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JCRRAG_011301
社内規定
作成のポイント●5 人事異動・出向等 規 定 例 第11条(人事異動・出向等) 会社は、業務の都合により、従業員に対して職場若しくは職務の変更、転勤、出向等その他人事上の異動を命ずることがある。 2 前項の人事異動を命じられた従業員は、正当な理由なくこれを拒むことはできない。 1.人事異動の意味と種類 企業が従業員の効率的な人員配置を目指した場合に、人事異動が考慮されます。 人事異動には、配置転換や転勤など企業内において職務の種類、地位、勤務場所を変更させる場合と出向、転籍、派遣のように企業間を異動させる場合の二つがあります。 「配置転換」は、同一の企業内での異動であり、勤務地が変わらず職務内容を変更する場合と勤務地が変わる場合があります。後者を「転勤」と呼んでいます。 「出向」は、企業間の異動のことをいいますが、これは、労働者の雇用先の企業(出向元)に籍を置いたまま、他の企業の事業所(出向先)に勤務する「在籍出向」と、雇用先の企業から他の企業へ籍を移して勤務する「移籍出向」に分けられます。「在籍出向」の場合は、労働者は、出向元及び出向先と二重の労働契約を締結していることになります。 「出向」とは、「出向元との何らかの労働関係を保ちながら、出向先との間において新たな労働契約関係に基づき相当期間継続的に勤務する形態(昭61.6.6基発第333号)」ですので、「在籍出向」と「移籍出向」では、使用者の法的責任が異なってきます。運用する場合、両者の取扱は区別しなければなりません。 「移籍出向」は「転籍」とも呼ばれています。「転籍」は、元の雇用先(転籍元)との雇用関係を終了させ、新しい雇用先(転籍先)の企業との雇用関係が成立することから、賃金、労働時間、休暇等の労働条件は転籍先のものに従うことになります。 「在籍出向」は、労働時間、休暇等の労働条件は出向先の企業の条件(出向先の就業規則)に従い、給与等は出向元の企業が支払うことが一般的です。ただし、すべての労働条件について出向元あるいは出向先のどちらか一方のものを適用するという出向契約もあれば、出向先の企業が基本的な給与を支払い、出向元が出向前の給与との差額を補填して支払う場合などもあり、これらについては出向元と出向先との取り決め(企業間の出向契約)ということになります。なお、退職や定年、解雇など出向労働者の身分に関する事項については出向元の労働条件(出向元の就業規則)を適用することが多いようです。 「派遣」は、派遣元で雇用する従業員を、派遣先の指揮命令を受けて派遣先で労働させることをいい、労働者派遣法(略称)に基づいて「事業」として行われるものです。 2.人事異動の根拠条文の記載 人事異動には、様々な形態がありますので、会社の中でどのような人事異動が行われるのかを就業規則に記載しておくことになります。そして、入社の際に、労働契約書又は就業規則に人事異動の応諾義務を明示して、包括的に異動について同意を得ておくことが必要です。しかし、この時点では人事異動後の詳細な労働条件を定めることは難しいでしょうから、細かい労働条件などは人事異動の発令時に、個別に労働契約書等で明示することになるでしょう。 3.人事異動の命令が権利の濫用にならないための配慮 規定例には、「人事異動を命じられた従業員は、正当な理由なくこれを拒むことはできない。」と記載しています。 これを、逆に解しますと「従業員は、正当な理由があれば拒むことはできる」ということになります。 従業員が命令を拒むことができる正当な理由には、育児や介護、家族の事情や本人の健康の問題など様々なものが考えられますが、就業規則に具体的な理由を例示列挙しておくことも、労使双方トラブル防止のために有益と考えます。しかし、理由のすべてを詳細に網羅することはなかなか困難ですので、労使双方で信頼関係を持って、誠実に、その理由に配慮しながら判断することが必要になります。 労使間のトラブルを避けるために配慮すべきことは次のとおりです。(東亜ペイント事件:最高裁第二小法廷判決昭和61.7.14他参考) ①労働協約あるいは就業規則に、業務の都合により転勤命令がある旨の定めがあるか、また、勤務地限定の労働契約上の合意はないか。職務内容限定、勤務地限定というようにあらかじめ条件をつけて採用している従業員に配置転換等の人事異動を命ずる場合には、同意を得ることが必要になります。 ②業務上の必要性があるか、すなわち、労働力の適正配置、業務の能率増進、労働者の能力開発、 勤務意欲の高揚等の目的をもっているかということであり、不当な動機や目的をもった命令は問題があります。 ③人選の基準が合理的であること。 ④通常の労働者が甘受すべき程度の不利益であること。 ⑤配転を命ずる実施手続きに相当性があるか、また、対象者を納得させるよう説明をつくしたか。 4.人事異動において従業員の同意が必要な場合とは 前述のとおり、就業規則に業務の必要により人事異動を命ずる旨の記載があれば、従業員の包括的合意があったものと解釈されることについて、すべての人事異動がこれに該当するかといいますと多少無理があります。 大幅に労働条件が引き下げられるような在籍出向や会社(使用者)が変更されてしまう移籍出向(転籍)は、詳細な個別の労働条件を明示した上で対象労働者から同意を得ることが必要でしょう。また、派遣については、派遣従業員であることの個別の同意をとることが法令上(派遣法第32条第2項)で義務づけられています。 よって、これらの人事異動が想定されるのであれば、就業規則にその旨の記載が検討されることになります。 5.その他の検討事項 ・人事異動を命じられた従業員について、業務の引き継ぎをスムーズに行わせるための規定の記載の検討 ・人事異動後における賃金等の労働条件が変更になる場合は、その旨の手続と労働契約の締結についての記載の検討 ・人事異動(配置・昇進)の発令にあたり、性別による差別的取り扱いをしないことや間接差別の禁止、そして、妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いを禁止することなどの記載の検討
移籍出向させた社員の労働条件は出向元の就業規則に従うことになるのか。
「移籍出向」は「転籍」とも呼ばれています。「転籍」は、元の雇用先(転籍元)との雇用関係を終了させ、新しい雇用先(転籍先)の企業との雇用関係が成立することから、賃金、労働時間、休暇等の労働条件は転籍先のものに従うことになります。
JCRRAG_011302
社内規定
作成のポイント●5 人事異動・出向等 規 定 例 第11条(人事異動・出向等) 会社は、業務の都合により、従業員に対して職場若しくは職務の変更、転勤、出向等その他人事上の異動を命ずることがある。 2 前項の人事異動を命じられた従業員は、正当な理由なくこれを拒むことはできない。 1.人事異動の意味と種類 企業が従業員の効率的な人員配置を目指した場合に、人事異動が考慮されます。 人事異動には、配置転換や転勤など企業内において職務の種類、地位、勤務場所を変更させる場合と出向、転籍、派遣のように企業間を異動させる場合の二つがあります。 「配置転換」は、同一の企業内での異動であり、勤務地が変わらず職務内容を変更する場合と勤務地が変わる場合があります。後者を「転勤」と呼んでいます。 「出向」は、企業間の異動のことをいいますが、これは、労働者の雇用先の企業(出向元)に籍を置いたまま、他の企業の事業所(出向先)に勤務する「在籍出向」と、雇用先の企業から他の企業へ籍を移して勤務する「移籍出向」に分けられます。「在籍出向」の場合は、労働者は、出向元及び出向先と二重の労働契約を締結していることになります。 「出向」とは、「出向元との何らかの労働関係を保ちながら、出向先との間において新たな労働契約関係に基づき相当期間継続的に勤務する形態(昭61.6.6基発第333号)」ですので、「在籍出向」と「移籍出向」では、使用者の法的責任が異なってきます。運用する場合、両者の取扱は区別しなければなりません。 「移籍出向」は「転籍」とも呼ばれています。「転籍」は、元の雇用先(転籍元)との雇用関係を終了させ、新しい雇用先(転籍先)の企業との雇用関係が成立することから、賃金、労働時間、休暇等の労働条件は転籍先のものに従うことになります。 「在籍出向」は、労働時間、休暇等の労働条件は出向先の企業の条件(出向先の就業規則)に従い、給与等は出向元の企業が支払うことが一般的です。ただし、すべての労働条件について出向元あるいは出向先のどちらか一方のものを適用するという出向契約もあれば、出向先の企業が基本的な給与を支払い、出向元が出向前の給与との差額を補填して支払う場合などもあり、これらについては出向元と出向先との取り決め(企業間の出向契約)ということになります。なお、退職や定年、解雇など出向労働者の身分に関する事項については出向元の労働条件(出向元の就業規則)を適用することが多いようです。 「派遣」は、派遣元で雇用する従業員を、派遣先の指揮命令を受けて派遣先で労働させることをいい、労働者派遣法(略称)に基づいて「事業」として行われるものです。 2.人事異動の根拠条文の記載 人事異動には、様々な形態がありますので、会社の中でどのような人事異動が行われるのかを就業規則に記載しておくことになります。そして、入社の際に、労働契約書又は就業規則に人事異動の応諾義務を明示して、包括的に異動について同意を得ておくことが必要です。しかし、この時点では人事異動後の詳細な労働条件を定めることは難しいでしょうから、細かい労働条件などは人事異動の発令時に、個別に労働契約書等で明示することになるでしょう。 3.人事異動の命令が権利の濫用にならないための配慮 規定例には、「人事異動を命じられた従業員は、正当な理由なくこれを拒むことはできない。」と記載しています。 これを、逆に解しますと「従業員は、正当な理由があれば拒むことはできる」ということになります。 従業員が命令を拒むことができる正当な理由には、育児や介護、家族の事情や本人の健康の問題など様々なものが考えられますが、就業規則に具体的な理由を例示列挙しておくことも、労使双方トラブル防止のために有益と考えます。しかし、理由のすべてを詳細に網羅することはなかなか困難ですので、労使双方で信頼関係を持って、誠実に、その理由に配慮しながら判断することが必要になります。 労使間のトラブルを避けるために配慮すべきことは次のとおりです。(東亜ペイント事件:最高裁第二小法廷判決昭和61.7.14他参考) ①労働協約あるいは就業規則に、業務の都合により転勤命令がある旨の定めがあるか、また、勤務地限定の労働契約上の合意はないか。職務内容限定、勤務地限定というようにあらかじめ条件をつけて採用している従業員に配置転換等の人事異動を命ずる場合には、同意を得ることが必要になります。 ②業務上の必要性があるか、すなわち、労働力の適正配置、業務の能率増進、労働者の能力開発、 勤務意欲の高揚等の目的をもっているかということであり、不当な動機や目的をもった命令は問題があります。 ③人選の基準が合理的であること。 ④通常の労働者が甘受すべき程度の不利益であること。 ⑤配転を命ずる実施手続きに相当性があるか、また、対象者を納得させるよう説明をつくしたか。 4.人事異動において従業員の同意が必要な場合とは 前述のとおり、就業規則に業務の必要により人事異動を命ずる旨の記載があれば、従業員の包括的合意があったものと解釈されることについて、すべての人事異動がこれに該当するかといいますと多少無理があります。 大幅に労働条件が引き下げられるような在籍出向や会社(使用者)が変更されてしまう移籍出向(転籍)は、詳細な個別の労働条件を明示した上で対象労働者から同意を得ることが必要でしょう。また、派遣については、派遣従業員であることの個別の同意をとることが法令上(派遣法第32条第2項)で義務づけられています。 よって、これらの人事異動が想定されるのであれば、就業規則にその旨の記載が検討されることになります。 5.その他の検討事項 ・人事異動を命じられた従業員について、業務の引き継ぎをスムーズに行わせるための規定の記載の検討 ・人事異動後における賃金等の労働条件が変更になる場合は、その旨の手続と労働契約の締結についての記載の検討 ・人事異動(配置・昇進)の発令にあたり、性別による差別的取り扱いをしないことや間接差別の禁止、そして、妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いを禁止することなどの記載の検討
在籍出向させた社員の労働条件は出向元の就業規則に従うことになるのか。
「在籍出向」は、労働時間、休暇等の労働条件は出向先の企業の条件(出向先の就業規則)に従い、給与等は出向元の企業が支払うことが一般的です。
JCRRAG_011303
社内規定
作成のポイント●5 人事異動・出向等 規 定 例 第11条(人事異動・出向等) 会社は、業務の都合により、従業員に対して職場若しくは職務の変更、転勤、出向等その他人事上の異動を命ずることがある。 2 前項の人事異動を命じられた従業員は、正当な理由なくこれを拒むことはできない。 1.人事異動の意味と種類 企業が従業員の効率的な人員配置を目指した場合に、人事異動が考慮されます。 人事異動には、配置転換や転勤など企業内において職務の種類、地位、勤務場所を変更させる場合と出向、転籍、派遣のように企業間を異動させる場合の二つがあります。 「配置転換」は、同一の企業内での異動であり、勤務地が変わらず職務内容を変更する場合と勤務地が変わる場合があります。後者を「転勤」と呼んでいます。 「出向」は、企業間の異動のことをいいますが、これは、労働者の雇用先の企業(出向元)に籍を置いたまま、他の企業の事業所(出向先)に勤務する「在籍出向」と、雇用先の企業から他の企業へ籍を移して勤務する「移籍出向」に分けられます。「在籍出向」の場合は、労働者は、出向元及び出向先と二重の労働契約を締結していることになります。 「出向」とは、「出向元との何らかの労働関係を保ちながら、出向先との間において新たな労働契約関係に基づき相当期間継続的に勤務する形態(昭61.6.6基発第333号)」ですので、「在籍出向」と「移籍出向」では、使用者の法的責任が異なってきます。運用する場合、両者の取扱は区別しなければなりません。 「移籍出向」は「転籍」とも呼ばれています。「転籍」は、元の雇用先(転籍元)との雇用関係を終了させ、新しい雇用先(転籍先)の企業との雇用関係が成立することから、賃金、労働時間、休暇等の労働条件は転籍先のものに従うことになります。 「在籍出向」は、労働時間、休暇等の労働条件は出向先の企業の条件(出向先の就業規則)に従い、給与等は出向元の企業が支払うことが一般的です。ただし、すべての労働条件について出向元あるいは出向先のどちらか一方のものを適用するという出向契約もあれば、出向先の企業が基本的な給与を支払い、出向元が出向前の給与との差額を補填して支払う場合などもあり、これらについては出向元と出向先との取り決め(企業間の出向契約)ということになります。なお、退職や定年、解雇など出向労働者の身分に関する事項については出向元の労働条件(出向元の就業規則)を適用することが多いようです。 「派遣」は、派遣元で雇用する従業員を、派遣先の指揮命令を受けて派遣先で労働させることをいい、労働者派遣法(略称)に基づいて「事業」として行われるものです。 2.人事異動の根拠条文の記載 人事異動には、様々な形態がありますので、会社の中でどのような人事異動が行われるのかを就業規則に記載しておくことになります。そして、入社の際に、労働契約書又は就業規則に人事異動の応諾義務を明示して、包括的に異動について同意を得ておくことが必要です。しかし、この時点では人事異動後の詳細な労働条件を定めることは難しいでしょうから、細かい労働条件などは人事異動の発令時に、個別に労働契約書等で明示することになるでしょう。 3.人事異動の命令が権利の濫用にならないための配慮 規定例には、「人事異動を命じられた従業員は、正当な理由なくこれを拒むことはできない。」と記載しています。 これを、逆に解しますと「従業員は、正当な理由があれば拒むことはできる」ということになります。 従業員が命令を拒むことができる正当な理由には、育児や介護、家族の事情や本人の健康の問題など様々なものが考えられますが、就業規則に具体的な理由を例示列挙しておくことも、労使双方トラブル防止のために有益と考えます。しかし、理由のすべてを詳細に網羅することはなかなか困難ですので、労使双方で信頼関係を持って、誠実に、その理由に配慮しながら判断することが必要になります。 労使間のトラブルを避けるために配慮すべきことは次のとおりです。(東亜ペイント事件:最高裁第二小法廷判決昭和61.7.14他参考) ①労働協約あるいは就業規則に、業務の都合により転勤命令がある旨の定めがあるか、また、勤務地限定の労働契約上の合意はないか。職務内容限定、勤務地限定というようにあらかじめ条件をつけて採用している従業員に配置転換等の人事異動を命ずる場合には、同意を得ることが必要になります。 ②業務上の必要性があるか、すなわち、労働力の適正配置、業務の能率増進、労働者の能力開発、 勤務意欲の高揚等の目的をもっているかということであり、不当な動機や目的をもった命令は問題があります。 ③人選の基準が合理的であること。 ④通常の労働者が甘受すべき程度の不利益であること。 ⑤配転を命ずる実施手続きに相当性があるか、また、対象者を納得させるよう説明をつくしたか。 4.人事異動において従業員の同意が必要な場合とは 前述のとおり、就業規則に業務の必要により人事異動を命ずる旨の記載があれば、従業員の包括的合意があったものと解釈されることについて、すべての人事異動がこれに該当するかといいますと多少無理があります。 大幅に労働条件が引き下げられるような在籍出向や会社(使用者)が変更されてしまう移籍出向(転籍)は、詳細な個別の労働条件を明示した上で対象労働者から同意を得ることが必要でしょう。また、派遣については、派遣従業員であることの個別の同意をとることが法令上(派遣法第32条第2項)で義務づけられています。 よって、これらの人事異動が想定されるのであれば、就業規則にその旨の記載が検討されることになります。 5.その他の検討事項 ・人事異動を命じられた従業員について、業務の引き継ぎをスムーズに行わせるための規定の記載の検討 ・人事異動後における賃金等の労働条件が変更になる場合は、その旨の手続と労働契約の締結についての記載の検討 ・人事異動(配置・昇進)の発令にあたり、性別による差別的取り扱いをしないことや間接差別の禁止、そして、妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いを禁止することなどの記載の検討
人事異動が想定される場合、記載が検討される就業規則とはなにか。
人事異動には、様々な形態がありますので、会社の中でどのような人事異動が行われるのかを就業規則に記載しておくことになります。そして、入社の際に、労働契約書又は就業規則に人事異動の応諾義務を明示して、包括的に異動について同意を得ておくことが必要です。
JCRRAG_011304
社内規定
第 3 章 服務規律 <本章の規定> 服務規律は、就業規則において職場の規律を保持する大切な規定であり、労働条件を定める条項と並んで重要な柱の一つといえます。 労働基準法に基づく記載事項の性格としては、相対的必要記載事項(定めをする場合に記載しなければならない事項)です。 労働者は、会社と労働契約を締結することにより、労務提供義務を負うとともにこれに付随して、 ①職務専念義務(就業時間中は職務にのみ従事し他の活動は行わないこと) ②企業秩序遵守義務(就業時間中は施設の内外を問わず企業の正当な利益を侵害してはならないこと) ③使用者の施設管理権に服する義務(企業の施設内では使用者の定める施設管理に関する規則に従うこと) を負うものとされています。よって、就業規則には、これらの義務を具体的に、服務心得、訓辞事項、禁止事項などに区分して記載することになります。 服務に関する基本的な心得や一般的に遵守すべき基本原則は、業種・業態に応じて、また、その企業の労務管理の考え方により、一定の範囲のものを従業員にわかりやすく規定しておくことが必要です。 特に企業が重要な服務規律と考えた事項は、単独条文として独立して記載したり、就業規則への記載と併せて、ルールブックやマニュアル化をして、別規程にして詳細を定めることも考えられます。例えば、「セクシュアルハラスメント防止規程」「パワーハラスメント禁止規程」「秘密保持規程」「個人情報保護規程」「インサイダー取引禁止規程」「不正アクセス防止規程」「兼業禁止の規程」「内部通報制度規程」などです。 なお、服務規律の規定に違反する行為は懲戒処分の対象とすることができますが、具体的な処分内容は、就業規則の懲戒・制裁の条項に従って行うことになります。 作成のポイント●6 出勤・退勤 規 定 例 第14条(出勤・退勤) 従業員は、始業時刻前に出勤し、始業時刻には業務を開始し、終業時刻まで業務を行わなければならない。 1.出勤と退勤の定義 前記の就業規則規定例では、「始業時刻前に出勤し、始業時刻には業務を開始する」と定めています。 例えば、事務職であった場合に、始業時刻を会社の入口に着いた時刻とするか、タイムカードを打刻した時間とするか、又は実際にデスクに座ったときにするかなどについては、就業規則の定めなど、労務提供の場所・態様に関連した労働契約上の合意に委ねられますが、労働時間は、労働者が使用者の指揮監督の下にある時間(拘束時間)から休憩時間を除いた実労働時間のことをいうため、実質的に使用者の指揮監督の下にある時間は労働時間と扱う必要があります。 判例にも、労働契約上の労働時間の起算点は業務の開始時間をもってとらえるべきであり、タイムカードを打刻した行為は業務にはあたらないとしたものもあります。退勤も同じ考えで、タイムカードを打刻した時点が終業ではなく、業務を終了した時点が終業ですので、退勤はその後の行為になると考えられます。 タイムカードを打刻した時点を始業(出勤)とし、タイムカードを打刻した時点を終業(退勤)と任意に定めることは差し支えありませんが、解釈について労使の疑義が生じないように、就業規則に出勤(始業)と退勤(終業)の定義を記載することが必要になります。 作成のポイント●7 セクシュアルハラスメントの禁止 規 定 例 第17条(セクシュアルハラスメントの禁止) 従業員は、他人の職務を妨害し、又は職場の風紀秩序を乱す行為をしてはならない。 2 他の従業員の業務に支障を与えるような性的関心を示したり、性的な行為をしてはならない。 3 むやみに他の従業員の身体に接触したりすることや職場での性的な言動によって不快な思いをさせるようなことをしてはならない。 4 他の従業員に対し、職務上の地位を利用して、交際を強要したり、性的関係を強要してはならない。 1.対価型(地位利用型)セクハラと環境型セクハラ 「対価型(地位利用型)セクハラ」とは、労働者の意に反する性的な言動に対する労働者の対応(拒否や抵抗)により、その労働者が解雇、降格、減給等(労働契約の更新拒否、昇進・昇格の対象からの除外、客観的に見て不利益な配置転換等)の不利益を受けることです。 「環境型セクハラ」とは、労働者の意に反する性的な言動により労働者の就業環境が不快なものとなったため、能力の発揮に重大な悪影響が生じる等その労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じることです。 2.職場におけるセクシュアルハラスメント対策の重要性 職場におけるセクシュアルハラスメントは、労働者としての個人の尊厳を不当に傷つける社会的に許されない行為であるとともに、労働者の能力の有効な発揮を妨げることになります。企業にとっても、職場秩序や業務の遂行を阻害し労働生産性を低下させ、ときに社会的評価に影響を与える問題となります。また、セクシュアルハラスメントは、刑事上の責任(例:強制わいせつ罪(刑法第176条)、暴行罪(同法第208条)・傷害罪(同法第204条)、名誉毀損罪(同法第230条)等)を問われるのみでなく、被害者の人格権を侵害する不法行為(民事上の責任・民法第709条(不法行為)、同法第715条(使用者の責任))等となりうることもあります。 そして、加害者への制裁のみならず、相談窓口担当者や経営担当者が、セクシュアルハラスメントが発生したことに対して適切な対応や対策をしなかった場合には、事業主ほかの使用者への責任を認定した裁判例も多く見られます。 3.男女雇用機会均等法におけるセクハラ防止規定 男女雇用機会均等法は、セクシュアルハラスメント対策として雇用管理上必要な措置を講ずることを事業主に義務づけています。講ずべき措置は以下のとおりです。 ①セクハラの内容やセクハラがあってはならない旨の方針、セクハラの行為者についての対処方針・対処内容を明確にして労働者に周知すること ②相談や苦情に応じ、適切に対処するための体制を整備すること ③実際に相談があった場合に迅速・適切な対応をすること ④相談者等のプライバシー保護のために必要な措置を講じ周知すること、 相談したこと等を理由として不利益取扱いがあってはならないと定め労働者に周知すること そして、セクシュアルハラスメントに関する労働者と事業主の間の紛争は、均等法に基づく「都道府県労働局長による紛争解決援助制度(均等法第17条)」及び「機会均等調停会議による調停(均等法第18条)」の対象になります。 4.その他の検討事項 ・懲戒処分及び懲罰委員会との関連についての記載の検討 ・「セクシュアルハラスメント防止規程(マニュアル)」の作成の検討
服務規律の規定に違反する行為はどのように処分できるのか。
服務規律の規定に違反する行為は懲戒処分の対象とすることができますが、具体的な処分内容は、就業規則の懲戒・制裁の条項に従って行うことになります。
JCRRAG_011305
社内規定
第 3 章 服務規律 <本章の規定> 服務規律は、就業規則において職場の規律を保持する大切な規定であり、労働条件を定める条項と並んで重要な柱の一つといえます。 労働基準法に基づく記載事項の性格としては、相対的必要記載事項(定めをする場合に記載しなければならない事項)です。 労働者は、会社と労働契約を締結することにより、労務提供義務を負うとともにこれに付随して、 ①職務専念義務(就業時間中は職務にのみ従事し他の活動は行わないこと) ②企業秩序遵守義務(就業時間中は施設の内外を問わず企業の正当な利益を侵害してはならないこと) ③使用者の施設管理権に服する義務(企業の施設内では使用者の定める施設管理に関する規則に従うこと) を負うものとされています。よって、就業規則には、これらの義務を具体的に、服務心得、訓辞事項、禁止事項などに区分して記載することになります。 服務に関する基本的な心得や一般的に遵守すべき基本原則は、業種・業態に応じて、また、その企業の労務管理の考え方により、一定の範囲のものを従業員にわかりやすく規定しておくことが必要です。 特に企業が重要な服務規律と考えた事項は、単独条文として独立して記載したり、就業規則への記載と併せて、ルールブックやマニュアル化をして、別規程にして詳細を定めることも考えられます。例えば、「セクシュアルハラスメント防止規程」「パワーハラスメント禁止規程」「秘密保持規程」「個人情報保護規程」「インサイダー取引禁止規程」「不正アクセス防止規程」「兼業禁止の規程」「内部通報制度規程」などです。 なお、服務規律の規定に違反する行為は懲戒処分の対象とすることができますが、具体的な処分内容は、就業規則の懲戒・制裁の条項に従って行うことになります。 作成のポイント●6 出勤・退勤 規 定 例 第14条(出勤・退勤) 従業員は、始業時刻前に出勤し、始業時刻には業務を開始し、終業時刻まで業務を行わなければならない。 1.出勤と退勤の定義 前記の就業規則規定例では、「始業時刻前に出勤し、始業時刻には業務を開始する」と定めています。 例えば、事務職であった場合に、始業時刻を会社の入口に着いた時刻とするか、タイムカードを打刻した時間とするか、又は実際にデスクに座ったときにするかなどについては、就業規則の定めなど、労務提供の場所・態様に関連した労働契約上の合意に委ねられますが、労働時間は、労働者が使用者の指揮監督の下にある時間(拘束時間)から休憩時間を除いた実労働時間のことをいうため、実質的に使用者の指揮監督の下にある時間は労働時間と扱う必要があります。 判例にも、労働契約上の労働時間の起算点は業務の開始時間をもってとらえるべきであり、タイムカードを打刻した行為は業務にはあたらないとしたものもあります。退勤も同じ考えで、タイムカードを打刻した時点が終業ではなく、業務を終了した時点が終業ですので、退勤はその後の行為になると考えられます。 タイムカードを打刻した時点を始業(出勤)とし、タイムカードを打刻した時点を終業(退勤)と任意に定めることは差し支えありませんが、解釈について労使の疑義が生じないように、就業規則に出勤(始業)と退勤(終業)の定義を記載することが必要になります。 作成のポイント●7 セクシュアルハラスメントの禁止 規 定 例 第17条(セクシュアルハラスメントの禁止) 従業員は、他人の職務を妨害し、又は職場の風紀秩序を乱す行為をしてはならない。 2 他の従業員の業務に支障を与えるような性的関心を示したり、性的な行為をしてはならない。 3 むやみに他の従業員の身体に接触したりすることや職場での性的な言動によって不快な思いをさせるようなことをしてはならない。 4 他の従業員に対し、職務上の地位を利用して、交際を強要したり、性的関係を強要してはならない。 1.対価型(地位利用型)セクハラと環境型セクハラ 「対価型(地位利用型)セクハラ」とは、労働者の意に反する性的な言動に対する労働者の対応(拒否や抵抗)により、その労働者が解雇、降格、減給等(労働契約の更新拒否、昇進・昇格の対象からの除外、客観的に見て不利益な配置転換等)の不利益を受けることです。 「環境型セクハラ」とは、労働者の意に反する性的な言動により労働者の就業環境が不快なものとなったため、能力の発揮に重大な悪影響が生じる等その労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じることです。 2.職場におけるセクシュアルハラスメント対策の重要性 職場におけるセクシュアルハラスメントは、労働者としての個人の尊厳を不当に傷つける社会的に許されない行為であるとともに、労働者の能力の有効な発揮を妨げることになります。企業にとっても、職場秩序や業務の遂行を阻害し労働生産性を低下させ、ときに社会的評価に影響を与える問題となります。また、セクシュアルハラスメントは、刑事上の責任(例:強制わいせつ罪(刑法第176条)、暴行罪(同法第208条)・傷害罪(同法第204条)、名誉毀損罪(同法第230条)等)を問われるのみでなく、被害者の人格権を侵害する不法行為(民事上の責任・民法第709条(不法行為)、同法第715条(使用者の責任))等となりうることもあります。 そして、加害者への制裁のみならず、相談窓口担当者や経営担当者が、セクシュアルハラスメントが発生したことに対して適切な対応や対策をしなかった場合には、事業主ほかの使用者への責任を認定した裁判例も多く見られます。 3.男女雇用機会均等法におけるセクハラ防止規定 男女雇用機会均等法は、セクシュアルハラスメント対策として雇用管理上必要な措置を講ずることを事業主に義務づけています。講ずべき措置は以下のとおりです。 ①セクハラの内容やセクハラがあってはならない旨の方針、セクハラの行為者についての対処方針・対処内容を明確にして労働者に周知すること ②相談や苦情に応じ、適切に対処するための体制を整備すること ③実際に相談があった場合に迅速・適切な対応をすること ④相談者等のプライバシー保護のために必要な措置を講じ周知すること、 相談したこと等を理由として不利益取扱いがあってはならないと定め労働者に周知すること そして、セクシュアルハラスメントに関する労働者と事業主の間の紛争は、均等法に基づく「都道府県労働局長による紛争解決援助制度(均等法第17条)」及び「機会均等調停会議による調停(均等法第18条)」の対象になります。 4.その他の検討事項 ・懲戒処分及び懲罰委員会との関連についての記載の検討 ・「セクシュアルハラスメント防止規程(マニュアル)」の作成の検討
就業規則に出勤(始業)と退勤(終業)の定義を記載する必要があるか。
タイムカードを打刻した時点を始業(出勤)とし、タイムカードを打刻した時点を終業(退勤)と任意に定めることは差し支えありませんが、解釈について労使の疑義が生じないように、就業規則に出勤(始業)と退勤(終業)の定義を記載することが必要になります。
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社内規定
作成のポイント●9 パソコン・携帯電話利用(私用禁止) 規 定 例 第19条(パソコン・携帯電話利用(私用禁止))従業員は、パソコン及び業務用携帯電話を悪用し、又は私事に私用してはならない。 1.パソコン・携帯電話の私的利用の考え方 パソコン(インターネット)や携帯電話は、今日では効率的な業務運営に欠かせないツールになっていますが、便利なツールであるがゆえに従業員に私的な利用が行われることが懸念されます。よって、私的利用の制限や管理方法など取り扱いについて就業規則に定めておくことが検討されます。 2.パソコンの私的利用の禁止と防止対策 まず、就業規則への記載又はパソコン管理規程の作成により、インターネット・電子メールの私的利用を禁止する規定について検討します。この際に、私的利用を全面的に禁止するのか、又は業務に支障の無い範囲で一部の私的利用を認めるのか、を決めます。 私的利用の防止対策として、 ①モニタリング(監視)する、 ②WEBサイトの閲覧を制限する、 ③インターネットが利用できるパソコンを制限する、 ④履歴を保存する、 ⑤職場の責任者に管理を任せる、 などの方法が 考えられますので、就業規則等に記載しておくとよいでしょう。ただし、モニタリング(監視)の実施にあたっては、従業員に対して、実施理由、実施時間帯、収集される情報等を事前に通知すると共に、個人情報保護に関する権利を侵害しないように、説明等の配慮をする必要があります。 3.携帯電話の業務上使用に関する取り扱い 携帯電話は今やビジネスユースとして欠くことのできないツールです。ビジネスで使用する携帯電話は、会社名義の携帯電話を使用している企業が圧倒的に多いようですが、中には個人所有の携帯電話の業務上の使用を認めている企業も見られます。 個人所有の携帯電話の業務上の使用を認めている企業においては、通話料の費用補助を行うのか否か、そして、費用補助を行うのであれば金額はどの程度か、ということが労働条件となりますので、就業規則への記載が必要になります。 また、会社名義の携帯電話を従業員に貸与する場合は、常時携帯させている例が一般的と思いますので、私用電話をいかに防ぐかということが企業の関心事になります。これを防ぐには、「使用明細書を電話会社から取り寄せること」や「自己申告させて個人負担させる」などの対策が考えられます。この点が不明確ですと、誤解や労使トラブルの原因になりかねませんので、就業規則等にきちんと規定しておくとよいでしょう。 4.パソコン・携帯電話の不正使用に対する懲戒処分の考え方 パソコン・携帯電話の不正使用には、 ①アダルトサイト等の閲覧、 ②私的メールの多用、 ③私的文書の作成、 ④会社貸与の携帯電話の頻繁な私的利用、 ⑤社内機密データの持ち出し、 公開などがあります。これらのケースが起きた場合に、どのような措置(処分)を行うかを就業規則等に記載しておくことになります。 記載にあたり難しい面は、どのケースにどんな処分を適合させたらよいか、ということです。 一般的には、「処分なし」か、又は「譴責・注意処分」の比較的軽い処分が多いのではないかと考えますが、社内機密データの持ち出し、公開のケースについては、「懲戒解雇」の最も厳しい処分を検討することになるかも知れません。 この点についての判断に錯誤がないように、服務規律違反と懲戒処分を関連づけて就業規則に記載しておく必要があります。 関連する法令・判例など ・労働契約法第15条(懲戒) ・労働基準法第89条(制裁はその種類と程度を就業規則に記載すること) ・刑法第246条の2(電子計算機私用詐欺)、同法第252条(横領)
パソコンの私的利用対策としてモニタリング(監視)していることを説明するべきか。
モニタリング(監視)の実施にあたっては、従業員に対して、実施理由、実施時間帯、収集される情報等を事前に通知すると共に、個人情報保護に関する権利を侵害しないように、説明等の配慮をする必要があります。
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作成のポイント●9 パソコン・携帯電話利用(私用禁止) 規 定 例 第19条(パソコン・携帯電話利用(私用禁止))従業員は、パソコン及び業務用携帯電話を悪用し、又は私事に私用してはならない。 1.パソコン・携帯電話の私的利用の考え方 パソコン(インターネット)や携帯電話は、今日では効率的な業務運営に欠かせないツールになっていますが、便利なツールであるがゆえに従業員に私的な利用が行われることが懸念されます。よって、私的利用の制限や管理方法など取り扱いについて就業規則に定めておくことが検討されます。 2.パソコンの私的利用の禁止と防止対策 まず、就業規則への記載又はパソコン管理規程の作成により、インターネット・電子メールの私的利用を禁止する規定について検討します。この際に、私的利用を全面的に禁止するのか、又は業務に支障の無い範囲で一部の私的利用を認めるのか、を決めます。 私的利用の防止対策として、 ①モニタリング(監視)する、 ②WEBサイトの閲覧を制限する、 ③インターネットが利用できるパソコンを制限する、 ④履歴を保存する、 ⑤職場の責任者に管理を任せる、 などの方法が 考えられますので、就業規則等に記載しておくとよいでしょう。ただし、モニタリング(監視)の実施にあたっては、従業員に対して、実施理由、実施時間帯、収集される情報等を事前に通知すると共に、個人情報保護に関する権利を侵害しないように、説明等の配慮をする必要があります。 3.携帯電話の業務上使用に関する取り扱い 携帯電話は今やビジネスユースとして欠くことのできないツールです。ビジネスで使用する携帯電話は、会社名義の携帯電話を使用している企業が圧倒的に多いようですが、中には個人所有の携帯電話の業務上の使用を認めている企業も見られます。 個人所有の携帯電話の業務上の使用を認めている企業においては、通話料の費用補助を行うのか否か、そして、費用補助を行うのであれば金額はどの程度か、ということが労働条件となりますので、就業規則への記載が必要になります。 また、会社名義の携帯電話を従業員に貸与する場合は、常時携帯させている例が一般的と思いますので、私用電話をいかに防ぐかということが企業の関心事になります。これを防ぐには、「使用明細書を電話会社から取り寄せること」や「自己申告させて個人負担させる」などの対策が考えられます。この点が不明確ですと、誤解や労使トラブルの原因になりかねませんので、就業規則等にきちんと規定しておくとよいでしょう。 4.パソコン・携帯電話の不正使用に対する懲戒処分の考え方 パソコン・携帯電話の不正使用には、 ①アダルトサイト等の閲覧、 ②私的メールの多用、 ③私的文書の作成、 ④会社貸与の携帯電話の頻繁な私的利用、 ⑤社内機密データの持ち出し、 公開などがあります。これらのケースが起きた場合に、どのような措置(処分)を行うかを就業規則等に記載しておくことになります。 記載にあたり難しい面は、どのケースにどんな処分を適合させたらよいか、ということです。 一般的には、「処分なし」か、又は「譴責・注意処分」の比較的軽い処分が多いのではないかと考えますが、社内機密データの持ち出し、公開のケースについては、「懲戒解雇」の最も厳しい処分を検討することになるかも知れません。 この点についての判断に錯誤がないように、服務規律違反と懲戒処分を関連づけて就業規則に記載しておく必要があります。 関連する法令・判例など ・労働契約法第15条(懲戒) ・労働基準法第89条(制裁はその種類と程度を就業規則に記載すること) ・刑法第246条の2(電子計算機私用詐欺)、同法第252条(横領)
個人所有の携帯電話の業務上使用に関して就業規約に記載した方がよいか。
個人所有の携帯電話の業務上の使用を認めている企業においては、通話料の費用補助を行うのか否か、そして、費用補助を行うのであれば金額はどの程度か、ということが労働条件となりますので、就業規則への記載が必要になります。
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作成のポイント●9 パソコン・携帯電話利用(私用禁止) 規 定 例 第19条(パソコン・携帯電話利用(私用禁止))従業員は、パソコン及び業務用携帯電話を悪用し、又は私事に私用してはならない。 1.パソコン・携帯電話の私的利用の考え方 パソコン(インターネット)や携帯電話は、今日では効率的な業務運営に欠かせないツールになっていますが、便利なツールであるがゆえに従業員に私的な利用が行われることが懸念されます。よって、私的利用の制限や管理方法など取り扱いについて就業規則に定めておくことが検討されます。 2.パソコンの私的利用の禁止と防止対策 まず、就業規則への記載又はパソコン管理規程の作成により、インターネット・電子メールの私的利用を禁止する規定について検討します。この際に、私的利用を全面的に禁止するのか、又は業務に支障の無い範囲で一部の私的利用を認めるのか、を決めます。 私的利用の防止対策として、 ①モニタリング(監視)する、 ②WEBサイトの閲覧を制限する、 ③インターネットが利用できるパソコンを制限する、 ④履歴を保存する、 ⑤職場の責任者に管理を任せる、 などの方法が 考えられますので、就業規則等に記載しておくとよいでしょう。ただし、モニタリング(監視)の実施にあたっては、従業員に対して、実施理由、実施時間帯、収集される情報等を事前に通知すると共に、個人情報保護に関する権利を侵害しないように、説明等の配慮をする必要があります。 3.携帯電話の業務上使用に関する取り扱い 携帯電話は今やビジネスユースとして欠くことのできないツールです。ビジネスで使用する携帯電話は、会社名義の携帯電話を使用している企業が圧倒的に多いようですが、中には個人所有の携帯電話の業務上の使用を認めている企業も見られます。 個人所有の携帯電話の業務上の使用を認めている企業においては、通話料の費用補助を行うのか否か、そして、費用補助を行うのであれば金額はどの程度か、ということが労働条件となりますので、就業規則への記載が必要になります。 また、会社名義の携帯電話を従業員に貸与する場合は、常時携帯させている例が一般的と思いますので、私用電話をいかに防ぐかということが企業の関心事になります。これを防ぐには、「使用明細書を電話会社から取り寄せること」や「自己申告させて個人負担させる」などの対策が考えられます。この点が不明確ですと、誤解や労使トラブルの原因になりかねませんので、就業規則等にきちんと規定しておくとよいでしょう。 4.パソコン・携帯電話の不正使用に対する懲戒処分の考え方 パソコン・携帯電話の不正使用には、 ①アダルトサイト等の閲覧、 ②私的メールの多用、 ③私的文書の作成、 ④会社貸与の携帯電話の頻繁な私的利用、 ⑤社内機密データの持ち出し、 公開などがあります。これらのケースが起きた場合に、どのような措置(処分)を行うかを就業規則等に記載しておくことになります。 記載にあたり難しい面は、どのケースにどんな処分を適合させたらよいか、ということです。 一般的には、「処分なし」か、又は「譴責・注意処分」の比較的軽い処分が多いのではないかと考えますが、社内機密データの持ち出し、公開のケースについては、「懲戒解雇」の最も厳しい処分を検討することになるかも知れません。 この点についての判断に錯誤がないように、服務規律違反と懲戒処分を関連づけて就業規則に記載しておく必要があります。 関連する法令・判例など ・労働契約法第15条(懲戒) ・労働基準法第89条(制裁はその種類と程度を就業規則に記載すること) ・刑法第246条の2(電子計算機私用詐欺)、同法第252条(横領)
パソコン・携帯電話の不正使用に対しどのような処分を就業規則に記載するべきか。
一般的には、「処分なし」か、又は「譴責・注意処分」の比較的軽い処分が多いのではないかと考えますが、社内機密データの持ち出し、公開のケースについては、「懲戒解雇」の最も厳しい処分を検討することになるかも知れません。 この点についての判断に錯誤がないように、服務規律違反と懲戒処分を関連づけて就業規則に記載しておく必要があります。
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作成のポイント●10 個人情報の取り扱い 規 定 例 第20条(個人情報の取り扱い) 従業員は、会社の業務上の個人情報及び会社の不利益となるような事項を他に漏らしてはならない。 1.個人情報保護法に対応する就業規則等の整備 個人情報保護法が平成17年4月から施行されています。個人情報取扱事業者(事業の用に供する電子ファイ ル又は紙ファイル等のデータベースを構成する個人情報によって、識別される特定の個人の数の合計が、過去 6箇月間のいずれかの日において5,000人を超えている事業者)は、この法律の定めにより個人情報の漏えい 事故などが起こらないように規程類を整備する等により、適切に情報を管理することが必要です。 なお、個人情報取扱事業者にならない場合であっても、個人情報の漏えい事故が発生した場合には損害賠償 責任等が発生する可能性がありますので、適切に対応するために規程の整備をお勧めします。 2.どんな規程を整備するのか 個人情報取扱事業者の場合は、「個人情報保護に関する基本方針(プライバシーポリシー)」「個人情報取扱 規程」及び「個人情報保護教育規程」は、最低限必要なものとなります。また、「監査規程」や「個人情報の 外部委託に関する合意書」などを必要に応じて準備するとよいでしょう。 また、個人情報取扱事業者にならない場合であっても、プライバシーポリシー等の作成を行い、社内に訓 示・周知することは、内外共に信頼性の向上のために効果のあるものと考えます。 関連する法令・判例など ・個人情報保護法
個人情報取扱事業者にならない場合であっても、個人情報の漏えい事故が発生した場合には何が発生する可能性があります か。
個人情報取扱事業者にならない場合であっても、個人情報の漏えい事故が発生した場合には損害賠償責任等が発生する可能性があります。
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社内規定
テレワークと就業規則 就業規則が必要な理由  通常勤務とテレワーク勤務において、労働時間制度やその他の労働条件が同じである場合は、就業規則を変更しなくても、既存の就業規則のままでテレワーク勤務ができます。  しかし、例えば従業員に通信費用を負担させるなど通常勤務では生じないことがテレワーク勤務に限って生じる場合があり、その場合には、就業規則の変更が必要となります。  また、テレワーク勤務の導入に際して、例えばフレックスタイム制を採用したい場合は、既存の就業規則にその規定が定められていなければ、就業規則の変更が必要となります。  一般的に、テレワーク勤務を導入する場合、就業規則に次のことを定める必要があります。 〇テレワーク勤務導入時に就業規則に定める項目 •テレワーク勤務を命じることに関する規定 •テレワーク勤務用の労働時間を設ける場合、その労働時間に関する規定 •通信費などの負担に関する規定  なお、就業規則を変更した場合には、労働者の過半数で組織する労働組合又は労働者の過半数を代表する者の意見書を添付し、所轄労働基準監督署に届出するとともに、従業員に周知する必要があります。  さらには、10人未満の従業員の事業所のみの会社のような法的に就業規則の作成の義務がない会社では、前述のことについて就業規則に準ずるものを作成したり、労使協定を結んだりすることが望ましいです。 (作成及び届出の義務) 第89条 常時10人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。次に掲げる事項を変更した場合においても、同様にする。  一 始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を2組以上に分けて交替に就業させる場合においては就業時転換に関する事項  (第2号~第4号略)  五 労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合においては、これに関する事項 (作成の手続) 第90条 使用者は、就業規則の作成又は変更について、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない。 2 使用者は、前条の規定により届出をなすについて、前項の意見を記した書面を添付しなければならない。 (法令等の周知義務) 第106条 使用者は、この法律及びこれに基づく命令の要旨、就業規則、(略)を、常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること、書面を交付すること、その他の厚生労働省令で定める方法によって、労働者に周知させなければならない。
テレワーク勤務と通常勤務の労働条件が同じ場合は就業規則は同一でもいいのか。
通常勤務とテレワーク勤務において、労働時間制度やその他の労働条件が同じである場合は、就業規則を変更しなくても、既存の就業規則のままでテレワーク勤務ができます。
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社内規定
会社経営における各保険の「適用事業所」とは 「適用事業所」とは 会社を経営する際、国が定める各種保険に加入する義務があります。保険の適用は事業所単位で行われ、保険の適用を受ける事業所を「適用事業所」といいます。各保険に対して、会社の事業規模や種類によって適用条件が異なります。 「適用事業所」の種類 強制適用事業所 法律によってその保険への加入が義務付けられている事業所 任意適用事業所 強制適用事業所とならない事業所で、厚生労働大臣の認可を受けて、その保険の適用となる事業所 会社を経営する際に必要な保険には、労災保険、雇用保険、社会保険(健康保険、厚生年金)があります。それぞれに対して、どのような事業規模や種類の会社が強制適用事業所となるのか、確認してきましょう。 労災保険について 労災保険とは、就業中(業務上)もしくは通勤中の事故によりケガや病気になった場合に、療養・休業・障害・死亡に対し、被災労働者やその遺族を保護するために必要な保険給付を行う制度です。労災保険料は、全額事業主負担となります。 労災保険の適用事業所 労災保険は、労働者を1人でも雇用する事業所はすべて「強制適用事業所」となります。この場合の労働者とは、正社員、パートタイム労働者などの雇用形態に関わらず、雇用され、賃金が支払われている者すべてを指します。また会社単位ではなく、事業所単位として扱われるルールとなる点に注意が必要です。 「暫定任意適用事業」と呼ばれる、農林水産関連の事業で個人経営かつ常時労働者が5人未満の事業所は、労災保険の適用が任意となっており、厚生労働大臣の認可を受けることで適用事業所となることが可能です。林業に関しては別段の定めがあり、個人経営かつ労働者を常時には雇用しない又は1年以内の期間において使用する労働者数が延べ300人未満の事業は「暫定任意適用事業」 となります。 "
適用事業所とはなんですか。
会社を経営する際、国が定める各種保険に加入する義務があります。保険の適用は事業所単位で行われ、保険の適用を受ける事業所を「適用事業所」といいます。
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社内規定
雇用保険の被保険者の種類と要件 雇用保険の被保険者のそれぞれの要件は以下のようになります。 被保険者の種類 1.一般被保険者 要件:2~4の被保険者に該当しないすべての被保険者で、主に正社員、非正規社員、派遣労働者、継続雇用のパートとアルバイトがあてはまります。 2.高年齢被保険者 要件:65歳以上の被保険者で、かつ3および4に該当しない被保険者です。 3.短期雇用特例被保険者 要件:季節的に雇用される、もしくは短期の雇用につくことを常態とする被保険者です。 4.日雇労働被保険者 要件:日々雇用される場合、もしくは30日以内の期間を定めて雇用される場合、一定の要件に該当する被保険者です。 雇用保険の被保険者の範囲 雇用保険の被保険者の適用範囲は、以下のようになります。 雇用形態:一般労働者・アルバイト・パートタイム労働者 被保険者の取り扱い:適応する (1)週20時間以上の就労 かつ (2)31日以上引き続き雇用されることが見込まれる ※本人の希望の有無に関わらず 被保険者の取り扱い:適用しない (1)週20時間未満の就労 または (2)31日以上の継続雇用が見込まれない 雇用形態:学生 被保険者の取り扱い:適応する ・卒業予定者が引き続き同一事業所にて就職する場合 ・休学中 ・通信教育 ・夜間 ・定時制 被保険者の取り扱い:適用しない 原則適用なし 雇用形態:有期雇用労働者(期間を定めて雇用) 被保険者の取り扱い:適応する (1)季節的事業に雇用 かつ (2)4カ月を超えて雇用 かつ (3)週30時間以上の就労 被保険者の取り扱い:適用しない 季節的事業に雇用されている者で (1)4カ月以内の雇用 または (2)週20時間以上、週30時間未満の就労 雇用形態:日雇い労働者 被保険者の取り扱い:適応する 日雇労働被保険者に該当する者 日々雇用される場合、もしくは30日以内の期間を定めて雇用される場合、一定の要件に該当する被保険者 被保険者の取り扱い:適用しない 日雇労働被保険者に該当しない者 雇用形態:派遣労働者 被保険者の取り扱い:適応する 以下の要件を満たす場合、派遣元にて適用 (1)週20時間以上の就労 かつ (2)反復継続して派遣就業する者 被保険者の取り扱い:適用しない (1)週20時間未満の就労 または (2)反復継続して派遣就業を行わない者 雇用形態:法人の役員 被保険者の取り扱い:適応する 労働者的性格があれば「兼務役員」として適用となる可能性あり 被保険者の取り扱い:適用しない 原則、適用なし 雇用形態:海外出張者 被保険者の取り扱い:適応する 適用事業所で雇用される者が国外において就労する場合、その労働者が出張または派遣されて就労する場合に限る 被保険者の取り扱い:適用しない 現地採用者は適用なし
雇用保険における短期雇用特例被保険者とはなんですか。
季節的に雇用される、もしくは短期の雇用につくことを常態とする被保険者です。
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社内規定
社内規定の目的 社内規定を作成する目的は主に「業務の標準化」、「リスク回避」、「社内秩序の安定」の3点です。それぞれについて、以下で詳細を確認していきましょう。 1)業務の標準化 日々の業務内容についてのルールが定まっていないと、個々のやり方で仕事をしてしまう可能性があります。そうなると足並みが揃わなくなることにより、業務効率も悪くなってしまうのです。 社内規定で前もって業務手順を定めておくと、業務の標準化が行なえるようになり、従業員全体の業務効率がよくなります。 2)リスク回避 社内規定は、リスクマネジメントの観点からも大切です。たとえば「パワーハラスメント」や「セクシュアルハラスメント」といったようなハラスメント防止規定です。 それぞれの規定や禁止事項をあらかじめ定めておくと、もし従業員が社内規定に従わなかった場合について、法的規制に触れない範囲のペナルティを会社側が設定できます。 3)社内秩序の安定 社内規定があると、社内秩序が安定化しやすくなります。会社の信用力を大きく落とすような行為については、社内規定で定めておくとよいでしょう。 たとえば「飲酒運転の禁止」、「秘密情報に関する守秘義務」、「防犯上・情報セキュリティ上の所持品検査」、「企業内での政治活動や宗教活動の禁止」などです。 社内規定を作成するときには、これら3つの目的を達成できるような内容にするよう心がけるとよいでしょう。
社内規定の目的における業務の標準化とはなんですか。
日々の業務内容についてのルールが定まっていないと、個々のやり方で仕事をしてしまう可能性があります。そうなると足並みが揃わなくなることにより、業務効率も悪くなってしまうのです。 社内規定で前もって業務手順を定めておくと、業務の標準化が行なえるようになり、従業員全体の業務効率がよくなります。
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社内規定
社内規定の内容は? 社内規定には、会社の業種・業態・規模や経営者の考え方などによってさまざまな内容が含まれています。ここでは、一般的な社内規定に含まれる代表的な内容についてそれぞれ紹介します。 <基本経営> 会社運営の基本的な事項に関する規定です。たとえば以下のような規定がこれにあてはまります。 ・定款 社内規定の中でも大変重要な規定で、含めるべき内容が法律で定められています。法人としての権利を得るために必須の書類で、社内規定の根幹を成すものなので、会社にとっては憲法のような存在と言えるでしょう。 ・企業理念 会社経営における基本的な考え方をあらわしたものです。目的や使命を明らかにして、どのような会社を目指していくのかが示されています。企業理念を明文化すると、経営者がどのような経営を行いたいと考えているのか、経営に対する信念を従業員が共有しやすくなります。 ・取締役会規定、取締役規定、役員規定 取締役会における決議事項や報告事項、取締役会を運営するためのルールなどが含まれます。また取締役や役員の職務権限と義務を明文化しています。 <組織権限> 組織における業務や権限に関する規定です。たとえば以下のような規定がこれにあてはまります。 ・組織規定(組織図) 組織を管理運営する基本的な規定です。指揮命令系統を明らかにして、それぞれの業務範囲や責任を明確化するものです。組織図とあわせて組織の目的や役割分担などを明文化するとよいでしょう。業務内容に重複や漏れがないように作成しましょう。 ・職務権限規定 会社の主な職位(部長、課長など)についてその権限を定めたものです。職位によってなすべき職務や責任、権限の範囲を記載することにより、職務を積極的に遂行することを目的としています。 この規定を作成するときには「命令」、「委任」、「代行」などの権限について、明確に定義づけておきましょう。 ・稟議規定 稟議とは、自分の権限を越える事項について、決定権のある人に承認してもらうことをいいます。これを規定しておくと、職務権限の行使を統制できるため、迅速かつ組織的な経営活動が行いやすくなります。 緊急時の対応として口頭承認の手順も設定できます。しかし口頭での承認は言った言わないの問題になりやすいため例外的な状況に留めるべきです。
定款とはなんですか。
社内規定の中でも大変重要な規定で、含めるべき内容が法律で定められています。法人としての権利を得るために必須の書類で、社内規定の根幹を成すものなので、会社にとっては憲法のような存在と言えるでしょう。
JCRRAG_011315
社内規定
(育児短時間勤務制度に関する規定) 当社では、小学校就学前の子を養育する従業員に対して、育児と仕事の両立を支援するため、育児短時間勤務制度を設けている。 この制度を利用した場合、1日の所定労働時間を最大2時間まで短縮することができ、1時間短縮ごとに基本給から5%が減額される。 ただし、短縮時間に応じて勤務時間手当として月額5,000円が一律で支給される。 また、月の出勤日数が20日を超えると、超過日数×300円の皆勤加算が上乗せされる。 育児短時間勤務を取得する場合、最低でも月15日以上の出勤が必要であり、これを下回る月は制度の対象外とする。
育児短時間勤務制度を利用すると、労働時間と基本給はどうなりますか。
1日の所定労働時間を最大2時間まで短縮することができ、1時間短縮ごとに基本給から5%が減額されます。
JCRRAG_011316
社内規定
【社内イベント補助金規定】 当社では従業員同士の交流促進を目的として、部門単位で実施される社内イベントに対して補助金を支給する制度を設けている。本規定において補助対象となる費用は、飲食費、会場費、およびレクリエーション費用の3項目とする。飲食費については、参加者1人あたり2,500円を上限として実費を補助する。会場費については、イベント1回につき最大で20,000円までを支給対象とする。ただし、会場費の実費が上限を超える場合、その超過分は自己負担とする。レクリエーション費用は、イベントの総参加人数に応じて1人あたり1,200円までを補助するものとする。すべての項目は領収書の提出を条件とし、合算してイベント後に精算される。なお、補助金の総額は各項目の支給上限を超えない範囲で合算されるものとする。
飲食費の補助はどれくらいですか。
飲食費については、参加者1人あたり2,500円を上限として実費を補助します。
JCRRAG_011317
社内規定
【出張旅費精算規定】 本規定は、従業員が業務のために出張した際に支給される旅費について定めるものである。出張旅費は、交通費、宿泊費、日当の3つの要素で構成される。交通費は、出張先までの往復の公共交通機関の利用にかかる実費とし、片道の上限額は8,000円までとする。宿泊費は1泊あたり1万円まで会社が負担するものとし、上限を超えた金額は自己負担とする。日当は出張1日につき2,500円とし、宿泊を伴う出張の場合には、追加で1日あたり1,000円が加算される。なお、日当は出張初日から最終日までの日数に応じて支給されるものとする。また、交通費・宿泊費・日当はすべて合算して精算される。精算は出張終了後、旅費精算書を提出することで行われる。
宿泊費の会社負担はどれくらいですか。
宿泊費は1泊あたり1万円まで会社が負担するものとし、上限を超えた金額は自己負担とします。
JCRRAG_011318
社内規定
プロジェクト完了報奨休暇に関する特別規定 当社では、特に経営への貢献度が高いと認められる大規模または重要度の高いプロジェクトを成功裏に完了させた場合、その功績を称え、参加した従業員の労に報いるため、通常の年次有給休暇とは別に「プロジェクト完了報奨休暇」を付与する制度を設けています。 本制度の対象となるプロジェクトは、原則として予算規模が5,000万円以上であり、かつ計画上の期間が6ヶ月以上にわたる全社横断的な取り組み、または各部門における最重要課題として指定されたプロジェクトです。対象プロジェクトの完了後、担当役員および人事部を含む評価会議において、プロジェクトの成果、目標達成度、プロセスなどを総合的に評価し、S(極めて顕著な成果)、A(期待以上の成果)、B(期待通りの成果)のいずれかの評価ランクを決定します。この評価会議において、報奨休暇の付与有無および日数が最終決定されます。 付与される休暇日数は、「チーム共通休暇日数」と「個人加算日数」の二つの要素から構成されます。 まず、「チーム共通休暇日数」は、プロジェクトの規模と評価ランクに基づいて、チームメンバー全員に共通で付与される日数です。以下の計算式で算出します。 計算式: 基準日数(5営業日) × 予算規模係数 × 評価係数 予算規模係数:プロジェクトの最終的な承認予算額を1億円で割り、小数点第2位以下を切り捨てて算出します。ただし、この係数の上限値は2.0とします。 評価係数:評価会議で決定されたランクに基づき、Sランクの場合は1.5、Aランクの場合は1.0、Bランクの場合は0.7とします。 この計算式で算出された値に小数点以下の端数がある場合は、日数として切り上げます。 次に、「個人加算日数」は、チーム共通休暇日数に加えて、個々の従業員のプロジェクトにおける貢献度と従事期間に応じて付与される日数です。 基準加算日数(3営業日) × 貢献度係数 × 従事期間係数 貢献度係数:プロジェクトリーダーが評価する個人の貢献度(5段階評価、5が最高)に基づき、評価5の場合は1.0、評価4の場合は0.8、評価3の場合は0.5、評価2の場合は0.2、評価1の場合は0.0とします。 従事期間係数:プロジェクトへの実質的な従事月数を12ヶ月で割り、小数点第2位以下を切り捨てて算出します。ただし、この係数の上限値は1.5とします。 この計算式で算出された値に小数点以下の端数がある場合は、日数を切り上げます。 最終的に個人に付与される報奨休暇日数は、上記で計算された「チーム共通休暇日数」と「個人加算日数」の合計となりますが、その合計日数は最大でも15営業日までとします。計算結果が15営業日を超える場合は、15営業が付与の上限となります。 報奨休暇の付与は、評価会議での決定から原則1ヶ月以内に行われ、付与された日から1年以内に取得する必要があります。
「プロジェクト完了報奨休暇」とはどのような制度ですか。
特に経営への貢献度が高いと認められる大規模または重要度の高いプロジェクトを成功裏に完了させた場合、その功績を称え、参加した従業員の労に報いるために、通常の年次有給休暇とは別に設けた制度となります。
JCRRAG_011319
社内規定
リフレッシュ休暇手当の支給に関する規定 当社では、従業員の心身の健康維持と長期的な就業意欲の向上を目的として、年次リフレッシュ休暇を設けている。 勤続5年ごとに5日間のリフレッシュ休暇が付与され、この休暇を取得した従業員には特別手当が支給される。 支給額は基本給の60%相当を1日分として計算し、5日分が一括で支給される。 ただし、前年の有給取得率が50%未満であった場合は、この手当の支給率は40%に引き下げられる。 休暇は原則連続して取得するものとし、翌年への繰り越しは認められない。
リフレッシュ休暇を取得した従業員への特別手当はどのように計算されますか。
リフレッシュ休暇を取得した従業員への特別手当は、基本給の60%相当を1日分として計算し、5日分が一括で支給されます。
JCRRAG_011320
社内規定
リフレッシュ休暇制度に関する規定 当社は、従業員の長期勤続を奨励し、心身のリフレッシュおよび自己啓発の機会を提供することを目的として、リフレッシュ休暇制度を設けています。この制度は、勤続満5年以上の正社員に適用されます。 リフレッシュ休暇は、勤続年数が満5年、10年、15年、20年、25年、30年に到達した年度の4月1日に付与されます。基本となる付与日数は以下の通りです。 勤続満5年到達時:3営業日 勤続満10年到達時:5営業日 勤続満15年到達時:7営業日 勤続満20年到達時:10営業日 勤続満25年到達時:10営業日 勤続満30年到達時:12営業日 さらに、以下の条件を満たす場合には、追加で休暇が付与されます。 年次有給休暇取得率による追加: 前回の休暇付与タイミング(勤続5年未満の場合は入社時)から今回の付与までの期間(通常は5年間)における、年次有給休暇の平均取得率が80%以上の場合、基本付与日数に2営業日を追加します。この平均取得率は、期間中の総取得日数を同期間の総付与日数で割り、100を掛けて算出します(計算結果の小数点以下は切り捨てます)。 役職による追加: リフレッシュ休暇が付与される年度の4月1日時点で管理職(係長職以上)である従業員には、上記に加えてさらに1営業日を追加します。 付与されたリフレッシュ休暇は、付与日から2年以内に取得する必要があります。原則として連続での取得をお願いしていますが、業務の状況によりやむを得ない場合は、所属長(上長)の承認を得て最大2回まで分割して取得することも可能です。
付与されたリフレッシュ休暇は、付与日から何年以内に取得する必要がありますか。
付与されたリフレッシュ休暇は、付与日から2年以内に取得する必要があります。
JCRRAG_011321
社内規定
リモートワーク手当の支給に関する規定 当社では、在宅勤務を行う従業員に対し、業務環境の維持・整備にかかる費用を補助する目的でリモートワーク手当を支給している。 この手当は、月に10日以上在宅勤務を実施した場合に対象となる。基本支給額は月額4,000円とし、在宅勤務日数が20日を超えた場合には追加で2,000円を加算する。 さらに、電気代補助として、在宅勤務日数に応じて1日あたり150円を支給する。ただし、この電気代補助の上限は月3,000円までとする。 支給対象の在宅勤務日数は、出勤記録システムによって確認された実績に基づいて確定される。 通勤手当とリモートワーク手当は併用できず、出社日数が月の半数(15日)を超えた場合は支給対象外となる。
通勤手当とリモートワーク手当は併用できますか。
通勤手当とリモートワーク手当は併用できません。
JCRRAG_011322
社内規定
退職金の支給基準に関する規定 当社では、従業員が退職した場合、勤続年数に応じて退職金を支給する。 退職金は、基本給の1か月分を1年ごとに加算する形式で算定される。 ただし、勤続5年未満の従業員には退職金を支給しない。 勤続5年以上10年未満の場合、1年あたりの支給額は基本給の80%とする。 勤続10年以上15年未満の場合、1年あたりの支給額は基本給の100%とする。 勤続15年以上の場合は、1年あたりの支給額は基本給の120%とする。 退職時の基本給は月額250,000円とする。
勤続10年以上15年未満の場合、1年あたりの退職金の支給額はどれくらいになりますか。
勤続10年以上15年未満の場合、1年あたりの退職金の支給額は基本給の100%とします。
JCRRAG_011323
社内規定
退職金支給に関する規定 当社では、長年にわたり貢献した従業員の功労に報いるため、退職金制度を設けています。この制度は、勤続満3年以上の正社員を対象とします。 退職金の額は、退職時の月額基本給を「計算基礎額」とし、これに「最終支給率」を乗じて算出します。最終支給率は以下の手順で決定されます。 まず、「勤続年数ポイント」を計算します。これは、勤続年数1年につき1.5ポイントを付与するものとし、最大で45ポイントを上限とします。勤続年数を計算する際、1年に満たない期間は切り捨てて扱います。 次に、退職時の役職に応じて「役職ポイント加算率」が決まります。部長職以上は勤続年数ポイントに対して20%を加算、課長職は10%を加算、係長職は5%を加算します。一般社員の場合は加算されません。 さらに、「退職事由係数」を適用します。自己都合による退職の場合は0.8、会社都合(定年退職を含む)による退職の場合は1.0とします。なお、懲戒解雇の場合は別途査定の上、0.0から0.5の範囲で決定されます。 これらの要素を用いて、以下の計算式で支給率を算出します。 計算式:(勤続年数ポイント × (1 + 役職ポイント加算率)) × 退職事由係数 × 1.2 この計算結果(パーセント表示)の小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位までを「最終支給率(%)」として確定します。
勤続年数ポイントでは、勤続年数を計算する際、1年に満たない期間はどのように扱いますか。
勤続年数ポイントでは、勤続年数を計算する際、1年に満たない期間は切り捨てて扱います。
JCRRAG_011324
社内規定
年俸制社員の賞与算出に関する規定 当社では年俸制で雇用されている社員に対し、年2回の賞与を支給している。 各賞与額は、年俸の1/12を基準とし、直近6か月間の業績評価係数(0.8〜1.2)を掛けた金額とする。 ただし、業績評価期間中に欠勤が発生していた場合には、欠勤日数が5日を超えた分について、1日あたり支給額の2%を減額する。 減額は賞与基準額に対して適用され、控除後に業績係数を掛ける順序とする。 さらに、1回あたりの支給上限額は500,000円までとし、それを超えた金額は支給されない。 すべての算出は管理部の承認後、支給月に反映される。
年俸制社員の賞与の支給限度額はいくらですか。
1回あたりの支給上限額は500,000円までです。
JCRRAG_011325
社内規定
有給休暇の取得と繰越に関する規定 当社では、正社員に対し毎年20日の有給休暇が付与される。未使用の有給休暇は翌年度に限り繰り越すことができ、最大で2年分の合計40日を保有することができる。 ただし、繰り越した有給休暇は繰越年度中に使用しなければ失効する。 また、年内に10日以上の有給休暇を取得した場合は、次年度の特別休暇として2日が追加で付与される。 年度は4月1日から翌年3月31日までとする。 有給休暇の残日数は毎年3月末時点で管理される。
繰り越した有給休暇は繰越年度中に使用しなければどうなりますか。
繰り越した有給休暇は繰越年度中に使用しなければ失効します。
JCRRAG_011326
社内規定
有給休暇の取得と繰越に関する規定 当社では、正社員に対し毎年20日の有給休暇が付与される。未使用の有給休暇は翌年度に限り繰り越すことができ、最大で2年分の合計40日を保有することができる。 ただし、繰り越した有給休暇は繰越年度中に使用しなければ失効する。 また、年内に10日以上の有給休暇を取得した場合は、次年度の特別休暇として2日が追加で付与される。 年度は4月1日から翌年3月31日までとする。 有給休暇の残日数は毎年3月末時点で管理される。
年内に10日以上の有給休暇を取得した場合は、次年度の特別休暇として何日が追加で付与されますか。
年内に10日以上の有給休暇を取得した場合は、次年度の特別休暇として2日が追加で付与されます。
JCRRAG_011327
社内規定
当社の所有するパソコン、スマートフォン、複合機などの備品を含む全ての資産は、適切に管理される必要があります。管理番号を付与し、台帳に登録することで所在や使用状況を把握し、不正利用や紛失を防止します。備品の故障や廃棄に関しては事前に管理部門へ申請し、承認を得た上で適切に処分しなければなりません。社内のパソコンやスマートフォンには、業務上の重要なデータが保存される可能性が高いため、紛失・盗難が発生した際には直ちにセキュリティ管理者へ報告し、データの流出を防ぐ措置を講じることが義務付けられています。また、ソフトウェアライセンスの購入や更新費用は会社負担となり、利用者はライセンス規約を遵守する必要があります。不注意や不正行為によって会社資産に損害を与えた場合には、修理費用や弁償義務が発生する可能性があります。
備品の故障や廃棄に関しては事前に何部門へ申請し、承認を得た上で適切に処分しなければなりませんか。
備品の故障や廃棄に関しては事前に管理部門へ申請し、承認を得た上で適切に処分しなければなりません。
JCRRAG_011328
社内規定
当社の所有するパソコン、スマートフォン、複合機などの備品を含む全ての資産は、適切に管理される必要があります。管理番号を付与し、台帳に登録することで所在や使用状況を把握し、不正利用や紛失を防止します。備品の故障や廃棄に関しては事前に管理部門へ申請し、承認を得た上で適切に処分しなければなりません。社内のパソコンやスマートフォンには、業務上の重要なデータが保存される可能性が高いため、紛失・盗難が発生した際には直ちにセキュリティ管理者へ報告し、データの流出を防ぐ措置を講じることが義務付けられています。また、ソフトウェアライセンスの購入や更新費用は会社負担となり、利用者はライセンス規約を遵守する必要があります。不注意や不正行為によって会社資産に損害を与えた場合には、修理費用や弁償義務が発生する可能性があります。
ソフトウェアライセンスの購入や更新費用は誰の負担となりますか。
ソフトウェアライセンスの購入や更新費用は会社負担となります。
JCRRAG_011329
社内規定
当社のオフィス備品利用規定は、備品の適切な使用とコスト管理を目的としています。プリンターや文房具、コピー用紙などの日常的に利用する備品は、必要に応じて社内に常備されていますが、不必要な浪費を避けるため過剰な使用は避けなければなりません。大型備品(プロジェクターなど)や台数に限りのある物品を使用する場合は、事前に予約システムを利用して申請する必要があります。破損や紛失が生じた場合は、その状況により使用者に弁償義務が生じる可能性があります。新たに備品を購入する際は、管理部門へ申請を行い、予算の範囲内で購入可否の決定がなされます。備品の在庫管理や補充は、担当部署が定期的にチェックし、不足が予想される場合には先んじて発注作業を行います。
大型備品(プロジェクターなど)や台数に限りのある物品を使用する場合は、事前にどうする必要がありますか。
大型備品(プロジェクターなど)や台数に限りのある物品を使用する場合は、事前に予約システムを利用して申請する必要があります。
JCRRAG_011330
社内規定
当社では、従業員の心の健康を維持し、快適な職場環境を整えるために、メンタルヘルスケア規定を設けています。ストレスチェックや面談指導を定期的に実施し、従業員が抱える悩みや不安を早期に把握する仕組みを整えています。また、社内に常設のカウンセリング窓口を設け、必要に応じて専門家によるアドバイスや治療のサポートを受けられるようにしています。上長は部下の様子を日々チェックし、異常な長時間労働や極度のストレス状態が続いていないかを確認し、必要であれば早めに相談を促すことが求められます。違反や放置によって従業員が心身の不調に陥った場合、会社としての責任やリスクが大きくなるため、予防と早期対策が強く奨励されています。
専門家によるアドバイスや治療のサポートを受けられるのはどこですか。
社内に常設のカウンセリング窓口にて、専門家によるアドバイスや治療のサポートを受けられます。
JCRRAG_011331
社内規定
当社では、時間外労働(いわゆる残業)を適切に管理するための規定を設けています。具体的には、部署単位で月ごとの残業時間上限を設定し、超過する場合は上長の事前承認と是正措置が必要です。特に繁忙期における業務負荷の高まりを想定し、臨時的に上限を増やすケースもありますが、その際には健康管理上の配慮や労使協定を結ぶ必要があります。時間外労働の申請は勤怠システムで行い、業務の理由を明確に記入しなければなりません。あまりにも残業が多い状態が継続する場合は、業務分担の見直しや増員が検討されることがあります。
時間外労働をする場合はどうする必要がありますか。
時間外労働をする場合は、申請を勤怠システムで行い、業務の理由を明確に記入しなければなりません。
JCRRAG_011332
社内規定
当社が保有する営業車は、顧客訪問や外部打ち合わせなどの業務目的で使用されます。営業車を利用する社員は、出発前に車両状態を確認し、給油記録や走行距離を運行日報に記載する必要があります。車内での喫煙や過度な私的利用は禁止されており、業務以外で使用を希望する場合は特別な許可が必要です。事故や故障が発生した場合は、速やかに上長や管理担当部署に報告し、保険手続きや修理の手続きを進めます。燃費の管理や点検の実施状況は定期的にチェックされ、経費削減や環境負荷低減の観点からも、エコドライブが推奨されています。必要な保険料や維持費は会社が負担しますが、不注意や規定違反によって生じた損害は、程度に応じて個人負担になる可能性があります。
営業車を利用する社員は、出発前に何をする必要がありますか。
営業車を利用する社員は、出発前に車両状態を確認し、給油記録や走行距離を運行日報に記載する必要があります。
JCRRAG_011333
社内規定
当社では、業務中に発生した不具合やトラブル、ヒヤリハットなどのインシデントを早期に共有し、再発防止策を講じるための規定を整えています。インシデント報告書は全従業員が提出可能で、内容には発生日時や場所、概要、影響範囲、暫定対応策、今後の対策案などを記載しなければなりません。報告書はオンラインフォームまたは紙媒体で受け付け、提出後は管理責任者と関連部署が協議して対応策を検討します。重大なインシデントの場合は経営層へも迅速に報告し、必要に応じて外部専門家の助言を得ることがあります。報告制度の目的は責任追及ではなく、組織全体で情報を共有し、同様のミスや事故を防ぐことにあるため、過失の大小にかかわらず速やかな報告が推奨されます。
インシデント報告書は、どのような形式で受け付けますか。
インシデント報告書は、オンラインフォームまたは紙媒体で受け付けます。
JCRRAG_011334
社内規定
当社の内線電話は、部署間の連絡や業務連携の効率化を目的として設置されており、外線への転送や国際電話は基本的に許可されていません。内線電話を使用する際には、相手の状況を尊重したタイミングで連絡を行い、長時間の通話や私的利用を避けるよう従業員に周知されています。社内でのコミュニケーション手段としては、内線電話のほか、チャットツールやメールも活用でき、緊急時は内線や携帯電話での連絡が推奨されます。電話の設置台数は各フロアの使用人数や業務内容を考慮して決定され、不足が生じた場合には管理部門が追加を検討します。電話の故障や回線トラブルが発生した場合は、速やかに情報システム担当へ報告し、原因調査と復旧を行います。
社内でのコミュニケーション手段としては、何を活用できますか。
社内でのコミュニケーション手段としては、内線電話のほか、チャットツールやメールを活用できます。
JCRRAG_011335
社内規定
当社の内線電話は、部署間の連絡や業務連携の効率化を目的として設置されており、外線への転送や国際電話は基本的に許可されていません。内線電話を使用する際には、相手の状況を尊重したタイミングで連絡を行い、長時間の通話や私的利用を避けるよう従業員に周知されています。社内でのコミュニケーション手段としては、内線電話のほか、チャットツールやメールも活用でき、緊急時は内線や携帯電話での連絡が推奨されます。電話の設置台数は各フロアの使用人数や業務内容を考慮して決定され、不足が生じた場合には管理部門が追加を検討します。電話の故障や回線トラブルが発生した場合は、速やかに情報システム担当へ報告し、原因調査と復旧を行います。
電話の故障や回線トラブルが発生した場合は、誰に報告しますか。
電話の故障や回線トラブルが発生した場合は、速やかに情報システム担当へ報告し、原因調査と復旧を行います。
JCRRAG_011336
社内規定
当社の懲罰規定は、就業規則や法令に違反する行為を行った従業員に対して、公正かつ適正な処分を下すために定められています。懲罰の種類として、口頭注意、始末書の提出、減給、出勤停止、降格、解雇などがあり、違反の内容や程度に応じて段階的に適用されます。懲罰対象となる行為には、無断欠勤の繰り返し、セクハラ・パワハラ、業務上の重大なミスや不正行為、会社の信用を著しく傷つける行為などが含まれます。懲罰を検討する際には、必ず本人への事情聴取が行われ、公平性を確保するため複数の管理職や人事部が協議したうえで処分内容を決定します。従業員には懲罰処分に対して不服申立ての機会が与えられ、再検討の結果、処分が軽減される場合もあります。
懲罰の種類として、何がありますか。
懲罰の種類として、口頭注意、始末書の提出、減給、出勤停止、降格、解雇などがあります。
JCRRAG_011337
社内規定
当社では、業務連絡の円滑化とリスク防止のため、報・連・相(報告・連絡・相談)の徹底を推奨しています。各従業員は上司や同僚に必要な情報を適時かつ的確に伝え、トラブルや問題が発生した際には、早めに相談することが求められます。定例ミーティングやチャットツールを活用し、チーム全体で進捗状況を共有する仕組みを整備しています。報連相の不足はミスや作業重複の原因となり、最終的には顧客満足度や企業業績に悪影響を及ぼすこともあるため、定期的な研修を通じて意識づけを行います。重大な問題を報告せずに放置する行為は懲戒処分の対象になる場合があり、組織内の連携を阻害しないよう互いに協力・フォローを行う風土づくりが奨励されています。
重大な問題を報告せずに放置するとどうなりますか。
重大な問題を報告せずに放置する行為は懲戒処分の対象になる場合があります。
JCRRAG_011338
社内規定
当社では、新規プロジェクトを円滑に進めるための立ち上げ規定を整備しています。プロジェクトを提案する際には、目的や期待成果、必要なリソース、スケジュールなどを具体的に記載した企画書を作成し、役員会や関係部署の承認を得る必要があります。承認後はプロジェクトチームが編成され、リーダーを中心に各メンバーの役割分担を決定します。進捗状況は週次または月次で報告され、問題が発生した場合は即座に対応策を協議します。予算管理も厳重に行われ、計画に対して大幅な超過が予想される場合は追加申請やプロジェクトの中断も検討されます。成功裏にプロジェクトが終了した場合は、振り返りレポートを作成し、得られた知見を社内に共有することで次のプロジェクトに活かす取り組みが求められます。
プロジェクトを提案する際には、何をする必要がありますか。
プロジェクトを提案する際には、目的や期待成果、必要なリソース、スケジュールなどを具体的に記載した企画書を作成し、役員会や関係部署の承認を得る必要があります。
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社内規定
当社では、海外拠点との連携や国際学会への参加などが必要な場合に限り、海外出張を認めています。海外出張の申請には、出張目的や訪問先、期間、想定経費を明確に記載した申請書の提出が求められます。航空券や宿泊費は基本的に経費精算の対象となりますが、ビジネスクラスや高級ホテルの利用は原則禁止で、特別な理由がある場合のみ上長および経理部の許可が必要です。現地での食事や交通費、予防接種費用なども精算可能ですが、領収書や証明書を添付しないと却下される場合があります。出張後は必ず報告書を作成し、得られた成果や課題を関係部署に共有するとともに、今後の業務に反映させることが求められます。
海外出張の際には何を申請する必要がありますか。
海外出張の申請には、出張目的や訪問先、期間、想定経費を明確に記載した申請書の提出が求められます。
JCRRAG_011340
社内規定
当社では、海外拠点との連携や国際学会への参加などが必要な場合に限り、海外出張を認めています。海外出張の申請には、出張目的や訪問先、期間、想定経費を明確に記載した申請書の提出が求められます。航空券や宿泊費は基本的に経費精算の対象となりますが、ビジネスクラスや高級ホテルの利用は原則禁止で、特別な理由がある場合のみ上長および経理部の許可が必要です。現地での食事や交通費、予防接種費用なども精算可能ですが、領収書や証明書を添付しないと却下される場合があります。出張後は必ず報告書を作成し、得られた成果や課題を関係部署に共有するとともに、今後の業務に反映させることが求められます。
ビジネスクラスを利用できますか。
ビジネスクラスや高級ホテルの利用は原則禁止で、特別な理由がある場合のみ上長および経理部の許可が必要です。
JCRRAG_011341
社内規定
当社では、海外拠点との連携や国際学会への参加などが必要な場合に限り、海外出張を認めています。海外出張の申請には、出張目的や訪問先、期間、想定経費を明確に記載した申請書の提出が求められます。航空券や宿泊費は基本的に経費精算の対象となりますが、ビジネスクラスや高級ホテルの利用は原則禁止で、特別な理由がある場合のみ上長および経理部の許可が必要です。現地での食事や交通費、予防接種費用なども精算可能ですが、領収書や証明書を添付しないと却下される場合があります。出張後は必ず報告書を作成し、得られた成果や課題を関係部署に共有するとともに、今後の業務に反映させることが求められます。
予防接種費用は精算できますか。
予防接種費用は精算可能ですが、領収書や証明書を添付しないと却下される場合があります。
JCRRAG_011342
社内規定
当社では、海外拠点との連携や国際学会への参加などが必要な場合に限り、海外出張を認めています。海外出張の申請には、出張目的や訪問先、期間、想定経費を明確に記載した申請書の提出が求められます。航空券や宿泊費は基本的に経費精算の対象となりますが、ビジネスクラスや高級ホテルの利用は原則禁止で、特別な理由がある場合のみ上長および経理部の許可が必要です。現地での食事や交通費、予防接種費用なども精算可能ですが、領収書や証明書を添付しないと却下される場合があります。出張後は必ず報告書を作成し、得られた成果や課題を関係部署に共有するとともに、今後の業務に反映させることが求められます。
出張後には何をすべきですか。
出張後は必ず報告書を作成し、得られた成果や課題を関係部署に共有するとともに、今後の業務に反映させることが求められます。
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地理
平均気温の上昇と共に極端な高温の頻度も増加している ・世界と日本の年平均気温は、様々な時間スケールの変動を伴いながら上昇している。 ・気温の上昇は一様ではなく、日本の年平均気温の上昇は世界平均よりも速く進んでいる。 ・日本国内では、真夏日、猛暑日、熱帯夜等の日数が有意に増加している一方、冬日の日数は有意に減少している。 世界平均気温は工業化以前の水準に比べて既に約 1℃上昇した ●世界気象機関(WMO)が 2020 年 3 月に公表した気候ステートメント 2019 によると、2015 年から 2019 年は、1850 年の統計開始以降で最も高温の 5 年間であった。2015 年から 2019 年で平均した世界平均気温は、工業化以前の水準(1850~1900 年の平均)に比べ約 1.1℃高かった。 ●IPCC 第 5 次評価報告書は、20 世紀半ば以降、ヨーロッパ、アジア、オーストラリアの大部分で熱波の頻度が増加した可能性は高いと評価している。日本の年平均気温の上昇は世界平均よりも速く進行している ●都市化の影響が比較的小さいと見られる気象庁の 15 観測地点で観測された年平均気温は、様々な時間スケールの変動を伴いながら、1898 年から 2019 年の間に 100 年当たり 1.24℃の割合で上昇している。2019 年の年平均気温は統計開始以降で最も高かった。 ●雪氷アルベドフィードバックや海陸の昇温量の違い(水分の蒸発により熱が奪われやすい海洋の方が陸よりも温度が上がりにくい)等により、陸域が多い北半球の中高緯度は地球温暖化による気温の上昇率が比較的大きい。 ●これを反映して、日本の平均気温の上昇率は世界平均よりも大きい。 全国の地上気象観測地点の中から、観測データの均質性が長期間確保でき、かつ都市化等による環境の変化が比較的小さい地点から、地域的に偏りなく分布するように選出した 15 地点(網走、根室、寿都、山形、石巻、伏木、飯田、銚子、境、浜田、彦根、多度津、宮崎、名瀬及び石垣島)。これらの観測点も都市化の影響が全くないわけではないが、 日本近海の海面水温の長期変化傾向も同程度(2019 年までのおよそ 100 年間にわたる上昇率は+ 1.14℃/100 年であることから、日本の年平均気温の長期変化傾向に対する都市化の影響は小さいと考えられる。 アルベドとは太陽光の反射率のこと。アルベドが高いほど太陽光を反射するため、地表面が暖まりにくい。雪や氷が融け地面や海面が露出すると、それまで反射されていた太陽光が吸収されて温度が上がり、その結果更に多くの雪氷が融解し、温度が上がる(逆もまた然り)。この正のフィードバックを雪氷アルベドフィードバックと呼ぶ。
2015 年から 2019 年の平均気温は高かったのか。
2015 年から 2019 年は、1850 年の統計開始以降で最も高温の 5 年間であった。
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地理
平均気温の上昇と共に極端な高温の頻度も増加している ・世界と日本の年平均気温は、様々な時間スケールの変動を伴いながら上昇している。 ・気温の上昇は一様ではなく、日本の年平均気温の上昇は世界平均よりも速く進んでいる。 ・日本国内では、真夏日、猛暑日、熱帯夜等の日数が有意に増加している一方、冬日の日数は有意に減少している。 世界平均気温は工業化以前の水準に比べて既に約 1℃上昇した ●世界気象機関(WMO)が 2020 年 3 月に公表した気候ステートメント 2019 によると、2015 年から 2019 年は、1850 年の統計開始以降で最も高温の 5 年間であった。2015 年から 2019 年で平均した世界平均気温は、工業化以前の水準(1850~1900 年の平均)に比べ約 1.1℃高かった。 ●IPCC 第 5 次評価報告書は、20 世紀半ば以降、ヨーロッパ、アジア、オーストラリアの大部分で熱波の頻度が増加した可能性は高いと評価している。日本の年平均気温の上昇は世界平均よりも速く進行している ●都市化の影響が比較的小さいと見られる気象庁の 15 観測地点で観測された年平均気温は、様々な時間スケールの変動を伴いながら、1898 年から 2019 年の間に 100 年当たり 1.24℃の割合で上昇している。2019 年の年平均気温は統計開始以降で最も高かった。 ●雪氷アルベドフィードバックや海陸の昇温量の違い(水分の蒸発により熱が奪われやすい海洋の方が陸よりも温度が上がりにくい)等により、陸域が多い北半球の中高緯度は地球温暖化による気温の上昇率が比較的大きい。 ●これを反映して、日本の平均気温の上昇率は世界平均よりも大きい。 全国の地上気象観測地点の中から、観測データの均質性が長期間確保でき、かつ都市化等による環境の変化が比較的小さい地点から、地域的に偏りなく分布するように選出した 15 地点(網走、根室、寿都、山形、石巻、伏木、飯田、銚子、境、浜田、彦根、多度津、宮崎、名瀬及び石垣島)。これらの観測点も都市化の影響が全くないわけではないが、 日本近海の海面水温の長期変化傾向も同程度(2019 年までのおよそ 100 年間にわたる上昇率は+ 1.14℃/100 年であることから、日本の年平均気温の長期変化傾向に対する都市化の影響は小さいと考えられる。 アルベドとは太陽光の反射率のこと。アルベドが高いほど太陽光を反射するため、地表面が暖まりにくい。雪や氷が融け地面や海面が露出すると、それまで反射されていた太陽光が吸収されて温度が上がり、その結果更に多くの雪氷が融解し、温度が上がる(逆もまた然り)。この正のフィードバックを雪氷アルベドフィードバックと呼ぶ。
雪氷アルベドフィードバックとは何か。
アルベドとは太陽光の反射率のこと。アルベドが高いほど太陽光を反射するため、地表面が暖まりにくい。雪や氷が融け地面や海面が露出すると、それまで反射されていた太陽光が吸収されて温度が上がり、その結果更に多くの雪氷が融解し、温度が上がる(逆もまた然り)。この正のフィードバックを雪氷アルベドフィードバックと呼ぶ。
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地理
平均気温の上昇と共に極端な高温の頻度も増加している ・世界と日本の年平均気温は、様々な時間スケールの変動を伴いながら上昇している。 ・気温の上昇は一様ではなく、日本の年平均気温の上昇は世界平均よりも速く進んでいる。 ・日本国内では、真夏日、猛暑日、熱帯夜等の日数が有意に増加している一方、冬日の日数は有意に減少している。 世界平均気温は工業化以前の水準に比べて既に約 1℃上昇した ●世界気象機関(WMO)が 2020 年 3 月に公表した気候ステートメント 2019 によると、2015 年から 2019 年は、1850 年の統計開始以降で最も高温の 5 年間であった。2015 年から 2019 年で平均した世界平均気温は、工業化以前の水準(1850~1900 年の平均)に比べ約 1.1℃高かった。 ●IPCC 第 5 次評価報告書は、20 世紀半ば以降、ヨーロッパ、アジア、オーストラリアの大部分で熱波の頻度が増加した可能性は高いと評価している。日本の年平均気温の上昇は世界平均よりも速く進行している ●都市化の影響が比較的小さいと見られる気象庁の 15 観測地点で観測された年平均気温は、様々な時間スケールの変動を伴いながら、1898 年から 2019 年の間に 100 年当たり 1.24℃の割合で上昇している。2019 年の年平均気温は統計開始以降で最も高かった。 ●雪氷アルベドフィードバックや海陸の昇温量の違い(水分の蒸発により熱が奪われやすい海洋の方が陸よりも温度が上がりにくい)等により、陸域が多い北半球の中高緯度は地球温暖化による気温の上昇率が比較的大きい。 ●これを反映して、日本の平均気温の上昇率は世界平均よりも大きい。 全国の地上気象観測地点の中から、観測データの均質性が長期間確保でき、かつ都市化等による環境の変化が比較的小さい地点から、地域的に偏りなく分布するように選出した 15 地点(網走、根室、寿都、山形、石巻、伏木、飯田、銚子、境、浜田、彦根、多度津、宮崎、名瀬及び石垣島)。これらの観測点も都市化の影響が全くないわけではないが、 日本近海の海面水温の長期変化傾向も同程度(2019 年までのおよそ 100 年間にわたる上昇率は+ 1.14℃/100 年であることから、日本の年平均気温の長期変化傾向に対する都市化の影響は小さいと考えられる。 アルベドとは太陽光の反射率のこと。アルベドが高いほど太陽光を反射するため、地表面が暖まりにくい。雪や氷が融け地面や海面が露出すると、それまで反射されていた太陽光が吸収されて温度が上がり、その結果更に多くの雪氷が融解し、温度が上がる(逆もまた然り)。この正のフィードバックを雪氷アルベドフィードバックと呼ぶ。
都市化の影響が比較的小さいと見られる気象庁の 15 観測地点で観測された年平均気温はどれだけ上昇しているか。
都市化の影響が比較的小さいと見られる気象庁の 15 観測地点で観測された年平均気温は、様々な時間スケールの変動を伴いながら、1898 年から 2019 年の間に 100 年当たり 1.24℃の割合で上昇している。
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地理
今後も平均気温の上昇と極端な高温の頻度の増加が予測される いずれの温室効果ガスの排出シナリオにおいても、21 世紀末の日本の平均気温は上昇する。 これに伴い、多くの地域で猛暑日や熱帯夜の日数は増加すると予測される。 ●4℃上昇シナリオ(RCP8.5)では 21 世紀末の日本の年平均気温は約 4.5℃上昇と予測される 気象庁による予測では、いずれの温室効果ガスの排出シナリオにおいても、21 世紀末(2076~2095 年の平均)における日本の年平均気温は、20 世紀末(1980~1999 年の平均)と比べて上昇する(信頼水準 90%以上で統計的に有意)(確信度が高い)。全国平均した年平均気温の変化は、4℃上昇シナリオ(RCP8.5)で約 4.5℃上昇、2℃上昇シナリオ(RCP2.6)で約 1.4℃上昇と予測される。 ●なお、21 世紀末(2081~2100 年の平均)における世界の年平均気温は、現在(1986~2005 年の平均)と比べて、4℃上昇シナリオ(RCP8.5)で約 3.7℃、2℃上昇シナリオ(RCP2.6)で約 1.0℃上昇すると予測される(IPCC 第 5 次評価報告書)。日本の気温上昇は世界平均よりも大きい。 ●気温上昇の度合いは一様ではなく、緯度が高いほど上昇が大きく、また、夏よりも冬の方が大きい。 ●こうした地域差や季節差は、これまでに観測された気温の変化にも表れており、これには北半球高緯度に見られる気温上昇の分布など様々な要因が影響していると考えられる。 ●4℃上昇シナリオ(RCP8.5)では、猛暑日は全国平均で約 19 日増加すると予測される 平均気温の上昇に伴い、4℃上昇シナリオ(RCP8.5)と 2℃上昇シナリオ(RCP2.6)のいずれの温室効果ガス排出シナリオにおいても、20 世紀末と比べ、21 世紀末には多くの地域で猛暑日及び熱帯夜 10の年間日数は増加し、冬日の日数は減少する(いずれも信頼水準 90%以上で統計的に有意)(確信度が高い)。例えば猛暑日日数は、4℃上昇シナリオ(RCP8.5)では全国平均で約 19 日、2℃上昇シナリオ(RCP2.6)では約 3 日増加すると予測される。 4℃上昇シナリオ(RCP8.5)及び 2℃上昇シナリオ(RCP2.6)において予測される気温の変化 現在気候と将来気候の差(将来変化量)を、「将来変化量 ± 将来気候における年々変動の幅」で示す。 現在気候は 1980~1999 年の、将来気候は 2076~2095 年の平均。 年平均気温の変化 4℃上昇シナリオ(RCP8.5)における予測 4.5 ± 0.6℃上昇 2℃上昇シナリオ(RCP2.6)における予測 1.4 ± 0.4℃上昇 猛暑日日数の変化 4℃上昇シナリオ(RCP8.5)における予測 19.1 ± 5.2 日増加 2℃上昇シナリオ(RCP2.6)における予測 2.8 ± 1.6 日増加 熱帯夜の日数の変化 4℃上昇シナリオ(RCP8.5)における予測 40.6 ± 6.7 日増加 2℃上昇シナリオ(RCP2.6)における予測 9.0 ± 3.7 日増加 冬日日数の変化 4℃上昇シナリオ(RCP8.5)における予測 46.8 ± 6.9 日減少 2℃上昇シナリオ(RCP2.6)における予測 16.7 ± 6.7 日減少
いずれの温室効果ガスの排出シナリオにおいても、21 世紀末の日本の平均気温は上昇するとされているが、その結果、何が起こると予測されているか。
多くの地域で猛暑日や熱帯夜の日数が増加すると予測される。
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地理
都市の乾燥化 気象庁の観測によると、都市化率の高い都市では、都市化の影響が小さいと見られる都市に比べて相対湿度の低下率が大きくなるなど、年平均した相対湿度の低下率は、都市化率が高い地点ほど大きくなる傾向がある。また、大都市では霧の発生日数も長期的に減少しており、その要因として相対湿度の低下が指摘されている。都市で相対湿度が低下する主な要因は、気温の上昇に伴う飽和水蒸気量(大気中に含みうる水蒸気量の最大値)の増加により相対湿度が下がるためと考えられるが、それに加えて、都市域では植物が少なくなり、葉からの蒸発散が弱くなるため、水蒸気そのものが減少する傾向も寄与している可能性が指摘されている。 都市化が降水に与える影響 都市域がその周辺に比べて高温となるヒートアイランド現象は、大気の循環にも影響を与え、それを通した降水への影響を指摘する研究もある。これらの中には、都市の風下側で降水量や雷が多いことを示した研究が多く、時間的には、午後に目立つ傾向が指摘されている。広い平原の中に都市が存在する米国では、都市が降水を強める効果があることを積極的に主張する研究が多いが、日本では、都市化と降水の関係はまだ十分確認されていない。また、日本の大都市の多くでは、年間の降水量や大雨日数には長期的な増減の変化傾向は確認されていない。ただし、大雨日数については、発生頻度が低い現象であるため、ある特定の観測地点のデータから長期的な変化傾向をとらえるのは難しいことに留意する必要がある。
都市化率の高い都市では、なぜ湿度が低いのか。
都市で相対湿度が低下する主な要因は、気温の上昇に伴う飽和水蒸気量(大気中に含みうる水蒸気量の最大値)の増加により相対湿度が下がるためと考えられるが、それに加えて、都市域では植物が少なくなり、葉からの蒸発散が弱くなるため、水蒸気そのものが減少する傾向も寄与している可能性が指摘されている。
JCRRAG_011348
地理
都市の乾燥化 気象庁の観測によると、都市化率の高い都市では、都市化の影響が小さいと見られる都市に比べて相対湿度の低下率が大きくなるなど、年平均した相対湿度の低下率は、都市化率が高い地点ほど大きくなる傾向がある。また、大都市では霧の発生日数も長期的に減少しており、その要因として相対湿度の低下が指摘されている。都市で相対湿度が低下する主な要因は、気温の上昇に伴う飽和水蒸気量(大気中に含みうる水蒸気量の最大値)の増加により相対湿度が下がるためと考えられるが、それに加えて、都市域では植物が少なくなり、葉からの蒸発散が弱くなるため、水蒸気そのものが減少する傾向も寄与している可能性が指摘されている。 都市化が降水に与える影響 都市域がその周辺に比べて高温となるヒートアイランド現象は、大気の循環にも影響を与え、それを通した降水への影響を指摘する研究もある。これらの中には、都市の風下側で降水量や雷が多いことを示した研究が多く、時間的には、午後に目立つ傾向が指摘されている。広い平原の中に都市が存在する米国では、都市が降水を強める効果があることを積極的に主張する研究が多いが、日本では、都市化と降水の関係はまだ十分確認されていない。また、日本の大都市の多くでは、年間の降水量や大雨日数には長期的な増減の変化傾向は確認されていない。ただし、大雨日数については、発生頻度が低い現象であるため、ある特定の観測地点のデータから長期的な変化傾向をとらえるのは難しいことに留意する必要がある。
米国と比べて、日本では都市化と降水の関係が確認されているのか。
広い平原の中に都市が存在する米国では、都市が降水を強める効果があることを積極的に主張する研究が多いが、日本では、都市化と降水の関係はまだ十分確認されていない。
JCRRAG_011349
地理
4. 日本国内の大雨及び短時間強雨の発生頻度が増加している 日本国内の大雨及び短時間強雨の発生頻度は有意に増加し、雨の降る日数は有意に減少している。 一方、日本国内の年降水量には、統計的に有意な長期変化傾向は見られない 日本国内の大雨及び短時間強雨の発生頻度は有意に増加している 気象庁の全国 51 の観測地点で観測された降水量のデータによれば、1901~2019 年の期間、日降水量 100 mm 以上及び 200 mm 以上の大雨の日数は、いずれも増加している。統計期間の初めの 30 年間(1901~1930 年)と最近の 30 年(1990~2019 年)を比較すると、それぞれ、約 1.4 倍と約 1.7 倍に増えている。 1 時間程度の短い時間スケールで局地的に発生する短時間強雨の発生頻度も増加している。気象庁の全国約 1,300 地点のアメダス観測地点で観測された降水量のデータによれば、1976 年から2019 年の期間、1 時間降水量 50 mm 以上及び 80 mm 以上の短時間強雨の年間発生回数は、いずれも増加している。統計期間の初めの 10 年間(1976~1985 年)と最近の 10 年(2010~2019年)を比較すると、それぞれ、約 1.4 倍と約 1.7 倍に増えている。 全国のアメダス地点のうち 1976 年から 2019 年の期間で観測が継続している地点(640 地点)のデータによれば、1 年で最も多くの雨が降った日の降水量(年最大日降水量)には増加傾向が現れている。大雨の頻度だけではなく強さも増す傾向にある。2010 年から 2019 年の平均値は、統計期間の最初の 10 年間(1976~1985 年)と比べて約 1.2 倍に増加している。 雨の降る日は有意に減少している 前述の気象庁の全国 51 観測地点における観測によれば、1901 年から 2019 年の期間、雨の降る日(1 日の降水量が 1.0 mm 以上の日)の日数は減少している。減少率は 100 年当たり 9.5 日である。 日本の年降水量・季節降水量には、統計的に有意な長期変化傾向は見られない また、同じ観測地点で観測された降水量のデータを用いて計算した年降水量、季節降水量には、統計的に有意な長期変化傾向は見られない。地方ごとに平均した年降水量にも、有意な長期変化傾向は見られない。
日本国内の大雨及び短時間強雨の発生頻度は統計期間の初めより増加しているのか。
日本国内の大雨及び短時間強雨の発生頻度は有意に増加している。気象庁の全国 51 の観測地点で観測された降水量のデータによれば、1901~2019 年の期間、日降水量 100 mm 以上及び 200 mm 以上の大雨の日数は、いずれも増加している。統計期間の初めの 30 年間(1901~1930 年)と最近の 30 年(1990~2019 年)を比較すると、それぞれ、約 1.4 倍と約 1.7 倍に増えている。
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地理
IPCC 第 5 次評価報告書によると、世界の陸上全体で見た年降水量には、1901 年の統計開始以降、数年から数十年規模の変動が見られるが、長期的な変化はほとんど見られない。 また、同報告書では、北半球中緯度の陸域平均では、降水量が 1901 年以降増加しており(1951 年までは確信度が中程度、それ以降は確信度が高い)、その他の緯度帯については、領域平均した長期的な長期変化傾向の確信度は低いと評価している。 【参考】雨の降り方が極端になってきているのはなぜか 日本においては、大雨や短時間強雨の頻度が増加し、極端な降水の強さも増す傾向にある一方、雨がほとんど降らない日も増えており、雨の降り方が極端になってきている。 雨は、大気中の水蒸気が雲の中で凝結し、それが地上に落ちてくる現象である。空気には、気温が高くなるほど水蒸気を多く含むことができるという性質がある。 気温が高くなることで、雨として降るまでに水蒸気が大気中にため込まれる時間が長くなるために降水の回数が減り、その一方、一度の大雨がもたらす降水量は一般的に多くなる。 気象庁の高層気象観測によるデータからも、上空約 1,500 m の空気中に含まれる水蒸気量は増加傾向にあることが確認されている。 これまでに観測されている大雨の頻度の増加や強度の増大は、気温が上がるほど空気中に含むことのできる水蒸気の量も増えるという性質を反映した、地球温暖化に伴う気候の変化の一つと考えられる。
日本の大雨や短時間強雨の頻度が増加し、極端な降水の強さも増す傾向にあるのはなぜか。
大雨の頻度の増加や強度の増大は、気温が上がるほど空気中に含むことのできる水蒸気の量も増えるという性質を反映した、地球温暖化に伴う気候の変化の一つと考えられる。
JCRRAG_011351
地理
令和 5 年の記録的な高温を振り返る (1)統計開始以降最も暑かった 1 年間  令和 5 年(2023 年)の世界の年平均気温偏差は、統計を開始した明治 24 年(1891 年)以降、最も高くなりました。 日本においても、令和 5 年の年平均気温偏差は、統計を開始した明治 31 年(1898 年)以降、最も高い値となりました。 日本の平均気温は、長期的には 100 年あたり1.35℃の割合で上昇しており、特に 1990 年代以降高温となる年が多くなっています。地球温暖化の進行に伴い、このような記録的な高温となる年が発生しやすくなっています。  特に 7月後半から北・東日本を中心に記録的な高温となりました。7月後半以降は猛暑日となった地点が多く、8 月31日までに全国のアメダス地点で観測された猛暑日の積算日数は平成 22 年(2010 年)以降で最も多くなりました。8月 5 日には福島県伊達市梁川(ヤナガワ)で 40.0℃を観測するなど、夏(6 ~ 8 月)に全国の観測点 915 地点のうち128 地点で通年の日最高気温が高い記録を更新しました(タイを含む)。 日本近海の記録的な海面水温 令和 5 年(2023 年)は気温が記録的に高かっただけでなく、日本近海の海面水温も高い状態となっていました。 令和 5 年の日本近海の月平均海面水温(海域 1 から海域 10 の全海域を平均)は、すべての月で平年(1991 年~2020 年の平均値)より高くなりました。特に 9 月は平年差 +1.6℃となり、10 海域のうち 6 海域で昭和 57 年(1982 年)以降での第 1 位となりました。  日本近海の平均海面水温が記録的に高くなったのは、日本の平均気温が記録的に高かったことや、例年房総半島沖を東に流れる黒潮続流が三陸沖にまで北上し、海面の内部まで海水温の高い状態が春頃から続いていること、さらには日本に接近した台風が平年より少なく、台風の通過に伴う海面水温低下の効果が小さかったこともその要因のひとつと考えられます。 (3)7 月後半以降の顕著な高温の要因  気象庁では、社会・経済に大きな影響を与える異常気象が発生した場合、その発生要因について最新の科学的知見に基づいて分析し、その見解を迅速に発表することを目的とした「異常気象分析検討会」(大学・研究機関等の気候に関する専門家から構成)を平成 19 年(2007 年)6 月より運営しています。今回の記録的な高温の発生要因についても本検討会で分析・検討を行い、令和 5 年(2023 年)8 月 28 日にその結果を公表しました。  本検討会における分析では、7 月下旬の記録的な高温は、日本付近で下層の太平洋高気圧の張り出しが顕著に強まり、持続的な下降気流や晴天による強い日射によってもたらされたことがわかりました。また、日本付近では上層の亜熱帯ジェット気流が明瞭に平年の位置より北に偏り、暖気を伴った背の高い高気圧に覆われたことも高温に寄与したと考えられます。太平洋高気圧の日本付近への張り出しが強まったことと亜熱帯ジェット気流が北に偏ったことについては、台風第 4 号、第 5 号、第 6 号と続けてフィリピン付近を北上し、その周辺で積雲対流活動が平年と比べて顕著に活発化したことが、影響したことが分かりました。さらに、2022/23 年冬に終息したラニーニャ現象の影響で、熱帯北西太平洋で海面水温が平年より高かったこと、及び熱帯インド洋において海水温が今夏まで比較的低く保たれて積雲対流活動が平年より弱かったことも、フィリピン周辺の積雲対流活動の活発化に寄与した可能性があります。今夏の顕著な高温には、上記の要因に加え、持続的な温暖化傾向に伴う全球的な高温傾向の影響が加わったと考えられます。また、北日本周辺では海面水温が記録的に高く、特に三陸沖では黒潮続流の北上に伴って海洋内部まで水温が顕著に高い状態が続きました。この高い海面水温によって、日本海北部や北海道南東方から東北沖にかけては下層大気が冷やされにくかったことも、北日本の記録的な高温に寄与した可能性があります。
北日本が記録的な高温だったのはなぜでしょうか。
北日本周辺では海面水温が記録的に高く、特に三陸沖では黒潮続流の北上に伴って海洋内部まで水温が顕著に高い状態が続きました。この高い海面水温によって、日本海北部や北海道南東方から東北沖にかけては下層大気が冷やされにくかったことも、北日本の記録的な高温に寄与した可能性があります。
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地理
令和 5 年の記録的な高温を振り返る (1)統計開始以降最も暑かった 1 年間  令和 5 年(2023 年)の世界の年平均気温偏差は、統計を開始した明治 24 年(1891 年)以降、最も高くなりました。 日本においても、令和 5 年の年平均気温偏差は、統計を開始した明治 31 年(1898 年)以降、最も高い値となりました。 日本の平均気温は、長期的には 100 年あたり1.35℃の割合で上昇しており、特に 1990 年代以降高温となる年が多くなっています。地球温暖化の進行に伴い、このような記録的な高温となる年が発生しやすくなっています。  特に 7月後半から北・東日本を中心に記録的な高温となりました。7月後半以降は猛暑日となった地点が多く、8 月31日までに全国のアメダス地点で観測された猛暑日の積算日数は平成 22 年(2010 年)以降で最も多くなりました。8月 5 日には福島県伊達市梁川(ヤナガワ)で 40.0℃を観測するなど、夏(6 ~ 8 月)に全国の観測点 915 地点のうち128 地点で通年の日最高気温が高い記録を更新しました(タイを含む)。 日本近海の記録的な海面水温 令和 5 年(2023 年)は気温が記録的に高かっただけでなく、日本近海の海面水温も高い状態となっていました。 令和 5 年の日本近海の月平均海面水温(海域 1 から海域 10 の全海域を平均)は、すべての月で平年(1991 年~2020 年の平均値)より高くなりました。特に 9 月は平年差 +1.6℃となり、10 海域のうち 6 海域で昭和 57 年(1982 年)以降での第 1 位となりました。  日本近海の平均海面水温が記録的に高くなったのは、日本の平均気温が記録的に高かったことや、例年房総半島沖を東に流れる黒潮続流が三陸沖にまで北上し、海面の内部まで海水温の高い状態が春頃から続いていること、さらには日本に接近した台風が平年より少なく、台風の通過に伴う海面水温低下の効果が小さかったこともその要因のひとつと考えられます。 (3)7 月後半以降の顕著な高温の要因  気象庁では、社会・経済に大きな影響を与える異常気象が発生した場合、その発生要因について最新の科学的知見に基づいて分析し、その見解を迅速に発表することを目的とした「異常気象分析検討会」(大学・研究機関等の気候に関する専門家から構成)を平成 19 年(2007 年)6 月より運営しています。今回の記録的な高温の発生要因についても本検討会で分析・検討を行い、令和 5 年(2023 年)8 月 28 日にその結果を公表しました。  本検討会における分析では、7 月下旬の記録的な高温は、日本付近で下層の太平洋高気圧の張り出しが顕著に強まり、持続的な下降気流や晴天による強い日射によってもたらされたことがわかりました。また、日本付近では上層の亜熱帯ジェット気流が明瞭に平年の位置より北に偏り、暖気を伴った背の高い高気圧に覆われたことも高温に寄与したと考えられます。太平洋高気圧の日本付近への張り出しが強まったことと亜熱帯ジェット気流が北に偏ったことについては、台風第 4 号、第 5 号、第 6 号と続けてフィリピン付近を北上し、その周辺で積雲対流活動が平年と比べて顕著に活発化したことが、影響したことが分かりました。さらに、2022/23 年冬に終息したラニーニャ現象の影響で、熱帯北西太平洋で海面水温が平年より高かったこと、及び熱帯インド洋において海水温が今夏まで比較的低く保たれて積雲対流活動が平年より弱かったことも、フィリピン周辺の積雲対流活動の活発化に寄与した可能性があります。今夏の顕著な高温には、上記の要因に加え、持続的な温暖化傾向に伴う全球的な高温傾向の影響が加わったと考えられます。また、北日本周辺では海面水温が記録的に高く、特に三陸沖では黒潮続流の北上に伴って海洋内部まで水温が顕著に高い状態が続きました。この高い海面水温によって、日本海北部や北海道南東方から東北沖にかけては下層大気が冷やされにくかったことも、北日本の記録的な高温に寄与した可能性があります。
地球温暖化の進行によって、令和 5 年(2023 年)の世界や日本はどれくらい高温になっていますか。
令和 5 年(2023 年)の世界の年平均気温偏差は、統計を開始した明治 24 年(1891 年)以降、最も高くなりました。 日本においても、令和 5 年の年平均気温偏差は、統計を開始した明治 31 年(1898 年)以降、最も高い値となりました。
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地理
令和 5 年の記録的な高温を振り返る (1)統計開始以降最も暑かった 1 年間  令和 5 年(2023 年)の世界の年平均気温偏差は、統計を開始した明治 24 年(1891 年)以降、最も高くなりました。 日本においても、令和 5 年の年平均気温偏差は、統計を開始した明治 31 年(1898 年)以降、最も高い値となりました。 日本の平均気温は、長期的には 100 年あたり1.35℃の割合で上昇しており、特に 1990 年代以降高温となる年が多くなっています。地球温暖化の進行に伴い、このような記録的な高温となる年が発生しやすくなっています。  特に 7月後半から北・東日本を中心に記録的な高温となりました。7月後半以降は猛暑日となった地点が多く、8 月31日までに全国のアメダス地点で観測された猛暑日の積算日数は平成 22 年(2010 年)以降で最も多くなりました。8月 5 日には福島県伊達市梁川(ヤナガワ)で 40.0℃を観測するなど、夏(6 ~ 8 月)に全国の観測点 915 地点のうち128 地点で通年の日最高気温が高い記録を更新しました(タイを含む)。 日本近海の記録的な海面水温 令和 5 年(2023 年)は気温が記録的に高かっただけでなく、日本近海の海面水温も高い状態となっていました。 令和 5 年の日本近海の月平均海面水温(海域 1 から海域 10 の全海域を平均)は、すべての月で平年(1991 年~2020 年の平均値)より高くなりました。特に 9 月は平年差 +1.6℃となり、10 海域のうち 6 海域で昭和 57 年(1982 年)以降での第 1 位となりました。  日本近海の平均海面水温が記録的に高くなったのは、日本の平均気温が記録的に高かったことや、例年房総半島沖を東に流れる黒潮続流が三陸沖にまで北上し、海面の内部まで海水温の高い状態が春頃から続いていること、さらには日本に接近した台風が平年より少なく、台風の通過に伴う海面水温低下の効果が小さかったこともその要因のひとつと考えられます。 (3)7 月後半以降の顕著な高温の要因  気象庁では、社会・経済に大きな影響を与える異常気象が発生した場合、その発生要因について最新の科学的知見に基づいて分析し、その見解を迅速に発表することを目的とした「異常気象分析検討会」(大学・研究機関等の気候に関する専門家から構成)を平成 19 年(2007 年)6 月より運営しています。今回の記録的な高温の発生要因についても本検討会で分析・検討を行い、令和 5 年(2023 年)8 月 28 日にその結果を公表しました。  本検討会における分析では、7 月下旬の記録的な高温は、日本付近で下層の太平洋高気圧の張り出しが顕著に強まり、持続的な下降気流や晴天による強い日射によってもたらされたことがわかりました。また、日本付近では上層の亜熱帯ジェット気流が明瞭に平年の位置より北に偏り、暖気を伴った背の高い高気圧に覆われたことも高温に寄与したと考えられます。太平洋高気圧の日本付近への張り出しが強まったことと亜熱帯ジェット気流が北に偏ったことについては、台風第 4 号、第 5 号、第 6 号と続けてフィリピン付近を北上し、その周辺で積雲対流活動が平年と比べて顕著に活発化したことが、影響したことが分かりました。さらに、2022/23 年冬に終息したラニーニャ現象の影響で、熱帯北西太平洋で海面水温が平年より高かったこと、及び熱帯インド洋において海水温が今夏まで比較的低く保たれて積雲対流活動が平年より弱かったことも、フィリピン周辺の積雲対流活動の活発化に寄与した可能性があります。今夏の顕著な高温には、上記の要因に加え、持続的な温暖化傾向に伴う全球的な高温傾向の影響が加わったと考えられます。また、北日本周辺では海面水温が記録的に高く、特に三陸沖では黒潮続流の北上に伴って海洋内部まで水温が顕著に高い状態が続きました。この高い海面水温によって、日本海北部や北海道南東方から東北沖にかけては下層大気が冷やされにくかったことも、北日本の記録的な高温に寄与した可能性があります。
7 月下旬の記録的な高温はなぜ起こりましたか。
7 月下旬の記録的な高温は、日本付近で下層の太平洋高気圧の張り出しが顕著に強まり、持続的な下降気流や晴天による強い日射によってもたらされたことがわかりました。
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地理
令和 5 年の記録的な高温を振り返る (1)統計開始以降最も暑かった 1 年間  令和 5 年(2023 年)の世界の年平均気温偏差は、統計を開始した明治 24 年(1891 年)以降、最も高くなりました。 日本においても、令和 5 年の年平均気温偏差は、統計を開始した明治 31 年(1898 年)以降、最も高い値となりました。 日本の平均気温は、長期的には 100 年あたり1.35℃の割合で上昇しており、特に 1990 年代以降高温となる年が多くなっています。地球温暖化の進行に伴い、このような記録的な高温となる年が発生しやすくなっています。  特に 7月後半から北・東日本を中心に記録的な高温となりました。7月後半以降は猛暑日となった地点が多く、8 月31日までに全国のアメダス地点で観測された猛暑日の積算日数は平成 22 年(2010 年)以降で最も多くなりました。8月 5 日には福島県伊達市梁川(ヤナガワ)で 40.0℃を観測するなど、夏(6 ~ 8 月)に全国の観測点 915 地点のうち128 地点で通年の日最高気温が高い記録を更新しました(タイを含む)。 日本近海の記録的な海面水温 令和 5 年(2023 年)は気温が記録的に高かっただけでなく、日本近海の海面水温も高い状態となっていました。 令和 5 年の日本近海の月平均海面水温(海域 1 から海域 10 の全海域を平均)は、すべての月で平年(1991 年~2020 年の平均値)より高くなりました。特に 9 月は平年差 +1.6℃となり、10 海域のうち 6 海域で昭和 57 年(1982 年)以降での第 1 位となりました。  日本近海の平均海面水温が記録的に高くなったのは、日本の平均気温が記録的に高かったことや、例年房総半島沖を東に流れる黒潮続流が三陸沖にまで北上し、海面の内部まで海水温の高い状態が春頃から続いていること、さらには日本に接近した台風が平年より少なく、台風の通過に伴う海面水温低下の効果が小さかったこともその要因のひとつと考えられます。 (3)7 月後半以降の顕著な高温の要因  気象庁では、社会・経済に大きな影響を与える異常気象が発生した場合、その発生要因について最新の科学的知見に基づいて分析し、その見解を迅速に発表することを目的とした「異常気象分析検討会」(大学・研究機関等の気候に関する専門家から構成)を平成 19 年(2007 年)6 月より運営しています。今回の記録的な高温の発生要因についても本検討会で分析・検討を行い、令和 5 年(2023 年)8 月 28 日にその結果を公表しました。  本検討会における分析では、7 月下旬の記録的な高温は、日本付近で下層の太平洋高気圧の張り出しが顕著に強まり、持続的な下降気流や晴天による強い日射によってもたらされたことがわかりました。また、日本付近では上層の亜熱帯ジェット気流が明瞭に平年の位置より北に偏り、暖気を伴った背の高い高気圧に覆われたことも高温に寄与したと考えられます。太平洋高気圧の日本付近への張り出しが強まったことと亜熱帯ジェット気流が北に偏ったことについては、台風第 4 号、第 5 号、第 6 号と続けてフィリピン付近を北上し、その周辺で積雲対流活動が平年と比べて顕著に活発化したことが、影響したことが分かりました。さらに、2022/23 年冬に終息したラニーニャ現象の影響で、熱帯北西太平洋で海面水温が平年より高かったこと、及び熱帯インド洋において海水温が今夏まで比較的低く保たれて積雲対流活動が平年より弱かったことも、フィリピン周辺の積雲対流活動の活発化に寄与した可能性があります。今夏の顕著な高温には、上記の要因に加え、持続的な温暖化傾向に伴う全球的な高温傾向の影響が加わったと考えられます。また、北日本周辺では海面水温が記録的に高く、特に三陸沖では黒潮続流の北上に伴って海洋内部まで水温が顕著に高い状態が続きました。この高い海面水温によって、日本海北部や北海道南東方から東北沖にかけては下層大気が冷やされにくかったことも、北日本の記録的な高温に寄与した可能性があります。
太平洋高気圧の日本付近への張り出しが強まったことと亜熱帯ジェット気流が北に偏ったのはなぜでしょうか。
太平洋高気圧の日本付近への張り出しが強まったことと亜熱帯ジェット気流が北に偏ったことについては、台風第 4 号、第 5 号、第 6 号と続けてフィリピン付近を北上し、その周辺で積雲対流活動が平年と比べて顕著に活発化したことが、影響したことが分かりました。
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地理
令和 5 年の記録的な高温を振り返る (1)統計開始以降最も暑かった 1 年間  令和 5 年(2023 年)の世界の年平均気温偏差は、統計を開始した明治 24 年(1891 年)以降、最も高くなりました。 日本においても、令和 5 年の年平均気温偏差は、統計を開始した明治 31 年(1898 年)以降、最も高い値となりました。 日本の平均気温は、長期的には 100 年あたり1.35℃の割合で上昇しており、特に 1990 年代以降高温となる年が多くなっています。地球温暖化の進行に伴い、このような記録的な高温となる年が発生しやすくなっています。  特に 7月後半から北・東日本を中心に記録的な高温となりました。7月後半以降は猛暑日となった地点が多く、8 月31日までに全国のアメダス地点で観測された猛暑日の積算日数は平成 22 年(2010 年)以降で最も多くなりました。8月 5 日には福島県伊達市梁川(ヤナガワ)で 40.0℃を観測するなど、夏(6 ~ 8 月)に全国の観測点 915 地点のうち128 地点で通年の日最高気温が高い記録を更新しました(タイを含む)。 日本近海の記録的な海面水温 令和 5 年(2023 年)は気温が記録的に高かっただけでなく、日本近海の海面水温も高い状態となっていました。 令和 5 年の日本近海の月平均海面水温(海域 1 から海域 10 の全海域を平均)は、すべての月で平年(1991 年~2020 年の平均値)より高くなりました。特に 9 月は平年差 +1.6℃となり、10 海域のうち 6 海域で昭和 57 年(1982 年)以降での第 1 位となりました。  日本近海の平均海面水温が記録的に高くなったのは、日本の平均気温が記録的に高かったことや、例年房総半島沖を東に流れる黒潮続流が三陸沖にまで北上し、海面の内部まで海水温の高い状態が春頃から続いていること、さらには日本に接近した台風が平年より少なく、台風の通過に伴う海面水温低下の効果が小さかったこともその要因のひとつと考えられます。 (3)7 月後半以降の顕著な高温の要因  気象庁では、社会・経済に大きな影響を与える異常気象が発生した場合、その発生要因について最新の科学的知見に基づいて分析し、その見解を迅速に発表することを目的とした「異常気象分析検討会」(大学・研究機関等の気候に関する専門家から構成)を平成 19 年(2007 年)6 月より運営しています。今回の記録的な高温の発生要因についても本検討会で分析・検討を行い、令和 5 年(2023 年)8 月 28 日にその結果を公表しました。  本検討会における分析では、7 月下旬の記録的な高温は、日本付近で下層の太平洋高気圧の張り出しが顕著に強まり、持続的な下降気流や晴天による強い日射によってもたらされたことがわかりました。また、日本付近では上層の亜熱帯ジェット気流が明瞭に平年の位置より北に偏り、暖気を伴った背の高い高気圧に覆われたことも高温に寄与したと考えられます。太平洋高気圧の日本付近への張り出しが強まったことと亜熱帯ジェット気流が北に偏ったことについては、台風第 4 号、第 5 号、第 6 号と続けてフィリピン付近を北上し、その周辺で積雲対流活動が平年と比べて顕著に活発化したことが、影響したことが分かりました。さらに、2022/23 年冬に終息したラニーニャ現象の影響で、熱帯北西太平洋で海面水温が平年より高かったこと、及び熱帯インド洋において海水温が今夏まで比較的低く保たれて積雲対流活動が平年より弱かったことも、フィリピン周辺の積雲対流活動の活発化に寄与した可能性があります。今夏の顕著な高温には、上記の要因に加え、持続的な温暖化傾向に伴う全球的な高温傾向の影響が加わったと考えられます。また、北日本周辺では海面水温が記録的に高く、特に三陸沖では黒潮続流の北上に伴って海洋内部まで水温が顕著に高い状態が続きました。この高い海面水温によって、日本海北部や北海道南東方から東北沖にかけては下層大気が冷やされにくかったことも、北日本の記録的な高温に寄与した可能性があります。
日本近海の平均海面水温が記録的に高くなったのはなぜでしょうか。
日本近海の平均海面水温が記録的に高くなったのは、日本の平均気温が記録的に高かったことや、例年房総半島沖を東に流れる黒潮続流が三陸沖にまで北上し、海面の内部まで海水温の高い状態が春頃から続いていること、さらには日本に接近した台風が平年より少なく、台風の通過に伴う海面水温低下の効果が小さかったこともその要因のひとつと考えられます。
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地理
(4)世界の異常気象と気象災害  社会経済活動の国際化により、世界各国で発生する異常気象が、その国だけでなく、日本の社会経済にも大きな影響を与えるようになっています。このため、気象庁では世界の異常気象等に関する情報を逐次提供しています。  令和 5 年(2023 年)にも、世界各地で顕著な高温を含む異常気象が多く発生し、記録が更新されるほどの異常高温や森林火災が発生した国がみられました。例えば、3 月~ 12 月は世界の各地で平年を大きく上回る高温となり、ベトナム北部のゲアン(Nghean)では 5 月 7 日に 44.2℃を観測し、ベトナムの国内最高気温を更新したとベトナム気象局から報じられました。このほか、7 月には中国にて、11 月にはブラジルにてそれぞれの国内最高気温を更新する値が観測されたと報じられました。また、8 月には日本、インド、スペインなどで、9 月には日本、韓国、中国、英国、フランスなどで月平均気温がそれぞれの国の統計開始以降で最も高くなりました。カナダでは、令和 5 年に発生した森林火災により約 18.5 万平方キロメートルが焼失し、昭和 58 年(1983 年)以降で最大の焼失面積になったと報じられました。 これら一連の顕著な高温をもたらした要因として、エルニーニョ現象に伴い熱帯域を中心に昇温したことや、偏西風の蛇行に伴って暖かい空気に覆われやすかったことが考えられます。なお、顕著な高温の背景には、地球温暖化に伴う全球的な気温の上昇傾向も影響したと考えられます。  その他、8 月には米国ハワイ州でハリケーンに伴う強風や乾燥による森林火災により120 人以上が死亡し、9月には地中海で発達した低気圧による大雨の影響でリビアでは 12,350 人以上が死亡するなど、大きな人的・経済的被害をもたらした気象災害が発生しました。
2023 年に世界的な最高気温を記録したのはなぜでしょうか。
顕著な高温をもたらした要因として、エルニーニョ現象に伴い熱帯域を中心に昇温したことや、偏西風の蛇行に伴って暖かい空気に覆われやすかったことが考えられます。なお、顕著な高温の背景には、地球温暖化に伴う全球的な気温の上昇傾向も影響したと考えられます。
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地理
(4)世界の異常気象と気象災害  社会経済活動の国際化により、世界各国で発生する異常気象が、その国だけでなく、日本の社会経済にも大きな影響を与えるようになっています。このため、気象庁では世界の異常気象等に関する情報を逐次提供しています。  令和 5 年(2023 年)にも、世界各地で顕著な高温を含む異常気象が多く発生し、記録が更新されるほどの異常高温や森林火災が発生した国がみられました。例えば、3 月~ 12 月は世界の各地で平年を大きく上回る高温となり、ベトナム北部のゲアン(Nghean)では 5 月 7 日に 44.2℃を観測し、ベトナムの国内最高気温を更新したとベトナム気象局から報じられました。このほか、7 月には中国にて、11 月にはブラジルにてそれぞれの国内最高気温を更新する値が観測されたと報じられました。また、8 月には日本、インド、スペインなどで、9 月には日本、韓国、中国、英国、フランスなどで月平均気温がそれぞれの国の統計開始以降で最も高くなりました。カナダでは、令和 5 年に発生した森林火災により約 18.5 万平方キロメートルが焼失し、昭和 58 年(1983 年)以降で最大の焼失面積になったと報じられました。 これら一連の顕著な高温をもたらした要因として、エルニーニョ現象に伴い熱帯域を中心に昇温したこ とや、偏西風の蛇行に伴って暖かい空気に覆われやすかったことが考えられます。なお、顕著な高温の背景には、地球温暖化に伴う全球的な気温の上昇傾向も影響したと考えられます。  その他、8 月には米国ハワイ州でハリケーンに伴う強風や乾燥による森林火災により120 人以上が死亡し、9月には地中海で発達した低気圧による大雨の影響でリビアでは 12,350 人以上が死亡するなど、大きな人的・経済的被害をもたらした気象災害が発生しました。
世界各地での顕著な高温はどのような災害を引き起こしましたか。
8 月には米国ハワイ州でハリケーンに伴う強風や乾燥による森林火災により120 人以上が死亡し、9月には地中海で発達した低気圧による大雨の影響でリビアでは 12,350 人以上が死亡するなど、大きな人的・経済的被害をもたらした気象災害が発生しました。
JCRRAG_011358
地理
①「全国 5km メッシュアンサンブル気候予測データ」の概要  地球温暖化が進行した将来、大雨等の極端な気象現象がどのように変化するかを調べるため、平成 28 年(2016年)に「地球温暖化対策に資するアンサンブル気候予測データベース (d4PDF)」が公開されました。d4PDF は水平約 60km メッシュの全球版と日本域を対象とした 20km メッシュの領域版があり、過去(1950 年~ 2010 年)及び工業化前から 2 度・4 度上昇した気候下において数千年規模のデータを有します。しかし、領域版でもメッシュ間隔が20kmであり、狭い範囲に短時間に多量の雨をもたらす線状降水帯や、複雑な地形の影響を受けた大雨を再現することはできませんでした。そこで、日本全国を網羅し、d4PDF の過去・2 度上昇・4 度上昇のそれぞれ 720 年分のデータを、地域気候モデルを用いて 5km メッシュに高解像度化し、線状降水帯を含む極端降水を評価可能なデータセット(全国 5km メッシュアンサンブル気候予測データ)を作成しました。 ② 極端降雨と線状降水帯の将来予測  過去実験及び将来実験の結果から、全国を対象に 50 年に一度程度の大雨の降水量の変化を調べました。5km メッシュの過去実験において、50 年に一度程度の年最大 24 時間降水量は東海から九州にかけての太平洋側と南西諸島で多く、場所によっては 600ミリを超えています。これはアメダスの観測データから求めた値と近い値です。一方、20km メッシュの実験ではアメダスの観測と比較して過小評価が見られました。5km メッシュによる 4 度上昇実験では全国的に増加し、特に東海や九州にかけての太平洋側と北日本で増加率が高く、40%を超える場所も見られました。  次に、令和 5 年夏の EAでも使用した線状降水帯抽出手法を用いて、過去気候(1950 年~ 2010 年)、2 度上昇気候、4 度上昇気候において線状降水帯を抽出し、年間発生数を比較しました。線状降水帯は紀伊半島や四国の南東斜面、九州から南西諸島で発生頻度が高く、この傾向は気象庁の解析雨量を元に抽出した結果とも整合的でした。  日本全国で積算した 1 年あたりの線状降水帯の発生数の頻度分布を調べた結果、過去実験では年間15-25 回に頻度のピークが見られますが、2 度上昇実験ではピークが 30-35 回に増加し、さらに 4 度上昇実験では 35-40 回に増加しました。平均的な年間発生回数は、過去実験で 23 回、2 度上昇実験で 31回(過去実験のおよそ1.3 倍)、4 度上昇実験で 38 回(過去実験のおよそ1.6 倍)になっています。4 度上昇実験では多い年は年間 60 回を超える年もみられました。  4 度上昇実験においては、関東から九州にかけての太平洋側で出現頻度が増加し、広範囲で 10 年あたり2回以上の線状降水帯が発生していました。また、過去実験では線状降水帯がほとんど抽出されなかった東北北部や北海道でも、4 度上昇実験では少ないながらも抽出されました。
日本全国で積算した 1 年あたりの線状降水帯の発生数の頻度分布を調べた結果、2 度上昇実験と 4 度上昇実験の増加量を教えてください。
日本全国で積算した 1 年あたりの線状降水帯の発生数の頻度分布を調べた結果、過去実験では年間15-25 回に頻度のピークが見られますが、2 度上昇実験ではピークが 30-35 回に増加し、さらに 4 度上昇実験では 35-40 回に増加しました。
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地理
気象庁では、線状降水帯の予測精度向上に向けた数値予報モデルの技術開発を加速化するため、文部科学省・ 理化学研究所の協力の下、スーパーコンピュータ「富岳」を活用し、数値予報モデルの高解像度化や数値予報におけ る観測データの利用手法高度化等の技術開発を進めています。  大学や研究機関が有する先端的な知見を活用して、観測データ利用手法高度化の開発を加速化させるため、令和 4 年(2022 年)に観測データの利用に必要なプログラムを「富岳」でも利用できるよう実験システムを構築しました。令 和 5 年には、この実験システムを活用した新たな学官連携の取り組みとして、気象庁が整備した二重偏波気象ドップ ラーレーダーや静止気象衛星ひまわりの観測データの高度利用をテーマとした共同研究提案を広く募集しました。外部 有識者を含む選定委員会による選定を経て、「富岳」を活用した 3 件の共同研究を大学や研究機関と実施しています。  また、水平解像度を 2km から1km に高解像度化した局地モデルを令和 7 年度末(2025 年度末)に運用開始する ための開発の一環として、開発中の水平解像度 1km の局地モデルのリアルタイムシミュレーション実験を令和 4 年よ り実施しています。令和 5 年には 6 月 8 日から10 月 31日までの期間、予測領域を日本全域に拡張(令和 4 年は西 日本領域で実施)してリアルタイムシミュレーション実験を実施しました。局地モデルの水平解像度を高解像度化する ことにより、強い降水を過大に予測する傾向は残るものの、観測された降水量により近くなることが分かりました。  さらに、「富岳」では数値モデルの予測計算を高速化するための技術開発も進めています。ここで得られた知見を「富 岳」と同型の機種である線状降水帯予測スーパーコンピュータにも適用することで、令和 5 年度末(2023 年度末)に 局地モデルの予測時間を 10 時間から18 時間に延長することが出来ました。
気象庁がスーパーコンピュータ「富岳」を活用することにした理由とは何でしょうか。
線状降水帯の予測精度向上に向けた数値予報モデルの技術開発を加速化するためです。
JCRRAG_011360
地理
気象庁では、線状降水帯の予測精度向上に向けた数値予報モデルの技術開発を加速化するため、文部科学省・ 理化学研究所の協力の下、スーパーコンピュータ「富岳」を活用し、数値予報モデルの高解像度化や数値予報におけ る観測データの利用手法高度化等の技術開発を進めています。  大学や研究機関が有する先端的な知見を活用して、観測データ利用手法高度化の開発を加速化させるため、令和 4 年(2022 年)に観測データの利用に必要なプログラムを「富岳」でも利用できるよう実験システムを構築しました。令 和 5 年には、この実験システムを活用した新たな学官連携の取り組みとして、気象庁が整備した二重偏波気象ドップ ラーレーダーや静止気象衛星ひまわりの観測データの高度利用をテーマとした共同研究提案を広く募集しました。外部 有識者を含む選定委員会による選定を経て、「富岳」を活用した 3 件の共同研究を大学や研究機関と実施しています。  また、水平解像度を 2km から1km に高解像度化した局地モデルを令和 7 年度末(2025 年度末)に運用開始する ための開発の一環として、開発中の水平解像度 1km の局地モデルのリアルタイムシミュレーション実験を令和 4 年よ り実施しています。令和 5 年には 6 月 8 日から10 月 31日までの期間、予測領域を日本全域に拡張(令和 4 年は西 日本領域で実施)してリアルタイムシミュレーション実験を実施しました。局地モデルの水平解像度を高解像度化する ことにより、強い降水を過大に予測する傾向は残るものの、観測された降水量により近くなることが分かりました。  さらに、「富岳」では数値モデルの予測計算を高速化するための技術開発も進めています。ここで得られた知見を「富 岳」と同型の機種である線状降水帯予測スーパーコンピュータにも適用することで、令和 5 年度末(2023 年度末)に 局地モデルの予測時間を 10 時間から18 時間に延長することが出来ました。
気象庁が大学や研究機関と共同開発をすることにした理由とは何でしょうか。
大学や研究機関が有する先端的な知見を活用して、観測データ利用手法高度化の開発を加速化させるためです。
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地理
令和 5 年(2023 年)は大正 12 年(1923 年)に発生した関東大震災から100 年にあたります。その後、昭和 19 年(1944 年)12 月 7日の東南海地震、昭和 21 年(1946 年)12 月 21日の南海地震、平成 7 年(1995 年)1 月 17 日の兵庫県南部地震、平成 15 年(2003 年)9月 26日の十勝沖地震、平成 23 年(2011 年)3月 11日の東北地方太平洋沖地震等、数多くの巨大地震に見舞われました。本特集では、100 年前に発生した関東大震災や、その他、節 目を迎える大地震を振り返りながら、当庁で実施している南海トラフ沿いや日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震に関する取り組み、防災気象情報の強化や普及啓発の取り組みについてご紹介します。 令和 5 年(2023 年)に節目を迎える過去の巨大地震等 (1)関東大震災から 100 年 ア. 関東大震災の概要  令和 5 年(2023 年)は、甚大な被害をもたらした関東大震災から100 年にあたります。大正 12 年(1923 年)9 月 1日11 時 58 分、神奈川県西部(北緯 35 度 19.8 分、東経 139 度 08.1 分、深さ23 キロメートル)を震源とするマグニチュード 7.9 の地震(大正関東地震)が発生しました。この地震では、発生が昼食の時間と重なったことから、多くの火災が起きて被害が拡大しました。また、津波、土砂災害等も発生し、死者・行方不明者は 10 万 5 千人余に上りました。この地震によって生じた災害は「関東大震災」と呼ばれています。 イ. 関東地方で発生する可能性のある地震について  日本周辺では、複数のプレートによって複雑な力がかかっており、世界でも有数の地震多発地帯となっています。また、南関東地域で発生する地震の様相は極めて多様です。  首都およびその周辺地域の直下に震源域を持つ地震には、M 7クラスの地震と、フィリピン海プレートと北米プレートの境界で発生する海溝型のM 8クラスの地震があります。また、地震によっては激しい揺れだけではなく、土砂災害、津波、地割れや、揺れからくる建物被害や火災等、様々な形態の被害が発生するおそれがあります。被害が大きく首都中枢機能への影響が大きいと考えられる都心南部直下地震の場合、地震の揺れによる死者数は最大約 2.3 万人、被害額は約 95 兆円に上ると想定されています。 首都圏に被害をもたらす地震について  関東地方の下には、南側の相模トラフからフィリピン海プレートが沈み込み、東側の日本海溝から太平洋プレートがフィリピン海プレートの下側に沈み込んでいます。2 つのプレートが陸のプレートの下に沈み込む珍しいテクトニクス環境であり、プレート同士がお互いに作用を及ぼしあうことで、複数の場所で活発な地震活動が長期的に発生しています。  南側の相模トラフでは、フィリピン海プレートと陸のプレートの境界が固着していることにより、沈み込みに伴って、両プレートの間にはひずみが蓄積されています。このひずみを解放するために、過去にたびたび大地震が起きており、100 年前に M8.2 の大正関東地震(1923 年:関東大震災)が発生しました。その 5 分後に M7.3 の地震、翌日にも M7.3 の地震が起き、大きな地震が短時間に連発しました。また、1703 年には元禄関東地震(M8.5 )が起きました。その震源域は、大正関東地震の震源域に加えて、房総半島の東側の沖合にも広がっていたと推定されています。  太平洋プレートとフィリピン海プレートの境界では、近年、M6 程度の地震が複数発生していますが、津波堆積物を用いた最近の調査により、この境界が M8 後半の巨大地震・津波を起こす場所として注意すべきことが指摘されています。 太平洋プレートは、より浅い側で陸のプレートと接していますが、この境界では、1677 年延宝房総沖地震(M8 クラス)が起き、津波が房総半島沿岸を襲いました。  プレート境界の巨大地震に加えて各プレートの内部でも、これまでにM7程度の地震が数多く発生しています。たとえば、東京の中心部では、1855 年安政江戸地震 (M7.1) や、1894 年明治東京地震 (M7.0) などが起きています。また、地震活動に静穏期と活動期があるように見えるという指摘があります。元禄関東地震と大正関東地震の間の 220 年間でみると、地震活動は、前半は比較的静かですが、後半に活発化しました。また、大正関東地震以降現在に至る 100 年間でみると、M7 程度の地震は 1987年千葉県東方沖地震のみであり、静穏な期間が継続しています。大正関東地震から 100 年が経過し、過去、最短で 180 年間隔で大地震が起きていたことを考慮すると、次の関東地震の発生に向かって、地震活動が今 後活発になると考えられます。  過密で脆弱な首都では、M6 クラスの地震による揺れでも、大きな災害が生じる恐れがあります。たとえば、2021 年に発生した千葉県北西部地震(M5.9:気象庁 M)では、最大震度が 5 強にもかかわらず、多数の負傷者に加え、各地で交通機関やライフライン等に大きな影響が生じました。強い揺れに見舞われても大きな災害が発生しないように、建物・構造物・ライフライン等の耐震化や、家具等の転倒防止対策、食料・必需品の備蓄など、地震対策を早急に進めることがとても重要です。
南側の相模トラフではなぜ地震が起こると言われているのでしょうか。
南側の相模トラフでは、フィリピン海プレートと陸のプレートの境界が固着していることにより、沈み込みに伴って、両プレートの間にはひずみが蓄積されています。このひずみを解放するために、過去にたびたび大地震が起きており、100 年前に M8.2 の大正関東地震(1923 年:関東大震災)が発生したためです。
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地理
令和 5 年(2023 年)は大正 12 年(1923 年)に発生した関東大震災から100 年にあたります。その後、昭和 19 年(1944 年)12 月 7日の東南海地震、昭和 21 年(1946 年)12 月 21日の南海地震、平成 7 年(1995 年)1 月 17 日の兵庫県南部地震、平成 15 年(2003 年)9月 26日の十勝沖地震、平成 23 年(2011 年)3月 11日の東北地方太平洋沖地震等、数多くの巨大地震に見舞われました。本特集では、100 年前に発生した関東大震災や、その他、節 目を迎える大地震を振り返りながら、当庁で実施している南海トラフ沿いや日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震に関する取り組み、防災気象情報の強化や普及啓発の取り組みについてご紹介します。 令和 5 年(2023 年)に節目を迎える過去の巨大地震等 (1)関東大震災から 100 年 ア. 関東大震災の概要  令和 5 年(2023 年)は、甚大な被害をもたらした関東大震災から100 年にあたります。大正 12 年(1923 年)9 月 1日11 時 58 分、神奈川県西部(北緯 35 度 19.8 分、東経 139 度 08.1 分、深さ23 キロメートル)を震源とするマグニチュード 7.9 の地震(大正関東地震)が発生しました。この地震では、発生が昼食の時間と重なったことから、多くの火災が起きて被害が拡大しました。また、津波、土砂災害等も発生し、死者・行方不明者は 10 万 5 千人余に上りました。この地震によって生じた災害は「関東大震災」と呼ばれています。 イ. 関東地方で発生する可能性のある地震について  日本周辺では、複数のプレートによって複雑な力がかかっており、世界でも有数の地震多発地帯となっています。また、南関東地域で発生する地震の様相は極めて多様です。  首都およびその周辺地域の直下に震源域を持つ地震には、M 7クラスの地震と、フィリピン海プレートと北米プレートの境界で発生する海溝型のM 8クラスの地震があります。また、地震によっては激しい揺れだけではなく、土砂災害、津波、地割れや、揺れからくる建物被害や火災等、様々な形態の被害が発生するおそれがあります。被害が大きく首都中枢機能への影響が大きいと考えられる都心南部直下地震の場合、地震の揺れによる死者数は最大約 2.3 万人、被害額は約 95 兆円に上ると想定されています。 首都圏に被害をもたらす地震について  関東地方の下には、南側の相模トラフからフィリピン海プレートが沈み込み、東側の日本海溝から太平洋プレートがフィリピン海プレートの下側に沈み込んでいます。2 つのプレートが陸のプレートの下に沈み込む珍しいテクトニクス環境であり、プレート同士がお互いに作用を及ぼしあうことで、複数の場所で活発な地震活動が長期的に発生しています。  南側の相模トラフでは、フィリピン海プレートと陸のプレートの境界が固着していることにより、沈み込みに伴って、両プレートの間にはひずみが蓄積されています。このひずみを解放するために、過去にたびたび大地震が起きており、100 年前に M8.2 の大正関東地震(1923 年:関東大震災)が発生しました。その 5 分後に M7.3 の地震、翌日にも M7.3 の地震が起き、大きな地震が短時間に連発しました。また、1703 年には元禄関東地震(M8.5 )が起きました。その震源域は、大正関東地震の震源域に加えて、房総半島の東側の沖合にも広がっていたと推定されています。  太平洋プレートとフィリピン海プレートの境界では、近年、M6 程度の地震が複数発生していますが、津波堆積物を用いた最近の調査により、この境界が M8 後半の巨大地震・津波を起こす場所として注意すべきことが指摘されています。 太平洋プレートは、より浅い側で陸のプレートと接していますが、この境界では、1677 年延宝房総沖地震(M8 クラス)が起き、津波が房総半島沿岸を襲いました。  プレート境界の巨大地震に加えて各プレートの内部でも、これまでにM7程度の地震が数多く発生しています。たとえば、東京の中心部では、1855 年安政江戸地震 (M7.1) や、1894 年明治東京地震 (M7.0) などが起きています。また、地震活動に静穏期と活動期があるように見えるという指摘があります。元禄関東地震と大正関東地震の間の 220 年間でみると、地震活動は、前半は比較的静かですが、後半に活発化しました。また、大正関東地震以降現在に至る 100 年間でみると、M7 程度の地震は 1987年千葉県東方沖地震のみであり、静穏な期間が継続しています。大正関東地震から 100 年が経過し、過去、最短で 180 年間隔で大地震が起きていたことを考慮すると、次の関東地震の発生に向かって、地震活動が今 後活発になると考えられます。  過密で脆弱な首都では、M6 クラスの地震による揺れでも、大きな災害が生じる恐れがあります。たとえば、2021 年に発生した千葉県北西部地震(M5.9:気象庁 M)では、最大震度が 5 強にもかかわらず、多数の負傷者に加え、各地で交通機関やライフライン等に大きな影響が生じました。強い揺れに見舞われても大きな災害が発生しないように、建物・構造物・ライフライン等の耐震化や、家具等の転倒防止対策、食料・必需品の備蓄など、地震対策を早急に進めることがとても重要です。
地震活動に静穏期と活動期があると言われているのはなぜですか。
元禄関東地震と大正関東地震の間の 220 年間でみると、地震活動は、前半は比較的静かですが、後半に活発化しました。また、大正関東地震以降現在に至る 100 年間でみると、M7 程度の地震は 1987年千葉県東方沖地震のみであり、静穏な期間が継続しています。大正関東地震から 100 年が経過し、過去、最短で 180 年間隔で大地震が起きていたことを考慮すると、次の関東地震の発生に向かって、地震活動が今後活発になると考えられているからです。
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令和 5 年(2023 年)は大正 12 年(1923 年)に発生した関東大震災から100 年にあたります。その後、昭和 19 年(1944 年)12 月 7日の東南海地震、昭和 21 年(1946 年)12 月 21日の南海地震、平成 7 年(1995 年)1 月 17 日の兵庫県南部地震、平成 15 年(2003 年)9月 26日の十勝沖地震、平成 23 年(2011 年)3月 11日の東北地方太平洋沖地震等、数多くの巨大地震に見舞われました。本特集では、100 年前に発生した関東大震災や、その他、節 目を迎える大地震を振り返りながら、当庁で実施している南海トラフ沿いや日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震に関する取り組み、防災気象情報の強化や普及啓発の取り組みについてご紹介します。 令和 5 年(2023 年)に節目を迎える過去の巨大地震等 (1)関東大震災から 100 年 ア. 関東大震災の概要  令和 5 年(2023 年)は、甚大な被害をもたらした関東大震災から100 年にあたります。大正 12 年(1923 年)9 月 1日11 時 58 分、神奈川県西部(北緯 35 度 19.8 分、東経 139 度 08.1 分、深さ23 キロメートル)を震源とするマグニチュード 7.9 の地震(大正関東地震)が発生しました。この地震では、発生が昼食の時間と重なったことから、多くの火災が起きて被害が拡大しました。また、津波、土砂災害等も発生し、死者・行方不明者は 10 万 5 千人余に上りました。この地震によって生じた災害は「関東大震災」と呼ばれています。 イ. 関東地方で発生する可能性のある地震について  日本周辺では、複数のプレートによって複雑な力がかかっており、世界でも有数の地震多発地帯となっています。また、南関東地域で発生する地震の様相は極めて多様です。  首都およびその周辺地域の直下に震源域を持つ地震には、M 7クラスの地震と、フィリピン海プレートと北米プレートの境界で発生する海溝型のM 8クラスの地震があります。また、地震によっては激しい揺れだけではなく、土砂災害、津波、地割れや、揺れからくる建物被害や火災等、様々な形態の被害が発生するおそれがあります。被害が大きく首都中枢機能への影響が大きいと考えられる都心南部直下地震の場合、地震の揺れによる死者数は最大約 2.3 万人、被害額は約 95 兆円に上ると想定されています。 首都圏に被害をもたらす地震について  関東地方の下には、南側の相模トラフからフィリピン海プレートが沈み込み、東側の日本海溝から太平洋プレートがフィリピン海プレートの下側に沈み込んでいます。2 つのプレートが陸のプレートの下に沈み込む珍しいテクトニクス環境であり、プレート同士がお互いに作用を及ぼしあうことで、複数の場所で活発な地震活動が長期的に発生しています。  南側の相模トラフでは、フィリピン海プレートと陸のプレートの境界が固着していることにより、沈み込みに伴って、両プレートの間にはひずみが蓄積されています。このひずみを解放するために、過去にたびたび大地震が起きており、100 年前に M8.2 の大正関東地震(1923 年:関東大震災)が発生しました。その 5 分後に M7.3 の地震、翌日にも M7.3 の地震が起き、大きな地震が短時間に連発しました。また、1703 年には元禄関東地震(M8.5 )が起きました。その震源域は、大正関東地震の震源域に加えて、房総半島の東側の沖合にも広がっていたと推定されています。  太平洋プレートとフィリピン海プレートの境界では、近年、M6 程度の地震が複数発生していますが、津波堆積物を用いた最近の調査により、この境界が M8 後半の巨大地震・津波を起こす場所として注意すべきことが指摘されています。 太平洋プレートは、より浅い側で陸のプレートと接していますが、この境界では、1677 年延宝房総沖地震(M8 クラス)が起き、津波が房総半島沿岸を襲いました。  プレート境界の巨大地震に加えて各プレートの内部でも、これまでにM7程度の地震が数多く発生しています。たとえば、東京の中心部では、1855 年安政江戸地震 (M7.1) や、1894 年明治東京地震 (M7.0) などが起きています。また、地震活動に静穏期と活動期があるように見えるという指摘があります。元禄関東地震と大正関東地震の間の 220 年間でみると、地震活動は、前半は比較的静かですが、後半に活発化しました。また、大正関東地震以降現在に至る 100 年間でみると、M7 程度の地震は 1987年千葉県東方沖地震のみであり、静穏な期間が継続しています。大正関東地震から 100 年が経過し、過去、最短で 180 年間隔で大地震が起きていたことを考慮すると、次の関東地震の発生に向かって、地震活動が今 後活発になると考えられます。  過密で脆弱な首都では、M6 クラスの地震による揺れでも、大きな災害が生じる恐れがあります。たとえば、2021 年に発生した千葉県北西部地震(M5.9:気象庁 M)では、最大震度が 5 強にもかかわらず、多数の負傷者に加え、各地で交通機関やライフライン等に大きな影響が生じました。強い揺れに見舞われても大きな災害が発生しないように、建物・構造物・ライフライン等の耐震化や、家具等の転倒防止対策、食料・必需品の備蓄など、地震対策を早急に進めることがとても重要です。
令和 5 年(2023 年)は関東大震災が発生して何年になりますか。
令和 5 年(2023 年)は大正 12 年(1923 年)に発生した関東大震災から100 年にあたります。
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地理
日本海中部地震から 40 年、北海道南西沖地震から 30 年 ア. 昭和 58 年(1983 年)日本海中部地震  昭和 58 年 5月 26日、男鹿半島の北西約 70 キロメートルでマグニチュード7.7 の地震が発生し、地震及び津波により死者 104 人、住家全半壊 3,049 棟、船舶沈没・流失 706 隻等の大きな被害が生じました。 この地震は津波による被害が大きく、日本海沿岸の広い範囲に被害が及び、死者のうち100 人は津波によるものでした。この中には、遠足で海岸に来ていた小学生 13 人が含まれています。一方、地震による被害は秋田県と青森県に集中し、死者 4 人のほか、建物・道路・鉄道・堤防等に被害がありましたが、各所での液状化の発生により被害が拡大しました。 イ. 平成 5 年(1993 年)北海道南西沖地震  平成 5 年 7月 12日、北海道南西沖でマグニチュード7.8 の地震が発生し、地震及び津波により死者 202 人、行方不明者 28 人、負傷 者 323 人、住家全半壊 1,009 棟等の大きな被害が生じました。地震発生後、大きな津波が発生し、北海道や東北地方の日本海側をはじめ、島根県や兵庫県等の西日本や対岸のロシア、朝鮮半島にも大きな被害を与えました。特に北海道の奥尻島には、地震発生からわずか数分で大津波が来襲し、その後発生した火災とともに被害を更に甚大なものにしました。現地調査によって奥尻島の藻内(もない)地区で津波の遡上高が 29メートルに達したことがわかっています。 ウ. これらの地震を契機とした津波警報等の迅速化  昭和 58 年(1983 年)の日本海中部地震を契機に、沿岸地域における津波警戒の徹底が図られ、同年 6月には、「海岸で強い揺れやゆっくりとした揺れを感じたときは、すぐさま高台等安全な場所に避難」との呼びかけが行われるようになりました。また、当時、津波警報の発表が地震発生後 14 分であったのに対し、震源に近い沿岸域では 7 分から 8 分後に津波が来襲していました。このため、地震波形データの自動処理等を導入した計算機処理システム(EPOS)を開発し、昭和 62 年 8月からは地震発生後約 7 分での発表を目指しました。このほか、平成 13 年(2001 年)1月からは、日本海で発生する地震に伴う津波の予想される高さ及び到達予想時刻に関する情報について、国外への提供を開始しています。  また、平成 5 年(1993 年)の北海道南西沖地震では地震発生後約 5 分で津波警報を発表しましたが、約 3 分後には奥尻島に津波が来襲していました。このため、更なる発表時間の短縮を目指し、全国 180カ所に 60 ~ 70 キロメートル間隔で新たな地震観測点を配置し、平成 6 年 8月からは、沿岸付近で発生した地震の場合、地震発生後約 3 分で津波警報の発表を可能としました。現在では、緊急地震速報の技術も活用し、日本近海で発生した地震については、約 2 分から3 分で津波警報等を発表しています。  これらの地震のように、津波は、地震発生後すぐに襲ってくることがあります。海岸付近で地震の揺れを感じたり津波警報等が発表されたら、直ちに高い場所に避難することが重要です。
日本海中部地震を契機に行われるようになった呼びかけは何でしょうか。
昭和 58 年(1983 年)の日本海中部地震を契機に、沿岸地域における津波警戒の徹底が図られ、同年 6月には、「海岸で強い揺れやゆっくりとした揺れを感じたときは、すぐさま高台等安全な場所に避難」との呼びかけが行われるようになりました。
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地理
日本海中部地震から 40 年、北海道南西沖地震から 30 年 ア. 昭和 58 年(1983 年)日本海中部地震  昭和 58 年 5月 26日、男鹿半島の北西約 70 キロメートルでマグニチュード7.7 の地震が発生し、地震及び津波により死者 104 人、住家全半壊 3,049 棟、船舶沈没・流失 706 隻等の大きな被害が生じました。 この地震は津波による被害が大きく、日本海沿岸の広い範囲に被害が及び、死者のうち100 人は津波によるものでした。この中には、遠足で海岸に来ていた小学生 13 人が含まれています。一方、地震による被害は秋田県と青森県に集中し、死者 4 人のほか、建物・道路・鉄道・堤防等に被害がありましたが、各所での液状化の発生により被害が拡大しました。 イ. 平成 5 年(1993 年)北海道南西沖地震  平成 5 年 7月 12日、北海道南西沖でマグニチュード7.8 の地震が発生し、地震及び津波により死者 202 人、行方不明者 28 人、負傷 者 323 人、住家全半壊 1,009 棟等の大きな被害が生じました。地震発生後、大きな津波が発生し、北海道や東北地方の日本海側をはじめ、島根県や兵庫県等の西日本や対岸のロシア、朝鮮半島にも大きな被害を与えました。特に北海道の奥尻島には、地震発生からわずか数分で大津波が来襲し、その後発生した火災とともに被害を更に甚大なものにしました。現地調査によって奥尻島の藻内(もない)地区で津波の遡上高が 29メートルに達したことがわかっています。 ウ. これらの地震を契機とした津波警報等の迅速化  昭和 58 年(1983 年)の日本海中部地震を契機に、沿岸地域における津波警戒の徹底が図られ、同年 6月には、「海岸で強い揺れやゆっくりとした揺れを感じたときは、すぐさま高台等安全な場所に避難」との呼びかけが行われるようになりました。また、当時、津波警報の発表が地震発生後 14 分であったのに対し、震源に近い沿岸域では 7 分から 8 分後に津波が来襲していました。このため、地震波形データの自動処理等を導入した計算機処理システム(EPOS)を開発し、昭和 62 年 8月からは地震発生後約 7 分での発表を目指しました。このほか、平成 13 年(2001 年)1月からは、日本海で発生する地震に伴う津波の予想される高さ及び到達予想時刻に関する情報について、国外への提供を開始しています。  また、平成 5 年(1993 年)の北海道南西沖地震では地震発生後約 5 分で津波警報を発表しましたが、約 3 分後には奥尻島に津波が来襲していました。このため、更なる発表時間の短縮を目指し、全国 180カ所に 60 ~ 70 キロメートル間隔で新たな地震観測点を配置し、平成 6 年 8月からは、沿岸付近で発生した地震の場合、地震発生後約 3 分で津波警報の発表を可能としました。現在では、緊急地震速報の技術も活用し、日本近海で発生した地震については、約 2 分から3 分で津波警報等を発表しています。  これらの地震のように、津波は、地震発生後すぐに襲ってくることがあります。海岸付近で地震の揺れを感じたり津波警報等が発表されたら、直ちに高い場所に避難することが重要です。
北海道南西沖地震において、奥尻島の被害が大きかったのはなぜでしょうか。
地震発生後、大きな津波が発生し、北海道や東北地方の日本海側をはじめ、島根県や兵庫県等の西日本や対岸のロシア、朝鮮半島にも大きな被害を与えました。特に北海道の奥尻島には、地震発生からわずか数分で大津波が来襲し、その後発生した火災とともに被害を更に甚大なものにしました。
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地理
令和 5 年(2023 年)11月~ 12月にかけて、アラブ首長国連邦で国連気候変動枠組条約第 28 回締約国会議が開催され、岸田総理大臣が首脳級会合「世界気候行動サミット」に出席し、多様な道筋の下で全ての国がネット・ゼロ(温室効果ガス排出量正味ゼロ)という共通の目標に向けて取り組むべきことを改めて訴えました。交渉では、パリ協定の目標に対する進捗を確認する第 1 回グローバル・ストックテイク(GST)が完了するとともに、ロス&ダメージ(気候変動の悪影響に伴う損失と損害)に対応するための基金制度の大枠に関する決定が採択されました。  このような気候変動に関する国際的な合意形成において、気候変動に関する政府間パネルはこれまで 6 回にわたって評価報告書を作成・公表し、議論の基盤となる科学的知見を提供しています。 報告書の中でも述べられているように、将来の温暖化がどうなるかは、我々がどのような温室効果ガス排出のシナリオをたどるかに依存しています。 その影響は将来世代ほど深刻になり、極端現象に対する備えが今後ますます重要になります。 気象庁は、高度な専門知識を有する気象研究所の職員が IPCC 報告書の執筆者として参画し、気象庁を含む国内研究機関等による最新の研究成果を報告書の評価に反映することで、IPCC の活動に貢献してきました。 現在、第 7 次評価報告書の作成に向けた議論が始まっており、政府の一員として、IPCC が引き続き気候変動対策のための最新の科学的知見を提供し国際的な気候変動対策の強化・推進の原動力となるよう、取り組んでいます。 (2)気象庁第3次長期再解析(JRA-3Q)の完成とその利活用に向けて  過去の大気の状態を高精度に再現したデータセットである長期再解析は、過去の災害事例の調査、異常気象分析、気候監視、気候変動対策、季節予報、数値予報モデルの開発や評価、海況解析、温室効果ガス解析など、幅広い業務に活用されています。また、気候変動の影響評価等の気候変動対策や再生可能エネルギー立地条件調査等の商用利用など、様々な分野で活用されています。気象庁では、これらの利用を促進させるため、この長期再解析データの期間延長と品質向上を図った新しい長期再解析として、気象庁第 3 次長期再解析(JRA-3Q)を実施しました。  JRA-3Q では、これまで実施してきた気象庁 55 年長期再解析(JRA-55)と比べ、対象期間を10 年以上遡って昭和 22 年(1947 年)9 月から解析するとともに、品質も大幅に向上しました。これにより、過去約 75 年間の気温、風等の状況を均質かつ高品質な条件で把握することができるようになりました。昭和 22 年台風第 9 号(カスリーン台風)は関東地方を中心に大きな被害をもたらした事例ですが、利用可能な当時の観測データが少ないため JRA55 では再現は困難でした。しかし、世界各国で近年実施された観測データの拡充(デジタル化)の成果を活用すること等によって、JRA-3Q では風や降水量の分布等を含め、当時の気象状況を再現できるようになりました。  気象庁では JRA-3Q を用いて、猛暑や大雨等の異常気象や気候変動の状況を従来よりも詳細に分析することで、気象・気候の情報の充実や予測精度の向上に活用していきます。また、JRA-3Q データは民間気象業務支援センターや文部科学省のデータ統合・解析システム (DIAS) 等を通じて国内外に広く提供しており、長期間の均質なデータセットが不可欠な機械学習を含めて、気象・気候研究、気候変動対策や商用利用など、様々な分野での更なる活用が期待されます。  地球温暖化に影響を与える大気中の温室効果ガスは、人類の社会経済活動の影響により年々増加しています。このような地球環境の長期的な変化を捉えるためには、高精度な観測を世界的に長期継続する必要があります。  気象庁は、世界気象機関(WMO)の全球大気監視(GAW)計画や世界気候研究計画(WCRP)の枠組のもと日本国内で大気中の温室効果ガスの観測や精密な日射放射の観測を実施しているほか、北西太平洋域で海洋気象観測船によって温室効果ガス濃度や海洋酸性化等の状況を調査しています。  令和 5 年(2023 年)度の大気中の温室効果ガスの観測装置及び日射放射観測装置の更新にあたっては、人工衛星による観測技術や数値モデルを用いた大気環境情報の解析技術の進展等を踏まえ、地球温暖化の継続的な監視のために、人間活動の影響を受けにくい日本最東端の離島である南鳥島における大気環境観測を中心とした地球環境観測網の構築を行いました。  温室効果ガス観測については、WMO/GAW 計画において全球観測所(令和 6 年(2024 年)1 月現在、世界で 31 地点)に指定されている南鳥島で、従来の二酸化炭素(CO₂)、メタン(CH₄)、一酸化炭素(CO)等に加えて、これまで綾里(岩手県大船渡市)でのみ観測を行っていた一酸化二窒素(N₂O)やフロン類を新たに観測できるように観測装置の整備を行い、北西太平洋域を代表する温室効果ガス観測データを総合的に取得する体制としました。綾里は昭和 62 年(1987 年)に CO₂ の観測を開始して以来、温室効果ガスの長期変化傾向を捉えるための重要な役割を果たしていることから、CO₂、CH₄ の観測を継続することとしました。  地表面に入射する放射エネルギー(直達日射、散乱日射、下向き赤外放射)を精密に観測する日射放射観測については、北緯 20 度帯にある石垣島、30 度帯のつくば、40 度帯の網走と、南北に長く伸びる日本列島を3 つの緯度帯に分けたうえで、良好な観測環境を維持できる気象官署に配置することにしました。これに加えて、森林火災の煙や黄砂、人為起源のエーロゾルなどの影響を受けにくい南鳥島(北緯 20 度帯)を含めた国内 4 地点を新たな日射放射観測網としました。  気象庁は、地球温暖化対策の立案や、その実行に貢献するため、今後もこれらの観測を着実に継続し、信頼性の高い観測データを提供していきます。
気象庁は気象庁第 3 次長期再解析(JRA-3Q)をどう活用しようとしていますか。
気象庁では JRA-3Q を用いて、猛暑や大雨等の異常気象や気候変動の状況を従来よりも詳細に分析することで、気象・気候の情報の充実や予測精度の向上に活用していきます。また、JRA-3Q データは民間気象業務支援センターや文部科学省のデータ統合・解析システム (DIAS) 等を通じて国内外に広く提供しており、長期間の均質なデータセットが不可欠な機械学習を含めて、気象・気候研究、気候変動対策や商用利用など、様々な分野での更なる活用が期待されています。
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地理
令和 5 年(2023 年)11月~ 12月にかけて、アラブ首長国連邦で国連気候変動枠組条約第 28 回締約国会議が開催され、岸田総理大臣が首脳級会合「世界気候行動サミット」に出席し、多様な道筋の下で全ての国がネット・ゼロ(温室効果ガス排出量正味ゼロ)という共通の目標に向けて取り組むべきことを改めて訴えました。交渉では、パリ協定の目標に対する進捗を確認する第 1 回グローバル・ストックテイク(GST)が完了するとともに、ロス&ダメージ(気候変動の悪影響に伴う損失と損害)に対応するための基金制度の大枠に関する決定が採択されました。  このような気候変動に関する国際的な合意形成において、気候変動に関する政府間パネルはこれまで 6 回にわたって評価報告書を作成・公表し、議論の基盤となる科学的知見を提供しています。 報告書の中でも述べられているように、将来の温暖化がどうなるかは、我々がどのような温室効果ガス排出のシナリオをたどるかに依存しています。 その影響は将来世代ほど深刻になり、極端現象に対する備えが今後ますます重要になります。 気象庁は、高度な専門知識を有する気象研究所の職員が IPCC 報告書の執筆者として参画し、気象庁を含む国内研究機関等による最新の研究成果を報告書の評価に反映することで、IPCC の活動に貢献してきました。 現在、第 7 次評価報告書の作成に向けた議論が始まっており、政府の一員として、IPCC が引き続き気候変動対策のための最新の科学的知見を提供し国際的な気候変動対策の強化・推進の原動力となるよう、取り組んでいます。 (2)気象庁第3次長期再解析(JRA-3Q)の完成とその利活用に向けて  過去の大気の状態を高精度に再現したデータセットである長期再解析は、過去の災害事例の調査、異常気象分析、気候監視、気候変動対策、季節予報、数値予報モデルの開発や評価、海況解析、温室効果ガス解析など、幅広い業務に活用されています。また、気候変動の影響評価等の気候変動対策や再生可能エネルギー立地条件調査等の商用利用など、様々な分野で活用されています。気象庁では、これらの利用を促進させるため、この長期再解析データの期間延長と品質向上を図った新しい長期再解析として、気象庁第 3 次長期再解析(JRA-3Q)を実施しました。  JRA-3Q では、これまで実施してきた気象庁 55 年長期再解析(JRA-55)と比べ、対象期間を10 年以上遡って昭和 22 年(1947 年)9 月から解析するとともに、品質も大幅に向上しました。これにより、過去約 75 年間の気温、風等の状況を均質かつ高品質な条件で把握することができるようになりました。昭和 22 年台風第 9 号(カスリーン台風)は関東地方を中心に大きな被害をもたらした事例ですが、利用可能な当時の観測データが少ないため JRA55 では再現は困難でした。しかし、世界各国で近年実施された観測データの拡充(デジタル化)の成果を活用すること等によって、JRA-3Q では風や降水量の分布等を含め、当時の気象状況を再現できるようになりました。  気象庁では JRA-3Q を用いて、猛暑や大雨等の異常気象や気候変動の状況を従来よりも詳細に分析することで、気象・気候の情報の充実や予測精度の向上に活用していきます。また、JRA-3Q データは民間気象業務支援センターや文部科学省のデータ統合・解析システム (DIAS) 等を通じて国内外に広く提供しており、長期間の均質なデータセットが不可欠な機械学習を含めて、気象・気候研究、気候変動対策や商用利用など、様々な分野での更なる活用が期待されます。  地球温暖化に影響を与える大気中の温室効果ガスは、人類の社会経済活動の影響により年々増加しています。このような地球環境の長期的な変化を捉えるためには、高精度な観測を世界的に長期継続する必要があります。  気象庁は、世界気象機関(WMO)の全球大気監視(GAW)計画や世界気候研究計画(WCRP)の枠組のもと日本国内で大気中の温室効果ガスの観測や精密な日射放射の観測を実施しているほか、北西太平洋域で海洋気象観測船によって温室効果ガス濃度や海洋酸性化等の状況を調査しています。  令和 5 年(2023 年)度の大気中の温室効果ガスの観測装置及び日射放射観測装置の更新にあたっては、人工衛星による観測技術や数値モデルを用いた大気環境情報の解析技術の進展等を踏まえ、地球温暖化の継続的な監視のために、人間活動の影響を受けにくい日本最東端の離島である南鳥島における大気環境観測を中心とした地球環境観測網の構築を行いました。  温室効果ガス観測については、WMO/GAW 計画において全球観測所(令和 6 年(2024 年)1 月現在、世界で 31 地点)に指定されている南鳥島で、従来の二酸化炭素(CO₂)、メタン(CH₄)、一酸化炭素(CO)等に加えて、これまで綾里(岩手県大船渡市)でのみ観測を行っていた一酸化二窒素(N₂O)やフロン類を新たに観測できるように観測装置の整備を行い、北西太平洋域を代表する温室効果ガス観測データを総合的に取得する体制としました。綾里は昭和 62 年(1987 年)に CO₂ の観測を開始して以来、温室効果ガスの長期変化傾向を捉えるための重要な役割を果たしていることから、CO₂、CH₄ の観測を継続することとしました。  地表面に入射する放射エネルギー(直達日射、散乱日射、下向き赤外放射)を精密に観測する日射放射観測については、北緯 20 度帯にある石垣島、30 度帯のつくば、40 度帯の網走と、南北に長く伸びる日本列島を3 つの緯度帯に分けたうえで、良好な観測環境を維持できる気象官署に配置することにしました。これに加えて、森林火災の煙や黄砂、人為起源のエーロゾルなどの影響を受けにくい南鳥島(北緯 20 度帯)を含めた国内 4 地点を新たな日射放射観測網としました。  気象庁は、地球温暖化対策の立案や、その実行に貢献するため、今後もこれらの観測を着実に継続し、信頼性の高い観測データを提供していきます。
JRA-3QはJRA-55よりどれくらい優秀なのでしょうか。
JRA-3Q では、これまで実施してきた気象庁 55 年長期再解析(JRA-55)と比べ、対象期間を10 年以上遡って昭和 22 年(1947 年)9 月から解析するとともに、品質も大幅に向上しました。これにより、過去約 75 年間の気温、風等の状況を均質かつ高品質な条件で把握することができるようになりました。昭和 22 年台風第 9 号(カスリーン台風)は関東地方を中心に大きな被害をもたらした事例ですが、利用可能な当時の観測データが少ないため JRA55 では再現は困難でした。しかし、世界各国で近年実施された観測データの拡充(デジタル化)の成果を活用すること等によって、JRA-3Q では風や降水量の分布等を含め、当時の気象状況を再現できるようになりました。
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地理
令和 5 年(2023 年)11月~ 12月にかけて、アラブ首長国連邦(ドバイ)で国連気候変動枠組条約(UNFCCC)第 28 回締約国会議 (COP28)が開催され、岸田総理大臣が首脳級会合「世界気候行動サミット」に出席し、多様な道筋の下で全ての国がネット・ゼロ(温室効果ガス排出量正味ゼロ)という共通の目標に向けて取り組むべきことを改めて訴えました。交渉では、パリ協定の目標に対する進捗を確認する第 1 回グローバル・ストックテイク(GST)が完了するとともに、ロス&ダメージ(気候変動の悪影響に伴う損失と損害)に対応するための基金制度の大枠に関する決定が採択されました。  このような気候変動に関する国際的な合意形成において、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)はこれまで 6 回にわたって評価報告書を作成・公表し、議論の基盤となる科学的知見を提供しています。報告書の中でも述べられているように、将来の温暖化がどうなるかは、我々がどのような温室効果ガス排出のシナリオをたどるかに依存しています(図参照)。その影響は将来世代ほど深刻になり、極端現象に対する備えが今後ますます重要になります。気象庁は、高度な専門知識を有する気象研究所の職員が IPCC 報告書の執筆者として参画し、気象庁を含む国内研究機関等による最新の研究成果を報告書の評価に反映することで、IPCC の活動に貢献してきました。現在、第 7 次評価報告書の作成に向けた議論が始まっており、政府の一員として、IPCC が引き続き気候変動対策のための最新の科学的知見を提供し国際的な気候変動対策の強化・推進の原動力となるよう、取り組んでいます。 (2)気象庁第3次長期再解析(JRA-3Q)の完成とその利活用に向けて  過去の大気の状態を高精度に再現したデータセットである長期再解析は、過去の災害事例の調査、異常気象分析、気候監視、気候変動対策、季節予報、数値予報モデルの開発や評価、海況解析、温室効果ガス解析など、幅広い業務に活用されています。また、気候変動の影響評価等の気候変動対策や再生可能エネルギー立地条件調査等の商用利用など、様々な分野で活用されています。気象庁では、これらの利用を促進させるため、この長期再解析データの期間延長と品質向上を図った新しい長期再解析として、気象庁第 3 次長期再解析(JRA-3Q)を実施しました。  JRA-3Q では、これまで実施してきた気象庁 55 年長期再解析(JRA-55)と比べ、対象期間を10 年以上遡って昭和 22 年(1947 年)9 月から解析するとともに、品質も大幅に向上しました。これにより、過去約 75 年間の気温、風等の状況を均質かつ高品質な条件で把握することができるようになりました。昭和 22 年台風第 9 号(カスリーン台風)は関東地方を中心に大きな被害をもたらした事例ですが、利用可能な当時の観測データが少ないため JRA55 では再現は困難でした。しかし、世界各国で近年実施された観測データの拡充(デジタル化)の成果を活用すること等によって、JRA-3Q では風や降水量の分布等を含め、当時の気象状況を再現できるようになりました。  気象庁では JRA-3Q を用いて、猛暑や大雨等の異常気象や気候変動の状況を従来よりも詳細に分析することで、気象・気候の情報の充実や予測精度の向上に活用していきます。また、JRA-3Q データは民間気象業務支援センターや文部科学省のデータ統合・解析システム (DIAS) 等を通じて国内外に広く提供しており、長期間の均質なデータセットが不可欠な機械学習を含めて、気象・気候研究、気候変動対策や商用利用など、様々な分野での更なる活用が期待されます。  地球温暖化に影響を与える大気中の温室効果ガスは、人類の社会経済活動の影響により年々増加しています。このような地球環境の長期的な変化を捉えるためには、高精度な観測を世界的に長期継続する必要があります。  気象庁は、世界気象機関(WMO)の全球大気監視(GAW)計画や世界気候研究計画(WCRP)の枠組のもと日本国内で大気中の温室効果ガスの観測や精密な日射放射の観測を実施しているほか、北西太平洋域で海洋気象観測船によって温室効果ガス濃度や海洋酸性化等の状況を調査しています。  令和 5 年(2023 年)度の大気中の温室効果ガスの観測装置及び日射放射観測装置の更新にあたっては、人工衛星による観測技術や数値モデルを用いた大気環境情報の解析技術の進展等を踏まえ、地球温暖化の継続的な監視のために、人間活動の影響を受けにくい日本最東端の離島である南鳥島における大気環境観測を中心とした地球環境観測網の構築を行いました。  温室効果ガス観測については、WMO/GAW 計画において全球観測所(令和 6 年(2024 年)1 月現在、世界で 31 地点)に指定されている南鳥島で、従来の二酸化炭素(CO₂)、メタン(CH₄)、一酸化炭素(CO)等に加えて、これまで綾里(岩手県大船渡市)でのみ観測を行っていた一酸化二窒素(N₂O)やフロン類を新たに観測できるように観測装置の整備を行い、北西太平洋域を代表する温室効果ガス観測データを総合的に取得する体制としました。綾里は昭和 62 年(1987 年)に CO₂ の観測を開始して以来、温室効果ガスの長期変化傾向を捉えるための重要な役割を果たしていることから、CO₂、CH₄ の観測を継続することとしました。  地表面に入射する放射エネルギー(直達日射、散乱日射、下向き赤外放射)を精密に観測する日射放射観測については、北緯 20 度帯にある石垣島、30 度帯のつくば、40 度帯の網走と、南北に長く伸びる日本列島を3 つの緯度帯に分けたうえで、良好な観測環境を維持できる気象官署に配置することにしました。これに加えて、森林火災の煙や黄砂、人為起源のエーロゾルなどの影響を受けにくい南鳥島(北緯 20 度帯)を含めた国内 4 地点を新たな日射放射観測網としました。  気象庁は、地球温暖化対策の立案や、その実行に貢献するため、今後もこれらの観測を着実に継続し、信頼性の高い観測データを提供していきます。
大気中の温室効果ガスは年々増えていますか。
地球温暖化に影響を与える大気中の温室効果ガスは、人類の社会経済活動の影響により年々増加しています。
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地理
(2)気象庁第3次長期再解析(JRA-3Q)の完成とその利活用に向けて  過去の大気の状態を高精度に再現したデータセットである長期再解析は、過去の災害事例の調査、異常気象分析、気候監視、気候変動対策、季節予報、数値予報モデルの開発や評価、海況解析、温室効果ガス解析など、幅広い業務に活用されています。また、気候変動の影響評価等の気候変動対策や再生可能エネルギー立地条件調査等の商用利用など、様々な分野で活用されています。気象庁では、これらの利用を促進させるため、この長期再解析データの期間延長と品質向上を図った新しい長期再解析として、気象庁第 3 次長期再解析(JRA-3Q)を実施しました。  JRA-3Q では、これまで実施してきた気象庁 55 年長期再解析(JRA-55)と比べ、対象期間を10 年以上遡って昭和 22 年(1947 年)9 月から解析するとともに、品質も大幅に向上しました。これにより、過去約 75 年間の気温、風等の状況を均質かつ高品質な条件で把握することができるようになりました。昭和 22 年台風第 9 号(カスリーン台風)は関東地方を中心に大きな被害をもたらした事例ですが、利用可能な当時の観測データが少ないため JRA55 では再現は困難でした。しかし、世界各国で近年実施された観測データ拡充(デジタル化)の成果を活用すること等によって、JRA-3Q では風や降水量の分布等を含め、当時の気象状況を再現できるようになりました。  気象庁では JRA-3Q を用いて、猛暑や大雨等の異常気象や気候変動の状況を従来よりも詳細に分析することで、気象・気候の情報の充実や予測精度の向上に活用していきます。また、JRA-3Q データは民間気象業務支援センターや文部科学省のデータ統合・解析システム (DIAS) 等を通じて国内外に広く提供しており、長期間の均質なデータセットが不可欠な機械学習を含めて、気象・気候研究、気候変動対策や商用利用など、様々な分野での更なる活用が期待されます。 (3)持続的な地球温暖化監視のための地球環境観測網の構築  地球温暖化に影響を与える大気中の温室効果ガスは、人類の社会経済活動の影響により年々増加しています。このような地球環境の長期的な変化を捉えるためには、高精度な観測を世界的に長期継続する必要があります。  気象庁は、世界気象機関(WMO)の全球大気監視(GAW)計画や世界気候研究計画(WCRP)の枠組のもと日本国内で大気中の温室効果ガスの観測や精密な日射放射の観測を実施しているほか、北西太平洋域で海洋気象観測船によって温室効果ガス濃度や海洋酸性化等の状況を調査しています。  令和 5 年(2023 年)度の大気中の温室効果ガスの観測装置及び日射放射観測装置の更新にあたっては、人工衛星による観測技術や数値モデルを用いた大気環境情報の解析技術の進展等を踏まえ、地球温暖化の継続的な監視のために、人間活動の影響を受けにくい 日本最東端の離島である南鳥島における大気環境観測を中心とした地球環境観測網の構築を行いました。  温室効果ガス観測については、WMO/GAW 計画において全球観測所(令和 6 年(2024 年)1 月現在、世界で 31 地点)に指定されている南鳥島で、従来の二酸化炭素(CO₂)、メタン(CH₄)、一酸化炭素(CO)等に加えて、これまで綾里(岩手県大船渡市)でのみ観測を行っていた一酸化二窒素(N₂O)やフロン類を新たに観測できるように観測装置の整備を行い、北西太平洋域を代表する温室効果ガス観測データを総合的に取得する体制としました。綾里は昭和 62 年(1987 年)に CO₂ の観測を開始して以来、温室効果ガスの長期変化傾向を捉えるための重要な役割を果たしていることから、CO₂、CH₄ の観測を継続することとしました。  地表面に入射する放射エネルギー(直達日射、散乱日射、下向き赤外放射)を精密に観測する日射放射観測については、北緯 20 度帯にある石垣島、30 度帯のつくば、40 度帯の網走と、南北に長く伸びる日本列島を3 つの緯度帯に 分けたうえで、良好な観測環境を維持できる気象官署に配置することにしました。これに加えて、森林火災の煙や黄砂、人為起源のエーロゾルなどの影響を受けにくい南鳥島(北緯 20 度帯)を含めた国内 4 地点を新たな日射放射観測網としました。  気象庁は、地球温暖化対策の立案や、その実行に貢献するため、今後もこれらの観測を着実に継続し、信頼性の高い観測データを提供していきます。
綾里にCO2の観測を継続させたのはなぜでしょうか。
綾里は昭和 62 年(1987 年)に CO₂ の観測を開始して以来、温室効果ガスの長期変化傾向を捉えるための重要な役割を果たしていることから、CO₂、CH₄ の観測を継続することとしました。
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地理
地域防災支援の取り組み 近年自然災害が相次いで発生しており、地域における防災対応力の向上が重要となっています。このため全国各地の気象台では、「あなたの町の予報官」や、「気象防災ワークショップ」、首長訪問など地方公共団体や関係機関と一体となって災害に備えた平時の取り組みを進めるとともに、災害時においては地方公共団体や関係機関と速やかに危機感を共有し、その災害対応を支援するため、市町村長へのホットラインや、気象の見通しに応じた説明会、「JETT(気象庁防災対応支援チーム) 」などの取り組みを進めています。さらには、地方公共団体と共同で災害時の対応について「振り返り」を実施しており、気象台及び地方公共団体双方の防災対応を検証することで、気象台が発表する防災気象情報や地方公共団体支援の更なる改善につなげています。 平時・災害時の地域防災支援の取り組み (1)あなたの町の予報官  気象台では、地方公共団体の防災業務を支援するため、管轄する地域内を複数の市町村からなる地域に分け、その地域ごとに 3 名から 5 名程度の職員を専任チーム「あなたの町の予報官」として担当する体制を敷いています。  このチームは、担当する地方公共団体の地域防災計画や避難情報の判断・伝達マニュアルの改定に際して資料提供や助言等を行うほか、教育委員会や福祉部局等が実施する防災教育や要配慮者対策にも協力しています。  こうした平時における取り組みを通じて、地方公共団体と気象台の担当者同士で緊密な「顔の見える関係」を構築し、緊急時には、この構築した関係性を活かし、地方公共団体の防災担当者のニーズに合わせた説得力のある適時・的確な助言を行っています。 (2)気象防災ワークショップ  「気象防災ワークショップ」とは、時々刻々と変化する気象状況に応じて発表される防災気象情報を踏まえ、避難情報の発令など地方公共団体が講じるべき防災対応を模擬体験するものであり、ワークショップを通じて、防災気象情報を適切に理解するとともに、体制の強化や避難情報の発令の判断のポイントを学ぶことができます。全国各地の気象台では、地方公共団体を対象に「気象防災ワークショップ」を積極的に開催しており、令和 5 年度(2023 年度)は、延べ 1,005 市町村に参加していただきました。このほか、指定公共機関や教育機関、自主防災組織等を対象としたワークショップも開催しています。例えば、日本郵便株式会社と共同で開催したワークショップにおいては、洪水や津波が襲来する場面を設定し、時々刻々と変化する状況下で、同社の防災担当職員が顧客の安全確保や業務継続の判断などを模擬体験する場を設けました。 (3)ホットライン、JETT(気象庁防災対応支援チーム)  災害の発生が予想されるような顕著な現象の場合は、気象台が持つ危機感を気象台長から直接市町村長へ電話で伝え、避難情報に関する助言等を行うホットラインを実施しています。さらに災害時には、気象台から地方公共団体の災害対策本部等へ JETT を派遣し、災害対応現場のニーズを踏まえた気象状況のきめ細かな解説等を行っています。JETT の創設以降、令和 6 年(2024 年)3 月末までに延べ 7,400 名を超える職員を派遣しました。地方公共団体からの JETT 派遣への期待が高まっていることから、令和 4 年度(2022 年度)以降、迅速な JETT 派遣を可能とするための気象台の体制強化も図っています。そのほか、気象の見通しの推移に応じて、オンライン会議システムで説明会等を開催するなど、状況に合わせた様々な手段で地方公共団体や関係機関に警戒を呼びかけています。 (4)臨時の津波観測装置の設置  能登半島地震の影響により、能登半島北部に位置する「輪島港」(国土交通省港湾局所管)及び「珠洲市長橋」(気象庁所管)の両津波観測地点の観測データに欠測が生じました。気象庁は港湾局の協力のもと両津波観測地点に臨時の津波観測装置を設置することとし、「輪島港」については 1 月 8 日から、「珠洲市長橋」の代替の観測地点である「珠洲市飯田」については 2 月 9 日から、津波・潮位の観測・監視を再開しました。  また、政府の地震調査研究推進本部地震調査委員会における令和 6 年能登半島地震の評価(2 月 9 日公表)において、令和 2 年 12 月以降の一連の地震活動は当分続くと考えられ、能登半島地震の震源域の活動域周辺での津波を伴う地震の発生の可能性があることが指摘されていることを受け、当該地域の津波観測体制を強化するため、「上越市直江津」及び「佐渡市小木」にも新たに臨時の津波観測装置を設置し、津波・潮位の観測・監視を 3 月 27 日から開始しました。 (5)JETT(気象庁防災対応支援チーム)の派遣  JETTとは、大規模な災害が発生または予想される場合に、都道府県や市町村の災害対策本部等へ気象庁職員を派遣する取り組みです。派遣された職員は、現場のニーズや各機関の活動状況を踏まえ、気象等のきめ細やかな解説を行い、各機関の防災対応を支援しています。  1月1日の地震でも、発災直後から石川県庁や能登半島の被災市町に気象庁職員をJETTとして派遣しました。派遣された職員は、石川県や能登半島の被災市町の災害対策本部で地震活動の状況や気象の見通し等の解説を行うほか、救命救助や復旧活動等を行う各機関から気象情報のニーズを聞き取り、その内容を踏まえた気象状況の解説を行うなど、各機関の防災対応を支援しました。
「あなたの町の予報官」とは何ですか。
気象台では、地方公共団体の防災業務を支援するため、管轄する地域内を複数の市町村からなる地域に分け、その地域ごとに 3 名から 5 名程度の職員を専任チーム「あなたの町の予報官」として担当する体制を敷いています。
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地理
地域防災支援の取り組み 近年自然災害が相次いで発生しており、地域における防災対応力の向上が重要となっています。このため全国各地の気象台では、「あなたの町の予報官」や、「気象防災ワークショップ」、首長訪問など地方公共団体や関係機関と一体となって災害に備えた平時の取り組みを進めるとともに、災害時においては地方公共団体や関係機関と速やかに危機感を共有し、その災害対応を支援するため、市町村長へのホットラインや、気象の見通しに応じた説明会、「JETT(気象庁防災対応支援チーム) 」などの取り組みを進めています。さらには、地方公共団体と共同で災害時の対応について「振り返り」を実施しており、気象台及び地方公共団体双方の防災対応を検証することで、気象台が発表する防災気象情報や地方公共団体支援の更なる改善につなげています。 平時・災害時の地域防災支援の取り組み (1)あなたの町の予報官  気象台では、地方公共団体の防災業務を支援するため、管轄する地域内を複数の市町村からなる地域に分け、その地域ごとに 3 名から 5 名程度の職員を専任チーム「あなたの町の予報官」として担当する体制を敷いています。  このチームは、担当する地方公共団体の地域防災計画や避難情報の判断・伝達マニュアルの改定に際して資料提供や助言等を行うほか、教育委員会や福祉部局等が実施する防災教育や要配慮者対策にも協力しています。  こうした平時における取り組みを通じて、地方公共団体と気象台の担当者同士で緊密な「顔の見える関係」を構築し、緊急時には、この構築した関係性を活かし、地方公共団体の防災担当者のニーズに合わせた説得力のある適時・的確な助言を行っています。 (2)気象防災ワークショップ  「気象防災ワークショップ」とは、時々刻々と変化する気象状況に応じて発表される防災気象情報を踏まえ、避難情報の発令など地方公共団体が講じるべき防災対応を模擬体験するものであり、ワークショップを通じて、防災気象情報を適切に理解するとともに、体制の強化や避難情報の発令の判断のポイントを学ぶことができます。全国各地の気象台では、地方公共団体を対象に「気象防災ワークショップ」を積極的に開催しており、令和 5 年度(2023 年度)は、延べ 1,005 市町村に参加していただきました。このほか、指定公共機関や教育機関、自主防災組織等を対象としたワークショップも開催しています。例えば、日本郵便株式会社と共同で開催したワークショップにおいては、洪水や津波が襲来する場面を設定し、時々刻々と変化する状況下で、同社の防災担当職員が顧客の安全確保や業務継続の判断などを模擬体験する場を設けました。 (3)ホットライン、JETT(気象庁防災対応支援チーム)  災害の発生が予想されるような顕著な現象の場合は、気象台が持つ危機感を気象台長から直接市町村長へ電話で伝え、避難情報に関する助言等を行うホットラインを実施しています。さらに災害時には、気象台から地方公共団体の災害対策本部等へ JETT を派遣し、災害対応現場のニーズを踏まえた気象状況のきめ細かな解説等を行っています。JETT の創設以降、令和 6 年(2024 年)3 月末までに延べ 7,400 名を超える職員を派遣しました。地方公共団体からの JETT 派遣への期待が高まっていることから、令和 4 年度(2022 年度)以降、迅速な JETT 派遣を可能とするための気象台の体制強化も図っています。そのほか、気象の見通しの推移に応じて、オンライン会議システムで説明会等を開催するなど、状況に合わせた様々な手段で地方公共団体や関係機関に警戒を呼びかけています。 (4)臨時の津波観測装置の設置  能登半島地震の影響により、能登半島北部に位置する「輪島港」(国土交通省港湾局所管)及び「珠洲市長橋」(気象庁所管)の両津波観測地点の観測データに欠測が生じました。気象庁は港湾局の協力のもと両津波観測地点に臨時の津波観測装置を設置することとし、「輪島港」については 1 月 8 日から、「珠洲市長橋」の代替の観測地点である「珠洲市飯田」については 2 月 9 日から、津波・潮位の観測・監視を再開しました。  また、政府の地震調査研究推進本部地震調査委員会における令和 6 年能登半島地震の評価(2 月 9 日公表)において、令和 2 年 12 月以降の一連の地震活動は当分続くと考えられ、能登半島地震の震源域の活動域周辺での津波を伴う地震の発生の可能性があることが指摘されていることを受け、当該地域の津波観測体制を強化するため、「上越市直江津」及び「佐渡市小木」にも新たに臨時の津波観測装置を設置し、津波・潮位の観測・監視を 3 月 27 日から開始しました。 (5)JETT(気象庁防災対応支援チーム)の派遣  JETTとは、大規模な災害が発生または予想される場合に、都道府県や市町村の災害対策本部等へ気象庁職員を派遣する取り組みです。派遣された職員は、現場のニーズや各機関の活動状況を踏まえ、気象等のきめ細やかな解説を行い、各機関の防災対応を支援しています。  1月1日の地震でも、発災直後から石川県庁や能登半島の被災市町に気象庁職員をJETTとして派遣しました。派遣された職員は、石川県や能登半島の被災市町の災害対策本部で地震活動の状況や気象の見通し等の解説を行うほか、救命救助や復旧活動等を行う各機関から気象情報のニーズを聞き取り、その内容を踏まえた気象状況の解説を行うなど、各機関の防災対応を支援しました。
「気象防災ワークショップ」とはなんですか。
「気象防災ワークショップ」とは、時々刻々と変化する気象状況に応じて発表される防災気象情報を踏まえ、避難情報の発令など地方公共団体が講じるべき防災対応を模擬体験するものであり、ワークショップを通じて、防災気象情報を適切に理解するとともに、体制の強化や避難情報の発令の判断のポイントを学ぶことができます。
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地理
主な火山災害 大きな噴石 噴火によって火口から飛散する噴石のうち、概ね20~30cm以上の、風の影響をほとんど受けずに弾道を描いて飛散するもので、噴火から短時間で落下し、建物の屋根を打ち破るほどの破壊力があります。過去、大きな噴石の飛散で登山客等が死傷したり建造物が破壊される災害が発生しています。 火砕流 噴火により放出された破片状の固体物質と火山ガス等が一体となって急速に山体を流下する現象です。規模の大きな噴煙の崩壊や、溶岩ドームの破壊などにより発生します。火砕流の速度は時速百km以上、温度は数百℃に達することもあり、火砕流発生後の脱出は不可能です。大規模な場合は地形の起伏にかかわらず広範囲に広がり、埋没、破壊、焼失させ、破壊力が大きくきわめて恐ろしい火山現象です。 火山泥流 火山噴出物と水が混合して地表を流れる現象です。時速数十kmを超えることもあり、谷筋や沢沿いをはるか遠方まで一気に流下することがあるため大変危険です。火山噴出物が雪や氷河を溶かす(これを原因とする泥流を、融雪型火山泥流といいます。)、火砕物が水域に流入する、火口湖があふれ出す、火口からの熱水あふれ出し、降雨による火山噴出物の流動、などを原因として発生します。土砂により、道路、構造物、農耕地に大きな被害を与える火山現象です。 溶岩流 溶けた岩石が地表を流れ下る現象です。流下速度は地形や溶岩の温度・組成によりますが、比較的ゆっくり流れるので歩行による避難が可能な場合もあります。溶岩流は高温のため、その流路にある建物、道路、農耕地、森林、集落を焼失、埋没させて完全に不毛の地と化します。 火山灰や小さな噴石、降灰後の土石流 噴石のうち、直径数cm程度の、風の影響を受けて遠方まで流されて降るものを小さな噴石と呼んでいます。火口付近では、小さな噴石でも弾道を描いて飛散し、登山者等が死傷することもあります。噴火によって火口から放出される固形物のうち、比較的細かいもの(直径2mm未満)を火山灰といい、風によって火口から離れた広い範囲に拡散し、農作物、交通機関(特に航空機)、建造物などに影響を与えます。  また、噴石や火山灰が積もったところでは、土石流や泥流が発生しやすくなります。噴火後に雨が予想されている時は、川の近くや谷の出口に近づくことは危険です。
火砕流はどれくらい危険なのか。
火砕流の速度は時速百km以上、温度は数百℃に達することもあり、火砕流発生後の脱出は不可能です。大規模な場合は地形の起伏にかかわらず広範囲に広がり、埋没、破壊、焼失させ、破壊力が大きくきわめて恐ろしい火山現象です。
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地理
主な火山災害 大きな噴石 噴火によって火口から飛散する噴石のうち、概ね20~30cm以上の、風の影響をほとんど受けずに弾道を描いて飛散するもので、噴火から短時間で落下し、建物の屋根を打ち破るほどの破壊力があります。過去、大きな噴石の飛散で登山客等が死傷したり建造物が破壊される災害が発生しています。 火砕流 噴火により放出された破片状の固体物質と火山ガス等が一体となって急速に山体を流下する現象です。規模の大きな噴煙の崩壊や、溶岩ドームの破壊などにより発生します。火砕流の速度は時速百km以上、温度は数百℃に達することもあり、火砕流発生後の脱出は不可能です。大規模な場合は地形の起伏にかかわらず広範囲に広がり、埋没、破壊、焼失させ、破壊力が大きくきわめて恐ろしい火山現象です。 火山泥流 火山噴出物と水が混合して地表を流れる現象です。時速数十kmを超えることもあり、谷筋や沢沿いをはるか遠方まで一気に流下することがあるため大変危険です。火山噴出物が雪や氷河を溶かす(これを原因とする泥流を、融雪型火山泥流といいます。)、火砕物が水域に流入する、火口湖があふれ出す、火口からの熱水あふれ出し、降雨による火山噴出物の流動、などを原因として発生します。土砂により、道路、構造物、農耕地に大きな被害を与える火山現象です。 溶岩流 溶けた岩石が地表を流れ下る現象です。流下速度は地形や溶岩の温度・組成によりますが、比較的ゆっくり流れるので歩行による避難が可能な場合もあります。溶岩流は高温のため、その流路にある建物、道路、農耕地、森林、集落を焼失、埋没させて完全に不毛の地と化します。 火山灰や小さな噴石、降灰後の土石流 噴石のうち、直径数cm程度の、風の影響を受けて遠方まで流されて降るものを小さな噴石と呼んでいます。火口付近では、小さな噴石でも弾道を描いて飛散し、登山者等が死傷することもあります。噴火によって火口から放出される固形物のうち、比較的細かいもの(直径2mm未満)を火山灰といい、風によって火口から離れた広い範囲に拡散し、農作物、交通機関(特に航空機)、建造物などに影響を与えます。  また、噴石や火山灰が積もったところでは、土石流や泥流が発生しやすくなります。噴火後に雨が予想されている時は、川の近くや谷の出口に近づくことは危険です。
噴火後に雨が予想されている時に、川の近くや谷の出口に近づくのはなぜ危険なのでしょうか。
噴石や火山灰が積もったところでは、土石流や泥流が発生しやすくなります。噴火後に雨が予想されている時は、川の近くや谷の出口に近づくことは危険です。
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地理
主な火山災害 大きな噴石 噴火によって火口から飛散する噴石のうち、概ね20~30cm以上の、風の影響をほとんど受けずに弾道を描いて飛散するもので、噴火から短時間で落下し、建物の屋根を打ち破るほどの破壊力があります。過去、大きな噴石の飛散で登山客等が死傷したり建造物が破壊される災害が発生しています。 火砕流 噴火により放出された破片状の固体物質と火山ガス等が一体となって急速に山体を流下する現象です。規模の大きな噴煙の崩壊や、溶岩ドームの破壊などにより発生します。火砕流の速度は時速百km以上、温度は数百℃に達することもあり、火砕流発生後の脱出は不可能です。大規模な場合は地形の起伏にかかわらず広範囲に広がり、埋没、破壊、焼失させ、破壊力が大きくきわめて恐ろしい火山現象です。 火山泥流 火山噴出物と水が混合して地表を流れる現象です。時速数十kmを超えることもあり、谷筋や沢沿いをはるか遠方まで一気に流下することがあるため大変危険です。火山噴出物が雪や氷河を溶かす(これを原因とする泥流を、融雪型火山泥流といいます。)、火砕物が水域に流入する、火口湖があふれ出す、火口からの熱水あふれ出し、降雨による火山噴出物の流動、などを原因として発生します。土砂により、道路、構造物、農耕地に大きな被害を与える火山現象です。 溶岩流 溶けた岩石が地表を流れ下る現象です。流下速度は地形や溶岩の温度・組成によりますが、比較的ゆっくり流れるので歩行による避難が可能な場合もあります。溶岩流は高温のため、その流路にある建物、道路、農耕地、森林、集落を焼失、埋没させて完全に不毛の地と化します。 火山灰や小さな噴石、降灰後の土石流 噴石のうち、直径数cm程度の、風の影響を受けて遠方まで流されて降るものを小さな噴石と呼んでいます。火口付近では、小さな噴石でも弾道を描いて飛散し、登山者等が死傷することもあります。噴火によって火口から放出される固形物のうち、比較的細かいもの(直径2mm未満)を火山灰といい、風によって火口から離れた広い範囲に拡散し、農作物、交通機関(特に航空機)、建造物などに影響を与えます。  また、噴石や火山灰が積もったところでは、土石流や泥流が発生しやすくなります。噴火後に雨が予想されている時は、川の近くや谷の出口に近づくことは危険です。
火山泥流の主な原因は何でしょうか。
火山噴出物が雪や氷河を溶かす(これを原因とする泥流を、融雪型火山泥流といいます。)、火砕物が水域に流入する、火口湖があふれ出す、火口からの熱水あふれ出し、降雨による火山噴出物の流動、などを原因として発生します。
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地理
活火山の分布 世界には、約1,500の活火山があります。そのうち、日本には111の活火山があり、世界でも有数の火山国といえます。火山噴火予知連絡会では、概ね過去1万年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある火山を活火山として選定しています。 霧島山(新燃岳)の噴火 平成23年 平成23年1月19日に小規模なマグマ水蒸気爆発が発生、26日から約300年ぶりの本格的なマグマ噴火が開始し、大量の火山灰や小さな噴石(火山れき)が宮崎県や鹿児島県に降下しました。さらに、28日に火口底に溶岩が出現し、30日には火口内をほぼ満たしました。また、爆発的噴火が繰り返し発生し、2月1日には大きな噴石が火口から3.2km離れたところに飛散したほか、小さな噴石や空振で自動車ガラスや窓ガラスが割れるなどの被害が発生しました。 御嶽山の噴火 平成26年9月  平成26年9月27日、7年ぶりに山頂で噴火が発生しました。噴火に伴い、火砕流は山頂の火口列から南西方向に約2.5キロメートル、北西方向に約1.5キロメートル流下し、気象レーダーの観測から、噴煙は火口縁から約7,000メートルの高さまで上がったと推定されます。大きな噴石は山頂火口列から約1キロメートルの範囲に飛散していることを上空から確認しました。その後も火山灰を噴出する噴火が10月10日頃まで続きました。  この噴火により、死者58名、行方不明者5名、負傷者69名(消防庁 平成27年11月6日現在)の人的被害が発生しました。 口永良部島の噴火 平成27年5月 平成27年1月29日09時59分に新岳火口で噴火が発生しました。噴火に伴い、火砕流が新岳の北西側(向江浜地区)では海岸にまで達し、噴煙が火口縁上9,000m以上に上がりました。このため、噴火警戒レベルの運用を開始して以来初となる噴火警戒レベル1(避難)に引き上げ、全島民が島外に避難することになりました。 草津白根山(本白根山)の噴火 平成30年1月 平成30年1月23日に、有史以来噴火の記録のなかった本白根山が噴火しました。この噴火は、特段の火山活動の変化が観測されない状況で発生したものでした。噴火による大きな噴石は火口から1kmを超えて飛散しているのが確認されました。  この噴火により、死者1名、負傷者11名(消防庁 平成30年2月23日現在)の人的被害が発生しました。
口永良部島の噴火で噴煙はどれくらいの高さまで上がりましたか。
平成27年1月29日09時59分に新岳火口で噴火が発生しました。噴火に伴い、火砕流が新岳の北西側(向江浜地区)では海岸にまで達し、噴煙が火口縁上9,000m以上に上がりました。
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地理
活火山の分布 世界には、約1,500の活火山があります。そのうち、日本には111の活火山があり、世界でも有数の火山国といえます。火山噴火予知連絡会では、概ね過去1万年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある火山を活火山として選定しています。 霧島山(新燃岳)の噴火 平成23年 平成23年1月19日に小規模なマグマ水蒸気爆発が発生、26日から約300年ぶりの本格的なマグマ噴火が開始し、大量の火山灰や小さな噴石(火山れき)が宮崎県や鹿児島県に降下しました。さらに、28日に火口底に溶岩が出現し、30日には火口内をほぼ満たしました。また、爆発的噴火が繰り返し発生し、2月1日には大きな噴石が火口から3.2km離れたところに飛散したほか、小さな噴石や空振で自動車ガラスや窓ガラスが割れるなどの被害が発生しました。 御嶽山の噴火 平成26年9月  平成26年9月27日、7年ぶりに山頂で噴火が発生しました。噴火に伴い、火砕流は山頂の火口列から南西方向に約2.5キロメートル、北西方向に約1.5キロメートル流下し、気象レーダーの観測から、噴煙は火口縁から約7,000メートルの高さまで上がったと推定されます。大きな噴石は山頂火口列から約1キロメートルの範囲に飛散していることを上空から確認しました。その後も火山灰を噴出する噴火が10月10日頃まで続きました。  この噴火により、死者58名、行方不明者5名、負傷者69名(消防庁 平成27年11月6日現在)の人的被害が発生しました。 口永良部島の噴火 平成27年5月 平成27年1月29日09時59分に新岳火口で噴火が発生しました。噴火に伴い、火砕流が新岳の北西側(向江浜地区)では海岸にまで達し、噴煙が火口縁上9,000m以上に上がりました。このため、噴火警戒レベルの運用を開始して以来初となる噴火警戒レベル1(避難)に引き上げ、全島民が島外に避難することになりました。 草津白根山(本白根山)の噴火 平成30年1月 平成30年1月23日に、有史以来噴火の記録のなかった本白根山が噴火しました。この噴火は、特段の火山活動の変化が観測されない状況で発生したものでした。噴火による大きな噴石は火口から1kmを超えて飛散しているのが確認されました。  この噴火により、死者1名、負傷者11名(消防庁 平成30年2月23日現在)の人的被害が発生しました。
日本には活火山はいくつありますか。
世界には、約1,500の活火山があります。そのうち、日本には111の活火山があり、世界でも有数の火山国といえます。
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地理
日本の活火山 北海道地方 北海道地方には31の活火山があり、このうち火山噴火予知連絡会によって選定された1火山の活動を気象庁は24時間体制で監視しています。とりわけ十勝岳・有珠山・樽前山・北海道駒ヶ岳など、爆発的な噴火を繰り返す活動的な火山の多い地域です。最近では有珠山が平成12年3月に噴火し有珠山の西麓に70個近い火口が開く噴火活動が発生したほか、雌阿寒岳では平成18年・平成20年に小規模な噴火が発生しました。 東北地方  東北地方には、18の活火山があり、このうち火山噴火予知連絡会によって選定された12火山の活動を気象庁は24時間体制で監視しています。最近は目だった噴火活動がなく、北海道地方や九州地方と比べるとおとなしい印象がありますが、過去には明治21年(1888年)の磐梯山の大爆発により山体の北側が大崩壊し477人が犠牲になるなど、噴火によって大きな被害が発生しています。  また、岩手山の平成10年の活動や吾妻山の近年の活動では、地下のマグマ活動を示唆する地殻変動や地震活動、噴気活動の活発化がみられています。 関東・中部地方、伊豆・小笠原諸島  関東・中部地方、伊豆・小笠原諸島には海底火山を含めると41の活火山があり、このうち火山噴火予知連絡会によって選定された20火山の活動を気象庁は24時間体制で監視しています。観光地として知られている 火山も多いですが、浅間山、伊豆大島、三宅島など、爆発的な噴火や溶岩流をともなう噴火を繰り返す活動的な火山も多く存在します。  最近では、西之島や硫黄島で噴火を繰り返しているほか、御嶽山(平成26年)、草津白根山(本白根山)(平成30年)、福徳岡ノ場(令和1年)などで噴火が発生しました。 中国・九州・沖縄地方 九州地方を中心として、中国地方から沖縄地方にかけては、21の活火山があり、このうち火山噴火予知連絡会によって選定された9火山の活動を気象庁は24時間体制で監視しています。特に九州地方は、活動的な火山の多い地域です。  霧島山(新燃岳)では、平成23年1月26日から約300年ぶりとなる本格的なマグマ噴火が始まり、多量の火山灰等を放出し、火口内に溶岩が噴出、爆発的な噴火が繰り返されました。  姶良(あいら)カルデラの南縁部に位置する桜島では、南岳山頂火口で昭和30年(1955年)から噴火活動が続いているほか、昭和火口でも平成18年に、58年ぶりに噴火活動が始まりました。  口永良部島では、平成27年5月29日に火砕流を伴う噴火が発生しました。  また、日本屈指の大きさを誇る阿蘇カルデラでは、中央部に位置する中岳で噴火活動が続いており、平成28年10月8日の噴火では中国・四国地方まで降灰しました。
北海道地方において活動的な火山はいくつありますか。
北海道地方には31の活火山があり、このうち火山噴火予知連絡会によって選定された1火山の活動を気象庁は24時間体制で監視しています。とりわけ十勝岳・有珠山・樽前山・北海道駒ヶ岳など、爆発的な噴火を繰り返す活動的な火山の多い地域です。
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地理
日本の活火山 北海道地方 北海道地方には31の活火山があり、このうち火山噴火予知連絡会によって選定された1火山の活動を気象庁は24時間体制で監視しています。とりわけ十勝岳・有珠山・樽前山・北海道駒ヶ岳など、爆発的な噴火を繰り返す活動的な火山の多い地域です。最近では有珠山が平成12年3月に噴火し有珠山の西麓に70個近い火口が開く噴火活動が発生したほか、雌阿寒岳では平成18年・平成20年に小規模な噴火が発生しました。 東北地方  東北地方には、18の活火山があり、このうち火山噴火予知連絡会によって選定された12火山の活動を気象庁は24時間体制で監視しています。最近は目だった噴火活動がなく、北海道地方や九州地方と比べるとおとなしい印象がありますが、過去には明治21年(1888年)の磐梯山の大爆発により山体の北側が大崩壊し477人が犠牲になるなど、噴火によって大きな被害が発生しています。  また、岩手山の平成10年の活動や吾妻山の近年の活動では、地下のマグマ活動を示唆する地殻変動や地震活動、噴気活動の活発化がみられています。 関東・中部地方、伊豆・小笠原諸島  関東・中部地方、伊豆・小笠原諸島には海底火山を含めると41の活火山があり、このうち火山噴火予知連絡会によって選定された20火山の活動を気象庁は24時間体制で監視しています。観光地として知られている火山も多いですが、浅間山、伊豆大島、三宅島など、爆発的な噴火や溶岩流をともなう噴火を繰り返す活動的な火山も多く存在します。  最近では、西之島や硫黄島で噴火を繰り返しているほか、御嶽山(平成26年)、草津白根山(本白根山)(平成30年)、福徳岡ノ場(令和1年)などで噴火が発生しました。 中国・九州・沖縄地方 九州地方を中心として、中国地方から沖縄地方にかけては、21の活火山があり、このうち火山噴火予知連絡会によって選定された9火山の活動を気象庁は24時間体制で監視しています。特に九州地方は、活動的な火山の多い地域です。  霧島山(新燃岳)では、平成23年1月26日から約300年ぶりとなる本格的なマグマ噴火が始まり、多量の火山灰等を放出し、火口内に溶岩が噴出、爆発的な噴火が繰り返されました。  姶良(あいら)カルデラの南縁部に位置する桜島では、南岳山頂火口で昭和30年(1955年)から噴火活動が続いているほか、昭和火口でも平成18年に、58年ぶりに噴火活動が始まりました。  口永良部島では、平成27年5月29日に火砕流を伴う噴火が発生しました。  また、日本屈指の大きさを誇る阿蘇カルデラでは、中央部に位置する中岳で噴火活動が続いており、平成28年10月8日の噴火では中国・四国地方まで降灰しました。
東北地方で活動が活発になっている火山はありますか。
岩手山の平成10年の活動や吾妻山の近年の活動では、地下のマグマ活動を示唆する地殻変動や地震活動、噴気活動の活発化がみられています。
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地理
日本の活火山 北海道地方 北海道地方には31の活火山があり、このうち火山噴火予知連絡会によって選定された1火山の活動を気象庁は24時間体制で監視しています。とりわけ十勝岳・有珠山・樽前山・北海道駒ヶ岳など、爆発的な噴火を繰り返す活動的な火山の多い地域です。最近では有珠山が平成12年3月に噴火し有珠山の西麓に70個近い火口が開く噴火活動が発生したほか、雌阿寒岳では平成18年・平成20年に小規模な噴火が発生しました。 東北地方  東北地方には、18の活火山があり、このうち火山噴火予知連絡会によって選定された12火山の活動を気象庁は24時間体制で監視しています。最近は目だった噴火活動がなく、北海道地方や九州地方と比べるとおとなしい印象がありますが、過去には明治21年(1888年)の磐梯山の大爆発により山体の北側が大崩壊し477人が犠牲になるなど、噴火によって大きな被害が発生しています。  また、岩手山の平成10年の活動や吾妻山の近年の活動では、地下のマグマ活動を示唆する地殻変動や地震活動、噴気活動の活発化がみられています。 関東・中部地方、伊豆・小笠原諸島  関東・中部地方、伊豆・小笠原諸島には海底火山を含めると41の活火山があり、このうち火山噴火予知連絡会によって選定された20火山の活動を気象庁は24時間体制で監視しています。観光地として知られている火山も多いですが、浅間山、伊豆大島、三宅島など、爆発的な噴火や溶岩流をともなう噴火を繰り返す活動的な火山も多く存在します。  最近では、西之島や硫黄島で噴火を繰り返しているほか、御嶽山(平成26年)、草津白根山(本白根山)(平成30年)、福徳岡ノ場(令和1年)などで噴火が発生しました。 中国・九州・沖縄地方 九州地方を中心として、中国地方から沖縄地方にかけては、21の活火山があり、このうち火山噴火予知連絡会によって選定された9火山の活動を気象庁は24時間体制で監視しています。特に九州地方は、活動的な火山の多い地域です。  霧島山(新燃岳)では、平成23年1月26日から約300年ぶりとなる本格的なマグマ噴火が始まり、多量の火山灰等を放出し、火口内に溶岩が噴出、爆発的な噴火が繰り返されました。  姶良(あいら)カルデラの南縁部に位置する桜島では、南岳山頂火口で昭和30年(1955年)から噴火活動が続いているほか、昭和火口でも平成18年に、58年ぶりに噴火活動が始まりました。  口永良部島では、平成27年5月29日に火砕流を伴う噴火が発生しました。  また、日本屈指の大きさを誇る阿蘇カルデラでは、中央部に位置する中岳で噴火活動が続いており、平成28年10月8日の噴火では中国・四国地方まで降灰しました。
関東・中部地方、伊豆・小笠原諸島で活動が活発になっている火山はありますか。
観光地として知られている火山も多いですが、浅間山、伊豆大島、三宅島など、爆発的な噴火や溶岩流をともなう噴火を繰り返す活動的な火山も多く存在します。
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地理
航空機のための火山灰情報 火山灰は、航空機のエンジンに吸い込まれるとエンジンが停止したり、操縦席の風防ガラスに衝突するとすりガラス状になり視界が利かなくなったり、飛行場に堆積すると離着陸出来なくなるなど、火山灰による被害は多岐にわたります。このような被害を回避するため、国際民間航空機関(ICAO)は、世界気象機関(WMO)の協力を得て、火山灰の分布や拡散予測を含む航空路火山灰情報(VAA)の提供を行う航空路火山灰情報センター(VAAC)の設置を勧告し、世界9か所のVAACを指名しました。日本では平成9年4月から、東アジア及び北西太平洋を担当する東京VAACとして、気象庁が民間航空会社、航空関係機関、気象監視局、他のVAAC等にVAAを提供しています。  確実な情報提供を行うため、隣接するダーウィンVAACとは機能不全時に相互に業務を代行する協定を結んでいます。 火山防災の日  令和5年の通常国会において、活動火山対策特別措置法の一部を改正する法律案が可決・成立し、国民の間に広く活動火山対策についての関心と理解を深めるため、8月26日を「火山防災の日」とすることが定められました。8月26日は、日本で最初の火山観測所が明治44年(1911年)に群馬県・長野県の県境にある浅間山に設置され、観測が始まった日です。 火山噴火予知連絡会 火山噴火予知連絡会は、火山噴火予知計画により、関係機関の研究及び業務に関する成果及び情報の交換、火山現象についての総合的判断を行うこと等を目的に、昭和49年(1974年)に設置されました。この連絡会は、気象庁が事務局を担当しており、委員は学識経験者及び関係機関の専門家から構成されています。  近年の連絡会の参画機関を取り巻く情勢の変化を踏まえ、連絡会を持続可能な体制とする検討が進められ、令和4年8月に提言がまとめられました。この提言を踏まえ、令和5年度から、火山活動に関して気象庁に助言を行う「火山活動評価検討会」、平時の知見の蓄積等を行う「火山調査研究検討会」(当面の間は準備会)、および、大規模な噴火災害が見込まれる際に火山活動の見解をまとめる「噴火災害特別委員会」の3つの会議体での運営を開始しています。  さらに、令和6年4月1日に火山に関する調査・研究を一元的に推進する「火山調査研究推進本部」が文部科学省に設置され、同本部の取組等を踏まえ、連絡会の役割について改めて見直しを進める予定です。
火山灰は航空機に対してどういう被害を及ぼしますか。
火山灰は、航空機のエンジンに吸い込まれるとエンジンが停止したり、操縦席の風防ガラスに衝突するとすりガラス状になり視界が利かなくなったり、飛行場に堆積すると離着陸出来なくなるなど、火山灰による被害は多岐にわたります。
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地理
航空機のための火山灰情報 火山灰は、航空機のエンジンに吸い込まれるとエンジンが停止したり、操縦席の風防ガラスに衝突するとすりガラス状になり視界が利かなくなったり、飛行場に堆積すると離着陸出来なくなるなど、火山灰による被害は多岐にわたります。このような被害を回避するため、国際民間航空機関(ICAO)は、世界気象機関(WMO)の協力を得て、火山灰の分布や拡散予測を含む航空路火山灰情報(VAA)の提供を行う航空路火山灰情報センター(VAAC)の設置を勧告し、世界9か所のVAACを指名しました。日本では平成9年4月から、東アジア及び北西太平洋を担当する東京VAACとして、気象庁が民間航空会社、航空関係機関、気象監視局、他のVAAC等にVAAを提供しています。  確実な情報提供を行うため、隣接するダーウィンVAACとは機能不全時に相互に業務を代行する協定を結んでいます。 火山防災の日  令和5年の通常国会において、活動火山対策特別措置法の一部を改正する法律案が可決・成立し、国民の間に広く活動火山対策についての関心と理解を深めるため、8月26日を「火山防災の日」とすることが定められました。8月26日は、日本で最初の火山観測所が明治44年(1911年)に群馬県・長野県の県境にある浅間山に設置され、観測が始まった日です。 火山噴火予知連絡会 火山噴火予知連絡会は、火山噴火予知計画により、関係機関の研究及び業務に関する成果及び情報の交換、火山現象についての総合的判断を行うこと等を目的に、昭和49年(1974年)に設置されました。この連絡会は、気象庁が事務局を担当しており、委員は学識経験者及び関係機関の専門家から構成されています。  近年の連絡会の参画機関を取り巻く情勢の変化を踏まえ、連絡会を持続可能な体制とする検討が進められ、令和4年8月に提言がまとめられました。この提言を踏まえ、令和5年度から、火山活動に関して気象庁に助言を行う「火山活動評価検討会」、平時の知見の蓄積等を行う「火山調査研究検討会」(当面の間は準備会)、および、大規模な噴火災害が見込まれる際に火山活動の見解をまとめる「噴火災害特別委員会」の3つの会議体での運営を開始しています。  さらに、令和6年4月1日に火山に関する調査・研究を一元的に推進する「火山調査研究推進本部」が文部科学省に設置され、同本部の取組等を踏まえ、連絡会の役割について改めて見直しを進める予定です。
8月26日を「火山防災の日」にしたのはなぜなでしょうか。
国民の間に広く活動火山対策についての関心と理解を深めるため、8月26日を「火山防災の日」とすることが定められました。8月26日は、日本で最初の火山観測所が明治44年(1911年)に群馬県・長野県の県境にある浅間山に設置され、観測が始まった日です。
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地理
火山監視・評価技術の研究開発~気象研究所~ (1)地殻変動観測等に基づく火山活動評価に関する研究  気象庁では、各火山で実施する観測に基づいて火山活動の評価を行い、噴火予報及び警報の発表、「噴火警戒レベル」の運用を行っています。これらの的確な運用のためには、監視データをより高精度に解析するための技術開発や、火山活動評価の精度向上が重要な課題となっています。  気象研究所では、伊豆大島等の火山において地殻変動等の観測・データ解析を行い、噴火に至るプロセスを解明することにより火山活動評価を高度化するための研究を行っています。 また、GNSSや衛星SAR等の地殻変動データに与える大気の影響を取り除き火山活動に伴う異常検知能力を向上させるための研究、火山活動に伴う地下構造変化検出のための技術開発等を行っています。さらに、一層の的確な予報及び警報発表のために、これまでに蓄積されたデータの整理・解析に基づく活動評価の定量的指標の開発、監視データ解析の迅速化のための技術開発を進めていく必要があります。 (2)化学的手法等による火山活動監視に関する研究 気象研究所では、火山ガスや熱水の化学組成や安定同位体比の分析あるいは火山灰を分析することで、特に水蒸気噴火に関連するような火山活動の理解の深化・発生機構の解明を目指します。  また、地上観測や衛星観測データを用い、火山ガスの放出率や組成比をモニタリング・評価する技術開発を行います。 (3)火山噴出物の監視技術と輸送予測に関する研究 噴火警報や降灰予報など防災に役立つ情報提供のためには、精度のよい噴火予知とともに、火山活動の状況を即時的に把握し、火山現象を正確に予測することが重要です。気象研究所では、リモートセンシング技術などを用いた火山監視手法の開発や、火山灰輸送モデルの改良を行って、火山監視業務や火山灰情報に活用するための研究を行っています。  気象レーダー・衛星等の技術を活用して悪天時などに噴火・噴煙を即時的に把握する手法の研究に取り組むとともに、噴火後の火山灰等の拡散予測を即時的、定量的、高精度に行う技術の研究を行って、気象庁の火山監視と降灰予報、航空路火山灰情報の高度化に貢献しています。 火山観測・監視技術の研究開発~地磁気観測所~ 火山活動と電磁気変化 火山は、一般に磁鉄鉱などの強磁性鉱物を含む岩石からなり、磁石のように磁気を帯びています。岩石が持つ磁気は、マグマの貫入などにより熱せられると減少(消磁)し、冷やされると増加(帯磁)します。加えて、山体の圧力変化に伴って磁気が変化する(ピエゾ磁気効果)こともあります。このため、火山活動に伴い周囲の磁気は微妙に変化しています。 また、マグマ(熱源)が地下の熱水対流を形成し、山頂に正電荷を輸送する結果、山頂部が高電位に帯電することがあります。このため、火山活動に伴い山体表面の電位も変化します。 地磁気観測所では、火山の活動をより適切に把握することを目的に、地球電磁気学的手法を用いた火山観測・監視技術に関する調査研究を進めています。 火山監視のための地球電磁気的観測におけるケーススタディ 草津白根山における全磁力繰り返し観測結果(1988~) 湯釜火口周辺で実施した観測で、火山性地震が活発であった1990~1992年頃には、地下の熱活動が高まっていることを示す結果が得られ、全磁力の変化量から推定された熱源の場所と、火山性地震の震源域がよく一致する結果となりました。その後は、地下の熱活動が低下するデータが得られました。 火山活動に伴う地磁気変化の解析手法の開発 地磁気の変化の中には、地球中心部で作られる主磁場の変化、太陽活動に対する地球磁気圏の応答に伴う変化、海流による変化、さらには人工ノイズなどが含まれています。火山活動を捉えるためには、まず、これらの変化を除去し、火山活動に伴う変化を抽出することが必要になります。更に、地磁気の変化から、その変化が生じた場所と大きさを特定し、それを実際の火山活動と結びつけて把握するためには、地球物理の様々な知見を統合した複雑な解析が必要になります。  地磁気観測所ではそのための解析手法をより高度化することを目的に調査研究を進めています。 ●火山体の比抵抗構造探査 比抵抗は相対的な電気の流れにくさを表す物理量です。例えば、水は電気を通しやすいため、水を蓄えた地層は比抵抗が小さくな ります。このため、火山の比抵抗構造を調べることにより火山体内部の熱水貯留層の分布などを推定できます。地磁気観測所では火山活動が活発な火山においてMT法(地磁気地電流法)を用いた比抵抗構造探査を実施しています。
気象研究所で行っている火山活動評価に関する研究を教えてください。
気象研究所では、伊豆大島等の火山において地殻変動等の観測・データ解析を行い、噴火に至るプロセスを解明することにより火山活動評価を高度化するための研究を行っています。 また、GNSSや衛星SAR等の地殻変動データに与える大気の影響を取り除き火山活動に伴う異常検知能力を向上させるための研究、火山活動に伴う地下構造変化検出のための技術開発等を行っています。
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地理
火山監視・評価技術の研究開発~気象研究所~ (1)地殻変動観測等に基づく火山活動評価に関する研究  気象庁では、各火山で実施する観測に基づいて火山活動の評価を行い、噴火予報及び警報の発表、「噴火警戒レベル」の運用を行っています。これらの的確な運用のためには、監視データをより高精度に解析するための技術開発や、火山活動評価の精度向上が重要な課題となっています。  気象研究所では、伊豆大島等の火山において地殻変動等の観測・データ解析を行い、噴火に至るプロセスを解明することにより火山活動評価を高度化するための研究を行っています。 また、GNSSや衛星SAR等の地殻変動データに与える大気の影響を取り除き火山活動に伴う異常検知能力を向上させるための研究、火山活動に伴う地下構造変化検出のための技術開発等を行っています。さらに、一層の的確な予報及び警報発表のために、これまでに蓄積されたデータの整理・解析に基づく活動評価の定量的指標の開発、監視データ解析の迅速化のための技術開発を進めていく必要があります。 (2)化学的手法等による火山活動監視に関する研究 気象研究所では、火山ガスや熱水の化学組成や安定同位体比の分析あるいは火山灰を分析することで、特に水蒸気噴火に関連するような火山活動の理解の深化・発生機構の解明を目指します。  また、地上観測や衛星観測データを用い、火山ガスの放出率や組成比をモニタリング・評価する技術開発を行います。 (3)火山噴出物の監視技術と輸送予測に関する研究 噴火警報や降灰予報など防災に役立つ情報提供のためには、精度のよい噴火予知とともに、火山活動の状況を即時的に把握し、火山現象を正確に予測することが重要です。気象研究所では、リモートセンシング技術などを用いた火山監視手法の開発や、火山灰輸送モデルの改良を行って、火山監視業務や火山灰情報に活用するための研究を行っています。  気象レーダー・衛星等の技術を活用して悪天時などに噴火・噴煙を即時的に把握する手法の研究に取り組むとともに、噴火後の火山灰等の拡散予測を即時的、定量的、高精度に行う技術の研究を行って、気象庁の火山監視と降灰予報、航空路火山灰情報の高度化に貢献しています。 火山観測・監視技術の研究開発~地磁気観測所~ 火山活動と電磁気変化 火山は、一般に磁鉄鉱などの強磁性鉱物を含む岩石からなり、磁石のように磁気を帯びています。岩石が持つ磁気は、マグマの貫入などにより熱せられると減少(消磁)し、冷やされると増加(帯磁)します。加えて、山体の圧力変化に伴って磁気が変化する(ピエゾ磁気効果)こともあります。このため、火山活動に伴い周囲の磁気は微妙に変化しています。 また、マグマ(熱源)が地下の熱水対流を形成し、山頂に正電荷を輸送する結果、山頂部が高電位に帯電することがあります。このため、火山活動に伴い山体表面の電位も変化します。 地磁気観測所では、火山の活動をより適切に把握することを目的に、地球電磁気学的手法を用いた火山観測・監視技術に関する調査研究を進めています。 火山監視のための地球電磁気的観測におけるケーススタディ 草津白根山における全磁力繰り返し観測結果(1988~) 湯釜火口周辺で実施した観測で、火山性地震が活発であった1990~1992年頃には、地下の熱活動が高まっていることを示す結果が得られ、全磁力の変化量から推定された熱源の場所と、火山性地震の震源域がよく一致する結果となりました。その後は、地下の熱活動が低下するデータが得られました。 火山活動に伴う地磁気変化の解析手法の開発 地磁気の変化の中には、地球中心部で作られる主磁場の変化、太陽活動に対する地球磁気圏の応答に伴う変化、海流による変化、さらには人工ノイズなどが含まれています。火山活動を捉えるためには、まず、これらの変化を除去し、火山活動に伴う変化を抽出することが必要になります。更に、地磁気の変化から、その変化が生じた場所と大きさを特定し、それを実際の火山活動と結びつけて把握するためには、地球物理の様々な知見を統合した複雑な解析が必要になります。  地磁気観測所ではそのための解析手法をより高度化することを目的に調査研究を進めています。 ●火山体の比抵抗構造探査 比抵抗は相対的な電気の流れにくさを表す物理量です。例えば、水は電気を通しやすいため、水を蓄えた地層は比抵抗が小さくな ります。このため、火山の比抵抗構造を調べることにより火山体内部の熱水貯留層の分布などを推定できます。地磁気観測所では火山活動が活発な火山においてMT法(地磁気地電流法)を用いた比抵抗構造探査を実施しています。
火山に含まれた磁気は変動しますか。
火山は、一般に磁鉄鉱などの強磁性鉱物を含む岩石からなり、磁石のように磁気を帯びています。岩石が持つ磁気は、マグマの貫入などにより熱せられると減少(消磁)し、冷やされると増加(帯磁)します。
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地理
火山監視・評価技術の研究開発~気象研究所~ (1)地殻変動観測等に基づく火山活動評価に関する研究  気象庁では、各火山で実施する観測に基づいて火山活動の評価を行い、噴火予報及び警報の発表、「噴火警戒レベル」の運用を行っています。これらの的確な運用のためには、監視データをより高精度に解析するための技術開発や、火山活動評価の精度向上が重要な課題となっています。  気象研究所では、伊豆大島等の火山において地殻変動等の観測・データ解析を行い、噴火に至るプロセスを解明することにより火山活動評価を高度化するための研究を行っています。 また、GNSSや衛星SAR等の地殻変動データに与える大気の影響を取り除き火山活動に伴う異常検知能力を向上させるための研究、火山活動に伴う地下構造変化検出のための技術開発等を行っています。さらに、一層の的確な予報及び警報発表のために、これまでに蓄積されたデータの整理・解析に基づく活動評価の定量的指標の開発、監視データ解析の迅速化のための技術開発を進めていく必要があります。 (2)化学的手法等による火山活動監視に関する研究 気象研究所では、火山ガスや熱水の化学組成や安定同位体比の分析あるいは火山灰を分析することで、特に水蒸気噴火に関連するような火山活動の理解の深化・発生機構の解明を目指します。  また、地上観測や衛星観測データを用い、火山ガスの放出率や組成比をモニタリング・評価する技術開発を行います。 (3)火山噴出物の監視技術と輸送予測に関する研究 噴火警報や降灰予報など防災に役立つ情報提供のためには、精度のよい噴火予知とともに、火山活動の状況を即時的に把握し、火山現象を正確に予測することが重要です。気象研究所では、リモートセンシング技術などを用いた火山監視手法の開発や、火山灰輸送モデルの改良を行って、火山監視業務や火山灰情報に活用するための研究を行っています。  気象レーダー・衛星等の技術を活用して悪天時などに噴火・噴煙を即時的に把握する手法の研究に取り組むとともに、噴火後の火山灰等の拡散予測を即時的、定量的、高精度に行う技術の研究を行って、気象庁の火山監視と降灰予報、航空路火山灰情報の高度化に貢献しています。 火山観測・監視技術の研究開発~地磁気観測所~ 火山活動と電磁気変化 火山は、一般に磁鉄鉱などの強磁性鉱物を含む岩石からなり、磁石のように磁気を帯びています。岩石が持つ磁気は、マグマの貫入などにより熱せられると減少(消磁)し、冷やされると増加(帯磁)します。加えて、山体の圧力変化に伴って磁気が変化する(ピエゾ磁気効果)こともあります。このため、火山活動に伴い周囲の磁気は微妙に変化しています。 また、マグマ(熱源)が地下の熱水対流を形成し、山頂に正電荷を輸送する結果、山頂部が高電位に帯電することがあります。このため、火山活動に伴い山体表面の電位も変化します。 地磁気観測所では、火山の活動をより適切に把握することを目的に、地球電磁気学的手法を用いた火山観測・監視技術に関する調査研究を進めています。 火山監視のための地球電磁気的観測におけるケーススタディ 草津白根山における全磁力繰り返し観測結果(1988~) 湯釜火口周辺で実施した観測で、火山性地震が活発であった1990~1992年頃には、地下の熱活動が高まっていることを示す結果が得られ、全磁力の変化量から推定された熱源の場所と、火山性地震の震源域がよく一致する結果となりました。その後は、地下の熱活動が低下するデータが得られました。 火山活動に伴う地磁気変化の解析手法の開発 地磁気の変化の中には、地球中心部で作られる主磁場の変化、太陽活動に対する地球磁気圏の応答に伴う変化、海流による変化、さらには人工ノイズなどが含まれています。火山活動を捉えるためには、まず、これらの変化を除去し、火山活動に伴う変化を抽出することが必要になります。更に、地磁気の変化から、その変化が生じた場所と大きさを特定し、それを実際の火山活動と結びつけて把握するためには、地球物理の様々な知見を統合した複雑な解析が必要になります。  地磁気観測所ではそのための解析手法をより高度化することを目的に調査研究を進めています。 ●火山体の比抵抗構造探査 比抵抗は相対的な電気の流れにくさを表す物理量です。例えば、水は電気を通しやすいため、水を蓄えた地層は比抵抗が小さくな ります。このため、火山の比抵抗構造を調べることにより火山体内部の熱水貯留層の分布などを推定できます。地磁気観測所では火山活動が活発な火山においてMT法(地磁気地電流法)を用いた比抵抗構造探査を実施しています。
地磁気観測所の目的は何でしょうか。
地磁気観測所では、火山の活動をより適切に把握することを目的に、地球電磁気学的手法を用いた火山観測・監視技術に関する調査研究を進めています。
JCRRAG_011385
地理
火山監視・火山観測 1火山監視・警報センター  気象庁は、東京の火山監視・警報センター及び札幌・仙台・福岡の各地域火山監視・警報センターで、全国111の活火山の活動状況を監視しています。このうち、今後100年程度以内に噴火が発生する可能性及び社会的影響を踏まえ「火山防災のために監視・観測体制の充実等が必要な火山」として火山噴火予知連絡会によって選定された50火山については、噴火の前兆を捉えて噴火警報等を的確に発表するために、火山活動を24時間体制で常時観測・監視しています。  また、各センターの火山機動観測班が、その他の火山も含めて現地に出向いて計画的に調査観測を行っており、火山活動に高まりがみられた場合には、必要に応じて現象をより詳細に把握するために観測体制を強化しています。  これらの観測・監視の成果を用いて火山活動の評価を行い、全国111の活火山について、居住地域や火口周辺に影響を及ぼすような噴火の発生が予想された場合には、「警戒が必要な範囲」(この範囲内に入った場合には生命に危険が及ぶ)を明示して噴火警報を発表しています。 火山監視・火山観測 2 テレメータによる連続監視 札幌・仙台・東京・福岡の各火山監視・警報センターは、「火山防災のために監視・観測体制の充実等が必要な火山」として火山噴火予知連絡会によって選定された50火山について、地震計、傾斜計、空振計、GNSS観測装置、監視カメラ等の火山観測施設を整備し、関係機関(大学等研究機関や自治体・防災機関等)からのデータ提供も受け、24時間体制で火山活動を監視しています。 震動観測(地震計による火山性地震や微動の観測) 空振観測(空振計による音波観測) 震動観測は、火山及びその周辺に発生する火山性地震や火山性微動を、空振観測は噴火等に伴う空気振動(空振)を観測するものです。気象庁は、地震計・空振計等の観測機器からのデータをリアルタイムに伝送し、火山性地震や火山性微動、空振の発生状況を監視・解析することにより、火山の活動状態の把握に努めています。 遠望観測(高感度カメラ等による動画監視) 遠望観測は、夜間でも星明りのようなわずかな光で見ることのできる監視カメラ等により火山を遠望し、噴煙の高さ、色、噴出物(火山灰、噴石など)、火映などの発光現象等を観測するものです。火山監視・警報センターでは、他機関(大学等研究機関や自治体・防災機関等)の協力を得ながら、火山に設置した監視カメラからの映像をリアルタイムに伝送することにより、24時間連続的に火山活動を監視しています。 地殻変動観測(GNSS、傾斜計等による地殻変動の観測) 地殻変動観測は、地下のマグマの活動等に伴って、地殻に力が加わって生じる地盤の傾斜変化や山体の膨張・収縮を観測するものです。傾斜計では火山体直下へのマグマの貫入等による山体の傾斜を精密に計測することができ、また、GNSS(※)観測装置では、他のGNSS観測装置と組み合わせることで火山周辺の地殻の変形を検出することができます。地殻の動きを連続的に観測することは、地下のマグマや熱水等の供給・移動によって生じる地盤変動を知り、噴火の前兆等の火山活動の推移を予想(評価)するための重要な手段となっています。
全国111の活火山のどれかが活動すると予想されたらどうなるでしょうか。
全国111の活火山について、居住地域や火口周辺に影響を及ぼすような噴火の発生が予想された場合には、「警戒が必要な範囲」(この範囲内に入った場合には生命に危険が及ぶ)を明示して噴火警報を発表しています。
JCRRAG_011386
地理
火山監視・火山観測 1火山監視・警報センター  気象庁は、東京の火山監視・警報センター及び札幌・仙台・福岡の各地域火山監視・警報センターで、全国111の活火山の活動状況を監視しています。このうち、今後100年程度以内に噴火が発生する可能性及び社会的影響を踏まえ「火山防災のために監視・観測体制の充実等が必要な火山」として火山噴火予知連絡会によって選定された50火山については、噴火の前兆を捉えて噴火警報等を的確に発表するために、火山活動を24時間体制で常時観測・監視しています。  また、各センターの火山機動観測班が、その他の火山も含めて現地に出向いて計画的に調査観測を行っており、火山活動に高まりがみられた場合には、必要に応じて現象をより詳細に把握するために観測体制を強化しています。  これらの観測・監視の成果を用いて火山活動の評価を行い、全国111の活火山について、居住地域や火口周辺に影響を及ぼすような噴火の発生が予想された場合には、「警戒が必要な範囲」(この範囲内に入った場合には生命に危険が及ぶ)を明示して噴火警報を発表しています。 火山監視・火山観測 2 テレメータによる連続監視 札幌・仙台・東京・福岡の各火山監視・警報センターは、「火山防災のために監視・観測体制の充実等が必要な火山」として火山噴火予知連絡会によって選定された50火山について、地震計、傾斜計、空振計、GNSS観測装置、監視カメラ等の火山観測施設を整備し、関係機関(大学等研究機関や自治体・防災機関等)からのデータ提供も受け、24時間体制で火山活動を監視しています。 震動観測(地震計による火山性地震や微動の観測) 空振観測(空振計による音波観測) 震動観測は、火山及びその周辺に発生する火山性地震や火山性微動を、空振観測は噴火等に伴う空気振動(空振)を観測するものです。気象庁は、地震計・空振計等の観測機器からのデータをリアルタイムに伝送し、火山性地震や火山性微動、空振の発生状況を監視・解析することにより、火山の活動状態の把握に努めています。 遠望観測(高感度カメラ等による動画監視) 遠望観測は、夜間でも星明りのようなわずかな光で見ることのできる監視カメラ等により火山を遠望し、噴煙の高さ、色、噴出物(火山灰、噴石など)、火映などの発光現象等を観測するものです。火山監視・警報センターでは、他機関(大学等研究機関や自治体・防災機関等)の協力を得ながら、火山に設置した監視カメラからの映像をリアルタイムに伝送することにより、24時間連続的に火山活動を監視しています。 地殻変動観測(GNSS、傾斜計等による地殻変動の観測) 地殻変動観測は、地下のマグマの活動等に伴って、地殻に力が加わって生じる地盤の傾斜変化や山体の膨張・収縮を観測するものです。傾斜計では火山体直下へのマグマの貫入等による山体の傾斜を精密に計測することができ、また、GNSS(※)観測装置では、他のGNSS観測装置と組み合わせることで火山周辺の地殻の変形を検出することができます。地殻の動きを連続的に観測することは、地下のマグマや熱水等の供給・移動によって生じる地盤変動を知り、噴火の前兆等の火山活動の推移を予想(評価)するための重要な手段となっています。
震動観測とは何でしょうか。
震動観測は、火山及びその周辺に発生する火山性地震や火山性微動を、空振観測は噴火等に伴う空気振動(空振)を観測するものです。
JCRRAG_011387
地理
火山監視・火山観測 1火山監視・警報センター  気象庁は、東京の火山監視・警報センター及び札幌・仙台・福岡の各地域火山監視・警報センターで、全国111の活火山の活動状況を監視しています。このうち、今後100年程度以内に噴火が発生する可能性及び社会的影響を踏まえ「火山防災のために監視・観測体制の充実等が必要な火山」として火山噴火予知連絡会によって選定された50火山については、噴火の前兆を捉えて噴火警報等を的確に発表するために、火山活動を24時間体制で常時観測・監視しています。  また、各センターの火山機動観測班が、その他の火山も含めて現地に出向いて計画的に調査観測を行っており、火山活動に高まりがみられた場合には、必要に応じて現象をより詳細に把握するために観測体制を強化しています。  これらの観測・監視の成果を用いて火山活動の評価を行い、全国111の活火山について、居住地域や火口周辺に影響を及ぼすような噴火の発生が予想された場合には、「警戒が必要な範囲」(この範囲内に入った場合には生命に危険が及ぶ)を明示して噴火警報を発表しています。 火山監視・火山観測 2 テレメータによる連続監視 札幌・仙台・東京・福岡の各火山監視・警報センターは、「火山防災のために監視・観測体制の充実等が必要な火山」として火山噴火予知連絡会によって選定された50火山について、地震計、傾斜計、空振計、GNSS観測装置、監視カメラ等の火山観測施設を整備し、関係機関(大学等研究機関や自治体・防災機関等)からのデータ提供も受け、24時間体制で火山活動を監視しています。 震動観測(地震計による火山性地震や微動の観測) 空振観測(空振計による音波観測) 震動観測は、火山及びその周辺に発生する火山性地震や火山性微動を、空振観測は噴火等に伴う空気振動(空振)を観測するものです。気象庁は、地震計・空振計等の観測機器からのデータをリアルタイムに伝送し、火山性地震や火山性微動、空振の発生状況を監視・解析することにより、火山の活動状態の把握に努めています。 遠望観測(高感度カメラ等による動画監視) 遠望観測は、夜間でも星明りのようなわずかな光で見ることのできる監視カメラ等により火山を遠望し、噴煙の高さ、色、噴出物(火山灰、噴石など)、火映などの発光現象等を観測するものです。火山監視・警報センターでは、他機関(大学等研究機関や自治体・防災機関等)の協力を得ながら、火山に設置した監視カメラからの映像をリアルタイムに伝送することにより、24時間連続的に火山活動を監視しています。 地殻変動観測(GNSS、傾斜計等による地殻変動の観測) 地殻変動観測は、地下のマグマの活動等に伴って、地殻に力が加わって生じる地盤の傾斜変化や山体の膨張・収縮を観測するものです。傾斜計では火山体直下へのマグマの貫入等による山体の傾斜を精密に計測することができ、また、GNSS(※)観測装置では、他のGNSS観測装置と組み合わせることで火山周辺の地殻の変形を検出することができます。地殻の動きを連続的に観測することは、地下のマグマや熱水等の供給・移動によって生じる地盤変動を知り、噴火の前兆等の火山活動の推移を予想(評価)するための重要な手段となっています。
遠望観測とは何でしょうか。
遠望観測は、夜間でも星明りのようなわずかな光で見ることのできる監視カメラ等により火山を遠望し、噴煙の高さ、色、噴出物(火山灰、噴石など)、火映などの発光現象等を観測するものです。
JCRRAG_011388
地理
土砂災害に関する防災気象情報 土砂災害 令和2年7月豪雨  令和2年7月3日から7月31日にかけて、日本付近に停滞した前線の影響で、暖かく湿った空気が継続して流れ込み、各地で大雨となりました。(令和2年7月豪雨)  7月4日未明から朝にかけては、熊本県付近で線状降水帯が形成・停滞し、天草市牛深で3時間降水量が205.5ミリとなるなど記録的な大雨となりました。この大雨の影響で、熊本県では各地で土砂災害が多数発生し、芦北町では土砂災害により8名の方が亡くなるなど、甚大な被害となりました。 現象:山や崖が崩れたり、崩れた土砂が雨水や川の水とまじって流れ下ったりすることによって、一瞬のうちに人の命が奪われたり、建物等に被害をもたらす災害を土砂災害といいます。 命が脅かされる危険性が認められる場所:急傾斜地や渓流の付近など、命が脅かされる危険性が認められる場所は、都道府県が土砂災害警戒区域等として公表しています。 活用する情報:崖崩れや土石流の発生を確認してからでは避難が間に合わないおそれがあるため、土砂キキクル(大雨警報(土砂災害)の危険度分布)や土砂災害警戒情報等を活用し、安全に避難できる早い段階で避難開始を判断することが必要です。 大雨によって土砂災害発生の危険度が高まるときには、危険度の高まりに応じて段階的に、大雨注意報、大雨警報(土砂災害)、土砂災害警戒情報、大雨特別警報(土砂災害)を市町村単位で発表しています。さらに、これらの情報が発表されたときに実際にどこで危険度が高まっているかを把握できるように、地図上で土砂災害の危険度の高まりを5段階に色分けして表示した土砂キキクル(大雨警報(土砂災害)の危険度分布)を10分毎に更新しています。危険度の判定には2時間先までの雨量予測に基づく土壌雨量指数の予測値を用いています。  土砂キキクルの黒色(災害切迫:警戒レベル5相当)は、土砂災害により命の危険が迫っているため直ちに身の安全を確保しなければならない状況です。  このため、土砂災害警戒区域等にお住まいの方々は、土砂キキクルを確認して可能な限り早めの避難を心がけていただき、高齢者等の方は遅くとも赤色(警戒:警戒レベル3相当)が出現した時点で、一般の方も遅くとも紫色(危険:警戒レベル4相当)が出現した時点で、土砂災害警戒区域の外の少しでも安全な場所へ速やかに避難することが大変重要です。
土砂キキクルの黒色が発表されたらどういう状況ですか。
土砂キキクルの黒色(災害切迫:警戒レベル5相当)は、土砂災害により命の危険が迫っているため直ちに身の安全を確保しなければならない状況です。
JCRRAG_011389
地理
土砂災害に関する防災気象情報 土砂災害 令和2年7月豪雨  令和2年7月3日から7月31日にかけて、日本付近に停滞した前線の影響で、暖かく湿った空気が継続して流れ込み、各地で大雨となりました。(令和2年7月豪雨)  7月4日未明から朝にかけては、熊本県付近で線状降水帯が形成・停滞し、天草市牛深で3時間降水量が205.5ミリとなるなど記録的な大雨となりました。この大雨の影響で、熊本県では各地で土砂災害が多数発生し、芦北町では土砂災害により8名の方が亡くなるなど、甚大な被害となりました。 現象:山や崖が崩れたり、崩れた土砂が雨水や川の水とまじって流れ下ったりすることによって、一瞬のうちに人の命が奪われたり、建物等に被害をもたらす災害を土砂災害といいます。 命が脅かされる危険性が認められる場所:急傾斜地や渓流の付近など、命が脅かされる危険性が認められる場所は、都道府県が土砂災害警戒区域等として公表しています。 活用する情報:崖崩れや土石流の発生を確認してからでは避難が間に合わないおそれがあるため、土砂キキクル(大雨警報(土砂災害)の危険度分布)や土砂災害警戒情報等を活用し、安全に避難できる早い段階で避難開始を判断することが必要です。 大雨によって土砂災害発生の危険度が高まるときには、危険度の高まりに応じて段階的に、大雨注意報、大雨警報(土砂災害)、土砂災害警戒情報、大雨特別警報(土砂災害)を市町村単位で発表しています。さらに、これらの情報が発表されたときに実際にどこで危険度が高まっているかを把握できるように、地図上で土砂災害の危険度の高まりを5段階に色分けして表示した土砂キキクル(大雨警報(土砂災害)の危険度分布)を10分毎に更新しています。危険度の判定には2時間先までの雨量予測に基づく土壌雨量指数の予測値を用いています。  土砂キキクルの黒色(災害切迫:警戒レベル5相当)は、土砂災害により命の危険が迫っているため直ちに身の安全を確保しなければならない状況です。  このため、土砂災害警戒区域等にお住まいの方々は、土砂キキクルを確認して可能な限り早めの避難を心がけていただき、高齢者等の方は遅くとも赤色(警戒:警戒レベル3相当)が出現した時点で、一般の方も遅くとも紫色(危険:警戒レベル4相当)が出現した時点で、土砂災害警戒区域の外の少しでも安全な場所へ速やかに避難することが大変重要です。
令和2年7月豪雨で8人亡くなったのはなぜでしょうか。
7月4日未明から朝にかけては、熊本県付近で線状降水帯が形成・停滞し、天草市牛深で3時間降水量が205.5ミリとなるなど記録的な大雨となりました。この大雨の影響で、熊本県では各地で土砂災害が多数発生し、芦北町では土砂災害により8名の方が亡くなるなど、甚大な被害となりました。
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地理
土砂災害に関する防災気象情報 土砂災害 令和2年7月豪雨  令和2年7月3日から7月31日にかけて、日本付近に停滞した前線の影響で、暖かく湿った空気が継続して流れ込み、各地で大雨となりました。(令和2年7月豪雨)  7月4日未明から朝にかけては、熊本県付近で線状降水帯が形成・停滞し、天草市牛深で3時間降水量が205.5ミリとなるなど記録的な大雨となりました。この大雨の影響で、熊本県では各地で土砂災害が多数発生し、芦北町では土砂災害により8名の方が亡くなるなど、甚大な被害となりました。 現象:山や崖が崩れたり、崩れた土砂が雨水や川の水とまじって流れ下ったりすることによって、一瞬のうちに人の命が奪われたり、建物等に被害をもたらす災害を土砂災害といいます。 命が脅かされる危険性が認められる場所:急傾斜地や渓流の付近など、命が脅かされる危険性が認められる場所は、都道府県が土砂災害警戒区域等として公表しています。 活用する情報:崖崩れや土石流の発生を確認してからでは避難が間に合わないおそれがあるため、土砂キキクル(大雨警報(土砂災害)の危険度分布)や土砂災害警戒情報等を活用し、安全に避難できる早い段階で避難開始を判断することが必要です。 大雨によって土砂災害発生の危険度が高まるときには、危険度の高まりに応じて段階的に、大雨注意報、大雨警報(土砂災害)、土砂災害警戒情報、大雨特別警報(土砂災害)を市町村単位で発表しています。さらに、これらの情報が発表されたときに実際にどこで危険度が高まっているかを把握できるように、地図上で土砂災害の危険度の高まりを5段階に色分けして表示した土砂キキクル(大雨警報(土砂災害)の危険度分布)を10分毎に更新しています。危険度の判定には2時間先までの雨量予測に基づく土壌雨量指数の予測値を用いています。  土砂キキクルの黒色(災害切迫:警戒レベル5相当)は、土砂災害により命の危険が迫っているため直ちに身の安全を確保しなければならない状況です。  このため、土砂災害警戒区域等にお住まいの方々は、土砂キキクルを確認して可能な限り早めの避難を心がけていただき、高齢者等の方は遅くとも赤色(警戒:警戒レベル3相当)が出現した時点で、一般の方も遅くとも紫色(危険:警戒レベル4相当)が出現した時点で、土砂災害警戒区域の外の少しでも安全な場所へ速やかに避難することが大変重要です。
土砂災害警戒区域等にお住まいの高齢者の方々が土砂災害警戒区域の外の安全な場所へ避難することが重要になってくるのは、何色のキキクル警戒レベルが出現した時点ですか。
土砂災害警戒区域等にお住まいの高齢者の方々が土砂災害警戒区域の外の安全な場所へ避難することが重要になってくるのは、土砂キキクルが赤色(警戒:警戒レベル3相当)が出現した時点で、一般の方も遅くとも紫色(危険:警戒レベル4相当)が出現した時点です。
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地理
浸水害に関する防災気象情報 浸水害 令和2年7月豪雨  令和2年7月3日から7月31日にかけて、日本付近に停滞した前線の影響で、暖かく湿った空気が継続して流れ込み、 各地で大雨となりました。(令和2年7月豪雨)  7月6日から7日にかけては、九州の北部で発生した線状降水帯により、大牟田市では、24時間降水量が446.5ミリとなるなど記録的な大雨となり、2,000棟を超える家屋が浸水等により被害を受けました。 現象:下水道等で排水しきれないほどの大雨が短時間で降ったことが原因で、河川の氾濫とは関わりなく発生する下水道等の氾濫。 命が脅かされる危険性が認められる場所:住宅の地下室や道路のアンダーパスでは、雨水の溜まりうる体積が小さいため、 浸水や冠水の深さが短時間のうちに急激に上昇する傾向があり、命を奪われる危険性があります。 また、周囲より低い場所(窪地など)にある家屋などでは、床上浸水等が発生する危険性があります。 活用する情報:急激な浸水や冠水により、安全確保行動をとれなくなるおそれがあるため、浸水キキクル(大雨警報(浸水害)の危険度分布)等を活用して、早めの安全確保行動を心がけることが重要です。 浸水キキクル(大雨警報(浸水害)の危険度分布)は、下水道等で排水しきれないほどの大雨が短時間で降った ことが原因で、河川の氾濫とは関わりなく発生する浸水害(いわゆる内水氾濫)の危険度の高まりを示しています。 住宅の地下室や道路のアンダーパスは特に危険ですので、各自の判断で、こうした場所から離れ、屋内の浸水が及ばない階に移動する等の安全確保行動をとってください。 中小河川の洪水災害に関する防災気 洪水災害 平成29年7月九州北部豪雨  平成29年7月5日から6日にかけて、九州北部地方付近では、対馬海峡付近に停滞した梅雨前線に向かって暖かく 非常に湿った空気が流れ込んだ影響等で、線状降水帯が形成・維持されました。このため、猛烈な雨が同じ場所で 降り続き、期間中の最大1時間降水量が福岡県朝倉市朝倉で129.5ミリに達するなど、九州北部地方で記録的な大雨 となりました。(平成29年7月九州北部豪雨)  これらの大雨等の影響で、土砂災害や河川の氾濫、浸水害等が発生し、甚大な被害となりました。特に6月30日 頃からの梅雨前線による大雨や台風第3号による大雨等では、福岡県朝倉市の赤谷川流域で山地河川洪水により甚 大な被害となる等、九州北部地方を中心に土砂災害や河川の氾濫、浸水害等が相次ぎ、死者42名、行方不明者2名 の人的被害が発生しました。  現象:山間部を流れる中小河川(山地河川)は、流域面積が狭いため上流域に降った雨が河川に集まるまでの時間が短く、勾配が比較的急です。 河川の幅が狭い場所では流れが深く速くなりやすいため、大雨が降ると短時間のうちに急激な水位上昇が起こりやすい特徴があります。また、 氾濫する前から水流によって川岸が削られて川沿いの家屋が押し流されるおそれがあるほか、氾濫した際も幅の狭い谷底平野に流路が限定される ため、谷底平野全体が川のようになって水かさが深くなりやすく、破壊力の大きな氾濫流が生じて家屋が押し流されるおそれもあります。 命が脅かされる危険性が認められる場所:山間部の幅の狭い谷底平野等の川の流れの速いところでは、氾濫流や河岸侵食により 家屋が流失するおそれがあり、命に危険が及びます。 活用する情報:水位が上昇するのを確認してから避難を開始しようとすると、急激な水位上昇により氾濫が発生し、避難経路上の道路 冠水等により避難できなくなるおそれがあるため、河川水位等の現地情報とともに、水位上昇の見込みを判断するために洪水キキクル (洪水警報の危険度分布)も活用し、安全に避難できる早い段階で避難開始を判断することが必要です。  洪水キキクル(洪水警報の危険度分布)は、河川の上流域に降った雨が低地・川に集まり流れ下る過程を考慮して、中小河川(指定河川洪水予報の発表対象ではない河川)の洪水災害発生の危険度を5段階に判定した結果を表示しています。 危険度の判定には3時間先までの雨量予測に基づく流域雨量指数の予測値を用いています。また、大河川の増水が原因で周辺の支川や下水道からの合流が滞ることで発生する支川や下水道の氾濫の危険度についても、確認することができます。  洪水キキクルの黒色(災害切迫:警戒レベル5相当)は、洪水により命の危険が迫っているため直ちに身の安全を確保しなければならない状況です。 洪水により命に危険が及ぶ場所にお住まいの方は、水位が実際に上昇するよりも早い段階から洪水キキクルを参照して、命を守るための避難を心がけてください。遅くとも紫色(危険:警戒レベル4相当)が出現した時点で、水位計や監視カメラ等で河川の現況も確認した上で、速やかに避難開始について自ら判断することが重要です。 大河川の洪水災害に関する防災気象 ◆洪水災害 令和元年東日本台風(台風第19号)  令和元年東日本台風は、10月6日に南鳥島近海で発生して、一時大型で猛烈な台風に発達した後、日本の南を北上し、12日19時前に大型で強い勢力で伊豆半島に上陸しました。この台風の影響で静岡県や新潟県、関東甲信地方、東北地方を中心に記録的な大雨となりました。この大雨により、広い範囲で河川の氾濫が相次いだほか、土砂災害や浸水害が発生し、死者104名、行方不明者3名の人的被害が生じました。また、家屋の全半壊は約33,000棟、浸水家屋は約31,000棟に達しました。 現象:河川の水位が上昇し、堤防を越えたり堤防が決壊するなどして堤防から水があふれ出すこと。 命が脅かされる危険性が認められる場所:大河川は流域面積が広く、河川を流れる水の量(流量)が大きいため、ひとたび堤防が決壊すると、大量の氾濫水で堤防周辺の家屋が押し流されるおそれがあります。また、氾濫が発生すると、浸水も広範囲にわたり、場所によっては深く浸水した状態が長期間継続するおそれがあり、命に危険が及びます。洪水ハザードマップの浸水想定区域が基本です。 活用する情報:氾濫の発生を確認してからでは避難できなくなるおそれがあるため、指定河川洪水予報の氾濫警戒情報や氾濫危険情報に加え、洪水キキクルを拡大することで表示される水害リスクライン(国管理河川の洪水の危険度分布)等を活用し、安全に避難できる早い段階で避難開始を判断することが必要です。
令和2年7月豪雨によって大牟田市はどのような浸水被害を受けましたか。
7月6日から7日にかけては、九州の北部で発生した線状降水帯により、大牟田市では、24時間降水量が446.5ミリとなるなど記録的な大雨となり、2,000棟を超える家屋が浸水等により被害を受けました。
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地理
中小河川の洪水災害に関する防災気象情報 洪水災害 平成29年7月九州北部豪雨  平成29年7月5日から6日にかけて、九州北部地方付近では、対馬海峡付近に停滞した梅雨前線に向かって暖かく非常に湿った空気が流れ込んだ影響等で、線状降水帯が形成・維持されました。このため、猛烈な雨が同じ場所で降り続き、期間中の最大1時間降水量が福岡県朝倉市朝倉で129.5ミリに達するなど、九州北部地方で記録的な大雨となりました。(平成29年7月九州北部豪雨)  これらの大雨等の影響で、土砂災害や河川の氾濫、浸水害等が発生し、甚大な被害となりました。特に6月30日頃からの梅雨前線による大雨や台風第3号による大雨等では、福岡県朝倉市の赤谷川流域で山地河川洪水により甚大な被害となる等、九州北部地方を中心に土砂災害や河川の氾濫、浸水害等が相次ぎ、死者42名、行方不明者2名の人的被害が発生しました。  現象:山間部を流れる中小河川(山地河川)は、流域面積が狭いため上流域に降った雨が河川に集まるまでの時間が短く、勾配が比較的急です。 河川の幅が狭い場所では流れが深く速くなりやすいため、大雨が降ると短時間のうちに急激な水位上昇が起こりやすい特徴があります。また、氾濫する前から水流によって川岸が削られて川沿いの家屋が押し流されるおそれがあるほか、氾濫した際も幅の狭い谷底平野に流路が限定されるため、谷底平野全体が川のようになって水かさが深くなりやすく、破壊力の大きな氾濫流が生じて家屋が押し流されるおそれもあります。 命が脅かされる危険性が認められる場所:山間部の幅の狭い谷底平野等の川の流れの速いところでは、氾濫流や河岸侵食により家屋が流失するおそれがあり、命に危険が及びます。 活用する情報:水位が上昇するのを確認してから避難を開始しようとすると、急激な水位上昇により氾濫が発生し、避難経路上の道路冠水等により避難できなくなるおそれがあるため、河川水位等の現地情報とともに、水位上昇の見込みを判断するために洪水キキクル(洪水警報の危険度分布)も活用し、安全に避難できる早い段階で避難開始を判断することが必要です。  洪水キキクル(洪水警報の危険度分布)は、河川の上流域に降った雨が低地・川に集まり流れ下る過程を考慮して、中小河川(指定河川洪水予報の発表対象ではない河川)の洪水災害発生の危険度を5段階に判定した結果を表示しています。 危険度の判定には3時間先までの雨量予測に基づく流域雨量指数の予測値を用いています。また、大河川の増水が原因で 周辺の支川や下水道からの合流が滞ることで発生する支川や下水道の氾濫の危険度についても、確認することができます。  洪水キキクルの黒色(災害切迫:警戒レベル5相当)は、洪水により命の危険が迫っているため直ちに身の安全を 確保しなければならない状況です。 洪水により命に危険が及ぶ場所にお住まいの方は、水位が実際に上昇するよりも早い段階から洪水キキクルを参照して、 命を守るための避難を心がけてください。遅くとも紫色(危険:警戒レベル4相当)が出現した時点で、水位計や監視 カメラ等で河川の現況も確認した上で、速やかに避難開始について自ら判断することが重要です。 大河川の洪水災害に関する防災気象 ◆洪水災害 令和元年東日本台風(台風第19号)  令和元年東日本台風は、10月6日に南鳥島近海で発生して、一時大型で猛烈な台風に発達した後、日本の南を北 上し、12日19時前に大型で強い勢力で伊豆半島に上陸しました。この台風の影響で静岡県や新潟県、関東甲信地方、 東北地方を中心に記録的な大雨となりました。この大雨により、広い範囲で河川の氾濫が相次いだほか、土砂災害 や浸水害が発生し、死者104名、行方不明者3名の人的被害が生じました。また、家屋の全半壊は約33,000棟、浸 水家屋は約31,000棟に達しました。 現象:河川の水位が上昇し、堤防を越えたり堤防が決壊するなどして堤防から水があふれ出すこと。 命が脅かされる危険性が認められる場所:大河川は流域面積が広く、河川を流れる水の量(流量)が大きいため、ひとたび堤防が 決壊すると、大量の氾濫水で堤防周辺の家屋が押し流されるおそれがあります。また、氾濫が発生すると、浸水も広範囲にわたり、 場所によっては深く浸水した状態が長期間継続するおそれがあり、命に危険が及びます。洪水ハザードマップの浸水想定区域が 基本です。 活用する情報:氾濫の発生を確認してからでは避難できなくなるおそれがあるため、指定河川洪水予報の氾濫警戒情報や氾濫危険 情報に加え、洪水キキクルを拡大することで表示される水害リスクライン(国管理河川の洪水の危険度分布)等を活用し、安全に 避難できる早い段階で避難開始を判断することが必要です。 防災上重要な河川について、河川の増水や氾濫に対する水防活動の判断や住民の避難行動の参考となるように、国が管理する河川は国土交通省水管理・国土保全局と気象庁が、都道府県が管理する河川は都道府県と気象庁が、共同で指定河川洪水予報を発表しています。気象庁は気象(降雨)の予測、水管理・国土保全局や都道府県は水文状況(河川の水位または流量)の予測を担当して、緊密な連携のもとで洪水予報を行っています。  洪水予報の標題は、洪水の危険度の高い順からそれぞれ「氾濫発生情報」「氾濫危険情報」「氾濫警戒情報」「氾濫注意情報」を河川名の後に付加したものです。また、洪水の危険度に相当する警戒レベルを情報に記載し、わかりやすい情報を発表しています。  指定河川洪水予報が発表された場合には、市町村からの避難情報に留意し、下記の表を参考に早め早めに安全を確保するよう行動することが重要です。 水位周知河川の水位到達情報 洪水予報河川以外の河川で、国土交通大臣または都道府県知事が、あらかじめ指定した河川(水位周知河川)について氾濫危険水位等に到達したときに発表する情報を、水位到達情報と呼んでいます。 大雨特別警報解除後の洪水への警戒の呼びかけ 令和2年3月にとりまとめられた「河川・気象情報の改善に関する検証報告書」に基づき、国土交通省と共同で洪水予報を実施する河川においては、大雨特別警報を警報等に切り替える際、切り替え以降に河川の増水・氾濫の危険性が高くなると予測した場合等に臨時の指定河川洪水予報を発表し、警戒を促します。
平成29年7月5日から6日にかけて線状降水帯が形成されたことでどのような事が起こりましたか。
平成29年7月5日から6日にかけて、九州北部地方付近では、対馬海峡付近に停滞した梅雨前線に向かって暖かく非常に湿った空気が流れ込んだ影響等で、線状降水帯が形成・維持されたため、猛烈な雨が同じ場所で降り続き、期間中の最大1時間降水量が福岡県朝倉市朝倉で129.5ミリに達するなど、九州北部地方で記録的な大雨となりました。
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地理
中小河川の洪水災害に関する防災気象情報 洪水災害 平成29年7月九州北部豪雨  平成29年7月5日から6日にかけて、九州北部地方付近では、対馬海峡付近に停滞した梅雨前線に向かって暖かく非常に湿った空気が流れ込んだ影響等で、線状降水帯が形成・維持されました。このため、猛烈な雨が同じ場所で降り続き、期間中の最大1時間降水量が福岡県朝倉市朝倉で129.5ミリに達するなど、九州北部地方で記録的な大雨となりました。(平成29年7月九州北部豪雨)  これらの大雨等の影響で、土砂災害や河川の氾濫、浸水害等が発生し、甚大な被害となりました。特に6月30日頃からの梅雨前線による大雨や台風第3号による大雨等では、福岡県朝倉市の赤谷川流域で山地河川洪水により甚大な被害となる等、九州北部地方を中心に土砂災害や河川の氾濫、浸水害等が相次ぎ、死者42名、行方不明者2名の人的被害が発生しました。  現象:山間部を流れる中小河川(山地河川)は、流域面積が狭いため上流域に降った雨が河川に集まるまでの時間が短く、勾配が比較的急です。 河川の幅が狭い場所では流れが深く速くなりやすいため、大雨が降ると短時間のうちに急激な水位上昇が起こりやすい特徴があります。また、氾濫する前から水流によって川岸が削られて川沿いの家屋が押し流されるおそれがあるほか、氾濫した際も幅の狭い谷底平野に流路が限定されるため、谷底平野全体が川のようになって水かさが深くなりやすく、破壊力の大きな氾濫流が生じて家屋が押し流されるおそれもあります。 命が脅かされる危険性が認められる場所:山間部の幅の狭い谷底平野等の川の流れの速いところでは、氾濫流や河岸侵食により家屋が流失するおそれがあり、命に危険が及びます。 活用する情報:水位が上昇するのを確認してから避難を開始しようとすると、急激な水位上昇により氾濫が発生し、避難経路上の道路冠水等により避難できなくなるおそれがあるため、河川水位等の現地情報とともに、水位上昇の見込みを判断するために洪水キキクル(洪水警報の危険度分布)も活用し、安全に避難できる早い段階で避難開始を判断することが必要です。  洪水キキクル(洪水警報の危険度分布)は、河川の上流域に降った雨が低地・川に集まり流れ下る過程を考慮して、中小河川(指定河川洪水予報の発表対象ではない河川)の洪水災害発生の危険度を5段階に判定した結果を表示しています。 危険度の判定には3時間先までの雨量予測に基づく流域雨量指数の予測値を用いています。また、大河川の増水が原因で 周辺の支川や下水道からの合流が滞ることで発生する支川や下水道の氾濫の危険度についても、確認することができます。  洪水キキクルの黒色(災害切迫:警戒レベル5相当)は、洪水により命の危険が迫っているため直ちに身の安全を 確保しなければならない状況です。 洪水により命に危険が及ぶ場所にお住まいの方は、水位が実際に上昇するよりも早い段階から洪水キキクルを参照して、 命を守るための避難を心がけてください。遅くとも紫色(危険:警戒レベル4相当)が出現した時点で、水位計や監視 カメラ等で河川の現況も確認した上で、速やかに避難開始について自ら判断することが重要です。 大河川の洪水災害に関する防災気象 ◆洪水災害 令和元年東日本台風(台風第19号)  令和元年東日本台風は、10月6日に南鳥島近海で発生して、一時大型で猛烈な台風に発達した後、日本の南を北 上し、12日19時前に大型で強い勢力で伊豆半島に上陸しました。この台風の影響で静岡県や新潟県、関東甲信地方、 東北地方を中心に記録的な大雨となりました。この大雨により、広い範囲で河川の氾濫が相次いだほか、土砂災害 や浸水害が発生し、死者104名、行方不明者3名の人的被害が生じました。また、家屋の全半壊は約33,000棟、浸 水家屋は約31,000棟に達しました。 現象:河川の水位が上昇し、堤防を越えたり堤防が決壊するなどして堤防から水があふれ出すこと。 命が脅かされる危険性が認められる場所:大河川は流域面積が広く、河川を流れる水の量(流量)が大きいため、ひとたび堤防が 決壊すると、大量の氾濫水で堤防周辺の家屋が押し流されるおそれがあります。また、氾濫が発生すると、浸水も広範囲にわたり、 場所によっては深く浸水した状態が長期間継続するおそれがあり、命に危険が及びます。洪水ハザードマップの浸水想定区域が 基本です。 活用する情報:氾濫の発生を確認してからでは避難できなくなるおそれがあるため、指定河川洪水予報の氾濫警戒情報や氾濫危険 情報に加え、洪水キキクルを拡大することで表示される水害リスクライン(国管理河川の洪水の危険度分布)等を活用し、安全に 避難できる早い段階で避難開始を判断することが必要です。 防災上重要な河川について、河川の増水や氾濫に対する水防活動の判断や住民の避難行動の参考となるように、国が管理する河川は国土交通省水管理・国土保全局と気象庁が、都道府県が管理する河川は都道府県と気象庁が、共同で指定河川洪水予報を発表しています。気象庁は気象(降雨)の予測、水管理・国土保全局や都道府県は水文状況(河川の水位または流量)の予測を担当して、緊密な連携のもとで洪水予報を行っています。  洪水予報の標題は、洪水の危険度の高い順からそれぞれ「氾濫発生情報」「氾濫危険情報」「氾濫警戒情報」「氾濫注意情報」を河川名の後に付加したものです。また、洪水の危険度に相当する警戒レベルを情報に記載し、わかりやすい情報を発表しています。  指定河川洪水予報が発表された場合には、市町村からの避難情報に留意し、下記の表を参考に早め早めに安全を確保するよう行動することが重要です。 水位周知河川の水位到達情報 洪水予報河川以外の河川で、国土交通大臣または都道府県知事が、あらかじめ指定した河川(水位周知河川)について氾濫危険水位等に到達したときに発表する情報を、水位到達情報と呼んでいます。 大雨特別警報解除後の洪水への警戒の呼びかけ 令和2年3月にとりまとめられた「河川・気象情報の改善に関する検証報告書」に基づき、国土交通省と共同で洪水予報を実施する河川においては、大雨特別警報を警報等に切り替える際、切り替え以降に河川の増水・氾濫の危険性が高くなると予測した場合等に臨時の指定河川洪水予報を発表し、警戒を促します。
大雨が降った後に山間部の川の近くは危険なのはなぜか。
大雨が降った後に山間部の川の近くは危険なのは、山間部の幅の狭い谷底平野等の川の流れの速いところでは、氾濫流や河岸侵食により家屋が流失するおそれがあり、命に危険が及ぶためです。
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地理
中小河川の洪水災害に関する防災気象情報 洪水災害 平成29年7月九州北部豪雨  平成29年7月5日から6日にかけて、九州北部地方付近では、対馬海峡付近に停滞した梅雨前線に向かって暖かく非常に湿った空気が流れ込んだ影響等で、線状降水帯が形成・維持されました。このため、猛烈な雨が同じ場所で降り続き、期間中の最大1時間降水量が福岡県朝倉市朝倉で129.5ミリに達するなど、九州北部地方で記録的な大雨となりました。(平成29年7月九州北部豪雨)  これらの大雨等の影響で、土砂災害や河川の氾濫、浸水害等が発生し、甚大な被害となりました。特に6月30日頃からの梅雨前線による大雨や台風第3号による大雨等では、福岡県朝倉市の赤谷川流域で山地河川洪水により甚大な被害となる等、九州北部地方を中心に土砂災害や河川の氾濫、浸水害等が相次ぎ、死者42名、行方不明者2名の人的被害が発生しました。  現象:山間部を流れる中小河川(山地河川)は、流域面積が狭いため上流域に降った雨が河川に集まるまでの時間が短く、勾配が比較的急です。 河川の幅が狭い場所では流れが深く速くなりやすいため、大雨が降ると短時間のうちに急激な水位上昇が起こりやすい特徴があります。また、氾濫する前から水流によって川岸が削られて川沿いの家屋が押し流されるおそれがあるほか、氾濫した際も幅の狭い谷底平野に流路が限定されるため、谷底平野全体が川のようになって水かさが深くなりやすく、破壊力の大きな氾濫流が生じて家屋が押し流されるおそれもあります。 命が脅かされる危険性が認められる場所:山間部の幅の狭い谷底平野等の川の流れの速いところでは、氾濫流や河岸侵食により家屋が流失するおそれがあり、命に危険が及びます。 活用する情報:水位が上昇するのを確認してから避難を開始しようとすると、急激な水位上昇により氾濫が発生し、避難経路上の道路冠水等により避難できなくなるおそれがあるため、河川水位等の現地情報とともに、水位上昇の見込みを判断するために洪水キキクル(洪水警報の危険度分布)も活用し、安全に避難できる早い段階で避難開始を判断することが必要です。  洪水キキクル(洪水警報の危険度分布)は、河川の上流域に降った雨が低地・川に集まり流れ下る過程を考慮して、中小河川(指定河川洪水予報の発表対象ではない河川)の洪水災害発生の危険度を5段階に判定した結果を表示しています。 危険度の判定には3時間先までの雨量予測に基づく流域雨量指数の予測値を用いています。また、大河川の増水が原因で 周辺の支川や下水道からの合流が滞ることで発生する支川や下水道の氾濫の危険度についても、確認することができます。  洪水キキクルの黒色(災害切迫:警戒レベル5相当)は、洪水により命の危険が迫っているため直ちに身の安全を 確保しなければならない状況です。 洪水により命に危険が及ぶ場所にお住まいの方は、水位が実際に上昇するよりも早い段階から洪水キキクルを参照して、 命を守るための避難を心がけてください。遅くとも紫色(危険:警戒レベル4相当)が出現した時点で、水位計や監視 カメラ等で河川の現況も確認した上で、速やかに避難開始について自ら判断することが重要です。 大河川の洪水災害に関する防災気象 ◆洪水災害 令和元年東日本台風(台風第19号)  令和元年東日本台風は、10月6日に南鳥島近海で発生して、一時大型で猛烈な台風に発達した後、日本の南を北 上し、12日19時前に大型で強い勢力で伊豆半島に上陸しました。この台風の影響で静岡県や新潟県、関東甲信地方、 東北地方を中心に記録的な大雨となりました。この大雨により、広い範囲で河川の氾濫が相次いだほか、土砂災害 や浸水害が発生し、死者104名、行方不明者3名の人的被害が生じました。また、家屋の全半壊は約33,000棟、浸 水家屋は約31,000棟に達しました。 現象:河川の水位が上昇し、堤防を越えたり堤防が決壊するなどして堤防から水があふれ出すこと。 命が脅かされる危険性が認められる場所:大河川は流域面積が広く、河川を流れる水の量(流量)が大きいため、ひとたび堤防が 決壊すると、大量の氾濫水で堤防周辺の家屋が押し流されるおそれがあります。また、氾濫が発生すると、浸水も広範囲にわたり、 場所によっては深く浸水した状態が長期間継続するおそれがあり、命に危険が及びます。洪水ハザードマップの浸水想定区域が 基本です。 活用する情報:氾濫の発生を確認してからでは避難できなくなるおそれがあるため、指定河川洪水予報の氾濫警戒情報や氾濫危険 情報に加え、洪水キキクルを拡大することで表示される水害リスクライン(国管理河川の洪水の危険度分布)等を活用し、安全に 避難できる早い段階で避難開始を判断することが必要です。 防災上重要な河川について、河川の増水や氾濫に対する水防活動の判断や住民の避難行動の参考となるように、国が管理する河川は国土交通省水管理・国土保全局と気象庁が、都道府県が管理する河川は都道府県と気象庁が、共同で指定河川洪水予報を発表しています。気象庁は気象(降雨)の予測、水管理・国土保全局や都道府県は水文状況(河川の水位または流量)の予測を担当して、緊密な連携のもとで洪水予報を行っています。  洪水予報の標題は、洪水の危険度の高い順からそれぞれ「氾濫発生情報」「氾濫危険情報」「氾濫警戒情報」「氾濫注意情報」を河川名の後に付加したものです。また、洪水の危険度に相当する警戒レベルを情報に記載し、わかりやすい情報を発表しています。  指定河川洪水予報が発表された場合には、市町村からの避難情報に留意し、下記の表を参考に早め早めに安全を確保するよう行動することが重要です。 水位周知河川の水位到達情報 洪水予報河川以外の河川で、国土交通大臣または都道府県知事が、あらかじめ指定した河川(水位周知河川)について氾濫危険水位等に到達したときに発表する情報を、水位到達情報と呼んでいます。 大雨特別警報解除後の洪水への警戒の呼びかけ 令和2年3月にとりまとめられた「河川・気象情報の改善に関する検証報告書」に基づき、国土交通省と共同で洪水予報を実施する河川においては、大雨特別警報を警報等に切り替える際、切り替え以降に河川の増水・氾濫の危険性が高くなると予測した場合等に臨時の指定河川洪水予報を発表し、警戒を促します。
水位が上昇するのを確認してからの避難開始には、どのようなおそれがありますか。
水位が上昇するのを確認してからの避難開始には、急激な水位上昇により氾濫が発生し、避難経路上の道路冠水等により避難できなくなるおそれがあるため、河川水位等の現地情報とともに、水位上昇の見込みを判断するために洪水キキクル(洪水警報の危険度分布)も活用し、安全に避難できる早い段階で避難開始を判断することが必要です。
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地理
中小河川の洪水災害に関する防災気象情報 洪水災害 平成29年7月九州北部豪雨  平成29年7月5日から6日にかけて、九州北部地方付近では、対馬海峡付近に停滞した梅雨前線に向かって暖かく非常に湿った空気が流れ込んだ影響等で、線状降水帯が形成・維持されました。このため、猛烈な雨が同じ場所で降り続き、期間中の最大1時間降水量が福岡県朝倉市朝倉で129.5ミリに達するなど、九州北部地方で記録的な大雨となりました。(平成29年7月九州北部豪雨)  これらの大雨等の影響で、土砂災害や河川の氾濫、浸水害等が発生し、甚大な被害となりました。特に6月30日頃からの梅雨前線による大雨や台風第3号による大雨等では、福岡県朝倉市の赤谷川流域で山地河川洪水により甚大な被害となる等、九州北部地方を中心に土砂災害や河川の氾濫、浸水害等が相次ぎ、死者42名、行方不明者2名の人的被害が発生しました。  現象:山間部を流れる中小河川(山地河川)は、流域面積が狭いため上流域に降った雨が河川に集まるまでの時間が短く、勾配が比較的急です。 河川の幅が狭い場所では流れが深く速くなりやすいため、大雨が降ると短時間のうちに急激な水位上昇が起こりやすい特徴があります。また、氾濫する前から水流によって川岸が削られて川沿いの家屋が押し流されるおそれがあるほか、氾濫した際も幅の狭い谷底平野に流路が限定されるため、谷底平野全体が川のようになって水かさが深くなりやすく、破壊力の大きな氾濫流が生じて家屋が押し流されるおそれもあります。 命が脅かされる危険性が認められる場所:山間部の幅の狭い谷底平野等の川の流れの速いところでは、氾濫流や河岸侵食により家屋が流失するおそれがあり、命に危険が及びます。 活用する情報:水位が上昇するのを確認してから避難を開始しようとすると、急激な水位上昇により氾濫が発生し、避難経路上の道路冠水等により避難できなくなるおそれがあるため、河川水位等の現地情報とともに、水位上昇の見込みを判断するために洪水キキクル(洪水警報の危険度分布)も活用し、安全に避難できる早い段階で避難開始を判断することが必要です。  洪水キキクル(洪水警報の危険度分布)は、河川の上流域に降った雨が低地・川に集まり流れ下る過程を考慮して、中小河川(指定河川洪水予報の発表対象ではない河川)の洪水災害発生の危険度を5段階に判定した結果を表示しています。 危険度の判定には3時間先までの雨量予測に基づく流域雨量指数の予測値を用いています。また、大河川の増水が原因で 周辺の支川や下水道からの合流が滞ることで発生する支川や下水道の氾濫の危険度についても、確認することができます。  洪水キキクルの黒色(災害切迫:警戒レベル5相当)は、洪水により命の危険が迫っているため直ちに身の安全を 確保しなければならない状況です。 洪水により命に危険が及ぶ場所にお住まいの方は、水位が実際に上昇するよりも早い段階から洪水キキクルを参照して、 命を守るための避難を心がけてください。遅くとも紫色(危険:警戒レベル4相当)が出現した時点で、水位計や監視 カメラ等で河川の現況も確認した上で、速やかに避難開始について自ら判断することが重要です。 大河川の洪水災害に関する防災気象 ◆洪水災害 令和元年東日本台風(台風第19号)  令和元年東日本台風は、10月6日に南鳥島近海で発生して、一時大型で猛烈な台風に発達した後、日本の南を北 上し、12日19時前に大型で強い勢力で伊豆半島に上陸しました。この台風の影響で静岡県や新潟県、関東甲信地方、 東北地方を中心に記録的な大雨となりました。この大雨により、広い範囲で河川の氾濫が相次いだほか、土砂災害 や浸水害が発生し、死者104名、行方不明者3名の人的被害が生じました。また、家屋の全半壊は約33,000棟、浸 水家屋は約31,000棟に達しました。 現象:河川の水位が上昇し、堤防を越えたり堤防が決壊するなどして堤防から水があふれ出すこと。 命が脅かされる危険性が認められる場所:大河川は流域面積が広く、河川を流れる水の量(流量)が大きいため、ひとたび堤防が 決壊すると、大量の氾濫水で堤防周辺の家屋が押し流されるおそれがあります。また、氾濫が発生すると、浸水も広範囲にわたり、 場所によっては深く浸水した状態が長期間継続するおそれがあり、命に危険が及びます。洪水ハザードマップの浸水想定区域が 基本です。 活用する情報:氾濫の発生を確認してからでは避難できなくなるおそれがあるため、指定河川洪水予報の氾濫警戒情報や氾濫危険 情報に加え、洪水キキクルを拡大することで表示される水害リスクライン(国管理河川の洪水の危険度分布)等を活用し、安全に 避難できる早い段階で避難開始を判断することが必要です。 防災上重要な河川について、河川の増水や氾濫に対する水防活動の判断や住民の避難行動の参考となるように、国が管理する河川は国土交通省水管理・国土保全局と気象庁が、都道府県が管理する河川は都道府県と気象庁が、共同で指定河川洪水予報を発表しています。気象庁は気象(降雨)の予測、水管理・国土保全局や都道府県は水文状況(河川の水位または流量)の予測を担当して、緊密な連携のもとで洪水予報を行っています。  洪水予報の標題は、洪水の危険度の高い順からそれぞれ「氾濫発生情報」「氾濫危険情報」「氾濫警戒情報」「氾濫注意情報」を河川名の後に付加したものです。また、洪水の危険度に相当する警戒レベルを情報に記載し、わかりやすい情報を発表しています。  指定河川洪水予報が発表された場合には、市町村からの避難情報に留意し、下記の表を参考に早め早めに安全を確保するよう行動することが重要です。 水位周知河川の水位到達情報 洪水予報河川以外の河川で、国土交通大臣または都道府県知事が、あらかじめ指定した河川(水位周知河川)について氾濫危険水位等に到達したときに発表する情報を、水位到達情報と呼んでいます。 大雨特別警報解除後の洪水への警戒の呼びかけ 令和2年3月にとりまとめられた「河川・気象情報の改善に関する検証報告書」に基づき、国土交通省と共同で洪水予報を実施する河川においては、大雨特別警報を警報等に切り替える際、切り替え以降に河川の増水・氾濫の危険性が高くなると予測した場合等に臨時の指定河川洪水予報を発表し、警戒を促します。
令和元年東日本台風による人的被害はどれくらいか。
令和元年東日本台風は、10月6日に南鳥島近海で発生して、一時大型で猛烈な台風に発達した後、日本の南を北上し、12日19時前に大型で強い勢力で伊豆半島に上陸しました。この台風の影響で静岡県や新潟県、関東甲信地方、東北地方を中心に記録的な大雨となりました。この大雨により、広い範囲で河川の氾濫が相次いだほか、土砂災害や浸水害が発生し、死者104名、行方不明者3名の人的被害が生じました。
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地理
中小河川の洪水災害に関する防災気象情報 洪水災害 平成29年7月九州北部豪雨  平成29年7月5日から6日にかけて、九州北部地方付近では、対馬海峡付近に停滞した梅雨前線に向かって暖かく非常に湿った空気が流れ込んだ影響等で、線状降水帯が形成・維持されました。このため、猛烈な雨が同じ場所で降り続き、期間中の最大1時間降水量が福岡県朝倉市朝倉で129.5ミリに達するなど、九州北部地方で記録的な大雨となりました。(平成29年7月九州北部豪雨)  これらの大雨等の影響で、土砂災害や河川の氾濫、浸水害等が発生し、甚大な被害となりました。特に6月30日頃からの梅雨前線による大雨や台風第3号による大雨等では、福岡県朝倉市の赤谷川流域で山地河川洪水により甚大な被害となる等、九州北部地方を中心に土砂災害や河川の氾濫、浸水害等が相次ぎ、死者42名、行方不明者2名の人的被害が発生しました。  現象:山間部を流れる中小河川(山地河川)は、流域面積が狭いため上流域に降った雨が河川に集まるまでの時間が短く、勾配が比較的急です。 河川の幅が狭い場所では流れが深く速くなりやすいため、大雨が降ると短時間のうちに急激な水位上昇が起こりやすい特徴があります。また、氾濫する前から水流によって川岸が削られて川沿いの家屋が押し流されるおそれがあるほか、氾濫した際も幅の狭い谷底平野に流路が限定されるため、谷底平野全体が川のようになって水かさが深くなりやすく、破壊力の大きな氾濫流が生じて家屋が押し流されるおそれもあります。 命が脅かされる危険性が認められる場所:山間部の幅の狭い谷底平野等の川の流れの速いところでは、氾濫流や河岸侵食により家屋が流失するおそれがあり、命に危険が及びます。 活用する情報:水位が上昇するのを確認してから避難を開始しようとすると、急激な水位上昇により氾濫が発生し、避難経路上の道路冠水等により避難できなくなるおそれがあるため、河川水位等の現地情報とともに、水位上昇の見込みを判断するために洪水キキクル(洪水警報の危険度分布)も活用し、安全に避難できる早い段階で避難開始を判断することが必要です。  洪水キキクル(洪水警報の危険度分布)は、河川の上流域に降った雨が低地・川に集まり流れ下る過程を考慮して、中小河川(指定河川洪水予報の発表対象ではない河川)の洪水災害発生の危険度を5段階に判定した結果を表示しています。 危険度の判定には3時間先までの雨量予測に基づく流域雨量指数の予測値を用いています。また、大河川の増水が原因で 周辺の支川や下水道からの合流が滞ることで発生する支川や下水道の氾濫の危険度についても、確認することができます。  洪水キキクルの黒色(災害切迫:警戒レベル5相当)は、洪水により命の危険が迫っているため直ちに身の安全を 確保しなければならない状況です。 洪水により命に危険が及ぶ場所にお住まいの方は、水位が実際に上昇するよりも早い段階から洪水キキクルを参照して、 命を守るための避難を心がけてください。遅くとも紫色(危険:警戒レベル4相当)が出現した時点で、水位計や監視 カメラ等で河川の現況も確認した上で、速やかに避難開始について自ら判断することが重要です。 大河川の洪水災害に関する防災気象 ◆洪水災害 令和元年東日本台風(台風第19号)  令和元年東日本台風は、10月6日に南鳥島近海で発生して、一時大型で猛烈な台風に発達した後、日本の南を北 上し、12日19時前に大型で強い勢力で伊豆半島に上陸しました。この台風の影響で静岡県や新潟県、関東甲信地方、 東北地方を中心に記録的な大雨となりました。この大雨により、広い範囲で河川の氾濫が相次いだほか、土砂災害 や浸水害が発生し、死者104名、行方不明者3名の人的被害が生じました。また、家屋の全半壊は約33,000棟、浸 水家屋は約31,000棟に達しました。 現象:河川の水位が上昇し、堤防を越えたり堤防が決壊するなどして堤防から水があふれ出すこと。 命が脅かされる危険性が認められる場所:大河川は流域面積が広く、河川を流れる水の量(流量)が大きいため、ひとたび堤防が 決壊すると、大量の氾濫水で堤防周辺の家屋が押し流されるおそれがあります。また、氾濫が発生すると、浸水も広範囲にわたり、 場所によっては深く浸水した状態が長期間継続するおそれがあり、命に危険が及びます。洪水ハザードマップの浸水想定区域が 基本です。 活用する情報:氾濫の発生を確認してからでは避難できなくなるおそれがあるため、指定河川洪水予報の氾濫警戒情報や氾濫危険 情報に加え、洪水キキクルを拡大することで表示される水害リスクライン(国管理河川の洪水の危険度分布)等を活用し、安全に 避難できる早い段階で避難開始を判断することが必要です。 防災上重要な河川について、河川の増水や氾濫に対する水防活動の判断や住民の避難行動の参考となるように、国が管理する河川は国土交通省水管理・国土保全局と気象庁が、都道府県が管理する河川は都道府県と気象庁が、共同で指定河川洪水予報を発表しています。気象庁は気象(降雨)の予測、水管理・国土保全局や都道府県は水文状況(河川の水位または流量)の予測を担当して、緊密な連携のもとで洪水予報を行っています。  洪水予報の標題は、洪水の危険度の高い順からそれぞれ「氾濫発生情報」「氾濫危険情報」「氾濫警戒情報」「氾濫注意情報」を河川名の後に付加したものです。また、洪水の危険度に相当する警戒レベルを情報に記載し、わかりやすい情報を発表しています。  指定河川洪水予報が発表された場合には、市町村からの避難情報に留意し、下記の表を参考に早め早めに安全を確保するよう行動することが重要です。 水位周知河川の水位到達情報 洪水予報河川以外の河川で、国土交通大臣または都道府県知事が、あらかじめ指定した河川(水位周知河川)について氾濫危険水位等に到達したときに発表する情報を、水位到達情報と呼んでいます。 大雨特別警報解除後の洪水への警戒の呼びかけ 令和2年3月にとりまとめられた「河川・気象情報の改善に関する検証報告書」に基づき、国土交通省と共同で洪水予報を実施する河川においては、大雨特別警報を警報等に切り替える際、切り替え以降に河川の増水・氾濫の危険性が高くなると予測した場合等に臨時の指定河川洪水予報を発表し、警戒を促します。
洪水予報の標題はどのように発表しているのか。
洪水予報の標題は、洪水の危険度の高い順からそれぞれ「氾濫発生情報」「氾濫危険情報」「氾濫警戒情報」「氾濫注意情報」を河川名の後に付加したものです。また、洪水の危険度に相当する警戒レベルを情報に記載し、わかりやすい情報を発表しています。
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地理
暴風災害に関する防災気象情報 平均風速15 ~ 20m/sの風が吹くと、歩行者が転倒したり、高速道路での車の運転に支障が出始め、更に強くなると建物の損壊、農作物の被害、走行中のトラックが横転するなど社会に甚大な被害をもたらします。また、風で飛ばされてきたもので電線が切れたり、最大風速が40m/sを超えると電柱が倒れたりすることがあり、停電にも注意が必要です。  暴風により重大な災害が発生するおそれがあると予想したときには、暴風警報を発表します。台風や発達した低気圧等の接近時には、大雨や潮位の上昇よりも先に暴風が吹き始め、屋外への立ち退き避難が困難となります。 このため、警報級の現象が予想される時間帯が把握できる、警報・注意報の「今後の推移」を確認し、暴風が吹く前に避難を完了することが重要です。 ◆暴風災害  令和元年房総半島台風(台風第15号)  令和元年房総半島台風は9月8日に伊豆諸島に接近した後、9日03時前に三浦半島付近を通過して、9日05時前に強い勢力で千葉市付近に上陸しました。この台風の接近・通過に伴い、関東地方南部や伊豆諸島を中心に暴風、大雨 となりました。  東京都神津島で最大風速43.4メートル、千葉県千葉市で35.9メートルを観測するなど広い範囲で最大風速30メートル以上の猛烈な風を観測し、千葉県を中心に19地点で最大風速の観測史上1位の記録を更新しました。この暴風の影響で、千葉県では電柱の倒壊や倒木が相次ぎ、最大約934,900戸で停電、復旧まで長期間を要した地域もありました。 高潮災害に関する防災気象情報 高潮は、台風や発達した低気圧などに伴い、気圧が下がり、海面が吸い上げられる効果と強風により海水が海岸に吹き寄せられる効果のために、海面が異常に上昇する現象です。  台風や発達した低気圧の接近・上陸に伴って短時間のうちに急激に潮位が上昇し、海水が海岸堤防等を越えると一気に浸水します。また、高潮で潮位が高くなっている時に高波が重なると、さらに浸水の被害が拡大することがあります。  台風や低気圧等による異常な潮位上昇によって、重大な災害が発生するおそれがあると予想したときには、高潮警報を発表します。台風や発達した低気圧が接近すると、暴風、激しい雨、猛吹雪、波しぶきで避難場所へ移動することが困難になりますので、警報級の現象が予想される時間帯や予測最高潮位が把握できる、警報・注意報の「今後の推移」を確認し、安全に行動できるうちに避難することが大切です。 ◆高潮災害 平成30年9月4日 台風第21号  平成30年台風第21号は、9月4日12時頃、非常に強い勢力で徳島県に上陸した後、速度を上げながら近畿地方を縦断しました。台風の接近・通過に伴う気圧低下と強い南風の影響により、特に四国や近畿地方で過去の観測記録を更新する記録的な高潮となったところがありました。  13時頃から14時頃の短い間に、神戸市ではおよそ2m、大阪市では2.5m以上の急な潮位の上昇が発生し、加えて最大4m程度の高波が発生しました。浸水が想定される地域では、事前の避難など安全確保行動が重要であることが分かります。  台風に伴う暴風、高潮及び高波の影響で、関西国際空港の滑走路の浸水、兵庫県芦屋市の住宅地の浸水、港湾施設の破損・損壊やコンテナの流出などが発生しました。兵庫県では床上48棟、床下318棟、和歌山県では床上4棟、床下40棟の住家への浸水被害が発生しました。
平均風速15 ~ 20m/sの風が吹くとどうなりますか。
平均風速15 ~ 20m/sの風が吹くと、歩行者が転倒したり、高速道路での車の運転に支障が出始め、更に強くなると建物の損壊、農作物の被害、走行中のトラックが横転するなど社会に甚大な被害をもたらします。
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地理
暴風災害に関する防災気象情報 平均風速15 ~ 20m/sの風が吹くと、歩行者が転倒したり、高速道路での車の運転に支障が出始め、更に強くなると建物の損壊、農作物の被害、走行中のトラックが横転するなど社会に甚大な被害をもたらします。また、風で飛ばされてきたもので電線が切れたり、最大風速が40m/sを超えると電柱が倒れたりすることがあり、停電にも注意が必要です。  暴風により重大な災害が発生するおそれがあると予想したときには、暴風警報を発表します。台風や発達した低気圧等の接近時には、大雨や潮位の上昇よりも先に暴風が吹き始め、屋外への立ち退き避難が困難となります。 このため、警報級の現象が予想される時間帯が把握できる、警報・注意報の「今後の推移」を確認し、暴風が吹く前に避難を完了することが重要です。 ◆暴風災害  令和元年房総半島台風(台風第15号)  令和元年房総半島台風は9月8日に伊豆諸島に接近した後、9日03時前に三浦半島付近を通過して、9日05時前に強い勢力で千葉市付近に上陸しました。この台風の接近・通過に伴い、関東地方南部や伊豆諸島を中心に暴風、大雨 となりました。  東京都神津島で最大風速43.4メートル、千葉県千葉市で35.9メートルを観測するなど広い範囲で最大風速30メートル以上の猛烈な風を観測し、千葉県を中心に19地点で最大風速の観測史上1位の記録を更新しました。この暴風の影響で、千葉県では電柱の倒壊や倒木が相次ぎ、最大約934,900戸で停電、復旧まで長期間を要した地域もありました。 高潮災害に関する防災気象情報 高潮は、台風や発達した低気圧などに伴い、気圧が下がり、海面が吸い上げられる効果と強風により海水が海岸に吹き寄せられる効果のために、海面が異常に上昇する現象です。  台風や発達した低気圧の接近・上陸に伴って短時間のうちに急激に潮位が上昇し、海水が海岸堤防等を越えると一気に浸水します。また、高潮で潮位が高くなっている時に高波が重なると、さらに浸水の被害が拡大することがあります。  台風や低気圧等による異常な潮位上昇によって、重大な災害が発生するおそれがあると予想したときには、高潮警報を発表します。台風や発達した低気圧が接近すると、暴風、激しい雨、猛吹雪、波しぶきで避難場所へ移動することが困難になりますので、警報級の現象が予想される時間帯や予測最高潮位が把握できる、警報・注意報の「今後の推移」を確認し、安全に行動できるうちに避難することが大切です。 ◆高潮災害 平成30年9月4日 台風第21号  平成30年台風第21号は、9月4日12時頃、非常に強い勢力で徳島県に上陸した後、速度を上げながら近畿地方を縦断しました。台風の接近・通過に伴う気圧低下と強い南風の影響により、特に四国や近畿地方で過去の観測記録を更新する記録的な高潮となったところがありました。  13時頃から14時頃の短い間に、神戸市ではおよそ2m、大阪市では2.5m以上の急な潮位の上昇が発生し、加えて最大4m程度の高波が発生しました。浸水が想定される地域では、事前の避難など安全確保行動が重要であることが分かります。  台風に伴う暴風、高潮及び高波の影響で、関西国際空港の滑走路の浸水、兵庫県芦屋市の住宅地の浸水、港湾施設の破損・損壊やコンテナの流出などが発生しました。兵庫県では床上48棟、床下318棟、和歌山県では床上4棟、床下40棟の住家への浸水被害が発生しました。
令和元年房総半島台風はどうやって上陸しましたか。
令和元年房総半島台風は9月8日に伊豆諸島に接近した後、9日03時前に三浦半島付近を通過して、9日05時前に強い勢力で千葉市付近に上陸しました。
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地理
暴風災害に関する防災気象情報 平均風速15 ~ 20m/sの風が吹くと、歩行者が転倒したり、高速道路での車の運転に支障が出始め、更に強くなると建物の損壊、農作物の被害、走行中のトラックが横転するなど社会に甚大な被害をもたらします。また、風で飛ばされてきたもので電線が切れたり、最大風速が40m/sを超えると電柱が倒れたりすることがあり、停電にも注意が必要です。  暴風により重大な災害が発生するおそれがあると予想したときには、暴風警報を発表します。台風や発達した低気圧等の接近時には、大雨や潮位の上昇よりも先に暴風が吹き始め、屋外への立ち退き避難が困難となります。 このため、警報級の現象が予想される時間帯が把握できる、警報・注意報の「今後の推移」を確認し、暴風が吹く前に避難を完了することが重要です。 ◆暴風災害  令和元年房総半島台風(台風第15号)  令和元年房総半島台風は9月8日に伊豆諸島に接近した後、9日03時前に三浦半島付近を通過して、9日05時前に強い勢力で千葉市付近に上陸しました。この台風の接近・通過に伴い、関東地方南部や伊豆諸島を中心に暴風、大雨 となりました。  東京都神津島で最大風速43.4メートル、千葉県千葉市で35.9メートルを観測するなど広い範囲で最大風速30メートル以上の猛烈な風を観測し、千葉県を中心に19地点で最大風速の観測史上1位の記録を更新しました。この暴風の影響で、千葉県では電柱の倒壊や倒木が相次ぎ、最大約934,900戸で停電、復旧まで長期間を要した地域もありました。 高潮災害に関する防災気象情報 高潮は、台風や発達した低気圧などに伴い、気圧が下がり、海面が吸い上げられる効果と強風により海水が海岸に吹き寄せられる効果のために、海面が異常に上昇する現象です。  台風や発達した低気圧の接近・上陸に伴って短時間のうちに急激に潮位が上昇し、海水が海岸堤防等を越えると一気に浸水します。また、高潮で潮位が高くなっている時に高波が重なると、さらに浸水の被害が拡大することがあります。  台風や低気圧等による異常な潮位上昇によって、重大な災害が発生するおそれがあると予想したときには、高潮警報を発表します。台風や発達した低気圧が接近すると、暴風、激しい雨、猛吹雪、波しぶきで避難場所へ移動することが困難になりますので、警報級の現象が予想される時間帯や予測最高潮位が把握できる、警報・注意報の「今後の推移」を確認し、安全に行動できるうちに避難することが大切です。 ◆高潮災害 平成30年9月4日 台風第21号  平成30年台風第21号は、9月4日12時頃、非常に強い勢力で徳島県に上陸した後、速度を上げながら近畿地方を縦断しました。台風の接近・通過に伴う気圧低下と強い南風の影響により、特に四国や近畿地方で過去の観測記録を更新する記録的な高潮となったところがありました。  13時頃から14時頃の短い間に、神戸市ではおよそ2m、大阪市では2.5m以上の急な潮位の上昇が発生し、加えて最大4m程度の高波が発生しました。浸水が想定される地域では、事前の避難など安全確保行動が重要であることが分かります。  台風に伴う暴風、高潮及び高波の影響で、関西国際空港の滑走路の浸水、兵庫県芦屋市の住宅地の浸水、港湾施設の破損・損壊やコンテナの流出などが発生しました。兵庫県では床上48棟、床下318棟、和歌山県では床上4棟、床下40棟の住家への浸水被害が発生しました。
高潮とはどういう現象ですか。
高潮は、台風や発達した低気圧などに伴い、気圧が下がり、海面が吸い上げられる効果と強風により海水が海岸に吹き寄せられる効果のために、海面が異常に上昇する現象です。
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地理
暴風災害に関する防災気象情報 平均風速15 ~ 20m/sの風が吹くと、歩行者が転倒したり、高速道路での車の運転に支障が出始め、更に強くなると建物の損壊、農作物の被害、走行中のトラックが横転するなど社会に甚大な被害をもたらします。また、風で飛ばされてきたもので電線が切れたり、最大風速が40m/sを超えると電柱が倒れたりすることがあり、停電にも注意が必要です。  暴風により重大な災害が発生するおそれがあると予想したときには、暴風警報を発表します。台風や発達した低気圧等の接近時には、大雨や潮位の上昇よりも先に暴風が吹き始め、屋外への立ち退き避難が困難となります。 このため、警報級の現象が予想される時間帯が把握できる、警報・注意報の「今後の推移」を確認し、暴風が吹く前に避難を完了することが重要です。 ◆暴風災害  令和元年房総半島台風(台風第15号)  令和元年房総半島台風は9月8日に伊豆諸島に接近した後、9日03時前に三浦半島付近を通過して、9日05時前に強い勢力で千葉市付近に上陸しました。この台風の接近・通過に伴い、関東地方南部や伊豆諸島を中心に暴風、大雨 となりました。  東京都神津島で最大風速43.4メートル、千葉県千葉市で35.9メートルを観測するなど広い範囲で最大風速30メートル以上の猛烈な風を観測し、千葉県を中心に19地点で最大風速の観測史上1位の記録を更新しました。この暴風の影響で、千葉県では電柱の倒壊や倒木が相次ぎ、最大約934,900戸で停電、復旧まで長期間を要した地域もありました。 高潮災害に関する防災気象情報 高潮は、台風や発達した低気圧などに伴い、気圧が下がり、海面が吸い上げられる効果と強風により海水が海岸に吹き寄せられる効果のために、海面が異常に上昇する現象です。  台風や発達した低気圧の接近・上陸に伴って短時間のうちに急激に潮位が上昇し、海水が海岸堤防等を越えると一気に浸水します。また、高潮で潮位が高くなっている時に高波が重なると、さらに浸水の被害が拡大することがあります。  台風や低気圧等による異常な潮位上昇によって、重大な災害が発生するおそれがあると予想したときには、高潮警報を発表します。台風や発達した低気圧が接近すると、暴風、激しい雨、猛吹雪、波しぶきで避難場所へ移動することが困難になりますので、警報級の現象が予想される時間帯や予測最高潮位が把握できる、警報・注意報の「今後の推移」を確認し、安全に行動できるうちに避難することが大切です。 ◆高潮災害 平成30年9月4日 台風第21号  平成30年台風第21号は、9月4日12時頃、非常に強い勢力で徳島県に上陸した後、速度を上げながら近畿地方を縦断しました。台風の接近・通過に伴う気圧低下と強い南風の影響により、特に四国や近畿地方で過去の観測記録を更新する記録的な高潮となったところがありました。  13時頃から14時頃の短い間に、神戸市ではおよそ2m、大阪市では2.5m以上の急な潮位の上昇が発生し、加えて最大4m程度の高波が発生しました。浸水が想定される地域では、事前の避難など安全確保行動が重要であることが分かります。  台風に伴う暴風、高潮及び高波の影響で、関西国際空港の滑走路の浸水、兵庫県芦屋市の住宅地の浸水、港湾施設の破損・損壊やコンテナの流出などが発生しました。兵庫県では床上48棟、床下318棟、和歌山県では床上4棟、床下40棟の住家への浸水被害が発生しました。
高潮警報はどういう時に発表されますか。
高潮警報は、台風や低気圧等による異常な潮位上昇によって、重大な災害が発生するおそれがあると予想したときに発表されます。