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JCRRAG_009101 | IR | 3分でわかる イオン交換水とは?純水の作り方・原理を解説
1 水の種類とイオン交換水
私たちの生活に欠かせない「水」ですが、純度や応用目的によって様々な種類があります。
例えば「水道水」の中に様々な不純物を含んでいます。しかし、精密電子業界の製造用水はとても純度の高い「超純水」を使わなければいけません。
イメージとしては、50mプールを「水道水」「純水」「超純水」で満たした場合、その不純物の量はそれぞれドラム缶2本分、コップ1杯分、スプーン1杯分といった感じです。
ちなみに、私たちがよく見かける飲料水も次のように様々な種類があります。
軟水:硬度100 mg/L未満の水
硬水:硬度100 mg/L以上の水
天然水:自然の源水を使って、ろ過、沈殿、加熱殺菌のみの加工を行った水
ミネラルウォーター:地下水を原水とする水
海洋深層水:水深200m以上の海水を処理した水
イオン交換水とは?純水とは違う?
「イオン交換水」(脱イオン水)は、純水(精製水)の一種です。
「純水」は、一般的には水道水から不純物を除いた水です。純水は作り方(製造プロセス)の違いによって、イオン交換水以外にも蒸留水やElix水などの種類があります。
2 イオン交換樹脂の寿命
イオン交換樹脂には寿命があります。樹脂の種類・目的・使い方等によって寿命は変わりますが、樹脂の劣化などにより性能が落ちるので状況に応じて交換する必要があります。
イオン交換樹脂の交換の目安は、主に以下の三つがあります。
交換容量の不足、再生不良
交換速度の低下
物理的な劣化、割れ、破壊など
なお、イオン交換樹脂はプラスチックなので、廃棄したイオン交換樹脂はプラスチックごみの出し方に従って処分します。
3 イオン交換樹脂を用いた水処理の特徴
イオン交換樹脂による水処理には、以下のようなメリット・デメリットがあります。
《イオン交換樹脂を使うメリット》
イオン交換樹脂は無機イオンを効率よく除去できる。
水道水を流すだけで純水を簡単につくれる。
《イオン交換樹脂を使うデメリット》
有機物を除去できない。
負に帯電する微生物がイオン交換樹脂に吸着されると、精製水が汚染される恐れがある。 | イオン交換水は飲めますか。 | イオン交換水は飲めます。 |
JCRRAG_009102 | IR | 1 光導波路とは?光ファイバとの違いは?
「光導波路」とは、光を閉じ込めて特定の方向に導く構造を持った媒体のことです。つまり、光の伝送路を意味します。
光を特定の方向へ導く役割を果たすという点で光ファイバと光導波路は同じです。
「光導波路」という言葉はより広い概念で、厳密には光ファイバを含んでいます。
(1)光導波路の種類
光導波路の構造は、その断面形状によって、円状・層状の大きく二つに分類することができます。
断面が円状:光ファイバが該当し、長距離伝送に向いています。
断面が積層:一般的に光導波路という場合はこちらを指すことが多いです。さらに、構造を細かくみると、スラブ光導波路、矩形導波路、リッジ型導波路、拡散型導波路など様々な種類が存在します。
① プレーナ導波路とチャネル導波路
「プレーナ導波路」は、二次元的に光を閉じ込める構造です。通常、基板とその上に配置された薄い膜から構成されており、その間を光が伝送します。
それに対して、「チャネル導波路」は三次元的にも光を閉じ込めることができます。通常、基板上に微細な溝などでチャネルを作ります。光はそのチャネルを伝送します。
② 光導波路の材料による分類
光導波路構造に使用されている材料も様々です。
ガラス薄膜を形成するものからイオン拡散を利用して作られるものなどがあります。
(2)光導波路基板
基板上に光導波路の他に光学素子などを設置し設計された「光導波路基板」として購入することもできます。
基板を構成する材料などによって種類があるので、3つほど紹介します。
半導体基板: SiやGaAsなどの半導体素材が用いられています。半導体素材は、光導波特性に優れています。そして、小型で高効率な光デバイスの作成に役立ちます。
ポリマー基板: ポリマーと呼ばれる有機化合物が用いられています。ポリマーは、柔軟で軽量なので特殊な形の加工が可能です。さらに、安価であるという利点も持ちます。
ガラス基板: ガラスが用いられています。ガラスは、その透明性から幅広い波長域の光を通すことが可能なので、光学センサーなどに役立ちます。また、ガラスは一般的に高熱に耐える事ができるという点、絶縁体であるという点も使用される理由になっています。
これらの光導波路基板を使用する際は、設計や応用先に応じて選択しましょう。
(3)光導波路の用途
光導波路がどのような場面で使われているのかをご紹介します。
通信システム: 高速大容量データ伝送向いていて低損失での通信ができます。光導波路のみでの配線が可能です。光ファイバでは不可能な曲げ半径や鋭角の伝送路を実現できます。
センシング: 対象を高感度で検出することができ高精度な計測が可能です。 | パソコンの使用に光導波路は関係ありますか。 | パソコンの使用に光導波路は関係あります。 |
JCRRAG_009103 | IR | 今やプレスリリースはメディア関係者だけでなく、生活者のもとへさまざまな経路で届けられます。メディア関係者であればメールやFAXなどで直接企業・団体から送付されたり、生活者であればSNSのタイムラインやプレスリリース配信サービスのサイト上で話題のものや気になるものを検索したりするなどで情報を得られます。
数あるプレスリリースの中から、メディア関係者や生活者に選んでもらうために重要となるのは「タイトル」です。プレスリリースのタイトルによって、興味・関心を促すことができれば、最後まで目を通してもらいやすくなります。
プレスリリースのタイトルの文字数は1行あたり25~30文字未満を目安にしましょう。プレスリリースのタイトルがメールの件名として表示されることや、SNSのOGP(Open Graph protocol)として表示されることを思い浮かべてみてください。文字数が多すぎるとタイトルの表示が途中で切れてしまい、必要な情報を届けられないことも。必要な情報を盛り込んだうえで、30文字以内に設定するようにしましょう。
また、Google検索結果に表示される、タイトルの文字数はパソコンでは28〜35文字程度、スマートフォンでは36~41文字程度となっています。表示されるタイトルによって、CTR(クリック率)に影響がでます。できるだけ30文字程度で、内容をわかりやすく伝えるようにしましょう。
情報を盛り込みすぎず、抽象的な言葉は控え、限られた文字数タイトルを作成します。的確に情報を届けるためには、伝えたい内容を5W1Hから絞り込みましょう。
情報の肝になる部分と、補足情報の部分が見えてくるはずです。その中でもっとも伝えたいことやニュースバリューの高いものを見極め、1行あたり25~30文字に収めるタイトルを作成してみましょう。 | 5W1Hの、5Wとは、何ですか。 | 5Wとは、Who、What、When、Where、Whyです。 |
JCRRAG_009104 | IR | 「投げ込み」は、広報の業界用語です。企業や行政、団体・個人などのプレスリリースの作り手から、記者クラブへ直接プレスリリースを持ち込むことを意味しています。
特に官公庁・地方自治体発の情報や大手企業に関するニュース、教育機関の発表など、社会的・公共的な意義が大きい情報は、投げ込みとの相性が良いです。これらの情報について投げ込みを行うと、配信サービスのみで不特定多数に情報を提供した場合よりも、メディアに取り上げられる確率が高まります。
ただし、プレスリリースの配信サービスやメールを用いてリリース情報を送る場合とは情報提供の方法が異なるため、注意が必要です。
記者クラブとは、マスメディアの出先機関として設置されている組織のこと。省庁・行政機関、警察・消防などの公的機関、東京証券取引所・商工会議所などの業界・経済団体内にあります。記者クラブ内には、新聞社やテレビ局などから派遣された記者がデスクを置き、継続的な取材やニュース対応を行っています。記者クラブには以下のような種類があります。
・官公庁関連の記者クラブ
→東京都庁内の「都庁記者クラブ」、国会記者会館内の「衆議院記者クラブ」、総理大臣官邸周辺で取材にあたる「内閣記者会」、日本銀行内の「日銀クラブ」、裁判所内の「司法記者クラブ」など
・政党関連の記者クラブ
→自民党本部内および衆議院内にあり自民党や公明党を取材する「平河クラブ」、国会議事堂の衆議院内にあり立憲民主党や日本共・産党を取材する「野党クラブ」など
・業界、経済団体関連の記者クラブ
→鉄鋼会館内にある「重工業研究会(重工クラブ)」、繊維・製紙業界に特化した「本石繊維会」など | プレスリリースの作り手が、マスメディアの出先機関として設置されている組織に、直接プレスリリースを持ち込むことを、何と言いますか。 | プレスリリースの作り手が、マスメディアの出先機関として設置されている組織に、直接プレスリリースを持ち込むことを、投げ込みと言います。 |
JCRRAG_009105 | IR | 投資家・アナリストが期待する主な開示のポイント:MD&A(エムディーアンドエー)
MD&A(エムディーアンドエー)とは、経営者による財政状態や経営成績の分析と検討を意味する言葉であり「Management's Discussion and Analysis of Financial Condition and Results of Operations」の略称です。上場企業の有価証券報告書に記載される情報で、投資家と経営者が対話する重要な場となっています。
経営成績・キャッシュ・フロー等の分析
・MD&Aは、投資家として非常に重要であり、経営方針等で示されている戦略や施策が当初の想定通りに進んでいるか(想定通りではない場合、その理由)、経営目標を達成できそうか等を確認することに活用できる
・長期経営計画や中期経営計画に対する毎年の進捗状況をMD&A等で開示することは有用である
・指標等の予想と実績の開示に加え、予想と実績が乖離した場合には、その理由を記載することは有用である
・指標を変更したことに関し、指標の考え方や、変更理由を具体的に記載することは、対話のための土台となることから有用である
・ROICツリーにより、個々の要素と全体の繋がりを体系的に示すことは有用。更に言えば、ROICツリーにおいて、個々の要素の貢献度の軽重や、定量情報等が記載されると、より有用である
・企業価値向上に繋がるドライバーについて、重要な部分を示し、それを経営層がどう考えているかの説明は有用である | 経営者は、指標について、MD&Aに何を記載することが有用ですか。 | 経営者は、MD&Aに指標等の予想と実績および予想と実績が乖離した場合に理由を記載することが有用であり、また指標を変更した場合は指標の考え方や、変更理由を具体的に記載することが有用です。 |
JCRRAG_009106 | IR | 経営者やIR担当者であれば、「株価を上げたい…」と思うことは多々あるでしょう。
そもそも株価は自社で意図的に上げるものではなく、市場(投資家)からの評価で決まるものです。
そのため、「魅力的な適時開示を作って株価を上げよう」「株価を上げる方法をコンサルティングしてもらおう」といった「株価を上げる目的」でのIR活動は考えない方が良いでしょう。
それよりも、「市場から適切に評価されるにはどうすれば良いか」といった視点でIR活動を考えていきましょう。
株価はPER・ROEといった指標で評価されるように、「利益」を元に形成される面があります。
そのため、業績向上は株価上昇の基本となります。
多くの投資家は企業の業績が伸びると投資しますし、業績が低迷するのであれば売却してしまいます。
利益が増え、株価が変わらなければ自然とPERは低くなるため、割安だと思われ株を購入する投資家が増えます。
そのため、業績が伸びるとそれに比例して株価も上昇します。
業績予想を上方修正した際、株価が大幅に上昇するのはこのためです。
逆に業績の下方修正は株価の下落を招きます。
利益成長に加え、株主還元を重視する投資家は増えています。
「配当金」「自社株買い(&消却)」「株主優待」を組み合わせ、「総還元性向」を高めることで投資家から注目される可能性が高まります。 | 多くの投資家が投資をすると、株価はどうなりますか。 | 多くの投資家が投資をすると、株価は上昇します。 |
JCRRAG_009107 | IR | 「投資家の不安感を軽減する」というのはIR担当者だけで実施できる重要な施策です。
投資家が一番嫌うのは「不確実性・サプライズ」です。
そのため、自社の透明性を高め、投資家に事業理解を深めてもらうことは非常に重要です。
IR担当者は分かりやすい適時開示や決算説明資料を作り、投資家向け説明会を積極的に開催することで投資家の不安感を減らすことができます。
機関投資家・個人投資家に関わらず自社への理解を深めてもらい、信頼を獲得できれば長期的な株主として安定した株価形成を支えてくれるでしょう。
決算説明資料は四半期に一回、業績やその業績になった理由、今後の見通し、課題と対策などを詳しく解説する資料です。
事業の現状と将来の見通しを明確に伝えることで、投資家は不安を払拭し、理解を深めることができます。
最近では「想定される質問と回答」「スマホ向け決算説明資料サマリ」といった独自の資料を開示する企業も増えています。
決算説明会は、投資家と直接対話できる貴重な機会です。
単なる業績報告の場ではなく、投資家との信頼関係を構築する場所として最適です。
質疑応答の時間を十分にとることや経営陣が参加し、今後のビジョンや思いを伝えることが有効です。
機関投資家やアナリスト向けだけでなく、個人投資家向け説明会も行うことでより幅広い株主基盤を築くことができます。 | 決算説明資料で、業績やその業績になった理由、今後の見通し、課題と対策などを詳しく解説すると、投資家はどうなりますか。 | 投資家は不安を払拭し、理解を深めることができます。 |
JCRRAG_009108 | IR | どんな仕事?
上場企業において、その企業の経営に関する事項をアナリストや投資家に対して提供する。
IR(インベスターリレーションズ)とは株主・投資家に対して投資判断に必要な企業情報を適時、公平に継続して提供する活動を意味し、アナリスト・投資家との間で良好な関係を築き、アナリストや投資家が企業価値を適正に評価できるようにするものである。PR広報もその企業の価値の増大を目的とするものであるが、「パブリック」リレーションのとおり、その対象が広範にわたっていることと対比させれば、IR広報は、企業広報の中の専門的な一分野であると位置付けることができる。
具体的な業務としては、大きくは、対面(対人)活動と報告書・出版物の作成・発行とに分かれる。
対面(対人)活動は、企業説明会、決算説明会、事業部門説明会、施設見学会等を設定し、経営方針や企業理念の説明等を行うこと、アナリスト・投資家等との個別ミーティング、勉強会等の計画、実施、マスメディア等の取材への対応も担当する。
取締役会や経営会議、あるいは取締役や経営者に対して、直接、投資家をはじめとした市場の声を報告・説明することも重要な仕事である。報告書・出版物の作成・発行には、定期的なレポートの作成と関係者への送付、アニュアルレポートの作成・発行、これらを整理・統合した事業報告書、環境報告書、CSR報告書などの出版物の作成・発行から、適宜のプレスリリースなどが含まれる。さらに、ウェブサイト上で提供されるIR情報の企画・管理・運営も行う。
これらを適切に遂行するため、外部機関が開催する勉強会等に参加し、最新の情報を収集することはもちろん、経理・財務はじめ企画や営業、技術など社内の関連部門から情報を収集することが求められる。業界によっては、投資家の欲しい情報が経営事項にとどまらず、研究や専門技術の範疇に及ぶこともあり、社内の広い人脈が必要である。
◇ よく使う道具、機材、情報技術等
文書作成ソフト(Word、一太郎等)、プレゼン資料作成ソフト(PowerPoint、Keynote等)、パソコン
| IR広報が社内の情報を収集する際、どのような部門と連携しますか。 | IR広報が社内の情報を収集する際、経理・財務部門、企画部門、営業部門、技術部門などと連携して情報を収集します。 |
JCRRAG_009109 | IR | 一般社団法人 日本 IR 協議会(会長:泉谷 直木 アサヒグループホールディングス特別顧問)はこの度、第
31 回「IR 活動の実態調査」の結果をまとめました。調査は全上場会社(4,088 社)を対象に、2024 年 2 月 6 日
から 3 月 19 日まで実施し、1,039 社から回答を得ました(回収率 25.4%)。
調査結果の要約
今年の調査では、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応、生成AIのIRへの活用、新NISA
への対応などに焦点を当てました。今回の結果を総括すると、上場企業の IR への意識の高まりと非財務情
報開示が進んだと言えます。焦点を当てた内容については、以下のような結果となりました。
【IR 活動における非財務情報の重要性が高まる】
IR 活動の実施企業は回答企業の 97.4%と極めて高い水準となりました。IR 関連情報を収集する対象部門
でサステナビリティ部門の割合が上昇し、IR 活動における非財務情報の重要性の高まりがうかがえます。
【コーポレートガバナンス・コードの対応状況については、気候変動開示に係る対応の進展が顕著】
CG コードの対応状況については、気候変動開示に係る対応の進展が顕著であった一方で、ダイバーシ
ティへの対応や、事業ポートフォリオに関する開示、社外取締役と株主との面談の実施などは大きな進展が
ありませんでした。
【SNS の活用が急速に進展する一方、生成 AI の活用は現在あまり進んでいない】
電子媒体を利用した情報開示については、SNSの活用が急速に進展している結果となりました。生成AIの
活用については、現在あまり進んでいませんが検討中の企業も多く、今後活用が進んでくると見られます。
【IR 活動の効果測定の指標は「株主構成」が最大割合に】
IR 活動の効果測定では、指標として「株主構成」が最大割合となりましたが、上位 5 者以外の指標は指標と
している企業の割合が 30%を下回りました。
【東証の要請による IR に対する意識の変化への影響は大きかった模様】
東証が要請した「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の IR に対する意識の変化への影
響は大きかったようです。経営トップをはじめ、IR の意識が高まったと回答した割合は 60%を超えました。 | IR活動の実態調査において、新NISAへの対応に焦点を当てた調査は5年前にも行われていましたか。 | IR活動の実態調査において、新NISAへの対応に焦点を当てた調査は5年前には行われていません。 |
JCRRAG_009110 | 医療 | リステリアによる食中毒
リステリア・モノサイトゲネス(以下「リステリア」と呼びます。)は、河川水や動物の腸管内など環境中に広く分布する細菌です。
我が国のこれまでの食中毒統計では、リステリアによる食中毒の報告例はありませんが、食品安全委員会の評価書によると、リステリア感染症の推定患者数は年間200人(平成23年)とされています。
リステリアに感染して重症化することはまれですが、妊婦、高齢者の方は注意が必要です。
食品由来によるリステリア症は、年間住民100万人あたり0.1~10人とまれです。ただし、重症化すると致死率が高い疾患であることから、世界保健機関(WHO)においても注意喚起を行っています。
リステリアは、他の一般的な食中毒菌と同様に加熱により死滅しますが、4℃以下の低温や、12%食塩濃度下でも増殖できる点が特徴です。
一般に、食品を冷蔵庫で保存したり、塩漬けしていると、食中毒菌が増えないと思いがちですが、このような条件でもリステリアは増殖し、食中毒の原因になる恐れがあります。
しかし、健康な成人では非常に多くのリステリアを摂取しなければ発症しないため、賞味期限や保存方法を守っていれば、食中毒が発生するほどの菌数にはなりません。
また、発症しても軽症で自然に治るとされていますが、リステリアに感染したときの症状の重篤度には個人差があります。悪寒、発熱、筋肉痛などインフルエンザなどの他の感染症と区別が難しい場合や、敗血症、髄膜炎、中枢神経系症状などを引き起こす場合(リステリア症)もあります。
欧米では、ナチュラルチーズなどの乳製品、生ハムなどの食肉加工品、スモークサーモンなどの魚介類加工品、コールスローなどのサラダなどでリステリアによる集団食中毒が発生しています。
また、国内では、乳製品、食肉加工品や魚介類加工品などから、とても菌数は少ないですが、リステリアが検出されています。
冷蔵庫に長期間保存され、加熱せずにそのまま食べられる食品は、原因となりえますので注意が必要です。 | 生のまぐろの刺身を冷蔵庫に長期間保存した場合、リステリアによる食中毒の原因となりえますか。 | 生のまぐろの刺身を冷蔵庫に長期間保存した場合、リステリアによる食中毒の原因となりえますか。 |
JCRRAG_009111 | 医療 | 大腸菌は、家畜や人の腸内にも存在します。ほとんどのものは無害ですが、このうちいくつかのものは、人に下痢等の消化器症状や合併症を起こすことがあり、病原大腸菌と呼ばれています。病原大腸菌の中には、毒素を産生し、出血を伴う腸炎や溶血性尿毒症症候群(HUS)を起こす腸管出血性大腸菌と呼ばれるものがあります。
腸管出血性大腸菌は、菌の成分(「表面抗原」や「べん毛抗原」等と呼ばれています)によりさらにいくつかに分類されています。代表的なものは「腸管出血性大腸菌O157」で、そのほかに「O26」や「O111」等が知られています。
腸管出血性大腸菌は、牛等の家畜や人の糞便中に時々見つかります。家畜では症状を出さないことが多く、外から見ただけでは、菌を保有する家畜かどうかの判別は困難です。
2.腸管出血性大腸菌の「O157」ってどういう意味ですか
大腸菌は、菌の表面にあるO抗原(細胞壁由来)とH抗原(べん毛由来)により細かく分類されています。「O157」とはO抗原として157番目に発見されたものを持つという意味です(現在約180に分類されています)。
さらに細かく分類するとO157でも、毒素(ベロ毒素)を産生し溶血性尿毒症症候群(HUS)等の重篤な症状を起こすものは、H抗原がH7(O157:H7)とH-(マイナス)のもの(O157:H-)の2種類です。
3.腸管出血性大腸菌のほかに病気を起こす大腸菌がありますか?
大腸菌には病原性のないものから、腸管出血性大腸菌のように強い病原性を有するものまで様々な種類のものがあります。腸管出血性大腸菌は菌の構成成分の性質からみた分類ですが、大腸菌は病気の起こし方によって、主として以下の5つに分類されます。
1)腸管病原性大腸菌:小腸に感染して腸炎等を起こします。
2)腸管組織侵入性大腸菌:大腸(結腸)粘膜上皮細胞に侵入・増殖し、粘膜固有層に糜爛(びらん)と潰瘍を形成する結果、赤痢様の激しい症状を引き起こします。
3)腸管毒素原性大腸菌:小腸上部に感染し、コレラ様のエンテロトキシンを産生する結果、腹痛と水様性の下痢を引き起こします。
4)腸管出血性大腸菌(ベロ毒素産生性大腸菌、志賀毒素産生性大腸菌):赤痢菌が産生する志賀毒素類似のベロ毒素を産生し、激しい腹痛、水様性の下痢、血便を特徴とし、特に、小児や老人では、溶血性尿毒症や脳症(けいれんや意識障害等)を引き起こしやすいので注意が必要です。近年、食中毒の原因となっているものは、O157がほとんどですが、腸管出血性大腸菌にはこの他にO26、O111、O128およびO145等があります。
5)腸管凝集性大腸菌:主として熱帯や亜熱帯の開発途上国で長期に続く小児等の下痢の原因菌となります。我が国ではまだほとんどこの菌による患者発生の報告がありません。
4.腸管出血性大腸菌は毒素を出すと聞いたけれど、どのようなものですか
腸管出血性大腸菌は、毒力の強いベロ毒素(志賀毒素群毒素)を出し、溶血性尿毒症症候群(HUS)等の合併症を引き起こすのが特徴です。溶血性尿毒症症候群が発症する機構は十分には解明されていませんが、この毒素が身体の中で様々な障害を起こすことによって、全身性の重篤な症状を出すものと考えられています。
ベロ毒素には、赤痢菌の出す志賀毒素と同じ1型(VT1)と、それと異なる構造を持つ2型(VT2)及びこれらの亜型があります。
腸管出血性大腸菌には、これらの毒素のうち1つ又は複数を出すものがあります。 | 毒力の強いベロ毒素を出す大腸菌の症状にはどのようなものがありますか。 | 毒力の強いベロ毒素を出す大腸菌の症状には、激しい腹痛、水様性の下痢、血便があります。小児や老人では、溶血性尿毒症や脳症(けいれんや意識障害等)を引き起こしやすいです。 |
JCRRAG_009112 | 医療 | 自己血輸血について
自己血輸血は院内での実施管理体制が適正に確立している場合は、同種血輸血の副作用を回避し得る最も安全な輸血療法であり、待機的手術患者における輸血療法として積極的に推進することが求められている。
1.自己血輸血の方法
1)貯血式自己血輸血:手術前に自己の血液を予め採血、保存しておく方法
2)希釈式自己血輸血:手術開始直前に採血し、人工膠質液を輸注する方法
3)回収式自己血輸血:術中・術後に出血した血液を回収する方法
特に、希釈式や回収式に比べて、より汎用性のある貯血式自己血輸血の普及、適応の拡大が期待されている。
2.インフォームド・コンセント
輸血全般に関する事項に加え、自己血輸血の対象となり得る患者に対して、自己血輸血の意義、自己血採血・保管に要する期間、採血前の必要検査、自己血輸血時のトラブルの可能性と対処方法など、自己血輸血の実際的な事柄について十分な説明と同意が必要である。
3.適応
自己血貯血に耐えられる全身状態の患者の待機的手術において、循環血液量の15%以上の術中出血量が予測され、輸血が必要になると考えられる場合で、自己血輸血の意義を理解し、必要な協力が得られる症例である。特に、稀な血液型や既に免疫(不規則)抗体を持つ場合には積極的な適応となる。
体重40kg以下の場合は、体重から循環血液量を計算して一回採血量を設定(減量)するなど慎重に対処する。6歳未満の小児については、一回採血量を体重kg当たり約5~10mLとする。50歳以上の患者に関しては、自己血採血による心血管系への悪影響、特に狭心症発作などの危険性を事前に評価し、実施する場合は、主治医(循環器科の医師)と緊密に連絡を取り、予想される変化に対処できる体制を整えて、慎重に観察しながら採血する。その他、体温、血圧、脈拍数などが採血計画に支障を及ぼさないことを確認する。
4.禁忌
菌血症の可能性がある全身的な細菌感染患者は、自己血の保存中に細菌増殖の危険性もあり、原則的に自己血輸血の適応から除外する。エルシニア菌(Yersinia Enterocolitica)などの腸内細菌を貪食した白血球の混入の危険性を考慮し、4週以内に水様性下痢などの腸内感染症が疑われる症状があった患者からは採血を行なわない。不安定狭心症、高度の大動脈弁狭窄症など、採血による循環動態への重大な悪影響の可能性を否定できない循環器疾患患者の適応も慎重に判断すべきである。
5.自己血輸血実施上の留意点
同種血輸血と同様、患者・血液の取り違えに起因する輸血過誤の危険性に注意する必要がある。自己血採血にあたっては、穿刺部位からの細菌混入および腸内細菌を貪食した白血球を含む血液の採取による細菌汚染の危険性に注意する必要がある。採血針を刺入する部位の清拭と消毒は、日本赤十字社血液センターの採血手技に準拠して入念に行う。さらに、採血時の副作用対策、特に、採血中、採血および点滴終了・抜針後、そして採血後ベッドからの移動時などに出現し、顔面蒼白、冷汗などの症状が特徴的な血管迷走神経反射(VVR)に十分留意する必要がある。
1)正中神経損傷
極めてまれではあるが、正中神経損傷を起こすことがあり得るので、針の刺入部位及び深さに注意する。
2)血管迷走神経反射(Vaso-Vagal Reaction ; VVR)
血管迷走神経反射などの反応が認められる場合があるので、採血中及び採血後も患者の様子をよく観察する。採血後には15分程度の休憩をとらせる。
注:血管迷走神経反射は供血者の1%以下に認められ、特に若い女性では比較的多く認められる。
3)止血
採血後の圧迫による止血が不十分であると血腫ができやすいので、適正な圧力で少なくとも15分間圧迫し、止血を確認する。
6.自己血輸血各法の選択と組み合わせ
患者の病状、術式などを考慮して、術前貯血式自己血輸血、術直前希釈式自己血輸血、術中・術後の回収式自己血輸血などの各方法を適切に選択し、又は組合わせて行うことを検討するべきである。 | 自己血貯血のために体重が18kgの5歳児から採血をする場合、一回の採血量は何mLですか。 | 体重が18kgの5歳児から採血をする場合、一回の採血量は90mL~180mLです。 |
JCRRAG_009113 | 医療 | 小児医療の現状小児医療をとりまく状況
(1)小児の疾病構造1日当たりの全国の小児(0歳から14歳までを指す。以下同じ。)患者数(推計)は、入院で約2.8万人、外来で約74万人となっている。
①入院については、「周産期に発生した病態」(23.1%)のほか、喘息(5.0%)をはじめとする「呼吸器系の疾患」(17.4%)、「先天奇形、変形及び染色体異常」(11.0%)、「神経系の疾患」(10.0%)が多い。
②外来については、急性上気道感染症(15.6%)をはじめとする呼吸器系の疾患(38.1%)が圧倒的に多い。また、小児医療に関連する業務においては、育児不安や小児の成長発達上の相談、親子の心のケア、予防接種、児童虐待への対応等の保健活動が占める割合が大きい。なお、小児救急診療については、患者の多くが軽症者であり、また、夕刻から準夜帯(18時から23時まで)にかけて受診者が多くなることが指摘されている。
(2)死亡の状況
我が国の周産期死亡率(出産1,000対)は3.6、乳児死亡率(出生1,000対)は1.9、幼児(1歳から4歳まで)、児童(5歳から9歳まで)、児童(10歳から14歳まで)の死亡率(人口10万対)はそれぞれ、19.4、8.6、8.4となっている。幼児(1歳から4歳まで)の死亡の主な原因は、「先天奇形、変形及び染色体異常」(20.6%)、「不慮の事故」(13.9%)、「悪性新生物」(8.8%)となっている。一方、児童(10歳から14歳まで)の主な原因は、「悪性新生物」(22.6%)、「自殺」(19.0%)、「不慮の事故」(15.5%)となっている。
(3)小児救急の現状少子化
小児人口は、平成12年の1,847万人から平成27年の1,590万人まで減少しているのにもかかわらず、18歳未満の救急搬送数は増加傾向であった。近年は平成17年の約51万人から平成27年の約46万人と、やや減少傾向にある。また、同搬送における軽症者の割合は約73%となっている。さらに、小児の入院救急医療機関(第二次救急医療機関)を訪れる患者数のうち、9割以上は軽症であることが以前より指摘されている。このように、小児救急患者については、その多くが軽症患者であり、かつ、重症患者を扱う医療機関においてさえ軽症患者が多数受診している様子がうかがえる。 | 児童の死亡の主な原因で最も多いものは何ですか。 | 児童の最も多い死亡の原因は「悪性新生物」です。 |
JCRRAG_009114 | 医療 | 輸血(輸血用血液)に伴う副作用・合併症と対策
輸血副作用・合併症には免疫学的機序によるもの、感染性のもの、及びその他の機序によるものとがあり、さらにそれぞれ発症の時期により即時型(あるいは急性型)と遅発型とに分けられる。輸血開始時及び輸血中ばかりでなく輸血終了後にも、これらの副作用・合併症の発生の有無について必要な検査を行う等、経過を観察することが必要である。
これらの副作用・合併症を認めた場合には、遅滞なく輸血部門あるいは輸血療法委員会に報告し、記録を保存するとともに、その原因を明らかにするように努め、類似の事態の再発を予防する対策を講じる。特に人為的過誤(患者の取り違い、転記ミス、検査ミス、検体採取ミスなど)による場合は、その発生原因及び講じられた予防対策を記録に残しておく。
1.副作用の概要
1)溶血性輸血副作用
(1)即時型(あるいは急性型)副作用
輸血開始後数分から数時間以内に発症してくる即時型(あるいは急性型)の重篤な副作用としては、型不適合による血管内溶血などがある。
このような症状を認めた場合には、直ちに輸血を中止し、輸血セットを交換して生理食塩液又は細胞外液類似輸液剤の点滴に切り替える。
ABO血液型不適合を含む溶血を認めた場合(副作用後の血漿又は血清の溶血所見、ヘモグロビン尿)には、血液型の再検査、不規則抗体検査、直接クームス検査等を実施する。
(2)遅発型副作用
遅発型の副作用としては、輸血後24時間以降、数日経過してから見られる血管外溶血による遅発型溶血性輸血副作用(DHFR ; Delayed Hemplytic Transfusion Reaction)がある。
2)非溶血性輸血副作用
(1)即時型(あるいは急性型)副作用
アナフィラキシーショック、細菌汚染血輸血による菌血症やエンドトキシンショック、播種性血管内凝固、循環不全、輸血関連急性肺障害(TRALI)などが挙げられる。
このような症状を認めた場合には、直ちに輸血を中止し、輸血セットを交換して生理食塩液又は細胞外液類似輸液剤の点滴に切り替える。
a.細菌感染症
血小板濃厚液はその機能を保つために室温(20~24℃)で水平振盪しながら保存されているために、まれに細菌の汚染をみることがあり、その結果として輸血による細菌感染症が起こることがある。また、赤血球濃厚液については長期保存によるエルシニア菌感染が問題となる。
原因となる輸血用血液の保存や患者検体の検査については、「血液製剤等に係る遡及調査ガイドライン(平成17年3月厚生労働省医薬食品局血液対策課)」を遵守する。
b.輸血関連急性肺障害(TRALI)
TRALIは輸血中もしくは輸血後6時間以内(多くは1~2時間以内)に起こる非心原性の肺水腫を伴う呼吸困難を呈する、重篤な非溶血性輸血副作用である。臨床症状および検査所見では低酸素血症、胸部レントゲン写真上の両側肺水腫のほか、発熱、血圧低下を伴うこともある。本副作用の発症要因に関しては、輸血血液中もしくは患者血液中に存在する抗白血球抗体が病態に関与している可能性があり、その他製剤中の脂質の関与も示唆されている。臨床の現場でTRALIの認知度が低いことや発症が亜急性であることから、見逃されている症例も多いと推測される。治療に際しては、輸血の過負荷による心不全(volume overload)との鑑別は特に重要である。TRALIの場合には利尿剤はかえって状態を悪化させることもあり、鑑別には慎重を期すべきである。TRALIと診断した場合には、特異的な薬物療法はないが、酸素療法、挿管、人工呼吸管理を含めた早期より適切な全身管理を行う必要がある。大半の症例は後遺症を残さずに回復するとされているが、死亡率は十数%あるという。なお、当該疾患が疑われた場合は血漿中の抗顆粒球抗体や抗HLA抗体の有無について検討する。
(2)遅発型副作用
輸血後数日から数ヵ月後に発症してくる移植片対宿主病、輸血後紫斑病、各種のウイルス感染症がある。
a.輸血後移植片対宿主病
本症は輸血後7~14日頃に発熱、紅斑、下痢、肝機能障害及び汎血球減少症を伴って発症する。本症の予防策として放射線照射血液の使用が有効である。同予防策の徹底により2000年以降、確定症例の報告はない。
b.輸血後肝炎
本症は、早ければ輸血後2~3カ月以内に発症するが、肝炎の臨床症状あるいは肝機能の異常所見を把握できなくても、肝炎ウイルスに感染していることが診断される場合がある。特に供血者がウインドウ期にあることによる感染が問題となる。このような感染の有無を見るとともに、早期治療を図るため、医師が感染リスクを考慮し、感染が疑われる場合などには、肝炎ウイルス関連マーカーの検査等を行う必要がある。
c.ヒト免疫不全ウイルス感染
後天性免疫不全症候群(エイズ)の起因ウイルス(HIV)感染では、感染後2~8週で、一部の感染者では抗体の出現に先んじて一過性の感冒様症状が現われることがあるが、多くは無症状に経過して、以後年余にわたり無症候性に経過する。特に供血者がウインドウ期にある場合の感染が問題となる。受血者(患者)の感染の有無を確認するために、医師が感染リスクを考慮し、感染が疑われる場合などには、輸血前にHIV抗体検査を行い、その結果が陰性であれば、輸血後2~3ヶ月以降に抗体検査等を行う必要がある。
d.ヒトTリンパ球向性ウイルス
輸血によるヒトTリンパ球向性ウイルスI型(HTLV-I)などの感染の有無や免疫抗体産生の有無などについても、問診や必要に応じた検査により追跡することが望ましい。 | 非溶血性輸血の副作用として、即時型副作用と遅発型副作用にはどのような障害や感染症の症例がありますか。 | 非溶血性輸血において、即時型副作用の症例は、アナフィラキシーショック、菌血症、エンドトキシンショック、播種性血管内凝固、循環不全、輸血関連急性肺障害、細菌感染症、輸血関連急性肺障害などが挙げられます。一方、遅発型副作用の症例は、輸血後移植片対宿主病、輸血後紫斑病、輸血後肝炎、ヒト免疫不全ウイルス感染、ヒトTリンパ球向性ウイルス感染が挙げられます。 |
JCRRAG_009115 | 医療 | 家庭医療とはいったいどのような医学分野なのでしょう?
医学の世界は、小児科/産婦人科のように医療を提供する対象に基づく分類、耳鼻咽喉科/皮膚科のような医療を提供する身体部分に基づく分類、あるいは、麻酔科/外科のように医療提供の方法に基づく分類などが入り乱れて複雑に分岐していますが、家庭医療はそうした分類とは一線を画した特徴を持っています。
「家庭医療は家庭医が提供する医療である」という定義があります。冗談のように思われるかもしれませんが、これが最も正確な定義かもしれません。もっと具体的に言うと、その地域や診療環境で家庭医に求められる医療であると。つまり、家庭医療の具体的な内容を循環器科や小児科のように、取り扱う病気や手技/検査などで厳密に規定することは難しいわけです。例えば、離島でたった一人で働く家庭医に求められるもの、大都会の診療所の家庭医に求められるものは、オーバーラップする部分はあるものの相当異なる訳ですが、いずれも家庭医療であることに何ら変わりはありません。
家庭医とは?
それでは、家庭医とはどのような医者なのでしょうか? 日本の中でも30年ぐらい前には当たり前だった「古き良き時代のまち医者」を何となく思い浮かべていただきたいと思います。地域住民と継続的な人間関係を築いていて、患者一人一人の個性や家族の状況、さらには地域環境も把握し、幼児でも、おじいちゃん、おばあちゃんでも、また、どのような健康問題でも、「専門外」などと言わずに、とにかく診てくれる。呼ばれれば往診もし、場合によっては夜中に診察することもある。
そんなイメージです。
これを診療面で詳しく言うと、内科・小児科の病気を中心に、外科や整形外科、皮膚科、耳鼻科、精神科などの一般的な病気に広く対応できる最新の医療知識や技術を持ち、自分で治療できる範囲を的確に判断した上で、専門医の力が必要な場合は専門病院にも速やかに紹介する医者ということになります。
この際、よくある訴え(例えば胸痛)から幅広い病気を思い浮かべながら、命に関わる病気(心筋梗塞など)を素早くチェックし、その後は一般的に多い病気(胸の筋肉痛など)を念頭に入れて、必要な病歴と身体診察を的確に実施し、必要最低限の検査で診断を絞り込む能力が重要となります。初期症状の原因には、複数の臓器(心臓、肺、筋肉、皮膚、血管など)の病気が候補に挙がる訳ですから、細かく専門に分かれていない家庭医に最初に受診することは無駄な検査や誤診を防ぐ上でも合理的です。
家庭医から必要に応じて専門医に紹介することで、専門医も自分の専門領域の特殊検査や治療に専念することができます。 | 家庭医が地域住民にとって重要な存在となる理由は何か。 | 家庭医は、患者の個性や家族の状況、地域環境を把握し、どのような健康問題にも対応するため、地域住民にとって信頼できる身近な医師となるからである。 また、診療時間外の往診や夜間診察にも対応することがあり、専門医ではなくとも広範な医療知識と技術を持ち、必要に応じて専門病院へ適切に紹介することで、地域の健康管理に貢献する。 |
JCRRAG_009116 | 医療 | 国立社会保障・人口問題研究所が令和5年に発表した「日本の将来推計人口」によると、2040年の日本は65歳以上の高齢者が全人口の34.8%に達すると見られています。
逆に15歳~64歳の生産年齢人口は、2025年時の推計と比較すると1096万人も減少します。
WHO(世界保健機関)と国連は、65歳以上の人口(老年人口)が総人口の21%を超えた社会を超高齢社会と定義していますが、日本は2007年の段階で超高齢社会に突入しています。2040年の日本は、その超高齢社会をはるかに超えた高齢社会に突入すると見られています。
こうした2040年の人口構成の変化により、医療、介護、年金などの社会保障やインフラの維持が困難となるほか、労働力不足から経済が縮小するなどの問題が出て来ると予想されています。
2040年問題について理解するには、その前に迫る2025年問題や2035年問題についても理解を深める必要があります。
ここでは各〇〇年問題の概要と、2040年問題との違いを解説します。
2025年問題は、団塊の世代が全て後期高齢者である75歳以上となり、全人口の17.8%にあたる約2,180万人に達することで顕在化する社会問題の総称です。
医療費や介護費などの社会保障費が急増するほか、高まる介護需要に対して約32万人もの介護人材が不足する見通しです。
2030年には、生産年齢人口比率が60%以下になり、労働力が約644万人不足すると試算されています。
これにより、経済の低成長や企業の活力喪失、国際競争力の低下が懸念されています。
また公務員の人手不足により、公共事業・教育機関などの運営に支障が出たり、質の低下を招く可能性が指摘されています。
2035年には、団塊世代が全て85歳以上に達し、高齢者の急激な増加と同時に現役世代の減少が進みます。
この年に介護業界に求められる人材は約297万人ですが、実際に供給できる見込みの数は約228万人にとどまり、約69万人が不足する計算です。
さらに医療・介護需要は高まり社会保障費が増加、現役世代の税負担が大きくなり過ぎれば、社会保障の仕組みそのものの持続が難しくなります。
労働力不足は介護・医療関係にとどまらず、多くの企業が厳しい採用競争を繰り広げ、労働者を獲得するために新たな働き方の模索や環境の整備が必要になります。
2025年問題や2035年問題、そして2040年問題はいずれも世代人口の変化による問題ですが、2025年問題が高齢者人口の過渡期にあたるのに対し、2040年問題はそのピーク時であるという違いがあります。
問題の深刻度は増し、社会を維持するための費用の不足と同時に、持続可能性が困難になる懸念があります。
これらの問題に対処するためには、社会保障制度の抜本的な改革、健康寿命の延伸の促進、医療・介護サービスの生産性向上など包括的な施策が必要です。
2040年には全人口が1億1千万人ほどになり、そのうち65歳以上の高齢者が35%以上に達し、さらに後期高齢者である75歳以上の人口は20%以上にまで上昇すると予測されています。
同時に、生産年齢人口(15~64歳)は2040年には53.9%まで低下する見込みで、2025年の推計と比較するとさらに約1,200万人減少します。
高齢者の増加に伴い医療・介護に関する社会保障費が増大する一方で、生産年齢人口の減少により納税者は減少し、社会保障制度に対する一人当たりの負担は増加せざるを得ないでしょう。
これに対処するためには、制度の効率の見直しや新たな財源の確保、公平な負担の分担など、包括的な改革が求められます。 | 2040年問題に対応するために必要な施策は何ですか。 | 2040年問題に対応するためには、社会保障制度の抜本的な改革、健康寿命の延伸、医療・介護サービスの生産性向上が必要である。また、労働力の減少を補うために、新たな働き方の導入や外国人労働者の受け入れ、デジタル技術の活用なども求められる。さらに、社会保障費の増大に対処するため、新たな財源の確保や負担の公平な分配が不可欠である。 |
JCRRAG_009117 | 医療 | 救急医療の体制構築に係る指針(疾病・事業及び在宅医療に係る医療体制について(令和5年3月31日付け 課長通知))
第2 医療体制の構築に必要な事項
2 各医療機能と連携
(3) 初期救急医療を担う医療機関の機能【初期救急医療】
主に、独歩で来院する軽度の救急患者への夜間及び休日における外来診療を行う。
(4) 入院を要する救急医療を担う医療機関(第二次救急医療)の機能【入院救急医療】
高齢者救急をはじめ、地域で発生する救急患者の初期診療と入院治療を主に担う。医療機関によっては、脳卒中、急性心筋梗塞等に対する医療等、自施設で対応可能な範囲において高度な専門的診療を担う。また、自施設では対応困難な救急患者については、必要な救命処置を行った後、速やかに、救命救急医療を担う医療機関等へ紹介する。救急救命士等への教育機能も一部担う。
(5) 救命救急医療機関(第三次救急医療)の機能【救命医療】
緊急性・専門性の高い脳卒中、急性心筋梗塞等や、重症外傷等の複数の診療科領域にわたる症例や診断が難しい症例等、他の医療機関では治療の継続が困難かつ幅広い疾患に対応して、高度な専門的医療を総合的に実施する。
その他の医療機関では対応できない重篤な患者への医療を担当し、地域の救急患者を最終的に受け入れる役割を果たす。
また、救急救命士等へのメディカルコントロールや、救急医療従事者への教育を行う拠点となる。
なお、医療計画において救命救急医療機関として位置付けられたものを救命救急センターとする。さらに、救命救急センターの中でも、高度救命救急センターについては、特に高度な診療機能を有し、通常の救命救急センターでは対応困難な重症外傷等の診療を担う。
•高度救命救急センター等の地域の基幹となる救急医療機関は、平時から、重症外傷等の特に高度で専門的な知識や技術を要する患者へ対応可能な医師・看護師等の人材の育成・配置、院内の体制整備を行い、地域における重篤患者を集中的に受け入れる役割を担う。また、厚生労働省が実施する外傷外科医等養成研修事業を活用して、テロ災害発生時等における銃創や爆傷等にも対応ができる体制を構築すること。 | 救急医療機関の機能は、いくつの段階に分かれているか説明してください。 | 救急医療機関の機能は3つの段階に分かれている。「初期救急医療」、「入院救急医療(第二次救急医療)」、「救命医療(第三次救急医療)」の3段階であり、それぞれ対応する救急患者の重症度や専門性が異なる。 |
JCRRAG_009118 | 医療 | 救急医療体制は、急病や怪我に対して24時間365日体制で迅速かつ適切な医療を提供する、社会にとって不可欠なシステムです。その目的は、生命の危機にある患者の救命、重症化の防止、そして苦痛の軽減にあります。このシリーズでは、救急医療体制の現状と課題について4回にわたって詳しく解説していきます。第1回では、救急医療機関の分類とその役割に焦点を当てて紹介します。
救急指定病院とは
救急医療は、交通事故による外傷や心肺停止、アナフィラキシーなど、予期せず発生した緊急性の高い傷病に対応する医療全般を指します。この重要な役割を担うのが救急指定病院です。
救急指定病院とは、都道府県知事が指定した医療機関で、以下の要件を満たしています。
①救急医療に精通した医師による常時診療
②X線装置、心電計、輸血・輸液設備など、必要な医療機器の完備
③救急車による搬送が容易な立地と、傷病者の受け入れに適した施設構造
④救急患者専用または優先的に使用できる病床の確保(各自治体によって要件が若干異なる場合があります)
これらの要件により、救急指定病院は24時間体制で緊急患者を受け入れ、迅速かつ適切な治療を提供できる体制を整えています。
救急医療体制は、患者の症状の重症度や緊急度に応じて適切な医療を提供するため、一次、二次、三次の3段階に分類されています。この分類システムにより、限られた医療資源を効率的に活用し、患者に最適な治療を提供することが可能となっています。
一次救急医療機関は地域の医療ニーズに応える
一次救急医療機関は、軽症患者に対応する医療機関です。主に日常的な診療所や地域の医師会が運営する休日夜間急患センター、救急(休日)歯科診療室、地域の在宅当番医制に参加する診療所が該当し、自力で通院できて、軽度の発熱、腹痛、けがなど、入院を必要としない比較的軽症の患者を対象としています。
これらの施設の主な役割は、地域住民の身近な医療ニーズに応えることと、重症度の高い患者を適切に選別し、より高度な医療機関へ紹介することです。多くの場合、これらの施設は診療時間外や休日に対応しており、地域の医療体制の基盤として重要な役割を果たしています。
二次救急医療機関は、一次救急では対応できない重症患者を受け入れる医療機関です。自力で受診できず救急車で直接搬送されてきた患者を受け入れます。同一地域内の救急指定病院と共同で、病院群輪番制や協力病院当番制をとり、入院や手術を必要とする患者に対応します。
これらの施設では、心筋梗塞、脳卒中、重度の外傷など、より高度な医療処置を要する症状に対応することが可能です。二次救急医療機関は、地域の医療体制において中核的な役割を果たしており、24時間体制で救急患者を受け入れる体制を整えています。二次救急医療機関は、都道府県知事が告示・指定します。二次救急医療機関の存在により、重症患者が迅速に適切な治療を受けられるようになり、地域の医療の質の向上に大きく貢献しています。
三次救急医療機関は、最も高度な救急医療を提供する施設です。具体的には、救命救急センターや高度救命救急センターがこれに該当します。これらの施設は、二次救急医療機関でも対応が困難な重篤な患者、例えば、多発外傷、重症熱傷、急性中毒など、生命の危機に直面している患者を24時間体制で受け入れます。
特に高度救命救急センターは、厚生労働大臣が告示・指定するもので、通常の救命救急センターの機能に加え、広範囲熱傷、指肢切断、急性中毒、重症外傷など、特に高度な救急医療を要する患者にも対応可能な設備と専門医、専門の看護師や医療スタッフを備えています。
三次救急医療機関の役割は、最先端の医療技術と設備を活用して、最も重篤な患者の救命に当たることです。同時に、これらの施設は地域の救急医療の最後の砦として機能し、他の医療機関では対応できない患者を受け入れる重要な役割を担っています。
また、三次救急医療機関は救急医療に関する研究や教育の中心としても機能し、救急医療の質の向上に貢献しています。最新の医療技術や治療法の開発、救急医療従事者の育成など、救急医療の発展に欠かせない役割を果たしています。
日本の救急医療体制は、一次から三次までの医療機関がそれぞれの役割を果たし、緊密に連携することで効率的かつ効果的に機能しています。各段階の医療機関が患者の状態に応じて適切な医療を提供することで、救命率の向上と患者の予後改善に大きく寄与しています。この3段階のシステムにより、軽症から重症まで、あらゆる緊急医療ニーズに対応できる体制が整えられています。同時に、医療資源の効率的な活用も実現しており、限られた人材や設備を最大限に活用しながら、質の高い救急医療サービスを提供することが可能となっています。 | 一次、二次、三次救急医療機関の中で、最も専門性が高いのはどの機関か説明してください。 | 三次救急医療機関が、最も専門性が高い。一次救急医療機関は軽症患者を、二次救急医療機関は入院や手術が必要な重症患者を受け入れるが、三次救急医療機関は、生命の危機に瀕した最重症患者に対し、専門的かつ高度な医療を提供するため、最も専門性が高いといえる。 |
JCRRAG_009119 | 医療 | 救急医療の体制構築に係る指針(疾病・事業及び在宅医療に係る医療体制について(令和5年3月31日付け 課長通知))
第2 医療体制の構築に必要な事項
2 各医療機能と連携
(3) 初期救急医療を担う医療機関の機能【初期救急医療】
主に、独歩で来院する軽度の救急患者への夜間及び休日における外来診療を行う。
(4) 入院を要する救急医療を担う医療機関(第二次救急医療)の機能【入院救急医療】
高齢者救急をはじめ、地域で発生する救急患者の初期診療と入院治療を主に担う。医療機関によっては、脳卒中、急性心筋梗塞等に対する医療等、自施設で対応可能な範囲において高度な専門的診療を担う。また、自施設では対応困難な救急患者については、必要な救命処置を行った後、速やかに、救命救急医療を担う医療機関等へ紹介する。救急救命士等への教育機能も一部担う。
(5) 救命救急医療機関(第三次救急医療)の機能【救命医療】
緊急性・専門性の高い脳卒中、急性心筋梗塞等や、重症外傷等の複数の診療科領域にわたる症例や診断が難しい症例等、他の医療機関では治療の継続が困難かつ幅広い疾患に対応して、高度な専門的医療を総合的に実施する。
その他の医療機関では対応できない重篤な患者への医療を担当し、地域の救急患者を最終的に受け入れる役割を果たす。
また、救急救命士等へのメディカルコントロールや、救急医療従事者への教育を行う拠点となる。
なお、医療計画において救命救急医療機関として位置付けられたものを救命救急センターとする。さらに、救命救急センターの中でも、高度救命救急センターについては、特に高度な診療機能を有し、通常の救命救急センターでは対応困難な重症外傷等の診療を担う。
•高度救命救急センター等の地域の基幹となる救急医療機関は、平時から、重症外傷等の特に高度で専門的な知識や技術を要する患者へ対応可能な医師・看護師等の人材の育成・配置、院内の体制整備を行い、地域における重篤患者を集中的に受け入れる役割を担う。また、厚生労働省が実施する外傷外科医等養成研修事業を活用して、テロ災害発生時等における銃創や爆傷等にも対応ができる体制を構築すること。 | 救急外来の需要が急増した際に、外来機能を拡充する方法の検討と、救急外来を受診しなくても済むような体制の充実では、どのような違いがあるか説明してください。 | 外来機能を拡充する方法の検討は、医療機関内の体制強化を目的とし、診療能力の向上や施設の拡大に重点を置く。一方、救急外来を受診しなくても済むような体制の充実は、オンライン診療や電話相談窓口の活用など、患者が直接医療機関に訪れなくても適切な対応が受けられる仕組みを整えることで、救急外来の負担を減らすことを目的とする。 |
JCRRAG_009120 | 医療 | 20年に及ぶ介護生活
東京都下のある街に暮らす田中公子さん(55歳、仮名)の結婚生活は、母親の介護に明け暮れた日々だった。
当時67歳の母親がくも膜下出血で倒れたのは、公子さんが結婚式の案内状を書いているときだった。それから20年。
「まるで雪だるまのように、母親の病気はどんどん増えていきました。その中で一番介護が大変だったのは、2年ほど前。そう、歩けなくなる直前だったでしょうか」
その頃、母親はすでに聴力を失っていた。認知症になってから、10年ほどが経過していた。
介護保険は利用せず、更衣、入浴、食事、排せつの介助、徘徊(はいかい)防止の見守りなど、公子さんは自分一人で介護を抱え込んだ。
母親からはひとときも目を離せない。何とか自分の時間を持ちたいと自費でヘルパーに来てもらい、家事援助を依頼したこともあった。しかし、他人を家に上げることに気を使い、費用もばかにならない。数カ月で、ヘルパーを断った。
介護疲れはピークに達しようとしていた。母親の体調も思わしくない。下痢気味で熱が何日も下がらない。肺炎だった。緊急入院となった。
介護者の異変
退院後、母親は歩行ができなくなっていた。尿閉(尿がまったく出ない症状)となり、カテーテルを入れた。排便も自力でできず、かん腸が必要になった。さすがに素人の介護では限界を感じた。
「介護保険の訪問看護と訪問入浴をお願いすることにしました。歩けないから徘徊の心配もなくなり、介護そのものは楽にはなったんですけど、今度は自分の体調に異変が起こりました」
公子さんに不整脈が現れたのだ。母親の退院から2カ月後のことだった。
「訪問看護も訪問入浴も1時間程度のサービスです。寝たきり状態とはいえ、母親を家に置いて定期的に病院には通えません。母親の介護で自分の人生が終わってしまうのだろうかと、気分がどんどん落ち込みました」
ストレスの蓄積
カテーテルを抜管してしまう母親にも頭を痛めた。抜管のたびに病院への救急搬送。寝不足も重なり、ストレスが蓄積していった。
そんなある日、洗濯物を干していた公子さんの体が動かなくなった。
母親の主治医は脳神経外科医だった。母親の発症以来、20年近くの付き合いだ。夫に来てもらい、その医師のもとに急行した。
「どうしましたか?」
医師が、温和な顔で話し掛けた途端、公子さんは泣き崩れた。
「1時間以上泣き続けました。母親だけではなく、家族のことを理解してくださるのは、その先生しかいませんでした。何を言っても許してくれると思い、それまでにたまっていたいろいろなことを話しました」
思いきり泣いたのは、長い介護生活の中で初めてだった。そして医師は、泣きやんだ公子さんの前で電話をかけ、母親の療養先を探してくれた。
解放の効果
それから半年、母親は意識レベルが上がり、公子さんも今後の介護生活に備えて体調を整えることができた。
実はそれまでの数年、母親に手を上げたこともあったという。母親を大声でののしり、あのままでは虐待行為がエスカレートしていただろうと公子さんは振り返る。
ところが、思い切り泣いた後、心の重荷がすっと軽くなった。
夫も公子さんの介護疲れに理解を示すようになり、母親が自宅に戻って来て以来、週に数回は、義母の部屋で一夜を過ごすようになった。公子さんの表情も柔らかくなり、そのためか母親はカテーテルを抜管しなくなった。公子さんは、やっと泣けたのだ。
思い切り泣いたことがありますか?
話は変わるが、東日本大震災の後、介護職の小さなセミナーで「皆さんは、思い切り泣いたことがありますか?」とある講師が問いかけたことがあった。空前絶後体験の中で泣くこともできずに、頑張り続けている介護職が多かったのだ。
セミナーの後の打ち上げでは、酒の手伝いも借り、皆で泣き合ったという。
涙があるからこそ、前に進めるのかもしれない。 | 田中公子さんが介護を始めたのは何歳ですか。 | 35歳です。 |
JCRRAG_009121 | 医療 | どうする?春なのに眠れない鼻 花粉症ラム
セコメディック病院 耳鼻咽喉科医長 倉本倫之介(くらもと・りんのすけ)
鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみなどの症状は集中できない、イライラする、眠れないなど日常生活に影響してつらいですよね。
これらの症状はもしかしたらアレルギー反応を起こすアレルギー性鼻炎かもしれません。
原因は?
大きく分けて以下のものがあります。
季節性アレルギー性鼻炎
原因が花粉の場合、スギやヒノキなどの花粉などの季節性のものであれば特定の時期に症状が出ます。
通年性アレルギー性鼻炎
ダニやホコリ(ハウスダスト)などは季節に関係なく、1年中症状が出ます。
どうやってなおすの?
何によってアレルギー反応を起こすのかは血液検査で知ることができます。アレルギー反応を抑える内服薬や点鼻薬、貼付剤などを組み合わせて治療を行います。
スギ花粉とダニが原因だったら
舌下免疫療法を行うことができます。アレルギーの原因となる成分(アレルゲン)を含む薬を投与して体を少しずつ慣らしていく治療です。1回/1日薬を舌の下に投与することを3~5年続けます。
薬を飲んでもなおりません
薬を投与しても症状の改善が乏しい重症のアレルギー性鼻炎の方に対しては、手術療法を行うことがあります。
鼻の中の鼻汁や鼻づまりを引き起こす神経を切断して症状を緩和させたり、鼻づまりが強い場合は腫れている鼻の粘膜下の組織や骨を切除して鼻の通りをよくしたり、もともと鼻の骨が左右どちらかに曲がっている場合は曲がった骨を矯正することで症状を改善させます。
症状や原因に応じて様々な治療があります。症状を軽減し、生活の質を高めましょう。鼻の症状でつらい方は耳鼻咽喉科を一度受診することをおすすめします。 | アレルギー性鼻炎の原因は大きく分けていくつありますか。 | アレルギー性鼻炎の原因は大きく分けて2つあります。 |
JCRRAG_009122 | 医療 | からだの水分が足りなくなると?
セコメディック病院 泌尿器科部長/湯本久雄(ゆもと・ひさお)
管理栄養士科長/齋藤まり(さいとう・まり)
今年も熱中症に注意が必要な季節がやってきました。気象情報などで熱中症注意報とともに、適切な室温管理と水分摂取が呼びかけられています。泌尿器科の診察をしていると、夏場は結石の患者さんが増えてきます。高温環境下では、汗の量が多くなり体から蒸発していく水分量も多くなり、体の水分が足りない状態になる、いわゆる「脱水」がおこります。
脱水状態が続くと?
脱水状態が続くと尿が濃く少なくなり、腎臓、尿管、膀胱、尿道といった尿路に尿中の成分が結晶化して育ち、結石が生じてきます。これを「尿路結石」といいます。 尿路結石の症状は血尿と激しい痛みです。初期治療は、まずは痛みに対する処置と結石の除去です。尿路結石は再発が多いため、根本治療と共に生活の改善も必要となります。
食生活で気をつけることは?
尿路結石の再発を予防するためにも次の点に気をつけましょう。
水分を多めにとる
肥満をふせぐ
食生活の改善
尿路結石は欧米化した食習慣が大きいといわれています。日頃から自分にあったエネルギー量で、バランスの良い食事を心がけましょう。加えてシュウ酸、プリン体、塩分のとりすぎもよくありません。シュウ酸はほうれん草、ココア、玉露、抹茶などに多く含まれます。ほうれん草はゆでこぼしによりシュウ酸を減らすことができます。プリン体を多く含む食品は肉類(内臓)、魚介類、干物がありますが、飲料ではアルコール(特にビール)に多く含まれるので注意が必要です。塩分のとりすぎはカルシウム結石再発の危険性を高めます。
痛みを感じたらお気軽に泌尿器科を受診してください。
今年の夏は、尿をうすめるためにも意識して多めの水分摂取を心がけてみてはいかがでしょうか。 | 尿路結石の再発を予防するために気を付ける点はいくつありますか。 | 尿路結石の再発を予防するために気を付ける点は3つです。 |
JCRRAG_009123 | 医療 | 生理が近づくと、頭痛や腹痛のせいで仕事や家事が思うように進まなかったり、体がだるく感じたりすることはありませんか? 「生理のときの経血量が多く、痛みが強い」「周期が不規則」など、月経について悩む方は少なくありません。「疲れが取れない」「気分が落ち込みやすい」といった、なんとなく調子が悪い日が続いている方もいるかもしれません。
これらの症状には鉄欠乏性貧血が隠れている可能性があります。鉄分不足を放置すると、体調のさらなる悪化を招くだけでなく、日常生活に大きな影響を及ぼすことも考えられます。つい見過ごしてしまう症状ですが、軽視せずに早めの対策を心掛けましょう。
月経は1カ月に平均60ミリリットルの出血があり、その際に約30ミリグラムもの鉄分を失うと言われています。鉄は酸素を全身に運ぶために欠かせない成分です。鉄分が不足すると細胞や組織に十分な酸素が届かなくなり、体にさまざまな不調が表れる原因となります。
例えば、めまいや立ちくらみ、疲れやすさ、倦怠(けんたい)感、頭痛、肩こり、動悸(どうき)、息切れなどが挙げられるでしょう。それだけでなく、鉄分不足は心の健康にも悪影響を及ぼします。気分の落ち込みや集中力の低下、不安感といったメンタル面の不調も見逃せません。このような症状が続く場合は鉄欠乏性貧血を疑い、適切な治療を受けることが大切です。
ここからは40代前半のAさんのケースを紹介します。Aさんは経血が多く、痛みも強いことから当院を訪れました。加えて、月経不順や頭痛、倦怠感にも悩まされており、ピルによる治療を希望していました。診察の結果、子宮に問題はなく、子宮筋腫などの疾患も見られませんでしたが、採血検査で貧血が判明したのです。
健康な状態の血液の基準値は通常、ヘモグロビンが1デシリットル当たり14グラム以上、フェリチンが1ミリリットル当たり100ナノグラム(ナノは10億分の1)以上とされています。Aさんのヘモグロビン値は9.1グラム、フェリチン値は3ナノグラムと、かなり深刻な状態でした。治療開始から1カ月後には月経痛がほぼなくなったものの、倦怠感や疲労感はまだ残っていたため、鉄剤の処方量を増やすとともに、食事についての指導も行いました。
さらに1カ月が経過した際の診察では、Aさんの体調に以前と比べて明らかな改善が確認できました。「立っていても息切れしていたのが軽くなり、ふらつきも減りました」との話でした。Aさんの家族も協力的で、業務用スーパーで購入した鶏レバーを200グラムずつ小分けにし、しょうゆベースで煮込み、ショウガなどで風味を加えて毎日一緒に食べていたそうです。
「小さい頃から好きだった味付けなのでおいしく食べられます」と、笑顔で語ってくれたAさん。鉄分補給を習慣化することで、少しずつ体調が改善している姿が印象的でした。家族の協力も大きな力となり、治療の効果を後押ししたようです。 | Aさんの性別は、何ですか。 | Aさんの性別は、女性です。 |
JCRRAG_009124 | 医療 | 「親知らず」と聞いて、どんなイメージを持ちますか。一度も生えてこない人もいます。痛みや腫れを伴う厄介な存在として記憶している場合もあるでしょう。そもそも、どんな歯でなぜ生えるのでしょうか。今回は、その基礎知識や問題となるケース、対処法について解説します。
親知らずは第三大臼歯とも言います。口の中で上下左右のそれぞれ最も奥にあり、最後に生えてきます。通常、20歳前後に生えてくる場合が多く、昔の人は寿命が短かかったため、子の第三大臼歯が生えた頃には親は亡くなっていたことが名前の由来とも言われています。
多くの人にとって、気になるけどよく分からない存在です。抜くべきなのか悩む人もたくさんいるのではないでしょうか。正常な場合は特に問題ありませんが、歯冠の一部が外に出ている「不完全埋伏歯」の場合、以下のような問題を引き起こすことがあります。
1. 現代人は顎が細く小さくなったため、歯の位置がずれたり、横向きになったり、一部だけ見えるが歯茎に埋もれたままになったりする。清掃しにくいため歯茎の炎症を起こしやすい。
2. 最も奥にあるため、歯ブラシが行き届きにくく虫歯になることが多い。
3. 歯列矯正治療に先立ち邪魔になる。
以上に加え、抜いてもかみ合わせには影響することが少ないため、現代人にとって大事な歯ではなくなっています。一方、存在することで害を及ぼす可能性が高いため、抜くことが多いのですが、適切に生えていないため抜歯するのも一苦労です。
もちろん、問題なく生えている方もいます。その場合はあえて抜歯する必要はありません。親知らずといえど、大切な自分の体の一部の歯ですから、丁寧なメンテナンスを心掛けていただきたいと思います。
日常的なケアとしては、主に以下のポイントを意識しましょう。
1. 奥歯は磨き残しが多いため、丁寧に時間をかけてブラッシングする
2. デンタルフロスや歯間ブラシを使って、歯と歯の間の汚れを落とす
3. 痛みや腫れを感じたら放置せず、歯科医の診察を受ける
古代の人類は食事の際に硬いものを摂取する機会が多かったため、親知らずは立派に役割を果たしていたでしょう。しかし、食生活の変化によって不必要になってしまったと考えられます。そのため、現代人の中には親知らず自体が生えてこない人も増えています。
一方、抜かずに残しておく理由に歯の「移植」があります。親知らず以外の歯が何らかの理由で抜けてしまった場合、親知らずを抜歯して、無くなってしまった部位に移植することができます。もちろん、前歯や小臼歯ではサイズが合わないためできませんが、大臼歯であれば可能なことが多いです。
しかし、これは親知らずが完全な形で抜歯できる場合に限ります。先ほど述べたように、横向きやずれている場合などは、歯を砕かなければならず、ドナーとしてふさわしくありません。 | 第三大臼歯は、一度も生えてこない人もいますか。 | 第三大臼歯は、一度も生えてこない人もいます。 |
JCRRAG_009125 | 医療 | インフルエンザは毎年冬に拡大しますが、周期的に大流行することが知られています。原因は、それまでのインフルエンザウイルスと異なる新しい種類のウイルスがまん延するためで、これが新型インフルエンザの流行になります。新しいウイルスとは、トリやブタなどの動物に由来し、これがヒトの間で広がることにより、新型の流行が起きるのです。
20世紀には新型の流行が発生しており、1918年のスペインインフルエンザ、57年のアジアインフルエンザ、68年の香港インフルエンザと続きます。いずれも多くの患者が発生し、人的ならびに社会的に大きな被害が生じました。そして、直近は2009年4月にメキシコから拡大した豚インフルエンザウイルス(A/H1N1型)の流行でした。この時は日本でも約1500万人の患者が発生したのです。
この最後の新型インフルエンザから15年が経過しており、次が起きてもおかしくない時期になっています。
次なる新型のウイルス候補として注目を集めているのが、鳥インフルエンザウイルス(A/H5N1型)です。このウイルスは今年になり米国のウシの間で大流行しており、ヒトの患者も少数ながら報告されています。
現時点で新系統のH5N1型ウイルスが新型インフルエンザとして流行するリスクはどれだけあるのでしょうか。
結論から言うと、WHOもCDCもリスクはまだ高くないとの見解を示しています。現在、このウイルスは哺乳動物までは広がっていますが、ヒトの患者は少なく、現段階でヒトに感染しやすくなる変異は見られません。また、ヒトからヒトへの感染も起きていません。 | 20世紀に流行した新型インフルエンザは、いくつですか。 | 20世紀に流行した新型インフルエンザは、3つです。 |
JCRRAG_009126 | 医療 | 日本法医学会(神田芳郎理事長)は、能登半島地震の被災地で検案活動をした法医学者による犠牲者131人の死因報告をまとめた。最多だったのは「家屋の倒壊による圧迫」の88人で、全体の67.2%と7割近くを占めた。低体温で死亡した人も1割超に上った。
法医学会は1月4日に警察庁の要請を受け、大学教授ら専門知識を持つ法医を同月5日から23日まで8次にわたり、能登半島に派遣。3日に現地入りした先遣隊を含む計20人が、珠洲市の犠牲者56人、輪島市64人、穴水町11人の死因などを調べた。
家屋倒壊による圧迫死の内訳は、「圧死」が63人。「頸部・胸部圧迫」12人、「頭部外傷」4人、呼吸運動が障害される体位から逃れられなくなった「体位性窒息」3人などだった。
低体温で亡くなった人は全体の16%に当たる21人、焼死が2人、病死が4人。死因不詳は16人で、うち11人が焼死体と報告されている。津波による溺死はいなかった。
低体温で亡くなった人は、倒壊家屋の中から脱出できず、寒さで次第に体温が奪われ凍死したとみられている。避難所から一時帰宅して亡くなった人も2人含まれているという。
法医学会は、「都会は耐震性の高い建物に建て替えが進んでいるが、地方は古い家屋のままで、日本の現状があらわになった。寒い時期に発生したことも(犠牲者の)数を増やす要因になった」と分析している。 | 能登半島地震の犠牲者の死因報告で、家屋の倒壊による圧迫死因のうち、人数が最も多い3つを教えてください。 | 能登半島地震の犠牲者の死因報告で、家屋の倒壊による圧迫死因のうち、人数が最も多い3つは、圧死、頸部・胸部圧迫、頭部外傷です。 |
JCRRAG_009127 | 医療 | 医師として患者さんと接していると、多くの人が同じように誤った医学用語を使っていることに気付きます。
実は最もよく聞く誤用が、「貧血」です。
「先日、疲れていたのか貧血を起こしてしまいまして…」
「貧血でふらっと倒れてしまいました」
といった表現をよく見聞きしますが、この「貧血」は、おそらく「立ちくらみ」を意味しているのでしょう。
一方、正確な医学用語としての貧血は、血液中の赤血球の成分であるヘモグロビンの濃度が低くなった状態のことです。
つまり、貧血かどうかを知るには、血液検査が必要なのです。
血液検査でヘモグロビンの数値が基準値を下回っている場合に初めて、貧血と診断するからです。
ヘモグロビン値は一般的な健康診断の採血でも必ず含まれる項目で、おおよその基準範囲は、男性が14〜18グラム/デシリットル、女性が12〜16グラム/デシリットルです。
一方、立ちくらみ(正確には「起立性低血圧」)の原因はさまざまにありますが、その一つに貧血があります。
つまり、冒頭の「貧血を起こした」という現象は、本当の意味での貧血が原因であることもあれば、そうでないこともある、というわけです。
少し話がややこしくなってきましたが、順を追って説明しましょう。
勢いよく立ち上がった際、立ちくらみが起きた経験は誰しもあるでしょう。これは、重力に従って一時的に脳の血流が乏しくなることで起こる現象です。脳は酸素不足に弱く、酸素の供給が途絶えると、瞬間的に意識を失ってしまうからです。
血液中の赤血球は酸素を全身に運搬する働きを持ちますが、これは、赤血球の成分であるヘモグロビンが酸素と結合したり離れたりする性質によるものです。赤血球が「輸送トラック」、ヘモグロビンが「荷台」で、酸素という「荷物」の積み下ろしをする、と考えると分かりやすいでしょう。
さて、「貧血=ヘモグロビンの濃度が低い状態」だと、どうなるでしょうか。
酸素の運搬がうまくいかず、各臓器に酸素が不足しがちになります。貧血の時に立ちくらみが起きやすいのは、これが原因なのです。
最後に、なぜ「貧血」が「立ちくらみ」の意味でよく使われているのかを考えてみます。
これはおそらく、「脳貧血」という俗語が原因でしょう。
国語辞典で脳貧血という言葉を調べると、「脳の血液循環が一時的に悪くなって起こる現象。気分が悪くなり、顔が青ざめ、冷や汗をかき、意識がなくなる」(大辞林第四版)と書かれています。
この言葉と、医学用語の「貧血」が混同して使われたのが、誤用の原因と思われます。
ちなみに、「脳貧血」という医学用語はなく、私たち医師が使うこともありません。
一方の貧血は、前述の通り、健康診断でも非常に重要な指標です。貧血の原因を調べると、胃がんや大腸がんが見つかった、という人も大勢います。
貧血という言葉の意味は、正確に知っておくことが大切なのです。 | 貧血と立ちくらみについて、200文字以内で説明してください。 | 貧血は、血液中の赤血球の成分であるヘモグロビンの濃度が低くなった状態のことで、ヘモグロビンが基準値(男性が14〜18グラム/デシリットル、女性が12〜16グラム/デシリットル)を下回っていることを指します。立ちくらみは、重力によって一時的に脳の血流が乏しくなり、脳が酸素不足になったときに、瞬間的に意識を失う現象のことです。立ちくらみの原因が貧血である場合もありますが、言葉の意味は異なります。 |
JCRRAG_009128 | 医療 | ジェネリック医薬品(後発医薬品)とは、先発医薬品と同一の有効成分を同一量含み、同一経路から投与する製剤で、効能・効果、用法・用量が原則的に同一であり、先発医薬品と同等の臨床効果・作用が得られる医薬品をいいます。研究開発に要する費用が低く抑えられることから、先発医薬品に比べて薬価が安くなっています。
後発医薬品を普及させることは、医療の質を保ちつつ患者負担の軽減や医療費の効率化を図ることができ、医療保険財政の改善に資することから、2007(平成19)年に「後発医薬品の安心使用促進アクションプログラム」、2013(平成25)年に「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」を作成し、後発医薬品の数量シェアについて目標を定め、後発医薬品の使用を進めてきました。その結果、後発医薬品がある医薬品における使用数量では約8割と、国民の健康・生命を守る医療の重要な基盤として成長しました。
一方で、その基盤を支える後発医薬品産業が未だ品質や安定供給の観点から脆弱性を抱えていることが明らかとなっていることを踏まえ、2024(令和6)年、「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」を「安定供給の確保を基本として、後発医薬品を適切に使用していくためのロードマップ」として改訂し、数値目標(※1)に向けた取組を進めることとしました。
また、バイオ後続品(バイオシミラー)は、先行バイオ医薬品(※2)と同じ効能・効果、用法・用量で使える(=同等/同質である)ことを検証している医薬品であり、一般的に研究開発に要する費用が低く抑えられることから、先発医薬品に比べて薬価が安くなっています。
バイオ後続品を普及させることは、後発医薬品と同様、医療の質を保ちつつ医療保険財政の改善に資する一方で、バイオ後続品はその特性や使用状況、開発状況や国民への認知度等が後発医薬品とは大きく異なるため、「バイオ後続品の使用促進のための取組方針」を別途策定し、数値目標に向けた取組を進めることとしました。
厚生労働省は、目標の実現に向け、後発医薬品及びバイオ後続品の使用促進のための施策に取り組んでいます。
(※1)主目標:医薬品の安定的な供給を基本としつつ、後発医薬品の数量シェアを2029年度末までに全ての都道府県で80%以上
副次目標1:2029年度末までに、バイオシミラーが80%以上を占める成分数が全体の成分数の60%以上
副次目標2:後発医薬品の金額シェアを2029年度末までに65%以上
(※2)バイオ医薬品は遺伝子組換え技術や細胞培養技術等の最先端技術を用いて開発され、化学合成によって製造される医薬品と比べて膨大な開発費用を要するため一般的に薬価が高くなっている。 | 後発医薬品は先発医薬品と同じ効果はありますか。 | 後発医薬品は、先発医薬品と有効成分の量、同一経路から投与する製剤というところから効果は同じとなります。 |
JCRRAG_009129 | 医療 | 後発医薬品は、先発医薬品と治療学的に同等であるものとして製造販売が承認され、一般的に研究開発に要する費用が低く抑えられることから、先発医薬品に比べて薬価が安くなっています。
後発医薬品を普及させることは、医療の質を保ちつつ患者負担の軽減や医療費の効率化を図ることができ、医療保険財政の改善に資することから、2007(平成19)年に「後発医薬品の安心使用促進アクションプログラム」、2013(平成25)年に「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」を作成し、後発医薬品の数量シェアについて目標を定め、後発医薬品の使用を進めてきました。その結果、後発医薬品がある医薬品における使用数量では約8割と、国民の健康・生命を守る医療の重要な基盤として成長しました。
一方で、その基盤を支える後発医薬品産業が未だ品質や安定供給の観点から脆弱性を抱えていることが明らかとなっていることを踏まえ、2024(令和6)年、「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」を「安定供給の確保を基本として、後発医薬品を適切に使用していくためのロードマップ」として改訂し、数値目標(※1)に向けた取組を進めることとしました。
また、バイオ後続品(バイオシミラー)は、先行バイオ医薬品(※2)と同じ効能・効果、用法・用量で使える(=同等/同質である)ことを検証している医薬品であり、一般的に研究開発に要する費用が低く抑えられることから、先発医薬品に比べて薬価が安くなっています。
バイオ後続品を普及させることは、後発医薬品と同様、医療の質を保ちつつ医療保険財政の改善に資する一方で、バイオ後続品はその特性や使用状況、開発状況や国民への認知度等が後発医薬品とは大きく異なるため、「バイオ後続品の使用促進のための取組方針」を別途策定し、数値目標に向けた取組を進めることとしました。
厚生労働省は、目標の実現に向け、後発医薬品及びバイオ後続品の使用促進のための施策に取り組んでいます。
(※1)主目標:医薬品の安定的な供給を基本としつつ、後発医薬品の数量シェアを2029年度末までに全ての都道府県で80%以上
副次目標1:2029年度末までに、バイオシミラーが80%以上を占める成分数が全体の成分数の60%以上
副次目標2:後発医薬品の金額シェアを2029年度末までに65%以上
(※2)バイオ医薬品は遺伝子組換え技術や細胞培養技術等の最先端技術を用いて開発され、化学合成によって製造される医薬品と比べて膨大な開発費用を要するため一般的に薬価が高くなっている。 | 後発医薬品の信頼性向上のための取り組みとして2007(平成19)年から2013(平成25)年にかけていくつの資料が作成されましたか。 | 後発医薬品の信頼性向上のための取り組みとして2007(平成19)年「後発医薬品の安心使用促進アクションプログラム」、2013(平成25)年に「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」の2つが作成されました。 |
JCRRAG_009130 | 医療 | ジェネリック医薬品(後発医薬品)とは、先発医薬品と同一の有効成分を同一量含み、同一経路から投与する製剤で、効能・効果、用法・用量が原則的に同一であり、先発医薬品と同等の臨床効果・作用が得られる医薬品をいいます。研究開発に要する費用が低く抑えられることから、先発医薬品に比べて薬価が安くなっています。
後発医薬品を普及させることは、医療の質を保ちつつ患者負担の軽減や医療費の効率化を図ることができ、医療保険財政の改善に資することから、2007(平成19)年に「後発医薬品の安心使用促進アクションプログラム」、2013(平成25)年に「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」を作成し、後発医薬品の数量シェアについて目標を定め、後発医薬品の使用を進めてきました。その結果、後発医薬品がある医薬品における使用数量では約8割と、国民の健康・生命を守る医療の重要な基盤として成長しました。
一方で、その基盤を支える後発医薬品産業が未だ品質や安定供給の観点から脆弱性を抱えていることが明らかとなっていることを踏まえ、2024(令和6)年、「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」を「安定供給の確保を基本として、後発医薬品を適切に使用していくためのロードマップ」として改訂し、数値目標(※1)に向けた取組を進めることとしました。
また、バイオ後続品(バイオシミラー)は、先行バイオ医薬品(※2)と同じ効能・効果、用法・用量で使える(=同等/同質である)ことを検証している医薬品であり、一般的に研究開発に要する費用が低く抑えられることから、先発医薬品に比べて薬価が安くなっています。
バイオ後続品を普及させることは、後発医薬品と同様、医療の質を保ちつつ医療保険財政の改善に資する一方で、バイオ後続品はその特性や使用状況、開発状況や国民への認知度等が後発医薬品とは大きく異なるため、「バイオ後続品の使用促進のための取組方針」を別途策定し、数値目標に向けた取組を進めることとしました。
厚生労働省は、目標の実現に向け、後発医薬品及びバイオ後続品の使用促進のための施策に取り組んでいます。
(※1)主目標:医薬品の安定的な供給を基本としつつ、後発医薬品の数量シェアを2029年度末までに全ての都道府県で80%以上
副次目標1:2029年度末までに、バイオシミラーが80%以上を占める成分数が全体の成分数の60%以上
副次目標2:後発医薬品の金額シェアを2029年度末までに65%以上
(※2)バイオ医薬品は遺伝子組換え技術や細胞培養技術等の最先端技術を用いて開発され、化学合成によって製造される医薬品と比べて膨大な開発費用を要するため一般的に薬価が高くなっている。 | バイオ後続品(バイオシミラー)と先行バイオ医薬品の価格の違いは何でしょうか。 | バイオ後続品(バイオシミラー)は、一般的に研究開発に要する費用が低く抑えられることから、先発医薬品に比べて薬価が安くなっています。先行バイオ医薬品は、遺伝子組換え技術や細胞培養技術等の最先端技術を用いて開発され、化学合成によって製造される医薬品と比べて膨大な開発費用を要するため一般的に薬価が高くなっています。 |
JCRRAG_009131 | 医療 | 不登校と不安障害の関連性~早期発見と診断がカギ~
これまで不安障害に起因する不登校の現状と、不安障害の下位分類について具体的に見てきました。今回は、不安障害の並存性の高さや早期発見・診断の重要性についてお話しします。
不安障害の併存性について
不安障害を理解する上で重要なのは、その高い併存性です。不安障害は分離不安障害、社交不安障害、全般性不安障害、パニック障害、特定の恐怖症、選択性緘黙といったタイプに分類されますが、これらは単独で存在することはむしろ少なく、しばしば複数の不安障害が重なって出現します。488人の不安障害のある子どもたちを対象とした研究では、約60%の患者が別のタイプの不安障害を同時に有していたことが報告されています。
さらに、不安障害は注意欠如・多動性障害や自閉スペクトラム障害、学習障害といった他の発達障害とも高い確率で併存することが知られています。このような併存性の高さは、不安障害の早期発見と適切な対応をより複雑にする要因となっています。
経過と予後
不安障害の経過と予後については、4年間の追跡調査から重要な知見が得られています。治療を受けた患者のうち、21.7%が安定した寛解状態を維持できた一方で、48%は症状の改善と再発を繰り返し、30%は慢性的な症状が続いていました。特に注目すべきは、初期の治療に良好な反応を示した患者の方が、その後の慢性化のリスクが低かったという点です。
さらに、不安障害は単に不登校を招くという問題にとどまらず、教育達成の低下や、青年期における新たな精神疾患の発症、さらには成人期まで及ぶ機能障害につながる可能性があります。実際、思春期に不安障害を経験した人は、成人期にも不安障害やうつ病を持つことになるリスクが2~3倍に高まることが報告されています。 | 高い併存性があり、初期の治療に良好な反応を示した患者の方が、その後の慢性化のリスクが低かったという調査結果をもつ病名は何ですか。 | 高い併存性があり、初期の治療に良好な反応を示した患者の方が、その後の慢性化のリスクが低かったという調査結果をもつ病名は不安障害です。 |
JCRRAG_009132 | 医療 | 保育園・幼稚園でもらってくる感染症
~代表的5種、見分け方のポイント~
子どもが集団生活を送る保育園・幼稚園においては、感染症に罹患(りかん)する機会が多く、同じ病原体に遭遇した場合でも小児と成人では感染のしやすさや症状の程度が異なることがあります。年齢による免疫力の違い、予防接種歴、過去の罹患歴など、さまざまな要素が関わっているためです。ここでは、多岐にわたる子どもの感染症の見分け方について、代表的な五つを挙げながら解説します。
1.RSウイルス
呼吸器ウイルスの一つで、2歳までにほとんどのお子さんがRSウイルスによる感染症にかかると言われています。もともとは冬季を中心に流行していたのですが、近年、わが国では流行の開始時期が早まり、夏季に流行するケースが多くなっています。呼吸器ウイルスなので、肺につながる気道の症状(鼻汁、せき、喘鳴〈ぜんめい〉など)や発熱などが主な症状となります。年長児や成人では軽い風邪症状で済んだりすることも多いですが、乳児が初めて感染した場合は重症化しやすく、急性細気管支炎や肺炎となり、入院が必要になったりします。呼吸困難から人工呼吸が必要になることもあり、注意が必要です。
症状だけで他の呼吸器ウイルスと区別することは容易でなく、確定診断のためには鼻咽頭ぬぐい液を用いた検査が必要となります。抗ウイルス薬はなく、軽症の場合は自宅での対症療法が中心となります。入院加療が必要なことがありますので、症状が重い場合は無理をせず医師に診てもらうようお勧めします。
2.エンテロウイルス
さまざまなタイプが存在し、現在100種類以上と言われています。その多くは夏に流行することが一般的です。エンテロウイルスのタイプによって、感染したときの症状が異なります。2023年に日本で大流行したヘルパンギーナは乳幼児が中心のエンテロウイルス感染症の一つで、突然の発熱、喉の痛みに伴う唾液の増加が見られたりします。咽頭(喉の奥)に赤い発疹ができ、次に水疱(すいほう=水ぶくれ)となり、潰瘍(表面がえぐれた状態)となります。医師が咽頭にこれらの特徴的なサインを見つけ、診断を下します。
ヘルパンギーナと似たエンテロウイルス感染症の一つに手足口病があります。手足口病でも発熱と口の中に痛みを伴う水疱ができ、唾液が増えたりしますが、さらに手のひらや足の裏、お尻などに水疱が見られるのが特徴です。エンテロウイルス感染症に対する抗ウイルス薬はなく、基本的には自然軽快します。まれに髄膜炎や脳炎などを合併することもあり、注意が必要です。
3.溶連菌感染症
A群溶血性レンサ球菌が原因となる細菌感染症で、咽頭炎・へんとう炎、伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん=とびひ)、しょうこう熱などが主な症状となります。注意すべき点は、合併症として発症の数週間後にリウマチ熱(心臓の弁膜症、関節痛、発疹、皮膚の下の小さなこぶなどの症状)、腎炎などを起こすことがあります。
学童期によく見られる咽頭炎・へんとう炎は、冬から春にかけて流行する場合が多く、発熱と喉の痛みを伴います。喉を見ると、咽頭へんとうの腫脹(しゅちょう=腫れ)や白苔(はくたい=うみ)が観察されます。しょうこう熱は5~10歳に多く、咽頭炎とともに舌がいちご状に赤く腫れ、全身に鮮紅色の発疹が見られます。抗原の迅速診断キットや細菌培養などで確定診断されます。適切な抗生物質による治療開始後、 24時間以内に感染力がなくなるため、それ以降は登園可能となります。
4.百日ぜき
百日ぜき菌と呼ばれる細菌によって引き起こされる感染症で、連続性・ 発作性のせきが長期にわたって続くことが特徴です。回復するのに数週間から数カ月もかかる場合があります。ワクチン未接種、あるいは未完了の乳幼児期に多く見られますが、学童期から10代前半や成人の発症もあります。発熱はあまりありませんが、病初期は通常の風邪と見分けがつきにくいこともあります。
典型的な症状は激しいせき込み、しつこいせきによる顔面の紅潮、せき込みの後の呼吸苦です。小学生になると、せきのしつこい風邪に思われることも少なくありません。年齢が低いほど症状は重く、特に生後3カ月未満の乳児では呼吸ができなくなる発作(無呼吸発作)、肺炎、中耳炎、脳症などの合併症も起こりやすくなります。保育園・幼稚園に入園する前の予防接種が重要です。
5.麻疹(はしか)
麻疹ウイルスへの感染によって発症し、重い合併症を引き起こすと生命に危険が及んだり後遺症が出たりします。症状としては、発熱、せき・鼻水などの気道症状、結膜炎(目の充血、目やに・涙)に続き、口内の頬粘膜にできる白い斑点(コプリック斑)や全身の発疹が出現します。通常は7~10日間程度で徐々に回復しますが、合併症として肺炎、脳炎、中耳炎、クループなどがあります。
麻疹は感染力が非常に強く、免疫がない場合は成人でも発症します。麻疹ウイルス含有ワクチンの接種が唯一の感染予防手段です。近年、新型コロナウイルス感染症の流行により、国内外で小児のワクチン接種率が低下し、麻疹に対して免疫を持たない方が増えてきています。海外からの持ち込みを契機に感染拡大が起こる可能性があり、注意が必要です。
ここで挙げた例以外にもさまざまな感染症がありますが、意識がはっきりしない、機嫌が悪い、食欲が低下している、水分が取れない、顔色が悪い、息苦しそう、嘔吐(おうと)を繰り返す、けいれんしているなどの症状がある場合は、早めにかかりつけ医・病院に相談・受診してください。 | RSウイルスとエンテロウイルスの違いについて300文字以内で説明してください。 | RSウイルスは、呼吸器ウイルスの一つで、肺につながる気道の症状(鼻汁、せき、喘鳴など)や発熱などが主な症状となります。確定診断のためには鼻咽頭ぬぐい液を用いた検査が必要となります。抗ウイルス薬はなく、軽症の場合は自宅での対症療法が中心となります。
エンテロウイルスは、さまざまなタイプが存在し現在100種類以上と言われエンテロウイルスのタイプによって、感染したときの症状が異なります。ヘルパンギーナは乳幼児が中心のエンテロウイルス感染症の一つで、ヘルパンギーナと似たエンテロウイルス感染症の一つに手足口病があります。エンテロウイルス感染症に対する抗ウイルス薬はなく、基本的には自然軽快します。 |
JCRRAG_009133 | 医療 | ワクチンとは
ワクチンとは、病原性(毒性)を完全になくしたり弱めたりした病原体の一部、ウイルスのタンパク質を作るもとになる遺伝情報の一部などを接種することで、免疫システムが次の病原体の侵入に備えられるようにして、重篤な感染症を予防する薬です。
ワクチン接種後に病原体が侵入してもこのような免疫システムの備えによって速やかに病原体を攻撃排除することができます。
ワクチンを接種する
次の病原体の侵入に備える
病原体が侵入しても速やかに排除できる
ワクチンの作用
ワクチンを接種すると、樹状細胞が病原性(毒性)を完全になくしたり弱めたりした病原体の一部、ウイルスのタンパク質を作るもとになる一部の遺伝情報といった情報を検知し、ヘルパーT 細胞に情報を伝えます。免疫の司令官であるヘルパーT 細胞は、キラーT 細胞に敵への攻撃を依頼し、B 細胞には武器となる抗体をつくるように指示します。B 細胞は形質細胞となり抗体を大量に生産します。同時に、メモリーB 細胞、メモリーT 細胞が作られます。
このようにワクチンを接種する事によって免疫システムが次の病原体の侵入に備えられるようになり、将来、実際の病原体が体内に侵入した時に素早く反応し、病原体を排除できるようになります。
ワクチンの種類
生ワクチン、不活化ワクチン、
mRNAワクチン、ウイルスベクターワクチン等に分けられる
ワクチンは、生ワクチン、不活化ワクチン、mRNAワクチン、ウイルスベクターワクチン等に分類されます。これらの主な違いは、作り方です。
従来のワクチンには、毒性や病原性を低下させた(生きている)細菌・ウイルスをそのままワクチンとして用いる生ワクチン、毒性や感染力を失った(生きていない)細菌・ウイルスを利用した不活化ワクチンがあります。また、近年、mRNAワクチン、ウイルスベクターワクチンなど新しいタイプのワクチンが承認されています。
生ワクチンの働き
生きている細菌・ウイルスの毒性や感染力を弱めて作ったワクチンです。生きた病原体を体内に接種するため、実際にその病気にかかったときと同じように免疫システムが働き、強い免疫がつきます。その分、接種回数が少なく済みます(通常1~2回)が、接種後に軽い症状(発熱など)が出ることがあります。妊婦や免疫が低下した人に投与すると、感染症を発症し重篤化することがあるので、接種することはできません。
<対象となる病気>
ウイルス:麻しん(はしか)、風しん、みずぼうそう、おたふくかぜ、ロタウイルス感染症 など
細菌:結核
不活化ワクチンの働き
細菌・ウイルスを加熱や薬剤などで処理し、毒性や感染力をなくしたもの、または細菌やウイルスの成分(タンパクや遺伝情報など)で作ったワクチンです。細菌やウイルスが体内で増殖することはないため、免疫が低下した人にも生ワクチンより安全に投与できますが、十分な免疫をつけるのに複数回(通常3~4回)の接種が必要です。
トキソイド1)や組換えタンパクワクチン2)といった種類のワクチンも不活化ワクチンの一種です。
<対象となる病気>
ウイルス:B型肝炎、A型肝炎、インフルエンザ、日本脳炎、ヒトパピローマウイルス感染症、ポリオ など
細菌:百日せき、ヒブ感染症、肺炎球菌感染症、髄膜炎菌感染症 など
mRNAワクチンの働き
ウイルスのタンパク質を作るもとになる遺伝情報の一部を注射するワクチンです。注射したウイルスの遺伝情報をもとに、人の体の中でウイルスのタンパク質の一部が作られ、それに対する抗体などができることで、ウイルスに対する免疫ができます。新型コロナワクチンで初めて実用化されました。
ウイルスベクターワクチンの働き
人に対して病原性(病気を引き起こす性質)がない、または、病原性が弱いウイルスベクターと呼ばれる運び屋に、ウイルスのタンパク質を作るもとになる遺伝情報の一部を組み込んだワクチンです。この遺伝情報をもとに、人の体の中でウイルスのタンパク質の一部が作られ、それに対する抗体などができることで、ウイルスに対する免疫ができます2,3)。 | 生ワクチンと不活化ワクチンの違いについて説明してください。 | 生ワクチンは、文字通り生きている細菌・ウイルスの毒性や感染力を弱めて作ったワクチンです。生きた病原体を体内に接種するため、実際にその病気にかかったときと同じように免疫システムが働き、強い免疫がつきます。その分、接種回数が少なく済みます(通常1~2回)が、接種後に軽い症状(発熱など)が出ることがあります。
一方不活性化ワクチンは、細菌・ウイルスを加熱や薬剤などで処理し、毒性や感染力をなくしたもの、または細菌やウイルスの成分(タンパクや遺伝情報など)で作ったワクチンです。細菌やウイルスが体内で増殖することはないため、免疫が低下した人にも生ワクチンより安全に投与できますが、十分な免疫をつけるのに複数回(通常3~4回)の接種が必要です。 |
JCRRAG_009134 | 医療 | どうして肩や首がこるのでしょうか?
女性は、女性ホルモンの影響を受けやすいことから、不調が多く起こりやすい存在です。これにストレスが加わることで、肩こり、冷え、気分の落ち込み、イライラなど肉体的、精神的にも不安定になり、さまざまな不調が起こります。その中でも多いのが、肩や首のこりです。
原因はなんでしょうか?
肩こり、首のこりの原因はさまざまです。長時間同じ姿勢を続けるパソコンによるテクノストレス。月経前症候群(PMS)によるもの、卵巣機能の低下なども考えられます。いくつかの状況が重なって、緊張や不安から、肩に力が入り、交感神経が優位になり、血管が収縮して血流が悪くなり、肩こり、首のこり、頭痛の原因になるのです。
改善法は、心のケアやアロマ、鍼灸も試してみては
心をケアすることで、体全体への不調を改善する治癒反応が期待できます。疲れているときに、無理に栄養補給をするより、軽い運動や体の休養に努めるほうがかえってすっきりします。アロマセラピーや鍼治療は、心身のケアに効果を発揮する身近な方法です。
鍼治療で刺激するツボは、経絡という川の流れの中にある小石とでもいえる存在です。体にこりや異常があると、経絡に異常が現れ、ツボに反応が出ます。その反応点を使って治療することで、こりや痛みを改善します。
アロママッサージは、うっ血を改善し、気分を和らげて緊張を解放し、体を温める効果があります。また、ホルモンバランスを整えるといわれる精油(エッセンシャルオイル)を利用することで、PMSやイライラなどにも有効です。心の緊張をほぐし、体を温めうっ血を取り除く精油(エッセンシャルオイル)を利用するといいでしょう。アロマバスもおすすめです。この方法は肌の弱い人でも行えます。熱めのお湯を洗面器に入れ、好きな香りを5滴ほど落として、浴槽のそばに置き、芳香浴します。38~40度のお風呂にゆったりと浸かりましょう。 | 血流をよくする方法としてどんなことがありますか。 | 鍼治療やアロママッサージなどでこりの軽減やうっ血を改善する。他に38~40度のお風呂にゆったりと浸かるなど体を温める。またホルモンバランスを整えたり、うっ血を取り除く効果のある精油を使用することで体だけでなく心もケアするとより効果が高くなります。 |
JCRRAG_009135 | 医療 | 高血圧の原因は?
●高血圧の危険因子とは?
高血圧の大部分を占める本態性高血圧は、加齢や遺伝的要因が関係するとともに、生活習慣が深く関わっていることがわかっています。
そのなかでも、塩分のとりすぎが最大の危険因子であることは間違いありません。さらに喫煙者、肥満の人、運動不足の人、お酒をよく飲む人、ストレスの多い人などは、高血圧になりやすいといえます。
また、高血圧をはじめとする生活習慣病は、互いに影響し合い、複数を合併しやすいので、糖尿病や脂質異常症などがあると、高血圧にもなりやすくなります。なかでもとくに脂質異常症は、動脈硬化を進行させる大きな原因となるため、高血圧も進みやすくなります。
■高血圧の危険因子
塩分のとりすぎ
喫煙
肥満
運動不足
多量の飲酒
ストレス
糖尿病
脂質異常症
遺伝的要因
高血圧を予防・改善するために
●危険因子は生活習慣の改善で減らすことができます
高血圧の危険因子の多くは、生活習慣を改善することで減らすことができます。血圧が基準値よりも高かった人は、まずは減塩にとりくむことが大切です。喫煙者は直ちに禁煙を実行し、適度な運動、節酒、ストレスの解消などを心がけましょう。
また、健診で糖尿病、脂質異常症を指摘されている人は、これらの病気の危険因子を減らすとともに、病気を正しく治療することも大切です。 | 塩分を多く摂取すると高血圧になりやすいのは、なぜですか。 | 塩分のとりすぎは、高血圧の危険因子だからです。 |
JCRRAG_009136 | 医療 | 【がん】 日本人の2人に1人ががんにかかり、3人に1人ががんで死亡しています
がん発生のメカニズム
●細胞が分裂するときの「コピーミス」で「がん」がはじまる
私たちの体は約60兆個の細胞でできており、細胞は絶えず分裂することによって新しく生まれ変わっています。細胞分裂は、細胞の設計図である遺伝子をもとにコピーされることで起こりますが、発がん物質などの影響で遺伝子が突然変異し、「コピーミス」が起こることがあります。このコピーミスが「がん」のはじまりです。
ただし、コピーミスが起きても、すぐにがんになるわけではありません。健康な人でも1日約5,000個のコピーミスが起こっているといわれています。通常、コピーミスで生まれた異常な細胞は、体内の免疫細胞の標的となり、攻撃されて死滅します。
ところが、免疫細胞の攻撃を逃れて生き残る細胞がいて、「がん細胞」となります。それらが異常な分裂・増殖をくり返し、10~20年かけて「がん」の状態になります。 がん
●がんは全身のどこにでも発生する
がんは、全身のあらゆる場所に発生する可能性があります。胃や肺、肝臓などの内臓はもちろん、血液や骨、皮膚などにできるがんもあります。
がんの名前は一般的に、「胃がん」や「肺がん」などのように、最初にできた部位の名前をとってつけられます。なかには「脳腫瘍」や「白血病」など、「がん」という言葉がつかないものもありますが、脳腫瘍は脳にできるがん、白血病は血液のがんで、いずれもがんの仲間です。 | なぜ、がんは体の色々な場所で発生するのですか。 | がんは、体の細胞のコピーミスが原因ではじまり、全身のあらゆる場所に発生する可能性があるからです。 |
JCRRAG_009137 | 医療 | がんは、なぜ恐いの?
●がんは死亡率第1位の病気
がんは、あらゆる病気のなかでも最も死亡率の高い病気で、長年日本人の死因第1位を占めています。
また、がんが恐ろしいところは、初期にはほとんど自覚症状がないということです。そのため、健診などで発見されることが多く、発見されたときにはすでに進行していたというケースも少なくありません。
がんの原因は?
●危険因子の多くは生活習慣にあった
最近のさまざまな研究から、「がんは予防できる病気」であることがわかってきました。がんの危険因子の多くは生活習慣にあり、生活習慣の改善が、がんの予防につながるということです。がんのなかにはごく一部、遺伝性のものもありますが、遺伝要因よりも生活習慣要因のほうの影響が大きいと考えられています。
生活習慣のなかでも、最大の危険因子とされているのが喫煙です。喫煙は肺がんだけではなく、食道がん、胃がん、大腸がん、子宮頸がんなど、多くのがんのリスクを高めます。さらに受動喫煙といって、タバコから立ち上る煙は、タバコを吸わない人にも肺がんなどの健康被害をもたらします。
食生活では、塩分のとりすぎは胃がん、野菜・果物不足は消化器系のがんや肺がん、熱すぎる食べ物や飲み物は食道がんのリスクを高めるとされています。近年、急増している大腸がんや乳がんなどは、食生活の欧米化が影響しているとされ、動物性食品への偏りも危険因子と考えられます。また、多量の飲酒は食道がん、肝臓がん、大腸がん、乳がんなどのリスクを高めることがわかっています。
■がんの危険因子
喫煙
塩分のとりすぎ
野菜・果物不足
熱すぎる食べ物や飲み物の刺激
動物性食品のとりすぎ
多量の飲酒 | がんの危険因子はいくつありますか。 | がんの危険因子は6つです。 |
JCRRAG_009138 | 医療 | 近年、急増している「乳がん」と「子宮がん」
●若い女性も無関係ではない女性特有のがん
女性特有の体の構造から、女性には「乳がん」や「子宮がん」などのがんがあります。
がんの多くは高齢になるほど発症リスクが高まるため、若い女性にはあまり関係のない病気だと思われがちですが、女性特有のがんは若年化が進み、20~40歳代で発症するケースが急増しています。
●「乳がん」は女性がかかる最多のがん
乳がんとは、乳房の乳腺組織にできるがんをいいます。日本人女性がかかるがんのなかで最も多いものが乳がんです。
乳がんは20歳代から徐々に増え始め、40歳代後半から50歳代にピークを迎えますが、30歳代に急激に増加するのが特徴です。
乳がんの自覚症状としては、がんが5mm~1cmくらいの大きさになると、しこりとして触れることがあります。しこり以外の症状としては、乳頭からの異常分泌、乳頭や乳輪のただれなどがあります。
●低年齢化が進む「子宮頸がん」
子宮がんには、子宮の奥である子宮体部にできる「子宮体がん」と、子宮の入り口である頸部にできる「子宮頸がん」があります。
子宮体がんは40歳代以降、閉経前後に多く見られますが、最近は30歳代での発症も増えていて、出産経験がないことや閉経年齢が遅いことなどが影響していると考えられています。一方、子宮頸がんは、20~30歳代に急増しています。
子宮体がんも子宮頸がんも、初期にはほとんど自覚症状がありません。進行してくると不正出血やおりものの異常、下腹部痛などがみられるようになります。 | 子宮頸がんが急増している年齢層はどこですか。 | 子宮頸がんが急増しているのは、20~30歳代です。 |
JCRRAG_009139 | 医療 | 動脈硬化は、なぜ恐いの?
●突然死の引き金となるアテローム硬化
3つの動脈硬化の中でも、日本人に急増しているのが「アテローム硬化」で、最も注意しなければならない動脈硬化です。その理由は、日本人の死因の上位を占めている狭心症や心筋梗塞などの心疾患、脳出血や脳梗塞などの脳血管疾患の多くがアテローム硬化を引き金に起こっているからです。
アテローム硬化は心臓の冠動脈や脳の動脈などの主要な臓器の動脈に起こります。アテローム硬化が進行すると、冠動脈の血流が悪くなり、狭心症を引き起こすことがあります。さらに進行すると、血管壁にこびりついたプラークがはがれ落ちて、血栓という血の塊をつくり、血栓が冠動脈や脳の動脈に詰まると心筋梗塞や脳梗塞を起こします。また、アテローム硬化によって血管は弾力性を失い、硬く、もろくなっているため、脳出血も起こりやすくなります。
いずれも突然死に繋がることもある恐ろしい病気ですが、動脈硬化そのものには自覚症状がありません。しかし、放置していると静かに病状は進行し、確実に心筋梗塞や脳梗塞へと向かいます。
●下肢の静脈に起こる閉塞性動脈硬化症
アテローム硬化は手足の血管に起こることもあります。閉塞性動脈硬化症という病気では、手足の血管の動脈硬化によって四肢の血流が悪くなり、痛みやしびれが起こります。重症になると完全に血流が途絶え、四肢の切断を余儀なくされることもあります。なお、閉塞性動脈硬化症の多くはアテローム硬化によるものですが、糖尿病を合併している場合は中膜硬化もみられます。 | アテローム硬化と閉塞性動脈硬化症は、それぞれ体のどの部位に影響を及ぼし、どのような症状を引き起こす点で異なりますか。 | アテローム硬化は主に心臓の冠動脈や脳の動脈などの主要な臓器の動脈に影響を及ぼし、狭心症、心筋梗塞、脳卒中などを引き起こします。閉塞性動脈硬化症は主に手足の血管に影響を及ぼし、痛みやしびれを引き起こします。重症化すると四肢の切断に至る可能性があります。 |
JCRRAG_009140 | 医療 | 咽頭結膜熱(プール熱)
症状
ノドの炎症、結膜炎、高熱の3症状が特徴です。頭痛やノドの痛み、食欲不振、全身倦怠感を伴います。ノドが赤く腫れ、白苔がつくことがあります。目の症状としては、目が赤くなる、目が痛い、まぶしい、涙や目やにが増える、などがあります。下痢などお腹の症状が見られることもあります。症状は3~5日続き、その後、自然に治ります。
原因
アデノウイルスが原因です。アデノウイルスは一年中感染しますが、「咽頭結膜熱(プール熱)」は夏と冬に流行します。昔は、夏にプールで感染が広がることが多かったため「プール熱」と呼ばれていますが、今はしっかり消毒されているためプールで感染することはまれです。ウイルスの入った飛沫を吸い込んだり(飛沫感染)、ウイルスの付いた手を介して口から入って感染します(接触感染、経口感染)。
潜伏期間
5~7日
新生児期や乳児期早期には重症化する場合があります。小さなきょうだいがいる場合にはご家庭内での感染予防をしっかり行いましょう。
「咽頭結膜熱」は学校保健法の学校伝染病第二種に指定されていて、症状が無くなってから2日間は出席停止です。また、同じアデノウイルスによる「流行性角結膜炎」は学校伝染病第三種に指定されていて、医師により伝染の恐れがないと認められるまで出席停止です。
夏風邪にかかってしまったら
多くの場合は自然に治ります。水分と栄養を取って、しっかり休みましょう。ノドが痛くて食べられない場合も、酸味のないジュースやゼリー、アイスなどは比較的食べやすいです。酸っぱいものや味の濃いものは避けて、痛みを感じにくい物を食べてください。
熱が高い場合には解熱鎮痛薬を使用します。水分や食事がとれない場合には入院して点滴補液をする場合もあります。小さなお子さんほど重症になりやすいですので、ご心配でしたら早めに受診してください。
感染しない、させないためには
夏風邪ウイルスに感染した場合、口や鼻からは1週間程度、便の中へは1か月ほどウイルスが出てきます。
手洗いうがいを徹底する
ウイルスは鼻水や咳の飛沫の中や、便の中にいます。外出からの帰宅後、食事の前、トイレやオムツ交換の後、鼻をかんだ後などは特にしっかり手を洗いましょう。
エンテロウイルスもアデノウイルスもアルコール消毒が効きにくいウイルスです。アルコールでの手指消毒ではなく、しっかり洗い流すことが重要です。
タオルや食器、おもちゃを共有しない
家庭内では、タオルや食器からウイルスが感染する場合がありますので、共有しないようにしましょう。また、小さなお子さんではおもちゃを介してウイルスが広がる場合もありますので、気を付けましょう。
熱性けいれんにも要注意
熱性けいれんは夏場と冬場に多くなります。冬の熱性けいれんはインフルエンザによるものですが、夏の熱性けいれんはエンテロウイルスが原因のことが多いです。
熱の出始めから1~2日の間は、熱性けいれんが起こる可能性があります。
けいれん時には慌てず、お子さんを安全な場所に寝かせて、顔や体を横に向けてください。衣服やベルトなど体を締め付けるものがあれば緩めましょう。5分以上けいれんが止まらない場合には、救急車を呼んで最寄りの医療機関に受診してください。 | 熱が高い場合に、解熱鎮痛薬を使用するとその後どうなりますか。 | 熱が高い場合に、解熱鎮痛薬を使用すると、熱が下がる。 |
JCRRAG_009141 | 医療 | 熱中症とは
熱中症とは暑熱環境に居た、もしくは居た後に「めまい」「生あくび」「筋肉痛」「筋肉の硬直」「頭痛」「嘔吐」「倦怠感」などを呈するもので、重症の場合「意識障害」や「けいれん」などを発症します。
熱中症の発症因子
熱中症の発症因子に関してですが、気象条件だけではなく個人の因子も寄与します。肥満、運動不足、脱水、屋外労働、過度なスポーツ活動は労作性熱中症のリスク因子と考えられています。
また高齢という事が単独でリスク因子ですが、これは体温調節機能の低下や暑熱環境において適切な水分摂取ができないこと、暑熱環境であることを認知出来ない事などの複数の因子が関係していると言われています。
高齢者がご家族にいらっしゃる場合には、周囲の方が水分摂取や冷房器具の使用を積極的に勧める事が大切になってきます。本人の意思に任せても熱中症予防が出来ないと考えて行動する必要があります。
小児の熱中症について
小児の熱中症
熱中症の病態は脱水が深く関係しています。小児は不感蒸泄(ふかんじょうせつ)量や体液量などの理由で大人より脱水になりやすいため、大人より水分摂取をしっかり行う必要があります。
乳幼児では口渇感が大人より感じにくく、口渇感がなくても水分摂取をさせる必要があると言われています。
運動時の脱水による体重減少は運動のパフォーマンスに関係しているので部活動などの際にも運動前からの水分摂取が勧められています。
安全な課外活動かどうかの判断基準とは?
では安全な課外活動であるかの判断はどうのようにすべきかでしょうか。
これは暑さ指数(WBGT)で判断をします。この指数は熱中症を予防する目的として提案された指標で、①湿度、②日射、輻射(ふくしゃ)などの熱環境、③気温の3つを取り入れた指標です。
熱中症予防情報サイトで3時間ごとの暑さ指数(WBGT)が発表されています。暑さ指数(WBGT)が25を超えると熱中症の入院件数が増加し、30を超えると急激な増加が報告されています。
日本国内では28未満が課外活動が安全に行われる指標として考えられているので参考にしてください。
さいごに
最後に水分摂取に関しての話題です。ガイドラインでは塩分が含まれているものが推薦されておりOS-1やスポーツドリンクと記載されています。しかし文献的には水、お茶、スポーツドリンクの種類で来院時重症度には関連がないとの報告もあり、適切なものがない状況ではどのような水分でもいいので摂取してもらえればと考えています。 | 運動時の脱水による体重減少は何故起こりますか。 | 運動時の脱水による体重減少は、発汗により体内の水分が減少することで起こる。 |
JCRRAG_009142 | 医療 | 「冷え」は冬に特有のものだと考えがちですが、近年、エアコンの普及や過度な冷房使用などにより、夏場でも冷えを感じる人が増えています。
電車やバスなどの冷房がつらい、職場が寒くて夏でもひざ掛けが手放せない、スーパーの冷蔵品、冷凍品売り場で冷えてしまってゆっくり買い物ができないなどなど、心当たりのある方もいるかもしれません。
漢方外来でも季節を問わず、また年齢や性別を問わす冷えを訴える方は多くなっています。
冷えは万病のもと
漢方では「冷えは万病のもと」とまで言われるほど、冷えは様々な症状の原因やその悪化、慢性化の原因になると考えます。
実際に冷えを改善することで同時に頭痛、肩こり、腰痛、手足のしびれや痛み、月経不順、月経困難症、便秘、下痢、頻尿、睡眠障害、倦怠感などのさまざまな症状が改善されることも多くみられます。
冷えの養生について
冷えに対しても、効果のある漢方薬を使うことはもちろん有効ですが、漢方では「養生(ようじょう)」といって、日常生活上の注意も大切と考えます。健康を維持・増進するために、また病気にかからないように、食事や運動など生活上の注意を守って過ごすことを漢方医学では養生といい、とても重要とされています。冷えに対しても養生、日常生活の中のさまざまな要素を見直すことが大切です。
食事に気を付ける
食事は生のものや冷たいもの、体を冷やす食べ物はなるべくとらないようにして、温かいものや体を温めるものをとるようにする。また食べ物は加熱すると性質が変わるため、火を通して食べるようにする。
運動を行う
ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動やストレッチは血流を改善し、筋肉をつける運動は熱の産生が増える。
服装に注意する
服装は薄着など冷えやすい服装をしない、腹巻やカイロなどを使ってお腹を温める、締め付けの強い衣服は血流を妨げるので避ける、首や足元から冷えるので気を付ける(マフラー、スカーフ、レッグウォーマーなどの活用も)。
入浴を活用する
入浴はシャワーですませず、38~40℃のぬるめのお湯の浴槽でゆっくり温まる。半身浴や足湯を活用する。
冷えのある方はできることから生活に取り入れてみるのもよいと思います。 | 暑い季節でも「冷え」を感じる要因は何ですか。 | 屋内の過度な冷房使用により「冷え」を感じる。 |
JCRRAG_009143 | 医療 | 化学療法治療をすると副作用が出現する可能性が高くなります。ですが、できるだけ副作用を最小限に抑えて生活をしていくほうが、体も心も楽になっていきます。
化学療法の副作用にはさまざまなものがあり、薬品によっても副作用が違いますが、ごく一般的に起こりやすいのが口内炎、味覚障害、骨髄抑制です。
まずは口内炎についてお話しします。化学療法治療2日目より、口の中に薬成分が出てきます。その時に口の中に汚れや、傷があったり、口の中が乾燥していたりすると口内炎ができやすくなります。口内炎ができてしまうと、食べたり飲んだり、話したりするときに口が動くため、痛みが出てきます。さらにしみて、ごはんや水分が取りにくくなり、体力が落ちてしまう可能性があります。そのため、化学療法治療を始める前に歯科受診をすることをおすすめします。歯のクリーニングや治療が必要かどうか、大丈夫かの確認が必要になります。歯のクリーニングがしてあると口内炎の出現率が低いです。口内炎の副作用はうがいをすることにより軽減することができます。
うがいは、化学療法治療開始前や、治療中だけでなく、治療終了後も継続が必要です。起床時、食前、食後、内服前、外出後、寝る前など頻回にブクブクうがいをしていくことが重要になります。うがい薬を使用する方法もありますが、症状がない場合は、水がおすすめです。さらに歯みがきをし、舌もきれいにしましょう。入れ歯があれば、入れ歯を洗い、就寝時、洗浄液に浸すようにしましょう。口の中を清潔にすることが治療をうまく継続していくポイントになります。
味覚障害という言葉を聞いたことがありますか? 食べても味が分かりにくくなったり、塩味、しょうゆ味が苦く感じたり、逆に甘すぎると感じてしまう方もいらっしゃいます。舌にはつぶつぶのところがあります。これは味(み)蕾(らい)といい、味を感じる部分です。舌が汚れていたり、乾燥していたりすると味は感じにくいですが、うがいをして、口の中をきれいにすることにより、味を感じやすくなります。また、口の中がうるおい、食べやすくなります。味がわからないと食欲もさがってしまいます。食事は生活の中で重要な時間です。うがいは少しでも味が分かり、楽しい時間にするためにも必要です。
骨髄抑制という言葉は聞いたことがありますか? 化学療法治療をすると7日から14日の内に血液の中にある白血球、赤血球、血小板という重要な役割をしている血球が少なくなってしまいます。特に白血球は菌をやっつける重要な働きをしています。その白血球が少なくなると、細菌に感染しやすくなってしまいます。手洗い、うがいをして、体の中に菌を入れないようにすることが重要になります。
うがいをすると、副作用は最小限に抑えることができます。ぜひ、家族の方と一緒にうがいをして菌を少なくして、生活をしましょう。 | 口内炎、味覚障害、骨髄抑制が副作用として起こりやすい治療を受ける前にしておく方がいい行為は何ですか。 | 口内炎、味覚障害、骨髄抑制が副作用として起こりやすい治療は化学療法治療となるため、化学療法治療を受ける前には歯科受診をしておくことがおすすめです。 |
JCRRAG_009144 | 医療 | 便通は、人によって回数も量もまちまちです。したがって、排便の回数とともに、ふだんとどう違っているかが重要です。たとえば週に2回程度でも、その人にとって量も性状もふつうなら便秘とは呼びません。
便秘では、なんらかの原因で排便が障害され、便通が1日に1回なく、ときには1週間以上もみられず、腸管に糞便が貯留した状態になります。具合がわるくなければ、自然に出るまでなにもしないでよいこともありますが、具合がわるければ、原因を調べて治療する必要があります。急に便が出なくなるのは腸閉塞(イレウス)のことが多く、腹痛・嘔吐(おうと)・腹部膨満を伴います。胃、大腸、婦人科疾患などの腹部手術を受けた人に起こりやすく、何度もくり返す傾向があります。豆やワカメなど、腸内でふくれるような食べ物はとりすぎないようにしましょう。
発熱や激しい腹痛を伴う急性腹膜炎のあとや、開腹手術のあとは、腸の運動が弱くなり、便秘するのがふつうです。おならが、腸がふたたび動き始めたサインになります。
常習性便秘は女性に多いですが、一部には原因がわかっているものもあります。たとえば、移動盲腸、ヒルシュスプルング病(先天性巨大結腸症)では、便がたまりやすい場所があり、腸の平滑筋の運動がわるいために便秘します。また、一般に内臓下垂症の人は便秘しやすい体質です。
腸の通りがわるくなる病気、たとえば腸狭窄(きょうさく)、腸管癒着(ゆちゃく)、大腸がんのあるときには、便がよく出ません。腸狭窄は、結核などの炎症のほか、近くのがんが大きくなって、腸を圧迫したために内腔(ないくう)の縮小などが生じることにより起こります。
生まれつきの病気では、子どもの便が出ないことで先天性鎖肛(さこう)に気づくことがあります。また、先天性肥厚性幽門狭窄症の可能性があります。
そのほかに、緊張感や、環境の変化、食事の内容、運動不足によっても便秘します。 | 排便をする場所はどこですか。 | 排便をする場所はトイレです。 |
JCRRAG_009145 | 医療 | ネイルケアによる皮膚トラブル
~除光液で手湿疹も(池袋西口病院 船坂陽子医師)~
手に赤みやぶつぶつ、水疱、皮むけなどが生じる手湿疹。症状が軽い手荒れが進行した状態で、ひどくなるとひび割れができ、かゆみや出血を伴う。ネイルケア関連の発症も報告されている。池袋西口病院(東京都豊島区)の船坂陽子医師に皮膚トラブルの原因や治療法、予防策を教えてもらった。
早めの治療が肝心
人気のジェルネイルは、合成樹脂でできたカラー剤を爪に塗り、紫外線(UV)ライトや発光ダイオード(LED)を当てて硬化させる。ただし、硬化が不十分なジェルが爪の周囲に付着すると、皮膚トラブルを起こすことがある。マニキュアやジェルネイルを落とすアセトン入り除光液にも注意が必要だ。
ネイルや除光液は、皮膚炎やアレルギー反応を起こす可能性がある化学物質。特に強い脱脂作用があるアセトンを使用した部分の皮膚は乾燥しやすく、手に付着するとバリアー機能が低下し、手湿疹を起こす人がいます。除光液を浸したコットンを持つ手の肌荒れ、かゆみが出る可能性もある。
手の角層は分厚く、丈夫にできていますが、強い刺激にさらし続けると手や爪の周りが赤くなり、かゆみや小さな水疱が表れることも。発症すると治りにくいため、早めの治療が重要です。
保湿ケアで乾燥予防
適切な対処をせずに症状が慢性化すると、皮膚に黒ずみや痕が残る場合がある。炎症抑制効果のあるステロイド外用剤を用い、治し切ることが大切だ。かゆみが強い場合は、抗ヒスタミン薬の内服を併用することもあります。原因や症状によって処方薬は変わるため、皮膚科専門医の受診が推奨される。
ステロイド外用薬を使っても改善しない場合は、他の病気の可能性がある。免疫機能が落ちた手や指にカンジタ菌が繁殖し、カンジタ性爪囲(そうい)炎になるケースも。爪の周囲が赤くなり、皮膚がふやけて腫れる病気で、手湿疹と間違えやすい。 | ネイルケアによる皮膚トラブルは足にもでますか。 | ネイルケアによる皮膚トラブルは足にもでます。 |
JCRRAG_009146 | 医療 | 咳喘息とは
咳喘息は、喘息と異なり喘鳴(ゼイゼイ、ヒューヒュー)を伴わず、咳が長引くことを唯一の症状とする疾患です。咳喘息はアレルギー炎症などにより気道過敏性が亢進し、気道が少しでも伸び縮みすると咳が出やすくなってしまっていること(咳嗽反応の亢進)が原因と考えられています。そのため、気管支拡張薬により咳が改善することを確認することが診断の手がかりとなります。
咳喘息の症状
咳はひどくなると会話中の咳など日中(寒暖差や湿度の差が激しい時)にも出ますが、「寝る前」「深夜」「早朝」に最も悪化します。そのため咳喘息では夜中にひどい咳で起きることがあります。「季節の変わり目」「寒暖差」「運動」「喫煙(副流煙)」「雨天」「花粉」「黄砂」などにより増悪します。これらは喘息と同様、アレルギー性炎症による「気道過敏性の亢進」によって起こると考えられており、繰り返し起こることが特徴です。ただし喘息と異なり喘鳴(ぜいぜい、ヒューヒュー)は起こりません。そのほかの症状として、「のどの違和感(咽喉頭異常感)」を起こすこともあります。特徴的な所見はのどの異常感である「イガイガ感(痒い感じ)」と「しめつけ感」です。また前胸部(のど~気管のあたり)が重たいという症状で受診される方もいます。
咳喘息や喘息ではアレルギー性炎症により気道が過敏となっているため、昼夜問わず咳が出るが、就寝前から就寝中、明け方に悪化することが特徴です。 | 咳喘息は他人にうつる病気ですか。 | いいえ、咳喘息は他人にうつる病気ではありません。 |
JCRRAG_009147 | 医療 | 脳血管疾患とは、脳動脈に異常が起きることで、脳細胞が障害を受ける病気の総称です。
脳血管疾患でみられる症状としては、意識障害・頭痛・嘔吐・高次機能障害・麻痺・言葉がうまく出ないなどが挙げられます。身体の麻痺については、片方の手足が動かなくなってしびれたり、顔の半分がしびれて動かなくなるといった症状が挙げられます。
脳血管疾患は、高血圧・糖尿病・メタボリックシンドローム・脂質異常症といった生活習慣病や不整脈などが原因となっておこります。そのほか、喫煙・運動不足・睡眠不足といった生活習慣の乱れも、脳血管疾患に関わりがあります。
例えば高血圧を放置した場合、血管が傷ついて血栓をつくり、次第に血管が硬く(動脈硬化)なって、脳血管疾患を引き起こします。
脳血管疾患の種類としては、脳梗塞・脳出血・高血圧性脳症・くも膜下出血などが挙げられます。続いて、それぞれについて見ていきましょう。
脳梗塞
脳梗塞は、何らかの原因によって脳の動脈が閉塞し、脳が壊死してしまう病気で後遺症が残ることが多くあります。脳梗塞はさらに、アテローム血管性脳梗塞・ラクナ梗塞・心原性塞栓症に分類されます。アテローム血管性脳梗塞は、血管にコレステロールなどが溜まり、動脈硬化が進んで血管狭窄部に血栓ができ、血管が詰まるものです。ラクナ梗塞は、脳の細い動脈が詰まって、脳の深い場所にできる梗塞のことを指します。心原性塞栓症は、心臓内でできた血栓が、血流によって流れて脳血管が詰まるものを指します。
脳出血
脳出血は、脳の細い血管が裂けることで、脳内で出血してしまう病気です。出血した血液は塊をつくって脳細胞を壊したり、周囲の脳組織を圧迫するなどして、脳にダメージを与えます。出血を起こした血管の位置やそのダメージの程度によって、症状に差があらわれます。
高血圧性脳症
高血圧性脳症は、文字通り急激な高血圧によって脳に障害が引き起こされる病気で、吐き気・意識障害・痙攣・嘔吐・頭痛などの症状があらわれます。高血圧性脳症の診断には、CT検査やMRI検査が必要になります。
くも膜下出血
くも膜下出血は、脳を保護する硬膜、くも膜、軟膜のうち、くも膜と軟膜の間にある隙間に出血が起こった状態のことをいいます。くも膜下出血の原因としては、脳動脈瘤の破裂が非常に多くなっています。
続いて、脳血管疾患の予防方法について見ていきましょう。
食塩の摂りすぎに注意する
味の濃い食事は高血圧につながり、高血圧は脳血管疾患の原因になります。ですので、日々の食事で味の濃い食事はなるべく避け、減塩に努めましょう。
禁煙
タバコは血管を収縮させて、血圧を上げます。また、一酸化炭素は血液中の酸素の運搬を妨げるなど、身体に多くの害があります。タバコは動脈硬化を促進させますので、徐々に1日の本数を減らして禁煙を目指しましょう。
令和5年の死亡数を死因順位別にみると、
第1位は、悪性新生物<腫瘍>で38万2492人(死亡率(人口10万対)315.6)で全死亡者に占める割合は24.3%。
第2位は、心疾患(高血圧性を除く)で昭和60年に脳血管疾患にかわり第2位となり、全死亡者に占める割合は14.7%。
第3位は、老衰で昭和22年をピークに低下傾向が続いたが、平成13年以降上昇しており、平成30年に脳血管疾患にかわり第3位となり、全死亡者に占める割合は12.1%。
第4位は、脳血管疾患で昭和45年をピークに低下傾向が続き、令和5年の全死亡者に占める割合は6.6%。
新型コロナウイルス感染症の死亡者数は3万8080人で、全死亡者に占める割合は2.4%。2020年から2022年の死者数(確定数)と合わせると、計10万5950人。 | 令和5年の死亡者の死因のうち、全体の6.6%を占めるのはどのような病気ですか。 | 令和5年の死亡者の死因のうち、全体の6.6%を占めるのは脳血管疾患で、脳動脈に異常が起きることで脳細胞が障害を受ける病気です。 |
JCRRAG_009148 | 医療 | 生活習慣病とは
生活習慣病とは、食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒など生活習慣が、発症・進行に関与する疾患群であり、がん(悪性新生物)、心疾患(狭心症や心筋梗塞などの心臓病)、脳血管疾患(脳梗塞やくも膜下出血などの脳の病)などの病気が含まれます。但し、生活習慣病の発症には、生活習慣だけでなく遺伝的要因や社会環境要因などの複数の要因が影響するという点に配慮が必要です。
生活習慣病という概念の導入
「生活習慣病」とは、1996年頃から使われるようになった用語です。以前は成人病といわれた、脳卒中、がん、心臓病を、生活習慣という要素に着目して捉え直した用語と位置づけられます。国際的には、これに慢性閉塞性肺疾患(COPD)を加えたNCDs(非感染性疾患)という言葉もよく使われるようになっています。
生活習慣病に関する初期の公的な文書としては、「生活習慣に着目した疾病対策の基本的方向性について(意見具申)」があります。それには次のように書かれています。
生活習慣に着目した疾病概念の導入の必要性
「成人病」という概念は、医学用語ではなく、昭和30年代に、「主として、脳卒中、がん、心臓病などの40歳前後から死亡率が高くなり、しかも全死因の中でも上位を占め、40~60歳くらいの働き盛りに多い疾病」として行政的に提唱されたが、その後、加齢にともなって罹患率が高くなる疾患群という意味として国民の間に定着している。
「成人病」という概念は、加齢という現象はやむを得ないものであり、一定の年齢になった段階で早期発見・早期治療を行うことが効果的であるという認識を醸成してきており、国民の検診に対する受診行動を推進する上で大きな役割を果たしてきたことは、評価されるべきである。
一方、前述したように、成人病の発症には生活習慣が深く関与していることが明らかになっており、これを改善することにより疾病の発症・進行が予防できるという認識を国民に醸成し、行動に結びつけていくためには、新たに、生活習慣に着目した疾病概念を導入し、特に一次予防対策を強力に推進していくことが肝要である。
また、生活習慣は、小児期にその基本が身につけられるといわれており、このような疾病概念の導入により、家庭教育や学校保健教育などを通じて、小児期からの生涯を通じた健康教育が推進されることが期待できる。
さらに、疾病の罹患によるQOLの低下が予防されるとともに、ひいては、年々増大する国民医療費の効果的な使用にも資するものと考えられる。
但し、疾病の発症には、「生活習慣要因」のみならず「遺伝要因」、「外部環境要因」など個人の責任に帰することのできない複数の要因が関与していることから、「病気になったのは個人の責任」といった疾患や患者に対する差別や偏見が生まれるおそれがあるという点に配慮する必要がある。
生活習慣病の定義と範囲
生活習慣病の範囲や定義には、はっきりと定められたものはありませんが、健康増進法では「がん及び循環器病」、「健康日本21(第三次)」では、「がん、循環器病、糖尿病、COPD等」が位置づけられています。
「生活習慣病」の定義、範囲及び「成人病」との関係
(前略)今後、生活習慣に着目した疾病概念の導入にあたっては、「生活習慣病(life-style related diseases)」という呼称を用い、「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群」と定義することが適切であると考えられる。
「生活習慣病」の範囲については、以下に例示するような生活習慣と疾病との関連が明らかになっているものが含まれる。
食 習 慣 インスリン非依存糖尿病、肥満、高脂血症(家族性のものを除く)、高尿酸血症、循環器病(先天性のものを除く)、大腸がん(家族性のものを除く)、歯周病等
運動習慣 インスリン非依存糖尿病、肥満、高脂血症(家族性のものを除く)、高血圧症等
喫 煙 肺扁平上皮がん、循環器病(先天性のものを除く)、慢性気管支炎、肺気腫、歯周病等
飲 酒 アルコール性肝疾患等
「成人病」との関係については、「成人病」は加齢に着目した疾患群であり、生活習慣に着目した「生活習慣病」とは概念的には異なるものである。
一方、それぞれの疾病概念に含まれる疾患については、いずれも年齢あるいは生活習慣の積み重ねにより発症・進行する慢性疾患であり、また、その発症には複数の要因が大なり小なり関与するものと考えられるので、「成人病」に含まれる疾患と「生活習慣病」に含まれる疾患は重複するものが多い。
なお、世界保健機関(WHO)は似たような概念として、NCDs(Noncommunicable diseases、非感染性疾患)という用語を用いています。NCDsには心臓病、脳卒中、がん、糖尿病のほか、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの慢性肺疾患が含まれます | 生活習慣病の発症・進行に関与するとされる生活習慣はいくつありますか。 | 生活習慣病の発症・進行に関与するとされる生活習慣は5つで、「食習慣」「運動習慣」「休養」「喫煙」「飲酒」です。 |
JCRRAG_009149 | 医療 | 年齢別・血圧の正常値
75歳未満の血圧の正常値は120/80mmHg以下(診察室血圧)、115/75mmHg以下(家庭血圧)です。また、高血圧は診察室血圧で140/90mmHg以上、家庭血圧で125/75mmHg以上で診断されます。ここでは年代別の血圧平均値と、注意したい点をご紹介します。
10代の血圧の特徴
10代は低血圧に注意したい年代です。初潮やホルモンバランスの変化、環境ストレスなどで低血圧になりがちです。
本態性低血圧という、特に原因のない低血圧もあります。また、起立性低血圧がある事も少なくありません。しかし病気や体質、薬の副作用が原因の低血圧の可能性もあり、原因を調べることが重要です。
立ちくらみなどの症状が頻繁にみられる場合は、一度は内科を受診しましょう。
20代の血圧の特徴
20代の血圧の平均値は男性で115.9/68.1mmHg、女性で105.7/63.8mmHgと理想的な数値です。また、120/80mmHg以下の正常血圧の割合は77.1%、降圧剤を飲んでいる率は0.8%とこの年代はまだ血圧が高い方は少ないといえます。
しかし近年は暴飲暴食などで肥満者が増え、若い世代でも動脈硬化が始まる可能性があります。会社の定期検診は必ず受け、自分の血圧を把握しましょう。
糖尿病など基礎疾患がある方は、20代でも高血圧になることがあります。数値が外れている人は何らかの疾患が隠れている可能性があります。140/90mmHg以上の場合は早急に内科を受診しましょう。
30代の血圧の特徴
30代の血圧の平均値は男性で117.2/73.8mmHg、女性で108/66.4mmHgで、正常値の範囲ですが20代より上がっています。正常血圧の割合は、74.1%、降圧剤を飲んでいる率は0.9%と20代と比較してやや血圧は上昇し、降圧剤を内服している割合もやや増加します。
仕事や育児ストレス、女性なら妊娠、出産で血圧が急上昇しやすい世代です。妊婦健診で高血圧(妊娠高血圧症候群)を指摘されることも珍しくありません。産婦人科の指導に従い治療を行いましょう。
定期健診で血圧を把握し、140/90mmHg以上の場合は早めに内科を受診しましょう。
40代の血圧の特徴
40代から徐々に健康面に問題が出てきます。血圧平均値も男性で125.4/80.6mmHg、女性で113.7/70.9mmHgと、男性では最低血圧が高値血圧(正常と高血圧の中間)に入ります。正常血圧の割合は51.7%と急激に減少し、降圧剤を内服している割合は6.2%と増加します。
本格的に対策をすべき年代なので、定期検診は必ず行いましょう。たとえ正常値でも減塩や運動を意識して行い、血管を労りましょう。女性は更年期に入り、高血圧や動脈硬化のリスクが上がる年代です。
50代の血圧の特徴
50代となると、生活習慣病の割合が増え動脈硬化が徐々に進行します。血圧の平均値は男性で129.7/81.0mmHg、女性で121.8/74.5mmHgと、さらに上昇し高値血圧に入る年代です。正常血圧の割合は、半数を切り33.7%と減少し、降圧剤を内服している割合は17.6%と多くなります。
定期検診で高血圧と診断されるリスクが上がる年代です。もし指摘されたら必ず早めに内科を受診して下さい。減塩や運動なども併せて行いましょう。
60代の血圧の特徴
60代から高血圧は、だれでも起こる身近な症状になります。血圧の平均値が男性で134.1/78.3mmHg、女性で130.6/76.7mmHgと、最低血圧は50代に比べて若干下がります。正常血圧の割合は、わずか17.6%まで落ち込みます。また、降圧剤を内服している割合は36.1%まで上昇します。最低血圧の低下は、動脈硬化がさらに進行し血管の弾力性が低下しているためといえます。[え大1] 60代以降は動脈硬化の進行が進む時期です。動脈硬化を進行させないためにも血圧を正常化するように生活習慣を改善させましょう。
70代以降の血圧の特徴
70歳以上の平均値は男性で133.9/74.5mmHg、女性で133.1/73.9mmHgと60代と比較して男性ではやや低下がみられるようになります。また、男女ともに最低血圧は低くなる傾向です。これは、動脈硬化がさらに進行していることを示しています。
75歳以降でも収縮期血圧140mmHg未満を目標とします。収縮期血圧を140mmHg未満とすることで死亡抑制効果があると考えられています。しかし、高齢であるためふらつきなどの生活に支障が出ていないかを個別に判断するべきです。また、高齢者であっても心血管系疾患や腎疾患など併存する病気がある場合には収縮期血圧を130mmHg未満を目指すことも検討すべきであるといえます。70代、80代の降圧については患者さん毎の病状にもよるため、一概にいえないことが多いです。まずは自分の降圧目標がどの程度となるのか主治医に確認をしてみましょう。 | 血圧の平均値が最も高い年代を男女別で教えてください。 | 血圧の平均値が最も高い年代は、男性は60代、女性は70代です。 |
JCRRAG_009150 | 医療 | 「病院(びょういん)」とは、「傷病者を収容して診断、治療する施設」という意味の言葉です。医師や歯科医師が公衆または特定多数人のために医業・歯科医業を行う場所で、患者20人以上を収容できるものを、医療法では「病院」と定めています。「病院」の中でも、特に100人以上の収容が可能で、診療科中に内科、外科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科を含むものについては、「総合病院」と呼ばれます。また、各種の病床を持つ「一般病院」に対し、結核や精神病、感染症といった特定の患者のみを扱う「特殊病院」もあります。
「診療所」や「クリニック」との主な違いは、収容人数に求められます。「病院」は前述したように、病床数(ベッドの数)が20以上の施設について使われる用語となっています。
「診療所(しんりょうじょ)」とは、「医療機関のうち、病床数が19以下のもの」を意味する言葉です。病床を持たない「無床(むしょう)診療所」と、病床を持つ「有床(ゆうしょう)診療所」の2種類に分けられます。管理は医師または歯科医師が行い、開設に際して医師・歯科医師は、開設後10日以内に所在地の都道府県知事に届け出なくてはならない旨医療法で定められています。
「病院」とは、医師や歯科医師が患者に治療を施す場所という点で同じですが、上記のように、収容できる数が違います。「診療所」の場合、病床数は19以下と法律で定められており、これに該当する場合「病院」を名乗ることはできません。
一方、「クリニック」とは、後述するように呼び方が違うだけとなっています。
「クリニック」とは、英単語の「clinic」をカタカナで表した言葉です。「clinic」は英語で、「外来診療所」や「臨床講義」を意味しています。一方、カタカナで「クリニック」という場合は、「診療所」の通称として使われるのが通常です。つまり、「クリニック」は「診療所」と同義で、法律上は「病床数が19以下の医療機関」を指すことになります。ちなみに「医院」という呼び方をする場合も、実質は「診療所」と違いはありません。
このように、法律で「診療所」に分類される医療機関は、「クリニック」や「医院」などの表記を自由に選ぶことができます。ただし、上記のように「病院」の名称は使えません。「病院」と名乗れるのは、すでに述べた通り、病床数が20以上の施設のみとなっています。 | 「病院」「診療所」「クリニック」の違いについて説明してください。 | 「病院」「診療所」「クリニック」ともに、医師や歯科医師が公衆または特定多数人のために医業・歯科医業を行う施設を指す。
医療法により病床数が20以上の施設が「病院」、病床数が19以下の施設が「診療所」と定められている。
「クリニック」は「診療所」と同義である。 |
JCRRAG_009151 | 医療 | ジェネリック医薬品(後発医薬品)とは、先発医薬品と同一の有効成分を同一量含み、同一経路から投与する製剤で、効能・効果、用法・用量が原則的に同一であり、先発医薬品と同等の臨床効果・作用が得られる医薬品をいいます。研究開発に要する費用が低く抑えられることから、先発医薬品に比べて薬価が安くなっています。
後発医薬品を普及させることは、医療の質を保ちつつ患者負担の軽減や医療費の効率化を図ることができ、医療保険財政の改善に資することから、2007(平成19)年に「後発医薬品の安心使用促進アクションプログラム」、2013(平成25)年に「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」を作成し、後発医薬品の数量シェアについて目標を定め、後発医薬品の使用を進めてきました。その結果、後発医薬品がある医薬品における使用数量では約8割と、国民の健康・生命を守る医療の重要な基盤として成長しました。
一方で、その基盤を支える後発医薬品産業が未だ品質や安定供給の観点から脆弱性を抱えていることが明らかとなっていることを踏まえ、2024(令和6)年、「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」を「安定供給の確保を基本として、後発医薬品を適切に使用していくためのロードマップ」として改訂し、数値目標(※1)に向けた取組を進めることとしました。
また、バイオ後続品(バイオシミラー)は、先行バイオ医薬品(※2)と同じ効能・効果、用法・用量で使える(=同等/同質である)ことを検証している医薬品であり、一般的に研究開発に要する費用が低く抑えられることから、先発医薬品に比べて薬価が安くなっています。
バイオ後続品を普及させることは、後発医薬品と同様、医療の質を保ちつつ医療保険財政の改善に資する一方で、バイオ後続品はその特性や使用状況、開発状況や国民への認知度等が後発医薬品とは大きく異なるため、「バイオ後続品の使用促進のための取組方針」を別途策定し、数値目標に向けた取組を進めることとしました。
厚生労働省は、目標の実現に向け、後発医薬品及びバイオ後続品の使用促進のための施策に取り組んでいます。
(※1)主目標:医薬品の安定的な供給を基本としつつ、後発医薬品の数量シェアを2029年度末までに全ての都道府県で80%以上
副次目標1:2029年度末までに、バイオシミラーが80%以上を占める成分数が全体の成分数の60%以上
副次目標2:後発医薬品の金額シェアを2029年度末までに65%以上
(※2)バイオ医薬品は遺伝子組換え技術や細胞培養技術等の最先端技術を用いて開発され、化学合成によって製造される医薬品と比べて膨大な開発費用を要するため一般的に薬価が高くなっている。 | 後発医薬品は先発医薬品と同等の臨床効果・作用が得られる医薬品で、薬価が安いことからどのような効率化が図れますか。 | 後発医薬品は先発医薬品と同等の臨床効果・作用が得られる医薬品で、薬価が安いことから医療の質を保ちつつ患者負担の軽減や医療費の効率化を図ることができます。 |
JCRRAG_009152 | 医療 | 国民医療費:統計の概要
統計の目的
本統計は、国民に必要な医療を確保していくための基礎資料として、我が国の医療保険制度・医療経済における重要な指標となっている。
統計の対象
本統計は、当該年度内の医療機関等における保険診療の対象となり得る傷病の治療に要した費用を推計したものである。
この費用には、医科診療や歯科診療にかかる診療費、薬局調剤医療費、入院時食事・生活医療費、訪問看護医療費等が含まれる。
なお、保険診療の対象とならない評価療養(先進医療(高度医療を含む)等)、選定療養(特別の病室への入院、歯科の金属材料等)等に要した費用は含まない。
また、傷病の治療費に限っているため、[1]正常な妊娠・分娩に要する費用、[2]健康の維持・増進を目的とした健康診断・予防接種等に要する費用、[3]固定した身体障害のために必要とする義眼や義肢等の費用も含まない。
性、年齢階級別国民医療費
年齢階級別にみると、0~14歳は2兆2326億円 (6.4%)、15~44歳は4兆8362億円(13.9%)、45~64歳は8兆7397億円 (25.1%)、65歳以上は18兆9999億円(54.6%)となっている。
人口一人当たり国民医療費をみると、65歳未満は15万8900円、65歳以上は67万3400円となっている。そのうち一般診療医療費では65歳未満が11万4200円、65歳以上が51万7400円となっている。歯科診療医療費では、65歳未満が1万7400円、65歳以上が2万9900円となっている。薬局調剤医療費では、65歳未満が2万4600円、65歳以上が10万4500円となっている。 | 人口一人当たりの国民医療費のうち最も高い医療費の種類ははどれですか。 | 人口一人当たりの国民医療費のうち、一般診療医療費の65歳以上が51万7400円となっており最も高いです。 |
JCRRAG_009153 | 医療 | 免疫の仕組み
免疫システムは体内で病原菌や異常な細胞を認識し、それらを殺滅することによって私たちの体を病気から守ってくれる強力な防衛機構です。たとえば、アメリカのアリゾナ大学がオフィス内にどれくらい細菌がいるか調査したところ、電話の受話器で1平方インチ当たり25.127個、机が20.961個、パソコンのキーボードで3.295個の細菌を検出したといいます。
このように私たちの日常生活のなかでは、常に多量の細菌がうごめいていますが、それでも病気にならないのは、体に備わった免疫システムのお蔭なのです。
●「免疫システム」は2段構えで闘う
免疫システムは、基本的に2つの仕組みから成り立っています。1つは「自然免疫」。常に体内を監視し、侵入者に対していち早く攻撃態勢を整えます。異物が侵入した初期段階の防衛線です。2つ目の「獲得免疫」は、高度な生命体のみに備わったシステムです。強い破壊力を持ち、がんなどの強力な敵に対抗します。特定の病気に対して抗体を持つのもこのシステムのお蔭です。
免疫は体内に侵入した異物に対し、まず「自然免疫」が攻撃を仕掛け、それでも撃退できない場合は「獲得免疫」が出動するという“2段構え”を講じています。両者は密接な連携プレーであらゆる状況に対応します。
●攻撃の先陣を切る免疫細胞
体内に侵入した外敵に対し、最初に攻撃を仕掛ける“自然免疫”のメンバーは「単球」「顆粒球」「NK細胞」です。これらの免疫細胞が常に体内をパトロールしてくれているお蔭で、私たちは病気にならずに済んでいるわけです。
単球――パトロールチーム
樹状細胞……異物の情報をリンパ球に伝える攻撃の総司令官。免疫がどれだけ有効に機能するかは、樹状細胞がどれだけ明確に敵を認識するかにかかっているといっても過言ではない
マクロファージ……死んだ細胞や異物を自分の中に取り込んで処理する。顆粒球を呼び寄せて攻撃を促す
顆粒球――攻撃チーム
「好中球」「好酸球」「好塩基球」から成り、比較的大きな病原菌を飲み込んで殺滅する
NK細胞――攻撃チーム
リンパ球のひとつ。攻撃性はさほど強くないが単独行動できるのが利点。敵に素早く反応する
●強力な攻撃を仕掛ける免疫細胞
がんなどの強力な敵に対抗する「獲得免疫」のメンバーは“T細胞”“B細胞”といった「リンパ球」です。
リンパ球――攻撃チーム
◆B細胞
主に細菌やウイルスなど、小型の外敵に対抗する。“抗体”というミサイルのような武器で戦う
◆T細胞
がんなどを攻撃する免疫の主力部隊。強力な殺傷能力を有する「キラーT細胞」、それを活性化させる「ヘルパーT細胞」、攻撃をストップさせる「サプレッサーT細胞」など、さまざまな種類が確認されている。T細胞は各々連携をとりながら、多彩な攻撃を展開する
●免疫を潜り抜ける“がん細胞”
免疫システムは、がん細胞などを異物だと認識することで起動します。その“認識”という重要な役目を担っているのが「樹状細胞」です。樹状細胞は免疫の総司令官といわれるほど優秀な細胞ですが、がんはさらに“したたか”。ゲリラ戦の猛者のように免疫を攪乱し、監視の目を潜り抜けてしまうのです。
がんがたくらむ4つの“免疫攪乱”作戦
①免疫細胞は抗原(免疫細胞が攻撃の目印にする物質)がはっきり提示されていれば、その分容易に攻撃態勢へ入れる。しかし、がん細胞は巧みに“がん抗原”を隠しながら増殖する。
②がん細胞は免疫の主力部隊である「T細胞」が攻撃モードに入らないようにする物質を分泌している。
③免疫細胞のひとつ「マクロファージ」が担うT細胞を活性化する作用を押さえ、逆にT細胞の活動を抑制する物質を分泌させる
④「免疫寛容」という、免疫細胞との“なれ合い状態”を作る。がん細胞と免疫細胞はバランスを保って共存してしまうので、免疫は力を発揮できない
こうしたがんの攪乱を突破するためには、樹状細胞に一層鮮明に標的であるがんの姿を教え込む必要があります。その免疫システムにがん情報を明確に伝える“力”こそ、免疫療法そのものだといっても過言ではありません。つまり、世の中に数多くある免疫療法の差とは、樹状細胞のがんに対する認識・識別能力の差だといっても良いでしょう。 | 人間にはそもそも自然に備わっている免疫があります。その中で一番に細菌と戦う免疫は何ですか。 | 自然免疫です。 |
JCRRAG_009154 | 医療 | "免疫の仕組み
免疫システムは体内で病原菌や異常な細胞を認識し、それらを殺滅することによって私たちの体を病気から守ってくれる強力な防衛機構です。たとえば、アメリカのアリゾナ大学がオフィス内にどれくらい細菌がいるか調査したところ、電話の受話器で1平方インチ当たり25.127個、机が20.961個、パソコンのキーボードで3.295個の細菌を検出したといいます。
このように私たちの日常生活のなかでは、常に多量の細菌がうごめいていますが、それでも病気にならないのは、体に備わった免疫システムのお蔭なのです。
●「免疫システム」は2段構えで闘う
免疫システムは、基本的に2つの仕組みから成り立っています。1つは「自然免疫」。常に体内を監視し、侵入者に対していち早く攻撃態勢を整えます。異物が侵入した初期段階の防衛線です。2つ目の「獲得免疫」は、高度な生命体のみに備わったシステムです。強い破壊力を持ち、がんなどの強力な敵に対抗します。特定の病気に対して抗体を持つのもこのシステムのお蔭です。
免疫は体内に侵入した異物に対し、まず「自然免疫」が攻撃を仕掛け、それでも撃退できない場合は「獲得免疫」が出動するという“2段構え”を講じています。両者は密接な連携プレーであらゆる状況に対応します。
●攻撃の先陣を切る免疫細胞
体内に侵入した外敵に対し、最初に攻撃を仕掛ける“自然免疫”のメンバーは「単球」「顆粒球」「NK細胞」です。これらの免疫細胞が常に体内をパトロールしてくれているお蔭で、私たちは病気にならずに済んでいるわけです。
単球――パトロールチーム
樹状細胞……異物の情報をリンパ球に伝える攻撃の総司令官。免疫がどれだけ有効に機能するかは、樹状細胞がどれだけ明確に敵を認識するかにかかっているといっても過言ではない
マクロファージ……死んだ細胞や異物を自分の中に取り込んで処理する。顆粒球を呼び寄せて攻撃を促す
顆粒球――攻撃チーム
「好中球」「好酸球」「好塩基球」から成り、比較的大きな病原菌を飲み込んで殺滅する
NK細胞――攻撃チーム
リンパ球のひとつ。攻撃性はさほど強くないが単独行動できるのが利点。敵に素早く反応する
●強力な攻撃を仕掛ける免疫細胞
がんなどの強力な敵に対抗する「獲得免疫」のメンバーは“T細胞”“B細胞”といった「リンパ球」です。
リンパ球――攻撃チーム
◆B細胞
主に細菌やウイルスなど、小型の外敵に対抗する。“抗体”というミサイルのような武器で戦う
◆T細胞
がんなどを攻撃する免疫の主力部隊。強力な殺傷能力を有する「キラーT細胞」、それを活性化させる「ヘルパーT細胞」、攻撃をストップさせる「サプレッサーT細胞」など、さまざまな種類が確認されている。T細胞は各々連携をとりながら、多彩な攻撃を展開する
●免疫を潜り抜ける“がん細胞”
免疫システムは、がん細胞などを異物だと認識することで起動します。その“認識”という重要な役目を担っているのが「樹状細胞」です。樹状細胞は免疫の総司令官といわれるほど優秀な細胞ですが、がんはさらに“したたか”。ゲリラ戦の猛者のように免疫を攪乱し、監視の目を潜り抜けてしまうのです。
がんがたくらむ4つの“免疫攪乱”作戦
①免疫細胞は抗原(免疫細胞が攻撃の目印にする物質)がはっきり提示されていれば、その分容易に攻撃態勢へ入れる。しかし、がん細胞は巧みに“がん抗原”を隠しながら増殖する。
②がん細胞は免疫の主力部隊である「T細胞」が攻撃モードに入らないようにする物質を分泌している。
③免疫細胞のひとつ「マクロファージ」が担うT細胞を活性化する作用を押さえ、逆にT細胞の活動を抑制する物質を分泌させる
④「免疫寛容」という、免疫細胞との“なれ合い状態”を作る。がん細胞と免疫細胞はバランスを保って共存してしまうので、免疫は力を発揮できない
こうしたがんの攪乱を突破するためには、樹状細胞に一層鮮明に標的であるがんの姿を教え込む必要があります。その免疫システムにがん情報を明確に伝える“力”こそ、免疫療法そのものだといっても過言ではありません。つまり、世の中に数多くある免疫療法の差とは、樹状細胞のがんに対する認識・識別能力の差だといっても良いでしょう。" | 死んだ細胞や異物を自分の中に取り込んで処理する、ごみ処理をしてくれる免疫細胞は何ですか。 | マクロファージです、 |
JCRRAG_009155 | 医療 | 医療施設動態調査(令和6年4月末概数)(厚労省)
2024年4月末時点での医療施設動態調査によると、日本の病院数は前月から18施設減少し、病床数は4,987床減少しました。一般診療所の数は87施設減少し、病床数は546床減少しています。一方、歯科診療所の施設数も57施設減少しましたが、病床数には変動がありません。
各施設の種類別にみると、総数では4月末時点で180,040施設あり、前月から162施設減少しました。病床数は1,548,809床で、前月より5,533床減少しています。病院の数は8,079施設で、18施設減少し、病床数は1,474,741床で4,987床減少しました。この中で、精神科病院の数は1,058施設で変動はなく、病床数は318,045床で510床減少しています。また、一般病院の数は7,021施設で18施設減少し、病床数は881,135床で2,693床減少しました。療養病床を有する病院は3,359施設で18施設減少し、病床数は270,010床で1,718床減少しています。地域医療支援病院は695施設で変動はなく、一般病床は883,828床から2,693床減少して881,135床となりました。
一般診療所は105,193施設で87施設減少し、病床数は74,008床で546床減少しています。有床診療所は5,527施設で38施設減少し、療養病床を有する一般診療所は459施設で22施設減少しました。無床診療所は99,666施設で49施設減少しています。歯科診療所は66,768施設で57施設減少し、病床数は変動がありません。
開設者別にみると、国立の病院は8,079施設あり、そのうち厚生労働省が管理する病院は14施設、独立行政法人国立病院機構が管理する病院は140施設で、病床数は51,723床です。国立大学法人が管理する病院は47施設で、病床数は32,630床、独立行政法人労働者健康安全機構が管理する病院は32施設で、病床数は11,520床です。
その他の独立行政法人が管理する病院は57施設で、病床数は15,146床、国立高度専門医療研究センターは8施設で、病床数は4,047床です。都道府県が管理する病院は185施設で、病床数は45,729床、市町村が管理する病院は589施設で、病床数は118,224床です。地方独立行政法人が管理する病院は131施設で、病床数は51,683床、日赤は91施設で、病床数は33,930床です。
さらに、済生会が管理する病院は83施設で、病床数は21,955床、北海道社会事業協会が管理する病院は7施設で、病床数は1,622床、厚生連が管理する病院は95施設で、病床数は29,528床です。健康保険組合及びその連合会が管理する病院は6施設で、病床数は1,370床、共済組合及びその連合会が管理する病院は39施設で、病床数は12,881床、公益法人が管理する病院は187施設で、病床数は46,164床です。
医療法人が管理する病院は5,634施設で、病床数は829,040床、私立学校法人が管理する病院は113施設で、病床数は55,898床、社会福祉法人が管理する病院は202施設で、病床数は33,840床です。医療生協が管理する病院は78施設で、病床数は13,018床、会社が管理する病院は26施設で、病床数は7,638床、その他の法人が管理する病院は196施設で、病床数は40,254床です。個人が開設する病院は100施設で、病床数は9,096床です。
都道府県別にみると、最も多い病院数を持つのは東京都で、636施設あります。病床数も最多で、124,827床です。次いで大阪府が502施設、病床数は103,112床、神奈川県が332施設で病床数は72,781床です。一般診療所の数も東京都が最も多く、15,065施設あり、次いで神奈川県が7,210施設、大阪府が8,947施設となっています。
また、各都道府県の療養病床を有する病院の数をみると、東京都は227施設、大阪府は204施設、神奈川県は123施設となっています。一般診療所で療養病床を有する施設数も東京都が9施設、大阪府が3施設、神奈川県が8施設です。歯科診療所の数も東京都が10,652施設で最多、大阪府が5,430施設、神奈川県が4,928施設と続いています。
今回の調査結果を通じて、日本全国の医療施設の現状と変動が明らかになりました。これにより、今後の医療政策や施設整備に役立つ貴重なデータが提供されました。引き続き、医療施設の動向を注視し、適切な医療提供体制の維持・改善に努めていくことが求められます。 | 医療施設の種類別にみると。数の変動がなかった医療施設の種類はいくつありますか。 | 数の変動がなかった医療施設の種類は、2つです。 |
JCRRAG_009156 | 医療 | 医療施設動態調査(令和6年4月末概数)(厚労省)
2024年4月末時点での医療施設動態調査によると、日本の病院数は前月から18施設減少し、病床数は4,987床減少しました。一般診療所の数は87施設減少し、病床数は546床減少しています。一方、歯科診療所の施設数も57施設減少しましたが、病床数には変動がありません。
各施設の種類別にみると、総数では4月末時点で180,040施設あり、前月から162施設減少しました。病床数は1,548,809床で、前月より5,533床減少しています。病院の数は8,079施設で、18施設減少し、病床数は1,474,741床で4,987床減少しました。この中で、精神科病院の数は1,058施設で変動はなく、病床数は318,045床で510床減少しています。また、一般病院の数は7,021施設で18施設減少し、病床数は881,135床で2,693床減少しました。療養病床を有する病院は3,359施設で18施設減少し、病床数は270,010床で1,718床減少しています。地域医療支援病院は695施設で変動はなく、一般病床は883,828床から2,693床減少して881,135床となりました。
一般診療所は105,193施設で87施設減少し、病床数は74,008床で546床減少しています。有床診療所は5,527施設で38施設減少し、療養病床を有する一般診療所は459施設で22施設減少しました。無床診療所は99,666施設で49施設減少しています。歯科診療所は66,768施設で57施設減少し、病床数は変動がありません。
開設者別にみると、国立の病院は8,079施設あり、そのうち厚生労働省が管理する病院は14施設、独立行政法人国立病院機構が管理する病院は140施設で、病床数は51,723床です。国立大学法人が管理する病院は47施設で、病床数は32,630床、独立行政法人労働者健康安全機構が管理する病院は32施設で、病床数は11,520床です。
その他の独立行政法人が管理する病院は57施設で、病床数は15,146床、国立高度専門医療研究センターは8施設で、病床数は4,047床です。都道府県が管理する病院は185施設で、病床数は45,729床、市町村が管理する病院は589施設で、病床数は118,224床です。地方独立行政法人が管理する病院は131施設で、病床数は51,683床、日赤は91施設で、病床数は33,930床です。
さらに、済生会が管理する病院は83施設で、病床数は21,955床、北海道社会事業協会が管理する病院は7施設で、病床数は1,622床、厚生連が管理する病院は95施設で、病床数は29,528床です。健康保険組合及びその連合会が管理する病院は6施設で、病床数は1,370床、共済組合及びその連合会が管理する病院は39施設で、病床数は12,881床、公益法人が管理する病院は187施設で、病床数は46,164床です。
医療法人が管理する病院は5,634施設で、病床数は829,040床、私立学校法人が管理する病院は113施設で、病床数は55,898床、社会福祉法人が管理する病院は202施設で、病床数は33,840床です。医療生協が管理する病院は78施設で、病床数は13,018床、会社が管理する病院は26施設で、病床数は7,638床、その他の法人が管理する病院は196施設で、病床数は40,254床です。個人が開設する病院は100施設で、病床数は9,096床です。
都道府県別にみると、最も多い病院数を持つのは東京都で、636施設あります。病床数も最多で、124,827床です。次いで大阪府が502施設、病床数は103,112床、神奈川県が332施設で病床数は72,781床です。一般診療所の数も東京都が最も多く、15,065施設あり、次いで神奈川県が7,210施設、大阪府が8,947施設となっています。
また、各都道府県の療養病床を有する病院の数をみると、東京都は227施設、大阪府は204施設、神奈川県は123施設となっています。一般診療所で療養病床を有する施設数も東京都が9施設、大阪府が3施設、神奈川県が8施設です。歯科診療所の数も東京都が10,652施設で最多、大阪府が5,430施設、神奈川県が4,928施設と続いています。
今回の調査結果を通じて、日本全国の医療施設の現状と変動が明らかになりました。これにより、今後の医療政策や施設整備に役立つ貴重なデータが提供されました。引き続き、医療施設の動向を注視し、適切な医療提供体制の維持・改善に努めていくことが求められます。 | 都道府県別にみて、病床数が一番多い都道府県はどこですか。 | 都道府県別にみて、病床数が一番多い都道府県は東京都です。 |
JCRRAG_009157 | 医療 | 白内障手術の方法と合併症
白内障は水晶体(レンズ)の中身が濁ってくることによって、視力低下やか
すみといった症状が出現します。手術で中身を取り出せば、すっきりとした濁
りのない状態になるのですが、水晶体はピントを合わせる役割を持っています。
もし取り出すだけで手術を終えてしまうと、強度のピンボケ状態(遠視)にな
るので、代わりのものが必要となります。これが眼内レンズです。
◇水晶体を人工レンズに入れ替え
水晶体は弾力性のある水晶体嚢(のう)という袋に覆われ、その袋はチン小
帯と呼ばれる細い多数の糸のようなもので目の中に固定されています。実際の
白内障手術では、水晶体嚢の一部を丸い形で切り取って中身を露出させ、専用
の機械で取り出し、空になった袋の中に眼内レンズを入れて固定します。
もう少し詳しい手順を説明すると、
1. まぶたと目の消毒
2. 局部麻酔(点眼 、注射)
3. 角膜あるいは強膜を切開
4. 水晶体前嚢を円形切開
5. 中身を分割粉砕
6. 中身を吸引
7. 眼内レンズを挿入
という順序で進行します。消毒と麻酔は少ししみる感じ、3以降の手順にお
いても目に触れられる感覚や押される感覚はありますが、痛みはほとんどあり
ません。強度近視の方は他の方に比べると痛みを伴いやすいので、前房内麻酔
を行うとよいことが知られています。
◇レーザーも選択肢
現在の白内障手術では、これらの過程のうち、3から5を手動で行う超音波乳
化吸引術(以下超音波)と、自動で行うフェムトセカンドレーザー手術(以下
レーザー)があります。
レーザーが可能な医療機関は非常に少なく、多くの皆さんは超音波で手術を
受けることになります。超音波とレーザーによって、手術の安全性や手術後視
力に違いがあるのか気になるところです。現在までにさまざまな施設から報告
が出ていて、レーザーの方が優れているという報告もあれば、どちらも結果は
同じという報告もあります。
一方で、進行した白内障や、水晶体全体が白く濁ってしまう成熟白内障など
の合併症を生じやすい症例に関しては、レーザーに分があることは確かです。
また、執刀件数の少ない医師と多い医師では合併症の発生頻度に差が生じます
が、レーザーでは差がより少ないという報告もあります。
どちらも安全な手術と言えますが、皆さんが医師に執刀件数を聞くのは難し
いでしょうから、どの医師が執刀しても一定水準以上の手術が受けられるレー
ザーには安心感があるとみられます。ただ、残念ながら手術費用は大きく異な
ります。レーザーを選択するかどうかは皆さんの価値観で考えてください。
| 白内障は眼科で治療できますか。 | 白内障は眼科で治療できます。白内障は視力低下やかすみといった目の症状がでるので、眼科で診察を受けることになります。 |
JCRRAG_009158 | 医療 | ◆◆「ナトカリ比」低い食習慣で高血圧症対策を
内科外来を担当していると、遭遇する頻度の最も高い疾患が高血圧症です。
体内のホルモン異常、腎臓や心臓の異常などによる二次性高血圧症も存在しま
すが、多くは生活習慣や体質が原因の本態性高血圧症で、特に塩分の取り過ぎ
が問題となっているケースが目立ちます。
病院は受診していないけれど、血圧が気になっており、塩分制限や健康食品
で改善を試みたいと考えている方も多いのではないでしょうか。そこで、今回
は血圧を下げるための食事習慣について紹介します。
◆塩分は6グラム未満に
高血圧症の患者さんには、塩分摂取を1日当たり6グラム未満にするようお願
いしています。取り過ぎの自覚がない方が多いので、私の外来では、普段の食
事内容を聴取してそれぞれに含まれる塩分量を伝え、食べる頻度をどの程度ま
で減らせばよいかを考えます。具体的には「みそ汁と梅干しはそれぞれ1グラム
以上の塩分を含むので、どちらかにしましょう」「ソーセージは2本で1グラム
以上の塩分を含みます。毎日食べるのはやめましょう」などといった具合です。
ただ、食べているもの全ての塩分量を調べるには大変な手間がかかります。
自分がどのくらいの塩分を摂取しているかを正確に把握できている方はほとん
どいないとみられます。
◆野菜・果物でカリウム摂取
血圧を下げるもう一つの食事療法が「ナトカリ比」という考え方です。これ
は尿の中に含まれるナトリウム量をカリウム量で割った値であり、尿検査で調
べることができます。検査方法としては、24時間分の尿をためる方法、週に4回
病院に来てその都度尿検査をする方法などがあります。
ナトカリ比が高い人ほど血圧は高くなるため、この比率を下げること、具体
的には2未満にすることが推奨されています。分母であるカリウムの摂取量を増
やすと、ナトカリ比を下げることができます。カリウムには塩分を排出させる
働きがあるからで、野菜や果物に多く含まれています。詳しい食事内容は「ナ
トカリ比 食事」で検索してみてください。
ただ、食事療法のみに頼り過ぎないことも大切です。高血圧症には動脈硬化
や血管の狭窄(きょうさく)・拡張不良などの体質が関わっていることも多く、
食事療法だけで十分な改善が見られない場合は薬物治療が必要です。また、腎
臓が悪い方にとってはカリウムの摂り過ぎは体に害となる場合もあります。血
圧が気になる方は、まずは一度病院を受診して、食事療法も医師と相談しなが
ら行うのが最も良いでしょう。
| 野菜や果物の摂取を多くすることは、高血圧対策になりますか。 | 野菜や果物の摂取を多くすることは、高血圧対策になります。高血圧の原因の多くは生活習慣や体質にあり、特に塩分の取り過ぎが問題となっています。カリウムには塩分を排出させる働きがあり、野菜や果物に多く含まれています。 |
JCRRAG_009159 | 医療 | 厚生労働省のデータによると、若者が献血に行かない理由の3割を占めるのが、「なんとなく不安だから」である。若年層の献血者数は大幅に減少しており、このままでは血液の安定供給ができなくなってしまう。
これを打開するべく今回は「僕が献血に行く理由」をお伝えしたい。
まず、献血ルームではお菓子とドリンクが食べ飲み放題だ。献血ルームによって異なるが、普通のお菓子ではなく、アイスクリームやクイニーアマンといった、僕のような食いしん坊の人にはとても魅力的なスイーツをいただける献血ルームもある。
次に、献血をすれば無料で健康状態をチェックできる。ヘモグロビン値やγGTP値など健康診断でしらべると、15,000円ほどかかるデータを無料で調べてもらうことができる。専業主婦や学生、フリーターなど職場の定期検診がない人には嬉しいサービスとなっている。
そして何より、献血は人の役に立つことができる。献血をしているほとんどの人は僕を含め、これが献血に行く一番のモチベーションとなっていると思う。先日実習で、人工心肺を使用した心臓病の手術を見学し、初めて輸血が行われているのを見た。心臓のオペというのは細かい作業が要求されるため、心臓を止めなくてはならない。そしてその間、全身の循環状態を保つためにはたくさんの血液を必要とする。心臓外科医、麻酔科医、看護師、医療器具専門家、そして献血をした人全員によるチーム医療というものを目の当たりにし、自分の血液もどこかで誰かの命を救っているということを誇らしく感じた。
人々の善意によって作られた輸血用血液は、手術、妊娠・分娩、交通事故の処置など様々な機会で使用される。いつか皆さんも血液を分けてもらう側になるかもしれない。『40分でできる人助け』である献血に行ってみてはいかがだろうか。 | 献血は、無料で出来ますか。 | 献血は、無料で出来ます。 |
JCRRAG_009160 | 医療 | 私は2カ月前に実習の一環として、精神科単科病院を2日間見学した。精神疾患に特化した病院のため、入院患者さんの疾患もうつ病、統合失調症、認知症などさまざまだった。
精神科病院は精神疾患患者を隔離する場所である、と多くの人は思っているかもしれない。しかし、これは過去の話で、現在はまったく違う。精神疾患の人々が、元気に退院し社会復帰できるようにサポートする場所なのだ。社会復帰のためにどのような最新鋭の医療が行われているのかと、私は見学を心待ちにしていた。最新の電気痙攣療法なのか、または動物実験で安全性が担保された新薬の治験を兼ねた医療なのか。しかし私が予想した医療とはまったく違うものだった。
治療の部屋に入ると、統合失調症の患者さんたちが楽しそうにカラオケをしていたのだ。カラオケは、誰が初めに歌うかなどの順番を決めたり、誰かが歌っている時に手拍子をしたりと、かなりの社会性が必要とされる。活動することによる精神の安定だけでなく、対人関係構築の練習など、社会復帰に必要なことがたくさん含まれているのだ。また、別の疾患にも有効で、認知症の患者さんがカラオケをしたことで、うつや徘徊などの起こりうる症状が軽減したという報告もある。
しかもこのカラオケは、一定の基準は存在するが保険適用の医療としてカウントされている。つまり国が正式に、「限られた社会保障費の中からお金を出す価値のある医療」として認めているのだ。カラオケが立派な医療であることを教えてくださった精神科病院の先生も、カラオケ治療の有用性を実感しているとのことだった。
このように私たちの生活の中には、症状の改善や健康の維持に役立つことが隠れている。思いもよらない行動が、何かの疾患の治療や予防につながっているかもしれない。医学の面白さを再確認したのと同時に、この面白さを伝えていくことが、医療者と非医療者の壁を取り除くための手助けになるのではないかと感じた。 | 国が正式に認めた、限られた社会保障費の中からお金を出す価値のある医療は、何ですか。 | 国が正式に認めた、限られた社会保障費の中からお金を出す価値のある医療は、カラオケです。 |
JCRRAG_009161 | 医療 | アトピー性皮膚炎は、皮膚に「かゆみ」を伴う湿疹ができ、その湿疹が慢性的に悪くなったり、良くなったりを繰り返す病気です。その正しい理解のために、まず、皮膚の構造や仕組みから話したいと思います。
皮膚は表皮、真皮、皮下組織から成り立っています。最も外側にあるのが表皮で、アトピー性皮膚炎に深く関わる部分です。この表皮は外側から順に、角(かく)層、顆粒(かりゅう)層、有棘(ゆうきょく)層、基底(きてい)層という4層構造になっています。
そして表皮は、内側の基底細胞が分裂して有棘細胞に、さらには顆粒細胞に、と約1カ月かけて生まれ変わります。古い表皮は、角質(いわゆるアカ)となって、2週間ほどで自然にむけてなくなっていきます。
それでは、どうしてアトピー性皮膚炎になるのでしょうか。原因は2つあります。
1つは皮膚のバリアー機能の異常、もう1つはアレルギー反応です。その2つが絡み合って、かゆみのあるアトピー性皮膚炎という病気が起きます。
まとめますと、アトピー性皮膚炎とは、バリアー機能が弱まってスカスカになった皮膚に、アレルギーを引き起こすアレルゲンが入り込み、皮膚の中でかゆみの強いアレルギー反応を起こした病気と言えます。 | 皮膚は、何種類から成り立っていますか。 | 皮膚は、3種類から成り立っています。 |
JCRRAG_009162 | 医療 | 日本とイスラエルは、いずれも国民皆保険制度を採用している点で共通しますが、その運用方法に違いがあります。日本では、国民は各人の勤務形態などに基づき、国民健康保険、協会けんぽ、健康保険組合、共済組合などに加入します。一方イスラエルでは、国民は4つの”HMO(Health Maintenance Organization)”のいずれかを選択し、加入します。
4つのHMOは非政府、非営利の健康保険組織であり、加入者に対して、法律で定められた基本的な医療サービスを提供することが義務付けられています。運営資金は、加入者数、年齢構成などを加味して、政府から配分されます。
HMOの大きな特徴は保険組合機能だけでなく、医師をはじめ医療スタッフを雇用し、実際に医療機関を運営していることでしょう。最も規模の大きいHMOである”Clalit”は、3万人を超える医療スタッフを雇用し、14病院、1200クリニックを抱えています。そのため各医療機関同士はITシステム、患者情報を共有することが可能になります。Clalitは現在国民の約半数に当たる380万人の加入者に対して、共通のプラットフォームに基づき医療サービスを提供しています。
Clalitの職業別雇用者数は、医師7500名、看護師11500名、薬剤師1300名、検査技師4400名、事務職員9400名です。
Clalitのように、医療スタッフ、医療機関、医療情報を組織化することは、それぞれ医療の効率性につながります。具体的な事例を挙げてみたいと思います。医療スタッフを組織化することは、医師を含め医療スタッフ同士の相談を可能にします。例えば診療方針や処方薬の選択で判断に迷うことがある場合も、その領域の専門スタッフに相談し、アドバイスや類似事例の共有を受けることで、迅速に的確な対応方法を見つけることができます。
次に、医療機関を組織化することは、医薬品や医療機器の集中購買を可能にします。これはイメージしやすいと思います。集中購買により購買力が向上するとともに、組織全体で無駄のない在庫管理を可能にします。
最後に、医療情報を組織化することは、各医師の診療行為のモニタリングを可能にし、医療サービスのクオリティーやコストに対する意識を高めます。また患者情報が時系列に蓄積され、いつでもすぐに把握できることは、的確な診療を行う上で大きな助けになります。
これらは一例に過ぎませんが、医療スタッフ、医療機関、医療情報を大規模に組織化することが、医療の効率性につながることは理解できると思います。昨年、Clalitの主要病院の一つ”Rabin Medical Center”を訪れ、Clalitの医療システムに関する講義を受けた際は、特に高度なITシステムの連携に力点が置かれていました。ITシステムを通じた患者情報の共有とさまざまなサポートツールが、医師を含め医療スタッフの業務に大きく貢献しています。 | Clalitの職業別雇用者数で、最も人数が多いのは、どの職業ですか。 | Clalitの職業別雇用者数で、最も人数が多いのは、看護師です。 |
JCRRAG_009163 | 医療 | 物忘れがひどくなって「自分は認知症じゃないか」と心配する方が多いですね。また、外来で認知症のご家族を持つ方からご相談を受けることもしばしばです。認知症への関心はとても高いのですが、認知症についての正確な知識をお持ちの方はごくわずか。
そこで質問です。加齢による物忘れと認知症の違いはなんでしょうか。
まずは本人の自覚があるかないかです。物忘れをして「自分は認知症ではないか」と心配するのは老化。認知症の方には「忘れた」という自覚がありません。
老化による物忘れは体験の一部を忘れますが、認知症の場合は体験したこと自体を忘れてしまいます。例えばコンサートに出掛けた後、演奏した人の名前を忘れるのは老化現象です。認知症の場合はコンサートに出掛けたことを丸ごと忘れてしまいます。つまり、ご自分で「自分は大丈夫なのか」と心配している方は、現時点では大丈夫です。
地方自治体が認知症に関してさまざまな取り組みをしています。2017年11月末、講演で愛媛県西予市を訪れた際、市が作成した「認知症あんしんノート」を拝見しました。これが実によくできていてご紹介しようと思いました。
このパンフレットは一人暮らしの高齢者が安心して暮らすため、そして認知症のご家族を持つ方をサポートするために2,000冊が配布されたそうです。
A4判で20ページ余りのパンフレットには認知症チェックや認知症の相談窓口、診療を行っている地域の診療所や病院の外来診察日や住所、認知症の人との接し方のポイントである3つの「ない」(驚かせない、急がせない、自尊心を傷つけない)の詳しい説明などが記載されています。
市ではこのほかに、認知症サポーター養成講座や、徘徊(はいかい)高齢者のSOS登録事業なども展開していて、認知症のご家族を持つ方々が問題を一人で抱え込まないように支援する体制づくりに力を入れていました。
家族で問題を抱え込むことは、認知症の方にとってもご家族にとってもよくありません。なぜなら人と関わらないことで認知症はますます進行することがあり、それに伴って家族の方もまた大きなストレスを感じるからです。
認知症には、アルツハイマー型、脳血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭葉性認知症などがあります。
半年前、レビ―小体型認知症の夫を介護する女性から相談を受けました。お一人で介護しているのですが、夫をひとり家において外出することへの不安から睡眠を十分に取れなくなり、うつ状態に陥って悩んでいらっしゃいました。
自治体による支援をご紹介し、半年かけて夫がデイサービスを利用するなどした結果、女性はご自分の生活リズムを取り戻されました。夫もデイサービスに出掛けるのが楽しみになり状況が好転しています。各自治体で行っているこうした支援を知り、ぜひ相談してほしいものです。 | 加齢による物忘れと認知症について、200文字以内で説明してください。 | 加齢による物忘れは、本人に老化現象の自覚があり、体験の一部を忘れるのが特徴であるため、自分の認知機能の低下を心配している状態を指します。認知症は、アルツハイマー型、脳血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭葉性認知症などの種類があり、症状としては、本人が忘れたことに自覚がなく、体験したこと自体を忘れてしまう現象のため、各自治体で行っている支援を活用した上で、家族のサポートが必要です。 |
JCRRAG_009164 | 医療 | 第一章 総則
第一条 この法律は、医療を受ける者による医療に関する適切な選択を支援するために必要な事項、医療の安全を確保するために必要な事項、病院、診療所及び助産所の開設及び管理に関し必要な事項並びにこれらの施設の整備並びに医療提供施設相互間の機能の分担及び業務の連携を推進するために必要な事項を定めること等により、医療を受ける者の利益の保護及び良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を図り、もつて国民の健康の保持に寄与することを目的とする。
第一条の二 医療は、生命の尊重と個人の尊厳の保持を旨とし、医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療の担い手と医療を受ける者との信頼関係に基づき、及び医療を受ける者の心身の状況に応じて行われるとともに、その内容は、単に治療のみならず、疾病の予防のための措置及びリハビリテーションを含む良質かつ適切なものでなければならない。
2 医療は、国民自らの健康の保持増進のための努力を基礎として、医療を受ける者の意向を十分に尊重し、病院、診療所、介護老人保健施設、介護医療院、調剤を実施する薬局その他の医療を提供する施設(以下「医療提供施設」という。)、医療を受ける者の居宅等(居宅その他厚生労働省令で定める場所をいう。以下同じ。)において、医療提供施設の機能に応じ効率的に、かつ、福祉サービスその他の関連するサービスとの有機的な連携を図りつつ提供されなければならない。
第一条の三 国及び地方公共団体は、前条に規定する理念に基づき、国民に対し良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制が確保されるよう努めなければならない。
第一条の四 医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療の担い手は、第一条の二に規定する理念に基づき、医療を受ける者に対し、良質かつ適切な医療を行うよう努めなければならない。
2 医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療の担い手は、医療を提供するに当たり、適切な説明を行い、医療を受ける者の理解を得るよう努めなければならない。
3 医療提供施設において診療に従事する医師及び歯科医師は、医療提供施設相互間の機能の分担及び業務の連携に資するため、必要に応じ、医療を受ける者を他の医療提供施設に紹介し、その診療に必要な限度において医療を受ける者の診療又は調剤に関する情報を他の医療提供施設において診療又は調剤に従事する医師若しくは歯科医師又は薬剤師に提供し、及びその他必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
4 病院又は診療所の管理者は、当該病院又は診療所を退院する患者が引き続き療養を必要とする場合には、保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との連携を図り、当該患者が適切な環境の下で療養を継続することができるよう配慮しなければならない。
5 医療提供施設の開設者及び管理者は、医療技術の普及及び医療の効率的な提供に資するため、当該医療提供施設の建物又は設備を、当該医療提供施設に勤務しない医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療の担い手の診療、研究又は研修のために利用させるよう配慮しなければならない。
第一条の五 この法律において、「病院」とは、医師又は歯科医師が、公衆又は特定多数人のため医業又は歯科医業を行う場所であつて、二十人以上の患者を入院させるための施設を有するものをいう。病院は、傷病者が、科学的でかつ適正な診療を受けることができる便宜を与えることを主たる目的として組織され、かつ、運営されるものでなければならない。
2 この法律において、「診療所」とは、医師又は歯科医師が、公衆又は特定多数人のため医業又は歯科医業を行う場所であつて、患者を入院させるための施設を有しないもの又は十九人以下の患者を入院させるための施設を有するものをいう。 | 医療の理念としてどのような点が重視されていますか。 | 医療の理念として、生命の尊重と個人の尊厳の保持が重視されており、医療提供者と医療を受ける者の信頼関係の上に成り立つべきである。また、治療のみならず、予防措置やリハビリテーションも含めた良質かつ適切な内容でなければならない。 |
JCRRAG_009165 | 医療 | 家庭医療については多くの国や機関で様々な定義が提唱されています。ここでは、日本プライマリ・ケア連合学会の家庭医療専門医制度における定義を示しつつ、その背景にある考え方を文献に基づいて説明します。
まず家庭医療が目指すものは「個々の患者の健康だけでなく、その家族や地域、コミュニティの健康及びQOL、幸福の効果的、効率的な向上」にあります。健康とはそもそも「病気がないこと」ではないということが前提であり、医療の果たす役割も住民の健康やQOL、更には幸福にフォーカスしていることがお分かり頂けるでしょう。そして、家庭医の能力として「近接性と継続性に基づく信頼関係と個別性を重視しつつ、ケアにかかわるさまざまな職種や家族と緊密に連携して、年齢・性別・疾患の種類や病期・社会背景・診療の場などを問わない包括的・統合的ケアなどで代表される良質なプライマリ・ケアを提供する」とあります。次に、この定義をかみ砕いて説明します。
英国で家庭医として活躍し、カナダで家庭医療学を確立したMcWhinneyは家庭医の行動原理を9つ示しています。
① 家庭医が関わるのは、特定の知識体系や疾患群や特殊な技術ではなく、人間です。その関わりは健康問題の種類によって制限されず、性別や年齢に関わらずあらゆる健康問題に対応します。「専門外」はありません。また、その関わりには終点はなく、健康時でも病気が治癒しても続きます。関係性そのものが専門性の中核にあります。【包括的ケア・継続性】
② 家庭医は病気のコンテクスト(Context)を理解しようと努めます。コンテクストには家族、生活状況、コミュニティ、社会などが含まれ、そのコンテクストの中で病気がどのように患者に受け止められるのかを理解します。【統合的ケア・個別性を重視】
③ 家庭医はあらゆる機会を活かして、疾患の予防や健康増進を提供します。【健康増進・予防】
④ 家庭医は個人の患者を診療すると同時に、その患者を「リスクを持った住民」の一人として捉え、地域住民全体を診療対象とする視点を常に持っています。【地域・コミュニティへの視点】
⑤ 家庭医は自分自身を、地域社会のヘルスケアネットワークの一部とみなし、病院、保健所、訪問看護、ソーシャルワーカとの連携を惜しみません。【地域との連携】
⑥ 理想的には家庭医は自分の患者たちと同じ地域社会に住むべきです。もちろん職住分離で通勤する家庭医が認められないわけではありませんが、住む地域を同じくすることで様々な地域固有の健康問題や社会課題を共有しやすくなります。【近接性】
⑦ 家庭医は診療所だけでなく、患者宅に出向いて、訪問診療も提供します。入院医療や外来診察では見えない患者の生活を訪問診療で知ることは、病気がどのような場でどのように生じるのか、またどのように治癒していくのかを理解する上でも重要です。【在宅医療】
⑧ 家庭医は医学の主観的側面を重視します。病歴・身体診察・検査所見などの客観的データはもちろん必須ですが、同時に病気を持つ患者の感情や医療への期待などを踏まえ、主観的情報と客観的情報をバランス良く診療にいかす必要があります。【個別性を重視】
⑨ 家庭医は医療資源をマネジメントする役割を持ちます。病院の専門医への紹介、検査や薬剤の利用などの際に、限られた人的、物的、金銭的な医療資源を効率良く利用する責任を持ちます。【社会への責任性】
こうした行動原理一つ一つは他の専門領域の医師も担いうるものですが、家庭医はこの9つの行動原理を一体のものとして展開することが特徴であり、それが専門性の本質となります。 | 家庭医療が目指すものはどのようなものですか。 | 家庭医療が目指すものは、個々の患者の健康だけでなく、その家族や地域、コミュニティの健康及びQOL、幸福の効果的、効率的な向上である。これは、健康を単に「病気がないこと」と定義するのではなく、住民の幸福や生活の質に重点を置く考え方に基づいている。 |
JCRRAG_009166 | 医療 | 歯科医師の仕事内容は、口腔内とその周囲の病気やケガの治療です。具体的には「むし歯や歯周病の治療」「予防処置」「機能回復」「矯正」「口腔外科治療」などがあります。口腔ケアによって全身の病気の治療成果が高まることもあり、内科や外科などと連携することも増えています。近年は、治療以外にも審美的な観点から歯を白くするホワイトニングなどの審美歯科を取り入れる歯科医院や医療機関もあります。
歯科医師の職場は、歯科医院(デンタルクリニック)が全体の85.9%を占め、11.1%が病院です。歯科医師の97%が医療機関で働いていて、歯科医院で働く65%が自ら医院を経営しています。
歯科医師の仕事は、「むし歯や歯周病の治療」「予防処置」「機能回復」「矯正」「口腔外科治療」など、口腔内とその周囲の病気やケガの治療がメインです。口腔ケアによって全身の病気の治療成果が高まるため、内科や外科などと連携する医科連携も増えています。
また、歯の色を白くしたり、歯並びや歯の形をきれいに揃えたりする審美歯科を取り入れる歯科医院もあります。
むし歯や歯周病の治療は、多くの歯科医師の仕事の中心になるものです。むし歯の治療では、むし歯部分を削って、プラスチック素材のコンポジットレジンや金属の詰め物をします。歯周病治療では、歯垢や歯石を取り除き、歯の表面をきれいにします。歯石除去や歯のクリーニングは、歯科衛生士に指示をして任せることが一般的です。
また、むし歯や歯周病の状態を正確に把握するためには、X線写真なども活用します。痛みの出る治療では麻酔も使います。
むし歯や歯周病になってから治療するだけでなく、予防することにも歯科医師は力を入れています。定期的なクリーニングや検診を行い、歯や歯ぐきの状態をこまめにチェックします。むし歯や歯周病は、生活習慣に大きく影響されるため、毎日の歯みがきを患者自身が行うことが大切です。歯みがきや口腔ケアを指導することも歯科医療の大きな役割です。
こうした保健指導は歯科医師自身も行いますが、多くは歯科衛生士が中心となって取り組みます。
歯の機能を回復させることも大事な仕事の一つです。むし歯で歯を大きく削ったり、歯を抜いたりすると、うまく噛めなくなります。大きく欠けた歯には金属やコンポジットレジンで被せ物をしたり、抜けた歯の部分に入れ歯を入れたりして、歯を補います。人工の歯根を埋め込むインプラント手術を行うこともあります。
歯並びを治す矯正もよく知られている業務です。歯並びの悪さにより、見た目だけでなくしっかり噛めない、発音が上手にできないといった問題を引き起こします。また、歯みがきがしっかりできずに汚れや細菌が残り、むし歯や歯周病の原因にもなります。矯正治療では、歯にワイヤーなどを装着して少しずつ歯を動かして治療をします。治療が完了するまでには、年単位の長い時間がかかることもあります。
口腔外科治療では、歯や歯肉だけではない口腔内の病気や外傷、顎や唇の病気や外傷を治療します。口がうまく開かないなどの顎の関節の病気も扱います。歯の病気に限らず、口腔がんなども治療の対象となります。
医科連携では、歯科医師による専門の口腔ケアを全身の病気の治療に役立てます。手術を受けて体の抵抗力が低下すると、口腔内に存在する細菌が肺や血液中に入りこみ、肺炎や合併症につながることがあります。そのため、手術前に歯科医師が専門的な口腔ケアを行う事例が増えています。歯科のない病院では、地域の歯科医師と連携することもあります。
審美歯科では、ホワイトニングをはじめ、歯並びや歯の形をきれいに揃えたり、歯ぐきの色や形を整えるなど、見た目の美しさを求めたケアをします。薬剤を使って歯を白くしたり、表面にセラミックをつけて歯の形と色を整えるなどの施術があります。一般の保険治療で装着した金属の被せ物を、自然の歯の色に近いセラミックに変えて見栄えをよくすることも審美の領域として行われます。
歯科で標榜することが認められている診療科は「一般歯科」「矯正歯科」「小児歯科」「歯科口腔外科」の4つです。「一般歯科」は歯科全般、「矯正歯科」は歯並びや噛み合わせの不具合の治療を専門に行います。「小児歯科」は子どもの歯の治療を中心に行い、恐怖心を和らげられる工夫にも力を入れます。「歯科口腔外科」では顎の骨折や口腔内のがんなど、口腔内とその周囲の外科的な手術や治療をします。 | 歯科医師の仕事内容にはどのような治療が含まれているかの種類はいくつありますか。 | 歯科医師の仕事内容には、「むし歯や歯周病の治療」「予防処置」「機能回復」「矯正」「口腔外科治療」の5種類が含まれている。 |
JCRRAG_009167 | 医療 | 薬剤師国家試験に合格すると、申請により厚生労働省の薬剤師名簿に登録され、厚生労働大臣から薬剤師免許が与えられる。受験資格は原則として6年制学部・学科の薬学課程を卒業した人に限られるので、これらの大学に進学することが必要である。学生は、病院及び薬局の現場でそれぞれ11週間ずつ実務実習が義務づけられている。
医薬の分野は、新製品の開発や技術進歩のスピードが速いので、常に薬に関する最新の情報を収集し、身につけることが重要である。また、病院や薬局などでは、患者や消費者に円滑に応対しながら薬の使用について的確な判断を行い、必要な情報を提供する能力が求められる。
薬学の専門家として、病院や薬局などで薬の調合や服薬指導、管理などを行う。最も代表的な仕事は「調剤」であり、医師が出した処方を確認して正確に薬を調合する。また、処方された薬の副作用や、併用薬との相互作用などについて、患者の体質やアレルギー歴などと照らし合わせ、問題なく服用できるかを確認する。個々の患者に合わせて、薬の効果や服用方法をわかりやすく説明する「服薬指導」も重要である。
病院では、医薬品の在庫管理・記録を行うほか、病院と密接に連携し、患者の体調変化を評価して薬の量の変更を医師に提案したり、薬剤師外来で副作用管理のための服薬指導なども行う。病院や薬局以外では、製薬会社の社員として新しい薬の開発や実験を担当したり、薬の製造工程を管理したり、医療機関に自社製品の学術情報などを提供するMR(医薬情報担当者)とよばれる仕事に従事したり、国や都道府県の職員として、薬事関係の許認可や監視指導、食品や飲料水の検査・分析業務などを行う人もいる。
薬剤師法では薬剤師の任務は、「薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保する」とされている。なお、近年では「かかりつけ薬剤師」が普及しており、個人の薬の重複や飲み合わせ、処方内容の確認や薬に関する相談業務など患者の安全性や薬剤の有効性の向上につながる取組を行っている。 | 薬剤師国家試験の受験資格を得るために必要な学歴の要件は何ですか。 | 薬剤師国家試験の受験資格を得るためには、6年制学部・学科の薬学課程を卒業することが必要である。原則として、この学歴要件を満たさなければ受験資格を得ることはできない。 |
JCRRAG_009168 | 医療 | 第一章 総則
第一条 医療法(昭和二十三年法律第二百五号。以下「法」という。)第一条の二第二項の厚生労働省令で定める場所は、次のとおりとする。
一 老人福祉法(昭和三十八年法律第百三十三号)第二十条の四に規定する養護老人ホーム(第九条第三項第三号において同じ。)
二 老人福祉法第二十条の五に規定する特別養護老人ホーム(第九条第三項第四号において同じ。)
三 老人福祉法第二十条の六に規定する軽費老人ホーム(第九条第三項第五号において同じ。)
四 有料老人ホーム
五 前各号に掲げる場所のほか、医療を受ける者が療養生活を営むことができる場所であつて、法第一条の二第二項に規定する医療提供施設(以下単に「医療提供施設」という。)以外の場所
(医師の確保を特に図るべき区域における経験を有する臨床研修等修了医師の認定等)
第一条の二 法第五条の二第一項の厚生労働省令で定める区域は、法第三十条の四第二項第十四号に規定する区域(法第三十条の四第六項に規定する区域を除く。)内の区域であつて、医師の確保を特に図るべきものとして当該区域の属する都道府県の知事が定めたものとする。
2 法第五条の二第一項の厚生労働省令で定める経験は、臨床研修等修了医師が、同項に規定する医師の確保を特に図るべき区域に所在する病院又は診療所(以下この条及び第七条の二において「医師少数区域等所在病院等」という。)において、六月以上の期間診療に従事し、かつ、当該病院等において次に掲げる全ての業務を行つた経験とする。
一 個々の患者に対し、その生活状況を考慮し、幅広い病態について継続的な診療及び保健指導を行う業務
二 他の病院等との連携及び患者が住み慣れた地域で日常生活を営むことができるよう支援するための保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との連携に関する業務
三 地域住民に対する健康診査、保健指導その他の地域保健に関する業務
3 医療法施行令(昭和二十三年政令第三百二十六号。以下「令」という。)第一条に規定する厚生労働省令で定める事項は、次に掲げるものとする。
一 医師の確保を特に図るべき区域において行つた医療の提供に関する業務(前項各号に掲げる全ての業務を含むものとする。)の内容
二 前号に掲げる業務を行つた期間
三 第一号に掲げる業務を行つた医師少数区域等所在病院等の名称及び所在地
四 第一号に掲げる業務を行うこととなつた理由
五 第一号に掲げる業務を行つた医師少数区域等所在病院等の勤務環境
六 第二号の期間及び当該期間の前後における勤務地その他の勤務の状況
七 前各号に掲げる事項のほか、法第五条の二第一項の認定をするために必要な事項
第一章の二 医療に関する選択の支援等
第一条の二の二 法第六条の三第一項の規定による都道府県知事への報告は、当該都道府県知事が定める方法により、一年に一回以上、当該都道府県知事の定める日までに行うものとする。
2 法第六条の三第一項の規定により、病院、診療所又は助産所(第六章を除き、以下「病院等」という。)の管理者が当該病院等の所在地の都道府県知事に報告しなければならない事項は、別表第一のとおりとする。
第一条の二の三 法第六条の三第二項の規定により、病院等の管理者が当該病院等の所在地の都道府県知事に報告を行わなければならない事項は、別表第一第一の項第一号に掲げる基本情報とする。
2 前項の報告は、前条第一項の規定により当該都道府県知事が定める方法により行うものとする。
第一条の三 病院等の管理者は、法第六条の三第三項の規定により、同条第一項の規定による書面の閲覧に代えて、当該書面に記載すべき事項を電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法(以下この章において「電磁的方法」という。)であつて次項に掲げるものにより提供するときは、あらかじめ、医療を受ける者に対し、その用いる電磁的方法の種類及びファイルへの記録の方式を示さなければならない。
2 法第六条の三第三項に規定する厚生労働省令で定める方法は、次のとおりとする。
一 電子情報処理組織を利用する方法のうちイ、ロ又はハに掲げるもの
イ 電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他の人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に記録された情報の内容を出力装置の映像面に表示する方法
ロ 病院等の管理者の使用に係る電子計算機と医療を受ける者の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織を使用する方法であつて、当該電気通信回線を通じて情報が送信され、受信者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに当該情報を記録する方法
ハ 病院等の管理者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録された別表第一に掲げる事項を電気通信回線を通じて医療を受ける者の閲覧に供し、当該医療を受ける者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに当該事項を記録する方法
二 磁気ディスクその他これに準ずる方法により一定の事項を確実に記憶しておくことができるもの(以下「磁気ディスク等」という。)をもつて調製するファイルに別表第一に掲げる事項を記録したものを交付する方法
第一条の四 都道府県知事は、法第六条の三第五項の規定により、同条第一項及び第二項の規定により報告された事項について、電磁的方法を利用して自ら及び厚生労働大臣が同一の情報を閲覧することができる状態に置く措置を講ずる方法その他の適切な方法により報告するとともに、医療を受ける者が病院等の選択に必要な情報を容易に抽出し、適切に比較した上で病院等を選択することを支援するため、病院等に関する情報を容易に検索することができる機能を有するインターネットの利用その他適切な方法により公表しなければならない。
第一条の五 患者の診療を担当する医師又は歯科医師は、法第六条の四第一項の規定により、入院した日から起算して七日以内に同項に規定する書面(以下「入院診療計画書」という。)を作成し、当該患者又はその家族に対し当該書面を交付して適切な説明を行わなければならない。
第一条の六 法第六条の四第一項に規定する厚生労働省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。
一 患者が短期間で退院することが見込まれる場合
二 当該書面を交付することにより、当該患者の適切な診療に支障を及ぼすおそれがある場合
三 当該書面を交付することにより、人の生命、身体又は財産に危険を生じさせるおそれがある場合
第一条の七 法第六条の四第一項第五号に規定する厚生労働省令で定める事項は、次のとおりとする。 | 養護老人ホームと特別養護老人ホームの違いについて、説明してください。 | 養護老人ホームは、老人福祉法第二十条の四に基づき、主に生活上の支援を必要とする高齢者が入居する施設である。一方、特別養護老人ホームは同法第二十条の五に基づき、日常生活においてより高度な介護を必要とする高齢者が対象となる。特別養護老人ホームの方が、より専門的な介護サービスが提供される点で異なる。 |
JCRRAG_009169 | 医療 | 放射線治療は、外科的手術と同様に、前立腺がんに対する標準治療の一つです。高いエネルギーの放射線は、がん細胞のDNAを損傷し、細胞増殖を抑制・死滅させることができます。放射線治療は、主に外照射と小線源治療の2つに大別されます。
外照射
外照射は、体外から放射線を照射する方法で、代表的なものに強度変調放射線治療(IMRT)や陽子線・重粒子線治療があります。IMRTは腫瘍の形状に合わせて線量を調整することで、正常組織への影響を抑えることができます。また、陽子線・重粒子線治療は、狙った癌細胞に放射線を集中的に当てることができるため、周囲の正常な組織への影響を抑えやすく、副作用が少ないのが特徴です。外照射は、40回の照射(通院)が一般的でしたが、最近では、1回当たりの放射線照射量を増加させることで、20回あるいは5回の照射を行う場合もあります。
小線源治療
小線源治療は、放射性物質を前立腺内に直接埋め込み、内部から放射線を照射する方法で、放射線を出す小さな粒(線源)を前立腺の中に埋め込み、そこにとどめておく方法と、高い放射線を出す線源を一時的に前立腺に入れて、短時間だけ照射した後に取り除く方法があります。
放射線治療の成績と課題
放射線治療後では、手術後のような尿漏れは、ほとんど認められません。一方で、照射直後から、頻回に尿に行きたくなるような切迫感や、下痢などの症状が出現する場合があります。また、周囲に存在するぼうこうや直腸にも放射線の一部が照射されてしまうため、治療後数年以上経過してから、出血性ぼうこう炎という血尿を繰り返してしまう症状や放射線直腸炎という排便時に血便が出てしまうような症状が副作用として出現することがあります。
がんに対する治療効果については、低リスク群や中リスク群の患者さんでは手術療法に匹敵する一方、高リスク群では手術療法が上回っていることが報告されています。全ての放射線治療の成績について触れるとスペースが足りませんので、最近多く実施されている外照射であるIMRTの治療成績に絞ってお話します。 | 前立腺がんに対する標準治療の一つで、体外から放射線を照射する方法は何か。 | 外照射です。 |
JCRRAG_009170 | 医療 | 南大阪アイクリニック院長の渡邊敬三です。皆さんの周囲に白内障の手術をした人はいませんか?白内障は目の代表的な病気の一つで、年を重ねるほど発症率が高まります。このコラムでは、症状や原因といった基本から手術方法、眼内レンズ、信頼できる医療機関の選び方まで詳しくお話ししていきます。
水晶体が濁る・硬くなる
目の中には水晶体があり、目に映る景色のピントを調整するカメラのレンズのような役割を担っています。周りは水晶体嚢(のう)という袋に覆われています。水晶体の中身を見ると、中心部に水晶体核、その周りに水晶体皮質があります。この中身が硬くなったり、濁ったりする状態を白内障と言います。
白内障にはさまざまな種類がありますが、多くの方が核白内障、皮質白内障、または後ろ側の嚢部分が濁る後嚢下白内障のいずれか(重複する場合あり)に分類されます。
視力低下
症状はタイプによって違いがあります。核白内障は水晶体核が徐々に黄色く、硬くなっていきます。進行速度はゆっくりですので、初期の段階はピント調節機能が低下し、老眼が少し進む程度です。やがて視界全体が黄色がかって見えてきますが、両眼ともに白内障が進んでいる場合、自覚症状はほとんどありません。
さらに進行すると近視が進み、徐々に遠くが見えにくくなります。一方で近くが見えやすくなり、老眼鏡が不要になったりします。この段階では眼鏡やコンタクトレンズの度数調整をすれば視力はしっかりと保てるのですが、最終的にはこれらを使用しても視力が十分に上がらなくなってしまいます。
皮質白内障と後嚢下白内障は症状が似ています。初期には日差しの強い日や明るい照明の下で、まぶしさやかすみを感じてきます。逆に、曇り空の日や暖色系の照明の場合には症状が軽くなるのが特徴です。夜間の車のヘッドライトや街灯を見ると、光源の周りがぼやけたり、光の筋が見えたりすることもあります。進行すると上記の症状がより顕著になり、視力が低下してきます。
両者には違いもあり、皮質白内障は濁りが高度になっても視力が低下しない場合があるのに対し、後嚢下白内障は急激な視力低下を自覚することがあります。
白内障は視力が低下する、つまり字が読めなくなるというイメージを持っている方が少なくないものの、初期から中期の段階では多くが眼鏡の変更やサングラスで補えます。ただ、上記の特徴が当てはまる方は眼科を受診してみるとよいでしょう。
加齢で発症、早ければ40代
原因はおよそ90%が加齢とされています。早ければ40代で発症し、80代ではほぼ全員が白内障になっています。しかし、必ずしも手術が必要というわけではなく、早く手術をし過ぎるのはかえって良くありませんので注意が必要です。
その他には、ぶどう膜炎などの目の病気や眼外傷の既往、アトピー性皮膚炎や糖尿病に伴うもの、ステロイド薬の長期使用などがあります。これらの原因で起こる白内障は早ければ20代で手術に至るケースもあります。 | 原因のおよそ90%が加齢とされており、濁りが高度になっても視力が低下しない病気はなんですか。 | 皮質白内障です。 |
JCRRAG_009171 | 医療 | 肝硬変とは
肝硬変は慢性肝疾患において肝臓内に線維組織が増え、肝臓が硬くなる病気です。慢性肝疾患の原因にはC型肝炎やB型肝炎の肝炎ウイルス、脂肪肝、アルコール性肝障害などがあります。肝硬変には身体症状がない代償期と症状が現れる非代償期があります。非代償期になると、黄疸(白目が黄色くなる・皮膚が黄色く染まる・ウーロン茶のような色の尿が出る)や腹水・浮腫(お腹が張る、膝から下がむくむ)、食道静脈瘤の破裂(吐血)、肝性脳症(昼夜逆転・自分のいる場所が分からなくなる・尿や便の失禁)などの合併症が現れます。それぞれに対する治療ももちろん必要ですが、肝硬変にならない、非代償期に進行させないことが最も大切です。
腹水
腹水の治療は、まず水分を体の外に排出することです。利尿剤と呼ばれる尿を増やす薬を投与します。従来スピロノラクトンとフロセミドが主に使われてきましたが、近年トルバプタンと呼ばれる薬が肝硬変による腹水や浮腫の治療に用いられるようになりました。血液中の電解質に影響を与えることが少なく、飲水制限もないことから比較的安全かつ有効性の高い治療が行えると考えます。利尿剤の種類や量を調整しても腹水が減らない場合で、アルブミン低値の患者さんにはアルブミン製剤の点滴を行います。薬物でコントロールのつかない腹水に対しては腹水の溜まっている腹腔内(お腹の中の水のたまるスペース)に細い針を刺して腹水を体外に排出する腹水穿刺吸引を行います。穿刺吸引は頻回に行うと排出する腹水に含まれる栄養素も失うことになり、脱水および腎機能低下の原因になります。そのような場合は腹水を穿刺吸引した後、その腹水をフィルターに通し有害物質を除去した後に濃縮し血管に戻すという治療(CART)を行います。 | 白目や皮膚が黄色くなってきたら、肝硬変の初期段階にありますか | いいえ。白目や皮膚が黄色くなってきたということは、肝硬変の初期段階ではありません。肝臓は沈黙の臓器と呼ばれており、症状を自覚できるということは病気がかなり進行している状態です。
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JCRRAG_009172 | 医療 | 肝硬変とは
肝硬変は慢性肝疾患において肝臓内に線維組織が増え、肝臓が硬くなる病気です。慢性肝疾患の原因にはC型肝炎やB型肝炎の肝炎ウイルス、脂肪肝、アルコール性肝障害などがあります。肝硬変には身体症状がない代償期と症状が現れる非代償期があります。非代償期になると、黄疸(白目が黄色くなる・皮膚が黄色く染まる・ウーロン茶のような色の尿が出る)や腹水・浮腫(お腹が張る、膝から下がむくむ)、食道静脈瘤の破裂(吐血)、肝性脳症(昼夜逆転・自分のいる場所が分からなくなる・尿や便の失禁)などの合併症が現れます。それぞれに対する治療ももちろん必要ですが、肝硬変にならない、非代償期に進行させないことが最も大切です。
腹水
腹水の治療は、まず水分を体の外に排出することです。利尿剤と呼ばれる尿を増やす薬を投与します。従来スピロノラクトンとフロセミドが主に使われてきましたが、近年トルバプタンと呼ばれる薬が肝硬変による腹水や浮腫の治療に用いられるようになりました。血液中の電解質に影響を与えることが少なく、飲水制限もないことから比較的安全かつ有効性の高い治療が行えると考えます。利尿剤の種類や量を調整しても腹水が減らない場合で、アルブミン低値の患者さんにはアルブミン製剤の点滴を行います。薬物でコントロールのつかない腹水に対しては腹水の溜まっている腹腔内(お腹の中の水のたまるスペース)に細い針を刺して腹水を体外に排出する腹水穿刺吸引を行います。穿刺吸引は頻回に行うと排出する腹水に含まれる栄養素も失うことになり、脱水および腎機能低下の原因になります。そのような場合は腹水を穿刺吸引した後、その腹水をフィルターに通し有害物質を除去した後に濃縮し血管に戻すという治療(CART)を行います。 | 肝硬変患者でも、お酒を飲んで良いですか | いいえ。肝硬変患者がお酒を飲むのは良くありません。アルコール性にしろ非アルコール性にしろ、肝硬変の治療には原則として禁酒が必要だからです。 |
JCRRAG_009173 | 医療 | 人生100年時代にすべきことは
人生100年時代という言葉はロンドン・ビジネス・スクール教授のリンダ・グラットン教授らが「ライフシフト100年時代の人生戦略」という著作の中で提唱したものです。世界的にこの考え方は注目されており、日本では2017年に安倍晋三内閣が「人生100年時代構想会議」を設置するなど政治的、社会的に取り上げられるようになりました。人類は非常に長生きする時代に入っており、100年生きることを前提とした人生設計が必要とされています。
日本人の平均寿命は厚生労働省が出している簡易生命表で確認することができます。これによれば、2022年の推計で男性が81歳、女性が87歳になっています。100歳までは生きないとしても、かなり長生きをする時代になっています。
一方、WHO(世界保健機関)の統計によると、先進国では実際の寿命の約10年手前で健康寿命が尽きてしまうとしています。平均寿命を10年差し引きすると、日本人は男女とも70歳代で深刻な病気などをして、健康ではなくなってしまうということになります。しかし皆さん、これを甘んじて受け入れてよいのでしょうか。これからの長寿社会に備え、自らの健康に投資をしていくべき時代が来ています。
フレイルに介入を
深刻な病気をして要介護状態になる―。こうなると健康に戻るのはかなり難しいです。要介護の前のところで介入して、健康に戻していこうという考え方があります。この要介護前、かつ健康な状態に戻り得る不安定な状態を「フレイル」と呼びます。フレイルの定義は「加齢に伴い身体のさまざまな機能が低下することによって、健康障害に陥りやすい状態」です。フレイルの状態で何らかの手を打てば、元気な老後が手に入るのではないかということです。
フレイルは「身体的フレイル」(体が弱る)、「心理的フレイル」(心が弱る)、「社会的フレイル」(社会性が落ちる)から構成されます。それぞれが相関しながら「全体的に」弱っていくとされています。フレイルへの介入は各分野で取り組まれています。
眼科領域ではアイフレイルが提唱されるようになりました。
アイフレイルは日本眼科啓発会議が2021年に提唱した言葉です。もともとフレイルには感覚機能の低下という概念が入っており、眼科領域で独立させて考えていこうとしたものがアイフレイルです。眼は外界からの情報の8割を取り入れる感覚器であり、眼の機能低下は、すなわち感覚機能の低下につながると考えられます。アイフレイルは加齢に伴う視機能の低下であり、目が見えないことから身体的フレイル(移動機能低下)、心理的フレイル(うつ、認知機能低下)、社会的フレイル(就労、外出、社会参加の減少)を来します。すなわちアイフレイルとは、全てのフレイルに影響を与える概念です。しかし、視機能の低下は非常に自覚しづらいと言われています。
眼科検診の重要性
病気の早期発見・予防には健診が重要です。眼科健診で分かる病気はとても多いです。例えば、失明原因の1位である緑内障は40歳以上の5%に存在すると言われ、健診で見つけるべき代表疾患です。末期まで自覚症状がなく、自分ではほぼ気付くのが不可能です。緑内障の疫学調査である多治見スタディでは、緑内障のある方のうち、すでに診断されている(見つかっている)割合は1割しかなかったという結果でした。白内障も加齢に伴って必ず訪れる病気ですが、ゆっくりと視機能が低下するため、かなり視力が下がっていても気付いておられない方が多いです。あるいは、眼底の検査によって糖尿病や動脈硬化が分かることもあります。眼科健診は健康状態の指標としてたくさんの情報を与えてくれます。
では、眼科健診は十分に受けられているのでしょうか。ジョンソン・エンド・ジョンソン社が2020年の眼の愛護デーに合わせて世界6カ国で実施した目の健康に関する意識調査があります。その中で、2年以上眼科検査を受けていない人の割合は日本で50%に達しています(世界平均は31%)。さらに、日本人は定期検査を受けることが健康のために重要と考えている割合が少ない(日本66%、世界80%)、何らかの対応によって視力低下を防ぐことができると考えている割合が少ない(日本19%、世界47%)、健診を当たり前と考える割合が低い(日本17%、世界41%) という結果でした。ここから日本人は眼科検査への意識が低く、予防できるという意識も低いことが分かります。
海外では、医療保険によって年に1回以上の眼科検査を推奨しているところが多いようです。米国眼科学会も年に1回の健診を推奨しており、日本眼科医会も40歳以上は年に1回眼底検査を受けることを推奨しています。しかし、現状はまだ不十分ということになります。
検診は面倒でも
2011年に著名な科学雑誌であるネイチャーに掲載された、10の未解決の社会科学の問題というものがあります。そのトップが「人々に自分の健康に注意するようにさせるには、どうすればよいか?」です。健康を過信するのは人間の強い傾向として存在します。しかし、人生100年時代に健康維持するために、自らへの投資として(眼科)健診をしていきませんか。孫子の兵法には、「敵を知り、己を知れば、百戦して殆(あや)うからず」という言葉があります。これに倣い、「病気(敵)を知り、自分の健康(己)を知れば100歳あやうからず」となれるよう、これからの連載で目の病気の話をしていきたいと思います。 | 眼科検診を受診することで手に入るものは何ですか。 | 眼科検診を受診することで手に入るものは元気な老後です。 |
JCRRAG_009174 | 医療 | 薬剤性過敏症症候群(DIHS)における判別が必要な疾患と判別方法
(1)スティーブンス・ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死症
DIHS では、口腔内、口唇に軽度のびらんを認めることはあるが、出血を伴うような重篤な変化はない。また、DIHS で、ときに皮膚に水疱形成を認めるが、皮膚病理組織検査を行うことで、スティーブンス・ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死症と鑑別できる。
(2)多形滲出性紅斑
主として四肢伸側、関節背面に円形の浮腫性紅斑を生じる。紅斑は辺縁が堤防状に隆起し、中心部が褪色して標的状となる。ときに中心部に水疱形成をみる。病因は単純ヘルペスやマイコプラズマなどの感染症に伴う感染アレルギー、昆虫アレルギー、寒冷刺激、妊娠、膠原病(特に全身性エリテマトーデス)、内臓悪性腫瘍などがある。
(3)多形紅斑型薬疹
医薬品服用後に四肢、体幹に浮腫性の紅斑がみられる。発熱や肝機能障害を伴うことがあるが、粘膜疹は伴わないか伴っても軽症である。
(4)伝染性単核球症(伝染性単核球症様症候群)
EB ウイルス、サイトメガロウイルスなどのウイルス学的検討により鑑別できる。
(5)麻疹
麻疹に特有の所見の有無とウイルス学的検討により鑑別できる。
(6)水痘
体幹に大豆大までの浮腫性紅斑としてはじまり、すぐに小水疱と化す。新旧の皮疹が混在し、個疹は数日で乾燥して痂皮となる。体幹、顔面に多く、被髪頭部、口腔内、結膜、角膜にも生じる。ときに膿疱化する。潜伏期は 10~20 日。成人や免疫の低下した患者では高熱を伴い、脳炎や肺炎などの臓器障害侵襲を認めることがある。
(7)悪性リンパ腫
必要に応じてリンパ節生検を行うことで、鑑別できる
薬剤性過敏症症候群(DIHS)の治療方法
まず被疑薬の服用を中止する。薬物療法としてステロイド全身投与が有効である。プレドニゾロン換算で 0.5~1 mg/kg/日から開始し、適宜漸減する。急激な減量は、HHV-6 の再活性化とそれによる症状の再燃を増強するおそれがあると考えられており、比較的ゆっくりと減量することが望ましい。 | 薬剤性過敏症症候群(DIHS)における疾患のうち、ウイルス学的検討により鑑別できるものには何がありますか。 | 薬剤性過敏症症候群(DIHS)における疾患のうち、ウイルス学的検討により鑑別できるものには、伝染性単核球症(伝染性単核球症様症候群)と麻疹があります。 |
JCRRAG_009175 | 医療 | レカネマブ(遺伝子組換え)の投与対象となる患者及び投与施設
本剤は、認知症に対する新規作用機序の医薬品であり、臨床試験における有効性及び安全性を踏まえ、適切な患者選択や投与判断、重篤な副作用発現の際の迅速な安全対策等を確保した上で、最適な薬物療法を提供できるように進めていく必要があることから、規定する患者・施設において使用すべきである。
◎投与対象となる患者
投与の要否の判断にあたっては、以下のすべてに該当するアルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度の認知症の患者であることを確認する。無症候で Aβ 病理を示唆する所見のみが確認できた者及び中等度以降のアルツハイマー病による認知症患者には投与開始しないこと。
① 患者本人及び家族・介護者の、安全性に関する内容も踏まえ本剤による治療意思が確認されていること。
② 本剤の禁忌に該当しないこと。
【禁忌】 本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴がある患者。 本剤投与開始前に血管原性脳浮腫、5 個以上の脳微小出血、脳表ヘモジデリン沈着症又は 1 cm を超える脳出血が認められる患者。
③ MRI 検査(1.5 Tesla 以上)が実施可能であること。(例:金属を含む医療機器(MR 装置に対する適合性が確認された製品を除く)を植込み又は留置した患者は不可)
④ 認知機能の低下及び臨床症状の重症度範囲が以下の(a)及び(b)の両方を満たすことが、投与開始前 1 か月以内の期間を目安に確認されていること。
(a) 認知機能評価 MMSE スコア 22 点以上
(b) 臨床認知症尺度 CDR 全般スコア 0.5 又は 1
独居者の場合は、患者の周囲の者、地域包括支援センター、医療ソーシャルワーカー等の協力を得て、独居者の日常生活の様子を聴取することにより客観的な評価を行い、CDR 全般スコアを評価すること。ただし、患者の周囲の者、地域包括支援センター、医療ソーシャルワーカー等からの情報が得られない等、CDR 全般スコア評価が困難な場合は、他の評価方法により、認知症の重症度の範囲が同等であることを確認した上で用いること。
⑤ ①~④を満たすことを確認した上で、アミロイド PET 又は脳脊髄液(CSF)検査を実施し、Aβ 病理を示唆する所見が確認されていること。 | アルツハイマー病による軽度の認知症の患者であり、患者本人及び家族の治療意思が確認されていて、金属を含む医療機器が埋め込まれた患者は、レカネマブ(遺伝子組換え)の投与対象ですか。 | アルツハイマー病による軽度の認知症の患者であり、患者本人及び家族の治療意思が確認されていて、金属を含む医療機器が埋め込まれた患者は、レカネマブ(遺伝子組換え)の投与対象ではありません。 |
JCRRAG_009176 | 医療 | 腰痛は世界中で多くの人がかかえる身体の不調であり、日本人の実に83%もの人が生涯に一度は悩まされているとされています。2019年の厚生労働省の国民生活基礎調査によれば、腰痛は男性で1位、女性で2位の身体の自覚症状となっています。2019年以前の国民生活基礎調査の結果も同様の傾向となっており、腰痛がいかに身近な身体の不調かがおわかりいただけると思います。腰痛は明確な原因(椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、腰椎圧迫骨折など)がある特異的腰痛と呼ばれるものが15%、明確な原因がない非特異的腰痛と呼ばれるものが85%とされています。今回は腰痛の大多数を占める非特異的腰痛について主に述べていきたいと思います。
特異的腰痛は医師の診察や画像検査(X線、MRIなど)で原因が特定できるもの、非特異的腰痛は「原因の特定が困難なもの」と定義されます。言い換えると、特異的腰痛は骨折などの原因によって骨や神経に異常をきたしている状態、非特異的腰痛は骨や神経に明確な異常をきたしていない状態と言えます。
非特異的腰痛は身体的要因(物の持ち上げ動作などの身体に負担がかかる要因)、心理社会的要因(疲労や心理面の要因など)、またはその両者によって引き起こされるとされ、各個人によって対応(検査方法、治療方法)が異なってきます。身体的要因と心理社会的要因の中でも複数の要素が関係(例:腰への負担、社会的ストレス、睡眠不足など)して腰痛に繋がっている場合も多く、明確なきっかけがなくても腰痛を発症することもあります。初めて腰痛に罹患する人の多くは短期的に改善するとされていますが、一度腰痛に罹患した人は再発しやすいと言われています。腰痛を発症するリスクとしては重量物を持ち上げる行為、持ち上げる回数が多いこと、喫煙、肥満、うつ症状が挙げられています。各個人によって身体的、心理的、社会的な特徴は様々であり、持ち合わせている問題が個々で異なるため、対応が異なるということも納得ができます。
腰痛への対処は個々で対応が異なり、「腰痛にはこれをやっておけば良い」といった決まったものはありませんが、短期的・長期的にも比較的効果的なものとしては身体活動量の維持と運動が挙げられます。マッサージなどの「徒手療法」と呼ばれるものや電気治療、温熱治療などの「物理療法」と呼ばれるものは単独での効果は明確な科学的根拠は乏しいとされていますが、運動と組み合わせることで治療効果が増すとされています。当院では運動療法(筋力トレーニングやストレッチなど)、物理療法(電気治療、温熱治療)、自主トレーニング指導を主軸に各個人にあわせたリハビリテーションメニューを提供するよう努めています。
腰痛を生じる疾患の中には腫瘍や脊椎の感染、骨折、脊髄の神経(馬尾)の問題などの重篤な疾患もあります。いかなる時も痛みが治まらないような強度な腰痛や、腰痛以外にも身体の不調(急激な体重の減少、食欲不振、排泄の問題など)が併存している時には早期の受診、検査をすることをおすすめします。 | 非特異的腰痛に対する治療や予防で重要となるアプローチはなんですか。 | 非特異的腰痛に対する治療や予防で重要となるアプローチは、多面的なアプローチであり、身体的要因と心理社会的要因を考慮した対応が必要です。運動療法を中心としつつ、徒手療法や物理療法を適切に組み合わせることも効果的です。 |
JCRRAG_009177 | 医療 | 脱水状態が続くと?
脱水状態が続くと尿が濃く少なくなり、腎臓、尿管、膀胱、尿道といった尿路に尿中の成分が結晶化して育ち、結石が生じてきます。これを「尿路結石」といいます。 尿路結石の症状は血尿と激しい痛みです。初期治療は、まずは痛みに対する処置と結石の除去です。尿路結石は再発が多いため、根本治療と共に生活の改善も必要となります。
脱水状態が続くと?
食生活で気をつけることは?
再発を予防するためにも次の点に気をつけましょう。
水分を多めにとる
肥満をふせぐ
食生活の改善
尿路結石は欧米化した食習慣が大きいといわれています。日頃から自分にあったエネルギー量で、バランスの良い食事を心がけましょう。加えてシュウ酸、プリン体、塩分のとりすぎもよくありません。シュウ酸はほうれん草、ココア、玉露、抹茶などに多く含まれます。ほうれん草はゆでこぼしによりシュウ酸を減らすことができます。プリン体を多く含む食品は肉類(内臓)、魚介類、干物がありますが、飲料ではアルコール(特にビール)に多く含まれるので注意が必要です。塩分のとりすぎはカルシウム結石再発の危険性を高めます。
食生活で気をつけることは?
痛みを感じたらお気軽に泌尿器科を受診してください。
今年の夏は、尿をうすめるためにも意識して多めの水分摂取を心がけてみてはいかがでしょうか。
| 脱水状態が続くと尿路結石ができるのですか。 | 脱水状態が続くと尿路結石ができます。 |
JCRRAG_009178 | 医療 | 虫歯になったと分かったら、普通は歯科医院で治療を受けます。虫歯菌による侵食が歯の表面にとどまっていれば比較的簡単に済みますが、神経を抜かなければならないほど進んでいる場合は難しい処置が必要になります。その際に行われるのが歯の内部の治療、すなわち「歯内療法」です。
虫歯の進行などによって炎症を起こした神経(歯髄)は激しい痛みを生じることがありますので、直ちに神経を抜く処置(抜髄)を行わなければなりません。神経が入っている歯の根の部分の形は、全ての人の顔が異なるのと同じように、全て違う形をしていると言っても過言ではありません。また、前歯、小臼歯、大臼歯のそれぞれ上顎、下顎で全て異なる形態をしています。
歯の神経を的確に抜くためには、治療する歯の根の形態をきちんと把握する必要があります。あらかじめエックス線写真で検査することが重要ですが、通常の2次元的な平面の写真だけでは正確な診断ができない場合も多く、最近では輪切りのエックス線写真(CT)を撮影して、3次元的に診断しなくてはならない場合もあります。このようにして正確に状態を把握した上で、マイクロスコープを使用して実際に歯の中を拡大して観察しつつ処置を行います。
人間の歯の中は実に複雑な形態をしていて、細かく網目状になった根管の全ての部分の形を整えることなど不可能に近いのです。従って、薬剤を使って細かい部分の清掃をし、消毒薬を用いて何回も歯の中の消毒を行う必要があります。このため、通常の歯内療法には時間がかかり、複数回の通院が求められます。
| 神経を抜く処置は、複数回の通院が求められますか。 | はい。神経を抜く処置は、複数回の通院が求められます。 |
JCRRAG_009179 | 医療 | 「保険が利く」(公費が投入されて自己負担が軽くなる)のは、効果が十分に証明された治療だけです。一般的に、このようなエビデンス(医学的な証拠)が十分にある治療のことを「標準治療」と呼びます。「標準」の言葉の響きから、「並」というイメージを抱く人がいるかもしれませんが、「標準治療」こそが現時点での最高レベルの治療を指す言葉なのです。
一方、「先進医療」は、まだ新し過ぎるがゆえに効果が定まっておらず、そのために保険が利かず、全額自費で高額です。もう少し正確に書くと、「先進医療にかかわる費用」は全額自己負担。 ただし、それ以外の通常の治療と共通する部分(診察・検査・投薬・入院料等)の費用は、一般の保険診療と同様に扱われる、という特別なルールが定められています。
先進医療とは異なり、効果が確かめられた標準治療は自己負担が軽く済みます 。つまり、「効果が確かな治療ほど安い」というのが、わが国の医療における原則です。
これは、他の一般的なサービスと全く異なる医療の特殊性です。例えば、高いお金を出せばおいしい食事ができ、高級なホテルに泊まれて、高級な車に乗れるからです。「高いお金を出せば、いい治療が受けられる」と誤解し、中にはエビデンスのない高額な民間療法に大枚をはたいてしまう人も大勢います。
日本の医療の原則を、十分に理解しておく必要があるでしょう。 | 保険が利く治療は、何ですか。 | 保険が利く治療は、標準治療です。 |
JCRRAG_009180 | 医療 | 白内障手術の方法と合併症
白内障は水晶体(レンズ)の中身が濁ってくることによって、視力低下やか
すみといった症状が出現します。手術で中身を取り出せば、すっきりとした濁
りのない状態になるのですが、水晶体はピントを合わせる役割を持っています。
もし取り出すだけで手術を終えてしまうと、強度のピンボケ状態(遠視)にな
るので、代わりのものが必要となります。これが眼内レンズです。
◇水晶体を人工レンズに入れ替え
水晶体は弾力性のある水晶体嚢(のう)という袋に覆われ、その袋はチン小
帯と呼ばれる細い多数の糸のようなもので目の中に固定されています。実際の
白内障手術では、水晶体嚢の一部を丸い形で切り取って中身を露出させ、専用
の機械で取り出し、空になった袋の中に眼内レンズを入れて固定します。
もう少し詳しい手順を説明すると、
1. まぶたと目の消毒
2. 局部麻酔(点眼 、注射)
3. 角膜あるいは強膜を切開
4. 水晶体前嚢を円形切開
5. 中身を分割粉砕
6. 中身を吸引
7. 眼内レンズを挿入
という順序で進行します。消毒と麻酔は少ししみる感じ、3以降の手順にお
いても目に触れられる感覚や押される感覚はありますが、痛みはほとんどあり
ません。強度近視の方は他の方に比べると痛みを伴いやすいので、前房内麻酔
を行うとよいことが知られています。
◇レーザーも選択肢
現在の白内障手術では、これらの過程のうち、3から5を手動で行う超音波乳
化吸引術(以下超音波)と、自動で行うフェムトセカンドレーザー手術(以下
レーザー)があります。
レーザーが可能な医療機関は非常に少なく、多くの皆さんは超音波で手術を
受けることになります。超音波とレーザーによって、手術の安全性や手術後視
力に違いがあるのか気になるところです。現在までにさまざまな施設から報告
が出ていて、レーザーの方が優れているという報告もあれば、どちらも結果は
同じという報告もあります。
一方で、進行した白内障や、水晶体全体が白く濁ってしまう成熟白内障など
の合併症を生じやすい症例に関しては、レーザーに分があることは確かです。
また、執刀件数の少ない医師と多い医師では合併症の発生頻度に差が生じます
が、レーザーでは差がより少ないという報告もあります。
どちらも安全な手術と言えますが、皆さんが医師に執刀件数を聞くのは難し
いでしょうから、どの医師が執刀しても一定水準以上の手術が受けられるレー
ザーには安心感があるとみられます。ただ、残念ながら手術費用は大きく異な
ります。レーザーを選択するかどうかは皆さんの価値観で考えてください。
| 白内障手術は主に何種類ありますか。 | 白内障手術は主に2種類あります。超音波乳化吸引術と、フェムトセカンドレーザー手術の2種類です。 |
JCRRAG_009181 | 医療 | ◆◆リウマチの最新治療
リウマチは、関節に慢性的な炎症を引き起こし、進行すると関節の変形や破
壊を招く疾患です。その治療は、症状や進行具合に応じて選択され、痛みの緩
和や関節破壊の進行を防ぐことを目的としています。近年では、生物学的製剤
の登場により、治療効果が大きく向上しており、従来の薬物療法に加えて新た
な選択肢が提供されています。
リウマチ治療の目標は、痛みを抑えるだけでなく、炎症を根本から抑え、日
常生活を快適に送れる状態を維持することです。そのためには、治療の選択肢
を正しく理解し、自分の生活や症状に合った方法を選ぶことが大切です。
リウマチは、症状の程度や進行具合に応じて治療方法を選択することが重要
です。代表的な治療法として薬物療法、手術療法、リハビリテーションがあり
ます。ここではそれぞれの治療法について解説していきます。
◆痛みや炎症を軽くするための【薬物療法】
薬物療法は、関節の炎症を抑え、腫れや痛みを軽減することが目的です。薬
物療法はリウマチ治療の基本であり、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、疾
患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)が薬剤として一般的に使用されます。
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、痛みや炎症を軽減する作用があり、
日常生活における症状の負担を減らす役割を果たします。また、疾患修飾性抗
リウマチ薬(DMARDs)は、関節破壊の進行を遅らせる効果があります。さらに、
進行が著しい場合には、生物学的製剤や分子標的薬が使われることがあります。
薬剤は、免疫反応を抑えることで症状の改善と進行の抑制を目指します。
◆痛みや関節の機能を改善するための【手術療法】
リウマチが進行し、薬物療法で十分な改善が見られない場合には、手術療法
が選択されることが多いです。代表的な手術として、増殖した関節滑膜を取り
除く滑膜切除術や、破壊された関節を人工関節に置き換える機能再建術があり
ます。
滑膜切除術は、炎症の原因となる滑膜を取り除き、症状を軽減することが目
的です。一方、人工関節置換術は、関節の可動域を回復し、痛みを軽減するこ
とを目的としています。手術療法は、患者さんの症状や希望に基づき、医師と
相談の上で選択してください。
| リウマチの治療における、薬物療法と、手術療法の違いについて説明してください。 | リウマチの治療において、薬物療法は、関節の炎症を抑え、腫れや痛みを軽減することが目的で、非ステロイド性抗炎症薬や疾患修飾性抗リウマチ薬が薬剤として一般的に使われます。一方で手術療法は、リウマチが進行して薬物療法で十分な改善が見られない場合に行われることが多く、代表的な手術として、増殖した関節滑膜を取り除く滑膜切除術や、破壊された関節を人工関節に置き換える機能再建術があります。 |
JCRRAG_009182 | 医療 | インフルエンザは、文部科学省の定める「学校保健安全法」に出席停止期間が定められている第二種感染症です。
インフルエンザを発症したことがわかった場合は、学校保健安全法により定められた期間は学校や幼稚園を休む必要があります。また、保育園は学校保健安全法の管轄外ではありますが、厚生労働省が作成した「保育所における感染症対策ガイドライン」において、学校保健安全法に準じた対応をするよう記されています。
小学生以上の場合と、幼稚園や保育園に通う幼児の場合では出席停止期間は異なりますので、下記を参考によく確認しておきましょう。
インフルエンザ発症後の登校可能な日は、学校保健安全法により発症した後5日を経過し、かつ解熱した後2日を経過してからとされています。
①インフルエンザを発症してから5日経っていること(発熱した翌日を1日目とする)
②熱が下がってから2日経っていること
2つの条件をどちらも満たす必要があります。
学校保健安全法が適用されるのは小学校・中学校・高等学校・義務教育学校・中等教育学校・特別支援学校・大学・高等専門学校です。
専門学校の場合(高等専門学校を除く)は、学校教育法の学校には指定されていないため、学校保健安全法では出席停止期間などは定められていません。
インフルエンザにかかった場合の出席に関しては、専門学校が独自に規定を定めている場合もあるので、学校に確認しましょう。
幼稚園では、登校可能な日が小学生以上の学生と異なり、解熱後3日経ってからとなっています。
また、保育園の場合は厚生労働省の定める「保健所における感染症対策ガイドライン」により、幼稚園と同じ期間は登園を避けるよう定められています。
インフルエンザ発症後の登園可能な日は、発症した後5日を経過し、かつ解熱した後3日を経過してからとされています。
①インフルエンザを発症してから5日経っていること(発熱した翌日を1日目とする)
②熱が下がってから3日経っていること
2つの条件をどちらも満たす必要があります。
会社勤めの人がインフルエンザに感染した場合、会社によって出勤の規則が異なります。会社勤めの人に対するインフルエンザの法律はなく、出勤停止などの共通の決まりはありません。
多くの会社の場合は、学生に適用される学校保健安全法に基づき、「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日を経過するまで」を出勤停止に定めています。
ただし、会社によってはインフルエンザに対する対応が決められていなかったり、熱が下がって仕事ができる状態なら出勤するなどといった会社独自のルールがある場合もあります。
詳しくは自分の会社の就業規則を確認しましょう。 | インフルエンザを発症した人が、学校保健安全法により定められた期間、学校や幼稚園を休む必要がある理由は何故ですか。 | インフルエンザを発症した人が、学校保健安全法により定められた期間、学校や幼稚園を休む必要がある理由は、他人に感染させるおそれがあるからです。 |
JCRRAG_009183 | 医療 | 薬に「副作用」があるのと同じように、ワクチンには「副反応」があります。ワクチンの目的は、「感染症に対する免疫をつくる」ことですが、それ以外の望まない反応が出てしまうことがあるのです。いくらワクチン接種が大切といっても、「怖い」「嫌だな」と思う人もいるかもしれませんね。副反応について正しい知識を身につけておきましょう。
ワクチン接種によって副反応が生じてしまうのは、ワクチンに含まれる成分によって、炎症やアレルギーが起こることがあるからです。ワクチン接種による副反応は、ワクチンの種類によって異なりますが、どのワクチンにも共通して生じやすいのは、発熱や、接種した部分の痛み・赤み・腫れなどです。
これらは比較的軽いものですが、まれに急性のアレルギー反応であるアナフィラキシーのように、重い副反応がみられる場合もあります。
また、生ワクチンの場合は、毒性・病気になる性質は弱めているものの生きた病原体を使用しているため、その感染症の症状が軽く生じる場合もあります。
「副反応が出るかもしれないのに、なぜワクチン接種を受けないといけないの」と思うかもしれません。副反応のリスクがあっても、ワクチンは接種したほうが良いのでしょうか。
こういうときは、ワクチンを接種することによるリスクと、感染症にかかってしまうリスクを比較してみましょう。
感染症によるリスク/ワクチン接種によるリスク
たしかにワクチンには副反応のリスクがあります。しかし、ワクチンを接種しなければ、感染症にかかるリスクや、重い症状が出てしまうリスク、周りの人にうつしてしまうリスクを抱えることになってしまいます。感染症によっては、後遺症が残って長期的に苦しむこともあるかもしれません。
一方、ワクチンの副反応は、軽くて自然に治るものや、適切な処置をすれば回復するもの、まれにしか起こらないものも多くあります。もちろん、短い時間であっても具合が悪くなるのはつらいこと。でも、感染症にかかってしまった場合と比べたら、軽く済むことも多いのです。
ですから、ワクチンを接種するかどうか悩んだら、「ワクチンを接種せずにその感染症にかかってしまったら、どんなリスクがあるのか」と、「ワクチンを接種したら、どのような副反応が起こる可能性があるのか」を比較して判断することが大切です。 | ワクチンの副反応が起きる理由は何ですか。 | ワクチンの副反応が起きる理由は、「感染症に対する免疫をつくる」ため、ワクチンに含まれる成分によって望まない反応が出てしまうことがあるからです。 |
JCRRAG_009184 | 医療 | アレルギーの原因となる抗原を繰り返し投与することで、その抗原に対する感受性を低下させる治療のことを『アレルゲン免疫療法』といい、そのお薬を舌下に投与することが可能になったものを『舌下免疫療法』といいます。
2014年10月から、シダトレンという液体を舌の下に滴下するアレルゲン免疫療法が承認され、痛みを伴うことなく治療を行えるようになりました。現在では舌下錠であるシダキュア・ミティキュアに代わり、より簡便に服用できるようになっています。
舌下免疫療法は、スギ花粉エキスやダニの抗原を毎日少しずつ体内に吸収させることによって、アレルギーの症状(鼻汁、くしゃみ、目のかゆみなど)を抑える治療法です。
アレルギーの症状は、例えばスギやダニに対するアレルギーを持った人がアレルゲンであるスギやダニに接触すると、体がスギやダニを外的と認識して排除しようとして鼻汁やくしゃみ、涙を出します。これがアレルギー反応です。舌下免疫療法では、体に対してスギやダニが敵ではないことを毎日毎日少しずつ教えていく治療だと考えてください。(厳密なところまでは明らかになっていません)
従来行われてきたアレルゲン免疫療法は、皮下投与法(アレルゲンを皮膚に注射する)で行われていたために頻回な通院が必要な治療でした。舌下免疫療法は、初回以降は自宅で投与が可能で、安全性も高く一定の効果が報告されている治療です。舌下免疫療法には以下のようなメリットがあります。
1.高い治療効果
舌下免疫療法は、アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)に対する免疫システムの反応を調整することで、アレルギー症状の改善に効果的です。継続的な治療を行うことで、アレルギー症状の頻度や重症度を軽減することができます。おおよそ80%程度の方に効果があるとされています。
2.安全性が高い
舌下免疫療法は、皮下免疫療法に比べて安全性が高く、副作用のリスクが低いとされています。
3.症状改善が長期間持続
舌下免疫療法を受けることで、アレルギー症状の改善が長期間持続するとされています。治療期間中に免疫システムが正常化されることで、アレルギー症状が再発するリスクも低くなります。
4.治療期間中の生活への影響が少ない(通院回数が皮下投与法よりも少ない)
舌下免疫療法は、アレルギー注射療法に比べて治療期間中の生活への影響が少ないとされています。病院での治療が必要ないため、もちろんお薬をもらうために通院は必要ですが、1か月~2か月に1回のため治療負担も軽減されます。そのため、治療を継続しやすく、結果的に良好な治療成績が得られやすいです。
5.薬剤投与時の痛みがほぼない
注射は一切行わず、舌の下にお薬を置くだけですので、治療による痛みはありません。これも継続して治療できる重要な要因です。
以上が、舌下免疫療法の主なメリットになります。しかし、効果や安全性には個人差がありますので、詳しくは医師に相談して治療を決定することが大切です。 | 舌下免疫療法が承認されたのはいつですか。 | 舌下免疫療法が承認されたのは2014年10月です。 |
JCRRAG_009185 | 医療 | 大腸にできる「いぼ」の様な隆起性の病変を大腸ポリープといいます。いろいろな形があり、大きさも1mm程度の小さいものから数cmまでと様々です。
ポリープの種類には、非腫瘍性のものと、腫瘍性のものがあります。非腫瘍性のものには、炎症性や、過形成性といわれるものがあります。腫瘍性のものには、大腸ポリープのうち8割以上を占めるとされる腺腫やいわゆる「がん」が含まれます。(腫瘍性のものの中には、隆起性の病変だけでなく、陥没した腺腫や、陥凹型のがんも存在しています)
一般的に、腫瘍性ポリープ(腺腫)が数年間をかけて徐々に大きくなり、大腸がんに移行していくタイプが、大腸がんの9割を占めるといわれています。また近年、過形成ポリープの中でも、サイズが10mmを超える場合などは、腺腫と同様に「がんへの移行リスクの高いポリープ」といわれています。
一方、最近では正常の大腸粘膜から直接がんが発生する場合もあるとされ、そのタイプの大腸がんは、早期に浸潤・転移するたちの悪いタイプのがんであると考えられており、定期的な検査の重要性が示唆されています。
大腸がんの危険因子として、以下のことが言われています。
年齢(50歳以上)
大腸がんの家族歴
高カロリー摂取および肥満
過量のアルコール、喫煙
特に、血の繋がった親、兄弟、子供に大腸がんになった人がいると、そうでない人に比べて2~3倍大腸がんになりやすいといわれています。一方で、予防法としては、適度な運動以外には大腸がん予防に有効な方法はまだ証明されていません(ちなみに食物繊維・果物・野菜などは、予防する可能性があるとはいわれていますが、まだ証明はされていません)。そのため、とくに40歳以上になられた方、また40歳以下の方でも親族が大腸がんと診断された方は、定期的に大腸の検査[特に大腸内視鏡検査(大腸カメラ)]をおこない、早期発見に努めることをおすすめしております。 | 大腸にできる「いぼ」の様な隆起性の病変のうち8割以上を占める腫瘍性のポリープの種類は何ですか。 | 大腸にできる「いぼ」の様な隆起性の病変のうち8割以上を占める腫瘍性のポリープの種類は腺腫です。 |
JCRRAG_009186 | 医療 | 膵炎
膵炎とは、何らかの原因で、膵臓が炎症を起こしている状態です。
急性膵炎の二大原因はアルコールと胆石です。お酒をよく飲む人や脂っこい食事が好きな人がかかりやすい病気です。治療は基本的にお薬で行い、一定期間の絶飲食を伴います。重篤な場合は入院となり、最も重症な状態になると死に至ります。
膵炎は治療が大変で、命にかかわることもあるため、日頃から飲食の節制をするようにしましょう。
<症状>
・腹痛(みぞおち、背中、腰のあたりに七転八倒するような激烈な痛みが常に続きます。)
・嘔吐
・発熱
<原因>
・アルコール
・脂肪分の摂りすぎ
・胆石
<治療>
基本的にお薬で行い、一定期間の絶飲食を伴います。
<慢性膵炎>
膵炎が慢性化すると、膵臓の機能が落ちて、石灰化します。また、膵液の通り道である“膵管”が細くなったり、膵管のなかに“膵石”ができたりします。ご飯を食べるだけで痛みが生じるようになります。
慢性膵炎が進行すると、次第に膵臓の機能が落ち、血糖コントロールが不良になります。
膵のう胞
膵臓は、自分で自分を溶かす酵素を出しています。膵臓が炎症を起こすと、この酵素によって溶かされた組織に水が溜まり、袋状のものになります。これを“膵のう胞”といいます。
稀な病気で、膵臓の中にできると、がんと見分けがつきません。
<症状>
膵のう胞自体に症状はありません。
<原因>
膵炎
<治療>
小さな膵のう胞が見つかれば、定期的な画像検査を行い、経過観察をします。
膵臓がん
初期は自覚症状がなく、発見が難しい病気です。通常の健診で見つかることはほとんどなく、血液検査時の腫瘍マーカーや画像検査によって発見します。
そのため、膵臓がんと診断されるときには、進行した状態であることが多いです。
<症状>
初期は自覚症状がありません。
進行すると、腹痛、体重減少、黄疸症状(白目が黄色くなっている)が現れます。
<治療>
検査で膵臓がんが疑われる場合は、専門の医療機関を紹介させていただきます。 | 二大原因がアルコールと胆石であり、治療のために一定期間の絶飲食が必要な病気は何ですか | 二大原因がアルコールと胆石であり、治療のために一定期間の絶飲食が必要な病気は、膵炎です。 |
JCRRAG_009187 | 医療 | 膵炎
膵炎とは、何らかの原因で、膵臓が炎症を起こしている状態です。
急性膵炎の二大原因はアルコールと胆石です。お酒をよく飲む人や脂っこい食事が好きな人がかかりやすい病気です。治療は基本的にお薬で行い、一定期間の絶飲食を伴います。重篤な場合は入院となり、最も重症な状態になると死に至ります。
膵炎は治療が大変で、命にかかわることもあるため、日頃から飲食の節制をするようにしましょう。
<症状>
・腹痛(みぞおち、背中、腰のあたりに七転八倒するような激烈な痛みが常に続きます。)
・嘔吐
・発熱
<原因>
・アルコール
・脂肪分の摂りすぎ
・胆石
<治療>
基本的にお薬で行い、一定期間の絶飲食を伴います。
<慢性膵炎>
膵炎が慢性化すると、膵臓の機能が落ちて、石灰化します。また、膵液の通り道である“膵管”が細くなったり、膵管のなかに“膵石”ができたりします。ご飯を食べるだけで痛みが生じるようになります。
慢性膵炎が進行すると、次第に膵臓の機能が落ち、血糖コントロールが不良になります。
膵のう胞
膵臓は、自分で自分を溶かす酵素を出しています。膵臓が炎症を起こすと、この酵素によって溶かされた組織に水が溜まり、袋状のものになります。これを“膵のう胞”といいます。
稀な病気で、膵臓の中にできると、がんと見分けがつきません。
<症状>
膵のう胞自体に症状はありません。
<原因>
膵炎
<治療>
小さな膵のう胞が見つかれば、定期的な画像検査を行い、経過観察をします。
膵臓がん
初期は自覚症状がなく、発見が難しい病気です。通常の健診で見つかることはほとんどなく、血液検査時の腫瘍マーカーや画像検査によって発見します。
そのため、膵臓がんと診断されるときには、進行した状態であることが多いです。
<症状>
初期は自覚症状がありません。
進行すると、腹痛、体重減少、黄疸症状(白目が黄色くなっている)が現れます。
<治療>
検査で膵臓がんが疑われる場合は、専門の医療機関を紹介させていただきます。" | 通常の健診で見つかることはほとんどなく、進行すると腹痛、体重減少、黄疸症状が出るのは何の病気ですか | 通常の健診で見つかることはほとんどなく、進行すると腹痛、体重減少、黄疸症状が出るのは、膵臓がんです。 |
JCRRAG_009188 | 医療 | 「運動」とは、体を動かすこと。
誰にとっても身近なもので、がんとの関係もいろいろと言われていますので、気になっている方は多いでしょう。
診察室でも、よく質問を受けますし、このコラムでも何度か取り上げたことがあります。運動を取り上げたコラムへの反響も大きく、皆さんの関心の高さを感じています。
最近注目の「エクササイズ・オンコロジー」
最近登場し、注目されている言葉に、「運動腫瘍学」があります。
「運動腫瘍学」とは、「運動(エクササイズ)」と「腫瘍学(オンコロジー)」が融合したもので、運動とがんの関係を考える新しい学問分野です。カタカナで書くと「エクササイズ・オンコロジー」で、世界中で活発に研究が行われています。
私は、ご縁があって、日本でのこの学問分野の立ち上げに関わっていて、新しい潮流が生まれ、広がっていくのを目の当たりにしています。
もともと、運動の研究に取り組んでいる医療従事者や研究者は多かったのですが、新しい名前がつけられたことで、新たなつながりが生まれ、関心を持つ方も増え、様々な化学反応が起きています。
がん患者さんや一般市民の関心が高いテーマであるというのも、この展開を後押ししています。
運動にはがん予防効果があるの?
運動腫瘍学で取り組んでいる主なテーマは、次の三つです。
〈1〉がんになっていない方が運動することで、がんの発症を予防できるか?
〈2〉がん治療中の患者さんが運動することで、QOL(生活の質)や治療効果がよくなるか?
〈3〉がん治療を終えた「がんサバイバー」が運動することで、QOLやその後の経過がよくなるか?
〈1〉については、普段から運動している人の方が、運動しない人よりもがんになりにくいことがわかっていて、国立がん研究センターでは、「科学的根拠に基づくがん予防」として、国民に運動することを推奨しています。
ただ、運動していない人が運動するようになればがんを予防できると証明されているわけではありません。また、すでにがんを発症している患者さんが「運動不足のせいでがんになった」と言える可能性は極めて低いので、「自分を責めたりしないように」というのは、ぜひお伝えしたいメッセージです。
〈2〉については、がん治療中の運動がいい結果をもたらすという報告がいくつかあり、米国臨床腫瘍学会(ASCO)のガイドラインでは、 倦怠けんたい 感の軽減、心肺持久力や筋力の維持、QOL向上、副作用軽減が期待できるとして、がん治療中の運動を推奨しています。
運動ががんに効く、あるいは、運動することで薬物療法の効果が高まるのではないかという期待もあり、私たちは、乳がん患者さんが術前薬物療法中に運動を行うことで、治療効果が改善するかどうかをみる臨床試験を計画しています。
がんサバイバーも運動したほうがいいの?
〈3〉については、がんサバイバーが運動することで、持久力や筋力、QOL、倦怠感、うつ症状が改善することが示されていて、2024年に日本で発刊された「がんサバイバーシップガイドライン 身体活動・運動編」では、がんサバイバーに運動を勧めることが提案されています。
私もこのガイドラインづくりに携わったのですが、そのおかげで、運動の専門家の皆さんと知り合えて、運動腫瘍学の立ち上げにもつながりました。
このように、がん患者さん、治療を終えた「がんサバイバー」、そして、すべての人にとって、運動がいい影響を及ぼす可能性があり、ガイドラインなどでも推奨されています。運動するのを避けるべき特別な事情がない限り、「運動するのがよさそう」と言えます。
ただ、運動を推奨するガイドラインが出たことによって、みんなが運動するようになったかというと、そういうわけではありません。普段運動しない人の多くは、担当医から「運動した方がいいですよ」と言われたくらいでは、運動を始めたりはしません。
ここが、運動腫瘍学の大きな課題で、運動習慣のない人に運動をしてもらうための工夫が模索されています。
運動をしない理由についてアンケートをとってみると、「時間がない」「気が進まない」「何をしていいのかわからない」「きっかけがない」などの回答があります。
これに対して、短時間で気楽に取り組めるような運動プログラムを開発したり、一人ひとりの状況に合わせて適切な「運動」を「処方」したり、楽しみながら取り組めるようなアプリを作ったり、いろいろな工夫がなされています。
運動腫瘍学普及のための標語に、”Exercise is Medicine” (「運動はおくすりです」)というのがあります。新薬を開発するのと同じように、よりよい運動プログラムを開発して、その有効性や安全性を確かめて、医療現場に広めていけるとよいのでしょう。
でも、私は、運動が「マスト」になってはいけないと思っています。
「運動しなければいけない」と強制されたり、いやいや運動したり、運動してもつらいだけだったり、そんなことだったら、運動しない方がよいと思います。
大事なのは、「運動したい」という「ウォント」の気持ちを引き出し、楽しく運動することです。 | がん予防になり、がんの症状が改善される方法は何をすることですか。 | がん予防になり、がんの症状が改善される方法は運動をすることです。 |
JCRRAG_009189 | 医療 | むくみは、婦人科や女性外来で遭遇することの多い訴えのひとつです。むくみの部位や程度はさまざまで、いわゆる体質的な部分に加え、女性ホルモンの変動や生活習慣など、その原因は複雑だと考えられます。
立位や座位など、同じ姿勢を長時間続けることやストレスや運動不足による血流障害や新陳代謝の低下が原因のひとつと考えられます。そのほか、月経時や月経前症候群(PMS)の一症状としてむくみが起こることも多くあります。背景に器質的な疾患がない、いわゆるむくみは、一般的には現代(西洋)薬による治療の対象とはなりにくいもので、漢方治療の良い適応となります。
甲状腺機能低下症や膠原病、心疾患や腎疾患など、背後に隠れた器質的な疾患があるかどうかをチェックすることが大切です。その上で、緩下剤・利尿剤の服用やダイエットの有無、月経周期との関係、季節や時間による変動などを確かめておく必要があります。
漢方医学では、血液以外の水分である「水」の偏りがむくみであり、水は冷やす性質があって、冷えにもつながると考えています。また、冷えの原因には水のほか、血流障害や新陳代謝の低下があり、その原因や体質によって、漢方薬の処方や日常生活のケアを行います。
器質的な疾患があれば、その治療をするのはもちろんです。また、ダイエットや緩下剤・利尿剤の服用などの原因がはっきりしていれば、まず原因となっていることを取り除くことが第一です。
そのうえで、体力の有無や胃腸機能などの体質的背景を加味して、「真武湯」や「当帰芍薬散」をはじめとする漢方薬を長期的に使ってみます。
また、ぬるめのお風呂にゆっくり浸かることや足浴、下肢のオイルマッサージ、散歩などの軽い運動などは有効です。日常生活でセルフケアして、生活習慣に上手に取り入れていくとより効果的です。 | むくみを治療するために、長期的に取り入れたほうがいいのは何ですか。 | むくみは現代の薬による治療の対象とはなりにくいので、漢方治療の良い適応となります。漢方薬を長期的に使い、日常生活の中で生活習慣に上手に取り入れていくと、むくみの治療に効果的です。 |
JCRRAG_009190 | 医療 | 21世紀は「予防医学」の時代といわれています。ワクチン接種によって予防できる疾患に関する知識は性差や年齢を問わず必要ですが、女性は特に女性特有の予防医学の知識を持つことが重要になります。また、女性ご本人だけでなく、ご家族など周りの方々もワクチンを接種することで感染を予防していくことも大切です。
ワクチン接種によって予防可能な疾患をvaccine preventable diseases: VPDといいます。女性特有の重要なVPDには、妊娠時の母子感染が問題となるものと妊婦の重症化が問題となるもの、また妊娠中のワクチン接種で出産後の赤ちゃんの病気の感染や重症化を防ぐものなどがあります。母子感染が問題となる病原体は風しんウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、B型肝炎ウイルス、ヒトパピローマウイルス(HPV)であり、妊婦の重症化が問題となる病原体はインフルエンザウイルス、麻しんウイルスなどが挙げられます。妊娠中にワクチン接種することで生まれてきた赤ちゃんの病気の感染や重症化を防ぐことができるものとしては、RSウイルスなどがあります。妊婦もしくは妊娠の可能性がある女性に対してワクチンを接種する場合は十分に注意を払う必要があります。一方で、妊婦はインフルエンザ感染症のハイリスク群ですので、不活化ワクチンであるインフルエンザワクチンの優先対象です。積極的に接種を行いましょう。 | 妊婦はワクチンを接種してはいけないでしょうか。 | いいえ。ワクチンを接種する場合は十分に注意を払う必要がありますが、インフルエンザウイルスは妊婦の重症化が問題となる病原体のひとつで、不活化ワクチンであるインフルエンザワクチンは妊婦の優先対象です。 |
JCRRAG_009191 | 医療 | アニマルセラピーとは
動物との触れ合いで人々の心を癒す それがアニマルセラピーです
皆さんは動物と触れ合う事で、心が落ち着いたりストレスが軽減したりなどの癒し体験を、一度はお持ちではないでしょうか。 そうした時、不思議と元気が出てきたり、自信がついた気分になられた事でしょう。 こうした「動物を通した癒し」がアニマルセラピーであり、私たち日本アニマルセラピー協会は、現在犬を用いたアニマルセラピーにより、広く人々に癒しを与える活動を行っています。
実はアニマルセラピーの歴史は古く、古代ローマ時代に負傷した兵士のリハビリに、馬を用いたアニマルセラピーが行われていたようです。 現在では、アニマルセラピーに用いられる動物には、馬の他にイルカなどがありますが、私たちにも最も身近な動物である犬を用いたアニマルセラピーは、20世紀半ばから本格的に始まりました。
ペットのチカラには無限の可能性があります
家庭でペットを飼う事も、アニマルセラピーの一種です。事実、ペットを飼っている人は飼っていない人より、年間20%前後病院に行く回数が減ったと言うデータがあります。 ドイツでは7500億円、オーストラリアでは3000億円もの医療費が、ペットの影響によって削減されています。
心臓疾患の患者さんに対する調査では、ペットを飼っている人は1年後に53人中3人死亡、飼っていない人は1年後に39人中11人死亡と言う、死亡率に大きな差が生じています。 一方、施設で長期に渡り生活をされている高齢者や障がいをお持ちの方は、犬などと触れ合う事により会話や笑顔が増え、表情の変化などの改善も見られるなど、 ペットによる効果が高く評価されているのです。
日本アニマルセラピー協会では当協会認定のアニマルセラピストとセラピー犬が、高齢者施設、病院、障害者施設、学校等へ訪問し、たくさんの方々に癒しをお届する活動を行っています。
「セラピー」と言う言葉には治療と言う意味があります
日本では、セラピーと言うと単なる癒しと思われ勝ちですが、実は本来は「治療・療法」と言う意味なのです。 つまり、アニマルセラピーとは、本来「動物が医師を通して患者の機能向上の手助けをする」事が目的です。 日本アニマルセラピー協会では、既に国立病院の緩和ケア病棟を訪問し、患者さんのリハビリのお手伝いや痛みの軽減などに、実績を挙げています。
アニマルセラピストとは
人の身体的、心理的、社会的な機能改善の促進を目指して行うアニマルセラピー活動にはアニマル セラピストの存在が不可欠です。 アニマルセラピストには、セラ ピー犬の健康管理、ハンドリング技術、動物福祉、コミュニケー ション能力など、アニマルセラピーを行うための幅広い知識が必要になります。アニマルセラピストは、セラピー活動が人だけではなく、セラピー犬にとっても、安全で無理がなく楽しい活動となるようにサポートします。 | 7500億円の医療費がペットの影響によって削減された国の首都はどこですか。 | 7500億円の医療費がペットの影響によって削減された国の首都は、ベルリンです。 |
JCRRAG_009192 | 医療 | アニマルセラピーの種類とその役割
ペットとふれあっていると、とても心が癒されると感じた飼い主さんは多いもの。動物の癒しの効果は、共に暮らす誰もが感じていますね。広い意味ではそれもアニマルセラピーですが、日本でアニマルセラピーと呼ばれているものは、対象となる人たちへの目的があり、そのために動物が関わり実施されるもので、英語ではAnimal Assisted Interventions、正式名称は動物介在介入といいます。アニマルセラピーは大きくわけて、動物介在活動、動物介在療法、動物介在教育の3つに分けられます、動物介在活動は、一般的にアニマルセラピーと呼ばれる動物とのふれあい活動です。動物介在療法は、治療目的で、動物が介入することによる効果の評価があるもの。動物介在教育は、教育が目的で、動物が介入することによる効果の評価があるものになります。
動物介在活動
動物とのふれあいをメインにした活動で、イベント的なものもありますが、現在は主に高齢者福祉施設などで実施されています。レクリエーシュンや心の安らぎ、生活の質の向上を目的とする活動になります。犬や猫は、自発行動を引き出す名手です。高齢者の表情をニコニコさせたり、動物をなでようと腕を伸ばしたり、もっとよく見えるように自力で姿勢を変えさせたり、自ら行動を起こすきっかけを作ってくれます。さらに、犬や猫がいるだけで発話が増え、犬や猫にまつわる話がどんどん出てきて会話が弾むので、介護スタッフの方がいつもと違う入所者さんたちの姿を見て、驚かれることはよくあります。治療を目的とした活動ではないため、基本的には効果の検証が行われない動物介在活動ですが、2018年の調査では、セラピー犬との触れ合いによって、参加した高齢者が喜びや幸せを感じていることが科学的にも証明されています。
特別養護老人ホームの高齢者を対象に動物介在活動実施前と実施後に唾液でのホルモン分泌を測定、心拍センサーで自律神経機能を記録、活動実施中にビデオ撮影を行い笑顔の回数など、表情を測定し、効果を検証しました。その結果、幸せホルモンであるオキシトシンの増加や、ストレスホルモンとも呼ばれるコルチゾールの減少、リラックスしている状況を示す心拍の変動、笑顔の回数が増加していることが確認できました。
動物介在療法
病院やリハビリテーション施設などで、医師や作業療法士、理学療法士などの治療の効果判定ができる医療従事者の主導で行われるものが動物介在療法です。治療を受ける人にあわせた治療目的を設定し、犬が参加するプログラムを実施します。たとえば、腕を動かすことを目的にした場合は、犬に対してブラッシングやボールを投げるといった行動を、回数を設定して行います。実施後は治療効果の評価が行われるのですが、犬がいると普段よりも頑張れますね。犬の存在がモチベーションになり、リハビリテーションの促進につながっています。また、2017年の小児血液腫瘍病棟での調査では、犬とのふれあいによって、入院患児の精神的に安定する効果が出ています。患児たちも、訪問してくるセラピー犬との時間を楽しみにしているのです。
小児血液腫瘍病棟で、訪問する犬とのふれあいを行う5歳以上の入院患児とセラピー犬に対して、活動前と後のオキシトシンとコルチゾールの測定を行いました。その結果、犬とふれあい後の入院患児のオキシトシンは、活動前に比べ85%の検体で増加。セラピー犬の検体では70%が上昇していました。オキシトシンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、行動の促進、不安の減少、好奇心の増強、痛みの感覚の減少など,心を癒す働きがあるホルモンであることから、犬とのふれあいによって入院患児の精神的安定に効果があることが認めらました。
動物介在教育
子どもは動物と暮らすことで、自分の行動で相手の行動が変化するという経験を重ね、幼児期の非言語コミュニケーションの発達や洞察力を養い、情操教育に役立つことがわかっています。このように動物が子ども達の教育をサポートすることは、日常でもたくさんあります。なかでも動物介在教育は、教育従事者が目的を設定し、動物を活用した授業計画を立て、その結果を評価するものと定められています。JAHAでの動物介在教育は、小学生の生活科の授業の中などで行うことが多く「犬と仲良くなろう」というプログラムで、犬との事故を未然に防ぐための教育を行っています。まずは飼い主さんとの挨拶から教え、犬を使ったデモンストレーションを見せ、実際にふれあいながら、「動物を悪者にしない」正しい接し方を体験してもらいます。実施の前と後の両方でアンケートを取り、学習の効果に対する評価を行っています。
また、図書館などでは、子ども達が犬に本を読み聞かせることで、楽しみながら読書力、読書意欲が増すようお手伝いする「犬との読書会」の活動が徐々に増えてきています。これは、海外では「The Reading Education Assistance Dogs」プログラムと呼ばれ、2014年に発表された南アフリカの児童を対象にした論文でも、犬がそばにいることが読書のサポートとして効果があることが認められています。
南アフリカの小学3年生102人に対して、読み聞かせる対象を「犬」「人間の大人」「ぬいぐるみ」と「何の指導も行わない」の4グループにわけて児童102人に10週間の読書プログラムを行いました。プログラム開始前は、グループ間の能力に大差がなかったのですが、終了直後と終了8週後の調査で、「犬グループ」のスコアが、「読書速度」「正確性」「理解力」のすべての項目で他のグループよりも高くなっていました。このことから、犬に対して読み聞かせをすることが、リーディングスキルの向上に効果があることがわかりました。 | 小学生の生活科の授業の中などで行う「犬と仲良くなろう」というプログラムで実施する動物介在教育は、何年生の子供たちを対象に行われることが多いですか。 | 小学生の生活科の授業の中などで行う「犬と仲良くなろう」というプログラムで実施する動物介在教育は、小学校1,2年生の子供たちを対象に行われることが多いです。 |
JCRRAG_009193 | 医療 | アニマルセラピーの種類とその役割
ペットとふれあっていると、とても心が癒されると感じた飼い主さんは多いもの。動物の癒しの効果は、共に暮らす誰もが感じていますね。広い意味ではそれもアニマルセラピーですが、日本でアニマルセラピーと呼ばれているものは、対象となる人たちへの目的があり、そのために動物が関わり実施されるもので、英語ではAnimal Assisted Interventions、正式名称は動物介在介入といいます。アニマルセラピーは大きくわけて、動物介在活動、動物介在療法、動物介在教育の3つに分けられます、動物介在活動は、一般的にアニマルセラピーと呼ばれる動物とのふれあい活動です。動物介在療法は、治療目的で、動物が介入することによる効果の評価があるもの。動物介在教育は、教育が目的で、動物が介入することによる効果の評価があるものになります。
動物介在活動
動物とのふれあいをメインにした活動で、イベント的なものもありますが、現在は主に高齢者福祉施設などで実施されています。レクリエーシュンや心の安らぎ、生活の質の向上を目的とする活動になります。犬や猫は、自発行動を引き出す名手です。高齢者の表情をニコニコさせたり、動物をなでようと腕を伸ばしたり、もっとよく見えるように自力で姿勢を変えさせたり、自ら行動を起こすきっかけを作ってくれます。さらに、犬や猫がいるだけで発話が増え、犬や猫にまつわる話がどんどん出てきて会話が弾むので、介護スタッフの方がいつもと違う入所者さんたちの姿を見て、驚かれることはよくあります。治療を目的とした活動ではないため、基本的には効果の検証が行われない動物介在活動ですが、2018年の調査では、セラピー犬との触れ合いによって、参加した高齢者が喜びや幸せを感じていることが科学的にも証明されています。
特別養護老人ホームの高齢者を対象に動物介在活動実施前と実施後に唾液でのホルモン分泌を測定、心拍センサーで自律神経機能を記録、活動実施中にビデオ撮影を行い笑顔の回数など、表情を測定し、効果を検証しました。その結果、幸せホルモンであるオキシトシンの増加や、ストレスホルモンとも呼ばれるコルチゾールの減少、リラックスしている状況を示す心拍の変動、笑顔の回数が増加していることが確認できました。
動物介在療法
病院やリハビリテーション施設などで、医師や作業療法士、理学療法士などの治療の効果判定ができる医療従事者の主導で行われるものが動物介在療法です。治療を受ける人にあわせた治療目的を設定し、犬が参加するプログラムを実施します。たとえば、腕を動かすことを目的にした場合は、犬に対してブラッシングやボールを投げるといった行動を、回数を設定して行います。実施後は治療効果の評価が行われるのですが、犬がいると普段よりも頑張れますね。犬の存在がモチベーションになり、リハビリテーションの促進につながっています。また、2017年の小児血液腫瘍病棟での調査では、犬とのふれあいによって、入院患児の精神的に安定する効果が出ています。患児たちも、訪問してくるセラピー犬との時間を楽しみにしているのです。
小児血液腫瘍病棟で、訪問する犬とのふれあいを行う5歳以上の入院患児とセラピー犬に対して、活動前と後のオキシトシンとコルチゾールの測定を行いました。その結果、犬とふれあい後の入院患児のオキシトシンは、活動前に比べ85%の検体で増加。セラピー犬の検体では70%が上昇していました。オキシトシンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、行動の促進、不安の減少、好奇心の増強、痛みの感覚の減少など,心を癒す働きがあるホルモンであることから、犬とのふれあいによって入院患児の精神的安定に効果があることが認めらました。
動物介在教育
子どもは動物と暮らすことで、自分の行動で相手の行動が変化するという経験を重ね、幼児期の非言語コミュニケーションの発達や洞察力を養い、情操教育に役立つことがわかっています。このように動物が子ども達の教育をサポートすることは、日常でもたくさんあります。なかでも動物介在教育は、教育従事者が目的を設定し、動物を活用した授業計画を立て、その結果を評価するものと定められています。JAHAでの動物介在教育は、小学生の生活科の授業の中などで行うことが多く「犬と仲良くなろう」というプログラムで、犬との事故を未然に防ぐための教育を行っています。まずは飼い主さんとの挨拶から教え、犬を使ったデモンストレーションを見せ、実際にふれあいながら、「動物を悪者にしない」正しい接し方を体験してもらいます。実施の前と後の両方でアンケートを取り、学習の効果に対する評価を行っています。
また、図書館などでは、子ども達が犬に本を読み聞かせることで、楽しみながら読書力、読書意欲が増すようお手伝いする「犬との読書会」の活動が徐々に増えてきています。これは、海外では「The Reading Education Assistance Dogs」プログラムと呼ばれ、2014年に発表された南アフリカの児童を対象にした論文でも、犬がそばにいることが読書のサポートとして効果があることが認められています。
南アフリカの小学3年生102人に対して、読み聞かせる対象を「犬」「人間の大人」「ぬいぐるみ」と「何の指導も行わない」の4グループにわけて児童102人に10週間の読書プログラムを行いました。プログラム開始前は、グループ間の能力に大差がなかったのですが、終了直後と終了8週後の調査で、「犬グループ」のスコアが、「読書速度」「正確性」「理解力」のすべての項目で他のグループよりも高くなっていました。このことから、犬に対して読み聞かせをすることが、リーディングスキルの向上に効果があることがわかりました。 | 2018年の動物介在活動における調査で、分泌を測定したホルモンの名前は何ですか。 | 2018年の動物介在活動における調査で、分泌を測定したホルモンの名前は、幸せホルモンであるオキシトシンと、ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールです。 |
JCRRAG_009194 | 医療 | 1.「パーキンソン病」とはどのような病気ですか
振戦(ふるえ)、動作緩慢、筋強剛(筋固縮)、姿勢保持障害(転びやすいこと)を主な運動症状とする病気で、50歳以上で起こることが多い病気です。まれに40歳以下で起こる方もあり、若年性パーキンソン病と呼んでいます。
2.この病気の患者さんはどのくらいいるのですか
10万人に100人~180人くらいです(1000人に1人~1.8人)。65歳以上では100人に約1人(10万人に1000人)で、高齢者では多くなりますので、人口の高齢化に伴い患者さんは増加しています。高齢化に伴い世界的にパーキンソン病が急増する状況は「パーキンソンパンデミック」と呼ばれ、警鐘が鳴らされています。
3. この病気はどのような人に多いのですか
嗜眠性脳炎などの後遺症として起こった記録もありますが、ほとんどの方では特別な原因はありません。神経細胞の中にアルファ-シヌクレインというタンパク質が凝集して溜まることが原因となることが分っていますが、食事や職業、住んでいる地域など、原因となる特別な理由は分っていません。
4.この病気の原因はわかっているのですか
大脳の下にある中脳の黒質ドパミン神経細胞が減少して起こります。ドパミン神経が減ると体が動きにくくなり、ふるえが起こりやすくなります。ドパミン神経細胞が減少する理由はわかっていませんが、現在はドパミン神経細胞の中にアルファ-シヌクレインというタンパク質が凝集して蓄積し、ドパミン神経細胞が減少すると考えられています。このアルファ-シヌクレインが増えないようにすることが、治療薬開発の大きな目標となっています。
5. この病気は遺伝するのですか
遺伝はしませんが、若く発症される方の一部では家族内に同じ病気の方がおられ、病気の原因となる遺伝子が確認されることがあります。
6. この病気ではどのような症状がおきますか。
振戦(ふるえ)、動作緩慢、筋強剛(筋固縮)、姿勢保持障害(ころびやすいこと)が主な運動症状です。ふるえは静止時の振戦で例えば手の場合、椅子に座って膝に置いている時や歩いているときなど力を入れていない時に起こります。動かすとふるえは小さくなります。筋強剛は自分ではあまり感じませんが、他人が手や足、頭部を動かすと感じる抵抗を指しています。動作緩慢は動きが遅くなることで、同時に細かい動作がしにくくなります。最初の一歩が踏み出しにくくなる「すくみ」が起こることもあります。姿勢保持障害はバランスが悪くなり転倒しやすくなることです。姿勢保持障害は病気が始まって数年してから起こります。最初から起こることは無く、病気が始まって2年以内に姿勢保持障害が起こるときには、進行性核上性麻痺などの パーキンソン症候群 の可能性があります。運動症状のほかには、便秘や頻尿、発汗、易疲労性(疲れやすいこと)、嗅覚の低下、 起立性低血圧 (立ちくらみ)、気分が晴れない(うつ)、興味が薄れたり意欲が低下する(アパシー)などの症状も起こることがあり、非運動症状と呼んでいます。
パーキンソン症候群 (ぱーきんそんしょうこうぐん)
パーキンソン症状をおこす、パーキンソン病以外の病気を指します(広義にはパーキンソン病を含みます)。ドパミン受容体を遮断する薬剤が原因の薬剤性パーキンソニズム、脳血管障害が原因の脳血管性パーキンソニズム、外科的治療で治る可能性のある特発性正常圧水頭症や慢性硬膜下血腫、パーキンソン病以外の神経変性疾患(多系統萎縮症のパーキンソン型、進行性核上性麻痺のパーキンソン型、大脳皮質基底核変性症)などが含まれます。治療法や長期経過がパーキンソン病とは異なります。 | 病気が始まって2年以内に姿勢保持障害が起こる場合に、外科的治療で治る可能性がある症状は何ですか。
| 病気が始まって2年以内に姿勢保持障害が起こる場合に、外科的治療で治る可能性がある症状は、特発性正常圧水頭症や慢性硬膜下血腫です。 |
JCRRAG_009195 | 医療 | 過食とは自分で抑えられないむちゃ食い衝動のことです。健康な方でもダイエットで急激に体重を減らすと、途中で過食になります。リバウンドと呼んでダイエットの失敗のようにいわれますが、実は脳の防衛反応です。この過食は、体重がダイエット前、あるいは、それ以上に増えて止まります。
リバウンドの過食が起こっても、「やせていないと私の人生は終わりだ」などと極端なやせや体型へのこだわりがある方は、やせを維持するために自分で吐いたり、下剤を乱用したり、あるいは、絶食や過剰な運動で、食べたことを帳消しにしようとします。不適切な代償行為と言います。これによって、体は飢餓状態になるので、また、過食になります。脳の指令なので、自分でコントロールできませんし、胃がパンパンになっても、お構いなしです。どうせ過食するのだからと、3食を抜くか低カロリー食にするので、過食の勢いは増します。過食する食品は炭水化物や脂っこいものです。これは、糖と脂肪しか満足を得られないことが、脳科学で明らかになっています。
過食も嘔吐も辛い行為です。しかし、一方で、過食の最中だけ嫌なことを考えない解放感があり、嘔吐すると嫌な気分も出て行く爽快感を感じるようにもなります。中には、嘔吐するために過食するという方もいます。過食が憎いと思いながら、どこかで、過食に助けられているので手放したくない気持ちもあります。現実社会のストレスや不満だけでなく、疲れ、寂しさ、空虚感、さらに、暇さえも過食の引き金になります。多くは、日中の緊張やストレスが多い活動が終わった夜、家族が不在の時に起こります。過食と代償行為が週1回以上になると、神経性過食症と診断されます。繰り返すことで過食を始める敷居が低くなり、毎日、毎食後と回数が増えることがあります。
過食と排出行為の後は、後悔と自分を責める気持ちが強くなります。脳のセロトニン減少により、抑うつ気分になって、翌日の登校や出勤ができなくなったり、約束をドタキャンしたりして、社会的信用を失うこともあります。過食費用が月10万円という方も少なくありません。「あなたの心の空虚感を埋めるには100万円でも足りないでしょう」と尋ねると、「はい」と返事が返ってくることもあります。過食は意志が弱いからするものではなく、風邪の咳のように病気の症状のひとつです。ただ、慢性化すると、過食嘔吐しないと1日が終わらないといった習慣のようになったり、気分を整えようと意図的に過食したりするので、周囲からは自分でコントロールできるのではと誤解されることも多いです。また、過食に頼るほかに、アルコールや買い物に依存することもあります。 | 健康な人でも無理なダイエットで急激に体重を減らすと、どのようなことが起こりますか。 | リバウンドの過食が起こる。 |
JCRRAG_009196 | 医療 | 日本人の閉経(1年間月経がない状態)平均年齢は、50.5歳ですが、これを挟んだ前後10年間を更年期(周閉経期)と呼びます。加齢とともに卵巣から分泌されるエストロゲン量が低下しますが、同時に身体の機能低下と社会環境の変化も起きることが多く、身体的、精神的症状が現れるのが更年期障害です。
症状の程度には個人差がありますが、早い人は40代に入ってすぐ症状を自覚することもあります。エストロゲンレベルの低下はすべての女性に起こりますが、全員が深刻な更年期障害を起こすわけではありません。更年期障害を起こす背景には、心的ストレスや性格的なものが強く影響し、たいした症状を感じないまま過ぎる場合もあれは、日常生活に支障をきたすほどひどくなる場合もあります。
生理不順になってきていて、実はほかの病気を見逃していた、ということもありえます。
糖尿病(内科)、甲状腺機能低下症(内科)、メニエール病(耳鼻科)、手指関連疾患(整形外科)など、50歳近辺で頻度が多くなる疾患もありますので、これらの除外が重要です。更年期障害を疑う場合にはセルフチェックをしてみましょう。
血液中のホルモン濃度測定は、更年期の診断の補助に使えます。エストロゲン分泌の低下とセルフチェックで高得点になっている場合には、ホルモン補充療法(HRT)、漢方薬などの補完代替医療による治療が行なわれます。
HRTに使うホルモン剤はいろいろありますので、医師に相談しましょう。ホルモン剤と漢方薬を併用して使うこともできますし、漢方薬、またはエクオールやプラセンタなどで対処する場合もあります。自律神経調整薬、睡眠剤や向精神薬を使うこともあります。
女性ホルモンの低下による不調に対しては、ホルモン補充療法(HRT)や漢方薬による治療が行なわれます。
HRTに使うホルモン剤はいろいろありますので、症状により使い分けができます。ホルモン剤は内服薬のほかに、皮膚に貼るパッチ剤や皮膚に塗るジェル剤もあります。
腟の乾きや性交障害には、ホルモン剤の腟錠や潤滑ゼリーなどが有効です。
ホルモン剤と漢方薬を併用して使うこともできますし、漢方薬だけで対処する場合もあります。
また、自律神経調整薬、睡眠剤や向精神薬を使うこともあります。
ここで大事なのは、更年期障害の背景に心的ストレスや性格的なものがあるので、薬物療法だけでは十分でないことがある、ということです。カウンセリングが有効なこともあります。
平均寿命が80歳を超えるようになった今、更年期から後の人生が昔に比べ長くなっています。
ある意味、更年期は人生のターニングポイントです。ここでもう一度自分の人生を見直し、今までの生活パターンをシフトさせることこそ、この時期に必要なことです。
更年期をネガティブに捉えず、生きがいを持って生き生きとした毎日を過ごすことが更年期障害の予防といえます。 | 女性ホルモンの低下による不調から来る病気や障害の予防として、薬物療法以外にどのようなものが有効でしょうか。 | 更年期障害を起こす背景には、心的ストレスや性格的なものが強く影響する場合があるため、カウンセリングをうけるなどして更年期をネガティブに捉えず生き生きとした毎日を過ごすことが更年期障害の予防に効果的といえます。 |
JCRRAG_009197 | 医療 | 生活習慣病とは、食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒など生活習慣が、発症・進行に関与する疾患群であり、がん(悪性新生物)、心疾患(狭心症や心筋梗塞などの心臓病)、脳血管疾患(脳梗塞やくも膜下出血などの脳の病)などの病気が含まれます。但し、生活習慣病の発症には、生活習慣だけでなく遺伝的要因や社会環境要因などの複数の要因が影響するという点に配慮が必要です。
生活習慣病という概念の導入
「生活習慣病」とは、1996年頃から使われるようになった用語です。以前は成人病といわれた、脳卒中、がん、心臓病を、生活習慣という要素に着目して捉え直した用語と位置づけられます。国際的には、これに慢性閉塞性肺疾患(COPD)を加えたNCDs(非感染性疾患)という言葉もよく使われるようになっています。
生活習慣病に関する初期の公的な文書としては、「生活習慣に着目した疾病対策の基本的方向性について(意見具申)」があります。それには次のように書かれています。
生活習慣に着目した疾病概念の導入の必要性
「成人病」という概念は、医学用語ではなく、昭和30年代に、「主として、脳卒中、がん、心臓病などの40歳前後から死亡率が高くなり、しかも全死因の中でも上位を占め、40~60歳くらいの働き盛りに多い疾病」として行政的に提唱されたが、その後、加齢にともなって罹患率が高くなる疾患群という意味として国民の間に定着している。
「成人病」という概念は、加齢という現象はやむを得ないものであり、一定の年齢になった段階で早期発見・早期治療を行うことが効果的であるという認識を醸成してきており、国民の検診に対する受診行動を推進する上で大きな役割を果たしてきたことは、評価されるべきである。
一方、前述したように、成人病の発症には生活習慣が深く関与していることが明らかになっており、これを改善することにより疾病の発症・進行が予防できるという認識を国民に醸成し、行動に結びつけていくためには、新たに、生活習慣に着目した疾病概念を導入し、特に一次予防対策を強力に推進していくことが肝要である。
また、生活習慣は、小児期にその基本が身につけられるといわれており、このような疾病概念の導入により、家庭教育や学校保健教育などを通じて、小児期からの生涯を通じた健康教育が推進されることが期待できる。
さらに、疾病の罹患によるQOLの低下が予防されるとともに、ひいては、年々増大する国民医療費の効果的な使用にも資するものと考えられる。
但し、疾病の発症には、「生活習慣要因」のみならず「遺伝要因」、「外部環境要因」など個人の責任に帰することのできない複数の要因が関与していることから、「病気になったのは個人の責任」といった疾患や患者に対する差別や偏見が生まれるおそれがあるという点に配慮する必要がある。
生活習慣病の定義と範囲
生活習慣病の範囲や定義には、はっきりと定められたものはありませんが、健康増進法では「がん及び循環器病」、「健康日本21(第三次)」では、「がん、循環器病、糖尿病、COPD等」が位置づけられています。
「生活習慣病」の定義、範囲及び「成人病」との関係
(前略)今後、生活習慣に着目した疾病概念の導入にあたっては、「生活習慣病(life-style related diseases)」という呼称を用い、「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群」と定義することが適切であると考えられる。
「生活習慣病」の範囲については、以下に例示するような生活習慣と疾病との関連が明らかになっているものが含まれる。
食 習 慣 インスリン非依存糖尿病、肥満、高脂血症(家族性のものを除く)、高尿酸血症、循環器病(先天性のものを除く)、大腸がん(家族性のものを除く)、歯周病等
運動習慣 インスリン非依存糖尿病、肥満、高脂血症(家族性のものを除く)、高血圧症等
喫 煙 肺扁平上皮がん、循環器病(先天性のものを除く)、慢性気管支炎、肺気腫、歯周病等
飲 酒 アルコール性肝疾患等
「成人病」との関係については、「成人病」は加齢に着目した疾患群であり、生活習慣に着目した「生活習慣病」とは概念的には異なるものである。
一方、それぞれの疾病概念に含まれる疾患については、いずれも年齢あるいは生活習慣の積み重ねにより発症・進行する慢性疾患であり、また、その発症には複数の要因が大なり小なり関与するものと考えられるので、「成人病」に含まれる疾患と「生活習慣病」に含まれる疾患は重複するものが多い。
なお、世界保健機関(WHO)は似たような概念として、NCDs(Noncommunicable diseases、非感染性疾患)という用語を用いています。NCDsには心臓病、脳卒中、がん、糖尿病のほか、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの慢性肺疾患が含まれます | 生活習慣に着目した疾病概念の導入により、何が期待できますか。 | 生活習慣を改善することにより疾病の発症・進行が予防できるという認識を醸成し、小児期からの生涯を通じた健康教育が推進され、疾病の罹患によるQOL低下の予防や年々増大する国民医療費の低減が期待できる。 |
JCRRAG_009198 | 医療 | 日本人の高血圧の最大の原因は、食塩のとりすぎです。若年・中年の男性では、肥満が原因の高血圧も増えています。飲酒、運動不足も高血圧の原因です。高血圧は喫煙と並んで、日本人にとって最大の生活習慣病リスク要因です。
高血圧は、喫煙と並んで、日本人の生活習慣病死亡に最も大きく影響する要因です。もし高血圧が完全に予防できれば、年間10万人以上の人が死亡せずにすむと推計されています。高血圧自体は、過去数十年で大きく減少しましたが、今なお20歳以上の国民のおよそ二人に一人は高血圧です。
高血圧には本態性高血圧と二次性高血圧とがあります。二次性高血圧は、甲状腺や副腎などの病気があり、それが原因で高血圧を起こすものをいいます。睡眠時無呼吸症候群でも二次性高血圧を合併します。それに対し、日本人の大部分の高血圧は、それらの原因のない、本態性高血圧です。本態性高血圧は、食塩の過剰摂取、肥満、飲酒、運動不足、ストレスや、遺伝的体質などが組み合わさって起こると考えられています。なかでも、日本人にとって重要なのは、食塩の過剰摂取です。
日本高血圧学会の高血圧診断基準は、診察室での収縮期血圧(最大血圧)が140mmHg以上、または拡張期血圧(最小血圧)が90mmHg以上の場合を高血圧と診断します。また自宅で測る家庭血圧の場合は、診察室よりも低い基準が用いられます。
メタボリックシンドロームは、腹部肥満、血圧高値、血糖高値、脂質異常のうち、複数の要因が重なって動脈硬化を進行させるため、高血圧診断基準では高血圧や高値血圧に当てはまらなくても、他の要因がある場合には注意が必要です。また、肥満がなくメタボリックシンドロームの基準に当てはまらない場合でも、高血圧単独でも多くの病気を引き起こします。高血圧が進んで動脈硬化になると、心臓では狭心症や心筋梗塞、心不全など、また脳では、脳梗塞、脳出血などの脳血管障害(脳卒中)や認知症になりやすくなります。
高血圧の予防に欠かせないのは、食塩摂取量の制限です。食塩摂取の目標は、「健康日本21(第三次)」の目標値では7g未満、「日本人の食事摂取基準(2020年版)」の目標量では、成人男性で7.5g未満、成人女性で6.5g未満とされています。また、日本高血圧学会は、高血圧患者における減塩目標を1日6g未満にすることを強く推奨しています。
日本人の食生活は食塩が多くなりやすい特徴があります。全体的に薄味にし、かけしょうゆ、かけソースなどの習慣がある人は、つけしょうゆ、つけソースに改めるだけでも食塩摂取量が少なくなります。また、漬け物をたくさん食べる習慣のある人や、味噌汁を1日に2杯以上のむ人は、1回の量を減らすことが大切です。ラーメンなど麺類の汁を全部飲んでしまうと、それだけで6g近い食塩をとってしまいます。
一方、野菜や果物、大豆製品に豊富に含まれるカリウムには腎臓から食塩を排泄しやすくする働きがあります(腎臓の病気がある人はカリウム摂取の制限が必要な場合があるので、主治医と相談する必要があります)。また、カルシウムにも血圧を安定させる効果があります。カルシウムは、牛乳や乳製品から摂取すると、より吸収率が高いことが知られています。これらを組み合わせ、無理のない減塩を長く心がけることが高血圧予防につながります。 | 海藻を食べることは高血圧予防につながりますか。 | 海藻を食べることは高血圧予防につながります。 |
JCRRAG_009199 | 医療 | スキンーテアって何?
知らないうちに皮膚が「内出血・紫班がある」「裂傷していた」、「表皮剥離していた」という経験はありませんか。
スキンーテア(skin Tear)とは高齢者の四肢に発生する外傷性創傷、「摩擦・ずれで皮膚が裂けたり、はがれたりする真皮深層までの皮膚損傷(部分損傷)のこと」です。
これは普段の何気ない日々の行動で発生することもあります。あらゆる年代でも起こりますが、皮膚が脆弱となりバリア機能が低下している高齢者にとても多く発生します。
どこに発生するの?
主として四肢(手足)に多く発生します。
スキンーテア発生リスク要因は?
・低栄養
・皮膚が乾燥している
・皮膚に紫斑が多数ある
・浮腫がある
・水疱がある
・長期間ステロイド・抗凝固剤の使用
・抗がん剤の使用
・放射線治療をしたことがある
・透析している
・屋外で作業することが多かった(農作業など)
スキンーテア発生の具体例は?
手足がベッド柵に擦れて皮膚が剥けた
医療用テープをはがす際に一緒に皮膚が剥がれた
車いすやベッドなどに移動時フレーム等に擦れてやぶれた
リハビリ時に身体を支持していたら皮膚が裂けた
体位変換時に身体を支持したら皮膚が裂けた
更衣時に衣服が擦れて皮膚が裂けた
転倒、ベッドから転落時に皮膚が裂けた 等が挙げられます。
スキンーテアの予防策
予防の基本は皮膚の状態を整えて摩擦やズレの発生を予防することです。
スキンケア(皮膚の清潔の保持・保湿)を行い状況に応じて四肢の皮膚を露出させないように長袖・ズボンの着用の他アームカバーやレッグフォーマー等で保護する事です。
また周囲の環境を整備する事も重要です。ぶつけても大きな衝撃にならないようにベッド柵にカバーや家具の角などに衝撃材をつけるようにしましょう。
入浴時や清拭時は皮膚を広範囲に露出させますので注意が必要です。泡を使って優しく体を洗うこと(ゴシゴシこすらない)、押さえるように優しく拭き取るようにします。
そして皮膚の保湿も重要です。ローションタイプ等の伸びがよい保湿剤を1日2回以上、
皮溝に沿って押さえるように優しく塗りましょう。手足を持ち上げる時は握らないでそっと下から支えるように持ちましょう。 | スキンーテアの予防策として、入浴時や清拭時に皮膚を広範囲に露出している状態での注意点とはなんですか。 | スキンーテアの予防策として、入浴時や清拭時に皮膚を広範囲に露出している状態での注意点とは、皮膚損傷(部分損傷)が生じやすくなることです。 |
JCRRAG_009200 | 医療 | 鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみなどの症状は集中できない、イライラする、眠れないなど日常生活に影響してつらいですよね。
これらの症状はもしかしたらアレルギー反応を起こす「アレルギー性鼻炎」かもしれません。
原因は?
大きく分けて2つあります。
季節性アレルギー性鼻炎
原因が花粉の場合、スギやヒノキなどの花粉などの季節性のものであれば特定の時期に症状が出ます。
通年性アレルギー性鼻炎
ダニやホコリ(ハウスダスト)などは季節に関係なく、1年中症状が出ます。
原因は?
どうやってなおすの?
何によってアレルギー反応を起こすのかは血液検査で知ることができます。アレルギー反応を抑える内服薬や点鼻薬、貼付剤などを組み合わせて治療を行います。
スギ花粉とダニが原因だったら
舌下免疫療法を行うことができます。アレルギーの原因となる成分(アレルゲン)を含む薬を投与して体を少しずつ慣らしていく治療です。1回/1日薬を舌の下に投与することを3~5年続けます。
薬を飲んでもなおりません
薬を投与しても症状の改善が乏しい重症のアレルギー性鼻炎の方に対しては、手術療法を行うことがあります。
鼻の中の鼻汁や鼻づまりを引き起こす神経を切断して症状を緩和させたり、鼻づまりが強い場合は腫れている鼻の粘膜下の組織や骨を切除して鼻の通りをよくしたり、もともと鼻の骨が左右どちらかに曲がっている場合は曲がった骨を矯正することで症状を改善させます。 | 鼻の骨が左右どちらかに曲がっている場合、アレルギー性鼻炎治療法はどうしたらいいですか。 | 手術療法による鼻の骨の矯正手術によって鼻の通りを改善し、アレルギー性鼻炎の症状を緩和します。 |
Subsets and Splits
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