具体的内容
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背景・要因
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改善策
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記述情報
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具体情報
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専門分析班及び総合評価部会の議論
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当事者職種(職種経験年数)1人目
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関連したモノ
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専門分析班・総合評価部会の議論
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吸入酸素濃度
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事故の内容1
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事故の内容2
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訪問での専門分析班委員の主な意見
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人工呼吸器※
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薬剤
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持ち込んだ磁性体
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詳細
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参照
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画像
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画像2
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事例の分類
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注釈
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研修医の情報
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発生要因
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心房細動による血栓症予防のため、ワーファリンの内服を周術期にヘパリン2万単位・生理食塩水30mLに変更し、シリンジポンプで2mL/hで投与していた。更新分のへパリンをリーダー看護師、担当看護師の2名で処方箋と確認し別の看護師がカクテルした。その際50mLのシリンジには患者氏名及びカクテルした薬剤名・量を記載したテープを貼り、トレイに入れ処置台に置いていた。11時頃、担当看護師が検温を終了し詰所に戻った際、処置台の上に担当患者の薬剤が残っていたためベッドサイドに持参し、患者に「血をサラサラにする薬を注射します」と声をかけ患者確認をし、50mL全量を静脈注射した。担当看護師は静脈注射を実施した後、へパリンの持続点滴をしていることを思い出し、注射したことを疑問に思い、リーダーに確認し過剰投与の誤薬に気付いた。報告を受けたリーダーが師長に報告、持続点滴のへパリンを中止し主治医に連絡、血液内科医にコンサルトし、12時に心電図をモニタリングし、ショックに注意しながら拮抗薬のプロタミン50mg+生理食塩水100mLを投与した。
担当看護師はヘパリン2mL/hをシリンジポンプにて投与していたことは知っていた。ルート確認をした際、残量と更新時間のみ確認し、薬剤名を見ていなかった。また投与する際に処方箋との照合確認をしなかったため、シリンジポンプで投与している薬剤がヘパリンという現場での認識をしなかった。シリンジポンプにて投与している薬剤は微量投与が必要な身体への影響が大きい薬剤であるという認識がなかった。へパリン2万単位と生理食塩水30mLの記載をみた際もヘパリンフラッシュと比べ、シリンジ1本内の単位が20倍であるという認識や、2万単位という量がもたらす身体への影響を理解していなかった。
・自分が準備、確認した薬剤であっても、他の看護師がカクテルし表示した薬剤を投与する際は、処方箋との照合確認を必ず行うよう看護師全員に周知した。・ルートの確認をする際は患者側から実際にルートを手でたどりながら、何が、どこから、どのように挿入・留置・投与・ドレナージしているのかを確認する。・シリンジポンプで投与している薬剤の確認をする際は、シリンジに貼用したテープに記載された患者氏名、薬剤名、流量が、事前にカルテから得た情報と合っているかどうかを照合するよう指導した。・シリンジポンプで投与する薬剤は微量で投与する必要を説明し、慎重に取り扱う必要性を周知した。
注射薬
障害残存の可能性なし
○この医療機関では、2ヶ月目の看護師が1人で静脈注射を実施することが可能な状況であったと推測される。職種経験年数と行う業務内容が合っているか振り返ってはいかがか。○院内の取り決めや、新人看護師の教育計画の中で、静脈注射の実施基準があったかどうかは背景要因からは不明である。○改善策に「他の看護師がカクテルし表示した薬剤を投与する際は、処方箋との照合確認を必ず行うよう・・」とあるが、自身で作成しても投与時に処方箋との照合を行う必要がある。○自分が行う行為が正しいのか振り返って確認するもの(例えば指示表など)を明確にしておく。またそれが、業務手順に明示されていると良い。
看護師(0年2ヶ月)
nan
後腹膜ドレーン(セイラムサンプチューブ)から持続洗浄を行っていた。その方法として、セイラムサンプチューブの空気取り込み部分をカットし、三方活栓を装着し輸液用生食水を点滴注入していた。担当看護師Aは、9時に訪床した時、生食100mLが後腹膜ドレーンから投与されているのを見て、洗浄と思わず、ここから点滴を行っていると思った。その後、フォローの看護師Bと処置確認をして、イントラリポスを側管からいくことを確認した。また、看護師Bと共に患者のベッドサイドに行き、後腹膜ドレーンと十二指腸側ドレーンが挿入されていること、NGチューブ、CVルートを確認した。11時、看護師Aは洗浄のための生食100mLが後腹膜ドレーンから投与されているのを見て、イントラリポスも後腹膜ドレーンの三方活栓からいくと思い込み、イントラリポスを後腹膜ドレーンの三方活栓に接続した。その際の点滴速度は約80mL/hで調整した。13時45分に看護師Aが訪床した時、後腹膜ドレーンから白い液が排出されていることを不審に思い、看護師Bに報告し、イントラリポスが後腹膜ドレーンから誤投与されたことが発覚した。イントラリポス250mLはすでに全量点滴されていた。点滴ルートと後腹腔ドレナージ(白ビニールテープに黒字)を区別する表示はされていた。すぐに医師に報告。後腹膜ドレーンの排液バック内(白色)60mL、十二指腸側ドレーン排液バック内(白色)170mLを確認し、医師は後腹膜ドレーンからシリンジで42mLの白い液体を吸引した。その後、まず、生食500mLで洗浄を行った。
看護師Aは、本患者が大部屋にいる時、数回受け持った。ドレーンが2本になり、NGチューブが挿入され感染のため個室管理になった後は、はじめて受け持った。病状と後腹腔ドレナージが行われていることは説明により把握し、実際のドレーン挿入の確認もベッドサイドで指導されていた。洗浄のための生理食塩水を見て、ここから点滴をしているのだと思いこみ、その理由を確認しなかった。イントラリポスの成分を知らなかった。看護師Bは、ドレーンについて何がどこに入っているか説明はした。三方活栓への接続は、すでに一人で行えるため、同行しなかった。医師は後腹膜ドレーンから洗浄のため、セイラムサンプチューブに三方活栓を付けて持続洗浄することを10日前から行っていた。この特殊処置が医師・看護師間に周知されていなかった。
・新人看護師の指導について、学生時代経験することが稀な点滴や処置に関しては、新人の思考過程を確認しながら、なぜ行うのかを説明する。・初めて行う処置の場合、ベッドサイドにおける指導を行う。・新人看護師が初めて行う処置や疑問に思ったことを必ず確認するように指導する。・点滴ルート以外に三方活栓が使用され洗浄がされていたことは、医療事故スタンダードマニュアル10「チューブには輸液用三方活栓を使用しない」のルール違反であるが、医師・看護師間でその意味や危険性を十分認識し、情報を共有する。
注射薬
障害残存の可能性なし
○当該患者は、点滴やドレーン、NGチューブなどたくさんのチューブ類が挿入されており、2ヶ月の新人看護師には患者の状況の把握が難しかった可能性がある。○2ヶ月の新人看護師であり、患者の状況を理解して行動するよりも業務をこなさなくてはいけないという思いの方が強かった可能性がある。経験のある看護師のフォローが必要であっただろう。○薬剤を投与することを「動作」にするのではなく、何のために何処に投与するのかということを考えられるとよい。○分からないこと、疑問に思うことを都合よく解釈し、確認するよりも行動に移してしまうことがあるため、相談することの重要性を伝えておく必要がある。○後腹膜ドレーンとして、本来は胃管として使用するセイラムサンプチューブを使用し、三方活栓を付けたという通常とは異なる使用が問題である。医療機器を通常と異なる使用をする場合は、治療に関わる全員に周知し、理解を得た上で行うべきであり、通常とは異なる使用をしていることおよび取り扱い方法が可視化されている必要があるだろう。
看護師(0年2ヶ月)
看護師(2年2ヶ月)
同一の末梢ラインから輸液(ツインパル500mL)と側管からカテコラミンが投与されていた。新人看護師が輸液の更新操作に時間がかかり、患者の血圧が50mmHgに低下した。看護師は急いで輸液を更新し滴下した。その結果、血圧200mmHg、HR180台に上昇し、EKG波形はVT波形に変動した。医師に報告しリドカインを静脈注射し血圧120mmHg,HR120台、心電図波形も正常洞調律に戻った。
同一の末梢ラインから輸液(ツインパル500mL)と側管からカテコラミンが投与されていた。担当看護師は新人看護師で、入職して5ヶ月目であった。看護師は輸液更新時、更新操作に時間がかかり、三方活栓の確認も不十分であった。ポンプで輸液を滴下させた事で側管から滴下しているカテコラミンが一時的に急激に注入された。
・同一の末梢ラインから輸液とカテコラミンが投与されている場合、輸液更新時は特に操作を正確に行い、注入量、滴下速度を必ず2人の看護師でダブルチェックし指差し呼称確認を徹底する。・輸液更新時操作に時間がかかり、ラインの閉塞状態が発生した場合は、輸液ラインの内圧が高い状態のまま注入すると高圧で一気に患者に輸液が注入されることがあるため必ずルート内の除圧を行う。・三方活栓のON、OFFを2人の看護師でダブルチェックする。・新人看護師の教育を再度行う。
注射薬
障害なし
○新人看護師には、カテコラミンが末梢静脈ラインの側管から投与されている場合の注意点を知らなかった、もしくは輸液の交換がカテコラミンの投与に影響することを知らなかった可能性がある。○カテコラミンは、可能であれば独立したラインで投与する方が安全である。輸液と同一の末梢静脈ラインでカテコラミンを投与していた背景は分からないが、職種経験1年未満の看護師・准看護師が関わるか否かに関係なく安全な方に舵を取っておくことは必要であろう。
看護師(0年5ヶ月)
nan
白内障手術のため入院し、入院時に持参薬を7種類持参した。自宅では、患者本人が内服薬の自己管理をしていた。入院時、患者がお薬手帳、内服説明書を持参しなかったため、新人看護師が確認したところ、利尿剤(ラシックス錠20mg)を朝1/2錠内服していると患者が言った。新人看護師は「持込薬確認表」にラシックス朝1/2と用法、容量を記載し、医師が内服継続の指示を出した。4日後の朝、深夜看護師が患者の息切れ等の症状が悪化しているため、内服薬をオーダリング画面で処方歴を確認したところ、ラシックスの量が処方歴と異なることに気が付いた。患者は当院の消化器科通院中であり、消化器科主治医よりラシックスは朝1錠昼1/2錠の指示が出ていた。その日の昼に消化器科医師の診察を受け、利尿剤入りの点滴と酸素投与、バルンカテーテル挿入し安静加療となった。
「持参薬確認の際は、お薬手帳、紹介状で内服状況を確認する」というルールがあったが持参薬の確認をルール通りにしなかった。患者がお薬手帳を持参しなかった。持参薬を確認したのは新人看護師であり、持参薬袋にラシックス1/2錠と1錠が混在していたが確認するという行動に移せなかった。患者の自宅での内服説明を信用した。患者は自宅でも用量を間違って内服していた。医師はオーダリング画面で処方歴を確認せず、看護師が記入した「持込薬確認表」に沿って指示を出した。
・入院時のしおりにお薬手帳を持参するように記載する。・患者全員にお薬手帳、説明のシールを発行する。・持参薬の確認はルール通りお薬手帳もしくは内服説明書で確認する。・当院処方薬はオーダリング画面で処方歴を確認する。・医師も処方歴の確認を行った上で、内服の指示を出す。・自己管理の判断基準チェックシートを作成し院内標準化とする。・新人オリエンテーションに持参薬のシミュレーションを盛り込む。・医薬品情報システムが導入され持参薬の検索ができるようになったため、今後は入院時に持参薬を一元的に把握し重複投与や相互作用、禁忌薬の有無などが正確に管理できる持参薬管理室の設置を行い人員の配置が確保できた時点でルールを改訂する予定である。
内服薬
障害残存の可能性がある(低い)
○眼科の白内障手術患者は入院日数が短いことから、当該病棟では院内での持参薬の確認のルールが履行されていない現状があるのではないか。○「お薬手帳や紹介状で内服状況を確認する」というルールがあったようだが、お薬手帳や紹介状がない場合の確認方法についても取り決めておくと良いだろう。○持参薬については薬剤師が関与することも検討が必要であろう。○新人看護師だから起こった事例ではなく、決められたことを行わなければ経験が長い看護師であっても同じ間違いを起こす可能性はある。
看護師(0年10ヶ月)
看護師(12年10ヶ月)
患者は、急性胆嚢炎で入院治療を開始していたが、病状は安定していた。入院中に上部内視鏡検査で早期胃癌が発見され、内視鏡的粘膜剥離術(ESD)が施行された。早期胃癌に対するESD施行後の止血目的でトロンビン液モチダ5千が1日3回内服薬として指示された。10時30分、担当看護師Aは、冷所保存されていた経口用トロンビン液(内服用薬袋に入っていた)を薬袋から取りだし、患者の右上肢にキープされていた輸液ルートのプラネクタ側注した。12時30分、看護師Bが訪室時、患者の輸液セットのクレンメが全開にも拘わらず点滴滴下見られず、刺入部が発赤腫脹を呈していたので、「点滴漏れ」と判断して左上肢に刺し変えた。14時30分、看護師Aは、本日2回目の経口用トロンビン液を左上肢に側注した。直後に患者は吐気を訴え、左上肢から肩・背部にかけての疼痛、気分不良となったが、そのまま様子観察していた。10分後、患者の気分不良は幾分落ち着いたが、点滴滴下が止まったため、看護師Aは「抜針したら痛みが取れる」と判断して、看護師Bに刺し変えを依頼した。15時00分、依頼された看護師Bは、左上肢刺入部の異常に気付き、内科医師Cに連絡し、患者の状態(左前腕の血管痛、腫脹、赤紫色)を報告した。医師Cは、血管外科医Dと相談のうえ、血栓の有無の確認のため左上肢のエコー検査の指示を出した。15時30分、医師Cが患者に付き添ってエコー室に行き、放射線科医Eによる検査が開始された。ほぼ同時刻頃、患者の状況が好転しないため不安にかられた看護師Aは「注射薬の副作用か?」と判断し、薬品情報でトロンビン液を調べた。この時点で初めてトロンビン液が経口投与であることを知り、投与方法を間違えたことを認識した。直ぐに、医師Cへ連絡した。その後、エコー検査により左上肢に血栓のないことが確認された。検査中に看護師Aより経口用のトロンビン液を静脈内投与したと報告を受けた医師Cは、慎重を期してトロンビン誤投与による副作用と処置等について薬剤部に相談した。極めて稀有な事態であったため、薬剤部でも予想される病態および適切な対処法に関する情報収集に若干の時間を要した。16時15分、左上肢に血栓がないという診断が得られたので、前述の情報収集に基づいて、まず、全身状態把握のため血清・生化学・凝固系等の採血指示が出された。この間、患者の全身状態は安定しており、意識は清明、呼吸も正常であった。左上肢前腕の状態は、色調は部分的に暗赤色を呈して、点状出血がみられたが、橈骨動脈は触知可能であった。処置室で治療に必要な血管確保のため右ソケイ部よりCVダブルルーメンカテーテルを挿入し、ヘパリンNa2,000単位静注後、ヘパリンNa5,000単位を2mL/hで持続投与開始となる。万全を期すため、準夜および深夜はHCU(高度治療室)に移動し、綿密な経過観察を継続した。翌日以降の経過夜間から翌日にかけても全身状態の悪化および左上肢病変の進行は認められなかった。
聴取内容は、次の通りであった。・担当看護師は新人であった。新人看護師は、1ヶ月前より他人より仕事がこなせていないという思いがあり、不安の中で業務を行っていた。当日は6名(うち3名が重症病棟の患者)の受持ち担当であったが、点滴がうまくはいらなかったり、点滴の準備に追われていたり、「早くしなければ・・・」という焦りがあった。自分自身では、受持つ患者は2~3人が丁度いいと思っていた。他の人に応援を頼むことは出来る状況であったが、迷惑はかけたくなかった。業務マニュアルの存在は知っており、ダブルチェックや個人の情報処理に用いられるバーコード対応携帯端末(PDA)の実施の必要性も自覚し、今までは薬剤使用時にPDAを使用していたが、今回に限り、原理原則を失念した。禁注射の記載はわかっていたが、そのトロンビンが経口薬とは知らなかった。「禁注射」の記載は、トロンビン液を注射シリンジに吸い取ってから静脈注射することは「禁」だと解釈した。トロンビン液の容器のまま静脈への直接投与することは「禁」と解釈し、輸液ルートからの側注が静脈注射と理解できていなかった。内視鏡治療の患者は以前に担当したことはあったが、受け持ち経験は久しぶりであり、トロンビン液の取り扱いは初めてだった。自分自身の薬剤に対する知識不足、経験不足、処置に対する問題意識の欠如があった。以上の聞き取りを総括すると、今年度採用の新人看護師が不安の中で仕事を行っており、多忙な業務に追われてダブルチェックやPDA実施、上司への報告、同僚への相談など、原理原則を失念していたことが推測された。新人看護師が、内科病棟で汎用される薬剤の薬理作用・および使用上の注意に関する知識が乏しく、看護業務全般に関する問題意識も欠如していたことは否めない。今後、新人看護師に対して、疾患・薬剤等に対する知識を高め、個々の患者に問題意識を持って看護業務に携わるようにスタッフ全員でさらに指導していかなくてはならない。
1.新入職者全員に対して看護業務上の原理原則を遵守させることが不可欠である。・ダブルチェックやPDA実施などの再徹底と監督強化する。・自分で分からないことについて同僚へ相談する。・事故発生時には迅速に上司へ報告する。2.看護業務全般に関する問題意識を高めるため、すでに実施している薬剤師との勉強会の定期化を含めて、教育体制の見直しに取り組んでいく。3.新人看護師に対して仕事上の悩みを聞く、「慣れの落とし穴」へのフォローアップ体制を強化させるなど細やかな職場環境を整備することが必要である。4.今回の事例を教訓として、以下の事項について組織的に取り組み、システムで考えていく。・新人教育に、通常の医療専門用語の意味・解釈の共通認識と理解の確認を取り入れる。・再発防止用に、事故状況を再現するVTRやシナリオを作成し、繰り返し教育する。・通常、薬杯に移して施行されるべき経口投与の原則を遵守する。・慣れの時期(10月~11月)のfollowupを強化する。・薬剤(トロンビン)の誤投与が回避されるべき形状(物理的に連結不可能な形状へ変更など)に関して製造元・業者への提言が必要である。
内服薬
障害残存の可能性なし
○製剤のパッケージ及び本体には赤地に白字で「禁注射」と記載があるが、内視鏡鉗子口やチューブに直接接続して撒布することが可能であるため、シリンジと同口径であり、プラネクタ(ニードルレスアクセスポート)との接続が可能である。○トロンビン液モチダソフトボトルは、以前はバイアル製剤であったところ、安全性を考慮して「注射筒へ移しかえせず内視鏡鉗子口やチューブに直接接続して出血部位に撒布することを可能とし、かつ、使用時にラベル確認が可能なため、誤用防止対策に貢献できる」3)として、平成15年よりソフトボトルに変更になった製剤である。安全のために容器が変更になった薬剤であるが、二次的な事故につながったことは残念である。○内服薬の薬袋に入っており、処方箋も内服薬のものであったはずであるが、「経口薬」とは認識していないのは、通常ない剤形であることや、投与する薬剤の成分や効果に関する知識が当事者になかったのであろう。○「禁注射」の文字があるにも関わらず誤った解釈をしてしまうのは、明確に記載があって、それを目にしていても、人は思い込みなどから都合よく解釈してしまう可能性があるということであろう。○当該医療機関のPDA認証が何処まで確認できるのか不明であるが、PDAは患者に投与する薬剤かどうかが確認できるのであって、その薬剤が経口薬か静脈投与かという投与経路の照合はできないのではないか。○当事者は職種経験7ヶ月であるが、10月頃になると一人で任せられる業務が増えるため、初期に比べ相談したり、質問したりしにくい時期かもしれない。そこに、周りと比べてできていないという自己評価による焦りが入ったと思われる。○同時期に入った新人看護師が、一律同レベルの知識と技術を身につけていくわけではない事を周囲が理解しておくことも必要であろう。
看護師(0年7ヶ月)
nan
準夜担当看護師が違うチームの看護師(1年目)に含嗽を依頼した。その際、「部屋にすでに作成してある黄色い薬剤で含嗽をするように」依頼した。新人看護師はその含嗽薬を使用したことはなかった。個室に入り、洗面台の上にあったプラスチックのボトルに黄色い液体が入っているのを見かけ、その液体を含嗽薬と思い込みコップに入れて患者に含嗽をさせた。患者が吐き出した液体に泡が多いことに家族が気付き、担当看護師に確認した。新人看護師は、家族が持ち込んだ洗剤(黄色い液体)で含嗽させたことがわかった。含嗽薬は希釈し冷蔵庫に保管されていた。
含嗽薬は院内製剤であった。含嗽するときに薬剤名を確認せず、含嗽薬だと思い込んだ。担当看護師も保管場所等を正しく伝えなかった。含嗽薬、軟膏等外用薬の確認の方法が標準化されていない。
・外用薬の確認方法を標準化して周知・教育する。
外用薬
障害なし
○新人看護師に依頼する際に、具体的に情報を伝える必要がある。院内製剤の含嗽薬を知っているか確認できたらよかった。○含嗽薬や外用薬でも、処方内容や指示との照合など、基本的な確認方法は統一した方が良い。○改善策にある確認方法を教育することも必要であるが、薬剤名の記載のないものは使用しないということも周知した方がよい。
看護師(0年8ヶ月)
nan
午前9時に新人看護師は、担当患者Aのバスキャスフラッシュ、担当患者Bのバスキャスフラッシュ、セファゾリンNa1gキットの準備をしていた。看護師はセファゾリンNa1gキットを準備し手に持ち、準備室を出て、カンファレンスルームにいる研修医に「患者Aさんのバスキュラーアクセスに抗生剤の点滴をお願いします」と依頼した。看護師と研修医は2人で患者Aの部屋に行き、研修医は渡された点滴を接続した。5分後、他の看護師から患者Bの点滴を患者Aに投与していることを指摘された(約10mL)。患者Aは直後より気分不快吐気などを呈した。すぐに抗生剤を取り外し、研修医は点滴をヘパリンでフラッシュした。他の医師も駆けつけてサクシゾン200mgの点滴を開始した。頚部、前胸部に発疹、かゆみがあった。バイタルサインは特に異常は認めなかった。1時間後、アナフィラキシー症状は改善した。
看護師は、注射投与時間が気になり、早くしなければと焦りなどから、注射準備、医師への依頼時の確認行為を省略するなどの不安全行動をとった。研修医は、看護師から渡された薬剤を患者のものと過信し、最終確認をしないまま点滴(最終行為)を実施した。研修医は、禁忌薬剤を中止した同一ルートでヘパフラッシュを実施し、ルート内に残っていた薬剤を押し込んでしまった。看護師は、残った禁忌薬剤を破棄してしまい使用量の確認ができなかった。
・注射や点滴実施時は、最終確認として、フルネームでの呼称確認とバーコード照合を遵守する(当該科では、最終実施時は、医師、看護師間でダブルチェックする)。・全ての与薬のプロセスで、6R(正しい患者・薬剤・投与量・方法・時間・速度)、アレルギー確認を実施する。・教育の徹底を図る。・注射や点滴の照合歴を定期的に確認する。・誤薬に気づいた際に実施する行為等、誤薬事故発生時に関するマニュアルの改正を行う。
注射薬
障害残存の可能性なし
看護師(0年7ヶ月)
医師(0年7ヶ月)
1年目看護師Aは、日勤にて手術施行した患者を受け持っていた。患者は痛み緩和の為、硬膜外麻酔(フェンタニル+ポプスカイン)施行中であった。食事が経口より摂取できない為に、中心静脈栄養を行っていた。術後3日目の朝、硬膜外麻酔がなくなるため、リーダー看護師が医師に確認をした。継続指示となり、注射箋とラベルを発行した。ラベルが無地で出てきた為に薬局にて再発行をしてもらい薬剤のダブルチェックを行った。11時30分に硬膜外麻酔の薬液が無くなり、看護師Cはシリンジェクターを外し、保護栓でロックをし、右の襟元に優肌絆で「×」の字に止めた(硬膜外チューブのラインは、背中より右の首側に出ている)。硬膜外チューブがロックされたことは担当である看護師Aに申し送られた。その後、看護師Aが休憩時間中に他の看護師により更新用のシリンジェクターに薬剤は詰められていた。15時15分ごろ、看護師Aは別の患者の術後ベッドが手術室に上がっていったので、手術がもう少しで終了すると思い、患者が戻ってくると1時間は離れられない為、受け持ち患者Bの硬膜外麻酔の薬液を再開する為に交換用のシリンジェクターを持って受け持ち患者Bのところに行き、何も考えず確認も行わないまま中心静脈ラインの側管に繋いだ。18時15分に夜勤担当の看護師からエピ用のシリンジェクターが中心静脈ラインに繋がっていると報告を受け、間違えていたことに気付いた。
今年卒業の新入職の職員は、受け持ちの患者が手術から戻ってくると、時間がとられるため、急いで残りの仕事を行うことに気をとられてしまった。静脈に繋ぐことのみを数回行った経験しかなかったため、目の前の接続部に対し何も考えず行った。忙しさで、集中してしまい自分を見失っており確認を忘れてしまった。今年卒業の新入職員であり、まだ経験も少なく、ポプスカインが静注禁止と言う知識もなく硬膜外麻酔はロック後に再開することがあることも知らなかった。使用物品はシリンジェクターであるが、硬膜外麻酔にも、静脈内の麻酔にも使用している。また、接続部が硬膜外カテーテル、点滴用のラインにも繋がってしまう。1年目の新卒入職者であるが、指導者がどこまで技術の獲得が出来ているのか把握できていなかったルールの不備について輸液ポンプは交換時に二人で確認するルールはあるが、同じ持続注入器でもあるにもかかわらずシリンジェクターの交換時には二人で確認を行うルールがなかった。
・投与までダブルチェックを行い、経路の入力がなければ注射ラベルに記入する。・硬膜外麻酔用と点滴用とが区別できるように、ポンプの種類を増やす。・忙しいときにはチーム内で協力して別のスタッフに依頼する。・何でも聞ける雰囲気づくり、チーム内での声かけを励行する。・1年目看護師へのフォローを行う。初めての処置は一人でやらずに必ず確認してから行うように再指導する。・プリセプターと若手研修委員で1年目の技術チェック表を確認し、未実施や不確実な技術をピックアップする。・来年度の病棟技術チェック表に硬膜外麻酔のことを追加する。・分からないことは確認してから行うことのニュースを発行する。・薬剤師が、ポプスカインの学習会を行う。・医師に麻酔の学習会を依頼していく。・硬膜外麻酔の使用マニュアルを作る。
注射薬
障害なし
看護師(0年4ヶ月)
nan
内服薬をPTPシートのままカップに7個入れたものを遅出の新人看護師が患者に渡した。いつもは薬が裸錠でカップに入っているため、患者はそのまま口に入れたところ痛みで吐き出した。そのことを新人看護師に伝えたが、新人看護師はPTPシートのまま誤飲したとは考えず、吐き出されたPTPシートから錠剤を取り出して、個数を確認しないまま投薬した。翌日になって、患者からこの出来事を聞いた別の看護師が誤飲の可能性を考え主治医に報告した。エックス線撮影でPTPシート状のものが映し出され、内視鏡での異物除去を行った。誤飲した薬の数が不明であり、経過観察を要した。
患者は弱視があり、PTPシートのままであることがわからなかった。投薬した看護師は患者とは別のチームで、弱視等の患者情報を把握しておらず、自分がPTPシートから取り出せると判断した。看護師が管理する薬剤の与薬の手順では、患者が嚥下するまでを確認することをルールとしているが、守られなかった。投薬した看護師は部署経験が約半年で、院内の手順を知らなかったもしくは聞いていたが忘れていた。
・手順の再周知。・自己管理以外の投薬時は、患者にPTPシートのまま薬を渡さないようにする。・可能な範囲での薬剤を一包化する。
内服薬
障害なし
看護師(0年11ヶ月)
nan
主治医に「点鼻薬の使用量を間違えた」と母親から電話連絡があり、外来を受診した。来院時、母親に聞いたところ、20時にデスモプレシン点鼻液0.025mL使用するところを0.2mL点鼻したとのこと。20時~8時まで排尿無かったが、8時過ぎに350mLの排尿があった。患者の体調は特に変わりなかった。医師診察後、デスモプレシン点鼻液は中止となり、デスモプレシン・スプレーに変更になった。
入院中は、看護師が点鼻薬の指示投与量をチューブに入れ、患者に手渡していた。看護師が退院時点鼻薬の使用方法の説明をしたが、説明した看護師も分かっていなかったようで、母親は説明が理解できなかった。また、理解できなかったが説明書が付いていたので「まあいいや」と思ってそのままにして帰ってしまった。退院説明を行ったのは、新人看護師であった。薬剤師が退院指導に関わることは、まだ一部の症例のみで、当該事例病棟での薬剤師による退院指導は施行されていなかった。
・退院指導として、点鼻薬の練習を行う。もしくは退院後は使用方法が理解しやすく簡単に投与できるスプレータイプに変更することを医師と相談する。・退院時親を含めて最終説明を行い、分からないことがないか再度確認する。
点鼻薬
障害残存の可能性なし
看護師(0年1ヶ月)
nan
患者を取り違えて生化学とクロスマッチの採血をした。
連携が不十分だった。
・マニュアルを順守する。
実施した行為が誤っていた事例
障害なし
看護師(0年7ヶ月)
nan
医師は右前腕にルートキープし、輸液を60mL/h、側管より赤血球濃厚液を60滴/分で開始した。5分後、滴下良好で刺入部に腫脹は認められなかった。15分後、滴下と気分不良が無いことを確認した。輸血開始から1時間15分後、患者からのナースコールにより訪室すると、患者は痛みと腫れを訴えた。右前腕全体に腫脹あり。点滴と輸血を止めた。逆血がなく抜針した。医師の診察により、クーリングして経過観察となった。
刺入部の観察ができていなかった。患者は痛みがあるのはあたりまえのことと思っていた。点滴についての説明が不十分であったと考えられる。昨日より発熱あり、睡眠も不十分で倦怠感強く、点滴開始後から入眠していた。
・15分後にも刺入部の観察を行う必要があった。・患者に、痛みがあるときはすぐに報告するように説明する。
実施すべき行為をしなかった事例
障害残存の可能性なし
看護師(0年8ヶ月)
nan
16時30分、夕方のワーファリンの休薬指示があり、新人看護師は確認してサインした。18時30分、経管栄養を施行。その際、一包化のワーファリン1mgと0.5mgを一緒に注入した。その後、内服整理時に指示票を確認して休薬を思い出した。
内服薬の処理方法を知らなかった。先輩看護師に確認しなかった。メモを取っておらず忘れた。
・自己判断せずに先輩看護師に相談する。・確認したことはメモを取る。・指示を受けたときに薬の整理をする。
nan
看護師(0年)
nan
朝の点滴確認時、新人准看護師が確認した点滴は場所を移すか、ケースを変えるよう指導を受けた。しかし、指導どおりには点滴確認を行わなかった。オーダ画面で薬剤の確認をした際、生食100mL+ジゴキシン1Aの指示はなかった。しかし、確認を怠りオーダにあると勘違いして印をつけたため、先輩看護師が点滴をつめ準備した。先輩看護師は点滴を実施しようとオーダ画面を確認したところ、生食100mL+ジゴキシン1Aの点滴は前日までで中止の指示となっていた。
朝の点滴確認中、確認が終わったら別の棚に置き換えるか、色の違うケースに移し換えなければならないことを実施しなかった。前日に止められていた薬剤が表記された画面を確認したのにも関わらず、止められていた薬剤をチェックした。
・オーダ画面は確認をしっかり行う。・チェックした薬剤は確認後必ず場所を移すか色の違うケースに入れ替えるようにする。・医師へも時間外や休日のオーダ変更があった場合は、看護師へ伝達することを依頼する。・リーダー看護師へ点滴変更後の手順を再確認。
nan
准看護師(0年)
nan
患者Aに処方されたセファゾリンを、誤って同室の患者Bに点滴していることを点滴中に気付いた。
原因として、点滴実施の際にベッドサイドでの本人確認を怠ったこと。また、両方の患者とも初めての受け持ちであり顔と名前が一致しておらず、ベッドも向かいだったため名前を逆に覚えてしまっていたことが挙げられる。新卒で当院に入職してまだ、2ヶ月ほどの職員。まだ仕組みにも慣れておらず、病気・治療などの知識も不十分。毎日が緊張の連続であると推察される。一つ一つ覚えていく時期であり、周りはゆっくりと見守っているが本人は焦りがあるのか、落ち着かない。
・一つ一つ確認していくことを、体得する。・今回も自分で間違いに気づいたことを、周りが認め、しっかり・ゆっくり見守る。・その都度話し合う時間を取る。・今後、投薬や処置の際には必ずベッドネームで氏名を患者本人に確認することと合わせて、ベッドサイドの処方箋とベッドネームでも確認することで同じ間違いをしないように心掛ける。
nan
看護師(0年)
nan
患者は、既往に糖尿病があり、血糖測定7検、食前と眠前にインスリンを実施し血糖コントロール中であった。昼食前の血糖が46mg/dLと低血糖であったため低血糖処置手順に基づきブドウ糖20gを内服していただいた。30分後再検し血糖値147mg/dLとなる。インスリンを実施して良いのか迷ったため先輩看護師に相談した。その時間、主治医は手術中でリーダーも休憩中であったため休憩終了時に再度報告するようアドバイスをもらった。症状も無かったため緊急性は高くないと思った。その後、カンファレンス等があり、報告や相談をせず14時になった。昼食後2時間の血糖測定し、主治医が来棟したためその旨報告する。昼分のインスリンはスキップして経過観察するよう指示を受けた。
当事者は1年目看護師で、昼食前に患者が低血糖症状であったため、電子カルテ上の医師指示に従いブドウ糖の内服をさせている。患者は食前インスリンの固定打ちをしており、医師に固定打ちを行うか指示を確認する必要があった。リーダーの看護師はブドウ糖内服後のデータも一緒に報告しようと考えていた。新人看護師はリーダーが休憩中であった事で医師への報告を後回しとし、指示の確認をしないまま患者は食事摂取を行い、報告は食後2時間を経過していた。
・新人看護師は食前のインスリンを固定打ちするのか、しないのか指示確認する必要がある。・リーダーが休憩中でいなくとも先輩のスタッフにどのように報告すべきか聞くことは可能であった。・リーダー看護師は新人看護師から報告を受けて、後で確認しようと伝えており、自分が休憩で不在になることはわかっているため、当事者や他のスタッフへ申し送り、休憩から戻った際はその結果を確認していく必要がある。
nan
看護師(0年)
nan
入院前よりアミノレバンEN配合散(50g/包)を内服している患者。朝食後の配薬は早出の新人看護師が行った。アミノレバンEN配合散を「これをみて溶かして飲ませればいいのですね」と聞かれたので大丈夫だと思い任せた。その後、新人看護師が専用のフレーバーのみ溶かして内服させていたことを発見し、医師へ報告した。再度作り直し、内服してもらうことになった。
新人看護師に初めて作るのか声掛けができておらずコミュニケーションが不足していた。
・コミュニケーションを取り、しっかりと確認し指導が必要だった。・新人看護師は初めて行うことについては先輩看護師に詳しく確認をする。
nan
看護師(0年)
nan
新人看護師が11時に始めるはずだった術後点眼を始めていないことに、18時に準夜帯の看護師が気づいた。患者に特に眼症状はなく、主治医へ報告したところ、本日のみ18時、20時、22時で点眼することとなった。
勤務が忙しく点眼を開始するのを忘れていた。反対の眼の点眼に気をとられて指示書の確認をすることを怠った。情報収集の時点で点眼開始することの情報がとれていなかった。点眼開始のダブルチェックがされていないことに気づけなかった。新人と先輩看護師がペアで業務を行っていたが、ペアの看護師とリーダー看護師はともにどちらかが確認していると思い込んでいた。
・勤務が忙しい中でも開始しているかどうかを確認する。・患者の状態を理解していつ何を確認するのかを把握しておく。・情報収集の時点で点眼開始についての情報をとっておく。・点眼の開始時はリーダー格とダブルチェックを行い、開始忘れがないようにしておく。・リーダー看護師は確実に術後点眼を開始しているか、確認する。
nan
看護師(0年)
看護師(2年)
輸血指示があり、医師の輸血実施時の介助を行った。輸血実施し、1時間もたたない内に、輸血が落ちきってしまっていた所を、先輩看護師が発見した。すぐに医師に報告し、診察が行われ、問題なしと診断された。
輸血実施に関する知識不足。副作用の確認はしていたが、流量の確認ができていなかった。
・輸血に関して、正しい方法を身につけて実施する。
実施した行為が誤っていた事例
看護師(0年)
nan
手術の前日、指示書の抗体スクリーニング検査・クロスマッチ検体検査のオーダの部分が赤く表示されていた。実施されているかどうかの確認を1年目看護師と行った。ブラウザのページで実施したかの確認をする際、本来は輸血検査の項目のページを開いて確認しなくてはならないが、1年目看護師と一緒に採血検査の項目のページを開いた。手術日の検査オーダが全て実施済みになっていたため、すでに実施されているものだと勘違いし、そのままの状態にしていた。翌朝9時前に手術室より連絡あり、抗体スクリーニング検査・クロスマッチ検体検査が未実施になっていることが発覚した。日勤帯看護師にて採血が行われ、その後、手術室に患者を搬送した。
輸血オーダと採血オーダの違いが分からなかった。1年目同士で確認をしてしまった。
・抗体スクリーニング検査・クロスマッチ検体検査は輸血検査の項目のページを開いて確認する。・分からないことを確認する際は上の先輩と確認するようにする。
実施すべき行為をしなかった事例
看護師(0年)
看護師(0年)
胸腔鏡下悪性腫瘍手術時に、気管支鏡を用いて分離挿管を施行した。手術終了後、麻酔科医は気管支鏡を片付けず、手術室内に放置した。次に、同手術室で、1例目とは違う麻酔科医が、肺癌の患者に対する同様の手術で、室内に置いてあった気管支鏡を洗浄済と思い、そのまま使用した。
麻酔科医は、気管支鏡を使用後、洗浄して所定の位置に戻すことになっているが、麻酔科医が使用後に片付けなかった。次の麻酔科医は、手術室内に置かれていた気管支鏡を洗浄済みと思い使用した。
・麻酔科医が気管支鏡を洗浄後に必ず電源ボタンの所に白いテープを貼る。・白いテープの有無により洗浄済みかどうか確認する。・安全なシステム構築のために麻酔科医、看護師、臨床工学技士と運用についてのワーキングを立上げ検討している。
nan
障害なし
患者に気管支鏡を実施し、ブラッシング、細胞診と結核菌塗抹検査を提出した。終了後、洗浄消毒を行う際、一次洗浄として、蛋白除去剤(サイデザイム)に5分程度浸水し、その後水洗い、内腔のブラッシングを3回実施し、注射器で内腔を圧洗浄した。器械洗浄消毒を実施する前に、光源のキャップを外したところ、湿気があることに気付いた。気管支鏡の不備の可能性もあり、業者に連絡して対処を確認した。業者より「器械を消毒せず、2~3日乾燥させて下さい」と指示されたため消毒を行わないまま、そのまま消毒済の枠に立てかけた。翌日の朝、内視鏡担当看護師は、枠に立てかけてあった気管支鏡を消毒済と思い保管棚に入れ、肺結核疑いの別な患者に使用し、ブラッシング、細胞診と結核菌塗抹検査を提出した。別の看護師が未消毒の気管支鏡がないのに気付き、担当看護師に確認し、未消毒のものを使用したことがわかった。
一次洗浄の後、気管支鏡の光源の湿気を発見し業者に確認したが、業者の指示通り、機械消毒せず乾燥させるために、消毒済の枠に立てかけてしまった。本来、枠は洗浄消毒済みの気管支鏡を乾燥させるためにかけることになっていた。未消毒の気管支鏡が枠に立てかけてあるとは誰も予測できない状況であった。未消毒のものに「未消毒」の明記がなかった。・未消毒の気管支鏡を保管する場所が決められていなかった。気管支鏡の不具合について、申し送りし全員が周知する体制が整えられていなかった。
・患者に使用した気管支鏡に不具合が発生し、消毒ができなかった場合は、保管場所を決め徹底する。・医療機器取扱い責任者である臨床工学技士に必ず報告する。・洗浄消毒が終了し乾燥させるために枠に立てかける際は、必ず「消毒済み」のカードをかけるよう統一する。・医療機器の不具合が発生した場合は、全員に周知できるよう朝必ずミーティングするなど申し送り体制を強化する。・内視鏡室の整理整頓を行い、保管場所等を明確に表示し、清潔と不潔の区別がつくように対応する。
nan
障害なし
内視鏡センターでは検査終了後に使用済み内視鏡を直接術者から受け取り、看護助手または看護師が洗浄・消毒することになっている。検査が終了し、医師Aは看護助手に声をかけた。しかし、不在で返事がなかったため、内視鏡かけにかけておいた。医師Bが次の患者に使用済みの内視鏡を使用して検査を開始した。
使用済み内視鏡をそのまま放置した。検査が時間外業務になった時の洗浄・消毒に関するマニュアルが不備であった。使用前後の内視鏡を置く場所の区別がなかった。
・業務マニュアルを見直し、検査担当者の役割と責任の明文化を改定する。・内視鏡の置き場所を使用前後で区分した。・関係職員全員に改定マニュアルの周知と実践をする。
nan
障害残存の可能性がある(低い)
医師Aは、患者に鼻腔より内視鏡検査を施行した。実施前、医師Aは内視鏡を使用すると看護師Cに声をかけ、看護師Cは準備をし、洗浄リストに患者の名前を記載した(洗浄リストとは、内視鏡を使用し洗浄する際に記載するもので、患者名、使用医師、洗浄開始時間、担当した看護師名を記載する)。その後、看護師Cは他患者の対応中でもあり、医師Aより患者の内視鏡が終了したという連絡もなかったことから、内視鏡検査が終了したことに気付かなかった。その後医師Bは他の患者に鼻腔より内視鏡を施行したが、実施前に看護師へ声かけはしなかった。実施後、他の看護師から洗浄リストに患者の記載はあるものの、洗浄開始時間の記載がないため、記載した看護師Cに確認があった。患者の使用後、洗浄がされずに他の患者に使用されたことに気付いた。医師Bに使用前に「洗浄終了」の札があったかと確認したところ、なかったとのことであった。
終了後に、内視鏡を元の位置に戻し、看護師に終了したことを告げて洗浄を依頼した。洗浄後の内視鏡には「洗浄終了」の札をかけることになっているが、札をかけていない内視鏡を使用してしまった。使用した内視鏡(不潔)と未使用の内視鏡(清潔)が同位置に保管される状況も問題である。
検討中。
nan
障害残存の可能性がある(低い)
気管支鏡検査に看護師C・Dがついた。1件目終了後、看護師Dは使用した気管支鏡を通水し、新しいものに取り替えた。使用した内視鏡はユニットに掛けた。医師Aは、2件目との検体の取り違えを回避するため、看護師Dに検体を検査室に持っていくように指示し、看護師Dが席から離れた間、2件目の患者が来た。看護師Cは気管支鏡は1件目で使用したものが準備されたままだと思い込み、ユニットにかかっている気管支鏡を付け替えた。ユニットの画面上に表示される気管支鏡の番号は医師も看護師も確認していない。2件目は医師Bが施行した。夕方、気管支鏡レポート結果を出した際、1件目と2件目で使用した気管支鏡の番号が同であることに気付いた。1件目に使用したものを未洗浄のまま、2件目の患者に使用した。
介助についた看護師Cは今回初めての気管支鏡検査であり、看護師Dは指導の立場であったが、通常の内視鏡検査はできていたので、看護師Cもわかるだろうと思っており、2人の役割は分業化された。そのため、看護師Dの行動を看護師Cは見ておらず、声かけをしなかった。医師は、1件目と2件目の実施した医師が違うため気付かなかった。誰も、ユニット画面に表示される気管支鏡の番号を確認していなかった。
・1件目の検査終了後必ず片づけ、2件目の検査の始まる時に1件目のものは無い環境にする。・ユニット画面に表示される気管支鏡の番号を指差し呼称する。・看護師の配置替えの時の教育内容を検討する。
nan
障害残存の可能性なし
洗浄消毒は、基本的に光学医療診療部で取扱っていたが、時間外に使用したものについては救急部で独自に洗浄消毒を行っていた。しかし、救急部にて使用していた用手洗浄消毒方法のマニュアルが不適切であることが他部署から応援にきていた看護師により指摘された。誤って使用されたマニュアルは分泌物の凝固防止のための予備洗いに用いるものであり、用手洗浄消毒で使用する場合は、内腔をブラッシングした後、消毒に浸漬するときに内腔の空気を抜いて消毒剤を注入する過程が必要である。指摘があるまで消毒に不備があることに気づかなかった。ただし、週明けの月曜朝には、救急部で用手洗浄消毒をした気管支鏡は使用の有無にかかわらず光学医療診療部へ洗浄消毒を依頼している。この事例に関する検討会議を開催した結果、気管支鏡を使用した患者を特定するのは難しく、特定できたとしてもその患者の感染症の有無もはっきりしないため、全体的な正しい評価はできないと判断し、今後適切な処理を行うための改善策を徹底していくこととした。
1年半前に導入後、光学医療診療部から講習を受け、そのマニュアルに沿って洗浄していたが、その洗浄方法は、光学医療診療部に出す前の分泌物凝固防止のための予備洗いのマニュアルであり、説明をする側と説明を受ける側の理解のずれがあった。
・週末使用した気管支鏡は、蛋白凝固防止の対応をして翌日朝に光学医療診療部に洗浄消毒を依頼する。・大型連休中の洗浄消毒は、光学医療診療部と連携をとり別に日を決める等対応し、休日中に使用する本数に問題があれば、他診療科との貸借の構築について検討を行う。・年末年始の対応についても検討していく。・購入時には医療機器安全委員会を通し、メンテナンスを含めた管理についても十分検討を行う。・今後ファイバーの中央一元管理化について検討を進めていく。
不適切なルールの使用
障害残存の可能性なし
看護師は2件の内視鏡洗浄後に、アセサイド(消毒液)交換の予定であったため、事前に「アセサイド交換」と検査台帳に書き、洗浄が終了するまでの間、他の業務を行った。他の業務が終了時、休憩時間になり休憩した。休憩時間終了後、予定会議に出席し、会議終了後は外来業務を行っていた。退勤時間直前に、他のスタッフから「内視鏡洗浄装置から内視鏡があげられていない」との報告を受け、内視鏡はあげたが、「アセサイド交換」が未実施であることは思い出さなかった。それ以降も内視鏡洗浄を実施したが検査台帳に「アセサイド交換」と書かれていたため、他のスタッフは交換されたものと思っていた。翌月、定期点検に来ていた業者から「アセサイドの交換がされていない」との報告を受け、消毒液を交換せずに洗浄消毒装置を使用して内視鏡検査を実施していたことがわかった。
看護師は実施前に「アセサイド交換」と書いた。看護師は洗浄消毒装置を使用毎に消毒液の効果をチェッカーで確認しなかった。マニュアルが不十分だった。看護師の知識不足があった。
・事前記録の禁止を徹底する。・マニュアルの見直しを行い、誰でも使用出来るような具体的なものとする。・消毒液の毎回チェックはダブルチェックで行う。・学習会を実施する。
ルールからの逸脱
障害残存の可能性なし
胆管ステントの閉塞が考えられた。従来のステントの内部にさらにステントを留置する予定で、ERCP(内視鏡的逆行性胆道造影)実施のため側視鏡を挿入した。検査開始40分後ぐらいに血圧低下をみとめ、その後40台まで低下したため検査中止。その際、側視鏡の先端の保護キャップを付け忘れていたことに気付いた。その後のCT検査にて十二指腸穿孔がわかった。保存的経過観察困難との判断により緊急開腹し、穿孔部縫合閉鎖術、大網被覆術を施行した。
通常、側視鏡は使用後に洗浄員が先端のゴムキャップをはずして洗浄・乾燥してからキャップを装着する。今回使用した型式は1本しかなく、当日は同じ検査が続いていたため、洗浄して乾燥途中のものを使用した。本来ならすぐに再使用するのでキャップをつけておくべきであったが、水滴が垂れるため洗浄員がキャップをはずして乾燥していた。
・側視鏡の洗浄から収納までの流れを確立し、使用者は収納庫以外から持ち出して使用しないことを徹底する。・側視鏡使用時は、洗浄員と看護師、医師と看護師でのダブルチェックを徹底する。
ルールからの逸脱
障害残存の可能性なし
当院では、気管支鏡検査を実施した場合、使用後の気管支鏡は手洗いによる1次洗浄が実施され、さらに自動洗浄器により洗浄・消毒を行っているが、今回、手洗いによる1次洗浄と、洗剤を使用した自動洗浄によって、血液・分泌物等は洗い流されていたにも関わらず、最終段階での消毒液の交換が不備であったために、消毒が最後まで終了していない気管支鏡がある可能性があることが分かり、そのことに気づくまで20日間あった。血液・分泌物等の洗浄は充分行われており、気管支鏡検査を介して他の患者への感染の可能性は極めて低いが、完全にないとは言い切れず、この20日間に気管支鏡検査を実施した患者を緊急に調査したところ、感染の可能性がある患者が合計24名いた。その中に、B型肝炎ウィルスに感染していた患者が1名おり、それに対する予防処置を必要と考えられる患者が6名いた。この6名に対し状況の説明を行い、同意を得て、抗HBs免疫グロブリン及びB型肝炎ワクチンの接種を実施した。今後、24名全員について、気管支鏡検査による感染がないと判断できる実施後1年を経過するまで、経過観察していく。
情報の共有不足。
・洗浄装置に消毒液交換日と有効期限を明記したシールを貼る。・各部門に設置している装置の保守点検担当に主と副の責任者を決める。・保守点検周期を2週間/回から1週間/回に変更する。(短期的な対応)。・当面専任の洗浄員を雇用し、内視鏡の洗浄・消毒業務を一元化する。(長期的な対応)・内視鏡の洗浄、管理方法、内視鏡洗浄消毒装置の管理・点検方法のマニュアルを作成し、院内での実施方法を統一する。・内視鏡洗浄消毒装置を可能な限り単一部署へ集約をはかり、かつ当該部署に適切な数の人員を配置することにより安全で効率的な運用を行う。・臨床工学技士管理センターの業務や管理体制について検討し、安全で効率的な運用を再構築する。
ルールの不備
不明
救急部外来に携帯用喉頭ファイバースコープ一式が納入された。気管内異物にて呼吸困難を来した患者に対し、異物を除去した。機器の使用後は医師が用手水洗し、アルコール清拭したが、吸引口のブラシ洗浄は行わなかった。その後、同様の不完全な方法で洗浄したファイバースコープを4名の患者に使用した。
救急部外来がファイバースコープを新規購入した。通常、救急部に備えてある洗浄器を使用して、医師が洗浄消毒を行っていた。新たな機種の洗浄方法の取決めがなかった。
・関連部署でファイバースコープの管理方法について、取決めを制定し、周知する。・4名の感染の可能性がある患者に対しては、血液暴露と同様の経過観察を行う。
ルールの不備
障害残存の可能性がある(低い)
内視鏡センターで洗浄器の蓋を開けたところ、洗浄剤の接続が出来ていないことに気づいた。当日、その洗浄器を使用した内視鏡は2本であり、患者は7名であった。
確認不足があった。
・内視鏡洗浄装置に内視鏡を洗浄する際に、毎回使用前後に洗浄液の減り具合を確認する。
nan
障害残存の可能性がある(低い)
内視鏡洗浄消毒器を設置し稼働を開始した。2週間後の朝の試運転時に洗浄器からの水漏れに看護助手が気付いた。業者に連絡し業者が点検したことで設置時に内視鏡の送気送水管路に洗浄消毒液を送り込むための配管が、接続ミスにより誤接続されていたことがわかった。正しくは青の送気側に洗浄チューブが接続されるべきところを、赤の吸引側に洗浄チューブが接続されていた。また、正しくは赤の吸引側がキャップ止めされるべきところを、青の送気側がキャップ止めとなっていた。このことにより、送気送水管路の洗浄消毒が不十分となった。
当院での試用が初回であり、組み立てる業者の経験がなかった。設計図との確認を怠った。業者から内視鏡関係者への報告が翌日になったことと、報告を受けてこの洗浄器の作動は中止したが、設置後消毒したファイバーの使用をすぐに中止にしなかった。
・誤配管を防止する対策、誤配管を検出する対策を業者が検討する。・院内での事故発生時の報告体制を強化する。
nan
障害残存の可能性がある(低い)
感染制御部による病棟の内視鏡洗浄器の点検において、通常5分であるべき消毒時間の設定が、2台のうち1台が3分、もう1台が0分の設定になっていたことが発見された。直ちに正しい設定に戻し、誤った設定となった原因を調査したが、原因は判明しなかった。また、病棟関係者からの聞き取りを行い、誤った設定で洗浄を行っていた期間を特定し、その間に内視鏡を使用した患者及び感染症の有無について調査を進めた。併せて、今後の内視鏡洗浄の管理方法について検討を行った。
nan
・内視鏡の洗浄方法についての手順書を作成し、洗浄履歴を台帳で管理する運用とした。・中央化洗浄の実現に向けて検討を進める。
nan
不明
消化器内視鏡(以下内視鏡)洗浄・消毒担当者の看護助手が、工程終了後の3本に、先端から水が垂れているのを発見した。普段はないことであり、おかしいと思いながらも作業を継続した。3日後も同様な状況があり、同看護助手は出入りしていた業者に伝えたところ、メーカーへ連絡を取るとのことであった。看護助手は洗浄装置に原因があるかも知れないと思いはじめ、洗浄装置2台のうち1台で洗浄・消毒したものに水が垂れてくることを確認し、再度業者に伝えた。1台の洗浄・消毒に接続された洗浄チューブコネクタに原因があることが判明した。
洗浄チューブの接続部はプラスチック製であり、内側の突起部分は細く折れやすい。突起部分が折れても接続が可能であった。破損部品を取り付けても装置にエラー表示がされずに作動する状況であった。洗浄中の噴射の確認の不足があった。
・内視鏡洗浄マニュアルとリコール規程の見直しと作成。・職員教育。・同様の装置を用いている施設への情報提供が必要(7年前に同様の事例が1件あったらしいが、情報提供されていない)。
nan
不明
患者は骨髄異形成症候群と診断され、貧血、血小板1万3千と低値のため輸血施行していた。患者は便秘があり整腸剤を内服していたが、8日間排便がなく腹部膨満も強かったため、新人看護師は当直医に報告し、口頭でグリセリン浣腸の指示を受けた。患者がトイレでの浣腸を強く希望したために、トイレ内で立位のままグリセリン浣腸(60mL)実施した。その際、浣腸チューブの先端に血液が極少量付着していた。1時間後に排便があったが、肛門部からの出血を認めたため当直医診察し、血小板も低値であったため止血剤処方し経過観察とした。しかし、5時間後、300mLの下血がありショック状態となった。腹部CTにて直腸損傷の疑いを考え、消化管内視鏡を施行し、肛門部から約3cm、3時方向に粘膜損傷を認めた。
立位で浣腸を行ったため浣腸チューブの先端で直腸前壁を損傷し、出血をまねいた可能性がある。便秘に対して、坐薬や緩下剤を選択しなかった。
・浣腸時は左側臥位で実施する。・便秘に対して、坐薬、緩下剤などを試みる。
実施した行為が誤っていた事例
障害残存の可能性なし
○本事業の医療安全情報No.3「グリセリン浣腸実施に伴う直腸穿孔」(2007年2月)の公表後、現場では浣腸は立位で行わないことの教育は活発になされた。しかし、すでに公表後7年が経過しており、当時の医療安全情報を知らない看護師がいる可能性がある。○患者の希望があっても、浣腸は立位でできないことを説明し、患者に納得していただく必要がある。どうしてもトイレを希望される場合は、浣腸の実施自体を再考する必要があろう。○新人看護師が患者に納得していただける説明ができない可能性も考慮して、患者説明用の浣腸のパンフレットを作成したり、トイレに掲示するなどの工夫も必要であろう。○浣腸を保管している棚などに「立位による実施禁」などのシールを貼り、スタッフにも注意喚起してはいかがか。○当該事例の看護師は、浣腸は左側臥位で行うことは知っていたとしても、立位で行うことの危険性を知らなかった可能性がある。浣腸を実施する手順だけでなく、立位で行ったら、どんな危険があるのかを合わせて教育する必要がある。
看護師(0年9ヶ月)
nan
当日他院から転院してきた患者は、前医で白血球除去療法を行っていたことがあり、血液透析用のブラッドアクセス留置用カテーテル(外径4.0mm)が右内頸静脈に留置されていた。入院時、医師は患者を診察したが、中心静脈カテーテルはガーゼで覆われていたため、高カロリー輸液の点滴に通常使われるカテーテル(外径2.0ミリ前後)が挿入されているものと思い込んだ。新人看護師は、高カロリー輸液の再開を指示されたので、輸液を準備したのちに患者のベッドサイドを訪れ、座位になっていた患者に声を掛けながら中心静脈カテーテルの状況を確認した。カテーテルの外観が、当院で通常使っているものとは違っていることに気付いたが、透析用の太いカテーテルが入っているとは思いが及ばず、前医ではメーカーの違うカテーテルを使っているものと考え、他の看護師や医師に相談することはしなかった。患者を座位にしたまま、カテーテルのキャップを取り外し、いつもと同じ手順でその後カテーテルのクランプを外し、注射器を繋いでヘパリン加生食水をフラッシュしようとした。その時、患者が突然意識を消失し前のめりに倒れ込みそうになった。看護師は、前に倒れ込もうとする患者を支えるために、持っていた注射器を手放して手を差し伸べたが支えきれず、患者は前屈みの姿勢のままベッドに倒れ込んだ。応援要請の緊急コールを行った後に、救急処置のため患者を仰向けにしたところ、カテーテルから注射器が外れていて、患者が大きく息を吸い込む音を新人看護師は聞いた。緊急コールで集まった医師たちが、意識消失発作の原因検索のため種々の検査を行ったところ、心臓エコー検査で心臓内にエアが混入している所見を認め、血管内に空気が流入して重要臓器の急性機能障害を来し、それにより意識消失発作が生じたものと推定した。一瞬ではあるがルートが大気下に開放されており、また座位であったことも影響して空気を吸い込みやすくなり、注射器でヘパリン加生食水をフラッシュしようとした直前に、患者の中心静脈に空気が流入して意識消失発作を生じたものと考えられた。
(1)マニュアルの不備当院では、中心静脈カテーテル挿入・留置した時には、感染防止と針刺し予防のため閉鎖式の静脈ライン用コネクタ(シュアプラグ)を装着して閉鎖回路とすることを推奨している。したがって、クランプ解除と注射器接続の順番をマニュアルに厳密に規定していなくても、空気流入などのトラブルが発生することはなかった。この安全策が、現場での作業手順が曖昧なままでも問題を生じないため、これが却って盲点になっていた可能性がある。また、心不全などによって座位のままで中心静脈カテーテルを処置しなければならない患者も少なくなく、カテーテル操作時は臥位を基本とすることが徹底していなかった。(2)関係者の情報共有が不十分前医からの診療情報提供書には、中心静脈カテーテルの状況に関する記載がなく、医師は白血球除去療法については別ルートで行ったものと理解して、中心静脈には点滴用のカテーテルが留置されているものと思い込んでいた。一方、看護師の申し送り書には、透析用カテーテルの商品名である「バスキャス」の記載があったが、当院で採用している商品ではないため、これを透析用の太いカテーテルであることを理解できたのは、比較的経験のある看護師に限られていて、今回最初に患者を受け持った新人看護師は「バスキャス」が何を意味する言葉なのか判らなかった。当院では、透析用のカテーテルは「FDLカテーテル」もしくは「ブラッドアクセス」という呼び方をしているが、後日調査したところでは、当該病棟の約半数の看護師は、「バスキャス」という商品名を知らなかった。
・事故発生後、再発防止の応急的な措置として、注意喚起文を早急に作成して院内に周知した。・安全管理対策委員会、及びその下部組織であるリスクマネジャー会議にて、事例の概要を報告して情報の共有を図った。・関係するマニュアルの改訂に着手しており、中心静脈カテーテルに関する取扱いについて見直す予定である。・従来から行っている中心静脈カテーテル挿入に関する講習会と連携して、看護職を対象としたカテーテル管理に関する研修の実施を計画中である。・前医との情報共有にも課題があったので、当院の安全管理担当者が紹介元の病院を直接訪問して、先方の安全管理担当者および主治医と情報共有する機会を持った。
実施した行為が誤っていた事例
障害残存の可能性がある(高い)
○最初の診察時に医師が透析用のカテーテルであることに気付いていたら、どのように対応できたのかは事例からは不明である。○他院で挿入されたカテーテル類を使用する場合は、まずは閉塞などがないか確認するために医師がフラッシュを行うことが望ましい。○当該事例の新人看護師は、閉鎖式の静脈ライン用コネクタの使用に慣れ、閉鎖式の静脈ライン用コネクタが付いていない時の危険性を知らなかった可能性がある。○背景要因の概要に「心不全などによって座位のままで処置する患者も少なくなく」と記載されているが、基本として座位では空気の流入が起こりやすく危険であることを学習しておく必要があり、心不全の患者対応は基本を知ったうえでの応用編だと認識しておく方が良い。○事故の内容にある「当院で通常使っているものと違うことに気付いたが」とある。「あれ?」と思う感性は大事であるが、さらに、それを声に出して誰かに確認することを新人の時から習慣付けることも必要であろう。
看護師(0年9ヶ月)
nan
肝細胞癌に対して肝区域切除術を行った。長時間に及ぶ手術であったため、途中で直接介助看護師が交代し、ガーゼ枚数、血管テープ本数、針本数、メス刃数の引継ぎが行われた。閉創前に、ガーゼカウントを行い、一致したので閉創をした。その際、器械の確認を医師と共に行わなかった。医師は器械の数が一致したと聞いて閉創したと報告している。出血量が2,000mLを越えているため、胸部・腹部のエックス線写真を撮影した結果、モスキート鉗子1本が遺残しているのが見つかった。直ちに再全身麻酔下に再開腹を行った。正中創を開腹すると遺残異物は腹壁直下にあり、直ぐに回収できた。最初の開腹時に肝円索の結紮糸を牽引するために留置していたモスキート鉗子(小)であった。手術時、ガーゼや器械のカウントに問題のないことを再度確認して閉腹した。
直接介助看護師が交代し、ガーゼ枚数、血管テープ本数、針本数、メス刃数の引継ぎが行われたが、手術の初めに糸把持で使用したモスキート鉗子については引継ぎが行われていなかった。閉創前、ガーゼカウントは行ったが、器械については医師と共に確認を行っていなかった。患者の体格が大きく、閉創前にモスキートの存在に気づかなかった。新人看護師は経験が浅く、目前の閉創処置に追われ、余裕がない状態で、器械のカウントを行った。
・医師と協力して共に使用器械の確認を行う。・勤務者交代時には漏れのないように引継ぎを確実に行えるようにする。
実施すべき行為をしなかった事例
障害なし
○職種経験9ヶ月の新人看護師であり、当該事例のような大きな手術の直接介助に付き始めた頃の可能性もある。閉創時に新人看護師に余裕がない場合は周囲の医療職のフォローも必要であろう。○ガーゼ枚数、血管テープ本数、針本数、メス刃数については引継ぎを行っているため、カウントすることが決まっていたと思われるが、器械については、どの器械をカウントするように決まっていたのか、事例からは不明である。しかし、新人看護師を含め誰であっても実施できるよう手順を明確にし、手順書を整備することは必要である。○個人が「合っているだろう」という前提でカウントをすると、たとえカウントが合わない場合でも、自分の数え方が間違っていたのではないかと思ってしまうことがある。カウントを行う時は、手術に携わっているチーム全員で協力して確認する手順を検討する必要がある。
看護師(0年9ヶ月)
看護師(4年10ヶ月)
血液保冷庫のアラームが鳴った。日勤看護師リーダーは保冷庫のドアが開いているためアラームが鳴っていると思い、新人看護師にドアを閉める指示とアラームのスイッチを切る指示をした。指示を受けた新人看護師は、ドアが開いていなかったため、ドアを一度開け、再度閉め、アラームのスイッチを切った。看護師リーダーは、後でアラームを付けようと思っていたが、スイッチを入れ忘れた。夜勤への申し送り時に保冷庫の温度表示が消えていたため、確認すると電源コードが抜けていた。保冷庫内の温度が上昇し、庫内の血液が使用不可となった。
ドアの開放がアラームの原因であると思い込み、電源コードが抜けていることを確認しなかった。本来アラームが鳴っているときはアラームの原因を特定する必要があるが、当該事例においては、アラームに対する意識の低さから原因究明を怠り、アラームのスイッチを切ったことや入れ忘れたことが冷蔵庫の温度上昇を招いた要因といえる。また、電源コードからコンセントまで8.4mと長く延長コードで接続していたこと、その間にレントゲンラックなどが煩雑に置かれていたことにより、電源が抜けていることに気がつきにくい状況であった。
・アラームが鳴っているときは必ず原因を確認するよう心がける。・保冷庫などの機器類を扱うときは取扱説明書を確認し、正しく使用する。・アラームを一時的に消した場合は、血液を業務冷蔵庫に移動し、保冷庫が正しく作動するように点検を行う。・保冷庫はコンセントの近くに移動し、電源が抜けないように環境整備する。
実施すべき行為をしなかった事例
障害なし
○リーダーの看護師は、確認する前にアラームの原因を決め付け、対応方法まで指示している。アラームに対応してもらう場合は、まずは「アラームの原因を調べてください」と指示ができるとよいだろう。○一時的であっても、アラームを「切る」という行動はしない方が良い。原因が解決できればアラームは止まるため、アラームを止めるための原因を探すことを重視した方がよい。○新人看護師はリーダーの看護師に指示された通りに行動しようとしているが、ドアが開いていないのに「一度開け、閉める」という行動を取っている。ここで、ドアが開いていないことを報告し、次の対応方法を確認できると良いだろう。○今回は血液保冷庫のアラームであったが、アラームが鳴る医療機器は沢山ある。そのため、このような事例は、アラームが鳴った時にどのように対応したらよいのかを学ぶ良い機会である。
看護師(5年3ヶ月)
看護師(0年3ヶ月)
患者のシーツ交換を行う際、新人の准看護師と看護師の2名で患者をリフターにて挙上し、シーツ交換を実施した。実施中に人工呼吸器のアラームが鳴ったため、アラームをリセットし患者の身体周囲の回路を確認した。その後も、人工呼吸器のアラームが3度鳴ったが、同様の確認とアラームリセットを行った。記録室でのモニタにSpO20%の表示2があり、別の看護師が患者のところへ駆けつけるとSpO低下し、顔色不2良であった。すぐにアンビュー加圧へ変更し、酸素投与を開始する。回路を確認したところ、人工呼吸器回路の加湿器部が外れているのを発見した。その後、SpOが上昇し、人工呼吸器2FiO=30%、血液検査、エックス2線撮影を実施した。
シーツ交換を実施。患者は人工呼吸器を装着していた。リフター使用し、患者を挙上した状態でシーツ交換を行い、早く終わらせたいと考えていた。シーツ交換を行った准看護師、看護師は2人とも新人であった。人工呼吸器のアラーム発生の意味・原因の認識が不足していた。アラーム発生時の患者の観察が不足していた。
・人工呼吸器アラーム対応の徹底。・シーツ交換時のリフター使用中止。・患者観察の徹底。・人工呼吸器アラーム発生時の行動、操作の確認。
実施すべき行為をしなかった事例
障害残存の可能性なし
○「アラームが発生し、回路を確認した」とあるが、何をどのように確認したかが事例からは不明である。○人工呼吸器のアラームが鳴った際、経験年数の長い看護師は「アラームが鳴った理由が何か人工呼吸器を確認する」「患者の胸郭の動きはどうか」「生体モニタの値はどうか」「回路が外れていないか」など瞬時に観察を行ったうえでアセスメントし、問題がなければアラームをリセットしている。その姿だけを新人看護師や新人准看護師が見ると「、アラームが鳴ったら、回路を見てアラームを止める」だけに見えることもあるだろう。○機械の確認だけではなく、呼吸状態、胸郭の動き、顔色など患者の状況が確認できるとよい。○新人看護師や新人准看護師への人工呼吸器の教育は、使い方に重点を置くのではなく、トラブル発生時の対応方法(例えば「、アラーム発生の意味が分からなかったら人を呼ぶ」、「アラームが△回鳴ったら応援を求める」など)を具体的に教育しておく必要がある。(第37回報告書110頁図表Ⅲ-2-6No.6の再掲)
准看護師(0年10ヶ月)
看護師(0年10ヶ月)
心臓カテーテル検査のため、膀胱留置カテーテル留置の指示があった。14年目の看護師Aの指導のもと、新人看護師Bが膀胱留置カテーテル16Frの挿入を試みた。患者からの痛みの訴えが強く、また抵抗があり挿入困難であったため、看護師Aが手技を交代し挿入を試みるが、挿入できなかった。そこで、カテーテルサイズを14Frに換え、再度、新人看護師Bが挿入を試みたが抵抗があり、やはり挿入できなかったため、再度看護師Aに交代した。看護師Aは、挿入時に抵抗はあったが、強い抵抗では無いと感じ、カテーテルが尿道より10cm程度残る部分まで挿入し、固定水を注入した。カテーテル挿入の長さから膀胱内に留置できたと判断したが、カテーテル内に尿が流出しなかった。その後、検査出棟のため、患者がベッドより起き上がったところ、カテーテル内に血液が流出したため、カテ室到着時に主治医へ報告した。泌尿器医師が、膀胱造影行ったところ、尿道損傷を確認した。
カテーテル挿入時に抵抗があり、挿入困難であったが、数回挿入を試みた。カテーテル挿入後、尿の流出がなかったにも関わらず、固定水を注入し、バルンを膨らませた。事前にトイレで排尿したため、尿の流出がないと思った。看護手順では、男性患者の場合、カテーテル挿入は20~25cmとなっているが、今回挿入の長さは、20cmまで到達していなかった。
1.新人看護師に対して、男性患者の尿道留置カテーテル挿入に関する看護技術教育を徹底する。・導尿シミュレータを購入し、技術を習得できる環境を作る。・泌尿器科医師による、技術教育を実施し、技術向上に努める。・チェックリストに沿って、技術チェックする。2.看護手順に沿った、カテーテル挿入の実施を行うよう、注意喚起する。・挿入困難な場合は無理に続けず、医師に依頼し、必要時、泌尿器科医師にコンサルトする。・尿の流出を確認後、固定水を注入する。3.看護手順の見直し、ガイドラインの作成を行う。
実施した行為が誤っていた事例
障害残存の可能性なし
○第37回報告書の図表Ⅲ-2-6の事例No.4(108頁)と同じく、尿の流出がないがバルンを膨らませ、尿道損傷をきたした事例である。○医療機関によっては、男性患者に膀胱留置カテーテルを挿入する場合は医師が行うと決めているところや、男性患者の羞恥心を考慮して、手技を確立した男性の看護師が行っているところもある。○本事例では、何度も挿入を繰り返しているが、早めに医師へ相談するなどの対応が必要であっただろう。また、このような場面では、新人看護師にも膀胱留置カテーテルの挿入が困難な場合は無理せず医師に相談するよう指導できるとよい。○背景要因の概要に「事前にトイレで排尿したため、尿の流出がないと思った。」とあるが、入っているのに膀胱に尿がないのか、膀胱まで到達していないのかの判断は難しく、尿の流出がない場合はバルンを膨らませないと決めた方が安全である。○本事業の医療安全情報No.80「膀胱留置カテーテルによる尿道損傷」(2013年7月)のイラストや「尿の流出を確認した後にバルンに蒸留水を注入する。」という医療機関の取り組みなどを教育に使用していただきたい。
看護師(13年8ヶ月)
看護師(0年8ヶ月)
TUR-P手術後、輸液ポンプを使用して生食100mL/hで膀胱持続灌流を開始した。帰室から約4時間後、尿流出が不良となり、血尿増強しコアグラの排泄を認めた。ルートのミルキングをするが尿の流出なし。ルートを確認したところ、灌流用の生食が3WAY膀胱留置カテーテルのバルブに繋がって、バルン側に灌流用の生食が流れていた。直ちに泌尿器科担当医師に報告し、指示により、当直医師が3WAYカテーテル抜去した。その後、カテーテル交換し、灌流を再開した。術後7日目に膀胱鏡を実施し、バルンの破片がないことを確認した。
灌流開始時、輸液ポンプの各設定は新人看護師とプリセプターの2人で行ったが、灌流液との接続時ルート確認は新人看護師一人で行った。新人看護師は、接続について正確に覚えていなかった。プリセプターは、新人看護師が灌流の経験が3回あるので大丈夫だろうと判断し、確認依頼もないので確認をしなかった。輸液ポンプを使用したため、逆流もなく、強制的に生食が注入された。バルンが破裂しても入り続けたがアラーム等も鳴らないため、その後のルートの確認はしていない。本来繋げる部分の灌流液注入ファネルとバルンに繋がるバルブのどちらにも同じ灌流ルートが接続可能であった。灌流手順がないため実施時確認することができなかった。
・膀胱持続灌流に輸液ポンプは使用しない。・カテーテルの構造、灌流目的、危険、原理について学習会を行い、手順を作成する。・ダブルチェックの徹底。・新人看護師が実施する時は、入職後3か月間は先輩看護師が指導に関わる。
実施した行為が誤っていた事例
障害なし
○3WAYの膀胱留置カテーテルの灌流液注入ファネルとバルンに繋がるバルブは、見た目も似ており、どちらも同じ径であるため同じモノがつながってしまうため、3WAYカテーテルの構造を十分に理解しておく必要があるだろう。○背景要因の概要に「プリセプターは、新人看護師は経験が3回あり、確認依頼がなかったため確認しなかった」とあるが、新人看護師は入職後2ヶ月であり、新人看護師の実施の後に確認は必要な時期ではないか。○膀胱持続灌流をよく行うのは泌尿器科であるため、特に泌尿器科の病棟では、教育を徹底しておく必要があるだろう。○この事例に限らず、新人看護師への教育は、どのように行うのかという作業手順だけでなく、なぜ行うのかという根拠や、間違えやすいことはどんなことか、間違えるとどうなるかという危険性の教育も合わせて行う必要があるのはないか。
看護師(3年2ヶ月)
医師(0年2ヶ月)
患者の点滴ラインは、刺入部から50cmの延長チューブ、閉鎖式の静脈ライン用コネクタ、更に50cmの延長チューブ、三方活栓、輸液セットが繋がっていた。予定の点滴が終了し、生食ロックをする際、1年目看護師は延長チューブ2本、三方活栓を残して輸液セットを外し、生食を流した。その後、三方活栓の流速方向を確認せず、他患者から呼ばれたことから、三方活栓を開放のままその場を離れた。すぐに戻るつもりでラインはそのままにしてしまった。30分程して患者の元へ戻ると、寝具に血液の溜まりを発見し、約150mL程度逆血していた。患者は血圧70mmHg台まで低下、気分不快を訴えた。患者は元々ヘモグロビンが10.2g/dLと貧血があったが、翌日の採血で6.9g/dLまで低下し、2日間で輸血4単位を投与した。
1年目看護師は生食ロックの方法を確実に把握できていなかった。また、三方活栓の原則、清潔操作、開放状態による患者の影響について、知識、技術が不足していた。慣れない夜勤での多重業務に焦ってしまい、優先順位、判断を誤った。
・看護師全職員へ今回の事例を情報伝達、注意喚起を行い、1年目看護師の手技について各病棟一人ひとり確認を行った。・点滴ラインの操作方法、清潔操作について再教育を行った。・1年目看護師の受け持ち患者の重症度、夜勤業務の見直し、一人ひとりの業務自立を評価し、多重業務の対するフォロー体制や報告について各病棟見直し検討を行う。・基準手順の再周知を行う。
実施すべき行為をしなかった事例
障害なし
○図表Ⅲ-2-12のNo.2(114頁)と同じく、閉鎖式の静脈ライン用コネクタが付いていることで、閉鎖していると勘違いした可能性はないか。閉鎖式の静脈ライン用コネクタを使い慣れると、他のコネクタを使用しても閉鎖していると勘違いすることもあるため、それぞれの構造について学習しておく必要がある。○何か作業を始めた場合、ここまで終わらないと次の作業に移ってはいけないと決めておく方が良い。今回の事例の場合は、ロックが完了するまで、たとえ他患者から呼ばれても行かないとしておくとよい。○医療機関によっては、静脈ラインのIVは1年目の看護師が行わないと決めているところもあるため、看護師が行う場合でもあらかじめ技術チェック(危険性の認識も含めて)を行い、この部分まで理解できていれば実施が可能であるなど具体的な到達度の確認が必要である。○この事例においても、新人看護師の教育の際にロックの作業手順を伝えるだけでなく、三方活栓を開放したままにすると、血液が逆流して出血することや、不潔になることで感染するなど危険性の教育も合わせて行う必要があるだろう。
看護師(0年4ヶ月)
nan
患者はENBD挿入中であった。朝9時に胆汁バッグを交換後、胆汁内服還元※を行う予定であった。日勤担当の新人看護師は胆汁バッグを交換後、バッグ内の胆汁を破棄してしまい、胆汁内服還元を行うことができなくなった。医師に報告し、経過観察となった。※胆汁内服還元:ドレナージで排液された胆汁を内服すること
以前、胆汁内服還元を経験したことはあった。しかし、手技や手順について振り返らず知識が曖昧になっていた。指導者に手技を確認してほしい旨を伝えたが、自分の理解度については共有していなかった。指導者より、「バッグ交換だけをしておいてください。」と言われたが、バッグの交換は胆汁内服還元にどう関連するのか考えられていなかった。排液バッグ内の胆汁を用いて胆汁内服還元を行うという認識がなく、排液バッグの交換と胆汁内服還元をそれぞれ別のものとして捉えてしまっていた。指導者は、以前新人看護師に指導していため、大まかな流れは認識しているだろうと過信をしてしまった。新人看護師の理解度を確認しないまま中途半端な指導をしてしまったことが要因として挙げられる。
・業務の一連の流れを自分の中でイメージし、業務手順がどのように関連しているのかを理解した上で自分の業務を組み立てる。・経験したケアや処置については後で振り返ることができるように、再度手技や手順、目的について整理する癖をつける。・自分の業務の中で知識や手順が曖昧なものについては、その日の業務の初めに必ず指導者に報告、アピールし、患者の元に行くまでに解決する。・指導者側は、経験数に関わらず、内容について当事者がどこまで理解をしているのかを確認した上で指導をしていく。
実施した行為が誤っていた事例
看護師(0年)
nan
新人看護師は、手術に使用する器械台の展開を行っていた。イソジン口腔洗浄液を出そうとしたところ、使用期限が切れていることに気が付いたが、後で交換しようとそのままにしておいた。その後交換を忘れ、使用期限を確認せずに出してしまい、患者に使用してしまった。先輩の看護師が、使用期限が切れていることに気が付き医師に報告した。
薬品、消毒薬を保管庫から出すとき、開封する時、出した後の確認を怠った。
・薬剤、消毒薬を保管庫から取り出す際、開封する際、出したあとの確認を怠らない。・期限切れを見つけた時点で分かるような明示を行うか、破棄する。
実施した行為が誤っていた事例
看護師(0年)
nan
夜勤明け、日勤メンバーの新人看護師より浣腸の指示のダブルチェックの声をかけられた。処方伝票、グリセリン浣腸60mL、カルテ(指示書)を開いたが、浣腸の指示がないことに気が付かず伝票にもサインをした。日勤リーダー看護師より、既往歴に大動脈解離があるので浣腸はしない方がいいのではないかと指摘を受けた。再度、指示を確認すると、医師の指示は出ていなかった。患者に浣腸を施行することなく、医師より坐薬の指示もらうこととなった。
グリセリン浣腸60mLが手元にあり指示があるものだと思い込んでしまった。指示書は開いていたが、しっかりと指示を確認できていなかった。
・ダブルチェックの意味を再確認する。・指示の有無をしっかり確認する。・患者の情報をしっかり把握したうえで指示を確認する。・手順に基づいて指示の確認を行い、また、手順通りに指示確認していくことも必要時説明する。
実施した行為が誤っていた事例(誤った行為を実施する前に気付いた事例)
看護師(0年)
nan
受け持ち患者の胸腔ドレーンバッグを見守りのもとで交換することになった。先輩看護師に準備は1人で出来るかどうかを聞かれた際に出来ると答え、1人で準備を始めた。ウォーターシール部に滅菌蒸留水を入れるところ、生理食塩水を滅菌蒸留水だと思い込んだまま生理食塩水20mL2Aを手に取り、開封しウォーターシールに入れた。先輩看護師との確認時に「生食を入れたりしていないですよね」と指摘され、定数を確認すると、滅菌蒸留水ではなく生理食塩水が減っており、間違いに気がついた。その後注射伝票を発行し、正しい確認方法を実施し、準備をした。生理食塩水を入れたドレーンバッグは破棄したため、患者に影響はなかった。
今まで胸腔ドレーンのバッグ交換を実施したことは無かったが、見学していたことはあった。6Rの確認を実施しておらず、生理食塩水を蒸留水だと思い込んだ。ラベルも見ていなかった。バッグ交換の前後の業務が多忙であり慌てていた。バッグ交換を1人で実施したことがないということをフォローの先輩看護師に伝えていなかった。バッグ交換時に滅菌蒸留水の注射伝票を発行しダブルチェックをするということを把握していなかった。バッグの正しい手技を把握していなかった。知識が不足していてなぜ滅菌蒸留水を入れるのかという根拠を持っていなかった。
・6Rの確認を確実に行う。・6Rの確認が確実に行えるようにチェックリストを作り、それに沿って実施する。・自分で確認をした後、患者に実施する前に他者へ確認を依頼する。・実施したことのない手技と準備は必ず見守りを行ってもらえるよう自分から声をかける。・バッグ交換時の手順をもう一度振り返り、根拠を考え知識を深める。・注射伝票を必ず発行しダブルチェックを行う。
実施した行為が誤っていた事例(誤った行為を実施する前に気付いた事例)
看護師(0年)
nan
全身麻酔下でリンパ節生検後、主治医より安静度やバイタルサイン測定、尿量の指示など術後の観察に関する指示を口頭にて受け、その後PCにおいても確認を行った。尿量観察の指示として「術後尿量低下時尿量4時間で100mL未満の場合ソリューゲンFを側管より5時間でDIV」とPC入力されていた。リーダー看護師が担当の1年目看護師に指示を伝える際、4時間毎に尿量をみていく為、日勤帯では16時に確認するように伝え、PCで指示の確認もしておくように伝えた。新人看護師は術後4時間のみの尿量をみれば良いと指示を理解していた。16時に4時間尿の量を新人看護師から報告を受けた際にも、尿量に問題なく再度指示の確認をすることはなかった。そのため、尿量の指示はPC上残っていたが、新人看護師は夜勤担当者へ4時間毎の尿量の観察や指示は実施しなくてよいと申し送りを行った。翌日の日勤担当者より「尿量は確認しなくてよいのか」と前日のリーダー看護師に確認があり、4時間毎の尿量の記載がないことが発覚した。夜勤帯の尿量の観察がされておらずインシデントがわかった。
担当看護師は1年目で手術患者の受け持ちが2回目であった。また、勤務状況が繁忙であり精神的にも余裕がないことがみてとれていた。リーダー看護師から新人看護師へ指示を伝える際、4時間毎に尿量をみていく為、日勤帯では16時に確認するように伝え、PC指示確認もしておくよう伝えた。しかし、16時以降は20時や0時などに尿量をみる必要があること、夜勤者に申し送りが必要な事は新人看護師が分かるであろうと判断し伝えなかった。新人看護師は術後4時間のみの尿量をみれば良いと指示を理解していた。そのため、尿量の指示は記載されていたが、新人看護師は夜勤担当者へ4時間毎の尿量の観察や指示は実施しなくてよいと申し送りした。
・指示の1つ1つが理解できているか、理解に相違がないか、リーダー看護師と新人看護師とでコミュニケーションを密に図る必要がある。・口頭のみで指示を伝えるのではなく、メモや看護コメントを活用し確認を行う際にも、PCでの画面を見ながら指示の内容についての理解確認を行う必要がある。
実施すべき行為をしなかった事例
看護師(2年)
看護師(0年)
新人看護師は、直接介助者として入る手術の準備のため、使用する器械を器械台の上に清潔操作で出していた。器械台にオイフを敷き広げた後、滅菌物の入ったパックを開けてから片手で開封口を支え、もう片方の手に持った滅菌中鉗子を用いて器械や医療材料を1つずつ用意していた。準備操作はこれまでにも何度か単独で実施しており、当日も1人で行っていた。そしてソノサージを出す際に、滅菌パックの開封口が清潔なオイフに触れてしまい、オイフとソノサージを不潔にしてしまった。自身ではその事実に気付かず、清潔室内にいた先輩看護師に指摘されて分かった。不潔になった部分が明確であったため、新しいオイフを敷き直し、ソノサージを交換することで清潔を保持することができた。
清潔操作の手技が未熟であった。医療器械の清潔を保持することへの意識が甘かった。先輩へ協力を依頼することをしなかった。
・器械を開く際は、まず清潔を保持できる環境を整備し、何処が清潔で何処が不潔か確認しながら実施する。・滅菌パックの開封口をしっかり支える。・清潔に出す自信が無い時は、応援番又はガウンを着て清潔操作を行っている人に協力を依頼する。・手術に使用する器械という意識を高く持ち、責任を持って清潔の保持に努める。
実施した行為が誤っていた事例(誤った行為を実施する前に気付いた事例)
看護師(0年)
nan
補助人工心臓装置の管理について自立している新人看護師は、機器チェックのため病室に行くが、患者と会話のみ行い、機器のチェックを行わずに退室した。1時間後、次の勤務の看護師に引き継ぎを行った際にチェックされていない事を指摘され気づいた。その後確認したが、機器のトラブルは無かった。
14:00のラウンドで訪室したが、機器のチェックを忘れていた。
・タイムスケジュールのチェック方法を検討する。
実施すべき行為をしなかった事例
看護師(0年)
nan
午前中、輸液ポンプで投与していたカタボンHiをシリンジポンプに交換した際、シリンジとルートの接続が確実にできておらず、液が接続部から漏れていたことをペア看護師に指摘され直後に血圧低下があり注意するよう指導を受けた。午後、ペア看護師から訪室する前に残りのカタボンHiをシリンジに吸って交換する準備をしていることと、蓄尿バッグの尿をとるように言われ、一人で訪室した。その時カタボンHiが少量しかなく、アラームが鳴りだした。早く交換しなければと思い、シリンジポンプの交換経験が少なく、血圧の変動がある患者であるのにかかわらず一人でシリンジポンプを交換した。その後、再び血圧低下があった。
前日に意識レベル低下、血圧低下があった患者。カタボンHiをシリンジポンプで投与していた。当日も血圧低下があり、循環動態を頻回にチェックされていた。
・循環動態に作用する薬を使用している場合は、点滴更新の際、患者に対して影響を及ぼす可能性があることを認識する。・循環動態に作用する薬剤の更新は、他の看護師と一緒に交換する。
実施した行為が誤っていた事例
看護師(0年)
nan
看護師Aと看護師Bで患者を担当していた。泌尿器科医から膀胱留置カテーテルは2週間留置しておくよう指示があると、夜勤者から看護師A・Bは申し送りを受け、各自のメモに記載した。膀胱留置カテーテルについては口頭での引継ぎのみで、ワークシートへの記載は無かった。患者は14時に転棟する予定であり、それに合わせて安静度を拡大した。尿の流出は200mL程度認めており、血尿スケール1で経過していた。患者から膀胱留置カテーテル抜去の要望があり、看護師A・Bは膀胱留置カテーテルを2週間留置しておく事を忘れ抜去した。その後、転棟の際に看護師Bが他病棟の看護師へ患者のことを申し送る際に自己のメモを確認し、留置の指示があったことが分かった。泌尿器科医に報告し、転棟先の病棟で14Frの膀胱留置カテーテルを挿入する事となった。
各自のメモだけに記載しており、全スタッフが周知できるようにしていなかった。メモを確認する行動がとれていなかった。患者の状態を十分に把握出来ておらず、膀胱留置カテーテル抜去の危険性を予測できていなかった。患者に必要なケア・処置は何か考えて行動する必要があった。ペアリングを活用できていなかった。
・重要な事はワークシートに記載する(確実に確認する場所であり、他のスタッフに周知できるところに記載する)。・メモを確認し、重要な出来事を再認識する。・患者の状態から必要なケア・処置、注意すべき事をペアで確認・計画する。・ケア・処置の必要性を考えて行動する。・膀胱留置カテーテル留置の必要性を患者に説明する。
実施した行為が誤っていた事例
看護師(0年)
看護師(1年)
胃管チューブ挿入中の患者。受け持ちの新人看護師は、昼の与薬のため胃管チューブより与薬を行った後、クランプせず開放した状態にしていた。夕方の与薬の準備をしている際、先輩看護師に与薬方法を指摘され、クランプをしなければいけなかったことに気付く。患者は胃管カテーテルで排液ドレナージを行っていたため、普段は開放した状態であった。
新人看護師は与薬後、クランプすることの認識がなかった。
・先輩看護師、新人看護師双方に師長が指導を行った。
実施すべき行為をしなかった事例
看護師(0年)
nan
十二指腸狭窄による黒色嘔吐のため救急搬送された患者が、病棟へ緊急入院することになった。遅番であった当事者Bが救急病棟へ1人で迎えに行き、胃カテーテル挿入の申し送りを受けたが、カテーテルを開放にするのか閉鎖にするのかという申し送りは受けず、また、当事者Bもその点について確認をしなかった。カルテには開放か閉鎖かという指示の記載はなかった。来棟時胃カテーテルは閉鎖したままであり、受け持ちであった当事者Aは胃カテーテルが挿入されていることを確認したが、閉鎖していることに疑問をもつことはなく、そのままの状態で経過した。当事者A、Bが体位変換のために患者の部屋に入室すると、大量の黒緑色の嘔吐をしていることを発見した。嘔吐したことで酸素飽和度は低下し、意識レベルの低下、血圧測定不可能であったため当番医に連絡し診察を受け、動脈血酸素分圧測定と採血を施行した後、胃カテーテルを開放すると、黒緑色の液が100mL排出された。当番医の指示により酸素8Lリザーバーで投与し、酸素飽和度が上昇した。
胃カテーテル挿入の意義をきちんと考えていなかった。開放するのかどうかという確認が不十分であった。
・ひとつひとつの処置の意義を考えてケアを実施していく。・疑問に思ったことはすぐに先輩や医師に確認する。
実施すべき行為をしなかった事例
看護師(0年)
看護師(0年)
慢性硬膜下血腫で入院となった患者は、硬膜下ドレーンを挿入中であった。CT撮影のため医師と新人看護師が移送した。撮影台へ移動する前に、医師がドレーンをクランプするためのコッヘルがないこと、撮影台移動時に硬膜下ドレーンをクランプしていないことに主治医が気づき、ドレーンをクランプした。患者の状態に変化がなくCT上、血腫の増強なくドレーンが抜去となった。
初めて受け持つ患者であることをリーダーへ伝えておらず、注意点を聞くことができなかった。硬膜下ドレーンが挿入されている患者の看護の知識が不足していた。硬膜下ドレーンが挿入されている患者がCT撮影に行く際の物品を確認しなかった。
・慢性硬膜下血腫の病態を理解し、ドレーン管理の学びを深める。・初めて受け持つ患者の検査に行くときは、どの物品を準備したらよいのか、何に注意しなければならないのかなどを事前学習する。・初めての処置や検査があった場合は振り返りを行い、自分の知識や技術を高める。・検査や処置に必要な物品を確認し、準備することを指導した。
実施すべき行為をしなかった事例
看護師(0年)
nan
患者は経鼻栄養チューブの自己抜去の既往あり、両手にミトンを装着していた。食事時のみミトンを外しており、ミトン装着を拒否すること多いがタイミングを見計らってミトンを装着していた。当日、夕食を摂取し白湯の投与終了後、新人看護師は他患者の対応をするため患者に背を向けた。その後、振り返った際に、患者が抜いた経鼻栄養チューブを手に持っていた。
患者より瞬間目を離した際に経鼻栄養チューブを自己抜去した。新人看護師はミトン装着の必要性について理解していたが、本人が拒否していたため対処できなかった。的確な指導ができていなかった。
・経鼻栄養チューブの自己抜去歴が何回もある患者から目を離すときは、ミトンを装着する。・ミトンを拒否し、ミトンの装着ができない時は患者の側を離れない。・タイミングを見計らってミトンを装着する。・新人看護師はミトンを拒否する患者に対しての対処方法が分からなかったようであり、的確に指示していく。
その他
看護師(0年)
看護師(4年)
11時頃に胃カメラの検査予定であった。患者は定時で10時にクレメジン顆粒分包2gを内服していたが、医師の内服中止の指示がなかったため、新人看護師は1人で準備し、10時に与薬した。与薬してから絶食中であることに気が付いた。リーダー看護師と胃カメラ室と主治医に与薬したことを報告する。胃カメラは時間をずらして施行となった。
ベッドサイドにピクトグラムで絶食中と表示してあったが、気がつかなかった。与薬時、1人で対応した。
・カメラの検査の絶食時間を確実に把握し、与薬時間に合わせて理解しておく。・検査時の看護の基本的な手順を再確認することと不明な場合はリーダー看護師に相談し、指示を仰ぐ。
実施した行為が誤っていた事例
看護師(0年)
nan
虫垂炎術後1日目、検体検査のオーダーあり。新人指導中に、新人看護師に検体採取の依頼をした。採血実施時の付き添い確認は行っていなかった。検査結果が異常値であったため、採血時の詳細確認を行ったところ末梢確保部より中枢で検体採取していたことがわかった。再度採血施行した。
新人看護師に採血を依頼したが、実施状況を確認しなかった。
・手技の確認も必要であるが、実施する行為に対して根拠や注意点等も確認指導していく必要があった。・実施する前に声かけ確認していく。
実施した行為が誤っていた事例
看護師(0年)
nan
新人看護師は、採血指示の出ていた患者Aと患者Bの採血管を持って、患者Aの病室に行った。患者2人の採血管はトレイに別々に分けていた。患者Aの採血をする際、患者のベッドネーム、リストバンドを確認せず、患者に氏名を言ってもらうこともなく、患者とスピッツを照合せずに実施した。その結果、患者Bのスピッツに患者Aの採血を実施した。採血の途中でスピッツを確認し、間違っていることに気づいた。
採血の実施回数が少なく、採血を行うことにとても緊張していた。機器での患者認証システムを知らなかった。プリセプターから離れ、採血の技術を自立して行うようになり、確認動作を怠った。
・採血の技術を振り返る。・確認動作を徹底する。
実施した行為が誤っていた事例
看護師(1年)
看護師(0年)
新人看護師は、夜勤中に患者の採血指示があることを把握したが、採血項目にアンモニアがあることを見逃した。前日の日勤受け持ち看護師も延食の手続きをしていなかった。朝、患者は配膳された朝食を摂取した。日勤看護師はアンモニア採血があるが、患者が朝食を摂取した事に気づいた。
深夜帯でスピッツと採血項目を照合確認しなかった。前日の日勤看護師が見落とした指示を夜勤の看護師も発見できなかった。新人看護師が初めての夜勤だったため、指導しながらの業務で煩雑だった。
・スピッツと採血項目の照合確認を徹底する。・採血指示を確認後、食事が関与する項目についてはオーダを確認する。・アンモニアや血糖など、食事が関与する採血指示については採血のみではなく、アンモニアや血糖等の採血項目を記載してくれるよう医師に依頼する。
実施すべき行為をしなかった事例
看護師(0年)
看護師(4年)
食道がんの放射線・化学療法目的で入院の患者は、空腸瘻からラコールを注入していた。放射線治療のための位置決めCT検査の予定があり、ラコールを注入したままライナック室に降りた。検査室から、造影を行うためラコールを止めていなければいけないと連絡を受け、位置決めのCTを実施することができず翌日再検査となった。医師に、ラコールを止めていなかったため、翌日に検査が延期したことを報告した。
位置決めCT検査は造影を使用するためラコールを止めなければいけなかったことに気づかなかった。新人看護師が受け持ちをしており、マニュアルを確認していなかったため、検査に対する知識不足があった。
・造影時には食事を止めるということを念頭に入れ、患者に関わる。・新人看護師が初めて経験する項目については、必ずマニュアルに目を通すよう指導する。・当日の検査についてリーダーと確認する際は、本当に新人が理解できているか確認する。
実施すべき行為をしなかった事例
看護師(0年)
nan
蓄尿する必要があったが、14時ごろに患者より「午前中は溜められていない」との報告があった。その際、リハビリ出棟直前であり、患者には継続して溜めるように声かけを行った。主治医と相談し、蓄尿の期間を0時~0時から12時~12時にずらすこととなり、担当看護師に本人が帰室後説明するよう伝えていた。夕方、準夜帯の担当看護師から患者がその説明を聞いておらず、帰室後も蓄尿していなかった。新人看護師に確認すると、何度か訪室したが患者が不在であったため説明ができておらず、その件について誰にも報告していなかったことが分かった。
前日の日勤帯で蓄尿について説明し、患者からは「自分でできます」という発言があった。しかし前日の入院患者であり、患者の理解度の確認ができていなかった。また新人看護師のフォローをしていた看護師は早出勤務であり、多忙な状態でラウンド前の報告を聞いていた際に、蓄尿が確実にできているか確認するよう声かけをできていなかった。新人看護師は、患者が若かったことから「きちんと蓄尿できるだろう」という思いがあったことと、ラウンドやケアなど様々なことが重なり、患者に声かけや、経過表画面等での尿量の確認を行えていなかった。
・担当看護師が新人であり、どのような状況下においても、フォローの看護師が確認を徹底すべきであった。・担当看護師に説明するよう伝えた後、どうなったかの確認もできていなかったため、こまめなフォローが必要であった。・担当看護師においては、患者の年齢にかかわらず確認が必要であり、対処に困った時にはフォロー看護師、リーダー看護師等に相談する必要があった。
実施すべき行為をしなかった事例
看護師(0年)
nan
内視鏡下にて生体腎移植のドナーの手術を開始した。腎の剥離、尿管切離、腎動脈2本切離(エンドファイヤーGIA30使用)する。2本目の動脈に使用した自動吻合器が術者からもどってきたが、直接介助者の新人看護師は、すぐに刃をとりはずさず、器械台の上に置いたため、2本の自動吻合器が混在した。ガーゼを渡した後、替え刃を交換したと思った自動吻合器を術者に渡した。医師がエンドファイヤーGIA30を使用して腎静脈を切離した際、切離はされたがステープルされず出血した。4-0プローリンにて閉創し、止血した。
使用した自動吻合器を医師から受け取った際に、自動吻合器の替え刃をすぐに取り外さずに器械台の上に置いた。器械台の上には替え刃を交換したものとそうでないものが混在していた。本来であれば新しく替え刃をした自動吻合器で行うはずの静脈に対して、使用済みの替え刃が付いている自動吻合器を渡した。使用済み替え刃にセーフティーロックがかからなかった。3ヶ月の新人看護師であったため、指導者が傍についていたが、チェックできなかった。
・自動吻合器を使用する際は、必ず2名にて立ち会い、替え刃のチェックを指差し、声出し確認する。・自動吻合器が術野から戻ったら、替え刃をすぐに外し刃を術野から下ろす(これまでは、術野の中で使用済みと未使用を分別していた)。・下ろした替え刃はシリアルナンバーで管理する。・自動吻合器本体それぞれが区別できるように色別のシールを貼付し管理する。・新人看護師の指導体制を見直す。
実施した行為が誤っていた事例
障害残存の可能性がある(低い)
看護師(0年3ヶ月)
nan
新人看護師は、レギュラーミルクを経管栄養のチューブから授乳しようとした。その際、酸素投与を行うための人工鼻に留置していた栄養チューブに、誤って経管栄養のチューブをつないだ。
患児の人工鼻管理においての酸素送与は、既製品では大きすぎてうまくフィットしなかった。そのため、人工鼻のフィルターに栄養チューブを挿入して酸素接続ルートを自作して使用していた。酸素送気用に使用していた栄養チューブと経管栄養用の栄養チューブに同じ規格のものを使用し、誤接続可能な状態にあった。
・新生児用人工鼻からの酸素投与時は、栄養カテーテルの使用を禁止する。・人工鼻使用時に酸素投与が必要な場合は、酸素供給ポート付小児用人工鼻を使用する。・患者にとって小児用人工鼻の形状が大きく適さない場合には、新生児用人工鼻と酸素マスクを使用する。
実施した行為が誤っていた事例
障害残存の可能性がある(低い)
看護師(0年7ヶ月)
nan
左手背に点滴静脈注射の輸液ルート確保し、ヴィーンDを50mL/hで実施中。新人看護師は、輸液確認を他の看護師とダブルチェックした。1時間後、輸液ポンプアラームが鳴り、患者の手を観察したところ左手背~前腕にかけ腫脹と白色から暗紫色を呈しており、輸液漏れに気付いた。上肢挙上と温罨法、輸液抜去で観察後、一時的に水泡が出現したが経過観察で障害は残らなかった。
患者は輸液管理に協力できずに、末梢静脈ラインが挿入されている左手を支えに立ち上がるため、輸液ポンプのアラームがよく鳴っていた。新人看護師は、点滴漏れが生じた時に輸液ポンプのアラームが鳴ると思い込んでいた。新人看護師やダブルチェックした看護師は、高浸透液が輸液漏れしやすいという知識がなかった。
・輸液ポンプのアラームは、輸液が漏れていても鳴らない事や漏れていても輸液を押し込む事を看護師の安全委員会で伝達し、周知した。・現場看護師に、輸液観察しやすい固定方法(基本のフイルム固定をするよう)を促した。・看護師の輸液漏れ防止研修会を実施する。・輸液漏れしやすい薬品や、漏れを確認する方法をフィールドナーススペシャリストにより、INS(InfusionNursesSociety:輸液看護師協会)の輸液看護基準に基づく講義を行った。
実施すべき行為をしなかった事例
障害なし
看護師(0年9ヶ月)
nan
患者AのTSHの採血検体ラベルの印字が薄く、検査室で貼り直した。その際、誤って患者Bのラベルを貼って検体を採取、提出した。TSH誤報告により甲状腺ホルモン(レボチロキシン)を患者Bに内服させた。
確認不足
・基本ルールを厳守する。・ラベル貼り直しを極力なくすため、ラベルプリンターのメンテナンスをする。
実施した行為が誤っていた事例
障害残存の可能性なし
看護師(0年2ヶ月)
nan
患者Aの血糖測定を行う際、患者Bの血糖測定をした。
患者確認のルール無視
・全てにおいて患者に名乗ってもらい、ベッドネーム・リストバンドを確認する。
実施した行為が誤っていた事例
障害なし
看護師(0年3ヶ月)
nan
患者Aの子宮頚部癌検診を実施すべきところ、妊娠中の患者Bに細胞診、組織診の検査を実施した。患者Aより検査がまだであると告げられ、患者誤認が発覚した。患者Bは予定通りの診察を行い、妊娠経過に異常がないことを確認した。
看護助手が患者Aを呼び入れたところ、患者Bが検査室に入ってきた。助手は患者に氏名を名乗ってもらい、カルテを照合したが「A」と聞き間違えた。引き継いだ新人看護師は患者にフルネームで名乗ってもらわなかった。診察する医師は患者確認をしなかった。
・患者確認(フルネームで名乗ってもらう)の手順を再確認する。・患者確認行動を実践する。
実施した行為が誤っていた事例
障害なし
看護師(0年10ヶ月)
nan
朝の検査データで血清カリウム2.5の為主治医よりアスパラK2A(20mEq)メインIVH内混入の指示と注射箋をリーダー看護師Aが受け、看護師Bに薬剤受領とその日の担当の看護師Cに伝えることを依頼した。10分後、看護師Bは薬剤を受領し、トレイに薬剤・注射器・注射針・酒精綿・注射指示箋を準備し、担当C看護師に説明して渡した。その後、担当看護師Cは注射を準備して側管よりワンショットで注入した。
朝の検査データで血清カリウム2.5の為主治医よりアスパラK2A(20mEq)メインIVH内混入の指示と注射箋をリーダー看護師Aが受け、看護師Bに薬剤受領と看護師Cに伝えることを依頼した。10分後、看護師Bは薬剤を受領し、トレイに薬剤・注射器・注射針・酒精綿・注射指示箋を準備し、看護師Cに説明して渡した。その後、看護師Cは注射を準備して側管より注入した。
・看護師間の伝達・指示を正確に行う。・特に、経験が浅い看護師に指示するときは相手が間違えないようにわかりやすく伝え、相手の理解度を必ず確認する。実施状況まで確認する。・注射実施は注射伝票で5Rの声だし・指差し確認の徹底。・カリウム製剤を静注不可能なシリンジに変更する。・他の静注用薬剤の見直しをする。
点滴内混注の予定であったが急速静注した事例
看護師は勤務前の情報収集時に、夜間緊急入院した患者Aの担当を告げられ情報収集を開始した。注射指示のアスパラカリウム混注を見逃した。薬剤をダブルチェックする。普段使用頻度の少ないアスパラカリウムについて調べる。指示の「DIV」は確認したが投与方法はあいまいのまま準備する。ダブルチェックを行った看護師は、患者名・薬品名・時間が合っているか確認した。投与方法は確認しなかった。看護師は他患者のケアで忙しかった。その後、カリウム製剤を準備をする際、注射プラボトルの「要希釈」を「禁希釈」と見間違える。予定が大幅に遅れ早く点滴をしなければと焦る。電子カルテの電源が入らず、指示未確認のまま本人と名前を確認しアスパラカリウム10mEq2Aを側管よりIVした。
カリウム製剤について、静脈注射を行ってはいけない薬剤であることの知識がなかった。「DIV」と「IV」の違いは知っていたが、準備する時に疑問に感じていない。ダブルチェックのシステムはあるが、目的に添った必要な確認行動が行えていない。確認時に何の項目を確認しなければいけないか、知識と行動実践が結びついていない。電子カルテの指示確認の方法が正しく理解されていない。ワークシートの活用など決められた運用ルールのもとで行動できていない。電子カルテの指示の出し方のシステム上の問題がある(導入して間もない)。緊急入院時、循環器科病棟が満床であり救命病棟対象ではなく、他の一般病棟へ入院した。
・薬剤に関する基礎的知識および教育を強化する。・確認方法の再教育(6R)を行う。・電子カルテを使用しての情報収集の方法、運用再確認と周知を行う。・指示確認の方法、コメント確認方法について周知する。・電子カルテシステムの改善をする。・循環器科急性期患者が当該病棟へ入院できる病床管理体制を作る。
点滴内混注の予定であったが急速静注した事例
低カリウム血症にて、上級医が、補液(ソルデム3A)に、KCL0.5A(10mL)追加と口頭で指示する。看護師は、KCL注20mEqキット(プレフィルドシリンジ製剤)からシリンジに10mL吸い取った。上記シリンジを研修医に渡す。研修医は、塩化カリウムの投与は初めてだったため不安になり、上級医に「緩徐に静注でいいですよね」と確認した。上級医より「やっといて」との回答があった。患者のもとに行き、IVルートからKCL注10mLを緩徐に投与開始した。
口頭指示が不十分であった(指示内容の把握、復唱・確認)プレフィルドシリンジ製剤設計(静脈注射できない仕様)の意図を十分に把握していなかった(シリンジに吸い取った)。研修医は、KCLを急速静注をしてはいけないことは把握していたが、緩徐に投与すれば問題ないと認識していた(希釈が必要であるとは認識していなかった)。上級医に確認しているが、両者の連携が取れていなかった(質問内容等の理解不十分)。
・研修医が初めて処置を行う場合には、上級医についてもらう。・指示内容を十分に把握し、復唱確認を徹底する。・プレフィルドシリンジ製剤の端数指示の場合には、薬液をそのまま廃棄する(シリンジに吸い取らない)。・注意喚起レターを発出する。・新人オリエンテーション時、研修医等に危険薬についての研修を実施する。
点滴内混注の予定であったが急速静注した事例
患者はCVルートよりTPN投与中であった。当事者は医師から「カリウムの値が低いためアスパラカリウムを投与してください」と言われ、注射伝票を受け取った。注射伝票を確認し、病棟定数配置薬にあったアスパラカリウムを2A取り出した。他のスタッフに取り出した薬品名がアスパラカリウムであること、投与量が2Aであることを確認後、準備し患者のもとに行った。PDAで患者認証を行い、注射伝票記載の「CVボトルに混注」の指示を確認せず、TPN製剤に混注するところを静注と思い込みCVルート側管より静注した。
投与した看護師は、アスパラカリウムを静注してはいけないことは知識では知っていたが、実際に静注すると心停止することを知らなかった。電子カルテの医師の注射入力画面では、アスパラカリウムと入力すると〔禁ワンショット〕と自動的に表示がされていたが、注射伝票を印刷するとその表示が印刷されていなかった。一部の病棟では、アスパラカリウムが病棟定数配置薬になっていた。当該病棟には定数薬として配置され、定数配置薬の棚には「注意!ハイリスク薬」「禁ワンショット静注」と表示していた。
1.マニュアル遵守の徹底およびマニュアルの再検討2.薬剤管理について・薬剤部での一括管理、払い出し時にはカード表示をつける。・剤型をシリンジタイプへ変更した。・院内で使用されているハイリスク薬の管理について再検討する。3.電子カルテシステムでの改善・注射伝票にハイリスク薬についての注意喚起表示を行う。4.職員教育・カリウム製剤を含めたハイリスク薬についての定期的な教育を行う。
点滴内混注の予定であったが急速静注した事例
KCLの投与を1時間かけて投与するべきところ、誤ってワンショット静注が行われた。電子カルテシステムでのオーダ上、KCL注射処方セットが「ショット薬」に分類されるため、医師が指示簿にその都度「1時間かけて中心静脈から投与」などと記載しているが、今回はその記載がされていなかった。看護師はワンショット静注禁止の薬剤と知っていたが、医師に急ぐよう言われたために、ワンショットで使用するほど急いでいるのだと思いこみ、医師に確認を行わずワンショット静注を行った。
担当看護師は、職種経験5ヶ月で、3ヶ月前より夜勤に入っており独り立ちしていた。当日は、4床(ICU非加算床)を一人で受け持っていた。ICUでは、21時頃に定時採血があり、22時前後に結果が返ってくるため、その結果を確認した後の指示であった。担当看護師は、日勤で投与済のKCLの指示が画面上では終了になっていなかったため、フリーコメントに「1時間かけて投与」と記載があるのを見ていた。新たに夜勤で出たKCL原液5mL投与の指示には、フリーコメントに「1時間かけて投与」などの投与方法が記載されていなかったため、ワンショットに指示変更されたのだと思った。医師は、患者が以前にも血清カリウム値が低下し不整脈を誘発した既往があったため、KCLの投与を急いでいた。担当看護師は、指示後も他の業務があり、KCLの業務がなかなかできなかった。そのため、医師は作業を早くして欲しい意味で「急いで」と3回くらい言ったが、看護師は「急いで」の意味を指示で確認した通りワンショット(速く投与する)だと思った。当院のICUでは、一般的な点滴は「一般維持輸液」、カテコラミンなどの微量で使用する薬剤は「微量持続点滴」などに分類し、ワンショットや1時間程度の時間をかけて投与して使用するなど一時的に使用する薬剤を「ショット薬」に分類していた。KCLは、この分類の中では「ショット薬」に分類されていた。「ショット薬」などのカテゴリーが、処方する際に視認性を良くするためにICUマスタ上の分類として決めたものであり、画面上には表示されないため薬剤部では把握していなかった。また、ICU以外の病棟では使用していない名称であった。薬剤部で処方せんの指示を受けた薬剤師は、ICU内で投与方法の指示があると思ったため、「KCL原液5mL投与」に対して疑義照会は行わなかった。当院では、KCLの処方が20mEq以上になることはないため、20mEq以上の指示に対しては疑義照会をするようになっている。当院では、ダブルチェックを行わず、個人で5Rチェックをすることにしている。しかし、ICUではハイリスク薬の取扱いも多く、厚生労働省から出されている「集中治療室(ICU)における安全管理指針」内に、「薬剤の投与時に可能な限り複数の医療従事者によって確認すること」と記載があるため、ダブルチェックを行う薬剤(麻薬、免疫抑制剤、カテコラミン、血管拡張剤、インスリン)を決めていたが、事故発生当時はその中にKCLは入っていなかった。当院に病棟専属の薬剤師はいない。手術室やICUのみ配置薬のチェックを行っている。ICUでは、緊急時の対応のために薬剤カートを採用し、定数を決めた薬剤をその中に配置している。病棟薬剤師が週2回チェックを行い、薬剤を管理している。カート内にトレイが8セットあり、緊急入院時に1患者1トレイを使用する。また、ICUで薬剤ラベルの発行ができるため、バーコード付きラベルとトレイ内の薬剤を併せて使用することになっている。ICU内での、看護師-医師間、医師-医師間、若い医師-上級医師間など、コミュニケーションが円滑でない事実がある。
・電解質補正液の投与時には指差し呼称に加え必ずダブルチェックを行うこととし、投与時確認マニュアルを作成する。・ICUでは、KCLもダブルチェックを行う薬剤にした。・KCLを「ショット薬」から「一般時間注」のマスタ項目に変更した。また、「ショット薬」という言葉を「その他」に変更する予定である。・ICUでは、カリウム値の補正のためにKCLを原液で使用していたが、5%ブドウ糖で2倍に希釈して1時間以上かけて投与することにした。また、その内容をマニュアルに記載し、「ワンショットはいかなる場合でも禁止」と追記した。・処方システムを修正し、「一般時間注」からKCLの処方が出されると、希釈液(5%ブドウ糖注)も一緒に処方されるようになった。・薬剤部では、KCLの表示を「KCL点滴注」から「【禁静注】KCL点滴注」に変更した。また、KCLの払い出しの際、「静注・ワンショット禁止」と注意事項を記載した紙を入れたチャック付ビニール袋に1本毎に封入する手払出にすることにした。・指示の出され方に疑問がある場合は、自分で判断せず医師等に確認する。
持続静注の予定であったが急速静注した事例
ベッドサイドのワゴンの上にはバットに入ったタケプロンのシリンジともう1つ別のバットに入った持続静脈注射用の塩化カリウム溶液のシリンジが並んで置かれていた。タケプロンは「注射薬の確認用紙」(シリンジ本体の面積が狭く薬剤名等を記載できない場合に使用)にベッド番号・患者氏名・薬剤名(内容)・投与方法を記載しトレイの中に用紙と一緒に注射器をセットしていた。塩化カリウム溶液のシリンジは注射器本体にベッド番号・患者氏名・薬剤名(内容)・投与時間を記載していた。後者は担当看護師が交換用のため準備をしていたものであったが、研修医はその両者を静注してしまった。
原因としては、静注用の薬剤とシリンジ交換用の薬剤が同じワゴンの上に並んで置いてあり紛らわしかったこと、注射に関する病棟内のルールを研修医が知らなかったこと、当該病棟では入院患者数・その重症度に比して医師数が不足していること、当該研修医は他の病棟の業務も兼務していたこと等があげられる。
・病棟内のルール等の引継ぎ事項は文書化する。・労働環境を整備する。・当該事故に対する安全管理を確立する。
持続静注の予定であったが急速静注した事例
血清カリウムデータが2.9と低く、主治医から下記の指示があった。CV内頸側管1K.C.L.点滴液15%(40mEq/20mL)生理食塩液(20mL)1日3回。指示受けをするA看護師は指示内容がおかしいと思い、手術中の主治医のハンディホンに電話をかけた。手術室看護師がハンディホンを受け、手術室看護師に「指示どおりに投与していいか」医師に聞いてもらうように依頼した。手術室看護師が主治医に「オーダどおりに投与していいか」と尋ねると「いいです」と返答があり、その返事を手術室看護師から聞いたリーダー看護師は指示受けを行った。受持ち看護師がKCLの注射薬を準備する際、アンプルに添付してある『点滴で薄めて静注』という表記を見て、点滴に薄めなくてよいのかとリーダー看護師に相談をした。リーダー看護師は主治医に再度尋ねると受持ち看護師に返事をして手術中の主治医のハンディホンに電話をかけた。手術室看護師が取次ぎ、手術室看護師が主治医の耳元にハンディホンを当てて主治医が指示受け看護師の声を聞き、それに答える形で確認が行われた。リーダー看護師が「オーダどおりでいいですか」と尋ねると手術室看護師が主治医の返答を代弁し、「はい」と返答があった。リーダー看護師はそれでもKCLの静注なので、受け持ち看護師にゆっくりとモニタを見ながら施行するように伝えた。受け持ち看護師はKCL20mL+生理食塩液20mLの静注をゆっくり開始した。2分後モニタのSpO2低下でアラームが鳴った。その時はHRに変化はなかったがKCL20mL+生理食塩液20mLの残が6mLのところで中止した。
指示受け看護師は投与回数1日3回という指示に疑問を持った。指示受け看護師は手術室看護師を介して医師に「指示どおりに投与していいですか」と確認をした。受持看護師はアンプルに添付してある『点滴で薄めて静注』という表記を見て、点滴に薄めなくてよいのかとリーダー看護師に相談をした。指示受け看護師は主治医に「オーダどおりでいいですか」と再度確認した。指示受け看護師は2回主治医に電話確認したが「何のどのような指示に関しての確認か」を言わないで確認をした。主治医は患者がICU在室中にKCLをシリンジポンプで投与した経験があった。主治医は病棟でKCLの補正のためにICU在室中に行ったKCLシリンジポンプ投与をしようと思った。主治医はICUでの注射処方をコピーして病棟指示とした(ICUのみの約束処方)。主治医は注射処方指示で投与ルートの指示入力はしたが、投与速度、投与方法は指示していなかった。主治医は2回の確認電話に対して何の指示のことか確認しないで返事をした。主治医はKCLをポンプで投与すると思っていたので指示どおりでいいと返事をした。まさか静注するとは思っていなかった。指示受け看護師は医師の指示どおりでいいという返事を聞き、KCL静注を受持看護師にゆっくり、モニタを見ながら行うように伝えた。受持看護師はゆっくり静注を行ったがモニタアラームが鳴って残が6mLのところで中止した。指示受け看護師は同勤務の他看護師にはこの指示内容について相談等をしていなかった。
・KCL製剤をアンプルからKCLキット製剤に変更する。・指示入力のルール(投与ルート、投与方法、投与速度)を広報する。・指示確認の仕方(いつ、誰の、どのような内容の指示かを明確に伝える。復唱する。)を院内ニューズレターで広報、学習する。・病棟等で他者にも伝わるように口に出して疑問に思うことや発生したできごとなど情報交換、情報共有をする。・危険な薬剤についての知識を持つ。・KCLキット製剤導入時に説明会を開催する。・KCL使用について院内で投与方法等のルールを作成し、周知した。
持続静注の予定であったが急速静注した事例
障害なし
病棟看護師→手術室看護師→医師
髄注の前に、滅菌手袋をして別の処置を行い、引き続きバンコマイシン髄注を行った。その際に、本来であれば医師が調剤し準備しているバンコマイシンの準備をしていなかった事に気付き、処置に付いていた新人看護師にバンコマイシン1Vを生食(生食100mLがその場にあり)に溶解し、4mL手渡すようにその場で口頭指示を出した。溶解時に使用する生食の量は指示しなかった。医師は生食100mLで溶解し、その中の4mLを手渡すように意図していた。手渡された4mLのバンコマイシンを投与した。看護師は生食8mLを生食100mLから採取し、それでバンコマイシン1Vを溶解し、4mL手渡していた。投与直後にバンコマイシンを生食8mLで溶解し、その内の4mLを手渡した事を知らされ、過量投与(20mg投与予定が250mg程度)が判明した。投与直後に気がつき、20mL髄液をスパイナルドレーンより採取し濃度検出し、生理食塩水100mLで洗浄し、その後10mL採取し濃度を提出した。洗浄後の濃度は治療範囲内であった。
処置に付いた看護師は、その処置についたのは初めてだった。口頭指示マニュアルを遵守出来ていなかった。医師が調剤すべきところを準備せずに処置に臨んでしまった。
・髄注用の注射液は医師が作成する。・5Rの確認を遵守する。・口頭指示マニュアルを遵守する。・新人看護師は、初めての処置に付くときにはその旨を話し、先輩に指導を仰ぐ。
nan
障害なし
医師→看護師
患者の来院時の血糖値は557mg/dLであった。医師は点滴指示を「生食500mL+ヒューマリンR10単位」と出す予定であったが、入力する際に誤って「ヒューマリンR10V」と入力した。薬剤部から疑義照会があり、処方は「ヒューマリンR1000U、10mL使用量10単位」と修正入力をした。処置室で医師が「生食500mL、ヒューマリンR1V(を薬剤部に取りに行って下さい。)」と伝えた。看護師Aはこれを使用量と思った。看護師Aは他の患者の処置で手が離せなかったため、看護師Bに「高血糖の患者がいるので血管確保をしてほしい。」と依頼した。処置を依頼された看護師Bは、医師の指示内容を出力した点滴ラベルで確認した。このラベルには「生食500mLヒューマリンR1000U1V」と標記されていた。使用量が多すぎると思い、看護師AにヒューマリンRの混注量と滴下速度の再確認を依頼し、処置室に予備として置いてある生食500mLを使用して血管確保を実施し、その後薬剤部にヒューマリンRを受け取りに行った。看護師Aは医師に電話で指示の再確認をしたが、この際ヒューマリンRの混注量を単位で確認せず、「1Vですか。」と尋ねた。医師は看護師Aの電話内容を薬剤部で受け取る量だと思い、「1Vです。」と返答した。看護師AはヒューマリンRの混注量を1Vと思いこみ、看護師Bにベッドサイドで「ヒューマリンR1Vを混注して1時間で投与して下さい。」と伝えた。注射実施のルールは、指示画面を2人で指さし、声だしで確認しなければならないが、看護師Bは、注射ラベルの標記内容を指示内容と理解し看護師Aからの伝達内容とも一致していたため、ヒューマリンRIVを生食500mLに混注、速度調整を実施したうえで看護師Aに実施内容を伝達した。12:05指示で血糖測定したところ、212mg/dLであった。12:30検査に行くために点滴をソルデム3A500mL+ヒューマリンR5単位に変更の指示があった。この際医師が看護師Aに処置室に残っているヒューマリンRを使用するように伝えたが、看護師Aは「使用したバイアルは廃棄することになっています。」と返答し、医師は再度1V処方した。点滴を交換する時点での残量は約100mLほどであった。12:40患者が検査に行くために起立し、歩行を開始したところ気分不良を訴えた。血糖値20mg/dL、血圧94/50mmHg、脈拍120回/分、SpO293%であり、50%ブドウ糖20mL2Aを使用、点滴をソルデム3A500mLに変更した。その後血糖値121mg/dL、15:35状態が落ち着いた。患者が再度気分不良を訴え血糖値を測定したところ20mg/dL未満、50%ブドウ糖20mL2Aを使用した。その後血糖値は安定してきた。看護師Aが記録を整理する際に「生食500+ヒューマリンR10単位(1h)」という医師の記録を見て、インスリンの過剰投与に気付いた。
今回のインスリン過剰投与の背後要因の一つはコミュニケーションエラーである。医師は最初に処方量を間違えたこともあり看護師に処方量を伝達したが、看護師は投与量と解釈した。その後看護師A、Bともに投与量が多いと疑問に思っていたにも関わらず、電話で再確認をした看護師Aは投与量を単位で確認しなかった。医師は処方量を再確認されたととらえ、「1V」と回答しているが、この時看護師Aは投与量を1Vで間違いないと納得してしまっている。今回の事故は基本的知識を持った看護師であれば、起こり得ないと考えられる。看護師Aは医師との確認の過程で思いこみを起こし、看護師Bは自身の知識不足から外来で特殊な治療としてこのようなことがあるのかと思いながらも明らかにおかしいと思い、勤務後に電話をいれたが、看護師Aの「間違いない。」と断定された言い方に引き下がってしまい、事故に気づけたであろう場面があったにも関わらず、有効に機能しなかった。看護師Bは通常は眼科外来に勤務しており、この日は内科外来に応援に来ていた。処置室で業務を実施するのも初めてだった。看護師Bは短時間勤務者で糖尿病患者の看護の経験はほとんどなかった。背後要因の2つ目は、注射指示画面の確認をルールに従い2人で行うことを怠ったことである。画面には使用量がきちんと表示してあったが、看護師Bは注射ラベルと看護師Aからの伝達内容が一致したため、画面を見ずに投与してしまった。基本ルールを遵守していれば事故は防ぐ事ができたのではないかと考える。
・注射準備から実施までの基本ルールがなぜ遵守できなかったかを振り返り、処置室に掲示してある手順のフローシートを活用しながら、ルールに則って確実に実施するように再度周知した。・インスリン専用の注射器の収納場所を工夫し、目に留まりやすいように表示して併せて周知した。・処置室業務を落ち着いて遂行できるよう人員配置を再検討し、常時2名体制とした。・医師・看護師間のコミュニケーションについて、外来では電話での確認場面が多いため、双方が指示画面で確認すべき項目を復唱しながら相互確認をすることを周知した。・インスリン療法の基礎知識について、糖尿病認定看護師による教育を実施した。
nan
障害残存の可能性がある(低い)
医師→看護師
脳浮腫の増強を認め入院となった患者の妻から持参薬をもらい、看護師が1週間分セットした。看護師は持参薬を整理し、手書きの処方箋に薬の袋の内容を見ながら転記した。薬を整理して(1週間分数をあわせ)、リーダーに渡した。リーダー看護師はアレビアチンの量が多いと持ったが、医師へ処方箋のみを渡し、量の確認をしなかった。医師のサインをもらったため、処方箋どおりに夕方の薬を担当看護師と確認し、夕方分のケースに入れた。医師は処方確認の際、もともとの内服処方をオーダ画面にて確認し、ガスターをタケプロンに変更し、イソバイドを中止する以外は、内服薬を続行するとの計画を立てた。看護師が書いた処方箋はそのまま外来のものと同じと思い込み、よく内容を見ずに処方箋にサインした。その後、アレビアチン1回1錠1日3回投与のところ、1回3錠1日3回投与された。その間、内服投与に関わった看護師に中で医師に確認したが、看護師は「薬の量が多いがこれは必要なのか」と質問した事に対し、医師は『薬そのものがこの患者に必要なのか』という質問と受け取り「必要です。」と回答したため、この時点でも過量投与に気づかなかった。次週の内服薬を整理しようとし、他の看護師がオーダ画面から出した処方箋を確認したところ、アレビアチンの投与量が3錠3回になっていたため、当直医に確認し間違いに気付いた。
持参薬の管理で、看護師が処方内容を薬袋など不十分な情報から転記している現状がある。院内調査の結果、他の病棟でも約2/3の病棟で看護師が持参薬に関する処方箋の転記、薬剤の整理を行っていた。持参薬の場合、薬局の説明文書若しくは紹介状への記載以外処方内容を確認する方法がない。そのいずれも処方内容は正確に記載されていない。転記された処方箋の確認が不十分なまま医師がサインした。医師のサインがあったために薬剤量が多いと感じながら処方箋どおりに与薬していた。「多い」と感じながら質問、確認をしていない。質問したが、医師から「必要」と言われ、何故必要かをさらに確認しなかった。通常から考えて、抗痙攣薬(アレビアチン)900mgの投与量は、かなり多い量であるという知識が不足していた。
・持参薬管理について、薬剤部と検討する。・患者には、持参薬について、できれば入院時に薬剤手帳等の持参を呼びかけ、処方内容を把握するよう努める。
nan
不明
看護師→医師
シリンジポンプにてウテロン1.5mL/hで持続中。羊水増加に伴い腹部緊満強く、ウテロン滴下調整にて羊水除去を開始した。30分で羊水500mL除去の指示あり。血圧90-100/60-70台にて経過、気分不良なし。羊水800mL除去したところで、本人より腹部緊満、疼痛の訴えがあった。病棟にいる医師より「2gローディング」との指示があった。(2gローディングとは、子宮収縮増強に対して行われる治療で通常10mL~20mL/hで維持している硫酸マグネシウム製剤(1g=10mL)を60mL/hに増量し20分間与薬する方法である。)指示内容が通常ウテロンでは行わない方法だったが、医師に確認を行わずウテロンを60mL/hに増量した。その後腹部緊満落ち着いてきたとの訴えあり。主治医が病棟へ戻り、ウテロンの過剰投与に気付いた。
主治医が手術のため不在であった。指示を出した医師は、輸液が何かを知らなかった。指示出し時に、「2gローディング」とだけで、何の薬剤を使うかを指示していなかった。通常この病棟では、「2gローディング」と言えば、マグセントを60mL/hで20分間実施することであり、頻回に実施されていた。助産師が2年目であり、医師へ指示内容の確認がしにくい雰囲気であった。
・静脈注射実施時は、輸液の名前、量、単位、時間などの確認を呼称しながら行う。
nan
障害残存の可能性なし
医師→看護師
胃粘膜下腫瘍に対して、腹腔鏡下胃空腸バイパス術施行の過程において、胃管が胃に挿入された状態で自動吻合器をかけ、胃を切離したため、胃内に胃管が残存していた。
本来、不完全胃切離時には、「胃管を抜いてください」と声掛けをし胃管が抜けたことを確認後に切離を実施する。今回もこの声掛けは、行われていたが、「胃の空気を抜いてください」と勘違いされた可能性がある。また、抜去した胃管を実際に確認していなかった。
・麻酔科医・執刀医・看護師がお互いにコミュニケーションをとって確認する。・勘違いのないように、「胃管を抜去してください」と声掛けし、抜去した胃管を目視で確認してから胃を切離することを徹底する。
治療・処置
障害なし
外科師→麻酔科医
患者は呼吸器内科より左腸骨転移にともなう疼痛コントロール目的に放射線治療紹介となった。CTシミュレーションを行い、その後放射線治療計画を施行した。翌日より放射線治療開始した。3Gy/日10回予定していたが、1週間後の5回目終了時左腸骨転移ではなく、右腸骨転移に照射していたことが判明した。
CTシミュレーションにて治療計画を行う。骨形成性の転移でありCTにて転移巣がクリアでなく、また両側に転移を認め、CT画像での左右が確認できなかったため、CT画像上のRマークで左右を判定した。Rマークのある方を右側と判断し、対側を左側腸骨と思いそちらの転移巣に照射の計画を作製したが、実際はRマークの方が左側腸骨であった。
・新規患者の放射線治療開始時には、医師が必ず立ち会うことにする。・治療前の確認のためのシステムを作る。・図式入りのチェックリストを作成・使用する。・ダブルチェックを導入する。・CT画像のRマークと患者の右側とが一致するようにする。
左右の取り違え
障害残存の可能性なし
舌癌の再発防止目的で切除部分(切除部分左側奥)周辺への放射線照射治療を耳鼻咽喉科医から放射線科の担当医へ依頼し、当該患者は一旦当院を退院し、放射線照射による治療目的で入院した。放射線科医師は放射線治療計画を作成したが、照射機器コンピュータを切除部分である舌左側とは反対側の右側奥周辺に誤って設定し、放射線照射を実施した。患者から「耳鼻科の先生から説明されていたところと反対側に口内炎が出来てきた。」旨の話があった。放射線治療計画書及び入院診療録と放射線照射機器の設定を確認したところ、「舌左側奥周辺」を照射範囲と設定すべきところ、「舌右側奥周辺」を照射範囲に設定していたことに気付いた。
放射線治療計画を作成する段階では誤りはなく、放射線治療機器のコンピュータ設定の段階で左右の取り違えによる設定誤りがあった。照射範囲設定から照射までの間に依頼元である耳鼻咽喉科による「確認及び放射線担当医との打ち合わせ」が実施されていなかった。
・照射範囲設定から照射までの間に依頼元である診療科による「確認及び放射線担当医との打ち合わせ」を実施する。
nan
障害残存の可能性がある(低い)
他院より右乳癌の術後照射目的で紹介され、放射線科外来受診しCTシミュレーションの予定だったが患者が遅れて来院したため、照射部のマーキングをしないままシミュレーションを行った。その後医師がカルテでの部位確認を怠り治療計画書を左の照射で作成した。ライナックグラフィーも治療計画書での確認となり左乳房のまま放射線治療開始となった。放射線治療終了後、紹介された病院を受診し、医師より照射部位間違いを指摘された。
CTシミュレーション時、医師はマーキングをしなかった。治療計画書作成時、カルテで部位をよく確認しなかった。左の乳房にマーキングを行い治療開始となった。その間部位確認のチェックするしくみがなかった。患者はおかしいと思いながらも再発防止のために照射していると思った。
・CTシミュレーション時照射側の乳房マーキングを徹底する。(医師ができない場合、放射線技師が行う)・事前にミーティングを行う。・治療計画書作成時、ライナックグラフィー時は治療医と診療放射線技師がダブルでカルテより手術所見を確認する。・ライナックグラフィー撮影時「L・Rマーク」を入れて画像の処理をする。・CTシミュレーション・ライナックグラフィーにおけるチェックリストを作成しチェック項目が揃わない限り照射は行わない事に取り決める。
nan
障害残存の可能性がある(低い)
転移性左副腎腫瘍に対し、作成した放射線治療計画に基づき、翌日から放射線治療を開始したが、初回治療時の照射野設定の際、医師と技師のカンファレンスでも見逃され、照射野中心を誤って計画より6cm頭側に設定した。結果、治療対象であった左副腎腫瘍の全てが照射野に含まれぬまま治療は継続された。予定外に肺へ15回照射(総線量33Gy)された。
診療放射線技師と医師がリニヤックグラフィーと治療計画装置の画像を併せて確認したが、照射野の違いを見逃した。(座標軸からマイナス3cm移動すべきところをプラス3cm移動した。)診療放射線技師のチェックを過信していた。
・過信せずにヒューマンエラーは必ず生じうることを再認識して確認体制を再構築する。・朝、照射野と線量の確認を最優先で行う。・照射は放射線技師2名と医師が照射野を確認し、承認した後に署名し初回治療を開始する。
照射範囲のずれ
障害残存の可能性がある(低い)
左乳癌に対してリニアック照射開始。照射位置を示す照射野マークが薄くなっていたため、マジックで書き加えた。1週間後、放射線治療期間の中間で行っている、リニアックグラフィー(照合写真)の撮影結果、外側に4~5cm照射位置がずれていたことが分かった。
夏場汗に濡れて印が消えやすい状態であった。患者は他の患者に比べても照射野マークが消えやすかった。消えかかった印を復線する際、内側の線は消失していたことに気がつかず、外側に間違えて書き加えた。2名の診療放射線技師が確認したが、間違いに気づかなかった。照射前の患者オリエンテーションは、照射中のシャワー浴その他、注意点については看護師から説明されており、照射野のケアに問題のないことは確認した。照射野マークが消えやすいのは皮膚の状態に影響があるかどうかは不明である。照射野マークが薄くなって復線した場合、リニアックグラフィーで照合する等の細かなルールがなかった。
・薄くなった印を上から濃くなぞった後は照合写真を撮って照射野にずれがないかどうかを確認する。・ルール化に向けてマニュアルを作成する。
nan
障害残存の可能性なし
患者は甲状腺癌転移性脊椎腫瘍術後、放射線治療目的で本院へ転院となり放射線治療計画が行われた。この際、予定された照射部位は第10~12胸椎であり、患者へのインフォームドコンセントおよびカルテ記載もその通りなされていたが、実際には第12胸椎~第2腰椎に設定(体表マーキング)された。照射部位の誤りに気づかないまま、総線量40Gy/20回を照射し退院した。その後、腰痛の増強、両側完全対麻痺を認め他施設を受診した。緩和的放射線治療が可能かどうか検討するため、本院に当時の放射線治療に関する照会があり、退院サマリの記載と位置決め写真の照射野の相違が指摘され、部位の誤りがわかった。
対麻痺症状にて準緊急的な照射治療が必要であり、CTを用いずX線透視装置のみによる位置決めを行った。また、治療計画は転院翌日に施行され、主治医不在日だったため代行医師2名にて行われていた。椎体の確認において、除圧術で移植された脊椎インプラントを基準とすることが一助になったと考えられるが、実際には考慮されていなかった。電子カルテで放射線治療におけるプランニングおよび治療時の画像を治療医以外の医療者が閲覧できないシステムであった(フィルムレス化により位置決め写真を簡便に供覧することが困難となっていた)。
・プランニング時は医師や放射線技師で照射部位のダブルチェックを行う。・チェックリストやタイムアウトの活用も有用である。・カンファレンスにおいて放射線治療の画像情報を用いた症例提示を行い、科内全体で照射部位の確認を実施する。・電子カルテ上の放射線治療に関する画像情報を閲覧可能とし、プランニング施行医師以外の医療者も確認できる機会を増やすようにする。・放射線治療医は症例の画像情報のみならず、文字情報(診療情報提供書・手術記録・診療録など)も確認し、より正確な症例の病態把握に努める。
nan
障害残存の可能性がある(低い)
他院で放射線照射を行う予定の尿管癌の患者であったが、患者の希望で急遽当院での照射を行う事となった。しかし、当院のリニアックは工事を行う予定のため、治療開始を急がなくてはならない状況であった。患者は午後の来院予定であった。主治医は外勤のため、朝始業前に治療説明書・同意書、治療計画票を記載した。カルテは確認せず治療部位を「前立腺」と記載した。主治医は看護師に、患者へは電話で説明してあるので治療説明書等を渡すよう指示した。看護師は来院した患者に説明書を渡し、患者は承諾書にサインをした。16:00医師の治療計画通り、前立腺に放射線を照射した。翌日、2回目の放射線照射し帰宅した後、主治医がカルテをみて治療計画書を確認していたところ、治療部位の間違いに気づいた。
主治医は、診療録を確認せずに記憶をもとに説明書・同意書を作成し、放射線治療計画を行った。医師の指示内容に対する看護師と放射線技師がチェック機能となる具体的ルールがなかった。
・説明同意書、放射線治療計画作成の再には、診療録を確認する。・放射線治療を決定した診察の時点で、治療計画書作成を義務付ける。この際、治療計画書に、患者の病態や部位を記載した診療録の部分をコピーし添付する。・医師・看護師・放射線技師で共有する放射線治療に関するマニュアルを整備する。(チェック機能となるよう計画書にサイン欄を設ける)・患者同意書の中に、独立した項目として照射部位を明記するスペースを設け、患者自身も確認しやすいようにする。
照射部位の取り違え
障害なし
患者は放射線治療と薬物化学療法を行い、食道癌は小さくなった。しかし、治療終了翌月に右鎖骨上に硬い腫瘤が触知されたので放射線治療医に照射野に入っていたか確認したところ、この箇所のリンパ節は照射野から外れていたことが確認でき、照射野が少なかったことがわかった。患者・家族に説明し、リンパ節のみの切除手術を行った。
治療開始前のCT撮影の読影報告書にはリンパ節106転移の記載があった。食道外科医の指示によるエコー検査で頭頸外科医の検査レポートにはリンパ節104に転移があると記載されていた。食道カンファレンス(消化器内科医・食道外科医・頭頸部外科医・放射線診断医・放射線治療医による合同カンファレンス)で討議された際に書記が曖昧なままCTの記載をコピーペーストしていた。(書記をしていた医師がカンファレンスの場で適切な確認を行わず、カンファレンス記録に誤記載が生じた。)医師は、CTとエコーの検査報告においてリンパ節の番号の違いに気付かなかった。画像の確認を関連医師は自分の目でも行うことをしなかった。
・治療の決定等に関する重要な記載については十分に検討し、コピーペーストしないで、責任を持って記載入力する。・リンパ節転移の番号をそれぞれの担当医師が繰り返し確認する。・依頼した検査の結果をよく見て齟齬については確認を行う。・カンファレンスの場では疑問は何度も確認してよい雰囲気(風土)を作る。
照射範囲の過不足
障害残存の可能性がある(低い)
口腔底癌に対して放射線治療施行中であった。治療開始時の計画はまず放射線治療を行い、途中効果を見て可能なら手術も検討する予定であった。治療開始時に40Gyで照射範囲を縮小(脊髄遮蔽)したのち60Gyまで照射する治療計画を立ててあった。その後、40Gyで手術を含めて治療方針の再検討のため2週間休止した。手術は施行しないこととなり翌月から照射再開となる。再開時の照射野は縮小したもののはずであったが実際は照射野変更が行われずに継続となって15日後に60Gy終了した時点で間違いがわかった。
予定されていた照射野変更時に中断が2週間あったことで当初の治療計画が実行されずに間違った修正がなされた。思い込みによる誤指示なのか指示伝達の間違いなのかは不明であるが、照射野縮小予定が「削除」されていた。変更削除も中断/再開の指示にもサインがなく、再開時の照射野確認もされていなかった。
・当初の照射計画を変更する際は医師のサインと共に計画書と照射記録の2箇所に修正を行い、診療放射線技師も共に確認する。・再開時には照射野の確認を行う。
nan
障害残存の可能性がある(低い)
前立腺癌組織内照射の経過観察中の患者に約半年後、治療針刺入部付近に皮膚潰瘍発生。治療計画を点検したところ線源位置が治療計画上の配置よりずれて照射されていたことがわかった。
装置の針認識の際に、入力するスライスが不適切であると針の向きが逆転する可能性があることに当事者が不注意であった。また、CT画面の線量分布のみを確認して治療画面の線源表記の位置のずれを確認しなかった。カンファレンスでも線量分布の妥当性のみで線源位置はチェックされていなかった。
・治療に関与した医師に対する治療計画システム再教育を実施した。・定期的講習を実施する。・マニュアルを分かりやすく注意事項を明確な形で表記する。・治療記録、チェック項目用紙を整備し、署名後に治療を開始する。・治療計画と組織内照射に熟練した医師の立ち会いを義務づける。・カンファレンスで照射時の線源位置のチェックも行う。
nan
障害残存の可能性がある(低い)
子宮頸癌の膣内照射の際、装置点検中に線源がアプリケータの先端まで達していないことを実測にて確認した。アプリケータ(タンデム)、アプリケータ(オボイド)の計3本のうち、アプリケータ(オボイド)2本について先端より約3cm手前で線源が留まっていたと推測した。治療計画で立てた照射プランとは異なる形で患者治療を行った可能性が示唆された。治療時に線源のずれがあり、一部に過少照射、過剰照射が懸念される。
線源をアプリケータ先端まですすめるためのアプリケータレングスの入力値が間違っていた。アプリケータレングスを測定する方法が説明書、マニュアルに正しく記載されていなかった。メーカーの技術者が間違った測定方法を教示した可能性がある。治療中の線源位置を確認することができない。
・誤りの起こる可能性のある旧型アプリケータ及びカテーテルの使用を禁止し、新しいアプリケータ、カテーテルのセットを用いる。
nan
不明
子宮頸癌術後腟断端陽性の患者に対し、腔内照射(RALS)による術後照射を開始した(粘膜下5mm、6Gy×5回、週1回)。3回目までを終了し、20日後に4回目の治療を予定し、アプリケータ留置及び計算(治療計画)まで行ったが、計算結果の確認を実施した医学物理士より3回目までの治療計画に問題点がある事の報告を受けた。3回目までの治療計画を再確認したところ、実際の照射部位は本来行われるべきであった腟断端部ではなく、腟入口部付近であった事が確認された。患者の外陰部にびらん状の皮膚病変を確認した。その後、正しい方法で治療再開し、改めて計5回の治療を実施した。
当該治療マニュアル(院内)の不備があった。当該治療マニュアル(共通ガイドライン:メーカー、学会等)がない。当該治療が1-2回/年程度の低頻度の実施であった。治療計画ソフト上の問題(デフォルト設定、誤照射計画へのアラートなし)があった。
・RALS治療における特殊治療(術後膣断端照射)における院内マニュアルを整備する。・特殊治療実施にあたっての治療計画プロセスに関する明文化されたマニュアルを作成する。
nan
障害残存の可能性がある(低い)
0:10頃、新人看護師は便汚染が見られたため、オムツ交換を行おうとした。オムツ交換時、患者がいつも左腕下に挟んでいるU字クッションを取ろうとした。患者は左腕が前になり、常に腕は交差するように内旋位で拘縮していた。そのため、一点保持にて左腕を外旋させ、クッションを取り外そうとした際に、ボキッという音の後にいつも内旋位を取っている腕が外旋位の状態のままだらんとなってしまった。整形外科医による診察の結果、左上腕骨骨幹部骨折と診断された。
注意不足があった。いつも行っているし大丈夫だろうと思ってしまった。重症心身障害児/者がなぜ骨折が起こりやすいか解剖生理や骨折の原因などの知識・技術の不足があった。介助を一人で行っていた。一点保持にて左腕を外旋させてしまった。病棟全体としても、新人看護師に拘縮のある患者の具体的な援助技術や根拠を指導できていなかった。
・寝たきり、フェノバルビタール内服、閉経後、拘縮や変形が強いという事から骨折のリスクが高い事を念頭におき、無理な体位変換や関節の内旋、外旋など行わない。一点保持ではなく、2関節を支えてクッションを取り外していく。・リスクの高い患者は2人以上でケアを行う。声を掛け合いお互いに協力して実施する。・ケア上の注意点について勉強会を実施し、援助方法と根拠を理解する。(理学療法士による指導)・各スタッフの技術を、実際の場面で確認する。(副師長が担当する)・拘縮など骨折のリスクのある患者のカンファレンスを実施し、個々の患者の具体的な援助方法を共有する。ベッドサイドに写真入りでファイルを作成し、誰が見ても分かるようにする。
実施した行為が誤っていた事例
障害残存の可能性がある(高い)
○拘縮の強い患者の援助について、学生が机上で学習するには限界があり、入職後に経験しながら習得していく技術と思われる。○重症心身障害者の患者の個別性が高いため、整形外科医や理学療法士が介入し、より具体的な援助方法を決めておく必要があるだろう。○当該患者の骨折のリスクが高いという認識ができなかった可能性が高く、部署や病棟に応じた新人看護師の技術チェックが必要であろう。○個人の知識だけではなく、病棟全体でサポートする必要があり、改善策の「個々の患者の具体的な援助方法を写真入りで作成し共有する」ことは有用であろう。
看護師(0年7ヶ月)
nan
16:001年目の看護師は他の看護師から患者の末梢冷感があるため、温罨法を依頼された。看護師は「ゆたぽん」を使用するのは初めてであったため、先輩看護師指導のもと、「ゆたぽん」を加温しカバーを付けて、一人で患者の足背に置いた。そのことを「ゆたぽん」の指導を受けた看護師に報告した。報告を受けた看護師は「足の下に置いた」と聞こえた。その後訪室したが、「ゆたぽん」の使用状況は確認しなかった。17:30準夜勤務の看護師が巡視の際「ゆたぽん」は患者の足から離れたベッドの隅にあり、冷めていた。下肢の冷感もないため、「ゆたぽん」をさげた。19:45患者の足背に発赤をみとめた。翌朝2cm×5cmの水疱形成が見られた。
1年目看護師は、病棟で患者に温罨法を実施するのは初めてであったため、先輩看護師に「ゆたぽん」の使用方法について指導を受け一人で患者に実施した。実施後、指導をうけた先輩看護師に実施状況を報告した。実施の報告をうけた看護師は新人看護師が報告した内容を「足の下」に置いたと聞いた。「足の下とは?」と思ったが、湯たんぽを足の下に置いているはずはないと思った。患者の部屋を訪室した際「ゆたぽん」の実施状況を確認しなかった。1年目看護師は患者の意識状態等の患者情報を十分に把握していなかった。1年目看護師は、温罨法について、湯たんぽと温湿布についての知識はあり、熱傷の知識はあったが、「ゆたぽん」の使用による低温やけどについては全く知識が実践と結びついていなかった。
・温罨法による熱傷について、看護協会と日本医療機能評価機構から出されている文章をもとに注意喚起を行った。・院内で温罨法用品が統一されていなかったため、用品の統一と使用方法の統一を行い、その内容をマニュアルに追加し、周知徹底する(マニュアルは具合的に行動レベルでの記載を追加する)。・新人看護師の教育、研修、サポートについて教育担当と検討する。・罨法療法の物品、マニュアルの見直しを行う。
実施した行為が誤っていた事例
不明
○湯たんぽによる温罨法や、温罨法による熱傷の危険性の知識があっても、電子レンジで温める「ゆたぽん」が同じ危険性があると認識できていないのだろう。○経験値が少ないとバリエーションが少なく応用範囲が狭いため、応用したと思っていても逸脱になってしまうこともある。個人が学習し、原理原則を理解していくしかないが、経験値が少ないと1つ1つの事象を個別に捉えてしまい、全体としてつながってないのであろう。○新人看護師から報告を受けた看護師は「足の下とは?」と疑問に思っているが、その後の確認ができていない。「足から何センチ離した?」などと聞いてみることや、実際に自分の目で確認する必要があるだろう。○新人看護師が実施した内容について、先輩看護師が「カバーをつけたか」「足から離れているか」など質問すると新人看護師が学ぶ機会にもなるだろう。○湯たんぽの使用を禁止している医療機関もあるため、より安全に実施できる保温方法を考えてみてもよいだろう。
看護師(0年4ヶ月)
nan
当日CV挿入中に過呼吸となった。SpO2低下しジャクソンリースで酸素投与を12Lで開始した。その後、患者の末梢冷感強く、SpO2測定不能となったため、新人看護師は手指を温めようと、温タオルをビニル袋に入れタオルで包み健側の右手指の上にあてた(温罨法はタオルが冷めるまで使用したが皮膚の発赤等はなかったと記憶している)。放射線科へ移送し胸部写真撮影では異常なく患者の状態も徐々に安定し、SpO2測定も可能となり、通常の酸素2Lへ戻して経過観察していた。23時、夜勤看護師が患者の右拇指にうずら卵大の水疱形成を発見し、主治医に報告。翌日、皮膚科受診し水疱部破膜後、リンデロンVG軟膏塗布が開始された。
新人看護師のため事例に関する認識不足があった。周囲の看護師も患者の現象に意識が向き、発生要因への振り返りが出来ていなかった。
・皮膚の脆弱が見られる患者には、すぐに温罨法という手段を取らず、軽い摩擦や掛け物等での保温を試みる。・それでも必要な場合には温タオルを直接皮膚にあてず、周囲に設置しその上から掛け物などで包み保温する方法を取る。・温罨法による温度確認や温罨法中の観察を行い記録に残す。
実施した行為が誤っていた事例
障害なし
nan
看護師(0年9ヶ月)
nan
新人看護師Aはショートステイで一泊二日入院の患者の母親から10時の注入内容や日常のケアについて聞き、先輩看護師と共に内容を確認した。10時の注入時間が過ぎ焦りもあったが、自分で書いたメモを見ながら170mLとエレンタール45mLを準備するはずだった。母親がエレンタールを300mL溶解し持参していたこともあり、持参したエレンタール全量を入れ合計470mL準備し、PEGより注射器で注入した。数分後嘔吐少量あり、近くにいた医師が気づき、モニタ装着と吸引を行った。13時の2回目の注入時、休憩に入っていた看護師Aの代わりに同チームの看護師Bが注入することになっており準備をした。看護師Aの書いた注入量のメモが見にくいため、口頭でエレンタールの量を聞き、300mLと返答があったため、多いとは思ったが注射器で注入した。その後、200mL嘔吐し吸引した。喘鳴は軽度あったがSpO2は90%代あった。16時の3回目の注入準備時、エレンタールが無いことに気づき、注入量を確認し過剰投与が分かった。
疾患理解不足。患者を観るのはチーム内で今回が初めてだった。先輩看護師が指導に付いたが、注入実施など一人で行い、ダブルチェックや注入総量を確認していなかった。大人の注入量となることは新人看護師Aは気づかず、正しいと思い込んだ。看護師Bはおかしいと思いながら、口答で聞いたことを鵜呑みにした。6回に分けて少量で注入する意味を理解していなかった。ショートステイ患者は時々入ってくる患者で、情報を共有できていなかった。指示簿はなく、家族からの情報を記載して指示とするため、注入量が変更される患者は前回の入院と指示が変わるため、患者を理解していない新人看護師が初めから受け持つことは困難であった。
・疾患の勉強会を行う。・新人看護師を初めての患者を担当する時は、指導者と一緒にケアする。・解らないことや疑問がある時は母親に確認をとる。・注入量や細かいケアはダブルチェックする。・ショートステイのマニュアルの見直しと情報収集の方法を再検討する。・電子カルテの記載方法をショートステイ用にわかりやすく作る。
実施した行為が誤っていた事例
障害残存の可能性がある(低い)
○経管栄養は、栄養チューブやPEGなどの挿入されているモノ、注入する栄養剤、投与方法が多岐にわたり複雑になっている。職種経験7ヶ月の看護師に、疾患や注入内容の理解を求めるのは難しい現状があるだろう。ショートステイであっても、入院中の指示がない点は改善の余地がある。家族から情報収集した内容は、一旦主治医やリーダーなどに確認するなどのチェック機能を設けても良いだろう。○新人看護師の代理で看護師Bが介入しているが、間違いに気付けていないことは、病棟全体の問題として捉えた方がよい。家族から得た情報を手書きでメモし、それを基に動くのではなく、電子カルテに入力し、誰が見ても分かる情報にするほうが良い。○経管栄養は、間違いが起きると患者への影響も大きいため、注入後の観察も大事である。○改善策に「指導者と一緒にケアする」と書かれているが、指導者と新人看護師がどのように一緒にケアをするのか具体的に決めておいたほうが良い。
看護師(0年7ヶ月)
nan
4:00高柵低床ベッドを使用している患者に尿汚染があることに気付いた。患者が就寝中であり、病室が暗かった為夜が明けるまでそのままにした。7:00指導者と共に更衣・リネン交換を行う予定であった。しかし、指導者が電話対応中であり長引いてしまったため、一人で交換するように言われた。通常、患者は覚醒後、頭部保護帽を着用するが、患者がウトウトしていたため、保護帽を着用せず臥床したままおむつ交換・更衣を行った。その後リネン交換を右側から行い、反対側を行う為、一旦ベッド柵を閉じようと下を向いたところ、「ガシャン」という音が聞こえた。見ると患者が正座したまま前方に倒れていた。患者を起こすと、前額部から出血していた。
新人看護師は、夜勤の見習い期間中であり、ケアは指導者と共に行っていた。しかし、指導者は、電話対応中であり長引いてしまった為、更衣・おむつ交換は一人で可能と判断し、伝えた。指導者は通常リネン交換は2名で行うため、おむつ交換と更衣のみを一人で実施するように説明したつもりであった。しかし、当事者はリネン交換も一人で実施してよいと思い、指導者を待たずに実施した。患者は覚醒後、頭部保護帽を着用する看護計画が立案されており、当事者も知っていた。しかし、患者がウトウトしていたため、臥床のままおむつ交換・更衣を行い、引き続きリネン交換を行った(途中、起き上がることを予測しなかった)。通常、患者はベッド内立位時にもふらつくことはなかったが、インフルエンザ罹患後であり座位でもふらついた可能性がある。これまでベッド柵で受傷したことがなかった為、ベッド柵には保護材を使用していなかった。
・ペアで実施することが原則になっているリネン交換は2名で実施する。やむを得ない場合は十分安全を確保した上で、1名で実施する。・指導者は、見習い看護師が一人で実施できる行為を把握したうえで、一人で実施させる。・やむを得ない場合、ケア内容・方法・注意事項を事前に確認し、一人で実施させる。・頭部保護帽を使用している患者には、ベッド柵保護材を使用する。
実施した行為が誤っていた事例
障害残存の可能性がある(低い)
○伝えた指導者は「おむつ交換と更衣のみ」、受けた新人看護師は「リネン交換も一人で実施可」と、伝えた側と受けて側の認識のずれが起こることはあるため、具体的に伝える必要があるだろう。○改善策に「やむをえない場合」とあるが、原則以外のことを設定すると、本来のルールが曖昧になる。今回は夜勤の見習い期間中であり、指導者の電話が終わるのを待って2人でケアを行う選択があったのではないか。○新人看護師が夜勤に入る時期、先輩看護師のフォローの回数は、病院や病棟によっても異なる。また、夜勤ができるかどうかの個人評価だけでなく、月平均夜勤時間数の算出など組織側の要因も大きいことが推測できる。
看護師(0年11ヶ月)
nan
看護師経験1年目と指導者の看護師の2名が食事介助担当していたが、途中、指導者の看護師が、他患者の対応のため一時その場を離れた。1年目の看護師は、少量をスプーンにとり、時間をかけて、嚥下したのを確認しながらゆっくり介助していた。摂取中、むせこむことがあったが、落ち着くのを待って介助した。とろみをつけためんつゆにからめたそうめんを少量ずつ2口、がんもどきを1口、野菜のおひたしを1口摂取した後、とろみのついたお茶をストローで飲用後、患者本人がコップを持ち飲用しようとしたところ、意識消失し喘鳴著明となった。医師に報告し、気道確保、吸引した。透明粘調痰が多量に吸引された。酸素マスク開始し、吸引継続。医師の指示で採血、血管確保し生食全開で実施。心電図モニタ装着した。左肺雑音が著明であった。吸引継続しSpO2が80%台となり、呼びかけに反応あり。頭部、胸部CTを施行した。左肺野に陰影あり。誤嚥性肺炎の所見としては典型的でなく、感染性気管支肺炎の結果であった。以前からの誤嚥も考えられ、絶食とし抗菌剤を開始した。問いかけに返答するようになり、抗菌剤投与を1週間行った。肺炎と思われる発熱はなかった。
患者は、重度混合性換気障害、左横隔膜挙上で呼吸状態にリスクがあった。吸引時、粘調痰の吸引が多量にあったことから、食事前など適宜吸引を行い、気道浄化を行う必要があった。全身状態、嚥下状態を判断して食事介助を行うには、看護師の経験を考慮したサポート体制が不十分であった。
・換気機能低下があり、自力での喀痰喀出が不十分な場合、適宜SpO2測定、吸引を実施する。・食事前は口腔内の観察、聴診をし、吸引後に食事を開始する。・嚥下に関する専門職員がいれば、適切なアセスメント介入が可能となると思われ、嚥下ケアの体制について検討する。
実施すべき行為をしなかった事例
障害残存の可能性がある(低い)
nan
看護師(0年1ヶ月)
看護師(1年1ヶ月)
日中主治医へ不眠を訴えマイスリー(10)が処方された。医師からも処方指示受けをした看護師も眠剤の副作用や注意点については患者に話していない。20:30準夜看護師(1年目、準夜勤務2回目)は患者の希望があり支援看護師(5年目)に相談しマイスリー(10)1錠を与薬した。支援看護師は日中状態変化のあった他患者の対応に追われ、その時に新人看護師に与薬時患者にめまい、ふらつきが生じる可能性があるため、必要時はナースコールを押すという普段自分自身が患者にかかわる時に伝える事項を指導しなかった。新人看護師も転倒リスクがあることは理解していたが、患者への説明が実施できなかった。30分後支援看護師が上記について説明する必要があったことに気づき、患者の部屋を訪室するがすでに患者は眠っていた。その後1時間ごとの巡視を行い、深夜看護師も転倒のリスクが高いと理解していたため患者の観察に努めていた。2:55廊下より叫び声が聞こえたため訪室すると、ベッドサイドに倒れている患者を発見した。右大腿骨内転位となっていた。患者はトイレに行こうとしてベッドサイドにある椅子を掴もうとしたが手が滑ってしまい、バランスを崩し転倒したとのことだった。すぐ、内科当直を呼び診察依頼、X線撮影の結果右大腿骨骨幹部骨折の診断あり、外科当直に相談しこのあと安静、経過観察で疼痛管理し日中整形外科受診の指示を出した。患者から「眠剤渡される時にふらつくなんて説明を受けてないんだから予測つくわけないよ。」という言葉が聞かれた。日中整形外科医の往診あり、介達牽引が施行された。
初回の眠剤処方、与薬に当たり、患者への眠剤使用時の注意を医師、関わった看護師も伝えていなかった。今回直接与薬業務についたのは準夜勤経験2回目の新人看護師であった。転倒リスクが発生することはわかっていたが、患者にどう説明するか、また実際にどう説明を行うかを知らなかった。この時支援看護師も患者に与薬すると報告は受けたが、日勤から状態変化していた他患者の対応に追われ、新人看護師に患者に眠剤の副作用により転倒リスクがあるので気をつけるようにと伝えることを忘れていた。30分後に気付いたがすでに患者は寝入っており、起こしてまで説明はしなかった。新人看護師の支援という役割がありながら、日中から状態変化のあった患者の対応を優先せざるを得ない状況になってしまった。また、転倒リスクが高いと認識し、1時間ごとに巡視していたがその間に患者がトイレのため覚醒し、いつも通りに自室のトイレに行こうとした。ふらついた際、椅子に掴まろうとしたが手が滑ってバランスを崩して転倒し受傷するにいたった。肺炎による毎日の38度以上の発熱、大腿部に骨転移を認め放射線による照射治療が終了して3日目であった。酸素も使用しており、体力の低下が著しい状態であったと考える。しかし患者は慎重な性格で、発熱時にはナースコールを押して援助を求めることのできる患者であった。そのことから考えると、眠剤を使用することになった時に患者に副作用やその際の転倒リスク回避行動を説明しておけば、患者が援助を求められた可能性がある。
・初回の睡眠剤与薬時には医師、昼間の受け持ち看護師、与薬時にかかわる看護師は、患者へ薬の作用、副作用を説明する。眠剤服用後は転倒の危険が高くなること、患者に合ったリスク回避方法を考え説明し患者の反応を記録にする。日頃の夜間の排泄状況を把握しておき、眠剤は排尿を済ませてから内服する、飲んだ後は動き回らない、動く理由のある初回時には必ずナースコールを押すように指導する。・新人看護師への支援の際、適時に必要な指導(今回は初回眠剤使用の注意点などについて)ができるような業務体制の見直しを行う。・支援看護師たちは初回眠剤投与に新人看護師が関わる際に、患者に薬の作用・副作用・対策としてどのような行動をとるかなど説明できるか確認するよう徹底する。・徐々に状態が変化してきている患者の状況をアセスメントしたら、患者と共に転倒転落スコアシートを再チェックしリスクの高さを自覚してもらい、患者に合った転倒回避対策を立案、説明し記録に残す必要がある。・個室使用時は単独でトイレを使用して大丈夫かリスクについて評価する。(入室時、状態変化時)
実施すべき行為をしなかった事例
不明
○準夜勤務2回目で支援看護師がいたが他患者の対応を行っている。本来であれば、支援看護師は新人看護師と同じ動きをする立場であったはずである。しかし、病棟全体の業務を減らすことはできていても、新人看護師のサポートになっていなかったのではないか。○支援看護師が「夜勤の業務支援」ではなく「新人の支援」であることを他の看護師も認識し、支援看護師のサポートをする必要があるだろう。○新人看護師は、患者が睡眠剤を希望していることを支援看護師に相談できている。このタイミングで、特に注意する点や患者に説明する内容を伝えられると、新人看護師の学びの場になったであろう。○プリセプター研修や教育担当者研修などにより、新人看護師を支援する側の看護師を育てる仕組みがある医療機関が多いと思われる。さらに、指導側の看護師が疲弊しない職場環境や周囲のサポートも重要であろう。
看護師(5年1ヶ月)
看護師(0年9ヶ月)
便秘に対し温罨法を仙椎部に実施。温罨法実施時、患者と家族に「5分後に来ます」と伝えたが50分後に訪室する。その際、患者の仙椎部皮膚の状況を確認せず、準夜帯勤務者が家族より腰部の発赤の報告を受けた。温罨法は、ホットキャビネットで保温されていたタオルをビニル袋に入れたまま、本人持参のタオルを巻き、仙椎部に当てた。この時、手のひらでタオルの温度を確認し、貼付しても大丈夫だと判断した。本人は頭部60度程度ギャッジアップし、臥床した状態で貼布した。
学生時代に机上で学んだ便秘に対する看護ケアの一つの温罨法を実施した経験があった。そのため、初めての処置であるという意識が薄く、指導者や他看護師に相談せず、マニュアルも確認しないで実施した。現在の能力、立場を考えずに行動してしまった。
・処置の実施にあたって、看護師としての経験の有無、看護師としての責任の取れる範囲を行動する前に考える事を習慣化していく。・ケアに際し、マニュアルの確認を行い、自身の知識に対し不足がないか確認を行う。
実施した行為が誤っていた事例
看護師(0年)
nan
粘度調整食品1袋と濃厚流動食200mLを一日3回経鼻栄養注入中の患者。先に粘度調整食品を注入し、その後濃厚流動食を注入することになっていた。新人看護師は昼用の粘度調整食品と濃厚流動食を混ぜ、総300mLとしてからイルリガートルで注入した。約1時間30分で全量の注入が終了した。夕の注入食を準備する際、昼と同様に粘度調整食品と濃厚流動食をイルリガートルに入れると固まった。使用方法を先輩看護師に確認したところ、間違いに気が付いた。固まった夕分は破棄し、新たに粘度調整食品を注入してから濃厚流動食200mLを注入した。
新人看護師は患者の注入食を担当するのは3回目であったが、粘度調整食品を使用するようになってから担当するのは初めてであった。新人看護師は実習病院にて、粘度調整食品と注入食を混ぜて、PEGからシリンジで注入していたのを見学したことがあり、混ぜて注入するものだと自己判断し、誰にも確認せず実施した。
・初めて実施する処置はリーダー看護師と相談し、実施方法を確認しながら行う。・初めて実施する処置・行為は指導を受けながら実施する。・初めて使用する医療材料は必ず使用方法を確認してから使用する。・新人看護師が実施する行為について、1人で実施できる内容か新人と共に確認し、教育・指導が必要な内容については教育・指導を実施していく。
実施した行為が誤っていた事例
看護師(0年)
nan