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|---|---|---|---|---|
JCRRAG_010101 | 医療 | 3人に1人が誤解?
薬の飲み方、頓服の意味とは
「頓服(とんぷく)」という言葉の意味をご存じでしょうか。国立国語研究所の調査によれば、頓服の意味を「痛み止め」だと誤解している人が34.1%、「解熱剤(熱冷まし)」だと誤解している人が33.4%いる、とされています。
では、「食間」はどうでしょうか。「薬を食間に内服してください」と言われたら、「食事の最中」だと誤解してしまう人もいます。
「薬の飲み方」には、一般的にはあまり使われない専門用語が、詳しい説明なしに使われているという問題があります。今回は、これらについて簡単に解説しましょう。
◇二つのタイプ
薬には、大きく分けて二つのタイプがあります。定期的に使用する定期薬と、必要時に使用する頓服です。
定期薬は「1日3回毎食後」「1日1回眠前」のように、毎日決まったタイミングで定期的に使用する薬のことです。病院で処方する薬の多くはこちらのタイプで、指示された通りに使用しなければ、十分な効果を発揮できません。
例えば、抗菌薬(抗生物質)は1日1回のものから1日複数回の使用が必要なものまで、種類に応じて飲み方が異なります。
糖尿病や高血圧、脂質異常症(コレステロールや中性脂肪が高い病気)などの生活習慣病に対する薬も全て、定期的に内服することで、日常的に体の状態をコントロールしておく必要がある薬です。
一方で、「必要な時だけ使用する」というタイプの薬があります。これが頓服です。
例えば、
・痛みがある時にだけ使用する痛み止め(鎮痛薬)
・眠れない時にだけ使用する睡眠剤
・吐き気がある時にだけ使用する吐き気止め(制吐剤)
・便秘の時にだけ使用する便秘薬(緩下剤)
・発熱時のみ使用する熱冷まし(解熱剤)
・不整脈の発作時のみ使用する不整脈薬
など、実にさまざまな用途に応じた薬があります。
症状がある時にだけ使用する薬が頓服なのです。
飲み薬以外にも、座薬や貼付剤(貼り薬)、注射薬など、薬にはさまざまな投与方法がありますが、これらの用途についても同じことが言えます。飲み薬以外の場合は「頓用(とんよう)」という言葉を使うのが一般的です。
いずれにしても、頓服は薬の「種類」ではなく、薬の「飲み方」を指す用語である、という点に注意が必要です。
◇食間とは
薬は「食前」「食後」「食間」など、食事の時間を基準に使用するタイミングを決めるのが一般的です。
食前とは食事のおよそ20~30分前を指し、食後とは食事をしてからおよそ20~30分以内を指します。一方、食間とは「食事と食事の間」を意味する言葉で「食事の最中」ではありません。
薬の種類に応じて適切な使用方法は異なります。食事によって変化する胃の状態に合わせて決められているものもあれば、飲み忘れの防止を目的として、食事のタイミングにあえて合わせているものもあります。
飲み薬や座薬などの多くは最終的には血液中に吸収され、目的の場所に運ばれて作用します。よって、薬が十分な効果を表すには、その薬の成分の血液中の濃度を一定に保っておく必要があります。
薬を定められたタイミングで使用しなければならないのは、使用後に時間経過とともに下がってくる血中濃度を定期的に必要なレベルまで上げて維持するためです。
薬は正しい使用方法を守らなければ効果が期待できない上、副作用リスクも高まります。必ず用法・用量を守って使用するようにしましょう。 | 「薬の飲み方」には、どのような問題がありますか。 | 「薬の飲み方」には、一般的にはあまり使われない専門用語が、詳しい説明なしに使われているという問題があります。 |
JCRRAG_010102 | 医療 | 3人に1人が誤解?
薬の飲み方、頓服の意味とは
「頓服(とんぷく)」という言葉の意味をご存じでしょうか。国立国語研究所の調査によれば、頓服の意味を「痛み止め」だと誤解している人が34.1%、「解熱剤(熱冷まし)」だと誤解している人が33.4%いる、とされています。
では、「食間」はどうでしょうか。「薬を食間に内服してください」と言われたら、「食事の最中」だと誤解してしまう人もいます。
「薬の飲み方」には、一般的にはあまり使われない専門用語が、詳しい説明なしに使われているという問題があります。今回は、これらについて簡単に解説しましょう。
◇二つのタイプ
薬には、大きく分けて二つのタイプがあります。定期的に使用する定期薬と、必要時に使用する頓服です。
定期薬は「1日3回毎食後」「1日1回眠前」のように、毎日決まったタイミングで定期的に使用する薬のことです。病院で処方する薬の多くはこちらのタイプで、指示された通りに使用しなければ、十分な効果を発揮できません。
例えば、抗菌薬(抗生物質)は1日1回のものから1日複数回の使用が必要なものまで、種類に応じて飲み方が異なります。
糖尿病や高血圧、脂質異常症(コレステロールや中性脂肪が高い病気)などの生活習慣病に対する薬も全て、定期的に内服することで、日常的に体の状態をコントロールしておく必要がある薬です。
一方で、「必要な時だけ使用する」というタイプの薬があります。これが頓服です。
例えば、
・痛みがある時にだけ使用する痛み止め(鎮痛薬)
・眠れない時にだけ使用する睡眠剤
・吐き気がある時にだけ使用する吐き気止め(制吐剤)
・便秘の時にだけ使用する便秘薬(緩下剤)
・発熱時のみ使用する熱冷まし(解熱剤)
・不整脈の発作時のみ使用する不整脈薬
など、実にさまざまな用途に応じた薬があります。
症状がある時にだけ使用する薬が頓服なのです。
飲み薬以外にも、座薬や貼付剤(貼り薬)、注射薬など、薬にはさまざまな投与方法がありますが、これらの用途についても同じことが言えます。飲み薬以外の場合は「頓用(とんよう)」という言葉を使うのが一般的です。
いずれにしても、頓服は薬の「種類」ではなく、薬の「飲み方」を指す用語である、という点に注意が必要です。
◇食間とは
薬は「食前」「食後」「食間」など、食事の時間を基準に使用するタイミングを決めるのが一般的です。
食前とは食事のおよそ20~30分前を指し、食後とは食事をしてからおよそ20~30分以内を指します。一方、食間とは「食事と食事の間」を意味する言葉で「食事の最中」ではありません。
薬の種類に応じて適切な使用方法は異なります。食事によって変化する胃の状態に合わせて決められているものもあれば、飲み忘れの防止を目的として、食事のタイミングにあえて合わせているものもあります。
飲み薬や座薬などの多くは最終的には血液中に吸収され、目的の場所に運ばれて作用します。よって、薬が十分な効果を表すには、その薬の成分の血液中の濃度を一定に保っておく必要があります。
薬を定められたタイミングで使用しなければならないのは、使用後に時間経過とともに下がってくる血中濃度を定期的に必要なレベルまで上げて維持するためです。
薬は正しい使用方法を守らなければ効果が期待できない上、副作用リスクも高まります。必ず用法・用量を守って使用するようにしましょう。 | 薬には、大きく分けていくつのタイプがありますか。 | 薬には、大きく分けて二つのタイプがあります。 |
JCRRAG_010103 | 医療 | 3人に1人が誤解?
薬の飲み方、頓服の意味とは
「頓服(とんぷく)」という言葉の意味をご存じでしょうか。国立国語研究所の調査によれば、頓服の意味を「痛み止め」だと誤解している人が34.1%、「解熱剤(熱冷まし)」だと誤解している人が33.4%いる、とされています。
では、「食間」はどうでしょうか。「薬を食間に内服してください」と言われたら、「食事の最中」だと誤解してしまう人もいます。
「薬の飲み方」には、一般的にはあまり使われない専門用語が、詳しい説明なしに使われているという問題があります。今回は、これらについて簡単に解説しましょう。
◇二つのタイプ
薬には、大きく分けて二つのタイプがあります。定期的に使用する定期薬と、必要時に使用する頓服です。
定期薬は「1日3回毎食後」「1日1回眠前」のように、毎日決まったタイミングで定期的に使用する薬のことです。病院で処方する薬の多くはこちらのタイプで、指示された通りに使用しなければ、十分な効果を発揮できません。
例えば、抗菌薬(抗生物質)は1日1回のものから1日複数回の使用が必要なものまで、種類に応じて飲み方が異なります。
糖尿病や高血圧、脂質異常症(コレステロールや中性脂肪が高い病気)などの生活習慣病に対する薬も全て、定期的に内服することで、日常的に体の状態をコントロールしておく必要がある薬です。
一方で、「必要な時だけ使用する」というタイプの薬があります。これが頓服です。
例えば、
・痛みがある時にだけ使用する痛み止め(鎮痛薬)
・眠れない時にだけ使用する睡眠剤
・吐き気がある時にだけ使用する吐き気止め(制吐剤)
・便秘の時にだけ使用する便秘薬(緩下剤)
・発熱時のみ使用する熱冷まし(解熱剤)
・不整脈の発作時のみ使用する不整脈薬
など、実にさまざまな用途に応じた薬があります。
症状がある時にだけ使用する薬が頓服なのです。
飲み薬以外にも、座薬や貼付剤(貼り薬)、注射薬など、薬にはさまざまな投与方法がありますが、これらの用途についても同じことが言えます。飲み薬以外の場合は「頓用(とんよう)」という言葉を使うのが一般的です。
いずれにしても、頓服は薬の「種類」ではなく、薬の「飲み方」を指す用語である、という点に注意が必要です。
◇食間とは
薬は「食前」「食後」「食間」など、食事の時間を基準に使用するタイミングを決めるのが一般的です。
食前とは食事のおよそ20~30分前を指し、食後とは食事をしてからおよそ20~30分以内を指します。一方、食間とは「食事と食事の間」を意味する言葉で「食事の最中」ではありません。
薬の種類に応じて適切な使用方法は異なります。食事によって変化する胃の状態に合わせて決められているものもあれば、飲み忘れの防止を目的として、食事のタイミングにあえて合わせているものもあります。
飲み薬や座薬などの多くは最終的には血液中に吸収され、目的の場所に運ばれて作用します。よって、薬が十分な効果を表すには、その薬の成分の血液中の濃度を一定に保っておく必要があります。
薬を定められたタイミングで使用しなければならないのは、使用後に時間経過とともに下がってくる血中濃度を定期的に必要なレベルまで上げて維持するためです。
薬は正しい使用方法を守らなければ効果が期待できない上、副作用リスクも高まります。必ず用法・用量を守って使用するようにしましょう。 | 定期薬はどのような薬のことですか。 | 定期薬は「1日3回毎食後」「1日1回眠前」のように、毎日決まったタイミングで定期的に使用する薬のことです。 |
JCRRAG_010104 | 医療 | 3人に1人が誤解?
薬の飲み方、頓服の意味とは
「頓服(とんぷく)」という言葉の意味をご存じでしょうか。国立国語研究所の調査によれば、頓服の意味を「痛み止め」だと誤解している人が34.1%、「解熱剤(熱冷まし)」だと誤解している人が33.4%いる、とされています。
では、「食間」はどうでしょうか。「薬を食間に内服してください」と言われたら、「食事の最中」だと誤解してしまう人もいます。
「薬の飲み方」には、一般的にはあまり使われない専門用語が、詳しい説明なしに使われているという問題があります。今回は、これらについて簡単に解説しましょう。
◇二つのタイプ
薬には、大きく分けて二つのタイプがあります。定期的に使用する定期薬と、必要時に使用する頓服です。
定期薬は「1日3回毎食後」「1日1回眠前」のように、毎日決まったタイミングで定期的に使用する薬のことです。病院で処方する薬の多くはこちらのタイプで、指示された通りに使用しなければ、十分な効果を発揮できません。
例えば、抗菌薬(抗生物質)は1日1回のものから1日複数回の使用が必要なものまで、種類に応じて飲み方が異なります。
糖尿病や高血圧、脂質異常症(コレステロールや中性脂肪が高い病気)などの生活習慣病に対する薬も全て、定期的に内服することで、日常的に体の状態をコントロールしておく必要がある薬です。
一方で、「必要な時だけ使用する」というタイプの薬があります。これが頓服です。
例えば、
・痛みがある時にだけ使用する痛み止め(鎮痛薬)
・眠れない時にだけ使用する睡眠剤
・吐き気がある時にだけ使用する吐き気止め(制吐剤)
・便秘の時にだけ使用する便秘薬(緩下剤)
・発熱時のみ使用する熱冷まし(解熱剤)
・不整脈の発作時のみ使用する不整脈薬
など、実にさまざまな用途に応じた薬があります。
症状がある時にだけ使用する薬が頓服なのです。
飲み薬以外にも、座薬や貼付剤(貼り薬)、注射薬など、薬にはさまざまな投与方法がありますが、これらの用途についても同じことが言えます。飲み薬以外の場合は「頓用(とんよう)」という言葉を使うのが一般的です。
いずれにしても、頓服は薬の「種類」ではなく、薬の「飲み方」を指す用語である、という点に注意が必要です。
◇食間とは
薬は「食前」「食後」「食間」など、食事の時間を基準に使用するタイミングを決めるのが一般的です。
食前とは食事のおよそ20~30分前を指し、食後とは食事をしてからおよそ20~30分以内を指します。一方、食間とは「食事と食事の間」を意味する言葉で「食事の最中」ではありません。
薬の種類に応じて適切な使用方法は異なります。食事によって変化する胃の状態に合わせて決められているものもあれば、飲み忘れの防止を目的として、食事のタイミングにあえて合わせているものもあります。
飲み薬や座薬などの多くは最終的には血液中に吸収され、目的の場所に運ばれて作用します。よって、薬が十分な効果を表すには、その薬の成分の血液中の濃度を一定に保っておく必要があります。
薬を定められたタイミングで使用しなければならないのは、使用後に時間経過とともに下がってくる血中濃度を定期的に必要なレベルまで上げて維持するためです。
薬は正しい使用方法を守らなければ効果が期待できない上、副作用リスクも高まります。必ず用法・用量を守って使用するようにしましょう。 | 薬が十分な効果を表すには、何を一定に保っておく必要がありますか。 | 薬が十分な効果を表すには、その薬の成分の血液中の濃度を一定に保っておく必要があります。 |
JCRRAG_010105 | 医療 | 診察室を出る前に医師に聞くこと
外来受診時の注意点
病院で医師から「様子を見ましょう」と言われて受診を終えたのち、「何か医師に聞き忘れたことはないだろうか」と不安になった経験はありませんか。私自身も昔は医師と対面すると妙に緊張し、自分の病気についての疑問をうまく解消できず、自宅に帰ってから心配になった記憶があります。
今回は、受診後の不安を解消するため、診察室を出る前に医師に聞いておきたいことを2点、紹介します。
〔1〕次の受診のタイミング
医師がよく使う「様子を見ましょう」という言葉の意味は、以前の記事でも紹介しました。しかし「様子を見ればいい」と言われても、医師がじっと「様子」を見てくれるわけではありませんから、不安になるのは当然です。
次の受診日を医師から具体的に指示してくれる場合はいいのですが、そうではないケースでは、「このまま放置して大丈夫なのだろうか」と心配される方は多いと思います。
例えば、子どもが切り傷を作って出血し、病院で傷を縫ってもらって帰宅したとします。しばらくして、傷からじわじわと出血してガーゼに血液が染みていることに気づきます。「まだ血が止まっていないのではないか。大量に出血したらどうしよう?」
◇想定外の変化
そんな不安で、自宅に帰るや否や、もう一度受診してしまう。そんな方が時々いらっしゃいます。患者さんにとっては、少しの変化でも心配になりますし、安心感を得るために何度も受診したくなるものです。「想定の範囲内の変化なのか、想定外の変化なのか」が分からないためです。
不安で何度も受診してしまい、その都度医師に「大丈夫」という言葉をもらわないと安心できず、疲弊してしまう患者さんもいます。そこで、こういうケースでは医師に「次に何が起こったら受診すべきか」を聞いておくことが肝要です。
「〇〇があればすぐに受診」「〇〇なら様子を見てもOK」といった見通しが頭に入っていると、ずいぶん安心感は増すでしょう。
前述のような例なら、「出血してきた時はまずは圧迫してみてください。それでも止まらない時は受診してください」という言葉をもらっていれば、それが一つの行動の指針になり、不安は軽くなるはずです。
〔2〕どんな経過が予測されるか
受診のタイミングを聞く際に、「どんな経過が予測されるか」を聞いておくことも大切です。体に何らかの変化が起きても、「これは医師から聞いていたことだ」と思えるだけで、不安は軽くなるでしょう。
例えば、嘔吐(おうと)と下痢の症状で病院に行き、医師からウイルス性胃腸炎という診断を受け、整腸剤と吐き気止めをもらったとします。ところが、翌日も下痢が続いている。すると、「実は悪い病気なのではないか」「薬が全然効いていないのではないか」。そんなふうに考え、不安になってしまう方がいます。
◇「不安で病院」がなくなる
しかし、ウイルス性胃腸炎の下痢症状は、薬を飲んだら翌日にすっきり治ってしまう、というものではありません。2、3日、あるいはもっと長い期間、水のような下痢が続いてしまい、すっきりしない方もたくさんいます。また、整腸剤は胃腸炎の特効薬ではなく、劇的な効果を期待できる薬というわけではありません。
もし、医師から「ウイルス性胃腸炎の下痢は数日続くことがある」「薬を飲んでも短期間ではすっきり治らないことが多い」という話を聞いていればどうでしょうか。翌日や翌々日といった短期間で不安にさいなまれ、病院に駆け込む、ということはなくなるでしょう。
もちろん、こうしたポイントは、患者さんからわざわざ問わなくても医師から説明するのが一般的です。しかし、場合によっては、医師が「説明すべきだ」と考えていることと、患者さんが「知りたい」と思っていることが一致していないケースもあります。
やはり、受診時に何を聞いておくべきかを知っておくと、より不安が少なくなると私は考えています。 | 医師から「様子を見ましょう」と言われた際にどんな心配をする人が多いか。 | 「このまま放置して大丈夫なのだろうか」と心配される方は多いと思います。 |
JCRRAG_010106 | 医療 | 診察室を出る前に医師に聞くこと
外来受診時の注意点
病院で医師から「様子を見ましょう」と言われて受診を終えたのち、「何か医師に聞き忘れたことはないだろうか」と不安になった経験はありませんか。私自身も昔は医師と対面すると妙に緊張し、自分の病気についての疑問をうまく解消できず、自宅に帰ってから心配になった記憶があります。
今回は、受診後の不安を解消するため、診察室を出る前に医師に聞いておきたいことを2点、紹介します。
〔1〕次の受診のタイミング
医師がよく使う「様子を見ましょう」という言葉の意味は、以前の記事でも紹介しました。しかし「様子を見ればいい」と言われても、医師がじっと「様子」を見てくれるわけではありませんから、不安になるのは当然です。
次の受診日を医師から具体的に指示してくれる場合はいいのですが、そうではないケースでは、「このまま放置して大丈夫なのだろうか」と心配される方は多いと思います。
例えば、子どもが切り傷を作って出血し、病院で傷を縫ってもらって帰宅したとします。しばらくして、傷からじわじわと出血してガーゼに血液が染みていることに気づきます。「まだ血が止まっていないのではないか。大量に出血したらどうしよう?」
◇想定外の変化
そんな不安で、自宅に帰るや否や、もう一度受診してしまう。そんな方が時々いらっしゃいます。患者さんにとっては、少しの変化でも心配になりますし、安心感を得るために何度も受診したくなるものです。「想定の範囲内の変化なのか、想定外の変化なのか」が分からないためです。
不安で何度も受診してしまい、その都度医師に「大丈夫」という言葉をもらわないと安心できず、疲弊してしまう患者さんもいます。そこで、こういうケースでは医師に「次に何が起こったら受診すべきか」を聞いておくことが肝要です。
「〇〇があればすぐに受診」「〇〇なら様子を見てもOK」といった見通しが頭に入っていると、ずいぶん安心感は増すでしょう。
前述のような例なら、「出血してきた時はまずは圧迫してみてください。それでも止まらない時は受診してください」という言葉をもらっていれば、それが一つの行動の指針になり、不安は軽くなるはずです。
〔2〕どんな経過が予測されるか
受診のタイミングを聞く際に、「どんな経過が予測されるか」を聞いておくことも大切です。体に何らかの変化が起きても、「これは医師から聞いていたことだ」と思えるだけで、不安は軽くなるでしょう。
例えば、嘔吐(おうと)と下痢の症状で病院に行き、医師からウイルス性胃腸炎という診断を受け、整腸剤と吐き気止めをもらったとします。ところが、翌日も下痢が続いている。すると、「実は悪い病気なのではないか」「薬が全然効いていないのではないか」。そんなふうに考え、不安になってしまう方がいます。
◇「不安で病院」がなくなる
しかし、ウイルス性胃腸炎の下痢症状は、薬を飲んだら翌日にすっきり治ってしまう、というものではありません。2、3日、あるいはもっと長い期間、水のような下痢が続いてしまい、すっきりしない方もたくさんいます。また、整腸剤は胃腸炎の特効薬ではなく、劇的な効果を期待できる薬というわけではありません。
もし、医師から「ウイルス性胃腸炎の下痢は数日続くことがある」「薬を飲んでも短期間ではすっきり治らないことが多い」という話を聞いていればどうでしょうか。翌日や翌々日といった短期間で不安にさいなまれ、病院に駆け込む、ということはなくなるでしょう。
もちろん、こうしたポイントは、患者さんからわざわざ問わなくても医師から説明するのが一般的です。しかし、場合によっては、医師が「説明すべきだ」と考えていることと、患者さんが「知りたい」と思っていることが一致していないケースもあります。
やはり、受診時に何を聞いておくべきかを知っておくと、より不安が少なくなると私は考えています。 | 患者が「想定外の変化」に不安を感じて何度も受診する理由は何か。 | 「想定の範囲内の変化なのか、想定外の変化なのか」が分からないためです。 |
JCRRAG_010107 | 医療 | 診察室を出る前に医師に聞くこと
外来受診時の注意点
病院で医師から「様子を見ましょう」と言われて受診を終えたのち、「何か医師に聞き忘れたことはないだろうか」と不安になった経験はありませんか。私自身も昔は医師と対面すると妙に緊張し、自分の病気についての疑問をうまく解消できず、自宅に帰ってから心配になった記憶があります。
今回は、受診後の不安を解消するため、診察室を出る前に医師に聞いておきたいことを2点、紹介します。
〔1〕次の受診のタイミング
医師がよく使う「様子を見ましょう」という言葉の意味は、以前の記事でも紹介しました。しかし「様子を見ればいい」と言われても、医師がじっと「様子」を見てくれるわけではありませんから、不安になるのは当然です。
次の受診日を医師から具体的に指示してくれる場合はいいのですが、そうではないケースでは、「このまま放置して大丈夫なのだろうか」と心配される方は多いと思います。
例えば、子どもが切り傷を作って出血し、病院で傷を縫ってもらって帰宅したとします。しばらくして、傷からじわじわと出血してガーゼに血液が染みていることに気づきます。「まだ血が止まっていないのではないか。大量に出血したらどうしよう?」
◇想定外の変化
そんな不安で、自宅に帰るや否や、もう一度受診してしまう。そんな方が時々いらっしゃいます。患者さんにとっては、少しの変化でも心配になりますし、安心感を得るために何度も受診したくなるものです。「想定の範囲内の変化なのか、想定外の変化なのか」が分からないためです。
不安で何度も受診してしまい、その都度医師に「大丈夫」という言葉をもらわないと安心できず、疲弊してしまう患者さんもいます。そこで、こういうケースでは医師に「次に何が起こったら受診すべきか」を聞いておくことが肝要です。
「〇〇があればすぐに受診」「〇〇なら様子を見てもOK」といった見通しが頭に入っていると、ずいぶん安心感は増すでしょう。
前述のような例なら、「出血してきた時はまずは圧迫してみてください。それでも止まらない時は受診してください」という言葉をもらっていれば、それが一つの行動の指針になり、不安は軽くなるはずです。
〔2〕どんな経過が予測されるか
受診のタイミングを聞く際に、「どんな経過が予測されるか」を聞いておくことも大切です。体に何らかの変化が起きても、「これは医師から聞いていたことだ」と思えるだけで、不安は軽くなるでしょう。
例えば、嘔吐(おうと)と下痢の症状で病院に行き、医師からウイルス性胃腸炎という診断を受け、整腸剤と吐き気止めをもらったとします。ところが、翌日も下痢が続いている。すると、「実は悪い病気なのではないか」「薬が全然効いていないのではないか」。そんなふうに考え、不安になってしまう方がいます。
◇「不安で病院」がなくなる
しかし、ウイルス性胃腸炎の下痢症状は、薬を飲んだら翌日にすっきり治ってしまう、というものではありません。2、3日、あるいはもっと長い期間、水のような下痢が続いてしまい、すっきりしない方もたくさんいます。また、整腸剤は胃腸炎の特効薬ではなく、劇的な効果を期待できる薬というわけではありません。
もし、医師から「ウイルス性胃腸炎の下痢は数日続くことがある」「薬を飲んでも短期間ではすっきり治らないことが多い」という話を聞いていればどうでしょうか。翌日や翌々日といった短期間で不安にさいなまれ、病院に駆け込む、ということはなくなるでしょう。
もちろん、こうしたポイントは、患者さんからわざわざ問わなくても医師から説明するのが一般的です。しかし、場合によっては、医師が「説明すべきだ」と考えていることと、患者さんが「知りたい」と思っていることが一致していないケースもあります。
やはり、受診時に何を聞いておくべきかを知っておくと、より不安が少なくなると私は考えています。 | 不安を軽減するために医師に確認しておくとよいポイントは何か。 | 医師に「次に何が起こったら受診すべきか」を聞いておくことが肝要です。 |
JCRRAG_010108 | 医療 | 診察室を出る前に医師に聞くこと
外来受診時の注意点
病院で医師から「様子を見ましょう」と言われて受診を終えたのち、「何か医師に聞き忘れたことはないだろうか」と不安になった経験はありませんか。私自身も昔は医師と対面すると妙に緊張し、自分の病気についての疑問をうまく解消できず、自宅に帰ってから心配になった記憶があります。
今回は、受診後の不安を解消するため、診察室を出る前に医師に聞いておきたいことを2点、紹介します。
〔1〕次の受診のタイミング
医師がよく使う「様子を見ましょう」という言葉の意味は、以前の記事でも紹介しました。しかし「様子を見ればいい」と言われても、医師がじっと「様子」を見てくれるわけではありませんから、不安になるのは当然です。
次の受診日を医師から具体的に指示してくれる場合はいいのですが、そうではないケースでは、「このまま放置して大丈夫なのだろうか」と心配される方は多いと思います。
例えば、子どもが切り傷を作って出血し、病院で傷を縫ってもらって帰宅したとします。しばらくして、傷からじわじわと出血してガーゼに血液が染みていることに気づきます。「まだ血が止まっていないのではないか。大量に出血したらどうしよう?」
◇想定外の変化
そんな不安で、自宅に帰るや否や、もう一度受診してしまう。そんな方が時々いらっしゃいます。患者さんにとっては、少しの変化でも心配になりますし、安心感を得るために何度も受診したくなるものです。「想定の範囲内の変化なのか、想定外の変化なのか」が分からないためです。
不安で何度も受診してしまい、その都度医師に「大丈夫」という言葉をもらわないと安心できず、疲弊してしまう患者さんもいます。そこで、こういうケースでは医師に「次に何が起こったら受診すべきか」を聞いておくことが肝要です。
「〇〇があればすぐに受診」「〇〇なら様子を見てもOK」といった見通しが頭に入っていると、ずいぶん安心感は増すでしょう。
前述のような例なら、「出血してきた時はまずは圧迫してみてください。それでも止まらない時は受診してください」という言葉をもらっていれば、それが一つの行動の指針になり、不安は軽くなるはずです。
〔2〕どんな経過が予測されるか
受診のタイミングを聞く際に、「どんな経過が予測されるか」を聞いておくことも大切です。体に何らかの変化が起きても、「これは医師から聞いていたことだ」と思えるだけで、不安は軽くなるでしょう。
例えば、嘔吐(おうと)と下痢の症状で病院に行き、医師からウイルス性胃腸炎という診断を受け、整腸剤と吐き気止めをもらったとします。ところが、翌日も下痢が続いている。すると、「実は悪い病気なのではないか」「薬が全然効いていないのではないか」。そんなふうに考え、不安になってしまう方がいます。
◇「不安で病院」がなくなる
しかし、ウイルス性胃腸炎の下痢症状は、薬を飲んだら翌日にすっきり治ってしまう、というものではありません。2、3日、あるいはもっと長い期間、水のような下痢が続いてしまい、すっきりしない方もたくさんいます。また、整腸剤は胃腸炎の特効薬ではなく、劇的な効果を期待できる薬というわけではありません。
もし、医師から「ウイルス性胃腸炎の下痢は数日続くことがある」「薬を飲んでも短期間ではすっきり治らないことが多い」という話を聞いていればどうでしょうか。翌日や翌々日といった短期間で不安にさいなまれ、病院に駆け込む、ということはなくなるでしょう。
もちろん、こうしたポイントは、患者さんからわざわざ問わなくても医師から説明するのが一般的です。しかし、場合によっては、医師が「説明すべきだ」と考えていることと、患者さんが「知りたい」と思っていることが一致していないケースもあります。
やはり、受診時に何を聞いておくべきかを知っておくと、より不安が少なくなると私は考えています。 | 医師の説明があると、ウイルス性胃腸炎の下痢症状が続いてもどのような安心感が得られるか。 | 翌日や翌々日といった短期間で不安にさいなまれ、病院に駆け込む、ということはなくなるでしょう。 |
JCRRAG_010109 | 医療 | メタボリックシンドローム(メタボ)とは?
メタボリックシンドロームとは、内臓肥満に高血圧・高血糖・脂質代謝異常が組み合わさることにより、心臓病や脳卒中などになりやすい病態を指します。単に腹囲が大きいだけでは、メタボリックシンドロームにはあてはまりません。
日本人の死因の第2位は心臓病、第4位は脳卒中です[1]。この2つの病気は、いずれも動脈硬化が原因となって起こることが多くなっています。動脈硬化を起こしやすくする要因(危険因子)としては、高血圧・喫煙・糖尿病・脂質異常症(高脂血症)・肥満などがあります。これらの危険因子はそれぞれ単独でも動脈硬化を進行させますが、危険因子が重なれば、それぞれの程度が低くても動脈硬化が進行し、心臓病や脳卒中の危険が高まることがわかっています。
これと似たような病態は、以前から「メタボリックシンドローム」のほか、「シンドロームX」「インスリン抵抗性症候群」「マルチプルリスクファクター症候群」「死の四重奏」などとも呼ばれていました。1999年に世界保健機関(WHO)は、このような動脈硬化の危険因子が組み合わさった病態をインスリン抵抗性の観点から整理し、メタボリックシンドロームの概念と診断基準を提唱しました[2]。
その後、さまざまな機関がそれぞれの診断基準を提唱したため、メタボリックシンドロームの考え方にはいろいろなものがあります。また国によっても異なります。大きく分けて、危険因子の重複を基盤にする考え方[3][4]と、インスリン抵抗性や内臓脂肪を基盤とした考え方[5][6]とがあります。世界的には危険因子の重複を基盤にする考え方が主流となっていますが、日本では、内臓脂肪を基盤とした考え方を採用しています[6]。
これは、肥満のうちでも、おなかの内臓に脂肪がたまり腹囲が大きくなる「内臓脂肪型肥満(内臓肥満)」が、高血圧や糖尿病、脂質異常症などをひきおこしやすくし、これら内臓肥満と高血圧や糖尿病、脂質異常症が重複し、その数が多くなるほど、動脈硬化を進行させる危険が高まるという考え方です。
日本では「特定健康診査・特定保健指導」の制度の中で、この考え方をとりいれています。特定健康診査は「メタボ健診」などと呼ばれることもありますが、メタボリックシンドロームだけを見つけるために行っているわけではなく、広く動脈硬化を予防するための検査が含まれます。なお、メタボリックシンドロームの診断基準と特定保健指導の基準とは少し異なります。
メタボリックシンドロームの用語は、メディアなどで俗に「メタボ」と省略されて使われることもあり、2000年代後半ごろより生活のなかでも耳にすることが多くなってきました。しかしながら、上記のような正しい意味で用いられず、単に太っていることや、腹囲が大きいという意味で誤用されていることもよくありますので、正しい意味を理解することが大切です。 | メタボリックシンドロームはどのような状態を指すか。 | メタボリックシンドロームとは、内臓肥満に高血圧・高血糖・脂質代謝異常が組み合わさることにより、心臓病や脳卒中などになりやすい病態を指します。 |
JCRRAG_010110 | 医療 | メタボリックシンドローム(メタボ)とは?
メタボリックシンドロームとは、内臓肥満に高血圧・高血糖・脂質代謝異常が組み合わさることにより、心臓病や脳卒中などになりやすい病態を指します。単に腹囲が大きいだけでは、メタボリックシンドロームにはあてはまりません。
日本人の死因の第2位は心臓病、第4位は脳卒中です[1]。この2つの病気は、いずれも動脈硬化が原因となって起こることが多くなっています。動脈硬化を起こしやすくする要因(危険因子)としては、高血圧・喫煙・糖尿病・脂質異常症(高脂血症)・肥満などがあります。これらの危険因子はそれぞれ単独でも動脈硬化を進行させますが、危険因子が重なれば、それぞれの程度が低くても動脈硬化が進行し、心臓病や脳卒中の危険が高まることがわかっています。
これと似たような病態は、以前から「メタボリックシンドローム」のほか、「シンドロームX」「インスリン抵抗性症候群」「マルチプルリスクファクター症候群」「死の四重奏」などとも呼ばれていました。1999年に世界保健機関(WHO)は、このような動脈硬化の危険因子が組み合わさった病態をインスリン抵抗性の観点から整理し、メタボリックシンドロームの概念と診断基準を提唱しました[2]。
その後、さまざまな機関がそれぞれの診断基準を提唱したため、メタボリックシンドロームの考え方にはいろいろなものがあります。また国によっても異なります。大きく分けて、危険因子の重複を基盤にする考え方[3][4]と、インスリン抵抗性や内臓脂肪を基盤とした考え方[5][6]とがあります。世界的には危険因子の重複を基盤にする考え方が主流となっていますが、日本では、内臓脂肪を基盤とした考え方を採用しています[6]。
これは、肥満のうちでも、おなかの内臓に脂肪がたまり腹囲が大きくなる「内臓脂肪型肥満(内臓肥満)」が、高血圧や糖尿病、脂質異常症などをひきおこしやすくし、これら内臓肥満と高血圧や糖尿病、脂質異常症が重複し、その数が多くなるほど、動脈硬化を進行させる危険が高まるという考え方です。
日本では「特定健康診査・特定保健指導」の制度の中で、この考え方をとりいれています。特定健康診査は「メタボ健診」などと呼ばれることもありますが、メタボリックシンドロームだけを見つけるために行っているわけではなく、広く動脈硬化を予防するための検査が含まれます。なお、メタボリックシンドロームの診断基準と特定保健指導の基準とは少し異なります。
メタボリックシンドロームの用語は、メディアなどで俗に「メタボ」と省略されて使われることもあり、2000年代後半ごろより生活のなかでも耳にすることが多くなってきました。しかしながら、上記のような正しい意味で用いられず、単に太っていることや、腹囲が大きいという意味で誤用されていることもよくありますので、正しい意味を理解することが大切です。 | 動脈硬化を起こしやすくする要因(危険因子)としては、何があります。 | 動脈硬化を起こしやすくする要因(危険因子)としては、高血圧・喫煙・糖尿病・脂質異常症(高脂血症)・肥満などがあります。 |
JCRRAG_010111 | 医療 | メタボリックシンドローム(メタボ)とは?
メタボリックシンドロームとは、内臓肥満に高血圧・高血糖・脂質代謝異常が組み合わさることにより、心臓病や脳卒中などになりやすい病態を指します。単に腹囲が大きいだけでは、メタボリックシンドロームにはあてはまりません。
日本人の死因の第2位は心臓病、第4位は脳卒中です[1]。この2つの病気は、いずれも動脈硬化が原因となって起こることが多くなっています。動脈硬化を起こしやすくする要因(危険因子)としては、高血圧・喫煙・糖尿病・脂質異常症(高脂血症)・肥満などがあります。これらの危険因子はそれぞれ単独でも動脈硬化を進行させますが、危険因子が重なれば、それぞれの程度が低くても動脈硬化が進行し、心臓病や脳卒中の危険が高まることがわかっています。
これと似たような病態は、以前から「メタボリックシンドローム」のほか、「シンドロームX」「インスリン抵抗性症候群」「マルチプルリスクファクター症候群」「死の四重奏」などとも呼ばれていました。1999年に世界保健機関(WHO)は、このような動脈硬化の危険因子が組み合わさった病態をインスリン抵抗性の観点から整理し、メタボリックシンドロームの概念と診断基準を提唱しました[2]。
その後、さまざまな機関がそれぞれの診断基準を提唱したため、メタボリックシンドロームの考え方にはいろいろなものがあります。また国によっても異なります。大きく分けて、危険因子の重複を基盤にする考え方[3][4]と、インスリン抵抗性や内臓脂肪を基盤とした考え方[5][6]とがあります。世界的には危険因子の重複を基盤にする考え方が主流となっていますが、日本では、内臓脂肪を基盤とした考え方を採用しています[6]。
これは、肥満のうちでも、おなかの内臓に脂肪がたまり腹囲が大きくなる「内臓脂肪型肥満(内臓肥満)」が、高血圧や糖尿病、脂質異常症などをひきおこしやすくし、これら内臓肥満と高血圧や糖尿病、脂質異常症が重複し、その数が多くなるほど、動脈硬化を進行させる危険が高まるという考え方です。
日本では「特定健康診査・特定保健指導」の制度の中で、この考え方をとりいれています。特定健康診査は「メタボ健診」などと呼ばれることもありますが、メタボリックシンドロームだけを見つけるために行っているわけではなく、広く動脈硬化を予防するための検査が含まれます。なお、メタボリックシンドロームの診断基準と特定保健指導の基準とは少し異なります。
メタボリックシンドロームの用語は、メディアなどで俗に「メタボ」と省略されて使われることもあり、2000年代後半ごろより生活のなかでも耳にすることが多くなってきました。しかしながら、上記のような正しい意味で用いられず、単に太っていることや、腹囲が大きいという意味で誤用されていることもよくありますので、正しい意味を理解することが大切です。 | 危険因子が重なるとどのような影響があるか。 | 危険因子が重なれば、それぞれの程度が低くても動脈硬化が進行し、心臓病や脳卒中の危険が高まることがわかっています。 |
JCRRAG_010112 | 医療 | メタボリックシンドローム(メタボ)とは?
メタボリックシンドロームとは、内臓肥満に高血圧・高血糖・脂質代謝異常が組み合わさることにより、心臓病や脳卒中などになりやすい病態を指します。単に腹囲が大きいだけでは、メタボリックシンドロームにはあてはまりません。
日本人の死因の第2位は心臓病、第4位は脳卒中です[1]。この2つの病気は、いずれも動脈硬化が原因となって起こることが多くなっています。動脈硬化を起こしやすくする要因(危険因子)としては、高血圧・喫煙・糖尿病・脂質異常症(高脂血症)・肥満などがあります。これらの危険因子はそれぞれ単独でも動脈硬化を進行させますが、危険因子が重なれば、それぞれの程度が低くても動脈硬化が進行し、心臓病や脳卒中の危険が高まることがわかっています。
これと似たような病態は、以前から「メタボリックシンドローム」のほか、「シンドロームX」「インスリン抵抗性症候群」「マルチプルリスクファクター症候群」「死の四重奏」などとも呼ばれていました。1999年に世界保健機関(WHO)は、このような動脈硬化の危険因子が組み合わさった病態をインスリン抵抗性の観点から整理し、メタボリックシンドロームの概念と診断基準を提唱しました[2]。
その後、さまざまな機関がそれぞれの診断基準を提唱したため、メタボリックシンドロームの考え方にはいろいろなものがあります。また国によっても異なります。大きく分けて、危険因子の重複を基盤にする考え方[3][4]と、インスリン抵抗性や内臓脂肪を基盤とした考え方[5][6]とがあります。世界的には危険因子の重複を基盤にする考え方が主流となっていますが、日本では、内臓脂肪を基盤とした考え方を採用しています[6]。
これは、肥満のうちでも、おなかの内臓に脂肪がたまり腹囲が大きくなる「内臓脂肪型肥満(内臓肥満)」が、高血圧や糖尿病、脂質異常症などをひきおこしやすくし、これら内臓肥満と高血圧や糖尿病、脂質異常症が重複し、その数が多くなるほど、動脈硬化を進行させる危険が高まるという考え方です。
日本では「特定健康診査・特定保健指導」の制度の中で、この考え方をとりいれています。特定健康診査は「メタボ健診」などと呼ばれることもありますが、メタボリックシンドロームだけを見つけるために行っているわけではなく、広く動脈硬化を予防するための検査が含まれます。なお、メタボリックシンドロームの診断基準と特定保健指導の基準とは少し異なります。
メタボリックシンドロームの用語は、メディアなどで俗に「メタボ」と省略されて使われることもあり、2000年代後半ごろより生活のなかでも耳にすることが多くなってきました。しかしながら、上記のような正しい意味で用いられず、単に太っていることや、腹囲が大きいという意味で誤用されていることもよくありますので、正しい意味を理解することが大切です。 | 特定健康診査にはどんな検査が含まれるか。 | 広く動脈硬化を予防するための検査が含まれます。 |
JCRRAG_010113 | 医療 | メタボリックシンドローム(メタボ)とは?
メタボリックシンドロームとは、内臓肥満に高血圧・高血糖・脂質代謝異常が組み合わさることにより、心臓病や脳卒中などになりやすい病態を指します。単に腹囲が大きいだけでは、メタボリックシンドロームにはあてはまりません。
日本人の死因の第2位は心臓病、第4位は脳卒中です[1]。この2つの病気は、いずれも動脈硬化が原因となって起こることが多くなっています。動脈硬化を起こしやすくする要因(危険因子)としては、高血圧・喫煙・糖尿病・脂質異常症(高脂血症)・肥満などがあります。これらの危険因子はそれぞれ単独でも動脈硬化を進行させますが、危険因子が重なれば、それぞれの程度が低くても動脈硬化が進行し、心臓病や脳卒中の危険が高まることがわかっています。
これと似たような病態は、以前から「メタボリックシンドローム」のほか、「シンドロームX」「インスリン抵抗性症候群」「マルチプルリスクファクター症候群」「死の四重奏」などとも呼ばれていました。1999年に世界保健機関(WHO)は、このような動脈硬化の危険因子が組み合わさった病態をインスリン抵抗性の観点から整理し、メタボリックシンドロームの概念と診断基準を提唱しました[2]。
その後、さまざまな機関がそれぞれの診断基準を提唱したため、メタボリックシンドロームの考え方にはいろいろなものがあります。また国によっても異なります。大きく分けて、危険因子の重複を基盤にする考え方[3][4]と、インスリン抵抗性や内臓脂肪を基盤とした考え方[5][6]とがあります。世界的には危険因子の重複を基盤にする考え方が主流となっていますが、日本では、内臓脂肪を基盤とした考え方を採用しています[6]。
これは、肥満のうちでも、おなかの内臓に脂肪がたまり腹囲が大きくなる「内臓脂肪型肥満(内臓肥満)」が、高血圧や糖尿病、脂質異常症などをひきおこしやすくし、これら内臓肥満と高血圧や糖尿病、脂質異常症が重複し、その数が多くなるほど、動脈硬化を進行させる危険が高まるという考え方です。
日本では「特定健康診査・特定保健指導」の制度の中で、この考え方をとりいれています。特定健康診査は「メタボ健診」などと呼ばれることもありますが、メタボリックシンドロームだけを見つけるために行っているわけではなく、広く動脈硬化を予防するための検査が含まれます。なお、メタボリックシンドロームの診断基準と特定保健指導の基準とは少し異なります。
メタボリックシンドロームの用語は、メディアなどで俗に「メタボ」と省略されて使われることもあり、2000年代後半ごろより生活のなかでも耳にすることが多くなってきました。しかしながら、上記のような正しい意味で用いられず、単に太っていることや、腹囲が大きいという意味で誤用されていることもよくありますので、正しい意味を理解することが大切です。 | 「メタボ」という言葉は、いつから生活のなかでも耳にすることが多くなってきましたか。 | 「メタボ」という言葉は、2000年代後半ごろより生活のなかでも耳にすることが多くなってきました。 |
JCRRAG_010114 | 医療 | 生活習慣病とは?
生活習慣病とは、食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒など生活習慣が、発症・進行に関与する疾患群であり、がん(悪性新生物)、心疾患(狭心症や心筋梗塞などの心臓病)、脳血管疾患(脳梗塞やくも膜下出血などの脳の病)などの病気が含まれます。但し、生活習慣病の発症には、生活習慣だけでなく遺伝的要因や社会環境要因などの複数の要因が影響するという点に配慮が必要です。
生活習慣病という概念の導入
「生活習慣病」とは、1996年頃から使われるようになった用語です。以前は成人病といわれた、脳卒中、がん、心臓病を、生活習慣という要素に着目して捉え直した用語と位置づけられます。国際的には、これに慢性閉塞性肺疾患(COPD)を加えたNCDs(非感染性疾患)という言葉もよく使われるようになっています。
生活習慣病に関する初期の公的な文書としては、「生活習慣に着目した疾病対策の基本的方向性について(意見具申)」があります。それには次のように書かれています。
生活習慣に着目した疾病概念の導入の必要性[1]
「成人病」という概念は、医学用語ではなく、昭和30年代に、「主として、脳卒中、がん、心臓病などの40歳前後から死亡率が高くなり、しかも全死因の中でも上位を占め、40~60歳くらいの働き盛りに多い疾病」として行政的に提唱されたが、その後、加齢にともなって罹患率が高くなる疾患群という意味として国民の間に定着している。
「成人病」という概念は、加齢という現象はやむを得ないものであり、一定の年齢になった段階で早期発見・早期治療を行うことが効果的であるという認識を醸成してきており、国民の検診に対する受診行動を推進する上で大きな役割を果たしてきたことは、評価されるべきである。
一方、前述したように、成人病の発症には生活習慣が深く関与していることが明らかになっており、これを改善することにより疾病の発症・進行が予防できるという認識を国民に醸成し、行動に結びつけていくためには、新たに、生活習慣に着目した疾病概念を導入し、特に一次予防対策を強力に推進していくことが肝要である。
また、生活習慣は、小児期にその基本が身につけられるといわれており、このような疾病概念の導入により、家庭教育や学校保健教育などを通じて、小児期からの生涯を通じた健康教育が推進されることが期待できる。
さらに、疾病の罹患によるQOLの低下が予防されるとともに、ひいては、年々増大する国民医療費の効果的な使用にも資するものと考えられる。
但し、疾病の発症には、「生活習慣要因」のみならず「遺伝要因」、「外部環境要因」など個人の責任に帰することのできない複数の要因が関与していることから、「病気になったのは個人の責任」といった疾患や患者に対する差別や偏見が生まれるおそれがあるという点に配慮する必要がある。
生活習慣病の定義と範囲
生活習慣病の範囲や定義には、はっきりと定められたものはありませんが、健康増進法では「がん及び循環器病」、「健康日本21(第三次)」では、「がん、循環器病、糖尿病、COPD等」[1]が位置づけられています。
「生活習慣病」の定義、範囲及び「成人病」との関係[2]
(前略)今後、生活習慣に着目した疾病概念の導入にあたっては、「生活習慣病(life-style related diseases)」という呼称を用い、「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群」と定義することが適切であると考えられる。
「生活習慣病」の範囲については、以下に例示するような生活習慣と疾病との関連が明らかになっているものが含まれる。
食習慣:インスリン非依存糖尿病、肥満、高脂血症(家族性のものを除く)、高尿酸血症、循環器病(先天性のものを除く)、大腸がん(家族性のものを除く)、歯周病等
運動習慣:インスリン非依存糖尿病、肥満、高脂血症(家族性のものを除く)、高血圧症等
喫煙:肺扁平上皮がん、循環器病(先天性のものを除く)、慢性気管支炎、肺気腫、歯周病等
飲酒:アルコール性肝疾患等
「成人病」との関係については、「成人病」は加齢に着目した疾患群であり、生活習慣に着目した「生活習慣病」とは概念的には異なるものである。
一方、それぞれの疾病概念に含まれる疾患については、いずれも年齢あるいは生活習慣の積み重ねにより発症・進行する慢性疾患であり、また、その発症には複数の要因が大なり小なり関与するものと考えられるので、「成人病」に含まれる疾患と「生活習慣病」に含まれる疾患は重複するものが多い。
なお、世界保健機関(WHO)は似たような概念として、NCDs(Noncommunicable diseases、非感染性疾患)という用語を用いています[2]。NCDsには心臓病、脳卒中、がん、糖尿病のほか、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの慢性肺疾患が含まれます。 | 生活習慣病とはどのような疾患群を指すか。 | 生活習慣病とは、食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒など生活習慣が、発症・進行に関与する疾患群であり、がん(悪性新生物)、心疾患(狭心症や心筋梗塞などの心臓病)、脳血管疾患(脳梗塞やくも膜下出血などの脳の病)などの病気が含まれます。 |
JCRRAG_010115 | 医療 | 生活習慣病とは?
生活習慣病とは、食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒など生活習慣が、発症・進行に関与する疾患群であり、がん(悪性新生物)、心疾患(狭心症や心筋梗塞などの心臓病)、脳血管疾患(脳梗塞やくも膜下出血などの脳の病)などの病気が含まれます。但し、生活習慣病の発症には、生活習慣だけでなく遺伝的要因や社会環境要因などの複数の要因が影響するという点に配慮が必要です。
生活習慣病という概念の導入
「生活習慣病」とは、1996年頃から使われるようになった用語です。以前は成人病といわれた、脳卒中、がん、心臓病を、生活習慣という要素に着目して捉え直した用語と位置づけられます。国際的には、これに慢性閉塞性肺疾患(COPD)を加えたNCDs(非感染性疾患)という言葉もよく使われるようになっています。
生活習慣病に関する初期の公的な文書としては、「生活習慣に着目した疾病対策の基本的方向性について(意見具申)」があります。それには次のように書かれています。
生活習慣に着目した疾病概念の導入の必要性[1]
「成人病」という概念は、医学用語ではなく、昭和30年代に、「主として、脳卒中、がん、心臓病などの40歳前後から死亡率が高くなり、しかも全死因の中でも上位を占め、40~60歳くらいの働き盛りに多い疾病」として行政的に提唱されたが、その後、加齢にともなって罹患率が高くなる疾患群という意味として国民の間に定着している。
「成人病」という概念は、加齢という現象はやむを得ないものであり、一定の年齢になった段階で早期発見・早期治療を行うことが効果的であるという認識を醸成してきており、国民の検診に対する受診行動を推進する上で大きな役割を果たしてきたことは、評価されるべきである。
一方、前述したように、成人病の発症には生活習慣が深く関与していることが明らかになっており、これを改善することにより疾病の発症・進行が予防できるという認識を国民に醸成し、行動に結びつけていくためには、新たに、生活習慣に着目した疾病概念を導入し、特に一次予防対策を強力に推進していくことが肝要である。
また、生活習慣は、小児期にその基本が身につけられるといわれており、このような疾病概念の導入により、家庭教育や学校保健教育などを通じて、小児期からの生涯を通じた健康教育が推進されることが期待できる。
さらに、疾病の罹患によるQOLの低下が予防されるとともに、ひいては、年々増大する国民医療費の効果的な使用にも資するものと考えられる。
但し、疾病の発症には、「生活習慣要因」のみならず「遺伝要因」、「外部環境要因」など個人の責任に帰することのできない複数の要因が関与していることから、「病気になったのは個人の責任」といった疾患や患者に対する差別や偏見が生まれるおそれがあるという点に配慮する必要がある。
生活習慣病の定義と範囲
生活習慣病の範囲や定義には、はっきりと定められたものはありませんが、健康増進法では「がん及び循環器病」、「健康日本21(第三次)」では、「がん、循環器病、糖尿病、COPD等」[1]が位置づけられています。
「生活習慣病」の定義、範囲及び「成人病」との関係[2]
(前略)今後、生活習慣に着目した疾病概念の導入にあたっては、「生活習慣病(life-style related diseases)」という呼称を用い、「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群」と定義することが適切であると考えられる。
「生活習慣病」の範囲については、以下に例示するような生活習慣と疾病との関連が明らかになっているものが含まれる。
食習慣:インスリン非依存糖尿病、肥満、高脂血症(家族性のものを除く)、高尿酸血症、循環器病(先天性のものを除く)、大腸がん(家族性のものを除く)、歯周病等
運動習慣:インスリン非依存糖尿病、肥満、高脂血症(家族性のものを除く)、高血圧症等
喫煙:肺扁平上皮がん、循環器病(先天性のものを除く)、慢性気管支炎、肺気腫、歯周病等
飲酒:アルコール性肝疾患等
「成人病」との関係については、「成人病」は加齢に着目した疾患群であり、生活習慣に着目した「生活習慣病」とは概念的には異なるものである。
一方、それぞれの疾病概念に含まれる疾患については、いずれも年齢あるいは生活習慣の積み重ねにより発症・進行する慢性疾患であり、また、その発症には複数の要因が大なり小なり関与するものと考えられるので、「成人病」に含まれる疾患と「生活習慣病」に含まれる疾患は重複するものが多い。
なお、世界保健機関(WHO)は似たような概念として、NCDs(Noncommunicable diseases、非感染性疾患)という用語を用いています[2]。NCDsには心臓病、脳卒中、がん、糖尿病のほか、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの慢性肺疾患が含まれます。 | 「成人病」と「生活習慣病」の概念的な違いは何か。 | 「成人病」は加齢に着目した疾患群であり、生活習慣に着目した「生活習慣病」とは概念的には異なるものである。 |
JCRRAG_010116 | 医療 | 生活習慣病とは?
生活習慣病とは、食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒など生活習慣が、発症・進行に関与する疾患群であり、がん(悪性新生物)、心疾患(狭心症や心筋梗塞などの心臓病)、脳血管疾患(脳梗塞やくも膜下出血などの脳の病)などの病気が含まれます。但し、生活習慣病の発症には、生活習慣だけでなく遺伝的要因や社会環境要因などの複数の要因が影響するという点に配慮が必要です。
生活習慣病という概念の導入
「生活習慣病」とは、1996年頃から使われるようになった用語です。以前は成人病といわれた、脳卒中、がん、心臓病を、生活習慣という要素に着目して捉え直した用語と位置づけられます。国際的には、これに慢性閉塞性肺疾患(COPD)を加えたNCDs(非感染性疾患)という言葉もよく使われるようになっています。
生活習慣病に関する初期の公的な文書としては、「生活習慣に着目した疾病対策の基本的方向性について(意見具申)」があります。それには次のように書かれています。
生活習慣に着目した疾病概念の導入の必要性[1]
「成人病」という概念は、医学用語ではなく、昭和30年代に、「主として、脳卒中、がん、心臓病などの40歳前後から死亡率が高くなり、しかも全死因の中でも上位を占め、40~60歳くらいの働き盛りに多い疾病」として行政的に提唱されたが、その後、加齢にともなって罹患率が高くなる疾患群という意味として国民の間に定着している。
「成人病」という概念は、加齢という現象はやむを得ないものであり、一定の年齢になった段階で早期発見・早期治療を行うことが効果的であるという認識を醸成してきており、国民の検診に対する受診行動を推進する上で大きな役割を果たしてきたことは、評価されるべきである。
一方、前述したように、成人病の発症には生活習慣が深く関与していることが明らかになっており、これを改善することにより疾病の発症・進行が予防できるという認識を国民に醸成し、行動に結びつけていくためには、新たに、生活習慣に着目した疾病概念を導入し、特に一次予防対策を強力に推進していくことが肝要である。
また、生活習慣は、小児期にその基本が身につけられるといわれており、このような疾病概念の導入により、家庭教育や学校保健教育などを通じて、小児期からの生涯を通じた健康教育が推進されることが期待できる。
さらに、疾病の罹患によるQOLの低下が予防されるとともに、ひいては、年々増大する国民医療費の効果的な使用にも資するものと考えられる。
但し、疾病の発症には、「生活習慣要因」のみならず「遺伝要因」、「外部環境要因」など個人の責任に帰することのできない複数の要因が関与していることから、「病気になったのは個人の責任」といった疾患や患者に対する差別や偏見が生まれるおそれがあるという点に配慮する必要がある。
生活習慣病の定義と範囲
生活習慣病の範囲や定義には、はっきりと定められたものはありませんが、健康増進法では「がん及び循環器病」、「健康日本21(第三次)」では、「がん、循環器病、糖尿病、COPD等」[1]が位置づけられています。
「生活習慣病」の定義、範囲及び「成人病」との関係[2]
(前略)今後、生活習慣に着目した疾病概念の導入にあたっては、「生活習慣病(life-style related diseases)」という呼称を用い、「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群」と定義することが適切であると考えられる。
「生活習慣病」の範囲については、以下に例示するような生活習慣と疾病との関連が明らかになっているものが含まれる。
食習慣:インスリン非依存糖尿病、肥満、高脂血症(家族性のものを除く)、高尿酸血症、循環器病(先天性のものを除く)、大腸がん(家族性のものを除く)、歯周病等
運動習慣:インスリン非依存糖尿病、肥満、高脂血症(家族性のものを除く)、高血圧症等
喫煙:肺扁平上皮がん、循環器病(先天性のものを除く)、慢性気管支炎、肺気腫、歯周病等
飲酒:アルコール性肝疾患等
「成人病」との関係については、「成人病」は加齢に着目した疾患群であり、生活習慣に着目した「生活習慣病」とは概念的には異なるものである。
一方、それぞれの疾病概念に含まれる疾患については、いずれも年齢あるいは生活習慣の積み重ねにより発症・進行する慢性疾患であり、また、その発症には複数の要因が大なり小なり関与するものと考えられるので、「成人病」に含まれる疾患と「生活習慣病」に含まれる疾患は重複するものが多い。
なお、世界保健機関(WHO)は似たような概念として、NCDs(Noncommunicable diseases、非感染性疾患)という用語を用いています[2]。NCDsには心臓病、脳卒中、がん、糖尿病のほか、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの慢性肺疾患が含まれます。 | 生活習慣に着目した疾病概念を導入することによって、家庭教育や学校保健教育などを通して何を期待できるか。 | 家庭教育や学校保健教育などを通じて、小児期からの生涯を通じた健康教育が推進されることが期待できる。 |
JCRRAG_010117 | 医療 | 生活習慣病とは?
生活習慣病とは、食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒など生活習慣が、発症・進行に関与する疾患群であり、がん(悪性新生物)、心疾患(狭心症や心筋梗塞などの心臓病)、脳血管疾患(脳梗塞やくも膜下出血などの脳の病)などの病気が含まれます。但し、生活習慣病の発症には、生活習慣だけでなく遺伝的要因や社会環境要因などの複数の要因が影響するという点に配慮が必要です。
生活習慣病という概念の導入
「生活習慣病」とは、1996年頃から使われるようになった用語です。以前は成人病といわれた、脳卒中、がん、心臓病を、生活習慣という要素に着目して捉え直した用語と位置づけられます。国際的には、これに慢性閉塞性肺疾患(COPD)を加えたNCDs(非感染性疾患)という言葉もよく使われるようになっています。
生活習慣病に関する初期の公的な文書としては、「生活習慣に着目した疾病対策の基本的方向性について(意見具申)」があります。それには次のように書かれています。
生活習慣に着目した疾病概念の導入の必要性[1]
「成人病」という概念は、医学用語ではなく、昭和30年代に、「主として、脳卒中、がん、心臓病などの40歳前後から死亡率が高くなり、しかも全死因の中でも上位を占め、40~60歳くらいの働き盛りに多い疾病」として行政的に提唱されたが、その後、加齢にともなって罹患率が高くなる疾患群という意味として国民の間に定着している。
「成人病」という概念は、加齢という現象はやむを得ないものであり、一定の年齢になった段階で早期発見・早期治療を行うことが効果的であるという認識を醸成してきており、国民の検診に対する受診行動を推進する上で大きな役割を果たしてきたことは、評価されるべきである。
一方、前述したように、成人病の発症には生活習慣が深く関与していることが明らかになっており、これを改善することにより疾病の発症・進行が予防できるという認識を国民に醸成し、行動に結びつけていくためには、新たに、生活習慣に着目した疾病概念を導入し、特に一次予防対策を強力に推進していくことが肝要である。
また、生活習慣は、小児期にその基本が身につけられるといわれており、このような疾病概念の導入により、家庭教育や学校保健教育などを通じて、小児期からの生涯を通じた健康教育が推進されることが期待できる。
さらに、疾病の罹患によるQOLの低下が予防されるとともに、ひいては、年々増大する国民医療費の効果的な使用にも資するものと考えられる。
但し、疾病の発症には、「生活習慣要因」のみならず「遺伝要因」、「外部環境要因」など個人の責任に帰することのできない複数の要因が関与していることから、「病気になったのは個人の責任」といった疾患や患者に対する差別や偏見が生まれるおそれがあるという点に配慮する必要がある。
生活習慣病の定義と範囲
生活習慣病の範囲や定義には、はっきりと定められたものはありませんが、健康増進法では「がん及び循環器病」、「健康日本21(第三次)」では、「がん、循環器病、糖尿病、COPD等」[1]が位置づけられています。
「生活習慣病」の定義、範囲及び「成人病」との関係[2]
(前略)今後、生活習慣に着目した疾病概念の導入にあたっては、「生活習慣病(life-style related diseases)」という呼称を用い、「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群」と定義することが適切であると考えられる。
「生活習慣病」の範囲については、以下に例示するような生活習慣と疾病との関連が明らかになっているものが含まれる。
食習慣:インスリン非依存糖尿病、肥満、高脂血症(家族性のものを除く)、高尿酸血症、循環器病(先天性のものを除く)、大腸がん(家族性のものを除く)、歯周病等
運動習慣:インスリン非依存糖尿病、肥満、高脂血症(家族性のものを除く)、高血圧症等
喫煙:肺扁平上皮がん、循環器病(先天性のものを除く)、慢性気管支炎、肺気腫、歯周病等
飲酒:アルコール性肝疾患等
「成人病」との関係については、「成人病」は加齢に着目した疾患群であり、生活習慣に着目した「生活習慣病」とは概念的には異なるものである。
一方、それぞれの疾病概念に含まれる疾患については、いずれも年齢あるいは生活習慣の積み重ねにより発症・進行する慢性疾患であり、また、その発症には複数の要因が大なり小なり関与するものと考えられるので、「成人病」に含まれる疾患と「生活習慣病」に含まれる疾患は重複するものが多い。
なお、世界保健機関(WHO)は似たような概念として、NCDs(Noncommunicable diseases、非感染性疾患)という用語を用いています[2]。NCDsには心臓病、脳卒中、がん、糖尿病のほか、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの慢性肺疾患が含まれます。 | 「生活習慣病」という呼称が使われるようになったのはいつ頃か。 | 「生活習慣病」とは、1996年頃から使われるようになった用語です。 |
JCRRAG_010118 | 医療 | 生活習慣病とは?
生活習慣病とは、食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒など生活習慣が、発症・進行に関与する疾患群であり、がん(悪性新生物)、心疾患(狭心症や心筋梗塞などの心臓病)、脳血管疾患(脳梗塞やくも膜下出血などの脳の病)などの病気が含まれます。但し、生活習慣病の発症には、生活習慣だけでなく遺伝的要因や社会環境要因などの複数の要因が影響するという点に配慮が必要です。
生活習慣病という概念の導入
「生活習慣病」とは、1996年頃から使われるようになった用語です。以前は成人病といわれた、脳卒中、がん、心臓病を、生活習慣という要素に着目して捉え直した用語と位置づけられます。国際的には、これに慢性閉塞性肺疾患(COPD)を加えたNCDs(非感染性疾患)という言葉もよく使われるようになっています。
生活習慣病に関する初期の公的な文書としては、「生活習慣に着目した疾病対策の基本的方向性について(意見具申)」があります。それには次のように書かれています。
生活習慣に着目した疾病概念の導入の必要性[1]
「成人病」という概念は、医学用語ではなく、昭和30年代に、「主として、脳卒中、がん、心臓病などの40歳前後から死亡率が高くなり、しかも全死因の中でも上位を占め、40~60歳くらいの働き盛りに多い疾病」として行政的に提唱されたが、その後、加齢にともなって罹患率が高くなる疾患群という意味として国民の間に定着している。
「成人病」という概念は、加齢という現象はやむを得ないものであり、一定の年齢になった段階で早期発見・早期治療を行うことが効果的であるという認識を醸成してきており、国民の検診に対する受診行動を推進する上で大きな役割を果たしてきたことは、評価されるべきである。
一方、前述したように、成人病の発症には生活習慣が深く関与していることが明らかになっており、これを改善することにより疾病の発症・進行が予防できるという認識を国民に醸成し、行動に結びつけていくためには、新たに、生活習慣に着目した疾病概念を導入し、特に一次予防対策を強力に推進していくことが肝要である。
また、生活習慣は、小児期にその基本が身につけられるといわれており、このような疾病概念の導入により、家庭教育や学校保健教育などを通じて、小児期からの生涯を通じた健康教育が推進されることが期待できる。
さらに、疾病の罹患によるQOLの低下が予防されるとともに、ひいては、年々増大する国民医療費の効果的な使用にも資するものと考えられる。
但し、疾病の発症には、「生活習慣要因」のみならず「遺伝要因」、「外部環境要因」など個人の責任に帰することのできない複数の要因が関与していることから、「病気になったのは個人の責任」といった疾患や患者に対する差別や偏見が生まれるおそれがあるという点に配慮する必要がある。
生活習慣病の定義と範囲
生活習慣病の範囲や定義には、はっきりと定められたものはありませんが、健康増進法では「がん及び循環器病」、「健康日本21(第三次)」では、「がん、循環器病、糖尿病、COPD等」[1]が位置づけられています。
「生活習慣病」の定義、範囲及び「成人病」との関係[2]
(前略)今後、生活習慣に着目した疾病概念の導入にあたっては、「生活習慣病(life-style related diseases)」という呼称を用い、「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群」と定義することが適切であると考えられる。
「生活習慣病」の範囲については、以下に例示するような生活習慣と疾病との関連が明らかになっているものが含まれる。
食習慣:インスリン非依存糖尿病、肥満、高脂血症(家族性のものを除く)、高尿酸血症、循環器病(先天性のものを除く)、大腸がん(家族性のものを除く)、歯周病等
運動習慣:インスリン非依存糖尿病、肥満、高脂血症(家族性のものを除く)、高血圧症等
喫煙:肺扁平上皮がん、循環器病(先天性のものを除く)、慢性気管支炎、肺気腫、歯周病等
飲酒:アルコール性肝疾患等
「成人病」との関係については、「成人病」は加齢に着目した疾患群であり、生活習慣に着目した「生活習慣病」とは概念的には異なるものである。
一方、それぞれの疾病概念に含まれる疾患については、いずれも年齢あるいは生活習慣の積み重ねにより発症・進行する慢性疾患であり、また、その発症には複数の要因が大なり小なり関与するものと考えられるので、「成人病」に含まれる疾患と「生活習慣病」に含まれる疾患は重複するものが多い。
なお、世界保健機関(WHO)は似たような概念として、NCDs(Noncommunicable diseases、非感染性疾患)という用語を用いています[2]。NCDsには心臓病、脳卒中、がん、糖尿病のほか、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの慢性肺疾患が含まれます。 | 世界保健機関(WHO)は生活習慣病に似たような概念として、何という用語を用いていますか。 | 世界保健機関(WHO)は生活習慣病に似たような概念として、NCDs(Noncommunicable diseases、非感染性疾患)という用語を用いています。 |
JCRRAG_010119 | 医療 | 高血圧
日本人の高血圧の最大の原因は、食塩のとりすぎです。若年・中年の男性では、肥満が原因の高血圧も増えています。飲酒、運動不足も高血圧の原因です。高血圧は喫煙と並んで、日本人にとって最大の生活習慣病リスク要因です。
高血圧とは
高血圧は、喫煙と並んで、日本人の生活習慣病死亡に最も大きく影響する要因です。もし高血圧が完全に予防できれば、年間10万人以上の人が死亡せずにすむと推計されています[1]。高血圧自体は、過去数十年で大きく減少しましたが、今なお20歳以上の国民のおよそ二人に一人は高血圧です[2]。
高血圧には本態性高血圧と二次性高血圧とがあります。二次性高血圧は、甲状腺や副腎などの病気があり、それが原因で高血圧を起こすものをいいます。睡眠時無呼吸症候群でも二次性高血圧を合併します。それに対し、日本人の大部分の高血圧は、それらの原因のない、本態性高血圧です。本態性高血圧は、食塩の過剰摂取、肥満、飲酒、運動不足、ストレスや、遺伝的体質などが組み合わさって起こると考えられています。なかでも、日本人にとって重要なのは、食塩の過剰摂取です。
日本高血圧学会の高血圧診断基準[3]は表1の通りで、診察室での収縮期血圧(最大血圧)が140mmHg以上、または拡張期血圧(最小血圧)が90mmHg以上の場合を高血圧と診断します。
メタボリックシンドロームは、腹部肥満、血圧高値、血糖高値、脂質異常のうち、複数の要因が重なって動脈硬化を進行させるため、高血圧診断基準では高血圧や高値血圧に当てはまらなくても、他の要因がある場合には注意が必要です。また、肥満がなくメタボリックシンドロームの基準に当てはまらない場合でも、高血圧単独でも多くの病気を引き起こします。高血圧が進んで動脈硬化になると、心臓では狭心症や心筋梗塞、心不全など、また脳では、脳梗塞、脳出血などの脳血管障害(脳卒中)や認知症になりやすくなります。
高血圧の予防
高血圧の予防に欠かせないのは、食塩摂取量の制限です。食塩摂取の目標は、「健康日本21(第三次)」の目標値では7g未満[4]、「日本人の食事摂取基準(2020年版)」の目標量では、成人男性で7.5g未満、成人女性で6.5g未満[5]とされています。また、日本高血圧学会は、高血圧患者における減塩目標を1日6g未満にすることを強く推奨しています[3]。
日本人の食生活は食塩が多くなりやすい特徴があります。全体的に薄味にし、かけしょうゆ、かけソースなどの習慣がある人は、つけしょうゆ、つけソースに改めるだけでも食塩摂取量が少なくなります。また、漬け物をたくさん食べる習慣のある人や、味噌汁を1日に2杯以上のむ人は、1回の量を減らすことが大切です。ラーメンなど麺類の汁を全部飲んでしまうと、それだけで6g近い食塩をとってしまいます[6]。そのほか、表2のような「減塩のコツ」[7]が推奨されています。
一方、野菜や果物、大豆製品に豊富に含まれるカリウムには腎臓から食塩を排泄しやすくする働きがあります(腎臓の病気がある人はカリウム摂取の制限が必要な場合があるので、主治医と相談する必要があります)。また、カルシウムにも血圧を安定させる効果があります。カルシウムは、牛乳や乳製品から摂取すると、より吸収率が高いことが知られています。これらを組み合わせ、無理のない減塩を長く心がけることが高血圧予防につながります[6] [7]。
表2.減塩に有効な食行動の例:「減塩のコツ」[7]
1. 漬け物は控える:自家製浅漬けにして、少量に
2. 麺類の汁は残す:全部残せば2~3g減塩できる
3. 新鮮な食材を用いる:食材の持ち味で薄味の調理
4. 具だくさんのみそ汁にする:同じ味付けでも減塩できる
5. むやみに調味料を使わない:味付けを確かめて使う
6. 低ナトリウムの調味料をつかう:酢・ケチャップ・マヨネーズ・ドレッシングを上手に利用する
7. 香辛料、香味野菜や果物の酸味を利用する:こしょう・七味・しょうが・かんきつ類の酸味を組み合わせる
8. 外食や加工食品を控える:目に見えない食塩が多く含まれている。塩干物にも注意する
また日本人では、肥満を伴わない高血圧が半数以上を占めますが、若年~中年の男性を中心に、肥満、特に内臓肥満を伴う高血圧の割合が増えています[8]。このような高血圧では、まず最小血圧が高くなりやすく、次第に最大血圧も高くなることが経験的に知られています。このタイプの高血圧は、やがて血清脂質や血糖、尿酸、肝機能にも異常を来し、メタボリックシンドロームに進行しやすくなるので、特定保健指導を利用して、進行しないうちに減量を始めることが大切です。
そのほかに、高血圧の原因となる生活・環境要因には、運動不足、睡眠不足、過重労働、過剰飲酒、寒冷、ストレスなどがあります。
高血圧は自覚症状がほとんどなく、自分では気づかないので、毎年健診を受けることが極めて重要です。健診で行う心電図や眼底検査では、高血圧による長期の影響がわかることがありますので、これらの検査を受けることも有用です。また、家庭用血圧計を購入し、自宅で毎日測ることも、高血圧予防の観点から重要です。 | 日本人の高血圧の最大の原因は何か。 | 日本人の高血圧の最大の原因は、食塩のとりすぎです。 |
JCRRAG_010120 | 医療 | 高血圧
日本人の高血圧の最大の原因は、食塩のとりすぎです。若年・中年の男性では、肥満が原因の高血圧も増えています。飲酒、運動不足も高血圧の原因です。高血圧は喫煙と並んで、日本人にとって最大の生活習慣病リスク要因です。
高血圧とは
高血圧は、喫煙と並んで、日本人の生活習慣病死亡に最も大きく影響する要因です。もし高血圧が完全に予防できれば、年間10万人以上の人が死亡せずにすむと推計されています[1]。高血圧自体は、過去数十年で大きく減少しましたが、今なお20歳以上の国民のおよそ二人に一人は高血圧です[2]。
高血圧には本態性高血圧と二次性高血圧とがあります。二次性高血圧は、甲状腺や副腎などの病気があり、それが原因で高血圧を起こすものをいいます。睡眠時無呼吸症候群でも二次性高血圧を合併します。それに対し、日本人の大部分の高血圧は、それらの原因のない、本態性高血圧です。本態性高血圧は、食塩の過剰摂取、肥満、飲酒、運動不足、ストレスや、遺伝的体質などが組み合わさって起こると考えられています。なかでも、日本人にとって重要なのは、食塩の過剰摂取です。
日本高血圧学会の高血圧診断基準[3]は表1の通りで、診察室での収縮期血圧(最大血圧)が140mmHg以上、または拡張期血圧(最小血圧)が90mmHg以上の場合を高血圧と診断します。
メタボリックシンドロームは、腹部肥満、血圧高値、血糖高値、脂質異常のうち、複数の要因が重なって動脈硬化を進行させるため、高血圧診断基準では高血圧や高値血圧に当てはまらなくても、他の要因がある場合には注意が必要です。また、肥満がなくメタボリックシンドロームの基準に当てはまらない場合でも、高血圧単独でも多くの病気を引き起こします。高血圧が進んで動脈硬化になると、心臓では狭心症や心筋梗塞、心不全など、また脳では、脳梗塞、脳出血などの脳血管障害(脳卒中)や認知症になりやすくなります。
高血圧の予防
高血圧の予防に欠かせないのは、食塩摂取量の制限です。食塩摂取の目標は、「健康日本21(第三次)」の目標値では7g未満[4]、「日本人の食事摂取基準(2020年版)」の目標量では、成人男性で7.5g未満、成人女性で6.5g未満[5]とされています。また、日本高血圧学会は、高血圧患者における減塩目標を1日6g未満にすることを強く推奨しています[3]。
日本人の食生活は食塩が多くなりやすい特徴があります。全体的に薄味にし、かけしょうゆ、かけソースなどの習慣がある人は、つけしょうゆ、つけソースに改めるだけでも食塩摂取量が少なくなります。また、漬け物をたくさん食べる習慣のある人や、味噌汁を1日に2杯以上のむ人は、1回の量を減らすことが大切です。ラーメンなど麺類の汁を全部飲んでしまうと、それだけで6g近い食塩をとってしまいます[6]。そのほか、表2のような「減塩のコツ」[7]が推奨されています。
一方、野菜や果物、大豆製品に豊富に含まれるカリウムには腎臓から食塩を排泄しやすくする働きがあります(腎臓の病気がある人はカリウム摂取の制限が必要な場合があるので、主治医と相談する必要があります)。また、カルシウムにも血圧を安定させる効果があります。カルシウムは、牛乳や乳製品から摂取すると、より吸収率が高いことが知られています。これらを組み合わせ、無理のない減塩を長く心がけることが高血圧予防につながります[6] [7]。
表2.減塩に有効な食行動の例:「減塩のコツ」[7]
1. 漬け物は控える:自家製浅漬けにして、少量に
2. 麺類の汁は残す:全部残せば2~3g減塩できる
3. 新鮮な食材を用いる:食材の持ち味で薄味の調理
4. 具だくさんのみそ汁にする:同じ味付けでも減塩できる
5. むやみに調味料を使わない:味付けを確かめて使う
6. 低ナトリウムの調味料をつかう:酢・ケチャップ・マヨネーズ・ドレッシングを上手に利用する
7. 香辛料、香味野菜や果物の酸味を利用する:こしょう・七味・しょうが・かんきつ類の酸味を組み合わせる
8. 外食や加工食品を控える:目に見えない食塩が多く含まれている。塩干物にも注意する
また日本人では、肥満を伴わない高血圧が半数以上を占めますが、若年~中年の男性を中心に、肥満、特に内臓肥満を伴う高血圧の割合が増えています[8]。このような高血圧では、まず最小血圧が高くなりやすく、次第に最大血圧も高くなることが経験的に知られています。このタイプの高血圧は、やがて血清脂質や血糖、尿酸、肝機能にも異常を来し、メタボリックシンドロームに進行しやすくなるので、特定保健指導を利用して、進行しないうちに減量を始めることが大切です。
そのほかに、高血圧の原因となる生活・環境要因には、運動不足、睡眠不足、過重労働、過剰飲酒、寒冷、ストレスなどがあります。
高血圧は自覚症状がほとんどなく、自分では気づかないので、毎年健診を受けることが極めて重要です。健診で行う心電図や眼底検査では、高血圧による長期の影響がわかることがありますので、これらの検査を受けることも有用です。また、家庭用血圧計を購入し、自宅で毎日測ることも、高血圧予防の観点から重要です。 | 高血圧の診断基準はどのように定められているか。 | 診察室での収縮期血圧(最大血圧)が140mmHg以上、または拡張期血圧(最小血圧)が90mmHg以上の場合を高血圧と診断します。 |
JCRRAG_010121 | 医療 | 高血圧
日本人の高血圧の最大の原因は、食塩のとりすぎです。若年・中年の男性では、肥満が原因の高血圧も増えています。飲酒、運動不足も高血圧の原因です。高血圧は喫煙と並んで、日本人にとって最大の生活習慣病リスク要因です。
高血圧とは
高血圧は、喫煙と並んで、日本人の生活習慣病死亡に最も大きく影響する要因です。もし高血圧が完全に予防できれば、年間10万人以上の人が死亡せずにすむと推計されています[1]。高血圧自体は、過去数十年で大きく減少しましたが、今なお20歳以上の国民のおよそ二人に一人は高血圧です[2]。
高血圧には本態性高血圧と二次性高血圧とがあります。二次性高血圧は、甲状腺や副腎などの病気があり、それが原因で高血圧を起こすものをいいます。睡眠時無呼吸症候群でも二次性高血圧を合併します。それに対し、日本人の大部分の高血圧は、それらの原因のない、本態性高血圧です。本態性高血圧は、食塩の過剰摂取、肥満、飲酒、運動不足、ストレスや、遺伝的体質などが組み合わさって起こると考えられています。なかでも、日本人にとって重要なのは、食塩の過剰摂取です。
日本高血圧学会の高血圧診断基準[3]は表1の通りで、診察室での収縮期血圧(最大血圧)が140mmHg以上、または拡張期血圧(最小血圧)が90mmHg以上の場合を高血圧と診断します。
メタボリックシンドロームは、腹部肥満、血圧高値、血糖高値、脂質異常のうち、複数の要因が重なって動脈硬化を進行させるため、高血圧診断基準では高血圧や高値血圧に当てはまらなくても、他の要因がある場合には注意が必要です。また、肥満がなくメタボリックシンドロームの基準に当てはまらない場合でも、高血圧単独でも多くの病気を引き起こします。高血圧が進んで動脈硬化になると、心臓では狭心症や心筋梗塞、心不全など、また脳では、脳梗塞、脳出血などの脳血管障害(脳卒中)や認知症になりやすくなります。
高血圧の予防
高血圧の予防に欠かせないのは、食塩摂取量の制限です。食塩摂取の目標は、「健康日本21(第三次)」の目標値では7g未満[4]、「日本人の食事摂取基準(2020年版)」の目標量では、成人男性で7.5g未満、成人女性で6.5g未満[5]とされています。また、日本高血圧学会は、高血圧患者における減塩目標を1日6g未満にすることを強く推奨しています[3]。
日本人の食生活は食塩が多くなりやすい特徴があります。全体的に薄味にし、かけしょうゆ、かけソースなどの習慣がある人は、つけしょうゆ、つけソースに改めるだけでも食塩摂取量が少なくなります。また、漬け物をたくさん食べる習慣のある人や、味噌汁を1日に2杯以上のむ人は、1回の量を減らすことが大切です。ラーメンなど麺類の汁を全部飲んでしまうと、それだけで6g近い食塩をとってしまいます[6]。そのほか、表2のような「減塩のコツ」[7]が推奨されています。
一方、野菜や果物、大豆製品に豊富に含まれるカリウムには腎臓から食塩を排泄しやすくする働きがあります(腎臓の病気がある人はカリウム摂取の制限が必要な場合があるので、主治医と相談する必要があります)。また、カルシウムにも血圧を安定させる効果があります。カルシウムは、牛乳や乳製品から摂取すると、より吸収率が高いことが知られています。これらを組み合わせ、無理のない減塩を長く心がけることが高血圧予防につながります[6] [7]。
表2.減塩に有効な食行動の例:「減塩のコツ」[7]
1. 漬け物は控える:自家製浅漬けにして、少量に
2. 麺類の汁は残す:全部残せば2~3g減塩できる
3. 新鮮な食材を用いる:食材の持ち味で薄味の調理
4. 具だくさんのみそ汁にする:同じ味付けでも減塩できる
5. むやみに調味料を使わない:味付けを確かめて使う
6. 低ナトリウムの調味料をつかう:酢・ケチャップ・マヨネーズ・ドレッシングを上手に利用する
7. 香辛料、香味野菜や果物の酸味を利用する:こしょう・七味・しょうが・かんきつ類の酸味を組み合わせる
8. 外食や加工食品を控える:目に見えない食塩が多く含まれている。塩干物にも注意する
また日本人では、肥満を伴わない高血圧が半数以上を占めますが、若年~中年の男性を中心に、肥満、特に内臓肥満を伴う高血圧の割合が増えています[8]。このような高血圧では、まず最小血圧が高くなりやすく、次第に最大血圧も高くなることが経験的に知られています。このタイプの高血圧は、やがて血清脂質や血糖、尿酸、肝機能にも異常を来し、メタボリックシンドロームに進行しやすくなるので、特定保健指導を利用して、進行しないうちに減量を始めることが大切です。
そのほかに、高血圧の原因となる生活・環境要因には、運動不足、睡眠不足、過重労働、過剰飲酒、寒冷、ストレスなどがあります。
高血圧は自覚症状がほとんどなく、自分では気づかないので、毎年健診を受けることが極めて重要です。健診で行う心電図や眼底検査では、高血圧による長期の影響がわかることがありますので、これらの検査を受けることも有用です。また、家庭用血圧計を購入し、自宅で毎日測ることも、高血圧予防の観点から重要です。 | 日本高血圧学会は、高血圧患者における減塩目標を1日何g未満にすることを強く推奨していますか。 | 日本高血圧学会は、高血圧患者における減塩目標を1日6g未満にすることを強く推奨しています。 |
JCRRAG_010122 | 医療 | 高血圧
日本人の高血圧の最大の原因は、食塩のとりすぎです。若年・中年の男性では、肥満が原因の高血圧も増えています。飲酒、運動不足も高血圧の原因です。高血圧は喫煙と並んで、日本人にとって最大の生活習慣病リスク要因です。
高血圧とは
高血圧は、喫煙と並んで、日本人の生活習慣病死亡に最も大きく影響する要因です。もし高血圧が完全に予防できれば、年間10万人以上の人が死亡せずにすむと推計されています[1]。高血圧自体は、過去数十年で大きく減少しましたが、今なお20歳以上の国民のおよそ二人に一人は高血圧です[2]。
高血圧には本態性高血圧と二次性高血圧とがあります。二次性高血圧は、甲状腺や副腎などの病気があり、それが原因で高血圧を起こすものをいいます。睡眠時無呼吸症候群でも二次性高血圧を合併します。それに対し、日本人の大部分の高血圧は、それらの原因のない、本態性高血圧です。本態性高血圧は、食塩の過剰摂取、肥満、飲酒、運動不足、ストレスや、遺伝的体質などが組み合わさって起こると考えられています。なかでも、日本人にとって重要なのは、食塩の過剰摂取です。
日本高血圧学会の高血圧診断基準[3]は表1の通りで、診察室での収縮期血圧(最大血圧)が140mmHg以上、または拡張期血圧(最小血圧)が90mmHg以上の場合を高血圧と診断します。
メタボリックシンドロームは、腹部肥満、血圧高値、血糖高値、脂質異常のうち、複数の要因が重なって動脈硬化を進行させるため、高血圧診断基準では高血圧や高値血圧に当てはまらなくても、他の要因がある場合には注意が必要です。また、肥満がなくメタボリックシンドロームの基準に当てはまらない場合でも、高血圧単独でも多くの病気を引き起こします。高血圧が進んで動脈硬化になると、心臓では狭心症や心筋梗塞、心不全など、また脳では、脳梗塞、脳出血などの脳血管障害(脳卒中)や認知症になりやすくなります。
高血圧の予防
高血圧の予防に欠かせないのは、食塩摂取量の制限です。食塩摂取の目標は、「健康日本21(第三次)」の目標値では7g未満[4]、「日本人の食事摂取基準(2020年版)」の目標量では、成人男性で7.5g未満、成人女性で6.5g未満[5]とされています。また、日本高血圧学会は、高血圧患者における減塩目標を1日6g未満にすることを強く推奨しています[3]。
日本人の食生活は食塩が多くなりやすい特徴があります。全体的に薄味にし、かけしょうゆ、かけソースなどの習慣がある人は、つけしょうゆ、つけソースに改めるだけでも食塩摂取量が少なくなります。また、漬け物をたくさん食べる習慣のある人や、味噌汁を1日に2杯以上のむ人は、1回の量を減らすことが大切です。ラーメンなど麺類の汁を全部飲んでしまうと、それだけで6g近い食塩をとってしまいます[6]。そのほか、表2のような「減塩のコツ」[7]が推奨されています。
一方、野菜や果物、大豆製品に豊富に含まれるカリウムには腎臓から食塩を排泄しやすくする働きがあります(腎臓の病気がある人はカリウム摂取の制限が必要な場合があるので、主治医と相談する必要があります)。また、カルシウムにも血圧を安定させる効果があります。カルシウムは、牛乳や乳製品から摂取すると、より吸収率が高いことが知られています。これらを組み合わせ、無理のない減塩を長く心がけることが高血圧予防につながります[6] [7]。
表2.減塩に有効な食行動の例:「減塩のコツ」[7]
1. 漬け物は控える:自家製浅漬けにして、少量に
2. 麺類の汁は残す:全部残せば2~3g減塩できる
3. 新鮮な食材を用いる:食材の持ち味で薄味の調理
4. 具だくさんのみそ汁にする:同じ味付けでも減塩できる
5. むやみに調味料を使わない:味付けを確かめて使う
6. 低ナトリウムの調味料をつかう:酢・ケチャップ・マヨネーズ・ドレッシングを上手に利用する
7. 香辛料、香味野菜や果物の酸味を利用する:こしょう・七味・しょうが・かんきつ類の酸味を組み合わせる
8. 外食や加工食品を控える:目に見えない食塩が多く含まれている。塩干物にも注意する
また日本人では、肥満を伴わない高血圧が半数以上を占めますが、若年~中年の男性を中心に、肥満、特に内臓肥満を伴う高血圧の割合が増えています[8]。このような高血圧では、まず最小血圧が高くなりやすく、次第に最大血圧も高くなることが経験的に知られています。このタイプの高血圧は、やがて血清脂質や血糖、尿酸、肝機能にも異常を来し、メタボリックシンドロームに進行しやすくなるので、特定保健指導を利用して、進行しないうちに減量を始めることが大切です。
そのほかに、高血圧の原因となる生活・環境要因には、運動不足、睡眠不足、過重労働、過剰飲酒、寒冷、ストレスなどがあります。
高血圧は自覚症状がほとんどなく、自分では気づかないので、毎年健診を受けることが極めて重要です。健診で行う心電図や眼底検査では、高血圧による長期の影響がわかることがありますので、これらの検査を受けることも有用です。また、家庭用血圧計を購入し、自宅で毎日測ることも、高血圧予防の観点から重要です。 | カリウムにはどのような働きがありますか。 | カリウムには腎臓から食塩を排泄しやすくする働きがあります。 |
JCRRAG_010123 | 医療 | 高血圧
日本人の高血圧の最大の原因は、食塩のとりすぎです。若年・中年の男性では、肥満が原因の高血圧も増えています。飲酒、運動不足も高血圧の原因です。高血圧は喫煙と並んで、日本人にとって最大の生活習慣病リスク要因です。
高血圧とは
高血圧は、喫煙と並んで、日本人の生活習慣病死亡に最も大きく影響する要因です。もし高血圧が完全に予防できれば、年間10万人以上の人が死亡せずにすむと推計されています[1]。高血圧自体は、過去数十年で大きく減少しましたが、今なお20歳以上の国民のおよそ二人に一人は高血圧です[2]。
高血圧には本態性高血圧と二次性高血圧とがあります。二次性高血圧は、甲状腺や副腎などの病気があり、それが原因で高血圧を起こすものをいいます。睡眠時無呼吸症候群でも二次性高血圧を合併します。それに対し、日本人の大部分の高血圧は、それらの原因のない、本態性高血圧です。本態性高血圧は、食塩の過剰摂取、肥満、飲酒、運動不足、ストレスや、遺伝的体質などが組み合わさって起こると考えられています。なかでも、日本人にとって重要なのは、食塩の過剰摂取です。
日本高血圧学会の高血圧診断基準[3]は表1の通りで、診察室での収縮期血圧(最大血圧)が140mmHg以上、または拡張期血圧(最小血圧)が90mmHg以上の場合を高血圧と診断します。
メタボリックシンドロームは、腹部肥満、血圧高値、血糖高値、脂質異常のうち、複数の要因が重なって動脈硬化を進行させるため、高血圧診断基準では高血圧や高値血圧に当てはまらなくても、他の要因がある場合には注意が必要です。また、肥満がなくメタボリックシンドロームの基準に当てはまらない場合でも、高血圧単独でも多くの病気を引き起こします。高血圧が進んで動脈硬化になると、心臓では狭心症や心筋梗塞、心不全など、また脳では、脳梗塞、脳出血などの脳血管障害(脳卒中)や認知症になりやすくなります。
高血圧の予防
高血圧の予防に欠かせないのは、食塩摂取量の制限です。食塩摂取の目標は、「健康日本21(第三次)」の目標値では7g未満[4]、「日本人の食事摂取基準(2020年版)」の目標量では、成人男性で7.5g未満、成人女性で6.5g未満[5]とされています。また、日本高血圧学会は、高血圧患者における減塩目標を1日6g未満にすることを強く推奨しています[3]。
日本人の食生活は食塩が多くなりやすい特徴があります。全体的に薄味にし、かけしょうゆ、かけソースなどの習慣がある人は、つけしょうゆ、つけソースに改めるだけでも食塩摂取量が少なくなります。また、漬け物をたくさん食べる習慣のある人や、味噌汁を1日に2杯以上のむ人は、1回の量を減らすことが大切です。ラーメンなど麺類の汁を全部飲んでしまうと、それだけで6g近い食塩をとってしまいます[6]。そのほか、表2のような「減塩のコツ」[7]が推奨されています。
一方、野菜や果物、大豆製品に豊富に含まれるカリウムには腎臓から食塩を排泄しやすくする働きがあります(腎臓の病気がある人はカリウム摂取の制限が必要な場合があるので、主治医と相談する必要があります)。また、カルシウムにも血圧を安定させる効果があります。カルシウムは、牛乳や乳製品から摂取すると、より吸収率が高いことが知られています。これらを組み合わせ、無理のない減塩を長く心がけることが高血圧予防につながります[6] [7]。
表2.減塩に有効な食行動の例:「減塩のコツ」[7]
1. 漬け物は控える:自家製浅漬けにして、少量に
2. 麺類の汁は残す:全部残せば2~3g減塩できる
3. 新鮮な食材を用いる:食材の持ち味で薄味の調理
4. 具だくさんのみそ汁にする:同じ味付けでも減塩できる
5. むやみに調味料を使わない:味付けを確かめて使う
6. 低ナトリウムの調味料をつかう:酢・ケチャップ・マヨネーズ・ドレッシングを上手に利用する
7. 香辛料、香味野菜や果物の酸味を利用する:こしょう・七味・しょうが・かんきつ類の酸味を組み合わせる
8. 外食や加工食品を控える:目に見えない食塩が多く含まれている。塩干物にも注意する
また日本人では、肥満を伴わない高血圧が半数以上を占めますが、若年~中年の男性を中心に、肥満、特に内臓肥満を伴う高血圧の割合が増えています[8]。このような高血圧では、まず最小血圧が高くなりやすく、次第に最大血圧も高くなることが経験的に知られています。このタイプの高血圧は、やがて血清脂質や血糖、尿酸、肝機能にも異常を来し、メタボリックシンドロームに進行しやすくなるので、特定保健指導を利用して、進行しないうちに減量を始めることが大切です。
そのほかに、高血圧の原因となる生活・環境要因には、運動不足、睡眠不足、過重労働、過剰飲酒、寒冷、ストレスなどがあります。
高血圧は自覚症状がほとんどなく、自分では気づかないので、毎年健診を受けることが極めて重要です。健診で行う心電図や眼底検査では、高血圧による長期の影響がわかることがありますので、これらの検査を受けることも有用です。また、家庭用血圧計を購入し、自宅で毎日測ることも、高血圧予防の観点から重要です。 | 若年~中年の男性を中心に、どのような高血圧の割合が増えていますか。 | 若年~中年の男性を中心に、肥満、特に内臓肥満を伴う高血圧の割合が増えています。 |
JCRRAG_010124 | 医療 | 糖尿病
糖尿病は、血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が多くなりすぎる病気です。初期には症状がほとんどありませんが、進行すると動脈硬化が進み、脳卒中や虚血性心疾患になりやすくなります。また3大合併症として、網膜症、腎症、神経障害があり、失明や透析につながる病気でもあります。
食事によって腸から吸収されたブドウ糖は、血液の中に入ります。すると、すぐにすい臓(膵臓)からインスリンというホルモンが分泌されます。インスリンは、ブドウ糖が体中のいろいろな細胞に入るための「入場券」のような役割をもっており、インスリンがないとブドウ糖は細胞に入ることができません。インスリンにより、血液中のブドウ糖は速やかに細胞内に入り、エネルギー源として、筋肉を動かしたり、脳を働かせたりするのに利用されます。
糖尿病は、すい臓で作るインスリンが足りなくなったり、効かなくなったりして、血液中のブドウ糖が細胞に入ることができなくなる病態です。健康な人では、食後、血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)は一時的に高くなりますが、インスリンの力によってブドウ糖はすぐに細胞に入るので、血糖値は早めに元に戻ります。しかし、糖尿病では、ブドウ糖が細胞に入ることができにくく、血液中にブドウ糖があふれかえってしまい、血糖値がいつも高い状態になります。
細胞に入るとエネルギー源として役に立つブドウ糖ですが、血液の中では、血管を破壊して動脈硬化を起こすようになります。特に脳や心臓の血管が被害を受けやすく、脳卒中や心筋梗塞の原因となります。また、目の網膜や腎臓、神経を傷害し、「3大合併症」と呼ばれる糖尿病網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病神経障害を引き起こします。失明や透析のほか、壊疽(足に血液が行き渡らず、切断する必要が生じる病気)、認知症など、大きな障害につながります。しかし、糖尿病は、初期にはほとんど症状がありません。症状が出たときには、糖尿病が進行してしまっていることが多いのです。このため、年に1度は健康診査を受け、自分の血糖値を確かめる必要があります。
特定健康診査では、食事をとらずに測った血糖値(空腹時血糖)のほか、HbA1cの検査を行うことがあります。ヘモグロビンは、血液の中で酸素を運ぶ働きをしていますが、その一部はブドウ糖と結合します。これがHbA1cです。血糖値が高い状態が続くと、ブドウ糖と結合しているヘモグロビンが多くなるので、HbA1cが高くなります。血糖は食事の影響を受けるのに対して、HbA1cは、だいたい2ヶ月くらいの血糖を反映するので、直前の食事の影響を受けにくい糖尿病の指標として、検査でよく利用されています。
糖尿病は何回かの検査を組み合わせて診断されますが、空腹時血糖が126mg/dl以上、食事をとった後に測った血糖(随時血糖)が200mg/dl以上、あるいはHbA1cが6.5%以上と確認された場合、糖尿病である可能性が高くなります[1]ので、必ず医療機関で検査を受けて下さい。特定健診では、空腹時血糖100mg/dl以上またはHbA1c 5.6%以上を高血糖の基準としています[2]。
糖尿病の予防のためには、摂取エネルギー量をとりすぎないこと、運動をすること、アルコールをとりすぎないこと、たばこを吸わないこと、野菜や大豆製品、海藻、きのこなどを多くとることなどがあげられます[3]。特に、砂糖の入った飲み物をとりすぎる習慣のある人は、糖尿病のリスクが高まります。肥満も糖尿病のリスクを高めますが、日本人ではやせていても糖尿病になりやすい人がいますので、肥満や過体重のない人でも注意が必要です。
糖尿病になってしまった場合には、上記よりも厳格な食事療法、運動療法が必要となります。主治医の先生と個別に相談することが大切です。 | 糖尿病になると血糖値がどうなるのか。 | 血糖値がいつも高い状態になります。 |
JCRRAG_010125 | 医療 | 糖尿病
糖尿病は、血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が多くなりすぎる病気です。初期には症状がほとんどありませんが、進行すると動脈硬化が進み、脳卒中や虚血性心疾患になりやすくなります。また3大合併症として、網膜症、腎症、神経障害があり、失明や透析につながる病気でもあります。
食事によって腸から吸収されたブドウ糖は、血液の中に入ります。すると、すぐにすい臓(膵臓)からインスリンというホルモンが分泌されます。インスリンは、ブドウ糖が体中のいろいろな細胞に入るための「入場券」のような役割をもっており、インスリンがないとブドウ糖は細胞に入ることができません。インスリンにより、血液中のブドウ糖は速やかに細胞内に入り、エネルギー源として、筋肉を動かしたり、脳を働かせたりするのに利用されます。
糖尿病は、すい臓で作るインスリンが足りなくなったり、効かなくなったりして、血液中のブドウ糖が細胞に入ることができなくなる病態です。健康な人では、食後、血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)は一時的に高くなりますが、インスリンの力によってブドウ糖はすぐに細胞に入るので、血糖値は早めに元に戻ります。しかし、糖尿病では、ブドウ糖が細胞に入ることができにくく、血液中にブドウ糖があふれかえってしまい、血糖値がいつも高い状態になります。
細胞に入るとエネルギー源として役に立つブドウ糖ですが、血液の中では、血管を破壊して動脈硬化を起こすようになります。特に脳や心臓の血管が被害を受けやすく、脳卒中や心筋梗塞の原因となります。また、目の網膜や腎臓、神経を傷害し、「3大合併症」と呼ばれる糖尿病網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病神経障害を引き起こします。失明や透析のほか、壊疽(足に血液が行き渡らず、切断する必要が生じる病気)、認知症など、大きな障害につながります。しかし、糖尿病は、初期にはほとんど症状がありません。症状が出たときには、糖尿病が進行してしまっていることが多いのです。このため、年に1度は健康診査を受け、自分の血糖値を確かめる必要があります。
特定健康診査では、食事をとらずに測った血糖値(空腹時血糖)のほか、HbA1cの検査を行うことがあります。ヘモグロビンは、血液の中で酸素を運ぶ働きをしていますが、その一部はブドウ糖と結合します。これがHbA1cです。血糖値が高い状態が続くと、ブドウ糖と結合しているヘモグロビンが多くなるので、HbA1cが高くなります。血糖は食事の影響を受けるのに対して、HbA1cは、だいたい2ヶ月くらいの血糖を反映するので、直前の食事の影響を受けにくい糖尿病の指標として、検査でよく利用されています。
糖尿病は何回かの検査を組み合わせて診断されますが、空腹時血糖が126mg/dl以上、食事をとった後に測った血糖(随時血糖)が200mg/dl以上、あるいはHbA1cが6.5%以上と確認された場合、糖尿病である可能性が高くなります[1]ので、必ず医療機関で検査を受けて下さい。特定健診では、空腹時血糖100mg/dl以上またはHbA1c 5.6%以上を高血糖の基準としています[2]。
糖尿病の予防のためには、摂取エネルギー量をとりすぎないこと、運動をすること、アルコールをとりすぎないこと、たばこを吸わないこと、野菜や大豆製品、海藻、きのこなどを多くとることなどがあげられます[3]。特に、砂糖の入った飲み物をとりすぎる習慣のある人は、糖尿病のリスクが高まります。肥満も糖尿病のリスクを高めますが、日本人ではやせていても糖尿病になりやすい人がいますので、肥満や過体重のない人でも注意が必要です。
糖尿病になってしまった場合には、上記よりも厳格な食事療法、運動療法が必要となります。主治医の先生と個別に相談することが大切です。 | 糖尿病によって血管が損傷されると、どのような病気を引き起こすか。 | 脳卒中や心筋梗塞の原因となります。 |
JCRRAG_010126 | 医療 | 糖尿病
糖尿病は、血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が多くなりすぎる病気です。初期には症状がほとんどありませんが、進行すると動脈硬化が進み、脳卒中や虚血性心疾患になりやすくなります。また3大合併症として、網膜症、腎症、神経障害があり、失明や透析につながる病気でもあります。
食事によって腸から吸収されたブドウ糖は、血液の中に入ります。すると、すぐにすい臓(膵臓)からインスリンというホルモンが分泌されます。インスリンは、ブドウ糖が体中のいろいろな細胞に入るための「入場券」のような役割をもっており、インスリンがないとブドウ糖は細胞に入ることができません。インスリンにより、血液中のブドウ糖は速やかに細胞内に入り、エネルギー源として、筋肉を動かしたり、脳を働かせたりするのに利用されます。
糖尿病は、すい臓で作るインスリンが足りなくなったり、効かなくなったりして、血液中のブドウ糖が細胞に入ることができなくなる病態です。健康な人では、食後、血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)は一時的に高くなりますが、インスリンの力によってブドウ糖はすぐに細胞に入るので、血糖値は早めに元に戻ります。しかし、糖尿病では、ブドウ糖が細胞に入ることができにくく、血液中にブドウ糖があふれかえってしまい、血糖値がいつも高い状態になります。
細胞に入るとエネルギー源として役に立つブドウ糖ですが、血液の中では、血管を破壊して動脈硬化を起こすようになります。特に脳や心臓の血管が被害を受けやすく、脳卒中や心筋梗塞の原因となります。また、目の網膜や腎臓、神経を傷害し、「3大合併症」と呼ばれる糖尿病網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病神経障害を引き起こします。失明や透析のほか、壊疽(足に血液が行き渡らず、切断する必要が生じる病気)、認知症など、大きな障害につながります。しかし、糖尿病は、初期にはほとんど症状がありません。症状が出たときには、糖尿病が進行してしまっていることが多いのです。このため、年に1度は健康診査を受け、自分の血糖値を確かめる必要があります。
特定健康診査では、食事をとらずに測った血糖値(空腹時血糖)のほか、HbA1cの検査を行うことがあります。ヘモグロビンは、血液の中で酸素を運ぶ働きをしていますが、その一部はブドウ糖と結合します。これがHbA1cです。血糖値が高い状態が続くと、ブドウ糖と結合しているヘモグロビンが多くなるので、HbA1cが高くなります。血糖は食事の影響を受けるのに対して、HbA1cは、だいたい2ヶ月くらいの血糖を反映するので、直前の食事の影響を受けにくい糖尿病の指標として、検査でよく利用されています。
糖尿病は何回かの検査を組み合わせて診断されますが、空腹時血糖が126mg/dl以上、食事をとった後に測った血糖(随時血糖)が200mg/dl以上、あるいはHbA1cが6.5%以上と確認された場合、糖尿病である可能性が高くなります[1]ので、必ず医療機関で検査を受けて下さい。特定健診では、空腹時血糖100mg/dl以上またはHbA1c 5.6%以上を高血糖の基準としています[2]。
糖尿病の予防のためには、摂取エネルギー量をとりすぎないこと、運動をすること、アルコールをとりすぎないこと、たばこを吸わないこと、野菜や大豆製品、海藻、きのこなどを多くとることなどがあげられます[3]。特に、砂糖の入った飲み物をとりすぎる習慣のある人は、糖尿病のリスクが高まります。肥満も糖尿病のリスクを高めますが、日本人ではやせていても糖尿病になりやすい人がいますので、肥満や過体重のない人でも注意が必要です。
糖尿病になってしまった場合には、上記よりも厳格な食事療法、運動療法が必要となります。主治医の先生と個別に相談することが大切です。 | 糖尿病の三大合併症には何があるか。 | 糖尿病網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病神経障害を引き起こします。 |
JCRRAG_010127 | 医療 | 糖尿病
糖尿病は、血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が多くなりすぎる病気です。初期には症状がほとんどありませんが、進行すると動脈硬化が進み、脳卒中や虚血性心疾患になりやすくなります。また3大合併症として、網膜症、腎症、神経障害があり、失明や透析につながる病気でもあります。
食事によって腸から吸収されたブドウ糖は、血液の中に入ります。すると、すぐにすい臓(膵臓)からインスリンというホルモンが分泌されます。インスリンは、ブドウ糖が体中のいろいろな細胞に入るための「入場券」のような役割をもっており、インスリンがないとブドウ糖は細胞に入ることができません。インスリンにより、血液中のブドウ糖は速やかに細胞内に入り、エネルギー源として、筋肉を動かしたり、脳を働かせたりするのに利用されます。
糖尿病は、すい臓で作るインスリンが足りなくなったり、効かなくなったりして、血液中のブドウ糖が細胞に入ることができなくなる病態です。健康な人では、食後、血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)は一時的に高くなりますが、インスリンの力によってブドウ糖はすぐに細胞に入るので、血糖値は早めに元に戻ります。しかし、糖尿病では、ブドウ糖が細胞に入ることができにくく、血液中にブドウ糖があふれかえってしまい、血糖値がいつも高い状態になります。
細胞に入るとエネルギー源として役に立つブドウ糖ですが、血液の中では、血管を破壊して動脈硬化を起こすようになります。特に脳や心臓の血管が被害を受けやすく、脳卒中や心筋梗塞の原因となります。また、目の網膜や腎臓、神経を傷害し、「3大合併症」と呼ばれる糖尿病網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病神経障害を引き起こします。失明や透析のほか、壊疽(足に血液が行き渡らず、切断する必要が生じる病気)、認知症など、大きな障害につながります。しかし、糖尿病は、初期にはほとんど症状がありません。症状が出たときには、糖尿病が進行してしまっていることが多いのです。このため、年に1度は健康診査を受け、自分の血糖値を確かめる必要があります。
特定健康診査では、食事をとらずに測った血糖値(空腹時血糖)のほか、HbA1cの検査を行うことがあります。ヘモグロビンは、血液の中で酸素を運ぶ働きをしていますが、その一部はブドウ糖と結合します。これがHbA1cです。血糖値が高い状態が続くと、ブドウ糖と結合しているヘモグロビンが多くなるので、HbA1cが高くなります。血糖は食事の影響を受けるのに対して、HbA1cは、だいたい2ヶ月くらいの血糖を反映するので、直前の食事の影響を受けにくい糖尿病の指標として、検査でよく利用されています。
糖尿病は何回かの検査を組み合わせて診断されますが、空腹時血糖が126mg/dl以上、食事をとった後に測った血糖(随時血糖)が200mg/dl以上、あるいはHbA1cが6.5%以上と確認された場合、糖尿病である可能性が高くなります[1]ので、必ず医療機関で検査を受けて下さい。特定健診では、空腹時血糖100mg/dl以上またはHbA1c 5.6%以上を高血糖の基準としています[2]。
糖尿病の予防のためには、摂取エネルギー量をとりすぎないこと、運動をすること、アルコールをとりすぎないこと、たばこを吸わないこと、野菜や大豆製品、海藻、きのこなどを多くとることなどがあげられます[3]。特に、砂糖の入った飲み物をとりすぎる習慣のある人は、糖尿病のリスクが高まります。肥満も糖尿病のリスクを高めますが、日本人ではやせていても糖尿病になりやすい人がいますので、肥満や過体重のない人でも注意が必要です。
糖尿病になってしまった場合には、上記よりも厳格な食事療法、運動療法が必要となります。主治医の先生と個別に相談することが大切です。 | HbA1cはどのような指標であり、何を反映しているか。 | HbA1cは、だいたい2ヶ月くらいの血糖を反映するので、直前の食事の影響を受けにくい糖尿病の指標として、検査でよく利用されています。 |
JCRRAG_010128 | 医療 | 糖尿病
糖尿病は、血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が多くなりすぎる病気です。初期には症状がほとんどありませんが、進行すると動脈硬化が進み、脳卒中や虚血性心疾患になりやすくなります。また3大合併症として、網膜症、腎症、神経障害があり、失明や透析につながる病気でもあります。
食事によって腸から吸収されたブドウ糖は、血液の中に入ります。すると、すぐにすい臓(膵臓)からインスリンというホルモンが分泌されます。インスリンは、ブドウ糖が体中のいろいろな細胞に入るための「入場券」のような役割をもっており、インスリンがないとブドウ糖は細胞に入ることができません。インスリンにより、血液中のブドウ糖は速やかに細胞内に入り、エネルギー源として、筋肉を動かしたり、脳を働かせたりするのに利用されます。
糖尿病は、すい臓で作るインスリンが足りなくなったり、効かなくなったりして、血液中のブドウ糖が細胞に入ることができなくなる病態です。健康な人では、食後、血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)は一時的に高くなりますが、インスリンの力によってブドウ糖はすぐに細胞に入るので、血糖値は早めに元に戻ります。しかし、糖尿病では、ブドウ糖が細胞に入ることができにくく、血液中にブドウ糖があふれかえってしまい、血糖値がいつも高い状態になります。
細胞に入るとエネルギー源として役に立つブドウ糖ですが、血液の中では、血管を破壊して動脈硬化を起こすようになります。特に脳や心臓の血管が被害を受けやすく、脳卒中や心筋梗塞の原因となります。また、目の網膜や腎臓、神経を傷害し、「3大合併症」と呼ばれる糖尿病網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病神経障害を引き起こします。失明や透析のほか、壊疽(足に血液が行き渡らず、切断する必要が生じる病気)、認知症など、大きな障害につながります。しかし、糖尿病は、初期にはほとんど症状がありません。症状が出たときには、糖尿病が進行してしまっていることが多いのです。このため、年に1度は健康診査を受け、自分の血糖値を確かめる必要があります。
特定健康診査では、食事をとらずに測った血糖値(空腹時血糖)のほか、HbA1cの検査を行うことがあります。ヘモグロビンは、血液の中で酸素を運ぶ働きをしていますが、その一部はブドウ糖と結合します。これがHbA1cです。血糖値が高い状態が続くと、ブドウ糖と結合しているヘモグロビンが多くなるので、HbA1cが高くなります。血糖は食事の影響を受けるのに対して、HbA1cは、だいたい2ヶ月くらいの血糖を反映するので、直前の食事の影響を受けにくい糖尿病の指標として、検査でよく利用されています。
糖尿病は何回かの検査を組み合わせて診断されますが、空腹時血糖が126mg/dl以上、食事をとった後に測った血糖(随時血糖)が200mg/dl以上、あるいはHbA1cが6.5%以上と確認された場合、糖尿病である可能性が高くなります[1]ので、必ず医療機関で検査を受けて下さい。特定健診では、空腹時血糖100mg/dl以上またはHbA1c 5.6%以上を高血糖の基準としています[2]。
糖尿病の予防のためには、摂取エネルギー量をとりすぎないこと、運動をすること、アルコールをとりすぎないこと、たばこを吸わないこと、野菜や大豆製品、海藻、きのこなどを多くとることなどがあげられます[3]。特に、砂糖の入った飲み物をとりすぎる習慣のある人は、糖尿病のリスクが高まります。肥満も糖尿病のリスクを高めますが、日本人ではやせていても糖尿病になりやすい人がいますので、肥満や過体重のない人でも注意が必要です。
糖尿病になってしまった場合には、上記よりも厳格な食事療法、運動療法が必要となります。主治医の先生と個別に相談することが大切です。 | 糖尿病予防のために避けるべき飲み物の習慣は何か。 | 砂糖の入った飲み物をとりすぎる習慣のある人は、糖尿病のリスクが高まります。 |
JCRRAG_010129 | 医療 | 脳血管障害・脳卒中
脳血管障害(脳卒中)には、脳の血管が詰まる脳梗塞と脳の血管が破れる脳出血、くも膜下出血があります。いずれも高血圧が最大の原因です。
高血圧が長く続くと、動脈硬化が進行し、やがて脳の血管が詰まって脳梗塞になります。高血圧の程度が強い場合、脳の血管が破れて脳出血になったり、また脳の血管の一部分に動脈瘤ができて破裂してくも膜下出血になります。これらの病気を脳血管障害(脳卒中)といいます。
脳血管障害(脳卒中)の種類
脳梗塞になると、血管が詰まった部分の先の脳細胞には血液が送られなくなります。
脳出血では、脳の中に出血して血の固まりができます。日本人の場合、脳の深い部分にある、被殻や内包、放線冠、視床などに向かう細い血管が詰まったり出血しやすく、その結果、脳梗塞、脳出血いずれの場合でも、脳細胞が壊れ、意識がなくなったり、半身まひや言語障害、さらには認知機能低下などの症状が現れます。
くも膜下出血ではまひは少なく、激しい頭痛や意識障害が突然起こります。脳梗塞や脳出血では、初期に適切な治療を開始すれば、後遺症なく治ることもあり、またリハビリでかなり回復することも多くなっています。しかし、残念ながら他の多くの場合は、半身不随や認知症が残ったり、寝たきりになったり、あるいは亡くなる危険が高い病気です。
また、心房細動という不整脈を持っている人では、心臓の中に血栓(血液の固まり)ができやすく、それが脳に飛んで脳梗塞を起こすことがあります。これを脳塞栓と言います。心房細動のある人では脳梗塞になる確率が2~7倍ほど高くなります[1]ので、健診などで心房細動があると言われたら、必ず治療を受けてください。自分で脈を触れて、不規則に打つような脈がある場合には、医療機関に相談してください。
脳血管障害(脳卒中)の危険因子
脳梗塞を発生させる危険因子には、高血圧、不整脈(心房細動)、糖尿病、喫煙、肥満などがあります[1]。この中でも、高血圧が特に重要で、高血圧が完全に予防できれば、日本人の脳卒中は今よりも約半分に減ると考えられています[2]。メタボリックシンドロームも脳梗塞の危険因子の一つです。
脳出血やくも膜下出血の場合は、高血圧、喫煙、飲酒が発生に関連する要因です。脳出血の場合は、コレステロール値の異常低値(低栄養)も発生に関与します。
脳血管障害(脳卒中)の症状
脳卒中の症状は突然現れることが多いのですが、頭痛、めまい、舌のもつれ、手足のしびれなどの前ぶれ症状が起こることもあります。典型的な症状は、片方の手足が動かなくなったりしびれる、顔の半分が動かなくなったりしびれる、ろれつがまわらなかったりうまく言葉を発することができない、という、「腕」「顔」「言葉」の症状です[3]。こうした症状が現れたら、様子を見てはいけません。事は1分1秒を争います。すぐに救急車を呼んで、検査を受ける必要があります。
特に、近年は血栓を溶かす治療薬であるrt-PA(遺伝子組み換え組織型プラスミノゲン・アクチベータ)を用いた経静脈的線溶療法や、カテーテルを用いた経動脈的血行再建療法が普及しており、これによって脳梗塞が完治する可能性が高くなっています[1]。しかし、この治療は症状が出てからすぐに行わないと効果がありません。目安は線溶療法で4時間半以内、血行再建療法で6時間以内とされていますが、現在治療できる時間を拡大する努力がなされています。現時点では、どこの医療機関でもこうした治療ができるわけではありませんが、こうした治療ができる医療機関は増えてきています。「腕」「顔」「言葉」に異常があったら、すぐに救急車を呼んでください。
しかし、治療をしても完治しないことや、発見が遅れて治療がうけられないことも未だ多くあります。脳卒中は、一度なってしまうと後遺症が残る可能性の高い病気ですので、ならないように予防することが大切です。
脳血管障害(脳卒中)の予防
脳卒中の最大の原因は、高血圧です。高血圧の最大の生活習慣要因は、食塩の過剰摂取です。日本人は食塩摂取の多い民族ですので、脳卒中予防のためにまず行うべきことは、減塩です。
また太っていて血圧が高い人は、特定保健指導などを利用して減量すると、血圧が下がる可能性が高いといえます。たばこは、がん、心臓病、脳卒中、COPD(慢性閉塞性肺疾患)のすべてのリスクを高めます。たばこを吸っている人は、やめましょう。大量飲酒も脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の全てのリスクを高くすることがわかっています。
一方、予防につながる食べ物としては、野菜や果物、大豆製品があります。ウォーキングなどの軽い有酸素運動で血流をよくすることも効果的です。そして、高血圧や糖尿病、メタボリックシンドロームを早期発見するために、年に一度は必ず健診を受けましょう。高血圧や糖尿病、心房細動、メタボリックシンドローム、脂質の異常がある人は、保健指導や治療を受けて健康管理を続けてください。 | 高血圧になる最大の生活習慣要因は何か。 | 高血圧の最大の生活習慣要因は、食塩の過剰摂取です。 |
JCRRAG_010130 | 医療 | 脳血管障害・脳卒中
脳血管障害(脳卒中)には、脳の血管が詰まる脳梗塞と脳の血管が破れる脳出血、くも膜下出血があります。いずれも高血圧が最大の原因です。
高血圧が長く続くと、動脈硬化が進行し、やがて脳の血管が詰まって脳梗塞になります。高血圧の程度が強い場合、脳の血管が破れて脳出血になったり、また脳の血管の一部分に動脈瘤ができて破裂してくも膜下出血になります。これらの病気を脳血管障害(脳卒中)といいます。
脳血管障害(脳卒中)の種類
脳梗塞になると、血管が詰まった部分の先の脳細胞には血液が送られなくなります。
脳出血では、脳の中に出血して血の固まりができます。日本人の場合、脳の深い部分にある、被殻や内包、放線冠、視床などに向かう細い血管が詰まったり出血しやすく、その結果、脳梗塞、脳出血いずれの場合でも、脳細胞が壊れ、意識がなくなったり、半身まひや言語障害、さらには認知機能低下などの症状が現れます。
くも膜下出血ではまひは少なく、激しい頭痛や意識障害が突然起こります。脳梗塞や脳出血では、初期に適切な治療を開始すれば、後遺症なく治ることもあり、またリハビリでかなり回復することも多くなっています。しかし、残念ながら他の多くの場合は、半身不随や認知症が残ったり、寝たきりになったり、あるいは亡くなる危険が高い病気です。
また、心房細動という不整脈を持っている人では、心臓の中に血栓(血液の固まり)ができやすく、それが脳に飛んで脳梗塞を起こすことがあります。これを脳塞栓と言います。心房細動のある人では脳梗塞になる確率が2~7倍ほど高くなります[1]ので、健診などで心房細動があると言われたら、必ず治療を受けてください。自分で脈を触れて、不規則に打つような脈がある場合には、医療機関に相談してください。
脳血管障害(脳卒中)の危険因子
脳梗塞を発生させる危険因子には、高血圧、不整脈(心房細動)、糖尿病、喫煙、肥満などがあります[1]。この中でも、高血圧が特に重要で、高血圧が完全に予防できれば、日本人の脳卒中は今よりも約半分に減ると考えられています[2]。メタボリックシンドロームも脳梗塞の危険因子の一つです。
脳出血やくも膜下出血の場合は、高血圧、喫煙、飲酒が発生に関連する要因です。脳出血の場合は、コレステロール値の異常低値(低栄養)も発生に関与します。
脳血管障害(脳卒中)の症状
脳卒中の症状は突然現れることが多いのですが、頭痛、めまい、舌のもつれ、手足のしびれなどの前ぶれ症状が起こることもあります。典型的な症状は、片方の手足が動かなくなったりしびれる、顔の半分が動かなくなったりしびれる、ろれつがまわらなかったりうまく言葉を発することができない、という、「腕」「顔」「言葉」の症状です[3]。こうした症状が現れたら、様子を見てはいけません。事は1分1秒を争います。すぐに救急車を呼んで、検査を受ける必要があります。
特に、近年は血栓を溶かす治療薬であるrt-PA(遺伝子組み換え組織型プラスミノゲン・アクチベータ)を用いた経静脈的線溶療法や、カテーテルを用いた経動脈的血行再建療法が普及しており、これによって脳梗塞が完治する可能性が高くなっています[1]。しかし、この治療は症状が出てからすぐに行わないと効果がありません。目安は線溶療法で4時間半以内、血行再建療法で6時間以内とされていますが、現在治療できる時間を拡大する努力がなされています。現時点では、どこの医療機関でもこうした治療ができるわけではありませんが、こうした治療ができる医療機関は増えてきています。「腕」「顔」「言葉」に異常があったら、すぐに救急車を呼んでください。
しかし、治療をしても完治しないことや、発見が遅れて治療がうけられないことも未だ多くあります。脳卒中は、一度なってしまうと後遺症が残る可能性の高い病気ですので、ならないように予防することが大切です。
脳血管障害(脳卒中)の予防
脳卒中の最大の原因は、高血圧です。高血圧の最大の生活習慣要因は、食塩の過剰摂取です。日本人は食塩摂取の多い民族ですので、脳卒中予防のためにまず行うべきことは、減塩です。
また太っていて血圧が高い人は、特定保健指導などを利用して減量すると、血圧が下がる可能性が高いといえます。たばこは、がん、心臓病、脳卒中、COPD(慢性閉塞性肺疾患)のすべてのリスクを高めます。たばこを吸っている人は、やめましょう。大量飲酒も脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の全てのリスクを高くすることがわかっています。
一方、予防につながる食べ物としては、野菜や果物、大豆製品があります。ウォーキングなどの軽い有酸素運動で血流をよくすることも効果的です。そして、高血圧や糖尿病、メタボリックシンドロームを早期発見するために、年に一度は必ず健診を受けましょう。高血圧や糖尿病、心房細動、メタボリックシンドローム、脂質の異常がある人は、保健指導や治療を受けて健康管理を続けてください。 | 脳梗塞や脳出血のいずれの場合でも現れる可能性がある身体症状は何か。 | 脳梗塞や脳出血のいずれの場合でも現れる可能性がある身体症状は、脳細胞が壊れ、意識がなくなったり、半身まひや言語障害、さらには認知機能低下などの症状が現れます。 |
JCRRAG_010131 | 医療 | 脳血管障害・脳卒中
脳血管障害(脳卒中)には、脳の血管が詰まる脳梗塞と脳の血管が破れる脳出血、くも膜下出血があります。いずれも高血圧が最大の原因です。
高血圧が長く続くと、動脈硬化が進行し、やがて脳の血管が詰まって脳梗塞になります。高血圧の程度が強い場合、脳の血管が破れて脳出血になったり、また脳の血管の一部分に動脈瘤ができて破裂してくも膜下出血になります。これらの病気を脳血管障害(脳卒中)といいます。
脳血管障害(脳卒中)の種類
脳梗塞になると、血管が詰まった部分の先の脳細胞には血液が送られなくなります。
脳出血では、脳の中に出血して血の固まりができます。日本人の場合、脳の深い部分にある、被殻や内包、放線冠、視床などに向かう細い血管が詰まったり出血しやすく、その結果、脳梗塞、脳出血いずれの場合でも、脳細胞が壊れ、意識がなくなったり、半身まひや言語障害、さらには認知機能低下などの症状が現れます。
くも膜下出血ではまひは少なく、激しい頭痛や意識障害が突然起こります。脳梗塞や脳出血では、初期に適切な治療を開始すれば、後遺症なく治ることもあり、またリハビリでかなり回復することも多くなっています。しかし、残念ながら他の多くの場合は、半身不随や認知症が残ったり、寝たきりになったり、あるいは亡くなる危険が高い病気です。
また、心房細動という不整脈を持っている人では、心臓の中に血栓(血液の固まり)ができやすく、それが脳に飛んで脳梗塞を起こすことがあります。これを脳塞栓と言います。心房細動のある人では脳梗塞になる確率が2~7倍ほど高くなります[1]ので、健診などで心房細動があると言われたら、必ず治療を受けてください。自分で脈を触れて、不規則に打つような脈がある場合には、医療機関に相談してください。
脳血管障害(脳卒中)の危険因子
脳梗塞を発生させる危険因子には、高血圧、不整脈(心房細動)、糖尿病、喫煙、肥満などがあります[1]。この中でも、高血圧が特に重要で、高血圧が完全に予防できれば、日本人の脳卒中は今よりも約半分に減ると考えられています[2]。メタボリックシンドロームも脳梗塞の危険因子の一つです。
脳出血やくも膜下出血の場合は、高血圧、喫煙、飲酒が発生に関連する要因です。脳出血の場合は、コレステロール値の異常低値(低栄養)も発生に関与します。
脳血管障害(脳卒中)の症状
脳卒中の症状は突然現れることが多いのですが、頭痛、めまい、舌のもつれ、手足のしびれなどの前ぶれ症状が起こることもあります。典型的な症状は、片方の手足が動かなくなったりしびれる、顔の半分が動かなくなったりしびれる、ろれつがまわらなかったりうまく言葉を発することができない、という、「腕」「顔」「言葉」の症状です[3]。こうした症状が現れたら、様子を見てはいけません。事は1分1秒を争います。すぐに救急車を呼んで、検査を受ける必要があります。
特に、近年は血栓を溶かす治療薬であるrt-PA(遺伝子組み換え組織型プラスミノゲン・アクチベータ)を用いた経静脈的線溶療法や、カテーテルを用いた経動脈的血行再建療法が普及しており、これによって脳梗塞が完治する可能性が高くなっています[1]。しかし、この治療は症状が出てからすぐに行わないと効果がありません。目安は線溶療法で4時間半以内、血行再建療法で6時間以内とされていますが、現在治療できる時間を拡大する努力がなされています。現時点では、どこの医療機関でもこうした治療ができるわけではありませんが、こうした治療ができる医療機関は増えてきています。「腕」「顔」「言葉」に異常があったら、すぐに救急車を呼んでください。
しかし、治療をしても完治しないことや、発見が遅れて治療がうけられないことも未だ多くあります。脳卒中は、一度なってしまうと後遺症が残る可能性の高い病気ですので、ならないように予防することが大切です。
脳血管障害(脳卒中)の予防
脳卒中の最大の原因は、高血圧です。高血圧の最大の生活習慣要因は、食塩の過剰摂取です。日本人は食塩摂取の多い民族ですので、脳卒中予防のためにまず行うべきことは、減塩です。
また太っていて血圧が高い人は、特定保健指導などを利用して減量すると、血圧が下がる可能性が高いといえます。たばこは、がん、心臓病、脳卒中、COPD(慢性閉塞性肺疾患)のすべてのリスクを高めます。たばこを吸っている人は、やめましょう。大量飲酒も脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の全てのリスクを高くすることがわかっています。
一方、予防につながる食べ物としては、野菜や果物、大豆製品があります。ウォーキングなどの軽い有酸素運動で血流をよくすることも効果的です。そして、高血圧や糖尿病、メタボリックシンドロームを早期発見するために、年に一度は必ず健診を受けましょう。高血圧や糖尿病、心房細動、メタボリックシンドローム、脂質の異常がある人は、保健指導や治療を受けて健康管理を続けてください。 | 心房細動が脳卒中に与える影響は何か。 | 心房細動が脳卒中に与える影響は、心房細動のある人は脳梗塞になる確率が2~7倍ほど高くなります。 |
JCRRAG_010132 | 医療 | 脳血管障害・脳卒中
脳血管障害(脳卒中)には、脳の血管が詰まる脳梗塞と脳の血管が破れる脳出血、くも膜下出血があります。いずれも高血圧が最大の原因です。
高血圧が長く続くと、動脈硬化が進行し、やがて脳の血管が詰まって脳梗塞になります。高血圧の程度が強い場合、脳の血管が破れて脳出血になったり、また脳の血管の一部分に動脈瘤ができて破裂してくも膜下出血になります。これらの病気を脳血管障害(脳卒中)といいます。
脳血管障害(脳卒中)の種類
脳梗塞になると、血管が詰まった部分の先の脳細胞には血液が送られなくなります。
脳出血では、脳の中に出血して血の固まりができます。日本人の場合、脳の深い部分にある、被殻や内包、放線冠、視床などに向かう細い血管が詰まったり出血しやすく、その結果、脳梗塞、脳出血いずれの場合でも、脳細胞が壊れ、意識がなくなったり、半身まひや言語障害、さらには認知機能低下などの症状が現れます。
くも膜下出血ではまひは少なく、激しい頭痛や意識障害が突然起こります。脳梗塞や脳出血では、初期に適切な治療を開始すれば、後遺症なく治ることもあり、またリハビリでかなり回復することも多くなっています。しかし、残念ながら他の多くの場合は、半身不随や認知症が残ったり、寝たきりになったり、あるいは亡くなる危険が高い病気です。
また、心房細動という不整脈を持っている人では、心臓の中に血栓(血液の固まり)ができやすく、それが脳に飛んで脳梗塞を起こすことがあります。これを脳塞栓と言います。心房細動のある人では脳梗塞になる確率が2~7倍ほど高くなります[1]ので、健診などで心房細動があると言われたら、必ず治療を受けてください。自分で脈を触れて、不規則に打つような脈がある場合には、医療機関に相談してください。
脳血管障害(脳卒中)の危険因子
脳梗塞を発生させる危険因子には、高血圧、不整脈(心房細動)、糖尿病、喫煙、肥満などがあります[1]。この中でも、高血圧が特に重要で、高血圧が完全に予防できれば、日本人の脳卒中は今よりも約半分に減ると考えられています[2]。メタボリックシンドロームも脳梗塞の危険因子の一つです。
脳出血やくも膜下出血の場合は、高血圧、喫煙、飲酒が発生に関連する要因です。脳出血の場合は、コレステロール値の異常低値(低栄養)も発生に関与します。
脳血管障害(脳卒中)の症状
脳卒中の症状は突然現れることが多いのですが、頭痛、めまい、舌のもつれ、手足のしびれなどの前ぶれ症状が起こることもあります。典型的な症状は、片方の手足が動かなくなったりしびれる、顔の半分が動かなくなったりしびれる、ろれつがまわらなかったりうまく言葉を発することができない、という、「腕」「顔」「言葉」の症状です[3]。こうした症状が現れたら、様子を見てはいけません。事は1分1秒を争います。すぐに救急車を呼んで、検査を受ける必要があります。
特に、近年は血栓を溶かす治療薬であるrt-PA(遺伝子組み換え組織型プラスミノゲン・アクチベータ)を用いた経静脈的線溶療法や、カテーテルを用いた経動脈的血行再建療法が普及しており、これによって脳梗塞が完治する可能性が高くなっています[1]。しかし、この治療は症状が出てからすぐに行わないと効果がありません。目安は線溶療法で4時間半以内、血行再建療法で6時間以内とされていますが、現在治療できる時間を拡大する努力がなされています。現時点では、どこの医療機関でもこうした治療ができるわけではありませんが、こうした治療ができる医療機関は増えてきています。「腕」「顔」「言葉」に異常があったら、すぐに救急車を呼んでください。
しかし、治療をしても完治しないことや、発見が遅れて治療がうけられないことも未だ多くあります。脳卒中は、一度なってしまうと後遺症が残る可能性の高い病気ですので、ならないように予防することが大切です。
脳血管障害(脳卒中)の予防
脳卒中の最大の原因は、高血圧です。高血圧の最大の生活習慣要因は、食塩の過剰摂取です。日本人は食塩摂取の多い民族ですので、脳卒中予防のためにまず行うべきことは、減塩です。
また太っていて血圧が高い人は、特定保健指導などを利用して減量すると、血圧が下がる可能性が高いといえます。たばこは、がん、心臓病、脳卒中、COPD(慢性閉塞性肺疾患)のすべてのリスクを高めます。たばこを吸っている人は、やめましょう。大量飲酒も脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の全てのリスクを高くすることがわかっています。
一方、予防につながる食べ物としては、野菜や果物、大豆製品があります。ウォーキングなどの軽い有酸素運動で血流をよくすることも効果的です。そして、高血圧や糖尿病、メタボリックシンドロームを早期発見するために、年に一度は必ず健診を受けましょう。高血圧や糖尿病、心房細動、メタボリックシンドローム、脂質の異常がある人は、保健指導や治療を受けて健康管理を続けてください。 | 脳卒中が疑われる際に現れる「典型的な症状」は何か。 | 脳卒中が疑われる際に現れる「典型的な症状」は、片方の手足が動かなくなったりしびれる、顔の半分が動かなくなったりしびれる、ろれつがまわらなかったりうまく言葉を発することができない、という、「腕」「顔」「言葉」の症状です。 |
JCRRAG_010133 | 医療 | 脳血管障害・脳卒中
脳血管障害(脳卒中)には、脳の血管が詰まる脳梗塞と脳の血管が破れる脳出血、くも膜下出血があります。いずれも高血圧が最大の原因です。
高血圧が長く続くと、動脈硬化が進行し、やがて脳の血管が詰まって脳梗塞になります。高血圧の程度が強い場合、脳の血管が破れて脳出血になったり、また脳の血管の一部分に動脈瘤ができて破裂してくも膜下出血になります。これらの病気を脳血管障害(脳卒中)といいます。
脳血管障害(脳卒中)の種類
脳梗塞になると、血管が詰まった部分の先の脳細胞には血液が送られなくなります。
脳出血では、脳の中に出血して血の固まりができます。日本人の場合、脳の深い部分にある、被殻や内包、放線冠、視床などに向かう細い血管が詰まったり出血しやすく、その結果、脳梗塞、脳出血いずれの場合でも、脳細胞が壊れ、意識がなくなったり、半身まひや言語障害、さらには認知機能低下などの症状が現れます。
くも膜下出血ではまひは少なく、激しい頭痛や意識障害が突然起こります。脳梗塞や脳出血では、初期に適切な治療を開始すれば、後遺症なく治ることもあり、またリハビリでかなり回復することも多くなっています。しかし、残念ながら他の多くの場合は、半身不随や認知症が残ったり、寝たきりになったり、あるいは亡くなる危険が高い病気です。
また、心房細動という不整脈を持っている人では、心臓の中に血栓(血液の固まり)ができやすく、それが脳に飛んで脳梗塞を起こすことがあります。これを脳塞栓と言います。心房細動のある人では脳梗塞になる確率が2~7倍ほど高くなります[1]ので、健診などで心房細動があると言われたら、必ず治療を受けてください。自分で脈を触れて、不規則に打つような脈がある場合には、医療機関に相談してください。
脳血管障害(脳卒中)の危険因子
脳梗塞を発生させる危険因子には、高血圧、不整脈(心房細動)、糖尿病、喫煙、肥満などがあります[1]。この中でも、高血圧が特に重要で、高血圧が完全に予防できれば、日本人の脳卒中は今よりも約半分に減ると考えられています[2]。メタボリックシンドロームも脳梗塞の危険因子の一つです。
脳出血やくも膜下出血の場合は、高血圧、喫煙、飲酒が発生に関連する要因です。脳出血の場合は、コレステロール値の異常低値(低栄養)も発生に関与します。
脳血管障害(脳卒中)の症状
脳卒中の症状は突然現れることが多いのですが、頭痛、めまい、舌のもつれ、手足のしびれなどの前ぶれ症状が起こることもあります。典型的な症状は、片方の手足が動かなくなったりしびれる、顔の半分が動かなくなったりしびれる、ろれつがまわらなかったりうまく言葉を発することができない、という、「腕」「顔」「言葉」の症状です[3]。こうした症状が現れたら、様子を見てはいけません。事は1分1秒を争います。すぐに救急車を呼んで、検査を受ける必要があります。
特に、近年は血栓を溶かす治療薬であるrt-PA(遺伝子組み換え組織型プラスミノゲン・アクチベータ)を用いた経静脈的線溶療法や、カテーテルを用いた経動脈的血行再建療法が普及しており、これによって脳梗塞が完治する可能性が高くなっています[1]。しかし、この治療は症状が出てからすぐに行わないと効果がありません。目安は線溶療法で4時間半以内、血行再建療法で6時間以内とされていますが、現在治療できる時間を拡大する努力がなされています。現時点では、どこの医療機関でもこうした治療ができるわけではありませんが、こうした治療ができる医療機関は増えてきています。「腕」「顔」「言葉」に異常があったら、すぐに救急車を呼んでください。
しかし、治療をしても完治しないことや、発見が遅れて治療がうけられないことも未だ多くあります。脳卒中は、一度なってしまうと後遺症が残る可能性の高い病気ですので、ならないように予防することが大切です。
脳血管障害(脳卒中)の予防
脳卒中の最大の原因は、高血圧です。高血圧の最大の生活習慣要因は、食塩の過剰摂取です。日本人は食塩摂取の多い民族ですので、脳卒中予防のためにまず行うべきことは、減塩です。
また太っていて血圧が高い人は、特定保健指導などを利用して減量すると、血圧が下がる可能性が高いといえます。たばこは、がん、心臓病、脳卒中、COPD(慢性閉塞性肺疾患)のすべてのリスクを高めます。たばこを吸っている人は、やめましょう。大量飲酒も脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の全てのリスクを高くすることがわかっています。
一方、予防につながる食べ物としては、野菜や果物、大豆製品があります。ウォーキングなどの軽い有酸素運動で血流をよくすることも効果的です。そして、高血圧や糖尿病、メタボリックシンドロームを早期発見するために、年に一度は必ず健診を受けましょう。高血圧や糖尿病、心房細動、メタボリックシンドローム、脂質の異常がある人は、保健指導や治療を受けて健康管理を続けてください。 | rt-PAを用いた脳梗塞治療を行うために重要な時間の目安は何か。 | rt-PAを用いた脳梗塞治療を行うために重要な時間の目安は、線溶療法で4時間半以内、血行再建療法で6時間以内とされています。 |
JCRRAG_010134 | 医療 | 健やかな眠りの意義
健やかな睡眠があってこそ十分な休養をとることができます。
現代生活はシフトワークや長時間通勤・受験勉強・インターネットやゲームをしての夜型生活など、睡眠不足や睡眠障害の危険で一杯です。睡眠不足による産業事故、慢性不眠によるうつ病や生活習慣病の悪化など、睡眠問題を放置すると日中の心身の調子にも支障をもたらします。
私たちは人生の3分の1を眠って過ごします。最も身近な生活習慣である睡眠にもっと目を向けてみませんか。
減り続ける現代人の睡眠時間
質の高い眠りは心身の休養のために欠かすことができません。しかし現代社会は、シフトワーク(交代勤務)の増加・通勤や受験勉強をこなすための短時間睡眠・夜型生活の増加など、睡眠や体内時計の変調を引き起こすさまざまな要因で溢れています。
先に平成18年社会生活基本調査の結果が発表されました。日本人の睡眠時間は平均7時間42分で、過去20年間にわたり減少を続けています。特に40代・50代の働き盛りの年代層の睡眠時間は7時間そこそこであり、週末に平日より1時間ほど長く眠ることで何とか睡眠不足の帳尻を合わせているようです。また女性で睡眠時間が短いのが目立ちます。子供たちの遅寝や睡眠不足が学習能力や情緒形成へ及ぼす悪影響も懸念されています。仕事・学業・家庭生活を含め、日常生活と睡眠・休養のバランスをどのように保って健康生活を送るか、私たちの知恵が試されています。
次章以降にある「快眠のためのテクニック」「快眠と生活習慣」では日常生活において出来る限り健やかな睡眠を確保するためのテクニックを紹介しています。
増加する睡眠障害
睡眠不足だけが睡眠問題ではありません。睡眠の病気(睡眠障害)が増加しています。睡眠障害の種類は100種類近くもあり、不眠症や睡眠時無呼吸症候群をはじめとする日本人でもよくみられる数多くの睡眠障害があります。快眠のための試みが有効でないとき、不眠や日中の眠気が1ヶ月以上続くとき、何らかの睡眠障害に罹患している可能性を考えて下さい。「睡眠と健康」では不眠や日中の眠気をもたらすさまざまな睡眠障害について解説しています。
夜間の問題だけじゃない
居眠り運転
睡眠不足や睡眠障害による休養不足は人間の精神と身体に悪影響をもたらします。例えば短時間睡眠や不眠が続くと、強い日中の眠気・作業能率や注意力の低下・抑うつなどが出現し、結果的に人為的ミスの危険性を増大させます。
アラスカでのタンカー事故、スペースシャトル・チャレンジャーの爆発、スリーマイル島での原発事故など勤労者の睡眠問題が原因となった大きな産業事故が幾つも知られています。
日本でも過酷な勤務条件による長距離ドライバーの居眠り運転や、睡眠時無呼吸症候群を患っている新幹線運転士の居眠りによる緊急停止事故などが問題になりました。このような睡眠問題によって生じる経済・社会資本の損失は米国・日本ともに年間数兆円に上ると試算されています。
睡眠は休養に必須であるだけではなく、記憶・気分調節・免疫機能の増強など、さまざまな精神機能や身体機能に関連しているとされます。健やかな睡眠を保つことは活力ある日常生活を送るための基本であるといえましょう。
予防医学としての睡眠と休養
睡眠問題は万病のもとです。
「健康日本21」では様々な精神疾患と身体疾患の予防の観点から健やかな睡眠と休養を確保することを推奨しています。
睡眠障害は多くの精神疾患でもっともよく認められる症状の一つです。ただし単なる合併症ではありません。例えばうつ病では他の症状に先駆けて不眠が出現することが多く、うつ病の発症や再発を予見する症状として注目されています。また長期に持続する不眠によってうつ病へ罹患しやすくなることも知られており「たかが不眠」と放置せず適切に対処する必要があります。近年、各地で不眠を指標にしたうつ病の早期発見の試みが行われています。
睡眠障害は生活習慣病をはじめとするさまざまな身体疾患も増悪させます。例えば睡眠時無呼吸症候群はメタボリックシンドロームにしばしば合併し、高血圧・脂質異常症・耐糖能異常(糖尿病)・高尿酸血症・逆流性食道炎(胸やけ)などを増悪させます。睡眠不足や睡眠障害によってさまざまな生活習慣病が増悪するメカニズムが徐々に明らかになっています。睡眠薬などを使って不眠に対処することにより生活習慣病が改善することも明らかになりました。 | 睡眠問題を放置すると日中にどのような影響が出ますか。 | 睡眠問題を放置すると日中の心身の調子にも支障をもたらします。 |
JCRRAG_010135 | 医療 | 健やかな眠りの意義
健やかな睡眠があってこそ十分な休養をとることができます。
現代生活はシフトワークや長時間通勤・受験勉強・インターネットやゲームをしての夜型生活など、睡眠不足や睡眠障害の危険で一杯です。睡眠不足による産業事故、慢性不眠によるうつ病や生活習慣病の悪化など、睡眠問題を放置すると日中の心身の調子にも支障をもたらします。
私たちは人生の3分の1を眠って過ごします。最も身近な生活習慣である睡眠にもっと目を向けてみませんか。
減り続ける現代人の睡眠時間
質の高い眠りは心身の休養のために欠かすことができません。しかし現代社会は、シフトワーク(交代勤務)の増加・通勤や受験勉強をこなすための短時間睡眠・夜型生活の増加など、睡眠や体内時計の変調を引き起こすさまざまな要因で溢れています。
先に平成18年社会生活基本調査の結果が発表されました。日本人の睡眠時間は平均7時間42分で、過去20年間にわたり減少を続けています。特に40代・50代の働き盛りの年代層の睡眠時間は7時間そこそこであり、週末に平日より1時間ほど長く眠ることで何とか睡眠不足の帳尻を合わせているようです。また女性で睡眠時間が短いのが目立ちます。子供たちの遅寝や睡眠不足が学習能力や情緒形成へ及ぼす悪影響も懸念されています。仕事・学業・家庭生活を含め、日常生活と睡眠・休養のバランスをどのように保って健康生活を送るか、私たちの知恵が試されています。
次章以降にある「快眠のためのテクニック」「快眠と生活習慣」では日常生活において出来る限り健やかな睡眠を確保するためのテクニックを紹介しています。
増加する睡眠障害
睡眠不足だけが睡眠問題ではありません。睡眠の病気(睡眠障害)が増加しています。睡眠障害の種類は100種類近くもあり、不眠症や睡眠時無呼吸症候群をはじめとする日本人でもよくみられる数多くの睡眠障害があります。快眠のための試みが有効でないとき、不眠や日中の眠気が1ヶ月以上続くとき、何らかの睡眠障害に罹患している可能性を考えて下さい。「睡眠と健康」では不眠や日中の眠気をもたらすさまざまな睡眠障害について解説しています。
夜間の問題だけじゃない
居眠り運転
睡眠不足や睡眠障害による休養不足は人間の精神と身体に悪影響をもたらします。例えば短時間睡眠や不眠が続くと、強い日中の眠気・作業能率や注意力の低下・抑うつなどが出現し、結果的に人為的ミスの危険性を増大させます。
アラスカでのタンカー事故、スペースシャトル・チャレンジャーの爆発、スリーマイル島での原発事故など勤労者の睡眠問題が原因となった大きな産業事故が幾つも知られています。
日本でも過酷な勤務条件による長距離ドライバーの居眠り運転や、睡眠時無呼吸症候群を患っている新幹線運転士の居眠りによる緊急停止事故などが問題になりました。このような睡眠問題によって生じる経済・社会資本の損失は米国・日本ともに年間数兆円に上ると試算されています。
睡眠は休養に必須であるだけではなく、記憶・気分調節・免疫機能の増強など、さまざまな精神機能や身体機能に関連しているとされます。健やかな睡眠を保つことは活力ある日常生活を送るための基本であるといえましょう。
予防医学としての睡眠と休養
睡眠問題は万病のもとです。
「健康日本21」では様々な精神疾患と身体疾患の予防の観点から健やかな睡眠と休養を確保することを推奨しています。
睡眠障害は多くの精神疾患でもっともよく認められる症状の一つです。ただし単なる合併症ではありません。例えばうつ病では他の症状に先駆けて不眠が出現することが多く、うつ病の発症や再発を予見する症状として注目されています。また長期に持続する不眠によってうつ病へ罹患しやすくなることも知られており「たかが不眠」と放置せず適切に対処する必要があります。近年、各地で不眠を指標にしたうつ病の早期発見の試みが行われています。
睡眠障害は生活習慣病をはじめとするさまざまな身体疾患も増悪させます。例えば睡眠時無呼吸症候群はメタボリックシンドロームにしばしば合併し、高血圧・脂質異常症・耐糖能異常(糖尿病)・高尿酸血症・逆流性食道炎(胸やけ)などを増悪させます。睡眠不足や睡眠障害によってさまざまな生活習慣病が増悪するメカニズムが徐々に明らかになっています。睡眠薬などを使って不眠に対処することにより生活習慣病が改善することも明らかになりました。 | 日本人の平均睡眠時間を教えてください。 | 日本人の睡眠時間は平均7時間42分で、過去20年間にわたり減少を続けています。 |
JCRRAG_010136 | 医療 | 健やかな眠りの意義
健やかな睡眠があってこそ十分な休養をとることができます。
現代生活はシフトワークや長時間通勤・受験勉強・インターネットやゲームをしての夜型生活など、睡眠不足や睡眠障害の危険で一杯です。睡眠不足による産業事故、慢性不眠によるうつ病や生活習慣病の悪化など、睡眠問題を放置すると日中の心身の調子にも支障をもたらします。
私たちは人生の3分の1を眠って過ごします。最も身近な生活習慣である睡眠にもっと目を向けてみませんか。
減り続ける現代人の睡眠時間
質の高い眠りは心身の休養のために欠かすことができません。しかし現代社会は、シフトワーク(交代勤務)の増加・通勤や受験勉強をこなすための短時間睡眠・夜型生活の増加など、睡眠や体内時計の変調を引き起こすさまざまな要因で溢れています。
先に平成18年社会生活基本調査の結果が発表されました。日本人の睡眠時間は平均7時間42分で、過去20年間にわたり減少を続けています。特に40代・50代の働き盛りの年代層の睡眠時間は7時間そこそこであり、週末に平日より1時間ほど長く眠ることで何とか睡眠不足の帳尻を合わせているようです。また女性で睡眠時間が短いのが目立ちます。子供たちの遅寝や睡眠不足が学習能力や情緒形成へ及ぼす悪影響も懸念されています。仕事・学業・家庭生活を含め、日常生活と睡眠・休養のバランスをどのように保って健康生活を送るか、私たちの知恵が試されています。
次章以降にある「快眠のためのテクニック」「快眠と生活習慣」では日常生活において出来る限り健やかな睡眠を確保するためのテクニックを紹介しています。
増加する睡眠障害
睡眠不足だけが睡眠問題ではありません。睡眠の病気(睡眠障害)が増加しています。睡眠障害の種類は100種類近くもあり、不眠症や睡眠時無呼吸症候群をはじめとする日本人でもよくみられる数多くの睡眠障害があります。快眠のための試みが有効でないとき、不眠や日中の眠気が1ヶ月以上続くとき、何らかの睡眠障害に罹患している可能性を考えて下さい。「睡眠と健康」では不眠や日中の眠気をもたらすさまざまな睡眠障害について解説しています。
夜間の問題だけじゃない
居眠り運転
睡眠不足や睡眠障害による休養不足は人間の精神と身体に悪影響をもたらします。例えば短時間睡眠や不眠が続くと、強い日中の眠気・作業能率や注意力の低下・抑うつなどが出現し、結果的に人為的ミスの危険性を増大させます。
アラスカでのタンカー事故、スペースシャトル・チャレンジャーの爆発、スリーマイル島での原発事故など勤労者の睡眠問題が原因となった大きな産業事故が幾つも知られています。
日本でも過酷な勤務条件による長距離ドライバーの居眠り運転や、睡眠時無呼吸症候群を患っている新幹線運転士の居眠りによる緊急停止事故などが問題になりました。このような睡眠問題によって生じる経済・社会資本の損失は米国・日本ともに年間数兆円に上ると試算されています。
睡眠は休養に必須であるだけではなく、記憶・気分調節・免疫機能の増強など、さまざまな精神機能や身体機能に関連しているとされます。健やかな睡眠を保つことは活力ある日常生活を送るための基本であるといえましょう。
予防医学としての睡眠と休養
睡眠問題は万病のもとです。
「健康日本21」では様々な精神疾患と身体疾患の予防の観点から健やかな睡眠と休養を確保することを推奨しています。
睡眠障害は多くの精神疾患でもっともよく認められる症状の一つです。ただし単なる合併症ではありません。例えばうつ病では他の症状に先駆けて不眠が出現することが多く、うつ病の発症や再発を予見する症状として注目されています。また長期に持続する不眠によってうつ病へ罹患しやすくなることも知られており「たかが不眠」と放置せず適切に対処する必要があります。近年、各地で不眠を指標にしたうつ病の早期発見の試みが行われています。
睡眠障害は生活習慣病をはじめとするさまざまな身体疾患も増悪させます。例えば睡眠時無呼吸症候群はメタボリックシンドロームにしばしば合併し、高血圧・脂質異常症・耐糖能異常(糖尿病)・高尿酸血症・逆流性食道炎(胸やけ)などを増悪させます。睡眠不足や睡眠障害によってさまざまな生活習慣病が増悪するメカニズムが徐々に明らかになっています。睡眠薬などを使って不眠に対処することにより生活習慣病が改善することも明らかになりました。 | 何らかの睡眠障害に罹患している可能性があると思われる時の身体は、どのような状態の時ですか。 | 何らかの睡眠障害に罹患している可能性があると思われる時の身体の状態は、快眠のための試みが有効でないとき、不眠や日中の眠気が1ヶ月以上続くときです。 |
JCRRAG_010137 | 医療 | 健やかな眠りの意義
健やかな睡眠があってこそ十分な休養をとることができます。
現代生活はシフトワークや長時間通勤・受験勉強・インターネットやゲームをしての夜型生活など、睡眠不足や睡眠障害の危険で一杯です。睡眠不足による産業事故、慢性不眠によるうつ病や生活習慣病の悪化など、睡眠問題を放置すると日中の心身の調子にも支障をもたらします。
私たちは人生の3分の1を眠って過ごします。最も身近な生活習慣である睡眠にもっと目を向けてみませんか。
減り続ける現代人の睡眠時間
質の高い眠りは心身の休養のために欠かすことができません。しかし現代社会は、シフトワーク(交代勤務)の増加・通勤や受験勉強をこなすための短時間睡眠・夜型生活の増加など、睡眠や体内時計の変調を引き起こすさまざまな要因で溢れています。
先に平成18年社会生活基本調査の結果が発表されました。日本人の睡眠時間は平均7時間42分で、過去20年間にわたり減少を続けています。特に40代・50代の働き盛りの年代層の睡眠時間は7時間そこそこであり、週末に平日より1時間ほど長く眠ることで何とか睡眠不足の帳尻を合わせているようです。また女性で睡眠時間が短いのが目立ちます。子供たちの遅寝や睡眠不足が学習能力や情緒形成へ及ぼす悪影響も懸念されています。仕事・学業・家庭生活を含め、日常生活と睡眠・休養のバランスをどのように保って健康生活を送るか、私たちの知恵が試されています。
次章以降にある「快眠のためのテクニック」「快眠と生活習慣」では日常生活において出来る限り健やかな睡眠を確保するためのテクニックを紹介しています。
増加する睡眠障害
睡眠不足だけが睡眠問題ではありません。睡眠の病気(睡眠障害)が増加しています。睡眠障害の種類は100種類近くもあり、不眠症や睡眠時無呼吸症候群をはじめとする日本人でもよくみられる数多くの睡眠障害があります。快眠のための試みが有効でないとき、不眠や日中の眠気が1ヶ月以上続くとき、何らかの睡眠障害に罹患している可能性を考えて下さい。「睡眠と健康」では不眠や日中の眠気をもたらすさまざまな睡眠障害について解説しています。
夜間の問題だけじゃない
居眠り運転
睡眠不足や睡眠障害による休養不足は人間の精神と身体に悪影響をもたらします。例えば短時間睡眠や不眠が続くと、強い日中の眠気・作業能率や注意力の低下・抑うつなどが出現し、結果的に人為的ミスの危険性を増大させます。
アラスカでのタンカー事故、スペースシャトル・チャレンジャーの爆発、スリーマイル島での原発事故など勤労者の睡眠問題が原因となった大きな産業事故が幾つも知られています。
日本でも過酷な勤務条件による長距離ドライバーの居眠り運転や、睡眠時無呼吸症候群を患っている新幹線運転士の居眠りによる緊急停止事故などが問題になりました。このような睡眠問題によって生じる経済・社会資本の損失は米国・日本ともに年間数兆円に上ると試算されています。
睡眠は休養に必須であるだけではなく、記憶・気分調節・免疫機能の増強など、さまざまな精神機能や身体機能に関連しているとされます。健やかな睡眠を保つことは活力ある日常生活を送るための基本であるといえましょう。
予防医学としての睡眠と休養
睡眠問題は万病のもとです。
「健康日本21」では様々な精神疾患と身体疾患の予防の観点から健やかな睡眠と休養を確保することを推奨しています。
睡眠障害は多くの精神疾患でもっともよく認められる症状の一つです。ただし単なる合併症ではありません。例えばうつ病では他の症状に先駆けて不眠が出現することが多く、うつ病の発症や再発を予見する症状として注目されています。また長期に持続する不眠によってうつ病へ罹患しやすくなることも知られており「たかが不眠」と放置せず適切に対処する必要があります。近年、各地で不眠を指標にしたうつ病の早期発見の試みが行われています。
睡眠障害は生活習慣病をはじめとするさまざまな身体疾患も増悪させます。例えば睡眠時無呼吸症候群はメタボリックシンドロームにしばしば合併し、高血圧・脂質異常症・耐糖能異常(糖尿病)・高尿酸血症・逆流性食道炎(胸やけ)などを増悪させます。睡眠不足や睡眠障害によってさまざまな生活習慣病が増悪するメカニズムが徐々に明らかになっています。睡眠薬などを使って不眠に対処することにより生活習慣病が改善することも明らかになりました。 | 日本で過酷な勤務条件による睡眠問題が原因で事故として問題になった例を教えてください。 | 日本で過酷な勤務条件による睡眠問題が原因で事故として問題になった例は、長距離ドライバーの居眠り運転や睡眠時無呼吸症候群を患っている新幹線運転士の居眠りによる緊急停止事故などが問題になりました。 |
JCRRAG_010138 | 医療 | 不眠症
不眠症とは、入眠障害(寝つきが悪い)・中途覚醒(眠りが浅く途中で何度も目が覚める)・早朝覚醒(早朝に目覚めて二度寝ができない)などの睡眠問題があり、そのために日中に倦怠感・意欲低下・集中力低下・食欲低下などの不調が出現する病気です。不眠は誰でも経験しますが、自然に改善して再び眠れるようになることが大部分です。ただし、いったん慢性不眠症に陥ると適切な治療を受けないと回復しにくいといわれています。不眠の原因はストレス・こころやからだの病気・薬の副作用など様々で、原因に応じた対処が必要です。不眠が続くと不眠恐怖が生じ、緊張や睡眠状態へのこだわりのために、なおさら不眠が悪化するという悪循環に陥ります。家庭での不眠対処で効果が出ないときは専門医に相談しましょう。睡眠薬に対する過度の心配はいりません。現在使われている睡眠薬は適切に使用すれば安全です。
不眠症って何?
誰しも「眠ろうとしてもどうしても眠れない」という不眠体験をもっています。心配事があるとき・試験前日・旅行先など様々な原因がありますが、通常は数日から数週のうちにまた眠れるようになります。
しかし、時には不眠が改善せず長期間にわたって続く場合があります。不眠が続くと日中に様々な不調が出現するようになります。倦怠感・意欲低下・集中力低下・抑うつ・頭重・めまい・食欲不振など多岐にわたります。このように「1. 夜間の不眠が続き」「2. 日中に精神や身体の不調を自覚して生活の質が低下する」、この二つが認められたとき不眠症と診断されます。
不眠症は慢性不眠症(慢性不眠障害)と短期不眠症(短期不眠障害)の二つに分けられます。不眠と日中の不調が週に3日以上あり、それが3カ月以上続く場合は慢性不眠症、3カ月未満の場合は短期不眠症と診断されます。
不眠症のタイプ
不眠症状には、寝つきの悪い「入眠障害」、眠りが浅く途中で何度も目が覚める「中途覚醒」、早朝に目が覚めて二度寝ができない「早朝覚醒」などのタイプがあります。不眠症状タイプは、原因を探ったり、睡眠薬を選択したりする際に参考になります。
不眠症は国民病
一般成人の30〜40%が何らかの不眠症状を有しており、女性に多いことが知られています。不眠症状のある方のうち、慢性不眠症は成人の約10%に見られ、その原因はストレス、精神疾患、神経疾患、アルコール、薬剤の副作用など多岐にわたります。加齢とともに不眠症状は増加し、60歳以上では半数以上の方で認められます。また、東日本大震災や新型コロナウイルス感染症などの大きな災害があった後には一過性に増加します。このように、不眠症は特殊な病気ではありません。よくある普通の病気なのです。実際、日本では成人の5%が不眠のため睡眠薬を服用しています。
睡眠時間は問題ではない
睡眠時間には個人差があります。日本人の睡眠時間は平均して7時間半程度ですが、その人にとって十分な睡眠時間(必要睡眠時間)には大きな開きがあります。ごく稀にですが3、4時間ほどの睡眠で間に合っている人(ショートスリーパー)もいれば、10時間ほど眠らないと寝足りない人(ロングスリーパー)まで様々です。また、健康な人でも年齢とともに必要睡眠時間は徐々に短くなります。「若い頃はもっと眠れたのに」は禁物です。
また最初にも書きましたが、不眠症は不眠そのものだけではなく「日中に不調が出現する」ことが問題なのです。眠りが浅く感じられても、昼間の生活に支障がなければ不眠症とは診断されません。睡眠時間が短いことや目覚めの回数にこだわりすぎないことが大事です。
不眠の原因
不眠症は一つの病気ではありません。大部分の不眠症にはそれぞれ原因があり、対処法も異なります。主な不眠の原因とその対処法について簡単に表にまとめたので参考にしてください。
特に大事なのは、不眠症状を伴う様々な睡眠障害と誤診をしないことです。睡眠時無呼吸症候群・レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)・周期性四肢運動障害・うつ病による不眠や過眠などは、専門施設での検査と診断が必要です。これらの特殊な睡眠障害にはそれぞれの治療法があり、通常の睡眠薬では治りません。これらの睡眠障害が疑われる場合には、日本睡眠学会(http://jssr.jp/)の睡眠医療認定医や精神科医、脳神経内科医などへのご相談をお薦めします。
【
表:不眠の原因】
ストレス:ストレスと緊張はやすらかな眠りを妨げます。神経質で生真面目な性格の人はストレスをより強く感じ、不眠にこだわりやすく、不眠症になりやすいようです。
からだの病気:高血圧や心臓病(胸苦しさ)・呼吸器疾患(咳・発作)・腎臓病・前立腺肥大(頻尿)・糖尿病・関節リウマチ(痛み)・アレルギー疾患(かゆみ)・脳出血や脳梗塞など様々なからだの病気で不眠が生じます。不眠そのものより、背後にある病気の治療が先決です。原因となっている症状がとれれば、不眠はおのずと消失します。
こころの病気:多くのこころの病気は不眠を伴います。近年は、うつ病にかかる人が増えています。単なる不眠だと思っていたら実はうつ病だったというケースも少なくありません。不眠症状や過眠症状(眠気)とともに、気分の落ち込みや意欲減退(何事も億劫)、興味の減退(趣味が手につかない)などの症状がみられる場合には早めに専門医を受診してください。
その他の睡眠障害:睡眠時無呼吸症候群やレストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)など、睡眠に伴って呼吸異常や四肢の異常運動が出現するために睡眠が妨げられ、不眠症状が出現する場合も珍しくありません。
薬や刺激物:治療薬が不眠をもたらすこともあります。睡眠を妨げる薬としては、降圧剤・甲状腺製剤・抗がん剤などが挙げられます。また、抗ヒスタミン薬では日中の眠気が出ます。コーヒー・紅茶などに含まれるカフェイン、たばこに含まれるニコチンなどには覚醒作用があり、安眠を妨げます。カフェインには利尿作用もあり、トイレ覚醒も増えます。
生活リズムの乱れ:交替制勤務や時差などによって体内リズムが乱れると不眠を招きます。現代は24時間社会といわれるほどで昼と夜の区別がなくなってきていますから、どうしても睡眠リズムが狂いがちです。
環境:騒音や光が気になって眠れないケースもみられます。また寝室の温度や湿度が適切でないと安眠できません。 | 不眠症の診断に必要な2つの要素は何か。 | 不眠症の診断に必要な2つの要素は、「1. 夜間の不眠が続き」「2. 日中に精神や身体の不調を自覚して生活の質が低下する」、この二つが認められたとき不眠症と診断されます。 |
JCRRAG_010139 | 医療 | 不眠症
不眠症とは、入眠障害(寝つきが悪い)・中途覚醒(眠りが浅く途中で何度も目が覚める)・早朝覚醒(早朝に目覚めて二度寝ができない)などの睡眠問題があり、そのために日中に倦怠感・意欲低下・集中力低下・食欲低下などの不調が出現する病気です。不眠は誰でも経験しますが、自然に改善して再び眠れるようになることが大部分です。ただし、いったん慢性不眠症に陥ると適切な治療を受けないと回復しにくいといわれています。不眠の原因はストレス・こころやからだの病気・薬の副作用など様々で、原因に応じた対処が必要です。不眠が続くと不眠恐怖が生じ、緊張や睡眠状態へのこだわりのために、なおさら不眠が悪化するという悪循環に陥ります。家庭での不眠対処で効果が出ないときは専門医に相談しましょう。睡眠薬に対する過度の心配はいりません。現在使われている睡眠薬は適切に使用すれば安全です。
不眠症って何?
誰しも「眠ろうとしてもどうしても眠れない」という不眠体験をもっています。心配事があるとき・試験前日・旅行先など様々な原因がありますが、通常は数日から数週のうちにまた眠れるようになります。
しかし、時には不眠が改善せず長期間にわたって続く場合があります。不眠が続くと日中に様々な不調が出現するようになります。倦怠感・意欲低下・集中力低下・抑うつ・頭重・めまい・食欲不振など多岐にわたります。このように「1. 夜間の不眠が続き」「2. 日中に精神や身体の不調を自覚して生活の質が低下する」、この二つが認められたとき不眠症と診断されます。
不眠症は慢性不眠症(慢性不眠障害)と短期不眠症(短期不眠障害)の二つに分けられます。不眠と日中の不調が週に3日以上あり、それが3カ月以上続く場合は慢性不眠症、3カ月未満の場合は短期不眠症と診断されます。
不眠症のタイプ
不眠症状には、寝つきの悪い「入眠障害」、眠りが浅く途中で何度も目が覚める「中途覚醒」、早朝に目が覚めて二度寝ができない「早朝覚醒」などのタイプがあります。不眠症状タイプは、原因を探ったり、睡眠薬を選択したりする際に参考になります。
不眠症は国民病
一般成人の30〜40%が何らかの不眠症状を有しており、女性に多いことが知られています。不眠症状のある方のうち、慢性不眠症は成人の約10%に見られ、その原因はストレス、精神疾患、神経疾患、アルコール、薬剤の副作用など多岐にわたります。加齢とともに不眠症状は増加し、60歳以上では半数以上の方で認められます。また、東日本大震災や新型コロナウイルス感染症などの大きな災害があった後には一過性に増加します。このように、不眠症は特殊な病気ではありません。よくある普通の病気なのです。実際、日本では成人の5%が不眠のため睡眠薬を服用しています。
睡眠時間は問題ではない
睡眠時間には個人差があります。日本人の睡眠時間は平均して7時間半程度ですが、その人にとって十分な睡眠時間(必要睡眠時間)には大きな開きがあります。ごく稀にですが3、4時間ほどの睡眠で間に合っている人(ショートスリーパー)もいれば、10時間ほど眠らないと寝足りない人(ロングスリーパー)まで様々です。また、健康な人でも年齢とともに必要睡眠時間は徐々に短くなります。「若い頃はもっと眠れたのに」は禁物です。
また最初にも書きましたが、不眠症は不眠そのものだけではなく「日中に不調が出現する」ことが問題なのです。眠りが浅く感じられても、昼間の生活に支障がなければ不眠症とは診断されません。睡眠時間が短いことや目覚めの回数にこだわりすぎないことが大事です。
不眠の原因
不眠症は一つの病気ではありません。大部分の不眠症にはそれぞれ原因があり、対処法も異なります。主な不眠の原因とその対処法について簡単に表にまとめたので参考にしてください。
特に大事なのは、不眠症状を伴う様々な睡眠障害と誤診をしないことです。睡眠時無呼吸症候群・レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)・周期性四肢運動障害・うつ病による不眠や過眠などは、専門施設での検査と診断が必要です。これらの特殊な睡眠障害にはそれぞれの治療法があり、通常の睡眠薬では治りません。これらの睡眠障害が疑われる場合には、日本睡眠学会(http://jssr.jp/)の睡眠医療認定医や精神科医、脳神経内科医などへのご相談をお薦めします。
【
表:不眠の原因】
ストレス:ストレスと緊張はやすらかな眠りを妨げます。神経質で生真面目な性格の人はストレスをより強く感じ、不眠にこだわりやすく、不眠症になりやすいようです。
からだの病気:高血圧や心臓病(胸苦しさ)・呼吸器疾患(咳・発作)・腎臓病・前立腺肥大(頻尿)・糖尿病・関節リウマチ(痛み)・アレルギー疾患(かゆみ)・脳出血や脳梗塞など様々なからだの病気で不眠が生じます。不眠そのものより、背後にある病気の治療が先決です。原因となっている症状がとれれば、不眠はおのずと消失します。
こころの病気:多くのこころの病気は不眠を伴います。近年は、うつ病にかかる人が増えています。単なる不眠だと思っていたら実はうつ病だったというケースも少なくありません。不眠症状や過眠症状(眠気)とともに、気分の落ち込みや意欲減退(何事も億劫)、興味の減退(趣味が手につかない)などの症状がみられる場合には早めに専門医を受診してください。
その他の睡眠障害:睡眠時無呼吸症候群やレストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)など、睡眠に伴って呼吸異常や四肢の異常運動が出現するために睡眠が妨げられ、不眠症状が出現する場合も珍しくありません。
薬や刺激物:治療薬が不眠をもたらすこともあります。睡眠を妨げる薬としては、降圧剤・甲状腺製剤・抗がん剤などが挙げられます。また、抗ヒスタミン薬では日中の眠気が出ます。コーヒー・紅茶などに含まれるカフェイン、たばこに含まれるニコチンなどには覚醒作用があり、安眠を妨げます。カフェインには利尿作用もあり、トイレ覚醒も増えます。
生活リズムの乱れ:交替制勤務や時差などによって体内リズムが乱れると不眠を招きます。現代は24時間社会といわれるほどで昼と夜の区別がなくなってきていますから、どうしても睡眠リズムが狂いがちです。
環境:騒音や光が気になって眠れないケースもみられます。また寝室の温度や湿度が適切でないと安眠できません。 | 慢性不眠症と診断される条件は何か。 | 慢性不眠症と診断される条件は、不眠と日中の不調が週に3日以上あり、それが3カ月以上続く場合は慢性不眠症です。 |
JCRRAG_010140 | 医療 | 不眠症
不眠症とは、入眠障害(寝つきが悪い)・中途覚醒(眠りが浅く途中で何度も目が覚める)・早朝覚醒(早朝に目覚めて二度寝ができない)などの睡眠問題があり、そのために日中に倦怠感・意欲低下・集中力低下・食欲低下などの不調が出現する病気です。不眠は誰でも経験しますが、自然に改善して再び眠れるようになることが大部分です。ただし、いったん慢性不眠症に陥ると適切な治療を受けないと回復しにくいといわれています。不眠の原因はストレス・こころやからだの病気・薬の副作用など様々で、原因に応じた対処が必要です。不眠が続くと不眠恐怖が生じ、緊張や睡眠状態へのこだわりのために、なおさら不眠が悪化するという悪循環に陥ります。家庭での不眠対処で効果が出ないときは専門医に相談しましょう。睡眠薬に対する過度の心配はいりません。現在使われている睡眠薬は適切に使用すれば安全です。
不眠症って何?
誰しも「眠ろうとしてもどうしても眠れない」という不眠体験をもっています。心配事があるとき・試験前日・旅行先など様々な原因がありますが、通常は数日から数週のうちにまた眠れるようになります。
しかし、時には不眠が改善せず長期間にわたって続く場合があります。不眠が続くと日中に様々な不調が出現するようになります。倦怠感・意欲低下・集中力低下・抑うつ・頭重・めまい・食欲不振など多岐にわたります。このように「1. 夜間の不眠が続き」「2. 日中に精神や身体の不調を自覚して生活の質が低下する」、この二つが認められたとき不眠症と診断されます。
不眠症は慢性不眠症(慢性不眠障害)と短期不眠症(短期不眠障害)の二つに分けられます。不眠と日中の不調が週に3日以上あり、それが3カ月以上続く場合は慢性不眠症、3カ月未満の場合は短期不眠症と診断されます。
不眠症のタイプ
不眠症状には、寝つきの悪い「入眠障害」、眠りが浅く途中で何度も目が覚める「中途覚醒」、早朝に目が覚めて二度寝ができない「早朝覚醒」などのタイプがあります。不眠症状タイプは、原因を探ったり、睡眠薬を選択したりする際に参考になります。
不眠症は国民病
一般成人の30〜40%が何らかの不眠症状を有しており、女性に多いことが知られています。不眠症状のある方のうち、慢性不眠症は成人の約10%に見られ、その原因はストレス、精神疾患、神経疾患、アルコール、薬剤の副作用など多岐にわたります。加齢とともに不眠症状は増加し、60歳以上では半数以上の方で認められます。また、東日本大震災や新型コロナウイルス感染症などの大きな災害があった後には一過性に増加します。このように、不眠症は特殊な病気ではありません。よくある普通の病気なのです。実際、日本では成人の5%が不眠のため睡眠薬を服用しています。
睡眠時間は問題ではない
睡眠時間には個人差があります。日本人の睡眠時間は平均して7時間半程度ですが、その人にとって十分な睡眠時間(必要睡眠時間)には大きな開きがあります。ごく稀にですが3、4時間ほどの睡眠で間に合っている人(ショートスリーパー)もいれば、10時間ほど眠らないと寝足りない人(ロングスリーパー)まで様々です。また、健康な人でも年齢とともに必要睡眠時間は徐々に短くなります。「若い頃はもっと眠れたのに」は禁物です。
また最初にも書きましたが、不眠症は不眠そのものだけではなく「日中に不調が出現する」ことが問題なのです。眠りが浅く感じられても、昼間の生活に支障がなければ不眠症とは診断されません。睡眠時間が短いことや目覚めの回数にこだわりすぎないことが大事です。
不眠の原因
不眠症は一つの病気ではありません。大部分の不眠症にはそれぞれ原因があり、対処法も異なります。主な不眠の原因とその対処法について簡単に表にまとめたので参考にしてください。
特に大事なのは、不眠症状を伴う様々な睡眠障害と誤診をしないことです。睡眠時無呼吸症候群・レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)・周期性四肢運動障害・うつ病による不眠や過眠などは、専門施設での検査と診断が必要です。これらの特殊な睡眠障害にはそれぞれの治療法があり、通常の睡眠薬では治りません。これらの睡眠障害が疑われる場合には、日本睡眠学会(http://jssr.jp/)の睡眠医療認定医や精神科医、脳神経内科医などへのご相談をお薦めします。
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表:不眠の原因】
ストレス:ストレスと緊張はやすらかな眠りを妨げます。神経質で生真面目な性格の人はストレスをより強く感じ、不眠にこだわりやすく、不眠症になりやすいようです。
からだの病気:高血圧や心臓病(胸苦しさ)・呼吸器疾患(咳・発作)・腎臓病・前立腺肥大(頻尿)・糖尿病・関節リウマチ(痛み)・アレルギー疾患(かゆみ)・脳出血や脳梗塞など様々なからだの病気で不眠が生じます。不眠そのものより、背後にある病気の治療が先決です。原因となっている症状がとれれば、不眠はおのずと消失します。
こころの病気:多くのこころの病気は不眠を伴います。近年は、うつ病にかかる人が増えています。単なる不眠だと思っていたら実はうつ病だったというケースも少なくありません。不眠症状や過眠症状(眠気)とともに、気分の落ち込みや意欲減退(何事も億劫)、興味の減退(趣味が手につかない)などの症状がみられる場合には早めに専門医を受診してください。
その他の睡眠障害:睡眠時無呼吸症候群やレストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)など、睡眠に伴って呼吸異常や四肢の異常運動が出現するために睡眠が妨げられ、不眠症状が出現する場合も珍しくありません。
薬や刺激物:治療薬が不眠をもたらすこともあります。睡眠を妨げる薬としては、降圧剤・甲状腺製剤・抗がん剤などが挙げられます。また、抗ヒスタミン薬では日中の眠気が出ます。コーヒー・紅茶などに含まれるカフェイン、たばこに含まれるニコチンなどには覚醒作用があり、安眠を妨げます。カフェインには利尿作用もあり、トイレ覚醒も増えます。
生活リズムの乱れ:交替制勤務や時差などによって体内リズムが乱れると不眠を招きます。現代は24時間社会といわれるほどで昼と夜の区別がなくなってきていますから、どうしても睡眠リズムが狂いがちです。
環境:騒音や光が気になって眠れないケースもみられます。また寝室の温度や湿度が適切でないと安眠できません。 | 不眠症状のタイプにはどのようなものがあるか。 | 不眠症状のタイプには、寝つきの悪い「入眠障害」、眠りが浅く途中で何度も目が覚める「中途覚醒」、早朝に目が覚めて二度寝ができない「早朝覚醒」などのタイプがあります。 |
JCRRAG_010141 | 医療 | 不眠症
不眠症とは、入眠障害(寝つきが悪い)・中途覚醒(眠りが浅く途中で何度も目が覚める)・早朝覚醒(早朝に目覚めて二度寝ができない)などの睡眠問題があり、そのために日中に倦怠感・意欲低下・集中力低下・食欲低下などの不調が出現する病気です。不眠は誰でも経験しますが、自然に改善して再び眠れるようになることが大部分です。ただし、いったん慢性不眠症に陥ると適切な治療を受けないと回復しにくいといわれています。不眠の原因はストレス・こころやからだの病気・薬の副作用など様々で、原因に応じた対処が必要です。不眠が続くと不眠恐怖が生じ、緊張や睡眠状態へのこだわりのために、なおさら不眠が悪化するという悪循環に陥ります。家庭での不眠対処で効果が出ないときは専門医に相談しましょう。睡眠薬に対する過度の心配はいりません。現在使われている睡眠薬は適切に使用すれば安全です。
不眠症って何?
誰しも「眠ろうとしてもどうしても眠れない」という不眠体験をもっています。心配事があるとき・試験前日・旅行先など様々な原因がありますが、通常は数日から数週のうちにまた眠れるようになります。
しかし、時には不眠が改善せず長期間にわたって続く場合があります。不眠が続くと日中に様々な不調が出現するようになります。倦怠感・意欲低下・集中力低下・抑うつ・頭重・めまい・食欲不振など多岐にわたります。このように「1. 夜間の不眠が続き」「2. 日中に精神や身体の不調を自覚して生活の質が低下する」、この二つが認められたとき不眠症と診断されます。
不眠症は慢性不眠症(慢性不眠障害)と短期不眠症(短期不眠障害)の二つに分けられます。不眠と日中の不調が週に3日以上あり、それが3カ月以上続く場合は慢性不眠症、3カ月未満の場合は短期不眠症と診断されます。
不眠症のタイプ
不眠症状には、寝つきの悪い「入眠障害」、眠りが浅く途中で何度も目が覚める「中途覚醒」、早朝に目が覚めて二度寝ができない「早朝覚醒」などのタイプがあります。不眠症状タイプは、原因を探ったり、睡眠薬を選択したりする際に参考になります。
不眠症は国民病
一般成人の30〜40%が何らかの不眠症状を有しており、女性に多いことが知られています。不眠症状のある方のうち、慢性不眠症は成人の約10%に見られ、その原因はストレス、精神疾患、神経疾患、アルコール、薬剤の副作用など多岐にわたります。加齢とともに不眠症状は増加し、60歳以上では半数以上の方で認められます。また、東日本大震災や新型コロナウイルス感染症などの大きな災害があった後には一過性に増加します。このように、不眠症は特殊な病気ではありません。よくある普通の病気なのです。実際、日本では成人の5%が不眠のため睡眠薬を服用しています。
睡眠時間は問題ではない
睡眠時間には個人差があります。日本人の睡眠時間は平均して7時間半程度ですが、その人にとって十分な睡眠時間(必要睡眠時間)には大きな開きがあります。ごく稀にですが3、4時間ほどの睡眠で間に合っている人(ショートスリーパー)もいれば、10時間ほど眠らないと寝足りない人(ロングスリーパー)まで様々です。また、健康な人でも年齢とともに必要睡眠時間は徐々に短くなります。「若い頃はもっと眠れたのに」は禁物です。
また最初にも書きましたが、不眠症は不眠そのものだけではなく「日中に不調が出現する」ことが問題なのです。眠りが浅く感じられても、昼間の生活に支障がなければ不眠症とは診断されません。睡眠時間が短いことや目覚めの回数にこだわりすぎないことが大事です。
不眠の原因
不眠症は一つの病気ではありません。大部分の不眠症にはそれぞれ原因があり、対処法も異なります。主な不眠の原因とその対処法について簡単に表にまとめたので参考にしてください。
特に大事なのは、不眠症状を伴う様々な睡眠障害と誤診をしないことです。睡眠時無呼吸症候群・レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)・周期性四肢運動障害・うつ病による不眠や過眠などは、専門施設での検査と診断が必要です。これらの特殊な睡眠障害にはそれぞれの治療法があり、通常の睡眠薬では治りません。これらの睡眠障害が疑われる場合には、日本睡眠学会(http://jssr.jp/)の睡眠医療認定医や精神科医、脳神経内科医などへのご相談をお薦めします。
【
表:不眠の原因】
ストレス:ストレスと緊張はやすらかな眠りを妨げます。神経質で生真面目な性格の人はストレスをより強く感じ、不眠にこだわりやすく、不眠症になりやすいようです。
からだの病気:高血圧や心臓病(胸苦しさ)・呼吸器疾患(咳・発作)・腎臓病・前立腺肥大(頻尿)・糖尿病・関節リウマチ(痛み)・アレルギー疾患(かゆみ)・脳出血や脳梗塞など様々なからだの病気で不眠が生じます。不眠そのものより、背後にある病気の治療が先決です。原因となっている症状がとれれば、不眠はおのずと消失します。
こころの病気:多くのこころの病気は不眠を伴います。近年は、うつ病にかかる人が増えています。単なる不眠だと思っていたら実はうつ病だったというケースも少なくありません。不眠症状や過眠症状(眠気)とともに、気分の落ち込みや意欲減退(何事も億劫)、興味の減退(趣味が手につかない)などの症状がみられる場合には早めに専門医を受診してください。
その他の睡眠障害:睡眠時無呼吸症候群やレストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)など、睡眠に伴って呼吸異常や四肢の異常運動が出現するために睡眠が妨げられ、不眠症状が出現する場合も珍しくありません。
薬や刺激物:治療薬が不眠をもたらすこともあります。睡眠を妨げる薬としては、降圧剤・甲状腺製剤・抗がん剤などが挙げられます。また、抗ヒスタミン薬では日中の眠気が出ます。コーヒー・紅茶などに含まれるカフェイン、たばこに含まれるニコチンなどには覚醒作用があり、安眠を妨げます。カフェインには利尿作用もあり、トイレ覚醒も増えます。
生活リズムの乱れ:交替制勤務や時差などによって体内リズムが乱れると不眠を招きます。現代は24時間社会といわれるほどで昼と夜の区別がなくなってきていますから、どうしても睡眠リズムが狂いがちです。
環境:騒音や光が気になって眠れないケースもみられます。また寝室の温度や湿度が適切でないと安眠できません。 | 不眠のため睡眠薬を服用している日本人の成人の割合はどれくらいか。 | 不眠のため睡眠薬を服用している日本人の成人の割合は5%です。 |
JCRRAG_010142 | 医療 | 不眠症
不眠症とは、入眠障害(寝つきが悪い)・中途覚醒(眠りが浅く途中で何度も目が覚める)・早朝覚醒(早朝に目覚めて二度寝ができない)などの睡眠問題があり、そのために日中に倦怠感・意欲低下・集中力低下・食欲低下などの不調が出現する病気です。不眠は誰でも経験しますが、自然に改善して再び眠れるようになることが大部分です。ただし、いったん慢性不眠症に陥ると適切な治療を受けないと回復しにくいといわれています。不眠の原因はストレス・こころやからだの病気・薬の副作用など様々で、原因に応じた対処が必要です。不眠が続くと不眠恐怖が生じ、緊張や睡眠状態へのこだわりのために、なおさら不眠が悪化するという悪循環に陥ります。家庭での不眠対処で効果が出ないときは専門医に相談しましょう。睡眠薬に対する過度の心配はいりません。現在使われている睡眠薬は適切に使用すれば安全です。
不眠症って何?
誰しも「眠ろうとしてもどうしても眠れない」という不眠体験をもっています。心配事があるとき・試験前日・旅行先など様々な原因がありますが、通常は数日から数週のうちにまた眠れるようになります。
しかし、時には不眠が改善せず長期間にわたって続く場合があります。不眠が続くと日中に様々な不調が出現するようになります。倦怠感・意欲低下・集中力低下・抑うつ・頭重・めまい・食欲不振など多岐にわたります。このように「1. 夜間の不眠が続き」「2. 日中に精神や身体の不調を自覚して生活の質が低下する」、この二つが認められたとき不眠症と診断されます。
不眠症は慢性不眠症(慢性不眠障害)と短期不眠症(短期不眠障害)の二つに分けられます。不眠と日中の不調が週に3日以上あり、それが3カ月以上続く場合は慢性不眠症、3カ月未満の場合は短期不眠症と診断されます。
不眠症のタイプ
不眠症状には、寝つきの悪い「入眠障害」、眠りが浅く途中で何度も目が覚める「中途覚醒」、早朝に目が覚めて二度寝ができない「早朝覚醒」などのタイプがあります。不眠症状タイプは、原因を探ったり、睡眠薬を選択したりする際に参考になります。
不眠症は国民病
一般成人の30〜40%が何らかの不眠症状を有しており、女性に多いことが知られています。不眠症状のある方のうち、慢性不眠症は成人の約10%に見られ、その原因はストレス、精神疾患、神経疾患、アルコール、薬剤の副作用など多岐にわたります。加齢とともに不眠症状は増加し、60歳以上では半数以上の方で認められます。また、東日本大震災や新型コロナウイルス感染症などの大きな災害があった後には一過性に増加します。このように、不眠症は特殊な病気ではありません。よくある普通の病気なのです。実際、日本では成人の5%が不眠のため睡眠薬を服用しています。
睡眠時間は問題ではない
睡眠時間には個人差があります。日本人の睡眠時間は平均して7時間半程度ですが、その人にとって十分な睡眠時間(必要睡眠時間)には大きな開きがあります。ごく稀にですが3、4時間ほどの睡眠で間に合っている人(ショートスリーパー)もいれば、10時間ほど眠らないと寝足りない人(ロングスリーパー)まで様々です。また、健康な人でも年齢とともに必要睡眠時間は徐々に短くなります。「若い頃はもっと眠れたのに」は禁物です。
また最初にも書きましたが、不眠症は不眠そのものだけではなく「日中に不調が出現する」ことが問題なのです。眠りが浅く感じられても、昼間の生活に支障がなければ不眠症とは診断されません。睡眠時間が短いことや目覚めの回数にこだわりすぎないことが大事です。
不眠の原因
不眠症は一つの病気ではありません。大部分の不眠症にはそれぞれ原因があり、対処法も異なります。主な不眠の原因とその対処法について簡単に表にまとめたので参考にしてください。
特に大事なのは、不眠症状を伴う様々な睡眠障害と誤診をしないことです。睡眠時無呼吸症候群・レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)・周期性四肢運動障害・うつ病による不眠や過眠などは、専門施設での検査と診断が必要です。これらの特殊な睡眠障害にはそれぞれの治療法があり、通常の睡眠薬では治りません。これらの睡眠障害が疑われる場合には、日本睡眠学会(http://jssr.jp/)の睡眠医療認定医や精神科医、脳神経内科医などへのご相談をお薦めします。
【
表:不眠の原因】
ストレス:ストレスと緊張はやすらかな眠りを妨げます。神経質で生真面目な性格の人はストレスをより強く感じ、不眠にこだわりやすく、不眠症になりやすいようです。
からだの病気:高血圧や心臓病(胸苦しさ)・呼吸器疾患(咳・発作)・腎臓病・前立腺肥大(頻尿)・糖尿病・関節リウマチ(痛み)・アレルギー疾患(かゆみ)・脳出血や脳梗塞など様々なからだの病気で不眠が生じます。不眠そのものより、背後にある病気の治療が先決です。原因となっている症状がとれれば、不眠はおのずと消失します。
こころの病気:多くのこころの病気は不眠を伴います。近年は、うつ病にかかる人が増えています。単なる不眠だと思っていたら実はうつ病だったというケースも少なくありません。不眠症状や過眠症状(眠気)とともに、気分の落ち込みや意欲減退(何事も億劫)、興味の減退(趣味が手につかない)などの症状がみられる場合には早めに専門医を受診してください。
その他の睡眠障害:睡眠時無呼吸症候群やレストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)など、睡眠に伴って呼吸異常や四肢の異常運動が出現するために睡眠が妨げられ、不眠症状が出現する場合も珍しくありません。
薬や刺激物:治療薬が不眠をもたらすこともあります。睡眠を妨げる薬としては、降圧剤・甲状腺製剤・抗がん剤などが挙げられます。また、抗ヒスタミン薬では日中の眠気が出ます。コーヒー・紅茶などに含まれるカフェイン、たばこに含まれるニコチンなどには覚醒作用があり、安眠を妨げます。カフェインには利尿作用もあり、トイレ覚醒も増えます。
生活リズムの乱れ:交替制勤務や時差などによって体内リズムが乱れると不眠を招きます。現代は24時間社会といわれるほどで昼と夜の区別がなくなってきていますから、どうしても睡眠リズムが狂いがちです。
環境:騒音や光が気になって眠れないケースもみられます。また寝室の温度や湿度が適切でないと安眠できません。 | 成人の何割くらいの人に慢性不眠症が見られますか。 | 慢性不眠症は成人の約10%に見られます。 |
JCRRAG_010143 | 医療 | 不眠への対処法
不眠対処の第一歩は先に挙げたような様々な不眠の原因を診断し、取り除くことです。それに加えて自分流の安眠法を工夫することが効果的です。安眠のためのコツを以下にまとめました。
●就寝・起床時間を一定にする
睡眠覚醒は体内時計で調整されています。週末の夜ふかしや休日の寝坊、昼寝のしすぎは体内時計を乱すので注意してください。平日・週末にかかわらず同じ時刻に起床・就床する習慣を身につけることが大事です。日中に眠気があるときは午後3時前までに30分以内の昼寝をとると効果的です。
●睡眠時間にこだわらない
睡眠時間には個人差があります。「◯◯時間眠りたい!」と目標を立てないでください。どうしても眠気がないときは思い切って寝床から出ましょう。眠れずに悶々としたまま寝床にいると、不安や緊張が増してますます目が冴えてしまいます(後述の「不眠恐怖の悪循環を断つ」参照)。
●太陽の光を浴びる
太陽光など強い光には体内時計を調整する働きがあります。早朝に光を浴びると夜寝つく時間が早くなり、朝も早く起きられるようになります。すなわち「早寝早起き」の順番ではなく、「早起きすることが早寝につながる」のです。逆に、夜に強い照明を浴びすぎると、体内時計が遅れて早起きが辛くなります。
●適度の運動をする
ほどよい肉体的疲労は心地よい眠りを生み出してくれます。運動は午前よりも午後に、軽く汗ばむ程度の運動をするのがよいようです。激しい運動は交感神経を興奮させてむしろ寝つきを悪くするため逆効果です。短期間の集中的な運動よりも、負担にならない程度の有酸素運動を根気強く継続することが効果的です。
●自分流のストレス解消法を
ストレスは眠りにとって大敵。音楽・読書・スポーツ・旅行など、自分に合った趣味をみつけて上手に気分転換をはかり、ストレスをためないようにしましょう。
●寝る前にリラックスタイムを
睡眠前に副交感神経を活発にさせることが良眠のコツです。ぬるめのお風呂にゆっくり入り、好きな音楽や読書などでリラックスする時間をとって心身の緊張をほぐします。半身浴は心臓への負担も少なく、副交感神経を優位にさせ、睡眠の質を向上させてくれることが分かっています。
●寝酒はダメ
お酒は睡眠にとって百害あって一利なし。特に深酒は禁物です。寝酒をすると寝つきがよくなるように思えますが、効果は短時間しか続きません。飲酒後は深い睡眠が減り、早朝覚醒が増えてきます。お酒は楽しむもの。不眠対処に使ってはなりません。
●快適な寝室づくりを
眠りやすい環境づくりも重要なポイントです。ベッド・布団・枕・照明などは自分に合ったものを選びましょう。温度や湿度にも注意が必要です。睡眠のための適温は20℃前後で、湿度は40~70%くらいに保つのがよいといわれています。寝具や照明については「快眠のためのテクニック」「快眠と生活習慣」で解説しています。
不眠恐怖の悪循環を断つ
眠れない日々が続くと「また今夜も眠れないのではないか」と不安になり、「早く眠らなければ」と焦れば焦るほど目が冴えてしまう――。不眠症の方が共通して経験する不安です。「一過性で終わるはずだった不眠が慢性化して不眠症になる」、その背景にはこのような「不眠恐怖」があります。不眠が続くうちに寝床に向かうだけで緊張してしまい、夜になるのが憂うつになってきます。そのようなときは、「どうせいつかは眠くなるのだから、眠くなるまで起きていよう」くらいに割り切ったほうが好結果をもたらします。
実際、「眠れないのに我慢して無理に寝床にいる」と、不眠が悪化することが分かっています。常識的な範囲内で寝床の中で休む時間を決めておき、眠れなければベッドから出ること、前日の睡眠状態にかかわらず日中はなるべく活動的に過ごすことが大切です。前の晩に眠れなくて仕事に集中できない、眠くてしようがないという場合には、昼休みを利用して昼寝をするといいでしょう。30分以内で十分です。たとえ短時間でも脳の疲労をとるのに効果があり、スッキリと目覚めることができます。
専門医に相談することを躊躇しない
不眠症の治療はかかりつけの病院で治療されることが大部分です。不眠が続く場合には、まずかかりつけ医に相談してみるといいでしょう。病院を受診して不眠について相談するだけでも不眠恐怖は和らぎます。睡眠指導や睡眠薬などによる治療を受けても治らないときには精神科や心療内科などの専門医に相談をしましょう。
大切なのは、眠れないことを一人でくよくよ考え込まないこと。心配する気持ちそのものが、不眠を悪化させるだけではなく、こころ(うつなど)やからだ(ストレス性疾患など)に悪影響を与えてしまうということです。
睡眠薬は怖いクスリ?
答えは「NO!」です。現在の不眠治療は、睡眠薬を用いた薬物療法が中心です。「睡眠薬は一度使い始めると手放せなくなる」「次第に量が増えていくので副作用が怖い」「服用していると認知症になってしまう」など、睡眠薬に関して恐怖心を抱いている方が多いようですが、正しく服用すれば過度の心配はいりません。また最近は、依存性や認知機能障害の心配が少ない睡眠薬も開発されています。ただし、長期にわたって漫然と使い続けるのはよくありません。医師の指導の下に適切に使用することが大事です。
最近、ドラッグストアで購入できる市販の睡眠薬が売られています。これはアレルギー薬の副作用(眠気)を利用したもので、あくまでも短期間の使用に限られています。不眠症に対する治療効果は確かめられていませんので、不眠症の方はこれら市販の睡眠薬を長期に用いてはなりません(薬の注意書きにもそのように書いてありますので確認してください)。 | 体内時計を乱す行為として挙げられている例を教えてください。 | 体内時計を乱す行為として挙げられている例は、週末の夜ふかしや休日の寝坊、昼寝のしすぎです。 |
JCRRAG_010144 | 医療 | 不眠への対処法
不眠対処の第一歩は先に挙げたような様々な不眠の原因を診断し、取り除くことです。それに加えて自分流の安眠法を工夫することが効果的です。安眠のためのコツを以下にまとめました。
●就寝・起床時間を一定にする
睡眠覚醒は体内時計で調整されています。週末の夜ふかしや休日の寝坊、昼寝のしすぎは体内時計を乱すので注意してください。平日・週末にかかわらず同じ時刻に起床・就床する習慣を身につけることが大事です。日中に眠気があるときは午後3時前までに30分以内の昼寝をとると効果的です。
●睡眠時間にこだわらない
睡眠時間には個人差があります。「◯◯時間眠りたい!」と目標を立てないでください。どうしても眠気がないときは思い切って寝床から出ましょう。眠れずに悶々としたまま寝床にいると、不安や緊張が増してますます目が冴えてしまいます(後述の「不眠恐怖の悪循環を断つ」参照)。
●太陽の光を浴びる
太陽光など強い光には体内時計を調整する働きがあります。早朝に光を浴びると夜寝つく時間が早くなり、朝も早く起きられるようになります。すなわち「早寝早起き」の順番ではなく、「早起きすることが早寝につながる」のです。逆に、夜に強い照明を浴びすぎると、体内時計が遅れて早起きが辛くなります。
●適度の運動をする
ほどよい肉体的疲労は心地よい眠りを生み出してくれます。運動は午前よりも午後に、軽く汗ばむ程度の運動をするのがよいようです。激しい運動は交感神経を興奮させてむしろ寝つきを悪くするため逆効果です。短期間の集中的な運動よりも、負担にならない程度の有酸素運動を根気強く継続することが効果的です。
●自分流のストレス解消法を
ストレスは眠りにとって大敵。音楽・読書・スポーツ・旅行など、自分に合った趣味をみつけて上手に気分転換をはかり、ストレスをためないようにしましょう。
●寝る前にリラックスタイムを
睡眠前に副交感神経を活発にさせることが良眠のコツです。ぬるめのお風呂にゆっくり入り、好きな音楽や読書などでリラックスする時間をとって心身の緊張をほぐします。半身浴は心臓への負担も少なく、副交感神経を優位にさせ、睡眠の質を向上させてくれることが分かっています。
●寝酒はダメ
お酒は睡眠にとって百害あって一利なし。特に深酒は禁物です。寝酒をすると寝つきがよくなるように思えますが、効果は短時間しか続きません。飲酒後は深い睡眠が減り、早朝覚醒が増えてきます。お酒は楽しむもの。不眠対処に使ってはなりません。
●快適な寝室づくりを
眠りやすい環境づくりも重要なポイントです。ベッド・布団・枕・照明などは自分に合ったものを選びましょう。温度や湿度にも注意が必要です。睡眠のための適温は20℃前後で、湿度は40~70%くらいに保つのがよいといわれています。寝具や照明については「快眠のためのテクニック」「快眠と生活習慣」で解説しています。
不眠恐怖の悪循環を断つ
眠れない日々が続くと「また今夜も眠れないのではないか」と不安になり、「早く眠らなければ」と焦れば焦るほど目が冴えてしまう――。不眠症の方が共通して経験する不安です。「一過性で終わるはずだった不眠が慢性化して不眠症になる」、その背景にはこのような「不眠恐怖」があります。不眠が続くうちに寝床に向かうだけで緊張してしまい、夜になるのが憂うつになってきます。そのようなときは、「どうせいつかは眠くなるのだから、眠くなるまで起きていよう」くらいに割り切ったほうが好結果をもたらします。
実際、「眠れないのに我慢して無理に寝床にいる」と、不眠が悪化することが分かっています。常識的な範囲内で寝床の中で休む時間を決めておき、眠れなければベッドから出ること、前日の睡眠状態にかかわらず日中はなるべく活動的に過ごすことが大切です。前の晩に眠れなくて仕事に集中できない、眠くてしようがないという場合には、昼休みを利用して昼寝をするといいでしょう。30分以内で十分です。たとえ短時間でも脳の疲労をとるのに効果があり、スッキリと目覚めることができます。
専門医に相談することを躊躇しない
不眠症の治療はかかりつけの病院で治療されることが大部分です。不眠が続く場合には、まずかかりつけ医に相談してみるといいでしょう。病院を受診して不眠について相談するだけでも不眠恐怖は和らぎます。睡眠指導や睡眠薬などによる治療を受けても治らないときには精神科や心療内科などの専門医に相談をしましょう。
大切なのは、眠れないことを一人でくよくよ考え込まないこと。心配する気持ちそのものが、不眠を悪化させるだけではなく、こころ(うつなど)やからだ(ストレス性疾患など)に悪影響を与えてしまうということです。
睡眠薬は怖いクスリ?
答えは「NO!」です。現在の不眠治療は、睡眠薬を用いた薬物療法が中心です。「睡眠薬は一度使い始めると手放せなくなる」「次第に量が増えていくので副作用が怖い」「服用していると認知症になってしまう」など、睡眠薬に関して恐怖心を抱いている方が多いようですが、正しく服用すれば過度の心配はいりません。また最近は、依存性や認知機能障害の心配が少ない睡眠薬も開発されています。ただし、長期にわたって漫然と使い続けるのはよくありません。医師の指導の下に適切に使用することが大事です。
最近、ドラッグストアで購入できる市販の睡眠薬が売られています。これはアレルギー薬の副作用(眠気)を利用したもので、あくまでも短期間の使用に限られています。不眠症に対する治療効果は確かめられていませんので、不眠症の方はこれら市販の睡眠薬を長期に用いてはなりません(薬の注意書きにもそのように書いてありますので確認してください)。 | 睡眠にとってお酒がよくない理由は何か。 | 睡眠にとってお酒がよくない理由は、飲酒後は深い睡眠が減り、早朝覚醒が増えてきます。 |
JCRRAG_010145 | 医療 | 不眠への対処法
不眠対処の第一歩は先に挙げたような様々な不眠の原因を診断し、取り除くことです。それに加えて自分流の安眠法を工夫することが効果的です。安眠のためのコツを以下にまとめました。
●就寝・起床時間を一定にする
睡眠覚醒は体内時計で調整されています。週末の夜ふかしや休日の寝坊、昼寝のしすぎは体内時計を乱すので注意してください。平日・週末にかかわらず同じ時刻に起床・就床する習慣を身につけることが大事です。日中に眠気があるときは午後3時前までに30分以内の昼寝をとると効果的です。
●睡眠時間にこだわらない
睡眠時間には個人差があります。「◯◯時間眠りたい!」と目標を立てないでください。どうしても眠気がないときは思い切って寝床から出ましょう。眠れずに悶々としたまま寝床にいると、不安や緊張が増してますます目が冴えてしまいます(後述の「不眠恐怖の悪循環を断つ」参照)。
●太陽の光を浴びる
太陽光など強い光には体内時計を調整する働きがあります。早朝に光を浴びると夜寝つく時間が早くなり、朝も早く起きられるようになります。すなわち「早寝早起き」の順番ではなく、「早起きすることが早寝につながる」のです。逆に、夜に強い照明を浴びすぎると、体内時計が遅れて早起きが辛くなります。
●適度の運動をする
ほどよい肉体的疲労は心地よい眠りを生み出してくれます。運動は午前よりも午後に、軽く汗ばむ程度の運動をするのがよいようです。激しい運動は交感神経を興奮させてむしろ寝つきを悪くするため逆効果です。短期間の集中的な運動よりも、負担にならない程度の有酸素運動を根気強く継続することが効果的です。
●自分流のストレス解消法を
ストレスは眠りにとって大敵。音楽・読書・スポーツ・旅行など、自分に合った趣味をみつけて上手に気分転換をはかり、ストレスをためないようにしましょう。
●寝る前にリラックスタイムを
睡眠前に副交感神経を活発にさせることが良眠のコツです。ぬるめのお風呂にゆっくり入り、好きな音楽や読書などでリラックスする時間をとって心身の緊張をほぐします。半身浴は心臓への負担も少なく、副交感神経を優位にさせ、睡眠の質を向上させてくれることが分かっています。
●寝酒はダメ
お酒は睡眠にとって百害あって一利なし。特に深酒は禁物です。寝酒をすると寝つきがよくなるように思えますが、効果は短時間しか続きません。飲酒後は深い睡眠が減り、早朝覚醒が増えてきます。お酒は楽しむもの。不眠対処に使ってはなりません。
●快適な寝室づくりを
眠りやすい環境づくりも重要なポイントです。ベッド・布団・枕・照明などは自分に合ったものを選びましょう。温度や湿度にも注意が必要です。睡眠のための適温は20℃前後で、湿度は40~70%くらいに保つのがよいといわれています。寝具や照明については「快眠のためのテクニック」「快眠と生活習慣」で解説しています。
不眠恐怖の悪循環を断つ
眠れない日々が続くと「また今夜も眠れないのではないか」と不安になり、「早く眠らなければ」と焦れば焦るほど目が冴えてしまう――。不眠症の方が共通して経験する不安です。「一過性で終わるはずだった不眠が慢性化して不眠症になる」、その背景にはこのような「不眠恐怖」があります。不眠が続くうちに寝床に向かうだけで緊張してしまい、夜になるのが憂うつになってきます。そのようなときは、「どうせいつかは眠くなるのだから、眠くなるまで起きていよう」くらいに割り切ったほうが好結果をもたらします。
実際、「眠れないのに我慢して無理に寝床にいる」と、不眠が悪化することが分かっています。常識的な範囲内で寝床の中で休む時間を決めておき、眠れなければベッドから出ること、前日の睡眠状態にかかわらず日中はなるべく活動的に過ごすことが大切です。前の晩に眠れなくて仕事に集中できない、眠くてしようがないという場合には、昼休みを利用して昼寝をするといいでしょう。30分以内で十分です。たとえ短時間でも脳の疲労をとるのに効果があり、スッキリと目覚めることができます。
専門医に相談することを躊躇しない
不眠症の治療はかかりつけの病院で治療されることが大部分です。不眠が続く場合には、まずかかりつけ医に相談してみるといいでしょう。病院を受診して不眠について相談するだけでも不眠恐怖は和らぎます。睡眠指導や睡眠薬などによる治療を受けても治らないときには精神科や心療内科などの専門医に相談をしましょう。
大切なのは、眠れないことを一人でくよくよ考え込まないこと。心配する気持ちそのものが、不眠を悪化させるだけではなく、こころ(うつなど)やからだ(ストレス性疾患など)に悪影響を与えてしまうということです。
睡眠薬は怖いクスリ?
答えは「NO!」です。現在の不眠治療は、睡眠薬を用いた薬物療法が中心です。「睡眠薬は一度使い始めると手放せなくなる」「次第に量が増えていくので副作用が怖い」「服用していると認知症になってしまう」など、睡眠薬に関して恐怖心を抱いている方が多いようですが、正しく服用すれば過度の心配はいりません。また最近は、依存性や認知機能障害の心配が少ない睡眠薬も開発されています。ただし、長期にわたって漫然と使い続けるのはよくありません。医師の指導の下に適切に使用することが大事です。
最近、ドラッグストアで購入できる市販の睡眠薬が売られています。これはアレルギー薬の副作用(眠気)を利用したもので、あくまでも短期間の使用に限られています。不眠症に対する治療効果は確かめられていませんので、不眠症の方はこれら市販の睡眠薬を長期に用いてはなりません(薬の注意書きにもそのように書いてありますので確認してください)。 | 不眠恐怖に陥った場合、どのように考えることが好結果につながるか。 | 不眠恐怖に陥った場合は、「どうせいつかは眠くなるのだから、眠くなるまで起きていよう」くらいに割り切ったほうが好結果をもたらします。 |
JCRRAG_010146 | 医療 | 不眠への対処法
不眠対処の第一歩は先に挙げたような様々な不眠の原因を診断し、取り除くことです。それに加えて自分流の安眠法を工夫することが効果的です。安眠のためのコツを以下にまとめました。
●就寝・起床時間を一定にする
睡眠覚醒は体内時計で調整されています。週末の夜ふかしや休日の寝坊、昼寝のしすぎは体内時計を乱すので注意してください。平日・週末にかかわらず同じ時刻に起床・就床する習慣を身につけることが大事です。日中に眠気があるときは午後3時前までに30分以内の昼寝をとると効果的です。
●睡眠時間にこだわらない
睡眠時間には個人差があります。「◯◯時間眠りたい!」と目標を立てないでください。どうしても眠気がないときは思い切って寝床から出ましょう。眠れずに悶々としたまま寝床にいると、不安や緊張が増してますます目が冴えてしまいます(後述の「不眠恐怖の悪循環を断つ」参照)。
●太陽の光を浴びる
太陽光など強い光には体内時計を調整する働きがあります。早朝に光を浴びると夜寝つく時間が早くなり、朝も早く起きられるようになります。すなわち「早寝早起き」の順番ではなく、「早起きすることが早寝につながる」のです。逆に、夜に強い照明を浴びすぎると、体内時計が遅れて早起きが辛くなります。
●適度の運動をする
ほどよい肉体的疲労は心地よい眠りを生み出してくれます。運動は午前よりも午後に、軽く汗ばむ程度の運動をするのがよいようです。激しい運動は交感神経を興奮させてむしろ寝つきを悪くするため逆効果です。短期間の集中的な運動よりも、負担にならない程度の有酸素運動を根気強く継続することが効果的です。
●自分流のストレス解消法を
ストレスは眠りにとって大敵。音楽・読書・スポーツ・旅行など、自分に合った趣味をみつけて上手に気分転換をはかり、ストレスをためないようにしましょう。
●寝る前にリラックスタイムを
睡眠前に副交感神経を活発にさせることが良眠のコツです。ぬるめのお風呂にゆっくり入り、好きな音楽や読書などでリラックスする時間をとって心身の緊張をほぐします。半身浴は心臓への負担も少なく、副交感神経を優位にさせ、睡眠の質を向上させてくれることが分かっています。
●寝酒はダメ
お酒は睡眠にとって百害あって一利なし。特に深酒は禁物です。寝酒をすると寝つきがよくなるように思えますが、効果は短時間しか続きません。飲酒後は深い睡眠が減り、早朝覚醒が増えてきます。お酒は楽しむもの。不眠対処に使ってはなりません。
●快適な寝室づくりを
眠りやすい環境づくりも重要なポイントです。ベッド・布団・枕・照明などは自分に合ったものを選びましょう。温度や湿度にも注意が必要です。睡眠のための適温は20℃前後で、湿度は40~70%くらいに保つのがよいといわれています。寝具や照明については「快眠のためのテクニック」「快眠と生活習慣」で解説しています。
不眠恐怖の悪循環を断つ
眠れない日々が続くと「また今夜も眠れないのではないか」と不安になり、「早く眠らなければ」と焦れば焦るほど目が冴えてしまう――。不眠症の方が共通して経験する不安です。「一過性で終わるはずだった不眠が慢性化して不眠症になる」、その背景にはこのような「不眠恐怖」があります。不眠が続くうちに寝床に向かうだけで緊張してしまい、夜になるのが憂うつになってきます。そのようなときは、「どうせいつかは眠くなるのだから、眠くなるまで起きていよう」くらいに割り切ったほうが好結果をもたらします。
実際、「眠れないのに我慢して無理に寝床にいる」と、不眠が悪化することが分かっています。常識的な範囲内で寝床の中で休む時間を決めておき、眠れなければベッドから出ること、前日の睡眠状態にかかわらず日中はなるべく活動的に過ごすことが大切です。前の晩に眠れなくて仕事に集中できない、眠くてしようがないという場合には、昼休みを利用して昼寝をするといいでしょう。30分以内で十分です。たとえ短時間でも脳の疲労をとるのに効果があり、スッキリと目覚めることができます。
専門医に相談することを躊躇しない
不眠症の治療はかかりつけの病院で治療されることが大部分です。不眠が続く場合には、まずかかりつけ医に相談してみるといいでしょう。病院を受診して不眠について相談するだけでも不眠恐怖は和らぎます。睡眠指導や睡眠薬などによる治療を受けても治らないときには精神科や心療内科などの専門医に相談をしましょう。
大切なのは、眠れないことを一人でくよくよ考え込まないこと。心配する気持ちそのものが、不眠を悪化させるだけではなく、こころ(うつなど)やからだ(ストレス性疾患など)に悪影響を与えてしまうということです。
睡眠薬は怖いクスリ?
答えは「NO!」です。現在の不眠治療は、睡眠薬を用いた薬物療法が中心です。「睡眠薬は一度使い始めると手放せなくなる」「次第に量が増えていくので副作用が怖い」「服用していると認知症になってしまう」など、睡眠薬に関して恐怖心を抱いている方が多いようですが、正しく服用すれば過度の心配はいりません。また最近は、依存性や認知機能障害の心配が少ない睡眠薬も開発されています。ただし、長期にわたって漫然と使い続けるのはよくありません。医師の指導の下に適切に使用することが大事です。
最近、ドラッグストアで購入できる市販の睡眠薬が売られています。これはアレルギー薬の副作用(眠気)を利用したもので、あくまでも短期間の使用に限られています。不眠症に対する治療効果は確かめられていませんので、不眠症の方はこれら市販の睡眠薬を長期に用いてはなりません(薬の注意書きにもそのように書いてありますので確認してください)。 | 不眠症の治療で専門医に相談すべき状況はどのような場合か。 | 不眠症の治療で専門医に相談すべき状況は、睡眠指導や睡眠薬などによる治療を受けても治らないときです。 |
JCRRAG_010147 | 医療 | 不眠への対処法
不眠対処の第一歩は先に挙げたような様々な不眠の原因を診断し、取り除くことです。それに加えて自分流の安眠法を工夫することが効果的です。安眠のためのコツを以下にまとめました。
●就寝・起床時間を一定にする
睡眠覚醒は体内時計で調整されています。週末の夜ふかしや休日の寝坊、昼寝のしすぎは体内時計を乱すので注意してください。平日・週末にかかわらず同じ時刻に起床・就床する習慣を身につけることが大事です。日中に眠気があるときは午後3時前までに30分以内の昼寝をとると効果的です。
●睡眠時間にこだわらない
睡眠時間には個人差があります。「◯◯時間眠りたい!」と目標を立てないでください。どうしても眠気がないときは思い切って寝床から出ましょう。眠れずに悶々としたまま寝床にいると、不安や緊張が増してますます目が冴えてしまいます(後述の「不眠恐怖の悪循環を断つ」参照)。
●太陽の光を浴びる
太陽光など強い光には体内時計を調整する働きがあります。早朝に光を浴びると夜寝つく時間が早くなり、朝も早く起きられるようになります。すなわち「早寝早起き」の順番ではなく、「早起きすることが早寝につながる」のです。逆に、夜に強い照明を浴びすぎると、体内時計が遅れて早起きが辛くなります。
●適度の運動をする
ほどよい肉体的疲労は心地よい眠りを生み出してくれます。運動は午前よりも午後に、軽く汗ばむ程度の運動をするのがよいようです。激しい運動は交感神経を興奮させてむしろ寝つきを悪くするため逆効果です。短期間の集中的な運動よりも、負担にならない程度の有酸素運動を根気強く継続することが効果的です。
●自分流のストレス解消法を
ストレスは眠りにとって大敵。音楽・読書・スポーツ・旅行など、自分に合った趣味をみつけて上手に気分転換をはかり、ストレスをためないようにしましょう。
●寝る前にリラックスタイムを
睡眠前に副交感神経を活発にさせることが良眠のコツです。ぬるめのお風呂にゆっくり入り、好きな音楽や読書などでリラックスする時間をとって心身の緊張をほぐします。半身浴は心臓への負担も少なく、副交感神経を優位にさせ、睡眠の質を向上させてくれることが分かっています。
●寝酒はダメ
お酒は睡眠にとって百害あって一利なし。特に深酒は禁物です。寝酒をすると寝つきがよくなるように思えますが、効果は短時間しか続きません。飲酒後は深い睡眠が減り、早朝覚醒が増えてきます。お酒は楽しむもの。不眠対処に使ってはなりません。
●快適な寝室づくりを
眠りやすい環境づくりも重要なポイントです。ベッド・布団・枕・照明などは自分に合ったものを選びましょう。温度や湿度にも注意が必要です。睡眠のための適温は20℃前後で、湿度は40~70%くらいに保つのがよいといわれています。寝具や照明については「快眠のためのテクニック」「快眠と生活習慣」で解説しています。
不眠恐怖の悪循環を断つ
眠れない日々が続くと「また今夜も眠れないのではないか」と不安になり、「早く眠らなければ」と焦れば焦るほど目が冴えてしまう――。不眠症の方が共通して経験する不安です。「一過性で終わるはずだった不眠が慢性化して不眠症になる」、その背景にはこのような「不眠恐怖」があります。不眠が続くうちに寝床に向かうだけで緊張してしまい、夜になるのが憂うつになってきます。そのようなときは、「どうせいつかは眠くなるのだから、眠くなるまで起きていよう」くらいに割り切ったほうが好結果をもたらします。
実際、「眠れないのに我慢して無理に寝床にいる」と、不眠が悪化することが分かっています。常識的な範囲内で寝床の中で休む時間を決めておき、眠れなければベッドから出ること、前日の睡眠状態にかかわらず日中はなるべく活動的に過ごすことが大切です。前の晩に眠れなくて仕事に集中できない、眠くてしようがないという場合には、昼休みを利用して昼寝をするといいでしょう。30分以内で十分です。たとえ短時間でも脳の疲労をとるのに効果があり、スッキリと目覚めることができます。
専門医に相談することを躊躇しない
不眠症の治療はかかりつけの病院で治療されることが大部分です。不眠が続く場合には、まずかかりつけ医に相談してみるといいでしょう。病院を受診して不眠について相談するだけでも不眠恐怖は和らぎます。睡眠指導や睡眠薬などによる治療を受けても治らないときには精神科や心療内科などの専門医に相談をしましょう。
大切なのは、眠れないことを一人でくよくよ考え込まないこと。心配する気持ちそのものが、不眠を悪化させるだけではなく、こころ(うつなど)やからだ(ストレス性疾患など)に悪影響を与えてしまうということです。
睡眠薬は怖いクスリ?
答えは「NO!」です。現在の不眠治療は、睡眠薬を用いた薬物療法が中心です。「睡眠薬は一度使い始めると手放せなくなる」「次第に量が増えていくので副作用が怖い」「服用していると認知症になってしまう」など、睡眠薬に関して恐怖心を抱いている方が多いようですが、正しく服用すれば過度の心配はいりません。また最近は、依存性や認知機能障害の心配が少ない睡眠薬も開発されています。ただし、長期にわたって漫然と使い続けるのはよくありません。医師の指導の下に適切に使用することが大事です。
最近、ドラッグストアで購入できる市販の睡眠薬が売られています。これはアレルギー薬の副作用(眠気)を利用したもので、あくまでも短期間の使用に限られています。不眠症に対する治療効果は確かめられていませんので、不眠症の方はこれら市販の睡眠薬を長期に用いてはなりません(薬の注意書きにもそのように書いてありますので確認してください)。 | 現在の不眠治療で中心となっている治療法は何か。 | 現在の不眠治療は、睡眠薬を用いた薬物療法が中心です。 |
JCRRAG_010148 | 医療 | 心筋梗塞発症の危険因子:抑うつとストレス
急性心筋梗塞をはじめとする循環器疾患は、老化や高血圧・喫煙・肥満・糖尿病など全身血管の動脈硬化をきたす疾患が原因となっていますが、発症の引き金としてストレスやうつなどの影響が大きいことが知られています。⽣活習慣病予防と同時にこころの健康維持も、循環器疾患の予防のためにとても大切です。
精神的・⾝体的ストレスが⼼筋梗塞のきっかけに
循環器疾患、なかでも心筋梗塞や脳梗塞は、血栓により突然動脈が閉塞して発症し、重篤な結果を引き起こす疾患です。加齢以外に喫煙・糖尿病・高血圧・脂質異常症・肥満などの動脈硬化をきたす生活習慣病が原因疾患として最重要視されています。しかし、いろいろなデータベースから⼼筋梗塞の発症理由を調べてみると、ストレスやうつがかかわっていることが明らかになっています。古くは A 型性格と⼼筋梗塞との関連が指摘されています。⽬標達成感が少なく常に完全性を切望したり、いつも認められることを望み、多くのことにかかわり時間に追われるように加速度的に思考したりや⾏動する、精神的・⾝体的にてきぱきとした行動をする、という特徴を持つ人に心筋梗塞が多いと報告されました。また湾岸戦争の際に、警報やミサイル着弾にともなって心筋梗塞発症数が増加することがイスラエルより報告されました。
このような精神的・⾝体的ストレスが、直接・間接的に⼼筋梗塞を発症させる現象は⽇本⼈においても同様です。⼀般的に⼼筋梗塞の発症は、午前中の⾎圧上昇や⾎⼩板凝集能亢進の⽇内変動に合わせて午前中に多いのですが、働き盛りの⽐較的若い男性喫煙者では夜の遅い就業中に発症するなど、社会・経済的要因のかかわりがあるようです。また有職者男性では海外同様ブルーマンデー(憂うつな⽉曜⽇)の発症が多いものの、⾼齢⼥性では⼟曜⽇の発症が多く、週末に主婦への依存度が⾼いことで⼥性配偶者へのストレスとなっている⽇本独⾃の発症要因として注⽬されています。
うつの⼼筋梗塞への影響
また、うつも⼼筋梗塞などの冠動脈疾患に多いこと、うつを持つ⼼筋梗塞患者さんの予後が悪いことも知られています。うつが⽣命予後に影響するメカニズムとして、うつ症状がある⼈の不健康な⽣活習慣が⼀因と推測されています。もうひとつは、うつに伴い分泌されるストレスホルモンが直接的に循環動態に悪影響を及ぼすもので、例えば⾎中カテコラミンの⾼値による⾃律神経異常(交感神経優位)、⾎⼩板凝集能の亢進、⾎管内⽪機能の低下などが報告されています。
ストレスやうつが⼼筋梗塞の危険因⼦として重要であるならば、その治療により⼼疾患の改善が期待できるかもしれません。現在の経済・社会状況からは、右肩あがりの経済成⻑はできず、仕事中⼼の⽣活スタイルの限界が予感されます。ストレスやうつに対する精神的ケアが予防医学の点からも今後ますます重要となりそうです。 | 循環器疾患の発症に関与する生活習慣病にはどのようなものがあるか。 | 循環器疾患の発症に関与する生活習慣病には、加齢以外に喫煙・糖尿病・高血圧・脂質異常症・肥満などが原因疾患として最が重要視されています。 |
JCRRAG_010149 | 医療 | 心筋梗塞発症の危険因子:抑うつとストレス
急性心筋梗塞をはじめとする循環器疾患は、老化や高血圧・喫煙・肥満・糖尿病など全身血管の動脈硬化をきたす疾患が原因となっていますが、発症の引き金としてストレスやうつなどの影響が大きいことが知られています。⽣活習慣病予防と同時にこころの健康維持も、循環器疾患の予防のためにとても大切です。
精神的・⾝体的ストレスが⼼筋梗塞のきっかけに
循環器疾患、なかでも心筋梗塞や脳梗塞は、血栓により突然動脈が閉塞して発症し、重篤な結果を引き起こす疾患です。加齢以外に喫煙・糖尿病・高血圧・脂質異常症・肥満などの動脈硬化をきたす生活習慣病が原因疾患として最重要視されています。しかし、いろいろなデータベースから⼼筋梗塞の発症理由を調べてみると、ストレスやうつがかかわっていることが明らかになっています。古くは A 型性格と⼼筋梗塞との関連が指摘されています。⽬標達成感が少なく常に完全性を切望したり、いつも認められることを望み、多くのことにかかわり時間に追われるように加速度的に思考したりや⾏動する、精神的・⾝体的にてきぱきとした行動をする、という特徴を持つ人に心筋梗塞が多いと報告されました。また湾岸戦争の際に、警報やミサイル着弾にともなって心筋梗塞発症数が増加することがイスラエルより報告されました。
このような精神的・⾝体的ストレスが、直接・間接的に⼼筋梗塞を発症させる現象は⽇本⼈においても同様です。⼀般的に⼼筋梗塞の発症は、午前中の⾎圧上昇や⾎⼩板凝集能亢進の⽇内変動に合わせて午前中に多いのですが、働き盛りの⽐較的若い男性喫煙者では夜の遅い就業中に発症するなど、社会・経済的要因のかかわりがあるようです。また有職者男性では海外同様ブルーマンデー(憂うつな⽉曜⽇)の発症が多いものの、⾼齢⼥性では⼟曜⽇の発症が多く、週末に主婦への依存度が⾼いことで⼥性配偶者へのストレスとなっている⽇本独⾃の発症要因として注⽬されています。
うつの⼼筋梗塞への影響
また、うつも⼼筋梗塞などの冠動脈疾患に多いこと、うつを持つ⼼筋梗塞患者さんの予後が悪いことも知られています。うつが⽣命予後に影響するメカニズムとして、うつ症状がある⼈の不健康な⽣活習慣が⼀因と推測されています。もうひとつは、うつに伴い分泌されるストレスホルモンが直接的に循環動態に悪影響を及ぼすもので、例えば⾎中カテコラミンの⾼値による⾃律神経異常(交感神経優位)、⾎⼩板凝集能の亢進、⾎管内⽪機能の低下などが報告されています。
ストレスやうつが⼼筋梗塞の危険因⼦として重要であるならば、その治療により⼼疾患の改善が期待できるかもしれません。現在の経済・社会状況からは、右肩あがりの経済成⻑はできず、仕事中⼼の⽣活スタイルの限界が予感されます。ストレスやうつに対する精神的ケアが予防医学の点からも今後ますます重要となりそうです。 | 心筋梗塞の発症理由にストレス、うつが関わっていることがになってきましたが、古くはどいった性格タイプが関連していると指摘されていますか。。 | 心筋梗塞の発症に関して関連が指摘された性格タイプは、古くは A 型性格と⼼筋梗塞との関連が指摘されています。 |
JCRRAG_010150 | 医療 | 心筋梗塞発症の危険因子:抑うつとストレス
急性心筋梗塞をはじめとする循環器疾患は、老化や高血圧・喫煙・肥満・糖尿病など全身血管の動脈硬化をきたす疾患が原因となっていますが、発症の引き金としてストレスやうつなどの影響が大きいことが知られています。⽣活習慣病予防と同時にこころの健康維持も、循環器疾患の予防のためにとても大切です。
精神的・⾝体的ストレスが⼼筋梗塞のきっかけに
循環器疾患、なかでも心筋梗塞や脳梗塞は、血栓により突然動脈が閉塞して発症し、重篤な結果を引き起こす疾患です。加齢以外に喫煙・糖尿病・高血圧・脂質異常症・肥満などの動脈硬化をきたす生活習慣病が原因疾患として最重要視されています。しかし、いろいろなデータベースから⼼筋梗塞の発症理由を調べてみると、ストレスやうつがかかわっていることが明らかになっています。古くは A 型性格と⼼筋梗塞との関連が指摘されています。⽬標達成感が少なく常に完全性を切望したり、いつも認められることを望み、多くのことにかかわり時間に追われるように加速度的に思考したりや⾏動する、精神的・⾝体的にてきぱきとした行動をする、という特徴を持つ人に心筋梗塞が多いと報告されました。また湾岸戦争の際に、警報やミサイル着弾にともなって心筋梗塞発症数が増加することがイスラエルより報告されました。
このような精神的・⾝体的ストレスが、直接・間接的に⼼筋梗塞を発症させる現象は⽇本⼈においても同様です。⼀般的に⼼筋梗塞の発症は、午前中の⾎圧上昇や⾎⼩板凝集能亢進の⽇内変動に合わせて午前中に多いのですが、働き盛りの⽐較的若い男性喫煙者では夜の遅い就業中に発症するなど、社会・経済的要因のかかわりがあるようです。また有職者男性では海外同様ブルーマンデー(憂うつな⽉曜⽇)の発症が多いものの、⾼齢⼥性では⼟曜⽇の発症が多く、週末に主婦への依存度が⾼いことで⼥性配偶者へのストレスとなっている⽇本独⾃の発症要因として注⽬されています。
うつの⼼筋梗塞への影響
また、うつも⼼筋梗塞などの冠動脈疾患に多いこと、うつを持つ⼼筋梗塞患者さんの予後が悪いことも知られています。うつが⽣命予後に影響するメカニズムとして、うつ症状がある⼈の不健康な⽣活習慣が⼀因と推測されています。もうひとつは、うつに伴い分泌されるストレスホルモンが直接的に循環動態に悪影響を及ぼすもので、例えば⾎中カテコラミンの⾼値による⾃律神経異常(交感神経優位)、⾎⼩板凝集能の亢進、⾎管内⽪機能の低下などが報告されています。
ストレスやうつが⼼筋梗塞の危険因⼦として重要であるならば、その治療により⼼疾患の改善が期待できるかもしれません。現在の経済・社会状況からは、右肩あがりの経済成⻑はできず、仕事中⼼の⽣活スタイルの限界が予感されます。ストレスやうつに対する精神的ケアが予防医学の点からも今後ますます重要となりそうです。 | 心筋梗塞が午前中に多く見られる理由として挙げられている生理的要因は何か。 | 心筋梗塞が午前中に多く見られる理由として挙げられている生理的要因は、午前中の⾎圧上昇や⾎⼩板凝集能亢進の⽇内変動があるからです。 |
JCRRAG_010151 | 医療 | 心筋梗塞発症の危険因子:抑うつとストレス
急性心筋梗塞をはじめとする循環器疾患は、老化や高血圧・喫煙・肥満・糖尿病など全身血管の動脈硬化をきたす疾患が原因となっていますが、発症の引き金としてストレスやうつなどの影響が大きいことが知られています。⽣活習慣病予防と同時にこころの健康維持も、循環器疾患の予防のためにとても大切です。
精神的・⾝体的ストレスが⼼筋梗塞のきっかけに
循環器疾患、なかでも心筋梗塞や脳梗塞は、血栓により突然動脈が閉塞して発症し、重篤な結果を引き起こす疾患です。加齢以外に喫煙・糖尿病・高血圧・脂質異常症・肥満などの動脈硬化をきたす生活習慣病が原因疾患として最重要視されています。しかし、いろいろなデータベースから⼼筋梗塞の発症理由を調べてみると、ストレスやうつがかかわっていることが明らかになっています。古くは A 型性格と⼼筋梗塞との関連が指摘されています。⽬標達成感が少なく常に完全性を切望したり、いつも認められることを望み、多くのことにかかわり時間に追われるように加速度的に思考したりや⾏動する、精神的・⾝体的にてきぱきとした行動をする、という特徴を持つ人に心筋梗塞が多いと報告されました。また湾岸戦争の際に、警報やミサイル着弾にともなって心筋梗塞発症数が増加することがイスラエルより報告されました。
このような精神的・⾝体的ストレスが、直接・間接的に⼼筋梗塞を発症させる現象は⽇本⼈においても同様です。⼀般的に⼼筋梗塞の発症は、午前中の⾎圧上昇や⾎⼩板凝集能亢進の⽇内変動に合わせて午前中に多いのですが、働き盛りの⽐較的若い男性喫煙者では夜の遅い就業中に発症するなど、社会・経済的要因のかかわりがあるようです。また有職者男性では海外同様ブルーマンデー(憂うつな⽉曜⽇)の発症が多いものの、⾼齢⼥性では⼟曜⽇の発症が多く、週末に主婦への依存度が⾼いことで⼥性配偶者へのストレスとなっている⽇本独⾃の発症要因として注⽬されています。
うつの⼼筋梗塞への影響
また、うつも⼼筋梗塞などの冠動脈疾患に多いこと、うつを持つ⼼筋梗塞患者さんの予後が悪いことも知られています。うつが⽣命予後に影響するメカニズムとして、うつ症状がある⼈の不健康な⽣活習慣が⼀因と推測されています。もうひとつは、うつに伴い分泌されるストレスホルモンが直接的に循環動態に悪影響を及ぼすもので、例えば⾎中カテコラミンの⾼値による⾃律神経異常(交感神経優位)、⾎⼩板凝集能の亢進、⾎管内⽪機能の低下などが報告されています。
ストレスやうつが⼼筋梗塞の危険因⼦として重要であるならば、その治療により⼼疾患の改善が期待できるかもしれません。現在の経済・社会状況からは、右肩あがりの経済成⻑はできず、仕事中⼼の⽣活スタイルの限界が予感されます。ストレスやうつに対する精神的ケアが予防医学の点からも今後ますます重要となりそうです。 | うつを持つ⼼筋梗塞患者さんの予後が悪いことも知られていますが、うつ症状のある人のどういう点が悪影響を及ぼすのか教えてください。 | うつを持つ⼼筋梗塞患者さんの予後にとって悪影響となるのは、不健康な⽣活習慣が⼀因と推測されています。もうひとつは、うつに伴い分泌されるストレスホルモンによる直接的な循環動態です。 |
JCRRAG_010152 | 医療 | 循環器疾患とこころ
心疾患や脳血管疾患に代表される循環器疾患の中にはうつ病を発症している人も少なくありません。うつ病になると循環器疾患の再発や予後によくない影響があると報告され、注目されています。うつ病を早期に発見し、適切な治療を受けることが重要です。
循環器疾患とは、⾎液を全⾝に循環させる臓器である⼼臓や⾎管などが正常に働かなくなる疾患のことで、⾼⾎圧・⼼疾患(急性⼼筋梗塞などの虚⾎性⼼疾患や⼼不全)・脳⾎管疾患(脳梗塞・脳出⾎・くも膜下出⾎)・動脈瘤などに分類されます。⼼疾患は⽇本における死因の第 2 位であり、脳⾎管疾患は第4位です[1]。
また循環器疾患全体にかかる医療費は国⺠医療費の 19.7%(平成29年)を占め、第1位となっています[2]。⽣活習慣の改善による予防だけでなく、治療が⻑期化し患者の⽣活への影響も⼤きいことから、⽣活の質(QOL)の向上も重要視されるようになっています。
心疾患とうつ病
海外の研究では、心疾患の5人に1人(15~23%)はうつ病を経験すると報告されています。うつ病になると心疾患になりやすいとも、逆に心疾患になるとうつ病になりやすいともいわれていますが、まだ結論はでていません。いずれにしてもうつ病の心疾患患者は、服薬遵守や適度な運動ができなくなったり、生活習慣が悪化したりすることから、予後がよくないと考えられています。
脳血管疾患とうつ病
脳血管疾患とうつ病についても、心疾患と同様の傾向があります。脳血管疾患の13~22%にうつ病が認められ、もっと広く抑うつ症状をとらえると35%になるという研究結果もあります。抑うつ状態になると、リハビリテーションへの意欲の低下がみられますので注意が必要です。抑うつ症状やうつ病を見つける評価方法はいろいろありますが、脳血管疾患の場合、障害を受けた部位によっては認知機能が低下したり、言語的なコミュニケーションが困難になったりするため、抑うつ症状の評価が難しい場合があります。
うつ病のサイン
早期にうつ病のサインに気がつくことが重要になります。一般的に、物事に対して興味がなくなって楽しめなくなり、気分が落ち込み憂うつになり、絶望的な気持ちになることなどがサインといわれています。抗うつ薬が効果的な場合があり、また抑うつ感を受け止めることで前向きに対処するきっかけになることもあります。主治医や専門医に相談することをお勧めします。
おわりに
循環器疾患とこころの問題に関する考察の歴史は古く、すでに1950年代から心筋梗塞になりやすい行動特性などが指摘されてきました。しかし循環器疾患とうつ病に関する系統的な研究となると、日本では心筋梗塞発症の危険因子の研究を除いてはあまり行なわれてきませんでした。近年では、うつ病の循環器疾患への影響や原因などについて研究が進められています。⽣物学的なメカニズムとしては、⾃律神経系機能の変化・⾎⼩板の活性化・炎症や⾎管内⽪機能の低下などが考えられていますが、まだ明らかになっていません。 | 循環器疾患にはどのような疾患分類がありますか。 | 循環器疾患には、⾼⾎圧・⼼疾患(急性⼼筋梗塞などの虚⾎性⼼疾患や⼼不全)・脳⾎管疾患(脳梗塞・脳出⾎・くも膜下出⾎)・動脈瘤などの分類があります。 |
JCRRAG_010153 | 医療 | 循環器疾患とこころ
心疾患や脳血管疾患に代表される循環器疾患の中にはうつ病を発症している人も少なくありません。うつ病になると循環器疾患の再発や予後によくない影響があると報告され、注目されています。うつ病を早期に発見し、適切な治療を受けることが重要です。
循環器疾患とは、⾎液を全⾝に循環させる臓器である⼼臓や⾎管などが正常に働かなくなる疾患のことで、⾼⾎圧・⼼疾患(急性⼼筋梗塞などの虚⾎性⼼疾患や⼼不全)・脳⾎管疾患(脳梗塞・脳出⾎・くも膜下出⾎)・動脈瘤などに分類されます。⼼疾患は⽇本における死因の第 2 位であり、脳⾎管疾患は第4位です[1]。
また循環器疾患全体にかかる医療費は国⺠医療費の 19.7%(平成29年)を占め、第1位となっています[2]。⽣活習慣の改善による予防だけでなく、治療が⻑期化し患者の⽣活への影響も⼤きいことから、⽣活の質(QOL)の向上も重要視されるようになっています。
心疾患とうつ病
海外の研究では、心疾患の5人に1人(15~23%)はうつ病を経験すると報告されています。うつ病になると心疾患になりやすいとも、逆に心疾患になるとうつ病になりやすいともいわれていますが、まだ結論はでていません。いずれにしてもうつ病の心疾患患者は、服薬遵守や適度な運動ができなくなったり、生活習慣が悪化したりすることから、予後がよくないと考えられています。
脳血管疾患とうつ病
脳血管疾患とうつ病についても、心疾患と同様の傾向があります。脳血管疾患の13~22%にうつ病が認められ、もっと広く抑うつ症状をとらえると35%になるという研究結果もあります。抑うつ状態になると、リハビリテーションへの意欲の低下がみられますので注意が必要です。抑うつ症状やうつ病を見つける評価方法はいろいろありますが、脳血管疾患の場合、障害を受けた部位によっては認知機能が低下したり、言語的なコミュニケーションが困難になったりするため、抑うつ症状の評価が難しい場合があります。
うつ病のサイン
早期にうつ病のサインに気がつくことが重要になります。一般的に、物事に対して興味がなくなって楽しめなくなり、気分が落ち込み憂うつになり、絶望的な気持ちになることなどがサインといわれています。抗うつ薬が効果的な場合があり、また抑うつ感を受け止めることで前向きに対処するきっかけになることもあります。主治医や専門医に相談することをお勧めします。
おわりに
循環器疾患とこころの問題に関する考察の歴史は古く、すでに1950年代から心筋梗塞になりやすい行動特性などが指摘されてきました。しかし循環器疾患とうつ病に関する系統的な研究となると、日本では心筋梗塞発症の危険因子の研究を除いてはあまり行なわれてきませんでした。近年では、うつ病の循環器疾患への影響や原因などについて研究が進められています。⽣物学的なメカニズムとしては、⾃律神経系機能の変化・⾎⼩板の活性化・炎症や⾎管内⽪機能の低下などが考えられていますが、まだ明らかになっていません。 | うつ病の心疾患患者の予後が悪化する理由は何ですか。 | うつ病の心疾患患者の予後が悪化する理由は、服薬遵守や適度な運動ができなくなったり、生活習慣が悪化したりすることから、と考えられています。 |
JCRRAG_010154 | 医療 | 循環器疾患とこころ
心疾患や脳血管疾患に代表される循環器疾患の中にはうつ病を発症している人も少なくありません。うつ病になると循環器疾患の再発や予後によくない影響があると報告され、注目されています。うつ病を早期に発見し、適切な治療を受けることが重要です。
循環器疾患とは、⾎液を全⾝に循環させる臓器である⼼臓や⾎管などが正常に働かなくなる疾患のことで、⾼⾎圧・⼼疾患(急性⼼筋梗塞などの虚⾎性⼼疾患や⼼不全)・脳⾎管疾患(脳梗塞・脳出⾎・くも膜下出⾎)・動脈瘤などに分類されます。⼼疾患は⽇本における死因の第 2 位であり、脳⾎管疾患は第4位です[1]。
また循環器疾患全体にかかる医療費は国⺠医療費の 19.7%(平成29年)を占め、第1位となっています[2]。⽣活習慣の改善による予防だけでなく、治療が⻑期化し患者の⽣活への影響も⼤きいことから、⽣活の質(QOL)の向上も重要視されるようになっています。
心疾患とうつ病
海外の研究では、心疾患の5人に1人(15~23%)はうつ病を経験すると報告されています。うつ病になると心疾患になりやすいとも、逆に心疾患になるとうつ病になりやすいともいわれていますが、まだ結論はでていません。いずれにしてもうつ病の心疾患患者は、服薬遵守や適度な運動ができなくなったり、生活習慣が悪化したりすることから、予後がよくないと考えられています。
脳血管疾患とうつ病
脳血管疾患とうつ病についても、心疾患と同様の傾向があります。脳血管疾患の13~22%にうつ病が認められ、もっと広く抑うつ症状をとらえると35%になるという研究結果もあります。抑うつ状態になると、リハビリテーションへの意欲の低下がみられますので注意が必要です。抑うつ症状やうつ病を見つける評価方法はいろいろありますが、脳血管疾患の場合、障害を受けた部位によっては認知機能が低下したり、言語的なコミュニケーションが困難になったりするため、抑うつ症状の評価が難しい場合があります。
うつ病のサイン
早期にうつ病のサインに気がつくことが重要になります。一般的に、物事に対して興味がなくなって楽しめなくなり、気分が落ち込み憂うつになり、絶望的な気持ちになることなどがサインといわれています。抗うつ薬が効果的な場合があり、また抑うつ感を受け止めることで前向きに対処するきっかけになることもあります。主治医や専門医に相談することをお勧めします。
おわりに
循環器疾患とこころの問題に関する考察の歴史は古く、すでに1950年代から心筋梗塞になりやすい行動特性などが指摘されてきました。しかし循環器疾患とうつ病に関する系統的な研究となると、日本では心筋梗塞発症の危険因子の研究を除いてはあまり行なわれてきませんでした。近年では、うつ病の循環器疾患への影響や原因などについて研究が進められています。⽣物学的なメカニズムとしては、⾃律神経系機能の変化・⾎⼩板の活性化・炎症や⾎管内⽪機能の低下などが考えられていますが、まだ明らかになっていません。 | 脳血管疾患が抑うつ状態になった時に注意することは何ですか。 | 脳血管疾患が抑うつ状態になった時に注意することは、リハビリテーションへの意欲の低下です。 |
JCRRAG_010155 | 医療 | 循環器疾患とこころ
心疾患や脳血管疾患に代表される循環器疾患の中にはうつ病を発症している人も少なくありません。うつ病になると循環器疾患の再発や予後によくない影響があると報告され、注目されています。うつ病を早期に発見し、適切な治療を受けることが重要です。
循環器疾患とは、⾎液を全⾝に循環させる臓器である⼼臓や⾎管などが正常に働かなくなる疾患のことで、⾼⾎圧・⼼疾患(急性⼼筋梗塞などの虚⾎性⼼疾患や⼼不全)・脳⾎管疾患(脳梗塞・脳出⾎・くも膜下出⾎)・動脈瘤などに分類されます。⼼疾患は⽇本における死因の第 2 位であり、脳⾎管疾患は第4位です[1]。
また循環器疾患全体にかかる医療費は国⺠医療費の 19.7%(平成29年)を占め、第1位となっています[2]。⽣活習慣の改善による予防だけでなく、治療が⻑期化し患者の⽣活への影響も⼤きいことから、⽣活の質(QOL)の向上も重要視されるようになっています。
心疾患とうつ病
海外の研究では、心疾患の5人に1人(15~23%)はうつ病を経験すると報告されています。うつ病になると心疾患になりやすいとも、逆に心疾患になるとうつ病になりやすいともいわれていますが、まだ結論はでていません。いずれにしてもうつ病の心疾患患者は、服薬遵守や適度な運動ができなくなったり、生活習慣が悪化したりすることから、予後がよくないと考えられています。
脳血管疾患とうつ病
脳血管疾患とうつ病についても、心疾患と同様の傾向があります。脳血管疾患の13~22%にうつ病が認められ、もっと広く抑うつ症状をとらえると35%になるという研究結果もあります。抑うつ状態になると、リハビリテーションへの意欲の低下がみられますので注意が必要です。抑うつ症状やうつ病を見つける評価方法はいろいろありますが、脳血管疾患の場合、障害を受けた部位によっては認知機能が低下したり、言語的なコミュニケーションが困難になったりするため、抑うつ症状の評価が難しい場合があります。
うつ病のサイン
早期にうつ病のサインに気がつくことが重要になります。一般的に、物事に対して興味がなくなって楽しめなくなり、気分が落ち込み憂うつになり、絶望的な気持ちになることなどがサインといわれています。抗うつ薬が効果的な場合があり、また抑うつ感を受け止めることで前向きに対処するきっかけになることもあります。主治医や専門医に相談することをお勧めします。
おわりに
循環器疾患とこころの問題に関する考察の歴史は古く、すでに1950年代から心筋梗塞になりやすい行動特性などが指摘されてきました。しかし循環器疾患とうつ病に関する系統的な研究となると、日本では心筋梗塞発症の危険因子の研究を除いてはあまり行なわれてきませんでした。近年では、うつ病の循環器疾患への影響や原因などについて研究が進められています。⽣物学的なメカニズムとしては、⾃律神経系機能の変化・⾎⼩板の活性化・炎症や⾎管内⽪機能の低下などが考えられていますが、まだ明らかになっていません。 | うつ病の早期サインにはどのようなものがありますか。 | うつ病の早期サインには、物事に対して興味がなくなって楽しめなくなり、気分が落ち込み憂うつになり、絶望的な気持ちになることなどがサインといわれています。 |
JCRRAG_010156 | 医療 | 循環器疾患とこころ
心疾患や脳血管疾患に代表される循環器疾患の中にはうつ病を発症している人も少なくありません。うつ病になると循環器疾患の再発や予後によくない影響があると報告され、注目されています。うつ病を早期に発見し、適切な治療を受けることが重要です。
循環器疾患とは、⾎液を全⾝に循環させる臓器である⼼臓や⾎管などが正常に働かなくなる疾患のことで、⾼⾎圧・⼼疾患(急性⼼筋梗塞などの虚⾎性⼼疾患や⼼不全)・脳⾎管疾患(脳梗塞・脳出⾎・くも膜下出⾎)・動脈瘤などに分類されます。⼼疾患は⽇本における死因の第 2 位であり、脳⾎管疾患は第4位です[1]。
また循環器疾患全体にかかる医療費は国⺠医療費の 19.7%(平成29年)を占め、第1位となっています[2]。⽣活習慣の改善による予防だけでなく、治療が⻑期化し患者の⽣活への影響も⼤きいことから、⽣活の質(QOL)の向上も重要視されるようになっています。
心疾患とうつ病
海外の研究では、心疾患の5人に1人(15~23%)はうつ病を経験すると報告されています。うつ病になると心疾患になりやすいとも、逆に心疾患になるとうつ病になりやすいともいわれていますが、まだ結論はでていません。いずれにしてもうつ病の心疾患患者は、服薬遵守や適度な運動ができなくなったり、生活習慣が悪化したりすることから、予後がよくないと考えられています。
脳血管疾患とうつ病
脳血管疾患とうつ病についても、心疾患と同様の傾向があります。脳血管疾患の13~22%にうつ病が認められ、もっと広く抑うつ症状をとらえると35%になるという研究結果もあります。抑うつ状態になると、リハビリテーションへの意欲の低下がみられますので注意が必要です。抑うつ症状やうつ病を見つける評価方法はいろいろありますが、脳血管疾患の場合、障害を受けた部位によっては認知機能が低下したり、言語的なコミュニケーションが困難になったりするため、抑うつ症状の評価が難しい場合があります。
うつ病のサイン
早期にうつ病のサインに気がつくことが重要になります。一般的に、物事に対して興味がなくなって楽しめなくなり、気分が落ち込み憂うつになり、絶望的な気持ちになることなどがサインといわれています。抗うつ薬が効果的な場合があり、また抑うつ感を受け止めることで前向きに対処するきっかけになることもあります。主治医や専門医に相談することをお勧めします。
おわりに
循環器疾患とこころの問題に関する考察の歴史は古く、すでに1950年代から心筋梗塞になりやすい行動特性などが指摘されてきました。しかし循環器疾患とうつ病に関する系統的な研究となると、日本では心筋梗塞発症の危険因子の研究を除いてはあまり行なわれてきませんでした。近年では、うつ病の循環器疾患への影響や原因などについて研究が進められています。⽣物学的なメカニズムとしては、⾃律神経系機能の変化・⾎⼩板の活性化・炎症や⾎管内⽪機能の低下などが考えられていますが、まだ明らかになっていません。 | うつ病の循環器疾患への影響や原因などについての研究で近年注目されているメカニズムとして、どのようなものが考えられていますか。 | うつ病の循環器疾患への影響や原因などについての研究で近年注目されているメカニズムには、⾃律神経系機能の変化・⾎⼩板の活性化・炎症や⾎管内⽪機能の低下などが考えられていますが、まだ明らかになっていません。 |
JCRRAG_010157 | 医療 | 糖尿病とこころ
糖尿病患者はうつ病になりやすく、またうつ病患者も糖尿病になりやすいといわれています。うつ病になると、血糖値のコントロールがむずかしくなり、糖尿病の合併症が多くなりますので、うつ病を早期に発見し適切な治療を受けることが重要です。
糖尿病は国民の10人に1人といわれる国民的な病気です。早期は自覚症状がないため気づかなかったり、検査で血糖値が高く治療が必要といわれても治療を受けなかったりする人が多く、糖尿病で治療を受けている人は全体の半分弱にすぎないと推定されています。しかし糖尿病によって年間約1万5千人が死亡し、糖尿病による腎症で年間約1万5千人が人工透析を始め、年間約1,000人に糖尿病による高度の視力障害(失明など)が発生しています。このような合併症を起こさないようにするためには、血糖値に注意しながら生活習慣を改善する必要があります。
糖尿病とうつ病との関係
これまでの調査によると糖尿病の約30%にうつ症状があるといわれ、糖尿病とこころの問題が重要視されるようになっています。糖尿病患者の13%は不安障害、11%はうつ病と診断され、5.7%は抗うつ薬を服用しているとの報告もあります。両者の関係について、神経系・内分泌系および免疫系の相互関係の研究がすすめられていますが、行動上の要因も大きいといわれています。糖尿病では、食事制限などの自己管理を求められ、長引く治療がストレスになることなどから、うつ病を併発するのではないかと考えられています。またうつ病があると、運動不足になり、自己管理もむずかしくなり、糖尿病になりやすくなるともいわれています。
糖尿病の合併症などのリスク上昇
糖尿病とうつ病を併発すると、生活の質が低下するばかりでなく、深刻な影響がでます。死亡率が1.6倍上がり、医療費は4.5倍に膨れ上がります。また糖尿病の合併症である神経障害・腎症や網膜症が起きやすくなり、またそれらの合併症が悪化する危険性が高まります。うつ病の併発は、治療の効果を期待することができなくなり、食事制限や運動への関心が低下し、その結果有効な療養行動を実施・継続することが出来なくなり、喫煙量やアルコール量が増えるなど、糖尿病の悪化を招く悪循環に陥りやすくなります。
対処のポイント -うつ病を見逃さない
糖尿病とこころの問題が同時に起こったときは、まず両者が重なっていることを理解しなければなりませんが、糖尿病とうつ病を併発している患者の約半数は、「うつ病」になったことに気づいていないといわれています。うつ病は、こころの不調だけではなく、からだの不調として表れることもあります。からだの不調が糖尿病によるものなのか、うつ病のためなのか、判断が難しいこともうつ病に気づかない理由のひとつと考えられます。
【うつ病の症状】
からだの不調
体重が減った
食欲がない
眠りすぎる
動きや話し方が遅くなった
性欲が減った
【こころの不調】
悲しい気持ちが消えない
以前は楽しめていた活動に興味を持てない、楽しめない
集中したり、物事を決めることが難しい
自分を大切に思えない
失敗したわけではないのに罪悪感がある
死にたいと思う
糖尿病があっても、抗うつ薬や精神療法により、うつ症状が改善されることがわかっています。うつ病の治療を糖尿病の治療と同様主治医に相談されることをお勧めします。 | 糖尿病とうつ病を併発した場合に生活の質以外で影響を受ける要素は何ですか。 | 糖尿病とうつ病を併発した場合に生活の質以外で影響を受ける要素は、死亡率が1.6倍上がり、医療費は4.5倍に膨れ上がります。 |
JCRRAG_010158 | 医療 | 糖尿病とこころ
糖尿病患者はうつ病になりやすく、またうつ病患者も糖尿病になりやすいといわれています。うつ病になると、血糖値のコントロールがむずかしくなり、糖尿病の合併症が多くなりますので、うつ病を早期に発見し適切な治療を受けることが重要です。
糖尿病は国民の10人に1人といわれる国民的な病気です。早期は自覚症状がないため気づかなかったり、検査で血糖値が高く治療が必要といわれても治療を受けなかったりする人が多く、糖尿病で治療を受けている人は全体の半分弱にすぎないと推定されています。しかし糖尿病によって年間約1万5千人が死亡し、糖尿病による腎症で年間約1万5千人が人工透析を始め、年間約1,000人に糖尿病による高度の視力障害(失明など)が発生しています。このような合併症を起こさないようにするためには、血糖値に注意しながら生活習慣を改善する必要があります。
糖尿病とうつ病との関係
これまでの調査によると糖尿病の約30%にうつ症状があるといわれ、糖尿病とこころの問題が重要視されるようになっています。糖尿病患者の13%は不安障害、11%はうつ病と診断され、5.7%は抗うつ薬を服用しているとの報告もあります。両者の関係について、神経系・内分泌系および免疫系の相互関係の研究がすすめられていますが、行動上の要因も大きいといわれています。糖尿病では、食事制限などの自己管理を求められ、長引く治療がストレスになることなどから、うつ病を併発するのではないかと考えられています。またうつ病があると、運動不足になり、自己管理もむずかしくなり、糖尿病になりやすくなるともいわれています。
糖尿病の合併症などのリスク上昇
糖尿病とうつ病を併発すると、生活の質が低下するばかりでなく、深刻な影響がでます。死亡率が1.6倍上がり、医療費は4.5倍に膨れ上がります。また糖尿病の合併症である神経障害・腎症や網膜症が起きやすくなり、またそれらの合併症が悪化する危険性が高まります。うつ病の併発は、治療の効果を期待することができなくなり、食事制限や運動への関心が低下し、その結果有効な療養行動を実施・継続することが出来なくなり、喫煙量やアルコール量が増えるなど、糖尿病の悪化を招く悪循環に陥りやすくなります。
対処のポイント -うつ病を見逃さない
糖尿病とこころの問題が同時に起こったときは、まず両者が重なっていることを理解しなければなりませんが、糖尿病とうつ病を併発している患者の約半数は、「うつ病」になったことに気づいていないといわれています。うつ病は、こころの不調だけではなく、からだの不調として表れることもあります。からだの不調が糖尿病によるものなのか、うつ病のためなのか、判断が難しいこともうつ病に気づかない理由のひとつと考えられます。
【うつ病の症状】
からだの不調
体重が減った
食欲がない
眠りすぎる
動きや話し方が遅くなった
性欲が減った
【こころの不調】
悲しい気持ちが消えない
以前は楽しめていた活動に興味を持てない、楽しめない
集中したり、物事を決めることが難しい
自分を大切に思えない
失敗したわけではないのに罪悪感がある
死にたいと思う
糖尿病があっても、抗うつ薬や精神療法により、うつ症状が改善されることがわかっています。うつ病の治療を糖尿病の治療と同様主治医に相談されることをお勧めします。 | 糖尿病患者のうち、うつ病や不安障害と診断されている人の割合はどれくらいか。 | 糖尿病患者のうち、うつ病や不安障害と診断されている人の割合は、13%が不安障害、11%はうつ病と診断され、5.7%は抗うつ薬を服用しています。 |
JCRRAG_010159 | 医療 | 糖尿病とこころ
糖尿病患者はうつ病になりやすく、またうつ病患者も糖尿病になりやすいといわれています。うつ病になると、血糖値のコントロールがむずかしくなり、糖尿病の合併症が多くなりますので、うつ病を早期に発見し適切な治療を受けることが重要です。
糖尿病は国民の10人に1人といわれる国民的な病気です。早期は自覚症状がないため気づかなかったり、検査で血糖値が高く治療が必要といわれても治療を受けなかったりする人が多く、糖尿病で治療を受けている人は全体の半分弱にすぎないと推定されています。しかし糖尿病によって年間約1万5千人が死亡し、糖尿病による腎症で年間約1万5千人が人工透析を始め、年間約1,000人に糖尿病による高度の視力障害(失明など)が発生しています。このような合併症を起こさないようにするためには、血糖値に注意しながら生活習慣を改善する必要があります。
糖尿病とうつ病との関係
これまでの調査によると糖尿病の約30%にうつ症状があるといわれ、糖尿病とこころの問題が重要視されるようになっています。糖尿病患者の13%は不安障害、11%はうつ病と診断され、5.7%は抗うつ薬を服用しているとの報告もあります。両者の関係について、神経系・内分泌系および免疫系の相互関係の研究がすすめられていますが、行動上の要因も大きいといわれています。糖尿病では、食事制限などの自己管理を求められ、長引く治療がストレスになることなどから、うつ病を併発するのではないかと考えられています。またうつ病があると、運動不足になり、自己管理もむずかしくなり、糖尿病になりやすくなるともいわれています。
糖尿病の合併症などのリスク上昇
糖尿病とうつ病を併発すると、生活の質が低下するばかりでなく、深刻な影響がでます。死亡率が1.6倍上がり、医療費は4.5倍に膨れ上がります。また糖尿病の合併症である神経障害・腎症や網膜症が起きやすくなり、またそれらの合併症が悪化する危険性が高まります。うつ病の併発は、治療の効果を期待することができなくなり、食事制限や運動への関心が低下し、その結果有効な療養行動を実施・継続することが出来なくなり、喫煙量やアルコール量が増えるなど、糖尿病の悪化を招く悪循環に陥りやすくなります。
対処のポイント -うつ病を見逃さない
糖尿病とこころの問題が同時に起こったときは、まず両者が重なっていることを理解しなければなりませんが、糖尿病とうつ病を併発している患者の約半数は、「うつ病」になったことに気づいていないといわれています。うつ病は、こころの不調だけではなく、からだの不調として表れることもあります。からだの不調が糖尿病によるものなのか、うつ病のためなのか、判断が難しいこともうつ病に気づかない理由のひとつと考えられます。
【うつ病の症状】
からだの不調
体重が減った
食欲がない
眠りすぎる
動きや話し方が遅くなった
性欲が減った
【こころの不調】
悲しい気持ちが消えない
以前は楽しめていた活動に興味を持てない、楽しめない
集中したり、物事を決めることが難しい
自分を大切に思えない
失敗したわけではないのに罪悪感がある
死にたいと思う
糖尿病があっても、抗うつ薬や精神療法により、うつ症状が改善されることがわかっています。うつ病の治療を糖尿病の治療と同様主治医に相談されることをお勧めします。 | 糖尿病の自己管理がうつ病の発症に関係すると考えられる理由は何か。 | 糖尿病の自己管理がうつ病の発症に関係すると考えられる理由は、食事制限などの自己管理を求められ、長引く治療がストレスになることなどから、うつ病を併発するのではないかと考えられています。 |
JCRRAG_010160 | 医療 | 糖尿病とこころ
糖尿病患者はうつ病になりやすく、またうつ病患者も糖尿病になりやすいといわれています。うつ病になると、血糖値のコントロールがむずかしくなり、糖尿病の合併症が多くなりますので、うつ病を早期に発見し適切な治療を受けることが重要です。
糖尿病は国民の10人に1人といわれる国民的な病気です。早期は自覚症状がないため気づかなかったり、検査で血糖値が高く治療が必要といわれても治療を受けなかったりする人が多く、糖尿病で治療を受けている人は全体の半分弱にすぎないと推定されています。しかし糖尿病によって年間約1万5千人が死亡し、糖尿病による腎症で年間約1万5千人が人工透析を始め、年間約1,000人に糖尿病による高度の視力障害(失明など)が発生しています。このような合併症を起こさないようにするためには、血糖値に注意しながら生活習慣を改善する必要があります。
糖尿病とうつ病との関係
これまでの調査によると糖尿病の約30%にうつ症状があるといわれ、糖尿病とこころの問題が重要視されるようになっています。糖尿病患者の13%は不安障害、11%はうつ病と診断され、5.7%は抗うつ薬を服用しているとの報告もあります。両者の関係について、神経系・内分泌系および免疫系の相互関係の研究がすすめられていますが、行動上の要因も大きいといわれています。糖尿病では、食事制限などの自己管理を求められ、長引く治療がストレスになることなどから、うつ病を併発するのではないかと考えられています。またうつ病があると、運動不足になり、自己管理もむずかしくなり、糖尿病になりやすくなるともいわれています。
糖尿病の合併症などのリスク上昇
糖尿病とうつ病を併発すると、生活の質が低下するばかりでなく、深刻な影響がでます。死亡率が1.6倍上がり、医療費は4.5倍に膨れ上がります。また糖尿病の合併症である神経障害・腎症や網膜症が起きやすくなり、またそれらの合併症が悪化する危険性が高まります。うつ病の併発は、治療の効果を期待することができなくなり、食事制限や運動への関心が低下し、その結果有効な療養行動を実施・継続することが出来なくなり、喫煙量やアルコール量が増えるなど、糖尿病の悪化を招く悪循環に陥りやすくなります。
対処のポイント -うつ病を見逃さない
糖尿病とこころの問題が同時に起こったときは、まず両者が重なっていることを理解しなければなりませんが、糖尿病とうつ病を併発している患者の約半数は、「うつ病」になったことに気づいていないといわれています。うつ病は、こころの不調だけではなく、からだの不調として表れることもあります。からだの不調が糖尿病によるものなのか、うつ病のためなのか、判断が難しいこともうつ病に気づかない理由のひとつと考えられます。
【うつ病の症状】
からだの不調
体重が減った
食欲がない
眠りすぎる
動きや話し方が遅くなった
性欲が減った
【こころの不調】
悲しい気持ちが消えない
以前は楽しめていた活動に興味を持てない、楽しめない
集中したり、物事を決めることが難しい
自分を大切に思えない
失敗したわけではないのに罪悪感がある
死にたいと思う
糖尿病があっても、抗うつ薬や精神療法により、うつ症状が改善されることがわかっています。うつ病の治療を糖尿病の治療と同様主治医に相談されることをお勧めします。 | 糖尿病患者のうち、うつ病に気づいていないとされる人の割合はどれくらいいますか。 | 糖尿病患者のうち、うつ病に気づいていないとされる人の割合は、糖尿病とうつ病を併発している患者の約半数です。 |
JCRRAG_010161 | 医療 | 糖尿病とこころ
糖尿病患者はうつ病になりやすく、またうつ病患者も糖尿病になりやすいといわれています。うつ病になると、血糖値のコントロールがむずかしくなり、糖尿病の合併症が多くなりますので、うつ病を早期に発見し適切な治療を受けることが重要です。
糖尿病は国民の10人に1人といわれる国民的な病気です。早期は自覚症状がないため気づかなかったり、検査で血糖値が高く治療が必要といわれても治療を受けなかったりする人が多く、糖尿病で治療を受けている人は全体の半分弱にすぎないと推定されています。しかし糖尿病によって年間約1万5千人が死亡し、糖尿病による腎症で年間約1万5千人が人工透析を始め、年間約1,000人に糖尿病による高度の視力障害(失明など)が発生しています。このような合併症を起こさないようにするためには、血糖値に注意しながら生活習慣を改善する必要があります。
糖尿病とうつ病との関係
これまでの調査によると糖尿病の約30%にうつ症状があるといわれ、糖尿病とこころの問題が重要視されるようになっています。糖尿病患者の13%は不安障害、11%はうつ病と診断され、5.7%は抗うつ薬を服用しているとの報告もあります。両者の関係について、神経系・内分泌系および免疫系の相互関係の研究がすすめられていますが、行動上の要因も大きいといわれています。糖尿病では、食事制限などの自己管理を求められ、長引く治療がストレスになることなどから、うつ病を併発するのではないかと考えられています。またうつ病があると、運動不足になり、自己管理もむずかしくなり、糖尿病になりやすくなるともいわれています。
糖尿病の合併症などのリスク上昇
糖尿病とうつ病を併発すると、生活の質が低下するばかりでなく、深刻な影響がでます。死亡率が1.6倍上がり、医療費は4.5倍に膨れ上がります。また糖尿病の合併症である神経障害・腎症や網膜症が起きやすくなり、またそれらの合併症が悪化する危険性が高まります。うつ病の併発は、治療の効果を期待することができなくなり、食事制限や運動への関心が低下し、その結果有効な療養行動を実施・継続することが出来なくなり、喫煙量やアルコール量が増えるなど、糖尿病の悪化を招く悪循環に陥りやすくなります。
対処のポイント -うつ病を見逃さない
糖尿病とこころの問題が同時に起こったときは、まず両者が重なっていることを理解しなければなりませんが、糖尿病とうつ病を併発している患者の約半数は、「うつ病」になったことに気づいていないといわれています。うつ病は、こころの不調だけではなく、からだの不調として表れることもあります。からだの不調が糖尿病によるものなのか、うつ病のためなのか、判断が難しいこともうつ病に気づかない理由のひとつと考えられます。
【うつ病の症状】
からだの不調
体重が減った
食欲がない
眠りすぎる
動きや話し方が遅くなった
性欲が減った
【こころの不調】
悲しい気持ちが消えない
以前は楽しめていた活動に興味を持てない、楽しめない
集中したり、物事を決めることが難しい
自分を大切に思えない
失敗したわけではないのに罪悪感がある
死にたいと思う
糖尿病があっても、抗うつ薬や精神療法により、うつ症状が改善されることがわかっています。うつ病の治療を糖尿病の治療と同様主治医に相談されることをお勧めします。 | 糖尿病があっても改善が期待できるうつ病の治療法には何がありますか。 | 糖尿病があっても改善が期待できるうつ病の治療法には、抗うつ薬や精神療法により、うつ症状が改善されることがわかっています。 |
JCRRAG_010162 | 医療 | 喫煙と循環器疾患
たばこを吸うと、動脈硬化や血栓の形成が進むことから、虚血性心疾患を引き起こす原因となります。また、脳卒中(脳出血、くも膜出血、脳梗塞)のリスクを高めます。それだけでなく、喫煙は動脈硬化性疾患の早期発症や重症化にもつながることが報告されています。
たばこの煙の血管系への影響
たばこの煙の中には、ニコチン、一酸化炭素(CO)、一酸化窒素(NO)、シアン化水素(HCN)、活性酸素(O2–)などの有害化学物質が含まれます。
ニコチンは交感神経を刺激して、心拍数の増加、血圧上昇、心筋の収縮および酸素需要の増加を引き起こします。同時に、血管の収縮による血流量の低下、酸素や栄養の供給低下を招きます。一酸化炭素は、酸素供給能力の低下を引き起こすとともに、血管内皮の組織障害や血栓形成の要因にもなります。活性酸素は炎症反応を誘発し、血管内皮の組織障害、脂質過酸化、インスリン抵抗性、血小板凝集などを通じて、動脈硬化や血栓の形成を引き起こします[1][2]。
虚血性心疾患
虚血性心疾患は、心筋に酸素を供給している冠動脈がすぼまって狭くなることによって生じる病気の総称です。動脈硬化は血栓の形成が主な原因です[1][2]。
喫煙によって動脈の炎症や収縮が引き起こされ、動脈硬化や血栓の形成が進みます。また、血小板の凝集も血栓の形成につながります。これらの機序(メカニズム)が相互に関連しあって、虚血性心疾患の発症につながります[1][2]。たばこと心臓病はつながっていて、まさに「心臓やぶり」なのです[5]。
国内外の研究から、喫煙が虚血性心疾患の発症、および死亡リスクを増加させることは明らかになっています[2]。また、米国の報告書から、喫煙本数を減らす、あるいは低タール・低ニコチンたばこに切り替えることは、虚血性心疾患のリスク低下にはつながらないとの結論が示されています[3]。
脳卒中
脳卒中は、脳の血管の血流障害によって、血管周囲や血管が栄養する脳の領域の神経細胞が死滅することで発症する病気です。急に手足がしびれたり動かなくなったり、言葉が話せなくなったり、あるいは意識がなくなったりする発作を引き起こすこともあります。脳卒中は病態の違いから、脳の血管が破れるタイプ(くも膜下出血、脳出血)、脳の血管が詰まるタイプ(脳梗塞など)に分けられます[1][2]。
喫煙による脳の動脈の動脈硬化や血栓の形成、炎症反応により、脳梗塞やくも膜下出血の発症、および死亡のリスクが高まります[1]。
その他喫煙によって引き起こされる循環器疾患
喫煙によって、末梢の動脈硬化症、主に閉塞性動脈硬化症や頸動脈硬化症のリスクが高まります。さらに、腹部大動脈瘤の破裂にも影響していることが明らかになっています[1]。
受動喫煙と循環器疾患
ニコチン、一酸化炭素(CO)、一酸化窒素(NO)、シアン化水素(HCN)、活性酸素(O2–)などのたばこの有害化学物質は、副流煙と喫煙者が吐き出した呼出煙とが混じりあった「環境たばこ煙」の中にも含まれます。そのため、喫煙者本人だけでなく、周りの人の健康へも悪影響を及ぼします。たばこ煙にさらされた非喫煙者も、喫煙者本人と同様の機序で虚血性心疾患、脳卒中などのリスクが高まります。受動喫煙と、虚血性心疾患や脳卒中との関連については、因果関係を推定するのに十分な証拠がある(レベル1)と判断されています。
加熱式たばこと循環器疾患
加熱式たばこには、紙巻たばこと同等程度のニコチン量を含むものもあります[6]。一酸化炭素など他の有害化学物質については紙巻たばこよりも少ないという報告はあるものの、その一方で、紙巻たばこには含まれない有害化学物質や、紙巻たばこよりも多く含む物質があるという指摘もあります。
世界保健機構(WHO)の報告によると、加熱式たばこが紙巻たばこと類似した心血管毒性を有することが示唆されています。紙巻たばこから加熱式たばこに切り替えたとしても、いくつかの心血管疾患の指標に改善が見られないため、加熱式たばこは慢性疾患の減少に有効でない可能性があると述べられています。
加熱式たばこの受動喫煙による影響についての研究はさらに限られており、健康への影響は明らかになっていません。 | 喫煙によって動脈の炎症や収縮が引き起こされると、何が進みますか。 | 喫煙によって動脈の炎症や収縮が引き起こされると、動脈硬化や血栓の形成が進みます。 |
JCRRAG_010163 | 医療 | 喫煙と循環器疾患
たばこを吸うと、動脈硬化や血栓の形成が進むことから、虚血性心疾患を引き起こす原因となります。また、脳卒中(脳出血、くも膜出血、脳梗塞)のリスクを高めます。それだけでなく、喫煙は動脈硬化性疾患の早期発症や重症化にもつながることが報告されています。
たばこの煙の血管系への影響
たばこの煙の中には、ニコチン、一酸化炭素(CO)、一酸化窒素(NO)、シアン化水素(HCN)、活性酸素(O2–)などの有害化学物質が含まれます。
ニコチンは交感神経を刺激して、心拍数の増加、血圧上昇、心筋の収縮および酸素需要の増加を引き起こします。同時に、血管の収縮による血流量の低下、酸素や栄養の供給低下を招きます。一酸化炭素は、酸素供給能力の低下を引き起こすとともに、血管内皮の組織障害や血栓形成の要因にもなります。活性酸素は炎症反応を誘発し、血管内皮の組織障害、脂質過酸化、インスリン抵抗性、血小板凝集などを通じて、動脈硬化や血栓の形成を引き起こします[1][2]。
虚血性心疾患
虚血性心疾患は、心筋に酸素を供給している冠動脈がすぼまって狭くなることによって生じる病気の総称です。動脈硬化は血栓の形成が主な原因です[1][2]。
喫煙によって動脈の炎症や収縮が引き起こされ、動脈硬化や血栓の形成が進みます。また、血小板の凝集も血栓の形成につながります。これらの機序(メカニズム)が相互に関連しあって、虚血性心疾患の発症につながります[1][2]。たばこと心臓病はつながっていて、まさに「心臓やぶり」なのです[5]。
国内外の研究から、喫煙が虚血性心疾患の発症、および死亡リスクを増加させることは明らかになっています[2]。また、米国の報告書から、喫煙本数を減らす、あるいは低タール・低ニコチンたばこに切り替えることは、虚血性心疾患のリスク低下にはつながらないとの結論が示されています[3]。
脳卒中
脳卒中は、脳の血管の血流障害によって、血管周囲や血管が栄養する脳の領域の神経細胞が死滅することで発症する病気です。急に手足がしびれたり動かなくなったり、言葉が話せなくなったり、あるいは意識がなくなったりする発作を引き起こすこともあります。脳卒中は病態の違いから、脳の血管が破れるタイプ(くも膜下出血、脳出血)、脳の血管が詰まるタイプ(脳梗塞など)に分けられます[1][2]。
喫煙による脳の動脈の動脈硬化や血栓の形成、炎症反応により、脳梗塞やくも膜下出血の発症、および死亡のリスクが高まります[1]。
その他喫煙によって引き起こされる循環器疾患
喫煙によって、末梢の動脈硬化症、主に閉塞性動脈硬化症や頸動脈硬化症のリスクが高まります。さらに、腹部大動脈瘤の破裂にも影響していることが明らかになっています[1]。
受動喫煙と循環器疾患
ニコチン、一酸化炭素(CO)、一酸化窒素(NO)、シアン化水素(HCN)、活性酸素(O2–)などのたばこの有害化学物質は、副流煙と喫煙者が吐き出した呼出煙とが混じりあった「環境たばこ煙」の中にも含まれます[1][2]。そのため、喫煙者本人だけでなく、周りの人の健康へも悪影響を及ぼします。たばこ煙にさらされた非喫煙者も、喫煙者本人と同様の機序で虚血性心疾患、脳卒中などのリスクが高まります。受動喫煙と、虚血性心疾患や脳卒中との関連については、因果関係を推定するのに十分な証拠がある(レベル1)と判断されています[1]。
加熱式たばこと循環器疾患
加熱式たばこには、紙巻たばこと同等程度のニコチン量を含むものもあります[6]。一酸化炭素など他の有害化学物質については紙巻たばこよりも少ないという報告はあるものの、その一方で、紙巻たばこには含まれない有害化学物質や、紙巻たばこよりも多く含む物質があるという指摘もあります[4]。
世界保健機構(WHO)の報告によると、加熱式たばこが紙巻たばこと類似した心血管毒性を有することが示唆されています。紙巻たばこから加熱式たばこに切り替えたとしても、いくつかの心血管疾患の指標に改善が見られないため、加熱式たばこは慢性疾患の減少に有効でない可能性があると述べられています[4]。
加熱式たばこの受動喫煙による影響についての研究はさらに限られており、健康への影響は明らかになっていません[4]。 | 喫煙による脳の動脈の動脈硬化や血栓の形成、炎症反応により、どのようなリスクが高まりますか。 | 喫煙による脳の動脈の動脈硬化や血栓の形成、炎症反応により、脳梗塞やくも膜下出血の発症、および死亡のリスクが高まります |
JCRRAG_010164 | 医療 | 喫煙と循環器疾患
たばこを吸うと、動脈硬化や血栓の形成が進むことから、虚血性心疾患を引き起こす原因となります。また、脳卒中(脳出血、くも膜出血、脳梗塞)のリスクを高めます。それだけでなく、喫煙は動脈硬化性疾患の早期発症や重症化にもつながることが報告されています。
たばこの煙の血管系への影響
たばこの煙の中には、ニコチン、一酸化炭素(CO)、一酸化窒素(NO)、シアン化水素(HCN)、活性酸素(O2–)などの有害化学物質が含まれます。
ニコチンは交感神経を刺激して、心拍数の増加、血圧上昇、心筋の収縮および酸素需要の増加を引き起こします。同時に、血管の収縮による血流量の低下、酸素や栄養の供給低下を招きます。一酸化炭素は、酸素供給能力の低下を引き起こすとともに、血管内皮の組織障害や血栓形成の要因にもなります。活性酸素は炎症反応を誘発し、血管内皮の組織障害、脂質過酸化、インスリン抵抗性、血小板凝集などを通じて、動脈硬化や血栓の形成を引き起こします[1][2]。
虚血性心疾患
虚血性心疾患は、心筋に酸素を供給している冠動脈がすぼまって狭くなることによって生じる病気の総称です。動脈硬化は血栓の形成が主な原因です[1][2]。
喫煙によって動脈の炎症や収縮が引き起こされ、動脈硬化や血栓の形成が進みます。また、血小板の凝集も血栓の形成につながります。これらの機序(メカニズム)が相互に関連しあって、虚血性心疾患の発症につながります[1][2]。たばこと心臓病はつながっていて、まさに「心臓やぶり」なのです[5]。
国内外の研究から、喫煙が虚血性心疾患の発症、および死亡リスクを増加させることは明らかになっています[2]。また、米国の報告書から、喫煙本数を減らす、あるいは低タール・低ニコチンたばこに切り替えることは、虚血性心疾患のリスク低下にはつながらないとの結論が示されています[3]。
脳卒中
脳卒中は、脳の血管の血流障害によって、血管周囲や血管が栄養する脳の領域の神経細胞が死滅することで発症する病気です。急に手足がしびれたり動かなくなったり、言葉が話せなくなったり、あるいは意識がなくなったりする発作を引き起こすこともあります。脳卒中は病態の違いから、脳の血管が破れるタイプ(くも膜下出血、脳出血)、脳の血管が詰まるタイプ(脳梗塞など)に分けられます[1][2]。
喫煙による脳の動脈の動脈硬化や血栓の形成、炎症反応により、脳梗塞やくも膜下出血の発症、および死亡のリスクが高まります[1]。
その他喫煙によって引き起こされる循環器疾患
喫煙によって、末梢の動脈硬化症、主に閉塞性動脈硬化症や頸動脈硬化症のリスクが高まります。さらに、腹部大動脈瘤の破裂にも影響していることが明らかになっています[1]。
受動喫煙と循環器疾患
ニコチン、一酸化炭素(CO)、一酸化窒素(NO)、シアン化水素(HCN)、活性酸素(O2–)などのたばこの有害化学物質は、副流煙と喫煙者が吐き出した呼出煙とが混じりあった「環境たばこ煙」の中にも含まれます[1][2]。そのため、喫煙者本人だけでなく、周りの人の健康へも悪影響を及ぼします。たばこ煙にさらされた非喫煙者も、喫煙者本人と同様の機序で虚血性心疾患、脳卒中などのリスクが高まります。受動喫煙と、虚血性心疾患や脳卒中との関連については、因果関係を推定するのに十分な証拠がある(レベル1)と判断されています[1]。
加熱式たばこと循環器疾患
加熱式たばこには、紙巻たばこと同等程度のニコチン量を含むものもあります[6]。一酸化炭素など他の有害化学物質については紙巻たばこよりも少ないという報告はあるものの、その一方で、紙巻たばこには含まれない有害化学物質や、紙巻たばこよりも多く含む物質があるという指摘もあります[4]。
世界保健機構(WHO)の報告によると、加熱式たばこが紙巻たばこと類似した心血管毒性を有することが示唆されています。紙巻たばこから加熱式たばこに切り替えたとしても、いくつかの心血管疾患の指標に改善が見られないため、加熱式たばこは慢性疾患の減少に有効でない可能性があると述べられています[4]。
加熱式たばこの受動喫煙による影響についての研究はさらに限られており、健康への影響は明らかになっていません[4]。 | 喫煙によってリスクが高まるその他の循環器疾患には何がありますか。 | 喫煙によってリスクが高まるその他の循環器疾患には、末梢の動脈硬化症、主に閉塞性動脈硬化症や頸動脈硬化症のリスクが高まります。さらに、腹部大動脈瘤の破裂にも影響していることが明らかになっています。 |
JCRRAG_010165 | 医療 | 喫煙と循環器疾患
たばこを吸うと、動脈硬化や血栓の形成が進むことから、虚血性心疾患を引き起こす原因となります。また、脳卒中(脳出血、くも膜出血、脳梗塞)のリスクを高めます。それだけでなく、喫煙は動脈硬化性疾患の早期発症や重症化にもつながることが報告されています。
たばこの煙の血管系への影響
たばこの煙の中には、ニコチン、一酸化炭素(CO)、一酸化窒素(NO)、シアン化水素(HCN)、活性酸素(O2–)などの有害化学物質が含まれます。
ニコチンは交感神経を刺激して、心拍数の増加、血圧上昇、心筋の収縮および酸素需要の増加を引き起こします。同時に、血管の収縮による血流量の低下、酸素や栄養の供給低下を招きます。一酸化炭素は、酸素供給能力の低下を引き起こすとともに、血管内皮の組織障害や血栓形成の要因にもなります。活性酸素は炎症反応を誘発し、血管内皮の組織障害、脂質過酸化、インスリン抵抗性、血小板凝集などを通じて、動脈硬化や血栓の形成を引き起こします[1][2]。
虚血性心疾患
虚血性心疾患は、心筋に酸素を供給している冠動脈がすぼまって狭くなることによって生じる病気の総称です。動脈硬化は血栓の形成が主な原因です[1][2]。
喫煙によって動脈の炎症や収縮が引き起こされ、動脈硬化や血栓の形成が進みます。また、血小板の凝集も血栓の形成につながります。これらの機序(メカニズム)が相互に関連しあって、虚血性心疾患の発症につながります[1][2]。たばこと心臓病はつながっていて、まさに「心臓やぶり」なのです[5]。
国内外の研究から、喫煙が虚血性心疾患の発症、および死亡リスクを増加させることは明らかになっています[2]。また、米国の報告書から、喫煙本数を減らす、あるいは低タール・低ニコチンたばこに切り替えることは、虚血性心疾患のリスク低下にはつながらないとの結論が示されています[3]。
脳卒中
脳卒中は、脳の血管の血流障害によって、血管周囲や血管が栄養する脳の領域の神経細胞が死滅することで発症する病気です。急に手足がしびれたり動かなくなったり、言葉が話せなくなったり、あるいは意識がなくなったりする発作を引き起こすこともあります。脳卒中は病態の違いから、脳の血管が破れるタイプ(くも膜下出血、脳出血)、脳の血管が詰まるタイプ(脳梗塞など)に分けられます[1][2]。
喫煙による脳の動脈の動脈硬化や血栓の形成、炎症反応により、脳梗塞やくも膜下出血の発症、および死亡のリスクが高まります[1]。
その他喫煙によって引き起こされる循環器疾患
喫煙によって、末梢の動脈硬化症、主に閉塞性動脈硬化症や頸動脈硬化症のリスクが高まります。さらに、腹部大動脈瘤の破裂にも影響していることが明らかになっています[1]。
受動喫煙と循環器疾患
ニコチン、一酸化炭素(CO)、一酸化窒素(NO)、シアン化水素(HCN)、活性酸素(O2–)などのたばこの有害化学物質は、副流煙と喫煙者が吐き出した呼出煙とが混じりあった「環境たばこ煙」の中にも含まれます[1][2]。そのため、喫煙者本人だけでなく、周りの人の健康へも悪影響を及ぼします。たばこ煙にさらされた非喫煙者も、喫煙者本人と同様の機序で虚血性心疾患、脳卒中などのリスクが高まります。受動喫煙と、虚血性心疾患や脳卒中との関連については、因果関係を推定するのに十分な証拠がある(レベル1)と判断されています[1]。
加熱式たばこと循環器疾患
加熱式たばこには、紙巻たばこと同等程度のニコチン量を含むものもあります[6]。一酸化炭素など他の有害化学物質については紙巻たばこよりも少ないという報告はあるものの、その一方で、紙巻たばこには含まれない有害化学物質や、紙巻たばこよりも多く含む物質があるという指摘もあります[4]。
世界保健機構(WHO)の報告によると、加熱式たばこが紙巻たばこと類似した心血管毒性を有することが示唆されています。紙巻たばこから加熱式たばこに切り替えたとしても、いくつかの心血管疾患の指標に改善が見られないため、加熱式たばこは慢性疾患の減少に有効でない可能性があると述べられています[4]。
加熱式たばこの受動喫煙による影響についての研究はさらに限られており、健康への影響は明らかになっていません[4]。 | たばこ煙にさらされた非喫煙者には、どのようなリスクが高まるとされていますか。 | たばこ煙にさらされた非喫煙者には、喫煙者本人と同様の機序で虚血性心疾患、脳卒中などのリスクが高まります。 |
JCRRAG_010166 | 医療 | 喫煙と呼吸器疾患
たばこを吸うと、基礎的疾患がない場合でも、呼吸器疾患を引き起こす原因となります。喫煙は、さまざまな呼吸器症状を引き起こし、喘息のリスクを高めます。また慢性閉塞性肺疾患(COPD)の発生と、それによる死亡を引き起こす可能性があります。
それだけでなく、肺機能の発達障害や、呼吸機能の早期の低下にもつながります。さらに、新型コロナウイルスに感染したとき、喫煙者は非喫煙者と比較して、重症となる可能性が高いことが報告されています。
たばこの煙の呼吸器系への影響
たばこの煙には多数の有害化学物質が含まれており、喫煙は全身の諸器官に悪影響をもたらします。その中でも特に影響を受けやすいのが、直接たばこ煙にさらされることになる呼吸器系です。
たばこの煙は、主に活性酸素やフリーラジカルなどを過剰に産生するため、酸化ストレスの増大や炎症などを引き起こします。それらが呼吸器系に与える影響は次のとおりです。
中枢気道における変化
線毛(繊毛)の消失……気管などに侵入する異物を除去する働きが鈍くなる
粘膜腺の肥大……気道内の粘液分泌である痰(たん)が増える
杯細胞(さかずきさいぼう)数の増加……粘膜細胞である杯細胞の過形成・過分泌により、痰が増える
気管支粘膜上皮の組織学的変化……細胞の分化形質において異常が起こり(化生)、がんに発展するなどの変化が起こる
末梢気道における変化
炎症や萎縮
杯細胞や扁平上皮(へんぺいじょうひ:内部が空洞になっている臓器の粘膜組織)の化生
粘膜栓や粘液の過剰な産生……気道にゼリー状の粘膜のかたまりや粘液分泌が増える
平滑筋の肥大や萎縮……平滑筋が気道内で肥大・収縮すると、気道が狭くなり呼吸がしにくくなる
細気管支周囲が線維化……細気管支にある肺胞が線維化して硬くなり、呼吸がしにくくなる
肺における変化
肺胞の破壊
小動脈数の減少……血流量の調節機能が低下し、血圧の上昇や動脈硬化などを引き起こす
このように、喫煙は呼吸器系の形態的・機能的変化をきたし、様々な症状や疾患を引き起こします。喫煙者は非喫煙者に比べて、咳(せき)・痰・喘鳴(ぜんめい:気道が狭くなっているため、呼吸時にゼーゼーという異常音が連続的に発生する状態)・息切れなどの症状が多く見られます。また、喫煙は気管支喘息のリスク因子とされています。特に、受動喫煙と小児の喘息には関連性があることが認められています。
喫煙とCOPDとの関連
喫煙は、慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease: COPD)の原因になることが明らかになっています。COPDは臨床的診断名で、「たばこ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することなどにより生ずる肺疾患であり、呼吸機能検査で気流閉塞を示す」と定義されています[1]。COPDは肺気腫と慢性気管支炎を含んでおり、2つの病名を用いて定義していた従来の考え方を改めたものとなっています。
喫煙はCOPDのリスクの9割を占めるとされています。世界保健機構(WHO)の報告によると、COPDは世界の疾患別の死亡順位が第3位となっており、2019年の1年間におよそ300万人(全死亡者数に占める割合は6%)がCOPDで亡くなっていると推計されています[2]。
COPDは予防可能な疾患として、世界の公衆衛生上の重要な課題となっています。わが国では、COPDでありながら未受診の方が500万人以上いると推定され、COPDによる死亡者数は年間約18,000人と報告されています[3]。
他にも喫煙は、呼吸機能の低下、結核による死亡との関連も因果関係を推定するのに十分な証拠がある(レベル1)と判断されています。気管支喘息の発症および増悪、結核発症、結核再発、および突発性肺線維症との関連については、因果関係を示唆しているが十分でない(レベル2)と判定されています[4]。
喫煙と新型コロナウイルスとの関連
喫煙は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症化リスク要因となります。喫煙者あるいは過去に喫煙していた人は、非喫煙者に比べ、新型コロナウイルスに感染した場合の重症化リスクや死亡リスクが高まることがわかってきました[6]。
WHOの声明でも、高齢者や、心血管疾患・がん・呼吸器疾患・糖尿病など基礎疾患(持病)のある人、肥満者などとともに、喫煙(たばこ)も新型コロナウイルス感染症の重症化要因であると述べています[7]。新型コロナウイルスの感染を完全に防ぐのはなかなか難しいため、重症化を防ぐこと、死亡者を出さないことが重要となります。禁煙の推進は、新型コロナウイルス対策にもなるのです。
新型コロナウイルスは、主に肺を攻撃する感染症です。下のWHOが作成したポスターでは、たばこ産業が販売するたばこによって肺が脆弱な状態になっているところに、新型コロナウイルス感染を生じれば、肺がまさに狙い撃ちされることになると警告しています。 喫煙者が非喫煙者と比較して新型コロナウイルス感染症が重症化する可能性が高いという証拠が発表されたとき、何百万人もの喫煙者がたばこをやめたいと思うようになったといわれています[8]。 | 喫煙者に非喫煙者よりも多く見られる呼吸器症状にはどのようなものがありますか。 | 喫煙者に非喫煙者よりも多く見られる呼吸器症状には、咳・痰・喘鳴(気道が狭くなっているため、呼吸時にゼーゼーという異常音が連続的に発生する状態)・息切れなどの症状が多く見られます。 |
JCRRAG_010167 | 医療 | 喫煙と呼吸器疾患
たばこを吸うと、基礎的疾患がない場合でも、呼吸器疾患を引き起こす原因となります。喫煙は、さまざまな呼吸器症状を引き起こし、喘息のリスクを高めます。また慢性閉塞性肺疾患(COPD)の発生と、それによる死亡を引き起こす可能性があります。
それだけでなく、肺機能の発達障害や、呼吸機能の早期の低下にもつながります。さらに、新型コロナウイルスに感染したとき、喫煙者は非喫煙者と比較して、重症となる可能性が高いことが報告されています。
たばこの煙の呼吸器系への影響
たばこの煙には多数の有害化学物質が含まれており、喫煙は全身の諸器官に悪影響をもたらします。その中でも特に影響を受けやすいのが、直接たばこ煙にさらされることになる呼吸器系です。
たばこの煙は、主に活性酸素やフリーラジカルなどを過剰に産生するため、酸化ストレスの増大や炎症などを引き起こします。それらが呼吸器系に与える影響は次のとおりです。
中枢気道における変化
線毛(繊毛)の消失……気管などに侵入する異物を除去する働きが鈍くなる
粘膜腺の肥大……気道内の粘液分泌である痰(たん)が増える
杯細胞(さかずきさいぼう)数の増加……粘膜細胞である杯細胞の過形成・過分泌により、痰が増える
気管支粘膜上皮の組織学的変化……細胞の分化形質において異常が起こり(化生)、がんに発展するなどの変化が起こる
末梢気道における変化
炎症や萎縮
杯細胞や扁平上皮(へんぺいじょうひ:内部が空洞になっている臓器の粘膜組織)の化生
粘膜栓や粘液の過剰な産生……気道にゼリー状の粘膜のかたまりや粘液分泌が増える
平滑筋の肥大や萎縮……平滑筋が気道内で肥大・収縮すると、気道が狭くなり呼吸がしにくくなる
細気管支周囲が線維化……細気管支にある肺胞が線維化して硬くなり、呼吸がしにくくなる
肺における変化
肺胞の破壊
小動脈数の減少……血流量の調節機能が低下し、血圧の上昇や動脈硬化などを引き起こす
このように、喫煙は呼吸器系の形態的・機能的変化をきたし、様々な症状や疾患を引き起こします。喫煙者は非喫煙者に比べて、咳(せき)・痰・喘鳴(ぜんめい:気道が狭くなっているため、呼吸時にゼーゼーという異常音が連続的に発生する状態)・息切れなどの症状が多く見られます。また、喫煙は気管支喘息のリスク因子とされています。特に、受動喫煙と小児の喘息には関連性があることが認められています。
喫煙とCOPDとの関連
喫煙は、慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease: COPD)の原因になることが明らかになっています。COPDは臨床的診断名で、「たばこ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することなどにより生ずる肺疾患であり、呼吸機能検査で気流閉塞を示す」と定義されています[1]。COPDは肺気腫と慢性気管支炎を含んでおり、2つの病名を用いて定義していた従来の考え方を改めたものとなっています。
喫煙はCOPDのリスクの9割を占めるとされています。世界保健機構(WHO)の報告によると、COPDは世界の疾患別の死亡順位が第3位となっており、2019年の1年間におよそ300万人(全死亡者数に占める割合は6%)がCOPDで亡くなっていると推計されています[2]。
COPDは予防可能な疾患として、世界の公衆衛生上の重要な課題となっています。わが国では、COPDでありながら未受診の方が500万人以上いると推定され、COPDによる死亡者数は年間約18,000人と報告されています[3]。
他にも喫煙は、呼吸機能の低下、結核による死亡との関連も因果関係を推定するのに十分な証拠がある(レベル1)と判断されています。気管支喘息の発症および増悪、結核発症、結核再発、および突発性肺線維症との関連については、因果関係を示唆しているが十分でない(レベル2)と判定されています[4]。
喫煙と新型コロナウイルスとの関連
喫煙は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症化リスク要因となります。喫煙者あるいは過去に喫煙していた人は、非喫煙者に比べ、新型コロナウイルスに感染した場合の重症化リスクや死亡リスクが高まることがわかってきました[6]。
WHOの声明でも、高齢者や、心血管疾患・がん・呼吸器疾患・糖尿病など基礎疾患(持病)のある人、肥満者などとともに、喫煙(たばこ)も新型コロナウイルス感染症の重症化要因であると述べています[7]。新型コロナウイルスの感染を完全に防ぐのはなかなか難しいため、重症化を防ぐこと、死亡者を出さないことが重要となります。禁煙の推進は、新型コロナウイルス対策にもなるのです。
新型コロナウイルスは、主に肺を攻撃する感染症です。下のWHOが作成したポスターでは、たばこ産業が販売するたばこによって肺が脆弱な状態になっているところに、新型コロナウイルス感染を生じれば、肺がまさに狙い撃ちされることになると警告しています。 喫煙者が非喫煙者と比較して新型コロナウイルス感染症が重症化する可能性が高いという証拠が発表されたとき、何百万人もの喫煙者がたばこをやめたいと思うようになったといわれています[8]。 | 慢性閉塞性肺疾患(COPD)の定義はどのように説明されていますか。 | 慢性閉塞性肺疾患(COPD)の定義は、「たばこ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することなどにより生ずる肺疾患であり、呼吸機能検査で気流閉塞を示します。」と説明されています。 |
JCRRAG_010168 | 医療 | 喫煙と呼吸器疾患
たばこを吸うと、基礎的疾患がない場合でも、呼吸器疾患を引き起こす原因となります。喫煙は、さまざまな呼吸器症状を引き起こし、喘息のリスクを高めます。また慢性閉塞性肺疾患(COPD)の発生と、それによる死亡を引き起こす可能性があります。
それだけでなく、肺機能の発達障害や、呼吸機能の早期の低下にもつながります。さらに、新型コロナウイルスに感染したとき、喫煙者は非喫煙者と比較して、重症となる可能性が高いことが報告されています。
たばこの煙の呼吸器系への影響
たばこの煙には多数の有害化学物質が含まれており、喫煙は全身の諸器官に悪影響をもたらします。その中でも特に影響を受けやすいのが、直接たばこ煙にさらされることになる呼吸器系です。
たばこの煙は、主に活性酸素やフリーラジカルなどを過剰に産生するため、酸化ストレスの増大や炎症などを引き起こします。それらが呼吸器系に与える影響は次のとおりです。
中枢気道における変化
線毛(繊毛)の消失……気管などに侵入する異物を除去する働きが鈍くなる
粘膜腺の肥大……気道内の粘液分泌である痰(たん)が増える
杯細胞(さかずきさいぼう)数の増加……粘膜細胞である杯細胞の過形成・過分泌により、痰が増える
気管支粘膜上皮の組織学的変化……細胞の分化形質において異常が起こり(化生)、がんに発展するなどの変化が起こる
末梢気道における変化
炎症や萎縮
杯細胞や扁平上皮(へんぺいじょうひ:内部が空洞になっている臓器の粘膜組織)の化生
粘膜栓や粘液の過剰な産生……気道にゼリー状の粘膜のかたまりや粘液分泌が増える
平滑筋の肥大や萎縮……平滑筋が気道内で肥大・収縮すると、気道が狭くなり呼吸がしにくくなる
細気管支周囲が線維化……細気管支にある肺胞が線維化して硬くなり、呼吸がしにくくなる
肺における変化
肺胞の破壊
小動脈数の減少……血流量の調節機能が低下し、血圧の上昇や動脈硬化などを引き起こす
このように、喫煙は呼吸器系の形態的・機能的変化をきたし、様々な症状や疾患を引き起こします。喫煙者は非喫煙者に比べて、咳(せき)・痰・喘鳴(ぜんめい:気道が狭くなっているため、呼吸時にゼーゼーという異常音が連続的に発生する状態)・息切れなどの症状が多く見られます。また、喫煙は気管支喘息のリスク因子とされています。特に、受動喫煙と小児の喘息には関連性があることが認められています。
喫煙とCOPDとの関連
喫煙は、慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease: COPD)の原因になることが明らかになっています。COPDは臨床的診断名で、「たばこ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することなどにより生ずる肺疾患であり、呼吸機能検査で気流閉塞を示す」と定義されています[1]。COPDは肺気腫と慢性気管支炎を含んでおり、2つの病名を用いて定義していた従来の考え方を改めたものとなっています。
喫煙はCOPDのリスクの9割を占めるとされています。世界保健機構(WHO)の報告によると、COPDは世界の疾患別の死亡順位が第3位となっており、2019年の1年間におよそ300万人(全死亡者数に占める割合は6%)がCOPDで亡くなっていると推計されています[2]。
COPDは予防可能な疾患として、世界の公衆衛生上の重要な課題となっています。わが国では、COPDでありながら未受診の方が500万人以上いると推定され、COPDによる死亡者数は年間約18,000人と報告されています[3]。
他にも喫煙は、呼吸機能の低下、結核による死亡との関連も因果関係を推定するのに十分な証拠がある(レベル1)と判断されています。気管支喘息の発症および増悪、結核発症、結核再発、および突発性肺線維症との関連については、因果関係を示唆しているが十分でない(レベル2)と判定されています[4]。
喫煙と新型コロナウイルスとの関連
喫煙は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症化リスク要因となります。喫煙者あるいは過去に喫煙していた人は、非喫煙者に比べ、新型コロナウイルスに感染した場合の重症化リスクや死亡リスクが高まることがわかってきました[6]。
WHOの声明でも、高齢者や、心血管疾患・がん・呼吸器疾患・糖尿病など基礎疾患(持病)のある人、肥満者などとともに、喫煙(たばこ)も新型コロナウイルス感染症の重症化要因であると述べています[7]。新型コロナウイルスの感染を完全に防ぐのはなかなか難しいため、重症化を防ぐこと、死亡者を出さないことが重要となります。禁煙の推進は、新型コロナウイルス対策にもなるのです。
新型コロナウイルスは、主に肺を攻撃する感染症です。下のWHOが作成したポスターでは、たばこ産業が販売するたばこによって肺が脆弱な状態になっているところに、新型コロナウイルス感染を生じれば、肺がまさに狙い撃ちされることになると警告しています。 喫煙者が非喫煙者と比較して新型コロナウイルス感染症が重症化する可能性が高いという証拠が発表されたとき、何百万人もの喫煙者がたばこをやめたいと思うようになったといわれています[8]。 | 喫煙が新型コロナウイルス感染症のリスクに与える影響は何ですか。 | 喫煙が新型コロナウイルス感染症のリスクに与える影響は、喫煙者あるいは過去に喫煙していた人は、非喫煙者に比べ、新型コロナウイルスに感染した場合の重症化リスクや死亡リスクが高まることがわかってきました。 |
JCRRAG_010169 | 医療 | 喫煙と呼吸器疾患
たばこを吸うと、基礎的疾患がない場合でも、呼吸器疾患を引き起こす原因となります。喫煙は、さまざまな呼吸器症状を引き起こし、喘息のリスクを高めます。また慢性閉塞性肺疾患(COPD)の発生と、それによる死亡を引き起こす可能性があります。
それだけでなく、肺機能の発達障害や、呼吸機能の早期の低下にもつながります。さらに、新型コロナウイルスに感染したとき、喫煙者は非喫煙者と比較して、重症となる可能性が高いことが報告されています。
たばこの煙の呼吸器系への影響
たばこの煙には多数の有害化学物質が含まれており、喫煙は全身の諸器官に悪影響をもたらします。その中でも特に影響を受けやすいのが、直接たばこ煙にさらされることになる呼吸器系です。
たばこの煙は、主に活性酸素やフリーラジカルなどを過剰に産生するため、酸化ストレスの増大や炎症などを引き起こします。それらが呼吸器系に与える影響は次のとおりです。
中枢気道における変化
線毛(繊毛)の消失……気管などに侵入する異物を除去する働きが鈍くなる
粘膜腺の肥大……気道内の粘液分泌である痰(たん)が増える
杯細胞(さかずきさいぼう)数の増加……粘膜細胞である杯細胞の過形成・過分泌により、痰が増える
気管支粘膜上皮の組織学的変化……細胞の分化形質において異常が起こり(化生)、がんに発展するなどの変化が起こる
末梢気道における変化
炎症や萎縮
杯細胞や扁平上皮(へんぺいじょうひ:内部が空洞になっている臓器の粘膜組織)の化生
粘膜栓や粘液の過剰な産生……気道にゼリー状の粘膜のかたまりや粘液分泌が増える
平滑筋の肥大や萎縮……平滑筋が気道内で肥大・収縮すると、気道が狭くなり呼吸がしにくくなる
細気管支周囲が線維化……細気管支にある肺胞が線維化して硬くなり、呼吸がしにくくなる
肺における変化
肺胞の破壊
小動脈数の減少……血流量の調節機能が低下し、血圧の上昇や動脈硬化などを引き起こす
このように、喫煙は呼吸器系の形態的・機能的変化をきたし、様々な症状や疾患を引き起こします。喫煙者は非喫煙者に比べて、咳(せき)・痰・喘鳴(ぜんめい:気道が狭くなっているため、呼吸時にゼーゼーという異常音が連続的に発生する状態)・息切れなどの症状が多く見られます。また、喫煙は気管支喘息のリスク因子とされています。特に、受動喫煙と小児の喘息には関連性があることが認められています。
喫煙とCOPDとの関連
喫煙は、慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease: COPD)の原因になることが明らかになっています。COPDは臨床的診断名で、「たばこ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することなどにより生ずる肺疾患であり、呼吸機能検査で気流閉塞を示す」と定義されています[1]。COPDは肺気腫と慢性気管支炎を含んでおり、2つの病名を用いて定義していた従来の考え方を改めたものとなっています。
喫煙はCOPDのリスクの9割を占めるとされています。世界保健機構(WHO)の報告によると、COPDは世界の疾患別の死亡順位が第3位となっており、2019年の1年間におよそ300万人(全死亡者数に占める割合は6%)がCOPDで亡くなっていると推計されています[2]。
COPDは予防可能な疾患として、世界の公衆衛生上の重要な課題となっています。わが国では、COPDでありながら未受診の方が500万人以上いると推定され、COPDによる死亡者数は年間約18,000人と報告されています[3]。
他にも喫煙は、呼吸機能の低下、結核による死亡との関連も因果関係を推定するのに十分な証拠がある(レベル1)と判断されています。気管支喘息の発症および増悪、結核発症、結核再発、および突発性肺線維症との関連については、因果関係を示唆しているが十分でない(レベル2)と判定されています[4]。
喫煙と新型コロナウイルスとの関連
喫煙は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症化リスク要因となります。喫煙者あるいは過去に喫煙していた人は、非喫煙者に比べ、新型コロナウイルスに感染した場合の重症化リスクや死亡リスクが高まることがわかってきました[6]。
WHOの声明でも、高齢者や、心血管疾患・がん・呼吸器疾患・糖尿病など基礎疾患(持病)のある人、肥満者などとともに、喫煙(たばこ)も新型コロナウイルス感染症の重症化要因であると述べています[7]。新型コロナウイルスの感染を完全に防ぐのはなかなか難しいため、重症化を防ぐこと、死亡者を出さないことが重要となります。禁煙の推進は、新型コロナウイルス対策にもなるのです。
新型コロナウイルスは、主に肺を攻撃する感染症です。下のWHOが作成したポスターでは、たばこ産業が販売するたばこによって肺が脆弱な状態になっているところに、新型コロナウイルス感染を生じれば、肺がまさに狙い撃ちされることになると警告しています。 喫煙者が非喫煙者と比較して新型コロナウイルス感染症が重症化する可能性が高いという証拠が発表されたとき、何百万人もの喫煙者がたばこをやめたいと思うようになったといわれています[8]。 | 呼吸器系においてたばこの煙が引き起こす中枢気道の変化にはどのようなものがありますか。 | 呼吸器系においてたばこの煙が引き起こす中枢気道の変化は、線毛(繊毛)の消失、粘膜腺の肥大、杯細胞数の増加、気管支粘膜上皮の組織学的変化です。 |
JCRRAG_010170 | 医療 | 突発性難聴について
突然、耳の聞こえが悪くなり、耳鳴りやめまいなどを伴う原因不明の疾患です。40~60歳代の働き盛りに多くみられ、ストレスや過労、睡眠不足、糖尿病などがあると起こりやすいことがわかっています。聴力を回復させるには、早めに治療を開始することが重要です。
突発性難聴とは
突発性難聴は、突然、左右の耳の一方(ごくまれに両方)の聞こえが悪くなる疾患です。音をうまく感じ取れない難聴(感音難聴)のうち原因がはっきりしないものの総称で、幅広い年代に起こりますが、特に働き盛りの40~60歳代に多くみられます。
前日は問題なかったにもかかわらず、朝起きてテレビをつけたら音が聞こえにくい、あるいは電話の音が急に聞こえなくなるなど、前触れなく突然に起こることが特徴です。
聞こえにくさは人によって異なり、まったく聞こえなくなる人もいれば、低音だけが聞こえなくなる人もいます。後者では、日常会話に必要な音は聞こえているため、難聴に気づくのが遅れてしまいがちです。
聴力が改善したり、悪化したりを繰り返すといった症状の波はありません。
また、難聴の発生と前後して、耳閉感(耳が詰まった感じ)や耳鳴り、めまい、吐き気などを伴うケースも多く、耳鳴りで受診したら突発性難聴だったという人もいます。難聴やめまいが起こるのは1度だけで、メニエール病のように繰り返すことはありません。
突発性難聴は、以上のような症状を問診で確認したり、さまざまな聴力検査や画像診断を行って診断されます。発症後すぐ治療を受けないと、難聴や頑固な耳鳴りが残ったり、聴力を失うこともあるため、早めの受診と治療開始が大切です。
突発性難聴の原因
音を感じ取って脳に伝える役割をしている有毛細胞が、なんらかの原因で傷つき、壊れてしまうことで起こります。有毛細胞に血液を送っている血管の血流障害や、ウイルス感染が原因であると考えられていますが、まだ明らかになっていません。
ストレスや過労、睡眠不足などがあると起こりやすいことが知られています。また、糖尿病が影響しているともいわれています。
突発性難聴の治療
治療は、内服や点滴の副腎皮質ステロイド薬による薬物療法が中心になります。また、血管拡張薬(プロスタグランジンE1製剤)やビタミンB12製剤、代謝促進薬(ATP製剤)などを使うこともあります。ストレスの影響が考えられるときは、安静にして過ごします。
十分に回復しない場合や全身投与が難しい場合は、耳の中にステロイドを注入する「ステロイド鼓室内注入療法」が行われることがありますが、その効果に対する評価は定まっていません。
発症後1週間以内に、それらによる適切な治療法を受けることで、約40%の人は完治し、50%の人にはなんらかの改善がみられます。ただし、治療開始が遅れれば遅れるほど治療効果が下がり、完治が難しくなってしまうので、注意が必要です。 | 突発性難聴が起こりやすい年代はいつですか。 | 突発性難聴が起こりやすい年代は、特に働き盛りの40~60歳代に多くみられます。 |
JCRRAG_010171 | 医療 | 突発性難聴について
突然、耳の聞こえが悪くなり、耳鳴りやめまいなどを伴う原因不明の疾患です。40~60歳代の働き盛りに多くみられ、ストレスや過労、睡眠不足、糖尿病などがあると起こりやすいことがわかっています。聴力を回復させるには、早めに治療を開始することが重要です。
突発性難聴とは
突発性難聴は、突然、左右の耳の一方(ごくまれに両方)の聞こえが悪くなる疾患です。音をうまく感じ取れない難聴(感音難聴)のうち原因がはっきりしないものの総称で、幅広い年代に起こりますが、特に働き盛りの40~60歳代に多くみられます。
前日は問題なかったにもかかわらず、朝起きてテレビをつけたら音が聞こえにくい、あるいは電話の音が急に聞こえなくなるなど、前触れなく突然に起こることが特徴です。
聞こえにくさは人によって異なり、まったく聞こえなくなる人もいれば、低音だけが聞こえなくなる人もいます。後者では、日常会話に必要な音は聞こえているため、難聴に気づくのが遅れてしまいがちです。
聴力が改善したり、悪化したりを繰り返すといった症状の波はありません。
また、難聴の発生と前後して、耳閉感(耳が詰まった感じ)や耳鳴り、めまい、吐き気などを伴うケースも多く、耳鳴りで受診したら突発性難聴だったという人もいます。難聴やめまいが起こるのは1度だけで、メニエール病のように繰り返すことはありません。
突発性難聴は、以上のような症状を問診で確認したり、さまざまな聴力検査や画像診断を行って診断されます。発症後すぐ治療を受けないと、難聴や頑固な耳鳴りが残ったり、聴力を失うこともあるため、早めの受診と治療開始が大切です。
突発性難聴の原因
音を感じ取って脳に伝える役割をしている有毛細胞が、なんらかの原因で傷つき、壊れてしまうことで起こります。有毛細胞に血液を送っている血管の血流障害や、ウイルス感染が原因であると考えられていますが、まだ明らかになっていません。
ストレスや過労、睡眠不足などがあると起こりやすいことが知られています。また、糖尿病が影響しているともいわれています。
突発性難聴の治療
治療は、内服や点滴の副腎皮質ステロイド薬による薬物療法が中心になります。また、血管拡張薬(プロスタグランジンE1製剤)やビタミンB12製剤、代謝促進薬(ATP製剤)などを使うこともあります。ストレスの影響が考えられるときは、安静にして過ごします。
十分に回復しない場合や全身投与が難しい場合は、耳の中にステロイドを注入する「ステロイド鼓室内注入療法」が行われることがありますが、その効果に対する評価は定まっていません。
発症後1週間以内に、それらによる適切な治療法を受けることで、約40%の人は完治し、50%の人にはなんらかの改善がみられます。ただし、治療開始が遅れれば遅れるほど治療効果が下がり、完治が難しくなってしまうので、注意が必要です。 | 突発性難聴の診断にはどのような方法が用いられるか。 | 突発性難聴の診断には、問診で確認したり、さまざまな聴力検査や画像診断を行って診断されます。 |
JCRRAG_010172 | 医療 | 突発性難聴について
突然、耳の聞こえが悪くなり、耳鳴りやめまいなどを伴う原因不明の疾患です。40~60歳代の働き盛りに多くみられ、ストレスや過労、睡眠不足、糖尿病などがあると起こりやすいことがわかっています。聴力を回復させるには、早めに治療を開始することが重要です。
突発性難聴とは
突発性難聴は、突然、左右の耳の一方(ごくまれに両方)の聞こえが悪くなる疾患です。音をうまく感じ取れない難聴(感音難聴)のうち原因がはっきりしないものの総称で、幅広い年代に起こりますが、特に働き盛りの40~60歳代に多くみられます。
前日は問題なかったにもかかわらず、朝起きてテレビをつけたら音が聞こえにくい、あるいは電話の音が急に聞こえなくなるなど、前触れなく突然に起こることが特徴です。
聞こえにくさは人によって異なり、まったく聞こえなくなる人もいれば、低音だけが聞こえなくなる人もいます。後者では、日常会話に必要な音は聞こえているため、難聴に気づくのが遅れてしまいがちです。
聴力が改善したり、悪化したりを繰り返すといった症状の波はありません。
また、難聴の発生と前後して、耳閉感(耳が詰まった感じ)や耳鳴り、めまい、吐き気などを伴うケースも多く、耳鳴りで受診したら突発性難聴だったという人もいます。難聴やめまいが起こるのは1度だけで、メニエール病のように繰り返すことはありません。
突発性難聴は、以上のような症状を問診で確認したり、さまざまな聴力検査や画像診断を行って診断されます。発症後すぐ治療を受けないと、難聴や頑固な耳鳴りが残ったり、聴力を失うこともあるため、早めの受診と治療開始が大切です。
突発性難聴の原因
音を感じ取って脳に伝える役割をしている有毛細胞が、なんらかの原因で傷つき、壊れてしまうことで起こります。有毛細胞に血液を送っている血管の血流障害や、ウイルス感染が原因であると考えられていますが、まだ明らかになっていません。
ストレスや過労、睡眠不足などがあると起こりやすいことが知られています。また、糖尿病が影響しているともいわれています。
突発性難聴の治療
治療は、内服や点滴の副腎皮質ステロイド薬による薬物療法が中心になります。また、血管拡張薬(プロスタグランジンE1製剤)やビタミンB12製剤、代謝促進薬(ATP製剤)などを使うこともあります。ストレスの影響が考えられるときは、安静にして過ごします。
十分に回復しない場合や全身投与が難しい場合は、耳の中にステロイドを注入する「ステロイド鼓室内注入療法」が行われることがありますが、その効果に対する評価は定まっていません。
発症後1週間以内に、それらによる適切な治療法を受けることで、約40%の人は完治し、50%の人にはなんらかの改善がみられます。ただし、治療開始が遅れれば遅れるほど治療効果が下がり、完治が難しくなってしまうので、注意が必要です。 | 突発性難聴の原因として考えられている身体的要因には何があるか。 | 突発性難聴の原因として考えられている身体的要因は、音を感じ取って脳に伝える役割をしている有毛細胞が、なんらかの原因で傷つき、壊れてしまうことで起こります。有毛細胞に血液を送っている血管の血流障害や、ウイルス感染が原因であると考えられていますが、まだ明らかになっていませ |
JCRRAG_010173 | 医療 | 突発性難聴について
突然、耳の聞こえが悪くなり、耳鳴りやめまいなどを伴う原因不明の疾患です。40~60歳代の働き盛りに多くみられ、ストレスや過労、睡眠不足、糖尿病などがあると起こりやすいことがわかっています。聴力を回復させるには、早めに治療を開始することが重要です。
突発性難聴とは
突発性難聴は、突然、左右の耳の一方(ごくまれに両方)の聞こえが悪くなる疾患です。音をうまく感じ取れない難聴(感音難聴)のうち原因がはっきりしないものの総称で、幅広い年代に起こりますが、特に働き盛りの40~60歳代に多くみられます。
前日は問題なかったにもかかわらず、朝起きてテレビをつけたら音が聞こえにくい、あるいは電話の音が急に聞こえなくなるなど、前触れなく突然に起こることが特徴です。
聞こえにくさは人によって異なり、まったく聞こえなくなる人もいれば、低音だけが聞こえなくなる人もいます。後者では、日常会話に必要な音は聞こえているため、難聴に気づくのが遅れてしまいがちです。
聴力が改善したり、悪化したりを繰り返すといった症状の波はありません。
また、難聴の発生と前後して、耳閉感(耳が詰まった感じ)や耳鳴り、めまい、吐き気などを伴うケースも多く、耳鳴りで受診したら突発性難聴だったという人もいます。難聴やめまいが起こるのは1度だけで、メニエール病のように繰り返すことはありません。
突発性難聴は、以上のような症状を問診で確認したり、さまざまな聴力検査や画像診断を行って診断されます。発症後すぐ治療を受けないと、難聴や頑固な耳鳴りが残ったり、聴力を失うこともあるため、早めの受診と治療開始が大切です。
突発性難聴の原因
音を感じ取って脳に伝える役割をしている有毛細胞が、なんらかの原因で傷つき、壊れてしまうことで起こります。有毛細胞に血液を送っている血管の血流障害や、ウイルス感染が原因であると考えられていますが、まだ明らかになっていません。
ストレスや過労、睡眠不足などがあると起こりやすいことが知られています。また、糖尿病が影響しているともいわれています。
突発性難聴の治療
治療は、内服や点滴の副腎皮質ステロイド薬による薬物療法が中心になります。また、血管拡張薬(プロスタグランジンE1製剤)やビタミンB12製剤、代謝促進薬(ATP製剤)などを使うこともあります。ストレスの影響が考えられるときは、安静にして過ごします。
十分に回復しない場合や全身投与が難しい場合は、耳の中にステロイドを注入する「ステロイド鼓室内注入療法」が行われることがありますが、その効果に対する評価は定まっていません。
発症後1週間以内に、それらによる適切な治療法を受けることで、約40%の人は完治し、50%の人にはなんらかの改善がみられます。ただし、治療開始が遅れれば遅れるほど治療効果が下がり、完治が難しくなってしまうので、注意が必要です。 | 突発性難聴の治療に用いられる中心的な薬物療法は何か。 | 突発性難聴の治療に用いられる中心的な薬物療法は、内服や点滴の副腎皮質ステロイド薬による薬物療法が中心になります。 |
JCRRAG_010174 | 医療 | ヘッドホン難聴(イヤホン難聴)について
ヘッドホンやイヤホンを使い、大きな音量で音楽などを聞き続けることにより、音の振動を脳へ伝える役割をしている有毛細胞が徐々に壊れて起こる難聴です。少しずつ進行していくために初期には自覚しにくく、とはいえ失った聴覚は戻りません。大きすぎる音量で聞かない、長時間連続して聞かずに定期的に耳を休ませるなどの予防が重要となります。
ヘッドホン難聴(イヤホン難聴)とは
大きな音にさらされることで起こる難聴を「騒音性難聴」あるいは「音響性難聴(音響外傷)」といいます。騒音性難聴は主に、職場で工場の機械音や工事音などの騒音にさらされることで起こります。一方、音響性難聴は、爆発音あるいはコンサート・ライブ会場などの大音響などにさらされるほか、ヘッドホンやイヤホンで大きな音を聞き続けることによって起こります。後者は「ヘッドホン難聴」あるいは「イヤホン難聴」と呼ばれ、近年、特に問題視されています。
WHO(世界保健機関)では、10億人もの世界の若者たち(12~35歳)が、個人用オーディオ機器、バー、音楽イベント、スポーツイベントなどによる音響性難聴のリスクにさらされているとして警鐘を鳴らしています[1]。
ヘッドホン難聴(イヤホン難聴)は、じわじわと進行し、少しずつ両方の耳の聞こえが悪くなっていくため、初期には難聴を自覚しにくいことが特徴です。他の症状として、耳閉感(耳が詰まった感じ)や耳鳴りを伴う場合があります。重症化すると聴力の回復が難しいため、そのような耳の違和感に気づいたら早めに受診することが大切です。
ヘッドホン難聴の原因
耳から入った音は、内耳の蝸牛(かぎゅう)という器官にある「有毛細胞」という細胞で振動から電気信号に変換され、脳に伝わることで聞こえるようになります。
しかし、自動車の騒音程度である85dB(デシベル)以上の音を聞く場合、音の大きさと聞いている時間に比例して、有毛細胞が傷つき、壊れてしまいます。有毛細胞が壊れると、音を感じ取りにくくなり、難聴を引き起こします。WHOでは、80dBで1週間当たり40時間以上、90dBで1週間当たり4時間以上聞き続けると、難聴の危険があるとしています[2]。
なお、100dB以上の大音響では急に難聴が生じることもあります。
特にヘッドホンやイヤホンは耳の中に直接音が入るため、周囲に音漏れするほどの大きな音で聞いていたり、長時間聞き続けたりすると、難聴が起こります。
ヘッドホン難聴の治療
有毛細胞が壊れる前であれば、耳の安静を図ることで回復します。そのため、初期には耳栓を使う、定期的に耳を休ませるといった指導が行われます。
大音響などを聞いたあとに急に耳の聞こえが悪くなったときは、突発性難聴の場合と同様に、内服や点滴のステロイド剤による薬物療法が中心になります。血管拡張薬(プロスタグランジンE1製剤)やビタミンB12製剤、代謝促進薬(ATP製剤)などを使うこともあります。
ただし、これらを行っても聴力が十分に改善しないこともあります。
【ヘッドホン難聴の予防】
WHOでは、ヘッドホンやイヤホンで音楽などを聞くときには、耳の健康を守るために、以下のようなことを推奨しています。
・音量を下げたり、連続して聞かずに休憩を挟んだりする
・大きな音を聞く時間を減らす
・騒音下でも音量を上げずに済むように、ぴったりフィットした「ノイズキャンセリング機構」により周囲の騒音をカットできるヘッドホン・イヤホンを使用する
・音量制限や監視機能のついたスマートフォン・ヘッドホンなどを使うか、音量を確認できるアプリなどを使用し、平均80dB未満に抑える | ヘッドホン難聴の初期にはなぜ気づきにくいのか。 | ヘッドホン難聴の初期は、少しずつ両方の耳の聞こえが悪くなっていき、初期には難聴を自覚しにくいためです。 |
JCRRAG_010175 | 医療 | ヘッドホン難聴(イヤホン難聴)について
ヘッドホンやイヤホンを使い、大きな音量で音楽などを聞き続けることにより、音の振動を脳へ伝える役割をしている有毛細胞が徐々に壊れて起こる難聴です。少しずつ進行していくために初期には自覚しにくく、とはいえ失った聴覚は戻りません。大きすぎる音量で聞かない、長時間連続して聞かずに定期的に耳を休ませるなどの予防が重要となります。
ヘッドホン難聴(イヤホン難聴)とは
大きな音にさらされることで起こる難聴を「騒音性難聴」あるいは「音響性難聴(音響外傷)」といいます。騒音性難聴は主に、職場で工場の機械音や工事音などの騒音にさらされることで起こります。一方、音響性難聴は、爆発音あるいはコンサート・ライブ会場などの大音響などにさらされるほか、ヘッドホンやイヤホンで大きな音を聞き続けることによって起こります。後者は「ヘッドホン難聴」あるいは「イヤホン難聴」と呼ばれ、近年、特に問題視されています。
WHO(世界保健機関)では、10億人もの世界の若者たち(12~35歳)が、個人用オーディオ機器、バー、音楽イベント、スポーツイベントなどによる音響性難聴のリスクにさらされているとして警鐘を鳴らしています[1]。
ヘッドホン難聴(イヤホン難聴)は、じわじわと進行し、少しずつ両方の耳の聞こえが悪くなっていくため、初期には難聴を自覚しにくいことが特徴です。他の症状として、耳閉感(耳が詰まった感じ)や耳鳴りを伴う場合があります。重症化すると聴力の回復が難しいため、そのような耳の違和感に気づいたら早めに受診することが大切です。
ヘッドホン難聴の原因
耳から入った音は、内耳の蝸牛(かぎゅう)という器官にある「有毛細胞」という細胞で振動から電気信号に変換され、脳に伝わることで聞こえるようになります。
しかし、自動車の騒音程度である85dB(デシベル)以上の音を聞く場合、音の大きさと聞いている時間に比例して、有毛細胞が傷つき、壊れてしまいます。有毛細胞が壊れると、音を感じ取りにくくなり、難聴を引き起こします。WHOでは、80dBで1週間当たり40時間以上、90dBで1週間当たり4時間以上聞き続けると、難聴の危険があるとしています[2]。
なお、100dB以上の大音響では急に難聴が生じることもあります。
特にヘッドホンやイヤホンは耳の中に直接音が入るため、周囲に音漏れするほどの大きな音で聞いていたり、長時間聞き続けたりすると、難聴が起こります。
ヘッドホン難聴の治療
有毛細胞が壊れる前であれば、耳の安静を図ることで回復します。そのため、初期には耳栓を使う、定期的に耳を休ませるといった指導が行われます。
大音響などを聞いたあとに急に耳の聞こえが悪くなったときは、突発性難聴の場合と同様に、内服や点滴のステロイド剤による薬物療法が中心になります。血管拡張薬(プロスタグランジンE1製剤)やビタミンB12製剤、代謝促進薬(ATP製剤)などを使うこともあります。
ただし、これらを行っても聴力が十分に改善しないこともあります。
【ヘッドホン難聴の予防】
WHOでは、ヘッドホンやイヤホンで音楽などを聞くときには、耳の健康を守るために、以下のようなことを推奨しています。
・音量を下げたり、連続して聞かずに休憩を挟んだりする
・大きな音を聞く時間を減らす
・騒音下でも音量を上げずに済むように、ぴったりフィットした「ノイズキャンセリング機構」により周囲の騒音をカットできるヘッドホン・イヤホンを使用する
・音量制限や監視機能のついたスマートフォン・ヘッドホンなどを使うか、音量を確認できるアプリなどを使用し、平均80dB未満に抑える | WHOが推奨している、耳の健康を守るためのイヤホン使用時の対策には何がありますか。 | WHOが推奨している、耳の健康を守るためのイヤホン使用時の対策は、音量を下げたり、連続して聞かずに休憩を挟んだりすること、大きな音を聞く時間を減らす こと、騒音下でも音量を上げずに済むように、ぴったりフィットした「ノイズキャンセリング機構」により周囲の騒音をカットできるヘッドホン・イヤホンを使用すること、音量制限や監視機能のついたスマートフォン・ヘッドホンなどを使うか、音量を確認できるアプリなどを使用し、平均80dB未満に抑えることです。 |
JCRRAG_010176 | 医療 | ヘッドホン難聴(イヤホン難聴)について
ヘッドホンやイヤホンを使い、大きな音量で音楽などを聞き続けることにより、音の振動を脳へ伝える役割をしている有毛細胞が徐々に壊れて起こる難聴です。少しずつ進行していくために初期には自覚しにくく、とはいえ失った聴覚は戻りません。大きすぎる音量で聞かない、長時間連続して聞かずに定期的に耳を休ませるなどの予防が重要となります。
ヘッドホン難聴(イヤホン難聴)とは
大きな音にさらされることで起こる難聴を「騒音性難聴」あるいは「音響性難聴(音響外傷)」といいます。騒音性難聴は主に、職場で工場の機械音や工事音などの騒音にさらされることで起こります。一方、音響性難聴は、爆発音あるいはコンサート・ライブ会場などの大音響などにさらされるほか、ヘッドホンやイヤホンで大きな音を聞き続けることによって起こります。後者は「ヘッドホン難聴」あるいは「イヤホン難聴」と呼ばれ、近年、特に問題視されています。
WHO(世界保健機関)では、10億人もの世界の若者たち(12~35歳)が、個人用オーディオ機器、バー、音楽イベント、スポーツイベントなどによる音響性難聴のリスクにさらされているとして警鐘を鳴らしています[1]。
ヘッドホン難聴(イヤホン難聴)は、じわじわと進行し、少しずつ両方の耳の聞こえが悪くなっていくため、初期には難聴を自覚しにくいことが特徴です。他の症状として、耳閉感(耳が詰まった感じ)や耳鳴りを伴う場合があります。重症化すると聴力の回復が難しいため、そのような耳の違和感に気づいたら早めに受診することが大切です。
ヘッドホン難聴の原因
耳から入った音は、内耳の蝸牛(かぎゅう)という器官にある「有毛細胞」という細胞で振動から電気信号に変換され、脳に伝わることで聞こえるようになります。
しかし、自動車の騒音程度である85dB(デシベル)以上の音を聞く場合、音の大きさと聞いている時間に比例して、有毛細胞が傷つき、壊れてしまいます。有毛細胞が壊れると、音を感じ取りにくくなり、難聴を引き起こします。WHOでは、80dBで1週間当たり40時間以上、90dBで1週間当たり4時間以上聞き続けると、難聴の危険があるとしています[2]。
なお、100dB以上の大音響では急に難聴が生じることもあります。
特にヘッドホンやイヤホンは耳の中に直接音が入るため、周囲に音漏れするほどの大きな音で聞いていたり、長時間聞き続けたりすると、難聴が起こります。
ヘッドホン難聴の治療
有毛細胞が壊れる前であれば、耳の安静を図ることで回復します。そのため、初期には耳栓を使う、定期的に耳を休ませるといった指導が行われます。
大音響などを聞いたあとに急に耳の聞こえが悪くなったときは、突発性難聴の場合と同様に、内服や点滴のステロイド剤による薬物療法が中心になります。血管拡張薬(プロスタグランジンE1製剤)やビタミンB12製剤、代謝促進薬(ATP製剤)などを使うこともあります。
ただし、これらを行っても聴力が十分に改善しないこともあります。
【ヘッドホン難聴の予防】
WHOでは、ヘッドホンやイヤホンで音楽などを聞くときには、耳の健康を守るために、以下のようなことを推奨しています。
・音量を下げたり、連続して聞かずに休憩を挟んだりする
・大きな音を聞く時間を減らす
・騒音下でも音量を上げずに済むように、ぴったりフィットした「ノイズキャンセリング機構」により周囲の騒音をカットできるヘッドホン・イヤホンを使用する
・音量制限や監視機能のついたスマートフォン・ヘッドホンなどを使うか、音量を確認できるアプリなどを使用し、平均80dB未満に抑える | ヘッドホンやイヤホンによる難聴はなぜ起こるとされていますか。 | ヘッドホンやイヤホンによる難聴は、有毛細胞が傷つき、壊れてしまうために起こるとされています。 |
JCRRAG_010177 | 医療 | ヘッドホン難聴(イヤホン難聴)について
ヘッドホンやイヤホンを使い、大きな音量で音楽などを聞き続けることにより、音の振動を脳へ伝える役割をしている有毛細胞が徐々に壊れて起こる難聴です。少しずつ進行していくために初期には自覚しにくく、とはいえ失った聴覚は戻りません。大きすぎる音量で聞かない、長時間連続して聞かずに定期的に耳を休ませるなどの予防が重要となります。
ヘッドホン難聴(イヤホン難聴)とは
大きな音にさらされることで起こる難聴を「騒音性難聴」あるいは「音響性難聴(音響外傷)」といいます。騒音性難聴は主に、職場で工場の機械音や工事音などの騒音にさらされることで起こります。一方、音響性難聴は、爆発音あるいはコンサート・ライブ会場などの大音響などにさらされるほか、ヘッドホンやイヤホンで大きな音を聞き続けることによって起こります。後者は「ヘッドホン難聴」あるいは「イヤホン難聴」と呼ばれ、近年、特に問題視されています。
WHO(世界保健機関)では、10億人もの世界の若者たち(12~35歳)が、個人用オーディオ機器、バー、音楽イベント、スポーツイベントなどによる音響性難聴のリスクにさらされているとして警鐘を鳴らしています[1]。
ヘッドホン難聴(イヤホン難聴)は、じわじわと進行し、少しずつ両方の耳の聞こえが悪くなっていくため、初期には難聴を自覚しにくいことが特徴です。他の症状として、耳閉感(耳が詰まった感じ)や耳鳴りを伴う場合があります。重症化すると聴力の回復が難しいため、そのような耳の違和感に気づいたら早めに受診することが大切です。
ヘッドホン難聴の原因
耳から入った音は、内耳の蝸牛(かぎゅう)という器官にある「有毛細胞」という細胞で振動から電気信号に変換され、脳に伝わることで聞こえるようになります。
しかし、自動車の騒音程度である85dB(デシベル)以上の音を聞く場合、音の大きさと聞いている時間に比例して、有毛細胞が傷つき、壊れてしまいます。有毛細胞が壊れると、音を感じ取りにくくなり、難聴を引き起こします。WHOでは、80dBで1週間当たり40時間以上、90dBで1週間当たり4時間以上聞き続けると、難聴の危険があるとしています[2]。
なお、100dB以上の大音響では急に難聴が生じることもあります。
特にヘッドホンやイヤホンは耳の中に直接音が入るため、周囲に音漏れするほどの大きな音で聞いていたり、長時間聞き続けたりすると、難聴が起こります。
ヘッドホン難聴の治療
有毛細胞が壊れる前であれば、耳の安静を図ることで回復します。そのため、初期には耳栓を使う、定期的に耳を休ませるといった指導が行われます。
大音響などを聞いたあとに急に耳の聞こえが悪くなったときは、突発性難聴の場合と同様に、内服や点滴のステロイド剤による薬物療法が中心になります。血管拡張薬(プロスタグランジンE1製剤)やビタミンB12製剤、代謝促進薬(ATP製剤)などを使うこともあります。
ただし、これらを行っても聴力が十分に改善しないこともあります。
【ヘッドホン難聴の予防】
WHOでは、ヘッドホンやイヤホンで音楽などを聞くときには、耳の健康を守るために、以下のようなことを推奨しています。
・音量を下げたり、連続して聞かずに休憩を挟んだりする
・大きな音を聞く時間を減らす
・騒音下でも音量を上げずに済むように、ぴったりフィットした「ノイズキャンセリング機構」により周囲の騒音をカットできるヘッドホン・イヤホンを使用する
・音量制限や監視機能のついたスマートフォン・ヘッドホンなどを使うか、音量を確認できるアプリなどを使用し、平均80dB未満に抑える | 大音響の後に急に耳の聞こえが悪くなったときは、どのような治療が行われますか。 | 大音響の後に急に聴力が低下した場合は、内服や点滴のステロイド剤による薬物療法が中心の治療が行われます。 |
JCRRAG_010178 | 医療 | 若者の健康と喫煙
喫煙開始年齢が早いほど、健康被害が大きく、またニコチン依存も強くなります。このため、成人年齢が18歳に引き下げられても、法的に喫煙できる年齢は20歳が維持されています。また、健康への悪影響が大きい子どもや若者をたばこの煙から守るため、2020年に施行された改正健康増進法では、喫煙できる場所への20歳未満の者の立ち入りが禁止されるなどの対策が講じられました。
若年者の喫煙の健康影響
発育期の細胞は感受性が高いため、発がん性物質の悪影響を受けやすい、あるいは動脈硬化病変を起こしやすいことを示す報告があるほか、未成年の喫煙者で咳、たん、息切れの症状、呼吸機能の低下との因果関係が確認されています[1]。また、国内外の研究から、喫煙開始年齢が早いほど、がんや心血管疾患などたばこに関連する病気になりやすく、早世するリスクが高くなることが明らかになっています[2]。
ニコチン依存度については、習慣的に喫煙を始めた年齢別に見た分析から、若いうちに吸い始めるほど依存度の高い人が多くなるという結果が報告されています[3]。10代から吸い始めた人は20代で吸い始めた人よりも、また20代で吸い始めた人は30代で吸い始めた人よりも、ニコチン依存度の高い人の割合が多くなっています。若いうちに吸い始めた人は、よりたばこをやめにくいと考えられます。
若年者の喫煙行動の形成に関わる要因
未成年者を含む若年者の喫煙行動は、個人的要因と社会的要因の相互作用によって形成されることがわかっています[2]。個人が持っている知識や態度、自らの能力への自信、コミュニケーション・スキル、ストレスの管理能力などの個人的要因だけでなく、家族や友人など周囲の人の喫煙状況、喫煙規制の状況、たばこの入手しやすさなど社会的要因も関連しています。若年者の喫煙を防止するためには、喫煙防止教育により喫煙の健康影響に関する知識や喫煙開始の社会的圧力への気づき・対処能力の習得を図るだけでなく、たばこの価格や広告等の規制など、喫煙防止につながる社会環境づくりが求められています。
成人年齢引き下げ後も喫煙開始は20歳を維持
民法改正により、2022(令和2)年4月1日より成人年齢は18歳に引き下げられました。しかしながら、喫煙・飲酒・ギャンブルに関する年齢制限は、民法の成人規定と連動せず、引き続き20歳という年齢が維持されました[4]。健康への悪影響やニコチン依存症の重症化への懸念が考慮された結果です[4]。
未成年者の喫煙を防ぐ取り組み
20歳未満の者にたばこを販売することは禁止され、販売時の年齢確認等の措置が義務づけられています。自動販売機では成人識別用ICカード「taspo(タスポ)」が、コンビニエンスストアなどでは年齢確認ボタンが導入されてきました[2]。
また、小中高の学校教育においても、保健体育や道徳、総合学習、特別活動などを通じて、喫煙・飲酒・薬物乱用防止に関する指導がなされてきました。喫煙による不良行為少年の補導も大きく減少し、2020(令和2)年では2011(平成23)年の3分の1以下になっています[5]。
健康日本21(第二次)における未成年者喫煙に関する目標とその達成状況
健康日本21(第二次)では、10年間の国民健康づくり運動により生活習慣及び社会環境の改善の取り組みを推進し、喫煙に関する目標の一つとして「2022(令和4)年までに未成年者の喫煙をなくす(0%)」ことが設定され、取り組みが実施されました。その結果、2021(令和3)年の中高生の喫煙率は、中学1年生男子 0.1%、中学1年生女子 0.1%、高校3年生男子 1.0%、高校3年生女子 0.6%となりました。
目標設定時、2010(平成22)年の中高生の喫煙率が、中学1年生男子 1.6%、中学1年生女子 0.9%、高校3年生男子 8.6%、高校3年生女子 3.8%であったのと比較すると、喫煙率0%の目標は達成できなかったものの、中高校生の喫煙率は低下し、特に高校3年生の男女において大きく改善しました[6]。
改正健康増進法における未成年者への受動喫煙防止の対応
令和 2(2020)年に全面施行された受動喫煙を防ぐための健康増進法の改正においても、健康影響が大きい子どもなど20歳未満の者や患者への配慮は検討の大きなポイントになりました。子どもなど20歳未満の人や、患者が多く利用することが想定される施設については、より厳しい対応が求められています。学校、病院・診療所、児童福祉施設、行政機関などは、原則敷地内禁煙となりました。屋内は完全禁煙で、喫煙専用室等を設置することもできません[7]。
また、その他の施設では、喫煙専用室や加熱式たばこ専用喫煙室などが設置できますが、喫煙エリアは、たとえ喫煙を目的としない場合であっても、利用者・従業員ともに20歳未満の立ち入りは禁止となっています。法施行前に既に存在した小規模飲食店では、例外的に店舗全体を喫煙可能な店(喫煙可能店)とすることが認められていますが、その場合も、利用者・従業員ともに20歳未満の立ち入りは禁止となります[7]。
喫煙可能な設備のある施設では、図のような標識の掲示が求められています。20歳未満の立ち入り禁止についても、図記号が用いられています。これらの標識に注意すれば、たばこの煙を避けることができます。
上乗せ条例による未成年者への受動喫煙防止の対応
改正健康増進法に上乗せする条例を策定し、さらに受動喫煙対策を進めようとする自治体もあります。例えば東京都では、子どもの受動喫煙からの保護を一層図るために「東京都子どもを受動喫煙から守る条例」を策定し、家庭や自動車内、公園や学校周辺などで子どもの受動喫煙防止に努めなければならないという努力義務を求めています[9]。
また、保育所や幼稚園、小中学校、高等学校を敷地内全面禁煙とし、屋外の喫煙場所を設けないようにすることを決めている自治体もあります。 | なぜ成人年齢が18歳に引き下げられても喫煙は20歳未満で禁止されているのですか。 | 成人年齢が18歳に引き下げられても喫煙は20歳未満で禁止されている理由は、健康への悪影響やニコチン依存症の重症化への懸念が考慮されているからです。 |
JCRRAG_010179 | 医療 | 若者の健康と喫煙
喫煙開始年齢が早いほど、健康被害が大きく、またニコチン依存も強くなります。このため、成人年齢が18歳に引き下げられても、法的に喫煙できる年齢は20歳が維持されています。また、健康への悪影響が大きい子どもや若者をたばこの煙から守るため、2020年に施行された改正健康増進法では、喫煙できる場所への20歳未満の者の立ち入りが禁止されるなどの対策が講じられました。
若年者の喫煙の健康影響
発育期の細胞は感受性が高いため、発がん性物質の悪影響を受けやすい、あるいは動脈硬化病変を起こしやすいことを示す報告があるほか、未成年の喫煙者で咳、たん、息切れの症状、呼吸機能の低下との因果関係が確認されています[1]。また、国内外の研究から、喫煙開始年齢が早いほど、がんや心血管疾患などたばこに関連する病気になりやすく、早世するリスクが高くなることが明らかになっています[2]。
ニコチン依存度については、習慣的に喫煙を始めた年齢別に見た分析から、若いうちに吸い始めるほど依存度の高い人が多くなるという結果が報告されています[3]。10代から吸い始めた人は20代で吸い始めた人よりも、また20代で吸い始めた人は30代で吸い始めた人よりも、ニコチン依存度の高い人の割合が多くなっています。若いうちに吸い始めた人は、よりたばこをやめにくいと考えられます。
若年者の喫煙行動の形成に関わる要因
未成年者を含む若年者の喫煙行動は、個人的要因と社会的要因の相互作用によって形成されることがわかっています[2]。個人が持っている知識や態度、自らの能力への自信、コミュニケーション・スキル、ストレスの管理能力などの個人的要因だけでなく、家族や友人など周囲の人の喫煙状況、喫煙規制の状況、たばこの入手しやすさなど社会的要因も関連しています。若年者の喫煙を防止するためには、喫煙防止教育により喫煙の健康影響に関する知識や喫煙開始の社会的圧力への気づき・対処能力の習得を図るだけでなく、たばこの価格や広告等の規制など、喫煙防止につながる社会環境づくりが求められています。
成人年齢引き下げ後も喫煙開始は20歳を維持
民法改正により、2022(令和2)年4月1日より成人年齢は18歳に引き下げられました。しかしながら、喫煙・飲酒・ギャンブルに関する年齢制限は、民法の成人規定と連動せず、引き続き20歳という年齢が維持されました[4]。健康への悪影響やニコチン依存症の重症化への懸念が考慮された結果です[4]。
未成年者の喫煙を防ぐ取り組み
20歳未満の者にたばこを販売することは禁止され、販売時の年齢確認等の措置が義務づけられています。自動販売機では成人識別用ICカード「taspo(タスポ)」が、コンビニエンスストアなどでは年齢確認ボタンが導入されてきました[2]。
また、小中高の学校教育においても、保健体育や道徳、総合学習、特別活動などを通じて、喫煙・飲酒・薬物乱用防止に関する指導がなされてきました。喫煙による不良行為少年の補導も大きく減少し、2020(令和2)年では2011(平成23)年の3分の1以下になっています[5]。
健康日本21(第二次)における未成年者喫煙に関する目標とその達成状況
健康日本21(第二次)では、10年間の国民健康づくり運動により生活習慣及び社会環境の改善の取り組みを推進し、喫煙に関する目標の一つとして「2022(令和4)年までに未成年者の喫煙をなくす(0%)」ことが設定され、取り組みが実施されました。その結果、2021(令和3)年の中高生の喫煙率は、中学1年生男子 0.1%、中学1年生女子 0.1%、高校3年生男子 1.0%、高校3年生女子 0.6%となりました。
目標設定時、2010(平成22)年の中高生の喫煙率が、中学1年生男子 1.6%、中学1年生女子 0.9%、高校3年生男子 8.6%、高校3年生女子 3.8%であったのと比較すると、喫煙率0%の目標は達成できなかったものの、中高校生の喫煙率は低下し、特に高校3年生の男女において大きく改善しました[6]。
改正健康増進法における未成年者への受動喫煙防止の対応
令和 2(2020)年に全面施行された受動喫煙を防ぐための健康増進法の改正においても、健康影響が大きい子どもなど20歳未満の者や患者への配慮は検討の大きなポイントになりました。子どもなど20歳未満の人や、患者が多く利用することが想定される施設については、より厳しい対応が求められています。学校、病院・診療所、児童福祉施設、行政機関などは、原則敷地内禁煙となりました。屋内は完全禁煙で、喫煙専用室等を設置することもできません[7]。
また、その他の施設では、喫煙専用室や加熱式たばこ専用喫煙室などが設置できますが、喫煙エリアは、たとえ喫煙を目的としない場合であっても、利用者・従業員ともに20歳未満の立ち入りは禁止となっています。法施行前に既に存在した小規模飲食店では、例外的に店舗全体を喫煙可能な店(喫煙可能店)とすることが認められていますが、その場合も、利用者・従業員ともに20歳未満の立ち入りは禁止となります[7]。
喫煙可能な設備のある施設では、図のような標識の掲示が求められています。20歳未満の立ち入り禁止についても、図記号が用いられています。これらの標識に注意すれば、たばこの煙を避けることができます。
上乗せ条例による未成年者への受動喫煙防止の対応
改正健康増進法に上乗せする条例を策定し、さらに受動喫煙対策を進めようとする自治体もあります。例えば東京都では、子どもの受動喫煙からの保護を一層図るために「東京都子どもを受動喫煙から守る条例」を策定し、家庭や自動車内、公園や学校周辺などで子どもの受動喫煙防止に努めなければならないという努力義務を求めています[9]。
また、保育所や幼稚園、小中学校、高等学校を敷地内全面禁煙とし、屋外の喫煙場所を設けないようにすることを決めている自治体もあります。 | 未成年者の喫煙率を減らすために販売時にどのような措置が講じられてきましたか。 | 未成年者の喫煙率を減らすために取られている措置は、販売時に年齢確認することなどを義務づけています。 |
JCRRAG_010180 | 医療 | 若者の健康と喫煙
喫煙開始年齢が早いほど、健康被害が大きく、またニコチン依存も強くなります。このため、成人年齢が18歳に引き下げられても、法的に喫煙できる年齢は20歳が維持されています。また、健康への悪影響が大きい子どもや若者をたばこの煙から守るため、2020年に施行された改正健康増進法では、喫煙できる場所への20歳未満の者の立ち入りが禁止されるなどの対策が講じられました。
若年者の喫煙の健康影響
発育期の細胞は感受性が高いため、発がん性物質の悪影響を受けやすい、あるいは動脈硬化病変を起こしやすいことを示す報告があるほか、未成年の喫煙者で咳、たん、息切れの症状、呼吸機能の低下との因果関係が確認されています[1]。また、国内外の研究から、喫煙開始年齢が早いほど、がんや心血管疾患などたばこに関連する病気になりやすく、早世するリスクが高くなることが明らかになっています[2]。
ニコチン依存度については、習慣的に喫煙を始めた年齢別に見た分析から、若いうちに吸い始めるほど依存度の高い人が多くなるという結果が報告されています[3]。10代から吸い始めた人は20代で吸い始めた人よりも、また20代で吸い始めた人は30代で吸い始めた人よりも、ニコチン依存度の高い人の割合が多くなっています。若いうちに吸い始めた人は、よりたばこをやめにくいと考えられます。
若年者の喫煙行動の形成に関わる要因
未成年者を含む若年者の喫煙行動は、個人的要因と社会的要因の相互作用によって形成されることがわかっています[2]。個人が持っている知識や態度、自らの能力への自信、コミュニケーション・スキル、ストレスの管理能力などの個人的要因だけでなく、家族や友人など周囲の人の喫煙状況、喫煙規制の状況、たばこの入手しやすさなど社会的要因も関連しています。若年者の喫煙を防止するためには、喫煙防止教育により喫煙の健康影響に関する知識や喫煙開始の社会的圧力への気づき・対処能力の習得を図るだけでなく、たばこの価格や広告等の規制など、喫煙防止につながる社会環境づくりが求められています。
成人年齢引き下げ後も喫煙開始は20歳を維持
民法改正により、2022(令和2)年4月1日より成人年齢は18歳に引き下げられました。しかしながら、喫煙・飲酒・ギャンブルに関する年齢制限は、民法の成人規定と連動せず、引き続き20歳という年齢が維持されました[4]。健康への悪影響やニコチン依存症の重症化への懸念が考慮された結果です[4]。
未成年者の喫煙を防ぐ取り組み
20歳未満の者にたばこを販売することは禁止され、販売時の年齢確認等の措置が義務づけられています。自動販売機では成人識別用ICカード「taspo(タスポ)」が、コンビニエンスストアなどでは年齢確認ボタンが導入されてきました[2]。
また、小中高の学校教育においても、保健体育や道徳、総合学習、特別活動などを通じて、喫煙・飲酒・薬物乱用防止に関する指導がなされてきました。喫煙による不良行為少年の補導も大きく減少し、2020(令和2)年では2011(平成23)年の3分の1以下になっています[5]。
健康日本21(第二次)における未成年者喫煙に関する目標とその達成状況
健康日本21(第二次)では、10年間の国民健康づくり運動により生活習慣及び社会環境の改善の取り組みを推進し、喫煙に関する目標の一つとして「2022(令和4)年までに未成年者の喫煙をなくす(0%)」ことが設定され、取り組みが実施されました。その結果、2021(令和3)年の中高生の喫煙率は、中学1年生男子 0.1%、中学1年生女子 0.1%、高校3年生男子 1.0%、高校3年生女子 0.6%となりました。
目標設定時、2010(平成22)年の中高生の喫煙率が、中学1年生男子 1.6%、中学1年生女子 0.9%、高校3年生男子 8.6%、高校3年生女子 3.8%であったのと比較すると、喫煙率0%の目標は達成できなかったものの、中高校生の喫煙率は低下し、特に高校3年生の男女において大きく改善しました[6]。
改正健康増進法における未成年者への受動喫煙防止の対応
令和 2(2020)年に全面施行された受動喫煙を防ぐための健康増進法の改正においても、健康影響が大きい子どもなど20歳未満の者や患者への配慮は検討の大きなポイントになりました。子どもなど20歳未満の人や、患者が多く利用することが想定される施設については、より厳しい対応が求められています。学校、病院・診療所、児童福祉施設、行政機関などは、原則敷地内禁煙となりました。屋内は完全禁煙で、喫煙専用室等を設置することもできません[7]。
また、その他の施設では、喫煙専用室や加熱式たばこ専用喫煙室などが設置できますが、喫煙エリアは、たとえ喫煙を目的としない場合であっても、利用者・従業員ともに20歳未満の立ち入りは禁止となっています。法施行前に既に存在した小規模飲食店では、例外的に店舗全体を喫煙可能な店(喫煙可能店)とすることが認められていますが、その場合も、利用者・従業員ともに20歳未満の立ち入りは禁止となります[7]。
喫煙可能な設備のある施設では、図のような標識の掲示が求められています。20歳未満の立ち入り禁止についても、図記号が用いられています。これらの標識に注意すれば、たばこの煙を避けることができます。
上乗せ条例による未成年者への受動喫煙防止の対応
改正健康増進法に上乗せする条例を策定し、さらに受動喫煙対策を進めようとする自治体もあります。例えば東京都では、子どもの受動喫煙からの保護を一層図るために「東京都子どもを受動喫煙から守る条例」を策定し、家庭や自動車内、公園や学校周辺などで子どもの受動喫煙防止に努めなければならないという努力義務を求めています[9]。
また、保育所や幼稚園、小中学校、高等学校を敷地内全面禁煙とし、屋外の喫煙場所を設けないようにすることを決めている自治体もあります。 | 若年者の喫煙行動にはどのような要因が関わっているとされていますか。 | 若年者の喫煙行動には、個人が持っている知識や態度、自らの能力への自信、コミュニケーション・スキル、ストレスの管理能力などの個人的要因だけでなく、家族や友人など周囲の人の喫煙状況、喫煙規制の状況、たばこの入手しやすさなど社会的要因も関連しています。 |
JCRRAG_010181 | 医療 | 若者の健康と喫煙
喫煙開始年齢が早いほど、健康被害が大きく、またニコチン依存も強くなります。このため、成人年齢が18歳に引き下げられても、法的に喫煙できる年齢は20歳が維持されています。また、健康への悪影響が大きい子どもや若者をたばこの煙から守るため、2020年に施行された改正健康増進法では、喫煙できる場所への20歳未満の者の立ち入りが禁止されるなどの対策が講じられました。
若年者の喫煙の健康影響
発育期の細胞は感受性が高いため、発がん性物質の悪影響を受けやすい、あるいは動脈硬化病変を起こしやすいことを示す報告があるほか、未成年の喫煙者で咳、たん、息切れの症状、呼吸機能の低下との因果関係が確認されています[1]。また、国内外の研究から、喫煙開始年齢が早いほど、がんや心血管疾患などたばこに関連する病気になりやすく、早世するリスクが高くなることが明らかになっています[2]。
ニコチン依存度については、習慣的に喫煙を始めた年齢別に見た分析から、若いうちに吸い始めるほど依存度の高い人が多くなるという結果が報告されています[3]。10代から吸い始めた人は20代で吸い始めた人よりも、また20代で吸い始めた人は30代で吸い始めた人よりも、ニコチン依存度の高い人の割合が多くなっています。若いうちに吸い始めた人は、よりたばこをやめにくいと考えられます。
若年者の喫煙行動の形成に関わる要因
未成年者を含む若年者の喫煙行動は、個人的要因と社会的要因の相互作用によって形成されることがわかっています[2]。個人が持っている知識や態度、自らの能力への自信、コミュニケーション・スキル、ストレスの管理能力などの個人的要因だけでなく、家族や友人など周囲の人の喫煙状況、喫煙規制の状況、たばこの入手しやすさなど社会的要因も関連しています。若年者の喫煙を防止するためには、喫煙防止教育により喫煙の健康影響に関する知識や喫煙開始の社会的圧力への気づき・対処能力の習得を図るだけでなく、たばこの価格や広告等の規制など、喫煙防止につながる社会環境づくりが求められています。
成人年齢引き下げ後も喫煙開始は20歳を維持
民法改正により、2022(令和2)年4月1日より成人年齢は18歳に引き下げられました。しかしながら、喫煙・飲酒・ギャンブルに関する年齢制限は、民法の成人規定と連動せず、引き続き20歳という年齢が維持されました[4]。健康への悪影響やニコチン依存症の重症化への懸念が考慮された結果です[4]。
未成年者の喫煙を防ぐ取り組み
20歳未満の者にたばこを販売することは禁止され、販売時の年齢確認等の措置が義務づけられています。自動販売機では成人識別用ICカード「taspo(タスポ)」が、コンビニエンスストアなどでは年齢確認ボタンが導入されてきました[2]。
また、小中高の学校教育においても、保健体育や道徳、総合学習、特別活動などを通じて、喫煙・飲酒・薬物乱用防止に関する指導がなされてきました。喫煙による不良行為少年の補導も大きく減少し、2020(令和2)年では2011(平成23)年の3分の1以下になっています[5]。
健康日本21(第二次)における未成年者喫煙に関する目標とその達成状況
健康日本21(第二次)では、10年間の国民健康づくり運動により生活習慣及び社会環境の改善の取り組みを推進し、喫煙に関する目標の一つとして「2022(令和4)年までに未成年者の喫煙をなくす(0%)」ことが設定され、取り組みが実施されました。その結果、2021(令和3)年の中高生の喫煙率は、中学1年生男子 0.1%、中学1年生女子 0.1%、高校3年生男子 1.0%、高校3年生女子 0.6%となりました。
目標設定時、2010(平成22)年の中高生の喫煙率が、中学1年生男子 1.6%、中学1年生女子 0.9%、高校3年生男子 8.6%、高校3年生女子 3.8%であったのと比較すると、喫煙率0%の目標は達成できなかったものの、中高校生の喫煙率は低下し、特に高校3年生の男女において大きく改善しました[6]。
改正健康増進法における未成年者への受動喫煙防止の対応
令和 2(2020)年に全面施行された受動喫煙を防ぐための健康増進法の改正においても、健康影響が大きい子どもなど20歳未満の者や患者への配慮は検討の大きなポイントになりました。子どもなど20歳未満の人や、患者が多く利用することが想定される施設については、より厳しい対応が求められています。学校、病院・診療所、児童福祉施設、行政機関などは、原則敷地内禁煙となりました。屋内は完全禁煙で、喫煙専用室等を設置することもできません[7]。
また、その他の施設では、喫煙専用室や加熱式たばこ専用喫煙室などが設置できますが、喫煙エリアは、たとえ喫煙を目的としない場合であっても、利用者・従業員ともに20歳未満の立ち入りは禁止となっています。法施行前に既に存在した小規模飲食店では、例外的に店舗全体を喫煙可能な店(喫煙可能店)とすることが認められていますが、その場合も、利用者・従業員ともに20歳未満の立ち入りは禁止となります[7]。
喫煙可能な設備のある施設では、図のような標識の掲示が求められています。20歳未満の立ち入り禁止についても、図記号が用いられています。これらの標識に注意すれば、たばこの煙を避けることができます。
上乗せ条例による未成年者への受動喫煙防止の対応
改正健康増進法に上乗せする条例を策定し、さらに受動喫煙対策を進めようとする自治体もあります。例えば東京都では、子どもの受動喫煙からの保護を一層図るために「東京都子どもを受動喫煙から守る条例」を策定し、家庭や自動車内、公園や学校周辺などで子どもの受動喫煙防止に努めなければならないという努力義務を求めています[9]。
また、保育所や幼稚園、小中学校、高等学校を敷地内全面禁煙とし、屋外の喫煙場所を設けないようにすることを決めている自治体もあります。 | 喫煙開始年齢が早いほど、どうなりますか。 | 喫煙開始年齢が早いほど、健康被害が大きく、またニコチン依存も強くなります。 |
JCRRAG_010182 | 医療 | 若者の健康と喫煙
喫煙開始年齢が早いほど、健康被害が大きく、またニコチン依存も強くなります。このため、成人年齢が18歳に引き下げられても、法的に喫煙できる年齢は20歳が維持されています。また、健康への悪影響が大きい子どもや若者をたばこの煙から守るため、2020年に施行された改正健康増進法では、喫煙できる場所への20歳未満の者の立ち入りが禁止されるなどの対策が講じられました。
若年者の喫煙の健康影響
発育期の細胞は感受性が高いため、発がん性物質の悪影響を受けやすい、あるいは動脈硬化病変を起こしやすいことを示す報告があるほか、未成年の喫煙者で咳、たん、息切れの症状、呼吸機能の低下との因果関係が確認されています[1]。また、国内外の研究から、喫煙開始年齢が早いほど、がんや心血管疾患などたばこに関連する病気になりやすく、早世するリスクが高くなることが明らかになっています[2]。
ニコチン依存度については、習慣的に喫煙を始めた年齢別に見た分析から、若いうちに吸い始めるほど依存度の高い人が多くなるという結果が報告されています[3]。10代から吸い始めた人は20代で吸い始めた人よりも、また20代で吸い始めた人は30代で吸い始めた人よりも、ニコチン依存度の高い人の割合が多くなっています。若いうちに吸い始めた人は、よりたばこをやめにくいと考えられます。
若年者の喫煙行動の形成に関わる要因
未成年者を含む若年者の喫煙行動は、個人的要因と社会的要因の相互作用によって形成されることがわかっています[2]。個人が持っている知識や態度、自らの能力への自信、コミュニケーション・スキル、ストレスの管理能力などの個人的要因だけでなく、家族や友人など周囲の人の喫煙状況、喫煙規制の状況、たばこの入手しやすさなど社会的要因も関連しています。若年者の喫煙を防止するためには、喫煙防止教育により喫煙の健康影響に関する知識や喫煙開始の社会的圧力への気づき・対処能力の習得を図るだけでなく、たばこの価格や広告等の規制など、喫煙防止につながる社会環境づくりが求められています。
成人年齢引き下げ後も喫煙開始は20歳を維持
民法改正により、2022(令和2)年4月1日より成人年齢は18歳に引き下げられました。しかしながら、喫煙・飲酒・ギャンブルに関する年齢制限は、民法の成人規定と連動せず、引き続き20歳という年齢が維持されました[4]。健康への悪影響やニコチン依存症の重症化への懸念が考慮された結果です[4]。
未成年者の喫煙を防ぐ取り組み
20歳未満の者にたばこを販売することは禁止され、販売時の年齢確認等の措置が義務づけられています。自動販売機では成人識別用ICカード「taspo(タスポ)」が、コンビニエンスストアなどでは年齢確認ボタンが導入されてきました[2]。
また、小中高の学校教育においても、保健体育や道徳、総合学習、特別活動などを通じて、喫煙・飲酒・薬物乱用防止に関する指導がなされてきました。喫煙による不良行為少年の補導も大きく減少し、2020(令和2)年では2011(平成23)年の3分の1以下になっています[5]。
健康日本21(第二次)における未成年者喫煙に関する目標とその達成状況
健康日本21(第二次)では、10年間の国民健康づくり運動により生活習慣及び社会環境の改善の取り組みを推進し、喫煙に関する目標の一つとして「2022(令和4)年までに未成年者の喫煙をなくす(0%)」ことが設定され、取り組みが実施されました。その結果、2021(令和3)年の中高生の喫煙率は、中学1年生男子 0.1%、中学1年生女子 0.1%、高校3年生男子 1.0%、高校3年生女子 0.6%となりました。
目標設定時、2010(平成22)年の中高生の喫煙率が、中学1年生男子 1.6%、中学1年生女子 0.9%、高校3年生男子 8.6%、高校3年生女子 3.8%であったのと比較すると、喫煙率0%の目標は達成できなかったものの、中高校生の喫煙率は低下し、特に高校3年生の男女において大きく改善しました[6]。
改正健康増進法における未成年者への受動喫煙防止の対応
令和 2(2020)年に全面施行された受動喫煙を防ぐための健康増進法の改正においても、健康影響が大きい子どもなど20歳未満の者や患者への配慮は検討の大きなポイントになりました。子どもなど20歳未満の人や、患者が多く利用することが想定される施設については、より厳しい対応が求められています。学校、病院・診療所、児童福祉施設、行政機関などは、原則敷地内禁煙となりました。屋内は完全禁煙で、喫煙専用室等を設置することもできません[7]。
また、その他の施設では、喫煙専用室や加熱式たばこ専用喫煙室などが設置できますが、喫煙エリアは、たとえ喫煙を目的としない場合であっても、利用者・従業員ともに20歳未満の立ち入りは禁止となっています。法施行前に既に存在した小規模飲食店では、例外的に店舗全体を喫煙可能な店(喫煙可能店)とすることが認められていますが、その場合も、利用者・従業員ともに20歳未満の立ち入りは禁止となります[7]。
喫煙可能な設備のある施設では、図のような標識の掲示が求められています。20歳未満の立ち入り禁止についても、図記号が用いられています。これらの標識に注意すれば、たばこの煙を避けることができます。
上乗せ条例による未成年者への受動喫煙防止の対応
改正健康増進法に上乗せする条例を策定し、さらに受動喫煙対策を進めようとする自治体もあります。例えば東京都では、子どもの受動喫煙からの保護を一層図るために「東京都子どもを受動喫煙から守る条例」を策定し、家庭や自動車内、公園や学校周辺などで子どもの受動喫煙防止に努めなければならないという努力義務を求めています[9]。
また、保育所や幼稚園、小中学校、高等学校を敷地内全面禁煙とし、屋外の喫煙場所を設けないようにすることを決めている自治体もあります。 | 未成年者を含む若年者の喫煙行動は、何の相互作用によって形成されることがわかっていますか。 | 未成年者を含む若年者の喫煙行動は、個人的要因と社会的要因の相互作用によって形成されることがわかっています。 |
JCRRAG_010183 | 金融 | 投資定着に重要な営業現場の機能
NISAは検索ランキングの上位に入ることもあるなど、国民の関心を呼んでいる。その利用も活発であり、今年3月末時点の NISA 口座数は約 2,323 万口座、NISA 開始時からの買い付け合計額は約 41 兆 6,000 億円に達した。新 NISA が開始した年初来3カ月で、口座数は 8.7%増加、買い付け額も 17.4%増加した。買い付け額の増加額(6兆 2,000 億円)は、昨年1年間の増加額を3カ月で超えている。
新たに資産形成に踏み出す人が増えている状況であるからこそ、適切な制度の活用に向けて、いま一度、官民が連携した対応が必要だ。具体的には、次の点を分かりやすく丁寧に周知・広報することが重要である。
まず、利用者においては、
・ それぞれのライフプランやライフステージを踏まえ、どのような資金ニーズが発生するか、それに対してどのような資産形成が必要かをよく考えること
・ 長期・積立・分散投資の意義と同時に、投資にはさまざまなリスクもあること
・ 資産形成に取り組むに当たっては、NISA以外の選択肢も含め、さまざまな方法や制度を適切に組み合わせて活用することこれらの点を、NISA を活用する前提として理解してもらう必要があると考えている。
一方、金融機関においては、
・ 取引の際の顧客ニーズやリスク許容度の確認
・ 提案、販売する商品の特性や注意点等に関する丁寧な説明
・ 販売後のフォローアップ
を通じて、利用者が安心して資産形成に取り組めるよう、顧客本位の業務運営に取り組むことが重要である。
例えば、投資経験が浅いなか、長期・積立・分散投資について理解せずに取引を始めた場合を想定してほしい。この場合、株式市場や為替市場が大きく変動すると不安になり、短期的な視野から慌てて取引してしまうこともあり得る。また、NISA 口座を
開設しようとしたら「ライフプランやニーズを考慮せずに手数料の高い投資信託を勧められた」事例も耳にする。
これらを防ぎ、国民に長期的な投資を定着させるためには、質の高い顧客対応を提供できる金融機関の営業現場の機能が重要である。この機能は、付加価値の高いサービスとなるため、営業体制の強化が必要な金融機関もあるだろう。NISA の仕組みや運用方針等を十分に理解し、顧客のライフプランに応じた商品を勧めることができるようなサービスの提供が重要だが、人材確保等が追い付いていないケースが発生している懸念がある。販売金融機関には関係資格の取得や研修等による人材育成、販売サポートツールの開発、外部人材の登用等も含めて NISAに関する顧客対応の質の向上を図る余地がないかを検討してほしい。
国内市場の魅力向上で好循環を確立
NISA を通じて投資資金が海外に流れており、制度の範囲を国内投資に限定すべきではないかとの意見がある。この点、新 NISA はなるべく多くのニーズに応えられるように設計されており、成長投資枠を通じた上場株式の購入も可能である。実際、今年1月から3月における NISA の投資増加額のうち、約 40%は株式投資が占めており、そのほとんどが国内株式だと見受けられる。
従って、NISA を通じて投資資金がもっぱら海外に流れている様子は現時点で見受けられない。いずれにせよ重要なのは、日本の企業が投資先として魅力的であることと、国内向けインデックス投資の内容を改善することである。このことを避けて、インベストメントチェーンを確立させることには無理がある。国内企業や市場が魅力的になれば、海外からの投資も増加する。
NISAは、一義的には家計における安定的な資産形成の促進を目的とすることに留意しなければならない。特に、つみたて投資枠は分散投資を特徴としている以上、家計の選好の結果として海外への投資が一定程度含まれることは自然だ。ただし、海
外投資には為替リスク等の国内投資にはないリスクもあり、この点について金融機関は、顧客に対して十分に説明し理解を得るよう配慮する必要がある。
重要性が高まる金融リテラシー
前述のとおり NISA の口座数は 2,300 万口座を超えた。日本において NISA 口座を開設できるのは約1億人と推計されるため、対象者の 20%超が NISA 口座を保有している状況である。
このように、国民の投資への関心が高まっている状況にある。しかしながら、金融広報中央委員会が 2022 年に実施した国民の金融リテラシーに関する「金融リテラシー調査」によると、「金融教育を受ける機会はありましたか」との質問に、「受ける機会
があり、自分は受けた」と回答した人の割合は、7.1%に過ぎない。わが国においては、投資が国民にとって身近なものではない状況が長く続いた。今後、各国民がライフプランやライフステージに応じた適切な資産形成を積極的に行うためには、金融リテラシーの向上や信頼できるアドバイザーの確保が重要である。 | NISAは検索ランキングの上位に入ることもあるなど、誰の関心を呼んでいますか。 | NISAは検索ランキングの上位に入ることもあるなど、国民の関心を呼んでいます。 |
JCRRAG_010184 | 金融 | 債券取引の流れを
債券の取引方法と、購入から満期までの流れを覚えるべし!
債券取引の仕組みや、満期を迎えるまでにどのような動きが起こり得るのかを理解し、
債券投資の実践に役立てましょう。
取引所取引と店頭取引
債券の売買取引の方法には、証券取引所で行われる「取引所取引」と、取引所を通さないで証券会社と投資家が相対(あいたい)で取引を行う「店頭取引」の2種類があります。債券売買のほとんどは店頭取引で行われています。店頭取引は相対取引のため、取引する証券会社によって取引価格が異なることがあります。
なお、店頭取引を希望しても、証券会社ですべての銘柄について売買できるわけではありませんので、売買が可能な銘柄かどうか、証券会社へお問い合わせください。
取引所取引とは
証券取引所が債券の注文を集めて売買を成立させる取引方法のことです。証券取引所の会員である証券会社しか取引所取引ができないため、一般の投資家は証券会社に売買を委託して取引を行う必要があります。
債券にはさまざまな商品が存在します。それぞれ適用利率や換金の仕組みが異なるため、目的に応じて商品を選びましょう。
店頭取引とは
証券取引所を通さず、証券会社が自ら売買の相手となる取引方法のことです。取引所取引のように売買注文を1カ所に集約するのではなく、投資家と証券会社が個別に相対の取引を行います。
債券投資にかかる費用
取引所取引と店頭取引では表示価格内容が異なる!
取引所取引の場合、表示されているのは取引価格になるため、取引価格のほかに必要な費用として、売買委託手数料とそれに対する消費税がかかります。
店頭取引の場合、多くは取引の際に必要なコストが表示価格に含まれていますので、別途手数料はかかりません。
債券の違いを知れば適切な運用の道が拓ける!
国債とは
国が発行する債券です。国が元本を保証しており安全性が高いため、利率は事業会社の債券に比べ低くなっています。
個人向け国債
国が発行する個人に限定した債券です。
◎3年 固定金利
適用利率は、「3年固定利付国債」の金利水準に応じて決まります。また、適用利率が0.05%を下回ることはありません(最低金利保証)。適用利率は発行時から満期まで変わらず、利子は半年ごとに年2回支払われます。
◎5年 固定金利
適用利率は、「5年固定利付国債」の金利水準に応じて決まります。また、適用利率が0.05%を下回ることはありません(最低金利保証)。適用利率は発行時から満期まで変わらず、利子は半年ごとに年2回支払われます。
◎10年 変動金利
適用利率は半年ごとに「新規発行時の10年固定利付国債」の金利水準に応じて決まります。適用利率が0.05%を下 回ることはありません(最低金利保証)。利子は半年ごとに年2回支払われます。
個人向け国債は、金融機関に開設された国債の振替口座で管理されるが、金融機関によっては、口座の開設や口座の維持などに手数料が必要な場合があるので、事前に確認が必要じゃぞ。
申し込み 額面1万円から1万円単位
換 金 発行後1年未満は原則として中途換金できません。その後は、一部または全部の中途換金が可能です。ただし、直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685が差し引かれます
リ ス ク 信用リスク
満期を待たずに換金する際には所定の金額が差し引かれるものの、元本割れすることはありません。
新窓販国債 証券会社など 固定金利
多くの金融機関で、募集期間中同じ条件で購入することができる新窓販方式の国債です。満期は2年、5年、10年の固定金利です。適用利
率は満期まで変わらず、半年ごとに利子が支払われます。
個人向け国債とは異なり、満期を待たずに換金するには市場価格で売却することになるため、元本割れする可能性があります。
申し込み 額面5万円から5万円単位 (1申し込み1億円まで)
換 金 金融機関を通じて市場価格での中途換金が可能です
リ ス ク 信用リスク、価格変動リスク | 取引所取引とはなんですか。 | 証券取引所が債券の注文を集めて売買を成立させる取引方法のことです。証券取引所の会員である証券会社しか取引所取引ができないため、一般の投資家は証券会社に売買を委託して取引を行う必要があります。 |
JCRRAG_010185 | 金融 | 1. 金融行政の目標
金融行政の究極的な目標は国民の厚生の最大化に貢献することにある。金融行政の国民の厚生に対する貢献は、経済的な観点からは、企業・経済の持続的成長というフローの面を通じてのものと、国民の安定的な資産形成等というストックの面を通じてのものとが中心となる。
金融庁はその発足の当初、自らの任務を金融システムの安定、利用者の保護、市場の公正性・透明性の確保、の3つであるとしていた。これは、当時、不良債権問題の深刻化、金融機関の経営破綻、様々な法令違反事案が生ずる中、我が国の金融システムや市場に対する信頼を回復することが最優先で求められていたことを背景としている。こうした3つの任務は今後も極めて重要なものだが、これらは金融行政の究極的な目標を実現するための手段であり、究極的な目標の達成のための必要条件ではあっても十分条件ではない。
すなわち、金融システムの安定は極めて重要な目標であるが、これだけを究極的な目標であるかのように追求する結果、金融機関がリスクをとることに対して過度に委縮し、金融仲介機能が十分に発揮されない事態となれば、経済や企業の持続的成長を阻害し、結局は金融システムの安定すら困難にしかねない。金融システムの安定と金融仲介機能の発揮とをバランスをもった形で両立させ、双方の間の好循環の実現を図ることが望ましい。
また、利用者保護のためのルール遵守も当然のことだが、これは最低限のことであって、仮に金融機関においてルールさえ守っていれば十分であるといった考え方が広まれば、利用者の最善の利益に沿った商品・サービスの提供のための努力が十分になされず、国民資産の安定的な形成に資さない結果となる可能性もある。利用者保護と利用者利便が両方実現するよう目指すことが望ましい。
さらに、市場の公正性、透明性の確保も市場が機能するためには不可欠であるが、国際的な市場間競争が激しくなる中で、我が国の市場が活力のない市場に留まるならば、企業の資本調達にも国民の資産形成にも十分な役割は果たせない。世界中から情報が集まり、優れた市場仲介者や資産運用業者が集積し、利用者にさまざまな機会を提供できる市場を目指す必要がある。市場の公正・透明と市場の活力とを両方実現するよう努めることが望ましい。
「企業・経済の持続的成長と安定的な資産形成等による国民の厚生の増大」という究極的な目標を達成するためには、①金融システムの安定と金融仲介機能の発揮の両立、②利用者保護と利用者利便の両立、③市場の公正性・透明性と市場の活力の両立を目指すべきである。①~③を金融行政の基本的な目標と位置づけることができる。 | 金融行政の究極的な目標はなんですか。 | 金融行政の究極的な目標は国民の厚生の最大化に貢献することにある。 |
JCRRAG_010186 | 金融 | 「金融リテラシー」って何?私たちは、毎日の生活の中で、「モノやサービスを買う」「給料を受け取る」「お金を貯める」又は「お金を借りる」など、様々な形でお金に関わって暮らしています。お金に関する知識や判断力=「金融リテラシー」は、私たちが社会の中で経済的に自立し、より良い生活を送っていくために欠かすことのできないものです。ここでは最低限身に付けておきたい金融リテラシーについて解説します。
また、令和6年(2024年)4月にスタートした金融経済教育推進機構(J-FLEC)についても紹介します。 最低限身に付けておきたいお金の知識と判断力
1「金融リテラシー」って何?
「金融リテラシー」とは、経済的に自立し、より良い生活を送るために必要なお金に関する知識や判断力のことです。
金融リテラシーと聞くと難しく感じるかもしれませんが、私たちはこどもの頃からお金の使い方を学ぶ機会があります。例えば、おこづかいやお年玉をもらうときに「無駄づかいをしないように」「お金はよく考えて使いなさい」などと言われた人は多いのではないでしょうか。あるいは今、おこづかいをあげる立場になって、こどもたちに同じようなことを伝えている人も少なくないでしょう。
また、大人になるにつれて、一人暮らしや結婚といったライフイベント、思いがけない病気やトラブル、車や住宅など大きな額の出費やローン、保険契約、さらに投資や貯蓄といった様々な場面で、金融や経済に関する詳細な情報や知識に基づいた判断力が必要とされる機会が増えていきます。
そのような場面で適切に判断を行うためにも、金融リテラシーを育むことはとても重要なのです。
2「金融リテラシー」「金融経済教育」はなぜ必要?
金融リテラシーを身に付けるための教育が「金融経済教育」です。国民一人ひとりが、社会で生きていくために必要な金融やその背景となる経済についての基礎知識を高めていくことを目的としています。
近年は投資詐欺や悪徳商法といった昔ながらの詐欺のほか、SNSや偽メール、偽サイトを経由したフィッシング詐欺など手口も多様化し、低年齢の被害者も増えています。また、クレジットカード以外にも電子マネーなどの新たな決済手段のほか、暗号資産(仮想通貨)といったデジタル通貨も普及し、実際に現金を扱わないままお金のやりとりができてしまうことなどから、金融リテラシーの必要性はより高まっています。
令和4年(2022年)から成人年齢が18歳に引き下げられたことに伴い、保護者の同意がなくてもクレジットカードを作ったり、ローンが組めたりするようになったことなどから、高校の授業で金融経済教育が拡充されました。なお、同年に金融広報中央委員会が実施した「金融リテラシー調査」では、金融経済教育を受けたと認識している人の金融に関する設問の正答率は高く、金融経済教育の必要性と成果が表れています。
このように、金融リテラシーが高いと、
家計管理がしっかりしている。
計画を立ててお金を準備しているので、やりたいことを実現しやすい。
緊急時の備えがあるので、危機(自身のケガや病気、不景気による収入減など)に強い。
詐欺や多重債務などの金融トラブルにあうことが少ない。
経済的に自立し、より良い暮らしを送ることができる。
などの利点があるのです。
3最低限身に付けておきたい「金融リテラシー」
金融経済教育の在り方について検討を行っている金融庁の「金融経済教育研究会」では、4分野・15項目の「最低限身に付けるべき金融リテラシー」を次のように挙げています。
最低限身に付けるべき金融リテラシー
分野1. 家計管理
(1)適切な収支管理(赤字解消・黒字確保)を習慣にすること。
分野2. 生活設計
(2)ライフプラン(人生設計)を明確にすること。
分野3. 金融と経済の基礎知識と、金融商品を選ぶスキル
【金融取引の基本としての素養】
(3)契約をするとき、契約にかかる基本的な姿勢(契約書をよく読む、相手方や日付・金額・支払い条件などが明記されているかを確認、不明点があれば確認するなど)を習慣にすること。
(4)情報の入手先や契約の相手方である業者が信頼できるかどうかを必ず確認すること。
(5)インターネット取引の利点と注意点を理解すること。
【金融分野共通】
(6)金融と経済の基礎知識(単利・複利などの金利、インフレ、デフレ、為替、リスク・リターンなど)や金融経済情勢に応じた金融商品の利用選択について理解すること。
(7)取引の実質的なコスト(価格、手数料)について把握することの重要性を理解すること。
【保険商品】
(8)自分にとって保険でカバーしたい事態(死亡、病気、火災など)が何かを考えること。
(9)カバーすべき事態が起きたとき、必要になる金額を考えること。
【ローン・クレジット】
(10)住宅ローンを組む際の留意点を理解すること。
ア.無理のない借入限度額の設定、返済計画を立てることの重要性
イ.返済を難しくさせる事態に備えることの重要性
(11)無計画・無謀なカードローン・クレジットカードなどの利用を行わないことを習慣にすること。
【資産形成商品】
(12)高いリターンを得ようとする場合には、より高いリスクを伴うことを理解すること。
(13)資産形成における分散(運用資産の分散、投資時期の分散)の効果を理解すること。
(14)資産形成における長期運用の効果を理解すること。
分野4. 外部の知見の適切な活用
(15)金融商品を利用するに当たり、外部の知見を適切に活用する必要性を理解すること。 | 金融経済教育の成果を教えてください。 | 令和4年(2022年)から成人年齢が18歳に引き下げられたことに伴い、保護者の同意がなくてもクレジットカードを作ったり、ローンが組めたりするようになったことなどから、高校の授業で金融経済教育が拡充されました。なお、同年に金融広報中央委員会が実施した「金融リテラシー調査」では、金融経済教育を受けたと認識している人の金融に関する設問の正答率は高く、金融経済教育の必要性と成果が表れています。 |
JCRRAG_010187 | 金融 | 1. 金融行政の目標
金融行政の究極的な目標は国民の厚生の最大化に貢献することにある。金融行政の国民の厚生に対する貢献は、経済的な観点からは、企業・経済の持続的成長というフローの面を通じてのものと、国民の安定的な資産形成等というストックの面を通じてのものとが中心となる。
金融庁はその発足の当初、自らの任務を金融システムの安定、利用者の保護、市場の公正性・透明性の確保、の3つであるとしていた。これは、当時、不良債権問題の深刻化、金融機関の経営破綻、様々な法令違反事案が生ずる中、我が国の金融システムや市場に対する信頼を回復することが最優先で求められていたことを背景としている。こうした3つの任務は今後も極めて重要なものだが、これらは金融行政の究極的な目標を実現するための手段であり、究極的な目標の達成のための必要条件ではあっても十分条件ではない。
すなわち、金融システムの安定は極めて重要な目標であるが、これだけを究極的な目標であるかのように追求する結果、金融機関がリスクをとることに対して過度に委縮し、金融仲介機能が十分に発揮されない事態となれば、経済や企業の持続的成長を阻害し、結局は金融システムの安定すら困難にしかねない。金融システムの安定と金融仲介機能の発揮とをバランスをもった形で両立させ、双方の間の好循環の実現を図ることが望ましい。
また、利用者保護のためのルール遵守も当然のことだが、これは最低限のことであって、仮に金融機関においてルールさえ守っていれば十分であるといった考え方が広まれば、利用者の最善の利益に沿った商品・サービスの提供のための努力が十分になされず、国民資産の安定的な形成に資さない結果となる可能性もある。利用者保護と利用者利便が両方実現するよう目指すことが望ましい。
さらに、市場の公正性、透明性の確保も市場が機能するためには不可欠であるが、国際的な市場間競争が激しくなる中で、我が国の市場が活力のない市場に留まるならば、企業の資本調達にも国民の資産形成にも十分な役割は果たせない。世界中から情報が集まり、優れた市場仲介者や資産運用業者が集積し、利用者にさまざまな機会を提供できる市場を目指す必要がある。市場の公正・透明と市場の活力とを両方実現するよう努めることが望ましい。
「企業・経済の持続的成長と安定的な資産形成等による国民の厚生の増大」という究極的な目標を達成するためには、①金融システムの安定と金融仲介機能の発揮の両立、②利用者保護と利用者利便の両立、③市場の公正性・透明性と市場の活力の両立を目指すべきである。①~③を金融行政の基本的な目標と位置づけることができる。 | 金融庁はその発足の当初、自らの任務を金融システムの安定、利用者の保護、市場の公正性・透明性の確保、の3つであるとしていたのはなぜか。 | 不良債権問題の深刻化、金融機関の経営破綻、様々な法令違反事案が生ずる中、我が国の金融システムや市場に対する信頼を回復することが最優先で求められていたことを背景としている。 |
JCRRAG_010188 | 金融 | (1)家計の安定的な資産形成の支援
① 新しいNISAの適切な活用促進 2024年1月から新しいNISAが開始され、3月末時点の総口座数は2,323万口座(1月から3月で198万口座増)、総買付額は41兆円(同6兆円増)となる等、NISAは国民の安定的な資産形成の手段の1つとして受け入れられつつある。引き続き、より幅広い層の安定的な資産形成を支援するため、金融業界や金融経済教育推進機構(J-FLEC6)とも連携しつつ、長期・積立・分散投資の重要性を踏まえ、個々人のライフプランやライフステージに応じた資産形成、及び、その一環としてのNISAの適切な活用を促す。また、NISAの手続のさらなる簡素化・合理化に取り組む。 | 新しいNISAはいつ開始されましたか。 | 新しいNISAは 2024年1月から開始されました。 |
JCRRAG_010189 | 金融 | (銀行業務全体での規模の経済性)銀行業務には、例えば大口の貸出案件に関する審査やモニタリング、債権回収といった業務のように情報技術革新の恩恵を受けにくい分野がある一方、情報技術革新によって規模の経済性のメリットに浴する分野もある(例えば決済サービス)。こうした中で、銀行業務全体でみると、最適規模はどのように変化しているのであろうか。80年代後半から90年代初に行われた(80年代のデータを使用した)初期の研究では、銀行の総資産に対する平均可変費用関数は、比較的緩やかなU字型となり、平均可変費用が最小となる規模は、総資産1億ドル~100億ドルの中小規模行であり、それよりも規模が大きくなれば平均可変費用が上昇する(規模の不経済)とのコンセンサスが得られていた。これに対し、Berger and Mester[1997]は、90年~95年のデータを使用し、100億ドル~250億ドルが銀行の平均可変費用を最小にする規模であると計測している。このことは、90年代入り後、規模の経済性の高まりを映じて、銀行の最適規模が拡大していることを示唆している。 | Berger and Mesterは、何年のデータを使用し、100億ドル~250億ドルが銀行の平均可変費用を最小にする規模であると計測していますか。 | Berger and Mesterは、90年~95年のデータを使用し、100億ドル~250億ドルが銀行の平均可変費用を最小にする規模であると計測しています。 |
JCRRAG_010190 | 金融 | 国際金融の新体制と米国の経済的覇権
1944年、アメリカのブレトン=ウッズで国際会議が開かれ、国際金融の新体制の構想が決まりました。
大戦後、会議の協定に基づいて次の諸機関・制度が成立しました。
1945年12月、国際通貨基金 (IMF)
国際的な為替の安定を 目指して設立された、国際連合 の専門機関
1945年12月、国際復興開発銀行 (世界銀行 、IBRD)
第二次 世界大戦後の復興と後進国開発を目指して設立された、国際連合の専門機関
1947年10月、関税と貿易に関する一般協定 (GATT)
関税やその他の貿易障壁を取り除き、自由 貿易を促進する目的で結ばれた協定
1995年、この協定を発展させて世界貿易機関(WTO)が発足
新体制では、金1オンス(約31.1グラム)=35ドルと定められ、ドルと各国通貨の交換比率が固定されました。
この体制はブレトン=ウッズ体制 と呼ばれ、ドル を国際通貨制度の中心である基軸通貨としました。
ブレトン=ウッズ体制
アメリカが保有する世界の7割の金を基盤とする金本位制
敗戦国の戦後処理
ドイツ
連合国の占領
1945年、ポツダム協定
ポツダム会談で決定された協定
①アメリカ・イギリス・フランス・ソ連の 4国によってドイツと旧首都ベルリンの分割占領
②民主化の徹底
戦争犯罪の追及
ニュルンベルク に国際軍事裁判所が設置され、ドイツの指導者を対象に、戦争犯罪を裁く世界史上はじめての裁判が開かれました。
オーストリア
1938年にドイツに併合されたオーストリアは、米・英・仏・ソの4国によって分割占領されました 。
1955年、4国と国家条約が結ばれ、中立国として独立を回復しました。
イタリア
1947年、パリ講和条約
イタリアが海外領土を放棄
日本
アメリカ軍の占領
日本は、降伏の決定打を与えたアメリカ軍による事実上の単独占領となりました。
軍隊の解散・女性解放・農地改革・教育改革などの民主的改革が実施されました。
1946年、主権在民(国民主権)をうたった 日本国憲法が公布
戦争犯罪の追及
極東国際軍事裁判 が東京で開かれ、日本の指導者の戦争犯罪が裁かれました。
アメリカ・西欧-共産党・ソ連への警戒
フランス・イタリアでは、共産党が第二次世界大戦中に抵抗運動で活躍したことで支持を得ました。
また、東欧諸国やバルカン諸国では、第二次世界大戦中にソ連による解放がおこなわれ、親ソ政権が樹立しました。
共産党への支持、親ソ政権の樹立は、アメリカなどの資本主義国から警戒されました。
例えば、次の人物たちが共産党やソ連への警戒を表明しました。
1946年、イギリス前首相チャーチル
親ソ政権がバルト海からアドリア海まで列をなす状況を、ソ連が西側の資本主義国に対して「鉄のカーテン」を下ろしていると表現して批判
1947年、アメリカ大統領トルーマン
ギリシアとトルコへの援助をおこない 、共産主義の拡大を封じ込める政策トルーマン=ドクトリン を宣言
1947年、アメリカ国務長官マーシャル
ヨーロッパの共産主義化を防止するために、ヨーロッパの経済復興援助計画マーシャル=プラン を発表
ソ連や東欧諸国は援助受入れを拒否し 、対抗としてコミンフォルム を組織したので、東西ヨーロッパの分裂が表面化
ソ連・東欧-結束による抵抗
1947年、ソ連・東欧諸国の共産党は、マーシャル=プランに対抗して、情報交換機関であるコミンフォルム (共産党情報局)を結成しました。 | 関税やその他の貿易障壁を取り除き、自由 貿易を促進する目的で結ばれた協定は何年に締結された何という協定ですか。 | 関税やその他の貿易障壁を取り除き、自由 貿易を促進する目的で結ばれた協定1947年10月に締結された、関税と貿易に関する一般協定 (GATT)です。 |
JCRRAG_010191 | 金融 | (1)家計の安定的な資産形成の支援
① 新しいNISAの適切な活用促進 2024年1月から新しいNISAが開始され、3月末時点の総口座数は2,323万口座(1月から3月で198万口座増)、総買付額は41兆円(同6兆円増)となる等、NISAは国民の安定的な資産形成の手段の1つとして受け入れられつつある。引き続き、より幅広い層の安定的な資産形成を支援するため、金融業界や金融経済教育推進機構(J-FLEC6)とも連携しつつ、長期・積立・分散投資の重要性を踏まえ、個々人のライフプランやライフステージに応じた資産形成、及び、その一環としてのNISAの適切な活用を促す。また、NISAの手続のさらなる簡素化・合理化に取り組む。 | 2024年3月末時点の新しいNISAの総口座数はどれくらいですか。 | 2024年3月末時点の新しいNISAの総口座数は2,323万口座です。 |
JCRRAG_010192 | 金融 | 資産所得倍増プラン 1.基本的考え方 〇岸田政権では、「新しい資本主義」の実現に向けた取組を進めている。「新しい資本主義」を資金の流れで見ると、企業部門に蓄積された325兆円の現預金を、人・スタートアップ・GX・DXといった重要分野への投資につなげ、成長を後押しすると共に、我が国の家計に眠る現預金を投資につなげ、家計の勤労所得に加え金融資産所得も増やしていくことが重要である。 〇我が国の家計金融資産2,000兆円は、半分以上がリターンの少ない現預金で保有されており、年金・保険等を通じた間接保有を含めても、株式・投資信託・債券に投資をしているのは244兆円、投資家数は約2,000万人にとどまる。1 他方、米国や英国では、中間層でも気軽に上場株式・投資信託に投資できる環境が整備されており、米国では20年間で家計金融資産が3.4倍、英国では2.3倍になっているが、我が国では1.4倍に留まっているのは、こうした投資環境の違いが背景にある。 | 我が国での家計金融資産は20年間でどのような推移となっているか。 | 我が国での家計金融資産は20年間で1.4倍になっています。 |
JCRRAG_010193 | 金融 | ①NISA 制度の恒久化 ○現在、NISAは一般NISA(一人当たり120万/年、5年間非課税)とつみたてNISA(一人当たり40万円/年、20年間非課税)が成年向けの制度として存在する。 ○2014 年に時限措置として一般NISAの制度が開始され、その後、2018年につみたてNISA の制度が導入された。当初、一般NISAは2023年までの投資可能期間の期限が設定され、つみたてNISAは2037年までの投資可能期間の期限が設定されていた。現在では、2024年に一般NISAが見直され、2028年までの投資可能期間の期限を設定した新NISAに変更される予定となっている。また、つみたてNISAは投資可能期間の期限が延長され、2042年までの期限が設定されている。 | つみたてNISA の制度が導入されたのは何年ですか。 | つみたてNISA の制度が導入されたのは2018年です。 |
JCRRAG_010194 | 金融 | 5.第二の柱:加入可能年齢の引上げなどiDeCo制度の改革 <iDeCo 制度の改革> 〇iDeCo(individual-type Defined Contribution pension plan、個人型確定拠出年金)制度は、個人が加入し、加入者が自ら定めた掛金額を拠出・運用するものであり、原則 60 歳以降に、掛金とその運用益の合計額をもとに給付額が決定し、給付を受ける制度である。 ○iDeCo には3つの税制優遇が存在する。①掛金の拠出について全額所得控除される。②運用益も非課税で再投資される。③受け取る時も税制優遇措置がある。一時金として受け取る場合には「退職所得控除」、年金の場合は「公的年金等控除」の控除を受けることができる。 ○こうした優遇措置を有するiDeCo制度は豊かな老後生活に向けた資産形成の手段として幅広い世代に活用されており、アンケート調査によれば、iDeCoの加入者を保有資産別に見ると、100万円-500万円の層の活用が多くまた、20 歳代の iDeCo 加入者は iDeCo の利用をきっかけとして資産運用を開始した割合が5割となるなど、中間層を中心とする層で活用され、家計の資産所得の増加に貢献している。 | iDeCoの加入者を保有資産別に見ると、どの層の活用が多いですか。 | iDeCoの加入者を保有資産別に見ると、100万円-500万円の層の活用が多いです。 |
JCRRAG_010195 | 金融 | ①iDeCo の加入可能年齢の引上げ ○iDeCo の加入には国民年金被保険者である必要があり、iDeCo の加入可能年齢については、①第1号被保険者(自営業者等)は 60 歳未満、②第2号被保険者(会社員・公務員等)は 65 歳未満、③第3号被保険者(専業主婦(夫))は60 歳未満、④任意加入被保険者:保険料納付済期間等が480月未満の者は任意加入が可能(65歳未満)となっており、違いがある。 ○そこで、働き方改革によって、高年齢者の就業確保措置の企業の努力義務が70 歳まで伸びていること等を踏まえ、iDeCo の加入可能年齢を 70歳に引き上げる。このため、2024年の公的年金の財政検証に併せて、所要の法制上の措置を講じる。
②iDeCo の拠出限度額の引上げ及び受給開始年齢の上限の引上げ ○現在のiDeCoの拠出限度額は、第1号被保険者(自営業者等)は月額6.8万円、第2号被保険者(会社員・公務員等)のうち企業年金ありの者は月額12.2万円、企業年金なしの者は2.3万円、第3号被保険者(専業主婦(夫))は月額2.3万円となっている。 | 第3号被保険者(専業主婦(夫))の現在のiDeCoの拠出限度額は月額いくらですか。 | 第3号被保険者(専業主婦(夫))の現在のiDeCoの拠出限度額は月額2.3万円となっています。 |
JCRRAG_010196 | 金融 | 第三の柱:消費者に対して中立的で信頼できるアドバイスの提供を促すための仕組みの創設 <消費者に対して中立的で信頼できるアドバイスの提供を促すための仕組みの創設> ○アンケート調査では、消費者のうち、証券投資の必要性を感じないと思う割合が7割を占めている。理由としては、「損をする可能性がある」が4割、「 金融や投資に関する知識を持っていない」「ギャンブルのようなもの」という認識がそれぞれ3割あり、知識不足に伴う懸念が大きいことが示唆される。○金融機関も情報提供を担っているが、証券会社のイメージについてのアンケートでは、「敷居が高い」(42.1%)、「あまり信頼できない」(27.9%)、「勧誘がしつこい」(15.2%)といった声が多い。 ○他方で、「あなたの立場に立ってアドバイスしてくれたり、手続きをサポートしてくれる人がいたら、リスク性金融商品を購入したいと思うか」というアンケートに対し、20 歳代で5割、30 歳代で4割、全体平均では 25%程度が 「購入したいと思う」と回答している。○このように、消費者の知識不足を補完し、他方で、消費者が信頼をすることができる中立的なアドバイザーが求められている。 | 証券会社のイメージについてのアンケートでは、どのような声が多いですか。 | 証券会社のイメージについてのアンケートでは、「敷居が高い」(42.1%)、「あまり信頼できない」(27.9%)、「勧誘がしつこい」(15.2%)といった声が多いです。 |
JCRRAG_010197 | 金融 | 元本1,000万円までと破綻日までの利息などが保護されます。
預金保険制度とは、万が一、金融機関が破綻した場合に、預金者等の保護や資金決済の確保を図ることによって、信用秩序を維持することを目的にした制度です。
この制度によって、万が一、金融機関が破綻した場合に、利息のつく普通預金、定期預金、定期積金、元本補てん契約のある金銭信託、金融債(保護預り専用商品に限る)などについては、1金融機関につき預金者1人当たり「元本1,000万円までと破綻日までの利息等」が保護されます。
なお、預金者が預金保険の対象金融機関に預金をすると、預金保険法に基づき、預金者、金融機関及び預金保険機構の間で自動的に保険関係が成立します。このため、預金者自身が預金保険加入の手続きを行う必要はありません。 | 預金保険制度とは、どのような制度ですか。 | 預金保険制度とは、万が一、金融機関が破綻した場合に、預金者等の保護や資金決済の確保を図ることによって、信用秩序を維持することを目的にした制度です。 |
JCRRAG_010198 | 金融 | 元本1,000万円までと破綻日までの利息などが保護されます。
預金保険制度とは、万が一、金融機関が破綻した場合に、預金者等の保護や資金決済の確保を図ることによって、信用秩序を維持することを目的にした制度です。
この制度によって、万が一、金融機関が破綻した場合に、利息のつく普通預金、定期預金、定期積金、元本補てん契約のある金銭信託、金融債(保護預り専用商品に限る)などについては、1金融機関につき預金者1人当たり「元本1,000万円までと破綻日までの利息等」が保護されます。
なお、預金者が預金保険の対象金融機関に預金をすると、預金保険法に基づき、預金者、金融機関及び預金保険機構の間で自動的に保険関係が成立します。このため、預金者自身が預金保険加入の手続きを行う必要はありません。 | 預金保険制度により、金融機関が破綻した場合に、利息のつく普通預金、定期預金、定期積金、元本補てん契約のある金銭信託、金融債(保護預り専用商品に限る)などについては、どのような対応がなされますか。 | 預金保険制度により、金融機関が破綻した場合に、利息のつく普通預金、定期預金、定期積金、元本補てん契約のある金銭信託、金融債(保護預り専用商品に限る)などについては、1金融機関につき預金者1人当たり「元本1,000万円までと破綻日までの利息等」が保護されます。 |
JCRRAG_010199 | 金融 | 1,000万円を超えた預金はどうなるの。
破綻した金融機関の財産の状況に応じて支払われるため、
一部カットされることがあります。
預金保険で保護される預金(付保預金)以外の「決済用預金以外の元本1,000万円を超える部分とその利息等」及び「預金保険の対象外の預金等」については、破綻した金融機関の財産の状況に応じて支払われるため、一部カットされる可能性があります。
払戻し時期については、裁判所の関与により法的に処理が進められ、後日、他の債権者と同様に公平・公正な支払いが行われますので、「早い者勝ち」となることは決して無く、金融機関へ慌てて駆けつける必要はありません。
なお、名寄せの結果、1人の預金者が、決済用預金以外の保護対象預金を複数持っており、それらの預金の元本の合計額が1,000万円を超える場合には、預金保険法で定められた次の優先順位により、保護対象預金を特定します。
担保権の目的となっていないもの
弁済期(満期)の早いもの
弁済期(満期)が同じ預金等が複数ある場合は、金利の低いもの
金利が同じ預金等が複数ある場合等は、預金保険機構が指定するもの
担保権の目的となっているものが複数ある場合は、預金保険機構が指定するもの
また、一般に弁済等が行われるまでには時間を要することから、預金者等の利便性を確保することを目的に、預金保険機構が、付保預金以外の預金等債権を買い取る制度があります。具体的に預金保険機構が、預金者等の請求に基づいて、対象となる預金等債権に破綻金融機関の破産配当見込額等を考慮の上決定する一定の率(概算払率)を乗じた金額で買い取るもので、請求された預金者にこの金額を支払うものです。これを概算払といいます。 | 預金保険機構が、預金者等の請求に基づいて、対象となる預金等債権に破綻金融機関の破産配当見込額等を考慮の上決定する一定の率(概算払率)を乗じた金額で買い取るもので、請求された預金者にこの金額を支払うものを何と言いますか。 | 預金保険機構が、預金者等の請求に基づいて、対象となる預金等債権に破綻金融機関の破産配当見込額等を考慮の上決定する一定の率(概算払率)を乗じた金額で買い取るもので、請求された預金者にこの金額を支払うものを概算払といいます。 |
JCRRAG_010200 | 金融 | (2) 中長期的な目標規模
中長期的な目標規模については、我が国における金融監督の強化、金融システムの安定性が維持されている現状や過去の経緯も踏まえると、次のように幾つかの考え方があり得る。
① 関係者の一部からは、過去の欠損金の最大額が約4兆円(平成14年度末)であったことも踏まえ、4兆円程度が一つの目安となり得る旨の提案がされている(これは平成14年度当時の対象預金等の約0.6%に当たる)。
② 一般勘定が欠損状態となるのを回避するために、過去の金融危機前(平成6年度末)に責任準備金がどの程度必要であったかを考えた場合、約4.9兆円(平成6年度末責任準備金約0.9兆円+欠損金のピーク額4兆円)必要だったと算定できることを踏まえると、5兆円程度の規模は目指すべきとも考えられる15(これは平成6年度当時の対象預金等の約0.9%に当たる)。
③ 平成7~15年度に生じた金融機関の破綻に係る保険金支払コスト内の資金援助は約7.3兆円となり、こうした破綻が仮に一度に生じても欠損状態とならないことを考慮して、長期的には7兆円程度を目標とすべきとの考え方もある(これは平成7~15年度の対象預金等の平均額の約1.2%に当たる)。 関係者の一部からは、今後、責任準備金を過去の金融危機に対処できる規模まで積み立てる必要はないとの見方も示されているが、金融システムの安定性は、金融監督や預金保険制度等のセーフティネットの強化等の政策の適切な組合せにより向上させていく必要があると考えられる。
なお、いずれにしても仮に危機対応措置がとられた場合には、金融機関からは預金保険料とは別途、事後的に負担金を徴収することとなり得る。 | 金融システムの安定性は、どのように向上させていく必要があると考えられますか。 | 金融システムの安定性は、金融監督や預金保険制度等のセーフティネットの強化等の政策の適切な組合せにより向上させていく必要があると考えらます。 |
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