具体的内容
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背景・要因
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改善策
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記述情報
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具体情報
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分類
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段階
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専門分析班及び総合評価部会の議論
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当事者職種(職種経験年数)1人目
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関連したモノ
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専門分析班・総合評価部会の議論
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報告事例
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吸入酸素濃度
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事故の内容1
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事故の内容2
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訪問での専門分析班委員の主な意見
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人工呼吸器※
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持ち込んだ磁性体
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区分
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詳細
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参照
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画像
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画像2
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事例の分類
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注釈
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種類
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研修医の情報
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発生要因
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外来で維持透析中の患者。処方されていた経口血糖降下剤(グリミクロン錠40mg1錠朝食前)で血糖コントロールをしていた。血糖コントロールが不良となり患者の希望で、内分泌内科に紹介となった。内分泌内科を受診し、同科の医師がグリコラン錠250mg3錠(1錠毎食後)を処方した。約1ヵ月後、患者は転倒し、右大腿骨転子部不顕性骨折を生じ整形外科に入院。骨接合術を施行。数日後より嘔吐あり、ショック状態となりICUに入室。著明なアシドーシスあり。グリコラン内服による乳酸アシドーシスと診断し、間歇的血液透析、持続的血液ろ過透析等を実施した。
処方をした内分泌内科の医師はグリコランが透析患者へは禁忌薬であるという認識がなかった。血糖コントロールを依頼した腎臓内科医師はメトホルミン塩酸塩が透析患者へは禁忌であることは知っており、内分泌内科でグリコランが処方されたことは知っていたが、グリコランがメトホルミン塩酸酸であると理解していなかった。また、内分泌科医師がメトホルミン塩酸塩を処方することはない、という思い込みがあった。看護師は、グリコランが透析患者には禁忌だと知らなかった。薬剤師は、患者が透析患者と分からずチェックできなかった。
・院内へ注意喚起:禁忌薬の副作用に注意、配慮して使用するよう医局に対して注意した。 ・透析患者への禁忌薬一覧表を作成し院内へ配布する。 ・処方オーダー時、透析患者への投与注意のコメントを出すよう検討中。 ・オーダー画面の商品名の後へ分類名又は一般名を入れることを検討中。 ・薬剤師が週1回程度透析患者の内服薬チェックを行う。
疾患の認識あり/禁忌の認識なし
死亡
膀胱癌の手術目的で入院後、前医で処方されていた常用薬21種類のうち8剤がなくなったため、主治医(研修医)が処方を行った。この際、スロービッド(テオフィリン)4cap・分2を処方すべきところを、誤ってスローケー(塩化カリウム)600mg×4・朝眠前分2・7日分を処方していた。経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt)の術前から術中にかけて徐脈(35/min前後)がみられ、倦怠感の訴えもあったため、手術終了直後の17時に血液検査を行ったところK6.8mEq/Lであった。指導医の指示で帰室直後に再検査を行ったが、K7.0mEq/Lであったため緊急で血液透析を行った。透析中に血液浄化センター医師がスローケーの処方を発見し、予想外の高カリウム血症の原因が判明した。透析終了時にはK4.7mEq/Lに低下し、徐脈および倦怠感も改善した。
主治医(研修医)は、スローケーがカリウム製剤であること、透析患者へのカリウム製剤の投与は禁忌であるという知識を有していた。また、本来、処方すべきであったスロービッドについてはテオフィリンであることを確認していた。しかしながら、オーダー入力画面で「スロー」と入力したところ「スローケー」のみが表示されたが、これをスロービットと思い込んで処方した。指導医は研修医が行った処方に誤りがないか確認していなかった。薬剤師による服薬指導の際、患者が一包化されている薬の中から剤形の大きいスローケーを指して、「この新しい薬は何か?」と尋ねたが、「カリウムを補給する薬」であることを聞き、「普段からカリウム制限を指示されているのにおかしい」と患者は感じていた。また、服薬指導を行った薬剤師も疑問に思い主治医に確認しようと思っていたが、機会がなくそのまま放置された。
・薬剤の処方には細心の注意を払うべきであることを周知する。 ・研修医が複雑な処方や危険性の高い薬剤の処方を行う際は、指導医とともに行うこととする。 ・指導医は研修医が単独で行ったオーダーを確認する。 ・薬剤師は疑問を抱いた処方については必ず主治医に確認する。
誤った薬剤の投与
障害残存の可能性がある(高い)
左眼硝子体手術後6日目に発生。患者のカルテには、左眼黄斑円孔の病名が記載してあった。担当看護師が点眼施行。点眼薬は、1日4回点眼のクラビット・リンデロン・ジクロード点眼と、1日3回点眼のミドリンPの2袋。手術部位の左眼表示がベッドサイド掲示してあり、左眼には眼帯をしていた。クラビット等の点眼は左眼に実施し、ミドリンPのみ別の袋に入っていたので、「右眼にも差すのか」と思い右眼に点眼した。点眼直後、患者より「右眼もするの?」と言われ、点眼部位の間違いに気づく。看護師は、「そんなに害になる薬ではない」と説明し、その後左眼にミドリンPを点眼した。通常検査時に散瞳薬で使用しているので害になるとは感じていなかった。11:30患者が見えにくさを感じて、「今日は診察遅いね。」と話していた。12:30右眼眼圧が60mmHg以上で測定不能。患者が「右眼がぼやっとして見えにくい。看護師さんが間違って右眼に眼薬をさした。」と話した。ミドリンPによる右眼の緑内障発作と診断し、安静臥床とグリセオールの点滴を施行した。13:15グリセオール終了後も、眼圧は60mmHg以上で、右眼にサンピロ2%点眼し病室へ戻った。患者は前房が浅いためミドリンP使用時は注意を要する患者であった。16:15再度グリセオール200mL点滴を実施し、その後レーザー治療を実施した。
当事者は新卒で入職3.5月であり、眼科パスの患者の担当は「白内障」患者で経験があるが、「硝子体手術」の患者は初めて担当した。ミドリンPだけが別のビニール袋に入っていたため、反対眼だと思い込んでしまい部位確認をしなかった。処方箋控えには、「左眼」と黒字で記載されているが、字が小さく、処方薬品名、点眼部位、回数、用量の全てが同じ大きさと字体であるため、注意喚起しにくかった。眼科パスオーダー用の用法ラベルが、フォントが小さく、点眼部位の字の色が、右眼が赤色、左眼がオレンジ色で、同系色で判別しにくかった。点眼薬は、薬剤部から透明なビニール袋に処方箋控えと共に薬剤が入った状態で払い出しされる。病棟処置室では薬剤専用冷蔵庫の点眼薬用の箱に、チーム別に保管している。患者個別に用法(点眼部位と回数)毎にまとめて保管していなかった。小袋に入っていない点眼薬の用法を記入した用紙は、薬袋には入っているが、点眼実施の際に袋から取り出して見る習慣がなかった。当事者は散瞳薬として検査の前に使用した経験があったが、ミドリンPの副作用や禁忌についての知識はなかった。チームの先輩看護師は、点眼部位間違いの報告を聞き、すぐに医師に報告するよう伝えたが、その後の確認を行わなかった。ミドリンPの術後追加オーダーの理由が医師の経過記録に記載されておらず、看護師の申し送りや記録にも内容記載がないため、患者の治療内容の情報共有ができていなかった。
・薬剤部と看護部で協議し、入院患者の点眼薬処方時は、全て用法シールを薬袋に貼付することになった。点眼用法シールは、字体を大きくし、右眼は青色、左眼は赤色、両眼は緑色とし、点眼回数を記入するものとした。 ・点眼薬は、患者毎に用法(点眼部位と回数)毎にまとめて冷蔵庫保管する。 ・眼科パスの手術眼や点眼部位表示がわかりやすいように書式を変更する。 ・注意を要する薬剤や手術と反対眼であっても、禁忌や注意を要する点眼薬やケアーがある場合は、入院時に申し送りをする。注意事項は、外来申し送り書に記入し、カルテ表紙に右上に記載する。 ・看護基準に眼科手術プロトコール(白内障・硝子体)を追加し、新人看護師や部署変換した看護師が処置や薬剤・ケアの知識を得ることができるようにする。 ・看護部と医療安全対策部で協働し、入職研修時に薬剤安全使用についての研修内容を追加する。
疾患の認識あり/禁忌の認識なし
障害残存の可能性がある(高い)
眼底の診察のため。緑内障で入院中の患者A(散瞳薬禁忌)に、誤って散瞳薬であるミドリンPを点眼したことにより、緑内障発作、眼圧上昇をきたした。当日、チームの回診前散瞳の担当であった看護師は指示簿を確認し、チェック用の病床マップに注意書きを記載した。このとき、患者Aは「散瞳無し」であることを確認していた。点眼薬のケースをワゴンに乗せ、指示簿を確認しながら部屋を回った。患者Aは、医師の診察を受けている最中で部屋に不在であった。散瞳すべき患者の点眼は終了したので、病床マップは破棄した。その後回診のため、患者Aを暗室内に誘導した際に、散瞳をし忘れたと思いこみ、ミドリンPを点眼した。回診終了後、主治医が検査の際に両眼散瞳していることに気づき、点眼、点滴などを行った。
患者は散瞳禁止であったが、散瞳薬が準備されていた。入院患者にはミドリンPを含め3種類の検査用点眼薬を準備することになっていた。使用禁忌薬を除くルールがない。(術後には使う場合があるため)使用禁忌やアレルギーについて、検査用点眼薬の袋に注意書きをしている場合もあったがルールになっていなかった。散瞳に回る際、点眼薬のケースは部屋ごとに分けてあり、散瞳の有無に関わらず、全てワゴンに乗せていた。回診前直前に回った際に患者が不在であったため、患者確認ができなかった。散瞳しない患者が不在であった場合、どうするかのルールがない。指示簿を再確認せずに点眼を行った。暗室で初対面の患者をみて、散瞳し忘れたと思いこんだ。散瞳禁忌の患者がいたことを忘れた。散瞳する患者がほとんどであり、回診に支障がないよう散瞳することに意識が向いていた。散瞳する患者への点眼は終了していたのに、それを確認するツールがなかった。(チェックをした病床マップは破棄していた)指示簿は指示の記載のみで、散瞳したことを記載する欄がない。暗室内に点眼薬のワゴンは置いているが指示簿はなかった。散瞳禁止の患者であることを暗室内で回診につく看護師が共有する体制がなかった。患者は自分が散瞳禁止であることを知らなかった。患者に禁忌であることを、知らせることがルールになっていなかった。
・ミドリンPの禁止指示が出た段階で、検査点眼薬の袋から確実にミドリンPを抜き、ユニパックに禁止やアレルギー表記をする。 ・禁忌札を作成し、回診前から終了時まで患者に掛けておく。 ・暗室内に点眼薬のワゴンを置くのをやめる。 ・散瞳禁忌の患者の指示簿は暗室内の入り口のファイルに挟んでおき、患者入室の確認の際に、再度指示簿で確認する。 ・散瞳をした患者をチェックした病床マップは回診終了まで置いておく。 ・ケアフローに回診前散瞳を実施したことを記載する。 ・回診前に、指示簿で禁忌の患者がいることを確認しておく。 ・禁忌札を掛ける際に、患者にその旨説明する。以上の内容を踏まえ、「回診前散瞳手順」、入院時検査点眼薬準備手順」を作成した。
疾患の認識あり/禁忌の認識なし
障害なし
上部消化管内視鏡の前処置で鎮痙薬を使用する際、緑内障を指摘されている患者に禁忌のブスコパンを誤って筋肉注射してしまった。問診欄には、ブスコパンからグルカゴンに指示が変更されていたが見落とした。さらに、患者へ緑内障の有無を確認したにもかかわらず、医師があえてブスコパンを指示していると解釈し施行してしまった。前処置担当看護師に、筋肉注射の施行確認をされ間違いに気付き検査担当医師に報告した。上部消化管内視鏡検査は予定通り施行されたが、頭痛・気分不快などの症状出現はなかった。その後眼科受診し、緑内障は否定されていたことが分かった。
問診欄には、ブスコパンからグルカゴンに指示が変更されていたが見落としてしまった。さらに、患者へ緑内障の有無を確認したにもかかわらず、医師があえてブスコパンと指示していると解釈し確認せずに施行してしまった。
・指示確認を確実に行う。 ・禁忌薬品が指示されている時は医師、他の看護師、患者に再確認してから使用する。
疾患の認識あり/禁忌の認識なし
障害残存の可能性がある(高い)
前処置の抗コリン剤の注射を施行するため、問診票を確認。全ての項目に「いいえ」とチェックしていたので、依頼書、カルテ、本人に確認をせずブスコパンを静注した。静注後に依頼書に抗コリン剤不可と記載している事に気付く。患者と確認したところ眼科にて緑内障の診断はうけていないが眼が見えにくいと返答あり。ブスコパン静注後、眼痛、視力低下見られず。
問診票のみの確認しか行わなかった。
・医師と看護師で確認を行う。 ・予約時に問診票のチェックを患者と共に行う。 ・依頼書のチェックを必ず行う。
疾患の認識あり/禁忌の認識なし
障害残存の可能性なし
多発性血管炎に伴う高血圧にて神経内科にて降圧剤(ディオバン)を処方されていた患者が妊娠した。妊娠後産科に紹介され、神経内科と産科にてフォローされていたが、妊娠25週にて羊水過少症が発生し、産科入院となった。入院時産科医によりディオバン内服していたことに気付かれ、羊水過少症の原因が薬剤に起因するものであることが示唆された。
診療科間における投薬内容の確認不足。
・妊婦への処方薬剤確認の徹底。
疾患の認識あり/禁忌の認識なし
障害残存の可能性がある(高い)
片頭痛を訴えた妊娠末期の妊婦に医師の指示で禁忌薬であるロキソニンを内服させた。
知識不足。
・与薬の際には、十分に作用、副作用、禁忌の確認を行い、このようなことがないようにする。 ・疑問に思った時点で必ず調べてから指示実施をする。
不明
障害なし
12:30入院後直ぐの羊水検査の前処置として、ストック薬からウテメリン1錠を準備した。13:30頃、羊水検査後にストック薬を確認するとメテナリンを内服させた事に気づいた。直ちに主治医へ報告、エコーとウテメリン内服。主治医らから事の経緯を説明した。2回目のエコーでも児心音は良好であった。ウテメリンは通常、3錠3日のところ4日内服の指示となった。その後も、大過なく退院された。羊水検査の前処置として切迫早産治療薬を内服すべきところ、子宮収縮剤を与薬してしまった。
入院直後の検査で前投薬をストック薬で準備した。緊急の検査で焦っていた。ストック薬はウテメリンとメテナリンが同じ引き出しにあった。
・ストック薬はウテメリンとメテナリンは一方を別の箱にする(上からも見えやすい蓋付のBOXを準備)。 ・声だし、指差し確認の励行。 ・ストック薬を使用する場合はダブルチェックを行うことを検討。 ・可能な限り、薬剤科の処方とする。
誤った薬剤の投与
障害残存の可能性がある(高い)
切迫早産にてウテメリン1日3回(8時・12時・18時)内服している妊婦に対し、患者用の処方が出されていなかった。15時頃日勤担当看護師が内服薬の確認をしていないことに気づき、当番医に確認すると、15時と眠前に内服するように指示を受け、病棟定数薬から2回分(12時・18時分)持っていき、患者へ渡した。準夜看護師が、訪室した際に妊婦より「お腹が張ったのでもう1錠飲みました。同じ薬ですよね」と空シートを受け取ると、ウテメリンではなく、メテルギンであった。
患者用のウテメリン処方がなく、病棟定数薬から渡した。病棟定数薬として薬剤があり、病棟定数薬から使用する事が日常から行われていた。病棟定数薬の見直しが定期的に行われていなかった。患者の処方を医師へ依頼したが、医師には伝わっていなかった。病棟定数薬から薬を取り出す際に、薬剤の確認が不十分だった。患者へ説明する際、飲み方を伝えただけで薬剤の説明をしなかった。
・患者への与薬の際の手順を遵守する。(患者氏名・薬剤名・投与量・日付などを指差し呼称する)。 ・患者への説明、指導を行う(薬剤名・作用・服用方法など)。 ・病棟定数薬の見直し→メテルギンを病棟定数薬から削除する。 ・医師へ受け持ち患者の処方切れのないように、事前に確認して処方することを徹底する。看護師は処方切れに気づいたら、医師へ伝える。
誤った薬剤の投与
障害残存の可能性がある(高い)
パーキンソン病にて当院神経内科通院中、胃癌を認め胃全摘術を施行した。術後絶食期間中に不眠の訴えがあり、セレネースを指示セレネースは錐体外路症状を悪化させる事があるためパーキンソン病の患者には禁忌であった。患者は翌日、寡動状態となった。
主治医の認識不足のため、セット展開を用いて術後指示を出し、禁忌薬を処方した。
・基礎疾患をもっている患者に対しては新規に処方する際、添付文書を確認する。
疾患の認識あり/禁忌の認識なし
障害残存の可能性なし
せん妄あり、安定剤内服など行うも効果なく、セレネースを筋肉注射。その後全身の震えありパーキンソンによる固縮が悪化したが経過観察にて改善した。
せん妄に対して通常セレネースを用いており、今回も同様に投与したが、セレネースはパーキンソン病には錐体外路症状の悪化をきたすため禁忌となっていることに気づかずに投与した。
・病気に対する禁忌薬の把握をしっかりと行う。
疾患の認識あり/禁忌の認識なし
障害残存の可能性なし
HIT(ヘパリン起因性血小板減少症)のためヘパリン禁止の患者に、抗生剤終了後ヘパロックをした。受け持ち看護師に「抗生剤が終了したのでヘパロックします」と声を掛け実施。受け持ち看護師がヘパリン禁止ということに気づき声を掛けた時には、すでにヘパリン生食を投与した後だった。患者の枕元に「ヘパリン禁」の貼り紙がしてあったが、消灯後であったため気づかなかった。
受け持ち看護師が多忙だった為、応援看護師が定期薬(時間薬)のDIV及びロックを実施した。ヘパリン禁止の表示はベッドサイドにしていたが、消灯後であり気付かなかった。応援看護師には禁忌についての情報が伝わっていなかった。
・ヘパリンのⅣロックを中止とし生食ロックに変更した。 ・申し送り基準を見直し、全体の申し送りで患者の禁忌・注意事項を申し送るようにした(患者の状態を送る前に禁忌・注意事項を申し送る)。 ・表示方法、内容を検討。
疾患の認識あり/禁忌の認識なし
障害なし
手術後、点滴が終了したためヘパリンロックを行った。事後に統合セット(普段よく使用される注射オーダーの事前入力であり、必要時その画面より取り込み、注射のオーダー入力できるようになっている。例えば、疼痛時・腹痛時等の継続指示等。本来は医師しか注射のオーダーは出せないことになっているため、継続指示の注射箋発行の際に使用されている)からヘパリンロックをオーダーしようとして画面を開いたところ、画面に「HIT(ヘパリン起因性血小板減少症)にてヘパリン禁」の表示がされていた。
外来カルテにはヘパリン禁忌の記載があったが、入院診療情報記録の中にヘパリン禁忌が記載されていなかった。外来看護師から情報伝達がなかった。注射オーダリングにはヘパリン禁忌が記載さていたが、注射を準備する前に統合セットからオーダーしなかったため実施後に発見することとなった。統合セットからのオーダー指示を出す場合のマニュアル違反(マニュアルでは注射を準備する前に注射箋を出す)。
・統合セットから指示の注射を探しオーダー後に実施を行う。 ・入院時には外来カルテから情報収集を行う。
不明
障害なし疾患の認識あり/禁忌の認識
1時30分本人が深夜勤務看護師Aに頭痛を訴え、鎮痛剤を希望。看護師Aが当直医に上記を報告、カルテを確認しながら病名などを報告(この際、禁忌薬剤欄に記載が無いことを確認している)。当直医がアセトアミノフェンは常備していないか確認するがなかったため、常備薬のロキソニン服用を指示。1時40分看護師Aがロキソニンを与薬2時45分深夜看護師Bがトイレに付き添い2時50分本人がトイレから出てくると喘鳴あり、呼吸苦あり。2時55分病室に戻った後、吸入開始、ベッド上で後方に倒れ心肺停止、心マッサージ開始。その後心拍再開、人工呼吸器装着する。
入院カルテの表紙に禁忌薬剤記入欄があるが、記入がなかった。この記載に関する院内規定もなかった。入院時記録にもその記録はなかった。入院時紹介病院より軽度認知症があるという情報はあったが、入院時、看護師がアレルギー歴を聴取の際、本人からのみの確認で「アレルギー鼻炎あり」と看護記録に記載。オーダリングの患者プロファイル画面に禁忌薬剤の入力がなかった。(オーダリングの患者プロファイル画面に禁忌薬剤を入力すると、次回からオーダリング起動時にプロファイル画面が自動に開き、禁忌薬剤があることの注意喚起ができるシステムになっている)。禁忌薬剤の記載は外来カルテの表紙のみであった(夜間の当直対応では外来カルテの確認までは困難と思われる)。
・入院カルテに禁忌薬剤を記入することのマニュアル化と徹底。 ・夜間口頭指示の医師と看護師間の情報交換に関するマニュアル作成。 ・アスピリン喘息に関する知識の向上(研修計画中)。
疾患の認識あり/禁忌の認識なし
障害残存の可能性がある(高い)
耳鼻咽喉科で慢性副鼻腔炎に対し、鼻内視鏡手術が全身麻酔下に行われた患者で、手術終了後全身麻酔覚醒前に術後鎮痛目的でフルルビプロフェンアキセチル(ロピオン注)を50mg静脈内投与した。その後、麻酔からの覚醒は良好で抜管、循環・呼吸状態が安定していることを確認し、手術部内回復室へ移動した。そこで更に15分間状態を観察し、再び循環・呼吸状態が安定していることを確認し、病棟へ帰室となった。しかし、手術部から退出後病棟のエレベーターホールでエレベーターを待っている間に徐々に呼吸困難感が出現し、同時にモニターしていたSpO2も90%程度に低下した。直ちに付き添って帰室していた耳鼻咽喉科医師が喘息様発作と判断し、酸素投与を行いつつ帰室した。帰室直後より酸素投与、ハイドロコートン300mg投与、サルタール吸入により速やかに改善した。術後第一日目にも呼吸困難が出現したため、ステロイド、ネオフィリン内服、ツロブテロールテープ貼付、サルブタモール吸入を行い軽快した。以後は、呼吸系の問題はなく、後遺症、新たな合併症は認められず経過した。軽快後、患者及び家族に対し、経過及びアスピリン喘息という診断、素因であることが強く疑われるので、今後は鎮痛薬等の必要時には注意を要すること、医療機関にかかる際には必ず伝えることを説明し了承された。
患者は、以前にバファリン内服時に軽い呼吸困難が出現していた既往があり、耳鼻咽喉科への前医からの紹介状にはアスピリン喘息の疑いが指摘されていた。しかし、麻酔科医の術前診断時には、外来カルテに貼付されていた紹介状を読んでいなかったため、本人からの既往歴聴取では、バファリン内服と呼吸困難の関連性が明確でなかったため、術後鎮痛の目的でフルルビプロフェンを投与した。投与後20分以上経過してから、その投与に起因すると思われる喘息様発作が発症したと考えられた。
・患者の既往、素因等の情報は確実に伝達される様に考慮する。 ・何らかの重要な情報がある場合は、カルテの表紙に注意を必要とするマークを表すこととする。
疾患の認識あり/禁忌の認識なし
障害残存の可能性がある(高い)
難治性腸腰筋膿瘍の原因として消化管穿孔が疑われ消化管外科カンファレンスにて症例呈示したところ、注腸造影による確認が必要と判断されたため、整形外科担当医が注腸造影を予約した。注腸検査は担当科か、担当科から依頼を受けた消化器内科、あるいは消化管外科が行う取り決めとなっていたが、担当医はそのことを知らないまま検査室に患者を搬送した。担当医は注腸検査の経験がなく、看護師から「来週にしたらどうか」といわれたが、患者の容態が思わしくないこともあり、その場で自分で行うことを決めた。看護師から「造影剤には腸管に残るものとそうでないものの2種類があり、緊急手術になるなら腸管に残らないものがいいのではないか」と助言されたが、担当医は緊急手術になることはないと考え、「残るものでも構いません」と答えた。これによりバリエネマ75%(バリウム)が選択され、注腸検査が実施された結果、S状結腸間膜内にバリウムが漏出した。担当医は造影剤についての知識はなかった。午後、数日前に当患者のCTを読影した放射線科医が自主的にカルテをチェックしていたところ、バリウムが注入されたことに気づき、判明した。腹膜炎の発症が心配されたが、保存的治療でコントロール可能であった。
経験のない手技を上級医に相談無く一人で実施し、禁忌薬を用いた検査が実施されてしまう体制があった。
・教育体制の見直しを図る。 ・禁忌薬剤を使用できない(あるいは確認を求める)体制の構築。
疾患の認識あり/禁忌の認識なし
障害残存の可能性がある(低い)
S状結腸癌の疑いの患者が、全結腸内視鏡検査のためにニフレックを内服したが、1.5リットルほど内服した時点で腹痛・嘔吐を訴えた。検査は中止し、その後症状は改善したため、絶食と安静で経過観察していた。翌日4時20分頃、排便後意識レベル低下及び血圧低下等を来たしているところを看護師が発見。すぐに医師に報告し、指示で酸素投与及び補液を開始。緊急CT等を施行しイレウスと診断。血液ガス分析で著明なアシドーシスを認め、全身状態の改善を図った後、緊急手術となった。
CTで狭窄が疑われるS状結腸癌の患者に対して、ニフレックを投与した。
・ニフレック投与の適応を慎重に行う。
不明
障害残存の可能性がある(高い)
糖尿病(血糖300mg/dL程度、HbA1c8%程度)のため当院糖尿病・代謝内科に通院し、内服薬(アマリール1mg/day)が処方されていたが、一時通院を中断した。約1年ぶりに当院糖尿病・代謝内科外来受診。血糖値120mg/dL程度、HbA1c5%程度と血糖コントロール良好のため、糖尿病・代謝内科外来担当医より、内服薬は不要で通院も不要と判断され、以後糖尿病・代謝内科には通院していなかった。その後、不眠を主訴に当院精神神経科受診(躁うつ病のため近医に通院していたが、患者本人の「不眠」の自覚症状が良くならないため本人の希望により当院を受診)。セロクエル25mg1錠が処方された。以後、当院精神科外来に通院し、セロクエル25mg2錠が処方されていた。3ヶ月後体調不良、口渇、多尿、多飲、体重減少出現、意識レベルも低下したため当院救急外来受診。血糖値600mg/dL程度、身体所見で強い脱水を認め、高血糖による高浸透圧状態と診断され、緊急入院となった。
外来担当医は、抗精神病薬セロクエルが糖尿病に禁忌であることを知っていた。また、患者が、過去に当院の糖尿病・代謝内科を受診し、「糖尿病」という病名が登録されていたことは確認していた。しかし、患者に糖尿病があるかを尋ねたが、「以前検査を受けたが何ともないといわれた。薬も飲んでいない。」と回答されたこと、当院での最終検査の血糖関係のデータが、正常値(血糖値120mg/dL程度、HbA1c5%程度)であったことから「糖尿病はない」と考えセロクエルを処方した。以後の外来において、抗癲癇薬の血中濃度や、肝機能、血算等、の検査は行なわれたが、血糖値の検査は行なわれなかった。
・院内の全職員向け電子メールにて、「当院においてセロクエル処方後に高度の高血糖となった事例があったこと、非定型抗精神病薬であるセロクエルならびにジプレキサが糖尿病患者に禁忌であり、また投与中は血糖値と高血糖症状の有無の確認が必要であること」について、注意喚起を行なった。 ・セロクエルの処方をおこなった診療科(精神神経科)のカンファランスにおいても、本事例に基づいた注意喚起が行なわれた。 ・糖尿病患者に禁忌である非定型抗精神病薬(セロクエルならびにジプレキサ)について、初回処方時に、血糖値を測定し確認するよう警告をだすシステムを作成することとした。
疾患の認識あり/禁忌の認識なし
障害残存の可能性がある(高い)
前立腺肥大がある患者にブスコパンを筋注した。尿閉あり。
指示表の確認不足。
・検査前には必ずカルテで患者の情報を得て、問診票と合わせて患者に確認する。
不明
障害なし
両白内障を手術後退院。以後外来で経過を観察をしていた患者であった外来受診時、医師よりハイパジールコーワ点眼が処方された。患者は、20時に初めてハイパジール点眼を点眼する。20時30分息苦しさが出現し、顔面蒼白となる。本人より救急車の要請があり家族が救急車を要請する。意識レベル呼名反応は見られた呼吸30回脈拍120回/分21時10分に救急車内にて心肺停止状態となる。アンビュー加圧しながら当院の救急外来時搬送される。気管内挿管、エピネフリン静注、気管内注人工呼吸装着。循環動態のサポート薬を開始する。自己心拍再開、ICUに入院となる。入院時当院の眼科で処方した点眼薬の影響が強く疑われた。前回の入院経過を調査した結果、前回入院時に喘息の発作を起こした経緯が有ったが、処方時は喘息の認識がなく処方をしており、喘息患者に禁忌の処方をしたことが分かった。問い合わせた結果、副作用報告は、7件報告されていたが今回の事象のような重篤なものはなかった。後日、家族に処方した点眼薬により重篤は副作用が現れたものと考える旨説明する。その後患者の呼吸管理、全身状態の管理を行う。
問診の結果記録が不十分であった。外来のカルテの既往症の確認項目の中に喘息はピックアップされていなかった。処方医は、点眼薬の喘息患者への副作用についての認識が不十分であった。
・眼科の外来カルテの既往症の項目に喘息の項を追加印刷する。 ・問診結果のカルテ記載を徹底する。 ・医療安全月間のキャンペーンを行い注意喚起し巡視で確認指導を行う。
疾患の認識あり/禁忌の認識なし
不明
救急外来で意識障害にて救急搬送された患者の精査を行っていた。CT等の検査では原因がはっきりしない為、MRI検査を施行することとなった。救急担当医は当直放射線技師に院内PHSで連絡した上でMRI検査をオーダーした。放射線技師より救急外来に検査の準備が整ったため患者を検査室へ搬送するよう連絡が入った。救急外来看護師はMRI用ストレッチャーに患者を移し、身体に磁性体となる物が付いていないか他の看護師とダブルチェックリストを使用せずに口頭で行った。又マニュアルで決められている金属探知棒も使用しなかった。放射線技師は救急外来看護師に対しても磁性体がないかの確認を行い、患者をMRI室内へストレッチャーの頭の方から搬送した。ストレッチャーが検査台に近づいたところで「ドーン」という大きな音がしてストレッチャーの下にあった酸素ボンベがMRIガントリー内の4時の方向に吸着した。その際、放射線技師は吸着を防止しようと思わず右手を出しガントリーと酸素ボンベとの間に右手を挟まれた。救急外来看護師は直ちに患者を前室に移動し患者の安全を確認すると共に院内に応援を要請した。駆け付けた医師、看護師は患者を救急外来へ搬送し、患者に障害のないことを確認した。MRI室では応援に駆け付けた放射線科技師長と他の技師とで事故後の対応を行った。放射線技師は右手背の打撲を負った。
院内で決められたマニュアル(チェックリストによる2名でのダブルチェック、金属探知棒の使用)が守られなかった。酸素ボンベがMRI対応の物でなかった。酸素ボンベがストレッチャーの下にあり視界に入りにくかった。緊急のMRI検査であったため当直放射線技師は緊張していた。救急外来看護師は育児休明けだった為、入室時のマニュアルがあることを知らなかった。
・マニュアルの周知と徹底、定期的な検証を行う。 ・入室チェックリストへ実施者サインを記載することで意識の向上を図る。 ・MRI用ストレッチャーとMRI対応酸素ボンベをセットとし他のボンベが搭載できないようにする。 ・中途入職者や復職者へのオリエンテーションの構築。
障害なし
脊髄損傷の患者の緊急MRI撮影を行う際、ストレッチャーに酸素ボンベを搭載したまま、MRI検査室に入室したため、酸素ボンベがMRIガントリー内に吸着した。患者、医療者ともに影響なし。その後、他のMRI検査室で検査を実施。
医師が患者をMRI検査室に入室させてよいか口頭で確認したところ、技師は「入室不可」と返事をした。しかし、医師は技師の返事を「入室可能」と聞き間違えてMRI検査室に入室した。また、MRI検査室のドアが半分開いていたため、入室可能と医師が誤認した。磁性体のMRI検査室への持ち込みが禁忌であることを医師が十分に認識していなかった。MRI検査室の入口の金属探知機のブザーがよく鳴るため、危険意識が薄れていた。
・MRI検査室の前室での持ち物確認が終了するまで入室しないよう技師が必ず説明する。また、持ち物確認が終了するまでMRI検査室のドアを閉めておく。 ・MRI検査室入室時に金属探知機のブザーが鳴ったら必ず立ち止まることを徹底する。 ・救急科医師、TCC看護師にMRI検査実施時の注意点を再周知する。
障害残存の可能性なし
てんかん疑いにて当科紹介となる。同日の脳波検査では異常認めず、頭蓋骨骨折の既往があるため頭部MRI検査予約とした。検査当日、検査時使用の薬剤(プルポフォール)を、小児科外来看護師がトレイに準備した。準備した2つのトレイのうちの1つがホーロー製であった。両親とともに患児が来院。小児科外来で説明、血管確保後、医師と看護師がトレイを持って、患児を検査室に案内する。看護師は、更衣室の椅子の上にトレイを置いて、医師に声をかけた後、退室する。診療放射線技師2人は、医師が、回診衣のポケットから持ち物を取り出すのを確認し、患児の衣服等の金属確認を行った。医師は撮影室に入室する際、準備してあった薬剤の入ったトレイを持って入り、撮影台に置き(患児の足元約50cmの所)、鎮静処置を開始した。数分後、もう一人の医師が撮影室に入室し、鎮静処置を一緒に行う。入眠し撮影のため台を頭側へ移動、それとともにプロポフォール、注射バイアルなどを入れた鉄製トレイがMRIの磁石にひきつけられ飛び、トレイに置いてあった物が患児の顔面に当たり口内裂傷を起こした。それと同時に患児は覚醒し泣き始めた。検査中止とし、口内出血を確認し、口腔を中心に顔面を診察。口唇腫脹あり。部屋の外で待たれていた両親を呼び入れ、上記状況を両親へ説明し謝罪した。口腔外科医師に連絡後、歯科外来にて口内裂傷に対し診察治療処置を行った。処置終了後小児科外来へ戻り抗生剤点滴。点滴終了時、泣き止んで口腔内止血しており帰宅とする。
安全確認の不備(金属持込禁止と、撮影テーブルスライド前の安全確認の徹底が出来ていなかった。ホーロートレイの存在(ほとんど目にすることがなく、準備した者・持ち込んだ者がホーロートレイが金属という認識がなかった)。
・チェックリスト使用による金属持込禁止の徹底。 ・ホーロートレイの院内撤去。 ・MRI常備トレイをアルミ製からプラスティック製に変更。 ・手順書の見直し。
不明(障害残存なし)
担当医師が新生児用ベッドにてMRI室受付へ患者を搬送した。担当医師はMRI操作室内で白衣を脱ぎ、身に着けている金属を外した上で検査室前の廊下で待機した。担当検査技師がMRI検査室のドアを内側より開け、待機中の担当医師に検査を始める旨を伝えた。検査技師は呼吸状態把握のために使用する経皮酸素飽和度モニターを準備するため、検査室から操作室へ移動した。その間に担当医師が患者を乗せた新生児用ベッドを押し検査室に入室した。新生児用ベッドがMRI装置本体の真横まで達したところで、新生児用ベッドが患者を乗せたままMRI装置中央の空洞を操作室側から塞ぐように吸着した。MRI検査は中止とし新生児病棟に帰室した。診察上、頭部の外傷、出血は認めず、手足の動きも良好であり経過観察の方針とした。しかし、その後左眼周囲の腫脹を認めたため、眼科診察、頭部CTを施行したところ、頭蓋骨骨折、頭蓋内出血、左眼瞼周囲皮下出血、左眼窩上部骨折を認めた。
本事例の当事者である担当医師は卒後8年目で、MRI検査担当の経験も豊富であり、過去に同様の事故を起こしていない。今回も、MRI検査前に本人や患者が身に着けている金属についてチェックを行っており、MRI検査時における金属の危険性について認識はしていた。CT検査などではベッドから患者を移動する際の事故を防止するため、患者ベッドを検査装置の真横に着けることになっている。MRI検査開始を告げられた時点で、患者ベッドを(CT検査と同様に)装置本体の真横まで着けてしまったことで事故が発生した。通常は入室の時点で検査技師によるダブルチェックがあり、事故を未然に防ぐことができる。しかしながら、今回は検査技師がMRI用の経皮酸素飽和度モニターを操作室へ取りに行ったことにより、医師と患者から目を離している間に事故が発生した。
・MRI検査室内への患者の誘導は技術員(検査技師)が行い、医師や看護師が単独で患者の誘導をしない事を徹底する。 ・MRI室の廊下で(成人で使用する)MRI用搬送ベッドに移床する。 ・MRI室で使用可能な新生児用ベッドの作成を業者に依頼する。 ・MRI室に金属探知機を設置する。などの案を関係各部署と検討している。
障害残存の可能性がある(低い)
頸部の単純・造影検査中単純検査が終了したため、担当技師がベッドをマグネットから出し、続いて担当医師(研修医)が造影剤を投与するためマグネットに近づいた際、髪の毛をとめていた髪留め(金属性)がマグネット内に飛び込んだ。患者への危害がないことを目視と問診で確認し、続いて飛び込んだ髪留めを回収した。検査は、患者への危害を認めなかったため、引き続き造影剤を投与して、造影検査まで検査内容の全てを完了した。
当事者は研修医で、MRI検査を担当する前に、放射線科担当医師によるオリエンテーションを受けており、危険性の認識は十分にあった。しかし、実際にMRI検査業務前の金属類の取り外しの際、髪留めである金属類の一つを取り外し忘れた。その後、髪留めをつけたまま、MRI検査室に入室し、引き付けられることに気がついた時にはマグネット内に髪留めが飛び込んでいた。この経過を見ると、認識はあるが、金属類のチェックが確実に履行できなかったことがトラブルに繋がった要因と考えられる。
・金属類を取りはずした後、金属探知器を用いて金属類の残存をチェックする確認の手順を追加した。 ・管理面から、金属類のチェック後は、時刻と氏名を記帳し、職員個々の責任において安全を担保することとした。以上の対応策をリスクマネージャー会議で説明した。 ・医療安全管理マニュアルにも掲載し、マニュアル整備も実施する。
障害なし
MRI施行、4日後患者が整形外科受診時、「MRI検査を受けていた時に、左腰部がチクチクした」。家に帰ってみたら、チクチクしたところが火傷のようになっていた。検査時に身に着けていた着衣は「金糸を使ったようなジャージ」だった。ジャージの金糸模様と一致する発赤痕が4箇所認めた。これまでジャージでこのような事故は無かったが、洋服に金糸が織り込まれていたことが原因だったことが判明した。
手順の非遵守・マンパワーの不足・着替えの確認をする職員の配置など。
・当院の綿の検査着の着用を徹底する。
障害残存の可能性なし
当該患者は聴力障害あり、病棟看護師とMRI室担当看護師による確認において、補聴器との報告あり。オーダー上は金属なしのため、補聴器をはずし、入室。ガントリーの中に進めたところ患者より頭が痛いとの訴えあり。患者が「人工内耳が…」と訴えるので、すぐにMRI室より退出。退室後確認したところ、人工内耳植え込みの患者だった。
人工内耳植え込みを実施した耳鼻咽喉科ではMRI禁忌であることは知っており、患者への説明も行っていたが、その後入院した診療科には伝わっていなかったため、MRIオーダー上「金属無し」となっていた。インプラントに関する項目について、「入室前チェックリスト」に記載がなかった。
・主治医がMRIオーダー時に自動出力される同意書・説明文書にインプラントに関する項目を追加した。 ・この時に確実にチェックすることとした。 ・MRI検査室入室前に、放射線技師と看護師が事前に確認を行うための「入室前チェックリスト」にインプラントに関する項目を追加し、聞き取りを行うこととした。 ・オーダリングシステムのインプラント情報は実施した診療科の主治医が入力し、各科で情報を共有することとした。以上を会議及びラウンド等で院内に周知した。
障害なし
頭痛にて他院受診。肺がん、癌性クモ膜炎による水頭症と診断されシャント術施行。その後、肺がん治療目的にて当院紹介。転移精査のため頭部MRI施行。半年後、頭痛があり、再度転移を疑い頭部MRI施行。硬膜下血腫がみつかり、脳神経外科Drコンサルトした。シャントは強い磁気で設定圧が変化してしまうものであったため、半年前にMRIしたことで低髄圧となっていた。外傷もないことから血腫は低髄圧となったことによるものと考えられた。慢性硬膜下血腫の診断にて血腫洗浄除去術(穿頭)を施行した。
MRI施行によりシャントの設定圧が変化することを脳神経外科以外の診療科の医師は知らないので、検査終了後、シャントのバルブの圧調整をしなかった。MRI検査の患者説明文の項目に「体内に何か金属・磁性体がありますか」の設問項目にシャントの記載がないので患者も気がつかず、申告がなかった。医療者がチェックするMRI検査時チェックリストに医師・看護師が2名でチェックしているがマグネットタイプのシャントの項目になしとチェックされていた(他施設で挿入されていた為、具体的な情報がなかったことと、当該医師が内科医であった為、MRI検査時チェックリスト項目にマグネットタイプのシャントの有無と記載されていたが磁気で圧変動するシャントシステムがある事を知らなかったため。また、マグネットタイプのシャントがどういうものか知らなかったため)。
・マグネットタイプのシャントチューブ挿入患者のMRI検査後はバルブ圧の際設定が必要であることの情報を職員に周知する(周知方法:e-ラーニングでアクシデント事例として配信した。周知内容:アクシデント事例の内容の要約と対策。 ・シャントの種類によっては、MRI検査によって設定圧が変化するため、検査後に圧設定チェックが必要であることを認識する。 ・検査後に脳神経外科にシャントバルブの圧設定チェックを依頼する)。 ・画像診断センターはMRI検査施行時、脳神経外科以外の診療科から依頼された患者にシャントが入っていることを確認したら、診療科医師に圧設定が必要であることを伝える。 ・MRI検査問診表の金属の植え込み確認の項目にシャントを入れ患者からも情報を得る。
障害残存の可能性がある(低い)
外来カルテの表紙には「メドトロ」、病名欄には完全房室ブロックと記載されていたが、脳外科医師はカルテを確認せずMRIをオーダーした。脳外科外来看護師もカルテ・患者・家族に確認しなかった。放射線科への車いすでの移送は家族が行った。MRI室においては技師が患者の左前胸部を触って確認したが、脂肪体質で気付かず検査開始、DWシーケンスを約1分間施行、MRAシーケンスを約5分間施行中、技師が外来カルテを確認し完全房室ブロックの既往歴、PM挿入が判明検査を中止した。患者の意識状態を確認、反応あり脳外科医師に連絡、MRI室を退出(滞在時間約8分)、家族に経緯を説明する。循環器医師にコンサルトされ、CT検査実施後、脳梗塞とペースメーカの経過観察のため救命センターへ緊急入院となる。業者によるペースメーカの点検を行い、特に問題なし。ペースメーカの不都合はなかったが、心原性脳塞栓症(心房細動)のため死亡。
医師・看護師・放射線技師がペースメーカ挿入患者であるかどうかを検査前に患者・家族に確認せず。家族は放射線技師から撮影後の経緯を説明時に、外来の看護師にペースメーカ挿入患者であることを告げたと話されるが、脳外科外来看護師は聞いていない。また、放射線技師は医師からT‐PАの適応を見るためのMRI撮影と聞いたため、チェックは済んでいると思い込んだ。
・MRI入室時チェックリストの見直し。 ・外来カルテの表紙にペースメーカ挿入患者であることを明示。 ・オーダリング入力システムの改善。 ・救急外来との連携。 ・確認が取れない時は、胸部レントゲン撮影にて確認。
障害なし
担当医師は、患者に1年前にペースメーカが挿入されたことを失念し、MRI検査を計画した。検査予約入力画面の体内金属チェック欄に心臓ペースメーカの項目があったが、注意が行かず申し込みを行った。検査は申し込みが終了すると予約用紙が出力され、申し込みを行った医師が、その日のリーダー看護師に手渡すことになっていたが、用紙は看護師に渡されていなかった。検査前日、遅出看護師は、患者に翌日の検査説明を行おうとして予約用紙が無いことに気づき、検査予約用紙を再出力した。予約用紙には、医師がチェックする体内金属項目と、患者がチェックする金属持参物項目があった。遅出看護師は、予約用紙の医師チェック欄の心臓ペースメーカにチェックがないことに気づき、手書きでチェックを行った。その後、患者に明日MRI検査があることを説明し、検査当日の金属持参物のチェック項目にチェックをしてもらうため用紙を渡した。検査当日、患者は検査予約票の金属持参物を確認し、サインを行った。日勤担当看護師と指導看護師は、予約用紙を確認し、患者のサインがあることを確認した。二人の看護師は、ペースメーカにチェックが入っていることを認識したが、疑問に思わなかった。患者は、一人で検査室に行き、放射線技師に予約用紙を渡した。検査技師は用紙に記載された患者の体内金属チェック項目の確認が不十分な状態で、患者に金属の持参物がないか確認し、患者から無いと返答があったため、患者を検査室に案内し検査を行った。放射線科医師は、MRI検査結果の読影を行おうとして、画像よりペースメーカ挿入患者にMRI検査が行われたことに気付いた。連絡を受けた担当医師は、MEに動作チェックの依頼を行い、ペースメーカが正常に動作しているのを確認した。
担当医師は、患者がペースメーカを挿入していることをうっかり忘れたため、検査オーダー時に体内金属チェックが行われず、MRI検査を依頼した。放射線科技師は、体内金属が挿入された患者にMRI検査の申し込みがされるとは思わず、検査前の予約票にあるチェック項目の確認方法が形骸化した確認だったため、見落とした。看護師は患者にペースメーカが挿入されていることを知っていたが、以前に体内金属挿入患者で、MRI検査が必要なため実施された患者がいたことを知っていたため、今回も同様の必要性で検査が行われるのだと思った。看護師は、体内金属チェック欄は医師が患者に説明して記載する項目と認識していなかったため、自分でチェックを入れて患者に手渡した。患者は、当院で1年前にペースメーカを挿入したが、患者の治療とともに電子カルテに体内挿入物をチェックしていく取り決めがなかったため、医師カルテ、看護師カルテのペースメーカチェック欄にチェックがされていなかった。
・医師は検査申し込み時に、体内金属チェックリストの確認を行う。 ・MRI室は、検査前の確認を確実に行う。 ・看護師は医師のチェックリストに記入するのではなく、医師に確認を行い、医師に記載してもらうようにする。 ・患者の体内に金属が挿入された場合や、挿入された情報を得た場合、医師、看護師はカルテにチェックする。
障害なし
外来受診しMRI予約を取った。事前チェック項目未記入のまま伝票を提出し、MRIを撮影した後、患者は帰宅する。放射線科医長が読影時に過去の検査で洞機能不全があったのを確認した。更に外来カルテに先月ペースメーカチェックをしていることより「ペースメーカ」が挿入されていることに気付いた。患者の自宅に電話連絡を取り、至急ペースメーカをチェックしたほうがよいことを説明し、患者来院。意識清明で症状は見られず。ECG上、ペーシング上異常認めず。ペースメーカチェックの結果は問題がなかった。MRIによるペースメーカ及び心筋に対する影響はないと循環器医師より診断された。
MRIの検査申し込み伝票の問診依頼を医師が実施しなかった。泌尿器・放射線科受付事務もチェック項目欄を見落とした。検査当日骨盤部MRI検査の検査前「検査禁忌チェック」を放射線技師は目で追うだけのチェックしかしなかった。当日、MRI検査室の事前チェックを患者自身に記載してもらい、患者はペースメーカを挿入していることを記載したが、放射線技師は充分に確認しなかった。問いかけをしなかった。
・MRI申し込み伝票の禁忌チェック事項、問診を必ず医師が患者に確認して記載する。 ・伝票処理する際に医師が問診しているかを再確認する。 ・放射線科MRI担当者は、これまで患者本人に記載してもらっていた「禁忌チェック表」を今後は担当者自身がチェック表を問診しながら記載し確認する。 ・MRI勤務体制を2人にして、1人で禁忌事項チェック、着替え、撮影と言った業務にならないようにする。 ・伝票の記入漏れ、不備な検査伝票でも検査をおこなっていたが、今後は検査依頼した医師と撮影技師とのダブルチェックを徹底していく。不備な伝票に気づいた際はその時点で依頼医師に返却し不備な点を訂正してもらう。
障害なし
患者は入院後、アシネトバクターやMRSAの感染が合併し、重症感染症となり、抗生物質を長期使用しても、高熱が続くため、精査を行った。腹部CTにて腹腔内血腫あるいは、腹腔内膿瘍が疑われた。このため、腹腔内腫瘤病変の精査のため、腹部MRIを撮影した。撮影中、患者が動き出したため、MRIを中止した。その後、放射線科医師が読影中にICDのリードに気付いた。患者はバイタル・全身状態は安定していた。当院でICDチェックした結果、機能は正常であることが確認された。
入院時に診療録にICD植え込みを記載していたが、経過が長くなり、複数回の主治医の変更やグループの変更、病棟病室の変更があった。また、入院の原因となった病態から大きく変化していたため、認識が薄れていた。重篤な病態が続くため、原因を精査し、治療していくとの念頭があり、主治医との情報交換が不十分であった。
・MRI検査禁忌の患者の外来カルテ・入院診療録・データベース用紙・温度表に「MRI禁止」の印を押す。 ・診察券・IDカードに「MRI×」のテプラを貼る、などのMRI手順を作成した。
障害なし
自己管理の患者が服薬時間を理解できておらず、13時に「朝の薬飲んでいないが、いつ飲んだらいいか?」と確認に来た。朝の薬はなく、就前薬を服用しようとしていた。
自己管理能力のアセスメントが不足していた。
・患者指導を重点的に実施しながら、確認を徹底して行うことで自己管理の継続を図る。
障害なし
7時に訪室時「昨夜23時頃に転んだ。その後から右手首が痛い。はっきり覚えていないが寝ぼけて歩いていた。22時頃にマイスリー5mgと夕食後のセロクラールを同時に内服したことが原因かもしれない。」と情報があった。右手首に2.0×2.0cm大の内出血斑があり、疼痛と軽度腫脹があった。他には疼痛や皮下出血等は見られなかった。医師診察後、レントゲン撮影後整形外科コンサルテーションを行い、右橈骨遠位端骨折と診断され、シーネ固定で経過観察することになった。指導は行っていたが患者はスリッパを使用していた。
指導は行っていたが患者はスリッパを使用していた。内服を2種同時に行っていたことを看護師は把握していなかった(自己管理薬である)。転倒転落アセスメントスコアは9点、危険度2で評価している。全身麻酔で手術後の1日目の夜であった。必要時ふらつく時ナースコールをするように指導を行っていたがナースコールはなく1人で移動していた。
・シューズ使用を再度指導を行う。 ・シューズに変更されていることを確認する。 ・夜間、必要時ふらつく時ナースコールをするように再度指導を行う。 ・内服指導を行い自己判断で内服をしないように指導を行う。 ・眠剤などの内服を看護師に伝えることを指導する。
障害残存の可能性なし
内服薬を自己管理していた患者。術後は看護師管理で内服介助していたが、術後3病日目となり、患者と相談して内服薬を自己管理とした。朝の内服をする時に、患者PTPシートごとリポバス錠1錠、カルスロット錠1錠を内服した。その後ナースコールでPTPシートごと内服してしまったことを看護師に報告してきた。すぐに医師に報告し内視鏡を行い、鉗子で1錠は抜去したがもう1錠は抜去困難で、様子観察となった。4日後便にPTPシートが混在していることを確認した。内視鏡検査では、食道部に一部粘膜剥離を認めた。
患者の自己管理能力の評価が不十分であった可能性。看護師管理にする時に、1回毎の内服に分包しており、PTPシートを1錠ごとに切り離し、タイミングごとの一包化としているが、自己管理にする時に、そのままの状態で患者に返却しているためPTPシートが切り離された状態になっていた。
・患者の自己管理能力の評価について十分に検討する。 ・PTPシートの切り離しを安易に行わない。薬剤部との連携で一包化するときは、PTPシートから出して作成できるかを検討する(薬剤部の人的問題で現在は無理といわれている。またPTPシートから出せない薬剤もある)。
障害残存の可能性がある(低い)
朝8時頃、患者からナースコールあり、訪室すると、薬の殻を飲み込んでしまって殻が喉のところにある、と訴える。喉につっかかりそうで呼吸しにくい感じがあると話すが、呼吸苦はなかった。SpO2:98~100%。開口してもらい確認するが空は見えず。主治医へ電話報告し主治医診察する。患者は、薬を外装から薬杯へ出し、薬を全部口に含み一気に服用したとのこと。服用後の薬の外装を確認したところ、取り出したムコスタのPTPシートが見当たらなかった。主治医が診察後、耳鼻科受診となり、レントゲン・CTが施行される。CT撮影の結果、異物の所見があるため食道異物とし、耳鼻科で緊急手術となる。全身麻酔下で食道異物摘出術施行。門歯列より16cmの部位に異物を認め、問題なく摘出。摘出したものはムコスタのPTPシートであった。4~5日間絶飲食、NGチューブからの経管栄養とし、以後発熱・疼痛などなければ1日毎に水・お茶・経管栄養剤・固形物というように順次経口摂取を試すように耳鼻科より指示がある。
手術翌朝、患者から聞いたところ、いつもは一人で薬を取り出して服用していたが、この時は朝に薬杯に薬を用意してもらったので、薬を外装から取り出して薬杯に全部入れ、喉の奥に薬を全部入れて一気に服用したという。
・手の感覚低下、巧緻、障害の有無の観察とアセスメントを行う。 ・看護師が配薬する薬を薬杯に用意する時には、患者の状態に応じ、必要時は包装から取り出して薬を入れる。 ・薬の一包化を推進する。
障害残存の可能性がある(低い)
21時頃マイスリー(5mg)1錠内服の希望があり、包装された状態で1錠手渡した。前日もマイスリーを1錠内服しており、他の内服薬も自己管理しており、翌日退院予定の患者であった。マイスリーを内服しようとしてPTP包装から取り出して後方の上に置き、暗くなってから机の上のものを手でかき集め、飲み込んだところPTP包装を一緒に飲み込んだことに気づいた。看護師が消灯して退室後、数分後に「げー」と吐くような声が聞こえた。訪室すると、「殻ごと飲んでしまった。喉に引っかかっている」と患者から報告を受ける。ベッド周囲を探してもマイスリーの包装がみつからなかった。
自己管理をしておりいつも自分で内服している患者であったため、看護師は配薬後に患者が内服したことを確認する前に退室した。患者は暗がりで確認せず内服した。
・配薬後は可能な限り患者が内服したことを見届ける。小さい錠剤は特に配薬時に患者に注意を促す。 ・内服をするときは、明るい照明の元で、ひとつずつ確認しながら行うよう患者指導する。
障害なし
術前の自己での血糖コントロールは特に問題なかった。術後の経過は問題なく、数日で心電図モニターは中止となり、当日は点滴もしていなかった。前日眠前BS157mg/dLにてレベミル7単位皮下注し、当日7:30にBS測定予定であった。眠前マイスリーを内服し2時、4時巡視時は寝息を立て入眠中で異常はなかった。7時検温にて訪室すると意識消失、下顎呼吸を呈しているのを発見された。その時点の血糖は37mg/dLであった。相談を受けた医師が末梢ルートを確保して50%ブドウ糖静脈内投与を施行するも意識の回復が見られなかった。挿管、人工呼吸施行し、JCS300にて観察中。自発呼吸あり。
30年来1型糖尿病を基礎疾患に有していた患者。肝右葉切除術という大侵襲手術により外科的糖尿病も加わっていた。当該診療科では1型糖尿病の肝切除術の経験は初めてであった。肝機能の改善もあり、食事が開始され、点滴が中止となるなど、血糖管理上変化のある時期であった。術前はご自分で血糖測定とインスリン量を管理され、入院後も自己管理にて血糖コントロールしていただいていた。その為内科への密な連携が十分ではないまま、自己管理開始時にタイミングよく内科診察ができていなかった。術前に行われた説明がどの程度患者に理解されていたかの確認ができていなかった。患者への説明追加などが必要であった可能性がある。血糖値の変動が想定していた以上に大きかった。そのため変化を予測した血糖管理指示ができていなかった
・自己にて血糖測定時間やインスリン量調整していたが、インスリン自己管理を開始した日であり、振り返ると血糖が変動する可能性は考えられ、その観点では眠前から朝まで測定間隔があいていたため、測定時間をきちんと検討行っていく。 ・朝の検温の前に、術後・重症患者は必ず全員訪室し状態確認を行う(6時頃)。 ・糖尿病患者の手術の際は通常内科に連絡し、術前より指導、指示を依頼し、栄養状態の変化の際には連絡を行い、その都度対応しているが、自己管理している患者については連絡が漏れやすい為、当事例のように、より生命の危険に直結しやすい1型糖尿病患者である場合はもう少し密に連絡を取り合うよう話合いを行う。
障害残存の可能性がある(高い)
肺がん疑いの患者は、既往に糖尿病があり、インスリン自己注射をしていた。当日、PET検査が予定されており、禁食の指示となっていたが、患者は、朝インスリン10単位を自己注射してしまった。10:00血糖値89mg/dLと医師に報告し、経過観察と指示を得る。その後、10:45血糖値48mg/dLまで低下し、50%糖15mL静脈注射し改善する。PET検査は午後に変更となった。検査前日、患者にはPET検査があること、朝は禁食とインスリン中止を説明してあったが、患者には認識がなかった。
肺がん疑いで生検手術目的に入院し、既往に糖尿病がある患者。PET検査のため朝食が禁食となっており、ご本人もその旨を知っていた。しかし、前日、オリエンテーションするも、当日、聞いていないと患者から発言あり。
・前日のオリエンテーションの際、患者の目につくように用紙に記入し、掲示をしておく。 ・当日の朝、声かけをしておく。
障害残存の可能性がある(低い)
同姓の患者Aに対し患者Bに指示されていたノボラピット30ミックス注22単位を皮下注。その後患者Bにインスリンを皮下注しようとして間違いに気がついた。看護師は感染の可能性について失念し、マイクロファインプラスを新しいものにして患者Bにノボラピット30ミックス注を皮下注した。患者A、患者Bは、インスリン自己注射を指導中の患者であったが自己注射の指導中だったためインスリンは看護師が預かっていた。患者Aは本来ノボラピット3単位皮下注の予定だったため朝までフィジオ35500mL+10%グルコース1Aを朝まで持続投与し1時間おきの血糖測定を行った。血糖は90-100mg/dLで経過。翌日患者Aと家族、患者Bと家族に改めて説明し謝罪した。感染症の有無を調べるための採血を行う。両患者とも感染症は陰性。ウィンドウピリオドを考え6ヵ月後に再度採血を行う予定。製造販売業者に対してノボラピット30ミックス注に血液の混入がなかったか調査を依頼した。
患者が入浴をしたいといっていたため看護師はあせってインスリンの皮下注射を行った。又、本来行うべき確認行為(患者氏名、注射伝票、薬剤)を怠った。ノボペンを介しての感染の可能性がある事の知識が不足していた。
・患者確認の徹底(患者氏名、注射伝票、薬剤を声だし指差し確認する)。 ・感染症に対する知識を高める。同姓の患者がいる場合はシールを貼り注意喚起する。 ・インスリン自己注射導入する患者に処方されたインスリンは、患者のベッドサイドで管理する。 ・患者がどの薬剤を何単位使用しているか情報を共有し患者の協力を得る。
不明
大腿部のMRI検査を実施した。撮影は、内蔵Bodycoilを用い、患者はガントリー内に腹臥位にて位置決めした。検査内容は、一般的な撮影方法(SpinEcho法、FastSpinEcho法)を用いた。検査中、検査終了後は患者から何も訴えは無かった。次回診療科外来受診時、患者から「MRI撮影時、下退部ふくらはぎにかなりの熱感を覚えたが報告せず帰宅した。帰宅途中の車内で、ふくらはぎ部に違和感を覚え確認すると、両側ふくらはぎに水疱が出来ていた。」との報告があったと連絡を受けた。報告を受けた時はすでに水疱はなく、かさぶたになっていたため当院皮膚科受診していただき、熱傷と診断され皮膚科外来で熱傷用のスプレーを処方し、後日に再診するように予約した。皮膚科受診後、患者本人にお願いして、検査時の位置決めの様子を再現させていただいた。再現した患者様位置決めにより、ふくらはぎ内側は完全に接しており、ループによる熱傷と考えられた。
検査部位は下肢だったためMRI備え付けの検査着を着装してもらい、下肢は自然体に伸ばしてもらった。
・今後、ループ状の体位とならないように十分注意して位置決めを行っていく。
障害残存の可能性がある(低い)
骨盤部のMRI造影検査中、両下腿が熱いと訴えあり、MRIによる加熱を疑い、インプラントや皮膚面の異物、刺青などを探したが何もなく、皮膚反応も見られなかった。患者には、また何かあればブザーを押してもらう事とし、検査を続行した。検査終了後、患者から検査中にまた下肢が熱かったと訴えがあり、検査中、下肢の熱さはあったが、我慢できる程度であった為、患者はブザーを押さなかった。視診にて両側下腿内側に1×2cmほどの紅斑を認めた。まれな事象ではあるがMRIによる熱傷を考えた。しかし軽微な紅斑であり、次の検査(CT検査)が同じ中央放射線部である為、経過をみた。その後CT検査に立ち会った看護師が、両下腿内側の病変部に水泡が出現した事に気付き、医師に報告した。両側下腿内側の紅斑及び水疱形成があり、表皮剥離はなかった為、WOC看護師に相談し、病変部をテガダームで被覆、保冷剤で冷却した。患者にはMRIによる熱傷の可能性が高いことを説明し、病変の拡大や悪化、なにか変化があれば時間外でも対応するので来院するように話した。
腓腹筋の発達した患者で、検査台に臥床した際、両側のふくらはぎが僅かに接触し、両下肢にループ状の電流回路が形成されたことによる熱傷が考えられた。MRIのインプラントや刺青、汗などの加熱による熱傷は当然に注意をしていたが、SkintoSkinでの熱傷を予見できなかった。次回も要因のない「熱さ」を訴える患者の対応には注意が必要と思われる。
・患者が「熱さ」を訴えた際、SkintoSkin、RFコイルとの皮膚面の接触がないか注意をする。 ・両手、両足の位置、接触状態などに注意して、ループを作りそうな部位には、必要に応じてタオルなどの緩衝物を使用する。 ・導電体である人体がループを作るような体位で検査を実施しない。
障害残存の可能性がある(低い)
MRIを実施中、右臀部・右前腕に痛みを感じ、やめてもらうようブザーを押したが「もう少しだから」と診療放射線技師に言われ継続した。その後臀部10×3cm程水疱形成し前腕部にも発赤ありMRI中の熱傷とわかった。
MRIメーカーフィリップスの回答:大柄な体型の患者の場合RF出力が高くなるため体表とコイルケーブルの接触による発熱の可能性が最も高いと推定できる。一部のメーカー担当者によると、電波受診ケーブルの接触により年/3~4件は同様の事例が報告されているが個人差もあり実証はできないとのこと。
・ケーブル同士のループ防止のためケーブルに弛みを持たせない。 ・皮膚と皮膚、ケーブルと体表の距離が触れないようクッションやバスタオル等で皮膚保護を行なうこととした。(尚この対処方法についてはケーブルの取扱説明書に注意事項として記載されている)。 ・患者からの訴えは真摯に受け止め素早い対応を行なう。
障害残存の可能性なし
患者は交通事故による頚髄損傷疑いの方で、数箇所の擦過傷があった。救命救急センターより、緊急性の高い患者として頚椎MRI検査の依頼があり、当日午前中に検査を施行した。種々の医療器具および処置の施されていた患者であるが、型どおり安全項目を確認、心電図電極や他のリード線など全て除去して検査に臨んだ。矢状断T1WIの終了直前、患者がブザーを鳴らし始め体動が始まったため、担当技師は撮影を即時中断、技師と担当医師が検査台を出して問診したところ、患者は左臀部の著明な熱感を訴えた。同部は比較的深い擦過傷の部位であった。MRI撮影に伴う高周波が、擦過傷部位を刺激したものと思われた。湿布、塗布剤、医療用パッチ、体表面の湿気、あるいは皮膚面の接合は、MRIに起因する熱傷の要因である。また患者の38度を超えた発熱は熱傷の誘引になり得る。今回、擦過傷で皮下組織が露出、同部に湿った包帯が当てられていたことが強い熱感の原因と考えられた。放射線科医がカルテを照合しながら、包帯と擦過傷の間に乾いたガーゼを数枚重ねておいた。矢状断面のみでは損傷の有無が確定できず、検査続行の必要性と熱感の原因、および注意事項を患者に説明し、検査の続行の了解をえた。矢状断T1WIの前に撮影したT2WIでは熱感がなかったことから、繰り返し時間の短い撮影法が原因と推定し、横断像のT1T2WIの条件が繰り返し時間が長いことを確認して検査を行い特変なく終了した。
患者を引き取りにきた主治医グループに経過を説明し、擦過傷部分を確認して貰ったところ新たな損傷はないとのことであったが、熱傷、水疱の経過観察を依頼した。放射線所見報告書にも今回の経緯を付記した。当該MRI装置の脊椎検査では、他患者からも軽度の熱感がしばしば訴えられることから、担当メーカーに問い合わせをすることとした(導入時にも同様の経緯で一度撮影条件を変更している)。型どおりの安全チェックでも死角のあることが判明した。また本例では通常発熱の生じやすい条件が問題なく、一般的な撮影法で強い熱感が生じた。検査室側の対応は臨床的にも安全面からも的確と思われる。
・この事象についてのカンファレンスを行った。
障害残存の可能性がある(低い)
左手関節部のMRI検査を実施。MRI検査室では、検査部位を確認後、寝台にうつ伏せに休んでもらい、検査精度を高める為、目的の左手関節部が装置中央に位置するように患者に左上肢を上げ、左手が頭部上方に位地するよう姿勢を整えた。検査には表在細部の観察に使用されるマイクロコイルを使用する事とし、目的の左手甲の部分にコイルを置き、マイクロコイルのケーブルが患者に当たらないように、左側に回る様にセットし固定した。さらに、動きによる画像のブレを防止する為、左手の上に砂のうを置き固定を行った。患者には、検査中に左手を動かさないでもらう事をお願いし、気分不良や異常が合った場合に知らせるように説明し、コール用ブザーを右手に持たせた。ガントリー中央まで寝台を移動させ、マイクロコイルを受信用ソケットに装着し、検査を開始した。検査は、シーケンスや断層方向を変えて撮像を行い、30分程度を要した。検査中に患者から異常を知らせるブザーコールや訴えはなかった。MRI終了時に、固定具とマイクロコイルを左手部よりはずしたところ、コイル装着部分である左手甲の発赤に気付いた。この時点では水泡の形成はなかった。患者に検査中、熱かったかなど、発赤箇所に関して尋ねたが、検査中に熱さはそれほどなく、手の上から押さえられる感じがしていたと言う訴えがあった。検査中に動かない様にするのに注意していて、ブザーを鳴らさなかったとの話であった。左手甲にはコイルを固定したり、砂のうを置いたりしたため、押された感じがしたのであろうと解釈し、寝台のマットも少し汗で濡れていたので、検査中少し熱かっただけなのであろうと思い込み、患者には、少し様子を見て下さいとだけ伝え検査終了とした。検査終了後に整形外科診察時となり、検査部位である左手甲の手関節付近3cmの紅斑と水疱形成に整形外科医師が気付いた。MRI検査を行って出来たものであるのか、検査中の状況に関する問い合わせがMRI検査室にあり、熱傷を起こしていたことが判明した。左手背の水疱については、整形外科医師が診察し、熱傷の処置を行い、その後治癒した。
MRI検査において人体の一部で高周波電流のループが生じ、熱傷を起こす危険性があることは認識していたが、身体の接触によるループ形成にあたらないと思えたので、原因究明のために他に類似した事例がないかも調べたが、明らかなものはなかった。装置の始業点検やメーカーによる定期点検は行っているが、事故後すぐに、装置メーカーに連絡を取り、使用しているコイルの状況、装置の状態に問題がないかを調べた。点検後、コイルやMRI検査装置に関しては、検査で熱傷を起こすような装置異常はなかった。今回MRI検査で熱傷が発生した原因を明確にするため、装置メーカーには使用したコイルなどで熱傷を起こした事例がないか問い合わせたが、使用したコイルでの事例はなかった。メーカーと直接ヒヤリングして検査当日のコイルの使用状態などを検討した結果、メーカーからケーブルのループによる熱傷の可能性と、汗による熱傷の可能性があることの報告を受けた。使用していたコイルに関しては、メーカー本社にて更に詳しく調査するため、回収となりメーカーの方針により新しいコイルに交換となった。装置メーカーと検討した結果、コイル装着時にケーブルをループ状にしたことで発生する高周波電流により熱傷が生じたと考えられる。また、汗による熱傷の可能性もある。
・検査時にコイルを装着する場合ケーブルがループ状にならない様に十分に注意し装着する。 ・汗による火傷を防ぐため皮膚とコイルが直接触れない様に間にガーゼなどを置くなどの対策を行う。 ・患者に検査中に異常な熱感や体の異変があった場合には緊急ブザーを必ず押す様に十分説明を行う。
障害なし
関連当日の午前中は、両上肢を動かすといった様子であり、通常と特に変わった様子は見られなかった。頭部MRI撮影のため放射線科MRI室において、主治医が点滴(生食100mL+ドルミカム1A)を実施(体動抑制目的)。約1/3程度滴下したが体動に変化なく更に追加しおよそ1/2程度滴下した。体動が落ち着いたので、主治医立ち会いのもと撮影を開始した。撮影終了の報告を受け、病棟看護師が迎えに行きストレッチャーで搬送。途中エレベーターの待ち時間もほとんどなく帰室。その間患者の自発呼吸を確認している。やや深呼吸気味で顔色はやや不良、呼名反応はほぼなかった。搬送した看護師より当日の受け持ち看護師が「ドルミカムを使っているので注意するよう」引き継いだ。その時点では呼吸は浅く、喘鳴が聞かれ吸引を実施した。SpO275%、意識レベル悪化。その後呼吸停止となり、主治医他複数の医師により蘇生を実施した。
神経難病患者における使用。
・神経難病患者の催眠鎮静剤使用時の対応の院内標準化をする。
障害残存の可能性がある(高い)
脳炎のため入院された患者に対し、不穏症状があるため、入院時から24時間持続注入で全身麻酔・鎮静用剤(プロポフォール100mL(1,000mg))の投与を行っていた。左手末梢ルート側管より輸液ポンプで持続点滴中のプロポフォール100mL(3mL/h)のボトルを更新した。同日、MRI検査のため、輸液ポンプから投与されていたプロポフォール、その他の輸液を外し、その輸液の滴下速度を手合わせで調整した後、MRI室に向かった。意識レベルは、Ⅰ-3からII-10程度を行き来しており、時折足をバタバタさせていた。MRI室に入る前にMRI用のストレッチャーに移す際、下肢の活発な運動はあったが、明らかな意識レベルの低下は認めなかった。患者は体動しMRI検査ができない状態であったため、プロポフォールの滴下速度を一時早めに滴下調節した。鎮静を確認した後、再度滴下を絞った。鼻腔カニューラより酸素3L/分の供給を続行した。MRI室に入室後、MRI装置内でも足を曲げたり伸ばしたりしていた。撮影後、放射線部医師が右手末梢ルート側管より造影剤注射後、患者の状態が悪そうであったため放射線技師を呼んだ。再度様子をみたところ、SpO2が80%であり徐々に下がっていった。鼠径動脈、橈骨動脈は触知していたが、徐々に触れなくなったためMRI室より搬出した。まもなく心肺停止となった。その時点でプロポフォールが全量滴下していることが判明した。バッグバルブマスクでの換気、心臓マッサージを開始し蘇生した。
医師は、プロポフォールの滴下量の調節を手合わせで調整し、実際の残量、滴下量を確認しなかった。
・改善策を検討するためのWGを立ち上げ検討中。
不明(治療中)
運動発達遅滞を合併した軟骨無形成症のため、大後頭孔狭窄の有無を精査する目的で、MRI検査を施行。鎮静目的でトリクロリール5mLを内服させた。入眠したためMRI検査室へ移動した。その後、覚醒したため看護師が、到着時には既に入眠しており、顔色も良好であったため検査を開始した。検査が終了し、患児は父親・母親に付き添われストレッチャーで小児科外来へ帰室。この際、看護師が患児の顔色不良に気付いた。直ちに医師によりマスクバギングが行われ、心肺蘇生が開始された。
予期することができなかった合併症。
・MRI検査を行う際に、これまでは主治医から特別な指示があった場合のみ行っていた酸素飽和度測定モニターを、小児における全ての睡眠下での撮影事例で行うこととした。
障害残存の可能性がある(高い)
頭部MRIの必要性につき、家族に対して説明。その際、安静臥床を保てないと検査不能のため、セデーション(薬による鎮静)が必要であること、しかし実際鎮痛薬を通常より多く投与し、10秒ながら呼吸が停止した。呼吸抑制の生じる可能性があり、最初からアンビューバックを準備してすぐ対応し、約1分後には自発呼吸が再開し、バイタルサイン、神経症状に変化が無かったことを説明、了解を得た。
確認不十分。連携不十分。
・セデーション時、上級医の付き添いと指導を徹底する。
障害残存の可能性なし
脳萎縮所見等の経過観察のため頭部MRI再検した。患者は発達障害があり、MRI撮影時に鎮静の必要があり、外来でイソゾール25mg静注し、検査室へ入室したが、安静保持困難なため、イソゾールを約30秒間隔で12.5mgずつ追加静注(計100mg投与)した。その後、流涎、呼吸抑制等の不穏症状が出現し、SpO2が63%に低下したため、酸素投与、アンビューバックにて換気開始し吸引を行ったが、症状改善しないため医師はアナフィラキシーショックと判断し、アドレナリン1mgを静注し血圧200/97、SpO2:98%となった。その後、血液所見、胸写所見等確認し、退院可能と判断されたため帰宅となった。
幼少児や発達障害児に対して検査の必要上やむを得ず各種の鎮静処置を実施しており、その中でのMRI検査時には30分程度以上の十分な鎮静が必要であり、短時間で薬効が切れることも考慮し、イソゾールによる鎮静を実施することが多い。鎮静時には、喘息既往や呼吸器症状の有無、体調不良などについて確認した後に鎮静剤を緩徐に投与し、有害事象発生防止に努めているが、発達障害児は呼吸嚥下機能の低下や興奮による薬効への抵抗性などの要因を伴うことが多い。小児科担当医が単独で鎮静を行っており、同様の事例を生じる可能性は常に存在し、特に小児科外来、病棟以外の場所での処置時にはトラブル時の対応がスムーズに進まない懸念がある。緊急時の対応についてはエピネフリンの使用方法などについて不慣れな点がある。
・小児の鎮静時には、他の診療科医師のサポートが受けられるような体制を検討する。 ・緊急時の対応についてはエピネフリンの使用方法を含めて小児科内で改めて確認を行う。 ・今後、救急部や麻酔科などの医師の協力を得て、緊急時の対応についての実地訓練を行うことも検討する。
障害残存の可能性がある(低い)
急性大動脈解離に対して緊急上行動脈人工血管置換術を施行後、多発性脳梗塞、高血圧、慢性腎不全、脱水に対する治療をしていた。脳梗塞後後遺症による誤嚥に対してミニトラック挿入、左胸水に対してドレナージを施行していた。今後の方針を決めるために、意識レベルがクリアーではないために鎮静剤(サイレース1mg+生食100mL)の点滴を施行しながらMRIでの評価を実施した。心電図と酸素飽和度をモニターしながら検査室に向かった。移動中及びMRI室到着まではSpO2は98%を維持していた。検査に要する時間は20分程度と言うことを確認して(病棟から滴下してきた鎮静剤が20mL程度まで入っていることを確認)点滴の速度を遅くした。この時点で患者の鎮静は図られており呼吸状態にも変わりはなかった。その後、手術が入っていたため、技師に声をかけて手術室に向かった。検査が開始され、画像を見ていた技師が脳血流のないことに気がつき、検査を止めて、緊急コールを要請した。その後蘇生を実施し、心臓マッサージ及び気管内挿管を実施し、ICU管理とした。
検査前日に発熱、高カリウム血症や脱水傾向もあり、点滴で補正はしていても、不十分であった可能性は否定できない。痰の排出が困難であったため、ミニトラックを経皮的に挿入などしており、全身状態が整った状態ではなかったことも否定できない。サイレースによる鎮静についても、検査施行に十分な鎮静がかけられた時点でこれ以上投与せずに、体動で撮影ができなくても中止も考慮に入れる事も必要であった。体動に備えて抑制をしており、それまでの呼吸状態から考えて、酸素飽和度モニターの装着をしていなかったが、鎮静をかけていることを考慮すると、モニタリングを優先してもよかったと考えられる。
・鎮静を必要とする検査には酸素飽和度モニタの装着。
死亡
MRI検査施行にあたり画像検査上、造影剤使用での検査が必要と判断し、造影剤を静脈注射し、撮影終了後、読影時に慢性腎不全及び透析導入中のカルテ記載に気付く。造影剤メーカーと相談し、早急の透析が好まれると判断し当院腎透析科へ相談し、当直時間帯でスタッフがおらず本人が院外にいたため、従前より透析をされている近医での対応が望ましいのではないかとなった。近医連絡し夜間透析可能との返答いただき対応をしていただいた。
造影剤準備・使用時に他の患者の入れ替え等に対応し、注意散漫となっていた。また、造影剤使用判断時に問診票・質問票の目視確認が疎かであった。
・造影剤使用検査時の問診票・質問書等の各スタッフの目視確認。 ・HIS及びRIS上の注意項目の視認性の向上。 ・MRI検査前の腎機能測定の必須化及び検査施行の可否を含めた厳密化。 ・検査依頼伝票(紙伝票)の腎機能に関する欄の記載の徹底化及び記載項目追加。
障害なし
MRI造影剤注入後アナフラキシーショックが生じた。同意書は事前に準備しアレルギーの既往はなかった。症状出現後、医師・看護師・技師で緊急処置を行い緊急連絡網を活用して救急医へ申し送りした。救急で一泊し症状消失後退院した。
事故内容は造影剤(Gd製剤)によるアナフィラキシーショックだが、頻度が少なく、発生を予測できない。アクシデントであるが、その後の対処法により患者の生命を左右することから、今回は迅速な対応をすることができた。
・造影剤を用いる放射線科各部署にペン型エピネフリン皮下注射製剤を配置した。院内で応援を呼ぶ前に薬剤投与により気道浮腫に対する治療が行えることから、使用法の訓練を徹底したい。 ・その他、造影剤アレルギー全般の事故に対する頻回の講習による安全対策が望まれる。 ・各科外来からの問診票・同意書への記入および主治医の認識の徹底も不可欠である。
不明(不明)
MRI撮影時、造影剤を静注した。MRI内部に患者を移動後、緊急ボタンが鳴ったため、患者を装置の外へ出した。患者には嘔気、冷汗あり。
造影剤によるショックと考えられた。
・造影剤使用時は緊急時事に備え、救急カートの点検・緊急コール(アンビューコール)の方法を確認しておく。
障害なし
経皮的冠動脈形成術に際して、ヘパリン静脈内投与の指示を忘れたまま手技を開始した。手技開始40分程度経過した時点で冠動脈内に血栓形成があり、ヘパリン未投薬であることに気づいた。この時点で、ヘパリン(8000単位)を投与し、冠動脈内の血栓を吸引除去、残存する血栓もrt-PA(80万単位)冠動脈内投与により消失した。
加重労働による疲労による指示出し忘れた。
・術者、補助術者が指示出しを互いに確認する。 ・カテーテル室に術前処置(ヘパリン投与を含む)一覧を掲示する。 ・担当看護師がチェック表にヘパリン投与量を記入した上で術者に再確認する。
障害残存の可能性あり(低い)
末梢血幹細胞ドナーの検診で異常なかったため、入院2日前よりグラン675μg皮下注射を開始した(5日間)。入院日よりバイアスピリン200mgを塞栓予防のため内服開始した(5日間)。入院翌日幹細胞採取を施行。しかし十分量採取できなかったため、翌日再度幹細胞採取を行った(幹細胞採取時には抗凝固剤としてACD(AcidcitrateDextrase)液を使用)。その翌日の採血で血小板数5.9万と低下していたが、点状出血や皮下血腫などは認めなかった。退院前の訴えとしては軽度の頭痛(持参した鎮痛薬が不必要な程度)、肩こりがあった。しかしこれらの症状は以前から認められており、退院を許可した。翌日、本人が呂律が回らないと当科へ連絡があった。電話でも徐々に発語が不明になりすぐに来院するように連絡した。当院外来受診し、頭部CTを施行。脳神経外科へコンサルトし硬膜下血腫にて当院救命センター搬入となった。搬入時バイタルサインに明らかな異常は認めなかった。安静にて対応し、また頭部CTで経過観察を行った。血腫の大きさを経時的に観察したが変化なく、脳神経外科病棟へ転棟となった。CT、MRIで経過を追ったが、血腫の増大傾向なく10日後に退院となった。
原因は不明である。しかしながらバイアスピリンを内服することにより硬膜下出血に対して出血を助長した可能性がある。当院では2003年以前より幹細胞採取を行っており、当時はバイアスピリンを使用するのが当たり前であった2003年度に改定された日本造血細胞学会のガイドライン変更には気づいていおらず、今回はじめて気づいた。
・2003年度に改定された日本造血細胞学会のガイドラインを遵守し、ドナーへの抗血小板薬の予防投与を中止する。 ・抗血小板薬が必要な方はドナーとして不適切と判断する。 ・ガイドライン改定のたびに隅々まで目を通す。
障害残存の可能性あり(低い)
ワーファリン内服中であり、PT(INR)がコントロール不良になっている患者に、そのことの把握不足のまま褥瘡デブリードマン処置を実施し、出血によるプレショックに至った。
主治医と皮膚科医師の間で、患者の状態や治療内容が共有できていなかった。一処置に複数の看護師が、分担して関わり、患者の全身状態の把握とアセスメントができていなかった。看護師間の連携、情報伝達が不十分である薬剤についての知識不足である。
・皮膚科受診依頼時、主治医は使用薬剤を皮膚科医師に申し送る。 ・皮膚科医師は、診察前にカルテで患者の状況や検査データを確認する。 ・皮膚科処置に付いた看護師は、受け持ち看護師に申し送るまで、対応に責任を持つ。
障害残存の可能性あり(低い)
右側舌腫瘍疑いにて口腔外科外来受診。担当医は舌の組織生検を行う旨を患者に説明した。外来主治医は組織生検を実施するにあたり、担当医の指示で血液検査をオーダーし、中央検査室で実施された。担当医と外来主治医の二人で口腔外科外来手術室で患者の右側舌縁部から口底部にかけて組織生検を実施。生検を実施する際に電子カルテ上で血液検査を確認したが、止血検査の値は検査中と表示されていたため生検実施は可能と判断された。担当医は生検部位を絹糸にて3針縫合し止血を確認後、帰宅させた。当日の夕方、患者より当直医に口腔内出血を認めるとの電話連絡があった。患者は救急外来に再来院し、口腔外科当直医と外来主治医が対応した。舌及び右側顎下部から頸部にいたる血腫を認め直ちに頭頚部の造影CTを撮影した。ワーファリン内服による凝固異常にて循環器内科対診し、ビタミンK及びFFPが投与された。放射線科にて舌動脈の塞栓術が実施された。救命センターICUにて、気管内挿管が行われた。患者は初診時、右側絶縁部の潰瘍性病変の精査にて紹介来院した。同日、義歯の調整を行い経過観察とした。担当医及び外来主治医は問診からワーファリン3mg内服にて下肢静脈瘤の治療が行われていることを認識していた。
検査結果の確認をしなかった。
・確認の徹底。 ・症例検討を行っていない緊急の観血的処置や急患の対応は、外来の日責が対応することを確認した。 ・外来の担当が手術中の場合など、連絡困難の場合に備え他の医師2名があたることとした。
障害残存の可能性なし
患者は咽頭の奥のいがらっぽい感じがあり咳をしていたが、悪化して呼吸器内科を受診した。喀痰はなく発熱や鼻汁・鼻閉もなく、咽頭炎や咽頭アレルギーも考え耳鼻咽喉科を紹介した。咽頭は問題なかったが逆流性食道炎否定のために上部消化管内視鏡検査を予定した。ステント留置後でバイアスピリン100mg1T/M、プラビックス内服中で、中止をしないでGIF施行とし、上部消化管内視鏡検査依頼用紙には生検しないように記載した。10時頃、内視鏡・超音波センター内視鏡検査室で上部消化管内視鏡を施行時に早期胃がんを疑う所見があり生検を実施した。生検をした直後に生検禁だったことを思い出した。生検部に明らかな活動性の出血はなかったが念のためにトロンビン5000単位散布し、止血を確認して検査を終了した。患者に説明を行ない、黒色便や吐血など症状があればすぐに受診するように説明した。
上部消化管内視鏡検査依頼用紙にバイアスピリン、プラビックス内服中で生検しないように記載してあったことは知っていた。仕事が多忙で集中力が欠けていた可能性があった。
・特殊な指示がある検査について表示を行い、意識化できるようにする。 ・検査実施の部屋への表示や、他者による声かけや、実施前の確認を行う。
障害なし
原発不明の転移性骨腫瘍に対し、日常的に行っている針生検術を骨盤から行った際、検査後に高度な貧血を来し輸血を行った症例。生検直前に他医療機関にてワーファリンが増量され、易出血状態にあったことに気付かなかった。
術前にワーファリンの内服は把握していたが、患者のワーファリンの内服量を十分把握していなかった。
・ワーファリン剤に限らず抗血小板剤も含めて易出血性薬剤を服用している患者に対し、深部組織に対し生検を行う場合は、必ず凝固能検査を行い出血のリスクを十分検討した上で実施する。
障害残存の可能性なし
患者は頚椎症の診断にて、他院から当院紹介、椎弓切除術目的で入院となった。冠動脈ステント術の既往があるため、入院時から抗凝固剤(ヘパリン)の持続注入を開始。前医からの退院時要約には「バイアスピリン、プラビックスについては内服中止」と記載があったが、一包化された薬袋からプラビックスは除去されておらず、バイアスピリンについては、除去されているものと、そうでないものがあった。看護師Aは中止している抗凝固剤はバイアスピリンのみであると思い込み、一包化された薬袋のうち、バイアスピリンが除去されていない薬袋からバイアスピリンだけを抜いた。薬剤師Aは持参薬確認表を確認したが、気づかなかった。その後、看護師Aが内服薬をチェックした際、手術前に中止するべきプラビックスが一包化された薬袋に含まれていることに気づき、主治医に相談、出血リスクが高いと判断し、手術を延期したもの。1週間後に頸椎椎弓形成術を施行となった。
看護師及び薬剤師による入院時の持参薬の確認が不十分であった。看護師による持参薬確認の際、薬の効能についての知識が不十分であった。医師による持参薬に関する指示が口頭のみであり、また医師による「持参薬確認表」の確認及びサインができていなかった。
・持参薬と転院元の退院時要約の記載内容をダブルチェックする。 ・土日祝日等看護師が持参薬を確認する場合は薬の効能について確認する。また土日祝日明けに薬剤師が「持参薬確認表」と持参薬を確認し整理する。 ・医師は入院時に持参薬の内服指示を入力する。また、持参薬の内服中止指示も必ず入力する。
障害残存の可能性なし
ワーファリン投与を中止しヘパリン投与を開始した後、脳出血を発症した。
ヘパリン開始後にAPTTが治療域以上に高値をしめしたが、担当チームでこの異常を把握していなかった。チームの医師が変更になっており、患者の情報について、共有と治療上の注意点の把握ができていなかった。
・クリニカルパスを作成し、ヘパリン使用の標準化を行う。 ・検査結果について、チーム全体でのチェックを行う。 ・EMRなどの手術予定患者でもヘパリンなど抗凝固療法のリスク評価を適切に行う。
障害残存の可能性あり(高い)
冠動脈バイパス術後1日目、急性腎不全患者に対し、持続的血液ろ過透析を導入した。最初にコアヒビター注射指示を出していたが、MEより使用されているのはフラグミンであった。注射の指示を口頭指示で行い、そのままフラグミンを指示した。術後、2病日にドレーン出血が増加し、RCC・FFP・プロタミン投与し、出血は減少した。その後、再びドレーンからの出血が増加し、開胸止血術を施行した。薬液の違いと出血の因果関係は不明である。
コアヒビター注射指示を出していたが、MEより使用されているのはフラグミンであり、指示変更を要求され、そのままフラグミンを指示した。術後の出血を助長する可能性のあるフラグミンより、コアヒビターのほうが望ましいが、確認をしないまま治療が継続された。使用する薬剤の確認を怠った。医師からMEへの指示が口頭で行っていることがあった。指示簿が記載されていなかった。
・CHDF施行の場合、フラグミンは標準使用薬剤であるが、術後では出血を考慮してコアヒビターを投与する。 ・緊急以外は口頭指示をしない、受けないことを周知する。 ・医師は指示簿に記載する。 ・MEは指示簿やオーダーリング画面の指示を確認してから実施する・薬液を使用したMEが、実施入力を行うようにシステムを変更する。
障害なし
大動脈弁狭窄症で内科的治療を行っていたが、手術が決定しワーファリンの内服を中止しなければならなかったが、手術当日まで中止されていなかった。循環器内科医師から、内服中止の指示はなかった。ワーファリンの内服が継続されていたため、手術前にK2投与して手術は実施された。
当院は薬剤管理が薬剤師の範囲ではなく、看護師に任されている。薬剤管理が不十分となった。又医師も循環器内科から心臓血管外科へと移行時で、連携が不十分だった。
・薬剤師への薬剤管理を依頼したが、人員不足のため確実ではないが、協力をする事になった。
障害残存の可能性なし
抗凝固剤を中止せずEMRを施行し後出血を起こした。患者は以前、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を施行した。その後のフォローアップのために呼吸器内科入院中に大腸内視鏡検査を施行し、内視鏡的切除(EMR)適応のポリープを指摘された。しかしながらプラビックスを内服していたため、観察のみで終了した。その際にESDの主治医であった消化器内科医師より次回抗凝固剤を中止した状態でのEMR目的の大腸内視鏡検査予約された。同意書については入院中の主治医であった呼吸器内科医より説明されたがその時点でも理解が十分に得られなかった(抗凝固剤内服の有無のところに、「わからない」と記載されている)。当日、プラビックスが投与されたままEMRが行われ、2日後に下血にて当院救急を受診。大腸内視鏡にてEMR後の後出血と診断され、内視鏡的止血術を施行、同日入院となった。
再検査を予約する際、予約した消化器内科医師より、患者に対して抗凝固剤中止の説明を行ったが、カルテにその旨が記載されておらず、直接検査予約に関わっていない呼吸器内科主治医による同意書説明の際、抗凝固剤中止についての指示ができなかった。抗凝固剤内服については看護師が検査前日にカルテ記載より確認することになっていたが、今回確認ができていなかった。内視鏡施行医師が検査直前に問診票を確認することになっていたが、今回確認ができていなかった。検査説明から検査当日までに期間が空いていたが、その間、抗凝固剤内服の有無を確認できる者がいなかった。
・検査予約医がカルテに抗凝固剤中止の依頼を記載する。また、今後将来的に検査予約時に抗凝固剤内服の有無の入力をしないと検査予約できないようにするオーダー方法の変更を要望していく。 ・問診票の看護師による前日、検査医による施行直前の確認を徹底する。また、患者用チェック票を作成して確認を促す。 ・検査予約時のカルテ記載のみでは今回の様に数ヶ月後の検査時に記載を見逃す可能性があるため、今後、検査予約に特化したコーディネータ設置を要望していく。
障害なし
検査のために入院予定。外来で医師より検査説明される。休薬の指示(ワーファリン1ミリグラム1日1回朝内服)が出ており、医師から説明あり。再度看護師が説明を行い、薬の内容を明記していたのだが、明記せず。患者に再度説明したかどうか不明。入院時休薬していない事に気付き、検査が延期となった。
検査説明に対する確認不足。煩雑な外来業務の中での説明作業であり、流れ作業のようになっていた。説明た際の記録の不備があった。
・説明時の記録の徹底。記録用紙の検討する。 ・患者への明示方法の改善する。
障害なし
土曜日に右大腿骨頚部骨折で施設より緊急入院。医師は、電子カルテ内でバイアスピリン中止の指示を出した。入院を受けた看護師Aは、家族より持参薬を受け取った。持参薬の取り扱いは、時間内(平日8:30~17:00、土曜日8:30~12:00)と時間外で異なる。時間内の入院での持参薬は、薬局に提出するが、当事例は土曜日の午後で時間外だったため、月曜日の朝食後薬までを病棟で処理することとなった。持参薬にバイアスピリンがあることを確認したが、「内服薬の中からバイアスピリンを抜く処理は、他の入院処理が終了してから実施しよう」と思い、薬袋にバイアスピリン中止のことを記入しないまま、またセットすることなく配薬カートに入れた。他の看護師Bが、配薬カートの個人ボックスに他の薬と一緒に(バイアスピリンは抜かれないまま)セットした。月曜日、薬局担当者(当該病棟担当薬剤師)が、内服薬チェック時にバイアスピリン中止の指示に気づき、配薬カートを確認するとバイアスピリンを抜いていない状況でセットされており、日曜と月曜の朝食後、2回投与された。電子カルテ上、手術前の休薬に関しては、患者情報の禁忌欄に手術禁忌項目として登録されていれば、手術オーダ画面が開いた時点で「手術前に休薬が必要な薬剤を服用中の患者です」と表示されるが、今回は記載がなかった。
内服の薬袋にバイアスピリン中止のコメントは記載されていなかった。内服セット者のサインがなかった。バイアスピリン中止の指示を把握していなかった。
・手術目的であることを把握し気に留めながら内服チェックを行っていく。 ・内服セット者または受け持ち看護師は誰が見ても分かるように薬袋への記載、または張り紙をし注意喚起を行う。 ・術前に内服中止薬のある患者の一覧表を作成する。 ・電子カルテシステムでの改善として、手術オーダ画面に「休薬確認」のような入力項目を追加して、必須入力とする方法を検討する。
障害なし
術後経過よく、術前から服用していたバイアスピリンが再開になり、朝食後1錠服用していた。食後服用し、処方がなくなったため、医師への依頼票にその旨記載し、当日の日勤者に口頭で申し送った。空になった薬袋は捨て、処方箋控えはカルテにはせた。しかし、日勤者は口頭のため、申し送られたとは思わなかった。医師の連絡票は確認したが、バイアスピリンが処方されたかどうかは確認しなかった。翌朝夜勤の看護師は、投薬車の中にバイアスピリンはなかったが、処方されていない事に気づかず、他の内服薬を与薬した。日勤者が処方されて病棟にあがってきた内服薬を確認時、バイアスピリンの処方薬を見つけた。夜勤者に確認すると与薬していないことが判明した。本来朝食後に服用するところを昼食後に服用してもらった。
処方薬がなくなったとき、「新しく処方が確認されるまで、投薬車の中に空の薬袋と処方箋控えを残しておく」という部署の取り決め事項あり、取り決め事項の周知が出来ていなかった。伝達方法が書面ではなく、口頭になっていたため伝わらなかった。
・取り決め事項の周知徹底情報伝達方法の検討。
障害なし
左足底の皮膚原発汗腺癌の手術目的で入院した。狭心症のバイパス術後で内服していたバイアスピリン、パナルジンを中止し、その6日後に全身麻酔下で手術を行った。年齢、生活自立度、基礎疾患、腫瘍の浸潤、転移の範囲を考慮し、左足底皮膚悪性腫瘍切除術および左鼡径リンパ節郭清、subtotalintegmentectomy(原発~所属リンパ節間のリンパ管を周辺組織も含め1塊に切除する術式である)、左足内側から左下腿遠位にかけて遊離分層植皮術、左足底に人工真皮移植術を施行した。術後約10日間は、経過良好であった。術後数日目に明らかな出血がないことを確認の上、休薬していたバイアスピリン、パナルジンを再開した。その間の処置は植皮部を生食で洗浄しガーゼで圧迫固定する処置を連日行った。なお、患者の安静度は基本的にベッド上であり、上半身は起こしていたが下肢特に患肢は包帯およびシーネで固定および保護していたので、患肢を不用意にぶつけたり、床に下ろしたり、勝手に歩行したり出来ない状況であった。術後約10日目の処置として、前日と同様に植皮部含め創部全体のガーゼを交換した。当日は針、メスなどの鋭利な医療器具を用いた医療行為(穿刺)は行わなかった。深夜、看護師が排便介助を行った際は創部からの異常出血は無かった。再度患者から排便介助の要請があり、看護師が訪床したところ、患肢植皮部(左足内側から左下腿遠位にかけての)にあてていたガーゼに多量に出血していることを発見した。血管確保、急速補液、酸素投与を行った。途中一時的に血圧が70mmHg台に低下し意識消失も見られたが、さらなる補液等により回復した。出血量は汚染ガーゼを計量し約900gと想定された。緊急採血にてHb9.7g/dl(出血前は11.5g/dl)。IrRCC4単位を輸血。植皮部からの持続性の出血は動脈性の出血と考えられたが、長時間出血点を強圧迫していたことにより、結果として止血された。現在まで創部からの明らかな出血を含め問題は認められていない。
高齢者の患者で、抗凝固剤などの内服があった。
・術後約10日目の出血は想定していなかった。 ・そのため原因の追究が困難な状況ではあるものの、高齢者の患者であること、抗凝固剤などを内服していることを鑑みると、例えば何らかの理由で努責するようなことがあった場合、血圧の変動などにより今まで止血されていた血管から出血することも可能性としては否定できない。 ・排便時に力むことが無いように緩下剤などを術後服用させるなどを考慮する。 ・また創部の観察も比較的安定した時期になっても十分に行うようにする。
障害残存の可能性あり(低い)
患者は慢性C型肝炎にて一内外来通院中であった。心窩部精査目的にて、上部内視鏡検査施行した。胃体上部の発赤病変より生検施行した。その際、生検部より出血認めたが自然止血を確認後、検査終了とした(バイアスピリンは11日前より中止中であった)。生検後3日目より同剤再開し、同日より黒色便出現した。悪寒も加わり、当科外来受診した。採血施行したところ貧血進行(Hb5.5)認めたため、上部消化管出血疑いにて緊急内視鏡を同日施行した。緊急内視鏡の結果、上記生検部より活動性の出血を認めた。同部に対しクリッピング及び止血剤にて止血処置を施行した。同日、加療目的(点滴管理、制酸薬、止血剤)にて緊急入院となった。
生検後の止血確認が、術者一人によって行われた。アスピリンの再開時期が適当であったか不明である。
・抗凝固剤の内服歴のある患者や出血傾向のある患者に対し、生検行為を行った場合の止血確認は、上級医に確認してもらう。 ・抗血小板剤と抗凝固剤の再開時期について再検討された。
障害残存の可能性あり(低い)
患者はワーファリンを服用していたため術前から中止、手術後ワーファリンコントロールが必要であった。術前より心臓外科医から術後可能な限り速やかにヘパリンを開始するように指示されていた。術翌日にヘパリン開始の指示を得たが、投与量の指示はなく、依頼票の指示「ヘパリン3mLivした後、ヘパリン原液0.5持続」を「ヘパリン3mLivした後、ヘパリン原液3持続」と指示を出していた。麻酔科の指示により、午後9時にヘパリンを止め、翌日午前9時30分に硬膜外カテーテルを抜去し、午前11時ヘパリンを再開した。翌日午後5時40分ごろドレーンの性状がやや血性であること、ドレーン刺入部のガーゼが赤いことに看護師が気づき、医師に報告、ヘパリンを中止し、オーダー確認したところ過量投与が判明した。
自分は投薬ミスは起こさないだろうという過信による確認ミス。他科からのオーダーとして、自ら計算しなかった。
・チーム内の医師によるダブルチェックが必須。 ・他科からのオーダーに関しても自らサイド計算し確認することが必要。
障害残存の可能性あり(低い)
オープンMRI検査時に、MRI用の寝台を患者の足を同MRI側にして駆動操作し送り込む際に、患者の顎がMRIの内壁にぶつかり、擦りつけたため、顎部と頚部に痛みが発生した。
オープンMRI検査において、患者の背中の湾曲により駆動寝台に真直ぐに寝ることができないため、背中側にバスタオルを置き、かつ頭部の下に固定具を置いて検査用腹部コイルの装着準備をして検査を開始した。患者は検査に長時間耐えられないとの情報があったため、患者に耐えられる時間を確認しつつ寝台を駆動させ、患者に緊急ボタンを渡そうとした。患者から目を離して緊急ボタンに手を延ばした際に、患者の頭部位置が高すぎたために顎がMRIの内壁とぶつかり、患者の指摘で緊急停止した。患者が長時間耐えられないことにより、短時間で少しでも検査を多くしようと、焦って患者への説明とMRIの寝台駆動を同時に行った。
・事前説明から装置進入までの間、患者から絶対に目を離さない。 ・メジャーを設置して、進入高さを確認する(設置済)。 ・寝台を駆動する前に縦横高さを確認するための緊急措置として、壁に最大高、推奨高位置を設置し、もう片方からアルミ製バーに同様の位置を記入して双方の高さを確認する(設置済)。 ・寝台を駆動する前に縦横高さを確認するレーザービームと装置表面のタッチセンサー導入を検討中。
障害残存の可能性なし
検査時の患者管理
MRI検査の際、右肘がMRIガントリーと接触し受傷し、出血した。
座位で右手からルートを確保した。生食シリンジを患者が右手に持ったまま腹臥位の検査体位になった。基準点を乳房に合わせた後寝台を移動する際、患者より「痛い」との申し出があった。ガントリー内を確認すると右肘がガントリー壁と接触していた。患部を確認した所、接触部の皮膚が一部剥離し出血していた。看護師が抗凝固剤を飲んでいることを確認し、止血や応急処置を行い検査を開始した。
・寝台を移動させる際には、安全かどうか充分確認すること。 ・とくに乳腺検査はルートをとった状態で長距離移動するので、念入りに確認する。
障害残存の可能性がある(低い)
検査時の患者管理
患児はMRI検査目的にて家族とともに来院。外来看護師がトリクロリールでの入眠を確認後、家族にMRI検査室の場所を案内した。児は家族に抱っこされて検査室に移動。放射線科では、当日からMRIの2台稼働をスタートさせ技師2名で対応していた。児を撮影台に寝かせた後、入眠していた安心感もあり安全ベルトでの固定をしないまま照明暗くしようとしてスイッチ方向へ移動した。直後に児が寝返りをうったのに気付いた技師が駆け寄ったが間に合わず約90cmの高さから転落し、その衝撃で児が覚醒し啼泣した。直ちに主治医、放射線科医師へ報告しソセゴン、アタラックスP使用しMRI・CT撮影を実施した。脳外にて陳旧性外傷性くも膜下出血、頭蓋骨骨折と診断された。
初のMRIの2台稼働で技師2名との連携や操作手順がスムーズでなかった。また入眠導入剤使用後の患者には外来看護師が付き沿って児の観察を行いながら移動する必要があったが、外来での事例が少なく院内ルールとして周知されていなかった。
・鎮静薬を使用する検査では必ず看護師が付き添い観察することとした。 ・MRI等の安全固定は患者から離れる前に実施することを放射線科職員へ周知した。 ・放射線科マニュアルの変更を実施する予定。
障害残存の可能性なし
検査時の患者管理
頭部MRI検査を開始した。撮影中、何度か体動があり検査室に入り、動かないように説明した。患者は理解を示していた。その後順調に撮影した。撮影中は画像の確認、解析処理も同時に行っていた。30分後、監視モニターを見ると撮影台に患者の姿が見えなくなっていた。撮影を中止し、検査室に入ると検査台の横に右側臥位で倒れている患者を発見した。意識レベル清明。ストレッチャーで急患室へ移動し、神経内科医師診察。エックス線撮影(肩、上腕、前腕)し、整形受診。顔面、顎関節エックス線撮影。歯科受診。口腔内問題なし。頭部・肩CT施行。右手関節両斜位エックス線撮影。整形外科受診し、右橈骨遠位端骨折と診断され、シーネ固定した。下顎部切創も認めた。
MRI検査前の問診では注意事項等の理解力があった。また、検査中に動かないようにとの説明を行ったあとも、検査が順調に進んでいたため大丈夫だろうと先入観があった。画像の確認・処理に目を向け、監視カメラに写っている患者をあまり気にしなかった。理解力があったため抑制ベルトをしなかった。
・検査中は患者を注視する。 ・CTやMRIなど検査台の上に患者を一人にする検査については、基本的に抑制ベルトを実施する。 ・特に認知症、痴呆症疑いの患者は、本人・家族の同意を得て抑制ベルトをする。 ・画像の処理等、後でできる作業はなるべく同時に実施しない。 ・患者を注視できるように環境整備(鏡の購入検討)。
障害残存の可能性なし
検査時の患者管理
頸椎・胸椎の造影MRI検査のため、看護師2名で病室よりMRI検査室へベッドで搬送する。MRI前室で、看護師2名と技師1名で、MRI室専用ストレッチャーへ移動用マットを使い移動する。下肢の点滴(造影検査のため必要だった)をMRI用点滴架台に移す。担当技師がストレッチャーと点滴架台を持ってストレッチャーを引いて入室、室内で向きを変え、検査台に横付けした。看護師は、追いかけるようにして入室し、ストレッチャーの横に行った。技師が検査台側に廻って、移動用マットを引こうとしたとき、看護師はストレッチャー側におり、点滴をしている下肢が、まだ移動用マットに乗っていなかったため、足を乗せようとしていた。技師からせかされ慌てていた。技師が、「移りますよ」と声をかけて移動用マットを引き、患者を移動し始めた時点で検査台とストレッチャーの隙間が空き身体が下がり始めた。検査台とストレッチャーの間、約55cmの高さから、ずり落ちる様に、移動用マットと共に殿部から転落した。続いてマット越しに、床で頭部を打撲した。
放射線技師は、検査が複雑であるため、手順を考える事に意識が向いてしまっていた。技師は、通常は放射線技師2名で移動する事が多く、自分の身体でストレッチャーを押し支えて移すことが常態化していた。また、ストッパーがかけられていなくても、これまで転落を起こしたことがなかった。今回、看護師と移動を行ったが、安全確認や移動のタイミングを合わせるような声かけをしていなかった。看護師は、これまでMRI室内に入ったことがなかったため、金属物をきちんと取り外せているか不安があり、そのことに気を取られていたことと、検査技師に介助をせかされたため、ストッパーを確認しておらず、また、技師がストレッチャーから離れるのを見ているため、ストッパーがかかっていないとは思わなかった。技師は、検査台に横付けしたタイミングでストッパーをかけるべきであった。技師は、検査手順をどうするか考えていて、早く始めることに意識が集中していた。
・業務に関し焦りがあることで、ストッパーを固定するという基本的なことがおろそかになった。 ・ストレッチャーに注意喚起パネル(「ストッパー確認」15×20cm程度の大きさで)を貼付する。 ・移動のタイミングを合わせるため、声のかけ合いを励行する。 ・装置とストレッチャーを繋ぐもの(ベルト等)を検討する(MRI装置の業者確認中)。 ・医療安全管理室から病院職員全体に向けて今回の事例について情報発信し、ストッパー固定の遵守、ストレッチャーの安全な使用方法や、安全な移動の方法について再指導を行い、徹底する。
障害残存の可能性なし
検査時の患者管理
歩行時ふらつきの精査目的で整形外科担当医師から本日、頚部MRI検査が予約されていた外来患者。初見の時から、足元がふらつく・焦点が合わないなどがあったので、看護師による血圧測定、投薬歴など問診後、検査が受けられるか確認してもらった。その後もトイレにも一緒に付き添うなど、注意深く対応していた。MRI撮影後、MRI更衣室にて着替え後に転倒し、後頭部に損傷を受け、頭部より出血していたため、医師が来るまで圧迫止血を行う。整形外科外来に圧迫止血しながら車いすで搬送し、整形外科医師が縫合した。
ふらつき・焦点が合わない会話がかみ合わないなど、MRI検査時から様子がおかしかった。移動も手を貸しての徒歩であったが、最初から車椅子での移動にし、着替えも受診科の看護師を待って手伝ってもらうべきであった。転倒の経験があったことを知らなかった。外来の各診療科で、情報の共有ができていなかった。電話のやりとりが不明瞭である。診療科では、どの職種が電話を取るか分からない。患者の帰宅を優先して考え、頭部外傷後の注意のパンフレットを渡していなかった。
・患者の体調がおかしいと思ったら、他患者の検査がない場合、付き添い対応する。 ・他患者の検査で忙しければ、受診科の看護師に相談し、検査以外の着替えやトイレなど移動を付き添ってもらうようにする。 ・メディカルスタッフ同士で情報の共有を積極的に行う。診察券に転倒しやすい方に赤のシールを付ける。 ・電話をかける側は、相手に患者情報の内容や移送手段を明確に伝達し、受け手はメモをとり、復唱をする。 ・頭部外傷のあるときは、必ず頭部外傷後の注意のパンフレットを渡す。 ・パンフレットを各診療科で保管し、必要時使用する。
障害残存の可能性なし
検査時の患者管理
患者は気管挿管中でTピースにて管理していた小脳梗塞に対する外減圧術後1日目であった。MRI室へ移動するための準備をしていた時に、誤ってボンベからの酸素チューブを直接、気管チューブへ接続してしまい、圧外傷による両側気胸をおこし、両側胸腔ドレナージを行った。
研修医の知識不足。気管挿管および酸素吸入に関する教育・実技訓練の不足があった。研修医がひとりで処置を行う状況においてしまった。
・どのようなことでも研修医が処置をする場合は、必ず上級医が立ち会うようにする。 ・取り扱う可能性のある機器の概要説明と実技訓練。 ・コネクターの改善。
障害残存の可能性がある(低い)
移動中の患者管理
自宅でオムツを交換していたところ、患者は突然心肺停止状態となり救急搬送された。窒息(心肺停止、蘇生後入院)、右肺炎・無気肺と診断された。入院数日目に頭部のMRI検査の予定があった。MRIの検査室より電話があったので、病棟看護師は患者をインスピロンのついた酸素ボンベにて酸素投与を行いつつ、ベッドにて看護補助者とともにMRI室に搬送した。酸素はインスピロン使用で、トラキT型アダプターをつけた状態で、供給されていた。病棟看護師は、トラキT型アダプターを挿管チューブから外した。患者は自発呼吸があった。病棟看護師、診療放射線技師A、B、C、看護補助者Dの5名により患者が敷いていたバスタオルごと患者をベッドから、MRI前室に移動させておいたMRI検査台に移動させた。診療放射線技師AとCは、MRI検査室へ患者を移動した。診療放射線技師Bは酸素のバルブを開け、酸素流量4Lで設定した。酸素はMRI前室のアウトレットからチューブを通じてMRI検査中の患者に供給されるようになっている。病棟看護師は、診療放射線技師Aに検査を依頼して、病棟に戻った。診療放射線技師Aは検査台をヘッド装着位置(MRI検査装置)と同じ高さにし、ヘッドコイルを患者の頭部に手動で移動した後、患者の挿管チューブがヘッドコイルの右側一番下の隙間にあったので、酸素のチューブの先についているアーガイルチュービングコネクターを脱落しない程度に挿管チューブの中に入れた。この時、酸素の供給チューブは患者の腹部上でたるみがある状態であり、テープなどで固定することはしなかった。その後、検査台をガントリー内中央まで入れた。この時点では酸素の供給チューブは床を這わずに張っている状態であった。検査開始後、患者が動いたように見えたことと金属反応があったため、機械を止めてMRIの撮影室に入り、ガントリーから検査台を戻した。観察したところ、気管内挿管チューブのカフが頭部側に回っていた為、これを引き出し、酸素チューブと共にカフを右鎖骨上で着物の上にテープで固定し、再度検査台をガントリー内に移動させ、検査を開始した。診療放射線技師Aは患者に異常を感じたので、機械を止め、MRI室内に入り、ガントリーから検査台を出した。患者を見ると顔が膨らんでいた。唇や目のあたりに出血があり、ヘッドコイルを顔から外そうとしたところ、挿管チューブがヘッドコイルに引っかかってしまったので、挿管チューブをヘッドコイルの内側へいれ、あごの下へ向くように移動した。その際、ヘッドコイルをはずすことに気を取られており、酸素チューブがつながっていたかどうかは定かでないが、移動時には酸素チューブとつながっていなかった。
医師が挿管中の患者のMRI検査時に立ち会っていなかった。
・呼吸器管理されている患者に対してMRI検査、CT検査を行う際は、医師、または医師の責任下で指示を受けた看護師が立ち会うことの再徹底。
死亡
移動中の患者管理
脳出血、敗血症の患者であった。MRI検査呼び出しがあり、ベッドからストレッチャーに看護師2名でスライダーを使用し移動した。MRI室にて放射線技師2名と検査台に移動しようとした際、患者を乗せたストレッチャーのシーツに血液が付着しているのに気付き、確認したところ、右上腕に2×2.5cmの皮膚剥離を発見した。検査終了後、創部洗浄、ハイドロサイト貼用した。
患者は敗血性ショック後であり、皮膚が傷つきやすい状態であった。ベッドとストレッチャーの間にスライダーを置き、パジャマ着用の患者を看護師2人でスライドさせたため、患者の皮膚とスライダーの摩擦にて表皮剥離したと考えられる。看護師2人という少人数で移動させたため、観察が不十分であった。
・移動前に患者の皮膚とスライダーが接していないことを確認する。 ・スライダー使用時、スライダーと患者の間にバスタオルを敷くなど、患者が摩擦面と接しないように配慮する。
障害残存の可能性がある(低い)
移動中の患者管理
脳出血後、意識障害のある患者。ADL全介助。誤嚥性肺炎あり、気管内挿管にて酸素投与し呼吸管理していた。MRI検査のため、9L35%ベンチュリーマスクで酸素投与にて搬送。SpO298%、顔色良好。検査が終了したとの報告を受け、病棟看護師が迎えに行くと、酸素ボンベが空になっていた。顔面、四肢紅潮。速拍努力様呼吸。当日はエレベーターが修理のため、従来の運用がされず、搬送に時間を要していた。検査終了の報告を受け迎えにいくまで、スタッフ間での連携がとれずに時間を要した。また、MRI終了後、ポータブルでオーダーされていた胸部XPが、同階のXP室で撮影された。徒手補助換気を実施。帰棟後、9L35%ベンチュリーマスクで酸素投与。SpO291~92%。その後、ジャクソンリース加圧にてSpO299~100%。顔面、四肢紅潮消失。呼吸20回台/分に改善。以降、10L50%ベンチュリーマスクで酸素投与し、経過観察となった。
スタッフ間の連携不足、情報の伝達不足、酸素ボンベの酸素供給量の把握不足、搬送患者に対する連続した検査の実施、オーダー依頼とは異なる検査実施、患者観察の不十分。
・連携を十分にとる(エレベーターの運用状況の周知、スタッフの誰かが迎えに行く体制をとる)。 ・情報伝達を十分に行う(患者の状況、酸素投与量、残量、モニタリングの有無など)。 ・酸素ボンベの酸素供給量の把握(酸素ボンベの酸素供給量表の作成・掲示、予備酸素ボンベの持参)。 ・重複した検査の見直し(搬送患者の場合、検査は単一とする)。 ・患者観察(検査実施前後の患者状態の観察、スタッフ間の意思疎通)。
障害残存の可能性なし
移動中の患者管理
患者は挿管・人工呼吸管理中で、バックバルブマスクでMRI室に向かう。検査中も換気必要、技師に「バックバルブマスクですか」と聞かれ、そうだと答えると、延長用のジャバラを渡され繋いで待つように言われたので、挿管チューブとバックバルブマスクの間に繋いだ。SpO2は移動中から94%前後であったが、ジャバラを繋ぐと90~92%となり、患者の体動も増したが、ジャバラの死腔の影響と考え、様子を見た。その後MRI室へ入り、体動増加していたのでホリゾン1/2A投与、少し落ち着きMRIの中へ。MRI室用のモニターを見ると、SpO2が80~86%を示したり、測定できなかったりしており、患者自身の自発呼吸も弱かった。大腿動脈確認してみるが拍動触れず、すぐにMRIトンネルより引き出し頚動脈確認するも拍動触れないため、心臓マッサージ開始、バックバルブマスクも直接挿管チューブへ取り付け換気した。ボスミン2回使用し、ER移動後二次心肺蘇生法を継続した。モニター上PEA、その後頚動脈が拍動を再開した。
挿管チューブとバックバルブマスクを繋ぐジャバラの使い方を知らなかった。検査の移動のためSpO2の低下を許容した。自発呼吸あり、簡易呼吸器は使いづらいと思った。延長ジャバラの誤った組み立てを防ぐテープが外れていた。
・知識の共有。 ・予防措置の徹底。 ・確認作業。 ・医学的判断の向上。
障害残存の可能性がある(高い)
移動中の患者管理
患者は多発性硬化症および神経ベーチェットの治療のため、定期的に当院神経内科の外来を受診していた。事故当日も同様に神経内科の外来を受診し、MRI検査を受けるため、当該検査室へ杖をつきながら徒歩で向った。頭部の検査が終了し、診療放射線技師が検査台から当該患者をおろし、杖をついて歩く患者を検査室出口手前まで歩行介助をしていたが、患者の進路の障害物(点滴台)をどけようと患者から離れた隙の一瞬にお尻から転倒し、左手をついたが、その際は疼痛等の訴えはなかった。検査終了後も神経内科の診察を予定していたため、主治医に転倒事故の概要を報告したところ、患者の年齢等を考慮して骨折等の可能性もあるので、念のため左手のエックス線撮影を実施した結果、左橈尺骨遠位端骨折であった。直ちに当院整形外科を受診し整復後にギブス固定をした。
歩行不安定な患者であるにも関わらず、安全確保をしないまま、一時当該患者より離れたことが原因と考えらた。
・歩行不安定な患者に対しては、必ず車椅子を使用する等の安全確保をしつつ、最後まで介助をつけて検査室の入退室を行う。
障害残存の可能性がある(低い)
移動中の患者管理
患者からナースコールにて依頼有り、トイレまで排尿誘導、病室へ戻る途中気分不快を訴えられた。前頭部痛、吐気あり、寒気による全身の震え有り、緊急MRI検査のため、看護師2名で搬送にあたった。ストレッチャーを病室に入れ、ベッドに横付けし、ベッドの高さをストレッチャーの高さにあわせた。看護師は頭部と足側に立ち、患者にストレッチャーに移動するように声をかけ、患者自身で移動した。その時点で患者の体がストレッチャー上にあることを確認したが、患者が寒気を訴えるため布団を掛けた。ストレッチャーのストッパーをはずしベッドからストレッチャーを離すように動かした。ゴトンと音がして見ると患者はベッドとストレッチャーの間に仰臥位になっていた。
患者がストレッチャー上に移動した状態を看護師二人で確実に確認できていない。ストレッチャーの防護柵を上げる前に、患者に布団を掛けた為に患者の体の位置や体動が確認できにくい状況であった。移動に関して役割分担の確認や安全についての声かけをせず、個々に動こうとした。
・患者の安全を守る事の認識の徹底・確認を図る。 ・患者の安全確認が出来るまで、看護師の目と手を放さない事を徹底する。 ・スタッフ間の連携を常に図り、確認しながら看護にあたる事を徹底する。 ・今回の事例を元に事故状況をスタッフ全員で共有し、事故の原因及び防止策について検討し実施する。
障害残存の可能性なし
移動中の患者管理
脊柱管狭窄症のため、患者は家族に付き添われ、家族が車椅子を押し整形外科外来を受診していた。MRI撮影指示あり。MRI撮影に家族が車椅子を押し外来から撮影室に行き、MRI室専用の車椅子に自力で移乗しMRI撮影を実施した。MRI撮影後、MRI車椅子から外来車椅子に自力移乗した後、「痛い」と言われたが、車椅子の足置きに自身で足を上げられ痛みも落ち着いたため、外来に戻る。外来で足の痛みを訴えられ、大腿部腫脹あるため、エックス線検査を実施したところ左大腿部骨幹部骨折あり。入院、手術となった。
地域病院から紹介、外来受診患者であったが紹介医からの情報はなかった。情報不足骨折が判明した時、家族より「以前も反対側を骨折したことがある。骨がもろいんでしょう」と言われた。
・患者から情報を得る。「以前骨折、治療を受けたことがあるか、骨がもろいと言われたことがあるか」など。 ・高齢であり、移乗時は家族に任せず、介助する。 ・外来と放射線科で重要な情報について連絡し共有をはかり対応する。
障害残存の可能性なし
移動中の患者管理
慢性的な不整脈を根治する目的で心筋の焼灼術を行う。午後9時からアブレーションを施行中、ACTが延長していくため不審に感じた医師が、点滴中の薬剤を確認したところ、カテーテルの先端の冷却用の生食に混入されているヘパリンの量が10倍量で記載されている事に気付いた。準備をした看護師が、1000Uを10000Uと読み違えたため生じた。約1200mLを使用した。
マニュアルに記載された1000Uという文字を10000Uと読み間違えたことによる。洗浄用のへパ生、Aライン用のへパ生、持続点滴用の高濃度へパ生などいろいろの種類を作成したが、作成時にダブルチェックを行わなかった。ACTが延長している初期に、気が付かなかった。アブレーションの介助は二度目であり、まだマンツーマンで付いてもらっていた時期であり、カルテシステムなど初めて見る機器ばかりであった。
・準備の段階でダブルチェックが出来るような体制をとっていくこと。 ・マニュアルではなく患者個人の指示簿が必要ではないか。 ・検査値の重要性を学ぶ。
障害なし
開始
変形性膝関節症のため手術目的で入院した患者に、術前にヘパリンを用いた抗凝固療法を開始するために、内科の医師の指示「ヘパリン15,000単位1日2回投与」の通りに整形主治医が「ヘパリン15,000単位を1日2回・12時間毎(1日計30,000単位)」処方した。2日後に内科の医師がカルテを確認して、本来はtotal15,000単位の指示が、30,000単位として処方され、実施されていることが判明した。ヘパリン15,000単位1日2回投与は、1日投与総量か、1回投与量なのか曖昧であった。内科医の指示は、1日投与総量15,000単位であった。
医師間の連絡不足。ヘパリン15,000単位1日2回投与は、1日投与総量か、1回投与量なのか曖昧であった(ヘパリン15,000単位1日2回投与が1日何単位の投与だったのか曖昧であった。内科医の指示は、1日投与総量15,000単位であった)。
・ヘパリンの使用方法について知識を深める。 ・処方の記載方法について統一し、薬品の1回投与量と1日の投与回数を記載すると周知した。
障害なし
開始
陳旧性心筋梗塞を疑われ心臓カテーテル検査目的に入院となり、心臓カテーテル検査を施行した。左室造影にて左室壁運動低下を認め、左室駆出率29%であった。冠動脈造影では右冠動脈の高度狭窄、左前下行枝に高度狭窄を認めた。低心機能、多枝病変であり、カテーテルまたはバイパス手術による冠血行再建術の必要があり、家族、本人に説明し、後日カテーテル治療を行った。カテ5日後、トイレにて左肩から胸部不快の訴えがあった。排便後から左側胸部の痛みが増強したため、当直医の医師Aが駆けつけ心電図検査を施行し、胸部誘導にてST上昇が認められた。ミオコールスプレーを施行したが症状は改善しなかった。心室頻拍、心室細動であり、心臓マッサージ施行。200Jで除細動施行し、PEAとなり、アドレナリン1mgiv、心肺蘇生継続した。その後、再度心室頻拍となり、200Jで除細動施行し、洞調律に復帰し意識レベル改善し自発的に開眼した。アドレナリン1Aiv+アンカロン1A+生理食塩水100mLivしたが心室頻拍、心室細動となり、除細動を施行した。ミダゾラム3mg投与して気管内挿管した。再度、PEAになりアドレナリン1mgivし、心臓マッサージを開始した。左鼠径にベニューラにて静脈路を確保した。家族に救命センター当直医師である医師Bよりカテーテル検査・治療の必要性を説明した。心電図にて胸部誘導にてST上昇を認め、ステント血栓症が疑われ、血管撮影室に移動した。心室細動となり除細動施行。PCPSの送血管を左大腿静脈から挿入し、右鼠径から大腿動脈内バルーンパンピングカテーテル挿入した。さらに左橈骨動脈からシースを挿入し、カテーテル検査を施行した。冠動脈造影では、右冠動脈の完全閉塞を認めた。胸部誘導のST上昇あり、左前下行枝の治療をする方針とした。バルーンで拡張したが血流が不良であり、更にステントを留置し、その後の血流は改善した。次に右冠動脈の治療を試みたがステント内をワイヤーは通過せず回旋枝から良好な血流が得られ、バイタルも安定したため終了とし、救命センターに入室した。同時にステント血栓症の原因を検討していたところ、内服処方に抗血小板薬のバイアスピリンおよびプラビックスをNGチューブから投与した。救命センターへ入室し、集中治療を施行していたが、死亡退院となった。
内服確認したつもりでいたが、実際には確認していなかった。また、確認事項をカルテに記載していなかった。内服確認をクリティカルパス上の看護師による確認に頼っていた可能性がある。
・ステント血栓症を予防するために抗血小板薬であるアスピリンとチエノピリジン系抗血小板薬であるクロピドグレルの2種類を内服することがガイドラインでも推奨されており、ステント治療を行う際には必須とされる抗血小板薬を内服していないことは重要であり、今回のイベントにつながった可能性は否定できない。 ・抗血小板薬の内服確認を徹底するためにクリティカルパスを改良し、医師の確認も明瞭に記載できるようにする。 ・治療前のブリーフィングで抗血小板薬の内服の有無を必須とする。
死亡
開始
労作時の胸部圧迫感を自覚するようになったため、ホルター心電図を施行したところ、労作性狭心症が疑われ、冠動脈造影検査が施行された。冠動脈造影の検査終了直後、患者から気分不快の訴えがあり、検査前に投薬するヘパリンが未投与であったことに気付き、ヘパリン5,000単位をカテ先から投与し、左冠動脈造影を実施したところ、LAD#8に造影欠損を認め、空気塞栓又は血栓塞栓を疑い、急遽、PCI(経皮的冠動脈形成術)へ移行した。血栓吸引・スロンノン冠注等を施行した。途中、junctionalbrady(接合部リズムの徐脈)へ移行し、アトロピンを静注した。血栓吸引・溶解で再開通を確認し、PCI(経皮的冠動脈形成術)を終了した。一連の経過で、予定以上の造影剤を使用したため、腎機能が悪化し、一時的に血液透析が施行された。
第一術者は、ヘパリンの投与に際し、基本的な行為として、声に出し、周囲のスタッフに伝えることななく、第二術者、第三術者とも特に注視せず、看護師を含め、周囲のスタッフは、当然、第一術者がヘパリンを投与したものと思い込んでいた。また、事前に術者から、関係スタッフに手技や投与する薬剤、投与量などの周知を行っておらず、投与指示は全て口頭で行われていたことが要因と思われる。
・類似の診療行為を行っている診療科では、看護師がヘパリン投与前のACT値(活性化凝固時間)を測定し、これを術者に伝えている。更に投与開始5分後、再度、ACT値を測定し、術者は異常凝固がないかなど、常に抗凝固を管理している。今後、該当診療科においても、ACT値測定も視野に入れて検討することになった。 ・検査前のブリーフィングを定着させるとともに、既に当該診療科で実施されている「ホワイトボードに投与する薬剤、時間及び投与量などを予め記載しておき、順次、実施したものをチェックしていく」方法を定着させ、スタッフの情報共有化を図り、再発防止に努める。
障害残存の可能性なし
開始
以前より皮膚筋炎、間質性肺炎にて外来でフォローしていたが、循環器内科外来時に完全房室ブロックを指摘、緊急入院し、ペースメーカ植え込み術を施行した。その後、閉塞性動脈硬化症のため、右下腿切除術を施行し、2週間後に左浅大腿動脈の90%狭窄に対してPTAを施行した。右大腿動脈からシースを挿入し手技を施行した。手技後、最終造影50%を確認し終了した。用手圧迫を行い、止血を確認後に帰室した。帰室後1時間30分経過した頃に気分不良の訴え有り、血圧が50台に低下した。ベッドサイドモニター装着し、酸素飽和濃度を観察するすると83%であり、リザーバーマスクによる酸素投与を開始した。呼名反応無く嘔吐有り。血圧感知せず。呼びかけにて自然に血圧上昇した。血圧94/62mmHg、酸素飽和濃度92%となった。CT施行すると、穿刺部に造影剤の漏れを認める仮性動脈瘤があることが判明、エコーにて仮性動脈瘤への出血が判明した。救命センターへ入室後、出血に伴うショックと診断された。心臓血管外科にコンサルトし、手術の方針となったが準備を進めていたところ、圧迫にて止血している状態をエコーで確認し、手術せずに経過観察とした。
下腿動脈に対する血管拡張術を施行後、カテーテル室において用手圧迫にて十分に止血し、病棟へ帰室したが、結果として止血が十分ではなかった。ヘパリンが良く効き過ぎていた可能性が高く、活性化凝固時間を確認せずに止血した事が原因と思われる。
・活性化凝固時間をシース抜去前に確認する。 ・値が200以上ある場合は、時間を空けて(2~3時間)止血するか、硫酸プロタミンを用いて中和することにより止血を行うこととする。
障害残存の可能性あり(低い)
開始
左総腸骨動脈瘤、右内腸骨動脈瘤に対してEVAR、左内外腸骨動脈バイパス術を施行した。麻酔導入後、左前腕に末梢ルートを確保、滴下良好であったため術中使用していた。術中ヘパリン化の必要があったため、同ルートから静注した。その後、滴下が不良となってきたため確認したところ、点滴が漏れていた。また、同時刻から動脈ラインがつまっており、採血に手間取り、ACT確認が遅れた。ヘパリン化が不十分なまま内腸骨動脈遮断していたため、中枢側に血栓ができた。右前腕ルートからヘパリンを静注した。また、術野からフォガティカテーテルで血栓除去をした。ステント挿入時の造影で血管閉塞などは認められなかった。
同時刻に他のルートのトラブルが重なった。逆流による確認の難しい(硫酸アトロピンで心拍数の変化を見るくらいしか確認できない)箇所であった。
・ヘパリン静注時は点滴の逆流を確認してから投与を行う。 ・ACT採血時に予想よりも延長していないときは、術者に報告し、点滴漏れの有無を確認する。
障害残存の可能性なし
開始
末期腎不全に対する緊急透析の準備のため、血液透析用中心静脈カテーテル挿入術をエコーガイド下に右内頸静脈に施行した。この際総頸静脈ではなく、誤って総頸動脈に挿入したと考え直ちに脳神経外科医師へ相談し、翌日、手術にてCVカテーテルを抜去し、動脈縫合術が施行された。CVカテーテルは鎖骨下動脈に誤挿入されており、心血管外科医師により無事に動脈縫合術が施行された。患者は末期慢性腎不全にて尿毒症が出現している状況で入院しており、慢性腎不全については右大腿静脈へ血液透析用中心静脈カテーテルを挿入し血液透析導入とした。動脈縫合術後の経過は良好であり、左前腕に内シャント造設術を施行した。内シャントの血流は良好であった。患者の総頸静脈に挿入する予定であったCVカテーテルが、血液ガスの分析により、動脈に誤挿入されていることが判明したため、直ちに脳神経外科医師にコンサルトした。脳神経外科医師により手術にて動脈吻合術が必要であることが家族に説明され、翌日CVカテーテルの抜去および動脈吻合術施行された。術中に、カテーテルが動脈に挿入されていることが分ったため、心臓血管外科医師に応援を依頼し、CVカテーテルの抜去および血管吻合術が施行された。
手技的には腎臓内科で作成している通常のプロトコールに準じて施行しておりまた安全を期するため超音波ガイド下で行っている。外筒からの逆血がなぜ弱かったのかは原因不明であるが、超音波でガイドワイヤーが静脈内にあることを確認して手技を進めており、やむを得なかったと考えている。CVカテーテル挿入術は、常に動脈を傷つけるリスクのある手技であり、患者本人に前もって同意をとって施行している。またその後の対応もきちんと行っており、診療科としては問題ないと考えている。ただし、緊急時のCVカテーテル挿入術は可能な限り大腿静脈に設置すべきと考え、診療科内でも周知徹底した。
・CVカテーテル挿入術を緊急に施行する場合は、何らかの理由で大腿動脈が使用できない等の理由がない限り、大腿静脈へのカテーテル留置とする。 ・CVカテーテル挿入術を施行する際は、できるだけ多くの上級医とともに手技を行う。 ・CVカテーテル挿入の際には動脈への誤挿入の危険性があることを再度全員で確認し、さらなる注意に努める。
バスキュラーアクセス/穿刺時/部位間違い
障害残存の可能性なし
血液浄化用のダブルルーメンカテーテルを鼠径部から挿入留置した。その後血液浄化装置にて血液透析を開始したところ送血管の圧が高く、脱血管に切り替えた。送血管の圧の高さを調べるためにエックス線撮影したところ、ガイドワイヤーの遺残を発見した。小切開にて、ガイドワイヤー・カテーテルを抜去した。改めてカテーテルを挿入し透析を開始した。
カテーテルを留置した際に、ガイドワイヤーを抜くことを失念した。早く透析を開始したいと焦りがあった。処置後のエックス線写真を注意深く読影しなかった。
・院内での事例の共有する。 ・診療科カンファレンスでの報告する。 ・処置後のエックス線写真は担当医師が読影のポイントを明確にして記録する(位置・深さ・異物の有無)。 ・血液浄化を担当するME技師もエックス線写真を確認し、カテーテルの位置をチェックする。
バスキュラーアクセス/穿刺時/外套・ガイドワイヤーの残存
障害残存の可能性なし
透析2時間30分経過したところでコンソールの静脈下限アラームが鳴り、患者の所へ行くと返血ルートが抜針していた。テガダームがついていた為か急には下降せず、約100から200mLの出血により、患者の意識レベルが低下。緊急に脱血側よりゆっくり返血した。ブミネートDIVし、意識レベル改善する。当日はCCUへ入室しナイアガラカテーテルを挿入し輸血する事となった。
透析途中にトイレまで車椅子で行き、トイレの後テープ固定し直しており、抜針7分前に左側臥位になった時もテープ固定、ルートなど再度確認していたにも関わらず、抜針した。
・体動の多い患者には頻回の観察と確認を行う。 ・針の固定方法をテガダームと絆創膏ではなく、リボンテープを用いて×結びをし、針挿入部位をケーパインで固定する方法に変更する。
バスキュラーアクセス/治療中/意図しない抜針
障害残存の可能性がある(低い)
穿刺針に透析用回路セット、ルアーロックをしっかり接続し部分絆創膏固定した。上肢シーネ固定をした。定時観察した後の約15分後、患者のレベルが下がっており、確認したところルアーロックが緩み出血していた。
透析のマニュアルはあり知識は得られていたが、指導者の観察視点が決められておらず、指導者の力量に任せられていた。機械等およびバイタルサインのチェックはしたが刺入部、接続部各種のチェックが確実でなかった。透析看護師の新人受け入れの機会が少なかった。
・新人指導時の安全確認チェックリストの作成する。 ・チェックリストにもとづいた安全確認をする。
バスキュラーアクセス/治療中/バスキュラーアクセスと回路の接続はずれ
障害なし
透析終了時、静脈側穿刺針が抜けず、医師手技にて抜針した。穿刺針先端5mm程度短かかった。前腕から鎖骨下までエックス線撮影したが、先端は分からず。事故状況を患者・家族に説明し、異常があれば来院することを説明し帰宅した。翌透析日に穿刺部に異物が触れたため外科的に除去した。皮膚直下に遺残している穿刺針先端を局麻下に除去し、皮膚は1針のみ5-0ナイロンで縫合した。
穿刺時内筒を再挿入したことによる外筒破損した。先端が人工血管を突き抜けて皮下に遺残した。穿刺時の手技について明確にルール化されていなかったことによる、手技の不統一もあった。
・穿刺時に内筒を再挿入しないことを再確認する。 ・穿刺手技の安全性見直しとルールの再確認をする。
バスキュラーアクセス/抜去・抜針時/カテーテル破損
障害残存の可能性なし
血漿交換中、返漿用のアルブミナーのバッグを交換しようとしていた。その際に返漿ラインを鉗子で止めた(交換後に鉗子を外し忘れた)。その結果、発見するまでの30分間、血漿分離のみが行われ、アルブミナーの補充が行われなかった。看護師が患者より「(鉗子が)止まっているけど大丈夫?」と言われて発見に至った。血漿の補充が行われておらず、体重減少による血圧の低下のため(気分不快等の自覚症状なし)医師に状況を報告した。
記載なし。
・バッグ交換後の回路の確認不足により発生したので、回路の再確認(声だし、指さし)を徹底する。 ・バッグ交換後に技士と看護師によるダブルチェックを実施する。
血液回路/意図しない回路の閉塞及び開放
障害なし
19時30分頃に透析回路の圧が上昇し、医師Aは医師Bに伝えたところ、医師Bは回路の交換が必要であると答えたため、応援を要請した。医師Aは看護師Cに回路交換が必要になったため、医師Bに依頼したことを伝えた。看護師Cは、持続血液濾過器ではなく、プラズマフロー(膜型血漿分離器)とともに、その他必要な物品をそろえた。その後、医師Aと医師Bが透析回路の交換を行った。その際、医師Bはいつも見ている子供のカラムと違って大きいと言ったが、成人サイズだから小児サイズとは違うのだと思った。患者は約2時間後に血圧が低下した。血液透析濾過器の排液の色調がオレンジから茶色に変わり、アルブミンの急激な低下があった。昇圧剤、輸液により血圧は安定したが翌日に意識を失い、その後死亡した。その後確認したところ、持続血液透析濾過の際にエクセルフロー(持続血液濾過器)を取り付けるべきところを誤ってプラズマフローを取り付けていたことが判明した。
医師2名が回路交換を行い、看護師が物品を準備した。準備した際に、誤った器具が取り揃えられた。看護師は普段これらの準備を担当しておらず、医師が準備をすることになっていた。医師Bは、医師Aが物品を準備したものだと思い、医師Aは、看護師Cが物品を準備したことは知っていたが、医師Bが確認するだろうと思っていた。そのため、医師は、看護師が準備をした物品が正しいものであると思いこんだ。看護師Cは、物品棚に血液濾過器以外のものが入っているという認識はなかった。透析器具の取扱は、臨床工学技士が対応することも多かったが、このときは夜間であり、医師が交換した。確認不足だけではなく、背景要因が複数あると考えた。当該病棟には、透析関連物品が棟内の物品棚に置かれていた。当初は血液濾過器のみが定数配置されていたが、膜型血漿分離器を使用することがあったため、どちらも定数配置することになった。また、直方体の箱を管理する際に、奥行きが長くなるよう配置していたが、視覚に入る面には用途を示す文言や製品名は記載されていなかった。
・臨床工学技士の増員(夜間などの臨床工学技士不在を解消)をする。 ・部署での物品管理の変更(間違えないように1種類の器具しか定数管理しない)をする。
血液浄化器等/誤った血液浄化器等の使用
死亡
透析の性能評価で、透析排液採取方法検討目的で、排液採取を実施していた。また、除水異常にならないように背圧弁を取り付けていたが、コンソール内の背圧弁の圧が0.85が1.2にずれていた為、除水異常にならないように取り付けた設定圧の低い背圧弁の方に水が移動してしまい、透析後に予定より1.3kg多く除水されていた。透析中特に変わりなくまた、バイタルサイン等も異常なかった。
背圧弁を取り付ける際に、圧調整がきちんとできていなかった。
・取り付け時は、圧調整等確実に行う。
装置/設定及び操作の誤り
障害残存の可能性がある(低い)