタコールR250mL輸液開始したが、11時に血糖値が52mg/dLとなったが、50%ブドウ糖のIVや5%ブドウ糖の輸液を開始し、それ以降は100mg/dL以下になることはなかった。経過中低血糖症状はみられなかった。
当該病棟では食前の血糖測定はフリー業務が行っていたが、インスリンの注射の実施者は明確になっていなかった。最初にインスリンを確認した看護師Aはトレイをベッドサイドに置いたまま部屋を離れていた。次に注射を確認した看護師Bは、自分で用意した注射薬ではないが他の看護師に確認することなく患者に注射施行の有無を確認した。今回事前に看護師Aが看護師Bに患者のインスリン注射を行うと話していた。看護師Bはインスリン注射は終わっていると思い患者にインスリン注射施行の確認をしたところ「まだ」と言ったため看護師Aに確認することなく自己注射を行ってしまった。注射箋の施行済チェックボックスには施行済の印(訂正印サイズの大きさ)が捺印されていた。看護師Bの施行時は、他の看護師とダブルチェックを行ったが施行済印は2人とも気が付かなかった。
・インスリン注射をフリーの看護師が行っており責任の所在が明らかでなくシステム上の問題もあった。 ・今後、インスリン注射に関しては一連の行為を同一の看護師が責任をもって行うことを標準手順とする。
障害残存の可能性なし
入院中の患者。持参薬として、アムロジン、リバロ、オルメテック、グラクティブ、アマリールを内服中であった。その他に入院中に追加された薬剤が5種類ほどあった。持参薬のアマリール以外のアムロジン、リバロ、オルメテック、グラクティブを自己管理で内服していた。一方、追加処方された5種類の薬剤とアマリールは看護師管理で内服していた。持参薬が少なくなったため、アムロジン、リバロ、オルメテック、グラクティブ、アマリールが院内で処方された。アマリールを看護師管理で内服していたので、その他の薬(アムロジン、リバロ、オルメテック、グラクティブ)も同じように配薬容器にセットしてしまった。患者は自己管理の薬剤とそれらの配薬された薬剤ともに内服してしまった。結果として、アムロジン、リバロ、オルメテック、グラクティブが2回分の倍量が投与された。その後、患者は低血糖となり、グルコースを内服することになった。
患者管理の薬剤と看護師管理の薬剤が混在していたため引き起こされたエラーと考えられる。
・自己管理の薬剤と看護師管理の薬剤が混在しないようにする(一部の薬剤だけ看護師管理にするような運用は行わない。すべての薬剤を自己管理にするか、すべての薬剤を看護師管理とするかのどちらかにする)。
障害なし
患者が、持参薬が残り少なくなり、次の薬がどうなるのか心配した。もう少し残りが少なくなってから処方してもらうことを説明し一度は納得したが、準夜帯になって薬を出してもらいたいと言われ、研修医が看護師の言う通りに処方した。その際、内服開始日が入力されず、処方日が内服開始日で打ち出された。払い出された薬について、その日の担当でない看護師が患者のところへ持っていき、翌日からの内服を指示した。その4日後に患者がしんどいと訴え、内科受診して脱水が確認された。その翌日、患者から薬について質問有り、看護師が確認すると5日間ラシックス等を重複して内服していたことが判明し、その事が原因して脱水症状が出たことがわかった。入院時より薬剤師が関与していたが、病棟訪問時カルテが見つからなかったからと、服薬指導に入っていなかった。
担当以外の看護師が「単に薬を渡す」業務をした(患者把握不足、残薬確認不足)。医師が安易に処方した。残数に基づいた処方でなかった(当院では臨時薬、定期薬の決まりがあるが、定期薬として処方した)。処方が決まり通りされてないことに気付かず、定期薬として患者に渡された。入院時から薬剤師が介入していたが、処方された日にたまたまカルテが病棟になく薬剤師が介入せず、気付かれなかった。患者も処方されたものだからと内服した。
・医師は持参薬については残数を確認し、重複しないように臨時薬・定期薬の処方をする。 ・看護師が患者に渡すときには残数確認をして、内服開始を指示する。 ・薬について意識的に観察する。 ・薬剤師は薬歴によって確認と服薬指導を行う。
障害なし
救急外来で意識障害にて救急搬送された患者の精査を行った。CT等の検査では原因がはっきりしない為、MRI検査を施行することとなった。20:00、救急担当医は当直放射線技師に院内PHSで連絡した上でMRI検査をオーダーした。20:15、当直放射線技師より救急外来に検査の準備が整ったため患者を検査室へ搬送するよう連絡が入った。救急外来看護師AはMRI用ストレッチャーに患者を移し、身体に磁性体となる物が付いていないか看護師Bとダブルチェックを行い、点滴をMRI用スタンドに替えた。また患者には酸素が経鼻カニューレで投与中だった為、カニューレを中央配管から移動用酸素ボンベに替えた。酸素ボンベはストレッチャーの下の架台へ収納した。看護師Cは患者をMRI室に搬送し前室で待っていた放射線技師と再度磁性体の有無について確認した。このとき院内で決められたチェックリストを使用せずに口頭で行った。またマニュアルで決められている金属探知棒も使用しなかった。救急担当医は放射線技師に対しても磁性体がないかの確認を行い、20:30患者をMRI室内へストレッチャーの頭の方から搬送した。ストレッチャーが検査台に近づいたところで「ドーン」という大きな音がし、ストレッチャーの下にあった酸素ボンベがMRIガントリー内の4時の方向に吸着した。その際、救急担当医は吸着を防止しようと思わず右手を出しガントリーと酸素ボンベとの間に右手を挟まれた。患者に障害のないことを確認した。
院内で決められたマニュアル(チェックリストによる2名でのダブルチェック、金属探知棒の使用)が守られなかった。酸素ボンベがMRI対応のものでなかった。酸素ボンベがストレッチャーの下にあり視界に入りにくかった。緊急のMRI検査であったため診療放射線技師は緊張していた。看護師は育児休明けだった為、入室時のマニュアルがあることを知らなかった。
・マニュアルの周知と徹底、定期的な検証を行う。 ・入室チェックリストへ実施者サインを記載することで意識の向上を図る。 ・MRI用ストレッチャーとMRI対応酸素ボンベをセットとし他のボンベが搭載できないようにする。 ・中途入職者や復帰者へのオリエンテーションの構築する。
障害なし
初診時から事故発生までの経過てんかん疑い、頭部MRI検査予約となった。検査当日、検査時使用の薬剤(プルポフォール)を、小児科外来看護師がトレイに準備した。準備した2つのトレイのうちの1つがホーロー製であった。両親とともに患児が来院。小児科外来で説明・血管確保後、医師と看護師がトレイを持って、患児を検査室に案内した。看護師は、更衣室の椅子の上にトレイを置いて、医師に声をかけた後、退室した。診療放射線技師2人は、医師が、回診衣のポケットから持ち物を取り出すのを確認し、患児の衣服等の金属確認を行った。医師は撮影室に入室する際、準備してあった薬剤の入ったトレイを持って入り、撮影台に置き(患児の足元約50cmの所)、16:35鎮静処置を開始した。数分後、もう一人の医師が撮影室に入室し、鎮静処置を一緒に行う。発生直前の状況16:45頃入眠し撮影のため台を頭側へ移動、それとともにプロポフォール、注射バイアルなどを入れた鉄製トレイがMRIの磁石にひきつけられ飛んだ。発生直後の状況トレイに置いてあった物が患児の顔面に当たり口内裂傷を起こす。
安全確認の不備(金属持込禁止と、撮影テーブルスライド前の安全確認の徹底が出来ていなかった。ホーロトレイの存在(ほとんど目にすることがなく、準備した者・持ち込んだ者がホーロートレイが金属という認識がなかった)。
・チェックリスト使用による金属持込禁止の徹底ホーロートレイの院内撤去。 ・MRI常設トレイをアルミ製からプラスティック製に変更手順書の見直し。
不明(障害残存なし)
頸部の単純・造影検査中単純検査が終了したため、担当技師がベッドをマグネットから出し、続いて担当医師(研修医)が造影剤を投与するためマグネットに近づいた際、髪の毛をとめていた髪留め(金属性)がマグネット内に飛び込んだ。患者への危害がないことを目視と問診で確認し、続いて飛び込んだ髪留めを回収した。
当事者は研修医で、MRI検査を担当する前に、放射線科担当医師によるオリエンテーションを受けており、危険性の認識は十分にあった。しかし、実際にMRI検査業務前の金属類の取り外しの際、髪留めである金属類の1つを取り外し忘れた。その後、髪留めをつけたまま、MRI検査室に入室し、引き付けられることに気がついた時にはマグネット内に髪留めが飛び込んでいた。この経過を見ると、認識はあるが、金属類のチェックが確実に履行できなかったことがトラブルに繋がった要因と考えられる。
・MRI検査業務に従事する前に、確実に金属を取り外すこととしているが、今回の事例のように、本人も気づかない金属類がまだ所持されていることが十分に考えられる。 ・対応策として、金属類を取りはずした後、金属探知器を用いて金属類の残存をチェックする確認の手順を追加した。 ・管理面から、金属類のチェック後は、時刻と氏名を記帳し、職員個々の責任において安全を担保することとした。以上の対応策をリスクマネージャー会議で説明した。 ・医療安全管理マニュアルにも掲載され、マニュアル整備も実施される。
障害なし
当該患者は聴力障害あり、病棟看護師とMRI室担当看護師による確認において、補聴器との報告あり。オーダー上は金属なしのため、補聴器をはずし、入室。ガントリーの中に進めたところ患者より「頭が痛い、人工内耳が…。」と訴えるので、すぐにMRI室より退出。退室後確認したところ、人工内耳植え込みの患者だった。
人工内耳植え込みを実施した耳鼻咽喉科ではMRI禁忌であることは知っており、患者への説明も行っていたが、その後入院した診療科には伝わっていなかったため、MRIオーダー上「金属無し」となっていた。インプラントに関する項目について、「入室前チェックリスト」に記載がなかった。
・主治医がMRIオーダリング時に自動出力される同意書・説明文書にインプラントに関する項目を追加し、確実にチェックする。 ・MRI検査室入室前に、放射線技師と看護師が事前に確認を行うための「入室前チェックリスト」にインプラントに関する項目を追加し、聞き取りを行う。 ・オーダリングシステムのインプラント情報は実施した診療科の主治医が入力し、各科で情報を共有する。以上を会議及びラウンド等で院内に周知した。
障害なし
頭痛にて他院受診。肺がん、癌性クモ膜炎による水頭症と診断されシャント術施行。その後、肺がん治療目的にて当院紹介。転移精査のため頭部MRI施行。半年後、頭痛があり、再度転移を疑い頭部MRI施行。硬膜下血腫がみつかり、脳神経外科コンサルト。シャントは強い磁気で設定圧が変化してしまうものであったため、半年前にMRIしたことで低髄圧となっていた。外傷もないことから血腫は低髄圧となったことによるものと考えられた。慢性硬膜下血腫の診断にて血腫洗浄除去術を施行した。
MRI施行によりシャントの設定圧が変化することを脳神経外科以外の診療科の医師は知らないので、検査終了後、シャントのバルブの圧調整をしなかった。MRI検査の患者説明文の項目に「体内に何か金属・磁性体がありますか」の設問項目にシャントの記載がないので患者も気がつかず、申告がなかった。医療者がチェックするMRI検査時チェックリストに医師・看護師が2名でチェックしているがマグネットタイプのシャントの項目になしとチェックされていた(他施設で挿入されていた為、具体的な情報がなかったことと、当該医師が内科医であった為、MRI検査時チェックリスト項目にマグネットタイプのシャントの有無と記載されていたが磁気で圧変動するシャントシステムがある事を知らなかったため。また、マグネットタイプのシャントがどういうものか知らなかったため)。
・マグネットタイプのシャントチューブ挿入患者のMRI検査後はバルブ圧の際設定が必要であることの情報を職員に周知する(周知方法:e-ラーニングでアクシデント事例として配信した。周知内容:アクシデント事例の内容の要約と対策。 ・シャントの種類によっては、MRI検査によって設定圧が変化するため、検査後に圧設定チェックが必要であることを認識する。 ・検査後に脳神経外科にシャントバルブの圧設定チェックを依頼する)。 ・画像診断センターはMRI検査施行時、脳神経外科以外の診療科から依頼がされた患者にシャントが入っていることを確認したら、診療科医師に圧設定が必要であることを伝える。 ・MRI検査問診表(患者用)の金属の植え込み確認項目にシャントを入れ患者からも情報が得られるようにする。
障害残存の可能性がある(低い)
患者は、人工肛門閉鎖術目的のため入院し、術前検査が行われていた。担当医師は、患者が房室ブロックのため1年前にペースメーカが挿入されたことを失念し、MRI検査を計画した。担当医師は、検査予約入力画面の体内金属チェック欄に心臓ペースメーカの項目があったが、注意が行かず申し込みを行った。検査は申し込みが終了すると予約用紙が出力され、申し込みを行った医師が、その日のリーダー看護師に手渡すことになっていたが、用紙は看護師に渡されていなかった。検査前日、遅出看護師は、患者に翌日の検査説明を行おうとして予約用紙が無いことに気づき、検査予約用紙を再出力した。予約用紙には、医師がチェックする体内金属項目と、患者がチェックする金属持参物項目があった。遅出看護師は、予約用紙の医師チェック欄の心臓ペースメーカにチェックがないことに気づき、患者にペースメーカが挿入されていることを知っていたため手書きでチェックを行った。遅出看護師は、患者の部屋に行き明日MRI検査があることを説明し、患者に検査当日の金属持参物のチェック項目にチェックをしてもらうため用紙を患者に渡した。検査当日、患者は検査予約票の金属持参物を確認し、サインを行った。日勤看護師は用紙を見て、患者がサインしていることを確認した。日勤担当看護師の指導看護師も、予約用紙を確認し、患者のサインがあることを確認した。二人の看護師は、ペースメーカにチェックが入っていることを認識したが、疑問に思わなかった。患者は、10時30分の検査開始に間に合うように予約用紙を持って一人で検査室に行き、放射線技師に予約用紙を渡した。検査技師は予約用紙をあずかり、用紙に記載された患者の体内金属チェック項目の確認が不十分な状態で、患者に金属の持参物がないか確認し、患者から無いと返答があったため、患者を検査室に案内し検査を行った。検査中、患者の状態に異常はなく、患者は検査終了後病棟に一人で帰った。放射線科医師は、患者の検査が終了した11時頃にMRI検査結果の読影を行おうとして、画像よりペースメーカ挿入患者にMRI検査が行われたことに気付いた。放射線科医師は、直ちに放射線技師に連絡するとともに、担当医師にも連絡を行い、ペースメーカ挿入患者にMRI検査が行われたため、ペースメーカの動作チェックを依頼した。連絡を受けた担当医師は、MEに動作チェックの依頼を行い、ペースメーカが正常に動作しているのを確認した。患者から挿入部の違和感の訴えはなかった。患者はMRI検査結果から手術はまだ実施できないと評価され、退院が決定したが、MRI検査をおこなったため2日間長く経過を見た。
担当医師は、患者がペースメーカを挿入していることをうっかり忘れたため、検査オーダー時に体内金属チェックが行われず、MRI検査を依頼した。放射線科技師は、体内金属が挿入された患者にMRI検査の申し込みがされるとは思わず、検査前の予約票にあるチェック項目の確認方法が形骸化した確認だったため、見落とした。看護師は患者にペースメーカが挿入されていることを知っていたが、以前に体内金属挿入患者で、MRI検査が必要なため実施された患者がいたことを知っていたため、今回も同様の必要性で検査が行われるのだと思った。看護師は、体内金属チェック欄は医師が患者に説明して記載する項目と認識していなかったため、自分でチェックを入れて患者に手渡した。患者は、当院で1年前にペースメーカを挿入したが、患者の治療とともに電子カルテに体内挿入物をチェックしていく取り決めがなかったため、医師カルテ、看護師カルテのペースメーカチェック欄にチェックがされていなかった。
・医師は検査申し込み時に、体内金属チェックリストの確認を行う。 ・MRI室は、検査前の確認を確実に行う。 ・看護師は医師のチェックリストに記入するのではなく、医師に確認を行い、医師に記載してもらうようにする。 ・患者の体内に金属が挿入された場合や、挿入された情報を得た場合、医師、看護師はカルテにチェックする。
障害なし
GE社製MRI装置SignaHorizonEchospeedLX1.5Tにて、患者の大腿部を撮影した。撮影は、内蔵Bodycoilを用い、患者はガントリー内に腹臥位にて位置決めした。下肢は検査部位であるので、自然体にのばしていただいた。また、MRI備え付けの検査着を着装していただいた。検査内容は、一般的な撮影方法(SpinEcho法、FastSpinEcho法)を用いた。検査中、検査終了後は患者からなにも訴えは無かった。次回診療科外来受診時、患者から「MRI撮影時、下腿部ふくらはぎにかなりの熱感を覚えたが報告せず帰宅した。帰宅途中の車内で、ふくらはぎ部に違和感を覚え確認すると、両側ふくらはぎに水疱が出来ていた。」との報告があったと連絡を受けた。報告を受けた時はすでに水疱はなく、かさぶたになっていたため当院皮膚科受診し、熱傷と診断された。皮膚科受診後、患者本人にお願いして、検査時の位置決めの様子を再現させていただいた。再現した患者位置決めにより、ふくらはぎ内側は完全に接しており、ループによる熱傷と考えられる。
今回の熱傷発生をGE社も連絡したところ以下の回答が得られた。世界で2003年から2005年の間に、MRI検査時の熱傷発生件数は223件。そのうち、内蔵Bodycoilでの発生は2件である。また、このうちの1件は、皮膚が、内蔵Bodycoilのカバーに直接接していたため該当部位に熱傷が発生、もう1件は、ふくらはぎ内側どうしが接していたため、患者の下腿にループができ、電流が発生しふくらはぎ内側に熱傷を引き起こしたと考えられた。
・ループ状の体位とならないように十分注意して位置決めを行ってく。
障害残存の可能性がある(低い)
骨盤部のMRI造影検査中、両下腿が熱いと訴えあり、MRIによる加熱を疑い、インプラントや皮膚面の異物、刺青などを探したが何もなく、皮膚反応も見られなかった。患者には、また何かあればブザーを押してもらう事とし、検査を続行した。検査終了後、患者から検査中にまた下肢が熱かったと訴えあり、検査中、下肢の熱さはあったが、我慢できる程度であった為、患者はブザーを押さなかったとのこと。視診にて両側下腿内側に1×2cmほどの紅斑を認めた。まれな事象ではあるがMRIによる熱傷を考えた。しかし軽微な紅斑であり、次の検査(CT検査)が同じ中央放射線部である為、少し経過をみた。その後CT検査に立ち会った看護師が、両下腿内側の病変部に水泡が出現した事に気付いた。両側下腿内側の紅斑及び水疱形成があり、表皮剥離はなかった為、WOC看護師に相談し、病変部をテガダームで被覆、保冷剤で冷却した。
腓腹筋の発達した患者で、検査台に臥床した際、両側のふくらはぎが僅かに接触し、両下肢にループ状の電流回路が形成された事による熱傷が考えられた。MRIのインプラントや刺青、汗などの加熱による熱傷は当然に注意をしていたが、SkintoSkinでの熱傷を予見できなかった。文献にはアメリカでインプラントなしの熱傷が30例ほど報告があり、その中で今回のような症例もあり次回も要因のない「熱さ」を訴える患者の対応には注意が必要と思われる。
・患者が「熱さ」を訴えた際、SkintoSkin、RFコイルとの皮膚面の接触がないか注意をする。 ・両手、両足の位置、接触状態などに注意して、ループを作りそうな部位には、必要に応じてタオルなどの緩衝物を使用する。 ・導電体である人体がループを作るような体位で検査を実施しない。
障害残存の可能性がある(低い)
脳炎のため入院された患者、不穏症状があるため、入院時から24時間持続注入で全身麻酔・鎮静用剤(プロポフォール100mL(1,000mg))の投与を行っていた。14時20分に左手末梢ルート側管より輸液ポンプで持続点滴中のプロポフォール100mL(3mL/h)のボトルを更新した。同日16時20分頃にMRI検査のため、輸液ポンプから投与されていたプロポフォール、その他の輸液を外し、その輸液の滴下速度を手合わせで調整した後、MRI室に向かった。意識レベルは、Ⅰ-3からⅡ-10程度を行き来しており、時折足をバタバタさせていた。MRI室に入る前に、MRI用のストレッチャーに移す際、下肢の活発な運動はあったが、明らかな意識レベルの低下は認めなかった。体動しMRI検査ができない状態であったため、プロポフォールの滴下速度を一時早めに滴下調節した。鎮静を確認した後、再度滴下を絞った。鼻腔カニューラより酸素3L/分の供給を続行した。MRI室に入室後、MRI装置内でも足を曲げたり伸ばしたりしていた。15~20分間の撮影後、放射線部医師が右手末梢ルート側管より造影剤注射後、患者の状態が悪そうであったため、放射線技師を呼んだ。再度様子をみたところ、SpO2が80%であり、徐々に下がっていった。鼠径動脈、とう骨動脈は触知していたが、徐々に触れなくなったため、MRI室より搬出した。まもなく心肺停止となった。その時点でプロポフォールが全量滴下していることが判明した。高度救命救急センターに電話。バッグバルブマスクでの換気、心臓マッサージを開始し、気管内挿管を行った。
医師は、プロポフォールの滴下量の調節を手合わせで調整し、実際の残量、滴下量を確認していない。
・改善策を検討するためのワーキンググループを立ち上げ検討中。
不明(治療中)
運動発達遅滞を合併した軟骨無形成症のため、大後頭孔狭窄の有無を精査する目的で、MRI検査を施行。鎮静目的でトリクロリール5mL(0.79mL/kg)を内服させた。患者は入眠しMRI検査室へ。覚醒のため看護師がcallされるも到着時すでに入眠しており、顔色も良好であったため15時30分検査を開始。検査が終了し、患児は父親・母親に付き添われストレッチャーで16時10分頃小児科外来へ帰室。この際、看護師が患児の顔色不良に気付いた。直ちに医師によりマスクバギングが行われ、心肺蘇生が開始された。16時15分自己心拍を確認。16時20分に気管内挿管された。HR=134、SpO2=99%であった。末梢ルートを確保の上、ソリタT1の点滴が開始されたが、血糖高値のため生理食塩水の点滴を行なった。静脈血でPH=6.890、PCO2=81.4、BE=-17、16時32分動脈血でPH=6.920、PCO2=54.8、PO2=517.2、HCO3-=11.0、BE=-21.7、SaO2=99.7の代謝性アシドーシスを認めた。ICUに入室し、呼吸循環管理を開始した。
予期することができなかった合併症。
・MRI検査を行う際に、これまでは主治医から特別な指示があった場合のみ行っていた酸素飽和度測定モニターを、小児における全ての睡眠下での撮影事例で行うこととした。
障害残存の可能性がある(高い)
MRI検査施行にあたり画像検査上、造影剤使用での検査が必要と判断し、造影剤を静脈注射し、撮影終了後、読影時に慢性腎不全及び透析導入中のカルテ記載に気付く。造影剤メーカーと相談し、早急の透析が望ましいと判断し当院腎透析科へ相談したが、当直時間帯でスタッフがおらず本人が院外にいたため、従前より透析をされている近医での対応が望ましいのではないかと返答であった。近医連絡し夜間透析可能との返答いただき対応をしていただいた。
造影剤準備・使用時に他の患者の入れ替え等に対応し、注意散漫となっていた。また、造影剤使用判断時に問診票・質問票の目視確認が疎かであった。
・造影剤使用検査時の問診票・質問書等の各スタッフの目視確認。 ・HIS及びRIS上の注意項目の視認性の向上。 ・MRI検査前の腎機能測定の必須化及び検査施行の可否を含めた厳密化。 ・検査依頼伝票(紙伝票)の腎機能に関する欄の記載の徹底化及び記載項目追加。
障害なし
MRI撮影時、造影剤(ガドベンテト酸メグルミン:後発薬品)15mLを3分かけて静注した。MRI内部に患者を移動後、緊急ボタンが鳴ったため、患者を装置の外へ出す。嘔気・冷汗あり。
造影剤によるショック
・造影剤使用時は緊急時事に備え、救急カートの点検・緊急コール(アンビューコール)の方法を確認しておく。
障害なし
オープンMRI検査時に、MRI用の寝台を患者の足を同MRI側にして駆動操作し送り込む際に、患者の顎がMRIの内壁にぶつかり、かつ擦りつけたため、顎部と頚部に痛みが発生した。
オープンMRI検査において、患者の背中の湾曲により駆動寝台に真直ぐに寝ることができないため、背中側にバスタオルを置き、かつ頭部の下に固定具を置いて検査用腹部コイルの装着準備をして検査を開始。患者は検査に長時間耐えられないとの情報があったため、患者に耐えられる時間を確認しつつ寝台を駆動させ、患者に緊急ボタンを渡すために患者から目を離して緊急ボタンに手を延ばしたときに、患者の頭部位置が高すぎたために顎がMRIの内壁とぶつかり、患者の指摘で緊急停止した。患者が長時間耐えられないことにより、短時間で少しでも検査を多くしようと、焦って患者への説明とMRIの寝台駆動を同時に行った。
・事前説明から装置進入までの間、患者から絶対に目を離さない。 ・メジャーを設置して、進入高さを確認する。 ・寝台を駆動する前に縦横高さを確認するための緊急措置として、壁に最大高、推奨高位置を設置し、もう片方からアルミ製バーに同様の位置を記入して双方の高さを確認する。(設置済)・寝台を駆動する前に縦横高さを確認するレーザービームと装置表面のタッチセンサー導入を検討中。
障害残存の可能性なし
患児はMRI検査目的にて家族とともに来院。外来看護師がトリクロールでの入眠を確認後、家族にMRI検査室の場所を案内した。児は家族に抱っこされて検査室に移動。放射線科では、当日からMRIの2台稼働をスタートさせ技師2名で対応していた。児を撮影台に寝かせた後、入眠していた安心感もあり安全ベルトでの固定をしないまま照明暗くしようとしてスイッチ方向へ移動。直後に児が寝返りをうったのに気付いた技士が駆け寄ったが間に合わず約90cmの高さから転落し、その衝撃で児が覚醒し啼泣。直ちに主治医、放射線科医師へ報告しソセゴン、アタラックスP使用しMRI・CT撮影を実施した。脳外にて陳旧性外傷性くも膜下出血、頭蓋骨骨折と診断された。
初のMRIの2台稼働で技師2名との連携や操作手順がスムーズでなかった。また入眠導入剤使用後の患者には外来看護師が付き沿って児の観察を行いながら移動する必要があったが、外来での事例が少なく院内ルールとして周知されていなかった。
・鎮静薬を使用する検査では必ず看護師が付き添い観察することとした。 ・MRI等の安全固定は患者から離れる前に実施することを放射線科職員へ周知させた。 ・また放射線科マニュアルの変更を実施する予定。
障害残存の可能性なし
脳出血後、意識障害のある患者。ADL全介助。誤嚥性肺炎あり、気管内挿管にて酸素投与し呼吸管理していた。MRI検査のため、9L35%ベンチュリーマスクで酸素投与にて搬送。SpO298%、顔色良好。検査が終了したとの報告を受け、病棟看護師が迎えに行くと、酸素ボンベが空になっていた。顔面、四肢紅潮。速拍努力様呼吸、30回/分。当日はエレベーターが修理のため、従来の運用がされず、搬送に時間を要していた。検査終了の報告を受け迎えにいくまで、スタッフ間での連携がとれずに時間を要した。また、MRI終了後、ポータブルでオーダーされていた胸XPが、同階のXP室で撮影された。徒手補助換気を実施。帰棟後、9L35%ベンチュリーマスクで酸素投与。SpO291~92%。その後、ジャクソンリース加圧にてSpO299~100%。顔面、四肢紅潮消失。呼吸20~26回/分に改善。以降、10L50%ベンチュリーマスクで酸素投与し、経過観察となった。
スタッフ間の連携不足、情報の伝達不足、酸素ボンベの酸素供給量の把握不足、搬送患者に対する連続した検査の実施、オーダー依頼とは異なる検査実施、患者観察の不十分。
・連携を十分にとる(エレベーターの運用状況の周知、スタッフの誰かが迎えに行く体制をとる)。 ・情報伝達を十分に行う(患者の状況、酸素投与量、残量、モニタリングの有無など)。 ・酸素ボンベの酸素供給量の把握(酸素ボンベの酸素供給量表の作成・掲示、予備酸素ボンベの持参)。 ・重複した検査の見直し(搬送患者の場合、検査は単一とする)。 ・患者観察(検査実施前後の患者状態の観察、スタッフ間の意思疎通)。
障害残存の可能性なし
再梗塞を発症した患者が、内服薬に自己管理を行なっていたプラビックス錠75mgを確認すると内服忘れが3日分あった。再梗塞の原因が内服忘れと断定は出来ないが、可能性として何らかの影響はあったと思われる。
内服薬の自己管理。薬剤部の服薬確認不十分。
・患者ごとの内服ポケットという与薬ポケットを導入し、内服確認が容易に出来るようにした。
障害残存の可能性がある(低い)
リスペリドン錠、ピレチア錠、アロプリノール錠、アンデプレ錠を自己管理(1週間分)している患者。眠前薬の時間には熟睡しており、促したが覚醒しなかった。翌朝、患者が内服確認に来た看護師に、昨夜の日付の就寝前の薬を見せ、「昨日早くから寝てしまって飲んでない」と自ら伝えてきた。
確認手順が曖昧であった。
・確認サインの徹底必ず声かけして与薬を確認する。
障害なし
肺炎治療のため、プレドニンの内服を自己管理で行っていた。本人用の薬ボックスで患者が自己管理していた内服薬が、6日前に切れていたのを発見した。処方箋には小さい字でボックス管理されていることは記載してあったが、見逃されていた。患者は他の診療科から内服が出ていて、プレドニンの切れに気づかなかった。
多数診療科の内服薬があり患者も理解していなかった。自己管理薬剤に関しては曖昧な運用があった。
・処方箋に薬剤の位置を明確に記載する。 ・電子カルテ上付箋機能にプレドニン服用を明記する。
障害残存の可能性なし
夕食の与薬時、患者が自己管理の袋を持って来て、「夕食後に飲む薬がない」と言った。薬を確認すると毎食後に服用するクロザリル錠がVDSにセットされていた。カルテの医師指示票を確認すると毎食後になっており、前回処方と変更はなかった。本人へ謝罪しセットし直した。※事例内の「VDS」とは、vordemSchlafen(就寝前)の略と思われる。
処方箋と薬の照合確認不足。
・薬と処方箋の内容を確実に照合する。 ・ダブルチェックを徹底する。
障害なし
入院中の患者に内科外来にてプレドニン12.5mg/1×(朝)が13日分処方となった。受け持ち看護師Aは1週間分をセットし、残りはナースステーション内の残薬ボックスに保管した。翌週の定期処方日に受け持ち看護師Aが看護師Bに配薬業務を依頼した。しかし、依頼された看護師Bがプレドニンを1週間分セットし忘れたため、翌日から1週間プレドニン12.5mg/日が無投薬となった。患者は内服薬の自己管理を導入したばかりであり、薬袋をそのまま渡してしまったため、無投薬が1週間発覚しなかった。
原疾患の悪化の可能性が高く、無投薬との因果関係は明確ではない。無投薬の原因は依頼業務時の確認行為を忘れたことによりナースステーションで保管していたプレドニンがセットされなかった。
・必ず複数の人数で投薬内容を確認すること。 ・患者に薬の必要性を十分に説明し無投薬防止に協力を得る。
障害残存の可能性なし
糖尿病性腎症による慢性腎不全で、当院腎臓内科へ紹介となり、外来でフォローされていた。翌年3週間程度の入院を要し、その間ジルテック(1日10mg)を服用。退院時にはドライシロップが処方された。翌月、透析導入目的で再入院となった際、退院時処方を持参薬として持ち込まれ、その後院内処方へと切り替わる際に「ジルテック」から「ザイザル」へ変更。薬剤の性質上用量を半減しなければならなかったが、そのまま10mg(添付文書で1日最大10mg)を処方した。本来透析中の患者には禁忌とされている薬剤であったが、薬剤師もその認識が希薄であったため、疑義照会は行われておらず継続して服用した。外来透析可能として退院翌日、40度の発熱でER受診となり、感染による敗血症及び高度の白血球減少症と診断され、緊急入院となった。白血球減少の原因が敗血症によるものか薬剤の副作用によるものかは不明であるが、可能性を否定できない。抗生剤の投与により翌日には解熱し、全身状態は改善した。
変更後の薬剤が透析患者に禁忌であることの認識が希薄であった。透析により除去できると思った。
・腎不全患者への適切な薬剤量の確認を行う。 ・薬剤部での会議で事例報告、注意喚起を行う。
疾患の認識あり/禁忌の認識なし
障害残存の可能性なし
大腸ポリープ切除術目的にて入院。前処置としてニフレック、ラキソベロン液が処方されており、初回面談時に使用目的および注意事項について患者に説明を行った際に、患者から、以前に多量の液体の下剤を飲んで吐き気があったことおよび外来医から良い薬が出ているので大丈夫、と言われたことについて話があった。ビジクリア錠へ変更となったが、嘔吐があり、50錠中25錠のみ服用し検査は終了した。検査翌朝、急性高P血症が原因と見られるテタニー症状が出現した。
腎機能が低下していることは処方歴からも認識していたが、ビジクリア錠が重篤な腎機能障害のある患者に禁忌であることを認識していなかった。
・警鐘事例として院内周知を行った。
疾患の認識あり/禁忌の認識なし
障害残存の可能性なし
乳癌術後肝転移に対して、ホルモン剤を使用していたが、肝転移増悪のため、ティーエスワンを開始した。この際、腎機能障害があることを考慮し、ティーエスワンの量は80%とした。12日後、飲水困難・全身倦怠感にてティーエスワン中止。WBC:8100、CPR:3.40、外来にて抗生剤投与。その後39度の発熱あり、他院にて透析後、入院。DIC、間質性肺炎、重篤な粘膜障害を認めた。透析中にVT出現し、CPR施行(VT出現との因果関係は不明)ICU管理後、一般病棟に転棟。その後、感染症、粘膜障害に対する保存的治療を継続し、全身状態の改善を認め退院となった。
透析患者に対するティーエスワン投与禁忌の認識が不足していた。腎機能障害患者に対してはティーエスワンは減量と認識していた。
・使用薬剤について処方前、投与前に禁忌、および注意投与症例を確認する。
疾患の認識あり/禁忌の認識なし
障害残存の可能性がある(低い)