ID stringlengths 13 13 | Category stringclasses 12 values | Context stringlengths 1 4.96k | Question stringlengths 7 248 | GroundtruthAnswer stringlengths 2 663 |
|---|---|---|---|---|
JCRRAG_009001 | IR | 上場企業のIR活動にはもはや欠かせないコミュニケーションツールとなった「統合報告書」。その製作を担う部署は、当然ながらIR部門が多い。ただ、そもそも“IR”は何を広報するのか。ほぼ全てといってよい上場企業がIR活動を展開しているにもかかわらず、なんとなく知っているが実はよく分かっていない企業も多い。
まず、企業の広報活動について整理しよう。企業広報は主に4つの「R」がある。自社商品や社名、ブランドなどを社外に宣伝する「PR」(パブリックリレーションズ)、社内の従業員に経営理念・方針の周知やエンゲージメント向上の取り組みを紹介する「ER」(エンプロイーリレーションズ)、国や地方自治体に自社の要望を伝えて事業に有利な政策運営を働きかける「GR」(ガバメントリレーションズ)、そして会社の財務状況や営業実績などをステークホルダーに知らせる「IR」(インベスターリレーションズ)である。
余談だが、IRの専門部署を世界で初めて設置したのは米国のGE(ゼネラル・エレクトリック)とされる。1953年、株主との良好な関係構築や株価対策を目的に、広報部内にIR部門を立ち上げたのが始まりだった。日本ではバブル崩壊後の1990年代後半にIRが注目され、2000年代前半には専門部署を設置する企業が増えてIR活動が活発化した。
IRの主な役割は3つ。具体的には、①株主、投資家(個人・機関・海外)、アナリストに向け自社の経営情報を提供すること、②ステークホルダーや資本市場の声を収集すること、③収集した情報を経営改善に反映させることである。
PR、ER、GRは自社に有利な情報を発信するのに対し、IRでは「自社に不利な情報」も併せて発信することが求められる。自社に都合の悪い情報であればあるほど、迅速かつ正確、公正に伝えなければならない。なぜなら、IRはあくまでも投資家の利益享受のための宣伝活動だからだ。自社に利益を誘導するため、必要以上に飾り立てる活動ではないことを理解する必要がある。
一方、IRの推進によって企業が得られるメリットは大きく5つある。①資本コストの低減、②安定株主の増加、③企業ブランドの向上、④時価総額の上昇、⑤株価変動リスクの軽減である。
「資本コスト」とは、企業が資本を調達するために支払うコストである。借入金や社債に対する支払利息、株主への配当金などがある。ディスクロージャー(経営情報公開)を通じて経営の透明度が高まり、企業はステークホルダーを意識した経営に努めるため、収益力が向上して有利な条件での資金調達(金融機関の低利融資や高い格付けでの社債発行など)が可能となる。
また、持続的成長を実現するには、自社株を長期保有して支えてくれる安定株主の存在が欠かせない。近年はメインバンクや取引先との株式持ち合いの解消が進む一方、個人投資家の安定株主化を図る上場企業が増えている。IRによって個人投資家に経営理念や業績への理解を深めて自社のファンになってもらい、「長期間保有しても安全・安心な会社」と認知させることで安定株主の増加が期待できる。
その他、積極的な情報開示の姿勢に対する企業ブランドの向上、株式市場での適正評価を背景とした株式時価総額の上昇、正確な情報提供と信頼性の構築による株価変動リスクの軽減などのメリットもある。日銀の政策金利引き上げ(0.25%)を機に発生した、ブラックマンデー(1987年10月)を上回る史上最大の暴落(2024年8月5日、4451円28銭安)は記憶に新しい。IR活動を積極的に行う企業は、記録的暴落時でも株価下落率が抑えられ、回復も早かった。
このように、企業はIR活動の推進によって、通常のマーケティングやプロモーションでは得難い効用を享受することができるのである。 | IR活動が企業に与えるメリットは何か。 | IR活動が企業に与えるメリットは、①資本コストの低減、②安定株主の増加、③企業ブランドの向上、④時価総額の上昇、⑤株価変動リスクの軽減 の5つである。これらのメリットは、経営情報を適切に開示し、投資家の信頼を得ることで実現される。特に、積極的なIR活動を行う企業は、株価の暴落時にも下落率が抑えられ、回復が早い傾向がある。 |
JCRRAG_009002 | IR | IRとは、事業運営のための資金を提供してくれる投資家や株主に向けて、投資を判断する際に必要な自社の情報を、自主的に公平に提供する活動のことです。
IRという言葉はInvestor Relations(インベスター・リレーションズ)の略で、日本語では「投資家向け広報」と訳されます。
IRで提供する情報は多岐にわたり、現在の経営状態や財務状況、企業活動の実績、さらに将来的な見通しなども含みます。加えて、知的財産の状況や社会貢献活動、環境活動など、企業運営に関わる非財務情報を公開するケースも増えています。
IRを積極的に行っている企業は、健全に経営されている、信頼できる企業だという印象を与えます。しかし、株価を上げることを目的に内容が薄い情報開示を頻発するといったIRによって、投資家の評価を下げてしまう企業もあります。IRは、短期的な株価の上昇を目指すものではなく、長期的に自社を理解し、応援してくれる投資家や株主を増やすための活動だと考えることが大切です。
IRの活動は、かつては文書での報告や説明会の開催が主流でしたが、近年はほとんどの企業が自社のWebサイトでIR情報を公開しており、誰でも気軽に企業の最新情報を確認できるようになりました。
Rとともによく使われる言葉にディスクロージャー(Disclosure)があります。これは「情報開示」を意味する英語で、企業が投資家や株主、取引先などに企業の事業の状況などの情報を公開すること全般を指す、IRよりも広い概念です。
ディスクロージャーには、法律や規則によって義務化されている制度上のディスクロージャーと自主的なディスクロージャーがあります。このうち、企業が自主的に行うディスクロージャーとIRは同じものです。投資家に対するPR的な内容を含み、公正な情報提供であれば特に規制はありません。
一方、投資家の保護を目的にし、開示を義務付けられている情報として、証券取引法や関連規則に定められているのが、制度上のディスクロージャーです。具体的には毎年の有価証券報告書や決算短信、株価に影響しそうな出来事をタイムリーに伝える適時開示情報(プレスリリース)などがあります。 | IRの目的は何ですか。 | IRの目的は、投資家や株主に対して、自社の経営状況や財務情報を公平に提供し、長期的に企業を理解し応援してくれる投資家を増やすことである。 これは単なる株価の上昇を狙うものではなく、企業の透明性を高め、信頼性を向上させるために行われるものである。 |
JCRRAG_009003 | IR | IR業務に求められる事柄についてご紹介します。いくつかある事柄から、以下の3つの点を詳しくお伝えします。
・コンプライアンスの遵守
・業務内での数字の扱いに慣れていること
・自社についての理解度
コンプライアンスの遵守
コンプライアンスとは、「法令遵守」という意味です。企業は、「投資家の保護」を目的とした金融商品取引法で禁止されている不正行為を行ってはなりません。IRはこの金融商品取引法を実践することが求められています。
たとえば、相場操縦行為、風説の流布、インサイダー取引など、法律で禁止されている不正行為を企業が行わないよう意識している必要があります。また、インサイダー取引を防止するために、株式の発行や株式の分割などの重要な情報を市場に公表することも、IRに求められている事柄です。
業務内での数字の扱いに慣れていること
「業務内での数字の扱いに慣れていること」は、IRにとって重要な適正です。決算などの数字は経理部などが担当し作成しますが、その数字を決算説明会などでどう見せるかは、IRに与えられている業務の1つです。
決算などで出た数字は、外部利害関係者との共通の土台となります。そのため、IRには数字の意味を十分に理解できるだけの知識が求められています。
自社についての理解度
IRは、自社が行っているあらゆる事業に関することに精通している必要があります。たとえば、決算説明会などで投資家や株主から経営戦略、新サービス、また扱っている商品について質問を受けた場合、すぐに返答できるようにしておくことが重要です。
そのためには、事前に情報を把握していることが求められます。自社についての理解度は、社内情報だけに留まりません。自社を取り巻く環境まで把握していることで、投資家や株主が納得のいく返答をすることが可能です。 | IR業務では、決算に関わる業務の中で何種類の役割があるのですか。 | IR業務では、決算に関わる業務の中で2種類の役割があり、それは「経理部が決算の数字を作成する役割」と「IRが決算説明会などでその数字をどのように見せるかを考える役割」である。 |
JCRRAG_009004 | IR | コンプライアンス(compliance)は「法令遵守」と訳されることが多いです。
会社ぐるみのコンプライアンス違反としては、利益や損失で虚偽の申告をする「粉飾決算」や、納めるべき税金を逃れる「脱税」、公共入札のルールを骨抜きにする「談合」などがあります。
また、従業員個人のコンプライアンス違反としては、「パワハラ」「セクハラ」のほか、会社のお金や備品をくすねる「業務上横領」や、従業員しか知らない情報をもとに自社株を売買する「インサイダー取引」などが挙げられます。
以上は「法令」遵守違反の事例ですが、コンプライアンスが対象とするのは、法令以外の社会的ルールやモラルまで広く内包することが多いです。
たとえば、従業員同士のいじめや仲間はずれ、陰口なども、場合によってはコンプライアンス違反として問題が浮上することがあります。
企業のコンプライアンス遵守の意識を強化すべき理由
企業のコンプライアンス違反行為の多くは、報道でしばしば「不祥事」として伝えられます。
不祥事のイメージが付いた企業からは、顧客が離れやすくなり、従業員の離職も増える場合があります。
ゆくゆくは経営が悪化して、廃業・倒産にまで追い込まれるおそれがあります。
よって、企業のコンプライアンスを維持することは、企業の存立にも直接関わるほどの大切な要素です。
企業のコンプライアンス遵守の意識を強化することで、不祥事の発生・発覚を未然に予防できます。
ひいては、社会的な信頼を得ることにも繋がりますし、やがては売上の向上にも直結します。
現在、世間から社会的に信頼されて、売上や顧客数を順当に伸ばしている企業のほとんどは、「コンプライアンス遵守」という、目に見えない地道な努力を、粛々と続けているためです。
企業のコンプライアンス遵守の意識を強化するための方法
企業のコンプライアンス遵守の意識を強化するためには、まず、社内で守るべき最低限のルールについて、全ての従業員に周知徹底することが重要です。
社内向けにセミナーを開いたり、冊子を作って配布したりするなどの努力で、大半のコンプライアンス違反が未然に防げるでしょう。
もうひとつの有効な手は、コンプライアンスのための専門チームを結成し、違反を秘密裏に内部告発できる窓口をつくることです。
法務部や総務部に置かれることが多いですが、社内に周知されていれば、部署はどこでも構いません。
万が一、コンプライアンス違反が起きてしまった場合の対応
最も重要なことは、スピード感のある対応です。
報道などで明るみに出る前に、できるだけ早期に情報発信をするよう努めたいところです。
対応が遅ければ遅いほど、被害が拡大するおそれがありますし、何かを隠蔽・偽装しようとしているのではないかと、世間に余計な疑いを生じさせてしまいます。
情報発信をするときに欠かせないのが、むやみに言い訳をしない誠実な態度です。
責任逃れをしようとする言動は、世間からすぐに見抜かれ、炎上するリスクとも隣り合わせです。
そして、会社の外部から、厳しい眼差しが常に注がれているような検証態勢を整えることも重要です。
たとえば「第三者委員会」によって、会社の対応が適切かどうかを常にチェックさせることで、信頼の失墜やイメージ悪化を軽減できる可能性があります。
コンプライアンスの違反事例
1.個人情報が大規模に流出した事例
B社の顧客に関する個人情報が、千万人単位で外部に漏洩するという事件が発覚しました。
ここまで膨大な個人情報が外部流出した原因は、B社のグループ企業で働いていたエンジニアの派遣社員が、B社の商品を継続購入している顧客の氏名や住所、生年月日、電話番号などを勝手に名簿業者に横流ししていたためです。
その結果、多くの顧客にはB社以外の企業から頻繁にDMが送られるようになりました。
私腹を肥やした派遣社員は逮捕されましたが、それで問題は解決しませんでした。
B社は、個人情報流出の被害を受けた顧客に金券を贈るなど、懸命な補償に努めましたが、B社の社会的信頼の失墜は止まりません。
結局、顧客からの信頼を失い、B社の収益性が悪化し、経営危機に陥ってしまいました。
2.食の安全を脅かした事例
食事処を展開していた食品メーカーSが、自社商品について原産地を偽装したり、賞味期限切れ商品を販売したりしていた事件が発覚しました。
後に、食事処では、客の食べ残した料理を再調理し、別の客に出していたことも明らかとなっています。
食品の廃棄を減らして、利益を確保することが動機だとみられますが、食の安全は人々の健康にも直接結びつきます。
そのため、食の安全を軽視するS社の経営方針は、深刻な顧客離れを生じさせました。
S社代表が記者会見を開くも、その信頼は回復せず、最終的に廃業へと追い込まれました。
3.従業員を過労死させた事例
大手広告代理店D社に勤務する20代の新人従業員が、本採用からわずか2か月で自殺した事件について、労働基準監督署によって労働災害と認定されました。
入社してすぐに、インターネット広告を担当することになった新人従業員は、上司から過大な業務ノルマを押しつけられ、月あたりの残業・休日出勤は100時間を優に超えていました。
過大な業務命令がもたらす過労によるストレスによって、新人従業員を抑うつ状態に追い込んだことが、最悪の結果を招いたと認定されたことで、D社は労働基準法違反に問われ、罰金刑に処されました。
この事件をきっかけに、D社からの希望退職者が相次ぎましたが、D社は希望退職者の一部と業務委託契約を結び、個人事業主(フリーランス)として仕事を行ってもらっています。
働き方改革が進んでいますが、D社の社会的信頼は未だ完全に回復されたわけではありません。 | 企業のコンプライアンス違反の中で、最も早期に信頼回復が可能であったと考えられるのはどの事例ですか。 | 企業のコンプライアンス違反の中で、最も早期に信頼回復が可能であったと考えられるのは「個人情報が大規模に流出した事例」である。B社は被害を受けた顧客に対し、金券を贈るなどの補償を行ったが、徹底した情報管理の強化を早急に実施し、信頼回復に努めていれば、他の事例と比べて回復の可能性が高かったと考えられる。 |
JCRRAG_009005 | IR | 「経営戦略」の定義とは
「経営戦略」とは、企業が競争環境の中で自らの経営目的・経営目標を達成するための方針や計画全般を意味する。どれほど巨大な企業であっても、保有する経営資源(ヒト、モノ、カネ)は有限だ。企業が掲げる目標や目的に応じて、選択し分配していく必要がある。そうした企業活動の基軸となる指針や指標、また方策を実現するための体制づくりなども「経営戦略」には含まれる。
●「経営戦略」の目的
企業はすべてのリソースを有しているわけではない。当然ながら、強みや弱み、特性がある。それらを経営者は理解・把握した上で、組織改革や事業の方向性を決定していかなければならない。やるべきこと、やらなければいけないことは数多くある。それらにどのような優先順位を付けて実行していくかを明確に打ち出していくためにも、戦い方の根幹がどうしても必要になってくる。それが、「経営戦略」を策定する目的と言って良いだろう。
●「経営戦略」の必要性とは何か
グローバル化の進展やIT・AIの普及、ニーズの多様化、競争環境の激化など、現代は変化のスピードがますます増している。こうした時代において、企業は10年、20年先の生き残りに向けてどのような成長シナリオを描いていくかが、一段と問われるようになってきている。そのためにも、経営者は自社の強みや特性を把握・理解し、組織改革や事業の方向性をスピーディ、かつダイナミックに決定していかなければならない。「経営戦略」の必要性が高まっているのもそのためである。
「経営戦略」にはどのような段階や分類があるのか
次に、「経営戦略」にはどのような段階や分類があるのかを解説していこう。
【段階】
「経営戦略」はその対象・範囲の違いから、企業戦略・事業戦略・機能別戦略の3つの段階に分類できる。
●企業戦略
企業戦略(全社戦略)とは、「どの事業に注力するか」や「どういった成長を目指すか」など、会社全体の方向性を定める中長期的な戦略を指す。代表的な施策としては、企業経営の基本的な考え方や哲学を示した経営理念の策定・浸透、企業の長期的なドメインの定義、事業の基本構成としての戦略的事業単位の設定、経営資源配分方針の決定などが挙げられる。
●事業戦略
事業戦略とは、全社的な企業戦略を各事業レベルで実現するために落とし込まれた戦略を意味する。近年企業では、事業の多角化や事業部制の進展などもあって、それぞれの事業の経営戦略を明確にする必要性が高まってきている。代表的な施策としては、どのようなターゲットにどんな商品・サービスを提供するかといった事業領域の設定と資源配分、ビジネスユニットごとの市場・顧客戦略と商品・サービス戦略の策定、収益が還元される仕組みである事業モデルの設定などがある。
●機能別戦略
機能別戦略とは、社内の機能組織を最適化させるために策定する戦略を指す。具体例としては、マーケティング戦略や営業戦略、財務戦略、人事戦略、研究開発戦略、購買戦略、生産戦略、物流戦略などが挙げられる。
【戦略の種類】
「経営戦略」にもさまざまな種類がある。ここで、いくつかを紹介しよう。
●多角化
多角化戦略は、既存事業とは別の新規事業を展開する「経営戦略」を指す。大手企業で良く採用されており、その目的としては、売上・利益の向上や経営資源の有効活用、リスク軽減などがある。多角化戦略はさらに、既存技術を活用し、既存と同様の顧客をターゲットに新たな製品を提供する「水平型多角化戦略」や、既存製品の製造フェーズや流通フェーズに展開する「垂直型多角化戦略」、自社の中核技術を活かし、ターゲット顧客に関連した事業に参入する「集中型多角化戦略」、既存事業と関連性のない業種に参入する「コングロマリット型多角化戦略」などに分類される。
●差別化
差別化戦略とは、競合他社との違いや優位性が明確な商品(製品)・サービスを特定の市場に投入し、高いシェアを獲得する「経営戦略」だ。明確な差別化ポイントがアピールできなければ、類似した商品・サービスとの価格競争に巻き込まれるだけになってしまう。代表的な差別化戦略としては、ブランド戦略が挙げられる。これに成功すると、商品(製品)・サービスに対する顧客の愛着や信頼が構築でき、長期的な売上と高い利益率を期待できる。
●グローバル
グローバル戦略とは、新たな市場開拓や競争優位の獲得を目的として世界規模での事業展開、事業開発を行なう「経営戦略」を意味する。製造業を中心に、昨今は多数の日本企業がこの戦略を実施している。グローバル戦略の代表的な事例としては、生産拠点を人件費の低い海外に置く海外生産移転や原料調達からの全プロセスをより効果的に管理するサプライチェーン戦略、グローバル人事の策定、リバース・イノベーションなどが挙げられる。
●コストリーダーシップ
コストリーダーシップ戦略とは、 他社が実現困難な低コストを強みにシェアの拡大を図る「経営戦略」を指す。ただ単純に価格を下げるだけではない。バリュー・チェーンの見直しや経済規模、経験曲線などによって、製造・販売に関連したコストを大幅に圧縮することで、初めて実現できる。 | 企業戦略、事業戦略、機能別戦略の違いについて説明してください。 | 企業戦略、事業戦略、機能別戦略は、それぞれ異なるレベルでの経営戦略を指す。企業戦略は会社全体の長期的な方向性を決定し、どの事業に注力するかを決める。事業戦略は、企業戦略を各事業単位に落とし込み、具体的な市場やターゲットに対する方針を策定する。機能別戦略は、マーケティングや財務、人事などの特定の機能領域に焦点を当て、最適化を図るものである。 |
JCRRAG_009006 | IR | 1特許明細書は「発明の説明書」である。技術の説明には「文才」は要らない。即ち誰もが理解できる日本語で書くこと、他言語に変換することを意識して書く「心」が必要である。
2技術仕様書は、背景の異なる人たちにも理解できるように明確に記述せねばならない。そのためには論理的思考を身につけ、記述する訓練をする必要がある。日本人は論理的に表現することが苦手と言われている。英語が論理的表現に適している言語とすれば、その対極にあるのが日本語である。
3我々は文化を同じくするもの同士であれば、情報の意思の交換に何ら支障もない言語を手にしているし、他言語のそれを日本語に転換する上での柔軟性も十分に持った言語を母語として享受している。しかし、一方において世界の人々を相手として意識したときに、誰にでも理解できる平明な表現で、ということを我々日本人は意識してきたであろうか?残念ながら否である。実は日本語は極めて完成度の高い言語で、これを論理的に表現することは、十分に実現できるのである。
4技術は、普遍性のあるものであるから、それを記述する際には、文化的な要素はできるだけ排除されている。つまり、英語パテントを読む上で、アメリカ文化は知らなくても良い。従って、オープンイングリッシュの一つとみなす事ができる。
5特許の権利は、言語で請求する必要がある。発明の現物を示しても誰も認めてくれない。世界の中で唯一の汎用言語は英語である。従って、世界の中で権利を主張するためには、否応なく、英語で行なうことが必要となる。そこでは、単に文法的に正しい英語で記述するということだけではなく、権利を獲得するために、英語のベースとなっている思考方式の上で主張する必要がある。
6ip戦争は言語の戦争である。世界で使われる言語は英語である。日本にとって、これほど不利な条件で戦わなければならない例は、歴史上一度もなかった。製品の品質や価格で勝負するのとは違う舞台で戦わなければならないのである。そのためには、英語にも強く、情報分析もできる数多くの戦闘部員をできるだけ短期間に用意しなければならないはずである。
7日本企業の製品に対する品質チェックは厳しく、品質保証体制がしっかりと構築されている。品質に疑問があれば、出荷を停止する抑止力も働く。しかし、外国への特許出願明細書にはチェック体制すらなく、不良品と分かっていても平気の平左で出荷している現実が信じられない。大金をドブに捨てているだけでなく、改善をしようともしない、これが一番「ダメ」な人材である。
8確かにクレーム(特許請求項)は特殊な記述方式が取られているので、一見したところ難解である。発明の詳細説明も、漏れがないように詳細に書かれているので読んでいて嫌になるが、背景や要約は通常の文書文である。むしろ、論理的に、構造的に記述されているので、新聞記事や下手な論文よりもずっと平明である。実は特許英語文はやさしかったのである。
9英文特許文章は難しいと言われているが、実は大きな考え違いをしている。アメリカ特許法には「誰もが理解できるように書く」ように規定されている。ということは曖昧な言い回しはなく、事実を明確に論理的に記述しているだけである。従って、英文特許文章の英文構造をひもといて、いくつかの構造パターンを身につけてしまえば、スイスイと読めるようになる。また、アメリカ人エリートが書いたアメリカ特許文書を真似て書けば、書くことも困難ではなくなる。英文特許文書はシンプルで実に優しいのである。
10特許明細書は文明としての技術を言語で記述したものであり、また、発明を開示してその権利を獲得するために、そこには一定の様式、あるいは常用の様式があり、記述を真似ることは可能である。 | 即ち誰もが理解できる日本語で書くこと、他言語に変換することを意識して書く「心」が必要で、文明としての技術を言語で記述したものは何ですか。 | 即ち誰もが理解できる日本語で書くこと、他言語に変換することを意識して書く「心」が必要で、文明としての技術を言語で記述したものは特許明細書です。 |
JCRRAG_009007 | IR | 読まれるプレスリリースの書き方【アイアール編】
日本経済新聞社 日経マネー 編集委員 大口克人
33年以上の記者生活で毎日多くのプレスリリースに接してきた。その3割ほどが、残念ながら意味が伝わりにくいものである。プレスリリースの目的であるメディアの取材につながる「読まれるプレスリリース」について解説する。
1.読まれるプレスリリースのポイントは4点
簡潔で内容が一目で分かる見出し、こなれた本文
5W1H(いつ、どこで、だれが、何を、どうして、どのように)の要素は、必ずいれる。
正確で、かつ内容が理解しやすくまとまっている
正確さにこだわるあまり「など」の多用や回りくどい表現は避ける。
1枚目を読めば分かる内容に
「新しいサービスができました」といった書き出しで、新サービスのみの内容では、何がどう変わっているのか分かりにくい。前後の流れを多少補い、1枚目を読むだけで内容が分かる構成に。
文章量が適当で、文字だけでなく図版が適度に入っているもの
ぱっと見た時のバランスも重要。肝心なことは冒頭に。
見出しはゴシック、本文は明朝が基本。
2.ダメなプレスリリース
見出しが長い
A4で見出しが4行以上は長すぎる。
漢字が7文字以上つづくと直感的に伝わりにくい。
本文
行間が詰まり、文字が多すぎるものは読みづらい。
書体や文字サイズにメリハリがない。
主語がない。「関係者」ではだれなのか分からない。
「日本発」「業界初」などの場合はエビデンスがないと取り上げにくい。
読み手にとって、どんなメリットがあるのか書かれていない。
【メールの場合】
長い社名で始まり、タイトルに内容がないものは読まれない。
例:「〇〇〇〇〇〇ホールディングス 本日の情報をお送りします」
内容が薄いわりに頻繁に送られてくると読まれなくなる。
3.書き方のテクニック
重文構造で難解なものにしない。短文、複文までなら分かりやすくなる。
語順によって印象が変わるため、大事な内容は、前に出す。
見出しは極めて重要。ウェブ記事や書籍では見出しを変えるだけで、売り上げやアクセス数の違いが出る。
日経電子版の見出しは最大26字。強いワードを前に、間にアキをいれて短文2文にしている。漢字の連続は避けている。
リリースも検索で見られやすいように、重要なワードはタイトルの始めに入れる。
カタカナの多用は避ける。
例:オススメ、カラダが痛い、キレイになる
平易な漢字をひらがなにしない。熟語は理由がない限り極力開かない。
例:つくる、ひと、とき、妊しん、障がい者、平たん、強じん化 | 書き方のテクニックは何個ありますか。 | 書き方のテクニックは7個あります。 |
JCRRAG_009008 | IR | 医薬品の製剤特許に関する基礎知識と調査方法
医薬分野における特許としては、製剤特許が最も多く出願件数が多いと思われます。製剤技術に関するもの、添加物に関するものなどが主になりますが、特許の内容は多岐にわたります。また、医薬における訴訟でも製剤特許を対象としたケースは多くあります。
今回は、製剤特許について概略をまとめてみました。
1. 製剤特許とは
医薬品は投与された際に、最適な効果が得られるように製剤設計されますが、その医薬品に用いられた製剤技術や添加物などを特許として出願したものになります。例えば、化合物を安定化させる工夫や有効成分の吸収率向上などを目的とした製剤技術はこの製剤特許に当たります。
基本的な製剤は、物質特許等に記載されことが多いですが、製法特許同様に後から改良がされ特許出願されることもあります。ジェネリック医薬品対策の一環としての出願も多く見受けられます。
2. 製剤特許の種類
製剤特許には主に次のようなものが挙げられます。
1 処方
製剤特許しては最も多くみられる特許といえます。製剤中の有効成分以外の添加物を検討することによって、例えば、安定性や溶解性を向上させることができたとして特許出願されます。より具体的には、有効成分に対して知られていない添加物を用いたり、添加物の含有量を範囲限定するなどして特許を出願します。
例)
有効成分Bに添加剤CとDを配合した徐放製剤
有効成分Eに添加剤Fを○○~○○重量%配合した錠剤
2 剤形
医薬品の形状・形態に関する特許です。剤形としては、錠剤、カプセル、粉末、シロップ、注射液、配合剤等々が挙げられます。剤形を後から変更したものを特許として出願したりします(錠剤からカプセル剤など)。錠剤を徐放錠やOD錠等にしたりするのも剤形変更といえます。剤形を変更すると処方も変わることが多いので(1)とともにクレームされることもあります。
3 製剤構造
主に錠剤の場合で、その錠剤の構造に関する特許も多く出願されます。例えば、安定性を向上させたフィルム錠や飲みやすくした糖衣錠などが挙げられます。配合変化を起こす複数の成分を直接接触させない別々の層とした二層錠なども製剤構造といえます。
4 製剤製法
製剤を製造する方法も特許出願の対象にされます。製剤工程における条件を特定したり、添加物を加える順序に特徴がある場合などが挙げられます。上記の処方特許や剤形、構造の特許とともにクレームされる場合もあります。
3. 医薬品メーカーにおける製剤特許の重要性
製剤特許の存在自体は、厚労省の承認に影響はないのですが、ジェネリック医薬品が特許に抵触すると訴訟になりますので、特許回避やその他の対策が必要になります。
一方、先発医薬品企業としては、製剤特許は製品寿命を延ばすことも考えられることから、ジェネリック対策として随時製剤特許を出願しておくことが望ましいと考えられます。ただし、製剤特許には、上記の通り種々の特許がありますが、「製剤製法」のような方法の発明の場合は、その方法およびその方法により生産したものにのみ権利が及ぶことになりますので、権利行使においてはその方法により生産したことを特定できるかがポイントになることは製法特許と同様となります。また、処方特許の場合は、物の発明になりますが、製剤品に用いられる添加物を特定できるかが問題になることもあるようですので、特許出願には検討を要する場合があります。
4.特許の存続期間・延長制度
製剤特許の場合も、安全性等を確保するための試験の実施や国の審査等により特許権の存続期間の侵食があるため、最大で5年間の延長が認められます。その間は特許の製剤品を製造販売することはできなくなりますので、期間満了まで待つか回避等が必要になります。
製剤の特許の場合も、ジェイプラットパット等で調査することができます。 | 製剤特許の種類は何種類ですか。 | 製剤特許の種類は4種類です。 |
JCRRAG_009009 | IR | IR資料とは、企業が投資家・株主などに対して、経営状況・財務データ・業績見通しなどの企業情報を提供するための資料のことです。投資家は、このIR資料をもとに投資判断を行います。企業にとっては自社の経営状況や魅力を投資家に伝える資料になるため、非常に重要な役割を果たします。
では、IR資料にはどのような種類があるのでしょうか。ここでは、主に以下の5つを紹介します。
決算短信は、自社の決算内容をまとめた書類のことです。四半期ごとに経営成績や財務情報を開示し(四半期決算短信)、1事業年度で通期の決算短信を開示(通期決算短信)します。財務情報や今期の業績に至った理由などを事実ベースで細かに記載する点が特徴的です。フォーマットは証券取引所が定めており、開示は決算期末後の45日以内が適当、30日以内の開示が望ましいとされています。
決算説明資料は四半期ごと、あるいは半期・1年ごとに開かれる決算説明会で使用されるスライド形式の資料です。決算短信と異なり、フォーマットは自由であるため、自社の魅力を最大限に伝えられる点が特徴です。グラフや図解を多く用いて、配色も見やすいようにすることで、投資家が理解しやすい資料にする必要があります。最近では決算説明会は半期毎でも、決算説明資料は四半期毎に開示する企業が増えています。
中期経営計画は、企業の3-5年後までの定量的な目標をまとめた資料のことです。作成・開示ともに義務ではありませんが、投資家に対して中期の方針を説明する上では非常に重要な資料となります。東証プライム上場企業を中心に、年々開示する企業数は増加しています。
有価証券報告書は、事業年度ごとに企業情報や経営状況を報告する資料です。各事業年度末3か月以内に内閣総理大臣に提出することが義務付けられています。決算短信と比較して速報性は劣りますが、その分企業情報が細かく記載されている点が特徴です。例えば、事業内容や企業の沿革、経営上のリスクなどの情報があり、ページ数は100ページ以上にのぼります。公認会計士あるいは監査法人の監査が義務付けられており、情報の信憑性はかなり高いと言えるでしょう。
統合報告書は、財務情報だけでなくESGへの取り組みなど非財務情報も統合して記載する資料のことです。統合報告書を通して、投資家に自社の価値や持続可能性を伝えることができます。開示義務はないものの、開示企業は年々増加しています。 | 四半期決算短信の開示は、何か月に一度ですか。 | 四半期決算短信の開示は、3か月に一度です。 |
JCRRAG_009010 | IR | IRプランナー(CIRP)はIR業務に必要な知識やスキルを認定する資格で、”特定非営利活動法人 日本IRプランナーズ協会”が提供しています。
IRプランナー試験を受けるには、認定講座を受講する必要があります。IRプランナー講座は大手上場企業を中心に2,000人以上が受講しており、特に新任IR担当者向けの講座となっています。受講料は11万円となっています。
IRプランナーの試験内容には資本市場、企業分析、情報開示とIR活動、総合問題(レポート)の4科目があり、IR担当者として押さえておくべき知識が網羅されています。計算問題や記述式の問題もあるため、IR活動の本質を理解する手助けになるでしょう。
試験は半年に一回行われます。そして、試験の2か月ほど前に行われるIRプランナー講座の受講は必須となっています。難易度は回によってまちまちですが、直近4回の合格率は60%程度となっています。特に1回で全ての科目に合格した「全科目合格率」は40%程度と半数以上が落ちてしまっています。資格取得のためには講座の内容を復習し、ある程度の学習時間を設ける必要がありそうです。
IR担当者の需要は年々高まっています。以前はIR活動=仕方なくやるもの、といった企業も多かったですが、近年は大きな変化が起きています。東証の市場再編によりプライム市場の上場維持基準が厳格化され、IR活動に力を入れる企業が増えています。またアクティビストによる投資も増えており、投資家とのコミュニケーションは重要となっています。それに付随して財務面の豊富な知識と英語を含めたコミュニケーション能力を兼ね備えたプロのIR担当者は市場価値が高まるでしょう。 | IRプランナー講座の値段は、いくらですか。 | IRプランナー講座の値段は、11万円です。 |
JCRRAG_009011 | IR | ESG投資とは、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)を投資に取り入れることを言う。ESG投資が盛んになる以前、日本でも社会的責任投資(SRI: Socially Responsible Investment)が一時期話題となった。それでは、この ESG投資と
SRI ではどこに違いがあるのであろうか。両者の定義は、完全にコンセンサスが得られているわけではないが、以下のように考えられる。SRIは、企業の社会的責任(CSR: Corporate Social Responsibility)にフォーカスしたファンドであるのに対し、ESG投資は従来のファンダメンタル分析(企業の収益力や財務健全性等)に、環境、社会、企業統治を加えた投資(一般的にESGインテグレーション投資と言われる)を言う。SRIは、従来のファンダメ
ンタル分析が軽視されるため、大きく広がらなかったが、ESG投資はこのファンダメンタル分析の延長線上にあるため、投資家にとってハードルは低く、多くの投資家に受け入れられた。
ESG投資は、長期投資の手法であり、短期投資には向いていない。ESG投資では、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)と具体的に定義しているものの、これらは、言い換えれば、企業の非財務情報である。長期で企業を分析する場合、企業の将来の利益やキャッシュフローを予想する必要がある。その場合、財務情報は現時点の企業の収益力を表しているが、長期的な企業の収益力を見る場合、この財務情報に加えて非財務情報も重要な役割を果たすことになる。したがって、非財務情報という表現も正確ではなく、「将来の財務情報」と言い換えた方がよいかもしれない。 | ESG投資の構成要素は、いくつあるか教えてください。 | ESG投資の構成要素は、3つあり、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)です。 |
JCRRAG_009012 | IR | IR実施企業の79.9%(前回79.6%)が、IR支援会社を利用していた。現在利用中のサービスは「株主判明調査」が50.1%(同47.5%)、「会社説明会全般のサポート」が47.7%(同49.4%)、「アニュアルレポート・統合報告書の作成」が45.8%(同42.3%)、「開示資料の英文化」が44.9%(同36.1%)の上位4者が40%以上の割合となった。今後利用したいサービスは、「アニュアルレポート・統合報告書の作成」が47.7%(同47.4%)、「株主判明調査」が、45.0%(同41.2%)、「開示資料の英文化」が43.1%(同34.7%)となった。2025年4月からのプライム市場での英文開示の義務化を踏まえ、「開示資料の英文化」の利用ニーズが高まっているようである。
IR支援会社を利用する企業において、主なサービスにかける年間平均費用を見ると、「アニュアルレポート・統合報告書の作成」が1,380.9万円(同1,289.4万円)、「株主判明調査」が436.5万円(同441.0万円)、「会社説明会全般のサポート」が240.0万円(同229.5万円)、「認識調査(パーセプションスタディ)」が176.3万円(同220.1万円)、「海外IR活動のサポート」が233.9万円(同145.8万円)であった。統合報告書の作成を検討する企業は多いが、費用負担は重いようである。 | IR支援会社を利用する企業が、サービスにかける費用のうち、最も高いものは何ですか。 | IR支援会社を利用する企業が、サービスにかける費用のうち、最も高いものは、アニュアルレポート・統合報告書の作成です。 |
JCRRAG_009013 | IR | 日本でIR活動が始まったころの1990年代、全米IR協会は“managing market expectation”(資本市場の「期待」を「調整」する)ためのIRを重視していたと記憶している。これは「情報を自発的に市場に伝えることにより、なだらかに株価を実態に近づける」行動を含意している。しかし、それが行き過ぎると市場の「期待」のみならず、株価そのものを「調整」しようとする意思が働きかねない。実際、現在の全米IR協会の「IRの定義」に“managing market expectation”という記述は見当たらない。代わりに打ち出されているのは“strategic management responsibility”(戦略的な経営の責任)であり、それは「ファイナンス、コミュニケーション、マーケティング、証券関連法令へのコンプライアンスを統合したもの」で「資本市場や他の関係者との効果的なコミュニケーションによって、市場での適切な評価を導く」という。
ひるがえって日本では、IRを「企業と投資家が建設的な関係を築くコミュニケーション活動」と位置づけ、「信頼性と戦略性を兼ね備える活動」として普及を進めてきた。日本企業は、グローバルな資本市場で評価が高い海外企業に比べると、収益性や資本生産性の水準はまだ低いものの、顧客からの製品やサービスへの信頼性は高いといえる。資本市場に対しても信頼性をベースに戦略的な活動を取り入れて、評価につなげようとするIRが、早くから認識されてきたとはいえないだろうか。 | 日本のIRの変遷と、米国のIRの変遷について、200文字以内で説明してください。 | 日本のIRは、企業と投資家が建設的な関係を築くコミュニケーションであり、製品やサービスへの高い信頼性と同様に、資本市場においても高い評価を得るための戦略的活動として、普及が進んできました。米国のIRは、1990年代は企業が市場に情報発信することで株価調整を期待する側面がありましたが、現在は経営責任から関係者間のコミュニケーションを行い、市場での適切な評価を得るためになされています。 |
JCRRAG_009014 | IR | IRとは、Investor Realationsの略称で、一般的に「投資家向け広報」と訳されます。
ここでいう投資家とは、株主はもちろん自社従業員や利害関係者(ステークホルダー)といった「潜在株主」も含まれます。
つまり、IRとは狭義では投資家向けに、広義ではステークホルダーに向けて、会社の情報を自主的かつ公平に発信することを指します。
IRで発信する情報は、現在の経営状況や財務状況、将来の事業計画や経営戦略等多岐にわたります。
また近年、企業の社会貢献活動に注目が集まっていることから、企業運営に関わるESG情報・非財務情報を公開するケースも増えてきました。
IR活動が評価された結果、投資家が安心して株式を買えるようになり、株価に対してプラスの影響を与えることが可能です。
このように、IR活動による成果は直接目に見えないものの、企業価値向上にとって欠かすことはできません。
IR活動の目的は”株価を上げること”と考えられがちですが、それだけではありません。
株主・投資家との良好な関係の構築
IRの役割は、単に情報発信をするだけではありません。株主や投資家からの意見・提案に向き合う”双方向のIR活動”が大切です。
さらには、IR情報を発信することで、株主や投資家が適切な投資判断をできるようにします。
そのために日々コミュニケーションを取るので、突き詰めるとIRの目的はサプライズを無くすこととも言えるでしょう。
中長期視点の投資家は、ネガティブサプライズのみならずポジティブサプライズも求めていません。
なぜなら、サプライズが頻発するということは、自社の「事業リスク」や「潜在リスク」を株式市場に十分に説明していない、もしくはコントロールできていないことに他ならないからです。
サプライズをなくすためには、日々社内の他部署と綿密なコミュニケーションを取り、数字だけでなく現場の声に耳を傾けることも重要な要素の一つでしょう。
社外に加えて社内のステークホルダーとも信頼関係を築き上げることが鍵となります。
市場から適正な評価を受ける
IRの目的の一つに、情報発信を通して市場から適正な評価を受けることが挙げられます。
IR活動の結果、新たに投資してもらえることもあれば、売却されることも。これはどちらも「市場からの評価」です。
「勘違いされて売却される」「期待されすぎて株価が急騰する」といったことを避け、適正な評価を受けるためにIR活動を実施します。
また、株主や投資家からの意見・フィードバックを社内に還元することもIR担当者の役割です。
投資家からの意見を経営に反映し、中長期的な企業価値向上を実現しましょう。
企業の社会的価値を高める
企業が行う社会貢献活動等をステークホルダーに伝えることもIRの目的の一つです。
近年、上場企業においてはCSR活動(社会的責任を果たすための活動)やESG開示(環境・社会・ガバナンス)が求められています。
そのような社会的意義の大きい活動に積極的に取り組んでいることを株主・投資家に理解してもらうこともIRの役割です。
IRと広報の違い
IRと広報は、どちらも社外に向けて情報発信するという点で同じですが、対象と目的が異なります。
IRは、投資家を中心としたステークホルダーに対して企業情報を発信します。その際、ポジティブな情報だけでなく、自社の課題とそれに対する取り組みも開示します。
一方で、PRは一般社会・マスメディアに向けて自社のアピールポイントを発信します。
最後に、主なIR活動を「対面」「非対面」に分けてご紹介します。
対面でのIR
決算説明会
主に上期と通期で企業が開催するイベント。
投資家やアナリストを対象として、その期間の業績や財務状況、経営戦略等を説明する場です。
当社が主催している「ブリッジサロン」でも決算説明会を開催しています。
1on1MTG
IR担当者や経営陣が、機関投資家(アナリスト、調査会社、ファンドマネージャー等)と1対1で行うミーティング。
業績予想に向けた進捗や成長戦略などの質問に答えます。
IRセミナー
主に個人投資家を対象に、自社の事業内容や業績、成長戦略などをプレゼンテーションします。
大手証券会社やIR支援会社などが開催するセミナーに登壇するのが一般的です。
IR Day
決算説明会では説明しきれない、社内各部門の戦略と取り組みについてより深く掘り下げて説明する場。
企業によって様々な企画・取り組みがあります。アナリスト Dayとも呼ばれます。
非対面でのIR
報告書(統合報告書、株主通信)
統合報告書
財務情報と非財務情報の両方を企業価値の構成要素として、一冊にまとめて掲載する報告書です。
株主通信
企業が株主に向けて発行する報告書で、経営報告書や経営戦略、決算業績等の内容が掲載されています。
ニュースリリース
新規事業、新しい技術開発等の発表、独自の調査結果の報告といった事業活動のトピックスを適宜発信します。
単にPRをするのではなく、投資家が気になる点を意識してリリースを出すのがポイントです。
スポンサードレポート
会社が費用を負担した上で専門のリサーチ会社に依頼して作成するアナリストレポートです。
会社からの開示資料とは異なり、中立性を保った視点で自社の事業内容や課題、強み等を網羅的にまとめてもらえます。
IRとは、潜在株主を含む全てのステークホルダーと相互コミュニケーションを取る活動です。
今後本格的に「金利のある世界」に向かう中で、資本コストを下げる意味でもIRはますます重要になっていくでしょう。
IR活動は上場企業にとって必要不可欠なので、積極的に取り組んでいきましょう。
| ステークホルダーとは何ですか。 | ステークホルダー(Stakeholder)とは、企業やプロジェクトの遂行において、直接的または間接的に影響を与える利害関係者のことをいいます。具体的には、従業員や顧客、投資家、サプライヤー、地域社会などがステークホルダーに該当します。 |
JCRRAG_009015 | IR | IR資料とは、企業が投資家・株主などに対して、経営状況・財務データ・業績見通しなどの企業情報を提供するための資料のこと。
投資家は、このIR資料をもとに投資判断を行います。
企業にとっては自社の経営状況や魅力を投資家に伝える資料になるため、非常に重要な役割を果たします。
では、IR資料にはどのような種類があるのでしょうか。
資料の目的や記載するべき情報は各資料ごとに異なりますが、それぞれ重要な役割を果たします。
決算短信
決算短信は、自社の決算内容をまとめた書類のことです。
四半期ごとに経営成績や財務情報を開示し、1事業年度で通期の決算短信を開示します。
財務情報や今期の業績に至った理由などを事実ベースで細かに記載する点が特徴的です。
フォーマットは証券取引所が定めており、開示は決算期末後の45日以内が適当、30日以内の開示が望ましいとされています。
決算説明資料
決算説明資料は四半期ごと、あるいは半期・1年ごとに開かれる決算説明会で使用されるスライド形式の資料です。
決算短信と異なり、フォーマットは自由であるため、自社の魅力を最大限に伝えられる点が特徴です。
グラフや図解を多く用いて、配色も見やすいようにすることで、投資家が理解しやすい資料にする必要があります。
最近では決算説明会は半期毎でも、決算説明資料は四半期毎に開示する企業が増えています。
中期経営計画
中期経営計画は、企業の3-5年後までの定量的な目標をまとめた資料のことです。
作成・開示ともに義務ではありませんが、投資家に対して中期の方針を説明する上では非常に重要な資料となります。
東証プライム上場企業を中心に、年々開示する企業数は増加しています。
有価証券報告書
有価証券報告書は、事業年度ごとに企業情報や経営状況を報告する資料です。
各事業年度末3か月以内に内閣総理大臣に提出することが義務付けられています。
決算短信と比較して速報性は劣りますが、その分企業情報が細かく記載されている点が特徴です。
例えば、事業内容や企業の沿革、経営上のリスクなどの情報があり、ページ数は100ページ以上にのぼります。
公認会計士あるいは監査法人の監査が義務付けられており、情報の信憑性はかなり高いと言えるでしょう。
統合報告書
統合報告書は、財務情報だけでなくESGへの取り組みなど非財務情報も統合して記載する資料のことです。
統合報告書を通して、投資家に自社の価値や持続可能性を伝えることができます。
開示義務はないものの、開示企業は年々増加しています。
IR資料の目的や役割として、以下の3つを紹介していきます。
透明性を高める
IR資料の役割として、企業の透明性を高めることが挙げられます。
経営状況や財務情報、今後の見通しなどを適宜開示することで、投資家への透明性を高められます。
投資家との信頼関係を構築する
IR資料を開示することで、投資家との信頼関係を構築することも目的の一つです。
投資家はIR資料をもとに投資判断を行うため、IR資料を開示し透明性を高めることで、投資家から信頼を集めることができます。
また、昨今では海外投資家が日本株に積極的に投資を行っており、海外投資家との信頼関係を構築することも重要です。
これに伴い、25年4月からはプライム市場に上場している企業に対して、IR資料を英文で開示することが義務化されます。
海外投資家との信頼関係を構築するためには、英文でのIR開示も欠かせないでしょう。
インベストメントブリッジでは資料の英文開示支援も提供しています。
企業価値の向上につなげる
IR資料の最終目標は、企業価値の向上につなげることです。
上述している通り、投資家はIR資料を読んだうえで投資判断を行います。
そのため良いIR資料を開示することで、投資家からの信頼が集まり、株価や企業価値の向上につながるでしょう。
開示義務のない決算説明資料や中期経営計画・統合報告書なども、企業価値向上のためには開示することが望ましいと言えます。
続いて、IR資料の見方や投資家が見ている情報について解説していきます。
財務情報
まず、「財務情報」は投資家が最優先で見る項目です。
最新の決算状況に関しては、決算短信や決算説明資料・有価証券報告書を通して確認します。
この際、今期の決算内容、前期との比較、通期計画に対しての進捗率などが重要視されます。
今期の業績をデータで示すだけでなく、その業績に至った理由を含めて記載・説明することが望ましいです。
事業のリスク
また、決算説明資料に事業リスクを記載し、決算説明会で説明を行う企業も多くあります。
必ずしも決算説明資料に事業のリスクを載せる必要はありませんが、投資家に対して真摯に情報を公開するという意味では記載することが望ましいでしょう。
その際、単にリスクを記載するだけでなく、リスクへの対策・取り組みも必ず説明しましょう。
今後の見通し
また投資家が投資判断をする上で、「今後の見通し」や「経営方針」も必ず見るポイントです。
来期の見通しは決算短信や決算説明資料に記載し、複数年にわたる中期的な見通しは中期経営計画に記載します。
投資家は企業成長を期待して株を買うため、今後の見通しは充実させるべき項目と言えるでしょう。 | IR資料には何種類ありますか。 | IR資料には5種類あり、「決算短信」「決算説明資料」「中期経営計画」「有価証券報告書」「統合報告書」があります。 |
JCRRAG_009016 | IR | 資本金は、会社設立や事業運営の基盤となる重要なものです。まずは、資本金の基本的な意味や最低額、出資方法について解説します。
●資本金の意味
資本金とは、合同会社や株式会社などの会社設立時や増資時に、出資者から払込みされた資金のことです。この資金は事業運営の元手となるものであり、創業者自身が貯えた資金を用意するケースが一般的ですが、第三者である株主や投資家からの出資を募ることもできます。
集められた資本金は、事業運営の基盤となるだけでなく、設備投資や事業拡大のための資金として活用されます。貸借対照表では、「資産の部」から借り入れなどの「負債の部」を差し引いた「純資産の部」に計上されます。
●資本金の最低額
2006年に施行された新会社法では、「1円以上の資本金」で株式会社設立が可能となりました。
旧会社法では「株式会社の場合には1,000万円以上、有限会社の場合には300万円以上」が最低資本金額として定められていたことを考えると、会社設立時に求められる初期費用が大きく下がったといえるでしょう。
とはいえ、資本金1円のままでビジネスを続けることは、現実的には困難であると考えられます。創業時の資本金は、事業運営の元手であると同時に運転資金でもあるため、適切な金額を設定することが大切です。
●資本金の出資方法の種類
資本金の出資方法は「金銭出資」と「現物出資」の2種類に分けられます。
金銭出資とは、現金出資によって計上される資本金のことです。現金を払い込むだけという、手続きのシンプルさとわかりやすさが特徴です。一方の現物出資は、金銭以外の財産を出資することで計上される資本金です。たとえば、自動車やパソコン、有価証券、不動産などの有形固定資産のほか、知的財産権といった無形固定資産も認められています。ただし、金銭で価格を評価できないものは現物出資の対象にはなりません。
現物出資で500万円を超える価格を評価する場合には、第三者の検査が必要です。具体的には、裁判所に検査役の選任を申し立て、選任された検査役が実際の検査を行います。この手続きを経ることで、現物出資の公正性が確保され、出資額の適正な計上が可能となるのです。
資本金の役割
資本金は、企業運営においては単なる元手にとどまらず、他にも重要な役割を果たします。ここでは、資本金が具体的にどのような役割を果たすのかを解説します。
●社会的な信用を得られる
資本金は、企業の財務力を評価する重要な勘定科目です。特に、資本金の額が大きい企業は、取引先や金融機関から、財務的に安定しており信用性が高いと評価される傾向があります。これは、資本金が企業の信頼度を測る基準の一つとして捉えられているためです。
●取引をする際の与信調査に影響する
企業が新たな相手と初めての取引を行う際には、相手方の信頼性を確認するために与信調査を実施することが一般的です。取引を円滑に進めるためには、商品代金などの支払いを確実に行ってくれる、あるいは商品を確実に納品してくれるという信用が必要なためです。また、借入金の返済を滞りなく行う能力も、取引先からの信用を得るために欠かせません。
このように、信用性を判断する情報の一つとして、資本金の額をチェックされることがあるのです。
●融資の借入限度額に影響する
資本金は、融資を受ける際に金融機関が確認する項目の一つです。特に運転資金を借り入れる際には、融資の希望金額に対して一定割合以上の自己資本が必要とされる場合があります。
また、融資の借入限度額は、資本金額と同等、またはその2倍程度が相場とされています。つまり、資本金が多いほど融資可能額も増える傾向があり、事業拡大や資金調達の場面でカギをにぎる重要な要素となるのです。
●運転資金として活用する
資本金は、設立費用や運転資金として自由に使うことができます。また、資本金は出資者から提供されるものであるため、借入金とは異なり、返済義務がありません。そのため、事業を安定させる大きな支えとなります。
ただし、事業開始直後は、売上が見込めない赤字期間が数か月続くことも想定しなくてはなりません。資本金が少ない場合は、早期に運転資金が不足して、事業運営に支障をきたすこともあり得ます。
そこで、資本金を決める際には、当面必要な運転資金の見積額を参考にするのも一つの方法です。確保した運転資金を活用しながら、事業運営の基盤を築くことが事業成功へのカギとなります。
資本金の決め方
資本金を決める際には、複数の要素を考慮する必要があります。ここでは、資本金を決める基準について4つ紹介します。
●初期投資額と運転資金を基準にする
資本金は、初期投資額に加え、最低でも3~6か月分の運転資金を基準に設定することが推奨されます。運転資金の不足によって経営者の個人資産からの借り入れが決算を越えても続いた場合、「役員借入金」として、決算書の貸借対照表の「負債の部」に計上されることになります。
こうなると自己資本比率が低下し、企業の信用度に悪影響を及ぼす恐れがあります。このような事態を避けるためにも、資本金の設定は当面の運転資金をふまえて決定することが大切です。
●助成金や補助金の条件を基準にする
助成金や補助金では、資本金額や従業員数が申請要件として定められていることがあるため、申請を検討している場合は対象となる条件を考慮しなくてはなりません。
特に、国や自治体などの行政機関が取り扱う助成金や補助金では、条件を満たさなければ受給対象から外れてしまいます。事前に助成金や補助金の情報を集め、条件に基づいて資本金額を適切に設定することが申請への第一歩です。
●許認可の条件を基準にする
許認可が必要な業種では、最低資本金額が法律によって定められている場合があります。たとえば、以下のような業種では、必要最低資本金額が明確に規定されています。
業種ごとの最低資本金の例
有料職業紹介事業:500万円以上
建設業:500万円以上
一般労働者派遣事業:2,000万円以上
旅行業:3,000万円以上
これらのような業種での起業を検討している場合は、条件について事前に確認しましょう。最低資本金額を満たしていない場合、許認可を得られず、その業種で直接事業を運営することはできません。
●消費税などの納税義務を基準にする
資本金の金額によって、税金の負担も変わります。たとえば、新たに設立した法人は、基準期間がない設立1期目および2期目は原則として消費税の納税義務が免除されますが、資本金または出資の額が1,000万円以上の場合は免除されません。そのため、消費税の負担を節約したい場合には、資本金を1,000万円未満に設定することも一つの基準となります。ただし、資本金は税負担以外にも事業運営や信用力に影響を与える重要な要素であるため、総合的に判断することが大切です。
さらに、法人住民税の均等割は、資本金や従業員数に応じて負担額が増加し、登録免許税も資本金額に比例して増える仕組みです。また、資本金が1億円を超えると外形標準課税の対象となり、税制上の優遇措置が適用されなくなるため、注意が必要です。
資本金の平均相場
資本金の設定額は、会社設立時の重要な検討事項の一つであるため、平均額が気になるところでしょう。政府統計の総合窓口e-Stat「令和3年経済センサス 活動調査」によると、資本金を300万円以上500万円未満で設定している企業が最多であり、全体の約32.8%を占めています。
次に多いのが、資本金1,000万円以上3,000万円未満の企業で、全体の約31.5%です。一方、資本金が1億円以上の企業はわずか1.7%ほどにとどまっており、90%以上の企業が3,000万円未満の資本金で設立されていることがわかります。
資本金の取り扱い方法
資本金は、会社設立時に払込みを行うだけでなく、その後の事業運営においても適切に管理しなくてはなりません。ここでは、資本金の取り扱いに関する基本的なポイントと、注意点について見ていきましょう。
●会社を設立する場合
会社設立の際には、法人登記を行うために、株主である発起人自身が資本金の払込みを行う必要があります。具体的には、発起人の個人銀行口座にあらかじめ設定した資本金額を振り込み、その入金明細や通帳の表紙のコピーを添えて、法務局に登記申請書を提出します。
法人登記の手続きが完了し謄本が完成すると、法人名義の銀行口座を開設することができるようになります。法人の口座が開設されたら、個人口座にある資本金を法人口座へ移動させることで、その後の資金管理をスムーズに行えるでしょう。
●資本金を使いたい場合
資本金は、会社の資金として、常時使用が可能です。ただし、たとえ代表者であっても、資本金を個人的な目的のために使用してはいけません。
資本金は、あくまで企業の運営資金であるため、自社の資金繰りや運転資金として使用しなくてはならないのです。資本金を使用する際は、企業の利益や持続的な成長を念頭に置くようにしましょう。
資本金とは会社の信頼と成長を支える基盤
資本金は、会社設立や事業運営における大切な基盤であり、事業規模や信用力を示す指標でもあります。また、資本金の適切な設定と管理は、企業の安定的な経営や持続的な成長に直結します。加えて、資本金を含む経理業務全体を効率化することで、経営資源を有効に活用し、さらなる成長の土台を築くことができるでしょう。 | 必要最低資本金額がいちばん高い業種は何ですか。 | 必要最低資本金額がいちばん高い業種は旅行業で、3,000万円以上必要です。 |
JCRRAG_009017 | IR | IRの仕事内容
IRとは、Investor Relationsの略で、日本語では「投資家向け広報」や「投資家対応」と訳されることがあります。
IRは、企業が投資家を中心とするステークホルダーに対して、自社の業績や経営方針、財務状況などの情報を提供し、良好な関係を築くための活動を指します。
具体的な仕事内容には、以下のようなものがあります。
IRの活動例
決算説明会の開催
IRセミナーの実施
1on1MTG
報告書(統合報告書、株主通信)の作成
適時開示・ニュースリリースの配信
広報の仕事内容
広報は、企業が自社の情報をメディアなどを通じて発信し、消費者や一般社会に対して認知拡大・イメージアップするための活動を指します。
広報の活動例
プレスリリースの配信
自社メディアの発信
メディア対応
社内広報
IRの目的
IRは、投資家や株主、ひいてはステークホルダーに対して企業の財務状況や業績を正確に伝え、企業価値を適正に評価してもらうことを主な目的としています。
主な目的
株主・投資家との良好な関係の構築
市場から適正な評価を受ける
企業の社会的価値を高める
株主・投資家との良好な関係の構築
一番重要なIR活動の目的として、投資家に対して自社の正確な経営状況を示すことで、株主や投資家との良好な関係を構築していくことがあります。
株主や投資家は自身の資金を投資するため、信頼関係が築けていることがとても大切です。
市場から適正な評価を受ける
IR活動により市場から適切な評価を受けることで、新たな投資を呼び込み、長期的に株価を安定させることができます。
また、株主からのフィードバックを経営に反映することで、企業価値の向上も目指すことができます。
企業の社会的価値を高める
開示情報の透明性を高めることや、実際に行っている社会貢献活動を伝えることで、社会的価値を高めることができます。
近年、投資家は企業の財務情報だけではなく、企業のCSR活動(社会的責任を果たすための活動)やESG開示(環境・社会・ガバナンス)にも関心を寄せています。
こういった非財務情報も積極的に開示することで、社会的価値も高めることができます。
広報の目的
広報は、企業やブランドのイメージを向上させ、消費者や一般の人々、メディアに対して良好な関係を築くことを主な目的としています。
主な目的
消費者との信頼関係の構築
ブランドイメージと企業の評判の向上
企業・商品の認知拡大や信頼性向上
消費者との信頼関係の構築
積極的な広報活動を通じて消費者の目に留まる機会が増えれば、消費者は企業に対して安心感や信頼感を抱くようになります。
信頼関係が築かれることで製品やサービスは高い評価を受け、長期的な顧客となる可能性が高まります。
これにより、企業は持続的な成長を遂げることができるのです。
ブランドイメージと企業の評判の向上
広報活動では企業やブランドのイメージを向上させ、良い評判を獲得することを目指します。
ポジティブなブランドイメージを築くことは、顧客の信頼を獲得できるだけでなく、市場での競争優位性を確立することにも繋がるのです。
また、危機的状況に対処するための広報活動も重要です。
不測の事態が起こった時も、適切なコミュニケーションによってネガティブな影響を最小限に抑え、自社の信用を守ることができます。
企業・商品の認知拡大や信頼性向上
メディア露出を通じて企業やその製品・サービスの認知を拡大し、信頼性を向上させることも広報の目的です。
プレスリリースやイベントの開催、メディアとの関係構築などを通じて、企業のメッセージを広く発信することができます。
特に自社ではない第三者のメディアで取り上げられることは、企業の信頼性をさらに高める効果があります。
IR・広報担当者に求められるスキル
IR担当者、広報担当者に求められるスキルについて、それぞれ解説していきます。
IR担当者に求められるスキル
IR担当者に求められるスキルには、 コミュニケーション能力や株式市場に関する知識があります。
IR担当者は株主や投資家とやり取りをする機会が多くあります。
株主や投資家との日常的な対話を通して信頼関係を構築していくため、高いコミュニケーション能力が必要となってくるのです。
また、株式市場に関する知識もIR担当者には必要となります。
IRの目的は、株主や投資家からの信頼を得ること。
投資家と適切なコミュニケーションを取るには、自身も投資家と同じ土俵で対話できる知識が必要です。
また、証券取引所や金融庁によって定められた情報開示のルールも知っておく必要があります。
広報担当者に求められるスキル
広報では、IR活動と同じように社内外の様々な人とコミュニケーションを取らなければならないため、コミュニケーション能力が必要となります。
また、自社の強みを効果的に伝えるための企画立案力や、企業イメージを損なうことなくトラブルに対処できる危機管理能力も大切です。
IR・広報のやりがい
IR・広報は投資家や取引先、メディアなど社内外のあらゆるステークホルダーと関わる仕事です。
そのため、様々な人と関わることができるという点がやりがいとなります。
また、IR・広報は株価や企業の評判に直結してくる重要な仕事でもあります。
効果的なIR・広報活動によって株価や企業の評価が上がったときに、大きなやりがいを感じられるでしょう。
IRとPRの違いとは?IR担当者が知っておくべき基本知識を具体例を交えて解説
IR活動を効果的に行うための方法3選
より効果的なIR活動を行うための方法を見ていきましょう。
経営層が積極的にIR活動に関わる
IR活動を効果的に行うためには、経営層の積極的な関与が重要です。
経営層が自ら企業のビジョンや戦略を伝えることは、株主や投資家とのより良い信頼関係構築に繋がります。
特に時価総額が小さい企業やオーナー企業では、経営トップの話を重視する投資家は多いです。
投資家との対話を積極的に行う
投資家との対話を積極的に行うことも重要です。
決算説明会や1on1ミーティングなどを通じて、自社の情報を定期的に発信することが求められます。
また、投資家からのフィードバックを積極的に受け取り、それを経営に反映させることも必要です。
このような双方向のコミュニケーションが促進されることで、投資家との信頼関係が深まり、長期的な投資を引きつけることができます。
IRの専門家に相談する
最後に、IRの専門家に相談することも有効な方法です。
IRの専門家は、IR活動に関する豊富な知識と経験を持っているため、自社のIR活動の質をより高めることができます。
まとめ IRと広報は別物だけど、共通する部分もある
IRと広報の違いについて理解は深まったでしょうか。
IRは株主や投資家との良好な関係を築くことを目的とし、投資家と双方向のコミュニケーションを行います。
一方、広報は企業認知やイメージの向上を目的とし、各種メディアでの発信などを行います。
とはいえどちらも「企業価値を上げる」「ステークホルダーに自社を知ってもらう」という目的は共通しています。
IRは企業の重要な活動であるため大きな責任が伴いますが、その分やりがいも大きい仕事です。
広報との違いを明確にしながら、効果的なIR活動を行っていきましょう。 | IRと広報の違いについて説明してください。 | IRは投資家向け、広報は消費者・一般社会向けの情報発信活動を指す。IRでは投資家との双方向のコミュニケーションが重要である。
IR・広報ともに「企業価値を上げる」「ステークホルダーに自社を知ってもらう」という目的は共通している。 |
JCRRAG_009018 | IR | IRの概要
IRとは、事業運営のための資金を提供してくれる投資家や株主に向けて、投資を判断する際に必要な自社の情報を、自主的に公平に提供する活動のことです。
IRという言葉はInvestor Relations(インベスター・リレーションズ)の略で、日本語では「投資家向け広報」と訳されます。
IRで提供する情報は多岐にわたり、現在の経営状態や財務状況、企業活動の実績、さらに将来的な見通しなども含みます。加えて、知的財産の状況や社会貢献活動、環境活動など、企業運営に関わる非財務情報を公開するケースも増えています。
IRを積極的に行っている企業は、健全に経営されている、信頼できる企業だという印象を与えます。しかし、株価を上げることを目的に内容が薄い情報開示を頻発するといったIRによって、投資家の評価を下げてしまう企業もあります。IRは、短期的な株価の上昇を目指すものではなく、長期的に自社を理解し、応援してくれる投資家や株主を増やすための活動だと考えることが大切です。
IRの活動は、かつては文書での報告や説明会の開催が主流でしたが、近年はほとんどの企業が自社のWebサイトでIR情報を公開しており、誰でも気軽に企業の最新情報を確認できるようになりました。 | IRで提供する情報に決算報告書は必要でしょうか。 | IRで提供する情報は、現在の経営状態や財務状況となるため決算報告書は必要です。 |
JCRRAG_009019 | IR | 「インベスターリレーションズ(Investor Relations)」とは、機関投資家や個人投資家に向けた情報提供を指します。企業の経営や財務状況など、投資判断に必要な情報提供をさまざまな手段を用いて行います。
後に詳しく述べますが、上場企業に義務付けられている法定開示書類の作成のほかに、各種説明会の開催やイベント出展など対面による情報提供と、アニュアルレポートなどの制作・発行、Webサイトやメールを使った情報提供に分けられます。
インベスターリレーションズの最大の目的は、多くの投資家に上場企業としての自社に興味関心を持ってもらうことで、より多くの投資機会を創出することです。そのためには、投資家が必要とする情報を十分に開示し、彼らが安心して投資判断できる信頼関係を構築することが重要です。
インベスターリレーションズが重要な理由として、投資家は上場企業が開示する法定開示書類をもとに投資判断を行いますが、事業には数字データに表れない情報も多く存在します。その保有にはさまざまな制約がありながらも、自社株を持つ社員や持ち株会など、事業運営に関する情報に触れることが多い立場の投資家が存在する中、外部の投資家にも遜色ない情報を提供することは、公平性の点からも非常に重要です。
また、多くの業界が成長・拡大していく中で、近年では株式公開買い付け(TOB)案件が複数起こるなど、上場企業であるがゆえに自社の事業環境が大きく変わる局面にさらされる可能性も高くなっています。万が一自社がその対象となった時に、迅速に必要な情報開示ができる体制を常に整えておくことは、上場企業として必要不可欠です。
さらに、世界的なSDGsへの取り組み支持が高まる中、社会的に認められる企業として存続するためには、ESGへの深い理解とそれに伴う情報開示が必要です。2022年4月より適用される東京証券取引所の再編に伴うカテゴライズでは、プライム市場の企業に対してTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)が義務付けられるなど、その対応は急務となっています。
このように、上場企業として対応を求められる分野はさらに幅広くなっており、インベスターリレーションズの重要性はますます高まっているのです。
| IRは機関投資家や個人投資家に向けた情報提供を指しますが、IRの最大の目的は何でしょうか。 | IRの最大の目的は、機関投資家や個人投資家に向けた情報提供を行い、多くの投資家に上場企業としての自社に興味関心を持ってもらうことで、より多くの投資機会を創出することを目的としています。 |
JCRRAG_009020 | IR | インベスターリレーションズを行う時のポイントを説明します。
まずは、投資家が投資判断できるだけの十分なIR情報を開示することです。
上場企業は基本的に、法定開示書類に指定された情報を正確に開示していれば、条件をクリアしていることになります。しかし、上場した以上、より多くの投資家に興味関心を持ってもらい、自社への期待を投資という形で授受していかなければ、上場を維持することは困難になるでしょう。
どんな情報がどの層の投資家の興味をひき、投資判断につながるのかを常に意識し、投資家が安心して投資を決断できるだけの十分な情報を開示することが重要です。
次に、広報との連携で、より際立ったIR活動を実現することです。
インベスターリレーションズでは既存のステークホルダー=株主やコンタクトができている投資家へのコミュニケーションとともに、潜在的なステークホルダー=未来の株主となりうる層へのアプローチも大切です。
広報部門が日々行っている自社の広報活動は、あらゆるステークホルダーへのアプローチを想定しています。広報と密に連携することで、潜在層の興味関心を投資という形にしてもらう機会を増やしましょう。
また、自社の魅力を伝える活動を行う広報部門は、あらゆるツールを通じた情報の伝え方にも長けています。アニュアルレポートなどのIRツールやIRメールの作成には、広報部門にも関わってもらうことで、際立ったインベスターリレーションズを実現できるでしょう。
最後に、会社を長期的に支えてくれる「ファン」作りを意識することです。
株主とは、自社の事業活動を支えてくれる存在です。「この製品が流行っているから」「現在の注目の技術だから」という今株価を押し上げている要因を投資理由とする投資家は多くいるでしょう。
しかし企業としては、自社の将来を見据えたうえでの中長期的な視点による投資が、もっとも安定した経営につながります。一次的な落ち込みなどに左右されずに株を保有し続けてくれる株主は、企業としての将来性や成長性を期待してくれている、いわば「ファン」のような存在です。数字だけではなく、企業や経営トップの想いも伝わるインベスターリレーションズを通じて、ファンとなってくれる存在を増やせるよう意識することが大事です。 | インベスターリレーションズを行う際のポイントはいくつありますか。 | インベスターリレーションズを行う際のポイントは、投資家が投資判断できるだけの十分なIR情報を開示すること、広報との連携で、より際立ったIR活動を実現すること、会社を長期的に支えてくれる「ファン」作りを意識することの3つです。 |
JCRRAG_009021 | IR | IR(インベスターリレーションズ)資料とは、企業が投資家や株主、市場関係者などに対して企業情報や財務情報などを提供するための文書のことです。主なIR資料には、決算短信、有価証券報告書、株主総会資料などがあります。
これらの資料を開示することで、企業の経営状況や業績・将来の展望などを投資家や株主などの関係者、更には企業研究を目的とした就活生に至るまで幅広い層に分かりやすく示すことが出来、企業の価値や魅力を伝える重要なツールとなっています。
IR資料の特長とその他資料との違い
企業で社外向けに作成される資料としてまず思い浮かぶものと言えば、提案書やピッチ資料などの営業資料ではないでしょうか。ではそれら資料と、投資家や株主向けのIR資料とではどのような違いがあるのでしょうか。以下にその違いとIR資料の特長を3つ説明します。
1. 公式性と信頼性
営業資料は顧客の購買意欲を喚起する目的で作成されることが多いのに対し、IR資料は企業の公式な情報源であり、投資家や株主に提供される公式な文書です。企業は正確かつ適切な情報を提供することで投資家や株主の信頼を獲得し、市場に対して透明性を確保します。
またIR資料は定期的に更新され、公開される必要があります。企業の業績や戦略が変化するたびに、最新の情報が投資家に提供されることで、市場に対する信頼が維持されます。
2. 内容の焦点
営業資料が製品やサービスの特徴や利点、顧客の成功事例などに焦点を当てるのに対し、IR資料は主に企業の財務情報や事業戦略、将来展望に焦点を当てています。これには市場動向、競合状況なども含まれます。投資家は企業の将来性を評価するために、これらの情報を重視します。
3. 投資家や株主への配慮
営業資料が顧客や市場全体に向けて情報を提供する目的を持つのに対し、IR資料は投資家や株主に企業の状況や展望を明確に伝えることを目的とします。
投資家や株主は情報を迅速に理解するために、わかりやすい言葉や整理されたレイアウトの資料を好みます。そのためIR資料では図解やグラフ・表などを使用し、専門用語や財務情報を分かりやすく説明する工夫がなされています。
| 営業資料とIR資料の違いは何でしょうか。 | 営業資料は、商品やサービスを顧客に効果的に紹介し、ビジネスの提案を行うための資料です。IR(インベスターリレーションズ)資料とは、企業が投資家や株主、市場関係者などに対して企業情報や財務情報などを提供するための文書のことです。 |
JCRRAG_009022 | IR | 有価証券報告書と財務ハイライトの読み方
「売上や利益はどのくらいか」「企業は成長しているのか」を知りたい場合は、「有価証券報告書」や「財務ハイライト」を見ると分かります。これらは、企業の実態を数字で客観的に見ることができる資料です。
資料を見るときに特に重要なポイントは次の4つです。
(1)安定性 (2)経営成績 (3)強み (4)平均年収
(1)企業が安定しているかどうかは「純資産」の比率で分かる
「企業が安定しているのか」はとても重要な情報ですよね。この判断材料になるのが、「貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)」です。財産状況については、「貸借対照表」で、大きく3つに分けて「資産」「負債」「純資産」という言葉で表されます。これら3つは「資産=負債+純資産」という関係性で、表の左右が必ず一致します。左右が均衡することから「貸借対照表」は「バランスシート」とも呼ばれています。有価証券報告書には財政状態について、前年度に比べ、どのくらい増減しているのか、合計はいくらなのかが記されています。
「貸借対照表」には項目ごとに詳しく記載されており、こちらも前年度と比較して見ることができます。ここで特に注目しておきたいポイントは「純資産」です。「純資産」は会社の正味の資産、すなわち返済する必要のない資金であるため、「純資産」が多ければ多いほど、財政状況が安定した会社であるといえます。反対に、「負債」が多い場合は注意が必要といえます。
純資産の比率(%)=純資産合計(円)÷ 資産合計(円)
(2)経営成績は数年間の推移を確認しよう
企業の売上や利益も気になりますよね。売上高や利益などの経営成績については「損益計算書」で表されます。さまざまな項目に分けて計上することにより、企業が1年間で生み出した利益やかかった費用についての要因を明らかにします。「損益計算書」も前年度と増減を比較して見ることができます。主に重要な「売上高」や「営業利益」などについては、企業ホームページ(HP)の「財務ハイライト」などのページにグラフ化されたものが掲載されていることがあります。売上や利益は、何らかの影響により、その年だけ激増・激減したという可能性もあるため、1年間の業績だけを見るのではなく、数年間のデータを見ることが大切です。
(3)事業別売上高から企業の強みが見える
「どの事業に力を入れていて、どのくらい売り上げているのか」「企業の強み・弱みは何か」このようなことを知りたい場合は、事業別(セグメント別)の売上高を見てみましょう。特に多角化戦略を進めている企業は、1つの事業に留まらず、複数の事業から成り立っています。売上の多い事業がコア事業が分かります。コア事業とその他の事業の売上を比較してみることで、企業の強み・弱みが見えてくるでしょう。また、海外展開をしている企業は、国や地域ごとの経営成績や戦略についても発表しています。海外での勤務に興味のある方は、海外での市場規模や経営状況についても把握しておくことが大切です。こちらについては、後述する「アニュアルレポート(統合報告書)」にも詳細が載っている場合があるため、あわせて確認することでより詳しく知ることができます。
(4)「有価証券報告書」には平均年収も載っている
「有価証券報告書」からは他にも、次のようなことが分かります。
「平均給与や平均勤続年数は」「従業員人数は」
平均年間給与については、他業種と比較して水準を把握することも可能です。国税庁長官官房企画課が毎年発表している「民間給与実態統計調査」などを参考に比較してみましょう。 | 「貸借対照表」に「負債」の金額が多い企業は、返済する必要のある資金が多い企業ですか。 | 「貸借対照表」に「負債」の金額が多い企業は、返済する必要のある資金が多い企業です。 |
JCRRAG_009023 | IR | アナリストレポートとは、投資家への情報提供のためにアナリスト※が執筆した、企業分析や評価などを載せたレポートを指します。アナリストレポートには、証券会社が発行するものと、証券会社以外が発行するものがあり、いずれも無料で入手できます。
※アナリストとは、個別銘柄の業績や株価、相場全体の動きを分析し、情報提供する人のことです。
アナリストレポートを読むと、「分析のプロが企業をどう分析しているか」が学べます。気になっている銘柄を分析する際の参考資料として使うのがおすすめです。
証券会社が発行するアナリストレポートは、次のような構成で作られています。
目標株価、投資判断、バリュエーション、事業内容、カタリスト(株価が変動するきっかけ)、業務動向、株価が下がる要因、財務データ
目標株価や投資判断、バリュエーションなどアナリスト独自の見解、事業内容や業界動向など、会社に関する情報が載っています。
アナリストレポートの構造上、最初に目標株価や投資判断などに目が行きがちですが、これらの情報は参考程度に見ておくようにしましょう。目標株価や投資判断は有益な情報ですが、最初に意識して見てしまうと、その価格や判断が頭の中に残ってしまい、自分で投資判断するのがむずかしくなるからです。
一方、事業内容や業界動向、カタリストなどの情報は、企業分析に役立つ情報です。自分で探すと時間がかかる情報がまとまっているので、気になっている銘柄ができたら、自分で分析する前に目を通しておくとよいでしょう。 | 個別銘柄の業績や株価、相場全体の動きを分析し、情報提供する人が執筆したレポートを読むと何が学べますか。 | 個別銘柄の業績や株価、相場全体の動きを分析し、情報提供する人が執筆したレポートを読むと「分析のプロが企業をどう分析しているか」が学べます。 |
JCRRAG_009024 | IR | 会社の決算情報は、いつ発表されて、どこで見られますか?
通常、決算は3か月に1度、年に4回発表されます。年度末にあたる3月が本決算の企業が一番多く、通常は締め日から1か月半遅れくらいで発表があります。例えば、3月末が本決算の会社は、1か月半遅れの5月中旬頃に決算発表があります。決算発表までに、ある程度の時間差が発生するというルールを覚えておいてください。
決算発表日は、マネックス証券の銘柄スカウターに載っています。他にも投資判断に必要な情報がそろっていて便利です。口座開設者限定ですが、無料で使えます。
日本証券取引所グループが運営する「適時開示情報」で、速報を確認できます。また、時間差が出てしまうことがありますが、企業のIRページにも掲載されます。IRとは「Investor Relation(インベスター・リレイションズ)」の略で、投資家向け広報と訳されます。IR情報には、投資判断に必要な情報がそろっています。速報性はないですが、翌日の日本経済新聞の朝刊にも、かんたんな数字だけの情報が載っています。
過去の決算情報が見たい場合は、先ほどと同じように、企業のIRページをチェックします。ここに過去数年の決算情報が掲載されています。簡易的でもよければ、「会社四季報」に載っているので確認してください。四季報の情報は、一部のネット証券(口座開設している状態)の中でも見られます。
決算情報(決算短信や有価証券報告書など)は中長期投資家にとって、絶対に読んでおきたい情報です。投資判断に重要な情報が詰まっているので、見逃すことなく、確実に目を通しましょう。 | 6月末が本決算の会社は、通常はいつ決算発表がありますか。 | 通常は6月末が本決算の会社は、1か月半遅れの8月中旬頃に決算発表があります。 |
JCRRAG_009025 | IR | 統合報告書とは何か
統合報告書は、財務情報と非財務情報を統合した報告書である。2013年に、国際統合報告評議会(IIRC)は統合報告書の作成に係る指導原則や内容要素をまとめた「国際統合報告フレームワーク(The International〈IR〉Framework)」を公表した。 フレームワークは、原則主義に基づいており、どのように情報を作成・報告するのかを定めた7つの指導原則、何を報告するかを定めた8つの内容要素を設けている。2022年時点で、2,500社以上が、〈IR〉フレームワークを導入しており、地域別にはアジア太平洋が43.1%、欧州が25.1%、中東・アフリカが23.1%を占める。米州で導入している企業は比較的少ない。
IIRCは、2010年に規制者、投資家、企業、基準設定主体、会計専門家及びNGOにより構成される国際的な連合組織として設立された。2021年に、IIRCは、サステナビリティ会計基準審議会(SASB)と合併し、価値報告財団(VRF)が設立された。2022年に、VRFはIFRS財団に統合された。 サステナビリティの取り組み、開示を行う上で、マテリアリティ(重要性、重要課題)を特定することが求められる。
サステナビリティが企業の財務(投資家)に与える課題を「シングル・マテリアリティ」、ステークホルダーの観点から財務のみならず、社会、環境に与える課題を加えたものを「ダブル・マテリアリティ」と呼ぶ。TCFDは前者の考え方であり、EUのNFRD(CSRD)は後者の考え方を採用する。世界的には「ダブル・マテリアリティ」が主流になるであろう。 | IRフレームワークを導入している企業が最も多い地域はどこですか。 | IRフレームワークを導入している企業が最も多いのはアジア太平洋地域です。 |
JCRRAG_009026 | IR | IR情報(投資家情報)の読み解き方
日系企業のホームページに訪れると会社情報、採用情報、CSRと並んでIR情報(投資家情報)というゾーンがあると思います。今回は初心者がIR情報の見るべきポイントを紹介します。それではIR情報の見方に参りましょう。ここでは初心者でも見やすいものを4つほど紹介します。
企業の今がわかる「決算短信ハイライト」
決算短信とは企業が上場している証券取引所に提出するもので、開示義務があります。開示の時期が早いので投資家が真っ先に見る資料になっています。決算短信ハイライトは、前年比較の全社的、セグメント別の利益の増減とその主な要因がまとめられています。またその企業の規模感、セグメント別の純利益がわかります。初心者にも非常に読みやすい資料となっています。
企業の今がもっと詳しくわかる「決算説明会プレゼン資料」
決算説明会プレゼン資料は、株主向けの決算説明会において社長またはCFOがプレゼンテーションを行う際に用いている資料で、決算短信に比べてカラフルな仕様になっており、視覚的に見ることが簡単になっています。
企業の過去がわかる百科事典「アニュアルレポート」
アニュアルレポートとは企業の財務情報をふんだんに盛り込んだ年次事業報告書のことで、主に外国人投資家やアナリストに向けて出されるものです。実は企業に開示義務はありません。百科事典という表現を使ったのは社長メッセージから各セグメントの説明に至るまでありとあらゆる要素が含まれている為です。自分の興味のあるセグメントに関してはくまなく見ておきましょう。 | 「決算短信ハイライト」と「アニュアルレポート」はどこに向けて出される資料ですか。 | 「決算短信ハイライト」は上場している証券取引所に提出する資料で、「アニュアルレポート」は外国人投資家やアナリストに向けて出される資料です。 |
JCRRAG_009027 | IR | 処方箋がなくても薬局やドラッグストアで買える薬、すなわち一般用医薬品(OTC)は、多くの種類がありますが、OTCは自分で選ぶことができ、また、薬剤師と相談もできたりして、購入しやすいなどの利点があります。風邪や疲労など比較的軽い病気などの症状緩和などに使う機会も多いと思います。
今回は、OTC医薬品の基礎知識と、特許やその他の知的財産権について概略をまとめてみました。
1. 一般用医薬品(OTC)とは
一般用医薬品(以下、OTC)とは、薬局・薬店・ドラッグストアなどで販売されている医薬品で、別名「大衆薬」「市販薬」とも呼ばれています。処方箋がなくても薬局やドラッグストアで、薬剤師等の専門家のアドバイスを受けて、買うことができる医薬品です。OTCは、自分の健康は自分で守るという“セルフメディケーション”を推進するものとして位置付けられています。
作用・副作用の度合いで大きく4つの分類(第1類~第3類、要指導医薬品)に分かれており、それぞれ販売者・情報提供のルールが異なる等、消費者がOTC医薬品を適切に使用出来るように配慮されています。
要指導医薬品:スイッチ直後のOTC等、特に注意が必要で十分な情報提供を要する医薬品。薬剤師による説明等が原則とされており、インターネットでの購入はできないことになっている。
第一類医薬品:使用に関して副作用や作用の強さ等に対して注意が必要な医薬品。インターネットでの購入は可能。
第二類医薬品:副作用等で日常生活に支障をきたす程度の健康被害が生ずる恐れがある医薬品。
第三類医薬品:作用、副作用などが緩和であり、安全性が高いとされている医薬品。
なお、OTCは健康保険の給付対象にはならず、全額自己負担となります。(ただし医療費控除の対象になることがあります)
2.OTCの市場規模
国内OTC医薬品市場規模は、毎年右肩上がりの傾向を示しており、2018年の小売りベースとしては8千億円を超える市場となっています。
2017年の分類別の売り上げとしては、(ミニ)ドリンク剤が1600億円超、総合感冒薬、ビタミン剤がおよそ700億円台、目薬が500億円、胃腸薬が400億円、パップ剤や解熱鎮痛剤が350億円程度となっており、世界では800億ドルとされています。
3.OTCの特徴
OTCの特徴としては下記のようなものが挙げられます。
医療機関で長年使用されて、効果や副作用が十分にわかっているものがOTCとして販売されることが多い。
新たな薬効成分を用いることは少なく、研究開発の負担は比較的小さいケースが多い。
広告宣伝費や店頭プロモーション等の販売促進費がかかる。
薬価制度の対象外であるため、保険がきかない。ただし、セルフディケーション税制(特定の医薬品購入額の所得税控除制度)がある。
4.開発経緯によるOTCの分類(スイッチOTC/ダイレクトOTC)
(1)スイッチOTCとは
「スイッチOTC」とは、医療用医薬品として用いられた成分を、OTCに転換(スイッチ)した医薬品をいいます。これまで医師の処方箋によらなければ使用できなかった医療用医薬品の中から、使用実績があり、副作用の心配が少ないなどの要件を満たした医薬品をOTCとして認可したものです。
主な例としては、解熱鎮痛剤の「イブプロフェン」、消炎剤の「インドメタシン」、生理痛用薬の「イブプロフェン」などがあり、2019年5月末時点で、86成分1727品目が指定されています。
スイッチOTCとなる基準としては、上記の長期間の使用実績、副作用が少ない等の有効性や安全性が挙げられ、また、使用しやすいことや国民の要望があることなども判断基準に含まれています。
スイッチOTCも要指導医薬品、第一類医薬品・・等に分類されますが、スイッチOTCのOTC医薬品としての期間が短い場合はリスクが不確定なため、要指導医薬品として取り扱われています。
(2)ダイレクトOTCとは
「ダイレクトOTC」とは、国内において医療用医薬品としての使用実績がない新有効成分含有医薬品を、直接OTCとして販売する医薬品です。販売時には必ず消費者に対して、薬の情報提供が義務付けられています。
ダイレクトOTCとしては、発毛効果を持つ「ミノキシジル」、足のむくみを改善する効果を持つ「赤ブドウ葉乾燥エキス混合物(アンチスタックス)」、月経前症候群治療薬「チェストベリー乾燥エキス(プレフェミン)」等が挙げられます。
5.OTCと知的財産権
OTCは、一般的には、医薬品成分の特許(物質や用途特許)は期間満了となっているものが殆どですが、他の特許や意匠権、商標権などが取得されている場合があり、製品開発の際には注意を要します。
特許・実用新案:有効成分やその用途(効能効果)の特許は切れていることが多いものの、OTCに関連する特許が存在する場合もあり、注意が必要です。例えば、製剤や配合剤、容器(包装)などに関する特許・実用新案が挙げられます。
意匠:錠剤や容器の形状など、デザインに特徴がある場合は注意が必要です。
商標:商品名(ブランド名)は、商標権侵害とならないように注意が必要です。
その他上記の知的財産権がないとしても、不正競争防止法によって訴訟になる場合も考慮しておく必要があります。
比較的最近の話題としては、「ヒルマイルド」の販売が「ヒルドイド」の商標権侵害および不正競争行為に当たるとして訴訟になったという事例があります。
OTCで訴訟になった事例は少ないですが、OTC医薬品を製造・販売にあたって知的財産権を事前に調査することは不可欠と言えるでしょう。
以上、今回はOTC医薬品の基礎知識についてご紹介しました。 | OTCとスイッチOTCの違いについて350文字以内で説明してください。 | OTCは、処方箋がなくても薬局やドラッグストアで、薬剤師等の専門家のアドバイスを受けて買うことができる医薬品で、別名大衆薬や市販薬とも呼ばれる。医療機関で長年使用されて、効果や副作用が十分にわかっているものがOTCとして販売されることが多い。薬価制度の対象外であるため、保険がきかないがセルフディケーション税制がある。
スイッチOTCとは、これまで医師の処方箋によらなければ使用できなかった医療用医薬品の中から、使用実績があり副作用の心配が少ないなどの要件を満たした医薬品を、OTCに転換(スイッチ)した医薬品のこと。
スイッチOTCとなる基準としては、上記の長期間の使用実績、副作用が少ない等の有効性や安全性が挙げられ、また、使用しやすいことや国民の要望があることなども判断基準に含まれています。 |
JCRRAG_009028 | IR | 上場企業の情報発信における自社ウェブサイトは、株主や投資家を含む多くのステークホルダーにとって企業との最初の接点、いわば「入り口」として機能しています。最新の財務情報を取得したいユーザーもいれば、企業の中長期的な成長戦略やサステナビリティへの取り組みに関心を持つユーザーまで、上場企業のウェブサイトを訪問するユーザーには目的や視点が異なる多様なニーズがあり、更に企業や市場環境等への理解度も様々です。そのため、ウェブサイトでは、ユーザーの多様な目的や視点等に応じた情報を適切な分類のもとに分かりやすく配置して発信することが期待されます。第一の窓口となる「入り口」をどのように設計して運営するかは、全てのステークホルダーとの信頼構築に直結し、ひいては企業価値の向上へと繋がると言えるでしょう。
国内の上場企業が提供するIRサイト(株主・投資家向け情報サイト)の使いやすさや情報の充実度評価を目的としてランキング調査を行っています。「ウェブサイトの使いやすさ」「財務・決算情報の充実度」「企業・経営情報の充実度」「情報開示の積極性・先進性」の4つのカテゴリから構成される評価項目は、主要ユーザーである株主や投資家の視点を中心に設定しています。
「Gomez IRサイトランキング2024」上位10社は、次の通りです。
8.82点 伊藤忠商事 、8.55点 コニカミノルタ 、8.52点 セブン&アイ・ホールディングス、8.44点 日本ペイントホールディングス、8.37点 ソフトバンク、8.19 点みずほフィナンシャルグループ、8.19 点富士電機 、8.19 点東急不動産ホールディングス
、 8.13 点りそなホールディングス 、8.12 点中外製薬
本年の傾向としてまず挙げられるのは、2023年3月に東証が公表した「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」や「株主との対話の推進と開示について」等を踏まえたウェブサイトへの情報拡充の動きです。ROEや資本コストといったデータを掲載する企業や、特定のページやセクションもしくはCFOメッセージを活用して成長戦略や資本政策を説明する企業等、取り組み方は企業ごとに異なりますが、東証の問いかけや社会的関心に応え、会社の考え方、実績値や目標値をウェブサイトでもわかりやすく掲載する企業が目立ちました。
| IRサイトランキング2024に掲載された企業で点数の高い上位3企業はどの企業でしょうか。 | IRサイトランキング2024に掲載された企業で点数の高い企業は、伊藤忠商事、コニカミノルタ 、セブン&アイ・ホールディングスの3企業になります。 |
JCRRAG_009029 | IR | IRとは
Investor Relations
IR(インベスター・リレーションズ)とは、企業が株主や投資家に対し、投資判断に必要な企業情報を、適時、公平、継続して提供する活動のことをいいます。企業はIR活動によって資本市場で適切な評価を受け、資金調達などの戦略につなげることができます。株主・投資家も、情報を効率よく集めることができるようになります。
投資判断に必要な情報といえば、開示が義務づけられている有価証券報告書など、制度的開示(ディスクロージャー)があげられますが、IRは制度的開示にとどまらず、企業が自主的に行なう情報提供活動を指します。インターネットなど時代に即した新しいIR活動も活発です。
制度的開示に対し、IRは企業の取り組み方次第で結果が大きく違います。IRによって信用を高める企業がある一方、信用を失って株価を下げる企業も少なくありません。
ただし投資家やアナリストの信頼を得るにはルールがあります。IRは基本ルールを守った上で独自の戦略を求められる活動だといえるでしょう。
(参考:IR戦略の実際 日本IR協議会編 日本経済新聞社刊)
全米IR協会(NIRI)のIRの定義 (2003年3月)
IRの定義
インベスター・リレーションズ(IR)は、企業の証券が公正な価値評価を受けることを最終目標とするものであり、企業と金融コミュニティやその他のステークホルダーとの間に最も効果的な双方的コミュニケーションを実現するため、財務活動やコミュニケーション、マーケティング、そして証券関係法の下でのコンプライアンス活動を統合した、戦略的な経営責務である。 | IRは企業の取り組み方によって結果が大きく違うことになりますが、どのようなリスクがありますか。 | 信用を失って株価を下げるリスクがある。 |
JCRRAG_009030 | IR | 海外投資家の投資動向
海外投資家の投資目的別分類
ひとくちに海外投資家といっても、中央銀行等(外貨準備の運用)、国際金融機関、年金基金、生命保険会社、資産運用会社などのリアルマネー投資家と言われる機関投資家のほか、ヘッジファンド等、様々な海外投資家が存在します。これまでの日本国債IRを通じて延べ2,000件以上の海外投資家との面談を実施(図1 日本国債IRにおける面談先の地域・業種分布)しました。海外投資家と聞くと、国債の短期売買を繰り返して収益を追求するイメージを持つかもしれませんが、実際はそれだけではなく、日本国債への投資目的は様々です。数千億~数兆円の日本国債を安定的に保有する中央銀行などのリアルマネー投資家も相当数います。
そこで今回は、海外投資家の日本国債への投資目的を、独自に次の4つに分類し、その概要を紹介させていただきます。
(1)収益の追求
(2)キャッシュの管理
(3)資産負債管理(ALM)
(4)流動性規制対応、担保需要等
1つ目は「収益の追求」についてです。多くの海外投資家は、利息収入やキャピタル・ゲイン(売却益)狙いで、様々な投資戦略により日本国債に投資しています。最も多く聞くのが、「日本国債市場は低金利かつ低ボラティリティの環境下であるものの、保有するドル等の外貨から通貨ベーシススワップを利用して日本国債に投資すれば、プレミアムを得られ日本国債への投資妙味がでてくるため、短中期の日本国債に投資している」という意見です。この投資戦略だけを採用しているとは限りませんが、ここ2年間の日本国債IRを通じ、外貨準備を運用する中央銀行、国際機関、年金基金、資産運用会社など幅広い業種の海外投資家から同様の意見が聞かれました。
次によく聞かれたのが、債券のインデックス運用です。特に、一部の中央銀行や資産運用会社等は、債券インデックスをベンチマークにして、自社の債券ポートフォリオと債券インデックスとの価格変動を近づけるよう、債券インデックスの採用銘柄の構成に合わせて日本国債を自社のポートフォリオに組み入れる投資戦略をとっています。
このほか、ヘッジファンドは、デリバティブを駆使して積極的にリスクをとったり、比較的短期での投資を繰り返して収益を高めようとしたりすると言われています。
2つ目の「キャッシュの管理」については、多額の現預金を保有する海外投資家が次の投資先が決まるまでの現預金の運用で、比較的リスクが低く、かつ流動性が高い短期債に投資する場合が挙げられます。この場合、基本的には、満期償還後に再投資を繰り返すことが多いです。例えば、現預金が多い海外事業会社はこの目的で日本国債などの債券に投資する場合があります。
3つ目の「資産負債管理(ALM)」については、金利変動リスクを軽減させる目的で、バランスシート上の資産と負債のデュレーション・ギャップを埋めるように(特に資産のデュレーションを延ばすために)日本国債を保有する場合もあります。例えば、海外の生命保険会社は当該目的で超長期の日本国債を購入する場合があります。
4つ目の「流動性規制対応、担保需要等」については、海外の銀行がバーゼル規制で求められる流動性カバレッジ比率を満たすため、算出時に分子に計上される適格流動資産(High Quality Liquid Assets; HQLA)として日本国債を保有することもあります。また、海外の金融機関の日本支店が、緊急時に日本銀行からドルを調達できるよう日本銀行に対する差出担保用に日本国債を保有することもあります。なお、日本の金融機関の海外支店がFedからドルを調達する目的で、Fedに対する差出担保用に日本国債を国際決済機関の振替口座に保有する場合もあります。
このように、海外投資家の日本国債への投資目的は様々であるため、それぞれのニーズに応じ、きめ細やかな情報提供をすることが国債の安定的な保有につながると考えています。
なお、「市場が不安定になった時の海外勢の逃げ足は速い」という意見も聞かれることがありますが、全ての海外投資家の投資行動を一律に論じることはできないと考えられます。例えば、一部の中央銀行は為替政策のために円貨を保有し、その運用として日本国債に投資しています。また、短期債に投資する海外投資家も、短期売買を繰り返すのではなく満期まで保有し、満期償還後に再投資を行う場合が多いほか、資産負債管理(ALM)や適格流動資産(HQLA)管理を目的に中期~超長期債に投資する生命保険会社や銀行等においても、安定的な保有が見込まれます。
海外投資家の地域別分類
振替制度上、日本国債の最終投資家の地域別分布を網羅的に把握できませんが、国際決済機関(カストディアン)を含む保有者の地域別分類については、日本国債を含めた、居住者の発行する債券全体における保有者の国籍別分類が、国際収支統計(「証券投資等残高地域別統計(負債)」財務省、日本銀行)で公表されています。同統計によれば、海外投資家の地域別の保有額(令和3年末)は、(1)欧州113.3兆円、(2)北米42.9兆円、(3)アジア39.3兆円となっています。国別の保有額を見ると、上位3か国は(1)アメリカ40.9兆円、(2)ベルギー35.3兆円、(3)ルクセンブルク34.9兆円となっています。
なお、いわゆるタックスヘイブンなど複数の国に所在する口座を通じて日本国債を保有する海外投資家も存在するとも言われています。 | 海外投資家の日本国債への投資目的として、金利変動リスクを軽減させるために投資しているが、そのバランスシート上の資産と負債の何を埋めるために日本国債を保有していると考えられているか。 | バランスシート上の資産と負債のデュレーション・ギャップを埋めるために日本国際を保有している。 |
JCRRAG_009031 | IR | 海外投資家のプレゼンス
日本国債市場での海外投資家のプレゼンスについて次の3つを紹介します。
1つ目に、日本銀行公表の資金循環統計によれば、令和3年12月末において、海外投資家による日本国債の保有割合(ストックベース)は14.3%、保有額は175兆円ですが、短期債に限ればその割合は61.4%となり、短期債の保有割合の高さが特徴の一つとして挙げられます。足もとで日本の短期債の利回りがマイナスにも関わらず、海外からの投資が盛んな主な理由は、「海外投資家の投資目的別分類」でも述べた通り、ドル等を保有する海外投資家が通貨ベーシススワップを利用すると、ドル等の出し手である当該投資家がプレミアムを享受できる状況が続いており、このプレミアムを加えた日本の短期債の利回りは、海外投資家の自国の短期債よりも魅力的な水準となるためです。
2つ目に、海外投資家は、保有割合に比べて、流通市場でのプレゼンスが大きいことが知られています。例えば、日本取引所グループの投資部門別取引状況によれば、近年では国債現物取引の3割超が海外投資家によるものであり、国債先物取引に至ってはその比率は6割を超えています。
3つ目に、日本国債IRで面談した海外投資家からは、「現地時間において、あらかじめ価格や数量を指定して証券会社に入札を依頼し、東京時間で実際に入札を代行してもらう」との意見もよく聞かれ、流通市場だけでなく発行市場においても海外投資家が積極的に参加している点が挙げられます。
海外投資家から見た日本
最後に、日本国債に投資する海外投資家が日本をどのように見ているのか、以下紹介します。
(1)日本経済について
昨年10月の岸田政権の発足以降、同政権の掲げる「新しい資本主義」の具体的な政策、同方策の経済効果、新型コロナウイルス感染症対策、日本経済の見通しなどについて、多くの海外投資家から質問がありました。一部の海外投資家からは岸田政権に対する期待も聞かれました。
他方で、高齢化や少子化などの構造的な問題への対応に関心を示す海外投資家もいました。
(2)債務残高対GDP比、格付について
一部の海外投資家は、日本の債務残高対GDP比に関し、中長期的なリスクとなる懸念を抱いており、「信用力を維持する取組が大切」といった意見が聞かれました。
また、「今の格付に関わらず、日本経済・財政状況を総合的に判断して日本国債に投資しているが、現状よりも格下げとなれば、投資スタンスを見直さざるを得ない」という意見も聞かれました。
(3)日本国債について
2022年以降、日本国債と利回りの上昇が続く米国債とを比較し、日本国債が低利回りである点を指摘する海外投資家もいました。他方で、日本国債の流動性(換金のしやすさ)の高さを評価する意見が多く聞かれました。
このほか、今後も借換債を含めた日本国債の大量発行を余儀なくされる中で、日本銀行が金融政策の正常化に向かった場合に備えて、日本国債の安定消化に向けた取組に関心を示す海外投資家もいました。 | 日本人の日本国債の保有割合はいくつですか。 | 日本人による日本国債の保有割合は85.7%です。 |
JCRRAG_009032 | IR | 日本国債IRについて
現在、日本は多額の国債残高を抱えており、国債の安定消化・安定保有の観点から、幅広い投資家層による国債保有を促進することが重要な課題となっています。また、多様な投資家が様々な投資ニーズに基づき国債を保有することは、市場の状況が変化した場合にも取引が一方向に流れることを防ぎ、市場を安定させる効果もあると考えられます。
こうしたことから、財務省では、銀行や生命保険会社等の国内機関投資家のみならず、海外投資家へのアプローチも重要なテーマと捉え、海外投資家の国債保有促進に向けた取組みを進めてきました。平成17年(2005年)の開始以降、これまで累計43か国・地域、延べ320都市を訪問しました(令和2年3月末までの訪問数。以後、令和4年4月まで新型コロナウイルス感染症の感染拡大のため現地訪問せず、オンラインベースのIR面談を実施(延べ109件、本記事末尾にコラム有り))。
日本国債IR活動はこれまでも本誌で紹介され、直近は令和元年7月号で特集されました。それから3年程経過しました。この間に、新型コロナウイルス感染症の感染拡大(令和2年度~)、日本銀行による「より効果的で持続的な金融緩和を実施していくための点検」(令和3年3月)、米国FOMCによる量的緩和の縮小(テーパリング)の決定(令和3年11月)や政策金利の引き上げ(令和4年3月)、ロシアによるウクライナ侵攻(令和4年2月~)など日本国債市場に影響を与える出来事が起きています。そこで、今回は、令和2年度以降(令和2年4月~)の日本国債IRの面談から得られた率直な意見・情報を基に、足もとの海外投資家の投資動向、海外投資家が日本をどのように見ているのかについてご紹介します。
海外投資家の投資動向
海外投資家の投資目的別分類
ひとくちに海外投資家といっても、中央銀行等(外貨準備の運用)、国際金融機関、年金基金、生命保険会社、資産運用会社などのリアルマネー投資家と言われる機関投資家のほか、ヘッジファンド等、様々な海外投資家が存在します。これまでの日本国債IRを通じて延べ2,000件以上の海外投資家との面談を実施(図1 日本国債IRにおける面談先の地域・業種分布)しました。海外投資家と聞くと、国債の短期売買を繰り返して収益を追求するイメージを持つかもしれませんが、実際はそれだけではなく、日本国債への投資目的は様々です。数千億~数兆円の日本国債を安定的に保有する中央銀行などのリアルマネー投資家も相当数います。
そこで今回は、海外投資家の日本国債への投資目的を、独自に次の4つに分類し、その概要を紹介させていただきます。
(1)収益の追求
(2)キャッシュの管理
(3)資産負債管理(ALM)
(4)流動性規制対応、担保需要等
1つ目は「収益の追求」についてです。多くの海外投資家は、利息収入やキャピタル・ゲイン(売却益)狙いで、様々な投資戦略により日本国債に投資しています。最も多く聞くのが、「日本国債市場は低金利かつ低ボラティリティの環境下であるものの、保有するドル等の外貨から通貨ベーシススワップを利用して日本国債に投資すれば、プレミアムを得られ日本国債への投資妙味がでてくるため、短中期の日本国債に投資している」という意見です。この投資戦略だけを採用しているとは限りませんが、ここ2年間の日本国債IRを通じ、外貨準備を運用する中央銀行、国際機関、年金基金、資産運用会社など幅広い業種の海外投資家から同様の意見が聞かれました。
次によく聞かれたのが、債券のインデックス運用です。特に、一部の中央銀行や資産運用会社等は、債券インデックスをベンチマークにして、自社の債券ポートフォリオと債券インデックスとの価格変動を近づけるよう、債券インデックスの採用銘柄の構成に合わせて日本国債を自社のポートフォリオに組み入れる投資戦略をとっています。
このほか、ヘッジファンドは、デリバティブを駆使して積極的にリスクをとったり、比較的短期での投資を繰り返して収益を高めようとしたりすると言われています。
2つ目の「キャッシュの管理」については、多額の現預金を保有する海外投資家が次の投資先が決まるまでの現預金の運用で、比較的リスクが低く、かつ流動性が高い短期債に投資する場合が挙げられます。この場合、基本的には、満期償還後に再投資を繰り返すことが多いです。例えば、現預金が多い海外事業会社はこの目的で日本国債などの債券に投資する場合があります。
3つ目の「資産負債管理(ALM)」については、金利変動リスクを軽減させる目的で、バランスシート上の資産と負債のデュレーション・ギャップを埋めるように(特に資産のデュレーションを延ばすために)日本国債を保有する場合もあります。例えば、海外の生命保険会社は当該目的で超長期の日本国債を購入する場合があります。
4つ目の「流動性規制対応、担保需要等」については、海外の銀行がバーゼル規制で求められる流動性カバレッジ比率を満たすため、算出時に分子に計上される適格流動資産(High Quality Liquid Assets; HQLA)として日本国債を保有することもあります。また、海外の金融機関の日本支店が、緊急時に日本銀行からドルを調達できるよう日本銀行に対する差出担保用に日本国債を保有することもあります。なお、日本の金融機関の海外支店がFedからドルを調達する目的で、Fedに対する差出担保用に日本国債を国際決済機関の振替口座に保有する場合もあります。
このように、海外投資家の日本国債への投資目的は様々であるため、それぞれのニーズに応じ、きめ細やかな情報提供をすることが国債の安定的な保有につながると考えています。
なお、「市場が不安定になった時の海外勢の逃げ足は速い」という意見も聞かれることがありますが、全ての海外投資家の投資行動を一律に論じることはできないと考えられます。例えば、一部の中央銀行は為替政策のために円貨を保有し、その運用として日本国債に投資しています。また、短期債に投資する海外投資家も、短期売買を繰り返すのではなく満期まで保有し、満期償還後に再投資を行う場合が多いほか、資産負債管理(ALM)や適格流動資産(HQLA)管理を目的に中期~超長期債に投資する生命保険会社や銀行等においても、安定的な保有が見込まれます。
海外投資家の地域別分類
振替制度上、日本国債の最終投資家の地域別分布を網羅的に把握できませんが、国際決済機関(カストディアン)を含む保有者の地域別分類については、日本国債を含めた、居住者の発行する債券全体における保有者の国籍別分類が、国際収支統計(「証券投資等残高地域別統計(負債)」財務省、日本銀行)で公表されています。同統計によれば、海外投資家の地域別の保有額(令和3年末)は、(1)欧州113.3兆円、(2)北米42.9兆円、(3)アジア39.3兆円となっています。国別の保有額を見ると、上位3か国は(1)アメリカ40.9兆円、(2)ベルギー35.3兆円、(3)ルクセンブルク34.9兆円となっています。
なお、いわゆるタックスヘイブンなど複数の国に所在する口座を通じて日本国債を保有する海外投資家も存在するとも言われています。 | 海外投資家の中で日本国債を保有している国名はどこですか。 | 海外投資家の中で日本国債を保有している国名はアメリカです。 |
JCRRAG_009033 | IR | 企業におけるIRの重要性が高まっている!
IRとは、「インベスターリレーションズ(Investor Relations)」の略語です。株主・投資家に対して、投資判断に必要な企業情報などを適時・公平に継続して提供する活動です。株主と投資家(Investor)との間に良好な関係(Relations)ができることで、より有利な資金調達を可能になるといったメリットがあります。
企業を取り巻くビジネス環境の変化
平成の30年間で、日本の企業を取り巻くビジネス環境は劇的に変化しました。従来からの世界経済のけん引役の米国や欧州諸国に加え、中国や東南アジア、インドなど、新興国の存在感がますます大きくなりました。
また、ITをはじめとした技術革新への対応、イノベーションへの投資、M&Aなど、企業の競争力を左右する経営環境は大きく変化しています。
これに加えて、最近ではESG(Environment・Social・Governance:環境・社会・ガバナンス)投資やSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)など、社会課題解決に向けた企業の役割が大きくなり、ステークホルダーの価値観も変化・多様化しています。
これら劇的な企業の外部環境変化は、企業担当者の対応いかんでは「機会」にも「リスク」にもなります。
企業の投資・金融環境の変化
日本でも、徐々に間接金融から直接金融の比率が高まってきています。また、日本企業の海外での資金調達が進み、情報開示・投資家とのコミュニケーションに関する意識が高まってきました。また、外国人投資家が増大するなどにより、IRがこれまで以上に重要視されるようになっています。
企業とステークホルダーとの関係変化:顔が見えない関係から、互いに顔が見える関係へ
近年においては、企業自身の「ステークホルダーとの対話力」がますます重要になってきました。
近年のIT環境の発達や、SNSなどソーシャルメディアの急速な発達により、企業をとりまくステークホルダーはいつでも当該企業の情報を入手できるようになりました。また、ステークホルダーは、企業やプロダクトとの付き合い方についても経験を重ねてきました。「自分にとっての必要なものを、必要な時に」手に入れるためには、継続的な「企業と顧客との良好な関係」を構築することが大切だということも知るようになったのです。
また、マーケティングの手法も「コミュニティの皆さんと一緒により良いプロダクトを共創する」といった、「コミュニティマーケティング」の手法が増えてきました。企業と顧客との関係は、単なる「プロダクトを提供する/プロダクトを受ける」という一方通行の関係ではなくて、企業・顧客を問わずに、同じ目線でプロダクトと接し、ともにより良いものにしていくという関係に変わってきたのです。
PRとは? IRとは?
PRは社会一般に対して主に企業全体の活動や個別商品などを広く知らせ、イメージアップを目的としています。これに対して、IRは企業全体の「素の経営情報」を投資家に対して提供し、彼らの投資判断を促すことを目的としています。「素の経営情報」には、良いことも悪いことも全て含まれます。したがって、IRを行うにあたって大切なことは、「公正さ」と「説明責任」を意識することです。
PRとは広報、パブリック・リレーションズのことを指します。一般的にPRの対象はステークホルダー全体とされています。顧客、株主、社員をはじめとした、会社と直接の利害関係を持つ層から、当面直接の利害関係がない人でも、広く社会全体を対象としてコミュニケーション活動を行うことが、PRの役割です。
一方、IRを行う対象は株主や投資家が中心です。ただし、既存の株主・投資家のみならず、これから自社への投資を検討しようとする人も含まれます。 | IRとPRの違いについて説明してください。 | PRは社会一般に対して主に企業全体の活動や個別商品などを広く知らせ、イメージアップを目的としている。一般的にPRの対象はステークホルダー全体とされているが、顧客、株主、社員をはじめとした、会社と直接の利害関係を持つ層から、当面直接の利害関係がない人でも、広く社会全体を対象としている。
これに対して、IRは企業全体の「素の経営情報」を投資家に対して提供し、彼らの投資判断を促すことを目的としている。「素の経営情報」には、良いことも悪いことも全て含まれます。したがって、IRを行うにあたって大切なことは、「公正さ」と「説明責任」を意識することです。IRを行う対象は株主や投資家が中心で、これから自社への投資を検討しようとする人も含まれる。 |
JCRRAG_009034 | IR | 1.IRの目的
IR(インベスターリレーションズ)とは、株主・投資家に対し投資判断に必要な企業情報などを適時、公平に継続して提供する活動であり、株主・投資家(インベスター)との間に良好な関係(リレーションズ)を築くことで、有利な資金調達が可能になるなどのメリットがある。
最近では、日本企業の海外での資金調達が進み、情報開示、IRに関する意識が高まったことや、外国人投資家が増大するなどによりIRが重要視されるようになってきている。
IRと広報の違いは、広報は社会一般に対して企業の商品や活動などを広く知らせイメージアップを目的とするのに対し、IRは株主・投資家などに投資判断に関係する企業情報を、良し悪しに関わらず継続して発信するものである。IRを行う上で重要なのは「公正さ」と「説明責任」の意識である。
従来は、IRの対象は機関投資家が多く情報も一般の人に難しい財務内容などであったが、今日は個人投資家の増大により内容も一般的なものが多くなり、広報と内容が近くなってきている面もある。
IRの目的は、一言でいえば企業が経営していくための体力(エネルギー)がどれだけあるのかを報せることである。
2.IRの具体的活動
IR活動の方法には大きく2通りある。1つは対面で話をする方法で、
(1)経営方針や企業理念を紹介する企業説明会 (2)質疑応答により進められるスモールグループ・ミーティング (3)決算説明会 などがあり、密度の濃いやり取りをすることが出来る。
もう1つは、出版物として(1)アニュアルレポート (2)アニュアルレポートを補完するためのデータをまとめたファクトブック (3)事業報告書 などがある。これは、特定の対象に対し、確実に情報を送り届けることが出来る。これ以外にも、ニュースリリースやIR広告などがあり、不特定多数を相手にする時に有効な方法である。IRのポイントは、自発的に継続的な情報開示を行うことである。また、公平かつオープンな情報開示が必要である。いずれにしても、IR活動を行うには、ターゲットに適した方法で、伝えるべきメッセージを何事もベクトルをひとつにして実施することが重要である。
最近では、インターネットを活用したIR活動を展開する企業も増えはじめ、自社のホームページでリアルタイムに公開し、情報開示の透明性を高めている。
インターネットのメリットは、速報性と双方向性である。最新情報をタイムリーに提供できるほか、時間がかからずに更新することもできる。他にも、日本だけでなく世界各国に配信ができるなどのグローバル性や、静止画だけでなく動画で決算説明会の様子を配信できることも大きなメリットである。
3.IRを広報部門が担当するメリット、デメリット
広報がIRを兼ねた場合、マスコミに発信する情報と、投資家やアナリストに発信する情報を一元化することで統一できるといったメリットがある。その反面、デメリットとしては、広報とIRが持つそれぞれの役割を正しく理解した上で、内容や相手に合わせて開示方法やタイミング、情報量などを判断していかなければならず、時には混乱を招く可能性がある。同じ情報であっても、広報には広報の、IRにはIRのアプローチが必要である。ターゲットそれぞれの特徴を理解した上で、その特徴を上手く活用し、より確実かつ効果的に情報を届けなければならない。
IR担当者に必要なこととして、(1)コミュニケーションスキルを身につける (2)プレゼンテーション能力を持つ (3)国際的な感覚・語学力を身に付ける、といった技術・能力に加え (4)財務、会計、法律の専門知識を持つ (5)社内情報の収集力などがあげられる。
広報担当者は、コミュニケーションのノウハウを持っているが、財務や会計などの専門知識は相対的に弱い。一方、財務担当者であれば会計情報には強い反面、コミュニケーションに慣れていない。このような状況からも、IR活動を実施する上では、各部門の連携が不可欠である。 | 企業はなぜ株主や個人投資家に向けてIR情報を公開しているのでしょうか。 | 企業が株主や投資家に対し、投資判断に必要な企業情報などを適時、公平に継続して提供することで、株主や投資家との間に良好な関係を築き、有利な資金調達を行うため。 |
JCRRAG_009035 | IR | IRの目的・役割
IRとは?PRとの違いや企業が行う目的・開示情報・活動内容をわかりやすく解説
上記のIRの定義に基づくと、企業がIRを行う目的は主に次の5点です。
株主や投資家との良好な関係を築く
自社の魅力をアピールし投資を促す
自社の社会的価値を高める
法律や証券取引所の開示義務に対応する
インサイダー取引を防止する
以下でそれぞれについて解説します。
株主や投資家との良好な関係を築く
1つ目の目的としては、株主や投資家らとの関係性構築が挙げられます。株主や投資家は自身の資金を投資することになるため、より慎重な判断を要することは想像に難くないでしょう。
企業の経営層がいかに投資家らから信頼を得て関係性を築けるかは、重要なポイントの1つです。財務状況や経営方針に関する情報を提示することで、企業活動の透明性が高まり、株主や投資家からの信頼を得やすくなります。
自社の魅力をアピールし投資を促す
既存の株主や投資家に加えて、新たな投資家を惹きつけることも企業にとっては欠かせません。したがって、自社の魅力を外部に積極的に発信し、投資を促すこともIRの目的の1つだといえるでしょう。
企業の価値や成長戦略を効果的に伝えることで、新たな資金調達の機会を得られるだけでなく、IRによって企業に対する理解が深まり、株式の取引が活発化することも期待されます。
自社の社会的価値を高める
IRが持つ役割は、株主や投資家に向けたものだけではありません。顧客や取引先といった他のステークホルダーに対しても、IRは重要な意味を持ちます。
IRは基本的に自社のHP等を通じて発信されます。多様なステークホルダーに対して企業の価値を伝え、自社の社会的価値を高めることも目的の1つです。
法律や証券取引所の開示義務に対応する
上場企業に対しては、法律や証券取引所によって特定事項の開示が義務付けられており、その要求事項が満たされなければ上場廃止などのペナルティにつながる恐れがあります。
これらを避けるためにもIRは必要です。
インサイダー取引を防止する
IRの目的としては、上記の開示義務のほかにインサイダー取引の防止が挙げられます。
インサイダー取引とは企業の未公開の重要情報を用いて、従業員などが利益を得る行為を指します。IRを通じて外部に公平に情報を開示することによって、インサイダー取引を未然に防ぐことにつながります。
投資判断に必要な情報を適時開示することは透明な市場運営に必要であり、IRが持つ重要な役割の1つとして位置付けられるでしょう。
| 企業がIR活動を適切に行うことで、インサイダー取引のリスクを減らせるのはなぜですか。 | 企業がIR活動を適切に行うことで、外部に公平に情報を開示することで未公開情報を利用した不正な取引を防ぐことができるからです。 |
JCRRAG_009036 | IR | IRとは
投資家向け広報
IR(インベスター・リレーションズ)とは、企業が株主や投資家に対して、投資判断に必要な企業情報を、適時、公平、継続して提供する活動のことをいいます。株主・投資家も、情報を効率よく流すことができるようになります。
投資判断に必要な情報といえば、開示が義務づけられている有価証券報告書など、制度の開示(ディスクロージャー)があげられますが、IRは制度の開示に滞らず、企業が主体的に活動する情報提供活動を行います。インターネットなどの時代に即した新しいIR活動も慎重です。 制度の開示に対して、IRは企業の選択次第で結果が大きく異なります。IRによって信用を高める企業がある方、信用を堅く守って企業も少ない。
(参考:IR戦略の実際 日本IR協議会編 日本経済新聞社)
国内IR協会(NIRI)のIRの定義 (2003年3月)
IRの紹介
インベスター・リレーションズ(IR)は、企業の証券が正当な価値評価を受けることを最終目標とするものであり、企業と金融コミュニティやその他のステークホルダーとの間で最も効果的な双方のコミュニケーションを実現するため、活動やコミュニケーション、マーケティング、そして証券関係法の下でのコンプライアンス活動を統合した、戦略的な経営責任である。
投資家向け広報活動は、財務、コミュニケーション、マーケティング、証券法の遵守を統合し、企業、金融界、その他の関係者の間で最も効果的な双方向のコミュニケーションを可能にする戦略的な経営責任であり、最終的には企業の証券が公正な評価を得ることに貢献します。 | 企業がIR活動を適切に行わないと、どのような影響が考えられますか。 | 企業がIR活動を適切に行わないと、投資家が正しい投資判断をするための情報が不足し、企業の株価が本来の価値より低く評価される可能性があります。 |
JCRRAG_009037 | IR | 3.IRを広報部門が担当するメリット、デメリット
広報がIRを兼ねた場合、マスコミに発信する情報と、投資家やアナリストに発信する情報を一元化することで統一できるといったメリットがある。その反面、デメリットとしては、広報とIRが持つそれぞれの役割を正しく理解した上で、内容や相手に合わせて開示方法やタイミング、情報量などを判断していかなければならず、時には混乱を招く可能性がある。同じ情報であっても、広報には広報の、IRにはIRのアプローチが必要である。ターゲットそれぞれの特徴を理解した上で、その特徴を上手く活用し、より確実かつ効果的に情報を届けなければならない。
IR担当者に必要なこととして、(1)コミュニケーションスキルを身につける (2)プレゼンテーション能力を持つ (3)国際的な感覚・語学力を身に付ける、といった技術・能力に加え (4)財務、会計、法律の専門知識を持つ (5)社内情報の収集力などがあげられる。
広報担当者は、コミュニケーションのノウハウを持っているが、財務や会計などの専門知識は相対的に弱い。一方、財務担当者であれば会計情報には強い反面、コミュニケーションに慣れていない。このような状況からも、IR活動を実施する上では、各部門の連携が不可欠である。 | IR担当者に必要なことはいくつありますか。 | IR担当者に必要なことは5つです。 |
JCRRAG_009038 | IR | 決算の公表および決算説明会の開催
決算の公表や決算説明会の開催は、IR活動の中でも特に重要な要素です。
四半期決算は、決算日から45日以内、年次決算は決算日から90日以内に公表することが義務付けられています。上場規則で定められた期日内に公表することはもちろん、投資家にとって最も重要な情報は速やかに公表することが重要です。特に、業績予想に対して大幅な増減があった場合は、速やかに結果を公表し、投資家の不安を解消する必要があります。
公表後に投資家から質問があれば、丁寧かつ迅速に回答しなければなりません。決算公表前に社内体制を整備し、迅速かつ正確な公表ができるように準備しておきましょう。
投資家とのミーティング
IR活動の方法として、一方的に情報を提供するのではなく、投資家と直接会うことによって投資家の意見や疑問を聞くこともあります。
企業がIR活動を積極的に行う必要性・メリット
積極的なIRを実施することは、競合企業と差別化を図ることにつながるといえるでしょう。株主や投資家らの資金は有限であり、数多くある企業の中から特定の企業に投資先を絞り込む必要があります。その際の判断材料となるのがIRです。
したがって、IRを通じて積極的に自社の魅力を訴求することは、競合他社との差別化につながります。
実際に日本IR協議会では「IR優良企業賞」を毎年公表しており、このような表彰を受ける優れたIR活動は企業にとってポジティブな影響をもたらすことが分かります。
IR活動において企業が押さえるべきポイント
上記の「IR優良企業賞」での評価コメントなどを中心に、優れたIR活動におけるポイントをまとめると、以下の点が挙げられます。
投資家が必要とする情報を詳しく丁寧に開示していること
経営者や役員ら経営トップが積極的にIR活動に関わっていること
説明会など投資家らとのコミュニケーションの場を頻繁に設けていること
IR活動によって得られた投資家らからのフィードバックなどを経営に反映させていること
グローバルや国内の企業をリードする先進的な情報開示ができていること | 四半期決算と年次決算では、公表が義務付けられている期間にどのような違いがありますか。 | 四半期決算と年次決算では、四半期決算は決算日から45日以内に公表する必要があるのに対し、年次決算は決算日から90日以内に公表する必要があります。 |
JCRRAG_009039 | IR | 2.IRの具体的活動
IR活動の方法には大きく2通りある。1つは対面で話をする方法で、
(1)経営方針や企業理念を紹介する企業説明会(2)質疑応答により進められるスモールグループ・ミーティング(3)決算説明会などがあり、密度の濃いやり取りをすることが出来る。
もう1つは、出版物として(1)アニュアルレポート(2)アニュアルレポートを補完するためのデータをまとめたファクトブック(3)事業報告書などがある。これは、特定の対象に対し、確実に情報を送り届けることが出来る。これ以外にも、ニュースリリースやIR広告などがあり、不特定多数を相手にする時に有効な方法である。IRのポイントは、自発的に継続的な情報開示を行うことである。また、公平かつオープンな情報開示が必要である。いずれにしても、IR活動を行うには、ターゲットに適した方法で、伝えるべきメッセージを何事もベクトルをひとつにして実施することが重要である。
最近では、インターネットを活用したIR活動を展開する企業も増えはじめ、自社のホームページでリアルタイムに公開し、情報開示の透明性を高めている。
インターネットのメリットは、速報性と双方向性である。最新情報をタイムリーに提供できるほか、時間がかからずに更新することもできる。他にも、日本だけでなく世界各国に配信ができるなどのグローバル性や、静止画だけでなく動画で決算説明会の様子を配信できることも大きなメリットである。 | IR活動における対面でのコミュニケーションと出版物の、主な違いは何ですか。 | 対面でのコミュニケーションと出版物の、主な違いは、対面でのコミュニケーションは、企業説明会やスモールグループ・ミーティングなどを通じて、投資家と密度の濃いやり取りができる点が特徴です。出版物はアニュアルレポートやファクトブックなどを通じて、特定の対象に確実に情報を届けられる点が特徴です。 |
JCRRAG_009040 | IR | 銀行にお金を預けておくと利子がつきます。そのため、預金も1つの資産運用といえます。
円預金はいつでも引き出しができる「普通預金」、一定期間の預金の引き出しに制限を加える代わりに普通預金よりも金利を高くしている「定期預金」、一定期日まで毎月定額を積み立てる「積立式定期預金」などがあります。
リスクは、万が一、銀行が破綻した場合に預けたお金が返ってこないことですが、預金保険制度によって、1金融機関ごとに預金者1人あたり元本1,000万円とその利息までは保護されます。
しかし、安全な反面、超低金利の状態が続いており、円預金は預けてもほとんど資産が増えることはありません。
また、実感しにくいですがインフレリスクも存在します。
ガソリン価格が定期的に上下するように、すべての物の価格は一定ではありません。現在手元に100万円を持っていて、100万円の車が欲しいと思った場合、今すぐ購入すれば当然車は100万円で購入することができます。
しかし、1年の物価上昇率が3%の状況下では、100万円の車は1年後103万円になってしまいます。手元に現金として100万円を持っているだけでは1年後は購入できなくなってしまいます。
仮に資産運用の一環として100万円を、金利0.02%の普通預金に預けていたとしても、1年で200円しか増えないため、103万円に値上がりした車を購入することはできません。
このように物価が上昇している局面では、資産運用で物価上昇を上回る成果を出さないとお金の価値が目減りしていることになってしまうのです。
インフレリスクという観点から考えると、元本割れしない反面ほとんど資産が増えない円預金にも注意が必要です。 | 資産運用の一環として100万円を金利0.02%の普通預金に預け、1年の物価上昇率が3%の状況下で5年後に100万円の車を購入する場合の過不足金は、いくらになりますか。 | 5年後に100万円の車を購入する場合、158,274円の不足。 |
JCRRAG_009041 | IR | FIREとは「Financial Independence, Retire Early」の頭文字を取ったもので、「経済的自立」と「早期リタイア」を意味する言葉です。
元々は欧米を中心に流行していた考え方ですが、日本でも注目されるようになりました。
以前の日本では定年まで働き続けることが当たり前で、早期リタイアという考え方は馴染みがほとんどありませんでした。
しかし、最近では転職する人が増えるなど働き方の概念が変わり、FIREもライフスタイルのひとつとして注目を集めるようになっています。
従来の「早期リタイア」との違い
FIREも従来の早期リタイアも、より自由な生活を送ることを目的として、定年を待たずにリタイアする点は同じです。
FIREが従来の早期リタイアと異なるのは、ビジネスで成功したり遺産相続したりといった、一生暮らすのに困らないような億万長者になることがリタイアの前提にはなっていない点です。
FIREにおける経済的自立では、資産運用が前提となっています。若いうちに働いて投資元本を蓄財し、“運用益で生活できる”目途が立った段階でリタイアするのです。
毎年の生活費の水準は人によって異なります。例えば、マイホームやマイカーなどに関心がなく、あまり消費をしない生活で充分な方は、多額の貯蓄を築かなくともFIREを実現できると考えられています。
なお、資産運用を前提としない従来の早期リタイアの場合、リタイア後は主に貯蓄を取り崩して生活することになります。期間が経つほど資産が目減りしていきますので、老後に資金が底をつくことのないよう、こちらは多額の貯蓄を用意する必要があるでしょう。
以上の通り、FIREとは資産運用を前提としたリタイアのことをいいます。希望するライフスタイルによっては億万長者でなくともFIREを実現することが可能です。毎年、運用益の範囲で生活し、なるべく投資元本を減らさないようにすることで、長生きリスクにも対応が可能です。 | 一生暮らすのに困らないような億万長者ではなくとも、「早期リタイア」のような自由な生活を送ることは可能ですか。 | 一生暮らすのに困らないような億万長者ではなくとも、資産運用を前提としたFIREを実現できれば可能。 |
JCRRAG_009042 | IR | なるほどこれでなっとく!「著作権」アニメとマーチャンダイニング
今日、日本のアニメとマンガは世界的な産業になっています。日本のアニメの特徴は、ほとんどの作品が、週刊誌などで長期間連載されたマンガを原作にしていること。その結果、ストーリー性がしっかりした作品が多くなっています。
スペインでも「アルプスの少女ハイジ」や「マジンガーZ」で育った世代が親になり、また日本アニメを放送していないテレビ局は皆無に等しいので、家族で楽しむ最も身近な日本文化となっているとも言えるでしょう。
「マンガ」や「アニメ」は世界共通語で、世界中で日本がどこにあるか知らなくても、ポケモンを知る人は多いですし、愛知博で行われた日本のマンガ・アニメの登場人物になりきる「第3回世界コスプレサミット」ではスペインを含む7か国40名が参加、エキスポドームの3000席は満員御礼でした。
そんな流れで最近増えているのがマーチャンダイジングと呼ばれる商品群。
マーチャンダイジングとは商品計画、商品化計画という意味ですが、ここではライセンスを受けて生産された商品を表します。例えばアニメのDVDやスペイン語に翻訳されたマンガや関連製品。最近では輸入品だけではなくライセンスを得てスペインで作られた「ドラえもん」や「ハム太郎」のドリンクがスーパーに並んでいたり、スペイン市場で最も人気がある玩具のひとつがバンダイの「聖闘士星矢(セイントセイヤ)のフィギュアであることもその人気を表しています。
しかしこのような人気は反面、作者・メーカー・販売元などの権利を無視したニセモノブランドなどで有名な「模倣品」という特許権・実用新案・意匠権・商標権を侵害する製品や、音楽・映画・放送番組・ゲームソフトなどの著作権を侵害する「海賊版」などを生み出しています。これらの製品は、品質が保証されておらず、安全面で問題があったり、音や画像の品質が悪かったりすることが往々にしてあり、権利侵害の上に消費者に直接的な被害をもたらす問題を起こしています。
では具体的にはどんなことが起きているのでしょう?例えば、ネット上では日本で放送されたばかりのアニメシリーズがすぐにスペイン語字幕つきで公開され、中にはダウンロードしなくても好きなときに山ほどあるリストから好きなものを無償で見られるサイトもあります。また最近はスペイン各地で行われている「マンガサロン」で販売されている商品のほぼ70%が模倣品や海賊版で、店舗でも本物とニセモノが一緒に並んでおり、深刻な問題になっています。当然ながらこれらを売ることも買うことも違法です。しかし中にはパッケージまで似せて作る悪質な例もあり、気をつけなくては分かりません。
そこで例として日本のオリジナルのフィギュアを含むおもちゃの簡単な見分け方をご紹介します。おもちゃの場合、「ST」という日本玩具協会の安全保証マークがついていることです。これはヨーロッパのCEマークに該当するもので、日本製品に義務付けられています。またドラゴンボールなど特定の商品には著作権者の証紙(小さなシール)が外箱に貼られていますので、メーカー名の表示とともに、本物を見分けるひとつの目安として是非スペインの方にも教えてさしあげてください。
ひとりひとりが知的財産権法制度の意義や重要性について本当に認識していくこと。これが日本経済を大きく脅かす海賊版・模倣品対策にとても大切だと私たちは考えます。 | サザエさんの海賊版は権利侵害にあたりますか。 | サザエさんの海賊版は権利侵害にあたります。 |
JCRRAG_009043 | IR | 6%の責任、あるいは知恵のオープンソース化
地球温暖化の主たる原因である二酸化炭素を、日本は毎年、世界の6%を排出してきた。多分、この30年間、この比率は変っていないだろう。
このことは、気象異変に伴う地球破壊に6%手を貸してきたことを意味する。つまり、6%の責任(負債)を世界に対して背負っていることを意味する。この6%の責任の多くは、産業界などで中核であった現在40歳以上の世代が背負うべきものであろう。わっせ、わっせとやってきた「つけ」である。したがって、60歳定年になったから余生を楽しみますなんて、リタイアしてもらってはこまるのだ。行ってきた「オトシマエ」はつけてもらわねばならぬ。
話がそれそうなので、本筋に戻すと、6%の責任をどのようにして返済するか、その方法を考えなければならない。
その方法の一つは、この壊れていく地球で生き延びるために有効であろう、ありとあらゆる知恵を世界に公開することにある。日本の知恵を「オープン・ソース」化して世界に提供する。
もうひとつは、環境難民を日本列島にわんさと受け入れることで、責任を果たすことであろう。今回発表された国連のIPCC報告を見ても、地球上には、人が住めなくなる地域が急速に増えてきそうであるから、日本は「罪滅ぼし」のためにも、難民を受け入れなければならなくなる。
本当かと思われる人もいると思うので、このIPCC報告本年2回目の報告で何が予測されているか、文章を拾ってみよう。
山の氷河や積雪の雪解け水に頼ってきた地域での水の供給は減っていくと予測される。その該当地域は世界の人口の6分の1以上を抱えている。
地球人口の6分の1といえば約10億人となるから、この一つの文章からだけでも、容易ならぬ事態であることが察せられるであろう。
自分の行動には責任をとるのが「サムライ」の基礎であるから、もし日本人がサムライなら、6%の責任はとらなければならない。日本を含む先進諸国が引き起こした天変地異のお蔭で生活の土地を失った人に、生活の場を提供することもその一つである。 | 「オープン・ソース」化して世界に提供することはサムライにとって有効ですか。 | 「オープン・ソース」化して世界に提供することはサムライにとって有効です。 |
JCRRAG_009044 | IR | 1面取りとは
「面取り」とは、機械加工後の素材の角部(エッジ部)に生じるバリや鋭利な箇所を除去する加工処理のことです。パソコン、スマホ、家電製品などの角部を触ってみると、痛くないよう滑らかな角部になっているのがわかります。この滑らかな角部が面取りされた部分です。
2機械加工で角部に生じるバリの原因
「バリ」は、プレス、切削、鍛造したりする際に、材料の角部(エッジ部)に発生する鋭利な「出っ張り」のことです。面取りによりバリを除去する必要があります。
(1)プレス加工によるバリ
プレス加工では、パンチが下降し素材が引きちぎられプレス完了後に、断面は「せん断面」と「破断面」に分かれます。
「せん断面」は、光沢のあるキレイな垂直面で、表面には金属の結晶が筋状にながれています。一方、「破断面」は凹凸が激しく、むしり取られたような粗い表面になり、破断面の下端部にバリ(カエリ)が発生する場合があります。
(2)切削や研削加工によるバリ
切削加工では、刃物が加工物に食い込む際に塑性変形が発生し、塑性変形によって押し出された部位がバリとなります。
切削加工によってできる切削バリは、切削途中に生じるバリ(ポアソンバリ)、切削完了後に生じるバリ(ロールオーバーバリ)のことです。ロールオーバーバリは、切削方向へと押し出されるように生じ、ポアソンバリよりも大きくなります。
(3)鍛造加工によるバリ
鍛造とは、型などで金属を強い圧力で圧縮することで目的の形状に成形する技術です。
鍛造の中に、「半密閉鍛造」と呼ばれる目的の形状から余分に材料をはみ出させて鍛造する手法があります。型のスキマにわざとバリをつくることで、金型のすみずみまで金属材料を充填させることができますが、バリを後工程にて除去する工程が追加になります。
3面取りの種類
(1)C面取り
「C面取り」とは、素材の角部を削り取り45°の面を作る加工がです。
C面取りは、”Chamfer”の頭文字「C」をC面取りの大きさを表す記号に使います。例えば、縦3mm、横3mmの面取りを「C3」と表します。つまり、Cの後に続く数字は、面取り前の角部の先端からの距離です。
図面においては、C面取りしたい角部に対して矢印を伸ばし、「C+角部先端からの距離」で表記するのが一般的です。
なお、一般的に「面取り」というと、C面取りのことを指す場合が多いです。
(2)R面取り
「R面取り」とは、素材の角部を削り取り、丸みをつける加工です。
R面取りは、”Round”の頭文字「R」をR面取りの大きさを表す記号に使います。例えば、「R3」であれば半径3mmの円状の加工です。
図面においては、R面取りしたい角部に対して矢印を伸ばし、「R+半径」で表記するのが一般的です。
面取り処理としては手触りが良い加工です。
(3)糸面取り
「糸面取り」は、バリ等で怪我や他製品に傷をつけないために、素材の角部を目に見えないくらいの精度で削り落とす加工です。ヤスリやサンダーなどを用いて0.1~0.3mm程度の範囲で加工します。
図面上では「指示なき場合は糸面取り」、「バリなき事」などと注記として糸面取りを指示します。 | 機械加工後の素材の角部(エッジ部)に生じるバリや鋭利な箇所を除去する加工処理の種類で、素材の角部を削り取り45°の面を作る加工は何ですか。 | 機械加工後の素材の角部(エッジ部)に生じるバリや鋭利な箇所を除去する加工処理の種類で、素材の角部を削り取り45°の面を作る加工はC面取りです。 |
JCRRAG_009045 | IR | 研磨加工とは
「研磨加工」(けんまかこう)とは、文字通り「研ぐ磨く(とぐみがく)」加工です。
研磨加工は切削加工、研削加工などの前加工をした後に、仕上げ加工として、金属表面を滑らかに仕上げる加工のことです。表面性状(表面粗さ)、寸法精度、平面度、真円度などの幾何形状の精度を向上させることができます。
なお、研磨加工は、「砥粒研磨加工」(とりゅうけんまかこう)とも言われる場合もありますが、ここでは、最も広く使用されている「研磨加工」で統一します。
研磨加工と研削加工の比較・相違点
研磨加工、研削加工とも砥粒による加工という点では同じですが、加工の制御方式で明確な相違があります。
《研磨加工》
研磨加工は、工作物を定圧で押し付ける圧力制御方式により、金属表面を磨く除去加工です。
具体的には、摩擦圧力で加工することで、工作物または、工具を回転させる場合もあります。
加工行程の進行とともに 自動的に切込みが小さくなり磨き作用となるので、主に寸法精度だし、表面粗さを仕上げるには最適な除去加工です。
《研削加工》
研削加工は、工具と工作物の間に相対的な運動(回転、直線運動)を与える運動制御方式により、一定の切り込みを与えて(定切込み)工作物を除去加工するものです。
この点では、切削加工も運動制御方式で同じです。 | 砥粒による加工の中で、工作物を定圧で押し付ける圧力制御方式により、金属表面を磨く除去加工は何ですか。 | 砥粒による加工の中で、工作物を定圧で押し付ける圧力制御方式により、金属表面を磨く除去加工は研磨加工です。 |
JCRRAG_009046 | IR | 株式投資を始めたい方、またすでに始めている方は、日常生活の中など身近なところから将来、消費のトレンドから伸びそうな企業を見つけたり、政治の動きから伸びそうな企業を見つけようとしていることと思います。当然伸びそうな企業の株価は将来、上昇することが予想されるので、株式投資をするうえでは欠かせない分析行動といえます。
女性のためのIRフォーラムでは、もう一歩踏み込んでそれぞれの企業の財務指標の内容から、将来の株価はどうなっていくのかということを分析する「ファンダメンタルズ分析(経済の基礎的要因)」に焦点をあててみます。
まず企業にとっての通信簿といえる決算書(財務諸表)の読み方を覚えておく必要があります。決算書は企業の業績を決められた書式にのっとってまとめた書類で財務諸表と呼ばれています。
財務諸表の中心は「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」です。
貸借対照表は「どこで資金を調達して何に使っているのか」、損益計算書は「どのくらい利益が出ているのか(または赤字なのか)」、キャッシュフロー計算書は「お金の流れは順調なのか」という点から作成されています。
この3つの諸表を見るだけで企業の業績の全体像が把握できるいうわけです。こうしたことから決算書は企業の通信簿のようなものといえるでしょう。
これら財務諸表は各企業のIR情報で必ず開示されているので、過去のデータや同じ業界のデータと見比べてその特徴や傾向を把握するようにしましょう。
またIR情報には企業のビジョンや事業計画も開示されています。日本が中長期的に抱える社会問題として少子高齢化があります。しかし高齢化が進むということは消費のメインプレイヤーがシニア世代に移り変わっていくということです。これまでのような若い世代に加えてシニア世代を意識した商品やサービスが各企業から次々と投入されています。経済発展に伴う人口増加が著しい東南アジアに進出している企業も数多くあります。
企業の成長の可能性を探るうえで企業のビジョン、事業計画にも注目するようにしましょう。
最後にIR情報には「株主のみなさまへ」といった株主へのメッセージがあります。この株主には個人投資家も含まれています。個人投資家を含む株主と共に経営を行っていくという姿勢が伝わってくる内容になっている企業もたくさんあります。IR情報を通じて株主優待などの株主還元への姿勢がうかがえると、株主も応援のしがいがあるので必ずチェックするようにしましょう。 | 投資家が企業の業績の全体像を把握するための公開情報は何ですか。 | 投資家が企業の業績の全体像を把握するための公開情報は、IR情報です。 |
JCRRAG_009047 | IR | ◆投資家向けのIRとは?
投資家向けのIR(Investor Relations)は、企業と投資家との間のコミュニケーションを
円滑にするための活動を指します。IRの主な目的は、企業の経営状況、業績、将来のビジ
ョンなどの情報を透明かつ正確に投資家に伝えることです。これにより、企業の株価の適
正な評価を促進し、企業と投資家との信頼関係を構築することを目指します。
IR活動には、四半期ごとの決算発表、年次報告書の公開、説明会の開催などが含まれます。
また、企業の経営方針や戦略、業界の動向、競合状況などの情報も共有されます。近年で
は、ESG(環境、社会、ガバナンス)に関する取り組みや情報の公開もIRの重要な要素とな
っています。
IRは、企業の持続的な成長をサポートするための重要なツールとして位置づけられており、
多くの企業が専門のIR部門を設置して、戦略的に取り組んでいます。
◆IRとPRの違い
PR(Public Relations)は、企業のイメージやブランド価値を向上させるための活動を指
します。PRの目的は、企業の情報や価値を一般の公衆やメディアに伝え、企業の評価や信
頼性を高めることです。PRの対象は広く、消費者、取引先、メディア、地域社会など多岐
にわたります。
つまり、IRは「投資家」を対象とした情報発信であり、PRは「一般の公衆やメディア」を
対象とした情報発信です。両者は目的や対象が異なるため、情報の内容や発信方法もそれ
ぞれ特有のものとなっています。
| テレビコマーシャルはIRとPRのどちらですか。 | テレビコマーシャルはPRです。一般公衆に向けた活動だからです。 |
JCRRAG_009048 | IR | ◆◆個人投資家向けIRサイトについて
◆個人投資家の現状
2016年度の個人投資家の株式保有比率は17.1%と、ここ数年の平均値である17%台で推移
しました。しかしながら、個人株主の数においては4,967万人(株主の複数カウント有)
と、3年連続での増加となり、5,000万人も目前まで迫る勢いとなっており、個人株主・投
資家の存在感が年々大きくなっていることが見て取れます。
◆個人株主獲得による企業メリット
1.個人のファン株主獲得により安定した長期保有者に
一般的に、一個人株主が保有する株数は少なく、また保有期間が不安定であることか
ら、安定した株主とは考えられていません。しかし多くの企業が個人投資家をターゲ
ットにし、メリットを見出すことに成功しています。最も上手に個人株主の形成がで
きている企業の戦略は消費者の株主化です。消費者は製品の近くに存在し、その価値
を実感しやすいという特徴が挙げられます。そのような消費者に企業のファンになっ
てもらい、株式を長期保有してもらえれば安定した株主と同時に優良顧客にもなる可
能性があります。
2.独自の経営方針のために
多くの個人株主がいることは、経営方針などをめぐって特定の大株主の意向に影響さ
れにくいというメリットがあります。また個人投資家の様々な意向を配慮することで、
株主を重視していると市場に判断され、株価、時価総額が改善します。時価総額が小
さくなれば、買収の脅威にもさらされやすくなり、昨今、時価総額を上げることは企
業防衛という意味でも重視されています。
◆個人投資家のためのIRサイトとして
1.事業内容、強みや特徴を伝える
IRサイトを資料やリリース、社長メッセージへの単なるリンク集にすべきではありま
せん。個人投資家は、何をしている企業なのかを知ることなくして決算短信や決算説
明会資料などのIR資料を読み解くことは難しく、事業や会社の将来性を考えることな
くして投資はしません。最近では「自己紹介型」の個人投資家向けIR情報が増えてい
ます。つまり、Webという空間ではじめて対面する投資家に対して「何をしている会社
か?」「何を目指しているのか?」など、企業を理解し、投資のきっかけをつくる情
報を簡潔にまとめたサイトのことです。企業のことが分かれば、決算短信や各種説明
会資料も理解しやすくなります。また、その情報の連鎖を断ち切らないためにも、個
人投資家向けページからIR資料や用語集をはじめとする関連情報への動線も用意する
と、より良いIRサイトになります。
2.株主還元に対する関心は高い
各企業や株式に関わる団体からのアンケートでもわかるとおり、株主還元に対する関
心は高いものがあります。過去の配当実績や株主優待など、具体的な成果を示しつつ、
株主還元に対する考え方を伝え、株式を保有することによるメリットやリターンのイ
メージを伝えるべきです。
3.市場のマーケット全体に関する情報
情報収集力のある機関投資家ならいざ知らず、個人投資家や企業のことを調べにきた
ステークホルダーがマーケット関連情報を集めることは難しくあります。これはデー
タソースを知らなかったり、定期的なモニタリングや集計が面倒だったりするためで
す。そのような個人投資家には市場規模やマーケットシェアなどの数値と解説をまと
めた情報を提供することが重要です。
4.企業の「過去・現在・未来」の姿を正しく理解してもらうこと
個人投資家は財務データだけでなく、様々な要素を過去・現在・未来の順で閲覧して
います。企業は沿革や現在の事業モデル、将来の経営計画などをホームページに掲載
しておくと、投資家に対して親切な情報配信となるでしょう。
◆訪れた投資家を放さないために
1.IRサイトのトップに自社の株価がわかるようになっているか
投資家にとって真っ先に気になるのは株価です。投資家の一番知りたい情報への到達
時間を最短にすることで、投資家の企業に対する注意を惹きつけます。
2.最新のニュースを載せているか
ニュースが少ない企業というのは、投資家にとっては魅力に乏しく映ります。基本的
な事ではありますが、適時開示という意味でも徹底することが大切です。
3.何をやっている会社なのか概要を分かりやすく明記しているか
自社のビジネスモデルを分かりやすく説明することが重要です。どのようにして利益
を出し、株主に還元できるかを説明しなくては、投資家の信頼は得られることはでき
ません。
4.個人投資家を意識したつくり方をしているか
業界用語、専門用語ばかりで説明せず、平易な日本語を心掛けて説明する必要があり
ます。
| 企業にとって個人投資家の獲得は、企業防衛に役立ちますか。 | 企業にとって個人投資家の獲得は、企業防衛に役立ちます。個人投資家の様々な意向を配慮することで、株主を重視していると市場に判断され、株価、時価総額が改善します。時価総額を上げることは企業防衛という意味でも重視されます。 |
JCRRAG_009049 | IR | 日本での株価の上昇・下落には、海外の機関投資家が大きな役割を果たしています。従って、海外の機関投資家にコンタクトすることがIRの必須業務となるわけです。
この仕事に携わるうちに「IRは、商品が自社株であるマーケティング活動だ」と思うようになりました。どんな商品でも「売らんかな」という姿勢では、買いたい気持ちになりません。良いところは分かりやすく、悪いところは正直に説明することで、正しい商品価値を知ってもらい、お客様に信頼してもらうことが肝要でしょう。
これを海外の機関投資家に行うのがIRなのですから、英語がどうしても必要になるのです。
もうひとつ大切なことは、経営トップが自ら英語で語り掛けることです。少なくとも冒頭のプレゼンは英語で行うことで、機関投資家の関心をうまく引き付けることができますし、逐次通訳の時間を省くこともできます。
私の時代には、英語でコミュニケーションをとれる経営トップはまだ少数でした。従って、海外IRの際には、アークコミュニケーションズのようなアニュアルレポートの翻訳を手掛ける翻訳会社に、英語のロジックに則った発言用の原稿を練り上げてもらっていました。英語の原稿を読み上げるのが難しい場合は、同時通訳をお願いすることもありました。
同時通訳の難しさに直面したこともあります。ある副社長と出張した時、得意な分野についての質問が出て、もともと早口の副社長が、立て板に水の日本語で説明してしまったのです。あまりの早口で、同時通訳者は対応不可能となり、黙ってしまいました。やむを得ず最後に私から「今、副社長が言いたかったことはこうです」と補足説明をしましたが、全てを伝えることができませんでした。逆にその投資家が「副社長の熱意は伝わった」と言ってくれたのが救いでした。
コロナ禍で、私の時代のような頻繁な海外出張はできなくなっていると聞きます。信頼関係の構築には、Face to Faceのミーティングがやはりベストだと思います。それに、海外各地の美味しい食事も食べられませんしね。 | IRの業務は、グローバルに行いますか。 | IRの業務は、グローバルに行います。 |
JCRRAG_009050 | IR | 日本の株式市場における海外機関投資家の影響力は大変大きいものがあります。ポートフォリオの最終決定者は、やはり、日本語の読めない外国人であることが圧倒的に多いのです。海外投資家のアジア拠点では、日本人もしくは日本語に堪能な外国人がアナリストとして仕事をしているケースも見かけますが、まだまだ少数派と言えます。
従って、決算発表や適時開示、中期経営計画、統合報告書などの重要なメッセージについては、日本語、英語で同時発信していくことが大切です。
原稿作成は日本語で行われますし、提出期限ギリギリで日本語版が完成することが多いので、英語版を同時に出せる企業はまだ少ないと思います。「情報発信はグローバルに」ということを念頭に置き、どうやったら同時性を実現できるかよく考える必要があります。
私の場合は、例えば統合報告書作成などでは、構想段階から外部の翻訳協力会社を巻き込んでいました。今後のテクノロジーの発展で、機械的な英語翻訳のレベルが上がっていけば良いのですが、やはり魂のこもった表現を練り上げ、企業の見えない価値を伝えるという意味で、翻訳スペシャリストの存在はありがたいものがあります。
今後も日本企業のIRによる開示努力が進み、グローバルに投資家の理解が進んでいくことを祈って筆を置きます。 | 統合報告書の原稿作成は、何語で行われますか。 | 統合報告書の原稿作成は、日本語で行われます。 |
JCRRAG_009051 | IR | 今回は、IR活動をする際に守って欲しいIRの基本ルール「10S」の一部を、ご紹介したいと思います。
第一に、分かりやすさの徹底(Simple)です。IRでは、端的で分かりやすい説明が求められます。まわりくどい説明は取材者にストレスを与えます。専門用語を多用するのも良くありません。使わざるを得ない場合には、最初に用語の意味を説明しましょう。
第二に、誠実な情報開示(Sincere)です。誠実で公平な情報開示でなければ、外部は不信感を抱きます。IRする側の言いたいことと、取材する側の聞きたいことは必ずしも一致しません。言いたいことだけを説明する対応は、慎む必要があります。
第三に、企業基本情報の提示(Summary)です。主要製品・サービス・ビジネスモデルの内容、主要製品・サービスの市場シェア、主な競合、主な取引先、主な事業展開地域、主要原材料、関連の業界統計、関連の規制動向、企業の沿革、強みと弱み、の基本情報を説明することです。
第四に、成長ストーリーの提示(Story)です。IRでは、どのような経営方針のもと、どのような製品・サービスの 拡販によって、どのような取り組みで事業成長していくのかを説明できるようにする必要があります。業績が拡大している際にはあまり問題になりませんが、業績が悪い時ほど、どのようにして難局を打開して成長していくのかの説明が求められます。
第五に、直近の動向の提示(Situation)です。直近の動向を踏まえた説明をしなければ、説明の妥当性を疑われます。例えば、2022年現在であれば、原材料費や輸送費のコストアップや為替影響、ウクライナ情勢の影響などについて、どれくらいの影響があるのか、またはないのかを調べて回答できるようにする必要があります。
さて、ここまで5つご紹介しました。当たり前と思う方もいらっしゃると思います。しかし、数多く企業取材をしましたが、この5つだけでも完璧な会社は少ないと感じています。 | 企業基本情報の提示で説明する情報は、何個ありますか。 | 企業基本情報の提示で説明する情報は、10個あります。 |
JCRRAG_009052 | IR | 広告というとものを売るためのものと思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。しかし、広告の中には、単なる商品やサービスの宣伝だけでなく、企業が株主や投資家に対して財務状況や経営計画などの投資に必要な情報を伝えるというものもあります。
そのような広告はInvestor Relations(インベスター・リレーションズ=投資家向け広報)広告(略称:IR広告)と呼ばれます。
今回は、IR広告を見た人は見ていない人と比べてどのような違いがあるのか、その影響力について分析してみました。
日本経済新聞社は、新聞広告共通調査プラットフォーム「J-MONITOR(ジェイ・モニター)」でIR広告が企業やブランドに対する態度変容にどのような影響を与えるのかを調査しました。その結果、IR広告に接触した人々は、接触していない人々と比較して、「広告主への注目度」が45.7%と約1.5倍、「購入利用意向」が53.8%と約1.6倍高く、「ホームページを見たいと思った」も10.2%と約3倍となっています。
この結果は、広告を通じて企業の経営計画やビジョンを共有することで人々はその企業に対する理解を深め、関心を持つようになることを示しています。
IR広告は企業にとって重要なコミュニケーションツールであり、その効果的な活用が企業のブランド力向上につながるといえるでしょう。企業の情報を広く伝えることで、消費者や投資家との関係を強化し、信頼性を高めることが可能となるのです。
実際、過去に日経マーケティングポータルで取材した案件では、企業の開発研究への取り組みを発信した広告でも購入利用意向が高かったケースもあります。 | IR広告を見た人と見ていない人の態度変容調査で、倍率の差が最も大きかったものは何ですか。 | IR広告を見た人と見ていない人の態度変容調査で、倍率の差が最も大きかったものは「ホームページを見たいと思った」です。 |
JCRRAG_009053 | IR | IRとは、事業運営のための資金を提供してくれる投資家や株主に向けて、投資を判断する際に必要な自社の情報を、自主的に公平に提供する活動のことです。
IRという言葉はInvestor Relations(インベスター・リレーションズ)の略で、日本語では「投資家向け広報」と訳されます。
IRで提供する情報は多岐にわたり、現在の経営状態や財務状況、企業活動の実績、さらに将来的な見通しなども含みます。加えて、知的財産の状況や社会貢献活動、環境活動など、企業運営に関わる非財務情報を公開するケースも増えています。
IRを積極的に行っている企業は、健全に経営されている、信頼できる企業だという印象を与えます。しかし、株価を上げることを目的に内容が薄い情報開示を頻発するといったIRによって、投資家の評価を下げてしまう企業もあります。IRは、短期的な株価の上昇を目指すものではなく、長期的に自社を理解し、応援してくれる投資家や株主を増やすための活動だと考えることが大切です。
IRの活動は、かつては文書での報告や説明会の開催が主流でしたが、近年はほとんどの企業が自社のWebサイトでIR情報を公開しており、誰でも気軽に企業の最新情報を確認できるようになりました。
IRとともによく使われる言葉にディスクロージャー(Disclosure)があります。これは「情報開示」を意味する英語で、企業が投資家や株主、取引先などに企業の事業の状況などの情報を公開すること全般を指す、IRよりも広い概念です。
ディスクロージャーには、法律や規則によって義務化されている制度上のディスクロージャーと自主的なディスクロージャーがあります。このうち、企業が自主的に行うディスクロージャーとIRは同じものです。投資家に対するPR的な内容を含み、公正な情報提供であれば特に規制はありません。
一方、投資家の保護を目的にし、開示を義務付けられている情報として、証券取引法や関連規則に定められているのが、制度上のディスクロージャーです。具体的には毎年の有価証券報告書や決算短信、株価に影響しそうな出来事をタイムリーに伝える適時開示情報(プレスリリース)などがあります。 | IRとディスクロージャーについて、250文字以内で説明してください。 | IRは、投資家向け広報として、現在の経営状態や財務状況、企業活動の実績、将来的な見通しなど、投資を判断する際に必要な自社の情報を、自主的に公平に提供する活動です。ディスクロージャーは、情報開示を意味し、制度上ディスクロージャーと自主的ディスクロージャーに分かれますが、制度上ディスクロージャーについては、投資家の保護を目的にしており、開示を義務付けられている情報として、証券取引法や関連規則に定められています。一方、企業による自主的ディスクロージャーについては、IRと同じ意味を指しています。 |
JCRRAG_009054 | IR | IRとは、企業が投資家や株主に対して、自社の経営状況や財務情報をわかりやすく伝える活動を指します。
その目的は、企業と投資家との信頼関係を築き、企業価値を向上させることです。
企業活動の透明性を高め、投資家の理解を得ることで、安定した資金調達や株価の維持が可能になります。
特に上場企業にとって、IRは経営戦略の一部として重要な位置づけを持っています。
IRの具体的な活動には、決算発表や投資家説明会の実施、IR専用サイトの運営、プレスリリースの配信などが含まれます。
また、最近ではデジタルツールを活用したオンラインでのコミュニケーションも広がっています。
一方で、IRは単なる情報提供にとどまらず、経営陣と投資家の対話を通じて企業価値を高める双方向の活動でもあります。
これは、投資家が企業の成長に寄与するパートナーとしての役割を果たすために欠かせない要素です。
IRの目的は、投資家や株主との信頼関係を構築し、企業価値を最大化することです。
これを実現するために、企業は透明性のある情報提供を通じて、自社の経営方針や成長戦略を明確に伝える必要があります。
具体的には、以下のような目的があります。
1.資金調達の円滑化
投資家からの信頼を得ることで、資金調達をスムーズに進めることができます。
特に、成長に向けた新規投資やM&Aなどを計画している企業にとって、IRは重要な役割を果たします。
2.株価の安定化
適切な情報をタイムリーに公開することで、市場の誤解や憶測による株価の乱高下を防ぎます。
これにより、投資家に安心感を与え、長期的な関係を築くことが可能です。
3.経営へのフィードバック
投資家との対話を通じて、経営方針や戦略に対するフィードバックを得ることができます。
このプロセスは、企業が市場の期待に応えるための改善に役立ちます。
4.企業ブランドの向上
信頼性のある情報開示を行うことで、企業の社会的信用やブランド価値を向上させる効果もあります。
このように、IRの目的は投資家に情報を提供するだけでなく、企業と投資家の双方が利益を得る「双方向の価値創出」を実現することです。
この取り組みが、企業の持続的な成長と市場での競争力強化につながります。 | IRの目的は何ですか。 | IRの目的は、企業が投資家や株主との信頼関係を構築し、企業価値を最大化することである。これにより、資金調達の円滑化や株価の安定化、経営へのフィードバック獲得、企業ブランドの向上が可能となる。 |
JCRRAG_009055 | IR | ESGは、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)の英語の頭文字を合わせた言葉です。投資家が企業の株式などに投資するとき、これまでは投資先の価値を測る材料として、主にキャッシュフローや利益率などの定量的な財務情報が使われてきました。それに加え、非財務情報であるESGの要素を考慮する投資が「ESG投資」です。GPIFは、ESG投資を推進しています。
ESGという言葉は、2006年に国連が機関投資家に対し、ESGを投資プロセスに組み入れる「責任投資原則」(PRI)を提唱したことをきっかけに広まりました。経済が発展して いく一方で、気候変動問題などの環境問題、サプライチェーンにおける労働問題などの社会問題、企業の不祥事など企業統治の問題が浮上しました。
このような負の影響は、経済社会の持続可能性を毀損してしまう可能性があります。ESG投資は、このような認識の下、環境、社会、コーポレート・ガバナンスの視点を投資判断に組み込むことにより、長期的なリスク調整後のリターンを改善することが期待されています。
GPIFのように投資額が大きく、世界の資本市場全体に幅広く分散して運用する投資家は「ユニバーサル・オーナー」と呼ばれます。また、GPIFが運用する年金積立金は、将来の現役世代の保険料負担を軽減するために使われるものです。このように「ユニバーサル・オーナー」かつ「世代をまたぐ投資家」という特性を持つGPIFが、長期にわたって安定した収益を獲得するためには、投資先の個々の企業の価値が長期的に高まり、ひいては資本市場全体が持続的・安定的に成長することが重要です。そして、資本市場は長期で見ると環境問題や社会問題の影響から逃れられないので、こうした問題が資本市場に与える負の影響を減らすことが、投資リターンを持続的に追求するうえでは不可欠といえます。
SDGs(持続可能な開発目標)とは、2001年に策定されたミレニアム開発目標の後継として、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された、2030年までに達成を目指す国際目標です。「ジェンダー平等を実現しよう」、「産業と技術革新の基盤を作ろう」、「気候変動に具体的な対策を」等の17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人取り残さない」ことを謳っています。
ESG投資において考慮されるESG課題とSDGsのゴールやターゲットは共通点も多く、ESG投資が結果として、SDGs達成に大きく貢献することになります。SDGsが達成され、持続可能な経済社会が実現することは、GPIFにとって、運用資産全体の長期的なリターン向上につながることになります。
GPIFは「長期的な投資収益の拡大には、投資先及び市場全体の持続的成長が必要」との投資原則の考え方に沿って、その運用プロセス全体を通じ、ESGを考慮した投資を推進しています。
| ESG投資が注目されるようになったきっかけは何ですか。 | ESG投資は、2006年に国連が機関投資家に対して「責任投資原則(PRI)」を提唱したことをきっかけに広まった。 |
JCRRAG_009056 | IR | 日本国債IRについて
現在、日本は多額の国債残高を抱えており、国債の安定消化・安定保有の観点から、幅広い投資家層による国債保有を促進することが重要な課題となっています。また、多様な投資家が様々な投資ニーズに基づき国債を保有することは、市場の状況が変化した場合にも取引が一方向に流れることを防ぎ、市場を安定させる効果もあると考えられます。
こうしたことから、財務省では、銀行や生命保険会社等の国内機関投資家のみならず、海外投資家へのアプローチも重要なテーマと捉え、海外投資家の国債保有促進に向けた取組みを進めてきました。平成17年(2005年)の開始以降、これまで累計43か国・地域、延べ320都市を訪問しました(令和2年3月末までの訪問数。以後、令和4年4月まで新型コロナウイルス感染症の感染拡大のため現地訪問せず、オンラインベースのIR面談を実施(延べ109件、本記事末尾にコラム有り))。
日本国債IR活動はこれまでも本誌で紹介され、直近は令和元年7月号で特集されました。それから3年程経過しました。この間に、新型コロナウイルス感染症の感染拡大(令和2年度~)、日本銀行による「より効果的で持続的な金融緩和を実施していくための点検」(令和3年3月)、米国FOMCによる量的緩和の縮小(テーパリング)の決定(令和3年11月)や政策金利の引き上げ(令和4年3月)、ロシアによるウクライナ侵攻(令和4年2月~)など日本国債市場に影響を与える出来事が起きています。そこで、今回は、令和2年度以降(令和2年4月~)の日本国債IRの面談から得られた率直な意見・情報を基に、足もとの海外投資家の投資動向、海外投資家が日本をどのように見ているのかについてご紹介します。
海外投資家の投資動向
海外投資家の投資目的別分類
ひとくちに海外投資家といっても、中央銀行等(外貨準備の運用)、国際金融機関、年金基金、生命保険会社、資産運用会社などのリアルマネー投資家と言われる機関投資家のほか、ヘッジファンド等、様々な海外投資家が存在します。これまでの日本国債IRを通じて延べ2,000件以上の海外投資家との面談を実施(図1 日本国債IRにおける面談先の地域・業種分布)しました。海外投資家と聞くと、国債の短期売買を繰り返して収益を追求するイメージを持つかもしれませんが、実際はそれだけではなく、日本国債への投資目的は様々です。数千億~数兆円の日本国債を安定的に保有する中央銀行などのリアルマネー投資家も相当数います。
そこで今回は、海外投資家の日本国債への投資目的を、独自に次の4つに分類し、その概要を紹介させていただきます。
(1)収益の追求
(2)キャッシュの管理
(3)資産負債管理(ALM)
(4)流動性規制対応、担保需要等
1つ目は「収益の追求」についてです。多くの海外投資家は、利息収入やキャピタル・ゲイン(売却益)狙いで、様々な投資戦略により日本国債に投資しています。最も多く聞くのが、「日本国債市場は低金利かつ低ボラティリティの環境下であるものの、保有するドル等の外貨から通貨ベーシススワップを利用して日本国債に投資すれば、プレミアムを得られ日本国債への投資妙味がでてくるため、短中期の日本国債に投資している」という意見です。この投資戦略だけを採用しているとは限りませんが、ここ2年間の日本国債IRを通じ、外貨準備を運用する中央銀行、国際機関、年金基金、資産運用会社など幅広い業種の海外投資家から同様の意見が聞かれました。
次によく聞かれたのが、債券のインデックス運用です。特に、一部の中央銀行や資産運用会社等は、債券インデックスをベンチマークにして、自社の債券ポートフォリオと債券インデックスとの価格変動を近づけるよう、債券インデックスの採用銘柄の構成に合わせて日本国債を自社のポートフォリオに組み入れる投資戦略をとっています。
このほか、ヘッジファンドは、デリバティブを駆使して積極的にリスクをとったり、比較的短期での投資を繰り返して収益を高めようとしたりすると言われています。
2つ目の「キャッシュの管理」については、多額の現預金を保有する海外投資家が次の投資先が決まるまでの現預金の運用で、比較的リスクが低く、かつ流動性が高い短期債に投資する場合が挙げられます。この場合、基本的には、満期償還後に再投資を繰り返すことが多いです。例えば、現預金が多い海外事業会社はこの目的で日本国債などの債券に投資する場合があります。
3つ目の「資産負債管理(ALM)」については、金利変動リスクを軽減させる目的で、バランスシート上の資産と負債のデュレーション・ギャップを埋めるように(特に資産のデュレーションを延ばすために)日本国債を保有する場合もあります。例えば、海外の生命保険会社は当該目的で超長期の日本国債を購入する場合があります。
4つ目の「流動性規制対応、担保需要等」については、海外の銀行がバーゼル規制で求められる流動性カバレッジ比率を満たすため、算出時に分子に計上される適格流動資産(High Quality Liquid Assets; HQLA)として日本国債を保有することもあります。また、海外の金融機関の日本支店が、緊急時に日本銀行からドルを調達できるよう日本銀行に対する差出担保用に日本国債を保有することもあります。なお、日本の金融機関の海外支店がFedからドルを調達する目的で、Fedに対する差出担保用に日本国債を国際決済機関の振替口座に保有する場合もあります。
このように、海外投資家の日本国債への投資目的は様々であるため、それぞれのニーズに応じ、きめ細やかな情報提供をすることが国債の安定的な保有につながると考えています。
なお、「市場が不安定になった時の海外勢の逃げ足は速い」という意見も聞かれることがありますが、全ての海外投資家の投資行動を一律に論じることはできないと考えられます。例えば、一部の中央銀行は為替政策のために円貨を保有し、その運用として日本国債に投資しています。また、短期債に投資する海外投資家も、短期売買を繰り返すのではなく満期まで保有し、満期償還後に再投資を行う場合が多いほか、資産負債管理(ALM)や適格流動資産(HQLA)管理を目的に中期~超長期債に投資する生命保険会社や銀行等においても、安定的な保有が見込まれます。 | 海外投資家の日本国債への投資目的はいくつに分類されているか。 | 海外投資家の日本国債への投資目的は4つに分類されている。 |
JCRRAG_009057 | IR | 「統合型リゾート」(IR)の正式な名称は「特定複合観光施設」で、その整備を推進するための「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律(IR推進法)」が成立したのは2016年12月のことでした。その2年後の2018年7月には「特定複合観光施設区域整備法(IR整備法)」が成立しました。
IR整備の目的は、国のIR施設区域整備推進本部によると、「観光振興に寄与する諸施設」と「カジノ施設」が一体となった施設群を、民間事業者が整備することによって、集客と収益を通じた観光地域振興と、新たな財政への貢献を図ろうというものです。IR施設群と言えばカジノ施設だけが注目されていますが、カジノ施設は施設群の3%以下の面積しか取れません。主体は「観光振興に際する施設」で、ホテルや国際会議場・国際展示場(MICE施設)、レストラン、ショッピングモール、劇場や水族館といったエンタテイメント施設などで構成され、事業者はこれらを一体的に整備・運営することが求められます。
立地先として、大阪府・市、横浜市、北海道、長崎県、和歌山県などが声を上げました。しかし、新型コロナの感染拡大を機に、申請期間が延期となり、それを受けて北海道は、一転して誘致に慎重な姿勢を示すようになりました。
そんな中、横浜市は5月21日まで事業者の公募を受け付け、今夏に事業者を選定すると発表しました。同市が描いた「IR等 新たな戦略的都市づくり」の検討調査報告書によると、12事業者から提供された情報として、立地場所は全社が「山下埠頭(ふとう)」を想定しており、70,000㎡~22万9,000㎡のMICE施設、日本の伝統文化・芸術を紹介・公演する魅力増進施設、国内観光地への拠点となる送客施設、約27万㎡~約60万㎡、約2,700室~約5,000室で構成されるホテルなどを整備するとしています。建設費などを加えた投資見込額は約6,200億円から約1兆3,000億円、売上見込額は年間約3,500億円~約8,800億円としています。
経済効果はIR建設時では、直接効果として約4,700億円~約1兆1,900億円、全体効果として約6,700億円~約1兆8,000億円、開業後の事業運営時はそれぞれ年間約4,900億円~約9,100億円、約7,700億円~約1兆6,500億円としています。これを元にした増収額は年間約600億円~約1,400億円になると試算されています。
IR施設で懸念材料となっているのが「ギャンブル依存症増加」と「資金洗浄」です。依存症増加に対しては、マイナンバーカードや顔認証システムによる入場制限や自動現金支払機(ATM)の設置禁止などを、資金洗浄に対しては国際基準に準拠した内部統制システムの構築、反社会性力の排除などを掲げています。
2025年の国際博覧会の会場となる夢洲(大阪市此花区)に誘致をめざす大阪府・市は、2027年度~28年度の全面開業を諦め、「実施方針」には開業時期を明記しないことにしました。報道によれば「部分開業」は2020年代後半になるようです。
大阪府・市がこうした措置をとったのには、新型コロナ感染拡大による事業者への深刻な影響ということが背景にあります。開業までに巨額の費用が必要となるわけですから、今の状態が続けば、事業者そのものの存続が危ぶまれるのではないでしょうか。実際、大阪府・市はIR施設までのアクセス線整備費用として200億円超を事業者に求めることにしています。加えて、遅々として進まない国の対応に、事業者側に嫌気がさしたという指摘もあります。それでも、IRは菅政権の「目玉事業」ですから、政府としては新型コロナ感染拡大の動向を見ながら、粛々と進めていくことになるでしょう。
一方、IR施設誘致に慎重な構えを見せる北海道に対し、誘致先である苫小牧市では、まだIR誘致に挑戦し続けています。そこには、IR施設の誘致によって雇用を拡大し、人口減少をストップさせようという思惑があると言われています。もちろん、財政への貢献という視点も欠かせません。IR施設は良質な雇用の場であると、同市では見ているようです。
| IR施設の売上見込額が最も高いのはどこですか。 | 横浜市が発表した報告書によると、IR施設の売上見込額は年間約3,500億円~約8,800億円である。これはコンテキスト内で示された情報の中で最も高い数値である。 |
JCRRAG_009058 | IR | 私たちが日々取り組んでいる仕事が、どうPBR(株価純資産倍率)につながっているのか。今回は、広報・IR(投資家向け広報)の仕事について見てみよう。企業の商品・サービスや活動、経営情報などをステークホルダーに発信したり対話したりする仕事である。
PBR向上の筋道の全体像を示したのが、下に示した「PBR向上チャート」である。PBRは、ROE(自己資本利益率)とPER(株価収益率)に分解できる。広報・IRに大きく関係してくるのがPERだ。PERはさらに、資本コストと利益成長性という2つの要素に分解できる。広報・IRは、資本コストを抑えることでPBRを向上させる役割を担っている。
企業の現場で働く人にとって、資本コストという言葉は耳慣れないかもしれない。資本コストは、その言葉が示す通り、「資本」にかかる「コスト」である。企業が株主や銀行などから調達した資本(資金)は、株価の値上がり益や配当、利息などの形で返済する必要がある。株主は、「投資した資金に対して毎年これだけのリターンが欲しい」と考える。企業から見るとそのリターンが株主に支払うコストになる。
一般的な投資家は、リスクが高い投資に対して高いリターンを要求する。価値が上がるか下がるか分からないリスクが高い企業に投資するのだから、それだけ高いリターンを要求するわけだ。資本コストを抑えるには、投資家が「この会社の経営は将来が見通せず投資リスクが高い」と思わせないようにする必要がある。この役割を担うのが、広報・IR部門である。
| 一般的な投資家が資本コストに対してどのような考えを持っていますか? | 一般的な投資家は、リスクが高い投資に対して高いリターンを要求する。企業の成長が不透明であればあるほど、投資家はより高いリターンを求めるため、企業にとっての資本コストが上昇する。逆に、経営の透明性が高く、将来の成長が見込める企業であれば、投資家の要求リターンは低くなり、資本コストも低下する。 |
JCRRAG_009059 | IR | IRはやってみると、なかなかタフな仕事でした。IRについては素人でしたが、テクニカルな説明は勉強すれば良いし、答えがはっきりしているので、自分にとってはむしろやり易かったと言えます。一方で苦労したのは、商社のビジネスモデルや存在意義を、株主にどのように説明するかでした。欧米の株主からうけた数々の厳しい質問に対しての私の答えは、「商社は決して世に不要な存在ではなく、付加価値を持ったアウトソーシング機能の受け手としての存在意義がある」でした。付加価値とは「取引先拡大のマーケティング機能」「与信審査機能」「物流機能」の3つです。この説明は、一定の理解は得たものの、株価を上げるほどの力はありませんでした。と言うのも、知名度が高い大手総合商社がいくつも存在するのは日本特有なことで、海外の企業は内部にこの機能を持っており、他社に依存する事例がなかったからです。
IRの努力が実ったのか株価が目に見えて上がり始めたのは、資源価格が高騰し、外部から利益の見通しが立てやすくなった2005年以降のことでした。外部の投資家にとっては、「企業が将来にわたり、どうやって利益を生むか」を簡潔、明快に理解し、確信することが最も大切だということでしょう。
もう一つ私を悩ませたことは、コングロマリットディスカウントです。機関投資家からは、「天然ガスや鉄鉱石など資源への投資に対する着眼点や交渉力は敬服する。そこに特化して他の儲けの少ない事業はスピンアウトしてはどうか」としばしば指摘されました。簡単に言えば「シンプルイズベスト、余計な事はするな」ということでしょう。
これに対しては当時の大コングロマリットGEのイメルトCEOが語っていた「ビジネスの多角化は意味がある」なども引用し、膨大な時間を使って説明、防戦に努めました。しかしながら時代によって適切な戦略は変わっていきますし、IRの力だけで投資家を動かすのは難しく、果たしてどれだけ効果があったのか微妙なところです。
結局一番意味があったのは、定期的に機関投資家を訪問し、信頼関係を築くことでした。また、外国人投資家にコンタクトする際には、日本語から最も適切な英語に置き換える作業が重要でした。次に、そのことについて述べたいと思います。 | 信頼関係を築くメリットはなんですか? | お互いの理解度が高まり、共有できる情報が増えることで話しやすくなる。 |
JCRRAG_009060 | IR | 一般的なWebサイトの効果測定は、アクセス解析を行ってPVや直帰率、クリック率などを計測します。しかし、IR視点での効果測定はこれらの数値では計測は難しいのが現状です。PV等の数値は株主数に比例することから、株価の上昇や株主の増加も直接的な要因と結び付けるのは難しいでしょう。
IRサイトの効果測定の有効な指標として、外部評価も一つの手段として用いることができるのではないかと考えられます。特に昨今、コロナ禍において1on1等の投資家の方々とのコミュニケーションの機会が減少していることや、市場再編による掲載情報の変化が発生してきています。結果的にIRサイトに掲載される情報に変化が発生することから、オンライン上での情報発信の重要性が以前よりも増してきているといえます。
このため、IRサイトランキングというものを、単なるランキングといった順位自体に視点を置くだけでなく、例えば、IRサイト、またはコーポレートサイトというオンライン上でのコミュニケーション・ツールとしての評価軸と捉えることも必要です。さらには、受賞している企業を動向把握の手段、または改修時における参考資料として活用することも可能であると考えられます。 | 一般的なWebサイトの効果測定、アクセス解析を行ってPVや直帰率、クリック率などを計測するのに機械は必要ですか? | パソコンやスマートフォンといった機械が必要。 |
JCRRAG_009061 | IR | 私がIRに出会ったのは30代になったばかりの1987年でした。商社に就職して、当時は珍しかったM&Aやファンド投資の仕事をしていました。M&Aやファンド投資は萌芽期でしたが、大変スリリングかつチャレンジングな仕事でした。その後、ロンドンのM&A子会社に駐在し、ベルリンの壁崩壊やソ連の解体に遭遇した私は40代になり、「商社の源は欧米でいう投資銀行であり、日本の商社が持つ海外ネットワークや地域の知見を活かせば、新たな金融ビジネスができるのでは」という思いを強くしていました。
そんなところに突然、IRチームリーダーへの異動辞令が出たのです。私は「そんな稼ぎに結びつかない退屈な仕事はやりたくない」と即座に断りました。しかし、上司から「IRはこれからの時代に必要な仕事で、誰にでもできる訳ではない」と懇々と説得され、結局、異動することになりました。ここから、50代半ばでグループの自動車メーカーに転籍するまで、機関投資家とわたりあうIRの仕事が始まったのです。
分かりにくい商社のビジネスをどう説明するか
IRはやってみると、なかなかタフな仕事でした。IRについては素人でしたが、テクニカルな説明は勉強すれば良いし、答えがはっきりしているので、自分にとってはむしろやり易かったと言えます。一方で苦労したのは、商社のビジネスモデルや存在意義を、株主にどのように説明するかでした。欧米の株主からうけた数々の厳しい質問に対しての私の答えは、「商社は決して世に不要な存在ではなく、付加価値を持ったアウトソーシング機能の受け手としての存在意義がある」でした。付加価値とは「取引先拡大のマーケティング機能」「与信審査機能」「物流機能」の3つです。この説明は、一定の理解は得たものの、株価を上げるほどの力はありませんでした。と言うのも、知名度が高い大手総合商社がいくつも存在するのは日本特有なことで、海外の企業は内部にこの機能を持っており、他社に依存する事例がなかったからです。
IRの努力が実ったのか株価が目に見えて上がり始めたのは、資源価格が高騰し、外部から利益の見通しが立てやすくなった2005年以降のことでした。外部の投資家にとっては、「企業が将来にわたり、どうやって利益を生むか」を簡潔、明快に理解し、確信することが最も大切だということでしょう。
もう一つ私を悩ませたことは、コングロマリットディスカウントです。機関投資家からは、「天然ガスや鉄鉱石など資源への投資に対する着眼点や交渉力は敬服する。そこに特化して他の儲けの少ない事業はスピンアウトしてはどうか」としばしば指摘されました。簡単に言えば「シンプルイズベスト、余計な事はするな」ということでしょう。
これに対しては当時の大コングロマリットGEのイメルトCEOが語っていた「ビジネスの多角化は意味がある」なども引用し、膨大な時間を使って説明、防戦に努めました。しかしながら時代によって適切な戦略は変わっていきますし、IRの力だけで投資家を動かすのは難しく、果たしてどれだけ効果があったのか微妙なところです。
結局一番意味があったのは、定期的に機関投資家を訪問し、信頼関係を築くことでした。また、外国人投資家にコンタクトする際には、日本語から最も適切な英語に置き換える作業が重要でした。次に、そのことについて述べたいと思います。 | CEOとは、組織においてどのような立ち位置の役職ですか。 | CEOとは、組織における最高経営責任者です。 |
JCRRAG_009062 | IR | IR活動では企業のトップが積極的に参加し、経営戦略や事業目標を明確に伝えることが大切です。
それによって株主や投資家の信頼が向上します。
企業のトップはあらかじめ用意された原稿や資料をただ読むのではなく、株主や投資家の質問に対して、自身の言葉で力強く答えられるかどうかが試されます。
しっかりと説明責任を果たそうとする姿は株主・投資家に良い印象を与えますし、IR活動に真剣な企業として認識されやすいでしょう。
IR活動を通して得た情報や、投資家からの意見を経営に反映するには、社内にフィードバックの体制が築かれていなければなりません。
スモールミーティングやラージミーティングを開いて投資家から意見を聞いても、その後の改善に役立てなければ、「この企業はIRを経営に活用する意思がない」として、投資家に愛想を尽かされる可能性があります。
そのため、自社にフィードバック体制が築かれていない場合は早急な整備が必要です。
IR活動は企業からの一方的な説明ではなく、株主や投資家との対話やコミュニケーションによる双方向性が望ましいとされています。
詳細な資料をもとにした説明も大切ですが、それ以上に株主や投資家は対応力に注目する傾向があります。
たとえば、投資家からの質問に対して企業のトップが明確な答えを伝えられず、株主からの意見に感情的な対応をした場合、イメージダウンは免れません。
そのため、予想外の質問に対しても慌てず、適切に対応するスキルが求められます。
IR活動をスムーズに進めるには、株主・投資家が求める情報を自社ホームページに明確に記載することが重要です。
どこに何が書かれてあるのかわかりづらければ、信頼性を損なう懸念があるからです。
自社のホームページが以下に当てはまっているかどうかを確認してください。
・情報をすぐに見付けられる構成になっている
・イラストや図解も含めた資料が用意されている
・業界用語や専門用語には注釈が付いている
・説明会の音声や動画ファイルが簡単に視聴できる
・個人投資家向けのIR情報ページがある
改善箇所に迷ったときは、株主や投資家の視点で考えることが大切です。
実際にホームページの感想を聞ける機会があれば、積極的に聞いてみることをおすすめします。 | フィードバックの体制とは、どういった体制ですか。 | フィードバックの体制とは、、社員に対し、投資家から聞いた意見を元にした評価や改善点を伝えることです。 |
JCRRAG_009063 | IR | 上場企業は、投資家保護の目的でIR資料を開示することが義務付けられています。
しかし、IR資料にはどんな種類があり、各資料の内容が何か分からないという人も多いのではないでしょうか。
本記事では、IR資料について、書かれている内容や各資料の見方についてわかりやすく解説していきます。
早速、IR資料について解説していきます。
IR資料とは、企業が投資家・株主などに対して、経営状況・財務データ・業績見通しなどの企業情報を提供するための資料のこと。
投資家は、このIR資料をもとに投資判断を行います。
企業にとっては自社の経営状況や魅力を投資家に伝える資料になるため、非常に重要な役割を果たします。
では、IR資料にはどのような種類があるのでしょうか。
決算短信は、自社の決算内容をまとめた書類のことです。
四半期ごとに経営成績や財務情報を開示し、1事業年度で通期の決算短信を開示します。
財務情報や今期の業績に至った理由などを事実ベースで細かに記載する点が特徴的です。
フォーマットは証券取引所が定めており、開示は決算期末後の45日以内が適当、30日以内の開示が望ましいとされています。
決算説明資料は四半期ごと、あるいは半期・1年ごとに開かれる決算説明会で使用されるスライド形式の資料です。
決算短信と異なり、フォーマットは自由であるため、自社の魅力を最大限に伝えられる点が特徴です。
グラフや図解を多く用いて、配色も見やすいようにすることで、投資家が理解しやすい資料にする必要があります。
最近では決算説明会は半期毎でも、決算説明資料は四半期毎に開示する企業が増えています。
中期経営計画は、企業の3-5年後までの定量的な目標をまとめた資料のことです。
作成・開示ともに義務ではありませんが、投資家に対して中期の方針を説明する上では非常に重要な資料となります。
東証プライム上場企業を中心に、年々開示する企業数は増加しています。
有価証券報告書は、事業年度ごとに企業情報や経営状況を報告する資料です。
各事業年度末3か月以内に内閣総理大臣に提出することが義務付けられています。
決算短信と比較して速報性は劣りますが、その分企業情報が細かく記載されている点が特徴です。
例えば、事業内容や企業の沿革、経営上のリスクなどの情報があり、ページ数は100ページ以上にのぼります。
公認会計士あるいは監査法人の監査が義務付けられており、情報の信憑性はかなり高いと言えるでしょう。
統合報告書は、財務情報だけでなくESGへの取り組みなど非財務情報も統合して記載する資料のことです。
統合報告書を通して、投資家に自社の価値や持続可能性を伝えることができます。
開示義務はないものの、開示企業は年々増加しています。
| 企業が投資家・株主などに対して、経営状況・財務データ・業績見通しなどの企業情報を提供するための資料をもとに、投資家は何を行いますか。 | 企業が投資家・株主などに対して、経営状況・財務データ・業績見通しなどの企業情報を提供するための資料をもとに、投資家が行うのは投資判断です。 |
JCRRAG_009064 | IR | 決算短信とは、企業の経営成績や財務状況を簡潔に伝える資料で、投資家にとっては「企業の健康診断書」とも言える存在です。
しかし、この診断結果をどのように読み解くかは、まさに投資家次第。
だからこそ、投資家が注目するポイントを理解し、投資家の知りたい内容がしっかりと明示された決算短信を作成することが求められます。
そこで今回は、投資家と企業を結ぶIRにおいて最も重要である決算短信を作成する際の注意点について解説します。
決算短信とは、企業が四半期ごとに開示する、業績や財務状態などを伝える重要な資料です。
上場企業はこれらの情報を開示する義務があり、投資家の投資判断材料となるほか、アナリストやメディアにも注目されます。
決算発表日は企業によって異なりますが、日本では3月決算の企業が多く、一般的には3月、6月、9月、12月の計4回、決算短信が作成されます。(公開は45日以内)
投資家は決算短信を通じて企業の業績や財務状況を把握することができるため、株価動向にも直接的な影響を与えるものです。
一見、決算短信と似ている有価証券報告書ですが、これは年次報告書であり、より詳細で包括的な情報を提供します。
一方で、決算短信は、企業の業績の速報として、まずは主要な数値や業績予想を伝える役割を果たし、その後有価証券報告書や決算説明資料で詳細な情報を提供する形となります。
そのため、決算短信は、他の詳細な資料(有価証券報告書や決算説明資料)とは異なり、要点を絞った内容となっています。 | 企業が四半期ごとに開示する、業績や財務状態などを伝える重要な資料は、日本では一般的に年に何回作成されますか。 | 企業が四半期ごとに開示する、業績や財務状態などを伝える重要な資料は、年に3月、6月、9月、12月の計4回作成されます。 |
JCRRAG_009065 | IR | IRとは
Investor Relations
IR(インベスター・リレーションズ)とは、企業が株主や投資家に対し、投資判断に必要な企業情報を、適時、公平、継続して提供する活動のことをいいます。企業はIR活動によって資本市場で適切な評価を受け、資金調達などの戦略につなげることができます。株主・投資家も、情報を効率よく集めることができるようになります。
投資判断に必要な情報といえば、開示が義務づけられている有価証券報告書など、制度的開示(ディスクロージャー)があげられますが、IRは制度的開示にとどまらず、企業が自主的に行なう情報提供活動を指します。インターネットなど時代に即した新しいIR活動も活発です。
制度的開示に対し、IRは企業の取り組み方次第で結果が大きく違います。IRによって信用を高める企業がある一方、信用を失って株価を下げる企業も少なくありません。
ただし投資家やアナリストの信頼を得るにはルールがあります。IRは基本ルールを守った上で独自の戦略を求められる活動だといえるでしょう。
IRの定義
インベスター・リレーションズ(IR)は、企業の証券が公正な価値評価を受けることを最終目標とするものであり、企業と金融コミュニティやその他のステークホルダーとの間に最も効果的な双方的コミュニケーションを実現するため、財務活動やコミュニケーション、マーケティング、そして証券関係法の下でのコンプライアンス活動を統合した、戦略的な経営責務である。 | IRは、一般消費者の消費活動にも関係しますか | いいえ。IRは一般消費者の消費活動には関係しません。IRは、株主や投資家の投資判断に必要な情報を提供するための活動だからです。 |
JCRRAG_009066 | IR | 企業のIR活動
IR(Investor Relations)とは、企業が株主や投資家に対し、財務状況など投資の判断に必要な情報を提供していく活動全般を指します。
最近は、株主や投資家に対するだけでなく、顧客や地域社会等に対して、経営方針や活動成果を伝えることもIRのねらいの一つになってきています。
企業はIR活動を通じて株主、投資家、顧客などと意見交換することで、お互いの理解を深め、信頼関係を構築し、資本市場での正当な評価を得ることができます。逆に、外部からの厳しい評価を受けることで、経営の質を高めています。
また、近年、IR活動の一環としてホームページ上にIR専用のサイトを設ける企業が増えています。
道路局の活動
IRは本来民間の手法であり、行政がこの名称を用いることは必ずしも正確ではないのですが、私たちは、行政運営にこのIR(Investor Relations)活動の考え方を取り入れることで、行政の「インベスター(投資家)」である納税者の皆さまに情報を提供し、適切な評価をいただくことを通じて道路運営の質を高めていくことができると考えました。
そこで、2001年10月より、ホームページ上に行政評価専用の「道路行政評価サイト(通称:道路IRサイト)」を開設し、予算や関係公団の財務諸表、事業評価の結果などを公表しています。省庁としては初めての取り組みになります。
今後、行政としての説明責任を果たすため、内容を順次充実させていく予定です。
大隅河川国道事務所
大隅河川国道事務所では、現在までに大隅河川国道事務所の既設ホームページに「事業概要」「道路事業」というサイトを設け、主な事業箇所、道路の現状と整備などを適時『行政サービス情報』として皆様に提供しています。
この情報に加え、今後、民間のIR活動の手法を取り入れ、皆様方に適切な評価を戴くことで道路の運営の質を向上させていきます。
今回、道路の経営(運営)情報を詳しく、分かりやすく提供することで、より身近なサイトとして「道路IR情報」を設けました。
既設サイトと合わせてご利用下さい。
| 行政にとって、納税者が投資家にあたるのはなぜですか | 行政にとって納税者が投資家にあたるのは、納税者が納める税金によって行政の活動が成り立っているからです。 |
JCRRAG_009067 | IR | ジェネリック医薬品と特許の基礎知識を解説|パテントリンケージって何?
ここ数年、日本でもジェネリック医薬品がだいぶ知られるようになってその数量シェアは約80%程度まで上昇しており、普及率も欧米並みに近づいてきているようになりました。医療費削減になるなどのメリットがあるジェネリック医薬品ですが、今回は、そのジェネリック医薬品と特許について概略をまとめてみました。
1. ジェネリック医薬品とその特徴
ジェネリック医薬品とは、承認医薬品(新薬)と有効成分が同一であって、投与経路、用法・用量、効能および効果、安全性が同等である医薬品のことをいいます。新薬の再審査期間及び物質特許等の特許期間が経過したのちに承認・販売されます。もちろん、国の基準、法律に基づいて製造・販売されております。
ジェネリック医薬品の特徴としては下記のようなことが挙げられます。
開発着手から承認申請までの期間が短い。
開発コストが抑えられ、先発医薬品と比べて安価である。
効能や効果、安全性は、先発医薬品と同等である。
飲み易くするなどの改善がされている製品もある。
2. ジェネリック医薬品の普及
ジェネリック医薬品が販売されると、より安価なジェネリック医薬品に置き換わることにより、医療費が削減されることになります。国民皆保険制度を維持するためにも、低価格なジェネリック医薬品の普及が求められています。日本の医薬品の市場はおよそ6兆円といわれており、厚生労働省は、医療費の削減を図るために、安価なジェネリックを早く普及させることを推奨しています。
なお、ここ数年の日本におけるジェネリック医薬品の数量シェアは約80%程度となっています。
通常は、ジェネリック医薬品が販売されると、より安価なジェネリック医薬品に置き換わり、新薬の売り上げは減少します(パテントクリフ)。したがって、医薬品の売上げは、特許によって大きく左右されることになります。
3.ジェネリック医薬品の申請・承認
ジェネリック医薬品は、国で定められた試験を行った後に、厚労省に申請、承認後販売されます。
ジェネリック医薬品の申請・承認される時期は、物質・用途特許の期限と再審査期間によって決まります。通常、特許権の権利期間が満了すれば、ジェネリック医薬品を販売することができますが、安全性確保の観点から再審査期間が満了前は申請は認められていません。
したがって、ジェネリック医薬品の開発は、申請・承認時期から逆算して、そのスタート時期が決められます。
このように医薬品には特許等があり、ジェネリック医薬品は医薬品の特許を尊重する必要があります。具体的には、ジェネリック医薬品を販売後、侵害訴訟などの問題がないようにしなければなりません。そのひとつとして、「パテントリンケージ」という制度があります。
4.パテントリンケージ
パテントリンケージとは、ジェネリック薬企業から承認申請があると、政府の医薬品規制当局が、先発医薬品にかかる製薬企業(特許権者)に対し通知を行い、特許権(物質特許・用途(効能効果)特許の両方)を侵害していないか確認することを義務付ける制度をいいます。
ジェネリック医薬品の販売承認を規制当局が判断するにあたって、先発医薬品に係る特許権の存在を考慮する、薬機法と特許制度とを連動させたものです。
日本においては、「医療用後発医薬品の薬事法上の承認審査及び薬価収載に係る医薬品特許の取扱いについて(平成21年6月5日 厚 生労働省医政局経済課長・医薬食品局審査管理課長通知)」がされており、先発医薬品の有効成分に特許が存在することによって、当該有効成分の製造そのものができない場合には、ジェネリック医薬品を承認しないこととなっています。
特許侵害訴訟の発生を避けるため、新薬の特許権が存続する期間中にはジェネリック医薬品に対して承認を与えないこととしています。
5.オーソライズドジェネリック
オーソライズドジェネリックとは、新薬メーカーが子会社等特定のジェネリックメーカーと契約(ex.特許ライセンス)して、医薬品特許の使用権を与えることにより販売される、先発医薬品と全く同じ成分のジェネリック医薬品をいいます。
オーソライズドジェネリックのメリット
オーソライズドジェネリックは、先発医薬品の特許が切れる前に承認され、他のジェネリックに先駆けて販売されます。通常、他のジェネリック販売開始よりおよそ半年前から、子会社等により独占的に販売され、この間にジェネリック医薬品のシェアを獲得することが可能となります。
原薬や添加物、製造方法等がすべて同じことで、安心感があります。 (※他のジェネリックは製造元や添加物が異なります。)
その他ジェネリック医薬品の開発に必要な試験を省略できる等のメリットもあります。 | ジェネリック医薬品にある特許問題が起こらない医薬品は何ですか。 | オーソライズドジェネリックです。 |
JCRRAG_009068 | IR | 有価証券報告書から見る営業利益
営業利益とは、本業で得た利益のことを指します。営業利益は売上総利益から販売費や一般管理費を差し引いた分の利益となっており、営業利益が高いほど利益の高い会社だと判断する材料になります。企業が本業で得ている利益を知りたい場合には、営業利益をチェックする必要があります。当期純利益とは、税引前当期利益から法人税などの税金を差し引いた分の利益です。そのため、企業が事業年度のうちで最終的に得た利益を知ることができる項目となります。しかし、税引前当期利益は経常利益から特別利益や特別損失を差し引きした利益であるので、特別利益によってその年度だけ高い利益が出ている可能性もあります。そのため、当期純利益だけでは実際の企業実態を明らかにすることはできません。
当期純利益は最終的な利益となるため、トータルで見た場合の黒字や赤字が判断できます。前述のとおり、当期純利益は事業年度の会計期間の総売上高から売上原価や税金といったものをすべて差し引いた後に残った金額です。そのため、当期純利益がプラスの場合は黒字、マイナスの場合は赤字であることがわかります。また、当期純利益がマイナス続きになっている企業の場合、事業からの撤退などが行われる可能性があると判断できるでしょう。
企業の中には、複数の事業活動を行っている企業も多いです。このような企業の場合、事業別(セグメント別)売上高を見ることで、その企業がどの事業に力を入れているのか、事業ごとにどのくらいの売り上げを上げているのかなどを見ることができます。事業別売上高をもとにコア事業と他の事業での売り上げを比較すれば、その企業にとっての強みが見えてくるでしょう。
IR情報では事業別データとして、セグメントごとの情報を掲載しています。投資家が投資先の企業として判断するための情報は、トータルの利益や売り上げといった数字だけでは判断材料として不十分です。
セグメントごとの情報を参考にすることにより、企業が力を入れている事業などを知ることができます。現在注力している事業を知ることで、就職活動を行っている学生は将来的に企業が拡大させていきたい事業を推測することも可能になります。事業によって仕事内容も変わってくるため、携わりたい仕事がある学生にとってはセグメント別の事業データは非常に重要になってくるでしょう。
セグメント別の情報を見る場合、前期との数字の差を比較することで企業の事業の好不調を知ることができます。企業の事業環境は常に変化しているため、前期との数字を比べると大きな違いがあるケースも多いです。セグメント別の情報には数字しか掲載されていませんが、就職活動を行っている学生などには企業を取り巻く状況の変化を推測するヒントになります。 | 事業別(セグメント別)の当期純利益がマイナス続きになっている場合、どのような可能性があると判断できますか。 | 事業別(セグメント別)の当期純利益がマイナス続きになっている場合、その事業からの撤退などが行われる可能性があると判断できます。 |
JCRRAG_009069 | IR | 有価証券報告書の見方
IR情報に掲載されている情報の1つが「有価証券報告書」です。有価証券報告書は決算後の企業情報をまとめた書類となっており、企業の事業や設備の状況、財務状況などの幅広い情報が含まれています。上場している企業の場合、事業年度が終了してから3カ月以内に提出する必要があります。
有価証券報告書は、企業の経営状況などを開示している資料です。有価証券報告書には「資産」「負債」「純資産」などの企業の財産状況や、「売上高」や「利益」などの経営成績、「事業別の売上高」などの情報が掲載されています。また、従業員数や従業員の平均年齢、勤続年数や平均年間給与など、従業員に関する情報も開示されています。
IR情報から企業の経営成績を確認したい場合、数年間の売り上げや利益を確認するようにしましょう。売上高や利益についてはIR情報の「損益計算書」でわかります。損益計算書には企業の一会計期間の売上高や売上原価などが記載されているため、これらを使用することにより、売上高、売上総利益、営業利益、経常利益、税引前当期利益、当期純利益などを計上できます。また、「財務ハイライト」としてグラフ化された情報がホームページに掲載されているケースもあるので、数年間のデータを確認することで売り上げや営業利益が順調に増加しているのか、もしくは一時的に増加、減少しただけなのかといった情報を知ることができます。 | IR情報から「資産」「負債」「純資産」などの企業の財産状況の情報を得ることはできますか。 | IR情報から「資産」「負債」「純資産」などの企業の財産状況の情報を得ることができます。 |
JCRRAG_009070 | IR | IRの10Sとは
第一に、分かりやすさの徹底(Simple)です。IRでは、端的で分かりやすい説明が求められます。まわりくどい説明は取材者にストレスを与えます。専門用語を多用するのも良くありません。使わざるを得ない場合には、最初に用語の意味を説明しましょう。
第二に、誠実な情報開示(Sincere)です。誠実で公平な情報開示でなければ、外部は不信感を抱きます。IRする側の言いたいことと、取材する側の聞きたいことは必ずしも一致しません。言いたいことだけを説明する対応は、慎む必要があります。
第三に、企業基本情報の提示(Summary)です。(1)主要製品・サービス・ビジネスモデルの内容、(2)主要製品・サービスの市場シェア、(3)主な競合、(4)主な取引先、(5)主な事業展開地域、(6)主要原材料、(7)関連の業界統計、(8)関連の規制動向、(9)企業の沿革、(10)強みと弱み、などの基本情報を説明することです。
第四に、成長ストーリーの提示(Story)です。IRでは、どのような経営方針のもと、どのような製品・サービスの 拡販によって、どのような取り組みで事業成長していくのかを説明できるようにする必要があります。業績が拡大している際にはあまり問題になりませんが、業績が悪い時ほど、どのようにして難局を打開して成長していくのかの説明が求められます。
第五に、直近の動向の提示(Situation)です。直近の動向を踏まえた説明をしなければ、説明の妥当性を疑われます。例えば、2022年現在であれば、原材料費や輸送費のコストアップや為替影響、ウクライナ情勢の影響などについて、どれくらいの影響があるのか、またはないのかを調べて回答できるようにする必要があります。
さて、ここまで5つご紹介しました。当たり前と思う方もいらっしゃると思います。しかし、数多く企業取材をしましたが、この5つだけでも完璧な会社は少ないと感じています。
英語でのIRの重要性とポイント
IRの10Sを実行するにも、言葉の壁を越えるのは大変です。日本の上場企業に投資する機関投資家の中でも、海外投資家の存在は欠かせません。事業規模が大きくなり、グローバルに展開するようになればなるほど、海外機関投資家の注目度は上がり、英語の資料やIRミーティングが必要になってきます。広報・IR担当者自らが全てこなせるのが理想ではありますが、現実的にはなかなか難しいでしょう。翻訳会社を活用する方が効率的な場面は多々あります。
IRを翻訳会社にお願いする際のポイント
英語でIRをする上で翻訳会社にお願いする際のポイントとしては、以下の3点です。
1)財務用語の理解が深いこと
2)会社固有の専門用語を特定し、情報共有すること
3)ツールとしてできるだけ形にすること
第一に、財務用語の理解が深いか、確認することです。IRの資料には、必ずといって良いほど、財務用語が出てきます。直近の動向についてなどの内容も、財務知識を持ち、財務用語が理解できなければ、スムーズな翻訳はできません。自然と、扱える翻訳会社は絞られてきます。
第二に、会社固有の専門用語を特定し、情報共有することです。製品・サービス、業界特有の用語は、その会社でなければ分からないものが存在します。翻訳会社に依頼する場合には、事前にきちんと情報共有しておくことが重要です。事前に製品・サービスの概要を翻訳者に説明しておくことも、スムーズな翻訳をしていただく上で大事でしょう。
第三に、ツールとしてできるだけ形にすることです。英語でも、パワーポイントや冊子にすれば、視覚的に理解することが可能です。英訳は、コーポレートサイトや統合報告書などのIRツールから始めるのが一般的でしょう。次に決算説明会など多くの人を集めて行うラージミーティングで使う資料の翻訳を進めたいところです。少人数の個別に行うスモールミーティングはなかなか手が付けづらいところかもしれませんが、ダイレクトにステークホルダーの関心がフィードバックされるので、これらのコンテンツが英語化できると、より相手の視点にたったシナリオ作成が促されることでしょう。 | IRの10Sの中の5項目、分かりやすさ(Simple)、誠実な情報開示(Sincere)、企業基本情報の提示(Summary)、成長ストーリーの提示(Story)、直近の動向の提示(Situation)の5つの要素のうちどれかが欠けている場合、IR説明の妥当性や信頼性が低下すると言えますか? | IRの10Sの中の5項目(Simple, Sincere, Summary, Story, Situation)のうちどれかが欠けている場合、IR説明の妥当性や信頼性が低下すると言えます。 |
JCRRAG_009071 | IR | 1. そもそもサステイナブルとは?
1-1. サステイナブルのはじまりは50年以上前
筆者が「サステイナブル・デザイン」の社名で創業したのは2002年。以来、これまでに約1万2000人の方と名刺交換してきました。しかし、残念ながら、ほとんど誰も「サステイナブル」という単語を知らず、理解されない時代が長かったのが事実です。
変わってきたのは2020年頃、SDGs(持続可能な開発目標)という言葉の認知度が高まってきてからです。名刺交換の際に「SDGsができたのは2015年ですが、当社は2002年の創業時からこの名前です」とお話しすると「そんなに前から?」と驚かれることも少なくありません。
ただし、サステイナブルの始まりは、もっと以前です。国連を中心に、節目となった出来事をピックアップしてみましょう。
・1972年 国際連合人間環境会議(通称ストックホルム会議)キャッチフレーズ:「かけがえのない地球」(Only One Earth)・1987年 国連環境と開発に関する委員会(通称ブルントラント委員会)報告「我ら共有の未来」(原題:Our Common Future, From One Earth to One World):持続可能な開発(SD:Sustainable Development)の定義・1992年 環境と開発に関する国際連合会議(通称地球サミット):「アジェンダ21」・2000年 国連ミレニアムサミット:国連ミレニアム宣言➡MDGs(ミレニアム開発目標)の設定(~2015年)・2015年 国連持続可能な開発サミット:「我々の世界を変革する~持続可能な開発のためのアジェンダ2030」(原題:Transforming our world: the 2030 Agenda for Sustainable Development)➡SDGs(持続可能な開発目標)の設定(~2030年)
1-2. SDGsは目標であって、目的ではない
この簡単な年表から、"Only One Earth"➡"Our Common Future"➡"Transforming our world"という問題意識と課題設定の系譜が読み取れます。
つまり、「たった1つしかない地球で」人口・資源消費・環境負荷の爆発的増加で自滅することなく、「人類の未来を明るくするには、世界をがらっと大きく変えることが必要だ」ということです。
変革の度合いを測るために設定されたのがSDGs17ゴール・169ターゲットの指標体系です。SDGsはあくまで目標であって、目的ではないことを忘れてはなりません。つまり、SDGsにおいて最初に着目すべきは、Gsではなく、SDの方です。
そこで、SD(持続可能な開発)の本質を確認しておきましょう。"Our Common Future"では次のように定義しています。
"Sustainable development is development that meets the needs of the present without compromising the ability of future generations to meet their own needs."
「持続可能な開発とは、将来の世代のニーズを満たす能力を損なうことなく、現在の世代のニーズを満たすような開発をいう」
ここには世代内の公平性と、世代間の公平性の2つの公平性の観点が含まれていると考えられます。
単純化して一言でいえば、世代内の公平性とは貧富の格差の解消、貧困の撲滅です。ただし、それを実現するのに、将来の世代を犠牲にしてはいけないよ、というのが世代間の公平性です。ここでいう将来の世代には、現在の子供たちだけでなく、これから生まれてくる(今は存在しない)未来の子供たちも含まれます。
要するに、持続可能な開発とは、「自分がお爺ちゃん・お婆ちゃんになったときに、あるいは、お墓の中の人になった後に、自分の子孫がいるとして、彼らに恨まれるより、ありがとうと感謝されるようなことをしておこう、と考えれば難しくないですよね?」と伝えていますが、いかがでしょう。
このあたりの経緯等、詳しく学びたい方は、ぜひ、サステイナビリティ経営人材養成講座をご活用ください。 | SDGsにおいて最も重要なのは、目標(Gs)ではなく持続可能性(SD)ですか。 | そのとおりです。SDGsにおいて最も重要なのは目標(Gs)ではなく、持続可能性(SD)そのものです。 |
JCRRAG_009072 | IR | 2022年4月より東京証券取引所は現在の4市場体制から3市場体制に再編される。加えて、市場再編とセットで東証株価指数(TOPIX)改革も進む。現状では全ての東証一部上場企業で構成されるTOPIXが、「流通時価総額100億円以上」の企業群へと構成が変わっていく。TOPIXの構成銘柄から外れてしまうことは、その企業の株価にとってネガティブなインパクトとなる可能性がある。それだけで、インデックス(パッシブ)型の投資信託・ETFの投資対象から除外されてしまうからだ。
東証再編は待ったなし。多くの投資家に自社のファンになってもらい、資本市場から適切な評価を得るためには、企業に求められる最低限のESG情報に加え、自社の「見えない価値(資本市場に認知されていない企業の価値)」を積極的に発信していくことが肝要だ。企業の「見えない価値」を投資家にしっかりと伝えるため、今までの適時開示中心のIR活動とは違う次元での、企業価値創造・向上を意識した積極的な「資本市場とのコミュニケーション」も重要になってきている。
適時開示だけでなく、しっかりと投資家に認知され自社の事業内容を理解してもらうことで、投資家の株購入意欲の向上が期待できる。まずは投資家に企業の存在を知ってもらい、理解・共感してもらうことが重要だ。全上場企業が3,700超。東証一部上場企業だけでも約2,200社ある中で、多くの投資家に企業を認知してもらい、さらに理解・共感してもらうために、積極的で質の高いIR情報の発信が求められる。 | 現状のTOPIXの企業数は、約何社ですか。 | 約2,200社です。 |
JCRRAG_009073 | IR | IRは、企業が自由意志で行う投資家向けの情報提供です。その大きな目的は、経営状況や事業の業績などの財務情報を示して、株主や投資家の継続的な投資を促すことです。しかし近年はこれに加えて、企業姿勢や社会活動を広く社会全体にアピールすることの重要性が増しています。積極的なIRによって、社会的な責任をしっかりと果たす健全な企業として広く認知されることによって、企業の社会的な価値が上がります。そして投資に値する企業という市場の評価が高まれば、結果として資金が調達しやすくなるのです。
企業が株主や投資家と対面で行う「対面IR」手法では、株主と直接やりとりができるため、密度の濃いコミュニケーションが可能です。質疑応答を通して株主・投資家の意見に耳を傾け、彼らの疑問をその場で解消できる良い機会にもなります。最近ではコロナ禍の影響もあり、説明会やミーティングをリモートで行う企業が増えています。主に以下のような方法があります。
・企業説明会
・ミーティング
・決算説明会
・工場・施設見学
「非対面IR」手法には、文書によるもの、広告、インターネットを活用するものがあります。Webサイト上でIR情報公開を行うと、リアルタイムに情報の更新ができ、グローバルに情報を届けられる点がメリットです。
| 説明会を行うIR手法は、何ですか。 | 「対面IR」です。 |
JCRRAG_009074 | IR | ◆IRサイトとは
IRサイトとは、上場企業が投資家や株主に向けて、IR(Investor Relations)
情報を発信するためのWebサイトです。 投資判断に欠かせない重要な情報を、
誰もがアクセスできるオンライン上で迅速かつ正確に提供することで、ステー
クホルダーとの信頼関係を築くための場として有効に機能します。
◆IRサイトのターゲット
IRサイトを訪れるユーザーには、応募を考えている求職者なども含まれますが、
メインターゲットは、当然ながら「株主・投資家」です。
投資家は以下のように分類されます。
・個人投資家
個人資産で投資を行っている投資家です。投資スタイルや投資目的はそれ
ぞれで異なり、投資のみで生計を立てる専業投資家と、会社員等他の仕事も行
う兼業投資家に分かれます。個人投資家の持株比率は2割ほどとされています。
・機関投資家
法人として投資を行う大口投資家です。株式や債券を巨額の資金で運用を
行うため、市場に与える影響が大きいことが特徴です。機関投資家の持株比率
も2割ほどとされています。
・海外投資家
欧米や欧州を中心とした個人投資家です。日本の株式相場に大きな影響を
及ぼしており、持株比率は3割を超え、日本の株式市場の最大シェアを占めて
います。
◆IRサイトの役割
IRサイトの役割は、投資判断に必要な財務情報や経営戦略を、Web上で適切に開
示することに加え、
社会活動などの非財務情報を通じて企業の方針や考えを発信することにあります。
主な役割を、企業側と投資家側それぞれの視点から説明します。
企業側の視点: 自社の持続可能性や成長性を訴求することで、投資意欲を向上させる
投資家の視点:提供された情報を基に企業価値を理解し、投資判断を行う
IRサイトの活用により、企業とステークホルダー共に多くのメリットがあるため、
双方にとって重要なプラットフォームであることは間違いありません。
| 投資家は主に何種類に分類されますか。 | 投資家は主に3種類に分類されます。個人投資家、機関投資家、海外投資家の3種類です。 |
JCRRAG_009075 | IR | ◆アナリストの今は昔
上場会社の経営陣やIR担当者が日々対応されているアナリストの変遷について
簡単に説明したい。
筆者が30年以上前に証券会社に就活していたとき、エコノミストの業務は知ら
れていたものの、アナリストの業務はあまり一般には認知されていなかった。
当時は社内でも、マクロのエコノミストに対して、ミクロのアナリストといっ
た漠然とした分類であり、あくまでも〇〇研究所の研究員または〇〇調査部の
担当者であった。また情報を収集・分析する調査部と情報を発信する情報部を、
社内でもよく混同し、その違いがきちんと認識されてはいなかった。
1962年に設立された日本証券アナリスト協会は、アナリストの地位向上に苦心
されていた。1980年代に入り、証券業務には馴染みが少なかった銀行系の方々
が積極的に日本証券アナリスト協会検定会員の取得を目指すようになり、認知
度が徐々に高まっていった印象である。
一方、証券会社も、これまでの「株屋」から「証券会社」への転換を図ろうと
していた時期であり、上場会社の株価を早耳情報や噂で上下させるのではなく、
きちんとした分析により、企業価値を判断する体制に移行させようとしていた。
ただし1980年代の頃は、株価に影響するような情報の発信を求める人々から守
るために、アナリストに対しては純粋に財務分析や業界分析をすることが求め
られた。今ではアナリストの主要業務にもなっている、株価判断や目標株価を
求められなかった。そのため、買いか売りかを聞きたがる人々からは、何のた
めの調査かと揶揄された。
当時のアナリストは担当業種を持ち、各々40~50銘柄の上場会社を担当してい
た。ただし分析は、パソコンの普及前でもあり、集計表を使って電卓と鉛筆、
消しゴムで収益モデルが作成する職人芸的なものであった。予想の作成も単体
の年間ベースが基本であり、求められる数字も1期または2期の売上高、経常利
益、当期利益、配当金だけであり、セグメント情報の予想は任意であった。作
成するレポートも基本的には1~2ページであり、より詳細な企業レポートや業
界レポートは1年間に数本作成するだけであった。それよりも、担当者として、
上場会社の事業内容や収益動向をきちんと把握することが求められた。
激動の1990年代を経て、今のアナリストは、四半期開示の普及により四半期毎
の連結ベースでの、詳細な損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書
を作成することが求められている。さらに、目標株価、投資判断、リスクなど
を記載し、投資家へのプレゼンテーションも求められている。パソコンが普及
しているからといっても、80年代からみると、膨大なデータの処理である。セ
グメント情報の開示が進み、定量分析がかなり進んできたといえる。
そのためアナリストが実際に投資判断を行っている上場会社数は10~20社程度
となっている。その代り企業レポートは20~40ページ、業界レポートに至って
は50ページ以上の分厚いものとなっている。そのような中でも、アナリストの
仕事として、分析力とともに、取材が重要視され、人的なつながりを武器に情
報収集することが求められていた。他のアナリストの知らない情報や知りえな
かった情報をいかに収集することが差別化にもなっていた。
最近、それが大きく変わろうとしている。外資系証券会社の不祥事により、証
券会社に対してはインサイダー情報の管理の徹底とともに、その利用が厳しく
制限されるようになってきた。上場会社に対しては、情報発信の公平性が求め
られるようになってきている。
当然のことながら、このような変化に対して、アナリストも投資家も、そして
企業のIR担当者も混乱しているようだ。アナリストは開示前の情報収集に躊躇
するとともに、投資家も公開情報以外の情報の取得、利用を警戒するようにな
ってきているように思われる。アナリストの立場からみると、これまでの積極
的な情報収集から消極的な情報収集への転換、早耳情報や独自取材情報から公
開情報至上主義への転換、とも言えるのではないだろうか。
アナリスト業務の変化は、これまでは、財務会計制度の変更(単体重視から連
結重視など)を伴ったものであった。またコーポレートガバナンス・コード及
びスチュアートシップ・コードの導入により、これまでIR活動を積極的に行っ
てこなかった上場会社に対し、投資家対応の充実が求められるようになってき
た。しかし、足元で起きている変化には明確な指針があるわけではない。今回
の環境変化は、IR活動を行ってきた会社に対しても、IR活動そのものの見直し
をも求めるものといえる。
アナリストを取り巻く環境が大きく変わる中で、上場会社のIR担当者として、
アナリストの個別訪問に対応し、説明会で財務情報やセグメント情報の提供ま
たは決算概況の説明、さらには会社予想の提示を行うだけでは十分ではなくな
っている。特に中小型株やアナリストのカバーしていない上場会社では、今ま
でと同じIR活動を行っても、アナリストの担当銘柄リストに入れてもらい、投
資家に投資対象として認知してもらうことが難しくなっている。
上場会社としては、より積極的な情報公開をベースに、自社を取り巻く環境や
市場の見方や企業の事業戦略や考え方を率先して開示していくことが求められ
る。その中で、積極的な情報公開とは何か、どのように開示するべきなのか、
そして対象とするべきアナリストや投資家などの市場参加者は誰なのか、どの
ような対話をするべきなのか、など、対応するべき課題は多く、日々変化して
いる。広報でPR会社を活用するように、IR活動に関しても、自社で悶々とせず
に、IR会社など外部の専門家を活用して、効率的に行うことが求められる。
積極的に自社の強み・特徴を市場に情報発信すれば注目されるが、そうでなけ
れば、企業価値向上に消極的な会社として他の銘柄と一緒に埋もれてしまう危
険性がある。
「All or nothing」となっていることに、IR担当者、そして企業経営者が早く
気付いていただけることを期待したい。
| アナリストが作成するレポートのページ数は、1980年代と今とを比較した場合、どちらが多いですか。 | アナリストが作成する企業レポートのページ数は、1980年代と今と比較した場合、今の方が多いです。1980年代は作成するレポートのページ数は基本的には1~2ページでしたが、今は企業レポートは20~40ページ、業界レポートに至っては50ページ以上の分厚いものとなっています。 |
JCRRAG_009076 | IR | ◆IRサイトとは
IRサイトとは、上場企業が投資家や株主に向けて、IR(Investor Relations)
情報を発信するためのWebサイトです。 投資判断に欠かせない重要な情報を、
誰もがアクセスできるオンライン上で迅速かつ正確に提供することで、ステー
クホルダーとの信頼関係を築くための場として有効に機能します。
◆IRサイトのターゲット
IRサイトを訪れるユーザーには、応募を考えている求職者なども含まれますが、
メインターゲットは、当然ながら「株主・投資家」です。
投資家は以下のように分類されます。
・個人投資家
個人資産で投資を行っている投資家です。投資スタイルや投資目的はそれ
ぞれで異なり、投資のみで生計を立てる専業投資家と、会社員等他の仕事も行
う兼業投資家に分かれます。個人投資家の持株比率は2割ほどとされています。
・機関投資家
法人として投資を行う大口投資家です。株式や債券を巨額の資金で運用を
行うため、市場に与える影響が大きいことが特徴です。機関投資家の持株比率
も2割ほどとされています。
・海外投資家
欧米や欧州を中心とした個人投資家です。日本の株式相場に大きな影響を
及ぼしており、持株比率は3割を超え、日本の株式市場の最大シェアを占めて
います。
◆IRサイトの役割
IRサイトの役割は、投資判断に必要な財務情報や経営戦略を、Web上で適切に開
示することに加え、
社会活動などの非財務情報を通じて企業の方針や考えを発信することにあります。
主な役割を、企業側と投資家側それぞれの視点から説明します。
企業側の視点: 自社の持続可能性や成長性を訴求することで、投資意欲を向上させる
投資家の視点:提供された情報を基に企業価値を理解し、投資判断を行う
IRサイトの活用により、企業とステークホルダー共に多くのメリットがあるため、
双方にとって重要なプラットフォームであることは間違いありません。
| 個人投資家と機関投資家の違いについて説明してください。 | 個人投資家は、個人資産で投資を行っている投資家で、それに対して機関投資家は、法人として投資を行う大口投資家で、株式や債券を巨額の資金で運用を行うため市場に与える影響が大きいことが特徴です。 |
JCRRAG_009077 | IR | IRとPRの違い
IRとPRは、どちらも企業が情報を発信する活動ですが、対象者と目的が大きく異なります。
・IR
対象:投資家、株主など
目的:企業価値の向上、資金調達の円滑化など
活動内容:決算説明会、個別面談、ホームページでの情報開示など
情報開示義務:上場企業に義務
・PR
対象:消費者、メディア、地域住民、従業員など
目的:企業イメージの向上、顧客との信頼関係の構築など
活動内容:プレスリリース、記者会見、イベント開催など
上記のような違いがありますが、IRとPRは互いに補完し合う関係にあり、両者を統合的に運用することで効果的な企業コミュニケーションが実現できます。
IRの目的・役割
上記のIRの定義に基づくと、企業がIRを行う目的は主に次の5点です。
・株主や投資家との良好な関係を築く
・自社の魅力をアピールし投資を促す
・自社の社会的価値を高める
・法律や証券取引所の開示義務に対応する
・インサイダー取引を防止する
以下でそれぞれについて解説します。
・株主や投資家との良好な関係を築く
1つ目の目的としては、株主や投資家らとの関係性構築が挙げられます。株主や投資家は自身の資金を投資することになるため、より慎重な判断を要することは想像に難くないでしょう。
企業の経営層がいかに投資家らから信頼を得て関係性を築けるかは、重要なポイントの1つです。財務状況や経営方針に関する情報を提示することで、企業活動の透明性が高まり、株主や投資家からの信頼を得やすくなります。
・自社の魅力をアピールし投資を促す
既存の株主や投資家に加えて、新たな投資家を惹きつけることも企業にとっては欠かせません。したがって、自社の魅力を外部に積極的に発信し、投資を促すこともIRの目的の1つだといえるでしょう。
企業の価値や成長戦略を効果的に伝えることで、新たな資金調達の機会を得られるだけでなく、IRによって企業に対する理解が深まり、株式の取引が活発化することも期待されます。
・自社の社会的価値を高める
IRが持つ役割は、株主や投資家に向けたものだけではありません。顧客や取引先といった他のステークホルダーに対しても、IRは重要な意味を持ちます。
IRは基本的に自社のHP等を通じて発信されます。多様なステークホルダーに対して企業の価値を伝え、自社の社会的価値を高めることも目的の1つです。
・法律や証券取引所の開示義務に対応する
上場企業に対しては、法律や証券取引所によって特定事項の開示が義務付けられており、その要求事項が満たされなければ上場廃止などのペナルティにつながる恐れがあります。
これらを避けるためにもIRは必要です。
・インサイダー取引を防止する
IRの目的としては、上記の開示義務のほかにインサイダー取引の防止が挙げられます。
インサイダー取引とは企業の未公開の重要情報を用いて、従業員などが利益を得る行為を指します。IRを通じて外部に公平に情報を開示することによって、インサイダー取引を未然に防ぐことにつながります。
投資判断に必要な情報を適時開示することは透明な市場運営に必要であり、IRが持つ重要な役割の1つとして位置付けられるでしょう。 | IRと補完し合う関係にあり、消費者やメディアを対象としている活動は何ですか | IRと補完し合う関係にあり、消費者やメディアを対象としている活動は、PRです。 |
JCRRAG_009078 | IR | IRで開示する企業情報
基本的な開示事項としては、まず会社法などで開示が義務付けられている必須情報と、義務付けられてはいないものの、投資家らに対する透明性や説明責任を果たす目的で多くの企業が開示している情報とに分けられます。
(必須情報)
決算短信
有価証券報告書
四半期報告書
株主情報
(必須ではないが多くの企業が開示する情報)
中期経営計画
新商品情報や業務提携情報
役員情報
ガバナンス情報
ESG/サステナビリティポリシーおよび報告書
特に後者の必須ではない情報については、世の中のトレンドによって変わる可能性もあることに注意しましょう。
例えば、ガバナンス情報についてはコーポレートガバナンスコードが国内で開始された2015年を境に、より多くの企業で開示されるようになりました。さらに近年では、ESGやサステナビリティに関する情報開示が注目されています。
IR活動の具体的な方法
IRを実施する手段についても、多くの選択肢が存在します。
イメージしやすいのは企業の公式ホームページ上での各種情報の開示ですが、その他にも下記のような方法が挙げられます。
・ホームページ上での各種報告書やプレスリリース等の開示
・報道機関やTDnet(適時開示情報閲覧サービス)等を通じた適時開示情報の公開
・決算の公表および決算説明会の開催
・投資家とのミーティング
ホームページ上での各種報告書やプレスリリース等の開示
IR活動において、ホームページは投資家や株主へ情報を発信する重要なツールの一つです。決算報告書やプレスリリースなどの各種資料を分かりやすく掲載することで、企業の情報開示を充実させ、投資家との良好な関係を築くことができます。
ホームページ上で各種報告書やプレスリリース等を開示する際の主なポイントは、以下の通りです。
・専用セクションの設置
「IR情報」や「投資家情報」などの専用セクションを設け、容易にアクセスできるようにする
・分かりやすいレイアウト
投資家が目的とする資料を容易に見つけられるように、カテゴリー分けや検索機能などを設ける
資料ごとにファイル形式を統一し、ダウンロードしやすいようにする
・タイムリーな情報更新
決算報告書やプレスリリースなどの重要資料は、速やかに公開する
常に最新の情報が閲覧できるように、定期的にHPを更新する
・多言語対応
海外投資家への情報発信にも配慮し、資料の一部を多言語で提供する
・アクセシビリティ
視覚障害者など、すべての人が情報にアクセスできるように、アクセシビリティ対策を施す
・アーカイブの整備
過去の報告書やリリースも閲覧できるようアーカイブを用意する
・検索機能
投資家が必要な情報を容易に見つけられるよう、効果的な検索機能を実装する
これらの要素を考慮し、投資家にとって使いやすく、必要な情報に迅速にアクセスできるIRサイトを構築することが重要です。 | 企業の株主情報と役員情報は、どちらも法律で開示が義務付けられている情報ですか | いいえ。企業の株主情報は法律で開示が義務付けられていますが、役員情報の開示は義務付けられていません。
|
JCRRAG_009079 | IR | 1.PFASとは?
「PFAS」とは有機フッ素化合物の総称であり、PFOAやPFOS等の個別の化合物はPFASに含まれます。またPFASは 上位概念であるPOPs(残留性有機汚染物質)の一部を構成します。
PFOA ペルフルオロオクタン酸 PFASの一種の化合物名(炭素数8)
PFOS ペルフルオロオクタンスルホン酸 PFASの一種の化合物名(炭素数8)
2.PFAS問題を考えるための観点
PFAS問題は、以下の観点からとらえることが重要です。
(1)PFAS汚染
何がPFAS汚染の源であり、その結果として何が汚染されているのかが第一の観点です。
a 汚染源
PFASの汚染源は、下記の5項目に大別されます。
a1やa2だけならば限定的とも言えますが、広範囲に及んでいるのが実態です。
a1:PFASの製造工場
a2:製品製造の工程でPFASを使用する工場
a3:PFASを成分として含む泡消火剤を使用していた基地や飛行場
a4:処理場に持ち込まれた、あるいは不法投棄されたPFAS含有廃棄物
a5:PFASで表面処理された繊維等の製品
b 汚染物
PFASの汚染物は、下記3項目に大別されます。
いずれも世界および日本で各地のデータが蓄積されつつありますが、その全貌はまだ明らかにはなっていません。水によく溶けて揮発しないというPFASの性質が、問題を深刻なものにしています。
b1:飲料水
b2:土壌
b3:人体
なお汚染物が含むPFASの濃度は、飲料水ではng/L≒ppt(ナノグラム/リットル)が、人体の血中濃度はng/mL≒1000ppt=1ppb(ナノグラム/ミリリットル)が単位として使用されています。
(2)PFASの化学的安定性
PFASが厄介なのは化学的に極めて安定であり、分解されずに残留し続ける点です。このためPFASは別名「永遠の化学物質」とも呼ばれています。安定性はC-F結合の結合エネルギーが大きいことに由来します。
(3)PFAS の人体への有害性
一例として、PFOAについてはこれまでコレステロール値の上昇、腎臓がん、精巣がん、潰瘍性大腸炎、妊娠高血圧症候群、甲状腺疾患を起こす可能性が指摘されています1)。
ただし、これは他のPFAS なら安全ということでも、他の有害性がないということでもありません。現在は解明途上であり、全貌は未解明です。ここでは下記2点の客観的事実を紹介するにとどめます。
PFASのメーカーである米国3M社がPFOAとPFOSの製造を自主的に中止すると2000年に発表し、話題となりました。
2023年12月にWHOの専門機関であるIARC(国際がん研究機関)がPFOAの発がん性を、4段階中の3番目に高い「可能性がある」から最も高い「ある」に引き上げました。
(4)PFASの規制値
飲料水中の濃度や血液中の濃度も、絶対安全な濃度を誰も保証できないのが実情ですので、規制値についても暫定的なものであり、今後、より厳しくなるとみるべきでしょう。
飲料水については、
日本ではPFOA+PFOSの合計濃度が50ng/Lという暫定目標値が2020年5月に設定されました。この目標値は緩いとの批判もあります。
米国ではPFOA濃度4 ng/L、PFOS濃度4 ng/Lとの基準値が2024年4月に決定されました。
3.現況で可能なPFAS対策
深刻なPFAS汚染が既に起きてしまった事実を踏まえて、どのような対策が可能でしょうか。
(1)一般市民として
水道水中のPFASは、活性炭等で大部分を吸着除去できると報告されています。
最も簡便で今すぐ実行可能な対策です。
ただしPFASが吸着した活性炭を適切に処理しないと、それが新たなPFAS汚染源となる可能性もあります。
(2)社会的な対策
根本的にはPFASを無害な物質に分解することが必要です。
環境省はPFOAとPFOSは1000℃以上の高温に置けばほぼ完全に分解できるとしています。一方でより低温で効率的にPFAS等を分解する手法も神奈川大学の堀久男教授が検討中です。PFAS対策の研究開発について、今後の進展が期待されます。 | 日本の飲料水はPFASに汚染されていますか。 | 日本の飲料水はPFASに汚染されています。 |
JCRRAG_009080 | IR | IRの目的・メリット
1. 投資家とコミュニケーションを取れる
IR活動は、企業と投資家間の重要なコミュニケーション手段です。主な目的は、投資家に経営状況や財務情報を正確に伝え、企業に対する理解を深めてもらうことです。
このプロセスを通じて、企業は投資家からの貴重なフィードバックを得られます。投資家から得られたフィードバックは、経営改善や戦略立案に活用できるでしょう。
継続的にコミュニケーションをとることで、投資家との信頼関係を構築することにつながります。
2. 企業価値の向上につながる
IR情報を開示することは、企業に対する信頼を醸成し企業価値を高める要因のひとつです。
積極的なIR活動は、企業の良好なガバナンス体制を示す証拠として市場から評価されます。このような要素が相まって、潜在的な投資家の関心を引き付け、新たな投資を呼び込む効果が期待できるでしょう。
IR活動は、単なる情報開示にとどまらず、企業の透明性向上や投資家層の拡大・資金調達の円滑化をもたらす重要な経営戦略のひとつです。
3. 情報の開示義務に対応する
IR活動を通じて、企業は法令で定められた情報開示義務を適切に対応できます。タイムリーかつ正確な情報開示は、投資家からの信頼獲得に大きく貢献するでしょう。
なお、プライム市場において2025年4月1日以降に公表するIR資料を英文で開示することが義務化されました。
4. インサイダー取引を防止する
IR活動に取り組むことで、インサイダー取引の防止につながります。インサイダー取引とは、企業の内部者が未公表の重要情報を利用して株式取引を行う違法行為のことです。
IR情報を通して公平かつ迅速に情報を開示することで、情報を公平に拡散できるため、インサイダー情報の発生自体を抑えられます。
IR情報を適時開示することで、透明性の高い市場運営が実現し、不正取引のリスクを大幅に低減します。また、公平な情報開示の姿勢は、企業の倫理観と誠実性を市場に示す機会となるでしょう。
IR活動のデメリット
IR活動には、メリットだけでなく注意すべき側面もあります。主なデメリットとして、以下の点が挙げられます。
情報管理の難しさ 情報を公開するタイミングや方法を誤ると、意図せず機密情報が漏洩する恐れ
法的リスク 不適切な情報開示は、証券取引法違反などの法的問題につながる。
特に未公開情報の取り扱いには十分な注意が必要
リソースの消費 効果的なIR活動には、人材・時間・資金などの相当なリソースが必要
IRに長けた人材を育てつつ十分なリソースを確保することで、デメリットを最小限に抑えつつ、IR活動の効果を最大化させましょう。 | プライム市場において、公表するIR資料を英文で開示することが義務化されるのは、年号を使うといつからですか。 | プライム市場において、公表するIR資料を英文で開示することが義務化されるのは、年号を使うと令和7年4月1日からです。 |
JCRRAG_009081 | IR | 1. 株主総会とは
株主総会は、株式会社の最高意思決定機関として機能する重要な会議です。株主は株主総会に出席し、議決権を行使することで会社の意思決定に参加できます。
株主総会の権限は、会社法第295条で定められており、会社の組織や運営に関する重要事項を決議します。
第二百九十五条:株主総会は、この法律に規定する事項及び株式会社の組織、運営、管理その他株式会社に関する一切の事項について決議をすることができる。
つまり、株主総会には経営の透明性を確保し、会社の健全な成長を支える役割があるといえるでしょう。
2. 株主総会の開催時期
定時株主総会は、各事業年度の終了後に開催されます。事業年度末の3ヵ月以内に開催するのが一般的です。
日本の株式会社は、6月に定時株主総会が集中する傾向にあります。
事業年度末から3ヵ月の期間が開く理由は、決算書類の作成に1ヵ月・監査に1ヵ月・招集通知の準備に2週間ほどかかるからです。
このような理由から、多くの日本企業は6月に株主総会を開催しています。
3. 株主総会と取締役会のちがい
株主総会は、会社の根幹に関わる重要事項を決める場です。一方、取締役会は日常的な業務執行を決定する会議です。
取締役会設置会社では、迅速な判断が必要な業務執行は取締役会に任されています。
しかし、定款変更や役員人事など会社の基礎に関わる重要事項は、株主総会での決議が必要です。
株主総会の種類について、それぞれの特徴を詳しく解説します。
1. 定時株主総会
定時株主総会は、年に1回必ず開催される会社の重要な会議です。
主な議題としては、財務諸表の承認や役員の選任・配当金の金額決定などが挙げられます。
株主は、企業の業績や経営陣の活動を評価し、今後の方向性について意見を述べることが可能です。定時株主総会は、経営陣と株主が直接対話する貴重な機会として機能しています。
なお、3月決算の企業は、6月後半に定時株主総会を集中的に開催する傾向にあります。
2. 臨時株主総会
臨時株主総会は、重要事項を緊急に決定する必要が生じた際に開かれる会議です。具体的な議題には、取締役の選任・解任、合併・買収、定款変更などがあります。
なお、臨時株主総会は、開催時期や回数に制限はなく開催時期も決まっていません。取締役会の判断で随時開催できるのが、臨時株主総会の特徴です。
このように臨時株主総会は、会社の重要な意思決定を迅速に行うための柔軟なしくみとして機能しているといえるでしょう。 | 日本の株式会社の多くが、6月に定時株主総会を行うのはなぜですか。 | 日本では、多くの会社が3月末日を年度末に設定しており、その3ヵ月後の6月に定時株主総会を行うからです。 |
JCRRAG_009082 | IR | 証券アナリストとは、高度な金融技術を応用し、金融や経済に関する各種情報の分析と投資価値評価を行い、投資助言や投資管理サービスを提供する専門家のことです。資格としては、社団法人日本証券アナリスト協会が、証券アナリストを公的に認定するための試験制度を実施しています。
証券会社の調査部門などに所属し、顧客である個人投資家や機関投資家に対して、産業・企業調査を基に、個別証券の分析・評価を行うアナリストをセルサイド・アナリスト、投資信託・投資顧問、信託銀行、保険などに所属し、資産運用に携るアナリストをバイサイド・アナリスト(ポートフォリオマネージャー・ファンドマネージャー)と呼ぶことがあります。
最近では、アナリストの所属するそれぞれの分野において専門化が進んでおり、投資、ストラテジスト、投資アドバイザー、マーケット・アナリスト、クレジット・アナリストなど、様々な呼称が用いられています。
また、投資に関する国際的な資格として、米国のCFA協会が認定するCFAという資格もあります。
投資関連業界はもちろんのこと、株式公開を目指す企業や財務・IR活動に力を入れる事業会社においても証券アナリストのニーズが高くなっているといえるでしょう。
資格試験に合格していることを採用の条件とする企業もあります。 | 株式公開を目指す企業やIR活動に力を入れる事業会社の求人に有利な資格は何ですか。 | 証券アナリスト |
JCRRAG_009083 | IR | 株価は市場からの評価で決まるもの
そもそも株価は自社で意図的に上げるものではなく、市場(投資家)からの評価で決まるものです。
そのため、「魅力的な適時開示を作って株価を上げよう」「株価を上げる方法をコンサルティングしてもらおう」といった「株価を上げる目的」でのIR活動は考えない方が良いでしょう。
それよりも、「市場から適切に評価されるにはどうすれば良いか」といった視点でIR活動を考えていきましょう。
①業績の向上
株価はPER・ROEといった指標で評価されるように、「利益」を元に形成される面があります。
そのため、業績向上は株価上昇の基本となります。
多くの投資家は企業の業績が今後も伸びると思えば投資しますし、業績が低迷するのであれば売却してしまいます。
利益が増え、株価が変わらなければ自然とPERは低くなるため、割安だと思われ株を購入する投資家が増えます。
そのため、業績が大きく伸びればそれに比例して株価も上昇します。
業績予想を上方修正した際、株価が大幅に上昇するのはこのためです。
逆に業績の下方修正は株価の下落を招きます。
②株主還元の充実
利益成長に加え、株主還元を重視する投資家は増えています。
以下のような還元を組み合わせ、「総還元性向」を高めることで投資家から注目される可能性が高まります。
・配当金
最も一般的な還元方法です。目安として、配当利回りが4%を超えると高配当投資家に注目されやすくなります。
「配当性向」「累進配当」「DOE」といったキーワードを元に銘柄選びをする投資家も増えてきています。
一方で一度配当金を上げると、減配した際に株価が大きく減少する恐れも。
配当戦略は慎重に設定することが大切です。
・自社株買い
自社株買い&消却をすることにより公開株式数が減り、一株あたりの価値が上昇します。
企業からすると、配当よりも機動的に実施できる点が魅力的です。
また、投資家に対して「自社の株価が割安だと思っている」というアピールにもなります。
・株主優待
株主優待は特に「ファン投資家」を作るのに有効です。
株主優待を設定することで長期保有する個人投資家の増加が見込めるため、安定的な株価形成にもつながります。
近年では株主優待ポイントのようなサービスもありますが、自社製品やサービスを活用した株主優待を設定できれば自社のファン作りにもつながります。
株主優待はBtoCの企業に人気ですが、BtoBの企業でも自社の認知拡大に役立つため、活用の余地があります。
③不安感を減らす
前述の業績向上や株主還元は全社でのコミットや、経営層での意思決定が必要な領域でした。
ですが、3つ目の「投資家の不安感を軽減する」というのはIR担当者だけで実施できる重要な施策です。
投資家が一番嫌うのは「不確実性・サプライズ」です。
そのため、自社の透明性を高め、投資家に事業理解を深めてもらうことは非常に重要です。
IR担当者は分かりやすい適時開示や決算説明資料を作り、投資家向け説明会を積極的に開催することで投資家の不安感を減らすことができます。
機関投資家・個人投資家に関わらず自社への理解を深めてもらい、信頼を獲得できれば長期的な株主として安定した株価形成を支えてくれるでしょう。
決算説明資料の充実
決算説明資料は、投資家の不安感を払拭する上で最も基本的かつ重要なツールです。
事業の現状と将来の見通しを明確に伝え、投資家の理解を深めることができます。
決算説明資料は四半期に一回、業績やその業績になった理由、今後の見通し、課題と対策などを詳しく解説する資料です。
各ポイントとしては以下の通り。
・財務状況がどのように変化したのか、またその理由
・財務3表だけでない重要なKPIデータの開示
・今後の成長・予算に対する進捗
・課題と対策の開示
最近では「想定される質問と回答」「スマホ向け決算説明資料サマリ」といった独自の資料を開示する企業も増えています。
決算説明会の開催
決算説明会は、投資家と直接対話できる貴重な機会です。
単なる業績報告の場ではなく、投資家との信頼関係を構築する場所として最適です。
質疑応答の時間を十分にとることや経営陣が参加し、今後のビジョンや思いを伝えることが有効です。
機関投資家やアナリスト向けだけでなく、個人投資家向け説明会も行うことでより幅広い株主基盤を築くことができます。 | 分かりやすい適時開示や決算説明資料を作り、投資家向け説明会を積極的に開催することで、株価はどうなりますか。 | 自社への理解を深めてもらい、信頼を獲得できれば安定した株価形成が成される。 |
JCRRAG_009084 | IR | 決算短信とは、企業が四半期ごとに開示する、業績や財務状態などを伝える重要な資料です。
上場企業はこれらの情報を開示する義務があり、投資家の投資判断材料となるほか、アナリストやメディアにも注目されます。
決算発表日は企業によって異なりますが、日本では3月決算の企業が多く、一般的には3月、6月、9月、12月の計4回、決算短信が作成されます。(公開は45日以内)
投資家は決算短信を通じて企業の業績や財務状況を把握することができるため、株価動向にも直接的な影響を与えるものです。
そんな決算短信の構成内容や役割について詳しく解説していきます。
決算短信は通常、以下の要素で構成されています。
・連結経営成績
売上高、営業利益、経常利益、当期純利益といった、企業の成績を示す基本的な指標が記載されます。
また、1株当たり当期純利益(EPS)や自己資本利益率(ROE)、総資産利益率(ROA)も記載されます。
ただし、四半期決算短信では、通期決算短信に見られる詳細な利益率などの指標は通常記載されません。
また、詳細な経営成績に関する説明やセグメント別の業績、損益計算書などが後ろに記載されることが一般的です。
・連結財政状態
総資産、純資産、自己資本比率、1株当たり純資産(BPS)など、財務状況を示す重要な情報が含まれます。
記載される内容は企業によって異なり、四半期決算短信では記載されない項目もあります。
さらに、詳細な貸借対照表やその説明が後ろに記載されることが一般的です。
・連結キャッシュ・フローの状況
営業活動、投資活動、財務活動におけるキャッシュフローの詳細が記載され、企業の資金の流れを把握することができます。
また、現金及び現金同等物の期末残高も開示されます。
ただし、四半期決算短信では、キャッシュ・フローの状況が記載されないことがほとんどです。
・配当の状況
企業が行う配当金の支払いについて、配当金額や配当性向などの情報が記載されます。
前期、今期(実績)、今期(予想)の3つが記載され、比較しやすい形式になっています。
・連結業績予想
今後の業績に関する予想が示され、企業の成長見通しを投資家に伝えます。
予想値をレンジを持たせて記載する場合や予想を出さないこともあり、企業によって異なります。 | 証券取引所で株式を売買できる会社は、決算短信の開示義務はありますか。 | はい、証券取引所で株式を売買できる会社は、決算短信の開示義務があります。 |
JCRRAG_009085 | IR | IRとは何か
初めにIRとは何か、基本的な内容を説明します。
IRの概要
IRとは、事業運営のための資金を提供してくれる投資家や株主に向けて、投資を判断する際に必要な自社の情報を、自主的に公平に提供する活動のことです。
IRという言葉はInvestor Relations(インベスター・リレーションズ)の略で、日本語では「投資家向け広報」と訳されます。
IRで提供する情報は多岐にわたり、現在の経営状態や財務状況、企業活動の実績、さらに将来的な見通しなども含みます。加えて、知的財産の状況や社会貢献活動、環境活動など、企業運営に関わる非財務情報を公開するケースも増えています。
IRを積極的に行っている企業は、健全に経営されている、信頼できる企業だという印象を与えます。しかし、株価を上げることを目的に内容が薄い情報開示を頻発するといったIRによって、投資家の評価を下げてしまう企業もあります。IRは、短期的な株価の上昇を目指すものではなく、長期的に自社を理解し、応援してくれる投資家や株主を増やすための活動だと考えることが大切です。
IRの活動は、かつては文書での報告や説明会の開催が主流でしたが、近年はほとんどの企業が自社のWebサイトでIR情報を公開しており、誰でも気軽に企業の最新情報を確認できるようになりました。
ディスクロージャーとIR
IRとともによく使われる言葉にディスクロージャー(Disclosure)があります。これは「情報開示」を意味する英語で、企業が投資家や株主、取引先などに企業の事業の状況などの情報を公開すること全般を指す、IRよりも広い概念です。
ディスクロージャーには、法律や規則によって義務化されている制度上のディスクロージャーと自主的なディスクロージャーがあります。このうち、企業が自主的に行うディスクロージャーとIRは同じものです。投資家に対するPR的な内容を含み、公正な情報提供であれば特に規制はありません。
一方、投資家の保護を目的にし、開示を義務付けられている情報として、証券取引法や関連規則に定められているのが、制度上のディスクロージャーです。具体的には毎年の有価証券報告書や決算短信、株価に影響しそうな出来事をタイムリーに伝える適時開示情報(プレスリリース)などがあります。
IRの目的
それでは、IRは企業にとってどのような意味があるのでしょうか。その目的を整理します。
自社への投資を促す
IRの最大の目的は、企業情報を提供することによって資本市場で正当な評価を得て、自社への投資を促すことです。IRによって企業経営の透明性をアピールし、投資に値する企業であることを伝えます。 | IRによって企業経営の透明性をアピールすることで、どのような効果が生まれますか。 | IRによって企業経営の透明性をアピールすることで、投資を促し、企業の成長を支援とリターンを得る機会を創出する効果が生まれます。 |
JCRRAG_009086 | IR | 海外でいえば、テレビコマーシャルなどで皆さんがよくご存じのシンガポールの「マリーナベイサンズ」もIR施設です。一般の人にとっては、ホテルとプールのイメージが強いと思いますが、MICEに対応する施設「サンズ エキスポ アンド コンベンションセンター」では、2フロアに渡って5分割が可能な展示場、3フロア合計200を超える会議室と宴会場を備え、さまざまな規模と用途に柔軟に対応できる先進的な設備を整えています。 日本へのMICE誘致においては、このような海外の施設とも競っていかなくてはならないのです。
とは言え、器(施設)さえ作れば自動的に利用者が集まるものではなく、特にMICEの場合は、国際会議や展示会等の誘致に向けた営業活動やプロモーション活動が非常に重要な鍵を握ることになります。 また、当面、認定が下りる「特定複合観光施設区域」は、3カ所が上限とされていますが、大都市圏にIRを建設する場合と、地方でIR事業を展開する場合とでは、地域としての戦略はもとよりMICEの需要も異なり、自ずとMICE施設の規模や仕様等も、ニーズは異なってくるでしょう。
国が推進する日本型IR の理念は大切にしつつ、誘致を中心とする地域としてのMICE戦略は、地に足の着いた地道なものをしっかり固めておくことが肝要であると考えます。 | 日本型IRのMICE誘致を成功させるためには、施設整備以外になにが必要ですか。 | 国際会議や展示会の誘致に向けた積極的な営業活動とプロモーションが必要です。 |
JCRRAG_009087 | IR | 貸借対照表とは
貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)というのは、「会社が事業資金をどうやって集めて(総資本)、どのような形で保有をしているか(資産)を表すもの」です。貸借対照表で会社の持っている財産や借金を読み取ることができます。
・総資産というのは、「会社が集めたお金をどのような状態で持っているか」を表します。総資産は、流動資産と固定資産に分けられます。
・流動資産とは、1年以内に現金化することができる流動性のある資産です。たとえば、「現金」や「預金」、代金回収前の「売掛金(うりかけきん)」、商品や材料といった「棚卸資産(たなおろししさん)」、投資目的で持つ株式や債券といった「有価証券」がこれに当てはまります。
・固定資産とは、長期にわたって持つ資産です。たとえば、「建物・機械・土地」などがこれに当てはまります。会社が設備投資を積極的におこなうと増えてくる資産です。固定資産に当てはまるものは、時間とともに劣化するものが多いので、買い替えや修理など将来にわたって費用が発生する可能性があります。また、企業の買収で発生する「のれん」や、取引先との関係を強化するために持つ「投資有価証券」といったものも、固定資産に計上されます。
・負債というのは、「返さなければならない会社の借金の状態」を表します。負債が大きすぎると経営を圧迫する要因にもなりかねません。負債は、流動負債と固定負債に分けられます。
・流動負債とは、1年以内に支払わなければならない借金です。たとえば、代金払い込み前の「買掛金(かいかけきん)」や、1年以内に返済期限が来る「短期借入金」などがこれに当てはまります。
・固定負債とは、1年以後に支払わなければならない借金です。たとえば、会社が資金調達のために発行した「社債」や、返済期限が1年以内に来ない「長期借入金」などがこれに当てはまります。
・純資産とは、「投資家から集めたお金とこれまでの会社の利益の総計」を表します。純資産の中身には、株主が出資したお金である「資本金」や、会社が稼いだ利益を蓄える「利益剰余金」があります。純資産は負債とは違って返さなくてもよいお金なので、自己資本の比率(純資産÷総資本)が高いほど健全な経営をしているといえます。
今は金利が低く、有利子負債が少し多くても気になりませんが、将来に金利上昇がおきると負債にかかる利子が大きくなり、経営を圧迫する要因にもなりかねません。一概に、『有利子負債が多い会社=悪い会社』とは言えませんが、銘柄を選ぶ時には注目しておきたい数字です。
上場企業の貸借対照表は知りたい会社のホームページの中にある、IR(投資家向け広報)の中から見ることができます。 | 会社が所有している自社ビルは何という資産に当てはまりますか。 | 会社が所有している自社ビルは固定資産に当てはまります。 |
JCRRAG_009088 | IR | IR情報の見方で覚えておきたい用語4つ
IR情報を使って企業研究を行う場合は、IR情報で用いられる用語についても意味を理解しておくことが大切です。たとえば利益に関連する用語だけでも、「純利益」「売上高」「営業収益」「営業利益」など異なる用語が存在しており、それぞれ指す意味も異なります。
1:純利益
純利益とは、営業利益から営業外損益や特別損益などを差し引き、さらに法人税や住民税、事業税などの税金を支払った後の金額を指します。税金を支払うことは企業の義務であるので、税金を払った後の純利益が企業にとっての最終的な利益となります。
また、現在進行形で進んでいる会計期間の利益の場合は当期純利益と呼びます。
2:売上高
企業が商品やサービスを消費者に提供する代わりに、消費者から受け取る代金のことを売上と言い、売上の総額を売上高と呼びます。企業経営は売上高をもとにして行われるため、IR情報から企業の経営状況を確認する際には、売上高の確認が必須です。
会計的な知識を持っていないと売上と利益を混同してしまいがちですが、それぞれ違う言葉であることを意識することが大切です。
3:営業収益
営業収益とは、商品やサービスを売る営業活動によって得た収益のことです。企業が収益を得る方法にはさまざまなものがありますが、営業利益を確認することで、本業で得た収益を知ることができます。一般的に、営業収益が企業経営を支えるものとなっているため、営業収益の数字が伸びていれば順調に企業経営ができていると判断できます。
4:営業利益
営業利益とは、売上総利益から販売費および一般管理費を差し引いた利益を指します。企業が商品やサービスを販売するには売るためのコストが発生しているため、利益として数字を出すには売上の利益からコストを差し引く必要があります。
営業利益が良い会社ほど、評価の高い会社であると判断できるでしょう。 | 純利益は売上総利益から何を差し引いた金額を指しますか。 | 純利益は売上総利益から販売費および一般管理費、営業外損益や特別損益などを差し引き、さらに法人税や住民税、事業税などの税金を支払った後の金額を指します。 |
JCRRAG_009089 | IR | IRの概要
IRとは、事業運営のための資金を提供してくれる投資家や株主に向けて、投資を判断する際に必要な自社の情報を、自主的に公平に提供する活動のことです。
IRという言葉はInvestor Relations(インベスター・リレーションズ)の略で、日本語では「投資家向け広報」と訳されます。
IRで提供する情報は多岐にわたり、現在の経営状態や財務状況、企業活動の実績、さらに将来的な見通しなども含みます。加えて、知的財産の状況や社会貢献活動、環境活動など、企業運営に関わる非財務情報を公開するケースも増えています。
IRを積極的に行っている企業は、健全に経営されている、信頼できる企業だという印象を与えます。しかし、株価を上げることを目的に内容が薄い情報開示を頻発するといったIRによって、投資家の評価を下げてしまう企業もあります。IRは、短期的な株価の上昇を目指すものではなく、長期的に自社を理解し、応援してくれる投資家や株主を増やすための活動だと考えることが大切です。
IRの活動は、かつては文書での報告や説明会の開催が主流でしたが、近年はほとんどの企業が自社のWebサイトでIR情報を公開しており、誰でも気軽に企業の最新情報を確認できるようになりました。
| IRで提供する情報に新商品・新開発の発表は必要でしょうか。 | 企業の将来的な見通しに含まれるため新商品・新開発の情報提供は必要です。 |
JCRRAG_009090 | IR | IR(インベスターリレーションズ)資料とは、企業が投資家や株主、市場関係者などに対して企業情報や財務情報などを提供するための文書のことです。主なIR資料には、決算短信、有価証券報告書、株主総会資料などがあります。
これらの資料を開示することで、企業の経営状況や業績・将来の展望などを投資家や株主などの関係者、更には企業研究を目的とした就活生に至るまで幅広い層に分かりやすく示すことが出来、企業の価値や魅力を伝える重要なツールとなっています。
IR資料の特長とその他資料との違い
企業で社外向けに作成される資料としてまず思い浮かぶものと言えば、提案書やピッチ資料などの営業資料ではないでしょうか。ではそれら資料と、投資家や株主向けのIR資料とではどのような違いがあるのでしょうか。以下にその違いとIR資料の特長を3つ説明します。
1. 公式性と信頼性
営業資料は顧客の購買意欲を喚起する目的で作成されることが多いのに対し、IR資料は企業の公式な情報源であり、投資家や株主に提供される公式な文書です。企業は正確かつ適切な情報を提供することで投資家や株主の信頼を獲得し、市場に対して透明性を確保します。
またIR資料は定期的に更新され、公開される必要があります。企業の業績や戦略が変化するたびに、最新の情報が投資家に提供されることで、市場に対する信頼が維持されます。
2. 内容の焦点
営業資料が製品やサービスの特徴や利点、顧客の成功事例などに焦点を当てるのに対し、IR資料は主に企業の財務情報や事業戦略、将来展望に焦点を当てています。これには市場動向、競合状況なども含まれます。投資家は企業の将来性を評価するために、これらの情報を重視します。
3. 投資家や株主への配慮
営業資料が顧客や市場全体に向けて情報を提供する目的を持つのに対し、IR資料は投資家や株主に企業の状況や展望を明確に伝えることを目的とします。
投資家や株主は情報を迅速に理解するために、わかりやすい言葉や整理されたレイアウトの資料を好みます。そのためIR資料では図解やグラフ・表などを使用し、専門用語や財務情報を分かりやすく説明する工夫がなされています。 | 決算短信、有価証券報告書、株主総会資料など企業が投資家や株主、市場関係者に対して企業情報や財務情報などを提供するための資料を何といいますか。 | 企業が投資家や株主、市場関係者に対して企業情報や財務情報などを提供するための資料をIR(インベスターリレーションズ)資料といいます。 |
JCRRAG_009091 | IR | 一般社団法人 日本 IR 協議会(会長:泉谷 直木 アサヒグループホールディングス特別顧問)は、2023 年4月、第30回「IR活動の実態調査」の結果をまとめた。
2023 年 1 月現在の全株式上場会社4,023社に対し、1月24日から調査サイトをオープンし、3月7日までに1,061社から回答を得た(回収率26.4%)。回答企業の内訳は、日本IR協議会会員企業が391社(同67.6%)、非会員企業が670社(同19.4%)であった。
本調査では、2011 年から 1 年ごとに焦点を絞って実施する形式をとっている。今年は、2021 年に再改訂されたコーポレートガバナンス・コードへの対応進展度合いや東京証券取引所の市場区分見直しへの対応などに焦点を当てた。
今回の結果を総括すると、非財務情報開示を中心とするIR活動が進んだと言えよう。その背景には、サステナビリティ情報開示の制度導入や、上場企業における気候変動対応の重要度が増したことなどが考えられる。非財務情報の開示が進み、統合報告書の作成企業の割合も増加している。 以下、項目ごとに調査結果の要点を紹介する。
IR 活動の実施企業は回答企業の 95.2%と極めて高い水準となった。IR への経営トップの関与は進んでおり、「本決算ないし中間決算説明会」に経営トップが関与する割合が90%を超えた。さらに、経営トップの資本コストに対する意識も強くなっている。
コーポレートガバナンス・コードの再改訂項目への対応の進展は顕著であった。コーポレートガバナンス・コードの再改訂のポイント15項目のうち14項目で実施企業の割合が増加した。
インターネットを用いた株主総会の比率が高まっている。株主総会において、インターネット上で議決権行使ができる企業の割合、及びハイブリッド型バーチャル株主総会を開催した企業の割合が増加した。
東京証券取引所の新市場区分導入に伴う上場維持基準については、導入年(2022 年)と比べて重点的に取り組んだ項目として「流通株式時価総額」をあげる企業が 31.6%となった。依然として、「流通株式時価総額」への対応を課題と考える企業が多いようである。
非財務情報開示は進んでいる。ただし、開示の重要性を認識しつつも開示ができていない企業が多い項目として、「リスクの認識とそのマネジメント」と「事業戦略の強化」があった。企業の説明力の強化が問われる。
統合報告書の作成企業の割合が前回より10.8ポイントの大幅増となった。一方で、社内リソースの制約から作成できていない企業も多い。
国内IRイベントのうち、実施比率は、「本決算説明会」、「中間決算説明会」、「ワンオンワンミーティング」、「スモールミーティング」の順となった。リモート開催が主流となっている中、スモールミーティングやワンオンワンミーティングは実開催の割合が高くなっている。会合の内容や目的に応じて、リモート開催と実開催の両方式が使い分けられたものと考えられる。
企業の本邦アナリスト・機関投資家の取材受け入れと訪問の回数は年間50件以下の企業が大半という結果となった。中小型株企業に対するアナリスト・投資家の面談回数が多くないことがうかがわれる。
海外投資家向けIRは、経営トップ、CFO、IR関係者で地域別の力点が異なっていた。また、資本市場での注目度の変化が、コンタクト件数の増減に影響が大きいという結果となった。
個人投資家向けIR活動は、説明会などのイベントを開催する企業は多くなかった。調査時期は、まだコロナの影響も残っていたため、イベント開催に慎重に対応したものと思われる。 | 調査に回答した企業のうち、日本IR協議会の会員企業の回答率は非会員よりも高いですか。 | 日本IR協議会の会員企業の回答率は非会員企業よりも高い。 |
JCRRAG_009092 | IR | ディスクロージャーとは何か
ディスクロージャーとは、企業が一般の投資家や株主、債権者に対して財務情報、非財務情報など、企業の経営実態に関する情報を提供することです。法律や規則に基づく情報の開示と、企業が自主的に行う情報開示とがあり、上場企業が決算後に公表する財務諸表や有価証券報告書などは前者に該当し、決算発表説明会やホームページでの業績の概況などの掲載は後者に該当します。
ディスクロージャーはなぜ重要か
企業が経営状況や事業内容などを投資家や株主などのステークホルダーに対して開示することは、企業の透明性の向上につながり、ステークホルダーからの信用や信頼を得ることができます。
また、消費者向けの事業を手がけている企業の場合は、ディスクロージャーによる企業の透明性の向上は消費者に対して安心感を与え、消費者から選ばれる企業としての立ち位置を確保しやすくなります。
近年では企業価値を判断する上で財務情報に加え、非財務情報の重要性が高まっていますが、日本企業は一般的に人的資本や環境対策などの情報開示や説明が不十分であるという評価が、特に海外投資家の間にあり、これが日本企業の株価純資産倍率(PBR)が欧米企業に比べて低い要因のひとつとなっています。
ディスクロージャーに関する規制や法律にはどんなものがあるか
ディスクロージャーに関する法律は日本で以下の2つがあります。
<金融商品取引法>
金融商品取引法におけるディスクロージャー制度は、有価証券の発行市場もしくは流通市場において、一般の投資家が投資の判断を行ううえで必要となる十分な資料を提供することで、投資家自身の責任で投資に必要な判断をさせることを目的としています。
<会社法>
会社法では株主や債権者に対する情報公開を規定しています。全ての会社は、定時株主総会の招集通知に計算書類(貸借対照表、損益計算書及び株主資本等変動計算書)及び事業報告の提供が義務付けられています。
上記の法律以外に、証券取引所や日本証券業協会は、投資家保護を目的として、上場企業に対して業績等に関する情報について適時、適切に開示するタイムリー・ディスクロージャーを要請しています。いわゆる「決算開示の45日ルール」は、決算短信と四半期報告書の2つの開示について適用される東京証券取引所の規程です。ただし決算短信に関しては早期開示を取引所は求めており、できるだけ30日以内(翌月以内)での開示が望ましいとしています。 | 企業がディスクロージャーを積極的に行うことのメリットは何ですか。 | ディスクロージャーは、企業の経営実態の透明性が高まることで投資家や株主などのステークホルダーから信頼される企業となることや、一般消費者にも安心感を与えられるメリットがあります。 |
JCRRAG_009093 | IR | 近年、企業を取り巻く事業環境は大きく変化しています。地政学リスクの増大、為替変動と原材料価格の高騰、人口動態の変化など、経営陣が取り組むべき課題は膨大です。同様に、株式市場やIR(Investor Relations)を取り巻く環境も劇的な変化を遂げています。
上場企業の経営陣や各担当部門は、株式市場やIRについての理解や自社の取組みを「アップデート」することを強く求められています。こうした変化に応じたアップデートができない企業は、思いがけない落とし穴にはまったり、株式市場から突然強い要求やダメ出しを突き付けられたりすることになりかねません。
その反面、株式市場に真摯に向き合おうとする上場企業にとって、上記の市場をめぐる変化は、飛躍的な成長を目指すきっかけともなり得ます。今まで短期的になりがちだった視点を俯瞰的な視点に変換し、中長期的な企業価値向上を目指すことですべてのステークホルダーと協働し共栄できる企業を目指すことができるのです。
IRをシンプルに言うと、「株式市場との相互コミュニケーション(対話)」になります。「株式市場」とは株主のみならず、潜在株主である投資家全般、証券会社アナリスト、そのほかの株式市場に関係するステークホルダーを含みます。
「IRとは何か」という問いかけに対して回答する際には、「会社は誰のものか」「会社は誰のためのものか」について考えることが必要です。
会社は株主だけのために存在しているわけではありません。「顧客」「取引先」「従業員」「株主/投資家」「地域社会」などのすべてのステークホルダーのために存在しています。
それでは、会社は誰のものでしょう。
─その答えは「株主のもの」だと私は考えています。
会社の持ち主は株主であり、経営陣は株主からの負託により、会社経営を行っています。経営陣幹部にとって会社は「預かりもの」なので、株主に事業内容について詳しく説明し、経営状況について適切に報告する義務があります。また、持ち主の意向を無視して勝手な方針を打ち立て、経営を行うわけにはいきません。きちんと説明して理解を求める必要があります。
この基本的な考え方こそが「IRとは何か」のベースにあるのです。 | 会社の持ち主は、その会社の株式を持つ投資家ですか。 | 会社の持ち主は、その会社の株式を持つ投資家です。 |
JCRRAG_009094 | IR | 四半期報告書とは
四半期報告書とは、金融商品取引法(以下、金商法)の対象となる上場企業等が四半期ごとに作成する報告書です。四半期報告書の内容は、企業の基本的な情報や事業の情報から四半期決算の情報までその企業に対する投資判断に役立つ情報です。
四半期報告制度は、2006(平成18)年の証券取引法改正により創設されました。この改正の背景には、これまで有価証券報告書と半期報告書のみの情報開示で年2回が原則でした。しかし、これは欧米諸国と比べ投資家が企業情報に触れる機会が少ないため、問題とされていました。そこで、このような問題に対処するため、四半期報告制度が導入されました。つまり、投資家へ適時に企業情報を開示するため、上場企業に四半期報告書の作成の義務が発生したことになります。また、四半期報告制度は現在までに何度も改正され、企業の事務負担や迅速な開示を考慮して、四半期報告書の内容の一部を省略・簡略化が認められるようになりました。このような経緯で四半期報告書は企業情報を適切に開示しつつも、迅速に開示することを目的として、有価証券報告書よりも簡易的な内容となっています。
四半期報告制度の対象会社は証券取引所に上場している会社で、いわゆる上場企業のことです。金商法では、四半期報告書の提出義務を上場企業と店頭登録会社(旧ジャスダック市場)に定められていますが、現在は店頭登録会社が存在しません。したがって、四半期報告書制度の対象会社は、上場企業という認識でいいでしょう。
また、上場企業は基本的に四半期報告書を作成する義務があります。しかし、例外的に上場企業であるとしても主に銀行や投資ファンドなどでは、四半期報告書を作成せず、半期報告書を作成する場合が多いです。理由は、自己資本比率規制によるもので、四半期報告書の連結財務諸表ではなく、半期報告書の個別財務諸表を作成する必要があるためです。 | 上場企業は2006年の証券取引法改正により、何ケ月ごとに報告書を作成しなければならなくなりましたか。 | 上場企業は2006年の証券取引法改正により、3ケ月ごとに報告書を作成しなければならなくなりました。 |
JCRRAG_009095 | IR | 1.そもそもWiFiとは?
まずは、WiFi(ワイファイ)の話をしたいと思います。スマートフォンを使われている方はもうすでにご存じの方は多いと思いますが、しばらくお付き合いください。皆さんは、最近特にWiFiという言葉を街中やTVなどで耳にすることが多いと思います。WiFiに対応する機器は、WiFiルーターをはじめ、スマートフォン、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレット、プリンター、デジタルカメラ、テレビ、レコーダー、ゲーム機器など多岐にわたってあります。これらは、一般的に機器が、WiFiルーター(アクセスポイント)を経由して相手の機器と繋ぐ機器間通信や、インターネットなどの外部のネットワークと接続を行ってデータ通信を行います。そしてセキュリティ設定がなされたWiFiルーターには、それぞれを識別するSSID(ServiceSetID)および暗号化キーを有しています。皆さんは、スマートフォンやPCのWiFiの設定画面などに電波の届く範囲のSSIDなどが表示されるのを見たことがあるかと思います。このWiFiルーター(SSID)に接続するために暗号化キーが必要となり、入力操作を自動、手動で行います。 | WiFi(ワイファイ)は目で見る事は出来ますか。 | WiFi(ワイファイ)は目で見る事は出来ません。 |
JCRRAG_009096 | IR | ◆IRサイトとは
IRサイトとは、上場企業が投資家や株主に向けて、IR(Investor Relations)
情報を発信するためのWebサイトです。 投資判断に欠かせない重要な情報を、
誰もがアクセスできるオンライン上で迅速かつ正確に提供することで、ステー
クホルダーとの信頼関係を築くための場として有効に機能します。
◆IRサイトのターゲット
IRサイトを訪れるユーザーには、応募を考えている求職者なども含まれますが、
メインターゲットは、当然ながら「株主・投資家」です。
投資家は以下のように分類されます。
・個人投資家
個人資産で投資を行っている投資家です。投資スタイルや投資目的はそれ
ぞれで異なり、投資のみで生計を立てる専業投資家と、会社員等他の仕事も行
う兼業投資家に分かれます。個人投資家の持株比率は2割ほどとされています。
・機関投資家
法人として投資を行う大口投資家です。株式や債券を巨額の資金で運用を
行うため、市場に与える影響が大きいことが特徴です。機関投資家の持株比率
も2割ほどとされています。
・海外投資家
欧米や欧州を中心とした個人投資家です。日本の株式相場に大きな影響を
及ぼしており、持株比率は3割を超え、日本の株式市場の最大シェアを占めて
います。
◆IRサイトの役割
IRサイトの役割は、投資判断に必要な財務情報や経営戦略を、Web上で適切に開
示することに加え、社会活動などの非財務情報を通じて企業の方針や考えを発
信することにあります。
主な役割を、企業側と投資家側それぞれの視点から説明します。
企業側の視点: 自社の持続可能性や成長性を訴求することで、投資意欲を向上させる
投資家の視点:提供された情報を基に企業価値を理解し、投資判断を行う
IRサイトの活用により、企業とステークホルダー共に多くのメリットがあるため、
双方にとって重要なプラットフォームであることは間違いありません。
| IRサイトで情報を取得するには、インターネットへの接続は必要ですか。 | IRサイトで情報を取得するには、インターネットへの接続は必要です。 |
JCRRAG_009097 | IR | 自己資本比率とは?業種ごとの目安や株式投資への活用方法
自己資本比率は、会社の財務状況を分析する際に押さえておくべき指標の一つです。しかし、具体的に何を指している指標なのか、目安となる数値はどのくらいなのかなど、初心者にはわかりにくい部分も多いでしょう。
本記事では自己資本比率の基本的な意味や計算方法、業種別の目安などを解説します。自己資本比率を投資判断に活用する方法もわかりやすく紹介しますので、投資初心者の方はぜひ参考にしてください。
企業評価の目安となる「自己資本比率」とは?
自己資本比率は、企業の安定性やリスクを見極める上で役立ちます。株式投資を行う際には理解しておきたい指標の一つです。
自己資本比率とは
自己資本比率は、企業の総資本に占める自己資本の割合を示す数値です。財務的な安定性を測る重要な指標であり、一般的にこの比率が高いほど企業の財務安全性が高いとされます。
自己資本とは、企業が自力で調達した資金のことで、株主から集めた資金や利益の蓄積などが含まれます。自己資本は基本的に返済義務がありません。
一方、銀行からの借入金や社債など、返済が必要な資金は他人資本(負債)と呼ばれます。自己資本と他人資本を合計したものが、総資本です。
自己資本比率は、企業の財務諸表の一つである貸借対照表から算出できます。貸借対照表は、企業が持つ資産や負債、純資産の内訳を一覧できる表です。
自己資本比率の計算式
自己資本比率を計算する際は、総資本に対して、新株予約権(あらかじめ決められた条件で、将来的に企業の新株を購入できる権利)を除く純資産が占める割合を計算します。
計算式:自己資本比率=(純資産-新株予約権)÷総資本×100(%)
純資産が30億円、新株予約権が2億円、総資本が100億円の企業があったとしましょう。この企業の自己資本比率は、(30億円-2億円)÷100億円×100=28%です。
【業種別】自己資本比率の目安
自己資本比率が30%以上であれば財務的に安定しているとみなすケースが一般的です。50%以上の比率は良好と判断される一方、20%以下の場合は財務的に危険な状態とみなされることがあります。
以下は、経済産業省の調査結果に基づき、2023年度の自己資本比率を業種ごとに示したものです。
業種:自己資本比率(%)
鉱業、採石業、砂利採取業:67.3%
情報通信業:51.5%
製造業:51.4%
サービス業(その他サービス業):46.1%
小売業:45.9%
飲食サービス業:42.9%
学術研究、専門・技術サービス業:42.5%
卸売業:42.1%
生活関連サービス業、娯楽業:37.8%
電気・ガス業:23.5%
物品賃貸業:15.1%
【出典】「2024年企業活動基本調査速報(2023年度実績)」(経済産業省)
同調査によると全業種の平均自己資本比率は、42%です。全体的には、財務的に安定している業種が多いと読み取れますが、業種によって自己資本比率には大きな差があります。
自己資本比率が高いのは、鉱業(67.3%)や製造業(51.4%)、情報通信業(51.5%)などです。これらの業種では、収益率の高いビジネスモデルが確立されていることも多く、安定した売上やキャッシュフローを確保しやすいため、自己資本を積み上げやすい傾向があります。
一方で、自己資本比率が低いのは、物品賃貸業(15.1%)や電気・ガス業(23.5%)などです。これらの業種では、事業特性上、金融機関から多額の融資を受け、資産の購入や設備投資などを行うことが多いため、負債の割合が高くなる傾向があります。 | ある企業が新たに社債を発行して資金調達した場合、自己資本比率は現在より高くなりますか。または低くなりますか。 | 社債は他人資本(負債)に含まれますので、それが増えることにより自己資本比率は低くなります。 |
JCRRAG_009098 | IR | IRはやってみると、なかなかタフな仕事でした。IRについては素人でしたが、テクニカルな説明は勉強すれば良いし、答えがはっきりしているので、自分にとってはむしろやり易かったと言えます。一方で苦労したのは、商社のビジネスモデルや存在意義を、株主にどのように説明するかでした。欧米の株主からうけた数々の厳しい質問に対しての私の答えは、「商社は決して世に不要な存在ではなく、付加価値を持ったアウトソーシング機能の受け手としての存在意義がある」でした。付加価値とは「取引先拡大のマーケティング機能」「与信審査機能」「物流機能」の3つです。この説明は、一定の理解は得たものの、株価を上げるほどの力はありませんでした。と言うのも、知名度が高い大手総合商社がいくつも存在するのは日本特有なことで、海外の企業は内部にこの機能を持っており、他社に依存する事例がなかったからです。
IRの努力が実ったのか株価が目に見えて上がり始めたのは、資源価格が高騰し、外部から利益の見通しが立てやすくなった2005年以降のことでした。外部の投資家にとっては、「企業が将来にわたり、どうやって利益を生むか」を簡潔、明快に理解し、確信することが最も大切だということでしょう。
もう一つ私を悩ませたことは、コングロマリットディスカウント(事業を多角化している企業において、市場からの評価が個々の事業のみで活動する場合に比べて低下し、株価が下落すること)です。機関投資家からは、「天然ガスや鉄鉱石など資源への投資に対する着眼点や交渉力は敬服する。そこに特化して他の儲けの少ない事業はスピンアウトしてはどうか」としばしば指摘されました。簡単に言えば「シンプルイズベスト、余計な事はするな」ということでしょう。
これに対しては当時の大コングロマリットGEのイメルトCEOが語っていた「ビジネスの多角化は意味がある」なども引用し、膨大な時間を使って説明、防戦に努めました。しかしながら時代によって適切な戦略は変わっていきますし、IRの力だけで投資家を動かすのは難しく、果たしてどれだけ効果があったのか微妙なところです。
結局一番意味があったのは、定期的に機関投資家を訪問し、信頼関係を築くことでした。また、外国人投資家にコンタクトする際には、日本語から最も適切な英語に置き換える作業が重要でした。次に、そのことについて述べたいと思います。
日本での株価の上昇・下落には、海外の機関投資家が大きな役割を果たしています。従って、海外の機関投資家にコンタクトすることがIRの必須業務となるわけです。
この仕事に携わるうちに「IRは、商品が自社株であるマーケティング活動だ」と思うようになりました。どんな商品でも「売らんかな」という姿勢では、買いたい気持ちになりません。良いところは分かりやすく、悪いところは正直に説明することで、正しい商品価値を知ってもらい、お客様に信頼してもらうことが肝要でしょう。
これを海外の機関投資家に行うのがIRなのですから、英語がどうしても必要になるのです。
もうひとつ大切なことは、経営トップが自ら英語で語り掛けることです。少なくとも冒頭のプレゼンは英語で行うことで、機関投資家の関心をうまく引き付けることができますし、逐次通訳の時間を省くこともできます。
私の時代には、英語でコミュニケーションをとれる経営トップはまだ少数でした。従って、海外IRの際には、アークコミュニケーションズのようなアニュアルレポートの翻訳を手掛ける翻訳会社に、英語のロジックに則った発言用の原稿を練り上げてもらっていました。英語の原稿を読み上げるのが難しい場合は、同時通訳をお願いすることもありました。
同時通訳の難しさに直面したこともあります。ある副社長と出張した時、得意な分野についての質問が出て、もともと早口の副社長が、立て板に水の日本語で説明してしまったのです。あまりの早口で、同時通訳者は対応不可能となり、黙ってしまいました。やむを得ず最後に私から「今、副社長が言いたかったことはこうです」と補足説明をしましたが、全てを伝えることができませんでした。逆にその投資家が「副社長の熱意は伝わった」と言ってくれたのが救いでした。
コロナ禍で、私の時代のような頻繁な海外出張はできなくなっていると聞きます。信頼関係の構築には、Face to Faceのミーティングがやはりベストだと思います。それに、海外各地の美味しい食事も食べられませんしね。 | IRに英語が重要である理由は何ですか。 | IRに英語が重要である理由は、日本での株価の上昇・下落には海外の機関投資家が大きな役割を果たしているため、正しい商品価値を適切な英語に置き換え、海外の投資家に知ってもらう必要があるからです。 |
JCRRAG_009099 | IR | ③不安感を減らす
株価を上げる方法とは? 決算説明資料の充実、決算説明会を開催を実施し投資家の不安感を減らす取り組みが重要
前述の業績向上や株主還元は全社でのコミットや、経営層での意思決定が必要な領域でした。
ですが、3つ目の「投資家の不安感を軽減する」というのはIR担当者だけで実施できる重要な施策です。
投資家が一番嫌うのは「不確実性・サプライズ」です。
そのため、自社の透明性を高め、投資家に事業理解を深めてもらうことは非常に重要です。
IR担当者は分かりやすい適時開示や決算説明資料を作り、投資家向け説明会を積極的に開催することで投資家の不安感を減らすことができます。
機関投資家・個人投資家に関わらず自社への理解を深めてもらい、信頼を獲得できれば長期的な株主として安定した株価形成を支えてくれるでしょう。
決算説明資料の充実
決算説明資料は、投資家の不安感を払拭する上で最も基本的かつ重要なツールです。
事業の現状と将来の見通しを明確に伝え、投資家の理解を深めることができます。
決算説明資料は四半期に一回、業績やその業績になった理由、今後の見通し、課題と対策などを詳しく解説する資料です。
各ポイントとしては以下の通り。
財務状況がどのように変化したのか、またその理由
財務3表だけでない重要なKPIデータの開示
今後の成長・予算に対する進捗
課題と対策の開示
最近では「想定される質問と回答」「スマホ向け決算説明資料サマリ」といった独自の資料を開示する企業も増えています。 | 決算説明資料が充実していると、なぜ投資家の不安感が軽減されるのでしょうか。 | 決算説明資料が充実することで、投資家が会社の状況を正しく理解でき、不安の元になっている疑問や疑惑が減るからです。 |
JCRRAG_009100 | IR | 1 SRAMの特徴と用途
SRAMは、主に高速で低電力が必要な用途に使用されます。例えば、コンピュータのキャッシュメモリや、モバイルデバイスのディスプレイドライバなどです。
キャッシュメモリでは、SRAMの高速なアクセス速度が、頻繁にアクセスされるデータをCPUにすばやく提供するために活用されます。
「キャッシュメモリ」とは、CPUとメインメモリ(主記憶装置)の間にある記憶装置のことです。CPUはメインメモリとやり取りしながら命令を処理します。しかし、CPUに比べるとメインメモリは非常に遅いので、待ち時間が発生してしまいます。そこで使用されているのがキャッシュメモリです。キャッシュメモリはメインメモリより高速に動作するため、メモリアクセスの時間が短縮できCPU性能の向上につながります。
一方、ディスプレイドライバでは、SRAMの低電力特性が、バッテリー駆動のデバイスで画面を表示するための消費電力を削減するために役立ちます。
その他にも、通信機器や医療機器など、速度と信頼性が求められる用途にもSRAMが採用されています。
2 SRAMの基本構造
次にSRAMのデバイス構造を見ていきましょう。
SRAMは、2つのCMOSインバーターと、データの読み出し、書き込みのための2つのMOSトランジスタから構成されます。CMOS1個に2つのトランジスタが使用されているので、計6つのMOSFETから構成されます。
6つのMOSFETを組み合わせることでデータ保持にリフレッシュが不要な「フリップフロップ回路」を構成しています。
フリップフロップは、2つのトランジスタで構成されており、入力が1であれば0を出力し、入力が0であれば1を出力します。この動作により、SRAMはデータの「1」と「0」の2つの状態を安定的に格納できます。フリップフロップの構成によりフレッシュが不要であるために、非常に高速な読み書きが可能となります。
この特性が、SRAMをキャッシュメモリやプロセッサ内のレジスタなど、極めて迅速なアクセスが求められる場面で利用される理由です。
3 SRAMの動作原理
SRAMには3つの動作があります。
1スタンバイ:回路が何もしていない状態
2読み取り:データを読み取る
3書き込み:データを書き込む | SRAMは電力は必要ですか。 | SRAMは電力は必要です。 |
Subsets and Splits
No community queries yet
The top public SQL queries from the community will appear here once available.