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JCRRAG_011601
地理
日本の森林は、いまどのような状態にあるのでしょうか。また、それらの森林で、どの程度の温室効果ガスの吸収を見込むことができるのでしょうか? 日本が世界に約束している温室効果ガス削減の目標値と、その内訳についてみてみることにしましょう。 日本の森林資源の現況 林野庁がおよそ5年ごとに行っている「森林資源の現況」調査によると、2017年3月現在での日本の森林面積は2505万haで、ここ数十年間に大きな増減はなく、ほぼ横ばいで推移してきています。その内訳は人工林が1020万ha、天然林が1348万ha、その他136万haとなっています。それに対して森林を構成する幹の体積(幹材積)を集計した森林蓄積量は、同年現在で52億4000万m3となり、人工林を中心に毎年増え続けています(右ページのグラフを参照)。 主伐期を迎え大径木が増えている 森林蓄積量が増えているということは、つまりそれだけ樹木が大きく育って体積を増やしているということを意味します。大気中の温室効果ガスである二酸化炭素を吸収して、樹体に固定し続けているという意味では、好ましいことといえるでしょう。反面、森林蓄積量の増加の多くは人工林が樹齢を重ねていることによるものです。戦後植林されたスギをはじめとする人工林の樹木は、いま50年生以上の樹齢の木が半数を占めるようになって大径木化が進んでいます。019でみたように、二酸化炭素の吸収量は、若い木のほうが多く、高齢樹になるほど吸収能力が落ちてきます。伐期を迎えている森林は、木材として利用を促進することで、炭素の蓄積に貢献します。そして、伐採後すぐに再造林をすることで、吸収能力の高い森林を維持し続けることにもつながります。 2020年のNDCにおける吸収量の目標値 パリ協定に基づく削減目標「自国が決定する貢献(NDC)」2020では、2030年度に2013年度比で26%の削減を確実なものとするために、吸収目標を二酸化炭素換算でおよそ3700万トン(2013年度総排出量の‒2.6%相当)に設定しています。その内訳は、森林吸収源対策で約2780万トン(2013年度総排出量の‒2%相当)、農地土壌炭素吸収源対策および都市緑化等の推進で約910万トン(2013年度総排出量の‒0.6%相当)となっています。日本の温暖化対策において、森林や農地、緑地による温室効果ガスの吸収は、大きな貢献となります。
人工林の大径木化は、なぜ進んでいるか。
戦後植林されたスギをはじめとする人工林の樹木は、いま50年生以上の樹齢の木が半数を占めるようになって大径木化が進んでいます。
JCRRAG_011602
地理
日本の森林は、いまどのような状態にあるのでしょうか。また、それらの森林で、どの程度の温室効果ガスの吸収を見込むことができるのでしょうか? 日本が世界に約束している温室効果ガス削減の目標値と、その内訳についてみてみることにしましょう。 日本の森林資源の現況 林野庁がおよそ5年ごとに行っている「森林資源の現況」調査によると、2017年3月現在での日本の森林面積は2505万haで、ここ数十年間に大きな増減はなく、ほぼ横ばいで推移してきています。その内訳は人工林が1020万ha、天然林が1348万ha、その他136万haとなっています。それに対して森林を構成する幹の体積(幹材積)を集計した森林蓄積量は、同年現在で52億4000万m3となり、人工林を中心に毎年増え続けています(右ページのグラフを参照)。 主伐期を迎え大径木が増えている 森林蓄積量が増えているということは、つまりそれだけ樹木が大きく育って体積を増やしているということを意味します。大気中の温室効果ガスである二酸化炭素を吸収して、樹体に固定し続けているという意味では、好ましいことといえるでしょう。反面、森林蓄積量の増加の多くは人工林が樹齢を重ねていることによるものです。戦後植林されたスギをはじめとする人工林の樹木は、いま50年生以上の樹齢の木が半数を占めるようになって大径木化が進んでいます。019でみたように、二酸化炭素の吸収量は、若い木のほうが多く、高齢樹になるほど吸収能力が落ちてきます。伐期を迎えている森林は、木材として利用を促進することで、炭素の蓄積に貢献します。そして、伐採後すぐに再造林をすることで、吸収能力の高い森林を維持し続けることにもつながります。 2020年のNDCにおける吸収量の目標値 パリ協定に基づく削減目標「自国が決定する貢献(NDC)」2020では、2030年度に2013年度比で26%の削減を確実なものとするために、吸収目標を二酸化炭素換算でおよそ3700万トン(2013年度総排出量の‒2.6%相当)に設定しています。その内訳は、森林吸収源対策で約2780万トン(2013年度総排出量の‒2%相当)、農地土壌炭素吸収源対策および都市緑化等の推進で約910万トン(2013年度総排出量の‒0.6%相当)となっています。日本の温暖化対策において、森林や農地、緑地による温室効果ガスの吸収は、大きな貢献となります。
伐採後すぐに再造林をすることで、どのようなことにつながるか。
伐採後すぐに再造林をすることで、吸収能力の高い森林を維持し続けることにもつながります。
JCRRAG_011603
地理
温室効果ガスには、二酸化炭素以外にもメタンや一酸化二窒素などがあります。量的に少なくても、温室効果が高かったり、長期的に影響をおよぼすものもあります。それらの温室効果ガスと森林との関係についてみておきましょう。 メタンガスを吸収する森林の土壌 森林内では、樹木が生育し、光合成によって二酸化炭素を吸収するとともに、呼吸によって二酸化炭素を放出しています。また、森林の土壌は、枯れ枝や落葉に固定された炭素が蓄積することで、炭素の貯蔵庫となっています。もちろん、それらの有機物は、微生物によって分解されることによって、二酸化炭素(CO2)や一酸化二窒素 (N2O)ガスをしだいに放出していきます。同時に、森林の土壌は、二酸化炭素についで排出量が多く、温室効果の高いメタン (CH4) ガスを吸収することがわかっています。メタンは湿地や沼地ではメタン生成菌によって放出されますが、ほどよく湿った森林の土壌では、生息する微生物がメタンを分解するために、土壌に吸収されると考えられています。 メタンガスの吸収量が増加 森林総合研究所が、1990年代後半から、全国各地の森林土壌の温室効果ガスの放出量と吸収量を調査してきた膨大なデータに基づき分析したところ、過去30年間に二酸化炭素と一酸化二窒素の放出が増加し、メタンガスの吸収量も増加していることがわかりました。これは、平均気温の上昇と大気中メタン濃度の増加に起因するものと分析されています。 温室効果ガスと森林との関係を調査し続ける 世界気象機関によると、大気中のメタン濃度は、2019年現在で産業革命前(1750年頃)の2.6倍に増えています。メタンはおなじ質量では、二酸化炭素よりも温室効果が25倍も高い物質で、二酸化炭素に次いで地球温暖化に影響しています。排出量が二酸化炭素より少なくても地球温暖化への寄与率は23%ほどになります。メタンをコントロールすることは、二酸化炭素の排出規制と同時に温暖化の抑制にはとても重要なことといえます。メタンの人為的な排出源は、おもに化石燃料の生産と消費、畜産業や水田稲作などの農業、廃棄物の管理などによるものです。森林土壌によるメタンの吸収量は、人為的に排出された量を賄うほどのものではありません。とはいえ、森林と温室効果ガスとの関係は、これからも調査し続けることが必要です。
森林の土壌は、どのようにして炭素の貯蔵庫となっているか。
森林の土壌は、枯れ枝や落葉に固定された炭素が蓄積することで、炭素の貯蔵庫となっています。
JCRRAG_011604
地理
温室効果ガスには、二酸化炭素以外にもメタンや一酸化二窒素などがあります。量的に少なくても、温室効果が高かったり、長期的に影響をおよぼすものもあります。それらの温室効果ガスと森林との関係についてみておきましょう。 メタンガスを吸収する森林の土壌 森林内では、樹木が生育し、光合成によって二酸化炭素を吸収するとともに、呼吸によって二酸化炭素を放出しています。また、森林の土壌は、枯れ枝や落葉に固定された炭素が蓄積することで、炭素の貯蔵庫となっています。もちろん、それらの有機物は、微生物によって分解されることによって、二酸化炭素(CO2)や一酸化二窒素 (N2O)ガスをしだいに放出していきます。同時に、森林の土壌は、二酸化炭素についで排出量が多く、温室効果の高いメタン (CH4) ガスを吸収することがわかっています。メタンは湿地や沼地ではメタン生成菌によって放出されますが、ほどよく湿った森林の土壌では、生息する微生物がメタンを分解するために、土壌に吸収されると考えられています。 メタンガスの吸収量が増加 森林総合研究所が、1990年代後半から、全国各地の森林土壌の温室効果ガスの放出量と吸収量を調査してきた膨大なデータに基づき分析したところ、過去30年間に二酸化炭素と一酸化二窒素の放出が増加し、メタンガスの吸収量も増加していることがわかりました。これは、平均気温の上昇と大気中メタン濃度の増加に起因するものと分析されています。 温室効果ガスと森林との関係を調査し続ける 世界気象機関によると、大気中のメタン濃度は、2019年現在で産業革命前(1750年頃)の2.6倍に増えています。メタンはおなじ質量では、二酸化炭素よりも温室効果が25倍も高い物質で、二酸化炭素に次いで地球温暖化に影響しています。排出量が二酸化炭素より少なくても地球温暖化への寄与率は23%ほどになります。メタンをコントロールすることは、二酸化炭素の排出規制と同時に温暖化の抑制にはとても重要なことといえます。メタンの人為的な排出源は、おもに化石燃料の生産と消費、畜産業や水田稲作などの農業、廃棄物の管理などによるものです。森林土壌によるメタンの吸収量は、人為的に排出された量を賄うほどのものではありません。とはいえ、森林と温室効果ガスとの関係は、これからも調査し続けることが必要です。
森林の土壌は、なぜメタンガスを吸収すると考えられているか。
ほどよく湿った森林の土壌では、生息する微生物がメタンを分解するために、土壌に吸収されるからと考えられています。
JCRRAG_011605
地理
温室効果ガスには、二酸化炭素以外にもメタンや一酸化二窒素などがあります。量的に少なくても、温室効果が高かったり、長期的に影響をおよぼすものもあります。それらの温室効果ガスと森林との関係についてみておきましょう。 メタンガスを吸収する森林の土壌 森林内では、樹木が生育し、光合成によって二酸化炭素を吸収するとともに、呼吸によって二酸化炭素を放出しています。また、森林の土壌は、枯れ枝や落葉に固定された炭素が蓄積することで、炭素の貯蔵庫となっています。もちろん、それらの有機物は、微生物によって分解されることによって、二酸化炭素(CO2)や一酸化二窒素 (N2O)ガスをしだいに放出していきます。同時に、森林の土壌は、二酸化炭素についで排出量が多く、温室効果の高いメタン (CH4) ガスを吸収することがわかっています。メタンは湿地や沼地ではメタン生成菌によって放出されますが、ほどよく湿った森林の土壌では、生息する微生物がメタンを分解するために、土壌に吸収されると考えられています。 メタンガスの吸収量が増加 森林総合研究所が、1990年代後半から、全国各地の森林土壌の温室効果ガスの放出量と吸収量を調査してきた膨大なデータに基づき分析したところ、過去30年間に二酸化炭素と一酸化二窒素の放出が増加し、メタンガスの吸収量も増加していることがわかりました。これは、平均気温の上昇と大気中メタン濃度の増加に起因するものと分析されています。 温室効果ガスと森林との関係を調査し続ける 世界気象機関によると、大気中のメタン濃度は、2019年現在で産業革命前(1750年頃)の2.6倍に増えています。メタンはおなじ質量では、二酸化炭素よりも温室効果が25倍も高い物質で、二酸化炭素に次いで地球温暖化に影響しています。排出量が二酸化炭素より少なくても地球温暖化への寄与率は23%ほどになります。メタンをコントロールすることは、二酸化炭素の排出規制と同時に温暖化の抑制にはとても重要なことといえます。メタンの人為的な排出源は、おもに化石燃料の生産と消費、畜産業や水田稲作などの農業、廃棄物の管理などによるものです。森林土壌によるメタンの吸収量は、人為的に排出された量を賄うほどのものではありません。とはいえ、森林と温室効果ガスとの関係は、これからも調査し続けることが必要です。
メタンガスの吸収量は、なぜ増加していると分析されているか。
メタンガスの吸収量増加は、平均気温の上昇と大気中メタン濃度の増加に起因するものと分析されています。
JCRRAG_011606
地理
温室効果ガスには、二酸化炭素以外にもメタンや一酸化二窒素などがあります。量的に少なくても、温室効果が高かったり、長期的に影響をおよぼすものもあります。それらの温室効果ガスと森林との関係についてみておきましょう。 メタンガスを吸収する森林の土壌 森林内では、樹木が生育し、光合成によって二酸化炭素を吸収するとともに、呼吸によって二酸化炭素を放出しています。また、森林の土壌は、枯れ枝や落葉に固定された炭素が蓄積することで、炭素の貯蔵庫となっています。もちろん、それらの有機物は、微生物によって分解されることによって、二酸化炭素(CO2)や一酸化二窒素 (N2O)ガスをしだいに放出していきます。同時に、森林の土壌は、二酸化炭素についで排出量が多く、温室効果の高いメタン (CH4) ガスを吸収することがわかっています。メタンは湿地や沼地ではメタン生成菌によって放出されますが、ほどよく湿った森林の土壌では、生息する微生物がメタンを分解するために、土壌に吸収されると考えられています。 メタンガスの吸収量が増加 森林総合研究所が、1990年代後半から、全国各地の森林土壌の温室効果ガスの放出量と吸収量を調査してきた膨大なデータに基づき分析したところ、過去30年間に二酸化炭素と一酸化二窒素の放出が増加し、メタンガスの吸収量も増加していることがわかりました。これは、平均気温の上昇と大気中メタン濃度の増加に起因するものと分析されています。 温室効果ガスと森林との関係を調査し続ける 世界気象機関によると、大気中のメタン濃度は、2019年現在で産業革命前(1750年頃)の2.6倍に増えています。メタンはおなじ質量では、二酸化炭素よりも温室効果が25倍も高い物質で、二酸化炭素に次いで地球温暖化に影響しています。排出量が二酸化炭素より少なくても地球温暖化への寄与率は23%ほどになります。メタンをコントロールすることは、二酸化炭素の排出規制と同時に温暖化の抑制にはとても重要なことといえます。メタンの人為的な排出源は、おもに化石燃料の生産と消費、畜産業や水田稲作などの農業、廃棄物の管理などによるものです。森林土壌によるメタンの吸収量は、人為的に排出された量を賄うほどのものではありません。とはいえ、森林と温室効果ガスとの関係は、これからも調査し続けることが必要です。
メタンは、地球温暖化にどのように影響しているか。
メタンはおなじ質量では、二酸化炭素よりも温室効果が25倍も高い物質で、二酸化炭素に次いで地球温暖化に影響しています。
JCRRAG_011607
地理
温室効果ガスには、二酸化炭素以外にもメタンや一酸化二窒素などがあります。量的に少なくても、温室効果が高かったり、長期的に影響をおよぼすものもあります。それらの温室効果ガスと森林との関係についてみておきましょう。 メタンガスを吸収する森林の土壌 森林内では、樹木が生育し、光合成によって二酸化炭素を吸収するとともに、呼吸によって二酸化炭素を放出しています。また、森林の土壌は、枯れ枝や落葉に固定された炭素が蓄積することで、炭素の貯蔵庫となっています。もちろん、それらの有機物は、微生物によって分解されることによって、二酸化炭素(CO2)や一酸化二窒素 (N2O)ガスをしだいに放出していきます。同時に、森林の土壌は、二酸化炭素についで排出量が多く、温室効果の高いメタン (CH4) ガスを吸収することがわかっています。メタンは湿地や沼地ではメタン生成菌によって放出されますが、ほどよく湿った森林の土壌では、生息する微生物がメタンを分解するために、土壌に吸収されると考えられています。 メタンガスの吸収量が増加 森林総合研究所が、1990年代後半から、全国各地の森林土壌の温室効果ガスの放出量と吸収量を調査してきた膨大なデータに基づき分析したところ、過去30年間に二酸化炭素と一酸化二窒素の放出が増加し、メタンガスの吸収量も増加していることがわかりました。これは、平均気温の上昇と大気中メタン濃度の増加に起因するものと分析されています。 温室効果ガスと森林との関係を調査し続ける 世界気象機関によると、大気中のメタン濃度は、2019年現在で産業革命前(1750年頃)の2.6倍に増えています。メタンはおなじ質量では、二酸化炭素よりも温室効果が25倍も高い物質で、二酸化炭素に次いで地球温暖化に影響しています。排出量が二酸化炭素より少なくても地球温暖化への寄与率は23%ほどになります。メタンをコントロールすることは、二酸化炭素の排出規制と同時に温暖化の抑制にはとても重要なことといえます。メタンの人為的な排出源は、おもに化石燃料の生産と消費、畜産業や水田稲作などの農業、廃棄物の管理などによるものです。森林土壌によるメタンの吸収量は、人為的に排出された量を賄うほどのものではありません。とはいえ、森林と温室効果ガスとの関係は、これからも調査し続けることが必要です。
森林と温室効果ガスとの関係については、今後どのように対応していく必要があるか。
森林と温室効果ガスとの関係は、これからも調査し続けることが必要です。
JCRRAG_011608
地理
温暖化による植物の分布域への影響 地球が温暖化し、平均気温が上昇することにより、生態系は大きな影響を受けます。とくに植物は気温や雨量に生育を依存しており、気候の変化による生育環境の変化は、そのまま植物の分布域の変化へと結びつきます。セクション1の「温暖化が農林水産業におよぼす影響」で解説したように、温暖化が進むことで、植物の分布域は北上あるいは、標高が高いところへの移動が予測されています。 サクラの開花日が早まって、前線は北へ 気象庁では、1953年から統一した観測方法で、生物の季節観測を行ってきています。サクラ(ソメイヨシノ)の開花日(4月1日)の観測もそのひとつですが、その観測結果によると「4月1日までに開花するところは、1960年代(1961〜1970年)では三浦半島から紀伊半島にかけての本州の太平洋沿岸と四国、九州でしたが、2000年代(2001〜2010年)では関東、東海、近畿、中国地方まで北上するようになりました。」(右ページの開花前線ラインを参照。気象庁)サクラの開花日の平年差をみてみると、しだいに開花日が早まっていることがわかります(右ページ上のグラフを参照)。 カエデの紅葉はしだいに遅くなっている カエデの紅葉の場合は、逆に紅葉する日が数日おそくなってきていることがわかりました。2020年の秋に観測したデータでは、51都市中平年値と変わらなかったのが3都市、早まったのが10都市、遅く紅葉したのが37都市でした(3都市は観測なし)。 生物の季節観測の種目・現象に影響 測候所58地点で植全国の気象台・物34種目、動物23種目を対象に、開花や初鳴きなどを観測し続けてきた気象庁の生物季節観測ですが、2021年の1月から、サクラ、カエデ、アジサイ、イチョウ、ウメ、ススキの6種目9現象に対象を絞ることが決定しました。その理由は、環境などの変化により、観測所の近くに標本木を確保することが難しくなったためとされています。これも温暖化の影響といえるかもしれません。
温暖化が進むことで、植物の分布域はどのように変化すると予測されているか。
温暖化が進むことで、植物の分布域は北上あるいは、標高が高いところへの移動が予測されています。
JCRRAG_011609
地理
温暖化による植物の分布域への影響 地球が温暖化し、平均気温が上昇することにより、生態系は大きな影響を受けます。とくに植物は気温や雨量に生育を依存しており、気候の変化による生育環境の変化は、そのまま植物の分布域の変化へと結びつきます。セクション1の「温暖化が農林水産業におよぼす影響」で解説したように、温暖化が進むことで、植物の分布域は北上あるいは、標高が高いところへの移動が予測されています。 サクラの開花日が早まって、前線は北へ 気象庁では、1953年から統一した観測方法で、生物の季節観測を行ってきています。サクラ(ソメイヨシノ)の開花日(4月1日)の観測もそのひとつですが、その観測結果によると「4月1日までに開花するところは、1960年代(1961〜1970年)では三浦半島から紀伊半島にかけての本州の太平洋沿岸と四国、九州でしたが、2000年代(2001〜2010年)では関東、東海、近畿、中国地方まで北上するようになりました。」(右ページの開花前線ラインを参照。気象庁)サクラの開花日の平年差をみてみると、しだいに開花日が早まっていることがわかります(右ページ上のグラフを参照)。 カエデの紅葉はしだいに遅くなっている カエデの紅葉の場合は、逆に紅葉する日が数日おそくなってきていることがわかりました。2020年の秋に観測したデータでは、51都市中平年値と変わらなかったのが3都市、早まったのが10都市、遅く紅葉したのが37都市でした(3都市は観測なし)。 生物の季節観測の種目・現象に影響 測候所58地点で植全国の気象台・物34種目、動物23種目を対象に、開花や初鳴きなどを観測し続けてきた気象庁の生物季節観測ですが、2021年の1月から、サクラ、カエデ、アジサイ、イチョウ、ウメ、ススキの6種目9現象に対象を絞ることが決定しました。その理由は、環境などの変化により、観測所の近くに標本木を確保することが難しくなったためとされています。これも温暖化の影響といえるかもしれません。
気象庁の生物季節観測が対象を絞った理由は何とされていますか。
気象庁の生物季節観測が対象を絞った理由は、環境などの変化により、観測所の近くに標本木を確保することが難しくなったためとされています。
JCRRAG_011610
地理
温暖化による植物の分布域への影響 地球が温暖化し、平均気温が上昇することにより、生態系は大きな影響を受けます。とくに植物は気温や雨量に生育を依存しており、気候の変化による生育環境の変化は、そのまま植物の分布域の変化へと結びつきます。セクション1の「温暖化が農林水産業におよぼす影響」で解説したように、温暖化が進むことで、植物の分布域は北上あるいは、標高が高いところへの移動が予測されています。 サクラの開花日が早まって、前線は北へ 気象庁では、1953年から統一した観測方法で、生物の季節観測を行ってきています。サクラ(ソメイヨシノ)の開花日(4月1日)の観測もそのひとつですが、その観測結果によると「4月1日までに開花するところは、1960年代(1961〜1970年)では三浦半島から紀伊半島にかけての本州の太平洋沿岸と四国、九州でしたが、2000年代(2001〜2010年)では関東、東海、近畿、中国地方まで北上するようになりました。」(右ページの開花前線ラインを参照。気象庁)サクラの開花日の平年差をみてみると、しだいに開花日が早まっていることがわかります(右ページ上のグラフを参照)。 カエデの紅葉はしだいに遅くなっている カエデの紅葉の場合は、逆に紅葉する日が数日おそくなってきていることがわかりました。2020年の秋に観測したデータでは、51都市中平年値と変わらなかったのが3都市、早まったのが10都市、遅く紅葉したのが37都市でした(3都市は観測なし)。 生物の季節観測の種目・現象に影響 測候所58地点で植全国の気象台・物34種目、動物23種目を対象に、開花や初鳴きなどを観測し続けてきた気象庁の生物季節観測ですが、2021年の1月から、サクラ、カエデ、アジサイ、イチョウ、ウメ、ススキの6種目9現象に対象を絞ることが決定しました。その理由は、環境などの変化により、観測所の近くに標本木を確保することが難しくなったためとされています。これも温暖化の影響といえるかもしれません。
カエデの紅葉は、近年どのように変化しているか。
カエデの紅葉の場合は、逆に紅葉する日が数日おそくなってきていることがわかりました。
JCRRAG_011611
地理
温暖化による植物の分布域への影響 地球が温暖化し、平均気温が上昇することにより、生態系は大きな影響を受けます。とくに植物は気温や雨量に生育を依存しており、気候の変化による生育環境の変化は、そのまま植物の分布域の変化へと結びつきます。セクション1の「温暖化が農林水産業におよぼす影響」で解説したように、温暖化が進むことで、植物の分布域は北上あるいは、標高が高いところへの移動が予測されています。 サクラの開花日が早まって、前線は北へ 気象庁では、1953年から統一した観測方法で、生物の季節観測を行ってきています。サクラ(ソメイヨシノ)の開花日(4月1日)の観測もそのひとつですが、その観測結果によると「4月1日までに開花するところは、1960年代(1961〜1970年)では三浦半島から紀伊半島にかけての本州の太平洋沿岸と四国、九州でしたが、2000年代(2001〜2010年)では関東、東海、近畿、中国地方まで北上するようになりました。」(右ページの開花前線ラインを参照。気象庁)サクラの開花日の平年差をみてみると、しだいに開花日が早まっていることがわかります(右ページ上のグラフを参照)。 カエデの紅葉はしだいに遅くなっている カエデの紅葉の場合は、逆に紅葉する日が数日おそくなってきていることがわかりました。2020年の秋に観測したデータでは、51都市中平年値と変わらなかったのが3都市、早まったのが10都市、遅く紅葉したのが37都市でした(3都市は観測なし)。 生物の季節観測の種目・現象に影響 測候所58地点で植全国の気象台・物34種目、動物23種目を対象に、開花や初鳴きなどを観測し続けてきた気象庁の生物季節観測ですが、2021年の1月から、サクラ、カエデ、アジサイ、イチョウ、ウメ、ススキの6種目9現象に対象を絞ることが決定しました。その理由は、環境などの変化により、観測所の近くに標本木を確保することが難しくなったためとされています。これも温暖化の影響といえるかもしれません。
2020年の秋に観測したカエデの紅葉の結果はどのようであったか。
2020年の秋に観測したデータでは、51都市中平年値と変わらなかったのが3都市、早まったのが10都市、遅く紅葉したのが37都市でした。
JCRRAG_011612
地理
生態系への影響は、野生動物たちへもおよびます。鳥類や哺乳類、は虫類や両生類たちの分布域も変化をみせはじめています。なかでも森林との関係が深いシカやイノシシといった動物たちが分布域を広げ、とくに樹木の新芽や樹皮を食害するシカによる森林被害が広がりをみせています。 個体数が増加し植林地の食害が拡大 ニホンジカやイノシシは日本の森林になじみの動物ですが、戦後の雌ジカ保護政策に伴って急速に個体数を増やし、分布域を拡大してきました。その結果、農作物や植林地での被害が大問題となっています。1978年のニホンジカの分布は、国土の約27.7%でしたが、2003年には約47.9%と1.7倍に、2018年には2.7倍にまで拡大しました。原因としては、雌ジカ保護に加えて、人間からの圧力の減少や耕作放棄地の増加なども分布拡大を助長する要因であったと推察されていますが、温暖化による降雪量や積雪深の減少も採食場所の提供やシカの生存率の増加を通じて個体数増加にプラスに働いただろうと考えられています。 人口減少と温暖化の進行がさらなる分布拡大を招く 森林総合研究所の調査によると、積雪期間が短くなった地域はシカにとって棲みやすい環境となり、いまと同じ環境が維持された場合でも2100年頃には「シカの生息域が国土の8割以上にまで拡大する」と予測しています。さらに、人口の減少によって地方に人が住まなくなり、温暖化がさらに進んで降雪期間が短くなった場合、現在ではシカがほとんど生息していない「多雪地域や過疎地域でもシカが生息」するようになり、2100年頃にはシカの生息域が国土の9割以上にまで拡大すると予測されています。 シカによる食害で多面的機能へも影響 シカによるもっとも大きな害が森林生態系、なかでも造林地・植林地での被害です。野生動物による森林被害のおよそ7割がシカによるものです。頭数の増加によって、近年では、植林して間もない若齢木のみならず、成木でもシカの口が届く高さの枝葉はもちろん、樹皮がはぎとられてしまったり、林床の植生が食べられてなくなってしまうなど、猛烈な被害をこうむっている地域もあります。そうした被害の激甚な地域では土壌の流出など森林の多面的機能への影響も心配されています。こうした状況に環境省では2014年に鳥獣保護法を改正し、ニホンジカとイノシシを「指定管理鳥獣」に指定して対策を進めています。
ニホンジカの分布域は、1978年から2018年までにどのように拡大したか。
1978年のニホンジカの分布は、国土の約27.7%でしたが、2003年には約47.9%と1.7倍に、2018年には2.7倍にまで拡大しました。
JCRRAG_011613
地理
生態系への影響は、野生動物たちへもおよびます。鳥類や哺乳類、は虫類や両生類たちの分布域も変化をみせはじめています。なかでも森林との関係が深いシカやイノシシといった動物たちが分布域を広げ、とくに樹木の新芽や樹皮を食害するシカによる森林被害が広がりをみせています。 個体数が増加し植林地の食害が拡大 ニホンジカやイノシシは日本の森林になじみの動物ですが、戦後の雌ジカ保護政策に伴って急速に個体数を増やし、分布域を拡大してきました。その結果、農作物や植林地での被害が大問題となっています。1978年のニホンジカの分布は、国土の約27.7%でしたが、2003年には約47.9%と1.7倍に、2018年には2.7倍にまで拡大しました。原因としては、雌ジカ保護に加えて、人間からの圧力の減少や耕作放棄地の増加なども分布拡大を助長する要因であったと推察されていますが、温暖化による降雪量や積雪深の減少も採食場所の提供やシカの生存率の増加を通じて個体数増加にプラスに働いただろうと考えられています。 人口減少と温暖化の進行がさらなる分布拡大を招く 森林総合研究所の調査によると、積雪期間が短くなった地域はシカにとって棲みやすい環境となり、いまと同じ環境が維持された場合でも2100年頃には「シカの生息域が国土の8割以上にまで拡大する」と予測しています。さらに、人口の減少によって地方に人が住まなくなり、温暖化がさらに進んで降雪期間が短くなった場合、現在ではシカがほとんど生息していない「多雪地域や過疎地域でもシカが生息」するようになり、2100年頃にはシカの生息域が国土の9割以上にまで拡大すると予測されています。 シカによる食害で多面的機能へも影響 シカによるもっとも大きな害が森林生態系、なかでも造林地・植林地での被害です。野生動物による森林被害のおよそ7割がシカによるものです。頭数の増加によって、近年では、植林して間もない若齢木のみならず、成木でもシカの口が届く高さの枝葉はもちろん、樹皮がはぎとられてしまったり、林床の植生が食べられてなくなってしまうなど、猛烈な被害をこうむっている地域もあります。そうした被害の激甚な地域では土壌の流出など森林の多面的機能への影響も心配されています。こうした状況に環境省では2014年に鳥獣保護法を改正し、ニホンジカとイノシシを「指定管理鳥獣」に指定して対策を進めています。
野生動物による森林被害のうち、シカによるものはどの程度であるか。
野生動物による森林被害のおよそ7割がシカによるものです。
JCRRAG_011614
地理
生態系への影響は、野生動物たちへもおよびます。鳥類や哺乳類、は虫類や両生類たちの分布域も変化をみせはじめています。なかでも森林との関係が深いシカやイノシシといった動物たちが分布域を広げ、とくに樹木の新芽や樹皮を食害するシカによる森林被害が広がりをみせています。 個体数が増加し植林地の食害が拡大 ニホンジカやイノシシは日本の森林になじみの動物ですが、戦後の雌ジカ保護政策に伴って急速に個体数を増やし、分布域を拡大してきました。その結果、農作物や植林地での被害が大問題となっています。1978年のニホンジカの分布は、国土の約27.7%でしたが、2003年には約47.9%と1.7倍に、2018年には2.7倍にまで拡大しました。原因としては、雌ジカ保護に加えて、人間からの圧力の減少や耕作放棄地の増加なども分布拡大を助長する要因であったと推察されていますが、温暖化による降雪量や積雪深の減少も採食場所の提供やシカの生存率の増加を通じて個体数増加にプラスに働いただろうと考えられています。 人口減少と温暖化の進行がさらなる分布拡大を招く 森林総合研究所の調査によると、積雪期間が短くなった地域はシカにとって棲みやすい環境となり、いまと同じ環境が維持された場合でも2100年頃には「シカの生息域が国土の8割以上にまで拡大する」と予測しています。さらに、人口の減少によって地方に人が住まなくなり、温暖化がさらに進んで降雪期間が短くなった場合、現在ではシカがほとんど生息していない「多雪地域や過疎地域でもシカが生息」するようになり、2100年頃にはシカの生息域が国土の9割以上にまで拡大すると予測されています。 シカによる食害で多面的機能へも影響 シカによるもっとも大きな害が森林生態系、なかでも造林地・植林地での被害です。野生動物による森林被害のおよそ7割がシカによるものです。頭数の増加によって、近年では、植林して間もない若齢木のみならず、成木でもシカの口が届く高さの枝葉はもちろん、樹皮がはぎとられてしまったり、林床の植生が食べられてなくなってしまうなど、猛烈な被害をこうむっている地域もあります。そうした被害の激甚な地域では土壌の流出など森林の多面的機能への影響も心配されています。こうした状況に環境省では2014年に鳥獣保護法を改正し、ニホンジカとイノシシを「指定管理鳥獣」に指定して対策を進めています。
シカの食害によって、成木にどのような被害が出ているか。
成木でもシカの口が届く高さの枝葉はもちろん、樹皮がはぎとられてしまったり、林床の植生が食べられてなくなってしまうなど、猛烈な被害をこうむっている地域もあります。
JCRRAG_011615
地理
生態系への影響は、野生動物たちへもおよびます。鳥類や哺乳類、は虫類や両生類たちの分布域も変化をみせはじめています。なかでも森林との関係が深いシカやイノシシといった動物たちが分布域を広げ、とくに樹木の新芽や樹皮を食害するシカによる森林被害が広がりをみせています。 個体数が増加し植林地の食害が拡大 ニホンジカやイノシシは日本の森林になじみの動物ですが、戦後の雌ジカ保護政策に伴って急速に個体数を増やし、分布域を拡大してきました。その結果、農作物や植林地での被害が大問題となっています。1978年のニホンジカの分布は、国土の約27.7%でしたが、2003年には約47.9%と1.7倍に、2018年には2.7倍にまで拡大しました。原因としては、雌ジカ保護に加えて、人間からの圧力の減少や耕作放棄地の増加なども分布拡大を助長する要因であったと推察されていますが、温暖化による降雪量や積雪深の減少も採食場所の提供やシカの生存率の増加を通じて個体数増加にプラスに働いただろうと考えられています。 人口減少と温暖化の進行がさらなる分布拡大を招く 森林総合研究所の調査によると、積雪期間が短くなった地域はシカにとって棲みやすい環境となり、いまと同じ環境が維持された場合でも2100年頃には「シカの生息域が国土の8割以上にまで拡大する」と予測しています。さらに、人口の減少によって地方に人が住まなくなり、温暖化がさらに進んで降雪期間が短くなった場合、現在ではシカがほとんど生息していない「多雪地域や過疎地域でもシカが生息」するようになり、2100年頃にはシカの生息域が国土の9割以上にまで拡大すると予測されています。 シカによる食害で多面的機能へも影響 シカによるもっとも大きな害が森林生態系、なかでも造林地・植林地での被害です。野生動物による森林被害のおよそ7割がシカによるものです。頭数の増加によって、近年では、植林して間もない若齢木のみならず、成木でもシカの口が届く高さの枝葉はもちろん、樹皮がはぎとられてしまったり、林床の植生が食べられてなくなってしまうなど、猛烈な被害をこうむっている地域もあります。そうした被害の激甚な地域では土壌の流出など森林の多面的機能への影響も心配されています。こうした状況に環境省では2014年に鳥獣保護法を改正し、ニホンジカとイノシシを「指定管理鳥獣」に指定して対策を進めています。
シカの分布拡大の要因にはどのようなものがあるか。
シカの分布拡大の要因には、雌ジカ保護に加えて、人間からの圧力の減少や耕作放棄地の増加なども分布拡大を助長する要因であったと推察されています。
JCRRAG_011616
地理
生態系への影響は、野生動物たちへもおよびます。鳥類や哺乳類、は虫類や両生類たちの分布域も変化をみせはじめています。なかでも森林との関係が深いシカやイノシシといった動物たちが分布域を広げ、とくに樹木の新芽や樹皮を食害するシカによる森林被害が広がりをみせています。 個体数が増加し植林地の食害が拡大 ニホンジカやイノシシは日本の森林になじみの動物ですが、戦後の雌ジカ保護政策に伴って急速に個体数を増やし、分布域を拡大してきました。その結果、農作物や植林地での被害が大問題となっています。1978年のニホンジカの分布は、国土の約27.7%でしたが、2003年には約47.9%と1.7倍に、2018年には2.7倍にまで拡大しました。原因としては、雌ジカ保護に加えて、人間からの圧力の減少や耕作放棄地の増加なども分布拡大を助長する要因であったと推察されていますが、温暖化による降雪量や積雪深の減少も採食場所の提供やシカの生存率の増加を通じて個体数増加にプラスに働いただろうと考えられています。 人口減少と温暖化の進行がさらなる分布拡大を招く 森林総合研究所の調査によると、積雪期間が短くなった地域はシカにとって棲みやすい環境となり、いまと同じ環境が維持された場合でも2100年頃には「シカの生息域が国土の8割以上にまで拡大する」と予測しています。さらに、人口の減少によって地方に人が住まなくなり、温暖化がさらに進んで降雪期間が短くなった場合、現在ではシカがほとんど生息していない「多雪地域や過疎地域でもシカが生息」するようになり、2100年頃にはシカの生息域が国土の9割以上にまで拡大すると予測されています。 シカによる食害で多面的機能へも影響 シカによるもっとも大きな害が森林生態系、なかでも造林地・植林地での被害です。野生動物による森林被害のおよそ7割がシカによるものです。頭数の増加によって、近年では、植林して間もない若齢木のみならず、成木でもシカの口が届く高さの枝葉はもちろん、樹皮がはぎとられてしまったり、林床の植生が食べられてなくなってしまうなど、猛烈な被害をこうむっている地域もあります。そうした被害の激甚な地域では土壌の流出など森林の多面的機能への影響も心配されています。こうした状況に環境省では2014年に鳥獣保護法を改正し、ニホンジカとイノシシを「指定管理鳥獣」に指定して対策を進めています。
シカの分布拡大が森林の多面的機能にどのような影響をおよぼすと心配されているか。
シカの分布拡大が森林の多面的機能に及ぼす影響は、土壌の流出など森林の多面的機能への影響も心配されています。
JCRRAG_011617
地理
大雨や暴風雨が激甚になることで、 日本全国に災害が起きています。森林が健全に生育していることで直接的に土砂災害を抑制することもですが、森林によって気候変動を抑えることも大切です。森林を保全することの意味がそこにあります。 気候変動による雨量の増加と、土砂災害の多発 大雨や集中豪雨が増えているという話をしました。集中的な豪雨や、雨が長く降り続いて平年を超える降水量になると、地盤がゆるみ、土砂災害が起きやすくなります。2017年の夏には、九州北部の豪雨によって流木災害が起きました。複数の渓谷から流木が下流へと流れ市街地に被害をおよぼしました。また、2018年の夏には、西日本を中心に全国的に広い範囲で豪雨にみまわれ、各地で土石流災害を引き起こして多くの犠牲者を出す激甚な災害となりました。2019年には、東日本台風、2020年にはふたたび豪雨が襲い、山地での土砂災害に加え、広い範囲で河川の氾濫が発生し、洪水被害が人びとを苦しめました。 本来、森林がもっている機能 災害はいつの時代でも起こる可能性があります。その災害に備えて、水源かん養のための森林や土砂災害の起きにくい保安林、降雪による視程不良を抑制する防雪林や強風を弱める防風林、あるいは飛砂を抑える海岸林などが整備されています。森林には本来災害を抑制する機能が備わっています。森林内では、樹木が根を張り巡らすことで土砂が崩壊しにくいような根系が育まれています。また、林床に生育している植生や、蓄積した落枝落葉は、雨による直接的な地表の浸食を防いでいます。しかし、集中的な豪雨や長期間続く大雨は、そうした森林の機能を超えて、災害をもたらしはじめています。 森林の機能不全がさらに災害を増加させる 気候変動によって、森林の機能を超えるほどの豪雨や大風、あるいは猛暑日や雪害などが増えることで、森林の機能が衰えたり、森林の機能を超える力で災害がもたらされることが続くと、しだいに日本列島の森林の防災機能が衰弱し、さらに被害を増大させるようなことも起きかねません。森林が衰弱すると、気候変動も加速し、さらなる災害を引き起こすことになります。いまのまま温室効果ガスを排出し続け、平均気温が高まり続けると、より強い豪雨が増え、斜面崩壊の発生も増える可能性が高いと考えられます。
2017年の夏には、九州北部の豪雨によってどのような被害がおきましたか。
2017年の夏には、九州北部の豪雨によって流木災害が起きました。
JCRRAG_011618
地理
大雨や暴風雨が激甚になることで、 日本全国に災害が起きています。森林が健全に生育していることで直接的に土砂災害を抑制することもですが、森林によって気候変動を抑えることも大切です。森林を保全することの意味がそこにあります。 気候変動による雨量の増加と、土砂災害の多発 大雨や集中豪雨が増えているという話をしました。集中的な豪雨や、雨が長く降り続いて平年を超える降水量になると、地盤がゆるみ、土砂災害が起きやすくなります。2017年の夏には、九州北部の豪雨によって流木災害が起きました。複数の渓谷から流木が下流へと流れ市街地に被害をおよぼしました。また、2018年の夏には、西日本を中心に全国的に広い範囲で豪雨にみまわれ、各地で土石流災害を引き起こして多くの犠牲者を出す激甚な災害となりました。2019年には、東日本台風、2020年にはふたたび豪雨が襲い、山地での土砂災害に加え、広い範囲で河川の氾濫が発生し、洪水被害が人びとを苦しめました。 本来、森林がもっている機能 災害はいつの時代でも起こる可能性があります。その災害に備えて、水源かん養のための森林や土砂災害の起きにくい保安林、降雪による視程不良を抑制する防雪林や強風を弱める防風林、あるいは飛砂を抑える海岸林などが整備されています。森林には本来災害を抑制する機能が備わっています。森林内では、樹木が根を張り巡らすことで土砂が崩壊しにくいような根系が育まれています。また、林床に生育している植生や、蓄積した落枝落葉は、雨による直接的な地表の浸食を防いでいます。しかし、集中的な豪雨や長期間続く大雨は、そうした森林の機能を超えて、災害をもたらしはじめています。 森林の機能不全がさらに災害を増加させる 気候変動によって、森林の機能を超えるほどの豪雨や大風、あるいは猛暑日や雪害などが増えることで、森林の機能が衰えたり、森林の機能を超える力で災害がもたらされることが続くと、しだいに日本列島の森林の防災機能が衰弱し、さらに被害を増大させるようなことも起きかねません。森林が衰弱すると、気候変動も加速し、さらなる災害を引き起こすことになります。いまのまま温室効果ガスを排出し続け、平均気温が高まり続けると、より強い豪雨が増え、斜面崩壊の発生も増える可能性が高いと考えられます。
西日本を中心とした全国的な豪雨が発生したのはいつのことですか。
西日本を中心とした全国的な豪雨が発生したのは、2018年の夏です。
JCRRAG_011619
地理
大雨や暴風雨が激甚になることで、 日本全国に災害が起きています。森林が健全に生育していることで直接的に土砂災害を抑制することもですが、森林によって気候変動を抑えることも大切です。森林を保全することの意味がそこにあります。 気候変動による雨量の増加と、土砂災害の多発 大雨や集中豪雨が増えているという話をしました。集中的な豪雨や、雨が長く降り続いて平年を超える降水量になると、地盤がゆるみ、土砂災害が起きやすくなります。2017年の夏には、九州北部の豪雨によって流木災害が起きました。複数の渓谷から流木が下流へと流れ市街地に被害をおよぼしました。また、2018年の夏には、西日本を中心に全国的に広い範囲で豪雨にみまわれ、各地で土石流災害を引き起こして多くの犠牲者を出す激甚な災害となりました。2019年には、東日本台風、2020年にはふたたび豪雨が襲い、山地での土砂災害に加え、広い範囲で河川の氾濫が発生し、洪水被害が人びとを苦しめました。 本来、森林がもっている機能 災害はいつの時代でも起こる可能性があります。その災害に備えて、水源かん養のための森林や土砂災害の起きにくい保安林、降雪による視程不良を抑制する防雪林や強風を弱める防風林、あるいは飛砂を抑える海岸林などが整備されています。森林には本来災害を抑制する機能が備わっています。森林内では、樹木が根を張り巡らすことで土砂が崩壊しにくいような根系が育まれています。また、林床に生育している植生や、蓄積した落枝落葉は、雨による直接的な地表の浸食を防いでいます。しかし、集中的な豪雨や長期間続く大雨は、そうした森林の機能を超えて、災害をもたらしはじめています。 森林の機能不全がさらに災害を増加させる 気候変動によって、森林の機能を超えるほどの豪雨や大風、あるいは猛暑日や雪害などが増えることで、森林の機能が衰えたり、森林の機能を超える力で災害がもたらされることが続くと、しだいに日本列島の森林の防災機能が衰弱し、さらに被害を増大させるようなことも起きかねません。森林が衰弱すると、気候変動も加速し、さらなる災害を引き起こすことになります。いまのまま温室効果ガスを排出し続け、平均気温が高まり続けると、より強い豪雨が増え、斜面崩壊の発生も増える可能性が高いと考えられます。
林床に蓄積した落枝落葉はどのような役目がありますか。
林床に生育している植生や、蓄積した落枝落葉は、雨による直接的な地表の浸食を防いでいます。
JCRRAG_011620
地理
地球温暖化が進むと生物相や生態系に大きな影響が現れてきます。生態系の基盤となる森林植生の適地にも変化が出始めています。植生の分布域が北上したり、縮小や拡大をすることで、日本列島の植物相は、どのように変化することになるのでしょうか? 森林植生とは?森林植生の適地とは? 温暖化によって影響を受ける樹種は、サクラやカエデだけではありません。日本列島に分布するほとんどの植物たちが、温暖化の影響を受けることになります。もちろん、気温や積算温度に敏感な樹種から、そうではない樹種までさまざまあるでしょう。しかし、多かれ少なかれ、温暖化は植生に少なからず影響をおよぼすことになります。また、平均気温が上昇することで、単純に分布域が北上すると考えて良いのかというと、かならずしも簡単ではありません。それは、分布域や植生域が移動することで、微気象や土質、土壌の水分条件といった生育環境が変化し、生育に適した温度帯の地域に分布域を広げたとしても、必ずしもその地域での生育が順調に進むかどうかはわからないからです。 ブナの生息適地が大幅に減少 ブナ林とミズナラ林は、日本の冷温帯を代表する落葉広葉樹の森林植生です。森林総合研究所が、これらの分布を気候要因に基づいて解析したところ、冷涼で冬に降水量の多い多雪地域にはミズナラ林が少なく、温暖で夏に降水量の少ない乾燥地域にはブナ林が少ないことがわかりました。そこで、ブナ林が分布する気候要因の気温と降水量を、温暖化シナリオに基づいて変化させたところ、シナリオ通りに温暖化が進んだ場合、「九州、四国、中国地方、紀伊半島、関東地方のブナ林の適地は、わずかを残して消失」すると予測されました。北海道では、現在の北限より東部や北部に分布可能域が広がる可能性があるものの、温度上昇によってブナ林に適さない地域や、林分の断片化が起こり、分布を妨げられると予測しています。スギ林はどうでしょう? 森林総合研究所が、スギ林の生産力の変化を平均気温の上昇シナリオに基づいて予測したところ、二酸化炭素が高濃度になるにつれ、全国平均でのスギの生産力は、RCP2.6でもRCP8.5でも、生育が活発になりました。とはいえ、温暖化による乾燥と高温が過度に進行すると、とくに西日本においては、それらのストレスに弱いスギの生産力が大きく低下する可能性もあります。今後の二酸化炭素濃度と温暖化の進行をしっかりとみきわめていくことが大切です。
温暖化によって影響を受けるのはどのような植物ですか。
日本列島に分布するほとんどの植物たちが、温暖化の影響を受けることになります。
JCRRAG_011621
地理
地球温暖化が進むと生物相や生態系に大きな影響が現れてきます。生態系の基盤となる森林植生の適地にも変化が出始めています。植生の分布域が北上したり、縮小や拡大をすることで、日本列島の植物相は、どのように変化することになるのでしょうか? 森林植生とは?森林植生の適地とは? 温暖化によって影響を受ける樹種は、サクラやカエデだけではありません。日本列島に分布するほとんどの植物たちが、温暖化の影響を受けることになります。もちろん、気温や積算温度に敏感な樹種から、そうではない樹種までさまざまあるでしょう。しかし、多かれ少なかれ、温暖化は植生に少なからず影響をおよぼすことになります。また、平均気温が上昇することで、単純に分布域が北上すると考えて良いのかというと、かならずしも簡単ではありません。それは、分布域や植生域が移動することで、微気象や土質、土壌の水分条件といった生育環境が変化し、生育に適した温度帯の地域に分布域を広げたとしても、必ずしもその地域での生育が順調に進むかどうかはわからないからです。 ブナの生息適地が大幅に減少 ブナ林とミズナラ林は、日本の冷温帯を代表する落葉広葉樹の森林植生です。森林総合研究所が、これらの分布を気候要因に基づいて解析したところ、冷涼で冬に降水量の多い多雪地域にはミズナラ林が少なく、温暖で夏に降水量の少ない乾燥地域にはブナ林が少ないことがわかりました。そこで、ブナ林が分布する気候要因の気温と降水量を、温暖化シナリオに基づいて変化させたところ、シナリオ通りに温暖化が進んだ場合、「九州、四国、中国地方、紀伊半島、関東地方のブナ林の適地は、わずかを残して消失」すると予測されました。北海道では、現在の北限より東部や北部に分布可能域が広がる可能性があるものの、温度上昇によってブナ林に適さない地域や、林分の断片化が起こり、分布を妨げられると予測しています。スギ林はどうでしょう? 森林総合研究所が、スギ林の生産力の変化を平均気温の上昇シナリオに基づいて予測したところ、二酸化炭素が高濃度になるにつれ、全国平均でのスギの生産力は、RCP2.6でもRCP8.5でも、生育が活発になりました。とはいえ、温暖化による乾燥と高温が過度に進行すると、とくに西日本においては、それらのストレスに弱いスギの生産力が大きく低下する可能性もあります。今後の二酸化炭素濃度と温暖化の進行をしっかりとみきわめていくことが大切です。
九州、四国、中国地方などのブナ林の適地はどうなると予測されていますか。
九州、四国、中国地方、紀伊半島、関東地方のブナ林の適地は、わずかを残して消失すると予測されました。
JCRRAG_011622
地理
地球温暖化が進むと生物相や生態系に大きな影響が現れてきます。生態系の基盤となる森林植生の適地にも変化が出始めています。植生の分布域が北上したり、縮小や拡大をすることで、日本列島の植物相は、どのように変化することになるのでしょうか? 森林植生とは?森林植生の適地とは? 温暖化によって影響を受ける樹種は、サクラやカエデだけではありません。日本列島に分布するほとんどの植物たちが、温暖化の影響を受けることになります。もちろん、気温や積算温度に敏感な樹種から、そうではない樹種までさまざまあるでしょう。しかし、多かれ少なかれ、温暖化は植生に少なからず影響をおよぼすことになります。また、平均気温が上昇することで、単純に分布域が北上すると考えて良いのかというと、かならずしも簡単ではありません。それは、分布域や植生域が移動することで、微気象や土質、土壌の水分条件といった生育環境が変化し、生育に適した温度帯の地域に分布域を広げたとしても、必ずしもその地域での生育が順調に進むかどうかはわからないからです。 ブナの生息適地が大幅に減少 ブナ林とミズナラ林は、日本の冷温帯を代表する落葉広葉樹の森林植生です。森林総合研究所が、これらの分布を気候要因に基づいて解析したところ、冷涼で冬に降水量の多い多雪地域にはミズナラ林が少なく、温暖で夏に降水量の少ない乾燥地域にはブナ林が少ないことがわかりました。そこで、ブナ林が分布する気候要因の気温と降水量を、温暖化シナリオに基づいて変化させたところ、シナリオ通りに温暖化が進んだ場合、「九州、四国、中国地方、紀伊半島、関東地方のブナ林の適地は、わずかを残して消失」すると予測されました。北海道では、現在の北限より東部や北部に分布可能域が広がる可能性があるものの、温度上昇によってブナ林に適さない地域や、林分の断片化が起こり、分布を妨げられると予測しています。スギ林はどうでしょう? 森林総合研究所が、スギ林の生産力の変化を平均気温の上昇シナリオに基づいて予測したところ、二酸化炭素が高濃度になるにつれ、全国平均でのスギの生産力は、RCP2.6でもRCP8.5でも、生育が活発になりました。とはいえ、温暖化による乾燥と高温が過度に進行すると、とくに西日本においては、それらのストレスに弱いスギの生産力が大きく低下する可能性もあります。今後の二酸化炭素濃度と温暖化の進行をしっかりとみきわめていくことが大切です。
林分の断片化が起こると、どのようになると予測されていますか。
林分の断片化が起こると温度上昇によってブナ林に適さない地域や、林分の断片化が起こり、分布を妨げられると予測しています。
JCRRAG_011623
地理
森林は、林業や特産物の生産のほか、水源のかん養、生物多様性の確保、土砂災害の抑止、そして気候変動の緩和といったいくつもの機能を持っています。気候変動が進むと、それらの機能にどのような影響が現れるのでしょうか? 森林のもつ多面的機能とは 森林には、自然生態系として生物の多様性を保持するというはたらきのほかにも、わたしたち人間の暮らしと関わり、それを支えるさまざまな機能をもっています。水源のかん養、土砂災害の防止、木材やその他の資源の生産、レクリエーションや保健保養の場の提供などがそれで、それらを「森林の多面的機能」と呼んでいます。その中でも重要な役割のひとつが、気候システムの安定化、二酸化炭素の吸収による地球温暖化の緩和です。 気候変動による多面的機能への影響 森林は、多くの生物に欠かせない酸素を生みだしてくれるとともに、二酸化炭素の重要な吸収源です。また、樹木から炭を生産できることからもわかるように、樹木は炭素の貯蔵庫でもあります。森林の活力が失われたり、荒廃や消失をしてしまうと、温室効果ガスの吸収源としての機能が失われ、場合によっては、二酸化炭素を排出する元凶ともなってしまいかねません。 森林機能の喪失と温暖化の負のスパイラル 気候変動が森林におよぼす影響は、多岐にわたっています。生育の不良、樹種の変化、多様性の喪失、病虫害や獣害の増加、大雨や集中豪雨による土砂災害などです。気候変動が日本列島のいくつもの森林に影響をおよぼし、ひいてはそれぞれの森林の持つ多面的機能が減衰したり、喪失したりすることで、森林の活力が失われてしまうおそれもあります。天然林では、急速な分布域の変化が、地域的な特定種の絶滅などをもたらすことも考えられます。こうして、森林の活力が失われることによって、本来、森林が吸収するはずだった温室効果ガスを吸収することができなくなれば、さらなる地球温暖化を加速してしまうことにもなりかねません。そうした負のスパイラルへと陥らせないためにも、森林をそれぞれの目的に合わせて的確に保全することで、多面的機能を維持することが大切です。森林の利用・保全を進めるため、森林管理や林業の活力を高める対策が気候変動の緩和につながります。
森林の多面的機能とは、どのような機能をもっていますか。
森林の多面的機能には、自然生態系として生物の多様性を保持するというはたらきのほかにも、わたしたち人間の暮らしと関わり、それを支えるさまざまな機能をもっています。
JCRRAG_011624
地理
森林は、林業や特産物の生産のほか、水源のかん養、生物多様性の確保、土砂災害の抑止、そして気候変動の緩和といったいくつもの機能を持っています。気候変動が進むと、それらの機能にどのような影響が現れるのでしょうか? 森林のもつ多面的機能とは 森林には、自然生態系として生物の多様性を保持するというはたらきのほかにも、わたしたち人間の暮らしと関わり、それを支えるさまざまな機能をもっています。水源のかん養、土砂災害の防止、木材やその他の資源の生産、レクリエーションや保健保養の場の提供などがそれで、それらを「森林の多面的機能」と呼んでいます。その中でも重要な役割のひとつが、気候システムの安定化、二酸化炭素の吸収による地球温暖化の緩和です。 気候変動による多面的機能への影響 森林は、多くの生物に欠かせない酸素を生みだしてくれるとともに、二酸化炭素の重要な吸収源です。また、樹木から炭を生産できることからもわかるように、樹木は炭素の貯蔵庫でもあります。森林の活力が失われたり、荒廃や消失をしてしまうと、温室効果ガスの吸収源としての機能が失われ、場合によっては、二酸化炭素を排出する元凶ともなってしまいかねません。 森林機能の喪失と温暖化の負のスパイラル 気候変動が森林におよぼす影響は、多岐にわたっています。生育の不良、樹種の変化、多様性の喪失、病虫害や獣害の増加、大雨や集中豪雨による土砂災害などです。気候変動が日本列島のいくつもの森林に影響をおよぼし、ひいてはそれぞれの森林の持つ多面的機能が減衰したり、喪失したりすることで、森林の活力が失われてしまうおそれもあります。天然林では、急速な分布域の変化が、地域的な特定種の絶滅などをもたらすことも考えられます。こうして、森林の活力が失われることによって、本来、森林が吸収するはずだった温室効果ガスを吸収することができなくなれば、さらなる地球温暖化を加速してしまうことにもなりかねません。そうした負のスパイラルへと陥らせないためにも、森林をそれぞれの目的に合わせて的確に保全することで、多面的機能を維持することが大切です。森林の利用・保全を進めるため、森林管理や林業の活力を高める対策が気候変動の緩和につながります。
森林の多面的機能とはどのような機能ですか。
森林の多面的機能とは、水源のかん養、土砂災害の防止、木材やその他の資源の生産、レクリエーションや保健保養の場の提供などのことです。
JCRRAG_011625
地理
森林は、林業や特産物の生産のほか、水源のかん養、生物多様性の確保、土砂災害の抑止、そして気候変動の緩和といったいくつもの機能を持っています。気候変動が進むと、それらの機能にどのような影響が現れるのでしょうか? 森林のもつ多面的機能とは 森林には、自然生態系として生物の多様性を保持するというはたらきのほかにも、わたしたち人間の暮らしと関わり、それを支えるさまざまな機能をもっています。水源のかん養、土砂災害の防止、木材やその他の資源の生産、レクリエーションや保健保養の場の提供などがそれで、それらを「森林の多面的機能」と呼んでいます。その中でも重要な役割のひとつが、気候システムの安定化、二酸化炭素の吸収による地球温暖化の緩和です。 気候変動による多面的機能への影響 森林は、多くの生物に欠かせない酸素を生みだしてくれるとともに、二酸化炭素の重要な吸収源です。また、樹木から炭を生産できることからもわかるように、樹木は炭素の貯蔵庫でもあります。森林の活力が失われたり、荒廃や消失をしてしまうと、温室効果ガスの吸収源としての機能が失われ、場合によっては、二酸化炭素を排出する元凶ともなってしまいかねません。 森林機能の喪失と温暖化の負のスパイラル 気候変動が森林におよぼす影響は、多岐にわたっています。生育の不良、樹種の変化、多様性の喪失、病虫害や獣害の増加、大雨や集中豪雨による土砂災害などです。気候変動が日本列島のいくつもの森林に影響をおよぼし、ひいてはそれぞれの森林の持つ多面的機能が減衰したり、喪失したりすることで、森林の活力が失われてしまうおそれもあります。天然林では、急速な分布域の変化が、地域的な特定種の絶滅などをもたらすことも考えられます。こうして、森林の活力が失われることによって、本来、森林が吸収するはずだった温室効果ガスを吸収することができなくなれば、さらなる地球温暖化を加速してしまうことにもなりかねません。そうした負のスパイラルへと陥らせないためにも、森林をそれぞれの目的に合わせて的確に保全することで、多面的機能を維持することが大切です。森林の利用・保全を進めるため、森林管理や林業の活力を高める対策が気候変動の緩和につながります。
どのような対策が気候変動の緩和に繋がりますか。
森林管理や林業の活力を高める対策が気候変動の緩和につながります。
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地理
森林は、林業や特産物の生産のほか、水源のかん養、生物多様性の確保、土砂災害の抑止、そして気候変動の緩和といったいくつもの機能を持っています。気候変動が進むと、それらの機能にどのような影響が現れるのでしょうか? 森林のもつ多面的機能とは 森林には、自然生態系として生物の多様性を保持するというはたらきのほかにも、わたしたち人間の暮らしと関わり、それを支えるさまざまな機能をもっています。水源のかん養、土砂災害の防止、木材やその他の資源の生産、レクリエーションや保健保養の場の提供などがそれで、それらを「森林の多面的機能」と呼んでいます。その中でも重要な役割のひとつが、気候システムの安定化、二酸化炭素の吸収による地球温暖化の緩和です。 気候変動による多面的機能への影響 森林は、多くの生物に欠かせない酸素を生みだしてくれるとともに、二酸化炭素の重要な吸収源です。また、樹木から炭を生産できることからもわかるように、樹木は炭素の貯蔵庫でもあります。森林の活力が失われたり、荒廃や消失をしてしまうと、温室効果ガスの吸収源としての機能が失われ、場合によっては、二酸化炭素を排出する元凶ともなってしまいかねません。 森林機能の喪失と温暖化の負のスパイラル 気候変動が森林におよぼす影響は、多岐にわたっています。生育の不良、樹種の変化、多様性の喪失、病虫害や獣害の増加、大雨や集中豪雨による土砂災害などです。気候変動が日本列島のいくつもの森林に影響をおよぼし、ひいてはそれぞれの森林の持つ多面的機能が減衰したり、喪失したりすることで、森林の活力が失われてしまうおそれもあります。天然林では、急速な分布域の変化が、地域的な特定種の絶滅などをもたらすことも考えられます。こうして、森林の活力が失われることによって、本来、森林が吸収するはずだった温室効果ガスを吸収することができなくなれば、さらなる地球温暖化を加速してしまうことにもなりかねません。そうした負のスパイラルへと陥らせないためにも、森林をそれぞれの目的に合わせて的確に保全することで、多面的機能を維持することが大切です。森林の利用・保全を進めるため、森林管理や林業の活力を高める対策が気候変動の緩和につながります。
森林の活力が失われると、どのようになると危惧されますか。
森林の活力が失われることによって危惧されることは、本来、森林が吸収するはずだった温室効果ガスを吸収することができなくなれば、さらなる地球温暖化を加速してしまうことにもなりかねません。
JCRRAG_011627
地理
温暖化による生態系への影響のなかでも、高温で活動が促進される菌類や細菌そして昆虫は、人間の生活にもさまざまな影響をおよぼすことになります。これまで分布していなかった温度帯の地域にまで広がることで、森林の病虫害が活発化すると、林業への甚大な被害も招きかねません。 温暖化による被害の多発と広がり 昆虫や微生物の多くは、一般的に気温が高くなるとその活動が活発になっていきます。農作物における病虫害では、たとえば水稲では温暖化に伴って、籾枯れ細菌病が多発したり、籾から吸汁して質を落とすカメムシ類が増えたり、苗を食害するリンゴスクミガイ(ジャンボタニシ)の分布域が広がるなどの被害が予測されています。FAOによると、2015 年には、「温帯および亜寒帯を中心に約 4000万haの森林で病虫害や気象害が生じた」との報告があります。 線虫と昆虫が引き起こすマツ枯れ マツ材線虫病(マツ枯れ)は、マツ林に甚大な被害をおよぼす森林の病気です。もともと北米にいたマツノザイセンチュウという線虫が輸入される木材に紛れて、日本へ持ちこまれたようです。マツノザイセンチュウは、日本のアカマツやクロマツなどに感染し、木の組織に異常な反応を引き起こして、水を吸い上げる仮道管の閉塞や水切れを引き起こし、水を吸えなくなったマツを枯らしてしまいます。この線虫は、マツノマダラカミキリという昆虫を媒介者として、つぎつぎにマツの木に感染を広げていくマツ林にとって、おそるべき病気です。 温暖化でマツ枯れの分布が拡大 マツノマダラカミキリは、マツの木に産卵して食害をする害虫ですが、それ自体ではマツを枯らすことはありません。このカミキリムシが帰化種のマツノザイセンチュウと出会ったことで、マツ枯れが日本で拡大しました。それがいま温暖化によって、さらに拡大傾向にあります。もともとマツノマダラカミキリは低温下では、あまり活動が活発でありません。マツ枯れ自体も、冷涼な気候では発生しにくいとされ、高山帯や東北以北では、現在はまだあまり分布が広がっていません。それが、温暖化によってしだいに分布域を拡大させるのではないかと危惧されています。マツノザイセンチュウによるマツ枯れは日本だけの問題ではありません。国際的な物流で運ばれた線虫が温暖化によってさらに分布を広げることで、世界中のマツの仲間が危険にさらされています。
マツ材線虫病(マツ枯れ)とは、どのような病気ですか。
マツ材線虫病(マツ枯れ)は、マツ林に甚大な被害をおよぼす森林の病気です。
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地理
温暖化による生態系への影響のなかでも、高温で活動が促進される菌類や細菌そして昆虫は、人間の生活にもさまざまな影響をおよぼすことになります。これまで分布していなかった温度帯の地域にまで広がることで、森林の病虫害が活発化すると、林業への甚大な被害も招きかねません。 温暖化による被害の多発と広がり 昆虫や微生物の多くは、一般的に気温が高くなるとその活動が活発になっていきます。農作物における病虫害では、たとえば水稲では温暖化に伴って、籾枯れ細菌病が多発したり、籾から吸汁して質を落とすカメムシ類が増えたり、苗を食害するリンゴスクミガイ(ジャンボタニシ)の分布域が広がるなどの被害が予測されています。FAOによると、2015 年には、「温帯および亜寒帯を中心に約 4000万haの森林で病虫害や気象害が生じた」との報告があります。 線虫と昆虫が引き起こすマツ枯れ マツ材線虫病(マツ枯れ)は、マツ林に甚大な被害をおよぼす森林の病気です。もともと北米にいたマツノザイセンチュウという線虫が輸入される木材に紛れて、日本へ持ちこまれたようです。マツノザイセンチュウは、日本のアカマツやクロマツなどに感染し、木の組織に異常な反応を引き起こして、水を吸い上げる仮道管の閉塞や水切れを引き起こし、水を吸えなくなったマツを枯らしてしまいます。この線虫は、マツノマダラカミキリという昆虫を媒介者として、つぎつぎにマツの木に感染を広げていくマツ林にとって、おそるべき病気です。 温暖化でマツ枯れの分布が拡大 マツノマダラカミキリは、マツの木に産卵して食害をする害虫ですが、それ自体ではマツを枯らすことはありません。このカミキリムシが帰化種のマツノザイセンチュウと出会ったことで、マツ枯れが日本で拡大しました。それがいま温暖化によって、さらに拡大傾向にあります。もともとマツノマダラカミキリは低温下では、あまり活動が活発でありません。マツ枯れ自体も、冷涼な気候では発生しにくいとされ、高山帯や東北以北では、現在はまだあまり分布が広がっていません。それが、温暖化によってしだいに分布域を拡大させるのではないかと危惧されています。マツノザイセンチュウによるマツ枯れは日本だけの問題ではありません。国際的な物流で運ばれた線虫が温暖化によってさらに分布を広げることで、世界中のマツの仲間が危険にさらされています。
マツノザイセンチュウは、マツの木にどのような影響を引き起こしますか。
マツノザイセンチュウは、日本のアカマツやクロマツなどに感染し、木の組織に異常な反応を引き起こして、水を吸い上げる仮道管の閉塞や水切れを引き起こし、水を吸えなくなったマツを枯らしてしまいます。
JCRRAG_011629
地理
温暖化による生態系への影響のなかでも、高温で活動が促進される菌類や細菌そして昆虫は、人間の生活にもさまざまな影響をおよぼすことになります。これまで分布していなかった温度帯の地域にまで広がることで、森林の病虫害が活発化すると、林業への甚大な被害も招きかねません。 温暖化による被害の多発と広がり 昆虫や微生物の多くは、一般的に気温が高くなるとその活動が活発になっていきます。農作物における病虫害では、たとえば水稲では温暖化に伴って、籾枯れ細菌病が多発したり、籾から吸汁して質を落とすカメムシ類が増えたり、苗を食害するリンゴスクミガイ(ジャンボタニシ)の分布域が広がるなどの被害が予測されています。FAOによると、2015 年には、「温帯および亜寒帯を中心に約 4000万haの森林で病虫害や気象害が生じた」との報告があります。 線虫と昆虫が引き起こすマツ枯れ マツ材線虫病(マツ枯れ)は、マツ林に甚大な被害をおよぼす森林の病気です。もともと北米にいたマツノザイセンチュウという線虫が輸入される木材に紛れて、日本へ持ちこまれたようです。マツノザイセンチュウは、日本のアカマツやクロマツなどに感染し、木の組織に異常な反応を引き起こして、水を吸い上げる仮道管の閉塞や水切れを引き起こし、水を吸えなくなったマツを枯らしてしまいます。この線虫は、マツノマダラカミキリという昆虫を媒介者として、つぎつぎにマツの木に感染を広げていくマツ林にとって、おそるべき病気です。 温暖化でマツ枯れの分布が拡大 マツノマダラカミキリは、マツの木に産卵して食害をする害虫ですが、それ自体ではマツを枯らすことはありません。このカミキリムシが帰化種のマツノザイセンチュウと出会ったことで、マツ枯れが日本で拡大しました。それがいま温暖化によって、さらに拡大傾向にあります。もともとマツノマダラカミキリは低温下では、あまり活動が活発でありません。マツ枯れ自体も、冷涼な気候では発生しにくいとされ、高山帯や東北以北では、現在はまだあまり分布が広がっていません。それが、温暖化によってしだいに分布域を拡大させるのではないかと危惧されています。マツノザイセンチュウによるマツ枯れは日本だけの問題ではありません。国際的な物流で運ばれた線虫が温暖化によってさらに分布を広げることで、世界中のマツの仲間が危険にさらされています。
温暖化によってマツ枯れは、今後どうなると危惧されていますか。
温暖化によってしだいに分布域を拡大させるのではないかと危惧されています。
JCRRAG_011630
地理
温暖化に伴い、熱波や記録を更新するような高温、乾燥などが続くことで、世界各地で森林火災が起きています。森林火災はいちど起きると数週間ときには数カ月にわたって燃え続け森林と生物を消失させてしまいます。森林火災の現状についてみてみましょう。 日本での森林火災の原因と発生数 ひとたび森林火災が起きると、とくに乾燥地においては、その被害は甚大なものとなります。日本でも平均して1234件の山火事が発生し、毎年661haほどを焼失しています(2015〜2019年の平均 消防庁統計資料)。発生原因は、たき火の不始末が多く、ついで火入れや放火、タバコの不始末が続きます。日本は湿潤な気候なため、多くの場合人為的な原因による山火事になります。温暖化によって、その件数が増えているとはいえず、むしろ対策の強化によって減っている状況にあります。 世界での近年の森林火災の状況 世界に目を向けると、近年は大規模な山火事が多く発生しています。1997〜1998年にかけては、エル・ニーニョ現象による影響でブラジルやインドネシアで大規模な火災が発生し、それぞれ200〜300万ヘクタールの熱帯林が焼失しました。FAOによると2015 年には9800万haの森林が火災の影響を受け、とくに熱帯地域では全森林の4%が焼失するなど、森林火災による被害は激甚なものがあります。火災によって影響を受けた森林の3分の2以上がアフリカと南米で起きていることから、乾燥地帯への被害の偏りと今後の被害の増加が懸念されています。 森林火災が地球温暖化へ与える影響 世界全体での森林火災の発生数が、ことさらに近年増えているとはいえません。しかし、猛暑が続いての北米での森林火災や、2019〜2020年にかけてオーストラリアで半年近くも燃え続け多くの野生生物のいのちを失った森林火災、2021年カリフォルニア州での史上最大の森林火災など、少雨や日照りが続くことで乾燥地帯での森林火災が消火しにくくなったり、長期間続くことで、被害は深刻なものとなります。また、2020年には、冷温気候で湿気も多く、本来山火事が起きるはずのないシベリアのツンドラ地帯が熱波に襲われたことで、火災が起きたことは、研究者たちを驚かせました。森林が焼失すれば、それだけ温室効果ガスの吸収が少なくなります。負のスパイラルがさらなる森林火災を引き起こすことが懸念されます。
日本の山火事は、どのような原因によるものが多いですか。
日本の山火事の発生原因は、たき火の不始末が多く、ついで火入れや放火、タバコの不始末が続きます。
JCRRAG_011631
地理
温暖化に伴い、熱波や記録を更新するような高温、乾燥などが続くことで、世界各地で森林火災が起きています。森林火災はいちど起きると数週間ときには数カ月にわたって燃え続け森林と生物を消失させてしまいます。森林火災の現状についてみてみましょう。 日本での森林火災の原因と発生数 ひとたび森林火災が起きると、とくに乾燥地においては、その被害は甚大なものとなります。日本でも平均して1234件の山火事が発生し、毎年661haほどを焼失しています(2015〜2019年の平均 消防庁統計資料)。発生原因は、たき火の不始末が多く、ついで火入れや放火、タバコの不始末が続きます。日本は湿潤な気候なため、多くの場合人為的な原因による山火事になります。温暖化によって、その件数が増えているとはいえず、むしろ対策の強化によって減っている状況にあります。 世界での近年の森林火災の状況 世界に目を向けると、近年は大規模な山火事が多く発生しています。1997〜1998年にかけては、エル・ニーニョ現象による影響でブラジルやインドネシアで大規模な火災が発生し、それぞれ200〜300万ヘクタールの熱帯林が焼失しました。FAOによると2015 年には9800万haの森林が火災の影響を受け、とくに熱帯地域では全森林の4%が焼失するなど、森林火災による被害は激甚なものがあります。火災によって影響を受けた森林の3分の2以上がアフリカと南米で起きていることから、乾燥地帯への被害の偏りと今後の被害の増加が懸念されています。 森林火災が地球温暖化へ与える影響 世界全体での森林火災の発生数が、ことさらに近年増えているとはいえません。しかし、猛暑が続いての北米での森林火災や、2019〜2020年にかけてオーストラリアで半年近くも燃え続け多くの野生生物のいのちを失った森林火災、2021年カリフォルニア州での史上最大の森林火災など、少雨や日照りが続くことで乾燥地帯での森林火災が消火しにくくなったり、長期間続くことで、被害は深刻なものとなります。また、2020年には、冷温気候で湿気も多く、本来山火事が起きるはずのないシベリアのツンドラ地帯が熱波に襲われたことで、火災が起きたことは、研究者たちを驚かせました。森林が焼失すれば、それだけ温室効果ガスの吸収が少なくなります。負のスパイラルがさらなる森林火災を引き起こすことが懸念されます。
日本では、山火事の件数は近年どうなっているか。
近年の日本の山火事件数は、温暖化によって、その件数が増えているとはいえず、むしろ対策の強化によって減っている状況にあります。
JCRRAG_011632
地理
温暖化に伴い、熱波や記録を更新するような高温、乾燥などが続くことで、世界各地で森林火災が起きています。森林火災はいちど起きると数週間ときには数カ月にわたって燃え続け森林と生物を消失させてしまいます。森林火災の現状についてみてみましょう。 日本での森林火災の原因と発生数 ひとたび森林火災が起きると、とくに乾燥地においては、その被害は甚大なものとなります。日本でも平均して1234件の山火事が発生し、毎年661haほどを焼失しています(2015〜2019年の平均 消防庁統計資料)。発生原因は、たき火の不始末が多く、ついで火入れや放火、タバコの不始末が続きます。日本は湿潤な気候なため、多くの場合人為的な原因による山火事になります。温暖化によって、その件数が増えているとはいえず、むしろ対策の強化によって減っている状況にあります。 世界での近年の森林火災の状況 世界に目を向けると、近年は大規模な山火事が多く発生しています。1997〜1998年にかけては、エル・ニーニョ現象による影響でブラジルやインドネシアで大規模な火災が発生し、それぞれ200〜300万ヘクタールの熱帯林が焼失しました。FAOによると2015 年には9800万haの森林が火災の影響を受け、とくに熱帯地域では全森林の4%が焼失するなど、森林火災による被害は激甚なものがあります。火災によって影響を受けた森林の3分の2以上がアフリカと南米で起きていることから、乾燥地帯への被害の偏りと今後の被害の増加が懸念されています。 森林火災が地球温暖化へ与える影響 世界全体での森林火災の発生数が、ことさらに近年増えているとはいえません。しかし、猛暑が続いての北米での森林火災や、2019〜2020年にかけてオーストラリアで半年近くも燃え続け多くの野生生物のいのちを失った森林火災、2021年カリフォルニア州での史上最大の森林火災など、少雨や日照りが続くことで乾燥地帯での森林火災が消火しにくくなったり、長期間続くことで、被害は深刻なものとなります。また、2020年には、冷温気候で湿気も多く、本来山火事が起きるはずのないシベリアのツンドラ地帯が熱波に襲われたことで、火災が起きたことは、研究者たちを驚かせました。森林が焼失すれば、それだけ温室効果ガスの吸収が少なくなります。負のスパイラルがさらなる森林火災を引き起こすことが懸念されます。
シベリアのツンドラ地帯では、2020年に何が原因で火災が起きましたか。
シベリアのツンドラ地帯では、2020年に本来山火事が起きるはずのない熱波に襲われたことで、火災が起きました。
JCRRAG_011633
地理
温暖化に伴い、熱波や記録を更新するような高温、乾燥などが続くことで、世界各地で森林火災が起きています。森林火災はいちど起きると数週間ときには数カ月にわたって燃え続け森林と生物を消失させてしまいます。森林火災の現状についてみてみましょう。 日本での森林火災の原因と発生数 ひとたび森林火災が起きると、とくに乾燥地においては、その被害は甚大なものとなります。日本でも平均して1234件の山火事が発生し、毎年661haほどを焼失しています(2015〜2019年の平均 消防庁統計資料)。発生原因は、たき火の不始末が多く、ついで火入れや放火、タバコの不始末が続きます。日本は湿潤な気候なため、多くの場合人為的な原因による山火事になります。温暖化によって、その件数が増えているとはいえず、むしろ対策の強化によって減っている状況にあります。 世界での近年の森林火災の状況 世界に目を向けると、近年は大規模な山火事が多く発生しています。1997〜1998年にかけては、エル・ニーニョ現象による影響でブラジルやインドネシアで大規模な火災が発生し、それぞれ200〜300万ヘクタールの熱帯林が焼失しました。FAOによると2015 年には9800万haの森林が火災の影響を受け、とくに熱帯地域では全森林の4%が焼失するなど、森林火災による被害は激甚なものがあります。火災によって影響を受けた森林の3分の2以上がアフリカと南米で起きていることから、乾燥地帯への被害の偏りと今後の被害の増加が懸念されています。 森林火災が地球温暖化へ与える影響 世界全体での森林火災の発生数が、ことさらに近年増えているとはいえません。しかし、猛暑が続いての北米での森林火災や、2019〜2020年にかけてオーストラリアで半年近くも燃え続け多くの野生生物のいのちを失った森林火災、2021年カリフォルニア州での史上最大の森林火災など、少雨や日照りが続くことで乾燥地帯での森林火災が消火しにくくなったり、長期間続くことで、被害は深刻なものとなります。また、2020年には、冷温気候で湿気も多く、本来山火事が起きるはずのないシベリアのツンドラ地帯が熱波に襲われたことで、火災が起きたことは、研究者たちを驚かせました。森林が焼失すれば、それだけ温室効果ガスの吸収が少なくなります。負のスパイラルがさらなる森林火災を引き起こすことが懸念されます。
森林火災によって、どのような懸念がありますか。
森林火災による懸念は負のスパイラルがさらなる森林火災を引き起こすことです。
JCRRAG_011634
地理
地球が温暖化することで、いま極地の氷が融け、氷河が少しずつ消失してきています。また、凍土が融けだすことで、大地がゆがみ、また融けた水が太陽エネルギーを吸収してさらに氷を融かしてしまいます。気候や土壌が変化した北方林では、どのような影響がでているのでしょうか。 永久凍土とシベリアの針葉樹林帯 永久凍土とは、2年以上にわたり気温が0℃を上回ることのない大地のことをいいます。北半球の陸域のおよそ25パーセントにあたる範囲に永久凍土が広がっています。永久凍土には、コケや草からなるツンドラ地帯のほか、カラマツなどの樹種を主体とした針葉樹林帯が広がっています。これらの針葉樹林帯を含む亜寒帯の森林面積は世界の27パーセントを占めています。低温で分解速度の遅い永久凍土には、多くの有機物が凍ったまま保存されています。 地球温暖化の永久凍土や針葉樹林帯への影響 温暖化によって、気温が0℃を上回る年がでてくることで、永久凍土が融けるという影響がではじめています。永久凍土が融けると有機物、すなわち炭素が分解されて、放出されてしまいます。二酸化炭素やメタンの放出は、温室効果ガスの濃度を高めます。反面、温暖化によって北方の森林はこれまで以上に活性化し、光合成を活発に行うことで、大気中の二酸化炭素の吸収が増加するとの研究もあります。放出と吸収のバランスがどのように変化するかは、これからもしっかりと調査を続けていく必要があります。 吸収量が増えるのか?温暖化が促進されるのか? 凍土の融解が、どのような影響をおよぼすか、その全体像は、まだはっきりとはみえていません。とはいえ、凍土の融解は樹林植生に変化をもたらすだろうことは明らかです。東シベリアのカラマツ林について温暖化の影響を予測した海洋研究開発機構の報告によると、凍土が融けることで、シベリア全体が湿潤化し、カラマツ林の総体としての植物生産量は増加するだろうとしています。反面、カラマツの落枝落葉が凍土の雪面を覆うことで日射吸収率が高まり、温暖化が促進される可能性もあります。太陽のエネルギーは、氷の地表よりも水面のほうが吸収しやすいことから、水たまりが多くできると地表面の温度も上がりやすくなります。冷温な気候が凍らせていた大地が融けはじめることで、北方林にどのような影響が現れるか、今後も監視が必要です。
永久凍土とは、どのような大地のことをいいますか。
永久凍土とは、2年以上にわたり気温が0℃を上回ることのない大地のことをいいます。
JCRRAG_011635
地理
地球が温暖化することで、いま極地の氷が融け、氷河が少しずつ消失してきています。また、凍土が融けだすことで、大地がゆがみ、また融けた水が太陽エネルギーを吸収してさらに氷を融かしてしまいます。気候や土壌が変化した北方林では、どのような影響がでているのでしょうか。 永久凍土とシベリアの針葉樹林帯 永久凍土とは、2年以上にわたり気温が0℃を上回ることのない大地のことをいいます。北半球の陸域のおよそ25パーセントにあたる範囲に永久凍土が広がっています。永久凍土には、コケや草からなるツンドラ地帯のほか、カラマツなどの樹種を主体とした針葉樹林帯が広がっています。これらの針葉樹林帯を含む亜寒帯の森林面積は世界の27パーセントを占めています。低温で分解速度の遅い永久凍土には、多くの有機物が凍ったまま保存されています。 地球温暖化の永久凍土や針葉樹林帯への影響 温暖化によって、気温が0℃を上回る年がでてくることで、永久凍土が融けるという影響がではじめています。永久凍土が融けると有機物、すなわち炭素が分解されて、放出されてしまいます。二酸化炭素やメタンの放出は、温室効果ガスの濃度を高めます。反面、温暖化によって北方の森林はこれまで以上に活性化し、光合成を活発に行うことで、大気中の二酸化炭素の吸収が増加するとの研究もあります。放出と吸収のバランスがどのように変化するかは、これからもしっかりと調査を続けていく必要があります。 吸収量が増えるのか?温暖化が促進されるのか? 凍土の融解が、どのような影響をおよぼすか、その全体像は、まだはっきりとはみえていません。とはいえ、凍土の融解は樹林植生に変化をもたらすだろうことは明らかです。東シベリアのカラマツ林について温暖化の影響を予測した海洋研究開発機構の報告によると、凍土が融けることで、シベリア全体が湿潤化し、カラマツ林の総体としての植物生産量は増加するだろうとしています。反面、カラマツの落枝落葉が凍土の雪面を覆うことで日射吸収率が高まり、温暖化が促進される可能性もあります。太陽のエネルギーは、氷の地表よりも水面のほうが吸収しやすいことから、水たまりが多くできると地表面の温度も上がりやすくなります。冷温な気候が凍らせていた大地が融けはじめることで、北方林にどのような影響が現れるか、今後も監視が必要です。
永久凍土が融けると、どのような影響がありますか。
永久凍土が融けると有機物、すなわち炭素が分解されて、放出されてしまいます。
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地理
地球が温暖化することで、いま極地の氷が融け、氷河が少しずつ消失してきています。また、凍土が融けだすことで、大地がゆがみ、また融けた水が太陽エネルギーを吸収してさらに氷を融かしてしまいます。気候や土壌が変化した北方林では、どのような影響がでているのでしょうか。 永久凍土とシベリアの針葉樹林帯 永久凍土とは、2年以上にわたり気温が0℃を上回ることのない大地のことをいいます。北半球の陸域のおよそ25パーセントにあたる範囲に永久凍土が広がっています。永久凍土には、コケや草からなるツンドラ地帯のほか、カラマツなどの樹種を主体とした針葉樹林帯が広がっています。これらの針葉樹林帯を含む亜寒帯の森林面積は世界の27パーセントを占めています。低温で分解速度の遅い永久凍土には、多くの有機物が凍ったまま保存されています。 地球温暖化の永久凍土や針葉樹林帯への影響 温暖化によって、気温が0℃を上回る年がでてくることで、永久凍土が融けるという影響がではじめています。永久凍土が融けると有機物、すなわち炭素が分解されて、放出されてしまいます。二酸化炭素やメタンの放出は、温室効果ガスの濃度を高めます。反面、温暖化によって北方の森林はこれまで以上に活性化し、光合成を活発に行うことで、大気中の二酸化炭素の吸収が増加するとの研究もあります。放出と吸収のバランスがどのように変化するかは、これからもしっかりと調査を続けていく必要があります。 吸収量が増えるのか?温暖化が促進されるのか? 凍土の融解が、どのような影響をおよぼすか、その全体像は、まだはっきりとはみえていません。とはいえ、凍土の融解は樹林植生に変化をもたらすだろうことは明らかです。東シベリアのカラマツ林について温暖化の影響を予測した海洋研究開発機構の報告によると、凍土が融けることで、シベリア全体が湿潤化し、カラマツ林の総体としての植物生産量は増加するだろうとしています。反面、カラマツの落枝落葉が凍土の雪面を覆うことで日射吸収率が高まり、温暖化が促進される可能性もあります。太陽のエネルギーは、氷の地表よりも水面のほうが吸収しやすいことから、水たまりが多くできると地表面の温度も上がりやすくなります。冷温な気候が凍らせていた大地が融けはじめることで、北方林にどのような影響が現れるか、今後も監視が必要です。
温暖化によって北方の森林では、どのような活動が増加するとの研究がありますか。
温暖化によって北方の森林はこれまで以上に活性化し、光合成を活発に行うことで、大気中の二酸化炭素の吸収が増加するとの研究もあります。
JCRRAG_011637
地理
地球が温暖化することで、いま極地の氷が融け、氷河が少しずつ消失してきています。また、凍土が融けだすことで、大地がゆがみ、また融けた水が太陽エネルギーを吸収してさらに氷を融かしてしまいます。気候や土壌が変化した北方林では、どのような影響がでているのでしょうか。 永久凍土とシベリアの針葉樹林帯 永久凍土とは、2年以上にわたり気温が0℃を上回ることのない大地のことをいいます。北半球の陸域のおよそ25パーセントにあたる範囲に永久凍土が広がっています。永久凍土には、コケや草からなるツンドラ地帯のほか、カラマツなどの樹種を主体とした針葉樹林帯が広がっています。これらの針葉樹林帯を含む亜寒帯の森林面積は世界の27パーセントを占めています。低温で分解速度の遅い永久凍土には、多くの有機物が凍ったまま保存されています。 地球温暖化の永久凍土や針葉樹林帯への影響 温暖化によって、気温が0℃を上回る年がでてくることで、永久凍土が融けるという影響がではじめています。永久凍土が融けると有機物、すなわち炭素が分解されて、放出されてしまいます。二酸化炭素やメタンの放出は、温室効果ガスの濃度を高めます。反面、温暖化によって北方の森林はこれまで以上に活性化し、光合成を活発に行うことで、大気中の二酸化炭素の吸収が増加するとの研究もあります。放出と吸収のバランスがどのように変化するかは、これからもしっかりと調査を続けていく必要があります。 吸収量が増えるのか?温暖化が促進されるのか? 凍土の融解が、どのような影響をおよぼすか、その全体像は、まだはっきりとはみえていません。とはいえ、凍土の融解は樹林植生に変化をもたらすだろうことは明らかです。東シベリアのカラマツ林について温暖化の影響を予測した海洋研究開発機構の報告によると、凍土が融けることで、シベリア全体が湿潤化し、カラマツ林の総体としての植物生産量は増加するだろうとしています。反面、カラマツの落枝落葉が凍土の雪面を覆うことで日射吸収率が高まり、温暖化が促進される可能性もあります。太陽のエネルギーは、氷の地表よりも水面のほうが吸収しやすいことから、水たまりが多くできると地表面の温度も上がりやすくなります。冷温な気候が凍らせていた大地が融けはじめることで、北方林にどのような影響が現れるか、今後も監視が必要です。
カラマツの落枝落葉は、温暖化にどのような影響を与える可能性がありますか。
カラマツの落枝落葉が凍土の雪面を覆うことで日射吸収率が高まり、温暖化が促進される可能性もあります。
JCRRAG_011638
地理
プロジェクトで得られた主要な教訓 東日本大震災から教訓として導き出された、主な成功事例と課題は以下の通りである。 巨大災害に対する総合的な災害リスク管理 巨大災害が引き起こす複合的な問題には、特定分野の防災計画だけでは対応しきれない。日本は構造物および非構造物対策に投資し、過去の災害で得られた知識・教訓を活かす文化を育み、優れた法制度組織を整備し、官民および自治体から国際機関まで及ぶ多様な関係者間の協力を得て、災害に強い社会をつくる努力を続けてきた。日本は今回の震災を受けて、複合するリスクや予測を上回るリスクがあることを認識し、次の巨大災害への対策を検討し始めている。災害規模が想定を超えても、直ちには破壊されずに粘り強く防災効果を発揮するような対策を指す。たとえ頻度が低くとも甚大な被害をもたらす災害に対処すべく、日本はこれまで以上の努力を費やす予定である。 防災の投資効率と想定を上回る災害への対策 今回の災害においては、これまで着実に進められてきた対策のおかげで、建造物や人命は地震の揺れからは効果的に守られた。また、新幹線に関しては、地震波を感知する最先端のシステムが的確に作動し、地震発生時に走行していたすべての新幹線が死傷者を一切出さずに安全に停車している。しかし、その後襲ってきた津波により甚大な被害が発生した。被災地に建設された海岸堤防は延長300キロのうち190キロが津波によって破壊されてしまい、堤防は一部の地域では津波による浸水を防ぎ、水深を低下させ、到来を遅らせることができたという効果も勿論あったが、構造物に過度に依存した防災対策には限界があるということが露呈した。このように、地震や津波の予測には常に不確実さが伴うため、構造物と非構造物をうまく組み合わせた対策が必要であるということが明らかになった。 あらゆる規模の津波に備えるために堤防を20~30メートルの高さにまで築き上げるのは、財政、環境、社会等の面から現実的ではない。日本政府は防災政策の改革を進め、頻繁に起こる津波には構造物主体で、巨大津波防災には非構造物対策を組み込み、災害のリスクを総合的に管理しようとしている。自然災害のリスクを完全に取り除くことはできないと認識し、地域社会での避難など防災活動に、政府レベルでの教育や保険、財政、土地利用や建築物の規制など多重に防御策を組み合わせるべきである。 過去の災害からの教訓―日本の2000年が示すもの 日本では災害が起きるたびに教訓を学び、政策、法律、組織制度、投資および意志決定プロセス、さらには地域社会や個人の行動までも改善してきた。今回の震災により大きな被害が出てしまったことは事実であるが、それでも防災への投資と防災意識の育成に努めてきた文化は、今回も東北で有効に機能したと言える。死亡率は1896年の明治・三陸津波では40%であったが、東日本大震災では4%に低下している2。日本中の学校で実施している避難訓練と防災教育によって、釜石市では子どもたちの生命を守り抜くことに成功した。有名な「釜石の奇跡」は実際には奇跡などではなく、継続的な学習により災害に強い社会をつくり防災意識を育もうとする文化の中で続けられてきた、たゆまぬ努力の賜物なのである。 災害リスク管理における地域社会の役割と官民による連携 日本の防災体制は、災害の防止、緩和、準備および緊急対応、復旧と復興までの全ての段階を網羅している。また、国と地方自治体の役割と責任が規定され、官民の関係者が参加する。この包括的なアプローチにより、2011年の震災でも被災地以外の広い地域のさまざまな組織から迅速かつ効果的に人員を動員できた。一方、後述する調整の問題点も露呈した。今後起こりうる巨大災害に備えるために地域防災計画が見直され、新たな施策が提案されている。 日本の中央政府は主導的な役割を担っているものの、一義的に災害リスク管理の責任を負っているのは自治体である。例えば構造物対策について、国は財政支援、技術ガイドラインおよびマニュアルの策定、計画・設計・維持管理に当たる職員への訓練など、自治体を支援している。 地域社会に根ざした住民組織が防災訓練、防災教育などの活動を長年にわたり実施してきた。こうした活動が、今回の震災では緊急対応に活かされた。地域社会が中心となる防災は、日本人の日常生活の一部として根付いており、大災害の発生した日を記念日とし、防災訓練を行い、祭りや学校行事でも啓発活動を行うなどして、自然災害に対する警戒心を持ち続けようとしている。地域社会の役割は法律により防災対策の一部として定められ、自治体と国が自治会や自主防災組織、消防団などを支援している。 3月11日には津波警報が津波の高さを低めに予測し、防災無線が故障し、津波が海岸堤防を破壊しつつ襲い掛かる中、消防団など地域社会が最前線で津波に対することとなった。地域社会が関係者とも協議して、ソフト、ハードの対策、投資、教育および訓練を行いながら、自ら災害に備えることが必要である。
日本では災害が起きるたびに何を改善してきたのですか。
日本では災害が起きるたびに教訓を学び、政策、法律、組織制度、投資および意志決定プロセス、さらには地域社会や個人の行動までも改善してきた。
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地理
プロジェクトで得られた主要な教訓 東日本大震災から教訓として導き出された、主な成功事例と課題は以下の通りである。 巨大災害に対する総合的な災害リスク管理 巨大災害が引き起こす複合的な問題には、特定分野の防災計画だけでは対応しきれない。日本は構造物および非構造物対策に投資し、過去の災害で得られた知識・教訓を活かす文化を育み、優れた法制度組織を整備し、官民および自治体から国際機関まで及ぶ多様な関係者間の協力を得て、災害に強い社会をつくる努力を続けてきた。日本は今回の震災を受けて、複合するリスクや予測を上回るリスクがあることを認識し、次の巨大災害への対策を検討し始めている。災害規模が想定を超えても、直ちには破壊されずに粘り強く防災効果を発揮するような対策を指す。たとえ頻度が低くとも甚大な被害をもたらす災害に対処すべく、日本はこれまで以上の努力を費やす予定である。 防災の投資効率と想定を上回る災害への対策 今回の災害においては、これまで着実に進められてきた対策のおかげで、建造物や人命は地震の揺れからは効果的に守られた。また、新幹線に関しては、地震波を感知する最先端のシステムが的確に作動し、地震発生時に走行していたすべての新幹線が死傷者を一切出さずに安全に停車している。しかし、その後襲ってきた津波により甚大な被害が発生した。被災地に建設された海岸堤防は延長300キロのうち190キロが津波によって破壊されてしまい、堤防は一部の地域では津波による浸水を防ぎ、水深を低下させ、到来を遅らせることができたという効果も勿論あったが、構造物に過度に依存した防災対策には限界があるということが露呈した。このように、地震や津波の予測には常に不確実さが伴うため、構造物と非構造物をうまく組み合わせた対策が必要であるということが明らかになった。 あらゆる規模の津波に備えるために堤防を20~30メートルの高さにまで築き上げるのは、財政、環境、社会等の面から現実的ではない。日本政府は防災政策の改革を進め、頻繁に起こる津波には構造物主体で、巨大津波防災には非構造物対策を組み込み、災害のリスクを総合的に管理しようとしている。自然災害のリスクを完全に取り除くことはできないと認識し、地域社会での避難など防災活動に、政府レベルでの教育や保険、財政、土地利用や建築物の規制など多重に防御策を組み合わせるべきである。 過去の災害からの教訓―日本の2000年が示すもの 日本では災害が起きるたびに教訓を学び、政策、法律、組織制度、投資および意志決定プロセス、さらには地域社会や個人の行動までも改善してきた。今回の震災により大きな被害が出てしまったことは事実であるが、それでも防災への投資と防災意識の育成に努めてきた文化は、今回も東北で有効に機能したと言える。死亡率は1896年の明治・三陸津波では40%であったが、東日本大震災では4%に低下している2。日本中の学校で実施している避難訓練と防災教育によって、釜石市では子どもたちの生命を守り抜くことに成功した。有名な「釜石の奇跡」は実際には奇跡などではなく、継続的な学習により災害に強い社会をつくり防災意識を育もうとする文化の中で続けられてきた、たゆまぬ努力の賜物なのである。 災害リスク管理における地域社会の役割と官民による連携 日本の防災体制は、災害の防止、緩和、準備および緊急対応、復旧と復興までの全ての段階を網羅している。また、国と地方自治体の役割と責任が規定され、官民の関係者が参加する。この包括的なアプローチにより、2011年の震災でも被災地以外の広い地域のさまざまな組織から迅速かつ効果的に人員を動員できた。一方、後述する調整の問題点も露呈した。今後起こりうる巨大災害に備えるために地域防災計画が見直され、新たな施策が提案されている。 日本の中央政府は主導的な役割を担っているものの、一義的に災害リスク管理の責任を負っているのは自治体である。例えば構造物対策について、国は財政支援、技術ガイドラインおよびマニュアルの策定、計画・設計・維持管理に当たる職員への訓練など、自治体を支援している。 地域社会に根ざした住民組織が防災訓練、防災教育などの活動を長年にわたり実施してきた。こうした活動が、今回の震災では緊急対応に活かされた。地域社会が中心となる防災は、日本人の日常生活の一部として根付いており、大災害の発生した日を記念日とし、防災訓練を行い、祭りや学校行事でも啓発活動を行うなどして、自然災害に対する警戒心を持ち続けようとしている。地域社会の役割は法律により防災対策の一部として定められ、自治体と国が自治会や自主防災組織、消防団などを支援している。 3月11日には津波警報が津波の高さを低めに予測し、防災無線が故障し、津波が海岸堤防を破壊しつつ襲い掛かる中、消防団など地域社会が最前線で津波に対することとなった。地域社会が関係者とも協議して、ソフト、ハードの対策、投資、教育および訓練を行いながら、自ら災害に備えることが必要である。
地震や津波の予測には常に何が伴うのですか。
地震や津波の予測には常に不確実さが伴う。
JCRRAG_011640
地理
プロジェクトで得られた主要な教訓 東日本大震災から教訓として導き出された、主な成功事例と課題は以下の通りである。 巨大災害に対する総合的な災害リスク管理 巨大災害が引き起こす複合的な問題には、特定分野の防災計画だけでは対応しきれない。日本は構造物および非構造物対策に投資し、過去の災害で得られた知識・教訓を活かす文化を育み、優れた法制度組織を整備し、官民および自治体から国際機関まで及ぶ多様な関係者間の協力を得て、災害に強い社会をつくる努力を続けてきた。日本は今回の震災を受けて、複合するリスクや予測を上回るリスクがあることを認識し、次の巨大災害への対策を検討し始めている。災害規模が想定を超えても、直ちには破壊されずに粘り強く防災効果を発揮するような対策を指す。たとえ頻度が低くとも甚大な被害をもたらす災害に対処すべく、日本はこれまで以上の努力を費やす予定である。 防災の投資効率と想定を上回る災害への対策 今回の災害においては、これまで着実に進められてきた対策のおかげで、建造物や人命は地震の揺れからは効果的に守られた。また、新幹線に関しては、地震波を感知する最先端のシステムが的確に作動し、地震発生時に走行していたすべての新幹線が死傷者を一切出さずに安全に停車している。しかし、その後襲ってきた津波により甚大な被害が発生した。被災地に建設された海岸堤防は延長300キロのうち190キロが津波によって破壊されてしまい、堤防は一部の地域では津波による浸水を防ぎ、水深を低下させ、到来を遅らせることができたという効果も勿論あったが、構造物に過度に依存した防災対策には限界があるということが露呈した。このように、地震や津波の予測には常に不確実さが伴うため、構造物と非構造物をうまく組み合わせた対策が必要であるということが明らかになった。 あらゆる規模の津波に備えるために堤防を20~30メートルの高さにまで築き上げるのは、財政、環境、社会等の面から現実的ではない。日本政府は防災政策の改革を進め、頻繁に起こる津波には構造物主体で、巨大津波防災には非構造物対策を組み込み、災害のリスクを総合的に管理しようとしている。自然災害のリスクを完全に取り除くことはできないと認識し、地域社会での避難など防災活動に、政府レベルでの教育や保険、財政、土地利用や建築物の規制など多重に防御策を組み合わせるべきである。 過去の災害からの教訓―日本の2000年が示すもの 日本では災害が起きるたびに教訓を学び、政策、法律、組織制度、投資および意志決定プロセス、さらには地域社会や個人の行動までも改善してきた。今回の震災により大きな被害が出てしまったことは事実であるが、それでも防災への投資と防災意識の育成に努めてきた文化は、今回も東北で有効に機能したと言える。死亡率は1896年の明治・三陸津波では40%であったが、東日本大震災では4%に低下している2。日本中の学校で実施している避難訓練と防災教育によって、釜石市では子どもたちの生命を守り抜くことに成功した。有名な「釜石の奇跡」は実際には奇跡などではなく、継続的な学習により災害に強い社会をつくり防災意識を育もうとする文化の中で続けられてきた、たゆまぬ努力の賜物なのである。 災害リスク管理における地域社会の役割と官民による連携 日本の防災体制は、災害の防止、緩和、準備および緊急対応、復旧と復興までの全ての段階を網羅している。また、国と地方自治体の役割と責任が規定され、官民の関係者が参加する。この包括的なアプローチにより、2011年の震災でも被災地以外の広い地域のさまざまな組織から迅速かつ効果的に人員を動員できた。一方、後述する調整の問題点も露呈した。今後起こりうる巨大災害に備えるために地域防災計画が見直され、新たな施策が提案されている。 日本の中央政府は主導的な役割を担っているものの、一義的に災害リスク管理の責任を負っているのは自治体である。例えば構造物対策について、国は財政支援、技術ガイドラインおよびマニュアルの策定、計画・設計・維持管理に当たる職員への訓練など、自治体を支援している。 地域社会に根ざした住民組織が防災訓練、防災教育などの活動を長年にわたり実施してきた。こうした活動が、今回の震災では緊急対応に活かされた。地域社会が中心となる防災は、日本人の日常生活の一部として根付いており、大災害の発生した日を記念日とし、防災訓練を行い、祭りや学校行事でも啓発活動を行うなどして、自然災害に対する警戒心を持ち続けようとしている。地域社会の役割は法律により防災対策の一部として定められ、自治体と国が自治会や自主防災組織、消防団などを支援している。 3月11日には津波警報が津波の高さを低めに予測し、防災無線が故障し、津波が海岸堤防を破壊しつつ襲い掛かる中、消防団など地域社会が最前線で津波に対することとなった。地域社会が関係者とも協議して、ソフト、ハードの対策、投資、教育および訓練を行いながら、自ら災害に備えることが必要である。
「釜石の奇跡」はどのようなものの結果ですか。
「釜石の奇跡」は実際には奇跡などではなく、継続的な学習により災害に強い社会をつくり防災意識を育もうとする文化の中で続けられてきた、たゆまぬ努力の賜物なのである。
JCRRAG_011641
地理
プロジェクトで得られた主要な教訓 東日本大震災から教訓として導き出された、主な成功事例と課題は以下の通りである。 巨大災害に対する総合的な災害リスク管理 巨大災害が引き起こす複合的な問題には、特定分野の防災計画だけでは対応しきれない。日本は構造物および非構造物対策に投資し、過去の災害で得られた知識・教訓を活かす文化を育み、優れた法制度組織を整備し、官民および自治体から国際機関まで及ぶ多様な関係者間の協力を得て、災害に強い社会をつくる努力を続けてきた。日本は今回の震災を受けて、複合するリスクや予測を上回るリスクがあることを認識し、次の巨大災害への対策を検討し始めている。災害規模が想定を超えても、直ちには破壊されずに粘り強く防災効果を発揮するような対策を指す。たとえ頻度が低くとも甚大な被害をもたらす災害に対処すべく、日本はこれまで以上の努力を費やす予定である。 防災の投資効率と想定を上回る災害への対策 今回の災害においては、これまで着実に進められてきた対策のおかげで、建造物や人命は地震の揺れからは効果的に守られた。また、新幹線に関しては、地震波を感知する最先端のシステムが的確に作動し、地震発生時に走行していたすべての新幹線が死傷者を一切出さずに安全に停車している。しかし、その後襲ってきた津波により甚大な被害が発生した。被災地に建設された海岸堤防は延長300キロのうち190キロが津波によって破壊されてしまい、堤防は一部の地域では津波による浸水を防ぎ、水深を低下させ、到来を遅らせることができたという効果も勿論あったが、構造物に過度に依存した防災対策には限界があるということが露呈した。このように、地震や津波の予測には常に不確実さが伴うため、構造物と非構造物をうまく組み合わせた対策が必要であるということが明らかになった。 あらゆる規模の津波に備えるために堤防を20~30メートルの高さにまで築き上げるのは、財政、環境、社会等の面から現実的ではない。日本政府は防災政策の改革を進め、頻繁に起こる津波には構造物主体で、巨大津波防災には非構造物対策を組み込み、災害のリスクを総合的に管理しようとしている。自然災害のリスクを完全に取り除くことはできないと認識し、地域社会での避難など防災活動に、政府レベルでの教育や保険、財政、土地利用や建築物の規制など多重に防御策を組み合わせるべきである。 過去の災害からの教訓―日本の2000年が示すもの 日本では災害が起きるたびに教訓を学び、政策、法律、組織制度、投資および意志決定プロセス、さらには地域社会や個人の行動までも改善してきた。今回の震災により大きな被害が出てしまったことは事実であるが、それでも防災への投資と防災意識の育成に努めてきた文化は、今回も東北で有効に機能したと言える。死亡率は1896年の明治・三陸津波では40%であったが、東日本大震災では4%に低下している2。日本中の学校で実施している避難訓練と防災教育によって、釜石市では子どもたちの生命を守り抜くことに成功した。有名な「釜石の奇跡」は実際には奇跡などではなく、継続的な学習により災害に強い社会をつくり防災意識を育もうとする文化の中で続けられてきた、たゆまぬ努力の賜物なのである。 災害リスク管理における地域社会の役割と官民による連携 日本の防災体制は、災害の防止、緩和、準備および緊急対応、復旧と復興までの全ての段階を網羅している。また、国と地方自治体の役割と責任が規定され、官民の関係者が参加する。この包括的なアプローチにより、2011年の震災でも被災地以外の広い地域のさまざまな組織から迅速かつ効果的に人員を動員できた。一方、後述する調整の問題点も露呈した。今後起こりうる巨大災害に備えるために地域防災計画が見直され、新たな施策が提案されている。 日本の中央政府は主導的な役割を担っているものの、一義的に災害リスク管理の責任を負っているのは自治体である。例えば構造物対策について、国は財政支援、技術ガイドラインおよびマニュアルの策定、計画・設計・維持管理に当たる職員への訓練など、自治体を支援している。 地域社会に根ざした住民組織が防災訓練、防災教育などの活動を長年にわたり実施してきた。こうした活動が、今回の震災では緊急対応に活かされた。地域社会が中心となる防災は、日本人の日常生活の一部として根付いており、大災害の発生した日を記念日とし、防災訓練を行い、祭りや学校行事でも啓発活動を行うなどして、自然災害に対する警戒心を持ち続けようとしている。地域社会の役割は法律により防災対策の一部として定められ、自治体と国が自治会や自主防災組織、消防団などを支援している。 3月11日には津波警報が津波の高さを低めに予測し、防災無線が故障し、津波が海岸堤防を破壊しつつ襲い掛かる中、消防団など地域社会が最前線で津波に対することとなった。地域社会が関係者とも協議して、ソフト、ハードの対策、投資、教育および訓練を行いながら、自ら災害に備えることが必要である。
東日本大震災で新幹線はどうなりましたか。
東日本大震災で新幹線は、地震波を感知する最先端のシステムが的確に作動し、地震発生時に走行していたすべての新幹線が死傷者を一切出さずに安全に停車しました。
JCRRAG_011642
地理
災害に対する適切なリスク評価とコミュニケーション 災害のリスクを正しく評価し、リスクについて地域社会、政府機関および専門家を結びつけたコミュニケーション態勢をつくることで、災害への理解促進、脆弱性の減少、防災能力の向上が可能となる。他方で、リスク評価と防災技術の限界を充分に理解して、柔軟な対応が可能になるように準備しておくべきである。 リスクを適切に反映していないハザードマップの利用の問題 津波の被災地では、浸水予測地域や避難所を記載したハザードマップがあらかじめ配布されていたものの、マップを参照した人は全体の20%に過ぎなかった。しかし、それでも57%の人は地震直後に避難を開始している(この数値は国際水準からすれば比較的高い)。一部地域では2011年の津波はハザードマップに記載されていた水位・範囲を大きく上回った。また、地震直後に津波警報が実際の津波の高さを大きく下回る予測をしたため、住民の避難行動が鈍り被害を拡大させた可能性もある。今回の地震と津波が予測値を大幅に上回ったため、日本政府は予測手法の改訂に乗り出し、歴史資料や津波堆積物、海岸地形調査に基づき、頻度が低い巨大災害をも予測することとした。また、津波警報のメッセージの中身についても、住民の避難を促進するよう改善している。製造業者や企業も災害時の事業継続計画の見直しを始めた。すでに多くの日本の企業は、多額の経費を顧みずサプライチェーンの冗長化と多様化のための投資を始めている。 緊急対応、復旧における情報およびコミュニケーション管理の重要性 この度の震災では情報に関して2つの課題が明らかになった:(ⅰ)現地の状況と関係者間の調整(つまり、誰が何をしているか)についてのリアルタイムの情報の不足と、(ⅱ)復旧に欠かせない重要な公的記録の喪失、である。第一の問題については、国が各市町村から情報を公的なルートで集める一方、一般市民がソーシャルメディア(Twitter等)とインターネットを活用して様々な情報を流した。第二の問題では、必ずしも全ての自治体がバックアップをとっていたわけではないものの、土地や住民情報は公的・私的なバックアップのおかげで比較的迅速に復元されている。しかし、一部市町村では保健記録などが流失するなどし、再発防止策が検討されている。 重要な情報を適切に伝達するコミュニケーション戦略が立てられていないと、災害時の状況を悪化させることになる。住民や地域社会に良質な情報が伝達されていれば、防災だけでなく、救援や復旧も活用される。被災者が状況を把握し将来の生活設計を立てるのにも有効である。人々の安全を保障し、災害時の混乱を緩和するためには、情報と情報源が信頼できるものでなくてはならない。東日本大震災では、避難所や非常食の配布に関する情報は比較的適切に取り扱われたものの、原発事故に関しては、原子力保安院の調査によれば、多くの住民は関係機関からの情報提供に満足していない、という結果が出ている。 災害時における緊急支援調整体制の事前構築 今回、政府が迅速に災害対策本部を設置し、域外からの救援部隊や技術支援部隊も記録的な速さで動員されたものの、現地では(国・県・市町村レベルの)公的機関、市民社会組織および企業の間での調整は必ずしも十分ではなかった。海外からも163カ国と43の国際機関から、かつてない水準の支援が提供され、2011年に全世界で供与された災害人道支援全体の半分に近い、7億2,000万USドルが日本に提供されたが、同様に現場での調整は不十分であった。次の災害に備え、現場での緊急支援調整体制を予め構築しておく必要がある。 災害弱者のニーズ対応と適切なケア 緊急対応と復興過程では、災害弱者向けにサービスを提供し、セーフティネットを構築することが必要である。東日本大震災の死者の3分の2は人口の30%を占めるに過ぎない高齢者(60歳以上)であった。また、避難所では女性や障害者のニーズに十分対応できなかったと指摘されている。避難所での女性のプライバシーと安全の確保、妊娠時のケア、性別に応じた配慮と、障害者向けの適切な介護など、対策が検討されている。こうした対策には、避難所の計画・運営の改善と長期的な復興に向け、災害弱者の立場を強化し、ジェンダーの視点を取り入れなければならない。そして、避難所運営には女性の関与を拡大すべきである。また、防災委員会および災害リスクの評価への女性の参加を増やすべきであり、ジェンダーの視点から全国、あるいは地域ごとの防災計画の再検討も求められている。
災害のリスクを正しく評価する一方でどのような準備をすべきか。
災害のリスクを正しく評価する一方でそれ以外に行うことは、リスク評価と防災技術の限界を充分に理解して、柔軟な対応が可能になるように準備しておくべきである。
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地理
災害に対する適切なリスク評価とコミュニケーション 災害のリスクを正しく評価し、リスクについて地域社会、政府機関および専門家を結びつけたコミュニケーション態勢をつくることで、災害への理解促進、脆弱性の減少、防災能力の向上が可能となる。他方で、リスク評価と防災技術の限界を充分に理解して、柔軟な対応が可能になるように準備しておくべきである。 リスクを適切に反映していないハザードマップの利用の問題 津波の被災地では、浸水予測地域や避難所を記載したハザードマップがあらかじめ配布されていたものの、マップを参照した人は全体の20%に過ぎなかった。しかし、それでも57%の人は地震直後に避難を開始している(この数値は国際水準からすれば比較的高い)。一部地域では2011年の津波はハザードマップに記載されていた水位・範囲を大きく上回った。また、地震直後に津波警報が実際の津波の高さを大きく下回る予測をしたため、住民の避難行動が鈍り被害を拡大させた可能性もある。今回の地震と津波が予測値を大幅に上回ったため、日本政府は予測手法の改訂に乗り出し、歴史資料や津波堆積物、海岸地形調査に基づき、頻度が低い巨大災害をも予測することとした。また、津波警報のメッセージの中身についても、住民の避難を促進するよう改善している。製造業者や企業も災害時の事業継続計画の見直しを始めた。すでに多くの日本の企業は、多額の経費を顧みずサプライチェーンの冗長化と多様化のための投資を始めている。 緊急対応、復旧における情報およびコミュニケーション管理の重要性 この度の震災では情報に関して2つの課題が明らかになった:(ⅰ)現地の状況と関係者間の調整(つまり、誰が何をしているか)についてのリアルタイムの情報の不足と、(ⅱ)復旧に欠かせない重要な公的記録の喪失、である。第一の問題については、国が各市町村から情報を公的なルートで集める一方、一般市民がソーシャルメディア(Twitter等)とインターネットを活用して様々な情報を流した。第二の問題では、必ずしも全ての自治体がバックアップをとっていたわけではないものの、土地や住民情報は公的・私的なバックアップのおかげで比較的迅速に復元されている。しかし、一部市町村では保健記録などが流失するなどし、再発防止策が検討されている。 重要な情報を適切に伝達するコミュニケーション戦略が立てられていないと、災害時の状況を悪化させることになる。住民や地域社会に良質な情報が伝達されていれば、防災だけでなく、救援や復旧も活用される。被災者が状況を把握し将来の生活設計を立てるのにも有効である。人々の安全を保障し、災害時の混乱を緩和するためには、情報と情報源が信頼できるものでなくてはならない。東日本大震災では、避難所や非常食の配布に関する情報は比較的適切に取り扱われたものの、原発事故に関しては、原子力保安院の調査によれば、多くの住民は関係機関からの情報提供に満足していない、という結果が出ている。 災害時における緊急支援調整体制の事前構築 今回、政府が迅速に災害対策本部を設置し、域外からの救援部隊や技術支援部隊も記録的な速さで動員されたものの、現地では(国・県・市町村レベルの)公的機関、市民社会組織および企業の間での調整は必ずしも十分ではなかった。海外からも163カ国と43の国際機関から、かつてない水準の支援が提供され、2011年に全世界で供与された災害人道支援全体の半分に近い、7億2,000万USドルが日本に提供されたが、同様に現場での調整は不十分であった。次の災害に備え、現場での緊急支援調整体制を予め構築しておく必要がある。 災害弱者のニーズ対応と適切なケア 緊急対応と復興過程では、災害弱者向けにサービスを提供し、セーフティネットを構築することが必要である。東日本大震災の死者の3分の2は人口の30%を占めるに過ぎない高齢者(60歳以上)であった。また、避難所では女性や障害者のニーズに十分対応できなかったと指摘されている。避難所での女性のプライバシーと安全の確保、妊娠時のケア、性別に応じた配慮と、障害者向けの適切な介護など、対策が検討されている。こうした対策には、避難所の計画・運営の改善と長期的な復興に向け、災害弱者の立場を強化し、ジェンダーの視点を取り入れなければならない。そして、避難所運営には女性の関与を拡大すべきである。また、防災委員会および災害リスクの評価への女性の参加を増やすべきであり、ジェンダーの視点から全国、あるいは地域ごとの防災計画の再検討も求められている。
津波警報の予測が実際の津波の高さを下回ったため、何が起きた可能性があるか。
地震直後に津波警報が実際の津波の高さを大きく下回る予測をしたため、住民の避難行動が鈍り被害を拡大させた可能性もある。
JCRRAG_011644
地理
災害に対する適切なリスク評価とコミュニケーション 災害のリスクを正しく評価し、リスクについて地域社会、政府機関および専門家を結びつけたコミュニケーション態勢をつくることで、災害への理解促進、脆弱性の減少、防災能力の向上が可能となる。他方で、リスク評価と防災技術の限界を充分に理解して、柔軟な対応が可能になるように準備しておくべきである。 リスクを適切に反映していないハザードマップの利用の問題 津波の被災地では、浸水予測地域や避難所を記載したハザードマップがあらかじめ配布されていたものの、マップを参照した人は全体の20%に過ぎなかった。しかし、それでも57%の人は地震直後に避難を開始している(この数値は国際水準からすれば比較的高い)。一部地域では2011年の津波はハザードマップに記載されていた水位・範囲を大きく上回った。また、地震直後に津波警報が実際の津波の高さを大きく下回る予測をしたため、住民の避難行動が鈍り被害を拡大させた可能性もある。今回の地震と津波が予測値を大幅に上回ったため、日本政府は予測手法の改訂に乗り出し、歴史資料や津波堆積物、海岸地形調査に基づき、頻度が低い巨大災害をも予測することとした。また、津波警報のメッセージの中身についても、住民の避難を促進するよう改善している。製造業者や企業も災害時の事業継続計画の見直しを始めた。すでに多くの日本の企業は、多額の経費を顧みずサプライチェーンの冗長化と多様化のための投資を始めている。 緊急対応、復旧における情報およびコミュニケーション管理の重要性 この度の震災では情報に関して2つの課題が明らかになった:(ⅰ)現地の状況と関係者間の調整(つまり、誰が何をしているか)についてのリアルタイムの情報の不足と、(ⅱ)復旧に欠かせない重要な公的記録の喪失、である。第一の問題については、国が各市町村から情報を公的なルートで集める一方、一般市民がソーシャルメディア(Twitter等)とインターネットを活用して様々な情報を流した。第二の問題では、必ずしも全ての自治体がバックアップをとっていたわけではないものの、土地や住民情報は公的・私的なバックアップのおかげで比較的迅速に復元されている。しかし、一部市町村では保健記録などが流失するなどし、再発防止策が検討されている。 重要な情報を適切に伝達するコミュニケーション戦略が立てられていないと、災害時の状況を悪化させることになる。住民や地域社会に良質な情報が伝達されていれば、防災だけでなく、救援や復旧も活用される。被災者が状況を把握し将来の生活設計を立てるのにも有効である。人々の安全を保障し、災害時の混乱を緩和するためには、情報と情報源が信頼できるものでなくてはならない。東日本大震災では、避難所や非常食の配布に関する情報は比較的適切に取り扱われたものの、原発事故に関しては、原子力保安院の調査によれば、多くの住民は関係機関からの情報提供に満足していない、という結果が出ている。 災害時における緊急支援調整体制の事前構築 今回、政府が迅速に災害対策本部を設置し、域外からの救援部隊や技術支援部隊も記録的な速さで動員されたものの、現地では(国・県・市町村レベルの)公的機関、市民社会組織および企業の間での調整は必ずしも十分ではなかった。海外からも163カ国と43の国際機関から、かつてない水準の支援が提供され、2011年に全世界で供与された災害人道支援全体の半分に近い、7億2,000万USドルが日本に提供されたが、同様に現場での調整は不十分であった。次の災害に備え、現場での緊急支援調整体制を予め構築しておく必要がある。 災害弱者のニーズ対応と適切なケア 緊急対応と復興過程では、災害弱者向けにサービスを提供し、セーフティネットを構築することが必要である。東日本大震災の死者の3分の2は人口の30%を占めるに過ぎない高齢者(60歳以上)であった。また、避難所では女性や障害者のニーズに十分対応できなかったと指摘されている。避難所での女性のプライバシーと安全の確保、妊娠時のケア、性別に応じた配慮と、障害者向けの適切な介護など、対策が検討されている。こうした対策には、避難所の計画・運営の改善と長期的な復興に向け、災害弱者の立場を強化し、ジェンダーの視点を取り入れなければならない。そして、避難所運営には女性の関与を拡大すべきである。また、防災委員会および災害リスクの評価への女性の参加を増やすべきであり、ジェンダーの視点から全国、あるいは地域ごとの防災計画の再検討も求められている。
緊急対応と復興過程では、何を構築することが必要ですか。
緊急対応と復興過程では、災害弱者向けにサービスを提供し、セーフティネットを構築することが必要である。
JCRRAG_011645
地理
災害に対する適切なリスク評価とコミュニケーション 災害のリスクを正しく評価し、リスクについて地域社会、政府機関および専門家を結びつけたコミュニケーション態勢をつくることで、災害への理解促進、脆弱性の減少、防災能力の向上が可能となる。他方で、リスク評価と防災技術の限界を充分に理解して、柔軟な対応が可能になるように準備しておくべきである。 リスクを適切に反映していないハザードマップの利用の問題 津波の被災地では、浸水予測地域や避難所を記載したハザードマップがあらかじめ配布されていたものの、マップを参照した人は全体の20%に過ぎなかった。しかし、それでも57%の人は地震直後に避難を開始している(この数値は国際水準からすれば比較的高い)。一部地域では2011年の津波はハザードマップに記載されていた水位・範囲を大きく上回った。また、地震直後に津波警報が実際の津波の高さを大きく下回る予測をしたため、住民の避難行動が鈍り被害を拡大させた可能性もある。今回の地震と津波が予測値を大幅に上回ったため、日本政府は予測手法の改訂に乗り出し、歴史資料や津波堆積物、海岸地形調査に基づき、頻度が低い巨大災害をも予測することとした。また、津波警報のメッセージの中身についても、住民の避難を促進するよう改善している。製造業者や企業も災害時の事業継続計画の見直しを始めた。すでに多くの日本の企業は、多額の経費を顧みずサプライチェーンの冗長化と多様化のための投資を始めている。 緊急対応、復旧における情報およびコミュニケーション管理の重要性 この度の震災では情報に関して2つの課題が明らかになった:(ⅰ)現地の状況と関係者間の調整(つまり、誰が何をしているか)についてのリアルタイムの情報の不足と、(ⅱ)復旧に欠かせない重要な公的記録の喪失、である。第一の問題については、国が各市町村から情報を公的なルートで集める一方、一般市民がソーシャルメディア(Twitter等)とインターネットを活用して様々な情報を流した。第二の問題では、必ずしも全ての自治体がバックアップをとっていたわけではないものの、土地や住民情報は公的・私的なバックアップのおかげで比較的迅速に復元されている。しかし、一部市町村では保健記録などが流失するなどし、再発防止策が検討されている。 重要な情報を適切に伝達するコミュニケーション戦略が立てられていないと、災害時の状況を悪化させることになる。住民や地域社会に良質な情報が伝達されていれば、防災だけでなく、救援や復旧も活用される。被災者が状況を把握し将来の生活設計を立てるのにも有効である。人々の安全を保障し、災害時の混乱を緩和するためには、情報と情報源が信頼できるものでなくてはならない。東日本大震災では、避難所や非常食の配布に関する情報は比較的適切に取り扱われたものの、原発事故に関しては、原子力保安院の調査によれば、多くの住民は関係機関からの情報提供に満足していない、という結果が出ている。 災害時における緊急支援調整体制の事前構築 今回、政府が迅速に災害対策本部を設置し、域外からの救援部隊や技術支援部隊も記録的な速さで動員されたものの、現地では(国・県・市町村レベルの)公的機関、市民社会組織および企業の間での調整は必ずしも十分ではなかった。海外からも163カ国と43の国際機関から、かつてない水準の支援が提供され、2011年に全世界で供与された災害人道支援全体の半分に近い、7億2,000万USドルが日本に提供されたが、同様に現場での調整は不十分であった。次の災害に備え、現場での緊急支援調整体制を予め構築しておく必要がある。 災害弱者のニーズ対応と適切なケア 緊急対応と復興過程では、災害弱者向けにサービスを提供し、セーフティネットを構築することが必要である。東日本大震災の死者の3分の2は人口の30%を占めるに過ぎない高齢者(60歳以上)であった。また、避難所では女性や障害者のニーズに十分対応できなかったと指摘されている。避難所での女性のプライバシーと安全の確保、妊娠時のケア、性別に応じた配慮と、障害者向けの適切な介護など、対策が検討されている。こうした対策には、避難所の計画・運営の改善と長期的な復興に向け、災害弱者の立場を強化し、ジェンダーの視点を取り入れなければならない。そして、避難所運営には女性の関与を拡大すべきである。また、防災委員会および災害リスクの評価への女性の参加を増やすべきであり、ジェンダーの視点から全国、あるいは地域ごとの防災計画の再検討も求められている。
災害時の混乱を緩和するために、情報と情報源はどのようなものでなくてはならないか。
災害時の混乱を緩和するための情報と情報源は、人々の安全を保障し、災害時の混乱を緩和するためには、情報と情報源が信頼できるものでなくてはならない。
JCRRAG_011646
地理
災害に対する適切なリスク評価とコミュニケーション 災害のリスクを正しく評価し、リスクについて地域社会、政府機関および専門家を結びつけたコミュニケーション態勢をつくることで、災害への理解促進、脆弱性の減少、防災能力の向上が可能となる。他方で、リスク評価と防災技術の限界を充分に理解して、柔軟な対応が可能になるように準備しておくべきである。 リスクを適切に反映していないハザードマップの利用の問題 津波の被災地では、浸水予測地域や避難所を記載したハザードマップがあらかじめ配布されていたものの、マップを参照した人は全体の20%に過ぎなかった。しかし、それでも57%の人は地震直後に避難を開始している(この数値は国際水準からすれば比較的高い)。一部地域では2011年の津波はハザードマップに記載されていた水位・範囲を大きく上回った。また、地震直後に津波警報が実際の津波の高さを大きく下回る予測をしたため、住民の避難行動が鈍り被害を拡大させた可能性もある。今回の地震と津波が予測値を大幅に上回ったため、日本政府は予測手法の改訂に乗り出し、歴史資料や津波堆積物、海岸地形調査に基づき、頻度が低い巨大災害をも予測することとした。また、津波警報のメッセージの中身についても、住民の避難を促進するよう改善している。製造業者や企業も災害時の事業継続計画の見直しを始めた。すでに多くの日本の企業は、多額の経費を顧みずサプライチェーンの冗長化と多様化のための投資を始めている。 緊急対応、復旧における情報およびコミュニケーション管理の重要性 この度の震災では情報に関して2つの課題が明らかになった:(ⅰ)現地の状況と関係者間の調整(つまり、誰が何をしているか)についてのリアルタイムの情報の不足と、(ⅱ)復旧に欠かせない重要な公的記録の喪失、である。第一の問題については、国が各市町村から情報を公的なルートで集める一方、一般市民がソーシャルメディア(Twitter等)とインターネットを活用して様々な情報を流した。第二の問題では、必ずしも全ての自治体がバックアップをとっていたわけではないものの、土地や住民情報は公的・私的なバックアップのおかげで比較的迅速に復元されている。しかし、一部市町村では保健記録などが流失するなどし、再発防止策が検討されている。 重要な情報を適切に伝達するコミュニケーション戦略が立てられていないと、災害時の状況を悪化させることになる。住民や地域社会に良質な情報が伝達されていれば、防災だけでなく、救援や復旧も活用される。被災者が状況を把握し将来の生活設計を立てるのにも有効である。人々の安全を保障し、災害時の混乱を緩和するためには、情報と情報源が信頼できるものでなくてはならない。東日本大震災では、避難所や非常食の配布に関する情報は比較的適切に取り扱われたものの、原発事故に関しては、原子力保安院の調査によれば、多くの住民は関係機関からの情報提供に満足していない、という結果が出ている。 災害時における緊急支援調整体制の事前構築 今回、政府が迅速に災害対策本部を設置し、域外からの救援部隊や技術支援部隊も記録的な速さで動員されたものの、現地では(国・県・市町村レベルの)公的機関、市民社会組織および企業の間での調整は必ずしも十分ではなかった。海外からも163カ国と43の国際機関から、かつてない水準の支援が提供され、2011年に全世界で供与された災害人道支援全体の半分に近い、7億2,000万USドルが日本に提供されたが、同様に現場での調整は不十分であった。次の災害に備え、現場での緊急支援調整体制を予め構築しておく必要がある。 災害弱者のニーズ対応と適切なケア 緊急対応と復興過程では、災害弱者向けにサービスを提供し、セーフティネットを構築することが必要である。東日本大震災の死者の3分の2は人口の30%を占めるに過ぎない高齢者(60歳以上)であった。また、避難所では女性や障害者のニーズに十分対応できなかったと指摘されている。避難所での女性のプライバシーと安全の確保、妊娠時のケア、性別に応じた配慮と、障害者向けの適切な介護など、対策が検討されている。こうした対策には、避難所の計画・運営の改善と長期的な復興に向け、災害弱者の立場を強化し、ジェンダーの視点を取り入れなければならない。そして、避難所運営には女性の関与を拡大すべきである。また、防災委員会および災害リスクの評価への女性の参加を増やすべきであり、ジェンダーの視点から全国、あるいは地域ごとの防災計画の再検討も求められている。
避難所運営にはどのような人の関与を拡大すべきですか。
避難所運営には女性の関与を拡大すべきである。
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地理
日本ではいま、気候変動・地球温暖化を止めるための法律を整備することで、企業がカーボンニュートラルを促進できるような社会的な枠組みを整備しています。2050年までのカーボンニュートラルを宣言することで、強い意志を持って地球温暖化の防止に取り組もうとしています。 京都議定書に基づく日本の取り組み 京都議定書では、その第1約束期間(2008〜2012年度)に温室効果ガスの排出量を基準年(原則1990年)よりも6%削減する義務を負っていました。日本は、産業分野における排出削減努力を土台としつつ、参加国の話し合いによって割り当てられた排出量から、森林を吸収源として算定した分と海外への技術投資などで獲得した排出枠によって、6%削減目標の達成に必要な約63億9200万トン分(5カ年分)の償却を行い、国連の審査のもと、2016年3月に目標達成が正式に決定しました。 パリ協定での約束と中・長期戦略 2015年に採択されたパリ協定では、国毎に削減目標を設定し、さらに5年毎にその目標を更新することになっています。日本は、2016年に閣議決定した「地球温暖化対策計画」を2021年に改訂。2030年度の温室効果ガス削減目標を2013年度比で−46%とし、さらに50%の高みへ向けて挑戦を続けると表明しました。そのうちの約3800万CO2トン(2013年度総排出量比2.7%)を森林の吸収量で賄う目標が立てられています。この目標達成のために、健全な森林整備や保安林の適切な管理、効率的な林業経営、造林対策や木材の利用促進、木質バイオマス利用の推進などに取り組むことが求められています。 2050年のカーボンニュートラルへ向けて 日本政府は、2020年10月の臨時国会で「2050年にカーボンニュートラル」の実現をめざすことを宣言しました。この宣言を受けて、2021年には、「地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案」を閣議決定。続く2022年にも同法の改正を閣議決定して、温暖化対策を強化してきました。これらの法律改正によって、宣言をより実効的なものとするために、継続的に脱炭素に向けた各自治体での取り組みや民間への投資を活性化させ、つぎの時代へ向けての「イノベーション」を起こそうとしています。法律を整備しつつ、少しずつですが、地域毎での再生可能エネルギーを活用した脱炭素化の取り組みや、企業の二酸化炭素を排出しないような経営を促がしていこうとしています。
日本が京都議定書で達成した削減目標とは、どのようなものであったか。
日本は、産業分野における排出削減努力を土台としつつ、参加国の話し合いによって割り当てられた排出量から、森林を吸収源として算定した分と海外への技術投資などで獲得した排出枠によって、6%削減目標の達成に必要な約63億9200万トン分(5カ年分)の償却を行い、国連の審査のもと、2016年3月に目標達成が正式に決定しました。
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地理
日本ではいま、気候変動・地球温暖化を止めるための法律を整備することで、企業がカーボンニュートラルを促進できるような社会的な枠組みを整備しています。2050年までのカーボンニュートラルを宣言することで、強い意志を持って地球温暖化の防止に取り組もうとしています。 京都議定書に基づく日本の取り組み 京都議定書では、その第1約束期間(2008〜2012年度)に温室効果ガスの排出量を基準年(原則1990年)よりも6%削減する義務を負っていました。日本は、産業分野における排出削減努力を土台としつつ、参加国の話し合いによって割り当てられた排出量から、森林を吸収源として算定した分と海外への技術投資などで獲得した排出枠によって、6%削減目標の達成に必要な約63億9200万トン分(5カ年分)の償却を行い、国連の審査のもと、2016年3月に目標達成が正式に決定しました。 パリ協定での約束と中・長期戦略 2015年に採択されたパリ協定では、国毎に削減目標を設定し、さらに5年毎にその目標を更新することになっています。日本は、2016年に閣議決定した「地球温暖化対策計画」を2021年に改訂。2030年度の温室効果ガス削減目標を2013年度比で−46%とし、さらに50%の高みへ向けて挑戦を続けると表明しました。そのうちの約3800万CO2トン(2013年度総排出量比2.7%)を森林の吸収量で賄う目標が立てられています。この目標達成のために、健全な森林整備や保安林の適切な管理、効率的な林業経営、造林対策や木材の利用促進、木質バイオマス利用の推進などに取り組むことが求められています。 2050年のカーボンニュートラルへ向けて 日本政府は、2020年10月の臨時国会で「2050年にカーボンニュートラル」の実現をめざすことを宣言しました。この宣言を受けて、2021年には、「地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案」を閣議決定。続く2022年にも同法の改正を閣議決定して、温暖化対策を強化してきました。これらの法律改正によって、宣言をより実効的なものとするために、継続的に脱炭素に向けた各自治体での取り組みや民間への投資を活性化させ、つぎの時代へ向けての「イノベーション」を起こそうとしています。法律を整備しつつ、少しずつですが、地域毎での再生可能エネルギーを活用した脱炭素化の取り組みや、企業の二酸化炭素を排出しないような経営を促がしていこうとしています。
パリ協定では、日本はどのような削減目標を設定しているか。
パリ協定で日本は2030年度の温室効果ガス削減目標を2013年度比で−46%とし、さらに50%の高みへ向けて挑戦を続けると表明しました。
JCRRAG_011649
地理
日本ではいま、気候変動・地球温暖化を止めるための法律を整備することで、企業がカーボンニュートラルを促進できるような社会的な枠組みを整備しています。2050年までのカーボンニュートラルを宣言することで、強い意志を持って地球温暖化の防止に取り組もうとしています。 京都議定書に基づく日本の取り組み 京都議定書では、その第1約束期間(2008〜2012年度)に温室効果ガスの排出量を基準年(原則1990年)よりも6%削減する義務を負っていました。日本は、産業分野における排出削減努力を土台としつつ、参加国の話し合いによって割り当てられた排出量から、森林を吸収源として算定した分と海外への技術投資などで獲得した排出枠によって、6%削減目標の達成に必要な約63億9200万トン分(5カ年分)の償却を行い、国連の審査のもと、2016年3月に目標達成が正式に決定しました。 パリ協定での約束と中・長期戦略 2015年に採択されたパリ協定では、国毎に削減目標を設定し、さらに5年毎にその目標を更新することになっています。日本は、2016年に閣議決定した「地球温暖化対策計画」を2021年に改訂。2030年度の温室効果ガス削減目標を2013年度比で−46%とし、さらに50%の高みへ向けて挑戦を続けると表明しました。そのうちの約3800万CO2トン(2013年度総排出量比2.7%)を森林の吸収量で賄う目標が立てられています。この目標達成のために、健全な森林整備や保安林の適切な管理、効率的な林業経営、造林対策や木材の利用促進、木質バイオマス利用の推進などに取り組むことが求められています。 2050年のカーボンニュートラルへ向けて 日本政府は、2020年10月の臨時国会で「2050年にカーボンニュートラル」の実現をめざすことを宣言しました。この宣言を受けて、2021年には、「地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案」を閣議決定。続く2022年にも同法の改正を閣議決定して、温暖化対策を強化してきました。これらの法律改正によって、宣言をより実効的なものとするために、継続的に脱炭素に向けた各自治体での取り組みや民間への投資を活性化させ、つぎの時代へ向けての「イノベーション」を起こそうとしています。法律を整備しつつ、少しずつですが、地域毎での再生可能エネルギーを活用した脱炭素化の取り組みや、企業の二酸化炭素を排出しないような経営を促がしていこうとしています。
森林の吸収量で賄うとされている温室効果ガスの量は、どれくらいであるか。
森林の吸収量で賄うとされている温室効果ガスの量は、そのうちの約3800万CO2トン(2013年度総排出量比2.7%)を森林の吸収量で賄う目標が立てられています。
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地理
日本ではいま、気候変動・地球温暖化を止めるための法律を整備することで、企業がカーボンニュートラルを促進できるような社会的な枠組みを整備しています。2050年までのカーボンニュートラルを宣言することで、強い意志を持って地球温暖化の防止に取り組もうとしています。 京都議定書に基づく日本の取り組み 京都議定書では、その第1約束期間(2008〜2012年度)に温室効果ガスの排出量を基準年(原則1990年)よりも6%削減する義務を負っていました。日本は、産業分野における排出削減努力を土台としつつ、参加国の話し合いによって割り当てられた排出量から、森林を吸収源として算定した分と海外への技術投資などで獲得した排出枠によって、6%削減目標の達成に必要な約63億9200万トン分(5カ年分)の償却を行い、国連の審査のもと、2016年3月に目標達成が正式に決定しました。 パリ協定での約束と中・長期戦略 2015年に採択されたパリ協定では、国毎に削減目標を設定し、さらに5年毎にその目標を更新することになっています。日本は、2016年に閣議決定した「地球温暖化対策計画」を2021年に改訂。2030年度の温室効果ガス削減目標を2013年度比で−46%とし、さらに50%の高みへ向けて挑戦を続けると表明しました。そのうちの約3800万CO2トン(2013年度総排出量比2.7%)を森林の吸収量で賄う目標が立てられています。この目標達成のために、健全な森林整備や保安林の適切な管理、効率的な林業経営、造林対策や木材の利用促進、木質バイオマス利用の推進などに取り組むことが求められています。 2050年のカーボンニュートラルへ向けて 日本政府は、2020年10月の臨時国会で「2050年にカーボンニュートラル」の実現をめざすことを宣言しました。この宣言を受けて、2021年には、「地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案」を閣議決定。続く2022年にも同法の改正を閣議決定して、温暖化対策を強化してきました。これらの法律改正によって、宣言をより実効的なものとするために、継続的に脱炭素に向けた各自治体での取り組みや民間への投資を活性化させ、つぎの時代へ向けての「イノベーション」を起こそうとしています。法律を整備しつつ、少しずつですが、地域毎での再生可能エネルギーを活用した脱炭素化の取り組みや、企業の二酸化炭素を排出しないような経営を促がしていこうとしています。
日本政府は、2020年10月の臨時国会で何を宣言しましたか。
日本政府は、2020年10月の臨時国会で「2050年にカーボンニュートラル」の実現をめざすことを宣言しました。
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地理
日本ではいま、気候変動・地球温暖化を止めるための法律を整備することで、企業がカーボンニュートラルを促進できるような社会的な枠組みを整備しています。2050年までのカーボンニュートラルを宣言することで、強い意志を持って地球温暖化の防止に取り組もうとしています。 京都議定書に基づく日本の取り組み 京都議定書では、その第1約束期間(2008〜2012年度)に温室効果ガスの排出量を基準年(原則1990年)よりも6%削減する義務を負っていました。日本は、産業分野における排出削減努力を土台としつつ、参加国の話し合いによって割り当てられた排出量から、森林を吸収源として算定した分と海外への技術投資などで獲得した排出枠によって、6%削減目標の達成に必要な約63億9200万トン分(5カ年分)の償却を行い、国連の審査のもと、2016年3月に目標達成が正式に決定しました。 パリ協定での約束と中・長期戦略 2015年に採択されたパリ協定では、国毎に削減目標を設定し、さらに5年毎にその目標を更新することになっています。日本は、2016年に閣議決定した「地球温暖化対策計画」を2021年に改訂。2030年度の温室効果ガス削減目標を2013年度比で−46%とし、さらに50%の高みへ向けて挑戦を続けると表明しました。そのうちの約3800万CO2トン(2013年度総排出量比2.7%)を森林の吸収量で賄う目標が立てられています。この目標達成のために、健全な森林整備や保安林の適切な管理、効率的な林業経営、造林対策や木材の利用促進、木質バイオマス利用の推進などに取り組むことが求められています。 2050年のカーボンニュートラルへ向けて 日本政府は、2020年10月の臨時国会で「2050年にカーボンニュートラル」の実現をめざすことを宣言しました。この宣言を受けて、2021年には、「地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案」を閣議決定。続く2022年にも同法の改正を閣議決定して、温暖化対策を強化してきました。これらの法律改正によって、宣言をより実効的なものとするために、継続的に脱炭素に向けた各自治体での取り組みや民間への投資を活性化させ、つぎの時代へ向けての「イノベーション」を起こそうとしています。法律を整備しつつ、少しずつですが、地域毎での再生可能エネルギーを活用した脱炭素化の取り組みや、企業の二酸化炭素を排出しないような経営を促がしていこうとしています。
地球温暖化対策に関する法律改正は、どのような目的で行われているか。
地球温暖化対策に関する法律改正によって、宣言をより実効的なものとするために、継続的に脱炭素に向けた各自治体での取り組みや民間への投資を活性化させ、つぎの時代へ向けての「イノベーション」を起こそうとしています。
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地理
ひとくちに森林といっても、気候帯や地域環境によって地球上には、さまざまな樹種・植生による森林生態系が生育、分布しています。それぞれの気候帯には、どのような森林生態系があるのでしょうか? また、世界にはどれくらいの面積の森林が存在しているのでしょうか? 森林にもいろいろな種類がある 森林による温室効果ガスの吸収についてみるまえに、世界の森林について、みておきましょう。ひとくちに森林といっても、世界にはそれぞれの気候帯や環境によって、さまざまな森林があります。気温と降水量などによって分けられるそれぞれの気候帯の環境に適した森林が分布しています。たとえば、熱帯には熱帯多雨林、乾燥地帯にはサバンナや砂漠、温帯には常緑広葉樹林や夏緑広葉樹林や温帯草原、寒帯には北方針葉樹林やツンドラ、高地には高山植生などです。日本にはおもに常緑広葉樹林と夏緑広葉樹林が分布しています。 世界の陸地面積の約3割を占める森林 世界各国の森林資源や林業に関する統計などをまとめたレポート「世界森林資源評価(FRA)」が2020年にFAO(国連食糧農業機関)から提出されました。そのレポートによると、世界の森林面積は約40億6000万ヘクタールで、世界の陸地面積のおよそ3割を占めています。森林のおよそ45%は熱帯に分布し、次いで、亜寒帯、温帯、亜熱帯の順に森林が占める割合が多くなります。森林面積が多い上位5カ国は、ロシア連邦、ブラジル、カナダ、アメリカ合衆国、中国で、これらの国で世界の森林の半分以上を占めています。 国別あたりの森林蓄積量 同レポート(FRA2020)によると、世界の森林の樹木の蓄積量は、「森林面積の純減に伴って、1990年の5600億㎥から2020年の5570億㎥に微減した」と報告されています。純減とは、森林が増えた分を差し引いて、減った分の面積を示したものです。また、単位面積あたりの蓄積は世界的に増加していて、「1990年の132㎥/haから2020年の137㎥/haに増えた」ことが報告されています。地域別にみると、南米・中米、アフリカの西部・中部の熱帯林で増えています。 森林内のバイオマスの蓄積量は炭素換算で約606ギガトン(地上部および地下部の生体)と59ギガトン(枯死木)で、総バイオマス量は1990年以降やや減っていますが、単位面積当たりのバイオマス量は増えています(農林水産省の仮訳による)。
世界には、どのような森林生態系が分布しているか。
世界には、気温と降水量などによって分けられるそれぞれの気候帯の環境に適した森林が分布しています。
JCRRAG_011653
地理
ひとくちに森林といっても、気候帯や地域環境によって地球上には、さまざまな樹種・植生による森林生態系が生育、分布しています。それぞれの気候帯には、どのような森林生態系があるのでしょうか? また、世界にはどれくらいの面積の森林が存在しているのでしょうか? 森林にもいろいろな種類がある 森林による温室効果ガスの吸収についてみるまえに、世界の森林について、みておきましょう。ひとくちに森林といっても、世界にはそれぞれの気候帯や環境によって、さまざまな森林があります。気温と降水量などによって分けられるそれぞれの気候帯の環境に適した森林が分布しています。たとえば、熱帯には熱帯多雨林、乾燥地帯にはサバンナや砂漠、温帯には常緑広葉樹林や夏緑広葉樹林や温帯草原、寒帯には北方針葉樹林やツンドラ、高地には高山植生などです。日本にはおもに常緑広葉樹林と夏緑広葉樹林が分布しています。 世界の陸地面積の約3割を占める森林 世界各国の森林資源や林業に関する統計などをまとめたレポート「世界森林資源評価(FRA)」が2020年にFAO(国連食糧農業機関)から提出されました。そのレポートによると、世界の森林面積は約40億6000万ヘクタールで、世界の陸地面積のおよそ3割を占めています。森林のおよそ45%は熱帯に分布し、次いで、亜寒帯、温帯、亜熱帯の順に森林が占める割合が多くなります。森林面積が多い上位5カ国は、ロシア連邦、ブラジル、カナダ、アメリカ合衆国、中国で、これらの国で世界の森林の半分以上を占めています。 国別あたりの森林蓄積量 同レポート(FRA2020)によると、世界の森林の樹木の蓄積量は、「森林面積の純減に伴って、1990年の5600億㎥から2020年の5570億㎥に微減した」と報告されています。純減とは、森林が増えた分を差し引いて、減った分の面積を示したものです。また、単位面積あたりの蓄積は世界的に増加していて、「1990年の132㎥/haから2020年の137㎥/haに増えた」ことが報告されています。地域別にみると、南米・中米、アフリカの西部・中部の熱帯林で増えています。 森林内のバイオマスの蓄積量は炭素換算で約606ギガトン(地上部および地下部の生体)と59ギガトン(枯死木)で、総バイオマス量は1990年以降やや減っていますが、単位面積当たりのバイオマス量は増えています(農林水産省の仮訳による)。
日本には、どのような森林が分布しているか。
日本には、おもに常緑広葉樹林と夏緑広葉樹林が分布しています。
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地理
ひとくちに森林といっても、気候帯や地域環境によって地球上には、さまざまな樹種・植生による森林生態系が生育、分布しています。それぞれの気候帯には、どのような森林生態系があるのでしょうか? また、世界にはどれくらいの面積の森林が存在しているのでしょうか? 森林にもいろいろな種類がある 森林による温室効果ガスの吸収についてみるまえに、世界の森林について、みておきましょう。ひとくちに森林といっても、世界にはそれぞれの気候帯や環境によって、さまざまな森林があります。気温と降水量などによって分けられるそれぞれの気候帯の環境に適した森林が分布しています。たとえば、熱帯には熱帯多雨林、乾燥地帯にはサバンナや砂漠、温帯には常緑広葉樹林や夏緑広葉樹林や温帯草原、寒帯には北方針葉樹林やツンドラ、高地には高山植生などです。日本にはおもに常緑広葉樹林と夏緑広葉樹林が分布しています。 世界の陸地面積の約3割を占める森林 世界各国の森林資源や林業に関する統計などをまとめたレポート「世界森林資源評価(FRA)」が2020年にFAO(国連食糧農業機関)から提出されました。そのレポートによると、世界の森林面積は約40億6000万ヘクタールで、世界の陸地面積のおよそ3割を占めています。森林のおよそ45%は熱帯に分布し、次いで、亜寒帯、温帯、亜熱帯の順に森林が占める割合が多くなります。森林面積が多い上位5カ国は、ロシア連邦、ブラジル、カナダ、アメリカ合衆国、中国で、これらの国で世界の森林の半分以上を占めています。 国別あたりの森林蓄積量 同レポート(FRA2020)によると、世界の森林の樹木の蓄積量は、「森林面積の純減に伴って、1990年の5600億㎥から2020年の5570億㎥に微減した」と報告されています。純減とは、森林が増えた分を差し引いて、減った分の面積を示したものです。また、単位面積あたりの蓄積は世界的に増加していて、「1990年の132㎥/haから2020年の137㎥/haに増えた」ことが報告されています。地域別にみると、南米・中米、アフリカの西部・中部の熱帯林で増えています。 森林内のバイオマスの蓄積量は炭素換算で約606ギガトン(地上部および地下部の生体)と59ギガトン(枯死木)で、総バイオマス量は1990年以降やや減っていますが、単位面積当たりのバイオマス量は増えています(農林水産省の仮訳による)。
世界の森林面積は、どれくらいであるか。
世界の森林面積は約40億6000万ヘクタールで、世界の陸地面積のおよそ3割を占めています。
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地理
ひとくちに森林といっても、気候帯や地域環境によって地球上には、さまざまな樹種・植生による森林生態系が生育、分布しています。それぞれの気候帯には、どのような森林生態系があるのでしょうか? また、世界にはどれくらいの面積の森林が存在しているのでしょうか? 森林にもいろいろな種類がある 森林による温室効果ガスの吸収についてみるまえに、世界の森林について、みておきましょう。ひとくちに森林といっても、世界にはそれぞれの気候帯や環境によって、さまざまな森林があります。気温と降水量などによって分けられるそれぞれの気候帯の環境に適した森林が分布しています。たとえば、熱帯には熱帯多雨林、乾燥地帯にはサバンナや砂漠、温帯には常緑広葉樹林や夏緑広葉樹林や温帯草原、寒帯には北方針葉樹林やツンドラ、高地には高山植生などです。日本にはおもに常緑広葉樹林と夏緑広葉樹林が分布しています。 世界の陸地面積の約3割を占める森林 世界各国の森林資源や林業に関する統計などをまとめたレポート「世界森林資源評価(FRA)」が2020年にFAO(国連食糧農業機関)から提出されました。そのレポートによると、世界の森林面積は約40億6000万ヘクタールで、世界の陸地面積のおよそ3割を占めています。森林のおよそ45%は熱帯に分布し、次いで、亜寒帯、温帯、亜熱帯の順に森林が占める割合が多くなります。森林面積が多い上位5カ国は、ロシア連邦、ブラジル、カナダ、アメリカ合衆国、中国で、これらの国で世界の森林の半分以上を占めています。 国別あたりの森林蓄積量 同レポート(FRA2020)によると、世界の森林の樹木の蓄積量は、「森林面積の純減に伴って、1990年の5600億㎥から2020年の5570億㎥に微減した」と報告されています。純減とは、森林が増えた分を差し引いて、減った分の面積を示したものです。また、単位面積あたりの蓄積は世界的に増加していて、「1990年の132㎥/haから2020年の137㎥/haに増えた」ことが報告されています。地域別にみると、南米・中米、アフリカの西部・中部の熱帯林で増えています。 森林内のバイオマスの蓄積量は炭素換算で約606ギガトン(地上部および地下部の生体)と59ギガトン(枯死木)で、総バイオマス量は1990年以降やや減っていますが、単位面積当たりのバイオマス量は増えています(農林水産省の仮訳による)。
世界の森林の樹木の蓄積量は、どのように変化しているか。
世界の森林の樹木の蓄積量は、「森林面積の純減に伴って、1990年の5600億㎥から2020年の5570億㎥に微減した」と報告されています。
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地理
ひとくちに森林といっても、気候帯や地域環境によって地球上には、さまざまな樹種・植生による森林生態系が生育、分布しています。それぞれの気候帯には、どのような森林生態系があるのでしょうか? また、世界にはどれくらいの面積の森林が存在しているのでしょうか? 森林にもいろいろな種類がある 森林による温室効果ガスの吸収についてみるまえに、世界の森林について、みておきましょう。ひとくちに森林といっても、世界にはそれぞれの気候帯や環境によって、さまざまな森林があります。気温と降水量などによって分けられるそれぞれの気候帯の環境に適した森林が分布しています。たとえば、熱帯には熱帯多雨林、乾燥地帯にはサバンナや砂漠、温帯には常緑広葉樹林や夏緑広葉樹林や温帯草原、寒帯には北方針葉樹林やツンドラ、高地には高山植生などです。日本にはおもに常緑広葉樹林と夏緑広葉樹林が分布しています。 世界の陸地面積の約3割を占める森林 世界各国の森林資源や林業に関する統計などをまとめたレポート「世界森林資源評価(FRA)」が2020年にFAO(国連食糧農業機関)から提出されました。そのレポートによると、世界の森林面積は約40億6000万ヘクタールで、世界の陸地面積のおよそ3割を占めています。森林のおよそ45%は熱帯に分布し、次いで、亜寒帯、温帯、亜熱帯の順に森林が占める割合が多くなります。森林面積が多い上位5カ国は、ロシア連邦、ブラジル、カナダ、アメリカ合衆国、中国で、これらの国で世界の森林の半分以上を占めています。 国別あたりの森林蓄積量 同レポート(FRA2020)によると、世界の森林の樹木の蓄積量は、「森林面積の純減に伴って、1990年の5600億㎥から2020年の5570億㎥に微減した」と報告されています。純減とは、森林が増えた分を差し引いて、減った分の面積を示したものです。また、単位面積あたりの蓄積は世界的に増加していて、「1990年の132㎥/haから2020年の137㎥/haに増えた」ことが報告されています。地域別にみると、南米・中米、アフリカの西部・中部の熱帯林で増えています。 森林内のバイオマスの蓄積量は炭素換算で約606ギガトン(地上部および地下部の生体)と59ギガトン(枯死木)で、総バイオマス量は1990年以降やや減っていますが、単位面積当たりのバイオマス量は増えています(農林水産省の仮訳による)。
森林面積が多い上位5カ国は、どこですか。
森林面積が多い上位5カ国は、ロシア連邦、ブラジル、カナダ、アメリカ合衆国、中国で、これらの国で世界の森林の半分以上を占めています。
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地理
大雨の状況 5 月27日から5月28日まで 5 月27日から28日にかけて、低気圧からのびる寒冷前線が西日本を通過した。28日は、別の前線が発生して大陸から西日本にのび、前線上の四国付近に低気圧が発生した。これらの影響で、沖縄・奄美や西日本を中心に雨となり、九州北部や四国地方、近畿地方では、多い所で日降水量100 ミリを超える大雨となった。 [日降水量100ミリ以上を観測した主な地点] 5 月27日 長崎県対馬市厳原107.5 ミリ 5 月28日 高知県室戸市室戸岬113.0 ミリ 和歌山県田辺市栗栖川101.5 ミリ 5 月29日から6月5日まで 沖縄県竹富町波照間106.5 ミリ 5 月29日は、前線上の低気圧が東日本を通過した。また、29日から6月3日にかけて南西諸島付近に梅雨前線が停滞した。4日は、梅雨前線が北上し前線上の低気圧が九州南部を通過した。その後、5日にかけて前線は南西諸島付近に南下した。これらの影響で、沖縄・奄美を中心に雨となった、 [日降水量100ミリ以上を観測した地点なし] 6 月6日から6月8日まで 6 月6日から8日にかけて、前線を伴った低気圧が西日本と東日本を通過した。これらの影響で、全国的に雨となり、四国地方では多い所で日降水量200ミリを超えたほか、西日本や東日本では、多い所で日降水量100ミリを超える大雨となった。 [日降水量100ミリ以上を観測した主な地点] 6 月7日 高知県馬路村魚梁瀬249.0 ミリ 熊本県多良木町多良木176.5 ミリ 徳島県美波町日和佐150.0 ミリ 三重県志摩市阿児144.0 ミリ 東京都大島町大島北ノ山122.5 ミリ 6 月8日 鹿児島県与論町与論島 6 月9日から6月13日まで 167.0 ミリ 和歌山県田辺市護摩壇山186.5 ミリ 静岡県御前崎市御前崎150.0 ミリ 山口県岩国市広瀬148.5 ミリ 奈良県十津川村風屋130.5 ミリ 広島県廿日市市廿日市津田122.0 ミリ 6 月9日から13日にかけて、南西諸島から日本の南に梅雨前線が停滞した。この間、10日には日本の南で発生した低気圧が本州南岸を通過したほか、11日には梅雨前線上に低気圧が発生し沖- 2 - 縄を通過した。これらの影響で、沖縄・奄美や東日本を中心に雨となり、沖縄地方では多い所で日降水量300ミリを超えたほか、東海地方や関東地方、伊豆諸島では、多い所で日降水量100ミリを超える大雨となった。 [日降水量100ミリ以上を観測した主な地点] 6 月9日 鹿児島県瀬戸内町古仁屋118.5ミリ 6 月10日 千葉県大多喜町大多喜185.5ミリ 東京都大島町大島169.0ミリ 6 月11日 沖縄県南大東村南大東308.0ミリ 沖縄県久米島町久米島169.5ミリ 静岡県伊豆市天城山152.5ミリ 6 月14日から6月18日まで 6 月14日は、東シナ海で梅雨前線上に低気圧が発生し、15日にかけて九州を通過した。その後、16 日には、低気圧は東日本と北日本を通過し、17日にかけて千島近海へ進んだ。また、17日から18 日にかけて、沖縄の南まで南下していた梅雨前線が再び北上し、南西諸島に停滞した。これらの影響で、全国的に雨となり、多い所では日降水量100ミリを超える大雨となった。 [日降水量100ミリ以上を観測した主な地点] 6 月14日 高知県四万十町窪川164.5 ミリ沖縄県南城市糸数115.5ミリ 6 月15日 東京都三宅村三宅島198.0ミリ 徳島県那賀町木頭125.5ミリ 6 月16日 新潟県村上市高根137.5ミリ 秋田県仙北市田沢湖高原110.0ミリ 鹿児島県屋久島町屋久島133.5ミリ三重県尾鷲市尾鷲103.0ミリ 静岡県伊豆市天城山146.0ミリ高知県馬路村魚梁瀬 116.5ミリ 滋賀県長浜市柳ケ瀬 114.0ミリ 富山県黒部市宇奈月102.0 ミリ 6 月19日から6月24日まで※1 6 月19 日から24日にかけて、梅雨前線が南西諸島から日本の南に停滞し、前線上を低気圧が次々と東へ進んだ。また、日本海には低気圧が停滞した。これらの前線と低気圧や上空の寒気の影響で、沖縄・奄美や東日本を中心に雨となり、沖縄・奄美では、多い所で日降水量が200ミリを超えたほか、東日本や北日本では、多い所で日降水量が100ミリを超える大雨となった。 [日降水量100ミリ以上を観測した主な地点] 6 月19日 鹿児島県喜界町喜界島 119.0 ミリ ※1 6月21日から22日について、付属の資料に降水量分布図や気象情報等の発表状況等を掲載した。
5月28日に高知県室戸市室戸岬で観測された日降水量とは何ミリですか。
5月28日に高知県室戸市室戸岬で観測された日降水量は113.0ミリです。
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地理
大雨の状況 5 月27日から5月28日まで 5 月27日から28日にかけて、低気圧からのびる寒冷前線が西日本を通過した。28日は、別の前線が発生して大陸から西日本にのび、前線上の四国付近に低気圧が発生した。これらの影響で、沖縄・奄美や西日本を中心に雨となり、九州北部や四国地方、近畿地方では、多い所で日降水量100 ミリを超える大雨となった。 [日降水量100ミリ以上を観測した主な地点] 5 月27日 長崎県対馬市厳原107.5 ミリ 5 月28日 高知県室戸市室戸岬113.0 ミリ 和歌山県田辺市栗栖川101.5 ミリ 5 月29日から6月5日まで 沖縄県竹富町波照間106.5 ミリ 5 月29日は、前線上の低気圧が東日本を通過した。また、29日から6月3日にかけて南西諸島付近に梅雨前線が停滞した。4日は、梅雨前線が北上し前線上の低気圧が九州南部を通過した。その後、5日にかけて前線は南西諸島付近に南下した。これらの影響で、沖縄・奄美を中心に雨となった、 [日降水量100ミリ以上を観測した地点なし] 6 月6日から6月8日まで 6 月6日から8日にかけて、前線を伴った低気圧が西日本と東日本を通過した。これらの影響で、全国的に雨となり、四国地方では多い所で日降水量200ミリを超えたほか、西日本や東日本では、多い所で日降水量100ミリを超える大雨となった。 [日降水量100ミリ以上を観測した主な地点] 6 月7日 高知県馬路村魚梁瀬249.0 ミリ 熊本県多良木町多良木176.5 ミリ 徳島県美波町日和佐150.0 ミリ 三重県志摩市阿児144.0 ミリ 東京都大島町大島北ノ山122.5 ミリ 6 月8日 鹿児島県与論町与論島 6 月9日から6月13日まで 167.0 ミリ 和歌山県田辺市護摩壇山186.5 ミリ 静岡県御前崎市御前崎150.0 ミリ 山口県岩国市広瀬148.5 ミリ 奈良県十津川村風屋130.5 ミリ 広島県廿日市市廿日市津田122.0 ミリ 6 月9日から13日にかけて、南西諸島から日本の南に梅雨前線が停滞した。この間、10日には日本の南で発生した低気圧が本州南岸を通過したほか、11日には梅雨前線上に低気圧が発生し沖- 2 - 縄を通過した。これらの影響で、沖縄・奄美や東日本を中心に雨となり、沖縄地方では多い所で日降水量300ミリを超えたほか、東海地方や関東地方、伊豆諸島では、多い所で日降水量100ミリを超える大雨となった。 [日降水量100ミリ以上を観測した主な地点] 6 月9日 鹿児島県瀬戸内町古仁屋118.5ミリ 6 月10日 千葉県大多喜町大多喜185.5ミリ 東京都大島町大島169.0ミリ 6 月11日 沖縄県南大東村南大東308.0ミリ 沖縄県久米島町久米島169.5ミリ 静岡県伊豆市天城山152.5ミリ 6 月14日から6月18日まで 6 月14日は、東シナ海で梅雨前線上に低気圧が発生し、15日にかけて九州を通過した。その後、16 日には、低気圧は東日本と北日本を通過し、17日にかけて千島近海へ進んだ。また、17日から18 日にかけて、沖縄の南まで南下していた梅雨前線が再び北上し、南西諸島に停滞した。これらの影響で、全国的に雨となり、多い所では日降水量100ミリを超える大雨となった。 [日降水量100ミリ以上を観測した主な地点] 6 月14日 高知県四万十町窪川164.5 ミリ沖縄県南城市糸数115.5ミリ 6 月15日 東京都三宅村三宅島198.0ミリ 徳島県那賀町木頭125.5ミリ 6 月16日 新潟県村上市高根137.5ミリ 秋田県仙北市田沢湖高原110.0ミリ 鹿児島県屋久島町屋久島133.5ミリ三重県尾鷲市尾鷲103.0ミリ 静岡県伊豆市天城山146.0ミリ高知県馬路村魚梁瀬 116.5ミリ 滋賀県長浜市柳ケ瀬 114.0ミリ 富山県黒部市宇奈月102.0 ミリ 6 月19日から6月24日まで※1 6 月19 日から24日にかけて、梅雨前線が南西諸島から日本の南に停滞し、前線上を低気圧が次々と東へ進んだ。また、日本海には低気圧が停滞した。これらの前線と低気圧や上空の寒気の影響で、沖縄・奄美や東日本を中心に雨となり、沖縄・奄美では、多い所で日降水量が200ミリを超えたほか、東日本や北日本では、多い所で日降水量が100ミリを超える大雨となった。 [日降水量100ミリ以上を観測した主な地点] 6 月19日 鹿児島県喜界町喜界島 119.0 ミリ ※1 6月21日から22日について、付属の資料に降水量分布図や気象情報等の発表状況等を掲載した。
6月7日に熊本県多良木町多良木で観測された日降水量とは何ミリですか。
6月7日に熊本県多良木町多良木で観測された日降水量は176.5ミリです。
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地理
大雨の状況 5 月27日から5月28日まで 5 月27日から28日にかけて、低気圧からのびる寒冷前線が西日本を通過した。28日は、別の前線が発生して大陸から西日本にのび、前線上の四国付近に低気圧が発生した。これらの影響で、沖縄・奄美や西日本を中心に雨となり、九州北部や四国地方、近畿地方では、多い所で日降水量100 ミリを超える大雨となった。 [日降水量100ミリ以上を観測した主な地点] 5 月27日 長崎県対馬市厳原107.5 ミリ 5 月28日 高知県室戸市室戸岬113.0 ミリ 和歌山県田辺市栗栖川101.5 ミリ 5 月29日から6月5日まで 沖縄県竹富町波照間106.5 ミリ 5 月29日は、前線上の低気圧が東日本を通過した。また、29日から6月3日にかけて南西諸島付近に梅雨前線が停滞した。4日は、梅雨前線が北上し前線上の低気圧が九州南部を通過した。その後、5日にかけて前線は南西諸島付近に南下した。これらの影響で、沖縄・奄美を中心に雨となった、 [日降水量100ミリ以上を観測した地点なし] 6 月6日から6月8日まで 6 月6日から8日にかけて、前線を伴った低気圧が西日本と東日本を通過した。これらの影響で、全国的に雨となり、四国地方では多い所で日降水量200ミリを超えたほか、西日本や東日本では、多い所で日降水量100ミリを超える大雨となった。 [日降水量100ミリ以上を観測した主な地点] 6 月7日 高知県馬路村魚梁瀬249.0 ミリ 熊本県多良木町多良木176.5 ミリ 徳島県美波町日和佐150.0 ミリ 三重県志摩市阿児144.0 ミリ 東京都大島町大島北ノ山122.5 ミリ 6 月8日 鹿児島県与論町与論島 6 月9日から6月13日まで 167.0 ミリ 和歌山県田辺市護摩壇山186.5 ミリ 静岡県御前崎市御前崎150.0 ミリ 山口県岩国市広瀬148.5 ミリ 奈良県十津川村風屋130.5 ミリ 広島県廿日市市廿日市津田122.0 ミリ 6 月9日から13日にかけて、南西諸島から日本の南に梅雨前線が停滞した。この間、10日には日本の南で発生した低気圧が本州南岸を通過したほか、11日には梅雨前線上に低気圧が発生し沖- 2 - 縄を通過した。これらの影響で、沖縄・奄美や東日本を中心に雨となり、沖縄地方では多い所で日降水量300ミリを超えたほか、東海地方や関東地方、伊豆諸島では、多い所で日降水量100ミリを超える大雨となった。 [日降水量100ミリ以上を観測した主な地点] 6 月9日 鹿児島県瀬戸内町古仁屋118.5ミリ 6 月10日 千葉県大多喜町大多喜185.5ミリ 東京都大島町大島169.0ミリ 6 月11日 沖縄県南大東村南大東308.0ミリ 沖縄県久米島町久米島169.5ミリ 静岡県伊豆市天城山152.5ミリ 6 月14日から6月18日まで 6 月14日は、東シナ海で梅雨前線上に低気圧が発生し、15日にかけて九州を通過した。その後、16 日には、低気圧は東日本と北日本を通過し、17日にかけて千島近海へ進んだ。また、17日から18 日にかけて、沖縄の南まで南下していた梅雨前線が再び北上し、南西諸島に停滞した。これらの影響で、全国的に雨となり、多い所では日降水量100ミリを超える大雨となった。 [日降水量100ミリ以上を観測した主な地点] 6 月14日 高知県四万十町窪川164.5 ミリ沖縄県南城市糸数115.5ミリ 6 月15日 東京都三宅村三宅島198.0ミリ 徳島県那賀町木頭125.5ミリ 6 月16日 新潟県村上市高根137.5ミリ 秋田県仙北市田沢湖高原110.0ミリ 鹿児島県屋久島町屋久島133.5ミリ三重県尾鷲市尾鷲103.0ミリ 静岡県伊豆市天城山146.0ミリ高知県馬路村魚梁瀬 116.5ミリ 滋賀県長浜市柳ケ瀬 114.0ミリ 富山県黒部市宇奈月102.0 ミリ 6 月19日から6月24日まで※1 6 月19 日から24日にかけて、梅雨前線が南西諸島から日本の南に停滞し、前線上を低気圧が次々と東へ進んだ。また、日本海には低気圧が停滞した。これらの前線と低気圧や上空の寒気の影響で、沖縄・奄美や東日本を中心に雨となり、沖縄・奄美では、多い所で日降水量が200ミリを超えたほか、東日本や北日本では、多い所で日降水量が100ミリを超える大雨となった。 [日降水量100ミリ以上を観測した主な地点] 6 月19日 鹿児島県喜界町喜界島 119.0 ミリ ※1 6月21日から22日について、付属の資料に降水量分布図や気象情報等の発表状況等を掲載した。
6月10日に千葉県大多喜町大多喜で観測された日降水量とは何ミリですか。
6月10日に千葉県大多喜町大多喜で観測された日降水量は185.5ミリです。
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地理
大雨の状況 5 月27日から5月28日まで 5 月27日から28日にかけて、低気圧からのびる寒冷前線が西日本を通過した。28日は、別の前線が発生して大陸から西日本にのび、前線上の四国付近に低気圧が発生した。これらの影響で、沖縄・奄美や西日本を中心に雨となり、九州北部や四国地方、近畿地方では、多い所で日降水量100 ミリを超える大雨となった。 [日降水量100ミリ以上を観測した主な地点] 5 月27日 長崎県対馬市厳原107.5 ミリ 5 月28日 高知県室戸市室戸岬113.0 ミリ 和歌山県田辺市栗栖川101.5 ミリ 5 月29日から6月5日まで 沖縄県竹富町波照間106.5 ミリ 5 月29日は、前線上の低気圧が東日本を通過した。また、29日から6月3日にかけて南西諸島付近に梅雨前線が停滞した。4日は、梅雨前線が北上し前線上の低気圧が九州南部を通過した。その後、5日にかけて前線は南西諸島付近に南下した。これらの影響で、沖縄・奄美を中心に雨となった、 [日降水量100ミリ以上を観測した地点なし] 6 月6日から6月8日まで 6 月6日から8日にかけて、前線を伴った低気圧が西日本と東日本を通過した。これらの影響で、全国的に雨となり、四国地方では多い所で日降水量200ミリを超えたほか、西日本や東日本では、多い所で日降水量100ミリを超える大雨となった。 [日降水量100ミリ以上を観測した主な地点] 6 月7日 高知県馬路村魚梁瀬249.0 ミリ 熊本県多良木町多良木176.5 ミリ 徳島県美波町日和佐150.0 ミリ 三重県志摩市阿児144.0 ミリ 東京都大島町大島北ノ山122.5 ミリ 6 月8日 鹿児島県与論町与論島 6 月9日から6月13日まで 167.0 ミリ 和歌山県田辺市護摩壇山186.5 ミリ 静岡県御前崎市御前崎150.0 ミリ 山口県岩国市広瀬148.5 ミリ 奈良県十津川村風屋130.5 ミリ 広島県廿日市市廿日市津田122.0 ミリ 6 月9日から13日にかけて、南西諸島から日本の南に梅雨前線が停滞した。この間、10日には日本の南で発生した低気圧が本州南岸を通過したほか、11日には梅雨前線上に低気圧が発生し沖- 2 - 縄を通過した。これらの影響で、沖縄・奄美や東日本を中心に雨となり、沖縄地方では多い所で日降水量300ミリを超えたほか、東海地方や関東地方、伊豆諸島では、多い所で日降水量100ミリを超える大雨となった。 [日降水量100ミリ以上を観測した主な地点] 6 月9日 鹿児島県瀬戸内町古仁屋118.5ミリ 6 月10日 千葉県大多喜町大多喜185.5ミリ 東京都大島町大島169.0ミリ 6 月11日 沖縄県南大東村南大東308.0ミリ 沖縄県久米島町久米島169.5ミリ 静岡県伊豆市天城山152.5ミリ 6 月14日から6月18日まで 6 月14日は、東シナ海で梅雨前線上に低気圧が発生し、15日にかけて九州を通過した。その後、16 日には、低気圧は東日本と北日本を通過し、17日にかけて千島近海へ進んだ。また、17日から18 日にかけて、沖縄の南まで南下していた梅雨前線が再び北上し、南西諸島に停滞した。これらの影響で、全国的に雨となり、多い所では日降水量100ミリを超える大雨となった。 [日降水量100ミリ以上を観測した主な地点] 6 月14日 高知県四万十町窪川164.5 ミリ沖縄県南城市糸数115.5ミリ 6 月15日 東京都三宅村三宅島198.0ミリ 徳島県那賀町木頭125.5ミリ 6 月16日 新潟県村上市高根137.5ミリ 秋田県仙北市田沢湖高原110.0ミリ 鹿児島県屋久島町屋久島133.5ミリ三重県尾鷲市尾鷲103.0ミリ 静岡県伊豆市天城山146.0ミリ高知県馬路村魚梁瀬 116.5ミリ 滋賀県長浜市柳ケ瀬 114.0ミリ 富山県黒部市宇奈月102.0 ミリ 6 月19日から6月24日まで※1 6 月19 日から24日にかけて、梅雨前線が南西諸島から日本の南に停滞し、前線上を低気圧が次々と東へ進んだ。また、日本海には低気圧が停滞した。これらの前線と低気圧や上空の寒気の影響で、沖縄・奄美や東日本を中心に雨となり、沖縄・奄美では、多い所で日降水量が200ミリを超えたほか、東日本や北日本では、多い所で日降水量が100ミリを超える大雨となった。 [日降水量100ミリ以上を観測した主な地点] 6 月19日 鹿児島県喜界町喜界島 119.0 ミリ ※1 6月21日から22日について、付属の資料に降水量分布図や気象情報等の発表状況等を掲載した。
6月14日に沖縄県南城市糸数で観測された日降水量とは何ミリですか。
6月14日に沖縄県南城市糸数で観測された日降水量は115.5ミリです。
JCRRAG_011661
地理
大雨の状況 5 月27日から5月28日まで 5 月27日から28日にかけて、低気圧からのびる寒冷前線が西日本を通過した。28日は、別の前線が発生して大陸から西日本にのび、前線上の四国付近に低気圧が発生した。これらの影響で、沖縄・奄美や西日本を中心に雨となり、九州北部や四国地方、近畿地方では、多い所で日降水量100 ミリを超える大雨となった。 [日降水量100ミリ以上を観測した主な地点] 5 月27日 長崎県対馬市厳原107.5 ミリ 5 月28日 高知県室戸市室戸岬113.0 ミリ 和歌山県田辺市栗栖川101.5 ミリ 5 月29日から6月5日まで 沖縄県竹富町波照間106.5 ミリ 5 月29日は、前線上の低気圧が東日本を通過した。また、29日から6月3日にかけて南西諸島付近に梅雨前線が停滞した。4日は、梅雨前線が北上し前線上の低気圧が九州南部を通過した。その後、5日にかけて前線は南西諸島付近に南下した。これらの影響で、沖縄・奄美を中心に雨となった、 [日降水量100ミリ以上を観測した地点なし] 6 月6日から6月8日まで 6 月6日から8日にかけて、前線を伴った低気圧が西日本と東日本を通過した。これらの影響で、全国的に雨となり、四国地方では多い所で日降水量200ミリを超えたほか、西日本や東日本では、多い所で日降水量100ミリを超える大雨となった。 [日降水量100ミリ以上を観測した主な地点] 6 月7日 高知県馬路村魚梁瀬249.0 ミリ 熊本県多良木町多良木176.5 ミリ 徳島県美波町日和佐150.0 ミリ 三重県志摩市阿児144.0 ミリ 東京都大島町大島北ノ山122.5 ミリ 6 月8日 鹿児島県与論町与論島 6 月9日から6月13日まで 167.0 ミリ 和歌山県田辺市護摩壇山186.5 ミリ 静岡県御前崎市御前崎150.0 ミリ 山口県岩国市広瀬148.5 ミリ 奈良県十津川村風屋130.5 ミリ 広島県廿日市市廿日市津田122.0 ミリ 6 月9日から13日にかけて、南西諸島から日本の南に梅雨前線が停滞した。この間、10日には日本の南で発生した低気圧が本州南岸を通過したほか、11日には梅雨前線上に低気圧が発生し沖- 2 - 縄を通過した。これらの影響で、沖縄・奄美や東日本を中心に雨となり、沖縄地方では多い所で日降水量300ミリを超えたほか、東海地方や関東地方、伊豆諸島では、多い所で日降水量100ミリを超える大雨となった。 [日降水量100ミリ以上を観測した主な地点] 6 月9日 鹿児島県瀬戸内町古仁屋118.5ミリ 6 月10日 千葉県大多喜町大多喜185.5ミリ 東京都大島町大島169.0ミリ 6 月11日 沖縄県南大東村南大東308.0ミリ 沖縄県久米島町久米島169.5ミリ 静岡県伊豆市天城山152.5ミリ 6 月14日から6月18日まで 6 月14日は、東シナ海で梅雨前線上に低気圧が発生し、15日にかけて九州を通過した。その後、16 日には、低気圧は東日本と北日本を通過し、17日にかけて千島近海へ進んだ。また、17日から18 日にかけて、沖縄の南まで南下していた梅雨前線が再び北上し、南西諸島に停滞した。これらの影響で、全国的に雨となり、多い所では日降水量100ミリを超える大雨となった。 [日降水量100ミリ以上を観測した主な地点] 6 月14日 高知県四万十町窪川164.5 ミリ沖縄県南城市糸数115.5ミリ 6 月15日 東京都三宅村三宅島198.0ミリ 徳島県那賀町木頭125.5ミリ 6 月16日 新潟県村上市高根137.5ミリ 秋田県仙北市田沢湖高原110.0ミリ 鹿児島県屋久島町屋久島133.5ミリ三重県尾鷲市尾鷲103.0ミリ 静岡県伊豆市天城山146.0ミリ高知県馬路村魚梁瀬 116.5ミリ 滋賀県長浜市柳ケ瀬 114.0ミリ 富山県黒部市宇奈月102.0 ミリ 6 月19日から6月24日まで※1 6 月19 日から24日にかけて、梅雨前線が南西諸島から日本の南に停滞し、前線上を低気圧が次々と東へ進んだ。また、日本海には低気圧が停滞した。これらの前線と低気圧や上空の寒気の影響で、沖縄・奄美や東日本を中心に雨となり、沖縄・奄美では、多い所で日降水量が200ミリを超えたほか、東日本や北日本では、多い所で日降水量が100ミリを超える大雨となった。 [日降水量100ミリ以上を観測した主な地点] 6 月19日 鹿児島県喜界町喜界島 119.0 ミリ ※1 6月21日から22日について、付属の資料に降水量分布図や気象情報等の発表状況等を掲載した。
6月19日に鹿児島県喜界町喜界島で観測された日降水量とは何ミリですか。
6月19日に鹿児島県喜界町喜界島で観測された日降水量は119.0ミリです。
JCRRAG_011662
地理
炭素を循環させている産業森林は、二酸化炭素を吸収してくれるだいじな資源です。また生物の多様性を保持し、自然の豊かさの象徴でもあります。そのため木を伐ることに抵抗感をおぼえることもあります。しかし、木を伐って利用し、より多くの木材が暮らしの中で使われることで、樹木が大気から吸収した炭素を確実に人間社会の中で蓄積することができます。また、高齢の樹木がより若い樹木へ世代交代することで、効果的に温室効果ガスを削減することができます。木を伐ることは森林の減少につながり、温暖化を促進するという誤解もありますが、伐採後に森林へ戻すことで温暖化を緩和することができます。もちろん、守る森、使う森をしっかりと分けて考えることも重要です。木材を適正に利用することは、温室効果ガスの効率的な固定にもつながります。伐って使って植える循環をつくりだす木材を構成する元素の約50%は炭素です。樹木が吸収した二酸化炭素は、木材という形で固定されます。つまり木材を利用し続けることは、炭素を固定し続けている状態になります。もちろん、その木材が最終的に燃やされたり、腐ったりすると、木材に固定されていた炭素は、二酸化炭素の形で大気中へと放出されます。森の木を伐って木材として固定するとともに、新しく植林して森林を育てることで、大気中の二酸化炭素を吸収して炭素を固定することにつながります。この伐って使って植えるという流れの中で炭素は循環し、それぞれの段階で炭素が蓄積されていることになります。木材の循環でカーボンニュートラルカーボンニュートラルは、排出分と同量の炭素を固定することで、大気中の炭素量を増やさずに特定の濃度に保つことを意味します。いまの温室効果ガスの増加傾向は、もはや±0以上に、吸収や固定を強力に進めなくてはならない状態にあります。日本の森林率は7割で、森林量は微増を続けています。その活力を保ちつつ、さらに伐って使って植えることで、確実にカーボンニュートラルの状態へと近づけ、気候変動の緩和へとつなげることができます。
炭素を循環させている産業森林は、なにを吸収してくれる資源ですか。
炭素を循環させている産業森林は、二酸化炭素を吸収してくれるだいじな資源です。
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地理
炭素を循環させている産業森林は、二酸化炭素を吸収してくれるだいじな資源です。また生物の多様性を保持し、自然の豊かさの象徴でもあります。そのため木を伐ることに抵抗感をおぼえることもあります。しかし、木を伐って利用し、より多くの木材が暮らしの中で使われることで、樹木が大気から吸収した炭素を確実に人間社会の中で蓄積することができます。また、高齢の樹木がより若い樹木へ世代交代することで、効果的に温室効果ガスを削減することができます。木を伐ることは森林の減少につながり、温暖化を促進するという誤解もありますが、伐採後に森林へ戻すことで温暖化を緩和することができます。もちろん、守る森、使う森をしっかりと分けて考えることも重要です。木材を適正に利用することは、温室効果ガスの効率的な固定にもつながります。伐って使って植える循環をつくりだす木材を構成する元素の約50%は炭素です。樹木が吸収した二酸化炭素は、木材という形で固定されます。つまり木材を利用し続けることは、炭素を固定し続けている状態になります。もちろん、その木材が最終的に燃やされたり、腐ったりすると、木材に固定されていた炭素は、二酸化炭素の形で大気中へと放出されます。森の木を伐って木材として固定するとともに、新しく植林して森林を育てることで、大気中の二酸化炭素を吸収して炭素を固定することにつながります。この伐って使って植えるという流れの中で炭素は循環し、それぞれの段階で炭素が蓄積されていることになります。木材の循環でカーボンニュートラルカーボンニュートラルは、排出分と同量の炭素を固定することで、大気中の炭素量を増やさずに特定の濃度に保つことを意味します。いまの温室効果ガスの増加傾向は、もはや±0以上に、吸収や固定を強力に進めなくてはならない状態にあります。日本の森林率は7割で、森林量は微増を続けています。その活力を保ちつつ、さらに伐って使って植えることで、確実にカーボンニュートラルの状態へと近づけ、気候変動の緩和へとつなげることができます。
木を伐ることはどのような影響がありますか。
木を伐ることは森林の減少につながり、温暖化を促進するという誤解もありますが、伐採後に森林へ戻すことで温暖化を緩和することができます。
JCRRAG_011664
地理
いま日本では、伐採期を迎えた樹齢の人工林が半分を占 めてきている反面、林業がうまく機能していないという問題を抱えています。林業が健全になることで、森林の気候変動を緩和する機能も健全に発揮されます。問題はどこに あるのでしょうか?日本の林業は、 どんな状況にあるのか 日本の森林面積のうち、およそ4 割に相当する1020万haが人工林で戦後の拡大造林によって整備されてきた森林といえます。木材の輸入自由化などの試練を経つつも、高度経済成長の中で1980年に木材価格がピークを迎え、林業産出額は1兆1588億円を産出していました。その後下降線を描き、近年では約4500億 円前後を推移し、その半分は栽培き のこ類の生産額となります。反面、 森林の蓄積は充実し、伐期を迎えた 人工林が半分を占めるようにもなっ ています。林家の多くは10ha以下の小規模な森林所有者で、木材価格が 低迷する中、手入れなどが行き届か ない状況が続いています。 炭素吸収量の高い 若齢林を増やす 温暖化の緩和という視点から考え ると、国土の67%を森林が占 めていることは好ましいことです。 しかし、その4割を占める人工林の手入れが行き届かなかったり、高齢樹になっていくことは、必ずしもベス トの状態とはいえそうもありません。 それは、019でみたように、高齢樹になるほど二酸化炭素の吸収能力は落ちるからです。 間伐をすることで バイオマスを増やすもうひとつ、手入れが行き届かない森林では、枝が混み合ったり、 風倒木が放置されたり、林床が荒れ てしまうことで、森林の持つ多面的機能が十分に発揮されなくなると同 時に、木材の質も落ちてしまいます。 森林総合研究所が間伐を行った森林と行わなかった森林とのバイオマス量を比較した調査によると、間伐を わない森林では当然生きて育っている立木だけの量は多くなりますが、 間伐材を木材として利用したことを考慮して間伐を行った森林のバイオマス量を比較すると、行った森林のほうがより多くの炭素を固定していることがわかっています。 伐って、使って、植える循環で温暖化を緩和する林業が健全に機能して、伐って、使って、植えるという循環がま わっていくことで、林業は温暖化緩 和への大きな力となります。
林業において日本はどのような問題を抱えていますか。
日本では、伐採期を迎えた樹齢の人工林が半分を占 めてきている反面、林業がうまく機能していないという問題を抱えています。
JCRRAG_011665
地理
いま日本では、伐採期を迎えた樹齢の人工林が半分を占 めてきている反面、林業がうまく機能していないという問題を抱えています。林業が健全になることで、森林の気候変動を緩和する機能も健全に発揮されます。問題はどこに あるのでしょうか?日本の林業は、 どんな状況にあるのか 日本の森林面積のうち、およそ4 割に相当する1020万haが人工林で戦後の拡大造林によって整備されてきた森林といえます。木材の輸入自由化などの試練を経つつも、高度経済成長の中で1980年に木材価格がピークを迎え、林業産出額は1兆1588億円を産出していました。その後下降線を描き、近年では約4500億 円前後を推移し、その半分は栽培き のこ類の生産額となります。反面、 森林の蓄積は充実し、伐期を迎えた 人工林が半分を占めるようにもなっ ています。林家の多くは10ha以下の小規模な森林所有者で、木材価格が 低迷する中、手入れなどが行き届か ない状況が続いています。 炭素吸収量の高い 若齢林を増やす 温暖化の緩和という視点から考え ると、国土の67%を森林が占 めていることは好ましいことです。 しかし、その4割を占める人工林の手入れが行き届かなかったり、高齢樹になっていくことは、必ずしもベス トの状態とはいえそうもありません。 それは、019でみたように、高齢樹になるほど二酸化炭素の吸収能力は落ちるからです。 間伐をすることで バイオマスを増やすもうひとつ、手入れが行き届かない森林では、枝が混み合ったり、 風倒木が放置されたり、林床が荒れ てしまうことで、森林の持つ多面的機能が十分に発揮されなくなると同 時に、木材の質も落ちてしまいます。 森林総合研究所が間伐を行った森林と行わなかった森林とのバイオマス量を比較した調査によると、間伐を わない森林では当然生きて育っている立木だけの量は多くなりますが、 間伐材を木材として利用したことを考慮して間伐を行った森林のバイオマス量を比較すると、行った森林のほうがより多くの炭素を固定していることがわかっています。 伐って、使って、植える循環で温暖化を緩和する林業が健全に機能して、伐って、使って、植えるという循環がま わっていくことで、林業は温暖化緩 和への大きな力となります。
林業が健全になることで、どのような機能が機能が発揮されますか。
林業が健全になることで、森林の気候変動を緩和する機能も健全に発揮されます。
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地理
いま日本では、伐採期を迎えた樹齢の人工林が半分を占 めてきている反面、林業がうまく機能していないという問題を抱えています。林業が健全になることで、森林の気候変動を緩和する機能も健全に発揮されます。問題はどこに あるのでしょうか?日本の林業は、 どんな状況にあるのか 日本の森林面積のうち、およそ4 割に相当する1020万haが人工林で戦後の拡大造林によって整備されてきた森林といえます。木材の輸入自由化などの試練を経つつも、高度経済成長の中で1980年に木材価格がピークを迎え、林業産出額は1兆1588億円を産出していました。その後下降線を描き、近年では約4500億 円前後を推移し、その半分は栽培き のこ類の生産額となります。反面、 森林の蓄積は充実し、伐期を迎えた 人工林が半分を占めるようにもなっ ています。林家の多くは10ha以下の小規模な森林所有者で、木材価格が 低迷する中、手入れなどが行き届か ない状況が続いています。 炭素吸収量の高い 若齢林を増やす 温暖化の緩和という視点から考え ると、国土の67%を森林が占 めていることは好ましいことです。 しかし、その4割を占める人工林の手入れが行き届かなかったり、高齢樹になっていくことは、必ずしもベス トの状態とはいえそうもありません。 それは、019でみたように、高齢樹になるほど二酸化炭素の吸収能力は落ちるからです。 間伐をすることで バイオマスを増やすもうひとつ、手入れが行き届かない森林では、枝が混み合ったり、 風倒木が放置されたり、林床が荒れ てしまうことで、森林の持つ多面的機能が十分に発揮されなくなると同 時に、木材の質も落ちてしまいます。 森林総合研究所が間伐を行った森林と行わなかった森林とのバイオマス量を比較した調査によると、間伐を わない森林では当然生きて育っている立木だけの量は多くなりますが、 間伐材を木材として利用したことを考慮して間伐を行った森林のバイオマス量を比較すると、行った森林のほうがより多くの炭素を固定していることがわかっています。 伐って、使って、植える循環で温暖化を緩和する林業が健全に機能して、伐って、使って、植えるという循環がま わっていくことで、林業は温暖化緩 和への大きな力となります。
林家の多くはどのような規模の森林所有者ですか。
林家の多くは10ha以下の小規模な森林所有者です。
JCRRAG_011667
地理
いま日本では、伐採期を迎えた樹齢の人工林が半分を占 めてきている反面、林業がうまく機能していないという問題を抱えています。林業が健全になることで、森林の気候変動を緩和する機能も健全に発揮されます。問題はどこに あるのでしょうか?日本の林業は、 どんな状況にあるのか 日本の森林面積のうち、およそ4 割に相当する1020万haが人工林で戦後の拡大造林によって整備されてきた森林といえます。木材の輸入自由化などの試練を経つつも、高度経済成長の中で1980年に木材価格がピークを迎え、林業産出額は1兆1588億円を産出していました。その後下降線を描き、近年では約4500億 円前後を推移し、その半分は栽培き のこ類の生産額となります。反面、 森林の蓄積は充実し、伐期を迎えた 人工林が半分を占めるようにもなっ ています。林家の多くは10ha以下の小規模な森林所有者で、木材価格が 低迷する中、手入れなどが行き届か ない状況が続いています。 炭素吸収量の高い 若齢林を増やす 温暖化の緩和という視点から考え ると、国土の67%を森林が占 めていることは好ましいことです。 しかし、その4割を占める人工林の手入れが行き届かなかったり、高齢樹になっていくことは、必ずしもベス トの状態とはいえそうもありません。 それは、019でみたように、高齢樹になるほど二酸化炭素の吸収能力は落ちるからです。 間伐をすることで バイオマスを増やすもうひとつ、手入れが行き届かない森林では、枝が混み合ったり、 風倒木が放置されたり、林床が荒れ てしまうことで、森林の持つ多面的機能が十分に発揮されなくなると同 時に、木材の質も落ちてしまいます。 森林総合研究所が間伐を行った森林と行わなかった森林とのバイオマス量を比較した調査によると、間伐を わない森林では当然生きて育っている立木だけの量は多くなりますが、 間伐材を木材として利用したことを考慮して間伐を行った森林のバイオマス量を比較すると、行った森林のほうがより多くの炭素を固定していることがわかっています。 伐って、使って、植える循環で温暖化を緩和する林業が健全に機能して、伐って、使って、植えるという循環がま わっていくことで、林業は温暖化緩 和への大きな力となります。
高度経済成長の中で1980年の林業産出額はいくらでしたか。
高度経済成長の中で1980年に木材価格がピークを迎え、林業産出額は1兆1588億円を産出していました。
JCRRAG_011668
地理
いま日本では、伐採期を迎えた樹齢の人工林が半分を占めてきている反面、林業がうまく機能していないという問題を抱えています。林業が健全になることで、森林の気候変動を緩和する機能も健全に発揮されます。問題はどこにあるのでしょうか? 森林所有者が魅力を感じる林業へ「林業では、利益が出ない。むしろ手間とコストがかかるばかり」というのが、多くの林家の気持ちではないでしょうか。自分の山、自分の森林への想いがあっても、なかなか思うように管理できない、利益がでないのでは、林業への魅力が失せるのは当然のことです。では、魅力ある林業にするには、どうしたらよいのでしょうか。省力・低コストによる経営の安定林業で利益を得るには、新たな需要創出により木材価格を上げることとあわせ、できるだけ省力化を図り低コスト化して経営を安定させることが必要でしょう。そのためには、造林・育林をする林家から、製材、そして消費者までのあいだに無駄のないシステマチックな流通を構築することが求められています。同時に林業は、ひとつの世代だけでは完結しない産業です。1本の木を育てるには数十年もの時間が必要です。次世代のために木を植え、山を守るためにも魅力ある産業構造が必要です。 民間の活力を高めるための制度と税森林の中には、所有者がわからなくなってしまったところもあります。遺産相続時に登記移転がなされなかったのでしょう。地方の過疎化や高齢化が進んだことで、山の管理が行き届かず荒れてしまったり、そのため境界線が確認できなくなってしまったような場所もあります。こうした山では、管理をすることもできず、森林の多面的機能は発揮しづらくなります。また、温暖化の緩和にも貢献することができません。そこで、所有者を探してもみつからない場合には、特例措置として、森林経営管理法に基づく「経営管理権集積計画」を半年間公告したあと、市町村が主体となって適切な経営管理を図ることができるようになりました。管理が行き届かない森林に対して、市町村が仲介役となって森林所有者と林業経営者をつなぐことで集約的に森林の整備を行おうというわけです。また、国民が全員で森林環境税を負担しつつ、自治体に「森林環境譲与税」を交付することで、間伐や路網整備といった森林整備を行えるようなしくみづくりが、近年整えられるようになってきました。"
経営の安定林業で利益を得るには、どうすればいいでしょうか。
省力・低コストによる経営の安定林業で利益を得るには、新たな需要創出により木材価格を上げることとあわせ、できるだけ省力化を図り低コスト化して経営を安定させることが必要でしょう。
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地理
いま日本では、伐採期を迎えた樹齢の人工林が半分を占めてきている反面、林業がうまく機能していないという問題を抱えています。林業が健全になることで、森林の気候変動を緩和する機能も健全に発揮されます。問題はどこにあるのでしょうか? 森林所有者が魅力を感じる林業へ「林業では、利益が出ない。むしろ手間とコストがかかるばかり」というのが、多くの林家の気持ちではないでしょうか。自分の山、自分の森林への想いがあっても、なかなか思うように管理できない、利益がでないのでは、林業への魅力が失せるのは当然のことです。では、魅力ある林業にするには、どうしたらよいのでしょうか。省力・低コストによる経営の安定林業で利益を得るには、新たな需要創出により木材価格を上げることとあわせ、できるだけ省力化を図り低コスト化して経営を安定させることが必要でしょう。そのためには、造林・育林をする林家から、製材、そして消費者までのあいだに無駄のないシステマチックな流通を構築することが求められています。同時に林業は、ひとつの世代だけでは完結しない産業です。1本の木を育てるには数十年もの時間が必要です。次世代のために木を植え、山を守るためにも魅力ある産業構造が必要です。 民間の活力を高めるための制度と税森林の中には、所有者がわからなくなってしまったところもあります。遺産相続時に登記移転がなされなかったのでしょう。地方の過疎化や高齢化が進んだことで、山の管理が行き届かず荒れてしまったり、そのため境界線が確認できなくなってしまったような場所もあります。こうした山では、管理をすることもできず、森林の多面的機能は発揮しづらくなります。また、温暖化の緩和にも貢献することができません。そこで、所有者を探してもみつからない場合には、特例措置として、森林経営管理法に基づく「経営管理権集積計画」を半年間公告したあと、市町村が主体となって適切な経営管理を図ることができるようになりました。管理が行き届かない森林に対して、市町村が仲介役となって森林所有者と林業経営者をつなぐことで集約的に森林の整備を行おうというわけです。また、国民が全員で森林環境税を負担しつつ、自治体に「森林環境譲与税」を交付することで、間伐や路網整備といった森林整備を行えるようなしくみづくりが、近年整えられるようになってきました。"
所有者を探してもみつからない場合には、どのような特例措置をとることができるでしょうか。
所有者を探してもみつからない場合には、特例措置として、森林経営管理法に基づく「経営管理権集積計画」を半年間公告したあと、市町村が主体となって適切な経営管理を図ることができるようになりました。
JCRRAG_011670
地理
健全な林業を推進して気候変動を緩和するためには、長期的な視野に基づく効率的でシステマチックな作業が求められます。滞りなく植林が行えるような苗木の安定供給、成長がよいエリートツリーの導入、早く健全に育つ早生樹などを活用すれば、炭素の吸収量増加にも力を発揮します。 苗木の安定供給林業がうまくまわるような循環をつくりだすためには、造林のための苗木が安定的に供給されることが欠かせません。その年の造林に使われる苗木を「山やまゆき行苗木」といいます。山行苗木の2割は、いまコンテナ苗になりました。コンテナ苗というのは、根が丈夫に育つような容器に、あらかじめ苗を1本ずつ育てておき、山に植え付けたあとの根づきがよくなるようにした苗です。コンテナ苗は機械で植えることができるので、手間やコストを削減するためには欠かせないものです。さらに、樹木の生育には数十年もの時間がかかります。いちど植林をしたら簡単に植え替えをすることはできません。よい成長を見込めるかどうかは苗の資質次第ということになります。成長のよさ、まっすぐ育つ資質、耐寒性や病害への耐性など遺伝的に資質をもつ苗を確保することが重要です。エリートツリーなどの利用の拡大エリートツリーとは、とくに成長が優れたもの、材として質が高く、また、その他のさまざまな点で優秀な資質をもつスギやヒノキを全国の人工林や天然林から探し出して母樹とし、それらを掛け合わせることで生みだした、まさにエリートの木です。二酸化炭素を吸収固定する量は、当然成長が早く優れた樹木のほうが多くなります。そこで、そうした木をとくに「特定母樹」として指定することで、温暖化対策への貢献に寄与できるようにしています。同時に、国民病ともいわれる花粉症対策として、花粉量が少ないこともひとつの資質として考慮されています。早生樹を活用して期間コストを減らす成長が良くて、早く大きく育つ樹種のことを早生樹といいます。たとえば、コウヨウザンやセンダンは、20〜40年で収穫できて高い木材生産能力を持ちます。また、ヤナギやポプラなどは非常に早く育つことから、育林の手間をそれほどかけずに、短期間で効率的にカーボンニュートラルのバイオマスエネルギーに利用することができます。これらのものを活用し、適材適所で再造林を図ることで、着実に排出量の削減を積み上げることができるのです。
苗木の安定供給林業がうまくまわるような循環をつくりだすためには、なにをすることが欠かせないでしょうか。
苗木の安定供給林業がうまくまわるような循環をつくりだすためには、造林のための苗木が安定的に供給されることが欠かせません。
JCRRAG_011671
地理
健全な林業を推進して気候変動を緩和するためには、長期的な視野に基づく効率的でシステマチックな作業が求められます。滞りなく植林が行えるような苗木の安定供給、成長がよいエリートツリーの導入、早く健全に育つ早生樹などを活用すれば、炭素の吸収量増加にも力を発揮します。 苗木の安定供給林業がうまくまわるような循環をつくりだすためには、造林のための苗木が安定的に供給されることが欠かせません。その年の造林に使われる苗木を「山やまゆき行苗木」といいます。山行苗木の2割は、いまコンテナ苗になりました。コンテナ苗というのは、根が丈夫に育つような容器に、あらかじめ苗を1本ずつ育てておき、山に植え付けたあとの根づきがよくなるようにした苗です。コンテナ苗は機械で植えることができるので、手間やコストを削減するためには欠かせないものです。さらに、樹木の生育には数十年もの時間がかかります。いちど植林をしたら簡単に植え替えをすることはできません。よい成長を見込めるかどうかは苗の資質次第ということになります。成長のよさ、まっすぐ育つ資質、耐寒性や病害への耐性など遺伝的に資質をもつ苗を確保することが重要です。エリートツリーなどの利用の拡大エリートツリーとは、とくに成長が優れたもの、材として質が高く、また、その他のさまざまな点で優秀な資質をもつスギやヒノキを全国の人工林や天然林から探し出して母樹とし、それらを掛け合わせることで生みだした、まさにエリートの木です。二酸化炭素を吸収固定する量は、当然成長が早く優れた樹木のほうが多くなります。そこで、そうした木をとくに「特定母樹」として指定することで、温暖化対策への貢献に寄与できるようにしています。同時に、国民病ともいわれる花粉症対策として、花粉量が少ないこともひとつの資質として考慮されています。早生樹を活用して期間コストを減らす成長が良くて、早く大きく育つ樹種のことを早生樹といいます。たとえば、コウヨウザンやセンダンは、20〜40年で収穫できて高い木材生産能力を持ちます。また、ヤナギやポプラなどは非常に早く育つことから、育林の手間をそれほどかけずに、短期間で効率的にカーボンニュートラルのバイオマスエネルギーに利用することができます。これらのものを活用し、適材適所で再造林を図ることで、着実に排出量の削減を積み上げることができるのです。
その年の造林に使われる苗木をなんといいますか。
その年の造林に使われる苗木を「山やまゆき行苗木」といいます。
JCRRAG_011672
地理
健全な林業を推進して気候変動を緩和するためには、長期的な視野に基づく効率的でシステマチックな作業が求められます。滞りなく植林が行えるような苗木の安定供給、成長がよいエリートツリーの導入、早く健全に育つ早生樹などを活用すれば、炭素の吸収量増加にも力を発揮します。 苗木の安定供給林業がうまくまわるような循環をつくりだすためには、造林のための苗木が安定的に供給されることが欠かせません。その年の造林に使われる苗木を「山やまゆき行苗木」といいます。山行苗木の2割は、いまコンテナ苗になりました。コンテナ苗というのは、根が丈夫に育つような容器に、あらかじめ苗を1本ずつ育てておき、山に植え付けたあとの根づきがよくなるようにした苗です。コンテナ苗は機械で植えることができるので、手間やコストを削減するためには欠かせないものです。さらに、樹木の生育には数十年もの時間がかかります。いちど植林をしたら簡単に植え替えをすることはできません。よい成長を見込めるかどうかは苗の資質次第ということになります。成長のよさ、まっすぐ育つ資質、耐寒性や病害への耐性など遺伝的に資質をもつ苗を確保することが重要です。エリートツリーなどの利用の拡大エリートツリーとは、とくに成長が優れたもの、材として質が高く、また、その他のさまざまな点で優秀な資質をもつスギやヒノキを全国の人工林や天然林から探し出して母樹とし、それらを掛け合わせることで生みだした、まさにエリートの木です。二酸化炭素を吸収固定する量は、当然成長が早く優れた樹木のほうが多くなります。そこで、そうした木をとくに「特定母樹」として指定することで、温暖化対策への貢献に寄与できるようにしています。同時に、国民病ともいわれる花粉症対策として、花粉量が少ないこともひとつの資質として考慮されています。早生樹を活用して期間コストを減らす成長が良くて、早く大きく育つ樹種のことを早生樹といいます。たとえば、コウヨウザンやセンダンは、20〜40年で収穫できて高い木材生産能力を持ちます。また、ヤナギやポプラなどは非常に早く育つことから、育林の手間をそれほどかけずに、短期間で効率的にカーボンニュートラルのバイオマスエネルギーに利用することができます。これらのものを活用し、適材適所で再造林を図ることで、着実に排出量の削減を積み上げることができるのです。
二酸化炭素を吸収固定する量は、どのような樹木のほうが多くなりますか。
二酸化炭素を吸収固定する量は、当然成長が早く優れた樹木のほうが多くなります。
JCRRAG_011673
地理
木を伐採して売ることができても、その後の地拵えや植付けに手間とコストがかかったのでは健全な森林経営を行うことができません。伐採から植付けまでの作業を一貫して行うシステムを導入できればコスト削減となり、再造林によるカーボンニュートラルへとつなげることができます。 最先端技術を導入して森林を把握するデジタル化、IoTが急速に進む現代において、林業の現場でもAIを活用した取り組みは急務の研究課題となっています。とくに、気候変動など地球規模での影響を把握するために、AIは欠かすことができません。いま林業の現場では、森林の材積量や状態、あるいは地積や境界を明確に知るために、さまざまなAIシステムが導入されています。たとえば、ドローンを使って上方から森林をみることで、これまで知ることができなかった森林の実像に迫ることができます。また、さらに上空にある人工衛星からの情報を利用して、森林の密度、樹種、状態などを把握し、それぞれの森林が持っているポテンシャルを知るための情報を得ることもできるようになってきています。これら最先端技術を森林調査・森林研究で活用し、林業の現場と結びつけることで、より効率的で、地球環境への負荷の少ない森林保全や森林利用のシステムを作り上げていくことができるでしょう。 スマート林業の推進林業の現場は、かつては3Kともいわれ、育林のための下刈り、除伐、枝打ちにはじまり、人力のチェーンソーによる間伐、主伐、丸太の搬出、伐採後の地じ拵ごしらえ、そして植林とすべての作業を人の力で賄ってきました。機械の発展とデジタル化によって、いまでは、高度な機械化が進んでいます。高性能林業機械は、この30年ほどで飛躍的に保有台数が増え、導入が進んでいます。なかでも、IoTを活用した先進の機械では、伐採から枝払い、玉切りまでを1本数分で作業し、さらに地拵えから植林までを一貫して行うことで、コストを削減するスマート林業が行われるようになってきています。コストを削減することで、林業経営の健全化を図ることは、ひいては森林全体の持続的な整備・保全へとつながり、さらには、温室効果ガスの森林による吸収の活力も高まり、カーボンニュートラルの実現、そして気候変動の緩和へとつながることになります。
気候変動など地球規模での影響を把握するために、なにが欠かせないでしょうか。
気候変動など地球規模での影響を把握するために、AIは欠かすことができません。
JCRRAG_011674
地理
木を伐採して売ることができても、その後の地拵えや植付けに手間とコストがかかったのでは健全な森林経営を行うことができません。伐採から植付けまでの作業を一貫して行うシステムを導入できればコスト削減となり、再造林によるカーボンニュートラルへとつなげることができます。 最先端技術を導入して森林を把握するデジタル化、IoTが急速に進む現代において、林業の現場でもAIを活用した取り組みは急務の研究課題となっています。とくに、気候変動など地球規模での影響を把握するために、AIは欠かすことができません。いま林業の現場では、森林の材積量や状態、あるいは地積や境界を明確に知るために、さまざまなAIシステムが導入されています。たとえば、ドローンを使って上方から森林をみることで、これまで知ることができなかった森林の実像に迫ることができます。また、さらに上空にある人工衛星からの情報を利用して、森林の密度、樹種、状態などを把握し、それぞれの森林が持っているポテンシャルを知るための情報を得ることもできるようになってきています。これら最先端技術を森林調査・森林研究で活用し、林業の現場と結びつけることで、より効率的で、地球環境への負荷の少ない森林保全や森林利用のシステムを作り上げていくことができるでしょう。 スマート林業の推進林業の現場は、かつては3Kともいわれ、育林のための下刈り、除伐、枝打ちにはじまり、人力のチェーンソーによる間伐、主伐、丸太の搬出、伐採後の地じ拵ごしらえ、そして植林とすべての作業を人の力で賄ってきました。機械の発展とデジタル化によって、いまでは、高度な機械化が進んでいます。高性能林業機械は、この30年ほどで飛躍的に保有台数が増え、導入が進んでいます。なかでも、IoTを活用した先進の機械では、伐採から枝払い、玉切りまでを1本数分で作業し、さらに地拵えから植林までを一貫して行うことで、コストを削減するスマート林業が行われるようになってきています。コストを削減することで、林業経営の健全化を図ることは、ひいては森林全体の持続的な整備・保全へとつながり、さらには、温室効果ガスの森林による吸収の活力も高まり、カーボンニュートラルの実現、そして気候変動の緩和へとつながることになります。
林業の現場では、なにを明確に知るために、さまざまなAIシステムが導入されているのでしょうか。
林業の現場では、森林の材積量や状態、あるいは地積や境界を明確に知るために、さまざまなAIシステムが導入されています。
JCRRAG_011675
地理
木を伐採して売ることができても、その後の地拵えや植付けに手間とコストがかかったのでは健全な森林経営を行うことができません。伐採から植付けまでの作業を一貫して行うシステムを導入できればコスト削減となり、再造林によるカーボンニュートラルへとつなげることができます。 最先端技術を導入して森林を把握するデジタル化、IoTが急速に進む現代において、林業の現場でもAIを活用した取り組みは急務の研究課題となっています。とくに、気候変動など地球規模での影響を把握するために、AIは欠かすことができません。いま林業の現場では、森林の材積量や状態、あるいは地積や境界を明確に知るために、さまざまなAIシステムが導入されています。たとえば、ドローンを使って上方から森林をみることで、これまで知ることができなかった森林の実像に迫ることができます。また、さらに上空にある人工衛星からの情報を利用して、森林の密度、樹種、状態などを把握し、それぞれの森林が持っているポテンシャルを知るための情報を得ることもできるようになってきています。これら最先端技術を森林調査・森林研究で活用し、林業の現場と結びつけることで、より効率的で、地球環境への負荷の少ない森林保全や森林利用のシステムを作り上げていくことができるでしょう。 スマート林業の推進林業の現場は、かつては3Kともいわれ、育林のための下刈り、除伐、枝打ちにはじまり、人力のチェーンソーによる間伐、主伐、丸太の搬出、伐採後の地じ拵ごしらえ、そして植林とすべての作業を人の力で賄ってきました。機械の発展とデジタル化によって、いまでは、高度な機械化が進んでいます。高性能林業機械は、この30年ほどで飛躍的に保有台数が増え、導入が進んでいます。なかでも、IoTを活用した先進の機械では、伐採から枝払い、玉切りまでを1本数分で作業し、さらに地拵えから植林までを一貫して行うことで、コストを削減するスマート林業が行われるようになってきています。コストを削減することで、林業経営の健全化を図ることは、ひいては森林全体の持続的な整備・保全へとつながり、さらには、温室効果ガスの森林による吸収の活力も高まり、カーボンニュートラルの実現、そして気候変動の緩和へとつながることになります。
IoTを活用した先進の機械では、どのようなスマート林業が行われるようになってきていますか。
IoTを活用した先進の機械では、伐採から枝払い、玉切りまでを1本数分で作業し、さらに地拵えから植林までを一貫して行うことで、コストを削減するスマート林業が行われるようになってきています。
JCRRAG_011676
地理
地球温暖化の影響によって、短時間豪雨や長時間降り続く長雨などが頻発しています。近年は全国で毎年2000カ所を超える山地災害が発生する状況になっています。防災林を整備することで、山地災害を抑制し、温暖化による被害の増大に備えることができます。 防災林の整備で洪水や土砂災害は減ってきた戦後の斜面の崩壊や洪水の氾濫面積と、水源涵養林などの保安林の面積を比べると、保安林面積は1960年代から80年代にかけて倍増し、斜面崩壊や洪水氾濫面積が減少していることがみてとれます。保安林の整備が、災害を抑えてきたといえるでしょう。洪水では「流域治水」という考え方があります。上流域の森林をしっかりと整備することで、洪水を緩和できるという考え方です。森林を整備することは、災害の抑制に欠かせません。予想される被害の甚大化しかし、いま地球温暖化によって降水量や集中的な豪雨が増えてきています。それに伴い、土砂災害も多発しています。2018年7月の豪雨では、広島県で線状降水帯による土砂崩れの同時多発が起きました。2021年の夏も、線状降水帯の発生で、九州・中国・四国地方で、洪水や土砂災害が起きました。降雨の激甚化によって、土砂災害が多発すれば被害がさらに増大することになります。吸収源としての森林整備と防災林としての役割森林を大面積で皆伐すると、斜面の崩壊が起きやすくなります。そのため国有林では、皆伐箇所を分散するよう定めています。皆伐直後は根系が土壌を支持していますが、温暖化による集中豪雨が、林床植生のなくなった表土を直接大量に流れると崩落を招く原因ともなるでしょう。伐採後の年数が経過するほどに根系の支持力も弱くなります。そこで、皆伐後はできるだけ早く再造林を行う必要があります。あるいは、よい材が育たない山であれば、針広混交の天然林に転換し、保安林としての役割を持たせる判断をすることがだいじでしょう。林業を健全化して持続性を担保しつつ、温室効果ガスを効果的に抑制する人工林と、水源をかん養し、災害を抑制するための保安林や防災林の整備、そして多様性を維持し、国土を強靱化するための保全林など、必要な場所に、必要なバランスで、それぞれの森林を整備していくことが、これからの時代は求められているといえるでしょう。
保安林の整備が、なにを抑えてきたといえるでしょうか。
保安林の整備が、災害を抑えてきたといえるでしょう。
JCRRAG_011677
地理
地球温暖化の影響によって、短時間豪雨や長時間降り続く長雨などが頻発しています。近年は全国で毎年2000カ所を超える山地災害が発生する状況になっています。防災林を整備することで、山地災害を抑制し、温暖化による被害の増大に備えることができます。 防災林の整備で洪水や土砂災害は減ってきた戦後の斜面の崩壊や洪水の氾濫面積と、水源涵養林などの保安林の面積を比べると、保安林面積は1960年代から80年代にかけて倍増し、斜面崩壊や洪水氾濫面積が減少していることがみてとれます。保安林の整備が、災害を抑えてきたといえるでしょう。洪水では「流域治水」という考え方があります。上流域の森林をしっかりと整備することで、洪水を緩和できるという考え方です。森林を整備することは、災害の抑制に欠かせません。予想される被害の甚大化しかし、いま地球温暖化によって降水量や集中的な豪雨が増えてきています。それに伴い、土砂災害も多発しています。2018年7月の豪雨では、広島県で線状降水帯による土砂崩れの同時多発が起きました。2021年の夏も、線状降水帯の発生で、九州・中国・四国地方で、洪水や土砂災害が起きました。降雨の激甚化によって、土砂災害が多発すれば被害がさらに増大することになります。吸収源としての森林整備と防災林としての役割森林を大面積で皆伐すると、斜面の崩壊が起きやすくなります。そのため国有林では、皆伐箇所を分散するよう定めています。皆伐直後は根系が土壌を支持していますが、温暖化による集中豪雨が、林床植生のなくなった表土を直接大量に流れると崩落を招く原因ともなるでしょう。伐採後の年数が経過するほどに根系の支持力も弱くなります。そこで、皆伐後はできるだけ早く再造林を行う必要があります。あるいは、よい材が育たない山であれば、針広混交の天然林に転換し、保安林としての役割を持たせる判断をすることがだいじでしょう。林業を健全化して持続性を担保しつつ、温室効果ガスを効果的に抑制する人工林と、水源をかん養し、災害を抑制するための保安林や防災林の整備、そして多様性を維持し、国土を強靱化するための保全林など、必要な場所に、必要なバランスで、それぞれの森林を整備していくことが、これからの時代は求められているといえるでしょう。
2018年7月の豪雨では、なにが同時多発しましたか。
2018年7月の豪雨では、広島県で線状降水帯による土砂崩れの同時多発が起きました。
JCRRAG_011678
地理
地球温暖化の影響によって、短時間豪雨や長時間降り続く長雨などが頻発しています。近年は全国で毎年2000カ所を超える山地災害が発生する状況になっています。防災林を整備することで、山地災害を抑制し、温暖化による被害の増大に備えることができます。 防災林の整備で洪水や土砂災害は減ってきた戦後の斜面の崩壊や洪水の氾濫面積と、水源涵養林などの保安林の面積を比べると、保安林面積は1960年代から80年代にかけて倍増し、斜面崩壊や洪水氾濫面積が減少していることがみてとれます。保安林の整備が、災害を抑えてきたといえるでしょう。洪水では「流域治水」という考え方があります。上流域の森林をしっかりと整備することで、洪水を緩和できるという考え方です。森林を整備することは、災害の抑制に欠かせません。予想される被害の甚大化しかし、いま地球温暖化によって降水量や集中的な豪雨が増えてきています。それに伴い、土砂災害も多発しています。2018年7月の豪雨では、広島県で線状降水帯による土砂崩れの同時多発が起きました。2021年の夏も、線状降水帯の発生で、九州・中国・四国地方で、洪水や土砂災害が起きました。降雨の激甚化によって、土砂災害が多発すれば被害がさらに増大することになります。吸収源としての森林整備と防災林としての役割森林を大面積で皆伐すると、斜面の崩壊が起きやすくなります。そのため国有林では、皆伐箇所を分散するよう定めています。皆伐直後は根系が土壌を支持していますが、温暖化による集中豪雨が、林床植生のなくなった表土を直接大量に流れると崩落を招く原因ともなるでしょう。伐採後の年数が経過するほどに根系の支持力も弱くなります。そこで、皆伐後はできるだけ早く再造林を行う必要があります。あるいは、よい材が育たない山であれば、針広混交の天然林に転換し、保安林としての役割を持たせる判断をすることがだいじでしょう。林業を健全化して持続性を担保しつつ、温室効果ガスを効果的に抑制する人工林と、水源をかん養し、災害を抑制するための保安林や防災林の整備、そして多様性を維持し、国土を強靱化するための保全林など、必要な場所に、必要なバランスで、それぞれの森林を整備していくことが、これからの時代は求められているといえるでしょう。
なにをすると斜面の崩壊が起きやすくなりますか。
吸収源としての森林整備と防災林としての役割森林を大面積で皆伐すると、斜面の崩壊が起きやすくなります。
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地理
目を世界へと転じてみましょう。森林が果たす地球温暖化緩和への効果を最大限に活かすためには、いまある世界の森林を維持し続けることが不可欠です。世界の森林面積は減少を続けてきています。森林の減少を抑えるための取り組みについてみてみましょう。 世界の森林の90パーセントが天然林 世界の森林をみわたすと、その93パーセント(およそ37億5000万ha)が天然林で、のこりの7パーセント(およそ2億9000万ha)ほどが人工林となっています。全体の傾向としては、天然林が減少を続け、人工林が増えていますが、その速度はしだいに鈍りつつあります。植林への取り組みは、世界中でその意義が認められ、中国やインドなどでは国家的に推進されていますが、植林可能な大地に限りがあるということが、人工林面積の増加速度が鈍っているひとつの要因なのでしょう。日本では、国土の7割がすでに森林に覆われ、伐採地に対しての造林が行われていることから、森林面積自体の変化に大きな変動はありません。 減少を続ける世界の天然林 反面、アマゾンの熱帯林や、インドネシアなどアジアの熱帯林では、地元住民の生活のための開墾や、あるいは国際企業によるプランテーションへの土地の改変などによって、いまなお天然林は減少を続けています。開発途上国においては、いわば農業開発と森林の保全は、トレードオフの関係となっています。地元の住民の人たちの暮らしを支援し、経済的な向上を図りつつ、森林保全が可能となるしくみづくりが重要です。 国際貢献による森林減少の抑制 こうした状況に対して、国際社会では森林を保全し、循環的に利用するための管理技術の移転や、REDD+プラスといった取り組みによって、森林面積減少への歯止めをかけようとしています。REDD+プラスとは、「森林減少・森林劣化からの排出の削減、および森林保全、持続可能な森林経営、森林炭素蓄積の強化の役割」という意味を持つ英語の略称です。気候変動枠組条約の第11回締約国会議 (COP11) において、パプアニューギニアとコスタリカから温暖化緩和策のひとつとして提案されたことにはじまります。こうした取り組みの効果もあってか、世界の森林面積の減少は抑制されつつあるようにみえます。今後さらに自国のみならず途上国への支援が重要になるでしょう。
世界の森林をみわたすと、天然林と人工林の比率はどの程度ですか。
世界の森林をみわたすと、その93パーセント(およそ37億5000万ha)が天然林で、のこりの7パーセント(およそ2億9000万ha)ほどが人工林となっています。
JCRRAG_011680
地理
目を世界へと転じてみましょう。森林が果たす地球温暖化緩和への効果を最大限に活かすためには、いまある世界の森林を維持し続けることが不可欠です。世界の森林面積は減少を続けてきています。森林の減少を抑えるための取り組みについてみてみましょう。 世界の森林の90パーセントが天然林 世界の森林をみわたすと、その93パーセント(およそ37億5000万ha)が天然林で、のこりの7パーセント(およそ2億9000万ha)ほどが人工林となっています。全体の傾向としては、天然林が減少を続け、人工林が増えていますが、その速度はしだいに鈍りつつあります。植林への取り組みは、世界中でその意義が認められ、中国やインドなどでは国家的に推進されていますが、植林可能な大地に限りがあるということが、人工林面積の増加速度が鈍っているひとつの要因なのでしょう。日本では、国土の7割がすでに森林に覆われ、伐採地に対しての造林が行われていることから、森林面積自体の変化に大きな変動はありません。 減少を続ける世界の天然林 反面、アマゾンの熱帯林や、インドネシアなどアジアの熱帯林では、地元住民の生活のための開墾や、あるいは国際企業によるプランテーションへの土地の改変などによって、いまなお天然林は減少を続けています。開発途上国においては、いわば農業開発と森林の保全は、トレードオフの関係となっています。地元の住民の人たちの暮らしを支援し、経済的な向上を図りつつ、森林保全が可能となるしくみづくりが重要です。 国際貢献による森林減少の抑制 こうした状況に対して、国際社会では森林を保全し、循環的に利用するための管理技術の移転や、REDD+プラスといった取り組みによって、森林面積減少への歯止めをかけようとしています。REDD+プラスとは、「森林減少・森林劣化からの排出の削減、および森林保全、持続可能な森林経営、森林炭素蓄積の強化の役割」という意味を持つ英語の略称です。気候変動枠組条約の第11回締約国会議 (COP11) において、パプアニューギニアとコスタリカから温暖化緩和策のひとつとして提案されたことにはじまります。こうした取り組みの効果もあってか、世界の森林面積の減少は抑制されつつあるようにみえます。今後さらに自国のみならず途上国への支援が重要になるでしょう。
世界の森林の全体の傾向はどのようなものですか。
世界の森林の全体の傾向としては、天然林が減少を続け、人工林が増えていますが、その速度はしだいに鈍りつつあります。
JCRRAG_011681
地理
目を世界へと転じてみましょう。森林が果たす地球温暖化緩和への効果を最大限に活かすためには、いまある世界の森林を維持し続けることが不可欠です。世界の森林面積は減少を続けてきています。森林の減少を抑えるための取り組みについてみてみましょう。 世界の森林の90パーセントが天然林 世界の森林をみわたすと、その93パーセント(およそ37億5000万ha)が天然林で、のこりの7パーセント(およそ2億9000万ha)ほどが人工林となっています。全体の傾向としては、天然林が減少を続け、人工林が増えていますが、その速度はしだいに鈍りつつあります。植林への取り組みは、世界中でその意義が認められ、中国やインドなどでは国家的に推進されていますが、植林可能な大地に限りがあるということが、人工林面積の増加速度が鈍っているひとつの要因なのでしょう。日本では、国土の7割がすでに森林に覆われ、伐採地に対しての造林が行われていることから、森林面積自体の変化に大きな変動はありません。 減少を続ける世界の天然林 反面、アマゾンの熱帯林や、インドネシアなどアジアの熱帯林では、地元住民の生活のための開墾や、あるいは国際企業によるプランテーションへの土地の改変などによって、いまなお天然林は減少を続けています。開発途上国においては、いわば農業開発と森林の保全は、トレードオフの関係となっています。地元の住民の人たちの暮らしを支援し、経済的な向上を図りつつ、森林保全が可能となるしくみづくりが重要です。 国際貢献による森林減少の抑制 こうした状況に対して、国際社会では森林を保全し、循環的に利用するための管理技術の移転や、REDD+プラスといった取り組みによって、森林面積減少への歯止めをかけようとしています。REDD+プラスとは、「森林減少・森林劣化からの排出の削減、および森林保全、持続可能な森林経営、森林炭素蓄積の強化の役割」という意味を持つ英語の略称です。気候変動枠組条約の第11回締約国会議 (COP11) において、パプアニューギニアとコスタリカから温暖化緩和策のひとつとして提案されたことにはじまります。こうした取り組みの効果もあってか、世界の森林面積の減少は抑制されつつあるようにみえます。今後さらに自国のみならず途上国への支援が重要になるでしょう。
アマゾンの熱帯林や、インドネシアなどアジアの熱帯林では、天然林の数はどうなっていますか。
アマゾンの熱帯林や、インドネシアなどアジアの熱帯林では、地元住民の生活のための開墾や、あるいは国際企業によるプランテーションへの土地の改変などによって、いまなお天然林は減少を続けています。
JCRRAG_011682
地理
森林面積の減少の主な要因には、途上国での生活のための伐採と、国際企業によるプランテーション開発があります。20世紀に入って、急速に熱帯林の乱伐が進み、気候変動への大きな脅威となりました。こうした中、緩和の国際的な取り組みとしてREDD+プラスが注目されています。 人口増加と経済優先が乱伐の後押しをした 熱帯林を主とする途上国の森林面積は、20世紀の後半から毎年平均でおよそ1200万haずつ減少を続けてきたと考えられます。近年は減少速度が落ちているとはいえ、いまも毎年1000万haほどが失われています。そのいちばんの原因は、森林を伐開して農耕地や放牧地へ転換したり、商業的に伐採をして、アブラヤシ(パームツリー)やゴムなどのプランテーションに転換してきたことにあります。人びとの暮らしを支え、豊かさを求める中で人口が増加し、社会が拡大することでさらなる農地が必要とされてきました。 REDD+プラスとは、削減努力へのインセンティブ こうした中、実効的な対策として注目されているのがREDD+プラスです。熱帯林を有する国や地域の人びとの生活・経済の向上と、温暖化防止のための森林減少抑制をリンクさせ、トレードオフの関係からシナジー(相乗効果)をもたらす関係に換えることが主眼の対策となっています。対象となる国や地域で、森林減少や劣化による排出削減や炭素の吸収を積極的に増やす対策を行った場合、その温室効果ガス排出量の削減や炭素吸収量の増加に対してインセンティブ(報酬)が得られるしくみになっています。つまり、生活のために必要最小限の森を伐り開いたとしても、それ以上の緑化や植林を行えば報酬が得られるというわけです。生物多様性を維持し、地域住民の暮らしを支えるために有効な手段と考えられます。 REDD+プラスの効果を予測する REDD+プラスのプログラムが順当に機能することで、排出量を大きく削減できると予想されています(右ページグラフ参照)。たとえば、インドネシアやラオスにおける焼畑耕作の抑制や、ベトナムでの持続可能な森林管理、カンボジアでは保全林化の推進や違法伐採の取り締まりなどにREDD+プラスが活用されています。こうした動きをさらに推し進めるためには、モニタリングの精度アップや検証システム構築がとても重要です。また、気候変動対策活動を排出削減量・吸収量として評価認証することでクレジットを発行し、民間企業が購入するしくみも進められています。
森林面積の減少の主な要因には、どのようなものがありますか。
森林面積の減少の主な要因には、途上国での生活のための伐採と、国際企業によるプランテーション開発があります。
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地理
森林面積の減少の主な要因には、途上国での生活のための伐採と、国際企業によるプランテーション開発があります。20世紀に入って、急速に熱帯林の乱伐が進み、気候変動への大きな脅威となりました。こうした中、緩和の国際的な取り組みとしてREDD+プラスが注目されています。 人口増加と経済優先が乱伐の後押しをした 熱帯林を主とする途上国の森林面積は、20世紀の後半から毎年平均でおよそ1200万haずつ減少を続けてきたと考えられます。近年は減少速度が落ちているとはいえ、いまも毎年1000万haほどが失われています。そのいちばんの原因は、森林を伐開して農耕地や放牧地へ転換したり、商業的に伐採をして、アブラヤシ(パームツリー)やゴムなどのプランテーションに転換してきたことにあります。人びとの暮らしを支え、豊かさを求める中で人口が増加し、社会が拡大することでさらなる農地が必要とされてきました。 REDD+プラスとは、削減努力へのインセンティブ こうした中、実効的な対策として注目されているのがREDD+プラスです。熱帯林を有する国や地域の人びとの生活・経済の向上と、温暖化防止のための森林減少抑制をリンクさせ、トレードオフの関係からシナジー(相乗効果)をもたらす関係に換えることが主眼の対策となっています。対象となる国や地域で、森林減少や劣化による排出削減や炭素の吸収を積極的に増やす対策を行った場合、その温室効果ガス排出量の削減や炭素吸収量の増加に対してインセンティブ(報酬)が得られるしくみになっています。つまり、生活のために必要最小限の森を伐り開いたとしても、それ以上の緑化や植林を行えば報酬が得られるというわけです。生物多様性を維持し、地域住民の暮らしを支えるために有効な手段と考えられます。 REDD+プラスの効果を予測する REDD+プラスのプログラムが順当に機能することで、排出量を大きく削減できると予想されています(右ページグラフ参照)。たとえば、インドネシアやラオスにおける焼畑耕作の抑制や、ベトナムでの持続可能な森林管理、カンボジアでは保全林化の推進や違法伐採の取り締まりなどにREDD+プラスが活用されています。こうした動きをさらに推し進めるためには、モニタリングの精度アップや検証システム構築がとても重要です。また、気候変動対策活動を排出削減量・吸収量として評価認証することでクレジットを発行し、民間企業が購入するしくみも進められています。
熱帯林を主とする途上国の森林面積は、20世紀の後半からどのように減少し続けてきたと考えられるでしょうか。
熱帯林を主とする途上国の森林面積は、20世紀の後半から毎年平均でおよそ1200万haずつ減少を続けてきたと考えられます。
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地理
世界には、乾燥・半乾燥地帯を中心に人間が利用していない荒廃地が陸地面積の30%以上あります。それらの土地の多くはもともとは森林でしたが、過剰な農耕や放牧などで土地が荒れ、砂漠化してきたと考えられます。これらの土地に植林することで、気候変動の緩和に貢献できます。 世界の3割を超える砂漠化の現状 砂漠化とは、過放牧、無理な耕作、過度の薪炭採集といった人為的な活動の影響によって、乾燥・半乾燥地帯の大地が劣化・荒廃していく現象で、気候変動に伴ってその激化が懸念されています。砂漠化の影響を受けやすい地域は、地表面積の約41%にものぼるとされ、それらの地域には20億人以上もの人びとが暮らしています。その9割はアフリカや中近東、中央アジアなどの開発途上国にあります。乾燥・半乾燥地帯で過剰な開墾・灌漑をして作物をつくり続けると塩類集積が起こることがあります。塩類集積は、灌漑水に含まれる塩類が表土に集積し、塩害によって農作物をつくることが難しくなり、やがて大地の砂漠化へとつながる現象です。 アフリカでの植林の取り組みと支援 砂漠化への対処は、世界的な課題となっています。とはいえ、アフリカなど極乾燥地への対策は、まずは、現地の人びとの生活を支援することからはじまります。農作物の生産や水の確保といった最優先事項を確保しながら、砂漠化の防止対策を行わなくてはなりません。同時に、サハラ砂漠の拡大を食い止めるために、南側に位置するサヘル地帯に植林をすることで、「巨大な緑の壁(The Great Green Wall)」をつくる計画もアフリカ連合(AU)などによって進められています。日本でも「サヘルの森」などのNGO団体が支援を行っており、国土緑化推進機構でも募金活動をすることで支援しています。 円借款による植林事業や植林技術の開発 中国の内モンゴル自治区では、国際協力機構(JICA)の円借款による植林事業が行われています。また、国際緑化推進センターなどでは、民間企業と協働したプロジェクトで、ウズベキスタンへの砂漠化防止の活動などを行っています。日本からは、このようにさまざまな形で、世界の砂漠化を食い止めるための植林支援を行っています。また、砂漠化したり塩類が集積した土地には、ふつうに植林をしても樹木は育ちません。そこで、乾燥や塩類に強い樹種をみきわめ、乾燥や塩害を受けにくいような育苗パイプなどを使った植林技術の研究も欠かせません。
世界には、乾燥・半乾燥地帯を中心に人間が利用していない荒廃地が陸地面積のどれくらいの割合ありますか。
世界には、乾燥・半乾燥地帯を中心に人間が利用していない荒廃地が陸地面積の30%以上あります。
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世界には、乾燥・半乾燥地帯を中心に人間が利用していない荒廃地が陸地面積の30%以上あります。それらの土地の多くはもともとは森林でしたが、過剰な農耕や放牧などで土地が荒れ、砂漠化してきたと考えられます。これらの土地に植林することで、気候変動の緩和に貢献できます。 世界の3割を超える砂漠化の現状 砂漠化とは、過放牧、無理な耕作、過度の薪炭採集といった人為的な活動の影響によって、乾燥・半乾燥地帯の大地が劣化・荒廃していく現象で、気候変動に伴ってその激化が懸念されています。砂漠化の影響を受けやすい地域は、地表面積の約41%にものぼるとされ、それらの地域には20億人以上もの人びとが暮らしています。その9割はアフリカや中近東、中央アジアなどの開発途上国にあります。乾燥・半乾燥地帯で過剰な開墾・灌漑をして作物をつくり続けると塩類集積が起こることがあります。塩類集積は、灌漑水に含まれる塩類が表土に集積し、塩害によって農作物をつくることが難しくなり、やがて大地の砂漠化へとつながる現象です。 アフリカでの植林の取り組みと支援 砂漠化への対処は、世界的な課題となっています。とはいえ、アフリカなど極乾燥地への対策は、まずは、現地の人びとの生活を支援することからはじまります。農作物の生産や水の確保といった最優先事項を確保しながら、砂漠化の防止対策を行わなくてはなりません。同時に、サハラ砂漠の拡大を食い止めるために、南側に位置するサヘル地帯に植林をすることで、「巨大な緑の壁(The Great Green Wall)」をつくる計画もアフリカ連合(AU)などによって進められています。日本でも「サヘルの森」などのNGO団体が支援を行っており、国土緑化推進機構でも募金活動をすることで支援しています。 円借款による植林事業や植林技術の開発 中国の内モンゴル自治区では、国際協力機構(JICA)の円借款による植林事業が行われています。また、国際緑化推進センターなどでは、民間企業と協働したプロジェクトで、ウズベキスタンへの砂漠化防止の活動などを行っています。日本からは、このようにさまざまな形で、世界の砂漠化を食い止めるための植林支援を行っています。また、砂漠化したり塩類が集積した土地には、ふつうに植林をしても樹木は育ちません。そこで、乾燥や塩類に強い樹種をみきわめ、乾燥や塩害を受けにくいような育苗パイプなどを使った植林技術の研究も欠かせません。
砂漠化とは、どのような現象ですか。
砂漠化とは、過放牧、無理な耕作、過度の薪炭採集といった人為的な活動の影響によって、乾燥・半乾燥地帯の大地が劣化・荒廃していく現象です。
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世界には、乾燥・半乾燥地帯を中心に人間が利用していない荒廃地が陸地面積の30%以上あります。それらの土地の多くはもともとは森林でしたが、過剰な農耕や放牧などで土地が荒れ、砂漠化してきたと考えられます。これらの土地に植林することで、気候変動の緩和に貢献できます。 世界の3割を超える砂漠化の現状 砂漠化とは、過放牧、無理な耕作、過度の薪炭採集といった人為的な活動の影響によって、乾燥・半乾燥地帯の大地が劣化・荒廃していく現象で、気候変動に伴ってその激化が懸念されています。砂漠化の影響を受けやすい地域は、地表面積の約41%にものぼるとされ、それらの地域には20億人以上もの人びとが暮らしています。その9割はアフリカや中近東、中央アジアなどの開発途上国にあります。乾燥・半乾燥地帯で過剰な開墾・灌漑をして作物をつくり続けると塩類集積が起こることがあります。塩類集積は、灌漑水に含まれる塩類が表土に集積し、塩害によって農作物をつくることが難しくなり、やがて大地の砂漠化へとつながる現象です。 アフリカでの植林の取り組みと支援 砂漠化への対処は、世界的な課題となっています。とはいえ、アフリカなど極乾燥地への対策は、まずは、現地の人びとの生活を支援することからはじまります。農作物の生産や水の確保といった最優先事項を確保しながら、砂漠化の防止対策を行わなくてはなりません。同時に、サハラ砂漠の拡大を食い止めるために、南側に位置するサヘル地帯に植林をすることで、「巨大な緑の壁(The Great Green Wall)」をつくる計画もアフリカ連合(AU)などによって進められています。日本でも「サヘルの森」などのNGO団体が支援を行っており、国土緑化推進機構でも募金活動をすることで支援しています。 円借款による植林事業や植林技術の開発 中国の内モンゴル自治区では、国際協力機構(JICA)の円借款による植林事業が行われています。また、国際緑化推進センターなどでは、民間企業と協働したプロジェクトで、ウズベキスタンへの砂漠化防止の活動などを行っています。日本からは、このようにさまざまな形で、世界の砂漠化を食い止めるための植林支援を行っています。また、砂漠化したり塩類が集積した土地には、ふつうに植林をしても樹木は育ちません。そこで、乾燥や塩類に強い樹種をみきわめ、乾燥や塩害を受けにくいような育苗パイプなどを使った植林技術の研究も欠かせません。
中国の内モンゴル自治区では、どのような植林事業が行われていますか。
中国の内モンゴル自治区では、国際協力機構(JICA)の円借款による植林事業が行われています。
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日本の主な山岳標高 -日本の山岳標高一覧(1003山)- (調査概要) 1. 調査の背景 従来、山の高さは、国土地理院が刊行している地図に表記された山頂付近の三角点や標高点の標高値、または、山頂付近の最高位の等高線数値などが用いられてきました。 しかし、これらの標高値等は、必ずしも山の最高地点の値とは言えず、三角点は、三角点の置かれた位置の値であり、標高点もその山の最高地点の値とは限りません。また、山頂付近の最高位の等高線は、一般的に最高地点の標高よりは低い値となります。 こうした標高値等が山の高さとして認識されていたことや、著名な山にもかかわらず、標高値の存在しない山、標高値が表示されている箇所以外に最高地点が存在するなどの現状を踏まえ、全国整備が完了していた 2 万 5 千分 1 地形図(以下、地形図)により改めて山の最高地点の標高を調査しました。 2. 調査概要 (1) 山の最高地点のとらえかた 山の最高地点は、山体及び山体の一部(岩石圏)から成るものとし、樹木等の生物に属するもの及び三角点以外の人口的建造物は、山の最高地点とは見なさないこととしました。 山  体 山頂付近の概念 (2)調査方法 調査方法は、地形図で三角点等の基準点及び標高点がその山の最高地点と判読できる場合は、その標高値を採用し、それ以外の場合(山頂に標高値がない場合や近くに最高地点を有する峰がある場合等)には、写真測量により山の最高地点の位置と高さを求めました。ただし、写真測量で高さが求められない場合は、現地測定を実施し、求めた値を採用しました。 3. 記載内容の説明 山  名 : 一山一峰の単純な山は山名をそのまま記載したが、複数の峰(山頂)を持つ複雑な 山は、全体を総称する名称を山名として記載。 <    >  : 複数の峰(山頂)を持つ複雑な山で最高峰が山名とは異なる名称がある場合の山頂名。  なお、最高峰で無い場合でも記載することが妥当と判断された著名な峰については同様に記載。   (  ): 山名の別称(地形図上で表示されているもの) [    ]  : 地形図上では山名が表示されていなかったが、検討の結果記載することにしたもの。 都道府県  : 最高地点が所在する都道府県名を記載。山頂付近が境界未定の場合は、関係する可能性のある都道府県名すべてを記載。 所 在 等 : その山の位置をわかり易くするために、「主要自然地域名称図」(昭和 29 年)を参考にして、山域毎にグループ分けしたもの。 標  高   : 高さの基準は、測量法及び同法施行令に定めるとおり、東京湾の平均海面を基準とした。 ただし、離島にあっては、その離島周辺の平均海面を基準としている場合がある。記載する数値は、メートル位までとし、三角点の標高値を採用する場合は、当該三角点の基準点成果の標高値をメートル位以下第一位で四捨五入した。 緯度経度 : 各山の最高地点の位置を経緯度で秒単位まで記載。三角点が最高地点にあるものは三角点の基準点成果を、標高点・測定点の場合は地形図での図上計測(測定点の場合は現地計測緯度経度)による数値を記載。 三角点名等 : 三角点の標高値を採用した場合は三角点名を記載。写真測量で測定した場合は「標高点」、現地測定を行った場合は「測定点」と記載。 備   考 : 山名の別称など、参考となるデータを記載。また、山名や標高値の更新が行われた場合の履歴も記載。 4. 山の高さの更新 山の高さは以下の要因により更新されます。基本的には、地形図の更新に併せて実施しますが、地形図の更新に先駆けて実施する場合もありますのでご了承ください。 (1)地震、噴火、その他の自然災害及び人工的に地形が著しく変化した場合。 (2)最高地点が三角点、標高点の表示されている山頂とは異なる峰に存在することが明らかになった場合。 (3)地形図の等高線と三角点、標高点の位置、高さが明らかに異なる(誤表記)場合。 (4)三角点の標高値が改定された場合。 (5)その他、山の高さに疑問があり、国土地理院が計測の必要性があると判断した場合。
従来、山の高さは、なにが用いられていましたか。
従来、山の高さは、国土地理院が刊行している地図に表記された山頂付近の三角点や標高点の標高値、または、山頂付近の最高位の等高線数値などが用いられてきました。
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日本の主な山岳標高 -日本の山岳標高一覧(1003山)- (調査概要) 1. 調査の背景 従来、山の高さは、国土地理院が刊行している地図に表記された山頂付近の三角点や標高点の標高値、または、山頂付近の最高位の等高線数値などが用いられてきました。 しかし、これらの標高値等は、必ずしも山の最高地点の値とは言えず、三角点は、三角点の置かれた位置の値であり、標高点もその山の最高地点の値とは限りません。また、山頂付近の最高位の等高線は、一般的に最高地点の標高よりは低い値となります。 こうした標高値等が山の高さとして認識されていたことや、著名な山にもかかわらず、標高値の存在しない山、標高値が表示されている箇所以外に最高地点が存在するなどの現状を踏まえ、全国整備が完了していた 2 万 5 千分 1 地形図(以下、地形図)により改めて山の最高地点の標高を調査しました。 2. 調査概要 (1) 山の最高地点のとらえかた 山の最高地点は、山体及び山体の一部(岩石圏)から成るものとし、樹木等の生物に属するもの及び三角点以外の人口的建造物は、山の最高地点とは見なさないこととしました。 山  体 山頂付近の概念 (2)調査方法 調査方法は、地形図で三角点等の基準点及び標高点がその山の最高地点と判読できる場合は、その標高値を採用し、それ以外の場合(山頂に標高値がない場合や近くに最高地点を有する峰がある場合等)には、写真測量により山の最高地点の位置と高さを求めました。ただし、写真測量で高さが求められない場合は、現地測定を実施し、求めた値を採用しました。 3. 記載内容の説明 山  名 : 一山一峰の単純な山は山名をそのまま記載したが、複数の峰(山頂)を持つ複雑な 山は、全体を総称する名称を山名として記載。 <    >  : 複数の峰(山頂)を持つ複雑な山で最高峰が山名とは異なる名称がある場合の山頂名。  なお、最高峰で無い場合でも記載することが妥当と判断された著名な峰については同様に記載。   (  ): 山名の別称(地形図上で表示されているもの) [    ]  : 地形図上では山名が表示されていなかったが、検討の結果記載することにしたもの。 都道府県  : 最高地点が所在する都道府県名を記載。山頂付近が境界未定の場合は、関係する可能性のある都道府県名すべてを記載。 所 在 等 : その山の位置をわかり易くするために、「主要自然地域名称図」(昭和 29 年)を参考にして、山域毎にグループ分けしたもの。 標  高   : 高さの基準は、測量法及び同法施行令に定めるとおり、東京湾の平均海面を基準とした。 ただし、離島にあっては、その離島周辺の平均海面を基準としている場合がある。記載する数値は、メートル位までとし、三角点の標高値を採用する場合は、当該三角点の基準点成果の標高値をメートル位以下第一位で四捨五入した。 緯度経度 : 各山の最高地点の位置を経緯度で秒単位まで記載。三角点が最高地点にあるものは三角点の基準点成果を、標高点・測定点の場合は地形図での図上計測(測定点の場合は現地計測緯度経度)による数値を記載。 三角点名等 : 三角点の標高値を採用した場合は三角点名を記載。写真測量で測定した場合は「標高点」、現地測定を行った場合は「測定点」と記載。 備   考 : 山名の別称など、参考となるデータを記載。また、山名や標高値の更新が行われた場合の履歴も記載。 4. 山の高さの更新 山の高さは以下の要因により更新されます。基本的には、地形図の更新に併せて実施しますが、地形図の更新に先駆けて実施する場合もありますのでご了承ください。 (1)地震、噴火、その他の自然災害及び人工的に地形が著しく変化した場合。 (2)最高地点が三角点、標高点の表示されている山頂とは異なる峰に存在することが明らかになった場合。 (3)地形図の等高線と三角点、標高点の位置、高さが明らかに異なる(誤表記)場合。 (4)三角点の標高値が改定された場合。 (5)その他、山の高さに疑問があり、国土地理院が計測の必要性があると判断した場合。
山の標高値は、最高地点の値を指すとは限らないのですか。
山の標高値は、必ずしも最高地点の値とは言えず、三角点は、三角点の置かれた位置の値であり、標高点もその山の最高地点の値とは限りません。
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日本の主な山岳標高 -日本の山岳標高一覧(1003山)- (調査概要) 1. 調査の背景 従来、山の高さは、国土地理院が刊行している地図に表記された山頂付近の三角点や標高点の標高値、または、山頂付近の最高位の等高線数値などが用いられてきました。 しかし、これらの標高値等は、必ずしも山の最高地点の値とは言えず、三角点は、三角点の置かれた位置の値であり、標高点もその山の最高地点の値とは限りません。また、山頂付近の最高位の等高線は、一般的に最高地点の標高よりは低い値となります。 こうした標高値等が山の高さとして認識されていたことや、著名な山にもかかわらず、標高値の存在しない山、標高値が表示されている箇所以外に最高地点が存在するなどの現状を踏まえ、全国整備が完了していた 2 万 5 千分 1 地形図(以下、地形図)により改めて山の最高地点の標高を調査しました。 2. 調査概要 (1) 山の最高地点のとらえかた 山の最高地点は、山体及び山体の一部(岩石圏)から成るものとし、樹木等の生物に属するもの及び三角点以外の人口的建造物は、山の最高地点とは見なさないこととしました。 山  体 山頂付近の概念 (2)調査方法 調査方法は、地形図で三角点等の基準点及び標高点がその山の最高地点と判読できる場合は、その標高値を採用し、それ以外の場合(山頂に標高値がない場合や近くに最高地点を有する峰がある場合等)には、写真測量により山の最高地点の位置と高さを求めました。ただし、写真測量で高さが求められない場合は、現地測定を実施し、求めた値を採用しました。 3. 記載内容の説明 山  名 : 一山一峰の単純な山は山名をそのまま記載したが、複数の峰(山頂)を持つ複雑な 山は、全体を総称する名称を山名として記載。 <    >  : 複数の峰(山頂)を持つ複雑な山で最高峰が山名とは異なる名称がある場合の山頂名。  なお、最高峰で無い場合でも記載することが妥当と判断された著名な峰については同様に記載。   (  ): 山名の別称(地形図上で表示されているもの) [    ]  : 地形図上では山名が表示されていなかったが、検討の結果記載することにしたもの。 都道府県  : 最高地点が所在する都道府県名を記載。山頂付近が境界未定の場合は、関係する可能性のある都道府県名すべてを記載。 所 在 等 : その山の位置をわかり易くするために、「主要自然地域名称図」(昭和 29 年)を参考にして、山域毎にグループ分けしたもの。 標  高   : 高さの基準は、測量法及び同法施行令に定めるとおり、東京湾の平均海面を基準とした。 ただし、離島にあっては、その離島周辺の平均海面を基準としている場合がある。記載する数値は、メートル位までとし、三角点の標高値を採用する場合は、当該三角点の基準点成果の標高値をメートル位以下第一位で四捨五入した。 緯度経度 : 各山の最高地点の位置を経緯度で秒単位まで記載。三角点が最高地点にあるものは三角点の基準点成果を、標高点・測定点の場合は地形図での図上計測(測定点の場合は現地計測緯度経度)による数値を記載。 三角点名等 : 三角点の標高値を採用した場合は三角点名を記載。写真測量で測定した場合は「標高点」、現地測定を行った場合は「測定点」と記載。 備   考 : 山名の別称など、参考となるデータを記載。また、山名や標高値の更新が行われた場合の履歴も記載。 4. 山の高さの更新 山の高さは以下の要因により更新されます。基本的には、地形図の更新に併せて実施しますが、地形図の更新に先駆けて実施する場合もありますのでご了承ください。 (1)地震、噴火、その他の自然災害及び人工的に地形が著しく変化した場合。 (2)最高地点が三角点、標高点の表示されている山頂とは異なる峰に存在することが明らかになった場合。 (3)地形図の等高線と三角点、標高点の位置、高さが明らかに異なる(誤表記)場合。 (4)三角点の標高値が改定された場合。 (5)その他、山の高さに疑問があり、国土地理院が計測の必要性があると判断した場合。
山の最高地点は、どのようなものとしましたか。
山の最高地点は、山体及び山体の一部(岩石圏)から成るものとし、樹木等の生物に属するもの及び三角点以外の人口的建造物は、山の最高地点とは見なさないこととしました。
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日本の主な山岳標高 -日本の山岳標高一覧(1003山)- (調査概要) 1. 調査の背景 従来、山の高さは、国土地理院が刊行している地図に表記された山頂付近の三角点や標高点の標高値、または、山頂付近の最高位の等高線数値などが用いられてきました。 しかし、これらの標高値等は、必ずしも山の最高地点の値とは言えず、三角点は、三角点の置かれた位置の値であり、標高点もその山の最高地点の値とは限りません。また、山頂付近の最高位の等高線は、一般的に最高地点の標高よりは低い値となります。 こうした標高値等が山の高さとして認識されていたことや、著名な山にもかかわらず、標高値の存在しない山、標高値が表示されている箇所以外に最高地点が存在するなどの現状を踏まえ、全国整備が完了していた 2 万 5 千分 1 地形図(以下、地形図)により改めて山の最高地点の標高を調査しました。 2. 調査概要 (1) 山の最高地点のとらえかた 山の最高地点は、山体及び山体の一部(岩石圏)から成るものとし、樹木等の生物に属するもの及び三角点以外の人口的建造物は、山の最高地点とは見なさないこととしました。 山  体 山頂付近の概念 (2)調査方法 調査方法は、地形図で三角点等の基準点及び標高点がその山の最高地点と判読できる場合は、その標高値を採用し、それ以外の場合(山頂に標高値がない場合や近くに最高地点を有する峰がある場合等)には、写真測量により山の最高地点の位置と高さを求めました。ただし、写真測量で高さが求められない場合は、現地測定を実施し、求めた値を採用しました。 3. 記載内容の説明 山  名 : 一山一峰の単純な山は山名をそのまま記載したが、複数の峰(山頂)を持つ複雑な 山は、全体を総称する名称を山名として記載。 <    >  : 複数の峰(山頂)を持つ複雑な山で最高峰が山名とは異なる名称がある場合の山頂名。  なお、最高峰で無い場合でも記載することが妥当と判断された著名な峰については同様に記載。   (  ): 山名の別称(地形図上で表示されているもの) [    ]  : 地形図上では山名が表示されていなかったが、検討の結果記載することにしたもの。 都道府県  : 最高地点が所在する都道府県名を記載。山頂付近が境界未定の場合は、関係する可能性のある都道府県名すべてを記載。 所 在 等 : その山の位置をわかり易くするために、「主要自然地域名称図」(昭和 29 年)を参考にして、山域毎にグループ分けしたもの。 標  高   : 高さの基準は、測量法及び同法施行令に定めるとおり、東京湾の平均海面を基準とした。 ただし、離島にあっては、その離島周辺の平均海面を基準としている場合がある。記載する数値は、メートル位までとし、三角点の標高値を採用する場合は、当該三角点の基準点成果の標高値をメートル位以下第一位で四捨五入した。 緯度経度 : 各山の最高地点の位置を経緯度で秒単位まで記載。三角点が最高地点にあるものは三角点の基準点成果を、標高点・測定点の場合は地形図での図上計測(測定点の場合は現地計測緯度経度)による数値を記載。 三角点名等 : 三角点の標高値を採用した場合は三角点名を記載。写真測量で測定した場合は「標高点」、現地測定を行った場合は「測定点」と記載。 備   考 : 山名の別称など、参考となるデータを記載。また、山名や標高値の更新が行われた場合の履歴も記載。 4. 山の高さの更新 山の高さは以下の要因により更新されます。基本的には、地形図の更新に併せて実施しますが、地形図の更新に先駆けて実施する場合もありますのでご了承ください。 (1)地震、噴火、その他の自然災害及び人工的に地形が著しく変化した場合。 (2)最高地点が三角点、標高点の表示されている山頂とは異なる峰に存在することが明らかになった場合。 (3)地形図の等高線と三角点、標高点の位置、高さが明らかに異なる(誤表記)場合。 (4)三角点の標高値が改定された場合。 (5)その他、山の高さに疑問があり、国土地理院が計測の必要性があると判断した場合。
写真測量で高さが求められない場合は、どのようなものを採用しましたか。
写真測量で高さが求められない場合は、現地測定を実施し、求めた値を採用しました。
JCRRAG_011691
地理
羊は、牛と比べて乾燥に強く暑さに弱いです。 このため、温暖湿潤な地域で肉牛が飼育され、乾燥した地域で羊が飼育される傾向があります。 たとえば、オーストラリア内陸部では低温な南東部では肉牛と羊を一緒に飼育しているのに対し、高温な北東部では肉牛単独で飼育しています。 ニュージーランドでは、降水量が少ない南島の南東部で羊の飼育が盛んです(南アルプス山脈があるため偏西風の雨陰になるため)。 一方で酪農は降水量が多い北島では伝統的に盛んでしたが、近年では灌漑設備の導入により南島でも乳牛の飼育が増えています。 アルゼンチン中部のパンパでは、海に近く降水量が多い東部の湿潤パンパ(ブエノスアイレス州周辺)では肉牛の飼育が盛んであるのに対し、アンデス山脈に近い西部の乾燥パンパでは羊の飼育が盛んです。 乾燥冷涼なアルゼンチン南部のパタゴニアでも羊の飼育が盛んです。 参考 ニュージーランド南東部とパンパ西部で降水量が少ない理由 ニュージーランド南島の南東部やアルゼンチンのパンパ西部で降水量が少ないのは、雨陰砂漠ができる要因と同じです。 ニュージーランドやアルゼンチンの緯度では偏西風の影響を強く受けます。 この偏西風が山脈にぶつかると、山脈の手前側(西側)で雨が降って空気中の水分が失われます(地形性降雨)。 山脈を越えた後の空気は乾燥しており、山脈の風下側(東側)では降水量が少なくなり、砂漠ができやすいです(雨陰砂漠)。 実際にアルゼンチンでは、アンデス山脈の東側に雨陰砂漠であるパタゴニア砂漠が広がります。 ニュージーランド南島でも南アルプス山脈(サザンアルプス山脈)が南北に走り、南東部が偏西風の雨陰になります。 南島南東部は海に近いため砂漠ではありませんが、他の地域よりも降水量が少なくなり、羊の飼育に適した気候ができあがりました。 羊とヤギの分布 草原で飼育される羊とヤギ(米国)。羊とヤギは乾燥した草原で遊牧民に飼育される家畜である。また、羊は新大陸で企業的牧畜による大規模な飼育が行われているのに対し、ヤギは山岳地帯や離島、発展途上国などで小規模な飼育形態が見られる。出典:Wikimedia Commons, Public domain, 2024/3/15閲覧 羊とヤギはどちらも乾燥した地域に適応した家畜であり、ユーラシア大陸の遊牧民に飼育される家畜であるという共通点があります。 羊は、新大陸(南北アメリカ大陸、オーストラリア)の乾燥した地域にて 企業的牧畜により大規模な飼育が行われています。 一方、ヤギは少ないエサで乳や肉が得られるためアジアやアフリカの小規模な農家にとって重要な家畜であり、アジアやアフリカの発展途上国の小規模農家に飼育されています。 また、ヤギは急傾斜地に適応した動物であり、エサとなる草を好き嫌いせずに食べるという特徴があります。 そのため、山岳地帯や離島でも飼育され、急傾斜地の除草などにも使われています。 表 羊とヤギの違い ヒツジ   ヤギ 生態 集団で群れて行動し、先頭を動く動物の後についていく 羊よりも単独行動が多い 分布 乾燥した地域(草原) 温暖で乾燥した地域・山岳地帯 畜産物 主に毛、他に肉など 肉や乳、毛 牧畜形態 企業的牧畜、遊牧、 地中海式農業 地中海式農業、遊牧、自給的農業 牛と水牛の分布 川で水浴びをする水牛(ラオス南部)。水牛はインド~東南アジア~中国南部で飼育されている家畜であり、牛とは異なり、湿地帯や沼地に適応している。 出典:Wikimedia Commons, ©Basile Morin, CC BY-SA 4.0, 2023/9/16閲覧 水牛は牛と同じウシ科の動物です。 よく似た名前ですが別の生物です。 水牛は高温多湿の環境に適応しており、水辺の湿地帯に適応しています。 水牛はインド~東南アジアの熱帯・亜熱帯の地域で飼育されているのに対し、牛はそれ以外の乾燥帯~温帯~亜寒帯(冷帯)の地域で飼育されています。 牛とヤクの分布 ヒマラヤ山脈周辺で飼育される家畜であるヤク(中国西部・チベット自治区)。ヤクは乳や肉、毛皮を得るために飼育されたり、荷物の運搬や渡河に使われる。出典:Wikimedia Commons, ©Dennis Jarvis, CC BY-SA 3.0, 2023/9/16閲覧 牛とヤクは同じウシ科ウシ属の動物でよく似た名前ですが別の生物です。 牛は温帯を中心に乾燥帯から亜寒帯(冷帯)にかけて世界中で飼育されているのに対し、ヤクはヒマラヤ山脈周辺~中国西部の標高が高い地域で飼育されています。 牛は元々の生息地(ユーラシア大陸の乾燥帯~温帯~亜寒帯地域)以外の世界中で家畜として飼育されていますが、ヤクはヒマラヤ山脈周辺でのみ飼育されています。 同様に山岳地帯である南米のアンデス山脈では、アンデス山脈固有の家畜であるリャマやアルパカが飼育されており、ヤクは飼育されていません。 平地で飼育される牛は元の生息地から世界中に家畜として広がったのに対し、標高が高い山岳地帯ではそれぞれの地域固有の家畜が分布しており、今も地域固有の家畜が残っています。
羊は、牛と比べてどのような特徴がありますか。
羊は、牛と比べて乾燥に強く暑さに弱いです。
JCRRAG_011692
地理
羊は、牛と比べて乾燥に強く暑さに弱いです。 このため、温暖湿潤な地域で肉牛が飼育され、乾燥した地域で羊が飼育される傾向があります。 たとえば、オーストラリア内陸部では低温な南東部では肉牛と羊を一緒に飼育しているのに対し、高温な北東部では肉牛単独で飼育しています。 ニュージーランドでは、降水量が少ない南島の南東部で羊の飼育が盛んです(南アルプス山脈があるため偏西風の雨陰になるため)。 一方で酪農は降水量が多い北島では伝統的に盛んでしたが、近年では灌漑設備の導入により南島でも乳牛の飼育が増えています。 アルゼンチン中部のパンパでは、海に近く降水量が多い東部の湿潤パンパ(ブエノスアイレス州周辺)では肉牛の飼育が盛んであるのに対し、アンデス山脈に近い西部の乾燥パンパでは羊の飼育が盛んです。 乾燥冷涼なアルゼンチン南部のパタゴニアでも羊の飼育が盛んです。 参考 ニュージーランド南東部とパンパ西部で降水量が少ない理由 ニュージーランド南島の南東部やアルゼンチンのパンパ西部で降水量が少ないのは、雨陰砂漠ができる要因と同じです。 ニュージーランドやアルゼンチンの緯度では偏西風の影響を強く受けます。 この偏西風が山脈にぶつかると、山脈の手前側(西側)で雨が降って空気中の水分が失われます(地形性降雨)。 山脈を越えた後の空気は乾燥しており、山脈の風下側(東側)では降水量が少なくなり、砂漠ができやすいです(雨陰砂漠)。 実際にアルゼンチンでは、アンデス山脈の東側に雨陰砂漠であるパタゴニア砂漠が広がります。 ニュージーランド南島でも南アルプス山脈(サザンアルプス山脈)が南北に走り、南東部が偏西風の雨陰になります。 南島南東部は海に近いため砂漠ではありませんが、他の地域よりも降水量が少なくなり、羊の飼育に適した気候ができあがりました。 羊とヤギの分布 草原で飼育される羊とヤギ(米国)。羊とヤギは乾燥した草原で遊牧民に飼育される家畜である。また、羊は新大陸で企業的牧畜による大規模な飼育が行われているのに対し、ヤギは山岳地帯や離島、発展途上国などで小規模な飼育形態が見られる。出典:Wikimedia Commons, Public domain, 2024/3/15閲覧 羊とヤギはどちらも乾燥した地域に適応した家畜であり、ユーラシア大陸の遊牧民に飼育される家畜であるという共通点があります。 羊は、新大陸(南北アメリカ大陸、オーストラリア)の乾燥した地域にて 企業的牧畜により大規模な飼育が行われています。 一方、ヤギは少ないエサで乳や肉が得られるためアジアやアフリカの小規模な農家にとって重要な家畜であり、アジアやアフリカの発展途上国の小規模農家に飼育されています。 また、ヤギは急傾斜地に適応した動物であり、エサとなる草を好き嫌いせずに食べるという特徴があります。 そのため、山岳地帯や離島でも飼育され、急傾斜地の除草などにも使われています。 表 羊とヤギの違い ヒツジ   ヤギ 生態 集団で群れて行動し、先頭を動く動物の後についていく 羊よりも単独行動が多い 分布 乾燥した地域(草原) 温暖で乾燥した地域・山岳地帯 畜産物 主に毛、他に肉など 肉や乳、毛 牧畜形態 企業的牧畜、遊牧、 地中海式農業 地中海式農業、遊牧、自給的農業 牛と水牛の分布 川で水浴びをする水牛(ラオス南部)。水牛はインド~東南アジア~中国南部で飼育されている家畜であり、牛とは異なり、湿地帯や沼地に適応している。 出典:Wikimedia Commons, ©Basile Morin, CC BY-SA 4.0, 2023/9/16閲覧 水牛は牛と同じウシ科の動物です。 よく似た名前ですが別の生物です。 水牛は高温多湿の環境に適応しており、水辺の湿地帯に適応しています。 水牛はインド~東南アジアの熱帯・亜熱帯の地域で飼育されているのに対し、牛はそれ以外の乾燥帯~温帯~亜寒帯(冷帯)の地域で飼育されています。 牛とヤクの分布 ヒマラヤ山脈周辺で飼育される家畜であるヤク(中国西部・チベット自治区)。ヤクは乳や肉、毛皮を得るために飼育されたり、荷物の運搬や渡河に使われる。出典:Wikimedia Commons, ©Dennis Jarvis, CC BY-SA 3.0, 2023/9/16閲覧 牛とヤクは同じウシ科ウシ属の動物でよく似た名前ですが別の生物です。 牛は温帯を中心に乾燥帯から亜寒帯(冷帯)にかけて世界中で飼育されているのに対し、ヤクはヒマラヤ山脈周辺~中国西部の標高が高い地域で飼育されています。 牛は元々の生息地(ユーラシア大陸の乾燥帯~温帯~亜寒帯地域)以外の世界中で家畜として飼育されていますが、ヤクはヒマラヤ山脈周辺でのみ飼育されています。 同様に山岳地帯である南米のアンデス山脈では、アンデス山脈固有の家畜であるリャマやアルパカが飼育されており、ヤクは飼育されていません。 平地で飼育される牛は元の生息地から世界中に家畜として広がったのに対し、標高が高い山岳地帯ではそれぞれの地域固有の家畜が分布しており、今も地域固有の家畜が残っています。
温暖湿潤な地域と乾燥した地域でどのような動物が飼育される傾向がありますか。
温暖湿潤な地域で肉牛が飼育され、乾燥した地域で羊が飼育される傾向があります。
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地理
羊は、牛と比べて乾燥に強く暑さに弱いです。 このため、温暖湿潤な地域で肉牛が飼育され、乾燥した地域で羊が飼育される傾向があります。 たとえば、オーストラリア内陸部では低温な南東部では肉牛と羊を一緒に飼育しているのに対し、高温な北東部では肉牛単独で飼育しています。 ニュージーランドでは、降水量が少ない南島の南東部で羊の飼育が盛んです(南アルプス山脈があるため偏西風の雨陰になるため)。 一方で酪農は降水量が多い北島では伝統的に盛んでしたが、近年では灌漑設備の導入により南島でも乳牛の飼育が増えています。 アルゼンチン中部のパンパでは、海に近く降水量が多い東部の湿潤パンパ(ブエノスアイレス州周辺)では肉牛の飼育が盛んであるのに対し、アンデス山脈に近い西部の乾燥パンパでは羊の飼育が盛んです。 乾燥冷涼なアルゼンチン南部のパタゴニアでも羊の飼育が盛んです。 参考 ニュージーランド南東部とパンパ西部で降水量が少ない理由 ニュージーランド南島の南東部やアルゼンチンのパンパ西部で降水量が少ないのは、雨陰砂漠ができる要因と同じです。 ニュージーランドやアルゼンチンの緯度では偏西風の影響を強く受けます。 この偏西風が山脈にぶつかると、山脈の手前側(西側)で雨が降って空気中の水分が失われます(地形性降雨)。 山脈を越えた後の空気は乾燥しており、山脈の風下側(東側)では降水量が少なくなり、砂漠ができやすいです(雨陰砂漠)。 実際にアルゼンチンでは、アンデス山脈の東側に雨陰砂漠であるパタゴニア砂漠が広がります。 ニュージーランド南島でも南アルプス山脈(サザンアルプス山脈)が南北に走り、南東部が偏西風の雨陰になります。 南島南東部は海に近いため砂漠ではありませんが、他の地域よりも降水量が少なくなり、羊の飼育に適した気候ができあがりました。 羊とヤギの分布 草原で飼育される羊とヤギ(米国)。羊とヤギは乾燥した草原で遊牧民に飼育される家畜である。また、羊は新大陸で企業的牧畜による大規模な飼育が行われているのに対し、ヤギは山岳地帯や離島、発展途上国などで小規模な飼育形態が見られる。出典:Wikimedia Commons, Public domain, 2024/3/15閲覧 羊とヤギはどちらも乾燥した地域に適応した家畜であり、ユーラシア大陸の遊牧民に飼育される家畜であるという共通点があります。 羊は、新大陸(南北アメリカ大陸、オーストラリア)の乾燥した地域にて 企業的牧畜により大規模な飼育が行われています。 一方、ヤギは少ないエサで乳や肉が得られるためアジアやアフリカの小規模な農家にとって重要な家畜であり、アジアやアフリカの発展途上国の小規模農家に飼育されています。 また、ヤギは急傾斜地に適応した動物であり、エサとなる草を好き嫌いせずに食べるという特徴があります。 そのため、山岳地帯や離島でも飼育され、急傾斜地の除草などにも使われています。 表 羊とヤギの違い ヒツジ   ヤギ 生態 集団で群れて行動し、先頭を動く動物の後についていく 羊よりも単独行動が多い 分布 乾燥した地域(草原) 温暖で乾燥した地域・山岳地帯 畜産物 主に毛、他に肉など 肉や乳、毛 牧畜形態 企業的牧畜、遊牧、 地中海式農業 地中海式農業、遊牧、自給的農業 牛と水牛の分布 川で水浴びをする水牛(ラオス南部)。水牛はインド~東南アジア~中国南部で飼育されている家畜であり、牛とは異なり、湿地帯や沼地に適応している。 出典:Wikimedia Commons, ©Basile Morin, CC BY-SA 4.0, 2023/9/16閲覧 水牛は牛と同じウシ科の動物です。 よく似た名前ですが別の生物です。 水牛は高温多湿の環境に適応しており、水辺の湿地帯に適応しています。 水牛はインド~東南アジアの熱帯・亜熱帯の地域で飼育されているのに対し、牛はそれ以外の乾燥帯~温帯~亜寒帯(冷帯)の地域で飼育されています。 牛とヤクの分布 ヒマラヤ山脈周辺で飼育される家畜であるヤク(中国西部・チベット自治区)。ヤクは乳や肉、毛皮を得るために飼育されたり、荷物の運搬や渡河に使われる。出典:Wikimedia Commons, ©Dennis Jarvis, CC BY-SA 3.0, 2023/9/16閲覧 牛とヤクは同じウシ科ウシ属の動物でよく似た名前ですが別の生物です。 牛は温帯を中心に乾燥帯から亜寒帯(冷帯)にかけて世界中で飼育されているのに対し、ヤクはヒマラヤ山脈周辺~中国西部の標高が高い地域で飼育されています。 牛は元々の生息地(ユーラシア大陸の乾燥帯~温帯~亜寒帯地域)以外の世界中で家畜として飼育されていますが、ヤクはヒマラヤ山脈周辺でのみ飼育されています。 同様に山岳地帯である南米のアンデス山脈では、アンデス山脈固有の家畜であるリャマやアルパカが飼育されており、ヤクは飼育されていません。 平地で飼育される牛は元の生息地から世界中に家畜として広がったのに対し、標高が高い山岳地帯ではそれぞれの地域固有の家畜が分布しており、今も地域固有の家畜が残っています。
ニュージーランド南島の南東部やアルゼンチンのパンパ西部で降水量が少ないのは、なにができる要因と同じですか。
ニュージーランド南島の南東部やアルゼンチンのパンパ西部で降水量が少ないのは、雨陰砂漠ができる要因と同じです。
JCRRAG_011694
地理
栽培限界 作物の栽培に最も大きな影響を与える自然条件は「気温」と「水」です。 農作物は暑すぎたり、寒すぎたり、水が少なすぎると育てることができません。 このため、これ以上気温が低い(高い)とある作物を栽培できなくなる限界を地図上に線を結んで表現した限界線を栽培限界といいます。 栽培限界は気温だけではなく、降水量や標高などで引くこともできます。 農業全体で見ると、年平均気温10℃(寒帯と他の境界)と年降水量500 mm(乾燥帯と他の境界)が栽培限界となります。 これは樹木気候と無樹木気候の境界と同じであり、樹木が生育できない乾燥帯や寒帯では農業を営むことも難しくなります。 傾斜地農業 多くの作物の栽培は平地で行うことが理想ですが、地理的な制約により傾斜地で行う場合もあります。しかし、傾斜地では雨水が地表を斜め下方向へ流れることで表面の土壌を洗い流してしまいます。そのため、傾斜地で農業を営むためには表層土壌が流出しないように工夫する必要があります。 等高線耕作 傾斜が比較的ゆるい場合は等高線耕作が行われます。 上の写真は等高線耕作の例です(右から左に向かって低くなる傾斜地)。 手前から奥に向かって同じ高さの場所に(等高線にそって)石が並び、溝が掘られています。 そのため、右から流れてきた雨水が溝にたまり地中へ浸透していきます。 このような畝(うね、土を直線状に盛り上げたもの)をつくることで雨水が表面の土壌を洗い流して土壌流出がおきるのを防ぐことができます。 階段耕作 傾斜が急な場合は等高線耕作を行うことができないため、傾斜地を階段状に切り開き、それぞれの面で農業を行います(階段耕作)。 階段状にすることで畑の面積は減りますが土壌流出を防ぐ効果が大きくなります。 上の写真では畑の平らな部分の端を石垣で補強して土壌流出を防いでいます。 畑の階段耕作の場合は段々畑といいます。 段々畑は平らな部分もゆるやかに傾斜していることが多く日当たりと水はけがよいため、日本ではみかんなどの果樹栽培によく使われます。 一方、水田の階段耕作の場合は棚田といいます。 段々畑とは異なり棚田は水をためるために1つ1つの階は平らになっています。 棚田は人口に対して耕地が少ない地域にみられます。 地域としては華南(中国南部)、ルソン島(フィリピン北部)、ジャワ島(インドネシア中南部)、日本の中国山地や中央高地に多くみられます。
作物の栽培に最も大きな影響を与える自然条件はなにですか。
作物の栽培に最も大きな影響を与える自然条件は「気温」と「水」です。
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地理
栽培限界 作物の栽培に最も大きな影響を与える自然条件は「気温」と「水」です。 農作物は暑すぎたり、寒すぎたり、水が少なすぎると育てることができません。 このため、これ以上気温が低い(高い)とある作物を栽培できなくなる限界を地図上に線を結んで表現した限界線を栽培限界といいます。 栽培限界は気温だけではなく、降水量や標高などで引くこともできます。 農業全体で見ると、年平均気温10℃(寒帯と他の境界)と年降水量500 mm(乾燥帯と他の境界)が栽培限界となります。 これは樹木気候と無樹木気候の境界と同じであり、樹木が生育できない乾燥帯や寒帯では農業を営むことも難しくなります。 傾斜地農業 多くの作物の栽培は平地で行うことが理想ですが、地理的な制約により傾斜地で行う場合もあります。しかし、傾斜地では雨水が地表を斜め下方向へ流れることで表面の土壌を洗い流してしまいます。そのため、傾斜地で農業を営むためには表層土壌が流出しないように工夫する必要があります。 等高線耕作 傾斜が比較的ゆるい場合は等高線耕作が行われます。 上の写真は等高線耕作の例です(右から左に向かって低くなる傾斜地)。 手前から奥に向かって同じ高さの場所に(等高線にそって)石が並び、溝が掘られています。 そのため、右から流れてきた雨水が溝にたまり地中へ浸透していきます。 このような畝(うね、土を直線状に盛り上げたもの)をつくることで雨水が表面の土壌を洗い流して土壌流出がおきるのを防ぐことができます。 階段耕作 傾斜が急な場合は等高線耕作を行うことができないため、傾斜地を階段状に切り開き、それぞれの面で農業を行います(階段耕作)。 階段状にすることで畑の面積は減りますが土壌流出を防ぐ効果が大きくなります。 上の写真では畑の平らな部分の端を石垣で補強して土壌流出を防いでいます。 畑の階段耕作の場合は段々畑といいます。 段々畑は平らな部分もゆるやかに傾斜していることが多く日当たりと水はけがよいため、日本ではみかんなどの果樹栽培によく使われます。 一方、水田の階段耕作の場合は棚田といいます。 段々畑とは異なり棚田は水をためるために1つ1つの階は平らになっています。 棚田は人口に対して耕地が少ない地域にみられます。 地域としては華南(中国南部)、ルソン島(フィリピン北部)、ジャワ島(インドネシア中南部)、日本の中国山地や中央高地に多くみられます。
農作物は暑すぎたり、寒すぎたり、水が少なすぎると育てることができますか。
農作物は暑すぎたり、寒すぎたり、水が少なすぎると育てることができません。
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地理
栽培限界 作物の栽培に最も大きな影響を与える自然条件は「気温」と「水」です。 農作物は暑すぎたり、寒すぎたり、水が少なすぎると育てることができません。 このため、これ以上気温が低い(高い)とある作物を栽培できなくなる限界を地図上に線を結んで表現した限界線を栽培限界といいます。 栽培限界は気温だけではなく、降水量や標高などで引くこともできます。 農業全体で見ると、年平均気温10℃(寒帯と他の境界)と年降水量500 mm(乾燥帯と他の境界)が栽培限界となります。 これは樹木気候と無樹木気候の境界と同じであり、樹木が生育できない乾燥帯や寒帯では農業を営むことも難しくなります。 傾斜地農業 多くの作物の栽培は平地で行うことが理想ですが、地理的な制約により傾斜地で行う場合もあります。しかし、傾斜地では雨水が地表を斜め下方向へ流れることで表面の土壌を洗い流してしまいます。そのため、傾斜地で農業を営むためには表層土壌が流出しないように工夫する必要があります。 等高線耕作 傾斜が比較的ゆるい場合は等高線耕作が行われます。 上の写真は等高線耕作の例です(右から左に向かって低くなる傾斜地)。 手前から奥に向かって同じ高さの場所に(等高線にそって)石が並び、溝が掘られています。 そのため、右から流れてきた雨水が溝にたまり地中へ浸透していきます。 このような畝(うね、土を直線状に盛り上げたもの)をつくることで雨水が表面の土壌を洗い流して土壌流出がおきるのを防ぐことができます。 階段耕作 傾斜が急な場合は等高線耕作を行うことができないため、傾斜地を階段状に切り開き、それぞれの面で農業を行います(階段耕作)。 階段状にすることで畑の面積は減りますが土壌流出を防ぐ効果が大きくなります。 上の写真では畑の平らな部分の端を石垣で補強して土壌流出を防いでいます。 畑の階段耕作の場合は段々畑といいます。 段々畑は平らな部分もゆるやかに傾斜していることが多く日当たりと水はけがよいため、日本ではみかんなどの果樹栽培によく使われます。 一方、水田の階段耕作の場合は棚田といいます。 段々畑とは異なり棚田は水をためるために1つ1つの階は平らになっています。 棚田は人口に対して耕地が少ない地域にみられます。 地域としては華南(中国南部)、ルソン島(フィリピン北部)、ジャワ島(インドネシア中南部)、日本の中国山地や中央高地に多くみられます。
栽培限界は気温以外にも基準を引くことができますか。
栽培限界は気温だけではなく、降水量や標高などで引くこともできます。
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地理
栽培限界 作物の栽培に最も大きな影響を与える自然条件は「気温」と「水」です。 農作物は暑すぎたり、寒すぎたり、水が少なすぎると育てることができません。 このため、これ以上気温が低い(高い)とある作物を栽培できなくなる限界を地図上に線を結んで表現した限界線を栽培限界といいます。 栽培限界は気温だけではなく、降水量や標高などで引くこともできます。 農業全体で見ると、年平均気温10℃(寒帯と他の境界)と年降水量500 mm(乾燥帯と他の境界)が栽培限界となります。 これは樹木気候と無樹木気候の境界と同じであり、樹木が生育できない乾燥帯や寒帯では農業を営むことも難しくなります。 傾斜地農業 多くの作物の栽培は平地で行うことが理想ですが、地理的な制約により傾斜地で行う場合もあります。しかし、傾斜地では雨水が地表を斜め下方向へ流れることで表面の土壌を洗い流してしまいます。そのため、傾斜地で農業を営むためには表層土壌が流出しないように工夫する必要があります。 等高線耕作 傾斜が比較的ゆるい場合は等高線耕作が行われます。 上の写真は等高線耕作の例です(右から左に向かって低くなる傾斜地)。 手前から奥に向かって同じ高さの場所に(等高線にそって)石が並び、溝が掘られています。 そのため、右から流れてきた雨水が溝にたまり地中へ浸透していきます。 このような畝(うね、土を直線状に盛り上げたもの)をつくることで雨水が表面の土壌を洗い流して土壌流出がおきるのを防ぐことができます。 階段耕作 傾斜が急な場合は等高線耕作を行うことができないため、傾斜地を階段状に切り開き、それぞれの面で農業を行います(階段耕作)。 階段状にすることで畑の面積は減りますが土壌流出を防ぐ効果が大きくなります。 上の写真では畑の平らな部分の端を石垣で補強して土壌流出を防いでいます。 畑の階段耕作の場合は段々畑といいます。 段々畑は平らな部分もゆるやかに傾斜していることが多く日当たりと水はけがよいため、日本ではみかんなどの果樹栽培によく使われます。 一方、水田の階段耕作の場合は棚田といいます。 段々畑とは異なり棚田は水をためるために1つ1つの階は平らになっています。 棚田は人口に対して耕地が少ない地域にみられます。 地域としては華南(中国南部)、ルソン島(フィリピン北部)、ジャワ島(インドネシア中南部)、日本の中国山地や中央高地に多くみられます。
段々畑はどのような栽培でよく使われますか。
段々畑は平らな部分もゆるやかに傾斜していることが多く日当たりと水はけがよいため、日本ではみかんなどの果樹栽培によく使われます。
JCRRAG_011698
地理
農業における水の入手 農作物を育てるためには水を与える必要があります。 農業における水の与え方は、雨水が降るのに任せる天水農業と人工的に水を供給する灌漑農業があります。 天水農業 最も原始的な農業では作物への水やりは雨が降るのに任せていました(天水農業)。 天水農業では灌漑を行うよりも作物の収量が少なくなりますが、十分な水を外部から供給すること(灌漑)が難しい乾燥地域などでは現在でも天水農業が行われています。 このような、乾燥地域(おおよそ年降水量500mm以下)で行われる天水農業を乾燥農業(乾燥農法、乾地農業)といいます。 乾燥農業では限られた水を有効活用するために耕作方法の工夫がなされています。 たとえば、あらかじめ畑を深く耕して土を細かく砕き、表面積を広くして雨水を吸収しやすくしておきます。 雨が降った後はさらに浅く耕すことで表面の土の間に空気が入り込み水が蒸発しにくくなります。 アメリカ合衆国では前年の秋に畑を深く耕しておき、次の春に種をまく前に浅く耕すことで夏場の土壌水分の蒸発を減らすといったことが行われています。 このような乾燥農業はグレートプレーンズ(米国中西部)、パンパ(アルゼンチン中部)、オーストラリア、華北(中国北部)などで行われています。 灌漑農業 外部の河川・地下水などから水を供給して作物へ与えることを灌漑といいます。 灌漑を行うことで降水量に左右されずに安定的に作物に水を与えることができるため作物の収穫量が安定します。 雨水のみに頼ると収穫量を維持できず、灌漑により作物へ水を与えることではじめて成立する農業を灌漑農業といいます。 灌漑農業はアジアの稲作(水を引いて水田にする必要がある)や西アジア・地中海沿岸・アメリカなどの乾燥地域でみられます。
農作物を育てるためにはなにを与える必要がありますか。
農作物を育てるためには水を与える必要があります。
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地理
農業における水の入手 農作物を育てるためには水を与える必要があります。 農業における水の与え方は、雨水が降るのに任せる天水農業と人工的に水を供給する灌漑農業があります。 天水農業 最も原始的な農業では作物への水やりは雨が降るのに任せていました(天水農業)。 天水農業では灌漑を行うよりも作物の収量が少なくなりますが、十分な水を外部から供給すること(灌漑)が難しい乾燥地域などでは現在でも天水農業が行われています。 このような、乾燥地域(おおよそ年降水量500mm以下)で行われる天水農業を乾燥農業(乾燥農法、乾地農業)といいます。 乾燥農業では限られた水を有効活用するために耕作方法の工夫がなされています。 たとえば、あらかじめ畑を深く耕して土を細かく砕き、表面積を広くして雨水を吸収しやすくしておきます。 雨が降った後はさらに浅く耕すことで表面の土の間に空気が入り込み水が蒸発しにくくなります。 アメリカ合衆国では前年の秋に畑を深く耕しておき、次の春に種をまく前に浅く耕すことで夏場の土壌水分の蒸発を減らすといったことが行われています。 このような乾燥農業はグレートプレーンズ(米国中西部)、パンパ(アルゼンチン中部)、オーストラリア、華北(中国北部)などで行われています。 灌漑農業 外部の河川・地下水などから水を供給して作物へ与えることを灌漑といいます。 灌漑を行うことで降水量に左右されずに安定的に作物に水を与えることができるため作物の収穫量が安定します。 雨水のみに頼ると収穫量を維持できず、灌漑により作物へ水を与えることではじめて成立する農業を灌漑農業といいます。 灌漑農業はアジアの稲作(水を引いて水田にする必要がある)や西アジア・地中海沿岸・アメリカなどの乾燥地域でみられます。
農業における水の与え方は、どのような種類がありますか。
農業における水の与え方は、雨水が降るのに任せる天水農業と人工的に水を供給する灌漑農業があります。
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地理
農業における水の入手 農作物を育てるためには水を与える必要があります。 農業における水の与え方は、雨水が降るのに任せる天水農業と人工的に水を供給する灌漑農業があります。 天水農業 最も原始的な農業では作物への水やりは雨が降るのに任せていました(天水農業)。 天水農業では灌漑を行うよりも作物の収量が少なくなりますが、十分な水を外部から供給すること(灌漑)が難しい乾燥地域などでは現在でも天水農業が行われています。 このような、乾燥地域(おおよそ年降水量500mm以下)で行われる天水農業を乾燥農業(乾燥農法、乾地農業)といいます。 乾燥農業では限られた水を有効活用するために耕作方法の工夫がなされています。 たとえば、あらかじめ畑を深く耕して土を細かく砕き、表面積を広くして雨水を吸収しやすくしておきます。 雨が降った後はさらに浅く耕すことで表面の土の間に空気が入り込み水が蒸発しにくくなります。 アメリカ合衆国では前年の秋に畑を深く耕しておき、次の春に種をまく前に浅く耕すことで夏場の土壌水分の蒸発を減らすといったことが行われています。 このような乾燥農業はグレートプレーンズ(米国中西部)、パンパ(アルゼンチン中部)、オーストラリア、華北(中国北部)などで行われています。 灌漑農業 外部の河川・地下水などから水を供給して作物へ与えることを灌漑といいます。 灌漑を行うことで降水量に左右されずに安定的に作物に水を与えることができるため作物の収穫量が安定します。 雨水のみに頼ると収穫量を維持できず、灌漑により作物へ水を与えることではじめて成立する農業を灌漑農業といいます。 灌漑農業はアジアの稲作(水を引いて水田にする必要がある)や西アジア・地中海沿岸・アメリカなどの乾燥地域でみられます。
外部の河川・地下水などから水を供給して作物へ与えることをなにといいますか。
外部の河川・地下水などから水を供給して作物へ与えることを灌漑といいます。