具体的内容
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| 背景・要因
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| 改善策
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| 記述情報
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values | 事故の程度
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values | 発生段階
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values | 実施の有無
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values | 疑義があると判断した理由
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values | 不具合の内容
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values | 専門分析班及び総合評価部会の議論
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values | 専門分析班・総合評価部会の議論
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values | 報告事例
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values | 吸入酸素濃度
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values | 訪問での専門分析班委員の主な意見
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values | 発生場所
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values | 人工呼吸器※
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values | 薬剤
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values | 誤った処方内容
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values | 患者の食物アレルギー
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values | 背景要因の概要
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values | 参照
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values | 研修医の情報
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|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
MR、ASの手術目的にて入院した70代男性。手術後、CCU、ICUへ入室し、集中治療管理を行っていた。術後約10日目13:50処置の為、体位変換したところCHDFのアラームが鳴り、機械が停止する。発見者が直ちに確認したところ、CHDF回路チューブの一部(フィルターと返血側チャンバー)が血液ポンプ部に巻き込まれていた。この時に入口圧上限警報が機械に表示されアラームが鳴りCHDFが停止となった。CHDFが停止した時間は1分以内であった。
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患者体位変換時ラインが引っ張られる可能性もある。このときはポンプ部に巻き込まれCHDFが停止したと思われる。ポンプ部にカバーやチューブラインを固定する器具があれば防げる可能性がある。
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・患者体位変換時は慎重にラインチューブ類を確認しながら行う。
・プライミングを行うときは、ラインチューブ類をポンプ部近くにないようにテープなどで張り付ける。
・メーカーに連絡し、ポンプカバーを取り付けるなどの改善をメーカーに求める。
・情報の共有化を図る。
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装置/装置の不具合
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障害なし
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患者は洞不全症候群・心房細動がありワーファリンを服用していた。定期的に歯科医師の診察を受けていた。右前歯2本にぐらつきがあり、抜歯の必要が生じた。歯科医師は患者のトロンボテストの結果が33%であるのを受け、抜歯を行った。止血状態が悪いため縫合止血したが、その後も出血が止まらず、同20時と23時に再縫合を実施した。その後、出血は治まったが、翌日の採血結果で貧血を認め、抜歯の際、MAP輸血やアルブミン投与を必要とした。確認した血液凝固機能の検査は半年前の結果であった。
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ワーファリン服用患者の定期的な凝固検査の未実施。歯科医師のワーファリン服用患者は凝固機能がコントロールされているという思い込み。医師間の連携不足があった。
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・服用薬剤に応じた定期検査の実施。
・処置・治療前の患者の状態に関する情報提供と情報交
換の徹底。
・院内に歯科がないため、外部に依頼、往診で診察を受ける状況であり、医師間の情報伝達がさらに不十分であったと考える。
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継続(同一薬剤)
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不明
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患者は、咳が悪化して呼吸器内科を受診した。発熱や鼻汁・鼻閉、喀痰はなく、逆流性食道炎の精査のために上部消化管内視鏡検査を予定した。ステント留置後でバイアスピリン、プラビックス内服中で、中止をしないでGIF施行とし、上部消化管内視鏡検査依頼用紙には生検しないように記載した。10時頃、内視鏡・超音波センター内視鏡検査室で上部消化管内視鏡を施行時に早期胃がんを疑う所見があり生検を実施しした。生検をした直後に生検は「禁」であったことを思い出した。生検部に明らかな活動性の出血はなかったが念のためにトロンビン5000単位散布し、止血を確認して検査を終了した。患者に黒色便や吐血など症状があればすぐに受診するように説明した。
|
上部消化管内視鏡検査依頼用紙にバイアスピリン、プラビックス内服中で生検しないように記載してあったことは知っていた。仕事が多忙で集中力が欠けていた可能性がある。
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・特殊な指示がある検査について表示を行い、意識化できるようにする。
・検査実施の部屋への表示や、他者による声かけや、実施前の確認を行う。
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継続(同一薬剤)
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障害なし
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右側舌腫瘍疑いにて口腔外科外来を受診した。担当医は舌の組織生検を行う旨を患者に説明した。外来主治医は組織生検を実施するにあたり、担当医の指示で血液検査を行った。その後、担当医と外来主治医の二人は、口腔外科外来手術室で患者の右側舌縁部から口底部にかけて組織生検を実施した。生検を実施する際、電子カルテ上で血液検査を確認したが、止血検査の値は検査中と表示されていたため生検を実施することとした。担当医は生検部位を絹糸にて3針縫合し、止血を確認後に患者に帰宅してもらった。3時間後、患者より、当直医に口腔内出血を認めるとの電話連絡があった。患者は救急外来に再来院し、口腔外科当直医と外来主治医が対応した。舌及び右側顎下部から頸部にいたる血腫を認め直ちに頭頚部の造影CTを撮影した。ワーファリン内服による凝固異常にて循環器内科対診し、ビタミンK及びFFPが投与された。その後、放射線科にて舌動脈の塞栓術が実施された。担当医及び外来主治医は、下肢静脈瘤の治療のため患者がワーファリン3mgを内服していることを認識していた。
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緊急に組織生検の実施が必要であると判断し、定例の事例検討が行われていなかった。担当医は、術前に検査値を確認したが、「検査中」を正常であると誤って認識し、組織生検を実施した。
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・確認を徹底する。
・症例検討を行っていない緊急の観血的処置や急患の対応は、外来の日勤責任者が対応することを確認した。
・外来の責任者が手術中の場合など、連絡困難の場合に備え2名があたることとした。
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継続(同一薬剤)
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障害残存の可能性がない
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入院中の患者に基礎疾患があるためワーファリン、バイアスピリン内服を行っていた。患者に対して手術まで2週間あったにも関わらず、抗凝固剤のヘパリン化を行っていなかった。そのため月曜日予定していた手術を金曜日に延期する必要があり、患者・患者家族はもとより麻酔科・外科に多大なる迷惑をかけた。
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記載なし。
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・チーム内の全員の各々がオーダーがでている事を確認する。
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継続(薬剤変更)
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障害残存の可能性がない
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重症大動脈弁狭窄症の手術の術前準備のため、血液血管外科に入院。開心術(弁置換術)に際して抗血小板剤は術中出血を増加させるため、抗血小板剤を中止してヘパリンに置換する方針とした。患者は認知症があり、輸液ルート自己抜去が予測されるため、ヘパリン皮下注製剤(カプロシン)を使用することにした。実際には1万単位/日の計画であったが、担当医師と病棟薬剤師が協議して投与量を決定した際、2人とも10万単位と思い込み、カプロシン10万単位/日/分4の計画で第1回目2.5万単位から皮下注射を開始した。翌日昼頃、看護師が患者の鼻出血及び採血部、皮下注部の止血困難に気づいた(開始から計7.5万単位施行)。主治医はAPTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)が測定不能であることを確認し、カプロシンを中止し、この時に過量投与に気づいた。同日17時30分頃ACTを再検査し、鼻出血及び採血部は耳鼻科的処置及び用手圧迫により止血傾向と考えられたため、耳鼻科医が診察し、止血処置をした。23時過ぎには口腔内にも出血を確認し、頭部CT施行したところ、右大脳半球にクモ膜下出血があった。この時点でのACTは低下傾向を示す247秒であった。早朝に嘔吐があり、せん妄様の増強傾向がみられたため、脳外科医がCT施行し、頭部の出血の増大を認めるた。ACTは195秒と低下。ICUへ転床し、せん妄症状の悪化と意識レベルが低下(JCS100)するため挿管し、人工呼吸管理とした。厳重モニター下にプロタミンと血小板の投与を開始し、腰椎ドレナージ施行。ドレナージ後に弱い自発呼吸の回復と血圧の降下がみられ、脳圧が軽減した。その後の頭部CTの結果では、出血の増大はなく、脳室もやや縮小していた。
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担当医師と病棟薬剤師の思いこみのため。当該病棟においては、初めての使用であった。薬剤師が調剤の際、用量についての疑義を行わなかった。注射を実施した複数の看護師も効能書きを確認しなかった。
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・調剤を行う場合には、「必ず薬剤師がチェックする。薬剤師が1人の場合には、少し時間をおき再度チェックする。」ことを徹底した。
・カプロシン及びヘパリンナトリウムなどの医薬品については、1回1万5千単位以上または1日3回以上の指示は医師に確認後に調剤することにした。
・薬剤の投与量について、複数の医師で確認することを徹底した。
・薬剤部では、新規採用薬品については、部内での薬品の効果、副作用等について勉強会を実施しているが、使用経験の少ない薬剤についても勉強会に出すこ
とにした。
・薬剤部で、使用経験の少ない薬剤は、調剤及び薬剤管理指導を行う際に、必ず「経験豊富な薬剤師に確認する」及び「薬剤情報を確認する」ようにした。
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継続(薬剤変更)
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不明
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EMR(内視鏡的粘膜切除術)施行するため、ワーファリン投与を中止しヘパリン投与を開始した後、患者が脳出血を発症した。
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ヘパリン開始後にAPTTが治療域以上に高値をしめしたが、担当チームでこの異常を把握していなかった。チームの医師が変更になっており、患者の情報について、共有と治療上の注意点の把握ができていなかった。
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・クリニカルパスを作成し、ヘパリン使用の標準化を行う。
・検査結果について、チーム全体でのチェックを行う。
・EMRなどの手術予定患者でもヘパリンなど抗凝固療法のリスク評価を適切におこなう。
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継続(薬剤変更)
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障害残存の可能性がある(高い)
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患者は、左肝内胆管癌疑いで当院入院。心房細動に対してプラザキサ内服中であった。ERCP検査のためプラザキサ中止し、ERCPを施行した。翌日胆道出血がないことを確認し、内服を再開した。深夜0時頃と1時前後に体位調整やドレーンルートトラブルに医師・看護師が対応した。その際は四肢の動きは問題なく、会話がややかみ合わない状況があった。その後の1時間ごとのラウンド時は入眠中であった。早朝6:50、患者が覚醒しトイレに行くためにベッドサイドに立とうとして転倒した。左上下肢片麻痺あり。直ちに脳外科へコンサルトして頭部CT施行、右内頚動脈閉塞による中大脳動脈の広範な脳梗塞を認めた。脳梗塞発症後に6時間以上経過していたことが推定されたため、血栓溶解療法は行わず、保存的加療(エダラボン60mg/day、グリセオール点滴)を開始した。保存的治療と抗凝固療法にて経過観察。左上下肢麻痺は持続し、リハビリ継続のため転院となる。
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プラザキサ中止後のヘパリン置換を行っていなかった。
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・プラザキサ単剤内服の場合は、日本消化器内視鏡学会の抗血栓薬服用者に対するガイドラインに沿って、入院日より抗凝固薬を休薬し、ヘパリンを開始。(体格に応じて1万~1万5千単位/日で開始、翌日APTTをチェックし1.5~2.5倍になるように設定)。
・内視鏡治療6時間前からヘパリンを中止し、主治医の特別な指示がない限り、治療翌日から抗凝固薬内服を再開する。
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継続(薬剤変更)
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障害残存の可能性がある(高い)
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血液透析実施中、開始から2時間45分経過後、患者及び他患者の透析機器を点検中、気泡アラームが鳴り、自己抜針していることが分かった。
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患者は過去に自己抜針を行った経験のある患者であったが、その情報が共有できていなかったことが要因である。
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・自己抜針を行った患者に対する透析に当たっては、自己抜針のおそれが分かる記載を表示し、病棟が変更しても職員に患者の自己抜針の情報が共有できるよう連携を密にするよう指導した。
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意図しない抜針/患者による自己抜針
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透析中、穿刺部位を確認するときに、右手背のロックルートが、抜けているのを発見する。本人は入眠しており時折、寝返りをしていた。ルート部位を触ったか問うと「憶えていない。そんなのあった?」と答える。刺入部より出血はみられなかった。
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入室時に留置物の確認が不足したため、透析中の留置物管理が十分ではなかった。
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・入室時には患者の留置物を確認し、透析施行中も定期的に観察する。
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意図しない抜針/自然抜去
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透析のため、医師が穿刺、介助者が留置針のテープ固定を行った。その後、看護師から刺入部から出血しているとの連絡を受け、針先の調節を行っている際に静脈側留置針を予定外に抜針してしまった。
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穿刺した際の留置針の刺入が浅い印象であり、静脈圧が適正であったためテープ固定を施したが、常に観察できる状況になかったことが要因である。
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・透析センター以外の職員で管理することを極力避け、透析施行中の針先などの調節を必要とすることから、透析スタッフ管理の下で行うように改善を図った。
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意図しない抜針/医療者による意図しない抜針
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透析開始後、患者からのナースコールで訪室した。静脈穿刺部から血液流出があり、穿刺部の処置を行う際、予定外の抜針となった。
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穿刺針が浅いと患者からの指摘があり、当初から挿入部よりじわじわ出血していたが、再挿入やテープの再固定をしなかったことが要因である。
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・予定外抜針の再発防止に向けて、テープの固定強化や再固定など観察だけに頼ることがないように指導した。
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意図しない抜針/医療者による意図しない抜針
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定期的に行っている血液透析中、返血側を右手手背静脈に穿刺していたが、静脈圧が上昇したため針を引き気味にすると、下降したため、その場所で看護師が固定した。針先を調節して固定したテープが指にかかっていたため、患者が屈曲させたとき針が引っ張られて抜けかけてしまい、漏血したと思われる。漏血したのを臨床工学技士が発見した。
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テープ固定の場所が不安定な場所であるため、確実な固定が必要であったが怠った。
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・固定テープを大きくして確実に固定する。・指にかかるような場合は屈曲させ、固定に影響がないか確認し、確実に固定する。・危険がある場合は、一人で判断せずに他の人に確認してもらう。
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意図しない抜針/医療者による意図しない抜針
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患者は、末期腎不全にて尿毒症が出現している状況で入院した。慢性腎不全については右大腿静脈へ血液透析用中心静脈カテーテルを挿入し血液透析を導入とした。動脈縫合術後の経過は良好であり、左前腕に内シャント造設術を施行した。内シャントの血流は良好であった。末期腎不全に対する緊急透析の準備のため、血液透析用中心静脈カテーテル挿入術を超音波ガイド下により右内頸静脈に施行した。この際、内頸静脈ではなく血液ガスの分析により、右内頸動脈に誤挿入されていることが判明した。直ちに脳神経外科医師へ相談し、脳神経外科医師より手術で動脈吻合術が必要であることを家族に説明された。翌日中心静脈カテーテルの抜去および動脈吻合術が施行された。手術中、右内頸動脈に挿入された中心静脈カテーテルが右鎖骨下動脈に挿入されていることが分かったため、心臓血管外科医師に応援を依頼し、中心静脈カテーテルの抜去および血管吻合術が施行された。
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手技的には腎臓内科で作成している通常のプロトコールに準じて施行しており、また安全を期するため超音波ガイド下で行った。外套からの逆血がなぜ弱かったのかは原因不明であるが、超音波でガイドワイヤーが静脈内にあることを確認して手技を進めており、やむを得なかったと考えている。中心静脈カテーテル挿入術は、常に動脈を傷つけるリスクのある手技であり、患者本人に前もって同意をとって施行してた。またその後の対応も行っている。ただし、緊急時の中心静脈カテーテル挿入術は可能な限り大腿静脈に設置すべきと考え、診療科内でも周知徹底した。
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・中心静脈カテーテル挿入術を緊急に施行する場合は、何らかの理由で大腿動脈が使用できない等の理由がない限り、大腿静脈への中心静脈カテーテル留置とする。・中心静脈カテーテル挿入術を施行する際は、できるだけ多くの上級医とともに手技を行う。・中心静脈カテーテル挿入の際には動脈への誤挿入の危険性があることを再度全員で確認し、さらなる注意に努める。
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バスキュラーアクセス/穿刺時/部位間違い
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障害残存の可能性なし
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血液透析施行開始時に左上腕の人工血管に対して透析針の穿刺を上級医である当事者の指導監視下で、研修医が施行したが、脱血側および返血側ともに穿刺を失敗した。そこで、上級医である当事者に穿刺を交代し、脱血側および返血側ともに穿刺施行し血管確保を得た。ただし、研修医による脱血側の穿刺部位に明らかな腫脹は認めなかったが、血管外漏出予防のため同部位のベルト圧迫を透析中に行った。血液透析開始し、透析中も全身状態に問題なく透析を終了したが、透析終了後の体重測定後に左上腕の人工血管周囲の腫脹を発見した。そこで、速やかに、穿刺部位を用手的に圧迫し約20分間止血を行った。その後、腫脹の拡大がないことを肉眼的に確認して、約30分間止血ベルトで圧迫止血を行ったが、ベルト圧迫解除後に人工血管のシャント音を確認したところ、シャント音を聴取せず人工血管の閉塞を認めた。人工血管に対して狭窄部位のPTA施行および静脈流出部位の閉塞に対してステントを留置し人工血管の再開通が得られた。
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臨床経過から、人工血管周囲の腫脹部位より研修医による脱血側穿刺時にグラフト損傷があったが、ベルト圧迫により透析中は血管外漏出が軽微に留まっていたが、透析終了後の用手的止血が結果的に不十分であり血腫拡大を誘発したと推測している。
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・もともと人工血管の穿刺困難はあったが、穿刺技術の向上を上げることが必要である。
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バスキュラーアクセス/穿刺時/損傷・出血
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障害残存の可能性なし
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透析2時間30分経過したところでコンソールの静脈下限アラームが鳴り、患者の所へ行くと返血ルートが抜針した。テガダームがついていた為か急には下降せず、約100から200mLの出血により、患者の意識レベルが低下した。緊急に脱血側よりゆっくり返血した。ブミネートを点滴し、意識レベル改善する。当日はCCUへ入室しナイアガラカテーテルを挿入し輸血する事となった。
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透析途中にトイレまで車椅子で行き、トイレの後テープ固定し直しており、抜針7分前に左側臥位になった時もテープ固定、ルートなど再度確認していたにも関わらず、抜針した。
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・体動の多い患者には頻回の観察と確認を行う。・針の固定方法をテガダームと絆創膏ではなく、リボンテープを用いて×結びをし、針挿入部位をケーパインで固定する方法に変更する。
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バスキュラーアクセス/治療中/意図しない抜針
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障害残存の可能性がある(低い)
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穿刺針に透析用回路セットルアーロックをしっかり接続し部分絆創膏固定をした。上肢シーネ固定をした。定時観察した後の約15分後、患者のレベルが下がっており、確認したところルアーロックが緩み出血していた。
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透析のマニュアルはあり知識は得られていたが、指導者の観察視点が決められておらず、指導者の力量に任せられていた。機械等およびバイタルサインのチェックはしたが刺入部、接続部各種のチェックが確実でなかった。透析看護師の新人受け入れの機会が少なかった。
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・新人指導時の安全確認チェックリストを作成する。・チェックリストに基づいた安全確認をする。
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バスキュラーアクセス/治療中/バスキュラーアクセスと回路の接続はずれ
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障害なし
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透析終了時、静脈側穿刺針が抜けず、医師の手技で抜針した。穿刺針先端が5mm程度短かかった。前腕から鎖骨下までエックス線撮影したが、先端は分からなかった。事故状況を患者・家族に説明し、異常があれば来院することを説明し帰宅した。翌透析日に穿刺部に異物が触れたため外科的に除去した(皮膚直下に遺残している穿刺針先端を局所麻酔下で除去した。皮膚は1針のみ5-0ナイロンで縫合した。)。
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穿刺時内針を再挿入したことによる外套が破損した。先端が人工血管を突き抜けて皮下に遺残した。穿刺時の手技について明確にルール化されていなかったことによる、手技の不統一もあった。
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・穿刺時に内針を再挿入しないことを再確認する。・穿刺手技の安全性見直しとルールの再確認をする。
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バスキュラーアクセス/抜去・抜針時/カテーテル破損
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障害残存の可能性なし
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
右鼠径部より透析用カテーテルを留置した。挿入はスムーズで透析用カテーテルを用いて透析を行った。穿刺部からの少量の血液の滲出が続いた。単純CTではカテーテルは静脈内に留置されていたが、穿刺部からの血液の滲出は持続し、挿入部での動脈穿刺の可能性が考えられた。左鼠径部に透析用カテーテルを入れ替え、右鼠径部の透析用カテーテルは抜去した。抜去時出血が多かったため、造影CTを施行した。CT所見上、右鼠径部で右浅大腿動脈と右大腿静脈が動静脈瘻を形成していることが判明した。留置カテーテルが右浅大腿動脈を貫いて右大腿静脈に挿入されていたと考えられた。経過観察、動静脈瘻は改善された。
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穿刺前に超音波で動静脈の位置確認は行っており、本穿刺した際も問題なかったが、おそらく右浅大腿動脈の左側壁を一部かすめて穿刺しており、その後の拡張操作で動脈を貫通して静脈にカテーテルが挿入されたと考えられる。
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・透析用カテーテルを挿入、留置する際は試験穿刺、本穿刺、拡張操作時の血流流出および動脈性の拍動がないかを注意深く観察する。
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静脈カテーテル/動脈と静脈の間違い
|
障害残存の可能性がある(低い)
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胃癌の手術後に栄養状態が不良となり消化器外科へ入院後、低リン血症によるCOナル2コーシス状態となり、人工呼吸器管理で改善を行った。血液透析も実施していたが、内シャントが閉塞し、左鼠径部より透析用カテーテルを挿入、留置した。経口食が摂取不可能で、高カロリー輸液も必要であった為、トリプルルーメンカテーテルを用いた。9日後にその刺入部の感染症状が出現した為、反対側の右鼠径部へ同じ種類のカテーテルを入れ替えた。さらに2日後の血液透析時にルートが閉塞(透析液の注入が出来なくなった)したため、ガイドワイヤーを用い、新しいトリプルルーメンカテーテルを入れ替えた。その後は問題なく経過していたが、入れ換えから2週間後に患者が、腰痛、腹痛を訴えた。CT撮影を行ったところ、カテーテルが、下大静脈ではなく右腰静脈に留置され、右腸腰筋の血腫、膿瘍、または点滴内容物の貯留を思わせる所見が認められた。直ちにカテーテルを抜去したが、血液データ上の強いアシドーシスと筋肉融解所見を示す値(CPK>2000)が確認され、カテーテル抜去後、2日目に死亡した。家族へは事実と病理解剖の必要性を説明したが、同意を得られなかった。
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患者は、2年前にも原因不明の左腸腰筋血腫が確認されていたが、カテーテル挿入時の実施者の手技として困難感など無かった。床上安静であったが自力での体動は不可であった。カテーテル挿入は、病室で行い、ポータブルエックス線写真撮影を行ったが、正面側のみの撮影で確認した為、留置血管は大腿静脈から総腸骨静脈であると判断した。側面からの撮影を行っていれば、発見できた可能性はある。非常にまれな事例と考えるが、病理解剖が行われていない為、点滴内容物の貯留なのかどうか不明である。ポータブルエックス線写真撮影時に側面からの撮影は難しい点があるが、撮影方法としてのステレオ撮影であれば可能かもしれない。しかし、このような事例は透析部門での経験がなく、当該事例を教訓として今後の診療にあたっていく。
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・カテーテル挿入後のエックス線確認方法を一律に正面とするのは問題発見が遅れる可能性があることを認識する。・高カロリー輸液を透析ルートと共に使用することは危険であると考える為、今後は行わないようにする。
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静脈カテーテル/留置すべき静脈の間違い
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死亡
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右内頸静脈上大静脈流入部の完全閉塞があり、左内頸静脈より長期型バスキュラーカテーテル(ソフトセル)を透視下で留置を行った。ガイドワイヤーを上大静脈まで留置し、血管走行を確認し、最終的にカテーテルを留置しようと試みたところ、透視下でカテーテル先端が上大静脈より縦隔内に進入した可能性が示唆された。このため造影剤をカテーテルから注入したところ血管外漏出を認めた。その後カテーテルを抜去し、再度血管造影を行ったが、新たな血管外漏出は認められなかった。尚、状態評価目的に胸部単純CT検査を施行した。病変は縦隔内であり、まずはバイタルサインの変動、貧血進行を経時的に追っていく方針とした。
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高度全身浮腫につき、当初からバスキュラーカテーテルの留置困難が予想されたため、超音波ガイド下に内頸静脈穿刺を行い、透視下でガイドワイヤーによりバスキュラーカテーテルの留置を試みた。血管造影上、右内頸静脈から上大静脈流入部が閉塞しており、高度全身浮腫があったため両鼠径の大腿静脈からの留置が困難であった。よって左内頸静脈からバスキュラーカテーテルを留置することになったが、短期型バスキュラーカテーテルはカテーテル自体が固く左内頸静脈からの挿入は縦隔穿破をする危険が高く禁忌とされる。よって長期型バスキュラーカテーテル(ソフトセル)の留置を試みたが、高度の全身浮腫、肥満があり、手技を行うスペースが充分とれなかったこと、術者同士の充分な確認を怠ったことが今回のアクシデントを生じた要因と考えた。
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・今回のアクシデントは、カテーテルを進めていく際の確認が充分でなかったと考える。・基本的ではあるが、透視下でカテーテルを進める際は、数人で確認しながら手技を施行するよう徹底する。
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静脈カテーテル/静脈より縦隔への進入
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障害残存の可能性がある(低い)
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10時30分ごろ、透析施行のため看護師Aが、前腕部のシャント穿刺を行ったが、動脈側より脱血がなかったため、再度穿刺したが脱血を認めなかった。そのため、静脈側の脱血が良好であったため、静脈側を動脈脱血に使用し、静脈返血のための血管を、上腕に確保することにした。看護師Aが手で駆血し、看護師Bが血管を確認した。動脈性の拍動がなかったためシャント走行血管(静脈)と思い、テフロン針で穿刺し固定した。その後、透析回路に接続する際に穿刺部を確認したところ、上腕腫脹を認めた。血管漏出と考え、圧迫止血のため、止血タンポンを準備している間に、さらに腫脹が増大したため、テフロン針を抜針し、ガーゼで圧迫止血した。圧迫止血後も上腕腫脹が増大、腎臓内科医師より血管外科医師にコンサルト、医師にて圧迫止血を試みたが、透析にてヘパリン投与されており、2時間圧迫後も止血できなかった。医師より、患者および家族へ、動脈誤穿刺のため、出血による上腕腫脹を認め、緊急手術が必要なことを話し、止血術施行となった。
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全身浮腫があり、特に上肢浮腫が強かったため、血管確認を行ったが動脈性の拍動がなかった。看護師2人で血管の確認を行ったが、シャントによる走行血管(静脈)と思いこんだ。高度の浮腫、肥満さらに左内頸静脈からのカテーテル留置を要した症例であり、縦隔穿破を起こしにくい長期型バスキュラーカテーテル留置を試みた。
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・穿刺に不安を感じた時には、必ず医師に確認をする。
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内シャント/動脈への穿刺
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障害残存の可能性がある(低い)
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当院に転院され、入院当日より透析が行われた。左上肢で行われたが穿刺困難な状況にあり、通常穿刺してはいけない吻合部に穿刺した。その後、体動などあり、軽度の腫脹が見られたため、刺し換えを行ったがこの際、透析を継続した。終了時、病棟看護師に当初に刺して腫脹した吻合部の止血が困難な状況にある旨を伝え止血状態の観察を依頼した。翌日腫脹は軽度持続されていたが、透析前後の腫脹の増強なく、透析を終了した。透析後3日目病棟看護師より腫脹部の増強と熱感があることを外科医師に報告する。患部の冷罨法を行い、別ルートを確保し透析は行われたが、採血結果で貧血が進んでおり、皮下出血が考えられることから輸血を実施した。
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入院当日からの透析であり、前医からの情報はあったが、患者把握には情報不足であったが、再確認せず実施した。再穿刺の際も穿刺部位の確認不十分のまま刺した。
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・他院からの情報で不明な点は、再確認し十分な情報を得た後に患者に関わる。・穿刺トラブル時の対応マニュアル作成、再学習して対応する。・病棟との連携を密にし患者の情報交換を行っていく。
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内シャント/吻合部への穿刺
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障害残存の可能性なし
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透析開始時、16Gの穿刺針で穿刺したが、困難であった。一時抜針したところ、プラスチック針(外套)の先端が2mm程度切れて患者の体内(皮下)に残留した。泌尿器科医師へコンサルトとなり、超音波にて残留針を確認後、同部位を皮膚切開し、残留した留置針の外套部分を切開・抜去した。
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透析開始時の穿刺を、その部署に配属されてまだ間もない2年目の研修医単独で行っていた。看護師は近くにいたが、別の処置をしていた。研修医が穿刺時は上級医が付くように部署内の申し合わせではなっていたが、上級医は少し離れた別の患者の穿刺をしていた。穿刺針は、一旦金属内針を外套(プラスチック)から抜いた場合は、そのあと外筒に内針を戻さないようにしなければならないところを、何度も戻していた様であった。研修医の教育が十分ではなかった。
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・透析開始時、研修医単独で穿刺は行わないよう、周囲が気づき、声かけをする。・介助についた際は、内針を抜いたあと外套に再度戻すような手技が見られた場合は、その前に説明し、即抜針する。・研修医の全体研修時に定期的に静脈留置針の扱い方について説明する。・部署内の医師のバックアップ体制、指導教育体制を守ってもらうよう徹底する。
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外套/部分的な破断
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障害残存の可能性なし
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血管移植術バイパス移植術を受けた。人工血管に留置針を2本挿入し透析を開始した。2時間後、透析が終了し、看護師が外套を抜去した際に、先端2cmの欠損を発見した。
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手術後まもなくで、人工血管の穿刺部位に制限があり、穿刺針の距離が近く、金属内針で外套が切断された。人工血管に穿刺した場合、外套が損傷しやすく、少しのきっかけで外套が欠損する可能性は、一般のシャント血管に比べて高いと思われる。
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・穿刺部位並びに穿刺の順番を考える。・人工血管を穿刺する場合、捻らないこと、抵抗があれば直ちに再穿刺することを遵守する。・穿刺針が触れ合わない部位を選ぶ。
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外套/部分的な破断
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障害なし
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救急ICUにて透析用のカテーテルを挿入する際に、もともと入っていた中心静脈用カテーテルを利用しようとした。中心静脈カテーテル切断部からガイドワイヤーを挿入しようとしたところ、バスキャス用ガイドワイヤーが太く挿入しづらかったため、力が入り手が滑った。カテーテルが血管内に入り込んでしまい、直ちに刺入部から鉗子で取り出そうと試みたが、取り出すことができず、放射線科にアンギオ室で摘出してもらった。
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医師が過労のため体調不良であり、注意力が落ちていた可能性が高い。手技的には難しいものではなく、本来間違うはずのない行為が比較的ベテランといえる中堅医師によってなされてしまった。手が滑ったと思われる。
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・カテーテルを入れ替える際に、違う種類のカテーテルを使う場合、ガイドワイヤーを使用した交換は避けた方が賢明と思われる。
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ガイドワイヤー/迷入
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障害残存の可能性がある(低い)
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患者は右足趾壊疽で右足趾切断術後であった。週3回血液透析を受けていた。血液透析中、時々起き上がる行動があったが、透析中であることを説明すると臥床でき、穿刺部に触れることはなかった。10時40分、「寒い」と布団をかぶり穿刺部の上肢も布団に覆われていた。10時50分、穿刺部周囲とベッド下の多量の血液に気付いた。返血部の針が自己抜針されていた。針、チューブのテープ固定は通常より多くの箇所を固定していた。穿刺部は包帯で保護していたが、前腕部の包帯は除去されていた。
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今まで刺入部の固定保護は問題なく血液透析を終了していたため、危機意識が低下していた。患者のベッドのすぐ隣で、腹水濾過濃縮再静注法の説明を受けていたため、患者の動きに伴う物音で直ぐに駆けつけ、対処できるという油断があった。透析室スタッフ全員が一緒に腹水濾過濃縮再静注法の説明を受けていたため、常時患者の状態が観察できていなかった。返血用の針のみが抜針されたため、急激な圧低下にはならずアラームが作動しなかった。穿刺部の腕が布団の中だったため、目視できなかった。
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・透析治療中は、常時2人以上で観察する。・穿刺部の状態が目視できるように布団などかけずに、バスタオルなどで覆っておく。・認知行動がある患者は、病棟側からの申し送りやカルテの記載内容から問題、情報を共有する。・漏血シートを使用する。
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患者による自己抜針
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障害残存の可能性がある(低い)
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患者は病棟の個室で、人工呼吸器で呼吸管理され、心電図モニタを装着していた。患者の意識レベルはII-20~II-30で変動しており、スタッフとのコミュニケーションは十分に取れない状況であった。事故発生当日、担当技師は病室へ行き、透析装置および使用器材の準備を行い、約10分後、血液浄化療法科の医師が治療条件指示を確認した後、穿刺をおこなった。技師が介助し、血液透析を開始した。穿刺部位は両腕の肘部表在化動脈で、動脈側は末梢側へ向け、静脈側は中枢側へ向けて穿刺針を幅の広いテープで固定、血液回路と穿刺針との接続部1箇所と血液回路を2箇所、計3箇所を固定した。治療は、血液透析濾過法(HDF)4リットル交換を3時間の予定で開始した。治療中、バイタルも安定していたが、透析開始50分後頃に人工呼吸器が血中酸素飽和度低下、呼吸器アラーム(一回換気量低下)を報知したため、看護師Aが訪床し、警報を解除するとともにベッドサイドで痰の吸引作業を開始した。その際、担当技師はベッドの足もと付近で待機していた。痰の吸引作業をし間もなく、別の看護師Bがセントラルモニタの心拍数が50台まで低下した警報音に気づき訪室した。看護師Bが上半身の掛け毛布をめくり、返血側の穿刺針が左上腕部付近に脱落しパジャマ、シーツに血液が付着しているのを発見した。直ちに技師が、除水を停止、回路内血液を返血するため鼠径部に留置されているトリプルルーメンカテーテルに返血側の回路先端部を接続し、返血を進めながら病室内の看護師Bに医師を呼ぶよう依頼した。複数の医師が駆けつけ救命処置を行った。
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透析装置と人工呼吸器、ベッドの配置など治療に適した環境が整備されていなかった。バスキュラーアクセスとして鼠径部にカテーテルが留置されていたが、採血側、返血側ともに両腕の肘部表在化動脈に穿刺していた。穿刺部位の固定部に力がかからないように血液回路をループ固定していなかった。毛布で穿刺部位を覆っていたため出血を確認できなかった。(回路の不可視化と、毛布の重みで回路に引っ張る力が加わるため)ベッドサイドでのケア、痰の吸引等の処置を行ったときに血液回路に負荷が加わった可能性が考えられる。透析を受ける患者の看護に対する知識不足により、穿刺針の挿入部を掛け物で覆ってしまい、穿刺針の脱落及び出血の発見が遅れた。心電図モニタの設置場所が看護師の背後にあり、吸引操作中に監視できていなかった。
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・透析指示があった場合、事前に透析部門医師・臨床工学技士・透析認定看護師・診療科医師と病棟看護師は、患者情報の共有を行う。・出張透析を行う環境を見直し、ある程度の広さ、看護ステーションとの距離などを調査し、あらかじめ各病棟ごとに出張透析を行える個室を選択した。・表在化動脈をアクセスとするときは穿刺方向、固定など穿刺部位でのトラブルに十分な配慮を行う。・穿刺部を布団などで覆う行為を禁止し、常に直視下で監視できるようにする。・体動の多い意識障害患者などの高リスク患者では出血センサの導入なども検討する。
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患者による自己抜去の可能性がある
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死亡
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透析2時間30分経過したところでコンソールの静脈下限アラームが鳴り、患者の所へ行くと返血ルートが抜針していた。テガダームで固定していた為か急には下降せず、約100から200mLを出血し、患者の意識レベルが低下。緊急に脱血側よりゆっくり返血した。ブミネート点滴し、意識レベルは改善した。当日はCCUへ入室しナイアガラカテーテルを挿入し、輸血する事となった。
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透析途中にトイレまで車椅子で行き、トイレの後テープ固定し直しており、抜針7分前に左側臥位になった時もテープ固定、ルートなど再度確認していたが、抜針した。
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・体動の多い患者には頻回の観察と確認を行う。針の固定方法をテガダームと絆創膏ではなく、リボンテープを用いて×結びをし、針挿入部位をケーパインで固定する方法に変更する。
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自然抜去
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障害残存の可能性がある(低い)
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患者の外来受診時に白内障手術の入院申し込みを行った。その際、患者から「ワーファリンは休薬した方がよいか?」と聞かれたため、「循環器内科の医師から休薬の許可が出れば休薬した方が無難ですが、休薬は必須ではありません。また内科の医師に聞いておいて下さい」と説明し、対診依頼は出さなかった。その後、外来受診はなく3ヵ月後に患者は入院となったが、1週前からワーファリンを休薬しており、入院時のPT(INR)が1.28となっていた。患者本人に話を聞いたところ、ワーファリンの休薬について循環器医師に相談せず、自己判断で中止したとのことであった。
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患者が自己判断でワーファリンを休薬することを想定しなかった。また、後で分かったことだが、本患者は納豆が大好物で、ワーファリン服用中に納豆が食べられないことがずっと不満であった。今回の眼科医の「休薬した方が無難」という発言をワーファリンを休薬すれば納豆を食べることができると解釈して、循環器医師に相談せずにワーファリンを休薬して、大好物の納豆を思う存分食べていた。
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・抗凝固剤に限らず、眼科手術の際に休薬が望ましいと思われる投薬が他院または他科からなされている場合は、必ず当該主治医に連絡の上、休薬の可否について相談する。・文面でのやり取りを基本とするが、それが不可能な場合、相談内容とその結果を眼科主治医がカルテに記載する。・休薬については、患者本人に対し、自己判断で休薬することはしないように説明し、曖昧な発言はしないようにする。・抗凝固剤の休薬については、白内障手術及び薬物硝子体内注射を行う場合は、抗凝固剤の休薬を行わない。以上のことを、週に1回行われる医局会(眼科医師、眼科検査員、病棟師長、病棟主任、外来師長が出席)で、当該症例についてのプレゼンテーションを行い、周知徹底した。
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中止
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障害なし
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狭心症、CABG後で、抗凝固剤(バイアスピリン、プラビックス)を服用していた。バイアスピリンは、1ヶ月前より服用を中止していた。プラビックスも中止を指示していたが、一包化された薬剤の中に入っており、中止されてなかった。生検前に抗凝固剤、内服の有無を薬剤手帳で中止になっていることを確認した。膀胱鏡による膀胱生検を実施し、生検後に少し出血が多いと感じたが、抗凝固薬は中止になっていることもあり、自然に止血すると判断した。生検後に帰宅した患者から、夕方より尿が出ず、粘りのある出血があると電話があり、受診を指示した。診察を行い、膀胱タンポナーデと診断し、バルンカテーテルを留置、膀胱洗浄を行いコアグラを大量に排出し、持続膀胱洗浄で、血尿は一旦改善した。再度、薬剤手帳を確認した際に、一包化の記載がありプラビックスが含まれていた事に気がついた。しかし、患者に薬局でプラビックスを除いてもらった事を確認した。血尿が増悪したため、手術室で経尿道的電気焼灼術を施行し、3WAYバルンカテールを留置し、持続膀胱洗浄を継続した。翌日、薬剤科に持参薬確認をしてもらうと、プラビックスは一包化がされたままであり、抗凝固剤を内服していたことが発覚し、プラビックスを中止した。1週間後に軽快退院した。
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易出血性の血管を摘んでしまい、通常は止血しうるが、抗凝固剤が継続されており、出血が止まりにくかったために、膀胱タンポナーデになったと思われた。
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・細心の注意をはらいつつ施行するが、完全に防止はできないと思われるので、十分なICと迅速に対応していくことが重要である。・今回の生検は、抗凝固剤の内服中でも行う検査ではある。抗凝固剤の内服の確認は、お薬手帳で2度行ったが、患者の年齢等を考えるとその場で現物の確認が望ましい(外来薬剤師の配置を望む)。・抗凝固剤内服下の患者に生検を施行した場合は、生検後の出血が強ければ経過観察入院も考慮する。
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中止
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障害なし
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手術予定。抗凝固剤服用中にて、2週間前に内服中止となる。一包化していたため、薬剤部に抗凝固剤を抜いて貰うように依頼した。抗凝固剤を抜いた状態で薬剤部より薬が届き、確認せずそのまま術前まで内服させた。術後に薬が再開となり、再度薬の中身を確認したところ、抗凝固剤が0.5錠入っているのが発覚した。
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他の病棟から転棟した患者であり減量になった薬剤を申し受けており、確認していると思った。一包化されている薬の個数の確認をしなかった。薬剤部で確実に減量されていると思い込んだ。減量を依頼する際に、薬剤情報を添付せずに依頼した。
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・マニュアルを遵守する。
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中止
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障害なし
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7年前に他院で腎移植を行った患者が、PSA高値となったため、腎生検で移植腎組織診断と同時に前立腺生検を行う予定だった。入院後、病棟で患者の持参薬確認を薬剤師が行った。その日は通常の病棟担当薬剤師ではなかった。リーダー看護師は持参薬確認を行った薬剤師に患者の入院目的を伝え忘れた。患者の担当看護師は検査前の準備に入り、腎移植チームの医師から依頼された一般泌尿器科医師がサドルブロックを実施した。ブロック後に担当看護師が、持参薬確認用紙を見て、患者がバイアスピリンを休薬していないことがわかった。担当医師に連絡し、生検は延期となり、患者は退院となった。
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主治医は外来で免疫抑制剤の指示に気を取られ、また前立生検と腎生検を同時に行うため多くの書類作成が必要で、多忙だったため、バイアスピリンの休薬を忘れた。外来看護師は主治医から何も指示がなかったことと、患者から「抗凝固薬は飲んでいない」という返答を信じ、処方画面を確認しなかった。病棟で薬剤師は入院目的を自分で確認しなければならないとは思っていなかった。病棟でサドルブロックを実施した医師は、依頼された医師から注意事項を何も言われなかったため、そのまま実施した。
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・生検で入院する患者は、入院前の外来で医師・看護師が必ず処方画面を確認する。・患者が抗凝固薬について分かりやすい案内用紙を作成する。・病棟では、医師・看護師・薬剤師が相互に患者の入院目的を確認し合い、持参薬確認表を確認する。・電子カルテシステムで抗凝固薬については色に変化を付ける、またはアラート機能がつけられないか検討する。・手術チェックリストに「抗凝固薬・休薬の有無」チェック欄を設ける。
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中止
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障害残存の可能性がある(低い)
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患者は、僧帽弁狭窄症、三尖弁閉鎖不全症の手術ため、手術予定日の1週間前に入院した。しかし、入院日に患者の手術は、他患者の手術状況から、当初の予定日より3日後に行われることが決まった。患者は、朝食後にワーファリン4mgを服用していた。当該部署では、通常ワーファリンを服用している心臓手術患者は、手術予定の1週間程前に入院し、入院日に薬の中止が指示され、ヘパリンが投与されていた。患者の担当医は、入院時に手術が延期になったため、ワーファリン内服は指示あるまで継続すると指示した。そのため看護師は、中止の際は指示が出ると思い、与薬時に指示を確認し、他の薬と一緒に一包化されたワーファリンを与薬していた。麻酔科医師は、変更された患者の手術は月曜日だったため、手術3日前の金曜日に患者を訪問した。麻酔科医師は、患者のカルテをチェックした際、カルテ上でワーファリンが中止されていないことを認識した。しかし、麻酔科医師は、心臓手術の際は抗凝固剤を停止するのは常識であり、カルテの記載がないだけで、中止されているだろうと思い、担当医に薬の中止を確認しなかった。手術当日の朝、カルテを再確認した麻酔科医師は、薬が中止された様子がなかったため、手術室看護師に病棟への確認を依頼した。手術室看護師は、8時30分ごろ、患者を手術室へ案内した病棟看護師と担当医に、ワーファリン中止を確認した。担当医が病棟リーダー看護師に確認したところ、入院3日目に指示すべき薬剤中止指示が出ておらず、ワーファリンは手術前日の朝まで服用されていた事が判明した。担当医、執刀医と麻酔科医師が協議を行い、止血検査の結果(APTT:143、PT:23、INR:2.31)、ケイツー40mgとFFPの投与を行い、予定通り手術が行われることになった。手術は止血状態を確認しながら行われ、血圧110~80/50~40mmHg、脈拍60~70回/分で経過した。手術中の出血量は、ガーゼ420g、吸引50mL、セルセーバー850mL(うち返血250mL)、輸血量はRCC1,400mL(うち人工心肺充填8単位)、FFP1,440mL、血小板400mLであった。手術は、14時30分に終了し、患者はICUに入室した。術後ドレーンからの出血が2時間で1,000mLあり、血圧低下、CVPの上昇を認めた。経食道エコー検査が行われ、心周囲に血腫貯留が認められ、心タンポナーゼが判明したため、18時30分、緊急止血手術が行われた。右側胸壁2カ所からの出血が確認され、止血が行われ、患者は21時05分にICUに入室した。しかしICUに帰室後より再度、ドレーンからの出血が続き、1時間で1,000mL認めたため、22時に再々止血術が行われた。骨膜からの動脈性の出血と、肋間にかけられたワイヤー刺入部の2カ所からの出血が認められた。止血術が行なわれ、患者は23時35分にICUに入室した。入室後バイタルサインは安定して経過した。
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手術延期により、通常入院日に中止する薬剤を継続使用したため、中止指示のきっかけがなくなり、担当医はうっかり中止指示を出し忘れた。看護師は、通常、術前中止薬は担当医から指示があり、看護師から薬剤中止について確認することが少なかったため、担当医から薬の中止の指示が出ると思いこんだ。看護師の与薬行為が機械的になっていたため、ワーファリン中止の必要性が認識されず、担当医師に確認が行われなかった。麻酔科医師は、通常ワーファリンは中止されて手術室に搬入されるため、中止されているであろうと思いこみ、担当医に確認しなかった。部署でワーファリンは、単剤のヒートで薬袋に入っていることが多く、患者の場合は、他の朝食後薬と一緒に一包化されていたため、看護師のワーファリンに対する認識が低くなった。担当医と執刀医、麻酔科医師が話し合い、ケイツーとFFPの投与をしたうえで手術が行われたが、判断した状態を上回った。
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・担当医は患者の手術日が再度決定した日に、中止薬剤を確認する。・担当医は、患者にも術前中止薬があることを説明し、患者からの注意喚起も期待する。・麻酔科医師は、術前訪問時に術前中止薬の中止を確認する。・看護師は、患者の処方薬の薬理作用を理解して配薬する。・看護師は術前に中止が必要な内服薬を把握し、医師に確認する。・当該部署は、術前に抗凝固薬や抗血小板薬の中止がチェック出来るようにチェックリストを改定する。・術前中止薬(抗凝固剤・抗血小板薬など)は常用薬とは別の薬袋を作成し、薬袋に手術日を示すようにする。
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中止
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障害残存の可能性がある(低い)
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抗凝固剤を中止せずEMRを施行し後出血を起こした。患者は以前、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を施行した。その後のフォローアップのために呼吸器内科入院中に大腸内視鏡検査を施行し、内視鏡的切除(EMR)適応のポリープを指摘された。しかしながらプラビックスを内服していたため、観察のみで終了した。その際にESDの主治医であった消化器内科医師より次回抗凝固剤を中止した状態でのEMR目的の大腸内視鏡検査予約された。同意書については入院中の主治医であった呼吸器内科医より説明されたがその時点でも理解が十分に得られなかっられなかった(抗凝固剤内服の有無のところに、「わからない」と記載されている)。当日、プラビックスが投与されたままEMRが行われ、2日後に下血にて当院救急を受診。大腸内視鏡にてEMR後の後出血と診断され、内視鏡的止血術を施行し、同日入院となった。
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再検査を予約する際、予約した消化器内科医師より、患者に対して抗凝固剤中止の説明を行ったが、カルテにその旨が記載されておらず、直接検査予約に関わっていない呼吸器内科主治医による同意書説明の際、抗凝固剤中止についての指示ができなかった。抗凝固剤内服については看護師が検査前日にカルテ記載より確認することになっていたが、今回確認ができていなかった。内視鏡施行医師が検査直前に問診票を確認することになっていたが、今回確認ができていなかった。検査説明から検査当日までに期間が空いていたが、その間、抗凝固剤内服の有無を確認できる者がいなかった。
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・検査予約医がカルテに抗凝固剤中止の依頼を記載する。・将来的に検査予約時に抗凝固剤内服の有無の入力をしないと検査予約できないようにするオーダ方法の変更を要望していく。・問診票の看護師による前日、検査医による施行直前の確認を徹底する。・患者用チェック票を作成して確認を促す。・検査予約時のカルテ記載のみでは今回の様に数ヶ月後の検査時に記載を見逃す可能性があるため、今後、検査予約に特化したコーディネータ設置を要望していく。
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中止
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障害なし
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右大腿骨頸部骨折で施設より緊急入院。医師は、電子カルテ内でバイアスピリン中止の指示を出した。入院を受けた看護師Aは、家族より持参薬を受け取った。持参薬の取り扱いは、時間内(平日8:30~17:00、土曜日8:30~12:00)と時間外で異なる。時間内の入院の持参薬は、薬局に提出するが、当事例は時間外であったため、病棟で処理することとなった。持参薬にバイアスピリンがあることを確認したが、「内服薬の中からバイアスピリンを抜く処理は、他の入院処理が終了してから実施しよう」と思い、薬袋にバイアスピリン中止のことを記入せず、またセットすることなく配薬カートに入れた。他の看護師Bが、配薬カートの個人ボックスに他の薬と一緒に(バイアスピリンは抜かれないまま)セットした。月曜日、薬局担当者(当該病棟担当薬剤師)が、内服薬チェック時にバイアスピリン中止の指示に気づき、配薬カートを確認するとバイアスピリンを抜いていない状況でセットされており、2回投与された。電子カルテ上、手術前の休薬に関しては、患者情報の禁忌欄に手術禁忌項目として登録されていれば、手術オーダ画面が開いた時点で「手術前に休薬が必要な薬剤を服用中の患者です」と表示されるが、今回は記載がなかった。
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内服の薬袋にバイアスピリン中止のコメントは記載されていなかった。内服セット者のサインがない。バイアスピリン中止の指示を把握していなかった。
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・手術目的であることをしっかり把握し気に留めながら内服チェックを行っていく。・内服セット者または受け持ち看護師は誰が見ても分かるように薬袋への記載、または張り紙をし注意喚起を行う。・術前に内服中止薬のある患者の一覧表を作成する。・電子カルテシステムでの改善として、手術オーダ画面に「休薬確認」のような入力項目を追加して、必須入力とする方法を検討する。
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中止
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障害なし
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全身性エリテマトーデスの悪化のため内科へ緊急入院となった患者。入院時より深部静脈血栓症に対して持続点滴でヘパリン投与(1万単位/日)を開始した。軽度の見当識障害があり中枢神経ループスが疑われ、神経内科に髄液検査の依頼がされた。当日の血小板数は5.5万であった。神経内科医の指示で、10:30からヘパリンを中止、11:30に腰椎穿刺を行い髄液を採取し、13:15からヘパリン点滴を再開した。当日の処置係の神経内科医が、患者に検査の方法について説明した際、出血の可能性について説明しなかった。同日夜から腰痛を認め、その後ベッドサイドでの転倒2回、排尿障害、両下肢麻痺が出現した。内科医は、腰痛が出現した時点で、腰椎穿刺による出血を疑わず、両下肢麻痺が出現した時点で神経内科にコンサルトした。CTを施行したが転倒による骨折は認めず、MRにて腰椎部に硬膜外血腫を認めた。整形外科に紹介し緊急手術で血腫除去術を行った。血腫除去術は、腰椎穿刺の3日後であった。現在も両下肢麻痺・膀胱直腸障害は継続している。
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腰椎穿刺時のヘパリン休止期間について神経内科では明確な取り決めがなかった。軽度の見当識障害がある患者に、口頭で検査の説明を行ったが、患者家族に説明を行い同意書を取っていなかった。腰痛が出現した時点で硬膜外血腫を疑うことができなかった。依頼した内科と依頼を受けた神経内科の医師間で患者の病状等について話し合うことがなかった。
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・腰椎穿刺実施の際には、インフォームドコンセントを行い同意書を取る。・事例をリスクマネジャー会議で報告し職員に周知する。・ヘパリン停止の期間の取り決め(各診療科に関連したガイドラインに沿って取り決める)。・侵襲のある検査・処置についてのインフォームドコンセント、同意書の取得を行う。・診療科間で情報の共有を行う。
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再開
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障害残存の可能性がある(高い)
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患者はワーファリン服用していたため、S状結腸癌術前より心臓外科医から術後可能な限り速やかにヘパリンを開始するように指示されていた。術翌日にヘパリン開始の指示を得たが、投与量の指示はなく、依頼票の指示「ヘパリン3mL静脈注射した後、ヘパリン原液0.5持続」を「ヘパリン3mL静脈注射した後、ヘパリン原液3持続」と指示を出していた。麻酔科の指示により、午後9時にヘパリンを止め、翌日9:30、硬膜外カテーテルを抜去。午前11時再開。翌日夕方よりドレーンの性状がやや血性であること、ドレーン刺入部のガーゼが赤いことに看護師が気づき、医師に報告、ヘパリンを中止し、オーダを確認したところ過量投与が判明した。
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自分は投薬ミスは起こさないだろうという過信による確認ミス。他科からのオーダとして、自ら計算しなかった。
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・チーム内の医師によるダブルチェックを行う。・他科からのオーダに関しても自ら再度計算し確認する。
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再開
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障害残存の可能性がある(低い)
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患者は足趾潰瘍の加療のため、当院皮膚科に入院していた。心房細動があり、当院の循環器内科にてプラザキサで加療中であった。腎機能障害の急激な進行を認めたため、腎臓内科にコンサルトした。腎生検を考慮してプラザキサの中止が指示された。翌日、腎生検は中止となったがプラザキサは再開されなかった。2週間後、早朝にベッドから転落しているところを発見した。左半身麻痺を認め、心原性脳梗塞と診断された。
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薬剤に関する知識の不足。D-dimerなど血栓のリスクの経過を追う経時的な採血をしていなかった。内科に薬剤管理を任せてしまっていた。
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・塞栓症のリスクがある場合、抗凝固薬中止前に心房内血栓の確認や代替治療について循環器内科にコンサルトする。・血栓傾向の確認の為にD-dimerの測定を行う。
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再開
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障害残存の可能性がある(高い)
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患者が発作性心房細動を合併しており、ワーファリンを内服中であったため、入院後にワーファリンを中止し、持続的にヘパリンを投与していた。PCI術直前にヘパリンを中止し、PCIの術前造影後にヘパリンの再投与を考えていたが、造影後にヘパリンの再投与を忘れ、抗凝固治療の追加をせずにPCIの施行を継続してしまった。PCI開始後1時間程度たった後、ステントの冠動脈内留置後にステント内に血栓が発生し、ヘパリンの投与と冠動脈内の血栓吸引を行なったが、冠動脈末梢に塞栓が飛び、胸痛、心電図異常が持続した。血栓吸引とバルーン拡張により冠動脈血流の改善をはかり、血流を回復して手技を終了した。
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PCI術前にヘパリンによる抗凝固治療を行なうが、その投与を忘れ、抗凝固治療の追加を行なわずにPCI治療を継続してしまった。記録している看護師からも指摘がなかった。
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・術者と助手の双方が術前に必要な薬剤投与を行なったか確認を行なう。・PCI前に看護師より投与薬剤についての確認を必ず術者に行なうことを徹底する。
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再開
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障害残存の可能性がある(低い)
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患者は右気胸であった。エックス線撮影指示は立位正面と側面の撮影であった。患者は立位・坐位の保持が出来ないため仰臥位で胸部エックス線を撮影した。エックス線撮影画像のフィルム処理時にA→P撮影であるところP→Aとして処理した画像が送られた。医師は患者を診察した際に呼吸音が弱く、またエックス線撮影フィルムを確認して、左気胸と診断し左胸腔にドレーンを挿入した。胸水と空気が引かれたため疑問に思った医師が再度エックス線フィルムを確認すると、左右逆であることを発見した。放射線技師に確認すると、処理を間違えていたことがわかった。患者は両側気胸であるため、左右のドレーンを留置することとなった。
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医師は電話連絡を数日前に受けており、紹介状(右肺気胸)の確認を怠った。医師2名で画像を確認したが、患者は以前も両側気胸を起こしており、フィルムから左気胸と思い込み、確認が不十分であった。エックス線撮影フィルム画像が間違って処理された。画像処理時、放射線技師2名で確認したがお互い声かけせず、又1名は電話対応していたためルールを怠った。昼休憩時間でエックス線撮影検査の待機患者が多く、放射線技師は焦っておりダブルチェックをしなかった。
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・フィルム画像処理時に注意喚起するマークを2箇所貼る。・スタッフ間での声かけをする。・確認行動の徹底を行う。・指差し呼称。・マンパワーの確保。・五感を用いて診察を行い、あらゆる情報の共有をする。・疑問は声だしをして解決し行動する。
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診断
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障害なし
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患者は胸痛のため,救命救急センターへ来院し、呼吸器疾患を疑い胸部エックス線写真を撮影した。その際、エックス線用グリッドを裏表を逆にセットしていたため画像が左右が逆になっていたが気付かずに左肺(心陰影・下行大動脈が右側にあることは内臓偏位と考えた。)に気胸があると診断し、左肺に胸腔ドレーンを挿入した。その後、再び救命救急センターで胸部エックス線写真を撮影し画像を確認すると、挿入したドレーンは左胸腔内にあるが右の肺が虚脱しており、心陰影・下行大動脈が左側で内臓偏位もないことから、最初に撮影した胸部エックス線写真が左右逆になっていることに気が付いた。
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救命救急センターで放射線技師以外の者が撮影したエックス線写真が左右が逆になっていたが気が付かなかった。
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・エックス線写真の撮影ミスは今後も起こり得る可能性が高いため、救命救急センターにおける撮影は以下の事項について改善策を検討した。1.カセッテの設定は、原則として放射線技師に撮影を依頼する。2.歩行可能な患者や緊急時以外は放射線部でエックス線撮影検査を行う。3.エックス線画像を転写するなどの差し替えがある場合は、履歴を残しておくように放射線技師に注意喚起する。
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診断
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障害残存の可能性がある(低い)
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患者の聴診を行い、右気胸と一旦診断した医師は、エックス線撮影室のモニタ画面を見ていたところ、画面上左の肺が2/3虚脱し、右方シフトも見られた。SpOは602台となり、患者の意識レベルも朦朧としていたので、医師は急いで処置をしなければと思い、聴診とは部位が違いおかしいと感じたが、エックス線撮影画面で確認した通りに左胸腔にトロッカーを挿入した。挿入前のエックス線画像のフィルムの所見の確認も行った。トロッカー挿入部の固定後、確認のためのエックス線撮影を施行した時点で撮影した技師から「さっきのフィルムは左右が逆であった」と報告された。しかしすでに虚脱していない左肺にトロッカーを挿入していた。
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エックス線撮影を行った放射線技師に医師の指示と撮影条件についての知識がなく、患者の状態と指示内容がそぐわないことに気づかなかった。患者の状態で撮影条件が変わる時には放射線技師の裁量で撮影後画像を修正をしていることを医師や看護師が知らなかった。エックス線撮影室のモニタ画面はその時撮影した画像がそのまま反映され、確定画面ではないことを放射線技師以外は知らなかった。医師はおかしいと思った時に誰も確認していない。医師は処置開始直前に、複数人で部位や処置内容の最終確認をしなかった。医師、技師、看護師ともに当直明けであった。患者の状態が不良で、焦っていた。コミュニケーション不足があった。
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・複数人で処置直前の確認を行うことを徹底する。・エックス線撮影室のモニタ画面での診断を禁止する。・エックス線オーダと撮影方法の教育を行う(医師・看護師)。
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診断
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障害残存の可能性がある(低い)
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患者は、前医で胸部エックス線写真を2枚撮影され、フィルム2枚の裏側には、患者の氏名・撮影日がマジックで記載されていた。当院を受診し、エックス線フィルム2枚が電子カルテに表と裏を逆に(記載された日時・氏名が読める側を表にして)放射線科事務職員によって取り込まれた。当院外来で初診診察した医師は、そのエックス線フィルムを見て左胸水の貯留を右胸水の貯留と取り違えてカルテに記載した。患者は胸水の貯留のため同日、緊急入院となった。入院後、4年目医師が患者に対して胸腔ドレーンの留置を開始した。右胸水の貯留であると判断し、右側胸部に超音波を当て肝臓を確認した。20年目医師が来室し指導を行った。血性の液体を少量吸引したため4年目医師はこれを胸水だと判断した。胸水の排液を認めないため再度、試験穿刺を行ったが排液を認めず、空気を吸引した。その後も剥離を行ったが排液を認めなかったため、20年目医師が交代したが超音波で明らかな胸水を確認できず、穿刺時に胸水の排液はなく空気を吸引したため、処置を終了した。11時頃、胸部CTを撮影し、左胸水の貯留を確認した。健側である右側の穿刺部に少量の肺出血を認めた。また軽度の右気胸を認めた。SpOは95%(roomair)、疼痛はなかった。213時30分、左胸腔ドレーン留置を実施。翌日、胸部エックス線写真を撮影し、気胸の増悪がない事を確認した。その後、胸部CTの結果、右気胸は改善した。
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他院で撮影されたエックス線フィルムの、裏側に撮影した日付・患者氏名が記載されおり、左右が識別できる表示はなかった。当院での電子カルテへの取り込みの際には、上記の背景があり左大量胸水の貯留による縦隔の圧排で心陰影からのエックス線フィルムの左右の判断が難しかったため、エックス線フィルムが表と裏が逆のまま取り込まれた。穿刺前に聴診また超音波を用いていたが、右が健側であることに気が付かなかった。
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・他院で撮影されたエックス線フィルムを取り込む際には、放射線科診断医に確認を行うなど左右確認を十分に行い慎重に取り込む。・処置前には、当院での画像撮影を行う。・超音波検査(画像の保存)を含め十分に行い、身体所見を十分にとる。
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診断
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障害なし
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自然気胸の診断のため紹介受診した患者は、他院で撮影した胸部エックス線写真を持参していた。医師がエックス線写真を読影する際、シャウカステンに表と裏を逆にかけたため、左自然気胸であったのに右自然気胸と誤った。患者は緊急入院し胸腔ドレーンを挿入した。医師は診察時に病変は右と思いこんでいたため、右にドレーンを留置した。処置後の胸部エックス線写真撮影で挿入したドレーンと反対側の気胸の存在に放射線技師が気付き医師に連絡した。すぐに患側である左胸腔ドレーンを挿入した。患者に説明し、不必要な処置で体に侵襲を加えるとともに肉体的・精神的苦痛を与えてしまったことを謝罪した。
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医師は、別の患者の手術開始までの時間の中で、緊急のドレーン挿入をしなければならず焦っていた。診察の際にエックス線写真を読影していたので右側と思いこみ、ドレーン挿入前の理学的所見診察を怠っていた。外来の体制・手術のスケジュールには人的余裕がない。胸部エックス線写真の読影は、日常的に行われる診断行為であり、通常左右や表裏を誤ってしまうことは希であるが、ちょっとした不注意や散漫な精神状態で読影にあたると誤ったまま思い込んでしまうこともあることを痛感した。
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・左右の部位確認のため、複数の医師の目で確認する。・処置の前には理学的所見の取得を必ず行い部位を確認する。・患者の疑問の言葉には注意を払う。・正確な訴えの聴取を行う。・可能であれば、余裕を持った診療体制が組めるようにすることを診療科・病院全体の課題として考えていく。(例えば、診療科を超えて手術に入らない医師に依頼が可能かどうか。)
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診断
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障害残存の可能性がある(低い)
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外来診察医から、左気胸患者の入院連絡があった。入院直後患者の強い希望で一旦外出し帰院後にドレーンを挿入することとなった。医師は、患者が帰院した連絡を受け、1年次研修医に胸腔ドレーンを挿入する患者がいる事を連絡した。研修医は呼吸器内科の研修で胸腔ドレーン挿入は未経験であった。患者は処置室で片側を壁につけた処置台に左を壁側にして臥床していた。医師は患者に服を脱いでもらい、研修医にドレーンを挿入する位置を示し(右)、左右の確認をしないまま処置が始まった。研修医の手元を見ていた医師は、何か違和感を感じ、振り向いた場所に置いてある電子カルテで胸部エックス線写真を確認し気胸は左だと認識した。しかし、再度患者の方に振り向いた時には漫然と研修医の手元を見ていた。そして緊張を和らげるためにずっと患者に話しかけながら、研修医を指導した。処置終了後、部屋で待っていた母に処置が無事終わったことを説明する段階で左右を取り違えてドレーンを挿入したことに気がついた。介助についた助産師は、胸腔ドレーン挿入の介助の経験がなかったため補助の看護師がいたが、左右どちらに挿入するか認識していなかった。左と聞いていた介助の助産師は「あれ、右かな、左かな」と声を出したが、医師は認識しなかった。患者もおかしいと思ったが声を出さなかった。いずれも「でも医師がするならそれが正しいのだろう」と思い疑問を投げかけることはなかった。処置にあたった研修医は左右どちらに挿入するか全く認識していなかった。
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一連の行動の中に左右の部位確認の場面が全くなかった。他科入院の病棟であり医師とのコミュニケーションがとりずらかった。権威性、権威勾配があった。セットを開くなどの準備が整わないうちに、処置が開始となった。処置ベッドは主に泌尿器科が使用するため、患者の右側で処置しやすいような配置で枕が置かれていた。電子カルテの配置の問題があった。職場風土の問題があった。
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・セイフティ情報を発行し、院内全てに左右確認について周知した。・院内ルールの作成(現在は手術部位の左右確認についてのみ明文化されている)→セイフティマネジャー全体会で検討する。・当該部署では,処置ベットの枕を常設しない。・左右確認の張り紙をする。・確認、声だしの申し合わせをする。
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準備
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障害なし
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17時頃、左膿胸の疑いの患者に対し、左右を間違えて、右胸腔ドレーンを挿入した。すぐに間違いに気づいたため、左胸腔ドレーン挿入を引き続き行った。患者は「左向きの方が息がしやすい」と左側臥位をとっていた。その後、医師から患者へ右側臥位をとるように説明したが患者自身が自分で動く様子がなかったため、看護師も右側臥位ととるよう患者に説明した。患者が右側臥位をとる前に「頭と足の向きを逆にしたい」と言われたため、看護師が介助し、足と頭の向きを変更した。その後、「ゆっくり向きます。」と患者から発言があった。看護師は処置の準備をするため、一度患者から目を離した。患者は左側臥位のままであったが、医師、看護師ともに気付かず処置を実施した。右側に胸腔ドレーンを挿入後にドレーン先端を確認するための胸部エックス線写真撮影に行く準備をしている間、左右を取り違えて胸腔ドレーンを挿入したことに気付いた。その後、改めて正しい側に胸腔ドレーンを挿入した。
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繁忙のため確認が充分でなかった。処置の前に医師と胸腔ドレーンを挿入する側(左右)の、体位を確認できていなかった。左側に胸腔ドレーンを挿入すると把握していたにもかかわらず、処置中左右の違いに気づけず、処置の介助についていた。右側に挿入しているにもかかわらず、左側に挿入していると思いこみがあった。右側臥位をとるよう患者に説明していたが、患者は左側臥位のままであった(向きを変えるのを忘れていたと後に患者から発言があった)。
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・胸腔ドレーン承諾書には、左右を記入。・手術時と同様、処置実施前には、承諾書に基づいて医師と介助につく看護師で患者名・左右確認・処置の体位をダブルチェックする。・可能であれば患者も一緒に確認する。
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準備
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障害残存の可能性なし
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14:00、処置室のPCで胸部CT画像を写し出し、内科主治医と外科医師と看護師の3人で処置を開始した。外科医師が患者を処置台に誘導し、左下側臥位の体位を患者にとらせた。外科医師は患者の背側から右胸部にトロッカーカテーテルを留置した。その後、外科医師が反対側へ処置したことに気付き、本来の左胸部へトロッカーカテーテル留置した。その後、15:00右胸部のトロッカーカテーテルを抜去した。処置直後はT36.1℃、PR100回/分、BP136/78mmHg、SpOは96%(酸素なし)であった。2病室に帰室後15:20頃から悪寒がありSpOは81%まで低下したため末梢ルート2確保と酸素吸入を開始した。19:00の胸部単純撮影で右気胸になっており、20:00右胸部へアスピレーションキットを挿入した。その後低圧持続吸引を実施しエアリークは認めなかった。
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処置部位の確認について主治医は胸腔ドレナージの同意書を院内同意書の雛形から独自に作成した。観血的処置を行う「病名」や部位を特定する「左右」は記載がなかった。同意書としては不完全な内容であった。外科医師は左胸部へ胸腔ドレナージを行うと主治医からの依頼は理解していたが、処置台に患者を誘導し体位を整える時には部位確認はしなかった。また、処置直前に患部を聴診・打診は行わなかった。手術室では「タイムアウト」として全員参加し患者部位確認を手術部位チェックリストに沿って行っている。観血的処置を行う場合も患者部位確認を処置直前に立ち会う職員全員で行う必要があった。胸腔ドレナージの基本手技に関して明文化されたものはなかった。処置直前の超音波検査は、事前のCTで胸水の貯留があきらかであったため行わなかった。右胸部トロッカーカテーテルを抜去後の気胸について低圧持続吸引ではリークは認めなかったが、処置による肺損傷は不明である。右胸部トロッカーカテーテルを抜去後2時間で気胸を認めており処置により発生したと考えられる。
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同意書について・観血的処置を行う際の同意書には処置を行う目的である「病名」や部位を特定する「左右」が必要であり、胸腔ドレナージの同意書を診療部で検討し医療安全担当者会に提出する。部位確認について・次の2点は観血的処置を行う場合に必ず実施することとしてリスクマネージメントマニュアルに追加する(医療安全担当者会に提出し検討した)。①処置直前には実施医による患部の聴診・打診を行う。②直前に処置に関わるスタッフ全員で部位確認」を行う。実施医が実施部位を指差し呼称し、介助者がカルテ(同意書)と画像を確認する。
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準備
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障害なし
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患者の背中側に限局した胸水を抜くため、背部から胸腔穿刺を実施した。医師2人で処置の準備を始め、患者を処置室に招き入れた。患者に処置台に側臥位になっていただく際、左と右を間違え患側を下に向けてしまった。医師は、事前にCTで部位を確認しており、穿刺位置を決めていた。穿刺直前の診察時に健側の呼吸音、打診、超音波を施行し確認を行なった際に、位置決めの根拠になる確証は得られなかったが、背部に限局した胸水であったため画像診断ができないのだろうと思い込み、そのまま健側を穿刺した。胸水は引けず、処置を断念した。その後患者のエックス線写真を撮ったところ、患部を間違えて穿刺した、さらに健側に気胸を発症させてしまったことがわかった。患者にすぐに説明し、謝罪するとともに気胸に対する処置を行った。患側の処置は翌日に施行した。
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背側に限局した胸水であり、通常、胸腔穿刺を行なう体位ではなかった。
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・処置時の患者、部位などの確認は複数人で行なう。・患者に部位を確認する。・処置部位にマーキングを行なう。・声に出して部位を確認する。・単純な思い込みによるヒューマンエラーであることから、誰もが間違えるという教育を目的に、院内で研修医も含めた職員参加の事例検討会を開催した。討論の中で出された改善案は、事故防止対策委員会、医療問題対策委員会など医療安全に関る委員会の承認を得て全職員へ周知された。
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準備
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障害残存の可能性なし
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患者は胸部エックス線、胸部CTを撮影し、左胸水の貯留があり、臨床症状等から膿胸が疑がわれた。A医師はB医師へ左第3肋間背側より胸腔穿刺をするよう指示した。予診室で、B医師、C医師、D看護師、学生2人にて胸腔穿刺を開始した。患者は椅子に座り、テーブルに枕をのせ、それを抱えるように前かがみの姿勢になった。患者の右前方に学生1人、正面にC医師、左前方にD看護師、左側方に学生1人、後方にB医師という位置であった。穿刺者が患者の背側より患者の背中に超音波のプローブを当て、穿刺部位にマジックでマーキングした。超音波では胸壁より内側に肺は認めなかった。胸腔穿刺を行ったが穿刺液は採取できず、空気のみ吸引できたため胸部エックス線にて認められていたエアスペースに穿刺したと判断した。その後、A医師が来室し、患者正面より手技を観察していた際、胸水を採取することができなかった為、穿刺部位を確認し左右誤認を指摘した。呼吸状態が安定していた為、改めて左胸腔穿刺を行ったが胸水は採取できず、患者は咳嗽、呼吸苦出現、顔色不良となりSpO287%に低下、酸素2L経鼻開始し、右気胸と判断し全ての手技を中止した。胸部エックス線及び透視下でのトロッカー挿入し、SpO97~98%と改善し、右肺の拡張2改善を認めた。その後呼吸器病棟へ入院となった。
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予診室には医師2人、看護師1人、患者本人と在室しており、声かけなどの基本的なことで回避できたと考える。誤針するまでに、超音波で確認し、マーキング、消毒、局所麻酔と確認する時機があったにもかかわらず、複数人での確認を怠った。
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・2名以上の医師、看護師で部位を確認する。・手術時同様、複数人で処置直前に確認することをルール化し、胸腔ドレーン手順に追加することを検討する。・どのような時にでもスタッフが十分な確認を行なえるよう、外来処置においても、マーキング、複数人で処置直前に確認することなどのシステムを構築する。
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準備
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障害残存の可能性がある(低い)
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救急外来の看護師より、左に胸水貯留があるため、病棟で胸腔穿刺を行う旨を病棟看護師A、B2名に申し送った。入院後、胸腔穿刺の準備を看護師A・看護師Bで行った。主治医は、自ら超音波を準備し病室に入り、ベッドサイドの右側に立った。主治医は救急外来で左側胸部であると確認していたが、右側からの穿刺であると勘違いした。超音波も、右側を行った。看護師Aは、左の胸水貯留について、救急外来からの申し送りで聞いていたが、医師が右側で準備を始めたことで、右で良かったのか疑問を持ったまま介助を行った。看護師Bは、右側も刺すのかと思ったが、医師に確認はしなかった。主治医は、今まで侵襲を伴う検査や処置に関して、必ず他の医師に付いてもらい実施していた。今回、穿刺前に上級医に一緒に付いてもらう連絡を入れたが、その時間、上級医2名は外来と救急外来の対応中であり付いてもらうことができなかった。前病院では一人で行っていた経験はあり、当院での胸腔穿刺実施を一人で行うことは初めてで、手技への不安が多少あったが、一人で行うことにした。右の胸腔穿刺を行ったが胸水が引けなかった為、その時点で左であったと間違いに気づいた。左胸腔穿刺を実施し、20mLの胸水を引き検体を検査へ提出した。胸腔穿刺終了後、主治医は胸水のない右側を刺したことで、気胸になるのではと不安はあった為、肺音の聴取を行った。看護師へも「胸の音を聴いて下さい」と指示した。気胸という言葉を看護師に伝えたかは忘れてしまい不明である。看護師も終了後バイタルサインを測定し肺音の聴取も行っており、特に異常をとらえなかった。主治医は終了後、何度か訪室し状態を確認した。患者自身には、呼吸状態の変化はなかったが、モニタ上、HRの上昇があり心臓の圧迫により呼吸不全が出ている為であると判断した。15時30分穿刺後に胸部エックス線写真を撮り、画像を確認した。その時の画像では、気胸と判断できなかった。患者の状態が変わらなかった為、CTの指示は出さなかった。17時日勤リーダーの看護師Cは、ナース室での患者のアラーム音が鳴っていた為、看護師Bに確認に行くように指示した。看護師B・Cで患者のベッドサイドに行き状態を観察、患者は呼吸苦を訴えSpОの低下が認められた。2看護師Cは、主治医に連絡した。診察の結果、胸部CTの指示を出し、撮影した。CTの結果、右の気胸の診断にて、上級医に相談した。外科医師にコンサルト後すぐに右胸にトロッカーを挿入した。家族には、胸腔穿刺後に気胸になりトロッカー挿入する旨を電話で説明した。
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今回の胸腔穿刺(侵襲を伴う検査)において、医師、看護師共に検査前の名前・部位の確認を行っていない。また、医師が右側に立った時点で、看護師は疑問に思ったが自ら画像を確認しておらず、曖昧なままに介助についてしまい確認不足があった。医師は、右肺を超音波で確認し穿刺をしている為、胸水貯留時の超音波の所見が読めていない知識不足があった。医師は、胸腔穿刺を当院で1人では行っておらず、自身でも手技に不安があったが、上級医の手が離せない状況から、1人でもできると判断し実施している。誤穿刺後の患者観察において、診療および看護記録に観察内容を残していなかった。看護師Bは、経験年数3年であったが当院入職2週間と短く、記録の記載について病棟側の指導も不十分であった。しかし、穿刺後の観察は経験のある看護師であれば記録に残すべきであり、看護師の知識不足も考えられる。医師は、穿刺後に胸部エックス線撮影で気胸の確認を行っているが、気胸と診断しなかった。後日、他の医師の所見では、すでに気胸になったとの所見であった。この時点での気胸の診断ができなかったことは、エックス線撮影所見を判断できない技量不足がある。しかし、17:00の患者が呼吸苦を訴えSpOが低下し2た時点で撮ったCTの画像では、15:30のエックス線撮影所見と比べ気胸の大きな悪化は見られていなかった。看護師は、穿刺後に何度か患者観察を行ってる。穿刺後にアラームでHRの上昇が見られたが、患者自身からの呼吸苦の訴えがなかったことと、循環器病棟でのアラームに対する慣れがあり、患者観察が不十分であった。医師は、病棟看護師へ肺音の聴取については指示したが、気胸の可能性については、伝えたか覚えていない。伝えられていない看護師は、気胸の可能性についての観察や危機感がなかった。医師は、当該病棟には、この患者しか受け持ちしておらず、忙しそうにしている看護師に声を掛けづらかったとのことで、穿刺後の観察についても看護師から情報を取らずに自ら診察に行き、看護師との情報共有が足りなかった。
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病院全体としての取り組み・当院では、現在手術時の複数人で処置直前に確認することは実施しているが、侵襲的な処置や検査においては実践されていない。今回の胸腔穿刺時の部位誤認の事故を受け、侵襲を伴う検査についての誤認防止に向けて、複数人で処置直前に確認することを導入する。・医局での教育の整備・経験年数が浅く、技術に不安のある医師には、必ず上級医の監視下での検査・処置を行う。・上級医が、業務でつけない場合は、時間をずらし必ず2人で実施する。また、緊急を要する場合は、他科の医師にも協力要請の体制を作る。・検査所見から診断がつけられるように、上級医が画像指導を行う。(超音波・エックス線撮影所見)看護師の業務の見直し・病棟看護師の知識不足により検査実施後の観察が不十分であり気胸の症状が早期に発見できなかった。今後、介助時の注意点も含め胸腔検査時の手技・注意点・観察項目・合併症の早期発見のために病棟での勉強会を実施する。・看護師の教育不足により、必要な記録が抜けていたことから、定期的な記録監査を病棟で実施、監査内容を職員へ伝達する。
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準備
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障害残存の可能性がある(高い)
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胸水貯留のため試験穿刺を行ったが、穿刺する部位の左右を間違え、気胸を発症した。
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医師の経験不足による技術未熟であった。処置実施時間の調整不足があった。処置介助看護師が受け持ち看護師ではなかった。看護師は患者の状態を十分把握していなかった。看護師が患者家族との対応中に一人で処置を始めた。医師は看護師の勤務交代時前であり気が焦っていた。医師・看護師は処置開始前に穿刺部位の確認をしなかった。医師の技術教育の統一ができていない。穿刺介助の手順通りの行動になっていない。
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・処置時間の調整を医師、看護師間で実施する。・処置介助は受け持ち看護師ができるよう業務調整を行う。・医師・看護師間での情報共有を行う。・穿刺部位の確認は複数人で声だし確認する。・医師の技術教育のシステムの検討。・処置介助の手順の再検討する。
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不明
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障害残存の可能性なし
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患者は、原発性肺癌の疑いで入院精査中であり、診断目的で胸水試験穿刺を施行した。担当医は胸腔穿刺時、少量の血性の液体を吸引したため検査を中止した。担当医は3時間後、診療録への記載の際に左右を取り違えたことに気付いた。担当医は穿刺前に超音波検査で胸水の有無を確認した際、脾臓を胸水と誤認してしまったことなどが原因と考えられ、患者と家族にこれらの事実について説明し謝罪した。
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右側と左側の確認を怠り、患側を誤認していた。超音波検査にて胸水を確認したが、脾臓と胸水を誤認した。
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・胸水試験穿刺時には胸部エックス線、あるいは胸部CTなどの画像所見をプリントアウトし、傍らに置いて直前にも再度確認する。・可能であれば複数のスタッフで処置するようにする。・超音波で胸水を確認するときは、脾臓・肝臓などの正常組織を認識し、その後に胸水という異常所見を検索する。・両側を超音波にて検索する。
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不明
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障害残存の可能性なし)
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慢性心房細動の治療のため抗凝固療法中であった。ワーファリン錠1mg1錠、ワーファリン錠0.5mg1.5錠トータル1.75mgを35日分外来で院外処方とした。約1ヵ月後、通常外来受診時、採血の結果PT-INRは10以上測定不能という結果であった。原因検索、内服薬コントロールのため緊急入院となる。入院後、院外処方された薬剤を持参してもらったところ、ワーファリン1mg2錠調剤されており、トータル2.75mg処方され内服していた。院外薬局では一包化されていたため患者は気付けなかった。
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院外薬局の薬剤師は、1mg錠1錠を2錠と思い込んでいた。8種類の薬剤を処方されており、朝、昼、夕と内服する薬剤が異なるため一包化としていた。処方された内服薬をその都度確認にて内服するという習慣がなかった。
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・ワーファリンは一包化せずに、処方せんに「ワーファリンは1包化なし」と入力し、シート調剤とする。・地域薬局への情報提供を行い、再々度の錠数の確認、1包化においてはバラ包装を使用せずPTPを使用することとした(市薬剤師会からの報告)。・会員薬局の調剤過誤報告を一元管理するシステムは構築されていないが、内容・結果により防止策の指示や会員の研修、注意喚起を文章で行うことがある。・当院と市薬剤師会との連携については今後検討したい。
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正しい処方せんが作成された事例
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当院で処方した硫酸アトロピン末の院外薬局での調剤間違いのため、患者は硫酸アトロピン末を1000倍量服用し、意識障害になり、救急搬送の後、入院となった。当日、事務所で服薬後気分が悪くなり119番通報、救急隊到着時、混乱状態のため当院へ搬送となった。症状から、薬物中毒や脳疾患を疑い入院とした。入院3日後に意識が改善し、発症当時の状況を聴取すると、定期薬を服用後調子が悪くなったこと、服用した薬は以前から服用していたが、今回は1週間前に処方されたものを飲み始めたところであったことが判明した。処方は、当院呼吸器内科医師が行った。硫酸アトロピン末(1mg/g)1.5mg(成分量)のところ硫酸アトロピン原末(g/g)を1.5gで調剤していた。
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院外薬局薬剤師によると硫酸アトロピン末は、初めて取り寄せる薬であったとのこと。
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・院外薬局からの「調剤過誤報告書」の記載事項より、初めて取り寄せる薬については、含有量を確かめて発注し、調剤時には含有量の確認を徹底する。
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正しい処方せんが作成された事例
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8年前に視力障害が出現し、他院眼科を受診した。糖尿病性網膜症による硝子体混濁、網膜剥離が疑われ、当院眼科を紹介受診。その際、血糖コントロール不良を指摘され、当院内科を受診し、HbA1c17%、尿蛋白3+、Cre1.1mg/dLのため、内科に入院した。インスリン治療を導入し、血糖コントロールは良好となり退院した。以後、内科の外来で経過観察されていたが、下腿浮腫が出現し、腎機能障害も進行(Ccr20mL/min)したため内科外来を受診し経過観察されていた。糖尿病性網膜症に対する手術のため当院眼科に入院し、当科兼科となり、Ccr10.1mL/minであったため、腹膜透析カテーテル留置術を施行した。APDを開始、その後退院した。以後、入退院を繰り返しながら腹膜透析を行い、内科外来に通院していた。昼前にいつも通りインスリン6単位打ったところ、意識障害が出現した。仕事から帰った家族が患者の倒れているところを発見し、夕方救急車で当院救急外来に搬送された。低血糖(47mg/dL)による意識障害と低体温があり、ブドウ糖点滴を開始し、経過観察のため入院した。翌朝まで低血糖は遷延し、ブドウ糖点滴を要した。翌朝食事がとれる状態になり、インスリンを再開したが、患者が使用しているインスリンがノボラピッド30ミックスであることにスタッフが気づいた。患者はノボラピッド300を継続して使用していたが、院外薬局で剤形を誤ってノボラピッド30ミックスが患者に渡され、1週間前からノボラピッド30ミックスを使用していた。患者は盲目であり、気が付かなかった。主治医から薬局への連絡を行い、事後の対応を促した。患者は当分の間、腹膜透析ができず、血液透析を行った。
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規格の表示の類似。
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・院外薬局のシステム確認。・患者本人が盲目であることへの周囲の配慮。
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正しい処方せんが作成された事例
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当院受診され、ノルバスク10mgの処方を希望された。海外の紹介状を担当医が読み、ノルバスク10mgを処方するためにオーダリング画面を開いた。「ノルバ」と入力したところ、ノルバスクに続いてノルバデックスが表示された。10mgを処方しようとして、10とあったノルバデックスを選択し処方した。院外薬局で3ヶ月分の処方がされ内服された。内服薬が終了し、次の処方を出してもらうため他院へ行ったところ発覚した。約2週間後に電話で問い合わせの連絡があった。
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オーダリングシステムの不備がある。処方を担当医が出力した後、担当医がその内容を十分に確認を行っていない。また、処方した内容について患者にわかりやすく処方内容や内服方法、副作用等の説明を行っていない。院外薬局でおかしいと思ったとのことであったが、病院側へ問い合わせていない。患者は処方された薬の説明書で、ノルバデックスについての説明を受けている(悪い細胞を増えすぎるのを抑える薬です)が、誤りに気づいていない。
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・オーダリングシステム画面で、抗がん剤等に関してはアラートを設定するなど、注意喚起できるようなアラートの導入を検討する。・内服処方オーダリング画面において、全薬品黒表示していたものから、抗がん剤や糖尿病治療薬等ハイリスク薬品は青表示、麻薬に関しては赤表示するようアラート機能として追加し注意喚起できるようにした。・類似薬品に関しては、さらなる注意喚起を関係職員全員に行う。・処方せんを出した後、患者への薬剤の説明を徹底する(薬品名、用法、副作用等)。・レセプト上で病名と薬品名とのチェック体制を強化する。・医師と薬剤師との連絡体制の強化を行う。
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誤った処方せんが作成された事例
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胃薬を処方したつもりがロイケリン(血液内科で使用する抗がん剤)が処方されていた。前回の診察から2カ月後の受診患者の血液検査データに異常(白血球半減・軽度肝機能異常・PSAの不自然な低下)があり、担当医が原因追及したところ、前回の処方に間違って抗がん剤が処方されていることに気付いた。前月まで前担当医が処方していたデカドロン錠とガスターD錠10mg2錠分2(朝・夕)食後をDo処方した。日数が55日だったため56日に変更した。その科では処方することのない抗がん剤(ロイケリン散100mg/g100mg分2(朝・夕)食後)が処方されていた。診療科の責任医師と共に患者・家族に間違った処方があったことを謝罪した。血液検査の結果について説明し、ロイケリンの服用を中止することを説明した。今後の易感染状況を懸念して、入院の上状況観察させていただきたいとお願いし、2週間ほど入院していただいた。血液データは元に近い状況に戻ったが、下痢症状で腎機能の低下があり、点滴治療にて数日で改善し退院となった。
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医師が処方入力時、Do処方だったので入力後の画面やプリントした処方せんを確認していなかった。薬剤検索システムの甘さがあった。これまで1文字での検査ができるシステムになっていた。今回、何故、ロイケリンが処方入力されることになったのか原因を薬剤部・電子カルテシステムの関係者に調査依頼した結果、ロイケリンは「6-MP」で検索ができる。医師が日数を56日に変更した際に、カーソルが何らかの理由で薬剤名を入力する欄に移動し、気付かないで「6」を入力した結果、「6-MP」がヒットし、これにも気付かず、入力確認されて処方された可能性があることがわかった。調剤薬局での疑義照会によるリスクチェックがかからない。調剤薬局では提出された処方せんに基づいて調剤をする。個人情報の観点から、患者が伝えない限り、病名や他にかかっている診療科等を知り得ていない。明らかにおかしな薬剤や量については疑義照会の対象となるが、今回の場合は患者が何の薬剤かと質問しているが、その対象にならなかった。また、当院では血液内科でこの薬剤が処方されるので、調剤薬局の薬剤師は調剤することに疑問をもたなかった可能性もある。
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・医師は、処方入力した後、画面及び処方せんを目で見て、指差し、声だし確認する。・薬剤検索をかな文字3文字で検索のシステムに変更した。
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誤った処方せんが作成された事例
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咳嗽のため予約外で受診した患者に、コデインリン酸塩散を1日3回内服1日60mgのつもりで「コデインリン酸塩散10%(100mg/g)0.6g咳の出る時15回分6時間あけて、1日3回まで」と1回量を60mgで初回処方した(正しくは1回量0.2g)。夜間、外来主治医が過量投与に気付き、翌朝に連絡した。患者は帰宅後2回内服し、早朝から嘔吐が見られていた。外来を受診してもらい、経過観察のため入院となった。
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オーダ画面は1回量の入力であったが、単純に1日量を1回量と思い込み、間違えた。1回量と1日量の確認作業が不十分であった。また、院外処方であったが、薬剤師による疑義照会はなかった。
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・処方時に内容をオーダ画面で確認後登録する。・初回処方で内容に不安がある場合は、DIによる確認後オーダする。・過量処方に対して警告が出るようシステムの検討をする。・院内処方では、薬剤師による疑義照会があるので、照会がある場合は、医師はオーダ内容を確認する。
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誤った処方せんが作成された事例
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ロイケリン10mg(成分量)(製剤量100mg)投与予定であった。院外処方する際、成分量入力する画面で、製剤量である100mgと入力したため、6週間、10倍投与された(10%ロイケリン散1g1×と処方された)。外来受診時に3系統の血球減少と炎症反応の上昇を認めた。好中球減少症発熱と考え、入院加療を開始した。
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成分量で処方するところ、製剤量で処方した。医師、薬剤師の監査が機能しなかった(監査は処方せんを作成した医師が行うことになっているが、医師の監査が見過ごされ、院外薬局の薬剤師の処方監査もなされなかったと推測される)。
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・成分量、製剤量入力の統一を図る。・院内の薬剤に関する医療安全検討委員会で事例を共有した。薬剤部、システム部から「院外処方せんの入力に関する注意」を配信予定。・処方作成画面の注意文章を変更した。変更前→散剤の力価入力はできないので注意してください。変更後→散剤の成分量から製剤量への自動換算はなされませんので注意してください(成分量表示、製剤量表示の確認をして下さい)。
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誤った処方せんが作成された事例
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A病院で脳動脈瘤(前脈絡叢動脈)に対するクリッピング術を受け翌朝に左片麻痺出現しリハビリ目的にB病院転院、以後通院加療していた、B病院からC病院へ紹介、C病院から当院糖尿病内科へ紹介があり、来院した。所見はADLは左麻痺軽度残存、杖使用にて散歩練習している、外来へは家人とともに車いすで来院、両上肢挙上保持可能。かかりつけ医希望され、C病院からの情報提供には内服薬セレニカR1.25g分2朝夕、その他の薬剤処方が記載されていた。医師は同内容、同量のつもりで当院のオーダ画面よりセレニカR顆粒400mg/g1250mg分2朝・夕食後14日分と入力し、院外処方せんを発行した。その結果、調剤薬局ではバルプロ酸として1250mg=セレニカR顆粒3.125gを秤量・調剤した。その結果、診療情報提供書に記載されたバルプロ酸(500mg)の2.5倍量が投与された。息子より電話連絡があり、セレニカRの副作用で嘔吐、ふらつき、歩行困難が出現していたとのこと。処方歴・カルテ内容より紹介状の処方量の2.5倍服用されていたことが考えられた。後日、再度説明することとした。
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散薬の指示の際の成分量、実重量表示の統一がされていない。
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・今回の事例を情報として職員に広報し、他院からの紹介状の薬剤処方にはこのような例があることの注意喚起を行う。・注意すべき薬剤をリストアップし職員に広報する。
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誤った処方せんが作成された事例
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定期外来受診の際に小児科外来において、メソトレキセートを3日分(週1日のみ内服を3週分)処方するところ、21日分(連日内服)処方した。院外薬局から医師に対して疑義照会はなかった。患児は処方せん通りに内服を続け、10日間連日で内服した。受診から2週間経った頃から口内炎が出現した。主治医は患児の母から口内炎が出現していることを電話で相談を受け、メソトレキセートを中止するように指示した。同日夕方に主治医が処方したメソトレキセートが連日投与されていることに気付き、すぐに母親に電話した。その後、患児は発熱と口内炎が悪化し当科に受診し入院となった。入院時の血液検査にて白血球減少、血小板減少、CRP高値を認めた。骨髄抑制と重症感染症と考え直ちに治療を開始した。入院翌日、内服状況を確認したところ、処方された翌日から10日間連日内服し、以後は毎週月曜日に内服していたことが判明した。すぐに採血を行いメソトレキセートの血中濃度を測定したところ0.04であったため、骨髄抑制はメソトレキセートの過量投与によるものと考え、メソトレキセートの排泄を促進するため大量輸液とロイコボリン投与を行った。その後、患児は回復し退院した。
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これまで通常2週間分(週1日内服のため2日分)処方を行っていたものを今回は3週間分(週1日内服のため3日分)の処方に変更した。電子カルテ上で前回の処方を参考にして処方する際、投薬期間を21日分に一括指定したため他に処方されている内服薬と同じ日数の21日分がメソトレキセートにも適用された。メソトレキセートは3日分と変更すべきであったが、21日分としたままこれを正しく変更せずに処方した。通常2週間分の処方:(粉砕)メソトレキセート錠2.5mg6mg分2(朝、夕)食後2日分→今回の3週間分処方:(粉砕)メソトレキセート錠2.5mg6mg分2(朝,夕)食後21日分。「週に1回月曜日のみ内服」という形での処方を行っていなかった。「休薬期間が必要です」という警告が出ない設定であるメソトレキセートを処方していた。メソトレキセートを21日連日で内服するという明らかに過量と思われる処方せんであるにもかかわらず院外薬局から処方医に対して疑義照会がなされなかった。普段内服薬を管理している母親の体調が悪かったため、不慣れな父親が内服をさせていた。
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・薬品名をリウマトレックスカプセルに変更。・リウマトレックスカプセル処方時に「リウマトレックスカプセル2mg連日投与禁止。週5~6日の休薬期間が必要です」という警告メッセージが表示されるようにした。・服用する曜日を入力(曜日することで、日数が多くなった場合にも、連日投与を防止することができる)。
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誤った処方せんが作成された事例
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マイスタン細粒1%3.0mgを2.5mg(0.25g)へ手書きで処方変更後、医事課で入力する際、2.5gと入力してしまい、そのまま処方した。調剤した薬剤師は患者の年齢から少し量が多いとは思ったが、許容範囲量と判断し調剤した。調剤薬局の事務職員は、説明用紙の作成履歴から前回の処方内容と同じと思い、そのまま患者への説明用紙をプリントアウトした(前回処方せんは2.5mgと手書き、今回の処方せんは2.5gと印字されていた)。患者家族には、薬剤師から説明用紙と薬を渡したが、説明用紙の内容は確認しなかった。2週間後、医師は処方時にその入力誤りに気付かず同じ内容の処方せんを出した。その際、院外調剤薬局の薬剤師が容量の誤りに気付き、当院の薬剤科に疑義照会があった。すぐに主治医が患者家族に電話をし謝罪した。すでに10日間服用していたが、痰が少し多くなった程度で、他の症状はなかった。
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処方せんは力価で記載されていたが、パソコンに入力するときはグラム単位で入力しなくてはいけないため、2.5mgを2.5gと入力してしまった。薬剤は、院外調剤薬局で処方された。
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・入力単位を把握して、力価計算することを徹底し、入力後のダブルチェックを実施する。・医師においては、印字された処方内容に誤りがないか確認を徹底する。
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誤った処方せんが作成された事例
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医師Aはプレドニゾロン27mg(分2)7日間を処方しようとしたところ、単位をg→mgに変更せず、27g(分2)7日間として処方してしまった。有効成分としては、プレドニゾロン27mgのところ、1%であったため、27g=有効成分270mg(通常量の10倍の量)となっていた。実際には持ちかえったプレドニゾロン1回分の約半量(約5倍量)を内服したと考えられた。処方時、体表面積あたりの薬用量を計算し、何回か計算の値を確認しているうちに、単位をgからmgに変更するのを怠ったため、10倍量の処方となった。調剤薬局から当院へプレドニゾロンの処方量について確認の連絡があり、外来看護師が応対した。「プレドニンの量の確認をお願いします。」という内容であったため処方量があっているかの問い合わせでなく、FAXの処方せんが読みづらいという意味だと思い、電子カルテを読み上げた。(以前に別のケースで読みづらいという問い合わせがあったため同じように対応された。)調剤薬局の担当薬剤師は、処方医師の名前が女性で、電話で対応した看護師が女性であったので、電話対応者を処方医師と思い、おかしいと思ったが、電話で読み上げられたとおりの指示に従い処方したとのことであった。夜分から患児は自宅にて内服を開始したが、量が多く味も苦く、半分も飲めなかった。次の日朝、患児が全部飲めないため、母親が困り錠剤へ変更希望しようと外来受付へ受診希望の電話をされた。それとは別に、同日朝、ほぼ同じ頃に調剤薬局から再度、この日は当院薬剤部へ、やはり処方量がおかしいのではないかと問い合わせがあった。医師A外勤のため、当院薬剤部から医師Bへ問い合わせされた。医師Bにてカルテを確認し、量が多いので来院して頂くよう母親へ伝えられた。来院時は医師Bより外来で謝罪され、正しい量で錠剤にて処方された。同時に、5倍量内服したとして、翌日から通常量の内服再開を指示された。上記につき医師Bより外勤先の医師Aへ連絡があり、その後医師Aからも母親へ電話にて謝罪し、体調変化がないか確認した。その後2回電話にて医師Aから連絡をとり、その時点においては有害事象など出現が無い事を確認したため、予定通り内服を再開して頂くこととした。以降内服は順調にできた。
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当該患者において、プレドニゾロン内服が初めてであったため、体表面積当たりの用量の計算を何回もしているうちに、gをmgに変更することを怠った。処方内容の疑義照会は、処方医に確認、不在時は当直医など他の医師に確認することになっていた。
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・化学療法において、ステロイドを含め、新規薬剤開始時に内服用量を決める場合は、他の小児血液医師とダブルチェックを行う。当日ダブルチェックが困難な場合は、事前に下書き保存として後日ダブルチェックを行う。・処方内容の疑義照会に限らず、処方に関する事は、全て基本的に処方医が対応、処方医が不在の場合は同じ科の医師が対応する。・処方に関する事は、看護師が判断し、返答をしないと、対応を変更した。
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誤った処方せんが作成された事例
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持参薬(プロノン)が院内薬局に採用されておらず、代替薬を処方することになった。当院薬剤師が持参薬の鑑別報告書を作成した。医師は、鑑別報告書の同系統(Naチャンネル遮断薬ⅠC群)サンリズム(タツピルジン)と記載されていたので、タツピルジンカプセル50mg3カプセル朝・昼・夕で7日分処方した。透析患者に腎排泄の抗不整脈薬を投与、かつ通常量投与した(プロノンは肝代謝の薬、タツピルジンは腎排泄、腎機能低下の患者には投与量の調節が必要な薬であった)。これにより、薬剤が体内に過量となって薬剤性の不整脈が誘発され、緊急に血液透析が施行された。
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薬効の面から処方を行い、患者背景から十分に検討がされなかった。医薬品鑑別依頼せんの「同系統」の認識のずれがあった。退院後、透析目的で他院を受診。その際内服薬が終了するので出してもらうよう頼んだ。看護師は薬が変更されていることに気付いたが、入院中の変更でありこのままで良いと思ってしまった。透析日が連休中であったため、主治医ではなく応援の医師が、退院時処方と同じに処方した。処方した医師も、言われるまま処方せんを書いた。調剤薬局では、おかしいと思いながら、病院での処方変更であったこと、7日と短期間であったこと、などから疑義照会をしなかった。この間内服されていた。意識障害で救急搬送され、過量投薬であることがわかった。
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・持参薬が院内になく代替薬を処方する場合、薬効面のみならず、患者背景からも十分に検討する必要がある(医師・薬剤師)。・医薬品鑑依頼書に、患者情報として肝機能、腎機能、嚥下、義歯のチェックとコメントを入れるようにした。・薬剤師が処方全体を通して疑義が生じたときは、電子カルテで患者背景など確認を行う。・同系統とはどういうことを意味するか、共通の認識を持つ。
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誤った処方せんが作成された事例
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顎関節強直症で筋突起切除・左下顎第三大臼歯抜歯行い、外来通院中の患者。左臼歯部・左顔面痛あり咬合調整・鎮痛剤処方していたが、各種鎮痛剤効果ないためカロナール処方(筋痛に対して)。初診時よりアセトアミノフェンに対してアレルギーがあることを申告していたが、これに関して見落とし、処方・内服開始(湿疹あり2日間で中止)してしまった。
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確認不足。
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・処方時に再確認。
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誤った処方せんが作成された事例
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院外処方せんRp1のワーファリンとジゴキシンのうち、ジゴキシンを中止としたが誤ってワーファリンまで削除し処方した。(電子カルテ「行削除」を選択した)そのため数日間ワーファリンは服用していなかった。その後、21時すぎ、突然言葉が出ない、右上肢麻痺、唾液が垂れるなどの症状が出現し救急外来受診。左前頭葉に新鮮脳梗塞あり、入院加療となった。ラジカット・アクチバシンを開始した。
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診察の際、心不全原因の徐脈に気をとられジゴキシンを中止としたが、誤って同じRpにあるワーファリンまで削除になったことに気付かなかった。(「Rp毎削除」を選択した)処方後の確認(プリントアウトした後や記録画面)をしていない。院外薬局では「心拍数の低下があると言われ中止となった」と患者が話しており、薬剤師の疑義照会はなかった。元々4.5mg服用している患者であるが、急に中止になることはあり得ず、「4.5mg」の重要性理解ができていなかった。患者も「ワーファリンも飲まなくていい」と思っていた。
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・ワーファリン処方時は必ず1Rpの単独処方を行う。・処方後の確認を必ず実施(プリントした処方せんや画面)。・院外薬局へ情報公開を行い、再発防止策、薬剤師教育を依頼する。
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誤った処方せんが作成された事例
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エルプラット投与後、患者にゼローダ錠3001回6錠朝昼夕14日分の退院処方があった。病棟薬剤師が休みのため看護師が退院薬について説明した。その際、ゼローダについては14日間飲んだら終了であることを念を押して伝えた。退院後、患者は退院時に処方された「ゼローダ」を自宅で14日間飲み続けていた。その後7日間の休薬期間に入ることを忘れ、薬が足りなくなると思い、14日分がなくなる前に予約外で外来受診し、問診票に「薬の不足」と記入し追加処方を希望した。看護師は外科一般外来(振り分け外来)にカルテを並べた。外来では主治医以外の外科一般外来の医師が診察し「薬が不足している。」との患者の訴えにより、1週間分の追加処方がされた。患者は院外処方せんを持って院外薬局に行った。患者がゼローダを内服してから18日目に、主治医がカルテチェックをしている際、追加処方されていることに気づき、患者に内服中止の電話をした。患者はその3日後に外来受診をし、採血の結果白血球・好中球低下、凝固系の延長、高ビリルビン血症、口内炎やふらつきなどを認め、緊急入院となった。その後状態は安定した。
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患者への退院指導は病棟薬剤師が内服確認表を用いて行っていたが、今回の事例では病棟薬剤師が不在であり、代理の薬剤師に対応を依頼していたが、病棟看護師が説明した。病棟看護師は、薬剤師が内服確認表を作成していることを知らなかった。抗がん剤を追加処方した外科一般外来の医師は、プロトコールを確認せずにゼローダを追加処方した。ゼローダの内服にはA法とB法があり、3週間続けて内服する方法もあるため、追加処方された際に院外薬局において処方内容が間違っているかどうかの判断をすることは、プロトコールとの照合が出来ないので難しい。主治医は前回の外来で、製薬会社が作成した抗がん剤の服薬期間が記載された冊子を患者に渡し、服薬期間を記載するよう説明していたが、記載が面倒になってしまい途中でやめてしまった。患者が休薬することを忘れていたことに、医療者が気付くことができなかった。
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・患者に服薬指導をする際は、薬剤の写真入り服薬スケジュール表などを用いてわかりやすくする。・できるだけ家族も一緒に指導する。・外来受診時患者が記入する問診票は受診目的が詳細に記載できるものに変更する。・看護師がどの医師に依頼するか判断ができるように問診票に主治医を記載する。・外来での抗がん剤処方は原則主治医か化学療法を行っているチームのスタッフが行う。主治医あるいはチーム以外の医師の外来で抗がん剤の処方を依頼された場合は、その医師は必ず主治医に確認するか、看護師にカルテを戻して再度外来の振り分けをしてもらう。・処方の際に服薬期間等フリーコメントを簡単にいれられる仕組みを作る。・病棟薬剤師は退院服薬指導時には内服薬確認表を使用して患者や家族に指導する。不在の時は代理薬剤師または、看護師に依頼する。・院内において、休薬期間の設けられている薬品に関しては、処方せんの薬品名の前に【休】を表示させ、調剤時、休薬期間を確認する。・院外薬局においては、抗がん剤は休薬期間をしっかり確認するように薬剤部より指示した。・医師に対して、処方オーダ時に投与期間をコメント入力することを徹底した。
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誤った処方せんが作成された事例
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リン酸コデイン散1%60mgを処方しようとして60g処方し患者が1回分内服し体調不良を訴え、2泊3日の入院をした。
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リン酸コデイン散の有効成分60mgと意図して処方しようとし、初期設定が「g」であることに気付かず、製剤量60gを処方した。製剤の初期設定画面が「g」表示であることは知っていた。医師は外来診療で処方時、投与量に注意が行き単位を確認しなかった。処方オーダリング画面の製剤設定は「g」で表示されていた。しかし「mg」も選択できた。医師は院外薬局から疑義照会時、数字のみ確認し処方せんを確認しなかった。
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・製剤はg表示であることを医局会で再通知する。・処方時は慎重にし、確認してから確定する。疑義照会があったときは真摯に受け止め、処方内容を再確認する。
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nan
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医師Aはプレドニゾロン27mg(分2)7日間を処方しようとしたところ、単位をgからmgに変更せず、27g(分2)7日間として処方した。有効成分としては、プレドニン27mgのところ、1%であったため、27g=有効成分270mg(通常量の10倍の量)となっていた。実際には持ち帰ったプレドニン1回分の約半量(約5倍量)を内服したと考えられた。処方時、体表面積あたりの薬用量を計算し、何回か計算の値を確認しているうちに、単位をgからmgに変更するのを怠ったため、10倍量の処方となった。調剤薬局から当院へプレドニンの処方量について確認の連絡があり、外来看護師が応対した。「プレドニンの量の確認をおねがいします。」という内容であったため処方量があっているかの問い合わせでなく、FAXの処方せんが読みづらいという意味だと思い、電子カルテを読み上げた。(以前に別のケースにて読みづらいという問い合わせがあったため同じように対応された。)調剤薬局の担当薬剤師は、処方医師の名前が女性で、電話で対応した看護師が女性であったので、電話対応者を処方医師と思い、おかしいと思ったが、電話で読み上げられたとおりの指示に従い処方したとのことであった。夜分から患児は自宅にて内服を開始したが、量が多く味も苦く、半分も飲めなかった。次の日朝、患児が薬を1回量飲めないため、母親が困り錠剤へ変更希望しようと外来受付へ受診希望の電話をされた。それとは別に、同日朝、ほぼ同じ頃に調剤薬局から再度、この日は当院薬剤部へ、やはり処方量がおかしいのではないかと問い合わせがあった。医師A外勤のため、当院薬剤部から医師Bへ問い合わせされた。医師Bにてカルテを確認し、量が多いので来院して頂くよう母親へ伝えられた。来院時は医師Bより外来で謝罪され、正しい量で錠剤にて処方された。同時に、5倍量内服したとして、翌日から通常量の内服再開を指示された。上記につき医師Bより外勤先の医師Aへ連絡があり、その後医師Aからも母親へ電話にて謝罪し、体調変化がないか確認した。その後2回電話にて医師Aから連絡をとり、その時点においては有害事象など出現が無い事を確認したため、予定通り内服を再開して頂くこととした。以降内服は順調にできた。
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本患者において、プレドニン内服が初めてであったため、体表面積当たりの用量の計算を何回もしているうちに、gをmgに変更することを怠った。処方内容の疑義照会は、処方医に確認、不在時は当直医など他の医師に確認することになっていた。
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・化学療法において、ステロイドを含め、新規薬剤開始時に内服用量を決める場合は、他の小児血液医師とダブルチェックを行う。当日ダブルチェックが困難な場合は、事前に下書き保存として後日ダブルチェックを行う。・処方内容の疑義照会に限らず、処方に関する事は、全て基本的に処方医が対応、処方医が不在の場合は同じ科の医師が対応する。・処方に関する事は、看護師が判断し、返答をしないと、対応を変更した。
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nan
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医師は、14週分(14錠)を意図して「ボナロン錠35mg1錠/1日1回起床時14日分」と処方した。院外薬局は、「2週間分2錠」の調剤でよいか「、14週間分14錠」の調剤でよいか病院に疑義照会を行った。病院の担当者より、「1週間に1回1錠起床時2日分」と回答があったため、ボナロン35mg2錠を2週間分として調剤した。そのため、2ヶ月以上内服をされず、治療されない期間が生じた。
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処方日数が14日分と7の倍数であったため、2週間分なのか14週間分なのかがわかりにくい状態であった。ボナロン錠には毎日服用する5mg錠もあるため、それとの誤認の可能性も院外薬局は考慮したことが予想される。疑義照会時の対応について、当院内においての実態は不明であった。患者はボナロン錠が初回服用であった。院外薬局では、次回の受診日について確認していなかった。
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・院外薬局に情報提供した。
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nan
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穿刺針に透析用回路セット、ルアーロックをしっかり接続し絆創膏固定した。上肢シーネ固定をした。定時観察した後の約15分後、患者の意識レベルが下がっており、接続部等を確認したところ、ルアーロックが緩み出血していた。
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透析のマニュアルはあり知識は得られていたが、指導者の観察視点が決められておらず、指導者の力量に任せられていた。機械等およびバイタルサインのチェックはしたが刺入部、接続部各種のチェックが確実でなかった。透析看護師の新人受け入れの機会が少なかった。
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・新人指導時の安全確認チェックリストを作成する。・チェックリストにもとづいた安全確認をする。
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nan
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障害なし
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定期透析日に通常通りの条件にて、担当看護師Aが回路を接続し透析を9時42分に開始した。透析前はいつもと状態に変化はなかった。(体重プラス0.8Kg入室UFR250開始時、BP130-140/70-80mmHg)事故発生当時の職員配置状況は、看護師5名、臨床工学技士1名、看護補助者1名に対して、患者は24名(入院8名、外来16名)であり、通常の人員より看護師は1名多い配置状況であった。9時57分透析装置の静脈圧下限警報アラームが鳴ったことから、リーダー看護師Bが確認に行った。静脈圧が陰圧になっていたことから、まず脱血不良がないことを確認、その後カテーテル挿入部を確認するため布団を首元までめくり、透析カテーテル接続部を保護したガーゼに異常がないことを確認したうえで透析を再開した。その直後静脈圧が60台まで上昇したのを確認した。普段から日により静脈圧変動が大きく、患者はカテーテル使用の透析であること、またQB100であることから、静脈圧60台は妥当であると判断しその場を離れた。その際、アラームの経過について担当看護師Aに状況報告はしていなかった。10時07分担当看護師Aが、隣のベッドの透析装置のアラームが鳴ったことを確認に行った際、事故当該患者の顔面が蒼白になっているのに気がついた。透析装置を確認すると静脈圧が陰性に傾いていたが、アラームは作動していなかった。布団をめくって回路を確認したところ、カテーテルと透析ルートの接続部が外れ、多量の出血をしていることを発見した。
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事故原因の主因は、透析中に透析カテーテルの接続部が外れてしまったことである。これに関しては接続部のロック(ルアーロック)が十分でなかったと推測される。そのため患者の体動等で接続部に力がかかった際に接続が外れてしまったと考えられる。また、回路の接続が外れたにもかかわらず、透析装置のアラームが作動せず、回路が停止しなかったことも原因として挙げられる。透析カテーテルの接続部のロックが不十分であった要因として、過去にカテーテルとの接続ロック部分が外れなくなってしまった事があり、「きつく回さないようにしてください。」と医師に口頭で指示されたことがあげられる。確かに接続部が外れなくなるとカテーテルを入れ替える必要があり、患者に負担をかける面はある。しかし、接続部が外れてしまうことと、外れなくなってしまうことでは、起こった場合の生命に対する危険性は、外れてしまう方が高いのは明らかである。「きつく回さないように」という指示が文章化されたものではなく、また患者に使用されていた透析カテーテルの接続ロック部分が外れなくなってもカテーテル自体を入れ替える必要がなく、回路の部分だけ交換可能なものであったことが周知されていれば、このような誤った認識がスタッフの間に共有されることはなかったと考えられる。透析装置のアラームが作動しなかったことに関しては、装置の限界もあるが、それに加えてスタッフにアラームの設定に対する知識が不足していたことも関与していると思われる。アラームの設定の基準点は透析再開後1分の静脈圧となる。したがって再開後1分の段階ですでに静脈圧が異常値を示していれば、回路の接続が外れて静脈圧が陰圧になってもアラームは作動しない。したがって透析再開後1分は監視しアラームの基準点が問題のない値であることを確認する必要があるが、設定に対する知識が不足し、基準点の確認がされていなかった。そのためにカテーテル接続部が外れてもアラームが作動しなかったと考えられる。
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・カテーテルとの接続のロックを確実に行う。スタッフにロックがきつすぎて外れないことよりロックがゆるくて外れてしまうことのほうが危険性が高いという認識を周知徹底させる。更に手順やマニュアルに具体的にロックのかけ方を記載し実施する。・透析装置のアラームが鳴った際の対応について、特にルートの目視確認について手順やマニュアルに具体的に記載し実施する。またカテーテルを用いて透析を行う場合のラインの固定方法についても再検討し、同様に手順やマニュアルに具体的に記載し実施する。・透析再開後のアラームの設定に関しての仕組を周知徹底させる。再開1分後の静脈圧を確認する。あるいは基準点(中点)が異常なく設定されていることを確認する手順を明確にし、手順やマニュアルに具体的に記載し実施する。・新しく導入された透析装置や医療材料品の取り扱いについては医師、臨床工学技士、看護職員等の複数の職種で認識を共有し、定期的な勉強会を開催する。
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nan
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死亡
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AAA術後で人工血管感染症に対する再手術後、腎不全で透析中の患者。活動性は低下し、自力での体位変換は不可の状態であった。鼠径部に留置した透析用カテーテルより抗凝固薬を投与中、15時にルート交換を施行(この時、気づかずにロックなしのエクステンションチューブを使用していた)。16時にオムツ交換と体位変換を実施した。体位変換前はルートのトラブルはなかった。体位変換後にルート接続部の確認はしていない。17時に次の勤務者に引継ぎをしたが、交代時にルートのトラブルの有無の確認はしていない。50分後、作業療法士が床上リハビリのため布団をめくると大量に出血していたため看護師に連絡した。看護師が確認すると、カテーテルダブルルーメンの片方の接続部が外れていた。血圧低下はなかったが、Hbが低下していたため輸血を実施した。
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通常、カテーテル接続にはロックつきのエクステンションチューブを使用するが、ロックなしのエクステンションチューブが同じ棚に収納されており、取り違え易い状況であった。処置後のルートトラブルの有無の確認の未徹底であった。勤務引継ぎ時にルート確認の手順が守れていなかった。透析用カテーテルからの大量出血は直接死因ではないが、状態が悪化する原因の可能性があった。
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・輸液ラインにはロックつきエクステンションチューブを使用する。・処置後のルートトラブルの有無について、指差し確認を徹底する。・ロックなしエクステンションチューブの収納場所を変更する。
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nan
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死亡
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指導の臨床工学技士が穿刺後、当事者が透析を開始するために穿刺針と繋がった延長チューブにロック式透析回路チューブを接続し、目視によるロック部からの出血や回路外れがないか確認した。患者のバイタルと静脈圧を見ながら徐々に血流をあげ200mL/minで透析を開始した。開始後、穿刺針が抜けないために回路を腕に固定している途中で、ロックされた接続部に触れたとき、接続が緩かったため、返血側穿刺針の延長チューブと透析回路チューブのロック式穿刺部が外れて出血が起こった。回路外れによる静脈圧低下アラームが鳴り、透析機械は停止した。すぐに指導の臨床工学技士が接続が外れた穿刺針延長チューブと返血側回路を接続し、再び透析を開始した。滅菌シートに直径10cm程度の出血におさえることができた。その後透析中は患者の意識レベル、バイタルともに安定しており3時間半の透析を行った。
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穿刺針の延長チューブと透析回路チューブのロックが不充分であったのに、開始する際、静脈圧を見て血流量を上げていく中で接続部を目視だけの確認で開始し、接続部ロックを直接触れることでの接続不良の確認を怠った。透析回路の構造の知識不足による思いこみがあった。
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・透析開始前の回路接続の際、延長チューブと透析回路チューブをしっかり差し込みロックをする。・ロックをするときにはしっかりチューブの接続が緩くないか、簡単に外れないかを確認する。・透析開始後、静脈圧の急激な上昇や低下がないか確認し、看護師と穿刺針と透析回路を患者の腕に固定する際、再びロックがされているか、接続不良による血液の漏れや回路外れがないか確認をする。
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nan
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障害なし
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腎不全に対し、右頚部に挿入されたカテーテルから24時間継続して持続透析(CHDF)を実施していた。20:35患者本人よりナースコールがあった。看護師が訪床すると多量に出血しており、患者は意識レベルJCS100まで低下していた。CHDF回路送血ルートに接続されていた三方活栓と三方活栓の間の接続が外れており、ただちに送血ルートを接続し、ステーション内の担当医へ報告し5%アルブミナーを急速投与した。20:45血圧45/33mmHgまで低下あり。CHDF中断し、RCC2単位を投与した。21:12血圧104/57まで上昇した。意識レベルJCS1まで回復し、CHDFをその後、再開した。出血量は約470g、Hb10.0mg/dL(前回Hb10.8mg/dL)。多量の輸液と低左心機能のため、うっ血性心不全を発症し、呼吸状態の悪化を認めBIPAPによる呼吸管理を行った。翌日には酸素化良好となりBIPAPを終了した。その後は問題なく経過した。
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CHDF送血側のルートの接続(三方活栓)はずれにより多量出血した。通常CHDFルートは単独で使用するが、当該患者は末梢ルートの確保ができず、CHDFの送血ルートに三方活栓をつけ、輸液を行っていた。三連式三方活栓も採用されていたが、単包の三方活栓を3つ接続して使用していた。三方活栓が何らかの要因で緩んだ。直接の要因ではないが使用されていた三方活栓を事故後破棄してしまい、三方活栓が原因(ひび割れなど)か否かは判断できない。
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・複数の三方活栓が必要な場合、単包ではなく三連式の資材を使用する。・原則CHDFのルートには三方活栓を使用しない。・事例のように他のルート確保が不可能であり、CHDFのルートに三方活栓をつけざるを得ない場合は、腎臓内科上級医師を含めた医療チームで対応を個別に検討し、患者・医療チームでリスクを共有し治療にあたる。・医療安全管理室より、上記をマニュアルに明文化することを指示した。・医療機器・器材に関与する事故発生時は、何が原因であったか検証するため、現物を保存することを医療安全管理室より周知した(ニュースレター発行)。
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nan
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障害残存の可能性なし
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透析による溶血、回路の閉鎖が起きやすい病態にあり、透析機器、回路をたびたび交換している際に回路に問題が生じたと考えられる。
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プライミング(透析装置の準備)をアラームが鳴ることがなく終了したため、問題はないと思い込んだ。このため、折れ曲がりには気づかなかった。血液浄化装置の回路の一部に折れ曲がりがあっても、アラームが鳴らない機器であった。
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・ポンプ装着部の構造上、トラブルはあり得る事を認識し、準備の再確認をするよう周知する。・医療機器メーカーへ安全システムについて、検討するように依頼した。
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閉鎖
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障害なし
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朝9時45分、LDL吸着治療を開始した。約1時間半経過した時点で、担当の臨床工学技士が還流液(生食3リットル)の量が異様に減っている事に気づいた。患者は胸部から腹部にかけての息苦しさを訴えていた。担当の臨床工学技士は応援の臨床工学技士を2名呼び、原因を探しているとプライミングと回収時しか開けることの無いラインのクランプが開いているのに気がついた。この時点で既に3リットルの還流液は患者の体内に注入されてしまっていた。また、ポンプを停止した事により血液が生理食塩液パックに逆流してきた。看護主任が異変に気づき、上司へ直ぐに連絡するよう助言した。また同時に医師に報告した。
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吸着治療に関連した事故は発生したことが無いため、通常透析のような第三者による準備チェック、機器チェックなど段階的なチェックはシステムになっていなかった。結果、液切れ警報が鳴るまで事故発見が遅れてしまった。特殊治療に関して臨床工学技士間で勉強・訓練するというシステムが無い為、臨床工学技士のクランプエラー(開けておくものという思い込み)が発生した。間違いを是正するシステムがなかった。特殊治療に対して教育・訓練・評価のシステムが無い為、理解度を十分把握できていない状況で治療を任せた。また異常発生時の対応についても知識が不足している状況であった。結果、初期の対応にあたった3名の臨床工学技士は事故の重大性を理解しておらず、適切な対応(課長、医師への連絡)をしなかった。いつ、どんな時に、誰に、報告・連絡・相談するのかについて教育が不十分であるため、この特殊治療を十分理解している人へ相談せず「相談しやすい人」に相談している。その結果、対応の遅れにつながった。事故後の対応について、事故発生の事実と患者へのダメージを判断する上で、短時間で体内へ3.6リットル注入されたことによる影響を医師の意見を聞く前に、治療を続けている。結果、事故発生から中止まで40分経過し、患者への影響を拡大させる危険性を増大させた。
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・治療箋に特殊治療の場合は熟練者によるチェックと、第三者による段階的チェック(準備・器械・時間毎)欄を作成し確認する。・特殊治療や新規導入の治療・機器の場合は、臨床工学技士全員が勉強する機会を作る。その中で担当となった臨床工学技士へ訓練と理解度評価(数値評価・口述評価)を行い、合格基準に到達してから患者への治療を実行するというシステムを導入する。熟練者の指導のもと実行させ、一人で実施可能かどうかの最終評価をする。・報告・連絡・相談について優先順位を決めておく。よくありがちな「相談しやすい人」=「年齢が近い人」「経験年数が近い人(例えば新人と新人)」という感情と、異常時の報告系統が異なることを教育し、フローチャート等で誰が見ても分かるよう明確にする。・治療は医師の指示のもと実施している。指示から逸脱した現状が発生した場合は、まず医師の判断を仰ぐことが重要である。医師と臨床工学技士、看護師が患者の状態と事故の状況とを確認し、早急に安全な方法をとることを最優先とする。日機装の取り扱い説明書の中に生食のラインのクランプについての注意はプライミング終了時、治療開始時、回収時の手順に記載あり。ただし、このクランプを閉め忘れると何が起こるかについては記載がないため、改善を要求している。
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開放
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障害残存の可能性なし
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血液透析治療終了時、看護師が返血操作に入ろうとした時点で血液回路内の空気混入に気づいた。動脈チャンバーが1/5まで低下していた。回路と穿刺針がすでに離脱されており返血操作ミスか、回路側からの混入かの判断はできなかった。動脈チャンバー液面を生理食塩水で上昇させ、通常の回収操作で問題なく返血した。空気塞栓等の症状はなかった。
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動脈側における液面低下より回路、穿刺針等の接続部からの空気混入が疑われたが空気混入部は同定はできなかった。しかし、文献に当該患者が使用している薬剤を確認した。また、現在の透析コンソールがマイクロエアバブルを検出できないことが緊急停止がかからないことにつながった。現在使用中の機器(NCU-5二プロ社製)の気泡検出能は0.05mLと低い。
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・回路の接続、液面の低下、空気の混入に関してより注意深く確認する。
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閉鎖
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障害なし
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返血操作をしている時に気泡検知の警報音がなり、エアートラップ内にエアーが充満していることに気づいたがエアートラップ内に補液を満たし返血操作を続行してまもなく患者から「エアーが体に入ったから止めて」と訴えがあったので、ポンプを止めて抜針し終了した。
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患者が下肢の痙攣を訴えていたので早めの返血となり、慌てて返血操作を進めた。操作中に気泡検知の警報が鳴り、エアートラップを確認して補液を満たしたが透析回路のエアーを確認していなかった。警報が鳴った時、臨床工学技士や先輩看護師に報告しなかった。
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・返血技術を再教育する。・透析療法の基本知識を再指導する。・事故分析手法で分析し職員全員で共有する。
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閉鎖
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不明
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穿刺直後よりQB不良あり、看護師が針先を調節し、QB200のところ150で再開したが漏血警報が発生した。同警報3回目の際当事者が対応者として呼ばれる。確認したところ、ダイアライザ内静脈側に目視で血液を確認した。至急新規のダイアライザをプライミング後交換しHD再開、医師に報告した(特に指示なし)。しかし12:00に37.8℃まで熱発、悪寒(+)、医師に報告し血ガス測定(K=2.6)。13:00に38.2℃まで上昇、別の医師に報告、各種検査採血の指示があり、結果ロセフィンを点滴した。
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透析開始時よりリークしたことから、ダイアライザそのものに欠陥があったものと思われる。発見後の対応として、マニュアルでは「リーク時もしくはリークの可能性がある場合は、血液の溶血の可能性があるため返血せず、血液ごと、回路、ダイアライザを一式交換すること。」となっていたが、透析液を流さないようにし、返血後、ダイアライザのみを交換していた。また、溶血確認検査も行うようになっているが、実施されていなかった。
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・リーク時の対応についてマニュアルを周知するよう、臨床工学技士間のカンファレンスで報告をした。・医師への報告方法についてもポイントを明確に報告するよう指導した。
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機器の不具合
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障害残存の可能性がある(低い)
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急性心筋梗塞にて入院中の患者。うっ血性心不全の改善認めず、CHDFにて除水中であった。CHDFに誤って血漿交換用の膜を装着したため、血圧の低下が認められカテコールアミンを増量した。同日朝、臨床工学技士によって透析膜の違いを指摘された。朝の採血にてTP3.6、Alb1.4、PT%31、ATスリー16が認められ、アルブミン製剤、ATスリー製剤、新鮮凍結血漿の補充を行った。
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CHDF用の膜の確認が不十分であった。
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・CHDFの膜と血漿交換用の膜の保管場所を明らかに異なるところにした。
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誤った血液浄化器等の使用
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不明
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既往歴にてんかんがあり、他院で処方された内服薬で加療中の患者。大動脈弁閉鎖不全症の手術目的にて外科病棟に入院した。入院時持参したお薬手帳をもとに担当医が抗てんかん薬を処方した。その際、お薬手帳には倍散量で記載されていたが、当院は成分量表示のため、成分量として再処方する際に倍散と成分量を間違え処方した。結果、セレニカR顆粒2.5倍量、テグレトール細粒2倍量が処方され患者が服用継続した。退院後、ふらつきが継続するため、家族が当院処方薬を院外薬局に確認を依頼し過剰処方であることが発覚した。お薬手帳の表示内容:セレニカR顆粒40%1回0.333gカルバマゼピン細粒「アメル」(テグレトール細粒50%)1回0.4g90日1日3回毎食後にお飲み下さい。担当医師が処方した内容:セレニカR顆粒40%1000mgテグレトール細粒50%1200mg3×朝昼夕食後6日分。
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持参薬又は入院前の薬剤を継続服用する場合は処方内容を薬剤師が確認するというルールであったが、お薬手帳の内容をカルテにスキャンせず、家族に返却したため、薬剤師が情報を取得することが出来なかった。結果、医師の誤処方を修正できなかった。医師の倍散表示と成分表示に対する知識不足。薬剤処方量が上限値であったが処方範囲内の為、アラームにかからず薬剤師の疑義照会が機能しなかった。
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・入院時の持参薬及び入院前に服用していた薬剤について必ず薬剤師も確認する。・薬剤成分含有量の表示方法についてのインシデント事例を至急回報で配信し共有する。・医薬品の処方に関する研修会を開催する。
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お薬手帳の処方の表記と医療機関における処方表記のルールが異なっていたために抗てんかん薬が過量投与された事例
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障害残存の可能性なし
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白内障手術のため入院し、入院時に持参薬を7種類持参した。自宅では、患者本人が内服自己管理をしていた。患者は入院時、お薬手帳、内服説明書を持参しなかった。利尿剤(ラシックス錠20mg)を朝1/2錠内服していると患者から説明された。看護師は「持込薬確認表」にラシックス朝1/2と用法、容量を記載し医師が内服継続の指示を出した。4日後の朝、深夜看護師が患者の息切れ等の症状が悪化しているため、内服薬をオーダリング画面で処方歴を確認したところ、ラシックスの量が処方歴と異なることに気が付いた。患者は当院の消化器科通院中であり、消化器科主治医よりラシックスは朝1錠昼1/2錠の指示を出していたと指摘された。その日の昼に消化器医師の診察を受け、利尿剤入りの点滴と酸素投与、バルンカテーテル挿入し安静加療となった。
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「持参薬確認の際は、お薬手帳、紹介状で内服状況を確認する」というルールがあったが持参薬の確認をルール通りにしなかった。患者がお薬手帳を持参しなかった。持参薬を確認したのは新人看護師であり、持参薬袋にラシックス1/2錠と1錠が混在していたが確認するという行動に移せなかった。患者の自宅での内服説明を信用してしまった。患者は自宅でも用量を間違って内服していた。医師はオーダリング画面で処方歴を確認せず、看護師が記入した「持込薬確認表」に沿って指示を出した。
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・入院時のしおりにお薬手帳を持参するように記載する。・患者全員にお薬手帳、説明のシールを発行する。・持参薬の確認はルール通りお薬手帳もしくは内服説明書で確認する。・当院処方薬はオーダリング画面で処方歴を確認する。・医師も処方歴の確認を行った上で、内服の指示を出す。・自己管理の判断基準チェックシートを作成し院内標準化とする。・新人オリエンテーションに持参薬のシミュレーションを盛り込む。・医薬品情報システムが導入され持参薬の検索ができるようになった。今後は入院時に持参薬を一元的に把握し重複投与や相互作用、禁忌薬の有無などが正確に管理できる、持参薬管理室の設置を行い人員の配置が確保できた時点でルールを改訂する予定である。
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持参薬確認の際にお薬手帳と紹介状で確認するルールであったが、患者がお薬手帳を持参しなかったことなどから確認が不十分となり、利尿剤の投与量が少なくなり息切れを生じ治療を要した事例
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障害残存の可能性がある(低い)
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肝細胞癌に対するカテーテル治療のため、入院。入院時に行われる薬剤師による持参薬管理票に記載する際、本来ならアルダクトンA細粒10%12.5mg分1と成分量を記載するところを、実際にはアルダクトンA細粒10%0.125g分1と製剤量を記載した。これがスピロノラクトンの処方量12.5mgを0.125と、本来処方されている量の10倍となっていた。持参薬は他院で12.5mgと処方されていた。主治医は持参薬管理票を確認時にお薬手帳との照らし合わせを行わなかった。もう一人の主治医が持参薬管理票を元に、入院中の内服をタから処方した(通常投与量50~100mgの薬剤)。患者は12.5mgの処方に対して125mg処方したため、処方時に薬剤部から確認の電話があったが、持参薬管理票と一致していたため問題ないと判断し、そのまま処方した。翌日朝から10倍量の投薬がされていたが、気づかず、退院時にも同量の処方を持ち帰った。退院から数時間後に薬剤師からの指摘で判明した。
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医師が持参薬管理票に記載された製剤量(アルダクトンA細粒10%0.125g分1)を成分量と誤解して処方した。製剤量と成分量の記載について、特に取り決めはない。通常、処方オーダが成分量表記となっているため、持参薬管理票に薬剤師は成分量で記載していた。(薬剤によっては製剤量表記となっているものもある)。持参薬管理票の確認を行う際に再度、お薬手帳との照らし合わせ(成分量と製剤量の取り違えであること)を行っていなかった。内服を処方時に投与量を薬剤部から確認された際、持参薬管理票でのみ確認を行った。
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・持参薬管理票を確認する医師は、再度、お薬手帳や診療情報提供書との照らし合わせを行う。・持参薬管理票の用量記載は、オーダリングシステムと同じ単位に合わせる。・処方監査者と病棟担当者の連携を強化する。・薬剤師は疑義照会時、疑問があれば病棟担当薬剤師と情報交換を行う。
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入院時に持参薬管理票を作成する際にお薬手帳との照らし合わせをしなかったことなどから薬剤の過量投与がなされた事例
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障害なし
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患者は精神症状の加療目的で、当科紹介入院。慢性関節リウマチのため他院にてメソトレキセート2.5mgが処方されていた。薬剤師による入院時の持参薬チェックでは患者面談ができないなかでのチェックであった。入院時、診療情報提供書やお薬手帳の持参がなかったため、前医に連絡、週一回の勤務医であり、診療情報提供書が遅れた。患者に内服法を確認すると、「朝1錠服用している」とのことであったので、入院後、2.5mg連日投与がなされた。メソトレキセートは、患者の持参薬を継続投与とした。後日FAXで診療情報提供書が送られてきたが、処方歴についてよく確認しなかった。入院13日目、看護師が休薬期間のないことに疑問をもち、医師に確認、処方間違いが判明。12日間に渡って17.5mg/週のメソトレキセート過量投与を行っていた。
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薬剤師は患者面談なく薬剤数のみのチェックであったことを病棟へインフォメーションする必要性があった。後日他院より送付された診療情報提供書の確認を怠った。関節リウマチ治療に用いるメトトレキサート(МXТ)製剤の基本的知識が欠けていた。指導医は研修医処方のチェックと確認サインをしたが、処方内容の確認不足があった。通常は、専門科外の薬剤を処方する場合、当院では処方医に疑義照会し、専門科のコンサルテーションを行っている。
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・リスクマネージャー会議で事例報告をし、МТX製剤など休薬が必要な薬剤に関する情報共有を行った(処方時に内容確認のアラート機能を検討する)・精神科として、他科処方薬を処方する際の確認のガイドラインを策定した。・メトトレキサート(МXТ)製剤の処方については必ず薬歴を確認することを徹底する(関節リウマチに対して承認されているメトトレキサート2mgでの処方変更を推奨する)
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入院患者の持参薬の確認の際、患者がお薬手帳を持参せず、また前医からの情報提供にも時間を要する中でメソトレキセートが過量投与となり休薬期間がないことで誤りに気付いた事例
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障害残存の可能性がある(低い)
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透析準備終了後、コンソールにて確認後、穿刺開始したがコンソール上患者接続できず、ガスバージされていないことに気づく。再循環後、ガスバージ試行し再開始した。
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チェックシートは確認済のサインがあり、穿刺時の再確認時コンソールにてガスバージ終了確認見落とした。
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・チェックシートに沿い再確認の充実。・コンソールにて指差し確認の徹底。
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nan
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あり
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透析開始時動脈ラインと静脈ラインを間違えて逆に接続した。開始後1時間40分後に他の看護師が間違いを発見した。医師に確認し1時間透析を延長することになった。
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穿刺者は患者との会話で注意が散漫になっていた。介助者は穿刺部位の確認まで行わなかった。透析開始後にダブルチェックを行っているが、急変した患者の対応に追われダブルチェックが遅くなった。穿刺針の色が動脈用、静脈用とも同じ色であるため区別しにくい。
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・リーダーの役割を明確にし、状況判断が速やかに行えるようにした。・介助者の観察項目を記録用紙に追加し、誰もが同じ視点の観察を行えるように改定した。・記録用紙にダブルチェック時間、担当者サイン欄を設け、責任の所在を明らかにした。
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nan
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あり
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9:45に透析開始。終了の返血時にAVが逆に接続されていることに気付いた。医師に報告し血液検査を行った。その検査結果では、通常の血液検査とあまり変わらなかったので、そのまま終了となった。開始から終了までのチェック時にも気付かなかった。
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不明
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・回路を接続する際に、穿刺者は「静脈回路お願いします」、介助者は「はい、静脈回路です」と声を掛け合って接続するように取り決めた。
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nan
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なし
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緊急オンコールでCHDFを準備し開始10分後、エンドトキシン吸着の指示あり。CHDF中断し吸着のための準備を行い、開始した。血流方向が示されていたが反対方向に血液回路を装着していたが気づかなかった。翌日の他の臨床工学技士が誤接続を発見した。吸着はすでに終了していた。
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急な処置の依頼で慌てており思い込んだ。
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・吸着は頻回に行う処置ではないため、準備時の確認の徹底と定期的な手技の確認を行う。
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nan
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あり
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透析終了のため患者へ返血をしようとしている際、脱血ルートと生理食塩液ルートをつなぐはずが間違えて静脈圧モニターラインを外してつないでしまった。生食が出てこなかったため、ラインを確認すると間違えて接続していることに気づいた。回路が不潔になってしまったため、いつもは300mL返血するが患者へ謝罪し返血を全くせず終了した。終了時の血圧は120台。気分不快はなかったが、座位になった際、気分不快があり収縮期血圧98mmHgであった。状況を主治医へ報告、生食250mL補液指示をもらうが針は抜針してしまっていたため再度患者へ謝罪し翼状針で補液をした。病棟へ状況を説明し、状態観察を依頼した。300mLの血液を破棄することになり、気分不快、貧血になる可能性が高いため、注意が必要だった。
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いつも同じようにしている手順のため、自分の緊張感がかけていた。また、午後透析との切り替え時間帯のため1人での終了が当たり前となっており、マンパワーが不足していた。
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・集中して業務を行うための対策を検討する。
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nan
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あり
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血液浄化装置のダイアライザの取り違え(PES11Eαの指示をAPS08UA使用)た状態で透析を開始した。
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準備・プライミング・タイムアウトのトリプルチェックによる確認を行っていたが十分に機能しなかった。
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・準備・プライミング・タイムアウトのトリプルチェックに加えて、準備後に他のスタッフによる確認作業をマニュアル化する。
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誤った血液浄化器等の使用
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あり
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ダイアライザの取り違え(PES11Eαの指示をAPS08UA使用)
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透析開始時の確認が不十分であった。
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・準備、プライミング、タイムアウトのトリプルチェックを行っていたが、不十分であったため、準備後に他のスタッフによる確認作業をマニュアル化する。
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誤った血液浄化器等の使用
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あり
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透析準備のプライミング時、ダイアライザが患者のものと違っていた。
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外観の類似があった。確認不足があった。思い込みがあった。
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・確認を徹底する(ダブルチェック)。
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誤った血液浄化器等の使用
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あり
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透析開始13分後、漏血警報あり。透析液ラインに漏血がみられたため、マニュアルに従いダイアライザ、回路一式交換。医師指示にて抗生剤投与。
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メーカー調査。ダイアライザ移送時、院内保管時での凍結が原因。院内では0度以下になる場所では保管していないため、移送時または、中間業者での凍結の可能性が考えられる。
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・凍結する場所には保管しない。・中間業者・移送時の凍結防止を依頼。
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血液浄化器等の血液漏れ
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なし
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開始前の準備工程に入っておらず、そのまま開始操作に入ったために血液流量を上げることにより、H12(積層型ダイアライザ)シリーズの透析膜に圧がかかり、膜リークに至った。
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透析開始時、準備工程になっていなかったことに気付かず、プライミング液破棄途中に準備完了状態になるが、透析液圧の上昇あり。採液スイッチで一端、透析液圧下がるが、ダイアライザのリークみられダイアライザ交換となる(ダイアライザ:AN69-4000)。
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・開始前の指示票チェック時に本来防げるインシデントだったが、チェックが疎かになったため起きた。・開始前チェックを確実に施行していく。
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血液浄化器等の血液漏れ
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なし
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透析開始直後、漏血(PN100使用)でコンソールのアラームが鳴った。透析液排液ラインが赤くなっており、漏血を目視にて確認。A側を返血し、回路内残血液は破棄。医師の指示にて抗生剤投与、生化・血算の採血を実施。新たな血液回路・PN100をプライミングし透析を再開した。再開後漏血なく透析実施できた。患者の症状はなし。代理店に連絡し漏血したロットNoを回収、違うロットNoを納品してもらった。
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メーカー対応中である。
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・メーカー対応中。・違うメーカーへダイアライザを変更する。
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血液浄化器等の血液漏れ
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あり
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アーチスト錠2.5mg2T分1朝食後で処方。患者からは、Drより分1朝で服用するようにと訴えがあったが、添付文書上2.5mg錠は慢性心不全の適応しかなくその場合1日2回なので疑義照会。2T1日1回朝食後→1日2回朝夕食後へ変更。
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記載無し。
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患者からの訴えがあっても、添付文書と異なる用法の場合は疑義照会する。
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○通常とは異なる用法などを含む処方内容
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当該処方せんと薬局で管理している情報で判断
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アーチスト錠2.5mg
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ラシックス40mg2T2×朝昼食後→1T1×朝食後へ減量する予定が用法が2×朝昼食後のままであった。患者へ確認したら昼の薬をやめるという話だったので用法違いに気がついた。
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病院クラークが錠数を変更したのみで用法変更をしていなかった。
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記載なし
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○患者が理解している用法と処方内容の相違
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上記以外で判断
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ラシックス錠40mg
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薬局で併用薬の確認をしたところ、クラビット500を服用中であることが判明。しかし、医師にはそれを伝えていなかった。同種の薬剤が処方されていたので疑義照会をした。
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患者が併用薬を医師に知らせていなかった。
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薬局では併用薬の確認を徹底。患者にはお手帳活用の促進に努める。
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○併用薬
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上記以外で判断
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クラリス錠200
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