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|---|---|---|---|---|
JCRRAG_009801 | 法律 | 社会権とは、国民が人間として生活を営む権利を保障するもので、国に対して行為を要求する権利(作為請求権)です。
これが国家の介入の排除を要求する権利(不作為請求権)の自由権との違いです。
(自由権的側面のある社会権もあります)
日本国憲法は社会権として、生存権、教育を受ける権利、勤労の権利、労働基本権を保障しています。
今回はその中で教育を受ける権利について説明していきたいと思います。
第二十六条
すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
2 すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。
義務教育は、これを無償とする。
教育を受ける権利は、自由権的側面と社会権的側面を有しています。
教育は、個人に知識・教養を身につけさせ、その人格を形成するとともに、国家の発展に資する健全な国民を育成するのに、役立つものという意味での自由権的側面と、国家が教育制度、教育環境を整備、維持する義務を負うという点で、社会権的側面を持っています。
生存権と同様に、プログラム規定説、法的権利説の具体的権利説、抽象的権利説といった見解が対立していますが、通説は抽象的権利説を取っており、最高裁判所の判例は今のところありません。
ちなみに2項に「義務教育は、これを無償とする」とあり、どこまでが無償なのかという事が争われたことがありますが、判例・通説は授業料を徴収しないという意味で解する「授業料無償説」をとっています。
| 社会権として保障されている権利はいくつありますか。 | 社会権として保障されている権利は、「生存権」「教育を受ける権利」「勤労の権利」「労働基本権」の4つです。 |
JCRRAG_009802 | 法律 | 罰金は、現在、刑罰の中でも大変大きな地位を占めており、非常に多くの法律に規定されています。罰金刑は、社会構造の変化に伴い、各種の行政取締法規の刑罰や経済秩序の維持のための刑罰として、ますますその適用範囲が拡大される傾向にあるともいわれています。
ところで、罰金刑は、一定の金額の財産を剥奪することを内容とするものですから、インフレーションや国民の所得水準の上昇があれば、その重みが低下して刑罰としての機能を果たせなくなるということになりかねません。例えば、鉄道営業法第24条には上限を30円とする罰金が規定されていますが、現在これをそのまま適用すれば、いまどき30円の罰金に何の意味があるのかということになってしまいます。そこで、罰金等臨時措置法で、経済事情の変動に伴う罰金の額等に関する特例が定められており、現在では、この鉄道営業法第24条の罰金も2万円以下の罰金として適用されています。
罰金の額の改定に関しては、現在の内閣提出の法律案においては、法律改正の際に、改正や新設の対象とされる条項以外の罰則についても、その時点の経済事情に適合した額となるように罰金の額を改定することとされています。また、刑法や罰金等臨時措置法等については、罰金の額を経済事情に適合させるための法律改正が独自に行われていますし、個別の行政法規についても、実際の罰金の適用状況等から、その額では犯罪に対する罰則としての抑止力に問題があるというような状況になると、罰金の額の改定そのものを目的とした法律改正が行われるようです。しかし、特段こうした問題が生ずることがなく、また、他に法律改正の機会もないままに長い年月が経過してしまった法律には、今となっては非常に少額の罰金が規定されたままになっていることもあるわけです。
一方、高額の罰金の例をみると、貸金業法、銃砲刀剣類所持等取締法、排他的経済水域における漁業等に関する主権的権利の行使等に関する法律等において、上限を3,000万円とする罰金が規定されています。さらには、外国為替及び外国貿易法のように、違反行為の目的物の価格の5倍が3,000万円を超える場合、罰金は、当該価格の5倍以下とする法律もあります。これらの高額の罰金のほとんどは、平成の時代に入ってから、その上限が引き上げられ、あるいは法律自体が新たに制定されたものです。
今いくつか挙げた高額の罰金の例は個人に適用されるもののうちでの例ですが、さらに、近年においては、法人に対してのみ適用される、上限を億円単位とする罰金がみられるようになってきました。法人に対するこうした高額の罰金は、平成3年の証券・金融不祥事を契機に、それまで、法人の代表者や従業者が法律に違反して罰せられる場合にその法人にも罰金刑を科すときの罰金の額の上限は、その代表者等個人の罰金の額の上限と連動させられていたところを、両者を切り離し、法人に対してより重い罰金刑を科すようになってきたことによるものです。例えば、不正競争防止法では10億円、個人に適用される罰金でもご紹介した外国為替及び外国貿易法においては、違反行為の目的物の価格の5倍が10億円を超える場合、罰金は、当該価格の5倍以下というような具合です。
罰金の額の適時・適切な改定は重要なことなのですが、こうした高額の罰金をもってしなければ法律も守られないような世の中になってきたのかと思うと、何やら憂欝な気分になってきます。 | 罰金額の上限が高額なのは、個人に適用される罰金と法人に適用される罰金どちらですか。 | 罰金額の上限がより高額なのは、法人に適用される罰金です。 |
JCRRAG_009803 | 法律 | 無効・取消しは法律行為の一種です。
無効とは、法律行為の効力が生じないということです。
取消しとは、法律行為の効力が取消されるまでは有効ですが、取消されると法律行為の当初にさかのぼって無効になるということです。
無効になる法律行為の具体例として、意思能力を欠く法律行為(幼児や泥酔者がした契約など)、心裡留保による契約で相手方が悪意・有過失の場合、虚偽表示、愛人契約や賭博などの公序良俗に反する行為などがあります。
取消しできる法律行為の具体例として、制限行為能力者の行った法律行為(未成年者が保護者の同意なく借金をした場合や、被保佐人が保佐人の同意なく不動産の購入をした場合など)や、瑕疵ある意思表示(錯誤、詐欺、強迫による契約など)があります。
無効な法律行為は、最初から効力が生じなかったものとみなされます。
無効であるということは、誰が主張してもよいとされています。
また、主張期間の制限もありません。
無効な行為は、原則として追認しても効力を生じないのですが、民法第119条では「当事者が無効であることを知って追認したときは、新たな行為をしたものとみなす」と規定されています。
例えば、心裡留保で相手方が悪意の場合の契約は無効ですが、嘘や冗談を言った本人がこの契約が無効であると知りながら追認した場合などがこれにあたります。
取消しできる法律行為は、取消されるまでは有効です。
取消された後に、法律行為の当時にさかのぼって無効となります。
契約により、物や金銭などの引き渡しをしていた場合は不当利得(法律上正当な理由なく他人の財産を得て、その他人に損害を与えていること)として返還する義務が生じます。
取消しを主張できるのは、① 制限行為能力者・瑕疵ある意思表示をした者(表意者本人)、② ①の代理人、③ ①の承継人(相続人など本人の契約上の地位を引き継ぐ者)です。
取消しは、追認することができる時から5年間、法律行為の時から20年間経過することで時効により消滅します。
取消しできる行為を追認した場合、法律行為の当初から有効であったとみなされ、以後は取り消すことができなくなります。
追認の方法は、相手方に対する意思表示によって行います。
追認の要件として、①取消しの原因となった状況が消滅した後(制限行為能力者であれば能力者となった後、詐欺による意思表示を行った者であれば、騙されて契約をしたという事実を知った後)、②取消しできることを知った後、の2つを満たす必要があります。
ただし、法定代理人、制限行為能力者の保佐人・補助人が追認する場合や制限行為能力者本人が法定代理人、保佐人、補助人の同意を得て追認する場合は、①・②の要件を満たす必要はありません。
成年被後見人は自身の行為の結果を認識できない可能性が高く、同意を与えてもあまり意味がないため、成年後見人は同意権がありません。
そのため、成年被後見人は成年後見人の同意を得ていても追認することができません。
法定追認とは、契約を有効に成立させる意思があると考えられるような一定の事実があった場合に、追認したものとみなすことをいいます。
法定追認には、①全部または一部の履行、②履行の請求、③更改、④担保の供与、⑤取り消すことができる行為によって取得した権利の全部または一部の譲渡、⑥強制執行の6つがあります。 | 無効と取消しについて説明してください。 | 無効は、法律行為の効力が生じないということで、最初から効力が生じなかったものとみなされます。
無効になる例として、意思能力を欠く法律行為、心裡留保による契約で相手方が悪意・有過失の場合、虚偽表示、愛人契約や賭博などの公序良俗に反する行為などがあります。
取消しは、法律行為の効力が取消されるまでは有効ですが、取消されると法律行為の当初にさかのぼって無効になります。
取消しになる例として、制限行為能力者の行った法律行為や、瑕疵ある意思表示があります。
どちらも法律行為の一種です。 |
JCRRAG_009804 | 法律 | 新型コロナウイルスの問題は、世界中の人々の生活や企業の動きに多大な悪影響を与えながら広がってきている。まずは、最前線でこの問題に対応している、医療機関や公的機関の皆さまに最大限の敬意を表明する。
さて、新型コロナウイルス感染は、様々な法律上の問題を発生させる。割合わかりやすい点として、出社可能だがリスクのある従業員を出社させることについての会社側の責任、他方で自宅待機を命じた場合の給与や手当の問題がある。また株主総会、決算といった事務が現実的にできなくなった場合の対応といった問題もあるだろう。
もう一点が、契約上の責任である。例えば製品の製造販売を約していたが、新型コロナウイルスの影響で部品が入手できない、または一定の役務の提供を約していたが、従業員が勤務できないとか、さらには履行そのものにより感染拡大のおそれがあってこの役務の提供ができないということが考えられる。
このようなとき考えられるのが、不可抗力の場合には債務不履行責任を問われないという考え方である。基本的な発想は、日本法でもシンガポール法でも共通である(なお英米法に属するシンガポール法の場合はこのような契約法の基本原則については判例法によることになる)。このため契約書等に明記していない場合にも、不可抗力であれば債務不履行責任は問われない。しかし何をもって不可抗力というか、債務者の努力により避けられるのではないか、微妙な場合にどこからどこまで責任が発生し、どこから発生しないのかは明確とはいえない。また日本法でもシンガポール法でも、この点を理由に債務不履行責任を負わないという結論を導くのは、それなりに高いハードルといわれている。
これを意識して、契約書の中に、Force Majeure条項という条項を入れこむことがある。地震、台風などの天災、戦乱、暴動などの人災といった避けられない事情により債務が履行できない場合には債務を履行できなくとも責任を負わないという条項である。これは上記の曖昧さをできる限り明確化するための条項であり、これらに明記された事態に該当すれば、債務不履行責任は発生しないといえる。
ところで、Force Majeure条項が例示するものの多くは、地震や戦争など「誰が考えてもコントロール不可能な、債務を履行できなくても無理はない」という内容であるが、子細に検討すると、契約書ごとに微妙な違いが発見されることがある。特に「感染症の蔓延」といった内容は、必ずしもすべての契約書に見受けられる一般的な条項とは限らない。例示にこの点の記載があれば、かなり説得的に債務を履行できないことを正当化することができるだろう。他方で例示に上がっていない場合には、今回の新型コロナの問題は他の例示事項と匹敵する不可抗力事由となると主張することになろう。いずれにしても、一度契約書の中のForce Majeure条項を確認してみることをお勧めする。 | 新型コロナウィルスの問題に絡み、確認することを推奨されている条項は何ですか。 | Force Majeure条項です。 |
JCRRAG_009805 | 法律 | 昭和二十一年憲法
日本国憲法
日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。
日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。 | 日本国憲法では、国政を運営する権力はどこから由来するとされていますか。 | 日本国憲法では、政の権力は国民の代表者が行使し、その権威は国民に由来するとされています。 |
JCRRAG_009806 | 法律 | 特定商取引法の概要
(1) 行政規制
特定商取引法では、事業者に対して、消費者への適正な情報提供等の観点から、各取引類型の特性に応じて、以下のような規制を行っています。特定商取引法の違反行為は、業務改善の指示や業務停止命令・業務禁止命令の行政処分の対象となるほか、一部は罰則の対象にもなります。
氏名等の明示の義務付け
特定商取引法は、事業者に対して、勧誘開始前に事業者名や勧誘目的であることなどを消費者に告げるように義務付けています。
不当な勧誘行為の禁止
特定商取引法は、価格・支払条件等についての不実告知(虚偽の説明)又は故意に告知しないことを禁止したり、消費者を威迫して困惑させたりする勧誘行為を禁止しています。
広告規制
特定商取引法は、事業者が広告をする際には、重要事項を表示することを義務付け、また、虚偽・誇大な広告を禁止しています。
書面交付義務
特定商取引法は、契約締結時等に、重要事項を記載した書面を交付することを事業者に義務付けています。
(2) 民事ルール
特定商取引法は、消費者と事業者との間のトラブルを防止し、その救済を容易にするなどの機能を強化するため、消費者による契約の解除(クーリング・オフ)、取消しなどを認め、また、事業者による法外な損害賠償請求を制限するなどのルールを定めています。
クーリング・オフ
特定商取引法は、「クーリング・オフ」を認めています。クーリング・オフとは、契約の申込み又は締結の後に、法律で決められた書面を受け取ってから一定の期間内(※)に、無条件で解約することです。
(※) 訪問販売・電話勧誘販売・特定継続的役務提供・訪問購入においては8日以内、連鎖販売取引・業務提供誘引販売取引においては20日以内。通信販売には、クーリング・オフに関する規定はありません。 | 通信販売で商品を購入した場合、クーリング・オフはできますか。 | 通信販売で商品を購入した際にはクーリング・オフは原則としてできません。 |
JCRRAG_009807 | 法律 | 第一章天皇
第一条天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。
第二条皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。
第三条天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ。
第四条天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。
②天皇は、法律の定めるところにより、その国事に関する行為を委任することができる。
第五条皇室典範の定めるところにより摂政を置くときは、摂政は、天皇の名でその国事に関する行為を行ふ。この場合には、前条第一項の規定を準用する。
第六条天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する。
②天皇は、内閣の指名に基いて、最高裁判所の長たる裁判官を任命する。
第七条天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。
一 憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。
二 国会を召集すること。
三 衆議院を解散すること。
四 国会議員の総選挙の施行を公示すること。
五 国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること。
六 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。
七 栄典を授与すること。
八 批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。
九 外国の大使及び公使を接受すること。
十 儀式を行ふこと。
第八条 皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が、財産を譲り受け、若しくは賜与することは、国会の議決に基かなければならない。 | 天皇が行える行為はいくつありますか。 | 天皇が行えることは10行為です。 |
JCRRAG_009808 | 法律 | トラブルに巻き込まれた相談者の方からは、もし裁判になったらどれぐらいの時間が掛かるのかというご質問を受けることがよくあります。トラブルを裁判外で収めてしまうか、それとも裁判で徹底的に争って解決するのかという判断には、金銭面だけではなく、時間的なコストも理解しておくことが必要です。そこで今回は、裁判にはどれぐらいの時間がかかるのかということをご説明したいと思います。
訴訟における平均的な審理期間
まず、最高裁判所の司法統計によると、令和2年度の通常訴訟事件の平均審理期間は、和解等により終了した事件も含めると9.9ヶ月、判決まで双方が争った事件については13.9ヶ月とされています。1年掛かることも珍しくないということには、驚かれる方も多いのではないでしょうか。しかも、これは地方裁判所での第一審のみの統計ですので、控訴や上告がなされた場合には更に期間を要していることになります。
なぜ裁判には時間が掛かるのか
民事訴訟は、なぜこれだけの時間が掛かってしまうのでしょうか。勿論、訴訟の中身が複雑であり、当事者の主張や裁判所の判断に時間を要するというのが大きな理由の1つです。また、民事訴訟が逐一時間を掛けることが前提の手続になっているという点にも原因があるものと考えられます。これらの点は、民事訴訟の流れを確認しながらご説明するのが分かりやすいと思いますので、順に見て行きたいと思います。なお、以下は第一審の流れであり、更に控訴審、上告審と手続が移行していく場合もあります。 | 令和2年度の通常訴訟事件において、和解等で終了した場合と判決まで争った場合では、平均審理期間にどれくらいの差がありますか。 | 令和2年度の通常訴訟事件において、和解等で終了した場合と判決まで争った場合の平均期間の差は4ヶ月です。 |
JCRRAG_009809 | 法律 | 1. 起訴の提訴
訴訟手続は、まず原告が裁判所に訴状を提出することから始まります。裁判所は訴状を受理すると、被告とされている者に対して訴状を送達すると共に、第1回期日の日程を決め、当事者双方に裁判所への出頭を求めます。
第1回期日は裁判所の規則上、訴状の提出から1ヶ月ほどの日程が指定されることになっています。ただし、被告が訴状を受け取らない場合などには第1回期日までに2~3ヶ月ほどを要することもあります。
2. 第1回期日
第1回期日から本格的な争いが始まるのかというと、多くの場合そうではありません。
被告の側かすると、いきなり訴状が届いて驚いたところに、数週間後の期日に出席して反論しろということまでを求められるのは苦しいものがあります。弁護士に馴染みのない方にとっては、自らの代理人を探す時間もありません。そういった点を考慮して、被告には、ひとまず原告の請求を争うという書面(「形式的答弁書」といいます。)だけを出しておけば、第1回期日に限り欠席が認められることになっています。
結果として、第1回期日には原告側のみが出席することが非常に多くなっています。その場に被告がおらず、形式的答弁書しか出されていないという状況ですと、原告と裁判官で整理する話も殆どありません。次回期日の日程だけを決めて、5分も掛からずに終わるということも多々あります。 | 起訴の提訴から第1回期日までの期間は、どのような状況で変化しますか。 | 起起訴の提訴から第1回期日までの期間は、被告が訴状を受け取らない場合変化します。 |
JCRRAG_009810 | 法律 | 外食後に食中毒を発症したら、PL法上の製造物責任に基づき、飲食店に対して損害賠償を請求できます。
食中毒に関する飲食店の損害賠償責任は、「PL法(製造物責任法)」という法律に基づいて発生します。
以下の要件をすべて満たす場合には、飲食店はPL法に基づく製造物責任を負い、食中毒の被害者に生じた損害を賠償しなければなりません(PL法第3条)。
【製造物責任の要件】
1.食品の製造、加工または輸入をしたこと
2.食品に欠陥があったこと
3.2. の欠陥により、食中毒が引き起こされた
飲食店で加工(調理)された飲食物によって食中毒が引き起こされたことを証明できれば、飲食店に対して損害賠償を請求可能です。
医師の診察を受け、食中毒の原因が飲食店での食事であることを証明しうる診断書を発行してもらいましょう。
飲食店での食事が原因で食中毒を発症した患者は、飲食店に対してさまざまな項目の損害賠償を請求できます。
食中毒について、患者が賠償を請求できる損害としては、以下の例が挙げられます。
1.治療費
食中毒の診察や治療などに要した費用のうち、自己負担額の損害賠償を請求できます。
2.通院交通費
食中毒の診察や治療を受けるために通院した際、かかった交通費の損害賠償を請求できます。
公共交通機関であれば実費相当額、自家用車であれば移動距離に応じて計算した額が損害賠償の対象です。タクシー料金については、利用の必要性が認められた場合に限り損害賠償の対象となります。
3.通院慰謝料
食中毒の診察や治療のため、通院を強いられたことによる精神的損害の賠償を請求できます。
4.休業損害
食中毒の診察や治療のために仕事を休まざるを得なかったときは、休業によって得られなかった収入相当額の損害賠償を請求できます。
有給休暇を取得して仕事を休んだ場合も、休業日に対応する給与が損害賠償の対象となります。 | PL法に基づく損害賠償請求は、テイクアウトで食中毒を発症したときに請求できますか。 | PL法に基づく損害賠償請求は、テイクアウトで食中毒を発症したときに請求できます。 |
JCRRAG_009811 | 法律 | 未成年者は、未だ人格の形成が発展途上にあり、自分の行為の善悪や結果に対する判断能力が十分でないと考えられます。
そのため、民法では、「制限行為能力者」と位置づけられています。そして、未成年者の法律行為については、すべて法定代理人の同意が必要とされているのです(民法第5条第1項)。
未成年者が法定代理人の同意なく法律行為をした場合、未成年者または法定代理人は、その法律行為を取り消すことが可能です(同条第2項)。
したがって、未成年の子どもがオンラインゲームで親に無断で課金をした場合には、原則として、その課金を取り消すことができるのです。
ただし、上記の取消権については、「制限行為能力者の詐術」があれば、取り消しが認められないことに注意が必要です(民法第21条)。
同規定によると、未成年者が契約の相手方に対して、自らが成年であることを信じさせるために噓をついた場合には、法律行為の取り消しが認められないとされています。
オンラインゲームをプレイする子どもは、未成年者が単独で課金をすることが認められないことを理解している場合も多いでしょう。
そのため、自分の判断で自由に課金をするために、登録する年齢を成年と偽る場合があるのです。
この場合には、詐術による例外規定に抵触して、課金の取り消しが認められない可能性があります。 | 未成年者は、民法上で、何と定義されていますか。 | 未成年者は、民法上で、制限行為能力者と定義されています。 |
JCRRAG_009812 | 法律 | 労働基準法では、1日8時間、1週間で40時間を法定労働時間と定めており、原則として法定労働時間を超えて時間外労働を命じることはできないとされています。しかし、36協定を締結し、それを労働基準監督署に届け出た場合には、会社は、労働者に対して残業を命じることができるようになります。
ただし、残業を命じることができるとしても、無制限に残業を命じることができるわけではなく、残業時間には法律上上限が設けられています。具体的には、月45時間、年360時間を超えて残業を命じることは、原則として違法とされています。
そのため、36協定の締結・届け出がない場合や残業時間の上限規制を超えた残業を命じられた場合には、違法な残業強要となり、労働者は残業を拒否することができます。
正当な残業命令であった場合には、原則として労働者はそれを拒否することはできません。しかし、以下のような正当な理由がある場合には、例外的に残業を拒否することができます。
3歳未満の子どもを養育している労働者から請求があった場合には、所定労働時間を超えて残業を命じることはできません(育児介護休業法16条の8)。
また、3歳から小学校就学前までの子どもを養育する労働者から請求があれば、1か月24時間、1年150時間を超えて残業を命じられることはありません(育児介護休業法17条)。
妊娠中または産後1年を経過していない女性から請求があれば、36協定の締結・届け出があったとしても、残業を命じられることはありません(労働基準法66条)。
要介護状態にある家族を介護している労働者から請求があれば、1か月24時間、1年150時間を超えて残業を命じられることはありません(育児介護休業法18条)。 | 残業を命じられない正当な理由は、育児介護休業法の中で、いくつありますか。 | 残業を命じられない正当な理由は、育児介護休業法の中で、3つあります。 |
JCRRAG_009813 | 法律 | 残業手当は、「1時間あたりの基礎賃金×残業時間×割増率」という計算式によって算定します。たとえば、月給24万円、1年間の勤務日数が240日、1日の所定労働時間が8時間の場合、1時間当たりの基礎賃金は、1500円になります。
なお、1か月あたりの基礎賃金を計算する際の月給には、以下の手当は含みません。
家族手当
通勤手当
別居手当
子女教育手当
住宅手当
臨時に支払われた賃金
1か月を超える期間ごとに支払われる賃金
割増賃金の支払い対象となる残業時間とは、労働基準法で規定する法定労働時間を超えた残業をした時間のことをいいます。労働基準法では、1日8時間、1週40時間を法定労働時間として定めていますので、この時間を超えて労働した場合には、残業手当を請求することができます。
使用者が労働者に対して法定労働時間を超えて残業をした場合、法定休日労働をさせた場合、深夜労働をさせた場合には、法令で定める割増率以上で算定した割増賃金を支払わなければなりません。
法令で定める割増率としては、以下のとおりです。
①月60時間以内の時間外労働 2割5分以上
②月60時間を超える時間外労働 5割以上
③法定休日労働 3割5分以上
④深夜労働 2割5分以上 | 残業手当の計算式の割増率が最も高い労働は、何ですか。 | 残業手当の計算式の割増率が最も高い労働は、月60時間を超える時間外労働です。 |
JCRRAG_009814 | 法律 | 近隣トラブルや離婚問題などが発生し、当事者同士の話し合いでは解決できない場合、「調停」や「訴訟」といった法的手続きを講ずることになります。
民事調停・家事調停(離婚調停、遺産分割調停など)の「調停」手続きでは、あくまでも当事者間の「話し合い」によって合意を目指します。
これに対して「訴訟」では、当事者の主張・立証を踏まえて、裁判所が事実認定を行い、一方的かつ強制的に「判決」の形で解決を示します。
民事調停・家事調停を主導するのは、民間の有識者の中から裁判所に任命された「調停委員」です。調停期日では、調停委員が当事者双方から個別に言い分を聴き取り、合意の可能性を模索します。なお、裁判官も調停委員と構成する調停委員会の一員として調停を主宰しており、調停委員と連携して調停を進めていますが、実際の調停期日では調停室には調停委員のみがおり、裁判官は調停成立/不成立など重要な局面のときにだけ現れます。
これに対して訴訟では、裁判官が直接手続きを進めていきます。
調停手続きでは、当事者が合意することで調停成立となります。逆に言えば、合意が成立しない場合には調停不成立となり、何らの解決も示されないままに手続きが終了することもあるのです。この場合、当事者は訴訟などに場を移して、引き続き紛争解決を目指すことになります。
これに対して訴訟の場合、当事者の取下げによって手続きが終了しない限り、和解または判決のいずれかによって、必ず何らかの解決案が示されます。
訴訟手続きの中では、裁判所による和解の勧告がしばしば行われ、当事者双方が和解案に合意すれば、その時点で訴訟手続きは終了します。
一方、和解が成立しない場合には、裁判所は当事者に対して判決を言い渡します。判決に対しては、当事者に上訴(控訴・上告)が認められており、上訴された場合には、その手続きを経て判決が確定します。
このように、調停の場合は調停不成立となって結論が示されないケースが有り得るのに対して、訴訟は終局的な紛争解決手続きであるため、必ず結論が示されるという特徴があります。
調停も訴訟も、手続きが行われる場所はいずれも裁判所です。
民事調停の場合、相手方の住所地等を管轄する簡易裁判所で行われるのが原則ですが、当事者の合意によって別の裁判所に調停を申し立てることもできます(民事調停法第3条第1項)。家事調停の場合、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所又は当事者の合意により定めた家庭裁判所です(家事事件手続法第245条1項)。
これに対して訴訟の場合、請求権の内容や当事者の合意などにより、民事訴訟法のルールに従って管轄裁判所が定まります。
このように調停と訴訟は、管轄決定のルールに違いはあるものの、いずれも裁判所で行われる手続きである点は共通しています。 | 調停と訴訟について、200文字以内で説明してください。 | 調停は、簡易裁判所や家庭裁判所において、調停委員の聞き取りによって当事者間の話し合いを進め、合意の成立を目指す手続きであり、成立しない場合には調停不成立として終了します。訴訟は、当事者の主張・立証を踏まえて、裁判官が事実認定を行い、和解または判決のどちらかを一方的かつ強制的に判決として下し、解決案を示すものです。いずれも、裁判所で手続きが行われる点は共通しています。
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JCRRAG_009815 | 法律 | 遺言書の内容に従わないことに同意を得られない、調停や訴訟で遺言書の無効が認められないなど、望んだ結果を得られない可能性もあります。このような事態に備え、遺言書の内容が自身の遺留分を侵害していないか確認しておきましょう。
遺留分とは、法定相続人に最低限保証される遺産の取り分です。たとえば、妻と2人の息子がいる人が全財産を長男に譲る内容の遺言書を残して亡くなると、妻と次男は遺留分に相当する支払いを長男に請求できます。
なお、被相続人の兄弟姉妹には遺留分が認められません。
遺留分の割合としては、被相続人の直系尊属(父母や祖父母)のみが相続人の場合は、相続財産全体の3分の1で、それ以外の場合は2分の1です。相続人が複数いる場合は、相続財産全体の3分の1または2分の1に対して、それぞれの法定相続分を乗じた割合が遺留分となります。
遺言書の内容に従うと受け取れる財産の割合が遺留分を下回る場合、多額の財産を受け取る相続人などに対し、侵害された遺留分の支払いを請求できます。これを「遺留分侵害額請求」と呼びます。
ただし、遺留分侵害額請求権は、相続を開始したこと、および遺留分を侵害する遺贈や贈与があったこと知ってから1年、または、相続開始から10年が経過すると、時効により消滅します。もし、遺言無効確認調停や訴訟を起こし、決着がつくまでに1年以上が経過すると、時効により遺留分侵害額請求ができなくなる可能性があるのです。
そのため、遺言書が有効と判断される場合に備え、調停や訴訟と並行して遺留分侵害額請求を行う意思表示をしてもよいでしょう。意思表示により遺留分侵害額請求権の時効が止まるため、調停や訴訟が終わるまでに1年以上が経過しても遺留分を請求できます。 | 妻と2人の息子がいる人は、家族の一員ですか。 | 妻と2人の息子がいる人は、父親にあたるため、家族の一員です。 |
JCRRAG_009816 | 法律 | もし、闇バイトへ応募してしまうと、数多くのリスクが伴います。特に最も大きなリスクは逮捕、起訴されて有罪判決を受けることでしょう。
逮捕されると、テレビや新聞、ウェブニュースなどで実名報道されるかもしれません。犯罪者として全国に名前が知れ渡ってしまえば、社会的に大きな不利益を受けてしまいます。
また、強盗などの重大な事件で起訴された場合、初犯であっても重い刑罰を科せられる可能性が高いです。社会復帰後も前科が付いてしまうため、就職活動で不利になるなど数多くの社会的な不利益がつきまといます。
さらに、被害者から高額な損害賠償を請求されることも考えられるでしょう。
もし、「応募してしまっても犯罪に加担する前に逃げればよい」と考えているのであれば注意が必要です。闇バイトに関与するリスクは決して甘くはありません。
4-1. 脅迫されて抜け出せない
すでにご説明した通り、闇バイトへ応募する際は必要以上にさまざまな情報の提出を求められ、その情報は応募者を脅すための材料として使われます。
もし、犯罪行為の実行役になることを知り、断ったり逃げ出そうとしたりしても、自宅や職場、学校まで押しかけられて脅されるかもしれません。家族や友人、恋人、同僚など、周囲の人に被害が及ぶことも十分に考えられます。
結局は闇バイトを断ることができず、逮捕されるまで抜け出せなくなってしまうのです。
4-2. 報酬が支払われない
10万円を超えるような高額な報酬が支払われると説明されていても、必ず受け取れるとは限りません。むしろ、闇バイトを募集するのは凶悪な犯罪グループであり、応募者は騙されていると考えた方がよいでしょう。
危険を冒して犯罪行為に及んでも、説明された金額よりも大幅に少ない報酬しか受け取れないどころか、まったく支払われない可能性もあります。
4-3. 応募者だけが使い捨てにされる
闇バイトによって逮捕されるのは、犯罪行為の実行役となった応募者だけというケースも少なくありません。
闇バイトの首謀者は、所在地や連絡先を隠して応募者を集め、やり取りには秘匿性の高いアプリを使います。そのため捜査の手が首謀者まで及ばない可能性があり、逮捕された応募者は使い捨てにされてしまうのです。
報酬を受け取れないどころか、いつまでも闇バイトから抜け出せず、最終的には自分だけが逮捕されて重い刑罰を受ける。このように、闇バイトにはリスクしかないため、絶対に手を出してはいけません。 | 逮捕、起訴されて有罪判決を受けるとどうなりますか。 | 逮捕、起訴されて有罪判決を受けると、犯罪の内容や重さに応じた刑罰を受けることになります。 |
JCRRAG_009817 | 法律 | 加害者側の保険会社と示談書(免責証書)を取り交わす前であれば、いつでも弁護士に依頼することができます。
ただし、事故の発生直後から弁護士に相談しておけば、その後の手続きの流れや、最終的な賠償金の獲得に向けた方針、想定されるトラブルなど、一連の対応をトータルサポートしてもらいやすいというメリットがあります。
また、きちんと整形外科や接骨院・整骨院に通院しない、医者の指示に従わないなど、適切な治療・施術を受けないと、賠償金が減額されてしまう原因となる可能性があるので、治療中の注意点などを弁護士からアドバイスしてもらうこともできます。
特に、弁護士費用特約に加入している方は、基本的に弁護士費用が保険から賄われますので、弁護士費用を心配する必要がありません。
メリットしかありませんので、すぐに弁護士に相談されることをおすすめします。
また、次のような場面は、弁護士に相談したほうがよいタイミングです。
保険会社から「治療費を打ち切る」と言われた
後遺障害認定に納得ができない
提示された賠償金額に納得できない
2-1. 保険会社から「治療費を打ち切る」と言われた
交通事故で負傷した場合、加害者側の保険会社が治療費を支払ってくれます。
しかし、まだ治療が必要な状況なのに、保険会社から「これ以上は治療費を支払わない(打ち切る)」と言われるケースがあります。
打ち切られた後も治療を受ける場合、自分で費用を負担しなければなりません。
そのため、治療費を打ち切られた場合、治療の延長を保険会社と交渉する、自分で負担した分を改めて請求するといった煩雑な対応が必要ですが、まだ治療が必要であることをきちんと説明できなければ、簡単には認められません。
このような場合、弁護士に依頼しておけば、保険会社との交渉や対応などを任せることができます。
2-2. 後遺障害の認定に納得ができない
事前認定や被害者請求で認定された後遺障害の等級に納得できない場合、高い等級を目指した異議申立てをすることができます。
しかし、医師の診断書や意見書などの書類を揃え、反論しなければなりません。
適切な等級の認定を勝ち取るためにも、異議申立てをする際は交通事故に強い弁護士に任せるべきです。
2-3. 提示された賠償金額に納得できない
すでに説明した通り、保険会社から提示される賠償金は任意保険基準で算出されますので、弁護士が交渉すれば、より高額な賠償金を獲得できる可能性が高まります。
保険会社に提示された金額に納得できない場合は、弁護士に相談しましょう。 | 事故発生直後、誰に相談すれば想定されるトラブルの回避ができますか。 | 事故発生後、速やかに弁護士に相談しておけば、賠償金が減額されてしまうケース等、想定されるトラブルの回避ができます。 |
JCRRAG_009818 | 法律 | 0. 成年年齢が18歳に。約140年ぶりに成年の定義が見直し
2022年4月から、成年年齢が現在の20歳から18歳に引き下げられます。
日本で成年年齢が見直されるのは、1876年に成年年齢が20歳と定められて以来、約140年ぶりのことです。
成年年齢を引き下げることになった背景のひとつが、2015年の公職選挙法改正です。若い人にも政治に関与してもらうため、投票年齢が20歳から18歳に引き下げられました。
こうした中で、より日常生活と密接にかかわる民法も改正し、成年を18歳からにするべきではないかという議論も行われるようになったのです。
また、これまで日本の常識だった「成年=20歳」は、世界を見渡すと実は少数派です。
法務省によるとアメリカやイギリス、カナダ、ドイツ、メキシコなど、多くの国が成年年齢を18歳としています。
こうした流れを受けて2018年に民法が改正され、成年年齢が引き下げられることになりました。
そこで今回のコラムは、成年年齢の引き下げにより変わることなどを解説します。
4月からは18歳の方も「大人」として扱われるようになり、様々なことが1人でできるようになりますが、その分、責任も大きくなります。
成年になるとどのようなことができるようになるのか、そして、どのような注意が必要なのかを理解するためにも、ぜひ最後までお読みください。 | 2015年に制定された投票に関する法改正がきっかけとなり、約140年ぶりに20歳から18歳に引き下げられた定義は何ですか。 | 成年年齢の定義。 |
JCRRAG_009819 | 法律 | 行政主体とは?
「行政主体」とは、行政活動を行う団体のことで、権利義務の帰属主体となることができます。
分かりやすくいうと、例えば、都道府県が、ある土地を購入する場合、都道府県の担当者が、売買契約をします。
売買契約をすることで買主である都道府県は、代金を支払う義務を負い、また、その土地の所有者も都道府県となります。
このように、「契約による義務を負ったり」「不動産を所有したり」する者(今回の事例では都道府県)を権利義務の帰属主体と言います。
実際に契約をしているのは、都道府県の担当者(公務員)ですが、担当者はあくまでも都道府県の手足となって動いているだけで、都道府県が行った契約(行政行為)の権利義務の帰属主体にはなりません。
行政主体の具体例
国 最も強大な権限を持っている
地方公共団体 都道府県、市町村
その他 公共組合(土地区画整理組合や健康保険組合)、独立行政法人、国立大学法人、認可法人、特殊法人等
行政書士試験では、上記内容について直接問う問題は出題されませんが、基本知識として知っておかないと、これから勉強していく中で全然分からなくなるので、前提知識として、頭の片隅に入れておきましょう!
そして、行政主体である「公共組合(土地区画整理組合や健康保険組合)、独立行政法人、国立大学法人、認可法人、特殊法人等」については、今は詳しく分からなくても大丈夫です。 | 行政主体の具体例にある最も強大な権限を持っている国はどこですか。 | 行政主体の具体例にある最も強大な権限を持っている国は日本です。 |
JCRRAG_009820 | 法律 | 窃盗罪とは
窃盗罪とは、他人の財物を自分の物にするために盗み取る犯罪です。平成18年の刑法改正により刑罰に罰金刑が加えられたことで、万引きなどの軽微な窃盗事件でも、罰金刑となれば前科が付くおそれがあります。
(1)窃盗罪の構成要件
窃盗罪は、他人の財産的価値のある物を、その人の意思に反して自分の物とする犯罪です(刑法第235条)。
(2)窃盗罪の刑罰とは
窃盗罪の刑罰は、刑法第235条において『10年以下の懲役または50万円以下の罰金に処する』と定められています。
平成18年の刑法改正によって罰金刑が加えられたため、万引きといった軽微な窃盗事件でも前科が付くおそれがあります。
(3)窃盗罪の時効年数
時効には、刑事事件の時効と民事事件の時効があります。
刑事事件の時効とは、一定の期間が経過することで検察官が起訴できなくなる公訴時効のことを指すのが一般的です。窃盗罪の公訴時効は7年です(刑事訴訟法250条2項4号)。
一方、窃盗によって生じた損害について、損害賠償請求をされたような場合は、民事事件となります。民事事件の時効は民法第724条で定められている「損害賠償請求権の消滅時効」のことを指します。
被害者または法定代理人が損害および加害者を知った日から3年、または、犯人が特定できない場合には、犯罪行為から20年で消滅時効が成立します。 | 他人の財物を盗み取った場合、どのような刑罰に処されますか。 | 他人の財物を盗み取った場合、10年以下の懲役または50万円以下の罰金に処されます。 |
JCRRAG_009821 | 法律 | 自己株式の消却、株式併合、株式分割、株式無償割当て
株式については、消却したり(消滅させたり)、併合したり(2つ以上の株式を1つに合体させたり)、株式分割(1つの株式を2つに分けたり)、株式無償割当て(新株を発行して、既存株主に無償でプレゼント)したりできます。
自己株式の消却
株式の消却とは、会社が保有する株式を消滅させることを言います。他人が持っている株式を消滅させることはもちろんできません。自己株式についてのみ消却ができます。
自己株式の消却は、下記手続きで償却する自己株式の数を定めて行います
取締役会設置会社:取締役会の決議
取締役会非設置会社:取締役の過半数で決議
※自己株式とは、株式会社自身が保有する、自社の株式。
株式併合
株式の併合(へいごう)とは、数個の株式を合わせてそれよりも少ない株式にすることを言います。
例えば、10株を1株にしたり、2株を1株にすることが株式併合です。
これにより、最低出資額の引き上げを行うことができ、株主管理コストを抑えることができます。
例えば、もともと1株1万円だったものを、10株を1株に併合すると、1株10万円となります。
これまで、最低1万円で出資できたのですが、併合後は、最低10万円ないと出資できません。そうなると、必然と株主の数も減ります。それにより、株主の管理を楽にすることができます。
10株を1株にするということは、もともと5株しか持っていない人は、株主の地位を失うこととなります。つまり、株主の権利利益に関わる重要なことなので、株式併合を行うには、株主総会の特別決議が必要となります。
株主総会の特別決議とは?
議決権をもつ株主の過半数を定足数とし(過半数の出席により)、出席した者の3分の2以上の賛成によって成立する。
株式分割
株式の分割とは、既存の株式を細分化して、従来よりも多数の株式とすることを言います。
例えば、1株を10株にしたりすることが株式分割です。
これにより、高騰しすぎた株式の株価の引き下げを行うことができ、(最低出資額の引き下げを行うことができ)、株式の流動性を高めることができます。
例えば、もともと1株100万円だった場合、1株を100株に分割することで、1株1万円となり、取引がしやくするなるわけです。
ちなみに、既存株主の利益に実質的な影響はありません。例えば、もともと1株(100万円)持っていた場合、株式分割により、1万円の株を100株持つこととなり、分割前も後も100万円分の株式を持つからです。
既存株主の権利利益に影響はないことから、下記手続きにより株式分割を行えます。
取締役会設置会社:取締役会の決議
取締役会非設置会社:株主総会の普通決議
株主総会の普通決議とは?
議決権を持つ株主の過半数を定足数とし、出席株主の過半数の賛成によって成立する。
株式無償割当て
株式の無償割当てとは、既存株主に対して、無償で新株の割当をすることを言います。
定款に別段の定めがない場合に限り、その都度、下記手続きによって株式の無償割当を行います。
取締役会設置会社:取締役会の決議
取締役会非設置会社:株主総会の普通決議 | 株式分割と株式無償割当の違いについて200文字以内で説明してください。 | 株式の分割とは、既存の株式を細分化して、従来よりも多数の株式とすることを言います。
同一の種類の株式が増加し、自己株式の数も増加する特徴があります。
株式の無償割当てとは、既存株主に対して、無償で新株の割当をすることを言います。
同一または異なる種類の株式を割り当てることができ、自己株式には割当てができない、自己株式を使って他の株主に割当てができるという特徴があります。 |
JCRRAG_009822 | 法律 | 贈与税がかかる場合
贈与税は、個人から贈与により財産を取得したときにかかる税金です。
なお、法人から贈与により財産を取得したときは、贈与税ではなく所得税がかかります。
また、自分が保険料を負担していない生命保険金を受け取った場合、あるいは債務の免除などにより利益を受けた場合などは、贈与を受けたものとみなされて贈与税がかかります。
ただし、死亡した人が自身を被保険者として保険料を負担していた生命保険金を受け取った場合は、贈与税でなく相続税がかかります。
次に、贈与税の課税方法を説明します。
暦年課税
暦年課税とは、贈与した額に対する課税方法のことを指し、1年間に受けた贈与に課税されるというものです。贈与税は、その年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与を受けた財産の価額の合計額から暦年課税に係る基礎控除額110万円を差し引いた残りの額に対してかかります。したがって、1年間に贈与を受けた財産の価額の合計額が110万円以下なら贈与税はかかりません(この場合、贈与税の申告は不要です。)
相続時精算課税
相続時精算課税の制度とは、原則として60歳以上の父母または祖父母などから、18歳以上の子または孫などに対し、財産を贈与した場合において選択できる贈与税の制度です。
相続時精算課税の選択に係る贈与者(「特定贈与者」といいます。)ごとにその年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与を受けた財産の価額の合計額(課税価格)から相続時精算課税に係る基礎控除額110万円を控除し、特別控除額2,500万円(前年以前において、既にこの特別控除額を控除している場合は、残額が限度額となります。)を控除した残額に対して贈与税がかかります。
なお、同一年中に、2人以上の特定贈与者から贈与を受けた場合のそれぞれの特定贈与者の相続時精算課税に係る基礎控除額は、110万円を特定贈与者ごとの贈与税の課税価格であん分した金額となります。
また、特別控除額は贈与税の期限内申告書を提出した場合に限り控除することができます。
(注) 上記の「相続時精算課税に係る基礎控除」が適用されるのは、令和6年1月1日以後の贈与に限りますので、令和5年12月31日以前の贈与には適用されません。
申告と納税については、次のとおりです。
その年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与を受けた財産の価額の合計額のうち、次の①の金額が110万円を超える場合または②の金額が110万円を超える場合は、贈与を受けた人が贈与により財産を取得した年の翌年2月1日から3月15日までの間に申告と納税をする必要があります。
① 暦年課税の適用を受ける財産の価額の合計額
② 相続時精算課税の適用を受ける財産の価額の合計額
※ 令和5年12月31日以前に相続時精算課税に係る贈与を受けた場合は、相続時精算課税に係る基礎控除額は控除されませんので、②の金額が110万円以下であっても申告をする必要があります。
なお、初めて相続時精算課税を選択する場合、贈与を受けた人が贈与税の申告期間内に贈与者ごとに「相続時精算課税選択届出書」を作成し、一定の書類を添付して所轄税務署長へ提出しなければなりません。また、贈与税の申告書を提出する場合には、「相続時精算課税選択届出書」および一定の書類を贈与税の申告書に添付して提出する必要があります。添付書類については、コード4304「相続時精算課税選択届出書に添付する書類」をご覧ください。
贈与税は、金銭で一度に納めるのが原則ですが、何年かに分けて納める延納制度があります。
この延納を希望する方は、申告書の提出期限までに税務署に申請書などを提出して許可を受ける必要があります。 | 昨年60歳以上の祖母から18歳の孫に200万円を贈与した場合、適用される税制度は何ですか。 | 60歳以上の父母または祖父母などから、18歳以上の子または孫などに対し、財産を贈与した場合において選択できる贈与税の制度は、相続時精算課税の制度です。 |
JCRRAG_009823 | 法律 | 公的医療保険制度の元に、すべての人が加入する健康保険は主に3つの種類に分けることができます。
職業や働き方、年齢によって加入先の健康保険が異なることも特徴の一つです。
代表的なものとしては、自営業やフリーランスが加入する「国民健康保険」、民間企業や公務員が加入する「被用者保険」、高齢者が加入する「後期高齢者医療制度」が挙げられます。加入する健康保険によって、保険料を算出する方法や保障内容などが異なる点があります。
各健康保険の加入者数は、厚生労働省ホームページ(※)によると令和元年度(2019年)予算ベースで以下の通りとなります。
国民健康保険 約3,170万人
被用者保険 約7,750万人
後期高齢者医療制度 約1,800万人
会社員や公務員などが加入する被用者保険の加入者数が一番多いことがわかります。
なお、医療費の自己負担割合については、年齢層によって異なります。
後期高齢者医療制度に加入する75歳以上は1割、70歳から74歳までは2割、70歳未満は3割、6歳(義務教育就学前)未満は2割です。
ただし、70歳以上でも、現役並み所得者は3割になります。これらは医療保険制度全体に共通するルールです。
国民健康保険は75歳未満のすべての人に加入する義務があります。ただし、以下の人については除外となります。
・会社の健康保険や公務員の共済制度などに加入している人
・生活保護を受けている人
具体的な加入者を挙げると、自営業やフリーランス、農業・漁業従事者、パート・アルバイトなど職場の健康保険に加入していない人、退職して職場の健康保険をやめた人、長期在留する外国人などです。
保険料は住民票の世帯単位で、「加入している人数」「年齢」「前年の所得金額」をもとに計算が行われます。
その際、納付義務者は世帯主となります。世帯主本人は国民健康保険の加入者でなくても、世帯の中に加入者がいれば世帯全員分の保険料(税)を納めることになります。
運営については、都道府県が市区町村と共に担っています。そのため、各自治体によって保険料(税)が異なります。
なぜなら標準保険料を参考に、各自治体が保険料率を決定、計算方法も異なるからです。
国民健康保険には被扶養者という考え方はありません、世帯の加入者が多ければ保険料総額も高くなります。
その他、国民健康保険には、「業種や職種」による加入者で組織される国保組合があります。加入できるか確認したい時には全国国民健康保険組合協会のホームページなどで調べてみるといいです。
会社員や公務員などが加入する被用者保険は、被用者の保険であり、被用者とは企業などに雇われた人のことを言います。具体的には、主に会社員や公務員などの職業により分かれています。
健康保険は民間企業の会社員とその家族が加入する医療保険制度です。健保組合と協会けんぽに分かれています。
健保組合の加入者は主に大企業(やそのグループ企業)の会社員が多く、協会けんぽの加入者は中小企業の会社員が多いのが特徴です。
共済組合の加入者は、公務員や私立学校の教職員が対象となります。それぞれ国家公務員共済組合・地方公務員共済組合・私立学校教職員共済制度など各種の共済組合があります。
保険料は、加入者の標準報酬月額(4月~6月の給与の平均)をもとに計算されます。つまり給与が高くなれば保険料も一定の上限まで上がることになります。
また、保険料については勤務先の会社・学校などと被保険者が折半して負担する「労使折半」です。運営する保険者によっては、折半(1/2)より多くの負担をしているところもあります。
なお、加入者(被保険者)本人と生計を同一とする配偶者や子ども・親を扶養家族に入れることができます。特筆すべきは、扶養家族の有無や人数によって保険料が変わることはないことです。これらは国民健康保険と大きく異なる点です。
後期高齢者医療制度は、原則として75歳以上が加入する制度になります。ただし、65歳以上74歳未満で一定の障がいがある場合には、本人の申請により後期高齢者医療制度に加入することができます。
保険料については一定の条件のもと、老齢基礎年金などから差し引かれます。世帯主ではなく被保険者一人一人が保険料を納めることが、国民健康保険と違うところです。
保険料は、都道府県ごとの後期高齢者医療広域連合が2年ごとに決定し、各市区町村が徴収を行います。医療費の自己負担割合については、現役並み所得者は3割ですが、それ以外の一般あるいは低所得者は1割です。高齢世代の医療費負担を軽減するしくみとなっています。 | 健康保険に加入した際医療費の自己負担割合が最も少ないのは何歳でしょうか。 | 健康保険に加入した際に医療費の自己負担割合が最も少ないのは後期高齢者医療制度に加入する75歳以上の1割負担です。 |
JCRRAG_009824 | 法律 | 食品表示法とは
食品表示法の施行経緯
食品の表示に関して、かつて、食品衛生法、JAS法、健康増進法に分かれて規定がありました。しかし、食の安全に対する問題意識の高まりを受け、この3つの法に規定されていた表示すべき事項に関する規定をまとめて制定されたのが食品表示法です。食品表示法は、平成25年6月に成立し、平成27年4月1日から施行されました。
食品表示法により、原則として、一般用加工食品及び一般用の添加物には栄養成分表示が義務付けられました。栄養成分表示により、消費者自身が、健康で栄養バランスがとれた食生活を営むことの重要性を意識し、商品選択に役立てることで適切な食生活を送るきっかけとなることが期待されています。
食品の表示に関する法律
食品の表示に関する法律には、健康増進法、薬機法、景表法等のように、表示してはいけない内容を定める法律もありますが、食品表示法は、表示してはいけない内容とともに、表示しなければいけない内容を定めている法律です。
食品表示基準
食品表示法は、内閣総理大臣に対して、食品の表示について具体的なルールを定めることを義務づけており(食品表示法4条)、これにより定められたのが「食品表示基準」です。
「食品表示基準」では、表示すべき内容を定めるとともに、禁止する表示についても規定しています(食品表示基準9条)。
規制の対象となる食品は、加工食品(酒類を含む。)、生鮮食品又は添加物です。これらを販売する場合及び不特定又は多数の者に対して無償で譲渡する場合に規制の適用を受けます。
規制の対象となる者は、商品の製造者や加工者、輸入者、販売者など(食品関連事業者等といいます)です。食品関連事業者等は、食品表示基準に従い、食品の表示をする義務があります(食品表示法5条)。なお、バザー等で販売する者のように、販売を業としていない者であっても、食品を販売したり、不特定又は多数の人に無償で譲渡したりする場合には規制対象となります。
食品表示基準では、表示すべき内容として、食品及び食品関連事業者等の区分毎に次のような事項が定められています。
【表示すべき内容】
品質事項:原材料名や原産地などの食品の品質に関する事項
衛生事項:添加物や賞味・消費期限、アレルゲンなどの健康の保護に必要な事項
保健事項:健康増進を図るために必要な事項(栄養成分表示、機能性表示食品など)
また、禁止される表示については、次のような定めがあります(食品表示基準9条)。
【禁止される表示】
実際のものより著しく優良又は有利であると誤認させる用語
産地名を示す表示であって、産地名の意味を誤認させるような用語
機能性表示食品、栄養機能食品注等の食品に関する特定の用語
これらの表示について、消費者庁のウェブサイトにQ&Aやガイドラインが掲載されていますので、規制対象となる食品を取り扱う場合には、確認するようにしましょう。 | 食品表示基準は何の内容を表示義務としていますか。 | 食品表示表は、品質事項、衛生事項、保健事項を表示義務としています。 |
JCRRAG_009825 | 法律 | 栄養成分表示
2015(平成27)年に施行された食品表示法の栄養成分表示義務の猶予期間が経過し、2020(令和2)年4月1日から完全施行となり、栄養成分表示が義務化されました(ただし、2020年3月31日までに製造された食品については従前の表示がなされているものもあります。)。
では、栄養成分表示とはどのようなものでしょうか。
容器包装に入れられた一般用加工食品及び添加物は、栄養成分の量及び熱量の表示(栄養成分表示)をしなければなりません。表示が義務付けられている栄養成分は、熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム(食塩相当量で表示)です。
また、「○○含有」、「低○○」など、栄養成分の量及び熱量について強調する表示をする場合、含有量が一定の基準を満たすことが必要とされています。
なお、小規模の事業者が販売した食品や、水や香辛料などのように栄養の供給源としての寄与が小さい食品などは、栄養成分表示が省略されていることもあります。
機能性・特別の用途の表示
保健機能食品や特別用途食品については、機能性の表示や特別の用途を表示することが可能です。
保健機能食品
国が定めた安全性や有効性に関する基準などに従って食品の機能が表示されている食品を保健機能食品といいます。
保健機能食品は、機能性を表示することができ、栄養機能食品、特定保健用食品、機能性表示食品の3種類が認められています。特定保健用食品、栄養機能食品及び機能性表示食品以外の食品は、食品の持つ効果や機能を表示することができません(食品表示基準9条)。
栄養機能食品
栄養機能食品とは、1日に必要な栄養成分(ビタミン、ミネラルなど)が不足しがちな場合、その補給・補完のために利用できる食品をいいます。 対象となる食品は、消費者に販売される容器包装に入れられた一般用加工食品及び一般用生鮮食品です。
栄養機能食品として販売するためには、1日当たりの摂取目安量に含まれる当該栄養成分量が、定められた上・下限値の範囲内にある必要があるほか、基準で定められた当該栄養成分の機能だけでなく注意喚起表示等も表示する必要があります(食品表示基準7条及び21条)。
この栄養機能食品は、許可申請を行う必要がない自己認証制度です。既に科学的根拠が確認された栄養成分を一定の基準量含む食品については、特に届出などをしなくても、国が定めた表現によって機能性を表示することが可能です。
特定保健用食品(トクホ)
特定保健用食品(トクホ)とは、からだの生理学的機能などに影響を与える保健効能成分(関与成分)を含み、その摂取により、特定の保健の目的が期待できる旨の表示(保健の用途の表示)をする食品のことをいいます。
簡単に言うと、健康の維持増進に役立つことが科学的根拠に基づいて認められ、「コレステロールの吸収を抑える」などの表示が許可されている食品のことをいいます(健康増進法43条1項、食品表示基準2条1項9号、3条2項、18条2項)。なお、特定保健用食品は、保健機能食品であるとともに、後述する特別用途食品の一つとして位置付けられます。
表示されている効果や安全性については国が審査を行い、食品ごとに消費者庁長官が許可しています。
機能性表示食品制度
機能性表示食品とは、事業者の責任において、科学的根拠を基に、商品パッケージに機能性を表示するものとして、消費者庁に届け出られた食品です(ただし、特別用途食品、栄養機能食品、アルコール飲料、脂質・ナトリウム等の過剰摂取につながる食品を除きます。)。
この機能性表示食品に関する制度は、2015(平成27)年4月に始まりました。
それまで、機能性を表示できる食品(保健機能食品)は、国が個別に許可した特定保健用食品(「トクホ」)と国の規格基準に適合した栄養機能食品だけでした。そのため、機能性を分かりやすく表示した商品の選択肢を増やすことで、消費者が商品の正しい情報を得て選択できるよう、機能性表示食品制度が設けられたのです(食品表示基準2条1項10号、3条2項、18条2項)。
事業者は、機能性表示食品を販売する場合、国が定めた一定のルールに基づき安全性や機能性に関する評価を行うとともに、生産・製造、品質の管理の体制、健康被害の情報収集体制を整え、販売日の60日前までに、次のような事項を、消費者庁長官に届け出る必要があります。
安全性及び機能性の根拠に関する情報
健康被害の情報収集体制
届け出られた情報は、消費者庁のウェブサイトでも公開されています。
ただし、機能性表示食品は、特定保健用食品とは異なり、国が安全性や機能性の審査を行った者ではなく、許可を受けたものではない点、注意が必要です。
科学的根拠として届け出られた内容に疑義がある場合、景品表示法に基づく措置命令が下されることもあります。実際に、令和5年6月30日に不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)に基づく措置命令が下された商品について、機能性表示食品の撤回届出が提出されました。また、同じ科学的根拠を届け出ていた複数の機能性表示食品についても、撤回届出がされています。 | 2020年4月1日に施行された食品表示法のうち、何が義務化されましたか。 | 栄養成分表示が義務化されました。 |
JCRRAG_009826 | 法律 | 健康増進法・食品衛生法等との関係
食品の表示・広告を対象とする規定をもつ法律には、食品表示法のほかに、健康増進法、食品衛生法、日本農林規格等に関する法律(JAS法)、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)、不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)、特定商取引に関する法律(特商法)等があります。
健康増進法、食品衛生法及びJAS法にあった食品についての表示するべき内容に関する規定は食品表示法にまとめられましたが、表示してはいけない内容については、従前のまま残っているものもあります。
誇大表示を禁止する食品表示基準9条1項の規定に違反することが疑われる表示は、前述のような他の法令の規定、例えば景品表示法5条の不当表示の禁止や健康増進法65条1項の誇大表示の禁止に違反している可能性があります。このため、食品の虚偽誇大広告等に関して、関係法令の内容を十分に理解する必要があります。
健康増進法と食品表示法
健康増進法は、国民の健康維持と現代病予防を目的として平成15年に施行された法律です。
食品表示に関しては、前述のとおりトクホ(特定保健用食品)(健康増進法26条1項及び健康増進法に規定する特別用途表示の許可等に関する内閣府令)があります。
また、健康増進法は、誇大表示を規制しています(健康増進法65条1項)。
第65条(誇大表示の禁止)
第1項 何人も、食品として販売に供する物に関して広告その他の表示をするときは、健康の保持増進の効果その他内閣府令で定める事項(次条第3項において「健康保持増進効果等」という。)について、著しく事実に相違する表示をし、又は著しく人を誤認させるような表示をしてはならない。
このように、健康保持増進効果等を表示すること自体は禁止されていませんが、著しく事実に相違または人を誤認させるような表示(誇大表示)は禁止されています。
厚生労働省による食品として販売に供する物に関して行う健康保持増進効果等に関する虚偽誇大広告等の禁止及び広告等適正化のための監視指導等に関する指針(ガイドライン)によれば、健康増進法65条1項が対象とする者は、「食品として販売に供する物に関する広告その他の表示をする」者であれば、例えば、新聞社、雑誌社、放送事業者、インターネット媒体社等の広告媒体事業者等も対象となり得ることに注意が必要です。
また、「健康保持増進効果等」とは何かも問題になりますが、前述の指針によれば、健康状態の改善又は健康状態の維持の効果であり、具体的には次のような例が該当します。
ア 疾病の治療又は予防を目的とする効果
イ 身体の組織機能の一般的増強、増進を主たる目的とする効果
ウ 特定の保健の用途に適する旨の効果
健康の維持、増進に役立つ、又は適する旨を表現するもので、例えば次に掲げるものが該当。
ⅰ容易に測定可能な体調の指標の維持に適する又は改善に役立つ旨
ⅱ身体の生理機能、組織機能の良好な維持に適する又は改善に役立つ旨
ⅲ身体の状態を本人が自覚でき、一時的であって継続的、慢性的でない体調の変化の改善に役立つ旨
エ 栄養成分の効果
そして、これらに加え、「内閣府令で定める事項」として、例えば「人の身体を美化し、魅力を増し、容ぼうを変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つことに資する効果」等も該当します。
そして、上記ア~エの効果を、例えば名称やキャッチフレーズ、期限や由来等の説明、新聞・雑誌記事や体験談などを引用又は掲載すること等により表示して、暗示的または間接的に表現した表示も、内閣府令により、健康保持増進効果等の表示に含まれるとされていることに注意が必要です。
なお、健康保持増進効果等の表示を行う場合は、当該表示に関する合理的な根拠も必要です。
食品衛生法と食品表示法
前述のとおり、食品衛生法に規定されていた食品の表示に関するルールは、健康増進法及びJAS法の食品の表示に関するルールとともに、食品表示法に一元化されました。
しかし、現在でも、食品衛生法20条に、「食品、添加物、器具又は容器包装に関し、公衆衛生に危害を及ぼすおそれがある虚偽の又は誇大な表示又は広告をしてはならない」という定めがあるので、注意が必要です。
JAS法と食品表示法
日本農林規格等に関する法律(JAS法)は、農林物資(飲食料品・農産物・林産物・畜産物・水産物)についての品質の基準と品質に関する表示の基準を内容とする全国統一の規格である日本農林規格を定めています。
前述のとおり、食品衛生法に規定されていた食品の表示に関するルールは、健康増進法及びJAS法の食品の表示に関するルールとともに、食品表示法に一元化されました。 | 日本農林規格等に関する法律(JAS法)では、農林物資は何種類あるか教えてください。 | 農林物質は5種類あります。 |
JCRRAG_009827 | 法律 | 地方公共団体の議会では、効率的に議会を運営するために、条例で、常任委員会、議会運営委員会及び特別委員会を置くことができます。これらは、任意で設置するため、必ずしも設置しなければならないわけではありません。
そして、いずれの委員会も、予算案以外であれば議案を提出することができます。
常任委員会
常任委員会は、担当部門の事務の調査、議案等を詳しく審査する組織で、各地方公共団体ごとに、色々な種類の常任員会があります。例えば、総務委員会・市民福祉委員会・文教経済委員会・建設水道委員会等、名称も各地方公共団体ごと様々です。
そして、地方公共団体の議員は、常任委員を複数兼ねることができます。
議会運営委員会
議会運営委員会は、「議会の運営に関する事項」「議会の会議規則、委員会に関する条例等に関する事項」「議長の諮問に関する事項」について調査し、審査する組織です。
特別委員会
特別委員会は、原則、会期中に限って、議会の議決により付議された事件を審査します。ただし、例外的に、特定の事件については、議会の閉会中も審査することができます。 | 地方議会ではいくつの委員会が存在しますか。 | 地方議会では3つの委員会が存在します。 |
JCRRAG_009828 | 法律 | 1.国の会計制度の仕組み ~一般会計と特別会計~
(1)予算単一の原則と区分経理
国の会計は、毎会計年度における国の施策を網羅して通観できるよう、単一の会計(一般会
計)で一体として経理することが、財政の健全性を確保する見地からは望ましいものとされて
います。これを予算単一の原則(単一会計主義)と言います。
しかしながら、国の行政の活動が広範になり複雑化してくると、場合によっては、単一の会
計では国の各個の事業の状況や資金の運営実績等が不明確となり、その事業や資金の運営に係
る適切な経理が難しくなりかねません。このような場合には、一般会計とは別に会計を設け(特
別会計)、特定の歳入と特定の歳出を一般会計と区分して経理することにより、特定の事業や資
金運用の状況を明確化することが望ましいと考えられます。
以上の趣旨から、我が国の会計は、「財政法」(昭 22 法 34)の規定において、一般会計の他
に、特定の歳入・特定の歳出をもって一般会計とは経理を別にする特別会計を設置することと
しています。
(2)特別会計の設置要件
特別会計の具体的な設置要件について、財政法第 13 条第2項は、次の場合に限って可能と
しています。すなわち、国が
① 特定の事業を行う場合
② 特定の資金を保有してその運用を行う場合
③ その他特定の歳入をもって特定の歳出に充て一般の歳入歳出と区分して経理する必要があ
る場合
に限って、法律で定めることで、特別会計の設置を認めています。 | 一般会計と特別会計について説明してください。 | 一般会計は、毎会計年度における国の施策を網羅して通観できるよう、単一の会計で一体として経理しているものです。
特別会計は、国の行政の活動が広範になり複雑化してくるなど単一の会計では国の各個の事業の状況や資金の運営実績等が不明確となり、その事業や資金の運営に係
る適切な経理が難しく、そのような場合に一般会計とは別に特定の歳入と特定の歳出を一般会計と区分して経理することにより、特定の事業や資金運用の状況を明確にしている会計です。 |
JCRRAG_009829 | 法律 | ◆子どもが逮捕されると今後はどうなってしまうのか
何らかの犯罪行為をしてしまった場合、未成年であっても逮捕される可能性が
あります。もし、自分の子どもが逮捕されてしまったら、親としてはとても不
安に思うのではないでしょうか。
このコラムでは、未成年の子どもが少年事件で逮捕された場合、どのように手
続きが進むのか、そして、親は子どものために何ができるのか、刑事弁護や少
年事件に詳しい弁護士が解説します。
なお、民法改正により2022年4月より成人年齢が18歳に引き下げられました。一
方、少年法も改正され、犯罪行為をした18歳と19歳を新たに「特定少年」と位
置づけたうえで、引き続き少年法の対象としています。
そのため、このコラムでは18歳や19歳も含めて少年や未成年として解説してい
ます。また、少年法では性別を問わず少年としているため、このコラムでも男
女ともに少年としています。
◆そもそも未成年でも逮捕されるのか
20歳未満の少年が起こした事件を「少年事件」と呼びます。少年事件では、少
年法にもとづき、20歳以上が起こした事件とは異なる手続きの流れで少年の処
分が決められます。
そして、事件を起こした少年が逮捕されるかどうかは、少年が14歳以上か未満
かによって異なります。
1.少年が14歳以上だと逮捕される
14歳以上の少年が犯罪行為をした場合、「犯罪少年」(18歳と19歳は「特定少
年」)として扱われ、逮捕される可能性があります。逮捕されると20歳以上の
場合と同様に、警察や検察による取り調べが行われるほか、最長20日間の勾留
を受ける可能性があります。
2. 少年が14歳未満なら逮捕されない
法律により、14歳に満たない者の行為は罰しないと定められています(刑法第
41条)。そのため、14歳未満の加害者は「触法少年」として扱われ、逮捕され
ることはありませんし、勾留を受けることもありません。
ただし、14歳未満でも、被害者が死亡するなど重大な事件であれば、一時保護
という措置により、児童相談所に身柄を拘束される可能性があります。また、
少年審判が開かれて何らかの保護処分を受けるケースもあります。
| 法律では、触法少年として扱われるのは何歳未満までですか。 | 法律では、触法少年として扱われるのは14歳未満までです。14歳未満の加害者は「触法少年」として扱われ、逮捕されることはありませんし、勾留を受けることもありません。 |
JCRRAG_009830 | 法律 | 第一章 天皇
第一条 天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。
第二条 皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。
第三条 天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ。
第四条 天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。
② 天皇は、法律の定めるところにより、その国事に関する行為を委任することができる。
第五条 皇室典範の定めるところにより摂政を置くときは、摂政は、天皇の名でその国事に関する行為を行ふ。この場合には、前条第一項の規定を準用する。
第六条 天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する。
② 天皇は、内閣の指名に基いて、最高裁判所の長たる裁判官を任命する。
第七条 天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。
一 憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。
二 国会を召集すること。
三 衆議院を解散すること。
四 国会議員の総選挙の施行を公示すること。
五 国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること。
六 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。
七 栄典を授与すること。
八 批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。
九 外国の大使及び公使を接受すること。
十 儀式を行ふこと。
第八条 皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が、財産を譲り受け、若しくは賜与することは、国会の議決に基かなければならない。 | 天皇が行う国事行為にはどのようなものがありますか。 | 天皇は憲法改正の公布、国会の召集、衆議院の解散、国務大臣の任免、栄典の授与などの国事行為を行う。 |
JCRRAG_009831 | 法律 | 第四章 国会
第四十一条 国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。
第四十二条 国会は、衆議院及び参議院の両議院でこれを構成する。
第四十三条 両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。
② 両議院の議員の定数は、法律でこれを定める。
第四十四条 両議院の議員及びその選挙人の資格は、法律でこれを定める。但し、人種、信条、性別、社会的身分、門地、教育、財産又は収入によつて差別してはならない。
第四十五条 衆議院議員の任期は、四年とする。但し、衆議院解散の場合には、その期間満了前に終了する。
第四十六条 参議院議員の任期は、六年とし、三年ごとに議員の半数を改選する。
第四十七条 選挙区、投票の方法その他両議院の議員の選挙に関する事項は、法律でこれを定める。
第四十八条 何人も、同時に両議院の議員たることはできない。
第四十九条 両議院の議員は、法律の定めるところにより、国庫から相当額の歳費を受ける。
第五十条 両議院の議員は、法律の定める場合を除いては、国会の会期中逮捕されず、会期前に逮捕された議員は、その議院の要求があれば、会期中これを釈放しなければならない。
第五十一条 両議院の議員は、議院で行つた演説、討論又は表決について、院外で責任を問はれない。
第五十二条 国会の常会は、毎年一回これを召集する。
第五十三条 内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。
第五十四条 衆議院が解散されたときは、解散の日から四十日以内に、衆議院議員の総選挙を行ひ、その選挙の日から三十日以内に、国会を召集しなければならない。
② 衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に閉会となる。但し、内閣は、国に緊急の必要があるときは、参議院の緊急集会を求めることができる。
③ 前項但書の緊急集会において採られた措置は、臨時のものであつて、次の国会開会の後十日以内に、衆議院の同意がない場合には、その効力を失ふ。
第五十五条 両議院は、各々その議員の資格に関する争訟を裁判する。但し、議員の議席を失はせるには、出席議員の三分の二以上の多数による議決を必要とする。
第五十六条 両議院は、各々その総議員の三分の一以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない。
② 両議院の議事は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、出席議員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
第五十七条 両議院の会議は、公開とする。但し、出席議員の三分の二以上の多数で議決したときは、秘密会を開くことができる。
② 両議院は、各々その会議の記録を保存し、秘密会の記録の中で特に秘密を要すると認められるもの以外は、これを公表し、且つ一般に頒布しなければならない。
③ 出席議員の五分の一以上の要求があれば、各議員の表決は、これを会議録に記載しなければならない。
第五十八条 両議院は、各々その議長その他の役員を選任する。
② 両議院は、各々その会議その他の手続及び内部の規律に関する規則を定め、又、院内の秩序をみだした議員を懲罰することができる。但し、議員を除名するには、出席議員の三分の二以上の多数による議決を必要とする。
第五十九条 法律案は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、両議院で可決したとき法律となる。
② 衆議院で可決し、参議院でこれと異なつた議決をした法律案は、衆議院で出席議員の三分の二以上の多数で再び可決したときは、法律となる。
③ 前項の規定は、法律の定めるところにより、衆議院が、両議院の協議会を開くことを求めることを妨げない。
④ 参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて六十日以内に、議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる。
第六十条 予算は、さきに衆議院に提出しなければならない。
② 予算について、参議院で衆議院と異なつた議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は参議院が、衆議院の可決した予算を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて三十日以内に、議決しないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。
第六十一条 条約の締結に必要な国会の承認については、前条第二項の規定を準用する。
第六十二条 両議院は、各々国政に関する調査を行ひ、これに関して、証人の出頭及び証言並びに記録の提出を要求することができる。
第六十三条 内閣総理大臣その他の国務大臣は、両議院の一に議席を有すると有しないとにかかはらず、何時でも議案について発言するため議院に出席することができる。又、答弁又は説明のため出席を求められたときは、出席しなければならない。
第六十四条 国会は、罷免の訴追を受けた裁判官を裁判するため、両議院の議員で組織する弾劾裁判所を設ける。
② 弾劾に関する事項は、法律でこれを定める。 | 衆議院議員と参議院議員の任期の違いはなんですか | 衆議院議員の任期は4年であり、衆議院が解散された場合はその前に終了する。参議院議員の任期は6年であり、3年ごとに半数が改選される。 |
JCRRAG_009832 | 法律 | 第五章 内閣
第六十五条 行政権は、内閣に属する。
第六十六条 内閣は、法律の定めるところにより、その首長たる内閣総理大臣及びその他の国務大臣でこれを組織する。
② 内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない。
③ 内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ。
第六十七条 内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、これを指名する。この指名は、他のすべての案件に先だつて、これを行ふ。
② 衆議院と参議院とが異なつた指名の議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は衆議院が指名の議決をした後、国会休会中の期間を除いて十日以内に、参議院が、指名の議決をしないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。
第六十八条 内閣総理大臣は、国務大臣を任命する。但し、その過半数は、国会議員の中から選ばれなければならない。
② 内閣総理大臣は、任意に国務大臣を罷免することができる。
第六十九条 内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、十日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない。
第七十条 内閣総理大臣が欠けたとき、又は衆議院議員総選挙の後に初めて国会の召集があつたときは、内閣は、総辞職をしなければならない。
第七十一条 前二条の場合には、内閣は、あらたに内閣総理大臣が任命されるまで引き続きその職務を行ふ。
第七十二条 内閣総理大臣は、内閣を代表して議案を国会に提出し、一般国務及び外交関係について国会に報告し、並びに行政各部を指揮監督する。
第七十三条 内閣は、他の一般行政事務の外、左の事務を行ふ。
一 法律を誠実に執行し、国務を総理すること。
二 外交関係を処理すること。
三 条約を締結すること。但し、事前に、時宜によつては事後に、国会の承認を経ることを必要とする。
四 法律の定める基準に従ひ、官吏に関する事務を掌理すること。
五 予算を作成して国会に提出すること。
六 この憲法及び法律の規定を実施するために、政令を制定すること。但し、政令には、特にその法律の委任がある場合を除いては、罰則を設けることができない。
七 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を決定すること。
第七十四条 法律及び政令には、すべて主任の国務大臣が署名し、内閣総理大臣が連署することを必要とする。
第七十五条 国務大臣は、その在任中、内閣総理大臣の同意がなければ、訴追されない。但し、これがため、訴追の権利は、害されない。 | 内閣総理大臣が指名される際に関係する議院は何つありますか。 | 内閣総理大臣が指名される際に関係する議院は、衆議院と参議院の2つある。 |
JCRRAG_009833 | 法律 | 第六章 司法
第七十六条 すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。
② 特別裁判所は、これを設置することができない。行政機関は、終審として裁判を行ふことができない。
③ すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。
第七十七条 最高裁判所は、訴訟に関する手続、弁護士、裁判所の内部規律及び司法事務処理に関する事項について、規則を定める権限を有する。
② 検察官は、最高裁判所の定める規則に従はなければならない。
③ 最高裁判所は、下級裁判所に関する規則を定める権限を、下級裁判所に委任することができる。
第七十八条 裁判官は、裁判により、心身の故障のために職務を執ることができないと決定された場合を除いては、公の弾劾によらなければ罷免されない。裁判官の懲戒処分は、行政機関がこれを行ふことはできない。
第七十九条 最高裁判所は、その長たる裁判官及び法律の定める員数のその他の裁判官でこれを構成し、その長たる裁判官以外の裁判官は、内閣でこれを任命する。
② 最高裁判所の裁判官の任命は、その任命後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際国民の審査に付し、その後十年を経過した後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際更に審査に付し、その後も同様とする。
③ 前項の場合において、投票者の多数が裁判官の罷免を可とするときは、その裁判官は、罷免される。
④ 審査に関する事項は、法律でこれを定める。
⑤ 最高裁判所の裁判官は、法律の定める年齢に達した時に退官する。
⑥ 最高裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない。
第八十条 下級裁判所の裁判官は、最高裁判所の指名した者の名簿によつて、内閣でこれを任命する。その裁判官は、任期を十年とし、再任されることができる。但し、法律の定める年齢に達した時には退官する。
② 下級裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない。
第八十一条 最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。
第八十二条 裁判の対審及び判決は、公開法廷でこれを行ふ。
② 裁判所が、裁判官の全員一致で、公の秩序又は善良の風俗を害する虞があると決した場合には、対審は、公開しないでこれを行ふことができる。但し、政治犯罪、出版に関する犯罪又はこの憲法第三章で保障する国民の権利が問題となつてゐる事件の対審は、常にこれを公開しなければならない。 | 最高裁判所と下級裁判所の裁判官の任期が長いのはどちらですか。 | 最高裁判所の裁判官の任期は明記されていないが、国民審査の制度があり、十年ごとに審査を受ける。一方、下級裁判所の裁判官の任期は十年と定められており、再任が可能である。したがって、明確な期限がない最高裁判所の裁判官の方が、下級裁判所の裁判官よりも長く務める可能性がある。 |
JCRRAG_009834 | 法律 | 第七章 財政
第八十三条 国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。
第八十四条 あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする。
第八十五条 国費を支出し、又は国が債務を負担するには、国会の議決に基くことを必要とする。
第八十六条 内閣は、毎会計年度の予算を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない。
第八十七条 予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基いて予備費を設け、内閣の責任でこれを支出することができる。
② すべて予備費の支出については、内閣は、事後に国会の承諾を得なければならない。
第八十八条 すべて皇室財産は、国に属する。すべて皇室の費用は、予算に計上して国会の議決を経なければならない。
第八十九条 公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。
第九十条 国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会に提出しなければならない。
② 会計検査院の組織及び権限は、法律でこれを定める。
第九十一条 内閣は、国会及び国民に対し、定期に、少くとも毎年一回、国の財政状況について報告しなければならない。 | 国の財政を処理する権限はどこにありますか | 国の財政を処理する権限は国会にある。すべての財政処理は国会の議決に基づいて行使されなければならないため、国会が財政の最終的な決定権を持つ。他の機関が独自に財政を処理することは認められていない。 |
JCRRAG_009835 | 法律 | 原則、事実婚のパートナーには相続権が認められず、財産を譲り渡すことができません。
しかし、生前贈与や遺言書によって、財産を遺す方法が存在します。
本記事では、事実婚のパートナーの相続権の基礎知識から遺産を遺すための方法や注意点について解説します。
相続権とは、亡くなった方の財産を受け取る権利をいいます。
民法上、相続権が発生するのは、法定相続人のみです。
つまり、配偶者と子ども、父母などの直系尊属、兄弟姉妹に限られます。
事実婚のパートナーは、法定相続人にあたる配偶者にはなれません。
現行法上、事実婚のパートナーは、法律上の配偶者に準じるものとして扱われています。
事実婚の要件について明確な規定はないものの、以下の3つの要件にあてはまる場合、事実婚として認められる可能性が高いでしょう。
婚姻の意思があること
同居していて住民票が同一であること
生計が同一であること
つまり、法律婚との大きな違いは、形式上の手続きをしているかどうかによります。
そのため、実態として夫婦関係であれば、事実婚だと認められる可能性が高いです。
事実婚のパートナーに相続権は発生しませんが、事実婚夫婦の子どもには相続権が発生するケースがあります。
生まれた子どもを父親が認知していた場合、法定相続人として遺産を相続する権利が与えられるのです。
一般的に事実婚の夫婦に子どもが生まれた場合、母親を筆頭者とする新しい戸籍が作成され、子どもはその戸籍に入ります。
新しい戸籍が作成され、子どもが入った時点では、父親の欄は空欄のままです。
そのため、法律上では、父親と子どもに親子関係が認められません。
しかし、父親が子どもの認知をおこなうと、子どもと父親は法律的に親子関係になり、子として法定相続人になることができます。
なお、母親と子どもの関係については、生まれた時点で親子関係が認められるため、特別な手続きを経ることなく法定相続人になることが可能です。 | 事実婚夫婦は婚姻届を提出していますか。 | 事実婚夫婦は婚姻届けを提出していません。 |
JCRRAG_009836 | 法律 | 商品やサービスの内容が、実際よりも著しく優れていると消費者に誤解させる広告表示などは、「不当表示」として法律で禁止されています(改正景品表示法第5条1号)。禁止に違反した事業者は、措置命令や課徴金納付命令といったペナルティの対象となります。
この点、改正景品表示法が2024年10月から施行され、事業者が自主的に不当表示などの違反行為の是正に取り組むことでペナルティを回避できる「確約手続き」が導入されます。一方、課徴金の加算や「直罰規定」の導入といった罰則強化も行われるため、改正内容を把握しておくことが重要です。
景品表示法(景表法)の正式名称は「不当景品類及び不当表示防止法」と呼びます。景品表示法は、企業が商品やサービスを販売する際、一般消費者の誤解を招くような表示や過大な景品の提供などを禁止・制限する法律です。
主に、次のような禁止や制限が法律で定められています。
不当表示の禁止(同法第5条)
商品やサービスの品質や性能、価格などを、実際よりも、または、他社製品よりも著しく優れていると消費者に誤解を与えるような表示を禁止する
過大な景品の制限および禁止(同法第4条)
顧客を誘引するために商品やサービスの購入者へ提供する景品について、価額の最高額や総額などを制限、および景品の提供を禁止する
これらの禁止・制限に違反した場合、措置命令や課徴金納付命令などのペナルティを受ける可能性があります。措置命令は違反行為の中止や是正などを命じられ、課徴金納付命令では、違反行為により得られた利益の一部を課徴金として納付するよう命じられます。
不当表示などの違反行為に厳しい目が向けられており、2023年10月からステマ(ステルスマーケティング)が不当表示に指定されるなど、規制に関する取り組みが進んでいます。
そして、2024年10月には、違反行為の是正に向けた自主的な取り組みの促進や、悪質な事業者に対する罰則規定の拡充などを目的とする改正景品表示法が施行されます。
改正景品表示法には、多くの改正内容が盛り込まれていますが、業務に対する影響が特に大きいと考えられる主なポイントは次の通りです。 | ステマとは、どういった手法のマーケティングですか。 | ステマとは、広告であることを隠し、商品やサービスへの高評価をあたかも第三者が発信したかのようにインターネット上のサイトやSNS等で発信し、宣伝する手法のマーケティングです。 |
JCRRAG_009837 | 法律 | 固定資産税の納税義務者は、その年の1月1日時点の所有者です。
そのため、相続が発生したとしても自宅や事務所の固定資産税を納税する義務は、被相続人にあります。
しかし、被相続人の支払い義務は、相続人に受け継がれるため注意が必要です。
たとえば、自宅を所有する父親が1月2日に亡くなったとしても、所有者は父親であり、納税義務者も父親です。
固定資産税の納付書は、1月1日時点の所有者に送付されます。
固定資産税を納税する義務が被相続人にあったとしても、亡くなっているため支払いは不可能です。
では、固定資産税の支払いは、誰がどのようにおこなうべきなのでしょうか。
以下で詳しく解説します。
所有者が亡くなった場合、被相続人の支払い義務は、相続人に受け継がれることになります。
しかし、遺産分割協議などで誰が相続するかが決まるまでは、遺産は相続人全員の共有財産となります。
つまり、固定資産税の支払いについても相続人全員に支払い義務が生じるのです。
このような状態を共同相続といい、共同相続をした複数の相続人を共同相続人といいます。
ただし、相続人が一人であれば共有財産とはならず、該当の相続人が支払い義務を負います。
相続することになった相続人が代表して支払うことも可能ですが、不公平が生じる場合は、法定相続分や遺産分割協議によって支払う割合を決めます。
法定相続分とは、相続人が二人以上いる場合の各人の相続割合のことで、民法によって定められています。
また、法定相続人とは、民法で定められた被相続人の財産を相続する人です。
法定相続人以外も財産を受け継ぐことはできますが、遺言の定めが必要です。
法定相続人は、次のとおりです。
配偶者
子ども、その代襲相続人
親、祖父母
兄弟姉妹、その代襲相続人 | 民法で定められた被相続人の財産を相続する人以外が財産を受け継ぐためには、何が必要ですか。 | 民法で定められた被相続人の財産を相続する人以外が財産を受け継ぐためには、遺言の定めが必要です。 |
JCRRAG_009838 | 法律 | 葬儀費用を支払った者は、民法の先取特権という法律により、優先的に支払いを受けることができます(民法309条1項、2項)。
どのような故人であっても、身の丈に合った葬儀を受けられるようにという社会的配慮に基づく趣旨で定められているのですが、それぞれ、「債務者のためにされた葬式の費用のうち相当な額」「債務者がその扶養すべき親族のためにした葬式の費用のうち相当な額」と一般的な規定が設けられているだけであり、具体的な内容が定められているわけではありません。そのため、葬儀費用の種類や内訳をしっかりと確認する必要があります。
なお、香典については香典返しの費用を除いた後の部分が、葬儀費用として充当されます。葬儀費用との差額で香典が残った場合は、喪主が受け取ります。法的な根拠はありませんが、香典は故人の供養や遺族の慰謝だけでなく、葬儀の主宰者として負担を背負った喪主への贈与と考えられてきたためです。
反対に、香典で充当しきれず葬儀費用が不足する場合には、喪主または相続人が負担することが多いです。また、香典返しによる費用が発生するため、受け取った金額の半分ほどの金額が葬儀費用に充当されると考えたほうがよいでしょう。
一般的な慣習に従う場合は、葬儀費用は葬儀の主催者となる喪主が負担します。
喪主には、故人の配偶者や子ども、きょうだいなど相続人となる遺族が選ばれる傾向にあります。子どもが複数人いる場合には、長男や長女、特に男性が優先的に喪主に選任されるなど、家庭の状況によってさまざまです。
喪主が負担するケースが多い理由は、喪主が葬儀の主宰者として、全責任を負う立場にあることが挙げられます。判例でも、喪主が自己の責任や計算において、葬儀の内容や形式を決めて葬儀を執り行った以上、喪主に支払い義務が発生するのが相当であると判断されています。
なお、何らかの理由で喪主以外の親族が葬儀費用を負担する場合があります。その場合には「施主」と呼ばれる役職を担い、喪主とほぼ同等の役割を果たします。例えば、故人の配偶者が既に亡くなっていて、故人の長男が学生など喪主として費用を負担するのが難しい場合には、形式上は長男に喪主を任せるものの、故人のきょうだいや両親などその他の親族が施主となって、実際に葬儀費用を負担し、主宰するケースがあります。 | 葬儀の主催者には、どういった遺族が選ばれる傾向にありますか。 | 葬儀の主催者には、故人の配偶者や子ども、きょうだいなど相続人となる遺族が選ばれる傾向にあります。 |
JCRRAG_009839 | 法律 | 特別地方公共団体
ここからは特別地方公共団体に入っていきます。特別地方公共団体とは、普通地方公共団体以外のある特定の目的を達成するために設置されている組織を言います。
これには特別区、地方公共団体の組合、財産区の3つがあります。
特別区
特別区とは、東京都の区(23区)です。この特別区は固有の法人格を持ち、行政主体として、市に近い特徴を持っています。
そして、特別区は、原則、一般的に市町村が処理するものとされている事務を処理します。例外として、都(東京都)が一体的に処理するものとされているものは、都が処理します。
地方公共団体の組合
この地方公共団体の組合が非常にややこしいです。しかし、行政書士試験で出たら、得点したい部分です。
まず、地方公共団体の組合は、2つ以上の地方公共団体が事務を共同で処理するために設置するものです。例えば、「介護保険事業の認定や給付」、「ごみ処理事業」「消防事業」「上下水道事業」等です。
そして、地方公共団体の組合は一部事務組合と広域連合の2つがあり、この違いが頻出です。
複合的一部事務組合とは?
一部事務組合は、共同処理する事務が1種類に限定されますが、複合的一部事務組合は、共同処理する事務が関連する複数のものを対象とします。例えば、「A市とB市の上水道事務」と「A市とB市の下水道事務」を共同で処理する場合です。
財産区
財産区とは、市町村や特別区が、「財産(山林、用水池、宅地等)を有し」若しくは「公の施設を設けている」場合、「その財産又は公の施設」の管理及び処分又は廃止の権限を持つ特別地方公共団体です。 | 普通地方公共団体以外のある特定の目的を達成するために設置されている、市に近い特徴を持っている組織は何ですか。 | 特別区です。 |
JCRRAG_009840 | 法律 | 行政機関には、上記の通り、行政庁、諮問機関、参与機関、監査機関、執行機関、補助機関があります。勉強を進める中ですべて覚えていきましょう!
行政庁とは?
行政庁とは、行政主体の法律上の意思を決定し、外部に表示する権限を有する機関を言います。これは、行政書士試験でそのまま出題される場合もあるので、上記文言を覚えておきましょう!
行政庁とは、例えば、都道府県知事や市町村長、財務大臣、金融庁長官、警察署長、税務署長、建築主事等です。イメージとしては、各組織のトップです。会社で言えば、社長や支店長です。何らかの意思決定をするのは、組織の下の人ではなく、トップですよね!このトップが行政庁です。
そして、行政庁には、独任制と合議制の2つがあります。
独任制の行政庁
上記事例は、すべて「独任制の行政庁」です。なぜなら、知事や市町村長、財務大臣などは、すべて一人の人が担当しているからです。そして、この一人の人が決断をして決定したことを外部に表示します。
合議制の行政庁
一方、「合議制の行政庁」もあります。例えば、公正取引委員会、公安委員会、教育委員会、人事院、会計検査院等です。これらの行政庁は、複数の人が集まった組織で、意見交換(話し合い)をして、意思決定を行います。 | 行政主体の法律上の意思を決定し、外部に表示する権限を有し、公正取引委員会、公安委員会、教育委員会、人事院、会計検査院等などを含む組織は何と呼びますか。 | 行政主体の法律上の意思を決定し、外部に表示する権限を有し、公正取引委員会、公安委員会、教育委員会、人事院、会計検査院等などを含む組織は行政庁と呼びます。 |
JCRRAG_009841 | 法律 | 第七章 犯罪の不成立及び刑の減免
(正当行為)
第三十五条 法令又は正当な業務による行為は、罰しない。
(正当防衛)
第三十六条 急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。
2 防衛の程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。
(緊急避難)
第三十七条 自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する現在の危難を避けるため、やむを得ずにした行為は、これによって生じた害が避けようとした害の程度を超えなかった場合に限り、罰しない。ただし、その程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。
2 前項の規定は、業務上特別の義務がある者には、適用しない。
(故意)
第三十八条 罪を犯す意思がない行為は、罰しない。ただし、法律に特別の規定がある場合は、この限りでない。
2 重い罪に当たるべき行為をしたのに、行為の時にその重い罪に当たることとなる事実を知らなかった者は、その重い罪によって処断することはできない。
3 法律を知らなかったとしても、そのことによって、罪を犯す意思がなかったとすることはできない。ただし、情状により、その刑を減軽することができる。
(心神喪失及び心神耗弱)
第三十九条 心神喪失者の行為は、罰しない。
2 心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。
第四十条 削除
(責任年齢)
第四十一条 十四歳に満たない者の行為は、罰しない。
(自首等)
第四十二条 罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。
2 告訴がなければ公訴を提起することができない罪について、告訴をすることができる者に対して自己の犯罪事実を告げ、その措置にゆだねたときも、前項と同様とする。 | 13歳の子が殺人を犯したら、法律で罰せられますか。
| いいえ。13歳の子が殺人を犯しても法律で罰せられません。刑法上の責任年齢が14歳であるためです。 |
JCRRAG_009842 | 法律 | 第七章 犯罪の不成立及び刑の減免
(正当行為)
第三十五条 法令又は正当な業務による行為は、罰しない。
(正当防衛)
第三十六条 急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。
2 防衛の程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。
(緊急避難)
第三十七条 自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する現在の危難を避けるため、やむを得ずにした行為は、これによって生じた害が避けようとした害の程度を超えなかった場合に限り、罰しない。ただし、その程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。
2 前項の規定は、業務上特別の義務がある者には、適用しない。
(故意)
第三十八条 罪を犯す意思がない行為は、罰しない。ただし、法律に特別の規定がある場合は、この限りでない。
2 重い罪に当たるべき行為をしたのに、行為の時にその重い罪に当たることとなる事実を知らなかった者は、その重い罪によって処断することはできない。
3 法律を知らなかったとしても、そのことによって、罪を犯す意思がなかったとすることはできない。ただし、情状により、その刑を減軽することができる。
(心神喪失及び心神耗弱)
第三十九条 心神喪失者の行為は、罰しない。
2 心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。
第四十条 削除
(責任年齢)
第四十一条 十四歳に満たない者の行為は、罰しない。
(自首等)
第四十二条 罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。
2 告訴がなければ公訴を提起することができない罪について、告訴をすることができる者に対して自己の犯罪事実を告げ、その措置にゆだねたときも、前項と同様とする。 | 心神喪失者や心神耗弱者に含まれるのはどんな人ですか | 心神喪失者や心神耗弱者に含まれるのは、精神障害や知的障害によって善悪を判別する能力が欠けているか、もしくはその能力はあるものの自分の行動を抑制できない人などです。 |
JCRRAG_009843 | 法律 | 空き家問題について
新型コロナウイルス感染症が「5類」に引き下げられ、街中がコロナ禍前の状態に戻りつつありますが、皆様は、いかがお過ごしでしょうか。
さて、これまで6回にわたって所有者不明土地の問題についてお話ししてまいりましたが、今回は、こちらも最近深刻な問題となっている「空き家問題」について、お話ししたいと思います。
Q1「空き家問題」が深刻な問題となっていると言われていますが、現状はどの様になっているのでしょうか。
A1一口に「空き家」と言っても、別荘の様に主たる住まいとして利用しない住宅や、売り出し中で買い手がつかない空き家もあります。
ここで問題となっているのは、用途が全く無くなり、ただ放置されて老朽化するばかりとなった空き家なのです。
この様な空き家は、親が亡くなって田舎の実家を相続したものの、自分は都市部で家を所有しているので、田舎の実家を使用しない、という流れで発生するのが典型例と言えます。
そのためか、空き家は地方で多く発生する傾向だったのですが、近年は、都市部でも空き家が増加しており、今や戸建て住宅の20%が空き家であると言われる程になっています。
Q2そこまで「空き家」が増加した原因は何でしょうか。
また、「空き家」が増加することによって、どの様な問題が起きるのでしょうか。
A2「空き家」が増加し続けている原因は、次の4つがあると言われています。
(1)仕事を求めて地方から都市部へ人口の流入が進み、地方の実家を継ぐ者が減少したこと。
(2)少子高齢化によって住宅購入者が減少しているのに、住宅メーカーが毎年新規に住宅を作っているために、住宅の需要と供給のアンバランスが生じたこと。
(3)晩婚化・未婚化が進んだ結果、マイホームを持つ必要性が少なくなり、中古の住宅が多く売れ残る事態となっていること。
(4)「負」動産時代などと持家リスクが言われる様になったことにより、持家率が減少していること。
「空き家」が増加しても自分には関係ない、と思っておられる方も多いのではないでしょうか。しかし、空き家の増加には次の様な問題があり、皆様にとっても他人事とは言えないのです。
(1)老朽化による倒壊の問題や、ごみの不法投棄等による悪臭の発生等による被害といった、物理的なリスクが高くなり、平穏な生活が阻害される可能性があること。
(2)いたずら目的で放火される、犯罪集団の拠点として悪用される、といった危険性が生じ、近隣住民が犯罪に巻き込まれる恐れがあること。
(3)価値の低い不動産が増えることにより、不動産相場が全体的に下がり、その結果、不動産業界だけでなく関連産業も損害を受け、ひいては日本全体の景気に影響する恐れがあること。
(4)空き家の存在によって、有効活用できない土地が増加してしまうこと。 | 少子高齢化が進むとどうなりますか。 | 空き家が増加する。 |
JCRRAG_009844 | 法律 | 定額法と定率法による減価償却(平成19年4月1日以後に取得する場合)
平成19年度税制改正により、平成19年4月1日以後に取得する減価償却資産の償却費の計算方法については、償却可能限度額および残存価額が廃止され、1円まで償却することとされました。また定率法の計算方法についても大幅に改正されました。
このため、平成19年4月1日以後に取得する減価償却資産の一般的な減価償却の方法である定額法と定率法による償却費の計算方法は、次のとおりとなります。
(注)平成23年12月税制改正により、平成24年4月1日以後に取得する減価償却資産について定率法の償却率等が改正されています。
定額法の特徴は償却費の額が原則として毎年同額となることです。定額法の減価償却は取得価額×定額法の償却率で計算されます。
定率法の特徴は償却費の額は初めの年ほど多く、年とともに減少することです。ただし、定率法の償却率により計算した償却額が「償却保証額」に満たなくなった年分以後は、毎年同額となります。定率法の減価償却は未償却残高×定率法の償却率(以下「調整前償却額」という。)で計算されます。ただし、この金額が償却保証額に満たなくなった年分以後は改定取得価額×改定償却率で計算されます。
(注1)資産を年の中途で取得または取壊しをした場合には、上記の金額を12で除しその年分において業務に使用していた月数を乗じて計算した金額になります。
(注2)償却保証額とは、資産の取得価額にその資産の耐用年数に応じた保証率を乗じて計算した金額をいいます。
(注3)改定取得価額とは、調整前償却額が初めて償却保証額に満たないこととなる年の期首未償却残高をいいます。
(注4)改定償却率とは、改定取得価額に対しその償却費の額がその後同一となるように当該資産の耐用年数に応じた償却率をいいます。
なお、平成19年4月1日以後に取得する償却資産の償却費の計算において適用される償却率、改定償却率および保証率は、耐用年数省令別表八、耐用年数省令別表九および耐用年数省令別表十で定められています。 | 資産を年の中途に取得して9か月間業務に使用し、定額法で減価償却を求める場合、どのように計算しますか。 | 資産を年の中途に取得して9か月間業務に使用し、定額法で減価償却を求める場合、取得価額×定額法の償却率で計算した金額を、12で除し9を乗じて計算した金額になります。 |
JCRRAG_009845 | 法律 | 子がいない夫婦の間に生まれたものとして、実際には他人の子を実子として出生届が出されるということが、稀に行われることがあります。その場合、実子として届け出られた子は、当然のことながら、戸籍上の両親との間に自然血族関係がありません。
そして、戸籍事務は、形式的要件を満たしていれば受理する運用のため、戸籍の記載が必ずしも真実を反映しているわけではなく、戸籍の記載により自然血族関係が生じるわけでもありません。
そのため、他人の子を実子として届け出た場合は、出生届自体が無効となります。
この点について、他人の子を実子として出生届をする行為に法律上の親子関係を形成する意思が窺えるとして、無効な出生届の養子縁組届出への転換を認めるべき、という見解もあります。しかし判例は、以下のとおり述べて、無効な出生届の養子縁組届出への転換を認めていません。
【最判昭和25年12月28日民集第4巻13号701頁】
『養子縁組は本件嫡出子出生届出当時施行の民法第八四七条第七七五条(現行民法第七九九条第七三九条)及び戸籍法にしたがい、その所定の届出により法律上効力を有するいわゆる要式行為であり、かつ右は強行法規と解すべきであるから、その所定条件を具備しない本件嫡出子の出生届をもつて所論養子縁組の届出のあつたものとなすこと(殊に本件に養子縁組がなされるがためには、上告人は一旦その実父母の双方又は一方において認知した上でなければならないものである)はできない』
このように、他人の子を実子として届け出た場合、出生届自体が無効であり、また、養子縁組への転換も認められないため、当該戸籍上の実子は、戸籍上の両親の「子」(民法887条1項)にはあたらず、両親の相続人とはなりません。
なお、遺産分割の際に、出生届の有効性、すなわち戸籍上の両親の「子」に当たるか否かが争われるような場合には、遺産分割の前提問題として、親子関係の有無の確認を求める訴訟を先行して行う必要があり、この判決により、既判力をもって相続人の範囲を確定させることになります。 | 戸籍上に親子関係の記載があっても、それだけでは法的な親子関係の存在を証明することはできないのですか。 | 戸籍上に親子関係の記載があっても、それだけでは法的な親子関係の存在を証明することはできません。 |
JCRRAG_009846 | 法律 | 行政指導とは、行政機関が特定の人物や事業者に対して、改善を促し協力を求めることです。法的な拘束力がないため、たとえ行政指導を受けたとしても、必ず従わなければならないわけではありません。
行政処分は、法律に従って国民の権利や義務に影響を与える行為を指します。法的な拘束力を持つ点が、行政指導との違いです。たとえば、改善を促すために行政指導を行ったものの一向に改善が見られない場合に、強制力を持つ行政処分に移行するといった流れで行われます。
行政処分の具体例として、以下のようなものが挙げられます。
・道路交通法の規定に基づく、免許取消処分および免許停止処分
・旅館業法の規定に基づく、旅館業の許可取消および営業停止命令
・農地法の規定に基づく、許可取消および工事停止命令、原状回復命令など
行政指導には、主に「助言」「指導」「勧告」といった段階があります。改善を提案するレベルが「助言」で、助言より強めに促すのが「指導」です。さらに強く「こうしなさい!」と促すのが「勧告」です。
勧告よりもさらに強い指導である「警告」も存在します。法律に基づいて行われる行政処分に移行しかねない状況であるため、注意が必要です。
行政指導は任意の協力要請で、法的な拘束力がないことから、納得できなければ従う義務はありません。また、従わなかったことでその対象者を不当に扱うことは、行政手続法第32条第2項によって禁止されています。一方で、行政指導に従わなかった、もしくは従ったが改善できなかった場合には、法的な強制力を持つ行政処分に移行するおそれもあります。そのため、納得がいかない場合でも、以下のような対応を行うことが大切です。 | 行政処分に移行するおそれがある行政指導の段階は、何ですか。 | 「警告」です。 |
JCRRAG_009847 | 法律 | 行政訴訟とは、国や地方自治体などによる行為が適法かどうかを裁判で争って、私たち個人の権利を救済するための裁判制度のことです。行政訴訟は民事訴訟の一種ですが、行政訴訟法という法律に従って手続きが行われる点に特徴があります。
行政訴訟には、抗告訴訟、当事者訴訟、民衆訴訟、機関訴訟の4つの類型があります。手続き分類としては、抗告訴訟と当事者訴訟が「主観訴訟」、民衆訴訟と機関訴訟が「客観訴訟」です。
主観訴訟とは、訴えを提起する原告本人の権利を守るための裁判手続きです。
・抗告訴訟
行政庁の公権力の行使に関する不服を主張する訴訟を抗告訴訟といいます。抗告訴訟は、さらに以下の5種類に分類されます。
「取消訴訟」「無効確認の訴え」「不作為の違法確認」「義務付け訴訟」「差止訴訟」
・当事者訴訟
当事者訴訟には次の2種類があります。
「形式的当事者訴訟」
形式的当事者訴訟とは、当事者間の法律関係を確認し、または、形成する処分、または採決に関する訴訟で、法令の規定によりその法律関係の当事者の一方を被告とするもののことです。代表例は、土地収用法の補償の額を争う訴訟が挙げられます。
「実質的当事者訴訟」
実質的当事者訴訟とは、公法上の法律関係に関する訴訟のことです。
客観訴訟は個人の権利とは無関係に、行政庁の行為に客観的に見て違法がある場合に、その違法を是正するための訴訟手続きです。
・民衆訴訟
選挙人としての資格など、自身の法律上の利益とは関係しない資格で提起する訴訟を民主訴訟といいます。例えば、「住民選挙」「選挙訴訟」があります。
・機関訴訟
国または公共団体の機関が原告または被告となって争う訴訟形式のことを機関訴訟といいます。行政機関同士が、自分の言い分を主張し合って争っている状態です。たとえば、都道府県知事と県議会との紛争がある場合の裁定訴訟などが代表例です。 | 住民選挙の手続き分類は、何ですか。 | 住民選挙の手続き分類は、客観訴訟です。 |
JCRRAG_009848 | 法律 | 0. 白ナンバー車も検知器によるアルコールチェックが義務に
2023年12月より、一定台数以上のいわゆる「白ナンバー車」を使用する企業
に対し、アルコール検知器を用いた飲酒運転のチェックが義務化されます。
目視によるチェックや、チェック記録の作成と1年間の保存はすでに義務付け
られていますが、検知器を使ってより厳しく確認しなければなりません。
従業員が飲酒運転による交通事故を起こしてしまう事態を回避するためにも、
検知器を使ったアルコールチェックの適切な実施が重要です。
今回のコラムでは、検知器によるアルコールチェック義務化のポイントを、企
業法務や労働問題、交通事故などの分野に詳しい弁護士が解説します。
1. アルコールチェック義務化の背景
これまで、トラックやバス、タクシーなど、いわゆる「緑ナンバー車」を使用
する企業に対しては、アルコールチェックが義務化されていました。
しかし、2021年に千葉県八街市で飲酒運転のトラックに児童がはねられ、5人が
死傷するという痛ましい事故が発生しました。
事故を起こしたトラックは緑ナンバー車ではなく、まだアルコールチェックが
義務付けられていなかった白ナンバー車でした。
この事故により道路交通法施行規則が改正され、一定台数以上の白ナンバー車
を使用する企業もアルコールチェックが義務化されることになったのです。
2. そもそも白ナンバー車とは
「白ナンバー車」とは自家用車など、白地に緑文字のナンバープレートを付け
た一般的な車両のことです。従業員が営業先を訪問したり、自社商品を取引先
へ運んだりするなど、自社の社員や荷物を無償で運ぶような企業も、白ナンバ
ー車を使用します。
運賃を受け取って人や荷物を運ぶ事業用の自動車は、緑地に白文字のナンバー
プレートを付け、いわゆる「緑ナンバー車」と呼ばれます。
3. アルコールチェックが義務付けられる対象
アルコールチェックが義務付けられるのは、「安全運転管理者」を設置しなけ
ればならない企業です。具体的には、次のいずれかの企業が該当します。
定員11人以上の白ナンバー車を1台以上使用する
定員10人以下の白ナンバー車を5代以上使用する
該当する自動車は、車種や車両の用途は問わず、軽自動車(黄色ナンバー)も
含まれます。原動機付自転車を除く自動二輪車も含まれ、1台を0.5台として計
算します。
4. 義務化されるアルコールチェックの業務
企業の安全運転管理者に対し、次の2点を行うことが2022年4月からすでに義務
化されています。
・運転手に酒気帯びがないか運転前後に目視で確認する
・酒気帯びの確認結果を記録して1年間保存する
そして、2023年12月から検知器によるアルコールチェックを含む次の業務が、
新たに義務付けられます。
・検知器を用いたアルコールチェックを行う
・検知器を常時有効に保持する
なお、検知器によるアルコールチェックは、2022年10月から義務化される予定
でした。しかし、検知器の供給が追い付かなかったため、2023年12月に延期さ
れました。
| 飲酒運転防止のために企業の安全運転管理者が行うことを義務づけられている業務はいくつありますか。 | 飲酒運転防止のために企業の安全運転管理者が行うことを義務づけられている業務は4つあります。運転手に酒気帯びがないか運転前後に目視で確認する、酒気帯びの確認結果を記録して1年間保存する、検知器を用いたアルコールチェックを行う、検知器を常時有効に保持する、の4つです。
|
JCRRAG_009849 | 法律 | 0. 約束手形の決済期間が約60年ぶりに見直し
決済方法のひとつとして利用される約束手形について、振出日から決済日まで
の決済期間(手形サイト)が、従来の120日(繊維業90日)以内から60日以内ま
で短縮されます。期間の短縮は2024年11月からスタートします。
これは、決済期間が長期の約束手形が下請事業者の資金繰りの負担となってい
るとの指摘などを踏まえた対応です。そして、現行ルールが導入された1966年
以降、約60年ぶりの見直しとなります。
運用の見直し後、決済期間が60日を超える約束手形を振り出した親事業者は、
下請法にもとづく勧告や指導の対象となる可能性があります。約束手形を振り
出す側はもちろん、受け取る側にもさまざまな影響が生じるため、適切に対応
することが重要です。
このコラムでは、約束手形の決済期間が短縮される背景や、企業に求められる
対応などについて、企業法務に詳しい弁護士が解説します。ぜひ最後までお読
みください。
1. 約束手形の現状と決済期間の短縮
企業間の取り引きでは、現金や銀行振り込み、クレジットカードなど、さまざ
まな決済方法が利用されており、約束手形も決済方法の一種です。
約束手形は、振り出し(発行)を行う親事業者にとって、決済日まで支払いを
猶予できるというメリットがあります。一方、受け取る側の下請事業者は、決
済日までは現金を受領できませんし、前倒しで現金化すると割引料(手数料)
がかかるため実質的な売り上げが減ってしまいます。
つまり、決済期間が長期になるほど、下請事業者の経営を圧迫するリスクが高
まります。そのため、中小企業庁は決済期間が120日(繊維業は90日)を超える
手形を、下請法が規制する「割引困難な手形」などに該当する可能性があると
して指導の対象としてきました。
そして、長期の決済期間が下請事業者の資金繰りの負担を招いている点などを
踏まえ、中小企業庁や公正取引委員会が、決済期間を60日まで短縮することを
念頭に下請法の運用の見直しを検討してきました。
1-1. 決済期間が90日超えの約束手形は46%
中小企業庁の調査によると、2023年度に発行された約束手形のうち、決済期間
が90日を超えていたのは46%。このうち、規制を上回る120日超えも8%を占め、
多くの約束手形で長期の決済期間が設定されていました。
一方、決済期間が30日以内と60日以内の約束手形は全体の24%ほどと少数です
が、決済期間の短縮により大幅な増加が見込まれます。
| 2023年度に発行された約束手形のうち、決済期間が90日を超えた割合と、決済期間が30日以内と60日以内の割合を比較した場合、どちらが大きかったですか。 | 2023年度に発行された約束手形のうち、決済期間が90日を超えた割合と、決済期間が30日以内と60日以内の割合を比較した場合、90日を超えた割合の方が大きかったです。90日を超えた割合は46%で、30日以内と60日以内の割合は24%でした。 |
JCRRAG_009850 | 法律 | ◆子どもが逮捕されると今後はどうなってしまうのか
何らかの犯罪行為をしてしまった場合、未成年であっても逮捕される可能性が
あります。もし、自分の子どもが逮捕されてしまったら、親としてはとても不
安に思うのではないでしょうか。
このコラムでは、未成年の子どもが少年事件で逮捕された場合、どのように手
続きが進むのか、そして、親は子どものために何ができるのか、刑事弁護や少
年事件に詳しい弁護士が解説します。
なお、民法改正により2022年4月より成人年齢が18歳に引き下げられました。一
方、少年法も改正され、犯罪行為をした18歳と19歳を新たに「特定少年」と位
置づけたうえで、引き続き少年法の対象としています。
そのため、このコラムでは18歳や19歳も含めて少年や未成年として解説してい
ます。また、少年法では性別を問わず少年としているため、このコラムでも男
女ともに少年としています。
◆そもそも未成年でも逮捕されるのか
20歳未満の少年が起こした事件を「少年事件」と呼びます。少年事件では、少
年法にもとづき、20歳以上が起こした事件とは異なる手続きの流れで少年の処
分が決められます。
そして、事件を起こした少年が逮捕されるかどうかは、少年が14歳以上か未満
かによって異なります。
1.少年が14歳以上だと逮捕される
14歳以上の少年が犯罪行為をした場合、「犯罪少年」(18歳と19歳は「特定少
年」)として扱われ、逮捕される可能性があります。逮捕されると20歳以上の
場合と同様に、警察や検察による取り調べが行われるほか、最長20日間の勾留
を受ける可能性があります。
2. 少年が14歳未満なら逮捕されない
法律により、14歳に満たない者の行為は罰しないと定められています(刑法第
41条)。そのため、14歳未満の加害者は「触法少年」として扱われ、逮捕され
ることはありませんし、勾留を受けることもありません。
ただし、14歳未満でも、被害者が死亡するなど重大な事件であれば、一時保護
という措置により、児童相談所に身柄を拘束される可能性があります。また、
少年審判が開かれて何らかの保護処分を受けるケースもあります。
| 少年事件において、加害者が14歳未満の場合と、14歳以上の場合の違いについて説明してください。 | 少年事件において、加害者が14歳未満の場合、法律により「触法少年」として扱われ、逮捕されることはなく拘留もされません。一方で14歳以上の場合は、法律により「犯罪少年」として扱われ、逮捕されたり最長20日間の拘留を受ける可能性があります。 |
JCRRAG_009851 | 法律 | Q1 どうして民法の成年年齢を18歳に引き下げるのですか?
A 我が国における成年年齢は,明治9年以来,20歳とされています。
近年,憲法改正国民投票の投票権年齢や,公職選挙法の選挙権年齢などが18歳と定められ,国政上の重要な事項の判断に関して,18歳,19歳の方を大人として扱うという政策が進められてきました。こうした政策を踏まえ,市民生活に関する基本法である民法においても,18歳以上の人を大人として取り扱うのが適当ではないかという議論がされるようになりました。世界的にも,成年年齢を18歳とするのが主流です。 成年年齢を18歳に引き下げることは,18歳,19歳の若者の自己決定権を尊重するものであり,その積極的な社会参加を促すことになると考えられます。
Q2 成年年齢は,いつから18歳になるのですか?
A 成年年齢を18歳に引き下げることを内容とする「民法の一部を改正する法律」は,2022年4月1日から施行されます。
2022年4月1日の時点で,18歳以上20歳未満の方(2002年4月2日生まれから2004年4月1日生まれまでの方)は,その日に成年に達することになります。 2004年4月2日生まれ以降の方は,18歳の誕生日に成年に達することになります。
Q3 成年年齢の引き下げによって,18歳で何ができるようになるのですか?
A 民法の成年年齢には,一人で有効な契約をすることができる年齢という意味と,父母の親権に服さなくなる年齢という意味があります。
成年年齢の引下げによって,18歳,19歳の方は,親の同意を得ずに,様々な契約をすることができるようになります。例えば,携帯電話を購入する,一人暮らしのためのアパートを借りる,クレジットカードを作成する(支払能力の審査の結果,クレジットカードの作成ができないことがあります。),ローンを組んで自動車を購入する(返済能力を超えるローン契約と認められる場合,契約できないこともあります。),といったことができるようになります。
なお,2022年4月1日より前に18歳,19歳の方が親の同意を得ずに締結した契約は,施行後も引き続き,取り消すことができます。
また,親権に服することがなくなる結果,自分の住む場所(居所)を自分の意思で決めたり,進学や就職などの進路決定についても,自分の意思で決めることができるようになります。もっとも,進路決定について,親や学校の先生の理解を得ることが大切なことに変わりはありません。 そのほか,10年有効パスポートの取得や,公認会計士や司法書士などの国家資格に基づく職業に就くこと(資格試験への合格等が必要です。),性別の取扱いの変更審判を受けることなどについても,18歳でできるようになります。
Q4 お酒やたばこが解禁される年齢も18歳になるのですか?
A 民法の成年年齢が18歳に引き下げられても,お酒やたばこに関する年齢制限については,20歳のまま維持されます。また,公営競技(競馬,競輪,オートレース,モーターボート競走)の年齢制限についても,20歳のまま維持されます。 これらは,健康被害への懸念や,ギャンブル依存症対策などの観点から,従来の年齢を維持することとされています。 | 2022年4月1日以降、18歳以上の人は親の同意なしに契約をしたり、お酒を飲んだりできるということですか | いいえ。2022年4月1日以降、18歳以上の人が親の同意なしに契約をすることは可能になりますが、お酒を飲むことはできません。 |
JCRRAG_009852 | 法律 | 第三十六章 窃盗及び強盗の罪
(窃盗)
第二百三十五条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
(不動産侵奪)
第二百三十五条の二 他人の不動産を侵奪した者は、十年以下の懲役に処する。
(強盗)
第二百三十六条 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
(強盗予備)
第二百三十七条 強盗の罪を犯す目的で、その予備をした者は、二年以下の懲役に処する。
(事後強盗)
第二百三十八条 窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。
(昏酔強盗)
第二百三十九条 人を昏酔させてその財物を盗取した者は、強盗として論ずる。
(強盗致死傷)
第二百四十条 強盗が、人を負傷させたときは無期又は六年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。
(強盗・不同意性交等及び同致死)
第二百四十一条 強盗の罪若しくはその未遂罪を犯した者が第百七十七条の罪若しくはその未遂罪をも犯したとき、又は同条の罪若しくはその未遂罪を犯した者が強盗の罪若しくはその未遂罪をも犯したときは、無期又は七年以上の懲役に処する。
2 前項の場合のうち、その犯した罪がいずれも未遂罪であるときは、人を死傷させたときを除き、その刑を減軽することができる。ただし、自己の意思によりいずれかの犯罪を中止したときは、その刑を減軽し、又は免除する。
3 第一項の罪に当たる行為により人を死亡させた者は、死刑又は無期懲役に処する。
(他人の占有等に係る自己の財物)
第二百四十二条 自己の財物であっても、他人が占有し、又は公務所の命令により他人が看守するものであるときは、この章の罪については、他人の財物とみなす。
(未遂罪)
第二百四十三条 第二百三十五条から第二百三十六条まで、第二百三十八条から第二百四十条まで及び第二百四十一条第三項の罪の未遂は、罰する。
(親族間の犯罪に関する特例)
第二百四十四条 配偶者、直系血族又は同居の親族との間で第二百三十五条の罪、第二百三十五条の二の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯した者は、その刑を免除する。
2 前項に規定する親族以外の親族との間で犯した同項に規定する罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
3 前二項の規定は、親族でない共犯については、適用しない。
(電気)
第二百四十五条 この章の罪については、電気は、財物とみなす。
第三十七章 詐欺及び恐喝の罪
(詐欺)
第二百四十六条 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
(電子計算機使用詐欺)
第二百四十六条の二 前条に規定するもののほか、人の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与えて財産権の得喪若しくは変更に係る不実の電磁的記録を作り、又は財産権の得喪若しくは変更に係る虚偽の電磁的記録を人の事務処理の用に供して、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者は、十年以下の懲役に処する。
(背任)
第二百四十七条 他人のためにその事務を処理する者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、本人に財産上の損害を加えたときは、五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
(準詐欺)
第二百四十八条 未成年者の知慮浅薄又は人の心神耗弱に乗じて、その財物を交付させ、又は財産上不法の利益を得、若しくは他人にこれを得させた者は、十年以下の懲役に処する。
(恐喝)
第二百四十九条 人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
(未遂罪)
第二百五十条 この章の罪の未遂は、罰する。
(準用)
第二百五十一条 第二百四十二条、第二百四十四条及び第二百四十五条の規定は、この章の罪について準用する。
第三十八章 横領の罪
(横領)
第二百五十二条 自己の占有する他人の物を横領した者は、五年以下の懲役に処する。
2 自己の物であっても、公務所から保管を命ぜられた場合において、これを横領した者も、前項と同様とする。
(業務上横領)
第二百五十三条 業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、十年以下の懲役に処する。
(遺失物等横領)
第二百五十四条 遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金若しくは科料に処する。
(準用)
第二百五十五条 第二百四十四条の規定は、この章の罪について準用する。
第三十九章 盗品等に関する罪
(盗品譲受け等)
第二百五十六条 盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物を無償で譲り受けた者は、三年以下の懲役に処する。
2 前項に規定する物を運搬し、保管し、若しくは有償で譲り受け、又はその有償の処分のあっせんをした者は、十年以下の懲役及び五十万円以下の罰金に処する。
(親族等の間の犯罪に関する特例)
第二百五十七条 配偶者との間又は直系血族、同居の親族若しくはこれらの者の配偶者との間で前条の罪を犯した者は、その刑を免除する。
2 前項の規定は、親族でない共犯については、適用しない。
第四十章 毀棄及び隠匿の罪
(公用文書等毀棄)
第二百五十八条 公務所の用に供する文書又は電磁的記録を毀棄した者は、三月以上七年以下の懲役に処する。
(私用文書等毀棄)
第二百五十九条 権利又は義務に関する他人の文書又は電磁的記録を毀棄した者は、五年以下の懲役に処する。
(建造物等損壊及び同致死傷)
第二百六十条 他人の建造物又は艦船を損壊した者は、五年以下の懲役に処する。よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。
(器物損壊等)
第二百六十一条 前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。
(自己の物の損壊等)
第二百六十二条 自己の物であっても、差押えを受け、物権を負担し、賃貸し、又は配偶者居住権が設定されたものを損壊し、又は傷害したときは、前三条の例による。
(境界損壊)
第二百六十二条の二 境界標を損壊し、移動し、若しくは除去し、又はその他の方法により、土地の境界を認識することができないようにした者は、五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
(信書隠匿)
第二百六十三条 他人の信書を隠匿した者は、六月以下の懲役若しくは禁錮又は十万円以下の罰金若しくは科料に処する。
(親告罪)
第二百六十四条 第二百五十九条、第二百六十一条及び前条の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。 | 自己の占有する他人の物を横領した者、および遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者の処罰が定められているのは、何章ですか。 | 自己の占有する他人の物を横領した者、および遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者の処罰が定められているのは、第三十八章です。 |
JCRRAG_009853 | 法律 | 戸籍法とは
日本には、国民個人の身分関係を明らかにする為の戸籍制度について定められた「戸籍法」があります。戸籍は生まれたときから亡くなるまでの親族関係が登録されており、一つの夫婦および名字を同じにする子を基本単位としてまとめられています。
戸籍法そのものは1947年(昭和22年)に制定され、幾度か改正がされています。 改正された内容を一つ取り上げると、2007年の改正では婚姻、養子縁組、養子離縁、認協議離婚、認知の届出について、法務省令で定める証明書などの提示による本人確認が義務づけられました。これは本人の身分証の代わりとなる戸籍を利用し、不正に他人の戸籍の証明書を取得するという事件が多発したためといわれています。また現在では戸籍情報の公開が制限され,基本的に戸籍謄本・抄本の交付を請求できるのは、対象の戸籍に記載がある人、その配偶者、直系の親族のみとされています。国や地方公共団体への交付および弁護士,司法書士などの特定事務受任者は,請求事由の明示を行う必要があります。
戸籍に記載されている事項
戸籍では下記の事項が記載されており、請求をすると確認することができます。
氏名(戸籍筆頭者)
本籍地
生年月日
父、母、続柄、名、配偶者区分(未婚の場合は空欄)
身分事項(出生届出の日付や結婚届出の日付など)
戸籍を収集する上で戸籍の内容をきちんと読み解くことは非常に重要です。特に被相続人の出生から死亡までの戸籍を集める際には、戸籍に書かれている情報をもとに、その従前戸籍がどこにあるのかを確認できなければ、全てを収集することは難しいでしょう。
除籍謄本
相続手続きを進めていく上で被相続人の出生から死亡までの戸籍の収集は必須となります。そのため現在の戸籍だけでなく過去の戸籍も取得することとなり、その中には除籍謄本と呼ばれるものも含まれます。
相初めて相続手続きを行う人にとっては、銀行や法務局で「除籍謄本を取得してくるように」と言われても、どうしてよいか迷ってしまうかもしれません。こちらでは相続手続きにおいて必要となる除籍謄本についてご説明いたします。
除籍謄本とは?
そもそも除籍とはどのようなことでしょうか。戸籍において除籍は戸籍よりそこから人の名を取り除くことを表しています。例えば結婚により親の戸籍を出る場合は従前の戸籍から除籍されたことになりますし、亡くなったことにより戸籍より除かれるというケースもあります。戸籍を除籍した場合には、もとの戸籍の名前の欄に×印が記載されます。このようなことを繰り返し、結果戸籍に在籍している人が誰もいなくなった戸籍謄本のことを除籍謄本と言います。
誰もいなくなった戸籍謄本は閉鎖され、一定の年月を保存した上で戸籍簿から削除されることになっています。
現在平成22年の戸籍法改正により保存期間は150年とされています。もし保存期間を過ぎた除籍謄本を必要とする場合には、除籍謄本の代わりに「当該、除籍謄本は破棄しました」と記された廃棄証明書を発行してもらいましょう。詳しくは対象となる役所にお問い合わせください。 | 親族関係が全て亡くなった戸籍は必要ですか。 | 親族関係が全て亡くなった戸籍は必要ありません。 |
JCRRAG_009854 | 法律 | 公正証書遺言を作るには、公証人役場まで行かなければならないと聞きましたが、母のような寝たきりの場合は、どうなるのでしょうか。また、証人が2人必要とも聞きましたが、誰でも証人になれるのでしょうか。
公正証書遺言を作るには、公証人役場まで出向かなければならないのが原則です。
しかし、遺言者が出向けない場合には、公証人役場に頼んで、公証人に遺言者の居所まで出向いてもらって、公正証書遺言を作ることもできます。
また、証人は、成年の者2人以上と民法で規定されていますが、成年であれば誰でもなれる訳ではありません。
民法では、遺言者の推定相続人、その配偶者及び直系血族、受遺者、その配偶者及び直系血族は、証人になることができないとされています。推定相続人とは、相続人となることが予定されている者であり、受遺者とは、遺言で相続財産をもらうことになっている者です。これらの者は、相続について利害関係がありますので、証人になれないことになっています。また、証人には第三者的な立場が要求されていますので、公証人の配偶者や公証人役場の職員も、証人になることができないとされています。
ですから、お母様の身内の方は、証人にはなれませんので、入居されている特別養護老人ホームの職員の方にお願いされてみては如何でしょうか。どうしても証人のなり手がおられない場合は、司法書士等の専門家に依頼されるか、公証人役場で相談されるとよいでしょう。 | 寝たきりの母を持つ人は公正証書遺言の証人になれますか。 | 民法では、遺言者の推定相続人、その配偶者及び直系血族、受遺者、その配偶者及び直系血族は、証人になることができないとされているため、遺言者の身内の方は、証人にはなれません。 |
JCRRAG_009855 | 法律 | ①私の父は、公正証書で遺言を作りたいと考えていますが、3年前に食道ガンの手術を受けた際に声帯を摘出したため、声を出すことができません。
公正証書遺言を作成するには、公証人の前で遺言の内容を話さなければならないと聞きました。声を出せない父は、公正証書遺言を作って頂くことはできないのでしょうか。
②私は、公正証書遺言を作りたいのですが、耳が聞こえません。
公正証書遺言を作成するには、公証人の前で遺言の内容を話して、読み聞かせを受けることになっているそうですが、私の様に耳が聞こえない場合は、公正証書遺言を作って頂くことはできないのでしょうか。
確かに、公正証書遺言を作成する際には、遺言者は、遺言の内容を口頭で話して、公証人に聴いてもらうことが必要となります。少し難しい言い方になりますが、これを口授といいます。そして、公証人は、口授の内容を筆記して、遺言者と証人に読み聞かせて、確認をすることになります。
民法では、この「口授」と「読み聞かせ」が、公正証書遺言の要件とされています。従来は、民法には、「口授」と「読み聞かせ」についての規定は、これだけしかありませんでした。ですから、①のケースの様に口授ができない口のきけない人や、②のケースの様に読み聞かせを受けられない耳の聞こえない人は、公正証書遺言を作成することができなかったのです。
しかし、これでは、口のきけない人や耳の聞こえない人が公正証書遺言の制度を利用できなくなってしまい、妥当ではありません。
そこで、民法が改正され、平成12年からは、口のきけない人や耳の聞こえない人でも、公正証書遺言を作成できる様になりました。
現在では、口のきけない人でも、自書できる人は公証人の前で遺言の内容を自書して、筆談の形で公正証書遺言を作成できる様になりましたし、自書できない人でも、通訳人の通訳を通じて申述することによって、公正証書遺言を作成できる様になりました。また、耳の聞こえない人のために、読み聞かせに代えて、通訳人の通訳や閲覧によって、筆記された内容が遺言の内容と合っているかを確認できる様になりました。
従って、①及び②のいずれのケースにおいても、公正証書遺言を作成することができます。 | 平成12年以前、口のきけない人や耳の聞こえない人が、公正証書遺言を作成できなかったのはどうしてですか。 | 民法で公正証書遺言を作成する際は、遺言の内容を口頭で話して、公証人に聴いてもらうことが必要とされていたため、口のきけない人や、読み聞かせを受けられない耳の聞こえない人は、公正証書遺言を作成することができませんでした。 |
JCRRAG_009856 | 法律 | 覚醒剤取締法
覚醒剤とは、通常、アンフェタミン類とその誘導体であるメタンフェタミンを指します。これらは中枢神経系に強い刺激を与え、一時的に疲労感を減少させ、覚醒作用をもたらすため、疲労回復や集中力の向上を目的に乱用されることがあります。しかし、長期的な使用は精神障害や心身の崩壊、社会的問題を引き起こすことが明らかになっています。覚醒剤取締法では、これらの物質を厳しく制限し、医療以外での使用を禁止しています。
規制内容と刑罰(覚醒剤取締法第41条)
覚醒剤取締法では、覚醒剤の製造・輸出入・譲渡・譲受・所持・使用を規制し、違反者には以下の通り厳しい罰則が科されます。
(1)覚醒剤の所持・使用・譲渡・譲受の禁止
個人が覚醒剤を所持または使用することは、刑事罰の対象となります。覚醒剤を所持すること自体が違法行為とされ、警察は覚醒剤を見つけ次第、所持者を逮捕する権限を持っています。
覚醒剤を所持・使用・譲渡・譲受した場合、10年以下の懲役が科せられます。また、営利目的で覚醒剤を所持していた場合は、さらに重い処罰が科され、1年以上の有期懲役に加え罰金刑が科される可能性があります。
(2) 覚醒剤の製造・輸入・輸出の禁止
覚醒剤を製造、輸入、輸出することは禁止されています。医療や学術研究のために覚醒剤を使用する場合には、厳格な手続きと監督の下で行われる必要があります。覚醒剤の製造、輸出または輸入に関与した場合は、1年以上の有期懲役が科されます。ただし、営利目的でこれらの行為を行った場合、3年以上から無期懲役、罰金が併せて課されることもあります。営利目的での覚醒剤の密輸は重大事件ですので、裁判員裁判対象事件となります。
大麻取締法
大麻は、アサ科の植物で、その種子、葉、茎、花などがさまざまな用途で利用されます。大麻には、産業用と薬用、嗜好用の用途があり、その主な成分が精神作用を持つTHC(テトラヒドロカンナビノール)であり、多量摂取で陶酔感、リラックス効果、食欲増進、時間感覚の変化などを引き起こすことがあります。しかし、過剰摂取や長期使用は、精神的依存、記憶力の低下、認知機能障害のリスクを伴います。
大麻取締法の規制内容と刑罰
大麻取締法は、日本において大麻の不正な栽培・所持・譲渡・譲受・輸出入などを規制するために制定された法律です。大麻取締法では、以下の行為が禁止されています。
(1)許可のない大麻の栽培の禁止
大麻を許可なく栽培することは、厳しく禁じられています(大麻取締法第3条)。栽培を行うには、都道府県知事の許可を得る必要があり、許可を得た者(例:大麻栽培者免許保有者)以外が栽培した場合、違法となります。無許可での栽培は、7年以下の懲役が科されます(大麻取締法第24条の2)。
(2)大麻取扱者以外の大麻の所持・譲渡の禁止
許可なく大麻を所持、譲渡する行為も違法です(大麻取締法第3条)。個人が大麻を持っている、他者に渡すことは違法であり、5年以下の懲役が科されます(大麻取締法第24条)。さらに、営利目的でこれらの行為を行った場合には、7年以下の懲役に加えて、罰金が併せて科される場合があります。
(3)無許可での大麻の輸出・輸入の禁止
大麻の輸出入に関しても、厳しい制限が課されています。無許可で大麻を輸出または輸入した場合、7年以下の懲役、営利目的であれば10年以下の懲役と罰金が科されます(大麻取締法第24条の2)。
2024年12月施行 大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法の一部を改正する法律
大麻取締法では、医療用または産業用としての例外的な使用に関しても非常に厳しく管理されています。大麻草の茎および種子部分は、産業用(麻繊維や種子の加工)としての利用が認められている場合がありますが、それでも栽培や取扱いには免許が必要です。医療用大麻に関しても、日本では一般的に認められておらず、医療目的での使用を許可されている国々とは異なり、日本では医師による処方も禁止されていました。
しかし、近年世界各国で医療用大麻の使用が合法化される動きが広がっていることから、2024年12月施行予定の「大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法の一部を改正する法律」により、日本でも大麻草原料の医薬品の利用が合法化されることになりました。一方で、改正法では、大麻の使用を禁止する「大麻使用罪」が新設され、違法に大麻を使用した者に対しても刑事罰が科されるようになります。医療用大麻の合法化を進める一方で、大麻の違法使用に対する取締りを強化するものであり、この度の改正は日本の大麻政策において重要な転換点となります。
改正法の主なポイントは下記のとおりです。
(1) 医療用大麻の合法化
改正法の最も重要なポイントは、前述のとおり、医療用大麻の使用が合法化されることです。これにより、特定の疾患に対して医師の指導のもとで大麻を使用することが可能となります。特に、がんや神経系疾患、てんかんなどの治療において、大麻が有効であるとされるケースにおいて、医療現場での使用が認められることになります。医療用大麻の使用には、厳格な管理が求められ、適切な資格を持つ医師のみが処方できるようになります。また、患者は国の認可を受けた製品のみを使用でき、違法な大麻製品を所持・使用した場合には依然として罰則の対象となります。
(2) 大麻使用罪の新設
これまでの大麻取締法では、大麻の所持、栽培、譲渡などが処罰の対象となっていましたが、使用自体を処罰する規定がありませんでした。しかし、近年の大麻使用の増加に伴い、使用そのものを犯罪とする必要性が提起されていました。これにより、所持していなくても大麻を使用した事実が確認された場合には、懲役刑や罰金が科される可能性があります。特に、若年層による乱用が懸念されており、教育や啓発活動とともに、厳格な法執行が行われる見通しです。 | 大麻の栽培をするには、免許の申請を誰に対しておこなう必要がありますか。 | 大麻の栽培をするには、都道府県知事に対して免許の申請を行う必要があります。 |
JCRRAG_009857 | 法律 | 国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等に関する法律
この法律は、正式名称が非常に長いため、一般的には「国際協力麻薬防止法」などと略して呼ばれます。この法律は、麻薬や向精神薬などの規制薬物に関する不正行為を防止し、国際的な協力のもとでこれらの薬物に関する犯罪を取り締まることを目的としています。国際的な薬物犯罪は、国家の枠を超えて行われることが多いため、国内の規制だけでは限界があり、国際社会との協力が不可欠です。この法律の制定背景には、国際的な薬物問題の深刻化があります。麻薬の密輸や密売、インターネットを利用した違法取引など、国境を越えた規制薬物に関わる犯罪が増加しているため、各国が協力して取り締まりを強化する必要性が高まってきました。日本も、このような国際的な犯罪に対処するため、国内法を整備し、国際的な協力体制を強化しています。
具体的には、麻薬や向精神薬、覚醒剤などの規制薬物に関わる不正行為を助長する行為に対して、厳しい規制が設けられています。以下のような行為が特に問題視され、取り締まりの対象となります。
(1) インターネットを利用した薬物取引の防止
インターネットの普及により、暗号化された通信やダークウェブを通じて、違法薬物の取引が行われるケースが増加しています。これに対応するため、インターネットを介した薬物の売買、広告、勧誘行為を違法とし、サイト運営者や広告主に対して厳しい罰則を課す規定が設けられています。
(2) 資金提供や物流の制限
規制薬物の取引に資金や物流を提供する行為も、この法律では違法とされています。例えば、違法薬物の取引を支援するための資金提供や、薬物の輸送を助ける行為などが該当します。これにより、薬物犯罪を支えるインフラを根本的に断ち切ることが目的です。
(3) 国際的な協力捜査
他国の捜査機関と協力して、国際的な麻薬犯罪を摘発するための取り組みも強化されています。日本国内で発覚した違法取引の情報を国際機関や他国の捜査機関と共有し、国際的な麻薬取締の一環として国内法を適用していきます。また、外国人が日本国内で規制薬物に関わる犯罪を行った場合でも、国際的な司法協力を通じて適切な処罰が行われる体制が整備されています。 | 国際的な薬物犯罪を取り締まるのに、国内の規制だけでは限界があるのはなぜですか。 | 国際的な薬物犯罪は、海外で行われることが多いため。 |
JCRRAG_009858 | 法律 | 2022年2月に、ロシアが隣国ウクライナに侵攻しました。正当な理由もなく、隣国の主権を踏みにじり、平和に暮らしていた人々の生活を壊してしまう、そういうことが許されてよいのか、国際社会に衝撃を与えました。こういう行為は法に反するのではないでしょうか。罰せられないのでしょうか。
ここで関係するのが、法学の一分野である「国際法」という分野です。
国際法は、日本、アメリカ、中国、韓国といった、国と国との間に使われる法律です。国際法は、国同士の取り決めと国際社会で作られた慣習法から成り立っています。
国際法には、「武力行使禁止原則」というルールがあります。国連憲章という条約の2条4項に定められていて、国が他の国に対して武力を行使したり、武力を行使すると威嚇したりすることを原則として禁止しています。この武力行使禁止原則には例外があり、自国が攻撃された場合に反撃する自衛権がそれにあたります。
ロシアのウクライナ侵攻では、ロシアがウクライナに軍事侵攻をしたことは武力行使禁止原則に違反していて、ウクライナがロシアに反撃するのは自衛権の行使として国際法上認められるということになります。
国際法は、国が合意したものであるので、国は約束したことを守らなければなりません。国際法は法的拘束力を持っています。しかし、国際社会には、国の上に立って、法を守るように実力で強制したり、違反した国を処罰したりするような存在がありません。私たちが生活している、国内の社会では、政府が警察・検察を持っていて、法律に違反した人を逮捕し起訴し処罰することができます。国際社会には国の政府にあたる機関が存在しません。
国際法については、オランダのハーグに、国際司法裁判所という裁判所があって、国と国の間で起きた国際法上の問題について裁判をしています。その判決には法的拘束力があります。たとえば、アメリカが中米のニカラグアという国に行った軍事攻撃が自衛権として認められず、武力行使禁止原則に違反するという判決を下しています(1986年)。しかし、国際司法裁判所で裁判をするためには、関係する国の間で合意をすることが必要です。国際社会では国は「主権」を持っているため、その国の同意がなければ裁判所に訴えることができません。
このような罰則や強制力のない国際法ですが、比較的多くの場合に守られています。その理由については、様々な説明がなされています。たとえば、「国際法は作るのも守るのも国なので、守れないルールは作らない」「国際法を破ることで、その相手国から報復を受ける」「200近い国の間で相互の監視や批判、説得が働きやすい」「国際法を破ることで国際世論の圧力を受ける」といった説明です。
ウクライナ侵攻に関しては、ロシアの軍事侵攻開始の6日後に、世界中の国々の代表が集まる国連総会が、ロシアのウクライナ侵攻を武力行使禁止原則の違反であるとして非難し、軍事行動を停止し、ウクライナの領土から撤退するよう求める決議を採択しました。賛成は141カ国で、国際社会の大多数の国がロシアを非難しています。西側諸国を中心に、ロシアに制裁措置をとっている国もあります。また、国際司法裁判所は、侵攻開始の翌月に、ウクライナの訴えに対して、仮の命令ですが、ロシアに軍事作戦を停止するよう命じています。
国際法は不十分なところがあるのは事実です。国際法を破る国に国際社会が一丸となって、ロシアに圧力を加え、守らせなければならないでしょう。国際法を単なる紙切れに終わらせないために、不断の努力が必要であるといえます。 | 2022年2月に、ロシアに軍事侵攻された国が反撃するのは、何によって認められていますか。 | 2022年2月に、ロシアに軍事侵攻された国が反撃するのは、武力行使禁止原則の例外である自衛権によって国際法上認められます。 |
JCRRAG_009859 | 法律 | 離婚による財産分与とは、婚姻中にあなたの収入により得たあなた名義の財産でも、配偶者の内助の功を無視することができず、共同で得た財産と考えることができますので、離婚の際には、夫婦共同で得た財産については、その名義を問わず、公平な観点から、相手方に対し分与を請求することができる制度のことです。
ところで、夫婦の財産は、以下の3種類に分けることができます。
(a)夫または妻が結婚前から持っていた財産、ならびに結婚後であっても夫または妻がそれぞれの名で得た財産(例えば、結婚前から持っていた預金で結婚後に購入した物など)
(b)夫婦のうち、どちらのものに属するか分からない財産
(c)結婚後、夫または妻の働きで得た財産
そして、この3種類の財産につき、離婚の際に財産分与請求がされた場合には、次のように考えることができます。
まず、(a)については、夫または妻の独自の財産ですから、離婚の際には、それぞれに帰属すべきものであり、財産分与の対象とはなりません。
ですから、離婚の原因がいずれにあったかは問いません。
次に(b)の財産ですが、これは離婚に際して平等に分ける必要があります。この財産についても離婚の原因がいずれにあったかは問いません。
最後に(c)の財産についてですが、これについては、いずれか一方の名義になっていても、配偶者の内助の功を考慮する必要がありますので、「財産分与」の対象となる場合があります。そして、これについては、離婚の原因が誰にあったかを考慮する必要があります。 | 離婚原因は、離婚時の財産分与に影響はありますか。 | 結婚後に得た財産については、離婚の原因が誰にあったかを考慮する必要があります。 |
JCRRAG_009860 | 法律 | 民法では、「従来の住所を去って容易に戻る見込みのない者」のことを、「不在者」といいます。あなたの弟さんも、実家を出て行ってから20年も音信不通とのことですので、容易に戻る見込みはありませんから、「不在者」に該当します。
そして、不在者について、①生死が7年間明らかでないとき、または②戦争や船舶の沈没、震災等の死亡の原因となる危難に遭遇して、その危難が終わった後、生死が1年間明らかでないときには、家庭裁判所は、申立てにより、失踪宣告をすることができるとされています。①を「普通失踪」、②を「危難失踪」といいます。
この失踪宣告によって、生死不明の者について、法律上死亡したものとみなす効果が生じます。
従って、このケースにおいても、弟さんについて失踪宣告の申立てをして、弟さんが法律上死亡したものとみなすことによって、あなたとお母様とで遺産分割協議をすることができるようになります。
失踪宣告の申立ては、不在者の従来の住所地又は居所地を管轄する家庭裁判所にする必要があります。このケースでは、あなたの弟さんの住民票上の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てるとよいでしょう。
申立人は、不在者の配偶者や、相続人に該当する者、財産管理人、受遺者などの、失踪宣告を求めるにあたって法律上の利害関係を持っている者となります。このケースでは、あなたでも、あなたのお母様でも、申立人となれます。
申立書は、裁判所のホームページで紹介されています記載例をご参照の上、実情に合わせて申立ての理由を記入して下さい。
添付書類は、標準的には、
① 不在者の戸籍謄本
② 不在者の戸籍の附票
③ 申立人の戸籍謄本
④ 失踪を証明する書類
となります(①と③が同一書類の場合は1通で足ります)。
このうちの④については、存在する場合に限り、警察署に出した捜索願の受理証明書や、宛先該当なしで返送されてきた不在者宛の郵便物等を提出して下さい。
また、これらの添付書類では足りないと家庭裁判所が判断した場合には、追加して提出すべき書類を指示されることがあります。
さらに、より詳細な事情を聴き取る必要があると家庭裁判所が判断した場合には、失踪宣告の申立てに至った経緯の説明を求められることもあります。その場合には、指定された日時に家庭裁判所に出向く必要があります。
なお、不在者がいつ失踪したのかについては、家庭裁判所が判断することになりますので、申立人が申立書で特定する必要はありません。 | 音信不通の家族がいる中で、残された家族が遺産分割協議をすることができるようにするには何をすればいいでしょうか。 | 家族は家庭裁判所に失踪宣告の申立てをして、音信不通で不在の家族について法律上死亡したものとみなすようにしてから、遺産分割協議など法律上の相続手続を行うことができます。 |
JCRRAG_009861 | 法律 | 令和2年5月、自衛隊初の宇宙専門部隊として、航空自衛隊に宇宙空間を監視する「宇宙作戦隊」が発足しました。宇宙空間の監視といっても、宇宙人に地球が侵略されないよう監視しているわけではなく、不審な人工衛星を監視したり、スペースデブリ(役目を終えたロケットの部品など)が日本の人工衛星にぶつかる危険がないかを監視したりすることが主な任務とされています。
さて、この宇宙作戦隊が監視している「宇宙空間」ですが、法的には一体どの範囲を指すのでしょうか。我が国の法律や宇宙に関する国際条約では、宇宙について「月その他の天体を含む宇宙空間」と規定しているものの、実は、どこまでが地球でどこからが宇宙空間となるのかは明らかではありません。宇宙航空研究開発機構(JAXA)のホームページなどでは、一般的には大気がほとんど無くなる地表からの高度100kmから先が宇宙とされていると紹介されていますが、現在のところ、国際法上の合意がないことから国際条約で「宇宙空間」は定義されておらず、これを受けて我が国の法律でも厳密な定義を置いていません。そのため、宇宙の範囲は、法的には確定していないという状況にあるのです。
宇宙は、今も昔も人類の憧れの存在ですが、一方で、各国が自国の威信をかけ、国家的事業として開発する対象という側面もあります。特に東西冷戦下では、米ソによる安全保障を念頭に置いた宇宙開発競争が過熱し、これに対する国際社会の不安も高まりました。こうした状況を踏まえ、国連では「月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用における国家活動を律する原則に関する条約」(宇宙条約)を始めとする「国連宇宙5条約」が採択されました。その代表格であり、日本も昭和42年の採択当初から加盟している宇宙条約は、今も「宇宙の憲法」と呼ばれており、宇宙空間について、探査利用の自由(第1条)や国家よる取得の対象とならないこと(第2条)、平和的利用(第4条)などを規定しています。
我が国でも、宇宙条約の趣旨を踏まえつつ、国家的施策として宇宙の研究開発を本格的に進めるべく、その体制の整備のため「宇宙開発委員会設置法」(昭和43年)や「宇宙開発事業団法」(昭和44年)などの法律が制定されました。そして、宇宙開発事業団法の制定の際に衆議院で採択された「わが国における宇宙の開発及び利用の基本に関する決議」(いわゆる平和利用決議)や参議院の附帯決議には「平和の目的に限り」という文言があり、これは政府の答弁書などで「非軍事」を指すものと解釈されてきました。
その後、時代が進むとともに、人工衛星を利用したGPS、放送サービス、気象観測など、宇宙に関する技術が様々な分野で活用されるようになり、宇宙は私たちの生活に密接に関連するようになってきました。そこで、平成20年には、法制面でも「研究開発」中心であった宇宙政策を実用的な「利用」にシフトし、「宇宙開発利用」を国家戦略として位置付けた「宇宙基本法」が制定されました。この法律では、宇宙開発利用は「日本国憲法の平和主義の理念にのっとり」(第2条)、「我が国の安全保障に資するよう」(第3条)行われるとしており、専守防衛の範囲内であれば、防衛目的での宇宙開発利用ができることが明確になりました。
加えて、宇宙基本法では、民間事業者による宇宙開発利用の促進(第16条)がうたわれていますが、実際にも、人工衛星や打上げ用ロケットの小型化・低価格化により宇宙活動への参入障壁が下がり、民間企業による宇宙ビジネスの展開が期待されるようになってきました。そこで、平成28年には、宇宙ビジネスの振興を主眼とする2つの法律が制定されました。このうち、「人工衛星等の打上げ及び人工衛星の管理に関する法律」(宇宙活動法)は、民間企業による人工衛星の打上げ・管理に関する国の許可制度や、事故が起きた場合の賠償制度などを設けています。もう1つの「衛星リモートセンシング記録の適正な取扱いの確保に関する法律」(衛星リモセン法)は、人工衛星に搭載された装置を用いて地球の表面を観測した衛星リモートセンシング記録は農業、防災等の幅広い分野で活用が期待される一方、それを手に入れた国際テロリスト等により悪用される懸念もあることから、その適正な取扱いについて規定しています。
近年では宇宙ビジネスも進展し、日本でもスペースデブリの除去や人工流れ星といった全く新しい宇宙ビジネスが登場してきました。さらに、アメリカでは、初の民間有人宇宙船が打上げに成功し、日本の有名実業家がこの民間企業の宇宙船での月周回旅行を企画しているというニュースも耳にするようになりました。いつかこういった宇宙旅行が当たり前になる頃には、安全に旅を楽しむことができるようにするための宇宙船の操縦免許や、安心して宇宙旅行を契約できるようにするための運賃についての規制など、様々な法整備が必要になってくるのかもしれません。 | 民間企業による宇宙ビジネスにより事故が起きた場合に適用される法律は何ですか。 | 民間企業による宇宙ビジネスにより事故が起きた場合は、「人工衛星等の打上げ及び人工衛星の管理に関する法律」が適用されます。 |
JCRRAG_009862 | 法律 | 法律の中での"大人"は何歳
我が国の法律では、"大人"かどうかを適用基準とする場面が多くあります。その一つとして、よく目にするのが「成年」でしょう。
民法では、成年者に対し独立・完全な行為能力を与えており、成年になると、親の同意を得ないで各種の契約を締結できるようになります。また、親の同意なく、婚姻ができるようにもなります。一方、「未成年者」には、様々な制限が規定されています。
従来、この成年年齢は20歳とされていました(民法第4条)。"20歳"の根拠については、民法制定当時、明治9年太政官布告第41号において課税や兵役の基準年齢(丁年)を満20歳としていたことに従ったと考えられていますが、当時の我が国の慣習では15歳程度を成年としていたため、当時21歳から25歳程度を成年年齢としていた欧米の経済取引秩序とのバランスを取るために20歳としたといった考え方もあるようです。
この民法の成年年齢が、民法の一部を改正する法律(平成30年法律第59号)により、18歳に引き下げられることになりました(令和4年4月1日施行)。
民法の成年年齢の引下げについては、平成12年頃から野党が民法の成年年齢や公職選挙法の選挙権年齢等を18歳に引き下げるための法案を衆参両院に提出するなどの動きがありましたが、初めて成立法律の形で引下げの方向性が明記されたのが、平成19年に制定された日本国憲法の改正手続に関する法律です。すなわち、同法では、国民投票の投票権年齢を本則上18歳と定めた上で、附則で、公職選挙法の選挙権年齢や民法の成年年齢の引下げの検討について規定しました。この検討条項等を受けて、平成27年の公職選挙法改正により選挙権年齢が18歳に引き下げられ(平成28年の参院選から適用)、その後、平成30年の民法改正により成年年齢の引下げが実現するに至ったのです。
民法の成年年齢が引き下げられた結果、令和4年4月から、18歳・19歳の者も、単独で有効な契約をすることが可能となるとともに、父母の親権に服さなくなります。また、民法以外の法律や制度にも様々な影響があります。例えば、10年間有効なパスポートの取得や、公認会計士や司法書士などの国家資格を取ることは、これらの根拠法が民法の成年年齢に合わせて年齢要件を定めているため、令和4年4月以降は、18歳から可能となります。
一方、20歳という年齢要件が維持されているものもあります。同じ民法でも、養子をとることができる年齢については、養親になることは他人の子を法律上自己の子として育てるという重い責任を伴うものであることが考慮され、引き続き20歳以上とされています。また、民法以外でも、例えば、飲酒・喫煙や勝馬投票券(いわゆる馬券)等の購入、カジノ施設への入場・滞在については、健康被害の防止や青少年の保護、ギャンブル依存症対策といった観点から、20歳の年齢制限が維持されています。
このように、時代とともに、法律中の"大人"の年齢も変わり得るものですが、見直しに当たっては、それぞれの法律の目的や規定の趣旨に照らして考えることが必要となります。
民法の成年年齢の引下げ及びこれに伴う関係法律の整備が実現した今、残された大きな課題は、少年法の適用年齢の引下げの是非です。20歳を基準として「成人」と「少年」を区別している同法については、現在、法務省の審議会において議論が続けられており、その行く末が注目されます。
ちなみに、皆さんが"大人"になったと実感するイベントであろう成人式については、法律ではなく、各自治体の判断で開催されていますが、「成人の日」(又はその前後)に実施するケースが多いようです。国民の祝日に関する法律では、「成人の日」を「おとなになつたことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます」日としていますが、「成人」「おとな」が何歳かを具体的に定めておらず、民法の成年年齢と当然に一致する必要はないとされています。18歳の高校生はこの時期大学受験を控えている場合も多い中、令和4年4月以降、18歳・19歳の人がどのように成人式に参加するようになるのか、気になるところです。 | 成年になると、都道府県知事選挙に立候補できますか。 | いいえ、成年でも年齢によっては都道府県知事選挙に立候補できません。 |
JCRRAG_009863 | 法律 | 近年、我が国における働き方は多様化が進んでいます。「自分の仕事のスタイルで働きたい」として、あえてフリーランスという働き方を選択することや、デジタル社会の進展に伴って、プラットフォーマーを介する形で単発の仕事を受けるような、いわゆるギグワーカーといった働き方も一般化しつつあります。
その一方、フリーランスが取引先との関係で様々な問題やトラブルに遭遇しているという実態があります。政府による調査によれば、フリーランスの約4割が報酬不払い、支払遅延などのトラブルを経験していることが明らかとなっています。加えて、ハラスメントなどの就業環境に関する相談も、様々な関係機関に寄せられています。
このようなフリーランスに関わる問題やトラブルの背景には、一人の「個人」として業務委託を受けるフリーランスと、「組織」として業務委託を行う発注事業者との間には、交渉力やその前提となる情報収集力の格差が生じやすいことがあると指摘されています。
こうしたフリーランスをめぐる状況を改善し、フリーランスが安定的に働くことができる環境を整備するため、フリーランス取引の適正化と就業環境の整備を図ることを内容とする「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス・事業者間取引適正化等法)」が2023年通常国会において成立し、2024年11月より施行されることとなりました。 | フリーランスは報酬不払い、支払遅延などのトラブルによってどのような影響を受けますか。 | フリーランスは報酬不払い、支払遅延などのトラブルによって、仕事をしたのにまったく報酬が得られない、もしくは当初予定していた支払い日に報酬が得られないといった影響を受けます。 |
JCRRAG_009864 | 法律 | 昨年以降、不当景品類及び不当表示防止法(以下「景品表示法」)をめぐり、大きな点として以下の動きがありました。
① ステルスマーケティングに関する検討会の開催、その結果を受けての不当表示類型の新設
② 景品表示法検討会の開催、その結果を受けての改正法の成立(確約手続の導入や課徴金制度における返金措置の弾力化等)
今回は、①について、その概要をご紹介いたします。事業者側として、インターネットやSNSを通じての広告を行う場合に、重要な注意点が追加されることになりました。
1 ステルスマーケティングに関する検討会
⑴背景
近年、インターネット広告市場は拡大の一途をたどっており、特にSNSを通じての広告は、皆様も日常的に目にすることがあるかと思います。かかる状況の中で、広告主が商品・サービスの広告であることを隠したまま広告を出稿する等の、いわゆるステルスマーケティングの問題が生じています。
ブログやSNSの投稿で、特定の商品の紹介がされており、純粋な感想を述べているのかな・・と思って読んでいたら、実は投稿者自身の販売する商品の広告だったり、販売者に対価をもらって投稿者が広告を行っていたものだったり、といったものです。消費者からすると、広告ではないと思って読んでいるので警戒心が薄くなってしまい、商品・サービスへの誘引効果が不当に高まってしまうという問題があります。
そして、景品表示法は、自ら提供する商品・サービスについて、実際よりも優良であったり(優良誤認表示)、お得であったり(有利誤認表示)するかのような表示等について規制しているものですが、広告であること自体を隠すステルスマーケティングについては現行の制度では規制対象とならないという問題がありました。
⑵議論の経過
この状況を踏まえ、消費者庁は、「ステルスマーケティングに関する検討会」を開催してきました。同検討会は令和4年9月16日から同年12月27日までの8回にわたって開催され、ステルスマーケティングに関する実態調査の報告や関係事業者等からのヒアリング、諸外国の規制等を踏まえた議論が重ねられました。その結論として、同年12月28日に「ステルスマーケティングに関する検討会 報告書」が公表されました。
⑶同検討会において示された問題点
議論を踏まえ、広告であるにもかかわらず、広告であることを隠すステルスマーケティングは、景品表示法が規制する「一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある行為」に該当し、同法の目的に反しているため、同法により規制される必要があるとの見解が示されました。また、規制法令がないことからインフルエンサー等における知識が不十分である点や、米国やEUでは既に法規制があることから現在の日本がステルスマーケティングの草刈り場と化しているといった点から、早急な規制が必要との見解も示されました。 | 日本で早急なステルスマーケティングの規制が必要とされたのはなぜですか。 | 米国やECで既に法規制がある中で、日本が規制を欠いていたため「ステルスマーケティングの草刈り場」と化していたからです。 |
JCRRAG_009865 | 法律 | 大麻取締法違反で逮捕された後の流れ
大麻取締法違反で逮捕されると、ほかの刑事事件と同じように刑事手続きが進められます。逮捕後の流れや尿検査・毛髪検査が実施されるタイミングを確認しておきましょう。
(1)逮捕後の流れ
逮捕から警察官による取り調べを受けた後、48時間以内に検察官へ送られます(送致)。検察官は送致から24時間以内に、勾留を請求するかを判断します。
検察官が勾留を請求し、裁判官が勾留を認めた場合は、10日間(延長も含めると最大20日間)の身柄拘束が続きます。大麻事件の場合、大麻を捨てる、薬物関係者と連絡をとりあうなどして証拠を隠滅するおそれがあるため、事案によりけりですが、勾留される可能性も十分あるでしょう。その後、検察官は勾留期間の満期までに起訴・不起訴処分を決定します。起訴されると刑事裁判を待つ身となり、保釈されない限り、基本的には引き続き身柄は拘束されます。
(2)毛髪検査や尿検査が実施されるタイミング
薬物事件の場合、逮捕の前後には毛髪検査や尿検査が実施されることが考えられます。ただし、検査が実施されるタイミングは状況によって異なるでしょう。たとえば、職務質問を受け、所持品検査で大麻らしきものが発見されたため、尿の提出を求められるケース、大麻所持の事案で逮捕・勾留されている間に毛髪検査が実施されるなどのケースが考えられます。 | 薬物事件の場合、逮捕の前後には毛髪検査や尿検査が実施されるのは、何を調べるためですか。 | 薬物事件の場合、逮捕の前後には毛髪検査や尿検査が実施されるのは、毛髪や尿から薬物が検出されるかを調べるためです。 |
JCRRAG_009866 | 法律 | 大麻吸引が問われる罪と時効
大麻を吸引するとどのような罪に問われ、時効はいつ成立するのでしょうか。大麻の取り扱いについて定めた「大麻取締法」をもとに確認しましょう。
(1)大麻取扱法で禁止される行為
日本では大麻の取り扱いは免許制となっており、大麻取扱者以外が大麻を所持、栽培、譲り受け、譲り渡し、研究のために使用することはできません(大麻取締法 第3条1項)。
また一般の人か大麻取扱者かを問わず、大麻から製造された医薬品の施用、施用のための交付、大麻に関する広告が禁止されているほか、大麻の輸入・輸入についても大麻研究者が特別に許可を受けた場合だけに限られています(同法第4条)。
ほかにも、栽培や輸入・輸出の予備、譲り受け・譲り渡しの周旋などが処罰の対象です。
しかし、大麻取締法には、大麻の吸引(自己使用)の罪に関する規定がありません。
(2)使用の罪はなくても処罰されることがある
自己使用の罪がないことから、「大麻は吸引しても逮捕・処罰されない」といった間違った情報が流れています。しかし、そもそも使用したということは、少なくとも所持しているか、誰かから譲り受け、あるいは輸入したなどと考えられます。したがって、使用の罪が規定されていませんが、所持や譲り受けの罪などが成立し、処罰される可能性が高いでしょう。
(3)時効について
大麻取締法違反の公訴時効は、行為によって以下のように異なります。
個人目的の栽培、輸入・輸出、所持、譲り受け・譲り渡し:5年
営利目的の栽培、輸入・輸出:7年
営利目的の所持、譲り受け・譲り渡し:5年
公訴時効が成立すると検察官が起訴できなくなるため、刑事裁判にかけられ処罰されることはありません。しかし、どの禁止行為に該当し、公訴時効はいつから進行するのかなどは事案によって異なるため、安易な判断はできませんので、注意しておくべきでしょう。 | 大麻の吸引で処罰される可能性が高いのはなぜですか。 | 大麻の吸引(自己使用)の罪に関する規定がありませんが、所持や譲り受けの罪などが成立し、処罰される可能性が高いからです。 |
JCRRAG_009867 | 法律 | 贈与税がかかる場合
贈与税は、個人から贈与により財産を取得したときにかかる税金です。
なお、法人から贈与により財産を取得したときは、贈与税ではなく所得税がかかります。
また、自分が保険料を負担していない生命保険金を受け取った場合、あるいは債務の免除などにより利益を受けた場合などは、贈与を受けたものとみなされて贈与税がかかります。
ただし、死亡した人が自身を被保険者として保険料を負担していた生命保険金を受け取った場合は、贈与税でなく相続税がかかります。
次に、贈与税の課税方法を説明します。
暦年課税
暦年課税とは、贈与した額に対する課税方法のことを指し、1年間に受けた贈与に課税されるというものです。贈与税は、その年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与を受けた財産の価額の合計額から暦年課税に係る基礎控除額110万円を差し引いた残りの額に対してかかります。したがって、1年間に贈与を受けた財産の価額の合計額が110万円以下なら贈与税はかかりません(この場合、贈与税の申告は不要です。)
相続時精算課税
相続時精算課税の制度とは、原則として60歳以上の父母または祖父母などから、18歳以上の子または孫などに対し、財産を贈与した場合において選択できる贈与税の制度です。
相続時精算課税の選択に係る贈与者(「特定贈与者」といいます。)ごとにその年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与を受けた財産の価額の合計額(課税価格)から相続時精算課税に係る基礎控除額110万円を控除し、特別控除額2,500万円(前年以前において、既にこの特別控除額を控除している場合は、残額が限度額となります。)を控除した残額に対して贈与税がかかります。
なお、同一年中に、2人以上の特定贈与者から贈与を受けた場合のそれぞれの特定贈与者の相続時精算課税に係る基礎控除額は、110万円を特定贈与者ごとの贈与税の課税価格であん分した金額となります。
また、特別控除額は贈与税の期限内申告書を提出した場合に限り控除することができます。
(注) 上記の「相続時精算課税に係る基礎控除」が適用されるのは、令和6年1月1日以後の贈与に限りますので、令和5年12月31日以前の贈与には適用されません。
申告と納税については、次のとおりです。
その年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与を受けた財産の価額の合計額のうち、次の①の金額が110万円を超える場合または②の金額が110万円を超える場合は、贈与を受けた人が贈与により財産を取得した年の翌年2月1日から3月15日までの間に申告と納税をする必要があります。
① 暦年課税の適用を受ける財産の価額の合計額
② 相続時精算課税の適用を受ける財産の価額の合計額
※ 令和5年12月31日以前に相続時精算課税に係る贈与を受けた場合は、相続時精算課税に係る基礎控除額は控除されませんので、②の金額が110万円以下であっても申告をする必要があります。
なお、初めて相続時精算課税を選択する場合、贈与を受けた人が贈与税の申告期間内に贈与者ごとに「相続時精算課税選択届出書」を作成し、一定の書類を添付して所轄税務署長へ提出しなければなりません。また、贈与税の申告書を提出する場合には、「相続時精算課税選択届出書」および一定の書類を贈与税の申告書に添付して提出する必要があります。添付書類については、コード4304「相続時精算課税選択届出書に添付する書類」をご覧ください。
贈与税は、金銭で一度に納めるのが原則ですが、何年かに分けて納める延納制度があります。
この延納を希望する方は、申告書の提出期限までに税務署に申請書などを提出して許可を受ける必要があります。 | 昨年12月31日までに死亡した人が自身を被保険者として保険料を負担していた生命保険金を受け取った場合、贈与税の対象となりますか。 | 死亡した人が自身を被保険者として保険料を負担していた場合は、贈与税の対象外です。ただし、相続税の対象となります。 |
JCRRAG_009868 | 法律 | 相続税
相続人の範囲や法定相続分は、民法で次のとおり定められています。
相続人の範囲
死亡した人の配偶者は常に相続人となり、配偶者以外の人は、次の順序で配偶者と一緒に相続人になります。
なお、相続を放棄した人は初めから相続人でなかったものとされます。
また、内縁関係の人は、相続人に含まれません。
<第1順位>
死亡した人の子供
その子供が既に死亡しているときは、その子供の直系卑属(子供や孫など)が相続人となります。子供も孫もいるときは、死亡した人により近い世代である子供の方を優先します。
<第2順位>
死亡した人の直系尊属(父母や祖父母など)
父母も祖父母もいるときは、死亡した人により近い世代である父母の方を優先します。
第2順位の人は、第1順位の人がいないときに相続人になります。
<第3順位>
死亡した人の兄弟姉妹
その兄弟姉妹が既に死亡しているときは、その人の子供が相続人となります。
第3順位の人は、第1順位の人も第2順位の人もいないとき相続人になります。
法定相続分は次のとおりです。
なお、子供、直系尊属、兄弟姉妹がそれぞれ2人以上いるときは、原則として均等に分けます。
また、民法に定める法定相続分は、相続人の間で遺産分割の合意ができなかったときの遺産の持分であり、必ずこの相続分で遺産の分割をしなければならないわけではありません。
<配偶者と子供が相続人である場合>
配偶者2分の1 子供(2人以上のときは全員で)2分の1
<配偶者と直系尊属が相続人である場合>
配偶者3分の2 直系尊属(2人以上のときは全員で)3分の1
<配偶者と兄弟姉妹が相続人である場合>
配偶者4分の3 兄弟姉妹(2人以上のときは全員で)4分の1 | 消費者の消費税負担の観点から令和元年(2019年)10月に施行された飲食料品(お酒・外食を除く)等の購入に係る税率については8%とする制度はなんですか。 | 令和元年(2019年)10月に施行された制度は軽減税率制度です。 |
JCRRAG_009869 | 法律 | 第二章 占有権
第一節 占有権の取得
(占有権の取得)
第百八十条 占有権は、自己のためにする意思をもって物を所持することによって取得する。
(代理占有)
第百八十一条 占有権は、代理人によって取得することができる。
(現実の引渡し及び簡易の引渡し)
第百八十二条 占有権の譲渡は、占有物の引渡しによってする。
2 譲受人又はその代理人が現に占有物を所持する場合には、占有権の譲渡は、当事者の意思表示のみによってすることができる。
(占有改定)
第百八十三条 代理人が自己の占有物を以後本人のために占有する意思を表示したときは、本人は、これによって占有権を取得する。
(指図による占有移転)
第百八十四条 代理人によって占有をする場合において、本人がその代理人に対して以後第三者のためにその物を占有することを命じ、その第三者がこれを承諾したときは、その第三者は、占有権を取得する。
(占有の性質の変更)
第百八十五条 権原の性質上占有者に所有の意思がないものとされる場合には、その占有者が、自己に占有をさせた者に対して所有の意思があることを表示し、又は新たな権原により更に所有の意思をもって占有を始めるのでなければ、占有の性質は、変わらない。
(占有の態様等に関する推定)
第百八十六条 占有者は、所有の意思をもって、善意で、平穏に、かつ、公然と占有をするものと推定する。
2 前後の両時点において占有をした証拠があるときは、占有は、その間継続したものと推定する。
(占有の承継)
第百八十七条 占有者の承継人は、その選択に従い、自己の占有のみを主張し、又は自己の占有に前の占有者の占有を併せて主張することができる。
2 前の占有者の占有を併せて主張する場合には、その瑕疵をも承継する。
第二節 占有権の効力
(占有物について行使する権利の適法の推定)
第百八十八条 占有者が占有物について行使する権利は、適法に有するものと推定する。
(善意の占有者による果実の取得等)
第百八十九条 善意の占有者は、占有物から生ずる果実を取得する。
2 善意の占有者が本権の訴えにおいて敗訴したときは、その訴えの提起の時から悪意の占有者とみなす。
(悪意の占有者による果実の返還等)
第百九十条 悪意の占有者は、果実を返還し、かつ、既に消費し、過失によって損傷し、又は収取を怠った果実の代価を償還する義務を負う。
2 前項の規定は、暴行若しくは強迫又は隠匿によって占有をしている者について準用する。
(占有者による損害賠償)
第百九十一条 占有物が占有者の責めに帰すべき事由によって滅失し、又は損傷したときは、その回復者に対し、悪意の占有者はその損害の全部の賠償をする義務を負い、善意の占有者はその滅失又は損傷によって現に利益を受けている限度において賠償をする義務を負う。ただし、所有の意思のない占有者は、善意であるときであっても、全部の賠償をしなければならない。
(即時取得)
第百九十二条 取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産の占有を始めた者は、善意であり、かつ、過失がないときは、即時にその動産について行使する権利を取得する。
(盗品又は遺失物の回復)
第百九十三条 前条の場合において、占有物が盗品又は遺失物であるときは、被害者又は遺失者は、盗難又は遺失の時から二年間、占有者に対してその物の回復を請求することができる。
第百九十四条 占有者が、盗品又は遺失物を、競売若しくは公の市場において、又はその物と同種の物を販売する商人から、善意で買い受けたときは、被害者又は遺失者は、占有者が支払った代価を弁償しなければ、その物を回復することができない。
(動物の占有による権利の取得)
第百九十五条 家畜以外の動物で他人が飼育していたものを占有する者は、その占有の開始の時に善意であり、かつ、その動物が飼主の占有を離れた時から一箇月以内に飼主から回復の請求を受けなかったときは、その動物について行使する権利を取得する。
(占有者による費用の償還請求)
第百九十六条 占有者が占有物を返還する場合には、その物の保存のために支出した金額その他の必要費を回復者から償還させることができる。ただし、占有者が果実を取得したときは、通常の必要費は、占有者の負担に帰する。
2 占有者が占有物の改良のために支出した金額その他の有益費については、その価格の増加が現存する場合に限り、回復者の選択に従い、その支出した金額又は増価額を償還させることができる。ただし、悪意の占有者に対しては、裁判所は、回復者の請求により、その償還について相当の期限を許与することができる。
(占有の訴え)
第百九十七条 占有者は、次条から第二百二条までの規定に従い、占有の訴えを提起することができる。他人のために占有をする者も、同様とする。
(占有保持の訴え)
第百九十八条 占有者がその占有を妨害されたときは、占有保持の訴えにより、その妨害の停止及び損害の賠償を請求することができる。
(占有保全の訴え)
第百九十九条 占有者がその占有を妨害されるおそれがあるときは、占有保全の訴えにより、その妨害の予防又は損害賠償の担保を請求することができる。
(占有回収の訴え)
第二百条 占有者がその占有を奪われたときは、占有回収の訴えにより、その物の返還及び損害の賠償を請求することができる。
2 占有回収の訴えは、占有を侵奪した者の特定承継人に対して提起することができない。ただし、その承継人が侵奪の事実を知っていたときは、この限りでない。
(占有の訴えの提起期間)
第二百一条 占有保持の訴えは、妨害の存する間又はその消滅した後一年以内に提起しなければならない。ただし、工事により占有物に損害を生じた場合において、その工事に着手した時から一年を経過し、又はその工事が完成したときは、これを提起することができない。
2 占有保全の訴えは、妨害の危険の存する間は、提起することができる。この場合において、工事により占有物に損害を生ずるおそれがあるときは、前項ただし書の規定を準用する。
3 占有回収の訴えは、占有を奪われた時から一年以内に提起しなければならない。
(本権の訴えとの関係)
第二百二条 占有の訴えは本権の訴えを妨げず、また、本権の訴えは占有の訴えを妨げない。
2 占有の訴えについては、本権に関する理由に基づいて裁判をすることができない。
第三節 占有権の消滅
(占有権の消滅事由)
第二百三条 占有権は、占有者が占有の意思を放棄し、又は占有物の所持を失うことによって消滅する。ただし、占有者が占有回収の訴えを提起したときは、この限りでない。
(代理占有権の消滅事由)
第二百四条 代理人によって占有をする場合には、占有権は、次に掲げる事由によって消滅する。
一 本人が代理人に占有をさせる意思を放棄したこと。
二 代理人が本人に対して以後自己又は第三者のために占有物を所持する意思を表示したこと。
三 代理人が占有物の所持を失ったこと。
2 占有権は、代理権の消滅のみによっては、消滅しない。
第四節 準占有
第二百五条 この章の規定は、自己のためにする意思をもって財産権の行使をする場合について準用する。 | 占有権を譲渡するには必ず現物の引渡しが必要ですか。 | 占有権の譲渡には必ずしも現物の引渡しが必要ではない。 |
JCRRAG_009870 | 法律 | 第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、我が国において、近年、東日本大震災という未曽有の大災害をはじめ、地震、局地的な豪雨等による災害が各地で頻発し、住民の生命、身体及び財産の災害からの保護における地域防災力の重要性が増大している一方、少子高齢化の進展、被用者の増加、地方公共団体の区域を越えて通勤等を行う住民の増加等の社会経済情勢の変化により地域における防災活動の担い手を十分に確保することが困難となっていることに鑑み、地域防災力の充実強化に関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務等を明らかにするとともに、地域防災力の充実強化に関する計画の策定その他地域防災力の充実強化に関する施策の基本となる事項を定めることにより、住民の積極的な参加の下に、消防団を中核とした地域防災力の充実強化を図り、もって住民の安全の確保に資することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において、「地域防災力」とは、住民一人一人が自ら行う防災活動、自主防災組織(災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第二条の二第二号に規定する自主防災組織をいう。以下同じ。)、消防団、水防団その他の地域における多様な主体が行う防災活動並びに地方公共団体、国及びその他の公共機関が行う防災活動の適切な役割分担及び相互の連携協力によって確保される地域における総合的な防災の体制及びその能力をいう。
(基本理念)
第三条 地域防災力の充実強化は、住民、自主防災組織、消防団、水防団、地方公共団体、国等の多様な主体が適切に役割分担をしながら相互に連携協力して取り組むことが重要であるとの基本的認識の下に、地域に密着し、災害が発生した場合に地域で即時に対応することができる消防機関である消防団がその中核的な役割を果たすことを踏まえ、消防団の強化を図るとともに、住民の防災に関する意識を高め、自発的な防災活動への参加を促進すること、自主防災組織等の活動を活性化すること等により、地域における防災体制の強化を図ることを旨として、行われなければならない。
(国及び地方公共団体の責務)
第四条 国及び地方公共団体は、前条の基本理念にのっとり、地域防災力の充実強化を図る責務を有する。
2 国及び地方公共団体は、その施策が、直接的なものであると間接的なものであるとを問わず、地域防災力の充実強化に寄与することとなるよう、意を用いなければならない。
3 国及び地方公共団体は、地域防災力の充実強化に関する施策を効果的に実施するため必要な調査研究、情報の提供その他の措置を講ずるものとする。
(住民の役割)
第五条 住民は、第三条の基本理念にのっとり、できる限り、居住地、勤務地等の地域における防災活動への積極的な参加に努めるものとする。
(関係者相互の連携及び協力)
第六条 住民、自主防災組織、市町村の区域内の公共的団体その他の防災に関する組織、消防団、水防団、地方公共団体、国等は、地域防災力の充実強化に関する施策が円滑に実施されるよう、相互に連携を図りながら協力しなければならない。
第二章 地域防災力の充実強化に関する計画
第七条 市町村は、災害対策基本法第四十二条第一項に規定する市町村地域防災計画において、当該市町村の地域に係る地域防災力の充実強化に関する事項を定め、その実施に努めるものとする。
2 市町村は、地区防災計画(災害対策基本法第四十二条第三項に規定する地区防災計画をいう。次項において同じ。)を定めた地区について、地区居住者等(同条第三項に規定する地区居住者等をいう。次項において同じ。)の参加の下、地域防災力を充実強化するための具体的な事業に関する計画を定めるものとする。
3 地区防災計画が定められた地区の地区居住者等は、市町村に対し、当該地区の実情を踏まえて前項に規定する事業に関する計画の内容の決定又は変更をすることを提案することができる。 | 地域防災力の充実強化において中心的な役割を果たすのは誰ですか。 | 中心的な役割を果たすのは消防団である。 |
JCRRAG_009871 | 法律 | 過失致死の「過失」とは
「過失」とは、注意義務に違反すること、つまり、不注意を意味します。したがって、不注意な行為によって、人を死亡させてしまった場合には、過失致死罪が成立することになります。
ところで、「過失」があるかどうかを判断するのは容易ではありません。刑法学者による旧過失論、新過失論、新新過失論(危惧感説)といった議論があるように、必ずしも何をもって過失とするか、学説上も定まってはいないのです。ただ、実務的には、次のような判断プロセスを経ます。
死の結果を認容していないこと(故意がないこと)
故意(殺意)があれば、過失致死ではなく、当然、殺人罪となります。そして、殺意の認定は微妙な判断となり、特に激情犯にあっては、殺すつもりはなかったとの殺意否認をするケースが多いです。
人の死の結果を表象し、これを認容した場合(死んでも構わない)に殺意が認定され、認容がない場合には「認識ある過失」として過失犯となる、という微妙な違いなのです。内心の問題だけに、捜査官の誘導により不正確な自白調書を作成されるリスクもあり、弁護士によるアドバイスが必要不可欠です。場合によっては、黙秘戦略をとることもあるでしょう。
客観的注意義務違反があること
この判断要素としては、①まず、予見可能性がなければなりません。例えば、自動車を運転していて、空から人が落ちてくるというのは予見できないでしょう。②予見可能性があるとして、次に、結果予見義務違反がなければなりません。もっとも、予見可能性があれば、即、結果予見義務があるとされます。予見可能性があるのに予見義務違反が認められない例は考えにくいです。
③次に、予見可能性があり、すなわち、結果予見義務違反もあるとき、それにも関わらず結果を回避しなかったという点に結果回避義務違反が認められます。例えば、道路脇でお年寄りが自転車をこいでいるとき、「倒れることがあるかもしれない」という予見可能性はあります。むしろそのように予見できるように注意しなければならないのです。つまり結果予見義務があるのです。
それにもかかわらず、注意散漫、あるいは、スマホを見るなどして注意を怠り、漫然進行し、倒れたお年寄りを轢いて死なせた場合には、結果予見回避義務違反が認められます。
結果回避義務違反の前提として、結果回避可能性も要求されます。「自転車のお年寄りが倒れるかもしれないと思い、減速して進行し、案の定、お年寄りが倒れたのでハンドルを切ろうとしたが、左には歩行者の列が、右には対向車のトラックが来て、ハンドルを切ることができず、急ブレーキをかけたが間に合わなかった」という場合には、結果回避可能性がないとして過失が否定される余地があります。 | もし信号機が故障により青から赤に切り替わらず、そのまま青信号に従って前進した結果事故が発生した場合、予見可能性があったとされますか。 | いいえ、信号機が故障している事は予見可能性があったとは言えません。 |
JCRRAG_009872 | 法律 | 「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(以下「フリーランス新法」という)」が令和6年11月1日より施行されました。フリーランスと取引がある事業者は、フリーランス新法が定めるルールを遵守しなければなりません。違反した場合には、事業者に罰則が課される場合があるので、適切な対応が求められます。フリーランス新法では、発注事業者の態様や委託期間に応じて、発注事業者に義務・禁止項目が課されます。
フリーランス新法と下請法は、いずれも弱い立場に置かれがちなフリーランスや下請事業者を保護するための法律です。報酬支払期限や禁止行為などに関する規定が設けられています。
一方、フリーランス新法と下請法とでは、発注者と受注者の資本金要件の有無が異なります。下請法は、発注者と受注者の資本金が一定額以上または一定額以下の場合に適用されますが、フリーランス新法は、資本金の制限がありません。
また、下請法と異なり、フリーランス新法にはフリーランスの就業環境に関する規定が盛り込まれています。
事業者は、フリーランス新法の内容に漏れなく対応する必要があります。特に、下請法の適用がなかった事業者は、対応すべき事項が多く発生するでしょう。フリーランスとの取引において、ルールの遵守を徹底してトラブルを未然に防ぐためにも、可能であれば弁護士に相談しながら社内体制を整備しましょう。 | フリーランス新法は、個人事業主との取引に適用されますか。 | フリーランス新法は、個人事業主との取引に適用されます。 |
JCRRAG_009873 | 法律 | 退学・停学などの懲戒処分の種類と定義
児童・生徒に何らかの問題行動があったと学校側が判断した場合、懲戒処分またはその他の処分を行うことがあります。処分の種類には、退学、停学、謹慎、出席停止命令などがあります。
「退学」とは、学校を辞めさせる懲戒処分のことで、「退学処分」と「自主退学勧告」の2種類に大別されます。なお、退学は公立の小学校・中学校および特別支援学校に在学する学齢児童・生徒に対しては行うことができません。(学校教育法施行規則 第26条)
「停学」とは、生徒に対して一定期間登校を禁止し、通常の授業への参加を停止させる処分です。「謹慎」とは、児童・生徒に対して、登校および通常の授業への参加を自粛させる処分です。退学相当には至らないものの、社会的に看過できない程度の問題行動をした生徒に対して、停学処分が行われることがあります。停学は学校教育法上の懲戒処分であるのに対して、謹慎は各学校が独自に設けている、教育指導の一環としての処分です。停学相当には至らない、比較的軽微な非行などに対して謹慎処分が行われることがあります。
停学は校長(大学の場合は学長の委任を受けた学部長)が行うものとされていますが(学校教育法施行規則第26条第2項)、謹慎は学校の規則などに従い、一般教諭でも行うことができる場合があります。停学処分は、小学生および中学生に対して行うことができませんが(同条第4項)、謹慎についてはこのような制限はありません。ただし、停学が禁止されている小学生・中学生については、その趣旨に鑑み、謹慎処分の運用についても慎重を期すことが求められます。 | 学校教育法により、公立の小学校・中学校で退学処分を行うことができないのはなぜですか。 | 学校教育法により、公立の小学校・中学校で退学処分を行うことができないのは、小学校と中学校は義務教育であるからです。 |
JCRRAG_009874 | 法律 | <学校給食法>
学校給食法は、昭和29年に制定され、学校給食の普及充実を図るために、学校給食の実施に関して必要な事項が定められた。平成20年には、大幅に改正され、食育の推進を図ることを目的に追加するとともに、学校給食を活用した食に関する指導の実施に関して必要な事項が定められた。
1.学校給食法の目的
・学校給食は、児童生徒の心身の健全な発達に資する。
・学校給食は、児童生徒が食に対する正しい理解と適切な判断力を養う上で重要な役割を果たす。
・そのため、学校給食及び学校給食を活用した食に関する指導の実施に関し必要な事項を定め、学校給食の普及充実と学校における食育の推進を図る。
2.学校給食の目標
学校給食を実施するにあたっては、次に掲げる目標が達成されるように努めなければならないとされている。
・適切な栄養の摂取による健康の保持推進を図ること。
・日常生活における食事について正しい理解を深め、健全な食生活を営むことができる判断力を培い及び望ましい食習慣を養うこと。
・学校生活を豊かにし、明るい社交性及び協同の精神を養うこと。
・食生活が自然の恩恵の上に成り立つものであることについての理解を深め、生命及び自然を尊重する精神並びに環境の保全に寄与する態度を養うこと。
・食生活が食にかかわる人々の様々な活動に支えられていることについての理解を探し、勤労を重んずる態度を養うこと。
・我が国や各地域の優れた伝統的な食文化についての理解を深めること。
・食料の生産、流通及び消費について、正しい理解に導くこと。
3. 学校給食の定義
学校給食の目標を達成するために、義務教育緒学校において、その児童又は生徒に対し実施される給食をいう。
4.義務教育諸学校の設立者の任務
義務教育諸学校の設置者は、当該義務教育諸学校において学校給食が実施されるように努めなければならないとされている。
5.国及び地方公共団体の任路
国及び地方公共団体は、学校給食の普及と健全な発達を図るように努めなければならないとされている。
6. 学校給食の区分
学校給食は、完全給食、補食給食、ミルク給食に区分されている。
・完全給食:給食内容がパン又は米飯(これらに準ずる小麦食品、米加工食品その他の食品を含む)、ミルク及びおかずである給食
・捕食給食:完全給食以外の給食で、給食内容がミルク及びおかず等である給食
・ミルク給食:給食内容がミルクのみである給食 | 昭和29年に制定された法律で、学校給食の全ての区分に含まれる食品は何ですか。 | 昭和29年に制定された法律で、学校給食の全ての区分に含まれる食品は、ミルクです。 |
JCRRAG_009875 | 法律 | 天皇の地位
憲法第2条 皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。
世襲とは、特定の地位や職業、財産等を、子孫が代々承継することです。つまり、皇位(天皇の地位)は、子孫に継承されます。 また、天皇の地位については、「皇室典範」に従って継承が行われます。具体的には、皇室典範の第1章の「皇位継承」で規定しています。その中の第1条に「皇統に属する男系の男子」が皇位を継承するものと定めているため、女性天皇の是非についてが問題になっています。
天皇の国事行為
憲法第3条 天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負う。 憲法第4条 天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。
天皇の国事行為とは、天皇が行うものとして日本国憲法に規定された行為のことです。 日本国憲法第1条に基づき天皇の地位が象徴とされたことから、天皇が行う行為について、天皇が責任を負うのではなく、内閣が責任を負うものとし、そのために天皇の国事行為が内閣の助言と承認に基づいてなされるべきものであることを明らかにしています(3条)。 また、天皇は、象徴にすぎないので、国政について、何かしら決定することは行いません(4条)。行うことは、形式的・儀礼的行為です。つまり、天皇は、形だけの、儀式的な行為を行うということです。これは下記国事行為の内容を見ると分かります。 例えば、1番の「天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する」天皇は、内閣総理大臣を任命するのですが、実際には、国会で決まった者を、任命するだけなので、天皇が総理大臣を決めているわけではありません。あくまでも形式的儀礼的に任命行為を行っているだけです。 憲法で規定された天皇の国事行為は、下記の通り12あります。
国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命すること。(6条1項)
内閣の指名に基づいて,最高裁判所の長たる裁判官を任命すること。(6条2項)
憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。(7条1号) ※憲法改正を公布することも含む(96条2項) ※予算、条例の公布は含まない
国会を召集すること。 (7条2号) ※参議院の緊急集会は含まない
衆議院を解散すること。 (7条3号) ※内閣が衆議院の解散を決定する
国会議員の総選挙の施行を公示すること。 (7条4号) ※補欠選挙は含まれない
国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること(7条5号)
大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。(7条6号) ※決定は内閣が行う
栄典を授与すること。(7条7号)
批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。(7条8号)
外国の大使及び公使を接受すること。(7条9号)
儀式を行ふこと。 (7条10号) | ウィリアム王子は憲法第2条の皇位継承に該当しますか。 | 該当しません。 |
JCRRAG_009876 | 法律 | 0. 白ナンバー車も検知器によるアルコールチェックが義務に
2023年12月より、一定台数以上のいわゆる「白ナンバー車」を使用する企業
に対し、アルコール検知器を用いた飲酒運転のチェックが義務化されます。
目視によるチェックや、チェック記録の作成と1年間の保存はすでに義務付け
られていますが、検知器を使ってより厳しく確認しなければなりません。
従業員が飲酒運転による交通事故を起こしてしまう事態を回避するためにも、
検知器を使ったアルコールチェックの適切な実施が重要です。
今回のコラムでは、検知器によるアルコールチェック義務化のポイントを、企
業法務や労働問題、交通事故などの分野に詳しい弁護士が解説します。
1. アルコールチェック義務化の背景
これまで、トラックやバス、タクシーなど、いわゆる「緑ナンバー車」を使用
する企業に対しては、アルコールチェックが義務化されていました。
しかし、2021年に千葉県八街市で飲酒運転のトラックに児童がはねられ、5人が
死傷するという痛ましい事故が発生しました。
事故を起こしたトラックは緑ナンバー車ではなく、まだアルコールチェックが
義務付けられていなかった白ナンバー車でした。
この事故により道路交通法施行規則が改正され、一定台数以上の白ナンバー車
を使用する企業もアルコールチェックが義務化されることになったのです。
2. そもそも白ナンバー車とは
「白ナンバー車」とは自家用車など、白地に緑文字のナンバープレートを付け
た一般的な車両のことです。従業員が営業先を訪問したり、自社商品を取引先
へ運んだりするなど、自社の社員や荷物を無償で運ぶような企業も、白ナンバ
ー車を使用します。
運賃を受け取って人や荷物を運ぶ事業用の自動車は、緑地に白文字のナンバー
プレートを付け、いわゆる「緑ナンバー車」と呼ばれます。
3. アルコールチェックが義務付けられる対象
アルコールチェックが義務付けられるのは、「安全運転管理者」を設置しなけ
ればならない企業です。具体的には、次のいずれかの企業が該当します。
定員11人以上の白ナンバー車を1台以上使用する
定員10人以下の白ナンバー車を5代以上使用する
該当する自動車は、車種や車両の用途は問わず、軽自動車(黄色ナンバー)も
含まれます。原動機付自転車を除く自動二輪車も含まれ、1台を0.5台として計
算します。
4. 義務化されるアルコールチェックの業務
企業の安全運転管理者に対し、次の2点を行うことが2022年4月からすでに義務
化されています。
・運転手に酒気帯びがないか運転前後に目視で確認する
・酒気帯びの確認結果を記録して1年間保存する
そして、2023年12月から検知器によるアルコールチェックを含む次の業務が、
新たに義務付けられます。
・検知器を用いたアルコールチェックを行う
・検知器を常時有効に保持する
なお、検知器によるアルコールチェックは、2022年10月から義務化される予定
でした。しかし、検知器の供給が追い付かなかったため、2023年12月に延期さ
れました。
| 乗車前にビールを飲んだ運転手は、アルコールチェックに引っ掛かりますか。 | 乗車前にビールを飲んだ運転手は、アルコールチェックに引っ掛かります。ビールにはアルコールが含まれているので、アルコール検知器で検知されます。 |
JCRRAG_009877 | 法律 | 知的財産権について
人間の幅広い知的創造活動の成果について、その創作者に一定期間の権利保護を与えるようにしたのが知的財産権制度です。知的財産権は、様々な法律で保護されています。
(1)知的財産権とは
知的財産権制度とは、知的創造活動によって生み出されたものを、創作した人の財産として保護するための制度です。「知的財産」及び「知的財産権」は、知的財産基本法において次のとおり定義されています。
第2条 この法律で「知的財産」とは、発明、考案、植物の新品種、意匠、著作物その他の人間の創造的活動により生み出されるもの(発見又は解明がされた自然の法則又は現象であって、産業上の利用可能性があるものを含む。)、商標、商号その他事業活動に用いられる商品又は役務を表示するもの及び営業秘密その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報をいう。
2 この法律で「知的財産権」とは、特許権、実用新案権、育成者権、意匠権、著作権、商標権その他の知的財産に関して法令により定められた権利又は法律上保護される利益に係る権利をいう。
知的財産の特徴の一つとして、「もの」とは異なり「財産的価値を有する情報」であることが挙げられます。情報は、容易に模倣されるという特質をもっており、しかも利用されることにより消費されるということがないため、多くの者が同時に利用することができます。こうしたことから知的財産権制度は、創作者の権利を保護するため、元来自由利用できる情報を、社会が必要とする限度で自由を制限する制度ということができます。
近年、政府では「知的財産立国」の実現を目指し、様々な施策が進められています。また、産業界や大学等の動向についてみると、産学官連携の推進、企業における知的財産戦略意識の変化、地方公共団体における知的財産戦略の策定等、知的財産を取り巻く環境は大きく変化しています。今後、知的財産権制度の活用については、我が国経済の活性化だけではなく、企業や大学・研究機関においても重要な位置を占めることになっています。
(2)知的財産権の種類
知的財産権には、特許権や著作権などの創作意欲の促進を目的とした「知的創造物についての権利」と、商標権や商号などの使用者の信用維持を目的とした「営業上の標識についての権利」に大別されます。
また、特許権、実用新案権、意匠権、商標権及び育成者権については、客観的内容を同じくするものに対して排他的に支配できる「絶対的独占権」といわれています。一方、著作権、回路配置利用権、商号及び不正競争法上の利益については、他人が独自に創作したものには及ばない「相対的独占権」といわれています。 | 知的財産とそれ以外の通常の財産の大きな違いは何ですか。 | 知的財産は「情報」であり、「もの」としての形を持たないことが通常の財産と大きく違います。 |
JCRRAG_009878 | 法律 | 日本の民法では、遺産の相続の仕方として、遺言相続と法定相続の2つが規定されています。
遺言相続とは、遺言内容に基づいて遺産の承継が行われる相続のこと、を言い、法定相続とは、民法に定められた相続割合に従って相続すること、を言います。
遺言とは、遺言者による、自己の財産等についての最終の意思表示のことであり、相続においては、遺言者の遺志が優先されます。
そのため、遺言がある場合は、遺言相続が法定相続に優先しますので、遺言内容に基づいて相続分が指定され、あるいは遺産の承継が行われることになります。
これに対し、遺言が存在しない場合には、民法に定められた相続割合で相続人が暫定的に遺産を共有することになります。その後、遺産共有状態を解消するために遺産分割協議が行われ、協議が成立すると、遺産の承継が確定します。
遺言によりすべての遺産の帰属先を指定した場合、例えば、被相続人が父、相続人が子ABのケースで、遺産のすべてを特定の相続人Aに「相続させる」との遺言をした場合、相続が開始して遺言の効力が発生すると、遺産分割の余地なくAに遺産が承継されることになります。
もっとも、遺留分を侵害された相続人Bは遺留分侵害額請求を行うことが可能です。そのため、遺言を作成し、承継先を指定しただけでは、まだ紛争が起こる可能性があります。
そこで、Bの遺留分にも配慮し、遺言の内容として、Aに4分の3程度となる遺産を、Bに4分の1程度となる遺産をそれぞれ相続させるとの内容にしておくと、遺言の効力発生により、遺産の帰属も確定し、さらに、Bの遺留分が侵害されない結果、理論上は遺産をめぐる紛争が起きないことになります。
しかし実際は、遺言で指定された遺産の評価をめぐって、なお遺留分が侵害されている、という形で争われる場合もありますし、後述のとおり、遺言の有効性として紛争化することもあります。
それでも、そのような紛争を起こすこと自体、時間的・経済的・精神的なコストが生じることになるため、紛争化により得られる利益と比べた結果、先程述べたような遺留分を侵害しないと思われる絶妙な遺言が作成されているケースでは、紛争化しないケースが多いのではないでしょうか。
そのため、内容面にも配慮した遺言を作成することで、多くの相続紛争を回避できることになるでしょう。
なお、実務上は、遺言がある場合でも、相続人全員の合意により、遺言とは異なる内容で遺産分割を行うことができるとされています。 | 遺言の効力が発生した段階で、被相続人は生きていますか、亡くなっていますか。 | 遺言の効力が発生した段階で、被相続人は亡くなっています。 |
JCRRAG_009879 | 法律 | 一般に「お札」と呼ばれているものは、正式には日本銀行券(日本銀行法(平成9年法律第89号。以下「新日本銀行法」という。)第46条第1項の規定により日本銀行が発行する銀行券をいう。)といい、貨幣(一般に「硬貨」と呼ばれているもの)及び日本銀行券が通貨として認められています(通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律(昭和62年法律第42号。以下「通貨法」という。)第2条第3項)。また、昭和17年に日本銀行法が制定される以前に日本銀行が発行した兌換銀行券や平成9年に全部改正される前の日本銀行法(昭和17年法律第67号。以下「旧日本銀行法」という。)に基づいて発行された銀行券についても日本銀行の発行した銀行券とみなすこととされています(旧日本銀行法附則第63条及び新日本銀行法附則第16条)。
よって、過去に日本銀行から発行された銀行券は、1円未満の銀行券など法令により通用を禁止されたものを除き、今後も通貨として使用し続けることができることになります(現在通貨として使用できる日本銀行券については、日本銀行のホームページをご参照下さい。)。ちなみに、現在使用できる一番古い銀行券は、明治18年に発行された1円札(旧壱圓券)ですが、実際の支払の際にこの1円札を使用しても、お店の人が戸惑ってしまうかもしれません。
| 実際に明治18年発行の1円札を使おうとすると、お店側が戸惑うというのはなぜでしょうか。 | 実際に明治18年発行の1円札を使おうとすると、お店側が戸惑う理由は、お店の人が明治時代の紙幣を見たことがなく、本物かどうか判断をつけることができないからです。 |
JCRRAG_009880 | 法律 | 契約とは
契約とは、簡単に言うと、「法的な効果が生じる約束」です。
契約は、「当事者同士の意思表示が合致することで成立」します(民法522条1項)。
契約によって生じる法的な責任とは、権利と義務の発生です。契約を締結すると、契約当事者は契約に拘束されることになります。つまり、契約当事者は契約の内容である約束を守らなければなりません。
相手方が約束を守らなかった場合は、契約違反(債務不履行)として、履行を請求したり、損害賠償の請求をしたり、契約の解除をしたりすることができます(民法414条、415条、541条、542条)。
また、相手方が契約によって生じる義務を履行しない場合は、訴訟を提起して判決を得て、強制執行をすることも考えられます(民法414条1項)。
契約自由の原則
民法上、「誰と」、「どのような内容で」、「どのような形(方式)で」契約を締結するか、また、「そもそも契約を締結する否か」については、契約当事者の自由とされています。
これを「契約自由の原則」と呼びます。
契約自由の原則は、以下の4つの要素から構成されます。
■締結の自由
「契約を締結するか否か」について、契約当事者が自由に判断できます(民法521条1項)。
■相手方選択の自由
「誰と」契約を締結するかについて、契約当事者が自由に判断できます。
■内容決定の自由
「どのような内容で」契約を締結するかについて、契約当事者が自由に判断できます(民法521条2項)。
ただし、法令に違反する契約は無効となることがあります(民法521条2項)。
また、公序良俗に反するような契約の条項は無効となることがあります(民法90条)。
■方式の自由
「どのような形(方式)で」契約を締結するかについて、契約当事者が自由に判断できます。
契約を締結する場合には、法令に定めのある場合を除き、特定の方式は必要とされていません(民法522条2項)。
そこで、法令で書面によることが必要と定められている場合を除き、口頭の合意契約は成立します。
契約の成立
契約は、一方が契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示(「申込み」)を行い、それに対して相手方が承諾をしたときに成立します(民法522条1項)。
「契約自由の原則」のうち「方式の自由」(民法522条2項)からすると、原則として、この申込者と承諾する者の意思表示について、口頭で行ったとしても、契約は成立します。
契約の有効要件
契約が成立したとしても、契約の有効要件を満たしていない場合、当該契約は無効となり、法的な拘束力を持ちません。
民法で定められている契約の種類
契約には、典型契約(有名契約)と非典型契約(無名契約)があります。
典型契約は、民法に規定が存在する13種類の契約であり、非典型契約は、民法に規定が存在しない契約のことをいいます。
典型契約
✅贈与
✅売買
✅交換
✅消費貸借
✅使用貸借
✅賃貸借
✅雇用
✅請負
✅委任
✅寄託
✅組合
✅終身定期金
✅和解
なお、非典型契約は民法に明文の規定はありませんが、民法の規定の契約に関する一般的な規定は適用されます。
また、有償契約(契約当事者がお互いに対価として経済的な負担をする義務を負う契約)については、原則として、売買の規定が準用されます(民法559条)。
その他、契約の種類として、双務契約と片務契約、有償契約と無償契約、諾成契約と要物契約といった分類があります。
双務契約:契約当事者双方が、相手方に対して債務(義務)を負う契約(売買契約、請負契約など)
片務契約:一方の契約当事者のみが債務(義務)を負う契約(贈与契約など)
有償契約:契約当事者がお互いに対価として経済的な負担をする義務を負う契約(売買契約など)
無償契約:契約当事者がお互いに対価として経済的な負担をする義務を負わない契約(贈与契約、無利息の消費貸借契約など)
諾成契約:契約当事者双方の意思表示のみで成立する契約(売買契約、賃貸借契約など)
要物契約:契約が成立するために物の引渡しが必要となる契約(消費貸借契約など)
契約書を締結する意味とは
口頭で契約が成立するのであれば、なぜ「契約書」を作る必要があるのでしょうか?
契約書を作成する目的は、主に2つと考えられています。
契約書を作成する目的
①契約当事者が、契約内容についてお互いにはっきりと確認するため
②締結した契約について、後でトラブルにならないよう証拠として残しておくため
(後でトラブルになった際、その契約内容を確認できるようにしておくため)
契約書の主な記載事項
契約書に記載する事項は、契約類型や個々の契約を締結する背景事情に応じて様々ですが、一般的には以下のような事項を記載します。
契約の締結日
当事者名
契約の目的
目的物
代金
代金の支払い方法
目的物の納期・納品方法
秘密保持(当事者が開示する情報などについて秘密保持義務を定める)
契約の解除・解約
地位の譲渡禁止(契約上の地位、契約から生じる権利・義務の譲渡禁止を定める)
損害賠償
契約期間
反社会的勢力の排除
存続条項(契約終了後も、効力を継続させる条項を定める)
準拠法(契約についてどこの国の法律が適用されるか)
合意管轄(契約に関して紛争が起こった場合に、どこの裁判所に訴訟を提起できるか)
契約書の種類
契約、すなわち当事者間による意思表示の合致が示されている書面であれば、契約書ということができます。
したがって、表題に「契約書」とついていなくても、厳密にいうと契約書に分類されるものもあります。
具体的には、以下のような表題の書面は契約書に分類できることが多いです。
契約書
覚書
合意書
注文書&注文請書
利用規約
また、以下のような表題の書面は、一般的に契約書に分類されません。
見積書
請求書
提案書
仕様書
契約締結日とは
契約書には、必ず契約締結日を明記すべきです。ただし、契約締結日と効力発生日がずれる場合には、条文の記載の仕方を工夫する必要があります。
契約書の作成日・締結日・効力発生日の違い
契約書に当事者が署名・押印・サイン等(電子契約の場合は電子署名)を行う日は、契約書の「作成日」または「締結日」と呼ばれます。作成日または締結日において、契約書に記載された内容の合意が成立したものと取り扱われます。
なお、法的な意味での「作成」とは、法的に有効な契約書の原本を作成することを意味します。契約書の条文を作成したり、調印用の契約用紙を印刷したりすることを「作成」と呼ぶこともありますが、法的な「作成」(または「締結」)とは異なる点に注意が必要です。
契約締結日(作成日)とは区別して理解すべきなのが、契約の「効力発生日」です。
当事者間の合意自体は契約締結日に成立しますが、契約書の規定に法的効力を生じさせ、当事者がその内容に基づいて権利義務を負うのは効力発生日以降となります。
契約締結日と効力発生日は、同日とする場合・別日とする場合のいずれもあり得ますので、両者の関係性を明確化することが大切です。
契約締結日と効力発生日を同じにする場合の契約書記載例
契約締結日と効力発生日の関係については、契約の有効期間を定める条項において明記するのが一般的です。
契約締結日と効力発生日が同日の場合は、有効期間の始期(初日)を契約締結日として記載します。
契約締結日と効力発生日を同日とする場合の記載例
「本契約は、契約締結日から効力を生じるものとする。」
「本契約の有効期間は、契約締結日から1年間とする。」
「本契約の有効期間は、契約締結日から〇年〇月〇日までとする。」
「本契約の有効期間は、△年△月△日(=契約締結日)から〇年〇月〇日までとする。」
大部分の契約書では、契約締結日と効力発生日が同日とされています。両者の間にタイムラグが生じないため、法律関係が明確になるからです。
実際に契約書を締結する際にも、契約締結日と効力発生日を別日とすべき特段の事情がない場合には、同日とすることが望ましいでしょう。
契約締結日を効力発生日よりも前にする場合の契約書記載例
契約締結日が先、効力発生日が後の日付とする場合は、有効期間の始期(初日)として、契約締結日ではなく効力発生日を明記します。
契約締結日→効力発生日の順とする場合の記載例
「本契約は、△年△月△日(=契約締結日より後の日、以下同じ)から効力を生じるものとする。」
「本契約の有効期間は、△年△月△日から1年間とする。」
「本契約の有効期間は、△年△月△日から〇年〇月〇日までとする。」
契約締結日が先、効力発生日が後の場合、「契約締結後・効力発生前」の期間の取り扱いが問題となります。取引の内容によっては、例外的に当事者の遵守事項などを定め、その規定に限って効力発生日の前に発効させるケースもあります。
「契約締結後・効力発生前」の期間に適用されるルールについては、契約交渉の段階でよく検討しておかないと、不明確になってしまうことが多いので注意が必要です。
契約締結日を効力発生日よりも後にする場合の契約書記載例
効力発生日が先、契約締結日が後の日付とするのは、すでに始まってしまった取引について、後から契約書を締結する場合などです。契約内容は取引開始前に明確化することが望ましいため、本来であればこのような形は避けるべきですが、実務上やむを得ないこともあります。
効力発生日が先、契約締結日が後の日付とする場合は、有効期間の始期(初日)として、実際の取引が開始した日などを記載することになります。その際、契約締結日にかかわらず、効力発生日に遡って契約の効力が発生することを明記しましょう。
効力発生日→契約締結日の順とする場合の記載例
「本契約は、△年△月△日(=契約締結日より前の日、以下同じ)に遡って効力を生じるものとする。」
「本契約の有効期間は、契約締結日にかかわらず、△年△月△日から1年間とする。」
「本契約の有効期間は、契約締結日にかかわらず、△年△月△日から〇年〇月〇日までとする。」
なお、すでに始まった取引に関する契約について、契約締結日と効力発生日を一致させるために、契約締結日を意図的に遡らせるケースが実務上しばしば見られます。これは「バックデート(back date)」と呼ばれるものですが、契約締結の経緯について事実に反する記載であり、後から検証することが困難になってしまいます。
そのため基本的には、バックデートによる契約締結日の設定は避けるべきです。
未成年者契約の取消しとは
未成年者が契約を締結する際には、法定代理人(原則として親)の同意を得なければなりません(民法5条1項本文)。法定代理人の同意を得ずに、未成年者が単独で締結した契約は、後に未成年者本人又は法定代理人が取り消すことができます(同条2項)。
ただし、法定代理人の同意を得ずに、未成年者が単独で締結した契約であっても、以下の場合は例外的に、未成年者が締結した契約を取り消すことは認められません。
未成年者が締結した契約の取消しが認められない場合
✅未成年者が単に権利を得る、又は義務を免れる場合(民法5条1項ただし書)
(例)贈与契約、債務免除契約など
✅法定代理人が目的を定めて処分を許した財産を、未成年者が当該目的の範囲内で処分する場合(民法5条3項)
(例)お菓子を買うために親から渡されたお小遣いの範囲内でお菓子を買う場合など
✅法定代理人から営業を許された未成年者が、営業に関して契約を締結する場合(民法6条1項)
(例)親から店を経営することを許された未成年者が、その店の客に対して商品を販売する場合など | 未成年者が契約を締結する際には、誰の同意を得なければいけませんか。 | 未成年者が契約を締結する際には、法定代理人(原則として親)の同意を得なければいけませんか。 |
JCRRAG_009881 | 法律 | 住民訴訟は、住民監査請求をしたにも関わらず、①その監査結果に不服あるときや、②監査委員が勧告したが、議会や長等がその勧告に従わない場合に、裁判所に訴えを提起するものです。
この訴えは、「自己の法律上の利益に関わらないことで訴えを提起する」ことから客観訴訟(民衆訴訟)に当たります。
例えば、地方公共団体の長が、違法に公金を使っていて、裁判の結果、認容判決(勝訴)を得たとしても、住民訴訟をする住民自身の法律上の利益は何もありません。
そのため主観訴訟(抗告訴訟等)ではないことが分かります。
住民訴訟の対象
住民訴訟は、「訴訟」なので、法律に違反したこと(違法なこと)しか対象になりません。
そのため、住民監査請求の対象となり、かつ違法であることが要件となるため、地方公共団体の執行機関における財務会計上の違法な行為または怠る事実があるときに住民訴訟を提起できます。
住民訴訟の出訴権者
住民訴訟を提起できるのは、住民監査請求をした住民に限られます。
したがって、その住民であることが要件ですし、また、事前に住民監査請求を行っている必要があります(住民監査請求前置主義)。
住民訴訟の出訴先
住民訴訟は、当該普通地方公共団体の事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属します。つまり、地方裁判所に訴訟提起します。
そして、ある事件で、住民訴訟が係属している場合、別訴をもって、同一の請求をすることはできません(別訴禁止)。分かりやすく言うと、ある事件で住民訴訟手続きが進んでいる場合、同じ事件について、同じ請求(訴訟)を重ねて行うことはできないということです。
住民訴訟の出訴期間
住民訴訟は、下記期間内に提起しなければなりません。
監査委員の監査の結果又は勧告に不服がある場合は、当該監査の結果又は当該勧告の内容の通知があった日から30日以内
監査委員の勧告を受けた議会、長その他の執行機関又は職員の措置に不服がある場合は、当該措置に係る監査委員の通知があった日から30日以内
監査委員が請求をした日から60日を経過しても監査又は勧告を行なわない場合は、当該60日を経過した日から30日以内
監査委員の勧告を受けた議会、長その他の執行機関又は職員が措置を講じない場合は、当該勧告に示された期間を経過した日から30日以内 | 信頼する他市に住む友人が代理で住民訴訟を頼むことはできますか。 | 信頼する他市に住む友人が代理で住民訴訟を頼むことはできません。 |
JCRRAG_009882 | 法律 | 地方自治体の一番分かりやすい具体例が都道府県や市町村です。しかし、行政書士で勉強する地方自治体は、もっと深い部分まで勉強していきます。まず、地方自治とは、地方の住民が、その地域を自主的に運営していくことを言います。そして、地方自治体は、国とは別の固有の法人格を持ち、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を持っています。
固有の法人格を持つため、例えば、地方自治体(例えば、都道府県や市町村)が、不動産の所有権を持ったり、裁判で、原告や被告となることができます。
地方公共団体の種類
普通地方公共団体は、都道府県と市町村の2つに分けることができるのですが、市町村の中の「市」には「政令で指定された都市(政令指定都市)」と「中核市」の2つと、それ以外の小さい市があります。行政書士の試験で出題されるのは、政令指定都市と中核市の違いなので、この辺りを勉強しておきます。
政令指定都市
政令指定都市とは、政令で指定する人口50万人以上の市で、都道府県に近い権限が与えられます。政令指定都市の具体例として、札幌市、仙台市、さいたま市、千葉市、横浜市、静岡市、名古屋市、京都市、大阪市、神戸市、岡山市、広島市、福岡市、熊本市等があります。
政令指定都市は、市長の権限に属する事務を分掌させる(分ける)ため、条例で、その区域を分けて、区(行政区)を設ける義務があります。例えば、横浜市は、政令指定都市なので、西区、中区、南区といった感じで分けられています。そして、上記区にその事務所の長として区長を置く義務があります。
注意が必要なのは、この区は、東京都23区のような特別区とは違います。実際、横浜市西区と東京都中央区は、文字だけ見ると似ていますが、前者は特別区ではなく(法人格がない)、後者は特別区(法人格がある)です。
さらに、指定都市は、その行政の円滑な運営を確保するため必要があると認めるときは、市長の権限に属する事務のうち特定の区の区域内に関するものを総合区長に執行させるため、条例で、当該区に代えて総合区を設け、総合区の事務所又は必要があると認めるときはその出張所を置くことができる。 | 札幌市の人口は多いですか。 | 札幌市の人口は多いです。 |
JCRRAG_009883 | 法律 | 所得税
所得税の確定申告は、毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得の金額とそれに対する所得税等の額を計算して確定させる手続です。
源泉徴収された税金や予定納税額などがある場合には、この確定申告によってその過不足を精算します。
確定申告をする必要がある方
その年分の所得金額の合計額が所得控除の合計額を超える場合で、その超える額に対する税額が、配当控除額と年末調整の際に控除を受けた住宅借入金等特別控除額の合計額を超える人は、確定申告をする必要があります(控除しきれなかった外国税額控除の額、源泉徴収税額または予定納税の額がある場合を除きます。なお、この取扱いは確定申告書の提出期限が令和4年1月1日以後となる確定申告書について適用され、当該提出期限が同日前となる場合にはこれらの控除しきれなかった額があったとしても確定申告をしなければならないこととなります。)
確定申告をする必要がない方
給与の収入金額が2,000万円以下、かつ、給与を1か所から受けていて、その給与の全部について源泉徴収される人で給与所得および退職所得以外の所得金額が20万円以下である人等、一定の場合には確定申告をしなくてもよいことになっています。
また、国内において公的年金等の支払を受けている人については、次のいずれにも該当する場合、確定申告をする必要はありません。
1.その年中の公的年金等の収入金額が400万円以下である。
2.その公的年金等の全部が源泉徴収の対象となっている。
3.その年分の公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下である。
※公的年金等の受給者の扶養親族等申告書の提出先であって、その年中の年金の額が一定の金額に満たないため源泉徴収を要しないこととされているものは、ここにいう「源泉徴収の対象」に含まれます。 | 会社員が副業をし、その副業での年間所得が20万以上の場合は確定申告の対象でしょうか。 | 本業の所得が源泉徴収される方は、副業の所得が20万以上になった場合は確定申告をしなければなりません。 |
JCRRAG_009884 | 法律 | 世界には「離婚」という概念すらない国があります。カトリック教徒が大半を占めるフィリピンもそのうちのひとつです。カトリックの教えでは、離婚が認められていないため、フィリピンでは離婚という制度自体が作られなかったと考えられています。
では、フィリピン人と結婚している日本人は一生離婚できないのでしょうか。
フィリピン人の配偶者を持つ日本在住の日本人の場合は、日本国内で離婚届を出すことで、「日本での離婚」が成立します。一方、フィリピン人配偶者の側は、フィリピン法に基づき、フィリピン国内では婚姻関係が続いているという状況になります。
厳密には、フィリピン人配偶者はフィリピン法の下で再婚の資格を有する状態になります。ただし、フィリピン法で再婚をする前に、フィリピンの裁判所にて外国で成立した離婚の承認を得る必要があります。
フィリピン人配偶者が「日本人の配偶者等」のビザ(在留資格)を取得していた場合、日本人と離婚するとビザは失効してしまうため、フィリピン人配偶者は次のうちいずれかの方法をとることになります。
・フィリピンへ帰国する
・在留資格の期限が有効なうちに日本人あるいは永住者と結婚し、在留資格(「日本人の配偶者等」や「永住者の配偶者等」)の更新申請をする
・出入国在留管理庁へ長年生活をしてきた事実を認めてもらい、「定住者」ビザへ変更申請する
また、フィリピン人配偶者はフィリピン国内でも離婚のための手続きが必要です。
日本人は日本の役所へ離婚届を出した後、フィリピン国内では離婚に関する諸手続きを行う必要はありません。
一方、フィリピン人配偶者は、日本で離婚届を出しても、フィリピン国内では「まだ婚姻関係が続いている」と見なされます。フィリピン人配偶者は、日本で成立した離婚を、母国でも承認してもらわなければなりません。
この手続きは「リコグニッション(Recognition)」と呼ばれ、裁判所で行います。リコグニッションを経なかった場合、再婚する際に重婚となり、法律を犯してしまうことになります。このため、「日本での離婚が正式に成立した」ことをフィリピン国内でも認めてもらうことが必要です。 | カトリック教徒は、何という宗教を信仰していますか。 | カトリック教徒は、キリスト教を信仰しています。 |
JCRRAG_009885 | 法律 | 海外の方が日本で生活を営むには、在留資格が必要です。在留資格には期間のない「永住」と、期間のあるものとがあり、後者による場合は期間を過ぎることで不法残留状態となってしまいます。
オーバーステイとは、不法滞在の種類のひとつです。元々は適正な方法で日本に滞在していた外国人が、在留資格切れにより不法な滞在となってしまった状態を指します。在留資格切れとなったケースを「不法残留」と呼びます。これに対し、入国当初から在留資格をもたずに不法に入国した外国人が日本国内で暮らすのは、「不法在留」です。
オーバーステイは「出入国管理および難民認定法」により以下の罰則が定められています。
第七十条 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは禁錮若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はその懲役若しくは禁錮及び罰金を併科する。
なお、刑罰さえ受ければ引き続き日本国内への在留が許される、という訳ではありません。刑罰を科された上で、退去強制処分を受けます。初めて退去強制処分がなされた場合、五年間は日本への入国ができなくなります。ただし、不法残留者の場合、当初の滞在が不法ではないことを踏まえ、出国命令制度という制度で処分を受けます。 | 元々は適正な方法で日本に滞在していた外国人が、在留資格切れにより不法な滞在となってしまったとき、どのような処分になりますか。 | 出国命令制度という制度で処分を受けます。 |
JCRRAG_009886 | 法律 | 労働法の役割とは
なぜ労働法というものが必要なのでしょうか。みなさんがアルバイトをしようとする場合や会社に就職しようとする場合、みなさん(働く人、労働者、従業員)と会社(雇う人、使用者、企業、事
業主)との間で、「働きます」「雇います」という約束=労働契約が結ばれます。どういう条件で働くか等の契約内容も労働者と会社の合意で決めるのが基本です。 だからといって、この契約を「全く自由に結んでよい」としてしまったらどうなるでしょうか。
労働者はどこかに雇ってもらって給料をもらわなければ、生計を立てていくことができません。したがって、雇ってもらうために、給料や働く時間に不満があっても、会社の提示した条件どおりに契約を結ばなければいけないかもしれません。また、「もっと高い給料で働きたい」と会社と交渉しようとしても、「ほかにも働きたい人はいるから、嫌なら働かなくていい」と言われてしまい、結局会社の一方的な条件に従わなければいけないかもしれません。
このように、労働契約の内容を全くの自由にしてしまうと、会社よりも弱い立場にあることが多い労働者にとって、低賃金や長時間労働など劣悪な労働条件のついた、不利な契約内容となってしまうかもしれません。そうしたことにならないよう、一定のルールをもうけて労働者を保護するために労働法は定められています。労働法について知識をつけておくことが、みなさん自身の権利を守ることにつながります。
労働法の保護を受ける「労働者」には、雇われて働いている人はみな含まれます。そのため、どのような働き方をするかによって、具体的な適用の内容は変わるものの、正社員だけでなく、派遣社員(派遣会社と労働契約を結んだ上で、別の会社に派遣され、その指揮命令下で働く労働者)、契約社員(事業主と期間の定めのある労働契約を締結している労働者)、パートタイム労働者(1週間の所定労働時間が、同一の事業主に雇用される通常の労働者(いわゆる「正社員」)と比べて短い労働者)やアルバイトでも、「労働者」として労働法の適用を受けます。 | 労働法で労働契約の内容に一定のルールをもうけているのは、どのような契約内容になることを避けるためですか。 | 労働法で労働契約の内容に一定のルールをもうけているのは、低賃金や長時間労働など劣悪な労働条件のついた、労働者にとって不利な契約内容になることを避けるためです。 |
JCRRAG_009887 | 法律 | 特定商取引法は、事業者による違法・悪質な勧誘行為等を防止し、消費者の利益を守ることを目的とする法律です。 具体的には、訪問販売や通信販売等の消費者トラブルを生じやすい取引類型を対象に、事業者が守るべきルールと、クーリング・オフ等の消費者を守るルール等を定めています。
(1) 行政規制
特定商取引法では、事業者に対して、消費者への適正な情報提供等の観点から、各取引類型の特性に応じて、以下のような規制を行っています。特定商取引法の違反行為は、業務改善の指示や業務停止命令・業務禁止命令の行政処分の対象となるほか、一部は罰則の対象にもなります。
・氏名等の明示の義務付け
特定商取引法は、事業者に対して、勧誘開始前に事業者名や勧誘目的であることなどを消費者に告げるように義務付けています。
・不当な勧誘行為の禁止
特定商取引法は、価格・支払条件等についての不実告知(虚偽の説明)又は故意に告知しないことを禁止したり、消費者を威迫して困惑させたりする勧誘行為を禁止しています。
・広告規制
特定商取引法は、事業者が広告をする際には、重要事項を表示することを義務付け、また、虚偽・誇大な広告を禁止しています。
・書面交付義務
特定商取引法は、契約締結時等に、重要事項を記載した書面を交付することを事業者に義務付けています。
(2) 民事ルール
特定商取引法は、消費者と事業者との間のトラブルを防止し、その救済を容易にするなどの機能を強化するため、消費者による契約の解除(クーリング・オフ)、取消しなどを認め、また、事業者による法外な損害賠償請求を制限するなどのルールを定めています。
・クーリング・オフ
特定商取引法は、「クーリング・オフ」を認めています。クーリング・オフとは、契約の申込み又は締結の後に、法律で決められた書面を受け取ってから一定の期間内に、無条件で解約することです。
※訪問販売・電話勧誘販売・特定継続的役務提供・訪問購入においては8日以内、連鎖販売取引・業務提供誘引販売取引においては20日以内。通信販売には、クーリング・オフに関する規定はありません。
・意思表示の取消し
特定商取引法は、事業者が不実告知や故意の不告知等を行った結果、消費者が誤認し、契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときには、消費者が、その意思表示を取り消すことができる旨を規定しています。
・損害賠償等の額の制限
特定商取引法は、消費者が中途解約する際等、事業者が請求できる損害賠償額に上限を設定しています。 | インターネット通販で商品を購入した際クーリングオフは適用になりますか。 | インターネット通販では、クーリングオフの規定がないためクーリングオフは対象外です。 |
JCRRAG_009888 | 法律 | 「文化財保護法」とは、日本の歴史や芸術、学術などにわたる多様な文化財を公的に守り、次世代へ継承するための法律である。太平洋戦争後、急速な復興や高度経済成長の過程で、建造物や美術品をはじめとする貴重な文化的遺産が破壊や散逸の危機に直面したことを受け、国や地方自治体が一体となって文化財の保護と活用に取り組む必要性が高まった経緯がある。この法制度は、文化財の指定や登録、修理や保存活用などに関わる基準や手続きを体系化し、文化の価値を尊重しながら社会全体でその保全に努める枠組みを提供している。
対象となる文化財
「文化財保護法」における文化財とは、伝統的建造物群や史跡、天然記念物などをはじめとする有形・無形の資産を指す。これらは文化的・学術的価値に基づき、国宝や重要文化財、登録有形文化財などに分類される。近年では地域の風俗習慣や民俗資料なども広く文化財として認定されるようになり、芸能や祭礼などの無形文化財にも重点が置かれるようになった。
重要文化財と国宝
重要文化財とは、歴史的・芸術的に優れた建造物や美術品などを指し、その中でも特に価値の高いものが国宝に指定される。指定を受けると、修理費用の補助や公開のルールなどが法律によって定められ、国や自治体からの支援を受けやすくなる。また、文化財の保存に当たっては必要な修理や調査などが厳密な審査を経て行われるため、乱雑な修復による価値の毀損が防がれる仕組みが整備されている。
登録有形文化財は、国宝・重要文化財ほどの価値評価には至らないが、歴史的背景や伝統技術を示す資料として意義のある物件を国が登録する制度である。基本的には所有者の負担を軽減しつつ、保存と活用を両立させる枠組みを提供することが目的であり、地域文化の多様性を尊重する立場から比較的柔軟な指定方法をとる傾向がある。これにより、文化財の認知度を高めながら、市民の文化意識を醸成する役割も担われている。
登録有形文化財の対象は広範囲に及ぶ。建築物や土木構造物、古文書や絵画、彫刻なども含まれ、地域ごとの特色や伝統を表すものが重点的に取り上げられる。また、近代建築や産業遺産など、比較的新しい時代の遺産でも社会的・文化的意義が認められれば登録の対象となる。これにより、時代を問わず有形の文化遺産を幅広く保護することが可能になる。 | 国宝・重要文化財ほどの価値評価には至らないが、歴史的背景や伝統技術を示す資料として意義のある物件は文化財保護法の対象にあたりますか。 | 国宝・重要文化財ほどの価値評価には至らないが、歴史的背景や伝統技術を示す資料として意義のある物件は文化財保護法の対象にあたります。 |
JCRRAG_009889 | 歴史 | 豊臣秀吉の死後の政局は、既に失敗が明白となっていた朝鮮出兵の後始末を当面の課題とし、徳川家康・石田三成の対立を背景として展開しました。秀吉の路線を推進する三成に、諸大名は不満を募らせ、それを関ヶ原の戦いにおける家康の支持という形で現しました。結果、家康は実質的な天下人となり、江戸幕府を開くに至りました。
江戸幕府は、莫大な直轄領「幕領」からの年貢や鉱山収入に支えられ、直参などの圧倒的軍事力で支配をおこないました。3代将軍徳川家光の頃までに幕府の職制が整えられ、その職制は鎌倉幕府・室町幕府とは比べられないほど細かいものでした。月番交代による交代制や監察・監視の担う役職の設置は、徹底した相互管理を可能にしました。
江戸幕府は、大名・朝廷・宗教など様々な方面に対する統制をとりました。「禁中並公家諸法度」で天皇・公家の行動を制限し、これに反目した紫衣事件を契機に、さらに厳格な態度で朝廷に臨みました。また、豊臣政権で不徹底に終わったキリスト教の取締りを強化し、寺院に民衆全員を所属させることで信教面を管理しました。
日本とヨーロッパの貿易には、まずポルトガル・スペインが、遅れてイギリス・オランダが参加しました。江戸幕府は、当初積極的にそれらの国々と外交しましたが、キリスト教への警戒から次第に貿易を制限していきました。結果、キリスト教の布教を避けたオランダが、鎖国中の日本とも貿易を続けていくことができました。 | 江戸幕府は、キリスト教を歓迎していましたか。 | 江戸幕府は、キリスト教の取締りを強化し、寺院に民衆全員を所属させることで信教面を管理しました。 |
JCRRAG_009890 | 歴史 | ルートヴィッヒ・ヴァン・ベートーヴェンは1770年12月16日に、ケルン市に近い、ライン河畔ボン市の貧しい家の見すぼらしい屋根裏部屋に生まれた。先祖はフランドルの家系であった。彼の父は不聡明な、そしていつでも酒に酔っぱらっている次中音テノールの歌唱者であった。母は召使い階級の婦人だった。料理人の娘であったが始めある部屋つき従僕ヴァレ・ド・シャンブルと結婚してその夫に先立たれたのだった。
つらい子供時代――そこには、いっそう幸運なモーツァルトの幼時を取り巻いていたような家庭的な愛情の雰囲気が無かった。最初からすでに彼にとっては人生は悲しく冷酷な戦いとして示された。父は彼の音楽の才を利用して、神童の看板をくっつけて子供を食いものにしようとした。彼が四歳になると父は日に数時間もむりやりにクラヴサンを弾かせたり、ヴァイオリンを持たせて一室に閉じ込めておいたり、過度な音楽の勉強を強いた。子供はもう少しで徹頭徹尾音楽が嫌いになるところだった。ベートーヴェンにそれを習わせるには暴力を用いねばならなかった。少年時代は物質上の心配、パンを稼ぐ工面くめん、――年齢の割にあまりにも早く課せられたそんな仕事のために憂鬱なものとなっていた。十一歳の時に劇場のオーケストラの一員となり、十三歳でオルガン弾ひきとなった。1787年には彼の大事な母が亡くなった。「母は僕のためにはほんとによい母、愛すべき母、僕の最良の友であった。お母さんという懐しい名を僕が声に出して呼びかけることができ、またその呼びかけが聴かれていたあの頃の僕は、人間の中の最も幸福な人間であった。」母は肺結核で亡くなった。そしてベートーヴェンも同じ病気に罹っていると思い込んでいた。彼の健康はすでに絶えまなく悩んでいた。そして彼は自分の病気にみずから憂鬱症を付け加え、実際の病状よりもその憂鬱症の方がさらにひどかった。 | ベートーヴェンが生れた頃、日本は何時代でしたか。 | 日本は江戸時代でした。 |
JCRRAG_009891 | 歴史 | 執権政治の盤石化
5代執権の登場
5代執権である、北条泰時の孫北条時頼は以下の政策を実施して、北条氏の執権政治を強化し、次第に独裁的な性格を強めていきました。
迅速で公正な裁判
訴訟が増加し、評定による裁判が滞っていました。
北条時頼は、裁判の迅速化とそれによる御家人の信頼獲得を考えました。
1249年、次の3段階を踏むことで、迅速で公正な裁判を確立しました。
定員4~5人の引付衆を任命
引付衆で構成する会議引付が判決原案を評定に提出
判決原案にほぼ従い、評定が最終的な裁断
対北条氏の勢力消滅
1226年、藤原頼経が4代将軍に就任しました。
頼経は在職の間に一部の御家人(三浦氏など)と親近な関係をもっていきました。
それら一部の御家人は、北条氏が御家人を統制する上での障害になりました。
北条時頼は、頼経の子藤原頼嗣を5代将軍に就任させ、後に頼経を京に送還しました。
藤原頼経・藤原頼嗣
摂家将軍と呼称
頼経を解任することで将軍と一部の御家人の親近な関係を消滅
1247年、宝治合戦
時頼が三浦泰村を滅ぼした戦い
幕府内において、北条氏に対抗できる最後の勢力が消滅しました。
朝廷との密接な関係
北条時頼は、朝廷に政治の刷新と制度の改革を求めました。
朝廷に、幕府が認めた公家から選抜した評定衆を置かせ、評定衆で構成する評定を院政の最高議決機関とさせました。
1252年、時頼は5代将軍の藤原頼嗣を廃し、後嵯峨上皇の子宗尊親王を6代将軍に迎えました。
幕府は朝廷の内部に深く影響力を持つようになりました。
幕府は4代将軍に皇族を求めたが、後鳥羽上皇はこれを拒否
後嵯峨は幕府との協調を臨んで承諾し、6代将軍で実現 | 5代将軍藤原頼嗣の父は誰ですか。 | 5代将軍藤原頼嗣の父は藤原頼経です。 |
JCRRAG_009892 | 歴史 | 川中島に於ける上杉謙信、武田信玄の一騎討は、誰もよく知って居るところであるが、其合戦の模様については、知る人は甚はなはだ少い。琵琶歌等などでも「天文二十三年秋の半ばの頃とかや」と歌ってあるが、之は間違いである。
甲越二将が、手切れとなったのは、天文二十二年で、爾来二十六年間の交戦状態に於て、川中島に於ける交戦は数回あったが、其の主おもなるものは、弘治元年七月十九日犀川さいがわ河畔の戦闘と永禄四年九月十日の川中島合戦との二回だけである。他は云うに足りない。此の九月十日の合戦こそ甲越戦記のクライマックスで、謙信が小豆あずき長光の銘刀をふりかぶって、信玄にきりつくること九回にわたったと言われている。
武田信玄も、上杉謙信も、その軍隊の編制に於て、統率に於て、団体戦法に於て、用兵に於て、戦国の群雄をはるかに凌駕りょうがして居り、つまり我国に於ける戦術の開祖と云うべきものである。
その二人が、川中島に於て、竜虎の大激戦をやったのであるから、戦国時代に於ける大小幾多の合戦中での精華と云ってもよいのである。
武田の家は、源義家の弟新羅しんら三郎義光の後で、第十六代信虎の子が信玄である。幼名勝千代、天文五年十六歳で将軍足利義晴より諱字いみなを賜り、晴信と称した。この年父信虎信州佐久の海うんノ口城の平賀源心を攻めたが抜けず、囲かこいを解いて帰るとき、信玄わずか三百騎にて取って返し、ホッと一息ついている敵の油断に乗じて城を陥れ、城将源心を討った。しかも父信虎少しも之を賞さなかったと云う。その頃から、父子の間不和で、後天文十年父信虎を、姉婿なる今川義元の駿河に退隠せしめて、甲斐一国の領主となる。時に年二十一歳。
若い時は、文学青年で詩文ばかり作っていたので、板垣信形に諫められた位である。だから、武将中最も教養あり、その詩に、
簷外風光分外薪えんがいのふうこうぶんがいあらたなり
捲レ簾すだれをまけば山色さんしょく悩二吟身一ぎんしんをなやます
孱願亦せんがんまた有二娥眉趣一がびのおもむきあり
一笑靄然いっしょうあいぜん如二美人一びじんのごとし
歌に、
さみだれに庭のやり水瀬を深み浅茅あさじがすゑは波よするなり
立ち並ぶかひこそなけれ桜花さくらばな松に千歳ちとせの色はならはで
詩の巧拙は自分には分らないが、歌は武将としては上乗の部であろう。
又経書けいしょ兵書に通じ、『孫子』を愛読して、その軍旗に『孫子』軍争編の妙語「疾如レ風はやきことかぜのごとく徐如レ林しずかなることはやしのごとし侵略如レ火しんりゃくすることひのごとく不レ動如レ山うごかざることやまのごとし」を二行に書かせて、川中島戦役後は、大将旗として牙営がえいに翻していた。その外、諏訪明神を信仰し、「諏訪南宮なんぐう上下大明神」と一行に大書した旗も用いていた。
上杉謙信は、元、長尾氏で平氏である。元来相州長尾の荘に居たので、長尾氏と称した。先祖が、関東から上杉氏に随従して越後に来り、その重臣となり、上杉氏衰うるに及んで勢力を得、謙信の父為景ためかげに及んで国内を圧した。為景死し、兄晴景継いだが、病弱で国内の群雄すら圧服することが出来ないので、弟謙信わずかに十四歳にして戦陣に出で、十九歳にして長尾家を相続し、春日山城に拠より国内を鎮定し、威名を振った。
しかし、謙信が上杉氏と称したのは、越後の上杉氏の嗣となったのではなくして、関東管領山ノ内上杉家を継いだのである。即ち三十二歳の時、山ノ内憲政のりまさから頼まれて、関東管領職を譲られ、上杉氏と称したのである。 | 川中島における上杉謙信と武田信玄の一騎討ちは、どの合戦で行われたのか。 | 川中島における上杉謙信と武田信玄の一騎討ちは、永禄四年九月十日の川中島合戦で行われた。この戦いは甲越戦記のクライマックスとされ、謙信が小豆長光の刀で信玄に九度斬りつけたと伝えられている。 |
JCRRAG_009893 | 歴史 | ヤマト政権の体制は、5世紀後半から大きく変化しました。横並びのクニの連合は、大和地方(奈良)のクニの首長(大王)を頂点に支配・被支配の関係をもつ組織になり、また、その政務は有力な豪族(地方のクニの首長)が執るようになりました。政務を担う物部氏・蘇我氏の二強が勢力を争う中、その対立は激化しました。
6世紀中頃に仏教が公伝し、蘇我氏を中心に受容されました。6世紀末に蘇我氏が物部氏を滅ぼすと、蘇我馬子と厩戸王の手で受容はさらに加速しました。やがて7世紀前半には仏教の影響を受けた「飛鳥文化」が形成されました。この文化には西アジア・インド・ギリシア文化との共通も見られ、仏教以外の大きな特徴と言えます。
豪族は、祖先供養のための寺院(氏寺)を建立しました。飛鳥寺は、蘇我馬子創建の最古の寺院で、左右対称の幾何学的な衣文を特徴とする鞍作止利一派の作品である、北魏様式の釈迦如来像が安置されています。法隆寺は、厩戸王創建の寺院で最古の木造建築であり、創建時の伽藍配置(寺院の堂塔の配置)は若草伽藍と呼ばれ、再建された現在の寺院と異なる伽藍配置となっています。法隆寺が所蔵する、小型の仏像を安置する仏具を、玉虫厨子と言います。
厩戸王は聖徳太子とも呼ばれ、他にも、推古天皇の摂政、冠位十二階の制定、憲法十七条の制定、10人の話を聞き分けた等々でよく知られています。また、聖徳太子は法華経・維摩経・勝鬘経の注釈書も記し、その総称を『三経義疏』と言います。
| 聖徳太子が創建した寺院は何か。 | 聖徳太子が創建した寺院は法隆寺です。 |
JCRRAG_009894 | 歴史 | 更生保護の歴史
近代的な更生保護思想の源流は、明治21年に金原明善、川村矯一郎を中心とした慈善篤志家の有志が、監獄教誨と免囚保護を目的として設立した静岡県出獄人保護会社に求められます。同保護会社の設立趣意書は現在の更生保護の基本法である更生保護法第1条「この法律は、犯罪をした者及び非行のある少年に対し、社会内において適切な処遇を行うことにより、再び犯罪をすることを防ぎ、又はその非行をなくし、これらの者が善良な社会の一員として自立し、改善更生することを助けるとともに、恩赦の適正な運用を図るほか、犯罪予防の活動の促進等を行い、もって、社会を保護し、個人及び公共の福祉を増進することを目的とする。」との目的規定とまさに一致します。
同会社の設立を契機として、各地に釈放者保護団体が、浄土真宗本願寺派、真宗大谷派等の仏教教団、僧侶や一部のキリスト者によって設立されるようになりました。これらの団体は主として出獄人に衣食住を提供するいわゆる直接保護事業を行うものでしたが、明治30年の英照皇太后の御大喪恩赦によって出獄人が増加し、出獄人をその居所においたまま、訪問指導、通信指導をする間接保護や、旅費、衣料等を給貸与する一時保護を行う保護団体も設立されるようになりました。これは現在の保護観察の走りともいえるものです。中には、明治42年5月に福井県の浄土真宗本願寺派寺院を糾合して設立された福井福田会のように、直接保護事業を行う団体を中心として、間接・一時保護を行う支部を組織化したものもあり、この支部に保護司の原形ともいえる民間の司法保護委員を配置して事業実施に当たりました。
このように始まった日本の更生保護事業は、その後も民間の活力によって拡大する一方、次第に国の刑事政策の中に取り込まれ、旧少年法の少年保護司による観察、思想犯保護観察を経て、昭和14年の司法保護事業法によって、国の制度として明確に位置付けられました。同法は、司法保護のうち、収容保護と一時保護を司法保護団体に、観察保護を司法保護委員に当たらせることとしたが、実施主体はいずれも民間の団体と篤志家でした。 | 各地に釈放者保護団体が設立された契機となった保護会社は、誰が設立しましたか。 | その保護会社は、金原明善、川村矯一郎を中心とした慈善篤志家の有志によって設立されました。 |
JCRRAG_009895 | 歴史 | 執権政治の発展
合議制の確立
承久の乱後まもなく、北条泰時が3代執権を引継ぎました。
御家人の支持獲得には、独裁的でない公平な合議による裁断が必要です。
その合議制のために、次の2つを設置し、ともに最高政務・裁判にあたりました。
連署
執権の補佐役(もう1人の執権)
評定衆
11名の有力御家人
連署
北条氏一族で世襲し、初代は北条時房
最高政務・裁判にあたる執権・連署・評定衆の会議を評定ひょうじょうと呼称
裁判基準の成文化
幕府成立以来、御家人同士の紛争や、御家人と荘園領主の紛争が相次ぎました。
1232年、御成敗式目(貞永式目)制定
北条泰時が作らせた最初の武家法典
後の武家法にも大きな影響
源頼朝以来の「先例」、武士の慣習・道徳である「道理」に基づき、地頭・守護の任務と権限や、紛争を裁く基準を成文化
弟北条重時へ宛てた手紙のなかで、御成敗式目の内容のことや、御成敗式目が律令や貴族社会の規則である公家法を否定しないと説明
全51カ条で、後に追加した条文を式目追加と呼称
当時、貴族社会の規則公家法や、荘園領主が荘園支配のために定めた規則本所法がありました。
御成敗式目は律令・公家法・本所法を否定せず、幕府の支配領域にのみ適用されました。
幕府の支配が全国に拡大するにつれ、公平さを重視する御成敗式目の影響は広がり、効力をもつ範囲が拡大しました。
神による判決―起請文
幕府の裁判には、実は宗教的な要素が多かったのです。証文(証拠となる文書)がなく、証人の証言もないときには、当事者の主張の当否を神が裁くよりほかにありませんでした。
当事者は自分の主張を神前に誓う「起請文」を書き、神社に7日間こもります。その間に鼻血を出す・病気になる・親類に不幸がある・カラスやネズミに尿をかけられる・飲食の時にむせる等々の異常がおこれば、虚偽が神に見破られたのだとします(神判)。このように中世の裁判では神に頼ってでも判決を出さねばなりませんでした。 | 3代執権が制定したのは何ですか。 | 3代執権が制定したのは御成敗式目(貞永式目)です。 |
JCRRAG_009896 | 歴史 | 太平洋戦争は、東洋史には、いまだかつて見られなかったほどの大戦争であった。数年にわたって、極東から遠く中東にまで戦禍はおよんだ。それのみではなかった。濠州の大陸にも、南洋の島々にも、日本兵の殺人行為はくりひろげられた。南京やフィリッピンには、戦慄をもよおさしめるような虐殺がおこなわれた。その地域に住む人民は、十億にも近いのである。日本軍は、その十億の人民を苦しめ、その生命をうばい、その財産をかすめ、数年にわたって、奴隷のごとき境遇におちいらしめたのである。
この大罪悪にたいして、日本軍の主脳および日本国政府の要人に、責任を負わしめてしかるべきであることは、およそ人間として異議のあろうはずはない道理である。もしも、日本人だけが神であって、外国人は夷狄いてきであり、奴隷であるとの蛮風が、今日なお日本に存在しているのであるならば、それらの人間には、右に述べた私のことばなどは、さだめし意に満たないものがあるであろう。
けれども、今日の日本人は、およそ人間は生まれながらにして、法律のまえに平等であるとの理をさとっているはずである。その悟りあって、はじめて、文明人となりうるのである。文明人であるとの自覚ある日本人は、全世界の人類にたいして、日本軍の犯した罪が許しがたいものであったことを、つつしんで告白し、その罪をおかした人びとが、公正な裁判を受けて、適当な刑罰に処せられんことを、公正にみとめるという態度をとり、文明人であることを明らかにすべきである。そうして、全人類とともに、今後、世界の平和につくすべきことを、八千万人の一致した声として、世界にむかって発すべきである。
太平洋戦争は、じつに、はじめから無謀の戦争であった。軍事上からそれを判断しても、「二年以上はつづけられまい」といわれた、先の見えた戦争であった。
空軍は、外国の空軍にくらべて、はなはだ貧弱であった。
ワシントン会議のさいには、日本の海軍軍人の有力者加藤寛治は、「十対六の比率では、敗戦は、はじめから明らかである。」とワシントンにおいて、列国人のまえに声明したのであった。したがって、イギリスとアメリカとが連合した二大艦隊にたいしては、数字のうえから、「二十対六」程度であって、はじめから戦勝はまったく望めない無謀の海戦であった。ミッドウェーの海戦において、まず、その敗戦は立証されたのであった。
陸軍にいたっては、竹槍をもちいて戦争をするのだと、昂然として、軍人の荒木貞夫が言いはなったほどのものであり、その無謀さは、はじめから、心ある人から嘆かれていたのであった。
さらに、その外交にいたっては、必敗すべきドイツを買いかぶり、ドイツが全ヨーロッパを征服する力あるものと見あやまり、ドイツと同盟して、日本の勝利を夢みていたのであった。第一次世界大戦のさいにも、日本の軍人はすべてドイツの必勝をとなえていたのである。ヨーロッパにいた外交官もまた、じつに、その誤信者の仲間であったというのが、当時の事実である。
軍人と外交官とは、もともと、外交の盲者であった。それらの盲者は、天皇を抱きこんで外交権と統帥とうすい権とをにぎり、人民をあざむき、「東洋の新秩序」などと大言壮語して、人類を敵視し、ついに「降伏日本」の大汚辱を日本民族に蒙らしめたのであった。その罪は大きい。その責任はまぬがるべからざるものである。日本の統治権者は、国際法上に、また国内法上に、重大な罪をおかしたのである。じつに重罪者であった。
日本海軍の真珠湾急襲は、天皇の宣戦に先んじておこなわれた。これがまず、大きな国際法違反の行動であった。国際法上「開戦に関する条約」の第一条には、つぎのように定めてある。
「締約国は理由を附したる開戦宣言の形式、又は条件づき開戦宣言を含む最後通牒の形式を有する明瞭、且つ事前の通告なくして、その相互間に、戦争を開始すべからざることを承認す。」
日本は、たとえ、それが戦略上の過失であったにせよ、この条約に違反して、真珠湾を急襲したのは、一大失策であった。はじめから、この一大失態を、日本政府は、軽卒にもおこなった。古風にいえば、日本政府は、はじめから、「大義名分」をあやまったのである。「名のない戦い」であり「勝敗は、はじめから明らかであった」と言えるのである。
この無謀な戦争を宣言した人は、誰であったか。それはじつに、天皇であったのである。
列国人から見たならば、天皇は、当然に、不法戦争の責任者であったのである。国際法のうえでは、天皇は「神聖にして侵すべからず」というようなものではない。したがって、列国からの戦争犯罪にかんする訴追は、どうしても、まぬがれることはできないことであった。
このような戦犯の問題は、すでに一九一九年から言われていたことである。第一次大戦のおわりには、フランスでは、ドイツのカイゼルをはじめドイツ軍の頭目を、戦争犯罪人として処罰すべしとの議論が、さかんにおこなわれたものであった。しかしながら、ついにそれはおこなわれずに終った。しかし、カイゼルは、国内の人民から、失政者として捕えられる危険があった。カイゼルはそれを恐れて、急いで、オランダに逃げこんだ。カイゼルの統治はそれで終り、エーベルトが、社会主義者に推されて大統領となった。ドイツ帝国はそれで亡んだのである。
こんどの第二次大戦のおわりには、国際法の違反者にたいして、確実に制裁を加うべしという主張が、列国のあいだに盛りあがり、それがついに成立した。それによって、ドイツでも、日本でも、国際軍事裁判所が設けられることになった。わが日本では、東京に、その国際軍事裁判所が設けられた。
それは、じつに世界において、いまだかつてない一大事実である。勝利国はこの裁判を「文明のため」と誇称した。そのさいに、いかなる裁判がおこなわれたであろうか。
この裁判の長は、濠州人のウエッブであり、その検察長官は、米人のキーナンであった。このキーナンは、日本に来る早々、「日本人は三十年来、侵略を目標として行動した。」と言い、公然、わが日本民族をののしった。しかし、それは大きな失言であった。私は小面こづらにくしと感じたが、米人たちは、日露戦争以来、日本は他国を侵略したというのである。
日露戦争は、英米人が、こぞって日本に同情し、日本を支援し、ポーツマスの講和条約は、米人ルーズベルトの斡旋で成立したのであった。しかし、その歴史さえ、今の米人は知らないのであった。かかる不明の米人が、国際軍事裁判の検察官となったことは、その裁判を不正確なものにさせた大きな原因であった。 | 東洋史にて、いまだかつてみられなかったほどの大戦争が、軍事上からそれを判断しても何と言われたか。 | 東洋史にて、いまだかつてみられなかったほどの大戦争は、太平洋戦争で、それは「二年以上はつづけられまい」と言われた。 |
JCRRAG_009897 | 歴史 | 北海道開発に消えた八百億円
第一次五カ年計画の決算
五年間に、国費だけでも、八百億円の金が、北海道に注ぎ込まれた。国家として、目的なしに、こういう巨額の予算を支出するはずはないので、これには立派な目標があった。敗戦後植民地を失った日本にとっては、北海道の開発が第一のホープと思われた。そして事実それは間違ってはいなかった。というよりも、今日でもそのとおりであるといっていいであろう。
敗戦後、北海道がクローズアップされたときに、まず着目されたのは、内地における過剰人口の受け入れ地としての北海道であり、今一つは食糧の増産であった。それで目標として、「人口の吸収」には百六十万人を目指し、食糧の増産は、米換算三百五十万石を計画した。すなわち五年間に内地から百六十万人の人口を受け入れ、三百五十万石の増産をすることを目的として、厖大な計画を立て、そのうち実際には、八百億円の開発費を注ぎ込んだのである。それが北海道開発第一次五カ年計画であったのである。
ところが、その計画の五カ年が過ぎ、八百億円の金を使った今日、果たして目標の何割が達せられたかが、問題である。それはこの勧告書によれば、驚くべき結果になっている。人口はこの五年間に五十万人殖えたが、そのうちの四十三万人は、北海道内における自然増である。ところが残りの七万人のうち、自衛隊関係が六万人近くあるので、最初の目的たる「人口の吸収」は僅か一万人程度ということになる。百六十万人の計画に対して、一万人ではどうにも言訳が立たない。
開発計画は二十七年度から始まったので、本当は三十一年度まで入れる必要があるが、それを入れると、昨年の凶作がはいるので、第一次五カ年計画による減産が、もっとひどくなる。この表の結果は、天候によって説明できるものではない。開発計画開始前の二十一年度から二十五年度の間には、冷害の年もはいっている。
減産の理由は、農家戸数からみればよく分るので、第一次計画の開始された昭和二十七年には、北海道の農家は二十三万七千戸あった。それが、昭和三十年には二十三万四千戸に減っている。農業入植を目的として、開発を進めたら、農家戸数が減ったのであるから、まことに妙な結果である。
人口の吸収と食糧の増産とを兼ねさせようとして、農業入植を大いにうたったのであるが、戦後十カ年間に道外から入植したのはわずか六千戸で、そのうち定着したのは、三千八百戸にすぎない。第一次五カ年計画の前にも、いわゆる拓殖費というものがあって、毎年数十億円の金が北海道へはいっていた。そのスローガンは、六万町歩とか、十万町歩とかを開墾して、何万戸かの戦災家族を入れるというのであった。それを五カ年続けて、そのあとさらに第一次五カ年計画を遂行し、十年かかって実際に入植したのは、三千八百戸に終ったのである。
勧告書は、この結果について、「目標自体から見れば、北海道開発の達成率は零であった、といってもいい過ぎではないのである」と結論している。
八百億円の国費をつかって、当初の目的が全然果たされなかったということは、まことに驚くべき事実である。 | 第一次五カ年計画の結果、人口が増えた要因のうち二番目に多いのは何によるものですか。 | それは、自衛隊関係です。 |
JCRRAG_009898 | 歴史 | 聖徳太子に關して徳川時代の儒者で之を作者の聖と稱せし人があつたが、之は最も善く當つて居つて、殆んど其の人格の全體を悉して居ると思ふ。支那で作者を聖と稱するのは、即ち人民の爲に其の生活に關する種々の仕事器物など、更に進んでは文物典章を作つた人を聖人とすると謂ふ意味で、伏犧神農以下文武周公に至るまで皆さう謂ふ性質の人である。日本では勿論人民の生活に關する一般的のことは前から自國で發明されて居ることも有り、又聖徳太子以前に於て支那から輸入されたこともあるが、しかし其の内外の文化を巧く煉り合せてそして今日の日本文化の基礎を作り、その當時の日本文明を建設したと謂ふ點に於ては聖徳太子以上の人は無い。
聖徳太子は永い日本の歴史に於て啻に佛教家に尊崇されるのみならず、大工左官などの職人の祭る神としてもあがめられて居るのは、明らかに其の作者たることを證據だてて居るものと謂つても宜しい。それが爲に佛教に反對し施ひいて聖徳太子にも反對する所の儒者でさへも、聖徳太子の作者たるの點に於ては異議が無いので、恰も支那の聖人と謂はれる人々と同じ意義に於て之を作者と稱したのである。其の文明の建設者としての事業の中最も主なることに就いて茲に二三述べてみようと思ふ。
其の第一は外交に關することである。一口に謂へば日本が獨立の國家たることを國人に自覺せしめ、それと同時に外國にも認めしめたのは太子であると謂つて宜しい。其の點を明らかにするに就いては聖徳太子以前の外交の歴史を説く必要がある。
日本の海外交通の事實は、我々が日本の古代史に於て知つて居るよりも遙に古いものと思はれる。山海經に在る倭の記事は戰國末から漢初までの記録であらうと思はれる。引き續き漢の武帝が朝鮮を平げて其處に四郡を置いた時に、樂浪の海中に倭人あることが知られて、既に漢書の地理志に載つた。此等は日本紀の日本年代より謂へば神武天皇の開國以後になるけれども、近來の史家は之を神武天皇以前のこととして認めるに躊躇しない。さうして日本の土地から出る遺物の中にも此の時代と相應するものが出土して此の記事を裏書することが多い。神武天皇以後とも想はれる交通の事實には、後漢の光武帝の中元二年に委奴國の朝貢した記事があり、引き續き安帝の時代に倭面土國王より生口を獻ぜしことが有る。三國時代になると有名な卑彌呼の交通があり、晉代より南朝にかけて歴代交通の記事が各時代の支那正史に載つて居る。
此等の交通を裏書するものとして最もやかましい出土の遺物は、博多の志賀島より出た漢委奴國王の金印であつて、之は當時の漢の制度を考へても外國に遣る印として最も重んじた形迹もわかり、制度にあるが如く蛇鈕であることなども其の確かなものであることを示して居る。國學者並に史家の間には、之が九州から出たので大和の朝廷には關係の無いものと解釋する人が多く、非常に詳しく書かれてある卑彌呼の記事も九州地方の女酋であると謂ひ、又た東晉より宋、南齊にかけて倭國王に與へた官爵がいろ/\あるが、其の一例を謂へば
使持節都督倭百濟新羅任那秦韓慕韓六國諸軍事安東大將軍倭國王
などと謂ふものがあるが、此等も多分日本から任那に派遣せられて居る太宰みこともちが朝廷の名を濫用したのであらうなどとも解釋せられて居る。しかし事實は必しもさうではないのであつて、上に擧げた長い官爵名でも、なか/\細かに考へると面白い事實が發見せられるので、日本から稱する時には前に謂ふが如く倭百濟新羅任那秦韓慕韓六國諸軍事と稱するが、支那の南朝の方から與へる時には百濟を除いて倭新羅任那伽羅秦韓慕韓六國諸軍事と稱して居る。之は當時百濟王は日本を經ずして直接に南朝に交通して居つたので、南朝ではそれをば別に百濟王に封じて居るから、日本の方には百濟を入れなかつたのである。斯の如きことは任那の太宰では爲し得べきことではないと考へられる。勿論斯の如き記事が有つたからと謂つて、日本が當時支那の屬國だと謂ふことにはならない。
當時の外交は一種特別の事情があるので、日本の朝廷が海外と交通する時に、其の使者の職を承はる者は何時いつでも支那若しくは朝鮮の歸化人である。最も古い卑彌呼時代でも新羅の歸化人が使者の職を承つたのである。東晉宋齊の間に使者に行き、若しくは交通を司つたものは皆支那の歸化人であることは、姓氏録などを見るとわかる。其の姓かばねを見ても、譯語おさと謂ひ史ふびとと謂ひ文首と謂ひ船首と謂ふ種類は、皆此の海外交通に關係して船の運上に關する文書などを司り、貨物を檢査して居つたので、それが又史ふびとであり其の外にも朝廷並に豪族にも各※(二の字点、1-2-22)歸化人の文書を司る者があつたらしいから、それらの手に據つて支那の文字を利用し帳簿などを製造することは早くから行はれて居つたものであらう。外交の事は朝廷でもそれらの輩に委任して置くのが至極便利であるので、朝廷で自ら記録を作る必要をも考へなかつたらしい。
此等の歸化人は海外に派遣せらるゝ際、朝廷より貿易に關する御趣意を承つて、海外から珍貨を齎らし、若しくは技人てびとを召しつれ歸るべき任を帶びて行く。斯くして支那に到着すると、支那はむやみに體面を重んずる國であり、海外より來る者は之を蠻夷の使者として、國王の上表などが無ければ通とほりが惡い。それで譯語、史ふびと、等は支那の外交を司る鴻臚寺などの官吏と諜し合はせて、うまく上表を作り、それを支那の天子に上りてその自尊心を滿足させ、思ふ儘に日本朝廷の使命を果たして歸るので、之が當時の使者及び譯官の祕訣であつたに相違ない。斯の如きことは遙に後世まで支那では行はれたので、明代に於て四譯館に保存されてあつた各國の上表などに據つて考へても善くわかるので、譬へば滿州地方の女眞人からの上表などには女眞文字女眞語で上表を書いてはあるが、其の文法は支那語の文法で、先づ支那文が出來てからそれを女眞語に直譯した形迹の歴然として存するものがある。其の國字を有つて居る國の上表でさへも斯の如くであるから、全く支那文字を以て書く上表の如きは、其の作り法かたの支那の朝廷に都合よく書かれると謂ふことは當然のことで、南朝時代などに於て日本とか百濟高句麗などが上つた表と謂ふものの、如何にして出來たかは想像するに難くない。
| 聖徳太子以前と以後の日本の外交にはどのような違いがあるのか。 | 聖徳太子以前の日本の外交は、主に中国や朝鮮との交流を通じて進められ、使者の多くは中国や朝鮮からの帰化人が担っていた。そのため、日本の立場はあくまで相手国の制度や外交方針に依存し、明確な独立国家としての意識は薄かった。しかし、聖徳太子の時代になると、日本が独立国家であることを国民に自覚させるとともに、外国にもその地位を認めさせる外交政策を推進した。これにより、日本の外交は従属的なものから自主的なものへと変化した。 |
JCRRAG_009899 | 歴史 | 蘇我氏は大臣として政権を握り、時に王権侵害の行動をとりました。蘇我入鹿が山背大兄王を滅ぼすと、急速に反蘇我氏の動きが進みました。中臣鎌足・中大兄皇子らを中心とした乙巳の変により、蘇我氏の政権は滅びました。この政変後、新政権は唐の進んだ政治文化を導入して改革を目指していきました。所謂「大化改新」です。ヤマト政権は、663年、唐・新羅の連合の前に大敗を喫しました。この敗北を大きな契機に、ヤマト政権は中国に倣った法体系を整備するなど、支配体制の見直しを急ぎました。支配体制は、天武天皇によってさらに強化されていきました。天武は国史の編纂で支配の正当性を主張し、また、「天皇」「日本」号の使用を開始したとされます。7世紀中頃から8世紀初頭(平城京遷都)までの文化を白鳳文化と呼びます。飛鳥文化と同様に仏教がその中軸を占め、高句麗・インドの影響も見られますが、唐文化の影響や地方豪族の仏教受容という点で異なります。また、文章・和歌での万葉仮名使用もこの文化期に成立したと考えられ、結果、記録された和歌を知ることができます。律令国家は、律令を国家の基本法として形づくられた国家です。いうまでもなく、律令は中国で発達した法体系で、日本はそれを継受しました。大化改新で整えられた中央・地方の組織は、律令で再編されてその姿を大きく変えました。また、官吏(役人)の位階・官職は細かく分けられ、貴族(位階が5位以上の者)も登場しました。 | 唐の進んだ政治文化を導入した改革はなんですか。 | 唐の進んだ政治文化を導入した改革は「大化改新」つまり、大化の改新です。 |
JCRRAG_009900 | 歴史 | イギリスとEU
ヨーロッパ連合(EU)は2004年に調印したEU憲法が、翌年フランス、オランダの国民投票での否認によって成立せず、「憲法」という国家指向の用語を避け、2009年にリスボン条約を調印してマーストリヒト条約などの基本条約の一つに加え、従来のEU理事会やEU議会に加えて、EUを代表するEU大統領(通称)を設置するなど、実施的な政治機構をつくりあげた。しかし、このようなEUが地域連合から一歩進んだ政治的統合を進めることに対して反対する動きもまた活発になってきた。
2010年代後半から、イギリスではヨーロッパ大陸国家に対する歴史的な優越感(大英帝国以来の)と同時に警戒心が強く、EECに不参加であり、ECへの参加も長く見送られていた。一方の大陸国家側にもイギリスに対する不信は強く、特にフランスのド=ゴール大統領がイギリスのEC加盟に強く反対していた。そのため、加盟は長い間実現しなかったが、ようやくイギリスは経済の停滞がはっきりした1973年代にEC加盟に踏みきった。それでもなおユーロには加わらないなどの独自路線を貫いていた。 | イギリスの通貨は何でしょうか。 | ポンド |
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